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特表2024-534423移動ロボットシステムのための新アーキテクチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】移動ロボットシステムのための新アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   B62D 57/032 20060101AFI20240912BHJP
   B25J 5/00 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
B62D57/032 Z
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516817
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2022075544
(87)【国際公開番号】W WO2023041592
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2109688
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524099038
【氏名又は名称】ニンブル・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ル・マレック,ティトゥアン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707WA12
3C707WA16
(57)【要約】
本発明は、移動が可能な移動ロボットシステム(100)に関し、移動ロボットシステムは、ループを形成するように、互いに対で直列に接続されたNの関節式に連結された構造を有し、Nは3以上の正整数であり、クォードラント(Q1、Q2、Q3)と呼ばれる関節式に連結された各構造は、-胴部肢(T1、T2、T3)と呼ばれる第1の肢、および最後の肢を含む少なくとも2つの連続する肢であって、クォードラントの2つの連続する部材は、軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする継手により互いに接続された少なくとも2つの連続する肢と、-クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)と呼ばれる継手であって、クォードラントのクォードラント端部継手は、クォードラントの最後の肢を次のクォードラントの胴部に接続する継手とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループを構成するように、互いに対で直列に接続されたNの関節式に連結された構造を含む、動くことができる移動ロボットシステム(100)であって、Nは3以上の正整数であり、
クォードラント(quadrant)(Q1、Q2、Q3)とも呼ばれる各前記関節式に連結された構造は、
-胴部(T1、T2、T3)とも呼ばれる第1の肢、および最後の肢を含む少なくとも2つの連続する肢であって、前記クォードラントの2つの連続する肢は、軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする継手により互いに接続された少なくとも2つの連続する肢と、
-クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)とも呼ばれる継手と
を含み、
前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、前記クォードラントの前記最後の肢を次のクォードラントの前記胴部に連結するロボットシステム(100)において、
前記ロボットシステムの少なくとも1つの前記クォードラントは、
-前記胴部(T1、E2、T3)と、
-第1の軸(Z11、Z12、Z13)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、第1の継手とも呼ばれる継手により前記胴部に連結した、肩部(E1、E2、E3)とも呼ばれる第2の肢と、
-第2の軸(Y21、Y22、Y23)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、第2の継手とも呼ばれる継手により前記肩部に連結した、腕部(B1、B2、B3)とも呼ばれる第3の肢であって、前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である第3の肢と
を含む、少なくとも3つの連続する肢を含むことを特徴とするロボットシステム(100)。
【請求項2】
各前記クォードラントが連結した中央本体をまったく含まない、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項3】
前記クォードラントの前記継手のすべてまたは一部を動かすように構成された作動手段を含む、請求項1または2に記載のロボットシステム(100)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)は、軸受面と接触するようになることを意図する軸受部(PA1、PA2、PA3)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項5】
2つの連続する前記クォードラントを可逆的に切り離すように構成された少なくとも1つのロック/ロック解除機器を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのクォードラント(Q1、Q2、Q3)に、少なくとも1つの道具を受け入れるように構成された、前記クォードラントの前記肢の1つに可逆的または不可逆的に連結したコネクタを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのクォードラントが3つの連続する肢だけを含むとき、前記腕部は、前記最後の肢であり、前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、球継手接続である、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項8】
少なくとも3つの連続する肢を伴う前記少なくとも1つのクォードラントは、
-前記胴部(T1、T2、T3)と、
-前記第1の継手により前記胴部に連結した前記肩部(E1、E2、E3)と、
-前記第2の継手により前記肩部に連結した前記腕部(B1、B2、B3)と、
-第3の継手とも呼ばれる継手により前記腕部に連結した、前腕部(AB1、AB2、AB3)とも呼ばれる第4の最後の肢と
を含む4つの連続する肢を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項9】
前記第3の継手は、第3の軸(Y31、Y32、Y33)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第3の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)に平行である、請求項8に記載のロボットシステム(100)。
【請求項10】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、回転軸(Yf1、Yf2、Yf1)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、請求項8または9に記載のロボットシステム(100)。
【請求項11】
前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf1)は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)および前記第3の軸(Y31、Y32、Y33)に平行である、請求項10に記載のロボットシステム(100)。
【請求項12】
前記作動手段は、前記ロボットシステムを形成する前記継手ごとに、関連するモータを含む、請求項3、または請求項9~11のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項13】
前記作動手段は、前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントに、
-前記クォードラントの前記第1の継手を駆動するように構成されたモータ(M1)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記クォードラント端部継手の中から選択された2つの前記継手を駆動するように構成された2つのモータ(M2、M3)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記クォードラント端部継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム(80)と
を含む、請求項9~11のいずれか一項、または請求項3に記載のロボットシステム(100)。
【請求項14】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)は、
-前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記最後の肢、および次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)を連結する枢動接続である、または
-一方では前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)を中心とする回転を可能にする枢動接続により前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記最後の肢に、他方では自由度がまったくない接続により前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)に連結した、前胴部と呼ばれる補助部を含む、
請求項10~13のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項15】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)が前記前胴部を含むとき、前記クォードラントおよび次のクォードラントは、前胴部を前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)に連結する、自由度がない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される、請求項14または5に記載のロボットシステム(100)。
【請求項16】
前記少なくとも3つの連続する肢を伴う前記少なくとも1つのクォードラントは、
-前記胴部(T1、T2、T3)と、
-前記第1の継手により前記胴部に連結した前記肩部(E1、E2、E3)と、
-前記第2の継手により前記肩部に連結した前記腕部(B1、B2、B3)と、
-第3の継手とも呼ばれる継手により前記腕部に連結した、前腕部(AB1、AB2、AB3)とも呼ばれる第4の肢と、
-第4の継手とも呼ばれる継手により前記前腕部に連結した、手首部(P1、P2、P3)とも呼ばれる第5の最後の肢と
を含む5つの連続する肢を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項17】
-前記第3の継手は、第3の軸(Y31、Y32、Y33)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第3の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)に平行であり、
-前記第4の継手は、第4の軸(Y41、Y42、Y43)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第4の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)および前記第3の軸(Y31、Y32、Y34)に平行である、
請求項16に記載のロボットシステム(100)。
【請求項18】
前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、請求項16または17に記載のロボットシステム(100)。
【請求項19】
前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)の前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)は、前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記第1の継手の前記第1の軸(Z11、Z12、Z13)に平行である、請求項18に記載のロボットシステム(100)。
【請求項20】
前記作動手段は、前記ロボットシステムを形成する前記継手ごとに、関連するモータを含む、請求項3、または請求項16~19のいずれか一項に記載のロボットシステム(100)。
【請求項21】
前記作動手段は、前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントに、
-前記クォードラントの前記第1の継手を駆動するように構成されたモータ(M1)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記第4の継手の中から選択された2つの前記継手を駆動するように構成された2つのモータ(M2、M3)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記第4の継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムと
を含む、請求項19または3に記載のロボットシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動ロボットシステムのための新アーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
移動ロボットの性能は、そのアーキテクチャおよび搭載されたアルゴリズムにより主に規定される。これら2つの構成要素には関係があるが、移動ロボットの能力は、移動ロボットのアーキテクチャにより主に規定され制限されるのに対して、搭載されたアルゴリズムは、自身を拡張することなくできるだけ最良の能力を利用できるようにする。
【0003】
現在の高移動性ロボットアーキテクチャの中でも、人間のアーキテクチャを模倣することにより人間の環境に自然に適した、たとえば二足歩行ロボットについて言及されることがある。これらのアーキテクチャの形状は、ほとんど変化がなく、改善点は、主に制御アルゴリズムに集中する。これらの二足歩行ロボットの主な欠点の1つは、これらの二足歩行ロボットの高い重心に、したがって、これらの二足歩行ロボットの低い安定性臨界に関係があるため、これらのロボットを本分野で導入するのが比較的困難になっている。
【0004】
さらにまた、四脚などの多脚ロボット、または連結式車両(一般にいわゆるローバ)について言及されることがある。一般に、これらの多脚ロボットは、複数の関節式に連結された脚が伸びる中央基部の形をとる。中央基部は、これらのロボットのセンサ、電池、およびマイクロコントローラのすべてを収容できるようにする。二足歩行ロボットと比較して、これらのロボットには、脚を配置する自由度がより大きいという有利な点がある。それに加えて、脚または中央基部のいずれかにこれらのロボットのマニピュレータを据え付けることが可能である。しかしながら、中央基部は、ロボットの移動性に影響を及ぼすので、これらの多脚ロボットを制約する主な原因である。実際は、中央基部は自力で運動できないので、軌跡は、該軌跡上に位置する障害物を多脚ロボットの中央基部が回避できる場合だけ多脚ロボットにより追従できる。このように、高い中央基部を有する多脚ロボットだけが、岩の多い地形を横断できる。それにもかかわらず、高い位置にある中央基部は、ロボットが質量のほとんどを集中させて重心を高くするので、ロボットの安定性を低下させる。
【0005】
参考文献である中国特許第103303385号明細書および中国特許第105619396号明細書は、対で直列に関節式に連結された、ループを形成する構造を含むロボットシステムのアーキテクチャの例について記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許第103303385号明細書
【特許文献2】中国特許第105619396号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の欠点を克服することを目的とし、ロボットシステムの新アーキテクチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、ループを構成するように、互いに対で直列に連結されたNの関節式に連結された構造を含む、動くことができる移動ロボットシステムに関し、Nは3以上の正整数である。クォードラント(quadrant)とも呼ばれる関節式に連結された各構造は、
-胴部とも呼ばれる第1の肢(limb)および最後の肢を含む少なくとも2つの連続する肢であって、クォードラントの2つの連続する肢は、軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする継手により互いに連結された少なくとも2つの連続する肢と、
-クォードラント端部継手とも呼ばれる継手と
を含む。
【0009】
クォードラントのクォードラント端部継手は、該クォードラントの最後の肢を次のクォードラントの胴部に連結する。
【0010】
このように、本発明は有利には、対で関節式に連結されたクォードラントからアーキテクチャが構成されたロボットシステムを提供する。
【0011】
ロボットシステムは、自身が動く地形を歩き、転がり、地形に適合できるように、空間の中にクォードラントを位置決めできるようにする。有利には、そのようなロボットシステムは、地形の障害物に関してロボットシステムの移動性を高めることができるようにする。
【0012】
ロボットシステムは、有利には現場で該ロボットシステムの静的安定性を保証する、少なくとも3つのクォードラントを含む。3つのクォードラントを有するロボットシステムは、どんな地形に対しても平衡状態にある。4つのクォードラントを有するシステムは、胴部の1つをマニピュレータとして使用可能にし、一方、その他の3つのクォードラントは、地面と平衡状態で接触することを保証する。
【0013】
好ましくは、ロボットシステムの各クォードラントは、同数の肢を含む。しかしながら、異なる数の肢を有するクォードラントを有するロボットシステムを提供することを妨げるものは何もない。
【0014】
特定の実施形態によれば、本発明によるロボットシステムは、別個に、または技術的に実現可能な組合せのいずれかで実装された以下の特徴をさらに満たす。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムは、各クォードラントが連結した中央本体を含まない。
【0016】
ロボットシステムは、対で関節式に連結されたクォードラントからなるアーキテクチャを有する。このように、中央本体をまったく伴わないロボットシステムは、主要な運動学的ループだけに基づいて組織化されたアーキテクチャを提案する。
【0017】
有利には、ロボットシステムは、自身の2つの直接隣にそれぞれ連結された多数のクォードラントのみから構成されるが、多脚ロボットのように振る舞う。
【0018】
中央本体がないことにより、いずれかの興味深い機械的性質が与えられる。
-移動性および安定性に関して、ロボットシステムの重心が自然に低くなる。
-移動性および最低地上高に関して、ロボットシステムには中央本体がないので、最低地上高(すなわち、障害物を横断する車両の能力の測定値)は測りきれず、ロボットシステムの構成は、どんなタイプの地形にも適合してよく、岩の多い領域だけではなく狭い領域も到達可能である。
-転倒に対する抵抗力に関して、興味深い機械的性質が与えられる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムは、クォードラントの継手のすべてまたは一部を動かすように構成された作動手段を含む。互いに連結された連続するクォードラントが形成する運動学的ループは、動きの制約をロボットシステムに導入する。有利には、これらの動きの制約は、ロボットシステムの継手のすべてを動かすことができるようにし、一方、適切に選択された継手のサブセットだけが作動手段を装備する。代わりに、ロボットシステムの作動手段がクォードラントの継手のすべてを作動させるとき、詳細には1つまたは複数の作動手段を失う結果、有利にはロボットシステムを強固にする冗長性がロボットシステムの作動に導入される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムの少なくとも1つのクォードラントは、軸受面と接触するようになることを意図する軸受部を含む。好ましくは、ロボットシステムのクォードラントのすべては、軸受部を含む。
【0021】
一例では、軸受部は足部、すなわち車輪であってよい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムは、2つの連続するクォードラントを可逆的に切り離すように構成された少なくとも1つのロック/ロック解除機器を含む。有利には、自身に隣接するクォードラントのうち1つから切り離されたクォードラントは、はるかにより広い到達可能な動く領域を有する。このように、クォードラントは、たとえばより遠くにある対象物と相互作用可能であってよい。ロボットシステムはまた、たとえば狭いトンネルを通り抜ける長方形の形状を呈してよい。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムは、少なくとも1つのクォードラントに、少なくとも1つの道具を受け入れるように構成された、該クォードラントの肢の1つに可逆的または不可逆的に連結されたコネクタを含む。ロボットシステムは、たとえば真空掃除機、締め具などのような特有の道具を装備してよい。
【0024】
本発明の好ましい変形形態では、ロボットシステムの少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手とも呼ばれる継手により該胴部に連結された、肩部とも呼ばれる第2の肢、
-第2の継手とも呼ばれる継手により該肩部に連結された、腕部とも呼ばれる第3の肢
を含む、少なくとも3つの連続する肢を含む。
【0025】
有利には、肢を追加することにより、クォードラントの第1の肢に対してクォードラントの最後の肢が到達可能な動く領域を増大させることができるようになる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、該少なくとも1つのクォードラントの第1の継手は、第1の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、第2の継手は、第2の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、第2の軸は、該第1の軸に垂直である。
【0027】
そのような構成では、2つの継手は、有利には人体の肩部/腕部集合体の典型的な動きを再生する。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのクォードラントが3つの連続する肢だけを含むとき、腕部は、最後の肢であり、該クォードラントのクォードラント端部継手は、好ましくは球継手接続である。有利には、球継手接続は、非常に多様な動きを達成できるようにし、機械的に容易に作ることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも3つの連続する肢を有する少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手により該胴部に連結した肩部、
-第2の継手により該肩部に連結した腕部、および
-第3の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、前腕部とも呼ばれる第4の最後の肢
を含む4つの連続する肢を含む。
【0030】
好ましい実施形態では、該第3の継手は、第3の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、該第3の軸は、該第2の軸に平行である。好ましくは、4つの連続する肢を有する該クォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。該回転軸は、第2の軸および第3の軸に平行である。
【0031】
好ましい実施形態では、作動手段は、ロボットシステムを形成する継手ごとに、関連するモータを含む。
【0032】
好ましい実施形態では、作動手段は、4つの連続する肢を有するクォードラントに、
-該クォードラントの第1の継手を駆動するように構成されたモータ、
-第2の継手、第3の継手、およびクォードラント端部継手の中から選択された2つの継手を駆動するように構成された2つのモータ、
-第2の継手、第3の継手、およびクォードラント端部継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム
を含む。
【0033】
好ましい実施形態では、4つの連続する肢を有するクォードラントのクォードラント端部継手は、
-4つの連続する肢を有する該クォードラントの最後の肢、および次のクォードラントの胴部を連結する枢動接続である、または
-一方では回転軸を中心とする回転を可能にする枢動接続により4つの連続する肢を有する該クォードラントの最後の肢に、他方では自由度がまったくない接続により次のクォードラントの胴部に連結された、前胴部(pre-torso)とも呼ばれる補助部を含む。
【0034】
好ましい例では、4つの連続する肢を有するクォードラントのクォードラント端部継手が前胴部を含むとき、該クォードラントおよび次のクォードラントは、前胴部を該次のクォードラントの胴部に連結する自由度がまったくない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも3つの連続する肢を有する該少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手により該胴部に連結した肩部、
-第2の継手により該肩部に連結した腕部、
-第3の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、前腕部とも呼ばれる第4の肢、
-第4の継手とも呼ばれる継手により該前腕部に連結した、手首部とも呼ばれる第4の最後の肢
を含む5つの連続する肢を含む。
【0036】
好ましい実施形態では、第3の継手は、第3の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、該第3の軸は、該第2の軸に平行であり、第4の継手は、第4の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、該第4の軸は、該第2の軸および該第3の軸に平行である。
【0037】
好ましい実施形態では、5つの連続する肢を有する該クォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。好ましくは、5つの連続する肢を有する該クォードラントのクォードラント端部継手の回転軸は、次のクォードラントの第1の継手の第1の軸に平行である。
【0038】
好ましい実施形態では、作動手段は、ロボットシステムを形成する継手ごとに、関連するモータを含む。
【0039】
好ましい実施形態では、作動手段は、5つの連続する肢を含むクォードラントに、
-該クォードラントの第1の継手を駆動するように構成されたモータ、
-第2の継手、第3の継手、および第4の継手の中から選択された2つの継手を駆動するように構成された2つのモータ、ならびに
-第2の継手、第3の継手、および第4の継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム
を含む。
【0040】
本発明の好ましい変形形態では、少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手とも呼ばれる継手により該胴部に連結した、肩部とも呼ばれる第2の肢、
-第2の継手とも呼ばれる継手により該肩部に連結した、腕部とも呼ばれる第3の肢、
-第3の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、前腕部とも呼ばれる第4の肢
を含む、少なくとも4つの連続する肢を含む。
【0041】
有利には、肢を追加することにより、クォードラントの第1の肢に対してクォードラントの最後の肢が到達可能な動く領域を増大させることができるようになる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、該少なくとも1つのクォードラントの第1の継手は、第1の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、クォードラントの第2の継手は、第2の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、第3の継手は、第3の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。第2の軸は、該第1の軸に垂直である。第3の軸は、該第2の軸に平行である。
【0043】
本発明の好ましい実施形態では、該少なくとも1つのクォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、クォードラントが4つの連続する肢だけを含むとき、前腕部は、該クォードラントの最後の肢であり、回転軸は、第2の軸および第3の軸に平行である。
【0045】
このように、クォードラントの第2の継手、第3の継手、およびクォードラント端部継手は、有利にはRRRタイプの機構を、すなわち平行軸に伴う3つの連続する回転を形成する。そのような機構は、それ自体が公知であり、機械的に容易に作ることができる。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、作動手段は、ロボットシステムを形成する継手ごとに、関連するモータを含む。
【0047】
本発明の好ましい実施形態では、作動手段は、4つの連続する肢だけを含むクォードラントに、
-クォードラントの第1の継手を駆動するように構成されたモータ、
-第2の継手、第3の継手、およびクォードラント端部継手の中から選択された2つの継手を駆動するように構成された2つのモータ、ならびに
-第2の継手、第3の継手、およびクォードラント端部継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム
を含む。
【0048】
有利には、そのような実施形態は、ロボットシステムの継手を制御するためのモータの数を低減できるようにし、したがってその結果、ロボットシステムの重量および費用を低減できるようにする。
【0049】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのクォードラントのクォードラント端部継手は、
-該クォードラントの最後の肢および次のクォードラントの胴部を連結する枢動接続である、または
-一方では回転軸を中心とする回転を可能にする枢動接続により該クォードラントの最後の肢に、他方では回転自由度がまったくない接続により次のクォードラントの胴部に連結された、前胴部と呼ばれる補助部を含む。
【0050】
本発明の好ましい例では、クォードラントのクォードラント端部継手が前胴部を含むとき、このクォードラントおよび次のクォードラントは、前胴部を次のクォードラントの胴部に連結する、自由度がまったくない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される。
【0051】
本発明の好ましい変形形態では、ロボットシステムの少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手とも呼ばれる継手により該胴部に連結した、肩部とも呼ばれる第2の肢、
-第2の継手とも呼ばれる継手により該肩部に連結した、腕部とも呼ばれる第3の肢、
-第3の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、前腕部とも呼ばれる第4の肢、
-第4の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、手首部とも呼ばれる第5の最後の肢
を含む、少なくとも5つの連続する肢を含む。
【0052】
有利には、肢を追加することにより、クォードラントの第1の肢に対してクォードラントの最後の肢が到達可能な動く領域を増大させることができるようになる。
【0053】
本発明の好ましい実施形態では、クォードラントの第1の継手は、第1の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、クォードラントの第2の継手は、第2の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、第3の継手は、第3の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、第4の継手は、第4の軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。第2の軸は、該第1の軸に垂直であり、第3の軸は、該第2の軸に平行であり、第4の軸は、該第2の軸および該第3の軸に平行である。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、該クォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、該クォードラントの該クォードラント端部継手の回転軸は、次のクォードラントの第1の継手の第1の軸に平行である。
【0056】
このように、そのようなクォードラントの第1の継手および第2の継手は、有利には人体の肩部/腕部集合体の典型的な動きを再現する。有利には、第2の継手および第4の継手は、それ自体公知で機械的に容易に作ることができるRRRタイプの機構を形成する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態では、作動手段は、ロボットシステムを形成する継手ごとに、関連するモータを含む。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、作動手段は、5つの連続する肢を含むクォードラントに、
-クォードラントの第1の継手を駆動するように構成されたモータ、
-第2の継手、第3の継手、および第4の継手の中から選択された2つの継手を駆動するように構成された2つのモータ、ならびに
-第2の継手、第3の継手、および第4の継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム
を含む。
【0059】
有利には、そのような実施形態は、ロボットシステムの継手を制御するためのモータの数を低減できるようにし、したがってその結果、ロボットシステムの重量も費用も低減できるようにする。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、ロボットシステムの少なくとも1つのクォードラントは、
-胴部、
-第1の継手とも呼ばれる継手により該胴部に連結した、肩部とも呼ばれる第2の肢、
-第2の継手とも呼ばれる継手により該肩部に連結した、腕部とも呼ばれる第3の肢、
-第3の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、前腕部とも呼ばれる第4の肢、
-第4の継手とも呼ばれる継手により該腕部に連結した、手首部とも呼ばれる第5の最後の肢、
-第5の継手とも呼ばれる継手により前手首部に連結した、手部とも呼ばれる第6の肢
を含む、少なくとも6つの連続する肢を含む。
【0061】
有利には、該少なくとも1つのクォードラントに肢を追加することにより、第1の肢に対して最後の肢が到達可能な動く領域を増大させることができるようになる。それに加えて、該少なくとも1つのクォードラントは、クォードラント端部継手を数に入れると、6つの継手を含む。そのような構成では、枢動接続のための各継手を低減することにより、該少なくとも1つのクォードラントはまた、有利には6つの自由度を有し、6つの自由度は、3次元空間で完全に自由に位置決め可能にする最小数の自由度である。枢動接続は、作ることが最も簡単な接続であるので、ロボットシステムは、機械的に容易に作ることができる。
【0062】
本発明は、以下の図を参照して行う限定しない例として示す以下の記述を読むことよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】2つの肢を備える、本発明によるロボットシステムのクォードラントの第1の構成を示す。
図2図1による3つのクォードラントを備えるロボットシステムの概略的な例を示す。
図3】3つの肢を備える、本発明によるロボットシステムのクォードラントの第2の構成を示す。
図4図3による3つのクォードラントを備えるロボットシステムの概略的な例を示す。
図5】4つの肢を備える本発明によるロボットシステムのクォードラントの第3の構成を示す。
図6図5による4つのクォードラントを備えるロボットシステムの概略的な例を示す。
図7】「クォードラント-クォードラントを次のクォードラントに連結するクォードラント端部継手」組立体に関する第1の実施形態による作動手段の概略的な例を示す。
図8】「クォードラント-クォードラントを次のクォードラントに連結するクォードラント端部継手」組立体に関する第2の実施形態による作動手段の例を示す。
図9】クォードラントの肢の形状の例の透視図を示す。
図10】2つの連続するクォードラントの肢に関する、肢の配列の例の透視図を示す。
図11】クォードラントの肢の形状の別の例の透視図を示す。
図12】第3の構成による4つのクォードラントを備えるロボットシステムの別の例を示す。
図13図12のロボットシステムのクォードラントの実施形態を例示する。
図14図13のクォードラントの分解図を示す。
図15図13のクォードラントの胴部-肩部組立体の拡大図を示す。
図16図15の胴部-肩部組立体の2つの分解図を示す。
図17図13のクォードラントの胴部-肩部組立体の変形形態を示す。
図18図17の胴部-肩部組立体の2つの分解図を示す。
図19図13のクォードラントの腕部の透視図を示す。
図20図13のクォードラントの腕部の別の透視図を示す。
図21図13のクォードラントの前腕部の透視図を示す。
図22図13のクォードラントの前腕部の別の透視図を示す。
図23】第1のクォードラントを第2のクォードラントから切り離すためのロック/ロック解除システムの例を示す。
図24図23のロック/ロック解除システムの分解図を示す。
図25】車輪組立体を装備する胴部-肩部組立体を例示する。
図26図25の車輪組立体を装備する胴部-肩部組立体の分解図を示す。
図27図26の車輪組立体の一部分の分解図を示す。
図28】5つの肢を備える、本発明によるロボットシステムのクォードラントの第4の構成を示す。
図29図28による4つのクォードラントを備えるロボットシステムの概略的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
これらの図では、図ごとの同一参照番号は、同一または類似の要素を指す。その上、明確にするために、図面は、特に指定のない限り同一単位で測れるように描かれていない。
【0065】
以下の記述では、明確にするためにいくつかの要素を人体に対応する用語で指定し、これらの要素は、実質的に同等の機能を果たす。
【0066】
好ましくは、本発明によるロボットシステム100は、歩行者タイプの移動ロボットシステムである。ロボットシステム100は、どんなタイプの地形でも、岩が多くても動くことができ、動くことを意図する。ロボットシステムは、自分自身の手段で動くように構成される。有利には、ロボットシステム100は、たとえば地面であれテーブルであれ、どんな軸受面にもしっかりと固定されるわけではない。
【0067】
本発明によるロボットシステム100は、互いに対で直列に連結されたNの関節式に連結された構造Qを含む。Nは3以上の正整数である。
【0068】
換言すれば、ロボットシステム100は、Nの関節式に連結された構造Qのすべてが閉ループを形成するようなものである。
【0069】
好ましくは、ロボットシステム100は、Nの関節式に連結された構造だけにより形成される。既存の歩行式ロボットシステムとは対照的に、本発明によるロボットシステムは、関節式に連結された構造Qを取り付けるどんな中央本体も含まない。
【0070】
本明細書の残りの部分では、関節式に連結された構造をクォードラントQと呼ぶ。
【0071】
任意のタイプの地形でロボットシステム100にその静的安定性を保証するために、最小数の3つのクォードラントQが必要である。
【0072】
ロボットシステム100の各クォードラントQは、少なくとも2つの連続する肢を含む。これら少なくとも2つの連続する肢の中でも、胴部Tとも呼ばれる最初の肢、および最後の肢がある。2つの連続する肢は、軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする継手により互いに連結される。
【0073】
各クォードラントQは、いわゆるクォードラント端部継手をさらに含む。
【0074】
好ましくは、少なくとも2つの肢は、たとえばプラスチック、アルミニウム、ステンレス鋼の材料、または材料の組合せなどの剛性材料から作られる。
【0075】
一実施形態では、本発明によるロボットシステムは、クォードラントの継手のすべてまたは一部を動かすように構成された作動手段を含む。好ましくは、作動手段は、クォードラントの継手の組立体を動く状態に設定するように構成される。
【0076】
作業手段の一実施形態では、該作動手段は、ロボットシステムのクォードラントの継手の一部のための関連するモータを含む。換言すれば、ロボットシステムは、継手よりも少ないモータを含む。
【0077】
作動手段の好ましい実施形態では、該作動手段は、ロボットシステムのクォードラントの継手ごとに、関連するモータを含む。換言すれば、ロボットシステムは、継手と同数のモータを含む。一実施形態では、ロボットシステム100の少なくとも1つのクォードラントは、たとえば地面などの軸受面と接触するようになることを意図する少なくとも1つの軸受部PAを含む。軸受部は、クォードラントの少なくとも2つの肢の一方に、好ましくはクォードラントの胴部Tに連結される。
【0078】
好ましくは、ロボットシステム100の各クォードラントQは、少なくとも1つの軸受部PAを含む。
【0079】
一例では、軸受部は足部を含む。足部は、クォードラントの少なくとも2つの肢の一方にしっかりと連結される。「しっかりと連結される」により、足部と、足部が連結されるクォードラントの肢との間に、自由度がまったくないことを理解されたい。
【0080】
軸受部の別の例では、軸受部PAは車輪を含む。車輪は、1つまたは2つの自由度を可能にする継手により、クォードラントの少なくとも2つの肢の一方に、好ましくはクォードラントQの胴部Tに連結される。
【0081】
軸受部の例について、あとで記述する。
【0082】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100は、2つの連続するクォードラントを可逆的に切り離すように構成された少なくとも1つのロック/ロック解除機器を含む。換言すれば、ロボットシステムのクォードラントにより形成された閉ループは開閉できる。
【0083】
好ましくは、ロボットシステム100は、クォードラントと同数のロック/ロック解除機器を含み、それにより、有利には必要なときにロボットシステムの任意のクォードラントを切り離すことができるようになる。
【0084】
好ましくは、ロック/ロック解除機器は、第2の締結要素を用いて取外し可能に協働するように構成された第1の締結要素を含む。好ましくは、第1の締結要素は、2つの連続するクォードラントの一方に配列され、第2の締結要素は、他方のクォードラントに配列される。
【0085】
好ましくは、ロック/ロック解除機器は、クォードラントのクォードラント端部継手を解体できるようにする。
【0086】
一例では、ロック/ロック解除機器は電磁機器である。
【0087】
別の例では、ロック/ロック解除機器は、機械要素および電磁要素から構成されたハイブリッド機器である。
【0088】
有利には、作動手段は、少なくとも1つのロック/ロック解除機器を制御するように構成される。
【0089】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100は、少なくとも1つのクォードラントQに、該少なくとも1つのクォードラントの肢の1つに連結したコネクタを含む。コネクタは、たとえば、締め具などの、対象物を把持するための機器、吸着カップ、可撓成膜、農業の道具(たとえば収穫する道具、除草道具、種子をまく道具など)、製造道具(たとえば溶接道具、穿孔道具、ねじ切り道具、組立道具など)、家庭用ケア道具(たとえば真空掃除機、洗濯道具など)、または測定機器(たとえば温度、湿度、電磁波(無線波または無線放射)、機械(音響、地震)のセンサ)など、少なくとも1つの道具を受け入れるように構成され、これらのリストは網羅的ではない。
【0090】
コネクタは、該少なくとも1つのクォードラントの該肢に可逆的または不可逆的に連結される。
【0091】
好ましくは、コネクタは、次のクォードラントから切り離すことができる、クォードラントの肢の上に配列される。
【0092】
好ましくは、ロボットシステムは、クォードラントあたり1つのコネクタを含む。
【0093】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100は、少なくとも1つのクォードラントに知覚システムを含む。
【0094】
好ましくは、ロボットシステムは、各クォードラントに知覚システムを含む。
【0095】
一例では、該知覚システムは、少なくとも1つのカメラ、ステレオもしくはモノ、または任意の他の知覚センサ、たとえば、ライダ(lidar)、TOF(Time of Flight)センサ、超音波センサ、赤外線センサ、タッチセンサ、または慣性ユニットを含んでよく、このリストは、網羅的ではない。いくつかのセンサが知覚センサを作り上げるとき、これらのセンサは、クォードラントの1つで一緒にグループ化されても、クォードラントのいくつかの肢に分散してもよい。
【0096】
次に、クォードラントの5つの構成について記述する。構成ごとに、クォードラントあたりの肢の数は異なる。
【0097】
記述する5つの構成では、ロボットシステムは、すべて同数の肢を有するクォードラントを含む。しかしながら、同数の肢をすべて有するわけではないクォードラントを備えるロボットシステムを作ることもまた可能である。
【0098】
A-2つの肢を有する少なくとも1つのクォードラントを含むロボットシステム(図1および図2
第1の構成では、図1に例示するように、ロボットシステム100のクォードラントQは、2つの連続する肢を含む。
【0099】
図2の限定しない例では、ロボットシステム100は、それぞれ2つの肢を含む3つのクォードラントQ1、Q2、Q3を含む。クォードラントを図1に例示し、3つの数で記述するが、これらのクォードラントの数は、記述し例示する数に限定されない。このように、本発明の範囲を逸脱することなく、4つのクォードラントまたはそれよりも多くのクォードラントを有するロボットシステムを作ることが可能である。
【0100】
一般に図1に概略的に例示するように、第1の構成によるクォードラントQは、
-胴部Tとも呼ばれる第1の肢、
-肩部Eとも呼ばれる第2の肢
を連続して含む。
【0101】
この第1の構成では、肩部Eは、このようにクォードラントの最後の肢を形成する。
【0102】
肩部Eは、第1の継手とも呼ばれる継手により胴部Tに連結される。該第1の継手は、図1に例示するように、第1の軸Z1とも呼ばれる軸の少なくとも1つの回転を可能にする。
【0103】
好ましくは、第1の継手は、少なくとも3つの自由度を可能にする。さらにより好ましくは、第1の継手は、第1の軸Z1を含む3つの垂直軸を中心とする少なくとも3つの回転を可能にする。
【0104】
図1の例では、第1の継手は、第1の軸Z1を含む3つの垂直軸を中心とする3つの回転を可能にする。この例では、第1の継手は、球継手接続である。
【0105】
クォードラントの胴部Tおよび肩部Eは、第1の継手を介して得た、胴部Tに対する肩部Eの動きを制限しない限り、さまざまな形状を有してよい。
【0106】
図1に例示する限定しない例では、クォードラントQの胴部Tは、概して円筒状本体の形をとる。クォードラントQの肩部Eは、細長い本体の形をとる。クォードラントQの肩部Eは、2つの長手方向端部を、いわゆる第1の長手方向端部21および第2の長手方向端部22を有する。肩部Eは、その第1の長手方向端部21で、第1の継手を介して胴部Tと回転状態で関節式に連結される。
【0107】
クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、図2に例示するように、該クォードラントの肩部Eを次のクォードラントの胴部に連結する。より具体的には、クォードラント端部継手は、該クォードラントの肩部Eを第2の長手方向端部22で次のクォードラントの胴部に連結する。
【0108】
好ましくは、クォードラント端部継手AQは、少なくとも3つの自由度を可能にする。さらにより好ましくは、クォードラント端部継手AQは、回転軸Yfとも呼ばれる軸を含む3つの垂直軸を中心とする少なくとも3つの回転を可能にする。
【0109】
図1および図2の例では、クォードラントのクォードラント端部継手は、3つの垂直軸を中心とする3つの回転を可能にする。この例では、クォードラント端部継手は、球継手接続である。
【0110】
一実施例では、クォードラントQが軸受部PAを含むとき、該軸受部は、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの胴部Tまたは肩部Eに連結される。
【0111】
図1の例では、軸受部PAは足部54である。
【0112】
次に、ロボットシステム100が、2つの肢をそれぞれ備える3つのクォードラントを含む、図2の限定しない例に戻ると、各クォードラントは、本明細書で上記に記述する形をとる。
【0113】
このように、類推によれば、第1のクォードラントQ1は、
-胴部T1、
-第1の軸Z11を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T1に連結した肩部E1
を含む。
【0114】
第2のクォードラントQ2は、
-胴部T2、
-第1の軸Z12を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする第1の継手により胴部T2に連結した肩部E2
を含む。
【0115】
第3のクォードラントQ3は、
-胴部T3、
-第1の軸Z13を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする第1の継手により胴部T3に連結した肩部E3
を含む。
【0116】
第1のクォードラントQ1は、自身を第2のクォードラントQ2に連結するクォードラント端部継手AQ1を含む。第1のクォードラントQ1の該クォードラント端部継手AQ1は、回転軸Yf1を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。
【0117】
第2のクォードラントQ2は、自身を第3のクォードラントQ3に連結するクォードラント端部継手AQ2を含む。第2のクォードラントの該クォードラント端部継手AQ2は、回転軸Yf2を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。
【0118】
第3のクォードラントQ3は、自身を第4のクォードラントQ4に連結するクォードラント端部継手AQ3を含む。第3のクォードラントQ3の該クォードラント端部継手AQ3は、回転軸Yf3を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。
【0119】
好ましくは、作動手段は、ロボットシステム100のクォードラントの継手のすべてまたは一部を動かして、どんなタイプの地形でも該ロボットシステムの動きを確実にするように構成される。
【0120】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100が、少なくとも1つのクォードラントに道具を受け入れるように構成されたコネクタを含むとき、該コネクタは、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの肩部に、たとえば肩部の第2の端部22に配列される。
【0121】
一実施形態では、ロボットシステム100が少なくとも1つのクォードラントに軸受部を含むとき、該軸受部は、胴部または肩部に連結されてよい。
【0122】
図2の限定しない例では、第1のクォードラントQ1は、好ましくは該肩部の第1の端部に、肩部E1に連結した、足部54の形の軸受部PA1を含む。第3のクォードラントQ3は、胴部T3に連結した、足部54の形をとる軸受部PA3を含む。
【0123】
B-3つの肢を有する少なくとも1つのクォードラントを含むロボットシステム(図3および図4
第2の構成では、図3に例示するように、ロボットシステム100のクォードラントQは、3つの連続する肢を含む。
【0124】
図4の限定しない例では、ロボットシステム100は、それぞれ3つの肢を含む3つのクォードラントQ1、Q2、Q3を含む。クォードラントを図4に例示し、3つの数で記述するが、これらのクォードラントの数は、記述し例示する数に限定されない。このように、本発明の範囲を逸脱することなく、4つのクォードラントまたはそれよりも多くのクォードラントを有するロボットシステムを作ることが可能である。
【0125】
この第2の構成は、第1の構成で記述した要素(肢、継手)のすべてを再現する。
【0126】
このように、一般に図3に概略的に例示するように、第2の構成によるクォードラントQは、胴部Tおよび肩部Eの他に腕部Bとも呼ばれる第3の肢を連続して含む。
【0127】
この第2の構成では、腕部Bは、このようにクォードラントQの最後の肢を形成する。
【0128】
第1の構成に関するように、肩部Eは、第1の継手により胴部Tに連結される。該第1の継手は、第1の軸Z1を有する少なくとも1つの回転を可能にする。
【0129】
好ましくは、図3に例示するように、第1の継手は、第1の軸Z1を中心とする回転だけを可能にする。
【0130】
腕部Bは、第2の継手とも呼ばれる継手により肩部Eに連結される。該第2の継手は、第2の軸Y2とも呼ばれる軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。
【0131】
好ましくは、第2の軸Y2は、第1の軸Z1に平行である。
【0132】
好ましくは、図3に例示するように、第2の継手は、第2の軸Y2を中心とする回転だけを可能にする。
【0133】
クォードラントQの胴部T、肩部E、および腕部Bは、第1の継手を介して得た、胴部Tに対する肩部Eの動き、または第2の継手を介して得た、肩部Eに対する腕部Bの動きを制限しない限りさまざまな形状を有してよい。
【0134】
図3に例示する限定しない例では、クォードラントQの胴部Tは、概して円筒状本体の形をとる。
【0135】
好ましくは、クォードラントQの肩部Eおよび腕部Bの各々は、細長い本体の形をとる。好ましくは、肩部Eおよび腕部Bは、実質的に同一形状を有する。好ましくは、肩部Eおよび腕部Bは、実質的に同じ長さを有する。
【0136】
クォードラントQの肩部Eおよび腕部Bの各々は、2つの長手方向端部を、いわゆる第1の長手方向端部21および第2の長手方向端部22を有する。
【0137】
肩部Eの第1の長手方向端部21で、肩部Eは、少なくとも第1の軸Z1を中心に第1の継手を介して胴部Tと回転状態で関節式に連結される。
【0138】
好ましくは、第1の軸Z1は、肩部Eの細長い本体に垂直に、該細長い本体の厚さの方向に伸展する。
【0139】
肩部Eの第2の長手方向端部22で、肩部Eは、第2の軸Y2を中心に、第2の軸受を介して該腕部Bの第1の長手方向端部31で、腕部Bと回転状態で関節式に連結される。
【0140】
好ましくは、第2の軸Y2は、肩部Eの細長い本体および腕部Bの細長い本体に垂直に、肩部および腕部の厚さの方向に伸展する。
【0141】
好ましくは、クォードラントQの第1の継手および第2の継手が1つの軸を中心とする回転だけを可能にするとき、第1の継手および第2の継手の各々は、枢動接続により、たとえばすべり軸受または玉軸受を用いて作られる。同じ軸を用いる2つの枢動接続の組合せから、クォードラントの第2の継手を作ることもまた可能である。
【0142】
そのような枢動接続の実施形態は、従来型であり、当業者に公知であり、より詳細に記述しない。
【0143】
クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、図4に例示するように、該クォードラントの腕部Bを次のクォードラントの胴部に連結する。より具体的には、クォードラントQのクォードラント端部継手は、該クォードラントの腕部を腕部の第2の長手方向端部32で次のクォードラントの胴部に連結する。
【0144】
好ましくは、クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、少なくとも3つの自由度を可能にする。さらにより好ましくは、クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、回転軸Yfを含む3つの垂直軸を中心とする少なくとも3つの回転を可能にする。該回転軸Yfは、第2の軸に平行である。
【0145】
図3および図4の例では、クォードラントのクォードラント端部継手は、3つの垂直軸を中心とする3つの回転を可能にする。好ましくは、クォードラントのクォードラント端部継手は、球継手接続により作られる。
【0146】
一例では、クォードラントQが軸受部PAを含むとき、該軸受部は、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの胴部Tまたは肩部Eに連結される。
【0147】
図3の例では、軸受部PAは足部54である。
【0148】
次に、ロボットシステム100が、3つの肢をそれぞれ備える3つのクォードラントを含む、図4の限定しない例に戻ると、各クォードラントは、本明細書で上記に記述する形をとる。
【0149】
このように、類推によれば、第1のクォードラントQ1は、
-胴部T1、
-第1の軸Z11を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T1に連結した肩部E1
-第2の軸Y21を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E1に連結した腕部B1
を含む。
【0150】
軸Z11およびY21は平行である。
【0151】
第2のクォードラントQ2は、
-胴部T2、
-第1の軸Z12を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T2に連結した肩部E2、
-第2の軸Y22を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E2に連結した腕部B2
を含む。
【0152】
軸Z12およびY22は平行である。
【0153】
第3のクォードラントQ3は、
-胴部T3、
-第1の軸Z13を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T3に連結した肩部E3、
-第2の軸Y23を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E3に連結した腕部B3
を含む。
【0154】
軸Z13およびY23は平行である。
【0155】
第1のクォードラントQ1は、自身を第2のクォードラントQ2に連結するクォードラント端部継手AQ1を含む。第1のクォードラントQ1の該継手AQ1は、回転軸Yf1を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。該回転軸Yf1は、第2の軸Y21に平行である。
【0156】
第2のクォードラントQ2は、自身を第3のクォードラントQ3に連結するクォードラント端部継手AQ2を含む。第2のクォードラントQ2の該クォードラント端部継手は、回転軸Yf2を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。回転軸Yf2は、第2の軸Y22に平行である。
【0157】
第3のクォードラントQ3は、自身を第4のクォードラントQ4に連結するクォードラント端部継手AQ3を含む。第3のクォードラントQ3の該クォードラント端部継手AQ3は、回転軸Yf3を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。回転軸Yf3は、第2の軸Y23に平行である。
【0158】
図4の例では、Yf1およびZ11は平行であり、Yf2およびZ12は平行であり、Yf3およびZ23は平行である。
【0159】
好ましくは、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1、第2のクォードラントQ2のクォードラント端部継手AQ2、および第3のクォードラントQ3のクォードラント端部継手AQ3は、球継手接続により作られる。
【0160】
好ましくは、作動手段は、ロボットシステム100のクォードラントの継手のすべてまたは一部を動かして、どんなタイプの地形でも該ロボットシステムの動きを確実にするように構成される。
【0161】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100が少なくとも1つのクォードラントに、道具を受け入れるように構成されたコネクタを含むとき、該コネクタは、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの腕部に、たとえば腕部の第2の端部22に配列される。
【0162】
一実施形態では、ロボットシステム100が少なくとも1つのクォードラントに軸受部を含むとき、該軸受部は、胴部または肩部に連結されてよい。
【0163】
図4の限定しない例では、第1のクォードラントQ1は、好ましくは該肩部の第1の端部に、肩部E1に連結された足部54の形をとる軸受部PA1を含む。第3のクォードラントQ3は、胴部T3に連結された足部54の形をとる軸受部PA3を含む。
【0164】
C-4つの肢を有する少なくとも1つのクォードラントを含むロボットシステム(図5および図13
第3の構成では、図5に例示するように、ロボットシステム100のクォードラントQは、4つの連続する肢を含む。
【0165】
図6の限定しない例では、ロボットシステム100は、それぞれ4つの肢を含む4つのクォードラントQ1、Q2、Q3、Q4を含む。クォードラントを図6に例示し、4つの数で記述するが、これらのクォードラントの数は、記述し例示する数に限定されない。このように、本発明の範囲を逸脱することなく、3つのクォードラント、5つのクォードラント、またはそれよりも多くのクォードラントを有するロボットシステムを作ることが可能である。
【0166】
この第3の構成は、第2の構成で記述する要素(肢、継手)のすべてを再現する。
【0167】
このように、一般に図5に概略的に例示するように、第3の構成によるクォードラントQは、胴部T、肩部E、および腕部Bの他に、前腕部ABとも呼ばれる第4の肢を連続して含む。
【0168】
この第3の構成では、前腕部ABは、このようにクォードラントQの最後の肢を形成する。
【0169】
第1の構成および第2の構成に関するように、肩部Eは、第1の継手により胴部Tに連結される。該第1の継手は、第1の軸Z1に伴う少なくとも1つの回転を可能にする。
【0170】
好ましくは、図5に例示するように、第1の継手は、第1の軸Z1を中心とする回転だけを可能にする。
【0171】
腕部Bは、第2の継手により肩部Eに連結される。該第2の継手は、第2の軸Y2に伴う少なくとも1つの回転を可能にする。好ましくは、第2の軸Y2は、第1の軸Z1に垂直である。
【0172】
好ましくは、図5に例示するように、第2の継手は、第2の軸Y2を中心とする回転だけを可能にする。
【0173】
前腕部ABは、第3の継手とも呼ばれる継手により腕部Bに連結される。該第3の継手は、第3の軸Y3とも呼ばれる軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。好ましくは、第3の軸Y3は、第1の軸Y2に平行である。
【0174】
好ましくは、図5に例示するように、第3の継手は、第3の軸Y3を中心とする回転だけを可能にする。
【0175】
クォードラントQの胴部T、肩部E、腕部B、および前腕部ABは、第1の継手を介して得た、胴部Tに対する肩部Eの動き、または第2の継手を介して得た、肩部Eに対する腕部の動き、または第3の継手を介して得た、腕部Bに対する前腕部ABの動きを制限しない限り、さまざまな形状を有してよい。
【0176】
図5に例示する好ましい実施形態では、クォードラントQの腕部Bおよび前腕部ABの各々は、細長い本体の形をとる。好ましくは、腕部Bおよび前腕部ABは、実質的に同一形状を有する。好ましくは、腕部Bおよび前腕部ABは、実質的に同じ長さを有する。
【0177】
クォードラントQの腕部Bおよび前腕部ABの各々は、2つの長手方向端部を、いわゆる第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を有する。
【0178】
腕部Bは、その第1の長手方向端部31で、第2の継手を介して第2の軸Y2を中心に肩部Eと回転状態で関節式に連結される。好ましくは、第2の軸Y2は、腕部の細長い本体に垂直に、該細長い本体の厚さの方向に伸展する。
【0179】
腕部Bは、その第2の長手方向端部32で、第3の継手を介して第3の軸Y3を中心に、該前腕部ABの第1の長手方向端部41で、前腕部ABと回転状態で関節式に連結される。
【0180】
好ましくは、第3の軸Y3は、腕部Bの細長い本体および前腕部ABの細長い本体に垂直に、前腕部および腕部の厚さの方向に伸展する。
【0181】
胴部Tおよび肩部Eの変形形態の例について、あとで記述する。
【0182】
好ましくは、クォードラントQの第1の継手、第2の継手、および第3の継手の各々は、枢動接続により、たとえばすべり軸受または玉軸受を用いて作られる。同じ軸を用いる2つの枢動接続の組合せから、クォードラントの第3の継手を作ることもまた可能である。
【0183】
クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、該クォードラントの前腕部を次のクォードラントの胴部に連結する。より具体的には、クォードラント端部継手AQは、クォードラントの前腕部ABを前腕部ABの第2の端部42で次のクォードラントの胴部に連結する。
【0184】
該クォードラント端部継手AQは、回転軸Yfを中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。該回転軸は、クォードラントの第2の継手の第2の軸およびクォードラントの第3の継手の第3の軸に平行である。換言すれば、クォードラントQの第2の軸、第3の軸、および回転軸Yfは、互いに平行である。
【0185】
好ましくは、図6に例示するように、第3の構成によるクォードラントQのクォードラント端部継手AQは、回転軸Yfを中心とする回転だけを可能にする。
【0186】
クォードラント端部継手AQは、第1の継手により肩部Eに対する、胴部Tの第1の軸Z1を中心とする回転を制限すべきではないという事実の他に、第3の構成によるクォードラントQの胴部Tの形状はまた、クォードラントのクォードラント端部継手によりクォードラントの該胴部に対する、先行するクォードラントの前腕部の回転軸Yfを中心とする回転を制限すべきではない。
【0187】
クォードラント端部継手AQの一実施形態では、該クォードラント端部継手AQは、たとえばすべり軸受または玉軸受を用いて、クォードラントの前腕部と次のクォードラントの胴部の間の枢動接続により作られる。
【0188】
クォードラント端部継手AQの別の実施形態では、該クォードラント端部継手AQは、枢動接続と自由度がまったくない固定接続との組合せから作られる。
【0189】
図示しない、この実施形態の好ましい例では、クォードラントのクォードラント端部継手は、枢動接続と固定接続の間に位置する、前胴部とも呼ばれる補助部を含む。このように、前胴部は、一方では回転軸Yfを中心とする回転を可能にする枢動接続により該クォードラントの前腕部に、他方では自由度がまったくない接続により次のクォードラントの胴部に連結される。
【0190】
一実施形態では、クォードラントQが軸受部PAを含むとき、該軸受部PAは、好ましくはクォードラントの胴部Tまたは肩部Eに連結される。
【0191】
図5の限定しない例では、軸受部PAは、肩部Eに連結される。軸受部の例(図示せず)では、軸受部PAは、胴部または肩部にしっかりと連結された足部を含む。換言すれば、足部と胴部または肩部の間に自由度はまったくない。
【0192】
軸受部の別の実施形態では、図5に例示するように、軸受部PAは車輪51を含む。車輪51は、1つまたは2つの自由度を可能にする軸受により、胴部Tまたは肩部Eに連結される。1つの自由度を有する継手により車輪51が胴部Tまたは肩部Eに連結された場合、自由度は、車輪が自身の軸を中心に回転できるように、車輪の軸による。2つの自由度を有する継手により車輪が胴部または肩部に連結された場合、第1の自由度は、車輪が自身の軸を中心に回転できるように車輪の軸により、第2の自由度は、車輪を配向できるために、第1の軸Z1による。
【0193】
軸受面の他の実施形態について、あとで記述する。次に、図6の例に戻ると、ロボットシステム100は、4つの肢をそれぞれ含む4つのクォードラントを含む、各クォードラントは、本明細書で上記に記述する形をとる。
【0194】
このように、類推によれば、第1のクォードラントQ1は、
-胴部T1、
-第1の軸Z11を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T1に連結した肩部E1、
-第2の軸Y21を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E1に連結した腕部B1、
-第3の軸Y31を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B1に連結した前腕部AB1
を含む。
【0195】
軸Z11およびY21は垂直である。軸Y21およびY31は平行である。
【0196】
第2のクォードラントQ2は、
-胴部T2、
-第1の軸Z12を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T2に連結した肩部E2、
-第2の軸Y22を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E2に連結した腕部B2、
-第3の軸Y32を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B2に連結した前腕部AB2
を含む。
【0197】
軸Z12およびY22は垂直である。軸Y22およびY32は平行である。
【0198】
第3のクォードラントQ3は、
-胴部T3、
-第1の軸Z13を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T3に連結した肩部E3、
-第2の軸Y23を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E3に連結した腕部B3、
-第3の軸Y33を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B3に連結した前腕部AB3
を含む。
【0199】
軸Z13およびY23は垂直である。軸Y23およびY33は平行である。
【0200】
第4のクォードラントQ4は、
-胴部T4、
-第1の軸Z14を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T4に連結した肩部E4、
-第2の軸Y24を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E4に連結した腕部B4、
-第3の軸Y34を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B4に連結した前腕部AB4
を含む。
【0201】
軸Z14およびY24は垂直である。軸Y24およびY34は平行である。
【0202】
第1のクォードラントQ1は、自身を第2のクォードラントQ2に連結するクォードラント端部継手AQ1を含む。該第1のクォードラントの該クォードラント端部継手AQ1は、回転軸Yf1を中心とする少なくとも1つの回転を可能にし、該回転軸Yf1は、第1のクォードラントQ1の第2の軸Y21および第3の軸Y31に平行である。
【0203】
第2のクォードラントQ2は、自身を第3のクォードラントQ3に連結するクォードラント端部継手AQ2を含む。該第2のクォードラントの該クォードラント端部継手AQ2は、回転軸Yf2を中心とする少なくとも1つの回転を可能にし、回転軸Yf2は、第2のクォードラントQ2の第2の軸Y22および第3の軸Y32に平行である。
【0204】
第3のクォードラントQ3は、自身を第4のクォードラントQ4に連結するクォードラント端部継手AQ3を含む。該第3のクォードラントの該クォードラント端部継手AQ3は、回転軸Yf3を中心とする少なくとも1つの回転を可能にし、回転軸Yf3は、第3のクォードラントQ3の第2の軸Y23および第3の軸Y33に平行である。
【0205】
最後に、第4のクォードラントQ4は、自身を第1のクォードラントQ1に連結するクォードラント端部継手AQ4を含む。該第4のクォードラントQ4の該クォードラント端部継手AQ4は、回転軸Yf4を中心とする回転だけを可能にし、回転軸Yf4は、第4のクォードラントQ4の第2の軸Y24および第3の軸Y34に平行である。
【0206】
好ましくは、作動手段は、ロボットシステムの継手のすべてを動かして、どんなタイプの地形でも該ロボットシステムの動きを確実にするように構成される。
【0207】
作動手段の第1の実施形態では、該作動手段は、ロボットシステムのクォードラントの継手ごとに、関連するモータを含む。各モータは、関連する継手により連結した2つの肢の間で回転する動きを適用できる。
【0208】
第1の実施形態の例示的な実施形態では、第1のクォードラントでは、図6に例示するように、
-第1のモータM1は、第1の軸Z11を中心にして胴部T1に対して肩部E1を駆動し動かすことを意図し、
-第2のモータM2は、第2の軸Y21を中心にして肩部E1に対して腕部B1を駆動し動かすことを意図し、
-第3のモータM3は、第3の軸Y31を中心にして腕部B1に対して前腕部AB1を駆動し動かすことを意図し、
-第4のモータMfは、回転軸Yf1を中心にして第1のクォードラントQ1の前腕部AB1に対して第2のクォードラントQ2の胴部T2を駆動し動かすことを意図する。
【0209】
そのような第1の実施形態では、各継手は、このように互いに独立して制御される。
【0210】
ロボットシステムが4つのクォードラント、およびクォードラントあたり4つの肢を含む図6の例では、ロボットシステムは、16の継手を、したがって16のモータを含む。
【0211】
継手の作動は、たとえば交流電気モータ、直流モータ、空気圧系統、直流燃焼機関のような、任意の適切なタイプのモータにより得ることができることは明らかである。
【0212】
好ましくは、モータは、関連する継手の所に配列される、または関連する継手からずらして置かれる。
【0213】
図6に例示する一例では、第1のクォードラントQ1の第2の継手に関連する第2のモータM2は、たとえば中間の長さで腕部Bにずらして置かれてよい。
【0214】
その上、各モータは、好ましくは該モータの、したがって関連する継手の、状態の進展を測定することを意図する測定機器(図示せず)またはセンサを具備する。いわゆる回転モータでは、センサは、好ましくは、適切な制御応答を提供するように、2つの関連する肢の間の角度および回転速度に、したがってセンサにより駆動される2つの肢の動きにアクセスできるようにする。
【0215】
測定機器は、たとえば光学エンコーダ、電位差計、ホール効果センサなど、任意の適切なタイプであってよい。
【0216】
第2の実施形態では、該作動手段は、ロボットシステムのクォードラントの継手の一部のための関連するモータを含む。有利には、ロボットシステムのクォードラントの継手のすべてを駆動するためのモータの数を低減することにより、そのような実施形態は、ロボットシステムの重量も費用も低減できるようにする。
【0217】
この第2の実施形態の第1の例示的な実施形態では、モータで駆動されない継手は、自由に動くことができ、その他の肢および外部環境の動きの影響を受けて動く。
【0218】
この第2の実施形態の第2の例示的な実施形態では、モータで駆動されない継手は、制約システムを介して、モータで駆動される継手に連結される。
【0219】
作動手段は、たとえば第1のクォードラントQ1では、
-第1の軸Z11を中心にして、胴部T1に対して肩部E1を回転状態で動かすことにより、第1のクォードラントQ1の第1の継手を駆動するように構成された第1のモータM1、
-第1のクォードラントQ1の第2の継手、第1のクォードラントQ1の第3の継手、および第1のクォードラントのクォードラント端部継手AQ1から選択された2つの継手、ならびに該第1のクォードラントQ1の第2の継手、該第1のクォードラントの第3の継手、および第1のクォードラントのクォードラント端部継手AQ1を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80を駆動するように構成された2つのモータM2、M3
を含む。
【0220】
このように、この第2の例示的な実施形態では、モータは、3つの継手のうち1つで取り除かれ、3つの継手のうち1つはこの場合、その他の2つの継手に対して制約される。換言すれば、モータで駆動される2つの継手が自身の回転する動きを行うとき、モータで駆動されない継手は、ベルトにより自身に機械的に課されていた制約により自身に課される動きを行う。課された負荷は、第1のクォードラントQ1の胴部T1および第2のクォードラントQ2の胴部T2を互いに平行に保つことにある。「第1のクォードラントの胴部および第2のクォードラントの胴部を互いに平行に保つ」ことにより、第1のクォードラントQ1の第1の軸Z11を第2のクォードラントの第1の軸Z12に平行に保つことを理解されたい。
【0221】
有利には、そのような配列を各クォードラントに適用してよい。一般に、課された制約は、一方のクォードラントQの胴部Tおよび次のクォードラントの胴部を互いに平行に保つことにある。
【0222】
このように、ロボットシステムが4つのクォードラント、およびクォードラントあたり4つの肢を含む図6の例では、ロボットシステムは、16の継手を、したがって12のモータを含む。
【0223】
作動手段の第1の実施形態に関するように、継手の作動は、任意の適切なタイプのモータにより得られてよい。
【0224】
好ましくは、モータは、関連する継手の所に配列される、または関連する継手からずらして置かれる。
【0225】
その上、作動手段の第1の実施形態に関するように、各モータは、好ましくは測定機器を具備する。
【0226】
この第2の例示的な実施形態の第1の変形形態では、滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80は、いわゆる並列搭載によりロボットシステム100のクォードラントに据え付けられる。有利には、並列搭載は、ロボットシステムのクォードラントに滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80を容易に据え付けることができるようにする、またはロボットシステムのクォードラントを取り外す必要なく滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80を除去できるようにする。滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムは、ロボットシステムの運動連鎖に平行な運動連鎖状態にある。
【0227】
次にこの第1の変形形態の例について、図7に例示するように第1のクォードラントに関して記述する。この実施形態では、第1のクォードラントの第2の継手および第3の継手に連結したモータは保持され、第1のクォードラントのクォードラント端部継手に連結されたモータは除去される。第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1は、第1のクォードラントQ1の第2の継手および第3の継手に対して制約される。
【0228】
肩部E1および腕部B1を連結する、第1のクォードラントQ1の第2の継手は、枢動接続により作られる。第2のモータM2は、肩部E1と腕部B1の間の角度を設定し、好ましくは腕部B1に、たとえば実質的に中間の長さに配列される。
【0229】
同様に、腕部B1および前腕部AB1を連結する、第1のクォードラントQ1の第3の継手は、枢動接続により作られる。第3のモータM3は、腕部B1と前腕部AB1の間の角度を設定し、好ましくは第3の継手に配列される。
【0230】
第1の滑車81は、第2の継手で第1のクォードラントQ1の肩部E1にしっかりと固定される。
【0231】
中央滑車82は、第1のクォードラントQ1の第3の継手に配列される。中央滑車82は、第1のクォードラントの腕部B1にも前腕部AB1にもしっかりと連結されるわけではない。中央滑車82は、第3の継手と別個の枢動接続にあるが、第1のクォードラントの第3の継手と同じ軸を共用する。
【0232】
第2の滑車83は、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1で、第2のクォードラントQ2の胴部T2にしっかりと固定される。
【0233】
第1のベルト84またはケーブルは、第1の滑車81を中央滑車82に連結する。第2のベルト85またはケーブルは、中央滑車82を第2の滑車83に連結する。
【0234】
このように、第2のモータM2が第1のクォードラントQ1の肩部E1と腕部B1の間の角度を修正するとき、第1のベルト84は、中央滑車82を駆動し、中央滑車82は、第2のベルト85を駆動し、これにより、第1のクォードラントQ1の前腕部AB1と第2のクォードラントQ2の胴部T2の間の角度は、第1のクォードラントの第1の軸Z11および第2のクォードラントの第1の軸Z12が互いに平行のままであるように制約される。
【0235】
類推によれば、モータを第1のクォードラントの第3の継手および第1のクォードラントのクォードラント端部継手に連結されたままにし、第1のクォードラントの第2の継手のモータを除去し、第1のクォードラントの第2の継手を第1のクォードラントの第3の継手および第1のクォードラントのクォードラント端部継手に制約することもまた可能である。
【0236】
第2の例示的な実施形態の第2の変形形態では、滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80は、ロボットシステムで入れ子になっている。滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム80は、ロボットシステム100の運動連鎖状態にある。その結果として、滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムを据え付けるまたは除去するには、ロボットシステムを取り外す必要がある。
【0237】
次にこの第2の変形形態の例について、図8および図9に例示するように第1のクォードラントに関して記述する。この例では、第3の継手は、腕部B1を中央滑車82とも呼ばれる部分に連結する第1の枢動接続、および第1の枢動接続と同じ軸を用いる、中央滑車82を前腕部AB1に連結する第2の枢動接続から構成される。換言すれば、腕部B1および前腕部AB1を連結する第3の継手は、同じ軸を用いる2つの枢動接続から作られる。これらの枢動接続の各々はモータで駆動される。したがって、第3の継手は2つのモータを含む。
【0238】
肩部E1および腕部B1を連結する、第1のクォードラントQ1の第2の継手は、枢動接続により作られる。
【0239】
第1の滑車81は、該第2の継手で第1のクォードラントの肩部E1にしっかりと固定される。
【0240】
第2の滑車83は、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1で、第2のクォードラントQ2の胴部T2にしっかりと固定される。
【0241】
第1のベルト84またはケーブルは、第1の滑車81を中央滑車82に連結する。第2のベルト85またはケーブルは、中央滑車82を第2の滑車83に連結する。
【0242】
第2のモータM2は、第3の継手の第一の枢動接続に作用することにより、腕部B1と中央滑車82の間の角度を設定する。好ましくは、第2のモータM2は、腕部B1に、たとえば実質的に中間の長さに配列される。第2のモータM2はまた、直接伝動で第3の軸受の第2の枢動接続の軸に直接配列されてよい。第3のモータM3は、第3の継手の枢動接続に作用することにより、中央滑車82と腕部B1の間の角度を設定する。好ましくは、第3のモータM3は、前腕部AB1に、たとえば実質的に中間の長さに配列される。第3のモータM3はまた、直接伝動で第3の軸受の第2の枢動接続の軸に直接配列されてよい。
【0243】
第1の変形形態と比較して、主要な修正は、中央滑車82の位置決めにある。第1のクォードラントQ1の肩部E1と腕部B1の間の角度を設定するモータ、および第1のクォードラントの腕部B1と前腕部B1の間の角度を設定するモータを位置決めするのではなくむしろ、腕部と中央滑車の間の角度を駆動するモータ、および中央滑車と第1のクォードラントの前腕部の間の角度を駆動するモータを位置決めする。この第2の変形形態では、第2のモータM2および第3のモータM3は、第3の継手の軸に締結されてよい。有利には、そのような配列は、第1のクォードラントQ1の第2の継手およびクォードラント端部継手を軽くできるようにする。
【0244】
それに加えて、この第2の変形形態では、滑車システムは、2つの組立体に、すなわち腕部で第1の組立体に、および前腕部で第2の組立体に分解されてよい。中央滑車を分離してしっかりと連動する2つの部分にすることによりこの場合、腕部を前腕部から容易に解体することが可能である。
【0245】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100が上流クォードラントおよび下流クォードラントとも呼ばれる2つの連続するクォードラントを切り離すように構成されたロック/ロック解除機器を含むとき、ならびに上流クォードラントのクォードラント端部継手AQが前胴部を含むとき、該2つの連続するクォードラントは、上流クォードラントの前胴部を下流クォードラントの胴部に連結する、自由度がまったくない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される。
【0246】
一例では、ロック/ロック解除機器の第1の締結要素は、上流クォードラントの前胴部にしっかりと連結され、ロック/ロック解除機器の第2の締結要素は、下流クォードラントの胴部にしっかりと連結される。
【0247】
一実施形態(図示せず)では、ロボットシステム100が少なくとも1つのクォードラントに、道具を受け入れるように構成されたコネクタを含むとき、該コネクタは、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの前腕部に、たとえば前腕部の第2の端部22に配列される。
【0248】
クォードラントの肢の形状
好ましい実施形態では、クォードラントQの腕部Bおよび前腕部ABを形成する本体は、中空の内部空間の境界を定める、可逆的に組み立てられた2つのシェルにより形成される。有利には、この中空の内部空間は、詳細にはモータに電力を供給するための電池の収納、モータの電源ケーブルの通過、または道具の収納を可能にする。
【0249】
図9および図10は、クォードラントの胴部および肩部の形状の第1の限定しない例示的な実施形態を例示する。図9は、第1のクォードラントの組立図および分解図を示す。図10の例は、ロボットシステムの第1のクォードラントQ1について例示するが、任意のクォードラントに適用されてよい。
【0250】
第1のクォードラントの胴部T1は、自身の長手方向の軸として第1の軸Z11を有する、概して円筒状の本体11の形をとる。胴部T1は、軸Yf4の、第4のクォードラントの前腕部AB4との枢動接続を形成するための手段をさらに含む。有利には、胴部T1の該手段は、該前腕部の第2の端部42で第4のクォードラントQ4の前腕部AB4の厚さを横断して作られた相補的円筒状筐体の中に挿入されることを意図する、本体11から半径方向に伸展する円筒状ピン12を含む。
【0251】
第1のクォードラントQ1の肩部E1は、自身の長手方向の軸として第1の軸Z11を有する、概して円筒状の本体23の形をとる。肩部E1は、軸Y21の、第1のクォードラントの腕部B1との枢動接続を形成するための手段をさらに含む。有利には、肩部E1の該手段は、該腕部の第1の端部31で腕部B1の厚さを横断して作られた相補的円筒状筐体の中に挿入されることを意図する、本体23から半径方向に伸展する円筒状ピン24を備える。
【0252】
肩部E1は、胴部T1の上方に位置決めされ、自身の対応する長手方向の軸は同軸である。限定しない例では、胴部T1は、玉軸受の内輪の中に収まり、肩部E1は、玉軸受の外輪の周囲に収まる。2つの肢および中間にある軸受を、中間で玉軸受の軸を中心とする金属軸が横断する。好ましくは、金属軸は、胴部T1内の第2の玉軸受および肩部E1内の別の玉軸受により接続を強化するように保持される。
【0253】
好ましくは、肩部E1の本体23は、図9に例示するように中空であり、その結果、第1のクォードラントQ1の第1の継手を管理することを意図する第1のモータM1を受け入れることができる。
【0254】
一変形形態では、肩部E1は、胴部T1の下方に位置決めされ、自身の対応する長手方向の軸は同軸である。肩部T1の本体11は、第1のクォードラントQ1の第1の継手を管理することを意図する第1のモータを受け入れることができるように中空である。
【0255】
この第1の実施形態およびその変形形態の図解のように、図10は、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1により組み立てられた第1のクォードラントQ1および第2のクォードラントQ2、ならびに第4のクォードラントQ4のクォードラント端部継手AQ4により第1のクォードラントQ1に組み立てられた第4のクォードラントの前腕部AB4を示す。第1のクォードラントQ1の胴部T1は、第2のクォードラントQ2の肩部E2と同様の形状を有し、第1のクォードラントQ1の肩部E1は、第2のクォードラントQ2の胴部T2と同様の形状を有する。このように、
-第1のクォードラントQ1では、
○肩部E1は、胴部T1の上方に配列され、
○肩部E1の本体23は、第1のクォードラントQ1の第1の継手を管理することを意図する第1のモータM1を受け入れ、
○軸受部PA1は、本明細書では胴部T1である、胴部-肩部組立体の最下部に連結され、
-第2のクォードラントQ2では、
○胴部T2は、肩部E2の上方に配列され、
○胴部T2の本体11は、第2のクォードラントQ2の第1の継手を管理することを意図する第1のモータM1を受け入れ、
○軸受部PA2は、本明細書では肩部E2である、胴部-肩部組立体の最下部に連結される。
【0256】
第1のクォードラントQ1の腕部B1および前腕部AB1は、同じ長さを有するので、そのような配列により有利には、地面が平坦であり、かつ第1のクォードラントQ1の軸受部PA1および第2のクォードラントQ2の軸受部PA2が実質的に同様なとき、第1のクォードラントQ1の腕部B1の第1の端部31および前腕部AB1の第2の端部42を実質的に同じ高さに保つことができるようになる。そのような配列により、ロボットシステム100が傾くのを回避できるようになる。
【0257】
そのような配列は、ロボットシステム100が偶数のクォードラントを含むときに好ましい。
【0258】
このように、4つのクォードラントを有するロボットシステム100の例では、第1のクォードラントQ1および第3のクォードラントQ3は、同様の胴部T1、T3および肩部E1、E3を有し、第2のクォードラントQ2および第4のクォードラントQ4は、同様の胴部T2、T4および肩部E2、E4を有する。
【0259】
一般に、クォードラントの腕部、それに対応して前腕部は、関連する胴部-肩部組立体の上部で隣接する肢(肩部、それに対応して胴部)にそれぞれ連結される。
【0260】
図11は、クォードラントの胴部および肩部の形状の第2の限定しない例示的な実施形態を例示する。図1の例は、ロボットシステム100の第1のクォードラントQ1について例示するが、任意のクォードラントに適用されてよい。図11は、第1のクォードラントQ1の胴部T1-肩部E1組立体、および第2のクォードラントの胴部T2-肩部E2組立体を例示する。第1のクォードラントQ1の胴部T1-肩部E1組立体だけについて記述する。
【0261】
該第1のクォードラントの胴部T1-肩部E1組立体は、好ましくは円形形状を有する2つの環状部、またはフープを含む。内部環状部は肩部E1を形成し、外部環状部は胴部T1を形成する。肩部E1および胴部T1は、第1の軸Z1に垂直に配列され、該肩部および該胴部の中心は、第1の軸Z11上に配置される。肩部E1と胴部T1の間の第1の軸Z11による回転を可能にする枢動接続は、玉軸受を用いて達成される。
【0262】
肩部E1および胴部T1のそのような形状は、肩部E1および胴部T1の内側で、たとえば球などの軸受部(図示せず)を位置決め可能にし、有利には、ロボットシステム100の大きさを縮小可能にする。軸受部は、肩部または胴部に連結される。
【0263】
クォードラントQの胴部T、肩部E、腕部B、前腕部ABの肢は、本発明の範囲を逸脱することなく、記述する形状と異なる他の形状を有してよい。
【0264】
肢について上記で記述する形状は、網羅的ではなく、2つの連続する肢の間で必要な回転を可能にする限り、他の形状で作られてよい。
【0265】
軸受部の形状
すでに記述したように、ロボットシステム100は、各クォードラントに、軸受面と接触するようになることを意図する軸受部PAをさらに含む。
【0266】
好ましくは、軸受部PAは、クォードラントの胴部Tまたは肩部Eに接続される。
【0267】
図9および図10の例では、第1のクォードラントQ1の軸受部PA1は、胴部T1に連結される。第2のクォードラントQ2の軸受部PA2は、肩部E2に連結される。
【0268】
軸受部の改善された例示的な実施形態では、図9および図10に例示するように、第1のクォードラントの軸受部PA1または第2のクォードラントの軸受部PA2は、車輪51の他に、車輪51と胴部または肩部の間に配列された、骨盤部52とも呼ばれる追加部分を含む。骨盤部52および車輪51は、車輪モジュールを形成する。
【0269】
第1のクォードラントQ1に関連する車輪モジュールの骨盤部52は、胴部T1の真下に位置決めされ、骨盤部および胴部T1のそれぞれの長手方向の軸は同軸であり、第1の軸Z11を中心とする回転を可能にする枢動接続により該胴部T1に連結され、車輪を配向できるようにする。車輪51は、車輪の軸による車輪の回転を可能にする枢動接続により骨盤部52に連結され、該車輪の軸は、第1の軸Z11に垂直である。
【0270】
図示しない、軸受部の他の例示的な実施形態では、軸受部は、メカナム(Mecanum)タイプの車輪、緩衝器を有する足部、または緩衝器を有する車輪であってよい。
【0271】
第3の構成によるロボットシステムの別の例示的な実施形態
図12図27は、第3の構成によるロボットシステムの好ましい例示的な実施形態を例示する。
【0272】
第3の構成について本明細書で上記に記述する特異性を再現する。
【0273】
この例示的な実施形態では、継手のすべては、軸を中心とする回転だけを可能にする。継手は、枢動接続タイプであり、固定接続と組み合わせて、または組み合わせずに、1つの回転自由度だけを可能にする。
【0274】
図12は、限定することなく、4つの肢をそれぞれ含む4つのクォードラントQ1、Q2、Q3、Q4を含むロボットシステムを例示する。各クォードラントQ1、Q2、Q3、Q4は、車輪または足部タイプの軸受部PA1、PA2、PA3、PA4を装備する。第1のクォードラントQ1から第4のクォードラントQ4を切り離すことができるようにする(図12では見ることができない)コネクタは、第4のクォードラントQ4の前腕部AB4と第1のクォードラントQ1の胴部T1の間に位置決めされる。図13は、限定しない例として、図12のロボットシステムのクォードラントの1つを、すなわち第1のクォードラントQ1を例示する。図14は、図13のクォードラントの分解図を示す。図13および図14に例示するように、胴部T1は、足部54を装備する。
【0275】
図14では中央滑車82を際立たせている。この例示的な実施形態では、中央滑車82は、第1の枢動接続により腕部B1を、および第2の枢動接続により前腕部AB1を連結する第1のクォードラントQ1の第3の継手に属する。中央滑車82は、それ自体第2のモータM2の回転子に締結された第1の部分821に強固に連結される。第2のモータM2の固定子は、腕部B1に連結される。したがって、該第1の枢動接続は、第2のモータM2、および該第2のモータM2の固定子と回転子の間の第2のモータM2の内部枢動接続により形成される。中央滑車82は、それ自体第3のモータM3の回転子に締結された第2の部分822に強固に連結される。第3のモータM3の固定子は、前腕部AB1に連結される。したがって、該第2の枢動接続は、第3のモータM3、および該第3のモータM3の固定子と回転子の間の第3のモータM3の内部枢動接続により形成される。有利には、第2のモータM2および第3のモータM3の内部回転軸は、第3の軸Y31と同一直線上にある。このように、第3の継手は、第2のモータM2および第3のモータM3、ならびに中央滑車82により形成される。
【0276】
図15は、図13の第1のクォードラントの、足部54を装備する胴部T1-肩部E1組立体の拡大図を例示する。図16は、図15の組立体の2つの拡大図を、すなわち、透視上面図で見た第1の拡大図、および透視底面図で見た第2の拡大図を示す。肩部E1は、一方の端部25aに、自身を腕部B1に連結する第2の継手に自身を締結するためのねじ251を含む。
【0277】
胴部T1は、一方の端部15に、先行するクォードラントの最後の肢に自身を連結する、先行するクォードラントのクォードラント端部継手に自身を締結するためのねじ151を含む。例では、胴部T1のねじ151は、第4のクォードラントQ4の前腕部AB4に自身を連結する該第4のクォードラントのクォードラント端部継手に自身を締結できるようにする。
【0278】
有利には、肩部E1の端部25aは、腕部B1との第2の継手を形成する玉軸受(図示せず)に締結される。
【0279】
有利には、胴部T1の端部15は、該第4のクォードラントの前腕部との先行するクォードラントのクォードラント端部継手を作り上げる玉軸受(図示せず)に締結される。
【0280】
肩部E1は、玉軸受90を用いて胴部T1の上に組み立てられる。玉軸受は、図16で球が識別できる内輪901、および外輪902を含む。該玉軸受90は、第1のクォードラントQ1の第1の継手を形成する。このように、第1の継手は、第1の軸Z11を中心とする回転だけを可能にする枢動接続を形成する。
【0281】
図16の透視底面図で見た分解図は、足部54、および胴部T1上での足部54の組立体の例示的な実施形態を例示する。足部54は、締結部541、およびたとえばゴムから作られたパッドP12を含む。パッド542は、軸受面との接触面の役割を果たす。有利には、締結部541は、固定接続を通してパッド542を胴部T1に連結できるようにする。
【0282】
図15および図16の例では、第1の継手のモータ駆動は片寄っており、第1のモータM1(図示せず)は、胴部T1および肩部E1を軽くするために隣接部(図示せず)上に配置され、電力は、ケーブルシステム(図示せず)により伝達される。ケーブルが肩部E1に巻きつきながら通る溝914を図16に示す。
【0283】
図17および図18は、図15および図16と同じ胴部T1-肩部E1組立体を示すが、第1の継手のための異なるモータ駆動を有する。図17および図18では、第1の継手を駆動している第1のモータM1は、第1の継手の上に配置され、回転軸は、第1の軸Z11と同一線上にある。第1の部分911は、第1のモータM1の固定子、および肩部E1に締結される。第2の部分912は、第1のモータM1の回転子、および胴部T1に締結される。要素のすべて、すなわち第1のモータM1、第1の部分911、第2の部分912、軸受部90、該軸受部90の内輪901、外輪902は、第1の軸Z11により第1の継手を作り上げ、駆動する。
【0284】
図19および図20は、図13の第1のクォードラントの腕部B1を例示する。これらの図では、腕部B1との第2の継手を作り上げる球継手92上に配列された、肩部E1の(図16に例示する)端部25aと相補の要素25bが示されている。第2のモータM2もまた識別され、第2のモータM2の固定子は、腕部B1に締結され、回転子は、第1の部分821に締結されて、中央滑車82と共に第1のクォードラントの第3の継手を作り上げる。本明細書で記述するモータで駆動されるシステムは、第2の継手の上にモータを含まない。第1のクォードラントQ1の第2の継手の作動は、制約システムを形成する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムにより確実になる。該第2の継手は、第1の滑車81を用いて第1のベルト84に連結される。第1のクォードラントの第3の継手は、第3の滑車86により第1のベルト84に連結される。第1の滑車81および第3の滑車86は、第2の継手および第3の継手を形成する玉軸受の外輪の上に埋め込まれる。第2のモータM2は、第2の継手および第3の継手により共用される。有利には、テンショナ(tensioner)87は、第1のベルト84の張力を設定できるようにする。図19は、腕部B1上のテンショナ87の締結点871を例示する。有利には、ねじ872は、腕部B1に対するテンショナ87の締結点871の高さを設定できるようにする。このように、ねじ872に作用することにより、締結点871の高さ、したがってテンショナ87の高さに直接作用でき、それにより、第1のベルト84の張力を設定できるようになる。
【0285】
図21および図22は、図13の第1のクォードラントの前腕部AB1を例示する。前腕部AB1は、腕部B1に同様の挙動を有する。詳細には、中央滑車82に連結された第2のモータM2および第1の部分821に一致する、中央滑車82に連結された、腕部B1の第3のモータM3および第2の部分822を例示する。同様に、前腕部AB1のための滑車およびベルトからなるシステムは、腕部B1の滑車およびベルトからなるシステムを形成する第1の滑車81、第3の滑車86、第1のベルト84、およびテンショナ87に等価な、第2の滑車83、第4の滑車88、第2のベルト85、およびテンショナ87を含む。さらにまた、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1を作り上げる玉軸受96を想定できる。該玉軸受96の内輪は、前腕部AB1で締結され、該玉軸受96の外輪は、第2のクォードラントQ2の胴部T2に締結されることを意図する。
【0286】
これらの図21および図22ではさらにまた、第2のクォードラントQ2の第1の継手のモータ駆動が第1のクォードラントQ1で片寄っている場合の、該第2のクォードラントの第1の継手のモータ駆動の要素70、71、および72が例示されている。第2のクォードラントQ2の肩部E2は、第1のクォードラントの肩部E1の溝914と同一の溝(図示せず)をさらに含む。要素70、71、および72、ならびに第2のクォードラントの肩部E2の該溝は、第2のクォードラントQ2の第1の継手から片寄ったモータ駆動を作り上げる。要素70はモータである。要素71は、送電ケーブルが巻きつく滑車である。要素72は、被覆支持物である。滑車71から伸展するケーブルは、被覆支持物72が支持する被覆により導かれる。該被覆は、ケーブルが巻かれる第2のクォードラントの肩部E2の溝までケーブルを導く。このように、該ケーブルは、肩部E2および滑車71に巻かれる。滑車71がモータ70により回転するとき、電力は、該ケーブルにより肩部E2に伝達される。
【0287】
モータ70、滑車71、被覆支持物72の組立体は、第1のクォードラントの前腕部に据え付けられる代わりに、修正することなく第2のクォードラントQ2の腕部B2に据え付けられてよい。
【0288】
図23および図24は、第1のクォードラントのクォードラント端部継手AQ1で、第2のクォードラントから第1のクォードラントを可逆的に切り離すように構成されたロック/ロック解除システムの例を示す。第1のクォードラントQ1の前腕部AB1は、第1のクォードラントQ1の該クォードラント端部継手AQ1により第2のクォードラントQ2の胴部T2に連結される。この場合、第1のクォードラントQ1の該クォードラント端部継手AQ1は、玉軸受96から構成された第1の枢動接続から構成される。軸受96の内輪は、第1のクォードラントの前腕部AB1に締結される。上述の前腕部に関するように、この枢動接続は、自身を第3の継手および第3のモータM3に連結するベルトおよびケーブルからなるシステムにより作動する。第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1はまた、第2のクォードラントの前胴部と胴部T2の間の固定接続から構成される。この固定接続は、ロックおよびロック解除されてよい。好ましくは、前胴部は、球軸受96の外輪に、したがって、玉軸受96により枢動接続が形成されたあとに強固に締結される。好ましくは、固定接続は、2つの要素60および61により作られる。固定接続の要素60は、前胴部に締結され、要素61は、第2のクォードラントの該胴部T2の一方の端部15で胴部T2に締結される。固定接続の要素60および61は、機械的に連動する。固定接続の要素60および61が完全に連動するとき、電磁石62は、固定接続をロックすることを意図するロックを活動化する。ロックを非活動化することによりこの場合、該固定接続を切り離して、第1のクォードラントQ1の前腕部AB1を第2のクォードラントQ2の胴部T2から分離できる。
【0289】
図23および図24で記述するロック/ロック解除システムは、異なる数の肢および動作を有する、任意の他のクォードラント構成に適合できることは明らかである。ロック/ロック解除システムは、ロボットシステムの継手のすべてに位置決めされてよい。
【0290】
有利には、図23および図24で記述するロック/ロック解除システムは、ロボットシステムに取外し可能な道具を装備するための道具コネクタに適合されてよい。たとえば、そのようなコネクタは、第1のクォードラントの前腕部AB1に位置決めされてよい。図21を参照すると、固定接続の要素61および電磁石62は、第1のクォードラントの前腕部AB1の第2の端部42に位置決めでき、固定接続の要素60は、接続される道具に位置決めできる。
【0291】
図25図27は、図15図18に示す胴部-肩部組立体と同一の胴部-肩部組立体を例示するが、足部の代わりに車輪組立体を装備する。胴部T1と肩部E1の間の第1の継手は、本明細書では、図15および図16で記述するケーブルシステムにより作られるが、完璧には図17および図18で記述する直接伝動システムを用いて作ることができる。車輪組立体は、軸ZR1を用いる第1の枢動接続により胴部T1に締結される。好ましくは、軸ZR1は、第1のクォードラントQ1の胴部T1と肩部E1の間の第1の継手の第1の軸Z11と同一直線上にある。一変形形態では、軸ZR1は、第1の軸Z1と同一直線上にない。たとえば、車輪組立体の軸ZR1を用いるこの第1の枢動接続は、胴部T1の溝55bの中に挿入されたすべり軸受55aを用いて作られてよい(図26を参照されたい)。すべり軸受55aは、より安価であるが、玉軸受の機能と同様の機能を果たす。軸ZR1を用いるこの第1の枢動接続のモータ駆動は、円形スライド56bとの相互作用により軸ZR1を中心とする回転状態に車輪を設定するように構成された歯車56aを作動させるモータ56により確実になる。図27は、該枢動接続の動きを取り込むように構成された光学式フォーク53を例示する。車輪組立体は、車輪51を回転状態に設定できるようにする、軸ZR2を有する第2の枢動接続を含む。車輪組立体のこの第2の枢動接続は、車輪51内に配置されたモータ(図示せず)により駆動される。このように、車輪51は(図27で見ることができる)軸57を中心に回転する。図27はまた、車輪51に対するブレーキの役割を果たす構造要素58を例示する。図25図27の限定しない例では、ブレーキ58は、胴部T1に強固に連結された部分59aの形状が適合するおかげで、胴部T1に対して車輪組立体が回転することにより車輪51を押しつける。車輪組立体の配向が適切であるとき、タブ59bは、部分59aの上で滑り、それにより構造要素58を前進させて、車輪と係合させる。これにより、有利にはブレーキに特有のアクチュエータを使用することを不要にできるようになる。
【0292】
D-5つの肢を有する少なくとも1つのクォードラントを含むロボットシステム(図28および図29
第4の構成では、図28に例示するように、ロボットシステム100のクォードラントQは、5つの連続する肢を含む。
【0293】
図28の限定しない例では、ロボットシステム100は、それぞれ4つの肢を含む4つのクォードラントQ1、Q2、Q3、Q4を含む。クォードラントを図28に例示し、4つの数で記述するが、これらのクォードラントの数は、記述し例示する数に限定されない。このように、本発明の範囲を逸脱することなく、3つのクォードラント、5つのクォードラント、またはそれよりも多くのクォードラントを有するロボットシステムを作ることが可能である。
【0294】
この第4の構成は、第2の構成で記述する要素(肢、継手)のすべてを再現する。
【0295】
このように、一般に図28に概略的に例示するように、第4の構成によるクォードラントQは、胴部T、肩部E、および腕部B、および前腕部ABの他に、手首部Pとも呼ばれる第5の肢を連続して含む。
【0296】
このように、この第4の構成では、前腕部ABは、クォードラントQの最後の肢を形成する。
【0297】
先行する3つの構成に関するように、
-肩部Eは、第1の継手により胴部Tに連結され、
-腕部Bは、第2の継手により肩部Eに連結され、
-前腕部ABは、第3の継手により腕部Bに連結される。
【0298】
第1の継手は、第1の軸Z1に伴う少なくとも1つの回転を可能にする。
【0299】
好ましくは、図28に例示するように、第1の継手は、第1の軸Z1を中心とする回転だけを可能にする。
【0300】
第2の継手は、第2の軸Y2を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。好ましくは、第2の軸Y2は、第1の軸Z1に垂直である。
【0301】
好ましくは、図28に例示するように、第2の継手は、第2の軸Y2を中心とする回転だけを可能にする。
【0302】
第3の継手は、第3の軸Y3を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。好ましくは、第3の軸Y3は、第2の軸Y2に平行である。
【0303】
好ましくは、図28に例示するように、第3の継手は、第3の軸Y3を中心とする回転だけを可能にする。
【0304】
手首部Pは、第4の継手とも呼ばれる継手により前腕部ABに連結される。
【0305】
該第4の継手は、第4の軸Y4を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。好ましくは、第4の軸Y4は、第2の軸Y2および第3の軸Y3に平行である。
【0306】
好ましくは、図28に例示するように、第4の継手は、第4の軸Y4を中心とする回転だけを可能にする。
【0307】
好ましくは、クォードラントQの第1の継手、第2の継手、第3の継手、および第4の継手の各々は、枢動接続により、たとえばすべり軸受または玉軸受を用いて作られる。同じ軸を用いる2つの枢動接続の組合せからクォードラントの第3の継手を作ることもまた可能である。
【0308】
クォードラントQの胴部T、肩部E、腕部B、前腕部AB、および手首部は第1の継手を介して得た、胴部Tに対する肩部Eの動き、または第2の継手を介して得た、肩部Eに対する腕部の動き、第3の継手を介して得た、腕部Bに対する前腕部ABの動き、または第4の継手を介して得た、前腕部ABに対する手首部Pの動きを制限しない限り、さまざまな形状を有してよい。
【0309】
好ましい実施形態では、第3の構成に関して記述する、胴部T、肩部E、腕部B、および前腕部ABの、ならびにこれらの異なる変形形態の形状は、クォードラントの第4の構成の胴部T、肩部E、腕部B、前腕部ABに適用されてよい。
【0310】
好ましい例示的な実施形態では、手首部の形状は、肩部の形状と実質的同様である。
【0311】
クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、該クォードラントの手首部Pを次のクォードラントの胴部に連結する。
【0312】
該クォードラント端部継手AQは、回転軸Yfを中心とする少なくとも1つの回転を可能にする。該回転軸は、クォードラントの第1の継手の第1の軸に平行である。
【0313】
好ましくは、図28および図29に例示するように、クォードラントQのクォードラント端部継手AQは、回転軸Yfを中心とする回転だけを可能にする。クォードラント端部継手AQは、第1の継手により肩部Eに対する、胴部Tの第1の軸Z1を中心とする回転を制限すべきではないという事実の他に、クォードラントの胴部Tの形状はまた、クォードラントのクォードラント端部継手により、クォードラントの該胴部に対する、先行するクォードラントの手首部の回転軸Yfを中心とする回転を制限すべきではない。
【0314】
クォードラント端部継手AQの一実施形態では、該クォードラント端部継手AQは、たとえばすべり軸受または玉軸受を用いて、クォードラントの手首部と次のクォードラントの胴部の間の枢動接続により作られる。
【0315】
クォードラント端部継手AQの別の実施形態では、該クォードラント端部継手AQは、枢動接続と自由度がまったくない接続の組合せから作られる。
【0316】
図示しない好ましい例示的な実施形態では、クォードラントのクォードラント端部継手は、一方では回転軸Yfを中心とする回転を可能にする枢動接続によりクォードラントの手首部に、他方では回転自由度がまったくない接続により次のクォードラントの胴部に連結された、前胴部とも呼ばれる補助部を含む。
【0317】
一実施形態では、クォードラントQが軸受部PAを含むとき、該軸受部PAは、好ましくはクォードラントの胴部Tまたは肩部Eに連結される。
【0318】
好ましい例示的な実施形態では、クォードラントの第3の構成に関して記事した軸受部PA、足部、車輪、骨盤部/車輪部のさまざまな形状はまた、クォードラントのこの第4の構成に適合してよい。
【0319】
次に、ロボットシステム100が4つのクォードラントを含む図29の例に戻ると、各クォードラントは、本明細書で上記に記述する形をとる。
【0320】
このように、類推によれば、第1のクォードラントQ1は、
-胴部T1、
-第1の軸Z11を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T1に連結した肩部E1、
-第2の軸Y21を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E1に連結した腕部B1、
-第3の軸Y31を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B1に連結した前腕部AB1、
-第4の軸Y41を中心とする回転を可能にする第4の継手により前腕部AB1に連結した手首部P1
を含む。
【0321】
軸Z11およびY21は垂直である。軸Y21、Y31、およびY41は平行である。
【0322】
第2のクォードラントQ2は、
-胴部T2、
-第1の軸Z12を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T2に連結した肩部E2、
-第2の軸Y22を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E2に連結した腕部B2、
-第3の軸Y32を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B2に連結した前腕部AB2、
-第4の軸Y42を中心とする回転を可能にする第4の継手により前腕部AB2に連結した手首部P2
を含む。
【0323】
軸Z12およびY22は垂直である。軸Y22、Y32、およびY42は平行である。
【0324】
第3のクォードラントQ3は、
-胴部T3、
-第1の軸Z13を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T3に連結した肩部E3、
-第2の軸Y23を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E3に連結した腕部B3、
-第3の軸Y33を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B3に連結した前腕部AB3、
-第4の軸Y43を中心とする回転を可能にする第4の継手により前腕部AB3に連結した手首部P3
を含む。
【0325】
軸Z13およびY23は垂直である。軸Y23、Y33、およびY43は平行である。
【0326】
第4のクォードラントQ4は、
-胴部T4、
-第1の軸Z14を中心とする回転を可能にする第1の継手により胴部T4に連結した肩部E4、
-第2の軸Y24を中心とする回転を可能にする第2の継手により肩部E4に連結した腕部B4、
-第3の軸Y34を中心とする回転を可能にする第3の継手により腕部B4に連結した前腕部AB4、
-第4の軸Y44を中心とする回転を可能にする第4の継手により前腕部AB4に連結した手首部P4
を含む。
【0327】
軸Z14およびY24は垂直である。軸Y24、Y34、およびY44は平行である。
【0328】
第1のクォードラントQ1(それに対応して、第2のクォードラントQ2、第3のクォードラントQ3、第4のクォードラントQ4)は、自身を第2のクォードラントQ2(それに対応して、第3のクォードラントQ3、第4のクォードラントQ4、第1のクォードラントQ1)に連結するクォードラント端部継手AQ1(それに対応して、AQ2、AQ3、AQ4)を含む。該第1の継手AQ1(それに対応して、AQ2、AQ3、AQ4)は、回転軸Yf1(それに対応して、Yf2、Yf3、Yf4)を中心とする少なくとも1つの回転を可能にし、該回転軸Yf1(それに対応して、Yf2、Yf3、Yf4)は、第1のクォードラントQ1(それに対応して、第2のクォードラントQ2、第3のクォードラントQ3、第4のクォードラントQ4)の第1の継手の第1の軸Z11(それに対応して、Z12、Z13、Z14)に平行である。
【0329】
好ましくは、クォードラントの第3の構成で記述するさまざまな作動手段は、このクォードラントの第4の構成に適合してよい。
【0330】
このように、第1の実施形態では、ロボットシステムのクォードラントの各継手は、関連するモータを含む。たとえば、図29に例示するような第1のクォードラントでは、
-第1のモータM1は、第1の軸Z11を中心に胴部T1に対して肩部E1を駆動し動かすことを意図し、
-第2のモータM2は、第2の軸Y21を中心に肩部E1に対して腕部B1を駆動し動かすことを意図し、
-第3のモータM3は、第3の軸Y31を中心に腕部B1に対して前腕部AB1を駆動し動かすことを意図し、
-第4のモータM4は、第4の軸Y41を中心に前腕部AB1に対して手首部P1を駆動し動かすことを意図し、
-最後のモータMfは、回転軸Yf1を中心に第1のクォードラントQ1の手首部P1に対して次のクォードラント、すなわち第2のクォードラントQ2の胴部T2を駆動し動かすことを意図する。
【0331】
第2の実施形態(図示せず)では、作動手段は、継手よりも数の少ないモータを含む。たとえば、作動手段は、たとえば第1のクォードラントQ1では、
-第1の軸Z11を中心に胴部T1に対して肩部E1を回転状態で動かすことにより、第1のクォードラントQ1の第1の継手を駆動するように構成された第1のモータM1、
-第1のクォードラントQ1の第2の継手、第3の継手、および第4の継手の中から選択された2つの継手、ならびに該第1のクォードラントQ1の第2の継手、第3の継手、および第4の継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムを駆動するように構成された2つのモータM2、M3、
-回転軸Yf1を中心に第1のクォードラントQ1の手首部P1に対して次のクォードラント、すなわち第2のクォードラントQ2の胴部T2を駆動し動かすことにより、第1のクォードラントQ1のクォードラント端部継手AQ1を駆動するように構成された最後のモータMf
を含む。
【0332】
クォードラントの第3の構成で記述するこの第2の実施形態の変形形態は、このクォードラントの第4の構成に適合してよい。
【0333】
一実施形態(図示せず)では、クォードラントの第3の構成のように、ロボットシステム100が上流クォードラントおよび下流クォードラントとも呼ばれる2つの連続するクォードラントを切り離すように構成されたロック/ロック解除機器を含むとき、ならびに上流クォードラントのクォードラント端部継手AQが前胴部を含むとき、該2つの連続するクォードラントは、上流クォードラントの前胴部を下流クォードラントの胴部に連結する、自由度がまったくない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される。
【0334】
一実施形態(図示せず)では、クォードラントの第3の構成のように、ロボットシステム100が少なくとも1つのクォードラントに、道具を受け入れるように構成されたコネクタを含むとき、該コネクタは、好ましくは該少なくとも1つのクォードラントの前腕部に、たとえば前腕部の第2の端部22に配列される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループを構成するように、互いに対で直列に接続されたNの関節式に連結された構造を含む、動くことができる移動ロボットシステム(100)であって、Nは3以上の正整数であり、
クォードラント(quadrant)(Q1、Q2、Q3)とも呼ばれる各前記関節式に連結された構造は、
-胴部(T1、T2、T3)とも呼ばれる第1の肢、および最後の肢を含む少なくとも2つの連続する肢であって、前記クォードラントの2つの連続する肢は、軸を中心とする少なくとも1つの回転を可能にする継手により互いに接続された少なくとも2つの連続する肢と、
-クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)とも呼ばれる継手と
を含み、
前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、前記クォードラントの前記最後の肢を次のクォードラントの前記胴部に連結するロボットシステム(100)において、
前記ロボットシステムの少なくとも1つの前記クォードラントは、
-前記胴部(T1、E2、T3)と、
-第1の軸(Z11、Z12、Z13)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、第1の継手とも呼ばれる継手により前記胴部に連結した、肩部(E1、E2、E3)とも呼ばれる第2の肢と、
-第2の軸(Y21、Y22、Y23)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、第2の継手とも呼ばれる継手により前記肩部に連結した、腕部(B1、B2、B3)とも呼ばれる第3の肢であって、前記第2の軸は、前記第1の軸に垂直である第3の肢と
を含む、少なくとも3つの連続する肢を含むことを特徴とするロボットシステム(100)。
【請求項2】
各前記クォードラントが連結した中央本体をまったく含まない、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項3】
前記クォードラントの前記継手のすべてまたは一部を動かすように構成された作動手段を含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)は、軸受面と接触するようになることを意図する軸受部(PA1、PA2、PA3)を含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項5】
2つの連続する前記クォードラントを可逆的に切り離すように構成された少なくとも1つのロック/ロック解除機器を含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)に、少なくとも1つの道具を受け入れるように構成された、前記クォードラントの前記肢の1つに可逆的または不可逆的に連結したコネクタを含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記クォードラントが3つの連続する肢だけを含むとき、前記腕部は、前記最後の肢であり、前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、球継手接続である、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項8】
少なくとも3つの連続する肢を伴う少なくとも1つの前記クォードラントは、
-前記胴部(T1、T2、T3)と、
-前記第1の継手により前記胴部に連結した前記肩部(E1、E2、E3)と、
-前記第2の継手により前記肩部に連結した前記腕部(B1、B2、B3)と、
-第3の継手とも呼ばれる継手により前記腕部に連結した、前腕部(AB1、AB2、AB3)とも呼ばれる第4の最後の肢と
を含む4つの連続する肢を含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項9】
前記第3の継手は、第3の軸(Y31、Y32、Y33)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第3の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)に平行である、請求項8に記載のロボットシステム(100)。
【請求項10】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手は、回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、請求項8に記載のロボットシステム(100)。
【請求項11】
前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)および前記第3の軸(Y31、Y32、Y33)に平行である、請求項10に記載のロボットシステム(100)。
【請求項12】
前記作動手段は、前記ロボットシステムを形成する前記継手ごとに、関連するモータを含む、請求項3または9に記載のロボットシステム(100)。
【請求項13】
前記作動手段は、前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントに、
-前記クォードラントの前記第1の継手を駆動するように構成されたモータ(M1)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記クォードラント端部継手の中から選択された2つの前記継手を駆動するように構成された2つのモータ(M2、M3)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記クォードラント端部継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステム(80)と
を含む、請求項3または9に記載のロボットシステム(100)。
【請求項14】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)は、
-前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記最後の肢、および次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)を連結する枢動接続である、または
-一方では前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)を中心とする回転を可能にする枢動接続により前記クォードラント(Q1、Q2、Q3)の前記最後の肢に、他方では自由度がまったくない接続により前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)に連結した、前胴部と呼ばれる補助部を含む、
請求項10に記載のロボットシステム(100)。
【請求項15】
前記4つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)が前記前胴部を含むとき、前記クォードラントおよび次のクォードラントは、前胴部を前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記胴部(T2、T3、T1)に連結する、自由度がない接続で可逆的に切り離すことができるように構成される、請求項14または5に記載のロボットシステム(100)。
【請求項16】
前記少なくとも3つの連続する肢を伴う前記少なくとも1つのクォードラントは、
-前記胴部(T1、T2、T3)と、
-前記第1の継手により前記胴部に連結した前記肩部(E1、E2、E3)と、
-前記第2の継手により前記肩部に連結した前記腕部(B1、B2、B3)と、
-第3の継手とも呼ばれる継手により前記腕部に連結した、前腕部(AB1、AB2、AB3)とも呼ばれる第4の肢と、
-第4の継手とも呼ばれる継手により前記前腕部に連結した、手首部(P1、P2、P3)とも呼ばれる第5の最後の肢と
を含む5つの連続する肢を含む、請求項1に記載のロボットシステム(100)。
【請求項17】
-前記第3の継手は、第3の軸(Y31、Y32、Y33)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第3の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)に平行であり、
-前記第4の継手は、第4の軸(Y41、Y42、Y43)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にし、前記第4の軸は、前記第2の軸(Y21、Y22、Y23)および前記第3の軸(Y31、Y32、Y34)に平行である、
請求項16に記載のロボットシステム(100)。
【請求項18】
前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントのクォードラント端部継手は、回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)とも呼ばれる軸を中心とする回転を可能にする、請求項16に記載のロボットシステム(100)。
【請求項19】
前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントの前記クォードラント端部継手(AQ1、AQ2、AQ3)の前記回転軸(Yf1、Yf2、Yf3)は、前記次のクォードラント(Q2、Q3、Q1)の前記第1の継手の前記第1の軸(Z11、Z12、Z13)に平行である、請求項18に記載のロボットシステム(100)。
【請求項20】
前記作動手段は、前記ロボットシステムを形成する前記継手ごとに、関連するモータを含む、請求項3または16に記載のロボットシステム(100)。
【請求項21】
前記作動手段は、前記5つの連続する肢を伴う前記クォードラントに、
-前記クォードラントの前記第1の継手を駆動するように構成されたモータ(M1)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記第4の継手の中から選択された2つの前記継手を駆動するように構成された2つのモータ(M2、M3)と、
-前記第2の継手、前記第3の継手、および前記第4の継手を連結する滑車およびベルトまたはケーブルからなるシステムと
を含む、請求項19に記載のロボットシステム(100)。
【国際調査報告】