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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自己補正電流測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 19/00 20060101AFI20240912BHJP
   G01R 21/133 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G01R19/00 M
G01R21/133 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516877
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022043988
(87)【国際公開番号】W WO2023044107
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】63/261,352
(32)【優先日】2021-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/947,031
(32)【優先日】2022-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519461738
【氏名又は名称】ヴティリティー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VUTILITY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エム オースティン
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA04
2G035AA17
2G035AB02
2G035AC02
2G035AD19
2G035AD26
2G035AD28
(57)【要約】
自己補正電流測定のためのシステム、装置、方法、および技術が開示される。高度な材料の誘導性測定装置は、監視対象の監視された電流の読み取り値を取得することができる。高度な材料により、測定装置は飽和レベルと不釣り合いな低温で動作することができる。測定システムの上限限界を超える、または所望の帯域外にある測定装置による複数の読み取り値は、変換を使用して読み取り値を補正し、許容可能な比の誤差の帯域内に収まるように変換されるまたは置き換えられることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力使用量測定(EUM)システムを監視対象に結合する結合システムと、
前記監視対象の監視された電流の読み取り値を取得する測定システムであり、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度なナノ層材料を含み、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる該測定システムの物理的限界を超える上限限界を有する測定システムと、
前記監視された電流の前記読み取り値を取得し、前記読み取り値が前記測定システムの前記上限限界を超えている場合、変換を使用して前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正する処理回路と、
前記処理回路から前記読み取り値を受信し、宛先への通信のために通信ネットワークに前記読み取り値を提供するように構成される通信インターフェースと、
を備える、EUMシステム。
【請求項2】
前記監視された電流は、前記監視対象内の一次電流(iP)であり、前記測定システムは、前記監視された電流によって前記測定システムに誘導された二次電流(iS)を測定することによって、前記監視された電流の読み取り値を取得し、
前記測定システムおよび前記監視対象は、前記結合システムによって磁気的に結合される、
請求項1に記載のEUMシステム。
【請求項3】
前記変換は、変換モデルの利用に基づいて前記読み取り値を補正するために使用され、
前記処理回路によって利用された前記変換モデルは、
前記測定システムを前記監視対象に接続し、前記監視対象は一次電流(iP)を有することと、
前記一次電流(iP)によって前記測定システム内に誘導された二次電流(iS)における複数の測定値を収集することと、
前記二次電流(iS)における前記複数の測定値の精度を、iS=iP/nで表される理論上の精度と比較し、nは、前記測定システムの一次ループの周りのコイルの巻線数であることと、
前記複数の測定値における各測定値に対する比の誤差の変換関数をモデル化することと、
によって決定される、
請求項1に記載のEUMシステム。
【請求項4】
前記比の誤差の変換関数をモデル化することは、
導出された比と理論上の比との差の計算に基づいて、前記複数の測定値における各測定値に対する前記比の誤差を決定することと、
前記複数の測定値のうちの各測定値に対する前記比の誤差のプロットされた比の誤差のラインフィットを生成し、前記ラインフィットはベースライン上で生成されることと、
前記プロットされた比の誤差の前記ラインフィットを、前記ベースラインに位置合わせされる新しい基準に、回転または転置することに基づいて、前記変換関数を決定することと、
を含む、
請求項3に記載のEUMシステム。
【請求項5】
前記測定システムは、変動する二次磁場が、前記監視対象内の変動する監視された磁場から誘導される変流器(CT)であり、
前記監視された電流の前記読み取り値は、前記変動する二次磁場に基づいて取得される、
請求項1に記載のEUMシステム。
【請求項6】
前記高度なナノ層材料を含む前記測定システムは、経験的データの緊密な線形バンディングに反映されるように、それぞれの製造されたCTで予測可能且つ再現可能となる設計によって監視された電流の関数として偏角の線形パターンを含む誤差のプロットを生成する、
請求項5に記載のEUMシステム。
【請求項7】
前記変換は、前記変動する二次磁場の関数、および監視された電流の比の反比例の関係を含む変換モデルに基づき、
前記変換は、前記測定システムの動作温度を閾値内に維持しながら、前記上限限界を超えて前記監視された電流の複数の読み取り値の上境界を拡張する、
請求項5に記載のEUMシステム。
【請求項8】
前記監視された電流の比の前記反比例の関係は、一次ループの周りのコイルの巻線数に反比例し、
前記一次ループは、前記監視された電流の周りを完全に囲み、
前記測定システムの物理的限界は、前記測定システムの前記コイルの巻線の飽和を含む、
請求項7に記載のEUMシステム。
【請求項9】
前記結合システムは、前記監視対象の動作に影響を与える前記監視対象の修正を行うことなく、および前記監視対象の任意の電気部品の動作に影響を与えることなく、前記監視対象への接続、および前記監視対象からの接続解除を可能にするように構成される、
請求項1に記載のEUMシステム。
【請求項10】
監視対象の電気使用量を監視するためのコンピュータ実装方法であって、
前記監視対象と磁気的に結合された電力使用量測定(EUM)システムによって、前記監視対象の一次電流(iP)により前記EUMシステムに誘導された二次電流(iS)の読み取り値を取得するステップであり、前記EUMシステムが、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度なナノ層材料を含み、且つ、前記EUMシステムが、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる該EUMシステムの物理的限界を超える上限限界を有するステップと、
前記EUMシステムによって、前記読み取り値が前記EUMシステムの前記上限限界を超えていると決定するステップと、
前記EUMシステムによって、前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正するための変換モデルの利用に基づいて、前記読み取り値を補正された読み取り値に変換するステップと、
前記EUMシステムによって、補正された読み取り値を通信ネットワークに提供するステップと、
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記変換モデルは、
前記EUMシステムによって、前記一次電流(iP)の複数の読み取り値を収集するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値の精度を理論上の精度と比較するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値における各読み取り値に対する比の誤差の変換関数をモデル化するステップと、
を含むことによって決定される、
請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記比の誤差の変換関数をモデル化することは、
前記EUMシステムによって、導出された比と理論上の比との差の計算に基づいて、前記複数の読み取り値における各読み取り値に対する比の誤差を決定するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値のうちの各読み取り値に対する前記比の誤差のプロットされた比の誤差のラインフィットを生成するステップと、
前記EUMシステムによって、ゼロベースラインに位置合わせされる新しい基準に対する前記プロットされた比の誤差の前記ラインフィットの相対関係に基づいて、前記変換関数を決定するステップと、
を含む、
請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記iPの前記収集された複数の読み取り値は、10ミリアンペアから400アンペアまでの範囲である、
請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記EUMシステムは、CTを備え、
前記CTは、変動する二次磁場が、前記監視対象内の変動する監視された磁場から誘導されるCTであり、
前記変動する監視された磁場の前記読み取り値は、前記変動する二次磁場に基づいて取得される、
請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記高度なナノ層材料は、経験的データの緊密な線形バンディングに反映されるように、それぞれの製造されたCTで予測可能且つ再現可能となる設計によって監視された電流の関数として偏角の線形パターンを含む誤差のプロットを生成する、
請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
前記変換は、前記変動する二次磁場の関数、およびiPの比の反比例の関係を含む変換モデルに基づき、
前記変換は、前記測定システムの動作温度を、業界で定義された安全な閾値内に維持しながら、前記iPの基準上限限界における複数の読み取り値の上境界を拡張する、
請求項14に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記iPの比の前記反比例の関係は、一次ループの周りのコイルの巻線数に反比例し、
前記一次ループは、前記監視対象の周りを完全に囲み、
前記EUMシステムの物理的限界は、前記EUMシステムの前記コイルの巻線の飽和を含む、
請求項16に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記EUMシステムは、前記監視対象の動作に影響を与える前記監視対象の修正を行うことなく、および前記監視対象の任意の電気部品の動作に影響を与えることなく、前記監視対象への接続、および前記監視対象からの接続解除を可能にするように構成される、
請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
EUMシステムを監視対象に結合する結合システムと、
変動する二次磁場が、前記監視対象内の変動する監視された磁場から誘導され、且つ、前記変動する監視された磁場の前記読み取り値が、前記変動する二次磁場に基づいて取得されるCTであって、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる前記CTの物理的限界を超える上限限界を有するCTと、
前記監視対象内の前記変動する監視された磁場の前記読み取り値を取得し、前記読み取り値が前記CTの前記上限限界を超えている場合、変換を使用して前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正する処理回路と、
を備える、電力使用量測定(EUM)システム。
【請求項20】
前記変換は、変換モデルの利用に基づいて前記読み取り値を補正するために使用され、
前記処理回路によって利用された前記変換モデルは、
前記CTを前記監視対象に接続し、前記監視対象は一次電流(iP)を有することと、
前記一次電流(iP)によって前記CT内に誘導された二次電流(iS)における複数の測定値を収集することと、
前記二次電流(iS)における前記複数の測定値の精度を、iS=iP/nで表される理論上の精度と比較し、nは、前記測定システムの一次ループの周りのコイルの巻線数であることと、
前記複数の測定値における各測定値に対する比の誤差の変換関数をモデル化することと、
によって決定される、
請求項19に記載のEUMシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する特許出願の相互参照
本出願は、2021年9月18日に出願された米国仮出願第63/261,352号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電流測定装置には、さまざまな定格および制限が存在する。定格および制限を超えると、電流測定装置は、電流の動作時または測定時に危険または不安定となる。
【発明の概要】
【0003】
自己補正電流測定のためのシステム、装置、方法、および技術が開示される。誘導測定装置は、監視対象の監視された電流の読み取り値を取得可能である。測定装置は、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度な材料で構成されるCTであることが可能である。測定システムの上限限界を超える測定装置による読み取り値、または、所望の帯域外の他の測定装置による読み取り値は、許容可能な比の誤差の帯域内に収まるように読み取り値を補正するための変換により、変換または置き換えられることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】いくつかの実施形態に係る電力使用量測定(EUM)システムおよび関連環境の実施形態を示すブロック図である。
図1B】いくつかの実施形態に係るEUMシステムの実施形態を示すブロック図である。
図2A】いくつかの実施形態に係るEUMシステムのハウジングの正面図である。
図2B】いくつかの実施形態に係るEUMシステムのハウジングの側面図である。
図2C】いくつかの実施形態に係るEUMシステムのハウジングの背面図である。
図3A】いくつかの実施形態に係る図2Aのハウジングの開いた構成における側面図である。
図3B】いくつかの実施形態に係る図2Aのハウジングの開いた構成における上面図である。
図4】いくつかの実施形態に係る電流測定装置の例示的な誤差のプロットである。
図5】いくつかの実施形態に係るEUMシステムの誤差のプロットの一例である。
図6】いくつかの実施形態に係るEUMシステムの誤差のプロットの別の一例である。
図7A】いくつかの実施形態に係る図5図6における誤差のプロットに関連する変換プロットの一例である。
図7B図7Aの変換プロットの拡大図である。
図7C】いくつかの実施形態に係る図5図6における誤差のプロットに関連する変換プロットの別の一例である。
図7D】いくつかの実施形態に係る図5図6における誤差のプロットに関連する変換プロットの別の一例である。
図8A】いくつかの実施形態に係る電気回路の電力使用量を監視する方法のフローチャートである。
図8B】いくつかの実施形態に係る変換関数を決定する方法のフローチャートである。
図9】本明細書で説明されるさまざまな実施形態での使用に適するコンピューティングシステムの一例を示すブロック図である。
【0005】
複数の図面の一部または全ては、説明を目的とした概略図であることが認識されるであろう。複数の図面は、1つまたは複数の実施形態を説明する目的で提供されるものであり、特許請求の範囲または意味を限定するために使用されるものではないことを明示的に理解されたい。
【0006】
本開示は、一般に、監視対象を流れる電流を測定すること、および本明細書に記載されるシステムおよび方法の動作境界(例えば、上限限界)を拡張するために複数の測定値を修正することに関するシステムおよび方法に関する。特に、測定値が材料の自然な特性に起因する物理的限界を超える場合、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、安全な動作温度を達成し、上限測定限界を増加させながら、測定の精度を維持するように測定を調整および/または補正することができる。つまり、変流器(CT)に基づく一般的な電流測定装置は、許容可能な比の誤差内で正確な複数の読み取り値を提供するための上限限界または定格を有する。上限限界を超えると、CTの二次巻線が飽和し、一次導体の一次電流(iP)の複数の読み取り値が低下する。これは、該二次巻線における二次電流(iS)に巻線数を乗じた値に基づいており、許容可能な比の誤差の範囲外となる。
【0007】
多くのシナリオでは、一般的な100アンペアのAC電流測定装置は、iPにおけるCTの上限限界に基づいて、100アンペア(例えば、120%または120アンペア)で定格される。したがって、定格が100アンペアと記載されているが、電流測定装置は、全ての温度制限を満たしていれば、120アンペアまで安全である。この制限または定格は、Underwriter's Laboratory (UL)などの試験機関からの温度試験結果に基づいており、正確な複数の読み取り値(すなわち、許容可能な誤差の範囲内での正確な値)を提供できる「安全な温度領域定格のアンプ」をユーザに知らせるために、予期される電流測定装置に与えられる。指定された上限限界を超えると、電流測定装置の二次巻線(例えば、細い電線など)のコイルの飽和および抵抗の増加により、内部コイルの加熱が発生する。そして、高温になると電線(金属)の属性が変化するため、さらに高い抵抗が誘発され、通常、抵抗が高くなると、複数の読み取り値が正確でなくなる。より具体的には、一次導体または一次電流(iP)とも呼ばれる測定された線電流の関係は、二次巻線の磁束によって誘導される二次電流と巻線数を乗じた比に基づいている。真の一次電流と測定された二次電流との比は、理論値と比較され、その2つの値(測定値と理論値と)の差は「比の誤差」パーセンテージと呼ばれる。測定された電流を正確に表すために、この比の誤差は、許容可能な比の誤差のパーセンテージの範囲内にある必要がある(例えば、±4.0%は、CTにおける一般的な業界で許容される(例えば、標準的な)誤差の偏差である)。
【0008】
電流測定装置における正確な測定値の上境界を拡張するには、電流測定を提供するための複数の電流測定装置の使用を排除しながら、サイズを削減することによる機械的機能の向上と、業界における動作範囲での回路効率(例えば、電流の採取)および精度の向上と、の両方が含まれる。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法は、通常の周囲温度を達成し、リスクを増加させたり安全性を低下させたりせずに(例えば、UL要件を満たし続ける)、電流測定装置の動作境界を拡張する。
【0009】
一部のシステムでは、より小さな装置(例えば、配電盤のカバープレート)を、より小さな場所に配置したいという要望から、電流測定アプリケーション、特に、CTのコアで使用するための新しい材料が開発されている。これらの材料の開発により、フェライトソリューション(図4を参照)よりも60%小さい高度なナノ層材料技術(例えば、ナノ層炭化ケイ素材料)が実現され、CTにおける熱管理および磁束密度の向上が実現されている。このナノ層材料は、CT装置の一次コアに使用できる。高度なナノ層材料は、より高い磁束密度とより低い温度で動作する(例えば、動作温度は、電流が高くてもそれほど速くまたは大幅には上昇せず、一次電流が増加するにつれて二次巻線の飽和が遅れることが可能である)。したがって、高度なナノ層材料を含むCTのコアを有する電流測定装置は、一般的な最大電流の上限限界を超えて安全に動作させることができる。別の言い方をすれば、これらの高度なナノ層材料は、周囲温度に対する安全なデルタを達成しながら、リスクを増加させたり安全性を低下させたりせずに(例えば、全てのUL要件を満たし続けている)、CT装置(例えば、電流の測定)の動作境界を拡張することができる。ただし、安全な動作温度は、電流測定の拡張された範囲にわたって達成可能であるが、他の高度な材料の使用を組み込んだ現在の電流測定装置の複数の読み取り値の精度は、依然として予測不可能であり、拡張された範囲(例えば、定格200アンペアのCTの場合は240アンペアを超える)においては不正確である。したがって、本開示は、測定の精度を維持しながら電流の複数の読み取り値の上境界を拡張することにより、典型的なAC電流測定装置を上回る利点を提供する。本開示は、高度なナノ層材料を有する装置の正確な複数の読み取り値の上境界を拡張するために、測定された二次電流の関数および一次電流の比の反比例の関係(加えて、ライン上のその位置での比の誤差)としての変換モデルを採用し、改良を提供する。正確な測定の上境界を拡張すると、業界の動作範囲にわたる電流測定を提供するための複数の電流測定装置を使用する必要がなくなる。
【0010】
したがって、本開示は、変換モデルを利用してCTの電流測定装置による正確な測定の上境界を拡張するシステムおよび方法を対象とする。いくつかの実施形態では、変換モデルは、回転角度定数をもたらす比の誤差の線形「カーブフィット」パターンを含むことができる。回転角度定数は、変換関数または転置において利用されることが可能であり、および/または変換関数または転置を導出するために利用されることができる。いくつかの実施形態では、変換モデルは、変換関数を使用して二次電流の読み取り値を変換し、誤差の比の位置を正確な一次電流の読み取り値に変換する調整誤差補正を実行することを含むことができる。さらに、上限限界(例えば、定格100アンペアのCTの120アンペア)を超える比の誤差は、上限限界を下回る比の誤差のプロットと同じ基準軸に置き換えることができる。
【0011】
図1Aは、いくつかの実施形態に係る電力使用量測定(EUM)システム110および関連環境100の実施形態を示すブロック図である。1つまたは複数のユーザ装置140(例えば、スマートフォン、タブレット、パソコンなど)は、ユーザによって、様々なアクションを実行し、および/または様々なタイプのコンテンツにアクセスするために使用されてよく、その一部はネットワーク130(例えば、インターネット、LAN、WAN、LoRa WANなど)を介して提供されてよい。本明細書で使用される「ユーザ」または「実態」という用語は、ユーザ装置140を操作する個人を指してよく、ユーザ装置140などを介して、リソースまたはコンテンツと対話する。ユーザ装置140は、EUMシステム110および監視システム150との間でデータを送受信するために使用されてよく、ウェブサイト(例えば、インターネットブラウザを使用している)へのアクセス、モバイルアプリケーションへのアクセス、ビデオ(例えば、テレビ、ライブストリーム)へのアクセス、およびその他のメディアファイルへのアクセスのために使用されてよく、スマートアシスタントとの通信、および/または他のタイプのコンテンツにアクセスしたり対話したりするために使用されてよい。
【0012】
監視システム150は、1つまたは複数のプロセッサ130(例えば、汎用プロセッサまたは専用プロセッサ)を含むことができ、1つまたは複数の一時的および/または非一時的記憶媒体および/またはメモリ装置(例えば、磁気ストレージ、光学ストレージ、フラッシュストレージ、RAMなどのコンピュータ可読ストレージメディア)を含むことができ、および/またはそれらと動作可能に結合することができる。監視システム150は、EUMシステム110のオン状態およびオフ状態の両方に対して監視している電流を提供するために、受信したデータを編集してよい。監視システム150は、EUMシステム110からデータを受信することができる(例えば、ネットワーク130を介して、および/またはハブ160から)。このデータには、測定された電流および所定の閾値が含まれることが可能である。監視システム150は、1つまたは複数のEUMシステム110からデータを受信することができる。
【0013】
監視システム150は、オフ状態期間、およびEUMシステム110が電気エネルギーを蓄積していた間に監視されたエネルギー源(例えば、電源102から電線104)にあった過去の電流を決定することができる。例えば、オフ状態期間の長さを決定するために、監視システム150は、受信した複数の電流測定値間における複数のタイムスタンプを比較してよい。過去の電流を決定するために、監視システム150は、所定の閾値レベルを使用してよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、監視システム150は、第1の期間、EUMシステム110から監視している電流パラメータの第1のセットを受信してよく、監視している電流パラメータは、第1の期間中に監視されたエネルギー源で測定された電流を含む。監視システム150は、さらに、第2の期間、EUMシステム110から監視している電流パラメータの第2のセットを受信してよく、監視している電流パラメータは、第2の期間中に監視されたエネルギー源で測定された電流を含む。第1の期間と第2の期間は異なっていてよく、第1の期間と第2の期間との間に第3の期間が存在してよい。第2の期間中に監視されたエネルギー源を通過した過去の電流を決定するために、監視システム150は、EUMシステム110に電力を供給するために必要な電流量、および第1の期間と第2の期間との間の時間の長さを考慮してよい。
【0015】
一般に、EUMシステム110は、あらゆる種類の消費回路(例えば、エネルギーを消費する)およびシステムを含んでよく(図1Bを参照して詳細に説明される)、それらは、分電盤106の監視された電源102からの電線104の電流の検出および/または測定に加えて、あるいは、それ以外の様々な機能を達成するための動作を実行するシステムを含んでよい。例えば、EUMシステム110は、導電体またはその一部にかかる電圧を検出または測定してよい。EUMシステム110は、データの送信を提供してよい。いくつかの実施形態では、EUMシステム110は、一度に複数の監視されたエネルギー源(例えば、分電盤106)の電圧および/または電流データを収集してよい。別の実施形態では、EUMシステム110は、オフ状態(すなわち、電源オフ)の間の経過時間から、どれだけの電流がどのくらいの時間で消費されたかを推測することができる。これは、EUMシステム110を充電するための(電線104を通る)電流量を知ることにより、そして、最後の読み取りのタイムスタンプおよび即時起動のタイムスタンプを取得することにより、達成され得る。その結果、EUMシステム110は、読み取りの間に、電線104(または監視されたエネルギー源)上に、必要なベース電流負荷を消費するのにどれくらいの時間が経過したかについて推論することができる。換言すれば、EUMシステム110は、システムが再び電源を入れるのに「x」エネルギーを必要とすることを考慮することによって、オフ状態にある間のエネルギーを評価してよい。それゆえ、EUMシステム110の充電中に既知のエネルギー量が発生したという推論(例えば、最後の測定と次の測定における与えられたタイムスタンプ)が可能になる。EUMシステム110は、リアルタイムの読み取り値(EUMシステム110、特に、処理回路に電力が供給されている間)と蓄積データ(EUMシステム110の充電中)との両方を提供してよい。
【0016】
EUMシステム110は、1つ以上のプロセッサ(例えば、任意の汎用プロセッサまたは専用プロセッサ)を含むことができ、1つまたは複数の一時的および/または非一時的記憶媒体および/またはメモリ装置(例えば、磁気ストレージ、光学ストレージ、フラッシュストレージ、RAMなどのコンピュータ可読ストレージメディア)を含むことができ、および/またはそれらに動作可能に結合することができる。様々な実施形態において、EUMシステム110およびハブ160は、別個のシステムとして実装されることも可能であるし、単一のシステム内に統合されることもできる(例えば、ハブ160は、EUMシステム110の機能/能力の一部または全てを組み込むように構成されることができる)。EUMシステム110は、様々なアーキテクチャ(例えば、クライアント/サーバ、ピアツーピアなど)を介してネットワーク130上で通信するように構成され得る。EUMシステム110は、EUMシステム110によって収集され解釈される(例えば、モデル化される)複数の測定値を分析するための様々なインターフェースを提供するように構成されることが可能である。
【0017】
EUMシステム110は、ハブ160および/またはネットワーク130に情報を送信および提供してよい。いくつかの実施形態では、送信は、無線技術を介した無線プロトコルによるものであってよい。送信には、電線104内の電流の測定値を示すデータが含まれてもよい。このようにして、電線104内の電流は、遠隔で(例えば、遠隔オペレーションセンターから)監視および/または測定されることができる。さらに、電流の測定は電線104から遠隔で処理されることができる。いくつかの実施形態では、電源102によって提供される電線104内の電流に関するデータは、ユーザ装置140上のアプリケーションなどを介して、遠隔ユーザに提示されることが可能である。いくつかの実施形態では、データは、ウェブインターフェース、コンパイルされたプログラム、ダウンロード可能なスプレッドシート、API、オンボード画面、サウンド、アラート、通知などを含むがこれらに限定されず、他のユーザーインターフェースを介して提示されてよい。
【0018】
EUMシステム110は、(例えば、電線104の周りの誘導ループによって)誘導的に電力を供給されることが可能であり、導電体(すなわち、電源102から来る電線104)内の電流を監視することが可能である。例えば、電線104は、建物への三相電力線であってよい。別の例では、電線104は、分電盤106(または導電性パネル)から一列に並んでよい。EUMシステム110は、CTであってよい。一実施形態では、CTは、CTを電線104の周りにクリップされるか、そうでなければクランプされるか、電線104に接続されることが可能なように、分割コアを有するCTクランプであってよい。CTは、電線104(すなわち、監視されたエネルギー源)内の変動する電流の流れから、変動する磁場を伝導することが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、EUMシステム110は、誘導周波数パネル(例えば、ワイヤレスパワーコンソーシアムが長距離の誘導充電のために開発したオープンインターフェイス規格であるQiとの互換性がある)であってよい。EUMシステム110は、電線104内の変動する電流の流れから、変動する磁場を生成することができる。いくつかの実施形態では、電線104内の変動する電流の流れは、交流(AC)であってよい。他の実施形態では、電線104内の変動する電流の流れは、直流(DC)である。変動する磁場は、EUMシステム110の第2の導電体内に起電力を誘導して、電気エネルギーを生成することができる。例えば、第2の導電体は、コイルまたは電線であってよい。EUMシステム110の特徴および機能に関する追加の詳細は、図1Bについて本明細書で提供される。
【0020】
図1Bは、例示的な実施形態に係るEUMシステム110(図1Bでは「EUMシステム110」として示される)の実施形態を示すブロック図である。EUMシステム110は、図1AのEUMシステム110と類似および/または同一であってよい。EUMシステム110は、図9の説明で以下に説明するようなコンピューティング装置の1つまたは複数のプロセッサ上で動作または実行することができる。EUMシステム110は、ネットワークインターフェース112、処理回路114、プロセッサ116、メモリ118、EUMデータベース120、電流モデラー122、入力/出力(I/O)インターフェース124、結合システム126、および測定システム128を含むことができる。様々な実施形態は、図1Bに示されるものよりも多い、少ない、または異なるシステムを含むことができ、そのような修正は全て本開示の範囲内で企図されることを理解されたい。
【0021】
ネットワークインターフェース112は、ネットワーク130および/またはハブ160を介して、他のコンピューティングシステムおよび装置(例えば、監視システム150、ユーザ装置140など)との接続を確立するために構築され、使用される。ネットワークインターフェース112は、ネットワーク130へのEUMシステム110の(例えば、ハブ160を介した)接続を容易にするプログラムロジックを含む。例えば、ネットワークインターフェース112は、無線ネットワークトランシーバ(例えば、セルラーモデム、Bluetoothトランシーバー、Wi-Fiトランシーバー、長距離(LoRa)WANなど)および/または有線ネットワークトランシーバ(例えば、イーサネットトランシーバ)の任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース112は、データ通信の複数のチャネルを介した通信をサポートするのに十分なハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリなど)および機械可読媒体を含む。さらに、いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース112は、安全なまたは比較的安全な通信セッションを確立するための暗号化機能を含み、セッション上で通信されるデータは暗号化される。例えば、ネットワークインターフェース112は、(例えば、ハブ160を介してネットワーク130に)送信されるデータを安全に暗号化してよい。
【0022】
処理回路114は、プロセッサ116、メモリ118、EUMデータベース120、および電流モデラー122を含む。メモリ118は、本明細書で説明される様々なプロセスを完了および/または促進するためのデータおよび/またはコンピュータコードを記憶するための1つまたは複数の装置(EUMデータベース120などであり、例えば、スタティックRAM、ダイナミックRAM、フラッシュメモリ、1つ以上のフリップフロップ、または他の電子記憶媒体、ハードディスク記憶装置)であってよい。メモリ118は、非一時的揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および非一時的コンピュータ記憶媒体であってよいし、それらを含んでよい。メモリ118は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、または本明細書で説明される様々なプロセスおよび情報構造をサポートするために構造化された任意の他のタイプの情報を含み得る。メモリ118は、プロセッサ116に通信可能に結合されてよく、本明細書で説明される1つまたは複数のプロセスを実行するためのコンピュータコードまたは命令を含んでよい。
【0023】
プロセッサ116は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一群の処理構成要素、または他の適切な電子処理コンポーネントとして実装され得る。プロセッサ116は、エネルギー源内の電圧または電流を検出、測定、および/または推定するための動作を実行する任意の計算回路を含んでよい。プロセッサ116は、汎用プロセッサおよび/または専用プロセッサを含んでよい。一実施形態では、プロセッサ116は、他の計算装置と通信するための専用の送信(Tx)機能および/または受信(Rx)機能を提供するLoRa(登録商標)チップおよび/またはBluetooth(登録商標)チップを含む。これらの特殊目的のTx/Rxチップは、ネットワークインターフェース112を補足してよいし、および/またはネットワークインターフェース112に含めてよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、メモリ118はEUMデータベース120を格納してよい。EUMデータベース120に格納されたデータは、電流モデラー122などの処理回路114によって生成されたデータを含んでよい。例えば、EUMデータベース120は、複数の電流測定値(例えば、一次電流の測定値、二次電流の測定値、過去の電流の測定値)、測定システム128の複数のパラメータ(例えば、巻き線のループ)および複数の限界値(例えば、安全な動作などのための定格、上限および下限などの精度、飽和など)、複数の電圧測定値、複数のモデル(例えば、変換モデル)、複数の測定プロット、エネルギー源情報など、これらに限定されるものではないが、これらを格納するように構成されてよい。例えば、電流モデラー122は、EUMデータベース120に格納されている変換モデルを実行することができる。
【0025】
電流モデラー122は、測定システム128から複数の測定値を受信し、受信した複数の測定値をモデル化することに基づいて、複数の電流推定値を生成することができる。複数の測定値は、測定システム128によって収集され、電線(例えば、図1の電線104)を介して監視されたエネルギー源(例えば、電源102)の一次電流(本明細書では「監視された電流」と呼ぶこともある)に基づいた二次電流の測定値を含んでよい。いくつかの実施形態では、電流モデラー122は、二次電流の測定値をモデル化することに基づいて推定(または導出)された一次電流を生成するように構成されることが可能である。一般に、電流モデラー122は、測定システム128などの他の構成要素からの複数の読み取り値に基づいて、監視されたエネルギー源を流れる電流を推測するための動作を実行することができる。電流モデラー122は、1つまたは複数の推定された一次電流が、EUMシステム110の上限限界を超えていると判断することができる。加えて、電流モデラー112は、変換モデルの実行に基づいて、推定された一次電流の補正された読み取り値への変換を実行して、許容可能な比の誤差内に読み取り値を補正するように構成されることも可能である。変換モデルを実行する電流モデラー112は、データセットを転置(再生成、または、その他の変更)して、一次電流の推論(例えば、形式的または数学的に「元に戻す」)を明確に可能にするか、さもなければ許容することができる。
【0026】
入力/出力インターフェース124は、ユーザ装置140および監視システム150から通信を受信し、それらに通信を提供するように構成されることが可能である。一般に、入力/出力インターフェース124は、1つ以上の入力装置および/または1つ以上の出力装置とのインターフェースを容易にし得る。例えば、入力/出力インターフェース124は、監視システム150の入力/出力構成要素およびユーザ装置140とデータ、通信、命令などを交換するように構成されている。一実施形態では、入力/出力インターフェース124は、入出力インターフェース124と監視システム150およびユーザ装置140の構成要素との間のデータ、値、メッセージなどの交換を容易にするための通信回路を含む。さらに別の実施形態では、入力/出力インターフェース124は、入出力インターフェース124と監視システム150およびユーザ装置140の構成要素との間の情報交換を容易にするための機械可読媒体を含む。さらに別の実施形態では、入力/出力インターフェース124は、ハードウェア構成要素、通信回路、および機械可読媒体の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、入力/出力インターフェース124は、適切な入力/出力ポートを含み、および/またはローカルディスプレイ(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)および/またはキーボード/マウス装置(適用できる場合)などと相互接続するための相互接続バス(図示せず)を使用し、プログラミングおよび/またはデータ入力、取得、またはその他のユーザ対話を目的としたローカルユーザインターフェイスとして機能する。したがって、入力/出力インターフェース124は、ユーザがEUMシステム110の様々なシステムおよび回路と対話するためのインターフェースを提供してよい。
【0027】
結合システム126は、監視されたエネルギー源の電流を監視するために、電線を介してEUMシステム110を監視されたエネルギー源に結合することができる。いくつかの実施形態では、結合システム126は、監視されたエネルギー源に電気的に結合する結合する構成要素であることが可能である。例えば、結合する構成要素は、ファスナー(例えば、面ファスナー、ボルト、ネジ)、リビングヒンジ、ラッチ、バックル、フィッティング、アダプタ、1つ以上の結合する構成要素の組み合わせなどであることが可能であるが、これらに限定されるものではない。さらに、「接続される」および「結合される」という語句は、本明細書では通常の意味で使用され、2つ以上の構成要素間の任意の適切な結合または相互作用の他の形式を指すのに十分広い意味を持つ。2つの構成要素は、互いに直接接触していなくても、互いに結合する場合がある。「取り付けられる」という語句は、互いに直接接触している2つ以上の構成要素間の相互作用を指す。
【0028】
いくつかの実施形態では、結合システム126は、上部ハウジング部分および下部ハウジング部分を使用して電流を生成するために電気的に結合されることが可能である。上部ハウジング部分および下部ハウジング部分は、ハウジングが閉じた構成で配置されるときに磁気コア半体を位置合わせして互いに結合するように構成されることができる。結合システム126の特徴は、図2A図2Cおよび図3A図3Bを参照して以下でより詳細に説明される。さらに、EUMシステム110の結合システム126の一例は、2021年3月17日に出願された米国特許出願第17/204,539号に記載されており、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
測定システム128は、監視されたエネルギー源内の変動する電流の流れから誘導される変動する磁場により、電流を生成(または伝導)することができる。一般に、測定システム128は、電線内の変動する電流の流れから変動する磁場を生成することができる。いくつかの実施形態では、電線内の変動する電流の流れは、交流(AC)であってよい。他の実施形態では、電線内の変動する電流の流れは直流(DC)であってよい。変動する磁場は、測定システム128(例えば、特に導電体)内に起電力を誘導して、電気エネルギーを生成することができる。導電体は、測定システム128に電気的に結合される、または測定システム128に含まれるコイルまたは電線であってよい。いくつかの実施形態では、EUMシステム110は、測定システム128によって誘導される電流がEUMシステム110のシステムおよび回路に電力を供給し得るように、自己給電することが可能である。特に、測定システム128は、高度なナノ層材料などの電気的構成要素を含むことができるが、これに限定されるものではない。本明細書で使用される場合、「高度なナノ層材料」とは、磁密度および飽和領域(「飽和領域」、「上限限界」、または「上限評価」と呼ばれることもある)などを備えた熱的に安定な材料であることが可能である。いくつかの実施形態では、高度なナノ層材料は、炭化ケイ素(SiC)であることが可能である。様々な実施形態において、高度なナノ層材料は、電磁界面(EMI)シールド材料であることが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、測定システム128は、分割コアCTを含むことができる。特に、分割コアを有することにより、分割コアCTを監視されたエネルギー源の周りにクリップするか、クランプするか、あるいは接続することができる。他の実施形態では、測定システム128は、誘導周波数パネル(例えば、Qiと互換性のある)を含むことができる。測定システム128の特徴は、図2A図2Cおよび図3A図3Bを参照して以下でより詳細に説明される。さらに、EUMシステム110における測定システム128の一例は、2018年3月26日に出願された米国特許出願第15/936,225号に記載されており、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
図2A(正面図)、図2B(側面図)、および図2C(背面図)は、いくつかの実施形態に係る図1BのEUMシステム110に関連するハウジング200の様々な図である。図2A図2B、図および2Cは、閉じた構成のハウジング200を示している。ハウジング200は、上部ハウジング部分210および下部ハウジング部分220の2つのハウジング部分を備えてよい。図2A図2B、および図2Cにおける図示された実施形態では、ハウジング200は、上部ハウジング部分210および下部ハウジング部分220を含んでよく、両方とも射出成形プラスチック部品であってよい。さらに、上部ハウジング部分210および下部ハウジング部分220の任意のおよび全ての構成要素は、上部ハウジング部分210および/または下部ハウジング部分220の一体的に成形された部分であってよい。上部ハウジング部210および下部ハウジング部220は、ハウジング200の一方の側(例えば、後部)に配置されたヒンジ300を介して結合される。したがって、ヒンジ300は、ハウジング200を、図2Aに示されているような閉じた構成、および開いた構成に選択的に配置されることを容易にしてよい。上部ハウジング部分210は、ハウジング200の別の側(例えば、ヒンジ300の反対側の前部)に配置され得るラッチ205を備えてよい。ラッチ205の操作は、ハウジング200が閉じた構成で配置されているときに、ハウジング200が非ラッチ構成からラッチ構成に選択的に移行することを容易にしてよい。いくつかの実施形態では、ラッチ205は、ハウジング200が完全に閉じられると、ハウジング200を非ラッチ構成からラッチ構成に自動的に移行させるように構成されてよい。例えば、ラッチ205は、ラッチ205のリップ206が突出部207の縁部を通過すると、リップ206が突出部207の縁部と係合する状態でラッチ205が所定の位置に跳ねるように、ラッチ構成に向けて付勢されてよい。同様に、ラッチ205を操作して、ハウジング200をラッチ構成からラッチ解除構成に移行させてよい。例えば、ラッチ205は、リップ206を突起207から外して係合を解除するために、外側に押し込まれるか、または外側に曲げられてよい。
【0032】
ハウジング200は、分割コアCTの電気的構成要素を受け入れるように構成されている。電気的構成要素は、CTの分割コア部分を画定する一対の磁気コア半体を含んでよい。磁気コア半体は、一方の磁気コア半体が上部ハウジング部210に配置され、他方の磁気コア半体が下部ハウジング部220に配置されるように、ハウジング200の内部に配置されてよい。磁気コア半体は、磁気コア半体の端部が位置合わせされ、互いに結合されたときに、磁気コア半体を貫通する完全に囲まれたまたは取り囲まれた開口部を画定するように、U字形(または、C型、半リング型、または部分的な切り欠きを含むあるいは形成する他の同様の形状)であってよい。開口部は、磁気コア半体が1つまたは複数の導体の周囲全体に延在するように、1つまたは複数の電気導体(例えば、電線)を受け入れるように構成されてよい。磁気コア半体を通る開口部は、上部ハウジング部分210および下部ハウジング部分220によって画定されるハウジング200の開口部203と、少なくとも部分的に位置合わせされてよい。開口部203は、それに対応して、1つまたは複数の導体を受け入れるように構成される。上部ハウジング部分210および下部ハウジング部分220は、ハウジング200が閉じた構成に配置されるときに、磁気コア半体を位置合わせして互いに結合するように構成される。
【0033】
より詳細に説明されるように、ヒンジ300は、不注意でバラバラになったり、「スナップが外れたり」、あるいは分解される可能性は低い。分割コアCTなどの現在入手可能なハウジングは、開口部203に対して大きすぎる導体の周囲にハウジング(および分割コアCT)を設置しようとすると、スナップが外れたり、そうでなければバラバラになったりする可能性が高い。ヒンジ300を備えた本開示の実施形態は、大きすぎる導体の周囲に設置しようとするそのような試みの間、無傷のままである可能性がより高い。
【0034】
図2Cに示されるように、上部ハウジング部分210は、端壁211、側壁212、および側壁212の反対側の対向側壁213を備える。ヒンジ300は、第1のヒンジ部分310および第2のヒンジ部分320(例えば、キー付きヒンジ部品)を備え、それらは両方ともヒンジ軸Ah上またはヒンジ軸Ahに配置され、ヒンジ軸Ahの周りで回転するように構成される。図示されているように、第1ヒンジ部310は、対向側壁213の外面に隣接して配置され、第2ヒンジ部320は、対向側壁212の外面に隣接して配置される。
【0035】
図3Aは、いくつかの実施形態に係る開いた構成にある図2Aのハウジング200の側面図である。上部ハウジング部分210は、ハウジング200を開くために、下部ハウジング部分220に対してヒンジ軸Ahを中心に約180度回転され得る。180度回転して開いた構成(例えば、完全に開いた構成)にすることによって、磁気コア半体の部分的な切り欠きへの妨げられないアクセスが可能になる。ハウジング200が完全に開いた構成で配置される場合、ハウジング200が完全に開くことができないか、またはハウジング200が完全には開いていない構成(例えば、280度未満)で配置される場合よりも、ハウジング200は、開口部203内に1つまたは複数の導体をより容易に受け入れ得る。場合によっては、量、剛性、サイズ、および他の物体に対する位置などの1つまたは複数の導体の特性により、ユーザが1つまたは複数の導体をハウジング200の開口部203内に封入することが困難になる可能性がある。したがって、ハウジング200を完全に開いた構成に配置し、それによって開口部203(および磁気コア半体の切り欠き)に少なくとも一方向に完全にアクセスできるようにすることは、ユーザにとって有利である可能性がある。例えば、ユーザは、1つまたは複数の導体を下部ハウジング部分220の開放端に隣接して配置してよく、次いで、上部ハウジング部分210を閉じた構成に向かって回転させてよい。同様に、ユーザは、上部ハウジング部分210によって画定される開口203に隣接して1つまたは複数の導体を配置してよく、次いで、下部ハウジング部分220を閉じた構成に向けて回転させてよい。
【0036】
図3Bは、いくつかの実施形態に係る開いた構成にある図2Aのハウジング200の上面図である。参考のために、上部ハウジング部分210内に配置され得る磁気コア半体350の一部も示されている。図示されるように、磁気コア半体350は、端壁211に隣接して側壁212、213の間に配置され得る。上部ハウジング部分210は、1つまたは複数の付勢部材214を備え得る。付勢部材214は、ハウジング200が閉じた構成にあるときに、2つの磁気コア半体が互いに面一に固定されることを保証するために、上部ハウジング部分210内に配置された磁気コア半体350に、下部ハウジング部分220内に配置された対応する磁気コア半体(図示せず)に向かって力を及ぼしてよい。図示の実施形態では、付勢部材214は、上部ハウジング部分210の可撓性部分を備え得る。
【0037】
図4は、いくつかの実施形態による、電流測定装置に関連した誤差のプロット400の一例である。特に、本明細書で説明されるEUMシステム110とは異なり、電流測定装置は、エネルギー源内の電流を測定しようとするときに通常使用される鉄(フェライト)コアCTである。示されているように、比の誤差の鉄(フェライト)コアCTのプロットは、トランペット(+/-)の形をしている。別の言い方をすると、比の誤差の理論式は次のようになる。
【数1】
ここでiPは一次電流、iSは二次電流、nはCTの巻線数、xはプラス(+)またはマイナス(-)の比の誤差を示し、xは許容可能な閾値からランダムに外れ始める。
【0038】
比の誤差のトランペットは、正(プラス)領域と負(マイナス)領域との両方に示されている。例示的な誤差のプロット400に示されているように、120アンペアを超える比の誤差のランダムなトランペットは、電流測定装置の上限限界(+/-4%)を120アンペアとする。比の誤差は、120アンペアを超えると、ランダムに許容閾値(破線で表示)を超え始める。誤差の原因となる二次巻線の飽和は、安全範囲を超えた温度の上昇によって引き起こされる可能性がある(例えば、ULによれば、周囲温度が+40度を超える場合、安全でないとみなされることが可能である)。すなわち、図4を参照して示すように、100アンペア定格の製品は、その上端(例えば、CTのUL定格の120%)まで4%の比の誤差以内にプロットされ、上端(例えば、125アンペア以上)を超えると4%を超える測定誤差を示す可能性がある。したがって、典型的な電流測定装置は、上限限界を超える電流を測定すると、領域440の外側にプロットが開始されることになる。
【0039】
図5および図6は、図1BのEUMシステム110などのいくつかの実施形態に係るEUMシステムに関連した誤差のプロット500、600の一例を示す。高度なナノ層材料で構成されるCTを有する電流測定装置によって生成される比の誤差のプロットは、図4のトランペット型プロットとは異なる「ホッケースティック」パターンを有する。CTベースの電流測定装置(例えば、EUMシステム110)内のこれらのナノ層材料は、共通の負の傾斜軸に沿って一貫した予測可能な比の誤差を生成する。比の誤差のプロットの各点が直線軸に近いため、定格または同様の閾値(例えば、220アンペア)(図5ではまとめて「パートA」としてプロットされている)までのCT測定は非常に正確である。定格または閾値を超える次の範囲と上限限界(例えば、220アンペアから250アンペアまでの間)(図5ではまとめて「パートB」としてプロットされている)との間のCT測定値は、誤差を明らかにし始めるが、第1の共通の負に傾斜した軸513に沿って、一貫した予測可能な比の誤差を生成する。上限限界(例えば、250アンペア以上)(図5ではまとめて「パートC」としてプロットされている)を超える次の範囲のCTの測定値は、図5のプロットに示されるように、共通の負に傾斜した軸またはラインフィット軸515に沿って一貫した予測可能な比の誤差を生成する。例えば、同様の負に傾斜した帯域が図6のプロットに示されている。図5および図6の比の誤差のプロット500、600に示すように、比の誤差は一貫して予測可能である。すなわち、線形ガイドライン520と530との間に示されるかなり狭く線形のサンプル帯域510内で再現可能である(まとめて「PartC」として示す)。別の言い方をすれば、上限限界を超える材料で構成されるCTは、複数の試験にわたって再現可能であり、予測可能な比の誤差の結果(ラインフィット軸に沿って定義可能な帯域内)を提供することができ、開示された実施形態で利用することができる。これにより、CTの上限限界を超えて使用可能な正確な読み取り値を拡張することができる。
【0040】
さらに、現在の業界標準は、「正確」を4%の比の誤差以内であると特徴付けている(図6の領域640として示されている)。図4とは対照的に、ナノ層のCTの比の誤差のプロットは、領域650内にあり、誤差は0.4%未満である。図示されているように、図6の比の誤差のプロット600は、ナノ層のCTの比の誤差が約200アンペアまで、0.4%未満であることを示している。200アンペアを超えると、ナノ層のCTの比の誤差のプロットは、(図4に示されているような)トランペットパターンではなく、顕著な線形パターンを示し、ラインフィットによって偏角を一次電流の関数として数学的に表すことが可能である。比の誤差のプロットのパターンは予測可能であり、+/-1%幅の線形バンディングによって反映されているように線形に近いと言える。そして、これは、領域660として示されている。
【0041】
図7Aは、図5図6の比の誤差のプロット500、600などのいくつかの実施形態に係るEUMシステムの比の誤差のプロットに関連した、変換を伴う比の誤差のプロット700の一例である。図7Aは、上限限界を超える比の誤差のプロットの複数の点における、上限限界未満の比の誤差のプロットの複数の点の基準軸と同じ基準軸への転置を示している。より具体的には、図7Aは、上限限界よりも下の基準軸と整列する基準軸715’に転置されたラインフィット軸715による誤差データを示している。図7Aに示されているように、220アンペア未満(例えば、第1の電流領域)の測定では、上限限界を下回る比の誤差のプロットの基準軸がチャートのx軸である(つまり、ラインy=0)。プロットされた220アンペアから250アンペアまでの測定値は、予測可能性を示しており、第1の負の傾きを有する第1のラインフィット軸713を用いて、220アンペア―250アンペアの範囲内の複数の点(例えば、第2の電流領域708)に対して第1のラインフィットを行うことができる。プロットされた250アンペアを超える測定値は、予測可能性を示しており、負の傾きを有する第2のラインフィット軸715を用いて、250アンペアを超える範囲内の複数の点(例えば、第3の電流領域710)に対して第2のラインフィットを行うことができる。220アンペア~250アンペアの範囲内の比の誤差のプロットされた複数の点は、第1のラインフィット軸713がチャートのx軸と整列する(または、実質的に整列および/または平行になる)ように、転置されることが可能であり、250アンペアを超える比の誤差のプロットされた複数の点は第2のラインフィット軸715がチャートのx軸715'と整列する(または実質的に整列および/または平行になる)ように、転置されることが可能である。このようにして、上限限界を超える比の誤差データは、上限限界を下回る比の誤差のプロットと同じ基準軸715’に置き換えられる。この置き換えにより、正確な測定値の上境界を増やすことができる。例えば、上境界は、120アンペアの上限限界から400アンペアまで増加させることが可能である。転置とは、データセットを再キャストまたは変更して、一次電流の推定を明確に有効にするか、そうでなければ許可することである(例えば、形式的または数学的に「元に戻す」)。したがって、これにより、定格が100アンペアから400アンペアのCTの電流測定装置を製造する必要性が軽減される。
【0042】
いくつかの実施形態では、モデラー(例えば、図1Bの電流モデラー122)によって、複数の電流領域は、決定され、指定されることが可能である。特に、誤差のプロット700上の電流領域は、誤差のプロット700の2つのx座標の間の電流範囲であることが可能である。例えば、電流領域708は、220アンペアと250アンペアとの間であることが可能である(プロットのパートBに対応する)。別の例では、電流領域710は、250アンペアと350アンペアとの間であることが可能である(プロットのパートCに対応する)。また、変換モデルによってモデル化されていない複数の比の誤差の点(例えば、複数のデータ点)を含むプロットされた比の領域702も示されている。さらに、示されているように、電流モデラー122による変換に基づいて計算されプロットされた複数の修正された比の誤差の点(図7A図7Bでは、「修正された精度」の点として示されている)を含むプロットされた比の領域704が示されており、変換モデルの利用に基づいて電流の読み取り値(例えば、プロットされた比の領域702における複数の比の誤差の点)を補正された読み取り値に変換し、読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正する。さらに、示されているように、許容可能な比の誤差内に収まるように読み取り値を補正するための変換モデルの利用に基づいて、電流の読み取り値(すなわち、比の領域702におけるプロットされた比の誤差の複数の点)を、補正された読み取り値に、電流モデラー122によって、変換することに基づいて、計算されプロットされた複数の修正された比の誤差の点(図7A図7Bでは「修正された精度」を示す複数の点として示されている)を含む、プロットされた比の領域704が示されている。したがって、プロットされた比の領域702のデータ点は、変換モデルによってプロットされた比の領域704の新しいデータ点に変換され得る。図7Aでは、ラインフィット軸715とプロットされた比の領域702内の複数の点との間の垂直距離707(y座標距離)は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に、新しい基準軸715’から維持されることができる。いくつかの実施形態では(例えば、図7Cを参照)、ラインフィット軸715とプロットされた比の領域702内の複数の点との間の距離またはデルタ706は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に維持されることができる。
【0043】
新しい基準軸715’の回転角度712、またはラインフィット軸715と元の基準軸(例えば、x軸または線y=0)との間の角度712を決定することができ、電流測定装置の固定設計定数として使用されることが可能である。図7Aには、第2のラインフィット軸715と新しい基準軸715’(またはx軸)との間の回転角度712が示されている。第1のラインフィットとx軸との間の別の回転角度が決定されてもよく、電流測定装置の固定設計定数として使用されることが可能である。角度712は、変換モデラーの転置アルゴリズムまたは式における固定設計定数として使用されてよい。いくつかの実施形態では、転置は、回転角度712を使用する行列転置であってよい。いくつかの実施形態では、回転角度712は、ラインフィット軸に対する点の垂直距離またはデルタ706を決定するために使用されることが可能であり、その結果、同じデルタ706が新しい基準軸715’で維持されることが可能となる。これは図7Cに示されており、これを参照して以下に説明される。
【0044】
図7Bは、図7Aの比の誤差のプロット700の拡大図である比の誤差のプロット750である。図7Bにおける比の誤差のプロット750は、電流領域708、710、ラインフィット軸715、上限限界(例えば、x軸)より下の比の誤差のプロットの基準軸と一致する修正された基準軸715’に対する誤差のデータセットの転置を、より明確に示している。図7Bにおいて、比の誤差のプロット点は、修正された比の誤差データに転置されると、同じ水平位置でx軸に沿って配置されることが分かる。また、図7Bでは、比の誤差のプロット点は、ラインフィット軸715から垂直距離に位置し、同じ垂直距離(すなわち、y座標距離)は、転置された修正データ内で維持されていることが分かる。別の言い方をすれば、ラインフィット軸715とプロットされた比の領域702内の各点との間の垂直距離707(y座標距離)は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に、新しい基準軸715’から、それぞれの対応する修正された点に、維持されることが可能である。いくつかの実施形態では(例えば、図7Cを参照)、ラインフィット軸とプロットされた比の領域702内の点との間の垂直距離またはデルタ706は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に維持されることが可能である。
【0045】
図7Cは、図5図6および図7A図7Bにおける比の誤差のプロット500、500など、いくつかの実施形態に係るEUMシステムの比の誤差のプロットに関連した、変換を伴う比の誤差のプロット760の別の一例である。図7Cは、上限限界を超える比の誤差データを、上端限界を下回る比の誤差のプロットの基準軸と同じ基準軸に転置することを示している。より具体的には、図7Cは、上限限界を下回る未修正の比の誤差データの基準軸(x軸)と一致する新しい基準軸715’に転置されたラインフィット軸715による誤差データを示している。新しい基準軸715'へのデータの転置は、図7Bで利用された変換モデルとは異なる変換モデルによって達成されてよい。図7Cにおいて、比の誤差のプロット点は、修正された比の誤差データに転置されると、同じ水平位置でx軸に沿って配置されることが分かる。また、図7Cでは、比の誤差のプロット点は、ラインフィット軸715から垂直距離706に位置し、基準軸からの同じ垂直距離は、転置された(修正された)データ内のそれぞれの対応する点に維持されていることが分かる。別の言い方をすれば、ラインフィット軸715とプロットされた比の領域702内の点との間の垂直距離は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に新しい基準軸715’から維持されることが可能である。
【0046】
図7Dは、図5図6図7A図7B、および図7Cにおける比の誤差のプロット500、600など、いくつかの実施形態に係るEUMシステムの比の誤差のプロットに関連した、変換を伴う比の誤差のプロット770別の一例である。図7Dは、上限限界を超える比の誤差データを、上端限界を下回る比の誤差のプロットの基準軸と同じ基準軸に転置することを示している。より具体的には、図7Cは、上限限界を下回る未修正の比の誤差データの基準軸(x軸)と一致する新しい基準軸715’に転置されたラインフィット軸715による誤差データを示している。新しい基準軸715'へのデータの転置は、図7Bで利用された変換モデルとは異なる変換モデルによって達成されてよい。図7Cにおいて、比の誤差のプロット点は、修正された比の誤差データに転置されると、同じ水平位置でx軸に沿って配置されることが分かる。また、図7Cでは、比の誤差のプロット点は、ラインフィット軸715から垂直距離706に位置し、基準軸からの同じ垂直距離は、転置された(修正された)データ内で維持されていることが分かる。別の言い方をすれば、ラインフィット軸715とプロットされた比の領域702内の点との間の垂直距離は、修正された精度のプロットされた比の領域704への変換後に新しい基準軸715’から維持されることが可能である。
【0047】
図8Aは、いくつかの実施形態係る電気回路の電力使用量を監視するための方法800を示すフローチャートである。EUMシステム(例えば、図1A図1BのEUMシステム110)は、方法800を実行するように構成されることが可能である。さらに、本明細書で説明される任意のコンピューティング装置は、方法800を実行するように構成されることが可能である。
【0048】
方法800の大まかな概要では、ブロック810において、EUMシステムは、二次電流の読み取り値を取得することができる。ブロック820において、EUMシステムは、読み取り値が上限限界を超えていると決定することができる。ブロック830において、EUMシステムは、変換モデルの実行に基づいて、読み取り値を補正された読み取り値に変換することができる。ブロック840において、EUMシステムは、補正された読み取り値を提供することができる。特定の実施形態に応じて、追加の操作、より少ない操作、または異なる操作が実行される場合がある。いくつかの実施形態では、方法800の一部または全ての動作は、1つまたは複数のコンピューティング装置、システム、またはサーバ上で実行されるEUMシステムによって実行されてよい。様々な実施形態において、それぞれの操作は、並べ替え、追加、削除、または反復されてよい。
【0049】
方法800をより詳細に参照すると、ブロック810において、EUMシステムは、監視対象の一次電流(iP)によってEUMシステム内に誘導される二次電流(iS)の読み取り値を(例えば、EUMシステム110の測定システム128によって)取得することができる。EUMシステムは、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度なナノ層材料を含み、EUMシステムは、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む読み取り値となる該測定システムの物理的限界を超える上限限界を有する。いくつかの実施形態では、EUMシステムは、監視対象に磁気的に結合される。さらに、熱的に安定なEUMシステムは、10ミリアンペアから400アンペアまで正確に(例えば、比の誤差が4%以内)解釈および分析できるアンペアの範囲のスペクトルにおける電流の変動する変化を伴うエネルギー源(例えば、電源102から電線104)の周りに(例えば、結合システム126によって)結合されることが可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、EUMシステムは、変動する二次磁場が、監視対象内の変動する監視された磁場から誘導され、変動する監視された磁場の読み取り値が、変動する二次磁場に基づいて取得されるCTを含む。さらに、高度なナノ層材料は、iSの関数として偏角、または線形バンディングによって反映されるほぼ線形のうちの少なくとも1つに関連する線形パターンを含む誤差のプロット(例えば、ブロック830で説明されたプロットされた比の誤差)を生成する。いくつかの実施形態では、EUMシステムは、監視対象の動作に影響を与える監視対象を修正することなく、また、監視対象の任意の電気的構成要素の動作にも影響を与えることなく、監視対象への結合および監視対象からの切り離しを可能にするように構成されることができる。
【0051】
ブロック820において、EUMシステムは、読み取り値がEUMシステムの上限限界を超えていると決定することができる。様々な実施形態において、EUMシステムの電流モデラー122は、二次電流の読み取り値(あるいは複数の読み取り値)を取得することができ、二次電流の読み取り値の精度を理論的な数学関数と比較することができる。たとえば、理論的な数学関数は、次式のようになる。
【数2】
ここで、iPは一次電流を表し、iSは二次電流を表し、nは測定システム128(例えば、CT)の巻線数を表す。
【0052】
一次電流(iP)は、通常は不明であり、EUMシステムは、二次電流の読み取り値に基づいて一次電流を決定しようとしていることを理解すべきである。図示されるように、一次電流は、式2の逆関数(例えば、iP=iS×1500)によって検出および/または決定されることができる。さらに、測定システム(例えば、EUMシステム110の測定システム128)は、所定の比で単一の一次ループ(例えば、分割コアが第1のループであることが可能)の周りに巻かれたコイルを含むことができる。例えば、1つの測定システム128(例えば、CT)の分割コアがその周りに巻かれた2500本の電線コイルを含む場合、この比は1:2500となることが可能である。別の例では、1つの測定システム128(例えば、CT)の分割コアがその周りに巻かれた2200本の電線コイルを含む場合、この比は1:2200となることが可能である。さらに別の例では、1つの測定システム128(例えば、CT)の分割コアがその周りに巻かれた3100本の電線コイルを含む場合、この比は1:3100となることが可能である。簡単にするために、本明細書で提供されるグラフおよびチャートは、1:2500の比に基づいた複数の測定値を示しているが、そのような比が必須であるものとして理解されるべきではない。真の一次電流と導出された一次電流(例えば、式2の二次電流から導出される電流)との差は、比の増加または減少として誤って現れる可能性がある(例えば、負の比の誤差は、1:2600のように現れる可能性がある)。例えば、巻線の抵抗が非常に大きく、実際よりも長い巻線セットのように動作するため、導出される一次電流の比は、不正確になる可能性がある。本明細書で使用される場合、「比の誤差」は、理論式の比と比較して導出された比の差であることが可能である。したがって、比の誤差は、式2(例えば、巻線または磁気コアの抵抗または飽和が無いと仮定している)で計算された理論上の読み取り値からの二次電流の読み取り値(ブロック810で取得)の逸脱である。
【0053】
いくつかの実施形態では、上限限界の外側にある任意の二次電流の読み取り値が許容可能な比の誤差(例えば、4%の比の誤差)の範囲外となるように、上限限界は、識別され(例えば、EUMデータベース120への質問)、または、決定されることができる。さまざまな実施形態では、EUMシステムは、予測可能かつ再現可能なパターンを確認するために、それぞれの読み取り値に対する誤差の関数(例えば、比の誤差)を図表化(またはグラフ化)することが可能である。さらに、EUMシステムは、それぞれの読み取り値に対する誤差の関数を図表化して、予測可能且つ再現可能なパターンを確認することができる。ラインフィット軸が決定されれば、パターンは予測可能であり、同様の予測可能性が複数の反復テストにわたって再現できれば、対応するラインフィット帯域およびパターンは再現可能である。予測可能性は、ラインフィット帯域が目的の誤差の帯域と同じサイズか、それよりも小さい場合に特に役立つ。
【0054】
ブロック830において、EUMシステムは、変換モデルの利用に基づいて読み取り値を補正された読み取り値に変換し、読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正することができる。いくつかの実施形態では、測定システム128の飽和が起こり始めると(例えば、200アンペア以上)、電流モデラー122は、変換関数をモデル化することによって変換(本明細書では「歪み」と呼ばれることもある)を実行することができる。特に、EUMシステムの電流モデラー122は、基準フレーム内の許容可能な比の誤差を超える比の誤差を、許容可能な比の誤差以下または許容可能な比の誤差内の比の誤差平面における新しい基準フレームに適合する(例えば、直線的に整列する)新しい基準フレームに変換することができる。一般に、電流モデラー122は、1つまたは複数の二次電流の読み取り値を変換モデルに入力し、補正された読み取り値を提供する変換モデルからの出力を受け取ることができる。電流モデラー122による変換モデルの利用は、(例えば、ブロック810で収集または取得された)1つまたは複数の読み取り値の読み取り値に対する比の誤差の変換関数をモデル化することを含むことができる。いくつかの実施形態では、比の誤差は、複数のデータ点(すなわち、プロットされた比の誤差の複数の点)を歪めることなく(例えば、垂直距離を維持して)回転に基づいて調整することができる。回転には、y軸(正確に垂直)に対する向きを決定するために、プロットされた比の誤差のラインフィットの生成に基づいて参照(または基準)回転を(例えば、電流モデラー122によって)決定することを含むことができ、次に、y軸に対する方向に基づいて行列の次数オフセットを決定することができる。いくつかの実施形態では、回転されたプロットされた比の誤差は、プロットされた比の誤差の複数の点が垂直に偏ることなく、複数の点も0アンペアに向かって転置されるように圧縮することもできる。変換関数の決定/生成に関するさらなる詳細は、図8Bを参照して説明される。
【0055】
したがって、変換モデルは、ラインフィット、誤差のプロット、および変換関数を利用して、比の誤差の精度を向上させることができ、その間、EUMシステムの安全な動作温度(例えば、閾値)を維持する。いくつかの実施形態では、二次電流をEUMシステムのコンデンサに収集して、処理回路114に電力を供給し、ネットワークインターフェース112によって本明細書に記載の他のシステムにデータを送信することができる。したがって、変換モデルは、EUMシステムを飽和領域(例えば、+/-4%などの許容可能な比の誤差を超える)に押し込むことなく、かつEUMシステムを理論式の比から逸脱させることなく、二次電流を収集する能力を維持することにより、電流収集も改善する。
【0056】
いくつかの実施形態では、変換関数のモデル化は、ブロック820の式2によって決定された一次電流の値に基づくことができる。特に、経験的な定数(例えば、220アンペア未満、220から250アンペアの間、250アンペアを超える)を決定することができる。例えば、一次電流が220アンペアと250アンペアの間である場合、第1の変換関数を利用して、第1のラインフィット軸と基準軸との間の回転角度に基づいて比の誤差のプロットデータを再キャスト、転置、またはその他の方法で変換することができる。また、一次電流が250アンペアを超える場合、第2の変換関数を利用して、第2のラインフィット軸と基準軸との間の回転角度に基づいて比の誤差のプロットデータを再キャスト、転置、または変換することができる。いくつかの実施形態では、第1の変換関数は、第2の変換関数と同じまたは類似していてよく、それぞれのラインフィット軸と基準軸との間の回転角度などのように、1つまたは複数の固定設計定数に基づいてのみ異なっていてよい。いくつかの実施形態では、第1の変換関数および第2の変換関数は、同様の種類(例えば、線形変換、空間変換、行列変換)の異なるアルゴリズムまたは式であってよく、または、それぞれが異なる種類の異なるアルゴリズムまたは式であってよい。
【0057】
データセット内の誤差(例えば、複数の比の誤差)は、電流モデラー122によって、電流測定装置(例えば、EUMシステム110)の飽和レベルを超えても予測可能な誤差関数として解釈されることができ、EUMシステムの熱特性とインピーダンスとの組み合わせによるものであるが、これらに限定されない。したがって、変換関数をモデル化することにより、電流測定装置が改善され、ナノ層材料(例えば、炭化ケイ素)を使用した高導電性かつ低インピーダンスの(例えば、熱的に安定した)電流測定装置は、複数の読み取り値を提供する際の精度の範囲を拡張することができる。
【0058】
ブロック840において、EUMシステムは、補正された読み取り値を通信ネットワークに提供することができる。いくつかの実施形態では、EUMシステムは、ネットワーク130および/またはハブ160を介して、本明細書に記載される複数のシステム(例えば、監視システム150、ユーザ装置140)に補正された読み取り値を提供することができる。
【0059】
図8Bは、変換関数の決定/生成のための方法850のフローチャートである。EUMシステム(例えば、図1A図1BのEUMシステム110)は、方法850を実行するように構成されることができる。さらに、本明細書に記載される任意のコンピューティング装置は、方法850を実行するように構成されることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法850は、方法800のステップを実行する前に、EUMシステムによって実行されることができる。様々な実施形態において、方法850は、方法800の実行と並行して、または実行中に実行することができる。方法850の大まかな概要では、ブロック855において、EUMシステム(例えば、測定システム)を監視対象に結合することができる。ブロック860において、EUMシステムは、二次電流(iS)の複数の読み取り値を収集することができる。ブロック865において、EUMシステムは、複数の読み取り値の精度を理論上の精度と比較することができる。ブロック870において、EUMシステムは変換関数をモデル化することができる。いくつかの実施形態では、変換関数のモデル化は、ブロック875、880、および885を実行するEUMシステムを含むことができる。ブロック875において、EUMシステムは、それぞれの読み取り値に対する比の誤差を決定することができる。ブロック880において、EUMシステムは、ラインフィットを生成することができる。ブロック885において、EUMシステムは、変換関数を決定することができる。ブロック890において、EUMシステムは、方法800のステップを実行する前に、複数のパラメータおよび複数の値を定義することができる。特定の実施形態に応じて、追加の操作、より少ない操作、または異なる操作が実行される場合がある。いくつかの実施形態では、方法850の一部または全ての動作は、1つまたは複数のコンピューティング装置、システム、またはサーバ上で実行されるEUMシステムによって行われてよい。様々な実施形態において、各操作は、並べ替え、追加、削除、または反復されてよい。
【0061】
ブロック855において、EUMシステムは、一次電流(iP)を有する監視対象に測定システムを結合することができる。測定システムは、予測可能な誤差の補正を可能にする特性を実現するためのナノ層炭化ケイ素コアを採用するCTであることが可能である。ナノ層炭化ケイ素コアは、熱的に安定しており、CTの二次コイルから熱を素早く吸収する。一部の実施形態では、EUMシステムは、変動する電流の変化を伴うACエネルギー源(あるいは監視された電気回路または電線)の周りの測定システムを磁気的に結合することができ、その結果、監視された範囲の下限(10ミリアンペア)から監視された範囲の上限(例えば、400アンペアであり、これはフェライトコア鋳造材料と比較して400%以上の改善である)まで正確に読み取ることができるアンペアの範囲のスペクトルが得られる。
【0062】
ブロック860において、EUMシステムは、iPによって測定システム内に誘導された二次電流(iS)の複数の読み取り値を収集する。いくつかの実施形態では、EUMシステムは、測定システムの巻線に誘導された二次電流(または二次磁場)の複数の読み取り値を収集または取得することができる。例えば、二次電流は、監視されたエネルギー源内の監視された電流によって誘導されることが可能である。
【0063】
ブロック865において、EUMシステムは、iSの複数の読み取り値の精度を、iS=iP/n(式2)として表される理論上の精度と比較する。ここで、nは、測定システムの一次ループの周りのコイル巻線数である。さまざまな実施形態において、EUMシステムは、二次の複数の読み取り値の精度を理論上の数学関数(式2)と比較することができる。真の一次電流と導出された一次電流との差は、比の増加または減少となることが可能である。例えば、負の比の誤差は、1:2600のように現れる可能性があり、この場合、巻線の抵抗が非常に大きいため、実際よりも長い巻線セットのように動作する。導出された比と理論式の比との差を、本明細書では「比の誤差」と呼ぶことができる。さらに、比の誤差は、計算された理論上の複数の正確な値からの読み取り値の逸脱を示すことができる。
【0064】
ブロック870において、EUMシステムは、複数の読み取り値のそれぞれの読み取り値に対する比の誤差の変換関数をモデル化してよい。いくつかの実施形態では、変換関数のモデル化は、EUMシステムによるブロック875~885の実行を含むことができる。一般に、測定システム128の飽和が起こり始める(例えば、200アンペアを超える)とき、電流モデラー122は、変換関数をモデル化することによって変換(本明細書では「歪み」と呼ばれることもある)を実行することができる。いくつかの実施形態では、変換関数を決定する前に、電流モデラー122は、高度な表現解像度でラインフィットできる予測可能かつ再現可能なデータのいくつかのゾーンを生成することができる。高度な表現解像度は、ラインフィット軸からの比の誤差のプロット点の垂直距離が所望の誤差帯域内にある場合など、ラインフィットがデータセットを表す場合に明らかになる。
【0065】
ブロック875において、EUMシステムは、導出された比に対する理論上の比の差を計算することに基づいて、複数の読み取り値におけるそれぞれの読み取り値に対する比の誤差を決定することができる。いくつかの実施形態では、ブロック865において、比の誤差を決定することができ、ブロック875において、EUMシステムは、許容可能な比の誤差を超えたそれぞれの読み取り値またはデータ点を決定可能である読み取り値の限界を、特定することができる。例えば、プロットされた比の領域702内におけるそれぞれの読み取り値は、許容可能な比の誤差の範囲外であると決定することができる。
【0066】
ブロック880において、EUMシステムは、複数の読み取り値のうちのそれぞれの読み取り値に対する比の誤差のプロットされた比の誤差のラインフィットを生成することができ、ラインフィットはベースライン上で生成される。いくつかの実施形態では、変換関数のモデル化は、ラインフィットの生成を含むことができる。特に、変換関数をモデル化することは、1つ以上の読み取り値のうちのそれぞれの読み取り値に対する比の誤差のプロットされた比の誤差のベースライン(例えば、ゼロx軸線)上で、ラインフィットを実行することを含むことができる。すなわち、電流モデラー122は、データの予測可能/再現可能ゾーンにおけるラインフィットと、プロットされた比の誤差(例えば、許容可能な比の誤差を超えるプロットされた比の誤差)に沿って導出されたラインフィットと、を対比して、EUMシステムのプロットされた比の誤差の傾きの差を識別することができる。例えば、ラインフィットは、図7AにおけるパートCの複数のデータ点などの一連の複数のデータ点に最もよく適合する直線の構築に基づいて生成することができる。
【0067】
ブロック885において、EUMシステムは、プロットされた比の誤差のラインフィットをベースラインに整合する新しい基準に回転または転置することに基づいて、変換関数を決定することができる。いくつかの実施形態では、電流モデラー122は、プロットされた比の誤差のラインフィットをベースラインに整合する新しい基準に回転または転置することに基づいて、変換関数を決定することができる。特に、変換関数は、許容可能な比の誤差を超えるプロットされた比の誤差の中心ラインフィットが、ゼロ誤差ベースラインに位置合わせされた新しい基準フレームに回転または転置することができる(例えば、プロットされた比の誤差のラインフィットは、プロットされた比の誤差と同じ基準枠内に収まるように、ゼロ誤差ラインの軸と整列する)。さらに、変換関数のモデル化は、プロットされた比の誤差の精度を調整することを含むことができる(例えば、プロットされた比の誤差は、図7Aのプロットされた比の領域702からプロットされた比の領域704に変換される)。いくつかの実施形態では、ブロック885において、許容可能な比の誤差を超えるプロットされた比の誤差(例えば、図7Aのプロットされた比の領域702)の行列を生成することができ、この行列は、方向を確立するために電流モデラー122によって使用されることができる。いくつかの実施形態では、プロットされた比の誤差が複数のデータ点を歪めることなく回転に基づいて調整できるように、行列を回転させることができる。別の言い方をすると、いくつかの実施形態では、プロットされた比の誤差の複数の点の垂直距離(変換前のラインフィットから、および変換後のゼロ誤差ベースラインから)を維持するための方法で、プロットされた比の誤差が回転に基づいて調整されるように、行列を回転させることができる。回転は、プロットされた比の誤差の(ブロック880における)ラインフィットの生成に基づいて参照(または基準)回転を、(例えば、電流モデラー122により)決定して、y軸(正確に垂直)に対する向きを決定することを含むことができ、次に、y軸に対する方向に基づいて行列の次数オフセットを決定することができる。いくつかの実施形態では、回転されプロットされた比の誤差は、プロットされた比の誤差の複数の点が垂直に偏ることなく、複数の点が0アンペアに向かって転置されるように、圧縮または圧縮することもできる。
【0068】
ブロック890において、EUMシステムは、複数のパラメータおよび複数の値を定義することができる。様々な実施形態において、(ブロック830において)変換モデルの実行に基づいて、読み取り値を補正された読み取り値に変換する前に、EUMシステムは、iPの潜在的な値を3つの電流領域または範囲に定義することができる。例えば、第1の電流領域は、0―199.99アンペアの電流、第2の電流領域は、200―249.99アンペア(または、220―249.99アンペア)の電流、第3の電流領域は、250―400アンペア(または、250―400+アンペア)の電流とすることができる。いくつかの実施形態では、EUMシステムは、傾きパラメータ、ライン切片パラメータ、比の誤差切片パラメータを定義することができる。傾きパラメータおよびライン切片パラメータは、EUMシステムでの変換を支援するために使用できる。EUMシステムは、比の誤差切片パラメータを使用して、指定された電流領域での変換を支援できる。
【0069】
ここで、図9を参照すると、コンピュータシステム900が示されている。コンピュータシステム900は、例えば、EUMシステム110、ユーザ装置140、監視システム150、および/または本開示で説明される他の様々な例示的なシステムを実装するために使用することができる。コンピューティングシステム900は、情報を通信するためのバス905または他の通信コンポーネントと、情報を処理するためにバス905に結合されたプロセッサ910と、を含む。コンピューティングシステム900は、情報およびプロセッサ910によって実行される命令を記憶するためにバス905に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶装置などのメインメモリ915も含む。メインメモリ915は、プロセッサ910による命令の実行中に、位置情報、仮の変数、または他の中間情報を格納するために使用することもできる。コンピューティングシステム900は、プロセッサ910のための静的情報および命令を記憶するためにバス905に結合された読み取り専用メモリ(ROM)920または他の静的記憶装置をさらに含んでもよい。ソリッドステート装置、磁気ディスク、または光ディスクなどの記憶装置925は、情報および命令を永続的に記憶するためにバス905に結合される。
【0070】
コンピューティングシステム900は、バス905を介して、ユーザに情報を表示するために、液晶ディスプレイまたはアクティブマトリクスディスプレイなどのディスプレイ935に結合され得る。英数字キーおよび他のキーを含むキーボードなどの入力装置930は、情報およびコマンド選択をプロセッサ910に伝達するためにバス905に結合され得る。別の実施形態では、入力装置930は、タッチスクリーンディスプレイ935を有する。入力装置930は、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ910に伝達し、ディスプレイ935上のカーソルの動きを制御するための、任意の種類の生体センサ、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御を含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム900は、ネットワーキングアダプタなどの通信アダプタ940を含んでよい。様々な例示的な実施形態では、有線(例えば、イーサネットを介して)、無線(例えば、Wi-Fi、Bluetoothを介して)、衛星(例えば、GPSを介して)事前設定、アドホック、LAN、WANなど、通信アダプタ940を使用して、任意のタイプのネットワーク構成が実現されてよい。
【0072】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載される例示的な実施形態を実現するプロセスは、プロセッサ910がメインメモリ915に含まれる命令の実施形態を実行することに応答して、コンピューティングシステム900によって達成することができる。このような命令は、記憶装置925などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ915に読み込むことができる。メインメモリ915に含まれる命令の実施形態の実行により、コンピューティングシステム900は、本明細書で説明される例示的なプロセスを実行する。マルチプロセッシング実施形態における1つまたは複数のプロセッサを使用して、メインメモリ915に含まれる命令を実行してもよい。代替の実施形態では、例示的な実施形態を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、配線回路が使用されてよい。したがって、複数の実施形態は、ハードウェア回路およびソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0073】
つまり、図9では処理システムの一例を説明したが、本明細書で説明される主題および機能動作の複数の実施形態は、他の種類のデジタル電子回路を使用して、または、本明細書で開示される複数の構造、それらの構造の等価物、若しくはそれらの1つ以上の組み合わせを含む、有形媒体、ファームウェア、若しくはハードウェア上で実現されるコンピュータソフトウェアで実行することができる。本明細書で説明される主題の複数の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして実装でき、例えば、データ処理装置による実行、またはデータ処理装置の動作の制御による実行のために、1つまたは複数のコンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のサブシステムとして実装できる。代替として、または追加として、プログラム命令を人工的に生成された伝播信号上でエンコードすることもでき、例えば、機械が生成する電気信号、光信号、または電磁信号上でエンコードすることもでき、それは、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダムアクセスメモリアレイもしくはシリアルアクセスメモリアレイもしくは装置、またはそれらの1つ以上の組み合わせであってもよいし、それらに含まれてもよい。さらに、コンピュータ記憶媒体は、伝播信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝播信号内にエンコードされたコンピュータプログラム命令の送信元または送信先となることが可能である。コンピュータ記憶媒体は、1つまたは複数の別個の構成要素または媒体(例えば、複数のCD、ディスク、またはその他の記憶装置)であることも可能であるし、それらに含まれることも可能である。したがって、コンピュータ記憶媒体は、有形であると同時に非一時的である。
【0074】
図9の複数の実施形態では、単一のスタンドアロン装置として示されているが、当業者であれば、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム900が仮想化システムおよび/またはシステムリソースを備え得ることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム900は、仮想スイッチ、仮想ルータ、仮想ホスト、または仮想サーバであってよい。様々な実施形態において、コンピューティングシステム900は、物理ストレージ、ハードウェア、および他のリソースを他の仮想マシンと共有されてよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク130(例えば、図1のネットワーク130)の仮想リソースは、仮想リソースが複数の物理プロセッサ、分散メモリなどにわたる分散処理に依存し得るように、クラウドコンピューティングリソースを含み得る。
【0075】
実施例
【0076】
電気使用量を監視する複数の実施形態のいくつかの例を以下に提供する。
【0077】
例1.
電力使用量測定(EUM)システムは、以下を備える。
EUMシステムを監視対象に結合する結合システムと、
前記監視対象の監視された電流の読み取り値を取得する測定システムであり、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度なナノ層材料を含み、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる該測定システムの物理的限界を超える上限限界を有する測定システムと、
前記監視された電流の前記読み取り値を取得し、前記読み取り値が前記測定システムの前記上限限界を超えている場合、変換を使用して前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正する処理回路と、
前記処理回路から前記読み取り値を受信し、宛先への通信のために通信ネットワークに前記読み取り値を提供するように構成される通信インターフェースと、
を備える。
【0078】
例2.
例1のEUMシステムであり、
前記監視された電流は、前記監視対象内の一次電流(iP)であり、前記測定システムは、前記監視された電流によって前記測定システムに誘導された二次電流(iS)を測定することによって、前記監視された電流の読み取り値を取得し、
前記測定システムおよび前記監視対象は、前記結合システムによって磁気的に結合される。
【0079】
例3.
例1のEUMシステムであり、
前記変換は、変換モデルの利用に基づいて前記読み取り値を補正するために使用され、
前記処理回路によって利用された前記変換モデルは、
前記測定システムを前記監視対象に接続し、前記監視対象は一次電流(iP)を有することと、
前記一次電流(iP)によって前記測定システム内に誘導された二次電流(iS)における複数の測定値を収集することと、
前記二次電流(iS)における前記複数の測定値の精度を、iS=iP/nで表される理論上の精度と比較し、nは、前記測定システムの一次ループの周りのコイルの巻線数であることと、
前記複数の測定値における各測定値に対する比の誤差の変換関数をモデル化することと、
によって決定される。
【0080】
例4.
例3のEUMシステムであり、
前記比の誤差の変換関数をモデル化することは、
導出された比と理論上の比との差の計算に基づいて、前記複数の測定値における各測定値に対する前記比の誤差を決定することと、
前記複数の測定値のうちの各測定値に対する前記比の誤差のプロットされた比の誤差のラインフィットを生成し、前記ラインフィットはベースライン上で生成されることと、
前記プロットされた比の誤差の前記ラインフィットを、前記ベースラインに位置合わせされる新しい基準に、回転または転置することに基づいて、前記変換関数を決定することと、
を含む。
【0081】
例5.
例3のEUMシステムであり、
前記上限限界は、220アンペアであり、収集されたiSの複数の測定値は、7マイクロアンペアから400ミリアンペアまでのアンペア(Amp)範囲内にある。
【0082】
例6.
例3のEUMシステムであり、
前記上限限界は、220アンペアであり、iPは、iSの複数の測定値を収集する間、10ミリアンペアから400アンペアまでのアンペア(Amp)範囲内にある。
【0083】
例7.
例1のEUMシステムであり、
前記測定システムは、変動する二次磁場が、前記監視対象(例えば、一次電源)内の変動する監視された磁場から誘導されるCTであり、
前記監視された電流の前記読み取り値は、前記変動する二次磁場に基づいて取得される。
【0084】
例8.
例7のEUMシステムであり、
前記高度なナノ層材料を含む前記測定システムは、経験的データの緊密な線形バンディングに反映されるように、それぞれの製造されたCTで予測可能且つ再現可能となる設計によって監視された電流の関数として偏角の線形パターンを含む誤差のプロットを生成する。
【0085】
例9.
例7のEUMシステムであり、
「補正」変換は、前記変動する二次磁場の関数、および監視された電流の比の反比例の関係を含む変換モデルに基づき、
前記変換は、前記測定システムの動作温度を業界で定義された安全な閾値(複数の閾値)内に維持しながら、基準の前記上限限界を超えて前記監視された電流の複数の読み取り値の上境界を拡張する、
【0086】
例10.
例9のEUMシステムであり、
前記監視された電流の比の前記反比例の関係は、一次ループの周りのコイルの巻線数に反比例し、
前記一次ループは、前記監視された電流の周りを完全に囲み、
前記測定システムの物理的限界は、前記測定システムの前記コイルの巻線の飽和を含む。
【0087】
例11.
例1のEUMシステムであり、
前記結合システムは、前記監視対象の動作に影響を与える前記監視対象の修正を行うことなく、および前記監視対象の任意の電気部品の動作に影響を与えることなく、前記監視対象への接続、および前記監視対象からの接続解除を可能にするように構成される。
【0088】
例12.
監視対象の電気使用量を監視するためのコンピュータ実装方法は、以下のステップを含む。
前記監視対象と磁気的に結合された電力使用量測定(EUM)システムによって、前記監視対象の一次電流(iP)により前記EUMシステムに誘導された二次電流(iS)の読み取り値を取得するステップであり、前記EUMシステムが、飽和レベルと不釣り合いな低温で動作する高度なナノ層材料を含み、且つ、前記EUMシステムが、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる該EUMシステムの物理的限界を超える上限限界を有するステップと、
前記EUMシステムによって、前記読み取り値が前記EUMシステムの前記上限限界を超えていると決定するステップと、
前記EUMシステムによって、前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正するための変換モデルの利用に基づいて、前記読み取り値を補正された読み取り値に変換するステップと、
前記EUMシステムによって、補正された読み取り値を通信ネットワークに提供するステップと、
を含む。
【0089】
例13.
例12のコンピュータ実装方法であり、
前記変換モデルは、
前記EUMシステムによって、前記一次電流(iP)の複数の読み取り値を収集するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値の精度を理論上の精度と比較するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値における各読み取り値に対する比の誤差の変換関数をモデル化するステップと、
を含むことによって決定される。
【0090】
例14.
例13のコンピュータ実装方法であり、
前記比の誤差の変換関数をモデル化することは、
前記EUMシステムによって、導出された比と理論上の比および/または設計比との差の計算に基づいて、前記複数の読み取り値における各読み取り値に対する比の誤差を決定するステップと、
前記EUMシステムによって、前記複数の読み取り値のうちの各読み取り値に対する前記比の誤差のプロットされた比の誤差のラインフィットを生成し、該ラインフィットは誤差ゼロのベースラインと対比されるステップと、
前記EUMシステムによって、ゼロベースラインに位置合わせされる新しい基準に対する前記プロットされた比の誤差の前記ラインフィットの回転または転置(例えば、相対関係)に基づいて、前記変換関数を決定するステップと、
を含む。
【0091】
例15.
例13のコンピュータ実装方法であり、
前記iPの前記収集された複数の読み取り値は、10ミリアンペアから400アンペアまでの範囲である。
【0092】
例16.
例12のコンピュータ実装方法であり、
前記EUMシステムは、CTを備え、
前記CTは、変動する二次磁場が、前記監視対象内の変動する監視された磁場から誘導されるCTであり、
前記変動する監視された磁場の前記読み取り値は、前記変動する二次磁場に基づいて取得される。
【0093】
例17.
例16のコンピュータ実装方法であり、
前記高度なナノ層材料は、経験的データの緊密な線形バンディングに反映されるように、それぞれの製造されたCTで予測可能且つ再現可能となる設計によって監視された電流の関数として偏角の線形パターンを含む誤差のプロットを生成する。
【0094】
例18.
例16のコンピュータ実装方法であり、
前記変換は、前記変動する二次磁場の関数、およびiPの比の反比例の関係を含む変換モデルに基づき、
前記変換は、前記測定システムの動作温度を、業界で定義された安全な閾値内に維持しながら、前記iPの基準上限限界における複数の読み取り値の上境界を拡張する。
【0095】
例19.
例18のコンピュータ実装方法であり、
前記iPの比の前記反比例の関係は、一次ループの周りのコイルの巻線数に反比例し、
前記一次ループは、前記監視対象の周りを完全に囲み、
前記EUMシステムの物理的限界は、前記EUMシステムの前記コイルの巻線の飽和を含む。
【0096】
例20.
例12のコンピュータ実装方法であり、
前記EUMシステムは、前記監視対象の動作に影響を与える前記監視対象の修正を行うことなく、および前記監視対象の任意の電気部品の動作に影響を与えることなく、前記監視対象への接続、および前記監視対象からの接続解除を可能にするように構成される。
【0097】
例21.
電力使用量測定(EUM)システムは、以下を備える。
EUMシステムを監視対象に結合する結合システムと、
変動する二次磁場が、前記監視対象内の変動する監視された磁場から誘導され、且つ、前記変動する監視された磁場の前記読み取り値が、前記変動する二次磁場に基づいて取得されるCTであって、許容可能な比の誤差を超えた誤差を含む前記読み取り値となる前記CTの物理的限界を超える上限限界を有するCTと、
前記監視対象内の前記変動する監視された磁場の前記読み取り値を取得し、前記読み取り値が前記CTの前記上限限界を超えている場合、変換を使用して前記読み取り値を許容可能な比の誤差内に収まるように補正する処理回路と、
を備える。
【0098】
本明細書には多くの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは、発明の範囲または特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書に記載されるシステムおよび方法の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。この明細書で個別の実施形態の文脈で説明される特定の機能は、単一の実施形態で組み合わせて実装および/または配置することもできる。逆に、単一の実施形態のコンテキストで説明されるさまざまな機能は、複数の実施形態で個別に、または任意の適切なサブ組み合わせで実装および配置することもできる。さらに、機能は特定の組み合わせで機能するものとして上で説明されており、最初はそのように主張されている場合もあるが、場合によっては、クレームされた組み合わせから1つまたは複数の特徴を組み合わせから削除することができ、クレームされた組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションを対象とする場合がある。
【0099】
さらに、特定の見出しに関して説明された特徴は、他の見出しの下で説明される例示的な実施形態に関して、および/またはそれと組み合わせて利用され得る。見出しが提供されている場合、それらは読みやすさを目的としてのみ含まれており、そのような見出しに関して提供される機能を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0100】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または図示された全ての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。場合によっては、特許請求の範囲に記載されているアクションを異なる順序で実行しても、望ましい結果を達成することができる。さらに、添付の図に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示されている特定の順序、または一連の順序を必要とするわけではない。
【0101】
特定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利な場合がある。さらに、上記の実施形態におけるさまざまなシステムの構成要素の分離は、全ての実施形態でそのような分離が必要であると理解されるべきではなく、また、説明したプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に統合することも、複数のソフトウェア製品にパッケージ化することもできることを理解されたい。
【0102】
いくつかの例示的な実装、実装、例示的な実施形態、および実施形態を説明してきたが、上記は例として提示されたものであり、限定的なものではないことは明らかである。特に、本明細書で提示される例の多くは、方法行為またはシステム要素の特定の組み合わせを含むが、それらの行為および要素は、同じ目的を達成するために他の方法で組み合わせることができる。1つの実施形態に関連してのみ説明されている行為、要素、および機能は、他の実施形態における同様の役割から除外されることを意図したものではない。
【0103】
本明細書で使用される表現および用語は説明を目的としたものであり、限定するものと見なされるべきではない。本明細書における「含む」、「含む」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「特徴づけられる」、「それを特徴とする」、およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目、その等価物、および追加の項目、さらにその後に列挙される項目のみからなる代替実装を包含することを意図している。一実施形態では、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、記載される要素、行為、または構成要素の1つ、複数の組み合わせ、または全てから構成される。
【0104】
本明細書において、単数形で言及されるシステムおよび方法の実装、配置、要素、または行為への言及は、これらの要素の複数を含む実装も包含する場合があり、また、実装、配置、要素、またはそこに含まれるあらゆる複数形での言及は、単一の要素のみを含む実装も包含する場合がある。単数形または複数形の参照は、現在開示されているシステムまたは方法、またはそれらの構成要素、動作、または要素を単一または複数の構成に限定することを意図したものではない。任意の情報、行為、または要素に基づく任意の行為または要素への言及には、行為または要素が任意の情報、行為、または要素に少なくとも部分的に基づく実装が含まれる場合がある。
【0105】
本明細書で開示される任意の実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができ、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「代替の実施形態」、「さまざまな実施形態」、「1つの実施形態」などへの言及は、必ずしも相互に排他的であるわけではなく、実施形態に関連して説明された特定の機能、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを示すことを目的としている。本明細書で使用されるそのような用語は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。任意の実施形態は、本明細書に開示される態様および実施形態と一致する任意の方法で、包括的または排他的に、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0106】
「または」への言及は、「または」を使用して記載される任意の用語が、記載される用語の単一、複数、および全てを示すことができるように、包括的であると解釈され得る。
【0107】
図面、詳細な説明、または特許請求の範囲における技術的特徴の後に参照符号が続く場合、その参照符号は、図面、詳細な説明、および特許請求の範囲のわかりやすさを高めるという唯一の目的で含まれている。したがって、参照符号もその欠如も、請求項の要素の範囲に対して何ら限定的な影響を及ぼさない。
【0108】
本明細書の請求項の要素は、米国特許法112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではないことを理解されたい。ただし、要素が「のための手段」という表現を使用して明示的に記載されている場合を除く。
【0109】
本明細書で使用される「回路」という用語は、本明細書で説明される機能を実行するように構成されたハードウェアを含み得る。いくつかの実施形態では、それぞれの「回路」は、本明細書で説明される機能を実行するようにハードウェアを構成するための機械可読媒体を含み得る。この回路は、処理回路、ネットワークインターフェース、周辺装置、入力装置、出力装置、およびセンサを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の回路構成要素として具体化され得る。いくつかの実施形態では、回路は、1つまたは複数のアナログ回路、電子回路(例えば、集積回路(IC)、ディスクリート回路、システムオンチップ(SOC)回路)、電気通信回路、ハイブリッド回路、および任意の他の種類の「回路」の形態をとってもよい。これに関して、「回路」は、本明細書に記載の動作を達成する、または達成を容易にするための任意のタイプの構成要素を含むことができる。例えば、本明細書で説明される回路は、1つまたは複数のトランジスタ、論理ゲート(例えば、NAND、AND、NOR、OR、XOR、NOT、XNOR)、抵抗器、マルチプレクサ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、配線を含み得る。
【0110】
「回路」には、1つ以上のメモリまたはメモリ装置に通信可能に接続された1つ以上のプロセッサも含まれ得る。これに関して、1つまたは複数のプロセッサは、メモリに格納された命令を実行することができ、あるいは1つまたは複数のプロセッサがアクセス可能な命令を実行することもできる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサはさまざまな方法で具現化され得る。1つまたは複数のプロセッサは、少なくとも本明細書で説明される動作を実行するのに十分な方法で構築され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは複数の回路によって共有され得る(例えば、回路Aおよび回路Bは、同じプロセッサを備えるかまたは共有することができ、いくつかの例示的な実施形態では、メモリの異なる領域を介して格納またはアクセスされる命令を実行することができる)。代替として、または追加として、1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数のコプロセッサから独立して特定の動作を実行または実行するように構成されてもよい。他の例示的な実施形態では、2つ以上のプロセッサがバスを介して結合され、独立、並列、パイプライン、またはマルチスレッド命令実行を可能にすることができる。各プロセッサは、1つまたは複数の汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASICs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはメモリによって提供される命令を実行するように構成された他の適切な電子データ処理コンポーネントとして実装され得る。1つまたは複数のプロセッサは、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ(例えば、デュアルコアプロセッサ、トリプルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ)、マイクロプロセッサの形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサは、装置の外部にあってもよく、例えば、1つまたは複数のプロセッサは、リモートプロセッサ(例えば、クラウドベースのプロセッサ)であってもよい。代替的に、または追加的に、1つまたは複数のプロセッサは、装置の内部および/またはローカルにあってもよい。これに関して、所与の回路またはその構成要素は、ローカルに(例えば、ローカルサーバ、ローカルコンピューティングシステムの一部として)またはリモートに(例えば、クラウドベースのサーバなどのリモートサーバの一部として)配置され得る。そのために、本明細書で説明する「回路」は、1つまたは複数の場所に分散された構成要素を含むことができる。
【0111】
システム全体または実施形態の一部を実装するための例示的なシステムは、処理ユニット、システムメモリ、および処理ユニットにシステムメモリを含む様々なシステムコンポーネントを接続するシステムバスを含む、コンピュータの形態の汎用コンピューティング装置を含み得る。各メモリ装置は、非一時的揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体、非一時的記憶媒体(例えば、1つまたは複数の揮発性および/または不揮発性メモリ)などを含み得る。いくつかの実施形態では、不揮発性媒体は、ROM、フラッシュメモリ(例えば、NAND、3D NAND、NOR、3D NORなどのフラッシュメモリ)、EEPROM、MRAM、磁気記憶装置、ハードディスク、光ディスクなどの形態をとってもよい。他の実施形態では、揮発性記憶媒体は、RAM、TRAM、ZRAMなどの形態をとることができる。上記の組み合わせも機械可読媒体の範囲内に含まれる。これに関して、機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または専用処理機械に特定の機能または機能群を実行させる命令およびデータを含む。それぞれのメモリ装置は、本明細書で説明される例示的な実施形態に従って、プロセッサ命令および関連データ(例えば、データベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント)を含む、1つまたは複数の関連回路によって実行される動作に関する情報を維持または格納するように動作可能であり得る。
【0112】
また、本明細書で説明する「入力装置」という用語は、キーボード、キーパッド、マウス、ジョイスティック、または同様の機能を実行する他の入力装置を含むがこれらに限定されない、任意のタイプの入力装置を含み得ることにも留意されたい。比較的、本明細書で説明される「出力装置」という用語は、コンピュータモニタ、プリンタ、ファクシミリ機、または同様の機能を実行する他の出力装置を含むがこれらに限定されない、任意の種類の出力装置を含み得る。
【0113】
本明細書の図は方法ステップの特定の順序および構成を示す場合があるが、これらのステップの順序は図示のものと異なる場合があることを理解されたいことに留意されたい。例えば、2つ以上のステップが同時に、または部分的に同時に実行されてもよい。また、個別のステップとして実行されるいくつかの方法ステップは結合されてもよく、結合されたステップとして実行されるステップは個別のステップに分離されてもよく、特定のプロセスの順序は逆転または変更されてもよく、また、個別のプロセスの性質や数は変更されるまたは変化する場合がある。任意の要素または装置の順序または順序は、代替実施形態に従って変更または置換されてもよい。したがって、そのような修正はすべて、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲内に含まれることが意図される。このようなバリエーションは、選択した機械可読メディアとハードウェアシステム、および設計者の選択によって異なる。このような変形例は全て本開示の範囲内にあることが理解される。同様に、本開示のソフトウェアおよびウェブ実装は、さまざまなデータベース検索ステップ、相関ステップ、比較ステップ、および決定ステップを達成するために、ルールベースのロジックおよび他のロジックを備えた標準的なプログラミング技術を用いて実現することができる。
【符号の説明】
【0114】
100 関連環境
102 電源
104 電線
106 分電盤
110 電力使用量測定(EUM)システム
112 ネットワークインターフェース
114 処理回路
116 プロセッサ
118 メモリ
120 EUMデータベース
122 電流モデラー
124 入力/出力インターフェース
126 結合システム
128 測定システム
130 ネットワーク
140 ユーザ装置
150 監視システム
160 ハブ

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】