(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】農産物の安全で検証可能な追跡
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516887
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 US2022026024
(87)【国際公開番号】W WO2023043497
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520314700
【氏名又は名称】アムヴァック ホンコン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライス,リチャード エル.
(72)【発明者】
【氏名】トロゲル,ウルリッチ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス,ケント ダブリュ.
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC01
(57)【要約】
容器に保存された生産物に関連するデータを収集し、保存するためのコンピュータ実装システム及び方法。容器に生産物を充填したことに応答して、第1の生産物の生産物タイプと、第1の容器に充填された第1の生産物の量と、第1の容器の固有識別情報と、第1の容器に第1の生産物を充填したときにおける第1の容器の第1のユーザの固有識別情報と、のデータを、外部データベース(例えばブロックチェーンなどの分散型台帳など)内の少なくとも1つの第1のレコードに保存する。容器上の容器データモジュールの固有識別情報を表すデータが、容器データモジュールに保存される。容器が移動し、生産物を分配し、占有権(possession)及び所有権(ownership)が変更されると、そのようなイベントを表すデータが、分散型台帳及び/又は容器データモジュールに保存される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の非一時的コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータプログラム命令を実行する少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実施される方法であって、該方法が、
(A)第1の容器に第1の生産物を充填したことに応答して、外部データベース内の少なくとも1つの第1のレコードに、
該第1の生産物の生産物タイプと
該第1の容器に充填された該第1の生産物の量と、
該第1の容器の固有識別情報と、
該第1の容器に該第1の生産物を充填したときにおける該第1の容器の第1のユーザの固有識別情報と
を表すデータを、保存するステップと、
(B)前記第1の容器上の容器データモジュールに、該容器データモジュールの固有識別情報を表すデータを、保存するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
(C)(A)及び(B)のうちの少なくとも1つに保存された前記データに基づいて、前記第1の生産物の起源を確立するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(C)が、(A)における前記外部データベースに保存された前記データに基づいて、前記第1の生産物の起源を確立するステップ、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
(C)が、(B)における前記容器データモジュールに保存された前記データに基づいて、前記第1の生産物の起源を確立するステップ、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
(C)が、(A)における前記外部データベースに保存された前記データ、及び(B)における前記容器データモジュールに保存された前記データに基づいて、前記第1の生産物の起源を確立するステップ、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
(A)が、
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したことに応答して、前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したときにおける前記第1の容器の第1の所有者の固有識別情報を表すデータを、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(A)が、
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したことに応答して、前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したときにおける前記第1の容器の第1の位置を表すデータを、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(A)が、
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したことに応答して、前記第1の容器に前記第1の生産物を充填した第1の時間を表すデータを、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(A)が、
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したことに応答して、前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したときにおける前記第1の容器の第1の占有者の固有識別情報を表すデータを、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(C)前記第1の容器の第2の占有者を表すデータを、前記外部データベース内の少なくとも1つの第2のレコードに保存するステップであって、前記第1の占有者が、該第2の占有者とは異なる、ステップ、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(C)前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したことに応答して、前記容器上の電子メモリに、
前記第1の生産物の生産物タイプと、
前記第1の容器に充填された前記第1の生産物の量と、
前記第1の容器の固有識別情報と、
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填したときにおける前記第1の容器の第1のユーザの固有識別情報と
のうちの少なくとも1つを保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記容器データモジュールが、前記電子メモリを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(D)(C)の前に、前記第1の容器上のRFIDタグにおいて、(A)に保存された前記データを表す信号を無線受信するステップ、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記容器データモジュールが、非電子的容器データモジュールであり、前記容器データモジュールの固有識別情報を表す前記データを保存するステップが、前記容器データモジュールの固有識別情報を表す前記データを、前記容器データモジュール上に非電子形式で保存するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記容器データモジュール上に非電子形式で前記容器データモジュールの固有識別情報を表す前記データを保存するステップが、前記容器データモジュール上にバーコードとして前記容器データモジュールの固有識別情報を保存するステップ、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記容器データモジュール上に非電子形式で前記容器データモジュールの固有識別情報を表す前記データを保存するステップが、前記容器データモジュール上にQRコードとして前記容器データモジュールの固有識別情報を保存するステップ、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(C)前記第1の容器の第2の位置を表すデータを、前記外部データベース内の少なくとも1つの第2のレコードに保存するステップであって、前記第1の位置が、該第2の位置とは異なる、ステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
(C)前記第1の容器から前記第1の生産物の少なくとも一部を分配するステップの後に、分配する該ステップを表すデータを、前記外部データベース内の少なくとも1つの第2のレコードに保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
分配する前記ステップを表す前記データが、前記第1の容器から分配された前記第1の生産物の量を表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
分配する前記ステップを表す前記データが、分配する前記ステップの後に、前記第1の容器内に残っている前記第1の生産物の量を表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
分配する前記ステップを表す前記データが、前記第1の容器から分配された前記第1の生産物のタイプを表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
分配する前記ステップを表す前記データが、分配する前記ステップのときにおける前記第1の容器の占有者の固有識別情報を表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
分配する前記ステップを表す前記データが、分配する前記ステップのときにおける前記第1の容器の所有者の固有識別情報を表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
分配する前記ステップを表す前記データが、分配する前記ステップのときにおける前記第1の容器の第2の位置を表すデータを含み、該第2の位置が、前記第1の位置とは異なる、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
分配する前記ステップを表す前記データが、前記第1の生産物が前記第1の容器から分配された割合を表すデータを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
分配する前記ステップが、複数の位置Lの各々において前記第1の生産物の少なくとも一部を分配するステップを含み、(C)が、
前記複数の位置Lごとに、分配する前記ステップを表す前記データに、(1)位置Lにおいて前記第1の容器から分配された前記第1の生産物の量を表すデータと、(2)前記位置Lを表すデータと、を保存するステップ、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
(C)が、
前記複数の位置Lごとに、分配する前記ステップを表す前記データに、(3)前記生産物が位置Lにおいて前記容器から分配された割合を表すデータを保存するステップ、を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
(D)前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコード、及び前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第2のレコードに基づいて、カーボンクレジットの基準が満たされているか否かを決定するステップと、
(E)前記カーボンクレジットの基準が満たされているか否かを示す出力を生成するステップと
を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
(C)(A)の前に、不正開封防止方法で前記第1の容器に前記第1の生産物を充填するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
(C)前記第1の生産物の少なくとも一部を前記第1の容器から第2の容器に移送するステップの後、前記外部データベース内の少なくとも1つの第2のレコードに、前記移送を表すデータを保存するステップ、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
(A)が、前記外部データベース内の前記データを暗号化された形式で保存するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の生産物が、肥料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の生産物が、農薬を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の生産物が、窒素固定微生物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の生産物が、種子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の生産物が、石油系燃料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の生産物が、農作物投入生産物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記外部データベースが、分散型台帳を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記分散型台帳が、ブロックチェーンを含み、前記少なくとも1つの第1のレコードが、前記ブロックチェーン内の少なくとも1つの第1のブロックを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記外部データベースが、分散型台帳を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
(C)(A)の後に、前記生産物タイプ、前記第1の生産物の量、前記第1の容器の固有識別情報、及び前記第1の容器の第1のユーザの固有識別情報を、分散型台帳に保存するステップ、を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の容器に前記第1の生産物を充填するステップが、前記第1の生産物を供給源容器から前記第1の容器に移送するステップを含み、
(A)前記供給源容器上の容器データモジュールから前記第1の生産物の生産物タイプを読み取るステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
(A)が、
前記第1の容器上の前記容器データモジュールから前記第1の容器の固有識別情報を読み取るステップと、
前記第1の容器上の前記容器データモジュールから前記第1の容器の固有識別情報を読み取るステップの後に、前記第1の容器の固有識別情報を、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
(A)が、
自動地理位置情報サービスから前記第1の容器の第1の位置を自動的に取得するステップと、
前記自動地理位置情報サービスから前記第1の容器の第1の位置を取得する前記ステップの後に、前記第1の容器の第1の位置を、前記外部データベース内の前記少なくとも1つの第1のレコードに保存するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
(A)が、前記第1の容器に前記第1の生産物を分配する生産物分配モジュール内のモータの回転数に基づいて、前記第1の容器に充填された前記第1の生産物の量を測定するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
コンピュータプログラム命令が保存された少なくとも1つの第1の非一時的コンピュータ可読媒体を備えるシステムであって、該コンピュータプログラム命令が、方法を実施するために少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行可能であり、該方法が、
(A)第1の容器に第1の生産物を充填したことに応答して、外部データベース内の少なくとも1つの第1のレコードに、
該第1の生産物の生産物タイプと
該第1の容器に充填された該第1の生産物の量と、
該第1の容器の固有識別情報と、
該第1の容器に該第1の生産物を充填したときにおける該第1の容器の第1のユーザの固有識別情報と
を表すデータを、保存するステップと、
(B)前記第1の容器上の容器データモジュールに、該容器データモジュールの固有識別情報を表すデータを、保存するステップと
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
気候変動に関する社会及び政府の懸念が顕著に増すにつれて、商業的に栽培される食品及び繊維作物の生産に関連する温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gases)の放出から生じるカーボンフットプリントを削減させる要求が高まっており、そのような慣行に関連するベストマネジメントプラクティス(BMP:best management practices)は、作物の生産から生じるカーボンフットプリントの削減と、農業生産性との間のバランスを反映している。
【0002】
窒素は、タンパク質及びDNAを構築するために必要とされる生命の必須成分であり、大気中に豊富にあるにもかかわらず、使用可能な形態の植物に利用可能な無機土壌窒素の貯蔵量は限られており、それらは主に硝酸塩(NO3-)、及び/又はアンモニウム(NH4+)である。したがって、補助的な形態の窒素が適用されない限り、農業収量は、窒素の利用可能性によって制限されることが多い。20世紀の初めに、ドイツの化学者Fritz Haber及びCarl Boschは、大気中の窒素を、植物によって容易に利用可能で使用可能な窒素の形態の1つであるアンモニウムに変換するための工業規模のプロセスを発明し、開発した。合成又は製造された窒素肥料(fertilizer)の使用は、特に発展途上国において、緑の革命中の作物生産の劇的な増加の主な原因であった。米国植物食品管理担当者協会によれば、動物の部分、動物の副産物、肥料(manure)又はレンダリングを含まない1つ又は複数の合成材料から製造された肥料(fertilizer)は、「合成」肥料(fertilizer)と見なされるため、Haber-Boschプロセスの適合を使用して製造されるすべての窒素肥料(fertilizer)は、合成肥料であると見なされる。
【0003】
現在、世界人口の半数近くの生活が、このような合成肥料の使用に依存しているが、大気中の窒素を使用可能な作物肥料に変換するプロセスは、世界の総エネルギー消費量の1~2%と推定される膨大な量のエネルギーを必要とする。例えば、1トンの製造された窒素肥料を製造するには、約1トンの天然ガスが必要である。1トンの肥料(fertilizer)は、4から5エーカの高収量トウモロコシの窒素要件の供給に十分であり得るが、ガソリンの形態で英国熱量単位(BTU)で、測定されるのと同様の数量の石油エネルギーは、平均してわずか1ガロン当たり20マイルを走る自動車で、8,000マイルを超える距離に動力を供給することになる。
【0004】
窒素肥料は、現代の農業によって生産される高い作物収量の重要な要因であるが、世界の農業の温室効果ガス排出の最大で単一の排出源でもある。製造された窒素肥料の使用は、二酸化炭素(CO2)の地球温暖化係数の約300倍を有する温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)の著しい排出につながる。米国単独では、米国環境保護庁の2014年国家温室効果ガスインベントリによると、農地土壌からのN2O排出は、CO2換算で約1億9500万メートルトンであった。この量は、年間約4100万台の乗用車の排出量に匹敵する。
【0005】
硝酸アンモニウム(AN)は、欧州の農業において最も一般的に使用される窒素源である。UAN(尿素硝酸アンモニウム)は、尿素と、アンモニアと、硝酸と、からなる。AN肥料の使用による平均カーボンフットプリントは、適用された窒素1kg当たり、約5.6kgCO2換算である。換言すれば、適用された窒素肥料1トンごとに、約5.6トンの温室効果ガスが大気中に放出される。
【0006】
American Carbon Registry(ACR)は、高い環境保全基準に関して認識されている、主要な米国ベースのカーボンオフセットプログラムである。ACRは、世界で最初の民間の自主オフセットプログラムとして1996年に設立され、厳格な科学ベースのカーボンオフセット基準及び方法論を開発し、カーボンオフセットプロジェクト登録、検証監視及びオフセット発行の運用経験を有する。ACRはまた、米国における最初の経済全体のキャップアンドトレードプログラムである、カリフォルニアキャップアンドトレードプログラムのための承認されたカーボンオフセットプロジェクトレジストリ及びアーリーアクションカーボンオフセットプログラムでもある。認定機関として、ACRは、承認されたカーボン会計方法論又はプロトコルに従ってカーボンオフセットプロジェクトの登録及び検証を監督し、透明なレジストリシステムでオフセットを発行する。各オフセットは、1メートルトンの二酸化炭素に相当する大気からの削減又は除去を表す。
【0007】
デルタ研究所として知られる組織は、USDA/NRCSが支援する窒素クレジットプログラムを開始し、このプログラムは、適格なコーンベルト農業者に、彼らのトウモロコシ作物を生産するため、窒素ベースの肥料を余り使用しなかった結果として、自発的に亜酸化窒素(N2O)排出量を削減したという彼らの評価を賞賛したカーボンクレジットに対して、金銭的インセンティブを与えた。参加した農業者は、The Climate Trustに自身のカーボンクレジットを販売することによって達成した温室効果ガス排出量削減の補償を受けた、The Climate Trustは、自身のカーボンフットプリントの削減を求める組織のカーボンオフセット取得プログラム及びプロジェクトを管理する1997年に設立された非営利団体である。
【0008】
プログラムに参加した農業者の温室効果ガス排出削減量は、ミシガン州立大学(MSU:Michigan State University)及び電力研究所(EPRI:Electric Power Research Institute)によって開発されたACR承認方法論を介して定量化され、検証された。MSU-EPRI方法論は、全米科学財団のKellogg Biological Station Long-Term Ecological Researchサイト及びミシガン州の商業農場で行われたMSU科学者による3年間の科学研究を表す。
【0009】
これらの圃場試験は、処理領域(エーカ、ヘクタールなど)当たりの窒素肥料の適用割合が米国のトウモロコシ生産におけるN2O排出の最良の予測因子であることを実証した。このようなプログラムは、N2O排出を削減するために、主に販売可能なカーボンクレジットの形態で、農業者が金銭的報酬を得ることができるという証拠である。しかしながら、地球規模で同様の慣行の広範な採用を可能にするためには、いくつかの課題に対処しなければならない。
例えば、対処しなければならない1つの問題は、作物収量の対応する減少なしに、窒素肥料の使用をどのように削減するかである。すべての植物は、成長及び生存のために窒素が必要である。窒素は、植物が太陽光エネルギーを使用して、水及び二酸化炭素から糖を生成(すなわち、光合成)する化合物であるクロロフィルの主要成分である。これはまた、タンパク質の構成要素であるアミノ酸の主要成分でもある。タンパク質がなければ、植物は、しおれ、枯れる。
【0010】
トウモロコシ植物は、大量の窒素を使用して成長し、経済的に実行可能な収量を生成する。トウモロコシは、生産される穀物1ブッシェルごとに土壌から約1ポンドの窒素を除去するので、250ブッシェル/エーカ収量目標は、土壌から約250ポンドの窒素を除去することになる。最も生産性の高い土壌でさえ、それほど多くの窒素を天然には含有していないので、農業者にとって商業的に許容可能な利益レベルで、世界的な需要を満たす必要な高い収量を達成するために、前述のHaber-Bosch法の様々な適応を使用して生産される補助的な製造された窒素肥料が農業者によって土壌に撒かれる。トウモロコシを、この文書全体を通して例示的な作物として繰り返し言及するが、すべての商業的に栽培される非マメ科作物は、経済的に実行可能な作物収量を生産するために補助的な窒素を必要とし、それらの作物における製造された窒素肥料の使用の削減に応じて、対応する温室効果ガス排出量の削減も起こる。
【0011】
トウモロコシ及び他の非マメ科作物とは異なり、大豆、ピーナッツ、エンドウマメ、ベッチ、クローバなどのマメ科作物は、土壌中の空気から気体窒素を取り込む、又は「固定」し、この窒素をマメ科植物に供給する、土壌に生息する窒素固定根粒菌と共生関係で成長する。これらの土壌生息細菌から受け取った窒素と引換えに、マメ科植物は、細菌に必要な炭水化物を与える。マメ科植物が大気窒素から本質的にすべての窒素要求を受け取る能力は、窒素固定菌が存在し、繁殖する根粒を生成する能力に主に基づく。マメ科植物による窒素固定は、自然生態系では年間1エーカ当たり25~75ポンドの範囲の窒素、作物栽培システムでは年間1エーカ当たり数百ポンドであり得る。その結果、ほとんどの商業的な作物生産方式では、マメ科作物は、補助的な窒素肥料処理を、通常、必要としないか、又は受けない。一部のマメ科植物の作物は、マメ科植物が大気から窒素を固定し得る根粒の早期発生を促進するために、根粒菌ベースの生産物が接種される。
【0012】
科学的研究は、トウモロコシ、サトウダイコン、ジャガイモ、小麦などの非マメ科植物も窒素固定菌との共生関係から利益を得ることができることを実証しているが、残念ながら、非マメ科作物は、根粒菌が成長し繁殖するために必要な根粒を形成又は産出しない。非マメ科植物が、以前は植物窒素固定に必須であると考えられていた根粒を依然として産出しないにもかかわらず、マメ科植物によって使用される方法と一致する方法で、非マメ科植物が、大気窒素からそれらの窒素要件の一部を固定又は取得することを可能にする目的で、複数の農業大学及び農業開発企業は、非マメ科植物に感染する非天然微生物のコンソーシアムからなる土壌接種剤の使用に関する研究を行っている。このプロセスを理解するために不可欠なことは、通常、大気供給からの窒素要求のすべてを完全に満たすマメ科植物とは異なり、N固定微生物を利用する非マメ科植物は、これらの非天然土壌微生物を接種された結果として、それらの全窒素要求の一部のみを満たすことができるという事実である。しかしながら、そのような削減に関連する温室効果ガス排出の大幅な削減に部分的に起因して、窒素肥料の使用の比較的小さな削減からも環境上及び社会的に大きな利益があるので、製造された窒素肥料の一部でさえ、トウモロコシなどの非マメ科植物に使用するためのN固定接種剤で代用する可能性は魅力的である。製造された窒素肥料の対応する削減を可能にするためにN固定接種剤を使用する複合的な慣行と併せて、温室効果ガス排出量を削減したことに対するカーボンクレジットの形態で農業者が金銭的インセンティブを、獲得し、受け取る機会は、世界規模でこれらの慣行が適時、迅速に採用される可能性を高める。
【0013】
製造された窒素肥料の一部を置換するために使用され得るN固定菌生産物の一例は、Azotic North America製のEnvita(商標)である。十分に管理された農場での試験からのAzoticによって公開された結果は、対照比較で使用されたものよりも約25%少ない製造された窒素を使用して生産されたEnvita接種非マメ科作物が、製造された窒素肥料の全率を使用しつつ、生産された比較対照作物に匹敵する収量を生産したことを明らかにする。その存在が根及び根粒に限定される、マメ科植物が窒素を固定するために使用する根粒菌とは異なり、葉を含む植物全体にEnvitaベースの微生物が存在し、これらの微生物によって固定された窒素が、植物によってクロロフィルを産生するために使用される。非マメ科植物が固定大気窒素からそれらの窒素要件の一部を満たし得る目的で、Envitaは、現在利用可能であるか又は開発中の数ある窒素産生微生物生産物のうちの1つの生産物にすぎない。N固定生産物の更なる例は、ピボット・バイオ製のPROVEN(商標)である。ピボット・バイオの声明によれば、「PROVENは空気から窒素を取り出し、細菌の使用によってアンモニアを生成する。その細菌は、トウモロコシの根に生息し、そのアンモニアをトウモロコシ植物に供給する。このプロセスは、天候にかかわらず、成長期中に植物に一定の窒素源を与える。」
【0014】
Envita、PROVENなどのN固定微生物生産物の開発及び生産における科学的進歩は、窒素肥料関連の温室効果ガス排出の大幅な削減の可能性が現実的であることを実証しているが、歴史的な高率の100%で、製造された窒素肥料を適用する既知の性能と、EnvitaのようなN固定微生物生産物と組み合わせて、例えば歴史的な高率の75%で肥料を適用する実証されていない一貫性と、で置き換えるために、農業者が金銭的インセンティブを有する場合にのみ、大規模な採用が行われることになる。このような肥料の削減をN固定微生物生産物の使用と組み合わせたとき、いくつかのN固定生産物は、適用された窒素肥料の割合を50%以上削減しつつ、歴史的な平均収量生産を維持することが可能であることを実証している。
【0015】
上記の説明は、農作物に、及びそれらの作物の生産に使用される土地領域又は圃場に、焦点を当てているが、広い領域の牧草地が、乾草生産の目的で、家畜用食品として使用するために、又は機械によって収穫されて貯蔵されるのではなく、家畜が、放牧のプロセスを介して、家畜が牧草を食べた領域から生きている植物材料を食品として消費する家畜放牧のために、使用されることを理解されたい。多くの草地は、乾草生産に使用されるか又は家畜放牧に使用されるかにかかわらず、合成窒素肥料でも施肥されるので、草地の施肥に関連する温室効果ガス排出を削減するために草地での肥料使用を削減するという目的、及びそのための慣行の実施は、合成窒素肥料の農業使用を削減するという定義の範囲内である。
【0016】
上述したように、The Climate Trustなどの組織は、American Carbon Registryなどの認定機関によって検証されたカーボンクレジットを農業者に支払う用意がある。製造されたAN肥料の1トン当たりの温室効果ガス排出量に対して5.6対1の比率を使用して、その特定の場所におけるその特定の作物のためのベストマネジメントプラクティスを使用して通常適用される肥料の数量に対して、農業者が、製造された窒素肥料の使用を特定の量だけ実際に削減させたことを、American Carbon Registryなどの認定機関が検証すると、1エーカ当たりに適用された肥料の削減数量に関連する温室効果ガス排出量の削減を計算することは簡単な算術問題である。32%のUAN肥料は、硝酸アンモニウムと、32%の窒素を含有する水と、の混合物であるため、製造された1トンのUAN肥料は640ポンドの窒素を含有する。250ポンドの窒素を必要とするトウモロコシの1エーカ当たり250ブッシェルの前述の例を使用すると、この量の25%の削減は、62.5ポンドである。前述の5.6対1の比率を使用すると、製造された窒素肥料の1エーカ当たり62.5ポンドの削減は、1エーカ当たり350ポンドの対応する温室効果ガス排出削減をもたらすことが明らかになる。カーボンクレジットは、米国では、何トンの温室効果ガス排出削減が生じたかに基づいて、通常計算され、支払われる。350ポンドが、2,000ポンドトンの17.5%に相当するので、目標収量を生産するために通常必要とされ、適用されるであろう割合に対して、適用された窒素肥料適用割合が62.5ポンド削減したことが確認できる各エーカは、その時点で進行中のトン当たりクレジット値に等しいカーボンクレジットを獲得する資格があるべきである。世界の主要な農業コンサルタント会社の1つであるS&P Globalからの2020年2月の報告書は、「カーボンプライスは、既に40カ国及び20の都市及び地域で実施されている。カーボンプライスの傾向に関する2019年の世界銀行の報告書によると、2015年のパリ協定で定められた目標を達成するためには、2020年までにカーボンプライス範囲は、1トン当たり40~80米ドルが必要である。」のように報告した。この実行のための1トン当たり60ドルの中間値を使用すると、60ドルの17.5%は、この例では製造された窒素肥料の使用を1エーカ当たり62.5ポンド削減した農業者に対して、10.50ドルの1エーカ当たりカーボンクレジットの価値をもたらす。
【0017】
圃場に実際に適用される製造された窒素の数量の確認又は検証は困難である。前述のACR/デルタ研究所窒素クレジットプログラムに参加した、協力中の農業者の圃場では、厳格な生産慣行プロトコルが課され、監視されていたが、N固定微生物生産物の適用と組み合わせた、製造された窒素肥料の使用削減の複合的な慣行に起因する温室効果ガス排出量の削減と引換えに、農業者へのカーボンクレジット支払の大規模な実施を行うために必要となる数百万の圃場を、カーボンクレジット認定機関及び/又はカーボンクレジット販売業者が、人間に監視させることは実現不可能である。多くの圃場のそれぞれに適用される、製造された窒素肥料の総量を検証する方法又はシステムは、余り適用されていない製造された窒素肥料の存在下で作物の窒素要件を補うために、N固定微生物生産物が多くの圃場のそれぞれに適用されたことを、手動で検証を実施することも、検証するプロセスも、実現不可能である。作物の生産に関連する温室効果ガス排出量を削減するためのカーボンクレジットを獲得し得ることに加えて、農業者は、商業的に生産された作物が栽培されている圃場の土壌に貯蔵又は隔離されている炭素の数量を増やすためのカーボンクレジットを獲得し得るので、N固定及び他の土壌の健全性及び再生農作物の投入が、どこで、どの程度の割合で適用されるかの検証も、農業者が獲得したカーボンクレジットに関して重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
容器に保存された生産物に関連するデータを収集し、保存するためのコンピュータ実装システム及び方法。容器に生産物を充填したことに応答して、第1の生産物の生産物タイプと、第1の容器に充填された第1の生産物の量と、第1の容器の固有識別情報と、第1の容器に第1の生産物を充填したときにおける第1の容器の第1のユーザの固有識別情報と、のデータを、外部データベース(例えばブロックチェーンなどの分散型台帳など)内の少なくとも1つの第1のレコードに保存する。容器上の容器データモジュールの固有識別情報を表すデータが、容器データモジュールに保存される。容器が移動し、生産物を分配し、占有権(possession)及び所有権(ownership)が変更されると、そのようなイベントを表すデータが、分散型台帳及び/又は容器データモジュールに保存される。結果として、容器内の生産物の検証可能な適用/消費レコードが生成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による、容器内の生産物を追跡するためのシステムの図である。
【
図2】
図1のシステムの一実施形態によって実施される方法の流れ図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3C】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3D】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3E】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3F】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3G】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3H】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3I】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3J】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3K】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3L】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3M】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図3N】本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4A】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4B】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4C】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4D】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4E】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4F】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4G】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4H】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4I】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4J】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4K】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4L】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4M】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4N】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4O】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図4P】本発明の別の実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、容器内の生産物を追跡し、ネットワークがアクセス可能になるまで生産物に関するデータをローカルに保存するためのシステムの図である。
【
図6】
図5のシステムの一実施形態によって実施される方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態は、容器内の農産物に関する情報を外部データベース(例えばブロックチェーンなどの分散型台帳など)に記録するためのコンピュータ実装方法及びシステムに関する。以下の説明は、そのような方法及びシステムの様々な実施形態を開示する。
本発明の実施形態は、例えば、特定のカーボンクレジット適格活動がカーボンクレジット又はクレジットの獲得に関連する要件に従って行われたことを検証するために使用されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、製造時点で生産物を追跡してもよく、生産物は、生産物移送機器及び生産物適用機器と通信し得るタグ付けされた容器に移送される。生産物情報が容器タグに保存される実施形態では、その生産物情報は、例えば、生産物のタイプ、容器に充填された生産物の量、充填したときにおける容器の位置、充填の日時、並びに容器内の生産物の、及び/又は容器自体の、製造業者、所有者、及び占有者を含んでもよい。これは、カーボンクレジットを獲得する目的などのために、追跡され得る生産物の起源又はフォレンジックの妥当性を確立する。
【0021】
本発明の実施形態はまた、いくつかのベースラインと比較して、生産物使用の削減が達成されたことを検証するために使用されてもよい。このような生産物使用の削減は、合成的に製造された窒素肥料からの温室効果ガス排出を削減させるため、農薬及び栄養素の環境負荷を削減させるため、環境に敏感な地域、例えばメキシコ湾、チェサピーク湾、及び五大湖、並びに/又は森林保護区、湿原、及び絶滅危惧種繁殖領域における排出物流出を削減させるためなど、様々な理由で有益であり得る。本発明の実施形態の主な利点は、そのような削減が環境に関する法律及び規制並びに企業の方針に準拠して達成されたこと、又は恐らくもっと重要なこととして達成されていないこと、を検証する能力を、不正行為又は人為的ミスを介して回避することが困難又は不可能な方法で提供することである。
【0022】
本発明の実施形態はまた、特定の位置又は領域(例えば、特定の緯度及び経度、又は緯度及び経度のセット)において、特定の生産物(例えば、農薬又は肥料)が使用された(例えば、適用され、分配され、移送され、植え込まれ、又は消費された)、又は使用されなかった、あるいは特定の位置又は領域において、特定の生産物の特定の量以上又は以下が、使用された(例えば、適用され、分配され、移送され、植え込まれ、又は消費された)ことを検証するために使用されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、外部データベース(例えば、分散型台帳)に作成及び保存されたレコードを使用して、有機農場が非有機化学物質を使用しなかったことを証明してもよい。意図的又は非意図的にかかわらず、特定の位置又は領域における特定の1つ又は複数の化学物質の使用又は不使用を不正確に記録及び/又は報告し得る人間の自己報告者の正確さ及び精度に依存する既存の技術を超える顕著な改善を、レコードが改ざんされ得ない方法で作成されるそのようなプロセスは表す。
本明細書に開示した特定の実施形態は、情報を保存するために分散型台帳を使用する。分散型台帳は、そのすべての情報及びトランザクションの制御を台帳のユーザに与え、透明性を促進する。分散型台帳技術は、トランザクション時間を最小化し、効率及び自動化の向上を促進する。高いセキュリティ及び顧客の信頼性は、その分散的な性質及びトランザクションレコードの不変性により、非分散型台帳中央データベースの会計と比較して、分散型台帳の会計に関連付けられることが多い。
【0023】
ブロックチェーンは、分散型台帳の1つのタイプである。ブロックチェーン技術は、トランザクション活動の不正防止ログを、安全で効率的に作成する方法をもたらす。ブロックチェーン技術は、ほんの数例を挙げると、国際送金、代替不可能なトークン(NFT:non-fungible token)、又は暗号通貨トランザクション、株主レコード、更には農産物でさえ含む広範囲の生産物を説明するフォレンジック品質のトランザクションを提供するために頻繁に使用される。分散型台帳会計プロセスは、高速であり、ユーザに、時間がかかり、紙集約的で高価であることが多いクリアリングハウスプロセスに対して、より安全なデジタル代替手段を提供する。
【0024】
分散型台帳に書き込まれるデータは、ネットワーク上で不変に刻み込まれる。経時的な一連のトランザクションにより、正確で不変の監査証跡が作成される。単一のエンティティがデータを所有又は制御しておらず、既に書き込まれているものを誰も変更し得ない場所に、すべてのデータが保存されるので、監査及び/又はフォレンジック目的に関し、これは極めて有用である。これは、複式簿記と同様の利点を提供するが、エラー又は不正の可能性が少ない。
分散型台帳技術を利用しない中央データベースに保存されたトランザクションデータは、分散型台帳に保存されたデータと同程度に正確であるとすることができ、本明細書に開示した実施形態は、分散型台帳技術及び/又は中央データベースを使用してデータを保存し得る。両方のタイプのシステムは100%正確で検証可能であり得るが、分散型台帳技術は、前述のように、すべてのデータが、単一のエンティティがそれを所有又は制御せず、既に記録されているものを誰も変更し得ない場所に保存されるので、監査プロセスを容易にし、トランザクションレコードの不変性により、一般に信頼性が高いと認識されている。農業投入物及び燃料のタイムスタンプされたジオタグ付き適用/消費レコードを検証する目的で分散型台帳技術を採用できると、それらのレコードに関連する信頼性を大幅に高めることができる。このレベルの監査能力は、法的裁定を必要とする紛争の場合に、フォレンジック会計目的に有用である。フォレンジック会計士は、複雑な財務及び事業上の問題を分析し、解釈し、要約し、保険会社、銀行、警察、政府機関などによって採用され得る。フォレンジック会計士は、裁判所で証拠として提示され得る金銭的証拠を調査し、編集する。本明細書に開示した特定の実施形態の1つの重要な目的は、フォレンジック証拠としての使用に適した監査データの作成及び取り込みを容易にすることである。
【0025】
本発明の実施形態が、検証可能なレコード(分散型台帳など)にデータを保存するために使用されると、そのようなレコードは、例えば、そのレコード内のデータに基づいて1人又は複数の当事者にペナルティ(例えば、租税又はその他の罰金)を課すために使用されることがある。例えば、当事者が、要件(例えば、民間団体又は政府立法府若しくは規制機関によって制定された法律、規制、及び/又は製造プロトコルなど)に違反した、及び/又は要件を遵守しない、1つ又は複数の行動を取ったことを、検証可能なレコードが示す場合、本発明の実施形態は、その当事者にペナルティを課すべきであると決定し、レコード及び/又は要件内のデータに基づいてペナルティを選択してもよい。特定の例として、購入者がプロトコルに従わなかった圃場からの生産物に対するプレミアム支払の発行を拒否した場合、本発明の実施形態は、その圃場に対して補助金が発行されるべきではない、及び/又は購入者に税又はペナルティが課されるべきであると決定してもよい。あるいは、レコードを使用して、インセンティブ又は報酬、例えばカーボンクレジットを、そのレコードがそのようなインセンティブの獲得に関連する要件の遵守を示すエンティティに、提供してもよい。
【0026】
別の例として、本発明の実施形態は、検証可能なレコードを使用して、生産物の収穫後にその同一性を保存した状態で追跡する必要がある収穫された生産物の起源を確立してもよい。例えば、ほとんどの種子は、アイデンティティプリザーベーションの何らかの手段を用いて生産される。そのようなアイデンティティプリザーベーションがなければ、種子を別個の品種又はハイブリッドとして販売することは現実的ではない。種子が種子生産地から収穫されるとき、その種子は、他のすべての生産物とは別に収穫され、生産地から種子を収穫するために使用される機器は、収穫前に十分に洗浄されて、機器が他の品種の種子又は他の生産物で汚染されないことを確実にする。種子を収穫した後、種子は、種子の完全性を維持するために、他のすべての種子とは別に輸送され、保存され、洗浄される。しかしながら、このプロセスは、主に人為的ミスのために、種子の同一性を常に完全に保存するとは限らない。結果として、種子の品種Aのみを含有するとして市販されている種子の袋はまた、種子の品種Bのいくらかの量を含有することがある。本発明の実施形態は、その収穫時から、種子のその後のすべての取扱いを通して、最終顧客への種子の販売を通して、及び最終顧客への種子の販売を含む、様々な種子の各々を追跡するために使用されてもよい。収穫から最終的な販売までの種子の結果として得られる検証可能なレコードを使用して、種子の同一性がそのプロセス全体を通じて保存されていることを確認することができる。
【0027】
本発明の実施形態はまた、食物が曝露された農産物を追跡し、識別するために使用されてもよい。例えば、特定の食物が圃場で特定の農産物(例えば、農薬又は肥料)に曝露される場合、その農産物に関する情報は、特定の食物に関連する容器データモジュール内の1つ又は複数の容器データレコードに保存されてもよい。そのような容器データモジュールは、例えば、(ステッカーを使用するなどして)食物自体に、又は食物を含む容器に貼り付けられてもよい。容器データモジュールが食物自体に関連付けられる(例えば、貼り付けられる)場合、その用語が本明細書で使用されとき、容器データモジュールは、「容器」に関連付けられなくてもよい。そのような容器に保存された容器データレコードは、食物、適用された農産物、並びに食物への農産物の適用の日付、時間、及び位置を識別する情報など、様々な情報のいずれかを含んでもよい。後で、容器データモジュール上の容器データレコードからデータを読み取って、食物に適用された農産物を識別してもよい。例えば、消費者は、食物に適用された農産物を識別するために、食物の販売時点又は販売時点の前に、そのようなデータを読み取ってもよい。
本発明の実施形態はまた、容器が内容物で最初に充填された時点から、容器の複数の移動の各々(例えば、複数の位置の、及びそれらの位置に容器が位置した対応する時間の、レコードを含む)により、容器の内容物が消費された、1つ又は複数の時間、並びに/あるいは1つ又は複数の位置まで、特定の容器の内容物が、移動した経路の検証可能なレコードを生成するために使用されてもよい。
【0028】
本発明の実施形態はまた、任意の容器から別の容器への経時的な生産物の移送の検証可能なレコードを生成するために使用されてもよい(これは、経時的にそれらの容器の位置を追跡することを加えてもよい)。例えば、本発明の実施形態によって追跡され得る生産物の一例は、窒素肥料である。製造後に窒素肥料が入れられる最初の容器は、通常、倉庫内のビン又は仕切り壁によってのみ分離された大きなタンク又はバルク倉庫でさえある。窒素肥料は、トン単位で販売されることが多いため、鉄道車両又は海上コンテナによって輸送されることが多い。本発明の実施形態は、カーボンクレジット検証のための検証可能な管理チェーン及び適用レコードを作成する目的などのために、そのようなバルク容器からの肥料及び他の生産物の充填及び分配を、タグ付けし、追跡するために使用されてもよい。
【0029】
本発明の特定の実施形態の理解を助けるためだけに、本明細書の特許請求の範囲を限定するためではなく、以下の下線付き用語の定義を提供する。
量:材料の量は、乾燥材料(例えば、土壌又は植物、肥料、種子などに適用するための粒状、製粉又は粉末生産物)の場合のいずれか1つ又は複数の単位量、重量、質量、又は体積であってもよく、乾燥材料の量は、例えば、乾燥材料の質量又は体積など、乾燥材料自体の量であってもよい。希釈され、それによって材料と希釈液との混合物を生成する材料の場合、混合物の量は、(1)液体と混合された材料の量、又は(2)混合物の量、のいずれかであってよい。顆粒(例えば、粘土、肥料、又は他の乾燥材料)に噴霧された材料の場合、材料の量は、顆粒に噴霧された材料を含む顆粒の量(例えば、質量又は体積)ではなく、顆粒に噴霧された材料の量(例えば、質量又は体積)であってもよく、乾燥材料の量(例えば、質量又は体積)と、乾燥材料に噴霧された液体材料の量(例えば、質量又は体積)との両方を含んでもよい。材料の記録された重量が、乾燥材料の重量と、乾燥材料に噴霧された液体の重量との両方を含む生産物の一例は、Force 10Gであり、ここで、50ポンドの乾燥材料は、テフルトリン殺虫剤の液体製剤が顆粒に含浸される粘土顆粒の重量を含み、記録された重量の10%は、乾燥粘土顆粒に噴霧され、含浸されたテフルトリン有効成分によって表される。
【0030】
適用:生産物は、生産物が容器から分配され、噴霧器又は他の適用機器を使用するなどして、圃場又は他の領域の土壌又は植物に散布されるときに容器から適用される。その結果、適用は分配の一例である。
領域:緯度及び経度座標のセットよりもサイズが大きい地理的位置。例えば、領域は、複数の座標を含んでもよい。領域は、位置の一例である。
【0031】
中央データベース:集中管理者を有する外部データベース。中央データベースは、単一の位置に配置され、保存され、維持されてもよい。例えば、中央データベースは、単一のコンピュータによって維持されてもよい。別の例として、中央データベースは、単一のコンピュータ可読記憶デバイスに保存されてもよい。中央データベースは、例えば、そのデータを単一のデータベースファイルに保存してもよい。中央データベースは、例えば、直接ケーブル接続を介してのみ、又はローカルエリアネットワークを介してのみ、そのデータにアクセス可能であってもよい。中央データベースは、2つ以上のコンピュータ及び/又は記憶デバイスにわたって分散されてもよいが、それらの用語が本明細書で使用される場合、中央データベースは、分散型台帳ではなく、分散型台帳は、中央データベースではなく、それらの用語が本明細書で使用される場合、中央データベースと分散型台帳との両方は、外部データベースの例である。
【0032】
消費:生産物は、除去された生産物を別の容器に移送することなく容器から除去されるときに消費される。生産物を適用することは、生産物を消費する一例である。燃焼燃料は、生産物を適用せずに生産物を消費する一例である。容器からの生産物のこぼれ又は廃棄もまた、生産物を消費する例である。容器からの生産物の(例えば、ヒト、動物、真菌、又は細菌による)消費も、生産物を消費する一例である。容器からヒト又は動物に薬剤を(例えば、注射又は摂取によって)適用することも、生産物を消費する一例である。生産物が容器内にある間、又は容器から生産物を分配した後に、生産物を破壊することも、生産物を消費する一例である。
【0033】
容器:生産物を保存し得る任意のデバイス。例としては、密封配送容器、ビークル(例えば、トラック、自動車、船舶、又は飛行機)、トレーラ、鉄道車両、プランター上の種子ホッパ、適用機器上のタンク又はホッパ)、タンクトレーラ、固定又は移動バルクタンク、バルク倉庫、積載機器(例えば、フロントエンドローダ上のホッパ)、オーガチューブ(auger tube)、パイプ若しくはパイプライン、あるいはドラム、ミニバルク、トート、1若しくは2.5ガロンのジャグ、ボトル、缶、又は更には小さいサイズの容器などであるがこれらに限定されない任意のタイプの小さいパッケージタイプを含む。他の例は、燃料タンク、燃料ライン、及び/又は燃料が保持若しくは閉じ込められる任意の燃料含有容器若しくは装置を含む、燃料(任意の相、例えば、固体、液体、又は気体)を保存又は含むために使用される任意のタイプ又はサイズのリザーバを含む。容器は、1つ又は複数の他の容器を含んでもよい。例えば、タグ付けされた容器は、1つ又は複数の他のタグ付けされた容器を含んでもよい。容器の区画又は他の部分が、容器であってもよい。
【0034】
容器データモジュール(CDM):1つ又は複数の容器に関連する1つ又は複数の容器データレコードを含み、それらの容器データレコードを外部データベースに保存しない物理オブジェクト。単一のCDMは、単一の対応する容器のみについて、又は複数の容器について、1つ又は複数の容器データレコードを含んでもよい。容器のCDMは、例えば、容器上にあっても、容器に統合されても、容器に結合され(例えば、貼り付けられ)ても、又は容器に関連付けられてもよい。CDMは、電子的であっても(例えば、CDMは、静的又は動的RFIDタグであっても、それを含んでもよい)、又は非電子的であってもよい(例えば、CDMは、紙又は他の非電子媒体に印刷され得るバーコード又はQRコード(登録商標)であっても、それらを含んでもよい)。CDMは、静的であっても、動的であってもよい。CDMは、CDM内に保存された、又はCDM内に保存されるように意図された、データを表す信号など、信号を送信及び/又は受信するための構成要素(例えば、RFIDタグ)を含んでもよい。CDMは、本明細書に開示した種類のデータのいずれかを保存し得る任意の種類の電子メモリ(非一時的コンピュータ可読媒体など)であっても、それを含んでもよい。CDMは、磁場、光放射、又は他の無線送信を介して更新され得る「スマートカード」又は他のデバイスなど、1つ又は複数の自動認識及びデータ取得(AIDC)構成要素を含んでもよい。
【0035】
容器データモジュール(CDM)識別子:特定の容器データモジュール(CDM)を固有に識別するデータ。これが意味するように、複数の容器データモジュールは各々、対応する個別のCDM識別子によって識別されてもよい。CDM IDは、容器データレコード内に含まれてもよい。これが意味するように、CDM IDは、電子的又は非電子的CDMなどで、CDMに保存されてもよい。
【0036】
容器データレコード(CDR):容器に関連するデータを含むデータレコードであり、これは、容器に関連する1つ又は複数のトランザクションに関連しても、しなくてもよい。CDRは、例えば、以下のうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せで含んでもよい:容器の容器識別子;容器に関連するCDMのCDM ID;容器に含まれた生産物の固有の識別子;容器に含まれた生産物の量を表すデータ;及び、1つ又は複数のトランザクションデータレコード。容器データレコードは、上述したデータに加えて、あるいはその代わりに、特定の位置の容器から、又は特定の期間(例えば、容器の寿命、又は容器が、消費された生産物で充填されたため)の間に、消費された特定の生産物の集約された量など、複数の容器データレコードから導出された集約されたデータを含んでもよい。特定の容器に関連する複数の容器データレコードからのデータを使用して、任意の特定の時間に、その容器内にある特定の生産物の量を識別してもよい。例えば、特定の生産物が最初に容器に充填されたとき、充填された生産物のタイプ及び量に関する情報は、容器に関連する容器データレコードに保存され得る。同じタイプの生産物が、容器に充填され、及び/又は容器から分配されると、1つ又は複数の追加の容器データレコードが、生成され、そのような充填及び分配を表すために保存されてもよい。そのような容器データレコードを使用して、任意の特定の時間に容器に保存された生産物の量を識別してもよい。容器データレコードは、1つ又は複数の代替不可能なトークン(NFT)であってもよく、その中に含まれてもよく、又はそれを含んでもよい。
【0037】
容器履歴データ:特定の容器に関連する1つ又は複数の容器データレコードのセット。例えば、特定の容器Aの容器履歴データは、製造業者によって容器Aが充填された第1の生産物に関するデータを含む第1の容器データレコードと、元の充填剤以外のエンティティによって容器Aが充填又は補充された第2の生産物に関するデータを含む第2の容器データレコードと、を含んでもよい。容器の容器履歴データは、時間及び空間にわたる容器の内容物の検証可能なレコードを構成又は含んでもよい。容器の容器履歴データは、1つ又は複数の容器データモジュールに保存されてもよい。具体的な例は、容器の容器履歴データが外部データベース又は分散型台帳(例えば、ブロックチェーン)に保存されてもよいことである。複数の容器の各々は、それ自体の対応する容器履歴データを有してもよい。
【0038】
容器識別子(ID):特定の容器を一意に表すデータ。これが意味するように、異なる容器の容器IDは、互いに異なり得る。容器IDは、容器データレコード内に含まれてもよい。
【0039】
座標:特定の地点の位置を表すデータ、例えば、緯度及び経度の水平座標と、海面又は地上の高度又は高さを確立する目的である、水平座標に対応する垂直座標と、の両方を含み得るGPS地理座標によって表されるデータである。
【0040】
データプロファイル:CDM内に保存されたデータは、パブリック又はプライベートとしてタグ付けされてもよい。CDM内に保存されたパブリックデータは、制限なしに任意のエンティティによって読み取られてもよい。CDM内に保存されたプライベートデータは、指定された基準を満たすエンティティによってのみ読み取り可能であってもよい。例えば、CDM内に保存されたプライベートデータは、CDMの製造業者、所有者、占有者、又はユーザによってのみ読み取り可能であってもよい。
【0041】
分配:生産物を別の容器に移送するか否かにかかわらず、容器から生産物を除去すること。別の容器に移送されない生産物を分配する例には、生産物が容器から圃場に分配される(すなわち、適用される)とき、及び石油ベースの燃料が燃料容器又は燃料システムからエンジンに計量供給されるとき、を含む。生産物を別の容器に移送せずに分配すると、生産物が消費される。
【0042】
分散型台帳:複数の人々がアクセス可能な複数のサイト、機関、又は地理にわたって合意により共有及び同期されたデータベース。分散型台帳により、トランザクションは、公開された立会いを有し得る。ネットワークの各ノードの参加者は、そのネットワークにわたって共有されるレコードにアクセスし、その同一のコピーを所有することができる。分散型台帳で行われた変更又は追加は、通常、数秒又は数分以内など、すべての参加者に迅速に反映され、コピーされる。ブロックチェーンは、分散型台帳の一例である。分散型台帳は、それらの用語が本明細書で使用されるので、中央データベースではない。
【0043】
電子メモリデバイス(EMD):CDMの特定の例であり、これは、CDM内に保存され得るものとして本明細書に開示した種類のデータのいずれかを保存する任意の種類の電子メモリ(1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体など)を含む。
【0044】
エンティティ:自然人又は法的団体(例えば、企業)。エンティティは、例えば、生産物の製造業者、容器の所有者若しくは占有者、生産物若しくは容器のユーザ、又は容器若しくは生産物の使用に責任を負う個人若しくは法的団体であってもよい。エンティティは、トランザクションのアクター(例えば、トランザクションを引き起こした又は実行したエンティティ)であってもよい。
【0045】
エンティティ識別子(ID):容器の製造業者、占有者、所有者、又はユーザなど、エンティティの固有の識別子。「製造業者ID」などの特定の用語は、エンティティIDの例である。
【0046】
外部データベース:CDMではない媒体上の容器履歴データを保存するデータストア。外部データベースは、中央データベース又は分散型台帳であっても、それらを含んでもよい。外部データベースの例は、在庫管理システム、出荷管理システム、及び適用機器に保存されたデータベースである。分散型台帳又はCDMにデータを保存し、及び/又はそれらからデータを読み取る本明細書に開示した技術は、本明細書で特に明記しない限り、追加的又は代替的に、そのようなデータを外部データベースに保存する、及び/又は外部データベースからそのようなデータを読み取るために適用可能であると理解されるべきである。外部データベースに保存されたデータは、続いて外部データベースに保存される前に、以前からCDMに保存されていてもよく、外部データベースに以前に保存されたデータは、続いてCDMに保存されてもよい。
【0047】
充填:容器に生産物を入れること。生産物が別の容器から直接受け取られた場合、これは、生産物を任意の容器から別の容器に移送する一例である。これは、複数の潜在的に追跡不可能な生産物からの材料が、容器履歴データを介して識別可能になる容器に(例えば、初めて)追加される生産物を作成する目的で、共に混合/処理/統合/配合/合成される場合を含む。
【0048】
地理位置情報サービス:容器の位置など、位置を自動的に識別する手段を含む任意のデバイス及び/又はソフトウェア。地理位置情報サービスは、例えば、全地球測位システム(GPS)、及び/又は他の衛星ベースの技術、インターネットプロトコル(IP)、RADAR、SONAR、LIDAR、リアルタイムキネティック(RTK)、シグナルインスペース(SIS)、及び/又は画像分析技術使用して、位置を識別してもよい。別の例として、地理位置情報サービスは、容器データモジュール又は外部データベース(例えば、分散型台帳)内の位置を検索することなどによって、位置を、エンティティ(例えば、容器の所有者又は占有者)の既知の(現在又は過去の)位置として識別してもよい。
【0049】
位置:座標と領域との両方を含む総称
材料:生産物の可能な複数の構成成分のうちの1つ。これが意味するように、生産物は、1つ又は複数の材料を含んでもよい。
【0050】
動作:容器に生産物を充填する、又は容器から生産物を分配する行為
所有者:エンティティが特定の時間で特定の容器の占有者であるか否かにかかわらず、特定の時間で特定の容器及び/又は生産物の法的所有者であるエンティティ。容器の所有者は、容器に含まれた生産物の所有者と同じであっても、なくてもよい。特定の時間における容器の所有者は、その特定の時間におけるその容器の占有者と同じエンティティであっても、なくてもよい。
【0051】
占有者:エンティティが特定の時間で、特定の容器の、及び/又は特定の容器の生産物の、所有者であるか否かにかかわらず、特定の時間で特定の容器の占有権内にあるエンティティ。
生産物:容器内に含まれ得る材料、又は複数の材料が容器内に含まれている場合に生じる混合物。生産物は、様々な生産物タイプのいずれかであってよい。
【0052】
生産物量データ:生産物の量を表すデータ、例えば、1つのタイプの生産物のみを含む特定の容器内に含まれる生産物の量、例えば、製造バッチ又はロット番号、製造日などによって互いに区別される複数のタイプの生産物及び/又は単一のタイプの生産物を含む特定の容器内に含まれた特定の区別された生産物の量、充填動作中に容器に充填される1つ又は複数の生産物の量、あるいは分配動作中に容器から分配される生産物の量。容器データレコードは、容器データレコードに関連する容器に保存された生産物の量を表す生産物量データを含んでもよい。
【0053】
生産物適用機器:容器から生産物を適用し得る機器。
生産物消費機器:生産物を消費し得る機器(すなわち、生産物を適用せずに分配する)。
生産物タイプ:特定の材料が属するクラスを識別するデータ。生産物タイプは、例えば、生産物の製造業者を識別するエンティティIDと、生産物名と、を含んでもよい。生産物タイプの例には、肥料/植物栄養生産物(例えば、窒素肥料)、農薬、土壌改良剤、植物活性剤、窒素固定微生物などの土壌適用投入物及び/又は植物適用投入物と、種子などの土壌適用投入物と、オイル、ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル燃料、並びに/あるいは1つ又は複数の石油燃料とエタノール及び/又は他の可燃性燃料若しくは添加剤との混合物など、未精製及び/又は精製された石油生産物と、食品/飲料生産物と、を含む。これらは、生産物タイプの単なる例であり、本発明の実施形態は、任意の特定の生産物タイプでの使用に限定されない。生産物タイプは、極めて高レベル(例えば、「肥料」又は「農薬」)におけるなど、一般性の任意のレベルにおいて、生産物タイプを指定してもよい。そのような高レベル生産物タイプに加えて、又はその代わりに、生産物タイプは、製造業者、ブランド名、品種、バッチ番号、ロット番号、化学化粧品、製剤、有効期限、及びかさ密度など、任意の組合せにおける任意の1つ又は複数の情報を含んでもよい。
【0054】
起源:物の元々の場所、若しくは物の最も早い既知の履歴、及び/又は物体の履歴を認証する記録若しくは文書。外部データベース及び/又はCDMのデータ(容器履歴データなど)を使用して、対応する容器に保存された生産物の起源を確立してもよい。生産物の起源の一例は、例えば生産物及び/又は容器の製造業者によって、生産物が最初に容器に充填された位置である。生産物の起源の別の例は、生産物が最初に容器に充填されたときの生産物の所有者、又はそのときの容器の所有者である。CDM及び/又は外部データベースの任意の組合せからの容器データレコード(CDR)を使用して、個々の容器の履歴を、及び/又は個々の容器と生産物との組合せの履歴を、認証してもよい。
【0055】
RFIDタグ:RFID送信機/受信機モジュールを含むCDMのタイプ。RFIDタグは、静的及び/又は動的データを保存してもよい。
タグ:容器データモジュール(CDM)の同義語。タグは、RFIDタグであってもよいが、必ずしもそうである必要はない。
【0056】
タグ付けされた容器:CDMが、EMDであるか、又はEMDを含むか否かにかかわらず、関連するCDMを有する容器。タグ付けされた容器のCDMは、例えば、タグ付けされた容器に統合しても、その容器に貼り付けても、その容器に結合しても、その容器中に含んでも、及び/又はその容器と電子通信してもよい。タグ付けされた容器は、1つ又は複数の関連するCDMを有してもよい。
【0057】
トランザクション:特定の容器に関連する記録可能なイベント。特定の容器に関連するトランザクションに関するデータは、以下に記録されてもよい:容器データモジュールに保存されたデータに基づいて、(1)特定の容器に関連する容器データモジュール、又は(2)容器データモジュール以外のデータストア。トランザクションの例には、容器を新規の位置に移動することと、容器の占有権、所有権又は使用を移転することと、容器に生産物を充填することと、容器から生産物を分配することと、容器による条件の満足(容器内の生産物の少なくともいくらかの量又は割合の分配の実現、又は少なくともいくらかの特定の時間の経過など)と、を含む。
【0058】
トランザクションデータレコード:トランザクションを表すデータ。特定のトランザクションを表すトランザクションデータレコードは、以下のうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せで含んでもよい:生産物タイプ;生産物量;生産物の製造業者のエンティティID;動作するときにおける容器の所有者のエンティティID;動作するときにおける容器の占有者のエンティティID;動作を実施するために使用される適用機器のユーザのエンティティID;動作の一部として生産物が充填又は分配された割合;動作の日付及び/又は時間;あるいは、動作の位置。
【0059】
移送:任意の容器から生産物を除去し、その生産物を別の容器に保存すること。移送は、不正防止又は不正開封防止方法で実施されてもよいが、そうである必要はない。
ユーザ:容器に生産物を充填する、又は容器から生産物を分配するなど、容器及び/又は生産物に対してトランザクションを実施するエンティティ。容器のユーザは、容器の所有者であってもよいが、そうである必要はない。
【0060】
検証可能なレコード:真正性が検証可能な容器履歴データの保存。例えば、生産物が特定の時間及び位置で分配されたことを、容器履歴データが示す場合、本明細書に開示した技術は、その特定の時間及び位置で生産物が分配されたことを検証するために使用されてもよい。分散型台帳(例えば、ブロックチェーン)は、検証可能なレコードの一例である。
EMDを参照する本明細書の特定の説明は、電子的ではないCDMにも同様に適用可能である。同様に、本明細書における「タグ付けされた容器」への任意の言及は、そのCDMがRFIDタグを含むか否かにかかわらず、任意のタイプの関連するCDMを有する容器を指すと理解されるべきである。容器に保存された、容器上に保存された、又は容器に関連して保存された、データへの本明細書における任意の言及は、その容器に関連する1つ又は複数のCDMにそのような情報を保存することを開示すると理解されるべきである。
【0061】
本明細書に開示したように、本発明のいくつかの実施形態は、分散型台帳である外部データベースに1つ又は複数のCDRを保存し得る。そのような保存を実施した後いつでも、そのような実施形態は、CDRの一部又は全部を、(分散型台帳ではない外部データベースからのCDRの内容物を、分散型台帳である外部データベース内の1つ又は複数のCDRにコピーすることなどによって)分散型台帳ではない外部データベースに保存してもよい。
同様に、本明細書に開示したように、本発明のいくつかの実施形態は、分散型台帳ではない外部データベースに1つ又は複数のCDRを保存してもよい。そのような保存を実施した後いつでも、そのような実施形態は、CDRの一部又は全部を、(分散型台帳である外部データベースからのCDRの内容物を、分散型台帳ではない外部データベース内の1つ又は複数のCDRにコピーすることなどによって)分散型台帳である外部データベースに保存してもよい。
【0062】
図1を参照すると、本発明の一実施形態を実施するためのシステム100の図を示している。
図2を参照すると、本発明の一実施形態による、
図1のシステム100によって実施される方法200の流れ図を示している。
図1には示していないが、システム100は、
図2の方法200を実施するために、少なくとも1つの第1の非一時的コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータプログラム命令を実行する少なくとも1つのコンピュータプロセッサを含んでもよい。
システム100は、第1の容器102を含む。第1の容器102は、第1の生産物104を含む。第1の容器102は、様々な方法のいずれかで第1の生産物104を含むようになっていてもよい。例えば、システム100は、第2の生産物154(本明細書では「供給源容器」とも呼ぶ)を含み得る第2の容器152(本明細書では「ソース容器」とも呼ぶ)を含んでもよい。システム100はまた、第2の生産物154の一部又は全部を、第2の容器152から第1の容器102に移送するなどして、第1の容器102に第1の生産物104を充填(
図2の動作202)し得る充填モジュール130を含んでもよい。この説明が意味するように、第1の生産物104及び第2の生産物154は、同じ生産物タイプであってもよい。第2の生産物154を第2の容器152から第1の容器102に移送する前に、第1の容器102は、空であるか、第1の生産物104のいずれも含んでいない可能性がある。結果として、第2の容器152から第1の容器102に移送された第2の生産物154の量は、充填モジュール130によって実施された充填(例えば、移送)動作後に、第1の容器102内にある第1の生産物104の量に(正確に又はある程度の許容範囲内で)等しくてもよい。
【0063】
システム100は、第1の保存モジュール106と、外部データベース108(これは、例えば、中央データベース又は分散型台帳であってもよい)と、を含んでもよい。第1の容器102に第1の生産物104を充填したことに応答して、又はその充填後、第1の保存モジュール106は、外部データベース108内の少なくとも1つの容器データレコード110に、第1の生産物104を第1の容器102に充填するために充填モジュール130によって実施された充填動作を表すデータを保存(
図2の動作204)してもよい。容器データレコード110の集合は、その用語が本明細書で使用される場合、「容器履歴データ」の一例である。
第1の保存モジュール106は、例えば、外部データベース108内の容器データレコード110に、以下のうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せで保存してもよい:
・充填動作が発生した日付及び/又は時間、並びに/あるいは第1の生産物104が製造された日時など、充填動作及び/又は第1の生産物104に関連する1つ又は複数の日付及び/又は時間(例えば、タイムスタンプ);
・例えば、充填動作するときにおける第1の容器102の位置;
・第1の容器102の固有識別情報;
・第1の商品104の生産物タイプ;
・充填モジュール130が充填動作において第1の容器102に充填した第1の生産物104の量;
・充填動作の結果として第1の容器102内にある第1の生産物104の量(これは、第1の容器102が第1の充填動作前に、第1の生産物104と同じタイプの生産物を含んでいた場合、充填動作において第1の容器に充填された第1の生産物104の量よりも多くてもよい);
・例えば、充填動作するときにおける第1の容器102の所有者の所有者ID;
・例えば、充填動作するときにおける第1の容器102の占有者の占有者ID;
・第1の生産物104の製造業者の製造業者ID;及び
・例えば、充填動作するときにおける第1の容器102のユーザのユーザID。
【0064】
システム100は、第2の保存モジュール116と、容器データモジュール118と、を含んでもよい。容器データモジュール118は、
図1の第1の容器102とは異なるものとして示しているが、容器データモジュール118は、第1の容器102に統合されても、それに固定されても、それに取り付けられても、それに結合されてもよく、又は他の様態でその上にあってもよい。
外部データベース108に容器データレコード110を保存(
図2の動作204)する第1の保存モジュール106に加えて、又はその代わりに、第2の保存モジュール116は、例えば、容器データモジュール118内の1つ又は複数の容器データレコード120に、以下を保存してもよい:(1)動作204に関連して上記で開示したタイプのデータのうちの任意の1つ又は複数、並びに/あるいは(2)CDM118のCDM ID(
図2の動作206)。動作204と206との両方が実施される場合、そのような動作は、外部データベース108及び容器データモジュール118に同じデータを保存し得るが、そうである必要はない。例えば、第1の保存モジュール106は、第2の保存モジュール116が容器データモジュール118に保存しない何らかのデータ(例えば、ユーザID)を、外部データベース108に保存してもよい。逆に、第2の保存モジュール116は、第1の保存モジュール106が外部データベース108に保存しない何らかのデータ(例えば、製造業者ID)を保存してもよい。これらは単なる例であり、本発明の限定を構成するものではなく、第1の保存モジュール106及び第2の保存モジュール116が互いに同じデータを保存しても、しなくてもよいことを示すために提供しているにすぎない。
【0065】
例えば、第1の容器102が、製造され、第1の生産物104の製造業者及び/又は第1の容器102の製造業者によって初めて生産物(例えば、第1の生産物104)で充填された後に、あるいは第1の容器102が、空にされ、洗浄され、次いで生産物(例えば、第1の生産物104)で充填された後に、充填動作202は、第1の容器102の起点で実施されてもよい。第1の生産物104は、例えば、液体又は乾燥生産物であってもよい。システム100及び方法200は、第1の容器102に充填された第1の生産物104の量を測定し、その測定量を、外部データベース108に、及び/又は容器データモジュール118内の容器データレコード120に、保存してもよい。保存される測定量は、例えば、体積、重量、容積、又は他の測定単位として表されてもよい。そのような測定量は、取り込まれて容器データモジュール118に保存され得る第1の容器102の起点証明書に関連する特性の1つである。本明細書の他の箇所で詳細に説明するように、第1の生産物104の一部又は全部が第1の容器102から分配されたとき、第1の容器102内に残っている第1の生産物104の数量は、外部データベース108及び/又は容器データモジュール118に保存されてもよい。
【0066】
容器に充填された、及び/又は容器から分配された、生産物の量は、様々な方法のいずれかで測定されてもよい。例えば、生産物を分配する機構(任意の容器から別の容器に生産物を移送するプロセスなど)が、オーガメータ(auger meter)を使用する場合、システム100は、オーガが回転する回数に、及び/又はメータが動作する回数及び持続時間に、応じてメータによって分配された生産物の数量を計算してもよい。システム100は、例えば、分配メータの回転、ストローク、開度、インパルス、流量、及び/又はサイクル時間をカウントし、測定された各サイクル又は動作ユニットで分配容器から分配された生産物の数量を計算してもよい。
動作206でCDR118に保存されたデータは、例えば、動作204で外部データベース108のCDR110に保存されたデータの一部又は全部など、第1の容器102及び/又は第1の生産物104に関連するデータを識別するために、外部データベース108又は他の外部コンピュータシステム(
図1には示さず)によって使用され得る、第1の容器102の容器ID及び/又はCDM118のCDM IDなど、データ(本明細書では「ルックアップデータ」と呼ぶ)を含んでもよい。外部データベース108を含み得るその外部コンピュータシステムは、第1の容器102及び/又は第1の生産物104に関連するそのようなデータを検索するために、CDR120に保存されたデータを使用してもよい。特定の例として、CDM118のCDM IDは、動作206においてCDR120に保存されてもよい。外部コンピュータシステムは、CDM118からCDM118のCDM IDを読み取り(又は他の方法でそのCDM IDを受信し)、外部データベース(例えば、外部データベース108)内で、外部データベース108のCDR110に保存されたデータ(例えば、第1の容器102の容器ID、第1の生産物104のタイプ、第1の容器102に充填された第1の生産物104の量、並びに充填動作202の時間及び位置のうちの任意の1つ又は複数)の一部又は全部など、充填動作202に関連するデータなど、第1の容器102及び/又は第1の生産物104に関連するデータを(例えば、インデックス、キー、又はクエリとして)検索するために、そのCDMを使用してもよい。CDM118のCDR120は、例えば、そのようなルックアップデータを含んでも、外部データベース108のCDR110に保存されたデータのいずれも含まなくてもよい。このようにして、CDM118のCDR120は、保存空間を効率的に使用し、システム100は、代わりに、充填動作202の詳細を保存するために外部コンピュータシステムの広範な保存空間に依存してもよい。
【0067】
特定の例として、CDM118は、CDR120を含んでもよく、CDR120は、ルックアップデータのみを含んでもよく、外部データベース108のCDR110に保存されたデータのいずれも含まなくてもよい。例えば、CDM118は静的であり、第1の容器102の容器ID、及び/又はCDM118のCDM IDを表し得る印刷コード(バーコード又はQRコード(登録商標)など)を含んでもよく、第1の容器102に含まれる生産物を表すデータ、第1の容器102に関連するエンティティを表すデータ、又は第1の容器102に関連する動作(例えば、充填又は分配動作)を含まなくてもよい。これの特定の例として、CDM118は、そのような印刷されたコードを含んでもよく、それ以外は含まなくてもよい。
第1の容器102は、不正開封防止方法において(動作202において)第1の生産物104で充填されてもよい。第1の容器102は、不正開封防止及び/又は不正防止方法において第1の生産物104で充填されてもよい。例えば、外部データベース108にデータを保存するための本明細書に開示した技術は、不正開封防止を実施してもよい。例えば、第1の容器102が、空であり、次いでX1ポンドの生産物Yで充填され、この充填は、本明細書に開示した技術のいずれかを使用した第1の容器102の第1の占有者の占有権内にあるとき、外部データベース108に記録され、次いで、第1の容器102の占有権は、第2の占有者に移転され、更に本明細書に開示した技術は、第1の容器102がX2(X1≠X2)ポンドの生産物Yを含むことを外部データベース108に記録するために使用される、と仮定する。本発明の実施形態は、第1の容器102が生産物Yで充填されていることを示す、上述したレコード以外のレコードを、外部データベース108が含むか否かを決定してもよい。外部データベース108がそのようなレコードを含まないと決定した場合、第1の容器102内にある第1の生産物104の量を考慮していないため、本発明の実施形態は、第1の容器102が改ざんされた証拠であると、外部データベース108上の第1の容器102のレコードが結論付けてもよい。
【0068】
外部データベース108は、例えば、ブロックチェーンなどの分散型台帳であってもよい。CDR110(及び外部データベース108に保存されているものとして本明細書に開示した任意の他のCDR)は、ブロックチェーン内に1つ又は複数のブロックを含んでもよい。
容器データモジュールの定義によって暗示されるように、CDM118は、例えば、電子的(例えば、電子メモリを含む)又は非電子的であってもよい。例えば、CDM118は、RFIDタグを含んでもよく、動作206は、RFIDタグを使用して、CDM118内の第2の保存モジュール116によって保存されたデータのいずれかを無線で受信することを含んでもよい。CDM118は、任意の形態の無線通信を使用してもよい。単なる2つの例として、CDM118は、超高周波(UHF)信号及び/又は光波を送信及び/又は受信することによって通信してよい。他の例として、CDM118は、低周波信号、中周波信号、又は高周波信号を送信及び/又は受信することによって通信してよい。
【0069】
動作202、204、及び206は、
図2に示すシーケンスで実施されてもよいが、そうである必要はない。単なるいくつかの例として、
・動作202、204、及び206は、
図2に示すシーケンスで実施されてもよい。そのような実施形態では、動作206は、第1の容器に第1の生産物を充填したことに応答して実施されてもよい。
・動作206は、動作202の前、及び/又は動作204の前に、実施されてもよい。例えば、CDM118は、非電子的(例えば、紙の)CDMであってもよく、CDR120は、非電子的CDR(例えば、印刷されたバーコード又はQRコード(登録商標))であってもよく、動作206は、動作202の前に、及び/又は動作204の前に、非電子的CDMに非電子的CDRを保存することを含んでもよい。
動作204が、第1の容器102の第1の占有者を表すデータを外部データベース108内のCDR110に保存することを含む実施形態において、第1の保存モジュール106はまた、第1の容器102が第2の占有者(第1の占有者とは異なる)の占有権になった後のある時点で、第1の保存モジュール106は、第1の容器102の第2の占有者を表すデータを、外部データベース108内の少なくとも1つの第2のレコードに保存してもよい。
【0070】
動作206が、第1の容器102の第1の占有者を表すデータをCDM118内のCDR120に保存することを含む実施形態では、第2の保存モジュール116はまた、第1の容器102が第2の占有者(第1の占有者とは異なる)の占有権になった後のある時点で、第2の保存モジュール116は、第1の容器102の第2の占有者を表すデータを、容器データレコード120に、又はCDM118内の別の容器データレコードに、保存してもよい。
動作204が、第1の容器102の第1の位置を表すデータを外部データベース108内のCDR110に保存することを含む実施形態では、第1の保存モジュール106はまた、第1の容器102が第2の位置(第1の位置とは異なる)に移動した後のある時点で、第1の保存モジュール106は、第1の容器102の第2の位置を表すデータを、外部データベース108内の少なくとも1つの第2のレコードに保存してもよい。
動作206が、第1の容器102の第1の位置を表すデータをCDM118内のCDR120に保存することを含む実施形態では、第2の保存モジュール116はまた、第1の容器102が第2の位置(第1の位置とは異なる)に移動した後のある時点で、第2の保存モジュール116は、第1の容器102の第2の位置を表すデータを、容器データレコード120に、又はCDM118内の別の容器データレコードに、保存してもよい。
第1の生産物104の一部又は全部は、第1の容器102から分配されてもよい。このような分配に応答して、又はその後の任意の時点で、
・第1の保存モジュール106は、分配を表すデータを、外部データベース108内の少なくとも1つの第2のCDRに保存してもよく、及び/又は、
・第2の保存モジュール116は、分配を表すデータを、CDM118内の少なくとも1つの第2のCDRに保存してもよい。
(外部データベース108及び/又はCDM118内に保存されているか否かにかかわらず)分配を表すそのようなデータは、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータを含んでもよい:
・第1の容器102から分配された第1の生産物104の量;
・分配後に第1の容器102内に残っている第1の生産物104の量;
・第1の容器102から分配された第1の生産物104のタイプ;
・分配したときにおける第1の容器102の占有者の固有識別情報;
・分配したときにおける第1の容器102の所有者の固有識別情報;
・第1の容器102から第1の生産物104を分配するために使用される適用機器の固有識別情報;
・第1の容器102から第1の生産物104を分配するために使用される適用機器のオペレータの固有識別情報;
・第1の容器102から第1の生産物を分配するために使用される適用機器の所有者の固有識別情報;
・分配したときにおける第1の容器102の第2の位置、ここで、第2の位置は、動作202において充填したときにおける第1の容器102の位置とは異なる;
・分配の時間;
・第1の生産物104が第1の容器102から分配された(例えば、圃場に適用された)割合;及び
・第1の生産物104が第1の容器102から分配された複数の位置Lごとに、以下のうちの任意の1つ又は複数:(1)位置Lにおいて第1の容器から分配された第1の生産物の量を表すデータ、(2)位置Lを表すデータ、(3)第1の生産物が位置Lの第1の容器から分配された時間を表すデータ、及び/又は(4)生産物が位置Lの容器から分配された割合を表すデータ。
【0071】
動作202において第1の容器102が第1の生産物104で充填された後いつでも、第1の生産物104の少なくとも一部は、第3の容器(図示せず)に移送されてもよい。そのような移送の後、システム100は、以下のうちのいずれか又は両方を実施してもよい:
・第1の保存モジュール106が、移送を表すデータを、CDR110及び/又は外部データベース108内の別のCDRに保存してもよいこと;及び
・第2の保存モジュール116が、移送を表すデータを、CDR120に、及び/又はCDM118内の別のCDRに、保存してもよいこと。
更に、そのような移送の後、システム100は、移送を表すデータを、第3の容器に関連するCDM(図示せず)に保存してもよい。
移送に関して(上述の位置のいずれかに)保存されるデータは、例えば、第1の容器102を充填する動作202に関して保存され得る本明細書に開示したデータのいずれかを含んでもよい。例えば、移送に関して保存されるデータは、限定しないが、以下のうちのいずれか1つ又は複数を任意の組合せで含んでもよい:移送された生産物の生産物タイプ;移送された生産物の量;第1の容器102の固有識別情報及び/又は第3の容器の固有識別情報;移送したときにおける第1の容器102の占有者の固有識別情報及び/又は第3の容器の占有者の固有識別情報;移送したときにおける第1の容器102の所有者の固有識別情報及び/又は第3の容器の所有者の固有識別情報;移送の日;移送の時間;移送の位置(例えば、緯度及び経度、又はGPS座標);並びに、移送を引き起こすことに関与するエンティティの固有識別情報。
【0072】
第1の容器102から第3の容器への移送に関するデータを記録するとき、本発明の実施形態は、第1の容器102のCDM118から移送に関するデータを読み取り、移送に関する読み取りデータの一部又は全部を第3の容器のCDM内に保存してもよい。例えば、本発明の実施形態は、第1の容器102のCDM118から、第1の容器102から移送された生産物のタイプ及び量に関する情報を読み取り、第1の容器から第3の容器に移送された生産物のタイプ及び量に関する情報を第3の容器のCDM内に保存してもよい。
このような第1の容器102から第3の容器への移送は、任意の数の容器について繰り返されてもよい。例えば、第1の生産物の少なくとも一部を、第1の容器102から第3の容器に移送した後、第1の生産物の少なくとも一部を、第3の容器から第4の容器(図示せず)に移送してもよく、以下同様である。そのような各移送の時点、又はその後に、本発明の実施形態は、材料を第1の容器から第3の容器に移送することに関連して、本明細書に開示した方法のいずれかで移送を表すデータを、外部データベース108及び/又は受け入れ容器に関連する(例えば、その容器に結合された)CDMに、保存することなど、本明細書に開示した機能のいずれかを実施してもよい。材料が移送される任意のそのような容器は、移動式生産物分配装置の一部であることに適した密封配送容器であってもよく、そこから生産物を圃場又は他の領域に分配してもよい。
第1の容器102から第3の容器への生産物の移送に関連して本明細書に開示した技術のいずれも、第2の容器152から第1の容器102への第2の生産物154の移送に適用されてもよい。
【0073】
システム100及び方法200が、任意の容器から別の容器への生産物の移送のレコードを保存し得るので、本発明の実施形態は、特定の容器から分配された生産物が異なる容器に元々保存されていたことを自動的に決定するために使用されてもよい。例えば、容器Aは、ある量の生産物Aで充填されてもよく、本明細書に開示した技術のいずれかは、その充填の第1のレコードを(例えば、外部データベース及び/又は容器AのCDM内に)保存するために使用されてもよい。生産物Aの一部又は全部は、容器Aから容器Bに移送されてもよく、本明細書に開示した技術のいずれかは、その移送の第2のレコードを(例えば、外部データベース、容器AのCDM、及び/又は容器BのCDM内に)保存するために使用されてもよい。生産物Aの一部又は全部は、容器Bから分配されてもよく、本明細書に開示した技術のいずれかは、その分配の第3のレコードを(例えば、外部データベース及び/又は容器BのCDM内に)保存するために使用されてもよい。本発明の実施形態は、容器Bから分配された生産物Aが容器Aに元々含まれていたことを(例えば、第1、第2、及び/又は第3のレコードに基づいて)決定してもよい。これは、本発明の実施形態が経時的に容器から容器への生産物のトレーサビリティを提供し、検証可能な台帳/会計システムに保存されたレコードに基づいて生産物の起源を識別する方法の単なる一例である。更に、第1、第2、及び第3のレコードが分散型台帳に保存されている場合、このトレーサビリティは、検証可能で、不正防止、又は少なくとも不正開封防止である。
図2の方法200は、外部データベース108内のCDR110に保存されたデータに、及び/又はCDM118内のCDR120に保存されたデータに、基づいて、第1の生産物104の起源を確立することを含んでもよい。
【0074】
更に一般的には、本発明の実施形態は、複数の容器データレコードに保存されたデータを使用して、時間及び空間にわたって特定の生産物を追跡し、複数の容器データレコードに基づいて、以前の時点で(例えば、容器内の生産物を製造したエンティティ、及び/又は容器に生産物を充填したエンティティによって、生産物が最初に容器に充填されたときなど)、以下の生産物の状態のうちの任意の1つ又は複数を識別してもよい:
・その時点での生産物の位置;
・その時点で生産物を含んでいた(例えば、容器のCDM内に保存され得る容器の容器IDによって識別され得る)容器;
・その時点で容器内に含まれていた生産物の量;
・その時点で容器内に含まれていた生産物のタイプ;
・その時点で生産物に関連する1つ又は複数のエンティティ(例えば、製造業者、所有者、占有者、及び/又は容器に充填したユーザなどのユーザ);
・その時点で容器に関連する1つ又は複数のエンティティ(例えば、製造業者、所有者、占有者、及び/又は容器に充填したユーザなどのユーザ)。
そのような追跡は、検証可能で、不正防止であるか、又は例えば容器データレコードが分散型台帳に保存されている場合には少なくとも不正開封防止である、方法で実施されてもよい。そのような追跡は、例えば、
・生産物に関連する現在の容器データレコードを識別すること(例えば、特定の容器に現在保存されている生産物の量を表すデータを含む容器データレコード)、
・生産物の以前の状態と関連するデータを含む1つ又は複数の容器データレコードを識別すること(例えば、生産物の以前の位置、生産物を含んだ以前の容器、並びに/あるいは生産物の以前の所有者、占有者、及び/又はユーザ)、
・現在の容器データレコード及び1つ又は複数の以前の容器データレコードに基づいて、量、位置、容器、所有者、占有者及び/又はユーザのチェーンなど、生産物に関与するチェーンを識別すること、
・以前の時点おける生産物の状態のいずれかを識別するために、識別されたチェーンを通って生産物を後方に(例えば、量、位置、容器、所有者、占有者、及び/又はユーザのチェーンを通って後方に)追跡すること、並びに/あるいは、
・生産物に関連する量、位置、容器、及び/又はエンティティ(例えば、所有者、占有者、又はユーザ)間のリンクが破損しているか、又は失われているか否かを決定するなどによって、チェーン内の任意のリンクが破損しているか、又は失われているか否かを決定すること
を含んでもよい。
そのようなチェーン内の破損しているか、又は失われているリンクの例は、
・生産物の所有権が、任意のエンティティから別のエンティティに移転されたことを示さず、生産物の異なる所有者を示す、
・生産物の占有権が、任意のエンティティから別のエンティティに移転されたことを示さず、生産物の異なる占有者を示す、
・生産物のいずれかが、容器から分配されたことを示さず、容器が異なる量の生産物を含むことを示す、
・生産物のいずれかが、容器に充填されたことを示さず、容器が異なる量の生産物を含むことを示す、
それらのようなチェーン内の2つ以上の容器データレコード(例えば、2つ以上の連続するデータレコード)が含まれる。
【0075】
本発明の実施形態は、1つ又は複数の容器データレコード(分散型台帳及び/又は1つ若しくは複数の容器データモジュールに保存された1つ又は複数の容器データレコードなど)に基づいてカーボンクレジット検証を実施してもよい。一般に、そのようなカーボンクレジット検証を実施することは、例えば、
・(例えば、分散型台帳及び/又は1つ若しくは複数の容器データモジュールからの)複数の容器データレコードを受信することと、
・複数の容器データレコードに基づいて、カーボンクレジットの基準が満たされているか否かを決定することと、
・カーボンクレジットの基準が満たされているか否かを示す出力を生成し、提供することと
を含んでもよい。
そのような出力は、例えば、決定の結果に応じて、カーボンクレジットの基準が満たされたこと、又はカーボンクレジットの基準が満たされなかったこと、を示してもよい。本明細書に開示した他の方法のいずれかと共に、カーボンクレジット検証のそのような方法は、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータプログラム命令を実行する1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって、(例えば、自動的に)実施されてもよい。
【0076】
カーボンクレジットの基準が満たされたか否かの決定方法の1つは、タグ付けされた容器内の生産物が特定の地理座標に適用されたことを、複数の容器データレコードが示すか否かを決定することである。複数の容器データレコードは、例えば、生産物が適用された複数の地理座標を表す適用されたままのマップを表すデータを含んでもよい。本発明の実施形態は、適用されたままのマップ内の複数の地理座標が、カーボンクレジットに必要な特定の地理座標などの特定の地理座標を含むか否かを決定してもよい。複数の容器データレコードは、例えば、分散型台帳である(又は分散型台帳を含む、又は分散型台帳内に含まれる)外部データベース、又は分散型台帳ではない(又は分散型台帳を含まない、又は分散型台帳内に含まれない)外部データベースなど、外部データベースに保存されてもよい。生産物が特定の地理座標内で適用されたことを、適用されたままのマップが示すか否かの決定は、カーボンクレジット基準を満たす目的で、そのような適用の証拠又は証明を提供してもよい。しかしながら、本発明の実施形態は、生産物がカーボンクレジットの検証以外の目的で、特定の地理座標内で適用されたことを検証してもよい。タグ付けされた容器内の生産物が特定の地理座標に適用されていないことを、複数の容器データレコードが示すか否かを決定するために、本発明の実施形態は同様に使用されてもよい。
第1の保存モジュール106(例えば、外部データベース108、容器データレコード110、容器データモジュール118、及び/又は容器データレコード120に保存されたデータのいずれか)、及び/又は第2の保存モジュール116によって保存されるデータはいずれも、暗号化された形式で保存されてもよい。同じことが、本明細書に開示したいかなるデータにも当てはまる。
【0077】
システム100は、様々な時間のいずれかにおいて、更に様々なイベントのいずれかに応答して、容器データレコード110及び/又は容器データレコード120を更新してもよい。例えば、システム100は、
・所定の時間(例えば、所定の日の時間)若しくは時間(例えば、1秒ごと、1分ごと、1時間ごと、1日ごと、1週間ごと、又は1月ごとなど周期的に)、タイマの経過時(例えば、少なくとも1秒、1分、1時間、1日、1週間、又は1月が経過した後に経過するタイマ)、又は最後の更新から所定の時間が経過した後(例えば、1秒、1分、1時間、1日、1週間、又は月1)など、時間関連基準が満たされたことに応答して、
・容器102からの任意の生産物(例えば、第1の生産物104の一部又は全部)の充填又は分配に応答して、
・容器102の任意の移動に応答して、所定の距離を超える容器102の移動に応答して、
所定の位置からの容器102の移動に応答して、又は所定の位置への容器102の到着に応答してなど、移動ベースの基準が満たされたことに応答して、
・容器102の所有者、占有者、又はユーザの変更に応答して、
容器データレコード110及び/又は容器データレコード120を更新してもよい。
容器データレコード110及び/又は容器データレコード120の任意のそのような更新は、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータを更新(例えば、変更、追加、又は削除)することなどによって、容器データレコード110及び/又は容器データレコード120内の様々なデータのいずれかを更新してもよい:
・容器102に保存された生産物のタイプ;
・充填動作において容器102内に充填された生産物104の量、分配動作において容器102から分配された生産物104の量、容器102内に含まれた生産物104の総量、又は容器102内に残っている空間の量などの量関連数量;
・容器102の現在位置、特定の動作(例えば、所有者/占有者/ユーザの充填、分配、又は変更)が実施されたときの容器102の位置、又は特定の時間における容器102の位置などの位置関連数量;
・容器102の現在の、以前の、及び/又は新規の所有者、占有者、又はユーザの識別情報など、容器102の所有者、占有者、又はユーザの識別情報。
【0078】
システム100は、例えば、更新されたデータを容器データレコード110及び/又は容器データレコード120に追加することによって、任意のそのような更新されたデータを保存してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、システム100は、容器102に対して実施されたすべての充填及び分配動作を表す容器データレコードを、少なくとも外部データベース108に、生成し、保存する。システム100はまた、少なくとも分散型台帳において、容器102の占有権におけるすべての変更を表す容器データレコードを生成し、保存してもよい。このようにして、システムは、生産物154及び/又は生産物104の検証可能な管理チェーンなど、経時的な容器102に対するすべての重要な変更のレコードを検証可能な台帳に記録してもよい。結果として、CDR110及び/又は120を使用して、任意の適用された生産物(例えば、容器102から適用された生産物104のいずれか)をその元の製造時点に検証可能にトレースバックする(例えば、第2の容器152内の第2の生産物154に戻る)ことができ、それによって人為的ミス及び不正行為から保護し、カーボンクレジットの検証を可能にする。
システム100は、任意の数のそのような更新を実施し得る。例えば、容器102は、多くの充填及び分配動作、多くの位置の変更、及び所有者/占有者/ユーザの多くの変更を受けてもよい。システム100は、容器データレコード110及び/又は容器データレコード120を更新することによって、そのような各イベントを記録してもよい。結果は、容器102の多数(例えば、10、100、500以上)の容器データレコードを含む容器履歴データであってもよい。
【0079】
システム100は、容器データレコード110及び/又は容器データレコード120の各々に、以下のうちの一方又は両方を保存することなどによって、容器データレコード110及び/又は容器データレコード120の各々にタイムスタンプを押しても、ジオタグを付けてもよい:
・その容器データレコードに関連する時間(例えば、容器データレコードの作成若しくは修正の時間、あるいは容器102から生産物を充填若しくは分配する時間、容器102の移動の時間、又は容器102の所有者/占有者/ユーザの変更の時間などの容器データレコードによって表されるイベントの時間)を表すデータ;及び
・その容器データレコードと関連する位置(例えば、容器102の現在位置、あるいは容器102からの生産物の充填若しくは分配、容器102の移動、又は容器102の所有者/占有者/ユーザの変更などの容器データレコードによって表されるイベントの時間における容器102の位置)を表すデータ。
外部データベース108及び/又はCDM118内に保存される時間を表す任意のデータ(例えば、充填動作202の時間を表すデータ)は、日付(例えば、年、月、及び日の組合せ)と、日の時間との組合せによって、又は時点を一意に表すタイムスタンプなどによって、様々な方法のいずれかで表されてもよい。
外部データベース108及び/又はCDM118内に保存される位置を表す任意のデータ(例えば、充填動作202の位置を表すデータ)は、全地球測位システム(GPS)技術を使用して取得された座標によって、又は緯度と経度の組合せなどによって、様々な方法のいずれかで表されてもよい。充填プロセスに関連する地理座標を確立する1つの手段は、充填動作のIPアドレスを、Google Mapなどの別個の独立したグローバルナビゲーションシステムによって提供される緯度/経度情報と関連付けることであってもよい。
CDR110及び/又は120に対する更新のいずれも、自動的又は半自動的に実施されてもよい。例えば、第1の生産物104の一部又は全部が第1の容器102から分配されると、システム100は、そのような分配が発生している又は発生したことを自動的に検出し、第1の容器102から分配された第1の生産物104のタイプ及び量を(CDR110及び/又は120から第1の生産物104のタイプ及び量を読み取ることなどによって)自動的に識別し、分配された生産物104のタイプ及び量と、生産物104が容器102から分配された割合と、分配の位置、日付、及び/又は時間と、分配したときにおける容器102の所有者、占有者及び/又はユーザ者と、など、分配に関する情報を自動的に(CDR110及び/又は120に)保存してもよい。同じことが、第1の容器102を充填すること、及び第1の容器102を移動させることなどの他の行動にも当てはまる(この場合、容器の新規の位置が自動的に検出され、CDR110及び/又は120に保存され得る)。
【0080】
本明細書で特に明記しない限り、外部データベース108及び/又はCDM118内に保存されるものとして本明細書に開示した任意の情報は、以下のうちのいずれかに保存されてもよい:(1)外部データベース108のみ;(2)CDM118のみ;又は(3)外部データベース108とCDM118との両方。これが意味するように、本明細書に開示した情報の一部又は全部は、外部データベース108内に保存されてもよいが、CDM118内に保存されなくてもよい。
任意の特定の時間(例えば、第1の容器102に第1の生産物を充填した時間)における第1の容器102の占有者は、その特定の時間における第1の容器102の所有者と同じであっても、なくてもよい。例えば、その特定の時間における第1の容器102の所有者は、その特定の時間において第1の容器102の法的所有権を有してもよいが、その特定の時間における第1の容器102の占有権内になくてもよく、その場合、所有者以外の当事者が、その特定の時間における第1の容器102を占有権内にあってもよい。同様に、特定の時間における容器102の所有者又は占有者が、その特定の時間における容器102内にある生産物104の所有者とは異なることが可能である。例えば、任意のエンティティは、コンテナ船を所有してもよく、異なるエンティティが、コンテナ船を動作してもよく、容器を所有することなく容器の占有権内にあると考えてもよく、更に別のエンティティ又は個人は、第2のエンティティの占有権にある間に、第1のエンティティによって所有される容器内の生産物を所有してもよい。
【0081】
第1の容器102の所有権は、第1の容器102の物理的な移動なしに変化してもよく、第1の容器102は、第1の容器102の所有権又は占有権の変化なしに物理的に移動してもよい。容器のCDM118において、及び/又は外部データベース108内で、容器の所有権、容器の占有権、及び容器の位置が、時間及び位置によって変化し得るので、それらの属性のうちの1つ又は複数の値を任意の組合せで、本発明の実施形態は追跡し、記録してもよい。例えば、本発明の実施形態は、容器のCDM118及び/又は外部データベース108において、以下のうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せで追跡し、保存してもよい:(1)第1の時間における第1の容器102の第1の所有者、及び第2の時間における第1の容器102の第2の所有者、ここで、第1の所有者は第2の所有者とは異なる、こと、(2)第1の時間における第1の容器102の第1の占有者、及び第2の時間における第1の容器102の第2の占有者、ここで、第1の占有者は、第2の占有者とは異なる、こと、並びに(3)第1の時間における第1の容器102の第1の位置、及び第2の時間における第1の容器102の第2の位置、ここで、第1の位置は、第2の位置とは異なる、こと。そのようなすべての場合において、第1の時間は、第2の時間と異なっていてもよい(例えば、第2の時間は、第1の時間より遅くてもよい。)。
第1の容器102から第1の生産物104の一部又は全部を(例えば、圃場又は他の領域に)分配するために、第1の容器102が適用機器に装填されると、システム100は、容器データモジュール118内の容器データレコード120から情報を読み取り、その情報の少なくとも一部を適用機器上の非一時的コンピュータ可読媒体に保存してもよい(その非一時的コンピュータ可読媒体自体が容器データモジュールの一例であってもよい)。容器102のCDM118からそのような情報を読み取ることの利点の1つは、そうすることにより、容器102の内容物の、及び容器102に充填され、そこから分配された生産物の量の、レコードを生成するとき、オペレータエラー及びオペレータ不正が排除されることである。更に、適用機器は、すべての必要な情報が容器102のCDM118から読み取られたか否かを決定するように構成されてもよい。このような確認は、自動で行ってもよく、又は(例えば、すべての必要な情報が容器102のCDM118から読み取られたか否かを示す入力を適用機器のオペレータから受信することによって)手動で行ってもよい。すべての必要な情報が容器102のCDM118から読み取られたと決定された場合にのみ、適用機器は、容器102から生産物104を分配するように構成されてもよい。
【0082】
複数の容器(第1の容器102及び第2の容器152など)の各々の中に保存され、そこから分配された生産物(第1の生産物104及び場合によっては他の生産物も含む)のタイプ及び量、そのような保存及び分配の位置、並びに空間及び時間にわたるそのような容器の所有権/占有権/使用権の移動及び移転、を自動的に記録することによって、伝統的なベストマネジメントプラクティス(BMP)を使用して適用されたであろうよりも少ない肥料を適用する農業者にカーボンクレジットを割り当てるエンティティが、(例えば、CDM118上及び/又は外部データベース108内の)記録された情報が正確であると確信し得るようにするために、本発明の実施形態は使用されてもよい。更に、カーボンクレジット関連活動の検証可能で不正防止(又は少なくとも不正開封防止)レコードの作成が、温室効果ガス排出量の削減が実際に発生したという証拠として役立ち得るので、農業者からカーボンクレジットを購入するエンティティは、彼らが支払ったものを受け取っていると確信することができる。これにより、誰かからカーボンクレジットを購入することに関連する責任が軽減されるが、後で、自身のカーボンフットプリントを相殺するために購入したクレジットが有効ではなかったことを知ることになる。
【0083】
本発明の実施形態は、容器が孤立しているとき、すなわち、容器の現在の所有者/占有者が知られていないときに、容器の現在又は直近の可能性のある所有者/占有者が誰であるかを決定するために使用されてもよい。例えば、そのような場合、容器の固有の容器IDが、容器のCDMから読み取られてもよい。本発明の実施形態は、その固有の容器IDを、CDMの外部にあるデータストアに、例えば、外部データベース(分散型台帳である外部データベース、又は分散型台帳ではない外部データベースなど)、又は分散型台帳仲介者に、保存された同じ固有の容器IDと関連付けられてもよい。その関連付けが実施されると、固有の容器IDを使用して、容器の現在又は直近の所有者/占有者に関する情報を求めて外部データストアを探索してもよく、外部データストア内で発見された任意の結果として得られる情報は、容器の現在又は直近の所有者/占有者を識別するために使用されてもよい。あるいは、例えば、容器のCDMが容器の現在又は直近の所有者/占有者を表すデータを含む場合、その所有者/占有者データは、容器の現在又は直近の所有者/占有者を識別するために、容器のCDMから直接読み取られてもよい。
本発明の実施形態は、単一の容器内の複数の生産物の数量を追跡し得る。例えば、容器からの第1の生産物の一部の分配に続いて、容器は、第1の生産物を除去した数量の一部又は全部を置換するために、1つ又は複数の追加の生産物で充填されてもよい。これが起こると、混合成分のブレンドされた数量は、ブレンドされた材料の個々の構成成分を追跡することが望ましい程度まで、ブレンドされた材料の個々の構成成分であり得るように、容器のCDM及び/又は分散型台帳上で追跡されてもよい。例えば、農薬がタグ付けされた容器内でブレンドされる場合、容器内に含まれるブレンドされた生産物の構成成分として含まれる個々のEPA登録有効成分の一部又は全部が、ブレンドされ/混合された内容物の構成成分でもある様々な不活性成分を同時に追跡することなく、追跡されてもよい。
【0084】
本発明の実施形態は、容器からの生産物又は材料の適用又は消費の有効性に関するフォレンジック品質レコードを作成する目的などのために、材料充填容器(例えば、第1の容器102)がサプライチェーンを通って移動するときに連続したトランザクションレコードを確立し、維持してもよい。トランザクションの連続したフォレンジックチェーンがなければ、追跡された容器の内容物の適用から生じる適用レコードを検証することは不可能である。適用されたままのレコードを作成するには、適用されている生産物に関する情報を適用機器に供給する必要がある。歴史的に、その情報は、適用するときにおいて適用機器オペレータによって供給されるが、前述したように、オペレータエラーの可能性はかなり高い。本発明の実施形態では、適用又は消費された生産物に関する情報は、CDMから適用機器に配信されてもよい。CDMから適用生産物情報を適用機器に通信することにより、適用生産物に関する情報がCDM上の生産物情報と一致することが保証されるが、CDM上の生産物情報が正確であることを自動認証又は自動検証するために、例えば分散型台帳及び/又は中央データベースによって、連続した生産物/材料及び容器トランザクションレコードが維持されなければならない。本発明の実施形態の1つの利点は、それらを使用して、カーボンクレジットの購入者が、購入されているカーボンクレジットの生成に関連する適用されたままの生産物レコードと併せて、カーボンクレジット適格生産物が実際に適用されたと確信し得るようにすることができることである。
【0085】
本発明の実施形態は、容器を誰が所有しているか又は所有していたか、容器は今誰の占有権か、及び容器は過去に誰の占有権であったか、容器がどの時点でどこの位置にあるか、又はどこに位置していたか、の包括的なフォレンジックレコードを作成し、生成する目的で、各属性を独立して、及び/又は集合的に追跡し、保存してもよい。容器の所有者が容器の内容物の所有者と異なることも可能である。しかしながら、結合された分散型台帳及び/又はCDMシステム内で、本発明の実施形態は、複数の所有者が関与する場合でも、容器内の個々の、及び/又はブレンドされた構成内容物成分の、内容物の所有権を追跡してもよい。容器は、(占有エンティティが複数の所有者を有する場合であっても)一度に1つの場所にのみに存在し、一度に1つのエンティティのみが占有権内にあり得るが、例えば、エンティティAは、容器自体を所有し得るが、エンティティBは、容器内で生産物1を所有してもよく、同時に、エンティティCは、同じ容器内で生産物2を所有してもよい。生産物1及び2は、壁、隔壁、区画化などを介した容器内の物理的分離の結果として容器内の個々の構成要素の完全性を維持してもよく、又は生産物1及び生産物2の数量を共にブレンドしてもよく、各エンティティは、ブレンドされた生産物へのそのエンティティの構成要素の寄与の追跡された数量を所有し続ける。本発明の実施形態の1つの利点は、例えば、限定はしないが、容器自体、容器内の1つ又は複数の生産物、並びに/あるいは容器又は容器自体の内容物を輸送、処理、廃棄などから、製造、所有、充填、占有、使用又は分配する1つ又は複数のエンティティなど、各タグ付けされた容器に関連する本質的にすべての記録可能な属性を表す包括的なフォレンジック品質の分散型台帳レコードを作成し得ることである。このフォレンジック管理チェーンは、例えば、カーボンクレジットを獲得するために提示されるエンドユーザの/消費者のタイムスタンプ付きジオアプリケーション/分配レコードが、正確であること、更にタイムスタンプ付きジオアプリケーションレコードが作成されたときに実際に適用又は消費された生産物と一致すること、を検証できる必要があり得る。すべての疑念を除去するために、本発明の実施形態は、容器及び容器内の生産物ごとに自動生成された管理チェーンを提供し、更に容器及び容器内の生産物に関連するトランザクションごとに自動生成されたトランザクションレコードを提供するために、使用されてもよい。管理の変更ごとに、対応するトランザクションレコードが生成及び保存される結果になる可能性があるが、管理の変更なしに一部のトランザクションが発生する可能性があることを理解することが重要である。本発明の実施形態は、すべてのトランザクションを追跡するための手段を提供し、これにより、連続した管理チェーンがトランザクションデータの大きな本体内の要素として検証され得る。
【0086】
本明細書に開示したシステム及び方法のいずれか(例えば、システム100及び方法200)は、外部データベース108がネットワークを介してアクセス可能でない限り、及びアクセス可能になるまで、データの保存を延期してもよい。例えば、
図5を参照すると、本発明の一実施形態による、第1の容器102内の第1の生産物104を追跡し、ネットワーク502がアクセス可能になるまで容器データモジュール118に第1の生産物に関するデータを保存するためのシステム500の図を示している。
図6は、
図5のシステム500の一実施形態によって実施される方法600の流れ図である。
図5のシステム500は、
図1のシステム100からの要素を含む。
図1に関連するそれらの要素の本明細書における説明のいずれも、
図5のシステム500に等しく適用可能である。
システム500は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及び/又はワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)のような任意のタイプの通信ネットワークであり得るネットワーク502を含む。ネットワーク502は、有線及び/又は無線でデータを送信し、受信するための機構を含んでもよい。第1の保存モジュール106を使用して外部データベース108にデータを保存するための本明細書に開示した技術のいずれも、ネットワーク502を介してそのようなデータを送信する第1の保存モジュール106を含んでもよく、外部データベース108は、そのようなデータを受信し、外部データベース108内にデータを保存してもよい。本明細書の他の箇所で説明するように、外部データベース108は、分散型台帳内に含まれても、含まれなくてもよい。
例えば、システム100は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ512と、第1の非一時的コンピュータ可読媒体514(
図5では説明を簡単にするために「メモリ」とラベル付けした)と、を有するコンピュータ510を含んでもよい。コンピュータプログラム命令は、第1の非一時的コンピュータ可読媒体514に保存されてもよい。コンピュータプロセッサ512がコンピュータプログラム命令を実行すると、コンピュータプロセッサ512は、
図6の方法600の一部又は全部など、それらのコンピュータプログラム命令によって定義される方法を実行する。
充填モジュール130は、方法200(
図2)の動作202に関連して、本明細書に開示した方法のいずれかなどで、第1の容器102を第1の生産物104で充填(
図6の動作602)してもよい。第1の保存モジュール106は、第1の容器102への第1の生産物104の充填を表すデータを受信(
図6の動作604)してもよい。第1の保存モジュール106は、例えば、第1の容器102上のRFIDタグで受信されるRFID信号の形態で、そのようなデータを受信してもよい。
【0087】
第1の保存モジュール106は、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であるか否かを決定(
図6の動作606)してもよい。第1の保存モジュール106は、第1の保存モジュール106とネットワーク502との間にネットワーク接続が存在するか否かを決定することによって、又は第1の保存モジュール106と外部データベース108との間にネットワーク接続が存在するか否かを決定することによってなど、様々な方法のいずれかでこの決定を行ってもよい。外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であると、第1の保存モジュール106が決定した場合、第1の保存モジュール106は、
図2の動作204に関連して上述した方法のいずれかなどで、受信したデータを外部データベース108に保存(
図6の動作608)してもよい。
外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能でないと決定したことに応答して、第1の保存モジュール106は、ネットワーク502にアクセスすることなく、受信データを第2の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体514)に保存(
図6の動作610)してもよく、受信データは、本明細書に開示したデータのいずれか(例えば、動作204に保存されているものとして本明細書に開示したデータのいずれか)を含んでもよい。このような保存は、例えば、ネットワーク502を介してデータを送信することなしに実施されてもよい。
第2の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体514)は、例えば、第1の容器102及び/又は第1の保存モジュール106に対してローカルであってもよく、これは、第2の非一時的コンピュータ可読媒体がネットワーク502にアクセスすることなしに、第1の保存モジュール106にアクセスし得ることを意味する。例えば、第2の非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の容器102上にあってもよい。例えば、第2の非一時的コンピュータ可読媒体は、容器データモジュール118にあってもよく、それを含んでもよく、又はそれ内に含まれてもよい。
【0088】
特定の例として、第2の非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の容器102及び/又は第1の保存モジュール106を、含むか又はそれらに結合された、適用機器などの適用機器内に、又はその上にあってもよい。そのような適用機器は、第2の非一時的コンピュータ可読媒体を含むか、又はそれに結合されたコンピュータを含んでもよい。別の例として、第2の非一時的コンピュータ可読媒体は、第1の容器内にある、又はそれに結合された、容器データモジュールであってもよい。
受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に保存した後の任意の時間で、第1の保存モジュール106は、第1の保存モジュールと外部データベース108との間にネットワーク接続が確立されたと決定することなどによって、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であると決定してもよい。外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であると決定したことに応答して、第1の保存モジュール106は、第2の非一時的コンピュータ可読媒体に以前に保存されたデータの一部又は全部を、外部データベース108内の少なくとも1つの第1のレコードに(例えば、容器データレコード110に)保存(
図6の動作608)してもよい。外部データベース108は、例えば、ブロックチェーンであってもよく、少なくとも1つの第1のレコードは、ブロックチェーン内の少なくとも1つの第1のブロックであってもよい。
外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能でないと決定し、受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に保存した後、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であるか否かを、第1の保存モジュール106は、再度(例えば、少なくとも10秒、1分、又は10分などのいくらかの遅延後)決定してもよい。外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であると、第1の保存モジュール106が決定した場合、その決定に応答して、第1の保存モジュール106は、第2の非一時的コンピュータ可読媒体に以前保存されたデータの一部又は全部を、外部データベース108内の少なくとも1つの第1のレコードに(例えば、容器データレコード110に)、保存してもよい。代わりに、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であると、第1の保存モジュール106が決定しない場合、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であるか否かを、第1の保存モジュール106は、再度(例えば、いくらかの遅延後に)決定してもよい。外部データベース108がネットワークを介してアクセス可能であるか否かを決定し、かつ外部データベース108がネットワークを介してアクセス可能であると決定したことに応答して受信したデータのみを保存する、このプロセスは、任意の回数を繰り返してもよい。
【0089】
図5及び
図6のシステム500及び方法600はそれぞれ、電子通信ネットワーク(ネットワーク502など)がアクセスできないときでも、生産物を表すデータを容器に電子的に保存する方法の技術的問題に対処する。システム500及び方法600は、電子通信ネットワークが利用できない間に、データがローカル保存媒体に保存され、次に、電子通信ネットワークが利用可能になったとき、遠隔保存のために電子通信ネットワークを介してデータを送信する、技術的解決策を提供することによって、この技術的問題に対処する。システム500及び方法600の特定の実施形態は、電子通信ネットワークが利用可能であるか否かを自動的に繰り返し決定し、電子通信ネットワークが利用可能になったと決定したことに応答して、遠隔保存のために電子通信ネットワークを介してデータを自動的に送信する更なる技術的特徴を含む。
上記の説明は、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセスできないと決定したことに応答して、受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に保存することを説明している。本発明の他の実施形態は、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であった場合でも、受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に保存してもよい。例えば、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であっても、受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に、任意の期間保存し、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能であるとの決定に応答したものでなくてもよい任意の時間後に、受信したデータを外部データベース108に保存することには、利点があるかもしれない。例えば、本発明の実施形態は、外部データベース108に保存するためにネットワーク502を介して送信する前に、そのようなデータの最小量を収集し、保存するために、外部データベース108がネットワーク502を介してアクセス可能である間であっても、受信したデータを第2の非一時的コンピュータ可読媒体に保存し、それにより、ネットワークの利用を削減してもよい。
図3A~
図3Nを参照すると、本発明の一実施形態による、カーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図を示している。
図3A~
図3Nの各行は、特定のアクターに対応し、そのアクターが取る行動を示している。特に、
図3A~
図3Nの図は、以下のアクターに対応する行を含む:
・生産物(例えば、合成窒素肥料又は窒素固定作物投入)の製造業者;
・生産物を含む容器の第1の占有者(「占有者1」);
・生産物を含む容器の第2の占有者(「占有者2」);
・生産物を含む容器の第Nの占有者(「占有者N」)であり、ここで、は0以上の任意の値である(例えば、0、1、2、3以上);
・生産物の最終的な占有者(例えば、消費者又はエンドユーザ)(「最終占有者」);
・外部データベース(例えばブロックチェーンなどの分散型台帳など)であり、ここで、外部データベースは、外部データベースへの書き込み及び外部データベースからの読み取りが可能な1つ又は複数のコンピュータシステムを含む;及び
・生産物を含む容器に関連する容器データモジュール(CDM)(「タグ付けされた容器データモジュール」)。
本方法は、以下を含んで、開始(ステップ301)することができる。製造業者は、生産物Aを製造する(ステップ302)。製造業者は、いくらかの量の生産物Aをタグ付けされた容器Aに移送する(すなわち、容器Aにいくらかの量の生産物Aを充填する)(ステップ303)。
図3A~
図3Nの製造業者は、生産物Aの製造業者及び/又は容器Aの製造業者であってもよいことに留意されたい。あるいは、
図3A~
図3Nの製造業者は、生産物A又は容器Aのいずれの製造業者でなくてもよく、代わりに、
図3A~
図3N内の「製造業者」とラベル付けした、スイムレーンに示した機能を実施する任意の当事者であってもよい。
生産物Aの容器Aへの保存に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード5が、外部データベースに保存される(ステップ304)。ステップ304における保存は、様々な方法のいずれかで様々な当事者のいずれかによって実施されてもよい。ステップ304を実施し得る方法の例の以下の説明は、分散型台帳にデータを保存するための
図3A~
図3Nの方法における他のステップ(すなわち、ステップ310,313,318,321,326,329,334,337,340,348、及び351)にも同様に適用可能である。
外部データベースレコード305(及び本明細書に開示した他の外部データベースレコード)に保存されるものとして本明細書に開示した特定のデータは、そのようなデータの単なる例であり、本発明の限定ではない。レコード305は、レコード305に保存されているとして本明細書に開示したデータに加えてデータを含んでもよい。レコード305は、レコード305に保存されているとして本明細書に開示したデータのすべてを含む必要はない。
ステップ304における保存は、例えば、製造業者が、例えば、外部データベースと(例えば、インターネットなどのネットワークを介して)通信するために1つ又は複数のコンピュータデバイスを使用して実施し、それによってレコード305を外部データベースに保存させてもよい。外部データベースにレコード305を保存するために製造業者によって使用されるコンピュータデバイスは、例えば、外部データベースにレコード311,314,319,322,327,330,335,338,343、及び349を保存するために
図3A~
図3Nに示す他のアクターによって使用されるコンピュータデバイスとは異なってもよい。
別の例として、製造業者は、1つ又は複数のコンピュータデバイスを使用して、レコード305に保存される情報の一部又は全部を、本明細書では簡略化のために外部データベース仲介者として参照する別のアクター(例えば、
図3A~
図3Nに示した他のアクターのうちの1つ、又は
図3A~
図3Nに示していないアクター)に、(インターネットなどのネットワークを介して)送信してもよい。次いで、上記外部データベース仲介者は、外部データベース(例えば、インターネットなどのネットワークを介して)と通信し、それによってレコード305を外部データベースに保存させてもよい。そのような仲介者の使用により、各アクターのコンピュータデバイスが外部データベースと通信し、外部データベースとトランザクションを直接実行し得るコンピュータアプリケーションを開発する必要性がなくなる。
図3A~
図3Nに示す他のアクターのうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のコンピュータデバイスを同様に使用して、レコード314,319,322,327,330,335,338,343、及び349の一部又は全部に保存される情報の一部又は全部を同じ外部データベース仲介者に(インターネットなどのネットワークを介して)送信し、その後、外部データベースと(例えば、インターネットなどのネットワークを介して)通信し、それによってそれらのレコードを外部データベースに保存させてもよい。言い換えれば、外部データベース仲介者は、外部データベースにレコードを保存するために、
図3A~
図3Nのアクターの一部又は全部による使用のための集中機構として作用してもよい。
図3A~
図3Nのアクターの一部は、外部データベースにレコードを保存させるために外部データベースと直接(すなわち、外部データベース仲介者を使用せずに)通信してもよく、一方、
図3A~
図3Nの他のアクターは、外部データベースの仲介者を介して、外部データベースと間接的に通信し、外部データベースにレコードを保存させてもよい。
【0090】
レコード305は、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータなどの様々なデータのいずれかを任意の組合せで含んでもよい:
・外部データベースエントリによって表される行動のタイプ、例えば「容器開始行動」。
・容器Aの固有ID。
・ステップ303の充填したときにおける容器Aの占有者の固有ID(例えば、製造業者の一意のID)。
・生産物Aの固有ID。
・ステップ303において生産物Aが容器Aに移送されたバッチ、ロット、数量、日付、時間及び位置。
外部データベースレコード305に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード307など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ306)。製造業者は、例えば、ステップ306において、コンピュータデバイスを使用して、容器AのCDMを更新してもよい。ステップ306に関連して本明細書に開示したものはいずれも、
図3A~
図3Nの他のCDM更新、すなわちステップ315,323,331及び344にも等しく適用可能である。
ステップ306は、任意選択であり、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。例えば、容器AのCDMは、バーコード、QRコード(登録商標)、又は他の更新不可能な(静的)データの形態で、データを保存してもよい。容器Aに関する情報を表すデータは、例えば、容器Aの固有の容器IDなど、ステップ306の前に(更には
図3A~
図3Nの方法の開始301の前であっても)容器AのCDM内に保存されてもよい。本発明の実施形態は、様々な時間のいずれかで、容器AのCDMから容器IDを読み取り、その容器IDを外部データベースなどの他の場所に保存された容器IDと関連付けてもよい。例えば、ステップ306に加えて、又はそれに代えて、製造業者は、外部データベースレコード305に含まれる情報の一部又は全部を、製造業者に対してローカルの、又は製造業者から遠隔の、データベースなど、外部データベース及び容器AのCDM以外のデータストアに保存してもよい。
図3A~
図3Nに示す外部データベースへの他の更新もまた、そのような別のデータストアに保存されてもよく、容器Aの固有IDを含んでもよい。いつでも、製造業者は、容器AのCDMから容器Aの容器IDを読み取り、その容器IDを他のデータストア内の1つ又は複数のレコードに保存された容器IDと関連付け、それにより、容器AのCDM内に保存されていない容器Aに関する情報を検索してもよい。
いくつかのイベントは、容器Aの占有権の移転をトリガする(ステップ308)。製造業者は、容器Aの占有権を占有者1に移転する(ステップ309)。占有者1は、例えば、生産物Aの小売業者であってもよいが、一般的には、
図3A~
図3Nの「占有者1」とラベル付けしたスイムレーンに示した機能を実施する任意の当事者であってもよい。
【0091】
製造業者から占有者1への容器Aの占有権の移転に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード311が、外部データベースに保存される(ステップ310)。ステップ310における保存は、ステップ304に関連して上記に開示した方法のいずれかで、製造業者又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード311は、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータなどの様々なデータのいずれかを任意の組合せで含んでもよい:
・外部データベースエントリによって表される行動のタイプ、例えば「管理チェーン行動」。
・容器Aの固有ID。
・占有者1の固有ID。
・生産物Aの固有ID。
・容器Aが製造業者から占有者1に移送された、バッチ、ロット、数量、日付、時間、及び位置。
占有者1は、容器Aの占有権を承諾する(ステップ312)。占有者1が容器Aの占有権を承諾したことに関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード314が、分散型台帳に保存される(ステップ313)。ステップ313における保存は、ステップ304に関連して上記に開示した方法のいずれかで、占有者1又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード314は、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータなどの様々なデータのいずれかを任意の組合せで含んでもよい:
・外部データベースエントリによって表される行動のタイプ、例えば「管理チェーン行動」。
・容器Aの固有ID。
・占有者1の固有ID。
・生産物Aの固有ID。
・占有者1が容器Aの管理を承諾した、バッチ、ロット、数量、日付、時間、及び位置。
外部データベースレコード314に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード316など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ315)。占有者1は、例えば、ステップ306に関連して上述した方法のいずれかでステップ315を実施してもよい。ステップ315は、任意選択であり、ステップ306の任意選択の性質に関連して上述したように、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
占有者1は、容器Aの占有権を占有者2に移転する(ステップ317)。占有者2は、例えば、生産物Aを使用する農業者であってもよいが、一般的には、
図3A~
図3Nの「占有者2」とラベル付けしたスイムレーンに示した機能を実施する任意の当事者であってもよい。実際には、占有者2は存在しなくてもよい。結果として、ステップ317、及び
図3A~
図3Nの「占有者2」とラベル付けしたスイムレーンに示した他のステップは、任意選択であり、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
【0092】
容器Aの占有権の占有者1から占有者2への移転に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード319が、分散型台帳に保存される(ステップ318)。ステップ318における保存は、ステップ310に関連して上記に開示した方法のいずれかで、製造業者又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード319内のデータが、製造業者から占有者1への占有権の移転ではなく、占有者1から占有者2への占有権の移転を表すデータを表し得ることを除いて、レコード319は、レコード311に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
占有者2は、容器Aの占有権を承諾する(ステップ320)。占有者2が容器Aの占有権を承諾したことに関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード322が、分散型台帳に保存される(ステップ321)。ステップ321における保存は、ステップ313に関連して上記に開示した方法のいずれかで、占有者1又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード322内のデータが、占有者1ではなく、占有者2による占有権の承諾を表すデータを表し得ることを除いて、レコード322は、レコード314に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
外部データベースレコード322に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード324など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ323)。占有者2は、例えば、ステップ315に関連して上述した方法のいずれかでステップ323を実施してもよい。ステップ323は、任意選択であり、ステップ306の任意選択の性質に関連して上述したように、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
【0093】
占有者2は、容器Aの占有権を占有者Nに移転する(ステップ325)。実際には、いかなる占有者Nも存在しなくてもよい。その結果、ステップ325、及び
図3A~
図3Nの「占有者N」とラベル付けしたスイムレーンに示した他のステップは、任意選択であり、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。実際には、複数の占有者Nが存在してもよい。その結果、ステップ325、及び
図3A~
図3Nの「占有者N」とラベル付けしたスイムレーンスに示した他のステップは、複数の占有者ごとに一度ずつ、複数回実行されてもよい。更に一般的には、
図3A~
図3Nの「占有者1」、「占有者2」、及び「占有者N」とラベル付けしたスイムレーンの意図は、占有権が、製造業者から任意の数(すなわち、1つ又は複数)の他の当事者に順番に移転され得ることと、
図3A~
図3Nの「占有者」のスイムレーンの各々に示したステップが、そのような占有者ごとに実施され得ることと、を示すことである。
容器Aの占有権の占有者2から占有者Nへの移転に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード327が、外部データベースに保存される(ステップ326)。ステップ326における保存は、ステップ310に関連して上記に開示した方法のいずれかで、占有者N又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード327内のデータが、製造業者から占有者1への占有権の移転ではなく、占有者2から占有者Nへの占有権の移転を表すデータを表し得ることを除いて、レコード327は、レコード311に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。例えば、卸売占有者は、容器の占有権を小売業者占有者に移転してもよく、卸売占有者は、占有権を別の卸売占有者に移転してもよい。
【0094】
占有者Nは、容器Aの占有権を承諾する(ステップ328)。占有者Nによる容器Aの占有権の承諾に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード330が、外部データベースに保存される(ステップ329)。ステップ329における保存は、ステップ313に関連して上記に開示した方法のいずれかで、占有者N又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード330内のデータが、占有者1ではなく、占有者Nによる占有権の承諾を表すデータを表し得ることを除いて、レコード330は、レコード314に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
外部データベースレコード30に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード332など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ331)。占有者Nは、例えば、ステップ315に関連して上述した方法のいずれかで、ステップ331を実施してもよい。ステップ331は、任意選択であり、ステップ306の任意選択の性質に関連して上述したように、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
占有者Nは、容器Aの占有権を、顧客に、又は容器の消費者若しくは適用者などの他のエンドユーザに、移転する(ステップ333)。(説明を容易にするために、「顧客」という用語は、容器Aの占有権を受け入れ、容器Aから生産物Aを適用する当事者を指すように、本明細書で使用する。)占有者Nが、
図3A~
図3Nの方法から省略された場合、ステップ333における移転は、容器Aの直近の占有者(例えば、占有者1又は占有者2)から顧客に対してである。
容器Aの占有権の占有者Nから顧客への移転に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード35が、分散型台帳に保存される(ステップ334)。ステップ334における保存は、ステップ310に関連して上記に開示した方法のいずれかで、顧客又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
【0095】
レコード335内のデータが、製造業者から占有者1への占有権の移転ではなく、占有者N(又は容器Aの他の直近の占有者)から顧客への占有権の移転を表すデータを表し得ることを除いて、レコード335は、レコード311に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
顧客は、容器Aの占有権を承諾する(ステップ336)。顧客による容器Aの占有権の承諾に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード338が、外部データベースに保存される(ステップ337)。ステップ337における保存は、ステップ313に関連して上記に開示した方法のいずれかで、顧客又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード338内のデータが、占有者1ではなく顧客による占有権の承諾を表すデータを表し得ることを除いて、レコード338は、レコード314に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
外部データベースレコード338に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード340など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ339)。顧客は、例えば、ステップ315に関連して上記に開示した方法のいずれかで、ステップ339を実施してもよい。ステップ339は、任意選択であり、ステップ306の任意選択の性質に関連して上述したように、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
本発明が土壌適用又は植物適用された生産物と組み合わせて使用されるとき、容器Aからの生産物Aの一部又は全部を圃場に分配すること(ステップ341)によって、又は本発明がエンドユーザの燃料消費を追跡するために使用されるとき、単に内燃機関を動作することによってなど、顧客は、容器Aからの生産物Aの一部又は全部を消費する。顧客による容器Aからの生産物Aの消費に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード343が、分散型台帳に保存される(ステップ342)。ステップ342における保存は、ステップ304に関連して上記に開示した方法のいずれかで、顧客又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
【0096】
レコード343は、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータなどの様々なデータのいずれかを任意の組合せで含んでもよい:
・外部データベースエントリによって表される行動のタイプ、例えば「消費行動」。
・容器Aの固有ID。
・ステップ341で消費するときにおける容器Aの占有者の固有ID(例えば、顧客の固有のID)。
・生産物Aの固有ID。
・ステップ341で生産物Aが消費されたバッチ、ロット、1又は複数の数量、日付、時間、及び位置。このデータは、例えば、本明細書の他の箇所に開示するように、例えば、適用されたままのマップ、又はジオタグ付き消費レコードの形態で、複数の位置における容器Aからの生産物Aの複数の消費(例えば、分配)を表すデータを含んでもよい。
外部データベースレコード343に保存された情報の一部又は全部は、CDM内のレコード345など、そうでなければCDMを更新することによって、容器AのCDM内に保存されてもよい(ステップ344)。顧客は、例えば、ステップ315に関連して上記に開示した方法のいずれかで、ステップ344を実施してもよい。ステップ344は、任意選択であり、ステップ306の任意選択の性質に関連して上述したように、
図3A~
図3Nの方法から省略されてもよい。
【0097】
容器Aが返還可能な容器である場合(ステップ346)、
図3A~
図3Nの方法は、ステップ347~351を含み、それらを実施してもよい。容器Aが返還可能な容器でない場合、
図3A~
図3Nの方法は、ステップ347~351を含まないか、又はそれらを実施しなくてもよい。
容器Aが返還可能な容器である場合、顧客は、容器Aの占有権を製造業者、占有者1、占有者2、又は占有者Nなどの容器Aの以前の占有者に移転する(ステップ347)。例示及び説明を容易にするために、
図3A~
図3Nは、顧客が製造業者に占有権を移転することを示す。しかしながら、更に一般的には、顧客は、容器Aの占有権を占有者1又は占有者2など、
図3A~
図3Nに示す当事者のいずれかに移転することによって、容器Aを返還してもよい。
容器Aの占有権の顧客から以前の占有者(例えば、製造業者)への移転に関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード349が、分散型台帳に保存される(ステップ348)。ステップ348における保存は、ステップ310に関連して上記に開示した方法のいずれかで、以前の占有者又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード349内のデータが、製造業者から占有者1への占有権の移転ではなく、顧客から以前の占有者(例えば、製造業者)への占有権の移転を表すデータを表し得ることを除いて、レコード349は、レコード311に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
以前の占有者(例えば、製造業者)は、容器Aの占有権を承諾する(ステップ350)。以前の占有者が容器Aの占有権を承諾したことに関する情報を表すデータを含む1つ又は複数のレコード352が、分散型台帳に保存される(ステップ351)。ステップ351における保存は、ステップ313に関連して上記に開示した方法のいずれかで、以前の占有者又は任意の他の当事者によって実施されてもよい。
レコード352内のデータが、占有者1ではなく顧客による占有権の承諾を表すデータを表し得ることを除いて、レコード352は、レコード314に関連して開示したデータのいずれかなど、様々なデータのいずれかを含んでもよい。
【0098】
容器Aが返還可能であったか否か(すなわち、
図3A~
図3Nの方法がステップ347~351を実施したか否か)にかかわらず、
図3A~
図3Nの方法は、カーボンクレジット検証の目的などのために、容器Aに関連する外部データベースで利用可能な認証データの最終報告を生成する。最終報告は、以下のうちの任意の1つ又は複数などの様々な情報を任意の組合せで含んでもよい:
・容器Aの管理チェーンの各段階における容器Aの占有者が整合していることの表示及び/又は確認。例えば、外部データベースが、容器Aの占有権が占有者1から占有者2に、次いで占有者2から占有者Nに移転されたことを示す場合、報告は、占有者が整合したことを示すが、外部データベースが、容器Aの占有権が製造業者から占有者1に、次いで占有者2から占有者Nに移転されたことを示す場合、報告は、占有者が整合していないことを示す。
・容器Aに保存された生産物のタイプが容器Aの履歴全体にわたって整合していることの表示及び/又は確認。例えば、外部データベースが、容器Aが生産物Aで充填されたことを示し、その後、容器Aが生産物Bで充填されたことを示す記録なしに、容器Aが生産物Bを含むことを示す場合、報告は、容器Aに保存された生産物のタイプが整合していないことを示す。
・適用機器によって報告された、適用された生産物Aの量が農業専門家の指示と一致することの表示及び/又は確認(以下の
図4A~
図4Pを参照されたい)。
・適用機器によって報告された適用の地理位置情報が農業専門家の指示の地理的境界と一致することの表示及び/又は確認(以下の
図4A~
図4Pを参照されたい)。
図3A~
図3Nの方法は、様々な方法のいずれかでカーボンクレジット慣行を検証するために使用されてもよい。例えば、
図3A~
図3Nの方法の間、又はその方法の後に、以下の条件のいずれかが満たされない場合、カーボンクレジットの条件の満足を確認することはできない:
・使用される検証済み生産物は、製造業者からの台帳エントリと同等でなければならない。
・使用される量は、検証された管理チェーンの量以下であり、それを超えてはならない。
・適用機器は、製造業者及び占有者が当初保持し、識別した生産物を超えて適用することはできない。
・生産物の使用の地理位置情報は、適用位置の指示の地理的境界と一致しなければならない。
【0099】
本発明の実施形態は、そのような条件が自動的に満たされ、それによって全体的又は部分的にカーボンクレジット慣行を検証するか否かを決定する、コンピュータ実装方法及び/又はシステムを使用してもよい。例えば、コンピュータ実装方法及び/又はシステムは、外部データベースの内容に基づいて、上記の条件のうちの1つ又は複数が満たされているか否かを決定してもよい。上記の条件のうちの1つ又は複数が満たされていないと決定した場合、本方法及び/又はシステムは、カーボンクレジットが保証されないと結論付け得る。特定の追加の例として、本方法及び/又はシステムは、以下を実施し得る:
・容器に特定の生産物を充填する動作を示す外部データベース内の複数のレコードを識別し、そのような充填動作で充填された生産物の量の合計を計算し、現在容器内において特定の生産物の現在量の第1の評価を生成する。
・容器内において特定の生産物の現在量を示す外部データベース内のレコードを識別することによって、又は外部データベースの内容とは無関係に容器内において特定の生産物の現在量を測定することによって(例えば、容器を計量することによって)など、容器内において特定の生産物の現在量の第2の評価を識別する。
・現在容器内において特定の生産物の現在量の第1の評価が、現在容器内において特定の生産物の現在量の第2の評価と十分に類似しているか否かを決定する。一例として、第1及び第2の評価は、それらが互いに等しい場合、又はそれらが所定の量以下、若しくは所定の割合以下だけ互いに異なる場合、互いに十分に類似していると見なされてもよい。
・第1及び第2の評価が互いに十分に類似していないと決定された場合、カーボンクレジットは保証されないと結論付ける。
*
図4A~
図4Pを参照すると、本発明の別の実施形態によるカーボンクレジット適格活動を検証するための方法のスイムレーン図を示している。
図4A~
図4Pの方法は、
図3A~
図3Nの方法の例示的なユースケースであり、本発明の限定ではなく理解を助けるための一例としてのみ提示している。
図4A~
図4Pの各行は、特定のアクターに対応し、そのアクターが取る行動を示している。特に、
図4A~
図4Pの図は、以下のアクターに対応する行を含む:
・生産物の製造業者(例えば、合成窒素肥料又は窒素固定作物投入);
・生産物の小売業者;
・生産物の農業者(又は他の消費者);
・生産物を使用するための指示を作成する農業専門家;
・容器に充填され、そこから分配された生産物のタイプ及び量など、1つ又は複数の容器に関するデータを追跡するための生産物使用データ追跡システム(例えば、AMVAC Chemical Corporationから入手可能なUltimus System);
・外部データベース(例えばブロックチェーンなどの分散型台帳など)であり、ここで、外部データベースは、外部データベースへの書き込み及び外部データベースからの読み取りが可能な1つ又は複数のコンピュータシステムを含む;及び
・容器の容器データモジュール(CDM)(例えば、RFIDタグ)。
【0100】
生産物使用データ追跡システムは、様々な方法のいずれかで実装されてもよい。例えば、それは、1つ又は複数のコンピュータデバイスから1つ又は複数のネットワーク(例えば、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)生産物として)を介してアクセス可能なソフトウェアシステムを含んでもよい。容器に、並びに/あるいは容器に充填される、及び/又は容器から適用されるは生産物に、関するデータは、容器から遠隔の1つ又は複数のサーバなど、容器から遠隔の1つ又は複数の位置で生産物使用データ追跡システムによって保存され得る。生産物を適用する適用機器上のコンピュータなど、生産物を含む容器にローカルであり、容器に関連付けられた(例えば、容器の内部に含まれるか、又は容器に結合される)容器データモジュール(CDM)(例えば、RFIDタグ)からデータを読み取り、そこにデータを書き込み得る、1つ又は複数のコンピュータ及び他のデバイスを、生産物使用追跡システムは含んでもよい。そのような各コンピュータは、コンピュータが生産物使用データ追跡システムの1つ又は複数のサーバとネットワークを介して通信するクライアントとして作用することを可能にする適切なクライアントソフトウェアを含んでもよい。特定の例として、RFIDスキャニングソフトウェアは、ハンドヘルドコンピュータデバイス上で実行可能であってもよく、ハンドヘルドコンピュータデバイスは、容器に関連するCDM(例えば、RFIDタグ)からデータを読み取り、そのデータを、ネットワークを介して生産物使用データ追跡システムのサーバに送信してもよく、生産物使用データ追跡システムは、そのデータを容器から遠隔に保存してもよい。
【0101】
本方法は、以下を含んで、開始(ステップ401)し得る:
・製造業者は、生産物Aを製造する(ステップ402)。
・製造業者は、いくらかの量の生産物Aを容器Aに移送する(すなわち、容器Aにいくらかの量の生産物Aを充填する)(ステップ403)。
・生産物使用データ追跡システムは、以下のいずれか1つ又は複数などのデータを任意の組合せで識別する(ステップ404):容器Aの固有ID、生産物Aの固有ID、生産物AのバッチID、生産物AのロットID、ステップ403で容器Aに移送された生産物Aの数量、ステップ403で生産物Aが容器Aに移送された日付、ステップ403で生産物Aが容器Aに移送された時間、及びステップ403で生産物Aが容器Aに移送された位置。
生産物使用データ追跡システムは、容器Aへの生産物Aの充填を表すデータを含む外部データベースエントリ406を生成し(ステップ405)、外部データベースエントリ406を外部データベースに保存させる。外部データベースエントリは、例えば、以下のうちの任意の1つ又は複数を表すデータを任意の組合せで含んでもよい:
・外部データベースによって表される行動のタイプ、例えば「容器開始行動」。
・容器Aの固有ID。
・ステップ403の充填したときにおける容器Aの占有者の固有ID。
・生産物Aの固有ID。
・上述のバッチ、ロット、数量、日付、時間、及び位置データ。
生産物使用データ追跡システムは、容器AのCDMに、ステップ405で外部データベースエントリに保存されたデータの一部又は全部を含むレコード408を保存してもよい(ステップ407)。
【0102】
農業者は、生産物Aに対する農業者の必要性に関して農業専門家及び/又は小売業者と対話する(ステップ409)。農業専門家は、特定の農業圃場(例えば、形状ファイル)の境界内で特定の生産物がどこに、どの程度の割合で適用されるべきかを定義する電子指示(生産物必要性ファイルとも呼ばれる)を、又は生産物Aの必要性の文書を、作成する(ステップ410)。農業専門家は、指示を(例えば、認証ログインを介して)生産物使用データ追跡システムにアップロードする(ステップ411)。指示は、例えば、以下のうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せで含んでもよい:圃場の地理的境界の画定;指示によって指定された1つ又は複数の生産物ごとの固有の生産物ID(例えば、生産物Aの生産物ID);適用割合;及び作物のID。
生産物使用データ追跡システムは、指示を受信し(ステップ412)、その中に含まれる情報の一部又は全部(外部データベースエントリによって表される行動のタイプの指示、例えば「生産物必要性行動」を加えて)を含む外部データベースエントリ414を作成し(ステップ413)、外部データベースエントリ14を外部データベースに保存する。生産物使用データ追跡システムは、以下のうちの1つ又は複数の拡張指示ファイル容器を任意の組合せで計算する(ステップ415):
・生産物Aが適用されるべきであるエーカ数;
・必要な生産物の量;及び
・生産物Aを保存するために必要な容器の数。
生産物使用データ追跡システムは、拡張指示ファイル内(外部データベースエントリによって表される行動のタイプの指示、例えば「生産物必要性行動」を加えて)のデータの一部又は全部を含む外部データベースエントリ417を作成し(ステップ416)、外部データベースエントリ417を外部データベースに保存する。
農業専門家は、生産物使用データ追跡システムから拡張指示ファイルを受信する(ステップ418)。小売業者は、生産物使用データ追跡システムから、以下を受信する(ステップ419):拡張指示ファイルの通知;必要な肥料の数量;及び指定された量の肥料を保存するために必要な容器の数量。小売業者は、製造業者から生産物Aで予め充填されたタグ付けされた容器の数を注文する(ステップ420)。製造業者は、タグ付けされた容器に対する小売業者の要求を受信し(ステップ421)、それに応答して、タグ付けされた容器Aの占有権/管理を小売業者に移転し(ステップ422)、タグ付けされた容器Aを小売業者に出荷する(ステップ426)。小売業者は、タグ付けされた容器Aの占有権/管理を承諾する(ステップ427)。
【0103】
生産物使用データ追跡システムが、容器Aの占有権/管理を小売業者に移転した後に(例えば、容器AのCDMから読み取る、それに書き込む、又はそれと一般に通信し得る(例えば建物又は車両の上又はその中の出入口又は任意の数の位置に、手持ち式に、又は搭載された)デバイスを使用することなどによって)、容器Aの位置及び占有者を知ると(ステップ423)、生産物使用データ追跡システムは、容器Aの占有権が製造業者から小売業者に移転されたことを示すデータなど、容器Aの管理チェーンに関する情報、及び分散型台帳エントリ425によって表される行動、例えば「管理チェーン行動」の指示、を含む外部データベースエントリ425を作成する(ステップ424)。生産物使用データ追跡システムはまた、外部データベースエントリ425に含まれる情報の一部又は全部で容器AのCDMを更新し、それによって容器AのCDMにレコードを作成してもよい。
【0104】
小売業者は、容器Aの占有権/管理を承諾する(ステップ427)。小売業者が容器Aの占有権/管理を承諾した後に、生産物使用データ追跡システムが容器Aの位置及び占有者を知ると(ステップ428)、生産物使用データ追跡システムは、容器Aの管理チェーンに関する情報、例えば、小売業者が容器Aの管理を確認したことを示すデータ、及び外部データベースエントリ430によって表される行動、例えば「管理チェーン行動」の指示、を含む外部データベースエントリ430を作成する(ステップ429)。
小売業者は、容器Aの占有権/管理を農業者に移転する(ステップ433)。農業者が容器Aの占有権/管理を承諾した後に、生産物使用データ追跡システムが、容器Aの位置及び占有者を知ると(ステップ434)、生産物使用データ追跡システムは、容器Aの管理チェーンに関する情報、例えば、小売業者が容器Aの占有者/管理を農業者に移転したことを示すデータ、及び外部データベースエントリ436によって表される行動、例えば「管理チェーン行動」の指示、を含む外部データベースエントリ436を作成する(ステップ435)。生産物使用データ追跡システムはまた、外部データベースエントリ436内の情報の一部又は全部で容器AのCDMを更新し、それによって容器AのCDMにレコード38を作成してもよい(ステップ437)。
【0105】
小売業者は、容器Aを農業者に配送する(ステップ439)。農業者は、容器Aの占有権/管理を承諾する(ステップ440)。農業者は、容器Aを適用機器に設置し、容器Aを認証する(ステップ441)。農業専門家又は農業者は、拡張指示ファイルを適用機器にアップロードする(ステップ442)。
農業者は、容器A内の生産物Aを適用又は消費する(ステップ443)。農業者の適用機器(例えば、プランター)は、ステップ443において、容器AのCDMを生産物Aの適用/消費に関する情報で自動的に更新し、例えば、容器AのCDMに、適用割合、適用された生産物、緯度及び経度、日付、並びに時間、のうちのいずれか1つ又は複数を任意の組合せで保存することによって、容器AのCDMにレコード445を作成する。農業者の適用機器は、外部データベース内のエントリ446内のレコード445(及びそのデータによって表される行動の指示、例えば「生産物消費行動」)内のデータの一部又は全部を保存する。
容器Aが、返還可能である場合(ステップ447a)、
図4A~
図4Pの方法は、ステップ447bに進み、そこで農業者は、容器Aの占有権/管理を小売業者に移転し(ステップ447b)、そうでない場合、本方法は終了する(ステップ467)。
容器Aが返還可能である場合、小売業者は、容器Aの占有権/管理を承諾する(ステップ448)。小売業者が容器Aの占有権/管理を承諾した後に、生産物使用データ追跡システムが、容器Aの位置及び占有者を知ると(ステップ449)、生産物使用データ追跡システムは、例えば、小売業者が容器Aの占有権を確認したことを示すデータ、農業者の固有ID、農業者が容器Aを小売業者に返還したことを示すデータ、生産物IDの固有ID、容器Aに返還された生産物Aの量、及び外部データベースエントリ451によって表される行動、例えば「管理チェーン行動」の指示など、容器Aの管理チェーンに関する情報を含む外部データベースエントリ451を作成する(ステップ450)。
【0106】
小売業者は、容器Aの占有権/管理を製造業者に移転する(ステップ456)。製造業者は、容器Aの占有権/管理を承諾する(ステップ457)。小売業者が容器Aの占有権/管理を製造業者に移転した後に、生産物使用データ追跡システムが、容器Aの位置及び占有者を知ると(ステップ458)、生産物使用データ追跡システムは、容器Aの管理チェーンに関する情報、例えば、小売業者が容器Aの占有権/管理を製造業者に移転したことを示すデータ、及び分散型台帳エントリ460によって表される行動、例えば「管理チェーン行動」の指示、を含む外部データベースエントリ460を作成する(ステップ459)。
製造業者は、以下のステップのうちの任意の1つ又は複数を任意の組合せ(ステップ462)で含み得る容器返還プロセスを実施する(ステップ461):
・読み取り器が、容器AのCDMを読み取り、(例えば、容器Aの重量を測定するために物理的尺度を使用し、得られた重量を容器AのCDMのデータによって示される重量と比較することによって)適用された生産物の量を確認する。
・(例えば、適用機器上の)グローバル情報システム(GIS)は、容器AのCDMのデータに基づいて、容器Aから生産物Aが適用された位置(例えば、緯度及び経度)を確立し、確認する。
・(容器AのCDMのデータに基づく)生産物Aが容器Aから適用された位置は、指示で識別された、意図された圃場の地理的位置と比較される。
・容器Aを使用した農業者は、容器AのCDM内の農業者IDを使用して確認される。
・容器Aから生産物Aへの適用の日時は、容器AのCDM内のデータに基づいて確認される。
生産物使用状況データ追跡システムは、すべての使用データを追跡し、保存し、報告する(ステップ463)。例えば、容器AのCDMからのデータは、容器Aに(例えば、ハンドヘルドRFIDスキャナを使用して)ローカルに取り込まれ、次いで、ネットワークを介して(スケールからの容器Aの重量の読み取りなど、他のデータに加えて)、容器Aから遠隔にそのデータを保存する遠隔サーバに送信され得る。
【0107】
生産物使用データ追跡システムは、製造業者が生産物使用を確認したことを示すデータを含む外部データベースエントリ65を作成する(ステップ464)。
生産物使用データ追跡システムは、認証されたデータが利用可能であることを示す最終報告を生成する(ステップ466)。本方法は終了する(ステップ467)。
本発明を、特定の実施形態に関して上述したが、前述の実施形態は、例示としてのみ提供され、本発明の範囲を限定又は定義するものではないことを理解されたい。以下を含むがこれらに限定されない様々な他の実施形態も、特許請求の範囲内である。例えば、本明細書に記載した要素及び構成要素は、追加の構成要素に更に分割されてもよく、又は同じ機能を実施するための少ない構成要素を形成するために互いに接合されてもよい。
本明細書に開示した機能のいずれも、それらの機能を実施するための手段を使用して実装されてもよい。そのような手段は、以下に記載したコンピュータ関連構成要素など、本明細書に開示した構成要素のいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0108】
上述した技術は、例えば、ハードウェア、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に有形に保存された1つ又は複数のコンピュータプログラム、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装されてもよい。上述した技術は、以下の任意の数の任意の組合せを含むプログラマブルコンピュータ上で実行される(又は実行可能な)1つ又は複数のコンピュータプログラムで実装されてもよい:プロセッサ、プロセッサによって読み取り可能及び/又は書き込み可能な保存媒体(例えば、揮発性及び不揮発性メモリ及び/又はストレージ要素含む)、入力デバイス、及び出力デバイス。プログラムコードは、入力デバイスを使用して入力された入力に適用され、説明した機能を実施し、出力デバイスを使用して出力を生成してもよい。
本発明の実施形態は、1つ又は複数のコンピュータ、コンピュータプロセッサ、並びに/あるいはコンピュータシステムの他の要素を使用して実装することのみが可能、及び/又は実現可能である特徴を含む。そのような特徴は、精神的に及び/又は手動で実施することが不可能又は非実用的である。例えば、本発明の実施形態は、電子メモリデバイス(RFIDタグなど)、及び/又は分散型台帳(ブロックチェーンなど)にデータを読み書きしてもよく、これは、精神的に又は手動で実施し得ない機能である。
【0109】
コンピュータ、プロセッサ、メモリ、又は同様のコンピュータ関連要素を肯定的に必要とする本明細書の任意の請求項は、そのような要素を必要とすることを意図しており、そのような要素がそのような請求項に存在しないか、又はそのような請求項によって必要とされないかのように解釈されるべきではない。そのような請求項は、記載したコンピュータ関連要素を欠く方法及び/又はシステムを包含することを意図しておらず、そのように解釈されるべきではない。例えば、請求項に記載した方法が、コンピュータ、プロセッサ、メモリ、及び/又は同様のコンピュータ関連要素によって実施されることを記載した本出願の任意の方法クレームは、記載したコンピュータ関連要素によって実施される方法を包含することを意図しており、包含するようにのみ解釈されるべきである。そのような方法クレームは、例えば、精神的に又は手作業で(例えば、鉛筆と紙を使用して)実施される方法を包含すると解釈されるべきではない。同様に、特許請求される生産物が、コンピュータ、プロセッサ、メモリ、及び/又は同様のコンピュータ関連要素を含むことを記載した本出願の任意の生産物クレームは、記載したコンピュータ関連要素を含む生産物を包含することを意図し、包含するようにのみ解釈されるべきである。そのような生産物クレームは、例えば、記載したコンピュータ関連要素を含まない生産物を包含すると解釈されるべきではない。
【0110】
以下の特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、アセンブリ言語、機械言語、高レベル手続型プログラミング言語、又はオブジェクト指向プログラミング言語など、任意のプログラミング言語で実装されてもよい。プログラミング言語は、例えば、コンパイル型、又はインタープリタ型のプログラミング言語であってもよい。
そのような各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサによる実行のために機械可読記憶デバイスに有形に具現化されたコンピュータプログラム生産物に実装されてもよい。本発明の方法ステップは、コンピュータ可読媒体上で有形に具現化されたプログラムを実行する1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって実施され、入力を操作して出力を生成することによって本発明の機能を実施してもよい。適切なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサとの両方を含む。一般に、プロセッサは、メモリ(読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリなど)から命令及びデータを受信し(読み取り)、メモリに命令及びデータを書き込む(保存する)。コンピュータプログラム命令及びデータを実体的な具現化に適した記憶デバイスは、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス、を含む半導体メモリデバイスなどのすべての形態の不揮発性メモリと、内蔵ハードディスク、リムーバブルディスクなどの磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMと、を含む。前述のいずれかは、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)によって補完されるか、又はそれに組み込まれてもよい。コンピュータは、一般に、内蔵ディスク(図示せず)、又はリムーバブルディスクなど、非一時的コンピュータ可読保存媒体からプログラム及びデータを受信し(読み取り)、プログラム及びデータを書き込む(保存する)こともできる。これらの要素は、従来のデスクトップ又はワークステーションコンピュータ、並びに本明細書に記載した方法を実施するコンピュータプログラムの実行に適した他のコンピュータにも見られ、任意のデジタル印刷エンジン又はマーキングエンジン、ディスプレイモニタ、あるいは紙、フィルム、ディスプレイスクリーン、又は他の出力媒体上にカラー又はグレースケール画素を生成し得る他のラスタ出力デバイス、と共に使用されてもよい。
【0111】
本明細書に開示した任意のデータは、例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に有形に保存された1つ又は複数のデータ構造で実装されてもよい。本発明の実施形態は、そのようなデータ構造にそのようなデータを保存し、そのようなデータ構造からそのようなデータを読み取ってもよい。
コンピュータ又は他の機械によって実施される、又は実施され得るものとして本明細書に開示した任意のステップ又は動作は、本明細書に明示的に開示したか否かにかかわらず、コンピュータ又は他の機械によって自動的に実施されてもよい。自動的に実施されるステップ又は動作は、人間の介入なしに、コンピュータ又は他の機械によってのみ実施される。自動的に実施されるステップ又は動作は、例えば、人間からではなく、コンピュータ又は他の機械から受信した入力のみで動作してもよい。自動的に実施されるステップ又は動作は、例えば、人間からではなく、コンピュータ又は他の機械から受信した信号によって開始されてもよい。自動的に実施されるステップ又は動作は、例えば、人間ではなくコンピュータ又は他の機械に出力を与えてもよい。
本開示の様々な実施形態で使用する「A又はB」、「A又は/及びBのうちの少なくとも1つ」、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、あるいは「A又は/及びBのうちの1つ又は複数」という用語は、それと共に列挙された単語のありとあらゆる組合せを含む。例えば、「A又はB」、「A及びBのうちの少なくとも1つ」、あるいは「A又はBのうちの少なくとも1つ」は、以下を意味する:(1)少なくとも1つのAを含む、(2)少なくとも1つのBを含む、(3)A又はBのいずれかを含む、あるいは(4)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBとの両方を含む。
【国際調査報告】