(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】心臓弁をドッキングするための装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516940
(86)(22)【出願日】2022-09-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022043296
(87)【国際公開番号】W WO2023043716
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】アリソン・ルイーズ・ロドリゲス
(72)【発明者】
【氏名】ワルター・リー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ポール・シェファー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC13
4C097DD09
4C097DD10
4C097SB03
4C097SB10
(57)【要約】
医療装置用のドッキングステーションフレームは、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置用のドッキングステーションフレームであって、前記ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、前記ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、前記複数の支柱部分が、前記近位端および前記遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分と、を有する、実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を形成する、ドッキングステーションフレーム。
【請求項2】
前記複数の支柱部分が、前記複数のセルの複数の列を画定するように軸方向に離間した複数の円周支柱部分と、前記複数の円周支柱部分と円周方向に離間および接合されて、前記複数の列の各々に前記複数のセルのうちの前記複数のセルを画定する複数の長手方向支柱部分と、を備える、請求項1に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項3】
前記複数の円周支柱部分が、前記複数のセルの少なくとも4列を画定する少なくとも5つの円周支柱部分を備える、請求項2に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項4】
前記複数の長手方向支柱部分が、前記複数の列の各々に少なくとも12個のセルを画定する少なくとも12個の長手方向支柱部分を備える、請求項2および3のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項5】
前記複数の円周支柱部分が起伏のある支柱部分を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項6】
前記起伏のある支柱部分が、前記複数のセルの各々が実質的にヘリンボーン形状であるように、実質的に平行であり、かつ成形される、請求項5に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項7】
前記起伏のある支柱部分のうちの遠位の支柱部分が、前記遠位端で前記外側半径方向保持部分を画定し、前記起伏のある支柱部分のうちの近位の支柱部分が、前記近位端で前記外側半径方向保持部分を画定する、請求項5および6のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項8】
前記複数の起伏のある支柱部分の各々が、前記複数の長手方向支柱部分のうちの対応する一つと接合された近位部分と、前記複数の長手方向支柱部分から取り付けられていない遠位部分と、を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項9】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記内側半径方向中央部分が約27mmの直径を有し、約29mmの直径を有する弁を収容するように拡張可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項10】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記ドッキングステーションフレームが約35mm~約40mmの長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項11】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記外側半径方向保持部分が、前記ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30°~約45°の角度で延在する、請求項1~10のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項12】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記内側半径方向中央部分が実質的に円筒形である、請求項1~11のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項13】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記外側半径方向保持部分が約14mm~約20mmの曲率半径を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項14】
前記ドッキングステーションフレームが前記拡張された制約のない状態にある時、前記内側半径方向中央部分が、29mmの展開された外径を有する弁に対して少なくとも約8mmの長さを有する前記弁座を構成するように輪郭付けされる、請求項1~13のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項15】
前記ドッキングステーションフレームが、約5.4mm以下の直径に捲縮されるように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレーム。
【請求項16】
医療装置用のドッキングステーションフレームであって、前記ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、前記ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、前記複数の支柱部分が、前記ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30度~約45度の角度で前記近位端および前記遠位端に外側半径方向保持部分を形成する、ドッキングステーションフレーム。
【請求項17】
医療装置用のドッキングステーションフレームであって、前記ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、前記ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、前記複数の支柱部分が、前記近位端および前記遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分と、を有する、湾曲した長手方向の輪郭を形成し、前記内側半径方向中央部分が、実質的に円筒形であり、前記外側半径方向保持部分が各々、約14mm~約20mmの曲率半径を有する、ドッキングステーションフレーム。
【請求項18】
医療装置用のドッキングステーションであって、前記ドッキングステーションが、
請求項1~17のいずれか一項に記載のドッキングステーションフレームと、
前記ドッキングステーションフレームに取り付けられた不透過性材料と、を備える、ドッキングステーション。
【請求項19】
システムであって、
管を含む、送達カテーテルと、
前記管内に配置されたドッキングステーションであって、請求項18に記載の前記ドッキングステーションを備える、ドッキングステーションと、を備える、システム。
【請求項20】
人工弁用のドッキングステーションであって、
前記ドッキングステーションフレームの第一の端から第二の端に延在する複数の支柱を含む拡張可能なドッキングステーションフレームであって、前記拡張可能フレームが、人工弁を拡張可能フレームに固定するための弁座をさらに画定する、ドッキングステーションフレームと、を備え、
前記ドッキングステーションフレームの前記第一の端が、前記弁座の半径方向に外向きに拡張可能な保持部分を画定して、拡張のサイズの範囲にわたって展開位置で循環系の内側表面と係合する、ドッキングステーションフレームと、
前記ドッキングステーションフレームの前記第一の端の周りに配置される、複数の放射線不透過性マーカーと、を備える、ドッキングステーション。
【請求項21】
血管内に人工弁を設置する方法であって、前記方法が、
第一の管内で圧縮された状態にある拡張可能なドッキングステーションフレームを提供することと、
前記第一の管を前記血管内に挿入することと、
前記ドッキングステーションを前記第一の管から展開し、前記ドッキングステーションフレームの第一の端が前記弁座の半径方向に外向きに拡張して前記血管の内側表面と係合して前記ドッキングステーションフレームを標的位置に保持するように、前記血管内の前記標的位置に前記ドッキングステーションフレームを拡張することと、
第一の管を前記血管から引き抜くことと、
拡張可能な人工弁を、第二の管内で圧縮された状態で提供することと、
前記第二の管を前記血管内に挿入することと、
前記拡張されたドッキングステーションフレームの前記第一の端の位置配設を、前記ドッキングステーションフレームの前記第一の端の周りに配置された複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に識別することによって視覚的に確認することと、
前記第二の管の末端を、前記複数の放射線不透過性マーカーの視覚的に識別された位置の間で、前記拡張されたドッキングステーションフレームの前記第一の端内に拡張することと、
前記拡張可能な人工弁を、前記第二の管の前記末端から展開し、前記人工弁を、前記拡張されたドッキングステーションフレームの弁座と着座係合するように拡張することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月17日付けで出願された米国仮特許出願第63/245,721号、2022年8月9日付けで出願された米国仮特許出願第63/370,870号の優先権を主張するものであり、その両方は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、心臓弁、特に、例えば、経カテーテル心臓弁(「THV」)などの心臓弁の移植における使用のための、ドッキングステーション/ステント、送達システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
心臓弁膜障害を治療するために、人工心臓弁が使用され得る。自己心臓弁(大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁、および僧帽弁)は、心血管系を通して適切な血液供給の順流を確実にする際に重要な機能を果たす。これらの心臓弁は、先天性疾患、炎症性疾患、または感染性疾患によって効力が低下する可能性がある。このような疾患は、最終的に重篤な心臓血管欠陥または死亡につながる可能性がある。長年、そのような疾患の最終的治療は、心臓切開手術中の弁の外科的修復または置換であった。
【0004】
開心術よりも侵襲性の低い方法で、軟性カテーテルを使用して人工心臓弁を導入し植え込むための、経カテーテルによる手法を使用することもできる。この手法では、人工弁は、軟性カテーテルの端部上に捲縮状態で装着され、弁が移植部位に到達するまで患者の血管を通して前進させられ得る。次に、カテーテル先端にある弁を、弁が取り付けられるバルーンを膨張させることなどによって、欠陥のある自己弁の部位でその機能するサイズに拡張することができる。別の方法として、弁は、カテーテルの遠位端で送達シースから前進される時に弁をその機能するサイズに拡張する、弾性のある自己拡張型のステントまたはフレームを有し得る。
【0005】
経カテーテル心臓弁(THV)は、ほとんどの生来の大動脈弁の内側に配置されるように、適切にサイズ設定され得る。しかし、生来の弁、血管、および移植片がより大型な場合、大動脈経カテーテル弁は小さすぎるため、より大きな移植部位または展開部位に固定できない可能性がある。この場合、経カテーテル弁は、自己弁または定位置に固定されるその他の移植部位または展開部位の内側で十分に拡張するほど十分な大きさがない場合がある。
【0006】
pulmonic valve(肺動脈弁)と称されることもある、pulmonary valve(肺動脈弁)の交換は、大きな課題となる。肺動脈の形状は、患者によって大きく異なる場合がある。典型的に、矯正手術後の肺動脈流出路は、人工心臓弁の効果的な配置にとっては広すぎる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の概要は、実施例を提供することを意図しており、本発明の範囲をいかようにも制限することを意図したものではない。例えば、本発明の概要のある実施例中に含まれるいかなる特徴も、特許請求の範囲がそれらの特徴を明示的に列挙しない限り、特許請求の範囲による要件とはならない。本明細書は、拡張可能な弁のための拡張可能なドッキングステーションの例示的な実施形態を開示する。ドッキングステーションは、様々な方法で構築することができる。
【0008】
一部の実装形態では、医療装置用のドッキングステーションフレームは、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含む。
【0009】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分は、近位端および遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分とを有する、実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を形成する。
【0010】
一部の実装形態では、複数の支柱部分は、複数のセルの複数の列を画定するように軸方向に離間した複数の円周支柱部分と、複数の円周支柱と円周方向に離間および接合されて、複数の列の各々に複数のセルのセルを画定する複数の長手方向支柱部分と、を備える。
【0011】
一部の実装形態では、複数の円周支柱部分は、複数のセルの少なくとも四列を画定する少なくとも五つの円周支柱部分を備える。
【0012】
一部の実装形態では、複数の長手方向支柱部分が、複数の列の各々に少なくとも12個のセルを画定する少なくとも12個の長手方向支柱部分を備える。
【0013】
一部の実装形態では、複数の円周支柱部分は、起伏のある支柱部分を備える。
【0014】
一部の実装形態では、平行な起伏のある支柱部分は、複数のセルの各々が実質的にヘリンボーン形状であるように、実質的に平行であり、かつ成形される。
【0015】
一部の実装形態では、平行な起伏のある支柱部分のうちの遠位の支柱部分は、遠位端で外側半径方向保持部分を画定し、平行な起伏のある支柱部分のうちの近位の支柱部分は、近位端で外側半径方向保持部分を画定する。
【0016】
一部の実装形態では、複数の起伏のある支柱部分の各々は、複数の長手方向支柱部分のうちの対応する一つと接合された近位部分と、複数の長手方向支柱部分から取り付けられていない遠位部分と、を含む。
【0017】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれは約27mmの直径を有し、約29mmの直径を有する弁を収容するように拡張可能である。
【0018】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、ドッキングステーションフレームは約35mm~約40mmの長さを有する。
【0019】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分は、ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30°~約45°の角度で延在する。
【0020】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれ部分は実質的に円筒形である。
【0021】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分は約14mm~約20mmの曲率半径を有する。
【0022】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分は、29mmの展開された外径を有する弁に対して少なくとも約8mmの長さを有する弁座を提供するように輪郭付けされる。
【0023】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、約5.4mm以下の直径に捲縮されるように構成される。
【0024】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分は、ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30°~約45°の角度で延在する近位端および遠位端で外側半径方向保持部分を形成する。
【0025】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分は実質的に円筒形である。
【0026】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分は、近位端および遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分とを有する、湾曲した長手方向の輪郭を形成し、内側半径方向中央部分は、実質的に円筒形であり、外側半径方向保持部分は各々、約14mm~約20mmの曲率半径を有する。
【0027】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分は約44mmの最大直径を有する。
【0028】
一部の実装形態では、医療装置用のドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームと、ドッキングステーションフレームに取り付けられた不透過性材料と、を含む。
【0029】
一部の実装形態では、不透過性材料は、弁座に取り付けられ、弁座と弁座に取り付けられた弁との間にシールを提供する。
【0030】
一部の実装形態では、不透過性材料は、内側半径方向中央部分と外側半径方向保持部分のうちの少なくとも一つとの間のドッキングステーションフレームの内側部分に取り付けられ、ドッキングステーションが展開部位に配置された時に、循環系内での展開部位と密封するための内側封止部分を提供する。
【0031】
一部の実装形態では、システムは、管を含む送達カテーテルを含み、ドッキングステーションは管内に配置される。
【0032】
一部の実装形態では、人工弁用のドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームの第一の端から第二の端に延在する複数の支柱を含む拡張可能なドッキングステーションフレームを含み、拡張可能フレームは、人工弁を拡張可能フレームに固定するための弁座をさらに画定する。
【0033】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームの第一の端は、半径方向に外向きに拡張可能な保持部分を画定して、拡張のサイズの範囲にわたって展開位置で循環系の内側表面と係合する。
【0034】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーは、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに配置される。
【0035】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームの第一の端は、外側軸方向尖部と内側軸方向接合部との間で交互である、ドッキングステーションフレームの最も端のジグザグ形状部分を含む。
【0036】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーの各々は、内側軸方向接合部と外側軸方向尖部との間に位置する。
【0037】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーの各々は、複数の外側軸方向尖部のうちの対応する一つの上に配置される。
【0038】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーの各々は、複数の外側軸方向尖部のうちの対応する一つに取り付けられる。
【0039】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、各々が複数の放射線不透過性マーカーのうちの一つをその中に保持する、複数の一体的に形成されたマーカー据え付け部分を含む。
【0040】
一部の実装形態では、ドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームに取り付けられ、ドッキングステーションフレームの第一の端に配置された第一の端部分を有する不透過性材料を含み、複数の放射線不透過性マーカーの各々は、不透過性材料の第一の端部分に取り付けられる。
【0041】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーの各々は、ドッキングステーションフレームの第一の端と一体的に形成される。
【0042】
一部の実装形態では、複数の放射線不透過性マーカーは、複数の支柱間の拡大接合部を備える。
【0043】
一部の実装形態では、ドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームの第一の端から軸方向に離間した、ドッキングステーションフレームの第二の軸方向位置の周りに配置された第二の複数の放射線不透過性マーカーを含む。
【0044】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、弁座の周りに配置される。
【0045】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、ドッキングステーションフレームの第二の端の周りに配置される。
【0046】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、ドッキングステーションフレームの第二の端の外側軸方向尖部と内側軸方向接合部との間に配置される。
【0047】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、ドッキングステーションフレームの第二の端の複数の外側軸方向尖部の上に配置される。
【0048】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、ドッキングステーションフレームの第二の端の複数の外側軸方向尖部に取り付けられている。
【0049】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、各々が第二の複数の放射線不透過性マーカーのうちの一つをその中に保持する、第二の複数の一体的に形成されたマーカー据え付け部分を含む。
【0050】
一部の実装形態では、ドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームに取り付けられた不透過性材料をさらに備え、第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々は、不透過性材料に取り付けられる。
【0051】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々は、ドッキングステーションフレームと一体的に形成される。
【0052】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、複数の支柱間の拡大接合部を備える。
【0053】
一部の実装形態では、第一の複数の放射線不透過性マーカーの各々は、第一の構成を有し、第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々は、第一の構成とは異なる第二の構成を有する。
【0054】
一部の実装形態では、第二の構成は、マーカーサイズ、マーカー形状、マーカー配向、および隣接するマーカー間の距離のうちの少なくとも一つにおいて、第一の構成とは異なる。
【0055】
一部の実装形態では、弁座は、第一の端と第二の端との間のドッキングステーションフレームの内側部分上に配置される。
【0056】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、第一および第二の端から、より狭い円筒形または浅い凹状のくびれ部分に延在する凹状の輪郭を画定する。
【0057】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、円筒形の外側部分を画定し、弁座は外側部分から半径方向に内向きにオフセットされる。
【0058】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、少なくとも一つの半径方向に外向きに延在するフランジ端部分を含む。
【0059】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、凸状の輪郭の第一の端部分および第二の端部分と、弁座を画定する凹状のくびれ部分と、を含む。
【0060】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームは、広がった第一の端部分および第二の端部分と、弁座を画定する凹状のくびれ部分と、を含む。
【0061】
一部の実装形態では、血管内に人工弁を取り付ける方法において、例えば、本明細書に記載のドッキングステーションフレームのいずれかなどの拡張可能なドッキングステーションフレームが、第一の管内に圧縮された状態で提供される。第一の管は、血管内に挿入される。ドッキングステーションフレームは、第一の管から展開され、ドッキングステーションフレームは、ドッキングステーションフレームの第一の端が弁座の半径方向に外向きに拡張して、血管の内側表面と係合して、ドッキングステーションフレームを標的位置に保持するように、血管内の標的位置で拡張される。第一の管は血管から引き出される。拡張可能な人工弁は、第二の管内に圧縮された状態で提供される。第二の管は血管内に挿入され、第二の管の末端は拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端の中へと延在する。拡張可能な人工弁は、第二の管の末端から展開され、人工弁は、拡張されたドッキングステーションフレームの弁座と着座係合するように拡張される。
【0062】
一部の実装形態では、拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端の位置配設は、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに配置された複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に識別することによって視覚的に確認される。
【0063】
一部の実装形態では、ドッキングステーションは、ドッキングステーションフレームの第一の端から軸方向に離間した、ドッキングステーションフレームの第二の軸方向位置の周りに配置された第二の複数の放射線不透過性マーカーをさらに備える。
【0064】
一部の実装形態では、第一の管からドッキングステーションフレームを展開し、かつ血管内の標的位置でドッキングステーションフレームを拡張することは、第一の管からドッキングステーションフレームを部分的に展開することと、第一の管からドッキングステーションフレームを完全に展開する前に、標的位置で第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することと、を含む。
【0065】
一部の実装形態では、第二の複数の放射線不透過性マーカーは、弁座の周りに配置され、第二の管の末端から拡張可能な人工弁を展開することは、拡張可能な人工弁を完全に展開する前に、拡張可能な人工弁と整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することを含む。
【0066】
一部の実装形態では、人工弁および第二の管の末端のうちの少なくとも一つは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含み、拡張可能な人工弁と整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することは、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーと整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することを含む。
【0067】
上記の方法は、生体動物でまたはシミュレーションで、例えば、死体、死体心、シミュレータ(例えば、シミュレーションされている身体の一部、心臓、弁尖、組織など)等で実施され得る。
【0068】
本開示の他の箇所に記載される様々な特徴を、本明細書に要約される実施例に含めることができ、本明細書の他の箇所に記載されるものを含め、実施例および特徴を使用するための様々な方法およびステップを使用することができる。
【0069】
開示されている発明の性質および利点のさらなる理解は、以下の説明および特許請求の範囲から得ることができ、特に、同様の部品が同様の参照番号を有する添付図面と併せて考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本開示の実施形態の様々な態様をさらに明確にするために、添付図面の様々な態様を参照することによって特定の実施形態のより具体的な説明がなされる。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態のみを描写し、したがって本開示の範囲を制限するものとは見なされないことが理解される。さらに、図面は、一部の実施形態については正確な縮尺であり得るが、図面は、必ずしもすべての実施形態について正確な縮尺ではない。本開示の実施形態は、添付図面の使用を通して追加的な特定性および詳細を用いて記載および説明される。
【0071】
【
図1B】
図1Bは、収縮期のヒトの心臓の別の切り欠き図である。
【
図2A】
図2Aは、肺動脈が様々な異なる形状およびサイズを有し得ることを示す肺動脈の断面図である。
【
図2B】
図2Bは、肺動脈が様々な異なる形状およびサイズを有し得ることを示す肺動脈の断面図である。
【
図3A】
図3Aは、肺動脈が様々な異なる形状およびサイズを有し得ることを示す肺動脈の斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、肺動脈が様々な異なる形状およびサイズを有し得ることを示す肺動脈の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、循環系に位置付けられた圧縮されたドッキングステーションの概略図である。
【
図4B】
図4Bは、循環系におけるドッキングステーションの位置を設定するために拡張された、
図4Aのドッキングステーションの概略図である。
【
図4C】
図4Cは、
図4Bによって図示されるドッキングステーション内に位置付けられる拡張可能な経カテーテル心臓弁の概略図である。
【
図4D】
図4Dは、ドッキングステーションにおける心臓弁の位置を設定するために拡張された、
図4Cの経カテーテル心臓弁の概略図である。
【
図5A】
図5Aは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションを有する収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図5B】
図5Bは、ドッキングステーションおよび経カテーテル心臓弁が肺動脈内に展開された、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図6A】
図6Aは、心臓が収縮期にある時の、
図5Bのドッキングステーションおよび経カテーテル心臓弁の拡大概略図である。
【
図7】
図7は、肺動脈内に展開されたドッキングステーションおよび経カテーテル心臓弁を有する、拡張期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図8A】
図8Aは、心臓が拡張期にある時の、
図7のドッキングステーションおよび経カテーテル心臓弁の拡大概略図である。
【
図9A】
図9Aは、ドッキングステーションのフレームの例示的な実施形態の側面図である。
【
図10】
図10は、拡張可能フレームに取り付けられた不透過性材料を有するドッキングステーションの例示的な実施形態の側面図である。
【
図11A】
図11Aは、循環系の異なるサイズの血管に移植された時の、
図10によって図示されたドッキングステーションの側面の輪郭を概略的に図示する。
【
図11B】
図11Bは、循環系の異なるサイズの血管に移植された時の、
図10によって図示されたドッキングステーションの側面の輪郭を概略的に図示する。
【
図12】
図12は、肺動脈内に配置されたドッキングステーションの例示的な実施形態の側面の輪郭、およびドッキングステーション内に配置された概略的に図示された弁を示す断面図である。
【
図13A】
図13Aは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションを有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図13B】
図13Bは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションを有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図13C】
図13Cは、ドッキングステーションおよび肺動脈内に展開された経カテーテル心臓弁を有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図14】
図14は、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図15】
図15は、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図16】
図16は、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図17】
図17は、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図18A】
図18Aは、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図18B】
図18Bは、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図18C】
図18Cは、ドッキングステーション、例えば、本明細書に記載または図示されるドッキングステーションのうちの一つに展開され得る弁タイプの例を示す。
【
図19A】
図19Aは、一実施形態によるフレームおよび不透過性材料を有するドッキングステーションの側面図である。
【
図19B】
図19Bは、別の実施形態によるフレームおよび不透過性材料を有するドッキングステーションの側面図である。
【
図19C】
図19Cは、別の実施形態によるフレームおよび不透過性材料を有するドッキングステーションの側面図である。
【
図19D】
図19Dは、別の実施形態によるフレームおよび不透過性材料を有するドッキングステーションの側面図である。
【
図20】
図20は、砂時計形状のフレームおよび取り付けられた不透過性封止材料を含むドッキングステーションの斜視図である。
【
図21】
図21は、拡張可能フレームの例示的な第一の端セル、第二の端セル、および中央セルを示す、例示的な拡張可能フレームの部分図である。
【
図21A】
図21Aは、
図21の線21A-21Aで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの長手方向の支柱の第一の端部分の断面図である。
【
図21B】
図21Bは、
図21の線21B-21Bで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの長手方向の支柱の第二の端部分の断面図である。
【
図21C】
図21Cは、
図21の線21C-21Cで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの長手方向の支柱の中央部分の断面図である。
【
図21D】
図21Dは、
図21の線21D-21Dで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの円周支柱の第一の端部分の断面図である。
【
図21E】
図21Eは、
図21の線21E-21Eで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの円周支柱の第二の端部分の断面図である。
【
図21F】
図21Fは、
図21の線21F-21Fで示される平面に沿って切り取られた、
図21の拡張可能フレームの円周支柱の中央部分の断面図である。
【
図22】
図22は、広がった端部分からより狭いくびれ部分へと延在する凹状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22A】
図22Aは、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22B】
図22Bは、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、別の例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22C】
図22Cは、細長い円筒形部分の一方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22D】
図22Dは、細長い円筒形部分の両方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22E】
図22Eは、凸状の端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図22F】
図22Fは、広がった端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図23A】
図23Aは、保持部分と封止部分の間に半径方向のギャップを有し、半径方向のギャップがドッキングステーションのくびれ部分の周りにある、設置されたドッキングステーションの例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図23B】
図23Bは、ドッキングステーションの凹状の輪郭がドッキングステーションのくびれ部分の周りに半径方向のギャップを提供する、設置されたドッキングステーションの別の例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図23C】
図23Cは、ドッキングステーションの凹状の輪郭が、血管の内側表面と連続的に接触している、設置されたドッキングステーションの別の例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図23D】
図23Dは、ドッキングステーションの円筒形の輪郭が、実質的に円筒形の血管の内側表面と連続的に接触している、設置されたドッキングステーションの別の例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図23E】
図23Eは、ドッキングステーションの可撓性の円筒形の輪郭が、不均一な血管の内側表面と連続的に接触している、設置されたドッキングステーションの別の例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図23F】
図23Fは、端部分に接線方向の係合、およびドッキングステーションのくびれ部分の周りに半径方向のギャップを有する、設置されたドッキングステーションの別の例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図24A】
図24Aは、ドッキングステーションフレームの中央開口部の半径方向に内向きに変形されたドッキングステーションフレームの端部分を示す、設置されたドッキングステーションの例示的な血管係合の輪郭の概略側面断面図である。
【
図25A】
図25Aは、一実施形態による放射線不透過性マーカーの正面斜視図である。
【
図25B】
図25Bは、別の実施形態による、放射線不透過性マーカーの正面斜視図である。
【
図25C】
図25Cは、別の実施形態による放射線不透過性マーカーの正面斜視図である。
【
図25D】
図25Dは、別の実施形態による放射線不透過性マーカーの正面斜視図である。
【
図26】
図26は、フレームの第一の端に貼り付けられた放射線不透過性マーカーを有する、広がった端部分からより狭いくびれ部分まで延在する凹状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26A】
図26Aは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26B】
図26Bは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、別の例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26C】
図26Cは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、細長い円筒形部分の一方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26D】
図26Dは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、細長い円筒形部分の両方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26E】
図26Eは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、凸状の端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図26F】
図26Fは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に貼り付けられた、広がった端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27】
図27は、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、広がった端部分からより狭いくびれ部分まで延在する凹状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27A】
図27Aは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27B】
図27Bは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、円筒形状の外側フレーム部分および半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する、別の例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27C】
図27Cは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、細長い円筒形部分の一方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27D】
図27Dは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に取り付けられた、細長い円筒形部分の両方の端から延在する半径方向に外向きに延在する可撓性フランジ部分を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27E】
図27Eは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、凸状の端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図27F】
図27Fは、放射線不透過性マーカーがフレームの第一の端に固定された材料に貼り付けられた、広がった端部分を有する砂時計形状の輪郭を有する、例示的なドッキングステーションフレームの側面図である。
【
図28A】
図28Aは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションを有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図28B】
図28Bは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションを有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図28C】
図28Cは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションおよび肺動脈内に展開された経カテーテル心臓弁を有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【
図28D】
図28Dは、肺動脈内に展開されたドッキングステーションおよび肺動脈内に展開された経カテーテル心臓弁を有する、収縮期におけるヒトの心臓の切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下の説明は、本発明の特定の実施形態を図示する添付図面を参照する。異なる構造および動作を有する他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱しない。本開示の例示的な実施形態は、経カテーテル心臓弁(「THV」)用のドッキングステーションまたは着地ゾーンを提供するための装置および方法を対象とする。一部の例示的な実施形態では、THV用のドッキングステーションは、肺動脈内で使用されるものとして図示されているが、ドッキングステーションは、上大静脈または下大静脈などの解剖学的構造、心臓、または血管系の他の領域で使用することができる。さらに、本明細書の技術および方法は、生きた動物上で実施され得る、あるいは、死体、死体の心臓、シミュレータ(例えば、身体の一部、心臓、組織等がシミュレートされる)等のように、シミュレーション上で実施され得る。本明細書に記載されるドッキングステーションは、THVが配置される空間(例えば、解剖学的構造/血管系構造/その他)よりも小さい、展開されたTHVを補償するように構成され得る。
【0073】
送達および移植のためのドッキングステーションおよびシステムの様々な実施形態が本明細書に開示され、特に除外されない限り、これらの選択肢の任意の組み合わせがなされ得ることに留意されたい。例えば、特定の組み合わせが明示的に説明されていない場合でも、開示されるドッキングステーション装置のいずれも、任意のタイプの弁および/または任意の送達システムと共に使用されてもよい。同様に、明示的に開示されていない場合でも、ドッキングステーションおよび弁の異なる構造は、例えば任意のドッキングステーションのタイプ/特徴、弁のタイプ/特徴、組織カバーなどを組み合わせることによって、混合およびマッチされてもよい。要約すると、開示されたシステムの個々の構成要素は、相互に排他的かまたは別様で物理的に不可能でない限り、組み合わされ得る。
【0074】
均一性のため、これらの図および本出願の他の図では、ドッキングステーションは、肺分岐端が上になる一方で、心室端が下になるように、図示されている。これらの方向はまた、上または肺分岐端の同義語として「遠位」、および下または心室端の同義語として「近位」と呼称されてもよく、これは医師の視点に対して相対的な用語である。
【0075】
図1Aおよび
図1Bは、それぞれ、拡張期および収縮期のヒトの心臓Hの切り欠き図である。右心室RVおよび左心室LVは、それぞれ三尖弁TVおよび僧帽弁MV、すなわち房室弁によって、右心房RAおよび左心房LAから分離されている。さらに、大動脈弁AVは、左心室LVを上行大動脈(未識別)から分離し、肺動脈弁PVは、右心室を肺動脈PAから分離する。肺動脈弁PVは、肺動脈PAの入口または開始部212に配置される。これらの弁の各々は、流れの中で一緒になるかまたは「接合(coapt)」して、一方向の流体閉塞表面を形成する、個々の弁口にわたって内向きに延在する可撓性弁尖を有する。本出願のドッキングステーションおよび弁は、主に肺動脈弁に関して記載する。したがって、右心房RAおよび右心室RVの解剖学的構造がより詳細に説明される。本明細書に記載される装置は、例えば、逆流または別の形で欠陥のある三尖弁の治療用に下大静脈IVCおよび/または上大静脈SVCにおいて、欠陥のある大動脈弁AVの治療として大動脈(例えば、拡張した大動脈)において、心臓または血管系の他の領域において、移植片においてなど、他の領域においても使用されうることが理解されるべきである。
【0076】
右心房RAは、上大静脈SVCおよび下大静脈IVCを通して(前者は上から右心房に入り、後者は下から入る)、静脈系から脱酸素化された血液を受け取る。冠静脈洞CSは、結合された静脈の集まりであり、心臓筋(心筋)から脱酸素化された血液を収集し、それを右心房RAに送達する大きな血管を形成する。
図1Aに示すように、拡張期または拡張期の間、右心房RAで収集される静脈血は、右心室RVの拡張によって三尖弁TVに入る。
図1Bに示すように、収縮期または収縮期には、右心室RVが収縮して、肺動脈弁PVおよび肺動脈PAを通して静脈血を肺に送る。1つの例示的な実施形態では、本出願によって記載されるデバイスは、欠陥のある肺動脈弁PVの機能を置換または補完するために使用される。収縮期には、三尖弁TVの弁尖が閉じ、静脈血が右心房RAに逆流して戻るのを防ぐ。
【0077】
図2A~2Bおよび3A~3Bを参照すると、示される非網羅的な実施例は、肺動脈が多種多様な異なる形状およびサイズを有し得ることを示す。例えば、
図2Aおよび2Bの断面図ならびに
図3Aおよび3Bの斜視図に示されるように、長さ、直径、および曲率または輪郭は、異なる患者の肺動脈間で大きく変化し得る。さらに、直径は、個々の肺動脈の長さに沿って著しく変化し得る。これらの差は、特定の状態を患う、および/または以前の手術によって損なわれた肺動脈において、さらにより有意であり得る。例えば、ファロー四徴症(TOF)または大血管転位(TGA)の治療の結果、より大きくより不規則な形状の肺動脈がもたらされることが多い。
【0078】
ファロー四徴症(TOF)は、一般的に一緒に発生する4つの関連する心臓欠損の組み合わせを指す心臓異常である。四つの欠陥は、心室中隔欠損(VSD)、騎乗大動脈(大動脈弁が拡大し、正常な心臓では左心室に見られる代わりに左心室と右心室の両方から生じるように見える)、肺動脈狭窄(肺動脈弁および弁の下の流出路または領域の狭小化により、右心室から肺動脈への血流の閉塞を作り出す)、および右心室肥大(右心室が高圧で血液を送り出しているために発生する右心室の筋壁の肥厚化)である。
【0079】
大血管転位(TGA)とは、大動脈が右心室から、肺動脈が左心室から生じるように、大動脈および肺動脈がそれらの正常な位置から「転置」される異常を指す。
【0080】
一部の状態に対する外科的治療は、肺動脈に沿って、肺動脈枝のうちの一つまで、および肺動脈枝のうちの一つに沿って、長手方向の切開を伴う。この切開は、肺動脈弁の機能を排除する、または著しく損なう可能性がある。手術後の切開を覆うために、弁輪を越える流出路パッチ(trans-annular patch)が使用される。弁輪を越える流出路パッチ(trans-annular patch)は、他の外科手術に関連する肺動脈PAの狭窄状態または拘束状態を低減する。しかしながら、肺動脈弁PVの障害または除去は、著しい逆流を生じさせ得、本発明の前には、肺動脈弁を置換するために後期心臓切開手術を必要とすることが多い。弁輪を越える流出路パッチ(trans-annular patch)法は、サイズおよび形状の変動が幅広い肺動脈をもたらし得る(例えば、
図3Aおよび3Bを参照)。
【0081】
図4A~4Dを参照すると、一つの例示的な実施形態では、拡張可能なドッキングステーション10は、一つ以上の封止部分410、弁座18、および一つ以上の保持部分414を含む。封止部分410は、ドッキングステーション10と循環系の内部表面416との間を封止する。弁座18は、ドッキングステーション10が循環系に移植された後、ドッキングステーション10に弁29を移植または展開するための支持面を提供する。保持部分414は、ドッキングステーション10および弁29を循環系内の移植位置または展開部位に保持するのに役立つ。本明細書の様々な実施形態に記載される拡張可能なドッキングステーション10および弁29はまた、既知でありまたは開発され得る様々なドッキングステーションおよび/または弁の代表であり、例えば、様々な異なるタイプの弁が、様々なドッキングステーションにおいて弁29と置換され、および/または弁29として使用されることがある。
【0082】
図4A~4Dは、循環系内でのドッキングステーション10および弁29の例示的な展開を概略的に示す。
図4Aを参照すると、ドッキングステーション10は、圧縮された形態/構成であり、循環系内の展開部位に導入される。例えば、ドッキングステーション10は、カテーテル(例えば、共同所有されている米国特許出願公開第2019/0000615号および米国特許第10,363,130号に記載されるカテーテルのうちの一つ以上、その両方の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって、肺動脈内の展開部位に位置付けられ得る。
図4Bを参照すると、ドッキングステーション10は、封止部分410および保持部分414が循環系の一部分の内側表面416と係合するように、循環系内で拡張される。
図4Cを参照すると、ドッキングステーション10が展開された後、弁29は圧縮された形態であり、ドッキングステーションの弁座18内に導入される。
図4Dを参照すると、弁29は、弁が弁座18と係合するように、ドッキングステーション10内で拡張される。本明細書に描写する実施例では、ドッキングステーション10は、弁29よりも長い。しかしながら、他の実施形態では、ドッキングステーション10は、弁29の長さと同じ長さまたはそれより短いとすることができる。同様に、弁座18は、弁29の長さよりも長く、短く、または同じ長さであるとすることができる。
【0083】
図4Dを参照すると、弁29は、ドッキングステーションの弁座18が弁を支持するように拡張している。ドッキングステーション10は、弁29が、それが設計された拡張直径範囲内で動作することを可能にする。
【0084】
例示的な実施形態では、ドッキングステーション10は、内側表面416の形状に適合するように、その長さに沿って変化する度合いで半径方向に外向きに拡張するように構成される。一つの例示的な実施形態では、ドッキングステーション10は、血管の形状または心臓の解剖学的構造がドッキングステーションの長さに沿って著しく変化するとしても、封止部分410および/または保持部分が内側表面416と係合するように構成される。ドッキングステーションは、解剖学的構造における大きな変形に対応するために、非常に弾性のまたは適合性の高い材料から作製することができる。例えば、ドッキングステーション10は、柔軟性の高い金属、金属合金、またはポリマーから作製することができる。使用され得る金属および金属合金の例には、ニチノール、エルジロイ、ならびにステンレス鋼が含まれるがこれに限定されず、しかし、他の金属および非常に弾性または適合性の高い非金属材料を使用できる。例えば、ドッキングステーション10は、これらの材料、例えば、ニチノールなどの形状記憶材料から作製されたフレームまたはフレームの一部分(例えば、自己拡張フレーム、保持部分、封止部分、弁座など)を有することができる。これらの材料は、フレームが小さなサイズに圧縮されることを可能にし、その後、圧縮力が解放されるとき、フレームは、その圧縮前の直径まで自己拡張して戻る。本明細書に記載のドッキングステーションは、膨張可能な装置により自己拡張および/または拡張可能であって、ドッキングステーションに、可変形状を有する内側表面416と係合させることができる。
【0085】
図5Aを参照すると、ドッキングステーション、例えば、
図4A~4Dに関して記載されるドッキングステーションは、心臓Hの肺動脈PAに展開される。
図5Bは、
図5Aに示すドッキングステーション10で展開される弁29を示す。
図6Aおよび6Bでは、心臓は収縮期にある。
図6Aは、肺動脈PAにおけるドッキングステーション10および弁29の拡大概略図である。心臓が収縮期にある時、弁29は開く。血液は、矢印602によって示されるように、右心室RVから肺動脈PA、ドッキングステーション10、および弁29を通って流れる。
図6Bは、心臓が収縮期にあるときに弁29が開いていることを表す血液で充填された空間608を図示する。
図6Bは、図面を単純化するために、ドッキングステーション10と肺動脈との間の界面を示していない。
図6Bは、開いた弁を通る血流を図示する。例示的な実施形態では、血液は、封止部分410によって肺動脈PAとドッキングステーション10との間で流れを妨げられ、血液は、封着部分に対して、ドッキングステーション10の弁座18内に弁29を着座させることによって、ドッキングステーション10と弁29との間で流れを妨げられる。この実施例では、血液は、心臓が収縮期にある時に、実質的に弁29を通ってのみ流れるか、または弁29を通ってのみ流れることができる。
【0086】
図7は、心臓が拡張期にある時の、
図5Bによって図示された弁29、ドッキングステーション10、および心臓Hを示す。
図8Aおよび8Bを参照すると、心臓が拡張期にある時、弁29は閉じる。
図8Aは、
図7の肺動脈におけるドッキングステーション10および弁29の拡大概略図である。弁29の上方の肺動脈PAにおける血流(すなわち、肺動脈枝760における血流)は、矢印900によって示されるように、弁29が閉じられ、血流を遮断されることによって遮断される。
図8Bのベタ領域912は、心臓が拡張期にある時の、閉じた弁29を表す。
【0087】
一つの例示的な実施形態では、ドッキングステーション10は、弁29の半径方向に外向きの力が循環系の内側表面416に伝達されるのを妨げる、または実質的に妨げる、隔離体として機能する。一つの実施形態では、ドッキングステーション10は、(THVまたは弁29の半径方向に外向きの力によって半径方向に外向きに拡張しないか、または半径方向に外向きに実質的に拡張しない(例えば、弁座の直径が、THVの力によって増加されないか、または約4mm未満だけ増加する))弁座18と、循環系の内側表面416上に比較的小さな半径方向外向きの力720、722(弁29によって弁座18にかけられる半径方向に外向きの力と比較して)のみを付与する、固定/保持部分414および封止部分410と、を含む。
【0088】
ドッキングステーションが使用されない場合、THVのステントおよびフレームは、循環系の内側表面416上に直接作用するTHVのステントまたはフレーム712の比較的高い半径方向に外向きの力710によって、循環系内の定位置に保持される。
図6Aに示す実施例のように、ドッキングステーションが使用される場合、弁29のステントまたはフレーム712は、半径方向に外向きに拡張するか、または半径方向に外向きに拡張して、ドッキングステーション10の弁座18上に強い力710を付与する。この高い半径方向に外向きの力710は、弁29をドッキングステーション10の弁座18に固定する。しかしながら、弁座18は力710によって拡張されないか、または実質的に拡張されないため、力710は、ドッキングステーションを循環系内に固定するために使用されるのではなく、循環系から分離される。
【0089】
例示的な実施形態では、封止部分410の内側表面416への半径方向に外向きの力722は、弁29によって弁座18に加えられる半径方向に外向きの力710よりも実質的に小さい。例えば、半径方向に外向きの封止力722は、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/2未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/3未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/4未満、1/8未満、または弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/10未満でさえあり得る。一つの例示的な実施形態では、封止部分410の半径方向に外向きの力722は、内側表面416と封止部分410との間にシールを提供するように選択されるが、それ自体では弁29およびドッキングステーション10の位置を循環系内に保持するのに十分ではない。
【0090】
例示的な実施形態では、固定/保持部分414の内側表面416への半径方向に外向きの力720は、弁29によって弁座18に加えられる半径方向に外向きの力710よりも実質的に小さい。例えば、半径方向に外向きの封止力720は、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/2未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/3未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/4未満、1/8未満、または弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/10未満でさえあり得る。
【0091】
一つの例示的な実施形態では、保持部分414の半径方向に外向きの力720は、それ自体では弁29およびドッキングステーション10の位置を循環系内に保持するのに十分ではない。むしろ、血液608の圧力は、保持部分414の内側表面416への保持を強化するために使用される。再び
図6Aを参照すると、心臓が収縮期にある時、弁29は開いており、矢印602で示す通り、弁を通して血液が流れる。弁29は開いており、かつ弁29を通して血液が流れるため、血液によってドッキングステーション10および弁29に加えられる圧力Pは、
図6Aの小さな矢印Pに示すように低い。小さいにもかかわらず、圧力Pは、ドッキングステーションおよびその上部保持部分414を、概して矢印Fによって示される方向に表面416に対して強制する。保持部分414によって表面416に加えられるこの半径方向に外向きに向けられた血流によって支援される力Fは、ドッキングステーション10および弁29が心臓Hの収縮期における血流の方向602に移動するのを妨げる。
【0092】
図8Aを参照すると、心臓が拡張期にある時、弁29は閉じ、矢印900で示すように血流が遮断される。弁29は閉じており、弁29とドッキングステーション10は血流を遮断するため、血液によってドッキングステーション10および弁29に加えられる圧力Pは、
図8Aの大きな矢印Pに示すように高い。この大きな圧力Pは、下部保持部分414を、概して大きな矢印Fによって示される方向に表面416に対して強制する。保持部分414によって表面416に加えられるこの半径方向に外向きに向けられた血流によって支援される力Fは、ドッキングステーション10および弁29が矢印900で示す方向に移動するのを防止する。
【0093】
上部保持部分および下部保持部分414によって加えられる力は、血液によって弁29およびドッキングステーション10に加えられる圧力の量によって決定されるため、表面416に加えられる力は自動的に比例する。すなわち、上部保持部分は、心臓が収縮期にある時には表面416に対してあまり強制的に押されないが、下部保持部分は、心臓が拡張期にある時に表面416に対して押される。これは、収縮期における開いた弁29およびドッキングステーション10に対する圧力が、拡張期における閉じた弁およびドッキングステーションに対する圧力よりも小さいためである。
【0094】
弁座18、封止部分410、および保持部分414は、多種多様な異なる形態を取ることができる。例えば、弁座18は、THVの半径方向に外向きの力によって半径方向に外向きに拡張されない、または実質的に半径方向に外向きに拡張されない(例えば、弁が弁座内に展開された時に1~4mm大きく拡張する)任意の構造であってもよく、例えば、ドッキングステーション10の狭いくびれ部分に固定された、またはドッキングステーション10のより狭いくびれ部分と一体型のバンド(例えば、縫合糸、剛直なリング)によって拡張が制限されてもよい。こうした一実施例では、拡張されたフレーム1500は、約29mmの直径まで拡張して、約29mmの展開されて拡張した直径を有する弁29を収容する、約27mm(例えば、約27.1mm)の直径を有する弁座を画定し得る。
【0095】
封止部分410は、例えば、ドッキングステーション10のより広い部分(すなわち、より狭いくびれ部分に対して)によって画定されてもよく、例えば、ドッキングステーションに取り付けられた、またはドッキングステーションと一体型の布、発泡体、または生体適合性組織などの封止材料が提供される。
【0096】
保持部分414は、例えば、循環系の内側表面416とのアンカー係合のために角度付けられたドッキングステーションフレームの広がった端部によって画定され得る。
【0097】
その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、共同所有される米国特許第10,363,130号(「’130号特許」)は、金属支柱部分の格子を形成する拡張可能フレームを含むいくつかの例示的なドッキングステーションを説明するとともに示す。
図20は、弁座18aを画定する狭いくびれ部分16aを提供するために、バンド20aによって狭窄された中央部分を有する支柱部分1502aの格子によって形成される概して砂時計形状のフレーム1500aと、組織と係合する封止部分410aを画定するために取り付けられた不透過性材料21aを有する凸状の輪郭を持つ内側部分17aと、外向きに広がった端部分13aと、を含み、外向きに広がった保持部分414aを画定する最も端のセル1504aの尖部1510aが、循環系の内側表面に対して固定するように角度付けられた、‘130号特許からのこうした例示的なドッキングステーション10aの一つを例示する。
【0098】
本開示の一態様によると、中央くびれ部分、内側封止部分、および外側保持部分を画定するドッキングステーションフレームは、実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭で形成されてもよく、外端で中央くびれ部分から最大フレーム直径への実質的に滑らかな移行を提供する。本明細書で使用される場合、「実質的に連続的な湾曲した」輪郭は、(a)近位端と遠位端との間に、かつくびれ部分にわたって連続的な曲率半径を有する輪郭、および(b)近位端と遠位端の各々から中央くびれ部分に向かって増大する曲率半径を有する輪郭を含み、より平坦なくびれ部分およびより鋭角の端部分を提供し得る。一部の実施形態では、曲率半径は、近位端および遠位端の各々から、実質的に円筒状(すなわち、無限または無限に近づく曲率半径を有する)の中央くびれ部分に向かって徐々に、または直接のいずれかで移行し得る。
【0099】
一部の用途では、これらのタイプの実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭は、輪郭の輪郭角度の個別または局所的な変化を最小化することによって、例えば、ドッキングステーションフレームの支柱部分の破壊抵抗を改善するために、フレーム上の局所的な応力集中を低減し得る。こうした一実施形態では、実質的に連続的な外向きの湾曲したまたは凹状の長手方向の輪郭の大きい半径は、例えば、係合した組織の穿孔または貫通を制限または防止するために、より長いくびれ領域(およびより長い結果として生じる弁座)、および/またはフレームの尖部での角度の低減を提供し得る。
【0100】
図9A~9Dは、フレーム1500またはドッキングステーション10の本体の例示的な実施形態を図示する。フレーム1500または本体は、多種多様な異なる形態を取り、
図9A~9Dは、多くの可能な構成のうちの一つのみを示す。
図9A~
図9Dおよび
図10に示す実施例では、ドッキングステーション10は、比較的より広い近位流入端12および遠位流出端14、ならびに近位(例えば、流入)端12と遠位(例えば、流出)端14との間に弁座18を形成する比較的より狭い部分16を有する。
図9A~9Dに示す実施例では、ドッキングステーション10のフレーム1500は、好ましくは、囲まれた空間を形成し、セル1504を画定する金属支柱部分1501、1502の格子から成る幅広いステントである。
図9A~9Dの実施例では、フレーム1500は、その周囲の周りに概して凹状の長手方向の輪郭を有し、これは、近位端12と遠位端14との間に不透過性材料によって覆われた時に弁座18を形成する、(外端と比較して)比較的より狭い円筒形または浅い凹状の中央部分16を画定する。以下に記載されるように、使用時に、弁29は、弁座18を形成するより狭い中央部分16と整列し、かつ拡張する。
【0101】
図9A~9Dは、その制約のない拡張された状態にあるフレーム1500を示す。この例示的な実施形態では、保持部分414は、近位端(例えば、流入)12および遠位(例えば、流出)端14における金属支柱部分1502の端部または尖部1510(接合部1503、1505によって形成され、以下に記載される)を含む。封止部分410は、保持部分414とより狭い中央部分16との間に内側に配置される。制約のない状態では、保持部分414は、概して半径方向および軸方向に外向きに(例えば、中心軸に対して約20°~約60°、または約30°~約45°、または約45°の角度で)延在し、封止部分410の半径方向に外向きに延在する。
【0102】
ドッキングステーションは、解剖学的構造における大きな変形に対応するために、非常に弾性のまたは適合性の高い材料から作製することができる。例えば、ドッキングステーションは、非常に可撓性の金属、金属合金、ポリマー、またはオープンセルフォームから作製することができる。高弾性金属の例としては、ニチノールがあるが、他の金属および高弾性または適合する非金属材料が使用され得る。ドッキングステーションフレーム1500は、自己拡張、手動で拡張可能(例えば、バルーンを介して拡張可能)、または機械的に拡張可能であり得る。自己拡張ドッキングステーションフレーム1500は、例えば、ニチノールなどの形状記憶材料から作製され得る。例示的な実施形態では、制約のない保持部分414は、約41mmの外径まで延在し、約27mm~約38mmの直径を有する循環系の血管と係合し、かつ保持されるのに十分に可撓性である。
【0103】
図示した実施形態では、ドッキングステーションフレーム1500は、実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭で形成され、中央くびれ部分16から外端12、14における最大フレーム直径への実質的に滑らかな移行を提供する。一部の用途では、このタイプの実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭は、輪郭の角度の個別または局所的な変化を最小化することによって、例えば、ドッキングステーションフレームの支柱部分1501、1502の破壊抵抗を改善するために、フレーム1500上の局所的な応力集中を低減し得る。こうした一実施形態では、外向きの湾曲したまたは凹状の長手方向の輪郭は、より長い中央くびれ部分16、およびより長い結果として生じる弁座18を提供し得る。例えば、円筒状または浅い凹状中央くびれ部分16は、約29mmの展開された弁直径で、少なくとも約8mm、または約9mm~約10mmの有効な弁座の長さを提供し得る。結果として生じる長手方向の輪郭の大きな外向きの湾曲したまたは凹状の長さは、追加的または代替的に、例えば、保持部分414による係合組織の穿孔または貫通を制限または防止するために、フレーム1500の尖部1510で低減された角度を提供し得る。例えば、フレーム1500の尖部1510は、拡張された制約のない状態にある時、フレームの長手方向軸に対して約20°~約60°、または約30°~約45°、または約45°の角度αで延在してもよい。例示的な実施形態では、狭いくびれ部分16は、約3mm~約6mm、または約4mm~約5mm、または約4mmの円筒形の長さを有し、これは外端12、14で約14mm~約20mm、または約19mmの曲率半径に(徐々に、または直接のいずれかで)移行する。
【0104】
ドッキングステーション10のフレーム1500は、様々なサイズ、形状、直径、および形状の肺動脈に適合するようにサイズ設定、形状設定、および/またはその他の方法で構成することができる。ドッキングステーション10のフレーム1500は、任意の数の支柱部分1502、任意の数のセル1504、または任意の数の尖部1510を有してもよく、または支柱部分1501、1502、またはセル1504は、様々なサイズ、形状、および形状の肺動脈に適合する任意の形状を有してもよい。支柱部分1501、1502は、弁29を肺動脈PA内に保持するための任意のサイズ、形状、厚さ、または構成を有し得る。さらに、フレーム1500の近位端12は、フレーム1500の遠位端14とは異なるサイズ、形状、および/または構成を有し得る。
【0105】
図9Aに示すように、フレーム1500は、フレームの近位端12から遠位端14まで延在する高さH、および弁座18の直径である座径SDを有し得る。フレーム1500はまた、ドッキングステーション10が肺動脈とシールする近位端12と弁座18との間の点における封止部分410の幅である封止幅SWを有することができる。
【0106】
ドッキングステーション10のフレーム1500は、異なる数のセル1504の列を有し得る。列の数および構成は、肺動脈PA内でドッキングステーション10のより良好な固定、適合、または密着を提供するように決定され得る。例えば、ドッキングステーション10は、より長い肺動脈PA、またはより半径方向の力が有益である場合に、より多くの列のセル1504を含み得る。
【0107】
ドッキングステーション10のフレーム1500は、幅広い肺動脈PA用に構成され得る。例えば、ドッキングステーション10のフレーム1500は、短く幅広い肺動脈PA用に構成され得る。こうした一実施例では、フレーム1500は、32mm~45mm、例えば約35mm~約40mm、例えば約38mmの高さHを有し得る。例示的なフレーム1500は、23mm~32mm、例えば約26mm~29mm、例えば約27mmの座径SDを有し得る。例示的なフレームは、約41mmなど、39mm~50mmの端部直径を有することができる。フレーム1500は、36mm~46mm、例えば約38mm~44mm、例えば約41mmの封止幅SWを有し得る。
【0108】
ドッキングステーション10のフレーム1500はまた、より長いおよび/またはより幅広い肺動脈に適合するように構成され得る。例えば、ドッキングステーション10のフレーム1500は、より長くかつより幅広くてもよい。こうした一実施例では、ドッキングステーション10のフレーム1500は、43mm~53mm、例えば約45mm~約51mm、例えば約48mmの高さHを有することができる。フレーム1500は、24mm~31mm、例えば約26mm~約29mm、例えば約27mmの座径SDを有し得る。フレーム1500は、44mm~54mm、例えば約46mm~約52mm、例えば約48mmまたは約50mmの封止幅SWを有し得る。
【0109】
フレーム1500は、ヘリンボーン形状のセル1504を有するものとして説明されているが、フレームはまた、フレーム1500がヘリンボーン形状のセル1504を有さないか、またはすべてのセル1504がヘリンボーン形状ではないように、代替的な構成または幾何学的形状を有し得る。
【0110】
図10は、以下でより詳細に説明するように、不透過性材料21がフレーム1500に取り付けられて弁座18を形成するフレーム1500と、ドッキングステーション10の封止部分410と、を含む、ドッキングステーション10を示す。一部の実施形態では、フレーム1500は、くびれ部分内の制限的バンドなしで、代わりに、長手方向のフレームの輪郭の内側半径方向部分の固有の剛性および可撓性の限界に依存して提供されてもよい。他の実施形態では、フレームには、上記の組み込まれた‘130号特許に開示され、また本明細書の
図20に示されるように、狭いくびれ部分16を硬直させ収縮するように構成されたバンドが提供されてもよい。こうした一実施形態では、不透過性材料21をフレーム1500のくびれ部分16に取り付けるために使用される縫合糸は、追加的に、くびれ硬直/補強バンドとして機能し得る。
【0111】
本開示の別の例示的な態様によれば、フレーム支柱1501、1502は、円周方向幅および/または半径方向の厚さを変化させて、保持部分414と内部表面ISとの間の、および弁座18と弁との間の望ましい係合のために、柔軟性の増大もしくは低減、および/または半径方向の力の増大もしくは低減をするように構成されてもよい。こうした一つの実施形態では、
図21および
図21A~
図21Fに示すように、拡張可能フレーム1500の支柱1501、1502は、第一の断面積を有する遠位の第一の端部分1501-1、1502-1(遠位または第一の端セル1504-1を画定する)、第二の断面積を有する第二の端または近位部分1501-2、1502-2(近位または第二の端セル1504-2を画定する)、および第三の断面積を有する中央部分1501-3、1502-3(中央セル1504-3を画定する)を有してもよい。図示の例では、中央支柱部分1501-3、1502-3の第三の断面積は、(実質的に同じであってもよいが、そうである必要はない)第一および第二の端の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2の第一および第二の断面積よりも大きい。中央支柱部分1501-3、1502-3のより大きな断面積は、フレーム1500の中央部分で、柔軟性の低減(例えば、弁座のくびれ部分を展開部位から分離するように)、および半径方向の力の増大(例えば、着座された弁を確実に保持するように)を提供してもよく、一方で、第一および第二の端の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2のより小さな断面積は、近位端部分および遠位端部分で、柔軟性の増大(例えば、展開部位で内部表面の輪郭に適合するように)、および低減されるが十分な半径方向の力(例えば、保持部分414による組織損傷を最小化または防止するために)を提供してもよく、例えば、展開部位でフレーム1500を十分に固定するために、少なくとも約25ニュートンの慢性的な外向きの力(COF)を維持すると同時に、展開部位での組織の輪郭に従うための柔軟性を維持する。
【0112】
示されるように、中央支柱部分1501-3、1502-3は、遠位および/または近位の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2の厚さt1-1、t2-1および/またはt1-2、t2-2よりも大きい半径方向の厚さt1-3、t2-3、および/または遠位および/または近位の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2の幅w1-1、w2-1、および/またはw1-2、w2-2よりも大きい円周幅w1-3、w2-3を有し得る。例えば、円周幅w1-3、w2-3は、幅w1-1、w2-1および/またはw1-2、w2-2の110%~300%、例えば幅w1-1、w2-1および/またはw1-2、w2-2の110%~130%、例えば幅w1-1、w2-1および/またはw1-2、w2-2の約115%~約120%であり得る。例示的な実施形態では、中央支柱部分1501-3、1502-3は、約0.29mmの円周幅w1-3、w2-3を有してもよく、遠位および/または近位の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2は、約0.24mmの円周幅w1-1、w2-1、および/またはw1-2、w2-2を有してもよい。別の実施例として、中央支柱部分1501-3、1502-3は、約0.39mmの円周幅w1-3、w2-3を有してもよく、遠位および/または近位の支柱部分1501-1、1502-1、1501-2、1502-2は、約0.34mmの円周幅w1-1、w2-1、および/またはw1-2、w2-2を有してもよい。同様に、半径方向の厚さt3-1、t3-2は、厚さt1-1、t2-1および/またはt1-2、t2-2の110%~300%、例えば厚さt1-1、t2-1および/またはt1-2、t2-2の110%~130%、例えば厚さt1-1、t2-1および/またはt1-2、t2-2の115%~120%とすることができる。他の実施形態では、支柱部分の円周幅は、上述のように、例えば、均一な壁厚を有する管からのフレーム格子の形成を容易にするために、支柱部分の半径方向の厚さが実質的に一定である状態で変化し得る。
【0113】
拡張不可能または実質的に拡張不可能な弁座は、弁の半径方向に外向きの力が循環系の内側表面に伝達されるのを妨げてもよい。しかしながら、別の例示的な実施形態では、展開されたドッキングステーションのくびれ/弁座は、弁がそれに対して展開された時に、任意選択で弾性的にわずかに拡張することができる。くびれ/弁座のこの任意選択的な弾性的拡張は、弁に圧力をかけて、弁をドッキングステーション内に定位置に保持するのを助けることができる。
【0114】
ドッキングステーションフレームの支柱部分は、例えば、
図20の実施形態および上記の組み込まれた‘130号特許に開示される実施形態の実質的にダイヤモンド形状のセル構成など、様々な格子パターンおよびセル形状を形成するように構成され得る。
図9A~
図9Dおよび
図10に示すように、ドッキングステーションフレーム1500は、近位接合部1503および遠位接合部1505を画定する平行ジグザグパターンで配設された、起伏のある円周支柱部分または横木1502の軸方向に離間した列、および近位接合部1503に沿って長手方向に延在して、実質的にへリンボーン形状のセル1504の列を画定する長手方向支柱部分またはスプライン1501を含む、格子フレーム配設を有する。近位接合部1503および遠位接合部1505は、ヒンジとして機能して、フレーム1500を半径方向に外向きに付勢して、周囲の組織と係合するように構成され得る。起伏のある円周支柱部分1502の遠位接合部1505は、長手方向支柱部分1501から取り付けられていないか、または「自由」であり、これらの遠位接合部の外向きの屈曲を可能にして、移植時に(例えば、遠位保持部分414および封止部分410で)血管系組織係合を容易にし、それによって、以下でより詳細に論じるように、移植されたフレーム1500の前方遠位移動に抵抗する。近位接合部1503への垂直支柱への取り付けは、例えば、約7mm未満または約5.4mm未満の直径まで、完全に捲縮した直径で、制限された半径方向の抵抗力(例えば、60N未満)で、フレーム1500の捲縮または圧縮されたサイズ(例えば、カテーテル内への回収のため)への引き込みを容易にするために、近位接合部でのセルの外向きの屈曲を制限する。各端部の保持部分414は、実質的に同じ最大直径(例えば、約42mm~約45mm、または約44mm)を有してもよい。他の実施形態では、遠位接合部1505の取り付けられていない状態に起因して、フレーム1500の遠位または流出端14は、拡張された制約のない状態でわずかに大きい直径を有してもよい。
【0115】
フレーム1500は、セル1504の任意の適切な数の列(例えば、少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ)、および列当たりの任意の適切な数のセル(例えば、少なくとも10つ、または少なくとも12つ)を含み得る。図示した実施例では、フレーム1500は、セル1504の4列を画定する5つの起伏のある円周支柱部分1502と、列当たり12個のセル1504を画定する12個の長手方向支柱部分1501と、を含む。ヘリンボーン形状のセル配設を使用することによって、例えば、フレーム1500の強度を増加させるため、高い装置保持、粉砕抵抗、および/または低い半径方向に外向きの力(例えば、組織損傷を最小化しながら装置の完全性を維持するために)を提供するため、フレームの長さにわたってより多くの数の円周支柱部分1502(および結果として生じるセルの列)が提供され得る(例えば、ダイヤモンド形状のセル配置と比較して)。追加的に、または代替的に、フレーム1500は、十分なフレーム強度を提供しつつ、より短い長さ(例えば、肺動脈内への移植のためにサイズ設定されたドッキングステーションの場合、約35~40mmの長さ)で提供されてもよい。より多くの長手方向支柱部分1501(および結果として生じる列当たりセル)は、例えば、フレーム1500の形状を循環系内の展開部位の形状に適合させる可撓性の向上を提供し得る。
【0116】
弁29は、バルーンもしくは機械的拡張によって、または自己拡張によってなどの従来の手段を介して、ドッキングステーションの部位に送達され得る。弁29が拡張されると、弁29はドッキングステーション10の弁座内に嵌め込まれる。一実施形態では、くびれ部分16はわずかに弾性であり、弁を定位置に保持するのを助けるために、弁29に対して弾性力を及ぼす。
【0117】
図11Aおよび11Bは、ドッキングステーション10を使用して、一貫したサイズを有する弁29の移植のために、様々な異なるサイズの循環系の解剖学的構造を適合させることができることを示す。
図11Aおよび11Bの実施例では、同じサイズのドッキングステーション10は、2つの異なるサイズの肺動脈PAなどの2つの異なるサイズの血管2300、2302内に展開される。実施例では、血管2300は、
図11Aは、
図11Bに示す血管2302よりも大きな有効直径を有する。(本特許出願では、循環系の解剖学的構造のサイズは、「直径」または「有効直径」という用語でも呼ばれることに留意されたい。循環系の解剖学的構造は、多くの場合、円形ではない。本明細書の「直径」および「有効直径」という用語は、円形ではない解剖学的構造内に適合するように変形され得る円形または円盤形の直径を指す。)
図11Aおよび11Bに示す実施例では、封止部分410および保持部分414は、各血管2300、2302に接触するように適合する。しかしながら、弁座18は、封止部分410および保持部分414が圧縮されているにもかかわらず、同じサイズのままである。このようにして、ドッキングステーション10は、標準または単一サイズの弁の移植のために、多種多様な異なる解剖学的サイズに適合する。例えば、ドッキングステーションは、約27mm~38mmなど、25mm~40mmの血管直径に適合し、約27mm~28mmなど、24mm~30mmの一定または実質的に一定の直径の弁座、および例えば、最大約45mmの長さを有する肺動脈を含む、幅広い血管長さを提供することができる。しかしながら、弁座18は、血管直径が25mm~40mmより大きいか、または25mm~40mmより小さい用途に適合され得、24mm~30mmより大きいまたはより小さい弁座を提供することができる。
【0118】
図11Aおよび11Bを参照すると、弁座18は、ドッキングステーションの近位端および遠位端が内側表面416と係合するために必要なそれぞれの直径に拡張するにつれても、一定または実質的に一定の直径を維持するように構成され得る。肺動脈PAの直径は、患者によって顕著に変化し得るが、展開された構成での弁座18は、弁29の許容可能な範囲内(例えば、約27mm~約29mm)の直径を一貫して有する。
【0119】
例示的な実施形態では、
図10によって図示したドッキングステーション10はまた、弁29によって弁座18に加えられる半径方向に外向きの力よりも実質的に小さい半径方向に外向きの力を加える固定/保持部分414を含む。例えば、弁移植のためにドッキングステーション10によって適合される最小血管については、半径方向に外向きの封止力720は、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/2未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/3未満、弁によって加えられる半径方向に外向きの力710の1/4未満、1/8未満、またはさらに1/10未満でさえあり得る。一つの実施形態では、保持部分414の半径方向に外向きの力720は、それ自体では弁29およびドッキングステーション10の位置を循環系内に固定/保持するのに十分ではない。一つの実施形態では、半径方向に外向きの力720は、弁29およびドッキングステーション10の位置を循環系内に保持するのに十分である。
【0120】
一つの例示的な実施形態では、ドッキングステーション10のフレーム1500は、弾性または超弾性の材料または金属から作製される。こうした金属の一つはニチノールである。ドッキングステーション10のフレーム1500が金属支柱部分の格子から作製される場合、本体はばねの特性を有することができる。ドッキングステーション10のフレーム1500がばねのように圧縮されると、ドッキングステーションによって加えられる半径方向に外向きの力が増加する。一つの例示的な実施形態では、ドッキングステーションフレーム1500の半径方向に外向きの力とドッキングステーションの拡張した直径との関係は、非線形であるが、線形であってもよい。
【0121】
図12は、肺動脈PA内に移植されたドッキングステーション10の輪郭を示し、概略的に図示した弁29が、ドッキングステーション10内に設置または展開されている。
図2Aおよび2Bおよび
図3Aおよび3Bに関して言及したように、肺動脈の形状は、その長さに沿って著しく変化し得る。一つの例示的な実施形態では、ドッキングステーション10は、肺動脈PAの変化する形状に適合するように構成される。ドッキングステーション10は、肺動脈分岐または分枝の下に位置付けられているものとして図示されている。しかしながら、ドッキングステーション10は多くの場合、遠位端または流出端14が肺動脈分岐210内に延在するように位置付けられる。ドッキングステーション10が肺動脈分岐内に延在することが企図される場合、ドッキングステーション10は、血液透過性部分1400を有し得る。
【0122】
図9A~9Dおよび
図10のドッキングステーションフレーム1500などの実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を有するドッキングステーションフレームを利用する実施形態では、循環系(例えば、肺動脈)内の移植部位でのドッキングステーション10の展開は、半径方向に広がった保持部分414を、血管の内側表面と係合させる。一部の用途では、拡張されたドッキングステーションフレーム1500と内側表面416との間の締まり嵌めは、ドッキングステーションフレームの端を、半径方向に内向きに屈曲させ、保持部分414に半径方向に外向きの力を加え、保持部分414と封止部分410との間の位置でドッキングステーションフレーム1500と内側表面416との間に半径方向のギャップを潜在的に作り出す。さらに、ドッキングステーションフレーム1500の実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭は、くびれ部分16と内側表面416との間に半径方向のギャップをもたらし得る。一部の用途では、例えば、肺動脈またはその他の展開部位の非円筒形状に起因して、保持部分の尖部のうちの一つ以上は、例えば、より低い血圧が保持部分414に対してより少ない圧力を提供する収縮期の間に、内側表面416に接触しなくてもよい。
【0123】
患者を治療する方法(例えば、心臓弁機能障害/逆流などを治療する方法など)または患者を治療するシミュレーションを実行するための方法は、ドッキングステーションを所望の位置/治療領域に導入および展開すること、ならびにドッキングステーション内に弁を導入および展開することに関連するステップを含む、様々なステップを含み得る。例えば、
図13Aは、展開前にドッキングステーションを保持する管を含むカテーテル3600によって展開されている、
図10によって図示されたドッキングステーションを示す。ドッキングステーション10は、多種多様な異なる方法で配置および展開することができる。アクセスは大腿静脈を通して得ることができるか、またはアクセスは経皮的であり得る。一般的に、肺動脈につながる任意の血管経路を使用することができる。一つの例示的な実施形態では、カテーテル3600に続くガイドワイヤは、大腿静脈、下大静脈、三尖弁、および右心室RVによって肺動脈PAに前進される。ドッキングステーション10は、弁(例えば、経カテーテル心臓弁)29用の人工導管および着地ゾーンを作り出すために、右心室流出路/肺動脈PA内に配置され得る。
【0124】
示されるように、フレーム1500の近位端12は、近位支柱尖部を超えて軸方向および半径方向に延在して、フレームの展開中にカテーテルによるフレーム1500の限定的な保持係合を提供し得る、延長部5000を含み得る。この特徴の態様は、上記に組み込まれた‘130号特許により詳細に記載される。
【0125】
図13Bを参照すると、
図10に示すドッキングステーションは、心臓Hの肺動脈(PA)内に展開される。
図13Cは、ドッキングステーション10内に展開された、概略的に示された弁29を図示する。例示的な実施形態では、弁29は、Edwards Lifesciences社によって提供されるSAPIEN 3 THVであってもよいが、様々な他の弁も使用され得る。
図13A~13Cでは、心臓は収縮期にある。心臓が収縮期にある時、弁(例えば、SAPIEN 3弁)は開いている。血液は、右心室RVから肺動脈PA、ドッキングステーション10、および弁29を通って流れる。例示的な実施形態では、血液は、封止部分410によって肺動脈PAとドッキングステーション10との間で流れを妨げられ、血液は、封止部分に対して、ドッキングステーション10の弁座18内に弁を着座させることによって、ドッキングステーション10と弁との間で流れを妨げられる。この実施例では、血液は、心臓が収縮期にある時に、実質的に弁を通ってのみ流れるか、または弁を通って、または弁を通過してのみ流れることができる。
【0126】
心臓が拡張期にある時、弁29は閉じる。弁29の上方の肺動脈PAにおける血流(すなわち、肺動脈枝210における)は、弁29が閉じられ、血流を遮断することによって、および封止部分410と内側表面の間、および弁座18と弁の間の流体密封シールによって遮断される。
【0127】
ドッキングステーション10で使用される弁29は、多種多様な異なる形態を取ることができる。一つの例示的な実施形態では、弁29は、心臓Hのカテーテルを介して移植されるように構成される。例えば、弁29は、拡張可能かつ折り畳み可能であってもよく、心臓内での経カテーテル用途を容易にする。しかしながら、他の実施形態では、弁29は、外科手術用途のために構成され得る。同様に、本明細書に記載のドッキングステーションは、経カテーテル用途/配置または外科手術用途/配置を使用して配置することができる。
【0128】
図14~18Cは、使用できる多くの弁または弁構成のいくつかの例を示す。任意の弁タイプを使用することができ、従来から外科的に適用されるいくつかの弁は、経カテーテル移植のために修正することができる。
図14は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,002,825号に示され記載される、経カテーテル移植のための拡張可能弁29を示す。三尖弁の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、公表された特許協力条約特許出願第WO2000/42950号に示され記載される。三尖弁の別の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,928,281号に示され記載される。三尖弁の別の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,558,418号に示され記載される。
図15~17は、Edwards社のSAPIEN Transcatheter Heart Valveなどの拡張可能な三尖弁29の例示的な実施形態を示す。
図15を参照すると、一つの例示的な実施形態では、弁29は、フレーム712の内側に圧縮された三尖弁4500(
図16を参照)を含むフレーム712を備える。
図16は、フレーム712が拡張され、弁29が開状態にあることを示す。
図17は、フレーム712が拡張され、弁29が閉状態にあることを示す。
図18A、18B、および18Cは、米国特許第6,540,782号に示され記載される拡張可能な弁29の例を示し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。弁の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,365,728号に示され記載される。弁の別の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,824,629号に示され記載される。弁の別の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,814,099号に示され記載される。これらの弁または他の弁のいずれかは、本明細書に開示される様々な実施形態で弁29として使用することができる。
【0129】
さらに他の実施形態(図示せず)では、弁は、例えば、弁座に弁尖(または任意の他の適切な弁機構)を直接的にまたは一体的に取り付けることによって、ドッキングステーションと一体的に形成されてもよい。
【0130】
封止部分410と展開部位の内側表面416の間に、および/または弁座18と弁29の間に封止係合を提供するために、布、組織、発泡体、または他のこうした不透過性材料もしくは実質的に不透過性材料21は、フレーム1500に取り付けられ得る(例えば、縫い合わせ、縫い込み、縫合、または接着される)。ここで
図19A~19Dを参照すると、布または不透過性材料21は、ドッキングステーション10が圧縮または展開された時に不透過性材料21が束ねられない、および/または裂けないように、切断、構成、またはその他の方法で成形することができる。一部のこうした実施形態では、不透過性材料21は、不透過性材料21が近位端12および/または遠位端14の近くでフレーム1500の少なくとも一部分を覆わないように、切断、構成、またはその他の方法で成形することができる。不透過性材料21は、不透過性材料21が近位端12および/または遠位端14の近くでセル1504の一つによって画定されない空間の少なくとも一部分を覆わないように、切断または成形することができる。不透過性材料21は、不透過性材料21がフレーム1500に取り付けられる前に、または不透過性材料21がフレーム1500に取り付けられ、次いで所望の形状に切断され得る前に、所望の形状に構成または切断され得る。
【0131】
近位端12および遠位端14では、フレーム1500は、支柱部分1502と、セル1504によって画定されないフレーム1500の部分内の尖部1510の間に、複数の開口部1511を含み得る。開口部1511は、概して三角形の形状であり、2つの支柱部分1502、2つの尖部1510、および接合部1503によって部分的に画定される。不透過性材料21は、不透過性材料21が近位端12および/または遠位端14で開口部1511の少なくとも一部分を覆わないように、切断または成形することができる。
【0132】
不透過性材料21は、ドッキングステーション10が圧縮または展開された時に不透過性材料21が束ねられない、または裂けないように、切断、構成、またはその他の幅広い方法で成形することができる。不透過性材料21は、不透過性材料21がセル1504の少なくとも一部分を覆うが、近位端12および/または遠位端14で開口部1511の少なくとも一部分を覆うことができないように、不透過性材料21がフレーム1500に取り付けられ得る、またはフレーム1500上に配置され得るように、切断または成形され得る。
【0133】
図19Aに示すように、不透過性材料21は、不透過性材料21が各セル1504を実質的に覆い、近位端12の各開口部1511の半分を実質的に覆い、遠位端14の各開口部1511の半分を実質的に覆うように、成形または切断することができる。しかしながら、不透過性材料21は、不透過性材料21が、各セル1504を実質的に覆い、近位端12の各開口部1511の4分の1、3分の1、3分の2、3分の4、または任意の他の好適な量を実質的に覆い、遠位端14の各開口部1511の4分の1、3分の1、3分の4、または任意の他の好適な量を実質的に覆うように、成形または切断され得る。
図11Aおよび11Bを再び参照すると、ドッキングステーション10は、異なるサイズの循環系の解剖学的構造で使用することができる。近位端および/または遠位端で開口部1511内の材料21の一部分を除去することによって、開口部内の材料21は、ドッキングステーションがより小さい循環系の解剖学的構造で使用される時に、束ねられないか、または束ねが低減される(例えば、
図11B)。
【0134】
図19Bに示すように、不透過性材料21は、各セル1504を実質的に覆い、近位端12の開口部1511の3分の4を実質的に覆い、概して遠位端14の開口部1511を実質的に覆わない。近位端での追加的な材料による覆いは、例えばドッキングステーション10の流入端での内皮化を促進し得る。
【0135】
図19Cに示すように、不透過性材料21は、各セル1504を実質的に覆い、近位端12の開口部1511を実質的に覆い、概して遠位端14の開口部1511を実質的に覆わない。
【0136】
図示した実施形態の各々では、不透過性材料21は、水平または真っ直ぐに切断される。しかしながら、不透過性材料21は、任意の適切な方向またはパターンに切断または成形することができる。例えば、不透過性材料21は、丸みのあるまたは正弦状のパターンで切断または成形することができる。さらに、不透過性材料21は、均一な様式で近位端12の開口部1511の各々を覆い、均一な様式で遠位端14の開口部1511の各々を覆うものとして説明されている。しかしながら、不透過性材料21は、各端部12、14の開口部1511が均一な様式で覆われないように、切断または成形され得る。例えば、端部12、14のいずれかの開口部1511の各々は、他の開口部1511とは異なる様式または量で覆われ得る。さらに、不透過性材料21は、以下に詳述するように、不透過性材料21が支柱部分1502上に配置または取り付けられ得るように、所望のよりも大きく切断または成形され得る。
【0137】
不透過性材料21はまた、不透過性材料21が最も遠位のセル1504および/または流出セル1508の少なくとも一部分を覆わないように、切断またはその他の方法で成形することができる。こうした実施形態では、最も遠位のセル1504または流出セル1508の一部分および開口部1511は、透過性部分1400を形成することができる。
図19Dに示すように、不透過性材料21は、不透過性材料21が最も近位のセル1504を実質的に覆い、概して近位端12の開口部1511を覆わず、最も遠位のセル1504の各々の半分を覆い、概して遠位端14の開口部1511を実質的に覆わないように、切断または成形することができる。不透過性材料21は、不透過性材料21が、最も遠位の接合部1503の位置と実質的に等しい点にわたって水平に延在するように、切断またはその他の方法で成形することができる。
【0138】
図19Dに図示する実施形態では、不透過性カバー21は、例えば、灌流を可能にするために、最も遠位のセル1504の半分を実質的に覆う。しかしながら、不透過性カバー21は、任意の量の最も遠位のセル1504を覆い得る。例えば、不透過性カバー21は、切断または成形されて、最も遠位のセル1504の4分の1、3分の1、3分の2、4分の3、または任意の他の好適な量を覆うことができる。別の例として、
図10に示すように、最も遠位のセルは完全に覆われなくてもよい。一部のこうした配設では、遠位端にカバー材料がないことは、ドッキングステーションの近位内側のみに封止部分410を提供するドッキングステーションをもたらし得る。
【0139】
図示した実施形態では、不透過性材料21は概して、近位端12の開口部1511を覆わない。しかしながら、不透過性材料21は、
図19A、19B、および19Cに描写し記載する方法などの任意の量または様式で、近位端12で開口部1511を覆うことができる。さらに、不透過性材料21は、最も遠位の接合部にわたって水平に延在するものとして図示されているが、不透過性材料21は、最も遠位のセル1504および接合部1503にわたって延在する任意の他の好適な形状を有し得る。例えば、不透過性材料21は、最も遠位のセル1504および接合部1503を横切って延在する、丸みのある、湾曲した、正弦状の、または任意の他の切断もしくは形状を有し得る。
【0140】
不透過性材料21の様々な構成は、
図9A~9Dのフレーム1500とともに使用されるものとして説明および図示されているが、不透過性材料21の様々な構成が、本明細書に記載の任意の他のドッキングステーション10に適用され得る。
【0141】
さらに他の特徴が、本開示の様々なドッキングステーションおよびドッキングステーションフレームに提供されてもよい。例えば、ドッキングステーションには、展開中または展開後にドッキングステーションまたはドッキングステーションの一部分(例えば、くびれ部分)の可視化/位置のために、ドッキングステーションに取り付けられた放射線不透過性マーカー(例えば、不透過性材料内のパウチに縫い込まれる)が提供されてもよい。例示的な放射線不透過性マーカーおよび付着の配設は、同時係属中のPCT出願第PCT/US2021/019770号に記載され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0142】
様々なドッキングステーションフレームの実施形態および展開された配設では、ドッキングステーションフレームの外側輪郭は変化してもよく、フレームと血管の間の保持部分および封止部分について係合の様々な輪郭、長さ、および程度を提供する。
図22および
図22A~22Fは、様々な例示的なドッキングステーションフレーム1500、1500a~fを図示する。
【0143】
一部の例示的な配設では、ドッキングステーションは、広がった保持/封止端部分から、血管の内側表面から半径方向に離間し得るが離間する必要はない弁座を画定する、より狭い円筒状または浅い凹状のくびれ部分まで延在する凹状の輪郭を有するドッキングステーションフレームを含み得る。
図22は、
図9A~9D、
図10、
図19A~19Dにも図示し、また上述するように、広がった保持/封止端部分414から弁座18を画定するより狭い円筒状または浅い凹状のくびれ部分16に延在する凹状の輪郭を含む、こうした例示的なドッキングステーションフレーム1500の一つを図示する。
【0144】
他の例示的な配設では、ドッキングステーションは、円筒状の保持/封止輪郭部分の半径方向に内向きに弁座を支持する半径方向に内向きに延在する脚部を有する、拡張された制約のない状態で実質的に均一な保持および封止輪郭を提供する、細長い円筒形状のドッキングステーションフレームを含み得る。
図22Aおよび22Bは、フレーム1500a、1500bの遠位端または第二の端に配置された半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分18a、18bを有する円筒形状の外側フレーム部分411a、411bを含む、例示的なドッキングステーションフレーム1500a、1500bを図示する。同様のドッキングステーションの実装形態は、共同所有のPCT出願公開第WO 2022/040120号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
他の例示的な配設では、ドッキングステーションは、半径方向に外向きに拡張する可撓性のフランジ部分が、フレームの一端または両端で保持部分および封止部分を画定する、拡張された制約のない状態で実質的に均一な弁座を画定する部分を提供する、細長い円筒形状のドッキングステーションフレームを含み得る。
図22Cおよび22Dは、細長い円筒状部分411c、411dおよび半径方向に外向きに延在する可撓性のフランジ部分413c、413d、415dをフレームの一端に(
図22C)または両端(
図22D)に有する、例示的なドッキングステーションフレーム1500c、1500dを図示する。同様のドッキングステーションの実装形態は、共同所有のPCT出願公開第WO 2022/103734号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
他の例示的な配設では、ドッキングステーションは、砂時計形状のドッキングステーションフレームを含んでもよく、凸状の輪郭付きの端部分は、血管の内側表面との接線方向の保持および封止係合を提供し、凹状の輪郭付き中央部分またはくびれ部分が、血管の内側表面から半径方向に離間した弁座を画定する。
図22Eは、凸状の端部分15eおよび凹状のくびれ部分16eを有する、例示的な砂時計形状のドッキングステーションフレーム1500eを図示する。同様のドッキングステーションの実装形態は、共同所有のPCT出願公開第WO 2022/103734号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
他の例示的な配設では、ドッキングステーションは、砂時計形状のドッキングステーションフレームを含んでもよく、広がった輪郭付きの端部分は、血管の内側表面との広がった保持係合を提供し、凹状の輪郭付き中央部分またはくびれ部分が、血管の内側表面から半径方向に離間した弁座を画定し、くびれ部分と広がった端部分との間に凸状の輪郭付き封止部分が、血管の内側表面との接線方向の封止係合を提供する。
図22Fは、広がった端部(保持)部分414f、凸状の内側(封止)部分410f、および凹状の中央くびれ部分16fを有する例示的な砂時計形状のドッキングステーションフレーム1500fを図示する。同様のドッキングステーションの実装形態は、共同所有の米国特許第10,363,130号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0148】
一部の実施形態では、および用途では、ドッキングステーションフレーム1500、1500a~fと内側表面416の間の係合輪郭は、例えば、ドッキングステーションフレームのサイズ、形状、および柔軟性、ならびに内血管のサイズ、形状、および可撓性に応じて変化し得る。
【0149】
図22のドッキングステーションフレーム1500などの実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を有するドッキングステーションフレームを利用する実施形態では、循環系(例えば、肺動脈)内の移植部位でのドッキングステーション10の展開は、半径方向に広がった保持部分414を、血管の内側表面と係合させる。一部の用途では、拡張されたドッキングステーションフレーム1500と内側表面416との間の締まり嵌めは、ドッキングステーションフレームの端を、半径方向に内向きに屈曲させ、保持部分414に半径方向に外向きの力を加え、保持部分414と封止部分410との間の位置でドッキングステーションフレーム1500と内側表面416との間に半径方向のギャップを潜在的に作り出す。さらに、ドッキングステーションフレーム1500の実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭は、くびれ部分16と内側表面416の間に半径方向のギャップをもたらし得る。
【0150】
一部のこうした実装形態では、
図23Aに概略的に示すように、半径方向に外向きに広がった保持端部分414は、血管展開部位の内側表面416と係合し、中央くびれ部分16と内側表面416の間の半径方向のギャップを有する、ドッキングステーションフレーム1500と内側表面416の間の半径方向のギャップ412によって、丸みのあるまたは凸状の封止内側部分410から分離される。この係合の輪郭はまた、例えば、
図22Fのドッキングステーションフレーム1500f、ならびに上記に組み込まれた米国特許第10,363,130号の例示的な実施形態などの、端が広がった砂時計形状のフレームを含む、他のドッキングステーションフレーム構成によって提供されてもよい。
【0151】
他の用途では、
図22のドッキングステーションフレーム1500などの実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を有するドッキングステーションフレームでは、展開された内側の血管が狭窄されたフレームは、その長さに沿って実質的に凹状の輪郭を維持し、端部分または尖部で広がった保持係合、端部分から軸方向に内向きの拡張した凹状の封止輪郭、および弁座を画定する中央の浅い凹状または円筒状のくびれ部分をもたらし得る。一部の用途では、
図23Bに示すように、フレーム1500の凹状の輪郭408は、血管の内側表面416とくびれ部分16の間に半径方向のギャップ417を提供し得る。他の用途では、
図23Cに示すように、フレーム1500のくびれ部分16は、血管の内側表面と接触してもよい。
【0152】
他の例示的な実装形態では、実質的に連続的なおよび/または均一な係合は、例えば、
図23Dに概略的に示すように、血管とドッキングステーションフレームが対応する直線形/円筒状の輪郭408を有する状態で、または、
図23Eに概略的に示すように、ドッキングステーションフレーム1500が可変的に拡張して、非円筒状の血管と密接に適合する状態で、ドッキングステーションフレーム1500の長さに沿って提供され得る。こうした係合の輪郭は、例えば、
図22Aおよび22Bのドッキングステーションフレーム1500a、1500bなどの半径方向に内向きにオフセットされた弁座部分を有する円筒形状の外側部分を有するドッキングステーションフレームによって、ならびに上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2022/040120号の例示的な実施形態によって提供され得る。
【0153】
他の例示的な実装形態では、
図23Fに概略的に示す通り、ドッキングステーションフレーム1500は、保持端部分414で広がっていない係合へと拡張され、これは、凹状または円筒状の中央くびれ部分16と内側表面416の間に半径方向のギャップを有する、封止内側部分410で広がっていない接線方向の係合(例えば、円筒状、凸状、凹状)へと徐々に移行する。こうした係合の輪郭は、例えば、
図22Eのドッキングステーションフレーム1500eなどの凸状の端部分を有する砂時計形状のドッキングステーションフレームによって、ならびに上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2022/103734号の例示的な実施形態によって提供され得る。
【0154】
一部の用途では、例えば、肺動脈またはその他の展開部位の非円筒形状に起因して、保持部分の尖部のうちの一つ以上は、例えば、より低い血圧が保持部分に対してより少ない圧力を提供する収縮期の間に、血管の内側表面に接触しなくてもよい。一部のこうした用途では、
図24Aおよび24Bに概略的に示すように、フレーム端部保持部分414’のうちの一つ以上は、例えば、フレーム端部1512の軸方向内側のフレーム1500の部分418の収縮に起因して、半径方向に内向きに様々な度合いに延在して、血管の内側表面416との係合から外れてもよい。こうした配設では、半径方向に内向きに延在する尖部は、ドッキングステーションフレームの中央開口部の端部分を妨害し、ドッキングステーションフレーム内に挿入された弁設置管またはカテーテルに干渉して、ドッキングステーションの弁座に人工弁を設置し得る。
【0155】
本開示の例示的な態様によれば、人工弁用のドッキングステーションに、ドッキングステーションフレームの第一の挿入またはカテーテル受容端部の周りに複数の放射線不透過性マーカーが提供されて、フレームの第一の端開口部の周りでドッキングステーションフレームの第一の端の位置の視覚的識別を提供し、ドッキングステーションフレームの第一の端に接触することなく、第一の端の開口部内へのカテーテルまたは他のこうした装置の挿入を容易にしてもよい。フレームは、ドッキングステーションの第一の端の開口部で環状の境界を確立するために、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに円周方向に離間した複数の放射線不透過性マーカーを含み得る。
【0156】
複数の放射線不透過性マーカーは、一つ以上の放射線不透過性マーカーが蛍光透視法または類似の撮像プロセス下で識別され得るように、放射線不透過性であってもよく、より高い放射線不透過性を有してもよい。複数の放射線不透過性マーカーは、以下に詳述する配設または構成など、多種多様な配設または構成で、ドッキングステーション上に配置、取り付け、統合、またはその他の方法でドッキングステーションに取り付けることができる。複数の放射線不透過性マーカーは、放射線不透過性であるか、またはドッキングステーションのカテーテル受容端部の少なくとも一部分の放射線不透過性を増加させる任意の材料または材料の組み合わせを含み得る。例えば、複数の放射線不透過性マーカーは、硫酸バリウム、ビスマス、タングステン、タンタル、白金-イリジウム、金、または蛍光透視法、X線、もしくは類似の放射線もしくはそれらの任意の組み合わせを通さない任意の他の材料を含むことができる。
図25A~25Dに示すように、放射線不透過性マーカー1580は、薄く平坦であってもよく、示すように、例えば、円形または八角形を含む様々な形状で提供されてもよい。一つ以上の放射線不透過性マーカー1580は、フレーム上の軸方向移動に対する確実な取付けを容易にするように構成され得、任意の好適な形状であり得る。例えば、一つ以上の放射線不透過性マーカー1580は、六角形、三角形、長方形、楕円形、半円形、三次元輪郭(すなわち、非平坦)、または任意の他の形状もしくは構成であり得る。放射線不透過性マーカー1580はまた、マーカー1580の中央部分を通って延在する開口1582を含み得る。開口1582は、縫合糸がそれを通って通過できるようにサイズ設定され得る。ドッキングステーションフレームで使用するための例示的な放射線不透過性マーカーは、共同所有のPCT出願公開第WO2021/188278号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0157】
本明細書で使用される場合、最も端のジグザグ形状部分(例えば、
図22および22A~Fのドッキングステーションフレーム1500、1500a~fの最も端のジグザグ形状部分1506、1506aを有するドッキングステーションフレームについて、ドッキングステーションフレーム(例えば、第一の端、第二の端、カテーテル受容端部、挿入端部)の「端」は、ジグザグ形状部分の内側軸方向接合部1507、1507a~fから軸方向に外向きに延在するフレーム1500、1500a~fの部分を含み得る。一部の実装形態では、フレームのこの最も端の部分は、例えば、血管の内側表面による様々な収縮、屈曲(bending)、または屈曲(flexing)に起因して、移植中の半径方向の配置の変動(および結果として生じる、フレーム端部開口部のサイズおよび形状の変動)の影響を受けやすい場合がある。
【0158】
ドッキングステーションフレームには、例えば、フレームの最も端のジグザグ形状部分の内側軸方向接合部で、フレームの最も端のジグザグ形状部分の外側軸方向接合部で、またはフレームの第一の端の最も端の尖部(これは、フレームの最も端のジグザグ形状部分の外側軸方向接合部と一致してもよいが、一致する必要はない)、または内側軸方向接合部、外側軸方向接合部、および最も端の尖部の間の任意の位置を含む、ドッキングステーションフレームの第一の端における様々な位置で、放射線不透過性マーカーが提供されてもよい。一部の実装形態では、放射線不透過性マーカーは、内側軸方向接合部と外側軸方向接合部の間で、軸方向中間点の軸方向外向きに配置される。
【0159】
一部の例示的な配設では、放射線不透過性マーカーは、フレームのカテーテル受容端部に機械的に貼り付けられる。特定の実装形態では、放射線不透過性マーカー1580は、フレームの第一の端を受容するカテーテルの支柱または接合部に取り付けられるか、または貼り付けられてもよく、放射線不透過性マーカー1580は、任意の適切な様式でフレーム1500に貼り付けられる。例えば、放射線不透過性マーカー1580は、接着剤、縫合糸、プレス嵌合、スナップ嵌合、または任意の他の好適な配設によってフレーム1500に貼り付けられ得る。一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームには、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに円周方向に離間した複数のマーカー据え付け部分(例えば、開口部、陥凹部)が提供されてもよい。マーカー据え付け部分は、対応する複数の放射線不透過性マーカー(例えば、接着剤、プレス嵌合、スナップ嵌合などによって)を受容および保持するようにサイズ設定される。マーカー据え付け部分は、例えば、最も端のジグザグ部分1506、1506a~fの内側軸方向接合部1507、1507a~f、最も端のジグザグ形状部分の外側軸方向接合部1509、1509a~f、および最も端の尖部1510、1510a~fを含む、フレームの第一の端で支柱上の様々な位置に提供されてもよく、そのいずれも、凹部または開口のあるマーカー据え付け部分を収容するためにフレーム材料のより厚い部分を備え得る。例示的な放射線不透過性マーカーの据え付け構成は、上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2021/188278号に記載される。
【0160】
図26および
図26A~Fは、
図22および
図22A~22Fのドッキングステーションフレーム1500、1500a~fに類似した例示的なドッキングステーションフレーム1600、1600a~fを図示し、ドッキングステーションフレームの第一の端1606、1606a~f(例えば、カテーテル受容端部)には、据え付け係合(例えば、接着剤、プレス嵌合、スナップ嵌合などによって)で放射線不透過性マーカー1580を保持する、開口のあるマーカー据え付け部分1615、1610a~fを有する最も端の尖部1610、1610a~fが提供されている。
【0161】
他の例示的な実装形態では、フレームに貼り付けられる別個の部品である代わりに、放射線不透過性マーカー1580は、(例えば、
図26および
図26A~Fのフレーム1600、1600a~fの第一の端の尖部1610、1610a~fで)フレーム内に含まれるか、またはフレームと一体的に形成される。放射線不透過性マーカーは、フレーム内に構築することができるか、または放射線不透過性マーカーを、フレームの第一またはカテーテル受容端部のより厚いフレーム接合部として形成することができ、これはフレームの第一の端の放射線不透過性または放射線濃度を増加させる。例えば、フレームがニチノールを含む実施形態では、フレーム端部の放射線不透過性または放射線濃度を増加させるために、追加のニチノールを第一の端部フレーム接合部または尖部に堆積させることができる。しかしながら、フレーム端部の放射線不透過性または放射線濃度は、フレーム端部の一つ以上のフレーム接合部または尖部に追加的および/または異なる放射線不透過性材料を堆積させることによってなど、様々な他の方法で増加させることができる。
【0162】
他の例示的な配設では、放射線不透過性マーカーは、例えば、フレーム(本開示の他の箇所でさらに説明されるように)に固定された(例えば、縫い合わせ、縫合、接着)封止を形成する不透過性材料などの、ドッキングステーションフレームに固定された材料に取り付けられるか、または貼り付けられ、放射線不透過性マーカーは、フレームの第一の端上に配置された材料の一部分に取り付けられるか、または貼り付けられる。例えば、放射線不透過性マーカーは、接着剤、縫合糸、ポケット、または任意の他の適切な配設によって、不透過性材料または他のフレーム固定材料の第一の端の位置に貼り付けられ得る。一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームには、フレームの第一の端に少なくとも部分的に配置される材料が提供されてもよく、マーカー取り付け位置は、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに固定された材料上に円周方向に離間している。マーカー取り付け位置は、例えば、最も端のジグザグ部分の内側軸方向接合部、最も端のジグザグ形状部分の外側軸方向接合部、および最も端の尖部の間の任意の場所を含む、フレームの第一の端における様々な位置に提供され得る。フレームを固定する材料の例示的な放射線不透過性マーカーの取り付け配設は、上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2021/188278号に記載される。
【0163】
図27および
図27A~Fは、
図22および
図22A~Fのドッキングステーションフレーム1500、1500a~fに類似した例示的なドッキングステーションフレーム1700、1700a~fを図示し、ドッキングステーションフレームの第一の端1706、1706a~f(例えば、カテーテル受容端部)には、フレームに固定(例えば、縫い合わせ、縫合、接着)された、材料21(例えば、
図19A~19Dの不透過性カバー材料21などの不透過性布またはその他のフレームカバー材料)が提供され、放射線不透過性マーカー1580は、円周方向に離間したマーカー取り付け位置1715、1715a~f(例えば、尖部1710、1710a~fに近接)で材料21に取り付けられる。不透過性カバー材料をドッキングステーションフレームに固定するための様々な配設および方法は、上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2021/188278号に記載される。
【0164】
一部の実装形態では、例えば、ドッキングステーションの配置ならびに弁座の中への弁の展開を支援するために、一つ以上の放射線不透過性マーカーの追加的なセットが、弁座において、またはその近くでドッキングステーションフレーム上に提供されてもよい。放射線不透過性マーカーの追加的なセットは、上述のような、ドッキングステーションフレームの第一の端に提供される放射線不透過性マーカーの第一のセットと類似した構造であってもよいが、必ずしも類似している必要はない。特定の実装形態では、放射線不透過性マーカーは、フレームの弁座内の支柱または接合部に取り付けられるか、または貼り付けられてもよく、放射線不透過性マーカーは、任意の適切な様式でフレームに貼り付けられる。例えば、放射線不透過性マーカーは、例えば、接着剤、縫合糸、プレス嵌合、スナップ嵌合、フレーム支柱との一体形成、または任意の他の好適な手段によって、フレームに直接貼り付けられ得る。代替的に、放射線不透過性マーカーは、フレームの第二の端に固定された材料に貼り付けることができる。フレームは、弁座の周りに円周方向に離間した任意の数の放射線不透過性マーカーを含んで、ドッキングステーションの弁座を通して環状平面を確立することができる。
【0165】
図26および
図26A~Fの例示的な実施形態では、ドッキングステーションフレーム1600、1600a~fは、弁座18、18a~fに整列した、または近接した支柱接合部で、放射線不透過性マーカー1580´を保持する(例えば、接着剤、プレス嵌合、スナップ嵌合などによる)マーカー据え付け部分1616、1616a~fを含む。代替的に、弁座18、18a~fでの放射線不透過性マーカー1580´は、フレーム1600、1600a~f内に含まれてもよく、またはフレーム1600、1600a~fと一体的に形成されてもよい。
【0166】
図27および27A~Fの例示的な実施形態では、ドッキングステーションフレーム1700、1700a~fは、材料21´(例えば、不透過性布または例えば、
図19A~19Dの不透過性カバー材料21などの他のフレームカバー材料)は、弁座18、18a~fでフレームに固定(例えば、縫い合わせ、縫合、接着)され、放射線不透過性マーカー1580´は、弁座で、または弁座に近接したマーカー取り付け位置1716、1716a~fで材料21´に取り付けられる。材料21´は、フレーム1700、1700a~fの第一の端1706、1706a~f(ここに第一の端マーカー1580が取り付けられる)で材料21から分離されてもよく、またはフレームの第一の端から少なくとも弁座まで延在する同じ材料の一部であってもよい。
【0167】
一部の実装形態では、一つ以上の放射線不透過性マーカーの追加的なセットが、ドッキングステーションフレームの第二の端上に(例えば、内側軸方向接合部と、フレームの第二の端の最も端のジグザグ部分の端部尖部の間に、例えば、ドッキングステーションの展開または配向を支援するために、または弁もしくは他のツールのフレームの第二の端への挿入を容易にするために、提供されてもよい。放射線不透過性マーカーの追加的なセットは、上述のような、ドッキングステーションフレームの第一の端に提供される放射線不透過性マーカーの第一のセットと類似した構造であってもよいが、必ずしも類似している必要はない。特定の実装形態では、放射線不透過性マーカーは、フレームの弁座内の支柱または接合部に取り付けられるか、または貼り付けられてもよく、放射線不透過性マーカーは、任意の適切な様式でフレームに貼り付けられる。例えば、放射線不透過性マーカーは、例えば、接着剤、縫合糸、プレス嵌合、スナップ嵌合、フレーム支柱との一体形成、または任意の他の好適な手段によって、フレームに直接貼り付けられ得る。代替的に、放射線不透過性マーカーは、フレームの第二の端に固定された材料に貼り付けることができる。フレームは、フレームの第二の端の開口部の周囲を識別するために、フレームの第二の端の周りに円周方向に離間した任意の数の放射線不透過性マーカーを含み得る。
【0168】
図26および
図26C~Fの例示的な実施形態では、ドッキングステーションフレーム1600、1600a~fは、マーカー据え付け部分1617、1617c~fが放射線不透過性マーカー1580´´を保持する(例えば、接着剤、プレス嵌合、スナップ嵌合などによる)第二の端の尖部を含む。代替的に、フレームの第二の端にある放射線不透過性マーカー1580´´は、フレーム1600、1600c~f内に含まれてもよく、またはフレーム1600、1600c~fと一体的に形成されてもよい。
【0169】
図27および27C~Fの例示的な実施形態では、ドッキングステーションフレーム1700、1700c~fは、材料21´´(例えば、不透過性布または例えば、
図19A~19Dの不透過性カバー材料21などの他のフレームカバー材料)は、第二の端でフレームに固定(例えば、縫い合わせ、縫合、接着)され、放射線不透過性マーカー1580´´は、フレームの第二の端で円周方向に離間したマーカー取り付け位置1717、1717c~fで材料21´´に取り付けられる。材料21´´は、フレーム1700、1700c~fの第一の端1706、1706c~f(ここに第一の端マーカー1580が取り付けられる)で材料21から分離されてもよく、またはフレームの第一の端から少なくとも弁座まで延在する同じ材料の一部であってもよい。
【0170】
一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームには、フレームの第一の端に第一のセットの放射線不透過性マーカー、および弁座またはその近くに第二のセットの放射線不透過性マーカーが提供されてもよい。一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームには、フレームの第一の端に第一のセットの放射線不透過性マーカー、およびフレームの第二の端に第二のセットの放射線不透過性マーカーが提供されてもよい。一部の実装形態では、ドッキングステーションフレームには、フレームの第一の端上に第一のセットの放射線不透過性マーカー、弁座またはその近くに第二のセットの放射線不透過性マーカー、およびフレームの第二の端に第三のセットの放射線不透過性マーカーが提供されてもよい。
【0171】
一部の実装形態では、放射線不透過性マーカーのセットは、放射線不透過性マーカーの第一、第二、および(使用時に)第三のセットを視覚的に区別するように配設または構成されてもよい。例えば、放射線不透過性マーカーの異なるセットは、フレームの周囲の周りの隣接するマーカー間で区別可能な異なるマーカーサイズ、マーカー形状、マーカー配向、および/または距離を有するように、選択、構成、または配設され得る。
【0172】
患者を治療する方法(例えば、心臓弁機能障害/逆流などを治療する方法など)または患者を治療するシミュレーションを実行するための方法は、ドッキングステーションを所望の位置/治療領域に導入および展開すること、ならびにドッキングステーション内に弁を導入および展開することに関連するステップを含む、様々なステップを含みうる。
【0173】
例えば、
図28Aは、展開前にドッキングステーションを保持する第一の管を含む第一のカテーテル3600によって展開されているドッキングステーション10(例えば、本明細書に記載のドッキングステーションフレーム1500のいずれかを利用するドッキングステーションのいずれか)を図示する。一つの例示的な実施形態では、カテーテル3600に続くガイドワイヤは、大腿静脈、下大静脈、三尖弁、および右心室RVによって肺動脈PAに前進される。展開されると、
図28Bに示すように、ドッキングステーションフレーム1500は、標的位置で拡張し、ドッキングステーションフレームの近接する第一の端は、弁座の半径方向に外向きに拡張して、肺動脈PAの内側表面と係合して、ドッキングステーションフレームを標的位置に保持する。次いで、第一のカテーテルを肺動脈から引き抜く。こうした引き抜きは、複数の放射線不透過性マーカー1580の位置を視覚的に識別することによって、拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端の位置配設を視覚的に確認することによって促進され得る。
【0174】
次いで、拡張可能な人工弁を圧縮された状態で保持する第二の管を有する第二のカテーテル3700が、肺動脈PAに挿入される。第二の管の末端は、複数の放射線不透過性マーカーの視覚的に識別された位置の間で、拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端内に拡張される(
図28C)。拡張可能な人工弁29は、第二の管の末端から展開され、拡張されたドッキングステーションフレームの弁座18と着座係合するように拡張される(
図28D)。展開された弁29と弁座18との整列は、弁座またはその近くでドッキングステーションフレーム上に配置された第二の複数の放射線不透過性マーカー1580’の位置を視覚的に識別することによって、弁座の位置を視覚的に確認することによって促進され得る。さらに、一つ以上の放射線不透過性マーカーが、人工弁29(例えば、
図28Dの2980で)および第二の管の末端(例えば、
図28Cの3780で)のうちの少なくとも一つ上に提供されて、弁座に対する第二の管の末端または人工弁の位置の視覚的確認によって、展開された弁と弁座との整列をさらに容易にしてもよい。カテーテル管上への例示的な放射線不透過性マーカーの配設は、上記に組み込まれたPCT出願公開第WO 2021/188278号に記載される。
【0175】
前述は、自己拡張型のドッキングステーションの実施形態について主に説明したものである。しかし、本明細書に表示および記載するドッキングステーションおよび/または送達装置は、本開示の範囲内で、バルーン拡張型および/または機械的に拡張可能なドッキング装置の送達のために変更することができる。すなわち、バルーン拡張可能および/または機械的に拡張可能なドッキングステーションを移植位置に送達することは、本開示の送達装置の修正されたバージョンを使用して経皮的に実施することができる。概して、これは、上述の送達シースおよび/または追加のシースを含み得る経カテーテル組立品を提供することを含む。バルーン拡張可能なドッキングステーションの場合、装置は概して、送達カテーテル、バルーンカテーテル、および/またはガイドワイヤをさらに含む。バルーン拡張可能なタイプの送達装置で使用される送達カテーテルは、バルーンカテーテルが受容される内腔を画定することができる。バルーンカテーテルは次に、ガイドワイヤがその中に摺動可能に配置される内腔を画定する。さらに、バルーンカテーテルは、膨張源に流体接続されるバルーンを含む。ドッキングステーションがバルーン上に取り付けられた状態で、経カテーテル組立品は、送達装置を介して患者の経皮的開口部を通して送達される。ドッキングステーションが適切に位置付けられると、バルーンカテーテルは、バルーンを膨張させるように動作し、したがって、ドッキングステーションを拡張された配設に移行する。
【実施例】
【0176】
実施例1.医療装置用のドッキングステーションフレームであって、ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分が、近位端および遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分と、を有する、実質的に連続的な湾曲した長手方向の輪郭を形成する、ドッキングステーションフレーム。
【0177】
実施例2.複数の支柱部分が、複数のセルの複数の列を画定するように軸方向に離間した複数の円周支柱部分と、複数の円周支柱と円周方向に離間および接合されて、複数の列の各々に複数のセルのうちのセルを画定する複数の長手方向支柱部分と、を含む、実施例1に記載のドッキングステーションフレーム。
【0178】
実施例3.複数の円周支柱部分が、複数のセルの少なくとも4列を画定する少なくとも5つの円周支柱部分を含む、実施例2に記載のドッキングステーションフレーム。
【0179】
実施例4.複数の長手方向支柱部分が、複数の列の各々に少なくとも12個のセルを画定する少なくとも12個の長手方向支柱部分を含む、実施例2および3のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0180】
実施例5. 複数の円周支柱部分が起伏のある支柱部分を含む、実施例2~4のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0181】
実施例6.平行な起伏のある支柱部分が、複数のセルの各々が実質的にヘリンボーン形状であるように、実質的に平行であり、かつ成形される、実施例5に記載のドッキングステーションフレーム。
【0182】
実施例7.平行な起伏のある支柱部分のうちの遠位の支柱部分が、遠位端で外側半径方向保持部分を画定し、平行な起伏のある支柱部分のうちの近位の支柱部分が、近位端で外側半径方向保持部分を画定する、実施例5および6のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0183】
実施例8.複数の起伏のある支柱部分の各々が、複数の長手方向支柱部分のうちの対応する一つと接合された近位部分と、複数の長手方向支柱部分から取り付けられていない遠位部分と、を含む、実施例5~7のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0184】
実施例9.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれが約27mmの直径を有し、約29mmの直径を有する弁を収容するように拡張可能である、実施例1~8のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0185】
実施例10.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、ドッキングステーションフレームが約35mm~約40mmの長さを有する、実施例1~9のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0186】
実施例11.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分が、ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30°~約45°の角度で延在する、実施例1~10のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0187】
実施例12.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれ部分が実質的に円筒形である、実施例1~11のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0188】
実施例13.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分が約14mm~約20mmの曲率半径を有する、実施例1~12のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0189】
実施例14.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分が、29mmの展開された外径を有する弁に対して少なくとも約8mmの長さを有する弁座を提供するように輪郭付けされる、実施例1~13のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0190】
実施例15.ドッキングステーションフレームが、約5.4mm以下の直径に捲縮されるように構成される、実施例1~14のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0191】
実施例16.医療装置用のドッキングステーションフレームであって、ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分が、ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30度~約45度の角度で近位端および遠位端に外側半径方向保持部分を形成する、ドッキングステーションフレーム。
【0192】
実施例17.複数の支柱部分が、複数のセルの複数の列を画定するように軸方向に離間した複数の円周支柱部分と、複数の円周支柱と円周方向に離間および接合されて、複数の列の各々に複数のセルのうちのセルを画定する複数の長手方向支柱部分と、を備える、実施例16に記載のドッキングステーションフレーム。
【0193】
実施例18.複数の円周支柱部分が、複数のセルの少なくとも4列を画定する少なくとも5つの円周支柱部分を備える、実施例17に記載のドッキングステーションフレーム。
【0194】
実施例19.複数の長手方向支柱部分が、複数の列の各々に少なくとも12個のセルを画定する少なくとも12個の長手方向支柱部分を備える、実施例17および18のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0195】
実施例20.複数の円周支柱部分が起伏のある支柱部分を備える、実施例17~19のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0196】
実施例21.平行な起伏のある支柱部分が、複数のセルの各々が実質的にヘリンボーン形状であるように、実質的に平行であり、かつ成形される、実施例20に記載のドッキングステーションフレーム。
【0197】
実施例22.平行な起伏のある支柱部分のうちの遠位の支柱部分が、遠位端で外側半径方向保持部分を画定し、平行な起伏のある支柱部分のうちの近位の支柱部分が、近位端で外側半径方向保持部分を画定する、実施例20および21のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0198】
実施例23.複数の起伏のある支柱部分の各々が、複数の長手方向支柱部分のうちの対応する一つと接合された近位部分と、複数の長手方向支柱部分から取り付けられていない遠位部分と、を含む、実施例20~22のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0199】
実施例24.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれが約27mmの直径を有し、約29mmの直径を有する弁を収容するように拡張可能である、実施例16~23のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0200】
実施例25.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、ドッキングステーションフレームが約35mm~約40mmの長さを有する、実施例16~24のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0201】
実施例26.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分が実質的に円筒形である、実施例16~25のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0202】
実施例27.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分が約14mm~約20mmの曲率半径を有する、実施例16~26のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0203】
実施例28.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分が、29mmの展開された外径を有する弁に対して少なくとも約8mmの長さを有する弁座を提供するように輪郭付けされる、実施例16~27のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0204】
実施例29.ドッキングステーションフレームが、約5.4mm以下の直径に捲縮されるように構成される、実施例16~28のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0205】
実施例30.医療装置用のドッキングステーションフレームであって、ドッキングステーションフレームが、近位端から遠位端まで延在し、複数のセルを形成する複数の支柱部分を含み、ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、複数の支柱部分が、近位端および遠位端に外側半径方向保持部分と、弁座を画定する内側半径方向中央部分と、を有する、湾曲した長手方向の輪郭を形成し、内側半径方向中央部分が、実質的に円筒形であり、外側半径方向保持部分が各々、約14mm~約20mmの曲率半径を有する、ドッキングステーションフレーム。
【0206】
実施例31.複数の支柱部分が、複数のセルの複数の列を画定するように軸方向に離間した複数の円周支柱部分と、複数の円周支柱と円周方向に離間および接合されて、複数の列の各々に複数のセルのうちのセルを画定する複数の長手方向支柱部分と、を備える、実施例30に記載のドッキングステーションフレーム。
【0207】
実施例32.複数の円周支柱部分が、複数のセルの少なくとも4列を画定する少なくとも5つの円周支柱部分を備える、実施例31に記載のドッキングステーションフレーム。
【0208】
実施例33.複数の長手方向支柱部分が、複数の列の各々に少なくとも12個のセルを画定する少なくとも12個の長手方向支柱部分を備える、実施例31および32のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0209】
実施例34.複数の円周支柱部分が起伏のある支柱部分を備える、実施例31~33のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0210】
実施例35.平行な起伏のある支柱部分が、複数のセルの各々が実質的にヘリンボーン形状であるように、実質的に平行であり、かつ成形される、実施例34に記載のドッキングステーションフレーム。
【0211】
実施例36.平行な起伏のある支柱部分のうちの遠位の支柱部分が、遠位端で外側半径方向保持部分を画定し、平行な起伏のある支柱部分のうちの近位の支柱部分が、近位端で外側半径方向保持部分を画定する、実施例34および35のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0212】
実施例37.複数の起伏のある支柱部分の各々が、複数の長手方向支柱部分のうちの対応する一つと接合された近位部分と、複数の長手方向支柱部分から取り付けられていない遠位部分と、を含む、実施例34~36のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0213】
実施例38.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、くびれが約27mmの直径を有し、約29mmの直径を有する弁を収容するように拡張可能である、実施例30~37のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0214】
実施例39.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、ドッキングステーションフレームが約35mm~約40mmの長さを有する、実施例30~38のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0215】
実施例40.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分が、ドッキングステーションフレームの中央長手方向軸に対して約30°~約45°の角度で延在する、実施例30~39のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0216】
実施例41.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、保持部分が約44mmの最大直径を有する、実施例30~40のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0217】
実施例42.ドッキングステーションフレームが拡張された制約のない状態にある時、内側半径方向中央部分が、29mmの展開された外径を有する弁に対して少なくとも約8mmの長さを有する弁座を提供するように輪郭付けされる、実施例30~41のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0218】
実施例43.ドッキングステーションフレームが、約5.4mm以下の直径に捲縮されるように構成される、実施例30~42のいずれかに記載のドッキングステーションフレーム。
【0219】
実施例44.医療装置用のドッキングステーションであって、ドッキングステーションが、
実施例1~43のいずれかに記載のドッキングステーションフレームと、
ドッキングステーションフレームに取り付けられた不透過性材料と、を備える、ドッキングステーション。
【0220】
実施例45.不透過性材料が、弁座に取り付けられ、弁座と弁座に取り付けられた弁との間にシールを提供する、実施例44に記載のドッキングステーション。
【0221】
実施例46.不透過性材料が、内側半径方向中央部分と外側半径方向保持部分のうちの少なくとも一つとの間のドッキングステーションフレームの内側部分に取り付けられ、ドッキングステーションが展開部位に配置された時に、循環系内での展開部位と封止するための内側封止部分を提供する、実施例44および45のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0222】
実施例47.システムであって、
管を含む、送達カテーテルと、
管内に配置されたドッキングステーションであって、実施例44~46のいずれかに記載のドッキングステーションを備える、ドッキングステーションと、を備える、システム。
【0223】
実施例48.人工弁用のドッキングステーションであって、
ドッキングステーションフレームの第一の端から第二の端に延在する複数の支柱を含む拡張可能なドッキングステーションフレームであって、拡張可能フレームは、人工弁を拡張可能フレームに固定するための弁座をさらに画定し、
ドッキングステーションフレームの第一の端が、弁座の半径方向に外向きに拡張可能な保持部分を画定して、拡張のサイズの範囲にわたって展開位置で循環系の内側表面と係合する、ドッキングステーションフレームと、
ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに配置される、複数の放射線不透過性マーカーと、を備える、ドッキングステーション。
【0224】
実施例49.ドッキングステーションフレームの第一の端が、外側軸方向尖部と内側軸方向接合部との間で交互である、ドッキングステーションフレームの最も端のジグザグ形状部分を含む、実施例48に記載のドッキングステーション。
【0225】
実施例50.複数の放射線不透過性マーカーの各々が、内側軸方向接合部と外側軸方向尖部との間に位置する、実施例49に記載のドッキングステーション。
【0226】
実施例51.複数の放射線不透過性マーカーの各々が、複数の外側軸方向尖部のうちの対応する一つの上に配置される、実施例50に記載のドッキングステーション。
【0227】
実施例52.複数の放射線不透過性マーカーの各々が、複数の外側軸方向尖部のうちの対応する一つに取り付けられる、実施例51に記載のドッキングステーション。
【0228】
実施例53.ドッキングステーションフレームが、各々が複数の放射線不透過性マーカーのうちの一つをその中に保持する、複数の一体的に形成されたマーカー据え付け部分を含む、実施例48~52のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0229】
実施例54.ドッキングステーションが、ドッキングステーションフレームに取り付けられ、ドッキングステーションフレームの第一の端に配置された第一の端部分を含む不透過性材料をさらに含み、複数の放射線不透過性マーカーの各々が、不透過性材料の第一の端部分に貼り付けられる、実施例48~52のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0230】
実施例55.複数の放射線不透過性マーカーの各々が、ドッキングステーションフレームの第一の端により一体的に形成される、実施例48~51のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0231】
実施例56.複数の放射線不透過性マーカーが、複数の支柱の間に拡大した接合部を備える、実施例55に記載のドッキングステーション。
【0232】
実施例57.ドッキングステーションが、ドッキングステーションフレームの第一の端から軸方向に離間した、ドッキングステーションフレームの第二の軸方向位置の周りに配置された第二の複数の放射線不透過性マーカーをさらに備える、実施例48~56のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0233】
実施例58.第二の複数の放射線不透過性マーカーが弁座の周りに配置されている、実施例57に記載のドッキングステーション。
【0234】
実施例59.第二の複数の放射線不透過性マーカーがドッキングステーションフレームの第二の端の周りに配置される、実施例57に記載のドッキングステーション。
【0235】
実施例60.第二の複数の放射線不透過性マーカーが、ドッキングステーションフレームの第二の端の外側軸方向尖部と内側軸方向接合部との間に配置される、実施例59に記載のドッキングステーション。
【0236】
実施例61.第二の複数の放射線不透過性マーカーが、ドッキングステーションフレームの第二の端の複数の外側軸方向尖部上に配置される、実施例60に記載のドッキングステーション。
【0237】
実施例62.第二の複数の放射線不透過性マーカーが、ドッキングステーションフレームの第二の端の複数の外側軸方向尖部に取り付けられる、実施例61に記載のドッキングステーション。
【0238】
実施例63.ドッキングステーションフレームが、各々が第二の複数の放射線不透過性マーカーのうちの一つをその中に保持する、第二の複数の一体的に形成されたマーカー据え付け部分を含む、実施例57~62のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0239】
実施例64.ドッキングステーションが、ドッキングステーションフレームに取り付けられた不透過性材料をさらに備え、第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々は、不透過性材料に貼り付けられる、実施例57~62のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0240】
実施例65.第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々が、ドッキングステーションフレームにより一体的に形成される、実施例57~61のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0241】
実施例66.第二の複数の放射線不透過性マーカーが、複数の支柱の間に拡大した接合部を備える、実施例65に記載のドッキングステーション。
【0242】
実施例67.第一の複数の放射線不透過性マーカーの各々が、第一の構成を有し、第二の複数の放射線不透過性マーカーの各々が、第一の構成とは異なる第二の構成を有する、実施例57~66のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0243】
実施例68.第二の構成が、マーカーサイズ、マーカー形状、マーカー配向、および隣接するマーカー間の距離のうちの少なくとも一つにおいて、第一の構成とは異なる、実施例67に記載のドッキングステーション。
【0244】
実施例69.弁座が、第一の端と第二の端の間のドッキングステーションフレームの内側部分上に配置されている、実施例48~68のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0245】
実施例70.ドッキングステーションフレームが、第一の端および第二の端から、より狭い円筒形または浅い凹状のくびれ部分に延在する凹状の輪郭を画定する、実施例48~69のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0246】
実施例71.ドッキングステーションフレームが、円筒形の外側部分を画定し、弁座は外側部分から半径方向に内向きにオフセットされる、実施例48~69のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0247】
実施例72.ドッキングステーションフレームが、少なくとも一つの半径方向に外向きに延在するフランジ端部分を含む、実施例48~69のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0248】
実施例73.ドッキングステーションフレームが、凸状の輪郭の第一の端部分および第二の端部分と、弁座を画定する凹状のくびれ部分と、を含む、実施例48~69のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0249】
実施例74.ドッキングステーションフレームが、広がった第一の端部分および第二の端部分と、弁座を画定する凹状のくびれ部分と、を含む、実施例48~69のいずれかに記載のドッキングステーション。
【0250】
実施例75.人工弁を血管内に設置する方法であって、方法が、
第一の管内で圧縮された状態にある拡張可能なドッキングステーションフレームを提供することと、
第一の管を血管内に挿入することと、
ドッキングステーションを第一の管から展開し、ドッキングステーションフレームの第一の端が弁座の半径方向に外向きに拡張して血管の内側表面と係合してドッキングステーションフレームを標的位置に保持するように、血管内の標的位置にドッキングステーションフレームを拡張することと、
第一の管を血管から引き抜くことと、
拡張可能な人工弁を、第二の管内で圧縮された状態で提供することと、
第二の管を血管内に挿入することと、
拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端の位置配設を、ドッキングステーションフレームの第一の端の周りに配置された複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に識別することによって視覚的に確認することと、
第二の管の末端を、複数の放射線不透過性マーカーの視覚的に識別された位置の間で、拡張されたドッキングステーションフレームの第一の端内に延在させることと、
拡張可能な人工弁を、第二の管の末端から展開し、人工弁を、拡張されたドッキングステーションフレームの弁座と着座係合するように拡張することと、を含む、方法。
【0251】
実施例76.ドッキングステーションが、ドッキングステーションフレームの第一の端から軸方向に離間した、ドッキングステーションフレームの第二の軸方向位置の周りに配置された第二の複数の放射線不透過性マーカーをさらに備える、実施例75の方法。
【0252】
実施例77.第一の管からドッキングステーションフレームを展開し、かつ血管内の標的位置でドッキングステーションフレームを拡張することが、第一の管からドッキングステーションフレームを部分的に展開することと、第一の管からドッキングステーションフレームを完全に展開する前に、標的位置で第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することと、を備える、実施例75に記載の方法。
【0253】
実施例78.第二の複数の放射線不透過性マーカーが、弁座の周りに配置され、第二の管の末端から拡張可能な人工弁を展開することが、拡張可能な人工弁を完全に展開する前に、拡張可能な人工弁と整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することを備える、実施例76~77のいずれかに記載の方法。
【0254】
実施例79.人工弁および第二の管の末端のうちの少なくとも一つが、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーを含み、拡張可能な人工弁と整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することが、少なくとも一つの放射線不透過性マーカーと整列した第二の複数の放射線不透過性マーカーの位置を視覚的に確認することを備える、実施例78に記載の方法。
【0255】
実施例80.ドッキングステーションが、実施例48~74のいずれかに記載のドッキングステーションを備える、実施例75~79のいずれかに記載の方法。
【0256】
開示される発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示される実施形態が、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことは、認識されるべきである。前述の例示的な実施形態の特徴のすべての組み合わせまたは部分的組み合わせが、本出願によって企図される。本発明の範囲は、以下の請求項によって定義される。したがって、本発明者らは、その本発明者らの発明として、これらの請求項の範囲および趣旨に含まれるすべてを、特許請求する。
【0257】
本発明の様々な発明的な態様、概念、および特徴が、例示的な実施形態において組み合わせて具現化されるように、本明細書に記載および例示され得るが、これらの様々な態様、概念、および特徴は、個々に、または様々な組み合わせおよびその部分的組み合わせのいずれかで、多くの代替の実施形態において使用され得る。本明細書で明示的に除外されない限り、そのようなすべての組み合わせおよび部分的組み合わせは、本発明の範囲内であることが意図されている。なおもさらに、例えば代替の材料、構造(structure)、構成(configuration)、方法、回路、装置、および構成要素、形成、適合、および機能するための代替物など、本発明の様々な態様、概念、および特徴に関する様々な代替の実施形態が本明細書に記載され得るが、そのような記載は、現在既知であるか後に開発されるかにかかわらず、利用可能な代替の実施形態の完全なまたは網羅的な列挙であることを意図していない。当業者であれば、そのような実施形態が本発明に明示的に開示されていない場合でさえ、本発明の態様、概念、または特徴のうちの一つ以上を、本発明の範囲内で、追加の実施形態および使用に容易に取り入れ得る。さらに、本発明の一部の特徴、概念、または態様が、本明細書において好ましい配置または方法であると説明され得るにもかかわらず、そのような説明は、明示的にそのように記載されない限り、そのような特徴が必須または必要であることを示唆することを意図していない。なおもさらに、例示的または代表的な値および範囲は、本開示の理解を助けるために含まれ得るが、そのような値および範囲は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、明示的にそのように記載された場合のみ、重要な値または範囲であることを意図している。指定値に「およそ」または「約」と識別されるパラメータは、別段の明示的な記載がない限り、指定値、指定値の5%以内、および指定値の10%以内の値の両方を含むことが意図される。さらに、本開示に付随した図面は、一定の縮尺であることもあるが、そうである必要はないため、図面において明らかな様々な比および比率を教示するものとして理解されうることが理解されるべきである。さらに、様々な態様、特徴、および概念が、本明細書において発明的なものまたは発明の一部を形成するものと明示的に識別され得るが、そのような識別は、排他的であることを意図せず、むしろ、そのように明示的に識別されることなく、または特定の発明の一部として本明細書に十分に説明される発明的な態様、概念、および特徴が存在し得、本発明は、代わりに、添付の特許請求の範囲に記載されている。例示的な方法またはプロセスの記載は、すべての場合に必須であるすべてのステップの包含に限定されず、明示的にそうであると記載されない限り、ステップが必須または必要であると解釈されるために提示される順序でもない。
【国際調査報告】