(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】食欲不振/悪液質患者における患者報告アウトカムに関する臨床的に意味のある改善を判定し、提供する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/454 20060101AFI20240912BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20240912BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20240912BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20240912BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A61K31/454
A61K38/06
A61P1/14
A61P43/00 111
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517009
(86)(22)【出願日】2022-09-16
(85)【翻訳文提出日】2024-05-14
(86)【国際出願番号】 IB2022058788
(87)【国際公開番号】W WO2023042158
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】パルメジーノ, エレーナ
(72)【発明者】
【氏名】チェッザーリ, サルバトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジーノ, ルーベン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA09
4C084BA10
4C084BA14
4C084BA23
4C084CA59
4C084MA35
4C084MA52
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4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZC021
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4C086AA01
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4C086GA07
4C086GA16
4C086MA01
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4C086MA35
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZC02
(57)【要約】
食欲不振/悪液質患者における患者報告アウトカムを、特に当該使用から恩恵を受ける患者集団に基づいて改善するためのアナモレリンの使用、および臨床的に意味のある処置効果を定義し、提供するための特定の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における、必要な場合にはPGISアンカーベースおよびPGICアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアにおける臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、
a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、
b)前記患者が20kg/m
2未満のボディーマス指数を有し、
c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ
d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法。
【請求項2】
食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者の、必要な場合にはPGISアンカーベースおよびPGICアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアおよび体重における臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、
a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、
b)前記患者が20kg/m
2未満のボディーマス指数を有し、
c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ
d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法。
【請求項3】
食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における複合臨床応答を達成する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、
a)前記複合臨床応答が、
i)前記患者の体重を5%以上増大させること、および/または
ii)前記患者における5-IASSスコアを2ポイント以上改善すること
を含み、かつ
b)前記患者が、
i)直前6ヶ月における2%超の体重減少、
ii)20kg/m
2未満のボディーマス指数、
iii)17ポイント以下の5-IASSスコア、および
iv)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコア
によって特徴づけられる、方法。
【請求項4】
癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が、
a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、
b)20kg/m
2未満のボディーマス指数、
c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および
d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコア
によって特徴づけられる、方法。
【請求項5】
癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が、
a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、
b)20kg/m
2未満のボディーマス指数、
c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては
d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコア
によって特徴づけられる、方法。
【請求項6】
癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が、
a)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては
b)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコア
によって特徴づけられる、方法。
【請求項7】
前記臨床的に意味のある処置利益がPGISアンカーベースおよびPGICアンカーベースの利益尺度に基づく、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記患者が食欲不振を有する、請求項4、請求項5および請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、体重減少および食欲の全般的喪失、早期満腹、変化した食物嗜好、またはそれらの組み合わせに苦しんでいる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記患者が2以下のECOGパフォーマンスステータスを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記患者が、0、1または2のECOGパフォーマンスステータスを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記患者が癌を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記患者が切除不能NSCLCを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記患者が胃腸癌を有する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記患者が、結腸直腸癌、胃癌および膵臓癌から選択される胃腸癌を有する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記患者が、第一選択の処置、第二選択の処置、または第三選択の処置から選択される全身的な抗癌処置を受けている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記患者が、化学療法、放射線治療、免疫療法、標的化治療、またはそれらの組み合わせを受けている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記患者が全身的な抗癌処置を受けていない、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記患者が、食欲の全般的喪失、早期満腹、変化した食物嗜好、またはそれらの組み合わせに苦しむ、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記患者が、16ポイント以下、14ポイント以下、12ポイント以下、10ポイント以下、または8ポイント以下の5-IASSスコアを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記患者が、10ポイント以下の5-IASSスコア、または10ポイント超で、17ポイント以下の5-IASSスコアを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、35ポイント以下、30ポイント以下、28ポイント以下、26ポイント以下、24ポイント以下、22ポイント以下、または20ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記患者が、28ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコア、または28ポイント超で、37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記患者が、直前6ヶ月における4%超、5%超、6%超、8%超、または10%超の体重減少を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記患者が10ポイント以下の5-IASSスコアを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記患者が、10ポイント以下の5-IASSスコアと、28ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアとを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記患者が、10ポイント以下の5-IASSスコア、および第二選択の処置または第三選択の処置のどちらかを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記患者が、19kg/m
2未満、18kg/m
2未満、17kg/m
2未満、または16kg/m
2未満のボディーマス指数を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記利益が、3週、6週、9週、または12週となることを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記患者の体重を5%以上増大させることを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記患者における5-IASSスコアを2ポイント以上改善することを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
a)前記患者の体重を5%以上増大させること、および
b)前記患者における5-IASSスコアを2ポイント以上改善すること
を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記患者の前記5-IASSスコアを2ポイント以上、3ポイント以上、または4ポイント以上増大させることを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記患者の前記体重を2%以上、3%以上、4%以上、または5%以上増大させることを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記患者のFAACT総スコアを15ポイント以上、20ポイント以上、25ポイント以上、30ポイント以上、または35ポイント以上増大させることをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記アナモレリンが当日の最初の食事の前の絶食状態で投与される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記治療効果的な量が100mgのアナモレリンHClを当該塩の重量に基づいて含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における臨床的に意味のある5-IASS改善閾値を決定する方法であって、以下の工程:
a)37以下の12項目FAACT A/CSスコア、17以下の5-IASSスコア、および直前6ヶ月における2%超の意図しない体重減少を伴う20kg/m2未満のBMIによって特徴づけられる、食欲不振および悪液質に苦しむ複数の患者を提供する工程、
b)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIS-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程、
c)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIC-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程、
d)治療効果的な量のアナモレリンを1日に1回、処置期間にわたって前記複数の患者に投与する工程、
e)前記処置期間の期間中の等しい時点から得られる前記複数の患者についての5-IASSスコア、PGIS-AスコアおよびPGIC-Aスコアを含むデータセットを生成する工程、および
f)前記PGIS-A CMCおよび前記PGIC-A CMCに相関する5-IASS改善閾値を決定する工程
を含む方法。
【請求項39】
食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における臨床的に意味のある体重改善閾値を、以下の追加工程:
a)前記複数の患者における体重改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIS-Wに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程、
b)前記複数の患者における体重改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIC-Wに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程、
c)前記処置期間の期間中の等しい時点から得られる前記複数の患者についての体重スコア、PGIS-Wスコア、およびPGIC-Wスコアを含むデータセットを生成する工程、および
d)前記PGIS-W CMCおよび前記PGIC-W CMCに相関する体重改善閾値を決定する工程
によって決定することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記複数の患者が、2以下のECOG PSによってさらに特徴づけられる、請求項38または請求項39に記載の方法。
【請求項41】
5-IASSスコアのスコアにおける前記臨床的に意味のある利益が、請求項38~40のいずれかに従って決定される前記5-IASSスコア改善閾値と同等以上である、請求項1、請求項2、および請求項9~37のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
a)5-IASSスコアのスコアにおける前記臨床的に意味のある利益が、請求項38~40に記載の方法のいずれかに従って決定される前記5-IASSスコア改善閾値と同等以上であり、かつ
b)体重における前記臨床的に意味のある利益が、請求項39および請求項40に記載の方法のいずれかに従って決定される前記体重改善閾値と同等以上である、請求項2~29のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食欲不振/悪液質患者における患者報告アウトカムを、特に当該使用から恩恵を受ける患者集団に基づいて改善するためのアナモレリンの使用、および臨床的に意味のある処置効果を定義し、提供するための特定の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌悪液質、すなわち、死亡前の癌患者の80%超で生じる多因子性症候群を特徴づける症状には、体重減少および食欲不振がある(Kumar(2010);von Haehling(2010);Aoyagi(2015))。Fearon(2011)に記載される現在のコンセンサス診断基準に従って、癌悪液質は主として、過去6ヶ月にわたる5%超の最近の体重減少(単なる飢餓がない場合)、または2%超の最近の体重減少および20kg/m2未満のボディーマス指数(「BMI」)、またはサルコペニアのいずれかによって診断される。
【0003】
癌患者における低下した食物摂取が一次性食欲不振によって引き起こされ、二次的な栄養影響症状によって悪くなることがある。いくつかの報告によれば、癌患者は、不安および心配の根源としての体重減少および食欲不振の症状を、自身の日常生活に対する著しい様々な影響と共に述べている(Hinsley(2007);Hopkinson(2014);McGrath(2002);Hopkinson(2015);Oberholzer(2013))。
【0004】
肺癌患者における体重減少および低BMIの経験事例をよりよく理解するために、Rodriguezらは95名の患者のオンライン研究を行った:35名の患者(36.8%)が、(過去6ヶ月における5%以上の体重減少、または20kg/m2未満のBMIについては2%以上の体重減少として定義される)相当な体重減少を有するとして分類された。体重減少が、より低い生活の質、より高い苦悩レベル、およびより重症の症状(食欲喪失を含む)が付随する非小細胞肺癌(「NSCLC」)患者についての実質的な問題に相当することが見出された。患者はまた、どの体重減少症状が自身の生活に対して最も著しい影響を有したかを特定するように求められた。これらの患者について、著しい影響を伴う最も頻繁に報告された症状が、食品味覚の変化(38%)、疲労(38%)、および食欲の低下(33%)であった。早期満腹もまた、著しい影響を調査患者の14%で有するとして認められた(Rodriguez(2017))。
【0005】
食欲不振が癌患者における体重減少の大きな一因である。癌における食欲不振が、食欲の全般的喪失、早期満腹、変化した食物嗜好、またはこれらの組み合わせとして特徴づけられる場合がある(Molfino(2015))。癌関連の食欲不振もまた、大きな臨床上の問題となっている;癌関連の食欲不振は有害な影響を進行癌において栄養状態に及ぼし(Yavuzsen(2005))、癌関連の食欲不振には、多数の研究において、より低い生存率と関係している(Montazeri(2009);Sundstrom(2006);Fielding(2007);McKernan(2008);Collette(2004);Yeo(2006);Sullivan(2006))。食欲不振は、進行癌の患者では疲労後の2番目に最も一般的な症状である(Lis(2009))。Sundstromらによって行われた研究では、食欲喪失が、進行NSCLC患者における生存についての最も有意な独立指標として浮上し、このことから、研究者らは、食欲不振および食欲喪失の評価が、胸部放射線療法戦略を決定する際の貴重なツールであると結論づけた(Sundstrom(2006))。
【0006】
化学療法の低下した用量強度、および増大した毒性もまた、体重減少の患者で認められており、このことは、用量減少、処置遅延、または処置の最終的終了を引き起こす可能性がある(Ross(2004);Andreyev(1998))。さらには、体重非減少の患者を体重減少/低体重の患者(直前6ヶ月における5%以上の体重減少、または20kg/m2未満のBMIを伴う2%超の体重減少)と比較するNSCLC患者における研究では、すべての患者報告アウトカム(「PRO」)尺度(FACT-G、およびFAACT、FACIT-F、FACIT-Lからの特定ドメイン)、およびパフォーマンスステータス(Karnofsky PS、およびECOG)が、体重非減少の患者と比較して体重減少/低体重の患者では悪くなっていたこと、そして、すべてのこれらの尺後が6ヶ月の期間にわたって低下したのに、低下率が体重減少/低体重群ではより急速であったことが見出された(LeBlanc(2015))。
【0007】
要約すると、体重減少は、食欲不振(食欲喪失を含む)を伴う、進行癌患者については、一般的な、衰弱させる、かつ懸念される出来事である。高い有病率、および不良な予後との関連にもかかわらず、進行癌患者のこれらの症状を管理することにおける治療的進歩がこれまでなく、薬理学的介入が依然として限られている。
【0008】
アナモレリンHClは、経口活性な選択的グレリン受容体アゴニストである。グレリンはGタンパク質共役グレリン受容体の内因性リガンドである(Kojima(1999))。グレリンは主に胃で合成され、短い循環半減期(15分程度)を動物およびヒトの両方において有しており、このことが、その治療可能性を、長期間の有効性には持続注入が必要となるであろうために制限している。それにもかかわらず、グレリンまたはより長時間作用するグレリン模倣物の効果についての研究により、グレリンが、消化管運動促進活性(Trudel(2002))を伴う、同化、食欲増強、脂肪過多増大および抗炎症性の性質を有していることが明らかにされた(Guillory(2013))。
【0009】
インビトロにおいて、アナモレリンはグレリン受容体に対する高い親和性および選択的結合を発揮し、インビトロアッセイによる非常に強力な成長ホルモン(「GH」)分泌促進物質である(EC50=1.5nM)。インビボでは、アナモレリンHClが堅固なGH放出をイヌへの経口投与の後で誘発し、また、強力な食欲増強効果を脳内投与後のラットにおいて誘発した;食物摂取および体重における増大もまた動物モデルで認められた(Trudel(2002))。臨床研究において、アナモレリン処置にはまた、食欲および体重の増大が、除脂肪体重(「LBM」)における増加、および健康関連の生活の質(「QoL」)尺度における改善と共に付随する(Currow(2014))。それにもかかわらず、悪液質を有する食欲不振のNSCLC患者を処置するためのアナモレリンHClの有効性および安全性を評価するために着手される第III相ROMANA研究では、アナモレリンは、握力の強さ(2つの共主要な評価項目(co-primary endpoint)の一方)における統計学的に有意な改善を明らかにすることができなかった(Temel(2016))。
【0010】
そのため、悪性腫瘍に付随した体重減少および食欲不振を癌患者において処置することは、満たされていない医学的必要性のある領域である。
【発明の概要】
【0011】
アナモレリンが食欲不振および悪液質に対して驚くほど効果的である癌性患者集団が予想外に発見された。特に、FAACT A/CSに関しての低いスコアに加えて、FAACTの新規な症状下位尺度(5-IASS)によって判定されるような食欲不振の最も悪い個人的知覚を有する患者が、(より健康な患者を反映する)低いECOGパフォーマンスステータスを有するときでさえ、アナモレリンに対して著しく良好に応答することが発見された。処置の有効性が、臨床的利益を評価するためにPGISアンカーベース(anchor-based)およびPGICアンカーベースの方法を使用して5-IASS症状下位尺度で測定されたときに特に明白である。
【0012】
したがって、第1の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における、必要な場合にはPGISアンカーベースおよびPGICアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアにおける臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、(a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、(b)前記患者が20kg/m2未満のボディーマス指数を有し、(c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ(d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法を提供する。
【0013】
利益はまた、体重増加と5-IASSスコアとの組み合わせに関して特に明白である。したがって、第2の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における、必要な場合にはPGISアンカーベースおよびPGICアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアおよび/または体重における臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、(a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、(b)前記患者が20kg/m2未満のボディーマス指数を有し、(c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ(d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法を提供する。
【0014】
利益はまた、本明細書中にはその用語が具体的に定義されるので、複合臨床応答(composite clinical response)においても明白である。したがって、第3の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における複合臨床応答を達成する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、(a)前記複合臨床応答が、(i)前記患者の体重を5%以上増大させること、および(ii)前記患者における5-IASSスコアを2ポイント以上改善することを含み、かつ(b)前記患者が、(i)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(ii)20kg/m2未満のボディーマス指数、(iii)17ポイント以下の5-IASSスコア、および(iv)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。これらの方法は、癌悪液質の患者を処置することに対する一般的な適用可能性を有する。したがって、第4の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(b)20kg/m2未満のボディーマス指数、(c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および(d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0015】
第5の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(b)20kg/m2未満のボディーマス指数、(c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては(d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0016】
第6の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては(b)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0017】
さらにさらなる方法が、本発明における使用のための臨床的に意味のある処置利益を判定するために使用される方法、およびそのような方法を使用する患者の処置に関する。したがって、第7の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における臨床的に意味のある5-IASS改善閾値を決定する方法であって、以下の工程、(a)37以下の12項目FAACT A/CSスコア(Blauwhoff(2016)を参照のこと)、17以下の5-IASSスコア、および直前6ヶ月における2%超の意図しない体重減少を伴う20kg/m2未満のBMI(Fearon(2011)を参照のこと)によって特徴づけられる、食欲不振および悪液質に苦しむ複数の患者を提供する工程と、(b)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIS-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(c)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIC-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(d)治療効果的な量のアナモレリンを1日に1回、処置期間にわたって前記複数の患者に投与する工程と、(e)前記処置期間の期間中の等しい時点から得られる前記複数の患者についての5-IASSスコア、PGIS-AスコアおよびPGIC-Aスコアを含むデータセットを生成する工程と、(f)前記PGIS-A CMCおよび前記PGIC-A CMCに相関する5-IASS改善閾値を決定する工程とを含む方法を提供する。当然のことながら、本発明の最終目標は、食欲不振および悪液質を処置することである。したがって、第7の主要な実施形態は常に好ましくは、これらの臨床的に意味のある処置利益を達成するために、前記治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することによって実施される。
【0018】
本発明のさらなる利点については、一部が下記の説明において示され、そして、一部が説明から自明であろうし、または本発明の実施によって覚られる場合がある。本発明の利点が、添付された特許請求項に特に示される要素および組み合わせによって実現されるであろうし、また達成されるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的であるにすぎず、特許請求されるような本発明を限定しないことを理解しなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
用語の定義および使用
本明細書および特許請求項において使用される場合、a、anおよびtheの単数形態は、文脈がそうでないことを明確に指示する場合を除き、複数の参照物を包含する。例えば、用語「(ある1つの)仕様」(“a specification”)は、現時点で開示された方法およびシステムにおける使用のための1つまたは複数の仕様を示す。「(ある1つの)成分」(“an ingredient”)は、2つ以上のそのような成分の混合物、および同様のものを包含する。単語「または(あるいは、もしくは)」または同様の用語は、本明細書中で使用される場合、特定の列挙のいずれか1つの構成要素を意味し、その列挙の構成要素のいかなる組み合わせもまた包含する。
【0020】
本明細書中で使用されるとき、用語「約」は、製薬業界では考慮に入れられ、かつこの業界における製造物に内在する変動性、例えば、製造むらおよび時間誘発の製造物劣化に起因する製造物強さにおける相違、同様にまた、水和水および異なる塩に起因する相違などを相殺するであろう。この用語はまた、適正製造基準の実施では、どのような変動であれ、評価されている製造物が、主張された製造物の示された強さとヒトにおいて治療的に同等または生物学的同等であると見なされることを可能にするであろう変動について許容する。いくつかの実施形態において、この用語は、どのような変動であれ示された仕様または規格の5%以内または10%以内の変動について許容する。
【0021】
本明細書および下記の特許請求項において使用される場合、単語“comprise”(含む)および当該単語の変化形(例えば、“comprising”および“comprises”など)は、“including but not limited to”(含むが、それらに限定されない)を意味し、例えば、他の添加物、構成成分、完全体または工程を除外することが意図されない。要素が、1つまたは複数の構成成分、工程または条件を含むとして記載されるときには、当該要素はまた、当該1つの構成成分、工程または条件、あるいは当該複数の構成成分、工程または条件「からなる」として、または「から本質的になる」として記載され得ることが理解されるであろう。
【0022】
「薬物治療」、「薬物投与」および同様の用語が本明細書中で使用されるときには、当該治療が、どのような剤形であれ許容され得る剤形を使用する投与の、どのような経路であれ好適な経路を介して達成され得ること、および当該薬物が、遊離塩基、塩、あるいはエステルまたは他のプロドラッグ部分として投与され得ることが理解されるであろう。
【0023】
「ECOG」(Eastern Cooperative Oncology Group;米国東海岸癌臨床試験グループ)ステータスは、患者の疾患がどのように進行しているかを評価するために、また、当該疾患が患者の日常生活能力にどのように影響しているかを評価するために、また、適切な処置および予後を判定するために医師および研究者によって使用される尺度および判定基準を示し、Oken(1982)によって記載されるようなものである。ECOGパフォーマンス尺度でのスコア化のためのアンケートが表1に再掲される。
【0024】
【0025】
「FAACT」は、Functional Assessment of Anorexia Cachexia Therapy(FAACT)Questionnaire(食欲不振/悪液質治療の機能的評価(FAACT)アンケート)を示し、Small(2002)によって以前に記載されたようなものである。「FAACT A/CS」、または「食欲不振/悪液質ドメインでのFAACT」は、Ribaudo(2001)によって記載される一連の12個の質問を示し、これらの質問はFAACTから選択され、0から4まででスコア化され得る食欲、食物消費、体重増加/減少、嘔吐および腹痛の患者知覚、ならびにそれらに関連づけられる患者関心事を0~48の可能なスコアの範囲について見積もる。FAACT A/CSを構成する質問が表2に再掲される。
【0026】
【0027】
「FAACT総スコア」は、0~156の可能なスコアの範囲を求めてFAACT A/CSに関しての患者のスコアに加えられるFACT-Gに関しての患者のスコアを示す。「FACT-G」、すなわち「Functional Assessment Cancer Therapy-General Version」(癌治療機能的評価-概略版)は、Webster(2003)において以前に記載されるような一般的質問の27項目編纂物である。FACT-Gは、身体的安寧、社会的/家族的安寧、感情的安寧および機能的安寧の4つの主要なドメインに分けられる。FACT-G総スコアは、0~108の可能なスコアの範囲を求めてこれらの主要なドメインに関しての下位尺度スコアを合計することによって得られる。
【0028】
「5-IASS」、すなわち「5-Item Anorexia Subscale」(5項目食欲不振下位尺度)は、FAACT A/CSアンケートからの下記5項目を示す:「十分な食欲がある」、「ほとんどの食べ物がおいしくないと感じられる」、「食べ物の興味が、食べようとするとすぐに低下する」、「脂肪分の多い、または胃にもたれる食べ物を食べることが困難である」、および「食べると、すぐに満腹になるようである」(Gelhorn(2016))。
【0029】
「第一選択の処置」は、所与のタイプおよびステージの癌を最初に処置するための、医療官庁によって一般に容認される処置レジメン(1つまたは複数)である。導入治療とも呼ばれるが、この一次治療は、悪性腫瘍に対する化学療法薬物の最初の攻撃である。「第二選択の処置」は、第一選択の処置が十分に効かないときに試みられるものである。癌症例の管理には、必要とされるような処置および調節の定期的な評価が必要である。一次処置に関して中断し、新しいレジメンを採用することは、「第二選択の処置」を意味している。
【0030】
「PGIS」および「PGIC」:PGIS(Patient Global Impression of Severity;重症度の患者全般的印象)は一項目アンケートであり、食欲/摂食または体重に関連づけられる症状を「有しない」から、食欲/摂食または体重に関連づけられる「重症の」症状にまで及ぶ4ポイントのリッカート型応答尺度を有する。PGIC(Patient Global Impression of Change;変化の患者全般的印象)もまた、「非常に悪化した」から、「非常に改善された」にまで及ぶ7ポイントのリッカート型応答尺度を有する一項目アンケートである。食欲/摂食関連症状についての実際のアンケート(PGIS-AおよびPGIC-A)、ならびに体重の関心事についての実際のアンケート(PGIS-WおよびPGIC-W)が、本明細書に対する実施例において、表4、表5、表6および表7に報告される。
【0031】
本明細書中で使用される場合、用語「有意に」は統計学的有意性のレベルを示す。統計学的有意性のレベルは、p<0.1、p<0.05、p<0.01、p<0.005、またはp<0.001であることが可能である。別途指定される場合を除き、用語「有意な」、用語「有意に」、またはこの用語の他の変化形が使用されるときの統計学的有意性のレベルは、p<0.05である。測定可能な結果または影響が本明細書中に表されるとき、または特定されるとき、当該結果または影響は好ましくは、ベースライン(例えば、プラセボなど)に対してその統計的有意性に基づいて評価されることが理解されるであろう。同様に、処置または利益が本明細書中に記載されるとき、当該処置または利益は好ましくは、有効性を統計的有意性の程度にまで示すことが理解されるであろう。
【0032】
「標的化(された)治療」は、すべての急速に分裂する細胞を(例えば、従来の化学療法により)単に妨害することによってではなくむしろ、発癌および腫瘍成長のために必要とされる特定の標的化された分子を妨害することによって癌細胞の成長を阻止する一形態の分子医療である。標的化治療のためのほとんどの薬剤がバイオ医薬品であるため、生物学的治療の用語は時として、癌治療の文脈で使用されるときには標的化治療と同義的である(したがって、化学療法、すなわち、細胞傷害的治療とは区別される)。
【0033】
「治療効果的な量」は、代謝プロセスを支援するために、または代謝プロセスに影響を及ぼすために、あるいは疾患を処置するために、または防止するためにヒトに投与されるときには、当該疾患のそのような処置または防止、あるいは当該代謝プロセスを支援すること、または当該代謝プロセスに影響を及ぼすことを生じさせるために十分である量を意味する。本発明の実施形態または従属実施形態のいずれにおいても、治療効果的な量は好ましくは、1日に1回経口投与されるときには100mgのアナモレリンまたはそのその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0034】
公開された試験方法論および診断機器が本明細書中に言及されるときには、試験方法論または診断機器は、本明細書中に反することが別途明記される場合を除き、2021年1月1日において有効であるバージョンに基づいて実行されることが理解されるであろう。このことは、方法論または機器が、より以前のバージョンを報告する刊行物に基づいて本明細書中に定義されるときでさえ当てはまる。スコア化のアンケートが、臨床的利益を評価する目的のために施されるときには、否定的文言項目のすべての応答が、FACIT.orgによって公開されるFACIT施行・スコア化ガイドライン(FACIT Administration and Scoring Guidelines)の勧告に従って逆符号化され、合計され、その結果、より高いスコアが、より低いレベルのQoL/症状負荷を示すようにされる。
【0035】
範囲が、範囲の代替の上限および下限を指定することによって本明細書中に表されるときには、終点が、どのような様式であれ数学的に実現可能である様式で組み合わされ得ることが理解されるであろう。したがって、例えば、50または80から100または70までの範囲は代替的に、50から100まで、50から70まで、および80から100までの一連の範囲として表され得る。一連の上方限界および下方限界が、位相「および(ならびに)」または相「または(あるいは、もしくは)」を使用して関連づけられるときには、上方限界は下方限界によって制限され得ないこと、または下方限界と組み合わされ得ること、また、逆に、下方限界は上方限界によって制限され得ないこと、または上方限界と組み合わされ得ることが理解されるであろう。したがって、例えば、40%超および/または80%未満の範囲には、40%超の範囲、80%未満の範囲、および40%超で、しかし80%未満の範囲が含まれる。用語「の間での」によって別途指定される場合を除き、範囲の境界(範囲の下端および上端)は、主張された範囲に含まれ、用語「約」が先行し得る。
【0036】
プロセスまたは物の要素が、1つまたは複数の例、構成成分、性質または特徴を参照することによって定義されるときには、それらの構成成分、性質または特徴のいずれか1つ、あるいはどのような組み合わせであれ組み合わせもまた、問題となっている事項を定義するために使用され得ることが理解されるであろう。このことが、例えば、ある要素の具体的な例が(マーカッシュ群にする際のように)請求項に記載されるときに、またはある要素が複数の特徴によって定義されるときに生じるかもしれない。したがって、例えば、主張されたシステムが、要素A1、要素A2および要素A3によって定義される要素Aを、要素B1、要素B2および要素B3によって定義される要素Bとの組み合わせで含むならば、本発明はまた、要素Bを伴うことなく要素Aよって定義されるシステム、要素Aが、要素B2および要素B3によって定義される要素Bとの組み合わせで要素A1および要素A2によって定義されるシステム、ならびにすべての他の可能な入れ替えを包含することが理解されるであろう。
【0037】
処置方法
本発明は、食欲不振および悪液質、ならびにアナモレリン処置に対して応答性である罹患患者集団を処置する様々な方法に関する。したがって、第1の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における、必要な場合にはPGISアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアにおける臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、(a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、(b)前記患者が20kg/m2未満のボディーマス指数を有し、(c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ(d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法を提供する。
【0038】
第2の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における、必要な場合にはPGISアンカーベースの利益尺度に基づく、5-IASSスコアおよび/または体重における臨床的に意味のある処置利益を提供する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを前記患者に、1日に1回投与することを含み、(a)前記患者が直前6ヶ月における2%超の体重減少を有し、(b)前記患者が20kg/m2未満のボディーマス指数を有し、(c)前記患者が17ポイント以下の5-IASSスコアを有し、かつ(d)前記患者が37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する、方法を提供する。
【0039】
第3の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における複合臨床応答を達成する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、(a)前記複合臨床応答が、(i)前記患者の体重を5%以上増大させること、および/または(ii)前記患者における5-IASSスコアを2ポイント以上改善することを含み、かつ(b)前記患者が、(i)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(ii)20kg/m2未満のボディーマス指数、(iii)17ポイント以下の5-IASSスコア、および(iv)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0040】
これらの方法は、癌悪液質の患者を処置することに対する一般的な適用可能性を有する。したがって、第4の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(b)20kg/m2未満のボディーマス指数、(c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および(d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0041】
第5の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)直前6ヶ月における2%超の体重減少、(b)20kg/m2未満のボディーマス指数、(c)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては(d)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0042】
第6の主要な実施形態において、本発明は、癌悪液質患者における癌悪液質を処置する方法であって、治療効果的な量のアナモレリンを治療効果的な期間にわたって1日に1回、前記患者に投与することを含み、前記患者が場合によっては食欲不振を有し、かつ、(a)17ポイント以下の5-IASSスコア、および場合によっては(b)37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアによって特徴づけられる、方法を提供する。
【0043】
これらの処置方法は、第1から第6までの主要な実施形態のいずれかを改変することができる様々な従属実施形態を参照してさらに理解することができる。これらの従属実施形態は、主要な実施形態のいずれかをひいては改変することができる追加の従属実施形態を創出するために、どのような様式であれ数学的および物理的に両方で可能である様式で組み合わされ得ることが理解されるであろう。一般的に言えば、本発明の実施形態または従属実施形態のいずれにおいても、患者は、体重減少および食欲の全般的喪失、早期満腹、変化した食物嗜好、またはそれらの組み合わせに苦しむとして特徴づけることができる。
【0044】
1つの従属実施形態において、患者はさらに、最近の意図しない体重減少およびボディーマス指数(「BMI」)に基づいて定義することができる。患者がある1つの判定基準によって特徴づけられる本明細書中のすべての実例の場合と同様に、そのような特徴づけが、薬物治療が開始されるときに当てはまること、そして、当該特徴が、当該方法が始まる直前に検査によって決定され得ることが理解されるであろう。したがって、1つの従属実施形態において、患者は、直前6ヶ月における2%超の体重減少と、20kg/m2未満のボディーマス指数とを有する。代替として、患者は、直前6ヶ月における2%超、4%超、5%超、8%超、または10%超の体重減少に基づいて特徴づけることができる。別の代替として、患者は、19kg/m2未満、18kg/m2未満、17kg/m2未満、または16kg/m2未満のボディーマス指数を有することができる。1つの特定の従属実施形態において、患者は、直前6ヶ月における5%超の体重減少と、20kg/m2未満のボディーマス指数とを有する。
【0045】
患者はまた、5-IASS、FAACT A/CS、およびECOGパフォーマンスステータスについてのより厳密な判定基準によって特徴づけることができる。したがって、1つの従属実施形態において、患者は、16ポイント以下、14ポイント以下、12ポイント以下、10ポイント以下、または8ポイント以下の5-IASSスコアを有する。代替において、患者は、10ポイント以下の5-IASSスコアを有するとして、または10ポイント超で、17ポイント以下の5-IASSスコアを有するとして特徴づけることができる。別の従属実施形態において、患者は、35ポイント以下、30ポイント以下、28ポイント以下、26ポイント以下、24ポイント以下、22ポイント以下、または20ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有する。代替において、患者は、28ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有するとして、または28ポイント超で、37ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアを有するとして特徴づけることができる。
【0046】
患者は、本明細書中に示される定義パラメーターのいずれかによって、またはパラメーターのどのような組み合わせによって特徴づけることができる。1つの実施形態において、患者は、10ポイント以下の5-IASSスコアと、直前6ヶ月における2%超の体重減少とを有するとして特徴づけられる。別の実施形態において、患者は、10ポイント以下の5-IASSスコアと、直前6ヶ月における2%超の体重減少と、28ポイント以下の12項目FAACT A/CSスコアとを有するとして特徴づけられる。さらに別の実施形態において、患者は、10ポイント以下の5-IASSスコアと、直前6ヶ月における2%超の体重減少と、第二選択の処置または第三選択の処置のどちらかとを有するとして特徴づけられる。
【0047】
さらにさらなる実施形態が患者のECOGパフォーマンスステータスに基づく。したがって、他の従属実施形態において、患者は、0、1または2のECOGパフォーマンスステータスを有する。
【0048】
患者はまた、疾患状態に基づいて特徴づけることができる。したがって、1つの従属実施形態において、患者は癌を有する。別の従属実施形態において、患者は切除不能NSCLCを有する。さらに別の従属実施形態において、患者は、胃腸癌、場合によっては、結腸直腸癌、胃癌または膵臓癌から選択される胃腸癌を有する。
【0049】
患者はまた、併用治療によって特徴づけることができる。したがって、本発明の実施形態または従属実施形態のいずれにおいても、患者は全身的な抗癌処置を受けていない。代替において、患者は全身的な抗癌処置を受けている。患者が全身的な抗癌処置を受けているとき、全身的な抗癌処置は、例えば、第一処置選択、第二処置選択または第三処置選択の処置が可能であり、また、化学療法、放射線治療、免疫療法または標的化治療、あるいはこれらの組み合わせが可能である。
【0050】
本発明の方法はまた、付随したアウトカムまたは利益によって特徴づけることができる。したがって、本発明の実施形態または従属実施形態のいずれにおいても、処置効果は、1週、2週、3週、6週、9週、または12週を含む場合がある。他の従属実施形態において、処置は追加において、または代替において、患者の5-IASSスコアを2ポイント以上、3ポイント以上、または4ポイント以上増大させる。代替において、または追加において、方法は、患者の体重を2%以上、3%以上、4%以上、または5%以上増大させるかもしれず、あるいは患者のFAACT総スコアを15ポイント以上、20ポイント以上、25ポイント以上、30ポイント以上、または35ポイント以上増大させるかもしれない。
【0051】
本発明の処置方法のいずれにおいても、5-IASSにおける臨床的に意味のある処置利益はまた、第7の主要な実施形態の方法によって、またはその従属実施形態/パラメーターのいずれかによって決定される5-IASS改善閾値と同等以上であるとして定義することができる。同様の様式で、体重における臨床的に意味のある処置利益は、第7の主要な実施形態の方法によって決定される体重改善閾値と同等以上であるように定義することができる。
【0052】
改善閾値を決定するための方法
本発明はまた、患者の健康状態における臨床的に意味のある改善に対応する5-IASSおよび体重増加に関しての改善閾値を疾患重症度および体調における患者報告改善に基づいて決定する方法を提供する。好ましい実施形態において、これらの閾値は、本発明の処置方法を定義する臨床的に意味のある利益に対応する。
【0053】
したがって、第7の主要な実施形態において、本発明は、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における臨床的に意味のある5-IASS改善閾値を決定する方法であって、以下の工程、(a)37以下の12項目FAACT A/CSスコア、17以下の5-IASSスコア、および直前6ヶ月における2%超の意図しない体重減少を伴う20kg/m2未満のBMIによって特徴づけられる、食欲不振および悪液質に苦しむ複数の患者を提供する工程と、(b)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIS-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(c)前記複数の患者における食欲不振症状改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIC-Aに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(d)治療効果的な量のアナモレリンを1日に1回、処置期間にわたって前記複数の患者に投与する工程と、(e)前記処置期間の期間中の等しい時点から得られる前記複数の患者についての5-IASSスコア、PGIS-AスコアおよびPGIC-Aスコアを含むデータセットを生成する工程と、(f)前記PGIS-A CMCおよび前記PGIC-A CMCに相関する5-IASS改善閾値を決定する工程とを含む方法を提供する。
【0054】
第7の主要な実施形態による5-IASS改善閾値を決定する方法はさらに、様々な従属実施形態またはパラメーターによって特徴づけることができる。1つの特定の従属実施形態において、方法はまた、食欲不振および悪液質に苦しむヒト患者における臨床的に意味のある体重改善閾値を決定するために使用される。この従属実施形態において、方法はさらに、以下の追加工程、(a)前記複数の患者における体重改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIS-Wに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(b)前記複数の患者における体重改善のための臨床的に意味のある閾値を決定することを可能にするためにPGIC-Wに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(CMC)を提供する工程と、(c)前記処置期間の期間中の等しい時点から得られる前記複数の患者についての体重スコア、PGIS-Wスコア、およびPGIC-Wスコアを含むデータセットを生成する工程と、(d)前記PGIS-W CMCおよび前記PGIC-W CMCに相関する体重改善閾値を決定する工程とを含む。用語「体重スコア」は、ベースライン(すなわち、処置の開始)からの、観察されたキログラム基準での体重における増大または減少を示す。
【0055】
PGIS-A CMC、PGIC-A CMC、PGIS-W CMC、およびPGIC-W CMCは、米国食品医薬品局の様々な刊行物(これらには、FDA 2018、FDA 2019、およびFDA 2020が含まれる)に一般的に記載される方法論を使用して様々なデータセットから生成することができる。好ましい実施形態において、これらのCMCは、Pokrzywinski(2018)、Norman(2003)、およびRevicki(2008)の原理に従って第7の主要な実施形態によって特徴づけられる患者の面接に基づいて決定される患者内の臨床的に意味のある変化に対応する。
【0056】
5-IASS改善閾値は、PGIS-A CMCおよびPGIC-A CMCを達成するために必要とされる5-IASSスコアにおける改善を計算することによって決定することができる。同様の様式で、体重改善閾値は、PGIS-W CMCおよびPGIC-W CMCを達成するために必要とされる体重スコアにおける改善を計算することによって決定することができる。
【0057】
剤形/投与経路
対象を防止するための、および/または処置するための医薬組成物であって、治療効果的な量の式(I)の化合物あるいはその医薬的に許容され得る塩または付加物と、1つまたは複数の医薬的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物がさらに提供される。「医薬的に許容され得る」賦形剤は、生物学的または非生物学的に望ましくないものではないものであり、すなわち、この物質を、望ましくない生物学的影響を何ら引き起こすことなく、または当該物質が含有される医薬組成物の他の構成成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく対象に投与することができる。キャリアを、当業者には広く知られているであろうように、有効成分のどのような分解も最小限に抑えるために、また、対象における有害な副作用をどのようなものであれ最小限に抑えるために選択することができる。キャリアは、固体物、液状物、または両方であることが可能である。
【0058】
開示された化合物は、どのような経路であれ好適な経路によって、好ましくはそのような経路に適合化された医薬組成物の形態で、かつ、意図される処置または防止のために効果的である用量で投与することができる。活性な化合物および組成物は、例えば、経口投与、直腸投与、非経口投与、眼投与、吸入投与、または局所投与により投与することができる。特に、投与は、経皮(epicutaneous)、吸入、浣腸、結膜、点眼剤、点耳剤、肺胞、鼻腔、鼻腔内、膣、膣内、経膣、眼、眼内、経眼、経腸、経口、口腔内、経口腔(transoral)、腸、直腸、直腸内、経直腸、注射、注入、静脈内、動脈内、筋肉内、脳内、脳室内、側脳室内、心臓内、皮下、骨内、皮内、クモ膜下腔内、腹腔内、膀胱内、陰茎海綿体内、髄内、眼内、頭蓋内、経皮(transdermal)、経粘膜、経鼻、吸入、槽内、硬膜外(epidural)、硬膜周囲(peridural)、硝子体内などであることが可能である。
【0059】
医薬組成物は、例えば、不活性な希釈剤または同化可能な食用キャリアと共に経口投与することができる。医薬組成物および他の成分はまた、硬質外殻または軟質外殻のゼラチンカプセルに封入されること、錠剤に圧縮成形されること、あるいは個人の食事にそのまま組み込まれることが可能である。経口による治療的投与のために、医薬組成物は賦形剤と一緒に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁物剤、シロップ剤、ウエハー剤、および同様のものの形態で使用されることが可能である。そのような組成物および調製物は重量比で少なくとも1%の活性な化合物を含有しなければならない。組成物および調製物の割合は当然のことながら変えることができ、好都合には単位物の重量の約5%~約80%の間であることが可能である。
【0060】
錠剤、トローチ剤、ピル剤、カプセル剤、および同様のものはまた、下記のものを含有することができる:結合剤、例えば、グラガカント(gragacanth)ゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプンまたはゼラチンなど;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウムなど;崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、および同様のものなど;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなど;および甘味剤、例えば、スクロース、ラクトースまたはサッカリンなど、あるいは矯味矯臭剤、例えば、ペパーミント、冬緑油またはサクランボ香味剤など。投薬単位形態物がカプセル剤であるとき、カプセル剤は、上記タイプの材料に加えて、液状キャリアを含有することができる。様々な他の材料が被覆物として、またはそうでない場合には投薬単位物の物理的形態を改変するために存在することができる。例えば、錠剤、ピル剤またはカプセル剤を、シェラック、糖、または両者により被覆することができる。シロップ剤またはエリキシル剤は、薬剤、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素、ならびに香味剤(例えば、サクランボ香料またはオレンジ香料など)を含有することができる。当然のことながら、投薬単位形態物をどのようなものであれ調製する際に使用される材料はどれも医薬的に純粋でなければならず、かつ、用いられる量において実質的に非毒性/生体適合性でなければならない。加えて、医薬組成物は持続放出型の調製物および配合物に組み込むことができる。
【0061】
非経口組成物を投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬単位形態物で配合することがとりわけ好都合である。「投薬単位形態物」は、本明細書中で使用される場合、個体が処置されるための単位型投薬物として適する物理的に別個の単位物を示し、ただし、この場合、所定量の医薬組成物を含有するそれぞれの単位物が、必要とされる医薬用担体と連携して所望の治療効果をもたらすように計算される。本開示の投薬単位形態物についての仕様は、医薬組成物の特性、および達成されるべき特定の治療効果に関係づけられる。
【0062】
アナモレリンの治療効果的な量は、対象の健康状態、所望の応答、剤形および投与経路に依存する好適な用量の範囲にわたって変化し得る。好ましい従属実施形態において、投与が経口であるとき、治療効果的な量は約10mg/日~約500mg/日のアナモレリンであり、好ましくは25mg/日~300mg/日であり、より好ましくは50mg/日~150mg/日であり、最も好ましくは100mg/日である。用量が、単回投与として1日に1回、好ましくは当日の最初の食事の前に投与される。化合物の最も好ましい形態がアナモレリンHClであり、前述の用量は好ましくは塩の重量に基づいている。
【実施例】
【0063】
以下の実施例では、様々な努力が、数(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するためになされており、しかし、いくらかの誤差およびずれについては認めなければならない。以下の実施例は、本明細書中に主張される方法がいかにしてなされ、評価されるかの完全な開示および説明を当業者に提供するために提示され、本発明の純粋に例示的であることが意図され、かつ、本発明者らが発明と見なすものの範囲を限定することは意図されない。
【0064】
実施例1.進行した非小細胞肺癌の成人患者において悪性腫瘍に付随した体重減少および食欲不振を処置するためのアナモレリンの有効性および安全性を評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照多施設研究
【0065】
これは、アナモレリンHClの有効性および安全性を評価するための第III相多施設無作為化二重盲検並行群プラセボ対照研究である。進行NSCLCおよび悪液質を有するおよそ316名の患者が、合計で24週間にわたって1日に1回(QD)経口服用されるアナモレリンHCl(100mg)またはプラセボに1:1で無作為化されるであろう。患者は、研究薬物を当日の最初の食事の少なくとも1時間前に服用するように指示されるであろう。
【0066】
目標研究集団は、スクリーニング前6ヶ月以内における2%超の意図しない体重減少を伴う20kg/m2未満のボディーマス指数と、食欲不振とを有する進行NSCLC成人患者である。重要な選択基準および除外基準には、以下が含まれる。
【0067】
選択基準
・18歳以上の女性または男性。
・米国癌合同委員会(American Joint Committee on Cancer(AJCC))のステージIIIまたはステージIVのNSCLCの文書化された組織学的診断または細胞学的診断。ステージIIIの患者は切除不能疾患を有しなければならない。
・スクリーニング前6ヶ月以内における2%超の意図しない体重減少を伴う20kg/m2未満のボディーマス指数。
・5-IASSに関しての17ポイント以下のスコアと、12項目FAACT A/CSに関しての37ポイント以下のスコアとを有することによって判定されるような、原因となっている癌に付随した、食欲/摂食に関する進行中の様々な問題。
・全身的抗癌処置をスクリーニング時に受けている患者または受けていない患者が参加資格を有する。全身的抗癌処置には、化学療法/放射線治療、免疫療法または標的化治療による第一処置選択、第二処置選択、第三処置選択が含まれる。
・ECOGパフォーマンスステータスがスクリーニング時において0、1または2。
【0068】
除外基準
・他の形態の肺癌(例えば、小細胞、神経内分泌腫瘍)を有する患者。
・妊娠中または授乳中の女性。
・食物摂取低下の可逆的原因。これらの原因には、以下のものが含まれる場合があるが、それらに限定されない:
oNCI CTCAEグレード3または4の口腔粘膜炎
oNCI CTCAEグレード3または4のGI障害(悪心、嘔吐、下痢および便秘)
o食べることを不能にする器質的障害、または
o重度のうつ病。
・大手術をランダム化前4週間以内に受ける患者(中心静脈アクセス設置および腫瘍生検は大手術とは見なされない)。
・テストステロン、テストステロン様薬剤、オキサンドロロン、酢酸メゲストロール、コルチコステロイド類、オランザピン、ミルタザピン、ドロナビノール、マリファナ(大麻)に限定されないが、これらを含むアンドロゲン性化合物を現在服用する患者、あるいは食欲を増大させるために、または非意図的な体重減少を処置するために意図される他の処方医薬品または適応外製造物を少しでも現在服用する患者。
【0069】
共主要な有効性評価項目として、下記が挙げられる。
【0070】
共主要な有効性評価項目
・12週目まで続く、体重における臨床的に意味のある処置利益の持続期間。
・12週目まで続く、5-IASSにおける臨床的に意味のある処置利益の持続期間。
【0071】
処置利益の持続期間は、患者が、臨床的に意味のあることの所定の閾値と同等以上である、ベースラインからの変化を認める持続期間として測定される。コンピューター処理のために、線形発展が2つの測定の間で仮定される。副次的な有効性評価項目として、下記が挙げられる。
【0072】
副次的な有効性評価項目
・12週目に至るまでのベースラインからの体重における平均変化。
・12週目に至るまでの5-IASSにおける平均変化。
・12週目に至るまでのベースラインからのFAACT総スコアにおける平均変化。
【0073】
本研究のための部分フローチャートが表3に示される。
【0074】
【0075】
実施例2.5-IASSに関しての改善閾値の決定
【0076】
PGISアンケートおよびPGICアンケートが、Pokrzywinski(2018)、Revicki(2008)、およびFDAガイダンス文書に記載される原理に従って患者面接を通して決定されるPGISおよびPGICに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(「CMC」)を使用して、5-IASSスコアにおける臨床的に意味のある差(すなわち、「改善閾値」)を決定するためのアンカーとして使用されるだろう。
【0077】
PGISおよびPGICは、食欲/摂食関連症状における重症度および変化を評価するためのそれぞれが1問の質問からなる。PGISは一項目アンケートであり、食欲/摂食に関連づけられる症状を「有しない」から、食欲/摂食に関連づけられる「重症の」症状にまで及ぶ4ポイントのリッカート型応答尺度を有する。PGICもまた、「非常に悪化した」から、「非常に改善された」にまで及ぶ7ポイントのリッカート型応答尺度を有する一項目アンケートである。PGISは、ベースライン時、6週目および9週目に施されるであろう。PGICは6週目および9週目に施されるであろう。
【0078】
5-IASS閾値を評価するためのPGISアンケートおよびPGICアンケートが下記において表4および表5に報告される。
【0079】
【0080】
【0081】
臨床的に意味のある変化(「CMC」)がこれらのアンカーのための標準的慣行に従って決定され、分布に基づく方法によって裏づけられるであろう(Pokrzywinski(2018);Norman(2003);Revicki(2008))。5-IASS改善閾値が、患者にとって重要であると考えられるベースラインからのスコアにおける最小の差または変化(すなわち、PGISおよびPGICに関して改善するもの)として決定されるであろう。そのようなものとして、ベースラインから6週目および9週目までのPGISに関するスコアにおける差が決定されるであろうし、PGISに関する改善が、意味のある変化を5-IASSの平均値に基づいて定義するために使用されるであろう。同様に、食欲/摂食症状が(PGICに基づいて)処置開始以降に改善していることを指摘する患者の間における5-IASSの平均値が計算されるであろう;この値が、症状尺度における意味のある変化を定義することを助けるために使用されるであろう。
【0082】
これらのアンカーベースの方法の結果が、0.2標準偏差(SD)、0.3SD、および0.5SDを計算する分布ベースの方法によって裏づけられるであろう:それによって、0.5SDの推定値は、意味のある変化を構成するであろうものについての上方境界をもたらし、一方で、0.2SDは下方境界をもたらすと見なすことができる(Revicki(2008))。アンカーベースの推定値と、分布ベースの推定値との両方が、比較および三角法のために一緒にプロットされるであろう:それによって、異なる応答閾値が、推定値の範囲を視覚的に描くためにグラフ化されるであろうし、また、アンカーベースの推定値には、裏づけとなる分布ベースの方法よりも大きな加重が割り当てられるであろう。5項目食欲不振症状下位尺度についての応答曲線の累積分布、すなわち、処置群についての応答曲線の累積分布およびプラセボ群についての応答曲線の累積分布もまた、様々な応答閾値が同時に、また、一括して調べられることを可能にするために、すべての利用可能なデータを包含して生成されるであろう。
【0083】
実施例3.体重変化についての改善閾値の決定
【0084】
PGISアンケートおよびPGICアンケートがまた、Pokrzywinski(2018)、Revicki(2008)、およびFDAガイダンス文書に記載される原理に従って患者面接を通して決定されるPGISおよびPGICに関しての患者内の臨床的に意味のある変化(「CMC」)を使用して、体重変化における意味のあるほど重要な差(すなわち、「改善閾値」)を決定するためのアンカーとして使用されるだろう。
【0085】
体重変化閾値を評価するためのPGISアンケートおよびPGICアンケートが下記において表6および表7に報告される。
【0086】
【0087】
【0088】
食欲不振アンカーの場合と同様に、臨床的に意味のある変化がこれらのアンカーのための標準的慣行に従って決定され、分布に基づく方法によって裏づけられるであろう(Norman(2003);Revicki(2008))。体重変化改善閾値が、患者にとって重要であると考えられるベースラインからのスコアにおける最小の差または変化(すなわち、PGISおよびPGICに関して改善するもの)として決定されるであろう。そのようなものとして、ベースラインから6週目および9週目までのPGISに関するスコアにおける差が決定されるであろうし、PGISに関する改善が、意味のある変化をkg単位での体重変化の平均値に基づいて定義するために使用されるであろう。同様に、体重関心事が(PGICに基づいて)処置開始以降に改善していることを指摘する患者の間における百分率での体重変化の平均値が計算されるであろう;この値が、関心事尺度における意味のある変化を定義することを助けるために使用されるであろう。
【0089】
これらのアンカーベースの方法の結果が、0.2標準偏差(SD)、0.3SD、および0.5SDを計算する分布ベースの方法によって裏づけられるであろう:それによって、0.5SDの推定値は、意味のある変化を構成するであろうものについての上方境界をもたらし、一方で、0.2SDは下方境界をもたらすと見なすことができる(Revicki(2008))。アンカーベースの推定値と、分布ベースの推定値との両方が、比較および三角法のために一緒にプロットされるであろう:それによって、異なる応答閾値が、推定値の範囲を視覚的に描くためにグラフ化されるであろうし、また、アンカーベースの推定値には、裏づけとなる分布ベースの方法よりも大きな加重が割り当てられるであろう。百分率での体重変化についての応答曲線の累積分布、すなわち、処置群についての応答曲線の累積分布およびプラセボ群についての応答曲線の累積分布もまた、様々な応答閾値が同時に、また、一括して調べられることを可能にするために、すべての利用可能なデータを包含して生成されるであろう。
【0090】
実施例4.進行した非小細胞肺癌または胃腸癌を有する低ボディーマス指数の悪液質患者におけるアナモレリンの有効性および安全性。
【0091】
これは、癌悪液質および低BMI(20kg/m2未満のBMI)を有する日本人患者におけるアナモレリンの有効性および安全性を評価するための単一群(single-arm)多施設臨床研究であった。
【0092】
選択基準
進行癌(非小細胞肺癌、結腸直腸癌、胃癌または膵臓癌)の患者が、以下の基準を満たすならば、本研究に適格であった:根治的切除/根治的放射線治療に不適または術後再発、20kg/m2未満のBMIおよび過去6ヶ月における2%超の意図しない体重減少、癌に付随した食欲不振、0~2のパフォーマンスステータス(膵臓癌については0~1)。癌に付随した食欲不振を、17ポイント以下のFAACT-5 IASSスコア、および37ポイント以下のFAACT食欲不振/悪液質特異的下位尺度スコアとして定義した。
【0093】
介入
最大で4週のスクリーニング/観察期間の後で、適格患者が、100mgのアナモレリンが1日に1回、朝食の1時間前に投与される24週間の処置期間に入った。24週間後、患者が2週間の追跡調査期間に入った。患者は、食欲不振のための薬物または処置(例えば、全身性コルチコステロイド類、成長ホルモンおよびアンドロゲン調製物、メドロキシプロゲステロンおよびメゲストロール、漢方薬、ならびに経管栄養法など)を何であれ使用することが禁止された。コルチコステロイド類の補助的使用が、化学療法レジメンまたは放射線療法レジメンにおいて最大で連続5日間にわたって許された。
【0094】
評価項目および評価
主要評価項目は、以下の3つのアウトカムを満たす患者の割合として定義される9週での複合臨床応(CCR)であった:1)体重がベースラインから5%以上増大していること、2)FAACT-5 IASSスコアが2以上増大していること、および3)生存していること。副次的な評価項目が、9週での体重およびFAACT-5 IASSスコアにおける変化であった。探索的な評価項目には、抗癌薬物により処置される癌患者に対するQOLアンケート(QOL-ACD)、および変化の患者全般的印象(PGIC)が含まれた。
【0095】
FAACT(バージョン4)およびQOL-ACDのアンケート記入が処置期間中、3週毎に患者によってなされた。QOL-ACDについて、本発明者らは、食欲関連の質問を扱う項目8、項目9および項目11、すなわち、「十分な食欲がありましたか」、「食事がおいしいと思いましたか」、および「体重が減りましたか」についての変化を評価した。これらの項目は5段階の尺度でスコア化され、1が最悪の知覚に相当し、5が最良の知覚に相当する。
【0096】
PGICもまた、癌関連症状を含めて、経時的な疾患/症状の重症度における変化の患者知覚を評価するために使用された。患者には6週および9週で、摂食に関連づけられる食欲/症状が処置開始後に改善したかどうか、および全身的な体調がどのように変化したかを評価することが求められた。両方の質問は、7つの可能な回答、すなわち、非常に改善された、とても改善された、わずかに改善された、変化がなかった、わずかに悪化した、とても悪化した、または非常に悪化した、を含んでいた。
【0097】
患者
102名の患者が、アナモレリンによる処置を開始するように予定され、分析患者群を処置しようとする意図で含まれた。しかしながら、1名の患者が研究離脱のための判定基準(抑制不良胸水または心膜液貯留の発生)を満たし、処置を開始しなかった。そのため、この患者は、101名の患者を含む安全性分析患者群から除外された。研究集団の平均年齢、平均体重、および平均BMIがそれぞれ、71.0歳、44.62kg、および17.47kg/m2であった。3分の2(66.7%)が1のパフォーマンスステータスを有した。81名の患者がNSCLCであり、21名の患者が胃腸癌であり、21名のうち10名が結腸直腸癌であり、5名が胃癌であり、6名が膵臓癌であった。疾患状態は、患者の74.5%が原発性であり、25.5%が再発性であった。患者の約半数が1回の事前の抗癌レジメンを受けたことがあり、ほとんど(87.3%)が、免疫療法が含まれる併用癌治療を受けていた。24名の患者が研究期間中に疾患進行のために死亡した。
【0098】
複合臨床応答
分析患者群を処置しようとする意図での102名の患者の中で、26名が9週で3つすべてのCCR判定基準を満たした(25.9%;95%CI、18.3%~35.3%)。下方側の95%CIは8.0%の所定の閾値有効性率を超えており、主要評価項目を満たした。奏効者の割合が24週間の処置期間中において20.6%~33.6%の範囲であった。癌タイプによって、81名のNSCLC患者のうち23名(29.0%;95%CI、20.1%~39.7%)、および21名のGI癌患者のうちの3名(14.3%;95%CI、5.0%~34.6%)が9週でCCRを達成した。体重が5%以上増大する患者の割合が9週目において43.2%であり、割合は24週間の研究期間を通じて37%を超えていた。FAACT-5IASSスコアが2ポイント以上増大する患者の割合が9週目において61.0%であり、24週間の研究期間を通じて45%を超えたままであった。
【0099】
体重
体重が3週目(最初の評価時間)までに増大していた。これらの改善は24週目までずっと維持された。体重増加がNSCLCまたはGI癌の患者において認められた。
【0100】
食欲
FAACT:FAACT-5IASSスコアが9週では3.9±4.8の平均±SDの差で、ベースライン時における9.2±4.1のスコアから増大した。この増大は主に3週までに起こり(ベースライン値から4.0±4.7)、増大が24週間にわたって維持された。ベースラインからのFAACT-5IASSスコアにおける増大がNSCLCまたはGI癌の患者において認められた。
【0101】
QOL-ACD:探索的評価項目として、本発明者らはまた、食欲に関係するQOL-ACDの項目8、項目9および項目11についての平均スコアにおける変化を求めた。3つすべての項目について、3週において明らかであり、その後も大まかには安定したままであった、ベースラインスコアに対しておよそ1ポイントの差での平均スコアにおける増大があった。
【0102】
患者全般的印象
全体として、76名(74.5%)の患者が、ベースラインから、6週および9週における食欲/摂食関連症状における何らかの改善(わずかに改善された、とても改善された、または非常に改善された)を報告した。6週では4名の患者が、9週では3名の患者が、悪化する食欲/摂食関連症状を報告した。総合的体調に関して、67名(65.7%)の患者が6週で改善を報告し、66名(64.7%)が9週で改善を報告した。総合的体調が、6週では12名(11.8%)の患者によって、9週では6名(5.9%)の患者によって悪化したと報告された。両方のPGICアウトカムについてのデータが9名および15名の患者については6週および9週でそれぞれ欠落していた。結果は、NSCLC患者とGI癌患者との間で同程度であった。
【0103】
結論
本研究は、癌悪液質を管理するためのアナモレリンの臨床上の有効性および安全性を示すさらなる証拠を提供する。本研究は主要評価項目を満たし、25.9%のCCRを有し、FAACT-5IASS、QOL-ACD項目およびPGICを含めて、体重および患者報告アウトカムにおける改善が伴った。アナモレリンはまた、本集団において一般に十分に許容された。全体として、これらの知見は、低BMI患者における癌悪液質を管理するためのアナモレリンの臨床使用を裏づけている。
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【0104】
本出願全体を通して、様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示はその全体がここに、本発明が関係する最新技術をより完全に説明するために、参照によって本出願に組み込まれる。様々な改変および変化が、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく本発明においてなされ得ることが、当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態が、本明細書の検討および本明細書中に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図され、本発明の真の範囲および趣旨が以下の特許請求項によって示されている。
【国際調査報告】