(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】金属化材料
(51)【国際特許分類】
B32B 27/12 20060101AFI20240912BHJP
B32B 15/14 20060101ALI20240912BHJP
A41D 31/00 20190101ALN20240912BHJP
A41D 31/06 20190101ALN20240912BHJP
A41D 31/02 20190101ALN20240912BHJP
【FI】
B32B27/12
B32B15/14
A41D31/00 502Q
A41D31/06 100
A41D31/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024517038
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2021119075
(87)【国際公開番号】W WO2023039834
(87)【国際公開日】2023-03-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523455482
【氏名又は名称】ナンハイ・ナンシン・ノン-ウーブン・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ドン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ヤンジ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミンラン
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AB00
4F100AB00C
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4F100AB31
4F100AB31C
4F100AK01
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4F100JN06
4F100JN06C
(57)【要約】
金属化材料が提供され、この金属化材料は、(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、(ii)金属コーティング層(MCL)と、(iii)透明コーティング層(TCL)と、を含み、MCLは基材とTCLとの間に直接又は間接的に位置する。剥離可能な金属化材料が提供され、剥離可能な金属化材料は、金属化材料と、TCLに直接隣接して位置する除去可能なキャリア層とを含む。剥離可能な金属化材料及び金属化材料を製造する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、
(ii)金属コーティング層(MCL)と、
(iii)透明コーティング層(TCL)と、
を含む金属化材料であって、前記MCLは前記基材と前記TCLとの間に直接又は間接的に位置する、金属化材料。
【請求項2】
前記基材は、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項3】
前記複合物は、前記第1の不織布層の上に直接、溶融押し出しされた前記第1のフィルム層を含む、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項4】
前記複合物は更に、第1の接着剤層を含み、前記第1の接着剤層は、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層との間に位置して、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層とを接着しており、前記第1の接着剤層は、坪量が約0.2~約5gsmであり、例えば、少なくとも約0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、及び2.5gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約5、4、3、及び2.5gsmのいずれかである、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項5】
前記第1の不織布層は、1つ以上のスパンボンド層、1つ以上のメルトブローン層、1つ以上のニードルパンチ層、1つ以上の水流交絡層、1つ以上のカード層、1つ以上のサブミクロン層、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の金属化材料。
【請求項6】
前記第1のフィルム層は、単層微孔質フィルム又は単層モノリシックフィルムを含む、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項7】
前記第1のフィルム層は、1つ以上の微孔質フィルム及び/又は1つ以上のモノリシックフィルムを含む多層フィルムを含む、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項8】
前記MCLと前記基材との間に位置する保護コーティングを更に含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項9】
第2の接着剤層を更に含み、前記第2の接着剤層は、前記保護コーティングと前記基材との間に位置していて、前記保護コーティングを前記基材に接着しており、例えば、前記第2の接着剤層で前記不織布に直接接着している、請求項8に記載の金属化材料。
【請求項10】
前記MCLは、高反射率金属又は高反射率金属合金を含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項11】
前記高反射率金属又は前記高反射率金属合金は、アルミニウム又はその合金、金又はその合金、銅又はその合金、銀又はその合金、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項10に記載の金属化材料。
【請求項12】
前記金属化材料は、導電率が約5.0×10
-11S/m未満である、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項13】
(i)請求項1に記載の金属化材料と、
(ii)前記TCLに直接隣接して位置するキャリア層と、
を含む、剥離可能な金属化材料。
【請求項14】
前記キャリア層は、平均厚さが約25~約100ミクロンであり、例えば、少なくとも約25、30、40、及び50ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約100、90、80、70、60、及び50ミクロンのいずれかである、請求項13に記載の剥離可能な金属化材料。
【請求項15】
前記キャリア層は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、紙、又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項13に記載の剥離可能な金属化材料。
【請求項16】
前記キャリア層と前記TCLとの間に第1の接着強度を更に含み、前記TCLと前記MCLとの間に第2の接着強度を更に含み、前記第2の接着強度は前記第1の接着強度より高い、請求項13に記載の剥離可能な金属化材料。
【請求項17】
剥離可能な金属化材料を製造する方法であって、
(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、前記金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)前記キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)前記TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、前記MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、前記MCLは前記保護コーティングと前記TCLとの間に位置する、前記金属含有中間材料を用意又は形成する前記ステップと、
(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、
(iii)前記金属含有中間材料を前記基材に接着して、前記剥離可能な金属化材料を用意するステップと、
を含む方法。
【請求項18】
前記金属含有中間材料を形成する前記ステップは、(a)キャリア層を用意又は形成するステップと、(b)前記キャリア層に透明コーティング層(TCL)を直接堆積させるステップと、(c)前記TCLに金属コーティング層(MCL)を直接堆積させるステップと、(d)任意選択で、前記MCLに保護コーティングを直接又は間接的に堆積させるステップと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
金属化材料を製造する方法であって、
(i)請求項13のいずれか一項に記載の剥離可能な金属化材料を用意するステップと、
(ii)前記キャリア層を除去して、金属化材料を用意するステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記キャリア層を除去する前記ステップは層間剥離プロセスを含み、前記キャリア層は前記TCLから分離され、前記TCLは、前記金属化材料の一番外側の層を画定する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の発明の実施形態は、全般的には、(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、(ii)金属コーティング層(MCL)と、(iii)透明コーティング層(TCL)と、を含む金属化材料(例えば、シート、ブランケット等)であって、MCLは基材とTCLとの間に直接又は間接的に位置する、金属化材料に関する。本開示の発明の実施形態は又、剥離可能な金属化材料に関し、剥離可能な金属化材料は、金属化材料と、TCLに直接隣接して位置する除去可能なキャリア層とを含む。
【背景技術】
【0002】
金属化ブランケット等の金属化材料は、従来、不織布又はフィルム等のベース基材に金属コーティングが塗布されている。そのような金属化材料は、例えば、ユーザの体温を大いに保持するメカニズムを提供する。この点において、(例えば、宇宙ブランケット、マイラーブランケット、救急ブランケット、安全ブランケット、保温ブランケット等としても知られる)金属化材料は、薄いプラスチックのフィルム又は不織布に熱反射性金属コーティングが塗布されている。理想的には、金属化材料は、ユーザの体から熱が失われるのを軽減するためにユーザの体温の90%前後を反射する。
【0003】
幾つかのそのような金属化材料は、例えば、真空コーティングプロセス、化学コーティングプロセス、又は静電コーティングプロセスにより金属層(例えば、金属コーティング)をプラスチックフィルム又はプラスチック不織布に直接コーティングすることによって製造されてきた。プラスチックのフィルム及び/又は不織布の金属コーティングが導電性であるため、そのような金属化材料がジアテルミー手術台や金属製手術台とともに使用される場合には重大な電気的危険要因が存在する可能性がある。
【0004】
幾つかの金属化材料の別の欠点は、それらに通気性及び/又は柔軟性がないことに関する。この点において、そのような金属化ブランケットを体温の保持に応用する場合には、望ましいレベルの蒸気透過性及び/又は柔軟性(例えば、ユーザの体に順応しやすい柔軟性)も必要になりうる。
【0005】
更に又、金属層を不織布又はフィルムに直接コーティングする従来の方法は、不織布又はフィルムに堆積される金属の量が少ないため、十分な鏡面反射を実現することができない。即ち、支持基材(例えば、フィルム又は不織布)に金属層を直接コーティングすることは、多くの場合、所望のレベルの反射率を達成するために、より多量の金属を支持基材に堆積させることを必要とし、このことは、上述の通気性及び/又は柔軟性に悪影響を及ぼしうる。
【0006】
そのような金属化材料を製造する代替の方法は、薄い金属フォイルシートを支持基材(例えば、プラスチックフィルム又はプラスチック不織布)に接着剤で貼り合わせるステップを含む。しかしながら、そのようなアプローチは特に、難度が高く、信頼性が低い可能性がある。例えば、金属フォイルシートは、薄すぎると、貼り合わせプロセス中に容易に破れる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つ以上の実施形態は、上述の問題のうちの1つ以上の問題に対処しうる。本発明による幾つかの実施形態は金属化材料を提供し、この金属化材料は、(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、(ii)金属コーティング層(MCL)と、(iii)透明コーティング層(TCL)と、を含み、MCLは基材とTCLとの間に直接又は間接的に位置する。
【0009】
別の態様では、本発明は剥離可能な金属化材料を提供し、この剥離可能な金属化材料は、本明細書に記載及び開示の金属化材料と、TCLに直接隣接して位置する除去可能キャリア層とを含む。例えば、キャリア層は、TCLを残して選択的に除去又は剥離されてよい。
【0010】
別の態様では、本発明は、剥離可能な金属化材料を製造する方法を提供し、この方法は、(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、この金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、MCLは保護コーティングとTCLとの間に位置する、金属含有中間材料を用意又は形成するステップと、(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、(iii)金属含有中間材料を基材に接着して、本明細書に開示及び記載のような、剥離可能な金属化材料を用意するステップと、を含む。
【0011】
更に又、別の態様では、本発明は、金属化材料を製造する方法を提供し、この方法は、(i)本明細書に記載及び開示のような、剥離可能な金属化材料を用意するステップ、又は、本明細書に記載及び開示のような方法で剥離可能な金属化材料を形成するステップと、(ii)キャリア層を除去して、本明細書に記載及び開示のような金属化材料を用意するステップと、を含む。
【0012】
以下では、本発明の、全てではないが幾つかの実施形態が示された添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。実際、本発明は、多様な形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。類似の参照符号は、全体を通して類似の要素を指す。図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の幾つかの実施形態による、不織布層にフィルム層が直接、溶融押し出しされた金属化材料を示す。
【
図1B】本発明の幾つかの実施形態による、不織布層にフィルム層が接着剤で接着された金属化材料を示す。
【
図2】本発明の幾つかの実施形態による、非導電性金属化層の拡大図を示す。
【
図3】本発明の幾つかの実施形態による、キャリア層及び透明コーティング層(TCL)/剥離コーティングを含む剥離ライナに金属コーティング層(MCL)を堆積させるプロセスを示す。
【
図4A】本発明の幾つかの実施形態による、金属化材料において使用される基材として複合物を形成するプロセスを示す。
【
図4B】本発明の幾つかの実施形態による、金属化材料において使用される基材として複合物を形成する別のプロセスを示す。
【
図5A】本発明の幾つかの実施形態による、MCLを基材に転写し、その後、キャリア層を除去するプロセスを示す。
【
図5B】本発明の幾つかの実施形態による、MCLを基材に転写し、その後、キャリア層を除去する別のプロセスを示す。
【
図6】金属化材料の一例の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【
図7】金属化材料の別の例の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【
図8】金属化材料の別の例の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の、全てではないが幾つかの実施形態が示された添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。実際、本発明は、多様な形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書、及び添付の特許請求項において使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明らかに別の意味でない限り、複数の指示物を包含する。
【0015】
本発明の幾つかの実施形態は、全般的には金属化材料(例えば、非導電性金属化材料)に関し、金属化材料は、1つ以上の不織布層及び/又は1つ以上のプラスチックフィルム層を含んでよい基材と、金属コーティング層(MCL)と、透明コーティング層(TCL)とを含み、MCLは、TCLと基材との間に直接又は間接的に位置する。例えば、TCLは、金属化材料の一番外側の層を画定してよく、フィルム層は、金属化材料の二番目に外側の層を画定してよく、MCLは、金属化材料の2つの最外層の間にある少なくとも1つの層を構成する。例えば、金属化材料は、TCLと基材又は他の任意選択の中間層との間に直接又は間接的に包み込まれた、本明細書に記載のMCLを含む複合生成物を含んでよい。この点において、MCLは、外部環境に直接曝されてはいない。従って、MCLは、外部環境から遮蔽されており、遮蔽されていなければMCLと関連付けられうるいかなる導電性も極度に低減又は排除する。金属化材料は、例えば、非導電性金属化材料であってよく、それは、MCLが外部環境と接触しないためである。例えば、MCLは、(例えば、手術室環境においては)電気的危険要因ではない。
【0016】
本発明の幾つかの実施形態によれば、基材は、1つ以上の不織布層、1つ以上のフィルム層、又はこれらの組み合わせ(例えば、少なくとも1つの不織布層及び少なくとも1つのフィルム層の両方を含む複合物)であってよく、十分なドレープ性及び/又はラップ性(例えば、ユーザを包み込む性能)を実現するのに望ましいレベルの柔軟性(例えば、ハンドルオメータで測定される柔軟性)、及び/又は望ましい通気性(例えば、蒸気が基材を通り抜けて金属化材料の反対側に出ることを可能にする性能)、及び/又はハイドロスタティックヘッドで測定される、望ましいレベルの耐液浸透性を含んでよい。
【0017】
MCLは、本発明の幾つかの実施形態によれば、高反射率金属又は高反射率金属合金(例えば、アルミニウム(又はその合金)、金(又はその合金)、銅(又はその合金)、又は銀(又はその合金))を含む。任意選択で、金属化材料は保護コーティングを含んでもよい。保護コーティングは分離層として設けられてよく、MCLは、TCLと保護コーティングとの間に直接又は間接的に挟まれる。
【0018】
TCLは、以下で論じるように、一般に、哺乳動物(例えば、ヒト)に伴う電磁放射線に対して透過的であることが可能であり、それによって、ユーザから発せられた放射線又は熱は、TCLを通り抜け、MCLに反射してユーザに戻る。即ち、使用時には、TCLは、典型的にはユーザに近接して位置し、一方、基材はユーザに対して遠位に位置する。MCLは、例えば、TCLに直接堆積されてよく、TCLは、キャリア層に塗布された剥離コーティング、又は剥離ライナとして機能しうる。TCLとキャリア層との間の接着強度は、MCLと任意選択の保護コーティング又は基材との間の接着強度より低くてよい。従って、キャリア層は、TCLをMCLに接着されたまま残すように除去されてよく(例えば、剥離されてよく)、それによって、TCLは金属化材料の最外層の1つを画定する。
【0019】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は、人体から熱が失われるのを軽減するために、反射性且つ保温性の層として使用されてよい。この点において、金属化材料は、高反射率、非導電性、良好な柔軟性、十分なたわみ性、及び通気性を有する、ガウン、フェースマスク、滅菌ラップ、頭にかぶるもの、外科用ドレープ、医療用保温ブランケット、及び外出用保温ブランケット応用例の形態で提供されてよい。例えば、寒い天気の野外において、金属化材料でユーザの体を包み込むことは、放射熱が失われるのを防いで体温低下を抑えることに役立ちうる。
【0020】
「実質的(substantial)」又は「実質的に(substantially)」という語句は、本発明の幾つかの実施形態によれば、指定通りの全量を包含してよく、或いは、本発明の他の幾つかの実施形態によれば、指定の全量ではないがほとんど全量(例えば、指定された全量の95%、96%、97%、98%、又は99%)を包含してよい。
【0021】
本明細書では区別なく使用される「ポリマー(polymer)」又は「ポリマーの(polymeric)」という用語は、ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、及び交互コポリマー等)、ターポリマー等、並びにこれらのブレンド及び修飾物を包含してよい。更に、特に別段に限定されない限り、「ポリマー」又は「ポリマーの」という用語は、あらゆる可能な構造異性体、限定ではなく形状異性体、光学異性体、又は鏡像異性体を含む立体異性体、及び/又はそのようなポリマー又はポリマー材料の任意のキラル分子構成を包含するものとする。これらの構成は、限定ではないが、そのようなポリマー又はポリマー材料のアイソタクチック構成、シンジオタクチック構成、及びアタクチック構成を含む。「ポリマー」又は「ポリマーの」という用語は又、限定ではなくチーグラー・ナッタ触媒系及びメタロセン/シングルサイト触媒系を含む様々な触媒系から作られたポリマーを包含するものとする。「ポリマー」又は「ポリマーの」という用語は又、本発明の幾つかの実施形態によれば、発酵プロセスによって製造されるポリマー、又は生物由来のポリマーを包含するものとする。
【0022】
本明細書では「不織布(nonwoven)」及び「不織布ウェブ(nonwoven web)」という用語は、間に挿入されているが、編まれた又は織られた布において見られるような識別可能な反復様式ではない、個々の繊維、フィラメント、及び/又は糸の構造を有するウェブを包含してよい。不織布又は不織布ウェブは、本発明の幾つかの実施形態によれば、当該技術分野において従来より知られている任意のプロセス(例えば、メルトブロー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法、エアレイド法、及び接着カードウェブ法等)で形成されてよい。本明細書では「不織布ウェブ(nonwoven web)」は、統合プロセスで処理されていない複数の個別繊維を包含してよい。
【0023】
本明細書では「布(fabric)」及び「不織布(nonwoven fabric)」という用語は、複数の繊維が機械的に絡まっているか相互接続されているか、互いに融合しているか、又は互いに化学的に結合している、繊維のウェブを包含してよい。例えば、個別に置かれた繊維の不織布ウェブは、結合又は統合プロセスで処理されて、個別繊維同士の少なくとも一部分が結合されて、相互接続された繊維のコヒーレントな(例えば、結合された)ウェブが形成されてよい。
【0024】
本明細書では「統合された(consolidated)」及び「統合(consolidation)」という用語は、不織布ウェブの繊維同士の少なくとも一部分をそれらの間で一層近接させるか付着させて(例えば、互いに熱的に融合させるか、互いに化学的に結合させるか、且つ/又は互いに機械的に絡ませて)1つ又は複数の結合部位を形成することを包含してよく、それらの結合部位は、統合されていないウェブに比べて外力(例えば、摩耗力及び引張力)に対する抵抗が大きくなるように機能する。1つ又は複数の結合部位は、例えば、ウェブ材料の離散的又は局所的な領域を含んでよく、これらの領域は、1つ又は複数の結合部位は、例えば、軟化又は溶融され、任意選択でその後に又は同時に圧縮されて、ウェブ材料の離散的又は局所的な変形が形成されている。更に、「統合された」という用語は、単に幾つかの例として、熱結合又は機械的絡まり(例えば、水流交絡)等によって、繊維同士の少なくとも一部分をそれらの間で一層近接させるか付着させる(例えば、互いに熱的に融合させるか、互いに化学的に結合させるか、且つ/又は互いに機械的に絡ませる)ように処理された不織布ウェブ全体を包含してよい。そのようなウェブは、本発明の幾つかの実施形態によれば、「統合不織布」、「不織布」、又は単に「布」と見なされてよい。
【0025】
本明細書では「ステープル繊維(staple fiber)」という用語は、フィラメントからの切断繊維を包含してよい。幾つかの実施形態によれば、任意のタイプのフィラメント材料を使用して、ステープル繊維が形成されてよい。例えば、ステープル繊維は、ポリマー繊維、及び/又はエラストマ繊維から形成されてよい。材料の非限定的な例として、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又はポリプロピレン含有コポリマー)、ポリエチレンテレフタレート、及びポリアミドがあってよい。ステープル繊維の平均長さは、あくまで例として、約2センチメートルから約15センチメートルであってよい。
【0026】
本明細書では「スパンボンド」という用語は、複数の微細な、通常は円形の、紡糸口金の毛管から溶融熱可塑性材料をフィラメントとして押し出すことによって形成される繊維を包含してよく、押し出されたフィラメントの直径はその後急速に減少する。本発明の一実施形態によれば、スパンボンド繊維は、収集面に堆積されたときに通常は粘着性がなく、本明細書に開示及び記載のように通常は連続でありうる。なお、本発明の幾つかの複合物において使用されるスパンボンドは、SPINLACE(登録商標)として文献に記載されている不織布を包含してよい。スパンボンド繊維は、例えば、長繊維を包含してよい。
【0027】
本明細書では「長繊維(continuous fibers)」という用語は、不織布ウェブ又は不織布として形成される前に元の長さから切断されていない繊維を意味する。長繊維は、平均長さが約15センチメートル超から1メートル超であってよく、最長では形成されるウェブ又は布の長さであってよい。例えば、本明細書では、長繊維は、繊維の長さが繊維の平均直径の少なくとも1,000倍である繊維、例えば、繊維の長さが繊維の平均直径の少なくとも約5,000倍、10,000倍、50,000倍、又は100,000倍である繊維を包含してよい。
【0028】
本明細書では「メルトブローン」という用語は、本発明の幾つかの実施形態によれば、溶融熱可塑性材料を、複数の微細なダイ毛管を通して、溶融糸又はフィラメントとして、集束する高速の(通常は高温の)ガス流(例えば、空気流)の中に押し出し、このガス流によって溶融熱可塑材料のフィラメントを細くしてその直径を減少させ(マイクロファイバの直径まで減少させてよい)、それによって形成される繊維を包含してよい。本発明の一実施形態によれば、ダイ毛管は円形であってよい。その後、メルトブローン繊維が高速ガス流で運ばれて収集面に堆積されて、ランダムに分散したメルトブローン繊維のウエブが形成される。メルトブローン繊維は、連続であっても不連続であってもよいマイクロファイバであって、収集面に堆積されたときに通常は粘着性があるマイクロファイバを包含してよい。但し、メルトブローン繊維は、スパンボンド繊維より長さが短い。
【0029】
本明細書では、「モノリシック(monolithic)」フィルムという用語は、連続であって細孔が実質的にない又はない(例えば、細孔が全くない)任意のフィルムを包含してよい。本発明の幾つかの代替実施形態では、「モノリシック」フィルムに含まれる細孔構造が、微孔質フィルムにおいてであれば見られるであろう細孔構造より少なくてよい。本発明の幾つかの非限定的な例示的実施形態によれば、モノリシックフィルムは、液体及び粒子状物質に対しては障壁として働きうる一方、水蒸気は通しうる。更に、理論に拘束されることを望むものではないが、高い通気性を達成して保持することにより、装着がより快適である物品を提供することが可能であり、これは、水蒸気が積層構造を通り抜けて移動することが、過剰な湿気が閉じ込められて皮膚に当たることに起因する不快感を低減及び/又は制限することに役立つためである。「モノリシック」フィルムは、例えば、高通気性ポリマーを包含してよい。
【0030】
本明細書では「高通気性ポリマー(highly breathable polymer)」という用語は、水蒸気に対しては選択的に透過性であるが、液体水に対しては実質的に不透過性であり、通気性フィルムを形成できる、任意のポリマー又はエラストマを包含してよく、例えば、高通気性ポリマーは、水蒸気を吸収し脱着させることが可能であり、液体(例えば、水、血液等)に対する障壁を提供することが可能である。例えば、高通気性ポリマーは、フィルムの一方の側から水蒸気を吸収し、フィルムの他方の側に水蒸気を放出することによって、水蒸気がフィルムを通り抜けて運ばれることを可能にすることができる。高通気性ポリマーはフィルムに通気性を与えることが可能であるため、そのようなポリマーから形成されるフィルムは、細孔を含む必要がない(例えば、モノリシックフィルム)。本発明の幾つかの実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、フィルムとして形成されたときの水蒸気透過率(MVTR)が1日当たり少なくとも500g/m2である任意の熱可塑性ポリマー又はエラストマを包含してよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、フィルム(例えば、厚さが約25ミクロン以下のフィルム等)として形成されたときのMVTRが1日当たり少なくとも750g/m2又は少なくとも1000g/m2である任意の熱可塑性ポリマー又はエラストマを包含してよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、高通気性ポリマーは、例えば、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(例えば、アルケマグループ(Arkema Group)製のPEBAX(登録商標))、ポリエステルブロックアミドコポリマー、コポリエステル熱可塑性エラストマ(例えば、DSMエンジニアリングプラスチックス(DSM Engineering Plastics)製のARNITEL(登録商標)、又はE.I.デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I. DuPont de Nemours and Company)製のHYTREL(登録商標))、又は熱可塑性ウレタンエラストマ(TPU)のうちの任意の1つ又はこれらの任意の組み合わせを包含してよい。
【0031】
本明細書では「微孔質(microporous)」フィルムという用語は、フィルムの本体全体にわたって複数の微細孔が分散して群居しているポリマーフィルム層を包含してよい。例えば、微孔質フィルムの製造は、一般に、無機塩類(例えば、炭酸カルシウム)等の非吸湿性充填材料の微粉化した粒子を適切なポリマーの中に分散させ、次に、その充填されたポリマーのフィルムを形成し、そのフィルムを伸ばして、良好な多孔性が得られて水蒸気の良好な吸収又は透過が行われるようにすることによって行われてよい。例えば、微孔質フィルムの通気性は、所望の多孔性(例えば、細孔形成)を得るために充填材含浸フィルムを伸ばすことによってフィルム全体にわたって曲がりくねった細孔路を形成することに依存しうる。更に、そのような微孔質フィルムの障壁特性は、微孔質フィルムが曝される液体の表面張力に影響され(例えば、微孔質フィルムには水よりイソプロピルアルコールが容易に浸透する)、微孔質フィルムは、中実フィルム(例えば、モノリシックフィルム)より容易に臭気が透過する。
【0032】
本明細書では「層(layer)」という用語は、X-Y平面に存在する類似の材料タイプ及び/又は機能の大まかに認識可能な組み合わせを包含してよい。
【0033】
本明細書に開示の所与の範囲の中により小さい範囲を作ることのできる、本明細書に開示の全ての自然数の端点が、本発明の幾つかの実施形態の範囲内にある。例えば、約10~約15の開示は、中間範囲の開示、例えば、約10~約11、約10~約12、約13~約15、約14~約15等の開示を包含する。更に、本明細書に開示の所与の範囲の中により小さい範囲を作ることのできる全ての単一小数(例えば、小数第2位で四捨五入された数)が、本発明の幾つかの実施形態の範囲内にある。例えば、約1.5~約2.0の開示は、中間範囲の開示、例えば、約1.5~約1.6、約1.5~約1.7、約1.7~約1.8等の開示を包含する。
【0034】
一態様では、本発明は、(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、(ii)金属コーティング層(MCL)と、(iii)透明コーティング層(TCL)と、を含む金属化材料であって、MCLは基材とTCLとの間に直接又は間接的に位置する、金属化材料を提供する。任意選択で、基材とMCLとの間に(後で詳述する)保護層が位置してよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、基材は、例えば、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を含んでよい。例えば、この複合物は、第1のフィルム層が第1の不織布層の上に直接、溶融押し出しされていてよい。例えば、
図1は金属化材料1を示しており、基材は第1の不織布層20及び第1のフィルム層30を含む。
図1Aに示すように、第1のフィルム層30は第1のフィルム層20の上に直接、溶融押し出しされている(例えば、これら2つの間の境界面には接着剤がない)。接着剤層21(例えば、第2の接着剤層)が第1の不織布層20と保護コーティング14との間に直接位置している。やはり
図1Aに示すように、金属化材料1はMCL12を含み、これは、保護コーティング14とTCL16との間に直接位置している。代替として、この複合物は、第1の接着剤層を含んでよく、これは、第1の不織布層と第1のフィルム層との間に位置して、第1の不織布層と第1のフィルム層とを接着している。例えば、
図1Bは、
図1Aの金属化材料1と似ている金属化材料1を示しているが、第1の接着剤層31を含み、これは、第1の不織布層20と第1のフィルム層30との間に直接位置している。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は第1の接着剤層を含み、第1の接着剤層は、第1のフィルム層と第1の不織布層との間に位置し、第1の不連続パターンを含む。不連続接着剤パターンは、例えば、水蒸気の通過を妨げない非接着剤領域を含むことにより通気性の低下を軽減しうる。例えば、第1の不連続パターンは、接着剤のない領域に囲まれた、第1の複数の離散的な接着剤アイランドを含んでよい。例えば、第1の不連続パターンは、連続の非接着剤領域と、連続の非接着剤領域に囲まれた複数の接着剤アイランドとを含んでよい。代替として、第1の不連続パターンは、接着剤がなく、接着剤の領域に囲まれている第1の複数の離散的なアイランドを含んでよい。接着剤の領域は、接着剤の連続ネットワークを含んでよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、第1の接着剤層は第1の不連続パターンを含んでよく、第1の不連続パターンは、第1の複数の独立した異なる接着剤線を含んでよい。例えば、第1の複数の独立した異なる接着剤線は、直線状、弧状、又はジグザグ形態であってよい。不連続な接着剤パターンの代替として、第1の接着剤層は第1の連続コーティングを含んでよく、第1の連続コーティングは、第1の不織布層と第1のフィルム層との間の境界面の実質的に全てを覆う。
【0036】
本発明の幾つかの実施形態によれば、第1の接着剤層は、坪量が約0.2~約5gsmであってよく、例えば、少なくとも約0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、及び2.5gsmのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約5、4、3、及び2.5gsmのいずれかであってよい。追加又は代替として、第1の接着剤層は、様々な接着剤材料を含んでよい。非限定的な例として、例えば、防湿感圧接着剤、アクリルホットメルト接着剤、又はこれらの組み合わせがある。
【0037】
本発明の幾つかの実施形態によれば、不織布(例えば、第1の不織布層)は、1つ以上のスパンボンド層、1つ以上のメルトブローン層、1つ以上のニードルパンチ層、1つ以上の水流交絡層、1つ以上のカード層、1つ以上のエアレイド層、1つ以上のウェットレイド層、1つ以上のサブミクロン層、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。例えば、不織布(例えば、第1の不織布層)は、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)構造を含んでよく、各「S」は約1~約5個のスパンボンド層を含んでよく、「M」は約1~約5個のメルトブローン層を含んでよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、不織布(例えば、第1の不織布層)は、1つ以上の合成ポリマーを含んでよく、例えば、1つ以上のポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、1つ以上のポリエステル、1つ以上のポリアミド、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。更に別の例では、不織布(例えば、第1の不織布層)は又、綿、パルプ、ビスコース、及びレーヨン等の天然セルロース繊維及び/又は合成セルロース繊維を含んでよい。例えば、1つ以上の層は、2つのスパンボンド層に挟まれてよい天然セルロース繊維及び/又は合成セルロース繊維を含む。追加又は代替として、不織布(例えば、第1の不織布層)は、不織布ウェブ(例えば、統合されていない不織布ウェブ)として、又は、本明細書に開示のいずれかの手段によって統合された不織布として与えられてよい。例えば、不織布は、熱カレンダリング、超音波ボンディング、メカニカルボンディング(例えば、水流交絡法)、ケミカルボンディング、又はこれらの任意の組み合わせによって統合されてよい。
【0038】
本発明の幾つかの実施形態によれば、不織布(例えば、第1の不織布層)は、坪量が約5~約500gsmであってよく、例えば、少なくとも約5、6、8、10、12、15、25、50、75、100、150、200、及び250gsmのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約500、450、400、350、300、及び250gsmのいずれかであってよい。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態によれば、フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、単層微孔質フィルム又は単層モノリシックフィルムを含んでよい。代替として、フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、1つ以上の微孔質フィルム及び/又は1つ以上のモノリシックフィルムを含む多層フィルムを含んでよい。フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、平均厚さが約5~約150ミクロンであってよく、例えば、少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、及び75ミクロンのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約150、125、100、90、80、及び75ミクロンのいずれかであってよい。
【0040】
本発明の幾つかの実施形態によれば、フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m2であってよく、例えば、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25、50、75、100、125、150、175、及び200g/m2のいずれかであってよく、且つ/又は、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり最大で約500、450、400、350、300、275、250、225、及び200g/m2のいずれかであってよい。追加又は代替として、フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、ハイドロスタティックヘッド(HSH)が、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50mbarであってよく、例えば、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50、60、75、80、100、及び125mbarのいずれかであってよく、且つ/又は、AATCC 127(60mbar/分)による測定で最大で約200、175、150、及び125mbarのいずれかであってよい。
【0041】
本発明の幾つかの実施形態によれば、フィルム(例えば、第1のフィルム層)は、合成ポリマー(例えば、1つ以上のポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)、1つ以上のポリエステル、又はこれらの組み合わせ)、及び/又は1つ以上のバイオポリマー(例えば、1つ以上のポリ乳酸)を含んでよい。
【0042】
上述のように、金属化材料は、MCLと基材との間に位置する保護コーティングを含んでよい。例えば、
図2は、本発明の幾つかの実施形態による、非導電性金属化層の拡大図であり、これは、キャリア層11及びTCL16を含む剥離ライナ10を含む。TCL16は、キャリア層11とMCL12とに直接挟まれている。
図2は、任意選択の保護コーティング層14を含む例示的実施形態を示している。本発明の幾つかの実施形態によれば、キャリア層は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、紙、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。この点において、キャリア層とTCLとの間の第1の接着強度は、TCLとMCLとの間の第2の接着強度より低い。従ってTCLがMCLに貼り付いたままでキャリア層がTCLから除去又は分離されることが可能であり、キャリア層は、この態様では剥離コーティングとして動作又は機能する。TCLは、例えば、熱剥離コーティング低温剥離コーティングを含んでよい。TCLは、例えば、光沢、艶消し、又は無光沢の外観になるように、光沢タイプ仕上げ、艶消しタイプ仕上げ、又は無光沢タイプ仕上げであってよい。本明細書に記載のように、TCLは、例えば、セルロースアセテートベース、シリコーンベース、及び/又はフッ化物ベースの材料を含んでよい。やはり本明細書に記載のように、TCLは、一般に、MCLの高反射率特性を利用するために透明である。
【0043】
図3は、本発明の幾つかの実施形態による、キャリア層及びTCL(例えば、剥離コーティング)を含む剥離ライナにMCLを堆積させるプロセスを示す。
図3に示すように、
図3ではまとめて「A」として示されている、キャリア層11及びTCL16を含む剥離ライナ50がロールからほどかれ、運ばれて真空コーティング工程60を通過し、工程60ではTCL層16にMCLが直接堆積される。キャリア層11、TCL16、及びMCL12を含む金属皮膜剥離ライナは、
図3ではまとめて「B」として示されており、Bは巻き取りロール55に集められてよい。
【0044】
本発明の幾つかの実施形態によれば、保護コーティングは様々な材料を含んでよい。保護コーティングの非限定的な例は、アルキドコーティング、エポキシコーティング、ポリエステルコーティング、アクリレートコーティング、ポリウレタンコーティング、又はこれらの組み合わせを含んでよい。追加又は代替として、保護コーティングは、平均厚さが約5~約150ミクロンであってよく、例えば、少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、及び75ミクロンのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約150、125、100、90、80、及び75ミクロンのいずれかであってよい。追加又は代替として、保護コーティングは、坪量が少なくとも約0.2gsmであってよく、例えば、少なくとも約0.2、0.4、0.5、0.75、1、1.5、及び2gsmのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約5、4、3.5、3、2.5、及び2gsmのいずれかであってよい。
【0045】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は又、第2の接着剤層を含んでよく、第2の接着剤層は、保護コーティングと基材との間に位置していて、保護コーティングを基材に接着しており、例えば、第2の接着剤層で不織布に直接接着している。例えば、第2の接着剤層は第2の不連続パターンを含んでよく、第2の不連続パターンは、接着剤のない領域に囲まれた、第2の複数の離散的な接着剤アイランドを含んでよい。代替として、第2の接着剤層は第2の不連続パターンを含んでよく、第2の不連続パターンは、接着剤がなく、接着剤の領域に囲まれている第2の複数の離散的なアイランドを含む。本発明の幾つかの実施形態によれば、第2の不連続パターンは、第2の複数の独立した異なる接着剤線を含んでよく、第2の複数の独立した異なる接着剤線は、直線状、弧状、又はジグザグ形態であってよい。代替として、第2の接着剤層は第2の連続コーティングを含み、第2の連続コーティングは、第1の不織布層と保護コーティングとの間の境界面の実質的に全てを覆う。
【0046】
本発明の幾つかの実施形態によれば、第2の接着剤層は様々な接着剤材料を含んでよい。例えば、非限定的な例として、熱硬化型又は架橋メタクリレート接着剤、水分硬化型反応性ポリウレタン、防湿感圧接着剤、アクリルホットメルト接着剤、又はこれらの組み合わせがある。追加又は代替として、第2の接着剤層は、坪量が約1~約10gsmであってよく、例えば、少なくとも約1、2、3、4、及び5gsmのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約10、9、8、7、6、及び5gsmのいずれかであってよい。
【0047】
本発明の幾つかの実施形態によれば、保護層は、MCLと第2の接着剤層との間に直接位置して、これらに隣接してよく、第2の接着剤層は、保護層と基材(例えば、第1の不織布層)との間に直接位置して、これらに隣接してよい。
【0048】
上述のように、MCLは、高反射率金属又は高反射率金属合金を含む。高反射率金属又は高反射率金属合金は、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の少なくとも約80%を反射し、或いは、例えば、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、12ミクロンの波長において))電磁放射線の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%を反射する。本発明の幾つかの実施形態によれば、高反射率金属又は高反射率金属合金は、アルミニウム又はその合金、金又はその合金、銅又はその合金、銀又はその合金、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、MCLは、平均厚さが約100nm~約1,000nmであってよく、例えば、少なくとも約100、200、300、400、及び500nmのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約1000、900、800、700、600、及び500nmのいずれかであってよい。追加又は代替として、MCLの形成は真空コーティング法で行われており、例えば、熱蒸発、Eビーム蒸発、スパッタリング、アークイオンめっき、プラズマ化学気相堆積法、又は原子層堆積法で行われている。
【0049】
本発明の幾つかの実施形態によれば、TCLはMCLに直接隣接している。TCLは、例えば、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって、例えば、約10~約14ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、12ミクロンの波長において))電磁放射線の透過率が少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%であってよい。上述のように、TCLは、セルロースアセテートベースの材料、シリコーンベースの材料、フッ化物ベースの材料、又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0050】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m2であってよく、例えば、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25、50、75、100、125、150、175、及び200g/m2のいずれかであってよく、且つ/又は、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり最大で約500、450、400、350、300、275、250、225、及び200g/m2のいずれかであってよい。追加又は代替として、金属化材料は、ハイドロスタティックヘッド(HSH)が、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50mbarであってよく、例えば、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50、60、75、80、100、及び125mbarのいずれかであってよく、且つ/又は、AATCC 127(60mbar/分)による測定で最大で約200、175、150、及び125mbarのいずれかであってよい。追加又は代替として、金属化材料は、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロン又は約10~約13ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、12ミクロンの波長において))電磁放射線の少なくとも約80%を反射してよく、或いは、例えば、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロン又は約10~約13ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、12ミクロンの波長において))電磁放射線の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%を反射してよい。
【0051】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は非導電性である。上述のように、TCLは、金属化材料の一番外側の層を画定してよく、フィルム層(例えば、第1のフィルム層)は、金属化材料の二番目に外側の層を画定してよく、MCLは、金属化材料の2つの最外層の間にある少なくとも1つの層を構成する。例えば、金属化材料は、TCLと基材又は他の任意選択の中間層との間に直接又は間接的に包み込まれた、本明細書に記載のMCLを含む複合生成物を含んでよい。この点において、MCLは、外部環境に直接曝されてはいない。従って、MCLは、外部環境から遮蔽されており、遮蔽されていなければMCLと関連付けられうるいかなる導電性も極度に低減又は排除する。金属化材料は、例えば、非導電性金属化材料であってよく、それは、MCLが外部環境と接触しないためである。例えば、MCLは、(例えば、手術室環境においては)電気的危険要因ではない。本発明の幾つかの実施形態によれば、金属化材料は、IST 40.1(即ち、表面導電率の逆数である表面抵抗率の試験方法)による測定で、導電率が約5.0×10-11S/m未満(即ち、電気抵抗率が約1.0×109Ω・m超)であり、例えば、約4.0×10-11S/m未満、又は約3.0×10-11S/m未満、又は約2.0×10-11S/m未満、又は約1.0×10-11S/m未満である。
【0052】
別の態様では、本発明は剥離可能な金属化材料を提供し、この剥離可能な金属化材料は、本明細書に記載及び開示の金属化材料と、TCLに直接隣接して位置する除去可能キャリア層とを含む。例えば、キャリア層は、TCLを残して選択的に除去又は剥離されてよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、キャリア層は、平均厚さが約25~約100ミクロンであってよく、例えば、少なくとも約25、30、40、及び50ミクロンのいずれかであってよく、且つ/又は、最大で約100、90、80、70、60、及び50ミクロンのいずれかであってよい。追加又は代替として、キャリア層は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、紙、又はこれらの任意の組み合わせを含んでよい。上述のように、剥離可能な金属化材料は、キャリア層とTCLとの間に第1の接着強度があってよく、TCLとMCLとの間に第2の接着強度があってよく、第2の接着強度は第1の接着強度より高い。従って、キャリア層は、TCLをMCLに接着されたまま残すように除去されてよく(例えば、剥離されてよく)、それによって、TCLは金属化材料の最外層の1つを画定する。
【0053】
別の態様では、本発明は、剥離可能な金属化材料を製造する方法を提供し、この方法は、(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、この金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、MCLは保護コーティングとTCLとの間に位置する、金属含有中間材料を用意又は形成するステップと、(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、(iii)金属含有中間材料を基材に接着して、本明細書に開示及び記載のような、剥離可能な金属化材料を用意するステップと、を含む。
【0054】
本発明の幾つかの実施形態によれば、本方法は、金属含有中間材料を形成するステップを含んでよく、このステップは、(a)キャリア層を用意又は形成するステップと、(b)キャリア層にTCLを直接堆積させるステップと、(c)TCLにMCLを直接堆積させるステップと、(d)任意選択で、MCLに保護コーティングを直接又は間接的に堆積させるステップと、を含んでよい。
図3は、上述のように、金属含有中間材料を形成する方法を示している。
図3は、任意選択の保護コーティングの堆積を示していないが、保護コーティングは、ロールコーティング、ナイフコーティング、ダイコーティング、スプレーコーティング、又は印刷によってMCLに塗布されてよい。上述のように、TCLにMCLを直接堆積させることは、真空コーティング法で行われてよく、例えば、熱蒸発、Eビーム蒸発、スパッタリング、アークイオンめっき、プラズマ化学気相堆積法、又は原子層堆積法で行われてよい。基材を形成するステップは、例えば、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を製造するステップを含んでよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、複合物を製造するステップは、第1のフィルム層を第1の不織布層の第1の面に直接、溶融押し出しするステップを含んでよい。代替として、複合物を製造するステップは、上述のように、第1の接着剤層を介して、第1のフィルム層を第1の不織布の第1の面に接着剤で接着するステップを含んでよい。例えば、第1の接着剤層の形成は、ロールコーティング、ナイフコーティング、ダイコーティング、又はスプレーコーティングで行われてよい。
【0055】
本発明の幾つかの実施形態によれば、金属含有中間材料を基材に接着して、剥離可能な金属化材料を用意するステップは、上述のように、第2の接着剤層を介して、金属含有中間材料を基材に直接、接着剤で接着するステップを含んでよい。本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、第2の接着剤層が基材に堆積されて(例えば、第1の不織布層に直接堆積されて)、その後、基材と金属含有中間材料とが貼り合わされてよく、第2の接着剤層は、基材とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、基材と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する。本発明の幾つかの実施形態によれば、例えば、第2の接着剤層が金属含有中間材料に堆積されて、その後、基材と金属含有中間材料とが貼り合わされてよく、第2の接着剤層は、基材とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、基材と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する。本発明の幾つかの実施形態によれば、第2の接着剤層は、第1の不織布層とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、第1の不織布層と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する。
【0056】
本発明の幾つかの実施形態によれば、基材は第1の不織布層を含んでよく、金属含有中間材料を基材に接着するステップは、第2の接着剤層を介して、第1の不織布層をMCLに直接、接着剤で接着するか、任意選択の保護層に接着剤で接着するステップを含む。本方法は又、第2の接着剤層を介して、第1の不織布層をMCLに直接接着するか、任意選択の保護層に接着するステップの後に、第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップを含んでよい。例えば、第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップは、第1のフィルム層を第1の不織布層の第1の面に直接、溶融押し出しするステップを含んでよい。代替として、第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップは、上述のように、第1の接着剤層を介して、第1のフィルム層を第1の不織布の第1の面に接着剤で接着するステップを含んでよい。
【0057】
図4Aは、本発明の幾つかの実施形態による、金属化材料において使用される基材として複合物を形成するプロセスを示す。
図4Aに示すように、第1の不織布層20がロールからほどかれ、運ばれて第1の接着剤塗布場所32を通過し、そこでは第1の不織布層に第1の接着剤31が堆積される。第1の接着剤31が第1の不織布層20に堆積された後、接着剤をコーティングされた第1の不織布層は、工程34において、第1のフィルム層30(例えば、通気性のあるフィルム層)と接着剤で貼り合わされ、その後、乾燥及び/又は冷却工程36を経て、複合物ロール37に集められる。この点において、
図4Aは、第1の不織布層と第1のフィルム層とが接着剤で接着される例示的実施形態を示している。
図4Aは、第1の不織布層に接着剤を塗布してから第1のフィルム層と貼り合わせる/接着するステップを示しているが、接着剤を代替として第1のフィルム層にコーティングしてから、又は第1のフィルム層にもコーティングしてから、第1の不織布層と貼り合わせても/接着してもよい。
【0058】
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態による、金属化材料において使用される基材として複合物を形成する別のプロセスを示す。
図4Aに示すように、第1の不織布層20がロールからほどかれ、ほどかれた第1の不織布層20に第1のフィルム層25が直接、溶融押し出しされる。その後、新しく形成された複合物は、乾燥及び/又は冷却工程26を経て、複合物ロール38に集められてよい。
【0059】
図5Aに示すように、複合物ロール37又は38がほどかれ、複合物が運ばれて第2の接着剤場所22を通過してよく、そこでは複合物の第1の不織布層に第2の接着剤21が堆積され、その後に加熱工程23がある。加熱工程23では第2の接着剤の硬化又は養生が行われてよく、その後、接着剤をコーティングされた複合物は、工程24で金属含有中間材料55と貼り合わされ/接着され、その後、乾燥及び/又は冷却工程27を経て、剥離可能な金属化材料が得られる。
【0060】
図5Bに示すように、金属含有中間材料55がほどかれ、運ばれて第3の接着剤場所65を通過し、そこでは、金属含有中間材料の保護コーティング(存在する場合)又はMCL(保護コーティングが存在しない場合)に第2の接着剤が堆積され、その後の加熱工程70で第2の接着剤の硬化又は養生が行われてよい。次に、接着剤をコーティングされた金属含有中間材料は、複合物37又は38と貼り合わされて/接着されて、その後、乾燥及び/又は冷却工程80を経て、剥離可能な金属化材料が得られる。
【0061】
更に又、別の態様では、本発明は、金属化材料を製造する方法を提供し、この方法は、(i)本明細書に記載及び開示のような、剥離可能な金属化材料を用意するステップ、又は、本明細書に記載及び開示のような方法で剥離可能な金属化材料を形成するステップと、(ii)キャリア層を除去して、本明細書に記載及び開示のような金属化材料を用意するステップと、を含む。例えば、本方法は、層間剥離プロセスによりキャリア層を除去するステップを含んでよく、キャリア層はTCLから分離され、TCLは、金属化材料の一番外側の層を画定する。
【0062】
例えば、
図5Aは層間剥離ステップ28を示しており、このステップでは、キャリア層が分離されてキャリアロール11に集められ、残りの金属化材料1は別のロールに集められる。同様に、
図5Bは層間剥離ステップ85を示しており、このステップでは、キャリア層が分離されてキャリアロール11に集められ、残りの金属化材料1は別のロールに集められる。
【0063】
実施例
【0064】
本開示は更に、以下の実施例によって示される。これらの実施例は、決して限定として解釈されるべきではない。即ち、以下の実施例に記載の具体的な特徴は限定ではなく例示に過ぎない。
【0065】
実施例1
【0066】
原材料:
【0067】
透明PETキャリア層を含み、光沢タイプのセルロースアセテートの透明コーティング層(TCL)を剥離コーティングとして有する25ミクロン剥離ライナ。MCLの形成に利用した金属は、純度99.80%のアルミニウムワイヤであった。保護コーティングは、アクリレートベースの材料から形成した。複合物基材を使用しており、その不織布層は、9gsmのSMS不織布を、12gsmの通気性のあるポリエチレンフィルム層に、アクリルホットメルト接着剤で接着したものである。SMS不織布は、架橋メタクリレート接着剤で保護コーティングに接着した。
【0068】
プロセス:
【0069】
セルロースアセテートベースのTCLの上に5,000ÅのアルミニウムMCLを形成し、これを、ロール対ロール熱蒸発機でPETキャリア層に堆積させた。2gsmのアクリレートベースの保護コーティングを、ロールコーティングにより、MCLにコーティングした。次に、9gsmの不織布層を、2gsmのアクリルホットメルト接着剤のスプレーコーティングで、12gsmの通気性のあるPEフィルムに接着した。4gsmの架橋メタクリレート接着剤の層を、上記で形成した不織布-フィルム複合物の不織布面にロールコーティングでコーティングした。次に、MCLを覆っている保護コーティングを架橋メタクリレート接着剤でSMS不織布ウェブと貼り合わせ/接着し、圧迫及び養生により、それらを結合させた。最後に、層間剥離プロセスによりキャリア層を除去した。即ち、キャリア層(即ち、PET)を第1のスプールに巻き取り、結果として得られた金属化材料を第2のロールに巻き取った。この金属化材料に関する試験結果を表1にまとめた。
図6は、結果として得られた金属化材料の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【表1】
【0070】
実施例2
【0071】
原材料:
【0072】
透明PVCキャリア層を含み、無光沢タイプのセルロースアセテートの透明コーティング層(TCL)を剥離コーティングとして有する30ミクロン剥離ライナ。MCLの形成に利用した金属は、純度99.80%のアルミニウムワイヤであった。保護コーティングは、アクリレートベースの材料から形成した。複合物基材を使用しており、その不織布層は、9gsmのSMS不織布を、12gsmの通気性のある熱可塑性エラストマ(TPE)フィルム層に、アクリルホットメルト接着剤で接着したものである。SMS不織布は、架橋メタクリレート接着剤で保護コーティングに接着した。
【0073】
プロセス:
【0074】
セルロースアセテートベースのTCLの上に6,000ÅのアルミニウムMCLを形成し、これを、ロール対ロール熱蒸発機でPETキャリア層に堆積させた。2gsmのアクリレートベースの保護コーティングを、スプレーコーティングにより、MCLにコーティングした。次に、9gsmの不織布層を、2gsmのアクリルホットメルト接着剤のスプレーコーティングで、12gsmの通気性のあるTPEフィルムに接着した。3gsmの架橋メタクリレート接着剤の層を、上記で形成した不織布-フィルム複合物の不織布面にロールコーティングでコーティングした。次に、MCLを覆っている保護コーティングを架橋メタクリレート接着剤でSMS不織布ウェブと貼り合わせ/接着し、圧迫及び養生により、それらを結合させた。最後に、層間剥離プロセスによりキャリア層を除去した。即ち、キャリア層(即ち、PET)を第1のスプールに巻き取り、結果として得られた金属化材料を第2のロールに巻き取った。この金属化材料に関する試験結果を表2にまとめた。
図7は、結果として得られた金属化材料の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【表2】
【0075】
実施例3
【0076】
原材料:
【0077】
紙キャリア層を含み、無光沢タイプのシリコーンベースの透明コーティング層(TCL)を剥離コーティングとして有する75ミクロン剥離ライナ。MCLの形成に利用した金属は、純度99.80%のアルミニウムワイヤであった。保護コーティングは、アクリレートベースの材料から形成した。複合物基材を使用しており、その不織布層は、9gsmのSMS不織布の上に、12gsmのキャスティングPEフィルム層を溶融押し出ししたものである。SMS不織布は、架橋メタクリレート接着剤で保護コーティングに接着した。
【0078】
プロセス:
【0079】
シリコーンベースのTCLの上に4,000ÅのアルミニウムMCLを形成し、これを、ロール対ロール熱蒸発機で紙キャリア層に堆積させた。1gsmのアクリレートベースの保護コーティングを、ロールコーティングにより、MCLにコーティングした。次に、12gsmのPEフィルムを、9gsmの不織布の上に直接、溶融押し出しした。5gsmの架橋メタクリレート接着剤の層を、上記で形成した不織布-フィルム複合物の不織布面にロールコーティングでコーティングした。次に、MCLを覆っている保護コーティングを架橋メタクリレート接着剤でSMS不織布ウェブと貼り合わせ/接着し、圧迫及び養生により、それらを結合させた。最後に、層間剥離プロセスによりキャリア層を除去した。即ち、キャリア層(即ち、紙)を第1のスプールに巻き取り、結果として得られた金属化材料を第2のロールに巻き取った。この金属化材料に関する試験結果を表3にまとめた。
図8は、結果として得られた金属化材料の画像であり、TCLを通してMCLが見えている。
【0080】
【0081】
非限定的な例示的実施形態
【0082】
以下の例示的実施形態は、例示のみを目的としており、本出願に記載の各特徴が様々な様式又は構成で互換可能であることを強調している。
【0083】
実施例1。
(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、(ii)金属コーティング層(MCL)と、(iii)透明コーティング層(TCL)を含む金属化材料と、を含む金属化材料であって、MCLは基材とTCLとの間に直接又は間接的に位置する、金属化材料。
【0084】
実施例2。
基材は、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を含む、実施例1に記載の金属化材料。
【0085】
実施例3。
複合物は、第1の不織布層の上に直接、溶融押し出しされた第1のフィルム層を含む、実施例2に記載の金属化材料。
【0086】
実施例4。
複合物は更に、第1の接着剤層を含み、第1の接着剤層は、第1の不織布層と第1のフィルム層との間に位置して、第1の不織布層と第1のフィルム層とを接着している、実施例2に記載の金属化材料。
【0087】
実施例5。
第1の接着剤層は第1の不連続パターンを含み、第1の不連続パターンは、接着剤のない領域に囲まれた、第1の複数の離散的な接着剤アイランドを含む、実施例4に記載の金属化材料。
【0088】
実施例6。
第1の接着剤層は第1の不連続パターンを含み、第1の不連続パターンは、接着剤がなく、接着剤の領域に囲まれている第1の複数の離散的なアイランドを含む、実施例4に記載の金属化材料。
【0089】
実施例7。
第1の接着剤層は第1の不連続パターンを含み、第1の不連続パターンは、第1の複数の独立した異なる接着剤線を含み、第1の複数の独立した異なる接着剤線は、直線状、弧状、又はジグザグ形態であってよい、実施例4に記載の金属化材料。
【0090】
実施例8。
第1の接着剤層は第1の連続コーティングを含み、第1の連続コーティングは、第1の不織布層と第1のフィルム層との間の境界面の実質的に全てを覆う、実施例4に記載の金属化材料。
【0091】
実施例9。
第1の接着剤層は、坪量が約0.2~約5gsmであり、例えば、少なくとも約0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、及び2.5gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約5、4、3、及び2.5gsmのいずれかである、実施例4~8に記載の金属化材料。
【0092】
実施例10。
第1の接着剤層は、防湿感圧接着剤、アクリルホットメルト接着剤、又はこれらの組み合わせを含む、実施例4~9に記載の金属化材料。
【0093】
実施例11。
不織布は、1つ以上のスパンボンド層、1つ以上のメルトブローン層、1つ以上のニードルパンチ層、1つ以上の水流交絡層、1つ以上のカード層、1つ以上のサブミクロン層、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施例1~10に記載の金属化材料。
【0094】
実施例12。
不織布は、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド構造を含む、実施例11に記載の金属化材料。
【0095】
実施例13。
不織布は、坪量が約5~約500gsmであり、例えば、少なくとも約5、6、8、10、12、15、25、50、75、100、150、200、及び250gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約500、450、400、350、300、及び250gsmのいずれかである、実施例11~12に記載の金属化材料。
【0096】
実施例14。
不織布は合成ポリマーを含み、例えば、1つ以上のポリオレフィン、1つ以上のポリエステル、1つ以上のポリアミド、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施例11~13に記載の金属化材料。
【0097】
実施例15。
不織布は、天然セルロース材料、合成セルロース材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施例11~14に記載の金属化材料。
【0098】
実施例16。
フィルムは、単層微孔質フィルム又は単層モノリシックフィルムを含む、実施例1~15に記載の金属化材料。
【0099】
実施例17。
フィルムは、1つ以上の微孔質フィルム及び/又は1つ以上のモノリシックフィルムを含む多層フィルムを含む、実施例1~15に記載の金属化材料。
【0100】
実施例18。
フィルムは、平均厚さが約5~約150ミクロンであり、例えば、少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、及び75ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約150、125、100、90、80、及び75ミクロンのいずれかである、実施例1~17に記載の金属化材料。
【0101】
実施例19。
フィルムは、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m2であり、例えば、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25、50、75、100、125、150、175、及び200g/m2のいずれかであり、且つ/又は、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり最大で約500、450、400、350、300、275、250、225、及び200g/m2のいずれかである、実施例1~18に記載の金属化材料。
【0102】
実施例20。
フィルムは、ハイドロスタティックヘッド(HSH)が、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50mbarであり、例えば、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50、60、75、80、100、及び125mbarのいずれかであり、且つ/又は、AATCC 127(60mbar/分)による測定で最大で約200、175、150、及び125mbarのいずれかである、実施例1~19に記載の金属化材料。
【0103】
実施例21。
フィルムは、合成ポリマー(例えば、1つ以上のポリオレフィン、1つ以上のポリエステル、又はこれらの組み合わせ)、及び/又は1つ以上のバイオポリマー(例えば、1つ以上のポリ乳酸)を含む、実施例1~20に記載の金属化材料。
【0104】
実施例22。
MCLと基材との間に位置する保護コーティングを更に含む、実施例1~21に記載の金属化材料。
【0105】
実施例23。
保護コーティングは、アルキドコーティング、エポキシコーティング、ポリエステルコーティング、アクリレートコーティング、ポリウレタンコーティング、又はこれらの組み合わせを含む、実施例22に記載の金属化材料。
【0106】
実施例24。
保護コーティングは、平均厚さが約5~約150ミクロンであり、例えば、少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、及び75ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約150、125、100、90、80、及び75ミクロンのいずれかである、実施例22~23に記載の金属化材料。
【0107】
実施例25。
保護コーティングは、坪量が少なくとも約0.2gsmであり、例えば、少なくとも約0.2、0.4、0.5、0.75、1、1.5、及び2gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約5、4、3.5、3、2.5、及び2gsmのいずれかである、実施例22~24に記載の金属化材料。
【0108】
実施例26。
第2の接着剤層を更に含み、第2の接着剤層は、保護コーティングと基材との間に位置していて、保護コーティングを基材に接着しており、例えば、第2の接着剤層で不織布に直接接着している、実施例22~25に記載の金属化材料。
【0109】
実施例27。
第2の接着剤層は第2の不連続パターンを含み、第2の不連続パターンは、接着剤のない領域に囲まれた、第2の複数の離散的な接着剤アイランドを含む、実施例22~26に記載の金属化材料。
【0110】
実施例28。
第2の接着剤層は第2の不連続パターンを含み、第2の不連続パターンは、接着剤がなく、接着剤の領域に囲まれている第2の複数の離散的なアイランドを含む、実施例22~26に記載の金属化材料。
【0111】
実施例29。
第2の接着剤層は第2の不連続パターンを含み、第2の不連続パターンは、第2の複数の独立した異なる接着剤線を含み、第2の複数の独立した異なる接着剤線は、直線状、弧状、又はジグザグ形態であってよい、実施例22~26に記載の金属化材料。
【0112】
実施例30。
第2の接着剤層は第2の連続コーティングを含み、第2の連続コーティングは、第1の不織布層と保護コーティングとの間の境界面の実質的に全てを覆う、実施例22~26に記載の金属化材料。
【0113】
実施例31。
第2の接着剤層は、熱硬化型又は架橋メタクリレート接着剤、水分硬化型反応性ポリウレタン、防湿感圧接着剤、アクリルホットメルト接着剤、又はこれらの組み合わせを含み、第2の接着剤層は、坪量が約1~約10gsmであり、例えば、少なくとも約1、2、3、4、及び5gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約10、9、8、7、6、及び5gsmのいずれかである、実施例22~30に記載の金属化材料。
【0114】
実施例32。
保護層は、MCLと第2の接着剤層との間に直接位置して、これらに隣接しており、第2の接着剤層は、保護層と基材との間に直接位置して、これらに隣接している、実施例31に記載の金属化材料。
【0115】
実施例33。
MCLは、高反射率金属又は高反射率金属合金を含む、実施例1~32に記載の金属化材料。
【0116】
実施例34。
高反射率金属又は高反射率金属合金は、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の少なくとも約80%を反射し、或いは、例えば、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%を反射する、実施例33に記載の金属化材料。
【0117】
実施例35。
高反射率金属又は高反射率金属合金は、アルミニウム又はその合金、金又はその合金、銅又はその合金、銀又はその合金、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施例33~34に記載の金属化材料。
【0118】
実施例36。
MCLは、平均厚さが約100nm~約1,000nmであり、例えば、少なくとも約100、200、300、400、及び500nmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約1000、900、800、700、600、及び500nmのいずれかである、実施例33~35に記載の金属化材料。
【0119】
実施例37。
MCLの形成は真空コーティング法で行われており、例えば、熱蒸発、Eビーム蒸発、スパッタリング、アークイオンめっき、プラズマ化学気相堆積法、又は原子層堆積法で行われている、実施例33~35に記載の金属化材料。
【0120】
実施例38。
TCLはMCLに直接隣接している、実施例1~37に記載の金属化材料。
【0121】
実施例39。
TCLは、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロンの全ての波長にわたって、例えば、約10~約14ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の透過率が少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、又は99%である、実施例1~38に記載の金属化材料。
【0122】
実施例40。
TCLは、セルロースアセテートベースの材料、シリコーンベースの材料、フッ化物ベースの材料、又はこれらの組み合わせを含む、実施例1~39に記載の金属化材料。
【0123】
実施例41。
TCLは、光沢タイプ仕上げ、艶消しタイプ仕上げ、又は無光沢タイプ仕上げを含む、実施例1~40に記載の金属化材料。
【0124】
実施例42。
金属化材料は、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m2であり、例えば、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25、50、75、100、125、150、175、及び200g/m2のいずれかであり、且つ/又は、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり最大で約500、450、400、350、300、275、250、225、及び200g/m2のいずれかである、実施例1~41に記載の金属化材料。
【0125】
実施例43。
金属化材料は、ハイドロスタティックヘッド(HSH)が、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50mbarであり、例えば、AATCC 127(60mbar/分)による測定で少なくとも約50、60、75、80、100、及び125mbarのいずれかであり、且つ/又は、AATCC 127(60mbar/分)による測定で最大で約200、175、150、及び125mbarのいずれかである、実施例1~42に記載の金属化材料。
【0126】
実施例44。
金属化材料は、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロン又は約10~約13ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の少なくとも約80%を反射し、或いは、例えば、約1~約20ミクロンの全ての波長にわたって(例えば、約8~約15ミクロン又は約10~約13ミクロンの全ての波長にわたって)電磁放射線の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%を反射する、実施例1~43に記載の金属化材料。
【0127】
実施例45。
金属化材料は非導電性である、実施例1~44に記載の金属化材料。
【0128】
実施例46。
金属化材料は、導電率が約5.0×10-11S/m未満である、実施例1~44に記載の金属化材料。
【0129】
実施例47。
(i)実施例1~46のいずれか1つによる金属化材料と、(ii)TCLに直接隣接して位置するキャリア層と、を含む剥離可能な金属化材料。
【0130】
実施例48。
キャリア層は、平均厚さが約25~約100ミクロンであり、例えば、少なくとも約25、30、40、及び50ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約100、90、80、70、60、及び50ミクロンのいずれかである、実施例47に記載の剥離可能な金属化材料。
【0131】
実施例49。
キャリア層は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、紙、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施例47~48に記載の剥離可能な金属化材料。
【0132】
実施例50。
キャリア層とTCLとの間に第1の接着強度を更に含み、TCLとMCLとの間に第2の接着強度を更に含み、第2の接着強度は第1の接着強度より高い、実施例47~49に記載の剥離可能な金属化材料。
【0133】
実施例51。
剥離可能な金属化材料を製造する方法であって、(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、この金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、MCLは保護コーティングとTCLとの間に位置する、金属含有中間材料を用意又は形成するステップと、(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、(iii)金属含有中間材料を基材に接着して、実施例47~50のいずれかによる剥離可能な金属化材料を用意するステップと、を含む方法。
【0134】
実施例52。
金属含有中間材料を形成するステップは、(a)キャリア層を用意又は形成するステップと、(b)キャリア層に透明コーティング層(TCL)を直接堆積させるステップと、(c)TCLに金属コーティング層(MCL)を直接堆積させるステップと、(d)任意選択で、MCLに保護コーティングを直接又は間接的に堆積させるステップと、を含む、実施例51に記載の方法。
【0135】
実施例53。
基材を形成するステップは、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を製造するステップを含む、実施例51~52に記載の方法。
【0136】
実施例54。
複合物を製造するステップは、第1のフィルム層を第1の不織布層の第1の面に直接、溶融押し出しするステップを含む、実施例53に記載の方法。
【0137】
実施例55。
複合物を製造するステップは、第1の接着剤層を介して、第1のフィルム層を第1の不織布の第1の面に接着剤で接着するステップを含む、実施例53に記載の方法。
【0138】
実施例56。
金属含有中間材料を基材に接着して、剥離可能な金属化材料を用意するステップは、第2の接着剤層を介して、金属含有中間材料を基材に直接、接着剤で接着するステップを含む、実施例51~55に記載の方法。
【0139】
実施例57。
第2の接着剤層が基材に堆積されて、その後、基材と金属含有中間材料とが貼り合わされ、第2の接着剤層は、基材とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、基材と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する、実施例56に記載の方法。
【0140】
実施例58。
第2の接着剤層が金属含有中間材料に堆積されて、その後、基材と金属含有中間材料とが貼り合わされ、第2の接着剤層は、基材とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、基材と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する、実施例56に記載の方法。
【0141】
実施例59。
第2の接着剤層は、第1の不織布層とMCLとの間に位置して、これらに隣接するか、第1の不織布層と任意選択の保護層との間に位置して、これらに隣接する、実施例57~58に記載の方法。
【0142】
実施例60。
基材は第1の不織布層を含み、金属含有中間材料を基材に接着するステップは、第2の接着剤層を介して、第1の不織布層をMCLに直接、接着剤で接着するか、任意選択の保護層に接着剤で接着するステップを含む、実施例51~52に記載の方法。
【0143】
実施例61。
第2の接着剤層を介して、第1の不織布層をMCLに直接接着するか、任意選択の保護層に接着するステップの後に、第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップを更に含む、実施例60に記載の方法。
【0144】
実施例62。
第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップは、第1のフィルム層を第1の不織布層の第1の面に直接、溶融押し出しするステップを含む、実施例61に記載の方法。
【0145】
実施例63。
第1の不織布層に第1のフィルム層を接着するステップは、第1の接着剤層を介して、第1のフィルム層を第1の不織布の第1の面に接着剤で接着するステップを含む、実施例61に記載の方法。
【0146】
実施例64。
金属化材料を製造する方法であって、(i)実施例47~50のいずれかによる、剥離可能な金属化材料を用意するステップ、又は、実施例51~63のいずれかによる、剥離可能な金属化材料を形成するステップと、(ii)実施例1~63のいずれかによる、キャリア層を除去して金属化材料を用意するステップと、を含む方法。
【0147】
実施例65。
キャリア層を除去するステップは層間剥離プロセスを含み、キャリア層はTCLから分離され、TCLは、金属化材料の一番外側の層を画定する、実施例64に記載の方法。
【0148】
本発明に対するこれら及び他の修正及び変形は、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲(これは添付の特許請求項において、より具体的に記載されている)から逸脱することなく実施されよう。更に、当然のこととして、様々な実施形態の態様は、全体又は一部が互換可能である。更に、当業者であれば理解されるように、上述の説明は、あくまで例示であり、本発明を限定することを意図するものではなく、そのような添付の特許請求項において更に説明される。従って、添付の特許請求項の趣旨及び範囲は、本明細書に含まれている形態の例示的説明に限定されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、
(ii)金属コーティング層(MCL)と、
(iii)透明コーティング層(TCL)と、
を含む金属化材料であって、前記MCLは前記基材と前記TCLとの間に直接又は間接的に位置
し、
(a)前記金属化材料は、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m
2
であり、(b)前記TCLが、前記金属化材料の一番外側の層を画定し、前記基材が、前記金属化材料の二番目に外側の層を画定する、
金属化材料。
【請求項2】
前記基材は、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項3】
前記複合物は、前記第1の不織布層の上に直接、溶融押し出しされた前記第1のフィルム層を含む、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項4】
前記複合物は更に、第1の接着剤層を含み、前記第1の接着剤層は、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層との間に位置して、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層とを接着しており、前記第1の接着剤層は、坪量が約0.2~約5gsmで
ある、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項5】
前記第1のフィルム層は、(i)単層微孔質フィルム又は単層モノリシックフィルムを含み、又は、(ii)1つ以上の微孔質フィルム及び/又は1つ以上のモノリシックフィルムを含む多層フィルムを含む、請求項2に記載の金属化材料。
【請求項6】
前記MCLと前記基材との間に位置する保護コーティングを更に含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項7】
第2の接着剤層を更に含み、前記第2の接着剤層は、前記保護コーティングと前記基材との間に位置していて、前記保護コーティングを前記基材に接着しており、例えば、前記第2の接着剤層で前記不織布に直接接着している、請求項6に記載の金属化材料。
【請求項8】
前記MCLは、高反射率金属又は高反射率金属合金を含む、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項9】
前記金属化材料は、導電率が約5.0×10
-11
S/m未満である、請求項1に記載の金属化材料。
【請求項10】
(i)請求項1に記載の金属化材料と、
(ii)前記TCLに直接隣接して位置するキャリア層と、前記キャリア層と前記TCLとの間の第1の接着強度と、前記TCLと前記MCLとの間の第2の接着強度と、を含み、前記第2の接着強度は前記第1の接着強度より高い、
剥離可能な金属化材料。
【請求項11】
前記キャリア層は、平均厚さが約25~約100ミクロンであり、例えば、少なくとも約25、30、40、及び50ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約100、90、80、70、60、及び50ミクロンのいずれかである、請求項10に記載の剥離可能な金属化材料。
【請求項12】
剥離可能な金属化材料を製造する方法であって、
(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、前記金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)前記キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)前記TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、前記MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、前記MCLは前記保護コーティングと前記TCLとの間に位置する、前記金属含有中間材料を用意又は形成する前記ステップと、
(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、
(iii)前記金属含有中間材料を前記基材に接着して、前記剥離可能な金属化材料を用意するステップと、を含み、
前記キャリア層の除去の際、(a)前記金属化材料は、水蒸気透過率(MVTR)が、ASTM E96Dによる測定で24時間当たり少なくとも約25g/m
2
であり、(b)前記TCLが、前記金属化材料の一番外側の層を画定し、前記基材が、前記金属化材料の二番目に外側の層を画定する、
方法。
【請求項13】
前記金属含有中間材料を形成する前記ステップは、(a)キャリア層を用意又は形成するステップと、(b)前記キャリア層に透明コーティング層(TCL)を直接堆積させるステップと、(c)前記TCLに金属コーティング層(MCL)を直接堆積させるステップと、(d)任意選択で、前記MCLに保護コーティングを直接又は間接的に堆積させるステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
金属化材料を製造する方法であって、
(i)請求項10のいずれか一項に記載の剥離可能な金属化材料を用意するステップと、
(ii)前記キャリア層を除去して、金属化材料を用意するステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記キャリア層を除去する前記ステップは層間剥離プロセスを含み、前記キャリア層は前記TCLから分離され、前記TCLは、前記金属化材料の一番外側の層を画定する、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
本発明に対するこれら及び他の修正及び変形は、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲(これは添付の特許請求項において、より具体的に記載されている)から逸脱することなく実施されよう。更に、当然のこととして、様々な実施形態の態様は、全体又は一部が互換可能である。更に、当業者であれば理解されるように、上述の説明は、あくまで例示であり、本発明を限定することを意図するものではなく、そのような添付の特許請求項において更に説明される。従って、添付の特許請求項の趣旨及び範囲は、本明細書に含まれている形態の例示的説明に限定されるべきではない。
〔付記1〕
(i)不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材と、
(ii)金属コーティング層(MCL)と、
(iii)透明コーティング層(TCL)と、
を含む金属化材料であって、前記MCLは前記基材と前記TCLとの間に直接又は間接的に位置する、金属化材料。
〔付記2〕
前記基材は、第1の不織布層及び第1のフィルム層を含む複合物を含む、付記1に記載の金属化材料。
〔付記3〕
前記複合物は、前記第1の不織布層の上に直接、溶融押し出しされた前記第1のフィルム層を含む、付記2に記載の金属化材料。
〔付記4〕
前記複合物は更に、第1の接着剤層を含み、前記第1の接着剤層は、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層との間に位置して、前記第1の不織布層と前記第1のフィルム層とを接着しており、前記第1の接着剤層は、坪量が約0.2~約5gsmであり、例えば、少なくとも約0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、及び2.5gsmのいずれかであり、且つ/又は、最大で約5、4、3、及び2.5gsmのいずれかである、付記2に記載の金属化材料。
〔付記5〕
前記第1の不織布層は、1つ以上のスパンボンド層、1つ以上のメルトブローン層、1つ以上のニードルパンチ層、1つ以上の水流交絡層、1つ以上のカード層、1つ以上のサブミクロン層、又はこれらの任意の組み合わせを含む、付記2~4のいずれか一項に記載の金属化材料。
〔付記6〕
前記第1のフィルム層は、単層微孔質フィルム又は単層モノリシックフィルムを含む、付記2に記載の金属化材料。
〔付記7〕
前記第1のフィルム層は、1つ以上の微孔質フィルム及び/又は1つ以上のモノリシックフィルムを含む多層フィルムを含む、付記2に記載の金属化材料。
〔付記8〕
前記MCLと前記基材との間に位置する保護コーティングを更に含む、付記1に記載の金属化材料。
〔付記9〕
第2の接着剤層を更に含み、前記第2の接着剤層は、前記保護コーティングと前記基材との間に位置していて、前記保護コーティングを前記基材に接着しており、例えば、前記第2の接着剤層で前記不織布に直接接着している、付記8に記載の金属化材料。
〔付記10〕
前記MCLは、高反射率金属又は高反射率金属合金を含む、付記1に記載の金属化材料。
〔付記11〕
前記高反射率金属又は前記高反射率金属合金は、アルミニウム又はその合金、金又はその合金、銅又はその合金、銀又はその合金、又はこれらの任意の組み合わせを含む、付記10に記載の金属化材料。
〔付記12〕
前記金属化材料は、導電率が約5.0×10
-11
S/m未満である、付記1に記載の金属化材料。
〔付記13〕
(i)付記1に記載の金属化材料と、
(ii)前記TCLに直接隣接して位置するキャリア層と、
を含む、剥離可能な金属化材料。
〔付記14〕
前記キャリア層は、平均厚さが約25~約100ミクロンであり、例えば、少なくとも約25、30、40、及び50ミクロンのいずれかであり、且つ/又は、最大で約100、90、80、70、60、及び50ミクロンのいずれかである、付記13に記載の剥離可能な金属化材料。
〔付記15〕
前記キャリア層は、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性ポリウレタン、紙、又はこれらの任意の組み合わせを含む、付記13に記載の剥離可能な金属化材料。
〔付記16〕
前記キャリア層と前記TCLとの間に第1の接着強度を更に含み、前記TCLと前記MCLとの間に第2の接着強度を更に含み、前記第2の接着強度は前記第1の接着強度より高い、付記13に記載の剥離可能な金属化材料。
〔付記17〕
剥離可能な金属化材料を製造する方法であって、
(i)金属含有中間材料を用意又は形成するステップであって、前記金属含有中間材料は、(a)キャリア層と、(b)前記キャリア層に直接隣接して位置する透明コーティング層(TCL)と、(c)前記TCLに直接隣接して位置する金属コーティング層(MCL)と、(d)任意選択の、前記MCLに直接又は間接的に隣接する保護コーティングと、を含み、前記MCLは前記保護コーティングと前記TCLとの間に位置する、前記金属含有中間材料を用意又は形成する前記ステップと、
(ii)少なくとも1つの不織布、少なくとも1つのフィルム、又はこれらの組み合わせを含む基材を用意又は形成するステップと、
(iii)前記金属含有中間材料を前記基材に接着して、前記剥離可能な金属化材料を用意するステップと、
を含む方法。
〔付記18〕
前記金属含有中間材料を形成する前記ステップは、(a)キャリア層を用意又は形成するステップと、(b)前記キャリア層に透明コーティング層(TCL)を直接堆積させるステップと、(c)前記TCLに金属コーティング層(MCL)を直接堆積させるステップと、(d)任意選択で、前記MCLに保護コーティングを直接又は間接的に堆積させるステップと、を含む、付記17に記載の方法。
〔付記19〕
金属化材料を製造する方法であって、
(i)付記13のいずれか一項に記載の剥離可能な金属化材料を用意するステップと、
(ii)前記キャリア層を除去して、金属化材料を用意するステップと
を含む方法。
〔付記20〕
前記キャリア層を除去する前記ステップは層間剥離プロセスを含み、前記キャリア層は前記TCLから分離され、前記TCLは、前記金属化材料の一番外側の層を画定する、付記19に記載の方法。
【国際調査報告】