(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自律型PVモジュールアレイ清掃ロボット
(51)【国際特許分類】
H02S 40/10 20140101AFI20240912BHJP
A47L 11/18 20060101ALI20240912BHJP
A47L 11/24 20060101ALI20240912BHJP
A47L 11/282 20060101ALI20240912BHJP
A47L 11/38 20060101ALI20240912BHJP
B08B 1/34 20240101ALI20240912BHJP
【FI】
H02S40/10
A47L11/18
A47L11/24
A47L11/282
A47L11/38
B08B1/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517058
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 IB2022058277
(87)【国際公開番号】W WO2023042025
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524101799
【氏名又は名称】アーソス アイピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘップナー,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,ジェームズ・スコット
(72)【発明者】
【氏名】ハマック,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン,ケヴィン
【テーマコード(参考)】
3B116
5F251
【Fターム(参考)】
3B116AA01
3B116AA31
3B116AB54
3B116BA02
5F251JA15
(57)【要約】
自律型清掃ロボットは、後部カバー及び前部カバー120を備える。ロボット100は車輪130を備える。ロボット100は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、6つ以上、又は8つ以上の車輪130を使用する。
図1に示す例は、2つのブラシ組立体140を有するロボットを示す。しかし、ロボット100の清掃の本質は、単一のブラシ組立体140を必要とするだけである。組立体140は、ブラシ150と、ブラシモータ160と、ブラシ組立体140をロボット100のシャーシに接続する他の様々な構成要素とを備える。ブラシ組立体140は、ロボット100のシャーシに接続され、いくつかの例では、前部シャーシ230及び後部シャーシ220の2つの部分を有する。ブラシモータ160は、動力伝達装置161を介してブラシ150の回転を駆動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の車輪と、
少なくとも1つの前記車輪に接続された駆動モータと、
少なくとも1つの清掃ブラシと、
前記清掃ブラシに接続された少なくとも1つのブラシモータと、
シャーシに取り付けられた少なくとも1つのCPUと
を備え、レール又は軌道を含まず、
人のリアルタイムの入力なしにPVモジュールのグループを清掃するように構成された自律型ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の自律型ロボットにおいて、
前記駆動モータに接続され、前記CPUと信号接続された駆動モータコントローラと、
前記ブラシモータに接続され、前記CPUと信号接続されたブラシモータコントローラと
を更に備える自律型ロボット。
【請求項3】
請求項2に記載の自律型ロボットにおいて、
前記シャーシに取り付けられ、前記CPUと信号接続された少なくとも1つのセンサを更に備える自律型ロボット。
【請求項4】
請求項3に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサが、前記自律型ロボットの近傍の有限域を表わす信号を生成するように構成された自律型ロボット。
【請求項5】
請求項4に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサが、赤外線センサ、可視光センサ、紫外線センサ、超音波センサ、音波センサ、ライダセンサ、光電センサ、及び誘導センサのうちのいずれか1つ又はそれらの任意の組合せである自律型ロボット。
【請求項6】
請求項5に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサのうちの第1のセンサが第1の位置センサである自律型ロボット。
【請求項7】
請求項6に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサのうちの第2のセンサが第1のエッジ検出センサである自律型ロボット。
【請求項8】
請求項7に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサのうちの第3のセンサが第1の旋回センサである自律型ロボット。
【請求項9】
請求項8に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサのうちの第4のセンサが第2の位置センサである自律型ロボット。
【請求項10】
請求項9に記載の自律型ロボットにおいて、
少なくとも1つの前記センサのうちの第5のセンサが第2の旋回センサである自律型ロボット。
【請求項11】
請求項10に記載の自律型ロボットにおいて、
前記シャーシが2つの部分を備える自律型ロボット。
【請求項12】
請求項11に記載の自律型ロボットにおいて、
前記第1の位置センサ及び前記第2の位置センサのうちの少なくとも1つが誘導センサである自律型ロボット。
【請求項13】
請求項12に記載の自律型ロボットにおいて、
前記第1の旋回センサ及び前記第2の旋回センサのうちの少なくとも1つが光電旋回センサである自律型ロボット。
【請求項14】
請求項13に記載の自律型ロボットにおいて、
前記エッジ検出センサがコンクリート用に調整された光電センサである自律型ロボット。
【請求項15】
請求項14に記載の自律型ロボットにおいて、
前記誘導センサが、PVモジュールのアルミニウム枠ではなく、PVモジュールの表面を検出するように調整された自律型ロボット。
【請求項16】
自律型ロボットを用意するステップであって、前記自律型ロボットが、
2つ以上の車輪と、
少なくとも1つの前記車輪に接続された駆動モータと、
少なくとも1つの清掃ブラシと、
前記清掃ブラシに接続された少なくとも1つのブラシモータと
を有する、用意するステップと、
前記自律型ロボットを、ロボットレール又は軌道を有さないPVモジュールの第1のグループに配置するステップと、
人のリアルタイムの入力なしに前記第1のグループを清掃するステップと
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
つなぎ部を横切るステップであって、前記自律型ロボットが、人のリアルタイムの入力なしに、ロボットレール又は軌道を有さないPVモジュールの第2のグループへ、大きなギャップのあるつなぎ部を横切る、横切るステップと、
人のリアルタイムの入力なしに、PVモジュールの前記第2のグループを清掃するステップと
を更に含む方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記自律型ロボットを用意する前記ステップが、前記自律型ロボットを構成するCPUに接続されたコンピュータメモリに前記第1のグループの列数及び行数を記憶することを含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記第1のグループを清掃する前記ステップが、前記CPUが、外部入力なしに
第1の列に沿って前記自律型ロボットを進ませるステップと、
前記第1の列の端部の近傍で前記自律型ロボットを減速させるステップと、
エッジ検出器を使用して、前記第1の列の前記端部に隣り合う境界の材料を検知するステップと、
検知した前記境界で前記自律型ロボットを停止させるステップと、
前記自律型ロボットの向きを変えて第2の列の上に載せるステップと、
前記自律型ロボットを前記第2の列に沿って進ませるステップと
を含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記進ませるステップが、前記CPUが、外部入力なしに
第1の位置センサの電圧を検知するステップと、
第2の位置センサの電圧を検知するステップと、
前記第2の位置センサの電圧から前記第1の位置センサの電圧を減算して値を計算するステップと、
前記値に比例して前記駆動モータの回転速度を調節するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[00001]開示された技術は、陸生又は地面ベースの据え付けシステムを使用するソーラーパネルの据え付けに関する。
【背景技術】
【0002】
[00002]ソーラーパネルは、ソーラーモジュールとも呼ばれ、多数の光起電力(PV)セルの組立体であり、一緒にハード配線され、単一のユニットを、典型的には、剛体片として形成するが、とはいっても、可撓性ソーラーパネルを提供することもできる。ソーラーパネルの集まりは、アレイに集成される。パネルは、ストリングを形成するために同じく一緒に配線され、それらは電力受容ユニットに、典型的には、初期の電力出力を提供するインバータや他のコントローラに接続される。1つ又は複数のソーラーアレイは、ソーラープラントを形成する。
【0003】
[00003]シリコンベースの光起電力(PV)モジュールは、一般に結晶シリコン(C_Si)とも呼ばれ、典型的には6×12の光起電力ソーラーセルのパッケージ化された接続式組立体である。ユーティリティ規模(utility scale)の施設用に、ソーラーパネルは、モジュールやパネルである単一のユニットにハード配線される複数のソーラーセルを備える。典型的な用途では、パネルは、コンポーネントソーラーセルで作製される。上の6×12の例では、これは72個のソーラーセルであるが、とはいっても、これは設計の選択しだいで著しく変化する場合がある。個々のソーラーセルは、任意の好都合の様式で製作でき、必要ならば、別々に製作してパネル基板に据え付けることができ、又は、基板上に直接製作することができる。今日使用されているPVモジュール技術のうちで他のタイプが存在し、シリコンベースの技術のうちの「薄膜」や変形例などである。
【0004】
[00004]薄膜のうち、少なくとも2つのモジュール技術が傑出している。第1のものは、CdTe(カドミウムテルル)であり、CadTelとして知られてもいる。第2のものは、CIGS又はCIS(銅、インジウム、ガリウム、セレン、又は、単に銅、インジウム、セレン)として知られている。
【0005】
[00005]幾つかのパネルは接続され、「ストリンギング」と呼ばれる手順でアレイを形成する。ストリングを作製するパネルの数は、変化する場合があるが、典型的な用途では、これは17~29個のパネルである場合があり、環境条件、並びに、選択されたモジュールの定格電圧(ストリング電圧)の双方に依存する。アレイのサイズは、アレイでの最大電圧及び電流の制限を含む電力伝送の制限によって制限される。アレイ内のパネルは、1つ又は複数の直列ストリングと、1つ又は複数の並列ストリングと、に接続される。直列ストリングは、互いに直列に接続される1セットのパネルである。これは、対応する電流の増加を伴わずにストリングの電力出力を増加させるが、電圧の増加をもたらす。ストリングの最大電圧出力、並びに、アレイの最大電流出力を制限する必要があるという理由で、アレイは、多くの場合、電流を合計しつつ、共通電圧の複数ストリングに分割される。
【0006】
[00006]ストリング内のパネル数は、非限定例として与えられるが、その理由は、それがパネル電圧やストリング及びアレイの関係回路パラメータに関係する設計考慮事項に相関するからである。
【0007】
[00007]アレイは次に電力変換及び電力伝送回路に接続される。これは、パネル内のソーラーセルの内部接続と、それに続く、アレイ内のパネル間の接続と、それに続く、直接又はワイヤハーネスを介したインバータへの接続のいずれかと、によって達成される。インバータは、ソーラープラントの出力を提供する第1の回路である。インバータは、伝送回路に接続される更なる出力回路に接続される。詳細は、例えば、ローカル電力接続を備えたシステムに関して、変化する場合があるが、大部分のソーラーパワーシステムでは、電力変換、分配及び伝送用の第1の接続は、インバータである。換言すると、ストリングは、直接又はワイヤハーネスを介したインバータへの接続のいずれかで接続される。
【0008】
[00008]開示された技術は、現代のユーティリティ規模のソーラーPVパワープラントによって作成されるレベリングされたエネルギーコスト(LCOE)の削減を探求する。ユーティリティ規模のソーラーPVパワープラントは、ソーラーパワー電気生成の多くの他の形態から独特である。ユーティリティ規模の電力生産のサイズ、エネルギーコスト、安全性、規則、及び動作要件の性質に起因して、コンポーネント、ハードウエア、設計、建設手段及び方法、動作、並びに保守の全ては、それらに「ユーティリティ規模」という呼称を与える特定の特徴及び独特の特徴の双方を有する。
【0009】
[00009]PV技術の発端から、この技術は、本質的に電力生産のための高価な解決策であった。ソーラーモジュールの心臓部の中に包含されるPVセルは、製造が高価なことと比較的非効率であることの双方であった。過去40年にわたって、著しい進歩が、PVセル及びモジュール製造及び技術の前面全てに対して整えられてきたが、それらは、それらの価格を、或る地形エリアでの電力生成の全ての他の形態と同等かそれより更に低いソーラーベースのエネルギー生成のコストを作り出した点まで下げてきた。
【0010】
[00010]技術がそれの幼年期にあったとき、著しい発展は、PVセルとそれらのモジュールと呼ばれる大型組立体の取扱い及び位置決めに対して方向付けされた。この発展は、現在一般に「2軸トラッキング」と呼ばれているものにフォーカスした。この概念は、日及び年を通して、太陽の光線に垂直にPVセルを維持することを探求する。この方法は、非常に高価なモジュールコストを埋め合わせするために、セルから最大エネルギーを抽出することを探求した。
【0011】
[00011]セルの価格及び効率が、延いては、モジュールが、改善されたので、2軸トラッカのコストは、パネルのコストと比較して法外になった。これは、「固定式傾斜」ラッキング及び「単軸トラッキング」として現在知られている2つの補助的な技術の発展をもたらした。更なる発展は、住宅用建物、事務所用建物、商業用建物及び産業用建物の屋上据え付けへのこれらの新しいシステムの改作を含んだ。固定式傾斜及び単軸追尾の方法は、多くの場合、「屋根据え付け」技術からそれらを切り離す「地面据え付け」技術として分類される。地面据え付け基準は、単純に、それら自体の土台を用いた自立構造体によって支持されるというよりもそれらが建物に関連していない、ということである。
【0012】
[00012]安全性及び規制要件は、一般に人里離れたソーラーPVパワープラント及び屋上システムの双方に適用されるが、説明されるであろうように、保護エリアにないソーラー光起電力施設のためというよりもユーティリティ規模のソーラー光起電力パワープラントのために異なっている。ユーティリティ規模のPVパワープラントは、典型的にモジュールのために直流1500ボルトで動作する。これらのモジュールは、電圧に対する規制要件(EMF)のせいで、ユーティリティ規模以外の用途では許されていない。具体的には、直流側で600ボルトを超えることは、システムを、代替的な安全性とシステム上の動作要件を必要とするカテゴリに配置する。例は、パワープラントを囲む固定フェンスを必要とすることを含み、それは、公衆が、より高い電圧への解放されたアクセス、並びに、ユーティリティ規模のソーラープラントにアクセスするであろう個人のための特定の訓練要件及び証明を備えることを可能にしない。
【0013】
[00013]ユーティリティ規模のソーラーボルタパワープラントの動作は、600ボルトを超えるEMFでの典型的な動作によって区別される。これは、(米国)国家電気規程(NEC)、国際電気標準会議[3](IEC、又は国際電気技術委員会)及びそれの支部を含む幾つかの異なったコード要件によって確立される。600ボルトを超えるエンクロージャ間の電気的接続は、訓練された又は資格のある人員に限られる部屋又はフェンス付きエリアなどのエンクロージャ内に固定する必要がある。本開示の目的のために、そういったエンクロージャは、「保護エリア」として説明されるであろう。そういった「保護エリア」の非限定例は、NEC110条C部で言及されており、それは600ボルトを超える用途のための一般的な要件を提供する。電圧にはバリエーションが存在し得るが、その理由は、未保護環境においてより高い電圧で安全に動作できるアレイの設計が可能だからである。
【0014】
[00014]これらは、正に2つの例の何か別々のユーティリティ規模のソーラーPVパワープラントを、「ソーラー道路」や「個人用ソーラーパワーデバイス」などの他のアプローチから、区別する。
【0015】
[00015]パワープラントからエネルギーの価格を削減するための継続的な推進については、参考までに、ユーティリティ規模のソーラープラントは、2019年度初めにおいて、米国南西部で0.040ドル/kWhで電気を作ることができる。電圧以外のPVセルにおける同じ技術の場合、屋上据え付けシステムは、平均がだいたい0.12ドル/kWhrになるであろう。これは、PVセル技術と本質的に同じものを使用してエネルギーコストにおいて3倍差である。この強烈な価格低下の理由は、セル及びモジュールをはるか超えていき、多くのケースで、ユーティリティ規模のプラント内で起こるのが許されるだけである。
【0016】
[00016]ソーラーパネルは、展開時に、例えば、大型ソーラーファームにおいて、典型的にはラックに据え付けられ、ラックは、パネルを太陽に向けて配向する。トラッカと呼ばれるジンバル式ラックのケースでは、パネルは、1日を通して太陽に面するように旋回され、幾つかのシステムは、太陽仰角も考慮するか、そうでなければ太陽のアナレンマの効果を考慮する。固定式ラッキングのソーラーパネルの利点とトラッキングの利点は、勿論、双方が太陽光に垂直な整列を確立するときの効率を高めることであり、また、ソーラーセルの物理的エリアをより効率的に利用することである。
【0017】
[00017]固定式傾斜ラックシステムは、典型的には、水平から約25度に位置決めされ、角度は、施設サイトの緯度を含む様々な要素に依存する。パネルが太陽光に対して25度の法線方向に据え付けられる場合に、入射光のほぼ同じ割合を変換するであろうが、入射光の量は、法線からの角度の余弦になるであろう。25度の例をとると、入射光は、通常の整列のほぼ90%であり、幾らかの追加の損失は、ソーラーセルの整列が太陽光入射に対して或る角度にあるという事実からである。トラッカは、地形及びアレイ構成にもよるが、固定式ラック据え付けパネルから予期できるものよりも8%~11%多めのエネルギーを生成するであろう。ソーラーパネルのコストが比較的高い場合、不整列からのこの損失は、著しいが、ソーラーパネルのコストが減少するとき、非効率な整列から生じるコストは、パネルのエリアを増加させるため及びラッキングやトラッキングの費用を控えるためにそれがより費用効果があり得るような程度まで減少する。
【0018】
[00018]地面から離れると、地面を原因とする損害に耐える必要性が存在しない。より一般的には、ソーラーセルの性質は、概して防水で耐久性があるようなものである。一例として、ソーラーモジュールにとって、23m/秒で落下する25mm(1インチ)までのヒョウに耐えるための試験及び証明をすることが一般的である。ソーラーパネルは、現実的な問題として、清掃が可能であるが、ラッキングされたソーラーパネルは、清掃されず、その理由は、費用が、塵埃の蓄積から生じる予想エネルギー損失によって、正当化されないからである。一例として、南カリフォルニアでは、塵埃からの推定エネルギー損失は、6%/年であるが、パネルが清掃された場合、損失は、1%/年に近似するであろう。
【0019】
[00019]ソーラーパネルをラック又はトラッカに据え付けるときの1つの考慮事項は、地面から反射する太陽光から生じるアルベド効果であり、後ろ側の加熱をもたらす。この課題は、様々な方法で取り組まれ、それの最も一般的なものは、ソーラーパネルの後ろ側を白色被覆で被覆することである。この目的のための一般的な被覆は、デラウェア州ウィルミントンのE.I.duPont de Neumoursによって販売されている白色に着色されたTedlar(登録商標)PVFである。Tedlar(登録商標)は、保護を提供するが、白色に着色された場合、後ろ側の光の大部分を反射する。欠点は、白色の被覆として、白色に着色されたTedlar(登録商標)が後ろ側を介した熱放出を遅延させる傾向がある、ということである。
【0020】
[00020]ソーラーアレイの電圧出力は、制約される。概念的に、ソーラーアレイは、又は、その事情のためにソーラープラント全体のうちの一部は、電力伝送電圧を提供するために直列配線できる。冗長性、保守のためにソーラープラントをセグメント化すること及び地面へのアーク放電を回避することの必要性に加えて、ソーラーパネルは、ガラス及び裏張りを介したアーク放電の電位のせいで、それらの建設物によって電圧制限される。典型的な構成では、アレイ出力電圧(各ストリングにおけるパネルの直列電圧)は、1500ボルトであり、600ボルトなどの低い電圧は、住宅用途のためと、訓練されていない人員が存在する可能性が高い他の用途のためである。それ故に、従来、ソーラーアレイは、電圧が制限されている。電圧を制限する目的で、パネルは、ストリングと呼ばれるグループに配置され、それらはハーネスを介してインバータに接続される。トラッカ又はラック上のストリングの物理的な配置構造のせいで、ハーネス配置構造を提供することが必要であった。典型的なトラッカシステムでは、3セットのストリングは、単一トラッカ組立体で使用される。それらのストリングをインバータに接続するために、様々な構成のハーネスが使用されるが、とはいっても、この数は、ラックの長さや他の考慮事項によれば変更できる。
【0021】
[00021]ハーネスは、それら自体が著しいコスト要因である。システムが電圧制限されるという理由で、プラントの総電力出力は、ハーネスシステムの実質上の配線コストに変容する。同様に、ワイヤハーネスを介した電力損失は、追加コストに変容する。それ故に、接続ハーネスのケーブル走路を削減する構成を提供するのが望まれる。
【0022】
[00022]ラッキングされたモジュールで使用される1つのワイヤハーネス構成は、「スキップストリンギング」又は「リープフロッグ配線」と呼ばれる。スキップストリンギングでは、ワイヤハーネスは、交互パネルを迂回するが、その目的は、効率的な配線を提供することであり、ケーブルを交互モジュール間のほぼ距離に制限することによる。比例的なケーブル増加を伴わずにより長い距離にわたって延びる接続を達成する能力は、正及び負の接続がインバータのより近くに配置されるのを可能にし、インバータに接続するのに要するハーネス導体の量を削減させる。パネルが交互に接続されるという理由で、同じ物理的な列内の交互パネルは、リターン回路を提供でき、以って、エンドパネル及びインバータ間の距離を削減させる。理想的には、ストリングをインバータに接続するために、1つの正又は負のポール接続は、他方のポール接続から離れてインバータまでの1つのパネルだけである。これは、「ホームランワイヤ」の長さを削減させるが、各リンクが交互パネルをスキップするのを必要とし、その目的は、同じ列に沿って戻るためである。
【0023】
[00023]2以上の列を横切ってパネルをストリングすることが可能であろうが、そのようにすることは、列の短縮をもたらすであろうし、これはコストを増加させる。スキップストリンギング配線が使用されるが、その理由は、隣接パネルをスキップすることによって、所与のストリングの長さが維持され、同時に、同じ列に沿ったリターン接続が提供されるからである。これは、ストリングが2列にわたって延びた場合に存在するであろう長さにわたってストリングの長さを有効に2倍にする。
【0024】
[00024]ストリンギングのこのシステムは、パネルの極性に適応するが、しかしながら、この技術は、依然として接続においてワイヤハーネスを必要とする。加えて、これらの技術は、依然として、ストリングのそれぞれの端部とインバータとの間を接続するための追加のハーネスを必要とする。パネルの隣接列が、ラッキングされたパネルの投影に対応する空間によって分離されるという理由で、列を横切ってパネルをストリングするのは、非実用的なものになる。
【0025】
[00025]ラック据え付け又はトラッカ据え付けのソーラーパネル絡みの別の課題は、風の影響である。高い風力は、或る地形においてハリケーン力の強度に達するが、多くの場合、それらの領域におけるソーラーパワープラントの建設を妨げるか又はそのようにする費用を著しく増加させる。加えて、モジュールは、それら自体が高い風で容易に損傷し、修繕及び交換の著しい支出を必要とする。直接的な風の力から生じる明白な損傷に加えて、周期的負荷の負の影響は、「マイクロクラック」をもたらす場合がある。この「マイクロクラック」損傷は、経時的に起こり、モジュールセルの加速された劣化率を引き起こす。このマイクロクラックは、長期のモジュール保証に影響を及ぼす産業にとって深刻な課題となっている。
【0026】
[00026]ラッキングされた又はトラッカ据え付けのソーラーパネル絡みの別の課題は、腐食性土壌や飛沫塩などの腐食性空気に起因する環境腐食の影響である。例えば、典型的なパワープラントは、ドリブンスチールパイルを使用し、それらは、構造体全体に負荷を掛ける風の影響を相殺するように、できるだけ小さくサイズ決めされる。パイルの設計は、スチールや他の材料の腐食を考慮しなければならず、また、依然として25年の間、持続できなければならない。土壌がより腐食性であればあるほど、ポストは、犠牲スチールとして、より厚く設計及び使用されて、25年の寿命を確保するであろう。同様の課題は、海洋の近くの地形に関して存在し、そこでは飛沫塩の環境が存在する。
【0027】
[00027]ソーラーパネル用のメンブレン据え付けシステムは、Tomlinsonの米国仮出願第2013/0056595号に記載されており、これは、複数の孤立据え付け台が平行グリッドシステムで基板又はメンブレンに固定される据え付けシステムを示す。据え付けレールは孤立据え付け台に固定され、取付けレールはパネルの対向する側のエッジに固定されるか、パネルに組み込まれるか、又はパネルの支持キャリアに組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
[00028]開示される自律型清掃ロボットは、2つ以上の車輪と、少なくとも1つの車輪に接続された駆動モータと、少なくとも1つの清掃ブラシと、清掃ブラシに接続された少なくとも1つのブラシモータと、シャーシ(1つの部品又は複数の部品)に取り付けられた少なくとも1つのCPUと、シャーシに取り付けられた少なくとも1つのCPUとを有し、ロボットを案内するためにレール又は軌道を使用しない。自律型ロボットは、人のリアルタイムの入力なしにPVモジュールのグループを清掃するように構成される。いくつかの変形例は、駆動モータに接続された駆動モータコントローラと、ブラシモータに接続されたブラシモータコントローラとを含む。これらのコントローラは両方ともCPUの管理下にあり、有線又は無線の信号接続でCPUに接続される。
【0029】
[00029]いくつかの変形例は、有線又は無線の信号接続でCPUに接続された、シャーシに取り付けられた少なくとも1つのセンサを使用する。このセンサは自律型ロボット近傍の有限域を表わす信号を生成する。CPU上で実行されるコンピュータコードは、この信号を使用して、動作中に外部又は人の入力に頼ることなくロボットの動作を制御することができる。赤外線センサ、可視光センサ、紫外線センサ、超音波センサ、音波センサ、ライダセンサ、光電センサ、誘導センサなど、様々なタイプのセンサを単独又は組み合わせて使用することができる。例えば、いくつかの変形例は、2つの位置センサ(誘導センサの場合もある)、エッジ検出センサ(光電センサの場合もある)、及び2つの旋回センサ(光電センサの場合もある)を使用する。しかし、他の変形例は、ロボットに望まれるこれらの機能又は他の機能に関連するセンサをこれより多く又はこれより少なく有する場合がある。
【0030】
[00030]関連する方法も開示される。例えば、開示される方法は、記載したような自律型ロボットを用意するステップを有する。ロボットは、ロボットレール又は軌道を有さないPVモジュールの第1のグループ上に配置され、洗浄が開始される。その後、人のリアルタイムの入力なしに清掃が完了する。本方法はまた、ロボットが大きなギャップを横切って更なるPVモジュールのグループに移動してそれらのグループを清掃するステップを含み、この場合もまた人のリアルタイムの入力はない。
【0031】
[00031]いくつかの方法では、ロボットは、ロボットのCPUに接続されたコンピュータメモリに第1のグループ、必要な場合には、第2のグループの列数と行数を記憶する。CPUは第1の列に沿ってロボットを進ませ、列の端部近傍でロボットを減速させ、エッジ検出器信号を分析して列の最後のモジュールとそれに隣り合う材料の境界を確認する。その時点で、CPUは検知した境界でロボットを停止させる。
【0032】
[00032]次に、CPUはロボットの向きを変えて第2の列の上に載せ、ロボットを第2の列に沿って進ませる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図11】自律型清掃ロボットの電子組立体のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(全体像)
[00033]開示された技術は、電気を生成するための技術を提供しており、商業上入手可能なユーティリティ規模のソーラーPV(例えば、CSi、CdTe、CIGS、CIS)モジュール、又は、商業上入手可能なユーティリティ規模のソーラーPVモジュールの新規且つ斬新な改作、或いは、新規モジュール技術のいずれかを使用し、それらのうちの複数は、大地表面に直接接触することと大地表面に平行であることの双方であるような方法で据え付けられる。これは、ソーラーオリエンテーションと区別されるように、ソーラーPVモジュールの大地配向を確立するが、とはいっても、土壌の輪郭作りや他の据え付け考察は、太陽の角度を考慮することになるであろう。
【0035】
[00034]モジュールは、家屋の床のタイルの如く、縁から縁と端から端の双方で格子模様に配置される。モジュールの「ユーティリティ規模」の性質は、直流600ボルトを超える電圧への上記システムの適用を制限し、それは「フェンス奥」にシステムが配置されるのを保証し、以って、アクセスを訓練された専門家に制限する。閾値電圧に変動が存在する場合があるが、その理由は、未保護環境において高めの電圧で安全に動作できるアレイを設計するのが可能であるからであり、非限定例としては、未保護エリアのための800ボルトアレイである。モジュールを相互に又は大地に取り付ける方法は、この適用によって制限されない。このモジュールの配置構造は、モジュールの風負荷効果(wind loading effects)を実質上低減する。モジュールの配置構造は、電気的に直列接続と並列接続の双方を可能するような方法であって、また、それを除外しないが、伝統的なユーティリティ規模ソーラープラントPVパワープラントシステムによって使用されるディスクリートワイヤハーネス及びハーネス支持手段の必要性を排除する。このモジュールの配置構造は、商業上入手可能なストリング/マイクロインバータの使用によって著しい利点を提供するが、業界標準のセントラルインバータや代替の電力変換及び伝送技術の使用を除外しない。
【0036】
[00035]このモジュールの配置構造は、接地障害遮断やアーク障害遮断などの能動的電気保護デバイスの使用と併せて、コードコンプライアンス当たりの個人的保護の目的での電気的な接地及び構造体へのモジュールの接合の必要性及びその後の使用を完全に排除する。対照的に、これらのデバイスは、導電性モジュール支持構造体と併せて使用されるとき、コードコンプライアンスに必要な保護レベルを充足せず、斯くして、モジュールの接合及び接地の使用を必要とする。
【0037】
[00036]このモジュールの配置構造は、パワープラントのスチールやスチール構造体の必要性及びその後の使用を完全に排除し、以って、腐食の自然風化効果を低減及び/又は排除し、同時に、パワープラントの平均余命を最小要件の25年から40年以上に高める。このシステムは、現場特有の用途のために被覆されたか又は別のやり方のスチールの使用を除外しない。
【0038】
[00037]モジュールの配置構造は、モジュールの清掃及び/又はモジュール面からの埃除去のために、商業上入手可能な技術及び新規技術の双方を可能にし、モジュールの有効エネルギー生産速度を増加させる。
【0039】
[00038]モジュールの配置構造と開示された技術は、モジュールへの高い風力の負の影響を著しく低減する。これらの風力は、或る地形においてハリケーン力の強度に達するが、多くの場合、それらの領域におけるソーラーパワープラントの建設を妨げるか又はそのようにする費用を著しく増加させる。加えて、モジュールは、それら自体が高い風で容易に損傷し、修繕及び交換の著しい支出を必要とする。モジュールを直接的な風の力から離すことによって、周期的負荷の負の影響である「マイクロクラック」は、有効に排除される。
【0040】
[00039]開示された技術は、モジュール表面の後ろ側からモジュール冷却のための商業上入手可能な方法と新しい又は新規の方法の双方を可能にし、それらは蒸発冷却、交互の高放射率の被覆、モジュール枠のエッジの「エアベント」の追加、様々な強化された伝熱材料及び又は方法の追加を含み、以って、モジュールの有効エネルギー生産速度を増加させる。
【0041】
[00040]地面上のモジュールの位置決めは、太陽光に晒される地面からの間接的な太陽光と熱とがモジュールの後ろ側を加熱することの回避をもたらす。その結果、追加の熱の源泉というよりも、モジュールの下方の地面は、更にヒートシンクになる。これを更に利用する目的で、モジュールは、後ろ側が暗色の又は熱伝達する被覆で被覆され、その目的は、モジュールの下方の地面又は空気空間への放射熱移動を促進させることである。
【0042】
[00041]開示された技術は、土地の1エーカー当たりの電力密度を増加させる。電力生産の単位当たりに使用されるエーカーの量は、伝統的なユーティリティ規模ソーラープラントPVパワープラントから50%を超えて削減される。
【0043】
[00042]開示された技術は、PVアレイが土地の既存の輪郭に追従するのを可能にし、以って、大量整地、耕起、耕耘、割入、及び、埋立などの土地準備の必要性は、ユーティリティ規模ソーラープラントPVパワープラントに典型的に必要とされるように、著しく低減でき、そして、排除すらできる。
【0044】
[00043]開示された技術は、トラッカ及びラックのように太陽に対して配向されない結果としての伝統的なソーラーPVパワープラントシステムと比較して、kWhrs/kWpで測定されたような年間モジュール性能歩留まりにおける有効な減少を本質的にもたらす。エネルギー性能が著しく低減されるが、配線に起因した電気的損失の減少、モジュール清掃に起因したエネルギー損失、コスト材料及び建設、建設日程及びリスクは、現行技術よりも10%を超える大きさの生産エネルギー価格(LCOE)における全般的な減少をもたらす。
【0045】
[00044]開示された技術は、大地に直接据え付けられたソーラーPVモジュール用のシステムを提供する。1つの非限定構成では、ブラケット組立体は、大地、枠コーナ、及びブラケット組立体の間に空気ギャップを残さずに、ソーラーPVモジュール枠の4つのコーナを直接大地に固定することによって、構造支持システムとしてモジュール枠を利用する。空気ギャップなしの大地据え付けは、風負荷及び高揚力を削減し、ゼロ又は最小の列離間要件を有するパネルからパネルへの影形成を排除し、地面カバー比を増加させる。この大地据え付けPVシステムは、PVパネルを既存の地形に平行に配向し、ソーラーパネルアレイは、任意の方位角で位置決めできる。
【0046】
[00045]ソーラーパネルは、時にはソーラーモジュールと呼ばれており、大地への直接施設に適したタイルとして構成され、また、大地の冷却及び放熱効果を利用するように構成される。パネルの配置では、取付けブラケットは、使用できる。パネルは、取付けブラケットにスナップインか、そうでなければ固定され、ソーラーアレイを地面に又は地面に近接して保持する。地面配置は、パネルをラックに据え付けるための要件を回避し、影と列間を離隔するための必然的必要性とを回避する点において、低コスト構成を可能にする。
【0047】
[00046]パネルがラックに据え付けされないという理由で、風耐性のための要件は、著しく低減される。これは、また、据え付けるべきラックが存在しないという理由でパネルに定着される必要性を低減し、パネルが地面にあるという理由で風の状況による高揚が実質上少ない。
【0048】
[00047]据え付けは、隣接パネル同士を接続する取付けブラケットを使用できる。ブラケットを地面に定着させることが可能であるが、定着力を意味する定着要件は、非常に低減され、その理由は、パネルが水平に対して或る角度の風の中で地面上方に支持されないからである。代わりに、パネルは、地面に又は地面近くに実質上平坦に静置する。
【0049】
[00048]ブラケットは、パネルを互いに固定し、パネルを所望の位置に安定化させるようにパネルの固定位置決めを維持する。定着杭は、この安定性を増大させるが、地面に平らに置かれるときに経験する力に対してパネルを単に固定することを必要とし、それは、ラック据え付け構成又はトラッカ据え付け構成で受ける力よりも実質上低い。
【0050】
[00049]影の欠如は、傾斜していないパネルの部分的な効果である。これは、太陽に向けて配向されたパネルと比較して削減された電力変換をもたらすが、ラックなしのアレイの総コストが平坦な配置からの出力損失と良好に比較される場合に、平坦な配置は、費用効果があり得る。
【0051】
[00050]パネルの隣接する列間の影形成の欠如は、この経済的バランスに陥る。影形成が存在しない理由は、影形成が、ラッキングによって、より具体的には、ラッキングされたパネルの角度付き位置決めから、作り出されることである。ラッキングが使用されないという理由で、影形成が存在せず、連続した列間のギャップを閉じる構成を可能にする。ギャップの排除は、2次元接続アレイを確立し、それが意味するのは、密隣接のパネルが、列に関する方向に並びに連続した列を横切って、延びるということであり、その理由は、連続した列が同じく隣接して位置決めされるからである。換言すると、列から列への連続したパネル間のギャップは、列に沿った連続したパネル間のギャップに密に近似する。
・PVモジュール10
・自律型清掃ロボット100
・後部カバー110
・前部カバー120
・車輪130
・ブラシ組立体140
・ブラシ150
・ブラシモータ160
・動力伝達装置161
・バッテリ210
・後部シャーシ220
・前部シャーシ230
・センサ240
・センサ取付け台250
・電子組立体260
・エッジ検出器280
・駆動モータ310
・ピボット軸320
・光電センサ330
・光電センサ取付け台340
・CPU2200
・パワーシステム2210
・ナビゲーションシステム2310
・通信システム2410
【0052】
[00051]
図1は、本開示による自律型清掃ロボット100を示す。自律型清掃ロボット100は、後部カバー110及び前部カバー120を備える。ロボット100はビール130を備える。例に応じて、ロボット100は、2つ以上、3つ以上、4つ以上、6つ以上、又は8つ以上の車輪130を使用する。
図1に示す例は、2つのブラシ組立体140を有するロボットを示すが、ロボット100の清掃の本質は、単一のブラシ組立体140を必要とするだけである。組立体140は、ブラシ150と、ブラシモータ160と、ブラシ組立体142をロボット100のシャーシに接続する他の様々な構成要素とを備える。ブラシ組立体140は、ロボット100のシャーシに接続され、いくつかの例では、前部シャーシ230及び後部シャーシ220の2つの部分を有する。ブラシモータ160は、動力伝達装置161を介してブラシ150の回転を駆動する。
【0053】
[00052]
図2は、ブラシ150を正面から直接見たロボット100の図である。先に確認されたように、図は車輪130、前部カバー120、及びブラシモータ160を示す。
図2はまた、エッジ検出器280も示す。追加として、
図3は、ブラシ150’を後ろから直接見たロボット100の図である。
【0054】
[00053]
図4及び
図5は、ロボット100の右側面図及び左側面図を示す。先に確認した後部カバー110、前部カバー120、車輪130、ブラシ組立体140、ブラシ150、及びPVモジュール10に加えて、図は、センサ240、センサ取付け台250、光電(PE:photoelectric)センサ330、及びPEセンサ取付け台340を示す。
【0055】
[00054]
図6はロボット100の上面図である。
【0056】
[00055]
図7はロボット100の底面図である。
【0057】
[00056]
図8は、PVモジュール10に載っているロボット100の斜視図である。図示のように、ロボット100は、車輪130、ブラシ組立体140、ブラシ150、バッテリ210、後部シャーシ220、前部シャーシ230、及び電子組立体260を有する。
図10は、ロボット100の同様の斜視図であるが、この図では、エッジ検出器280をよりよく示すように取り除かれたブラシ組立体140の構成要素を示す。
【0058】
[00057]
図9は、ピボット軸320を更に示す。
【0059】
[00058]
図11は、自律型清掃ロボット100の電子組立体260のブロック図である。
【0060】
[00059]いくつかの例は、平坦なアレイ、連続したアレイ、隣接したアレイを有し、PVモジュールのモジュール間又はアレイ間に「大きな」ギャップを有さず、それにより、アレイ清掃のために自律型清掃ロボット100を使用することが簡単になる。本開示では、大きなギャップは、ロボットの車輪又は軌道が地面に接触するか、又は外部支援又は外部の人の支援によってのみ横切ることができる。
【0061】
[00060]いくつかの例では、自律型清掃ロボット100は、モジュールの表面から外れることなく、500個のモジュールを有する領域を横切ることができる。この連続した表面はアイランド(前縁で囲まれたソーラーサイトのアレイの構成体)と呼ばれる。この領域は、固定式傾斜(FT:Fixed Tilt)又は単軸追尾(SAT:Single Axis Tracker)などの領域とは異なる。このようなシステムでは、SAT又はFTシステムの列間のギャップが大きいため、ロボットは並んでいる又は1つの列になっているモジュールの1列(典型的には3つのストリングで最大84モジュール)を横切ることしかできない。
【0062】
[00061]自律型清掃ロボット100は、パネルとパネルの間に大きなギャップのない表面で作業を行うため、典型的なSAT又はFTと比較して、単一のロボットに対する清掃総表面積が大きくなる。SAT又はFTシステムでは、追加のロボット又はパネルの列の間を物理的に移動するロボットが必要である。
【0063】
[00062]自律型清掃ロボット100は、個々のパネルの清掃接触面積を減少させることなく、隣接するパネル間の顕著な鉛直方向の段差を横切る。
【0064】
[00063]自律型清掃ロボット100は、乾いた状態、及びモジュールの上に水が溜まっている濡れた状態で清掃する。平坦なモジュールは、かなりの雨が降った後には、少なくとも6.4mm(0.25in)(モジュールの枠のレールの高さによる深さ)の水が溜まる。自律型清掃ロボットは、様々な例では、利用可能な雨水を清掃媒体として使用する。時には、自律型清掃ロボットは、パネルから掃き出された雨水を取り入れる。また、水を取り入れない場合もある。しかし、水を取り入れる例でも、そうでない例でも、水が利用可能な場合には、水はパネルの洗浄に役立つ。自律型清掃ロボットでは、追加の水を必要とする例はない。
【0065】
[00064]清掃ブラシ組立体は、ブラシの端部にある車輪を使用してモジュールとモジュールの間の鉛直方向のギャップを越えるので、鉛直方向のギャップに出会ったときにブラシが動かなくなったり損傷したりすることはない。その代わり、車輪はモジュール及びそれらのそれぞれの鉛直方向の高低の形状に追従する。
【0066】
[00065]いくつかの例では、ブラシの車輪の両端は、ブラシの毛の端部とモジュールとの間に一定の高さの差を生成し、モジュールへのブラシの圧力を一定にする。
【0067】
[00066]自律型清掃ロボット100は、オムニホイールを使用して問題なく向きを変えることができる。
【0068】
[00067]いくつかの例では、自律型清掃ロボット100のシャーシは、シャーシの右側と左側の間にあるピボット軸で揺動して、それぞれの前部、中間部、及び後部ブラシのいずれか又は全てがモジュール表面に接した状態を保ちながらでこぼこした領域を横切る。ロボットの左側は前部ブラシを制御し、一方、右側は後部ブラシを制御し、これらのブラシは、異なる平面のモジュール表面に合わせるために、独立して異なる平面に載ることができる。
【0069】
[00068]いくつかの例では、自律型清掃ロボット100のシャーシは、シャーシの前部と後部との間にあるピボット軸で揺動して、それぞれの前部、中間部、及び後部ブラシのいずれか又は全てをモジュール表面に保ちながらでこぼこした領域を横切る。ピボット軸により、これらのブラシは、高さが揃っていないモジュール表面に合わせるために、独立して異なる平面に載ることができる。
【0070】
[00069]いくつかの例では、自律型清掃ロボット100は「独立フロントサスペンション」を使用し、これにより、ブラシの回転軸線をモジュール表面と平行に維持して最大清掃能力を維持する。例えば、ロボットが北を向き、モジュールが西に5度傾いている場合、ブラシは5度の傾きに追従してモジュール表面との接触を維持する。
【0071】
[00070]いくつかの例では、自律型清掃ロボット100は、大地据え付けソーラーアレイ/プラントに対して次の利点を提供する。
・頻繁に清掃することによるDCモジュールアレイからの発電損失の低減。いくつかの例では、清掃は毎日1回行うことができる。損失は0.1~10%、1~5%、又は0.1~5%より小さいこともある
・予防保全のためにプラントSCADAシステムへのリアルタイムデータ
・プライマリー・コントロール・ステーション、これは、赤外線により及び熱的にモジュールを画像化すること、並びにモジュール汚染を人工知能でスキャン又は画像化することを含むことができる
・モジュール上に生育する可能性のある有機物の伐採、刈り取り、又は除去
・SCADA HMIからのロボットシステムの中央制御、又は遠隔制御法若しくは遠隔制御手段による集中運用管理
・個々のロボットの健全性とDCアレイの健全性の両方の性能データ取得
【0072】
[00071]例によっては、この自律型清掃ロボットシステムは次の特徴を示す。
・清掃、ドッキング、及び格納の自律的な動作により、アレイの稼働期間中の清掃が可能になる
・データの安全性及び完全性を維持しながらシステム全体を通じたワイヤレス通信、自律的な動作を可能にするための多数のセンサタイプのセンサのセンサ統合
・ロボットドッキングステーションは、全ての清掃ロボットにバッテリの自動充電と耐候性を提供する
・個々のロボットに使用される2~3個のブラシを含む可変ブラシ構成、清掃及び操縦のためのブラシの双方向回転、及び異なる地理的場所で見られる様々な汚染状態に対応する可変速度ブラシ
・自律型清掃ロボット100の1台1日当たり何メガワットもの清掃速度
・自律型清掃ロボット100が多くのモジュール製造業者からの様々なモジュール寸法に調節することができるようなモジュール適応性
・自律型清掃ロボット100は、濡れた状態でも乾いた状態でも支障がなく、プログラム可能な機械学習によって清掃経路が最適化される
・ソーラーモジュールの接続箱内のマイクロチップを使用して、ロボットの内蔵コンピュータは、ソーラーパネルの表面上を横断しながら、(接続箱及びマイクロチップが配置された)ソーラーモジュールのDC健全性を読み取る。この情報は、次いで、プラントのDC健全性を推測し、予防保守及び運転保守対策を提供するために、ソーラープラントの制御の中央制御システムに提供される。
【国際調査報告】