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特表2024-534478閉鎖式移送デバイスとバイアルの組立機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】閉鎖式移送デバイスとバイアルの組立機械
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517098
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 US2022044794
(87)【国際公開番号】W WO2023055699
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】63/249,337
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビアード,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ジャザイエリ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】セルパ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】セルブ,ライアン・デイビッド
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047CC04
4C047DD22
4C047GG15
4C047HH07
(57)【要約】
閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルの組立機械は、リニアマウントと、リニアマウントに動作的に結合されたアクチュエータとを含むリニアトラベルアセンブリを含む。リニアマウントは、第1の位置と第1の位置から間隔を開けた第2の位置との間で軸方向に移動可能である。CSTD取付具は、リニアマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成されている。バイアルマウントは、リニアトラベルアセンブリの一部分に隣接して配置されている。バイアル取付具は、バイアルマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成されている。バイアル取付具は、バイアル取付具がバイアルマウントに結合されており、CSTD取付具がリニアマウントに結合されているとき、CSTD取付具の一部分と軸方向に整列した状態でバイアルを保持するような大きさである。リニアマウントが第1の位置から第2の位置に移動すると、リニアマウントはバイアルマウントに対して移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルの組立機械であって、
リニアマウントと、前記リニアマウントに動作的に結合されたアクチュエータとを含むリニアトラベルアセンブリであって、前記リニアマウントは、第1の位置と前記第1の位置から間隔を開けた第2の位置との間で軸方向に移動可能である、リニアトラベルアセンブリと、
前記リニアマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成されたCSTD取付具と、
前記リニアトラベルアセンブリの一部分に隣接して配置されたバイアルマウントと、
前記バイアルマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成されたバイアル取付具と、
を含み、
前記バイアル取付具は、前記バイアル取付具が前記バイアルマウントに結合されており、前記CSTD取付具が前記リニアマウントに結合されているとき、前記CSTD取付具の一部分と軸方向に整列した状態でバイアルを保持するような大きさであり、
前記リニアマウントが前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記リニアマウントは前記バイアルマウントに対して移動する、
機械。
【請求項2】
前記リニアトラベルアセンブリと通信的に結合されたコントローラを更に含み、前記コントローラは、前記リニアマウントを前記第1の位置に移動させ、前記リニアマウントを前記第2の位置に移動させるようにプログラムされている、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記コントローラは、前記リニアマウントの位置を変化させるために、前記リニアトラベルアセンブリの前記アクチュエータに通信的に結合されている、請求項2に記載の機械。
【請求項4】
前記バイアルマウントと、前記バイアルマウントを1つ以上の方向に回転させるために前記バイアルマウントと動作的に結合されたアクチュエータとを含むロータリアセンブリを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の機械。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ロータリアセンブリと通信的に結合され、前記バイアルマウントを第1の方向に回転させるための第1の回転信号を受信し、前記バイアルマウントを前記第1の方向及び前記第2の方向に回転させるための第2の回転信号を受信するようにプログラムされている、請求項4に記載の機械。
【請求項6】
前記コントローラは、前記バイアルマウントを1つ以上の方向に回転させるために、前記ロータリアセンブリの前記アクチュエータに通信的に結合されている、請求項4又は5に記載の機械。
【請求項7】
前記コントローラは、前記リニアマウントを第1の速度で移動させるように前記リニアトラベルアセンブリの前記アクチュエータを動作させるための第1の信号を受信し、前記リニアマウントを前記第1の速度とは異なる第2の速度で移動させるための第2の信号を受信するようにプログラムされている、請求項2~6のいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
前記コントローラは、前記リニアマウントを前記第1の位置に移動させるための第1の位置決め信号を受信するようにプログラムされている、請求項2~7のいずれか一項に記載の機械。
【請求項9】
前記コントローラは、前記リニアマウントを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるための第2の位置決め信号を受信するようにプログラムされている、請求項2~8のいずれか一項に記載の機械。
【請求項10】
前記コントローラは、前記リニアマウントを前記第1の位置及び前記第2の位置から間隔を開けた第3の位置に移動させるようにプログラムされている、請求項2~9のいずれか一項に記載の機械。
【請求項11】
前記CSTD取付具は、複数の利用可能な別個のCSTD取付具から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の機械。
【請求項12】
前記バイアル取付具は、複数の利用可能な別個のバイアル取付具から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の機械。
【請求項13】
閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルを組み立てる方法であって、
CSTD取付具を機械のリニアトラベルアセンブリのリニアマウントに取り付けることであって、前記リニアトラベルアセンブリは、前記リニアマウントと、前記リニアマウントと動作的に結合されたアクチュエータとを含み、前記リニアマウントは、第1の位置と前記第1の位置から間隔を開けた第2の位置との間で軸方向に移動可能である、CSTD取付具を機械のリニアトラベルアセンブリのリニアマウントに取り付けることと、
CSTDを前記CSTD取付具に取り付けることと、
バイアル取付具を前記機械のバイアルマウントに取り付けることであって、前記バイアルマウントは、前記リニアトラベルアセンブリの一部分に隣接して配置される、バイアル取付具を前記機械のバイアルマウントに取り付けることと、
バイアルを前記バイアル取付具に取り付けることであって、前記バイアルは前記CSTDの一部分と軸方向に整列している、バイアルを前記バイアル取付具に取り付けることと、
前記リニアマウントを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるために前記リニアトラベルアセンブリを作動させることと、
前記リニアマウントが前記第2の位置にあるときに前記CSTDの一部分を前記バイアルと係合させることと、
を含む、方法。
【請求項14】
コントローラを介して、前記リニアマウントを前記第1の位置に移動させるための第1の位置信号を受信することを更に含み、前記コントローラは、前記リニアトラベルアセンブリの前記アクチュエータに通信的に結合されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラを介して、前記リニアマウントを前記第2の位置に移動させるための第2の位置信号を受信することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラを介して、前記リニアマウントを第1の速度で移動させるための第1の速度信号を受信することを更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラを介して、前記リニアマウントを第2の速度で移動させるための第2の速度信号を受信することを更に含み、前記第2の速度は前記第1の速度よりも大きい、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記バイアル取付具を前記バイアルマウントに取り付けることは、前記バイアル取付具を前記機械のロータリアセンブリに固定することを含み、前記ロータリアセンブリは、前記バイアルマウントと、前記バイアルマウントに動作的に結合されたアクチュエータとを含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラを介して、前記バイアル取付具を第1の方向に回転させるための第1の回転信号を受信することを更に含み、前記コントローラは、前記ロータリアセンブリの前記アクチュエータに通信的に結合されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラを介して、前記バイアル取付具を前記第1の方向及び前記第1の方向とは反対の前記第2の方向に回転させるための第2の回転信号を受信することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
複数の利用可能な別個のCSTDから前記CSTDを選択することを更に含む、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
複数の利用可能な別個のCSTD取付具から前記CSTD取付具を選択することを更に含む、請求項13~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
複数の利用可能な別個のバイアルから前記バイアルを選択することを更に含む、請求項13~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
複数の利用可能な別個のバイアル取付具から前記バイアル取付具を選択することを更に含む、請求項13~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
複数の利用可能な別個のバイアルインサートからバイアルインサートを選択することを更に含む、請求項13~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記CSTDが前記バイアルに係合した後に前記CSTD及び前記バイアルを取り外すことと、前記CSTDを更に前記バイアルと結合させることとを更に含む、請求項13~25のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年9月28日に出願された米国仮特許出願第63/249,337号明細書に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、閉鎖式移送デバイス(CSTD:closed system transfer device)とバイアルの組み立てに関し、より具体的には、CSTDとバイアルを組み立てる機械に関する。
【背景技術】
【0003】
閉鎖式移送デバイス(CSTD)は、薬物の従来の移送が実現不可能な場合に、バイアルとシリンジとの間で薬物を移送するように設計されたデバイスである。例えば、有害医薬品用のCSTDが、薬物を含むバイアルに取り付けられ、薬物製品を捕捉し、システムを密封して、患者及び施術者を有害な内容物から保護する。典型的には、CSTDは、薬物を含むバイアルの上部に手動で固定される。CSTDのバイアルスパイクがバイアルの開口部に配置されたストッパを突き刺し、CSTDとバイアルの内容物を接続する。薬物バイアルへのCSTDの組み付けは困難な場合があり、取り付けにより、薬物バイアル内でのストッパの断片化又はコアリングにつながり、それによって薬物を汚染する及び/又はCSTDスパイクを詰まらせる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルの組立機械は、リニアマウントと、リニアマウントに動作的に結合されたアクチュエータとを含むリニアトラベルアセンブリを含み得る。リニアマウントは、第1の位置と第1の位置から間隔を開けた第2の位置との間で軸方向に移動可能であり得る。機械は、リニアマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成されたCSTD取付具を含み得る。バイアルマウントは、リニアトラベルアセンブリの一部分に隣接して配置され得る。バイアル取付具は、バイアルマウントに取り外し可能に結合可能であるように構成され得る。バイアル取付具は、バイアル取付具がバイアルマウントに結合されており、CSTD取付具がリニアマウントに結合されているとき、CSTD取付具の一部分と軸方向に整列した状態でバイアルを保持するような大きさであり得る。リニアマウントが第1の位置から第2の位置に移動すると、リニアマウントはバイアルマウントに対して移動し得る。
【0005】
第2の態様によれば、閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルを組み立てる方法は、CSTD取付具を機械のリニアトラベルアセンブリのリニアマウントに取り付けることを含み得る。リニアトラベルアセンブリは、リニアマウントと、リニアマウントと動作的に結合されたアクチュエータとを含み得る。リニアマウントは、第1の位置と第1の位置から間隔を開けた第2の位置との間で軸方向に移動可能であり得る。本方法は、CSTDをCSTD取付具に取り付けることと、バイアル取付具を機械のバイアルマウントに取り付けることとを含み得る。バイアルマウントは、リニアトラベルアセンブリの一部分に隣接して配置され得る。本方法は、バイアルをバイアル取付具に取り付けることを含み得る。バイアルは、CSTDの一部分と軸方向に整列し得る。本方法は、リニアマウントを第1の位置から第2の位置に移動させるためにリニアトラベルアセンブリを作動させることを含み得る。更に、本方法は、リニアマウントが第2の位置にあるときにCSTDの一部分をバイアルと係合させることを含み得る。
【0006】
更に、第1の態様及び第2の態様のいずれか1つによれば、CSTDとバイアルの組立機械並びに/又はCSTDとバイアルを組み立てる方法は、以下の形態のいずれか1つ以上を含み得る。
【0007】
1つの形態では、コントローラは、リニアトラベルアセンブリと通信的に結合され得る。
【0008】
いくつかの形態では、コントローラは、リニアマウントを第1の位置に移動させ、リニアマウントを第2の位置に移動させるようにプログラムされ得る。
【0009】
別の形態では、コントローラは、リニアマウントの位置を変化させるために、リニアトラベルアセンブリのアクチュエータに通信的に結合され得る。
【0010】
いくつかの形態では、ロータリアセンブリは、バイアルマウントと、バイアルマウントを1つ以上の方向に回転させるためにバイアルマウントと動作的に結合されたアクチュエータとを含み得る。
【0011】
一例では、コントローラは、ロータリアセンブリと通信的に結合され得る。
【0012】
別の例では、コントローラは、バイアルマウントを第1の方向に回転させるための第1の回転信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0013】
別の例では、コントローラは、バイアルマウントを第1の方向及び第2の方向に回転させるための第2の回転信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0014】
他の例では、コントローラは、バイアルマウントを1つ以上の方向に回転させるために、ロータリアセンブリのアクチュエータに通信的に結合され得る。
【0015】
いくつかの例では、コントローラは、リニアマウントを第1の速度で移動させるようにリニアトラベルアセンブリのアクチュエータを動作させるための第1の信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0016】
別の例では、コントローラは、リニアマウントを第1の速度とは異なる第2の速度で移動させるための第2の信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0017】
1つの形態では、コントローラは、リニアマウントを第1の位置に移動させるための第1の位置決め信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0018】
別の形態では、コントローラは、リニアマウントを第1の位置から第2の位置に移動させるための第2の位置決め信号を受信するようにプログラムされ得る。
【0019】
他の形態では、コントローラは、リニアマウントを第1の位置及び第2の位置から間隔を開けた第3の位置に移動させるようにプログラムされ得る。
【0020】
いくつかの例では、CSTD取付具は、複数の利用可能な別個のCSTD取付具から選択されてもよい。
【0021】
一例では、バイアル取付具は、複数の利用可能な別個のバイアル取付具から選択されてもよい。
【0022】
別の例では、本方法は、コントローラを介して、リニアマウントを第1の位置に移動させるための第1の位置信号を受信することを含み得る。
【0023】
別の例では、コントローラは、リニアトラベルアセンブリのアクチュエータに通信的に結合され得る。
【0024】
1つの形態では、本方法は、コントローラを介して、リニアマウントを第2の位置に移動させるための第2の位置信号を受信することを含み得る。
【0025】
別の形態では、本方法は、コントローラを介して、リニアマウントを第1の速度で移動させるための第1の速度信号を受信することを含み得る。
【0026】
他の形態では、本方法は、コントローラを介して、リニアマウントを第2の速度で移動させるための第2の速度信号を受信することを含み得る。
【0027】
一例では、第2の速度は、第1の速度よりも大きくなり得る。
【0028】
いくつかの例では、バイアル取付具をバイアルマウントに取り付けることは、バイアル取付具を機械のロータリアセンブリに固定することを含み得る。
【0029】
一例では、ロータリアセンブリは、バイアルマウントと、バイアルマウントに動作的に結合されたアクチュエータとを含み得る。
【0030】
一例では、本方法は、コントローラを介して、バイアル取付具を第1の方向に回転させるための第1の回転信号を受信することを含み得る。
【0031】
一例では、コントローラは、ロータリアセンブリのアクチュエータに通信的に結合され得る。
【0032】
別の例では、本方法は、コントローラを介して、バイアル取付具を第1の方向及び第1の方向とは反対の第2の方向に回転させるための第2の回転信号を受信することを含み得る。
【0033】
1つの形態では、本方法は、複数の利用可能な別個のCSTDからCSTDを選択することを含み得る。
【0034】
別の形態では、本方法は、複数の利用可能な別個のCSTD取付具からCSTD取付具を選択することを含み得る。
【0035】
他の形態では、本方法は、複数の利用可能な別個のバイアルからバイアルを選択することを含み得る。
【0036】
いくつかの例では、本方法は、複数の利用可能な別個のバイアル取付具からバイアル取付具を選択することを含み得る。
【0037】
一例では、本方法は、複数の利用可能な別個のバイアルインサートからバイアルインサートを選択することを含み得る。
【0038】
別の例では、本方法は、CSTDがバイアルに係合した後にCSTD及びバイアルを取り外すことと、CSTDをバイアルと結合させることとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本開示の教示に従って組み立てられた閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルの組立機械の斜視図である。
図2図1の機械の正面図である。
図3図1の機械のロータリアセンブリの斜視図である。
図4図3の機械のロータリアセンブリの頂面図である。
図5】バイアルを保持し、図3のロータリアセンブリに固定されたバイアル取付具の斜視図である。
図6図5のバイアル取付具の上面斜視図である。
図7図6のバイアル取付具の側面斜視図である。
図8図6のバイアル取付具のインサートの上面斜視図である。
図9図1の機械のリニアトラベルアセンブリのリニアマウントの正面図である。
図10】CSTDを保持し、図9のリニアマウントに固定されたCSTD取付具の正面図である。
図11図10のCSTD取付具の頂面図である。
図12図11のCSTD取付具の正面斜視図である。
図13図1の機械の制御ボックスの正面図である。
図14】初期位置にあるリニアマウントを示す図1の機械の部分正面図である。
図15】第1の位置にあるリニアマウントを示す図1の機械の部分正面図である。
図16】第2の位置にあるリニアマウントを示す図1の機械の部分正面図である。
図17】第1の位置にあるリニアマウントを示す、CSTDがCSTD取付具に固定され、バイアルがバイアル取付具に固定された図1の機械の部分正面図である。
図18】第2の位置にあるリニアマウントを示す図17の機械の部分正面図である。
図19】CSTDがCSTD取付具から取り外され、バイアルに結合されている、第1の位置にあるリニアマウントを示す図17の機械の部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1の閉鎖式移送デバイス(CSTD)とバイアルの組立機械10は、ストッパを有するバイアルにCSTDを組み付ける。機械10は、CSTDを低速又は高速のいずれでも適用することができ、バイアルが静止しているか、一方向に回転しているか、前後に回転しているかを選択することができる。機械10はまた、様々なCSTDとバイアルの組み合わせを組み立てるために、いくつかの異なるCSTD取付具及びバイアル取付具を受け入れるように適合されている。本明細書で使用する場合、用語「組み立てる」及び「組み立て」は、CSTDとバイアルの任意のタイプの結合を指すことがある。本明細書中に記載される方法及び機械は、様々な理由で、例えばサンプルの品質管理試験及び/又は組み立てられたCSTDとバイアルを医療提供者が患者に使用するために、CSTDとバイアルを組み立てる可能性がある。コアリングは、例えば、CSTD又はバイアルを手動で組み立てるときに使用者によって加えられる速度、力、及び回転などの様々な使用者制御の変動要因によって影響を受ける可能性がある。開示される方法及び機械は、使用者が部品を試験するために用いる様々な変動要因及び/又は手法を模した再現性のある方法を提供し得るとともに、部品設計者にインプットを提供し得る。いくつかの例では、開示される機械及び方法は、設計者が、コアリングの可能性を低下させるCSTDとバイアルの組み立て手法を特定するのに役立つ可能性がある。他の例では、開示される機械及び方法は、コアリングの事例を減らすようにCSTD、バイアル、又は他の部品を設計するための見識を提供し得る。これらの発見により、これら部品の機械又は手動での組み立てがコアリングの最小化に役立つ可能性がある。
【0041】
図1のCSTDとバイアルの組立機械10は、リニアトラベルアセンブリ14と、ロータリアセンブリ18と、リニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18に動作的に結合されたコントローラ22とを含む。リニアトラベルアセンブリ14は、ロータリアセンブリ18に取り付けられたバイアルに向けて軸方向にCSTDを移動させるように配置されている。機械10のコントローラ22は、リニアトラベルアセンブリ14を動作させて、CSTD25を保持するCSTD取付具24を、バイアル27を保持するバイアル取付具26に向けて移動させ、CSTD25をバイアル27に結合させる。コントローラ22は、CSTD25を異なる位置に異なる速度で移動させ、組み立て中にCSTD25がバイアル27に向けて移動する際にCSTDが移動する軸線の周りでバイアル27を1つ以上の方向に回転させるようにプログラムされ得る。コントローラ22は、有線接続又は無線接続を介してリニアアセンブリ14及びロータリアセンブリ18に通信的に結合されている。機械10は、別個の又は一体型の電源を使用して給電され得る。
【0042】
リニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18は、機械10のハウジング28内に収容されている。ハウジング28は、台座46に取り付けられた、後壁30と、第1及び第2の側壁34、38と、前壁42とを含む。コントローラ22は、ハウジング28の第1の側壁34に隣接し、同じ台座46に取り付けられている又は同じ台座46上に別様に配置されている。リニアトラベルアセンブリ14は後壁30に結合されており、ロータリアセンブリ18は、リニアトラベルアセンブリ14の一部分(例えば下部)に隣接して配置され、台座46に取り付けられている。リニアトラベルアセンブリ14及びロータリトラベルアセンブリ18は、前壁42に取り付けられた扉50を開けることによってアクセス可能である。扉50は、ハンドル54と、CSTD25とバイアル27の組み立て中及び機械10の電源がオフのときに扉50が閉じてロックされたままであるように、コントローラ22に動作的に結合された安全ロック58とを含む。
【0043】
図3及び図4では、ロータリアセンブリ18は、バイアルマウント62と、スイッチ66と、アクチュエータ70と、支持壁74とを含む。バイアルマウント62は、凹部80と、凹部80の円形部分内に配置され、凹部80の円形部分に対して回転可能な回転式ベース82とを画定する台座78とを含む。台座78は、アクチュエータ70と回転式ベース82との間の接続を可能にしながら、回転式ベース82を支持するように配置されている。回転式ベース82は凹部80内に載置され、台座78の頂面86と面一であり、バイアルマウント62に略平坦な頂面を提供する。回転式ベース82は、円形であり、凹部80の底部平坦表面と回転式ベース82との間に配置されたスラスト玉軸受上で回転する。回転式ベース82の反対側に、アクチュエータ70のロッドと接続するためのコネクタが配置されている。ベース82のコネクタ及び/又はアクチュエータ70のロッドは、台座78の円形凹部80の底部平坦面に形成された穴を通って延び、アクチュエータ70と回転式ベース82とを結合する。アクチュエータ70は、回転式ベース82をX軸の周りで第1の方向Aに、第2の方向Bに、又は第1の方向Aと第2の方向Bとの間で交互に回転させるように配置されている。開示される実施形態では、X軸は、組み立て中、CSTDの移動軸線と実質的に同軸である。アクチュエータ70はまた、回転式ベース82が全く回転しないように、アイドル状態になる又はロックされるように配置されてもよい。
【0044】
図5は、バイアルマウント62に固定され、バイアル27を保持しているバイアル取付具26を示す。複数の締結具90により、バイアル取付具26は、回転式ベース82に形成された複数のアパーチャ94(図3及び図5)を介してバイアルマウント62に固定されている。バイアル取付具26は、バイアル27をX軸と軸方向に整列した状態で保持するような大きさである。バイアル27及びバイアル取付具26がバイアルマウント62に取り付けられているとき、バイアル27は、X軸と、CSTD取付具24がリニアトラベルアセンブリ14に取り付けられているときのCSTD取付具24の一部分と整列している。バイアル取付具26は、特定のサイズのバイアル27を受け入れるような大きさであり、様々なサイズのバイアル27を保持するための複数の利用可能な別個のバイアル取付具26から選択されてもよい。複数のバイアル取付具26のそれぞれは、ロータリアセンブリ18に同様の又は異なる手法で取り付けられるように配置されている。
【0045】
スイッチ66は、精密スナップ作動スイッチであり、台座78の円形凹部80の異なる部分に配置されている。スイッチ66は、図4に示すようにホームポジションにあり、回転式ベース82と接触していない。回転式ベース82が旋回してスイッチ66のトリガーアーム67に接触すると、スイッチ66は、回転式ベース82の回転を記録する。
【0046】
図6図8を参照すると、例示的なバイアル取付具26及びインサートアクセサリ98が示されている。バイアル取付具26は、本体102と、ハンドル106と、本体102のベース82にある、バイアル取付具26をロータリアセンブリ18に接続するためのフランジ110とを含む。本体102は、ヒンジ122に対して回転して開閉する第1の半片114及び第2の半片118を含む。図6及び図7に示すように、第1の半片114及び第2の半片118は、第1の半片114と第2の半片118が閉じられ、ハンドル106がロック位置ある状態で共に固定されているとき、円筒状のボア126を画定する。図8のインサートアクセサリ98は、取付具26の対応する大きさに従った大きさであり、ロータリアセンブリ18に取り付けられたときにバイアル27に追加的な高さを与えるためにボア126内に配置される。インサート98は、取付具26内に配置されたきにバイアル27を持ち上げ、バイアル27がCSTD25との結合のために機械10内の適切な位置にあることを確実にする。インサート98は、それによりCSTD25のスパイクをバイアルストッパに及び/又はバイアルストッパを通して挿入するのを容易にする。同じ又は異なる大きさの1つ以上のインサート98が選択されてもよく、バイアル取付具26に挿入されてもよい。しかしながら、バイアル27が高く持ち上げられすぎた場合、ストッパのスパイキングにより、バイアルのガラスの破裂を引き起こす可能性がある。
【0047】
開位置において、バイアル取付具26の第1の半片114と第2の半片118は、円筒状のボア126の開口部を広げてバイアル27をより容易に受け入れるために、わずかに又は大きく離れることができる。取付具26がロック位置にあるとき、第1の半片114と第2の半片118は、バイアル取付具26の円筒状のボア126内にバイアル27を確実に保持するように、引き合わされている。ハンドル106は、第1の半片114に回転自在に結合されており、ハンドル106が第2の半片118の上部に形成された溝に配置されると、第1の半片114及び第2の半片118をバイアル27の周りで締め付ける。第1の半片114及び第2の半片118を開いてバイアル27を取付具26に入れる又はバイアル27を取付具26から取り出すために、ハンドル106は、取付具26のX軸に対して垂直な旋回軸Z(図6及び図7に示す)の周りでハンドル106を回転させることによって第2の半片118から持ち上げられ得る。フランジ110は、フランジ110の周囲に間隔をおいて配置された、ロータリアセンブリ18の回転式ベース82にバイアル取付具26を結合するために締結具90を受け入れるための複数のボア130を含む。回転式ベース82に締結されると、バイアル取付具26は、回転式ベース82が回転するときにX軸の周りで回転する。
【0048】
図6図8に示すように、バイアル取付具26及びインサート98の両方は、これらが5ccバイアルとの使用を意図することを示すラベル100を含む。これらのラベル100は、機械10を使用して5ccバイアルをCSTDと組み立てるときに、対応する取付具26及びインサート98を識別するための例示的なラベルである。様々な大きさの他の取付具26及び対応するインサート98は、組み立てるバイアルの大きさに基づいて選択され得る。例えば、本明細書中に図示及び説明する取付具26に類似する他の取付具は、6Rバイアル、10ccバイアル、又は任意の他のバイアルを受け入れるような大きさであってもよい。更に別の例では、取付具26は、様々なサイズのバイアルを受け入れるように異なるインサートを用いて変更されてもよい。
【0049】
図1及び図2に戻ると、リニアトラベルアセンブリ14は、リニアマウント134と、リニアマウント134に動作的に結合されたアクチュエータ138とを含む。リニアマウント134は、図1に示すような初期位置と、図2に示すような第1の位置と、初期位置及び第1の位置から間隔を開けた、ロータリアセンブリ18に隣接する第2の位置(図示せず)との間で軸方向に移動可能である。第1の位置は、初期位置と第2の位置との間に位置している。具体的には、リニアマウント134は、第1の端部146から第2の端部150まで延びる軌道142に摺動可能に結合されている。図2に示される第1の位置において、リニアマウント134は、軌道142のほぼ中間点位置に配置されている。アクチュエータ138は、軌道142の第1の端部146に取り付けられた支持体上に配置され、スライドロッド154に結合されている。アクチュエータ138は、リニアマウント134を軌道142に沿って初期位置と第1の位置と第2の位置との間で移動させるために、スライドロッド154を動作させる。CSTD25を保持するCSTD取付具24が軌道142の第2の端部150に向けて第2の位置に移動する際に、CSTD25がバイアルマウント62内に固定されたバイアル27に係合するように、バイアルマウント62は、リニアトラベルアセンブリ14の軌道142の第2の端部150に隣接して配置されている。以下で更に説明するように、コントローラ22は、ロータリアセンブリ18に対するリニアマウント134の速度及び位置を制御するために、リニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138に通信的に結合されている。コントローラ22はまた、バイアルマウント62の回転を選択的に制御するために、ロータリアセンブリ18に通信的に結合されている。
【0050】
図9では、トラベルアセンブリ14のリニアマウント134が示されている。リニアマウント134は、本体158と、本体158に取り付けられた取付台162とを含む。スライドロッド154は、本体158のボアを通って延び、ボア内に形成された雌ねじを介してボアにねじ結合されている。このように構成されることで、リニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138は、スライドロッド154をその長手方向軸線の周りで回転させる。本体158のボアとスライドロッド154との間のねじ接続により、アクチュエータ138の回転運動を軌道142に沿ったリニアマウント134の直線運動に変換する。台座162は、図10に示すようにCSTD取付具24をリニアマウント134に固定するための複数のアパーチャ166を含む。台座162は、4つのアパーチャ166を3列含む。しかしながら、他の例では、リニアマウント134は、異なるアパーチャの配置又はリニアマウント134に対するCSTD取付具24の固定方法を含んでもよい。本実施形態は、リニアマウント134の直線移動を実施するためにスライドロッド154と本体158との間のねじ接続を用いるが、他の態様では、リニアマウント134の直線移動を、例えば油圧、ラックピニオンギア等の使用による異なる手法で実施することができる。
【0051】
CSTD取付具24は、図10図12に示されており、リニアマウント134の台座162に対して面一になるような形状のプレート170を含む。CSTD取付具24のプレート170は、プレート内に延び、取付具24のプレート170をリニアマウント134の台座162に固定する複数の締結具178を受け入れるような大きさの複数のボア174を含む。CSTD取付具24は、プレート170の表面から垂直に延びる取付アーム182を含む。例示的なCSTD25は、バイアル27がバイアルマウント62に結合されるとCSTD25の一部分がバイアル27と整列されるように、アーム182に形成された受入開口部184(例えば、アパーチャ、ボア、スロット又は溝など)に締結される。蝶ナット186は、機械10を動作させるとリニアマウント134が、CSTD取付具24に固定されたCSTD25を運ぶように、CSTD25を所定の位置に固定する。CSTD取付具24は、蝶ナット186で摩擦点を調整することにより、CSTD25の上部を受け入れ、これと摩擦的に係合する。しかしながら、蝶ナット186は、CSTD25がバイアル27のストッパと結合するとCSTD25が取付具24から分離するように、十分に緩んでいるべきである。他の結合機構も可能であり、CSTD25とCSTD取付具24との間の係合をオン/オフにするための空気圧を含んでもよい。
【0052】
バイアル27及びロータリアセンブリ14のバイアル取付具26と同様に、CSTD25及びCSTD取付具24は、リニアアセンブリ14から取り外し可能である。CSTD25は、蝶ナット186を回転させてCSTD25を取付具24から緩めることによってCSTD取付具24から取り外すことができ、CSTD取付具24は、締結具178を取り外すことによってリニアマウント134から取り外すことができる。
【0053】
図10図12に示すように、CSTD取付具24には、特定のサイズのバイアル27との組み立てのために、CSTD25の種類及びサイズ190が付されている。例示的なラベル190は、バイアル27とCSTD25とを組み立てるときに取付具24のサイズ及び種類を識別するものである。様々なサイズ及び種類の他の取付具24が、CSTD25の種類及び/又はバイアル27のサイズに基づいて提供され、選択されてもよい。例えば、本明細書中に図示及び説明される取付具24に類似する他の取付具は、BD PhaSeal、Tevadaptor、ChemoClave、及びEquashieldのCSTDを受け入れるような大きさであってもよい。更に別の例では、取付具24は、様々な種類のCSTDを受け入れるように異なるインサートを用いて変更されてもよい。
【0054】
コントローラ22は、図13に全体的に示されており、機械14のリニアトラベルアセンブリ14及びロータリトラベルアセンブリ18と通信的に結合されている。コントローラ22は、制御ボックス194内に収容されており、機械10を動作させるための複数の異なるコマンド及び入力を受け取るようにプログラムされている。制御ボックス194は、リニアトラベルアセンブリ14、ロータリアセンブリ18、及び扉54を動作及び制御するための複数のボタン200、202、204、220及びスイッチ206、208、210を含む。制御ボックス194はまた、機械10の様々な警告又は状態をオペレータに伝えるためのステータスライト212、214、216を含む。制御ボックス194は、コントローラ22を別個に収容し、機械10のハウジング28に隣接して配置されているが、別の例では、リニアトラベルアセンブリ14、ロータリアセンブリ18、及びコントローラ22は、コントローラ22が機械10の複数の壁の1つに取り付けられた又は組み込まれたタッチスクリーンなどのユーザインタフェースによってアクセス可能であるように、同じハウジング28に収められていてもよい。オペレータは、所望の組み立て構成を設定するために、タッチスクリーンを使用して所望の設定を選択してもよい。
【0055】
複数のステータスライト212、214、216及び非常停止ボタン220は、制御ボックス194の頂面224に配置されている。コントローラ22は、リニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18の両方と通信(すなわち、信号を受信及び送信)し、各アセンブリ14、18からのフィードバックに基づいてステータスライト212、214、216及び/又は警報をオン/オフにするようにプログラムされている。コントローラ22は、ロータリアセンブリ18がオンかオフかを示すために第1のステータスライト212を動作させ、リニアトラベルアセンブリ14がオンかオフかを示すために第2のステータスライト214を動作させる。コントローラ22は、機械の特定の機能が非アクティブであるか、アクティブであるか、誤動作しているかを示すために他のステータスライト216を動作させてもよい。制御ボックス194の頂面224の中央にあるのは、押された場合に、機械10の全てのアクチュエータ70、138を停止するようにコントローラ22に信号送信する非常停止ボタン220である。
【0056】
機械10用の一組の制御スイッチ206、208は、制御ボックス194の傾斜面228上に配置されており、リニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18の両方を動作させる。コントローラ22は、リニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138と通信して、リニアマウント134の位置及び移動速度を変更するようにプログラムされている。コントローラ22は、第1のスイッチ206を介して、リニアマウント134を第1の速度で移動させるようにリニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138を動作させるための第1の信号を受信するようにプログラムされている。コントローラ22はまた、第1のスイッチ206を介して、リニアマウント134を第2の速度で移動させるための第2の信号を受信するようにプログラムされている。第1のスイッチ206は、したがって、リニアマウント134の速度を低速、中立即ちオフ、又は高速の間で設定する3路スイッチである。一例では、第1の速度は、約0.02m/s~約0.04m/sの範囲、約0.025m/s~約0.035m/sの範囲、及び約0.03m/s~約0.032m/sの範囲であり得る。オペレータは、第1のスイッチを中央から第1の方向(例えば図13では上方)に押すことによって速度を設定し、高速を設定してもよい。コントローラ22は、この設定を受信し、リニアマウント134をその設定された高速で移動させるための信号をリニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138に送信する。オペレータは、その代わりに、第1のスイッチ206を中央から第2の方向(例えば下方)に押すことによって速度を設定し、低速を設定してもよい。一例では、第1の速度は、約0.009m/s~約0.02m/sの範囲、約0.01m/s~約0.018m/sの範囲、及び約0.013m/s~約0.016m/sの範囲であり得る。コントローラ22は、この設定を受信し、リニアマウント134をその設定された低速で移動させるための信号をアクチュエータ138に送信する。しかしながら、他の例では、第1のスイッチ206は、その代わりに、リニアマウント134の速度をより広範囲の速度の間で調節するための回転式つまみであってもよい。
【0057】
制御ボックス194の傾斜面228上の制御スイッチの組の第2のスイッチ208は、ロータリアセンブリ18の回転を設定する。コントローラ22は、ロータリアセンブリ18と通信的に結合され、バイアルマウント62を第1の方向に回転させるための第1の回転信号を受信し、バイアルマウント62を第1の方向及び第2の方向に回転させるための第2の回転信号を受信するようにプログラムされている。中央即ち中立位置(図13に示されている)において、ロータリアセンブリ18のアクチュエータ70は、バイアルマウント62の回転式ベース82を作動させない。オペレータは、スイッチ208を第1の方向(例えば図13では上方)に押すことによって、ロータリアセンブリ18の回転を単一方向に設定してもよい。コントローラ22は、この設定を受信し、ロータリアセンブリ18のアクチュエータ70に、1つの方向に回転させるための信号を送信する。オペレータは、その代わりに、スイッチ208を第2の方向(例えば下方)に押すことによって、ロータリアセンブリ18の回転を二方向設定に設定してもよい。コントローラ22は、この設定を受信し、アクチュエータ70に、2つの方向に回転させるための信号を送信する。このように構成されることで、アクチュエータ70は、バイアルマウント62の回転式ベース82、したがってバイアル取付具24をX軸の周りで回転させる。バイアルマウント62が2つの方向に回転するように設定されると、回転式ベース82は、X軸の周りで回転を交互させる。しかしながら、他の例では、第2のスイッチ208は、バイアルマウント62の速度及び回転の方向を設定するための回転式つまみであってもよい。一例では、1つの方向又は2つの方向のいずれかにおける回転式ベース82の回転速度は、約80RPM~約100RPMの範囲、約85RPM~約95RPMの範囲、及び約88RPM~約92RPMの範囲であってもよい。
【0058】
制御スイッチ206、208の組は、CSTDをバイアルに手動で固定するときの典型的なオペレータの動きを模倣するようにリニアマウント134の速度及びバイアルマウント62の回転を制御する。リニアマウント134の様々な速度は、CSTDをバイアルに固定するときに加えられる様々な力に類似し得る。ロータリアセンブリ18の第1の設定又は第2の設定のいずれかは、CSTDをバイアルに手動で組み付けるときの人のひねる動きに類似し得る。CSTDとバイアルを係合させるときに加えられる力及びトルクの両方を組み合わせることで、コアリングの原因の特定に役立つことがあり、コアリングの事例を低減させるための適切な速度及び/又は回転の決定に役立つことがある。
【0059】
最後に、制御ボックス194の傾斜面228上の第3のスイッチ210は、機械10の扉ロック58を制御するために動作され得る。第3のスイッチ210がロック解除位置(例えば、スイッチの下部が押し下げられている)にあるとき、コントローラ22は、扉ロック58にロック解除するように信号送信し、オペレータが扉50を開けてリニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18にアクセスすることを可能にする。第3のスイッチがロック位置(例えば、スイッチの上部が押し下げられている)にあるとき、コントローラ22は、扉ロック58に扉50をロックするように信号送信する。コントローラ22は、特定の制御が設定され、アクションが行われる前又は後に、扉50を自動的にロックするようにプログラムされ得る。一例では、コントローラ22は、機械10の使用の様々な段階において、扉50が完全に閉じられ、ロック58が作動されない限り、機械10のいかなる動作も抑止するようにプログラムされ得る。
【0060】
コントローラ22はまた、リニアマウント134を初期位置と第1の位置と第2の位置との間で移動させるための3つの異なる位置決め信号を受信するようにプログラムされる。リニアマウント134を位置決めするための3つのボタン200、202、204が、制御ボックス194のフロントパネル232に配置されている。第1のボタン202は、コントローラ22と通信し、リニアマウント134を図14に示すような「ホーム」即ち初期位置に移動させる。第2のボタン204は、コントローラ22と通信し、図15に示すようなリニアマウント134を「準備完了」即ち第1の位置に移動させる。コントローラ22は、「準備完了」ボタン202から第1の位置信号を受信し、その後、リニアマウント134を第1の位置に移動させるための信号をリニアアセンブリ14のアクチュエータ138に送信するようにプログラムされる。第3のボタン204は、コントローラ22と通信し、リニアマウント134を設定された速度で図16に示すような第2の位置に「実行」又は移動させる。特に、コントローラ22は、「実行」ボタン204から第2の位置信号を受信し、リニアマウント134を設定された速度で第1の位置から第2の位置に移動させるための信号をリニアトラベルアセンブリ14のアクチュエータ138に送信するようにプログラムされる。機械10は、リニアマウント134を垂直方向に向けられた軌道142に沿って移動させるように配置されているが、機械10の別の配置では、リニアマウント134は、水平方向に向けられた軌道に沿って配置され、移動可能であってもよい。更に別の例では、機械10は、マウントを円形又は曲線軌道又は経路において回転させることによってCSTD取付具24を移動させるように配置され得る。この場合、コントローラ22は、曲線軌道又は経路に沿ってCSTD取付具24及びマウントを初期位置と第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにプログラムされ得る。
【0061】
図示の例のコントローラ22は、リニアトラベルアセンブリの設定及びロータリアセンブリの設定の組み合わせに基づいて、機械10を6つの異なる構成で動作させるようにプログラムされ得る。第1の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62の回転を伴わずに高速で移動する。第2の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62の回転を伴わずに低速で移動する。第3の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62が1つの方向に回転している状態で、高速で移動する。第4の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62が1つの方向に回転している状態で、低速で移動する。第5の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62が2つの方向に回転している状態で、高速で移動する。最後に、第6の構成において、リニアマウント134は、バイアルマウント62が2つの方向に回転している状態で、低速で移動する。他の例では、コントローラ22は、リニアマウント134を2つより多い速度で移動させ、バイアルマウント62を様々な速度で回転させて、機械10の追加の構成を作成するようにプログラムされ得る。
【0062】
ここで、図17図19に示される機械10の時系列的な順序を参照して、機械10の動作を説明する。機械10は、電源を供給することによってオンにされ、「ホーム」ボタン200を押して、リニアマウント134を初期位置(図14)に移動させる。その後、オペレータは、「準備完了」ボタン202を押して、リニアマウント134を図17に示すような第1の位置に移動させてもよい。第1の位置において、最初に、制御ボックス194の第3のスイッチ210を押すことによって機械10の扉50をロック解除し、扉50を開けて、リニアトラベルアセンブリ14及びロータリアセンブリ18にアクセスすることによって、機械10にCSTD取付具、CSTD、バイアル取付具、及びバイアルが装填され得る。本方法は、機械10のリニアトラベルアセンブリ14のリニアマウント134にCSTD取付具26を取り付けることを含む。図10に示すように、これは、CSTD取付具24のボア174及びリニアマウント134のボア166を通して複数の締結具178を固定することを含む。CSTD25は、CSTD26の上部をCSTD取付具26のアパーチャ184内に配置し、蝶ナット186を締め、CSTD27を取付具26に固定することにより、CSTD取付具26に据え付けられる。
【0063】
扉50が開いた状態で、オペレータは、その後、バイアル取付具26をロータリアセンブリ18の回転式ベース82に据え付けてもよい。図5に示すように、バイアル取付具26をバイアルマウント62に据え付けることは、取付具26のフランジ110のボア130及び回転式ベース82のボア94を通して複数の締結具90を固定することを含む。取付具26は、スイッチ66が押されず、取付具26のハンドル106がスイッチ66にほぼ対向して配置されるような位置まで回転される。バイアル27は、取付具26内に配置され、ハンドル106をロックすることによって締め付けられる。CSTD27及びバイアル25の両方がそれらの各々の取付具24、26に固定された後、扉50は閉じられ、第3のスイッチ210が押されて扉50がロックされてもよい。機械10は、扉50が完全に閉じられ、ロック58が作動されない限り、動作されない。
【0064】
この時点で、オペレータは、スイッチボックス194上のスイッチ206、208を所望の設定に位置決めすることによって直線速度(高速又は低速)及び回転運動(中立、1つの方向、2つの方向)を選択してもよい。オペレータは、その後、リニアマウント134を第1の位置から第2の位置に移動させるために、「実行」ボタン204を押して、リニアトラベルアセンブリ14を作動させてもよい。第2のスイッチ208が中央から(中立から離れるように)押された場合、「実行」ボタン204を押すことで、ロータリアセンブリ18も作動し、バイアル取付具24が回転し始める。図18に示すように、リニアマウント134は、軌道142の第2の端部150に向けて移動し、リニアマウント134が第2の位置にあるとき、CSTD25の一部分はバイアル27と係合する。バイアル27と係合するCSTD25の部分は、バイアルストッパに及び/又はバイアルストッパを通して挿入されるCSTDスパイクを含んでもよい。例えば、CSTD25は、CSTDスパイクがバイアル27のストッパを通して完全に挿入されることなく、ストッパに穿孔することによってバイアル27に係合する。別の例では、CSTDスパイクは、ストッパを通して完全に挿入され得るが、CSTDの上部は、バイアル27の縁に完全にロックされなくてもよい。
【0065】
最後に、図19において、オペレータは、「準備完了」ボタン204を押して、リニアマウント134をCSTD及びバイアルから離れる方に移動させ、第1の位置に戻してもよい。図19において、リニアマウント134は、ロータリアセンブリ18から間隔を開けており、CSTD25は、CSTD25をバイアル27から取り外すこともなくリニアマウント134がCSTD25から分離するように、バイアル27に少なくとも部分的に結合されている。場合によっては、CSTD25はバイアル27に結合されており、それ以上の組み立ては必要ない場合がある。他の場合では、CSTDスパイクは部分的に挿入されるが、ストッパ及び/又はCSTDの上部はバイアル27上にまだスナップ留めされない。これらの場合では、更なる組み立て(例えば、CSTDを軸方向に押す)が手動で行われてもよい。その後、取り付けられたCSTD25及びバイアル27を保持するバイアル取付具24を取り外すために、扉50がロック解除され、開かれてもよい。最終工程は、CSTD25を垂直方向に、バイアル27に向けて押し、バイアル27とCSTD25の組み立てを完了することを含む。バイアル27のストッパの厚さが異なるため、CSTD25は、場合によっては機械10によってバイアル27に完全には組み付けられない。例えば、より頑丈なゴムストッパを組み付けると、バイアルの高さによってはCSTD25が完全な組み立て状態から0.05mm~5mm離れ、キャップ及びプラスチックCSTDマウントの公差が積み重なる場合がある。場合によっては、CSTDは、バイアルの上部にスナップ留めされるグリッパを有し、完全に組み立てられない場合、オペレータは、CSTDを更に押し、所定の位置にスナップ留めしてもよい。したがって、機械10は、CSTD25をバイアル27に部分的にのみ組み付けるように構成され、オペレータは、組み立てを手動で完了させてもよい。しかしながら、他の例では、機械10は、更なる組み立てを必要とすることなく、CSTD25をバイアル27に完全に組み付けるように構成されてもよい。
【0066】
上記のように、機械10は、様々な異なるCSTDを様々な異なるサイズのバイアルに組み付けるように構成されている。適切なCSTDとバイアルを組み立てるために、オペレータは、CSTDを複数の利用可能な別個のCSTDから、及び対応するCSTD取付具を複数の利用可能な別個のCSTD取付具から選択してもよい。同様に、オペレータは、CSTD及び対応するバイアル取付具と組み立てるためのバイアルを選択してもよい。機械10は、異なる直線速度及び回転運動でCSTDを様々なサイズのバイアル上に組み付ける。例えば、CSTD取付具は、BD PhaSeal、Tevadaptor、ChemoClave、及びEquashield又は他のCSTDに適合し得る。機械10は、様々なCSTDを、異なるタイプのストッパを含み得る異なるサイズのバイアル、例えば5cc、6R、及び10ccバイアルに組み付ける。
【0067】
機械10は、様々な異なるCSTDとバイアルの組み合わせに対して少なくとも6つの異なる試験構成を提供し、ストッパの断片化及びコアリングを回避するための適切な組み立て及びバイアルストッパ特性を正確に試験し、決定する。機械10は、一貫性を提供し、疲労、外力等などの人によるばらつきを取り除き、全てのサンプルを同様に試験して真のデータを得る。本明細書中に記載される機械10及び方法は、CSTDとバイアルの設計及び/又は組み立ての向上に見識を提供し、コアリングの事例を減らすことができる。
【0068】
上記説明では、薬物送達デバイスに関連する様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び使用方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法又は薬物送達デバイスは、以下に特定される薬物並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー均等品を含むが、それらに限定されない薬物を更に含むことができ、又はそれらとともに使用することができる。本明細書で用いる薬物という用語は、他の類似の用語と互換的に用いることができ、従来及び非従来型医薬品、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生理活性物質及び組成物、高分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、低分子及び後発医薬品を含む、あらゆる種類の医薬品又は治療材料を指すために用いることができる。非治療的な注入可能材料も含まれる。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態又は凍結乾燥形態から再構成されたものであり得る。以下の薬物の例示的なリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0069】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらは、例示的な実施形態に限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示される本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0070】
当業者であれば、本明細書に開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得ることと、そうした修正形態、変更形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【0071】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらは、例示的な実施形態に限定されるものではない。詳細な説明は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現行の技術又は本特許の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、様々な代替実施形態を実施することができるが、このような実施形態は、本明細書に開示される本発明を定義する特許請求の範囲内に依然として含まれる。
【0072】
当業者であれば、本明細書に開示される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対する多様な修正形態、変更形態及び組み合わせがなされ得ることと、そうした修正形態、変更形態及び組み合わせが本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
図1
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【国際調査報告】