(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】建物に対する持続可能性計画のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517170
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 US2022044034
(87)【国際公開番号】W WO2023044134
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516188157
【氏名又は名称】タイコ・ファイアー・アンド・セキュリティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、 ジョセフ シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、 ニコル エリス
(72)【発明者】
【氏名】デサンティス、 レイ-ゴールディング
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、 ロビー ジー.
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC07
(57)【要約】
本開示は、建物の持続可能性を改善するためのシステム及び方法に関連する。建物は、動作設定に基づいて建物の1つ以上の環境条件を制御する複数台の建物設備を含む。1つの建物システムは、1つ以上の記憶デバイスであって、そこに、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、建物又は複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することと、少なくとも複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することと、複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することと、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、動作パラメータに対する1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することと、動作パラメータに対する1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することと、動作パラメータに対する少なくとも1つの変化を実装するコマンドに応答して、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することと、を行わせる命令を記憶している、1つ以上の記憶デバイスを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の持続可能性を改善するための建物システムであって、
前記建物は、動作設定に基づいて前記建物の1つ以上の環境条件を制御する複数台の建物設備を含み、
前記建物システムは、命令を記憶する1つ以上の記憶デバイスを含み、
前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記建物又は前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、前記建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することと、
少なくとも前記複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することと、
前記複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は前記建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された前記動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することと、
前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することと、
前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することと、
前記動作パラメータに対する前記少なくとも1つの変化を実装する前記コマンドに応答して、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することと
を行わせる、建物システム。
【請求項2】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数台の建物設備のうちの前記第1の建物設備に、制御信号を送信することであって、前記制御信号が、前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを実装させる、送信することと、
前記制御信号の前記送信に応答して、前記建物と関連付けられた前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出することであって、前記変化が、前記ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す、検出することと、
前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも前記1つの持続可能性パラメータの前記変化が、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを反映することを判定することと
を行わせる、請求項1の建物システム。
【請求項3】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することと、
前記持続可能性パラメータに対する持続可能性目標が非準拠であることを前記持続可能性パラメータの前記変化が示すと判定することに応答して、新しい推奨を含めるように前記1つ以上の推奨を更新することであって、前記新しい推奨が、前記持続可能性パラメータの前記変化に対処する、更新することと、
前記新しい推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、前記新しい推奨を実行することと
を行わせ、
前記新しい推奨を実行することは、制御信号を前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に送信させ、前記制御信号が、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも前記1台の建物設備の動作パラメータを調整する、請求項1の建物システム。
【請求項4】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に関するアクションについて、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに対する予測される影響を判定することと、
前記予測される影響を前記ユーザ定義された持続可能性目標と比較することと、
前記予測される影響が前記持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に違反すると判定することに応答して、前記アクションが行われることを防止することと
を行わせる、請求項1の建物システム。
【請求項5】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数台の建物設備に関する前記データを使用して、前記複数台の建物設備に関する複数の建物システムを判定することと、
前記複数の建物システムに関する前記データを使用して、前記複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を生成することと、
前記複数の建物システムのうちの前記建物システムに対する前記寄与因子を使用して、前記複数の建物システムのうちの前記建物システムの前記寄与因子に対処する推奨を生成することであって、前記推奨が、前記建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータに対する複数の変化を含む、生成することと、
前記建物システムに含まれる前記1台以上の建物設備の前記動作パラメータの変化を引き起こす前記推奨を実行することと
を行わせる、請求項1の建物システム。
【請求項6】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
ユーザデバイスから、前記1つ以上の推奨からの推奨の選択を受信することと、
前記推奨を使用して、前記推奨に関する前記複数台の建物設備のうちの1台の建物設備を判定することと、
前記1台の建物設備の動作パラメータに変化を引き起こす前記推奨を実行することと、
前記1台の建物設備の前記動作パラメータの変化に応答して、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することと
を行わせる、請求項1の建物システム。
【請求項7】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記建物に関する前記データを使用して、新しい建物設備を検出することと、
前記新しい建物設備を、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータと関連付けることと、
前記新しい建物設備を前記持続可能性パラメータと関連付けることに応答して、前記持続可能性パラメータの持続可能性目標に対処する推奨を生成することと
を行わせ、
前記推奨は、前記持続可能性パラメータの前記持続可能性目標を満たす、前記新しい建物設備によって実行可能な1つ以上のアクションを含む、請求項1の建物システム。
【請求項8】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
少なくとも1つの前記建物又は前記複数台の建物設備に関するデータを使用して、前記複数台の建物設備のうちの1台の建物設備に対する寄与因子を判定することであって、前記寄与因子が、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに関連する前記1台の建物設備の寄与を示す、判定することと、
前記1台の建物設備に対する前記寄与因子及び所定の寄与因子指数を使用して、前記1台の建物設備に対するベンチマーク指数を判定することと
を行わせる、請求項1の建物システム。
【請求項9】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
ユーザデバイスに、ユーザインターフェースを介して、前記複数台の建物設備又は前記複数台の建物設備に関する複数の建物設備タイプから、サイズ設定されるべき1台の建物設備又は建物設備タイプを選択するようにプロンプトを表示させることと、
前記複数台の建物設備又は前記複数の建物設備タイプから選択された前記1台の設備又は前記建物設備タイプを識別することと、
前記建物に関する前記データを使用して、前記1台の建物設備又は前記建物設備タイプに対するサイズを判定することと
を行わせ、
前記サイズは、前記1台の建物設備若しくは前記建物設備タイプに対する負荷、前記1台の建物設備若しくは前記建物設備タイプに対する容量、又は前記1台の建物設備若しくは前記建物設備タイプと関連付けられたコストのうちの少なくとも1つを最適化する、請求項1の建物システム。
【請求項10】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記建物に関する前記データを使用して、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することと、
前記持続可能性パラメータの前記変化を使用して、前記持続可能性パラメータと関連付けられた傾向を判定することであって、前記傾向が、前記持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に向かって行われた進捗を示す、判定することと、
ユーザデバイスに、ユーザインターフェースを介して、前記傾向のグラフィック表現を表示させることと
を行わせ、
前記傾向の前記グラフィック表現は、前記持続可能性パラメータに対するベースライン値、前記持続可能性パラメータに対する現在の値、前記ベースライン値と前記現在の値との間の差、又は前記持続可能性パラメータに関連する前記持続可能性目標のうちの少なくとも1つを含む、請求項1の建物システム。
【請求項11】
前記複数の持続可能性パラメータは、
カーボン排出量、
エネルギー消費量、
水消費量、
廃棄物産出量、
ガス消費量、
太陽光電力消費量、又は
風力タービン電力消費量
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1の建物システム。
【請求項12】
建物の持続可能性を改善するための方法であって、
処理回路によって、前記建物又は前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、前記建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することと、
前記処理回路によって、少なくとも前記複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することと、
前記処理回路によって、前記複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は前記建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された前記動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することと、
前記処理回路によって、前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することと、
前記処理回路によって、前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することと、
前記処理回路によって、前記動作パラメータに対する前記少なくとも1つの変化を実装する前記コマンドに応答して、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記処理回路によって、前記複数台の建物設備のうちの前記第1の建物設備に、制御信号を送信することであって、前記制御信号が、前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを実装させる、送信することと、
前記処理回路によって、前記制御信号の前記送信に応答して、前記建物と関連付けられた前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出することであって、前記変化が、前記ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す、検出することと、
前記処理回路によって、前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも前記1つの持続可能性パラメータの前記変化が、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを反映することを判定することと
を含む、請求項12の方法。
【請求項14】
前記処理回路によって、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することと、
前記処理回路によって、前記持続可能性パラメータに対する持続可能性目標が非準拠であることを前記持続可能性パラメータの前記変化が示すと判定することに応答して、新しい推奨を含めるように前記1つ以上の推奨を更新することであって、前記新しい推奨が、前記持続可能性パラメータの前記変化に対処する、更新することと、
前記処理回路によって、前記新しい推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、前記新しい推奨を実行することと
を含み、
前記新しい推奨を実行することは、制御信号を前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に送信させ、前記制御信号が、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備の動作パラメータを調整する、請求項12の方法。
【請求項15】
前記処理回路によって、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に関するアクションについて、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに対する予測される影響を判定することと、
前記処理回路によって、前記予測される影響を前記ユーザ定義された持続可能性目標と比較することと、
前記処理回路によって、前記予測される影響が前記持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に違反すると判定することに応答して、前記アクションが行われることを防止することと
を含む、請求項12の方法。
【請求項16】
前記処理回路によって、前記複数台の建物設備に関する前記データを使用して、前記複数台の建物設備に関する複数の建物システムを判定することと、
前記処理回路によって、前記複数の建物システムに関する前記データを使用して、前記複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を生成することと、
前記処理回路によって、前記複数の建物システムのうちの前記建物システムに対する前記寄与因子を使用して、前記複数の建物システムのうちの前記建物システムの前記寄与因子に対処する推奨を生成することであって、前記推奨が、前記建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータに対する複数の変化を含む、生成することと、
前記処理回路によって、前記建物システムに含まれる前記1台以上の建物設備の前記動作パラメータの変化を引き起こす前記推奨を実行することと
を含む、請求項12の方法。
【請求項17】
前記処理回路によって、ユーザデバイスから、前記1つ以上の推奨からの推奨の選択を受信することと、
前記処理回路によって、前記推奨を使用して、前記推奨に関する前記複数台の建物設備のうちの1台の建物設備を判定することと、
前記処理回路によって、前記1台の建物設備の動作パラメータに変化を引き起こす前記推奨を実行することと、
前記処理回路によって、前記1台の建物設備の前記動作パラメータの変化に応答して、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することと
を含む、請求項12の方法。
【請求項18】
前記処理回路によって、前記建物に関する前記データを使用して、新しい建物設備を検出することと、
前記処理回路によって、前記新しい建物設備を、前記複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータと関連付けることと、
前記処理回路によって、前記新しい建物設備を前記持続可能性パラメータと関連付けることに応答して、前記持続可能性パラメータの持続可能性目標に対処する推奨を生成することと
を含み、
前記推奨は、前記持続可能性パラメータの前記持続可能性目標を満たす、前記新しい建物設備によって実行可能な1つ以上のアクションを含む、請求項12の方法。
【請求項19】
建物の持続可能性を即席に作るための建物システムであって、
前記建物は、動作設定に基づいて前記建物の1つ以上の環境条件を制御する複数台の建物設備を含み、
前記建物システムは、命令を記憶する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含み、
前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、
前記建物又は前記複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、前記建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することと、
少なくとも前記複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することと、
前記複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は前記建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された前記動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することと、
前記ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することと、
前記動作パラメータに対する前記1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することと、
前記動作パラメータに対する前記少なくとも1つの変化を実装する前記コマンドに応答して、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することと
を含む動作を実装させる、建物システム。
【請求項20】
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記複数台の建物設備のうちの前記第1の建物設備に、制御信号を送信することであって、前記制御信号が、前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを実装させる、送信することと、
前記制御信号を送信することに応答して、前記建物と関連付けられた前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出することであって、前記変化が、前記ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す、検出することと、
前記複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも前記1つの持続可能性パラメータの前記変化が、前記複数台の建物設備のうちの少なくとも前記第1の建物設備に対する前記修正された動作パラメータセットを反映することを判定することと
を含む動作を実装させる、請求項19の建物システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月20日に出願された米国仮特許出願第63/246,177号の利益及びその優先権を主張し、本出願は、2022年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/336,935号の利益及びその優先権を主張し、その両方の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
本開示の1つの実施態様は、建物の持続可能性を改善するための建物システムである。建物は、動作設定に基づいて建物の1つ以上の環境条件を制御する複数台の建物設備を含む。建物システムは、1つ以上の記憶デバイスであって、そこに、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、建物又は複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定させる命令を記憶する、1つ以上の記憶デバイスを含む。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、少なくとも複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された動作パラメータへの1つ以上の変化を判定させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、動作パラメータに対する1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、動作パラメータに対する1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、動作パラメータに対する少なくとも1つの変化を実装するコマンドに応答して、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定させる。
【0003】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、複数台の建物設備のうちの第1の建物設備に、制御信号を送信させ、制御信号が、第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを実装させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、制御信号の送信に応答して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出させ、変化が、ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化が、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを反映することを判定させる。
【0004】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、持続可能性パラメータに対する持続可能性目標が非準拠であることを持続可能性パラメータの変化が示すと判定することに応答して、1つ以上の推奨を更新して、新しい推奨を含めさせ、新しい推奨が、持続可能性パラメータの変化に対処する。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、新しい推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、新しい推奨を実行させ、新しい推奨を実行することが、制御信号を複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に送信させ、制御信号が、複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備の動作パラメータを調整する。
【0005】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に関するアクションについて、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに対する予測される影響を判定させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、予測される影響をユーザ定義された持続可能性目標と比較させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、予測される影響が持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に違反すると判定することに応答して、アクションが行われることを防止させる。
【0006】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、複数台の建物設備に関するデータを使用して、複数台の建物設備に関する複数の建物システムを判定させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、複数の建物システムに関するデータを使用して、複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を生成させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を使用して、複数の建物システムのうちの建物システムの寄与因子に対処する推奨を生成させ、推奨が、建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータに対する複数の変化を含む。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータの変化を引き起こす推奨を実行させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、ユーザデバイスから、1つ以上の推奨からの推奨の選択を受信させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、推奨を使用して、推奨に関する複数台の建物設備のうちの1台の建物設備を判定させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、1台の建物設備の動作パラメータの変化を引き起こす推奨を実行させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、1台の建物設備の動作パラメータの変化に応答して、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出させる。
【0008】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、建物に関するデータを使用して、新しい建物設備を検出させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、新しい建物設備を、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータと関連付けさせる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、新しい建物設備を持続可能性パラメータと関連付けることに応答して、持続可能性パラメータの持続可能性目標に対処する推奨を生成させ、推奨が、持続可能性パラメータの持続可能性目標を満たす、新しい建物設備によって実行可能な1つ以上のアクションを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、少なくとも1つの建物又は複数台の建物設備に関するデータを使用して、複数台の建物設備のうちの1台の建物設備に対する寄与因子を判定させ、寄与因子が、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに関連する1台の建物設備の寄与を示す。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、1台の建物設備に対する寄与因子及び所定の寄与因子指数を使用して、1台の建物設備に対するベンチマーク指数を判定させる。
【0010】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、ユーザデバイスに、ユーザインターフェースを介して、複数台の建物設備又は複数台の建物設備に関する複数の建物設備タイプから、サイズ設定されるべき1台の建物設備又は建物設備タイプを選択するようにプロンプトを表示させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、複数台の建物設備又は複数の建物設備タイプから選択された1台の設備又は建物設備タイプを識別させる。命令はまた、建物に関するデータを使用して、1台の建物設備又は建物設備タイプに対するサイズを判定させ、サイズが、1台の建物設備若しくは建物設備タイプに対する負荷、1台の建物設備若しくは建物設備タイプに対する容量、又は1台の建物設備若しくは建物設備タイプと関連付けられたコストのうちの少なくとも1つを最適化する。
【0011】
いくつかの実施形態では、命令は、1つ以上のプロセッサに、建物に関するデータを使用して、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出させる。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、持続可能性パラメータの変化を使用して、持続可能性パラメータと関連付けられた傾向を判定させ、傾向が、持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に向かって行われた進捗を示す。命令はまた、1つ以上のプロセッサに、ユーザデバイスに、ユーザインターフェースを介して、傾向のグラフィック表現を表示させ、傾向のグラフィック表現が、持続可能性パラメータに対するベースライン値、持続可能性パラメータに対する現在の値、ベースライン値と現在の値との間の差、又は持続可能性パラメータに関連する持続可能性目標のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の持続可能性パラメータが、カーボン排出量、エネルギー消費量、水消費量、廃棄物産出量、ガス消費量、太陽光電力消費量、又は風力タービン電力消費量のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
本開示の別の実施態様は、建物の持続可能性を改善するための方法である。方法は、処理回路によって、建物又は複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することを含む。方法は、処理回路によって、少なくとも複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することを含む。方法は、処理回路によって、複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することを含む。方法は、処理回路によって、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、動作パラメータに対する1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することを含む。方法は、処理回路によって、動作パラメータに対する1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することを含む。方法は、処理回路によって、動作パラメータに対する少なくとも1つの変化を実装するコマンドに応答して、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、複数台の建物設備のうちの第1の建物設備に、制御信号を送信することを含み、制御信号が、第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを実装させる。方法は、処理回路によって、制御信号の送信に応答して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出することを含み、変化が、ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す。方法は、処理回路によって、複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化が、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを反映することを判定することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することを含む。方法は、処理回路によって、持続可能性パラメータに対する持続可能性目標が非準拠であることを持続可能性パラメータの変化が示すと判定することに応答して、新しい推奨を含めるように1つ以上の推奨を更新することを含み、新しい推奨が、持続可能性パラメータの変化に対処する。方法は、処理回路によって、新しい推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、新しい推奨を実行することを含み、新しい推奨を実行することが、制御信号を複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に送信させ、制御信号が、複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備の動作パラメータを調整する。
【0016】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、複数台の建物設備のうちの少なくとも1台の建物設備に関するアクションについて、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータに対する予測される影響を判定することを含む。方法は、処理回路によって、予測される影響をユーザ定義された持続可能性目標と比較することを含む。方法は、処理回路によって、予測される影響が持続可能性パラメータに対する持続可能性目標に違反すると判定することに応答して、アクションが行われることを防止することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、複数台の建物設備に関するデータを使用して、複数台の建物設備に関する複数の建物システムを判定することを含む。方法は、処理回路によって、複数の建物システムに関するデータを使用して、複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を生成することを含む。方法は、処理回路によって、複数の建物システムのうちの建物システムに対する寄与因子を使用して、複数の建物システムのうちの建物システムの寄与因子に対処する推奨を生成することを含み、推奨が、建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータに対する複数の変化を含む。方法は、処理回路によって、建物システムに含まれる1台以上の建物設備の動作パラメータの変化を引き起こす推奨を実行することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、ユーザデバイスから、1つ以上の推奨からの推奨の選択を受信することを含む。方法は、処理回路によって、推奨を使用して、推奨に関する複数台の建物設備のうちの1台の建物設備を判定することを含む。方法は、処理回路によって、1台の建物設備の動作パラメータに変化を引き起こす推奨を実行することを含む。方法は、処理回路によって、1台の建物設備の動作パラメータの変化に応答して、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータの変化を検出することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、処理回路によって、建物に関するデータを使用して、新しい建物設備を検出することを含む。方法は、処理回路によって、新しい建物設備を、複数の持続可能性パラメータのうちの持続可能性パラメータと関連付けることを含む。方法は、処理回路によって、新しい建物設備を持続可能性パラメータと関連付けることに応答して、持続可能性パラメータの持続可能性目標に対処する推奨を生成することを含み、推奨が、持続可能性パラメータの持続可能性目標を満たす、新しい建物設備によって実行可能な1つ以上のアクションを含む。
【0020】
本開示の別の実施態様は、建物の持続可能性を即席に作るための建物システムである。建物は、動作設定に基づいて建物の1つ以上の環境条件を制御する複数台の建物設備を含む。建物システムは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、そこに記憶された命令であって、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、建物又は複数台の建物設備のうちの少なくとも1つに関するデータを使用して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータに対する複数のベースライン値を判定することを含む動作を実装させる、命令を有する、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含む。動作は、少なくとも複数の持続可能性パラメータのサブセットに対する、ユーザ定義された持続可能性目標を受信することを含む。動作は、複数台の建物設備の少なくとも一部分の動作パラメータを分析して、単独で、又は建物への1つ以上の他の変化と組み合わせて、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように予測された動作パラメータへの1つ以上の変化を判定することを含む。動作は、ユーザ定義された持続可能性目標を満たすように、動作パラメータに対する1つ以上の変化を実装する1つ以上の推奨を提供することを含む。動作は、動作パラメータに対する1つ以上の変化のうちの少なくとも1つの変化を実装するコマンドを受信することを含む。動作は、動作パラメータに対する少なくとも1つの変化を実装するコマンドに応答して、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを判定することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、動作は、複数台の建物設備のうちの第1の建物設備に、制御信号を送信することを含み、制御信号が、第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを実装させる。動作は、制御信号を送信することに応答して、建物と関連付けられた複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化を検出することを含み、変化が、ユーザ定義された持続可能性目標の改善を示す。動作は、複数の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つの持続可能性パラメータの変化が、複数台の建物設備のうちの少なくとも第1の建物設備に対する修正された動作パラメータセットを反映することを判定することを含む。
【0022】
本開示の様々な目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する、詳細な説明を参照することによって、より明らかになり、よりよく理解されるであろう。図面において、同様の参照番号は、概して、同じ、機能的に同様、及び/又は構造的に同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】例示的な実施形態による、HVACシステムを装備した建物の図面である。
【
図2】例示的な実施形態による、
図1の建物を監視及び/又は制御するために使用され得る建物自動システム(BAS)のブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による、建物を計画するための持続可能性最適化のためのシステムのブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態による、
図3の持続可能性最適化システムのエネルギー請求書検索システムのブロック図であり、エネルギー請求書検索システムが、建物に対する公共料金請求書を検索する。
【
図5】例示的な実施形態による、
図3のシステムの建物監査システムのブロック図であり、施設監査システムが、監査を介して建物の建物データを収集するように構成されている。
【
図6】例示的な実施形態による、
図3のシステムの需要側データシステムのブロック図であり、需要側データシステムが、建物から建物システム及び動作データを収集し、建物に対するエネルギーメトリック、炭素メトリック、動作メトリック、及び施設改善措置(FIM)を計算するように構成されている。
【
図7】例示的な実施形態による、
図3のシステムのオンサイト供給データシステムのブロック図であり、オンサイト供給システムが、建物に対するオンサイトエネルギー供給システムからデータを収集するように構成されている。
【
図8】例示的な実施形態による、
図3のシステムの持続可能性アドバイザ及び最適化システムのブロック図であり、持続可能性アドバイザが、ユーザに持続可能性データを提供し、ユーザからの入力を受信するように構成されており、最適化システムが、建物に対する持続可能性最適化を実行するように構成されている。
【
図9】例示的な実施形態による、バッテリ資産に投資する利益を判定し、投資と関連付けられた様々な財務メトリックを計算するために使用され得る計画ツールのブロック図である。
【
図10】例示的な実施形態による、資産サイズ設定モジュールを例示するブロック図である。
【
図11】例示的な実施形態による、建物の持続可能性を改善するためのプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図、システム、及び方法を全体的に参照すると、様々な例示的な実施形態による、建物を計画するための持続可能性最適化のために提供される。持続可能性最適化システムは、例えば、エネルギー供給データ、オンサイトエネルギー生成システム、需要データ、建物設備の表示など、建物に関する様々な情報を収集するように構成され得る。持続可能性最適化システムは、収集されたデータに対する最適化を実行して、結果的に、建物の持続可能な動作をもたらす建物に対する改善を識別するように構成され得る。例えば、最適化は、例えば、カーボンフットプリント、エネルギー使用量、財務コストなど、建物の様々なメトリックに対して最適化し得る。最適化の結果は、特定の建物設備を改造され、オンサイト太陽光パネルを設置すること、再生可能エネルギークレジット(REC)を購入すること、建物制御計画を作成することなどであり得る。
【0025】
最適化は、いくつかの実施形態では、結果的に、建物に、特定のタイムラインで持続可能性目標を満たさせる建物計画をもたらし得る。例えば、ユーザは、自身の建物に対して、次の30年間で正味ゼロのカーボン排出量(又は事前定義されたレベルのカーボン排出量)に到達するという目標を有し得る。最適化は、最適化期間(例えば、次の5年間)にわたって最適化し、総計画期間(例えば、次の30年間)にわたって目標を達成するために、定期的に、例えば、毎年、実行することができる。
【0026】
建物管理システム及びHVACシステム
ここで
図1を参照すると、例示的な実施形態による、本開示のシステム及び方法が実装され得る例示的な建物管理システム(BMS)及びHVACシステムが示されている。特に
図1を参照すると、建物10の斜視図が示されている。建物10は、BMSによりサービス提供されている。BMSは、概して、建物又は建物区域の中若しくはその周囲の設備を制御、監視、及び管理するように構成されたデバイスのシステムである。BMSは、例えば、HVACシステム、セキュリティシステム、照明システム、火災警報システム、及び/又は建物機能若しくはデバイスを管理することができる任意の他のシステム、あるいはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0027】
建物10にサービスを提供するBMSは、HVACシステム100を含む。HVACシステム100は、建物10に加熱、冷却、換気、又は他のサービスを提供するように構成されたHVACデバイス(例えば、ヒータ、チラー、空気処理ユニット、ポンプ、ファン、熱エネルギー貯蔵装置など)を含むことができる。例えば、HVACシステム100は、ウォーターサイドシステム120及びエアサイドシステム130を含むように示されている。ウォーターサイドシステム120は、加熱された又は冷やされた流体をエアサイドシステム130の空気処理ユニットに提供することができる。エアサイドシステム130は、加熱された又は冷やされた流体を使用して、建物10に提供される空気流を加熱又は冷却することができる。HVACシステム100で使用することができる例示的なウォーターサイドシステム及びエアサイドシステムは、
図2~
図3を参照しながらより詳細に説明される。
【0028】
HVACシステム100は、チラー102、ボイラ104、及び屋上空気処理ユニット(AHU)106を含むように示されている。ウォーターサイドシステム120は、ボイラ104及びチラー102を使用して、作動流体(例えば、水、グリコールなど)を加熱又は冷却することができ、作動流体をAHU106に循環させることができる。様々な実施形態では、ウォーターサイドシステム120のHVACデバイスは、建物10内又はその周囲に(
図1に示されるように)、又は中央プラント(例えば、チラープラント、蒸気プラント、熱プラントなど)などのオフサイトの場所に位置することができる。作動流体は、建物10で加熱又は冷却が必要とされるかどうかに応じて、ボイラ104で加熱されるか、又はチラー102で冷却されることができる。ボイラ104は、例えば、可燃性材料(例えば、天然ガス)を燃焼させることによって、又は電気加熱要素を使用することによって、循環流体に熱を加えることができる。チラー102は、循環流体を熱交換器(例えば、蒸発器)内の別の流体(例えば、冷媒)との熱交換関係に置いて、循環流体から熱を吸収することができる。チラー102及び/又はボイラ104からの作動流体は、配管108を介してAHU106に輸送することができる。
【0029】
AHU106は、作動流体を、AHU106を通過する空気流との熱交換関係に置くことができる(例えば、冷却コイル及び/又は加熱コイルの1つ以上の段階を介して)。空気流は、例えば、外気、建物10内からの戻り空気、又はその両方の組み合わせであることができる。AHU106は、空気流と作動流体との間で熱を伝達して、空気流に加熱又は冷却を提供することができる。例えば、AHU106は、作動流体を含む熱交換器上に又は熱交換器を通って空気流を通過させるように構成された、1つ以上のファン又は送風機を含むことができる。次いで、作動流体は、配管110を介してチラー102又はボイラ104に戻ることができる。
【0030】
エアサイドシステム130は、AHU106によって供給される空気流(すなわち、供給空気流)を、空気供給ダクト112を介して建物10に送達することができ、空気戻りダクト114を介して建物10からAHU106に戻り空気を提供することができる。いくつかの実施形態では、エアサイドシステム130は、複数の可変風量(VAV)ユニット116を含む。例えば、エアサイドシステム130は、建物10の各フロア又は各ゾーンに別個のVAVユニット116を含むように示されている。VAVユニット116は、建物10の個々のゾーンに提供される供給空気流の量を制御するように動作することができるダンパ又は他の流量制御要素を含むことができる。他の実施形態では、エアサイドシステム130は、中間VAVユニット116又は他の流量制御要素を使用することなく、供給空気流を建物10の1つ以上のゾーンに(例えば、供給ダクト112を介して)送達する。AHU106は、供給空気流の属性を測定するように構成された様々なセンサ(例えば、温度センサ、圧力センサなど)を含むことができる。AHU106は、AHU106内及び/又は建物ゾーン内に位置するセンサから入力を受信することができ、AHU106を通る供給空気流の流量、温度、又は他の属性を調整して、建物ゾーンの設定値条件を達成することができる。
【0031】
ここで
図2を参照すると、例示的な実施形態による、建物自動システム(BAS)200のブロック図が示されている。BAS200は、建物10内に実装されて、様々な建物機能を自動的に監視及び制御し得る。BAS200は、BASコントローラ202及び建物サブシステム228を含むように示されている。建物サブシステム228は、建物電気サブシステム234、情報通信技術(ICT)サブシステム236、セキュリティサブシステム238、HVACサブシステム240、照明サブシステム242、エレベータ/エスカレータサブシステム232、及び火災安全サブシステム230を含むように示されている。様々な実施形態では、建物サブシステム228は、より少ない、追加の、又は代替のサブシステムを含むことができる。例えば、建物サブシステム228はまた、又は代替的に、冷媒サブシステム、広告若しくは標識サブシステム、調理サブシステム、販売サブシステム、プリンタ若しくはコピーサービスサブシステム、又は建物10を監視若しくは制御するために制御可能な設備及び/若しくはセンサを使用する任意の他のタイプの建物サブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、建物サブシステム228は、ウォーターサイドシステム及び/又はエアサイドシステムを含む。ウォーターサイドシステム及びエアサイドシステムは、2017年6月23日に出願された米国特許出願第15/631,830号を更に参照して説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
建物サブシステム228の各々は、その個々の機能及び制御活動を完了するための任意の数のデバイス、コントローラ、及び接続部を含み得る。HVACサブシステム240は、
図1を参照して説明されたように、HVACシステム100と同じ構成要素の多くを含み得る。例えば、HVACサブシステム240は、チラー、ボイラ、任意の数の空気処理ユニット、エコノマイザ、フィールドコントローラ、監督コントローラ、アクチュエータ、温度センサ、及び建物10内の温度、湿度、空気流、若しくは他の可変条件を制御するための他のデバイスを含み得る。照明サブシステム242は、建物空間に提供される光の量を制御可能に調整するように構成された、任意の数の照明器具、バラスト、照明センサ、調光器、又は他のデバイスを含み得る。セキュリティサブシステム238は、占有センサ、ビデオ監視カメラ、デジタルビデオレコーダ、ビデオ処理サーバ、侵入検知デバイス、アクセス制御デバイス及びサーバ、又は他のセキュリティ関連デバイスを含み得る。
【0033】
更に
図2を参照すると、BASコントローラ202は、通信インターフェース207及びBASインターフェース209を含むように示されている。インターフェース207は、BASコントローラ202と外部アプリケーション(例えば、監視及び報告アプリケーション222、企業制御アプリケーション226、リモートシステム及びアプリケーション244、クライアントデバイス248上に常駐するアプリケーションなど)との間の通信を容易にして、BASコントローラ202及び/又はサブシステム228に対するユーザ制御、監視、及び調整を可能にし得る。また、インターフェース207は、BASコントローラ202とクライアントデバイス248との間の通信も容易にし得る。BASインターフェース209は、BASコントローラ202と建物サブシステム228(例えば、HVAC、照明セキュリティ、エレベータ、配電、ビジネスなど)との間の通信を容易にし得る。
【0034】
インターフェース207、209は、建物サブシステム228又は他の外部システム若しくはデバイスとデータ通信を行うための有線又は無線通信インターフェース(例えば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、送受信機、有線端末など)であるか、又はそれらを含むことができる。様々な実施形態では、インターフェース207、209を介した通信は、直接的(例えば、ローカル有線通信又は無線通信)であっても、通信ネットワーク246(例えば、WAN、インターネット、セルラネットワークなど)を介してもよい。例えば、インターフェース207、209は、イーサネットベースの通信リンク又はネットワークを介してデータを送信及び受信するためのイーサネットカード及びポートを含むことができる。別の例では、インターフェース207、209は、無線通信ネットワークを介して通信するためのWi-Fi送受信機を含むことができる。別の例では、インターフェース207、209のうちの一方又は両方は、セルラ又は携帯電話通信送受信機を含み得る。一実施形態では、通信インターフェース207は、電力線通信インターフェースであり、BASインターフェース209は、イーサネットインターフェースである。他の実施形態では、通信インターフェース207及びBASインターフェース209は両方とも、イーサネットインターフェースであるか又は同じイーサネットインターフェースである。
【0035】
更に
図2を参照すると、BASコントローラ202は、プロセッサ206とメモリ208とを含む処理回路204を含むように示されている。処理回路204は、処理回路204及びその様々な構成要素が、インターフェース207、209を介してデータを送信及び受信することができるように、BASインターフェース209及び/又は通信インターフェース207に通信可能に接続され得る。プロセッサ206は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理構成要素のグループ、又は他の好適な電子処理構成要素として実装され得る。
【0036】
メモリ208(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶デバイスなど)は、本出願に記載された様々なプロセス、層、及びモジュールを完了又は促進するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための、1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリ208は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであり得るか、又はそれを含み得る。メモリ208は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、又は本出願に説明された様々な活動及び情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含むことができる。一実施形態によれば、メモリ208は、処理回路204を介してプロセッサ206に通信可能に接続され、本明細書に記載された1つ以上のプロセスを(例えば、処理回路204及び/又はプロセッサ206によって)実行するためのコンピュータコードを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、BASコントローラ202は、単一のコンピュータ内(例えば、1つのサーバ内、1つの筐体内など)に実装される。様々な他の実施形態では、BASコントローラ202は、(例えば、分散された場所に存在することができる)複数のサーバ又はコンピュータにわたって分散され得る。更に、
図2は、アプリケーション222及び226を、BASコントローラ202の外側に存在するものとして示しているが、いくつかの実施形態では、アプリケーション222及び226は、BASコントローラ202内(例えば、メモリ208内)でホストされてよい。
【0038】
更に
図2を参照すると、メモリ208は、企業統合層210、自動測定及び検証(AM&V)層212、需要応答(DR)層214、故障検出及び診断(FDD)層216、統合制御層218、及び後の建物サブシステム統合220を含むように示されている。層210~220は、いくつかの実施形態では、建物サブシステム228及び他のデータソースから入力を受信し、入力に基づいて建物サブシステム228のための最適な制御アクションを判定し、最適な制御アクションに基づいて制御信号を生成し、生成された制御信号を建物サブシステム228に提供するように構成されている。以下の段落では、BAS200内の層210~220の各々によって実施される一般的な機能のいくつかを説明する。
【0039】
企業統合層210は、クライアント又はローカルアプリケーションに、様々な企業レベルのアプリケーションをサポートするための情報及びサービスを提供するように構成され得る。例えば、企業制御アプリケーション226は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)又は任意の数の企業レベルのビジネスアプリケーション(例えば、会計システム、ユーザ識別システムなど)にサブシステムスパニング制御を提供するように構成され得る。企業制御アプリケーション226はまた、又は代替的に、BASコントローラ202を構成するための構成GUIを提供するように構成され得る。更になお他の実施形態では、企業制御アプリケーション226は、インターフェース207及び/又はBASインターフェース209で受信された入力に基づいて、建物の性能(例えば、効率性、エネルギー使用、快適性、又は安全性)を最適化するために層210~220と連携することができる。
【0040】
建物サブシステム統合層220は、BASコントローラ202と建物サブシステム228との間の通信を管理するように構成され得る。例えば、建物サブシステム統合層220は、センサデータ及び入力信号を建物サブシステム228から受信し、出力データ及び制御信号を建物サブシステム228に提供し得る。建物サブシステム統合層220はまた、建物サブシステム228間の通信を管理するように構成され得る。建物サブシステム統合層220は、マルチベンダ/マルチプロトコルシステムにわたって通信(例えば、センサデータ、入力信号、出力信号など)を変換する。
【0041】
需要応答層214は、建物10の需要を満たすことに応答して、資源使用(例えば、電気使用、天然ガス使用、水使用など)及び/又はそのような資源使用の金銭的コストを最適化するように構成され得る。最適化は、使用時間価格、抑制信号、エネルギー利用可用性、又は公益事業者、分散型エネルギー生成システム224、エネルギー貯蔵装置227から、若しくは他のソースから受信された他のデータに基づいていてよい。需要応答層214は、BASコントローラ202の他の層(例えば、建物サブシステム統合層220、統合制御層218など)から入力を受信し得る。他の層から受信した入力は、温度、二酸化炭素レベル、相対湿度レベル、空気品質センサ出力、占有センサ出力、部屋スケジュールなどの環境入力又はセンサ入力を含み得る。入力はまた、電力使用量(例えば、kWhで表される)、熱負荷測定値、価格情報、予測される価格設定、平滑化された価格設定、公益事業者からの抑制信号などの入力を含み得る。
【0042】
例示的な実施形態によれば、需要応答層214は、それが受信するデータ及び信号に応答するための制御ロジックを含む。これらの応答は、統合された制御層218内の制御アルゴリズムと通信すること、制御戦略を変更すること、設定値を変更すること、又は制御された様式で建物の設備若しくはサブシステムを作動/作動解除することを含むことができる。需要応答層214はまた、貯蔵されたエネルギーをいつ利用するかを判定するように構成された制御ロジックも含み得る。例えば、需要応答層214は、ピーク使用時間の開始直前に、エネルギー貯蔵装置227からのエネルギーの使用を開始することを判定し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、需要応答層214は、需要を表す、又は需要に基づいた1つ以上の入力(例えば、価格、抑制信号、需要レベルなど)に基づいてエネルギーコストを最小化する制御アクションをアクティブに開始する(例えば、自動的に設定値を変更する)ように構成された制御モジュールを含む。いくつかの実施形態では、需要応答層214は、設備モデルを使用して、制御アクションの最適なセットを判定する。設備モデルは、例えば、建物設備の様々なセットによって実施される入力、出力、及び/又は機能を説明する熱力学モデルを含み得る。設備モデルは、建物設備(例えば、サブプラント、チラーアレイなど)又は個々のデバイス(例えば、個々のチラー、ヒータ、ポンプなど)のコレクションを表し得る。
【0044】
需要応答層214は、1つ以上の需要応答ポリシー定義(例えば、データベース、XMLファイルなど)を更に含んでもよく、又はそれを利用してもよい。ポリシー定義は、需要入力に応答して開始された制御アクションが、ユーザのアプリケーション、所望の快適性レベル、特定の建物設備に合わせて、又は他の懸念事項に基づいて調節され得るように、ユーザによって(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して)編集又は調整され得る。例えば、需要応答ポリシー定義は、特定の需要入力に応答してどの設備をオン又はオフにし得るか、システム又は設備の一部をどのくらいの時間オフにすべきか、どのような設定値を変更できるか、許容設定値調整範囲は何であるか、通常スケジュールされた設定値に戻る前にどのくらいの時間高い需要設定値を保持するか、容量制限にどのくらい近づいているか、どの設備モードを利用するか、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、熱貯蔵タンク、バッテリバンクなど)への、及びエネルギー貯蔵デバイス(例えば、熱貯蔵タンク、バッテリバンクなど)からのエネルギー転送速度(例えば、最大速度、警報速度、他の速度境界情報など)、並びにオンサイトのエネルギー生成をいつ(例えば、燃料電池、モータ発電機セットなどを介して)ディスパッチするかを指定することができる。
【0045】
統合制御層218は、建物サブシステム統合層220のデータ入力若しくは出力、及び/又は後の需要応答214を使用して、制御判定を行うように構成され得る。建物サブシステム統合層220によって提供されるサブシステム統合により、統合制御層218は、サブシステム228が単一の統合スーパーシステムとして振る舞うように、サブシステム228の制御活動を統合することができる。例示的な一実施形態では、統合制御層218は、建物サブシステムからの入力及び出力を使用して、別個のサブシステムが単独で提供することができる快適性及び省エネルギーと比較して、より大きな快適性及び省エネルギーを提供する制御ロジックを含む。例えば、統合制御層218は、第1のサブシステムからの入力を使用して、第2のサブシステムの省エネ制御判定を行うように構成され得る。これらの判定の結果は、建物サブシステム統合層220に送り返すことができる。
【0046】
統合制御層218は、論理的に需要応答層214の下にあるように示されている。統合制御層218は、建物サブシステム228及びそれらのそれぞれの制御ループが需要応答層214と協調して制御されることを可能にすることによって、需要応答層214の有効性を高めるように構成され得る。この構成は、従来のシステムと比較して、破壊的な需要応答挙動を低減し得る。例えば、統合制御層218は、冷却水温度(又は温度に直接的若しくは間接的に影響を与える別の構成要素)の設定値に対する需要応答駆動の上方調整が、チラーで節約されたよりも大きな総建物エネルギー使用量をもたらすであろうファンエネルギー(又は空間を冷却するために使用される他のエネルギー)の増加をもたらさないことを保証するように構成され得る。
【0047】
統合制御層218は、要求された負荷の除去が進行中であっても、制約(例えば、温度、照明レベルなど)が適切に維持されることを需要応答層214がチェックするように、需要応答層214にフィードバックを提供するように構成され得る。制約はまた、安全性、設備動作制限及び性能、快適性、消防コード、電気コード、エネルギーコードなどに関連する設定値又は感知された境界を含み得る。統合制御層218はまた、論理的に、故障検出及び診断層216並びに自動測定及び検証層212の下にある。統合制御層218は、2つ以上の建物サブシステムからの出力に基づいて、これらのより高いレベルに計算された入力(例えば、集計)を提供するように構成され得る。
【0048】
自動測定及び検証(AM&V)層212は、統合制御層218又は需要応答層214にコマンドを受けた制御戦略が適切に機能していることを検証するように構成され得る(例えば、AM&V層212、統合制御層218、建物サブシステム統合層220、FDD層216によって集計されたデータ又はその他を使用して)。AM&V層212によって行われる計算は、個々のBASデバイス又はサブシステムのための建物システムエネルギーモデル及び/又は設備モデルに基づき得る。例えば、AM&V層212は、モデル予測出力を建物サブシステム228からの実際の出力と比較して、モデルの精度を判定し得る。
【0049】
故障検出及び診断(FDD)層216は、建物サブシステム228、建物サブシステムデバイス(すなわち、建物設備)、並びに需要応答層214及び統合制御層218によって使用される制御アルゴリズムに対して継続的な故障検出を提供するように構成され得る。FDD層216は、統合制御層218から、1つ以上の建物サブシステム若しくはデバイスから直接、又は別のデータソースからデータ入力を受信し得る。FDD層216は、検出された故障を自動的に診断し、それに応答し得る。検出又は診断された故障への応答には、警報メッセージを、ユーザ、保守点検スケジューリングシステム、又は故障を修復することを試みるか若しくは故障を回避するように構成された制御アルゴリズムに提供することが含まれ得る。
【0050】
FDD層216は、建物サブシステム統合層220で利用可能な詳細なサブシステム入力を使用して、故障した構成要素又は故障の原因(例えば、ダンパリンケージの緩み)の特定の識別情報を出力するように構成され得る。他の例示的な実施形態では、FDD層216は、「故障」イベントを、受信した故障イベントに応答して制御戦略及びポリシーを実行する統合制御層218に提供するように構成される。例示的な実施形態によれば、FDD層216(又は統合制御エンジン又はビジネスルールエンジンによって実行されるポリシー)は、システムをシャットダウンしてもよく、又は故障したデバイス若しくはシステムの周囲の制御アクティビティを指示して、エネルギーの浪費を低減してもよく、設備の寿命を延ばしてもよく、又は適切な制御応答を保証してもよい。
【0051】
FDD層216は、様々な異なるシステムデータストア(又はライブデータのためのデータ点)を記憶するか又はそれにアクセスするように構成され得る。FDD層216は、データストアの何らかのコンテンツを使用して、設備レベルでの故障(例えば、特定のチラー、特定のAHU、特定の端末ユニットなど)及び他のコンテンツを識別して、構成要素又はサブシステムレベルでの故障を識別し得る。例えば、建物サブシステム228は、BAS200及びその様々な構成要素の性能を示す時間的(すなわち、時系列)データを生成し得る。建物サブシステム228によって生成されたデータは測定又は計算された値を含み得、測定又は計算された値は、統計的特性を示し、対応するシステム又はプロセス(例えば、温度制御プロセス、流量制御プロセスなど)がその設定値からの誤差に関してどのように実施しているかに関する情報を提供する。これらのプロセスはFDD層216によって検査されて、システムの性能の劣化が始まったときに公開され、故障がより深刻になる前に故障を修復するようにユーザに警報することができる。
【0052】
ここで
図3を参照すると、例示的な実施形態による、建物を計画するための持続可能性最適化のためのシステム300が示されている。システム300は、ユーザデバイス318を介して、ユーザと対話するように構成されているトリアージ及び計画システム302を含む。システム300は、建物に対するエネルギー請求書を検索するように構成されたエネルギー請求書検索システム304を更に含む。システム300は、建物に対する監査データを収集及び集計するように構成された建物監査システム306を更に含む。システム300は、建物の様々な建物サブシステムから需要関連データを収集するように構成された需要側データシステム308を更に含む。システム300は、システム200の構成要素と同様の構成要素を含み得、及び/又はシステム300は、システム200の機能と同様の機能を実施し得る。
【0053】
更に、システム300は、建物のオンサイト供給システムに関するデータを収集するように構成されたオンサイト供給データシステム310を含む。更に、システム300は、ユーザデバイス318を介して持続可能性に関連する最適化結果をユーザに提示するように構成された持続可能性アドバイザ320を含む。システム300は、最適な建物の改造の決定、建物の改善、及び/又は動作計画を識別し得る最適化を実行するように構成された最適化システム322を含む。
【0054】
システム300の構成要素は、いくつかの実施形態では、1つ以上のプロセッサ上の命令として実行され得る。命令は、様々なメモリデバイスに記憶され得る。プロセッサは、プロセッサ326~338であってもよく、メモリデバイスは、メモリデバイス340~352であってもよい。プロセッサ326~338は、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理構成要素のグループ、又は他の好適な電子処理構成要素として実装され得る。メモリデバイス340~352(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶デバイスなど)は、本出願に説明された様々なプロセス、層、及びモジュールを完了又は促進するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための、1つ以上のデバイス(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク記憶装置など)を含み得る。メモリデバイス340~352は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリであり得るか、又はそれを含み得る。
【0055】
メモリデバイス340~352は、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、又は本出願に説明された様々な活動及び情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含み得る。いくつかの実施形態によると、メモリ208は、プロセッサ326~338に通信可能に接続され、本明細書に説明された機能の1つ以上のプロセスを実行する(例えば、プロセッサ326~338によって)ためのコンピュータコードを含み得る。
【0056】
システム300は、データストレージ324を含む。データストレージ324は、データベース、データウェアハウス、データレイク、データレイクハウスなどであり得る。データストレージ324は、生データ、集計されたデータ、注釈付きデータ、フォーマットされたデータなどを記憶し得る。データストレージ324は、トリアージ及び計画システム302、エネルギー請求書検索システム304、建物監査システム306、需要側データシステム308、オンサイト供給データシステム310、持続可能性アドバイザ320、最適化システム322、及び/又は任意の他のシステムから収集された全てのデータのリポジトリとして作用し得る。いくつかの実施形態では、データストレージ324は、いくつかの実施形態では、デジタルツインであり得る。デジタルツインは、いくつかの実施形態では、グラフデータ構造であり得る。デジタルツインは、2020年12月28日に出願された米国特許出願第17/134,664号を参照して説明されたデジタルツインであり得る。
【0057】
トリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318を介して1つ以上のユーザインターフェースをユーザに提供し得る。ユーザインターフェースは、建物が設計段階にある間、及び/又はユーザが最初にシステム300に登録して自身の建物の持続可能性計画を開始するオンボーディング段階について、ユーザが建物を説明する様々な情報を対話して提供することを可能にし得る。トリアージ及び計画システム302は、施設データ312、持続可能性目標314、及び/又は公共料金アクセスデータ316を受信し得る。施設データ312は、建物施設を説明し得、例えば、施設又はキャンパスの名称を提供する、施設又はキャンパス内の建物の数を識別する、各建物の使用を識別する、各建物の名称を含む、キャンパスレイアウトを示す、建物のサイズを示す、建物の平方フィートを示す、キャンパスの平方フィートを示す、地理的場所を示すなどである。
【0058】
トリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318から持続可能性目標314を受信し得る。持続可能性目標314は、エネルギー低減、カーボン生成、カーボンフットプリント、水使用量低減、再生可能エネルギーへの切り替え、一定数の再生可能エネルギークレジットの購入などに関して、顧客の建物に対する顧客目標であり得る。目標は、エネルギー消費量、カーボン産出量、正味ゼロのカーボン排出量、再生可能エネルギーなどの目標レベルを含み得る。目標は、様々な目標レベルに対するタイムラインを更に含み得る。例えば、タイムラインは、将来への期間、例えば、数日、数週間、数か月、数年、数十年などであり得る。タイムラインは、目標日を示し得る。例えば、タイムラインは、建物が今後40年間でエネルギーに依存しないこと、又は建物が今後25年間で正味ゼロのカーボン排出量レベルにあることである。いくつかの実施形態では、持続可能性目標に対するタイムラインは、特定の目標を満たすための推奨とともにユーザデバイス318を介してユーザに返され得、例えば、推奨は、20年でカーボン排出量レベルを満たすことを試みるよりも経済的に実行可能となる特定のカーボン排出量レベルに到達するために、推奨を5年だけ(例えば、25年まで)延長することであり得る。
【0059】
ここで
図4を参照すると、例示的な実施形態による、持続可能性最適化システム300のエネルギー請求書検索システム304、エネルギー請求書検索システムが、建物に対する公共料金請求書を検索する。エネルギー請求書検索システム304は、データストレージインターフェース404を介してデータストレージ324から公共料金アクセスデータ316を検索するように構成され得る。請求書は、電気代、天然ガス代、水道代などであり得る。データストレージインターフェース404は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介してデータストレージ324と統合するか、又は別様に露出するインターフェース、及び外部システムに対するAPIであり得る。公共料金インターフェース410は、公共料金アクセスデータ316を受信し、公共料金アクセスデータ316に基づいて公共料金システム402から公共料金請求書を検索し得る。公共料金アクセスデータ316は、ユーザ名、ログインクレデンシャル、電子メールアドレス、アクセスコード、アカウント番号、エネルギープロバイダの名称などを含み得る。
【0060】
公共料金インターフェース410は、いくつかの実施形態では、公共料金アクセスデータ316を介して公共料金システム402と統合し得る。公共料金請求書は、電力消費量、水消費量、ガス消費量、太陽光電力消費量、風力タービン電力消費量を含み得、公共料金インターフェース410は、公共料金請求書及び持続可能性分析器408にエネルギー請求書を提供し得る。分析器408は、公共料金請求書に対して様々な分析を実行し得る。
【0061】
例えば、分析器408は、インボイスデータを識別し、公共料金請求書データに対する監査を実施し、並びに/又はエネルギーに対するエネルギー料金及び/若しくは関税(例えば、様々な形態のエネルギーに対する環境ペナルティ)に対する分析を実施し得る。分析器408は、建物に対するエネルギー消費ベースラインを識別すること、建物に対するベンチマークを識別すること(例えば、建物のベースラインを他の同等の建物又は業界と比較してベンチマーク指数を判定する)、施設の主要業績評価指標(KPI)を判定することなどを行い得る。
【0062】
分析器408は、持続可能性データ、例えば、建物に対するカーボン排出量ベースライン(例えば、天然ガスから産出されるカーボン排出量又は電力消費量からのカーボン排出量)、持続可能性ベンチマーク(例えば、他の建物に対する、建物に関する排出量ベースラインの同等の比較)、再生可能エネルギー使用量追跡などを識別し得る。分析器408は、持続可能性レポート(例えば、持続可能性追跡を示すためのベースライン排出量と現在の排出量との間の指示)、管理及び検証(M&V)レポートなどを生成し得る。分析器408によって実施された分析の結果は、データストレージインターフェース404によってデータストレージ324に記憶され得る公共料金データ出力406であり得る。いくつかの実施形態では、M&Vレポートは、建物に対するベースラインと改善との間の節約を例示し得る。例えば、M&Vレポートは、特定のFIMから結果として生じる(ベースラインと比較して)カーボン排出量の低減を示し得る。
【0063】
ここで
図5を参照すると、例示的な実施形態による、システム300の建物監査システム306が示され、建物監査システム306が、監査を介して建物の建物データを収集するように構成されている。建物監査システム306は、データストレージインターフェース404と同じか又は類似し得るデータストレージインターフェース502を含む。インターフェース504は、施設データ312をデータストレージ324から検索し得る。施設データ312は、施設監査システム508に提供され得る。更に、ユーザは、ユーザデバイス318を介して、施設アクセス情報510(例えば、キーコード、登録の詳細、アクセス指示など)を施設監査システム508に提供し得る。施設監査システム508は、物理的な建物を訪問する監査人員から監査の詳細を受信し、建物に関する情報を記録し得る。
【0064】
監査人員によって収集され、施設監査システム508に提供される監査データに基づいて、施設監査システム508は、施設資産レポート506をコンパイルし得る。施設資産レポートは、詳細な施設の説明などの情報を含み得る。施設の説明は、建物の各部屋、ゾーン、及び/又はフロアを識別し、建物の各エリアの平方フィート及び/又は天井の高さを示し得る。レポート506は、設備在庫を含み得る。設備在庫は、建物内の各設備の数、メーカー、モデルなどを示し得る。例えば、建物内の冷却器の数及びタイプが、レポート506に示され得る。更に、設備在庫の全ての保守動作の保守ログが、レポート506に含められ得る。更に、レポート506は、建物の全ての設備の部分の写真を含み得る。レポート506は、建物エンベロープ情報を更に含み得る。施設資産レポート506を含む、システム508の全ての監査出力の結果が、データストレージインターフェース502によってデータストレージ324に記憶され得る。
【0065】
ここで
図6を参照すると、例示的な実施形態による、システム300の需要側データシステム308、需要側データシステムが、建物から建物システム及び動作データを収集し、建物に対するエネルギーメトリック、炭素メトリック、動作メトリック、及び施設改善措置(FIM)を計算するように構成されている。システム308は、データストレージインターフェース602を介して、施設監査データ604、持続可能性目標606、及び/又は公共料金データ608をデータストレージ324から検索し得る。データストレージインターフェース602は、データストレージインターフェース404と同じであるか、又は類似し得る。需要側分析器610は、データ604~608を受信し得る。更に、需要側分析器610は、建物システム及び/又は建物システム618からの動作データ616を受信し得る。建物システム及び/又は動作データ616は、建物システムに対するメタデータ、建物システムに対する動作設定、建物システムに対する実行時間データ、建物システム618に対するエネルギー使用量などであり得る。建物システム618は、火災安全システム、環境冷却システム、環境加熱システム、換気システム、照明システムなどであり得る。建物システム618は、
図1及び
図2を参照して説明されたシステムであり得る。
【0066】
需要側分析器610は、データ604~608及び建物システム並びに/又は動作データ616に基づいて分析を実行し得る。分析器610は、レポート612を生成し得る。レポート612は、建物の需要関連システム、例えば、エネルギーを消費するシステムについてのエネルギー内訳及び/又はカーボン内訳を示し得る。レポート612は、建物の冷却システム、建物の加熱システム、建物の照明システムなどに対するエネルギー消費量レベル及び/又はカーボン排出量レベルを示し得る。エネルギー消費量レベル及び/又はカーボン排出量レベルは、建物の総エネルギー消費量及び/又はカーボン排出量の一部分(例えば、パーセンテージ)を、特定の設備、設備サブシステム、サブシステムタイプ、建物動作モード(加熱又は冷却)などに帰属させ得る。
【0067】
分析器610は、建物のエネルギー使用量及び/又はカーボン排出量を改善及び/又は低減するための施設改善措置(FIM)を更に識別し得る。FIMは、ボイラをより新しいエネルギー効率の高いボイラに置き換え得、結果的に、エネルギー消費量及び/又はカーボン排出量の特定の低減をもたらすことになる。更に、分析器610は、例えば、特定のエネルギー低減及び/又はカーボン排出産出量をもたらすために、特定の期間にわたって加熱中に温度設定値を華氏1度だけ低下させる、動作上の改善を識別し得る。レポート612は、節約レポートを含み得る。レポート612は、インターフェース602への需要側データ出力614として提供され得る。インターフェース602は、出力614をデータストレージ324に記憶し得る。いくつかの実施形態では、需要側データシステム308が建物システム618からデータを引き出すことができない場合、建物監査システム306は、データを検索する(例えば、建物管理者からなどの手動レポートを介して、又は他の方法を介して)。
【0068】
ここで
図7を参照すると、例示的な実施形態による、オンサイト供給データシステム310が示され、オンサイト供給システム310が、建物に対するオンサイトエネルギー供給システムに関するデータを収集するように構成されている。オンサイト供給データシステム310は、データストレージ324からデータ、例えば、システム304によって判定された持続可能性目標314及び/又は公共料金データ704を検索するように構成されたデータストレージインターフェース702を含み得る。インターフェース702は、
図4を参照して説明されたインターフェース404に類似するか、又はそれと同じであり得る。
【0069】
オンサイト供給分析器706は、公共料金データ704及び/又は持続可能性目標314を分析して、インターフェース702によってデータストレージ324にオンサイト生成データ出力710として記憶され得るオンサイト供給レポート708を判定し得る。分析器706は、公共料金データ704及び/又は持続可能性目標314を分析して、オンサイトエネルギー供給システム、例えば、太陽光パネル、風力発電、水力発電ダム、充電式バッテリなどを通じて、エネルギー使用量及び/又はカーボン排出量を低減する機会を識別し得る。分析器706は、電力消費をエネルギーグリッドからオンサイトエネルギー供給システムにシフトする機会を識別し得る。
【0070】
レポート708は、太陽光発電(PV)セル、燃料電池、エネルギー貯蔵装置などに関する分析の結果を含み得る。レポート708は、再生可能エネルギーレポート、例えば、建物のエネルギー消費をオンサイトである再生可能エネルギー源にシフトする機会に関するレポートを更に示し得る。レポート708は、エネルギーに対するコスト節約、例えば、太陽光PVセルが建物に設置された場合、エネルギーコストのどのくらいの金銭的節約が結果的にもたらされるかを更に示し得る。更に、レポート708は、持続可能性データ、例えば、オンサイトPVセル、オンサイト風力タービンなどからの様々な量のエネルギーの消費から結果的に生じることになるカーボン節約又はカーボン産出量がどのくらいかを示し得る。
【0071】
ここで
図8を参照すると、例示的な実施形態による、持続可能性アドバイザ320及び最適化システム322が示され、持続可能性アドバイザ320が、ユーザに持続可能性データを提供し、ユーザからの入力を受信するように構成されており、最適化システム322が、建物に対する持続可能性最適化を実行するように構成されている。持続可能性アドバイザ320は、データストレージ324からデータ(例えば、
図3~
図7を参照して説明されたデータ)を検索し、最適化システム322に、データに基づいて最適化を実行させるように構成されている。持続可能性アドバイザ320は、ユーザに様々な情報を提供し、ユーザから入力を受信し得る、ユーザポータル802を管理するように構成され得る。
【0072】
ユーザポータル802は、ユーザデバイス318に、建物に対するコスト改善、エネルギー低減改善、及び/又はカーボン排出量低減改善に関する情報を有する様々なユーザインターフェースを表示させることによって、ユーザと対話し得る。ユーザポータル802に表示される情報は、最適化システム322によって実行される最適化の結果に基づき得る。ポータル802は、1つ以上の持続可能性目標を満たすために建物の建設、改造、及び/又は動作を計画するための様々なレポート及び/又は推奨(例えば、推奨されるFIM、再生可能エネルギークレジット(REC)を購入する推奨、更新された制御戦略を採用する推奨など)をユーザに提供し得る。
【0073】
プロジェクトアドバイザ804は、ユーザがプロジェクトをレビュー、定義、及び/又は更新することを可能にし得る。プロジェクトは、特定の建物及び/又は建物の持続可能性を計画することであり得る。プロジェクトアドバイザ804は、ユーザが、自身の持続可能性目標を設定及び/又は更新することを可能にし得る。更に、プロジェクトアドバイザ804は、ユーザが、自身のプロジェクトの持続可能性目標を満たすことにおける自身の進捗をレビューすることを可能にし得る。
【0074】
持続可能性プランナ806は、特定のプロジェクトに対する持続可能性目標を満たすための計画を提供し得る。持続可能性プランナ806によって生成された計画は、最適化システム322によって実行される最適化に基づき得る。いくつかの実施形態では、持続可能性プランナ806によって生成された計画は、計画対象期間にわたる計画、例えば、30年計画、20年計画などであり得る。計画は、ユーザの持続可能性目標を満たすためのステップを提供し得る。ステップは、現在の時点又は将来の特定の時点でどの設備の改造が実施されるべきか、毎年又は10年ごとにどのくらいのRECが購入されるべきか、どの制御スキームが採用されるべきかなどを示し得る。時間が経つにつれて、持続可能性プランナ806は、最適化システム322によって実行される新しい最適化に基づいて、持続可能性計画を更新し得る。これは、環境又は技術の変化に応じて目標を満たすための計画を軌道に乗せることができ、ユーザが、よりコスト対効果の高い様式で自身の目標を満たすことを可能にする。プランナ806は、持続可能性計画データ814に基づいて計画を生成し得る。
【0075】
持続可能性トラッカ808は、様々な持続可能性目標を満たすことに向けて建物の進捗を追跡し得る。持続可能性トラッカ808は、いくつかの実施形態では、データストレージ324から動作建物データ、データストレージ324からエネルギー請求書、データストレージ324からREC購入の領収書などを検索し得る。持続可能性トラッカ808は、過去及び/又は現在の様々な時点における建物に対するカーボン排出量レベルを識別し得る。持続可能性トラッカ808は、過去及び/又は現在の時点で建物によって消費される再生可能エネルギーのレベルを識別し得る。更に、持続可能性トラッカ808は、過去及び/又は現在の時点で建物によって消費されたエネルギーのレベルを識別し得る。持続可能性トラッカ808は、1つ以上の持続可能性目標に向かう建物の持続可能性進捗の履歴傾向をユーザに提供し得る。
【0076】
ユーザポータル802は、持続可能性レポータ810を含む。持続可能性レポータ810は、建物に対する持続可能性情報を示す様々なレポートを生成し得る。レポートは、建物に対する建設計画、改造計画、及び/又は動作計画、例えば、様々な異なるエネルギー源から消費されるエネルギーの量、購入するRECの指示、設備改造の指示、物理的な建物改造の指示(例えば、エネルギー効率の高い窓、エネルギー効率の高い断熱材など)、新しい設備設置の指示(例えば、オンサイトPVセル、オンサイト風力タービンなど)を示し得る。持続可能性レポータ810によって生成されたレポートは、計画がユーザの1つ以上の持続可能性、エネルギー効率、及び/又は財務目標をどのように満たすかを示し得る。持続可能性レポータ810は、建物に対する持続可能性計画の要約レポートを含み得る。持続可能性レポータ810は、構成要素804~808によって生成されたデータに基づいてレポートをコンパイルし得る。
【0077】
持続可能性計画データ814は、最適化システム322を実行するために使用され得る計画データを含む。持続可能性計画データ814は、ユーザの様々な目標及び/又は期待を示し得る。最適化システム322によって実行される最適化は、持続可能性計画データ814を最適化に対する制約として使用し得、例えば、様々な目標及び/又は期待を満たすか、又は超える計画を結果的にもたらす最適化を実行し得る。いくつかの実施形態では、最適化は、最小の財務コストでユーザの様々な持続可能性目標を満たす建物に対する持続可能性計画を見つけることができる。
【0078】
持続可能性計画データ814は、持続可能性目標314であり得るか、又はそれに基づき得る。タイムライン816は、ユーザが建物に様々な目標(例えば、目標818~824)を満たすことを望んでいる時間の長さを示し得る。再生可能発電目標818は、ユーザが再生可能エネルギー源(例えば、太陽光、風力など)から発電されることを望む建物によるエネルギー消費量のレベルを示す。需要側低減目標820は、需要側システムの目標、例えば、需要側システムが、エネルギー効率が高いこと(例えば、建物の照明システムがエネルギー効率の高い電球を含むこと)を示し得る。持続可能性目標822は、建物の動作がカーボン排出量のレベル、正味ゼロの排出量目標などを作成する目標であり得る。財務目標824は、建物の財務目標、例えば、年間エネルギーコスト、毎月のエネルギーコストなどを示し得る。
【0079】
最適化パラメータ826は、建物のエネルギー需要に関連する需要側パラメータ828を含む。需要側パラメータ828は、異なるタイプの建物設備の改造、建物設備の保守動作、新しい建物設備の設置、建物設備の交換などを示し得る。需要側パラメータ828は、建物の需要側設備を修正、変更、及び/又は更新するために講じられ得るアクションを示し得る。需要側パラメータ828は、再生可能エネルギー生成、カーボン排出量、エネルギー使用量などに更にリンクされ得る。
【0080】
再生可能エネルギー生成830は、建物に再生可能エネルギー生成設備を設置するためのパラメータを示し得る。再生可能エネルギー生成830は、外部発電システム、例えば、石炭火力発電、水力発電、PVセルシステム、風力発電システムなどの間のエネルギー消費の配分を更に示し得る。再生可能エネルギー生成830は、様々なレベルのカーボン排出量、財務コストなどにリンクされ得る。
【0081】
最適化パラメータ826は、再生可能エネルギークレジット832を含む。再生可能エネルギークレジット832は、建物のために購入され得る様々な異なるタイプのRECであり得る。パラメータは、RECを購入すること及び/又は建物によって販売されるRECからの金銭的リターンから結果的に生じるカーボン排出量低減を示し得る。例えば、建物がオンサイト再生可能エネルギー生成を含む場合、いくつかの実施形態では、建物は、RECを販売することができる。更に、最適化パラメータ826は、再生可能エネルギー生成のための合意された価格を表し得る仮想電力購入契約834を含む。パラメータは、資本計画837、例えば、建物の資本(例えば、建物の照明、建物の会議室、視聴覚システム、建物の断熱、建物のための冷却器、建物のためのAHUなど)の交換、購入、及び/又は修理のための計画を更に示し得る。
【0082】
最適化システム322は、モデルサービス836を含み得る。サービス836は、カーボンの限界コスト838を含み得る。カーボンの限界コスト838は、建物によって次に消費されるエネルギー量からどの程度のカーボン排出量を結果的に生じるかを示し得る。カーボンの限界コストは、建物の外部公益事業及び/又はオンサイトエネルギー生成システムについて計算され得る。カーボンの限界コストは、建物の様々なエネルギー請求書及び/又は動作上の決定から識別され得る。カーボンの限界コストは、いくつかの実施形態では、最適化パラメータ826に基づき得る。カーボンオプティマイザ840は、特定のカーボン排出量レベルを結果的にもたらす最適化パラメータ826の決定を識別する最適化を実行し得る。最適化は、1年、5年、10年先まで実行され得る。最適化は、将来的に特定のカーボン排出量目標が満たされるように、毎年特定のレベルでカーボン排出量をゆっくりと低減するために実行され得る。最適化は、最適化パラメータ826の決定が、持続可能性目標822が満たされるようになるように、持続可能性目標822に基づいて実行され得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、最適化システム322によって実行される最適化は、
図9及び
図10に説明される最適化に基づき得る。最適化は、
図9及び
図10に説明されている様々な線形プログラミング技術で実行され得る。更に、最適化システム322の最適化は、2019年7月22日に出願された米国特許出願第16/518,314号に説明されている技術に基づき得、及び/又はそれを利用し得、この出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
ここで
図9を参照すると、例示的な実施形態による、計画システム900のブロック図が示されている。計画システム900は、計画、予算編成、及び/又は設計の考慮事項のために、所定の期間(例えば、日、月、週、年など)にわたる中央プラントの動作をシミュレートするために、計画ツール902の一部としてオプティマイザ930を使用するように構成され得る。オプティマイザ930は、建物を計画するために最適化し得、例えば、建設の決定、改造の決定、制御計画などを識別し得る。オプティマイザ930は、カーボン排出量を最小限に抑えること、エネルギー消費量を最小限に抑えること、エネルギーコストを最小限に抑えること、再生可能エネルギーの使用を最大化することなどのために最適化を実行することができる。いくつかの実施形態では、オプティマイザ930は、持続可能性関連の特徴に加えて、建物の負荷を考慮し得る。例えば、オプティマイザ930は、建物の負荷及び公共料金を使用して、シミュレーション期間にわたってコストを最小限に抑えるための最適なリソース配分を判定し得る。しかしながら、計画ツール902は、いくつかの実施形態では、建物管理システム又は中央プラントのリアルタイム制御を担当しない場合があるが、他の実施形態では、計画ツール902は、特定の目標を達成するのを助けるために、建物管理システム又はその一部分のリアルタイム又はほぼリアルタイムの制御を提供し得る。いくつかの実施態様では、計画ツール902は、ユーザによる承認時、建物管理システムによって自動的に実装されるか、又は建物計画(例えば、建設前の建物計画)に対する変更を自動的に生成する、実行可能な洞察又は提案を提供し得る。
【0085】
計画ツール902は、バッテリ資産に投資する利益及び投資と関連付けられた財務メトリックを判定するように構成され得る。そのような財務メトリックは、例えば、内部収益率(IRR)、正味現在価値(NPV)、及び/又は単純回収期間(SPP)を含み得る。計画ツール902はまた、ユーザが、最大NPV又は最小SPPなどの、最適な財務メトリックをもたらすバッテリのサイズを判定することを支援し得る。いくつかの実施形態では、計画ツール902は、ユーザがバッテリサイズを指定することを可能にし、PBDRを実施している間に、選択されたIBDRプログラムに参加することからのバッテリ資産の利益を自動的に判定する。いくつかの実施形態では、計画ツール902は、選択されたIBDRプログラム及びPBDRを実施する要件を考慮して、SPPを最小限に抑えるバッテリサイズを判定するように構成される。いくつかの実施形態では、計画ツール902は、選択されたIBDRプログラム及びPBDRを実施する要件を考慮して、NPVを最大化するバッテリサイズを判定するように構成される。
【0086】
計画ツール902では、高レベルオプティマイザ932は、シミュレーション期間全体にわたって計画された負荷及び公共料金を受信し得る。計画された負荷及び公共料金は、クライアントデバイス922を介してユーザから受信された入力(例えば、ユーザ定義、ユーザ選択など)によって定義され、及び/又は計画情報データベース926から検索され得る。高レベルオプティマイザ932は、シミュレーション期間の一部分のための最適なリソース配分(すなわち、最適なディスパッチスケジュール)を判定するために、低レベルオプティマイザ934からのサブプラント曲線と併せて、計画された負荷及び公共料金を使用する。いくつかの実施形態では、低レベルオプティマイザ934が、設備モデル920を受信し得る。
【0087】
高レベルオプティマイザ932がリソース配分を最適化するシミュレーション期間の一部分は、計画対象期間で終了する予測ウィンドウによって定義され得る。最適化の各反復によると、予測ウィンドウが前方にシフトされ、予測ウィンドウ内にもはや存在しないディスパッチスケジュールの部分が受け入れられる(例えば、シミュレーションの結果として記憶又は出力される)。負荷及び料金予測は、シミュレーション全体に対して事前に定義され得、各反復において調整に供されない場合がある。しかしながら、予測ウィンドウを時間において前方にシフトすることは、予測ウィンドウの最後に新たに追加された時間スライスについての追加の計画情報(例えば、計画された負荷及び/又は公共料金)を導入し得る。新しい計画情報は、予測ウィンドウの小さい部分のみが各反復によって変化するため、最適なディスパッチスケジュールに顕著な影響を有しない場合がある。
【0088】
いくつかの実施形態では、高レベルオプティマイザ932は、シミュレーションの開始時に、低レベルオプティマイザ934からシミュレーションで使用されるサブプラント曲線の全てを要求する。計画された負荷及び環境条件が、シミュレーション期間全体にわたって既知であるため、高レベルオプティマイザ932は、シミュレーションの開始時に関連するサブプラント曲線の全てを検索し得る。いくつかの実施形態では、低レベルオプティマイザ934は、サブプラント曲線が高レベルオプティマイザ932に提供されるときに、サブプラント産出量を設備レベルの産出量及び資源使用にマッピングする関数を生成する。これらのサブプラント対設備関数は、シミュレーションの結果に基づいて、個々の設備の産出量及びリソース使用(例えば、後処理モジュールにおける)を計算するために使用され得る。
【0089】
更に
図9を参照すると、計画ツール902は、通信インターフェース904及び処理回路906を含むように示されている。通信インターフェース904は、様々なシステム、デバイス、又はネットワークとのデータ通信を行うための有線又は無線インターフェース(例えば、ジャック、アンテナ、送信機、受信機、送受信機、有線端末など)を含み得る。例えば、通信インターフェース904は、イーサネットベースの通信ネットワークを介してデータを送信及び受信するためのイーサネットカード及びポート、並びに/又は無線通信ネットワークを介して通信するためのWiFi送受信機を含み得る。通信インターフェース904は、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット、建物WANなど)を介して通信するように構成され得、様々な通信プロトコル(例えば、BACnet、IP、LONなど)を使用し得る。
【0090】
通信インターフェース904は、計画ツール902と、様々な外部システム又はデバイス(例えば、クライアントデバイス922、結果データベース928、計画情報データベース926など)との間の電子データ通信を容易にするように構成されたネットワークインターフェースであり得る。例えば、計画ツール902は、通信インターフェース904を介して、クライアントデバイス922及び/又は計画情報データベース926から計画された負荷及び公共料金を受信し得る。計画ツール902は、通信インターフェース904を使用して、シミュレーションの結果をクライアントデバイス922に出力し、及び/又は結果データベース928に結果を記憶し得る。
【0091】
更に
図9を参照すると、処理回路906は、プロセッサ910及びメモリ912を含むように示されている。プロセッサ910は、汎用又は特定目的のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、処理構成要素のグループ、又は他の好適な電子処理構成要素であり得る。プロセッサ910は、メモリ912に記憶された、又は他のコンピュータ可読媒体(例えば、CDROM、ネットワークストレージ、リモートサーバなど)から受信した、コンピュータコード又は命令を実行するように構成され得る。
【0092】
メモリ912は、本開示に記載された様々なプロセスを完了及び/又は促進するためのデータ及び/又はコンピュータコードを記憶するための1つ以上のデバイス(例えば、メモリユニット、メモリデバイス、記憶デバイスなど)を含み得る。メモリ912は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードドライブストレージ、一時ストレージ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、光メモリ、又はソフトウェアオブジェクト及び/又はコンピュータ命令を記憶するための任意の他の好適なメモリを含み得る。メモリ912は、データベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、スクリプト構成要素、又は本開示に記載された様々な活動及び情報構造をサポートするための任意の他のタイプの情報構造を含み得る。メモリ912は、処理回路906を介してプロセッサ910に通信可能に接続され得、本明細書に記載された1つ以上のプロセスを(例えば、プロセッサ910によって)実行するためのコンピュータコードを含み得る。
【0093】
更に
図9を参照すると、メモリ912は、GUIエンジン916、ウェブサービス914、及び構成ツール918を含むように示されている。例示的な実施形態では、GUIエンジン916は、シミュレーションのための計画情報(例えば、計画された負荷、公共料金、環境条件など)を選択又は定義するために、グラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供するように構成されたグラフィカルユーザインターフェース構成要素を含む。ウェブサービス914は、ユーザが、ウェブポータルを介して、及び/又はリモートシステム若しくはデバイス(例えば、企業制御アプリケーション)から計画ツール902と対話することを可能にし得る。
【0094】
構成ツール918は、ユーザが、サブプラントの数及びタイプ、各サブプラント内のデバイス、サブプラント曲線、デバイス固有の効率曲線、シミュレーションの持続時間、予測ウィンドウの持続時間、各タイムステップの持続時間、及び/又はシミュレーションに関連する様々な他のタイプのプラン情報などの、シミュレーションの様々なパラメータを定義することを可能にし得る(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介して、プロンプト駆動の「ウィザード」などを介して)。構成ツール918は、シミュレーションを構築するためのユーザインターフェースを提示し得る。ユーザインターフェースは、ユーザがシミュレーションパラメータをグラフィカルに定義することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザが事前に記憶されたか又は事前に建設されたシミュレートされたプラント及び/又は計画情報を選択し(例えば、計画情報データベース926から)、シミュレーションで使用するために、それを適合させるか、又はそれを有効化する。
【0095】
更に
図9を参照すると、メモリ912は、オプティマイザ930を含むように示されている。オプティマイザ930は、計画された負荷及び公共料金を使用して、予測ウィンドウにわたる最適なリソース配分を判定し得る。最適化プロセスの各反復によると、オプティマイザ930は、予測ウィンドウを前方にシフトし、もはや予測ウィンドウ内に存在しないシミュレーション期間の一部分に対して最適なリソース配分を適用し得る。オプティマイザ930は、予測ウィンドウの最後に新しい計画情報を使用して、最適化プロセスの次の反復を実施し得る。オプティマイザ930は、クライアントデバイス922への提示(例えば、ユーザインターフェース924を介した)又は結果データベース928における記憶のために、適用されたリソース配分をレポートアプリケーション936に出力し得る。
【0096】
更に
図9を参照すると、メモリ912は、レポートアプリケーション936を含むように示されている。レポートアプリケーション936は、オプティマイザ930からの最適化されたリソース配分、及び、いくつかの実施形態では、最適化されたリソース配分と関連付けられたコストを受信し得る。レポートアプリケーション936は、主要業績評価指標(KPI)又は他の情報をGUIのユーザに表示するための、いくつかのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)要素(例えば、ウィジェット、ダッシュボードコントロール、ウィンドウなど)を有するウェブベースのレポートアプリケーションを含み得る。加えて、GUI要素は、様々なプラント、サブプラントなどにわたる相対的なエネルギー使用及び強度を要約し得る。他のGUI要素又はレポートは、ユーザがシミュレーションの結果を評価することを可能にする利用可能なデータに基づいて生成され、示され得る。ユーザインターフェース又はレポート(又は基礎となるデータエンジン)は、リソース配分及びそれと関連付けられたコストを集計及び分類し、GUIを介して結果をユーザに提供するように構成され得る。GUI要素は、ユーザがシミュレーションの結果を視覚的に分析することを可能にするチャート又はヒストグラムを含み得る。
【0097】
ここで
図10を参照すると、例示的な実施形態による、資産サイズ設定モジュール1005をより詳細に例示するブロック図が示されている。資産サイズ設定モジュール1005は、建物、建物群、又は中央プラント内の様々な資産の最適なサイズを判定するように構成され得る。上記に説明されるように、資産は、個々の設備(例えば、ボイラ、冷却器、熱回収冷却器、蒸気発生器、発電機、熱エネルギー貯蔵タンク、バッテリなど)、設備群、又は中央プラントのサブプラント全体を含み得る。資産サイズは、資産の最大負荷(例えば、最大電力、最大充電/放電率)及び/又は資産の最大容量(例えば、最大貯蔵電力、最大流体貯蔵量など)を含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、資産サイズ設定モジュール1005は、ユーザインターフェース生成器1006を含む。ユーザインターフェース生成器1006は、資産サイズ設定モジュール1005と対話するためのユーザインターフェースを生成するように構成され得る。ユーザインターフェースは、ユーザデバイス1002(例えば、コンピュータワークステーション、ラップトップ、タブレット、スマートフォンなど)に提供され、ユーザデバイス1002のローカルディスプレイを介して提示され得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザに、サイズ設定される1つ以上のアセット又はアセットのタイプを選択するように促す。選択された資産は、建物又は中央プラント内の現在の資産(例えば、ユーザがアップグレード又は交換を検討している既存の資産)又は建物又は中央プラント内に現在ない新しい資産(例えば、ユーザが購入を検討している新しい資産)を含み得る。例えば、ユーザが建物又は中央プラントに熱エネルギー貯蔵装置又は電気エネルギー貯蔵装置を追加することを検討している場合、ユーザは、サイズ設定/評価する潜在的な資産のリストから「熱エネルギー貯蔵装置」又は「バッテリ」を選択し得る。ユーザインターフェース生成器1006は、ユーザインターフェースを介して選択された任意の資産を識別し、選択された資産の指示を資産コスト項生成器1008に提供し得る。
【0099】
資産コスト項生成器1008は、サイズ設定されている資産の購入コストを表す1つ以上のコスト項を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、資産コスト項生成器1008は、以下の2つの資産コスト項を生成する。
【数1】
式中、c
fは、任意のサイズの資産を購入する固定コストのベクトルであり(例えば、潜在的な資産購入ごとに1つの要素)、vは、対応する資産が購入されたかどうかを示すバイナリ決定変数のベクトルであり、c
sは、資産サイズの単位当たりの限界コスト(例えば、単位負荷当たりのコスト、単位容量当たりのコスト)のベクトルであり、s
aは、資産サイズに対応する連続決定変数のベクトルである。有利には、ベクトルvにおけるバイナリ購入決定及びベクトルs
aにおける資産サイズ決定は、以下により詳細に説明される、拡張されたコスト関数1025(コスト関数J
a(x))における他の決定変数xとともに最適化される決定変数として取り扱われ得る。
【0100】
ベクトルvにおけるバイナリ決定変数の値及びベクトルsaにおける連続決定変数は、潜在的な資産購入及び資産サイズを示し、これらは、そのような購入/サイズが所与の財務メトリックを最適化するかどうかを判定するために、資産サイズ設定モジュール1005によって評価され得ることに留意されたい。これらの決定変数の値は、最適化プロセスの一部として資産サイズ設定モジュール1005によって調整され得、実際の購入、又は建物、建物のセット、若しくは中央プラントに設置された資産の現在のセットを必ずしも反映しない。本開示全体を通して、資産サイズ設定モジュール1005は、様々な資産又は資産サイズを「購入する」と説明される。しかしながら、これらの購入は、単なる仮説であることを理解されたい。例えば、資産サイズ設定モジュール1005は、資産に対するバイナリ決定変数vjをvj=1の値に設定することによって、資産を「購入」することができる。これは、資産が特定の仮説的シナリオ内で購入されたとみなされ、資産のコストが、拡張されたコスト関数Ja(x)に含まれることを示す。同様に、資産サイズ設定モジュール1005は、資産に対するバイナリ決定変数vjをvj=0の値に設定することによって、資産を購入しないことを選択し得る。これは、資産が特定の仮説的シナリオ内で購入されないとみなされ、資産のコストが、拡張されたコスト関数Ja(x)に含まれないことを示す。
【0101】
追加のコスト項
【数2】
及び
【数3】
は、任意の数の新しい資産の購入コストを説明するために使用され得る。例えば、単一の資産のみがサイズ設定されている場合、ベクトルc
fは、単一の固定コスト(すなわち、考慮されている資産の任意のサイズを購入する固定コスト)を含み得、vは、資産が購入されたか否か(すなわち、固定コストが発生したかどうか)を示す単一のバイナリ決定変数を含み得る。ベクトルc
sは、単一の限界コスト要素を含み得、s
aは、購入する資産のサイズを示す単一の連続決定変数を含み得る。資産が最大負荷及び最大容量の両方を有する(すなわち、資産が貯蔵資産である)場合、ベクトルc
sは、単位負荷当たりの第1の限界コスト及び単位容量当たりの第2の限界コストを含み得る。同様に、ベクトルs
aは、購入する最大負荷サイズを示す第1の連続決定変数と、購入する最大容量サイズを示す第2の連続決定変数と、を含み得る。
【0102】
複数のアセットがサイズ設定されている場合、ベクトルc
f、v、c
s、及びs
aは、各アセットのための要素を含み得る。例えば、ベクトルc
fは、サイズ設定されている各資産に対する固定購入コストを含み得、vは、各資産が購入されたかどうかを示すバイナリ決定変数を含み得る。ベクトルc
sは、考慮される各資産に対する限界コスト要素を含み得、s
aは、購入する各資産のサイズを示す連続決定変数を含み得る。最大負荷及び最大容量の両方を有する任意の資産について、ベクトルc
sは、複数の限界コスト要素(例えば、単位負荷サイズ当たりの限界コスト及び単位容量サイズ当たりの限界コスト)を含み得、ベクトルs
aは、複数の連続決定変数(例えば、購入する最大負荷サイズ及び購入する最大容量サイズ)を含み得る。それぞれのサイズの観点から複数の資産の購入コストを考慮することによって、コスト項
【数4】
及び
【数5】
は、高レベルオプティマイザ932が同時に複数の資産サイズを最適化することを可能にする。
【0103】
更に
図10を参照すると、資産サイズ設定モジュール1005が、制約生成器1010を含むように示されている。制約生成器1010は、最適化問題に関する制約を生成又は更新するように構成され得る。上記に論じられるように、制約は、高レベルオプティマイザ932が資産の最大負荷を超える負荷を資産に配分することを防止する。例えば、制約は、高レベルオプティマイザ932が、冷却器の最大冷却負荷を超える冷却負荷を冷却器に配分すること、又はバッテリの最大充電/放電率を超える電力設定値をバッテリに割り当てることを防止し得る。制約はまた、高レベルオプティマイザ932が、貯蔵資産をその最大容量を超えるか、又はその最小容量を下回って枯渇させるようなやり方でリソースを配分することを防止し得る。例えば、制約は、高レベルオプティマイザ932が、その最大容量を上回ってバッテリ又は熱エネルギー貯蔵タンクを充電すること、又はその最小貯蔵電力を下回って(例えば、ゼロを下回って)放電することを防止し得る。
【0104】
資産サイズが固定されているとき、負荷制約は、次のように書かれ得る。
【数6】
式中、x
j,i,loadは、水平軸上の時間ステップiにおける資産jの負荷であり、
【数7】
は、資産jの固定最大負荷であり、N
aは、資産の総数である。同様に、容量制約は、次のように書かれ得る。
【数8】
式中、x
j,i,capは、水平軸上の時間ステップiにおける資産jの容量であり、
【数9】
は、資産jの固定最大容量である。しかしながら、これらの制約は、資産の最大負荷
【数10】
及び最大容量
【数11】
が固定されていると仮定する。資産サイズが最適化変数として取り扱われるとき、資産の最大負荷及び容量は、最適化問題で購入された資産サイズ(すなわち、ベクトルv及びs
aにおけるバイナリ及び連続決定変数の値によって定義される資産のサイズ)の関数であり得る。
【0105】
制約生成器1010は、サイズ設定されている各アセットに対する可変最大負荷に適応するために負荷制約を更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制約生成器1010は、資産の最大負荷を最適化問題で購入された資産の総サイズ以下に制限するように負荷制約を更新する。例えば、制約生成器1010は、負荷制約を次のように変換し得る。
【数12】
式中、
【数13】
は、資産jの負荷サイズ(すなわち、連続変数ベクトルs
aのj番目の負荷サイズ要素)であり、v
jは、資産jが購入されるかどうかを示すバイナリ決定変数(すなわち、バイナリ変数ベクトルvのj番目の要素)であり、M
jは、十分に大きい数である。いくつかの実施形態では、数M
jは、購入され得る資産jの最大サイズに設定される。この制約のセットの第1の不等式は、資産に対する負荷x
j,i,loadが、購入される資産
【数14】
のサイズより大きくないことを確保する。第2の不等式は、資産の負荷サイズを増加させる前に、資産の固定コストを支払うように最適化を強制する。言い換えると、資産jは、資産jの負荷サイズ
【数15】
が非ゼロ値に増加させられ得る前に、購入されなければならない(すなわち、v
j=1)。
【0106】
同様に、制約生成器1010は、サイズ設定されている各貯蔵資産に対する可変最大容量に適応するために容量制約を更新するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制約生成器1010は、資産の容量を最適化問題で購入された資産のゼロと総容量との間に制限するように容量制約を更新する。例えば、制約生成器1010は、容量制約を次のように変換し得る。
【数16】
式中、
【数17】
は、資産jの容量サイズ(すなわち、連続変数ベクトルs
aのj番目の容量サイズ要素)であり、v
jは、資産jが購入されるかどうかを示すバイナリ決定変数(すなわち、バイナリ変数ベクトルvのj番目の要素)であり、M
jは、十分に大きい数である。いくつかの実施形態では、数M
jは、購入され得る資産jの最大サイズに設定される。この制約のセットの第1の不等式は、任意の時間ステップにおける資産に対する容量x
j,i,capが、ゼロと購入される資産
【数18】
の容量サイズとの間であることを確保する。第2の不等式は、資産の容量サイズを増加させる前に、資産の固定コストを支払うように最適化を強制する。言い換えると、資産jは、資産jの容量サイズ
【数19】
が非ゼロ値に増加させられ得る前に、購入されなければならない(すなわち、v
j=1)。
【0107】
制約生成器1010によって生成又は更新された制約が、高レベルオプティマイザ932によって生成された他の制約とともに、最適化問題に課せられ得る。いくつかの実施形態では、制約生成器1010によって生成された負荷制約は、高レベルオプティマイザ932によって生成された電力制約に置き換わる。同様に、制約生成器1010によって生成された容量制約は、高レベルオプティマイザ932によって生成された電力制約に置き換わり得る。しかしながら、制約生成器1010によって生成された資産負荷制約及び容量制約は、高レベルオプティマイザ932によって生成された切り替え制約、高レベルオプティマイザ932によって生成された需要電力料金制約、及び高レベルオプティマイザ932によって課せられた任意の他の制約と組み合わせて課せられ得る。
【0108】
更に
図10を参照すると、資産サイズ設定モジュール1005は、スケーリング因子生成器1012を含むことが示されている。資産を購入するコストは、典型的には、本明細書では単純回収期間(SPP)と呼ばれる回収期間の持続時間にわたって支払われる。しかしながら、元のコスト関数J(x)は、SPPよりもはるかに短いことが多い最適化期間hにわたる動作コスト及び利益のみを取り込み得る。資産購入コスト
【数20】
及び
【数21】
を元のコスト関数J(x)と組み合わせるためには、コストを同じ時間スケールに配置する必要があり得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、スケーリング因子生成器1012は、資産コスト項
【数22】
及び
【数23】
に対するスケーリング因子を生成する。スケーリング因子は、資産購入コスト
【数24】
及び
【数25】
を最適化期間の持続時間hにスケールするために使用され得る。例えば、スケーリング因子生成器1012は、次の方程式に示されるように、項
【数26】
及び
【数27】
に比率
【数28】
を乗算し得る。
【数29】
式中、C
scaledは、最適化期間にスケールされた資産の購入コストであり、hは、時間単位の最適化期間の持続時間であり、SPPは、年単位の回収期間の持続時間であり、8760は、1年の時間数である。
【0110】
他の実施形態では、スケーリング因子生成器1012は、元のコスト関数J(x)に対するスケーリング因子を生成する。スケーリング因子は、元のコスト関数J(x)を単純回収期間SPPの持続時間に外挿するために使用され得る。例えば、スケーリング因子生成器1012は、次の方程式に示されるように、元のコスト関数J(x)に比率
【数30】
を乗算し得る。
【数31】
式中、J(x)
scaledは、単純回収期間SPPの持続時間に外挿されたスケールされたコスト関数であり、hは、時間単位の最適化期間の持続時間であり、SPPは、年単位の回収期間の持続時間であり、8760は、1年の時間数である。
【0111】
更に
図10を参照すると、資産サイズ設定モジュール1005は、コスト関数拡張器1014を含むことが示されている。コスト関数拡張器1014は、スケールされた資産の購入コストC
scaledで元のコスト関数J(x)を拡張するように構成され得る。結果は、次の方程式に示されるように、拡張されたコスト関数J
a(x)である。
【数32】
式中、hは、時間単位の最適化期間の持続時間であり、SPPは、年単位の回収期間の持続時間であり、8760は、1年の時間数である。
【0112】
高レベルオプティマイザ932は、最適化プロセスを実施して、ベクトルvにおけるバイナリ決定変数の各々、及びベクトルsaにおける連続決定変数の各々の最適値を判定し得る。いくつかの実施形態では、高レベルオプティマイザ932は、線形プログラミング(LP)又は混合整数線形プログラミング(MILP)を使用して、正味現在価値(NPV)、単純回収期間(SPP)、又は内部収益率(IRR)などの財務メトリックを最適化する。ベクトルcf、v、cs、及びsaの各要素は、特定の資産及び/又は特定の資産サイズに対応し得る。したがって、高レベルオプティマイザ932は、ベクトルv内のバイナリ決定変数及びベクトルsaにおける連続決定変数の最適値を識別することによって、購入する最適な資産及び購入する最適なサイズを判定し得る。
【0113】
更に
図10を参照すると、資産サイズ設定モジュール1005は、利益曲線生成器1016を含むことが示されている。利益曲線生成器1016は、拡張されたコスト関数J
a(x)に基づいて利益曲線を生成するよう構成され得る。いくつかの実施形態では、利益曲線は、資産の初期投資コストC
0(すなわち、資産を購入するコスト)と、資産から得られた年間利益Cとの間の関係を示す。例えば、利益曲線は、次の方程式に示されるように、年間利益Cの関数として初期投資コストC
0を表現し得る。
C
0=f(C)
式中、初期投資コストC
0及び年間利益Cの両方が資産サイズの関数である。利益曲線生成器1016によって生成され得る利益曲線のいくつかの例は、
図12~
図15に示される(以下により詳細に論じられる)。
【0114】
いくつかの実施形態では、初期投資コストC
0は、拡張されたコスト関数J
a(x)の項
【数33】
である。最適化範囲hに対する資産の利益は、拡張されたコスト関数Ja(x)における項J(x)に対応し得、変数C
hによって表され得る。いくつかの実施形態では、変数C
hは、資産が最適化に含まれないときのJ(x)の第1の値と、資産が最適化に含まれるときのJ(x)の第2の値との間の差を表す。年間利益Cは、範囲C
hにわたる利益を満1年に外挿することによって見出され得る。例えば、範囲C
hにわたる利益は、次の方程式に示されるように、満一年にスケールされ得る。
【数34】
式中、hは、時間単位の最適化範囲の持続時間であり、8760は、1年の時間数である。
【0115】
資産のサイズを増加させることは、その初期コストC0及び資産から得られる年間利益Cの両方を増加させる。しかしながら、資産の利益Cは、特定の資産サイズ又は初期資産コストC0を越えると減少することになる。言い換えると、より大きいサイズの資産を選択しても、いかなる増加した利益も得られないことになる。利益曲線は、C0とCとの間の関係を示し、所与の財務メトリック(例えば、SPP、NPV、IRRなど)を最適化する資産サイズを見出すために使用され得る。そのような最適化のいくつかの例は、以下に詳細に説明される。いくつかの実施形態では、利益曲線生成器1016は、財務メトリックを最適化する際に使用するための財務メトリックオプティマイザ1020に利益曲線を提供する。
【0116】
更に
図10を参照すると、資産サイズ設定モジュール1005は、財務メトリックオプティマイザ1020を含むことが示されている。財務メトリックオプティマイザ1020は、所与の財務メトリックを最適化する資産サイズを見出すように構成され得る。財務メトリックは、正味現在価値(NPV)、内部収益率(IRR)、単純回収期間(SPP)、又は資産サイズの関数として最適化され得る任意の他の財務メトリックであり得る。いくつかの実施形態では、最適化される財務メトリックは、ユーザによって選択される。例えば、ユーザインターフェース生成器1006によって生成されたユーザインターフェースは、ユーザに、最適化される財務メトリックを選択するように促し得る。他の実施形態では、資産サイズ設定モジュール1005は、最適化される財務メトリックを自動的に判定し得るか、又は複数の財務メトリックを同時に最適化し得る(例えば、並列最適化プロセスを実行する)。
【0117】
分析器408は、施設データ312、公共料金アクセスデータ316、及び/又は動作データ616のうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの持続可能性パラメータに対する少なくとも1つのベースライン値を判定し得る。分析器408は、トリアージ及び計画システム302に、持続可能性パラメータに関するベースライン値を提供し得る。トリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318に、持続可能性パラメータに関するベースライン値を提供し得る。ユーザデバイス318に、持続可能性パラメータに関するベースライン値を提供するトリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318に、ユーザインターフェースを介して、要素を表示させ得る。要素は、持続可能性パラメータに関するベースライン値を含み得る。
【0118】
ユーザデバイス318のオペレータは、要素と対話し得る。例えば、ユーザデバイス318のオペレータは、少なくとも1つのユーザ定義された持続可能性目標を入力、提供、選択、又は別様に供給し得る。ユーザ定義された持続可能性目標は、持続可能性目標314であり得る。持続可能性目標314は、本明細書に説明される持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つに関し得る。トリアージ及び計画システム302は、需要側データシステム308に、持続可能性目標314を提供し得る。需要側データシステム308は、持続可能性目標314を使用して、少なくとも1つの持続可能性レポートを生成し得る。持続可能性レポートは、持続可能性目標314を満たし得る少なくとも1つの推奨を含み得る。需要側データシステム308は、トリアージ及び計画システム302に、持続可能性レポートを提供し得る。トリアージ及び計画システム302は、持続可能性レポートを受信することに応答して、ユーザインターフェースに、持続可能性レポートを含むように要素を更新させる信号をユーザデバイス318に提供し得る。
【0119】
分析器408は、施設データ312、公共料金アクセスデータ316、及び/又はデータストレージ324に記憶された任意の他の可能なデータのうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの持続可能性パラメータに寄与する少なくとも1つの資産を識別し得る。分析器408は、資産に関するデータを使用して、資産に対する寄与因子を判定し得る。寄与因子は、持続可能性パラメータに関連する資産の寄与を示し得る。例えば、寄与因子は、ボイラ17が建物(例えば、建物10)の総カーボン排出量の17%に寄与することであり得る。分析器408は、資産に対する寄与因子及び所定の寄与因子指数を使用して、資産に対するベンチマーク指数をもたらし得る。ベンチマーク指数は、同等のランキングの建物10及び/又は建物への資産及び/又は同様のサイズ(平方フィート、容量、出力など)、同様の年齢、同様の地理的場所などである資産のうちの少なくとも1つであり得る。
【0120】
持続可能性トラッカ808は、少なくとも1つの持続可能性パラメータにおける変化を検出し得る。持続可能性トラッカ808は、検出された持続可能性パラメータの変化を、持続可能性パラメータに関する少なくとも1つの持続可能性目標と比較する。持続可能性トラッカは、持続可能性パラメータの検出された変化を、持続可能性パラメータに関する持続可能性目標と比較することに応答して、変化が非準拠であると判定し得る。例えば、持続可能性トラッカ808は、持続可能性パラメータの検出された変化が、建物のカーボン排出量が増加したことを示すと判定し得る。カーボン排出量の増加は、カーボン排出量を低減するための目標である持続可能性目標に応答して、非準拠であり得る。
【0121】
持続可能性トラッカ808は、持続可能性パラメータの検出された変化が非準拠であると判定することに応答して、持続可能性プランナ806と通信し得る。持続可能性プランナ806は、持続可能性トラッカ808との通信に応答して、持続可能性パラメータの変化に対処し得る少なくとも1つの推奨を含めるように、需要側データシステム308によって生成された持続可能性レポートを更新し得る。
【0122】
ユーザポータル802は、ユーザデバイス318に、ユーザインターフェースを介して、更新された持続可能性レポートを表示させ得る。ユーザポータル802は、ユーザデバイス318から、更新された持続可能性レポートに含められた推奨を受け入れる指示を受信し得る。ユーザポータル802は、推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、システム300及び/又はその構成要素に、推奨を受け入れる指示を提供し得る。システム300は、推奨を受け入れる指示を受信することに応答して、推奨を実行し得る。推奨を実行するシステム300は、持続可能性パラメータの検出された変化に対処し得る。例えば、実行された推奨は、少なくとも1台の建物設備に対する動作上の変化を引き起こし得、動作上の変化は、持続可能性パラメータの検出された変化に対処し得る。
【0123】
ここで
図11を参照すると、一実施形態による、建物の持続可能性を改善するためのプロセス1100のフロー図が示されている。プロセス1100の少なくとも1つのステップは、システム300及び/又はその構成要素によって実施され得る。例えば、最適化322は、プロセス1100の少なくとも1つのステップを実施し得る。プロセス1100の少なくとも1つのステップは、システム900及び/又はその構成要素によって実施され得る。例えば、オプティマイザ930は、プロセス1100の少なくとも1つのステップを実施し得る。
【0124】
ステップ1105では、少なくとも1つのベースライン値が判定される。ベースライン値は、少なくとも1つの持続可能性パラメータに関し得る。持続可能性パラメータは、カーボン排出量、エネルギー消費量、水消費量、廃棄物産出量、ガス消費量、太陽光電力消費量、又は風力タービン電力消費量のうちの少なくとも1つであり得る。持続可能性パラメータは、少なくとも1つの建物に関し得る。例えば、持続可能性パラメータは、建物10に関し得る。
【0125】
分析器408は、建物10に関する持続可能性パラメータに対するベースライン値を判定し得る。例えば、分析器408は、建物10に対するカーボン排出量ベースラインを判定し得る。分析器は、公共料金アクセスデータ316及び/又は施設データ312を使用して、建物10のカーボン排出量に対するベースライン値を判定し得る。ベースライン値は、確立された目標に使用され得る初期値、ベンチマークランキング、傾向を確立するために使用され得る開始点、及び/又は建物10の総排出量に向かう寄与因子のうちの少なくとも1つを示し得る。分析器408は、建物10の持続可能性パラメータに関するベースライン値をユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス318)に提供し得る。
【0126】
ユーザデバイス318は、分析器408から、建物10の持続可能性パラメータに関するベースライン値を受信し得る。分析器408は、ユーザデバイス318が建物10の持続可能性パラメータに関するベースライン値を受信することに応答して、ユーザデバイス318に、ユーザインターフェースを介して、建物10に関する持続可能性パラメータに対するベースライン値のうちの少なくとも1つを表示させ得る。ユーザデバイス318のオペレータは、建物10の持続可能性パラメータに関するベースライン値を表示しているユーザインターフェースを閲覧、確認、対話、インターフェース、又は別様に関与し得る。
【0127】
ステップ1110では、少なくとも1つのユーザ定義された目標が受信される。ユーザ定義された目標は、建物10の持続可能性パラメータのうちの少なくとも1つに関する持続可能性目標であり得る。例えば、持続可能性目標は、特定のパーセンテージ、特定の値、特定の日付(例えば、特定の日、月、年、10年など)までに正味ゼロを達成すること、又は建物10の持続可能性に関し得る任意の他の可能な目標のうちの少なくとも1つによってカーボン排出量(例えば、持続可能性パラメータ)を低減する目標であり得る。
【0128】
トリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318から、少なくとも1つのユーザ定義された持続可能性目標(例えば、持続可能性目標314)を受信し得る。トリアージ及び計画システム302は、持続可能性目標314を受信することに応答して、需要側データシステム308に、持続可能性目標314を提供し得る。需要側データシステム308は、持続可能性目標314を受信することに応答して、持続可能性目標314に関する少なくとも1つの持続可能性パラメータを識別し得る。需要側データシステム308は、持続可能性パラメータに関する少なくとも1台の建物設備を識別し得る。
【0129】
ステップ1115では、少なくとも1つの動作パラメータが分析される。動作パラメータは、少なくとも1台の建物設備、動作設定値、建物設備若しくは建物システムランタイム、建物システム設定、及び/又は保守ルーチンに関する制御戦略のうちの少なくとも1つであり得る。動作パラメータは、データ604~608及び/又は動作データ616のうちの少なくとも1つであり得るか、又はそれを含み得る。
【0130】
需要側分析器610は、建物10に関する少なくとも1つの動作パラメータ及び/又は建物10に関する少なくとも1台の建物設備を分析し得る。例えば、需要側分析器610は、動作データ616を使用して、設備ランタイムを分析し得る。需要側分析器610は、建物設備がどのくらいの頻度で動作するか(例えば、実行)、建物設備がどのくらいの期間動作するか(例えば、実行サイクル)、又は任意の他の可能なランタイム判定のうちの少なくとも1つを判定し得る。
【0131】
需要側分析器610は、建物10及び/又は建物設備に関する動作パラメータの分析に応答して、少なくとも1つの推奨を生成し得る。推奨は、FIM、動作改善(例えば、少なくとも1つの動作パラメータに対する調整)、建物設備保守ルーチン、及び/又はインセンティブプログラムのうちの少なくとも1つであり得る。
【0132】
ステップ1120では、少なくとも1つの推奨が提供される。推奨は、ユーザデバイス(例えば、ユーザデバイス318)に提供され得る。推奨は、ステップ1115で生成された推奨であり得る。トリアージ及び計画システム302は、ユーザデバイス318に推奨を提供し得る。ユーザデバイス318に推奨を提供するトリアージ及び計画システム302は、ユーザインターフェースを介して、ユーザデバイス318に推奨を表示させ得る。ユーザインターフェースは、推奨と、推奨を実装し得る1つ以上の変化を含み得る。ユーザデバイス318のオペレータは、ユーザインターフェースの少なくとも一部分と関与、対話、又は別様にインターフェースし得る。例えば、ユーザデバイス318のオペレータは、少なくとも1つの推奨に対応するアイコンを選択し得る。
【0133】
ステップ1125では、少なくとも1つのコマンドが受信される。コマンドは、ステップ1120でユーザデバイス318のオペレータによって選択された推奨に対応し得る。コマンドは、建物10の動作パラメータ及び/又は建物10に関する建物設備に対する1つ以上の変化を実装し得る。コマンドは、ステップ1115で生成された少なくとも1つの動作改善を含み得る。
【0134】
ステップ1130では、少なくとも1つの動作パラメータセットが修正される。動作パラメータは、建物10に関する少なくとも1台の建物設備について修正され得る。動作パラメータは、ステップ1125でコマンドに含まれた動作改善と対応するように修正され得る。制御信号は、動作パラメータの修正に応答して、修正された動作パラメータセットに関する建物設備に提供され得る。制御信号は、建物設備に対する動作変化、建物設備に対するパラメータ調整、及び/又は建物設備に関する少なくとも1つの持続可能性パラメータの調整のうちの少なくとも1つを引き起こし得る。制御信号は、システム200に関連して説明された制御信号に類似し得る。
【0135】
例示的な実施形態の構成
様々な例示的な実施形態に示されるシステム及び方法の構築及び配置は、単なる例解である。本開示では、いくつかの実施形態のみが詳細に説明されてきたが、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、及び割合、パラメータの値、取り付け構成、材料の使用、色、配向などの差異)が可能である。例えば、要素の位置は、反転させることができ、又は別様に変化させ得、個別要素の性質若しくは数、又は位置は、変更することができ、又は変化させ得る。したがって、そのような全ての修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセス又は方法ステップの順番又はシーケンスは、代替実施形態に従って、変更又は再順序付けされ得る。他の置換、修正、変更、及び省略は、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件、及び配置において行われ得る。
【0136】
本開示は、様々な動作を達成するための任意の機械可読媒体上の方法、システム、及びプログラム製品を企図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、又はこの目的若しくは別の目的のために組み込まれた適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、又は配線接続されたシステムによって実装され得る。本開示の範囲内の実施形態は、記憶された機械実行可能命令又はデータ構造を搬送するか又は有するための機械可読媒体を含むプログラム製品を含む。そのような機械可読媒体は、プロセッサを備えた汎用若しくは専用のコンピュータ又は他の機械によってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。例として、そのような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM、若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又は所望のプログラムコードを機械実行可能命令若しくはデータ構造の形態で搬送又は記憶するために使用でき、かつプロセッサを備えた汎用若しくは専用コンピュータ若しくは他の機械によってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。上記の組み合わせも、機械可読媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理機械に、ある特定の機能又は機能群を実施させる命令及びデータを含む。
【0137】
図は、方法ステップの特定の順序を示しているが、ステップの順序は、描写されたものとは異なり得る。また、2つ以上のステップは同時に、又は部分的に同時に実行され得る。このような変形形態は、選択されたソフトウェア及びハードウェアシステム、並びに設計者の選択に依存する。全てのそのような変形例は、本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェアの実施は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、及び判定ステップを達成するために、ルールベースのロジック及び他のロジックを有する標準的なプログラミング技術によって達成され得る。
【国際調査報告】