(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】回路基板およびこれを含む半導体パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20240912BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H05K1/02 J
H05K1/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517371
(86)(22)【出願日】2022-09-14
(85)【翻訳文提出日】2024-03-18
(86)【国際出願番号】 KR2022013714
(87)【国際公開番号】W WO2023043183
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124369
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ナ,セウン
(72)【発明者】
【氏名】キム,サンイル
(72)【発明者】
【氏名】イ,キハン
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338BB13
5E338BB14
5E338BB19
5E338BB25
5E338BB75
5E338EE31
5E338EE60
(57)【要約】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に配置された第1金属層を含む回路パターン層と、前記絶縁層上に配置され、前記第1金属層と垂直に重なり、水平方向に段差を有する溝部を含む保護層と、前記保護層の前記溝部に配置された第2金属層と、を含み、前記溝部は、前記第1金属層よりも大きい幅を有する部分を含み、前記第2金属層は、前記溝部の前記部分に前記第1金属層よりも大きい幅を有して配置される。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置された第1金属層を含む回路パターン層と、
前記絶縁層上に配置され、前記第1金属層と垂直に重なり、水平方向に段差を有する溝部を含む保護層と、
前記保護層の前記溝部に配置された第2金属層と、を含み、
前記溝部は、前記第1金属層よりも大きい幅を有する部分を含み、
前記第2金属層は、前記溝部の前記部分に前記第1金属層よりも大きい幅を有して配置される、回路基板。
【請求項2】
前記溝部は、
前記第1金属層に隣接して位置し、第1幅を有する第1溝部と、
前記第1溝部上に配置され、前記第1幅および前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2溝部と、を含み、
前記第2金属層は、
前記第1溝部内に配置される第1パートと、
前記第2溝部内に配置され、前記第1パートおよび前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2パートと、を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1溝部は、前記第1金属層と同じか、または小さい幅を有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1金属層は、前記溝部と垂直に重なり、前記絶縁層に向かって凹んだ凹部を含み、
前記第2金属層は、前記第1金属層の前記凹部内に配置される第3パートを含む、 請求項1または請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第2金属層の第3パートは、
前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重なる第3-1パートと、
前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重ならない第3-2パートと、を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1金属層は、パッドであり、
前記第1回路パターン層は、
前記パッドに隣接して配置されたトレースを含み、
前記第2金属層の第2パートは、
前記トレースと垂直に重なる重畳領域を含む、請求項2に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1溝部は、前記第1金属層の幅よりも大きい幅を有し、前記第1金属層の上面よりも低い底面を有し、
前記保護層は、前記第1金属層と離隔し、
前記第2金属層の第1パートは、
前記第1金属層の側面の少なくとも一部と接触する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1溝部の底面は、前記絶縁層の上面よりも高く位置する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1金属層は、パッドであり、
前記第2金属層は、前記パッド上に配置されるバンプまたは表面処理層である、請求項1または請求項2に記載の回路基板。
【請求項10】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されたパッドを含む第1回路パターン層と、
前記絶縁層上に配置され、前記パッドと垂直に重なり、段差を有する溝部を含む保護層と、
前記保護層の前記溝部内に配置された表面処理層と、を含み、
前記表面処理層は、前記溝部の中心から端方向に行くほど高さが低くなる領域を含む、回路基板。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
実施例は、回路基板およびこれを含む半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、印刷回路基板PCB(Printed Circuit Board)は、絶縁層と導体層が交互に積層された積層構造体であり、導体層は、パターニングによって回路パターンで形成され得る。
【0003】
このような印刷回路基板は、積層体の最外側に形成された回路を保護し、導体層の酸化を防止するとともに、印刷回路基板上に実装されるチップまたは他の基板との電気的接続時に絶縁の役割をする保護層であるソルダーレジストSRが備えられる。
【0004】
通常のソルダーレジストは、ソルダーまたはバンプなどの接続手段が結合されて、電気的連結通路となるオープニング領域SRO(Solder Resist Opening)が形成され、ソルダーレジストのオープニング領域は、印刷回路基板が高性能、高密度化するにつれてI/O(Input/Output)性能が向上されることにより、より多くのオープニング領域が要求され、これによりオープニング領域の小さいバンプピッチ(bump pitch)が要求される。このとき、オープニング領域のバンプピッチは、ソルダーレジストのオープニング領域のバンプピッチは、隣接するオープニング領域間の中心距離を意味する。
【0005】
一方、前記ソルダーレジストのオープニング領域SROは、SMD(Solder Mask Defined type)タイプとNSMD(Non-Solder Mask Defined type)タイプとを含む。
【0006】
前記NSMDタイプは、前記オープニング領域SROの幅が、前記オープニング領域SROを介して露出されるパッドの幅よりも小さいことを特徴とし、これにより、SMDタイプにおいて、パッドの上面の少なくとも一部は、前記ソルダーレジストによって覆われる。
【0007】
また、NSMDタイプは、前記オープニング領域SROの幅が前記オープニング領域SROを介して露出されるパッドの幅よりも大きいことを特徴とし、これにより、前記NSMDタイプにおいて、前記ソルダーレジストは、前記パッドと一定間隔で離隔して配置され、これにより前記パッドの上面および側面の両方が露出される構造を有する。
【0008】
一方、上記のようなソルダーレジストのオープニング領域SROと垂直に重なるパッド上には、めっき層が配置される。前記めっき層は、ソルダーとの接合性を向上させるための表面処理層であり得る。また、製品のタイプに応じて、前記パッドと前記めっき層との間には、バンプがさらに配置され得る。
【0009】
しかし、従来技術に係る回路基板における表面処理層またはバンプは、多様な物理的信頼性および電気的信頼性の問題を有している。
【0010】
これにより、新しい構造の表面処理層および/またはバンプを含む回路基板が要求されている。
【0011】
従来技術(または、比較例)に係る回路基板の金属層(表面処理層またはバンプ)が有する問題点については、以下の
図1a~
図1eを参照して具体的に説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
実施例は、新しい構造の回路基板およびこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0013】
また、実施例は、製品の厚さに影響を与えずに、ソルダーとバンプとの接触面積を増加させることができる回路基板およびこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0014】
また、実施例は、製品の厚さに影響を与えずに、ソルダーと表面処理層との接触面積を増加させることができる回路基板およびこれを含む半導体パッケージを提供しようとする。
【0015】
また、実施例は、パッドとソルダーとの間に形成される金属接合層IMC(Inter Metallic Contact)の物理的および電気的信頼性を向上させることができる回路基板および半導体パッケージを提供しようとする。
【0016】
提案される実施例において、解決しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた別の技術的課題は、下記の記載から提案される実施例が属する技術分野における通常の知識を有した者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
実施例に係る回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に配置された第1金属層を含む回路パターン層と、前記絶縁層上に配置され、前記第1金属層と垂直に重なり、水平方向に段差を有する溝部を含む保護層と、前記保護層の前記溝部に配置された第2金属層と、を含み、前記溝部は、前記第1金属層よりも大きい幅を有する部分を含み、前記第2金属層は、前記溝部の前記部分に前記第1金属層よりも大きい幅を有して配置される。
【0018】
また、前記溝部は、前記第1金属層に隣接して位置し、第1幅を有する第1溝部と、前記第1溝部上に配置され、前記第1幅および前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2溝部とを含み、前記第2金属層は、前記第1溝部内に配置される第1パートと、前記第2溝部内に配置され、前記第1パートおよび前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2パートとを含む。
【0019】
また、前記第1溝部は、前記第1金属層と同じか、または小さい幅を有する。
【0020】
また、前記第1金属層は、前記溝部と垂直に重なり、前記絶縁層に向かって凹んだ凹部を含み、前記第2金属層は、前記第1金属層の前記凹部内に配置される第3パートを含む。
【0021】
また、前記第2金属層の第3パートは、前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重なる第3-1パートと、前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重ならない第3-2パートとを含む。
【0022】
また、前記第1金属層は、パッドであり、前記第1回路パターン層は、前記パッドに隣接して配置されたトレースを含み、前記第2金属層の第2パートは、前記トレースと垂直に重なる重畳領域を含む。
【0023】
また、前記第1溝部は、前記第1金属層の幅よりも大きい幅を有し、前記第1金属層の上面よりも低い底面を有し、前記保護層は、前記第1金属層と離隔し、前記第2金属層の第1パートは、前記第1金属層の側面の少なくとも一部と接触する。
【0024】
また、前記第1溝部の底面は、前記絶縁層の上面よりも高く位置する。
【0025】
また、前記第1金属層は、パッドであり、前記第2金属層は、前記パッド上に配置されるバンプまたは表面処理層である。
【0026】
一方、実施例に係る回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に配置されたパッドを含む第1回路パターン層と、前記絶縁層上に配置され、前記パッドと垂直に重なり、 段差を有する溝部を含む保護層と、前記保護層の前記溝部内に配置された表面処理層と、を含み、前記表面処理層は、前記溝部の中心から端方向に行くほど高さが低くなる領域を含む。
【0027】
また、前記表面処理層は、前記パッドの幅よりも大きい幅を有し、前記表面処理層は、前記パッドと垂直に重なる重畳領域および前記パッドと垂直に重ならない非重畳領域を含む。
【0028】
また、前記保護層は、前記パッドと垂直に重なり、第1溝部を有する第1部分と、前記第1部分上に配置され、前記第1溝部および前記パッドと垂直に重なり、前記 第1溝部の幅よりも大きい幅の第2溝部を有する第2部分とを含み、前記表面処理層は、前記第1溝部内に配置される第1パートと、前記第2溝部内に配置され、前記第1パートよりも大きい幅を有する第2パートとを含む。
【0029】
また、前記第1溝部は、前記パッドよりも小さい幅を有し、前記第2溝部は、前記第1溝部および前記パッドのそれぞれの幅よりも大きい幅を有する。
【0030】
また、前記パッドは、前記第1溝部と垂直に重なり、前記絶縁層に向かって凹んだ凹部を含み、前記表面処理層は、前記パッドの凹部内に配置される第3パートを含む。
【0031】
また、前記表面処理層の第3パートは、前記第1パートと垂直に重なる第3-1パートと、前記第1パートと垂直に重ならない第3-2パートとを含む。
【0032】
また、前記第1溝部は、前記パッドの幅よりも大きい幅を有し、前記保護層の前記第1部分は、前記パッドと離隔し、前記表面処理層の第1パートは、前記パッドの側面の少なくとも一部と接触する。
【0033】
また、前記保護層の前記第1部分の上面は、前記パッドの上面よりも低く位置し、前記第1溝部は、前記パッドの幅と同じ幅を有し、前記パッドは、前記第1溝部と水平に重なり、前記パッドの内側方向に形成された凹部を含み、前記表面処理層の第1パートは、前記凹部内に配置される。
【0034】
また、前記表面処理層は、4μm以上の厚さを有し、上面の少なくとも一部が曲面を含み、前記表面処理層の厚さは、前記表面処理層の重畳領域における最小厚さ、最大厚さ、および平均厚さのうち少なくとも一つであり得る。
【0035】
一方、実施例に係る半導体パッケージは、絶縁層と、前記絶縁層上に配置されたパッドを含む第1回路パターン層と、前記絶縁層上に配置され、前記パッドと垂直に重なり、段差を有する溝部を含む保護層と、前記保護層の前記溝部内に配置され、前記溝部の段差に対応する段差を有する金属層と、前記金属層上に配置された接続部と、前記接続部上に実装されたチップと、前記チップをモールディングするモールディング層と、を含み、前記溝部は、前記パッドと垂直に重なり、第1幅を有する第1溝部と、前記第1溝部と垂直に重なり、前記第1幅よりも大きい第2幅を有する第2溝部と、を含み、前記金属層は、前記第1溝部に配置される第1パートと前記第2溝部に配置される第2パートとを含むバンプおよび表面処理層のうちいずれか一つを含む。
【0036】
また、前記チップは、幅方向に相互に離隔するか、上下方向に配置される第1チップおよび第2チップを含む。
【発明の効果】
【0037】
実施例に係る回路基板は、段差を含む溝部を有する第1保護層と、前記溝部内に配置される第2金属層とを含む。例えば、前記溝部は、第1金属層であるパッドと垂直に重なり、第1幅を有する第1溝部と、前記第1溝部上に形成され、前記第1幅よりも大きい第2幅を有する第2溝部とを含む。このとき、前記第2金属層は、バンプであり得、これとは異なり表面処理層であり得る。そして、前記第2金属層は、前記第1溝部内に配置される第1パートおよび前記第2溝部内に配置される第2パートを含む。このとき、前記第2パートは、前記第1パートよりも大きい幅を有する。これにより、実施例は、前記段差を有する第1保護層の溝部を用いて、上記のように第1パートおよび第2パートを含む金属層を形成することができる。そして、実施例により、前記溝部は、第2溝部のみを含むことができ、前記第2金属層は、前記第2溝部内に配置された第2パートのみを含むことができる。これを通じて、実施例は、チップや外部基板との接合のためのソルダーとの接合面積を増加させることができ、これによる接合性を向上させることができる。具体的には、比較例における第1保護層は、段差を含まず、これにより第1溝部のみを含む。これにより、比較例における第2金属層(例えば、バンプ)は、前記第1溝部に対応する幅を有する第1パートのみを含み、これによるソルダーとの接合面積の減少による接合性が低下するという問題点を有する。これに対し、実施例は、比較例に比べて、前記第1パートと第2パートとの幅の差だけソルダーとの接合面積を向上させることができ、これによる接合性を向上させることができる。
【0038】
一方、比較例では、前記第2金属層が前記第2パートを含んで形成される構造を有することもあるが、前記第2パートは、前記第1保護層の上面の上に突出する構造を有する。すなわち、比較例における第2金属層の第2パートは、第1保護層の上面上に配置される構造を有する。これにより、比較例では、前記第2金属層が第2パートを含む場合、前記第2パートに対応する厚さだけ回路基板の全体的な厚さが増加するという問題点がある。これに対し、実施例は、段差を有する第1保護層を用いて、前記第1保護層内に前記第2金属層の第2パートを形成することができる。これにより、実施例は、前記回路基板の全体的な厚さに影響を与えずに前記ソルダーとの接合性を向上させることができ、これによる製品満足度を向上させることができる。
【0039】
また、実施例は、前記第1溝部が有する幅の変化を通じて、前記第2金属層の多様なデザインの設計を可能にする。例えば、前記第1溝部は、パッドの幅よりも小さくてもよく、これとは異なって大きくてもよく、これとは異なって同じでもよい。さらに、前記第1溝部は、部分的に前記パッドの幅と同じ幅を有し、部分的に前記パッドの幅よりも大きい幅を有することができる。これにより、実施例は、第1保護層の溝部が有するべき多様なタイプに全て適用可能であり、これによる製品デザインの自由度を向上させることができる。
【0040】
また、本実施例では、前記パッドには、凹部が形成される。前記凹部は、前記第1保護層の溝部が形成された後、前記パッド上に存在する残骸を除去するためのエッチング工程で形成され得る。そして、前記第2金属層は、前記凹部を充填して形成され得る。これにより、実施例は、前記第2金属層が前記凹部を充填して形成されるようにすることにより、これによる第1金属層であるパッドの電気的信頼性を向上させることができる。
【0041】
一方、前記第2金属層が表面処理層である場合、前記表面処理層は、少なくとも4μm以上の厚さを有する。例えば、前記表面処理層は、表面処理工法によって複数の層構造(例えば、ニッケル-パラジウム-金、または、ニッケル-金)を有することができる。そして、前記複数の層構造を有する表面処理層の全体厚さは、4μm以上の厚さを有することができる。これにより、実施例は、前記表面処理層が前記凹部を安定して充填できるようにし、これによる電気的信頼性を向上させることができる。具体的には、前記凹部の深さは、3μmレベルを有する。前記表面処理層が3μm以下の厚さを有する場合、前記表面処理層によって前記凹部が完全に充填されない問題が発生することがあり、これによるパッドの信号伝達特性に問題が発生することがある。これに対し、実施例は、前記表面処理層が4μm以上の厚さを有するようにして、前記表面処理層によって前記凹部が完全に充填されるようにし、これによる信号伝達特性を向上させることができるようにする。
【0042】
さらに、実施例は、前記表面処理層が4μm以上の厚さを有することにより、前記第1保護層とパッドとの界面と表面処理層の上面との間が一定距離で離隔し得るようにする。これを通じて、実施例は、前記表面処理層上にソルダーが配置されることにより形成される金属接合層の電気的信頼性および物理的信頼性を向上させることができる。具体的には、比較例おように、前記表面処理層が3μm以下の厚さを有する場合、前記表面処理層の上面は、前記界面と実質的に同じ高さに形成され、これにより、金属接合層も前記界面と同じ高さに位置することができる。このとき、回路基板の使用環境では、前記第1保護層の膨張および収縮が発生することがあり、これによるストレスが発生することがある。このとき、比較例では、前記界面と前記金属接合層とが同じ高さに形成されることにより、前記ストレスが前記金属接合層にそのまま伝達され、これによる前記金属接合層の物理的信頼性および電気的信頼性が低下することがある。これに対し、実施例では、前記表面処理層を4μm以上の厚さに形成することにより、前記界面と前記金属接合層との間を一定距離で離隔させることができ、これにより、前記ストレスが前記金属接合層に伝達されないようにすることができる。これを通じて、実施例は、前記金属接合層の電気的信頼性および物理的信頼性を向上させることができ、さらに製品信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1a】第1比較例に係る回路基板を示す図である。
【
図1b】第2比較例に係る回路基板を示す図である。
【
図1c】
図1bの第2比較例の回路基板の製造工程を説明するための図である。
【
図1d】
図1bの第2比較例の回路基板の製造工程を説明するための図である。
【
図1e】
図1bの第2比較例の回路基板の製造工程を説明するための図である。
【
図2a】第1実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2b】第2実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2c】第3実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2d】第4実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2e】第5実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2f】第6実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図2g】第7実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【
図3a】第1実施例に係る回路基板を示す図である。
【
図3b】
図3aの回路基板の一領域を拡大した拡大図である。
【
図3c】
図3bの回路基板の第1変形例を示す図である。
【
図3d】
図3bの回路基板の第2変形例を示す図である。
【
図3e】
図3bの回路基板の第3変形例を示す図である。
【
図3f】
図3bの回路基板の第4変形例を示す図である。
【
図4a】第2実施例に係る回路基板を示す図である。
【
図4b】
図4aの回路基板の変形例を示す図である。
【
図7a】第5実施例に係る回路基板を示す図である。
【
図7b】
図7aの回路基板の一部領域を拡大した拡大図である。
【
図7c】
図7aの回路基板の変形例を示す図である。
【
図9a】第7実施例に係る回路基板を示す図である。
【
図9b】
図9aの第1パッドの形状を具体的に示す図である。
【
図9c】
図9bに係る第1パッドおよび表面処理層の形状に対する光学顕微鏡写真を示す図である。
【
図10】第1実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図11】第2実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【
図12a】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12b】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12c】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12d】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12e】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12f】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12g】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12h】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図12i】一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図13a】他の一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図13b】他の一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図13c】他の一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【
図13d】他の一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。
【発明の実施のための形態】
【0044】
以下、添付された図面を参照して、本明細書に開示された実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一または類似する構成要素は、同じ参照番号を付し、それに対する重複説明は省略することにする。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書の作成を容易にするために付与また混用されるものとして、それ自体で相互区別される意味または役割を有するものではない。また、本明細書に開示された実施例の説明において、係る公知技術に対する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、添付された図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものであり、添付された図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0045】
第1、第2などの序数を含む用語が多様な構成要素を説明するために使用されることができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されることはない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。
【0046】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」または「接続」されていると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に「連結」または「接続」されていてもよく、間に他の構成要素が存在してもよいと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」または「直接接続」されていると言及されたときには、その間に他の構成要素が存在しないものと理解されるべきである。
【0047】
単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0048】
本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パートまたはこれらを組合せたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パートまたはこれらを組合せたものの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されるべきである。
【0049】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0050】
-比較例-
実施例の説明に先立ち、本願の実施例の回路基板と比較される比較例について説明する。
【0051】
図1aは,第1比較例に係る回路基板を示す図であり、
図1bは,第2比較例に係る回路基板を示す図であり、
図1c~
図1eは,
図1bの第2比較例の回路基板の製造工程を説明するための図である。
【0052】
図1aを参照すると、第1比較例に係る回路基板は、絶縁層10、回路パターン層、保護層30,および金属層を含む。
【0053】
図1aの第1比較例に係る回路基板は、回路パターン層のパッド上にバンプに対応する金属層が配置された構造を有する。
【0054】
例えば、第1比較例の回路基板は、チップ(図示せず)や外部基板(図示せず)を付着するために回路パターン層上に配置されたバンプを含む。具体的には、第1比較例の回路基板は、前記バンプ上に配置された表面処理層(図示せず)および前記表面処理層上に配置されたソルダーをさらに含む。そして、前記チップまたは外部基板は、前記ソルダーを介して回路基板に接合される。
【0055】
第1比較例の回路基板は、絶縁層10を含む。このとき、回路基板は、絶縁層の層数を基準に複数の層構造を有することができる。そして、前記回路基板が複数の層構造を有する場合、
図1aの絶縁層10は、複数の絶縁層のうち最外郭(例えば、最上側)に配置された絶縁層を示すものであり得る。
【0056】
第1比較例の回路基板は、前記絶縁層10上に配置される回路パターン層を含む。前記回路パターン層は、パッドおよびトレースを含む。前記パッドは、前記回路パターン層のうち前記チップや外部基板との接合のためにソルダーが配置されるパターンを意味することができる。前記トレースは、前記複数のパッド間を連結する細い信号ラインを意味することができる。
【0057】
また、第1比較例の回路基板は、絶縁層10上に配置される保護層30を含む。
【0058】
前記保護層30は、複数の溝部を含む。前記複数の溝部は、タイプに応じて区分され得る。例えば、保護層30は、NSMDタイプの第1溝部31を含む。また、保護層30は、SMDタイプの第2溝部32を含む。一方、溝部は、実施例によって開口部と指称され得る。
【0059】
そして、前記回路パターン層は、第1パッド21、第2パッド22、および第3パッド23のうち少なくとも一つを含む。
【0060】
前記第1パッド21は、前記回路パターン層のうち前記保護層30の第1溝部31と垂直に重なるパターンを意味する。
【0061】
また、前記第2パッド22および第3パッド23は、前記回路パターン層のうち前記保護層30の第2溝部32と垂直に重なるパターンを意味する。
【0062】
このとき、前記保護層30の第1溝部31の幅は、第1パッド21の幅よりも大きい。これにより、前記第1パッド21の上面の全領域は、前記保護層30の第1溝部31と垂直に重なる。
【0063】
そして、前記保護層30の第2溝部32の幅は、第2パッド22または第3パッド23の幅よりも小さい。これにより、前記第2パッド22の上面は、前記保護層30の第2溝部32と垂直に重なる重畳領域と、前記第2溝部32と垂直に重ならない非重畳領域とを含む。また、前記第3パッド23の上面は、前記保護層30の第2溝部32と垂直に重なる重畳領域と、前記第2溝部32と垂直に重ならない非重畳領域とを含む。
【0064】
一方、第1比較例の回路基板は、第1パッド21上に配置される第1バンプ41を含む。このとき、前記第1パッド21は、第1幅w1を有する。そして、前記第1バンプ41は、前記第1幅w1よりも小さい第2幅w2を有して前記第1パッド21の上面に配置される。このように、第1比較例の回路基板において、第1バンプ41は、第1パッド21の幅よりも小さい幅を有し、前記第1バンプ41のソルダー(図示せず)間の接合面積が減少することがある。これにより、回路基板の多様な使用環境で発生するストレスによって、前記ソルダーが前記第1バンプ41から分離される信頼性の問題が発生することがある。
【0065】
また、第1比較例の回路基板は、第2パッド22上に配置される第2バンプ42を含む。このとき、前記第2バンプ42は、前記第2パッド22が有する幅よりも小さい幅を有する。これにより、第1比較例の回路基板において、前記第2バンプ42を含む構造は、前記ソルダーと前記第2バンプ42との接合面積の減少による信頼性の問題を含んでいる。
【0066】
また、第1比較例における回路基板は、バンプを2層構造に形成して、前記ソルダーと前記バンプとの接合面積を確保している。
【0067】
例えば、第1比較例の回路基板は、第3パッド23上に配置される第3バンプ43を含む。このとき、前記第3バンプ43は、前記保護層30の第2溝部32内に配置される第1パート43-1および前記第1パート43-1上に配置される第2パート43-2を含む。このとき、前記第3バンプ43の第1パート43-1の幅w4は、前記第3パッド23の幅w3よりも小さい幅を有する。また、前記第3バンプ43の第2パート43-2の幅w5は、前記第3パッド23の幅w3および前記第1パート43-1の幅w4よりも大きい幅を有する。これにより、第1比較例では、前記第3バンプ43の第2パート43-2を用いて、前記ソルダーとの接合面積を向上させている。
【0068】
しかし、前記第3バンプ43の第2パート43-2は、前記保護層30の上面の上に突出した構造を有する。具体的には、第1比較例では、前記保護層30上にドライフィルム(図示せず)を配置し、前記ドライフィルムを用いて前記第3バンプ43の第2パート43-2を形成する。これにより、前記第3バンプ32の第2パート43-2は、前記保護層30の上面の上に突出した構造を有するようになる。これにより、第1比較例では、前記第3バンプ43を含む構造は、前記第3バンプ43の第2パート43-2を用いて前記ソルダーとの接合面積を増加させることができるが、前記第2パート43-2に対応する厚さだけ回路基板の厚さが増加するという問題がある。
【0069】
一方、
図1bを参照すると、第2比較例に係る回路基板は、絶縁層10、回路パターン層、保護層30、および金属層を含む。
【0070】
図1bの第2比較例に係る回路基板は、回路パターン層のパッド上に表面処理層50に対応する金属層が配置された構造を有する。そして、前記表面処理層50上には、チップ(図示せず)や外部基板(図示せず)の接合のためのソルダー60が配置された構造を有する。
【0071】
しかし、このような第2比較例における回路基板は、ソルダー60と表面処理層50との間の金属接合層65の物理的または電気的信頼性が低下するという問題点を有している。
【0072】
例えば、
図1bのような回路基板を製造する過程におけるそれぞれの構成の実際の構造を見ると、次の通りである。
【0073】
図1cを参照すると、第2比較例では、絶縁層10上に回路パターン層20が配置された状態で保護層30を形成する。このとき、前記保護層30は、前記回路パターン層20の上面を覆って配置される。その後、第2比較例では、前記保護層30を露光および現像して、前記回路パターン層20と垂直に重なる第3溝部33を形成する。このとき、前記第3溝部33は、露光および現像工程によって、前記回路パターン層20に向かうほど幅が徐々に減少する形状を有するようになる。
【0074】
このとき、
図1dを参照すると、第2比較例では、前記保護層30の第3溝部33が形成されると、前記回路パターン層20をエッチングする工程を行う。具体的には、前記回路パターン層20の上面のうち前記第3溝部33と垂直に重なる領域には、前記保護層30の残骸が存在することがある。これにより、前記回路パターン層20の上面のうち前記第3溝部33と垂直に重なる領域をエッチングして前記残骸を除去する工程を行う。このとき、回路パターン層20の上面には、前記工程が行われることによるリセス20rが形成される。前記リセス20rは、前記回路パターン層20の上面から下面に向かう方向に凹形状を有する。このとき、前記リセス20rは、前記第3溝部33と垂直に重なる回路パターン層20の上面をエッチングすることによって形成される。しかし、前記エッチング工程では、エッチング液が前記回路パターン層20の上面と前記保護層30の下面との間の領域に浸透するようになる。そして、上記のようなエッチング液の浸透により、前記第3溝部33と垂直に重ならない回路パターン層20の上面にも追加リセスRが形成される。このとき、前記リセス20rおよび前記追加リセスRの深さは、2μm~3μm程度である。
【0075】
その後、
図1eを参照すると、第2比較例では、前記回路パターン層20の上面に表面処理層50を形成する工程を行う。そして、第2比較例では、前記表面処理層50上にソルダー60を形成する工程を行う。
【0076】
このとき、第2比較例における表面処理層50の厚さは、3μm以下を有する。例えば、前記表面処理層50は、表面処理工法により複数のめっき層を含む。そして、前記複数のめっき層の厚さの合計は、3μm以下を有する。例えば、前記表面処理層50は、ニッケル(Ni)めっき層および金(Au)めっき層を含むか、ニッケル(Ni)めっき層、パラジウム(Pd)めっき層、および金(Au)めっき層を含む。そして、上記のような層構造を有する複数のめっき層の総厚さは、3μm以下である。これにより、第2比較例における表面処理層50は、前記回路パターン層20のリセス20rおよび追加リセスRを充填して形成される。
【0077】
一方、表面処理層50上に前記ソルダー60を形成する場合、前記表面処理層50と前記ソルダー60は、異種物質で構成され、これにより、前記ソルダー60と前記表面処理層50との界面に金属接合層65が形成される。このとき、第2比較例における表面処理層50は、3μm以下の厚さを有するので、前記金属接合層65は、前記第3溝部33の角領域30eの下面と実質的に同じ高さに配置される。例えば、第2比較例における金属接合層65は、前記回路パターン層20の上面と前記保護層30の下面との界面と同じ高さを有する。
【0078】
このとき、前記保護層30は、回路基板の使用環境における熱特性などに応じて収縮および膨張が行われる。このとき、前記保護層30の下面と前記回路パターン層20の上面との界面には、前記保護層30の収縮および膨張によるストレスが伝達される。ここで、第2比較例では、前記金属接合層65が前記保護層30の下面と回路パターン層20の上面との界面に隣接して形成される。これにより、第2比較例では、前記保護層30の下面と前記回路パターン層20の上面との界面で発生するストレスが前記金属接合層65にそのまま伝達されるという問題がある。そして、第2比較例における前記金属接合層65は、前記伝達されるストレスによるクラックなどの物理的信頼性の問題が発生することがある。これにより、第2比較例では、回路基板の使用環境に応じて、前記金属接合層65の物理的信頼性の低下により、前記ソルダー60が回路パターン層20から分離されるという問題が発生することがある。
【0079】
実施例は、上記のような第1比較例および第2比較例の問題点を解決するようにする。具体的には、実施例は、回路基板の厚さの増加なしに、バンプとソルダーとの接合面積を増加させることができるようにする。これを通じて、実施例は、前記バンプとソルダーとの接合性を向上させることができるようにする。また、実施例は、回路基板の厚さの増加なしに、表面処理層とソルダーとの接合面積を増加させることができるようにする。これを通じて、実施例は、前記表面処理層とソルダーとの接合性を向上させることができるようにする。また、実施例は、ソルダーと表面処理層との間に形成される金属接合層の物理的信頼性を向上させることができるようにする。このために、実施例は、保護層の角部の端部と金属接合層との間の離隔距離を増加させることによって、前記保護層の収縮および膨張によるストレスが前記金属接合層に直接伝達されないようにする。このために、実施例は、前記金属接合層の物理的信頼性を向上させることができるようにする。
【0080】
-電子デバイス-
実施例の説明に先立ち、実施例の半導体パッケージが適用される電子デバイスについて簡略に説明する。電子デバイスは、メインボード(図示せず)を含む。前記メインボードは、多様な部品と物理的および/または電気的に連結され得る。例えば、メインボードは、実施例の半導体パッケージと連結され得る。前記半導体パッケージには、多様な半導体素子が実装され得る。
【0081】
前記半導体素子は、能動素子および/または受動素子を含むことができる。能動素子は、数百ないし数百万個以上の素子が一つのチップの中に集積された集積回路(IC)型状の半導体チップであり得る。半導体素子は、ロジックチップ、メモリチップなどであり得る。ロジックチップは、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)などであり得る。例えば、ロジックチップは、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラのうち少なくとも一つを含むアプリケーションプロセッサ(AP)チップであるか、またはアナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などであるか、またはこれまで列挙したものの特定の組み合わせを含むチップセットであり得る。
【0082】
メモリチップは、HBMなどのスタックメモリであり得る。また、メモリチップは、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップを含むことができる。
【0083】
一方、実施例の半導体パッケージが適用される製品群は、CSP(Chip Scale Package)、FC-CSP(Flip Chip-Chip Scale Package)、FC-BGA(Flip Chip Ball Grid Array)、POP(Package On Package)、およびSIP(System In Package)のうちいずれか一つであり得るが、これに限定されない。
【0084】
また、前記電子機器は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、車両、高性能サーバ、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであり得る。ただし、これに限定されず、これらに加えてデータを処理する任意の他の電子機器であり得ることは言うまでもない。
【0085】
以下、実施例に係る回路基板を含む半導体パッケージについて説明する。実施例の半導体パッケージは、後述する回路基板を含む多様なパッケージ構造を有することができる。
【0086】
そして、一実施例における前記回路基板は、後述する第1基板であり得る。
【0087】
また、他の実施例における前記回路基板は、後述する第2基板であり得る。
【0088】
図2aは、第1実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2bは、第2実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2cは、第3実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2dは、第4実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2eは、第5実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2fは、第6実施例に係る半導体パッケージを示す断面図であり、
図2gは、第7実施例に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【0089】
図2aを参照すると、第1実施例の半導体パッケージは、第1基板1100、第2基板1200、および半導体素子1300を含むことができる。
【0090】
前記第1基板1100は、パッケージ基板を意味する。
【0091】
例えば、前記第1基板1100は、少なくとも一つの外部基板が結合される空間を提供することができる。前記外部基板は、前記第1基板1100上に結合される第2基板1200を意味することができる。また、前記外部基板は、前記第1基板1100の下部に結合される電子デバイスに含まれたメインボードを意味することができる。
【0092】
また、図面上には示さなかったが、前記第1基板1100は、少なくとも一つの半導体素子が実装される空間を提供することができる。
【0093】
前記第1基板1100は、少なくとも一つの絶縁層と、前記少なくとも一つの絶縁層に配置された電極部とを含むことができる。
【0094】
前記第1基板1100上には、第2基板1200が配置され得る。
【0095】
前記第2基板1200は、インターポーザであり得る。例えば、前記第2基板1200は、少なくとも一つの半導体素子が実装される空間を提供することができる。前記第2基板1200は、前記少なくとも一つの半導体素子1300と連結され得る。例えば、第2基板1200は、第1半導体素子1310および第2半導体素子1320が実装される空間を提供することができる。前記第2基板1200は、前記第1半導体素子1310と第2半導体素子1320との間を電気的に連結しながら、前記第1および第2半導体素子1310、1320と前記第1基板1100との間を電気的に連結することができる。すなわち、前記第2基板1200は、複数の半導体素子間の水平連結機能および半導体素子とパッケージ基板との間の垂直連結機能を果たすことができる。
【0096】
図2aでは、 前記第2基板1200上に二つの半導体素子1310、1320が配置されるものとして示したが、これに限定されない。例えば、前記第2基板1200上には、一つの半導体素子が配置され得、これとは異なり、3つ以上の半導体素子が配置され得る。
【0097】
第2基板1200は、前記少なくとも一つ以上の半導体素子1300と前記第1基板1100との間に配置され得る。
【0098】
一実施例では、前記第2基板1200は、半導体素子機能を果たすアクティブインターポーザであり得る。前記第2基板1200が半導体素子機能を果たす場合、実施例の半導体パッケージは、前記第1基板1100上に垂直方向への積層構造を有して複数のロジックチップの機能を有することができる。ロジックチップの機能を有することができることは、能動素子および受動素子の機能を有することができることを意味することができる。能動素子の場合、受動素子とは異なり、電流と電圧の特性が線形的ではないことがあり、アクティブインターポーザの場合、能動素子の機能を有することができる。また、アクティブインターポーザは、当該ロジックチップの機能を果たしながら、その上部に配置された第2ロジックチップと前記第1基板1100との間の信号伝達機能を果たすことができる。
【0099】
他の実施例によれば、前記第2基板1200は、パッシブインターポーザであり得る。例えば、前記第2基板1200は、前記半導体素子1300と前記第1基板1100との間における信号中継機能を果たすことができ、抵抗、キャパシタ、インダクタなどのパッシブ素子機能を有することができる。例えば、前記半導体素子1300は、5G、モノのインターネットIOT(Internet of Things)、画質の増加、通信速度の増加などの理由で端子の個数が徐々に増加している。すなわち、前記半導体素子1300に備えられる端子の個数が増加し、これにより端子の幅や複数の端子間の間隔が減少している。このとき、前記第1基板1100は、電子デバイスのメインボードと連結され得る。これにより、前記第1基板1100に備えられた電極が前記半導体素子1300および前記メインボードとそれぞれ連結されるための幅および間隔を有するためには、前記第1基板1100の厚さが増加するか、前記第1基板1100の層構造が複雑になるという問題がある。したがって、第1実施例は、前記第1基板1100と前記半導体素子1300とに第2基板1200を配置することができる。そして、前記第2基板1200は、前記半導体素子1300の端子に対応する微細幅および間隔を有する電極を含むことができる。
【0100】
前記半導体素子1300は、ロジックチップ、メモリチップなどであり得る。前記ロジックチップは、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)などであり得る。例えば、ロジックチップは、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラのうち少なくとも一つを含むAPであるか、またはアナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などであるか、またはこれまで列挙したものの特定の組み合わせを含むチップセットであり得る。そして、前記メモリチップは、HBMなどのスタックメモリであり得る。また、メモリチップは、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップを含むことができる。
【0101】
一方、第1実施例の半導体パッケージは、接続部を含むことができる。
【0102】
例えば、半導体パッケージは、第1基板1100と前記第2基板1200との間に配置される第1接続部1410を含むことができる。前記第1接続部1410は、前記第1基板1100に前記第2基板1200を結合させながら、これらの間を電気的に連結することができる。
【0103】
例えば、半導体パッケージは、第2基板1200と半導体素子1300との間に配置される第2接続部1420を含むことができる。前記第2接続部1420は、前記第2基板1200上に前記半導体素子1300を結合させながら、これらの間を電気的に連結することができる。
【0104】
半導体パッケージは、第1基板1100の下面に配置された第3接続部1430を含むことができる。前記第3接続部1430は、前記第1基板1100をメインボードに結合させながら、これらの間を電気的に連結することができる。
【0105】
このとき、前記第1接続部1410、第2接続部1420、および第3接続部1430は、ワイヤボンディング、ソルダーボンディング、メタル間ダイレクトボンディングのうち少なくとも一つのボンディング方式を用いて、複数の構成要素間を電気的に連結することができる。すなわち、前記第1接続部1410、第2接続部1420、および第3接続部1430は、複数の構成要素を電気的に連結する機能を有するため、メタル間ダイレクトボンディングを用いる場合、半導体パッケージは、ソルダーやワイヤではない電気的に連結される部分として理解され得る。
【0106】
前記ワイヤボンディング方式は、金(Au)などの導線を用いて複数の構成要素間を電気的に連結することを意味することができる。また、前記ソルダーボンディング方式は、Sn、Ag、Cuのうち少なくとも一つを含む物質を用いて複数の構成要素間を電気的に連結することができる。また、メタル間ダイレクトボンディング方式は、ソルダー、ワイヤ、導電性接着剤などの部材なしに、複数の構成要素間に熱と圧力を印加して再結晶化し、これを通じて複数の構成要素間を直接結合させることを意味することができる。そして、メタル間ダイレクトボンディング方式は、前記第2接続部1420によるボンディング方式を意味することができる。この場合、前記第2接続部1420は、前記再結晶化によって複数の構成要素間に形成される金属層を意味することができる。
【0107】
具体的には、前記第1接続部1410、第2接続部1420、および第3接続部1430は、熱圧着(Thermal Compression)ボンディング方式によって複数の構成を互いに結合させることができる。前記熱圧着ボンディング方式は、前記第1接続部1410、第2接続部1420、および第3接続部1430に熱と圧力を加えて複数の構成間を直接結合させる方式を意味することができる。
【0108】
このとき、前記第1基板1100および第2基板1200のうち少なくとも一つにおいて、前記第1接続部1410、第2接続部1420、および第3接続部1430が配置される電極には、当該基板の絶縁層から離れる外方向に突出した突出部が備えられ得る。前記突出部は、前記第1基板1100または第2基板1200から外側方向に向かって突出し得る。
【0109】
前記突出部は、バンプ(bump)と言える。前記突出部は、ポスト(post)とも言える。前記突出部は、ピラー(pillar)とも言える。好ましくは、前記突出部は、第2基板1200の電極のうち前記半導体素子1300との結合のための第2接続部1420が配置された電極を意味することができる。すなわち、前記半導体素子1300の端子のピッチが微細化されて、ソルダーなどの導電性接着剤により前記半導体素子1300の複数の端子とそれぞれ連結される複数の第2接続部1420間の短絡が発生することがある。したがって、実施例は、前記第2接続部1420の体積を減らすために熱圧着ボンディング(Thermal Compression Bonding)を行うことができる。これにより、実施例は、整合度、拡散力、およびソルダーなどの導電性接着剤と突出部との間に形成される金属間化合物IMC(Inter Metallic Compound)がインターポーザおよび/または基板に拡散することを防止する拡散防止力の確保のために、前記第2接続部1420が配置される前記第2基板1200の電極に突出部が含まれるようにすることができる。
【0110】
一方、
図2bを参照すると、第2実施例の半導体パッケージは、前記第2基板1200に連結部材1210が配置される点で第1実施例の半導体パッケージとは違いを有することができる。前記連結部材1210は、ブリッジ基板と言える。例えば、前記連結部材1210は、再配線層を含むことができる。連結部材1210は、複数の半導体素子を水平に互いに電気的に連結する機能を果たすことができる。例示的に、一般に、半導体素子が有するべき面積が大きすぎるため、前記連結部材1210は、再配線層を含むことができる。半導体パッケージと半導体素子は、回路パターンの幅や幅などが互いに大きな差を有するため、電気的接続のための回路パターンの緩衝役割が必要である。緩衝役割とは、半導体パッケージの回路パターンの幅や幅などのサイズと半導体素子の回路パターンの幅や幅などのサイズの中間サイズを有するようにすることを意味することができ、再配線層は、前記緩衝役割を果たす機能を含むことができる。
【0111】
一実施例では、連結部材1210は、シリコンブリッジであり得る。すなわち、前記連結部材1210は、シリコン基板と前記シリコン基板上に配置される再配線層とを含むことができる。
【0112】
他の実施例では、前記連結部材1210は、有機ブリッジであり得る。例えば、前記連結部材1210は、有機物を含むことができる。例えば、前記連結部材1210は、前記シリコン基板の代わりに有機物を含む有機基板を含むことができる。
【0113】
前記連結部材1210は、前記第2基板1200内に埋め込まれ得るが、これに限定されない。例えば、前記連結部材1210は、前記第2基板1200上に突出する構造を有して配置され得る。
【0114】
また、前記第2基板1200は、キャビティを含むことができ、前記連結部材1210は、前記第2基板1200の前記キャビティ内に配置され得る。
【0115】
前記連結部材1210は、前記第2基板1200上に配置される複数の半導体素子間を水平連結することができる。
【0116】
図2cを参照すると、第3実施例の半導体パッケージは、第2基板1200および半導体素子1300を含むことができる。このとき、第3実施例の半導体パッケージは、第2実施例の半導体パッケージと比較して、第1基板1100が省略された構造を有することができる。
【0117】
すなわち、第3実施例の第2基板1200は、インターポーザ機能を果たしながらパッケージ基板の機能を果たすことができる。
【0118】
前記第2基板1200の下面に配置された第1接続部1410は、電子デバイスのメインボードに前記第2基板1200を結合させることができる。
【0119】
図2dを参照すると、第4実施例の半導体パッケージは、第1基板1100および半導体素子1300を含むことができる。
【0120】
このとき、第4実施例の半導体パッケージは、第2実施例の半導体パッケージと比較して、第2基板1200が省略された構造を有することができる。
【0121】
すなわち、第4実施例の前記第1基板1100は、パッケージ基板機能を果たしながら、前記半導体素子1300とメインボードとの間を連結する機能を果たすことができる。このために、第1基板1100には、複数の半導体素子間を連結するための連結部材1110を含むことができる。前記連結部材1110は、複数の半導体素子間を連結するシリコンブリッジまたは有機物ブリッジであり得る。
【0122】
図2eを参照すると、第5実施例の半導体パッケージは、第4実施例の半導体パッケージと比較して、第3半導体素子1330をさらに含むことができる。
【0123】
このために、第1基板1100の下面には、第4接続部1440が配置され得る。
【0124】
そして、前記第4接続部1440には、第3半導体素子1330が配置され得る。すなわち、第5実施例の半導体パッケージは、上側および下側にそれぞれ半導体素子が実装される構造を有することができる。
【0125】
このとき、前記第3半導体素子1330は、
図2cの半導体パッケージにおいて、第2基板1200の下面に配置された構造を有することもできる。
【0126】
図2fを参照すると、第6実施例の半導体パッケージは、第1基板1100を含むことができる。前記第1基板1100上には、第1半導体素子1310が配置され得る。このために、前記第1基板1100と前記第1半導体素子1310との間には、前記第1接続部1410が配置され得る。
【0127】
また、前記第1基板1100は、導電性結合部1450を含むことができる。前記導電性結合部1450は、前記第1基板1100から第2半導体素子1320に向かってさらに突出し得る。前記導電性結合部1450は、バンプと言え、これとは異なり、ポストとも言える。前記導電性結合部1450は、前記第1基板1100の最上側に配置された電極上に突出した構造を有して配置され得る。
【0128】
前記導電性結合部1450上には、第2半導体素子1320が配置され得る。このとき、前記第2半導体素子1320は、前記導電性結合部1450を介して前記第1基板1100と連結され得る。また、前記第1半導体素子1310と前記第2半導体素子1320との間には、第2接続部1420が配置され得る。
【0129】
これにより、前記第2半導体素子1320は、前記第2接続部1420を介して前記第1半導体素子1310と電気的に連結され得る。
【0130】
すなわち、第2半導体素子1320は、導電性結合部1450を介して第1基板1100と連結されながら、前記第2接続部1420を介して前記第1半導体素子1310とも連結され得る。
【0131】
このとき、前記第2半導体素子1320は、前記導電性結合部1450を介して電源信号および/または電力を供給され得る。また、前記第2半導体素子1320は、前記第2接続部1420を介して前記第1半導体素子1310と通信信号を送受信することができる。
【0132】
第6実施例の半導体パッケージは、導電性結合部1450を介して前記第2半導体素子1320に電源信号および/または電力を供給することにより、前記第2半導体素子1320の駆動のための十分な電力を提供や電源動作の円滑な制御が可能であり得る。
【0133】
これにより、実施例は、前記第2半導体素子1320の駆動特性を向上させることができる。すなわち、実施例は、第2半導体素子1320に提供される電源の不足問題を解決することができる。さらに、実施例は、前記第2半導体素子1320の電源信号、電力、および通信信号のうち少なくとも一つが前記導電性結合部1450と第2接続部1420を介して互いに異なる経路を介して提供されるようにすることができる。これを通じて、実施例は、前記電源信号によって前記通信信号の損失が発生する問題を解決することができる。例えば、実施例は、電源信号の通信信号間の相互干渉を最小限に抑えることができる。
【0134】
一方、第6実施例における前記第2半導体素子1320は、複数のパッケージ基板が積層された形状のPOP(Package On Package)構造を有して第1基板1100上に配置され得る。例えば、前記第2半導体素子1320は、メモリチップを含むメモリパッケージであり得る。そして、前記メモリパッケージは、前記導電性結合部1450上に結合され得る。このとき、前記メモリパッケージは、前記第1半導体素子1310とは連結されないことがある。
【0135】
図2gを参照すると、第7実施例の半導体パッケージは、第1基板1100、第1接続部1410、半導体素子1300、および第3接続部1430を含むことができる。
【0136】
このとき、第7の実施例の半導体パッケージは、第4実施例の半導体パッケージと比較して、連結部材1110が省略されており、前記第1基板1100が複数の基板層を含む点で違いを有することができる。
【0137】
前記第1基板1100は、複数の基板層を含むことができる。例えば、第1基板1100は、パッケージ基板に対応する第1基板層1100Aと、連結部材に対応する第2基板層1100Bとを含むことができる。
【0138】
言い換えれば、第7実施例の半導体パッケージは、、
図2aに開示された第1基板(パッケージ基板1100)と第2基板(インターポーザ1200)が一体に形成された第1基板層1100Aおよび第2基板層1100Bを含むことができる。前記第2基板層1100Bの絶縁層の物質は、第1基板層1100Aの絶縁層の物質と異なり得る。例えば、第2基板層1100Bの絶縁層の物質は、光硬化性物質を含むことができる。例えば、前記第2基板層1100Bは、PID(Photo Imageable Dielectric)であり得る。そして、前記第2基板層1100Bは、光硬化性物質を含むことによって電極の微細化が可能であり得る。したがって、第7実施例は、第1基板層1100A上に光硬化性物質の絶縁層を順に積層し、前記光硬化性物質の絶縁層上に微細化された電極を形成することにより、第2基板層1100Bを形成することができる。これを通じて、前記第2基板1100Bは、微細化された電極を含む再配線層の機能を含むことができ、複数の半導体素子1310、1320を水平に連結する機能を含むことができる。
【0139】
実施例の回路基板の説明に先立ち、後述する回路基板は、以前の半導体パッケージに含まれた複数の基板のうちいずれか一つの基板を意味することができる。例えば、後述する回路基板は、第1~第7実施例の半導体パッケージに備えられた第1基板1100および第2基板1200のうちいずれか一つを意味することができる。
【0140】
-回路基板-
図3aは,第1実施例に係る回路基板を示す図であり、
図3bは,
図3aの回路基板の一領域を拡大した拡大図であり、
図3cは,
図3bの回路基板の第1変形例を示す図であり,
図3dは,
図3bの回路基板の第2変形例を示す図であり、
図3eは,
図3bの回路基板の第3変形例を示す図であり、
図3fは,
図3bの回路基板の第4変形例を示す図である。
【0141】
以下、
図3a~
図3fを参照して第1実施例に係る回路基板について具体的に説明する。
【0142】
図3a~
図3fを参照すると、回路基板は、絶縁層110、回路パターン層、ビア、およびバンプなどの金属層を含むことができる。このとき、第1実施例における回路基板は、チップや外部基板との接合のために、回路パターン層のパッド上にバンプが配置された構造を有することができる。これにより、第1実施例における第1金属層は、パッドを意味することができ、第2金属層は、バンプを意味することができる。以下では、第1金属層をパッドと指称し、第2金属層をバンプと指称して説明する。
【0143】
例えば、絶縁層110は、第1絶縁層111、第2絶縁層112、および第3絶縁層113を含むことができる。このとき、図面上では、前記回路基板が絶縁層の層数を基準に3層構造を有するものとして示したが、これに限定されない。例えば、前記回路基板は、絶縁層の層数を基準に2層以下の構造を有することができる。例えば、回路基板は、絶縁層の層数を基準に1層の単層構造を有することができる。例えば、回路基板は、絶縁層の層数を基準に4層以上の構造を有することができる。
【0144】
例えば、前記第1絶縁層111は、多層構造において、第1最外郭に配置された第1最外郭絶縁層であり得る。例えば、第1絶縁層111は、回路基板の最上側に配置された絶縁層であり得る。第2絶縁層112は、多層構造の回路基板において内側に配置された内側絶縁層であり得る。第3絶縁層113は、多層構造において第2最外郭に配置された第2最外郭絶縁層であり得る。例えば、第3絶縁層113は、回路基板の最下側に配置された絶縁層であり得る。そして、前記内側絶縁層は、1層で構成されるものとして示したが、これに限定されない。例えば、前記回路基板が絶縁層の層数を基準に4層以上の構造を有する場合、前記内側絶縁層は、2層以上で構成され得る。
【0145】
絶縁層110は、配線を変更できる電気回路が編成されている基板であって、表面に回路パターンを形成できる絶縁材料で作られたプリント、配線板、および絶縁基板をすべて含むことができる。
【0146】
例えば、絶縁層110のうち少なくとも一つは、リジッド(rigid)またはフレキシブル(flexible)であり得る。例えば、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、ガラスまたはプラスチックを含むことができる。詳細には、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、ソーダライムガラス(soda lime glass)またはアルミノシリケートガラスなどの化学強化/半強化ガラスを含むか、ポリイミドPI(Polyimide)、ポリエチレンテレフタレートPET(polyethylene terephthalate)、プロピレングリコールPPG(propylene glycol)、ポリカーボネート(PC)などの強化或は延性プラスチックを含むか、サファイアを含むことができる。
【0147】
また、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、光等方性フィルムを含むことができる。一例として、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、COC(Cyclic Olefin Copolymer)、COP(Cyclic Olefin Polymer)、光等方性ポリカーボネートPC(polycarbonate)または光等方性ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含むことができる。
【0148】
また、絶縁層110のうち少なくとも一つは、無機フィラーおよび絶縁樹脂を含む材料で形成され得る。例えば、絶縁層110を構成する材料として、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂とともにシリカ、アルミナなどの無機フィラーなどの補強材が含まれた樹脂、具体的にはABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)、PID(Photo Imagable Dielectric resin)、BTなどが使用され得る。
【0149】
また、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、部分的に曲面を有して曲がることがある。即ち、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、部分的には平面を有し、部分的には曲面を有して曲がることがある。詳細には、前記絶縁層110のうち少なくとも一つは、終端が曲面を有して曲がるか、ランダムな曲率を含む表面を有して曲がるか折曲がることがある。
【0150】
絶縁層110の表面には、回路パターン層が配置され得る。
【0151】
例えば、第1絶縁層111の第1面または上面には、第1回路パターン層120が配置され得る。例えば、第1絶縁層111の第2面または下面と第2絶縁層112の第1面または上面との間には、第2回路パターン層130が配置され得る。例えば、第2絶縁層112の第2面または下面と第3絶縁層113の第1面または上面との間には、第3回路パターン層140が配置され得る。例えば、第3絶縁層113の第2面または下面には、第4回路パターン層150が配置され得る。前記第1回路パターン層120は、回路基板の第1最外郭または最上側に配置された回路パターン層であり得る。そして、第2回路パターン層130および第3回路パターン層140は、回路基板の内側に配置された内側回路パターン層であり得る。また、第4回路パターン層150は、回路基板の第2最外郭または最下側に配置された回路パターン層であり得る。
【0152】
前記第1回路パターン層120、第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、電気信号を伝達する配線であって、電気伝導性の高い金属物質で形成され得る。このために、前記第1回路パターン層120、第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、および亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも一つの金属物質で形成され得る。また、前記第1回路パターン層120、第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、ボンディング力に優れる金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、チタン(Ti)、錫(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)のうちから選択される少なくとも一つの金属物質を含むペーストまたはソルダーペーストで形成され得る。好ましくは、前記第1回路パターン層120、第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、電気伝導性が高く、かつ価格が比較的安価な銅(Cu)で形成され得る。
【0153】
前記第1回路パターン層120、第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、通常の回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトラクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、およびSAP(Semi Additive Process)工法などで可能であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0154】
前記第1回路パターン層120は、5μm~30μmの範囲の厚さを有することができる。例えば、第1回路パターン層は、6μm~25μmの範囲の厚さを有することができる。前記第1回路パターン層は、7μm~20μmの範囲の厚さを有することができる。前記第1回路パターン層120の厚さが5μm未満の場合には、回路パターンの抵抗が増加し、これによる信号伝送効率が減少することがある。例えば、前記第1回路パターン層120の厚さが5μm未満の場合には、信号伝送損失が増加するころがある。例えば、前記第1回路パターン層120の厚さが30μmを超える場合には、前記第1回路パターン層120のトレース120Tの線幅が増加し、これによる回路基板の全体的な体積が増加することがある。
【0155】
第2回路パターン層130、第3回路パターン層140、および第4回路パターン層150は、それぞれ前記第1回路パターン層120が有する厚さに対応する厚さを有することができる。
【0156】
一方、前記第1~第4回路パターン層120、130、140、150のそれぞれは、トレースおよびパッドを含む。
【0157】
トレースは、電気信号を伝達する長いライン形状の配線を意味する。そして、前記パッドは、チップなどの部品が実装される実装パッドであるか、外部ボードとの連結のためのコアパッドまたはBGAパッドであるか、ビアと連結されるビアパッドを意味することができる。
【0158】
前記絶縁層110には、ビアが形成され得る。前記ビアは、前記絶縁層110を貫通して形成され、これにより互いに異なる層に配置された回路パターン層間を電気的に連結することができる。
【0159】
例えば、前記第1絶縁層111には、第1ビアV1が形成され得る。前記第1ビアV1は、前記第1絶縁層111を貫通し、これにより前記第1回路パターン層120と前記第2回路パターン層130とを電気的に連結することができる。
【0160】
例えば、前記第2絶縁層112には、第2ビアV2が形成され得る。前記第2ビアV2は、前記第2絶縁層112を貫通し、これにより前記第2回路パターン層130と前記第3回路パターン層140とを電気的に連結することができる。このとき、前記第2絶縁層112は、コア層であり得る。そして、前記第2絶縁層112がコア層である場合、前記第2ビアV2は、砂時計形状を有することができるが、これに限定されない。例えば、実施例の回路基板がコアレス基板である場合、前記第2ビアV2は、第1ビアV1または第2ビアV2と同じ形状を有することができる。
【0161】
例えば、前記第3絶縁層113には、第3ビアV3が形成され得る。前記第3ビアV3は、前記第3絶縁層113を貫通し、これにより前記第3回路パターン層140と第4回路パターン層150とを電気的に連結することができる。
【0162】
上記のようなビアV1、V2、V3は、それぞれの絶縁層内に形成された貫通孔の内部を金属物質で充填して形成され得る。前記貫通孔は、機械、レーザー、および化学加工のうちいずれか一つの加工方式によって形成され得る。前記貫通孔が機械加工によって形成される場合には、ミーリング(Milling)、ドリル(Drill)、およびルーティング(Routing)などの方式を使用することができ、レーザー加工によって形成される場合には、UVやCO2レーザー方式を使用することができ、化学加工によって形成される場合には、アミノシラン、ケトン類などを含む薬品を用いて絶縁層110を開放することができる。
【0163】
前記貫通孔が形成されると、前記貫通孔の内部を導電性物質で充填して前記ビアV1、V2、V3を形成することができる。前記ビアV1、V2、V3は、銅(Cu)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、およびパラジウム(Pd)のうちから選択されるいずれか一つの金属物質で形成され得る。また、前記導電性物質の充填は、無電解めっき、電解めっき、スクリーン印刷(Screen Printing)、スパッタリング(Sputtering)、蒸発法(Evaporation)、インクジェットティング、およびディスフェンシングのうちいずれか一つまたはこれらの組み合わせた方式を用いることができる。
【0164】
一方、前記第1絶縁層111の第1面または上面上には、第1保護層160が配置され得る。前記第1保護層160は、ソルダーレジストを含むことができる。前記第1保護層160は、前記第1回路パターン層120と垂直に重なる溝部(後述)を含むことができる。例えば、前記第1回路パターン層120は、第1実施例の第2金属層に対応するバンプ180が配置されるパッド(例えば、第1金属層)を含むことができる。そして、前記第1保護層160は、前記第1回路パターン層120のパッドと垂直に重なる溝部を含むことができる。このとき、本願の回路基板の実施例は、回路基板の第1保護層が有する溝部の形状に応じて区分され得る。また、本願の回路基板の実施例は、前記第1保護層の溝部内に配置される第2金属層の種類に応じて区分され得る。例えば、前記第1保護層が有する溝部は、第1~第3タイプに区分され得る。また、前記第1保護層の溝部内に配置される第2金属層は、バンプと表面処理層とに区分され得る。これについては、以下でより詳細に説明する。一方、前記表面処理層は、上部金属層と言える。さらに、前記バンプは、第3絶縁層113上に配置された構造を有するものとして示したが、これに限定されない。例えば、前記バンプの少なくとも一部は、前記第3絶縁層113に埋め込まれることがあり、残りの一部は、前記バンプ上に突出し得る。
【0165】
また、前記第3絶縁層113の第2面上には、第2保護層170が配置され得る。前記第2保護層170は、ソルダーレジストを含むことができる。前記第2保護層170は、前記第4回路パターン層150のパッド(図示せず)と垂直に重なることがある。
【0166】
一方、
図3bを参照すると、第1実施例における第1保護層160は、段差構造を有することができる。例えば、前記第1保護層160は、前記第1絶縁層111の上面に配置される第1部分161と、前記第1部分161上に配置される第2部分162とを含むことができる。
【0167】
前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1絶縁層111の上面と接触することがある。また、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の側面の一部と接触することがある。また、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の上面と接触することがある。
【0168】
具体的には、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の厚さよりも大きくてもよい。これにより、前記第1保護層160の第1部分161の上面は、前記第1回路パターン層120の上面よりも高く位置することができる。
【0169】
これにより、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の上面の少なくとも一部を覆うことができる。
【0170】
前記第1保護層160の第2部分162は、前記第1保護層160の第1部分161上に配置され得る。このとき、前記第1保護層160の第2部分162の面積は、前記第1保護層160の第1部分161の面積よりも小さくてもよい。これにより、前記第1保護層160の第1部分161の上面は、前記第1保護層160の第2部分162と垂直に重なる重畳領域と、前記第1保護層160の第2部分162と垂直に重ならない非重畳領域とを含むことができる。
【0171】
前記第1保護層160の第1部分161は、第1溝部161Oを含むことができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120と垂直に重なる第1溝部161Oを含むことができる。具体的には、前記第1回路パターン層120は、パッドを含む。例えば、前記第1回路パターン層120は、第1パッド120P1および第2パッド120P2を含むことができる。そして、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1および第2パッド120P2とそれぞれ垂直に重なる第1溝部161Oを含むことができる。以下では、前記第1パッド120P1を中心に形成される前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oおよび第2部分162の第2溝部162Oについて説明する。ただし、前記第1パッド120P1を基準に形成される前記第1溝部161Oおよび前記第2溝部162Oは、前記第1回路パターン層120の第2パッド120P2上にも同一に形成され得る。
【0172】
前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも小さくてもよい。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の15%~95%の範囲を満足することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の20%~90%の範囲を満足することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の25%~85%の範囲を満足することができる。
【0173】
前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の15%未満であると、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1とバンプ180との電気的連結性が低下することがある。具体的には、前記バンプ180は、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161O内に配置され得る。これにより、前記バンプ180の下面は、前記第1溝部161Oの幅W2に対応する幅を有することができる。このとき、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の15%未満であると、前記バンプ180と前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1との接触面積が減少し、これにより、前記バンプ180が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1から分離または脱落する物理的信頼性の問題が発生することがある。また、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の15%未満であると、前記バンプ180と前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1との幅の差により、前記バンプ180と前記第1回路パターン層120第1パッド120P1との間で伝達される信号の抵抗が増加し、これによる信号損失が増加することがある。
【0174】
また、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の95%を超えると、回路ショートなどの信頼性の問題が発生することがある。具体的には、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oは、露光および現像工程を通じて形成される。このとき、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2が前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の95%を超える場合、前記露光および現像工程における工程偏差によって、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも前記第1溝部161Oの幅が大きくなるという問題が発生することがある。そして、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも前記第1溝部161Oの幅が大きくなる場合、第1実施例に係るSMDタイプの第1保護層160を提供できないことがある。また、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも前記第1溝部161Oの幅が大きくなる場合、前記第1溝部161O内に配置される前記バンプ180が前記第1パッド120P1と隣接する第1回路パターン層120のトレース120Tと接触し、これによる回路ショートなどの電気的信頼性の問題が発生することがある。
【0175】
これにより、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1の15%~95%の範囲を満足することができる。
【0176】
一方、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さよりも大きい。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの105%~180%の範囲を有することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの110%~170%の範囲を有することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの115%~165%の範囲を有することができる。前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1保護層160の第1部分161の下面から上面までの垂直距離を意味することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1絶縁層111の上面から前記第1保護層160の第1部分161の上面までの垂直距離を意味することができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の下面から前記第1保護層160の第1部分161の上面までの垂直距離を意味することができる。また、前記第1回路パターン層120の厚さは、前記第1回路パターン層120の下面から上面までの垂直距離を意味することができる。
【0177】
前記第1保護層160の第1部分161の厚さが、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの105%未満であると、後述する前記バンプ180第2パート182の下面と前記第1回路パターン層120のトレース120Tとの間の距離が減少し、これによる相互信号干渉が発生することがある。例えば、前記第1保護層160の第1部分161の厚さが前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの105%未満であると、前記バンプ180と前記トレース120Tとの間の信号干渉によって、前記バンプ上に実装されるチップの動作性能に問題が発生することがある。
【0178】
また、前記第1保護層160の第1部分161の厚さが前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの180%を超えると、前記第1保護層160の第1部分161の厚さに対応してバンプ180の厚さも増加し、これによる回路基板の全体的な厚さが増加することがある。
【0179】
これにより、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の厚さの105%~180%の範囲を有するようにする。
【0180】
一方、前記第1保護層160の第1部分161は、複数の単位部分に区分され得る。例えば、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1部分161上に配置され、前記第1回路パターン層120の側面を覆う第1-1部分と、前記第1-1部分上に配置され、前記第1溝部161Oを含む第1-2部分とに区分され得る。そして、前記第1-2部分の少なくとも一部は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1上に配置され得る。一方、前記第1回路パターン層120は、前記第1保護層160の第1-1部分を貫通することができる。例えば、前記第1保護層160の第1-1部分は、前記第1回路パターン層120が貫通する貫通孔に対応する溝部(図示せず)を含むことができる。
【0181】
上述したように、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも小さい幅W2を有する。これにより、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の上面の少なくとも一部を覆うことができる。例えば、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の上面のうち縁領域を覆うことができるが、これに限定されない。これにより、前記第1保護層160の第1部分161は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1と垂直に重なる重畳領域と、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1と垂直に重ならない非重畳領域とを含むことができる。
【0182】
一方、上述したように、前記第1回路パターン層120は、第1パッド120P1および第2パッド120P2に加えて、トレース120Tを含む。そして、前記第1保護層160の第1部分161の厚さは、前記第1回路パターン層120の厚さよりも大きい。これにより、前記第1回路パターン層120のトレース120Tは、前記第1絶縁層111の上面に配置される前記第1保護層160の第1部分161で覆われ得る。
【0183】
前記第1保護層160は、前記第1部分161上に配置される第2部分162を含む。
【0184】
前記第1保護層160の第2部分162は、第2溝部162Oを含む。前記第1保護層160の第2部分162の第2溝部162Oは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1と垂直に重なることがある。また、前記第1保護層160の第2部分162の第2溝部162Oは、前記第1部分161の第1溝部161Oと垂直に重なることがある。
【0185】
このとき、前記第1保護層160の第2部分162の第2溝部162Oの幅W3は、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161Oの幅W2よりも大きくてもよい。また、前記第1保護層160の第2部分162の第2溝部162Oの幅W3は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも大きくてもよい。ただし、実施例はこれに限定されない。例えば、前記第2溝部162Oの幅W3は、前記第1パッド120P1の幅W1と同じ幅を有することができる。すなわち、第1比較例におけるSMDタイプの溝部を含む保護層の構造において、バンプの上面の幅は、パッドの幅よりも小さい幅を有するしかない。これとは異なり、第1実施例は、前記バンプ180の上面の幅を少なくとも前記第1パッド120P1の幅と同じ幅まで増加させることができるが、さらに、前記第1パッド120P1の幅よりも大きい幅を有するようにすることもできる。ただし、第1実施例は、回路基板の厚さを増加させずに、回路基板の物理的および電気的信頼性に影響を与えずに、前記第1バンプ180の上面の幅を最大限に増加させることができる構造を提供する。これにより、前記第2溝部162Oの幅は、前記第1パッド120P1の幅よりも大きい幅を有する。これを通じて、実施例におけるバンプ180の上面の幅は、前記第1パッド120P1の幅よりも大きい幅を有することができる。
【0186】
例えば、前記第2溝部162Oの幅W3は、前記第1パッド120P1の幅W1の102%~130%の範囲を有することができる。例えば、前記第2溝部162Oの幅W3は、前記第1パッド120P1の幅W1の105%~130%の範囲を有することができる。前記第2溝部162Oの幅W3は、前記第1パッド120P1の幅W1の102%~130%の範囲を有することができる。前記第2溝部162Oの幅W3が前記第1パッド120P1の幅の102%未満であると、第1実施例に係るバンプ180の上面の幅を増加させることにより発生するソルダーとの接触面積の増加効果が不十分であり得る。また、前記第2溝部162Oの幅W3が前記第1パッド120P1の幅W1の130%を超えると、物理的信頼性の問題が発生するか、回路基板の幅方向または長手方向へのサイズが増加することがある。例えば、バンプ180は、前記第2溝部162O内に配置される。これにより、前記バンプ180は、前記第1パッド120P1上に配置される第1バンプと、第2パッド120P2上に配置される第2バンプとを含むことができる。このとき、前記第1パッド120P1は、前記第2パッド120P1と隣接して配置され得る。これにより、前記第1バンプも前記第2バンプに隣接して配置され得る。そして、前記第2溝部162Oの幅W3が前記第1パッド120P1の幅W1の130%を超えると、前記第2溝部162O内に配置される第1バンプと第2バンプとの間の距離が近すぎることがあり、これによる相互間の信号干渉が発生することがある。また、前記第2溝部162Oの幅W3が前記第1パッド120P1の幅W1の130%を超えると、前記第1バンプと第2バンプとの間のピッチによって、前記第1バンプと第2バンプとが互いに連結され得、これによる回路ショートなどの電気的信頼性の問題が発生することがある。また、前記第2溝部162Oの幅W3が前記第1パッド120P1の幅W1の130%を超えると、上記のような第1バンプと第2バンプとの間の回路ショートの問題を解決するために、前記第1バンプと第2バンプとの間のピッチを増加させなければならず、これによる回路基板のサイズが大きくなることがある。
【0187】
上記のように、第1実施例は、第1保護層160に段差を有する溝部を形成する。例えば、第1保護層160は、第1部分161および第2部分162を含む。そして、前記第1保護層160の第1部分161は、第1溝部161Oを含む。また、前記第1保護層160の第2部分162は、前記第1溝部161Oよりも大きい幅を有する第2溝部162Oを含む。
【0188】
一方、第1実施例の回路基板は、前記第1保護層160の溝部内に配置されるバンプ180を含む。前記バンプ180は、前記第1保護層160の溝部を充填して形成され得る。前記バンプ180の下面は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1と接触することがある。また、前記バンプ180の上面は、前記第1保護層160の溝部と垂直に重なり、それにより回路基板の上側に露出し得る。例えば、前記第1保護層160の第2部分162は、前記バンプ180と垂直に重ならないことがある。これにより、前記バンプ180の上面は、回路基板の上側に露出され、これによりチップが実装される実装部として利用されるか、または外部基板が接合される端子部として利用され得る。
【0189】
前記バンプ180は「T」字形状を有することができる。例えば、バンプ180は、前記第1保護層160の第1部分161の第1溝部161O内に配置される第1パート181を含む。また、前記バンプ180は、前記第1保護層160の第2部分162の第2溝部162O内に配置される第2パート182を含む。
【0190】
前記バンプ180の第1パート181は、前記第1溝部161Oの幅W2に対応する幅を有することができる。例えば、前記バンプ180の第1パート181は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1の幅W1よりも小さい幅を有することができる。これにより、前記第1パート181は、前記第1パッド120P1の一部と垂直に重なることがある。例えば、前記第1パッド120P1は、前記バンプ180の第1パート181と垂直に重なる重畳領域と、前記バンプ180の第1パート181と垂直に重ならない非重複領域とを含むことができる。
【0191】
前記バンプ180の第2部分182は、前記バンプ180の第1部分181上に配置され得る。このとき、前記バンプ180の第1パート181および第2パート182は、説明の便宜のために区分したものに過ぎず、実質的に、これは一体に形成され得る。
【0192】
前記バンプ180の第2パート182は、前記第2溝部162Oの幅W3に対応する幅を有することができる。例えば、前記バンプ180の第2部分182は、前記バンプ180の第1部分181よりも大きい幅を有することができる。これにより、前記バンプ180の第2パート182は、前記バンプ180の第1パート181と垂直に重なる重畳領域と、前記バンプ180の第1パート181と垂直に重ならない非重畳領域とを含むことができる。また、前記バンプ180の第2パート182は、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1よりも大きい幅を有することができる。これにより、前記バンプ180の第2パート182は、前記第1パッド120P1と垂直に重なる重畳領域と、前記第1パッド120P1と垂直に重ならない非重畳領域とを含むことができる。
【0193】
これにより、互いに隣接する複数のバンプ間の間隔D2は、互いに隣接する複数のパッド間の間隔D1よりも小さくてもよい。
【0194】
例えば、第1回路パターン層120は、互いに隣接する第1パッド120P1および第2パッド120P2を含む。また、前記バンプ180は、前記第1パッド120P1上に配置される第1バンプと、前記第2パッド120P2上に配置される第2バンプとを含む。
【0195】
このとき、前記互いに隣接する第1パッド120P1と第2パッド120P2との間の間隔D1は、前記第1バンプと第2バンプとの間の間隔D2よりも大きくてもよい。例えば、前記第1バンプの第2パートと前記第2バンプの第2パートとの間の間隔D2は、前記第1パッド120P1と第2パッド120P2との間の間隔D1よりも大きくてもよい。
【0196】
ここで、第1バンプと第2バンプとの間のピッチは、前記第1パッド120P1と第2パッド120P2との間のピッチに対応する。例えば、第1実施例における前記バンプ180の第2パート182の幅W3は、第1回路パターン層120の第1パッド120P1と第2パッド120P2との間のピッチに影響を与えない範囲内で比較例に比べて増加することがある。これを通じて、実施例は、前記バンプ180を用いてソルダーとの接合面積を増加させることができ、これによる前記ソルダーとの接合力を向上させることができる。例えば、実施例は、前記第1パッド120P1の幅よりも大きい幅を有するバンプ180の第2パート182を用いて、前記ソルダーとの接合面積を増加させることができ、これによる接合力を向上させることができる。このとき、実施例における前記バンプ180の第2パート182は、前記第1保護層160の上面の上に突出しておらず、前記第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oに配置される構造を有する。これにより、実施例は、回路基板の厚さの増加なしに前記バンプとソルダーとの接合面積を増加させることができる。
【0197】
一方、
図3bには示さなかったが、前記バンプ180の第1パート181および第2パート182は、それぞれ複数の層構造を有することができる。例えば、前記バンプ180は、前記第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oの内壁に無電解めっきを行ってシード層(図示せず)形成し、前記シード層を用いて電解めっきを行って形成された電解めっき層を含むことができる。例えば、前記シード層は、前記第1溝部161Oの内壁および第2溝部162Oの内壁に形成され得る。そして、前記電解めっき層は、前記第1溝部161Oおよび第2溝部162Oを充填して前記シード層上に形成され得る。
【0198】
一方、
図3bにおける第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oは、垂直断面の形状がそれぞれ四角形状を有した。例えば、
図3bにおける第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oの垂直断面は、上部幅および下部幅が同じ四角形状を有した。例えば、
図3bにおける第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oは、それぞれ上部幅および下部幅が同じ柱形状を有した。
【0199】
このとき、前記第1溝部161Oおよび第2溝部162Oは、前記第1保護層160の露光工程および現像工程を通じて形成される。
【0200】
これにより、
図3cのように、第前記1溝部161Oと第2溝部162Oの垂直断面は、上部幅と下部幅とが互いに異なる台形状を有することができる。例えば、前記第1溝部161Oは、前記第1保護層160の第1部分161の上面から下面に向かうほど幅が徐々に減少する傾斜を有することができる。例えば、前記第1溝部161Oは、上部幅が下部幅よりも大きい台形状を有することができる。また、第2溝部162Oは、前記第1保護層160の第2部分162の上面から下面に向かうほど幅が徐々に減少する傾斜を有することができる。例えば、前記第2溝部162Oは、上部幅が下部幅よりも大きい台形状を有することができる。このとき、前記第2溝部162Oが有する傾斜は、前記第1溝部161Oが有する傾斜と同じでもよく、これとは異なり、互いに異なってもよい。
【0201】
また、バンプ180は、第1溝部161O内に配置される第1パート181および第2溝部162O内に配置される第2パート182を含む。これにより、前記バンプ180の第1パート181は、前記第1溝部161Oに対応する形状を有することができる。例えば、前記バンプ180の第1パート181の垂直断面の形状は、上面の幅が下面の幅よりも大きい台形状を有することができる。例えば、前記バンプ180の第2パート182の垂直断面の形状は、上面の幅が下面の幅よりも大きい台形状を有することができる。
【0202】
このとき、
図3cのように、前記第1溝部161Oおよび前記バンプ180の第1パート181の垂直断面の形状が台形状を有する場合、前記第1溝部161Oの幅および前記バンプ180の第1パート181幅は、全領域のうち最大幅を有する領域の第1幅、最小幅を有する領域の第2幅、および全領域の第1平均幅のうちいずれか一つを意味することができる。
【0203】
また、第2溝部162Oおよびバンプ180の第2パート182の垂直断面の形状が台形状を有する場合、前記第2溝部162Oの幅および前記バンプ180の第2パート182の幅は、全領域のうち最大幅を有する領域の第3幅、最小幅を有する領域の第4幅、および全領域の第2平均幅のうちいずれか一つを意味することができる。
【0204】
一方、
図3dを参照すると、バンプ180の最下面は、前記第1パッド120P1の最上面よりも低く位置することができる。
【0205】
例えば、前記バンプ180の形成工程は、前記第1絶縁層111上に第1回路パターン層120を形成する第1工程、前記第1回路パターン層120上に第1部分161および第2部分162を含む第1保護層160を形成する第2工程、前記第1保護層160の第2部分162に第2溝部162Oを形成する第3工程、前記第1保護層160の第1部分161に第1溝部161Oを形成する第4工程、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1パッド120P1の上面をエッチングする第5工程、および前記第1溝部161Oと前記第2溝部162Oとを充填するバンプ180を形成する第6工程を含む。
【0206】
このとき、前記第5工程は、前記第1溝部161Oが形成された後に、前記第1パッド120P1の上面に前記第1保護層160の残骸が残ることがあり、これにより、前記第1溝部161Oと垂直に重なる前記第1パッド120P1の上面をエッチングして前記残骸を除去する工程を意味する。このとき、前記第5工程を行うことによって、前記第1パッド120P1の上面には、凹部(
図12gの120r参照)が形成される。
【0207】
一実施例では、前記凹部120rは、前記第1パッド120P1の上面のうち溝部を介して露出される領域と垂直に重なる領域に形成される。例えば、前記第1パッド120P1の上面に第1溝部161Oが配置された場合、前記凹部120rは、前記パッド120P1の上面のうち第1溝部161Oを介して露出される領域(例えば、第1溝部と垂直に重なる領域)と垂直に重なる領域に形成される。すなわち、前記凹部120rは、前記第1パッド120P1の上面のうち前記第1溝部161Oと垂直に重なる領域に形成される。一方、本実施例はこれに限定されず、前記第1パッド120P1の上面に第2溝部162Oが直接配置される場合、前記凹部120rは、前記パッド120P1の上面のうち第2溝部162Oを介して露出される領域と垂直に重なる領域に形成される。
【0208】
このとき、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1パッド120P1の上面をエッチング液を用いてエッチングする場合、前記エッチング液は、前記第1溝部161Oと垂直に重ならない第1パッド120P1の上面に浸透することがある。例えば、前記エッチング液は、前記第1保護層160の第1部分161の下面と前記第1パッド120P1の上面との間の領域(例えば、前記第1パッドの上面のうち前記第1保護層の第1パートで覆われた領域)に浸透することがあり、これにより、前記第1パッド120P1の上面のうち前記第1溝部161Oと重ならない領域にも形成され得る。すなわち、前記凹部120rは、前記第1パッド120P1の上面のうち溝部(実施例により、第1溝部161Oまたは第2溝部162O)を介して露出される領域と垂直に重ならない領域に形成される。
【0209】
例えば、前記凹部120rは、前記第1パッド120P1の上面のうち前記第1溝部161Oと垂直に重なる領域に形成された第1凹部分と、前記第1凹部分と連結され、第1溝部161Oと垂直に重ならない領域に形成される第2凹部分とを含むことができる。そして、前記凹部120rの第2凹部分を介して、前記第1パッド120P1の上面と前記第1保護層160の第1部分161の下面との間は離隔し得る。
【0210】
一方、前記バンプ180は、前記第1パッド120P1の凹部120rを充填して形成され得る。例えば、前記バンプ180は、前記第1パート181と前記第1パッド120P1との間に形成される第3パート180rをさらに含むことができる。
【0211】
例えば、前記バンプ180の第3パート180rは、前記第1パッド120P1の上面に凹んだ部分である凹部120rを充填して形成され得る。
【0212】
このとき、前記バンプ180の第3パート180rは、前記バンプ180の第1パート181よりも大きい幅を有することができる。例えば、前記バンプ180の第3パート180rは、前記第1パート181と垂直に重なる第3-1パート180r1と、前記第1パート181と垂直に重ならない第3-2パート180r2とを含むことができる。そして、前記第3-2パート180r2は、前記バンプ180の第2パート182と垂直に重なることがある。
【0213】
一方、
図3eを参照すると、
図3bのバンプ180に比べて、バンプ180の第2パートの幅をさらに増加させることができる。このとき、
図3eの説明において、
図3bと実質的に同一の部分については、その説明を省略する。
図3eの回路基板は、
図3bの回路基板に比べて、第1保護層の第2パートに形成される第2溝部の幅と、前記第2溝部を充填するバンプの第2パートの幅とに差がある。
【0214】
図3eを参照すると、前記第1保護層160aの第2部分162aは、第2溝部162Oaを含むことができる。そして、前記第2溝部162Oaは、
図3bの第2溝部162Oよりも大きくてもよい。
【0215】
また、バンプ180aは、前記第2部分162aの第2溝部162Oa内に配置される第2パート182aを含む。そして、前記第2パート182aは、
図3bの第2パート182よりも大きい幅を有することができる。
【0216】
一方、第1回路パターン層120は、互いに隣接して配置された第1パッド120P1および第2パッド120P2を含み、前記第1パッド120P1と第2パッド120P2との間に配置されるトレース120Tを含むことができる。
【0217】
このとき、
図3eの構造では、前記バンプ180aの第2パート182aの幅をさらに増加させることができ、これにより前記バンプ180aの少なくとも一部が前記第1回路パターン層120のトレース120Tと垂直に重なる構造を有することができる。
【0218】
例えば、バンプ180aの第2パート182aは、前記第1回路パターン層120の第1パッド120P1と垂直に重なる重畳領域および前記第1パッド120P1と垂直に重ならない非重複領域を含む。そして、前記バンプ180aの第2パート182aの非重畳領域は、垂直に前記第1パッド120P1と隣接して配置されたトレース120Tと垂直に重なる重畳領域OR1を含むことができる。上記のように、実施例は、前記トレース120Tと垂直に重なる領域まで前記バンプ180aの第2部分182aの幅を増加させることができ、これによる前記第2部分182a上に配置されるソルダーとの接合面積をさらに増加させることができる。
【0219】
一例として、前記トレース120Tは、前記第1パッド120P1と第2パッド120P2との間で、前記第1パッド120P1および第2パッド120P2と一定間隔で離隔して配置され得る。そして、前記バンプ180aの第2パート182aは、前記トレース120Tと垂直に重なる重畳領域OR1を含むことができる。
【0220】
一方、
図3fを参照すると、実施例では、ソルダーとの接合面積を増加させるための前記バンプ180の幅を増加させながら、製造工程を簡素化することができる。
【0221】
このとき、
図3bの回路基板と実質的に同一の部分については、その詳細な説明は省略する。
【0222】
図3fを参照すると、実施例における溝部は、第1保護層160の第2部分162にのみ形成され得る。
【0223】
例えば、
図3bで説明した実施例の第1溝部161Oは、省略され得る。これにより、バンプ180の第1パート181も省略され得る。
【0224】
これにより、前記第1保護層160は、第2溝部162Oを含む。前記第2溝部162Oは、前記パッド120P1の幅よりも大きい幅を有することができる。また、第2溝部162Oの底面は、前記パッド120P1の上面よりも高くなくてもよい。例えば、第2溝部162Oの底面は、前記パッド120P1の上面と同一平面上に位置するか、前記パッド120P1の上面よりも低く位置することができる。
【0225】
これにより、実施例における前記バンプ180の第2パート182は、前記パッド120P1の幅よりも大きい幅を有して、前記パッド120P1上に直接配置され得る。これを通じて、実施例は、前記第1保護層160に段差を有する溝部を形成する工程で、一つの溝部のみを形成すればよく、これによる製造工程を簡素化することができる。さらに、実施例は、前記バンプ180が第2部分182のみを含むので、前記バンプ180の厚さを減少させることができ、さらに回路基板の全体的な厚さを減らすことができる。
【0226】
ただし、
図3fの場合、前記バンプ180の第2部分182は、前記パッドと隣接するトレースの上面と同一平面上に位置するか、またはそれより低く位置することができる。これにより、前記パッドとトレースとの間の間隔は、前記バンプ180の第2部分182が有する幅を基準に決定することができる。
【0227】
以下、本願の第2実施例について説明する。このとき、第2実施例の回路基板において、全体的な構造は、
図3aに示す第1実施例の回路基板と同一である。具体的には、第2実施例の回路基板は、第1実施例の回路基板と比較して、回路基板の最上軸に配置された第1保護層の溝部の構造と、前記溝部内に配置されるバンプの構造とにおいて違いがある。
【0228】
図4aは,第2実施例に係る回路基板を示す図であり、
図4bは,
図4aの回路基板の変形例を示す図である。
【0229】
図4aを参照すると、第2実施例の回路基板は,第1絶縁層211を含む。前記第1絶縁層211は、
図3aの第1絶縁層111と実質的に同一であり、これにより、その詳細な説明は省略する。
【0230】
また、第2実施例の回路基板は、前記第1絶縁層211の上面に配置された第1回路パターン層を含む。前記第1回路パターン層は、第1パッド220P1、第2パッド220P2、およびトレース220Tを含むことができる。
【0231】
一方、第2実施例の回路基板は、第1絶縁層211の上面に配置される第1保護層260を含む。
【0232】
前記第1保護層260は、前記第1絶縁層211の上面に配置され、前記第1回路パターン層の第1パッド220P1と垂直に重なる第1溝部261Oを含む第1部分261を含む。前記第1溝部261Oの底面は、前記第1パッド220P1の上面よりも低くてもよい。
【0233】
また、前記第1保護層260は、前記第1部分261上に配置され、前記第1溝部261Oおよび前記第1パッド220P1と垂直に重なる第2溝部262Oを含む第2部分262を含むことができる。
【0234】
前記第1保護層260の第1部分261は、前記第1パッド220P1の幅W1bよりも大きい幅W2bを有する第1溝部261Oを含む。これにより、前記第1保護層260の第1部分261の第1溝部261Oは、前記第1パッド220P1と垂直に重なる重畳領域と、前記第1パッド220P1と垂直に重ならない非重畳領域とを含むことができる。そして、第1絶縁層211の上面のうち、前記第1パッド220P1と垂直に重なることなく、かつ前記第1溝部261Oと垂直に重なる領域は、前記第1溝部261Oを介して露出し得る。
【0235】
このとき、第2実施例における前記第1パッド220P1の幅W1bは、第1実施例における第1パッド120P1の幅W1よりも小さくてもよい。そして、第2実施例における第1溝部261Oの幅W2bは、第1実施例における第1パッド120P1の幅W1に対応することができる。
【0236】
一方、前記第1保護層260は、前記第2溝部262Oを含む第2部分262を含む。前記第2部分262の第2溝部262Oの幅W3bは、前記第1パッド220P1の幅W1bおよび前記第1溝部261Oの幅W2bよりも大きくてもよい。一例として、前記第2部分262の第2溝部262Oの幅W3bは、第1実施例における第2溝部162Oの幅W3に対応することができるが、これに限定されない。ない。
【0237】
バンプ280は、前記第1保護層260の第1溝部261Oおよび第2溝部262Oを充填して形成される。例えば、前記バンプ280は、前記第1保護層260の第1溝部261O内に配置される第1パート281および前記第1保護層260の第2溝部262O内に配置される第2パート282を含む。
【0238】
このとき、前記第1溝部261Oは、前記第1パッド220P1の幅よりも大きい幅を有する。
【0239】
これにより、前記バンプ280の第1パート281の幅は、前記第1パッド220P1の幅よりも大きい幅を有することができる。例えば、前記バンプ280の第1パート281は、前記第1パッド220P1の側面を囲む第1-1パートと、前記第1-1パートと前記第1パッド220P1上に配置される第1-2パートとを含むことができる。
【0240】
上記のように、第2実施例によれば、前記第1保護層260は、NSMDタイプの第1溝部261Oおよび第2溝部262Oを含む。そして、前記NSMDタイプの第1溝部261Oおよび第2溝部262O内には、前記バンプ280の第1パート281および第2パート282がそれぞれ配置され得る。
【0241】
上記のような第2実施例によれば、前記第1パッド220P1が第1実施例の第1パッドに比べて小さい幅を有するように形成することができ、これにより前記第1絶縁層の上面に配置される第1回路パターン層の設計の自由度を確保することができる。そして、第1実施例の第1パッドに比べて、第2実施例の第1パッド220P1の幅が小さくなった部分については、前記バンプ280の第1パート281によってカバー可能であり、これによる回路基板の電気的信頼性および物理的信頼性に影響を与えずに、第1回路パターン層の設計の自由度を向上させることができる。
【0242】
一方、
図4aでは、第1回路パターン層の第1パッド220P1、第2パッド220P2、およびトレース220Tが互いに同じ断面形状を有するものとして示したが、これに限定されない。
【0243】
例えば、
図4bを参照すると、第1回路パターン層のパッドは、トレースとは異なる断面形状を有することができる。例えば、第1回路パターン層は、第1パッド220P1a、第2パッド220P2a、およびトレース220Tを含む。
【0244】
図4bのトレース220Tは、
図4aのトレースと同じ断面形状を有することができる。例えば、前記
図4bのトレース220Tの垂直断面の形状は、四角形状を有することができる。
【0245】
例えば、
図4bのトレース220Tは、電解めっきを通じて形成され、前記第1保護層260の溝部と垂直に重ならないことがある。これにより、前記トレース220Tは、前記第1保護層260の溝部が形成された後に残骸を除去するエッチング工程で除去されないことがある。
【0246】
前記第1回路パターン層の第1パッド220P1aおよび第2パッド220P2aは、前記第1保護層260の第1溝部261Oおよび第2溝部262Oと垂直に重なる。
【0247】
例えば、前記第1パッド220P1aおよび第2パッド220P2aの全領域は、前記第1溝部261Oおよび第2溝部262Oと垂直に重なる。
【0248】
そして、前記第1溝部261Oおよび第2溝部262Oが形成された後に、前記第1パッド220P1aおよび第2パッド220P2a上における第1保護層260の残渣を除去するための工程を行う時、前記第1パッド220P1aおよび第2パッド220P2aの上面だけでなく、前記第1パッド220P1aおよび前記第2パッド220P2aの側面に対してもエッチングが行われ得る。
【0249】
これにより、前記第1パッド220P1aおよび第2パッド220P2aの上面の少なくとも一部は、曲面CSを有することができる。また、前記第1パッド220P1aおよび前記第2パッド220P2aの側面の少なくとも一部も、前記エッチング工程により削られることによる曲面を有することができる。例えば、前記第1パッド220P1aおよび前記第2パッド220P2aの上面と側面との境界領域は、前記エッチング工程で削られることによる曲面を有することができる。
【0250】
上記のように、第2実施例に係る回路基板は、第1保護層の溝部をNSMDタイプにも形成可能であり、それにより、前記NSMDタイプの溝部内に配置される第1パートおよび第2パートを含むバンプを含むことができる。そして、第2実施例によれば、第1実施例の効果に加えて、前記第1回路パターン層の設計の自由度をさらに向上させることができ、これによる製品満足度を向上させることができる。
【0251】
【0252】
図5は、
図4aの回路基板と基本的な構造は、同一であり、前記第1保護層の第1部分に形成される第1溝部の幅および前記第1溝部内に配置されるバンプの第1パートにおいて違いがある。
【0253】
例えば、第1保護層260aは、第1溝部261Oaを含む第1部分261aを含むことができる。
【0254】
そして、バンプ280aは、前記第1保護層260aの第1溝部261Oaを充填する第1パート281aを含むことができる。
【0255】
このとき、前記第1保護層260aの第1部分261aの第1溝部261Oaは、前記第1パッド220P1の幅と同じ幅W1bを有することができる。これにより、前記第1パッド220P1の側面は、前記第1保護層260aの第1部分261aで覆われ得る。
【0256】
【0257】
図6を参照すると、第4実施例に係る回路基板は、第2実施例に係る回路基板に比べて、第1溝部の深さにおいて違いがある。
【0258】
例えば、第2実施例における第1溝部の深さは、前記第1保護層の第1部分の厚さに対応した。
【0259】
これとは異なり、第4実施例における第1溝部の深さは、前記第1保護層260の第1部分の厚さよりも小さい深さを有することができる。すなわち、前記第1溝部の底面は、第1パッド320P1の上面よりも低いが、絶縁層311の上面よりも高くてもよい。
【0260】
これにより、第2実施例では、前記第1回路パターン層の第1パッドの側面の全体が前記第1保護層の第1溝部を介して露出された。
【0261】
これとは異なり、第4実施例では、前記第1パッドの側面の一部は、前記第1保護層で覆い、残りの部分は、前記第1保護層の第1溝部を介して露出し得る。
【0262】
例えば、第1保護層360は、第1部分361、362および第1部分361、362上に配置される第2部分363を含む。
【0263】
前記第1保護層360の第1部分361、362には、第1回路パターン層の第1パッド320P1の幅よりも大きい幅を有する第1溝部362Oを含む。このとき、前記第1溝部362Oは、前記第1保護層360の第1部分361、362の一部を開放して形成され得る。
【0264】
これにより、前記第1部分361、362は、前記第1溝部362Oを含む領域と、前記第1溝部362Oを含まない領域とに区分され得る。
【0265】
例えば、前記第1部分361、362は、前記第1絶縁層311上に配置される第1-1部分361を含むことができる。前記第1-1部分361は、前記第1パッド320P1の側面を囲んで形成され得る。例えば、前記第1-1部分361は、前記第1パッド320P1の側面の一部を覆って形成され得る。このとき、前記第1-1部分361の上面は、前記第1パッド320P1の上面よりも低く位置することができる。これにより、前記第1パッド320P1の側面は、前記第1-1部分361と水平方向に重なる第1側面と、前記第1側面以外の第2側面とを含むことができる。そして、前記第1パッド320P1の第1側面は、前記第1-1部分361で覆われ得る。このとき、前記第1保護層360の前記第1-1部分361は、前記第1パッド320P1が貫通する貫通孔361Oを含むことができる。このとき、前記第1-1部分361の貫通孔361Oは、溝部とも表現することができる。前記第1-1部分361の貫通孔361Oは、前記第1パッド320P1の幅と同じ幅を有することができる。これにより、前記第1-1部分361は、前記第1パッド320P1の第1側面を囲んで形成され得る。
【0266】
前記第1保護層360の第1部分361、362は、前記第1-1部分361上に配置される第1-2部分362を含む。そして、前記第1-2部分362は、第1溝部362Oを含む。例えば、前記第1-2部分362は、前記第1パッド320P1の幅よりも大きい幅を有する第1溝部362Oを含む。前記第1-2部分362の下面は、前記第1パッド320P1の上面よりも低く位置することができる。例えば、前記第1-2部分362の第1溝部362Oの底部は、前記第1パッド320P1の上面よりも低く位置することができる。これにより、前記第1パッド320P1の第2側面は、前記第1-2部分362の第1溝部362Oと水平方向に重なることがある。これにより、前記第1パッド320P1の第2側面は、前記第1-2部分362の第1溝部362Oの内壁と一定間隔で離隔し得る。
【0267】
前記第1保護層360の第1-2部分362上には、第1保護層360の第2部分363が配置される。前記第2部分363は、前記第1溝部362Oの幅よりも大きい幅を有する第2溝部363Oを含む。
【0268】
上記のように、第4実施例によれば、前記第1保護層360の第1溝部362Oが前記第1保護層360の第1部分361、362の全体ではなく、一部(第1-2部分362)のみを貫通して形成される。これにより、前記第1パッド320P1の側面の一部である第1側面は、前記第1-1部分361で覆われ、残りの一部である第2側面は、前記第1-2部分362の第1溝部362Oを介して露出し得る。
【0269】
バンプ380は、前記第1保護層360の第1溝部362Oおよび第2溝部363O内に配置され得る。
【0270】
例えば、前記バンプ380は、前記第1保護層360の第1溝部362Oに配置される第1パート381と、前記第2溝部363Oに配置される第2パート382とを含む。
【0271】
このとき、第2実施例におけるバンプの第1パートは、前記第1パッドの側面の全体を囲んで形成された。
【0272】
これとは異なり、第4実施例におけるバンプ380の第1パート381は、前記第1パッド320P1の第2側面のみを囲んで配置され得る。例えば、前記バンプ380の第1パート381は、前記第1溝部362Oと水平に重なる第1パッド320P1の第2側面を囲んで形成され得る。
【0273】
上述した第1~第4実施例の回路基板では、第1保護層が多様なタイプの溝部を含み、それにより前記溝部内にバンプに対応する第2金属層が配置された構造を有した。例えば、第1~第4実施例における回路基板では、前記第1保護層の第1溝部内に配置された第1パートと、第2溝部内に配置された第2パートとを含むバンプを含む。
【0274】
一方、実施例の回路基板では、前記バンプが省略され、それにより前記第1回路パターン層のパッド上に表面処理層に対応する第2金属層が直接配置され得る。以下では、表面処理層に対応する第2金属層を含む回路基板について説明する。
【0275】
図7aは、第5実施例に係る回路基板を示す図であり、
図7bは、
図7aの回路基板の一部領域を拡大した拡大図であり、
図7cは、
図7aの回路基板の変形例を示す図である。
【0276】
以下、
図7a~
図7cを参照して、第5実施例に係る回路基板およびその変形例について説明する。
【0277】
図7a~
図7cを参照すると、第5実施例に係る回路基板は、絶縁層410を含む。
【0278】
前記絶縁層410は、第1絶縁層411、第1絶縁層411下の第2絶縁層412、および前記第2絶縁層412下の第3絶縁層413を含む。
【0279】
前記絶縁層410の表面には、回路パターン層が配置される。
【0280】
例えば、第1絶縁層411の上面には、第1回路パターン層420が配置される。例えば、第1絶縁層411の下面と第2絶縁層412の上面との間には、第2回路パターン層430が配置される。例えば、第2絶縁層412の下面と第3絶縁層413の上面との間には、第3回路パターン層440が配置される。例えば、第3絶縁層413の下面には、第4回路パターン層440が配置される。
【0281】
そして、前記絶縁層410内には、ビアが配置される。
【0282】
例えば、第1絶縁層411内には、第1ビアV1が配置される。例えば、第2絶縁層412内には、第2ビアV2が配置される。例えば、第3絶縁層413内には、第3ビアV3が配置される。
【0283】
第1絶縁層411の上面には、第1保護層460が配置される。そして、第3絶縁層413の下面には、第2保護層470が配置される。
【0284】
一方、第5実施例における絶縁層、回路パターン層、およびビアの基本的な構造は、
図3aで説明した第2実施例と実質的に同じであり、これにより、その詳細な説明は省略する。
【0285】
前記第1保護層460は、第1部分461および第2部分462を含む。
【0286】
前記第1保護層460の第1部分461および第2部分462は、
図3bを参照して既に説明したので、その詳細な説明は省略する。
【0287】
前記第1保護層460の第1部分461は、第1溝部461Oを含む。また、前記第1保護層460の第2部分462は、第2溝部462Oを含む。前記第1部分461の第1溝部461Oの幅W2は、前記第1回路パターン層の第1パッド420P1の幅W1よりも小さくてもよい。
【0288】
前記第1保護層460の第2部分462の幅W3は、前記第1パッド420P1の幅W1および第1溝部461Oの幅W2よりも大きくてもよい。これについては第1実施例で既に説明したので、その詳細な説明は省略する。
【0289】
前記第1パッド420P1上には、表面処理層480が配置される。例えば、前記第1溝部461Oと垂直に重なる第1パッド420P1上には、表面処理層480が配置され得る。
【0290】
このとき、前記実施例におけるバンプは、電解めっきを通じて、前記第1保護層の第1溝部および第2溝部を全体的に充填して形成された。
【0291】
これとは異なり、第5実施例では、前記第1パッド420P1上に無電解めっきを行って、前記第1保護層460の溝部の一部を充填する表面処理層480を形成することができる。例えば、前記表面処理層480は、前記第1保護層460の第1部分461の第1溝部461Oに配置される第1パート481を含むことができる。また、前記表面処理層480は、前記第1パート481上に配置され、前記第1保護層460の第2部分462の第2溝部462Oの一部を充填する第2パート482を含むことができる。
【0292】
このとき、図面上では、前記表面処理層480の第2パート482が前記第1保護層460の第2部分462の第2溝部462Oの一部を充填して形成される構造を有するものとして示したが、これに限定されない。例えば、第5実施例における第1保護層460は、前記表面処理層480が有する厚さに対応する厚さを有することができ、これにより前記表面処理層480の第2パート482が前記第2溝部462Oの全体を充填して形成され得る。そして、このような構造を有する場合、実施例は、前記第1保護層460の厚さを減らすことができ、これにより回路基板の全体的な厚さを減らすことができる。
【0293】
前記表面処理層480の第2パート482は、前記第2溝部462Oの幅に対応する幅を有し、前記第1パート481上で水平方向に拡張される構造を有することができる。
【0294】
一方、前記第1保護層460の第1部分461において、前記第1パッド420P1と垂直に重なる重畳領域の厚さは、前記表面処理層480の全厚さよりも小さくてもよい。これにより、前記表面処理層480は、前記第1溝部461Oを充填しながら、前記第2溝部462Oの一部を充填して拡張される第2パート482を含むことができる。このとき、前記第1部分461において前記第1パッド420P1と垂直に重なる重畳領域の厚さは、前記第1パッド420P1の上面から前記第1部分461の上面までの垂直距離を意味することができる。前記第1部分461の前記重畳領域の厚さは、0.5μm~4.0μmの範囲を満足することができる。例えば、前記第1部分461の前記重畳領域の厚さは、0.8μm~3.5μmの範囲を満足することができる。例えば、前記第1部分461の前記重畳領域の厚さは、1.0μm~3.0μmの範囲を満足することができる。前記第1部分461の重畳領域の厚さが0.5μm未満の場合、前記表面処理層480の第2パート482と前記第1回路パターン層のトレース420Tとの間の距離が減少し、これによる回路ショートなどの電気的信頼性の問題や信号干渉による動作信頼性の問題が発生することがある。また、前記第1部分461の重畳領域の厚さが4.0μmを超えると、前記表面処理層480の構造が前記第2パート482を含まない構造を有することができる。例えば、前記表面処理層480は、無電解めっきを通じて形成され、これによりめっき厚さに限界がある。そして、前記重畳領域の厚さが4.0μmを超える場合、前記表面処理層480が前記第1溝部461Oのみを充填する第1パート481のみを含むことができ、これによりソルダーとの接合力向上のための接合面積が設けられないことがある。また、前記重畳領域の厚さが4.0μmを超える場合、前記表面処理層480上に配置される金属接合層IMC(Inter Metallic Contact)と前記第1保護層460の第1部分461の角部分(例えば、第1溝部の内壁の上端部または下端部)との間の距離が減少することがある。そして、前記金属接合層IMC(Inter Metallic Contact)と前記第1部分461の角部分との間の距離が減少する場合、前記第1保護層460で発生するストレスが前記金属接合層IMC(Inter Metallic Contact)にそのまま伝達され、これによる物理的信頼性の問題と電気的信頼性の問題が発生することがある。前記金属接合層IMC(Inter Metallic Contact)については、以下で詳細に説明する。
【0295】
一方、前記第1保護層460の第1溝部461Oおよび第2溝部462Oには、表面処理層480の第1パート481および第2パート482が配置される。
【0296】
このとき、前記表面処理層480の厚さは、4μm~10μmの範囲を有することができる。例えば、前記表面処理層480の厚さは、4.5μm~9μmの範囲を有することができる。例えば、前記表面処理層480の厚さは、5.0μm~8μmの範囲を有することができる。前記表面処理層480の厚さが4μm未満の場合、前記表面処理層480上に形成される金属接合層IMCと前記第1保護層460の第1部分461の角部分との間の距離が減少し、これにより、前記第1保護層460のストレスが前記金属接合層IMCにそのまま伝達されることによる信頼性の問題が発生することがある。また、前記表面処理層480の厚さが10μmを超える場合、無電解めっきの工程時間が増加することがある。また、前記表面処理層480の厚さが10μmを超える場合、これによる製造コストが増加することがある。例えば、無電解めっきで10μmを超える厚さの表面処理層を形成する場合、ニッケルめっき層を複数回の工程に分けて行われるべきであり、これによる工程時間が増加することがある。また、無電解めっきで10μmを超える厚さの表面処理層を形成する場合、パラジウムめっき層や金めっき層の厚さが増加しなければならず、これによる製造コストが増加するという問題がある。
【0297】
このとき、前記表面処理層480の厚さは、前記表面処理層480の全領域の平均厚さを意味することができる。これとは異なり、前記表面処理層480の厚さは、前記表面処理層480の全領域のうち、前記第1回路パターン層420と垂直に重なる領域における最大厚さ、最小厚さ、および平均厚さのうちいずれか一つを意味することができる。
【0298】
このとき、前記表面処理層480の厚さは、前記表面処理層480の第1パート481の最下端から前記表面処理層480の第2パート482の最上端までの垂直距離を意味することができる。
【0299】
一方、前記表面処理層480は、ENEPIG(electroless nickel electroless palladium immersion gold)方式またはENIG(electroless nickel immersion gold)方式で形成され得る。
【0300】
これにより、前記表面処理層480は、複数の層構造を有することができる。例えば、前記表面処理層480がENEPIG方式で形成される場合、前記表面処理層480は、ニッケル金属層と、前記ニッケル金属層上のパラジウム金属層と、前記パラジウム金属層上の金金属層とを含むことができる。例えば、前記表面処理層480がENIG方式で形成される場合、前記表面処理層480は、ニッケル金属層と、前記ニッケル金属層上の金金属層とを含むことができる。
【0301】
このとき、前記表面処理層480が複数の層構造を有する場合、前記複数の層のうち、前記ニッケル金属層が最も厚い厚さを有することができる。例えば、前記表面処理層480の全厚さにおいて、前記ニッケル金属層の厚さが90%以上を占めることができる。これにより、前記表面処理層480の第1パート481は、ニッケル金属層のみを含むことができ、前記表面処理層480の第2パート482は、ニッケル金属層、パラジウム金属層、および金金属層を含むか、ニッケル金属層および金金属層を含むことができる。
【0302】
上記のように、実施例における表面処理層480の厚さは、4μm以上を有する。これは、前記表面処理層480を形成する前に行われる第1パッド420P1のエッチング工程で発生する凹部の深さよりも前記表面処理層480の厚さをさらに大きくするためである。
【0303】
例えば、比較例では、前記表面処理層の厚さが3μm以下の厚さを有した。このとき、前記凹部の長さは、一般に3μm程度のレベルを有する。このとき、比較例のように、前記表面処理層の厚さが3μmレベルを有する場合、前記表面処理層は、凹部のみを充填して形成され得る。例えば、比較例のように、表面処理層の厚さが3μmレベルを有する場合、前記表面処理層は、前記第1保護層の溝部内には形成されないことがある。このとき、前記表面処理層上には、ソルダーが配置される。そして、前記表面処理層上にソルダーが配置されることによって、前記ソルダーと前記表面処理層との界面には、金属接合層IMCが形成される。このとき、比較例のように、前記表面処理層の厚さが3μmレベルの場合、前記金属接合層IMCは、前記第1保護層の第1部分と前記第1パッドの上面との界面と類似した高さを有する。そして、前記金属接合層IMCが前記第1保護層の第1部分と第1パッドの上面との界面と類似した高さを有する場合、前記第1保護層で発生するストレスが前記金属接合層IMCにそのまま伝達され、これによる電気的および物理的信頼性の問題が発生する。
【0304】
これにより、実施例における前記表面処理層480は、少なくとも4μm以上の厚さを有する。これにより、前記表面処理層480は、前記凹部を充填しながら、前記第1保護層460の第1溝部461Oおよび第2溝部462Oを充填する第1パート481および第2パート482を含むようにする。
【0305】
一方、実施例における表面処理層480は、4μm以上の厚さを有することによって、上面の少なくとも一部が曲面を含むことができる。例えば、前記表面処理層480の第2パート482の上面は、曲面を含むことができる。すなわち、前記表面処理層480の第2パート482は、前記第1パート481と垂直に重なる第1領域と、前記第1パート481と垂直に重ならない第2領域とを含む。そして、前記第2パート482のめっき工程時に、前記第1領域で優先的にめっきが行われ、これにより前記第2領域に拡張めっきが行われる。これにより、前記第2パート482の前記第1領域における厚さは、前記第2領域における厚さよりも大きくてもよい。例えば、前記第2パート482は、前記第1領域から前記第2領域に行くほど厚さが徐々に減少することがある。これにより、前記第2パート482の上面は、曲面を有することができる。また、前記第2パート482の前記第2領域は、前記第1パッド420P1と垂直に重なる第2-1領域と、前記第1パッド420P1と垂直に重ならない第2-2領域とを含むことができる。例えば、前記第2パート481は、前記第1パッド420P1の幅に比べて前記第2-2領域に対応する幅だけ大きい幅を有することができる。
【0306】
また、
図7cに示すように、前記第1パッド420P1には、凹部(図示せず)が形成される。前記凹部は、前記第1溝部461Oと垂直に重なる第1パッド420P1の上面に形成される第1凹部分と、前記第1凹部分から延び、第1溝部461Oと垂直に重ならない第1パッド420P1の上面に形成される第2凹部分を含む。すなわち、前記凹部は、前記第1パッド420P1の上面のうち第1溝部461Oを介して露出される領域と垂直に重なる領域に形成される第1凹部分を含む。また、前記凹部は、前記第1パッド420P1の上面のうち第1溝部461Oを介して露出される領域と垂直に重ならない領域に形成される第2凹部分を含む。
【0307】
そして、前記表面処理層480は、前記第1パッド420P1の凹部を充填して形成される第3パート480rを含むことができる。
【0308】
また、実施例は、上記のように表面処理層480の厚さが4μm以上を有する。
【0309】
これにより、実施例における前記表面処理層480の最上面(例えば、第2パートの上面)は、前記第1保護層460の第1部分461と前記第1パッド420P1の上面との界面から離隔し得る。このとき、前記表面処理層480上にソルダー490が配置されることによって、前記ソルダー490と前記表面処理層480との間には、金属接合層495が形成される。そして、実施例は、上記のような構造によって前記第1保護層460の第1部分461と前記第1パッド420P1の上面との界面から前記金属接合層495が遠く離隔することがあり、これによる前記金属接合層495の信頼性を向上させることができる。
【0310】
【0311】
図8を参照すると、実施例に係る回路基板は、第1絶縁層511および前記第1絶縁層511上に配置される第1パッド520P1、第2パッド520P2、およびトレース520Tを含む第1回路パターン層を含む。
【0312】
また、前記第1絶縁層511上には、第1保護層560が形成される。
【0313】
第1保護層560は、第1絶縁層511上に配置され、第1溝部561Oを含む第1部分561を含む。このとき、前記第1溝部561Oの幅は、前記第1パッド520P1の幅よりも大きくてもよい。
【0314】
このとき、前記第1保護層560の第1部分561の厚さは、前記第1パッド520P1の厚さよりも薄くてもよい。例えば、前記第1保護層560の第1部分561の上面は、前記第1パッド520P1の上面よりも低く位置することができる。このとき、前記第1保護層560の第1部分561の上面が前記第1パッド520P1の上面よりも高いか、前記第1保護層560の第1部分561の厚さが前記第1パッド520P1の厚さよりも大きい場合、後述する表面処理層580に第2パート582が含まれないことがあり、これによるソルダーとの接合面積が増加しないことによるソルダーとの接合力が減少することがある。
【0315】
一方、第1保護層560の第1部分561上には、第2部分562が形成される。前記第2部分562は、前記第1保護層560の第1部分561の第1溝部561Oの幅よりも大きい幅を有する第2溝部562Oを含むことができる。
【0316】
また、第1パッド520P1上には、表面処理層580が配置される。
【0317】
このとき、前記表面処理層580は、前記第1保護層560の第1部分561の第1溝部561Oを充填する第1パート581および第2部分562の第2溝部562Oの一部を充填する第2パート582を含むことができる。
【0318】
前記表面処理層580の第1パート581は、前記第1溝部561O内に配置され得る。これにより、前記表面処理層580の第1パート581は、前記第1パッド520P1の側面の一部を囲んで形成され得る。
【0319】
前記表面処理層580の第2パート582は、前記第2溝部562O内に配置され得る。例えば、前記表面処理層580の第2パート582は、前記表面処理層580の第1パート581および前記第1パッド520P1上に配置され得る。例えば、前記表面処理層580の第2パート581は、前記第1パッド520P1の上面に形成される第2-1パートと、前記第2-1パートから長手方向および/または幅方向に延び、第1パッド520P1の側面に配置される第2-2パートとを含むことができる。
【0320】
例えば、前記第1保護層560の第2部分562の第2溝部562Oの幅は、前記第1パッド520P1および第1溝部561Oの幅よりも大きい幅を有する。これにより、前記表面処理層580の第2パート582は、前記第1パッド520P1上に配置されながら、長手方向または幅方向に拡張される形状を有することができる。また、第5実施例における表面処理層に対応して、前記表面処理層580の第2パート582の上面は、曲面を含むことができる。例えば、前記表面処理層580の第2パート582の上面は、中心から端方向に行くほど高さが低くなり得る。
【0321】
図9aは,第7実施例に係る回路基板を示す図であり、
図9bは,
図9aの第1パッドの形状を具体的に示す図であり、
図9cは,
図9bに係る第1パッドおよび表面処理層の形状に対する光学顕微鏡写真を示す図である。
【0322】
図9aおよび
図9cを参照すると、第7実施例に係る回路基板は、第1絶縁層611および前記第1絶縁層611上に配置される第1パッド620P1、第2パッド620P2、およびトレース620Tを含む第1回路パターン層を含む。
【0323】
また、前記第1絶縁層611上には、第1保護層660が形成される。
【0324】
前記第1保護層660は、第1絶縁層611上に配置され、第1溝部661Oを含む第1部分661を含む。このとき、前記第1溝部661Oの幅は、前記第1パッド620P1の幅に対応することができる。例えば、前記第1溝部661Oは、前記第1パッド620P1の幅と同じ幅を有することができる。このとき、前記第1溝部661Oは、前記第1保護層660に人為的に形成されるものではない。すなわち、前記第1溝部661Oは、前記第1保護層660の露光および現像工程によって形成されるものではない。例えば、前記第1パッド620P1が形成された状態で、前記第1絶縁層611上に第1保護層660が形成されることによって、前記第1部分661の第1溝部661Oは、前記第1パッド620P1が貫通する貫通孔を意味することができる。例えば、前記第1部分661の第1溝部661Oは、前記第1絶縁層611の上部領域のうち前記第1部分661が配置されていない領域、具体的には、第1パッド620P1と垂直に重なる領域を意味することができる。
【0325】
このとき、前記第1保護層660の第1部分661の厚さは、前記第1パッド620P1の厚さよりも小さくてもよい。例えば、前記第1保護層660の第1部分661の上面は、前記第1パッド620P1の上面よりも低く位置することができる。このとき、前記第1保護層660の第1部分661の上面が前記第1パッド620P1の上面よりも高いか、前記第1保護層660の第1部分661の厚さが前記第1パッド620P1の厚さよりも大きい場合、後述する表面処理層680に第2パート682が含まれないことがあり、これによるソルダーとの接合面積が増加しないことによるソルダーとの接合力が減少することがある。
【0326】
一方、第1保護層660の第1部分661上には、第2部分662が形成される。前記第2部分662は、前記第1保護層660の第1部分661の第1溝部661Oおよび第1パッド620P1の幅よりも大きい幅を有する第2溝部662Oを含むことができる。
【0327】
また、第1パッド620P1上には、表面処理層680が配置される。
【0328】
このとき、前記表面処理層680は、前記第1溝部661Oの一部を充填して形成され得る。すなわち、前記第1溝部661Oの幅は、第1パッド620P1の幅と同じであり、これにより、前記表面処理層580は、、前記第1溝部661O内に配置されるパートを含まないことがある。
【0329】
前記表面処理層680は、前記第2溝部662O内に配置され得る。例えば、前記表面処理層680は、前記第1パッド620P1上に配置されながら、前記第1パッド620P1の側面で長手方向または幅方向に延長または拡張され得る。
【0330】
また、前記表面処理層680の上面は、曲面を含むことができる。例えば、前記表面処理層680の上面は、中心から端方向に行くほど高さが低くなり得る。
【0331】
例えば、前記表面処理層680は、前記第1パッド620P1と垂直に重なる第1領域および前記第1パッド620P1と垂直に重ならない第2領域を含む。そして、前記表面処理層680の上面の高さは、前記第1領域から第2領域に行くほど高さが低くなり得る。
【0332】
このとき、
図9aでは、前記表面処理層680は、第1保護層660の第1溝部661Oのみを充填して形成されるものとして示した。例えば、
図9aでは、前記第1保護層660の第1溝部661Oと第1パッド620P1との間には、離隔空間が存在しないので、前記表面処理層680が第2パートのみを含むものとして示した。
【0333】
これとは異なり、
図9bを参照すると、前記実施例で説明したように、前記第1保護層660に溝部が形成された後に、前記第1保護層660の残骸を除去する第1パッド620P1のエッチング工程が行われる。
【0334】
これにより、前記第1パッド620P1の上面620P1Tは、前記エッチング工程で除去されることによって曲面を有することができる。また、前記第1パッド620P1の側面の少なくとも一部は、前記第2溝部662Oと水平に重なり、これにより前記エッチング工程で一緒に除去され得る。このとき、前記実施例で説明したように、前記エッチング工程において、前記第1パッド620P1の側面のうち、前記第1保護層660の第1部分661で覆われた部分にもエッチング液が浸透することによってエッチングが行われる。これにより、前記第1パッド620P1の側面620P1Sには、凹部が形成される。例えば、前記第1保護層660の第1部分661と水平に重なる第1パッド620P1の側面には、凹部が形成される。そして、前記凹部によって、前記第1保護層660の第1部分661と前記第1パッド620P1の側面とは、一定間隔で離隔し得る。
【0335】
例えば、前記第1保護層660の第1部分661は、前記第1絶縁層611の上面に隣接し、前記第1パッド620P1の側面を覆う第1-1部分661aを含むことができる。このとき、前記第1-1部分661aは、前記第1パッド620P1に形成される凹部と水平に重ならないことがある。
【0336】
また、前記第1保護層660の第1部分661は、前記第1パッド620P1の側面と離隔する第1-2パート661bを含むことができる。例えば、前記第1保護層660の前記第1-2部分661bは、前記第1パッド620P1の凹部と水平に重なることがある。そして、前記凹部が形成された領域における第1パッド620P1の幅は、前記第1保護層660の第1部分661の第1溝部661Oの幅よりも小さくてもよい。
【0337】
そして、前記表面処理層680は、前記凹部に対応する前記第1保護層660の第1-2部分661bの第1溝部661Oを充填する第1パート680rを含むことができる。
【0338】
このとき、比較例では、表面処理層の厚さが3μmレベルを有し、これにより、前記表面処理層が前記第1パッドに形成される凹部のみを充填するレベルで形成された。これにより、比較例では、表面処理層上に形成されるソルダーとの接合層である金属接合層と前記第1保護層の第1部分の上部の角部分とが実質的に同じ高さを有し、これによる前記金属接合層の物理的および電気的信頼性に問題が発生した。
【0339】
これとは異なり、実施例は、前記表面処理層680の厚さが少なくとも4μm以上を有するようにして、前記表面処理層680が前記凹部を充填しながら上部および側部方向に拡張される形状を有するようにする。これにより、実施例は、前記第1保護層の第1部分の上部の角部分と前記金属接合層との間の距離を比較例に比べて遠く離隔させることができ、これによる前記金属接合層の物理的および電気的信頼性を向上させることができる。
【0340】
上記のように、実施例に係る回路基板は、段差を含む溝部を有する第1保護層と、前記溝部内に配置される第2金属層とを含む。例えば、前記溝部は、第1金属層であるパッドと垂直に重なり、第1幅を有する第1溝部と、前記第1溝部上に形成され、前記第1幅よりも大きい第2幅を有する第2溝部とを含む。このとき、前記第2金属層は、バンプであり得、これとは異なり表面処理層であり得る。そして、前記第2金属層は、前記第1溝部内に配置される第1パートおよび前記第2溝部内に配置される第2パートを含む。このとき、前記第2パートは、前記第1パートよりも大きい幅を有する。これにより、実施例は、前記段差を有する第1保護層の溝部を用いて、上記のように第1パートおよび第2パートを含む金属層を形成することができる。そして、実施例により、前記溝部は、第2溝部のみを含むことができ、前記第2金属層は、前記第2溝部内に配置された第2パートのみを含むことができる。これを通じて、実施例は、チップや外部基板との接合のためのソルダーとの接合面積を増加させることができ、これによる接合性を向上させることができる。具体的には、比較例における第1保護層は、段差を含まず、これにより第1溝部のみを含む。これにより、比較例における第2金属層(例えば、バンプ)は、前記第1溝部に対応する幅を有する第1パートのみを含み、これによるソルダーとの接合面積の減少による接合性が低下するという問題点を有する。これに対し、実施例は、比較例に比べて、前記第1パートと第2パートとの幅の差だけソルダーとの接合面積を向上させることができ、これによる接合性を向上させることができる。
【0341】
一方、比較例では、前記第2金属層が前記第2パートを含んで形成される構造を有することもあるが、前記第2パートは、前記第1保護層の上面の上に突出する構造を有する。すなわち、比較例における第2金属層の第2パートは、第1保護層の上面上に配置される構造を有する。これにより、比較例では、前記第2金属層が第2パートを含む場合、前記第2パートに対応する厚さだけ回路基板の全体的な厚さが増加するという問題点がある。これに対し、実施例は、段差を有する第1保護層を用いて、前記第1保護層内に前記第2金属層の第2パートを形成することができる。これにより、実施例は、前記回路基板の全体的な厚さに影響を与えずに前記ソルダーとの接合性を向上させることができ、これによる製品満足度を向上させることができる。
【0342】
また、実施例は、前記第1溝部が有する幅の変化を通じて、前記第2金属層の多様なデザインの設計を可能にする。例えば、前記第1溝部は、パッドの幅よりも小さくてもよく、これとは異なって大きくてもよく、これとは異なって同じでもよい。さらに、前記第1溝部は、部分的に前記パッドの幅と同じ幅を有し、部分的に前記パッドの幅よりも大きい幅を有することができる。これにより、実施例は、第1保護層の溝部が有するべき多様なタイプに全て適用可能であり、これによる製品デザインの自由度を向上させることができる。
【0343】
また、本実施例では、前記パッドには、凹部が形成される。前記凹部は、前記第1保護層の溝部が形成された後、前記パッド上に存在する残骸を除去するためのエッチング工程で形成され得る。そして、前記第2金属層は、前記凹部を充填して形成され得る。これにより、実施例は、前記第2金属層が前記凹部を充填して形成されるようにすることにより、これによる第1金属層であるパッドの電気的信頼性を向上させることができる。
【0344】
一方、前記第2金属層が表面処理層である場合、前記表面処理層は、少なくとも4μm以上の厚さを有する。例えば、前記表面処理層は、表面処理工法によって複数の層構造(例えば、ニッケル-パラジウム-金、または、ニッケル-金)を有することができる。そして、前記複数の層構造を有する表面処理層の全体厚さは、4μm以上の厚さを有することができる。これにより、実施例は、前記表面処理層が前記凹部を安定して充填できるようにし、これによる電気的信頼性を向上させることができる。具体的には、前記凹部の深さは、3μmレベルを有する。前記表面処理層が3μm以下の厚さを有する場合、前記表面処理層によって前記凹部が完全に充填 されない問題が発生することがあり、これによるパッドの信号伝達特性に問題が発生することがある。これに対し、実施例は、前記表面処理層が4μm以上の厚さを有するようにして、前記表面処理層によって前記凹部が完全に充填されるようにし、これによる信号伝達特性を向上させることができるようにする。
【0345】
さらに、実施例は、前記表面処理層が4μm以上の厚さを有することにより、前記第1保護層とパッドとの界面と表面処理層の上面との間が一定距離で離隔し得るようにする。これを通じて、実施例は、前記表面処理層上にソルダーが配置されることにより形成される金属接合層の電気的信頼性および物理的信頼性を向上させることができる。具体的には、比較例のように、前記表面処理層が3μm以下の厚さを有する場合、前記表面処理層の上面は、前記界面と実質的に同じ高さに形成され、これにより、金属接合層も前記界面と同じ高さに位置することができる。このとき、回路基板の使用環境では、前記第1保護層の膨張および収縮が発生することがあり、これによるストレスが発生することがある。このとき、比較例では、前記界面と前記金属接合層とが同じ高さに形成されることにより、前記ストレスが前記金属接合層にそのまま伝達され、これによる前記金属接合層の物理的信頼性および電気的信頼性が低下することがある。これに対し、実施例では、前記表面処理層を4μm以上の厚さに形成することにより、前記界面と前記金属接合層との間を一定距離で離隔させることができ、これにより、前記ストレスが前記金属接合層に伝達されないようにすることができる。これを通じて、実施例は、前記金属接合層の電気的信頼性および物理的信頼性を向上させることができ、さらに製品信頼性を向上させることができる。
【0346】
本願のパッケージ基板の説明に先立って、実施例の回路基板は、
図3a~
図9bに示す構造のうちいずれか一つの構造を有することができる。
【0347】
また、実施例の回路基板は、
図3a~
図9bの構造のうち少なくとも二つ以上の図面に含まれた構造が混合された混合構造を有することができる。例えば、回路基板の第1回路パターン層の複数のパッドのうち少なくとも一つの第1パッドには、第1~第4実施例のうちいずれか一つの実施例に係るバンプが形成され得、他の一つの第2パッドには、前記第1パッド上に形成されたバンプとは異なる構造のバンプが形成され得る。例えば、回路基板の第1回路パターン層の複数のパッドのうち少なくとも一つの第1パッドには、第5~第7実施例のうちいずれか一つの実施例に係る表面処理層が形成され得、他の一つの第2パッドには、前記第1パッド上に形成された表面処理層とは異なる構造の表面処理層が形成され得る。例えば、回路基板の第1回路パターン層の複数のパッドのうち少なくとも一つの第1パッドには、第1~第4実施例のうちいずれか一つの実施例に係るバンプが形成され得、他の一つの第2パッドには、第5~第7実施例のうちいずれか一つの実施例に係る表面処理層が形成され得る。
【0348】
ただし、以下では説明の便宜上、
図3aに示す回路基板を用いて形成された第1パッケージ基板および
図7aに示す回路基板を用いて形成された第2パッケージ基板について説明する。
【0349】
-パッケージ基板-
以下では、実施例に係るパッケージ基板について説明する。
【0350】
図10は、第1実施例に係るパッケージ基板を示す図であり、
図11は、第2実施例に係るパッケージ基板を示す図である。
【0351】
図10を参照すると、第1パッケージ基板は、第1実施例の回路基板上に少なくとも一つのチップが実装された構造を有することができる。
【0352】
このとき、第1パッケージ基板は、表面処理層190を含むことができる。前記表面処理層190は、前記回路基板に含まれたバンプ180の上面に配置され得る。前記表面処理層190は、上述したように4μm以上の厚さを有することができ、これにより上面が曲面を有することができる。ただし、前記バンプ180上に配置される表面処理層190は、4μm以上の厚さが要求されないことがあり、これにより比較例のように3μm以下の厚さを有することができる。
【0353】
第1パッケージ基板は、前記表面処理層190上に形成される第1接続部710を含むことができる。前記第1接続部710は、球形状を含むことができる。例えば、前記第1接続部710の断面は、円形状または半円形状を含むことができる。例えば、前記第1接続部710の断面は、部分的または全体的にラウンドした形状を含むことができる。前記第1接続部710の断面形状は、一側面で平面であり、他の一側面で曲面であり得る。前記第1接続部710は、ソルダーボールであり得る。
【0354】
前記第1接続部710上には、チップ720が配置され得る。前記チップ720は、プロセッサチップであり得る。例えば、前記チップ720は、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラのうちいずれか一つのアプリケーションプロセッサ(AP)チップであり得る。
【0355】
このとき、前記チップ720の下面には、端子725が含まれ得、前記端子725は、前記第1接続部710を介して前記回路基板の第1回路パターン層120と電気的に連結され得る。
【0356】
一方、実施例のパッケージ基板は、一つの回路基板上に相互に一定間隔で離隔して複数のチップが配置されるようにすることができる。例えば、前記チップ720は、 相互に離隔する第1チップおよび第2チップを含むことができる。
【0357】
そして、第1チップおよび第2チップは、互いに異なる種類のアプリケーションプロセッサ(AP)チップであり得る。
【0358】
一方、前記第1チップと前記第2チップは、前記回路基板上に一定間隔で離隔し得る。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅は、150μm以下であり得る。例えば、前記第1チップと第2チップとの間の離隔幅は、120μm以下であり得る。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅は、100μm以下であり得る。
【0359】
好ましくは、例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅は、60μm~150μmの範囲を有することができる。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅は、70μm~120μmの範囲を有することができる。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅は、80μm~110μmの範囲を有することができる。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅が60μmよりも小さいと、前記第1チップと前記第2チップとの相互間の干渉により、前記第1チップまたは前記第2チップの動作信頼性に問題が発生することがある。例えば、前記第1チップと前記第2チップとの間の離隔幅が150μmよりも大きいと、前記第1チップと前記第2チップとの間の距離が遠くなるにつれて、信号伝送損失が増加することがある。
【0360】
前記パッケージ基板は、モールディング層730を含むことができる。前記モールディング層730は、前記チップ720を覆って配置され得る。例えば、前記モールディング層730は、前記実装されたチップ720を保護するために形成されるEMC(Epoxy Mold Compound)であり得るが、これに限定されない。
【0361】
このとき、前記モールディング層730は、放熱特性を高めるために低誘電率を有することができる。例えば、前記モールディング層730の誘電率Dkは、0.2~10であり得る。例えば、前記モールディング層730の誘電率Dkは、0.5~8であり得る。例えば、前記モールディング層730の誘電率Dkは、0.8~5であり得る。これにより、実施例は、前記モールディング層730が低誘電率を有するようにして、前記チップ720で発生する熱に対する放熱特性を高めることができる。
【0362】
一方、パッケージ基板は、前記回路基板の最下側に配置された第2接続部740を含むことができる。前記第2接続部740は、前記パッケージ基板と外部基板(例えば、外部装置のメインボード)との間の接合のためのものであり得る。
【0363】
図11を参照すると、第2パッケージ基板は、第5実施例の回路基板上に少なくとも一つのチップが実装された構造を有することができる。
【0364】
このとき、第2パッケージ基板は、前記表面処理層480上に形成される第1接続部810を含むことができる。
【0365】
前記第1接続部810上にチップ820を配置され得る。前記チップ820は、プロセッサチップであり得る。例えば、前記チップ820は、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラのうちいずれか一つのアプリケーションプロセッサ(AP)チップであり得る。
【0366】
このとき、前記チップ820の下面には、端子825が含まれ得、前記端子825は、前記第1接続部810を介して前記回路基板の第1回路パターン層420と電気的に連結され得る。
【0367】
前記パッケージ基板は、モールディング層830を含むことができる。前記モールディング層830は、前記チップ820を覆って配置され得る。
【0368】
一方、パッケージ基板は、前記回路基板の最下側に配置された第2接続部840を含むことができる。前記第2接続部840は、前記パッケージ基板と外部基板(例えば、外部装置のメインボード)との間の接合のためのものであり得る。
【0369】
-製造方法-
以下、実施例に係る回路基板の製造方法について説明する。例えば、以下では、第1~第7実施例のうち一部の実施例に対する回路基板の製造方法について説明する。
【0370】
図12a~
図12iは、一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図であり、
図13a~
図13dは、他の一実施例に係る回路基板の製造方法を工程順に示す図である。このとき、以下で説明されていない他の実施例の回路基板は、第1保護層の溝部を形成する工程において、露光および現像工程の条件を制御して、溝部の形状を変更することにより容易に製造することができる。また、以下では、回路基板の最外郭層の製造方法を中心に説明する。
【0371】
図12aを参照すると、実施例は、第1絶縁層111を配置し、前記第1絶縁層111上に第1回路パターン層120を形成する。このとき、前記第1回路パターン層120は、少なくとも一つのパッドおよび前記パッドと連結されるトレースを含むことができる。
【0372】
次に、
図12bを参照すると、実施例は、前記第1絶縁層111上に第1保護層160を形成する。このとき、前記第1保護層160は、前記第1絶縁層111および前記第1回路パターン層120上に配置され得る。
【0373】
具体的には、前記第1保護層160は、前記第1絶縁層111の上面および前記第1回路パターン層120の上面を全体的に覆って形成され得る。例えば、前記第1保護層160は、溝部を含まないことがある。
【0374】
次に、
図12cのように、実施例は、露光マスク(図示せず)を用いて前記第1保護層160を1次露光する工程を行うことができる。前記1次露光工程は、前記第1保護層160の全領域のうち第1回路パターン層120のパッドと垂直に重なる領域を中心に行うことができる。例えば、前記1次露光工程は、前記第1保護層160の全領域のうち第2溝部162Oが形成される領域と垂直に重ならない領域に対して行うことができる。これにより、前記1次露光工程を通じて、前記第1回路パターン層120のパッドと垂直に重なる領域は、露光が行われ、前記第2溝部162Oが形成される領域に対しては露光が行われないことがある。具体的には、前記1次露光工程を通じて、前記第1保護層160の全領域のうち第2溝部162Oが形成される領域160E1を除いた残りの領域を露光および硬化する工程を行うことができる。このとき、前記1次露光工程により光を受けた部分(例えば、前記領域160E1を除いた残りの領域)は、硬化が行われ、これにより、以後の現像工程でthinningが行われない。
【0375】
次に、
図12dのように、実施例は、前記領域160E1を現像する1次現像工程を行って、前記領域160E1を開放する第2溝部162Oを形成する工程を行うことができる。前記1次現像工程は、前記露光および硬化が行われていない領域160E1に対して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)またはトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)などが含まれた有機アルカリ性化合物を用いてthinningする工程を含むことができる。このとき、実施例は、前記現像工程時間などの条件を調節して第2溝部162Oの深さを調節することができる。例えば、実施例は、前記領域160E1の全体を現像するのではなく、現像条件の調節を通じて前記領域160E1の一部を開放する第2溝部162Oを形成する工程を行うことができる。
【0376】
次に、
図12eのように、実施例は、2次露光工程を行うことができる。すなわち、前記1次露光では、前記領域160E1は、露光が行われないため、1次現像工程でthinningが行われた。そして、実施例は、前記領域160E1に対して2次露光工程を行う。例えば、実施例は、前記領域160E1のうち第1溝部161Oが形成される領域160E2を除いた残りの領域を露光および現像する工程を行うことができる。
【0377】
次に、
図12fのように、実施例は、2次現像工程を行うことができる。前記2次現像工程は、前記2次露光工程において、露光および硬化が行われていない領域160E2をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)またはトリメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)などが含まれた有機アルカリ性化合物を用いてthinningする工程を含むことができる。これにより、前記2次現像工程を通じて、前記第1絶縁層111には、前記第2溝部162Oと垂直に重なる第1溝部161Oが形成され得る。そして、前記第1溝部161Oは、前記第2溝部162Oの幅よりも小さい。これを通じて、前記第1保護層160に形成された溝部は、段差構造を有することができる。
【0378】
次に、
図12gのように、実施例は、前記第1回路パターン層120の上面のうち、前記第1保護層160の溝部と垂直に重なる上面をエッチングする工程を行うことができる。例えば、前記第1回路パターン層120の上面のうち、前記第1保護層160の第1溝部161Oと垂直に重なる領域は、バンプや表面処理層が配置される領域である。このとき、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1回路パターン層120の上面には、前記第1保護層160が完全に除去されないことによる残骸が存在することがある。そして、実施例は、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1回路パターン層120の上面をエッチングする工程を行って、前記残骸を除去することができる。
【0379】
このとき、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1回路パターン層120の上面には、前記エッチング工程による凹部120rが形成される。前記エッチング工程は、化学的エッチングや物理敵エッチング工法で行うことができるが、これに限定されない。
【0380】
このとき、前記第1溝部161Oと垂直に重なる第1回路パターン層120の上面をエッチング液を用いてエッチングする場合、前記エッチング液は、前記第1溝部161Oと垂直に重ならない第1回路パターン層120の上面に浸透することができる。例えば、前記エッチング液は、前記第1保護層160と前記第1回路パターン層120の上面との間に浸透することができ、これにより、前記凹部120rは、前記第1溝部161Oと垂直に重ならない第1回路パターン層120の上面にも形成され得る。
【0381】
次に、
図12hに示すように、実施例は、前記第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oを充填するバンプ180を形成する工程を行うことができる。このために、実施例は、前記第1保護層160の上面および前記溝部の内壁にシード層(図示せず)を形成し、前記シード層に電解めっきを行って前記第1保護層160の第1溝部161Oおよび第2溝部162Oを充填する電解めっき層を形成することができる。これにより、前記バンプ180は、前記第1保護層160の第1溝部161Oを充填する第1パート181と、前記第2溝部162Oを充填する第2パート182とを含むことができる。また、前記バンプ180は、前記第1回路パターン層120の上面に形成された凹部120rを充填する第3パート180rをさらに含むことができる。前記第3パート180rは、前記第1パート181と垂直に重なる第3-1パート180r1および前記第1パート181と垂直に重ならない第3-2パート180r2を含むことができる。
【0382】
一方、
図12a~
図12gのような工程を行った後に、前記バンプ180を形成する工程ではなく、表面処理層480を形成する工程を行うこともできる。前記表面処理層480は、前記凹部120rを充填して形成される。そして、前記表面処理層480は、4μm以上の厚さを有して形成され、それにより、前記凹部120r、前記保護層の溝部を充填して形成され得る。
【0383】
また、前記製造工程において、前記第1露光工程および第2露光工程における露光領域の調節を通じて、本願の多様な実施例に対応する構造を有する回路基板を製造することもできる。
【0384】
一方、
図13aを参照すると、実施例は、第1絶縁層611上に第1回路パターン層620を形成し、それにより前記第1絶縁層611および第1回路パターン層620上に第1保護層660を形成する工程を行うことができる。次に、実施例は、前記第1保護層660を1次露光する工程を行なって、第2溝部662Oが形成される領域660Eを除いた残りの領域を露光および硬化する工程を行うことができる。
【0385】
次に、
図13bを参照すると、実施例は、前記領域660Eを現像して、第2溝部662Oを形成する工程を行うことができる。このとき、前記第2溝部662Oの底面は、前記第1回路パターン層620よりも低く位置することができる。
【0386】
次に、
図13cを参照すると、前記第2溝部662Oと垂直に重なる第1回路パターン層620の表面をエッチングする工程を行うことができる。そして、前記エッチング工程により、前記第1回路パターン層620の側面620P1Sには、凹部が形成される。例えば、前記側面620P1Sに形成される凹部は、前記第1保護層660の第1溝部661Oと水平に重なることがある。
【0387】
次に、
図13dを参照すると、実施例は、前記第1保護層660の第1溝部661Oと前記凹部との間に配置される第1パート680rと、前記第1パート680r上に水平方向に拡張して配置され、前記第1保護層660の第2溝部662Oの一部を充填する表面処理層680が形成され得る。
【0388】
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは、少なくとも一つの実施例に含まれ、必ず一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例に例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野で通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組合せまたは変形して実施可能である。したがって、このような組合せと変形に関連した内容は、実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【0389】
以上では実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、実施例を限定するものではなく、実施例が属する分野で通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、以上で例示されていない多様な変形と応用が可能であることが理解できるであろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関連した差異点は、添付された請求範囲で設定する実施例の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置された第1金属層を含む回路パターン層と、
前記絶縁層上に配置され、前記第1金属層と垂直に重なり、水平方向に段差を有する溝部を含む保護層と、
前記保護層の前記溝部に配置された第2金属層と、を含み、
前記溝部は、前記第1金属層よりも大きい幅を有する部分を含み、
前記第2金属層は、前記溝部の前記部分に前記第1金属層よりも大きい幅を有して配置され
前記第1金属層は、前記溝部と垂直に重なり、前記絶縁層に向かって凹んだ凹部を含み、
前記第2金属層の少なくとも一部は、前記第1金属層の前記凹部内に配置される、回路基板。
【請求項2】
前記溝部は、
前記第1金属層に隣接して位置し、第1幅を有する第1溝部と、
前記第1溝部上に配置され、前記第1幅および前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2溝部と、を含み、
前記第2金属層は、
前記第1溝部内に配置される第1パートと、
前記第2溝部内に配置され、前記第1パートおよび前記第1金属層よりも大きい幅を有する第2パートと、を含む、請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1溝部は、前記第1金属層と同じか、または小さい幅を有する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第2金属層は、前記第1金属層の前記凹部内に配置される第3パートを含む、 請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第2金属層の第3パートは、
前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重なる第3-1パートと、
前記第1金属層の前記溝部を介して露出される領域と垂直に重ならない第3-2パートと、を含む、請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1金属層は、パッドであり、
前記回路パターン層は、
前記パッドに隣接して配置されたトレースを含み、
前記第2金属層の第2パートは、
前記トレースと垂直に重なる重畳領域を含む、請求項2に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1溝部は、前記第1金属層の幅よりも大きい幅を有し、前記第1金属層の上面よりも低い底面を有し、
前記保護層は、前記第1金属層と離隔し、
前記第2金属層の第1パートは、
前記第1金属層の側面の少なくとも一部と接触する、請求項2に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1溝部の底面は、前記絶縁層の上面よりも高く位置する、請求項7に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1金属層は、パッドであり、
前記第2金属層は、前記パッド上に配置されるバンプまたは表面処理層である、請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されたパッドを含む回路パターン層と、
前記絶縁層上に配置され、前記パッドと垂直に重なり、垂直方向に沿って互いに異なる幅を有する溝部を含む保護層と、
前記保護層の前記溝部内に配置された表面処理層と、を含み、
前記表面処理層の上面は、前記溝部の中心から端方向に行くほど高さが低くなる領域を含み
前記表面処理層の下面の少なくとも一部は、前記パッドの上面よりも低く位置する、回路基板。
【請求項11】
前記表面処理層は、前記パッドの幅よりも大きい幅を有し、
前記表面処理層は、
前記パッドと垂直に重なる重畳領域および前記パッドと垂直に重ならない非重畳領域を含む、請求項10に記載の回路基板。
【請求項12】
前記保護層は、
前記パッドに隣接して備えられ、前記パッドと垂直に重なる第1溝部と、
前記第1溝部上に配置され、前記第1溝部および前記パッドと垂直に重なり、前記第1溝部の幅よりも大きい幅を有する第2溝部と、を含み、
前記表面処理層は、
前記第1溝部内に配置される第1パートと、
前記第2溝部内に配置され、前記第1パートよりも大きい幅を有する第2パートと、を含む、請求項10に記載の回路基板。
【請求項13】
前記第1溝部は、前記パッドよりも小さい幅を有し、
前記第2溝部は、前記第1溝部および前記パッドのそれぞれの幅よりも大きい幅を有する、請求項12に記載の回路基板。
【請求項14】
前記パッドは、前記第1溝部と垂直に重なり、前記絶縁層に向かって凹んだ凹部を含み、
前記表面処理層は、前記パッドの凹部内に配置される第3パートを含む、請求項12に記載の回路基板。
【請求項15】
前記表面処理層の第3パートは、
前記第1パートと垂直に重なる第3-1パートと、
前記第1パートと垂直に重ならない第3-2パートと、を含む、請求項14に記載の回路基板。
【請求項16】
前記第1溝部は、前記パッドの幅よりも大きい幅を有し、
前記保護層の前記第1溝部は、前記パッドと離隔し、
前記表面処理層の第1パートは、
前記パッドの側面の少なくとも一部と接触する、請求項12に記載の回路基板。
【請求項17】
前記保護層の前記第1溝部の上面は、前記パッドの上面よりも低く位置し、
前記第1溝部は、前記パッドの幅と同じ幅を有し、
前記パッドは、前記第1溝部と水平に重なり、前記パッドの内側方向に形成された凹部を含み、
前記表面処理層の第1パートは、前記凹部内に配置される、請求項12に記載の回路基板。
【請求項18】
前記表面処理層は、4μm以上の厚さを有し、 上面の少なくとも一部が曲面を含み、
前記表面処理層の厚さは、
前記表面処理層の重畳領域における最小厚さ、最大厚さ、および平均厚さのうち少なくとも一つである、請求項11に記載の回路基板。
【請求項19】
絶縁層と、
前記絶縁層上に配置されたパッドを含む第1回路パターン層と、
前記絶縁層上に前記パッドと垂直方向に重なるように配置され、垂直方向に沿って互いに異なる幅を有する段差を有する溝部を含む保護層と、
前記保護層の前記溝部内に配置され、前記溝部の段差に対応する段差を有する金属層と、
前記金属層上に配置された接続部と、
前記接続部上に実装されたチップと、
前記チップをモールディングするモールディング層と、を含み、
前記溝部は、
前記パッドと垂直に重なり、第1幅を有する第1溝部と、
前記第1溝部と垂直に重なり、前記第1幅よりも大きい第2幅を有する第2溝部と、を含み、
前記金属層は、
前記第1溝部に配置される第1パートと前記第2溝部に配置される第2パートとを含み、
前記金属層の下面の少なくとも一部は、前記パッドの上面の少なくとも一部よりも低く位置する、半導体パッケージ。
【請求項20】
前記チップは、幅方向に相互に離隔するか、上下方向に配置される第1チップおよび第2チップを含む、請求項19に記載の半導体パッケージ。
【国際調査報告】