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特表2024-534495液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキット
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/03 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
G01N21/03 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517405
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-05-18
(86)【国際出願番号】 EP2022075949
(87)【国際公開番号】W WO2023041780
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】21197823.4
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512115852
【氏名又は名称】エフ.ホフマン-ラ ロッシュ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001346
【氏名又は名称】弁理士法人MM&A
(72)【発明者】
【氏名】アムライン、スヴェン マティアス
【テーマコード(参考)】
2G057
【Fターム(参考)】
2G057AA01
2G057AB06
2G057AC01
2G057BA03
2G057BB01
2G057BD06
2G057BD08
(57)【要約】
液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキットは、少なくとも一群の複数のロッド(12)を備える上部プレート(1)であって、各ロッド(12)が平坦なロッド底面(121)を有する、上部プレート(1)と、下部プレート(2)と、上部プレート(1)および下部プレート(2)を互いに対して位置合わせする位置合わせガイドと、上部プレート(1)および下部プレート(2)の互いの距離を決定するスペーサとを備える。下部プレート(2)は、それぞれが平坦なウェル底面(221)を有する複数のウェル(22)を備える。位置合わせガイドは、各ウェル(22)が各群の複数のロッドのうちの1つのロッド(12)を収容するように構成および配置される。スペーサは、複数のねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)を備え、複数のねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)は、上部プレート(1)と下部プレート(2)とが組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成するときに、各平坦なロッド底面(121)が対応する平坦なウェル底面(221)に対して0.5mmから5mmの範囲の所定の距離(43)で平行に配置されるように配置される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキットであって、
- ガラス製であり且つあるロッドパターンで配置された少なくとも1つの群をなす複数の下方に突出するロッド(12;32、33、34、35)を備える上部プレート(1、3)であって、前記ロッド(12;32、33、34、35)のそれぞれが、下方に面する平坦なロッド底面(121;321、331、341、351)と、前記平坦なロッド底面(121;321、331、341、351)の外周から上方に延在する側方の外側ロッド面(122;322、332、342、352)とを備え、個々の同じ群における全てのロッド(12;32、33、34、35)の前記平坦なロッド底面(121;321、331、341、351)が、それぞれの共通の第1の平面(127;327、337、347、357)内に配置され、個々の群それぞれが、同じ数のロッド(12;32、33、34、35)を備え、同じロッドパターンで配置される、上部プレート(1、3)と、
- 下部プレート(2)と、
- 前記上部プレート(1、3)および前記下部プレート(2)を組み立てて前記マイクロプレート・アセンブリを形成する際に、前記上部プレート(1、3)および前記下部プレート(2)を互いに位置合わせする複数の位置合わせガイドと、
- 前記上部プレート(1、3)と前記下部プレート(2)とを組み立てて前記マイクロプレート・アセンブリを形成する際に、前記上部プレート(2)と前記下部プレート(2)との互いの距離を決定する複数のスペーサと
を備え、
前記下部プレート(2)が、ガラス製の複数のウェル(22)を備え、前記複数のウェル(22)におけるウェル(22)の数が、個々の複数のロッド(12;32、33、34、35)の群それぞれにおけるロッド(12;32、33、34、35)の数に対応し、前記複数のウェル(22)が、前記ロッドパターンに対応するウェルパターンで配置され、
前記ウェル(22)のそれぞれが、上向きであり且つ0.7mmから29mmの範囲の面積を有する平坦なウェル底面(221)を備え、全てのウェル(22)の前記平坦なウェル底面(221)が、共通の第2の平面(227)内に配置され、
前記ウェル(22)のそれぞれが、前記平坦なウェル底面(221)の外周から上方に延在する側方の内側ウェル面(222)をさらに備え、前記側方の内側ウェル面(222)が、前記上部プレート(1、3)および前記下部プレート(2)が組み立てられて前記マイクロプレート・アセンブリ(1、3)を形成するときに、前記側方の外側ロッド面(122;322、332、342、352)を囲むように寸法決めされ、
前記複数の位置合わせガイドの配置および構成は、前記上部プレート(1、3)が前記下部プレート(2)と組み立てられて前記マイクロプレート・アセンブリを形成するときに、前記複数のウェル(22)の各ウェルが個々の複数のロッド(12;32、33、34、35)の群それぞれにおける1つのロッド(12;32、33、34、35)を収容するように、前記複数の位置合わせガイドが互いに係合して前記上部プレート(1、3)と前記下部プレート(2)とを位置合わせさせるものであり、
前記複数のスペーサが、複数のねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)を備え、
前記複数のねじ付き調整ボルトにおける各ねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)が、前記上部プレート(1、3)または前記下部プレート(2)のねじ付き貫通孔(18a、18b、18c)に配置され、それぞれの前記ねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)の一端(131a)が、前記上部プレート(1、3)または前記下部プレート(2)からそれぞれ突出し、そのため、前記上部プレート(1、3)が前記下部プレート(2)と組み立てられて前記マイクロプレート・アセンブリを形成するとき、前記それぞれのねじ付き調整ボルト(13a)の前記一端(131a)が、前記下部プレート(2)または前記上部プレート(1、3)にそれぞれ当接し、個々のロッド(12;32、33、34、35)の群それぞれにおける各ロッド(12;32、33、34、35)の前記平坦なロッド底面(121;321、331、341、351)が、対応する前記平坦なウェル底面(221)に平行に配置され、0.05mmから5mm、特に0.1mmから2mm、とりわけ0.2mmから1mmの範囲内の所定の距離で前記平坦なウェル底面(221)に面する、キット。
【請求項2】
前記上部プレート(1)が、複数の下方に突出するロッド(12)の群を1つのみ備える、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記上部プレート(3)が、複数の下方に突出するロッド(32、33、34、35)の群を2つ以上、特に複数の下方に突出するロッド(32、33、34、35)を4つ備え、同じ群における全てのロッド(32、33、34、35)が同じ長さを有する、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記複数のねじ付き調整ボルトが、三角形(19)、好ましくは二等辺三角形(19)の頂点に配置された3つのねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)からなる、請求項1から3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項5】
複数のロッド(12;32、33、34、35)の群それぞれの前記ロッドパターンが、96個の位置を有する同じ矩形マトリックスであり、そこに複数のロッドの群それぞれにおける前記ロッド(12;32、33、34、35)が配置され、
前記マトリックスの前記位置が、8行(R1~R8)および12列(C1~C12)に沿って配置され、
前記3つのねじ付き調整ボルト(13a、13b、13c)のうちの第1のねじ付き調整ボルト(13a)および第2のねじ付き調整ボルト(13b)が、両方とも、前記矩形マトリックスの最下列(R8)と下から2番目の列(R7)との間に配置され、
前記3つのねじ付き調整ボルト(13)のうちの第3のねじ付き調整ボルト(13c)が、前記矩形マトリックスの最上列(R1)と上から2番目の列(R2)との間に配置され、
前記第1のねじ付き調整ボルト(13a)が、前記矩形マトリックスの最も左端の列(C1)と左端から2番目の列(C2)との間に配置され、
前記第2のねじ付き調整ボルト(13b)が、前記矩形マトリックスの最も右端の列(C12)と右端から2番目の列(C11)との間に配置され、
前記第3のねじ付き調整ボルト(13c)が、前記矩形マトリックスの2つの最も中央の列(C6、C7)の間に配置される、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記上部プレート(1、3)または前記下部プレート(2)からそれぞれ突出する前記それぞれのねじ付き調整ボルト(13a)の前記一端(131a)が、凸状端面を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記位置合わせガイドが、
- 前記上部プレート(1、3)の第1の側方端部(14)において前記上部プレート(1、3)から下方に延在し、第1のフランジ位置合わせ面(141)を備える第1のフランジ(140)と、
- 前記上部プレート(1、3)の前記第1の側方端部(14)とは反対側の第2の側方端部(15)において前記上部プレートから下方に延在し、第2のフランジ位置合わせ面(151)を備える第2のフランジ(150)と、
- 前記下部プレート(2)の対応する第1の側方端部(24)に形成され、対応する第1の溝位置合わせ面(241)を備える第1の溝(240)と、
- 前記下部プレート(2)の対応する第2の側方端部(25)に形成され、対応する第2の溝位置合わせ面(251)を備える第2の溝(250)と
を備え、
前記第1のフランジ位置合わせ面(141)および前記第2のフランジ位置合わせ面(151)のそれぞれ、ならびに、前記第1の溝位置合わせ面(241)および前記第2の溝位置合わせ面(251)のうちの対応する1つの溝位置合わせ面が、前記上部プレート(1、3)と前記下部プレート(2)とを組み立てて前記マイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように成形および配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のキット。
【請求項8】
前記位置合わせガイドが、
- 前記下部プレート(2)の第3の側方端部(26)において前記下部プレート(2)から上方に延在し、第3のフランジ位置合わせ面(261)を備える第3のフランジ(260)であって、前記下部プレート(2)の前記第3の側方端部(26)が、前記下部プレート(2)の前記第1の側方端部(24)および前記第2の側方端部(25)とは異なる、第3のフランジ(260)と、
- 前記下部プレート(2)の前記第3の側方端部(26)とは反対側の第4の側方端部(27)において前記下部プレート(2)から上方に延在し、第4のフランジ位置合わせ面(271)を備える第4のフランジ(270)と、
- 前記上部プレート(1)の対応する第3の側方端部(16)に形成され、対応する第3の溝位置合わせ面(161)を備える第3の溝(160)と、
- 前記上部プレート(1、3)の対応する第4の側方端部(17)に形成され、対応する第4の溝位置合わせ面(171)を備える第4の溝(170)と
をさらに備え、
前記第3のフランジ位置合わせ面(261)および前記第4のフランジ位置合わせ面(271)のそれぞれ、ならびに、前記第3の溝位置合わせ面(161)および前記第4の溝位置合わせ面(171)のうちの対応する1つの溝位置合わせ面が、前記上部プレート(1、3)と前記下部プレート(2)とを組み立てて前記マイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように成形および配置される、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
- 前記第1のフランジ位置合わせ面(141)が、内側に面する内側位置合わせ面(142)と、側方で外側に面する2つの側方位置合わせ面(143)とを備え、前記内側位置合わせ面(142)が、前記内側位置合わせ面(142)から離れるように内側に突出する少なくとも1つの膨出部(144)を備え、
- 前記第1の溝位置合わせ面(241)が、外側に面する外側位置合わせ面(242)と、側方で内側に面する2つの側方位置合わせ面(243)とを備え、前記外側位置合わせ面(242)が、前記少なくとも1つの膨出部(144)に対応する少なくとも1つの内側に凹んだノッチ(244)を備え、
- 前記第2のフランジ位置合わせ面(151)が、内側に面する内側位置合わせ面(152)と、側方で外側に面する2つの側方位置合わせ面(153)とを備え、前記内側位置合わせ面(152)が、前記第2の内側フランジ位置合わせ面(152)から離れるように内側に突出する少なくとも1つの膨出部(154)、好ましくは2つのそのような膨出部(154)を備え、
- 前記第2の溝位置合わせ面(251)が、外側に面する外側位置合わせ面(252)と、側方で内側に面する2つの側方位置合わせ面(253)とを備え、前記外側位置合わせ面(253)が、前記少なくとも1つの膨出部(154)に対応する少なくとも1つの内側に凹んだノッチ(254)、好ましくは前記2つのそのような膨出部(154)に対応する2つのそのようなノッチ(254)を備え、
前記膨出部(144、154)のそれぞれ、および、前記ノッチ(244,254)のうちの対応する1つのノッチが、前記上部プレート(1)と前記下部プレート(2)とを組み立てて前記マイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように配置および成形される、請求項7または8に記載のキット。
【請求項10】
前記上部プレート(1)が、耐食性金属製であり且つ前記ロッドパターンで配置された複数の貫通孔(11、 31)を備えるキャリアプレート(10)を備え、同じ前記複数のロッドの群それぞれにおける各個々のロッド(12;32、33、34、35)が、前記複数の貫通孔における異なる個々の貫通孔(11、31)に固定される、請求項1から9のいずれか一項に記載のキット。
【請求項11】
同じ前記複数のロッドの群それぞれにおける各個々のロッド(12;32、33、34、35)が、接着剤によってそれぞれの前記異なる個々の貫通孔(11、31)に固定される、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記下部プレート(2)が、前記ウェルパターンで配置された前記複数のウェル(22)を備えるガラスプレート(21)を備え、前記下部プレート(2)が、耐食性金属製であり且つ前記ガラスプレート(21)を収容するフレーム(20)をさらに備え、前記ねじ付き調整ボルト(13)が、前記上部プレートから突出し、前記上部プレート(1、3)が前記下部プレート(2)と組み立てられて前記マイクロプレート・アセンブリを形成するときに、前記ねじ付き調整ボルト(13)の端部が前記ガラスプレート(21)に当接するように配置される、請求項1から11のいずれか一項に記載のキット。
【請求項13】
前記ロッド(12;32、33、34、35)および前記ウェル(22)の両方が、円状断面を有する円筒状である、請求項1から12のいずれか一項に記載のキット。
【請求項14】
前記下部プレート(2)および前記上部プレート(1、3)の両方の外形寸法が、マイクロプレート用の規格ANSI SLAS 1-2004(R2012)の外形寸法に適合している、請求項1から13のいずれか一項に記載のキット。
【請求項15】
液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリであって、前記マイクロプレート・アセンブリが、請求項1から14のいずれか一項に記載のキットの組み立てられた上部プレート(1、3)および下部プレート(2)によって形成される、マイクロプレート・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、吸光度測定の分野に関する。より詳細には、液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキットに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ライフサイエンスにおける広範な用途には、溶液中のDNA、RNAおよびタンパク質などの液体試料の分光吸光度測定が含まれる。典型的には、液体試料の1つの成分の濃度、または液体試料のいくつかの成分の濃度の比は未知であるか、または確認が必要であり、このような吸光度測定から決定され得る。濃度の決定は、品質管理またはプロセス管理の一部を形成し得る。
【0003】
液体試料中の単一の減衰成分の濃度は、光路長が吸光度と濃度との間の線形関係によって正確に分かっている場合は、ランベルト・ベールの法則の適用可能な範囲内で次式から決定され得る。
A=ε・c・L
Aは吸光度であり、
Lは光路長であり、
εはモル吸収係数であり、
cは液体試料中の単一の減衰成分の濃度である。
【0004】
いくつかの用途、とりわけ特に医薬品の初期の研究開発では、利用可能な液体試料の量は非常に限られており、測定はμl(マイクロリットル)またはml(ミリリットル)の範囲の最小体積の液体試料で行う必要がある。同時に、多数の液体試料を取り扱うことができることが求められる。したがって、標準化されたフォーマット(以前は、ANSI SBSとして知られていたANSI SLAS)のマイクロプレートを使用した小型化および自動化された解決策が選択される技術である。分光吸光度測定は、典型的には、96,384個または1536個のウェルを有するマイクロプレートを使用して行われる。自動吸光度測定を実施するために、所定量の液体試料をウェルにピペットで注入し、自動プレートリーダを使用して吸光度を測定する。
【0005】
開いたウェルを有する標準的なマイクロプレートの従来の設計では、特に少量の液体試料の場合に、光路長の不正確さをもたらし得るいくつかの要因が存在する。例えば、試料をウェルにピペットで注入してから、測定を行うまでの間の不正確なピペット操作または液体試料の蒸発によって引き起こされる、液体試料の所望の体積からの液体試料の実際の体積の偏差は、それぞれのウェル内の実際の充填レベルの所望の充填レベルからの偏差、したがって濃度を決定するための計算に使用される光路長からの光路長の偏差をもたらし得る。さらに、メニスカスの形成により、液体と空気との界面を横切る光路長が不均一になり、理論的に想定される光路長からの著しい偏差につながる可能性がある。
【0006】
米国特許第8,605,279号明細書(米国特許出願公開第2009/008168号明細書に対応)は、液体試料がマイクロキュベット・アセンブリの上部プレートおよび下部プレートに配置された2つの平坦面の間の定位置に保持されたマイクロキュベット・アセンブリを開示しているが、ウェルについては開示していない。代わりに、間に液体の試料が保持された平坦面が、上部プレートおよび下部プレートから互いに向かってそれぞれ突出している。このアセンブリは、ピペットの位置決めおよび液体試料のピペット操作された量の両方に関して、ピペット操作に非常に高い精度が求められる。また、平坦間の距離は、液体試料の体積および表面張力に適合させる必要がある。また、下部プレートの平坦面上にピペットで注入された液体試料は、マイクロキュベット・アセンブリの形成前の、上部プレートを下部プレート上に配置することによる下部プレートの振動または急速な動きなどの機械的影響を受けやすい。これは、マイクロキュベット・アセンブリのレイアウトおよび寸法が標準的なマイクロプレートのものと同様であり得る場合であっても、標準的なマイクロプレートハンドリング機器を使用したマイクロキュベット・アセンブリのプレートの完全に自動化された効率的なハンドリングを複雑にする可能性がある。さらに、液体試料を下部プレートの平坦面上にピペットで注入してから、上部プレートの対応する平坦面を有するマイクロキュベット・アセンブリを形成するまでの間に、完全に露出した液体試料が少なくとも部分的に蒸発する可能性がある。また、液体試料の体積が上部プレートと下部プレートの2つの対応する平坦面間に保持された(閉じた)マイクロキュベット・アセンブリの形成後であっても、液体試料は、覆われていない側面を介して依然として部分的に蒸発する可能性がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、前述の欠点を克服することである。
【発明の概要】
【0008】
本発明によれば、これらおよび他の目的は、独立請求項の特徴によって特定されるように、マイクロプレート・アセンブリを形成するキットおよびマイクロプレート・アセンブリによって達成される。本発明によるキットの有利な態様は、従属請求項の主題である。
【0009】
添付の特許請求の範囲を含む明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数を含む。特定の数値または値の範囲に関して「約」という用語を使用する場合、これは、文脈上他に明確に指示されない限り、「約」に関連して言及される特定の数値が含まれ、明示的に開示されるという意味で理解されるべきである。例えば、「約」数値A~「約」数値Bの範囲が開示されている場合、これは数値A~数値Bの範囲を含み、明示的に開示していると理解されるべきである。また、特徴が用語「または」と組み合わされるときはいつでも、用語「または」は、用語「または」が排他的であると理解されなければならないことが明細書から明らかでない限り、「および」も含むと理解されるべきである。
【0010】
本発明によれば、液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリを形成するキットが提案される。キットは、
- ガラス製であり且つあるロッドパターンで配置された少なくとも1つの群をなす複数の下方に突出するロッドを備える上部プレートであって、ロッドのそれぞれが、下方に面する平坦なロッド底面と、平坦なロッド底面の外周から上方に延在する側方の外側ロッド面とを備え、個々の同じ群における全てのロッドの平坦なロッド底面が、それぞれの共通の第1の平面内に配置され、個々の群それぞれが、同じ数のロッドを備え、同じロッドパターンで配置される、上部プレートと、
- 下部プレートと、
- 上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレートと下部プレートとを互いに位置合わせする複数の位置合わせガイドと、
- 上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレートと下部プレートとの互いの距離を決定する複数のスペーサと
を備える。
【0011】
下部プレートは、ガラス製の複数のウェルを備える。複数のウェルにおけるウェルの数は、個々の複数のロッドの群それぞれにおけるロッドの数に対応し、複数のウェルは、ロッドパターンに対応するウェルパターンで配置される。
【0012】
本明細書で使用される「ウェル」という用語は、ウェルが形成されているプレートの表面に対して凹んでおり、使用位置ではプレートの表面から下方に延在する、底部を有する孔もしくは開口部、またはくぼみ、または同様の区画を意味する。ウェルは、通常、ウェルの底部からウェルの上端部まで延在する側壁を含み、この側壁は、通常、ウェルが形成されているプレートの表面の平面である。したがって、ウェルは、液体がウェルから容易に逃げたり、ウェル内で移動したりできないようなやり方で液体を収容するように構成されている。
【0013】
各ウェルは、上方に面した、0.7mm~29mmの範囲の面積を有する平坦なウェル底面を備える。全てのウェルの平坦なウェル底面は、共通の第2の平面に配置される。
【0014】
ウェルのそれぞれは、平坦なウェル底面の外周から上方に延在する側方の内側ウェル面をさらに含む。側方の内側ウェル面は、上部プレートと下部プレートとが組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、側方の外側ロッド面を囲むように寸法決めされる。複数の位置合わせガイドの配置および構成は、上部プレートが下部プレートと組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、複数のウェルの各ウェルが、個々の複数のロッドの群それぞれにおける1つのロッドを収容するように、複数の位置合わせガイドが互いに係合して上部プレートと下部プレートとを位置合わせするものである。
【0015】
複数のスペーサは、複数のねじ付き調整ボルトを備える。
【0016】
複数のねじ付き調整ボルトにおける各ねじ付き調整ボルトは、上部プレートまたは下部プレートのねじ付き貫通孔に配置され、それぞれのねじ付き調整ボルトの一端は、上部プレートまたは下部プレートからそれぞれ突出し、それにより、上部プレートが下部プレートと組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、それぞれのねじ付き調整ボルトの一端が下部プレートまたは上部プレートにそれぞれ当接し、個々のロッドの群それぞれにおける各ロッドの平坦なロッド底面は、対応する平坦なウェル底面と平行に配置され、0.05mm~5mm、特に0.1mm~2mm、とりわけ0.2mm~1mmの範囲内の所定の距離で平坦なウェル底面に面するようになる。
【0017】
本発明によるキットは、ウェルを有する従来のマイクロプレートの利点を損なうことなく、試料を通る光ビームの固定光路長で(分光)吸光度測定を実行する可能性を提供する。
【0018】
突出面が液体試料を堆積させるための指定領域である米国特許第8,605,279号明細書に開示されているアセンブリとは対照的に、下部プレートのそれぞれのウェルの側方(横方向)の内側ウェル面は、液体試料がその指定ウェル内にしっかりと収容されているために液体試料が位置ずれするのを防止する。例えば、上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、またはマイクロプレート・アセンブリのプレートリーダまたは分光計への移送中に、起こり得る振動または揺れに起因して下部プレートまたはマイクロプレート・アセンブリが動いた場合でも、液体試料はそれぞれのウェルにしっかりと収容されたままである。さらに、本発明によるキットは、接着力および凝集力、ならびに、表面張力に関連するいかなる試料依存特性にも無関係に、あらゆる種類の液体試料に適している。
【0019】
上部プレートから下方に突出する各ロッドは、上部プレートが下部プレートと組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、位置合わせガイドが互いに係合して上部プレートと下部プレートとを位置合わせし、(ロッドパターンがウェルパターンに対応しているため)それぞれのロッドが対応するウェルによって収容されるように配置される。マイクロプレート・アセンブリの全てのロッドの平坦なロッド底面とウェルの平坦なウェル底面は、平行に配置され、所定の距離で互いに対向している。これは、以下により詳細に説明するように、ねじ付き調整ボルトを用いて達成される。下部プレートの複数のウェルに分注された液体試料は、それぞれのウェルの平坦なウェル底面を少なくとも部分的に濡らし、平坦なロッド底面と平坦なウェル底面との間の空間全体を満たす。液体試料の体積が蒸発によって影響を受ける可能性がある場合、液体試料が平坦なロッド底面、ウェル底面、および横方向の内側ウェル表面によって囲まれているため、蒸発が防止され、または少なくとも大幅に減少し、したがって液体試料の空気への曝露が大幅に減少する。液体試料の蒸発の可能性が吸光度測定に及ぼす影響は、平坦なロッド底面と平坦なウェル底面との間の空間全体を満たすのに必要な液体試料の最小体積よりも多くの試料液をウェルに分注することによってさらに低減され得る。追加量の液体試料は、ロッド底面によって覆われていないウェルの空間へと横方向に押しやられるため、光路長に影響を与えず、蒸発が(分光)吸光度測定に及ぼす影響をさらに低減することができる。
【0020】
本発明によるキットは、ピペット操作された液体試料の体積の変動に比較的鈍感である。実際にウェルに分注される液体試料の体積が、ウェルに分注される液体試料の目標体積から逸脱している場合でも、光路長は影響を受けない。例えば、配置された液体試料の体積が液体試料の目標体積を超える場合でも、余分な試料液体はロッドによって押しやられるため、所望の光路長はロッド底面とウェル底面との間の距離によって決定される。したがって、ウェルに分注される液体試料の目標体積を、ロッド底面とウェル底面との間の空間全体を満たすのに必要な最小体積をわずかに超える体積まで増加させることによって、ピペット操作された体積のわずかな変動(ピペッティング装置によって引き起こされる可能性がある)は、吸光度測定にいかなる影響も及ぼさない。
【0021】
ねじ付き調整ボルトは、上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレートまたは下部プレートのねじ付き貫通孔に配置され、一端が突出してそれぞれの対向するプレートに当接する。したがって、ねじ付き調整ボルトにより、それぞれのプレートの異なる位置におけるプレート間の距離の調整が可能になる。ロッドおよびウェルは、平坦なロッド底面が共通の第1の平面に配置され、ウェル底面が共通の第2の平面に配置されるように、それぞれのプレートにしっかりと接続されているため、調整ボルトは、それぞれの平坦なロッド底面と対応する平坦なウェル底面との間の光路長が全てのロッドおよびウェルについて同じになるように、全ての個々のロッドの平坦なロッド底面が個々のウェル底面に平行に、且つ個々のウェル底面から所定の距離に配置されることを確実にするように配置および調整され得る。
【0022】
光路長は、平坦なロッド底面と平坦なウェル底面との間の調整可能な距離によって決定されるため、非常に高い吸光度を有する液体試料であっても、液体試料の希釈を必要とせずに吸光度測定に使用できるように、光路長を十分に小さく選択することができる。光路長は、試料体積とはほとんど無関係に選択され得る。
【0023】
以下でより詳細に説明するように、上部プレートは、複数のロッドの群を1つのみ備えてもよく、または複数の下方に突出するロッドの群を2つ以上備えてもよい。
【0024】
下部プレートおよび上部プレートの外形寸法は、マイクロプレート用のANSI SLAS規格(特に、マイクロプレート用のANSI SLAS1-2004(R2012))に従った標準寸法に容易に適合され得て、その場合、本発明によるキットは、標準装置、すなわち標準液体処理装置(例えば、標準的なマルチチャネルピペット)、標準プレート処理装置、および標準プレートリーダを使用して自動測定を実行する可能性を提供する。
【0025】
本発明によるキットの一態様によれば、上部プレートは、ただ1つの群の複数の下方に突出するロッドを備える。
【0026】
本態様により、単一の光路長で、最小体積の液体試料で、吸光度を容易に(分光)測定することが可能になる。本態様により、ウェルに分注された液体試料が平坦なウェル底面上に一滴しか形成しない程度の非常に小さな液体試料の体積を測定することさえも可能になる。最新の液体処理機器は、ウェルの中心に液体試料の液滴を分注することができ、その結果、上部プレートが下部プレートと組み立てられる際に、液滴は、それぞれの平坦なロッド底面およびそれぞれの平坦なウェル底面によって画定されるマイクロキュベットを満たす。
【0027】
本発明によるキットの別の態様によれば、上部プレートは、2つ以上の群の複数の下方に突出するロッド、特に4つの群の複数の下方に突出するロッドを備え、同じ群の個々の複数のロッドの全てのロッドは同じ長さを有する。例えば、4つの群の複数のロッドの場合、第1の群の複数のロッドの全ての個々のロッドの平坦なロッド底面は、この第1の群の複数のロッドの第1の共通平面に配置され、第2の群の複数のロッドの全ての個々のロッドの平坦なロッド底面は、この第2の群の複数のロッドの第1の共通平面(第1の群の複数のロッドの第1の共通平面とは異なる)に配置される。同様に、第3の群の複数のロッドの全ての個々のロッドの平坦なロッド底面は、この第3の群の複数のロッドの第1の共通平面(第1および第2の群の複数のロッドの第1の共通平面とは異なる)に配置され、第4の群の複数のロッドの全ての個々のロッドの平坦なロッド底面は、この第4の群の複数のロッドの第1の共通平面(第1、第2、および第3の群の複数のロッドの第1の共通平面とは異なる)に配置される。
【0028】
この構成により、同一体積の液体試料(すなわち、同じウェル)において、異なる光路長での測定が可能となる。同じ試料堆積において、異なる光路長で測定する利点は、測定された信号がランベルト・ベールの法則によって与えられる相関に最もよく従い、試料中の成分の広範囲の濃度をカバーすることができる最も適切な光路長をユーザが決定できることである。さらに、これにより、測定原理を、ある定義された経路長での吸光度の測定のみから、個々の測定値の文脈付けにまで拡張することが可能になる。例えば、得られた吸光度値の傾きを光路長の関数として評価することによって、個々の経路長での吸光度測定値を文脈付けすることができる。
【0029】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、複数のねじ付き調整ボルトは、三角形、好ましくは二等辺三角形の頂点(角部)に配置された3つのねじ付き調整ボルトからなる。
【0030】
上部プレートと下部プレートとの間の距離を決定するための3つのねじ付き調整ボルトを三角形に配置することで、それぞれのプレート上の3つの別個の位置(調整ボルトが配置されている位置)でそれぞれの距離を調整することが可能になる。3つのねじ付き調整ボルトのうちの1つの位置においてそれぞれの距離を調整することにより、それぞれの他の2つの調整ボルトのそれぞれの位置を通る線によって画定される軸の周りで、下部プレートに対する上部プレートの傾斜を調整することが可能になる。したがって、3つのねじ付き調整ボルトを三角形に配置することで、下部プレートに対する上部プレートの距離および傾斜を制御することが可能になり、したがって、過剰決定なしに、平坦なロッド底面を平坦なウェル底面に平行に配置すること、ならびに、これの底面を互いから所定の距離に配置することが可能になる。二等辺三角形の角部に3つのねじ付き調整ボルトを配置することが特に有利であり得る。3つのねじ付き調整ボルトのこの幾何学的配置により、高度の安定性がもたらされ、三角形の底辺に対応する第1の軸の周り、および(三角形の脚部に対応する)第1の軸に対して対称な角度にある2つのさらなる軸の周りの傾斜を調整することが可能になる。二等辺三角形の底辺がそれぞれのプレートの長い側縁部に平行に延び、二等辺三角形の頂点がそれぞれのプレートの長い側縁部の中間に配置されるような、ねじ付き調整ボルトの三角形配置が特に有利である。地層的には、ねじ付き調整ボルトは、二等辺三角形の底辺がそれぞれのプレートの長い側縁部に可能な限り近接して配置され、三角形の底辺の角部が長い側縁部の端部に可能な限り近接して配置され、頂点がそれぞれのプレートの反対側の長い側縁部に可能な限り近接して配置され、且つその反対側の長い側縁部の中間に配置されるように配置される。このような配置により、下部プレートに対する上部プレートの傾斜角、および平坦なロッド底面と平坦なウェル底面との間の距離を高精度に調整および制御することが可能になる場合がある。
【0031】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、複数のロッドの群それぞれ(ただ1つ群の複数のロッドが存在するか、または2つ以上の群、特に4つの群の複数のロッドが存在するかにかかわらず)のロッドパターンは、96個の位置を有する同じ矩形マトリックスであり、そこに複数のロッドの群それぞれにおけるロッドが配置されている。
【0032】
マトリックスの位置は8行12列に沿って配置され、
3つのねじ付き調整ボルトのうちの第1のねじ付き調整ボルトおよび第2のねじ付き調整ボルトは両方とも、矩形マトリックスの最下列(最下段)と下から2番目の列(2番目の最下段)との間に配置され、
3つのねじ付き調整ボルトのうちの第3のねじ付き調整ボルトは、矩形マトリックスの最上列(最上段)と上から2番目の列(2番目の最上段)との間に配置されている。
【0033】
第1のねじ付き調整ボルトは、矩形マトリックスの最も左端の列(最外左列)と左端から2番目の列(2番目の最外左列)との間に配置され、第2のねじ付き調整ボルトは、矩形マトリックスの最も右端の列(最外右列)と右端から2番目の列(2番目の最外右列)との間に配置されている。
【0034】
第3のねじ付き調整ボルトは、矩形マトリックスの2つの最も中央の列(最中央列)の間に配置されている。
【0035】
マトリックスの位置が8行および12列に沿って配置される96個の位置を有する同じ矩形マトリックス内に各個々の複数のロッドを配置することは、このような配置が標準的なマイクロプレートの配置に対応し、液体試料の取り扱いおよびマイクロプレートの取り扱いのための標準的な機器の使用を可能にするという利点を有する。
【0036】
前記行と列との間に3つのねじ付き調整ボルトを配置することにより、調整ボルトをマトリックスの外側に配置することなく、ねじ付き調整ボルト間のそれぞれの距離が確実に可能な限り大きくなる。ねじ付き調整ボルトのそれぞれの距離を最大化することにより、下部プレートに対する上部プレートの傾斜の調整の精度が向上するとともに、ロッド底面とウェル底面との間の距離の調整の精度が向上する。
【0037】
本発明によるキットの別の態様によれば、上部プレートまたは下部プレートからそれぞれ突出するそれぞれのねじ付き調整ボルトの一端は、凸状端面を備える。
【0038】
上部プレートまたは下部プレートから突出するそれぞれのねじ付き調整ボルトの一端の凸状端面は、本質的に、上部プレートと下部プレートとが組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、ねじ付き調整ボルトの一端とそれぞれの他方のプレートとの単一の接触点を提供する。対照的に、それぞれのねじ付き調整ボルトの一端が代わりに例えば平坦面を備える場合、前記平坦面とそれぞれの他方のプレートとの接触領域は、前記平坦面全体、前記平坦面の縁部、またはこの縁部上の点のいずれかである。これにより、上部プレートと下部プレートとの間の距離とねじ付き調整ボルトの回転との間の関係に予期しない非線形性または急激な変化が生じる可能性がある。さらに、下部プレートに対する上部プレートの傾斜の基準軸は、明確に定義されなくてもよい。さらに、各プレートが、少なくともねじ付き調整ボルトの凸状端部が各プレートと接触する領域においてガラス製である場合、十分に滑らかな凸状端面によってガラスに対する傷および損傷が回避され得る。
【0039】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、位置合わせガイドは、
上部プレートの第1の側方端部(横方向端部)において上部プレートから下方に延在し、第1のフランジ位置合わせ面を備える第1のフランジと、
第1の側方端部とは反対側の上部プレートの第2の側方端部(横方向端部)において上部プレートから下方に延在し、第2のフランジ位置合わせ面を備える第2のフランジと、
下部プレートの対応する第1の側方端部に形成され、対応する第1の溝位置合わせ面を備える第1の溝と、
下部プレートの対応する第2の側方端部に形成され、対応する第2の溝位置合わせ面を備える第2の溝と
を備える。
【0040】
第1のフランジ位置合わせ面および第2のフランジ位置合わせ面のそれぞれと、第1の溝位置合わせ面および第2の溝位置合わせ面のうちの対応する1つの溝位置合わせ面とは、上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように成形され配置される。
【0041】
位置合わせガイドは、上部プレートと下部プレートとが組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレートが下部プレートと正確に位置合わせされることを確実にする。この点に関して、下部プレートの「対応する」第1の横方向端部および「対応する」第2の横方向端部とはそれぞれ、上部プレートの下方に延在する第1のフランジおよび第2のフランジと同じ側に配置された下部プレートのそれぞれの横方向端部を意味する。それぞれの第1のフランジ位置合わせ面および第2のフランジ位置合わせ面、ならびに、第1の溝位置合わせ面および第2の溝位置合わせ面を備える、第1の位置合わせフランジおよび第2の位置合わせフランジ、ならびに、第1の位置合わせ溝および第2の位置合わせ溝は、典型的には、上部プレートと下部プレートとを組み立てる際に、ユーザが上部プレートと下部プレートを互いに簡単且つ正確に位置合わせすることを可能にするように形成される。特に、実質的に垂直な第1のフランジ位置合わせ面および第2のフランジ位置合わせ面、ならびに、第1の溝位置合わせ面および第2の溝位置合わせ面は、対応する第1のフランジ位置合わせ面および第2のフランジ位置合わせ面と第1の溝位置合わせ面および第2の溝位置合わせ面との係合時に、上部プレートと下部プレートが水平に位置合わせされることを確実にする。
【0042】
さらに、位置合わせガイドは、上部プレートと下部プレートとの組み立て中にガイドおよび位置合わせツールとして機能するだけでなく、上部プレートを下部プレートに対してその指定された水平位置に保つ。それぞれのプレートの対向する横方向端部における位置合わせフランジおよび対応する溝の配置は、組み立て作業中に容易に視認できる。これは、組み立て作業中に「隠れて見えない」位置合わせ手段と比較して有利である。さらに、それぞれのプレートの対向する横方向端部における位置合わせフランジおよび溝のこのような配置により、下部プレートに向かう方向および下部プレートから離れる方向以外の方向への動きに対して、上部プレートを下部プレートに対して安定化させることが保証される。
【0043】
本発明によるキットの別の態様によれば、位置合わせガイドは、
- 下部プレートの第3の側方端部(横方向端部)において下部プレートから上方に延在し、第3のフランジ位置合わせ面を備える第3のフランジであって、下部プレートの第3の側方端部が下部プレートの第1および第2の側方端部とは異なる、第3のフランジと、
- 下部プレートの第3の側方端部とは反対側の第4の側方端部(横方向端部)において下部プレートから上方に延在し、第4のフランジ位置合わせ面を備える第4のフランジと、
- 上部プレートの対応する第3の側方端部に形成され、対応する第3の溝位置合わせ面を備える第3の溝と、
- 上部プレートの対応する第4の側方端部に形成され、対応する第4の溝位置合わせ面を備える第4の溝と
をさらに備える。
【0044】
第3のフランジ位置合わせ面および第4のフランジ位置合わせ面のそれぞれと、第3の溝位置合わせ面および第4の溝位置合わせ面のうちの対応する1つの溝位置合わせ面とは、上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように成形され配置される。
【0045】
ここでも、上部プレートの「対応する」第3の横方向端部および「対応する」第4の横方向端部とはそれぞれ、下部プレートの上方に延在する第3のフランジおよび第4のフランジと同じ側に配置された上部プレートのそれぞれの横方向端部を意味する。第1の横方向端部および第2の横方向端部とは異なる横方向端部における第3の溝のおよび第4の溝の配置は、マイクロプレート・アセンブリの安定性をさらに高め、下部プレートに向かうおよび下部プレートから離れる以外の、上部プレートの下部プレートに対する動きをさらに防止する。
【0046】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、
- 第1のフランジ位置合わせ面は、内側に面する内側位置合わせ面と、側方で(横方向の)外側に面する2つの側方位置合わせ面(横方向位置合わせ面)とを備え、内側位置合わせ面は、内側位置合わせ面から離れるように内側に突出する少なくとも1つの膨出部を備え、
- 第1の溝位置合わせ面は、外側に面する外側位置合わせ面と、側方で(横方向の)内側に面する2つの側方位置合わせ面(横方向位置合わせ面)とを備え、外側位置合わせ面は、少なくとも1つの膨出部に対応する少なくとも1つの内側に凹んだノッチを備え、
- 第2のフランジ位置合わせ面は、内側に面する内側位置合わせ面と、側方で(横方向の)外側に面する2つの側方位置合わせ面(横方向位置合わせ面)とを備え、内側位置合わせ面は、第2の内側フランジ位置合わせ面から離れるように内側に突出する少なくとも1つの膨出部、好ましくは2つのこのような膨出部を備え、
- 第2の溝位置合わせ面は、外側に面する外側位置合わせ面と、側方で(横方向の)内側に面する2つの側方位置合わせ面(横方向位置合わせ面)とを備え、外側位置合わせ面は、少なくとも1つの膨出部に対応する少なくとも1つの内側に凹んだノッチ、好ましくは2つの膨出部に対応する2つのこのようなノッチを備え、
膨出部のそれぞれとノッチのうちの対応する1つのノッチとは、上部プレートと下部プレートを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、互いに係合するように配置され成形される。
【0047】
内側に面する内側位置合わせ面およびそれらに対応する外側に面する外側位置合わせ面は、上部プレートと下部プレートとを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、下部プレートに対して上部プレートを、主に前記面に垂直な方向に位置合わせし、安定化させる。内側位置合わせ面および外側位置合わせ面によって提供される位置合わせおよび安定化に加えて、横方向位置合わせ面は、内側位置合わせ面および外側位置合わせ面に垂直な方向以外の方向における上部プレートの位置合わせおよび安定化を支援する。同様の横方向位置合わせ面が、マイクロプレート・アセンブリのさらなる安定化および位置合わせ支援のために、第3のフランジ位置合わせ面および第4のフランジ位置合わせ面、ならびに、それらの対応する溝位置合わせ面にも設けられてもよい。膨出部およびそれらの対応するノッチは、特にそれぞれの内側位置合わせ面および外側位置合わせ面に垂直な方向以外の方向における安定性をさらに高める。安定化に加えて、膨出部およびノッチは、下部プレートに対する上部プレートの向きを規定して、上部プレートと下部プレートが望ましくない向きで偶発的に組み立てられることを防止するのに役立ち得る。膨出部および対応するノッチによって下部プレートに対する上部プレートの向きを規定する1つのやり方は、第1のフランジ位置合わせ面に1つの膨出部を設け、第1の溝位置合わせ面に対応する1つのノッチを設け、第2のフランジ位置合わせ面に2つの膨出部を設け、第2の溝位置合わせ面に対応する2つのノッチを設けることによるものであってもよい。膨出部およびノッチのこのような配置は、上部プレートと下部プレートとの誤った組み立てを物理的に防止するだけでなく、上部プレートと下部プレートとの正しい組み立てのための明白な視覚的ガイドも提供する。
【0048】
本発明によるキットのさらに別の態様によれば、上部プレートは、耐食性金属製であり且つロッドパターンで配置された複数の貫通孔を含むキャリアプレートを備え、同じ複数のロッドの群それぞれにおける各個々のロッドは、複数の貫通孔における異なる個々の貫通孔に固定される。
【0049】
ガラスロッドが取り付けられた耐食性金属で作られたキャリアプレートは、ガラスの有利な光学特性を利用することを可能にする一方で、同時に上部プレート(ガラスロッドが貫通孔に固定されたキャリアプレート)全体の確実且つ堅牢な取り扱いを可能にする。加えて、ガラスロッドと、貫通孔を有する耐食性金属で作られたキャリアプレートとの両方を簡単且つ確実に製造することができ、耐食性があるため、洗浄および再使用することができる。
【0050】
ただ1つの群の複数のロッドが存在する場合、この単一の群の複数のロッドのうちの1つの個々のロッドが、キャリアプレートの各個々の貫通孔に固定される。2つ以上の群の複数のロッドが存在する場合、各群の複数のロッドのうちの1つのロッドが、キャリアプレートの各個々の貫通孔に固定される。特に、上述した4つの群の複数のロッドの場合、4つの群の複数のロッドそれぞれのうちの1つのロッドが、キャリアプレートの各個々の貫通孔に配置される。
【0051】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、同じ複数のロッドの群それぞれの各個々のロッドは、接着剤によってそれぞれの異なる個々の貫通孔に固定される。
【0052】
接着剤を使用して各個々のロッドを貫通孔に固定することは、ロッドをキャリアプレートに取り付ける簡単で確実なやり方である。前記構成要素の製造を複雑にする可能性がある追加の特徴、例えばねじ山は必要ない。
【0053】
本発明によるキットの別の態様によれば、下部プレートは、前記ウェルパターンで配置された複数のウェルを含むガラスプレートを備える。下部プレートは、耐食性金属製であり且つガラスプレートを収容するフレームをさらに備える。ねじ付き調整ボルトは、上部プレートから突出し、上部プレートが下部プレートと組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、ねじ付き調整ボルトの端部がガラスプレートに当接するように配置される。
【0054】
この態様は、ウェルを含むこのようなガラスプレートが高い精度で製造するのが容易であるという利点を有する。ガラスはかなり脆弱な材料であることが知られているため、ガラスプレートを収容する耐食性金属で作られたフレームは、下部プレート全体(すなわち、収容されたガラスプレートを有するフレーム)が堅牢であり、したがって取り扱いが容易であることを保証する。
【0055】
上部プレートが下部プレートと組み立てられたときに、ねじ付き調整ボルトの端部がガラスプレートに当接するように、上部プレートから突出する調整ボルトを配置することにより、上部プレートとの間の距離を調整ボルトによって実際に正確に調整することができる。平坦なウェル底面がガラスプレートの一部であり、金属フレームの一部ではないため、ガラスプレートに当接するねじ付き調整ボルトは、平坦なロッド底面と平坦なウェル底面との間の距離を正確に調整することを確実にする。
【0056】
本発明によるキットのさらなる態様によれば、ロッドおよびウェルの両方は、円状断面を有する円筒状である。
【0057】
円状断面を有する円筒状(ガラス)ロッドは製造が容易であり、多くの場合、やはり円状の断面ビームプロファイルを有する光ビームを導くのに適している。
【0058】
既に述べたように、本発明によるキットのさらなる態様によれば、下部プレートおよび上部プレートの両方の外形寸法は、マイクロプレート用の規格ANSI SLAS1-2004(R2012)の外形寸法に適合する。この場合、本発明によるキットは、標準的な機器、すなわち標準的な液体取り扱い機器(例えば、標準的なマルチチャネルピペット)、標準的なプレート取り扱い機器、および標準的なプレートリーダを使用して自動測定を実行する可能性を提供する。
【0059】
本発明によれば、液体試料の吸光度測定のためのマイクロプレート・アセンブリも提案され、マイクロプレート・アセンブリは、上述したように、本発明によるキットの組み立てられた上部プレートと下部プレートとによって形成される。
【0060】
マイクロプレート・アセンブリの構成要素および利点については、マイクロプレート・アセンブリを形成するキットに関して既に上述したため、ここでは繰り返さない。
【0061】
上部プレートと下部プレートとが組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、平坦なロッド底面と平坦なロッドウェル面との平行配置およびそれらの間の距離は、製造プロセスまたは温度変動に起因し得る上部プレートおよび下部プレートの理想的な幾何学的形状からのわずかな偏差を補償するために、複数のねじ付き調整ボルトによって調整され得る。ねじ付き調整ボルトを備えるスペーサは、好ましくは、一組の較正測定値を使用して1度だけ調整され得る。較正測定のために、ウェルは、成分の濃度およびモル吸収係数が正確に分かっている参照液体試料で満たされてもよい。実際の光路長および予想される光路長からの偏差は、ランベルト・ベールの法則によって定義される式を使用して吸光度の測定値から計算され得る(上記をさらに参照)。上部プレートと下部プレートとの間の距離(したがって、ロッド底面とウェル底面との距離)は、実際の光路長と予想される光路長との偏差が減少するように、その後調整され得る。この較正手順は、前記偏差が十分に小さいレベルに減少するまで繰り返されてもよい。残りの偏差は、測定データの後続の処理中に補償されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明のさらなる有利な態様は、概略図の助けを借りて本発明の実施形態の以下の説明から明らかになる。
図1】本発明によるキットの第1の実施形態を示す図であり、キットの全ての構成要素が斜視分解図で示されている。
図2図1のキットの実施形態の斜視図であり、キットの上部プレートおよび下部プレートのそれぞれの構成要素が組み立てられている。
図3図2に示すキットの実施形態の上部プレートの底面図である。
図4図2に示すキットの実施形態の下部プレートの上面図である。
図5図2に示す組み立てられた上部プレートおよび下部プレートによって形成された、本発明によるマイクロプレート・アセンブリの一実施形態の斜視図である。
図6図5に示すマイクロプレート・アセンブリの線VI-VIに沿った断面図である。
図7図6の細部VIIの拡大図である。
図8】液体試料がウェルに収容されている、図5の線VIII-VIIIに沿ったキットおよびマイクロプレート・アセンブリの断面図であり、キットの上部プレートと下部プレートが組み立てられる前の分離された状態を示す。
図9】液体試料がウェルに収容されている、図5の線VIII-VIIIに沿ったキットおよびマイクロプレート・アセンブリの断面図であり、上部プレートが下部プレートに組み立てられた状態を示す。
図10図8と同じ断面図であるが、より少量の液体試料がウェルに収容されている状態を示す。
図11図9と同じ断面図であるが、より少量の液体試料がウェルに収容されている状態を示す。
図12】本発明によるキットの第2の実施形態の上部プレートの底面図である。
図13図12に示す上部プレートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1に、本発明によるキットの第1の実施形態の分解図を示す。キットは、一般に、上部プレート1および下部プレート2を備える。上部プレート1は、ガラス製で円状断面を有する複数の円筒状ロッド12を備える。ロッド12は、ロッドパターン(第1の実施形態では、以下でさらに説明するように、マトリックス内の96個の異なる位置を定義する8行12列の矩形マトリックス)で配置されている。下部プレート2は、金属フレーム20と、ロッドパターンに対応するウェルパターン(8行12列の対応するマトリックス)に配置された円状断面を有する複数の円筒状ウェル22を含むガラスプレート21とを備える。本実施形態では、ただ1つ群の複数のロッド12(すなわち、単一の群の複数のロッド)が設けられている。
【0064】
上部プレート1は、耐食性金属、例えば(陽極酸化された)アルミニウムで作られたキャリアプレート10を備える。キャリアプレート10は、前記一群の複数のロッドの個々のロッド12がロッドパターン(矩形マトリックス)で配置されるように、個々のロッド12を収容するための、マトリックスの96個の異なる位置に配置された複数の貫通孔11を備える。キャリアプレート10は、3つのねじ付き貫通孔18a、18b、18cをさらに備える。3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cがこれらのねじ付き貫通孔18a、18b、18cに配置され、3つの調整ボルトのうちの第1のねじ付き調整ボルト13aが貫通孔18aに配置され、3つのねじ付き調整ボルトのうちの第2のねじ付き調整ボルト13bがねじ付き貫通孔18bに配置され、3つのねじ付き調整ボルトのうちの第3のねじ付き調整ボルト13cが貫通孔18cに配置される。3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cは、上部プレート1が下部プレート2と組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレート1の下部プレート2からの距離(したがって、それぞれの個々のロッド12のそれぞれの平坦なロッド底面121と、対応するウェル22の平坦なウェル底面221との間の距離43、図9を参照されたい)を互いに対して調整するように機能する。
【0065】
下部プレート2は、耐食性金属、例えば(陽極酸化された)アルミニウムで作られたフレーム20を備える。フレーム20は、ガラスプレート21を収容する。ガラスプレート21は、金属フレーム20のねじ孔を貫通する3つの締め付けねじ23(図1ではそれらのうちの2つのみがラベル付けされている)によって固定され、それによってガラスプレート21を締め付け、金属フレーム20の所定の位置に保持する。
【0066】
図2は、図1に既に示したキットの第1の実施形態を示しているが、キットの上部プレート1および下部プレート2のそれぞれの構成要素が組み立てられている。すなわち、ロッド12は、キャリアプレート10の貫通孔11に固定され(各個々の貫通孔11に1つの群の個々のロッド12)、ねじ付き調整ボルト13a、13b、13cは、このように形成された上部プレート1から下方に突出するように貫通孔18a、18b、18cに配置される。ガラスプレート21は、金属フレーム20のdに挿入され、締め付けねじ23を用いて金属フレームに固定される。
【0067】
既に簡単に上述したように、キットのこの第1の実施形態では、ロッドパターンは、96個の異なる位置を有する矩形マトリックスであり、マトリックスのこれらの96個の異なる位置は、8つの行R1~R8(図1および図2のキャリアプレート10上に文字A~Hでラベル付けされている)に沿って、および12の列C1~C12(図1および図2のキャリアプレート10上に番号1~12でラベル付けされている)に沿って配置される。第1および第2のねじ付き調整ボルト13a、13bは、矩形マトリックスの2番目の最下段R7と最下段R8との間に配置され、第1のねじ付き調整ボルト13aは、最外左列C1と2番目の最外左列C2との間に配置され、第2のねじ付き調整ボルト13bは、2番目の最外右列C11と最外右列C12との間に配置される。第3のねじ付き調整ボルト13cは、最上列R1と2番目の最上列R2との間、および、最中央列C6とC7との間に配置される。したがって、ねじ付き調整ボルト13a、13b、13cは、二等辺三角形19(図2に点線で示す)を形成し、前記三角形19の角部は、3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cを用いた調整の高精度を保証するために、可能な限り互いに離れて配置される。
【0068】
位置合わせガイドは、第1の横方向端部14および第1の横方向端部14とは反対側の上部プレート1の第2の横方向端部15、ならびに、対応する下部プレート2の第1の横方向端部24および対応する第2の横方向端部25に設けられる。位置合わせガイドは、上部プレート1と下部プレート2とを組み立ててマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、上部プレート1と下部プレート2とを互いに対して位置合わせするように機能する。図1および図2に示す第1の実施形態では、位置合わせガイドは、上部プレート1の第1の横方向端部14(図3参照)において上部プレート1から下方に延在する第1のフランジ140と、上部プレート1の第2の横方向端部15において上部プレート1から下方に延在する第2のフランジ150とを備える。位置合わせガイドは、下部プレート2の対応する第1の横方向端部24に形成された第1の溝240と、下部プレート2の対応する第2の横方向端部25に形成された第2の溝250とをさらに備える(図4参照)。
【0069】
第1および第2のフランジ140、150の幾何学的形状、ならびに、第1および第2の溝240、250の幾何学的形状は、図3および図4でも見ることができる。図3は、(組み立てられた)上部プレート1の底面図を示し、図4は、図2の(組み立てられた)下部プレート2の上面図を示す。
【0070】
図3では、上部プレート1の第1の横方向端部14は、上部プレート1の左側にあるように示されている。第1のフランジ140は、上部プレート1から下方に(すなわち、紙面から読者に向かって)延在する第1のフランジ位置合わせ面141を備える。第1のフランジ位置合わせ面141は、内側に面する内側位置合わせ面142と、横方向の外側に面する2つの横方向位置合わせ面143とを備える。前記位置合わせ面141、142、143は、丸みを帯びた縁部を介して互いに接続された本質的に垂直な平坦な壁として具現化される。さらに、内側位置合わせ面142は、内側位置合わせ面142から離れるように内側に突出する膨出部144を備える。
【0071】
上部プレート1の第2の横方向端部15は、上部プレート1の右側にあるように示されている。第2のフランジ150は、内側に面する内側位置合わせ面152と、上部プレート1の第1の横方向端部14の対応する対応部と鏡像関係になる2つの横方向の外側に面する横方向位置合わせ面153とを備える第2のフランジ位置合わせ面151を備える。第2の内側フランジ位置合わせ面152は、内側位置合わせ面152から離れるように内側に突出する2つの膨出部154を備える。
【0072】
図3と同様に、図4では、下部プレート2の第1の横方向端部24が下部プレート2の左側にあるように示されており、下部プレート2の第2の横方向端部25が右側にあるように示されている。第1の溝240は、第1の横方向端部24に形成された第1の溝位置合わせ面241を備える。第1の溝位置合わせ面241は、外側に面する外側位置合わせ面242と、横方向の内側に面する2つの横方向位置合わせ面243とを備える。さらに、外側位置合わせ面242は、上部プレート1の膨出部144に対応する内側に凹んだノッチ244をさらに備える。
【0073】
同様に、下部プレート2の第2の横方向端部25に配置された第2の溝250は、第2の溝位置合わせ面251を備える。第2の溝位置合わせ面251は、外側に面する外側位置合わせ面252と、下部プレート2の第1の横方向端部24における対応する対応部と鏡像関係になる横方向の内側に面する2つの横方向位置合わせ面253とを備える。第2の内側溝位置合わせ面252は、上部プレート1の2つの膨出部154に対応する2つの内側に凹んだノッチ254を備える。
【0074】
ノッチ244を含む下部プレート2の第1の横方向端部24における第1の溝240の全ての位置合わせ面241、242、243の形状は、膨出部144を含む上部プレート1の第1のフランジ140の対応する位置合わせ面141、142、143の形状と一致する。これは、2つの膨出部154を含む上部プレート1の第2のフランジ150の対応する位置合わせ面251、252、253の形状に一致するノッチ245を含む下部プレート2の第2の横方向端部25の第2の溝250の位置合わせ面151、152、153についても同様に当てはまる。上部プレート1が下部プレート2と組み立てられるときに、上部プレート1および下部プレート2のそれぞれの内側位置合わせ面および外側位置合わせ面142、152、242、252は、上部プレート1が下部プレート2と長手方向(図面の平面における水平方向)に正確に位置合わせされることを確実にする。それぞれの横方向位置合わせ面143、153、243、253は、上部プレートが下部プレートに対して横方向(図面の平面における垂直方向)に正確に位置合わせされることを確実にする。膨出部144および154、ならびに、ノッチ244および254は、位置合わせおよび安定性をさらに支援するだけでなく、上部プレート1が下部プレート2と正しい向きで組み立てられることを確実にする。
【0075】
図4にさらに示すように、位置合わせガイドは、下部プレート2の第3の横方向端部26から上方に延在する第3のフランジ260と、下部プレート2の第3の横方向端部26とは反対側の第4の横方向端部27から上方に延在する第4のフランジ270とをさらに備える。位置合わせガイドは、上部プレート1の対応する第3の横方向端部16に設けられた対応する第3の溝160と、上部プレート1の対応する第4の横方向端部17に設けられた対応する第4の溝170とをさらに備える。第3のフランジ260および第4のフランジ270、ならびに、対応する第3の溝160および第4の溝170は、マイクロプレート・アセンブリの位置合わせ手順および安定性をさらに支援する。
【0076】
さらに、図4は、アルミニウムフレーム20に組み付けられたガラスプレート21を示す。アルミニウムフレーム20内のガラスプレート21の正しい向きは、ガラスプレート21の面取り縁部210およびアルミニウムフレーム20の対応する面取り縁部200によって保証される。
【0077】
図5は、上述のキットの組み立てられた上部プレート1および下部プレート2によって形成された本発明によるマイクロプレート・アセンブリの一実施形態の斜視図を示す。図5に見られるように、上部プレート1および下部プレート2の様々な位置合わせフランジと溝とが互いに係合している。図5にさらに見ることができるように、フランジは、外側に面する凹面をさらに備え、その凹面のうち、上部プレート1の第2の端部15に配置された第2のフランジ150の凹面155および第4のフランジ270の凹面275のみが図5で見える。上部プレート1の第1のフランジ140および下部プレート2の第3のフランジ260にも、対応する凹面(図5では見えない)が設けられている。凹面は矩形であり、例えば0.5mmだけ内側に凹んでいる。これらは、上部プレート1および下部プレート2またはそれらから形成されたマイクロプレート・アセンブリの完全に自動化された取り扱いのための、対応する標準機器用の把持/接触面として機能する。外形寸法は、好ましくは、127.76mm+/-0.5mmの長さおよび85.48mm+/-0.5mmの幅を指定するマイクロプレート用の規格ANSI SLAS1-2004(R2012)の外形寸法に準拠している。
【0078】
上部プレート1が下部プレート2と組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際、上部プレート1は、3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cの端面を介してのみ下部プレート2に載置される。ねじ付き調整ボルト13a、13b、13cを調整することにより、各ねじ付き調整ボルト13a、13b、13cの位置で上部プレート1と下部プレート2との間の距離を調整することができる。これにより、上部プレート1と下部プレート2との間の(平行な)距離だけでなく、下部プレート2に対する上部プレート1の傾斜も調整することができる。
【0079】
図6は、図5の線VI-VIに沿ったマイクロプレート・アセンブリの断面図である。第1のねじ付き調整ボルト13aおよび第2のねじ付き調整ボルト13bは、キャリアプレート10の2つのそれぞれのねじ付き貫通孔18a、18bに配置される(図1参照)。図7は、図6の細部VIIの拡大図である。第1のねじ付き調整ボルト13aは、下部プレート2のガラスプレート21の上面213に載置された凸状端面を有する端部131aを有することが分かる。キャリアプレート10自体は、その下面101をガラスプレート21の上面213に載置するのではなく、むしろ、ガラスプレート21の上面213とキャリアプレート10の下面101との間に小さな隙間があり、その結果、3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cの凸状端面がガラスプレート21の上面213と接触する点においてのみ、上部プレート1全体が下部プレート2上に全体として載置される。
【0080】
図8および図9は、キットまたはマイクロプレート・アセンブリの図5の線VIII-VIIIに沿った上部プレート1および下部プレート2の断面図をそれぞれ示す。図8では、上部プレート1および下部プレート2は分離されており(キット)、図9では、上部プレート1が下部プレート2と組み立てられている(マイクロプレート・アセンブリ)。
【0081】
これらの図でさらに分かるように、ガラス製のロッド12は、平坦なロッド底面121と、平坦なロッド底面121の周囲から上方に延在する横方向の外側ロッド面122とを含む。ロッド12は、円状断面を有する円筒状ロッドである。本実施形態では、平坦なロッド底面121は直径3mmの円状面であり、横方向の外側ロッド面122は円状の外側円筒面として形成されている。このような用途で典型的に使用される液体試料の体積に対しては、円状で平坦なロッド底面121の直径は0.5mm程度に小さくてもよい。平坦なロッド底面121は全て、共通の第1の平面127に配置されている。ロッド12を構成するガラスは、石英ガラスであることが好ましい。各ロッド12の平坦なロッド底面121および平坦な頂面123は研磨され、表面粗さR=0.3以下を有してもよい。
【0082】
図から分かるように、ロッド12の頂面123は、ロッド12の頂面123の傷を避けるために、頂面123がキャリアプレート10の上面102に対してわずかに凹むように貫通孔11に配置される。各ロッド12は、接着剤によってそれぞれの貫通孔11に固定されている。全ての平坦なロッド底面121が共通の第1の平面127に配置されることを確実にするために、ロッド12は、対応するスペーサ(図示せず)の助けを借りてそれぞれの貫通孔11に固定されてもよく、スペーサは好ましくはプラスチック製であり、ロッド上面123とキャリアプレート10の上面102との間の小さな距離を画定する(わずかに凹んだ配置)。
【0083】
ガラスプレート21のウェル22も円筒状であり、直径6mmの円状表面として成形された平坦なウェル底面221を含む。しかし、液体試料の体積が非常に小さい場合、円状の平坦なウェル底面221の直径は1mm程度に小さくてもよい。平坦なウェル底面の面積は、一般に、0.7mm~29mmの範囲である。ガラスプレート21の各円筒状ウェル22は、内側円筒面として成形された横方向の内側ウェル表面222をさらに含む。平坦なウェル底面221は、共通の第2の平面227に配置される。各ウェル22の平坦なウェル底面221は研磨されており、表面粗さR=0.3以下であってもよい。同様に、ガラスプレート21の底面211は、全体が同じ表面粗さRに研磨されるか、または少なくとも吸光度測定用の光ビーム40が横切る底面211の領域において同じ表面粗さに研磨される。
【0084】
さらに分かるように、ウェル22は液体試料225で部分的に満たされている。液体試料内の凝集力および液体試料とウェル22の横方向内面222との間の接着力により、メニスカス226が液体試料225の表面に形成される。図示の凹状メニスカス226は、典型的には水溶液の場合にそうであるように、接着力が凝集力よりも強いときに形成される。上部プレート1が下部プレート2と組み立てられてマイクロプレート・アセンブリを形成する際に、ロッド12はウェル22内に下降し、液体試料225に浸漬され、平坦なロッド底面121と平坦なウェル底面221との間の距離は、3つのねじ付き調整ボルト13a、13b、13cによって画定される。
【0085】
図9において、光源41から発せられた光ビーム40は、液体試料を通る光の(スペクトル分解された)透過を測定するために、光源41から検出器44までの途中でロッド12およびウェル22に収容された液体試料225を横切る(これから液体試料の吸光度を計算することができる)。液体試料を通る光の光路長は、平坦なロッド底面121と平坦なウェル底面221との間の距離43に対応し、0.05mm~5mm、特に0.1mm~2mm、とりわけ0.2mm~1mmの範囲である。平坦なロッド底面121と平坦なウェル底面221との間のこの距離、したがって液体試料を通る光路長は、各ロッド12の平坦なロッド底面121が各ウェル22の平坦なウェル底面221に平行に配置されているため、光ビーム40の断面全体にわたって一定である。ウェル22の横方向の内側ウェル表面222とロッド12の横方向の外側ロッド面122との間に形成された小さなメニスカス228は、光ビーム40によって横切られず、したがって、このメニスカス228は、透過/吸光度測定に影響を及ぼさない。液体試料225の体積、したがって液体試料225の充填レベルが蒸発によってわずかに影響され得る場合でも、光路長は影響を受けない。しかしながら、既に上述したように、各液体試料225が、横方向の内側ウェル表面221およびキャリアプレート10によって本質的に囲まれているため、蒸発は、完全に回避されるか、または少なくとも大幅に低減される。
【0086】
図10および図11では、図8および図9と同様の断面図を示しているが、ウェル22に収容されている液体試料225の量は大幅に少ない。ここでは、液体試料225は、それぞれのウェル22の中心で各ウェル22に一滴のみ分注される。液体試料225の体積は、平坦なウェル底面221全体を濡らさない程度に小さいため、平坦なウェル底面221上に曲面229を有する液滴が形成される。最新の液体取り扱い機器は、このような少量の液体試料225を各ウェル内およびそれぞれのウェル22の中心に高精度で分注することができる。図11に示すように、この状況においても、光路長は、光ビーム40の断面全体にわたって一定である。
【0087】
図12および図13は、本発明によるキットの第2の実施形態の上部プレート3の底面図および側面図をそれぞれ示す。この第2実施形態の下部プレートは、キットの第1の実施形態の下部プレート2と同一であってもよい。この第2の実施形態では、上部プレート3は、四群の複数のロッドを備え、四群の複数のロッドの各複数のロッド32、33、34、35は、例えば2mmの直径を有する。同じ群の複数のロッドまたはロッドは全て同じ長さを有するが、異なる群の複数のロッド32、33、34、35の長さは異なる。キャリアプレート30に設けられた各貫通孔31には、各複数のロッドのうちの1つのロッド32、33、34、35が配置されている(貫通孔の1つが図12に破線で示されている)。貫通孔31は、キットの第1の実施形態のロッド12と同じマトリックス配置でキャリアプレート30に配置され、円状貫通孔31は第1の実施形態と同じ円形形状を有する。四群の複数のロッドの各ロッド32、33、34、35は、平坦なロッド底面321、331、341、351および外側ロッド面322、332、342、352を含む。キャリアプレート30の個々の貫通孔31のそれぞれへの4つのロッド32、33、34、35の固定は、キットの第1の実施形態について説明したのと同様に行われる。これは、4つのロッド32、33、34、35が接着剤によって貫通孔31に固定されると、この(例えば、第1の)複数のロッドの全てのロッド32の平坦なロッド底面321が第1の共通平面327に配置されることを意味する。同様に、別の(例えば、第2の)複数のロッドの全てのロッド33の平坦なロッド底面331は、第1の共通平面327とは異なる別の第1の共通平面337に配置される。さらに、さらに別の(例えば、第3の)複数のロッドの全てのロッド34の平坦なロッド底面341は、第1の共通平面327、337とは異なるさらに別の第1の共通平面347に配置される。最後に、さらに別の(例えば、第4の)複数のロッドの全てのロッド35の平坦なロッド底面351は、第1の共通平面327、337、347とは異なるさらに別の第1の共通平面357に配置される。一方、ガラスプレート21の平坦なウェル底面22は、全て同じ第2の共通平面227に配置される(第1の実施形態参照)。結果として、平坦なロッド底面321、331、341、351とガラスプレート21のウェル22の平坦なウェル底面221との間の距離は異なる。既に上述したように、この結果、同じ体積の液体試料(すなわち、同じウェル内)で異なる光路長が利用可能になり、4つの異なる光路長での透過/吸光度測定が可能になる。これにより、ユーザは、測定された信号が、ランベルト・ベールの法則によって与えられる相関に最もよく従う最も適切な光路長を決定することができる。キットの第2の実施形態の上部プレート3の他の特徴は、キットの第1の実施形態の上部プレート1の特徴と同一であってもよい。したがって、これらについてはここでは再度説明しない。上述のように、キットの第2の実施形態の下部プレート(図12および図13には示されていない)は、キットの第1の実施形態の下部プレート2と同一であってもよい。
【0088】
本発明によるキットおよびマイクロプレート・アセンブリの実施形態は、図面を用いて上述されている。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されず、むしろ本発明の基礎となる教示から逸脱することなく多くの変形および修正が可能である。したがって、保護の範囲は、実施形態に限定されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】