(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】被験体の眼瞼筋を冒す障害の治療における使用のための改変BoNT/A
(51)【国際特許分類】
C07K 14/33 20060101AFI20240912BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20240912BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20240912BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240912BHJP
C12N 15/31 20060101ALN20240912BHJP
C12P 21/02 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
C07K14/33 ZNA
A61K38/16
A61P21/02
A61P27/02
C12N15/31
C12P21/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024518109
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 GB2022052415
(87)【国際公開番号】W WO2023047127
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517340507
【氏名又は名称】イプセン バイオファーム リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPSEN BIOPHARM LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000774
【氏名又は名称】弁理士法人 もえぎ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリゴール,ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ポンス,ローラン
【テーマコード(参考)】
4B064
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG30
4B064BJ12
4B064CA02
4B064CB06
4B064CC24
4B064DA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084CA04
4C084DA33
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA33
4C084ZA94
4H045AA10
4H045CA11
4H045DA83
4H045EA20
4H045FA16
4H045FA70
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを対象とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における眼瞼痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項2】
被験体における眼瞼痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項3】
定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項4】
被験体における定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(xiv)上部口輪筋へ1単位用量、
(xv)下部口輪筋へ1単位用量、
(xvi)大頬骨筋へ1単位用量、
(xvii)小頬骨筋へ1単位用量、
(xviii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xix)オトガイ筋へ1単位用量、
(xx)広頸筋へ1単位用量、
(xxi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xxii)頬筋へ1単位用量、
(xxiii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xxiv)鼻根筋へ1単位用量、
(xxv)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xxvi)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項5】
被験体における非定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する際の使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項6】
被験体における非定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(H
N)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(H
Cドメイン)とを含む。
【請求項7】
前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含む、請求項1又は2に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【請求項8】
前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含む、請求項1、2、又は7のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
(i)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【請求項9】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、240pg~4800pgの改変BoNT/Aである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項10】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、240pg~4000pgの改変BoNT/Aである、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項11】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、240pg~2400pgの改変BoNT/Aである、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項12】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、240pg~2000pgの改変BoNT/Aである、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項13】
前記単位用量(例えば、前記単位用量の下限)は、少なくとも500pgの改変BoNT/Aである、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項14】
前記単位用量(例えば、前記単回単位用量の下限)は、少なくとも1000pgの改変BoNT/Aである、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項15】
前記改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項16】
前記改変BoNT/Aは、E1191M及びS1199Yである2つの置換突然変異の組合せを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項17】
前記改変BoNT/Aは、軽鎖(L鎖)がジスルフィド結合を介して得られる重鎖(H鎖)に連結されている二鎖改変BoNT/Aであり、これは、配列番号14を含む単鎖改変BoNT/Aを、その活性化ループにおけるペプチド結合を加水分解するプロテアーゼと接触させ、それにより前記単鎖改変BoNT/Aを対応する二鎖改変BoNT/Aへと変換することを含む方法によって取得可能である、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項18】
前記改変BoNT/Aは、L鎖がジスルフィド結合を介して得られるH鎖に連結されている二鎖改変BoNT/Aであり、これは、配列番号14からなる単鎖改変BoNT/Aを、その活性化ループにおけるペプチド結合を加水分解するプロテアーゼと接触させ、それにより前記単鎖改変BoNT/Aを対応する二鎖改変BoNT/Aへと変換することを含む方法によって取得可能である、請求項1~17のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項19】
被験体における眼瞼痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項20】
被験体における眼瞼痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項21】
定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項22】
被験体における定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項23】
非定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する際の使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)、ここで、前記改変BoNT/Aは前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、前記改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項24】
被験体における非定型片側顔面痙攣を(例えば、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって)治療する方法、ここで、改変BoNT/Aが前記被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、前記方法は、以下のことを含み:
a)前記改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、前記改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは前記改変BoNT/Aの1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を前記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、前記改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、前記治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、前記改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、前記改変は、以下から選択される:
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【請求項25】
前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含む、請求項19又は20に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
(a)上部口輪筋へ1単位用量、
(b)下部口輪筋へ1単位用量、
(c)大頬骨筋へ1単位用量、
(d)小頬骨筋へ1単位用量、
(e)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(f)オトガイ筋へ1単位用量、
(g)広頸筋へ1単位用量、
(h)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(i)頬筋へ1単位用量、
(j)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(k)鼻根筋へ1単位用量、
(l)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(m)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【請求項26】
前記改変BoNT/Aの1単位用量以上を前記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含む、請求項19、20、又は25のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
(i)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【請求項27】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、84pg~400pgの改変BoNT/Aであり、及び/又は、
前記改変BoNT/Aの単位用量は、84pg~333.3pgの改変BoNT/Aであり、及び/又は、
前記改変BoNT/Aの単位用量は、84pg~200pgの改変BoNT/Aである、請求項19~26のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項28】
前記改変BoNT/Aの単位用量は、84pg~166.7pgの改変BoNT/Aであり、及び/又は、
前記単位用量(例えば、前記単回単位用量の下限)は、少なくとも100pgの改変BoNT/Aである、請求項19~27のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項29】
前記改変は、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、又はTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで前記改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、及び配列番号9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、好ましくは、前記改変は、ASN 886、ASN 930、SER 955、GLN 991、ASN 1026、ASN 1052、及びGLN 1229から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで前記改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、請求項19~28のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項30】
前記改変は、置換、好ましくはリジン又はアルギニンでの置換である、請求項19~29のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項31】
前記改変BoNT/Aは、7を超える安全率を有し、ここで、前記安全率は、マウス当たりのpgとして測定される-10%の体重変化に必要とされる毒素の用量をマウス当たりのpgとして測定されるDAS ED
50で割ったもの(ここで、ED
50=2のDASスコアをもたらすのに必要とされる用量)として計算される、請求項1~30のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項32】
前記(好ましくは眼瞼痙攣を治療する)方法は、以下のことを更に含む、請求項1~31のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第2の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の第2の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与すること。
【請求項33】
以下のことを更に含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法:
前記改変BoNT/Aの単位用量を前記被験体の眼の近位にある内側下眼輪筋に投与すること、ここで、前記治療中に投与される前記改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、請求項1~32のいずれか一項において)指定された総用量を超えない、及び/又は、
前記改変BoNT/Aの少なくとも単位用量(例えば2単位用量)を前記被験体の眼の近位にある前頭筋に投与すること、ここで、前記治療中に投与される前記改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、請求項1~32のいずれか一項において)指定された総用量を超えない、及び/又は、
前記改変BoNT/Aの少なくとも単位用量(例えば2単位用量)を前記被験体の眼の近位にある皺眉筋に投与すること、ここで、前記治療中に投与される前記改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、請求項1~32のいずれか一項において)指定された総用量を超えない。
【請求項34】
前記改変BoNT/Aは、注射部位当たり単回単位用量によって投与される、請求項1~33のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【請求項35】
前記被験体は、ヒト被験体である、請求項1~34のいずれか一項に記載の使用のための改変BoNT/A又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
眼瞼筋を冒す障害は、それに罹患している患者の生活に悪影響を与える可能性がある。これらの障害の中でも、眼瞼痙攣及び顔面痙攣(例えば、片側顔面痙攣)は特に不快である。
【0003】
眼瞼痙攣は主に眼輪筋の異常な収縮を特徴とする。より具体的には、眼瞼痙攣は、制御不能な過度のまばたき及び片眼又は両眼の痙攣として現れる場合があり、これは更に典型的な瞬目反射よりも長い持続時間の制御不能な閉瞼を特徴とする。眼瞼痙攣の症状は再発性である場合があり、一度に数時間又は数日続く可能性があり、場合によっては、症状(例えば、攣縮)が慢性的かつ持続的であることから、この病態に罹患している被験体にとっての生涯にわたる困難を引き起こす可能性がある。その他の症状としては、鼻、顔、及び首に広がり得る攣縮、眼の乾燥、並びに日光及び明るい光に対する過敏症を挙げることができる。
【0004】
眼瞼痙攣の原因はあまりよく理解されていない。眼瞼痙攣は、例えばパーキンソン病を治療する薬物などの或る特定の薬物、エストロゲン補充療法、又はベンゾジアゼピン類からの急性離脱によって誘発され得ることが示唆されている。眼瞼痙攣は、脳障害(例えば、神経変性病態、脳の大脳基底核の機能異常、及び多発性硬化症を含む)、脳損傷、又は頭部外傷(例えば、脳震盪)と関連している可能性もある。
【0005】
片側顔面痙攣は、顔の片側における表情筋の不随意の強直間代収縮を特徴とする運動障害である。両側性の症例が見られることもあるが、これらは非常にまれである。冒される筋肉は、顔面神経(第VII脳神経)によって神経支配されている筋肉である。最初は、この障害の症状は、典型的には眼輪筋に位置し(例えば、定型片側顔面痙攣)、他の顔の表情の筋肉を含むように広がる可能性がある。片側顔面痙攣(HFS)は、定型HFS及び非定型HFSという2つの形態を取る。定型の形態においては、攣縮/痙攣は、典型的には下眼瞼の眼輪筋から始まる。時間の経過とともに、これは眼瞼全体に広がり、その後、唇の周りの口輪筋、そして頬骨領における頬筋に広がる。非定型HFSにおいては、攣縮/痙攣は、典型的には唇の周りの口輪筋及び下顔面の頬骨領域における頬筋から始まり、その後、時間の経過とともに眼瞼における眼輪筋にまで進行する。最も一般的な形態は定型の形態であり、非定型の形態は片側顔面痙攣を患う患者の約2%~3%にしか見られない。
【0006】
被験体の眼瞼筋を冒す障害に対する薬物療法は、一般に予測不可能で短期間であることが判明している。抗コリン薬、鎮静薬、ボツリヌス神経毒素(例えば、Dysport(登録商標)、Botox(登録商標)、又はXeomin(登録商標))が最も一般的に使用される治療の選択肢である。しかしながら、これらの治療選択肢は最適なものではなく、毒性及び顔面筋の望ましくない麻痺を含む重篤な副作用を伴う。場合によっては、薬物療法又はボツリヌス神経毒素注射に十分に奏効しない患者に対して侵襲的な外科的処置が想定される可能性もある。したがって、眼瞼痙攣を治療する新しく有効な療法が常に試され求められている。
【0007】
より詳細には、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)は、シナプス前神経終末からのアセチルコリンの放出を選択的に阻害するため、神経筋接合部でのコリン作動性伝達を遮断し、筋収縮及び筋緊張の低下を引き起こし、注射された筋肉を弛緩させる。しかしながら、現在入手可能なBoNT/A製品の作用持続期間は約12週間~約14週間であり、このときに新しい神経終末が発芽して神経機能が正常に戻り、元の症状が再発する。したがって、効果を維持するには注射を定期的に繰り返す必要がある。このように、BoNT/A注射の頻度は、病態の慢性化の可能性及び必要とされる治療の長期的な性質を考慮すると、被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は片側顔面痙攣)の治療にとって重要な考慮事項である。実際、これは、患者及び医療従事者に関係がある直接的及び間接的な医療費、病院/診療所内での注射の補給、並びに最も重要なことには患者の生活の質に影響を及ぼす。
【0008】
Dysport(登録商標)は、眼瞼痙攣及び片側顔面痙攣の治療用に、片眼当たり120単位の治療セッションごとの最大総用量で承認されている。臨床医は、治療セッションごとに片眼当たり合計120単位(すなわち、両眼の治療の際には240単位)の上限閾値まで、被験体の眼瞼筋にDysport(登録商標)を投与する必要がある。臨床医は患者の治療中に難しい選択を迫られる。言い換えれば、従来の治療計画においては、臨床医は、投与することができる比較的低いBoNT/Aの総量(BoNT/Aの高度に毒性の性質により必要とされる)と、複数の様々な筋肉及び/又はそれらの部位での有効量との間のバランスを見出さなければならない。したがって、或る特定の筋肉が無視される可能性がある一方で、他の筋肉には次善の量のBoNT/Aが投与され、その結果、次善の療法が行われる。
【0009】
さらに、このような障害に対する従来の治療計画は複雑であり、臨床医は患者への毒性を避けようとして過少投薬する結果となっている。したがって、簡便で安全かつ有効な単回投薬単位、及び治療セッション中に患者に毒性をもたらすことなく眼瞼筋に投与することができる単位の数(例えば、筋肉当たりの注射部位の数を含む)への相応の指針が必要とされる。
【0010】
まとめると、目標とする臨床パターンに従って治療を適合させる個別化された患者中心のアプローチを可能にし、障害の分布、程度、及び重症度に応じて、毒性を避け、かつより長期持続性の治療(結果として投与の頻度がより少なくなる)をもたらしつつ、筋肉及び/又はその部位の様々な組合せに注射することが可能となる、被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は片側顔面痙攣)に対する治療の改善が求められている。
【0011】
本発明は、上述の問題の1つ以上を克服する。
【発明の概要】
【0012】
本発明者らは、驚くべきことに、改変BoNT/Aが、被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は片側顔面痙攣)の治療において特に有用であることを見出した。改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含み得て、それにより投与部位での保持の増加(投与部位からの拡散の減少)及び/又は作用持続期間の延長(例えば、6ヶ月~9ヶ月)を示す改変BoNT/Aがもたらされる。代替的には、改変BoNT/Aは、正味の正電荷の増加をもたらす表面露出アミノ酸残基の1つ以上の改変を含み得る。電荷の増加により、ポリペプチドとアニオン性細胞外成分との間の静電相互作用が促進され、それによってポリペプチドと細胞表面との間の結合が促される。続いて、これはまた、投与部位での保持を高め(投与部位からの拡散を減少させ)、及び/又は作用持続期間の増加(例えば、6ヶ月~9ヶ月)をもたらす。
【0013】
有利には、改変BoNT/Aは、非改変BoNT/A(例えば、Dysport(登録商標))と比較して改善された安全性プロファイルを有する。この改善された安全性プロファイルは、改変BoNT/Aについて本明細書に記載される高い安全率によって表現され得る。
【0014】
本明細書の前臨床データに基づくと、より高い総量の改変BoNT/Aを被験体に投与することができる一方で、そのような高用量であっても非改変BoNT/A(例えば、Dysport(登録商標))と同様の安全性プロファイルが達成されることが明らかとなった。したがって、被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は定型片側顔面痙攣などの片側顔面痙攣)の治療において、最大の総用量に達するまでに、より多くの改変BoNT/Aを注射することができ、及び/又はより多数の箇所の筋肉及び/又はその部位に注射することができる。これは重大かつ有利な知見であり、より広い範囲の治療選択肢を臨床医に提供しつつ、そのような障害の治療の改善をもたらす。治療は、より長期持続的な治療が提供され(より少ない投与頻度がもたらされ)、及び/又は治療を被験体に適合させることができ、及び/又は非改変BoNT/A(例えば、Dysport(登録商標))での治療と比較して被験体の生活の質の改善がもたらされるという点で改善され得る。したがって、本発明の治療は、従来の治療計画と比較して改善される。
【0015】
さらに、本発明は、簡便で安全かつ有効な単回単位用量だけでなく、単回治療において安全に投与することができる総(最大)投薬量も提供する。本発明はまた、上記単位用量を患者に毒性をもたらすことなく筋肉に投与することができる回数(例えば、筋肉当たりの注射部位の数を含む)への対応する指針も提供する。したがって、本発明による被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は片側顔面痙攣)の治療は、臨床医にとってずっとわかりやすく、過少投薬及び/又は過剰投薬を避けるのに役立つ。さらに、本発明による治療は、従来の治療と比較して、患者のニーズによりよく適合されているため、患者にとってはるかに満足のいくものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0017】
本開示を通じて、注射部位の近位にある眼を、障害によって冒された眼と呼ぶ場合がある。
【0018】
本開示を通じて、「外側上眼輪筋」という用語は、「上眼瞼の外側瞼板前眼輪筋」を指す場合がある。同様に、「内側上眼輪筋」という用語は、「上眼瞼の内側瞼板前眼輪筋」を指す場合がある。さらに、「外側下眼輪筋」という用語は、「下眼瞼の外側瞼板前眼輪筋」を指す場合がある。
【0019】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0020】
「被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する」という用語は、被験体の上記障害の1つ以上の症状が軽減されることを意味し得る。
【0021】
「非改変BoNT/Aによる治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する」という用語は、被験体の上記障害の1つ以上の症状が、本発明の改変BoNT/Aの投与後に、非改変BoNT/Aの投与と比較してより長時間にわたって軽減されることを意味し得る。上記軽減は、非改変BoNT/Aで治療された同等の症状を示す同等のコントロール被験体と比較することによって決定され得る。コントロール被験体の1つ以上の症状の重症度が非改変BoNT/A治療前と実質的に同じ(例えば同じ)である期間で、本発明による改変BoNT/Aで治療された被験体は、改変BoNT/Aによる治療前の1つ以上の症状の重症度と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、又は少なくとも50%の同等の1つ以上の症状における改善を示し得る。非改変BoNT/Aは、好ましくは配列番号2が二鎖形態で存在するものである。
【0022】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0023】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0024】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0025】
関連の態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0026】
一態様は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0027】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0028】
関連の態様において、本発明は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0029】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0030】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0031】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0032】
別の態様は、定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0033】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0034】
関連の態様において、本発明は、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0035】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0036】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0037】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0038】
別の態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0039】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0040】
関連の態様において、本発明は、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0041】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0042】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0043】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の軽鎖及び転位置ドメイン(HN)と、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0044】
「定型片側顔面痙攣」という用語は、本開示全体を通じて「片側顔面痙攣」という用語と区別なく使用され得る。
【0045】
単位用量は、少なくとも240.4pg、少なくとも500pg、少なくとも1000pg、少なくとも2000pg、少なくとも3000pg、又は少なくとも4000pg、好ましくは少なくとも1000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0046】
一実施形態において、本発明の単位用量の上限は、治療中に投与される総用量、並びに改変BoNT/Aが投与される筋肉及び/又はその部位の数に基づいて決定され得る。例えば、治療中に投与される総用量が最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ投与が被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋、第1の眼の近位にある内側上眼輪筋、及び第1の眼の近位にある外側下眼輪筋のみに対するものである場合、単位用量の上限は8000pgであってよい。被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋、第2の眼の近位にある内側上眼輪筋、及び第2の眼の近位にある外側下眼輪筋に追加投与する場合、上限は4000pg(例えば、片眼当たり4000pgの上限)であってよい。
【0047】
単位用量は、240pg~10000pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量は、240pg~9500pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量は、240pg~9000pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。好ましくは、単位用量は、240pg~8000pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量範囲の上限は、7500pg、7000pg、6500pg、6000pg、5500pg、5000pg、4800pg、4500pg、4000pg、3500pg、3000pg、2500pg、2400pg、2000pg、1500pg、又は1250pgの改変BoNT/Aであってよい。単位用量範囲の下限は、300pg、400pg、500pg、600pg、700pg、800pg、900pg、1000pg、1500pg、2000pg、2500pg、3000pg、3500pg、4000pg、4500pg、又は5000pgの改変BoNT/Aであってよく、好ましくは下限は、1000pgである。単位用量は、1000pg~4800pg、1000pg~4000pg、1000pg~2400pg、又は1000pg~2000pgであってよい。単位用量は、240.4pg、500pg、1000pg、2000pg、3000pg、4000pg、5000pg、6000pg、7000pg、又は8000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量は、240.4pg、500pg、1000pg、2000pg、3000pg、又は4000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。好ましくは、単位用量は、1000pg、2000pg、3000pg、又は4000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0048】
本発明の治療計画を実施する際に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。言い換えると、所与の治療セッションで投与される改変BoNT/Aの総量は、最大24000pgであってよい。総用量は、最大20000pg、最大15000pg、最大10000pg、最大7500pg、又は最大6000pgであってよい。総用量は、少なくとも720pg、少なくとも800pg、少なくとも900pg、少なくとも1000pg、少なくとも2000pg、少なくとも3000pg、少なくとも4000pg、少なくとも5000pg、少なくとも7500pg、少なくとも10000pg、少なくとも12500pg、少なくとも15000pg、又は少なくとも20000pgであってよい。好ましくは、総用量は、少なくとも3000pgの改変BoNT/Aであってよい。総用量は、720pg~24000pg、好ましくは3000pg~24000pgであってよい。
【0049】
総用量は、720pg、800pg、900pg、1000pg、2000pg、3000pg、4000pg、5000pg、7500pg、10000pg、12500pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。例えば、総用量は、6000pg、7500pg、10000pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0050】
一実施形態において、単位用量は1000pgであってよく、かつ総用量は、6000pg、7500pg、10000pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。一実施形態において、単位用量は2000pgであってよく、かつ総用量は、6000pg、7500pg、10000pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。一実施形態において、単位用量は3000pgであってよく、かつ総用量は、6000pg、7500pg、10000pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。一実施形態において、単位用量は4000pgであってよく、かつ総用量は、6000pg、7500pg、10000pg、15000pg、又は20000pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0051】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0052】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0053】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0054】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0055】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0056】
関連の態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0057】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0058】
関連の態様において、本発明は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0059】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0060】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0061】
別の態様は、定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0062】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0063】
関連の態様において、本発明は、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0064】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0065】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0066】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0067】
別の態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0068】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0069】
関連の態様において、本発明は、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0070】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法を提供する。
【0071】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0072】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用を提供する。
【0073】
単位用量は、少なくとも21U、少なくとも42U、少なくとも83U、少なくとも125U、又は少なくとも166U、好ましくは少なくとも42Uであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0074】
単位用量は、10U~332.7Uの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量範囲の上限は、312U、291U、270U、250U、229U、208U、199.6U、187U、166.3U、146U、125U、104U、99.8U、89.17U、62U、又は52Uの改変BoNT/Aであってよい。単位用量範囲の下限は、12U、17U、21U、25U、29U、33U、37U、42U、62U、83U、104U、125U、146U、166U、187U、又は208Uの改変BoNT/Aであってよく、好ましくは下限は、42Uである。単位用量は、42U~199.6U、42U~166.3U、42U~99.8U、又は42U~83.17Uであってよい。
【0075】
単位用量は、10単位、20.8単位、41.6単位、83.2単位、124.8単位、166.4単位、207.8単位、249.6単位、291.2単位、又は332.8単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。単位用量は、10単位、20.8単位、41.6単位、83.2単位、124.8単位、又は166.4単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。好ましくは、単位用量は、41.6単位、83.2単位、124.8単位、又は166.4単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0076】
本発明の治療計画を実施する際に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。言い換えると、所与の治療セッションで投与される改変BoNT/Aの総量は、最大998Uであってよい。総用量は、最大832U、最大624U、最大416U、最大312U、又は最大250Uであってよい。総用量は、少なくとも30U、少なくとも33U、少なくとも37U、少なくとも42U、少なくとも83U、少なくとも125U、少なくとも166U、少なくとも208U、少なくとも312U、少なくとも416U、少なくとも520U、少なくとも624U、又は少なくとも832Uであってよい。好ましくは、総用量は、少なくとも125Uの改変BoNT/Aであってよい。総用量は、30U~998U、好ましくは125U~998Uであってよい。
【0077】
単位用量は、29.9単位、33.3単位、37.4単位、41.6単位、83.2単位、124.8単位、166.4単位、208単位、312単位、416単位、520単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。例えば、総用量は、249.6単位、312単位、416単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0078】
一実施形態において、単位用量は41.6単位であってよく、かつ総用量は、249.6単位、312単位、416単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0079】
一実施形態において、単位用量は83.2単位であってよく、かつ総用量は、249.6単位、312単位、416単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0080】
一実施形態において、単位用量は124.8単位であってよく、かつ総用量は、249.6単位、312単位、416単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0081】
一実施形態において、単位用量は166.4単位であってよく、かつ総用量は、249.6単位、312単位、416単位、624単位、又は831.9単位であってよく、ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む。
【0082】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0083】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0084】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0085】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0086】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0087】
関連の態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0088】
一態様は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0089】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0090】
関連の態様において、本発明は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0091】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0092】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0093】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0094】
別の態様は、定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0095】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0096】
関連の態様において、本発明は、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0097】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0098】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0099】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0100】
別の態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0101】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0102】
関連の態様において、本発明は、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0103】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0104】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0105】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pgの改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0106】
単位用量は、少なくとも84.4pg、少なくとも100pg、又は少なくとも250pgであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。
【0107】
単位用量は、84pg~666.7pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。単位用量範囲の上限は、650pg、600pg、550pg、500pg、450pg、400pg、350pg、333.3pg、300pg、250pg、200pg、166.7pg、150pg、又は100pgの改変BoNT/Aであってよい。単位用量範囲の下限は、100pg、125pg、150pg、200pg、250pg、300pg、350pg、400pg、450pg、500pg、550pg、600pg、又は650pgの改変BoNT/Aであってよい。単位用量は、100pg~400pg、100pg~333.3pg、100pg~200pg、又は100pg~166.7pgであってよい。
【0108】
単位用量は、300pg超又は500pg超の改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。例えば、単位用量は、300pgを超え、かつ666.7pgまでの改変BoNT/A、例えば500pgを超え、かつ666.7pgまでの改変BoNT/Aであってよい。
【0109】
本発明の治療計画を実施する際に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。言い換えると、所与の治療セッションで投与される改変BoNT/Aの総量は、最大2000pgであってよい。総用量は、最大1750pg、最大1500pg、最大1000pg、最大750pg、最大500pg、又は最大300pg、好ましくは最大1500pgであってよい。総用量は、少なくとも252pg、少なくとも300pg、少なくとも350pg、少なくとも400pg、少なくとも500pg、少なくとも600pg、少なくとも700pg、少なくとも800pg、少なくとも900pg、少なくとも1000pg、又は少なくとも1250pgであってよい。総用量は、252pg~2000pg、好ましくは300pg~1500pgであってよい。
【0110】
総用量は、500pg超又は750pg超、又は1000pg超の改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。
【0111】
総用量は、500pgを超え、かつ2000pgまでの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。例えば、総用量は、750pgを超え(好ましくは1000pgを超え)、かつ2000pgまでの改変BoNT/Aであってよい。
【0112】
一態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0113】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0114】
関連の態様において、本発明は、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0115】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0116】
別の関連の態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0117】
関連の態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0118】
一態様は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0119】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0120】
関連の態様において、本発明は、被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0121】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0122】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0123】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における眼瞼痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0124】
別の態様は、定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0125】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0126】
関連の態様において、本発明は、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0127】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0128】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0129】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0130】
別の態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0131】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0132】
関連の態様において、本発明は、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0133】
関連の態様において、本発明は、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する方法であって、ここで、改変BoNT/Aが被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法を提供する。
【0134】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0135】
一態様において、本発明は、以下のことを含む、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体における非定型片側顔面痙攣を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、改変BoNT/Aは被験体の顔の複数の部位に筋肉内注射によって投与され:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも10Uの改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用を提供する。
【0136】
単位用量は、少なくとも12U又は少なくとも30Uであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。
【0137】
単位用量は、10U~79Uの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。単位用量範囲の上限は、77U、71U、65U、59U、53U、47.4U、41U、39.5U、36U、30U、23.7U、19.75U、18U、又は12Uの改変BoNT/Aであってよい。単位用量範囲の下限は、12U、15U、18U、24U、30U、36U、41U、47U、53U、59U、65U、71U、又は77Uの改変BoNT/Aであってよい。単位用量は、12U~47.4U、12U~39.5U、12U~23.7U、又は12U~19.75Uであってよい。
【0138】
単位用量は、35.5単位超又は59.2単位超の改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。例えば、単位用量は、35.5単位を超え、かつ80単位まで改変BoNT/A、例えば、59.2単位を超え、かつ80単位までの改変BoNT/Aであってよい。
【0139】
本発明の治療計画を実施する際に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。言い換えると、所与の治療セッションで投与される改変BoNT/Aの総量は、最大237Uであってよい。総用量は、最大207U、最大178U、最大118U、最大89U、最大59U、又は最大36U、好ましくは最大178Uであってよい。総用量は、少なくとも30U、少なくとも36U、少なくとも41U、少なくとも47U、少なくとも59U、少なくとも71U、少なくとも83U、少なくとも95U、少なくとも107U、少なくとも118U、又は少なくとも148Uであってよい。総用量は、30U~237U、好ましくは36U~178Uであってよい。
【0140】
総用量は、59.2単位超、又は88.9単位超、又は118.5単位超の改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。
【0141】
総用量は、59.2単位を超え、かつ236.9単位までの改変BoNT/Aであってよく、ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される。例えば、総用量は、88.9単位を超え(好ましくは118.5単位を超え)、かつ236.9単位までの改変BoNT/Aであってよい。
【0142】
被験体の眼瞼筋を冒す(例えば、2箇所以上の眼瞼筋を冒す)あらゆる障害を、本発明に従って治療することができる。適切な障害としては、眼瞼痙攣及び顔面痙攣(例えば、片側顔面痙攣)が挙げられる。好ましくは、被験体の眼瞼筋を冒す障害は眼瞼痙攣である。したがって、本発明は、眼瞼痙攣及び/又は顔面痙攣(例えば、片側顔面痙攣)の治療を対象とすることができ、好ましくは眼瞼痙攣の治療を対象とすることができる。
【0143】
眼瞼筋を冒す(例えば、2箇所以上の眼瞼筋を冒す)障害は片側顔面痙攣であり得る。片側顔面痙攣は、定型片側顔面痙攣又は非定型片側顔面痙攣(好ましくは、定型片側顔面痙攣)であり得る。
【0144】
被験体の眼瞼筋を冒す障害は眼瞼筋障害であり得る。障害の原因は、神経関連障害(例えば、第VII神経障害)であり得る。
【0145】
改変BoNT/Aは、障害によって冒されたあらゆる筋肉(例えば、冒された眼瞼筋)に投与され得る。冒された筋肉は、障害(例えば、眼瞼痙攣及び/又は片側顔面痙攣などの顔面痙攣)の1つ以上の症状の一因となり(例えば、それらの症状を引き起こし)得る。
【0146】
一実施形態において、改変BoNT/Aの単回単位用量だけが、少なくとも、被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋(例えば、上眼瞼の外側瞼板前眼輪筋)、被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋(例えば、上眼瞼の内側瞼板前眼輪筋)、及び被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋(例えば、下眼瞼の外側瞼板前眼輪筋)のそれぞれに投与される。好ましくは、単回単位が注射部位ごとに投与され、これは、この実施形態においては、3つの注射部位での投与に相当し得る。したがって、上記に従って3単位用量を投与することができるが、本発明に従って更なる筋肉及び/又はその部位を治療することができ、これは、投与される単位用量の総数が3つを超えてよいことを意味する。
【0147】
一実施形態において、障害が被験体の両眼の近位にある眼瞼筋を冒す場合(例えば、両側性眼瞼痙攣)、改変BoNT/Aの単回単位用量だけを、少なくとも、被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋、被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋、被験体の第2の眼の近位にある内側上眼輪筋、及び被験体の第2の眼の近位にある外側下眼輪筋のそれぞれに投与することができる。好ましくは、単回単位が注射部位ごとに投与され、これは、この実施形態においては、6つの注射部位での投与に相当し得る。したがって、上記に従って6単位用量を投与することができるが、本発明に従って更なる筋肉及び/又はその部位を治療することができ、これは、投与される単位用量の総数が6を超えてよいことを意味する。
【0148】
眼瞼痙攣の治療を対象とする態様及び実施形態において、投与される単位用量の総数は、例えば改変BoNT/Aが一方の眼のみの近位にある筋肉(複数を含む)に、例えば、少なくとも、被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋のそれぞれに投与される場合、好ましくは3以下(好ましくは3)である。とは言え、例えば改変BoNT/Aが両眼の近位にある筋肉(複数を含む)に投与される場合、単位用量の総数は6以下(好ましくは6)であり得る。例えば、片眼ごとに合計3単位用量以下(好ましくは3単位用量)があり得るため、合計6単位用量以下(好ましくは6単位用量)を被験体に投与することができ、例えば、改変BoNT/Aを、少なくとも、被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋、被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋、被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋、被験体の第2の眼の近位にある内側上眼輪筋、及び被験体の第2の眼の近位にある外側下眼輪筋のそれぞれに投与することができる。
【0149】
とは言え、投与される単位用量の総数はまた、15以下(例えば、15)であり得る。例えば、上記の筋肉に加えて、注射部位を、鼻根筋(例えば、鼻根筋に1単位用量が投与される)、前頭筋(例えば、前頭筋に最大4単位用量)、及び/又は皺眉筋(例えば、皺眉筋に最大4単位用量、好ましくは皺眉筋当たり2単位用量)まで拡張することができる。
【0150】
「第1の眼」及び「第2の眼」という用語は、左眼又は右眼のいずれかを指し得る。この用語は、単に2つの眼を互いに区別する役割を果たす。言い換えると、第1の眼が左眼であれば、第2の眼は右眼となり、その逆も同様である。「第1の眼」への言及は、「第2の眼」の近位にある筋肉及び/又はその部位が常に治療される必要があることを意味することを意図するものではない。例えば、「第1の眼」は、片側性障害、例えば片側性眼瞼痙攣に関連して言及される場合があり、ここで、第2の眼の近位にある筋肉及び/又はその部位は冒されていないため、治療されない。
【0151】
「近位」という用語は、言及される筋肉及び/又はその部位が挙げられる眼に最も近いことを意味する。例えば、第1の眼が被験体の左眼であるならば、上記第1の眼の近位にある筋肉及び/又はその部位は、被験体の右眼よりも左眼に近い筋肉及び/又はその部位である。
【0152】
改変BoNT/Aを、1箇所以上の更なる筋肉及び/又はその部位に投与することができる。更なる筋肉及び/又はその部位に投与する場合、単位用量の上限は、好ましくは、投与される改変BoNT/Aの総量が、本発明に従って定義される治療中に投与される総用量を確実に超えないように設定される。
【0153】
治療される追加の筋肉及び/又はその部位は、内側下眼輪筋、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、少なくとも4箇所、少なくとも5箇所、少なくとも6箇所、少なくとも7箇所、少なくとも8箇所、少なくとも9箇所、少なくとも10箇所、少なくとも11箇所、若しくは少なくとも12箇所、又は全ての筋肉及び/又は部位)であり得る。治療される追加の筋肉及び/又はその部位は、内側下眼輪筋、上部口輪筋、下部口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋、前頭筋、オトガイ筋、広頸筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、鼻筋、及び上眼瞼挙筋から選択される1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、少なくとも4箇所、少なくとも5箇所、少なくとも6箇所、少なくとも7箇所、少なくとも8箇所、少なくとも9箇所、少なくとも10箇所、少なくとも11箇所、若しくは少なくとも12箇所、又は全ての筋肉及び/又は部位)であり得る。治療される追加の筋肉及び/又はその部位は、上部口輪筋、下部口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋、前頭筋、オトガイ筋、広頸筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、鼻筋、及び上眼瞼挙筋から選択される1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、少なくとも4箇所、少なくとも5箇所、少なくとも6箇所、少なくとも7箇所、少なくとも8箇所、少なくとも9箇所、少なくとも10箇所、少なくとも11箇所、若しくは少なくとも12箇所、又は全ての筋肉及び/又は部位)であり得る。
【0154】
必要に応じて、片眼又は両眼の近位にある筋肉及び/又はその部位を治療することができる。少なくとも単回単位用量を上記筋肉及び/又はその部位に投与することができ、例えば2単位用量以上(例えば、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上)を投与することができる。
【0155】
改変BoNT/Aを、内側下眼輪筋(例えば、下眼瞼の内側瞼板前眼輪筋)に投与することもできる。一実施形態において、単回単位用量のみを内側下眼輪筋に投与することができる。必要に応じて、片眼又は両眼の近位にある内側下眼輪筋を治療することができる。
【0156】
改変BoNT/Aを前頭筋に投与することもできる。一実施形態において、少なくとも単回単位用量のみを前頭筋に投与することができ、例えば2単位用量以上、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上を投与することができる。必要に応じて、片眼又は両眼の近位にある前頭筋を治療することができる。
【0157】
改変BoNT/Aを皺眉筋に投与することもできる。一実施形態において、少なくとも単回単位用量のみを皺眉筋に投与することができ、例えば2単位用量以上、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上を投与することができる。必要に応じて、片眼又は両眼の近位にある皺眉筋を治療することができる。
【0158】
改変BoNT/Aを鼻根筋に投与することもできる。一実施形態において、少なくとも単回単位用量のみを鼻根筋に投与することができ、例えば2単位用量以上、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上を投与することができる。好ましくは、単回単位用量のみを鼻根筋に投与することができる。
【0159】
改変BoNT/Aを挙筋に投与することもできる。一実施形態において、少なくとも単回単位用量のみを挙筋に投与することができ、例えば2単位用量以上、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上を投与することができる。好ましくは、単回単位用量のみを挙筋に投与することができる。必要に応じて、片眼又は両眼の近位にある挙筋を治療することができる。
【0160】
顔面痙攣を治療する場合、1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、少なくとも4箇所、少なくとも5箇所、少なくとも6箇所、少なくとも7箇所、少なくとも8箇所、少なくとも9箇所、少なくとも10箇所、若しくは少なくとも11箇所、又は全て)の追加の筋肉及び/又はその部位を治療することができ、ここで、1箇所以上の筋肉及び/又はその部位は、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される。顔面痙攣を治療する場合、1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、少なくとも4箇所、少なくとも5箇所、少なくとも6箇所、少なくとも7箇所、少なくとも8箇所、少なくとも9箇所、少なくとも10箇所、若しくは少なくとも11箇所、又は全て)の追加の筋肉及び/又はその部位を治療することができ、ここで、1箇所以上の筋肉及び/又はその部位は、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋及び/又は小頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び上眼瞼挙筋から選択される。
【0161】
好ましくは、1箇所以上(例えば、少なくとも2箇所、少なくとも3箇所、若しくは少なくとも4箇所、又は全て)の追加の筋肉及び/又は部位は、皺眉筋、前頭筋、大頬骨筋、頬筋、及び咬筋から選択される。
【0162】
顔面痙攣が両側性である場合、改変BoNT/Aを被験体の顔の両側のあらゆる筋肉及び/又はその部位に投与することができる。顔面痙攣が片側顔面痙攣である場合、改変BoNT/Aを被験体の顔の冒された側のあらゆる筋肉及び/又はその部位に投与することができる。少なくとも単回単位用量を上記筋肉及び/又はその部位に投与することができ、例えば2単位用量以上(例えば、3単位用量以上、4単位用量以上、又は5単位用量以上)を投与することができる。
【0163】
前頭筋(frontalis muscle)は前頭筋(venter frontalis muscle)であり得る。
【0164】
皺眉筋(corrugator muscle)は皺眉筋(corrugator supercilii muscle)であり得る。
【0165】
改変BoNT/Aを、本発明に従って、あらゆる適切な手段によって筋肉及び/又はその部位に投与することができる。
【0166】
一実施形態において、改変BoNT/Aを、例えば皮下注射によって皮下投与することができる。上記皮下注射としては、必要に応じて、上眼輪筋及び/又は下眼輪筋の前中隔部(preseptal part)と眼窩部との間の接合部への内側及び/又は外側での注射を挙げることができる。
【0167】
一実施形態において、改変BoNT/Aを、例えば筋肉内注射によって筋肉内投与することができる。最も好ましくは、改変BoNT/Aは、例えば筋肉内注射によって筋肉内投与される。
【0168】
筋電図制御/誘導を使用して、本発明による改変BoNT/Aの投与を支援することができる。
【0169】
単回単位用量を1箇所以上の注射部位で投与することができる。単回単位用量が2箇所以上の注射部位で投与される場合、単位用量を2箇所以上の注射部位間で(均等に又は不均等に)分割することができる。しかしながら、単回単位用量を注射部位ごとに投与することが好ましい。
【0170】
本明細書に記載される本発明のあらゆる態様又は実施形態において、改変BoNT/Aを、被験体の顔の複数の部位に(好ましくは筋肉内注射によって)投与することができる。
【0171】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、上記態様又は実施形態は、好ましくは、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量及び総用量は、上記態様又は実施形態において特定される通りである。
【0172】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0173】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上部口輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0174】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を下部口輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0175】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を大頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)上部口輪筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0176】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を小頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)上部口輪筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0177】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの最大5単位用量(好ましくは1単位用量、より好ましくは2単位用量、最も好ましくは3単位用量)を前頭筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)上部口輪筋へ1単位用量、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0178】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量をオトガイ筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)上部口輪筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0179】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を広頸筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)上部口輪筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0180】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を皺眉筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)上部口輪筋へ1単位用量、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0181】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量を頬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)上部口輪筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0182】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量~最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を咬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)上部口輪筋へ1単位用量、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0183】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量を鼻根筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)上部口輪筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0184】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量を鼻筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)上部口輪筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0185】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量を上眼瞼挙筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の上記眼瞼痙攣によって冒された更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)下部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(viii)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上部口輪筋へ1単位用量。
【0186】
眼瞼痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記眼瞼痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る: (i)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0187】
片側顔面痙攣(好ましくは定型片側顔面痙攣)の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、上記態様又は実施形態は、好ましくは、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
b)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
c)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
d)改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、
(iii)大頬骨筋へ1単位用量、
(iv)小頬骨筋へ1単位用量、
(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vi)オトガイ筋へ1単位用量、
(vii)広頸筋へ1単位用量、
(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)頬筋へ1単位用量、
(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(xi)鼻根筋へ1単位用量、
(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量及び総用量は、上記態様又は実施形態において特定される通りである。
【0188】
上記で概説したように、定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明の態様において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを含み得る: (i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)下部口輪筋へ1単位用量、(iii)大頬骨筋へ1単位用量、(iv)小頬骨筋へ1単位用量、(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(vi)オトガイ筋へ1単位用量、(vii)広頸筋へ1単位用量、(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)頬筋へ1単位用量、(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(xi)鼻根筋へ1単位用量、(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0189】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)下部口輪筋へ1単位用量、(iii)大頬骨筋へ1単位用量、(iv)小頬骨筋へ1単位用量、(v)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(vi)オトガイ筋へ1単位用量、(vii)広頸筋へ1単位用量、(viii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)頬筋へ1単位用量、(x)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(xi)鼻根筋へ1単位用量、(xii)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xiii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0190】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0191】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された大頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)下部口輪筋、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0192】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された小頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)下部口輪筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0193】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの最大5単位用量(好ましくは1単位用量)を上記片側顔面痙攣によって冒された前頭筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)下部口輪筋へ1単位用量、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0194】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒されたオトガイ筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)下部口輪筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0195】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された広頸筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)下部口輪筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0196】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を上記片側顔面痙攣によって冒された皺眉筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)下部口輪筋へ1単位用量、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0197】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された頬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)下部口輪筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0198】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を上記片側顔面痙攣によって冒された咬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)下部口輪筋へ1単位用量、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0199】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された鼻根筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)下部口輪筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0200】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された鼻筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)下部口輪筋へ1単位用量、及び/又は(xii)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0201】
定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上眼瞼挙筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、又は12箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(i)上部口輪筋へ1単位用量、(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)小頬骨筋へ1単位用量、(iv)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(v)オトガイ筋へ1単位用量、(vi)広頸筋へ1単位用量、(vii)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(iix)頬筋へ1単位用量、(ix)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(x)鼻根筋へ1単位用量、(xi)鼻筋へ1単位用量、及び/又は(xii)下部口輪筋へ1単位用量。
【0202】
障害が非定型片側顔面痙攣である場合、以下の投与工程は単に任意であってよい:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与する工程、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与する工程、及び、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与する工程。
【0203】
片側顔面痙攣(好ましくは非定型片側顔面痙攣)の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、上記態様又は実施形態は、好ましくは、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量及び総用量は、上記態様又は実施形態において特定される通りである。
【0204】
本発明の一態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変BoNT/Aであって、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/Aを提供する。
【0205】
本発明の別の態様は、非定型片側顔面痙攣を治療する方法における使用のための改変BoNT/Aであって、上記方法は、以下のことを含み:
a)改変BoNT/Aの単位用量を片側顔面痙攣によって冒された口輪筋に投与すること(例えば、改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、及び/又は1単位用量を片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること、好ましくは改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上部口輪筋に投与し、かつ1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された下部口輪筋に投与すること)と、
b)任意に、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することと:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、
(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、
(iv)オトガイ筋へ1単位用量、
(v)広頸筋へ1単位用量、
(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(vii)頬筋へ1単位用量、
(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、
(ix)鼻根筋へ1単位用量、
(x)鼻筋へ1単位用量、
(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、
(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、
(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は、
(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量、
ここで、改変BoNT/Aの単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/Aを提供する。
【0206】
「単位用量」という用語は、「単回単位用量」という用語と区別なく使用することができる。
【0207】
上記で概説したように、非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明の態様において、本発明は、改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを含み得る:
(i)大頬骨筋へ1単位用量、(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0208】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された大頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0209】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された小頬骨筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)大頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0210】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの最大5単位用量(好ましくは1単位用量)を前頭筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)大頬骨筋へ1単位用量、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ改変BoNT/Aの1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0211】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒されたオトガイ筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)大頬骨筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0212】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された広頸筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)大頬骨筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0213】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を上記片側顔面痙攣によって冒された皺眉筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)大頬骨筋へ1単位用量、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0214】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された頬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)大頬骨筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0215】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの最大2単位用量(好ましくは1単位用量)を上記片側顔面痙攣によって冒された咬筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)大頬骨筋へ1単位用量、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0216】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された鼻根筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)大頬骨筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0217】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された鼻筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)大頬骨筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0218】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された外側上眼輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)大頬骨筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0219】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された内側上眼輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)大頬骨筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0220】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された外側下眼輪筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)大頬骨筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)上眼瞼挙筋へ1単位用量。
【0221】
非定型片側顔面痙攣の治療を対象とする本発明のあらゆる態様又は実施形態において、本発明は、(i)改変BoNT/Aの1単位用量を上記片側顔面痙攣によって冒された上眼瞼挙筋に、かつ任意に改変BoNT/Aの1単位用量以上を上記片側顔面痙攣によって冒された1箇所以上(例えば、2箇所以上、3箇所以上、4箇所以上、5箇所以上、6箇所以上、7箇所以上、8箇所以上、9箇所以上、10箇所以上、11箇所以上、12箇所以上、又は13箇所以上)の更なる筋肉に、以下の投薬計画に従って投与することを更に含み得る:
(ii)小頬骨筋へ1単位用量、(iii)前頭筋へ最大5単位用量(好ましくは1単位用量)、(iv)オトガイ筋へ1単位用量、(v)広頸筋へ1単位用量、(vi)皺眉筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(vii)頬筋へ1単位用量、(viii)咬筋へ最大2単位用量(好ましくは1単位用量)、(ix)鼻根筋へ1単位用量、(x)鼻筋へ1単位用量、(xi)外側上眼輪筋へ1単位用量、(xii)内側上眼輪筋へ1単位用量、(xiii)外側下眼輪筋へ1単位用量、及び/又は(xiv)大頬骨筋へ1単位用量。
【0222】
単回単位用量を1箇所以上の注射部位で投与することができる。単回単位用量が2箇所以上の注射部位で投与される場合、単位用量を2箇所以上の注射部位間で(均等に又は不均等に)分割することができる。しかしながら、単回単位用量を注射部位ごとに投与することが好ましい。
【0223】
「単回単位用量が投与される」という用語は、単回単位用量の実質的に全てが投与されることを意味する。例えば、単位用量の残留量(例えば、最大1%、最大0.1%、又は最大0.01%)が、改変BoNT/Aが再構成されたバイアル中に残留していてもよい。しかしながら、好ましくは、単回単位用量の全てが(例えば、1箇所以上の注射部位で、好ましくは注射部位ごとに)投与される。この定義は、2単位用量、3単位用量などの投与にも同様に適用される。
【0224】
本発明に従って使用するための改変BoNT/Aの効力は、標準的な技術に従うマウスLD50アッセイによって決定され得る。上記アッセイにおいて、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)、好ましくはマウスにおける計算された腹腔内中央致死用量に相当する改変BoNT/Aの量として定義される。
【0225】
本発明における使用のための改変BoNT/Aが、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む改変BoNT/Aである場合、上記アッセイにおける1単位に相当する改変BoNT/Aの量は、好ましくは24.04pgである。
【0226】
本発明における使用のための改変BoNT/Aが、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基に改変を含む改変BoNT/Aであり、ここで、改変が、表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、塩基性アミノ酸残基の挿入、及び表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失から選択される場合、上記アッセイにおける1単位に相当する改変BoNT/Aの量は、好ましくは8.44pgである。
【0227】
「最大」という用語は、値(例えば、最大24000pg)に関して使用される場合、記載された値を含めてその値までを意味する。したがって、一例として、「最大24000pg」の改変BoNT/Aを投与することへの言及は、24000pgの改変BoNT/Aの投与だけでなく24000pg未満の改変BoNT/Aの投与も包含する。
【0228】
単位用量は、改変BoNT/Aの量、改変BoNT/Aの単位、又はそれらの組合せに関して表現され得る。
【0229】
投与される単位用量の総数は、最大20、最大15、最大10、最大5、又は最大3である。投与される単位用量の総数は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、又は少なくとも15である。投与される単位用量の総数は、3~20、又は5~12である。一実施形態において、5単位用量が投与される。一実施形態において、6単位用量が投与される。一実施形態において、10単位用量が投与される。一実施形態において、12単位用量が投与される。一実施形態において、15単位用量が投与される。
【0230】
当業者は、被験体が、例えば美容的処置又は様々な適応症の治療の一環としてクロストリジウム神経毒素(例えばBoNT)による追加治療を最近受けた(又は引き続き受けている)場合を考慮するであろう。当業者は、当該技術分野において日常的な技術を使用して、本治療計画をそれに応じて適応させるであろう。好ましくは、本発明は、更なるクロストリジウム神経毒素(例えばBoNT)による治療を除外する。
【0231】
本発明の改変BoNT/Aは、好ましくは、非改変BoNT/A(例えば、Dysport(登録商標))と比較した場合により長い作用持続期間を有する。上記作用持続期間は、少なくとも1.25倍大きい、少なくとも1.5倍大きい、少なくとも1.75倍大きい、少なくとも2.0倍大きい、又は少なくとも2.25倍大きい場合がある。改変BoNT/Aの作用持続期間は6ヶ月から9ヶ月の間であり得る。例えば、作用持続期間は、少なくとも:(開始から)4.5ヶ月、5.0ヶ月、5.5ヶ月、6ヶ月、6.5ヶ月、7.0ヶ月、7.5ヶ月、8.0ヶ月、8.5ヶ月、又は9.0ヶ月であり得る。特定の実施形態において、作用持続期間は9.0ヶ月より長い場合がある。
【0232】
改変BoNT/Aの投与後の適切な期間に治療を繰り返してもよい。作用持続期間が非改変BoNT/A(例えばDysport(登録商標))のおよそ2倍であることを考慮すると、被験体が非改変BoNT/A(例えばDysport(登録商標))で治療される場合よりもその後の投与間の期間はしかるべく長くなる。被験体には、前回の投与から少なくとも18週間後、少なくとも20週間後、少なくとも25週間後、又は少なくとも30週間後に、本発明による改変BoNT/Aを再投与することができる。例えば、被験体には、前回の投与から少なくとも18週間後~45週間後、好ましくは20週間後~35週間後に、本発明による改変BoNT/Aを再投与することができる。
【0233】
本明細書において使用される「被験体」は、ヒト又は他の哺乳動物などの哺乳動物であり得る。好ましくは、「被験体」はヒト被験体を意味する。「被験体」は、好ましくは成体の被験体、すなわち少なくとも18年齢の被験体である。「被験体」及び「患者」という用語は、本明細書においては同義的に使用される。
【0234】
本明細書において使用される「治療する(treat)」又は「治療する(treating)」という用語は、予防的処置(例えば、障害の発症を未然防止する)だけでなく矯正治療(既に障害を患っている被験体の治療)も包含する。好ましくは、本明細書において使用される「治療する(treat)」又は「治療する(treating)」は、矯正治療を意味する。本明細書において使用される「治療する(treat)」又は「治療する(treating)」という用語は、障害及び/又はその症状について言及する。
【0235】
適切な改変BoNT/Aポリペプチド(及び存在する場合にはそれをコードするヌクレオチド配列)は、WO 2015/004461 A1及びWO 2017/191315(両者とも参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0236】
BoNT/Aは、クロストリジア綱(Clostridia)の属における細菌によって産生されるクロストリジウム神経毒素の一例である。このようなクロストリジウム神経毒素の他の例としては、C.テタニ(C.tetani)によって産生されるもの(TeNT)及びC.ボツリナム(C.botulinum)血清型B~血清型Gによって産生されるもの(BoNT)だけでなく、C.バラティ(C.baratii)及びC.ブチリカム(C.butyricum)によって産生されるものも挙げられる。上記神経毒素は非常に強力かつ特異的であり、送達されるニューロン及び他の細胞を被毒させ得る。クロストリジウム毒素は、既知の最も強力な毒素の一部である。例として、ボツリヌス神経毒素は、血清型に応じて、0.5ng/kg~5ng/kgの範囲のマウスについての中央致死用量(LD50)を有する。テタヌス毒素及びボツリヌス毒素は両者とも、冒されたニューロンの機能、具体的には神経伝達物質の放出を阻害することによって作用する。ボツリヌス毒素は神経筋接合部で作用し、末梢神経系においてコリン作動性伝達を阻害するのに対し、テタヌス毒素は中枢神経系において作用する。
【0237】
自然界では、クロストリジウム神経毒素(BoNT/Aを含む)は単鎖ポリペプチドとして合成され、これはタンパク質分解性切断事象によって翻訳後修飾されて、ジスルフィド結合によってつなぎ合わさった2つのポリペプチド鎖が形成される。切断は、鎖間のジスルフィド結合を提供するシステイン残基の間に位置する、しばしば活性化部位と呼ばれる特異的な切断部位で起こる。この二鎖形態が毒素の活性型である。2本の鎖は、およそ100kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)及びおよそ50kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)と呼ばれる。H鎖は、N末端転位置構成要素(HNドメイン)とC末端標的化構成要素(HCドメイン)とを含む。切断部位は、L鎖と転位置ドメイン構成要素との間に位置する。HCドメインがその標的ニューロンに結合し、結合した毒素がエンドソームを介して細胞内に移行した後、HNドメインはL鎖をエンドソーム膜を越えて細胞質ゾルに移動させ、L鎖はプロテアーゼ機能を提供する(非細胞傷害性プロテアーゼとしても知られる)。
【0238】
非細胞傷害性プロテアーゼは、SNAREタンパク質として知られる細胞内輸送タンパク質(例えば、SNAP-25、VAMP、又はシンタキシン)をタンパク質分解的に切断することによって作用する。Gerald K (2002) "Cell and Molecular Biology” (4th edition) John Wiley & Sons, Inc.を参照のこと。SNAREという頭文字は、可溶性NSF付着受容体(Soluble NSF Attachment Receptor)という用語に由来しており、NSFはN-エチルマレイミド感受性因子(N-ethylmaleimide-Sensitive Factor)を意味する。SNAREタンパク質は、細胞内小胞融合、ひいては細胞からの小胞輸送を介した分子の分泌に不可欠である。プロテアーゼ機能は亜鉛依存性エンドペプチダーゼ活性であり、SNAREタンパク質に対して高い基質特異性を示す。したがって、非細胞傷害性プロテアーゼは、所望の標的細胞に送達されると、標的細胞からの細胞分泌を阻害することができる。クロストリジウム毒素のL鎖プロテアーゼは、SNAREタンパク質を切断する非細胞傷害性プロテアーゼである。
【0239】
SNAREタンパク質の普遍的な性質に照らして、ボツリヌス毒素などのクロストリジウム神経毒素は幅広い療法において使用に成功している。
【0240】
クロストリジウム・ボツリナム及びC.テタニにおける毒素産生の遺伝的基礎に関する更なる詳細については、Henderson et al (1997) in The Clostridia: Molecular Biology and Pathogenesis, Academic pressを参照のこと。
【0241】
上記で論じたように、クロストリジウム神経毒素は、およそ100kDaの分子量を有する重鎖(H鎖)及びおよそ50kDaの分子量を有する軽鎖(L鎖)の2本のポリペプチド鎖から形成される。H鎖は、C末端標的化構成要素(受容体結合ドメイン又はHCドメイン)とN末端転位置構成要素(HNドメイン)とを含む。
【0242】
クロストリジウム神経毒素ドメインを以下でより詳細に説明する。
【0243】
L鎖参照配列の例としては、以下が挙げられる:
A型ボツリヌス神経毒素:アミノ酸残基1~448、
B型ボツリヌス神経毒素:アミノ酸残基1~440。
【0244】
サブ血清型に応じて僅かな変形が存在し得るため、上記で特定された参照配列は指針としてみなされるべきである。例として、US 2007/0166332(参照によりその全体が本明細書に援用される)は、僅かに異なるクロストリジウム配列:
A型ボツリヌス神経毒素:アミノ酸残基M1~K448、
B型ボツリヌス神経毒素:アミノ酸残基M1~K441、
を引用している。
【0245】
転位置ドメインは、H鎖のアミノ末端側半分にほぼ等しいクロストリジウム神経毒素のH鎖の断片、又はインタクトなH鎖内のその断片に対応するドメインである。
【0246】
参照転位置ドメインの例としては、以下が挙げられる:
A型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(449~871)、
B型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(441~858)。
【0247】
サブ血清型に応じて僅かな変形が存在し得るため、上記で特定された参照配列は指針としてみなされるべきである。例として、US 2007/0166332(参照により本明細書に援用される)は、僅かに異なるクロストリジウム配列:
A型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(A449~K871)、
B型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(A442~S858)、
を引用している。
【0248】
本発明の文脈において、転位置ドメインを含む様々なBoNT/AのHN領域が本発明の態様において有用であり得る。BoNT/Aの重鎖からのHN領域はおよそ410アミノ酸~430アミノ酸の長さであり、転位置ドメインを含む。研究により、クロストリジウム神経毒素の重鎖からのHN領域の全長は、転位置ドメインの転位置活性には必要ないことが明らかにされた。したがって、この実施形態の態様は、例えば、少なくとも350アミノ酸、少なくとも375アミノ酸、少なくとも400アミノ酸、又は少なくとも425アミノ酸の長さを有する転位置ドメインを含むBoNT/AのHN領域を含み得る。この実施形態の他の態様は、例えば、長くても350アミノ酸、長くても375アミノ酸、長くても400アミノ酸、又は長くても425アミノ酸の長さを有する転位置ドメインを含むBoNT/AのHN領域を含み得る。
【0249】
HNという用語は、天然に存在するBoNT/AのHN部分と、天然には存在しないアミノ酸配列及び/又は合成アミノ酸残基を有する改変BoNT/AのHN部分とを包含する。好ましくは、上記の改変BoNT/AのHN部分は依然として上述の転位置機能を示す。
【0250】
クロストリジウム神経毒素受容体結合ドメイン(HC)参照配列の例としては、以下が挙げられる:
BoNT/A-N872~L1296、
BoNT/B-E859~E1291。
【0251】
クロストリジウム神経毒素(BoNTなど)の約50kDaのHCドメインは、HCCドメイン及びHCNドメインと呼ばれる、それぞれ典型的には約25kDaの2つの異なる構造的特徴を含む。受容体結合に関与するアミノ酸残基は、主にHCCドメインに位置すると考えられている。天然のクロストリジウム神経毒素のHCドメインは、およそ400個~440個のアミノ酸残基を含み得る。この事実は、次の刊行物によって確認されており、それぞれは参照によりその全体が本明細書に援用される:Umland TC (1997) Nat. Struct. Biol. 4: 788-792、Herreros J (2000) Biochem. J. 347: 199-204、Halpern J (1993) J. Biol. Chem. 268: 15, pp. 11188-11192、Rummel A (2007) PNAS 104: 359-364、Lacey DB (1998) Nat. Struct. Biol. 5: 898-902、Knapp (1998) Am. Cryst. Assoc. Abstract Papers 25: 90、Swaminathan and Eswaramoorthy (2000) Nat. Struct. Biol. 7: 1751-1759、及びRummel A (2004) Mol. Microbiol. 51(3), 631-643。
【0252】
(参照)HCNドメインの例としては、以下が挙げられる:
A型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(872~1110)、
B型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(859~1097)。
【0253】
上記の配列位置は血清型/サブ型に応じて若干異なる場合があり、(参照)HCNドメインの更なる例としては、以下が挙げられる:
A型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(874~1110)、
B型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(861~1097)。
【0254】
(参照)HCCドメインの例としては、以下が挙げられる:
A型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(Y1111~L1296)、
B型ボツリヌス神経毒素-アミノ酸残基(Y1098~E1291)。
【0255】
L鎖及びHNドメイン(任意に、完全又は部分的な活性化ループ、例えば、改変BoNT/Aが単鎖形態である場合には完全な活性化ループ、二鎖形態である場合には切断された/部分的な活性化ループを含む)を総称してLHNドメインと呼ぶことができる。したがって、LHNドメインは更にHCドメインを含まない。
【0256】
本発明における使用のための改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基に改変を含むものであり得る。このような改変BoNT/Aは、既知のBoNT/Aの使用と比較して副作用の減少又は不存在を示す。本発明の改変BoNT/Aの組織滞留特性の増加はまた、効力及び/又は作用持続期間の増加をもたらし、既知のクロストリジウム毒素療法薬と比較して、使用される投薬量の減少(又は追加の有害効果を一切伴わない投薬量の増加)を可能にすることができるため、更なる利点がもたらされる。
【0257】
改変は、配列番号2として示される非改変BoNT/Aと比較した場合の改変であってもよく、ここで、アミノ酸残基のナンバリングは、配列番号2とのアラインメントによって決定される。配列番号2(及び本明細書に記載される改変BoNT/Aポリペプチドに対応する配列番号)の位置1にあるメチオニン残基の存在は任意であるため、当業者はアミノ酸残基のナンバリングを決定する際にメチオニン残基の存在/不存在を考慮に入れるであろう。例えば、配列番号2がメチオニンを含む場合、位置のナンバリングは上記で定義した通りとなる(例えば、ASN 886は配列番号2のASN 886となる)。一方で、配列番号2にメチオニンが存在しない場合、アミノ酸残基のナンバリングは-1だけ修正されるべきである(例えば、ASN 886は配列番号2のASN 885となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の位置1のメチオニンが存在する/存在しない場合にも同様の検討が適用され、当業者は当該技術分野において日常的な技術を使用して正しいアミノ酸残基のナンバリングを容易に決定するであろう。
【0258】
アミノ酸残基のナンバリングを決定する本明細書に記載されるアラインメントは、配列相同性及び/又は配列同一性の%を決定する本明細書に記載される方法のいずれかを使用して実施され得る。
【0259】
改変について示されたアミノ酸残基(複数を含む)は、表面に露出したアミノ酸残基(複数を含む)である。
【0260】
改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み得る。改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、及び配列番号9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列、例えば、配列番号3、配列番号5、配列番号7、及び配列番号9から選択される核酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ得る。好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、又は配列番号9を含む(又はそれらからなる)核酸によってコードされ得る。改変BoNT/Aは、配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列を含み得る(より好ましくは、それらからなり得る)。
【0261】
「1つ以上のアミノ酸残基」という用語は、改変BoNT/Aの文脈において使用される場合、好ましくは、示されたアミノ酸残基の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は少なくとも7つを意味する。したがって、改変BoNT/Aは、示されたアミノ酸残基において少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は少なくとも7つ(好ましくは7つ)の改変を含み得る。改変BoNT/Aは、1~30、3~20、又は5~10のアミノ酸改変を含み得る。より好ましくは、「1つ以上のアミノ酸残基」という用語は、改変BoNT/Aの文脈において使用される場合、示されたアミノ酸残基の全てを意味する。
【0262】
好ましくは、改変BoNT/Aは、配列番号2と比較した場合、示されたアミノ酸残基における1つ以上のアミノ酸改変を超えて、更なるアミノ酸改変を一切含まない。
【0263】
最も好ましくは、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 930、SER 955、GLN 991、ASN 1026、ASN 1052、及びGLN 1229から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含む(より好ましくは、それらからなる)。改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列、例えば、配列番号3に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ得る。好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号3を含む(又はそれらからなる)核酸によってコードされ得る。改変BoNT/Aは、配列番号4に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号4に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号4を含み得る(より好ましくは、それからなり得る)。
【0264】
改変は、以下から選択され得る:
i.表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
ii.表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
iii.表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
iv.塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
v.表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失。
【0265】
上記に示した改変により、対応する非改変BoNT/Aと比較して正の表面電荷の増加及び等電点の増加を伴う改変BoNT/Aが得られる。
【0266】
等電点(pI)は、所与のタンパク質の特定の特性である。当該技術分野においてよく知られるように、タンパク質は特定のアミノ酸配列(タンパク質内の場合にはアミノ酸残基とも呼ばれる)からできている。20種の標準セットの各アミノ酸は異なる側鎖(又はR基)を有する。これは、タンパク質内の各アミノ酸残基が電荷及び疎水性などの異なる化学的特性を示すことを意味する。これらの特性は、温度及びpHなどの周囲の化学的環境の影響を受ける可能性がある。タンパク質の全体的な化学的特質は、これらの様々な要因の総括によって決まることになる。
【0267】
或る特定のアミノ酸残基(以下に詳述)は、周囲のpHに応じて電荷を示し得るイオン化可能な側鎖を有する。このような側鎖が所与のpHで荷電しているか否かは、関連するイオン化可能部分のpKaに依存し、ここで、pKaは、共役塩基からの特定のプロトンについての酸解離定数(Ka)の負の対数である。
【0268】
例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸などの酸性残基は、およそ4.1のpKa値を有する側鎖カルボン酸基を有する(正確なpKa値は、温度、イオン強度、及びイオン化可能な基の微小環境に依存し得る)。したがって、これらの側鎖は、7.4のpH(しばしば「生理的pH」と呼ばれる)で負電荷を示す。低いpH値では、これらの側鎖はプロトン化されることになり、その電荷を失う。
【0269】
対照的に、リジン及びアルギニンなどの塩基性残基は、およそ10~12のpKa値を有する含窒素側鎖基を有する。したがって、これらの側鎖は、pH7.4で正電荷を示す。これらの側鎖は、高いpH値で脱プロトン化され、その電荷を失う。
【0270】
したがって、タンパク質分子の全体的な(正味)電荷は、タンパク質内に存在する酸性残基及び塩基性残基の数(及びそれらの表面露出の程度)並びに周囲のpHに依存する。周囲のpHを変化させると、タンパク質の全体的な電荷が変化する。したがって、タンパク質ごとに、正電荷及び負電荷の数が等しく、タンパク質が全体として正味電荷を示さない所与のpHが存在する。この点は等電点(pI)として知られている。等電点は、当業者によく知られているタンパク質生化学における標準的な概念である。
【0271】
したがって、等電点(pI)は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すpH値として定義される。pIの増加は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すのに、より高いpH値を必要とすることを意味する。したがって、pIの増加は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の増加を表す。対照的に、pIの減少は、タンパク質がゼロの正味電荷を示すのに、より低いpH値を必要とすることを意味する。したがって、pIの減少は、所与のpHでのタンパク質の正味の正電荷の減少を表す。
【0272】
タンパク質のpIを決定する方法は当該技術分野において知られており、当業者にはよく知られているであろう。例として、タンパク質のpIは、タンパク質中に存在する各アミノ酸の平均pKa値から計算され得る(「計算されたpI」)。このような計算は、ExPASyからのCompute pI/MW Tool(https://web.expasy.org/compute_pi/)などの当該技術分野において知られるコンピュータープログラムを使用して実行することができ、これは、本発明に従ってpIを計算するのに好ましい方法である。異なる分子間のpI値の比較は、同じ計算技術/プログラムを使用して行われるべきである。
【0273】
適宜、タンパク質の計算されたpIを、等電点電気泳動法の技術を使用して実験的に確認することができる(「観測されたpI」)。この技術は、電気泳動を使用してタンパク質をそれらのpIに従って分離する。等電点電気泳動法は、典型的には、固定化されたpH勾配を有するゲルを使用して実施される。電界が印加されると、タンパク質はゼロの正味電荷を有するpH(この点がタンパク質のpIとなる)に達するまでpH勾配の中を移動する。等電点電気泳動法によって得られる結果は、典型的には性質上比較的感度限界が低いため、本発明者らは(上記のように)計算されたpIによって得られる結果の方がより使用に適切であると考えている。
【0274】
本明細書全体を通じて、特に指定されない限り、「pI」は「計算されたpI」を意味する。
【0275】
タンパク質のpIを、その表面に呈される塩基性基及び/又は酸性基の数を変えることによって増加又は減少させることができる。これを、タンパク質の1つ以上のアミノ酸を改変することによって実現することができる。例えば、pIの増加を、酸性残基の数を減らすことによって、又は塩基性残基の数を増やすことによって得ることができる。
【0276】
本発明の改変BoNT/Aは、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)のpI値よりも少なくとも0.2pI単位高い、少なくとも0.4pI単位高い、少なくとも0.5pI単位高い、又は少なくとも1pI単位高いpI値を有し得る。好ましくは、改変BoNT/Aは、少なくとも6.6、例えば少なくとも6.8のpIを有し得る。
【0277】
20種類の標準アミノ酸の特性を以下の表に示す:
【表A】
【0278】
次のアミノ酸は荷電アミノ酸とみなされる:アスパラギン酸(負)、グルタミン酸(負)、アルギニン(正)、及びリジン(正)。
【0279】
7.4のpHでは、アスパラギン酸(pKa3.1)及びグルタミン酸(pKa4.1)の側鎖は負電荷を有するのに対し、アルギニン(pKa12.5)及びリジン(pKa10.8)の側鎖は正電荷を有する。アスパラギン酸及びグルタミン酸は酸性アミノ酸残基と呼ばれる。アルギニン及びリジンは塩基性アミノ酸残基と呼ばれる。
【0280】
次のアミノ酸は、非荷電極性アミノ酸(これらが水素結合に加わることができることを意味する)とみなされる:アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、メチオニン、及びトリプトファン。
【0281】
次のアミノ酸は、非荷電疎水性アミノ酸とみなされる:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、及びグリシン。
【0282】
アミノ酸挿入においては、追加のアミノ酸残基(通常は存在しないアミノ酸残基)がBoNT/Aポリペプチド配列に組み込まれるため、上記配列内のアミノ酸残基の総数が増加する。アミノ酸欠失においては、クロストリジウム毒素のアミノ酸配列からアミノ酸残基が除去されるため、上記配列内のアミノ酸残基の総数が減少する。
【0283】
好ましくは、改変は、有利には改変BoNT/Aにおいて同じ数のアミノ酸残基を維持する置換である。アミノ酸置換においては、BoNT/Aポリペプチド配列の一部を形成するアミノ酸残基が異なるアミノ酸残基に置き換えられる。置き換えるアミノ酸残基は、上記のように、20種の標準アミノ酸のうちの1つであり得る。一方で、アミノ酸置換における置き換えるアミノ酸は、非標準アミノ酸(上記の20種の標準セットの一部ではないアミノ酸)であってもよい。例として、置き換えるアミノ酸は、塩基性の非標準アミノ酸、例えばL-オルニチン、L-2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸、又はリジン、アルギニン、及びオルニチンのD-異性体であり得る。非標準アミノ酸をタンパク質に導入する方法は当該技術分野において知られており、E.コリ栄養要求性発現宿主を使用する組換えタンパク質合成が挙げられる。
【0284】
一実施形態において、置換は、酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、及び非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換から選択される。一実施形態において、置換が酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換である場合、酸性アミノ酸残基は、対応する非荷電アミドアミノ酸(amide amino acid)残基で置き換えられる(すなわち、アスパラギン酸はアスパラギンで置き換えられ、グルタミン酸はグルタミンで置き換えられる)。
【0285】
好ましくは、塩基性アミノ酸残基はリジン残基又はアルギニン残基である。つまり、置換はリジン又はアルギニンでの置換である。最も好ましくは、改変はリジンでの置換である。
【0286】
本発明による改変の後、改変BoNT/Aは、非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)が結合する標的細胞受容体に結合することができる。
【0287】
本発明における使用のための改変BoNT/Aは、クロストリジウム毒素のHCNドメインに位置する4個から40個の間のアミノ酸の改変を含み得る。上記改変BoNT/Aは、好ましくは少なくとも6.6のpIも有する。上記改変BoNT/Aは、好ましくは、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、及びASN 1052から選択される少なくとも4個のアミノ酸の改変を含み、ここで、上記改変は、該アミノ酸のリジン残基又はアルギニン残基での置換を含む。例えば、上記改変BoNT/A又はその断片は、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、及びGLN 1229から選択される少なくとも5個のアミノ酸の改変を含み得て、ここで、上記改変は、該アミノ酸のリジン残基又はアルギニン残基での置換を含む。
【0288】
最も好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメイン(BoNT/AのLHNドメイン)と、BoNT/BのHCドメインとを含み得る。BoNT/AのLHNドメインがBoNT/BのHCドメインに共有結合的に連結されている。上記改変BoNT/Aは、本明細書において「BoNT/AB」又は「BoNT/ABキメラ」とも呼ばれる。
【0289】
LHNドメインのC末端アミノ酸残基は、BoNT/AのLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの1番目のアミノ酸残基に対応する場合があり、かつHCドメインのN末端アミノ酸残基は、BoNT/BにおけるLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの2番目のアミノ酸残基に対応する場合がある。
【0290】
BoNT/Bポリペプチド配列の一例は、配列番号16(UniProtアクセッション番号B1INP5)として提供される。
【0291】
本明細書における「BoNT/AのLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの1番目のアミノ酸残基」への言及は、LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスのN末端残基を意味する。
【0292】
本明細書における「BoNT/BのLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの2番目のアミノ酸残基」への言及は、LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスのN末端残基に続くアミノ酸残基を意味する。
【0293】
「310ヘリックス」は、α-ヘリックス、β-シート、及びリバースターンとともに、タンパク質及びポリペプチドにおいて見られる二次構造の一種である。310ヘリックス内のアミノ酸は右巻きのヘリックス構造で配置されており、ここで、3つの残基及びそれらの間の分子内水素結合を隔てる10個の原子によって各一巻きが完成する。各アミノ酸は、ヘリックス内の120゜回転(すなわち、ヘリックスは1回転当たり3つの残基を有する)、及びらせん軸に沿った2.0Å(=0.2nm)の移行に対応し、水素結合が作られることにより形成された環内には10個の原子を有する。最も重要なことには、アミノ酸のN-H基は、3残基前のアミノ酸のC=O基と水素結合を形成し、この反復したi+3→iの水素結合が310ヘリックスを規定する。310ヘリックスは、当業者によく知られている構造生物学における標準的な概念である。
【0294】
この310ヘリックスは、実際のヘリックスを形成する4つの残基と、これら4つの残基の各末端に1つずつの2つのキャップ(又は移行)残基とに対応する。本明細書において使用される「LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックス」という用語は、これらの6つの残基からなる。
【0295】
構造解析及び配列アラインメントの実施により、LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスを特定した。この310ヘリックスは、そのN末端(すなわち、LHNドメインのC末端部分)でα-ヘリックスによって包囲され、そのC末端(すなわち、HCドメインのN末端部分)でβ-ストランドによって包囲されている。310ヘリックスの1番目の(N末端)残基(キャップ残基又は移行残基)は、このα-ヘリックスのC末端残基にも対応する。
【0296】
LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスは、例えば、公的に入手可能なボツリヌス神経毒素の結晶構造、例えば、それぞれボツリヌス神経毒素A1及びB1についての3BTA(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=3BTA)及び1EPW(http://www.rcsb.org/pdb/explore/explore.do?structureId=1EPW)から決定され得る。
【0297】
公的に利用可能なin silicoモデリング及びアライメントツール、例えば、ホモロジーモデリングサーバーLOOPP(Learning, Observing and Outputting Protein Patterns(タンパク質パターンの学習、観察、及び出力)、http://loopp.org)、PHYRE(Protein Homology/analogY Recognition Engine(タンパク質相同性/類似性認識エンジン)、http://www.sbg.bio.ic.ac.uk/phyre2/)、及びRosetta(https://www.rosettacommons.org/)、タンパク質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)、アラインメントプログラムClustal Omega(http://www.clustal.org/omega/)、並びに分子生物学者及び細胞生物学者のためのインターネットリソース(http://molbiol-tools.ca/)に列記されるその他の多数のツール/サービスを使用して、他の神経毒素におけるLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの位置を決定することもできる。特に、「HN/HCN」接合部周囲の領域は構造的に高度に保存されている場合があり、それにより、この領域は異なる血清型を重ね合わせるのに理想的な領域となる。
【0298】
例えば、以下の方法論を使用して、他の神経毒性におけるこの310ヘリックスの配列を決定することができる:
1.構造相同性モデリングツールLOOP(http://loopp.org)を使用して、BoNT/A1結晶構造(3BTA.pdb)に基づいて他のBoNT血清型の予測構造を取得することができる;
2.こうして得られた構造(pdb)ファイルを、HCNドメインのN末端及びその前の約80個の残基(HNドメインの一部)のみを含むように編集することができ、それによって、構造的に高度に保存されている「HN/HCN」領域が保持される;
3.タンパク質重ね合わせサーバーSuperPose(http://wishart.biology.ualberta.ca/superpose/)を使用して、各血清型を3BTA.pdb構造に重ね合わせることができる;
4.重ね合わせたpdbファイルを検査して、BoNT/A1のHCドメインの先頭にある310ヘリックスの位置を突き止めた後に、他の血清型における対応する残基を特定することができる。
5.他のBoNT血清型配列をClustal Omegaとアライメントして、対応する残基が正しいことを確認することができる。
【0299】
この方法により決定されたLH
Nドメイン、H
Cドメイン、及び3
10ヘリックスドメインの例を以下に示す:
【表B】
【0300】
構造解析及び配列アラインメントを使用することで、LHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスに続くβ鎖が、全てのボツリヌス神経毒素及びテタヌス神経毒素において保存された構造であり、かつLHNドメインとHCドメインとを隔てる310ヘリックスの1番目の残基から出発した場合の8番目の残基(例えば、BoNT/A1の場合の残基879)から始まることが判明した。
【0301】
BoNT/ABキメラは、BoNT/A由来のLHNドメインがBoNT/B由来のHCドメインに共有結合により連結されており、LHNドメインのC末端アミノ酸残基が、BoNT/AのHCドメインの先頭(N末端)に位置するβ鎖のN末端側の8番目のアミノ酸残基に対応し、かつHCドメインのN末端アミノ酸残基が、BoNT/BのHCドメインの先頭(N末端)に位置するβ鎖のN末端側の7番目のアミノ酸残基に対応するものを含み得る。
【0302】
BoNT/ABキメラは、BoNT/A由来のLHNドメインがBoNT/B由来のHCドメインに共有結合により連結されており、LHNドメインのC末端アミノ酸残基が、BoNT/AのLHNドメインの終端(C末端)に位置するα-ヘリックスのC末端アミノ酸に対応し、かつHCドメインのN末端アミノ酸残基が、BoNT/BのLHNドメインの終端(C末端)に位置するα-ヘリックスのC末端アミノ酸のC末端側に隣接したアミノ酸残基に対応するものを含み得る。
【0303】
BoNT/ABキメラの設計プロセスの基本原理は、二次構造が損なわれていないことを確認し、それによって三次構造及び各ドメインの機能へのあらゆる変化も最小限に抑えることを試みることである。理論に縛られることを望むものではないが、BoNT/ABキメラにおける310ヘリックスの中央の4つのアミノ酸残基を破壊しないことにより、キメラ神経毒素に最適な立体構造が確保され、それによってキメラ神経毒素がその機能を全能力を挙げて発揮することができるという仮説が立てられる。実際、驚くべきことに、BoNT/Aの310ヘリックスの1番目のアミノ酸残基及びBoNT/Bの前方の310ヘリックス2番目のアミノ酸残基のみを保持することにより、可溶性で機能的なBoNT/ABキメラの生成が可能となるだけでなく、さらに、他のBoNT/ABキメラよりも改善された特性、特に効力の増加、安全率の増加、及び/又はより長期の作用持続期間(並びに非改変BoNT/Aと比較した場合の安全率及び/又は作用持続期間の増加)につながる。
【0304】
BoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインは、限定されるものではないが、以下に記載されるものを含む、改変されたBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメイン又はその誘導体であり得る。改変されたBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメイン又は誘導体は、BoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインの天然(非改変)形態と比較して改変された1つ以上のアミノ酸を含み得るか、又はBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインの天然(非改変)形態において存在しない1つ以上の挿入アミノ酸を含み得る。例として、改変されたBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインは、天然(非改変型)のBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインの配列に対して1つ以上のドメインにおいて改変されたアミノ酸配列を有し得る。このような改変は、その機能的側面、例えば生物学的活性又は持続性を変更することができる。したがって、一実施形態において、BoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインは、改変されたBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメイン、又は改変されたBoNT/Aの軽鎖、BoNT/Aの転位置ドメイン、及び/又はBoNT/BのHCドメインの誘導体である。
【0305】
改変されたBoNT/BのHCドメインは、標的神経細胞への結合を変更する1つ以上の改変を有し得ることから、例えば、天然(非改変)のBoNT/BのHCドメインと比較した場合により高い又はより低い親和性結合がもたらされ得る。BoNT/BのHCドメインにおけるそのような改変としては、ガングリオシド受容体及び/又は標的神経細胞のタンパク質受容体への結合を変化させるHCドメインのガングリオシド結合部位又はタンパク質(例えば、シナプトタグミン)結合部位における残基の改変を挙げることができる。このような改変された神経毒素の例は、WO 2006/027207及びWO 2006/114308(両者とも参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0306】
改変された軽鎖は、そのアミノ酸配列における1つ以上の改変、例えば、改変された軽鎖のSNAREタンパク質特異性を変化させ又は変更し得る基質結合ドメイン又は触媒ドメインにおける改変を有し得るが、但し、好ましくは、上記改変は上記軽鎖を触媒的に不活性化しないものとする。このような改変された神経毒素の例は、WO 2010/120766及びUS 2011/0318385(両者とも参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0307】
BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1~872、又はそれと少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1~872、又はそれと少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。好ましくは、BoNT/A由来のLHNドメインは、配列番号2のアミノ酸残基1~872に対応する。
【0308】
BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号16のアミノ酸残基860~1291、又はそれと少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号16のアミノ酸残基860~1291、又はそれと少なくとも80%、少なくとも90%、若しくは少なくとも95%の配列同一性を有するポリペプチド配列に対応し得る。好ましくは、BoNT/B由来のHCドメインは、配列番号16のアミノ酸残基860~1291に対応する。
【0309】
好ましくは、BoNT/ABキメラは、BoNT/A1のLHNドメイン及びBoNT/B1のHCドメインを含む。より好ましくは、LHNドメインは、BoNT/A1(例えば、配列番号2)のアミノ酸残基1~872に対応し、HCドメインはBoNT/B1(配列番号16)のアミノ酸残基860~1291に対応する。
【0310】
好ましくは、BoNT/BのHCドメインは、天然のBoNT/B配列と比較して、ヒトSyt IIに対するBoNT/B神経毒素の結合親和性を増大させる効果を有する、HCCサブドメインにおける少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失を更に含む。BoNT/BのHCCサブドメインにおける適切なアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失は、WO 2013/180799及びWO 2016/154534(両者とも参照によりその全体が本明細書に援用される)に開示されている。
【0311】
BoNT/BのHCCサブドメインにおける適切なアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失としては、V1118M、Y1183M、E1191M、E1191I、E1191Q、E1191T、S1199Y、S1199F、S1199L、S1201V、E1191C、E1191V、E1191L、E1191Y、S1199W、S1199E、S1199H、W1178Y、W1178Q、W1178A、W1178S、Y1183C、Y1183P、及びそれらの組合せからなる群から選択される置換突然変異を挙げることができる。
【0312】
BoNT/BのHCCサブドメインにおける適切なアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失としては、E1191M及びS1199L、E1191M及びS1199Y、E1191M及びS1199F、E1191Q及びS1199L、E1191Q及びS1199Y、E1191Q及びS1199F、E1191M及びS1199W、E1191M及びW1178Q、E1191C及びS1199W、E1191C及びS1199Y、E1191C及びW1178Q、E1191Q及びS1199W、E1191V及びS1199W、E1191V及びS1199Y、又はE1191V及びW1178Qからなる群から選択される2つの置換突然変異の組合せを更に挙げることができる。
【0313】
BoNT/BのHCCサブドメインにおける適切なアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失としては、E1191M、S1199W、及びW1178Qである3つの置換突然変異の組合せを挙げることもできる。
【0314】
最も好ましくは、BoNT/BのHCCサブドメインにおける適切なアミノ酸残基の置換、付加、又は欠失としては、E1191M及びS1199Yである2つの置換突然変異の組合せが挙げられる。このような改変は、例えば、BoNT/ABキメラの配列番号13及び配列番号14において存在する。
【0315】
改変は、配列番号16として示される非改変BoNT/Bと比較した場合の改変であってもよく、ここで、アミノ酸残基のナンバリングは、配列番号16とのアラインメントによって決定される。配列番号16(及び本明細書に記載される改変BoNT/Aポリペプチドに対応する配列番号)の位置1にあるメチオニン残基の存在は任意であるため、当業者はアミノ酸残基のナンバリングを決定する際にメチオニン残基の存在/不存在を考慮に入れるであろう。例えば、配列番号16がメチオニンを含む場合、位置のナンバリングは上記で定義した通りとなる(例えば、E1191は配列番号16のE1191となる)。一方で、配列番号16にメチオニンが存在しない場合、アミノ酸残基のナンバリングは-1だけ修正されるべきである(例えば、E1191は配列番号16のE1190となる)。本明細書に記載される他のポリペプチド配列の位置1のメチオニンが存在する/存在しない場合にも同様の検討が適用され、当業者は当該技術分野において日常的な技術を使用して正しいアミノ酸残基のナンバリングを容易に決定するであろう。
【0316】
本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号11~配列番号15から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号11~配列番号15から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み得る。好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号11~配列番号15から選択されるポリペプチド配列を含み得る(より好ましくは、それらからなり得る)。
【0317】
改変BoNT/AがBoNT/ABキメラである場合、改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列、例えば、配列番号14に対して少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むことが好ましい。最も好ましくは、本発明における使用のための改変BoNT/Aは、配列番号14を含み得る(より好ましくは、それからなり得る)。
【0318】
アミノ酸残基の置換、挿入、又は欠失によってタンパク質を改変する方法は、当該技術分野において知られている。例として、アミノ酸改変は、BoNT/Aをコードする(例えば、非改変BoNT/Aをコードする)DNA配列の改変によって導入され得る。これは、標準的な分子クローニング技術を使用することで、例えば、所望のアミノ酸(複数を含む)をコードする短いDNA(オリゴヌクレオチド)鎖を使用して、ポリメラーゼ酵素を使用することで当初のコーディング配列を置き換える部位特異的突然変異誘発、又は様々な酵素(例えば、リガーゼ及び制限エンドヌクレアーゼ)を用いた遺伝子の一部の挿入/欠失によって実現され得る。代替的に、改変された遺伝子配列を化学的に合成することもできる。
【0319】
本明細書に記載される改変BoNT/Aのポリペプチド配列がHisタグなどの、例えば精製用のタグを含む場合、上記タグは任意である。好ましくは、上記タグは、本発明による改変BoNT/Aの使用前に除去される。
【0320】
上記で論じたように、本明細書に記載される改変BoNT/Aは組織保持特性の向上を示し、これにより効力及び/又は作用持続期間も増大し、更なる悪影響を一切伴わずに投与量の増大が可能となり得る。これらの有利な特性を規定することができる1つの方法は、改変BoNT/Aの安全率の観点である。この点に関して、クロストリジウム毒素の不所望な効果(投与部位からの毒素の拡散によって引き起こされる)を、関連する動物モデル(例えば、投与から7日以内に体重減少が検出されるマウス)における体重減少のパーセンテージを測定することによって実験的に評価することができる。対照的に、クロストリジウム毒素の所望のオンターゲット効果を、筋肉麻痺の測定である指外転スコア(Digital Abduction Score)(DAS)アッセイによって実験的に評価することができる。DASアッセイは、ゼラチンリン酸緩衝液中で製剤化された20μlのクロストリジウム毒素をマウスの腓腹筋/ヒラメ筋複合体に注射し、続いてアオキ(Aoki)の方法(Aoki KR, Toxicon 39: 1815-1820; 2001)を使用して指外転スコアを評価することによって実施され得る。DASアッセイにおいて、マウスを尾によって短時間吊り下げて、マウスが後肢を伸ばし、その後、指を外転する特徴的な驚愕反応を引き出す。クロストリジウム毒素注射後、様々な程度の指の外転を5段階評価でスコア化する(0=正常ないし4=指の外転及び脚の伸展の最大の減少)。
【0321】
その際、本発明の改変BoNT/A(又は比較用の非改変BoNT/A)の安全率は、体重の10%低下に必要とされる毒素の量(マウスにおける投薬後の最初の7日以内でのピーク効果で測定)と、2のDASスコアに必要とされる毒素の量との間の比率として表現され得る。したがって、高い安全率スコアが望ましく、これは、不所望なオフターゲット効果を殆ど伴わずに標的筋肉を効果的に麻痺させることができる毒素であることを示している。本発明の改変BoNT/Aは、同等の非改変型(天然)BoNT/Aの安全率よりも高い安全率を有する。
【0322】
したがって、一実施形態において、本発明の改変BoNT/Aは、7より大きい(例えば、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、又は少なくとも50の)安全率を有し、ここで、安全率は、-10%の体重変化に必要とされる毒素の用量(マウス当たりのpg)をDAS ED50(マウス当たりのpg)[ED50=2のDASスコアをもたらすのに必要とされる用量]で割ったものとして計算される。
【0323】
一実施形態において、本発明の改変BoNT/Aは、少なくとも10の安全率を有する。一実施形態において、本発明の改変BoNT/Aは、少なくとも15の安全率を有する。
【0324】
好ましくは、改変BoNT/Aが本明細書に記載されるASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274 及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基を含むものである場合、上記改変BoNT/Aは、少なくとも20、より好ましくは少なくとも22(例えば、23~25)の安全率を有する。
【0325】
好ましくは、改変BoNT/AがBoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/BのHCドメインとを含むものである場合、改変BoNT/Aは、少なくとも10、より好ましくは少なくとも12(例えば、14~15)の安全率を有する。
【0326】
改変BoNT/Aは、好ましくは非複合体形成形態である(すなわち、天然に存在するBoNT/Aに存在する複合体形成タンパク質を含まない)。このような複合体形成タンパク質の例としては、神経毒素関連タンパク質(NAP)及び非毒性非血球凝集素成分(NTNH)が挙げられる。しかしながら、改変BoNT/Aは組換え改変BoNT/Aであることが好ましい。本発明のこのような改変BoNT/Aを、組換え核酸技術を使用して生成することができる。
【0327】
一実施形態において、改変BoNT/Aをコードする核酸配列を含む核酸(例えば、DNA)が提供される。一実施形態において、核酸配列は、プロモーター及びターミネーターを含むDNAベクターの一部として調製される。核酸配列は、本明細書に記載される核酸配列のいずれかから選択され得る。
【0328】
好ましい実施形態において、ベクターは、以下から選択されるプロモーターを有する:
プロモーター / 誘導剤 / 典型的な誘導条件
Tac(ハイブリッド) / IPTG / 0.2mM(0.05mM~2.0mM)
AraBAD / L-アラビノース / 0.2%(0.002%~0.4%)
T7-lacオペレーター / IPTG / 0.2mM(0.05mM~2.0mM)
【0329】
別の好ましい実施形態において、ベクターは、以下から選択されるプロモーターを有する:
プロモーター / 誘導剤 / 典型的な誘導条件
Tac(ハイブリッド) / IPTG / 0.2mM(0.05mM~2.0mM)
AraBAD / L-アラビノース / 0.2%(0.002%~0.4%)
T7-lacオペレーター / IPTG / 0.2mM(0.05mM~2.0mM)
T5-lacオペレーター / IPTG / 0.2mM(0.05mM~2.0mM)
【0330】
核酸分子を、当該技術分野において知られているあらゆる適切なプロセスを使用して作製することができる。したがって、核酸分子を化学合成技術を使用して作製することができる。代替的に、本発明の核酸分子を分子生物学技術を使用して作製することができる。
【0331】
本発明のDNAコンストラクトは、好ましくはin silicoで設計され、次いで、従来のDNA合成技術によって合成される。
【0332】
上述の核酸配列情報は、任意に、使用される最終的な宿主細胞(例えば、E.コリ(E.coli))発現系によるコドンバイアスに対して改変される。
【0333】
「ヌクレオチド配列」及び「核酸」という用語は、本明細書においては同義的に使用される。好ましくは、ヌクレオチド配列はDNA配列である。
【0334】
本発明の改変BoNT/Aは、単鎖又は二鎖として存在し得る。しかしながら、改変BoNT/Aは、ジスルフィド結合を介してL鎖がH鎖(又はその構成要素、例えばHNドメイン)に連結されている二鎖として存在することが好ましい。
【0335】
軽鎖及び重鎖を有する単鎖改変BoNT/Aの生成は、改変BoNT/Aをコードする核酸を発現宿主中で発現させることと、宿主細胞を溶解して単鎖改変BoNT/Aを含む宿主細胞ホモジネートを得ることと、単鎖改変BoNT/Aを単離することとを含む方法を使用して達成され得る。本明細書に記載される単鎖改変BoNT/Aは、単鎖改変BoNT/Aと改変BoNT/Aの活性化ループにおけるペプチド結合を加水分解するプロテアーゼと接触させ、それによって単鎖改変BoNT/Aを対応する二鎖改変BoNT/A(例えば、軽鎖と重鎖がジスルフィド結合によって繋ぎ合わされている)へと変換することを含む方法を使用してタンパク質分解的に処理され得る。二鎖改変BoNT/Aは、好ましくは、そのような方法によって取得可能である。
【0336】
したがって、本発明において使用される改変BoNT/Aは、好ましくは、単鎖BoNT/Aから生成された二鎖改変BoNT/Aであり、ここで、単鎖BoNT/Aは、本明細書に記載されるポリペプチド配列を含むか、又はそれからなる。例えば、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、又は配列番号15に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%)の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aであることが好ましい。例えば、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%)の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aであることが好ましい。最も好ましくは、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号14を含む(更により好ましくは、それからなる)ポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aである。
【0337】
一実施形態において、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、又は配列番号10に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%)の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aである。例えば、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号4に対して少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99.9%)の配列同一性を有するポリペプチド配列を含むポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aであることが好ましい。好ましくは、本発明において使用される改変BoNT/Aは、配列番号4を含む(より好ましくは、それからなる)ポリペプチドから生成された二鎖改変BoNT/Aである。
【0338】
本明細書において使用される「取得可能な」という用語は、「取得された」という用語も包含する。一実施形態において、「取得可能な」という用語は、取得されたことを意味する。
【0339】
活性化ループの切断に使用されるプロテアーゼは、好ましくはLys-Cである。活性化ループを切断して二鎖クロストリジウム神経毒素を生成するのに適したプロテアーゼ及びその方法は、WO 2014/080206、WO2014/079495、及びEP2677029A2(これらは参照により本明細書に援用される)において教示されている。Lys-Cは活性化ループを、そこに存在する1つ以上のリジン残基対するC末端で切断し得る。Lys-Cが活性化ループを2箇所以上切断する場合、本明細書に示される配列番号と比較した場合に、二鎖改変BoNT/Aの活性化ループの小さなペプチドが存在しない可能性があることを当業者であれば理解するであろう。
【0340】
本発明の改変BoNT/Aを、被験体に投与するためのあらゆる適切な様式で、例えば医薬組成物の一部として製剤化することができる。したがって、一態様において、本発明は、本発明の改変BoNT/Aと、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び/又は塩とを含む医薬組成物を提供する。
【0341】
流体剤形は、典型的には、改変BoNT/A及びパイロジェンフリーな滅菌ビヒクルを利用して調製される。改変BoNT/Aは、使用されるビヒクル及び濃度に応じて、ビヒクル中に溶解又は懸濁され得る。溶液を調製する際に、改変BoNT/Aをビヒクル中に溶解することができ、ここで、必要に応じて塩化ナトリウムを添加することによって溶液を等張性にし、無菌技術を使用して滅菌フィルターを通して濾過することによって滅菌した後に、適切な滅菌バイアル又は滅菌アンプルへと充填して密封する。一方で、溶液の安定性が適切であれば、その密封容器内の溶液をオートクレーブにかけることにより滅菌することもできる。有利には、緩衝剤、可溶化剤、安定化剤、防腐剤又は殺細菌剤、懸濁剤又は乳化剤、及び/又は局所麻酔剤などの添加剤をビヒクル中に溶解してもよい。
【0342】
使用前に適切なビヒクル中に溶解又は懸濁される乾燥粉末は、無菌領域内で無菌技術を使用して、予め滅菌した成分を滅菌容器へと充填することによって調製され得る。代替的には、無菌領域内で無菌技術を使用して、成分を適切な容器に溶かし入れることもできる。次いで、この生成物を凍結乾燥し、容器を無菌的に密封する。
【0343】
本明細書に記載される投与経路に適した非経口懸濁液は、滅菌成分を滅菌ビヒクル中に溶解するのではなく懸濁することと、濾過によって滅菌を達成することができないこととを除いて、実質的に同様に調製される。成分を滅菌状態で単離してもよく、あるいは単離後に、例えばガンマ線照射によって滅菌してもよい。
【0344】
有利には、成分の均一な分布を促すのに、懸濁剤、例えばポリビニルピロリドンを組成物(複数を含む)中に含める。
【0345】
本発明の様々な治療的使用に関連する実施形態を本発明の方法に適用することができ、その逆も同様である。
【0346】
配列相同性
【0347】
限定されるものではないが、グローバル法、ローカル法、及び例えばセグメントアプローチ法などのハイブリッド法を含む様々な配列アラインメント法のいずれかを使用して、同一性パーセントを決定することができる。同一性パーセントを決定するプロトコルは、当業者の範囲内の日常的な手順である。グローバル法では、分子の最初から最後まで配列をアラインメントさせ、個々の残基ペアのスコアを合計し、ギャップペナルティを課すことによって最良のアラインメントが決定される。非限定的な方法としては、例えば、CLUSTAL W(例えば、Julie D. Thompson et al., CLUSTAL W: Improving the Sensitivity of Progressive Multiple Sequence Alignment Through Sequence Weighting, Position- Specific Gap Penalties and Weight Matrix Choice, 22(22) Nucleic Acids Research 4673-4680 (1994)を参照)及び反復改善(例えば、Osamu Gotoh, Significant Improvement in Accuracy of Multiple Protein. Sequence Alignments by Iterative Refinement as Assessed by Reference to Structural Alignments, 264(4) J. MoI. Biol. 823-838 (1996)を参照)が挙げられる。ローカル法では、全ての入力配列によって共有される1つ以上の保存されたモチーフを特定することによって配列がアラインメントされる。非限定的な方法としては、例えばMatch-box(例えば、Eric Depiereux and Ernest Feytmans, Match-Box: A Fundamentally New Algorithm for the Simultaneous Alignment of Several Protein Sequences, 8(5) CABIOS 501 -509 (1992)を参照)、ギブスサンプリング(例えば、C. E. Lawrence et al., Detecting Subtle Sequence Signals: A Gibbs Sampling Strategy for Multiple Alignment, 262(5131 ) Science 208-214 (1993)を参照)、Align-M(例えば、Ivo Van WaIIe et al., Align-M - A New Algorithm for Multiple Alignment of Highly Divergent Sequences, 20(9) Bioinformatics:1428-1435 (2004)を参照)が挙げられる。
【0348】
したがって、配列同一性パーセントは従来の方法によって決定される。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-16, 1986 and Henikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-19, 1992を参照のこと。簡潔に言えば、以下に示されるように、ギャップ開始ペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ1、及びHenikoff and Henikoff(同上)の「blosum 62」スコア行列を使用して、2つのアミノ酸配列をアラインメントしてアラインメントスコアを最適化する(アミノ酸は標準的な1文字表記により示される)。好ましくは、この方法を使用して、ある配列と本明細書の対象配列(例えば、配列番号2)とをアラインメントさせて、本明細書に記載されるアミノ酸位置のナンバリングを規定する。
【0349】
2つ以上の核酸配列又はアミノ酸配列の間の「配列同一性パーセント」は、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。したがって、同一性%は、同一のヌクレオチド/アミノ酸の数をヌクレオチド/アミノ酸の総数で割って100を掛けたものとして計算され得る。配列同一性の%の計算では、ギャップの数、及び2つ以上の配列のアラインメントを最適化するのに導入する必要がある各ギャップの長さを考慮に入れている場合もある。2つ以上の配列間の配列比較及び同一性パーセントの決定は、当業者にはよく知られているBLASTなどの特定の数学的アルゴリズムを使用して実施され得る。
【0350】
配列同一性を決定するためのアラインメントスコア
【数1】
【0351】
その際、同一性パーセントは以下の通りに計算される:
[同一なマッチの総数×100] / [長い方の配列の長さ+2つの配列をアラインメントさせるために長い方の配列に導入されたギャップの数]
【0352】
実質的に相同なポリペプチドは、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、又は付加を有することを特徴とする。これらの変化は、好ましくはマイナーな性質のもの、すなわち、保存的アミノ酸置換(下記参照)及びポリペプチドのフォールディング又は活性に大きな影響を与えないその他の置換、典型的には1個~約30個のアミノ酸の欠失、並びにアミノ末端のメチオニン残基、最大約20残基~25残基の小さなリンカーペプチド、又はアフィニティータグなどの小さなアミノ末端伸長又はカルボキシル末端伸長である。
【0353】
保存的アミノ酸置換
【0354】
塩基性:
アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性:
グルタミン酸
アスパラギン酸
極性:
グルタミン
アスパラギン
疎水性:
ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族:
フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小さい:
グリシン
アラニン
セリン
トレオニン
メチオニン
【0355】
本発明のポリペプチドのアミノ酸残基について、20個の標準アミノ酸に加えて、非標準アミノ酸(4-ヒドロキシプロリン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸、イソバリン、及びα-メチルセリンなど)を置換してもよい。ポリペプチドのアミノ酸残基について、限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によってコードされていないアミノ酸、及び非天然アミノ酸を置換してもよい。本発明のポリペプチドは、天然に存在しないアミノ酸残基を含むこともできる。
【0356】
天然に存在しないアミノ酸としては、限定されるものではないが、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノ-プロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシ-プロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチル-トレオニン、ヒドロキシ-エチルシステイン、ヒドロキシエチルホモ-システイン、ニトロ-グルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニル-アラニン、4-アザフェニル-アラニン、及び4-フルオロフェニルアラニンが挙げられる。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質へと組み込む幾つかの方法が当該技術分野において知られている。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用してナンセンス突然変異を抑制するin vitro系を使用することができる。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法は、当該技術分野において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳を、E.コリS30抽出物と市販の酵素及びその他の試薬とを含む無細胞系において実施する。タンパク質をクロマトグラフィーによって精製する。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991、Ellman et al., Methods Enzymol. 202:301, 1991、Chung et al., Science 259:806-9, 1993、及びChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993を参照のこと。2つ目の方法では、突然変異されたmRNA及び化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションによってアフリカツメガエル卵母細胞中で翻訳を行う(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。3つ目の方法では、E.コリ細胞を、置き換えられる天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不存在下で、かつ所望の天然に存在しないアミノ酸(複数を含む)(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、又は4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養する。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の対応物の代わりにポリペプチドに組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33:7470-6, 1994を参照のこと。天然に存在するアミノ酸残基をin vitroの化学修飾によって天然に存在しない種に変換することができる。化学修飾を部位特異的突然変異誘発と組み合わせて、置換の範囲を更に拡大することができる(Wynn and Richards, Protein Sci. 2:395-403, 1993)。
【0357】
本発明のポリペプチドのアミノ酸残基について、限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝暗号によってコードされていないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び非天然アミノ酸を置換してもよい。
【0358】
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸を、部位特異的突然変異誘発又はアラニンスキャニング突然変異誘発などの当該技術分野において知られている手順に従って特定することができる(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989)。生物学的相互作用の部位を、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と組み合わせて、核磁気共鳴、結晶学、電子線回折、又は光親和性標識のような技術によって決定される構造の物理的分析によって決定することもできる。例えば、de Vos et al., Science 255:306-12, 1992、Smith et al., J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992、Wlodaver et al., FEBS Lett. 309:59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の正体を本発明のポリペプチドの関連構成要素(例えば、転位置構成要素又はプロテアーゼ構成要素)との相同性の分析から推測することもできる。
【0359】
ライドハール及びザウアー(Reidhaar-Olson and Sauer)(Science 241:53-7, 1988)又はボウイ及びザウアー(Bowie and Sauer)(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-6, 1989)によって開示されたものなどの突然変異誘発及びスクリーニングの既知の方法を使用して、多数のアミノ酸置換を作製し、試験することができる。簡潔に言えば、これらの著者らは、ポリペプチド内の2つ以上の位置を同時に無作為化し、機能的なポリペプチドを選択し、次いで突然変異誘発されたポリペプチドをシーケンシングして各位置で許容可能な置換のスペクトルを決定する方法を開示している。使用することができる他の方法としては、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-7, 1991、ラッドナーら(Ladner et al.)の米国特許第5,223,409号、ヒューズ(Huse)のWIPO出願WO 92/06204)及び領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986、Ner et al., DNA 7:127, 1988)が挙げられる。
【0360】
特段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野における当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。Singleton, et al., DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY, 20 ED., John Wiley and Sons, New York (1994)及びHale & Marham, THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY, Harper Perennial, NY (1991)は、本開示において使用される多くの用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
【0361】
本開示は、本明細書に開示される例示的な方法及び材料によって限定されず、本明細書に記載されるものと類似又は同等のあらゆる方法及び材料を、本開示の実施形態の実践又は試験において使用することができる。数値範囲には、範囲を画定する数値が含まれる。特段の指示がない限り、それぞれ、核酸配列は5’から3’の方向で左から右に書かれており、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向で左から右に書かれている。
【0362】
本明細書に示される見出しは、本開示のさまざまな態様又は実施形態を限定するものではない。
【0363】
アミノ酸は、本明細書において、アミノ酸の名称、3文字の略語、又は1文字の略語を使用して言及される。本明細書において使用される「タンパク質」という用語には、タンパク質、ポリペプチド、及びペプチドが含まれる。本明細書において使用される場合、「アミノ酸配列」という用語は、「ポリペプチド」という用語及び/又は「タンパク質」という用語と同義である。場合によっては、「アミノ酸配列」という用語は、「ペプチド」という用語と同義である。場合によっては、「アミノ酸配列」という用語は、「酵素」という用語と同義である。「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書においては区別なく使用される。本開示及び特許請求の範囲において、アミノ酸残基についての従来の1文字表記及び3文字表記が使用され得る。IUPACIUBの生化学命名法に関する合同委員会(IUPACIUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature)(JCBN)に準拠して定義されたアミノ酸の3文字表記。遺伝暗号の縮重により、ポリペプチドが2種以上のヌクレオチド配列によってコードされ得ることも理解される。
【0364】
用語の他の定義が明細書全体に見られる場合がある。例示的な実施形態をより詳細に説明する前に、本開示は、説明された特定の実施形態に限定されず、したがって変更し得ることを理解されたい。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ規定されるため、本明細書において使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図されないことも理解されたい。
【0365】
値の範囲が示される場合、その範囲の上限と下限との間のそれぞれの間にある値は、文脈上特段の明示がない限り、下限の単位の10分の1までも具体的に開示されることが理解される。任意の指定された値又は指定された範囲内の間にある値と、任意の他の指定された値又はその指定された範囲内の間にある値との間のそれぞれのより小さな範囲が本開示内に包含される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立してその範囲に含まれることも又は除外されることもあり、また、その上限及び下限のいずれかがより小さな範囲に含まれる、どちらも含まれない、又はどちらも含まれるそれぞれの範囲もまた、指定された範囲内のあらゆる具体的に除外された上限及び下限を条件として、本開示に包含される。指定された範囲が上限及び下限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる上限及び下限の一方又は両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
【0366】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形(「a」、「an」、及び「the」)は、文脈上特段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意せねばならない。したがって、例えば、「改変ボツリヌス神経毒素A」への言及には、複数のそのような候補作用物質が含まれ、「改変ボツリヌス神経毒素A」への言及には、1つ以上の改変ボツリヌス神経毒素A及び当業者に知られるその均等物への言及が含まれるなどである。
【0367】
本明細書において論じられる出版物は、本出願の出願日より前の開示についてのみ提供される。本明細書のいかなる内容も、そのような出版物が本明細書に添付の特許請求の範囲に対する従来技術となることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0368】
ここで、本発明の実施形態を、以下の図及び実施例を参照して例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0369】
【
図1】カチオン性コンストラクトの等電点電気泳動(IEF)ゲルを示す図である。
【
図2】Cat5v2(K1064H/N954K)(A)、Cat5v2(K1064H/N886K)(B)、及びCat5v2(K1064H/N1025K)(C)についてのラット胎児脊髄ニューロン(eSCN)におけるSNAP-25切断のパーセンテージ、並びにnBoNT/A1に対するpEC50の概要を示す図である。(A、B、C)ラット胎児脊髄ニューロンを3週間培養し、Cat5v4で24時間処置した後、SNAP-25特異的抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った。データは、3連での3回の独立した実験からの平均±SEMである。(D)ラットeSCN SNAP-25切断効力アッセイにおける、nBoNT/A1(List Biological Laboratories社)に対するCat5v2(K1064H/N886K)、Cat5v2(K1064H/N954K)、及びCat5v2(K1064H/N1025K)の相対効力。各点は個々のバッチに対応し、8点の濃度応答曲線(CRC)に基づく3つの独立したpEC50測定の平均である。CRCにおける各濃度を3連で評価した。効力の比較は、n=24のデータがプールされたリストバッチの平均に対して行われる。データは、Cat5v4につきn=3のバッチの平均±SEMである。
【
図3】マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)におけるnBoNT/A1及びCat5v4の効力(t
50)を示す図である。マウス横隔神経半横隔膜組織を、示されるようにCat5v4又は天然のBoNT/A1とともにインキュベートした。横隔膜の収縮力を、収縮がもはや検出不能になるまで、又は140分後に記録した。各点は独立した測定に対応する。t
50値は、マウスの片側横隔膜の収縮力を50%阻害するのに必要とされる時間である。
【
図4】精製された組換えBoNT/ABキメラ1、組換えBoNT/ABキメラ2、及び組換えBoNT/ABキメラ3A(それぞれ配列番号11、配列番号12、及び配列番号13)のSDS-PAGEを示す図である。レーンには「マーカー」(分子量マーカー)、「-DTT」(酸化型BoNT/ABキメラ試料)、及び「+DTT」(還元型BoNT/ABキメラ試料)と表示が付けられている。
【
図5】組換えBoNT/ABキメラ1、組換えBoNT/ABキメラ2、及び組換えBoNT/ABキメラ3A(それぞれ配列番号11、配列番号12、及び配列番号13)によるラット脊髄ニューロンにおけるSNAP-25の切断を示す図である。培養したラット初代脊髄ニューロン(SCN)を、10%のCO
2を含む加湿雰囲気下で37℃にて様々な濃度の組換えBoNT/ABキメラ1、組換えBoNT/ABキメラ2、又は組換えBoNT/ABキメラ3Aに24時間曝露した。次いで細胞をDTT及びベンゾナーゼを補充した1×NuPAGEバッファーで溶解した。試料を微量遠心分離チューブに移し、ヒートブロック上で90℃にて5分間加熱し、-20℃で貯蔵してから、ウエスタンブロットによりSNAP-25切断を分析した。SNAP-25を、SNAP-25の全長形態及び切断形態の両方を検出するポリクローナル抗体(Sigma社の番号S9684)を使用して検出した。抗ウサギHRP(Sigma社の番号A6154)を二次抗体として使用した。
【
図6】マウス指外転スコアリングアッセイ(mouse digit abduction scoring assay)を示す図である。短時間の全身麻酔下でマウスの片方の後肢の腓腹筋-ヒラメ筋複合筋に注射した。筋力低下を、指外転スコア(DAS)を使用して0~4のスケールで測定した。DASの最大値を各用量について決定し、用量に対してプロットし、データを4パラメーターロジスティック方程式に当てはめ、ED50及びDAS 4をもたらす用量(DAS 4用量)値を決定した。
【
図7】精製された組換えBoNT/ABキメラ3B及び組換えBoNT/ABキメラ3C(それぞれ配列番号14及び配列番号15)のSDS-PAGEを示す図である。レーンには「マーカー」(分子量マーカー)、「-DTT」(酸化型BoNT/ABキメラ試料)、及び「+DTT」(還元型BoNT/ABキメラ試料)と表示が付けられている。
【
図8】ヒト人工多能性幹細胞由来末梢ニューロン(PERI.4U-Axiogenesis社、ドイツ)における非改変BoNT/A並びにBoNT/ABキメラ3B及びBoNT/ABキメラ3C(それぞれ配列番号2、配列番号14、及び配列番号15)によるSNAP-25の切断を示す図である。PERI.4U細胞を、5%のCO
2を含む加湿CO
2雰囲気下で37℃にて様々な濃度の組換えBoNT/A、又はBoNT/ABキメラ3B若しくはBoNT/ABキメラ3Cに24時間曝露した。次いで細胞をDTT及びベンゾナーゼを補充した1×NuPAGEバッファーで溶解した。試料を微量遠心分離チューブに移し、ヒートブロック上で90℃にて5分間加熱し、-20℃で貯蔵してから、ウエスタンブロットによりSNAP-25切断を分析した。SNAP-25を、SNAP-25の全長形態及び切断形態の両方を検出するポリクローナル抗体(Sigma社の番号S9684)を使用して検出した。抗ウサギHRP(Sigma社の番号A6154)を二次抗体として使用した。
【
図9】マウス指外転スコアリングアッセイにおける経時的な筋力低下の持続時間を示す図である。短時間の全身麻酔下でマウスの片方の後肢の腓腹筋-ヒラメ筋複合筋に注射した。筋力低下を、指外転スコア(DAS)を使用して0~4のスケールで測定した。注射の最初の4日間に4のDASを誘導する最低用量を注射した群の動物を、筋力低下が0のDAS(筋力低下が観察されない)に完全に回復するまでモニタリングした。
【0370】
配列表
【0371】
最初のMetアミノ酸残基又は対応する最初のコドンが以下の配列番号のいずれかに示されている場合、上記残基/コドンは任意である。
【0372】
配列番号1 (ヌクレオチド配列, 非改変 BoNT/A)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0373】
配列番号2 (ポリペプチド配列, 非改変 BoNT/A)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0374】
配列番号3 (ヌクレオチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-A”)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAAGCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCcGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0375】
配列番号4 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-A”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESKHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0376】
配列番号5 (ヌクレオチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-B”)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACaAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAaTCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAAGAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0377】
配列番号6 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-B”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFKKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0378】
配列番号7 (ヌクレオチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-C”)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTGGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAAGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCAAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAATTGCTGATATTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCAATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATTGATCTGAGCCGTTATGCTAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAAGGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAAGATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCAAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAAGAAGAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAAGATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGAATAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTGATGTCGGTAATCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACAAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACAACAATGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCAGCAGCCGTACTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0379】
配列番号8 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-C”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKKAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNKISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTKEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLKKSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNKIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKNKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPDVGNLSQVVVMKSKNDKGITNKCKMNLQDNNGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERSSRTLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0380】
配列番号9 (ヌクレオチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-D”)
ATGCCATTCGTCAACAAGCAATTCAACTACAAAGACCCAGTCAACGGCGTCGACATCGCATACATCAAGATTCCGAACGCCGGTCAAATGCAGCCGGTTAAGGCTTTTAAGATCCACAACAAGATTTGGGTTATCCCGGAGCGTGACACCTTCACGAACCCGGAAGAAGGCGATCTGAACCCGCCACCGGAAGCGAAGCAAGTCCCTGTCAGCTACTACGATTCGACGTACCTGAGCACGGATAACGAAAAAGATAACTACCTGAAAGGTGTGACCAAGCTGTTCGAACGTATCTACAGCACGGATCTGGGTCGCATGCTGCTGACTAGCATTGTTCGCGGTATCCCGTTCTGGGGTGGTAGCACGATTGACACCGAACTGAAGGTTATCGACACTAACTGCATTAACGTTATTCAACCGGATGGTAGCTATCGTAGCGAAGAGCTGAATCTGGTCATCATTGGCCCGAGCGCAGACATTATCCAATTCGAGTGCAAGAGCTTTGGTCACGAGGTTCTGAATCTGACCCGCAATGGCTATGGTAGCACCCAGTACATTCGTTTTTCGCCGGATTTTACCTTCGGCTTTGAAGAGAGCCTGGAGGTTGATACCAATCCGTTGCTGGGTGCGGGCAAATTCGCTACCGATCCGGCTGTCACGCTGGCCCATGAACTGATCCACGCAGGCCACCGCCTGTACGGCATTGCCATCAACCCAAACCGTGTGTTCAAGGTTAATACGAATGCATACTACGAGATGAGCGGCCTgGAAGTCAGCTTCGAAGAACTGCGCACCTTCGGTGGCCATGACGCTAAATTCATTGACAGCTTGCAAGAGAATGAGTTCCGTCTGTACTACTATAACAAATTCAAAGACATTGCAAGCACGTTGAACAAGGCCAAAAGCATCGTTGGTACTACCGCGTCGTTGCAGTATATGAAGAATGTGTTTAAAGAGAAGTACCTGCTGTCCGAGGATACCTCCGGCAAGTTTAGCGTTGATAAGCTGAAGTTTGACAAACTGTACAAGATGCTGACCGAGATTTACACCGAGGACAACTTTGTGAAATTCTTCAAaGTGTTGAATCGTAAAACCTATCTGAATTTTGACAAAGCGGTTTTCaAGATTAACATCGTGCCGAAGGTGAACTACACCATCTATGACGGTTTTAACCTGCGTAACACCAACCTGGCGGCGAACTTTAACGGTCAGAATACGGAAATCAACAACATGAATTTCACGAAGTTGAAGAACTTCACGGGTCTGTTCGAGTTCTATAAGCTGCTGTGCGTGCGCGGTATCATCACCAGCAAAACCAAAAGCCTGGACAAAGGCTACAACAAGGCGCTGAATGACCTGTGCATTAAGGTAAACAATTGGGATCTGTTCTTTTCGCCATCCGAAGATAATTTTACCAACGACCTGAACAAGGGTGAAGAAATCACCAGCGATACGAATATTGAAGCAGCGGAAGAGAATATCAGCCTGGATCTGATCCAGCAGTACTATCTGACCTTTAACTTCGACAATGAACCGGAGAACATTAGCATTGAGAATCTGAGCAGCGACATTATCGGTCAGCTGGAACTGATGCCGAATATCGAACGTTTCCCGAACGGCAAAAAGTACGAGCTGGACAAGTACACTATGTTCCATTACCTGCGTGCACAGGAGTTTGAACACGGTAAAAGCCGTATCGCGCTGACCAACAGCGTTAACGAGGCCCTGCTGAACCCGAGCCGTGTCTATACCTTCTTCAGCAGCGACTATGTTAAGAAAGTGAACAAAGCCACTGAGGCCGCGATGTTCCTGGGCTGGGTGGAACAGCTGGTATATGACTTCACGGACGAGACGAGCGAAGTGAGCACTACCGACAAAaTTGCTGATaTTACCATCATTATCCCGTATATTGGTCCGGCACTGAACATTGGCAACATGCTGTACAAAGACGATTTTGTGGGTGCCCTGATCTTCTCCGGTGCCGTGATTCTGCTGGAGTTCATTCCGGAGATTGCGATCCCGGTGTTGGGTACCTTCGCGCTGGTGTCCTACATCGCGAATAAGGTTCTGACGGTTCAGACCATCGATAACGCGCTGTCGAAACGTAATGAAAAATGGGACGAGGTTTACAAATACATTGTTACGAATTGGCTGGCGAAAGTCaATACCCAGATCGACCTGATCCGTAAGAAAATGAAAGAGGCGCTGGAGAATCAGGCGGAGGCCACCAAAGCAATTATCAACTACCAATACAACCAGTACACGGAAGAAGAGAAGAATAACATTAACTTCAATATCGATGATTTGAGCAGCAAGCTGAATGAATCTATCAACAAAGCGATGATCAATATCAACAAGTTTTTGAATCAGTGTAGCGTTTCGTACCTGATGAATAGCATGATTCCGTATGGCGTCAAACGTCTGGAGGACTTCGACGCCAGCCTGAAAGATGCGTTGCTGAAATACATTTACGACAATCGTGGTACGCTGATTGGCCAAGTTGACCGCTTGAAAGACAAAGTTAACAATACCCTGAGCACCGACATCCCATTTCAACTGAGCAAGTATGTTGATAATCAACGTCTGTTGAGCACTTTCACCGAGTATATCAAAAACATCATCAATACTAGCATTCTGAACCTGCGTTACGAGAGCAATCATCTGATtGATCTGAGCCGTTATGCAAGCAAGATCAACATCGGTAGCAAGGTCAATTTTGACCCGATCGATAAGAACCAGATCCAGCTGTTTAATCTGGAATCGAGCAAAATTGAGGTTATCCTGAAAAACGCCATTGTCTACAACTCCATGTACGAGAATTTCTCCACCAGCTTCTGGATTCGCATCCCGAAATACTTCAACAGCATTAGCCTGAACAACGAGTATACTATCATCAACTGTATGGAGAACAACAGCGGTTGGAAGGTGTCTCTGAACTATGGTGAGATCATTTGGACCTTGCAGGACACCCAAGAGATCAAGCAGCGCGTCGTGTTCAAGTACTCTCAAATGATCAACATTTCCGATTACATTAATCGTTGGATCTTCGTGACCATTACGAATAACCGTCTGAATAACAGCAAGATTTACATCAATGGTCGCTTGATCGATCAGAAACCGATTAGCAACCTGGGTAATATCCACGCAAGCAACAACATTATGTTCAAATTGGACGGTTGCCGCGATACCCATCGTTATATCTGGATCAAGTATTTCAACCTGTTTGATAAAGAACTGAATGAGAAGGAGATCAAAGATTTGTATGACAACCAATCTAACAGCGGCATTTTGAAGGACTTCTGGGGCGATTATCTGCAATACGATAAGCCGTACTATATGCTGAACCTGTATGATCCGAACAAATATGTGGATGTCAATAATGTGGGTATTCGTGGTTACATGTATTTGAAGGGTCCGCGTGGCAGCGTTATGACGACCAACATTTACCTGAACTCTAGCCTGTACCGTGGTACGAAATTCATCATTAAGAAATATGCCAGCGGCAACAAAGATAACATTGTGCGTAATAACGATCGTGTCTACATCAACGTGGTCGTGAAGCGTAAAGAGTACCGTCTGGCGACCAACGCTTCGCAGGCGGGTGTTGAGAAAATTCTGAGCGCGTTGGAGATCCCTCGTGTCCGTCGTCTGAGCCAAGTCGTGGTTATGAAGAGCAAGAACGACCAGGGTATCACTAACAAGTGCAAGATGAACCTGCAAGACCGTCGTGGTAACGACATCGGCTTTATTGGTTTCCACCAGTTCAACAATATTGCTAAACTGGTAGCGAGCAATTGGTACAATCGTCAGATTGAGCGCCGTAGCCGTCGTTTGGGCTGTAGCTGGGAGTTTATCCCGGTCGATGATGGTTGGGGCGAACGTCCGCTG
【0381】
配列番号10 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “Cat-D”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIINTSILNLRYESNHLIDLSRYASKINIGSKVNFDPIDKNQIQLFNLESSKIEVILKNAIVYNSMYENFSTSFWIRIPKYFNSISLNNEYTIINCMENNSGWKVSLNYGEIIWTLQDTQEIKQRVVFKYSQMINISDYINRWIFVTITNNRLNNSKIYINGRLIDQKPISNLGNIHASNNIMFKLDGCRDTHRYIWIKYFNLFDKELNEKEIKDLYDNQSNSGILKDFWGDYLQYDKPYYMLNLYDPNKYVDVNNVGIRGYMYLKGPRGSVMTTNIYLNSSLYRGTKFIIKKYASGNKDNIVRNNDRVYINVVVKRKEYRLATNASQAGVEKILSALEIPRVRRLSQVVVMKSKNDQGITNKCKMNLQDRRGNDIGFIGFHQFNNIAKLVASNWYNRQIERRSRRLGCSWEFIPVDDGWGERPL
【0382】
配列番号11 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “キメラ 1”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
STIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGY
GSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPN
RVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKV
LNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFT
GLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEE
ITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNG
KKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSG
AVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAK
VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
MININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDK
VNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKSEILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVE
VYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYI
HNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVT
ITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTEL
SQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSK
YNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYF
KKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYES
GIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTEHHHHHHHHHH
【0383】
配列番号12 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “キメラ 2”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
STIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGY
GSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPN
RVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKV
LNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFT
GLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEE
ITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNG
KKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSG
AVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAK
VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
MININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDK
VNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNIIELGGGGSELSEILNNIILNLRYKDNN
LIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRI
PKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIRED
ISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFI
WMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKK
DSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNL
NQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDE
IGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTEHHH
HHHHHHH
【0384】
配列番号13 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “キメラ 3A”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
STIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGY
GSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPN
RVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKA
KSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKV
LNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFT
GLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEE
ITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNG
KKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEA
AMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSG
AVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAK
VNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKA
MININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDK
VNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEV
YDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIH
NEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTI
TNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELS
QSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKY
NQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFK
KEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESG
IVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTEHHHHHHHHHH
【0385】
配列番号14 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “キメラ 3B”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLNPPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGGSTIDTELKVIDTNCINVIQPDGSYRSEELNLVIIGPSADIIQFECKSFGHEVLNLTRNGYGSTQYIRFSPDFTFGFEESLEVDTNPLLGAGKFATDPAVTLAHELIHAGHRLYGIAINPNRVFKVNTNAYYEMSGLEVSFEELRTFGGHDAKFIDSLQENEFRLYYYNKFKDIASTLNKAKSIVGTTASLQYMKNVFKEKYLLSEDTSGKFSVDKLKFDKLYKMLTEIYTEDNFVKFFKVLNRKTYLNFDKAVFKINIVPKVNYTIYDGFNLRNTNLAANFNGQNTEINNMNFTKLKNFTGLFEFYKLLCVRGIITSKTKSLDKGYNKALNDLCIKVNNWDLFFSPSEDNFTNDLNKGEEITSDTNIEAAEENISLDLIQQYYLTFNFDNEPENISIENLSSDIIGQLELMPNIERFPNGKKYELDKYTMFHYLRAQEFEHGKSRIALTNSVNEALLNPSRVYTFFSSDYVKKVNKATEAAMFLGWVEQLVYDFTDETSEVSTTDKIADITIIIPYIGPALNIGNMLYKDDFVGALIFSGAVILLEFIPEIAIPVLGTFALVSYIANKVLTVQTIDNALSKRNEKWDEVYKYIVTNWLAKVNTQIDLIRKKMKEALENQAEATKAIINYQYNQYTEEEKNNINFNIDDLSSKLNESINKAMININKFLNQCSVSYLMNSMIPYGVKRLEDFDASLKDALLKYIYDNRGTLIGQVDRLKDKVNNTLSTDIPFQLSKYVDNQRLLSTFTEYIKNILNNIILNLRYKDNNLIDLSGYGAKVEVYDGVELNDKNQFKLTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNSGWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYINGKLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSYSEYLKDFWGNPLMYNKEYYMFNAGNKNSYIKLKKDSPVGEILTRSKYNQNSKYINYRDLYIGEKFIIRRKSNSQSINDDIVRKEDYIYLDFFNLNQEWRVYTYKYFKKEEMKLFLAPIYDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0386】
配列番号15 (ポリペプチド配列, 改変 BoNT/A “キメラ 3C”)
MPFVNKQFNYKDPVNGVDIAYIKIPNAGQMQPVKAFKIHNKIWVIPERDTFTNPEEGDLN
PPPEAKQVPVSYYDSTYLSTDNEKDNYLKGVTKLFERIYSTDLGRMLLTSIVRGIPFWGG
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KEEEKLFLAPISDSDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESG
IVFEEYKDYFCISKWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【0387】
配列番号16 (ポリペプチド配列, BoNT/B)
MPVTINNFNYNDPIDNNNIIMMEPPFARGTGRYYKAFKITDRIWIIPERYTFGYKPEDFN
KSSGIFNRDVCEYYDPDYLNTNDKKNIFLQTMIKLFNRIKSKPLGEKLLEMIINGIPYLG
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LTSSANSKIRVTQNQNIIFNSVFLDFSVSFWIRIPKYKNDGIQNYIHNEYTIINCMKNNS
GWKISIRGNRIIWTLIDINGKTKSVFFEYNIREDISEYINRWFFVTITNNLNNAKIYING
KLESNTDIKDIREVIANGEIIFKLDGDIDRTQFIWMKYFSIFNTELSQSNIEERYKIQSY
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SDEFYNTIQIKEYDEQPTYSCQLLFKKDEESTDEIGLIGIHRFYESGIVFEEYKDYFCIS
KWYLKEVKRKPYNLKLGCNWQFIPKDEGWTE
【実施例】
【0388】
実施例1
【0389】
クローニング、発現、及び精製
【0390】
以下の置換を導入する突然変異のために、野生型BoNT/A(配列番号2)をコードするヌクレオチド配列の配列番号1を選択して、以下の表1に示される4つのコンストラクトを形成した:
【表1】
【0391】
上記の改変BoNT/A分子をコードするDNAコンストラクトを合成し、pJ401発現ベクターにクローニングし、次いでBL21(DE3)E.コリに形質転換した。これにより、BL21(DE3)E.コリにおける組換えCat-Aタンパク質、組換えCat-Bタンパク質、組換えCat-Cタンパク質、及び組換えCat-Dタンパク質の可溶性過剰発現が可能となった。
【0392】
組換え改変BoNTを、E.コリ溶解物から古典的なクロマトグラフィー技術を使用して精製した。陽イオン交換樹脂を使用した初期精製工程を使用し、続いて疎水性相互作用樹脂を使用した中間精製工程を使用した。次いで、組換え改変BoNT単鎖をタンパク質分解によって切断したところ、活性化された二鎖改変BoNTが得られた。次いで、最終精製工程を使用して、残留している汚染物質を除去した。適切な技術は、WO2015/166242、WO2017055274A1、EP2524963B1、EP2677029B1、及びUS10087432B2に教示されている。
【0393】
実施例2
【0394】
精製された改変BoNT/Aの特性評価
【0395】
上記の実施例1に記載された改変BoNTを、以下のように実験的に特性評価した:
【0396】
pIの測定により、改変BoNTが非改変型(天然)BoNT/A1の等電点よりも高い等電点を有することが明らかになった(以下の
図1及び表2を参照)。
【表2】
【0397】
改変BoNTがニューロンに侵入してSNAP-25(BoNT/A1の標的)を切断する能力を、ラット胎児脊髄ニューロン(eSCN)を使用して評価した。
図2は、改変BoNTが、ニューロンに侵入してSNAP-25を切断するという天然のBoNT/A1と同じ能力を保持していることを示している。
【0398】
改変BoNTの効力を、マウス横隔神経片側横隔膜アッセイ(mPNHD)を使用して更に評価した。
図3は、改変BoNTが、マウス半横隔膜の収縮能力を阻害するという天然のBoNT/A1と同じ能力を保持していることを示している。
【0399】
in vivoでのマウス指外転スコア(DAS)アッセイを使用して、天然のBoNT/A1と比較した効力だけでなく安全性も評価した。両方の分子(Cat-A[配列番号4を二鎖形態に変換したもの]及びCat-B[配列番号6を二鎖形態に変換したもの])は、天然のBoNT/A1と比較してより高い安全率を示し、僅かにより強力であった。これらのデータを以下の表3に示す:
【表3】
【0400】
安全率は、効力(最大半量の指外転スコア(DAS))に対するBoNT処置のマイナス効果(体重減少)の尺度である。これは-10%の体重(BW)とDAS ED50との間の比率として計算され、ここで、-10%のBWは体重の10%減少に必要とされるBoNTの量(動物当たりのpg)を指し、ED50は2のDASをもたらすことになるBoNTの量(動物当たりのpg)を指す。
【0401】
DASアッセイを、ゼラチンリン酸緩衝液中で製剤化された20μlの改変BoNT/Aをマウスの腓腹筋/ヒラメ筋複合体に注射し、続いてアオキの方法(Aoki KR, Toxicon 39: 1815-1820; 2001)によって以前に報告されたように指外転を評価することによって実施する。
【0402】
実施例3
【0403】
改変BoNT/A(BoNT/ABキメラ)のクローニング、発現、及び精製
【0404】
BoNT/ABキメラコンストラクト1、BoNT/ABキメラコンストラクト2、BoNT/ABキメラコンストラクト3A、BoNT/ABキメラコンストラクト3B、及びBoNT/ABキメラコンストラクト3C(それぞれ、配列番号11~配列番号15)を、標準的な分子生物学技術を使用して、親血清型分子をコードするDNA及び適切なオリゴヌクレオチドから構築した。次いで、これらをC末端His10タグを有する又は有しないpJ401発現ベクターにクローニングし、過剰発現用のBLR(DE3)E.コリ細胞へと形質転換した。これらの細胞を、適切な抗生物質を補充した1Lの改変テリフィックブロス(mTB)を含む2Lのバッフル付き三角フラスコにおいて225RPMで振盪しながら37℃で成長させた。A600が0.5超に達したら、インキュベーター温度を16℃に下げ、次いで1時間後に225RPMで振盪しながら1mMのIPTGで20時間誘導して、組換えBoNT/ABコンストラクトを発現させた。
【0405】
採取した細胞を超音波処理により溶解し、4500RPMで4℃にて1時間遠心分離することにより清澄化した。次いで、組換えBoNT/ABキメラ分子を硫酸アンモニウム中で抽出し、標準的な高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)技術によって精製した。これは、捕捉に疎水性相互作用樹脂を使用し、中間精製工程に陰イオン交換樹脂を使用することを要した。次いで、部分的に精製された分子をエンドプロテイナーゼLys-Cでタンパク質分解的に切断して、活性二鎖を得た。これを第2の疎水性相互作用樹脂で更に精製して、最終的なBoNT/ABキメラを得た。
【0406】
デカヒスタジンタグ(H10)を有するBoNT/ABキメラ分子(キメラ1、キメラ2、キメラ3A)の場合、捕捉工程で疎水性相互作用樹脂の代わりに固定化ニッケル樹脂を使用した。
【0407】
【0408】
実施例4
【0409】
BoNT/ABキメラ1、BoNT/ABキメラ2、及びBoNT/ABキメラ3Aの比較
【0410】
C末端His
10タグ及びE1191M/S1199Y二重突然変異を有するBoNT/ABキメラ1、BoNT/ABキメラ2、及びBoNT/ABキメラ3Aを実施例3に記載のように精製し(
図4)、機能的活性について試験した。
【0411】
ラット脊髄ニューロンSNAP-25切断アッセイ
【0412】
ラット脊髄ニューロン(SCN)の初代培養物を調製し、96ウェルの組織培養プレートにおいて3週間成長させた(Masuyer et al., 2011, J. Struct. Biol. Structure and activity of a functional derivative of Clostridium botulinum neurotoxin B、及びChaddock et al., 2002, Protein Expr. Purif. Expression and purification of catalytically active, non-toxic endopeptidase derivatives of Clostridium botulinum toxin type Aに記載されるように)。BoNT/ABの段階希釈物をSCNフィード培地中で調製した。処置対象のウェルからの成長培地を収集し、濾過した(0.2μmのフィルター)。125μLの濾過した培地を各試験ウェルに戻した。次いで、125μLの希釈した毒素をプレートに加えた(3連のウェル)。処置した細胞を37℃、10%のCO2で24±1時間インキュベートした。
【0413】
SNAP-25切断アッセイを使用したBoNT活性の分析
【0414】
処置後、BoNTを除去し、細胞をPBS(Gibco社、英国)中で1回洗浄した。0.1Mのジチオトレイトール(DTT)及び1mL当たり250単位のベンゾナーゼ(Sigma社)を補充した1×NuPAGE溶解バッファー(Life Technologies社)中で細胞を溶解した。溶解物のタンパク質をSDS-PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜に転写した。未切断のSNAP-25だけでなくBoNT/Aエンドペプチダーゼによって切断されたSNAP-25も認識するSNAP-25に特異的な一次抗体(Sigma社の番号S9684)で、膜をプロービングした。使用した二次抗体は、HRPコンジュゲート抗ウサギIgG(Sigma社の番号A6154)であった。増強化学発光によってバンドを検出し、pXi6 Access(Synoptics社、英国)を使用してイメージングした。GeneToolsソフトウェア(Syngene社、英国ケンブリッジ)を使用してバンドの強度を決定し、BoNTの各濃度で切断されたSNAP-25のパーセンテージを計算した。データを4パラメーターロジスティック方程式に当てはめ、GraphPad Prismバージョン6(GraphPad社)を使用してpEC50を計算した。
【0415】
以下の表5は、ラットSCN SNAP-25切断アッセイにおいてキメラ1、キメラ2、及びキメラ3Aについて決定されたpEC
50値を示す。これらの結果は、3つのBoNT/ABキメラがラット脊髄ニューロンに侵入してそれらの標的基質を切断する能力を保持していることを示している。しかしながら、このアッセイにおいて、キメラ3Aの方がキメラ1及びキメラ2よりも強力であった(
図5も参照)。
【表5】
【0416】
指外転スコアリング(DAS)アッセイ
【0417】
DASアッセイにおけるBoNT/ABキメラ1、BoNT/ABキメラ2、及びBoNT/ABキメラ3Aの活性を測定する方法は、尾によって短時間吊り下げたときのマウスの驚愕反応である足指延展反射(startled response toe spreading reflex)に基づいている。この反射は、指外転スコア(DAS)としてスコア化され、後肢の腓腹筋-ヒラメ筋へのBoNTの投与後に阻害される。マウスを尾によって短時間吊り下げて、動物が後肢を伸ばし、その後、指を外転する特徴的な驚愕反応を引き出す(Aoki et al. 1999, Eur. J. Neurol.; 6 (suppl. 4) S3-S10)。
【0418】
注射の当日に、酸素中イソフルラン3%を受容する誘導チャンバー内でマウスに麻酔を施した。各マウスに、右後肢の腓腹筋-ヒラメ筋においてBoNT/ABキメラ又はビヒクル(0.2%のゼラチンを含むリン酸緩衝液)を筋肉内注射した。
【0419】
神経毒素注射後、様々な程度の指の外転を0から4までのスケールでスコア化した(ここで、0=正常、及び4=指の外転及び脚の伸展の最大の減少)。各用量での最大効果の平均を使用する非線形調整分析(nonlinear adjustment analysis)によってED50を決定した。使用した数学的モデルは、4パラメーターロジスティックモデルであった。
【0420】
投薬後初日の間、2時間毎にDASを実施し、その後、1日当たり3回、4日間これを実施した。
【0421】
図6は、キメラ1、キメラ2、及びキメラ3A(それぞれ、配列番号11、配列番号12、及び配列番号13を二鎖形態に変換したもの)についてのフィッティングされた曲線を示す。キメラ3Aの曲線は左に移動することから、これは、より低用量のキメラ3Aが、キメラ1及びキメラ2と比較して同様のDAS応答を達成したことを意味し、したがって、キメラ3Aは、マウスDASアッセイにおいてその他のものよりも強力であることが明らかとなる。各キメラについて計算されたED
50及びDAS 4(最高スコア)をもたらす用量の値を示す以下の表(表6)も参照のこと。
【0422】
以下の表6は、マウスDASアッセイにおいて非改変型の組換えBoNT/A1(rBoNT/A1-配列番号2を二鎖形態に変換したもの)並びにキメラ1、キメラ2、及びキメラ3Aについて決定されたED
50及びDAS 4用量を示す。これらの結果は、3種のキメラのうち、キメラ3Aが、筋力低下の誘導において最高のin vivo効力を有することを示している。
図6及び表6に示される研究は、Charles River laboratories社から入手したマウスにおいて実施した。
【表6】
【0423】
実施例5
【0424】
BoNT/ABキメラ3B、BoNT/ABキメラ3C、及び非改変BoNT/A1の比較
【0425】
それぞれE1191M/S1199Y二重突然変異が存在する及び存在しない、タグの付いていないBoNT/ABキメラ3B及びキメラ3C(配列番号14及び配列番号15)を、実施例3に記載されるように精製し(
図7)、参照として非改変BoNT/A1(配列番号2を二鎖形態に変換したもの)を使用して機能的活性について試験した。
【0426】
ヒト多能性幹細胞SNAP-25切断アッセイ
【0427】
低温保存されたPERI.4U-細胞を、Axiogenesis社(ドイツ、ケルン)から購入した。製造業者によって推奨されるように細胞の解凍及びプレーティングを実施した。簡潔に言えば、細胞を収容するクライオバイアルを37℃の水浴中で2分間解凍した。穏やかに再懸濁した後、細胞を50mLのチューブに移した。クライオバイアルを、製造業者によって供給された1mLのPeri.4U(登録商標)解凍培地で洗浄し、培地を50mLのチューブへと細胞懸濁液に滴下で移してから、更に2mLのPeri.4U(登録商標)解凍培地を50mLのチューブに滴加した。次いで、血球計算盤を使用して細胞を計数した。この後、更に6mLのPeri.4U(登録商標)解凍培地を細胞懸濁液に添加した。室温にて260×g(例えば、1100RPM)で6分間遠心分離することによって細胞ペレットを得た。次いで、細胞を、製造業者によって供給された完全Peri.4U(登録商標)培養培地中で再懸濁した。細胞を1cm2あたり50000個~150000個の細胞の密度で、ポリ-L-オルニチン及びラミニンでコーティングされた細胞培養プレート上にプレーティングした。細胞を37℃にて加湿CO2雰囲気中で培養し、培養の間、培地を2日~3日ごとに完全に交換した。
【0428】
毒素処置のために、Peri.4U(登録商標)培養培地中でBoNTの段階希釈物を調製した。処置対象のウェルからの培地を収集し、濾過した(0.2μmのフィルター)。125μLの濾過した培地を各試験ウェルに戻した。次いで、125μLの希釈した毒素をプレートに加えた(3連のウェル)。処置した細胞を37℃、10%のCO2で48±1時間インキュベートした。
【0429】
SNAP-25切断アッセイを使用したBoNT活性の分析
【0430】
処置後、BoNTを除去し、細胞をPBS(Gibco社、英国)中で1回洗浄した。0.1Mのジチオトレイトール(DTT)及び1mL当たり250単位のベンゾナーゼ(Sigma社)を補充した1×NuPAGE溶解バッファー(Life Technologies社)中で細胞を溶解した。溶解物のタンパク質をSDS-PAGEにより分離し、ニトロセルロース膜に転写した。未切断のSNAP-25だけでなくBoNT/Aエンドペプチダーゼによって切断されたSNAP-25も認識するSNAP-25に特異的な一次抗体(Sigma社の番号S9684)で、膜をプロービングした。使用した二次抗体は、HRPコンジュゲート抗ウサギIgG(Sigma社の番号A6154)であった。増強化学発光によってバンドを検出し、pXi6 Access(Synoptics社、英国)を使用してイメージングした。GeneToolsソフトウェア(Syngene社、英国ケンブリッジ)を使用してバンドの強度を決定し、BoNTの各濃度で切断されたSNAP-25のパーセンテージを計算した。データを4パラメーターロジスティック方程式に当てはめ、GraphPad Prismバージョン6(GraphPad社)を使用してpEC50を計算した。
【0431】
図8は、ヒト人工多能性幹細胞におけるSNAP-25の切断においてキメラ3B及びキメラ3Cの方がrBoNT/A1よりも大きな効力を発揮したが、前者が顕著に大きかったことを示している。これは、これらの細胞中に存在するヒトシナプトタグミンIIタンパク質受容体に対するキメラ3Bの親和性を高める二重突然変異によって説明され得る(
図8、表7)。
【表7】
【0432】
指外転スコアリング(DAS)アッセイ-安全率
【0433】
DASアッセイにおけるBoNTの活性を測定する方法は、尾によって短時間吊り下げたときのマウスの驚愕反応である足指延展反射に基づいている。この反射は、指外転スコア(DAS)としてスコア化され、後肢の腓腹筋-ヒラメ筋へのBoNTの投与後に阻害される。マウスを尾によって短時間吊り下げて、動物が後肢を伸ばし、その後、指を外転する特徴的な驚愕反応を引き出す(Aoki et al. 1999, Eur. J. Neurol.; 6 (suppl. 4) S3-S10)。
【0434】
注射の当日に、酸素中イソフルラン3%を受容する誘導チャンバー内でマウスに麻酔を施した。各マウスに、右後肢の腓腹筋-ヒラメ筋においてBoNT又はビヒクル(0.2%のゼラチンを含むリン酸緩衝液)を筋肉内注射した。
【0435】
神経毒素注射後、様々な程度の指の外転を0から4までのスケールでスコア化した(ここで、0=正常、及び4=指の外転及び脚の伸展の最大の減少)。各用量での最大効果の平均を使用する非線形調整分析によってED50を決定した。使用した数学的モデルは、4パラメーターロジスティックモデルであった。
【0436】
投薬後初日の間、2時間毎にDASを実施し、その後、全ての用量について1日当たり3回、4日間これを実施した。その後、ビヒクル及び注射の最初の4日間に4のDASを誘導する最低用量を注射した群の動物を、筋力低下が0のDAS(筋力低下が観察されない)に完全に回復するまでモニタリングした。
【0437】
安全率を計算するのに、研究期間全体を通じて、毒素注射の前日(D0)及びその後に1日1回、全ての動物を秤量した。各用量群について、平均体重、その標準偏差、及び標準誤差平均を毎日計算した。BoNTの安全率(-10%のΔBW/ED50)を得るには、研究の間のいつでも、用量群の平均体重がその同じ用量群のD0での平均体重の10%低くなる用量を、研究されるBoNTについてのED50で割った。致死用量を、その用量群内の動物の1匹以上が死亡した用量と定義した。
【0438】
図9は、非改変BoNT/A1、キメラ3B、及びキメラ3C(配列番号2、配列番号14、及び配列番号15を二鎖形態に変換したもの)についてのマウス指外転スコアリングアッセイにおける経時的な筋力低下の期間を示し、これにより、キメラがより長い作用持続期間を有することが明らかとなる。
【0439】
以下の表8は、マウスDASアッセイにおいてrBoNT/A1並びにキメラ3B及びキメラ3Cについて決定されたED
50及びDAS 4用量を示す。この表はまた、筋力低下が0のDAS(筋力低下が観察されない)に完全に回復するまでのDAS 4用量の総作用持続期間を示す。さらに、この表は、上記で定義されたマウス致死用量及び安全率(-10%のΔBW/ED
50)を示す。rBoNT/A1と比較して、キメラ3B及びキメラ3Cは、より長い作用持続期間、より良好な安全率、及びより高い致死用量を有する。
図9及び表8に示される研究は、Janvier laboratories社から入手したマウスにおいて実施した。
【表8】
【0440】
実施例6
【0441】
改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の前臨床試験
【0442】
改変BoNT/A「Cat-A」(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を追加の前臨床試験に供した。
【0443】
材料及び方法
【0444】
ラット指外転スコア(DAS)アッセイ
【0445】
in vivoでの筋肉活動に対する改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の効果を評価するのに、ラットDASアッセイを使用して用量-応答研究を実施した。ラットDASアッセイは、動物を軽く掴んだときの特徴的な驚愕反応である足指延展反射に基づいている。左腓骨筋複合体へと神経毒素を単回注射すると、筋力低下により指の外転が減少する。様々な程度の指の外転を5段階のスケールでスコア化する(0=正常ないし4=指の外転及び脚の伸展の最大の減少)(Broide RS, Rubino J, Nicholson GS, et al. The rat Digit Abduction Score (DAS) assay: A physiological model for assessing botulinum neurotoxin-induced skeletal muscle paralysis. Toxicon 2013;71:18-24)。DAS値を毒素注射後の最初の連続5日間測定し、この後には2日~3日の間隔で、より低い用量については改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の足指延展反射に対する効果が完全に消失するまで、そしてDAS4をもたらす用量についてはDAS2に回復するまで測定した。体重増加に対するBoNT誘導性の用量依存的な一過的な効果は、全身性の毒素効果の証拠と考えられる(Torii Y, Goto Y, Nakahira S, et al. Comparison of Systemic Toxicity between Botulinum Toxin Subtypes A1 and A2 in Mice and Rats. Basic Clin. Pharmacol. Toxicol. 2015;116:524-528.)。したがって、各評価時点において、ラットを秤量し、副作用を注記した。BoNTの投薬溶液を注射前にかつ研究の終わりまでマスキングした(無作為な文字を割り当てた)。効力を、効果の50%を誘導するのに必要とされる用量として決定した(ここで、ED50:2のDAS値をもたらす用量)。ED50及び95%信頼区間(CI)を決定するのに、2.5pg/kgから750pg/kgの間の範囲にある用量を試験した。1ng/kg、1.5ng/kg、2ng/kg、2.4ng/kg、3ng/kg、4ng/kg、及び5ng/kgというより高い用量も投与して、考えられる副作用を評価した。
【0446】
改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の作用持続期間を評価し、これと非改変BoNT/A(配列番号2を二鎖形態に変換したもの)の作用持続期間とを比較するのに、2のDAS2指示値まで戻るのに必要とされる中央時間を、両方の毒素に関する最大耐用量(無処置のラットと比較して体重の発達に対する影響なし)について2つの独立した直接的なヘッド・トゥ・ヘッド研究において評価した。
【0447】
ラット単回用量研究
【0448】
ラットは、右腓腹筋へと投与される0ng/kg、0.1ng/kg、1ng/kg、及び3ng/kgの用量で、改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の単回筋肉内(i.m.)注射を受けた。コントロール動物には配列番号4の希釈物を右腓腹筋に与えた。動物を処置の7日後に(1群当たり10匹の雄及び10匹の雌)又は13週間若しくは26週間の観察期間後に(1用量当たり5匹の雄及び5匹の雌)安楽死させた。中枢神経系機能の評価用のIrwin試験観察を試験前(-1日目)、8日目、並びに13週目及び27週目の間に行った。評価された他の臨床的(有害)徴候は、跛行、毒素注射された筋肉サイズが小さいこと、及び柔らかい膨隆腹であった。
【0449】
サル研究
【0450】
サルは、右腓腹筋へと投与される改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の0ng/kg、0.1ng/kg、0.25ng/kg、及び0.75ng/kgの単回i.m.用量を受けた。動物を処置の7日後に(1群当たり3匹の雄及び3匹の雌)又は13週間若しくは26週間の観察期間後に(1用量当たり2匹の雄及び2匹の雌)安楽死させた。血行力学、心電図、及び呼吸器パラメーターを含む心血管検査を、体外テレメトリーによって試験前、8日目、及び15日目に行った。
【0451】
妊娠ラットにおける予備的な拡充型EFD
【0452】
研究の目的は、器官形成の期間にわたってi.m.経路によって投与した場合のラットの胚発生及び胎児発生に対する改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の効果に関する初期情報を提供することであった。改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を、毎日のi.m.注射(腓腹筋)によって、1日当たり0.02ng/kg、0.05ng/kg、及び0.1ng/kgの用量レベルで、9匹の交配した雌のSprague-Dawleyラットの群に、境界も含めて妊娠の6日目(G6)から17日目(G17)まで投与した。臨床的状態、体重、及び食物消費を研究全体にわたってモニタリングした。雌をG21に帝王切開検査に供し、胎仔パラメーターを記録した。剖検時に、雌を肉眼により検査し、妊娠子宮を秤量し、小さな注射された腓腹筋を呈するものについては、この筋肉及び反対側の筋肉を秤量した。全ての胎児を秤量した。次いで、胎児を外観異常及び内臓異常について検査し、性別判定した。胎児のおよそ半分の頭部を固定化して、連続切片化による内科的検査を行った。全ての胎児の内臓摘出された屠体を処理して骨格検査を行った。
【0453】
妊娠ウサギにおける予備的な拡張型EFD
【0454】
研究の目的は、器官形成の期間にわたってi.m.経路によって投与した場合のウサギの胚発生及び胎児発生に対する改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の効果に関する初期情報を提供することであった。改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を、毎日のi.m.注射(腓腹筋)によって、1日当たり0.002ng/kg、0.005ng/kg、及び0.01ng/kgの用量レベルで、9匹の交配した雌のニュージーランド白ウサギの群に、境界も含めて妊娠の6日目(G6)から19日目(G19)まで投与した。臨床的状態、体重、及び食物消費を研究全体にわたってモニタリングした。雌をG29に帝王切開検査に供し、胎仔パラメーターを記録した。剖検時に、雌を肉眼により検査し、妊娠子宮を秤量し、小さな注射された腓腹筋を呈するものについては、この筋肉及び反対側の筋肉を秤量した。全ての胎児を秤量した。次いで、胎児を外観異常及び内臓異常について検査し、性別判定した。胎児のおよそ半分の頭部を固定化して、連続切片化による内科的検査を行った。
【0455】
結果
【0456】
上記に示される研究を実施することによって、改変BoNT/Aを投与した多くの様々な種について以下の薬理学的データ(以下の表9に示されている)が得られた。
【表9】
【0457】
さらに、改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)をラットDASアッセイにおいて試験して、Dysport(登録商標)と比較した場合の作用持続期間を決定した。結果を以下の表10に示す:
【表10】
【0458】
これらのデータは、改変BoNT/AがDysport(登録商標)の作用持続期間の二倍より長い作用持続期間を有するということを示している。
【0459】
実施例7
【0460】
被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)の単位用量の決定
【0461】
上記の実施例6において得られた前臨床薬理学データを考慮して、ヒトにおける改変BoNT/Aの投与に適した単位用量(UD)を決定した。これらの研究により、改変BoNT/Aが非改変BoNT/Aよりも長い作用持続期間をもたらすと同時に、改善された安全性プロファイルを示すことが明らかになった。この改善された安全性プロファイルは、改変BoNT/Aについて本明細書に記載される高い安全率によって表現され得る。
【0462】
改変BoNT/AはDysport(登録商標)と同じ作用機序を共有するため(その改変された特性による安全率の増大にもかかわらず)、被験体を治療するための改変BoNT/Aの最低用量を、その同じ筋肉群におけるDysport(登録商標)の添付文書にある用量に対する文脈に位置付けた:
・指外転スコアラットモデルにおいて、改変BoNT/AのED50は13pg/kgであり、同じ動物種における1500pg/kgという推定無毒性量(NOAEL)よりも100倍超低い。同じラットモデルにおいて、Dysport(登録商標)のED50は0.5U/kgである。これらの動物データに基づくと、改変BoNT/Aの2.6ngの用量は、100UのDysport(登録商標)の用量と推定されることとなる。
・腹腔内マウスLD50は8.44pgで確立された。これらの条件下では、改変BoNT/Aの0.84ngの用量は100UのDysport(登録商標)の用量に対応する。
【0463】
したがって、計算された最低用量は84.4pg(まるめると84pg)である。幾らかの文脈を与えるために、上記の腹腔内マウスLD50データを使用すると、84pgの改変BoNT/Aはおよそ10UのDysport(登録商標)に等しい。被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣、及び別個に片側顔面痙攣)の治療中に部位ごとに投与される10UのDysport(登録商標)は、治療的に有効である。例えば、Dysport(登録商標)は眼瞼痙攣(及び別個に片側顔面痙攣)の治療用に承認されており、ここで、外側上眼輪筋、内側上眼輪筋、及び外側下眼輪筋のそれぞれと、任意に内側下眼輪筋とに10Uが投与される。したがって、84pgの改変BoNT/A(10U)が有効な最小単位用量であることが予想され得る(例えば、Dysport(登録商標)と同様に投与される)。
【0464】
ラットにおける改変BoNT/Aの1.5ng/kgの推定NOAELは、60kgの体重のヒトにとっての90ngの用量に対応する。試験された2つの非臨床種のより感受性の高い方のサルにおいては、改変BoNT/Aの0.125ng/kgの推定NOAELは、60kgの体重のヒトにとっての7.5ngの用量に対応する。
【0465】
十分な注意を払って、治療についての上限を、サルにおけるNOAELよりも3倍超低い2000pg(約237U)で選択した。
【0466】
したがって、被験体の眼瞼筋を冒す障害に適切な治療では、少なくとも84pg(10U)の改変BoNT/Aから2000pg(約237U)の治療中の総用量までが使用される。単位用量の上限は、改変BoNT/Aが投与される筋肉及び/又はその部位の数に基づいて決定され得る。例えば、改変BoNT/Aが3箇所の筋肉及び/又は部位(例えば、片側性眼瞼痙攣の治療においては外側上眼輪筋、内側上眼輪筋、及び外側下眼輪筋)に投与される場合、適切な単位用量は84pg~666.7pg(10U~約79U)の改変BoNT/Aとなる。6箇所の筋肉/部位(例えば、両側性眼瞼痙攣の治療においては2箇所の外側上眼輪筋、2箇所の内側上眼輪筋、及び2箇所の外側下眼輪筋)に投与される場合、適切な単位用量は84pg~333.3pg(10U~約39.5U)の改変BoNT/Aとなる。これにより、確実に総用量を超過しない。
【0467】
実施例8
【0468】
被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する投薬計画
【0469】
改変BoNT/A(例えば、配列番号4を二鎖形態に変換したもの)は、バイアル当たり15ngの改変BoNT/Aが入った2mLの澄明なガラスバイアル内の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末は、滅菌塩化ナトリウムの0.9%(容量/重量)の保存料不含溶液及び希釈剤(改変BoNT/Aの賦形剤のみを含む製剤化緩衝液)の混合物を用いて再構成される。再構成後に、この溶液を必要に応じて更に希釈する。
【0470】
単位用量(UD)は84pg~666.7pg(10U~約79U)である。
【0471】
この障害は、注射により以下の投薬計画に従って治療される(表11):
【表11】
【0472】
最大総投薬量は2000pg(約237U)である。
【0473】
実施例9
【0474】
改変BoNT/A(BoNT/ABキメラ[配列番号14を二鎖形態に変換したもの])の前臨床試験
【0475】
BoNT/ABキメラの配列番号14(二鎖形態に変換したもの)をマウスLD50アッセイにおいて試験したところ、1.202ng/kgという結果が得られた。したがって、1Uの配列番号14(二鎖形態に変換したもの)は、このアッセイにおいて24.04pgに相当する。
【0476】
さらに、上記BoNT/ABキメラをラットDASアッセイにおいて試験して、Dysport(登録商標)と比較した場合の作用持続期間を(実施例6に従って)決定した。結果を以下の表12に示す:
【表12】
【0477】
結論として、BoNT/ABの作用持続期間は、Dysport(登録商標)よりもはるかに長く、配列番号4(二鎖形態に変換したもの)の持続時間と同様であった。したがって、配列番号4(二鎖形態に変換したもの)の単位用量及び投薬計画を同様にBoNT/ABに適用して、被験体の眼瞼筋を冒す障害についての治療の改善をもたらすことができる。
【0478】
実施例10
【0479】
被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)の単位用量の決定
【0480】
前臨床薬理学データを考慮して、ヒトにおける改変BoNT/Aの投与に適した単位用量(UD)を決定した。
【0481】
配列番号14(二鎖形態に変換したもの)については、13pg/kgのDAS ED50が計算され、これは同じ動物種における4ng/kgの無毒性量(NOAEL)よりもおよそ300倍低い。ラットにおける配列番号14(二鎖形態に変換したもの)の13pg/kgのED50は、60kgの体重のヒトについては0.8ngの用量に対応する。したがって、1000pgの用量が好ましいとみなされた。しかしながら、上記のように、被験体の眼瞼筋を冒す障害(例えば、眼瞼痙攣又は片側顔面痙攣)の治療中に部位当たりに投与される10UのDysport(登録商標)が治療的に有効であることを考慮すると、対応する10Uの用量の改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)も、効果的な最小単位用量であることとなる(例えば、Dysport(登録商標)と同様に投与される)とみなされた。上記の腹腔内マウスLD50データを使用すると、240.4pg(まるめると240pg)の改変BoNT/Aはおよそ10UのDysport(登録商標)に等しい。
【0482】
NOAELは、非臨床安全性種(ラット及びサル)の両方について4ng/kgであり、これは、60kgの体重についてのヒト用量に換算すると240000pgとなる。
【0483】
十分な注意を払って、治療についての上限を、NOAELよりも10倍低い24000pg(約998U)で選択した。
【0484】
したがって、被験体の眼瞼筋を冒す障害の適切な治療では、少なくとも240pg(10U)の改変BoNT/Aから24000pg(約998U)の治療中の総用量までが使用される。単位用量の上限は、改変BoNT/Aが投与される筋肉及び/又はその部位の数に基づいて決定され得る。例えば、改変BoNT/Aが3箇所の筋肉及び/又は部位(例えば、片側性眼瞼痙攣の治療においては外側上眼輪筋、内側上眼輪筋、及び外側下眼輪筋)に投与される場合、適切な単位用量は240pg~8000pg(10U~約332.7U)の改変BoNT/Aとなる。6箇所の筋肉/部位(例えば、両側性眼瞼痙攣の治療においては2箇所の外側上眼輪筋、2箇所の内側上眼輪筋、及び2箇所の外側下眼輪筋)に投与される場合、適切な単位用量は240pg~4000pg(10U~約166.3U)の改変BoNT/Aとなる。これにより、確実に総用量を超過しない。
【0485】
実施例9の前臨床データによって決定されたDysport(登録商標)と比較した場合の安全性プロファイルの改善を考慮すると、被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する際に投与される総用量(単位)は、Dysport(登録商標)の場合よりも4倍をわずかに上回ると予想される。眼瞼痙攣及び別個に片側顔面痙攣の治療の場合のDysport(登録商標)の最大総用量は240単位(片眼当たり120単位)である。
【0486】
有利には、被験体の眼瞼筋を冒す障害の治療において、最大用量に達するまでに、より多くの改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)を注射することができ、及び/又はより多くの箇所の筋肉及び/又は部位に注射することができる。これは重大かつ有利な知見であり、より広い範囲の治療選択肢を臨床医に提供しつつ、そのような病態の治療の改善をもたらす。
【0487】
実施例11
【0488】
改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)を使用して被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する投薬計画
【0489】
改変BoNT/A(例えば、配列番号14を二鎖形態に変換したもの)は、バイアル当たり36ngの改変BoNT/Aが入ったバイアル内の凍結乾燥粉末として提供される。凍結乾燥粉末を再構成する。
【0490】
単位用量(UD)は240pg~8000pg(約10単位~332.7単位[マウスLD50により測定])である。
【0491】
この障害は、注射により以下の投薬計画に従って治療される(表13):
【表13】
【0492】
最大総投薬量は24000pg(約998U)である。これは、眼瞼痙攣又は片側顔面痙攣の治療中に毒性限界(従来の治療計画で懸念される)に近づくことなく投与することができるDysport(登録商標)の最大総用量の4倍をわずかに上回る量である。したがって、臨床医は、毒性を一切懸念することなく24000pg(約998U)を投与することができるという知識をもって、患者に合わせて治療を適合させることができ、それにより、被験体の追加の筋肉の治療が可能となり、及び/又は各筋肉及び/又はそれらの部位に薬学的に有効な用量を与えることが確実となる。
【0493】
実施例12
【0494】
眼瞼痙攣を患う患者の治療
【0495】
52歳のロレッタ(Loretta)氏は、かかりつけ医によって両側性眼瞼痙攣と診断されている。改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)を、以下のロレッタ氏の筋肉/その部位のそれぞれに投与する:
・左眼の外側上眼輪筋へ2000pgの1×単位用量(UD)、
・左眼の内側上眼輪筋へ2000pgの1×UD、
・左眼の外側下眼輪筋へ2000pgの1×UD、
・右眼の外側上眼輪筋へ2000pgの1×UD、
・右眼の内側上眼輪筋へ2000pgの1×UD、及び、
・右眼の外側下眼輪筋へ2000pgの1×UD。
【0496】
改変BoNT/Aの総量は上限の24000pg未満である。眼瞼痙攣は緩和され、改変BoNT/Aの持続時間が長いため、ロレッタ氏は更なる治療を9ヶ月間必要としない。したがって、非改変BoNT/Aを投与した同等の被験体と比較した場合、ロレッタ氏は注射を受ける頻度(例えば、1年当たり)がより少なくなる。さらに、ロレッタ氏は、改変BoNT/Aの安全性プロファイルの改善のおかげで、副作用を一切示さない。
【0497】
実施例13
【0498】
眼瞼痙攣を患う患者の治療
【0499】
63歳のエレノア氏は、かかりつけ医によって左眼の近位にある眼瞼筋を冒す片側性眼瞼痙攣と診断されている。改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を、以下のエレノア氏の筋肉/その部位のそれぞれに投与する:
・左眼の外側上眼輪筋へ250pgの1×単位用量(UD)、
・左眼の内側上眼輪筋へ250pgの1×UD、
・左眼の外側下眼輪筋へ250pgの1×UD、及び、
・左眼の前頭筋へ500pgの2×UD(2箇所の部位)。
【0500】
改変BoNT/Aの総量は上限の2000pg未満である。眼瞼痙攣は緩和され、改変BoNT/Aの持続時間が長いため、エレノア氏は更なる治療を9ヶ月超にわたって必要としない。したがって、非改変BoNT/Aを投与した同等の被験体と比較した場合、エレノア氏は注射を受ける頻度(例えば、1年当たり)がより少なくなる。さらに、エレノア氏は、改変BoNT/Aの安全性プロファイルの改善のおかげで、副作用を一切示さない。
【0501】
実施例14
【0502】
片側顔面痙攣を患う患者の治療
【0503】
49歳のデレク氏は、顔の左側を冒す片側顔面痙攣(例えば、定型片側顔面痙攣)と診断されている。改変BoNT/A(配列番号14を二鎖形態に変換したもの)を、以下のデレク氏の筋肉/その部位のそれぞれに投与する:
・左眼の外側上眼輪筋へ3000pgの1×単位用量(UD)、
・左眼の内側上眼輪筋へ3000pgの1×UD、
・左眼の外側下眼輪筋へ3000pgの1×UD、
・顔の左側の皺眉筋へ3000pgの1×UD、
・顔の左側の前頭筋へ3000pgの1×UD、
・顔の左側の大頬骨筋へ3000pgの1×UD、
・顔の左側の頬筋へ3000pgの1×UD、及び、
・顔の左側の咬筋へ3000pgの1×UD。
【0504】
改変BoNT/Aの総量は上限の24000pgまでである。片側顔面痙攣は緩和され、改変BoNT/Aの持続時間が長いため、デレク氏は更なる治療を9ヶ月超にわたって必要としない。したがって、非改変BoNT/Aを投与した同等の被験体と比較した場合、デレク氏は注射を受ける頻度(例えば、1年当たり)がより少なくなる。さらに、デレク氏は、改変BoNT/Aの安全性プロファイルの改善のおかげで、副作用を一切示さない。
【0505】
実施例15
【0506】
片側顔面痙攣を患う患者の治療
【0507】
41歳のケイリー氏は、かかりつけ医によって右眼の近位にある眼瞼筋を冒す片側顔面痙攣(例えば、定型片側顔面痙攣)と診断されている。改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を、以下のケイリー氏の筋肉/その部位のそれぞれに投与する:
・右眼の外側上眼輪筋へ650pgの1×単位用量(UD)、
・右眼の内側上眼輪筋へ650pgの1×UD、及び、
・右眼の外側下眼輪筋へ650pgの1×UD。
【0508】
改変BoNT/Aの総量は上限の2000pg未満である。片側顔面痙攣は緩和され、改変BoNT/Aの持続時間が長いため、ケイリー氏は更なる治療を9ヶ月間必要としない。したがって、非改変BoNT/Aを投与した同等の被験体と比較した場合、ケイリー氏は注射を受ける頻度(例えば、1年当たり)がより少なくなる。さらに、ケイリー氏は、改変BoNT/Aの安全性プロファイルの改善のおかげで、副作用を一切示さない。
【0509】
実施例16
【0510】
片側顔面痙攣を患う患者の治療
【0511】
43歳のスティーブン氏は、かかりつけ医によって主に唇を冒すが頬領域も冒す片側顔面痙攣と診断されており、これは非定型片側顔面痙攣の指標である。改変BoNT/A(配列番号4を二鎖形態に変換したもの)を、以下のスティーブン氏の筋肉/その部位のそれぞれに投与する:
・上部口輪筋へ650pgの1×単位用量(UD)、
・下部口輪筋へ650pgの1×UD、及び、
・冒された頬の近位にある頬筋へ650pgの1×UD。
【0512】
改変BoNT/Aの総量は上限の2000pg未満である。片側顔面痙攣は緩和され、改変BoNT/Aの持続時間が長いため、スティーブン氏は更なる治療を9ヶ月間必要としない。したがって、非改変BoNT/Aを投与した同等の被験体と比較した場合、スティーブン氏は注射を受ける頻度(例えば、1年当たり)がより少なくなる。さらに、スティーブン氏は、改変BoNT/Aの安全性プロファイルの改善のおかげで、副作用を一切示さない。
【0513】
実施形態:
【0514】
1.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
2.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~4800pgの改変BoNT/Aである、実施形態1に記載の使用のための改変BoNT/A。
3.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~4000pgの改変BoNT/Aである、実施形態1又は2に記載の使用のための改変BoNT/A。
4.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~2400pgの改変BoNT/Aである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
5.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~2000pgの改変BoNT/Aである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
6.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも500pgの改変BoNT/Aである、実施形態1~5のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
7.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも1000pgの改変BoNT/Aである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
8.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)(好ましくは10U~332.7U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
9.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~199.6Uの改変BoNT/Aである、実施形態8に記載の使用のための改変BoNT/A。
10.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~166.3Uの改変BoNT/Aである、実施形態8又は9に記載の使用のための改変BoNT/A。
11.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~99.8Uの改変BoNT/Aである、実施形態8~10のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
12.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~83.17Uの改変BoNT/Aである、実施形態8~11のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
13.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも21Uの改変BoNT/Aである、実施形態8~12のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
14.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも42Uの改変BoNT/Aである、実施形態8~13のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
15.改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
16.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/A。
17.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~400pgの改変BoNT/Aである、実施形態16に記載の使用のための改変BoNT/A。
18.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~333.3pgの改変BoNT/Aである、実施形態16又は17に記載の使用のための改変BoNT/A。
19.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~200pgの改変BoNT/Aである、実施形態16~18のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
20.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~166.7pgの改変BoNT/Aである、実施形態16~19のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
21.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも100pgの改変BoNT/Aである、実施形態16~20のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
22.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10U(好ましくは10U~79U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大237Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/A。
23.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~47.4Uの改変BoNT/Aである、実施形態22に記載の使用のための改変BoNT/A。
24.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~39.5Uの改変BoNT/Aである、実施形態22又は23に記載の使用のための改変BoNT/A。
25.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~23.7Uの改変BoNT/Aである、実施形態22~24のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
26.改変BoNT/Aの単回単位用量は、10U~19.75Uの改変BoNT/Aである、実施形態22~25のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
27.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも12Uの改変BoNT/Aである、実施形態22~26のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
28.上記改変は、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、又はTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、及び配列番号9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、好ましくは、上記改変は、ASN 886、ASN 930、SER 955、GLN 991、ASN 1026、ASN 1052、及びGLN 1229から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、実施形態16~27のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
29.改変は、置換、好ましくはリジン又はアルギニンでの置換である、実施形態16~28のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
30.改変BoNT/Aは、7を超える安全率を有し、ここで、安全率は、マウス当たりのpgとして測定される-10%の体重変化に必要とされる毒素の用量をマウス当たりのpgとして測定されるDAS ED50で割ったもの(ここで、ED50=2のDASスコアをもたらすのに必要とされる用量)として計算される、実施形態1~29のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
31.上記方法は、以下のことを更に含む、実施形態1、3~8、10~16、18~22、又は24~30のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与すること。
32.被験体の眼瞼筋を冒す障害は、眼瞼痙攣である、実施形態1~31のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
33.改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の眼の近位にある内側下眼輪筋に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、実施形態1~32のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
34.改変BoNT/Aの少なくとも単回単位用量(例えば2単位用量)を被験体の眼の近位にある前頭筋に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、実施形態1~33のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
35.改変BoNT/Aの少なくとも単回単位用量(例えば2単位用量)を被験体の眼の近位にある皺眉筋に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、実施形態1~34のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
36.被験体の眼瞼筋を冒す障害は、片側顔面痙攣である、実施形態1~35のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
37.改変BoNT/Aを、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される1箇所以上の筋肉に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、実施形態36に記載の使用のための改変BoNT/A。
38.BoNT/Aは、好ましくは皮下注射によって皮下投与される、実施形態1~37のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
39.BoNT/Aは、好ましくは筋肉内注射によって筋肉内投与される、実施形態1~38のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
40.改変BoNT/Aは、注射部位当たり単回単位用量によって投与される、実施形態1~39のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A。
【0515】
条項
【0516】
1.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
2.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
3.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法。
4.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法。
5.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、上記障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用。
6.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、上記障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも240pg(好ましくは240pg~8000pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大24000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用。
7.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~4800pgの改変BoNT/Aである、条項1~6のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
8.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~4000pgの改変BoNT/Aである、条項1~7のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
9.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~2400pgの改変BoNT/Aである、条項1~8のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
10.改変BoNT/Aの単回単位用量は、240pg~2000pgの改変BoNT/Aである、条項1~9のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
11.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも500pgの改変BoNT/Aである、条項1~10のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
12.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも1000pgの改変BoNT/Aである、条項1~11のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
13.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
14.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、改変BoNT/A。
15.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法。
16.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、方法。
17.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、上記障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用。
18.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、上記障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも10単位(U)の改変BoNT/Aであり、ここで、1単位は、マウスにおける計算された中央致死用量(LD50)に相当する改変BoNT/Aの量であり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大998Uの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、BoNT/Aの軽鎖及び転位置ドメインと、BoNT/Bの受容体結合ドメイン(HCドメイン)とを含む、使用。
19.改変BoNT/Aは、E1191M及びS1199Yである2つの置換突然変異の組合せを含む、条項1~18のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は改変BoNT/Aの使用。
20.改変BoNT/Aは、配列番号14に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、条項1~19のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
21.改変BoNT/Aは、軽鎖(L鎖)がジスルフィド結合を介して得られる重鎖(H鎖)に連結されている二鎖改変BoNT/Aであり、これは、配列番号14を含む単鎖改変BoNT/Aを、その活性化ループにおけるペプチド結合を加水分解するプロテアーゼと接触させ、それにより単鎖改変BoNT/Aを対応する二鎖改変BoNT/Aへと変換することを含む方法によって取得可能である、条項1~20のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
22.改変BoNT/Aは、L鎖がジスルフィド結合を介して得られるH鎖に連結されている二鎖改変BoNT/Aであり、これは、配列番号14からなる単鎖改変BoNT/Aを、その活性化ループにおけるペプチド結合を加水分解するプロテアーゼと接触させ、それにより単鎖改変BoNT/Aを対応する二鎖改変BoNT/Aへと変換することを含む方法によって取得可能である、条項1~21のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
23.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/A。
24.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法における使用のための改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、改変BoNT/A。
25.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法。
26.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する方法であって、上記方法は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、方法。
27.被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用。
28.非改変BoNT/A(例えば、配列番号2)による治療よりも長期間にわたって被験体の眼瞼筋を冒す障害を治療する医薬の製造における改変ボツリヌス神経毒素A(BoNT/A)の使用であって、ここで、障害の治療は、以下のことを含み:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第1の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与することと、
ここで、改変BoNT/Aの単回単位用量は、少なくとも84pg(好ましくは84pg~666.7pg)の改変BoNT/Aであり、
ここで、治療中に投与される総用量は、最大2000pgの改変BoNT/Aであり、かつ、
ここで、改変BoNT/Aは、ASN 886、ASN 905、GLN 915、ASN 918、GLU 920、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、GLU 992、GLN 995、ASN 1006、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1032、ASN 1043、ASN 1046、ASN 1052、ASP 1058、HIS 1064、ASN 1080、GLU 1081、GLU 1083、ASP 1086、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、及びTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み、ここで、改変は、
(i)表面に露出した酸性アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(ii)表面に露出した酸性アミノ酸残基の非荷電アミノ酸残基での置換、
(iii)表面に露出した非荷電アミノ酸残基の塩基性アミノ酸残基での置換、
(iv)塩基性アミノ酸残基の挿入、及び、
(v)表面に露出した酸性アミノ酸残基の欠失、
から選択される、使用。
29.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~400pgの改変BoNT/Aである、条項23~28のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
30.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~333.3pgの改変BoNT/Aである、条項23~29のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
31.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~200pgの改変BoNT/Aである、条項23~30のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
32.改変BoNT/Aの単回単位用量は、84pg~166.7pgの改変BoNT/Aである、条項23~31のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
33.単回単位用量(例えば、単回単位用量の下限)は、少なくとも100pgの改変BoNT/Aである、条項23~32のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
34.上記改変は、ASN 886、ASN 930、ASN 954、SER 955、GLN 991、ASN 1025、ASN 1026、ASN 1052、ASN 1188、ASP 1213、GLY 1215、ASN 1216、GLN 1229、ASN 1242、ASN 1243、SER 1274、又はTHR 1277から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで改変BoNT/Aは、配列番号3、配列番号5、配列番号7、及び配列番号9から選択される核酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含み、好ましくは、上記改変は、ASN 886、ASN 930、SER 955、GLN 991、ASN 1026、ASN 1052、及びGLN 1229から選択される1つ以上のアミノ酸残基での改変を含み(好ましくは、それらからなり)、かつここで改変BoNT/Aは、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列によってコードされ、及び/又は配列番号4から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有するポリペプチド配列を含む、条項23~33のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
35.改変は、置換、好ましくはリジン又はアルギニンでの置換である、条項23~34のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
36.改変BoNT/Aは、7を超える安全率を有し、ここで、安全率は、マウス当たりのpgとして測定される-10%の体重変化に必要とされる毒素の用量をマウス当たりのpgとして測定されるDAS ED50で割ったもの(ここで、ED50=2のDASスコアをもたらすのに必要とされる用量)として計算される、条項1~35のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
37.以下のことを更に含む、条項1~36のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある外側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある内側上眼輪筋に投与することと、
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の第2の眼の近位にある外側下眼輪筋に投与すること。
38.被験体の眼瞼筋を冒す障害は、眼瞼痙攣である、条項1~37のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
39.以下のことを更に含む、条項1~38のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用:
改変BoNT/Aの単回単位用量を被験体の眼の近位にある内側下眼輪筋に投与すること、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、及び/又は、
改変BoNT/Aの少なくとも単回単位用量(例えば2単位用量)を被験体の眼の近位にある前頭筋に投与すること、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、及び/又は、
改変BoNT/Aの少なくとも単回単位用量(例えば2単位用量)を被験体の眼の近位にある皺眉筋に投与すること、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない。
40.被験体の眼瞼筋を冒す障害は、片側顔面痙攣である、条項1~39のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
41.改変BoNT/Aを、挙筋、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される1箇所以上の筋肉に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する請求項において)指定された総用量を超えない、条項1~40のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
42.改変BoNT/Aを、口輪筋(例えば、上部口輪筋及び/又は下部口輪筋)、頬骨筋(例えば、大頬骨筋)、鼻筋、オトガイ筋、広頸筋、前頭筋、皺眉筋、頬筋、咬筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される1箇所以上の筋肉に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、条項1~41のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
43.改変BoNT/Aを、挙筋、前頭筋、皺眉筋、鼻根筋、及び外眼角から選択される1箇所以上の筋肉に投与することを更に含み、ここで、治療中に投与される改変BoNT/Aの総用量は、(例えば、先行する条項において)指定された総用量を超えない、条項1~42のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
44.BoNT/Aは、好ましくは皮下注射によって皮下投与される、条項1~43のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
45.BoNT/Aは、好ましくは筋肉内注射によって筋肉内投与される、条項1~43のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
46.改変BoNT/Aは、注射部位当たり単回単位用量によって投与される、条項1~45のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は使用。
47.被験体は、ヒト被験体である、条項1~46のいずれか1つに記載の使用のための改変BoNT/A、方法、又は改変BoNT/Aの使用。
【0517】
上記明細書において挙げられた全ての出版物は参照により本明細書に援用される。本発明の記載された方法及びシステムの様々な変更及び変形は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかであろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して説明してきたが、特許請求の範囲に記載される発明はそのような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、本発明を実施するのに記載された態様の、生化学及びバイオテクノロジー又は関連分野における当業者に明らかな様々な変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0518】
[
図1、
図4、
図7]
Marker: マーカー
[
図2]
Basal: 基底
mean Δ pEC
50 v nBoNT/A1: nBoNT/A1に対する平均ΔpEC
50
log units: 対数単位
10x less potent: 10分の1の強さ
[
図2、
図5、
図8]
% SNAP-25 clevage: SNAP-25切断の百分率
[
図3]
t
50 (min): t
50(分)
SXN/Batch: SXN/バッチ
t
50 (mean min±sem): t
50(平均 分 ± 平均値の標準誤差(sem))
[
図4~
図9]
SEQ ID NO: 配列番号
[
図5]
in rat spinal cord neurones: ラット脊髄ニューロンにおいて
[
図5、
図8]
Un-Tr: 無処置
[
図6]
Mean DAS: 平均DAS
Dose (pg/mouse): 用量(pg/マウス)
[
図8]
in human pluripotent stem cells: ヒト多能性幹細胞において
[
図9]
Time (day): 時間(日)
【配列表】
【国際調査報告】