(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】トモシンセシスゲイン較正および画像補正
(51)【国際特許分類】
A61B 6/02 20060101AFI20240912BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B6/02 500Z
A61B6/50 500E
A61B6/02 501H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518150
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022076831
(87)【国際公開番号】W WO2023049782
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA11
4C093CA08
4C093DA06
4C093EC25
4C093ED21
4C093FA18
4C093FA35
4C093FF35
4C093FF48
(57)【要約】
本出願は、高線量ゲインマップまたは高線量ゲインマップの高解像度成分を複数の撮像パラメータで低線量ゲインマップの低解像度成分と直接に組み合わせて、複数の撮像パラメータで高品質ゲインマップを効率的に生成し、X線画像に対するゲイン補正を実行するトモシンセシスシステムおよび方法を開示する。第1の態様では、トモシンセシス掃引のための複数の撮像パラメータにおけるゲイン較正のための方法が開示される。第2の態様では、複数の投影角度におけるゲイン較正のためのトモシンセシスシステムが開示される。第3の態様では、トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トモシンセシス掃引のための複数の撮像パラメータにおけるゲイン較正のための方法であって、前記方法は、
複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、前記複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれは、前記複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる、ことと、
前記複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、
複数の低線量ゲインマップを生成することであって、前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれは、前記複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる前記複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つと関連付けられる、ことと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを複数の成分レベルに分解することと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれに関して前記複数の成分レベルから低解像度成分を抽出することと、
前記複数の撮像パラメータのそれぞれに関して、前記高線量ゲインマップを前記低線量ゲインマップの前記低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、前記複数の撮像パラメータのそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の撮像パラメータのそれぞれに関して前記最終ゲインマップを記憶することと、
前記複数の撮像パラメータのそれぞれで患者の乳房のトモシンセシスX線画像を取得することと、
前記複数の撮像パラメータのそれぞれに関して前記記憶された最終ゲインマップを使用して前記患者の乳房の前記トモシンセシスX線画像をゲイン補正し、ゲイン補正された乳房画像を生じることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮像パラメータは、投影角度、kVp、フィルタ材料の種類、乳房の厚さ、およびグリッド位置のうちの1つを含む、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のトモシンセシス掃引は、X線源およびX線画像レセプタを備える画像取得ユニットによって実行され、前記画像取得ユニットは、前記複数の撮像パラメータで物体の投影X線画像を取得する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記高線量ゲインマップを生成することは、
前記高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイに関する平均信号カウントを決定することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる前記画素のアレイから前記画素のそれぞれに関して未加工信号カウントを決定することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる前記画素のアレイ内の前記画素のそれぞれに関してゲイン補正係数を計算することであって、前記ゲイン補正係数は、前記平均信号カウントと前記特定の画素に関する前記未加工信号カウントの逆数との積である、ことと、
前記画素のアレイ内の前記画素のそれぞれに関する前記ゲイン補正係数を前記高線量ゲインマップに組み立てることと
を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、複数の解像度レベルに分解することを含み、前記複数の解像度レベルの各レベルは、詳細画像および残差画像を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、マルチスケール分解プロセスを使用して実行される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記低解像度成分を抽出することは、前記複数の解像度レベルのうちの最後のレベルの前記残差画像から低解像度成分を抽出することを含む、請求項6から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記高線量ゲインマップは、X線検出器の画素間ゲイン変動データを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記低解像度成分は、角度データ、kVデータ、フィルタデータ、グリッドデータ、および厚さデータのうちの1つを含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
複数の投影角度でのゲイン較正のためのトモシンセシス撮像システムであって、前記システムは、
X線源とX線画像レセプタとを備える画像取得ユニットであって、前記画像取得ユニットは、前記複数の投影角度における物体の投影X線画像を取得する、画像取得ユニットと、
プロセッサと、
命令を含むメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれは、前記複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる、ことと、
前記複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、
前記高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解することと、
前記第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出することと、
複数の低線量ゲインマップを生成することであって、前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれは、前記複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる前記複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連付けられる、ことと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解することと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出することであって、前記低解像度成分は、角度マップを含む、ことと、
前記複数の投影角度のそれぞれに関して、前記高線量ゲインマップの前記高解像度成分を前記低線量ゲインマップの前記低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、前記複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することと
を行わせる、メモリと
を備える、システム。
【請求項12】
前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
前記複数の投影角度のそれぞれに関して前記最終ゲインマップを記憶することと、
前記複数の投影角度のそれぞれで患者の乳房のトモシンセシスX線画像を取得することと、
前記複数の投影角度のそれぞれに関して前記記憶された最終ゲインマップを使用して前記患者の乳房の前記トモシンセシスX線画像をゲイン補正して、ゲイン補正された乳房画像を生じることと
をさらに行わせる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のトモシンセシス掃引は、ファントムの複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために実行される、請求項11から12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記命令は、前記高線量ゲインマップを生成するために前記プロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
前記高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイに関する平均信号カウントを決定することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる前記画素のアレイから前記画素のそれぞれに関して未加工信号カウントを決定することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる前記画素のアレイ内の前記画素のそれぞれに関してゲイン補正係数を計算することであって、前記ゲイン補正係数は、前記平均信号カウントと前記特定の画素に関する前記未加工信号カウントの逆数との積である、ことと、
前記画素のアレイ内の前記画素のそれぞれに関する前記ゲイン補正係数を前記高線量ゲインマップに組み立てることと
を行わせる、請求項11から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記高線量ゲインマップを分解することおよび前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、複数の解像度レベルに分解することを含み、前記複数の解像度レベルの各レベルは、詳細画像および残差画像を含む、請求項11から14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
前記高線量ゲインマップを分解することおよび前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、マルチスケール分解プロセスを使用して実行される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記高解像度成分を抽出することは、前記複数の解像度レベルのうちの最後のレベルより上のレベルの前記詳細画像から高解像度成分を抽出することを含み、前記低解像度成分を抽出することは、前記複数の解像度レベルのうちの最後のレベルの前記残差画像から低解像度成分を抽出することを含む、請求項15から16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記高解像度成分は、X線検出器の画素間ゲイン変動データを含む、請求項11から17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
前記低解像度成分は、角度データ、kVデータ、フィルタデータ、グリッドデータ、および厚さデータのうちの1つをさらに含む、請求項11から18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための方法であって、前記方法は、
複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、前記複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれは、前記複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる、ことと、
前記複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、
前記高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、
前記高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解することと、
前記第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出することと、
複数の低線量ゲインマップを生成することであって、前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれは、前記複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる前記複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連付けられる、ことと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解することと、
前記複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出することであって、前記低解像度成分は、角度マップを含む、ことと、
前記複数の投影角度のそれぞれに関して、前記高解像度成分を前記低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、前記複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年9月23日に出願された米国仮出願第63/247,503号の優先権および利益を主張するPCT国際特許出願として、2022年9月22日に出願されており、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
乳癌および他の乳房病変は、女性の健康にとって重大な脅威であり続けている。X線マンモグラフィおよび乳房トモシンセシスは、早期の検出、スクリーニング、および診断のために最も広く使用されているツールである。乳房トモシンセシスは、医師が、従来のマンモグラムから入手可能な単一の画像ではなく、乳房の複数の画像を見ることができるようにする技術である。
【0003】
例えば、従来のマンモグラフィは、乳房を評価するための単一の2次元(2D)画像を医師に提供する。しかしながら、これは、組織の重なり合う層に起因して制限される可能性があり、それにより、不明瞭な結果、誤った警報を生じる可能性があり、または医師が癌性増殖を見逃す可能性がある。対照的に、従来のマンモグラフィが行うように上から下および左右に乳房の画像を撮影する代わりに、デジタル乳房トモシンセシスは、乳房の湾曲に追従し、動くにつれて乳房の幾つかの画像を撮影する。その後、画像は、医師が患者の乳房をより良好に評価できるようにする鮮明でクリアな3次元(3D)画像にまとめられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示の実施形態は、乳房トモシンセシス方法に関連する乳房画像のゲイン較正および補正のためのトモシンセシス方法およびシステムに関する。
【0005】
第1の態様では、トモシンセシス掃引のための複数の撮像パラメータにおけるゲイン較正のための方法が開示される。方法は、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる、ことと、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、複数の低線量ゲインマップを生成することであって、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つと関連する、ことと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを複数の成分レベルに分解することと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれに関して複数の成分レベルから低解像度成分を抽出することと、複数の撮像パラメータのそれぞれに関して、高線量ゲインマップを低線量ゲインマップの低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の撮像パラメータのそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することとを含む。
【0006】
第2の態様では、複数の投影角度におけるゲイン較正のためのトモシンセシスシステムが開示される。システムは、X線源とX線画像レセプタとを備える画像取得ユニットであって、複数の投影角度における物体の投影X線画像を取得する、画像取得ユニットと、プロセッサと、命令を含むメモリであって、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行させ、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられ、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成させ、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成させ、高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解させ、第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出させ、複数の低線量ゲインマップを生成させ、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連し、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解させ、複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出させ、低解像度成分が角度マップを含み、複数の投影角度のそれぞれに関して、高線量ゲインマップの高解像度成分を低線量ゲインマップの低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成させる、メモリとを含む。
【0007】
第3の態様では、トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための方法が開示される。方法は、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる、ことと、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解することと、第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出することと、複数の低線量ゲインマップを生成することであって、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連する、ことと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解することと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出することであって、低解像度成分が角度マップを含む、ことと、複数の投影角度のそれぞれに関して、高解像度成分を低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面は、本開示の特定の実施形態を例示するものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものではない。図面は、原寸に比例しておらず、以下の詳細な説明の説明と併せて使用することを意図している。以下、本開示の実施形態を添付図面と併せて説明するが、同様の符号は同様の要素を示す。
【0009】
【0010】
【0011】
【
図2】
図2は、
図1Aのシステムの画像補正エンジンの構成の一例を示す。
【0012】
【
図3】
図3は、ゲインマップの構成要素の概略図の一例を示す。幾つかの例において、ゲインマップは、システム内の異なるソースからの寄与からなる。
【0013】
【
図4】
図4は、ゲインマップのマルチスケール成分への分解の概略図の一例を示す。
【0014】
【
図5】
図5は、トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための方法の一例を示す。
【0015】
【
図6】
図6は、トモシンセシスプロセスにおけるゲインオフセットを補償するための画像補正のための方法の一例を示す。
【0016】
【
図7】
図7は、本発明の例のうちの1つ以上を実装可能な適切な動作環境の例を示す。
【0017】
【
図8】
図8は、本明細書に開示された様々なシステムおよび方法が動作し得るネットワークの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
様々な実施形態が図面を参照して詳細に説明され、同様の参照番号は、幾つかの図を通して同様の部品およびアセンブリを表す。様々な実施形態への言及は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書に記載の任意の例は、限定することを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲の多くの可能な実施形態の幾つかを単に記載するものである。
【0019】
デジタルトモシンセシスは、幾つかの2次元投影ビューがそれぞれ異なる角度で取得されるが、それぞれが従来のマンモグラムと比較してより低いX線線量で取得され、乳房内の任意の所望の平面に沿っていてもよく、任意の厚さの乳房組織を表すことができるトモシンセシススライスビューに再構成される「3次元」プロセスである。したがって、組み合わされた再構築されたトモシンセシス画像セットは、2次元画像のスタック内の乳房の厚さ全体を表す。トモシンセシスの場合、乳房は、従来のマンモグラフィと同じかまたはそれより少ない程度まで固定または圧迫される。
【0020】
トモシンセシス画像を取得する際にデジタルフラットパネルX線撮像レセプタが使用される場合、実際的な要件の1つは、ゲイン較正を提供することである。撮像レセプタは、数百万の撮像画素の二次元アレイを含むことができ、衝突するX線に対する異なる撮像画素の応答に固有の違いがあり得る。全ての撮像画素が同じX線曝露を受ける場合、理想的には、それぞれが同じ電気出力信号(画素値)を提供する必要がある。
【0021】
しかしながら、実際には、これは当てはまらない場合があり、典型的には、同じX線入力にさらされたときに異なる撮像画素が提供する画素値の間に差がある。加えて、検出器表面にわたる入射X線強度は通常不均一である。例えば、「ヒール効果」に起因して、X線強度は、胸壁から乳首への方向に沿って低下する。均一なX線曝露に応答して画素値の差を補正し、X線撮像検出器の表面領域にわたる不均一なX線強度分布を補正するために、様々なゲイン較正および画像補正技術が採用される。
【0022】
典型的には、従来のX線マンモグラフィシステムの検査または保守では、フラットパネルイメージャは、患者の乳房をシミュレートし、ほぼ均一な厚さを有し、均一な材料で作られたファントムを介してX線場にさらされ、画素値間の差が記録され、そのような差を考慮するゲイン補正マップが生成される。これは、フラットパネルX線レセプタの耐用年数の間、定期的に行うことができる。ゲインマップは撮像システムに格納され、実際の撮像処置中に患者の乳房のX線画像が撮影されると、システム内のソフトウェアは、取得された画素値をゲインマップに従って補正して、全ての撮像画素がX線エネルギーへの均一な曝露に対して同じ応答を有する場合に生じた画素値に近づける。
【0023】
従来のマンモグラフィでは、通常、ビューイングモードまたはX線フィルタモードごとに1つのゲインマップが取得される。したがって、ゲイン較正を使用して、X線源と撮像検出器との間の特定の物理的関係を所与として、検出器画素間の感度差および不均一なX線場強度を補償することができる。
【0024】
しかしながら、トモシンセシス撮像は、X線曝露中のX線源投影角度の変化の数がはるかに多いこと、投影角度のいずれか1つでの乳房のX線曝露がはるかに少ないこと、および従来のマンモグラフィ撮像との他の有意な違いを特徴とする。結果として、従来のマンモグラフィに典型的なゲインマップは、特にトモシンセシス投影角度が、担当する医療専門家(例えば、撮像技術者)の撮像プロトコルまたは決定または選好に応じて変化し得る場合、トモシンセシス画像取得および画像補正においてうまく機能するとは期待できない。
【0025】
トモシンセシスプロセス中に取得されるゲイン補正画像の1つの解決策は、ゲイン補正された画像を全ての角度で平坦にするために、各画角でゲインマップ画像を取得することを含む。しかしながら、トモシンセシス方法は、15または場合によっては60個の個々の角度で画像を取得することを含むことができる。このような場合、適切なゲイン補正を行うためには、これらの角度ごとのゲインマップが必要となる。各ゲインマップは、画像ノイズを低減するために良好な光子統計を維持するために高X線線量曝露を必要とし、これにより、ゲイン較正が非常に高い管装填手順になる。したがって、より良好でより効率的なゲインマッピング方法が必要とされている。
【0026】
ゲインマッピングは、例えば、検出器画素から画素への変動効果、チューブヒール効果、視野角効果、フィルタ、散乱防止グリッド、キロ電圧ピーク(KVp)、ファントム厚さなど、システム内の異なるソースからの寄与からなる。最終ゲインマップの様々な成分の中で、検出器の画素ごとの変動は、最も線量を要求するタスクであり、それらを確実に測定するために高線量曝露を必要とする。最終ゲインマップの他の成分は、低周波数情報を搬送し、測定のために高線量曝露を必要としない。
【0027】
マルチスケール分解を実行して、異なるスケールおよび層でゲインマップを分析することができる。例えば、ゲインマップは、高解像度成分マップと低解像度成分マップとの積であってもよい。
【0028】
一般に、高解像度の詳細画像は平坦に見える可能性があり、ヒール効果や画角効果などの要因に関連する画像の傾きに関する情報を含まない場合がある。高解像度層は、主に検出器の画素間変動情報を含むことができる。一方、低解像度の残差画像は、ヒール効果、画角効果、および他の低周波係数を明確に示すことができる。低解像度残差画像は、低線量曝露を使用して取得することができる。低解像度層は、チューブヒール効果、視野角効果、フィルタ効果、散乱防止グリッド効果、KVp効果、およびファントム厚さ効果を含むことができる。
【0029】
2つの異なる角度におけるトモシンセシスゲインマップの成分マップは、典型的には、角度マップを除いて同一に見える場合がある。言い換えれば、検出器の画素間変動、チューブヒール効果、フィルタ、散乱防止グリッド、KVp、およびファントム厚さ効果に関連する成分マップは、異なる角度でほぼ同一である。2つの異なる角度におけるトモシンセシスゲインマップ間の主な違いは、角度マップである。
【0030】
開示されたシステムおよび方法は、角度マップ以外の全ての成分を一緒に組み合わせ、それを共通の基準マップとして扱うことができる。次いで、共通の基準マップを、トモシンセシスプロセスの各角度に関連する各角度マップと組み合わせることができる。したがって、開示されたシステムおよび方法は、画像ノイズを低減するために良好な光子統計を依然として維持しながら、各視野角での高X線線量曝露を回避するのに役立つ。
【0031】
図1Aは、例示的な撮像システム100の概略図であり、
図1Bは、撮像システム100の斜視図である。
図1Aおよび
図1Bを同時に参照すると、以下に説明する全ての要素が両方の図に示されているわけではない。撮像システム100は、静的乳房支持プラットフォーム106および可動パドル108を含む乳房圧迫固定器ユニット104を介して、X線撮像(マンモグラフィ、トモシンセシス、または他の撮像モダリティのいずれかまたは両方)のために患者の乳房102を固定する。それぞれが異なる目的を有する異なるパドルが当該技術分野において知られている。特定の例のパドルもまた、文脈のために本明細書に記載されている。乳房支持プラットフォーム106およびパドル108はそれぞれ、撮像手順中に乳房102を圧迫、固定、安定化、または他の方法で保持および固定するために互いに向かって移動する圧迫面110および112をそれぞれ有する。既知のシステムでは、圧迫面110、112は、乳房102に直接接触するように露出される。これらの圧迫面110,112のいずれかまたは両方は、硬質プラスチック、可撓性プラスチック、弾性発泡体、メッシュまたはスクリーンなどであってもよい。プラットフォーム106はまた、画像レセプタ116、および必要に応じて傾斜機構118、および必要に応じて散乱防止グリッド(図示されていないが、画像レセプタ116の上方に設けられている)を収容する。固定器ユニット104は、ビーム120が画像レセプタ116に衝突するように、X線源122から放射される撮像ビーム120の経路内にある。
【0032】
固定器ユニット104は、支持アーム124に沿って昇降可能に構成された圧迫アーム134を介して第1の支持アーム124に支持されている。X線源122は、チューブヘッド126とも呼ばれる第2の支持アーム上に支持されている。マンモグラフィの場合、支持アーム124および126は、CCおよびMLOなどの異なる撮像方向の間で軸128を中心にユニットとして回転することができ、その結果、システム100は、各方向においてマンモグラフィ投影画像を撮影することができる。動作中、画像レセプタ116は、画像が撮影されている間、プラットフォーム106に対して所定の位置に留まる。固定器ユニット104は、アーム124、126を異なる撮像方向に移動させるために乳房102を解放する。トモシンセシスの場合、支持アーム124は、所定の位置に留まり、乳房102を固定して所定の位置に留まらせる一方で、少なくとも第2の支持アーム126は、軸128を中心にして固定器ユニット104および圧迫された乳房102に対してX線源122を回転させる。システム100は、乳房102に対するビーム120のそれぞれの角度において、乳房102の複数のトモシンセシス投影画像を撮影する。
【0033】
同時に、および必要に応じて、画像レセプタ116は、乳房支持プラットフォーム106に対して、第2の支持アーム126の回転と同期して傾斜され得る。傾斜は、X線源122の回転と同じ角度にすることができるが、ビーム120が複数の画像のそれぞれについて画像レセプタ116上の実質的に同じ位置に留まるように選択された異なる角度にしてもよい。傾斜は、画像レセプタ116の画像平面内に必ずしも存在しないものであり得る軸130を中心とすることができる。画像レセプタ116に結合された傾斜機構118は、画像レセプタ116を傾斜運動で駆動することができる。トモシンセシス撮像および/またはCT撮像の場合、乳房プラットフォーム106は、水平とすることができ、または水平に対してある角度、例えば、マンモグラフィにおける従来のMLO撮像と同様の向きとすることができる。システム100は、単独でマンモグラフィシステム、CTシステム、または単独でトモシンセシスシステム、超音波などの他のモダリティ、または複数の形態の撮像を実行することができる「コンボ」システムとすることができる。システムの一例は、本明細書の譲受人によって商品名Selenia Dimensionsとして提供されている。
【0034】
システム動作時、画像レセプタ116は、撮像ビーム120による照明に応答して撮像情報を生じ、処理して乳房X線画像を生成するためにそれを画像プロセッサ132に供給する。
【0035】
ソフトウェアを含むシステム制御およびワークステーションユニット138は、システムの動作を制御し、オペレータと対話してコマンドを受信し、処理済みの線画像を含む情報を配信する。システム制御およびワークステーションユニット138は、ゲイン補正マップを生成し、生成されたゲイン補正マップに基づいて補正乳房X線画像をゲイン補正するように構成することができる画像補正エンジンを含むことができる。画像補正エンジンの構成は、
図2に関連してより詳細に説明される。
【0036】
撮像システム100は、撮像システム100をフロアに支持するためのフロアマウントまたはベース140を含む。ガントリ142は、フロアマウント140から上方に延在し、チューブヘッド208および支持アーム210の両方を回転可能に支持する。チューブヘッド126および支持アーム124は、互いに離散的に回転するように構成され、異なる身長の患者を収容するようにガントリ142の面144に沿って昇降され得る。X線源122は、チューブヘッド208内に設けられる。合わせて、チューブヘッド126および支持アーム124は、Cアーム144と呼ばれることもある。
【0037】
幾つかのインターフェースおよび表示画面が撮像システム100上に設けられる。これらは、足表示画面146、ガントリインターフェース148、支持アームインターフェース150、および圧迫アームインターフェース152を含む。一般に、様々なインターフェース148、150、および152は、撮像システム100とのユーザ対話および制御を可能にするように、グラフィックユーザインターフェース(GUI)を有する静電容量式タッチスクリーンを含む、1つ以上の触覚ボタン、ノブ、スイッチ、並びに1つ以上の表示画面を含み得る。一般に、足表示画面146は、主に表示画面であるが、必要または所望に応じて静電容量式タッチスクリーンが利用されてもよい。
【0038】
図2は、
図1Aのシステムの画像補正エンジン202の例示的な構成200を示す。例えば、画像補正エンジン202は、撮像システム100のワークステーション138内に構成することができる。したがって、
図2の説明は、
図1Aおよび
図1Bに示された構成要素を参照し、それに応じて番号が付けられている。画像補正エンジン202は、画像取得モジュール204、高線量画像生成モジュール206、およびゲインマップ生成モジュール208を含むように構成されてもよい。他のタイプのモジュールも可能である。
【0039】
画像取得モジュール204は、トモシンセシスプロセスに必要な複数の撮像パラメータでファントムまたは患者の乳房のX線画像を撮像システム100に取得させるように構成することができる。例示的な構成200は、主に投影角度を含む撮像パラメータにおけるゲイン較正に関連して主に説明されているが、ゲイン較正のための方法では他のタイプの撮像パラメータも使用することができる。例えば、撮像パラメータは、kVp、フィルタ材料の種類、乳房の厚さ、およびグリッド位置のうちの1つであり得る。他のタイプの撮像パラメータも可能である。
【0040】
画像取得モジュール204は、撮像システム100に、複数の投影角度でトモシンセシスデータ取得を実行させることができる。幾つかのシステム100では、画像レセプタ116は、トモシンセシスデータ取得中に固定器ユニット104に対して移動することができる。他のシステムでは、画像レセプタ115は、異なって移動してもよく、またはまったく移動しなくてもよい。典型的には、移動が電動化されてもよい。X線源122の動きは連続的であり得るか、またはX線源は、別の投影角度に移動する前に、ある投影角度で撮像X線を停止および放射し得る。画像レセプタ116は、入射X線エネルギーに関連する画素値のアレイの形態で投影画像データを提供することができる。
【0041】
較正シーケンスの場合、較正ファントムは、患者の乳房のX線が撮影されるときの患者の乳房の位置と同様の位置で、固定器ユニット104内に固定することができる。次いで、画像取得モジュール204は、撮像システムに、複数の投影角度においてファントムに関連するトモシンセシスデータ取得を実行させることができる。
【0042】
患者の投影画像を取得するために、患者の乳房を固定器ユニット104に固定することができる。次いで、画像取得モジュール204は、撮像システム100に、複数の投影角度で患者の乳房に関連するトモシンセシスデータ取得を実行させることができる。
【0043】
高線量画像生成モジュール206は、複数の投影角度で画像取得モジュール204によって取得されたファントムの複数のトモシンセシスX線投影画像から高線量X線画像を生成するように構成することができる。生成された高線量X線画像は、ゲイン補正マップを生成する際にゲインマップ生成モジュール208によって使用され得る。
【0044】
非限定的な例では、撮像システム100は、15個の投影角度でファントムのトモシンセシス撮像を実行するように構成されてもよい。トモシンセシス撮像を実行する撮像システム100は、ファントムの15個のX線画像を生成する。しかしながら、スキャンの低線量特性のために画素当たりの光子数が比較的少ないため、15個の画像のそれぞれは「ノイズが多い」ように見える場合がある。例えば、15回の投影で32kV、120mAsを使用する「三次元」トモシンセシススキャンでは、各ビューのX線曝露は8mAsであり、0.07mm×0.07mmの検出器画素アレイの各画素の光子数は約2000光子のみであり得る。これは、結果として得られるX線画像をノイズが多いように見せる可能性がある。ノイズの多い画像から得られるゲインマップは、低い光子数に起因する誤差を含み得る。
【0045】
ノイズの多い画像に関する前述の問題に対する1つの解決策は、スキャンを数回繰り返すことによって解決することができる。32kVおよび120mAsを使用したトモシンセシススキャンが5回繰り返され、3隣接視野平均が使用される場合、各視野角でのゲインマップ内の各画素の光子数は、30k光子(2000×3×5)であり得る。しかしながら、そのような解決策は5回のトモシンセシススキャンを必要とし、これはかなりの時間を要し、X線管の寿命に悪影響を及ぼす。
【0046】
開示された高線量画像生成モジュール206は、全ての低線量画像を一緒に使用して新しい高線量画像を作成することによって、ただ1つのトモシンセシススキャンを使用して高線量画像を取得するための解決策を提供する。高線量画像生成モジュール206は、単一のトモシンセシススキャンの各投影角度からの画像を組み合わせて平均化し、低線量画像に見られるノイズを含まない高線量画像を作成することができる。
【0047】
15個の投影角度を含むトモシンセシススキャンの場合、角度当たりの画素当たりの光子数が2000であり、15個の画像を組み合わせて平均化することによって、新しい高線量画像を作成することができる。新しく作成された高線量画像は、30k光子(2000×15)の画素当たりの光子数を有する。したがって、高線量画像生成モジュール206は、低光子計数に起因して引き起こされるノイズを最小化するゲインマップを生成するために使用することができる高線量画像を生じることができる。
【0048】
ゲインマップ生成モジュール208は、正しい患者乳房画像を得るために使用され得るゲイン補正マップを作成するように構成される。例えば、画像取得モジュール204によって取得されたファントムの複数のX線投影画像および高線量画像生成モジュール206によって生成された関連する高線量画像を使用して、ゲイン補正マップを生成することができる。
【0049】
高線量画像生成モジュール206によって複数の投影角度で取得された複数の低線量画像を組み合わせることによって生成された高線量画像から導出された高線量ゲインマップは、ノイズが少ない場合があるが、高線量ゲインマップを使用して行われた任意のゲイン補正は、傾斜しているか、またはカップ状に見える場合がある。換言すれば、高線量ゲインマップによって補正された任意の画像は、補正された角度情報を含まないため、平坦に見えない可能性がある。
【0050】
それぞれが画像取得モジュール204によって複数の投影角度のそれぞれで取得された、低線量画像から導出された低線量ゲインマップのそれぞれは、正確で精確な角度情報のために平坦に見える場合があるが、低線量ゲインマップを使用して行われた任意のゲイン補正は、画像の光子計数が低いためにノイズが多いように見える場合がある。
【0051】
高線量ゲインマップと低線量ゲインマップとの組み合わせを使用して最終ゲインマップを生成すると、ノイズが少なく平坦なゲイン補正画像が得られる。一例では、ゲインマップ生成モジュール208は、トモシンセシススキャンの投影角度のそれぞれに対応する低線量画像のそれぞれから低線量ゲインマップを生成するように構成することができる。別の例では、ゲインマップ生成モジュール208は、高線量画像生成モジュール206に関連して前述したように、複数の低線量画像を組み合わせることによって生成された高線量画像から高線量ゲインマップを生成するように構成されてもよい。次いで、高線量ゲインマップからの成分を低線量ゲインマップからの成分と組み合わせることによって、最終ゲインマップを生成することができる。
【0052】
高線量ゲインマップおよび低線量ゲインマップを成分レベルに分解し、高線量ゲインマップの高解像度成分を複数の低線量ゲインマップの低解像度成分と組み合わせるプロセスは、
図3~
図5に関連してさらに詳細に説明される。
【0053】
画像補正モジュール210は、画像取得モジュール204から複数の投影角度のそれぞれで患者の乳房のX線画像を受信し、ゲインマップ生成モジュール208からの最終ゲインマップを使用して、受信した患者の乳房のX線画像をゲイン補正するように構成することができる。
【0054】
患者の投影画像を取得するために、ファントムが除去され、患者の乳房が固定器ユニット104に固定される。次いで、画像取得モジュール204は、トモシンセシス撮像シーケンスを使用して患者の乳房をX線撮影するように構成される。例えば、患者の乳房のトモシンセシス撮像シーケンスは、複数の投影角度で撮影された投影X線画像を生成する。
【0055】
画像補正モジュール210は、ゲインマップ生成モジュール208から、複数の投影角度で撮影された患者の乳房の投影X線画像および最終ゲインマップを受信する。投影角度のそれぞれについて、次いで、画像補正モジュール210は、最終ゲインマップを使用して、投影X線画像の各画素に関連するゲイン値を調整し、投影X線画像のゲイン補正されたセットを作成することができる。
図3は、ゲインマップの成分の例示的な概略図である。
【0056】
ゲインマップは、システム内の異なるソースからの寄与からなる。例えば、ゲインマップ302は、検出器画素間変動マップ304、フィルタマップ306、視野角マップ308、kVマップ310、グリッドマップ312、および厚さマップ314を含む個々の成分の積であってもよい。他の例では、ゲインマップ302は、より多くの、より少ない、または異なる個々の成分の積であってもよい。
【0057】
検出器マップは、検出器の画素間ゲイン変動のみを含むことができる。空間的に均一な強度のX線ビームがフラットパネルX線検出器を照射すると、生のX線画像は、全ての画素間で信号カウントが均一に見えない場合がある。X線から電気信号への変換電力は異なる画素間でまったく同じではないため、各画素は検出器内の他の画素とは異なり得る電気信号を生成する。言い換えれば、各画素における検出器ゲインは異なっていてもよい。例えば、各画素における検出器ゲインの逆数のマップは、検出器ゲインマップまたは検出器マップと呼ばれる場合がある。検出器マップが生画像に乗算されると、新しい画像内の信号カウントは同一になる可能性があり、検出器の画素間ゲイン変動は全て相殺される。
【0058】
X線管からのビーム強度は、ヒール効果と呼ばれる検出器表面上の均一な空間分布を有さない場合がある。ヒール効果は、kVp、フィルタ、厚さ、およびグリッドを含む幾つかの要因によって影響を受ける可能性がある。ヒール効果に影響を及ぼす要因は、最終的にはシステムゲインマップにも影響を及ぼす。理想的には、完全なゲインマップは、kVp、フィルタ、厚さ、およびグリッドを含むがこれらに限定されない要因によって寄与されるヒール効果を補償する。したがって、ゲインマップは、これらの要因のそれぞれに関連する成分を含んでもよく、ゲインマップは、これらの要因のそれぞれに関連する成分の積に分解することができる。
【0059】
例えば、異なる材料および厚さのX線フィルタは、X線信号プロファイルを異なるように修正することができる。厚さ0.05mmのロジウムフィルタで測定されたシステムゲインマップは、0.7mmのアルミニウムフィルタで測定されたゲインマップとは異なる場合がある。X線管kVpもヒール効果に影響を及ぼし得る。例えば、チェストウォールからニップル方向に沿ったX線強度は、低いkVpでは高いkVpよりも速く低下する。異なるkVpで撮影されたX線画像を完全に平坦化するためには、そのkVpで撮影されたゲインマップを使用することが好ましい。ファントム厚さ、およびX線散乱防止グリッドの存在はまた、システムゲインマップに影響を及ぼす検出器上のX線ビームの強度プロファイルを修正することができる。
【0060】
個々の成分304~314の中で、検出器の画素間ゲイン変動304は、最も線量を要求するタスクであり得る。検出器画素間ゲイン成分は、確実に測定するために高線量曝露を必要とする高解像度成分である。他の個々の成分306~314は、低解像度成分のみを含むことができ、したがって、測定のために高線量曝露を必要としない。むしろ、個々の成分306~314は、低線量曝露を使用して確実に測定することができる。
【0061】
複数の投影角度のそれぞれにおけるゲインマップ302は、高解像度成分と低解像度成分とを含む複数の成分に分解することができる。しかし、それぞれが投影角度に対応する複数のゲインマップは、共通の成分を共有する。
【0062】
開示された個々の成分304~314の中で、検出器画素間変動マップ304、フィルタマップ306、kVマップ310、グリッドマップ312および厚さマップ314は、異なる投影角度で非常に最小の変動を有する。画角308のみが、投影角度に基づく有意な変動を含む。結果として、幾つかの例では、検出器画素間変動マップ304、フィルタマップ306、kVマップ310、グリッドマップ312、および厚さマップ314は、一度抽出され、異なるゲインマップ間で共有され得る。しかしながら、視野角マップ308は、投影角度の変化に応じて変化するため、投影角度ごとに視野角マップ308を抽出してもよい。
【0063】
したがって、最終ゲインマップは、検出器画素間変動マップ304、フィルタマップ306、kVマップ310、グリッドマップ312および厚さマップ314、並びに視野角マップ308を含む、共通に共有される角度に依存しない基準マップの積を含むことができる。異なる投影角度間で共通のゲインマップ成分を再使用することにより、各投影でゲインマップを測定するための複数回の高線量曝露を回避することができる。ゲインマップから高線量成分および低線量成分を抽出するプロセスは、
図4に関連してさらに説明される。
【0064】
望ましい商業的実装は、角度マップを除いて高および低解像度成分を含む共通の参照マップを含むことができるが、他の実装では、共通の参照マップは、フィルタマップ、kVマップ、グリッドマップ、および厚さマップのうちの1つを除いて、高および低解像度成分の組み合わせを含むことができる。
【0065】
図4は、ゲインマップのマルチスケール成分への分解の概略図の一例を示す。
【0066】
図3に関連して説明したように、ゲインマップは、高解像度および低解像度成分マップの積として見ることができる。画像に対してマルチスケール分解プロセスを実行して、画像を詳細画像および残差画像に分解することができる。マルチスケール分解プロセスは、得られた残差画像上で数回繰り返されて、画像から高解像度成分をさらに抽出することができる。各レベルでは、高解像度成分が抽出されて詳細画像が形成され、画像の残りの成分が次のレベルの分解が実行される残差画像として使用される。
【0067】
幾つかのレベルの分解後、画像の解像度は十分に低くなり、それ以上の分解を実行する必要はない。最初の数レベルの分解で抽出される詳細な画像は、検出器の画素間ゲイン変動などの高線量成分に対してより敏感であり、kV、フィルタ、角度、グリッドおよび厚さなどの低線量成分に対してより敏感ではない。例えば、高解像度成分を含む詳細画像を使用して、検出器画素間変動データを含む高線量ゲインマップを生成することができる。最後の数レベルの分解の残差画像は、線量の影響を受けにくく、kV、フィルタ、角度、グリッドおよび厚さなどの低解像度成分に関するデータを含む。例えば、低解像度成分を含む残差画像を使用して、フィルタデータ、視野角データ、kVデータ、グリッドデータ、および厚さデータを含む低解像度ゲインマップを生成することができる。
【0068】
原画像402は、複数の投影角度のうちの1つにおけるファントムのX線投影画像を含むことができる。原画像402は、詳細画像404と残差画像406とに分解されてもよい。分解のプロセスは、マルチスケールピラミッド分解プロセス、ウェーブレット分解プロセス、FFT分解プロセスを使用して行われ得る。他のタイプの分解プロセスも可能である。
【0069】
原画像402は、分解プロセスの第1のレベルまたはレベル1で、第1のレベルの詳細画像404と第1のレベルの残差画像406とに分解することができる。このプロセスは、第1のレベル残差画像406を分解プロセスのレベル2の第2レベル詳細画像408および第2のレベル残差画像410に分解することによって繰り返すことができる。分解プロセスは、第2のレベル残差画像410が第3のレベル詳細画像412と第3のレベル残差画像414とに分解され、第3のレベル残差画像414が第4のレベル詳細画像416と第4のレベル残差画像418とに分解され、第4のレベル残差画像418が第5のレベル詳細画像420と第5のレベル残差画像422とに分解されるにつれて継続することができる。
【0070】
分解プロセスは、画像がもはや分解できなくなるまで、または高解像度および低解像度成分を抽出するのに十分な数の分解サイクルが達成されるまで継続することができる。例えば、第Nレベルの詳細画像424および第N残差画像426が生成されるまで、分解処理を継続してもよい。
【0071】
画像取得モジュール204(
図2に関連して前述した)によって複数の投影角度で取得されたファントムの低線量X線投影画像は、複数のレベルに分解される。最後の数レベルの分解からの残差画像は、
図2のゲインマップ生成208に関連して説明したように、最終ゲインマップの生成に使用するために抽出され得る低解像度成分を含む。
【0072】
低線量ゲインマップが生成されて低解像度成分が抽出される分解残差画像のレベルは、残差画像の高解像度成分が十分にフィルタリングで除かれたかどうか、および残差画像が低解像度成分を抽出するのに十分な解像度を含むかどうかの評価に基づいて選択することができる。最も望ましいレベルは、第3のレベルから第6のレベルまたは最後の分解レベルであってもよい。低解像度成分が抽出される分解の正確なレベルは、画像ごとに、およびトモシンセシスプロセス間で異なり得る。
【0073】
画像取得モジュール204によってファントムの複数の低線量X線投影画像を組み合わせることによって構築された高線量X線投影画像は、複数のレベルに分解される。最初の数レベルの分解からの詳細な画像は、
図2のゲインマップ生成208に関連して説明したように、最終ゲインマップの生成に使用するために抽出され得る高解像度成分を含む。
【0074】
幾つかの例では、高解像度成分は、第1のレベルの詳細画像404から生成されたゲインマップから抽出されてもよい。他の例では、高解像度成分は、第1のレベル以外の他のレベルからの詳細画像から生成されたゲインマップから抽出されてもよい。理想的なレベルは、最高の高解像度成分を提供するレベルに基づいて選択され得る。
【0075】
図5は、トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための例示的な方法500を示す。
【0076】
方法500は、動作502から始まる。動作502において、撮像システム100は、1つ以上のトモシンセシス掃引を実行して、ファントムの複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために使用される。取得された複数の画像は、低線量X線投影画像である。
【0077】
画像補正エンジン202の画像取得モジュール204を使用して、撮像システム100による複数の画像の取得を構成することができる。較正ファントムは、患者の圧迫された乳房をシミュレートするために、実質的に均一な厚さを有する均一な材料で作られてもよい。ファントムは、患者の乳房のX線が撮影されるときの患者の乳房の位置と同様の位置で、撮像システム100の固定器ユニット104に固定することができる。ゲインマップを導出するために、システム100はトモシンセシスモードで動作し、ファントムのX線投影画像が複数の撮像パラメータのそれぞれで取得される。幾つかの例では、撮像パラメータは投影角度を含むことができる。他の例では、撮像パラメータは、kVp、フィルタ材料の種類、乳房の厚さ、またはグリッド位置を含むことができる。他のタイプの撮像パラメータも可能である。各投影X線画像は、レセプタ116内の撮像画素のアレイのそれぞれの画素位置で受信されたX線に関連する画素値によって表される。
【0078】
動作504は、高線量X線画像を生成することを含む。画像補正エンジン202の高線量画像生成モジュール206は、動作502で取得された複数の低線量X線投影画像を組み合わせて平均化することによって高線量X線画像を生成することができる。
図2に関連してさらに説明したように、低線量画像を組み合わせて平均化すると、低光子計数に起因するノイズを低減する高線量画像が得られる。
【0079】
動作506は、動作504で生成された高線量X線画像から高線量ゲインマップを生成することを含む。例えば、高線量ゲインマップを生成することは、高線量X線画像に関連する画素のアレイに関する平均信号カウントを決定することを含むことができる。平均信号カウントを決定することに加えて、高線量ゲインマップを生成することは、高線量X線画像に関連する画素のアレイから画素のそれぞれについて未加工信号カウントを決定することを含む。
【0080】
高線量X線画像に関連する画素のアレイ内の画素のそれぞれについてゲイン補正係数を計算し、画素のアレイ内の画素のそれぞれについてのゲイン補正係数を高線量ゲインマップに組み立てることによって、ゲインマップを生成することができる。幾つかの例では、ゲイン補正係数は、平均信号カウントと特定の画素の未加工信号カウントの逆数との積であってもよい。他の例では、ゲイン補正係数は異なる方法で計算されてもよい。
【0081】
動作508は、動作506において生成された高線量ゲインマップから高解像度成分を抽出することを含む。画像補正エンジン202のゲインマップ生成モジュール208は、
図2に関連して説明した分解プロセスを使用して、動作506において生成された高線量ゲインマップを複数レベルの成分に分解し、分解プロセスの最初のまたは最初の幾つかのレベルのうちの1つの詳細画像から高解像度成分を抽出することができる。幾つかの例では、高解像度成分は、検出器画素間変動データのみを含み得る。他の例では、高線量ゲインマップはまた、高解像度データおよび低解像度データの両方の他のタイプを含み得る。
【0082】
高線量投影画像から生成された高線量ゲインマップから高解像度成分をまったく抽出しなくてもよく、動作508をスキップしてもよい。高線量ゲインマップ自体を、ゲインマップの個々の成分を抽出する代わりに使用してもよい。開示された例における高線量ゲインマップの高解像度成分が検出器画素間変動データのみまたは大部分からなる場合、高線量ゲインマップから高解像度成分を抽出するステップは不要となり得、高線量ゲインマップ自体が最終ゲインマップの計算に使用され得る。このように、高線量ゲインマップを抽出する必要はなく、動作508をスキップすることができ、動作506の完了時に動作510を実行することができる。
【0083】
動作510は、複数の低線量ゲインマップを生成することを含み、複数の低線量ゲインマップのそれぞれは、複数の撮像パラメータのうちの1つに対応する複数の投影X線画像のうちの1つに関連付けられる。画像補正エンジン202のゲインマップ生成モジュール208は、動作502からその撮像パラメータについて取得された対応するX線投影画像に基づいて、トモシンセシススキャンの複数の撮像パラメータのそれぞれについてゲインマップを生成することができる。
【0084】
低線量ゲインマップを生成するプロセスは、動作506において高線量ゲインマップを生成する際に使用されるプロセスと同じまたは同様であり得る。プロセスの違いの1つは、動作504で生成された高線量投影画像ではなく、動作502で取得された低線量X線投影画像からゲインマップが生成されることであり得る。
【0085】
動作512は、動作510において生成された複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出することを含む。画像補正エンジン202のゲインマップ生成モジュール208は、
図2に関連して説明した分解プロセスを使用して、動作510において生成された低線量ゲインマップを複数レベルの成分に分解し、分解プロセスの最後または最後の幾つかのレベルのうちの1つの詳細画像から低解像度成分を抽出することができる。
【0086】
低解像度成分は、フィルタデータ、視野角データ、kVデータ、グリッドデータ、および厚さデータを含むことができる。低線量ゲインマップはまた、他のタイプの低解像度データを含むことができる。
【0087】
殆どの場合、低線量ゲインマップの低解像度成分のみが含まれて高線量ゲインマップまたはその高解像度成分と組み合わされるので、低線量ゲインマップの高解像度成分は最終ゲインマップ生成のいずれのステップにおいてもまったく使用されない。したがって、低線量ゲインの分解プロセスは、低線量ゲインマップをその高および低解像度レベル成分のそれぞれに変換するための完全な分解プロセスをスキップし、第Nレベルの低解像度残差成分画像に直接進むように単純化されることが多い。このような場合、フルマルチスケール堆積プロセス以外のより効率的な処理アルゴリズムを選択して計算を実行することができる。例えば、2×2、4×4、8×8などのピクセルビニング方法を使用して、低線量ゲインマップの低解像度成分を導出することができる。
【0088】
動作514は、高線量ゲインマップの高解像度成分を、低線量ゲインマップのそれぞれから抽出された複数の低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の撮像パラメータのそれぞれに関する最終ゲインマップを生成することを含む。画像補正エンジン202のゲインマップ生成モジュール208は、高線量ゲインマップまたは高線量ゲインマップの高解像度成分を、動作502~512において取得および生成された低線量ゲインマップの低解像度成分と組み合わせることによって最終ゲインマップを生成することができる。
【0089】
図3に関連してさらに説明されるように、高線量ゲインマップまたは高線量ゲインマップの高解像度成分は、検出器画素間変動を含む。典型的には、撮像パラメータが投影角度を含む場合、検出器の画素間変動は異なる投影角度で変化しない。低線量ゲインマップの低解像度成分の殆ども、角度成分を除いて異なる投影角度で変化しない。
【0090】
異なる撮像パラメータ間で変化しない高解像度成分および低解像度成分を抽出することができ、共通の基準ゲインマップが生成される。次いで、各撮像パラメータ間で異なる低線量ゲインマップの残りの1つ以上の成分を、各撮像パラメータにおける共通の基準ゲインマップと別々に組み合わせて、各撮像パラメータにおける最終ゲインマップを生成することができる。幾つかの例では、撮像パラメータ依存成分は視野角マップであってもよい。他の例では、撮像パラメータ依存成分は、フィルタマップ、kVマップ、グリッドマップ、または厚さマップであってもよい。他の選択肢も可能である。
【0091】
図6は、トモシンセシスプロセスにおいてゲインオフセットを補償するための画像補正のための例示的な方法600を示す。
【0092】
方法600は、動作602から始まる。動作602において、撮像システム100は、
図5の動作502に関連して説明したように、1つ以上のトモシンセシス掃引を実行して、ファントムの複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために使用される。
【0093】
動作604において、複数の撮像パラメータのそれぞれに関するゲインマップが、動作602において取得されたファントムのX線投影画像から生成される。異なる画素間で画像検出器出力を正規化する処理は、「ゲイン補正」と呼ばれる。ゲインマップは、画像レセプタ116の撮像画素のアレイ内の各画素に関連するゲイン補正係数のマップである。ゲインマップを生成するプロセスは、
図2~
図5に関連してより詳細に説明される。
【0094】
動作606において、動作604から生成されたゲインマップが記憶される。幾つかの例では、生成されたゲインマップは、撮像システム100自体に格納されてもよい。他の例では、生成されたゲインマップは、ネットワークを介してアクセス可能な遠隔地に記憶されてもよく、必要に応じて検索されてもよい。
【0095】
開示されたシステムおよび方法は、較正ファントムに関するゲインマップの生成および画像補正プロセスを説明しているが、異なるタイプの較正ファントムを使用して異なる乳房撮像プロトコルをシミュレートすることができ、複数の乳房撮像プロトコルに関連する複数のゲインマップを生成および格納することができることに留意されたい。適切なゲインマップのセットは、トモシンセシス乳房撮像プロトコルの選択時に自動的に検索および使用することができる。
【0096】
動作608において、複数の撮像パラメータのそれぞれにおける患者の乳房のトモシンセシスX線画像が取得される。患者の投影画像を取得するために、ファントムを除去することができ、トモシンセシス撮像シーケンスを使用して患者の乳房を固定器ユニット104に固定することができる。撮像パラメータが投影角度である例では、患者の乳房のトモシンセシス撮像シーケンスは、ファントム画像を取得する際に使用される投影角度と数および角度値が同じであってもなくてもよい複数の投影角度で撮影された投影X線画像を生成することができる。
【0097】
動作610において、患者の乳房のX線画像は、動作606からの記憶されたゲインマップを使用してゲイン補正される。撮像システム100のシステム制御およびワークステーションユニット138は、画像レセプタ116から、動作602および608からのファントムの投影画像および患者の乳房の投影画像を受信する処理機器を備えることができる。次いで、ワークステーションユニット138は、動作604および606において生成および記憶されたゲインマップを使用して、乳房画像に対してゲイン補正プロセスを実行することができる。
【0098】
ワークステーションユニット138はまた、結果として生じるゲイン補正された画像を表示させ、画像および他の情報を記憶させ、ゲイン補正された画像の態様を制御するためのシステム制御を提供することができる。ワークステーションユニット138はまた、疑わしい異常を識別し、または他の特性を選択し、表示用の画像を準備または制御し、DICOM準拠の記憶装置などの記憶装置用の画像を準備し、X線技術者または他の医療専門家のためのインターフェースを提供し、画像に関連する他の制御機能を提供するために使用されてもよい。
【0099】
図7は、本例のうちの1つ以上を実装可能な適切な動作環境700の一例を示す。この動作環境は、本明細書に開示される視覚化システムに直接組み込まれてもよく、または本明細書に記載の乳房撮像システムとは別個のコンピュータシステムに組み込まれてもよいが、本明細書に記載の乳房撮像システムを制御するために使用されてもよく、例えば、
図1Aに示すワークステーションであってもよい。これは、適切な動作環境の一例にすぎず、使用または機能性の範囲に関するいかなる限定も示唆することを意図するものではない。使用に適し得る他の周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成は、撮像システム、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、スマートフォンなどのプログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレット、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0100】
その最も基本的な構成では、動作環境700は、典型的には、少なくとも1つの処理ユニット702およびメモリ704を含む。コンピューティングデバイス、メモリ704の正確な構成および種類に応じて、とりわけ命令706(データ記憶装置またはセンサから読み取る命令、または本明細書に開示された他の方法を実行する命令)を格納することは、揮発性708(RAMなど)、不揮発性710(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれら2つの何らかの組み合わせとすることができる。命令706は画像補正エンジン命令を含むことができ、画像補正エンジン命令が処理ユニット702によって実行されることにより、処理ユニット702は、画像補正エンジン202に、
図2に関連してさらに説明される動作を実行させる。この最も基本的な構成は、
図7に破線712によって示されている。さらに、環境700はまた、磁気もしくは光学ディスクまたはテープを含むがこれらに限定されない記憶デバイス(取り外し可能な記憶デバイス714、および/または取り外し不可能な記憶デバイス716)を含むことができる。同様に、環境700は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、音声入力などの入力デバイス(単数または複数)720、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス(単数または複数)722を有することもできる。LAN、WAN、ポイントツーポイント、Bluetooth(登録商標)、RFなどの1つ以上の通信接続部718も環境に含められ得る。
【0101】
動作環境700は、典型的には、少なくとも幾つかの形態のコンピュータ可読メディアを含む。コンピュータ可読メディアは、処理ユニット702または動作環境を有する他のデバイスによってアクセスされることができる任意の利用可能なメディアとすることができる。限定ではなく例として、コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディアおよび通信メディアを含むことができる。コンピュータ記憶メディアは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能なメディアを含む。コンピュータ記憶メディアは、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、ソリッドステート記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用されることができる任意の他の有形媒体を含む。通信メディアは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを搬送波または他の搬送機構などの変調データ信号内で具現化し、任意の情報配信メディアを含む。「変調データ信号」という用語は、特性の1つ以上が信号内に情報を符号化するように設定または変更された信号を意味する。限定ではなく例として、通信メディアは、ワイヤドネットワークまたは直接ワイヤド接続などのワイヤドメディア、並びに音響、RF、赤外線および他のワイヤレスメディアなどのワイヤレスメディアを含む。上記のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読メディアの範囲内に含まれるものとすべきである。コンピュータ可読デバイスは、コンピュータ記憶メディアを組み込んだハードウェアデバイスである。
【0102】
動作環境700は、1つ以上のリモートコンピュータへの論理的接続を使用してネットワーク環境において動作する単一のコンピュータとすることができる。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードとすることができ、典型的には、上記の要素の多くまたは全て、並びにそのように言及されていない他の要素を含む。論理的接続は、利用可能な通信メディアによってサポートされる任意の方法を含むことができる。このようなネットワーキング環境は、オフィス、エンタープライズワイドコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0103】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の構成要素は、コンピュータ記憶メディアおよび他の有形媒体に記憶され、通信メディアにおいて送信され得る、コンピュータシステム700によって実行可能なモジュールまたは命令を含む。コンピュータ記憶メディアは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能なメディアを含む。上記のいずれかの組合せもまた、可読メディアの範囲内に含まれるものとすべきである。幾つかの実施形態では、コンピュータシステム700は、コンピュータシステム700による使用のためにリモート記憶メディアにデータを記憶するネットワークの一部である。
【0104】
図8は、本明細書に開示された様々なシステムおよび方法が動作し得るネットワーク800の実施形態である。実施形態では、クライアントデバイス802などのクライアントデバイスは、ネットワーク800を介して、サーバ804および806などの1つ以上のサーバと通信することができる。実施形態では、クライアント装置は、本明細書に記載の全ての機能を含むスタンドアロン撮像システム(例えば、
図1Aに示す撮像システム100)であってもよい。クライアントデバイスはまた、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、PDA、ネットブック、または
図7のコンピューティングデバイスなどの任意の他の種類のコンピューティングデバイスを含むか、または組み込むことができる。例では、そのようなクライアント装置は、撮像システムに接続されてもよい。実施形態では、サーバ804および806はまた、
図7に示すコンピューティングデバイスなどの任意のタイプのコンピューティングデバイスであってもよい。ネットワーク800は、クライアントデバイスと1つ以上のサーバ804および806との間の通信を容易にすることができる任意のタイプのネットワークであってもよい。例えば、表面画像データおよび内部画像データは、撮像システムを介してローカルに取得され、画像取得ワークステーションまたはクラウドベースのサービスなどの更なる処理のために別のコンピューティングデバイスに通信することができる。そのようなネットワークの例としては、LAN、WAN、セルラーネットワーク、および/またはインターネットが挙げられる、これらに限定されない。
【0105】
実施形態では、本明細書に開示の様々なシステムおよび方法は、1つ以上のサーバデバイスによって実行され得る。例えば、一実施形態では、サーバ804などの単一のサーバを使用して、本明細書で説明される撮像のための方法など、本明細書に開示されるシステムおよび方法を実行することができる。クライアントデバイス802は、ネットワーク800を介してサーバ804と対話することができる。更なる実施形態では、クライアントデバイス802はまた、スキャンおよび画像処理などの本明細書に開示の機能性を実行することができ、これらはその後、サーバ804および/または806に提供することができる。
【0106】
本明細書に記載のシステムおよび方法の例示的な例が以下に提供される。本明細書に記載のシステムまたは方法の実施形態は、以下に記載の条項のうちの任意の1つ以上、および任意の組合せを含み得る。
【0107】
項1.トモシンセシス掃引のための複数の撮像パラメータにおけるゲイン較正のための方法において、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる、ことと、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、複数の低線量ゲインマップを生成することであって、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の撮像パラメータのうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つと関連する、ことと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを複数の成分レベルに分解することと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれに関して複数の成分レベルから低解像度成分を抽出することと、複数の撮像パラメータのそれぞれに関して、高線量ゲインマップを低線量ゲインマップの低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の撮像パラメータのそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することとを含む方法。
【0108】
項2.複数の撮像パラメータのそれぞれに関して最終ゲインマップを記憶することと、複数の撮像パラメータのそれぞれにおいて患者の乳房のトモシンセシスX線画像を取得することと、複数の撮像パラメータのそれぞれに関して記憶された最終ゲインマップを使用して患者の乳房のトモシンセシスX線画像をゲイン補正し、ゲイン補正された乳房画像を生じることとをさらに含む、項1の方法。
【0109】
項3.撮像パラメータは、投影角度、kVp、フィルタ材料の種類、乳房の厚さ、およびグリッド位置のうちの1つを含む、項1または2の方法。
【0110】
項4.1つ以上のトモシンセシス掃引は、X線源およびX線画像レセプタを備える画像取得ユニットによって実行され、画像取得ユニットは、複数の撮像パラメータで物体の投影X線画像を取得する、項1から3のいずれかの方法。
【0111】
項5.高線量ゲインマップを生成することは、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイに関する平均信号カウントを決定することと、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイから画素のそれぞれに関して未加工信号カウントを決定することと、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイ内の画素のそれぞれに関してゲイン補正係数を計算することであって、ゲイン補正係数が、平均信号カウントと特定の画素に関する未加工信号カウントの逆数との積である、ことと、画素のアレイ内の画素のそれぞれに関するゲイン補正係数を高線量ゲインマップに組み立てることとを含む、項1から4のいずれかの方法。
【0112】
項6.複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、複数の解像度レベルに分解することを含み、複数の解像度レベルの各レベルは、詳細画像および残差画像を含む、項1から5のいずれかの方法。
【0113】
項7.複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、マルチスケール分解プロセスを使用して実行される、項6の方法。
【0114】
項8.低解像度成分を抽出することは、複数の解像度レベルのうちの最後のレベルの残差画像から低解像度成分を抽出することを含む、項6または7の方法。
【0115】
項9.高線量ゲインマップは、X線検出器の画素間ゲイン変動データを含む、項1から8のいずれかの方法。
【0116】
項10.低解像度成分は、角度データ、kVデータ、フィルタデータ、グリッドデータ、および厚さデータのうちの1つを含む、項1から9のいずれかの方法。
【0117】
項11.複数の投影角度でのゲイン較正のためのトモシンセシス撮像システムにおいて、X線源とX線画像レセプタとを備える画像取得ユニットであって、複数の投影角度における物体の投影X線画像を取得する、画像取得ユニットと、プロセッサと、命令を含むメモリであって、命令が、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行させ、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられ、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成させ、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成させ、高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解させ、第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出させ、複数の低線量ゲインマップを生成させ、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連し、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解させ、複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出させ、低解像度成分が角度マップを含み、複数の投影角度のそれぞれに関して、高線量ゲインマップの高解像度成分を低線量ゲインマップの低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成させる、メモリと、を備えるトモシンセシス撮像システム。
【0118】
項12.命令は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、さらに、複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを記憶させ、複数の投影角度のそれぞれで患者の乳房のトモシンセシスX線画像を取得させ、複数の投影角度のそれぞれに関して記憶された最終ゲインマップを使用して患者の乳房のトモシンセシスX線画像をゲイン補正して、ゲイン補正された乳房画像を生じさせる、項11のシステム。
【0119】
項13.1つ以上のトモシンセシス掃引は、ファントムの複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために実行される、項11または12のシステム。
【0120】
項14.命令は、高線量ゲインマップを生成するためにプロセッサによって実行されるときに、プロセッサに、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイに関する平均信号カウントを決定させ、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイから画素のそれぞれに関して未加工信号カウントを決定させ、高線量X線画像と関連付けられる画素のアレイ内の画素のそれぞれに関してゲイン補正係数を計算させ、ゲイン補正係数が、平均信号カウントと特定の画素に関する未加工信号カウントの逆数との積であり、画素のアレイ内の画素のそれぞれに関するゲイン補正係数を高線量ゲインマップに組み立てさせる、項11から13のいずれかのシステム。
【0121】
項15.高線量ゲインマップを分解することおよび複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、複数の解像度レベルに分解することを含み、複数の解像度レベルの各レベルは、詳細画像および残差画像を含む、項11から14のいずれかのシステム。
【0122】
項16.高線量ゲインマップを分解することおよび複数の低線量ゲインマップのそれぞれを分解することは、マルチスケール分解プロセスを使用して実行される、項15のシステム。
【0123】
項17.高解像度成分を抽出することは、複数の解像度レベルのうちの最後のレベルより上のレベルの詳細画像から高解像度成分を抽出することを含み、低解像度成分を抽出することは、複数の解像度レベルのうちの最後のレベルの残差画像から低解像度成分を抽出することを含む、項15または16のシステム。
【0124】
項18.高解像度成分がX線検出器の画素間ゲイン変動データを含む、項11から17のいずれかのシステム。
【0125】
項19.低解像度成分は、角度データ、kVデータ、フィルタデータ、グリッドデータ、および厚さデータのうちの1つをさらに含む、項11から18のいずれかのシステム。
【0126】
項20.トモシンセシス掃引のための複数の投影角度におけるゲイン較正のための方法において、複数のトモシンセシス投影X線画像を取得するために1つ以上のトモシンセシス掃引を実行することであって、複数のトモシンセシス投影X線画像のそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる、ことと、複数のトモシンセシス投影X線画像を平均化することによって高線量X線画像を生成することと、高線量X線画像と関連付けられる高線量ゲインマップを生成することと、高線量ゲインマップを第1の複数の成分レベルに分解することと、第1の複数の成分レベルから高解像度成分を抽出することと、複数の低線量ゲインマップを生成することであって、複数の低線量ゲインマップのそれぞれが、複数の投影角度のうちの1つと関連付けられる複数のトモシンセシス投影X線画像のうちの1つに関連する、ことと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれを第2の複数の成分レベルに分解することと、複数の低線量ゲインマップのそれぞれから低解像度成分を抽出することであって、低解像度成分が角度マップを含む、ことと、複数の投影角度のそれぞれに関して、高解像度成分を低解像度成分のそれぞれと組み合わせて、複数の投影角度のそれぞれに関して最終ゲインマップを生成することとを含む方法。
【0127】
本開示は、添付の図面を参照して本技術の幾つかの例を説明したが、可能な例の一部だけを示した。しかしながら、他の態様は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が徹底的かつ完全であり、可能な例の範囲が当業者に十分に伝わるように提供されたものである。
【0128】
本明細書に具体例が記載されているが、本技術の範囲は、これらの具体例に限定されない。当業者は、本技術の範囲内にある他の例または改良を認識するであろう。したがって、特定の構造、行為、またはメディアは、例示的な例としてのみ開示されている。本技術にかかる例はまた、本明細書に別段の記載がない限り、一般的に開示されているが明示的に組み合わせて例示されていない要素または構成要素を組み合わせることもできる。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
【国際調査報告】