IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特表2024-534551筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置
<>
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図1
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図2
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図3
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図4
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図5
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図6
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図7
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図8
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図9
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図10
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図11
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図12
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図13
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図14
  • 特表-筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20240912BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240912BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240912BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240912BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240912BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240912BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240912BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240912BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/209
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/6556
H01M50/293
H01M10/625
H01M10/647
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518171
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2023070775
(87)【国際公開番号】W WO2023134547
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210038777.1
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】羅文超
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS04
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY10
5H040CC14
5H040CC35
5H040JJ02
5H040JJ03
5H040NN03
(57)【要約】
本願実施例は、筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置を提供し、当該筐体(10)は、複数の電池セル(20)を収容するための筐体本体(110),用、前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び、前記複数の電池セル(20)の温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を前記熱管理部品(130)に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品(130)を含み、ここで、前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置される。本願実施例の筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置は、電池の安全性を向上させることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セル(20)を収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び
前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)、
を含む筐体であって、
前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げられて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置されることを特徴とする筐体。
【請求項2】
前記固定部材(120)は、かしめ加工されて前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するためのストッパ部(121)を形成するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記固定部材(120)は、かしめ加工される前、前記固定部材(120)と前記筐体本体(110)との接続箇所から離れた方向に沿って、前記固定部材(120)の口径が徐々に大きくなることを特徴とする、請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記固定部材(120)は、前記筐体本体(110)の第1の壁(1111)に固定され、前記第1の壁(1111)は、前記熱管理部品(130)に平行し、前記固定部材(120)は、前記熱管理部品(130)を前記第1の壁(1111)に固定するために用いられることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの1項に記載の筐体。
【請求項5】
前記熱管理部品(130)は、さらに構造用接着剤によって前記第1の壁(1111)に接着されていることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項6】
折り曲げられた後の前記固定部材(120)から前記第1の壁(1111)までの最大距離は、前記熱管理部品(130)から前記第1の壁(1111)までの最大距離以下であることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項7】
前記固定部材(120)は、前記第1の壁(1111)の四隅に分布され、かつ前記固定部材(120)は、対称的に配置されることを特徴とする、請求項4~6のいずれかの1項に記載の筐体。
【請求項8】
前記固定部材(120)は、スポット溶接で前記第1の壁(1111)に固定接続されることを特徴とする、請求項4~6のいずれかの1項に記載の筐体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの1項に記載の筐体と、
前記筐体の中に収容される複数の電池セルと
を含むことを特徴とする、電池。
【請求項10】
電気装置であって、前記電気装置に電気エネルギーを提供するための請求項9に記載の電池を含むことを特徴とする電気装置。
【請求項11】
複数の電池セルの提供(S310)と、
前記複数の電池セル(20)を収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び、
前記複数の電池セル温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)を含む筐体の提供(S320)と、
を含む電池を製造する方法であって、
前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置されることを特徴とする、電池を製造する方法。
【請求項12】
前記の筐体の提供は、
前記固定部材(120)を前記筐体本体(110)の前記熱管理部品(130)と平行な第1の壁に固定(S321)すること、
前記嵌合孔によって前記固定部材(120)を前記熱管理部品(130)に貫通(S322)させること、
前記固定部材(120)に対して、前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するためのストッパ部を形成するようにかしめ加工処理(S323)を行うこと、
を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記熱管理部品(130)を前記固定部材(120)に貫通させる前、
前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品(130)の保護層を形成することをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の前記固定部材(120)を前記筐体本体(110)の第1の壁に固定することは、
スポット溶接を採用して前記固定部材(120)を前記第1の壁に固定することを含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
複数の電池セル(20)の提供と、筐体の提供とに用いられる提供モジュール(410)を含む電池を製造する装置であって、
前記筐体は、
前記複数の電池セルを収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び
前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)を貫通するように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)を含み、
ここで、前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置される、ことを特徴とする電池を製造する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年1月13日に出願された発明の名称が「筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置」である中国特許出願第202210038777.1号の優先権を主張するものであり、当該出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、特に筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギーと排出ガス削減は自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような場合、電気自動車は省エネルギーと環境保護という利点により、自動車産業の持続可能な発展の重要な部分となっている。電気自動車にとって、電池技術は、その発展にかかわる重要な要素の1つである。
【0004】
電池技術の発展には、電池の性能を向上させることに加えて、安全上の問題も無視できない問題である。電池の安全上の問題を確保できないと、当該電池は使用できない。従って、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術における、早急に解決しなければならない課題である。
【発明の概要】
【0005】
本願は、電池の安全性を向上させることができる筐体、電池、電気装置、電池を製造する方法及び装置を提供する。
【0006】
第1の方面では、複数の電池セルを収容するための筐体本体、前記筐体本体に固定接続される固定部材、及び、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品であって、前記固定部材を前記熱管理部品に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品を含む筐体であって、前記固定部材が前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品を前記筐体本体に固定するように配置される筐体を提供する。
【0007】
当該実施例では、熱管理部品を導入することで、電池セルの温度を調整して、電池セル内部から高温高圧排出物を排出する時電池セルの温度をタイムリーに下げ、さらに電池の安全性を向上させることができる。
【0008】
また、固定部材の構造を簡単に変形することで、熱管理部品を筐体本体に固定でき、当該固定形態は、簡単で実現しやすく、かつ、熱管理部品の表面処理を破壊しないため、熱管理部品に対する腐食を避け、さらに電池の安全性を向上させることができる。
【0009】
1種の可能な実施形態において、前記固定部材は、かしめ加工されて前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品を前記筐体本体に固定するためのストッパ部を形成できるように配置される。
【0010】
当該実施例では、固定部材に対してかしめ加工処理を行ってストッパ部を形成することで、熱管理部品がストッパ部と筐体本体の1つの壁の間に制限され、当該ストッパ部の存在により、熱管理部品の筐体本体の1つの壁から離れた方向への移動を制限して熱管理部品を筐体本体に固定することができる。
【0011】
1種の可能な実施形態において、前記固定部材は、かしめ加工される前、前記固定部材と前記筐体本体の接続箇所から離れた方向に沿って、前記固定部材の口径が徐々に大きくなる。
【0012】
当該実施例では、固定部材がかしめ加工処理される前、固定部材の開口は、ラッパ口を呈することで、固定部材に対するかしめ加工処理により有利であり、かつかしめ加工後形成されたストッパ部は、熱管理部品を筐体本体により良く固定することができる。
【0013】
1種の可能な実施形態において、前記固定部材は、前記筐体本体の前記熱管理部品と平行な第1の壁に固定されており、前記固定部材は、前記熱管理部品を前記第1の壁に固定するために用いられる。
【0014】
当該実施例では、熱管理部品を筐体本体の熱管理部品と平行な第1の壁に固定することで、熱管理部品の変更を少なく、かつ熱管理部品の装着の煩雑さを低減することができる。
【0015】
1種の可能な実施形態において、前記熱管理部品は、さらに構造用接着剤によって前記第1の壁に接着されている。
【0016】
当該実施例では、固定部材によって熱管理部品を第1の壁に固定することに加え、構造用接着剤によって熱管理部品を第1の壁に接着することで、熱管理部品と第1の壁の固定強度を高める。
【0017】
1種の可能な実施形態において、折り曲げられた後の前記固定部材から前記第1の壁までの最大距離は、前記熱管理部品から前記第1の壁までの最大距離以下である。
【0018】
当該実施例では、折り曲げられた後の前記固定部材から前記第1の壁までの最大距離を前記熱管理部品から前記第1の壁までの最大距離以下にすることで、複数の電池セルの装着を妨げず、電池の装着安定性の向上に有利である。
【0019】
1種の可能な実施形態において、前記固定部材は、前記第1の壁の四隅に分布され、かつ前記固定部材は、対称的に配置されている。
【0020】
当該実施例では、固定部材を第1の壁の四隅に分布させ、かつ対称的に配置することで、熱管理部品の装着安定性を向上させることができる。
【0021】
1種の可能な実施形態において、前記固定部材は、スポット溶接で前記第1の壁に固定接続されている。
【0022】
当該実施例では、固定部材を第1の壁にスポット溶接することで、固定部材と筐体本体との間の装着強度を高める。
【0023】
第2の方面では、複数の電池セルと、第1の方面及びそのいずれかの可能な実現形態の筐体とを含む電池であって、複数の電池セルが前記筐体の中に収容されている電池を提供する。
【0024】
第3の方面では、電気装置であって、電気装置に電気エネルギーを提供するための第2の方面の電池を含む電気装置を提供する。
【0025】
第4の方面では、複数の電池セルの提供と、前記複数の電池セルを収容するための筐体本体、前記筐体本体に固定接続される固定部材、及び、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品であって、前記固定部材を前記熱管理部品に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品を含む筐体の提供とを含む電池を製造する方法であって、前記固定部材は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品を前記筐体本体に固定するように配置される、電池を製造する方法を提供する。
【0026】
1種の可能な実施形態において、前記筐体の提供は、前記固定部材を前記筐体本体の前記熱管理部品と平行な第1の壁に固定すること、前記嵌合孔によって前記固定部材を前記熱管理部品に貫通させること、前記固定部材に対してかしめ加工処理を行って前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品を前記筐体本体に固定するためのストッパ部を形成することを含む。
【0027】
1種の可能な実施形態において、前記方法は、前記熱管理部品を前記固定部材に貫通させる前、前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品の保護層を形成することをさらに含む。
【0028】
1種の可能な実施形態において、前記の前記固定部材を前記筐体本体の第1の壁に固定することは、スポット溶接を採用して前記固定部材を前記第1の壁に固定することを含む。
【0029】
第5の方面では、複数の電池セルの提供と、筐体の提供とに用いられる提供モジュールを含む電池を製造する装置であって、前記筐体は、前記複数の電池セルを収容するための筐体本体、前記筐体本体に固定接続される固定部材、および、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品であって、前記固定部材を前記熱管理部品に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品を含み、ここで、前記固定部材は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品を前記筐体本体に固定するように配置される、電池を製造する装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は本願の実施例で使用すべき図面を簡単に説明する。明らかに、下記図面は本願の一部の実施例を示したものに過ぎないため、当業者であれば、創造的な努力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面をさらに取得することができる。
【0031】
図1】本願の一実施例に開示される車両の構造模式図である。
図2】本願の一実施例に開示される電池の構造模式図である。
図3】本願の一実施例に開示される電池セルの構造模式図である。
図4】本願の一実施例に開示される筐体の構造模式図である。
図5図4のA部分の概略的な拡大図である。
図6図4のA部分の別の概略的な拡大図である。
図7図6の固定部材の概略的な拡大図である。
図8】本願実施例に提供される固定部材の折り曲げられる前の構造模式図である。
図9図6に示す筐体の上面図である。
図10図9のC-C’に沿った断面図である。
図11図10のD部分の拡大した模式図である。
図12】本願実施例に提供される1種の電池の構造模式図である。
図13】本願一実施例の電池を製造する方法の概略的なブロック図である。
図14】本願一実施例の別の電池を製造する方法の概略的なブロック図である。
図15】本願一実施例の電池を製造する装置の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本願実施例の目的、技術案および利点をより明確化するために、以下は本願実施例における図面を参照し、本願実施例に係る技術案を詳しく説明する。明らかに、ここで説明される実施例は本願の全部の実施例ではなく、一部に過ぎない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な努力をせずに得られる他の実施例はいずれも本願の範囲内である。
【0033】
特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本願に係る当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためだけであり、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書、特許請求の範囲および図面の簡単な説明における「含む」や「有する」という用語、並びにそれらのいかなる変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するものである。本願の明細書や特許請求の範囲または上記図面における「第1」「第2」などの用語は、特定の順序や主従関係を表すためではなく、異なる対象を区別するために用いられる。
【0034】
以下の説明に現れる方位用語はいずれも、図面に示された方位であり、本願の具体的な構造を限定するものではない。なお、本願の説明において、特に明記・限定しない限り、技術用語の「取付」、「つながる」、「接続」などは、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的な接続であってもよく、直接つながっても中間媒体を介した間接つながってもよい。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願におけるこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0035】
本願に言及される「実施例」は、実施例に記載の特定の特徴、構造または特性を組み合わせたものが本願の少なくとも一実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の各箇所に現れるこの用語は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と互いに排他的で独立または代替の実施例を意味するものでもない。当業者であれば、本明細書に記載の実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的にも暗黙的にも理解するであろう。
【0036】
なお、本願の説明において、特に明記・限定しない限り、技術用語の「取付」、「つながる」、「接続」、「装着」などは、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的な接続であってもよく、直接つながっても中間媒体を介した間接つながってもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者からすれば、具体的な状況に応じて本願におけるこれらの用語の具体的な意味を理解できる。
【0037】
本願の「および/または」という用語は、関連する対象の関連関係を説明するものに過ぎず、3つの関係があり得ることを意味する。「Aおよび/またはB」を例にすると、単にA、AとBの両方、単にBという3つの場合があり得る。また、本文における「/」は、一般的に前後の関連対象が「または」という関係を有すると示す。
【0038】
本願に現れる「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味し、同様に、「複数組」とは、2組以上(2組を含む)を意味し、「複数枚」とは、2枚以上(2枚を含む)を意味する。
【0039】
本願の実施例では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本願の実施例は、これに対して限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体または他の形状などであってもよく、本願の実施例は、これに対しても限定しない。電池セルは、パッケージの仕方によって、一般的に筒型セル、角型セル、パウチ型セルの3種類に大別されるが、本願の実施例は、これに対しても限定しない。
【0040】
本願の実施例で言及される電池は、より高い電圧と容量を提供するための1つまたは複数の電池セルを含む単一の物理モジュールである。例えば、本願で言及される電池は、電池モジュールまたは電池パックを含んでもよい。電池は、通常、1つまたは複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体やその他の異物による電池セルの充放電への影響を防止できる。
【0041】
電池セルは、正極シート、負極シートおよびセパレーターからなる電極アセンブリと電解液とを含む。電池セルは、主に正極シートと負極シートの間での金属イオンの移動によって作動する。正極シートは、正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布されている正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極タブとされている。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活性材料はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム、マンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布されている負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極タブとされている。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活性材料はカーボンやシリコンなどであってもよい。溶断することなく大電流が通れるように、正極タブは複数個で積層してなり、負極タブは複数個で積層してなる。セパレーターの材質は、PPまたはPEなどであってもよい。また、電極アセンブリは巻回型構造でも積層型構造でもよく、本願の実施例は、これに対して限定しない。電池技術の発展は、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータ、さらに電池の安全性など、さまざまな設計要素を同時に考慮する必要がある。
【0042】
電池セルにとって、主な安全リスクは充放電過程にあり、また、適切な環境温度設計があり、不必要な損失を効果的に避けるために、電池セルに対して、通常、少なくとも三つの保護措置がある。具体的に、保護措置は、少なくともスイッチング素子、適切なセパレーター材料の選択及び圧力開放手段を含む。スイッチング素子とは、電池セル内の温度や抵抗が所定の閾値に逹した時電池の充電又は放電を停止させることができる素子を意味する。セパレーターは、温度がある程度の値に上昇したこれに付着したミクロンレベル(場合によってナノスケール)の微細孔を自動的に溶けて金属イオンがセパレーターを通過できなくなるようにし、電池セルの内部反応を終了させることができる、正極シートと負極シートを隔離するためのものである。
【0043】
圧力開放手段とは、電池セルの内圧や温度が所定の閾値に達したときに作動して内圧や温度を開放する素子又は部品である。当該所定の閾値は、設計ニーズに応じて異なる。前記の閾値は、電池セルにおける正極シート、負極シート、電解液及びセパレーターのうちの1種又は複数種の材料によって決められる場合がある。圧力開放手段は、例えば、防爆弁、エアバルブ、圧力開放弁、又は、安全弁等の形態を採用し得、具体的に、感圧性又は感温性の素子又は構造を採用し得、つまり、電池セルの内圧や温度が所定の閾値に達した時、圧力開放手段が動作し又は圧力開放手段に設けられた薄弱構造が破壊されて内圧や温度を放出するための開口又は通路を形成する。
【0044】
本願に言及される「作動」とは、圧力開放手段が動作しまたは一定の状態まで活性化され、これにより電池セルの内圧や温度が開放されることを意味する。圧力開放手段による動作は、圧力開放手段の少なくとも一部が破断、粉砕、引き裂かれ又は開けられたなどの場合を含み得るが、これらに限定されない。圧力開放手段が作動する時、電池セル内部の高温高圧物質は、排出物として作動した箇所から外部に排出される。このように、圧力または温度が制御可能な状況で、電池セルの圧力を開放することにより、潜在しているより深刻な事故を回避することができる。
【0045】
本願で言う電池セルからの排出物は、電解液、溶解または分解された正極・負極シート、セパレーターの破片、反応による高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。
【0046】
電池セル上の圧力開放手段は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、電池セルが短絡や過充電等の現象を発生する時、電池セルの内部で熱暴走が発生して圧力や温度が急激に上昇する可能性がある。このような場合、圧力開放手段を作動させることで内圧及び温度を外部に放出し、電池セルの爆炸や発火を防ぐことができる。
【0047】
従来の圧力開放手段の設計案において、主に電池セルの内部の高圧および高熱を開放し、つまり前記排出物を電池セルの外部へ排出することが注目されている。しかし、電池の輸出電圧又は電流を確保するために、多くの場合、複数の電池セルが必要であり、かつ複数の電池セル同士は、バス部件によって電気接続されている。電池セル内部から排出された排出物は、他の電池セルに短絡現象を引き起こす恐れがあり、例えば、排出された金属屑が2つのバス部件を電気的に接続する場合、電池に短絡を引き起こす恐れがあり、安全上の懸念がある。また、高温高圧の排出物は、電池セルの圧力開放手段が配置された方向に、より具体的に、圧力開放手段が作動する領域の方向に排出する可能性があり、このような排出物は威力や破壊力が非常に大きい恐れがあり、さらに当該方向の1つ又は複数の構造を破壊するのに十分であり、更なる安全性問題をもたらす可能性がある。
【0048】
したがって、通常、電池内部に電池セルの温度を調整するための熱管理部品を設ける。具体的に、熱管理部品は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調整することに用いられる。ここで、流体は、液体又はガスであってもよく、温度の調整とは、複数の電池セルを加熱又は冷却することを意味する。電池セルを冷却又は降温する場合、当該熱管理部品は、冷却流体を収容して複数の電池セルの温度を低下させるために用いられ、この場合、熱管理部品は、冷却部品、冷却システム又は冷却板等と称されてもよく、収容される流体は、冷却媒体又は冷却流体と称されてもよく、より具体的に、冷却液又は冷却ガスと称されてもよい。また、熱管理部品は、複数の電池セルを昇温するために加熱することに用いられ、本願実施例は、これに対する限定がない。任意に、より良好な温度調整効果を得るために、前記流体は、循環的に流れていってもよい。任意に、流体は、水、水とエチレングリコールの混合液又は空気等であってもよい。
【0049】
現在の熱管理部品は、多くの場合、サンドイッチの形態で電池内部に設置されている。具体的に、熱管理部品を電池の筐体の1つの壁と1枚の鋼板との間に配置し、筐体の1つの壁と鋼板との間は、熱管理部品を収容するキャビティを形成するように溶接されている。しかしながら、溶接は、熱管理部品の表面処理に影響を与え、サンドイッチの形態で固定された熱管理部品は、腐食されやすい。
【0050】
これに鑑みて、本願実施例は、熱管理部品が固定部材の折り曲げによって筐体本体に固定接続され得、当該固定形態が簡単で実現しやすく、かつ熱管理部品の表面処理を破壊しないため、熱管理部品に対する腐食を避ける技術案を提供する。
【0051】
本願実施例に説明される技術案は、例えば、携帯電話、ポータブル機器、ノートパソコン、電気自転車、電動玩具、電動工具、電気自動車、船舶、宇宙機など電池を用いる各種の装置に適用でき、例えば、宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含む。
【0052】
理解されるように、本願実施例に記述される技術案は、上記の装置に適用可能であるだけでなく、電池を使用するすべての装置にも適用可能であり、説明を簡潔にするために、以下の実施例はすべて電気自動車を例として説明する。
【0053】
例えば、図1に示すように、本願の一実施例に係る1種の車両1の構造模式図である。車両1は、ガソリン自動車、天然ガス自動車または新エネルギー自動車などであってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車またはレンジエクステンダー電気自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ80、コントローラ60および電池100が設けられてもよい。コントローラ60は、電池100を制御してモータ80に給電させることに用いられる。車両1の底部または頭部または後部に電池100を設けてもよい。電池100は、車両1の給電に適用し、例えば、電池100は、車両1の動作電源として車両1の電気システムに適用することができ、例えば、車両1の始動時、ナビゲーション時、走行時の作業用電力のニーズに用いられる。本願の別の実施例では、電池100は、車両1の動作電源として機能するだけではなく、車両1の駆動用電源としても機能し、ガソリンや天然ガスの代替又は部分的な代替として、車両1に駆動力を提供することが可能である。
【0054】
異なる電力ニーズに応じて、電池は、複数の電池セルを含んでもよい。複数の電池セル同士は、直列接続、並列接続または直並列接続であってもよく、直並列接続とは、直列接続と並列接続の混合を意味する。電池は、電池パックとも称される。任意に、まず、複数の電池セルを直列接続または並列接続または直並列接続して電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールをさらに直列接続または並列接続または直並列接続して電池を構成してもよい。つまり、複数の電池セルは、直接電池を構成してもよく、まず電池モジュールを構成し、そして電池モジュールから電池を構成してもよい。
【0055】
例えば、図2に示すように、本願の一実施例の1種の電池100の構造概略図であり、電池100は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池100は、筐体(カバー体とも称される)をさらに含んでもよく、筐体内部は、中空構造であり、複数の電池セル20は、筐体の中に収容されている。図2に示すように、筐体は、それぞれ第1の部分111、第2の部分112と称される2つの部分を含み、第1の部分111と第2の部分112は、係合されていってもよい。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせてなる形状によって決められることができ、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空の直方体であり、かつそれぞれの1つの面だけが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口が対向するように設けられ、かつ第1の部分111と第2の部分112が互いに係合して密閉したキャビティを有する筐体を形成してもよい。複数の電池セル20は、互いに並列接続または直列接続又は直並列接続された後第1の部分111と第2の部分112が係合して形成された筐体の中に置かれる。
【0056】
任意に、電池100は、他の構造をさらに含んでもよく、ここでは詳しく説明しない。例えば、当該電池100は、複数の電池セル20同士の電気接続、例えば、直列接続または並列接続または直並列接続を実現するためのバス部品をさらに含んでもよい。具体的に、バス部品は、電池セル20の電極端子を接続することによって電池セル20同士の電気接続を実現できる。さらに、バス部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定することができる。複数の電池セル20の電気エネルギーは、導電手段によって筐体を通してさらに引き出されてもよい。任意に、導電手段は、バス部品に属することもできる。
【0057】
さまざまな電力ニーズに応じて、電池セル20の数は、任意の数に設定することができる。複数の電池セル20は、より大きい容量又は電力を実現するために、直列接続、並列接続又は直並列接続の形態で接続されてもよい。各電池100に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、装着を容易にするために、電池セル20をグループ化して配置することができ、各グループの電池セル20は電池モジュールを構成する。電池モジュールに含まれている電池セル20の数は、限定されず、必要に応じて設定できる。
【0058】
図3に示すように、本願の一実施例の電池セル20の構造概略図であり、電池セル20は、1つ又は複数の電極アセンブリ22、ケース211及び蓋板212を含む。ケース211の壁及び蓋板212は、いずれも電池セル20の壁と称される。ケース211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み合わせてなる形状によって決められることができ、例えば、ケース211は、中空の直方体または立方体または円柱体であり、かつケース211の1つの面が1つ又は複数の電極アセンブリ22をケース211内に放置できるような開口を有しもよい。例えば、ケース211が直方体または立方体である場合、ケース211の1つの平面は開口面であり、つまり、当該平面には壁体がないため、ケース211の内部と外部は、連通している。ケース211が中空の円柱体である場合、ケース211の端面は開口面であり、つまり、当該端面には壁体がないため、ケース211の内部と外部は、連通している。蓋板212は、電極アセンブリ22を放置するための密閉されたキャビティ体を形成するように開口を覆い、かつケース211に接続されている。ケース211の中には電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0059】
当該電池セル20は、2つの電極端子214を含んでもよく、2つの電極端子214は、蓋板212に設けられてもよい。蓋板212は、通常、扁平状であり、2つの電極端子214は、蓋板212の平板面に固定されており、2つ電極端子214は、それぞれ正極端子214aと負極端子214bである。各電極端子214に対応して、蓋板212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気接続を実現するための集電部材23とも呼ばれる接続部材23がそれぞれ1つ設けられる。
【0060】
図3に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aは、第2のタブ222aと反対な極性を有する。例えば、第1のタブ221aが正極タブである時、第2のタブ222aは、負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは、1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aは、もう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正極端子214aは、1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負極端子214bは、もう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0061】
当該電池セル20において、実際の使用ニーズに応じて、電極アセンブリ22は、1つ又は複数に設けられてもよく、図3に示すように、電池セル20には4つの独立な電極アセンブリ22が設けられている。
【0062】
例として、電池セル20の1つの壁、例えば、図3に示す第1の壁21aにはさらに圧力開放手段213が設けられてもよい。展示を容易にするために、図3において、第1の壁21aは、ケース211から分離しているが、ケース211の底側に開口を有することに限定されない。圧力開放手段213は、電池セル20の内圧や温度が閾値に逹した時作動して内圧や温度を開放するために用いられる。
【0063】
当該圧力開放手段213は、第1の壁21aの一部であってもよく、第1の壁21aとは別体の構造で、例えば溶接で第1の壁21aに固定されてもよい。圧力開放手段213が第1の壁21aの一部である場合、例えば、圧力開放手段213は、第1の壁21aに切り込みを設けることによって形成されてもよく、該切り込みに対応する第1の壁21aの厚さは、圧力開放手段213の切り込みを除いた他の領域の厚さより小さい。切り込み箇所は、圧力開放手段213の最も弱い箇所である。電池セル20から発生するガスが過度に発生してケース211の内圧が上昇して閾値に達したり、電池セル20の内部反応による発熱によって電池セル20の内部温度が上昇して閾値に達したりすると、切り込み箇所で圧力開放手段213が破裂してケース211の内部と外部とが連通し、圧力開放手段213の開裂によってガスの圧力及び温度が外部に放出されて電池セル20の爆発が防止される。
【0064】
任意に、本願の一実施例において、図3に示すように、圧力開放手段213が電池セル20の第1の壁21aに設けられている場合、電池セル20の他の壁には電極端子214が設けられており、この他の壁は、第1の壁21aではない。
【0065】
任意に、電極端子214が設けられた壁は、第1の壁21aと対向して設けられている。例えば、第1の壁21aは、電池セル20の底壁であり、電極端子214の壁は、電池セル20の頂壁、即ち蓋板212であってもよい。
【0066】
任意に、図3に示すように、当該電池セル20は、電極アセンブリ22とケース211の底壁との間に位置し、電極アセンブリ22を支持する作用を発揮でき、電極アセンブリ22とケース211の底壁の四隅の丸み角との干渉を効果的に防止することができるシムプレート24をさらに含んでもよい。また、当該シムプレート24には1つまたは複数の貫通孔が設けられてもよく、例えば、複数の均一に配列された貫通孔が設けられてもよく、或いは、圧力開放手段213がケース211の底壁に設けられる場合、当該圧力開放手段213に対応する位置に液体および気体の導通を容易にするための貫通孔が設けられてもよく、具体的に、これにより、シムプレート24の上下の表面の空間が連通し、電池セル20の内部で発生した気体及び電解液のいずれも自由にシムプレート24を通過することにできる。
【0067】
圧力開放手段213と電極端子214を電池セル20の異なる壁に設けることで、圧力開放手段213が作動する時、電池セル20の排出物は、電極端子214からより離れて、排出物による電極端子214とバス部件への影響を低減するため、電池の安全性を向上させることができる。
【0068】
さらに、電極端子214が電池セル20の蓋板212に設けられる場合、圧力開放手段213を電池セル20の底壁に設けることで、圧力開放手段213が作動する時、電池セル20の排出物は、電池100底部に排出することができる。このように、電池100底部の熱管理部品等を利用して排出物の危険性を低減する一方、電池100底部が通常、ユーザから離れているため、ユーザへの被害を低減することができる。
【0069】
圧力開放手段213は、様々な可能な圧力開放構造であってもよく、本願実施例は、これを限定するものではない。例えば、圧力開放手段213は、圧力開放手段213が設けられた電池セル20の内部温度が閾値に逹した時溶解できるように配置される感温性圧力開放手段であってもよく、或いは/又は、圧力開放手段213が設けられた電池セル20の内部气圧が閾値に逹した時破裂できるように配置される圧力開放手段213であってもよい。
【0070】
図4は、本願実施例の筐体10の概略的な構造図を示す。図5は、図4のA部分の1種の概略的な拡大図である。図4図5に示すように、筐体10は、複数の電池セルを収容するための筐体本体110、前記筐体本体110に固定接続される固定部材120、及び、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品130であって、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品130を含み、ここで、前記固定部材120は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品130を前記筐体本体110に固定するように配置される。
【0071】
図4に示すように、筐体本体110は、上筐体と下筐体を含んでもよい。1種の例において、上筐体と下筐体は、図2に示す第1の部分111と第2の部分112であってもよく、第1の部分111と第2の部分112は、いずれも中空直方体で、かつそれぞれ1つの面だけが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口は、対向するように設けられ、かつ第1の部分111と第2の部分112は、互いに係合して密閉したキャビティを有する筐体本体110を形成する。
【0072】
別の1種の例では、下筐体は中空の直方体で、1つの面が開口面であり、かつ上筐体は1つの蓋板であり、上筐体は下筐体の開口面を蓋合して密閉したキャビティを有する筐体本体110を形成する。
【0073】
なお、筐体本体110の形状は、複数の電池セルを組み合わせてなる形状によって決められてもよく、本願実施例は、これを限定するものではない。
【0074】
任意に、本願実施例では、固定部材120は、筐体本体110のいずれの壁に固定されてもよい。例えば、固定部材120は、筐体本体110の底壁又は筐体本体110のいずれの2つの対向する側壁に固定されてもよい。
【0075】
前述したように、熱管理部品130は、流体を収容して複数の電池セルの温度を調整することができる。具体的に、熱管理部品130には流体を収容するための流路が設けられてもよい。例えば、熱管理部品130は、複数の凹溝を有する第1の金属板と平板状の第2の金属板から形成され、第2の金属板は、第1の金属板上の複数の凹溝を蓋合してキャビティを有する複数の流路を形成する。
【0076】
当該熱管理部品130には嵌合孔が設けられており、当該嵌合孔の形状は、固定部材120の底面の形状によって決められてもよい。例えば、当該固定部材120の底面が円形である場合、当該嵌合孔の形状も円形である。また、例えば、当該固定部材120の底面が四角形である場合、当該嵌合孔の形状も四角形である。しかし、当業者に理解されるように、当該嵌合孔の形状は、固定部材120の底面の形状と異なってもよい。例えば、当該嵌合孔の形状は正方形で、当該固定部材120の底面の形状は円形であり、当該正方形の辺の長さは、円形の直径より当該固定部材120が当該嵌合孔を貫通できるようにも僅かに大きい。
【0077】
任意に、固定部材120は、折り曲げられる前、開口を有する中空構造であってもよい。固定部材120の底面が円形である場合を例とすると、固定部材120は、底面が筐体本体110に固定され、開口が底面に対向するように配置される。当該固定部材120の側面は、複数のサブ側面に分割でき、固定部材120が熱管理部品130の嵌合孔を貫通した後、固定部材120の複数のサブ側面は、それぞれ当該固定部材120の中心軸から離れた方向に折り曲げられて熱管理部品130を筐体本体110に固定する。
【0078】
したがって、本願実施例に提供される筐体10は、固定部材120の構造を簡単に変更することで熱管理部品130を筐体本体110に固定でき、当該固定形態は、簡単で実現しやすく、かつ熱管理部品130の表面処理を破壊しないため、熱管理部品130に対する腐食を回避できる。
【0079】
図6は、図4のA部分のもう1種の概略的な拡大図である。図7は、図6の固定部材120の概略的な拡大図である。図6図7に示すように、筐体10は、複数の電池セルを収容するための筐体本体110、前記筐体本体110に固定接続される固定部材120、および、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品130であって、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品130を含み、ここで、当該固定部材120は、かしめ加工されて前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品130を筐体本体110に固定するためのストッパ部121を形成するように配置される。
【0080】
言い換えると、熱管理部品130は、ストッパ部121と筐体本体110の1つの壁の間に制限されてもよい。任意に、当該ストッパ部121の底部は、熱管理部品130に密着してもよい。
【0081】
任意に、当該ストッパ部121の横断面は、図7に示す円形であっても、四角形又は三角形等の他の形状であってもよく、本願実施例は、かしめ加工処理後の固定部材120が形成したストッパ部121の構造を限定するものではない。
【0082】
なお、図7の固定部材120の側面は、4つのサブ側面に分けられており、また、他の数のサブ側面に分けられてもよく、サブ側面の数が多いほど、当該固定部材120は、かしめ加工されやすい。
【0083】
当該実施例では、固定部材120に対してかしめ加工処理を行ってストッパ部121を形成することで、熱管理部品130がストッパ部121と筐体本体110の1つの壁の間に制限され、当該ストッパ部121の存在により、熱管理部品130の筐体本体110の1つの壁から離れた方向への移動を制限し、熱管理部品130を筐体本体110に固定することができる。
【0084】
図8は、固定部材120の折り曲げられた前の概略的な構造図を示す。図8に示すように、前記固定部材120と前記筐体本体110の接続箇所から離れた方向に沿って、前記固定部材120の口径は、徐々に大きくなる。言い換えると、固定部材120の底面122から離れた方向に沿って、固定部材120の口径は、徐々に大きくなり、つまり、当該固定部材120の開口は、ラッパ口を呈する。
【0085】
任意に、当該固定部材120は、ある程度の柔軟性を持ってもよく、当該熱管理部品130の嵌合孔の寸法は、固定部材120の底面122の寸法より若干大きくてもよく、固定部材120が熱管理部品130の嵌合孔を貫通する前、固定部材120の開口を、当該固定部材120の開口の寸法が嵌合孔の寸法より若干小さくするように中心軸に絞って当該固定部材120が熱管理部品130の嵌合孔を貫通できるようにしてもよい。
【0086】
当該実施例では、固定部材120が折り曲げられる前、固定部材120の開口は、ラッパ口を呈することで、固定部材120のかしめ加工処理により有利であり、かつかしめ加工後形成されたストッパ部121は、熱管理部品130を筐体本体によりよく固定できる。
【0087】
任意に、図9に示すように、前記固定部材120は、前記筐体本体110の前記熱管理部品130と平行な第1の壁1111に固定され、前記固定部材120は、前記熱管理部品130を前記第1の壁1111に固定することに用いられる。
【0088】
当該実施例では、熱管理部品130を筐体本体110の熱管理部品130と平行な第1の壁1111に固定することで、熱管理部品130の変更を少なく、かつ熱管理部品130の装着の煩雑さを低減することができる。
【0089】
任意に、図9に示すように、前記固定部材120は、前記第1の壁1111の四隅に分布しており、かつ前記固定部材120は、対称的に配置されている。
【0090】
当該実施例では、固定部材120を第1の壁1111の四隅に分布させ、かつ対称的に配置することで、熱管理部品130の装着安定性を向上させることができる。
【0091】
他の例において、当該固定部材120の数は、3つであり、かつ当該の3つの固定部材120は、正三角形に分布してもよい。当業者に理解されるように、本願実施例は、固定部材120の数及び位置に対して具体的な限定がなく、熱管理部品130を筐体本体110に固定すればよい。
【0092】
別の実施例において、固定部材120は、筐体本体110の熱管理部品130と垂直な第2の壁に固定されてもよい。例えば、対向する2つの第2の壁に固定部材120を2つずつ配置し、かつこの4つの固定部材120によって形成された平面を、熱管理部品130と平行になるようにし、熱管理部品130の第2の壁に近い両端に対して折り曲げ処理を行って折り曲げ部を形成し、かつ両端の折り曲げ部に4つの固定部材120に対応する嵌合孔が設けられ、当該嵌合孔は、固定部材120を熱管理部品130に貫通させるように案内するためにも討ち入られる。
【0093】
任意に、当該実施例では、熱管理部品130の非折り曲げ部分は、筐体本体110の第1の壁1111に密着されてもよい。
【0094】
任意に、本願実施例では、前記熱管理部品130は、さらに構造用接着剤によって前記第1の壁1111に接着されている。
【0095】
当該実施例では、固定部材120によって熱管理部品130を第1の壁1111に固定することに加えて、さらに構造用接着剤によって熱管理部品130を第1の壁1111に接着することにより、熱管理部品130と第1の壁1111の固定強度を高める。
【0096】
図10は、図9のC-C’に沿った筐体10の概略的な断面図を示す。図11は、図10のD部分の概略的な拡大図である。任意に、図11に示すように、折り曲げられた後の前記固定部材120から前記第1の壁1111までの最大距離Eは、前記熱管理部品130から前記第1の壁1111までの最大距離F以下である。
【0097】
なお、第1の壁1111が平面であるため、折り曲げられた後の固定部材120は、複数の点からなるものと見なされ、折り曲げられた後の固定部材120から第1の壁1111までの最大距離Eは、当該の折り曲げられた後の固定部材120を構成する当該複数の点から当該第1の壁1111までの距離中の最大距離である。類似に、当該熱管理部品130も複数の点からなるものと見なされ、熱管理部品130から第1の壁1111までの最大距離Fは、当該熱管理部品130を構成する当該複数の点から当該第1の壁1111までの距離中の最大距離である。
【0098】
当該実施例では、折り曲げられた後の前記固定部材120から前記第1の壁1111までの最大距離Eは、前記熱管理部品130から前記第1の壁1111までの最大距離F以下であり、複数の電池セルの装着を妨げず、電池の装着安定性の向上に有利である。
【0099】
任意に、本願実施例では、前記固定部材120は、スポット溶接で前記第1の壁1111に固定接続される。
【0100】
当該実施例では、固定部材120を第1の壁1111にスポット溶接することで、固定部材120と筐体本体110の間の装着強度を高める。
【0101】
任意に、本願実施例は、筐体10及び当該筐体10の中に収容される複数の電池セル20を含む電池100をさらに提供する。
【0102】
任意に、当該筐体10は、前文のいずれの実施例に係る筐体10であってもよい。例えば、図12に示すように、電池100は、複数の電池セル20と当該複数の電池セル20を収容するための筐体10を含む。ここで、筐体10は、筐体本体110、前記筐体本体110に固定接続される固定部材120、及び、前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品130であって、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品130を含み、ここで、前記固定部材120は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品130を前記筐体本体110に固定するように配置される。
【0103】
任意に、電池セル20の構造は、図3に示す電池セル20の構造を参照でき、簡潔にするために、ここでは繰り返しない。
【0104】
本願の一実施例は、電気装置であって、当該電気装置に電気エネルギーを提供するための前記実施例における電池100を含み得る電気装置をさらに提供する。
【0105】
任意に、電気装置は、車両1、船舶又は宇宙船であってもよい。
【0106】
以上、本願実施例の電池と電気装置を説明したが、以下は、本願実施例の電池を製造する方法及び装置を説明し、そのうち、詳しく説明されていない部分は、前記の各実施例に参照されたい。
【0107】
図13は、本願の一実施例の電池を製造する方法300の概略的なフローチャートを示す。当該電池は、前記の各実施例に提供される電池100であり得、図13に示すように、当該方法300は、
複数の電池セル20の提供S310と、
筐体10の提供S320と、
を含み得、
ここで、前記筐体10は、前記複数の電池セル20を収容するための筐体本体110、前記筐体本体110に固定接続される固定部材120、及び、前記複数の電池セル20の温度を調整するための熱管理部品130であって、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品130を含み、ここで、前記固定部材120は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品130を前記筐体本体110に固定するように配置される。
【0108】
任意に、図14に示すように、前記の筐体10の提供S320は、
前記固定部材120を前記筐体本体110の前記熱管理部品130と平行な第1の壁1111に固定する工程S321、
前記嵌合孔によって前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させる工程S322、及び、
前記固定部材120に対してかしめ加工処理を行い、前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品130を前記筐体本体110に固定するためのストッパ部121を形成する工程S323、
を含む。
【0109】
任意に、本願実施例では、前記方法300は、前記熱管理部品130を前記固定部材120に貫通させる前、前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品の保護層を形成することを含む。
【0110】
任意に、本願実施例では、前記の前記固定部材120を前記筐体本体110の第1の壁1111に固定することは、スポット溶接を採用して前記固定部材120を前記第1の壁1111に固定することを含む。
【0111】
図15は、本願の一実施例の電池を製造する装置400の概略ブロック図を示す。当該電池は、前記の各実施例に提供される電池100であり得、図15に示すように、電池を製造する装置400は、提供モジュール410を含み得る。
【0112】
当該提供モジュール410は、複数の電池セル20の提供と、前記複数の電池セル20を収容するための筐体本体110、前記筐体本体110に固定接続される固定部材120、及び、前記複数の電池セル20温度を調整するための熱管理部品130であって、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた前記熱管理部品130を含む筐体10の提供とに用いられ、ここで、前記固定部材120は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に折り曲げられて前記熱管理部品130を前記筐体本体110に固定するように配置される。
【0113】
好ましい実施例を参照して本願を説明してきたが、本願の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができ、その部品を等同物で置き換えることができる。特に、構造的な矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術特徴を任意の方法で組み合わせることができる。本願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての技術案を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セル(20)を収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び
前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)、
を含む筐体であって、
前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げられて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置されることを特徴とする筐体。
【請求項2】
前記固定部材(120)は、かしめ加工されて前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するためのストッパ部(121)を形成するように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記固定部材(120)は、かしめ加工される前、前記固定部材(120)と前記筐体本体(110)との接続箇所から離れた方向に沿って、前記固定部材(120)の口径が徐々に大きくなることを特徴とする、請求項2に記載の筐体。
【請求項4】
前記固定部材(120)は、前記筐体本体(110)の第1の壁(1111)に固定され、前記第1の壁(1111)は、前記熱管理部品(130)に平行し、前記固定部材(120)は、前記熱管理部品(130)を前記第1の壁(1111)に固定するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の筐体。
【請求項5】
前記熱管理部品(130)は、さらに構造用接着剤によって前記第1の壁(1111)に接着されていることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項6】
折り曲げられた後の前記固定部材(120)から前記第1の壁(1111)までの最大距離は、前記熱管理部品(130)から前記第1の壁(1111)までの最大距離以下であることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項7】
前記固定部材(120)は、前記第1の壁(1111)の四隅に分布され、かつ前記固定部材(120)は、対称的に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項8】
前記固定部材(120)は、スポット溶接で前記第1の壁(1111)に固定接続されることを特徴とする、請求項4に記載の筐体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの1項に記載の筐体と、
前記筐体の中に収容される複数の電池セルと
を含むことを特徴とする、電池。
【請求項10】
電気装置であって、前記電気装置に電気エネルギーを提供するための請求項9に記載の電池を含むことを特徴とする電気装置。
【請求項11】
複数の電池セルの提供(S310)と、
前記複数の電池セル(20)を収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び、
前記複数の電池セル温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)に貫通させるように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)を含む筐体の提供(S320)と、
を含む電池を製造する方法であって、
前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置されることを特徴とする、電池を製造する方法。
【請求項12】
前記の筐体の提供は、
前記固定部材(120)を前記筐体本体(110)の前記熱管理部品(130)と平行な第1の壁に固定(S321)すること、
前記嵌合孔によって前記固定部材(120)を前記熱管理部品(130)に貫通(S322)させること、
前記固定部材(120)に対して、前記嵌合孔の周囲に前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するためのストッパ部を形成するようにかしめ加工処理(S323)を行うこと、
を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記固定部材(120)を前記熱管理部品(130)に貫通させる前、
前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品(130)の保護層を形成することをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記の前記固定部材(120)を前記筐体本体(110)の第1の壁に固定することは、
スポット溶接を採用して前記固定部材(120)を前記第1の壁に固定することを含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
複数の電池セル(20)の提供と、筐体の提供とに用いられる提供モジュール(410)を含む電池を製造する装置であって、
前記筐体は、
前記複数の電池セルを収容するための筐体本体(110)、
前記筐体本体(110)に固定接続される固定部材(120)、及び
前記複数の電池セルの温度を調整するための熱管理部品(130)であって、前記固定部材(120)を、前記熱管理部品(130)を貫通するように案内するための嵌合孔が設けられた熱管理部品(130)を含み、
ここで、前記固定部材(120)は、前記嵌合孔を貫通し、かつ前記嵌合孔の周囲に沿って折り曲げて前記熱管理部品(130)を前記筐体本体(110)に固定するように配置される、ことを特徴とする電池を製造する装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
1種の可能な実施形態において、前記方法は、前記固定部材を前記熱管理部品に貫通させる前、前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品の保護層を形成することをさらに含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
任意に、本願実施例では、前記方法300は、前記固定部材120を前記熱管理部品130に貫通させる前、前記第1の壁に対して表面処理を行って前記熱管理部品の保護層を形成することを含む。
【国際調査報告】