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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】マルチ電圧源トリガスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20240912BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240912BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H02J7/34 B
H02J7/00 302C
B25F5/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518178
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 US2022044819
(87)【国際公開番号】W WO2023049487
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/248,702
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ウェイワー、ピーター ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3C064
5G503
【Fターム(参考)】
3C064AA03
3C064AA05
3C064AA20
3C064AC02
3C064BA04
3C064BB08
3C064BB14
3C064CA51
3C064CA80
3C064CB17
3C064CB63
3C064CB71
3C064DA37
3C064DA43
3C064DA56
3C064DA59
3C064DA89
3C064DA91
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA13
5G503DA15
5G503DA18
5G503GB03
5G503GD06
(57)【要約】
バッテリパック駆動式ツールと、バッテリパック駆動式ツールに連結された1つ又は複数のバッテリパックと、第1の出力電圧を提供する第1の電圧レギュレータと、第2の出力電圧を提供する第2の電圧レギュレータと、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を受信するように構成されるトリガと、を含む、電力管理システム。システムは、また、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つを有効化又は無効化するように構成される、1つ又は複数の制御ラインを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力管理システムであって、
バッテリパック駆動式ツールと、
前記バッテリパック駆動式ツールに連結された1つ又は複数のバッテリパックと、
第1の出力電圧を提供する第1の電圧レギュレータと、
第2の出力電圧を提供する第2の電圧レギュレータと、
前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を受信するように構成される、トリガと、
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、1つ又は複数の制御ラインと、
を備える、電力管理システム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のバッテリパックが、第1のバッテリパック及び第2のバッテリパックを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの前記1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、処理ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの前記1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、スイッチをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スイッチが、前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれを有効化又は無効化するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの前記1つ又は複数が無効化されることによって、前記バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化されることによって、前記バッテリパック駆動式ツールの前記静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
電力消費を管理するためのバッテリパック駆動式ツールであって、
1つ又は複数のバッテリパックを収容するように構成される1つ又は複数のバッテリパックインターフェースと、
第1の出力電圧を提供する第1の電圧レギュレータと、
第2の出力電圧を提供する第2の電圧レギュレータと、
前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を受信するように構成される、トリガと、
プロセッサ及びメモリを含むコントローラであって、
1つ又は複数の制御ラインを使用して前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化することによって、前記バッテリパック駆動式ツールによって消費される電力量を制御するように構成される、
前記コントローラと、
を備える、バッテリパック駆動式ツール。
【請求項9】
前記1つ又は複数のバッテリパックが、第1のバッテリパック及び第2のバッテリパックを含む、請求項8に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項10】
前記コントローラが、前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータの前記1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される処理ユニットを含む、請求項8に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項11】
前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの前記1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、スイッチをさらに備える、請求項8に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項12】
前記スイッチが、前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれを有効化又は無効化するように構成される、請求項11に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項13】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化されることによって、前記バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項8に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項14】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのうちの1つが無効化されることによって、前記バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項8に記載のバッテリパック駆動式ツール。
【請求項15】
バッテリパック駆動式ツールの電力消費を管理する方法であって、
前記バッテリパック駆動式ツールに連結された1つ又は複数のバッテリパックから電力を受信することと、
前記バッテリパック駆動式ツールの第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータの少なくとも1つに前記電力を提供することであって、前記第1の電圧レギュレータが第1の出力電圧を提供するように構成され、前記第2の電圧レギュレータが第2の出力電圧を提供するように構成される、前記提供することと、
前記バッテリパック駆動式ツールのトリガに前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を提供することと、
コントローラを用いて、前記バッテリパック駆動式ツールの動作を制御して、1つ又は複数の制御ラインを使用して前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータの前記少なくとも1つを有効化又は無効化することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記コントローラを用いて、前記1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれを無効化することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コントローラを用いて、前記バッテリパック駆動式ツールの前記トリガが解除されたと判定することと、
前記コントローラを用いて、前記トリガの解除及び時間閾値に関連付けられたアイドル状態の時間に基づいて、前記バッテリパック駆動式ツールが使用中でないかどうかを判定することと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記時間閾値を超える前記バッテリパック駆動式ツールの前記アイドル状態の前記時間に応じて、前記1つ又は複数の制御ラインを経て信号を送信して、前記1つ又は複数の制御ラインを使用して前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータの前記少なくとも1つを無効化することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータの前記少なくとも1つが無効化されると、前記バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の電圧レギュレータ及び前記第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化され、前記バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月27日に提出された米国仮特許出願第63/248,702号の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、バッテリ動作式デバイスに関し、より詳細には、バッテリパック駆動式ツール又はアクセサリに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載された実施形態は、バッテリパック駆動式ツールと、バッテリパック駆動式ツールに連結された1つ又は複数のバッテリパックと、第1の出力電圧を提供する第1の電圧レギュレータと、第2の出力電圧を提供する第2の電圧レギュレータと、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を受信するように構成されるトリガと、を含む、電力管理システムを提供する。システムは、また、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つを有効化又は無効化するように構成される、1つ又は複数の制御ラインを含む。
【0004】
いくつかの態様では、1つ又は複数のバッテリパックが、第1のバッテリパック及び第2のバッテリパックを含む。
【0005】
いくつかの態様では、システムは、また、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、処理ユニットを含む。
【0006】
いくつかの態様では、システムは、また、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、スイッチを含む。
【0007】
いくつかの態様では、スイッチが、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれを有効化又は無効化するように構成される。
【0008】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数が無効化されることによって、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0009】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化されることによって、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0010】
本明細書に記載された実施形態は、電力消費を管理するためのバッテリパック駆動式ツールを提供する。バッテリパック駆動式ツールは、1つ又は複数のバッテリパックを収容するように構成される1つ又は複数のバッテリパックインターフェースと、第1の出力電圧を提供する第1の電圧レギュレータと、第2の出力電圧を提供する第2の電圧レギュレータと、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を受信するように構成される、トリガと、プロセッサ及びメモリを含むコントローラと、を含む。コントローラは、1つ又は複数の制御ラインを使用して第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化することによって、バッテリパック駆動式ツールが消費される電力量を制御するように構成される。
【0011】
いくつかの態様では、1つ又は複数のバッテリパックが、第1のバッテリパック及び第2のバッテリパックを含む。
【0012】
いくつかの態様では、コントローラは、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、処理ユニットを含む。
【0013】
いくつかの態様では、バッテリパック駆動式ツールは、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つ又は複数を有効化又は無効化するように構成される、スイッチをさらに含む。
【0014】
いくつかの態様では、スイッチが、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれを有効化又は無効化するように構成される。
【0015】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化されることによって、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0016】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのうちの1つが無効化されることによって、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0017】
本明細書に記載された実施形態は、バッテリパック駆動式ツールの電力消費を管理する方法を提供する。方法は、バッテリパック駆動式ツールに連結された1つ又は複数のバッテリパックから電力を受信することと、バッテリパック駆動式ツールの第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータの少なくとも1つに電力を提供することと、を含む。第1の電圧レギュレータは、第1の出力電圧を提供するように構成され、第2の電圧レギュレータは、第2の出力電圧を提供するように構成される。方法は、また、バッテリパック駆動式ツールのトリガに第1の出力電圧及び第2の出力電圧を提供することと、コントローラを用いて、バッテリパック駆動式ツールの動作を制御して、1つ又は複数の制御ラインを使用して第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータの少なくとも1つを有効化又は無効化することと、を含む。
【0018】
いくつかの態様では、方法は、コントローラを用いて、1つ又は複数の制御ラインの少なくとも1つを制御して、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれを無効化することをさらに含む。
【0019】
いくつかの態様では、方法は、コントローラを用いて、バッテリパック駆動式ツールのトリガが解除されたと判定することと、コントローラを用いて、トリガの解除及び時間閾値に関連付けられたアイドル状態の時間に基づいて、バッテリパック駆動式ツールが使用中でないかどうかを判定することと、をさらに含む。
【0020】
いくつかの態様では、方法は、時間閾値を超えるバッテリパック駆動式ツールのアイドル状態の時間に応じて、1つ又は複数の制御ラインを経て信号を送信して、1つ又は複数の制御ラインを使用して第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータの少なくとも1つを無効化することをさらに含む。
【0021】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータの少なくとも1つが無効化されると、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0022】
いくつかの態様では、第1の電圧レギュレータ及び第2の電圧レギュレータのそれぞれが無効化され、バッテリパック駆動式ツールの静止電流が約7マイクロアンペア未満まで減少する。
【0023】
いずれの実施形態も詳細に説明する前に、実施形態は、その適用において、以下の説明で述べられるか又は添付図面に示されるコンポーネントの構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。実施形態は、様々な方式で実施又は実行することが可能である。本明細書で使用される語法及び用語は、説明目的のためのものであり、限定とみなされるべきでないことも理解されたい。「含む」、「備える」、又は「有する」及びこれらの変化形の使用は、以降に列挙する項目及びその均等物並びに追加的項目を包含することを意味する。別段の明示又は限定がない限り、「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」、及び「連結される」という用語並びにその変化形は、広い意味で使用され、直接的及び間接的の両方の取り付け、接続、支持、及び連結を包含する。
【0024】
加えて、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア及び電子コンポーネント又はモジュールを含んでもよく、これらは、説明のために、それらのコンポーネントの大部分がハードウェアのみで実施されているかのように図示及び説明されることがあることを理解されたい。しかしながら、当業者であれば、この詳細な説明を読むことに基づいて、少なくとも1つの実施形態において、電子ベースの態様が、マイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)などの1つ又は複数の処理ユニットによって実行可能な(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された)ソフトウェアで実施され得ることを認識するであろう。このため、複数のハードウェア及びソフトウェアベースデバイス並びに複数の異なる構造的コンポーネントは、実施形態を実施するために利用され得ることに留意されたい。例えば、本明細書で説明する「サーバ」、「コンピューティングデバイス」、「コントローラ」、「プロセッサ」などは、1つ又は複数の処理ユニット、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体モジュール、1つ又は複数の入力/出力インターフェース、及びコンポーネントを接続する様々な接続手段(例えば、システムバス)を含むことができる。
【0025】
量又は状態との関連で用いる相対用語、例えば「約」、「ほぼ」、「実質的に」などは、記述された値を含み、文脈で言及された意味を含む(例えば、それらの用語は、少なくとも測定精度に関連付けられた誤差、特定の値に関連付けられた公差[例えば、製造公差、組み立て公差、使用公差等]を含む)ことが当業者に理解されるであろう。かかる用語は、2つの端点の絶対値により定義される範囲を示すものとも考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は、「2~4」の範囲も開示する。相対用語は、示された値のある百分率(例えば、1%、5%、10%又はそれを超える)の増減を指す場合がある。
【0026】
特定の図面は、特定の装置内にあるハードウェア及びソフトウェアを例示するが、これらの描写は、例示を目的としているにすぎないと理解すべきである。本明細書で1つのコンポーネントにより実行されると記載される機能は、複数のコンポーネントにより分散的に実行され得る。同様に、複数のコンポーネントにより実行される機能は、まとめて1つのコンポーネントにより実行され得る。いくつかの実施形態では、例示されたコンポーネントは、結合されるか、又は別々のソフトウェア、ファームウェア及び/若しくはハードウェアに分割され得る。例えば、ロジック及び処理は、単一の電子プロセッサ内にあり、且つそれにより実行されるのではなく、複数の電子プロセッサに分散され得る。これらがどのように結合又は分割されるにせよ、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントは、同じコンピューティングデバイス上にあるか、又は1つ若しくは複数のネットワーク若しくは他の適当な通信リンクにより接続される異なるコンピューティングデバイス間で分散され得る。同様に、特定の機能を実行すると記載されるコンポーネントは、本明細書に記載されない追加の機能も実行し得る。例えば、特定の態様で「構成された」デバイス又は構造は、少なくともその態様で構成されるが、明示的に列挙しない方式でも構成され得る。
【0027】
本開示のその他の態様は、詳細な説明及び添付図面を熟考することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本明細書に開示される実施形態による、オプションのアタッチメントを有する手持ち送風機などの電動工具の斜視図である。
図2】本明細書に記載される実施形態による、図1のデバイスのためのバッテリパックを示す。
図3】本明細書に記載される実施形態による、図1の電動工具の制御システムを示す。
図4】本明細書に記載される実施形態による、図1の電動工具の電圧制御図を示す。
図5】本明細書に記載される実施形態による、図1の電動工具のトリガスイッチについての回路図を示す。
図6】本明細書に記載される実施形態による、図1の電動工具の電力消費を管理するためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、電動工具又はアクセサリなどのバッテリパック駆動式デバイスに連結されたバッテリパックからの電力使用を管理するためのマルチ電圧源トリガスイッチに関する。バッテリパック駆動式デバイスは、デバイスに連結される間の寿命を長くするために、例えば、電圧源トリガスイッチに関してそれぞれが管理される1つ又は複数のバッテリパック(例えば、2つのバッテリパック)を収容するように設計され得る。接続されたバッテリパックのバッテリ寿命の延長を確実にするため、及び特に、リチウムイオンバッテリパックについての過放電イベントに起因するバッテリパックの早期故障を避けるために、それらの電流消費量を最小値に維持することがバッテリパック駆動式デバイスにとって有益であり得る。デバイスによっては、バッテリパックに対してスタンバイ電流消費量を7マイクロアンペア(「μA」)未満に維持することが好適であり得る。スタンバイ電流消費量は、バッテリパック駆動式デバイスのサブ回路又はサブ回路群全体を遮断し、接続を切断し、又は無効にして、静止電流を7μA未満まで低下させることが可能であることによって、管理され得る。サブ回路を遮断、接続切断、又は無効にすることによって、1メガオーム未満のプルアップレジスタ値を有するサブ回路が、製品が使用中でないときの回路の静止電流消費量全体を低減するために使用され得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示は、バッテリパック駆動式電力工具又はアクセサリにおいて実施され得る。図1は、本開示の特徴を実施するための手持ち送風機100である例示的なバッテリパック駆動式ツール100を提供する。本開示は、バッテリパック駆動式手持ち送風機100に関して説明されているが、本開示は、本開示の範囲から逸脱することなく、バッテリパック駆動式ツール100又はアクセサリの任意の組み合わせを使用して実施され得る。例えば、本開示は、切断工具、削孔工具、芝生の手入れ道具、照明アクセサリ、音声/視覚アクセサリ、発電機などの任意の組み合わせで実施され得る。
【0031】
図1は、概して、延長部102及びノズル104を含む3つのアタッチメントを有する手持ち送風機100を示している。延長部102及びノズル104のそれぞれが、手持ち送風機100の排気口108に着脱可能に接続するように構成される。ノズル104も、延長部102に着脱可能に接続するように構成される。手持ち送風機100は、排気口の反対側且つ上流に吸気口110をさらに含む。図示される実施形態では、より大きな破片が吸気口110に入ることを妨げるために、吸気口110の上に格子が配置されている。格子は、一連のスリット、スクリーン、迂回する流路などを生成する構造であってもよい。手持ち送風機100は、吸気口110を排気口と流体連絡し、長手方向軸に沿って延びるエアダクトを含む。エアダクトは、バッテリパック駆動式ツール100のハウジング114によって少なくとも部分的に囲まれている。いくつかの実施形態では、ハウジング114は、エアダクトを囲む留め具で繋がれた2つの半分のクラムシェルを含み得る。手持ち送風機100は、ハンドル116をさらに含む。いくつかの実施形態では、ハンドル116は、長手方向軸に概して平行に延びる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ハウジング114及び/又はハンドル116は、バッテリパックインターフェース又はその中に画成されたバッテリパック収容キャビティ118を含み得る。図示された実施形態では、バッテリパック収容キャビティ118も、長手方向軸に概して平行に延びる。バッテリパック収容キャビティ118は、1つ又は複数のバッテリパックの少なくとも一部を収容するように構成され得る。バッテリパックの少なくとも一部が、動作位置のバッテリパック収容キャビティ118に収容され、バッテリパックの少なくとも別の一部が、バッテリパック収容キャビティ118の外側に(図示される実施形態のハンドル116の概して後方向に)配置され得る。バッテリパック収容キャビティ118の外側のバッテリパックの部分は、吸気口110の上の位置において長手方向軸から径方向外側に配置される。バッテリパック収容キャビティ118内のバッテリパックと共に、電気通信は、バッテリパックとバッテリパック駆動式ツール100との間に確立され得る。電気通信リンクは、バッテリパックからバッテリパック駆動式ツール100に電力を提供するために使用され得るだけでなく、バッテリパック駆動式ツール100がバッテリ使用量を管理することを可能にする。
【0033】
いくつかの実施形態では、バッテリパックは、12ボルト、18ボルト、36ボルト、40V、80Vなどのバッテリパックの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、バッテリパック収容キャビティ118は、例えば、結合された36ボルトをバッテリパック駆動式ツール100に提供するために2つの18ボルトバッテリパックを収容するように設計され得る。バッテリパックは、バッテリパック駆動式ツール100及びその様々なコンポーネントに電力を提供するために設けられ得る。いくつかの実施形態では、バッテリパックは、(送風機のファンに電力供給するための)モータ用の電源と、マイクロコントローラ(例えば、図3のコントローラ400)と、モータ用のパルス幅変調(PWM)ドライバ450(例えば、FETスイッチングブリッジ)と、メモリ460(例えば、ソリッドステートドライブ[SSD])と、インジケータ430と、様々なセンサ425と、バッテリパック駆動式ツール100によって使用される電気コンポーネントの任意の他の組み合わせと、を提供し得る。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明されるように、18ボルトのバッテリパックのうちの1つが、コンポーネントの第1のサブグループに電力供給するように設計されてもよく、2つの18ボルトバッテリパックの組み合わせが、バッテリパック駆動式ツール100の中のコンポーネントの第2のサブグループに電力供給するように設計されてもよい。
【0034】
図示されたバッテリパック駆動式ツール100(例えば、手持ち送風機100)は、例えば、ハンドル116の上又は周囲に配置された1つ又は複数のトリガ150又は他の制御装置と、ユーザが手持ち送風機100を支持面上に置くことを可能にするための複数の支持脚152と、エアダクトをハウジング114に接続する(例えば、ポリマー材から作られた)複数の振動減衰部と、様々な形状、サイズ、及び長さなどの複数のノズルアタッチメント及び延長アタッチメントと、を含む、多くの他の特徴を含み得る。
【0035】
図2を参照すると、ハウジング205と、バッテリパック200をデバイス(例えば、バッテリパック駆動式ツール100)に接続するためのバッテリパックインターフェース210と、を含むバッテリパック200が示されている。バッテリパック200の放電は、本開示によって提供されるようなバッテリパックコントローラ、電動工具、バッテリパック充電器などの任意の組み合わせによって制御され得る。バッテリパック200は、18ボルト又は36ボルトのバッテリパックであってもよいが、12ボルトから120ボルトまでの他の電圧が考えられる。バッテリパックインターフェース210は、バッテリパック200を有するバッテリパック駆動式ツール100とインターフェースする(例えば、機械的、電気的、及び通信可能に接続する)ために構成され、且つそのように動作可能な機械的コンポーネント(例えば、レール、溝、ラッチなど)及び電気的コンポーネント(例えば、1つ又は複数の端子)の組み合わせを含む。例えば、バッテリパック200によってバッテリパック駆動式ツール100に提供される電力は、バッテリパックインターフェース210を介して電力入力モジュール440に提供される。電力入力モジュール440(図3参照)は、コントローラ400に電力が提供される前に、バッテリパック200から受信した電力を調整又は制御するための、アクティブ及びパッシブコンポーネントの組み合わせを含む。バッテリパックインターフェース210はまた、PWMドライバ450に電力を供給して、モータ405に選択的に電力を提供する。バッテリパックインターフェース210はまた、例えば、コントローラ400とバッテリパック200との間に通信ライン又はリンクを提供するための通信ライン495を含む。
【0036】
図3は、バッテリパック駆動式デバイス(例えば、バッテリパック駆動式ツール100)のための例示的な制御システム300を示す。制御システム300は、バッテリパック駆動式ツール100の様々なモジュール又はコンポーネントに電気的及び/又は通信可能に接続されるコントローラ400を含む。例えば、図示されるコントローラ400は、モータ405、バッテリパックインターフェース210、(トリガ150に接続された)トリガスイッチ又はスイッチ415、1つ又は複数のセンサ425又は感知回路(例えば、1つ又は複数の電流センサ、1つ又は複数の速度センサ、1つ又は複数のホール効果センサ、1つ又は複数の温度センサなど)、1つ又は複数のインジケータ430、ユーザ入力モジュール435、電力入力モジュール440、及びPWMドライバ450(又は複数のスイッチングFETを含むブリッジ構成モジュール内の電界効果トランジスタ[FET])に、(例えば、直接的に、サブ回路を通して間接的に、など)電気的に接続される。コントローラ400は、中でも、バッテリパック駆動式ツール100の動作を制御する、バッテリパック駆動式ツール100の動作を監視する、1つ又は複数のインジケータ430(例えば、発光ダイオード(LED))をアクティブ化する、ユーザ挙動及びアクション、アプリケーション挙動を監視する、などを行うように動作可能なハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、コントローラ400は、コントローラ400及び/又はバッテリパック駆動式ツール100内のコンポーネント及びモジュールに電力、動作制御、及び保護を提供する複数の電気及び電子コンポーネントを含む。例えば、コントローラ400は、中でも、処理ユニット455(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、電子プロセッサ、電子コントローラ、又は別の適当なプログラム可能なデバイス)、メモリ460、入力ユニット465、及び出力ユニット470を含む。処理ユニット455は、中でも、制御ユニット475、演算論理ユニット(「ALU」)480、及び複数のレジスタ485(図3ではレジスタ群として示す)を含み、既知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正ハーバードアーキテクチャ、フォンノイマンアーキテクチャなど)を用いて実施される。処理ユニット455、メモリ460、入力ユニット465、及び出力ユニット470、並びにコントローラ400に接続された様々なモジュール又は回路は、1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバス(例えば、共有バス490)により接続されている。制御バス及び/又はデータバスが、説明のために図3において大まかに示されている。様々なモジュール、回路、及びコンポーネント間の相互接続及び通信のための1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバスの使用は、本明細書に記載される開示を考慮して当業者には分かるであろう。
【0038】
メモリ460は、非一時的コンピュータ可読媒体であり、例えば、プログラムストレージ領域及びデータストレージ領域を含む。プログラムストレージ領域及びデータストレージ領域は、ROM、RAM(例えば、DRAM、SDRAMなど)、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD、SDカード、又は他の適当な磁気式、光学式、物理的、若しくは電子的メモリデバイスなどの、異なるタイプのメモリの組み合わせを含み得る。処理ユニット455は、メモリ460に接続され、メモリ460のRAM(例えば、実行中に)、メモリ460のROM(例えば、一般的に永続的に)、又は別のメモリ若しくはディスクなどの別の非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができるソフトウェア命令を実行する。バッテリパック駆動式ツール100の実施態様に含まれるソフトウェアは、コントローラ400のメモリ460に記憶され得る。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、規則、1つ又は複数のプログラムモジュール、及び他の実行可能命令を含む。コントローラ400は、中でも、本明細書に記載される制御プロセス及び方法に関する命令を、メモリ460から取得し、実行するように構成される。他の構造では、コントローラ400は、追加的な、より少ない又は異なるコンポーネントを含む。
【0039】
インジケータ430は、バッテリパック駆動式ツール100及び/又はバッテリパック200の状態としてユーザにフィードバックを提供するための、1つ又は複数の視覚、音声、又は触覚フィードバックを含む。例えば、インジケータ430は、1つ又は複数の発光ダイオード(「LED」)を含み得る。インジケータ430は、バッテリパック駆動式ツール100の条件又はバッテリパック駆動式ツール100に関連付けられた情報を表示するように構成され得る。例えば、インジケータ430は、バッテリパック駆動式ツール100の測定された電気的特性、バッテリパック200の状態などを示すよう構成される。ユーザ入力モジュール435は、コントローラ400に動作可能に連結されて、例えば、順方向動作モード又は逆方向動作モード、バッテリパック駆動式ツール100のトルク及び/又は速度設定などを(例えば、トルク及び/又は速度スイッチを用いて)選択する。いくつかの実施形態では、ユーザ入力モジュール435は、1つ又は複数のノブ、1つ又は複数のダイヤル、1つ又は複数のスイッチ、1つ又は複数のボタン、1つ又は複数のタッチ又は圧力感知センサなどの、バッテリパック駆動式ツール100の所望のレベルの動作を達成するために必要なデジタル及びアナログ入力又は出力デバイスの組み合わせを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、コントローラ400は、例えば、図4に示されるように、バッテリパック駆動式ツール100の1つ又は複数のサブシステムから引き出される電力を制御するための1つ又は複数の電力管理システムを含み得る。図4を参照すると、本開示の電力管理システムを実施するための例示的な電圧制御図500が示されている。いくつかの実施形態では、電力管理システムは、処理ユニット455と、バッテリパック駆動式ツール100の中の異なるサブ回路の有効化/アクティブ化及び無効化/非アクティブ化を制御し得るトリガ150/スイッチ415と、を含み得る。サブ回路は、バッテリパック駆動式ツール100内のサブシステムの任意の組み合わせを含み得る。例えば、サブ回路は、周辺機器、モータ、センサ、通信ライン、又はそれらの組み合わせを含み得る。処理ユニット455及びトリガ150/スイッチ415は、バッテリパック200のうちの1つ又は複数から電力を受信するために電圧レギュレータ512(例えば、低ドロップアウト[「LDO」]電圧レギュレータ)に連結され得る。電圧レギュレータ512は、バッテリ充電の状態とは独立して安定した電力供給電圧を提供するために使用される。例えば、14.1Vからほぼ完全に放電されたレベルまでバッテリが降下すると、電圧レギュレータ510は、負荷で一定の3.3Vを維持し得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット455並びにトリガ150及び/又はスイッチ415は、接続されたバッテリパック200のそれぞれからの電力を必要としない場合がある。例えば、処理ユニット455及びトリガ150/スイッチ415は、バッテリパック駆動式ツール100に連結されたバッテリパック200のうちの1つからの電力のみを必要とする場合がある。
【0041】
いくつかの実施形態では、処理ユニット455並びにトリガ150及び/又はスイッチ415の組み合わせが、バッテリパック駆動式ツール100のサブ回路のアクティブ化/非アクティブ化を制御し得る。例えば、サブ回路は、それらのサブ回路に電力を提供する電圧レギュレータ510又は他のスイッチ/レギュレータに非アクティブ化又は無効化信号を送信することによって、無効化され得る。いくつかの実施形態では、処理ユニット455は、別の電圧レギュレータ510のための制御ラインに連結されてもよく、トリガ150及び/又はスイッチ415は、1つ又は複数の他のサブ回路に連結されてもよい。トリガ150/スイッチ415は、また、処理ユニット455及びバッテリパック駆動式ツール100のためのコンポーネントに連結され得る。処理ユニット455とトリガ及び/又はスイッチ415との間の制御ラインは、トリガ150/スイッチ415への様々な制御ラインがアクティブ化/非アクティブ化されるときを制御するために設けられ得る。有効化ラインは、サブ回路のいずれかを個別に、又は全ての回路をグループとして無効化するために使用され得る。いくつかの実施形態では、トリガ150/スイッチ415は、複数の(例えば、2つ以上の)入力電力ラインを含む。1つの入力電力ラインは、電圧レギュレータ510から来るものである。第2の入力電力ラインは、電圧レギュレータ512から来るものである。
【0042】
サブ回路の1つ若しくはいくつか又はバッテリパック駆動式ツール100全体を無効化又は非アクティブ化することによって、閾値未満(例えば、7μA未満)までバッテリパック駆動式ツール100の静止電流を低下させる電力節約モードが、実施される。具体的には、複数のサブ回路のうちの1つ又はサブ回路群全体を遮断/接続切断/無効化することを可能にすることによって、製品が使用中でないときに回路の静止電流消費量全体を減少させる、1メガオーム未満のプルアップレジスタ値を有するサブ回路が使用されることが可能となる。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数のバッテリパック200のうちの1つ又は複数からの電力が、複数のサブ回路に電力供給するために提供され得る。電力管理システムは、バッテリパック200の組み合わせが、処理ユニット455並びにトリガ150及び/又はスイッチ415、並びにバッテリパック駆動式ツール100の様々な他のサブ回路に電力供給するために使用され得るように設計され得る。例えば、2つの18Vバッテリパック200の組み合わせは、処理ユニット455並びにトリガ150及び/又はスイッチ415及び/又は異なるサブ回路に電力供給するために、組み合わせて及び/又は個別に使用され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、処理ユニット455並びにトリガ150及び/又はスイッチ415は、異なるサブ回路に電力を提供するスイッチ及び/又は電圧レギュレータの有効化/無効化を制御するための制御ラインに連結され得る。スイッチ及び/又は電圧レギュレータはそれぞれ、スイッチ及び/又はレギュレータの制御をオン又はオフにするためにイネーブルピンを含み得る。イネーブルピンは、処理ユニット455、トリガ150、及び/又はスイッチ415の組み合わせに接続された制御ラインに連結され得る。処理ユニット455、トリガ150、及び/又はスイッチ415は、電力管理システムがどのように構成されるかに応じて、有効化(例えば、ウェイク)及び/又は無効化(例えば、スリープ)信号を提供し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、処理ユニット455は、電圧レギュレータ510のための制御ラインに連結されてもよく、トリガ150及び/又はスイッチ415は、(例えば、バッテリパック駆動式ツール100の主電力ラインにおける)ハイサイドスイッチのための制御ラインに連結され得る。バッテリパック駆動式ツール100の動作に応じて、異なる制御ラインは、それぞれのサブ回路からの負荷を制御するためにアクティブ化/非アクティブ化され得る。制御ラインは、アナログ、デジタル、及び/又は任意の他の通信タイプ、並び複数のカスケード型サブ回路に同時に、又は個別のサブ回路群に個別に、供給電圧を供給及び/又は制御する回路を有効化又は無効化してもよいが限定はされない、制御ラインであってもよい。例えば、第1の複数のサブ回路及び第2の複数のサブ回路は、スイッチの非アクティブ化(切り替えられたモード電力供給)が第1の複数のサブ回路及び第2の複数のサブ回路の両方の非アクティブ化をもたらす、カスケード型方式で配置され得る。制御ラインを使用すると、バッテリパック駆動式ツール100に接続されたバッテリパック200の寿命及び動作に対する改善が達成され得る。これは、使用中でないときに回路を非アクティブ化することによってバッテリパック200の電流消費量を低下させるためである。さらに、バッテリパック200の寿命及び動作は、電源シーケンシング(例えば、トリガ150/スイッチ415に電力供給するサブ回路を選択的にオン及びオフにすること)並びにバッテリシェルフ寿命を延長するために減少された静止電流の組み合わせを通して改善され得る。
【0046】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、シーケンシングされた電圧源トリガスイッチが、トリガの電流消費量を最小化するように実施され得る。図5は、例えば、スイッチ415のための例示的なトリガスイッチ回路600を示す。トリガスイッチ回路600は、第1の供給電圧源に接続された第1のトリガピン605(例えば、電圧レギュレータ510からのVDD_3V3_MCU)を含み得る。トリガスイッチ回路600は、(例えば、トリガ150がアクティブ化されていることを示す)有効化信号を出力するための第2のトリガピン610を含み得る。トリガスイッチ回路600は、例えば、モータの回転方向(例えば、時計回り又は反時計回り)を制御するための第3のトリガピン615及び第4のトリガピン620を含み得る。トリガスイッチ回路600は、トリガ150の作動量(即ち、トリガを引く量)に関連する信号を提供する第5のトリガピン625を含み得る。トリガスイッチ回路600は、第2の供給電圧源(例えば、電圧レギュレータ512からのVDD_3V3)に接続された第6のトリガピン630を含み得る。最終的に、トリガスイッチ回路600は、グランドピン635を含み得る。
【0047】
第1の及び第2の供給電圧のそれぞれが、任意の時点でオン若しくはオフにされるように構成されてもよく、及び/又は永久にアクティブであってもよい。第1の及び第2の供給電圧は、また、個別に制御されてもよく、及び/又は他の供給電圧のアクティブ/非アクティブ状態に基づいて制御されてもよい。例えば、ピン605におけるVDD_3V3がオフにされるか、又は接続切断/無効化される場合、ピン630におけるVDD_3V3_MCUのための供給電圧がオンにされてもよく、又は接続/有効化されてもよい。これは、2つの供給源の間のスイッチング電圧供給を含んでもよく、又はピン630におけるVDD_3V3が、永続的にその供給電圧を提供してもよく、ピン605におけるVDD_3V3_MCUが、バッテリパック駆動式ツール100の他の要因又は条件(例えば、トリガ150が引かれたかどうか、閾値に到達する経過アイドル時間など)に基づいて選択的に提供される。したがって、2つの電圧入力ピンを含むトリガスイッチ回路600の場合、それらの電圧入力ピンのうちの1つ又は両方への電力が、バッテリパック駆動式ツール100の静止電流を減少させるために選択的に無効化され得る。いくつかの実施形態では、第1の及び第2の供給電圧(例えば、ピン630におけるVDD_3V3及びピン605におけるVDD_3V3_MCU)は、同一のバッテリパック供給又は別個のバッテリパック供給から供給され得る。例えば、第1の供給電圧(例えば、ピン630におけるVDD_3V3)は、1つのバッテリパックから供給されてもよく、第2の供給電圧(例えば、ピン605におけるVDD_3V3_MCU)は、第2のバッテリパックから供給されてもよい。
【0048】
ピン605及びピン630における電圧供給は、具体的には電圧レギュレータ510、512から提供される必要はない。その代わりに、電圧は、例えば、処理ユニット455、コントローラ400、論理回路、又は電圧を出力する別の回路によって提供され得る。供給又はソーシング信号は、信号時間ドメインでは連続的又は不連続であってもよい。例えば、供給信号は、DC信号、AD信号、又は変調若しくは符号化された別の形式であってもよい。これは、製品が使用中でないときにより高い静止電流をもたらす、永続的に接続された供給電圧を利用した前の回路とは対照的である。
【0049】
動作中、バッテリパック駆動式ツール100は、例えば、バッテリパック収容キャビティ118内に、1つ又は複数のバッテリパック200を収容し得る。1つ又は複数のバッテリパック200は、バッテリパック駆動式ツール100及びその様々なコンポーネントに電力を提供し得る。バッテリパック200は、バッテリパック駆動式ツール100のサブ回路のそれぞれに電力を提供する1つ又は複数のスイッチ及び/又は電圧レギュレータと通信し得る。例えば、バッテリパック200は、処理ユニット455及びトリガ150/スイッチ415に電力供給するために電圧レギュレータ510、512に電力を提供し得る。電力は、バッテリパック駆動式ツール100のアクティブ化、例えば、トリガ150の作動に基づいて、オンデマンドで提供され得る。
【0050】
挿入されたバッテリパック200が、バッテリパック駆動式ツール100に接続されている間に枯渇又は損傷することを防止するために、本明細書に記載された電力管理システムは、バッテリパック駆動式ツール100の電流消費量を最小化するように実施され得る。本開示の電力管理システムは、図4及び図5に関して説明される回路設計を実施することによって、電流消費量を減少させ得る。バッテリパック駆動式ツール100は、使用中でない(例えば、トリガ150が解除された、経過アイドル時間に到達している、など)とき、処理ユニット455及びトリガ150/スイッチ415の組み合わせが、バッテリパック駆動式ツール100のそれぞれのサブ回路を無効化するために、1つ又は複数の制御ラインを経て無効化信号を送信し得る。同様に、バッテリパック駆動式ツール100が有効化されると、処理ユニット455及びトリガ150/スイッチ415の組み合わせが、バッテリパック駆動式ツール100のそれぞれのサブ回路を有効化するために1つ又は複数の制御ラインを経て有効化信号を送信し得る。
【0051】
図4に示されるように、処理ユニット455は、電圧レギュレータ510、512及び他のサブ回路のための制御ラインに連結され得る。トリガ150/スイッチ415は、いくつかのサブ回路のための制御ライン及び処理ユニット455へのトリガラインに連結され得る。トリガ150/スイッチ415のアクティブ化によって、信号が処理ユニット455に送信され得る。トリガ信号を受信することに応答して、処理ユニット455は、それらの回路をアクティブ化するために電圧レギュレータ510、512及び/又は他のサブ回路に有効化信号を送信し得る。
【0052】
図6は、バッテリパック駆動式ツール100のコントローラ400によって実行される方法700を示している。コントローラ400は、バッテリパック200から電圧信号を受信し、バッテリパック200がバッテリパック駆動式ツール100に連結されていると判定する(ステップ705)。コントローラ400は、バッテリパック駆動式ツール100の様々なモジュール又はコンポーネントに電力を提供する(ステップ710)。コントローラ400は、バッテリパック駆動式ツール100が使用中であるかどうかを判定する(ステップ715)。例えば、コントローラ400がトリガ150から信号を受信すると、コントローラ400は、トリガ150が引かれており、バッテリパック駆動式ツール100が使用中であると判定する。ステップ720において、バッテリパック駆動式ツール100が使用中である場合、バッテリパック駆動式ツールの1つ又は複数のサブ回路が有効化され得る(例えば、電圧レギュレータ510、512)(ステップ725)。例えば、コントローラ400がトリガ150からの信号の受信を停止すると、コントローラ400は、トリガ150が解除されており、バッテリパック駆動式ツール100が使用中でないと判定する。バッテリパック駆動式ツール100が使用中でないとき、バッテリパック駆動式ツールの1つ又は複数のサブ回路は、無効化され得る(ステップ730)。いくつかの実施形態では、定義された期間(例えば、時間閾値)が、トリガ150から信号を受信することなく経過した後、コントローラ400は、バッテリパック駆動式ツール100が使用中でないと判定する。
【0053】
本開示を、特定の好適な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、記載されている本開示の1つ又は複数の独立態様の範囲及び趣旨内に変形形態及び修正形態が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】