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特表2024-534553電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法、装置及びコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法、装置及びコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20240912BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20240912BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
H01M4/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518180
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2022085690
(87)【国際公開番号】W WO2023193213
(87)【国際公開日】2023-10-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】趙柏全
(72)【発明者】
【氏名】倪大軍
(72)【発明者】
【氏名】胡軍
(72)【発明者】
【氏名】謝険峰
(72)【発明者】
【氏名】常文
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA17
5H050DA20
5H050FA04
5H050GA28
5H050GA29
(57)【要約】
電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法、装置、コンピュータ装置、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品及び電池極板欠陥検出システムであって、該方法は、極板を撮影した極板画像を取得し、極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むことと、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することと、絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することと、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることとを含む。該方法は複合前極板絶縁コーティングの検出を実現し、絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否かを検出することができ、これにより、欠陥のある極板を直ちに廃棄し、検出の正確性が高く、積層設備の動作効率も向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法であって、
極板を撮影した極板画像を取得し、前記極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むことと、
前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することと、
前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することと、
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることとを含む、ことを特徴とする電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法。
【請求項2】
前記の、前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することは、
前記極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得することと、
前記初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、前記極板画像における絶縁コーティング領域を確定することと、
前記絶縁コーティング領域の検索によって、前記極板画像におけるタブ領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、前記極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得することは、
前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、前記初期位置決め極板エッジを得ることを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の、前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、前記初期位置決め極板エッジを得ることは、
前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行うことと、
所定の急変エッジを見つけた場合、エッジ検索に成功したと確定し、見つけた所定の急変エッジを前記初期位置決め極板エッジと確定することとを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の、前記初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、前記極板画像における絶縁コーティング領域を確定することは、
前記初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定し、前記目標絶縁コーティング領域において、前記極板画像における絶縁コーティング領域を抽出確定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記の、前記絶縁コーティング領域の検索によって、前記極板画像におけるタブ領域を確定することは、
前記絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することと、
前記目標タブ検出領域でタブ領域を検索抽出することとを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記の、前記絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することは、
前記絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することと、
前記初期位置決め絶縁エッジに基づいて、目標タブ検出領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記の、前記目標タブ検出領域においてタブ領域を検索抽出することは、
前記目標タブ検出領域内のタブの階調特徴に符合する領域を抽出し、初歩的なタブ領域を取得することと、
前記初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズによって、前記初歩的なタブ領域がタブであるか否かを確定し、そうであれば、タブ領域が得られたと確定することとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記の、前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することは、
前記タブ領域にエッジ検索を行い、タブエッジを取得することと、
前記タブエッジと予め設定された距離データに基づいて、極板エッジを取得し、前記予め設定された距離データはタブエッジと極板エッジとの距離データであることと、
前記初期位置決め極板エッジ、前記初期位置決め絶縁エッジ及び前記極板エッジに基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記の、前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、
前記欠陥検出領域における連通領域を抽出することと、
所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在する場合、欠陥が存在すると確定することとを含み、前記欠陥検出結果は、欠陥が存在する旨の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記の、前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、
前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとをさらに含み、前記欠陥検出結果は、欠陥が存在しない旨の情報と、前記コーティング領域のオフセット量とを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記極板画像は前記極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含み、
前記の、前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、
前記第1極板画像と前記第2極板画像とが対応する欠陥検出領域に、いずれも前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記極板画像は前記極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含み、前記の、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、
前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得することと、
前記第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを取得することと、
前記第1極板の仮想エッジと前記第1絶縁エッジに基づいて、第1絶縁コーティング領域幅を算出し、且つ前記第2極板の仮想エッジと前記第2絶縁エッジに基づいて、第2絶縁コーティング領域幅を算出することと、
前記第1絶縁コーティング領域幅と前記第2絶縁コーティング領域幅に基づいて、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記の、前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得することは、
前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索することと、
見つけたエッジ点に基づいてフィッティングして、前記第1極板の仮想エッジ及び前記第1絶縁エッジを得ることとを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得た後、該方法は、前記欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングすることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置であって、
極板を撮影した極板画像を取得し、前記極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むための画像取得モジュールと、
前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定するための画像分析モジュールと、
前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定するための領域抽出モジュールと、
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得るための欠陥分析モジュールとを含むことを特徴とする電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置。
【請求項17】
コンピュータプログラムを記憶するメモリと、プロセッサと、を含むコンピュータ装置であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
電池極板欠陥検出システムであって、画像取得装置及びホストコンピュータを含み、前記画像取得装置は極板を撮影して極板画像を取得し、且つ前記極板画像を前記ホストコンピュータに送信し、前記ホストコンピュータは請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に基づいて電池極板絶縁コーティング欠陥の検出を行うために用いられることを特徴とする電池極板欠陥検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池メンテナンス技術分野に関し、特に電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法、装置、コンピュータ装置、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品及び電池極板欠陥検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の進歩に伴い、リチウムイオン電池はすでに電気自動車に応用され、電気自動車の主要な動力エネルギーの一つとなっている。新エネルギー自動車産業の急速な発展は、リチウムイオン電池の安全性、環境保全、大電流充放電の使用性能などに対して高い要求を出している。大規模生産において、電池の性能を向上させるためには、リチウムイオン電池製造におけるコーティングプロセスが特に重要となる。
【0003】
従来の電池極板欠陥検出は表裏2組の画像センサを用いて画像を収集し、極板活物質コーティングから極板エッジまでの距離をそれぞれ取得し、計算によってコーティングのオフセット量を取得し、かつ制御システムと閉ループ制御を行い、オフセット量が規格値より小さくなるまでコーティング領域を調整する。従来の電池極板欠陥検出方案は、検出精度が低いという欠点がある。
【発明の概要】
【0004】
本出願の様々な実施例によれば、電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法、装置、コンピュータ装置、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品、及び電池極板欠陥検出システムが提供される。
【0005】
第1態様では、本出願は電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法を提供し、
極板を撮影した極板画像を取得し、極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むことと、
極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することと、
絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することと、
欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることとを含む。
【0006】
上記電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法は、極板を撮影して少なくとも一つの完全な極板を含む極板画像を取得し、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定し、さらに絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。最後に、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得る。該方法は複合前極板絶縁コーティングの検出を実現し、絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否かを検出することができ、これにより、欠陥のある極板を直ちに廃棄し、検出の正確性が高く、積層設備の動作効率を向上させる。
【0007】
1つの実施例では、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することは、極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得することと、初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を確定することと、絶縁コーティング領域の検索によって、極板画像におけるタブ領域を確定することとを含む。極板画像によって全画像エッジ検索及び再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を見つけ、さらに確定された絶縁コーティング領域に基づいて極板画像におけるタブ領域を見つけ、極板画像における異なる領域を次第に検索することを実現し、検出が正確で確実である。
【0008】
そのうちの一つの実施例では、極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得ることは、極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得ることを含む。極板画像からタブから遠ざかる側から徐々にタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを正確に検索することができる。
【0009】
そのうちの1つの実施例では、極板画像をタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得ることは、極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行うことと、所定の急変エッジを見つけた場合、エッジ検索に成功したと確定し、見つけた所定の急変エッジを初期位置決め極板エッジと確定することとを含む。極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行う時、所定の急変エッジを見つけることができるどうかを分析し、所定の急変エッジを見つけると初期位置決め極板エッジとし、エッジ検索の正確性をさらに向上させる。
【0010】
そのうちの1つの実施例では、初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を確定することは、初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定し、目標絶縁コーティング領域において極板画像における絶縁コーティング領域を抽出確定することを含む。初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定した後、さらに目標絶縁コーティング領域に基づいて極板画像における絶縁コーティング領域を抽出し、絶縁コーティング領域を迅速に発見することを容易にする。
【0011】
そのうちの1つの実施例では、絶縁コーティング領域の検索によって、極板画像におけるタブ領域を確定することは、絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することと、目標タブ検出領域においてタブ領域を検索抽出することとを含む。絶縁コーティング領域と合わせて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定した後、目標タブ検出領域に基づいてタブ領域を検索し、同様に迅速にタブ領域を発見することを容易にする。
【0012】
そのうちの1つの実施例では、絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することは、絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することと、初期位置決め絶縁エッジに基づいて、目標タブ検出領域を確定することとを含む。絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することによって、初期位置決め絶縁エッジと合わせて目標タブ検出領域を選択し、目標タブ検出領域を迅速かつ正確に確定することができる。
【0013】
そのうちの1つの実施例では、目標タブ検出領域内においてタブ領域を検索抽出することは、目標タブ検出領域内のタブの階調特徴に符合する領域を抽出し、初歩的なタブ領域を取得することと、初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズによって、初歩的なタブ領域がタブであるか否かを確定し、そうであれば、タブ領域が得られたと確定することとを含む。タブの階調特徴と合わせて目標タブ検出領域に初歩的な選別を行って初歩的なタブ領域を確定し、さらに初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズと合わせてタブ領域を見つけるかどうかを分析し、タブ領域の検索正確性を確保することができる。
【0014】
そのうちの一実施例では、絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することは、タブ領域にエッジ検索を行い、タブエッジを取得することと、タブエッジと予め設定された距離データに基づいて、極板エッジを取得し、予め設定された距離データはタブエッジと極板エッジとの距離データであることと、初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ及び極板エッジに基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することとを含む。タブ領域を検索した後、タブエッジ及び予め設定された距離データと合わせて極板エッジを確定し、さらに初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ及び極板エッジに基づいて、絶縁コーティング領域内の欠陥検出領域を正確に検索することができ、後続の欠陥検出を行うことを容易にする。
【0015】
そのうちの1つの実施例では、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、欠陥検出領域における連通領域を抽出することと、所定の欠陥領域に類似する連通領域が存在する場合、欠陥が存在すると確定することとを含み、欠陥検出結果は、欠陥が存在する旨の情報を含む。欠陥検出領域における連通領域を抽出して所定の欠陥領域と比較することにより、欠陥検出領域に欠陥が存在するか否かを分析し、検出が正確かつ効率的である。
【0016】
そのうちの1つの実施例では、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとをさらに含み、欠陥検出結果は、欠陥が存在しない旨の情報と、コーティング領域のオフセット量とを含む。絶縁コーティング領域の欠陥検出領域に欠陥が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量も算出して、極板の両面の絶縁コーティング領域の寸法幅が一致しているか否かを分析するために用いられ、寸法異常がある極板を廃棄し、電池極板の欠陥検出精度をさらに向上させる。
【0017】
そのうちの一つの実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、第1極板画像と第2極板画像とが対応する欠陥検出領域に、いずれも所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することを含む。極板の両面を撮影した極板画像と合わせて、それぞれ対応する欠陥検出領域に欠陥が存在するか否かを検出し、二つの極板画像の欠陥検出領域にいずれも欠陥が存在しないと確定した時、極板のコーティング領域のオフセット量を算出し、極板絶縁コーティング領域の欠陥検出精度を向上させる。
【0018】
そのうちの一つの実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得することと、第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを取得することと、第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジに基づいて、第1絶縁コーティング領域幅を算出し、且つ第2極板の仮想エッジと第2絶縁エッジに基づいて、第2絶縁コーティング領域幅を算出することと、第1絶縁コーティング領域幅と第2絶縁コーティング領域幅に基づいて、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとを含む。二つの極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域と合わせてエッジ検索を行い、対応する極板の仮想エッジ及び絶縁エッジを見つけ、さらに極板の仮想エッジ及び絶縁エッジに基づいて二つの極板画像における絶縁コーティング領域幅を算出し、最後に二つの極板画像における絶縁コーティング領域幅に基づいて、極板のコーティング領域のオフセット量を正確に算出することができる。
【0019】
そのうちの1つの実施例では、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジを取得することは、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索することと、検索されたエッジ点に基づいてフィッティングして、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを得ることとを含む。絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索し、さらに検索したエッジ点と合わせてフィッティングを行って極板の仮想エッジと絶縁エッジを確定し、極板の仮想エッジと絶縁エッジの検索成功率を向上させる。
【0020】
そのうちの一実施例では、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得た後、該方法は、欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングすることをさらに含む。欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングし、欠陥検出結果を具体的な極板にバインディングすることを実現し、後続の極板の廃棄などの操作にデータサポートを提供する。
【0021】
第2態様では、本出願は電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置を提供し、
極板を撮影した極板画像を取得し、極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むための画像取得モジュールと、
極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定するための画像分析モジュールと、
絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定するための領域抽出モジュールと、
欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得るための欠陥分析モジュールとを含む。
【0022】
第3態様では、本出願は、コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、コンピュータプログラムを実行すると、上記方法のステップを実行するプロセッサとを含むコンピュータ装置を提供する。
【0023】
第4態様では、本出願は、プロセッサによって実行されると、上述の方法のステップを実行するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0024】
第5態様では、本出願は、プロセッサによって実行されると、上述の方法のステップを実現するコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0025】
第6態様では、本出願は電池極板欠陥検出システムを提供し、画像取得装置及びホストコンピュータを含み、画像取得装置は極板を撮影して極板画像を取得し、且つ極板画像をホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータは上記方法に基づいて電池極板絶縁コーティング欠陥の検出を行うために用いられる。
【0026】
本出願の1つ又は複数の実施例の詳細を、以下の図面及び説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の実施例又は従来技術の技術的技術案をより明瞭に説明するために、実施例又は従来技術の説明において必要とされる図面が、以下に簡単に紹介されるが、以下の記述における図面は、本出願の幾つかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労力を伴わずに、これらの図に基づいて他の図面を得ることが可能であることは明らかである。
【0028】
図1】一実施例における電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法のフローチャートである。
図2】一実施例における、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定するフローチャートである。
図3】一実施例における、極板画像をタブから遠ざかる側からタブに接近する方向へ全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得するフローチャートである。
図4】一実施例における、絶縁コーティング領域の検索によって、極板画像におけるタブ領域を確定するフローチャートである。
図5】一実施例における、絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定するフローチャートである。
図6】一実施例における、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得るフローチャートである。
図7】一実施例における極板のコーティング領域のオフセット量を算出するフローチャートである。
図8】一実施例における電池極板絶縁コーティング欠陥検出ハードウェアのレイアウトを示す図である。
図9】一実施例におけるカメラの撮像を示す図である。
図10】一実施例におけるオフセット量の算出方式を示す図である。
図11】一実施例における電池極板絶縁コーティング欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
図12】一実施例におけるコンピュータ装置の内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本出願の保護範囲が制限されるものではない。
【0030】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術と科学用語は、本出願の当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0031】
本願の実施例の説明では、用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は示唆する、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序又は主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本出願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は二つ以上を意味する。
【0032】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各位置での該フレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0033】
本願の実施例の説明において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つの場合を表してもよい。また、本文における「/」という文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0034】
本願の実施例の説明において、「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、2つ以上のグループ(2つのグループを含む)を指し、「複数の片」は、2つ以上の片(2つの片を含む)を指す。
【0035】
本願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本願の実施例の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではなく、本願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0036】
本願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、取り外し可能に接続されていてもよいし、又は一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0037】
科学技術の発展と社会の進歩に伴い、動力電池の応用分野は絶えず拡大し、電動自転車、電動オートバイ、電気自動車などの電動交通機関だけでなく、軍事装備と航空宇宙などの多くの分野にも応用されている。動力電池は工具に動力源を提供する電源であり、多くは弁口密封式鉛酸蓄電池、開放式管式鉛酸蓄電池及びリン酸鉄リチウム蓄電池を採用し、高エネルギーと高出力、高エネルギー密度などの特徴を有する。従来の電池極板欠陥検出は表裏2組の画像センサを用いて画像を収集し、極板活物質コーティングから極板エッジまでの距離をそれぞれ取得し、計算によってコーティングのオフセット量を取得し、かつ制御システムと閉ループ制御を行い、オフセット量が規格値より小さくなるまでコーティング領域を調整する。従来の欠陥検出方法は前プロセスの塗布セグメント/ダイカットセグメント検出にあり、塗布セグメント検出及びコーティング領域のオフセット量検出のみに関し、極板の積層セルの作製前の検出を欠け、輸送過程における損傷を有効に管理できず、データを正確に具体的な極板及びセルにバインディングすることができない。これに基づいて、本出願は電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法を提供し、極板を撮影して少なくとも一つの完全な極板を含む極板画像を取得し、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定し、さらに絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。最後に、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得る。該方法は複合前極板の絶縁コーティングの検出を実現し、絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否か、タブに欠陥が存在するか否か及び極板の両面の絶縁コーティング領域の寸法の幅が一致しているか否かを正確に検出することができ、複合前に検出して設備と連動して欠陥及び寸法異常が存在する極板を直ちに廃棄することができ、設備の動作効率を向上させる。
【0038】
本出願の実施例が提供する電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法は、電池生産ライン設備の運行過程に応用することができ、例えば積層、巻回又は塗布プロセスにおいて電池極板絶縁コーティングに欠陥検出を行う。そのうち、電池極板の絶縁コーティングは、具体的にはセラミックコーティング、アルミナコーティングなどとすることができ、セラミックコーティングは、炭化ケイ素セラミックス又は窒化ケイ素セラミックスを採用することができる。積層設備に材料ロールの輸送過程にある極板に電池極板絶縁コーティング欠陥の検出を行う例として、下部陰極カメラステーション及び上部陰極カメラステーションに、いずれも極板ストリップの両側にカメラを設置し、両側のカメラによって極板ストリップの陰極板を撮影して極板画像を取得し、極板画像を処理することによって、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定し、絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することができる。最後に、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得る。さらに、欠陥検出は絶縁コーティング領域のオフセット量、欠陥、タブ欠陥検出及びデータバインディング記憶を含み、積層設備での陰極複合前に陰極絶縁コーティング片側のタブ欠陥、絶縁コーティング領域欠陥及び寸法の検出を実現する。なお、本願実施例に係る電池は、車両、船舶又は航空機等の電力消費装置に適用可能であるが、これに限定されない。
【0039】
一実施例では、電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法を提供し、複合前陰極板の絶縁コーティング欠陥の検出に適用する。図1に示すように、該方法は以下を含む:
ステップS100:極板を撮影した極板画像を取得する。
【0040】
極板画像には、少なくとも1つの完全な極板が含まれている。ここでは、1つの完全な極板は1つの完全なタブを含み、かつタブを基礎として両側に一定の範囲拡張し、拡張の具体的な範囲値は極板の実際の製品寸法によって設定することができる。具体的には、同じく積層設備上の極板に対する欠陥検出を例として、画像取得装置によって積層設備の材料ロール輸送過程にある極板を撮影して少なくとも1つの完全な極板を含む極板画像を取得し、その後、極板画像をホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータに後続して画像処理を行う。そのうち、画像取得装置はカメラグループ、センサ及びコントローラを含み、上記陰極カメラステーションを例に、カメラグループ内の二つのカメラを上部陰極カメラステーションの極板テープの両側に設置することができ、コントローラはセンサによってタブが感知されたと判断した後にカメラをトリガして写真を撮影し、又は極板テープの伝送速度と合わせてカメラを制御して周期的に撮影を行い、カメラで撮影した極板画像をホストコンピュータにアップロードする。また、各カメラに対して光源を設置し、環境の明るさを確保してカメラがよりよく画像収集を行うのに便利である。そのうち、コントローラはPLC(Programmable Logic Controller、プログラマブル論理コントローラ)、MCU(Micro Control Unit、マイクロコントローラユニット)などであり、カメラはCCD(Charge Coupled Device、電荷結合素子)カメラであり、センサは光電式誘導センサであり、ホストコンピュータは各種パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットPC、ポータブルウェアラブルデバイスであってもよいが、それらに限らなく、ポータブルウェアラブルデバイスはスマートウォッチ、スマートブレスレット、ヘッドセットなどであってもよい。
【0041】
さらに、極板を撮影する前に、さらに両側のカメラに連合校正を行って較正モデルを生成し、2つのカメラの座標を一致させ、後続の表裏の極板画像の寸法計算を行い、極板のコーティング領域のオフセット量の計算が正確であることを確保することを容易にする。また、カメラが極板画像を撮影した後、コントローラは現在の極板の極板識別情報を一緒にホストコンピュータに送信し、それによりホストコンピュータが欠陥検出結果と極板識別情報をバインディングして記憶する。
【0042】
ステップS200:極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定する。
【0043】
ここで、絶縁コーティング領域とは、極板画像における絶縁材料コーティングが位置する領域を指し、タブ領域とは、極板画像におけるタブが位置する領域を指す。具体的には、ホストコンピュータは極板画像を取得した後、極板画像の画像データを分析し、画像データと合わせて画像処理を行い、極板画像における絶縁コーティング領域とタブ領域を検索する。ここでは、画像データは具体的には階調値であってもよく、極板画像における各画素点の階調値を結合することによって、極板画像に対して階調差値、エッジ検索などの方式によって処理検出を行い、極板画像における絶縁コーティング領域とタブ領域を見つける。ホストコンピュータが極板画像に対する処理検出の方式は唯一ではなく、具体的には極板ストリップ上の極板の配置方式によって、予めホストコンピュータに画像検出の方向を保存する。例えば、図9に示すように、撮影した極板画像において、右から左に向かって、現在の極板の活物質コーティング領域103、絶縁材料コーティング領域及び極板タブであれば、ホストコンピュータは、極板画像に対して右から左に向かって、階調差値及びエッジファインダーを行い、極板画像における絶縁コーティング領域107及びタブ領域104を順次見つける。
【0044】
ステップS300:絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。
【0045】
ここでは、欠陥検出領域は現在の極板の絶縁コーティングに欠陥検出を行う目標領域である。具体的には、ホストコンピュータは極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を検索した後、タブ領域に基づいて異なる極板の間の画像境界を見つけ、さらに絶縁コーティング領域及び極板の画像境界と合わせて極板画像における現在の極板の絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定し、後で現在の極板の絶縁コーティングに欠陥検出を行う目標領域とする。
【0046】
ステップS400:欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得る。
【0047】
それに対応して、現在極板の絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定した後、ホストコンピュータは予め設定された欠陥領域情報と合わせて欠陥検出領域に欠陥検索を行い、欠陥検出領域には欠陥領域情報に一致する欠陥があるか否かを判断し、さらに現在極板の絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否かの欠陥検出結果を取得する。
【0048】
さらに、一実施例では、ステップS400の後に、該方法は、欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングすることをさらに含む。具体的には、極板識別情報とは、極板を一意に確定できる情報であり、極板識別情報の種類は一意ではなく、具体的には、極板の番号や識別コードなどであってもよい。ホストコンピュータは欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングした後、ローカルデータベースに記憶してもよいし、画像取得装置中のコントローラに送信してもよい。欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングすることによって、欠陥検出結果を具体的な極板にバインディングすることを実現し、後続の極板の廃棄などの操作にデータサポートを提供する。
【0049】
上記電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法は、極板を撮影して少なくとも一つの完全な極板を含む極板画像を取得し、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定し、さらに絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。最後に、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得る。該方法は複合前極板絶縁コーティングの検出を実現し、絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否かを検出することができ、これにより、欠陥のある極板を直ちに廃棄し、検出の正確性が高く、積層設備の動作効率を向上させる。
【0050】
一実施例では、図2に示すように、ステップS200は、ステップS210~ステップS230を含む。
【0051】
ステップS210:極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得する。
【0052】
具体的には、ホストコンピュータは極板の異なる領域の配列位置と合わせて、相応する方向に応じて極板画像に全画像エッジ検索を行い、極板画像における初期位置決め極板エッジを見つける。一実施例では、ステップS210は、極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得ることを含む。図9に示すように、同じく極板画像において右から左へ順に現在の極板の活物質コーティング領域103、絶縁材料コーティング領域と極板タブを例として、ホストコンピュータは全画像エッジ検索を行い、極板画像に対して右から左へ初期位置決め極板エッジ106を検索する。極板画像からタブから遠ざかる側から徐々にタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行うことにより、初期位置決め極板エッジを正確に検索することができる。
【0053】
ステップS220:初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を確定する。対応して、ホストコンピュータは極板画像における初期位置決め極板エッジ106を確定した後、初期位置決め極板エッジ106に基づいて引き続きタブに接近する方向に領域再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域107を見つける。
【0054】
ステップS230:絶縁コーティング領域の検索によって、極板画像におけるタブ領域を確定する。ホストコンピュータは、極板画像における絶縁コーティング領域107を見つけた後、絶縁コーティング領域107に基づいてタブに接近する方向に検索を続け、極板画像中のタブ領域104を見つける。
【0055】
上記実施例では、極板画像によって全画像エッジ検索及び再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を見つけ、さらに確定された絶縁コーティング領域に基づいて極板画像におけるタブ領域を見つけ、極板画像における異なる領域を徐々に検索することを実現し、検出が正確で確実である。
【0056】
さらに、一実施例では、図3に示すように、ステップS210において、極板画像を、タブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得ることは、ステップS212及びステップS214を含む。
【0057】
ステップS212:極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行う。これに対応して、同様に極板画像を右から左に全画像エッジ検索する例を挙げると、ホストコンピュータは極板画像の異なる画素点の階調値に合わせて右から左へ最初の黒から白へ急変する所定の急変エッジを検索。ここでは、極板画像に等間隔でN個(具体的な数値設定可能)の画像左側から右側まで延伸する検索フレームを設置することができ、各検索フレームは1つのエッジ点の検出を担当する。各検索フレームに対して右から左へ画素点を走査し、第1階調値が設定程度に変化したエッジ点を探し、次にすべての検索フレームで検索したエッジ点を直線フィッティングアルゴリズムを利用して一直線にフィッティングできるか否か、及びフィッティング済みの直線と極板画像の上エッジとの夾角が設定範囲内(例えば85°から95°の間)であるか否かを判断し、極板画像上辺との夾角が設定範囲内の直線を見つけることができれば、所定の急変エッジが見つかったと考える。
【0058】
ステップS214:所定の急変エッジを見つけた場合、エッジ検索に成功したと確定し、見つけた所定の急変エッジを初期位置決め極板エッジと確定する。所定の急変エッジを見つけることができれば、ホストコンピュータはエッジ検索成功と判定し、見つけた所定の急変エッジを初期位置決め極板エッジと確定する。
【0059】
上記実施例では、極板画像をタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に向かって全画像エッジ検索を行う時、所定の急変エッジを見つけられるかどうかを分析し、所定の急変エッジを見つけると初期位置決め極板エッジとし、エッジ検索の正確性をさらに向上させる。
【0060】
さらに、一実施例では、該方法は、所定の急変エッジが見つからない場合、エッジ検索に成功していないと判断し、極板エッジ検索不成功情報を極板識別情報にバインディングすることをさらに含む。極板エッジ検索に成功していない場合、後続の領域検索操作を行う必要がなく、電池極板絶縁コーティング欠陥検出が終了し、極板エッジ検索不成功情報を極板識別情報とバインディングしてからローカルデータベースに保存し又はコントローラに送信する。
【0061】
一実施例では、ステップS220は、初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定し、目標絶縁コーティング領域において極板画像における絶縁コーティング領域を抽出確定することを含む。
【0062】
具体的には、ホストコンピュータは、極板の絶縁コーティング領域サイズを予め保存し、図9に示すように、右から左へ極板画像における初期位置決め極板エッジ106を検索した後、初期位置決め極板エッジ106から左側へ絶縁コーティング領域を再位置決めを行い、初期位置決め極板エッジの左側に絶縁コーティング領域サイズ以上の検出関心領域を確定し、目標絶縁コーティング領域とする。さらに、ホストコンピュータは、目標絶縁コーティング領域に基づいて領域抽出を行い、例えば、Blobアルゴリズムによって抽出して極板画像における絶縁コーティング領域107を得る。ここで、コンピュータビジョンにおけるBlobは画像中の連通領域を指し、Blobアルゴリズムは画像前景/背景分離後の2値画像に対して、連通領域抽出と標識を行う。2値画像における連通領域の分析によって抽出して極板画像における絶縁コーティング領域を得る。
【0063】
上記実施例では、初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定した後、さらに目標絶縁コーティング領域に基づいて極板画像における絶縁コーティング領域を抽出し、絶縁コーティング領域を迅速に見つけることを容易にする。
【0064】
一実施例では、図4に示すように、ステップS230は、ステップS232及びステップS234を含む。
【0065】
ステップS232:絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定する。ここで、ホストコンピュータは、極板画像における絶縁コーティング領域を確定した後、絶縁コーティング領域に基づいて引き続きタブに接近する方向に領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定する。
【0066】
一実施例では、ステップS232は、絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することと、初期位置決め絶縁エッジに基づいて、目標タブ検出領域を確定することとを含む。具体的には、図9に示すように、ホストコンピュータは、極板画像における絶縁コーティング領域107を見つけた後、絶縁コーティング領域107をタブ方向のエッジに近づけ、具体的には、絶縁コーティング領域107の最も左側に位置するエッジを絶縁コーティング領域107の初期位置決め絶縁エッジ105とする。さらに、ホストコンピュータはさらに極板のタブ寸法を予め保存し、取得した初期位置決め絶縁エッジ105の位置によって再位置決めを行い、初期位置決め絶縁エッジ105の左側にタブ寸法より大きいか又は等しいタブ検出枠を確定し、目標タブ検出領域とする。セラミックコーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することによって、初期位置決め絶縁エッジと合わせて目標タブ検出領域を選択し、目標タブ検出領域を迅速かつ正確に確定することができる。
【0067】
さらに、一実施例では、該方法は、絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジの抽出に成功しない場合、絶縁エッジ検索不成功情報を極板識別情報にバインディングすることをさらに含むことができる。初期位置決め絶縁エッジ検索に成功しなければ、同様に後続の操作を行う必要がなく、電池極板絶縁コーティング欠陥検出が終了し、絶縁エッジ検索不成功情報を極板識別情報とバインディングしてからローカルデータベースに保存し又はコントローラに送信する。
【0068】
ステップS234:目標タブ検出領域においてタブ領域を検索抽出する。ホストコンピュータは、目標タブ検出領域を確定した後、目標タブ検出領域内の画像を解析し、タブ領域を抽出して得る。
【0069】
一実施例では、ステップS234は、目標タブ検出領域内のタブの階調特徴に符合する領域を抽出し、初歩的なタブ領域を取得することと、初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズによって、初歩的なタブ領域がタブであるか否かを確定し、そうであれば、タブ領域が得られたと確定することとを含む。具体的には、ホストコンピュータは、目標タブ検出領域内の画像に対して2値化処理を行い、2値化処理後の画像に対して階調値分析を行い、タブの階調特徴に合致する領域を初歩タブ領域として抽出する。さらに、ホストコンピュータはさらに予め設定されたタブ特徴パラメータと合わせて初歩的タブ領域の領域形状と領域サイズを分析し、初歩的タブ領域がタブであるか否かを判断する。初歩的タブ領域がタブである場合、タブ領域104を見つける。そのうち、タブ特徴パラメータは、タブ形状とサイズなどのパラメータを含んでもよく、初歩的タブ領域の領域形状、領域サイズが予め設定されたタブ形状、サイズと同じであれば、又は差が予め設定した許容範囲内であれば、初歩タブ領域の領域形状と領域サイズがタブ特徴パラメータと一致すると考え、初歩的タブ領域をタブと確定する。タブの階調特徴と合わせて目標タブ検出領域に初歩的な選別を行って初歩的なタブ領域を確定し、さらに初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズと合わせてタブ領域を見つけたかどうかを分析し、タブ領域の検索正確性を確保することができる。
【0070】
上記実施例では、絶縁コーティング領域と合わせて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定した後、目標タブ検出領域に基づいてタブ領域を検索し、同様に迅速にタブ領域を発見することを容易にする。
【0071】
さらに、一実施例では、該方法は、初歩的タブ領域がタブではないと確定した場合、タブ不存在情報を極板識別情報とバインディングすることをさらに含むことができる。タブが存在しない場合、同様に後続の操作を行う必要がなく、電池極板絶縁コーティング欠陥検出が終了し、タブ不存在情報を極板識別情報とバインディングしてからローカルデータベースに保存し又はコントローラに送信する。
【0072】
一実施例では、図5に示すように、ステップS300は、ステップS310~S330を含む。
【0073】
ステップS310:タブ領域にエッジ検索を行い、タブエッジを取得する。タブ領域を検索した後、ホストコンピュータはタブ領域において初期位置決め絶縁エッジと平行な方向に沿ってエッジ検索を行い、タブエッジを検索ことができる。図9に示すように、同じく極板画像を右から左へ徐々に初期位置決め極板エッジ106と初期位置決め絶縁エッジ105を検索することを例にとって、ホストコンピュータはタブ領域104に対して上下方向に、タブエッジをエッジ検索アルゴリズムによってエッジ検索し、タブの上エッジ110と下エッジ111を見つける。具体的には、まずタブ領域104の位置に応じて、タブ領域104の上下エッジ位置に二つのタブエッジのエッジ検索フレームを確定し、次に各エッジ検索フレーム内に上下方向に画素点を走査し、階調値が予め設定された程度まで変化するエッジ点を探し、同一のフレーム内に見つけた複数のエッジ点をフィッティングして一直線を得ると、該エッジ検索フレーム内のタブエッジの検索に成功する。
【0074】
ステップS320:タブエッジ及び予め設定された距離データに基づいて、極板エッジを得る。ここでは、予め設定された距離データはタブエッジと極板エッジの距離データであり、予め設定された距離データの具体的な値は実際の製品における極板エッジとタブエッジの距離によって設定することができる。具体的には、図9に示すように、極板エッジは極板の上エッジ112と極板の下エッジ113を含み、タブエッジを見つけた後、タブの上エッジ110の位置に予め設定された距離データを加えると極板の上エッジ112を見つけることができ、タブの下エッジ111の位置に予め設定された距離データを加えると極板の下エッジ113を見つけることができる。
【0075】
ステップS330:初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ及び極板エッジに基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。したがって、ホストコンピュータは、初期位置決め極板エッジ106、初期位置決め絶縁エッジ105、極板の上エッジ112、及び極板の下エッジ113を確定した後、4つのエッジを組み合わせてフィッティングして現在の極板の絶縁コーティング領域107の欠陥検出領域を生成する。
【0076】
上記実施例では、タブ領域を見つけた後、タブエッジ及び予め設定された距離データと合わせて極板エッジを確定し、さらに初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ及び極板エッジに基づいて、絶縁コーティング領域内の欠陥検出領域を正確に検索することができ、後続の欠陥検出を行うことを容易にする。
【0077】
さらに、一実施例では、該方法は、タブ領域のエッジ検索に成功しなければ、タブエッジ検索不成功情報を極板識別情報にバインディングして出力することをさらに含む。タブ領域のエッジ検索に成功しなければ、同様に後続の操作を行う必要がなく、電池極板絶縁コーティング欠陥検出が終了し、タブエッジ検索不成功情報を極板識別情報とバインディングしてローカルデータベースに保存し又はコントローラに送信する。
【0078】
一実施例では、図6に示すように、ステップS400は、ステップS410及びステップS420を含む。
【0079】
ステップS410:欠陥検出領域における連通領域を抽出する。ここで、連通領域とは、欠陥検出領域における階調値が全て同一設定範囲内であり、かつ隣接する画素点の集合である。現在の極板の絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定した後、ホストコンピュータは同様に欠陥検出領域に対してBlobアルゴリズム処理を行い、処理後の2値画像における連通領域を取得する。
【0080】
ステップS420:所定の欠陥領域に類似する連通領域が存在する場合、欠陥が存在すると確定する。欠陥検出結果は、欠陥が存在する旨の情報を含む。予め極板の絶縁コーティング領域に実際に発生する可能性のある欠陥に基づいて、対応する所定の欠陥領域情報を生成してホストコンピュータに保存することができ、所定の欠陥領域情報は、所定の欠陥領域の位置、形状及びサイズなどの情報を含むことができ、ホストコンピュータは、所定の欠陥領域情報と合わせて、欠陥検出領域の連通領域と所定の欠陥領域とが類似するか否かを分析し、例えば、欠陥検出領域の連通領域と所定の欠陥領域との位置、形状、及びサイズでの類似度が、対応する設定閾値より大きければ、当該連通領域が所定の欠陥領域と類似しているとみなして、欠陥検出領域に欠陥が存在すると確定する。
【0081】
上記実施例では、欠陥検出領域における連通領域を抽出して所定の欠陥領域と比較することにより、欠陥検出領域に欠陥が存在するか否かを分析し、検出が正確かつ効率的である。
【0082】
なお、現在の極板の絶縁コーティング領域に欠陥があるか否かを検出する際には、2つのカメラでそれぞれ極板の複合面と非複合面とを撮像して得た2枚の極板画像から、2枚の極板画像を同期解析し、2つの極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定し、さらに、2つの極板画像中の欠陥検出領域に所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在するか否かを検出し、両極板画像中の欠陥検出領域のいずれにも所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、 現在の極板の絶縁コーティング領域に欠陥が存在しないと考えられる。一方又は両方の極板画像の欠陥検出領域に所定の欠陥領域と類似する連通領域が検出された場合、現在の極板の絶縁コーティング領域に欠陥が存在すると考えられる。
【0083】
他の実施例では、上記方法はまずステップS100~ステップS400によって、そのうちの一方の極板画像に画像解析を行い、該極板画像中の欠陥検出領域を見つけ且つ所定の欠陥領域に類似する連通領域が存在するか否かを分析し、存在する場合、現在の極板の絶縁コーティング領域に欠陥が存在すると考えられ、他方の極板画像を分析する必要はない。存在しない場合には、ステップS100~ステップS400を経て、別の極板画像における欠陥検出領域を見つけ出し、所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在するか否かを分析する。他方の極板画像における欠陥検出領域にも、所定の欠陥領域と同様の連通領域が存在しない場合、現在の極板の絶縁コーティング領域に欠陥が存在しないと考えられ、反対に、現在の極板の絶縁コーティング領域にも欠陥が存在すると考えられる。また、所定の欠陥領域に欠陥が存在すると確定された場合、ホストコンピュータは、欠陥存在情報を極板識別情報にバインディングしてからローカルデータベースに記憶し、又はコントローラに送信する。
【0084】
さらに、一実施例では、ステップS400は、所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量を算出するステップS430とをさらに含む。欠陥検出結果は、欠陥が存在しない旨の情報と、コーティング領域のオフセット量とを含む。具体的には、現在極板を撮影した2枚の極板画像における欠陥検出領域のいずれにも所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、現在極板の絶縁コーティングに欠陥がないと考えられ、両極板画像と合わせて現在極板のコーティング領域のオフセット量を算出する。また、ホストコンピュータは、欠陥が存在しない旨の情報とコーティング領域のオフセット量を、極板識別情報にバインディングしてからローカルデータベースに記憶し、又はコントローラに送信することもできる。
【0085】
上記実施例では、絶縁コーティング領域の欠陥検出領域に欠陥が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量も算出して、極板の両面の絶縁コーティング領域の寸法幅が一致しているか否かを分析するために用いられ、寸法異常がある極板を廃棄し、電池極板の欠陥検出精度をさらに向上させる。
【0086】
一実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。ステップS430は、第1極板画像と第2極板画像とが対応する欠陥検出領域に、いずれも所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することを含む。ここでは、第1極板画像及び第2極板画像はすなわちそれぞれ現在の極板の複合面と非複合面に対して撮影した極板画像であり、二つの極板画像中の欠陥検出領域にも予定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合、ホストコンピュータは現在の極板の絶縁コーティングに欠陥が存在しないと判定し、極板のコーティング領域のオフセット量を算出する。極板の両面を撮影した極板画像と合わせて、それぞれ対応する欠陥検出領域に欠陥が存在するか否かを検出し、二つの極板画像の欠陥検出領域にいずれも欠陥が存在しないと確定した時、極板のコーティング領域のオフセット量を算出し、極板絶縁コーティング領域の欠陥検出精度を向上させる。
【0087】
さらに、一実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。図7に示すように、ステップS430において極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、ステップS432~ステップS438を含む。
【0088】
ステップS432:第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得する。具体的には、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定し、欠陥検出領域に所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しないと判断した場合、欠陥検出領域に対してエッジ検索を行い、第1極板画像における第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジとを見つける。
【0089】
一実施例では、ステップS432は、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索することと、検索されたエッジ点に基づいてフィッティングして、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを得ることとを含む。具体的には、現在の極板の第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域に基づいて、初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ、極板の上エッジ及び極板の下エッジに基づいて一つの現在の極板の絶縁エッジのエッジ検索フレーム及び極板仮想エッジのエッジ検索フレームを確定し、次にそれぞれ絶縁エッジのエッジ検索フレーム及び極板仮想エッジのエッジ検索フレーム内にエッジ検索アルゴリズムによってエッジ検索を行い、二つのエッジ検索フレーム内のエッジ点を見つけ、さらに各エッジ検索フレーム内のエッジ点に基づいてフィッティングを行い、対応的に第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得する。絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索し、さらに検索したエッジ点と合わせてフィッティングを行って極板の仮想エッジと絶縁エッジを確定し、極板の仮想エッジと絶縁エッジの検索成功率を向上させる。
【0090】
さらに、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索した後、該方法は、エッジ点をフィルタリング除去するステップを更に含むことができ、これにより異常なエッジ点をフィルタリング除去し、続いてフィルタリング除去後に残ったエッジ点と合わせてフィッティングを行い、対応的に第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジを得る。ここで、エッジ点をフィルタリング除去する方式は一意ではなく、具体的には、フィッティングアルゴリズムによってエッジ点をフィルタリング除去することができ、例えば、各エッジ点の位置と合わせて加重最小二乗法を用いて異常なエッジ点をフィルタリング除去することができる。
【0091】
ステップS434:第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを取得する。なお、第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域をエッジ検索し、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを求める方法は、ステップS432と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0092】
ステップS436:第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジに基づいて、第1絶縁コーティング領域幅を算出し、且つ第2極板の仮想エッジと第2絶縁エッジに基づいて、第2絶縁コーティング領域幅を算出する。第1極板画像における第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジ、及び第2極板画像における第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを見つけた後、ホストコンピュータは第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジとの間の距離を算出し、第1極板画像における絶縁コーティング領域幅、すなわち第1絶縁コーティング領域幅を取得する。ホストコンピュータは第2極板の仮想エッジと第2絶縁エッジとの間の距離を算出し、第2極板画像における絶縁コーティング領域幅、すなわち第2絶縁コーティング領域幅を取得する。
【0093】
ステップS438:第1絶縁コーティング領域幅と第2絶縁コーティング領域幅に基づいて、極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとを含む。対応的に、ホストコンピュータは第1絶縁コーティング領域幅と第2絶縁コーティング領域幅とを減算し、得られた差は現在の極板のコーティング領域のオフセット量である。
【0094】
上記実施例では、二つの極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域と合わせてエッジ検索を行い、対応する極板の仮想エッジ及び絶縁エッジを見つけ、さらに極板の仮想エッジ及び絶縁エッジに基づいて二つの極板画像における絶縁コーティング領域幅を算出し、最後に二つの極板画像における絶縁コーティング領域幅に基づいて、極板のコーティング領域のオフセット量を正確に算出することができる。
【0095】
さらに、一実施例では、該方法は、エッジ点が見つからない場合、エッジ点検索不成功情報を極板識別情報にバインディングして出力することをさらに含むことができる。第1極板画像又は第2極板画像中の欠陥検出領域のエッジ点の検索に成功しなければ、同様に後続操作を行う必要がなく、電池極板絶縁コーティング欠陥検出が終了し、エッジ点検索不成功情報を極板識別情報とバインディングしてローカルデータベースに保存し又はコントローラに送信する。
【0096】
上述の電池極板の絶縁コーティング欠陥の検出方法をよりよく理解するために、以下、具体的な実施例に関連して詳細に説明する。
【0097】
従来の電池極板の欠陥検出は塗布セグメント検出及びコーティング領域のオフセット量検出にしかかかわらず、絶縁コーティング欠陥検出に関わらず、塗布過程にデータを具体的な極板にバインディングできない問題を検出し、本出願は陽極連続積層複合前の陰極板絶縁コーティング寸法欠陥のオンライン検出方法を提出し、高効率高精度視覚アルゴリズムを利用して複合前陰極板絶縁コーティングを検出し、絶縁コーティング領域に欠陥が存在するか否か、タブに欠陥が存在するか否か及び陰極板両面の絶縁コーティング領域の寸法幅が一致するか否かを正確に検出することができ、複合前に検出すると設備と連動して欠陥及び寸法異常が存在する極板を直ちに廃棄することができ、設備の動作効率を向上させ、検出漏れリスクを低下させる。具体的には、図8は絶縁コーティング欠陥検出ハードウェアレイアウトを示す図を示し、陰極材料ストリップの両側に高フレームレートエリアアレイカメラをそれぞれ設置し、かつそれぞれ1つの白色ストライプ状光源を設置して側面から絶縁コーティング領域に光を照射する。ここで、A101は陰極材料ストリップ、A102は検出カメラ1、A103は検出カメラ1の対応光源、A104は検出カメラ2、A105は検出カメラ2の対応光源である。極板材料ストリップの両側の各1つのカメラが絶縁コーティング領域を撮影し、両側のカメラが共同較正を行って較正モデルを生成し、PLCはタブを誘導してカメラをトリガして写真を撮って且つ現在の極板の唯一の識別コードを提供し、ホストコンピュータにおける視覚ソフトウェアを利用して画像を階調値、エッジ検索などの手段によって処理検出し、絶縁コーティング領域へのオフセット量、欠陥、タブ欠陥検出及びデータバインディング記憶を実現する。
【0098】
図9は実施例におけるカメラの撮像模式図を示し、各領域名称は次の通りである。101:前の陰極板、102:次の陰極板、103:現在の陰極板活物質コーティング領域、104:現在の陰極板のタブ、すなわちタブ領域、105:初期位置決め絶縁エッジ、すなわち絶縁材料コーティング領域の外縁である、106:陰極仮想エッジ/初期位置決め極板エッジ、すなわち陰極極板活物質コーティング領域と絶縁材料コーティング領域の境界エッジ、107:絶縁材料コーティング領域、すなわち絶縁コーティング領域、108:タブの上エッジと現在の極板の上エッジのオフセット量、109:タブの下エッジと現在の極板の下エッジのオフセット量、110:タブの上エッジ、111:タブの下エッジ、112:極板の上エッジ、113:極板の下エッジ。
【0099】
図10は、A面が極板の非複合面、B面が極板の複合面を撮像したオフセット量の算出方式を示す図である。該欠陥検出方法の欠陥検出項目は、106領域金属漏れ破損欠陥検出、106領域幅検出、106領域幅AB面のオフセット量、104領域タブ抜け検出を含む。
【0100】
該欠陥検出方法は極板エッジ及び絶縁コーティング領域を位置決めすることによって検出領域を正確に再位置決めを行い、検出フレームを対応する検出領域に正確に位置決めし、続いてエッジ検索、寸法測定及び欠陥検出アルゴリズムによってそれぞれ検出し、欠陥検出結果を出力し、積層設備に絶縁コーティングを検出して材料ロール輸送過程の絶縁コーティングの損傷を管理制御することができ、装置に極板データを提供し、後続の廃棄などの操作のためにデータサポートを提供することができる。各極板に唯一の番号をバインディングして記憶することにより、各極板の絶縁コーティングデータをトレーサビリティにすることができる。該検出方法は検出精度が高く、画素精度が0.02mmに達することができ、検出効率が速く、一回の検出時間が20msより小さい。
【0101】
上述の様々な実施例に係わるフローチャートの様々なステップは、矢印によって示されているが、これらのステップは、必ずしも矢印によって示された順序で実行されるわけではないことを理解されたい。これらのステップの実行は、本明細書において明示的に記載されていない限り、厳密な順序によって制限されず、これらのステップは、他の順序で実行されてもよい。さらに、上述の諸実施例に係わるフローチャートにおけるステップの少なくとも一部は、複数のステップ又は複数の段階を含むことができ、これらのステップ又は段階は、必ずしも同時に実行されるのではなく、異なる時点で実行されてもよく、これらのステップ又は段階の実行順序は、必ずしも順次ではなく、他のステップ又は他のステップにおけるステップ又は段階の少なくとも一部と順番に、又は交互に実行されてもよい。
【0102】
同様の発明概念に基づいて、本願の実施例は、さらに、上述した電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法を実現するための電池の極板絶縁コーティング欠陥の検出装置を提供する。該装置によって提供される問題解決の実現案は、上述の方法に記載されたものと同様であり、したがって、以下で提供される1つ以上の電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置の実施例の具体的な限定は、電池の極板絶縁コーティング欠陥を検出する方法の上記の限定を参照することができ、ここではこれ以上説明しない。
【0103】
一実施例では、電池の極板絶縁コーティング欠陥の検出装置を提供し、複合前陰極板の絶縁コーティング欠陥の検出に適用する。図11に示すように、該装置は、画像取得モジュール100、画像分析モジュール200、領域抽出モジュール300及び欠陥分析モジュール400を含み、ここでは、
画像取得モジュール100は極板を撮影した極板画像を取得するために用いられ、極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含む。
【0104】
画像分析モジュール200は、極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定するために用いられる。
【0105】
領域抽出モジュール300は、絶縁コーティング領域とタブ領域に基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定するために用いられる。
【0106】
欠陥分析モジュール400は、欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得るために用いられる。
【0107】
一実施例では、画像分析モジュール200は極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得し、初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、極板画像における絶縁コーティング領域を確定し、絶縁コーティング領域の検索によって、極板画像におけるタブ領域を確定する。
【0108】
一実施例では、画像分析モジュール200は、極板画像をタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを得る。
【0109】
一実施例では、画像分析モジュール200は、極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行う。所定の急変エッジを見つけた場合、エッジ検索に成功したと確定し、見つけた所定の急変エッジを初期位置決め極板エッジと確定する。
【0110】
一実施例では、画像分析モジュール200は、初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定し、目標絶縁コーティング領域において極板画像における絶縁コーティング領域を抽出確定する。
【0111】
一実施例では、画像分析モジュール200は絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定する。目標タブ検出領域においてタブ領域を検索抽出する。
【0112】
一実施例では、画像分析モジュール200は、絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出する。初期位置決め絶縁エッジに基づいて、目標タブ検出領域を確定する。
【0113】
一実施例では、画像分析モジュール200は、目標タブ検出領域内のタブの階調特徴に符合する領域を抽出し、初歩的なタブ領域を取得する。初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズによって、初歩的なタブ領域がタブであるか否かを確定し、そうであれば、タブ領域が得られたと確定する。
【0114】
一実施例では、領域抽出モジュール300はタブ領域にエッジ検索を行い、タブエッジを取得する。タブエッジと予め設定された距離データに基づいて、極板エッジを取得し、予め設定された距離データはタブエッジと極板エッジとの距離データであり、初期位置決め極板エッジ、初期位置決め絶縁エッジ及び極板エッジに基づいて、極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定する。
【0115】
一実施例では、欠陥分析モジュール400は、欠陥検出領域における連通領域を抽出し、所定の欠陥領域に類似する連通領域が存在する場合、欠陥が存在すると確定し、欠陥検出結果は、欠陥が存在する旨の情報を含む。
【0116】
一実施例では、欠陥分析モジュール400は、所定の欠陥領域に類似する連通領域が存在しない場合に、極板のコーティング領域のオフセット量を算出する。欠陥検出結果は、欠陥が存在しない旨の情報と、コーティング領域のオフセット量とを含む。
【0117】
一実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。欠陥解析モジュール400は、第1極板画像及び第2極板画像に対応する欠陥検出領域に、所定の欠陥領域と類似する連通領域が存在しない場合に、極板のコーティング領域のオフセット量を算出する。
【0118】
一実施例では、極板画像は極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含む。欠陥分析モジュール400は第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得し、第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを取得し、第1極板の仮想エッジと第1絶縁エッジに基づいて、第1絶縁コーティング領域幅を算出し、且つ第2極板の仮想エッジと第2絶縁エッジに基づいて、第2絶縁コーティング領域幅を算出し、第1絶縁コーティング領域幅と第2絶縁コーティング領域幅に基づいて、極板のコーティング領域のオフセット量を算出する。
【0119】
一実施例では、欠陥分析モジュール400は、第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索し、検索されたエッジ点に基づいてフィッティングして、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを得る。
【0120】
一実施例では、欠陥分析モジュール400はまた、欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングする。
【0121】
一実施例では、コンピュータ装置が提供され、このコンピュータ装置は、サーバでも端末でもよく、サーバを例にとると、その内部構造図は、図12に示すとおりであってもよい。コンピュータ装置は、システムバスを介して接続されたプロセッサ、メモリ、及びネットワークインタフェースを含む。ここでは、コンピュータ装置のプロセッサは、計算及び制御能力を提供するために用いられる。コンピュータ装置のメモリは、不揮発性記憶媒体及び内部メモリを含む。該不揮発性記憶媒体は、オペレーティングシステム、コンピュータプログラム及びデータベースを記憶する。該内部メモリは、不揮発性記憶媒体内のオペレーティングシステム及びコンピュータプログラムを実行するための環境を提供する。該コンピュータ装置のデータベースは、欠陥検出結果データを記憶するために用いられる。該コンピュータ装置のネットワークインターフェースは、ネットワーク接続を介して外部端末と通信するために用いられる。該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法を実現する。
【0122】
当業者は、図12に示す構造は、本願の態様に関連する構造の一部に過ぎず、本願の態様が適用されるコンピュータ装置を限定するものではなく、特定のコンピュータ装置は、図に示したものよりも多い又は少ない構成要素を含むか、又は幾つかの構成要素を組み合わせてもよく、又は異なる構成要素の配置を有してもよいことを理解するであろう。
【0123】
1つの実施形態では、コンピュータ装置が提供され、コンピュータ装置は、コンピュータプログラムを記憶したメモリと、コンピュータプログラムを実行すると、上述の方法の実施例におけるステップを実行するプロセッサとを含む。
【0124】
1つの実施例では、コンピュータ可読記憶媒体が提供され、コンピュータ可読記憶媒体には、プロセッサによって実行されると、上述の方法の実施形態におけるステップを実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0125】
一実施例では、プロセッサによって実行されると、上述の方法の実施例におけるステップを実施するコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0126】
一実施例では、電池極板欠陥検出システムも提供し、極板を撮影して極板画像を取得し、且つ極板画像をホストコンピュータに送信するための画像取得装置と、上記方法に基づいて電池極板絶縁コーティング欠陥の検出を行うためのホストコンピュータとを含む。ここでは、画像取得装置は具体的にはカメラグループ、センサとコントローラを含み、コントローラはカメラグループ、センサとホストコンピュータに接続される。コントローラはPLC、MCUなどであり、カメラセットはCCDカメラセットであり、センサは光電式誘導センサを採用することができ、ホストコンピュータは各種パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、タブレットPC及びポータブルウェアラブルデバイスであってもよいが、それらに限定されなく、ポータブルウェアラブルデバイスはスマートウォッチ、スマートブレスレット、ヘッドマウントデバイスなどであってもよい。
【0127】
当業者であれば、上述した実施形態の方法におけるフローの全部又は一部は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶可能なコンピュータプログラムによって、関連するハードウェアに命令することによって実行され、実行されると、上述の方法の実施形態のフローを含むことができることを理解するであろう。ここで、前記記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)などの不揮発性記憶媒体、又はランダムアクセスメモリ (Random Access Memory、RAM)などであってもよい。
【0128】
なお、上記実施の形態における各特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上述した実施の形態における各特徴のあらゆる可能な組み合わせについては説明しないが、それらの組合せに矛盾がない限り、本明細書の記載範囲とみなすべきである。
【0129】
前述の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を記載しており、その説明は、より具体的かつ詳細であるが、それ故に、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の思想から逸脱することなく、本発明の保護範囲に属するいくつかの変形及び修正を行えることに留意されたい。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法であって、
極板を撮影した極板画像を取得し、前記極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むことと、
前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することと、
前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することと、
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることとを含む、ことを特徴とする電池極板絶縁コーティング欠陥の検出方法。
【請求項2】
前記の、前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定することは、
前記極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得することと、
前記初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、前記極板画像における絶縁コーティング領域を確定することと、
前記絶縁コーティング領域の検索によって、前記極板画像におけるタブ領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の、前記極板画像に全画像エッジ検索を行い、初期位置決め極板エッジを取得することは、
前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、前記初期位置決め極板エッジを得ることを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記の、前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行い、前記初期位置決め極板エッジを得ることは、
前記極板画像に対してタブから遠ざかる側からタブに接近する方向に全画像エッジ検索を行うことと、
所定の急変エッジを見つけた場合、エッジ検索に成功したと確定し、見つけた所定の急変エッジを前記初期位置決め極板エッジと確定することとを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の、前記初期位置決め極板エッジに基づいて再位置決めを行い、前記極板画像における絶縁コーティング領域を確定することは、
前記初期位置決め極板エッジに基づいて目標絶縁コーティング領域を確定し、前記目標絶縁コーティング領域において、前記極板画像における絶縁コーティング領域を抽出確定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記の、前記絶縁コーティング領域の検索によって、前記極板画像におけるタブ領域を確定することは、
前記絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することと、
前記目標タブ検出領域でタブ領域を検索抽出することとを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記の、前記絶縁コーティング領域に基づいて領域再位置決めを行い、目標タブ検出領域を確定することは、
前記絶縁コーティング領域の初期位置決め絶縁エッジを抽出することと、
前記初期位置決め絶縁エッジに基づいて、目標タブ検出領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記の、前記目標タブ検出領域においてタブ領域を検索抽出することは、
前記目標タブ検出領域内のタブの階調特徴に符合する領域を抽出し、初歩的なタブ領域を取得することと、
前記初歩的なタブ領域の領域形状と領域サイズによって、前記初歩的なタブ領域がタブであるか否かを確定し、そうであれば、タブ領域が得られたと確定することとを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記の、前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することは、
前記タブ領域にエッジ検索を行い、タブエッジを取得することと、
前記タブエッジと予め設定された距離データに基づいて、極板エッジを取得し、前記予め設定された距離データはタブエッジと極板エッジとの距離データであることと、
前記初期位置決め極板エッジ、前記初期位置決め絶縁エッジ及び前記極板エッジに基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定することとを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記の、前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、
前記欠陥検出領域における連通領域を抽出することと、
所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在する場合、欠陥が存在すると確定することとを含み、前記欠陥検出結果は、欠陥が存在する旨の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記の、前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得ることは、
前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとをさらに含み、前記欠陥検出結果は、欠陥が存在しない旨の情報と、前記コーティング領域のオフセット量とを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記極板画像は前記極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含み、
前記の、前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、
前記第1極板画像と前記第2極板画像とが対応する欠陥検出領域に、いずれも前記所定の欠陥領域と類似する前記連通領域が存在しない場合、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記極板画像は前記極板の両面を撮影した第1極板画像と第2極板画像を含み、前記の、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することは、
前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得することと、
前記第2極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第2極板の仮想エッジ及び第2絶縁エッジを取得することと、
前記第1極板の仮想エッジと前記第1絶縁エッジに基づいて、第1絶縁コーティング領域幅を算出し、且つ前記第2極板の仮想エッジと前記第2絶縁エッジに基づいて、第2絶縁コーティング領域幅を算出することと、
前記第1絶縁コーティング領域幅と前記第2絶縁コーティング領域幅に基づいて、前記極板のコーティング領域のオフセット量を算出することとを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記の、前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域にエッジ検索を行い、第1極板の仮想エッジ及び第1絶縁エッジを取得することは、
前記第1極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域のエッジ点を検索することと、
見つけたエッジ点に基づいてフィッティングして、前記第1極板の仮想エッジ及び前記第1絶縁エッジを得ることとを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得た後、該方法は、前記欠陥検出結果を極板識別情報にバインディングすることをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項16】
電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置であって、
極板を撮影した極板画像を取得し、前記極板画像は少なくとも一つの完全な極板を含むための画像取得モジュールと、
前記極板画像における絶縁コーティング領域及びタブ領域を確定するための画像分析モジュールと、
前記絶縁コーティング領域及びタブ領域に基づいて、前記極板画像における絶縁コーティング領域の欠陥検出領域を確定するための領域抽出モジュールと、
前記欠陥検出領域に対して欠陥検出を行い、欠陥検出結果を得るための欠陥分析モジュールとを含むことを特徴とする電池極板絶縁コーティング欠陥の検出装置。
【請求項17】
コンピュータプログラムを記憶するメモリと、プロセッサと、を含むコンピュータ装置であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
電池極板欠陥検出システムであって、画像取得装置及びホストコンピュータを含み、前記画像取得装置は極板を撮影して極板画像を取得し、且つ前記極板画像を前記ホストコンピュータに送信し、前記ホストコンピュータは請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に基づいて電池極板絶縁コーティング欠陥の検出を行うために用いられることを特徴とする電池極板欠陥検出システム。
【国際調査報告】