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特表2024-534567自己免疫疾患の処置のためのピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】自己免疫疾患の処置のためのピラゾロ[3,4-b]ピリジン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240912BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20240912BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C07D471/04 106C
C07D471/04 CSP
A61K31/496
A61K31/497
A61K31/506
A61K31/44
A61K31/4545
C07D519/00 301
A61K31/553
A61K31/498
A61P13/12
A61P37/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518351
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2022076306
(87)【国際公開番号】W WO2023046806
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/120406
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2022/089033
(32)【優先日】2022-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ドンドン
(72)【発明者】
【氏名】デイ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,シン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオチン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジーセン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジェ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA81
4C086ZB07
(57)【要約】
本発明は、式(I)

(式中、R~R、A、M、W、及びQは、本明細書に記載されるとおりである)
の化合物及びその薬学的に許容され得る塩、並びに該化合物を含む組成物及び該化合物を使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

(式中、
は、
【化2】

(式中、Rは、H又はC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、N又はCR(ここで、Rは、H、C1~6アルキル又はC1~6アルコキシである)であり、
Mは、N又はCR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Wは、N又はCHであり、
Qは、N又はCHであり、
ただし、A、M、W及びQのうちの2つ以下が同時にNである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
式(Ia)
【化3】

(式中、
は、
【化4】

(式中、Rは、H又はC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、N又はCR(ここで、Rは、H、C1~6アルキル又はC1~6アルコキシである)であり、
Mは、N又はCR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Wは、N又はCHであり、
Qは、N又はCHであり、
ただし、A、M、W及びQのうちの2つ以下が同時にNである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
が、
【化5】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が、メチルであり、Rが、メチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Aが、CRであり、Rが、H又はC1~6アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
Aが、CRであり、Rが、H又はメチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Mが、CRであり、Rが、Hである、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
Wが、CHである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Qが、Nである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル又はピペラジニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル、3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル又はピペラジン-1-イルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が、
【化6】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
が、H又はC1~6アルキルであり、
が、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル又はピペラジニルであり、
Aが、CR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Mが、CR(ここで、Rは、Hである)であり、
Wが、CHであり、
Qが、Nである、
請求項1若しくは2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
が、
【化7】

(式中、Rは、メチルであり、Rは、メチルである)であり、
が、H又はメチルであり、
が、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル、3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル又はピペラジン-1-イルであり、
Aが、CR(ここで、Rは、H又はメチルである)であり、
Mが、CR(ここで、Rは、Hである)であり、
Wが、CHであり、
Qが、Nである、
請求項13に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
式(Ib)
【化8】

(式中、
は、
【化9】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、C1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、CHであり、
Mは、CHであり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項15】
が、メチルであり、Rが、メチルであり、Rが、メチルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
が、アミノ-1,4-オキサゼパニルである、請求項14又は15に記載の化合物。
【請求項17】
が、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルである、請求項14~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が、
【化10】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
が、C1~6アルキルであり、
が、アミノ-1,4-オキサゼパニルであり、
Aが、CHであり、
Mが、CHであり、
Wが、CHであり、
Qが、Nである、
請求項14に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項19】
が、
【化11】

(式中、Rは、メチルであり、Rは、メチルである)であり、
が、メチルであり、
が、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルであり、
Aが、CHであり、
Mが、CHであり、
Wが、CHであり、
Qが、Nである、
請求項18に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項20】
1,6-ジメチル-4-[4-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(2-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-2-ピペラジン-1-イル-ピリミジン-5-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[4-(3-エチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[4-(3-メトキシ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3S,4R)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
4-[4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3S,4S)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン;
1-メチル-4-[シス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[トランス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン;
2-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン;
(6S)-4-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン;
4-[(3S,4R)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[(3S,4R)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン;
(4aR,7aR)-6-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン;
1,6-ジメチル-4-[(3R,4S)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[(3S,4R)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン;
4-[(3R,4S)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
2-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン;
(3S,4S)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン;
(6S)-4-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン;
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
4-[(3R,4S)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;及び
1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン;
から選択される化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項21】
以下:
a)触媒及び塩基の存在下での、式(IV)
【化12】

の化合物と、R-Hとの間のバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成反応の工程、
b)触媒及び塩基の存在下での、式(VI)
【化13】

の化合物と、式(II)
【化14】

の化合物との間のバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成反応の工程、
c)塩基の存在下での、式(VI)の化合物と式(II)の化合物との間の直接置換反応の工程
を含み、
式中、
Xが、ハロゲンであり、
工程a)及びb)において、前記触媒が、RuPhos Pd G2又はPd(dba)/キサントホスであり、前記塩基が、CsCO又はt-BuONaであり、
工程c)において、前記塩基が、DIPEA又はCsFであり、
~R、A、M、W及びQが、請求項1~19のいずれか一項に記載されるとおりである、
請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物の調製のための方法。
【請求項22】
治療活性物質としての使用のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項23】
請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物と、治療上不活性な担体とを含む、医薬組成物。
【請求項24】
全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置又は予防のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置又は予防のための医薬の調製のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
TLR7及びTLR8及びTLR9のアンタゴニストのための医薬の調製のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項27】
全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置又は予防のための、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項28】
請求項21に記載の方法に従って製造された場合の、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又は薬学的に許容され得る塩。
【請求項29】
全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置又は予防のための方法であって、治療有効量の請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項30】
上に記載したとおりの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における処置及び/又は予防に有用な有機化合物、特に、全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置に有用なTLR7及びTLR8及びTLR9のアンタゴニストに関する。
【背景技術】
【0002】
自己免疫性結合組織病(connective tissue disease:CTD)には、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)、原発性シェーグレン症候群(primary Sjoegren’s syndrome:pSjS)、混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)、皮膚筋炎/多発性筋炎(dermatomyositis/polymyositis:DM/PM)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)、及び全身性硬化症(systemic sclerosis:SSc)等のプロトタイプの自己免疫症候群が含まれる。RAを除いて、患者が利用可能である実際に効果的で安全な治療法はない。SLEは、100,000人あたり20~150人の有病率を有するプロトタイプのCTDであり、皮膚や関節で一般的に観察される症状から腎不全、肺不全、又は心不全に至るまで、様々な臓器において広範な炎症や組織損傷を引き起こす。従来、SLEは、非特異的な抗炎症薬又は免疫抑制薬で処置されてきた。しかしながら、免疫抑制薬、例えばコルチコステロイドの長期使用は、部分的にしか効果がなく、望ましくない毒性及び副作用を伴う。ベリムマブは、過去50年間にFDAが承認した唯一の狼瘡薬であるが、SLE患者のごく一部にしか効果がなく、それも控えめで遅れがある(Navarra,S.V.et al Lancet 2011,377,721.)。抗CD20 mAb、特定のサイトカインに対するmAb又は可溶性受容体等の他の生物学的製剤は、ほとんどの臨床研究で失敗している。したがって、より多くの患者群で持続的な改善を提供し、多くの自己免疫疾患及び自己炎症疾患で慢性的に使用しても安全性がより高い、新規治療法が必要とされている。
【0003】
Toll様受容体(TLR)は、幅広い種類の免疫細胞における広範な免疫応答を開始することができるパターン認識受容体(PRR)の重要なファミリーである。自然宿主防御センサとして、エンドソームTLR7、8、及び9は、ウイルス、細菌に由来する核酸を認識し、具体的には、TLR7/8及びTLR9は、それぞれ一本鎖RNA(single-stranded RNA:ssRNA)及び一本鎖CpG-DNAを認識する。しかしながら、TRL7、8、9の異常な核酸感知は、幅広い自己免疫疾患及び自己炎症性疾患の重要なノードと見なされている(Krieg,A.M.et al.Immunol.Rev.2007,220,251.Jimenez-Dalmaroni,M.J.et al Autoimmun Rev.2016,15,1.Chen,J.Q.,et al.Clinical Reviews in Allergy&Immunology 2016,50,1.)。抗RNA抗体及び抗DNA抗体は十分に確立されたSLEの診断マーカーであり、自己RNA及び自己DNAの両方をエンドソームへ送達することができる。自己RNA複合体はTLR7及びTLR8によって認識され得るが、自己DNA複合体はTLR9活性化をトリガーし得る。実際、血液及び/又は組織からの自己RNA及び自己DNAのクリアランスの欠陥は、SLE(全身性エリテマトーデス)患者において明白である。TLR7及びTLR9は、SLE組織において上方調節され、それぞれループス腎炎の慢性化及び活性と相関していると報告されてきた。SLE患者のB細胞において、TLR7発現は抗RNP抗体産生と相関しているのに対し、TLR9発現はIL-6レベル及び抗dsDNA抗体レベルと相関している。一貫して、ループスマウスモデルでは、TLR7は抗RNA抗体に必要であり、TLR9は、抗ヌクレオソーム抗体に必要である。その一方で、マウスにおけるTLR7又はヒトTLR8の過剰発現は、自己免疫及び自己炎症を促進する。そのうえ、TLR8の活性化は、mDC/マクロファージの炎症性サイトカイン分泌、好中球ネトーシス、Th17細胞の誘導、及びTreg細胞の抑制に特異的に寄与する。B細胞の自己抗体産生の促進におけるTLR9の役割について述べたことに加えて、pDCにおける自己DNAによるTLR9の活性化もまた、I型IFN及び他の炎症性サイトカインの誘導をもたらす。pDCとB細胞の両方においてTLR9が自己免疫疾患の病因にこのような重要な役割を果たしていることと、自己免疫疾患の多くの患者においてTLR9を容易に活性できる自己DNA複合体が広範囲に存在することとを考えると、TLR7及びTLR8の経路の阻害に加えて、自己DNAを介したTLR9経路を更に遮断することには特別な利点があり得る。まとめると、TLR7、8、9経路は、有効なステロイド非含有及び非細胞毒性の経口薬が存在しない自己免疫疾患及び自己炎症疾患の処置用の新たな治療標的であり、これらの経路全てをまさに上流から阻害することにより、満足な治療効果が得られる可能性がある。したがって、本発明者らは、自己免疫疾患及び自己炎症疾患の処置のために、TLR7、TLR8及びTLR9を標的とし、抑制する経口化合物を発明した。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、式(I)
【化1】

(式中、
は、
【化2】

(式中、Rは、H又はC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、N又はCR(ここで、Rは、H、C1~6アルキル又はC1~6アルコキシである)であり、
Mは、N又はCR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Wは、N又はCHであり、
Qは、N又はCHであり、
ただし、A、M、W及びQのうちの2つ以下が同時にNである)
の新規化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0005】
本発明の他の目的は、式(I)又は(Ia)の新規化合物に関する。それら製造、本発明による化合物に基づく医薬及びその製造、並びにTLR7及びTLR8及びTLR9アンタゴニストとしての式(I)又は(Ia)の化合物の使用、並びに全身性エリテマトーデス又はループス腎炎の処置又は予防のための使用。式(I)又は式(Ia)の化合物は、優れたTLR7及びTLR8及びTLR9のアンタゴニズム活性を示す。加えて、式(I)又は式(Ia)の化合物はまた、良好な細胞毒性、可溶性、hPBMC、ヒトミクロソーム安定性、及びSDPKプロファイル、並びに低いCYP阻害も示す。
【0006】
ノバルティス特許の国際公開第2018047081号は、本発明の化合物と同じピラゾロ[3,4-b]ピリジニル部分を有する化合物を開示したが、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジンの中心二環式コア及びビシクロ[2,2,2]オクタン/ビシクロ[1,1,1]ペンタン部分による末端置換は、ノバルティス特許に開示されている情報に基づいてTLR7/8/9活性に必須であり、これもまた本発明の化合物と比較して主な構造的差異と考えられた。一方、国際公開第2018047081号の化合物のほとんどは、TLR9活性が低かった。残念なことに、最良のTLR9活性を有するN79(実施例79として)等の比較的改善されたTLR9活性を有する化合物はほとんどなく、依然としてヒト肝臓ミクロソーム安定性が悪く(表5を参照)、したがって不十分なPKプロフィールを有する。
【0007】
別のノバルティス特許国際公開第2019220390号は、化合物N8の多形(国際公開第2018047081号の実施例8として)を開示し、これは、そのシリーズのリード化合物と考えられ、TLR9活性がはるかに低く、ヒト肝臓ミクロソーム安定性が同様に低いことが判明した(表5を参照)。
【化3】

化合物N8(hPBMC TLR7/8/9アンタゴニストIFNαアッセイIC50(μM):0.004/0.166/4.28)
【化4】

化合物N79(hPBMC TLR7/8/9アンタゴニストIFNαアッセイIC50(μM):0.004/0.136/0.064)
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
「C1~6アルキル」という用語は、1~6個、特に1~4個の炭素原子を含有する飽和直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル等を示す。特定の「C1~6アルキル」基は、メチル、エチル、及びn-プロピルである。
【0009】
「C1-6アルコキシ」という用語は、C1-6アルキル-O-を表す。
【0010】
「ハロゲン」及び「ハロ」という用語は、本明細書で互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを示す。
【0011】
「ハロピペリジニル」という用語は、ピペリジニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が、同じ又は異なるハロゲン原子、特にフルオロ原子によって置き換えられたピペリジニル基を表す。ハロピペリジニルの例としては、フルオロピロリジニル及びジフルオロピロリジニルが挙げられる。
【0012】
「シス」及び「トランス」という用語は、分子又は部分の相対的な立体化学を示す。例えば、シス異性体としての実施例18は、
【化5】

の混合物を指し、同様に、トランス異性体としての実施例19は、
【化6】

の混合物を指す。
【0013】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的に又は他の点で望ましくないものではない塩を意味する。薬学的に許容され得る塩には、酸付加塩及び塩基付加塩の両方が含まれる。
【0014】
「薬学的に許容され得る酸性付加塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等の無機酸と、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸(maloneic acid)、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、及びサリチル酸等の有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環式、カルボン酸、及びスルホン酸類から選択される有機酸とで形成されるような薬学的に許容され得る塩を意味する。
【0015】
「薬学的に許容され得る塩基付加塩」という用語は、有機塩基又は無機塩基で形成される薬学的に許容され得る塩を意味する。許容され得る無機塩基の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、及びアルミニウム塩が挙げられる。薬学的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩としては、天然の置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、及びポリアミン樹脂を含む、第一級、第二級、及び第三級アミン、置換アミンの塩が挙げられる。
【0016】
「薬学的に活性な代謝物」という用語は、特定の化合物又はその塩の体内での代謝を通じて産生される薬理学的に活性な生成物を示す。体内に入った後、ほとんどの薬物は化学反応の基質となり、それらの物理的特性及び生物学的効果を変化させ得る。これらの代謝変換は、通常、本発明の化合物の極性に影響を与え、薬物が体内に分配されて体内から排泄される方法を変える。しかしながら、場合によっては、治療効果のために薬物の代謝が必要になる。
【0017】
「治療有効量」という用語は、対象に投与された場合に、(i)特定の疾患、状態若しくは障害を処置若しくは予防する、(ii)特定の疾患、状態若しくは障害の1若しくは複数の症状を軽減、改善若しくは排除する、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態若しくは障害の1若しくは複数の症状の発症を予防若しくは遅延させる、本発明の化合物若しくは分子の量を意味する。治療有効量は、化合物、処置される病状、処置される疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、投与の経路及び形態、主治医又は獣医師の判断、並びにその他の要因に応じて異なる。
【0018】
「医薬組成物」という用語は、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)に投与される、治療有効量の有効活性成分を薬学的に許容され得る添加物と共に含む混合物又は溶液を示す。
【0019】
TLR7、TLR8、TLR9のアンタゴニスト
【0020】
本発明は、(i)式(I)
【化7】

(式中、
は、
【化8】

(式中、Rは、H又はC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、N又はCR(ここで、Rは、H、C1~6アルキル又はC1~6アルコキシである)であり、
Mは、N又はCR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Wは、N又はCHであり、
Qは、N又はCHであり、
ただし、A、M、W及びQのうちの2つ以下が同時にNである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0021】
本発明の別の実施形態は、(ii)式(Ia)
【化9】

(式中、
は、
【化10】

(式中、Rは、H又はC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、N又はCR(ここで、Rは、H、C1~6アルキル又はC1~6アルコキシである)であり、
Mは、N又はCR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルアルキルである)であり、
Wは、N又はCHであり、
Qは、N又はCHであり、
ただし、A、M、W及びQのうちの2つ以下が同時にNである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩に関する。
【0022】
本発明の更なる実施形態は、(iii)(i)若しくは(ii)による式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Rは、
【化11】

であり、RはC1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである。
【0023】
本発明の更なる実施形態は、(iv)(i)~(iii)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Rは、メチルであり、Rは、メチルである。
【0024】
本発明の更なる実施形態は、(v)(i)~(iv)のいずれか1つに記載の式(I)又は(Ia)の化合物であり、Aは、CRであり、Rは、H又はC1~6アルキルである。
【0025】
本発明の更なる実施形態は、(vi)(i)~(v)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Aは、CRであり、Rは、H又はメチルである。
【0026】
本発明の更なる実施形態は、(vii)(i)~(vi)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Mは、CRであり、RはHである。
【0027】
本発明の更なる実施形態は、(viii)(i)~(vii)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Wは、CHである。
【0028】
本発明の更なる実施形態は、(ix)(i)~(viii)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Qは、Nである。
【0029】
本発明の更なる実施形態は、(x)(i)~(ix)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Rは、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル又はピペラジニルである。
【0030】
本発明の更なる実施形態は、(x)(i)~(xi)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩であり、Rは、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル、3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル、又はピペラジン-1-イルである。
【0031】
本発明の更なる実施形態は、(xii)(i)~(xi)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは式(Ia)の化合物であって、
は、
【化12】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、H又はC1~6アルキルであり、
は、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル又はピペラジニルであり、
Aは、CR(ここで、Rは、H又はC1~6アルキルである)であり、
Mは、CR(ここで、Rは、Hである)であり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである、式(I)若しくは式(Ia)化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0032】
本発明の更なる実施形態は、(xiii)(i)~(xii)のいずれか1つに記載の式(I)若しくは(Ia)の化合物であって、
は、
【化13】

(式中、Rは、メチルであり、Rは、メチルである)であり、
は、H又はメチルであり、
は、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル、3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル又はピペラジン-1-イルであり、
Aは、CR(ここで、Rは、H又はメチルである)であり、
Mは、CR(ここで、Rは、Hである)であり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである、式(I)若しくは(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0033】
本発明の別の実施形態は、(xiv)式(Ib)
【化14】

(式中、
は、
【化15】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、C1~6アルキルであり、
は、ピペラジニル、(C1~6アルコキシC1~6アルキル)ピペラジニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、アミノ-1,4-オキサゼパニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピペリジニル、アミノ(C1~6アルコキシ)ピロリジニル、アミノ(C1~6アルキル)アゼチジニル又はアミノハロピペリジニルであり、
Aは、CHであり、
Mは、CHであり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0034】
本発明の更なる実施形態は、(xv)(xiv)による式(Ib)の化合物であり、Rは、メチルであり、Rは、メチルであり、Rは、メチルである。
【0035】
本発明の更なる実施形態は、(xvi)(xiv)又は(xv)による式(Ib)の化合物であり、Rは、アミノ-1,4-オキサゼパニルである。
【0036】
本発明の更なる実施形態は、(xvii)(xiv)~(xvi)のいずれか1つによる式(Ib)の化合物であり、Rは、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルである。
【0037】
本発明の更なる実施形態は、(xviii)(xiv)~(xvii)のいずれか1つに記載の式(Ib)の化合物であって、
は、
【化16】

(式中、Rは、C1~6アルキルであり、Rは、C1~6アルキルである)であり、
は、C1~6アルキルであり、
は、アミノ-1,4-オキサゼパニルであり、
Aは、CHであり、
Mは、CHであり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0038】
本発明の更なる実施形態は、(xix)(xiv)~(xviii)のいずれか1つに記載の式(Ib)の化合物であって、
は、
【化17】

(式中、Rは、メチルであり、Rは、メチルである)であり、
は、メチルであり、
は、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルであり、
Aは、CHであり、
Mは、CHであり、
Wは、CHであり、
Qは、Nである、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0039】
本発明の他の実施形態は、以下:
1,6-ジメチル-4-[4-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(2-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-2-ピペラジン-1-イル-ピリミジン-5-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[4-(3-エチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[4-(3-メトキシ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3S,4R)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
4-[4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3S,4S)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン;
1-メチル-4-[シス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1-メチル-4-[トランス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン;
2-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン;
(6S)-4-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン;
4-[(3S,4R)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
4-[(3S,4R)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン;
(4aR,7aR)-6-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン;
1,6-ジメチル-4-[(3R,4S)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
1,6-ジメチル-4-[(3S,4R)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン;
4-[(3R,4S)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;
2-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン;
(3S,4S)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン;
(6S)-4-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン;
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン;
4-[(3R,4S)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン;及び
1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン
から選択される、式(I)若しくは(Ia)若しくは(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩である。
【0040】
医薬組成物及び投与
別の実施形態は、本発明の化合物と、治療上不活性な担体、希釈剤又は添加物とを含有する医薬組成物又は医薬、並びにこのような組成物及び医薬を調製するために本発明の化合物を使用する方法を提供する。一例では、式(I)の化合物が、周囲温度で、適切なpHで、及び所望の程度の純度で、生理学的に許容され得る担体、すなわち、使用される投与量及び濃度においてレシピエントに対して非毒性である担体と混合することによって、生薬投与形態に製剤化され得る。製剤のpHは、特定の用途及び化合物の濃度に主に依存するが、好ましくは約3~約8の範囲である。一例では、式(I)の化合物は、pH5の酢酸緩衝剤中で製剤化される。別の実施形態では、式(I)の化合物は無菌である。化合物は、例えば、固体若しくは非晶質組成物として、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保管され得る。
【0041】
組成物は、良好な医療行為と一致した様式で製剤化、投薬、及び投与される。これに関連して考慮すべき因子には、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療施術者に知られている他の因子が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、このような検討事項によって支配され、それぞれの刺激リガンドとのTLR7、8、9相互作用、MYD88、IRF7、IRF5、NFκB等によって媒介され、I型インターフェロン及び炎症促進性サイトカイン(例えば、TNFα、IL-6)の産生をもたらす下流シグナル伝達、及びあらゆる種類の免疫細胞の活性化を阻害するのに必要な最小量である。例えば、このような量は、正常な細胞、又は全体として哺乳動物に毒性である量を下回ってもよい。
【0042】
一例では、1回の投薬当たり非経口投与される本発明の化合物の薬学的有効量は、1日当たり約0.001~1000mg/患者の体重kg、あるいは約0.001~1000mg/患者の体重kgの範囲となり、使用される化合物の典型的な初期範囲は、0.3~15mg/kg/日となる。別の実施形態では、錠剤及びカプセル剤等の経口単位剤形は、好ましくは、約0.1~約1000mgの本発明の化合物を含有する。
【0043】
本発明の化合物は、経口、局所(頬側及び舌下を含む)、直腸、膣、経皮、非経口、皮下、腹腔内、肺内、皮内、髄腔内及び硬膜外及び鼻腔内、並びに局所処置が所望される場合、病巣内投与を含む任意の適切な手段によって投与され得る。非経口輸液には、筋肉内投与、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、又は皮下投与が含まれる。
【0044】
本発明の化合物は、任意の好都合な投与形態、例えば、錠剤、散剤、カプセル剤、液剤、分散剤、懸濁剤、シロップ剤、スプレー剤、坐剤、ゲル剤、乳剤、パッチ剤等で投与され得る。そのような組成物は、医薬品の調製における従来の成分、例えば希釈剤、担体、pH調整剤、甘味料、充填剤及び更なる活性剤を含有することができる。
【0045】
典型的な製剤は、本発明の化合物及び担体又は添加物を混合することによって調製される。適切な担体及び賦形剤は当業者によく知られており、例えば、Ansel,Howard C.,et al.,Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004;Gennaro,Alfonso R.,et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients.Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳述されている。製剤はまた、薬物(すなわち、本発明の化合物又はその医薬組成物)の優れた見栄えを提供、又は医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1種以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤、希釈剤及び他の既知の添加剤も含み得る。
【0046】
好適な経口剤形の例は、約0.1~1000mgの無水ラクトース、約0.1~1000mgのクロスカルメロースナトリウム、約0.1~1000mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約0.1~1000mgのステアリン酸マグネシウムを配合された約0.1~1000mgの本発明の化合物を含有する錠剤である。粉末化成分は、最初に一緒に混合され、その後、PVPの溶液と混合される。その結果得られた組成物は、乾燥させ、顆粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、一般的な装置を使用して錠剤の形態に圧縮することができる。エアゾール製剤の例は、例えば0.1~1000mgの本発明の化合物を好適な緩衝溶液、例えばリン酸緩衝液に溶解し、所望であれば、等張化剤、例えば塩化ナトリウム等の塩を添加することによって調製され得る。溶液は、不純物及び汚染物を除去するために、例えば、0.2ミクロンのフィルタを使用してフィルタにかけ得る。
【0047】
したがって、一実施形態は、式(I)の化合物、又はその立体異性体又は薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物を含む。更なる実施形態は、式(I)の化合物、又はその立体異性体又は薬学的に許容され得る塩を、薬学的に許容され得る担体又は賦形剤と共に含む医薬組成物を含む。
【0048】
別の実施形態は、自己免疫疾患の処置に使用するための式(I)の化合物を含む医薬組成物を含む。別の実施形態は、自己免疫疾患の処置に使用するための式(I)の化合物を含む医薬組成物を含む。
【0049】
以下の実施形態は、本発明の典型的な組成物を例示するが、単にその代表としての役割を持つ。
【0050】
組成物A
本発明の化合物は、有効成分として、以下の組成の錠剤を生産するために、それ自体公知の様式で使用することができる。
【0051】
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0052】
組成物B
本発明の化合物は、有効成分として、以下の組成のカプセル剤を生産するために、それ自体公知の様式で使用することができる。
【0053】
カプセルあたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
【0054】
合成
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製することができる。これらの化合物及びその出発物質を合成するための好適な方法は、以下のスキーム及び実施例に示されている。全ての置換基、特にR~R、A、M、W、及びQは、特に明記しない限り、上記で定義したとおりである。さらに、別段の明白な記述がない限り、全ての反応、反応条件、略語及び記号は、有機化学の当業者に周知の意味を有する。
【0055】
式(I)又は(Ia)若しくは(Ib)の化合物を調製するための一般的な合成経路を以下に示す。
【0056】
スキーム1
【化18】

式中、Xはハロゲンである。
【0057】
式(II)の化合物と(III)とのカップリングは、DIPEA若しくはCsF等の塩基の存在下での高温での直接置換によって、又はバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成(参照:Acc.Chem.Res.1998,31,805-818;Chem.Rev.2016,116,12564-12649;Current Chemistry,2002,219,131-209のトピック;及びそこに引用されている参考文献)とRuPhos Pd G2、Pd(dba)/XantPhos等の触媒及びCsCO又はt-BuONa等の塩基とのカップリング反応を介して達成して、式(IV)の化合物を提供することができる。続いて、式(IV)の化合物とR-Hとのカップリングは、バックワルド・ハートウィッグC-N結合形成条件下で、RuPhos Pd G2、Pd(dba)/XantPhos等の触媒及びCsCO又はt-BuONa等の塩基と直接カップリングさせて、式(I)の化合物を得ることによって達成することができる。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物とR-Hとのカップリングは、R-Hに由来する保護基、例えばBoc又はCbzを含有する生成物を与えてもよく、保護基は式(I)の最終化合物を与える前に除去される。
【0058】
スキーム2
【化19】

式中、Xはハロゲンである。
【0059】
式(VI)の化合物は、水素雰囲気下、Pd(OH)/C、Pd/C又はウィルキンソン触媒等の触媒の存在下で、式(V)の化合物からの水素化反応によって達成することができる。Cbz基も同じ条件下で脱保護され得る。その後、式(VI)の化合物と(II)とのカップリングは、DIPEA若しくはCsF等の塩基の存在下での高温での直接置換によって、又はRuPhos Pd G2、Pd(dba)/XantPhos等の触媒及びCsCO若しくはt-BuONa等の塩基との条件でのバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成によって達成して、式(I)の化合物を提供することができる。いくつかの実施形態では、式(VI)の化合物と(II)とのカップリングは、(VI)に由来する保護基、例えばBocを含有する生成物を与えてもよく、保護基は、式(I)の最終化合物を与える前に除去される。
【0060】
本発明の化合物は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得ることができ、これらは、当該技術分野で周知の方法、例えば、(キラル)HPLC又はSFCによって分離することができる。
【0061】
本発明はまた、式(I)又は式(Ia)の化合物を調製する方法に関し、本方法は、
a)触媒及び塩基の存在下での、式(IV)
【化20】

の化合物と、R-Hとの間のバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成反応の工程、
b)触媒及び塩基の存在下での、式(VI)
【化21】

の化合物と、式(II)
【化22】

の化合物との間のバックワルド・ハートウィッグC-N結合形成反応の工程、
c)塩基の存在下での、式(VI)の化合物と式(II)の化合物との間の直接置換反応の工程
を含み、
式中、
工程a)及びb)において、触媒は、例えば、RuPhos Pd G2、Pd(dba)/キサントホスであり得、塩基は、例えば、CsCO又はt-BuONaであり得、
工程c)において、塩基は、DIPEA又はCsFであり得る。
【0062】
上記製造方法に従って製造された場合の式(I)又は(Ia)の化合物もまた、本発明の対象である。
【0063】
適応症及び処置法
本発明は、TLR7及びTLR8及びTLR9のアンタゴニストとして使用することができ、TLR7及び/又はTLR8及び/又はTLR9を介した経路活性化、並びにあらゆる種類のサイトカイン及びあらゆる形態の自己抗体の産生を通じて媒介される自然免疫応答及び適応免疫応答を含むがこれらに限定されない、それぞれの下流の生物学的イベントを阻害する化合物を提供する。したがって、本発明の化合物は、形質細胞様樹状細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、単球、好中球、ケラチノサイト、上皮細胞を含むがこれらに限定されない、そのような受容体(複数可)を発現するあらゆる種類の細胞において、TLR7及び/又はTLR8及び/又はTLR9をブロックするのに有用である。このように、化合物は、全身性エリテマトーデス及びループス腎炎の治療薬又は予防薬として使用することができる。
【0064】
本発明は、処置又は予防を必要とする患者における全身性エリテマトーデス及びループス腎炎の処置又は予防のための方法を提供する。
【0065】
別の実施形態は、処置又は予防を必要とする哺乳動物における全身性エリテマトーデス及びループス腎炎を処置又は予防する方法を含み、該方法は、治療有効量の式(I)の化合物、立体異性体、互変異性体、プロドラッグ、又はその薬学的に許容され得る塩を該哺乳動物に投与することを含む。
【実施例
【0066】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより十分に理解される。しかしながら、これらは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0067】
略語
本発明は、以下の実施例を参照することによってより十分に理解される。しかしながら、これらは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0068】
本明細書で使用される略語は、以下のとおりである。
ACN:アセトニトリル
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
BocO:ジ-tertブチルジカーボネート
CbzCl:クロロギ酸ベンジル
CyPF-t-Bu:[(R)-1-[(S)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチル]ジ-tert-ブチルホスフィン
DCM:ジクロロメタン
DEA:ジエチルアミン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMA:ジメチルアセトアミド
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMFDMA:N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
dtbbpy:4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ジピリジル
EtOAc又はEA:酢酸エチル
FA:ギ酸
HLM ヒト肝ミクロソーム
IC50:50%阻害濃度
Ir[dF(CF)ppy](dtbpy)(PF):[4,4’-ビス(1,1-ジメチルエチル)-2,2’-ビピリジン-N1,N1’]ビス[3,5-ジフルオロ-2-[5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル-N]フェニル-C]イリジウム(III)ヘキサフルオロホスフェート
JackiePhos:ビス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン
LCMS 液体クロマトグラフィ質量分析
MS:質量分析法
[Pd(アリル)Cl]:アリルパラジウム(II)クロリド二量体
Pd(dba):トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム
Pd[P(o-tol):ビス(トリ-o-トリルホスフィン)パラジウム
PE:石油エーテル
prep-HPLC:分取高速液体クロマトグラフィ
rt:室温
RuPhos Pd G2:第2世代のクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
SFC:超臨界流体クロマトグラフィ
TCDI:1,1’-チオカルボニルジイミダゾール
TEA:トリメチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
TfO:トリフルオロメタンスルホン酸無水物
THF:テトラヒドロフラン
TTMSS:1,1,1,3,3,3-ヘキサメチル-2-トリメチルシリル-トリシラン
v/v:体積比
キサントホス:4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【0069】
一般的な実験条件
中間体及び最終化合物を、次の機器のいずれか1つを用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した:i)Biotage SP1システム及びQuad 12/25カートリッジモジュール、ii)ISCO combi-flashクロマトグラフィ機器。シリカゲルのブランド及び細孔径:i)KP-SIL 60Å、粒径:40~60μm;ii)CAS登録番号:シリカゲル:63231-67-4、粒径:47~60ミクロン シリカゲル;iii)Qingdao Haiyang Chemical Co.,Ltd製のZCX、細孔:200~300又は300~400。
【0070】
中間体及び最終化合物を、XBridge(商標)Prep-C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム、SunFire(商標)Prep-C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム、Phenomenex Synergi-C18(10μm、25×150mm)又はPhenomenex Gemini-C18(10μm、25×150mm)を使用する逆相カラムでの分取HPLCによって精製した。Waters AutoP精製システム(サンプルマネージャー2767、ポンプ2525、検出器:Micromass ZQ及びUV 2487、溶媒系:アセトニトリル及び水中0.1%水酸化アンモニウム;アセトニトリル及び水中0.1%FA又はアセトニトリル及び水中0.1%TFA)。又はGilson-281精製システム(ポンプ322、検出器:UV 156、溶媒系:アセトニトリル及び水中0.05%水酸化アンモニウム;アセトニトリル及び水中0.225%FA;アセトニトリル及び水中0.05%HCl;アセトニトリル及び水中0.075%TFA;又はアセトニトリル及び水)。
【0071】
SFCキラル分離について、中間体を、キラルカラム(Daicel chiralpak IC、5μm、30×250mm)、AS(10μm、30×250mm)又はAD(10μm、30×250mm)によって、Mettler Toledo Multigram IIIシステムSFC、Waters 80Q分取SFC又はThar80分取SFC、溶媒系:CO及びIPA(IPA中の0.5%TEA)又はCO及びMeOH(MeOH中の0.1%NH・HO)、背圧100バール、254又は220nmの検出紫外線を用いて分離した。
【0072】
化合物のLC/MSスペクトルを、LC/MS(Waters(商標)Alliance 2795-Micromass ZQ、Shimadzu Alliance 2020-Micromass ZQ、又はAgilent Alliance 6110-Micromass ZQ)を用いて得た。LC/MS条件は以下のとおりであった(実行時間3分又は1.5分):
酸性条件I:A:HO中0.1%TFA;B:アセトニトリル中0.1% TFA;
酸性条件II:A:HO中0.0375%TFA;B:アセトニトリル中0.01875%TFA;
基本条件I:A:HO中0.1%NH・HO;B:アセトニトリル;
塩基性条件II:A:HO中0.025%NH・HO;B:アセトニトリル;
中性条件:A:HO;B:アセトニトリル。
マススペクトル(mass spectra:MS):一般的には親核の質量(parent mass)を示すイオンのみが報告され、特に明記しない限り、引用された質量イオン(mass ion)は正の質量イオン(positive mass ion)(MH)である。
【0073】
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400MHzを使用して取得した。
【0074】
マイクロ波支援反応は、Biotage Initiator Sixtyマイクロ波合成装置で行った。空気に敏感な試薬を含む全ての反応を、アルゴン又は窒素雰囲気下で行った。試薬は、特に明記しない限り、市販のものをそのまま使用し、更に精製することなく使用した。
【0075】
調製実施例
以下の実施例は、本発明の意味を説明することを意図しているが、決して本発明の意味の範囲内での限定を表すものではない。
【0076】
中間体A
4-[(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化23】
【0077】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化24】
【0078】
工程1:tert-ブチル(3S)-3-(8-キノリルカルバモイル)ピぺリジン-1-カルボキシレート(化合物A3)の調製
【0079】
DMF(1000mL)中の8-アミノキノリン(化合物A2、CAS:578-66-5、Vendor:Accela、69.17g、479.78mmol)の溶液に、HATU(190.60g、501.59mmol)及びDIPEA(233mL、1309mmol)を添加した。反応物を0℃で1時間撹拌した。次いで、(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-3-カルボン酸(化合物A1、:88495-54-9、Vendor:Accela、100.00g、436.17mmol)を添加した。反応物を0℃で15時間撹拌した。EtOAc(200mL)及び氷水(50mL)を添加し、分離した。水相をEtOAc(200mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(300mL)で4回洗浄し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮した。その残渣を、EA/PE(1:5)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物A3(120g)を黄色固体として得た。MS:計算値356(MH)、測定値356(MH)。
【0080】
工程2:tert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(8-キノリルカルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A5)及びtert-ブチル(3S,4S)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(8-キノリルカルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A13)の調製
【0081】
tert-ブチル(3S)-3-(8-キノリルカルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A3、50.00g、140.67mmol)、5-クロロ-2-ヨード-ピリジン(化合物A4,CAS:244221-57-6、ベンダー:Bide Pharmatech、77.00g、322.18mmol)及びPd(OAc)(3.15g、14.07mmol)、AgOAc(46.70g、281.35mmol)の混合物をNで脱気し、次いで、N雰囲気下、110℃で48時間撹拌した。室温まで冷却した後、濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を、EA/PE(1/10~1/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより更に精製して、化合物A5(20.00g)及び化合物A13(15.00g)を黄色油状物として得た。MS:計算値467(MH)、測定値467(MH)。
【0082】
工程3:(3S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(5-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-3-カルボン酸(化合物A6)の調製
【0083】
エタノール(200mL)中のtert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(8-キノリルカルバモイル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A5、17.00g、36.41mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(14.57g、364.22mmol)を添加し、次いで、85℃で16時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をHCl(3M)でpH6に中和した。混合物をDCM(300mL)で3回抽出した。有機相を真空で濃縮した。残渣を、PE/EA(5/1~1/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物A6(11.50g)を黄色油状物として得た。MS:計算値341(MH)、測定値285(M-C+H)。
【0084】
工程4:tert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A7)の調製
【0085】
THF(50mL)中の(3S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(5-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-3-カルボン酸(化合物A6、11.50g、33.74mmol)の溶液に、BH.MeS(13.5mL、134.98mmol)を0℃で添加した。添加後、反応混合物をN雰囲気下、25℃で16時間更に撹拌した。揮発性物質を除去して白色固体残渣を得、次いで、メタノール(50mL)を添加した。30分間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、メタノール(50mL)を再び添加した。次いで、残渣を10%クエン酸を滴下して処理した。混合物をDCM(200mL)で3回抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空で濃縮した。残渣を、PE/EA(3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物A7(8.00g)を無色ゴム状物として得た。MS:計算値327 [(M+H)]、実測値271(M-C+H)。
【0086】
工程5:tert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(イミダゾール-1-カルボチオイルオキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A8)の調製
【0087】
THF(60mL)中のtert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A7、4.00g、12.24mmol)及びTCDI(4.36g、24.48mmol)の溶液に、DMAP(299mg、2.45mmol)を添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、残渣をPE/EA(1/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物A8(5.00g)を黄色油状物として得た。MS:計算値437(MH)、測定値437(MH)。
【0088】
工程6:tert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A9)の調製
【0089】
トルエン(250mL)中のtert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-(イミダゾール-1-カルボチオイルオキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A8、5.00g、11.44mmol)の混合物に、トリス(トリメチルシリル)シラン(17mL、47.56mmol)及びAIBN(1877mg、11.44mmol)を添加した。混合物をNで10分間脱気し、85℃で5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を真空下で濃縮した。その残渣を、PE/EA(5/1)の勾配で溶出するフラッシュカラム及び分取HPLCによって精製して、化合物A9(二つのバッチの組み合わせ、4.00g)を黄色油状物として得た。MS:計算値311(MH)、測定値255(M-C+H)。
【0090】
工程7:5-クロロ-2-[(3S,4R)-3-メチル-4-ピペリジル]ピリジン(化合物A10)の調製
【0091】
DCM(20mL)中のtert-ブチル(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物A9、4.00g、12.87mmol)の溶液に、0℃でTFA(31mL、123.08mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製し、化合物A10(2.70g)を白色固体として得た。MS:計算値211(MH)、測定値211(MH)。
【0092】
工程8:4-フルオロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物A11)の調製
【0093】
DMSO(60mL)中の4-クロロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物A12、CAS:19867-78-8、ベンダー:PharmaBlock、4.60g、25.33mmol)及びフッ化セシウム(19.24mg、126.64mmol)の混合物を120℃で18時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水(100mL)に添加し、EA(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で2回洗浄し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮した。その残渣をフラッシュカラムにより精製して、化合物A11(4.00g、いくらかの化合物A12を含有していた)を白色固体として得た。MS:計算値166(MH)、測定値166(MH)。
【0094】
工程9:4-[(3S,4R)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(中間体A)の調製
【0095】
DMSO(50mL)中の4-フルオロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物A11、2.12g、12.81mmol)及び5-クロロ-2-[(3S,4R)-3-メチル-4-ピペリジル]ピリジン(化合物A10、2.70g、12.81mmol)の混合物にCsF(3.72mg、64.07mmol)を添加した。反応物をN雰囲気下、120℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水(200mL)に注ぎ、EA(250mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮した。残渣を、PE/EA(1/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、粗生成物を得、これをSFC(勾配:CO中55%MeOH(0.05%DEA)、カラム:DaicelChiralpakIC、250×30mm、10μm)によって更に精製して、中間体A(2.52g、よりゆっくりと溶出)を白色固体として得た。MS:計算値356(MH)、測定値356(MH)。
【0096】
中間体B
4-[(3S,4R)-4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化25】
【0097】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化26】
【0098】
工程1:tert-ブチル4-ヒドロキシ-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B2)の調製
【0099】
メタノール(500mL)中のtert-ブチル3-メチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B1、CAS:181269-69-2、Vendor:PharmaBlock、50.00g、234.44mmol)の溶液に、NaBH(13.30g、351.67mmol)を分割して0℃で添加した。0℃で1時間、次いで20℃で2.5時間撹拌した後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、メタノールを除去するために減圧下で濃縮した。次いで、混合物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して、化合物B2(50.40g)を淡黄色油状物として得た。
【0100】
工程2:tert-ブチル4-ブロモ-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B3)の調製
【0101】
DCE(500mL)中のtert-ブチル4-ヒドロキシ-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B2、45.00g、209.02mmol)の混合物に、PhP(71.27g、271.73mmol)を20℃で添加し、引き続いてCBr(110.91g、334.43mmol)を20℃で添加した。フラスコを脱気し、Nで4回パージした。N雰囲気下、25℃で15時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣をPE/EA(100/0~100/5)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物B3(35.00g)を淡黄色油状物として得た。
【0102】
工程3:tert-ブチル-4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B5)の調製
【0103】
撹拌棒を装備した1000mLバイアルに、2-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-ピリジン(化合物B4、CAS:65550-77-8、Vendor:Accela、22.00g、106.55mmol)、tert-ブチル4-ブロモ-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B3、38.53g、138.52mmol)、Ir[dF(CF)ppy](dtbpy)(PF)(0.85g、1.07mmol)、NiCl・dtbbpy(0.21g、0.530mmol)、TTMSS(26.50g、106.55mmol)、NaCO(22.59g、213.11mmol)及びDME(500mL)を添加した。バイアルを密封し、窒素でパージした。混合物を撹拌し、冷却ファンを用いて34W青色LEDランプ(7cm離れて)で照射して、反応温度を25℃で14時間維持した。反応物をフィルタにかけ、溶媒(DCM/MeOH=10/1、5mL)の混合物で3回洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を、PE/EA(5/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物B5(7.00g)を淡黄色油状物として得た。MS:計算値325(MH)、実測値269(M-C+H)。
【0104】
工程4:5-クロロ-3-メチル-2-(3-メチル-4-ピペリジル)ピリジン(化合物B6)の調製
【0105】
DCM(30mL)中のtert-ブチル-4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B5、7.00g、21.55mmol)の溶液に、TFA(10mL)を0℃で滴下した。20℃で2時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣をDCM(50mL)に溶解し、飽和NaHCO溶液で塩基性化した。混合物をDCM(40mL)で3回抽出した。合わせた有機層を50mLのブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、化合物B6(4.80g)を淡黄色油状物として得た。MS:計算値225(MH)、測定値225(MH)。
【0106】
工程5:4-[(3S,4R)-4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(中間体B)の調製
【0107】
DMSO(40mL)中5-クロロ-3-メチル-2-(3-メチル-4-ピペリジル)ピリジン(化合物B6、4.60g、20.47mmol)及び4-フルオロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物A11、3.72g、22.52mmol)の混合物に、DIPEA(2.37g、40.94mmol)を添加した。反応物をN雰囲気下、120℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水(400mL)に注ぎ、EA(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮した。残渣を、EA/PE(1/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、混合物(5.40g)を淡褐色固体として得た。混合物をSFC(グラジエント:CO中40%EtOH(0.1%NHO)、カラム:Daicel Chiralpak AD、250×30mm、10μm)によって精製し続けて、中間体B(2.10g)を淡黄色固体として得た。MS:計算値370(MH)、測定値370(MH)。
【0108】
中間体C
4-[4-(6-ブロモ-3-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化27】
【0109】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化28】
【0110】
工程1:tert-ブチル-3-メチル-4-(p-トリルスルホニルヒドラゾノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物C2)の調製
【0111】
エタノール(10mL)中のtert-ブチル-3-メチル-4-オキソピペリジン-1-カルボキシレート(化合物B1、CAS:181269-69-2、Vendor:PharmaBlock、300mg、1.41mmol)の溶液に、4-メチルベンゼンスルホノヒドラジド(化合物C1、341mg、1.83mmol)を添加した。混合物を70℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を濃縮して粗生成物化合物C2(537mg)を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:計算値382(MH)、測定値382(MH)。
【0112】
工程2:tert-ブチル4-(6-ブロモ-3-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物C4)の調製
【0113】
1,4-ジオキサン(5mL)中のtert-ブチル-3-メチル-4-(p-トリルスルホニルヒドラゾノ)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物C2、537mg、1.41mmol)の溶液に、(6-ブロモピリジン-3-イル)ボロン酸(化合物C3、CAS:223463-14-7、ベンダー:Accela、369mg、1.83mmol)及びCsCO(1.38g、4.22mmol)を添加した。混合物をN下、120℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、EA/PE(0%~70%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、所望の生成物C4(50mg)を無色の油状物として得た。MS:計算値355(MH)、測定値355(MH)。
【0114】
工程3:2-ブロモ-5-(3-メチル-4-ピペリジル)ピリジン(化合物C5)の調製
【0115】
HCl(EA中1M、10ml、10mmol)中のtert-ブチル4-(6-ブロモ-3-ピリジル)-3-メチル-ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物C4、50mg、141μmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮して、白色固体として所望の生成物C5(41mg)を得た。MS:計算値255(MH)、測定値255(MH)。
【0116】
工程4:4-[4-(6-ブロモ-3-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(中間体C)の調製
【0117】
DMSO(15mL)中の4-クロロ-1-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物C6、CAS:1268520-92-8、ベンダー:PharmaBlock、35mg、211μmol)及び2-ブロモ-5-(3-メチル-4-ピペリジル)ピリジン(化合物C5、41mg、141μmol)の溶液に、CsF(107mg、703μmol)を添加した。反応混合物を130℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、反応物をEAで希釈し、水(30mL)で4回洗浄し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮した。残渣を、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~70%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、中間体C(42mg)を得た。MS:計算値386(MH)、測定値386(MH)。
【0118】
中間体D
4-[(3R,4S)-4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化29】
【0119】
中間体Aの調製と同様に、化合物A5の代わりに化合物A13を使用することにより表題化合物を調製した。中間体Dを白色固体として得た。MS:計算値356(MH)、測定値356(MH)。(注:中間体A13をエタノール中水酸化ナトリウムで処理すると、ピペリジン環の3位の立体中心はS配置からR配置にエピマー化され、(3R,4S)-1-ブトキシカルボニル-4-(5-クロロ-2-ピリジル)ピペリジン-3-カルボン酸が得られる。)
【0120】
中間体E
4-[4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化30】
【0121】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化31】
【0122】
工程1:tert-ブチル4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物E3)の調製
【0123】
1,4-ジオキサン(400mL)中の2-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-ピリジン(化合物E1、15.00g、72.65mmol)及びtert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物E2、24.71g、79.91mmol)の混合物に、水(40mL)中の炭酸ナトリウム(15.40g、145.30mmol)及びPd(dppf)Cl.CHCl(5.93g、7.26mmol)を添加した。混合物をN雰囲気下、95℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、1,4-ジオキサン(10mL)で3回洗浄した。濾液を濃縮し、粗生成物をPE/EA(5/1~3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物E3(9.40g)を黄色油状物として得た。MS:計算値309(MH)、測定値309(MH)。
【0124】
工程2:tert-ブチル4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物E4)の調製
【0125】
テトラヒドロフラン(120mL)中のtert-ブチル4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物E3、6.00g、19.43mmol)の溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(4.49g、4.86mmol)を添加した。フラスコを脱気し、Hで4回パージした。混合物を水素雰囲気下(45psi)にて60℃で36時間撹拌した。混合物をセライトでフィルタにかけ、固体をメタノール(5mL)で洗浄した。溶媒を真空下で除去し、粗生成物をPE/EA(5/1~3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物E4(4.50g)を灰白色の固体として得た。MS:計算値311(MH)、測定値311(MH)。
【0126】
工程3:5-クロロ-3-メチル-2-(4-ピペリジル)ピリジン(化合物E5)の調製
【0127】
DCM(50mL)中のtert-ブチル4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)ピペリジン-1-カルボキシレート(化合物E4、4.50g、14.48mmol)の溶液に、ジオキサン中HCl(10mL)を0℃で添加した。25℃で16時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、化合物E5(3.56g)を白色固体として得た。MS:計算値211(MH)、測定値211(MH)。
【0128】
工程4:4-[4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(中間体E)の調製
【0129】
DMSO(30mL)中の4-クロロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(1.15g、6.33mmol)及び5-クロロ-3-メチル-2-(4-ピペリジル)ピリジン(化合物E5、1.72g、6.97mmol)の混合物に、KF(3.67g、63.32mmol)を添加した。反応物をN雰囲気下、120℃で15時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を氷水(200mL)及びNaHCO(50mL)水溶液に注ぎ、EA(250mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮した。粗生成物を、PE/EA(5/1~0/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、中間体E(819mg)を淡黄色固体として得た。MS:計算値356(MH)、測定値356(MH)。
【0130】
実施例1
1,6-ジメチル-4-[4-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化32】
【0131】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化33】
【0132】
工程1:tert-ブチル4-[4-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1c)の調製
【0133】
1,4-ジオキサン(5mL)及び水(1mL)中のベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物1a、CAS:286961-15-7、ベンダー:Accela、100mg、291μmol)、tert-ブチル4-(4-ブロモフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1b、CAS:352437-09-3、ベンダー:Accela、99.4mg、291μmol)の混合物に、KCO(121mg、874μmol)及びPdCl(dppf)・CHCl(24mg、29μmol)を添加した。混合物にNを投入し、100℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物をNaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機相を濃縮し、EA/PE(0%~60%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物1c(83mg)を得た。MS:計算値478(MH)、測定値478(MH)。
【0134】
工程2:tert-ブチル4-[4-(4-ピペリジル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1d)の調製
【0135】
MeOH(10mL)中のtert-ブチル4-[4-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1c、83mg、174μmol)の混合物に、Pd(OH)(炭素中10重量%、12mg、87μmol)を添加した。懸濁液をHで3回パージし、次いで、水素バルーン下、室温で一晩撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濃縮して粗生成物化合物1d(60mg)を得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:計算値346(MH)、測定値346(MH)。
【0136】
工程3:tert-ブチル4-[4-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1f)の調製
【0137】
1,4-ジオキサン(2mL)中の4-クロロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物1e、CAS:19867-78-8、ベンダー:PharmaBlock、24mg、130μmol)及びtert-ブチル4-[4-(4-ピペリジル)フェニル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1d、30mg、87μmol)の混合物に、RuPhos Pd G2(7mg、9μmol)及びCsCO(85mg、261μmol)を添加した。混合物にNを投入し、110℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機相を濃縮し、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~60%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製すると、所望の生成物1fが得られた。MS:計算値491(MH)、測定値491(MH)。
【0138】
工程4:1,6-ジメチル-4-[4-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジンの調製
【0139】
化合物1fをDCM(10mL)及びTFA(2mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、ACN/水(0.5%TFAを含む)(0~30%)の勾配で溶出する逆フラッシュカラムによって精製して、実施例1(36mg)を黄色固体として得た。MS:計算値391(MH)、測定値391(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.36(s,1H),7.23-7.18(m,2H),7.01-6.96(m,2H),6.70(s,1H),4.60(br d,J=13.3 Hz,2H),4.07(s,3H),3.56(br t,J=12.7 Hz,2H),3.39-3.33(m,8H),3.01(tt,J=3.8,11.9 Hz,1H),2.62(s,3H),2.14-2.07(m,2H),1.84(dq,J=3.9,12.7 Hz,2H).
【0140】
実施例2
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化34】
【0141】
実施例1の調製と同様に、化合物1cの代わりにtert-ブチル4-[6-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物2b)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例2(44mg)を白色固体として得た。MS:計算値392(MH)、測定値392(MH)。H NMR(400 MHz,CDCl3)δ=8.22(d,J=2.4 Hz,1H),7.90(s,1H),7.15(dd,J=2.6,8.6 Hz,1H),7.04(d,J=8.6 Hz,1H),6.21(s,1H),4.23(br d,J=13.1 Hz,2H),4.04(s,3H),3.25-3.09(m,6H),3.05-2.89(m,5H),2.53(s,3H),2.09-2.01(m,2H),1.98-1.86(m,3H).
【0142】
化合物2bを以下のスキームに従って調製した:
【化35】
【0143】
工程1:ベンジル4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物2a)の調製
【0144】
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)中の2-ブロモ-5-クロロピリジン(CAS:40473-01-6、ベンダー:Accela、1.00g、5.2mmol)、ベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3、6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物1a、1.80g、5.24mmol)及び炭酸ナトリウム(1.20g、11.32mmol)の溶液に、PdCl(dppf)・CHCl(380mg、0.52mmol)をN下で添加した。混合物をN下、80℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、残渣をEA/PE(1/5~1/0)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物2a(1.50g)を褐色油状物として得た。MS:計算値329(MH)、測定値329(MH)。
【0145】
工程2:tert-ブチル4-[6-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物2b)の調製
【0146】
1,4-ジオキサン(5mL)中のベンジル4-(5-クロロ-2-ピリジル)-3、6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物2a、500mg、1.52mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(566mg、3.04mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(225mg、2.34mmol)の溶液に、Xphos-Pd-G3(129mg、0.15mmol)をN下で添加した。混合物をN下、100℃で3時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をセライトでフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、粗生成物をEA/PE(1/5~1/0)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物2b(223mg)を黄色固体として得た。MS:計算値479(MH)、測定値479(MH)。
【0147】
実施例3
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化36】
【0148】
実施例1の調製と同様に、化合物1cの代わりにtert-ブチル4-[5-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物3b)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例3(23mg)を白色固体として得た。MS:計算値393(MH)、測定値393(MH)。H NMR(400 MHz,CDCl3)δ=8.09-8.06(m,1H),8.01-7.98(m,1H),7.93-7.91(m,1H),6.24-6.22(m,1H),4.29-4.21(m,2H),4.07-4.04(m,3H),3.55-3.50(m,4H),3.27-3.18(m,2H),3.02-2.97(m,4H),2.97-2.89(m,1H),2.57-2.54(m,3H),2.07-1.93(m,4H).
【0149】
化合物3bを以下のスキームに従って調製した:
【化37】
【0150】
工程1:tert-ブチル4-(5-クロロピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物3a)の調製
【0151】
ACN(20mL)中の2,5-ジクロロピラジン(CAS:19745-07-4、ベンダー:Accela、2.00g、13.42mmol)及びtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(2.75g、14.77mmol)の溶液に、炭酸カリウム(2.78g、20.14mmol)を添加した。混合物を80℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、残渣をPE/EA(10/1~3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物3a(1.50g、5.02mmol)を淡黄色固体として得た。MS:計算値299(MH)、測定値299(MH)。
【0152】
工程2:tert-ブチル4-[5-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物3b)の調製
【0153】
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)中のtert-ブチル4-(5-クロロピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物3a、1.45g、4.85mmol)及びベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物1a、1.83g、5.34mmol)の混合物に、KCO(1.34g、9.71mmol)及びPdCl(dppf)・CHCl(198mg、0.24mmol)を添加した。フラスコを脱気し、Nで4回パージした。混合物をN雰囲気下、90℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物を水(10mL)で希釈し、EA(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮して粗生成物を得、これをPE/EA(5/1~3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物3b(1.50g)を黄色固体として得た。MS:計算値480(MH)、測定値480(MH)。
【0154】
実施例4
1,6-ジメチル-4-[4-(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化38】
【0155】
実施例2の調製と同様に、2-ブロモ-5-クロロピリジンの代わりに5-ブロモ-2-ヨードピリミジン(CAS:183438-24-6、ベンダー:Accela)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例4(3.5mg)を白色固体として得た。MS:計算値393(MH)、測定値393(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.40(s,2H),8.08(s,1H),6.40(s,1H),5.02-4.90(m,2H),4.33(br d,J=13.2 Hz,2H),3.99(s,3H),3.26-3.20(m,4H),3.18-3.11(m,1H),3.03-2.95(m,4H),2.52(s,3H),2.13-1.94(m,4H).
【0156】
実施例5
1-メチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化39】
【0157】
実施例2の調製と同様に、2-ブロモ-5-クロロピリジン及び化合物1eの代わりに2-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-ピリジン(CAS:65550-77-8、ベンダー:Accela)及び4-クロロ-1-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(CAS:1268520-92-8、ベンダー:PharmaBlock)を用使用することにより表題化合物を調製した。実施例5(29mg)を白色固体として得た。MS:計算値392(MH)、測定値392(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.16(s,1H),8.10(d,J=5.9 Hz,1H),7.96(d,J=2.7 Hz,1H),7.21(d,J=2.7 Hz,1H),6.50(d,J=5.9 Hz,1H),4.41(br d,J=13.7 Hz,2H),4.00(s,3H),3.41-3.33(m,2H),3.29-3.22(m,1H),3.18-3.10(m,4H),3.04-2.93(m,4H),2.40(s,3H),2.10-1.95(m,2H),1.88(br dd,J=1.5,12.5 Hz,2H).
【0158】
実施例6
1-メチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化40】
【0159】
実施例1の調製と同様に、化合物1e及び化合物1bの代わりに4-クロロ-1-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(CAS:1268520-92-8、ベンダー:PharmaBlock)及びtert-ブチル4-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:944582-92-7、ベンダー:Bide Pharmatech)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例6(35mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値392(MH)、測定値392(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.45(s,1H),8.06(d,J=7.3 Hz,1H),7.91(s,1H),7.21(s,1H),6.86(d,J=7.5 Hz,1H),4.70-4.62(m,2H),4.08(s,3H),3.94-3.84(m,4H),3.65(br t,J=12.1 Hz,2H),3.44-3.36(m,4H),3.35-3.24(m,1H),2.56(s,3H),2.14(br d,J=12.3 Hz,2H),1.90(dq,J=3.5,12.6 Hz,2H).
【0160】
実施例7
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化41】
【0161】
実施例2の調製と同様に、2-ブロモ-5-クロロピリジンの代わりに2-ブロモ-5-クロロ-3-メトキシ-ピリジン(CAS:65550-77-8、ベンダー:Accela)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例7(61mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.07(s,1H),7.96(d,J=2.9 Hz,1H),7.21(d,J=2.7 Hz,1H),6.40(s,1H),4.37(br d,J=13.4 Hz,2H),3.99(s,3H),3.35(br d,J=2.0 Hz,1H),3.29-3.21(m,2H),3.15(br dd,J=3.9,6.1 Hz,4H),3.02-2.94(m,4H),2.52(s,3H),2.40(s,3H),2.08-1.96(m,2H),1.89-1.80(m,2H).
【0162】
実施例8
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化42】
【0163】
実施例1の調製と同様に、化合物1e及び化合物1bの代わりに4-ブロモ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(CAS:1783407-55-5、ベンダー:Accela)及びtert-ブチル4-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:944582-92-7、ベンダー:Bide Pharmatech)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例8(32mg)を黄色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.27(s,1H),7.81(s,1H),7.07(s,1H),6.62(s,1H),4.54(br d,J=13.4 Hz,2H),3.98(s,3H),3.82-3.73(m,4H),3.51(br t,J=12.6 Hz,2H),3.35-3.25(m,4H),3.19-3.12(m,1H),2.53(s,3H),2.45(s,3H),2.03(br d,J=12.3 Hz,2H),1.77(dq,J=3.5,12.6 Hz,2H).
【0164】
実施例9
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化43】
【0165】
実施例3の調製と同様に、2,5-ジクロロピラジンの代わりに5-ブロモ-2-クロロ-4-メチルピリジン(CAS:778611-64-6、ベンダー:Accela)を使用し、工程1においてSAr反応(KCO、CAN)をバックワルドカップリング反応(XantPhos、Pd(dba)、t-BuONa、トルエン)に置き換えることによって、表題化合物を調製した。実施例9(61mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.09(d,J=3.4 Hz,2H),7.18(s,1H),6.41(s,1H),4.37(br d,J=13.2 Hz,2H),3.99(s,3H),3.30-3.23(m,2H),3.06-3.01(m,4H),3.02-2.99(m,1H),3.00-2.93(m,4H),2.52(s,3H),2.33(s,3H),2.05-1.97(m,2H),1.97-1.85(m,2H).
【0166】
実施例10
1,6-ジメチル-4-[4-(2-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化44】
【0167】
実施例3の調製と同様に、2,5-ジクロロピラジンの代わりに3-ブロモ-6-フルオロ-2-メチルピリジン(CAS:375368-83-5、ベンダー:Accela)を用い、工程1においてSAr反応条件KCO、CAN)を(DIPEA、DMF)に置き換えることにより、表題化合物を調製した。実施例10(7mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=8.10(s,1H),7.42(d,J=8.8 Hz,1H),6.61(d,J=8.6 Hz,1H),6.43(s,1H),4.38(br d,J=13.1 Hz,2H),4.01(s,3H),3.49-3.43(m,4H),3.32-3.26(m,2H),3.11-3.01(m,1H),2.99-2.92(m,4H),2.54(s,3H),2.50(s,3H),1.97-1.89(m,2H),1.86-1.75(m,2H).
【0168】
実施例11
1,6-ジメチル-4-[4-(4-メチル-2-ピペラジン-1-イル-ピリミジン-5-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化45】
【0169】
実施例3の調製と同様に、2,5-ジクロロピラジンの代わりに5-ブロモ-2-クロロ-4-メチルピリミジン(CAS:633328-95-7、ベンダー:Accela)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例11(34mg)を白色固体として得た。MS:計算値407(MH)、測定値407(MH)。H NMR(400 MHz,CDCl3)δ=8.10(s,1H),7.93(s,1H),6.24(s,1H),4.27(br d,J=12.8 Hz,2H),4.07(s,3H),3.81-3.74(m,4H),3.18(dt,J=2.6,12.5 Hz,2H),2.95-2.81(m,5H),2.57(s,3H),2.43(s,3H),1.97-1.82(m,4H).
【0170】
実施例12
1,6-ジメチル-4-[4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化46】
【0171】
実施例3の調製と同様に、2,5-ジクロロピラジンの代わりに2,5-ジクロロ-3-メチル-ピラジン(CAS:107378-41-6、ベンダー:Bide)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例12(16mg)を白色固体として得た。MS:計算値407(MH)、測定値407(MH)。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=8.09(s,1H),7.92(s,1H),6.41(s,1H),4.37(br d,J=13.3 Hz,2H),4.00(s,3H),3.59-3.50(m,4H),3.39-3.34(m,1H),3.32-3.28(m,1H),3.28-3.17(m,1H),3.00-2.88(m,4H),2.54(s,3H),2.51(s,3H),2.07-1.94(m,2H),1.93-1.82(m,2H).
【0172】
実施例13
4-[4-(3-エチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化47】
【0173】
実施例1の調製と同様に、化合物1cの代わりにtert-ブチル4-[6-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-5-ビニル-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13c)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例13(5mg)を白色固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=8.10(s,1H),7.99(d,J=2.8 Hz,1H),7.22(d,J=2.8 Hz,1H),6.42(s,1H),4.39(br d,J=13.4 Hz,2H),4.01(s,3H),3.39-3.34(m,1H),3.32-3.23(m,2H),3.20-3.12(m,4H),3.04-2.95(m,4H),2.77(q,J=7.5 Hz,2H),2.54(s,3H),2.18-2.02(m,2H),1.85(br d,J=11.1 Hz,2H),1.28(t,J=7.5 Hz,3H).
【0174】
化合物13cを以下のスキームに従って調製した:
【化48】
【0175】
工程1:ベンジル4-(3-ブロモ-5-クロロ-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物13a)の調製
【0176】
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)中のベンジル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物1a、2.53g、7.37mmol)及び2,3-ジブロモ-5-クロロピリジン(CAS:137628-17-2、Vendor:Accela、2.00g、7.37mmol)の混合物に、PdCl(dppf).CHCl(301mg、0.37mmol)及びNaCO(1.56g、14.74mmol)を添加した。混合物をN雰囲気下、80℃で0.5時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、固体を1,4-ジオキサン(15mL)で3回洗浄し、濃縮した。残渣を、PE/EA(3/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物13a(680mg、1.67mmol)を淡黄色固体として得た。MS:計算値407(MH)、測定値407(MH)。
【0177】
工程2:ベンジル4-(5-クロロ-3-ビニル-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物13b)の調製
【0178】
トルエン(1mL)、エタノール(0.5mL)及び水(0.5mL)中のベンジル4-(3-ブロモ-5-クロロ-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物13a、100mg、0.25mmol)、ビニルボロン酸ピナコールエステル(94mg、0.61mmol)及びNaCO(20mg、0.490mmol)の混合物に、PdCl(dppf).CHCl(20mg、0.02mmol)を添加し、混合物をN雰囲気下にて100℃で1時間撹拌した。この反応を4回繰り返した(それぞれ100mgの化合物13cに対して)。合わせた反応混合物をフィルタにかけ、EtOHで洗浄した。濾液を濃縮した。残渣を、PE/EA(5/1~0/1)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物13b(260mg)を淡黄色油状物として得た。MS:計算値355(MH)、測定値355(MH)。
【0179】
工程3:tert-ブチル4-[6-(1-ベンジルオキシカルボニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-5-ビニル-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13c)の調製
【0180】
tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(105mg、0.56mmol)及びベンジル4-(5-クロロ-3-ビニル-2-ピリジル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-カルボキシレート(化合物13b、100mg、0.28mmol)を含む1,4-ジオキサン(2.5mL)の混合物に、Xphos-Pd-G3(24mg、0.03mmol)及びt-BuONa(67mg、0.70mmol)を添加した。N下、100℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物を別の同じバッチと合わせ、後処理し、次いで混合物をフィルタにかけ、EtOHで洗浄し、濃縮した。残渣を、PE/EA(1/0~1/8)の勾配で溶出するフラッシュカラムにより精製して、化合物13c(90mg)を淡黄色固体として得た。MS:計算値505(MH)、測定値505(MH)。
【0181】
実施例14
4-[4-(3-メトキシ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化49】
【0182】
実施例9の調製と同様に、5-ブロモ-2-クロロ-4-メチルピリジンの代わりに5-ブロモ-2-クロロ-3-メトキシ-ピリジン(CAS:286947-03-3、ベンダー:Accela)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例14(37mg)を白色固体として得た。MS:計算値422(MH)、測定値422(MH)。H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=8.09(s,1H),7.70(d,J=2.3 Hz,1H),6.99(d,J=2.3 Hz,1H),6.41(s,1H),4.37(br d,J=13.2 Hz,2H),4.00(s,3H),3.89(s,3H),3.44(tt,J=3.9,11.7 Hz,1H),3.32-3.25(m,2H),3.20(dd,J=4.0,6.2 Hz,4H),3.03-2.94(m,4H),2.54(s,3H),2.07-1.95(m,2H),1.94-1.85(m,2H).
【0183】
実施例15
(3S,4R)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン
【化50】
【0184】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化51】
【0185】
工程1:tert-ブチルN-[(3S,4R)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-4-ピペリジル]カルバメート(化合物15b)の調製
【0186】
1,4-ジオキサン中の4-[4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(中間体E、50mg、0.14mmol)及びtert-ブチルN-[(3S,4R)-3-フルオロ-4-ピペリジル]カルバメート(化合物15a、CAS:1434126-99-4、ベンダー:PharmaBlock、40mg、0.18mmol)の混合物に、RuPhos Pd G2(11mg、0.014mmol)及び炭酸セシウム(92mg、0.28mmol)を添加した。混合物を110℃に一晩加熱した。室温に冷却した後、固体を濾別し、EA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~80%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製すると、所望の生成物15bが得られ、これを次の工程で直接使用した。MS:計算値538(MH)、測定値538(MH)。
【0187】
工程2:(3S,4R)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン(実施例15)の調製
【0188】
DCM(5mL)及びTFA(2mL)中の化合物15bの混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、ACN/水(0.05%TFAを含む)(0~30%)の勾配で溶出する逆フラッシュカラムによって精製して、実施例15(56mg)を白色固体として得た。MS:計算値438(MH)、測定値438(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.37(s,1H),8.15(d,J=2.9 Hz,1H),8.02(d,J=2.7 Hz,1H),6.74(s,1H),5.08(d,J=49.2 Hz,1H),4.76-4.61(m,2H),4.48-4.34(m,1H),4.16-4.03(m,4H),3.76-3.59(m,4H),3.43-3.25(m,1H),3.24-3.09(m,1H),2.64(s,3H),2.59(s,3H),2.22-2.09(m,4H),2.09-2.00(m,2H).
【0189】
実施例16
4-[4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化52】
【0190】
実施例15の調製と同様に、化合物15aの代わりにtert-ブチル(2R)-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:1023301-73-6、ベンダー:PharmaBlock)を使用することにより、表題化合物を調製した。実施例16(58mg)を白色固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.37(s,1H),8.13(d,J=2.8 Hz,1H),7.73(d,J=2.6 Hz,1H),6.73(s,1H),4.70-4.62(m,2H),4.08(s,3H),3.98-3.90(m,2H),3.72-3.57(m,6H),3.52-3.46(m,1H),3.45(s,3H),3.36-3.27(m,1H),3.20-3.06(m,2H),2.63(s,3H),2.53(s,3H),2.14-2.03(m,4H).
【0191】
実施例17
(3S,4S)-1-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン
【化53】
【0192】
実施例15の調製と同様に、化合物15aの代わりにtert-ブチルN-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-ピペリジル]カルバメート(CAS:907544-19-8、ベンダー:PharmaBlock)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例17(50mg)を白色固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.37(s,1H),8.17(d,J=2.9 Hz,1H),8.03(d,J=2.8 Hz,1H),6.75(s,1H),4.74-4.65(m,2H),4.39-4.29(m,1H),4.08(s,3H),4.03-3.91(m,1H),3.75-3.60(m,3H),3.55(s,3H),3.41-3.32(m,1H),3.26-3.14(m,1H),3.00(dt,J=2.7,12.8 Hz,1H),2.72(dd,J=10.1,12.5 Hz,1H),2.64(s,3H),2.60(s,3H),2.21-2.09(m,5H),1.79(dq,J=4.6,12.5 Hz,1H).
【0193】
実施例18及び実施例19
1-メチル-4-[シス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例18)及び1-メチル-4-[トランス-3-メチル-4-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例19)
【化54】
【0194】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート及び中間体Cを使用することにより表題化合物を調製した。実施例18及び実施例19を分取HPLCによって分離した。
【0195】
実施例18(6mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値392(MH)、測定値392(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.50(s,1H),8.07-7.99(m,2H),7.69(dd,J=2.3,8.9 Hz,1H),7.05(d,J=8.9 Hz,1H),6.86(d,J=7.6 Hz,1H),4.70(br d,J=13.7 Hz,1H),4.54(br d,J=13.4 Hz,1H),4.07(s,3H),3.85-3.77(m,5H),3.68-3.54(m,1H),3.39-3.33(m,5H),2.46-2.28(m,2H),1.98(br dd,J=2.8,13.8 Hz,1H),0.72(d,J=7.0 Hz,3H).
【0196】
実施例19(8mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値392(MH、測定値392(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.41(s,1H),8.08-8.02(m,2H),7.70(dd,J=2.3,9.0 Hz,1H),7.07(d,J=9.0 Hz,1H),6.87(d,J=7.5 Hz,1H),4.65(br d,J=13.8 Hz,1H),4.55(br d,J=12.8 Hz,1H),4.08(s,3H),3.85-3.78(m,4H),3.66-3.53(m,1H),3.38-3.33(m,4H),3.28-3.23(m,1H),2.65(dt,J=4.0,11.4 Hz,1H),2.09-1.86(m,3H),0.89(d,J=6.5 Hz,3H).2D-NMRにより2分子の相対配置を確認した。
【0197】
実施例20及び実施例21
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例20)及び1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例21)
【化55】
【0198】
表題化合物を、以下のスキームによって調製した。
【化56】
【0199】
工程1:tert-ブチル4-[4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20b)の調製
【0200】
1,4-ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル4-(5-ブロモ-4-メチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20a、CAS:944582-92-7、ベンダー:Bide Pharmatech、100mg、281μmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(107mg、421μmol)の混合物に、酢酸カリウム(83mg、842μmol)及びPdCl(dppf)・CHCl(23mg、28μmol)を添加した。混合物にNを投入し、110℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物を濾別し、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮すると、粗生成物化合物20b(113mg)が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:計算値404(MH)、測定値404(MH)。
【0201】
工程2:1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-ピペリジン-4-オン(化合物20e)の調製
【0202】
1,4-ジオキサン(20mL)中の4-クロロ-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物20c、CAS:19867-78-8、ベンダー:Pharma Block、511mg、2.82mmol)及び3-メチルピペリジン-4-オン塩酸塩(化合物20d、CAS:4629-78-1、ベンダー:Pharma Block、351mg、2.35mmol)の混合物に、RuPhos Pd G2(182mg、235μmol)及びCsCO(2.29g、7.04mmol)を添加した。混合物にNを投入し、110℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、固体を濾別し、EA(10mL)で2回洗浄した。合わせた混合物を濃縮し、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~80%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製すると、黄色油状物として所望の生成物20e(272mg)が得られた。MS:計算値259(MH)、測定値259(MH)。
【0203】
工程3:[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]トリフルオロメタンスルホネート(化合物20f)の調製
【0204】
THF(10mL)中の1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-ピペリジン-4-オン(化合物20e、200mg、774μmol)の溶液に、-78℃のKHMDS(THF中0.5M、2.32mL、1.16mmol)を添加し、0.5時間撹拌した。次いで、1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(415mg、1.16mmol)を添加し、反応混合物を-78℃で更に2時間撹拌した。室温に加温した後、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~60%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって混合物を直接精製すると、所望の生成物化合物20f(230mg)が得られた。MS:計算値391(MH)、測定値391(MH)。
【0205】
工程4:tert-ブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-4-メチル-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20g)の調製
【0206】
1,4-ジオキサン(5mL)及び水(1mL)中の[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]トリフルオロメタンスルホネート(化合物20f、50mg、128μmol)及びtert-ブチル4-[4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20b、113mg、280μmol)の混合物に、KCO(53mg、384μmol)及びPdCl(dppf)・CHCl(21mg、26μmol)を添加した。混合物にNを投入し、100℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をNaSOで乾燥させ、濾別し、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮すると、粗生成物化合物20g(66mg)が得られ、これを更に精製することなく次の工程に使用した。MS:計算値518(MH)、測定値518(MH)。
【0207】
工程5:tert-ブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-4-メチル-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20h)の調製
【0208】
tert-ブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-4-メチル-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20g、66mg、128μmol)を含むフラスコに、Pd(OH)(炭素中10重量%、8.99mg、64μmol)及びMeOH(10mL)を添加した。懸濁液をHで3回パージし、次いで、水素バルーン下、室温で一晩撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濃縮した。残渣を、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~80%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、所望の生成物20h(25mg)を得た。MS:計算値520(MH)、測定値520(MH)。
【0209】
工程6:1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例20)及び1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(4-メチル-6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例21)の調製
【0210】
DCM(10mL)中のtert-ブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-4-メチル-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物20h、25mg、48μmol)の混合物に、TFA(2mL)を添加した。室温で2時間撹拌した後、混合物を濃縮し、ACN/水(0.5%TFAを含む)(0%~30%)の勾配で溶出する逆フラッシュカラムによって精製して、所望の生成物を得た。実施例20及び実施例21の構造は、2D-NMRにより確認した。
【0211】
実施例20(9mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.45(s,1H),7.81(s,1H),7.20(s,1H),6.76(s,1H),4.71(br d,J=13.2 Hz,1H),4.55(br d,J=13.7 Hz,1H),4.10(s,3H),3.97-3.87(m,4H),3.83(br d,J=11.9 Hz,1H),3.62(br t,J=12.4 Hz,1H),3.53(td,J=3.6,12.9 Hz,1H),3.46-3.39(m,4H),2.65(s,3H),2.56(s,3H),2.54-2.41(m,2H),1.93-1.84(m,1H),0.76(d,J=7.0 Hz,3H).
【0212】
実施例21(2mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d)δ=8.24(s,1H),7.84(s,1H),6.90(s,1H),6.65(s,1H),4.56-4.43(m,2H),3.98(s,3H),3.73-3.68(m,4H),3.54-3.43(m,1H),3.28-3.23(m,4H),3.20-3.13(m,1H),2.83(dt,J=3.9,11.5 Hz,1H),2.54(s,3H),2.36(s,3H),2.10-1.99(m,1H),1.99-1.92(m,1H),1.76-1.65(m,1H),0.81(d,J=6.6 Hz,3H).
【0213】
実施例22及び実施例23
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例22)及び1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピラジン-2-イル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例23)
【化57】
【0214】
実施例24及び実施例25の調製と同様に、化合物24cの代わりにtertブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-6-メチル-ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物22b)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例22及び実施例23の構造は、2D-NMRにより確認した。
【0215】
実施例22(1mg)を黄色固体として得た。MS:計算値421(MH)、測定値421(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.30(s,1H),8.07(s,1H),6.71(s,1H),4.60(br d,J=13.8 Hz,1H),4.50(br d,J=12.3 Hz,1H),4.07(s,3H),3.87-3.80(m,5H),3.59(br s,1H),3.35-3.33(m,4H),3.07-3.00(m,1H),2.64-2.60(m,4H),2.52(s,4H),1.96(br s,1H),0.85(d,J=6.5 Hz,3H).
【0216】
実施例23(1mg)を黄色固体として得た。MS:計算値421(MH)、測定値421(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.37(s,1H),8.09(s,1H),6.70(s,1H),4.51(br d,J=12.8 Hz,1H),4.43(br d,J=11.4 Hz,1H),4.09-4.06(m,3H),3.90-3.80(m,5H),3.79-3.68(m,1H),3.60-3.53(m,1H),3.36-3.35(m,1H),3.34-3.32(m,3H),2.62(s,3H),2.56-2.43(m,5H),1.93(br d,J=9.9 Hz,1H),0.72(d,J=7.0 Hz,3H).
【0217】
化合物22bを以下のスキームに従って調製した:
【化58】
【0218】
工程1:tert-ブチル4-(5-ブロモ-6-メチル-ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物22a)の調製
【0219】
DMF(3mL)中の2-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-ピラジン(200mg、0.96mmol)の溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(180mg、0.96mmol)及び炭酸セシウム(314mg、0.96mmol)を添加した。反応混合物を90℃で15時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をフィルタにかけ、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、MeOH/DCM(0%~10%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物22a(77mg)を黄色油状物として得た。MS:計算値357(MH)、測定値357(MH)。
【0220】
工程2:tert-ブチル4-[5-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-6-メチル-ピラジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物22b)の調製
【0221】
1,4-ジオキサン(5mL)及び水(1mL)中の1,6-ジメチル-4-[5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物24a、95mg、0.26mmol)の溶液に、tert-ブチル4-(5-ブロモ-6-メチル-ピラジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物22a、77mg、0.22mmol)、Pd(dppf)Cl.CHCl(18mg、0.22mmol)及びKCO(45mg、0.32mmol)を添加した。反応混合物をN雰囲気下にて90℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をMeOH/DCM(0%~10%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、化合物22b(130mg)を褐色油状物として得た。MS:計算値519(MH)、測定値519(MH)。実施例22及び実施例23の構造は、2D-NMRにより確認した。
【0222】
実施例24及び実施例25
1,6-ジメチル-4-[シス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例24)及び1,6-ジメチル-4-[トランス-3-メチル-4-(3-メチル-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(実施例25)
【化59】
【0223】
実施例20及び実施例21の調製と同様に、化合物20gの代わりにtertブチル4-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-5-メチル-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物24c)を使用することにより表題化合物を調製した。実施例24及び実施例25の構造は、2D-NMRにより確認した。
【0224】
実施例24(16mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.42(s,1H),8.20-8.14(m,1H),7.99-7.91(m,1H),6.76(s,1H),4.70(br d,J=13.4 Hz,1H),4.53(br d,J=13.3 Hz,1H),4.09(s,3H),3.86(br d,J=13.6 Hz,2H),3.73-3.60(m,5H),3.49-3.33(m,4H),2.76-2.61(m,4H),2.60-2.52(m,4H),2.03-1.93(m,1H),0.76(d,J=7.0 Hz,3H).
【0225】
実施例25(8mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.33(s,1H),8.17(d,J=2.4 Hz,1H),7.78(br s,1H),6.75(s,1H),4.67(br d,J=13.4 Hz,1H),4.57(br d,J=14.6 Hz,1H),4.08(s,3H),3.69-3.53(m,6H),3.44-3.36(m,4H),3.36-3.24(m,1H),2.63(s,3H),2.53(s,3H),2.45-2.35(m,1H),2.12-2.00(m,2H),0.88(d,J=6.6 Hz,3H).
【0226】
化合物24cを以下のスキームに従って調製した:
【化60】
【0227】
工程1:1,6-ジメチル-4-[5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物24a)の調製
【0228】
1,4-ジオキサン(10mL)中の[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]トリフルオロメタンスルホネート(化合物20f、300mg、0.768mmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(292.72mg、1.15mmol)の混合物に、PdCl(dppf)・CHCl(63mg、0.077mmol)及び酢酸カリウム(226mg、2.31mmol)を添加した。混合物にNを投入し、90℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、混合物をフィルタにかけ、固体をEA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮すると、粗生成物化合物24a(283mg)が得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。MS:計算値369(MH)、測定値369(MH)。
【0229】
工程2:4-[4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物24b)の調製
【0230】
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(2mL)中の1,6-ジメチル-4-[5-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物24a、283mg、0.768mmol)及び2-ブロモ-5-クロロ-3-メチル-ピリジン(CAS:65550-77-8、ベンダー:Accela、175mg、0.845mmol)の混合物に、PdCl(dppf)・CHCl(31mg、0.038mmol)及びKCO(212mg、1.54mmol)を添加した。混合物にNを投入し、90℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、混合物をDCM(20mL)で3回抽出し、NaSOで乾燥させ、フィルタにかけ、濃縮し、EA/PE(0%~30%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製して、所望の生成物である化合物24b(260mg)を得た。MS:計算値368(MH)、測定値368(MH)。
【0231】
工程3:tert-ブチル4-[6-[1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル]-5-メチル-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物24c)の調製
【0232】
1,4-ジオキサン(5mL)中の4-[4-(5-クロロ-3-メチル-2-ピリジル)-5-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピりジン-1-イル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン(化合物24b、130mg、0.353mmol)及び1-Boc-ピペラジン(99mg、0.530mmol)の混合物に、炭酸セシウム(230mg、0.707mmol)及びRuPhos Pd G2(27mg、0.035mmol)を添加した。混合物にNを投入し、110℃で一晩撹拌した。室温に冷却した後、固体を濾別し、EA(10mL)で2回洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、EA(10%MeOHを含む)/PE(0%~80%)の勾配で溶出するフラッシュカラムによって精製すると、所望の生成物24c(136mg)が得られた。MS:計算値518(MH)、測定値518(MH)。
【0233】
実施例26
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン
【化61】
【0234】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-イル]カルバメート(CAS:1932066-52-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより表題化合物を調製した。実施例26(75mg)を白色固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.34(s,1 H),7.85(d,J=2.50 Hz,1 H),7.58(d,J=2.50 Hz,1 H),6.77(s,1 H),4.69(br d,J=14.01 Hz,1 H),4.59(br d,J=13.01 Hz,1 H),4.19(dt,J=5.63,2.94 Hz,1 H),4.09(s,3 H),3.99(dt,J=6.25,3.38 Hz,1 H),3.87(dd,J=11.51,5.50 Hz,1 H),3.80(dd,J=11.26,6.25 Hz,1 H),3.68-3.58(m,1 H),3.55(dd,J=11.26,3.25 Hz,1 H),3.51-3.42(m,4 H),3.40-3.32(m,2 H),2.64(s,3 H),2.57(s,3 H),2.44-2.33(m,1 H),2.14-2.04(m,2 H)0.90(d,J=6.50 Hz,3 H).
【0235】
実施例27
2-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン
【化62】
【0236】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-8-カルボキシレート(CAS:1251005-61-4、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例27(65mg)を白色固体として得た。MS:計算値462(MH)、測定値462(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.06(s,1H),7.60(d,J=2.5 Hz,1H),6.78(d,J=2.4 Hz,1H),6.41(s,1H),4.38(br d,J=13.8 Hz,1H),4.29(br d,J=11.9 Hz,1H),4.00(s,3H),3.91(d,J=8.0 Hz,2H),3.74-3.63(m,4H),3.02(s,3H),2.99-2.96(m,1H),2.92-2.87(m,1H),2.84-2.80(m,2H),2.53(s,3H),2.37(s,3H),2.31(br dd,J=6.5,11.0 Hz,1H),1.98-1.88(m,1H),1.84-1.75(m,1H),0.77(d,J=6.5 Hz,3H).
【0237】
実施例28
(6S)-4-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン
【化63】
【0238】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(6S)-1,4-オキサゼパン-6-イル]カルバメート(CAS:2306247-11-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例28(75mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.39(s,1H),8.11(d,J=3.1 Hz,1H),8.02(d,J=2.6 Hz,1H),6.83(s,1H),4.73(br d,J=10.4 Hz,1H),4.63(br d,J=12.4 Hz,1H),4.20-4.09(m,5H),4.05-3.98(m,1H),3.95-3.80(m,5H),3.75-3.62(m,2H),3.47-3.34(m,2H),2.68(s,3H),2.63(s,3H),2.54-2.45(m,1H),2.23-2.12(m,2H),0.95(d,J=6.6 Hz,3H).
【0239】
実施例29
4-[(3S,4R)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化64】
【0240】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル(2R)-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:1023301-73-6、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例29(147mg)を黄色固体として得た。MS:計算値464(MH)、測定値464(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.37(s,1H),8.21(d,J=2.9 Hz,1H),8.11(d,J=2.6 Hz,1H),6.81(s,1H),4.71(br d,J=12.2 Hz,1H),4.65-4.58(m,1H),4.15-4.04(m,5H),3.77-3.70(m,1H),3.70-3.62(m,3H),3.54-3.49(m,1H),3.48-3.41(m,4H),3.38-3.31(m,3H),3.25(br dd,J=10.3,13.7 Hz,1H),2.66(s,3H),2.64-2.59(m,3H),2.53-2.44(m,1H),2.20-2.11(m,2H),0.92(d,J=6.6 Hz,3H).
【0241】
実施例30
4-[(3S,4R)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-3-メチル-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン、
【化65】
【0242】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(CAS:674792-08-6、ベンダー:Accela)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例30(42mg)を白色固体として得た。MS:計算値446(MH)、測定値446(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.34(s,1H),8.20(d,J=2.3 Hz,1H),7.97(br s,1H),6.76(s,1H),4.73-4.65(m,1H),4.59(br d,J=13.3 Hz,1H),4.09(s,3H),3.74-3.69(m,2H),3.68-3.59(m,1H),3.58-3.49(m,4H),3.45-3.33(m,2H),2.64(s,3H),2.58(s,3H),2.48-2.35(m,1H),2.20-2.03(m,2H),1.22-1.03(m,4H),0.90(d,J=6.6 Hz,3H).
【0243】
実施例31
(3R,4R)-1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン
【化66】
【0244】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(3R,4R)-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート(CAS:1523530-29-1、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより表題化合物を調製した。実施例31(44mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値452(MH)、測定値452(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.33(s,1H),8.19(d,J=2.7 Hz,1H),7.89(d,J=2.6 Hz,1H),6.75(s,1H),4.78-4.63(m,2H),4.57(br d,J=13.0 Hz,1H),4.35-4.27(m,1H),4.08(s,3H),3.98-3.88(m,1H),3.66-3.57(m,1H),3.57-3.46(m,1H),3.37-3.31(m,2H),3.08-2.97(m,2H),2.63(s,3H),2.55(s,3H),2.44-2.34(m,1H),2.28-2.19(m,1H),2.13-2.02(m,2H),1.82(dq,J=4.3,12.6 Hz,1H),0.88(d,J=6.6 Hz,3H).
【0245】
実施例32
1-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン
【化67】
【0246】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-(3-メチルアゼチジン-3-イル)カルバメートヒドロクロリデカルバメート(CAS:1408076-37-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例32(66mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値420(MH)、測定値420(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.33(s,1H),7.77(d,J=2.7 Hz,1H),7.42(d,J=2.6 Hz,1H),6.75(s,1H),4.67(br d,J=13.6 Hz,1H),4.58(br d,J=13.1 Hz,1H),4.17(d,J=8.9 Hz,2H),4.12-4.06(m,5H),3.67-3.58(m,1H),3.37-3.31(m,2H),2.63(s,3H),2.54(s,3H),2.43-2.34(m,1H),2.12-2.05(m,2H),1.69(s,3H),0.88(d,J=6.6 Hz,3H).
【0247】
実施例33
(4aR,7aR)-6-[6-[(3S,4R)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-5-メチル-3-ピリジル]-3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン
【化68】
【0248】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル(4aR,7aR)-オクタヒドロピロロ[3,4-b]モルホリン-4-カルボキシレート(CAS:1932337-68-2、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Bを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例33(66mg)を淡黄色の固体として得た。MS:計算値462(MH)、測定値462(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.33(s,1H),7.83(d,J=2.9 Hz,1H),7.56(d,J=2.6 Hz,1H),6.75(s,1H),4.68(br d,J=13.3 Hz,1H),4.64-4.52(m,1H),4.25(dd,J=3.7,13.1 Hz,1H),4.21-4.12(m,1H),4.08(s,3H),4.04-3.97(m,1H),3.89-3.80(m,2H),3.63(dt,J=7.6,10.1 Hz,2H),3.52(dd,J=2.1,13.3 Hz,1H),3.49-3.44(m,1H),3.40(dd,J=4.2,12.9 Hz,1H),3.37-3.32(m,3H),2.63(s,3H),2.56(s,3H),2.43-2.34(m,1H),2.14-2.07(m,2H),0.89(d,J=6.6 Hz,3H).
【0249】
実施例35
1,6-ジメチル-4-[(3R,4S)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化69】
【0250】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート及び中間体Dを使用することにより表題化合物を調製した。実施例35(5mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.35(s,2H),8.05-7.85(m,1H),7.77-7.62(m,1H),6.77(s,1H),4.67(br d,J=13.4 Hz,1H),4.60-4.51(m,1H),4.09(s,3H),3.66-3.56(m,5H),3.44-3.36(m,4H),3.30-3.19(m,1H),3.09-2.95(m,1H),2.64(s,3H),2.33-2.19(m,1H),2.17-1.99(m,2H),0.90(d,J=6.6 Hz,3H).
【0251】
実施例34
1,6-ジメチル-4-[(3S,4R)-3-メチル-4-(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)-1-ピペリジル]ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化70】
【0252】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート及び中間体Aを使用することにより表題化合物を調製した。実施例34(20mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.35(s,1H),8.32(d,J=2.9 Hz,1H),7.82(dd,J=2.9,9.0 Hz,1H),7.58(d,J=8.8 Hz,1H),6.76(s,1H),4.69-4.62(m,1H),4.55(br dd,J=2.2,13.9 Hz,1H),4.09(s,3H),3.63-3.53(m,5H),3.47-3.36(m,4H),3.29-3.22(m,1H),2.95(dt,J=4.4,11.2 Hz,1H),2.64(s,3H),2.30-2.17(m,1H),2.15-1.98(m,2H),0.89(d,J=6.6 Hz,3H).
【0253】
実施例36
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-4-メトキシ-ピロリジン-3-アミン
【化71】
【0254】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-イル]カルバメート(CAS:1932066-52-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより表題化合物を調製した。実施例36(28mg)を白色固体として得た。MS:計算値436(MH)、測定値436(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.35(s,1H),7.99(d,J=2.75 Hz,1 H),7.73-7.67(m,1H),7.67-7.60(m,1H),6.77(s,1H),4.71-4.63(m,1H),4.61-4.53(m,1H),4.24-4.15(m,1H),4.09(s,3H),4.00(td,J=3.2,6.3 Hz,1H),3.89(dd,J=5.6,11.1 Hz,1H),3.81(dd,J=6.3,11.3 Hz,1H),3.62-3.54(m,2H),3.50-3.43(m,4H),3.29-3.22(m,1H),3.01(dt,J=4.3,11.4 Hz,1H),2.64(s,3H),2.28-2.02(m,3H),0.90(d,J=6.5 Hz,3H).
【0255】
実施例37
4-[(3R,4S)-4-[5-[(3R)-3-(メトキシメチル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化72】
【0256】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル(2R)-2-(メトキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:1023301-73-6、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例37(5mg)を白色固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.05(d,J=2.8 Hz,1H),7.96(s,1H),7.33-7.27(m,1H),7.11(d,J=8.7 Hz,1H),6.31(s,1H),4.27(br d,J=13.0 Hz,1H),4.18(br d,J=13.6 Hz,1H),3.89(s,3H),3.55(br t,J=12.7 Hz,2H),3.46-3.34(m,2H),3.31(s,3H),3.17-3.09(m,3H),3.01-2.92(m,1H),2.88-2.72(m,2H),2.62-2.47(m,2H),2.43(s,3H),2.09-1.98(m,1H),1.86-1.75(m,2H),0.69(d,J=6.5 Hz,3H).
【0257】
実施例38
2-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン
【化73】
【0258】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチル5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-8-カルボキシレート(CAS:1251005-61-4、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例38(11mg)を白色固体として得た。MS:計算値448(MH)、測定値448(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.07(s,1H),7.74(d,J=2.8 Hz,1H),7.16(d,J=8.4 Hz,1H),6.95(dd,J=2.8,8.4 Hz,1H),6.42(s,1H),4.38(br d,J=12.8 Hz,1H),4.29(br d,J=11.0 Hz,1H),4.01(s,3H),3.94(d,J=8.0 Hz,2H),3.70(br d,J=7.8 Hz,4H),3.31-3.22(m,1H),3.02(s,2H),2.99-2.89(m,1H),2.85-2.77(m,2H),2.63-2.56(m,1H),2.54(s,3H),2.20-2.04(m,1H),1.98-1.87(m,2H),0.81(d,J=6.5 Hz,3H).
【0259】
実施例39
(3S,4S)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メトキシ-ピペリジン-4-アミン
【化74】
【0260】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(3S,4S)-3-メトキシ-4-ピペリジル]カルバメート(CAS:907544-19-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより表題化合物を調製した。実施例39(19mg)を白色固体として得た。MS:計算値450(MH)、測定値450(MH)。H NMR(400 MHz,メタノール-d4)δ=8.37-8.36(m,1H),8.35(s,1H),8.07(dd,J=8.8,2.9 Hz,1H),7.74(d,J=9.3 Hz,1H),6.76(s,1H),4.67(br d,J=14.3 Hz,1H),4.61-4.52(m,1H),4.35(br dd,J=12.2,3.4 Hz,1H),4.09(s,3H),3.98(br d,J=13.2 Hz,1H),3.64-3.57(m,1H),3.55(s,3H),3.40(td,J=10.0,4.4 Hz,1H),3.29-3.14(m,2H),2.95-3.10(m,2H),2.74(dd,J=12.2,10.3 Hz,1H),2.64(s,3H),2.29-2.04(m,4H),1.81(qd,J=12.6,4.7 Hz,1H),0.91(d,J=6.4 Hz,3H).
【0261】
実施例40
(6S)-4-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-1,4-オキサゼパン-6-アミン
【化75】
【0262】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(6S)-1,4-オキサゼパン-6-イル]カルバメート(CAS:2306247-11-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例40(70mg)を白色固体として得た。MS:計算値436(MH)、測定値436(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.28(s,1H),8.18(d,J=2.7 Hz,1H),8.00(dd,J=2.8,9.2 Hz,1H),7.75(d,J=9.3 Hz,1H),6.71(s,1H),4.60(br d,J=11.7 Hz,1H),4.49(br d,J=12.8 Hz,1H),4.10-3.97(m,5H),3.95-3.88(m,1H),3.84-3.78(m,2H),3.77-3.68(m,3H),3.64-3.47(m,2H),3.27-3.21(m,1H),3.01(dt,J=3.8,11.5 Hz,1H),2.56(s,3H),2.25-2.14(m,1H),2.14-2.07(m,1H),2.06-1.94(m,1H),0.85(d,J=6.6 Hz,3H).
【0263】
実施例41
(3R,4R)-1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-フルオロ-ピペリジン-4-アミン
【化76】
【0264】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-[(3R,4R)-3-フルオロピペリジン-4-イル]カルバメート(CAS:1523530-29-1、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより表題化合物を調製した。実施例41(10mg)を白色固体として得た。MS:計算値438(MH)、測定値438(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.09-8.03(m,1H),7.95(s,1H),7.30(dd,J=3.0,8.6 Hz,1H),7.08(d,J=8.5 Hz,1H),6.29(s,1H),4.38-4.21(m,2H),4.18-4.13(m,1H),3.94-3.82(m,4H),3.55(br dd,J=1.3,12.7 Hz,1H),3.24-3.19(m,2H),3.18-3.09(m,1H),2.92-2.78(m,2H),2.77-2.66(m,2H),2.49(dt,J=4.7,11.1 Hz,1H),2.09-1.89(m,2H),1.86-1.76(m,2H),1.52(br dd,J=4.1,12.4 Hz,1H),1.24-1.14(m,1H),0.68(d,J=6.6 Hz,3H).
【0265】
実施例42
4-[(3R,4S)-4-[5-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-ピリジル]-3-メチル-1-ピペリジル]-1,6-ジメチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン
【化77】
【0266】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtertブチル4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-カルボキシレート(CAS:674792-08-6、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例42(19mg)を白色固体として得た。MS:計算値432(MH)、測定値432(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=7.99(d,J=2.7 Hz,1H),7.95(s,1H),7.24(dd,J=2.9,8.7 Hz,1H),7.07(d,J=8.7 Hz,1H),6.30(s,1H),4.26(br d,J=13.1 Hz,1H),4.20-4.11(m,1H),3.89(s,3H),3.19-3.08(m,3H),3.01-2.96(m,2H),2.95(s,2H),2.86-2.78(m,1H),2.53-2.45(m,1H),2.42(s,3H),2.07-1.97(m,1H),1.89-1.75(m,2H),0.68(d,J=6.6 Hz,3H),0.59(br d,J=8.4 Hz,4H).
【0267】
実施例43
1-[6-[(3R,4S)-1-(1,6-ジメチルピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)-3-メチル-4-ピペリジル]-3-ピリジル]-3-メチル-アゼチジン-3-アミン
【化78】
【0268】
実施例15の調製と同様に、化合物15a及び中間体Eの代わりにtert-ブチルN-(3-メチルアゼチジン-3-イル)カルバメートヒドロクロリデカルバメート(CAS:1408076-37-8、ベンダー:PharmaBlock)及び中間体Dを使用することにより、表題化合物を調製した。実施例43(33mg)を白色固体として得た。MS:計算値406(MH)、測定値406(MH)。H NMR(500 MHz,メタノール-d)δ=8.24(s,1H),7.83(d,J=2.7 Hz,1H),7.58(d,J=8.9 Hz,1H),7.41(dd,J=2.9,8.9 Hz,1H),6.66(s,1H),4.56(br d,J=13.6 Hz,1H),4.46(br d,J=12.7 Hz,1H),4.09(d,J=9.0 Hz,2H),4.03-3.95(m,5H),3.48(br t,J=12.0 Hz,1H),3.19-3.11(m,1H),2.91(dt,J=4.2,11.5 Hz,1H),2.54(s,3H),2.19-1.90(m,3H),1.60(s,3H),0.79(d,J=6.6 Hz,3H).
【0269】
実施例44
【0270】
以下の試験は、HEK293-Blue-hTLR-7/8/9細胞アッセイにおいて式(I)及び式(Ia)の化合物の活性を決定するために行った。
【0271】
HEK293-Blue-hTLR-7細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-7細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr7、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞は本来、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR7の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κB及びAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモータの制御下に置いた。SEAPは、TLR7リガンドでHEK-Blue hTLR7細胞を刺激することによってNF-κB及びAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、20時間のインキュベーションの間、R848(Resiquimod)等のリガンドの刺激下でTLR7アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性を、アルカリホスファターゼの存在下で紫色又は青色に変色する検出媒体であるQUANTI-blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して波長640nmで測定した。
【0272】
HEK293-Blue-hTLR7細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSO及び10μLの上記DMEM中の20uM R848の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s medium:DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、COインキュベータ内で37℃の下で20時間インキュベーションを行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR7の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、TLR7アンタゴニストを評価するために同様のレポーターアッセイを改良した。
【0273】
HEK293-Blue-hTLR-8細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-8細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr8、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞はもともと、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR8の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κB及びAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモータの制御下に置いた。SEAPは、TLR8リガンドでHEK-Blue hTLR8細胞を刺激することによりNF-κB及びAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、20時間のインキュベーションの間、R848等のリガンドの刺激下でTLR8アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性を、アルカリホスファターゼの存在下で紫色又は青色に変色する検出媒体であるQUANTI-blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して波長640nmで測定した。
【0274】
HEK293-Blue-hTLR8細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSO及び10μLの上記DMEM中の60uM R848の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s medium:DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、COインキュベータ内で37℃の下で20時間インキュベーションを行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR8の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、TLR8アンタゴニストを評価するために同様のレポーターアッセイを改良した。
【0275】
HEK293-Blue-hTLR-9細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-9細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr9、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞はもともと、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR9の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κB及びAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモータの制御下に置いた。SEAPは、TLR9リガンドでHEK-Blue hTLR9細胞を刺激することによりNF-κBとAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、ODN2006(カタログ番号:tlrl-2006-1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)等のリガンドの刺激下で20時間のインキュベーションの間、TLR9アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性を、アルカリホスファターゼの存在下で紫色又は青色に変色する検出媒体であるQUANTI-blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して波長640nmで測定した。
【0276】
HEK293-Blue-hTLR9細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSO及び10μLの上記DMEM中の20uM ODN2006の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s medium:DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、COインキュベータ内で37℃の下で20時間インキュベーションを行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR9の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるというシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、同様のレポーターアッセイをTLR9アンタゴニストの評価用に改良した。
【0277】
式(I)又は(Ia)の化合物は、ヒトTLR7及びTLR8阻害活性(IC50値)が0.5μM未満である。そのうえ、いくつかの化合物はまた、ヒトTLR9阻害活性が0.5μM未満である。本発明の化合物の活性データを表2に示した。
【表1】
【0278】
実施例45
hERGチャネル阻害アッセイ:
hERGチャネル阻害アッセイは、in vivoでの心臓毒性に関連するhERG阻害を呈する化合物を同定する非常に高感度な測定である。hERG Kチャネルは、ヒトにおいてクローン化されており、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞株において安定して発現した。CHOhERG細胞をパッチクランプ(電圧クランプ、細胞全体)実験に使用した。細胞を電圧パターンで刺激して、hERGチャネルを活性化し、IKhERG電流(hERGチャネルの急速遅延外向き整流器カリウム電流(rapid delayed outward rectifier potassium current))を伝導した。細胞を数分間安定させた後、IKhERGの振幅及び動態を刺激周波数0.1Hz(6bpm)で記録した。その後、試験化合物を、漸増濃度で調製物に添加した。各濃度について、定常状態の効果に到達するための試みを行い、これは、通常3~10分以内に達成され、その時点で、次に高い濃度が適用された。IKhERGの振幅及び動態は、薬剤の各濃度において記録して、これを対照値(100%とする)と比較した。(参考文献:Redfern WS,Carlsson L,Davis AS,Lynch WG,MacKenzie I,Palethorpe S,Siegl PK,Strang I,Sullivan AT,Wallis R,Camm AJ,Hammond TG.2003;Relationships between preclinical cardiac electrophysiology,clinical QT interval prolongation and torsade de pointes for a broad range of drugs:evidence for a provisional safety margin in drug development.Cardiovasc.Res.58:32-45,Sanguinetti MC,Tristani-Firouzi M.2006;hERG potassium channels and cardiac arrhythmia.Nature 440:463-469,Webster R,Leishman D,Walker D.2002;Towards a drug concentration effect relationship for QT prolongation and torsades de pointes.Curr.Opin.Drug Discov.Devel.5:116-26)。
【0279】
hERGの結果を表3に示す。30よりも大きな安全比(hERG IC20/EC50)は、潜在的なhERG関連心臓毒性からTLR7/8/9経路を阻害することによって、薬理学を識別するのに十分なウィンドウを示唆している。hERG易罹病性を評価するために早期選択性指数として機能する、以下のhERG IC20/TLR7/8/9 IC50の計算によると明確に参照化合物ER-887258、ER-888285、ER-888286、R1、及びR2は、本発明の化合物と比較して安全性ウィンドウが非常に狭い。
【表2】
【0280】
実施例46
ヒトPBMC細胞ベースのアッセイ
HEKレポーター細胞株とは異なり、ヒト末梢血単核細胞(human peripheral blood mononuclear cell:PBMC)は、主にリンパ球、単球、樹状細胞からなる血液中の初代ヒト免疫細胞を表す。これらの細胞は、TLR7、TLR8、又はTLR9を発現するため、それぞれのリガンド刺激に対する天然のレスポンダである。これらのTLRが活性化すると、PBMCはin vitro及びin vivoで同様のサイトカイン及びケモカインを分泌するため、ヒトPBMCにおけるTLR7/8/9アンタゴニストのin vitroの効力は、in vivoでの薬力学的応答に容易に変換可能である。
【0281】
新たに採取したリチウムヘパリン化(リチウムヘパリンプラス採血管、BD Vacutainer(登録商標))健康ドナー全血から、密度勾配(Ficoll-PaqueTM PLUS、GE Healthcare life Sciences)によってヒト末梢血単核細胞(PBMC)が単離された。簡単に説明すると、50mLの血液を、多孔質バリア付きの50mL円すい管(Leucosep tube,Greiner bio-one)において、25mL PBS(Ca2+、Mg2+非含有)で希釈し、回転後に15.5mLのFicoll-Paqueを水平に寝かせた。ブレーキをオフ位置にした状態で、管を800×g(1946rpm)で20分間遠心分離し、PBMCをバフィーコートから収集した。次に、細胞をPBSで2回洗浄し、赤血球を2mLの懸濁液(Red Blood Cell Lysis Buffer、Alfa Aesar)によって室温で5~10分間溶解させた。PBSでの最終洗浄後、10%ウシ胎児血清(Sigma)を補充したGlutaMAXTM(Gibco)を含むRPMI-1640培地において、最終濃度2×10細胞/mLでPBMCを再懸濁させ、組織培養処理した丸底96ウェルプレート(Corning Incorporated)において、150μL/ウェル(3×10細胞/ウェル)でプレーティングした。
【0282】
可溶化され、100%DMSOにおいて連続希釈されたアンタゴニスト化合物(本発明の化合物)を細胞に2回添加して、1%DMSO(v/v)の最終濃度を得た。PBMCを、アンタゴニスト化合物と共に37℃、5%COで30分間インキュベートした後、(最終濃度を示す)以下のように、ウェルあたり48μLの完全培地に多様なTLRアゴニスト試薬を添加した。TLR9の場合、1μMのCpG ODN 2216(InvivoGen)、TLR8の場合、1μg/mLのORN 06/LyoVec(InvivoGen)、TLR7及びTLR8の場合、1μg/mLのR848(InvivoGen)。PBMCを、5%COで37℃で一晩インキュベートした。細胞培養上清を収集し、Luminexアッセイ(ProcartaPlexTM Multiplex Immunoassay,Invitrogen)又は製造元の推奨プロトコル(eBioscience,ThermoFisher Scientific)に従ったELISA手順によって様々なヒトサイトカインのレベルを評価した。細胞の生存率もまたCell Viability Assay(CellTiter Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay,Promega)によって確認された。
【表3】
【0283】
実施例47
ヒトミクロソーム安定性アッセイ
ヒトミクロソーム安定性アッセイを用いて、ヒト肝ミクロソームにおける試験化合物の代謝安定性の早期評価を行う。
【0284】
ヒト肝ミクロソーム(カタログ番号:452117、Corning(USA);カタログ番号:H2610、Xenotech(USA))を100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中で37℃にて10分間、試験化合物と共にプレインキュベートした。NADPH再生システムを加えて反応を開始した。最終的なインキュベーション混合物は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中に1μMの試験化合物、0.5mg/mLの肝臓ミクロソームタンパク質、1mM MgCl、1mM NADP、1ユニット/mLのイソクエン酸脱水素酵素及び6mMイソクエン酸を含有していた。37℃で、0、3、6、9、15、及び30分のインキュベーション時間後に、300μLの冷アセトニトリル(内部標準物質を含む)を100μLのインキュベーション混合物に加えて、この反応を終止させた。沈殿及び遠心分離の後、試料中に残存している化合物の量を、LC-MS/MSによって測定した。また、NADPH再生系なしの対照も0分及び30分で調製し、分析した。本発明の化合物は、上述のアッセイにおいて測定された良好なヒト肝ミクロソーム安定性を示した。結果を以下の表5に示す。
【表4】
【0285】
実施例48
3T3in vitro光毒性アッセイ
光毒性は、特定の化学物質を皮膚に最初に曝露し、その後に光に曝露した後に誘発される毒性反応、又は化学物質を全身に投与した後に皮膚照射することで同様に誘発される毒性反応として定義されている。本研究で使用したアッセイは、Balb/c 3T3マウス線維芽細胞を用いた簡便なin vitro細胞毒性アッセイを使用して、化学物質の光毒性の可能性を検出するように設計されている。この試験の原理は、非毒性用量のUVA光に曝露した場合とそうでない場合に試験した、化学物質の細胞毒性を比較することである。細胞毒性は、処置の1日後に生体色素であるニュートラルレッドの取り込みによって決定される、細胞の増殖率の用量依存性の低下として表される。
【0286】
1. 方法
試験項目のストック溶液の調製及び投与量
細胞の曝露を開始する直前に、少量の物質を秤量し、DMSOに新たに配合した。このストック溶液又はDMSOによる適切な希釈液を細胞懸濁液に加えて、必要な最終濃度を得た。全ての溶液は、一般的にエッペンドルフキャップ中で調製し、使用後に廃棄した。
【0287】
参照物質
クロルプロマジン(HCL)(Sigma、バッチ/ロット番号:120M 1328V)、試験濃度:300μg/mL、溶媒:PBS/3% DMSO
【0288】
UV吸収スペクトルの測定
それ自体での、又はUV-A若しくはUV-Bの事前照射による吸収スペクトルを、Lambda-2スペクトル光度計(Perkin Elmer)を用いて240nm~400nmの間で記録した。
【表5】
【0289】
光毒性の決定
この試験では、INVITTOXプロトコルNo 78(ERGATT/FRAME data bank of in vitro techniques in toxicology.INVITTOX PROTOCOL No 78.3T3 NRU Phototoxicity Assay.March 1994)に従って修正したBorenfreund and Puerner(Borenfreund,E,Puerner JA.Toxicity determined in vitro by morphological alterations and Neutral Red absorption.Toxicology Lett.1985;24:119-124.)のニュートラルレッド取り込み(NRU)アッセイを、試験項目の可能性のある光毒性の可能性を調べるために適合させた。このアッセイは、培養マウス線維芽細胞のリソソームへのニュートラルレッド色素の能動的取り込みに基づいている。リソソーム膜は多くの光毒性化合物の作用部位であることが知られているため、このアッセイは光毒性損傷の可能性の測定値を提供することができる。
【0290】
細胞培養の調製
マウス線維芽細胞クローンA31(ATCC番号CCL163-継代番号108)を、sDMEM(10%ウシ胎児血清、2mM L-グルタミン、100単位/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトアビジンを補充した、ダルベッコの最小必須培地)を含む175cmの組織培養グレードフラスコ中で6%COの加湿雰囲気において37℃で培養した。細胞がコンフルエンスに近づく前に、トリプシン処理によってフラスコから取り出した。アッセイで使用する前に、細胞を100μlの容量のsDMEM中で1×10細胞/ウェルの濃度で96ウェルマイクロタイタープレートに移し、24時間付着させた。
【0291】
試験項目への曝露
マウス線維芽細胞とのインキュベーションのために、試験項目をPBS/3%DMSOで希釈した(詳細な濃度は結果を参照)。
【0292】
培養培地(ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、GlutaMAX(Gibco Ref 21885-025)、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco Ref 10270-106)、100IU/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシン(Gibco Ref 15140-122))をウェルから除き、マウス線維芽細胞をPBSで洗浄した。その後、試験項目を含む100μLのPBS/3%DMSOを添加し、標的細胞を6%COで37℃にて1時間インキュベーションした。
【0293】
UV曝露
各試験項目について、マイクロタイタープレートを表6に従って調製した。「UVAプレート」は、約5J/cmのUVA光に曝露し、「ダークプレート」は暗所に保管し、細胞毒性対照として機能した。塩酸クロルプロマジンを含むプレートは、陽性対照として機能した。UVフラックスを、UVメーター(Dr.Groebel RM21)で測定した。
【0294】
UV照射後、試験項目をウェルから除き(PBSによる1回の洗浄工程)、sDMEMと交換した。次いで、標的細胞を6%CO中で37℃にて一晩インキュベーションした。
【表6】
【0295】
96ウェルマイクロタイタープレートを以下のように調製した。
【0296】
各プレートは、標準細胞生存率曲線の算出のため、ニュートラルレッド溶液(0%標準-S1)でインキュベートされていないか、又はニュートラルレッド(100%標準-S2)で染色された細胞と溶媒を含むウェルを含んでいたが、試験項目は含んでいなかった。U01~U08でラベル付けされたウェルには、異なる試験項目の濃度が含まれていた。
【0297】
ニュートラルレッドの取り込み
すぐに使用できるニュートラルレッド(NR)染色溶液を以下のように新たに調製した:
● 0.4%のストック水溶液を遮光し、使用前にフィルタにかけてNR結晶を除去した。
● 次いで、1:40希釈のストック溶液をsDMEM中で調製し、細胞に添加した。
【0298】
インキュベーション後、アッセイするウェルにニュートラルレッドを含むsDMEMを100μL充填した。標的細胞をNRと共に6%CO中で37℃にて3時間インキュベーションした。
【0299】
ニュートラルレッドの取り込みの測定
混入しなかったニュートラルレッドを標的細胞から除去し、少なくとも100μLのPBSでウェルを洗浄した。次いで、150μLのニュートラルレッド脱着溶液(1%氷酢酸、aqua bidest中50%エタノール)を添加し、混入した色素を定量的に抽出した。ニュートラルレッドが細胞から抽出されて均一な溶液を形成するまで、マイクロタイタープレートシェーカー上でプレートを少なくとも10分間激しく振とうした後、得られる着色溶液の吸光度を、540nmでSPECTRAmax PLUSマイクロタイタープレートリーダー(Molecular Devices)を用いて測定した。
【0300】
細胞生存率の算出
細胞生存率は、SOFTmax Proソフトウェアパッケージ(Molecular Devices)を用いて算出した。最初に、次の式に基づいて、プログラムの線形曲線フィットオプションを用いて2点標準曲線(0%及び100%の生存率)を算出した:
Y=A+(B×X)
(A=直線のy切片;B=直線の傾き;
0%の細胞生存率=溶媒を含むが、試験項目とニュートラルレッドを含まない細胞。
100%の細胞生存率=溶媒とニュートラルレッドを含むが、試験項目を含まない細胞)
【0301】
これにより、試験化学物質の濃度を上昇させながらインキュベーションした細胞の生存率を算出した。クロルプロマジン(HCl)は、実験の陽性対照として機能した。
【0302】
IC50値の算出
全ての計算を、SOFTmax Pro分析ソフトウェアパッケージを使用して行った
(Molecular Devices-詳細については、http://www.mbl.edu/jbpc/files/2014/05/SoftMax_Pro_User_Guide.pdfを参照)。
【0303】
光毒性の判別係数の算出
光毒性の可能性を評価するために、UV曝露を行った場合とそうでない場合に決定したIC50値を比較した。
係数=IC50(-UV)/IC50(+UV)
【0304】
光毒性試験化学物質と非光毒性試験化学物質とを区別するため、>5のカットオフ係数を適用した(Liebsch M,Spielmann H,Balls M,Brand M,Doering B,Dupuis J,Holzhueter HG,Klecak G,L.Eplattenier H,Lovell W,Maurer T,Moldenhauer F,Moore L,Pape W,Pfannenbecker U,Potthast JM,De Silva O,Steiling W,Willshaw A.First results of the EC/COLIPA Validation Project.In Vitro Phototoxicity Testing.In:In Vitro Skin Toxicology:Irritation,Phototoxicity,Sensitization;Vol.10.Alternative Methods in Toxicology,-Eds.Rougier A,Maibach HI,Goldberg AM;Mary Ann Liebert Publ.:New York,USA 1994,pp.243-251)。
【0305】
試験した最高濃度であってもマウス線維芽細胞に対して細胞毒性はないが、UV曝露後に細胞生存率の用量依存性の強い低下を示す試験項目も光毒性と見なされる(Spielmann H,Balls M,Dupuis J,Pape WJW,Pechovitch G,Silva DeO,Holzhuetter,HG,Clothier R,Desolle P,Gerberick F,Liebsch M,Lowell WW,Maurer T,Pfannenbecker U,Potthast JM,Csato M,Sladowski D,Steiling W,Brantom P.The international EU/COLIPA in vitro phototoxicity validation study:Results of phase II(blind trial).Part 1:The 3T3 NRU phototoxicity test.Toxicology in Vitro 1998,12:305-327)。
【0306】
試験結果を以下に示すが、本発明の化合物は非常に良好な光毒性プロファイルを示した。
【表7】
【0307】
実施例49
胚性幹細胞試験
in vitroマウス胚性幹細胞試験(mEST)アッセイは、Rocheで実施される日常的アッセイである。最初のESTは、マウス129株に由来する胚盤胞由来の永久胚性マウスESC(mESC)D3細胞株に基づいて、胚毒性をスクリーニングするためのin vitroモデルとして1997年にHorst Spielmann及び彼のグループによって開発され、欧州動物実験代替法評価センター(ECVAM)によって検証された。
【0308】
本発明者らは、医薬化合物へのアッセイの適用を可能にするアプローチを更に最適化及び修正した。
【0309】
生物学的エンドポイント及びエンドポイント測定:
10日間の物質処置後の分化細胞を表す3T3線維芽細胞の細胞傷害性(成長の阻害)及び未分化胚性幹細胞(D3)の細胞傷害性が、2つのアッセイエンドポイントとして役立つ。これは、生細胞の無傷のミトコンドリアに存在して黄色可溶性基質3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を暗青の不溶性ホルマザン生成物に変換するデヒドロゲナーゼ酵素の使用によって決定され、これは細胞内に捕捉され、細胞膜を可溶化した後に吸光度リーダー(570nm)を使用して定量的に検出される。
【0310】
3番目のエンドポイントは、10日間の処置後の心筋細胞である心筋へのES細胞の分化の阻害である。この細胞の拍動を顕微鏡法によって評価する。
【0311】
材料及び試薬
mESC細胞:ES-D3[D3](ATCC(登録商標)CRL-1934(商標))
マウス線維芽細胞:BALB/3T3クローンA31(ATCC(登録商標)CCL-163(商標))
Balb/c 3T3細胞クローンA31:American Type Culture Collection(ATCC)カタログ番号CCL-163
ES-D3(D3):American Type Culture Collection(ATCC)カタログ番号CRL-1934
m-LIF:Sigma、カタログ番号L5158-5UG
NEAA(100倍):Gibco、カタログ番号11140-035
トリパンブルー0.04%:Gibco、カタログ番号T10282
MTT:Tocris Bioscience、カタログ番号5224/500
5-フルオロウラシル:Sigma、カタログ番号F-6627-5G
ペニシリン/ストレプトマイシン:Gibco、カタログ番号15140-122
PBS(-CaCl/-MgCl):Gibco、カタログ番号14190-094
FCS:Hyclone、カタログ番号SH30070.03
グルコース、グルタミン、NaHCOを含むDMEM:Gibco、カタログ番号41966-029
【0312】
方法
調製
培地及びエンドポイントアッセイ溶液
培養培地:
【表8】

アッセイ培地:
【表9】

細胞を凍結するための培地:
【表10】

β-メルカプトエタノール(β-ME)(10mM)
17.5μLのβ-MEを25mLのPBSに添加
4℃で最大1週間保存
FCS
水浴(37℃)によってFCSを一度解凍し、100mL、50mL及び25mLのアリコートを作製する。
多重解凍を回避する
-20℃で保存
MTT溶液
5mg MTT/ml PBS
Millipore製の滅菌フィルタを使用し、8mL及び4mLのアリコートを作製する
-20℃で保存
MTT-脱着溶液
水/DMFに溶解した20%SDS、1:1、酢酸でpHを4.5に調整
試験化合物
原液:200mM
溶媒:100%DMSO
【0313】
分化アッセイ
0日目
1)D3細胞のためのトリプシン0.05%EDTAによる細胞継代。
2)細胞懸濁液のアセンブリ:50mLファルコンチューブ中18ml培地(各試験について)で細胞を2.5×10/mLに希釈する。
3)ペトリ皿(PD)を調製する:5~10mLの滅菌ダルベッコのPBS(Gibco)を各皿底部に添加し、皿全体に分散させる。
4)エッペンドルフチューブにおける試験化合物の希釈系列:5μLの化合物(1:400希釈)及び5μLの対照溶液(DMSO)を2mLの細胞懸濁液に添加し、ボルテックスする。
5)ペトリ皿中の懸滴の調製:ボルテックスチューブ、自動ピペットを用いた吸引懸濁液及びペトリ皿の蓋上への20μlの液滴のマルチ分注、液滴の同心円内に合計2mlを添加する(約100滴);カバーを素早く、しかし滑らかに回転させてPDを装着する;37℃/5%COで3日間インキュベートする。
【0314】
3日目
1)14mL PPチューブにおける化合物の希釈系列
濃度用の6本のチューブ;5mLアッセイ培地で満たす
DMSO(溶媒対照)用の1本のチューブに5mLアッセイ培地を充填する。
2)エッペンドルフチューブにおける化合物の希釈系列
12.5μLの化合物(1:400希釈)及び12.5μLの対照溶液を添加し、ボルテックスする
3)細菌ペトリ皿における胚様体の移植
PDの蓋を慎重に回し、液滴の真菌汚染をチェックする
調製した溶液5mLで液滴を数回すすぐ
細菌ペトリ皿への移動
37℃/5%COで3日間インキュベートする
【0315】
5日目
1)50mLチューブにおける化合物の希釈
濃度用の6本のチューブ;25mLアッセイ培地で満たす
DMSO(溶媒対照)用の1本のチューブに25mL培地を充填する。
2)1.5mLチューブにおける化合物の希釈
62.5μLの化合物(1:400希釈)及び対照溶液(DMSO)を添加し、ボルテックスする
3)96ウェルプレートの調製
各化合物について2つのプレート、化合物プレートのレイアウトを参照されたい。
96ウェル全てに220μLの培地/化合物/溶媒混合物を添加する
低濃度で開始
4)胚様体のピペット操作
ペトリ皿内の胚様体を視覚的に制御する
25μLチップを用いて、各ウェル中の胚様体を1つピペットで移す。
プレートを視覚的にチェックして、各ウェルに少なくとも1つの胚様体が存在することを確実にする
37℃/5%COで3日間インキュベートする
【0316】
10日目
心筋細胞を拍動させるために顕微鏡で各ウェルを可視化する
アッセイ培地及びDMSO対照は、拍動している心筋細胞の少なくとも80%を示すべきである(合格基準を参照)。
【0317】
細胞傷害性アッセイ
全ての物質について0.2mol/Lの濃度の原液を作成する。試験物質をDMSO溶液に希釈する。
【0318】
0日目
1)D3及び3T3細胞株のための細胞懸濁液を作製する
2)3T3については2.5×10個/mL、D3細胞については1.5×10個/mL
3)96ウェルマルチウェルプレートの外側ウェル(ブランク)への200μL培地のピペット操作
4)50μL細胞懸濁液を96ウェルマルチウェルプレートの残りの内側ウェルに添加する(試料)
5)37℃/5%COで2時間インキュベートして、細胞を接着させる
6)試験物質又はDMSO対照のピペット操作5mLチューブ中に2mL培地及び6.67μL試験物質の濃度を作成する
7)150μL/ウェルの溶液を試料ウェルに添加(合計200μL/ウェル)
8)37℃/5%COで3日間インキュベートする
【0319】
3日目、5日目及び7日日目
1)2mLの培地(3T3又はD3細胞培地)を希釈し、5μLの試験物質(又はDMSO対照)(1:400)をmLチューブに添加する
2)底部の細胞層を損傷することなく、真空ポンプで培地を除去する。
3)200μLの希釈した試験物質(及びDMSO対照)を適切な試料ウェルに添加する
インキュベーション
3日目37℃/5%COで2日
5日目37℃/5%COで2日
7日目37℃/5%COで3日
【0320】
10日目
細胞の変化、物質の沈殿、又はその他の効果を光学顕微鏡下で視覚的に予備的に観察する
MTT測定:
1)4mLのMTTを40mLのDMEMに添加し、37℃まで加温して最終的なMTT溶液を作成する
2)培地を慎重に廃棄することによって96ウェルプレートから培地を除去する
3)マルチウェルピペットを用いて、200μLのMTT溶液を各ウェルに添加する。
4)プレートを37℃/5%COで3時間インキュベートする
5)MTT-脱着溶液を37℃に加温する
6)MTT溶液を慎重に除去する
7)130μLのMTT-脱着溶液を各ウェルに添加し、プレートをインキュベータ内で37℃で30分間インキュベートし、次いでプレートをプレートシェーカー上に少なくとも2~3時間置く。
8)プレートリーダーで570nmの吸光度を測定する。
【0321】
合否基準
分化エンドポイント:有効なアッセイの受け入れに必要な全アッセイにおいて拍動している心筋細胞の少なくとも80%
細胞傷害性エンドポイント:
DMSO制御及びPOS制御の許容範囲並びにD3(約1.8~2.2)及び3T3(0.8~1.0)のOD値の決定は、それらの適切な範囲内にあるべきである。
【0322】
データ分析
分化エンドポイント:
拍動している心筋細胞の総数(1ウェルあたり少なくとも1つの拍動心筋細胞=1つの陽性数、1ウェルあたり拍動心筋細胞なし=陰性数)の決定、陽性DMSO対照への正規化
細胞傷害性エンドポイント:
【0323】
ブランクのOD570の平均値の決定(値は、プラスチック材料への染料の付着及び媒体の残留量を示す)。サンプル値からこの値を減算し、補正された値で計算を続ける。
【0324】
処理された試料ウェルのOD570の平均値の決定。溶媒対照ウェルのOD570の平均値の決定は100%に設定される。生存率は、DMSO溶媒対照に対して正規化された%で計算される。
【0325】
予測モデル
マイクロプレートリーダーによって生成された光学密度(OD570)のデータファイルをEXCELスプレッドシートにコピーした。平均OD値、標準偏差及び生存率を自動的に計算した。アッセイからの以下のエンドポイントは、スプレッドシートの濃度応答曲線からグラフで計算することができた。
IC50 D3-D3細胞の50%が死滅した試験物質の濃度
IC50 3T3-3T3細胞の50%が死滅した試験物質の濃度。
ID50 D3-D3細胞の収縮心筋細胞への分化が50%減少する試験物質の濃度。
【0326】
細胞傷害性アッセイからのD3細胞及び3T3細胞のIC50値及びD3分化アッセイのID50を、Scholz et al.1999aによって使用された改変予測モデルから開発された統計的評価に入れた:
【数1】

D12_3<0.5は「ネガティブ」を意味する。
D12_3>0.6は「ポジティブ」を意味する。
0.5~0.6の間の予測スコアは、境界線の結果とラベル付けされている。
【0327】
例えば、溶解度が、1つ又はそれを超える用量応答曲線についてIC50又はID50値を決定することができない程度に試験された用量範囲を制限する場合(Withlow et al.2007)、決定的でない結果も可能である。
【表11】
【0328】
実施例50
雄性Wister-Hanラットにおける単回用量薬物動態(PK)研究
選択した化合物の薬物動態特性を、雄性Wister-Hanラット(販売業者:Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd)における単回用量PK試験によって評価した。簡潔には、2群の動物に、単回用量のそれぞれの化合物を2mg/kgで静脈内投与(IV、ボーラス)又は10mg/kgで経口投与(PO、強制投与)した。血液試料(約150μL)を、投与の5分後(IVの場合のみ)、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、7時間後及び24時間後に頸静脈を介して収集した。血液試料をEDTA-K2抗凝固剤を含むチューブに入れ、4℃で15分間3000rpmで遠心分離して、試料から血漿を分離した。遠心分離後、得られた血漿をLC/MS/MSによる生物分析のために清浄なチューブに移した。薬物動態パラメータは、非コンパートメント解析を使用して計算した。分布容積(Vss)、半減期(T1/2)及びクリアランス(CL)を、IV投与後の血漿濃度-時間曲線に基づいて得た。ピーク濃度(Cmax)は、PO投与後の実験観察から直接記録した。血漿濃度-時間曲線下面積(AUC0-last)は、最後の検出可能な濃度まで線形台形則を使用して計算した。バイオアベイラビリティ(F)は、IV及びPO投薬後の用量正規化AUC0-lastに基づいて計算した。
【0329】
薬物のVssは、薬物が血漿ではなく体組織に分布する程度を表す。Vssは、組織に分布する薬物の量に正比例する。Vssが高いほど、組織分布の量が多いことを示す。
【0330】
IV及びPO投与後のPKパラメータの結果を表9に示す。
【表12】
【国際調査報告】