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特表2024-534584アウトオブバンドチャネルスキャンのオフロードを用いた高速アクセスポイント起動
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】アウトオブバンドチャネルスキャンのオフロードを用いた高速アクセスポイント起動
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240912BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240912BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240912BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240912BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W88/06
H04W84/10 110
H04W84/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518470
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022039835
(87)【国際公開番号】W WO2023048844
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】17/484,373
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ヴァムシー・クリシュナ・ナイドゥ
(72)【発明者】
【氏名】プルショッタム・ルヌ
(72)【発明者】
【氏名】マドヴァパティ・スリラム
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、第1のワイヤレス通信デバイスと第2のワイヤレス通信デバイスとの間でワイヤレス接続を確立するための、コンピュータ記憶媒体に符号化されたコンピュータプログラムを含む、システム、方法、および装置を提供する。いくつかの実装形態では、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立するステップと、
前記第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行するステップであって、前記第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、
前記第1のチャネルスキャンに基づいて前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立するステップと、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第2の接続が、前記第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンに基づいて確立され、前記第2のチャネルスキャンがワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットが、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットと同じである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットの中にない、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の通信プロトコルに従って、前記第1のチャネルスキャンの結果を前記第2のワイヤレス通信デバイスに送信するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の通信プロトコルが、前記第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の通信プロトコルが、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶した少なくとも1つのメモリと
を備え、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、
前記第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し、前記第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、
前記第1のチャネルスキャンに基づいて前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信する
ように構成される、第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項10】
前記第2の接続が、前記第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンに基づいて確立され、前記第2のチャネルスキャンがワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる、請求項9に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項11】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットが、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットと同じである、請求項10に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項12】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットの中にない、請求項10に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項13】
前記プロセッサ可読コードの実行が、前記第1のワイヤレス通信デバイスに、
前記第1の通信プロトコルに従って前記第1のチャネルスキャンの結果を前記第2のワイヤレス通信デバイスに送信することをさらに備える動作を実行させる、請求項9に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項14】
前記第1の通信プロトコルが、前記第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、請求項9に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項15】
前記第1の通信プロトコルが、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、請求項14に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項16】
前記第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、請求項9に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項17】
第1のワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立するステップと、
前記第2のワイヤレス通信デバイスから前記第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信するステップであって、前記第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように前記第1のワイヤレス通信デバイスを構成するステップと、
前記第1のチャネルスキャンの前記結果に基づいて前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立するステップと、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信するステップと
を備える、方法。
【請求項18】
ワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行するステップをさらに含み、
前記第2の接続を確立することが前記第2のチャネルスキャンにさらに基づく、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットが、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットと同じである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットの中にない、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の通信プロトコルが、前記第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の通信プロトコルが、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、Bluetoothプロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
第1のワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶した少なくとも1つのメモリと
を備え、前記プロセッサ可読コードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、
前記第2のワイヤレス通信デバイスから前記第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信し、前記第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように前記第1のワイヤレス通信デバイスを構成し、
前記第1のチャネルスキャンの前記結果に基づいて前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し、
前記第2のワイヤレス通信プロトコルに従って前記第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信する
ように構成される、第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項25】
前記プロセッサ可読コードの実行がさらに、前記第1のワイヤレス通信デバイスにワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行させ、
前記第2の接続を確立することが、前記第2のチャネルスキャンにさらに基づく、請求項24に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項26】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットが、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットと同じである、請求項25に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項27】
ワイヤレスチャネルの前記第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの前記第2のセットの中にない、請求項25に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項28】
前記第1の通信プロトコルが、前記第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、請求項24に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項29】
前記第1の通信プロトコルが、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、Bluetoothプロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、請求項28に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、請求項24に記載の第1のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2021年9月24日に出願された「QUICK ACCESS POINT START WITH OUT OF BAND CHANNEL SCAN OFFLOAD」と題する、NAIDUらによる米国特許出願第17/484,373号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、全般にワイヤレス通信に関し、より具体的には、データを周辺デバイスにストリーミングするためのワイヤレス接続の確立に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)は、いくつかのクライアントデバイスまたは局(STA)が使用するための共有ワイヤレス通信媒体を提供する1つまたは複数のワイヤレスアクセスポイント(AP)によって形成され得る。基本サービスセット(BSS)に対応し得る各APは、APのワイヤレス範囲内の任意のSTAがWLANとの通信リンクを確立して維持することを可能にするために、ビーコンフレームを周期的にブロードキャストし得る。IEEE802.11規格群に従って動作するWLANは、一般にWi-Fiネットワークと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一部のワイヤレス通信デバイスは、Wi-Fiプロトコル、LTEワイヤレスプロトコル、および類似のものなどの、ワイヤレス通信プロトコルを使用してデータストリームを受信し得る。そのようなデバイスの例は、限定はされないが、リアルタイムゲーミング用途、ビデオ通信、ならびに拡張現実(AR)および仮想現実(VR)用途(集合的にエクステンデッドリアリティ(XR)用途と呼ばれる)を含む、様々な用途と関連付けられ得る。性能の改善および消費者の使いやすさのために、そのようなデータストリームを迅速に受信できるようにそのようなデバイスを構成するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの革新的な態様を有し、それらのうちのどの単一の態様も、本明細書で開示される望ましい属性を単独では担わない。
【0006】
本開示で説明される主題の1つの革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。方法は、第1のワイヤレス通信デバイスによって実行されてもよく、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスとの第1の接続を確立するステップと、第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行するステップであって、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスと直接第2の接続を確立するステップと、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信するステップとを含み得る。
【0007】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0008】
いくつかの実装形態では、方法はさらに、第1の通信プロトコルに従って、第1のチャネルスキャンの結果を第2のワイヤレス通信デバイスに送信するステップを含む。
【0009】
いくつかの実装形態では、第2の接続を確立することは、第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンにさらに基づき、第2のチャネルスキャンはワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0010】
いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス通信プロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである。
【0011】
本開示で説明される主題の別の革新的な態様は、第1のワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。第1のワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、少なくとも1つのプロセッサによる実行のためにプロセッサ可読コードを記憶する、少なくとも1つのメモリとを含み得る。プロセッサ可読コードの実行は、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスとの第1の接続を確立し、第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスと直接第2の接続を確立し、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信するように、第1のワイヤレス通信デバイスを構成する。
【0012】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0013】
いくつかの実装形態では、命令の実行は、第1のワイヤレス通信デバイスに、第1の通信プロトコルに従って第1のチャネルスキャンの結果を第2のワイヤレス通信デバイスへ送信させる。
【0014】
いくつかの実装形態では、第2の接続を確立することは、第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンにさらに基づき、第2のチャネルスキャンはワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0015】
いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス通信プロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである。
【0016】
本開示で説明される主題の別の革新的な態様は、ワイヤレス通信の方法として実装され得る。方法は、第1のワイヤレス通信デバイスによって実行されてもよく、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立するステップと、第2のワイヤレス通信デバイスから第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信するステップであって、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように第1のワイヤレス通信デバイスを構成するステップと、第1のチャネルスキャンの結果に基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立するステップと、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信するステップとを含み得る。
【0017】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0018】
いくつかの態様では、方法はさらに、ワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行するステップを含み、第2の接続を確立することは、第2のチャネルスキャンにさらに基づく。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0019】
いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス通信プロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである。
【0020】
本開示で説明される主題の別の革新的な態様は、第1のワイヤレス通信デバイスにおいて実装され得る。第1のワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、少なくとも1つのプロセッサによる実行のためにプロセッサ可読コードを記憶する、少なくとも1つのメモリとを含み得る。プロセッサ可読コードの実行は、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、第2のワイヤレス通信デバイスから第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信し、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように第1のワイヤレス通信デバイスを構成し、第1のチャネルスキャンの結果に基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信するように、第1のワイヤレス通信デバイスを構成する。
【0021】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0022】
いくつかの態様では、命令の実行は、第1のワイヤレス通信デバイスにワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行させ、第2の接続を確立することは、第2のチャネルスキャンにさらに基づく。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0023】
いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス通信プロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである。
【0024】
本開示で説明される主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対的な寸法は、縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】例示的なワイヤレス通信ネットワークの絵図である。
図2】例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
図3A】例示的なアクセスポイント(AP)のブロック図である。
図3B】例示的な局(STA)のブロック図である。
図3C】例示的な周辺デバイスのブロック図である。
図4】STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するためのプロセスを示す順序図である。
図5A図4のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図5B図4のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図6】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す順序図である。
図7A】いくつかの実装形態による、図6のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図7B】いくつかの実装形態による、図6のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図8】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す順序図である。
図9A】いくつかの実装形態による、図8のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図9B】いくつかの実装形態による、図8のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図10】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す順序図である。
図11A】いくつかの実装形態による、図10のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図11B】いくつかの実装形態による、図10のSTAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示すタイミング図である。
図12】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図13】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なプロセスを示すフローチャートである。
図14】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
図15】いくつかの実装形態による、STAと周辺デバイスとの間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【0027】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的でいくつかの特定の実装形態を対象としている。しかしながら、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを当業者は容易に認識するだろう。説明される実装形態は、とりわけ、Long Term Evolution(LTE)、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公表された3G、4Gもしくは5G(New Radio(NR))規格、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格、IEEE802.15規格、またはBluetooth Special Interest Group(SIG)によって定義されたBluetooth(登録商標)規格のうちの1つまたは複数に従って無線周波数(RF)信号を送信および受信することが可能な任意のデバイス、システムまたはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態は、以下の技術または技法、すなわち、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、シングルユーザ(SU)多入力多出力(MIMO)、およびマルチユーザ(MU) MIMOのうちの1つまたは複数に従って、RF信号を送信して受信することが可能な、任意のデバイス、システム、またはネットワークにおいて実装され得る。説明される実装形態はまた、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、またはモノのインターネット(IOT)ネットワークのうちの1つまたは複数における使用に適した他のワイヤレス通信プロトコルまたはRF信号を使用して実装され得る。
【0028】
周辺ワイヤレス通信デバイスの使用は、ますます一般的になっている。周辺ワイヤレス通信デバイス(「周辺デバイス」)は、ソースワイヤレス通信デバイス(「ソースデバイス」)から直接1つまたは複数のデータストリームを受信するように構成される任意のワイヤレスデバイスを指し得る。1つの例示的なタイプの周辺ワイヤレス通信デバイスは、携帯電話、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、または別の適切なワイヤレス通信デバイスなどのソースワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信し得る、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、または他のエクステンデッドリアリティ(XR)用途のために構成されるヘッドセット(HMD)であり得る。そのようなデータストリームは、オーディオ、ビデオ、および他のデータを直接周辺ワイヤレス通信デバイスに通信し得る。他の周辺ワイヤレス通信デバイスは、例の中でもとりわけ、ワイヤレススピーカ、ヘッドフォン、ヘッドセット、およびビデオ表示デバイスを含み得る。
【0029】
ソースデバイスは、複数の通信プロトコルを使用して1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイスに直接送信するように構成され得る。たとえば、ソースデバイスおよび周辺デバイスは、最初は第1の通信プロトコルに従って通信し得る。第1の通信プロトコルは、短距離ワイヤレスプロトコル(Bluetooth、Bluetooth Low Energy(BLE)、または近距離無線通信(NFC)ワイヤレス通信プロトコル)または有線通信プロトコル(イーサネットプロトコルなど)であり得る。ソースデバイスと周辺デバイスとの間の第1の接続が第1の通信プロトコルに従って確立された後、第2のワイヤレス通信プロトコルに従ってソースデバイスと周辺デバイスとの間で直接第2の接続が確立され得る。たとえば、第2のワイヤレス通信プロトコルは、LTEプロトコルなどのIEEE 802.11規格に従ったワイヤレス通信プロトコル、または別の適切なワイヤレス通信プロトコルであり得る。より具体的には、第2のワイヤレス通信プロトコルは、第1の通信プロトコルより長い距離または高いスループットを有し得る。第2の接続を確立するための詳細情報は、第1の接続を使用してソースデバイスと周辺デバイスとの間で交換され得る。言い換えると、詳細は、第1の通信プロトコルに従って「アウトオブバンド」(OOB)で交換され得る。たとえば、ソースデバイスは、アクセスポイント(AP)の詳細情報(サービスセット識別子(SSID)、チャネル情報、または暗号化情報など)を、第1の接続を使用して周辺デバイスに提供し得る。
【0030】
干渉を避け、1つまたは複数のデータストリームに十分なデータスループットを提供する、ワイヤレスチャネルを特定するために、ソースデバイスは、周辺デバイスとの第2の接続を確立するとき、1つまたは複数のチャネルスキャン動作(1つまたは複数の自動チャネル選択(ACS)動作など)を実行し得る。例示的なACS動作において、ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレスチャネルのリストの中の各ワイヤレスチャネルをスキャンし、例の中でもとりわけ、たとえば、ワイヤレスチャネル上で検出される基本サービスセット(BSS)もしくはサービスセット識別子(SSID)の数、ワイヤレスチャネル上で検出されるSSIDに関連する最小もしくは最大の受信信号強度インジケータ(RSSI)、ワイヤレスチャネル上のノイズフロア、または、チャネルが占有される時間の比率の尺度などの要因に基づいて、リストの中の各ワイヤレスチャネルを順位付け得る。そして、ACS動作は、順位付けに基づいて最良のチャネルを選択し得る。第1の接続および第2の接続を確立することは、大量の時間を消費し得る(10秒を超えることがある)。したがって、周辺デバイスのユーザのユーザ体験を改善するために、第1の接続および第2の接続を確立するために必要とされる時間を減らすのが望ましい。
【0031】
様々な態様は全般に、チャネルスキャン動作の一部またはすべてをソースデバイスから周辺デバイスにオフロードすることに関する。いくつかの実装形態では、周辺デバイスなどの第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の通信プロトコルに従って、ソースデバイスなどの第2のワイヤレス通信デバイスと第1の接続を確立し得る。第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の接続を確立したことに応答して、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し得る。第1のチャネルスキャンは、第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ得る。第1のワイヤレス通信デバイスは次いで、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し得る。たとえば、周辺デバイスは、チャネルスキャンのすべてまたは一部を実行しながら、ソースデバイスとの第1の接続を同時に確立し得る。いくつかの他の態様では、ソースデバイスおよび周辺デバイスの各々がチャネルスキャンを実行してもよく、特にノイズの多い環境において、ソースデバイスと周辺デバイスの両方において第2の接続のために選択されたチャネルの性能が良くなることを確実にする。
【0032】
以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために、本開示で説明される主題の特定の実装形態が実装され得る。チャネルスキャンのすべてまたは一部を周辺デバイスにオフロードすることによって、第2の接続を、(ソースデバイスがチャネルスキャン全体を実行するような)従来の技法を使用するよりも高速に、ソースデバイスと周辺デバイスとの間で直接確立することができ、これはユーザ体験の改善をもたらし得る。より具体的には、ソースデバイスは、第2のワイヤレス通信プロトコルに従ってAPとして動作し始める前にチャネルスキャン結果を要求し得るので、周辺デバイスへチャネルスキャン動作の少なくとも一部をオフロードすることで、ソースデバイスがこれらのチャネルスキャン結果をより早く受け取ることが可能になり得る。第1の通信プロトコルがBLEであり第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるいくつかの例では、周辺デバイスへとチャネルスキャン全体をオフロードすることは、第2の接続を確立するために必要とされる時間を数秒短くし得る。
【0033】
図1は、例示的なワイヤレス通信ネットワーク100のブロック図を示す。いくつかの態様によれば、ワイヤレス通信ネットワーク100は、Wi-Fiネットワークなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)の例であり得る(以下ではWLAN100と呼ばれる)。たとえば、WLAN100は、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格群(限定はされないが、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはそれらの改正により定義されるものなど)のうちの少なくとも1つを実装するネットワークであり得る。WLAN100は、アクセスポイント(AP)102および複数の局(STA)104などの多数のワイヤレス通信デバイスを含み得る。1つだけのAP102が示されているが、WLANネットワーク100は、複数のAP102も含み得る。
【0034】
STA104の各々は、例の中でもとりわけ、移動局(MS)、モバイルデバイス、モバイルハンドセット、ワイヤレスハンドセット、アクセス端末(AT)、ユーザ機器(UE)、加入者局(SS)、または加入者ユニットと呼ばれることもある。STA104は、例の中でもとりわけ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、他のハンドヘルドデバイス、ネットブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラップトップ、表示デバイス(たとえば、とりわけTV、コンピュータモニタ、ナビゲーションシステム)、音楽もしくは他のオーディオもしくはステレオデバイス、リモートコントロールデバイス(「リモート」)、プリンタ、キッチン家電または他の家電、キーフォブ(たとえば、パッシブキーレスエントリおよびスタート(PKES)システムのための)などの、様々なデバイスを表し得る。
【0035】
単一のAP102およびSTA104の関連するセットは基本サービスセット(BSS)と呼ばれることがあり、これはそれぞれのAP102によって管理される。加えて、図1は、WLAN100の基本サービスエリア(BSA)を表し得る、AP102の例示的なカバレッジエリア106を示す。BSSは、サービスセット識別子(SSID)によりユーザに対して、ならびに基本サービスセット識別子(BSSID)によって他のデバイスに対して識別されることがあり、BSSIDはAP102の媒体アクセス制御(MAC)アドレスであることがある。AP102は、BSSIDを含むビーコンフレーム(「ビーコン」)を定期的にブロードキャストして、AP102のワイヤレス範囲内にあるあらゆるSTA104が、AP102に「アソシエート(associate)」または再アソシエートして、それぞれの通信リンク108(以後「Wi-Fiリンク」とも呼ばれる)を確立し、またはAP102との通信リンク108を維持することを可能にする。たとえば、ビーコンは、それぞれのAP102によって使用されるプライマリチャネルを識別するもの、ならびに、AP102とのタイミング同期を確立または維持するためのタイミング同期機能を含み得る。AP102は、それぞれの通信リンク108を介して、WLANの中の様々なSTA104に外部ネットワークへのアクセスを提供し得る。
【0036】
AP102との通信リンク108を確立するために、STA104の各々は、1つまたは複数の周波数帯域(たとえば、2.4GHz、5GHz、6GHz、または60GHz帯域)における周波数チャネル上で受動的または能動的なスキャン動作(「スキャン」)を実行するように構成される。受動スキャンを実行するために、STA104はビーコンを聴取し、ビーコンは、目標ビーコン送信時間(TBTT)(時間単位(TU)で測定され、1TUは1024マイクロ秒(μs)に等しいことがある)と呼ばれる定期的な時間間隔でそれぞれのAP102によって送信される。能動スキャンを実行するために、STA104は、プローブ要求を生成し、スキャンされるべき各チャネル上でそれらを逐次送信し、AP102からのプローブ応答を聴取する。各STA104は、受動スキャンまたは能動スキャンを通じて得られたスキャン情報に基づいて、アソシエートすべきAP102を特定または選択し、選択されたAP102との通信リンク108を確立するために、認証およびアソシエーション動作を実行するように構成され得る。AP102は、アソシエーション動作の最後にアソシエーション識別子(AID)をSTA104に割り当て、AP102はAIDを使用してSTA104を追跡する。
【0037】
ワイヤレスネットワークの遍在性が高まった結果として、STA104には、STAの範囲内にある多数のBSSのうちの1つを選択する機会、または、複数の接続されたBSSを含む拡張サービスセット(ESS)を一緒に形成する複数のAP102の中から選択する機会があり得る。WLAN100と関連付けられる拡張ネットワーク局は、複数のAP102がESSなどにおいて接続されることを可能にし得る有線またはワイヤレス配信システムに接続され得る。したがって、STA104は、1つより多くのAP102によりカバーされることが可能であり、異なる送信のために異なる時間に異なるAP102にアソシエートすることができる。加えて、AP102とのアソシエーションの後で、STA104はまた、アソシエートすべきより適切なAP102を見つけるために、その周りを定期的にスキャンするように構成され得る。たとえば、アソシエートされたAP102に対して相対的に移動しているSTA104は、「ローミング」スキャンを実行して、より大きい受信信号強度インジケータ(RSSI)またはより低いトラフィック負荷などのより望ましいネットワーク特性を有する別のAP102を見つけてもよい。
【0038】
いくつかの場合、STA104は、AP102またはSTA104自体以外の他の機器なしでネットワークを形成し得る。そのようなネットワークの一例は、アドホックネットワーク(またはワイヤレスアドホックネットワーク)である。代替として、アドホックネットワークは、メッシュネットワークまたはピアツーピア(P2P)ネットワークと呼ばれることがある。いくつかの場合、アドホックネットワークは、WLAN100などのより大きいワイヤレスネットワーク内で実装され得る。そのような実装形態では、STA104は、通信リンク108を使用してAP102を通じて互いに通信することが可能であり得るが、STA104はまた、直接のワイヤレスリンク110を介して互いに直接通信することもできる。加えて、2つのSTA104は、両方のSTA104が同じAP102にアソシエートされて同じAP102によりサービスされるかどうかにかかわらず、直接の通信リンク110を介して通信してもよい。そのようなアドホックシステムでは、STA104のうちの1つまたは複数が、BSSの中のAP102により満たされる役割を引き受け得る。そのようなSTA104は、グループ所有者(GO)と呼ばれることがあり、アドホックネットワーク内の送信を調整し得る。直接のワイヤレスリンク110の例は、Wi-Fi Direct接続、Wi-Fi Tunneled Direct Link Setup(TDLS)リンクを使用することにより確立される接続、および他のP2Pグループ接続を含む。
【0039】
AP102およびSTA104は、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格群(限定はされないが、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはそれらの改正により定義されるものなど)に従って、機能して(それぞれの通信リンク108を介して)通信し得る。これらの規格は、WLAN無線と、PHYおよび媒体アクセス制御(MAC)層のためのベースバンドプロトコルとを定義する。AP102およびSTA104は、PHYプロトコルデータユニット(PPDU)(または物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)PDU)の形式で、互いにワイヤレス通信(以下で、「Wi-Fi通信」とも呼ばれる)を送信および受信する。WLAN100の中のAP102およびSTA104は、免許不要スペクトルを介してPPDUを送信してもよく、免許不要スペクトルは、2.4GHz帯域、5GHz帯域、60GHz帯域、3.6GHz帯域、および900MHz帯域などの、従来はWi-Fi技術によって使用される周波数帯域を含むスペクトルの一部分であってもよい。本明細書において説明されるAP102およびSTA104のいくつかの実装形態はまた、6GHz帯域などの他の周波数帯域において通信してもよく、これは免許通信と免許不要通信の両方をサポートすることがある。AP102およびSTA104はまた、共有される免許周波数帯域などの他の周波数帯域を介して通信するように構成されてもよく、この場合、複数の事業者が、同じまたは重複する1つまたは複数の周波数帯域において運用を行う免許を有し得る。
【0040】
周波数帯域の各々は、複数のサブバンドまたは周波数チャネルを含み得る。たとえば、IEEE802.11n、802.11ac、802.11ax、および802.11be規格の改正に準拠するPPDUは、各々が複数の20MHzチャネルに分割される2.4GHz帯域、5GHz帯域、または6GHz帯域を介して送信されてもよい。したがって、これらのPPDUは、20MHzの最低の帯域幅を有する物理チャネルを介して送信されるが、チャネル接合を通じてより大きいチャネルを形成することができる。たとえば、PPDUは、複数の20MHzチャネルを一緒に接合することによって、40MHz、80MHz、160またはCCC20MHzの帯域幅を有する物理チャネルを介して送信され得る。
【0041】
各PPDUは、PHYサービスデータユニット(PSDU)の形態でPHYプリアンブルおよびペイロードを含む複合構造である。プリアンブルにおいて提供される情報は、PSDUの中の後続のデータを復号するために受信デバイスによって使用され得る。PPDUが接合されたチャネルを介して送信される事例では、プリアンブルフィールドは、複数のコンポーネントチャネルの各々において複製され送信され得る。PHYプリアンブルは、レガシー部分(または「レガシープリアンブル」)と非レガシー部分(または「非レガシープリアンブル」)の両方を含み得る。レガシープリアンブルは、用途の中でもとりわけ、パケット検出、自動利得制御、およびチャネル推定のために使用され得る。レガシープリアンブルは一般に、レガシーデバイスとの互換性を維持するためにも使用され得る。プリアンブルの非レガシー部分のフォーマット、そのコーディング、およびそれにおいて提供される情報は、ペイロードを送信するために使用されるべき特定のIEEE 802.11プロトコルに基づく。
【0042】
図2は、例示的なワイヤレス通信デバイス200のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200は、図1を参照して上で説明されたSTA104のうちの1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスの例であり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200は、図1を参照して上で説明されたAP102などのAPにおいて使用するためのデバイスの例であり得る。ワイヤレス通信デバイス200は、たとえば、ワイヤレスパケットの形式でワイヤレス通信を送信して受信することが可能である。たとえば、ワイヤレス通信デバイスは、限定はされないが、802.11ay、802.11ax、802.11az、802.11ba、および802.11beを含む、IEEE 802.11-2016仕様またはその改正によって定義されるものなどの、IEEE 802.11ワイヤレス通信プロトコル規格に準拠する、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)プロトコルデータユニット(PPDU)および媒体アクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(MPDU)の形態でパケットを送信して受信するように構成され得る。
【0043】
ワイヤレス通信デバイス200は、チップ、システムオンチップ(SoC)、チップセット、1つまたは複数のモデム204、たとえばWi-Fi(IEEE 802.11準拠)モデムを含むパッケージもしくはデバイスであってもよく、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のモデム204(集合的に「モデム204」)は加えて、WWANモデム(たとえば、3GPP(登録商標) 4G LTEまたは5G準拠モデム)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200はまた、1つまたは複数のプロセッサ、処理ブロック、またはモデム204と結合される処理要素202(集合的に「プロセッサ202」)を含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200は加えて、モデム204と結合される1つまたは複数の無線206(集合的に「無線206」)も含む。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200はさらに、プロセッサ202またはモデム204と結合される、1つまたは複数のメモリブロックまたは要素208(集合的に「メモリ208」)を含む。
【0044】
モデム204は、たとえば、例の中でもとりわけ、特定用途向け集積回路(ASIC)などのインテリジェントハードウェアブロックまたはデバイスを含み得る。モデム204は一般に、PHY層を、およびいくつかの実装形態では、MAC層の一部分(たとえば、MAC層のハードウェア部分)も実装するように構成される。たとえば、モデム204は、パケットを変調し、ワイヤレス媒体を介して送信するために、変調されたパケットを無線206に出力するように構成される。モデム204は同様に、無線206によって受信される変調されたパケットを取得し、パケットを復調して復調されたパケットを提供するように構成される。変調器および復調器に加えて、モデム204はさらに、デジタル信号処理(DSP)回路、自動利得制御(AGC)回路、コーダ、デコーダ、マルチプレクサ、およびデマルチプレクサを含み得る。たとえば、送信モードにある間、プロセッサ202から取得されるデータはエンコーダに提供されてもよく、エンコーダはデータを符号化してコーディングされたビットを提供する。コーディングされたビットは次いで、空間多重化のためのある数(NSS個)の空間ストリームまたは空間時間ブロックコーディング(STBC)のためのある数(NSTS個)の空間-時間ストリームにマッピングされ得る。ストリームの中のコーディングされたビットは次いで、変調コンステレーションの中の点に(選択されたMCSを使用して)マッピングされ、変調されたシンボルを提供し得る。それぞれの空間ストリームまたは空間-時間ストリームの中の変調されたシンボルは、多重化され、逆高速フーリエ変換(IFFT)ブロックを介して変換され、続いて、(たとえば、TX窓掛けおよびフィルタリングのために)DSP回路に提供され得る。次いで、デジタル信号は、デジタルアナログコンバータ(DAC)に提供され得る。得られたアナログ信号は次いで、周波数アップコンバータに、最終的に無線206に提供され得る。ビームフォーミングを伴う実装形態では、それぞれの空間ストリームの中の変調されたシンボルは、IFFTブロックへの提供の前にステアリング行列を介してプリコーディングされる。
【0045】
受信モードにある間、DSP回路は、たとえば、信号の存在を検出して初期タイミングおよび周波数オフセットを推定することによって、無線206から受信される変調されたシンボルを含む信号を獲得するように構成される。DSP回路はさらに、たとえば、チャネル(狭帯域)フィルタリングおよびアナログ障害調整(I/Qの不均衡の修正など)を使用し、デジタル利得を適用して最終的に狭帯域信号を取得することによって、信号をデジタル的に調整するように構成される。次いで、DSP回路の出力はAGCに供給されてもよく、これは、たとえば、1つまたは複数の受信された訓練フィールドにおいて、適切な利得を決定するために、デジタル信号から抽出された情報を使用するように構成される。DSP回路の出力はまた、複数の空間ストリームまたは空間時間ストリームが受信されるときに変調されたシンボルを逆多重化するデマルチプレクサと結合される。逆多重化されたシンボルは復調器に提供されてもよく、復調器は、信号からシンボルを抽出し、たとえば、各空間ストリームの中の各サブキャリアの各ビット位置に対する対数尤度比(LLR)を計算するように構成される。復調器はデコーダと結合され、デコーダは、LLRを処理して復号されたビットを提供するように構成され得る。次いで、復号されたビットは、スクランブリング解除され、処理、評価、または解釈のためにMAC層(プロセッサ202)に提供され得る。
【0046】
無線206は一般に、1つまたは複数のトランシーバへと組み合わせられ得る、少なくとも1つの無線周波数(RF)送信機(または「送信機チェーン」)と、少なくとも1つのRF受信機(または「受信機チェーン」)とを含む。たとえば、RF送信機および受信機の各々は、それぞれ、少なくとも1つの電力増幅器(PA)および少なくとも1つの低雑音増幅器(LNA)を含む様々なアナログ回路を含み得る。そして、RF送信機および受信機は、1つまたは複数のアンテナに結合され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス200は、複数の送信アンテナ(各々が対応する送信チェーンを伴う)および複数の受信アンテナ(各々が対応する受信チェーンを伴う)を含んでもよく、またはそれらと結合されてもよい。モデム204から出力されるシンボルは無線206に提供され、無線206は次いで、結合されたアンテナを介してシンボルを送信する。同様に、アンテナを介して受信されたシンボルは無線206によって取得され、無線206は次いで、シンボルをモデム204に提供する。
【0047】
プロセッサ202は、たとえば、処理コア、処理ブロック、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブル論理デバイス(PLD)、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、または本明細書において説明された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せなどのインテリジェントハードウェアブロックまたはデバイスを含み得る。プロセッサ202は、無線206およびモデム204を通じて受信される情報を処理し、ワイヤレス媒体を通じた送信のためにモデム204および無線206を通じて出力されるべき情報を処理する。たとえば、プロセッサ202は、MPDU、フレーム、またはパケットの生成、送信、受信、および処理に関する様々な動作を実行するように構成される、制御プレーンおよびMAC層の少なくとも一部分を実装し得る。いくつかの実装形態では、MAC層は、コーディングのためにPHY層へ提供するMPDUを生成し、MPDUとして処理するためにPHY層から復号された情報ビットを受信するように構成される。MAC層はさらに、動作または技法の中でもとりわけ、たとえばOFDMAのための時間および周波数リソースを割り振るように構成され得る。いくつかの実装形態では、プロセッサ202は一般に、モデムに上で説明された様々な動作を実行させるようにモデム204を制御し得る。
【0048】
メモリ208は、ランダムアクセスメモリ(RAM)もしくは読み取り専用メモリ(ROM)、またはこれらの組合せなどの、有形記憶媒体を含み得る。メモリ208はまた、プロセッサ202によって実行されると、MPDU、フレーム、またはパケットの生成、送信、受信、および解釈を含む、ワイヤレス通信のために本明細書において説明される様々な動作をプロセッサに実行させる命令を含む、非一時的プロセッサまたはコンピュータ実行可能ソフトウェア(SW)コードを記憶することができる。たとえば、本明細書において開示されたコンポーネントの様々な機能、または本明細書に開示された方法、動作、プロセス、もしくはアルゴリズムの様々なブロックもしくはステップは、1つまたは複数のコンピュータプログラムの1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0049】
図3Aは、例示的なAP302のブロック図を示す。たとえば、AP302は、図1を参照して説明されるAP102の例示的な実装形態であり得る。AP302は、ワイヤレス通信デバイス(WCD)310を含む(しかし、AP302自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとして全般に言及されることもある)。たとえば、ワイヤレス通信デバイス310は、図2を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス200の例示的な実装形態であり得る。AP302はまた、ワイヤレス通信を送信して受信するためにワイヤレス通信デバイス310と結合される複数のアンテナ320を含む。いくつかの実装形態では、AP302は加えて、ワイヤレス通信デバイス310と結合されるアプリケーションプロセッサ330、およびアプリケーションプロセッサ330と結合されるメモリ340を含む。AP302はさらに、AP302がコアネットワークまたはバックホールネットワークと通信してインターネットを含む外部ネットワークへのアクセスを得ることを可能にする、少なくとも1つの外部ネットワークインターフェース350を含む。たとえば、外部ネットワークインターフェース350は、有線(たとえば、イーサネット)ネットワークインターフェースおよびワイヤレスネットワークインターフェース(WWANインターフェースなど)の一方または両方を含み得る。前述のコンポーネントのうちのいくつかが、少なくとも1つのバスを介して、直接または間接的にそれらのコンポーネントのうちの他のものと通信することができる。AP302はさらに、ワイヤレス通信デバイス310、アプリケーションプロセッサ330、メモリ340、ならびにアンテナ320および外部ネットワークインターフェース350の少なくとも一部を包含する、ハウジングを含む。
【0050】
図3Bは、例示的なSTA304のブロック図を示す。たとえば、STA304は、図1を参照して説明されるSTA104の例示的な実装形態であり得る。STA304は、ワイヤレス通信デバイス315を含む(しかし、STA304自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとして全般に言及されることもある)。たとえば、ワイヤレス通信デバイス315は、図JJJを参照して説明されるワイヤレス通信デバイスJJJ00の例示的な実装形態であり得る。STA304はまた、ワイヤレス通信を送信して受信するためにワイヤレス通信デバイス315と結合される1つまたは複数のアンテナ325を含む。STA304は加えて、ワイヤレス通信デバイス315と結合されるアプリケーションプロセッサ335、およびアプリケーションプロセッサ335と結合されるメモリ345を含む。いくつかの実装形態では、STA304はさらに、ユーザインターフェース(UI)355(タッチスクリーンまたはキーパッドなど)およびディスプレイ365を含み、それらは、UI355と統合されてタッチスクリーンディスプレイを形成し得る。いくつかの実装形態では、STA304はさらに、たとえば、1つまたは複数の慣性センサ、加速度計、温度センサ、気圧センサ、または高度センサなどの、1つまたは複数のセンサ375を含み得る。前述のコンポーネントのうちのいくつかが、少なくとも1つのバスを介して、直接または間接的にそれらのコンポーネントのうちの他のものと通信することができる。STA304はさらに、ワイヤレス通信デバイス315、アプリケーションプロセッサ335、メモリ345、ならびにアンテナ325、UI355、およびディスプレイ365の少なくとも一部を包含する、ハウジングを含む。
【0051】
図3Cは、例示的な周辺デバイス306のブロック図を示す。周辺デバイス306は、デバイス間ワイヤレス通信プロトコルを使用して、1つまたは複数のデータストリームをSTAから受信するために構成されるワイヤレスデバイスであり得る。たとえば、周辺デバイス306は、例の中でもとりわけ、AR、VR、または他のXR用途のために構成されるヘッドセット(HMD)、ワイヤレススピーカ、ヘッドフォン、ヘッドセット、ビデオ表示デバイスであり得る。周辺デバイス306は、ワイヤレス通信デバイス317を含む(しかし、周辺デバイス306自体が、本明細書において使用されるようなワイヤレス通信デバイスとして全般に言及されることもある)。たとえば、ワイヤレス通信デバイス317は、図2を参照して説明されるワイヤレス通信デバイス200の例示的な実装形態であり得る。周辺デバイス306はまた、ワイヤレス通信を送信して受信するためにワイヤレス通信デバイス317と結合される1つまたは複数のアンテナ327を含む。周辺デバイス306は加えて、ワイヤレス通信デバイス317と結合されるアプリケーションプロセッサ337、およびアプリケーションプロセッサ337と結合されるメモリ347を含む。いくつかの実装形態では、周辺デバイス306はさらに、ユーザインターフェース(UI)357(タッチスクリーンまたはキーパッドなど)およびディスプレイ367を含み、それらは、UI357と統合されてタッチスクリーンディスプレイを形成し得る。いくつかの実装形態では、周辺デバイス306はさらに、たとえば、1つまたは複数の慣性センサ、加速度計、温度センサ、気圧センサ、または高度センサなどの、1つまたは複数のセンサ377を含み得る。前述のコンポーネントのうちのいくつかが、少なくとも1つのバスを介して、直接または間接的にそれらのコンポーネントのうちの他のものと通信することができる。周辺デバイス306はさらに、ワイヤレス通信デバイス317、アプリケーションプロセッサ337、メモリ347、ならびにアンテナ327、UI357、およびディスプレイ367の少なくとも一部を包含する、ハウジングを含む。
【0052】
図4は、STA402と周辺デバイス404との間でワイヤレスリンクを確立するためのプロセスを示す順序図400を示す。図4の例では、STA402および周辺デバイス404は、第1の通信プロトコル(図4の「プロトコル1」)に従って第1の接続を確立し、続いて、第2のワイヤレス通信プロトコル(図4の「プロトコル2」)に従って第2の接続を確立し得る。STA402は図3BのSTA304の例であってもよく、周辺デバイス404は図3Cの周辺デバイス306の例であってもよい。STA402および周辺デバイス404は、第1の通信プロトコルを使用して第2の接続を確立するための接続情報を交換し得る。図4に示されるように、第1の接続を確立することはまず、プロトコル1に関する発見を伴い得る。たとえば、STA402は、プロトコル1を使用して接続するためにそれが利用可能であることを広告してもよく、周辺デバイス404は、広告に応答して1つまたは複数のスキャン動作を実行してもよい。第1の通信プロトコルがBLEプロトコルであるとき、STA402は、例の中でもとりわけ、その汎用固有識別子(UUID)、1つまたは複数のデバイスID、または1つまたは複数の能力を告知し得る。周辺デバイス404は、この告知を受信し、第1の通信プロトコルに従ってSTA402との第1の接続を確立し得る。たとえば、第1の通信プロトコルがBLEであるとき、周辺デバイス404はGeneric Attribute Profile(GATT)サーバとして動作してもよく、STA402はこのGATTサーバに接続してもよい。第1の接続が第1の通信プロトコルに従って確立された後、周辺デバイス404は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続を確立することを要求し得る。この要求は、明確に通信されてもよく、または示唆されてもよい(第1の接続の確立の成功が第2の接続の確立を自動的に促す場合など)。第2の接続の確立に対する要求に応答して、STA402は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するチャネルスキャンを実行し得る。たとえば、STA402は、2GHz、5GHz、または6GHz周波数帯域などの、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルのセットをスキャンし得る。第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるとき、このチャネルはACSチャネルスキャンであり得る。
【0053】
チャネルスキャンを完了した後、STA402は、第1の接続を使用してチャネルスキャンの1つまたは複数の結果を周辺デバイス404に送信し得る。したがって、結果は第1の通信プロトコルに従って送信される。そのような結果は、チャネルスキャンから1つまたは複数の最良の性能のチャネルを示し得る。チャネルスキャンの結果を受信した後、STA402は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するAPとして動作し得る。たとえば、STA402は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するSoftAPとして動作し得る。チャネルスキャンの結果はまた、第2の接続を確立するための構成情報とともに送信され得る。たとえば、第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるとき、チャネルスキャン結果は、Wi-Fiを使用してSTA402に接続するために周辺デバイス404により使用される、1つまたは複数のSSIDまたは他の詳細などの情報とともに送信され得る。チャネルスキャン結果および構成情報を受信した後、STA402および周辺デバイス404は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続を確立し得る。第2の接続を確立した後、STA402は、第2の接続を介して1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス404に送信し得る。
【0054】
図5Aは、STA402と周辺デバイス404との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス500を示すタイミング図を示す。例示的なプロセス500は、たとえば図4の順序図400に示されるように、STA402および周辺デバイス404によって実行され得る。図5A(および後続のタイミング図)の動作の相対的な時間長は縮尺通りに示されず、たとえば、第1の接続および第2の接続のために使用されるプロトコルに応じたいくつかの要因により変化し得ることに留意されたい。STA402および周辺デバイス404は、時間t1とt2との間でプロトコル1発見を実行する。STA402および周辺デバイス404は、時間t2とt3との間でプロトコル1接続を実行する。STA304は、時間t3とt4との間でプロトコル2チャネルスキャンを実行する。STA402は、時間t4とt5の間でAP動作を開始する。STA402および周辺デバイス404は、時間t5とt6の間でプロトコル2に従って第2の接続を確立し、その後、STA402は1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス404に送信し得る。
【0055】
図5Bは、STA402と周辺デバイス404との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス550を示すタイミング図を示す。より具体的には、例示的なプロセス550は、第1の通信プロトコルがBLEプロトコルであり、第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるときの、図4に示される動作の典型的なタイミングを示す。STA402および周辺デバイス404は、概ね3.6秒でBLE発見を完了し得る。STA402および周辺デバイス404は、概ね1.3秒でBLE発見の後にBLE接続を確立し得る。STA402は、概ね4秒でWi-Fiチャネルスキャンを完了し得る。STA402は、概ね200msでAP動作を開始し得る。最後に、STA402および周辺デバイス404は、0.5秒と2秒の間でWi-Fiプロトコルに従って第2の接続を確立し得る。したがって、従来の技法を使用して第1の接続および第2の接続を確立するための図4に示される動作は、概ね9.6~11.1秒かかり得る。
【0056】
様々な態様は全般に、チャネルスキャン動作の一部またはすべてをソースデバイスから周辺デバイスにオフロードすることに関する。いくつかの実装形態では、周辺デバイスなどの第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の通信プロトコルに従って、ソースデバイスなどの第2のワイヤレス通信デバイスと第1の接続を確立し得る。第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の接続を確立したことに応答して、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し得る。第1のチャネルスキャンは、第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ得る。第1のワイヤレス通信デバイスは次いで、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し得る。たとえば、周辺デバイスは、チャネルスキャンのすべてまたは一部を実行しながら、ソースデバイスとの第1の接続を同時に確立し得る。いくつかの他の態様では、ソースデバイスおよび周辺デバイスの各々がチャネルスキャンを実行してもよく、特にノイズの多い環境において、ソースデバイスと周辺デバイスの両方において第2の接続のために選択されたチャネルの性能が良くなることを確実にする。
【0057】
本開示において説明される主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実装され得る。チャネルスキャンのすべてまたは一部を周辺デバイスにオフロードすることによって、第2の接続は、ソースデバイスがチャネルスキャン全体を実行するような従来の技法を使用するよりも高速に、ソースデバイスと周辺デバイスとの間で直接確立され得る。チャネルスキャンの少なくとも一部分を周辺デバイスにオフロードすることによって、ワイヤレス通信デバイスは、より高速に第2の接続を確立してもよく、より効率的な動作およびユーザ体験の改善をもたらす。より具体的には、ソースデバイスは、第2のワイヤレス通信プロトコルに従ってAPとして動作し始める前にチャネルスキャン結果を要求し得るので、周辺デバイスへチャネルスキャン動作の少なくとも一部をオフロードすることで、ソースデバイスがこれらのチャネルスキャン結果をより早く受け取ることが可能になり得る。たとえば、第1の通信プロトコルがBLEであり、第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiであるとき、周辺デバイスへとチャネルスキャン全体をオフロードすることは、第2の接続を確立するために必要とされる時間を数秒短くし得る。
【0058】
上で論じられたように、本開示の態様は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するチャネルスキャンの少なくとも一部分を周辺デバイスにオフロードすることによって、ソースデバイスと周辺デバイスとの間の第1の接続および第2の接続の確立がより高速かつ効率的に完了されることを可能にする。いくつかの実装形態では、チャネルスキャン全体が周辺デバイスによって実行されてもよい。そのような実装形態は、第1の接続および第2の接続を確立するために必要とされる時間の大幅な短縮を可能にし得る。しかしながら、そのような実装形態は、完全なチャネルスキャンを実行するために、周辺デバイスが計算リソースおよびネットワークリソースを有することを必要とする。いくつかの他の実装形態では、周辺デバイスは、チャネルスキャンに関連するワイヤレスチャネルのセットの一部分だけをスキャンすることなどによって、チャネルスキャンの第1の部分だけを実行してもよく、一方、ソースデバイスが、ワイヤレスチャネルのセットの中のワイヤレスチャネルの残りを含む第2の部分をスキャンしてもよい。
【0059】
いくつかの態様では、第1の部分は、特定の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルのセットの中のすべてのワイヤレスチャネルを含み得る。たとえば、第1の部分は、2GHz周波数帯域、5GHz周波数帯域、または6GHz周波数帯域におけるすべてのワイヤレスチャネルを含み得る。いくつかの他の実装形態では、よりロバストなチャネルスキャンが望まれるとき、たとえば混雑したまたはノイズの多い環境では、周辺デバイスおよびソースデバイスが、チャネルスキャンをまとめて実行し得る。いくつかの態様では、周辺デバイスおよびソースデバイスは各々、ワイヤレスチャネルのセットの中のすべてのワイヤレスチャネルをスキャンし得る。いくつかの他の態様では、周辺デバイスとソースデバイスの両方が、ワイヤレスチャネルのセットの中のすべてではないが一部のワイヤレスチャネルをスキャンしてもよく、ソースデバイスまたは周辺デバイスはセットの中のワイヤレスチャネルの残りをスキャンする。言い換えると、いくつかの態様では、ソースデバイスおよび周辺デバイスの各々が、ワイヤレスチャネルのセットの第1の部分においてすべてのワイヤレスチャネルをスキャンしてもよく、一方、ワイヤレスチャネルのセットの中のワイヤレスチャネルの残りが、ソースデバイスまたは周辺デバイスのいずれかによってスキャンされてもよい。周辺デバイスとソースデバイスとの間でチャネルスキャンのすべてまたは一部分を複製することは、ソースデバイスと周辺デバイスの両方において性能が良いチャネルの選択を可能にし得る。
【0060】
図6は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す例示的な順序図600を示す。図4と同様に、図6に示される動作はプロトコル1発見およびプロトコル1接続を含むが、図6では、周辺デバイス306は第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するチャネルスキャンを実行する。言い換えると、図6では、このチャネルスキャンは周辺デバイスへと完全にオフロードされる。たとえば、周辺デバイス306は、2GHz、5GHz、または6GHz周波数帯域などの、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルのセットをスキャンし得る。第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるとき、このチャネルはACSチャネルスキャンであり得る。
【0061】
チャネルスキャンを完了し、第1の通信プロトコルに従って第1の接続を確立した後、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続の確立を要求する。図4と同様に、この要求は、明確に通信されてもよく、または示唆されてもよい(第1の接続の確立の成功が第2の接続の確立を自動的に促す場合など)。周辺デバイス306はまた、完了したチャネルスキャンの1つまたは複数の結果をSTA304に送信し得る。したがって、結果は第1の接続を介して第1の通信プロトコルに従って送信される。STA304は、完了したチャネルスキャンの1つまたは複数の結果を受信した後、APとして動作し始め得る。さらに、STA304は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する接続情報を周辺デバイスに送信し得る(簡単にするために示されていない)。STA304および周辺デバイス306は次いで、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2の接続を介して(第2のワイヤレス通信プロトコルに従って)1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0062】
図7Aは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス700を示す例示的なタイミング図を示す。例示的なプロセス700は、図6の順序図600に対応し得る。図7Aの動作の相対的な時間長は縮尺通りに示されず、たとえば、第1の接続および第2の接続のために使用されるプロトコルに応じたいくつかの要因により変化し得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t1とt2との間でプロトコル1発見を実行し得る。プロトコル1発見と同時に、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するチャネルスキャンを実行し得る。図7Aは、プロトコル1発見およびプロトコル2チャネルスキャンが同じ長さの時間を必要とすることを示すが、いくつかの態様では、プロトコル1発見またはプロトコル2チャネルスキャンのいずれかが、完了するのにより長く時間がかかり得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t2とt3との間でプロトコル1接続を実行し得る。STA304は、時間t3とt4の間でAP起動を実行し得る。STA304および周辺デバイス306は、時間t4とt5の間でプロトコル2に従って第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2の接続を介して1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0063】
図7Bは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス750を示すタイミング図を示す。より具体的には、例示的なプロセス750は、第1の通信プロトコルがBLEプロトコルであり、第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるときの、図6に示される動作の典型的なタイミングを示す。STA304および周辺デバイス306は、概ね3.6秒でBLE発見を完了し得る。周辺デバイス306は、概ね4秒でWi-Fiチャネルスキャンを完了し得る。STA304および周辺デバイス306は、概ね1.3秒でBLE発見の後にBLE接続を確立し得る。STA304は、概ね200msでAPとして動作を開始し得る。最後に、STA304および周辺デバイス306は、0.5秒と2秒の間でWi-Fiプロトコルに従って第2の接続を確立し得る。したがって、第1の接続および第2の接続を確立するための図7Bに示される動作は、チャネルスキャンが周辺デバイスに完全にオフロードされるとき、約5.6~7.1秒かかることがあり、これは、図5Bに示されるような従来の技法と比較して概ね4秒の時間の節約を表す。
【0064】
上で論じられたように、いくつかの実装形態では、チャネルスキャンを周辺デバイスに完全にオフロードするのではなく、STAは、チャネルスキャンの一部分だけを周辺デバイスにオフロードしてもよい。図8は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す例示的な順序図800を示す。図6と同様に、図8に示される動作は、チャネルスキャンの一部を周辺デバイス306にオフロードする。しかしながら、図8では、周辺デバイス306はチャネルスキャンの一部分だけを実行し、一方、STA304がチャネルスキャンの別の部分を実行する。言い換えると、図8では、このチャネルスキャンは周辺デバイス306へ部分的にオフロードされる。図6と同様に、プロトコル1発見と同時に、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第1の部分的なチャネルスキャンを実行する。たとえば、周辺デバイス306は、2GHz、5GHz、または6GHz周波数帯域などの、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルの第1のセットをスキャンし得る。第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるとき、この第1の部分的なチャネルスキャンはACSチャネルスキャンであり得る。
【0065】
周辺デバイス306が第1の部分的なチャネルスキャンを完了し、STA304および周辺デバイス306が第1の通信プロトコルに従って第1の接続を確立した後、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続の確立を要求する。図6と同様に、この要求は、明確に通信されてもよく、または示唆されてもよい(第1の接続の確立の成功が第2の接続の確立を自動的に促す場合など)。いくつかの例では、周辺デバイス306は次いで、第1の通信プロトコルに従って(第1の接続を介して)、完了したチャネルスキャンの1つまたは複数の結果をSTA304に送信し得る。図8は、周辺デバイス306が第2の接続の確立を要求した後にチャネルスキャン結果を送信することを示すが、周辺デバイスは、第1の部分的なチャネルスキャンの完了の後、かつSTA304がAPとして動作し始める前の任意の時間に、チャネルスキャン結果を送信してもよいことに留意されたい。STA304は次いで、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第2の部分的なチャネルスキャンを実行する。たとえば、STAは、2GHz、5GHz、または6GHz周波数帯域などの、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルの第2のセットをスキャンし得る。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。言い換えると、STA304および周辺デバイス306は完全に異なるチャネルをスキャンし得る。
【0066】
STA304は次いで、APとして動作し始める。いくつかの態様では、STA304はまた、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する接続情報を周辺デバイスに送信する。STA304および周辺デバイス306は次いで、第1の部分的なチャネルスキャンおよび第2の部分的なチャネルスキャンの結果に基づいて、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0067】
図9Aは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス900を示す例示的なタイミング図を示す。例示的なプロセス900は、図8の順序図800に対応し得る。図9Aの動作の相対的な時間長は縮尺通りに示されず、たとえば、第1の接続および第2の接続のために使用されるプロトコルに応じたいくつかの要因により変化し得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t1とt2との間でプロトコル1発見を完了し得る。プロトコル1発見と同時に、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第1の部分的なチャネルスキャンを実行し得る。図9Aは、これらの2つの動作が同じ長さの時間を必要とすることを示すが、いくつかの態様では、プロトコル1発見またはプロトコル2チャネルスキャンのいずれかが、完了するのにより長く時間がかかり得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t2とt3との間でプロトコル1接続を確立し得る。STA304は、時間t3とt4との間で第2の部分的なプロトコル2チャネルスキャンを完了し得る。STA304は、時間t4とt5の間でAPとして動作し始め得る。STA304および周辺デバイス306は、時間t5とt6の間でプロトコル2に従って第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2の接続を介して1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0068】
図9Bは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス950を示すタイミング図を示す。より具体的には、例示的なプロセス950は、BLEおよびWi-Fiがそれぞれの第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルであるとき、図8に示される動作の典型的なタイミングを示す。図9Bに示される時間は、STA304および周辺デバイス306が各々、完全なチャネルスキャンに関連するワイヤレスチャネルのセットの中のワイヤレスチャネルの概ね半分をスキャンするときの実装形態に対応する。STA304および周辺デバイス306は、概ね3.6秒でBLE発見を完了し得る。周辺デバイス306は、概ね2秒で第1の部分的なWi-Fiチャネルスキャンを完了し得る。STA304および周辺デバイス306は、概ね1.3秒でBLE接続を確立し得る。STA304は、概ね2秒で第2の部分的なWi-Fiチャネルスキャンを実行し得る。STA304は、APとして動作し始めるのに概ね200msを必要とし得る。STA304および周辺デバイス306は、0.5秒と2秒の間でWi-Fiプロトコルに従って第2の接続を確立し得る。したがって、STA304および周辺デバイス306は、チャネルスキャンが周辺デバイスに半分オフロードされるとき、約7.6~9.1秒で第1の接続および第2の接続を確立することがあり、これは、図5Bに示されるような従来の技法と比較して概ね2秒の時間の節約を表す。
【0069】
図6図9Bに示される実装形態は、従来の技法よりも速い第1の接続および第2の接続の確立を可能にするが、いくつかの他の態様では、STA304および周辺デバイス306が各々完全なチャネルスキャンを実行するのが好ましいことがある。たとえば、ノイズ、またはSTA304と周辺デバイス306の一方または両方の近くの局所的な干渉の存在下では、STA304と周辺デバイス306の両方に対する干渉または混雑の影響を比較的受けないチャネルが第2の接続のために選ばれることを確実にするために、STA304および周辺デバイス306がワイヤレスチャネルのセットの中の1つ1つのワイヤレスチャネルを各々スキャンするのが望ましいことがある。
【0070】
図10は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセスを示す例示的な順序図1000を示す。図8と同様に、図10において、STA304と周辺デバイス306の各々はチャネルスキャン動作を実行する。しかしながら、図10において、STA304と周辺デバイス306の各々は完全なチャネルスキャンを実行する。すなわち、STA304と周辺デバイス306の各々が、ワイヤレスチャネルのセットの中のすべてのワイヤレスチャネルをスキャンする。プロトコル1発見と同時に、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第1の完全なチャネルスキャンを実行し得る。たとえば、周辺デバイス306は、2GHz、5GHz、または6GHz周波数帯域などの、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルの第1のセットをスキャンし得る。第2のワイヤレス通信プロトコルがWi-Fiプロトコルであるとき、この第1の完全なチャネルスキャンはACSチャネルスキャンであり得る。
【0071】
周辺デバイス306が第1の完全なチャネルスキャンを完了し、STA304および周辺デバイス306が第1の通信プロトコルに従って第1の接続を確立した後、周辺デバイス306は、第1の完全なチャネルスキャンの1つまたは複数の結果をSTA304に送信する。図8と同様に、周辺デバイス306は、第1の完全なチャネルスキャンの完了の後、かつSTA304がAPとして動作し始める前の任意の時間に、第1の完全なチャネルスキャンの1つまたは複数の結果をSTA304に送信し得る。周辺デバイス306はまた、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続の確立を要求し得る。図6と同様に、この要求は、明確に通信されてもよく、または示唆されてもよい(第1の接続の確立の成功が第2の接続の確立を自動的に促す場合など)。STA304は次いで、APとして動作し始め、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第2の完全なチャネルスキャンを実行し得る。たとえば、STA304は、1つまたは複数の周波数帯域に関連するワイヤレスチャネルの第1のセットをスキャンし得る。言い換えると、STA304および周辺デバイス306は各々、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中の1つ1つのワイヤレスチャネルをスキャンし得る。
【0072】
STA304は次いで、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する接続情報を周辺デバイス306に送信し得る。STA304は、第1の通信プロトコルに従って、第1の接続を使用してそのような情報を送信し得る。STA304および周辺デバイス306は次いで、第1の完全なチャネルスキャンおよび第2の完全なチャネルスキャンの結果に基づいて、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0073】
図11Aは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス1100を示す例示的なタイミング図を示す。例示的なプロセス1100は、図10の順序図1000に対応し得る。図11Aの動作の相対的な時間長は縮尺通りに示されず、たとえば、第1の接続および第2の接続のために使用されるプロトコルに応じたいくつかの要因により変化し得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t1とt2との間でプロトコル1発見を完了し得る。プロトコル1発見と同時に、周辺デバイス306は、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する第1の完全なチャネルスキャンを実行し得る。図11Aは、これらの2つの動作が同じ長さの時間を必要とすることを示すが、いくつかの態様では、プロトコル1発見またはプロトコル2チャネルスキャンのいずれかが、完了するのにより長く時間がかかり得ることに留意されたい。STA304および周辺デバイス306は、時間t2とt3との間でプロトコル1接続を確立し得る。STA304は、時間t3とt4との間で第2の完全なプロトコル2チャネルスキャンを完了し得る。STA304は、時間t4とt5の間でAPとして動作し始め得る。STA304および周辺デバイス306は、時間t5とt6の間で第2の接続を確立し得る。続いて、STA304は、第2の接続を介して1つまたは複数のデータストリームを周辺デバイス306に送信し得る。
【0074】
図11Bは、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立するための例示的なプロセス1150を示すタイミング図を示す。より具体的には、例示的なプロセス1150は、BLEおよびWi-Fiがそれぞれの第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルであるとき、図10に示される動作の典型的なタイミングを示す。図11Bに示される時間は、STA304および周辺デバイス306が各々、完全なチャネルスキャンに関連するワイヤレスチャネルのセットの中のワイヤレスチャネルのすべてをスキャンするときの実装形態に対応する。STA304および周辺デバイス306は、概ね3.6秒でBLE発見を完了し得る。周辺デバイス306は、概ね4秒で第1の完全なWi-Fiチャネルスキャンを完了し得る。STA304および周辺デバイス306は、概ね1.3秒でBLE接続を確立し得る。STA304は、概ね4秒で第2の完全なWi-Fiチャネルスキャンを完了し得る。STA304は、概ね200msでAPとして動作し始め得る。最後に、STA304および周辺デバイス306は、0.5秒と2秒の間でWi-Fiプロトコルに従って第2の接続を確立し得る。したがって、第1の接続および第2の接続を確立するための図11Bに示される動作は、STA304および周辺デバイス306の各々が完全なチャネルスキャンを実行するとき、約9.6~11.1秒かかり得る。これは時間の節約をもたらさないが、STA304および周辺デバイス306の各々が完全なチャネルスキャンを実行することは、STA304と周辺デバイス306の一方または両方における干渉または混雑の存在下で、より良好なチャネルの選択をもたらし得る。
【0075】
図12は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なプロセス1200を示すフローチャートを示す。プロセス1200は、図2に関して上で説明されるワイヤレス通信デバイス200などの第1のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1200は、図3Cの周辺デバイス306などの周辺デバイスとして動作する、または周辺デバイス内で動作する、ワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0076】
いくつかの実装形態では、ブロック1202において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスとの第1の接続を確立する。いくつかの態様では、第2のワイヤレス通信デバイスは、図3BのSTA304であり得る。
【0077】
いくつかの実装形態では、ブロック1204において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し、第1のチャネルスキャンは第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる。
【0078】
いくつかの実装形態では、ブロック1206において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレスデバイスと直接第2の接続を確立する。
【0079】
いくつかの実装形態では、ブロック1208において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信する。
【0080】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0081】
いくつかの実装形態では、プロセス1200はさらに、第1の通信プロトコルに従って、第1のチャネルスキャンの結果を第2のワイヤレス通信デバイスに送信することを含む。
【0082】
いくつかの実装形態では、ブロック1206において第2の接続を確立することは、第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンにさらに基づき、第2のチャネルスキャンはワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0083】
図13は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なプロセス1300を示すフローチャートを示す。プロセス1300は、図2に関して上で説明されるワイヤレス通信デバイス200などの第1のワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、プロセス1300は、図3BのSTA304などのSTAとして動作する、またはSTA内で動作する、ワイヤレス通信デバイスによって実行され得る。
【0084】
いくつかの実装形態では、ブロック1302において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立する。いくつかの態様では、第2のワイヤレス通信デバイスは図3Cの周辺デバイス306であり得る。
【0085】
いくつかの実装形態では、ブロック1304において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第2のワイヤレス通信デバイスから第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信し、第1のチャネルスキャンは第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる。
【0086】
いくつかの実装形態では、ブロック1306において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように構成される。
【0087】
いくつかの実装形態では、ブロック1308において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第1のチャネルスキャンの結果に基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立する。
【0088】
いくつかの実装形態では、ブロック1310において、第1のワイヤレス通信デバイスは、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信する。
【0089】
いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである。いくつかの態様では、第1の通信プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである。
【0090】
いくつかの態様では、プロセス1300はさらに、ワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行することを含み、第2の接続を確立することは、第2のチャネルスキャンにさらに基づく。いくつかの態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットは、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである。いくつかの他の態様では、ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない。
【0091】
図14は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なワイヤレス通信デバイス1400のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1400は、図12および図13をそれぞれ参照して上で説明されたプロセス1200および1300の1つまたは複数を実行するように構成される。ワイヤレス通信デバイス1400は、図2を参照して上で説明されたワイヤレス通信デバイス200の例示的な実装形態であり得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイス1400は、少なくとも1つのプロセッサ(プロセッサ202など)、少なくとも1つのモデム(たとえば、Wi-Fi(IEEE 802.11)モデムまたはモデム204などのセルラーモデム)、少なくとも1つのメモリ(メモリ208など)、および少なくとも1つの無線(無線206など)を含む、チップ、SoC、チップセット、パッケージ、またはデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1400は、図3Cを参照して上で説明された周辺デバイス306などの周辺デバイスにおいて使用するためのデバイスであり得る。いくつかの他の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1400は、チップ、SoC、チップセット、パッケージもしくはデバイス、ならびに少なくとも1つのアンテナ(アンテナ327など)を含む周辺デバイスであり得る。
【0092】
ワイヤレス通信デバイス1400は、受信コンポーネント1410、通信マネージャ1420、および送信コンポーネント1430を含む。通信マネージャ1420はさらに、第1の接続確立コンポーネント1422および第2の接続確立コンポーネント1424を含む。コンポーネント1422および1424のうちの1つまたは複数の部分は、少なくとも一部がハードウェアまたはファームウェアで実装され得る。いくつかの実装形態では、コンポーネント1422および1424のうちの少なくともいくつかは、メモリに記憶されているソフトウェア(メモリ208など)として少なくとも一部実装される。たとえば、コンポーネント1422および1424の1つまたは複数の一部は、それぞれのモジュールの機能または動作を実行するようにプロセッサ(プロセッサ202など)によって実行可能である非一時的命令(または「コード」)として実装され得る。
【0093】
受信コンポーネント1410は、1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスから、ワイヤレスチャネルを介してRX信号を受信するように構成される。いくつかの実装形態では、受信コンポーネント1410は、少なくとも第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルに従ってRX信号を受信し得る。通信マネージャ1420は、少なくとも第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルに従って、1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスとの接続を確立するように構成される。いくつかの実装形態では、第1の接続確立コンポーネント1422は、第1の通信プロトコルに従って1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し得る。いくつかの実装形態では、第2の接続確立コンポーネント1424は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立してもよく、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する1つまたは複数のワイヤレススキャン動作を実行してもよい。送信コンポーネント1430は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスに、有線チャネルまたはワイヤレスチャネルを介してTX信号を送信するように構成される。
【0094】
図15は、いくつかの実装形態による、STA304と周辺デバイス306との間でワイヤレスリンクを確立することをサポートする例示的なワイヤレス通信デバイス1500のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1500は、図12および図13をそれぞれ参照して上で説明されたプロセス1200および1300の1つまたは複数を実行するように構成される。ワイヤレス通信デバイス1500は、図2を参照して上で説明されたワイヤレス通信デバイス200の例示的な実装形態であり得る。たとえば、ワイヤレス通信デバイス1500は、少なくとも1つのプロセッサ(プロセッサ202など)、少なくとも1つのモデム(たとえば、Wi-Fi(IEEE 802.11)モデムまたはモデム204などのセルラーモデム)、少なくとも1つのメモリ(メモリ208など)、および少なくとも1つの無線(無線206など)を含む、チップ、SoC、チップセット、パッケージ、またはデバイスであり得る。いくつかの実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1500は、図1および図3Bをそれぞれ参照して上で説明されたSTA104および304の1つなどのSTAにおいて使用するためのデバイスであり得る。いくつかの他の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス1500は、チップ、SoC、チップセット、パッケージもしくはデバイス、ならびに少なくとも1つのアンテナ(アンテナ327など)を含む周辺デバイスであり得る。
【0095】
ワイヤレス通信デバイス1500は、受信コンポーネント1510、通信マネージャ1520、および送信コンポーネント1530を含む。通信マネージャ1520はさらに、第1の接続確立コンポーネント1522および第2の接続確立コンポーネント1524を含む。コンポーネント1522および1524のうちの1つまたは複数の部分は、ハードウェアまたはファームウェアにおいて少なくとも一部実装され得る。いくつかの実装形態では、コンポーネント1522および1524のうちの少なくともいくつかは、メモリに記憶されているソフトウェア(メモリ208など)として少なくとも一部実装される。たとえば、コンポーネント1522および1524の1つまたは複数の一部は、それぞれのモジュールの機能または動作を実行するようにプロセッサ(プロセッサ202など)によって実行可能である非一時的命令(または「コード」)として実装され得る。
【0096】
受信コンポーネント1510は、1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスから、ワイヤレスチャネルを介してRX信号を受信するように構成される。いくつかの実装形態では、受信コンポーネント1510は、少なくとも第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルに従ってRX信号を受信し得る。通信マネージャ1520は、少なくとも第1の通信プロトコルおよび第2のワイヤレス通信プロトコルに従って、1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスとの接続を確立するように構成される。いくつかの実装形態では、第1の接続確立コンポーネント1522は、第1の通信プロトコルに従って1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し得る。いくつかの実装形態では、第2の接続確立コンポーネント1524は、第2のワイヤレス通信プロトコルに従って1つまたは複数のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立してもよく、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するSoftAPとして動作してもよく、第2のワイヤレス通信プロトコルに関連する1つまたは複数のワイヤレススキャン動作を実行してもよい。送信コンポーネント1530は、1つまたは複数の他のワイヤレス通信デバイスに、有線チャネルまたはワイヤレスチャネルを介してTX信号を送信するように構成される。
【0097】
以下の番号付きの条項において、実装例が説明される。
1. 第1のワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立するステップと、
第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行するステップであって、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、
第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立するステップと、
第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信するステップとを含む、方法。
2. 第2の接続が、第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンにさらに基づいて確立され、第2のチャネルスキャンがワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる、条項1の方法。
3. ワイヤレスチャネルの第1のセットが、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである、条項2の方法。
4. ワイヤレスチャネルの第1のセットおよびワイヤレスチャネルの第2のセットがいずれのワイヤレスチャネルも共有しない、条項2の方法。
5. 第1の通信プロトコルに従って、第1のチャネルスキャンの結果を第2のワイヤレス通信デバイスに送信するステップをさらに含む、条項1から4のいずれかの方法。
6. 第1の通信プロトコルが、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、条項1から5のいずれかの方法。
7. 第1の通信プロトコルが、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、条項6の方法。
8. 第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、条項1から7のいずれかの方法。
9. 少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、
第1の接続を確立したことに応答してワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンを実行し、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、
第1のチャネルスキャンに基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに直接従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第2の接続を確立し、
第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスから直接1つまたは複数のデータストリームを受信する
ように構成される、第1のワイヤレス通信デバイス。
10. 第2の接続が、第2のワイヤレス通信デバイスによって実行される第2のチャネルスキャンに基づいて確立され、第2のチャネルスキャンがワイヤレスチャネルの第2のセットと関連付けられる、条項9の第1のワイヤレス通信デバイス。
11. ワイヤレスチャネルの第1のセットが、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである、条項10の第1のワイヤレス通信デバイス。
12. ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない、条項10の第1のワイヤレス通信デバイス。
13. プロセッサ可読コードの実行が、第1のワイヤレス通信デバイスに、第1の通信プロトコルに従って第1のチャネルスキャンの結果を第2のワイヤレス通信デバイスに送信することをさらに含む動作を実行させる、条項9から12のいずれかの第1のワイヤレス通信デバイス。
14. 第1の通信プロトコルが、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、条項9から13のいずれかの第1のワイヤレス通信デバイス。
15. 第1の通信プロトコルが、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、条項14の第1のワイヤレス通信デバイス。
16. 第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、条項9から15のいずれかの第1のワイヤレス通信デバイス。
17. 第1のワイヤレス通信デバイスによるワイヤレス通信のための方法であって、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立するステップと、
第2のワイヤレス通信デバイスから第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信するステップであって、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられる、ステップと、
第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように第1のワイヤレス通信デバイスを構成するステップと、
第1のチャネルスキャンの結果に基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立するステップと、
第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信するステップとを含む、方法。
18. ワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行するステップをさらに含み、
第2の接続を確立することが第2のチャネルスキャンにさらに基づく、条項17の方法。
19. ワイヤレスチャネルの第1のセットが、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである、条項18の方法。
20. ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのワイヤレスチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない、条項18の方法。
21. 第1の通信プロトコルが、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、条項17から20のいずれかの方法。
22. 第1の通信プロトコルが、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、Bluetoothプロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、条項21の方法。
23. 第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、条項17から22のいずれかの方法。
24. 少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプロセッサと通信可能に結合され、プロセッサ可読コードを記憶する少なくとも1つのメモリとを含み、プロセッサ可読コードが、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
第1の通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスとの第1の接続を確立し、
第2のワイヤレス通信デバイスから第1の通信プロトコルに従って、ワイヤレスチャネルの第1のセットの第1のチャネルスキャンの結果を受信し、第1のチャネルスキャンが第2のワイヤレス通信プロトコルと関連付けられ、
第2のワイヤレス通信プロトコルに関連するアクセスポイントとして動作するように第1のワイヤレス通信デバイスを構成し、
第1のチャネルスキャンの結果に基づいて第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスと直接第2の接続を確立し、
第2のワイヤレス通信プロトコルに従って第2のワイヤレス通信デバイスに直接1つまたは複数のデータストリームを送信する
ように構成される、第1のワイヤレス通信デバイス。
25. プロセッサ可読コードの実行がさらに、第1のワイヤレス通信デバイスにワイヤレスチャネルの第2のセットの第2のチャネルスキャンを実行させ、第2の接続を確立することが、第2のチャネルスキャンにさらに基づく、条項24の第1のワイヤレス通信デバイス。
26. ワイヤレスチャネルの第1のセットが、ワイヤレスチャネルの第2のセットと同じである、条項25の第1のワイヤレス通信デバイス。
27. ワイヤレスチャネルの第1のセットの中のいずれのチャネルも、ワイヤレスチャネルの第2のセットの中にない、条項25の第1のワイヤレス通信デバイス。
28. 第1の通信プロトコルが、第2のワイヤレス通信プロトコルより相対的に短距離のワイヤレスプロトコルである、条項24から27のいずれかの第1のワイヤレス通信デバイス。
29. 第1の通信プロトコルが、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコル、Bluetoothプロトコル、または近距離無線通信(NFC)プロトコルである、条項28の第1のワイヤレス通信デバイス。
30. 第2のワイヤレス通信プロトコルが、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE) 802.11規格群に従ったワイヤレス通信プロトコルである、条項24から29のいずれかの第1のワイヤレス通信デバイス。
【0098】
本明細書で使用される場合、項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。たとえば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbの組合せ、aとcの組合せ、bとcの組合せ、およびaとbとcの組合せのという可能性を包含することが意図される。
【0099】
本明細書において開示される実装形態に関して説明される様々な例示的なコンポーネント、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、およびアルゴリズムプロセスは、本明細書において開示される構造およびその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェアの組合せとして実装されてもよい。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性は、全般に機能の観点で説明されており、上で説明された様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスにおいて示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれとして実装されるかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0100】
本開示において説明された実装形態の様々な修正が当業者には容易に明らかになることがあり、本明細書において定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本開示、本明細書で開示される原理および新規の特徴に一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。
【0101】
加えて、別個の実装形態の文脈で本明細書において説明される様々な特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実装形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実装形態において別々に、または任意の適切な部分組合せにおいて実装され得る。したがって、特徴は、特定の組合せで働くものとして上で説明され、そのようなものとして最初に特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除されることがあり、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形を対象とすることがある。
【0102】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序もしくは連続した順序で実施されること、または図示されたすべての動作が実施されることを必要とするものとして理解されるべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフローチャートまたは流れ図の形式で概略的に示すことがある。しかしながら、示されていない他の動作が、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、示された動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはそれらの間に、1つまたは複数の追加の動作が実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上で説明された実装形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品において一緒に統合され得るか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0103】
100 ワイヤレス通信ネットワーク(WLAN)
102 アクセスポイント(AP)
104 局(STA)
106 カバレッジエリア
108 通信リンク
110 ワイヤレスリンク、通信リンク
200 ワイヤレス通信デバイス
202 処理要素、プロセッサ
204 モデム
206 無線
208 メモリ、メモリブロックまたは要素
302 AP
304 STA
306 周辺デバイス
310 ワイヤレス通信デバイス(WCD)
315 ワイヤレス通信デバイス(WCD)
317 ワイヤレス通信デバイス(WCD)
320 アンテナ
325 アンテナ
327 アンテナ
330 アプリケーションプロセッサ
335 アプリケーションプロセッサ
337 アプリケーションプロセッサ
340 メモリ
345 メモリ
347 メモリ
350 外部ネットワークインターフェース
355 ユーザインターフェース
357 ユーザインターフェース
365 ディスプレイ
367 ディスプレイ
375 センサ
377 センサ
402 STA
404 周辺デバイス
1400 ワイヤレス通信デバイス
1410 受信コンポーネント
1420 通信マネージャ
1422 第1の接続確立コンポーネント
1424 第2の接続確立コンポーネント
1430 送信コンポーネント
1500 ワイヤレス通信デバイス
1510 受信コンポーネント
1520 通信マネージャ
1522 第1の接続確立コンポーネント
1524 第2の接続確立コンポーネント
1530 送信コンポーネント
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】