特表 2024-534593 道路車両のためのステアリングシステムのためのパワー要求及び劣化情報の提供

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-09-20

(54)【発明の名称】道路車両のためのステアリングシステムのためのパワー要求及び劣化情報の提供

(51)【国際特許分類】

   B62D 6/00 20060101AFI20240912BHJP

【ＦＩ】

B62D6/00

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024518551

(86)(22)【出願日】2021-09-22

(85)【翻訳文提出日】2024-03-22

(86)【国際出願番号】 EP2021076007

(87)【国際公開番号】W WO2023046271

(87)【国際公開日】2023-03-30

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】500024274

【氏名又は名称】ティッセンクルップ・プレスタ・アクチエンゲゼルシヤフト

(71)【出願人】

【識別番号】000005326

【氏名又は名称】本田技研工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100103816

【弁理士】

【氏名又は名称】風早 信昭

(74)【代理人】

【識別番号】100120927

【弁理士】

【氏名又は名称】浅野 典子

(72)【発明者】

【氏名】アラーニ， ミクローシュ

(72)【発明者】

【氏名】べーレシュ， アデラ

(72)【発明者】

【氏名】カカス， ピーター

(72)【発明者】

【氏名】セペッシー， イムレ

(72)【発明者】

【氏名】判治 宗嗣

(72)【発明者】

【氏名】小嶋 洋介

(72)【発明者】

【氏名】山口 貴也

【テーマコード（参考）】

3D232

【Ｆターム（参考）】

3D232CC24

3D232CC37

3D232CC39

3D232CC45

3D232DA03

3D232DA15

3D232DA62

3D232DA64

3D232DA65

3D232DA67

3D232DC33

3D232DC34

3D232DE06

3D232EB11

3D232EB30

3D232EC23

3D232EC29

3D232EC37

3D232EC40

3D232GG01

(57)【要約】

道路車両のステアリングシステム（１）を制御する方法であって、（１）又は（１）のサブシステム（５，８）がコントローラを有し、コントローラが完全なステアリング機能及び品質問題なしの通常操作モードを有し、コントローラがステアリングシステムの劣化した操作を有する少なくとも二つの劣化した操作モードを有し、コントローラが評価手段（１７）を含み、（１７）がステアリングシステム又はサブシステムの劣化レベルと操作モードの間での割り当てを含み、前記方法が以下の工程を含む：（１７）において（１）又は（５，８）の単一の個々の劣化レベル（９～１６）を収集し；単一の個々の劣化レベル（９～１６）のうちの最も高い劣化を有するレベルとして、（１）又は（５，６）のための全体の劣化レベル（１８）を決定する、ただし、決定された（１８）が、対応する操作モードにおいて、期待される最大パワー要求のためにステアリングシステムの十分な性能を与える。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

道路車両のステアリングシステム（１）を制御する方法であって、前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）が、コントローラを有し、前記コントローラが、完全なステアリング機能及び品質問題なしの通常操作モード（ＡＢ）を有し、前記コントローラが、前記ステアリングシステムの劣化した操作を有する少なくとも二つの劣化した操作モード（ＢＣ，ＣＤ，ＤＥ）を有し、前記コントローラが、評価手段（１７）を含み、前記評価手段（１７）が、前記ステアリングシステム又は前記サブシステムの劣化レベルと操作モードの間での割り当てを含み、前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする、方法：
－ 前記評価手段（１７）において前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）の単一の個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）を収集し；
－ 前記単一の個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）のうちの最も高い劣化を有するレベルとして、前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）のための全体の劣化レベル（１８）を決定する、ただし、決定された前記全体の劣化レベル（１８）が、対応する操作モードにおいて、期待される最大パワー要求のために前記ステアリングシステムの十分な性能を与える。

【請求項2】

前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法：
－ 道路車両状態及び内部ステアリングシステム状態に基づいて、前記期待される最大パワー要求を計算する。

【請求項3】

前記コントローラの操作モード（ＡＢ，ＢＣ，ＣＤ，ＤＥ）が、性能制限値（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ）間の値範囲によって規定されることを特徴とする請求項１又は２に記載の方法。

【請求項4】

前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする請求項３に記載の方法：
－ 計算された前記期待される最大パワー要求と実際のパワー要求の間の差として規定されるパワー要求を決定し；
－ 前記パワー要求情報に基づいて性能制限値（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ）を変更する。

【請求項5】

前記ステアリングシステムのサブシステムが、ロードホイールアクチュエータ（５）であることを特徴とする請求項１～４のいずれかに記載の方法。

【請求項6】

前記個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）が、電圧ベースの劣化レベル（９）、電流ベースの劣化レベル（１０）、欠陥／診断ベースの劣化レベル（１１）、温度ベースの劣化レベル（１３，１４，１５）のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項１～５のいずれかに記載の方法。

【請求項7】

決定された前記全体の劣化レベル（１８）が、運転者に警告することができ、かつ／又は前記全体の劣化レベル（１８）を別の制御ユニット及び／又は車両中の決定ロジックに送信することができるアルゴリズムで使用されることを特徴とする請求項１～６のいずれかに記載の方法。

【請求項8】

請求項１～７のいずれかに記載の方法を実施するように設計されたコントローラを有する道路車両のためのステアリングシステム（１）。

【請求項9】

前記ステアリングシステムが、ステアバイワイヤーステアリングシステムである、請求項８に記載の道路車両のためのステアリングシステム（１）。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、請求項１の前提文に記載の道路車両のステアリングシステムを制御する方法、及びかかる方法を実施することができる道路車両のためのステアリングシステムに関する。

【背景技術】

【0002】

電気機械ステアリングシステムを有する自動車では、劣化が起こることがあり、許容されている。自動運転車及び／又はステアバイワイヤーシステムのステアリングシステムにとって、要求やアーキテクチャーは、様々である。主な要求の一つは、ステアリングシステムが故障に対する耐性を有さなければならないことであり、それは、もし一つの欠陥が起こっても、ステアリングシステムがさらに作動して、主機能を与えなければならないことを意味する。

【0003】

劣化又は機能不全は、ステアリングシステムの一つ以上の個々の構成要素及び／又はサブシステムで起こりうる。

【0004】

今まで、ステアリングシステムの個々の構成要素及び／又はサブシステムの劣化又は機能不全の情報は、収集されておらず、評価されていなかった。ユニットとしてのステアリングシステムの劣化の全体情報が不足していたとしても、ステアリングシステムの実際の操作状態を決定することが必要である。

【発明の概要】

【0005】

それゆえ、本発明の目的は、ステアリングシステム全体の実際の操作状態がどの状態であるのかを決定するようにユニットとしてステアリングシステムの劣化を決定することを可能にする道路車両のステアリングシステムを制御する方法を提供することである。

【0006】

この目的は、請求項１の特徴を有する道路車両のステアリングシステムを制御する方法によって、そして請求項８の特徴を有する道路車両のためのステアリングシステムによって達成される。

【0007】

従って、道路車両のステアリングシステムを制御する方法であって、ステアリングシステム又はステアリングシステムのサブシステムが、コントローラを有し、コントローラが、完全なステアリング機能及び品質問題なしの通常操作モードと、ステアリングシステムの劣化した操作を有する少なくとも二つの劣化した操作モードとを有し、コントローラが、評価手段を含み、評価手段が、ステアリングシステム又はサブシステムの劣化レベルと操作モードの間での割り当てを含み、前記方法が、以下の工程を含む、方法が提供される：
－ 評価手段においてステアリングシステム又はステアリングシステムのサブシステムの単一の個々の劣化レベル、好ましくは全ての個々の劣化レベルを収集し；
－ 単一の個々の劣化レベル、好ましくは全ての個々の劣化レベルのうちの最も高い劣化を有するレベルとして、ステアリングシステム又はステアリングシステムのサブシステムのための全体の劣化レベルを決定する、ただし、決定された全体の劣化レベルが、対応する操作モードにおいて、期待される最大パワー要求のためにステアリングシステムの十分な性能を与える。

【0008】

この方法は、システム自体のための全体の劣化レベルを決定することを可能にし、それは、適切な操作状態を設定するための重要な値である。単一の個々の劣化レベルは、ステアリングシステムの個々の構成要素及び／又はサブシステム、又はサブシステムの個々の構成要素及び／又はサブユニットを表わす。

【0009】

好ましくは、この方法は、以下の工程を含む：
－ 道路車両状態及び内部ステアリングシステム状態に基づいて、期待される最大パワー要求を計算する。

【0010】

コントローラの操作モードは、性能制限値間の値範囲によって規定されることが好ましい。

【0011】

好ましい実施形態では、この方法は、以下の工程を含む：
－ 計算された期待される最大パワー要求と実際のパワー要求の間の差として規定されるパワー要求を決定し；
－ パワー要求情報に基づいて性能制限値を変更する。

【0012】

従って、決定された操作状態は、システムがパワー要求を実施することを可能にする。

【0013】

ステアリングシステムのサブシステムは、ステアバイワイヤーステアリングシステムのロードホイールアクチュエータ及び／又はフィードバックアクチュエータであることができる。ステアリングシステムが好ましくは自動運転車の電気機械ステアリングシステムである場合には、この方法は、完全なステアリングシステムのために実施される。もし重複電気機械ステアリングシステムが存在するなら、この方法は、一つ又は両方の重複システムのために実施されることができる。

【0014】

好ましくは、個々の劣化レベルは、電圧ベースの劣化レベル、電流ベースの劣化レベル、欠陥／診断ベースの劣化レベル、温度ベースの劣化レベルのうちの少なくとも一つを含む。

【0015】

決定された全体劣化レベルは、運転者を警告することができ、かつ／又は全体の劣化レベルを別の制御ユニット及び／又は車両中の決定ロジックに送信することができるアルゴリズムで使用されることが可能である。

【0016】

さらに上記の方法を実施するように設計されたコントローラを有する道路車両のためのステアリングシステムが提供される。ステアリングシステムは、自動運転道路車両のステアバイワイヤーステアリングシステム又は電気機械ステアリングシステムであることが好ましい。

【図面の簡単な説明】

【0017】

本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して記載されるだろう。

【図1】図１は、ステアバイワイヤーステアリングシステムの概略図である。

【図2】図２は、劣化サマライザーの概略図である。

【図3】図３は、ステアリングシステムの性能劣化のダイヤグラムである。

【発明を実施するための形態】

【0018】

図１は、ハンドル３に接続されたステアリング軸２を有するステアバイワイヤーステアリングシステム１の概略図である。ハンドル３とロードホイール４の間に機械的接続は全くない。ロードホイールアクチュエータ５は、ラックアンドピニオンギヤ７によってギヤラック６を作動させる。

【0019】

運転者がハンドル３を操作するとき、ステアリング軸２が回転され、それは、軸センサー（図には示されず）によって検出される。制御ユニットは、軸センサーによって検出された信号からロードホイールアクチュエータ５のための作動信号を計算する。作動信号でギヤラック６を作動させることによって、ロードホイール４は、方向転換される。同時に、ロードホイール４からギヤラック６に導入された力は、ロードホイールアクチュエータ信号に基づいて推定されるか、又は別のセンサー（図には示されず）によって認識され、フィードバック信号が計算され、それは、フィードバックアクチュエータとも称されるステアリングホイールアクチュエータ８によってステアリング軸２に付与され、従って運転者は、ハンドル３においてフィードバックを認識することができる。

【0020】

ステアバイワイヤーステアリングシステム１は、様々な操作モード（通常操作モードと劣化モード）を有する少なくとも一つのコントローラ（図示せず）を含む。もしシステムに機能不全が起こるなら、劣化が起こるかもしれない。評価手段（これも図示せず）は、ステアリングシステムの性能劣化の状態を評価する。評価手段の評価結果に従って、コントローラの操作モードが設定される。ステアリングシステムは、複数の機能の劣化、従ってステアリングシステムの個々の構成要素及びサブシステム中の劣化又は機能不全を反映する劣化レベルを含む。機能の劣化は、例えば温度センサー、診断、パワー供給の電圧、電流、及び／又は個々の構成要素又はサブシステムの一時的又は永続的な欠陥によって生じる劣化である。

【0021】

図２は、制御方法の一部のブロック図を示す。この方法は、ステアバイワイヤーステアリングシステム、特にフィードバックアクチュエータ及び／又はロードホイールアクチュエータに、そしてレーンキーピング、自動運転のような外部インターフェース、又はステアリングシステム操作を要求する他のいずれかのインターフェースを有する電気機械ステアリングシステムに適用されることができる。単一の個々の劣化レベル９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６は、評価手段１７に収集される。９は、電圧ベースの劣化レベルを表わし、１０は、電流ベースの劣化レベルを表わし、１１は、欠陥／診断ベースの劣化レベルを表わし、１２は、別の劣化レベルを表わし、１３～１５は、温度ベースの劣化レベルを表わし、１６は、別の劣化レベルを表わす。

【0022】

劣化サマライザーとも称される評価手段は、コントローラのどの操作モードが設定されているかに基づいて各システムに対して全体の劣化レベル１８を決定する。全体の劣化レベル１８は、全ての個々の構成要素及び／又はサブシステムのうちの最も高い劣化を有するレベルであるように選択され、選択された全体の劣化レベル１８は、コントローラの対応する操作モードにおいて、期待される最大パワー要求のための十分な性能を与える。ステアリングシステムの最大パワー要求は、例えば緊急のステアリング操作又は駐車状況であることができる。

【0023】

期待される最大パワー要求は、車両状態、及び外部負荷、内部機械摩擦のような内部ステアリングシステム状態に基づいて計算される。計算された期待される最大パワー要求は、通常システムのための期待される最大パワー要求と実際の最大パワー要求の間の差として規定されるパワー要求を決定することを可能にする。換言すれば、システムサイジングは、通常のシステムのために実施されるが、実際の期待される最大パワー要求は、環境中の変化又は車両の何らかの変化などのためにより高くなったり、又は低くなったりすることさえありうる。

【0024】

コントローラの操作モードは、性能制限値間の部分によって規定される。

【0025】

性能制限値は、計算されたパワー要求情報に基づいて変更されることができる。

【0026】

図３を参照して以下に詳細に記載される、一つの実施形態では、コントローラは、四つの操作モード（ＡＢ，ＢＣ，ＣＤ，ＤＥ）を有する。

【0027】

Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅは、利用可能な性能制限値を表わす。ＡＢ，ＢＣ，ＣＤ，ＤＥは、様々な操作モードを表わす。

【0028】

操作モードＡＢは、通常操作モードである。ステアリングシステムの利用可能な性能は、極めて高く、従って、全ての運転操作が実施されることができ、かつ制限がない。Ａは、利用可能な性能の１００％に等しく、Ｂは、利用可能な性能の９０％～９９％であり、好ましくはＢは、９５％である。

【0029】

操作モードＢＣは、劣化した操作を有する第一劣化モードであり、全ての運転操作が可能であるが、品質問題、即ち運転者がハンドルの動きと比較して車両の動きに少しの遅れを感じうる問題を起こしうる。Ｃは、利用可能な性能の６０％～９０％の範囲にあり、好ましくは７０％である。

【0030】

情報出力ユニットは、劣化した操作を運転者に知らせるために使用される。情報出力ユニットは、少なくとも一つの通知手段を制御する。通知手段は、例えば車両ディスプレイ又はスピーカを表わす。ハンドルはまた、例えば振動によって、又はステアバイワイヤーステアリングシステムの仮想ギヤ比の変更によって、又はステアバイワイヤーステアリングシステムのフィードバックアクチュエータによって与えられるフィードバックの増加によって、フィードバックを与えるために使用されることができる。上述の通知手段はまた、組み合わされることができる。

【0031】

従って、運転者は、通知手段によって警告され、すぐに駐車して牽引サービスを呼ぶか、又は修理場まで運転して問題を解決するかを決定することができる。

【0032】

操作モードＣＤは、劣化した操作を有する第二劣化モードであり、全ての運転操作が可能であるが、品質問題が起こりうる。Ｄは、ステアリングシステムの利用可能な性能の３０％～７０％の範囲にある。完全な車両制御性を維持するため、車両は、速度制限を伴なって予め決められた車両速度範囲内で走行することを強いられる。

【0033】

かかる中間車両速度は、ステアリングシステムのさらなる劣化、例えばロードホイールアクチュエータの機能の損失に対して準備することを可能にする。

【0034】

フィードバックは、上記のようにステアリングシステムの劣化した操作モードを運転者に知らせるために与えられる。

【0035】

第四操作モードＤＥは、緊急モードとして機能する第三劣化モードである。Ｅは、利用可能な性能がゼロである。ステアリング機能は、高度に制限される。なぜなら性能が低すぎてほとんどの運転操作のためのステアリング機能を与えることができないからである。車両は、車を安全に停止することを可能にする速度制限を有する予め決められた車両速度範囲内で走行することを強いられる。さらに、システムがその劣化状態の情報を与え、車両レベル外部アクチュエータ（例えばドライブトレイン及び／又はブレーキ）が車両の横方向の動きを制御することを助けることが実施されうる。

【0036】

フィードバックは、ステアリングシステムの緊急モードを運転者に知らせるために与えられる。フィードバックは、上記のように与えられることができる。

【0037】

幾つかの操作モードの記載した概念は、劣化の場合に全てのステアリングシステムで使用されることができる。操作は、故障に対する耐性を有する必要性はない。システムが故障に対する耐性を有さず、第一欠陥の可能性がかかる低い値である場合には、前記概念は、同様に使用されることができる。

【図1】

【図2】

【図3】

【手続補正書】

【提出日】2024-03-22

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】全文

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

【請求項1】

道路車両のステアリングシステム（１）を制御する方法であって、前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）が、コントローラを有し、前記コントローラが、完全なステアリング機能及び品質問題なしの通常操作モード（ＡＢ）を有し、前記コントローラが、前記ステアリングシステムの劣化した操作を有する少なくとも二つの劣化した操作モード（ＢＣ，ＣＤ，ＤＥ）を有し、前記コントローラが、評価手段（１７）を含み、前記評価手段（１７）が、前記ステアリングシステム又は前記サブシステムの劣化レベルと操作モードの間での割り当てを含み、前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする、方法：
－ 前記評価手段（１７）において前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）の単一の個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）を収集し；
－ 前記単一の個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）のうちの最も高い劣化を有するレベルとして、前記ステアリングシステム（１）又は前記ステアリングシステムのサブシステム（５，８）のための全体の劣化レベル（１８）を決定する、ただし、決定された前記全体の劣化レベル（１８）が、対応する操作モードにおいて、期待される最大パワー要求のために前記ステアリングシステムの十分な性能を与える。

【請求項2】

前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法：
－ 道路車両状態及び内部ステアリングシステム状態に基づいて、前記期待される最大パワー要求を計算する。

【請求項3】

前記コントローラの操作モード（ＡＢ，ＢＣ，ＣＤ，ＤＥ）が、性能制限値（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ）間の値範囲によって規定されることを特徴とする請求項１に記載の方法。

【請求項4】

前記方法が、以下の工程を含むことを特徴とする請求項３に記載の方法：
－ 計算された前記期待される最大パワー要求と実際のパワー要求の間の差として規定されるパワー要求を決定し；
－ 前記パワー要求情報に基づいて性能制限値（Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ）を変更する。

【請求項5】

前記ステアリングシステムのサブシステムが、ロードホイールアクチュエータ（５）であることを特徴とする請求項１に記載の方法。

【請求項6】

前記個々の劣化レベル（９，１０，１１，１２，１３，１４，１５，１６）が、電圧ベースの劣化レベル（９）、電流ベースの劣化レベル（１０）、欠陥／診断ベースの劣化レベル（１１）、温度ベースの劣化レベル（１３，１４，１５）のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項１に記載の方法。

【請求項7】

決定された前記全体の劣化レベル（１８）が、運転者に警告することができ、かつ／又は前記全体の劣化レベル（１８）を別の制御ユニット及び／又は車両中の決定ロジックに送信することができるアルゴリズムで使用されることを特徴とする請求項１に記載の方法。

【請求項8】

請求項１～７のいずれかに記載の方法を実施するように設計されたコントローラを有する道路車両のためのステアリングシステム（１）。

【請求項9】

前記ステアリングシステムが、ステアバイワイヤーステアリングシステムである、請求項８に記載の道路車両のためのステアリングシステム（１）。

【国際調査報告】