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特表2024-534600圧縮および温度治療を適用するための柔軟な材料に非弾性コンポーネントを取り付けるためのシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】圧縮および温度治療を適用するための柔軟な材料に非弾性コンポーネントを取り付けるためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20240912BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B17/12
A61F7/00 310Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518592
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-03-22
(86)【国際出願番号】 US2022038168
(87)【国際公開番号】W WO2023004186
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】17/384,501
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524110676
【氏名又は名称】ハイパーアイス アイピー サブコ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】アギーア、アレクサンダー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス、ダニエル ロイヤル
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ、ロバート グレン
(72)【発明者】
【氏名】カース、トレヴァー オースティン
(72)【発明者】
【氏名】ノースロップ、ジョン
【テーマコード(参考)】
4C099
4C160
【Fターム(参考)】
4C099AA03
4C099AA04
4C099CA07
4C099CA09
4C099EA08
4C099GA02
4C099GA17
4C099HA02
4C099JA01
4C099LA01
4C099LA07
4C099LA08
4C099LA21
4C099NA02
4C099PA01
4C160DD46
4C160MM22
4C160MM32
(57)【要約】
圧縮療法を適用するための装置が開示される。一実施形態によれば、装置は、上層と、使用者の体表面に接触するように適合された底層と、前記上層と前記底層との間に配置された圧縮要素であって、前記圧縮要素の作動時に、(i)圧縮力が前記体表面に加えられ、(ii)前記圧縮要素が前記下層により密接に適合するように曲がるように構成されている、圧縮要素と、を含む。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮療法を適用するための装置であって、
上層と、
使用者の体表面に接触するように適合された底層と、
前記上層と前記底層との間に配置された圧縮要素であって、前記圧縮要素の作動時に、(i)圧縮力が前記体表面に加えられ、(ii)前記圧縮要素が前記下層により密接に適合するように曲がるように構成されている、圧縮要素と、
を含む、装置。
【請求項2】
前記上層が柔軟で弾性のある材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記底層が非弾性材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記非弾性材料が成形シリコーンを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記圧縮要素が膨張可能な袋を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、前記膨張可能な袋を選択的に膨張させるように適合されたエアコンプレッサをさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記エアコンプレッサは、前記上層内に位置する制御モジュール内に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記圧縮要素が、前記底層の周縁で前記底層に接着される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記圧縮要素が、前記底層の周縁でのみ前記底層に接着される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記圧縮要素が少なくとも1つのステーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのステーはパターンで構成され、前記パターンは、前記圧縮要素が前記底層により密接に適合するように湾曲することを促す、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記使用者の体表面に温度療法を適用するように適合された少なくとも1つの温度調節組立体をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
圧縮療法を適用する方法であって、
圧縮療法を適用するための装置を提供するステップであって、前記装置は、
上層と、
使用者の体表面に接触するように適合された底層と、
前記上層と前記底層との間に配置された圧縮要素と、を含む、ステップと、
前記装置の前記圧縮要素を作動させるステップであって、前記圧縮要素は、作動時に、(i)圧縮力を前記体表面に加え、(ii)前記下層により密接に適合するように曲がる、ステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記上層が柔軟で弾性のある材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記底層が非弾性材料を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記非弾性材料が成形シリコーンを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記圧縮要素が膨張可能な袋を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記装置が、前記膨張可能な袋を選択的に膨張させるように適合されたエアコンプレッサをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エアコンプレッサが、前記上層内に位置する制御モジュール内に配置される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮要素が、前記底層の周縁で前記底層に接着される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年7月23日に出願された「圧縮および温度治療を適用するための柔軟な材料に非弾性コンポーネントを取り付けるためのシステム」と題する米国非仮特許出願第17/384,501号の優先権及び利益を主張する。その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、理学療法および/または温度治療の分野に関し、より具体的には、温度療法装置用の温度調節組立体および多層保持機構に関する。
【背景技術】
【0003】
温度療法(temperature therapy)または「熱的療法(thermal therapy)」(例えば、温熱療法および冷熱療法)は、損傷の回復に効果的であり、痛み、炎症、および関節の硬直を軽減しながら治癒過程を促進するのに役立つことが示されている。局所的な冷却は、反射的な血管拡張を伴う血管収縮を誘発し、および/または軟部組織の外傷または傷害の影響を受けた体の領域の出血、炎症、代謝、筋けいれん、痛み、酵素活性、酸素要求量、および/または腫れを軽減することができる。局所的な加熱により、血流が増加し、痛みの感覚が減少し、局所組織の代謝率が増加し、治癒速度が増加し、および/または組織の伸張が促進される。
【0004】
電気加熱パッドやアイスパックなどの従来の温度療法装置は、効果がなくなるまで、および/または廃棄しなければならないまでの有用な期間、例えば再利用可能性が限られている。また、そのような従来の温度療法装置は、通常、例えば冷蔵庫、電子レンジ、その他の外部冷却/加熱装置を使用した予冷または予熱を必要とすることがある。さらに、このような従来の温度療法装置を使用する場合、負傷した使用者は、温度療法装置を効果的に使用するために外部の冷却/加熱要素に近づいたり、外部の冷却/加熱要素を使用したりしなければならないため、不便を感じることが多い。したがって、一般的な温度療法装置は使用者に必要な休息や回復を妨げる可能性があり、回復時間を妨げる原因となる可能性がある。現在の温度療法装置のこれらおよびその他の制限により、温度療法装置をより小さなフォームファクタで製造し、容易に輸送することがさらに困難になり得る。
【0005】
関連技術の前述の例およびその制限は、例示を目的とするものであり、限定的なものではなく、「先行技術」であるとは認められない。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図面を検討すれば当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0006】
圧縮療法(圧迫療法)を適用するための装置が提供される。一部の実施形態では、装置は上層を含むことができる。一部の実施形態では、装置は、使用者の体表面に接触するように適合された底層を含むことができる。一部の実施形態では、装置は、上層と底層との間に配置された圧縮要素を含むことができ、圧縮要素は、圧縮要素の作動時に、(i)身体に圧縮力を加え、(ii)圧縮要素は底層により密接に適合するように湾曲するように構成することができる。
【0007】
一部の実施形態では、上層は、柔軟な弾性材料を含むことができる。一部の実施形態では、底層は非弾性材料を含むことができる。一部の実施形態では、非弾性材料は、成形されたシリコーン(成形シリコーン)を含むことができる。一部の実施形態では、圧縮要素は膨張可能な袋を含むことができる。一部の実施形態では、装置は、膨張可能な袋を選択的に膨張させるように適合されたエアコンプレッサをさらに含む。一部の実施形態では、エアコンプレッサ(空気圧縮機)は、上層内に位置する制御モジュール内に配置することができる。一部の実施形態では、圧縮要素は、底層の周囲で底層に結合され得る。一部の実施形態では、圧縮要素は、底層の周縁のみで底層に結合され得る。一部の実施形態では、圧縮要素は少なくとも1つのステーを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのステーをパターンで構成することができ、このパターンは、圧縮要素が底層により密接に適合するように湾曲することを容易にすることができる。一部の実施形態では、装置は、使用者の体表面に温度治療を適用するように適合された少なくとも1つの温度調節組立体をさらに含むことができる。他の実施形態では、この装置を使用および製造する対応する方法が開示される。
【0008】
圧縮(圧迫)療法を適用する方法が提示される。一部の実施形態では、装置は上層を含むことができる。一部の実施形態では、この方法は、圧縮療法を適用するための装置を提供することを含むことができる。一部の実施形態では、装置は、使用者の体表面に接触するように適合された底層を含むことができる。一部の実施形態では、装置は、上層と底層との間に配置された圧縮要素を含むことができる。一部の実施形態では、方法は、装置の圧縮要素を作動させるステップを含むことができ、作動すると、圧縮要素は、(i)体表面に圧縮力を加え、(ii)底層により密接に適合するように湾曲する。
【0009】
一部の実施形態では、上層は、柔軟な弾性材料を含むことができる。一部の実施形態では、底層は非弾性材料を含むことができる。一部の実施形態では、非弾性材料は、成形されたシリコーン(成形シリコーン)を含むことができる。一部の実施形態では、圧縮要素は膨張可能な袋を含むことができる。一部の実施形態では、装置は、膨張可能な袋を選択的に膨張させるように適合されたエアコンプレッサをさらに含む。一部の実施形態では、エアコンプレッサは、上層内に位置する制御モジュール内に配置することができる。一部の実施形態では、圧縮要素は、底層の周囲で底層に結合され得る。一部の実施形態では、圧縮要素は、底層の周縁のみで底層に結合され得る。一部の実施形態では、圧縮要素は少なくとも1つのステーを含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのステーをパターンで構成することができ、このパターンは、圧縮要素が底層により密接に適合するように湾曲することを容易にすることができる。一部の実施形態では、装置は、使用者の体表面に温度治療を適用するように適合された少なくとも1つの温度調節組立体をさらに含むことができる。
【0010】
イベントの実装および組み合わせの様々な新規な詳細を含む上記および他の好ましい要素を、添付の図面を参照してさらに詳細に説明し、特許請求の範囲で記載する。本明細書に記載される特定のシステムおよび方法は、例示のみを目的として示されており、限定として示されるものではないことが理解されるであろう。当業者には理解されるように、本明細書に記載の原理および特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな多数の実施形態で使用することができる。前述および以下の説明から分かるように、本明細書に記載されるあらゆる要素、および2つ以上のそのような要素のあらゆる組み合わせは、そのような組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しない限り、本開示の範囲内に含まれる。さらに、任意の要素または要素の組み合わせが、本発明のいずれかの実施形態から特に除外され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書の一部として含まれる添付の図面は、現時点での好ましい実施形態を示し、上記の一般的な説明および以下の好ましい実施形態の詳細な説明とともに、本明細書に記載の原理を説明および教示するのに役立つ。
【0012】
図1A】一部の実施形態による温度療法装置のブロック図を示す。
【0013】
図1B】一部の実施形態による、例示的な温度療法装置を示す。
【0014】
図1C】一部の実施形態による、例示的な温度調節組立体の図を示す。
【0015】
図1D】一部の実施形態による、カバーおよびキャップのない温度調節組立体を示す。
【0016】
図1E】一部の実施形態による温度療法装置の分解図を示す。
【0017】
図2A】一部の実施形態による、温度調節組立体の取り付け板の上面図を示す。
【0018】
図2B】一部の実施形態による、取り付け板の底面図を示す。
【0019】
図2C】一部の実施形態による、取り付け板の断面図を示す。
【0020】
図2D】一部の実施形態による、取り付け板の開口部の拡大図を示す。
【0021】
図3A】一部の実施形態による、温度調節組立体のヒートスプレッダを示す。
【0022】
図3B】一部の実施形態によるヒートスプレッダの断面のブロック図を示す。
【0023】
図4】一部の実施形態による、温度調節組立体の熱電冷却器(TEC)を示す。
【0024】
図5A】一部の実施形態による、温度調節組立体のスペーサを示す。
【0025】
図5B】一部の実施形態によるスペーサの上面図を示す。
【0026】
図5C】一部の実施形態によるスペーサの底面図を示す。
【0027】
図5D】一部の実施形態によるスペーサの側面図を示す。
【0028】
図6A】一部の実施形態による、温度調節組立体のヒートシンクを示す。
【0029】
図6B】一部の実施形態によるヒートシンクの断面図を示す。
【0030】
図6C】一部の実施形態によるヒートシンクの底面図を示す。
【0031】
図7】一部の実施形態による、温度調節組立体のファンを示す。
【0032】
図8A】一部の実施形態による、温度調節組立体のカバーを示す。
【0033】
図8B】一部の実施形態による、カバーの側面図を示す。
【0034】
図8C】一部の実施形態による、カバーの上面図を示す。
【0035】
図8D】一部の実施形態による、カバーの別の側面図を示す。
【0036】
図8E】一部の実施形態による、カバーのロック要素の拡大図を示す。
【0037】
図9A】一部の実施形態による、温度調節組立体のキャップを示す。
【0038】
図9B】一部の実施形態による、キャップの上面図を示す。
【0039】
図9C】一部の実施形態による、キャップの底面図を示す。
【0040】
図9D】一部の実施形態による、キャップの断面図を示す。
【0041】
図10A】一部の実施形態による、多層保持機構の上層の上面図を示す。
【0042】
図10B】一部の実施形態による、上層の底面図を示す。
【0043】
図10C】一部の実施形態による、上層の側面図を示す。
【0044】
図10D】一部の実施形態による、多層保持機構の制御モジュールを備えた上層を示す。
【0045】
図11A】一部の実施形態による、多層保持機構の底層の上面図を示す。
【0046】
図11B】一部の実施形態による、シリコーンオーバーモールドインサートを含む底層を示す。
【0047】
図11C】一部の実施形態による、シリコーンオーバーモールドインサートを備えた底層の上面図を示す。
【0048】
図11D】一部の実施形態による、シリコーンオーバーモールドインサートの断面図を示す。
【0049】
図12】一部の実施形態による、袋を含む温度療法装置の分解図を示す。
【0050】
図13A】一部の実施形態による、袋の上面図を示す。
【0051】
図13B】一部の実施形態による、袋の底面図を示す。
【0052】
図13C】一部の実施形態による、袋の側面図を示す。
【0053】
図13D】一部の実施形態による、単一の空気室を含む袋を示す。
【0054】
図13E】一部の実施形態による、2つの別個の空気室を含む袋を示す。
【0055】
図13F】一部の実施形態による、それぞれが独自の空気室を含む2つの袋を示す。
【0056】
図14】一部の実施形態による例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【0057】
本開示は様々な修正および代替形態が可能であるが、その特定の実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。本開示は、開示された特定の形態に限定されるものではなく、逆に、本開示の精神および範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物を網羅することを意図していることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0058】
温度調節組立体(例えば、温度調節システム)および多層保持機構を含む温度療法装置が開示される。
【0059】
温度調節組立体は、温度療法装置用の複数の構成要素を結合し、固定するように構成することができる。温度調節組立体には、取り付け板、ヒートスプレッダ、熱電冷却器(TEC)、スペーサ、ヒートシンク、ファン、カバー、およびコンパクトにパッケージ化できるキャップが含まれる。一部の実施形態では、取り付け板をスペーサに取り付けることができ、ヒートスプレッダを取り付け板とスペーサとの間に固定することができる。一例では、取り付け板はアルミニウム製の取り付け板であってもよい。一部の実施形態では、ヒートスプレッダは、第1の接着剤(例えば、第1のシリコーン接着剤層)層を含む上層、グラファイト/グラフェンを含む中間層342、および第2の接着層(例えば、第二のシリコーン接着剤層)も含む底層の3層を含むことができる。一部の実施形態では、プライマーをヒートスプレッダの底層に配置することができ、プライマーは、取り付け板上および/またはシリコーンオーバーモールドインサート上のシリコーン接着剤を底層に接着するように構成することができる(例えば、ヒートスプレッダのシリコーン粘着層)。一部の実施形態では、ファンをスペーサに取り付けることによって、ヒートシンクを温度療法装置に取り付けるおよび/または固定することができ、ヒートシンクはファンとスペーサとの間に固定することができる。一部の実施形態では、スペーサ、ヒートシンク、およびファンの上にカバーを配置することができ、カバーは通気口(例えば、ヒートシンクへのおよび/またはヒートシンクからの空気流を可能にするように構成された通気口)を含むことができる。一部の実施形態では、カバーは、柔軟な布地の一部(例えば、多層保持機構の上層)をスペーサに固定することもできる。一部の実施形態では、キャップをカバー上に配置することができ、キャップは、追加の構造的支持および温度調節組立体への空気取り入れを可能にするように構成された開口部を含むことができる。
【0060】
多層保持機構は、温度療法装置の構成要素(例えば、可撓性構成要素)を保持するように構成することができる。多層保持機構は、制御モジュールを含む上層と、シリコーンオーバーモールドインサートを含む底層とを含むことができる。一部の実施形態では、上層は、柔軟な布地および/または弾性材料を含むこともできる。一例では、上層はスパンデックスを含むことができる。一部の実施形態では、制御モジュールは、電子機器ハウジングおよび電子機器ハウジング内の電子部品を含むことができる。一部の実施形態では、底層は、1つ以上の骨抜き要素(boning mechanism)、1つ以上の構造支持片、1つ以上のストラップ、および1つ以上のロック要素を含むことができる。一部の実施形態では、底層はポリエステルおよび/またはスパンデックスを含むことができる。一部の実施形態では、底層はポリエステルのみを含むことができる。一部の実施形態では、ストラップは骨抜き要素に間接的に結合され得る。一例では、ストラップを骨抜き要素に隣接する底層に縫い付けて、ストラップ、底層および骨抜き要素を機械的に結合することができる。一部の実施形態では、骨抜き要素は、一方向には柔軟であるが、別の方向、例えば垂直方向には柔軟性がない板バネを含むことができる。一部の実施形態では、骨抜き要素は金属および/または金属バネを含むことができる。一部の例では、骨抜き要素は鋼製バネを含むことができる。
【0061】
図1Aを参照すると、一部の実施形態による、温度療法装置100のブロック図が示されている。一部の実施形態では、温度療法装置100は、多層保持機構102と、多層保持機構102(例えば、1つまたは複数のストラップ、バックル、織物層など)によって保持される(111)温度調節組立体104、および温度調節組立体104に通信可能に結合され、多層保持機構102によって保持される制御モジュール106を含むことができる。一部の実施形態では、多層保持機構102は、温度療法装置100の1つまたは複数(例えば、すべて)の可撓性(柔軟性)および/または弾性コンポーネントを含むことができる。一例では、多層保持機構は、可撓性基板を含むことができる。一部の実施形態では、温度調節組立体104は、ファン、ヒートシンク、および熱電冷却器(TEC)を含むことができる。一部の実施形態では、温度調節組立体104は、温度療法装置100の複数の構成要素をコンパクトな配置で結合および固定するように構成することができる。一部の実施形態では、温度調節組立体104は、多層保持機構102の一部を含むことができ、例えば、多層保持機構102の一部に結合することができる。一部の実施形態では、温度療法装置100は、図示されるように、1つまたは複数の温度調節組立体104を含むことができる。一部の実施形態では、温度療法装置100は、多層保持機構102によって保持される電源モジュール108も含むことができる。電源モジュール108は、温度調節組立体104および制御モジュール106に電気的に結合することができる。一部の実施形態では、電源モジュール108は、多層保持機構102によって保持されなくてもよい。一例では、代わりに、電源モジュール108を制御モジュール106に組み込むことができる。一例では、電源モジュール108は、オプションであり、制御モジュール106は、電源モジュール108のすべての機能を含む、および/または実行することができる。温度療法装置100は、制御モジュール106と通信するモバイルデバイス112で実行されるクライアントアプリケーション、および任意の他の適切なコンポーネントを含むこともできる。一部の実施形態では、温度療法装置100は、ウェアラブル冷却および加熱システムを含むことができ、および/またはウェアラブル冷却および加熱システムと呼ぶこともできる。
【0062】
温度療法装置の機能
再び図1Aを参照すると、温度療法装置100は、温度調節された冷温治療(cold therapy)および/または温熱療法(hot therapy)を使用者116の身体領域114に提供するように機能することができる。特定の例では、温度療法装置100は、使用者116に冷温療法と温度治療の両方を提供することができる。ここで、温熱治療提供モードと冷温治療提供モード(例えば、加熱モード、冷却モードなど)間の動作の迅速な移行を伴う。一例では、温度療法装置100は、多層保持機構102および温度調節組立体104を使用して、使用者116の身体領域114に温度治療を提供することができる。温度療法装置100は、受信した制御指示(例えば、モバイルアプリケーションベースのコントローラー、コンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングプラットフォーム112、そこでのクライアントアプリケーションの実行などから)に基づいて、温熱(ホット)または冷熱(コールド)療法の温度を調節する機能も持つ。温度療法装置100は、療法提供のパラメータ(例えば、提供される温熱または冷熱療法の温度、療法提供中のシステムの電力および/またはエネルギー使用量、および/またはその他の適切なパラメータなど)を監視および/または追跡する機能も持つことができる。また、温度療法装置100は、使用頻度(例えば、毎日、毎時、毎月など)、使用期間(例えば、分単位の合計期間、運転モードごとの期間、連続使用ごとの期間など)、および療法選択(例えば、温熱療法、冷熱療法)などの使用者データを追跡し、追跡した使用者データをエンティティ(例えば、使用者、使用者に関連する理学療法士など)に提供し、使用者への療法提供の自動化モードをガイドすることも可能である。
【0063】
温度療法装置100は、使用者116によって着用され得る。再び図1Aを参照すると、温度療法装置100は、使用者117、118の筋骨格領域(例えば、膝領域117、腰領域、肘領域118など)に配置することができる。しかしながら、温度療法装置100は、追加的または代替的に、使用者の異なる領域(例えば、膝領域117、腰領域、肘領域118、他の適切な筋骨格領域など)に配置することができる、同一または異なる構成の温度療法装置の複数の例を含むことができる。このシステムは、好ましくは、使用者の膝蓋骨領域の近位に1つまたは複数の温度調節サブシステムを配置して、使用者の膝領域117の周囲に配置することができる。加えて、または代わりに、温度療法装置100は、別の筋骨格領域(例えば、腰領域)の近位に温度調節サブシステムを配置して、使用者の胴体領域の周囲に配置することができる。
【0064】
図1Bを参照すると、一部の実施形態による、例示的な温度療法装置101が示されている。図1Bの温度療法装置101は、構成要素の中でもとりわけ、多層保持機構120および1つまたは複数の温度調節組立体140を含むことができる。
【0065】
多層保持機構120は、温度療法装置101の可撓性および/または弾性構成要素を含むことができる。また、多層保持機構120は、一つ以上の温度調節組立体140および/または制御モジュール134を、多層保持機構120の少なくとも一つの柔軟な層と共に保持することもできる。一部の実施形態では、多層保持機構120は、上層122および底層124を含むことができる。一部の実施形態では、上層および/または底層は、他の用語の中でも特に、可撓性層、ファブリック層とも呼ばれる。一部の実施形態では、1つまたは複数のストラップ126および/またはロック要素128を底層124に結合することができる。一例では、ストラップ126は、使用者の解剖学的構造の周囲に巻き付けられ、挿入されて固定されるように構成され得る。一部の例では、各ストラップ126は、使用者の解剖学的構造の周りに巻き付けられ、ロック要素を通して挿入され、ロック要素によって固定され、温度療法装置を使用者に固定する(例えば、バックル、フックおよび面ファスナー、他の適切な雄および/または雌のファスナーまたはカプラーなどを介して)。一部の実施形態では、図示のように、1つまたは複数の温度調節組立体140および/または制御モジュール134を上層122に結合することができる。本明細書で使用される場合、制御モジュール134は、他の用語の中でも特に、電子機器ボックス、集合電子機器、電子機器ハウジングと呼ばれることもある。
【0066】
さらに図1Bを参照すると、一部の実施形態では、温度調節組立体140は、以下で詳細に説明する他の構成要素の中でも特に、ファン、ヒートシンク、および熱電冷却器(TEC)を含むことができる。一部の実施形態では、温度療法装置101は、(例えば、図示のように)1つまたは複数の温度調節組立体140を含むことができる。複数の温度調節組立体140が示されているが、一部の実施形態では、任意の適切な数の温度調節組立体140を使用することができる。一例では、図示のように、温度療法装置101は5つの温度調節組立体140を含むことができる。一部の例では、1つ、例えば単一の温度調節組立体140が使用される。したがって、温度療法装置101は、1つまたは複数の温度調節組立体140を含むことができる。例示的な温度調節組立体140は、141で囲まれている。図1Cは、囲まれた141の温度調節組立体140の拡大図を示しており、以下でさらに説明される。
【0067】
温度療法装置用の温度調節組立体
温度療法装置の温度療法構成要素(コンポーネント)を使用者に対して効果的に配置し、使用者の身体領域に温度調節された治療を提供するために、温度療法装置の一部の非弾性構成要素と弾性構成要素をコンパクトおよび/またはポータブルな配置で一緒にパッケージ化することが有益であり得る。
【0068】
図1Cおよび1Dを参照すると、温度療法装置の温度調節組立体の複数の図が示されている。図1Cは、図1Bにおける丸141で囲まれた温度調節組立体の拡大図を示す。図1Dは、キャップおよびカバーが取り外された温度調節組立体140を示す。図1Dは、温度調節組立体140内に収容される下層の構成要素の構成および結合を示す。図1Eには、温度療法装置101の他の構成要素とともに、温度調節組立体140の分解図が示される。
【0069】
図1Cは、一部の実施形態によって、図1Bの温度調節組立体140の平面図を示す。一部の実施形態では、温度調節組立体140は、キャップ158およびカバー154を含むことができる。図1Cにも示されたのは、温度調節組立体140内に収容された構成要素の温度を調節するために温度調節組立体140によって使用される空気流の方向である。一部の実施形態では、温度調節組立体140への空気の吸入口131について、空気はキャップ158を通じてファンによってヒートシンクのほうに引き込まれる(例えば、図1Dに示されたファン154およびヒートシンク152を参照)。一部の実施形態では、温度調節組立体140の空気の排出口133について、ファンが空気をヒートシンクを通じて押し出し、カバー154の通気口155を通して温度調節組立体140から外へ排出する。さらに、例の図1Cでは空気の流れが一方向に示されているが(例えば、キャップ158を通じた吸入口131と通気口155を通じた排出)、空気は反対方向に流れることもある。たとえば、空気は通気口155を通じて温度調節組立体へ流入し、キャップ158を通じて温度調節組立体から出ることができる。
【0070】
図1Dを参照すると、カバーおよびキャンプのない図1Bおよび図1Cからの温度調節組立体の平面図が示されている。温度調節組立体140は、スペーサ148、ヒートシンク152、およびファン154を含むことができる。スペーサ148は、とりわけ、取り付けコンポーネントと呼ぶこともできる。図1Dは、スペーサ148へのファン154の例示的な取り付け構成を示す。一例では、ファン154は、スペーサ148の柱状構造147に挿入されたネジ149によって固定され得る。図示されていないが、ネジ149はまた、図1Cのカバー158内の対応する穴を貫通して配置され得る。一部の実施形態では、示されるように、ヒートシンク152は、ファン154とスペーサ148との間に固定され得る。一例では、ヒートシンク152は、ファン154とスペーサ148との間のクランプ力によって固定され得る。
【0071】
温度調節組立体と多層保持機構を含む温度療法装置の概要
図1Eを参照すると、一部の実施形態による、図1B~1Dの多層保持機構および温度調節組立体を含む、図1Bの温度療法装置101の分解図を示す。
【0072】
再び図1Eを参照すると、温度療法装置101は、他の構成要素の中でもとりわけ、多層保持機構120および温度調節組立体140を含むことができる。図示のように、多層保持機構120は、上層122および底層124を含むことができる。多層保持機構の上層122は、図1Bについて説明したものと同様の制御モジュール134を含む、および/または制御モジュール134に結合することができる。多層保持機構の底層124は、1つまたは複数の骨抜き要素123、1つまたは複数の構造支持片121、1つまたは複数のストラップ126、および1つまたは複数のロック要素128、例えば図1Bについて説明したものと同様のものを含むことができ、および/またはそれらに結合することができる。さらに、上層122は、1つまたは複数の開口部125を含むことができ、開口部125の縁は、温度調節組立体140のスペーサ148およびカバー156によって受け入れられる、および/または固定されるように構成され得る。一例では、上層122は、スペーサ148およびカバー156の対応する位置合わせ要素によって受け入れられる、開口部125の縁に沿った位置合わせ要素を含むことができる。上層122の位置合わせ要素は、スペーサ148、上層122およびカバー156がすべて正しく位置合わせられるおよび/または一緒に取り付けられることを確実にするために使用することができる。カバー156はすべて正しく位置合わせされ、および/または一緒に取り付けられる。一部の実施形態では、上層122および底層124は、柔軟な布地を含むことができる。したがって、多層保持機構は、上層122、制御モジュール134、底層124、1つまたは複数の骨抜き要素123、1つまたは複数の構造支持片121、1つまたは複数のストラップ126、および1つまたは複数のロック要素128を含むことができる。
【0073】
さらに図1Eを参照すると、一部の実施形態では、底層124は、シリコーンオーバーモールドインサート142を含む、および/またはシリコーンオーバーモールドインサート142に結合され得る。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート142は、1つまたは複数の温度調節組立体140を受け入れるように構成され得る。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート142は、使用者の身体の一部(例えば、膝領域、腰領域、肘領域など)に配置されるように構成することができる。
【0074】
再び図1Eを参照すると、一部の実施形態では、温度調節組立体140は図1E(分解図)に1つだけ示されているが、温度療法装置101は、複数の温度調節組立体を含むことができる。一例では、図1Bに示すように、温度療法装置101は、5つの温度調節組立体を含むことができる。また示されるように、温度調節組立体140は、シリコーンオーバーモールドインサート142の一部および/または上層122の一部に結合され得る。温度調節組立体140は、以下でさらに詳細に説明される。
【0075】
再び図1を参照すると、一部の実施形態では、温度調節組立体140は、取り付け板144とスペーサ148との間に配置されたヒートスプレッダ146を含むことができる。一部の実施形態では、取り付け板144は、片側でシリコーンオーバーモールドインサート142に取り付けられ、そして別の側でヒートスプレッダ146に取り付けるように構成され得る。一例では、取り付け板144は、接着剤(例えば、シリコーン接着剤)を含むことができ(例えば、取り付け板144の底面を接着剤でコーティングすることができる)、接着剤はシリコーンオーバーモールドインサート142の表面/層と結合するように構成することができる。一部の例では、ヒートスプレッダ146は、取り付け板144のもう一方の、反対側の表面(例えば、ヒートスプレッダ146に面する取り付け板の表面)にある接着剤(例えば、別のシリコーン接着剤)と結合するように構成されたプライマー層を含むことができる(例えば、ヒートスプレッダ146の底面がプライマー層でコーティングされる)。ここで、接着剤は、に塗布されている。さらに、プライマー層は、シリコーンオーバーモールドインサートの表面にある接着剤(例えば、シリコーン接着剤)と結合するようにも構成することができる。
【0076】
再び図1Eに示されるように、一部の実施形態では、スペーサ148は、ヒートスプレッダ146とヒートシンク152との間に配置され得る。さらに、熱電冷却器(TEC)150が、スペーサ148の中央開口部内に配置され得る。スペーサ148は、スペーサ148の底部および上部に配置された少なくとも1つの底部開口部および少なくとも1つの上部開口部を含むことができる。底部開口部および上部開口部は、スペーサ148の底部および/または上部からそれぞれのネジ143/149を受け入れるように構成することができる。一例では、少なくとも1つの底部ネジ143を使用して、取り付け板144およびヒートスプレッダ146をスペーサ148の底部に取り付けることができ、ここで、取り付け板144およびヒートスプレッダ146は、底部ネジ143用の対応する取付開口部を含むことができる。ヒートスプレッダ146を通る開口部は、取り付け板144の開口部と位置合わせすることができる。ヒートシンク152は、スペーサ148の上に配置することができる。一部の実施形態では、ヒートシンク152は、ネジ148の(最)上部に対して同一平面上に配置することができる。さらに、ファン154がヒートシンク152とスペーサ148の上に配置されることができる。ある実施形態では、ヒートシンク152がスペーサ148とファン154の間に固定され、例えば、ヒートシンク152がスペーサ148とファン154によって締め付けられる。ある実施形態では、少なくとも1つの上部ネジ149を使用して、ファン154の少なくとも1つの開口部とスペーサ148の対応する上部開口部を通して、ファン154をスペーサ148に取り付けることができる。例では、ファン154の少なくとも1つの開口部がスペーサ144の少なくとも1つの上部開口部と合わせられる。したがって、ある実施形態では、ファン154をスペーサ148に取り付ける際、ファン154とスペーサ148の間の力、例えば締め付け圧によって、ヒートシンク152がファン154とスペーサ148の間に保持され得る。ヒートシンク152には、ヒートシンク152をスペーサ148の上に正確に配置することを可能にする位置合わせ要素が含まれ得る。例では、ヒートシンク152の位置合わせ要素が、例えばスペーサ148の対応する位置合わせ要素である切り欠きに収まり、ヒートシンク152が水平方向にロックされることを可能にする。
【0077】
再び図1Eに示されるように、一部の実施形態では、カバー156およびキャップ158を、スペーサ148、ヒートシンク152、ファン154および上層122の一部の上に配置することができる。一例では、カバー156は、上層122をスペーサ148に固定することができる。さらに、一部の実施形態では、カバー156は、ヒートシンク152に空気循環を提供できる1つまたは複数の開口部を含むことができる。一例では、1つまたは複数の開口部は、通気口として呼ばれることもある。一部の実施形態では、カバー156内の1つまたは複数の通気口は、カバー156の壁部分に沿って配置され得る。一部の実施形態では、カバー156の1つまたは複数の通気口は、2つの開口部グループにグループ化され得る。一例では、あるグループの開口部は、カバー156の壁部分に沿って別のグループの開口部の反対側に配置することができる。温度調節組立体140はまた、キャップ158を含むことができる。キャップ158は、カバーの上に配置することができる。キャップ158はまた、カバー156内の対応するロック要素に嵌合するロック要素を含むことができる。一部の実施形態では、カバー156は、ファン154の底部まで下がってファン154の底部と出会うことができる。キャップ158の上部の1つ以上の開口部は、キャップ158の上部の穴、スリット、またはギャップとも呼ばれる。一例では、キャップ158の上部の1つ以上の開口部は、六角形であってもよい。および/またはハニカム構造に配置される。一部の実施形態では、温度調節組立体140は、ファン154によってキャップ158の開口部を通して空気を引き込むように構成することができ、空気をヒートシンク152の中央部分に押し出すことができ、ここで空気は、(例えば、図1Cを参照して説明したように)カバー156の1つまたは複数の通気口を通って温度調節組立体140を出る。
【0078】
温度療法装置のコンポーネント
一部の実施形態に従って、図1B~1Eの温度療法装置の各構成要素について以下に詳細に説明する。例えば、図1Eの取り付け板124は、図2A図2Dを参照して詳細に説明される。別の例では、図1Eのヒートスプレッダ126は、図3Aおよび3Bを参照して詳細に説明される。
【0079】
次に図2A~2Dを参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体の取り付け板の様々な図が示されている。図2Aは温度調節組立体の取り付け板の上面図を示し、図2Bは底面図を示す。図2Cは取り付け板の断面図を示し、図2Bは取り付け板の平面図を示す。図2Dは、取り付け板の開口部の拡大図を示す。
【0080】
図2Aおよび2Bを参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体の取り付け板の上面図および底面図がそれぞれ示されている。図示されるように、取り付け板200は、上部(top portion)202および最底部(bottom portion)204を有することができる。図2Aは、取り付け板200を上面図で示し、例えば取り付け板200の上部202を示す。図2Bは、取り付け板を底面図で示し、例えば取り付け板200の底部204を示す。一部の実施形態では、取り付け板200は、1つまたは複数の開口部206を含むことができる。取り付け板200をヒートスプレッダおよびスペーサに取り付けるために使用できる1つまたは複数のネジを受けるように構成され得る。一部の実施形態では、取り付け板200は、円形、楕円形、多角形などの任意の適切な形状に切断することができる。一例では、取り付け板200は、図2Aおよび図2Bに示すように六角形とすることができる。取り付け板200はまた、タブ要素208を含むことができる。一実施形態では、タブ要素208は、とりわけ、三角形、円形、正方形など、任意の形状とすることができる。一例では、タブ要素208は、図示のように涙滴形状とすることができる。一部の実施形態では、取り付け板200はアルミニウム(例えば、陽極酸化アルミニウム、6061アルミニウムなど)を含むことができる。一部の実施形態では、取り付け板200に使用されるアルミニウムは未処理であり、例えば、アルミニウムは陽極酸化されていない。一部の実施形態では、取り付け板200は、例えば銅、鋼などの任意の金属および/または合金を含むことができる。
【0081】
ここで図2Cおよび2Dをそれぞれ参照すると、一部の実施形態による、取り付け板の断面図および取り付け板の開口部の拡大図が示されている。図2Cおよび2Dでは、取り付け板200の上部202が下向きに示されている。一部の実施形態では、取り付け板200は、取り付け板200の上部202の上に(over)(例えば、その上に(on))配置された第1の接着剤205を含むことができる。一部の実施形態では、第1の接着剤205は、両面テープを含むか、または両面テープであり得る。一例では、第1の接着剤205は、一方の面にアクリル接着剤を含み、もう一方の面にシリコーン接着剤を含むことができる。一部の実施形態では、第1の接着剤205のアクリル側は、取り付け板200の上部202に面することができ、シリコーン接着剤側は、シリコーンオーバーモールドインサート、例えば、図1Eのシリコーンオーバーモールドインサート142に面することができる。一例では、第1の接着剤205は、3M(登録商標)テープ9731を含むことができる。一部の実施形態では、製造中に第1の接着剤205を保護するために、剥離ライナーを第1の接着剤205上に配置することができる。第2の接着剤207は、取り付け板200の底部204の上に(例えば、その上に)配置することができる。一部の実施形態では、図1Eに示されるように、取り付け板200の底部204は、第2の接着剤205を介して図1Eのヒートスプレッダ146に結合され得る。一例では、第2の接着剤205は、取り付け板200のヒートスプレッダへの接着を支援することができる。図2Cの開口部212の拡大図が図2Dに示されている。図2Dを参照すると、一部の実施形態では、取り付け板200は、0.2mm~1mmの範囲の厚さ214を有することができる。一例では、取り付け板200は、約0.40mmの厚さ214を有することができる。図2Dに示すように、第1の接着剤205は、開口部212(例えば、開口部206を代表して)の上に配置することができ、開口部206と第1の接着剤205との間にギャップ215を配置することができる。一部の実施形態では、取り付け板200は、図1A-1Eの温度調節組立体140を固定および/または安定させるように構成される。さらに、温度調節組立体部品の残りの部分と一緒に取り付けるとき、図1Eに示すように、取り付け板200の底部204をヒートスプレッダの底部に向かって上に向けることができる。これについては以下でさらに説明する。
【0082】
図3Aおよび3Bを参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体のヒートスプレッダの様々な図が示されている。図3Aは、温度調節組立体のヒートスプレッダを示す。図3Bは、ヒートスプレッダの断面図を示す。
【0083】
図3Aを参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体のヒートスプレッダが示されている。ヒートスプレッダ300は、上部302および底部304を有することができる。ヒートスプレッダ300の底部302の内側領域306は、取り付け板(例えば、図2A-2Dの取り付け板200)の底部204に結合することができる。一緒に取り付けられる場合、内側領域306において、ヒートスプレッダ300の底部304は、取り付け板200の底部204に結合され得る。一部の実施形態では、ヒートスプレッダ300は、温度を水平および垂直方向、たとえば、x、y、z方向に沿った方向に拡散するように構成され得る。一実施形態では、ヒートスプレッダ300は、効率的な熱の適用を提供するように構成することができ、これにより、温度療法装置が、必要とされるよりも少ないTECを使用して、温熱療法または冷温療法の所望の量および/または速度を送達することが可能になり得る。一部の実施形態では、ヒートスプレッダ300は、製造プロセスの開始時にロールとして到着することができる。一部の実施形態では、製造中に、ヒートスプレッダ300の底部304は、後で除去してヒートスプレッダ300の底部304に配置された接着剤を露出させることができるライナーを含むことができる。
【0084】
再び図3Aに示すように、ヒートスプレッダ300は、ヒートスプレッダ300の一端312から延びる1つまたは複数のフィンガ310を含むことができる。一例では、ヒートスプレッダ300の一端312に11本のフィンガ310が形成され得る。少なくとも1つのフィンガ310は、ヒートスプレッダ300の一方の側面312、例えばテーパ側からヒートスプレッダの中央部分314に向かって延びることができる。フィンガ310は、ヒートスプレッダ材料自体に切り込み(例えば、狭くて細長い隙間)を形成することができる。一部の実施形態では、フィンガ310は、温度療法装置の使用中に機械的応力緩和および/または歪み緩和を提供するように構成され得る。一実施形態では、フィンガ310の平均長さは、ヒートスプレッダ300の側面315の長さの1/2および/または1/4以下であり得る。一部の実施形態では、フィンガ310の長さは、約5~25mmの範囲とすることができる。一例では、フィンガ310の長さは、約10~20mm(例えば、10~15mm)の範囲とすることができる。一部の実施形態では、フィンガ310の長さは、使用者の膝の周囲にできるだけ多くのヒートスプレッダの表面積を提供するように選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数のフィンガ310は、ヒートスプレッダ300の外側部分に長いフィンガ316を含み、ヒートスプレッダ300の内側部分に短いフィンガ318を含むことができる。一部の実施形態では、フィンガ310は、各フィンガ310の一端に1つまたは複数の開口部322、324を含むことができる。一実施形態では、開口部322、324のサイズは変えることができる。一例では、1つのフィンガの一端にある1つの開口部324は、別のフィンガの一端にある別の開口部322の直径よりも小さい直径を有することができる。一部の実施形態では、開口部は、フィンガおよび/またはヒートスプレッダ300の一端312からの機械的応力を軽減するように構成され得る。
【0085】
さらに図3Aに示すように、ヒートスプレッダ300は、1つまたは複数の開口部326を有することができる。1つまたは複数の開口部326は、図2A-2Dの取り付け板200の対応する開口部206と位置合わせすることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の開口部326は、取り付け板200およびヒートスプレッダ300を図1Eのスペーサ148に取り付けるために使用できる1つまたは複数のネジを受けるように構成され得る。
【0086】
再び図3Aを参照すると、ヒートスプレッダ300はノッチ328を含むことができる。一例では、ノッチ328は、製造または制作中に対応するヒートスプレッダにどの温度調節組立体を取り付けるかをオペレータが決定するのを助けるために使用することができる。一例では、本明細書で説明するように、1つのヒートスプレッダが示されているが、複数の、例えば、異なる/固有のヒートスプレッダ、および/または複数の、例えば、異なる/固有の温度調節組立体を使用することができる。一部の実施形態では、ヒートスプレッダ300は、1つ以上のノッチを有することができる。個々のノッチまたはノッチのグループはそれぞれ、互いに異なっていてもよく、および/または互いに固有であってもよい。一例では、図示のように、ヒートスプレッダ300は1つのノッチ328を含むことができる。別の例では、別の温度調節組立体に対応する別のヒートスプレッダは2つのノッチを有することができる。さらに別の例では、別の温度調節組立体に対応する別のヒートスプレッダは3つのノッチを有することができる、などである。したがって、一部の実施形態では、ノッチの数によって、どの温度調節組立体が対応するヒートスプレッダに結合されるかを決定することができる。例えば、第1の温度調節組立体は単一のノッチ328を含むヒートスプレッダ300に取り付けることができ、第2の温度調節組立体は2つのノッチを含む別のヒートスプレッダに取り付けることができる、などである。一部の実施形態では、例えば最大5つの温度調節組立体に対応する、1つから5つのノッチが存在することができる。上で説明したように、一部の実施形態では、温度療法装置は、1つまたは複数の、例えば5つを超える温度調整組立体を含むことができる。さらに、一部の実施形態では、ノッチ328は、図11A-11Dのシリコーンオーバーモールドインサート1120のノッチ1140に対応することができる。一例では、1つまたは複数の、例えば異なる/固有のヒートスプレッダのノッチは、図11A-11Dのシリコーンオーバーモールドインサートの対応するノッチに嵌合および/または位置合わせされるように形状付けられ得る。
【0087】
さらに図3Aに示すように、ヒートスプレッダ300は、位置合わせ開口部330を含むことができる。一実施形態では、位置合わせ開口部330は、少なくとも1つの取り付け開口部326に隣接して配置することができる。一部の実施形態では、位置合わせ開口部330は、スペーサ500の底部位置合わせ要素533に対応することができる(例えば、図5Cを参照)。一例では、位置合わせ開口部330および底部位置合わせ要素533は、温度調節組立体の製造および/または製造中にオペレータがスペーサ500とヒートスプレッダ300との間の適切な位置合わせおよび/または配置を決定するのを助けるために使用することができる。一例では、底部位置合わせ要素533は、位置合わせ開口部330に嵌合し、および/または位置合わせ開口部330に位置合わせすることができる。
【0088】
図3Bを参照すると、一部の実施形態によるヒートスプレッダの断面図が示されている。一部の実施形態では、ヒートスプレッダ300は3つの層(340、342、344)を含むことができる。一例では、ヒートスプレッダは、上層340、中間層342、および底層344を含むことができる。一部の実施形態では、上層340は、第1の接着層であるか、または第1の接着層を含むことができ、中間層342は、グラファイト/グラフェン層であるか、またはグラファイト/グラフェン層を含むことができ、および底層346は、第2の接着層であるか、または第2の接着層を含むことができる。一部の実施形態では、第1の接着層および/または第2の接着層はシリコーン接着剤を含むことができる。一部の実施形態では、上層340および/または底層344は、約8~12マイクロメートルの範囲の厚さを有することができる。一部の例では、上層および/または底層は、約10マイクロメートルの厚さを有することができる。一部の実施形態では、PET(ポリエチレンテレフタレート)層が、上層340および/または底層344の上に配置され得る。一例では、中間層342は、合成グラファイトシートを含むグラフェン層を含み得る。一部の例では、中間層342は、小さな粒子(例えば、グラフェンの)を含むことができる。一部の実施形態では、グラフェン層は、熱エネルギー伝達のために金属ベースの粉末を含むことができる。一例では、ヒートスプレッダ300は、DASEN社のDSN5050-10DC10SB合成グラファイトシートを含むことができる。
【0089】
再び図3Bを参照すると、一部の実施形態では、ヒートスプレッダにプライマーを塗布することができる。図示のように、プライマー346は、ヒートスプレッダ300の底層344に塗布することができる。一部の実施形態では、プライマーを底層344に塗布することにより、底層344上にプライマー層346が形成される。プライマーは、触媒と混合され、その後、ヒートスプレッダ300の底層344上に塗布される(例えば、均一に広がる)。一例では、プライマーは、底層344上に直接配置される別の層として機能することができる。一部の実施形態では、図3Bに示されるものとは対照的に、プライマーは、ヒートスプレッダ300の底層344に塗布するのではなく、ヒートスプレッダ300の上部層340に塗布することができる。一部の実施形態では、プライマーは、ヒートスプレッダ300の底層344とヒートスプレッダ300の上部層340の両方に塗布することができる。一部の実施形態では、プライマーは、触媒と混合した直後に塗布することができる。一例では、プライマーと触媒との比を30:1とすることができる。一部の実施形態では、プライマーはトルエンを使用して希釈することができる。一部の実施形態では、薄い衣服および/またはラテックス手袋を使用して、ヒートスプレッダ300の底層344および/または上層340にプライマーを塗布することができる。一例において、本発明者らは、衣服および/またはラテックス手袋は、塗布後にプライマー上にブラシ跡などのマーキングを付けることができるブラシと比較して、効果的な塗布ツールとなることを見出した。一部の実施形態では、プライマーは約1mmの厚さで塗布することができる。一部の実施形態では、ヒートスプレッダの底部304および/または上部302全体をプライマー346のそれぞれの層で覆うことができる。
【0090】
さらに図3Bに示すように、プライマーを触媒と混合し、底層および/または上層にプライマーを塗布した後、プライマーを乾燥させることができる。一部の実施形態では、プライマーを約10~20分間乾燥させることができる。一部の実施形態では、プライマーが乾燥したら、取り付け板をヒートスプレッダ300に適用および/または接着する前に、プライマーを任意の適切な時間硬化させることができる。一部の実施形態では、プライマーは、一部の実施形態では、プライマーは、Momentive社のSilGripPSA529シリコーン感圧接着剤を含むことができる。
【0091】
図1E、3A、3Bおよび図2A~2Dを参照すると、一部の実施形態では、プライマー層346を使用して、ヒートスプレッダ300を取り付け板(例えば、図2A~2Dの取り付け板200)およびシリコーンオーバーモールドインサート(例えば、図1Eのシリコーンオーバーモールドインサート142)に結合することができる。一例では、取り付け板200上に配置されたシリコーンベースの接着剤は、プライマー層346に直接結合することができる。いくつかの例で、ヒートスプレッダ300の底部302の内部領域306は、プライマー層346および取り付け板200上のシリコーン接着剤を介して、取り付け板200の底部204に接続され得る。同様の方法で、いくつかの実施形態では、ヒートスプレッダ300は、シリコーンオーバーモールドインサート142上のシリコーン接着剤およびプライマー層346を介して、内部領域306の外側にある底部304の領域でシリコーンオーバーモールドインサート142に接続され得る。したがって、同じ実施形態において、プライマー層346は、プライマー層346および取り付け板200上に配置されたシリコーン接着剤、およびシリコーンオーバーモールドインサート142上に配置されたシリコーン接着剤を介して、ヒートスプレッダ300、取り付け板200、およびシリコーンオーバーモールドインサート142間の接続を可能にすることができる。具体的な例では、プライマー346は、ヒートスプレッダ300を取り付け板200および/またはシリコーンオーバーモールドインサート142に均一に接合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、上記の構成は、ヒートスプレッダ300および/または取り付け板200をシリコーンオーバーモールドインサート142(例えば、シリコーン基板)に接合させることができるため、温度療法装置用のシリコーン基板への剛性部品の取り付けシステムとして参照されることがある。
【0092】
図4を参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体の熱電冷却器(TEC)が示されている。一実施形態では、TEC400は、その熱伝導率定格に基づいて選択することができる。一例では、高い熱伝導率定格、例えばセラミック材料の熱伝導率以上の熱伝導率を有するTEC400を使用することができる。TEC400は、上部402および底部404を有することができる。一部の実施形態では、TECの長さ406は、その幅408とほぼ等しくすることができる。一例では、TEC400は、長さ406が40mmであり、幅408が40mmであり得る。例えば図1Eに示す構成を参照すると、サーマルグリースをヒートスプレッダとTEC400との間に配置することができる。一例では、例えば約1~15w/mkの範囲(例えば1w/mk)の高い熱伝導率を有するサーマルグリースを使用することができる。一実施形態では、Halnziye社のサーマルグリースを使用することができる。
【0093】
図5A~5Dを参照すると、一部の実施形態によるスペーサの様々な図が示されている。一部の実施形態では、スペーサは、温度療法装置の弾性/可撓性部分を非弾性、硬質および/または固体要素に接続するための取り付けシステムを含むことができる。一例では、スペーサは、硬質または固体要素を可撓性物体に取り付ける/接続するように構成された様々な機械的要素を含むことができる。一例では、スペーサは取り付けシステムと呼ぶこともできる。図5Aは、温度調節組立体のスペーサを示す。図5Bは、スペーサの上面図を示す。図5Cは、スペーサの底面図を示す。図5Dは、スペーサの側面図を示す。
【0094】
図5Aおよび5Bを参照すると、一部の実施形態によるスペーサの複数の図が示されている。一部の実施形態では、スペーサ500は、上部502および底部504を含むことができる。一部の実施形態では、スペーサ500は、TEC(例えば、図1Eおよび図4のTEC)を受け入れるように構成された中央開口部506を含むことができる。一部の実施形態では、中央開口部506は、TECが中央開口部506に嵌合できるようにする寸法524、526を含むことができる。一例では、中央開口部506は、約30~60mmの範囲の長さ524および約30~60mmの範囲の幅526を有することができる。一部の実施形態では、中央開口部506は、TECと類似の形状および/または同じ形状、例えば正方形の開口部を含むことができる。中央開口部506は正方形の開口部を含むことができるが、とりわけ円形の開口部、多角形の開口部などの他の形状を使用することもできる。図示のように、スペーサ500は、約50~70mmの範囲の外径522を有することができる。一部の実施形態では、スペーサ500は外壁528を有することができる。一部の実施形態では、外壁528は約0.5~2.5mmの範囲の厚さを有することができる。
【0095】
再び図5Aおよび5Bを参照すると、一部の実施形態では、スペーサ500は、スペーサ500の上部502から延びる1つまたは複数の柱状構造508を含むことができる。本明細書で言及される場合、1つまたは複数の柱状構造508は、柱状構造または複数の柱状構造とも呼ばれる。一例では、スペーサ500は4つの柱状構造508を含むことができる。例示的な柱状構造は図5Aおよび5Bの509で囲まれている。一部の実施形態では、一対の柱状構造510、512を使用することができ、例えば、図5Aおよび5Bに示すようにスペーサ500の両側に一対を使用することができる。一例では、第1の対の柱状構造510および第2の対の柱状構造512が図5Aおよび図5Bに示されている。一部の実施形態では、スペーサ500はノッチ514を含むことができる。一実施形態では、ノッチ514は、スペーサ500上のヒートシンクの配置を位置合わせし、ヒートシンクを温度調節組立体内(例えば、図1Eからのヒートシンク152)に固定するように構成することができる。一部の実施形態では、ノッチ514は、図5Aおよび5Bに示されるように、一対の柱状構造510、512の柱状構造の間に位置することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のノッチ514を使用することができる。一例では、2対の柱状要素510、512が設けられ、2つの対応するノッチが、柱状構造のペアごとに1つずつ存在することができる。一部の実施形態では、図1Eに示すように、ヒートシンクをスペーサ500上に配置することができる。一部の実施形態では、ヒートシンクをスペーサ500上に配置するときに、ヒートシンクのタブ(例えば、図6A図6Cに示すように)をノッチ514内に位置合わせおよび/または配置することができる。一部の実施形態では、ヒートシンクのノッチ514およびタブは、ヒートシンクをスペーサ500上の所定の位置に保持し、ヒートシンクの動きに抵抗することができる。一例では、ノッチ514とタブの組み合わせは、スペーサの柱状構造510、512の対の間の水平方向に沿って所定の位置にヒートシンクをロックおよび/または保持することができる。一部の実施形態では、ヒートシンクは1つまたは複数のタブを含むことができる。一例では、ヒートシンクは2つのタブを有することができ、2つのタブは、スペーサ500の2つの対応するノッチ514、例えば、図5Aおよび5Bに示す2つのノッチ514と位置合わせして配置することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のノッチ514は、ヒートシンクが所定の位置でねじれるのを防ぎ、所望のヒートシンクの向きを維持する、例えば、温度療法装置の組み立て中および組み立て後にヒートシンクのフィンの方向または整列(位置合わせ)を維持するように構成され得る。
【0096】
図5Aおよび5Bを参照すると、一部の実施形態では、各柱状構造508は、スペーサ500の上部502から挿入されるネジを受け入れるように構成された上部開口部516を含むことができる。一部の実施形態では、柱状構造508は、ファンを取り付けるためのネジを受けるように構成され得る。一例では、柱状構造508は、図1および7のファンを取り付けるためのネジを受けるように構成され得る。一例では、ネジをファンの対応する開口部を通して上部開口部516内に配置することができる。一部の実施形態では、1つ以上の上部開口部516を使用することができる。一例では、各柱状構造508に対応する上部開口部516が存在し得る。一部の実施形態では、上部位置合わせ要素518は、上部開口部に隣接する1つまたは複数の柱状構造508の上端に配置され得る。一部の実施形態では、上部位置合わせ要素518は、オペレータが正しい方向および/または構成でねじを上部開口部516に挿入することを保証するように構成することができる。例えば、オペレータは、ファンを取り付けるために上部開口部516にネジを配置するときに、上部位置合わせ要素518を参照することができる。一部の実施形態では、すべての柱状構造508が上部位置合わせ要素518を含むことができるわけではない。一例では、ファンを取り付けるために使用される柱状構造508のみが上部位置合わせ要素518を含むことができる。一実施形態では、オペレータは、上部位置合わせ要素518を配置し、上部位置合わせ要素518が位置する場所にのみ(例えば、ファンを取り付けるための)ネジを配置するように指示され得る。一部の実施形態では、第1の対の柱状構造510上に位置する位置合わせ要素518は、第2の対の柱状要素512上に位置する別の位置合わせ要素518と整列しなくてもよい。一例では、位置合わせ要素518は、第1の対の柱状構造対510の第1の柱状構造上に配置することができ、別の位置合わせ要素518は、図5Aおよび5Bに示すように、第2の対の柱状構造対512の第2の異なる柱状構造上に配置することができる。一実施形態では、上部位置合わせ要素518は、様々な形状を含むことができる。一部の実施形態では、上部位置合わせ要素518は、とりわけ、円形、正方形、長方形、長方形、多角形などの様々な形状を有することができる。一例として、図5Aおよび5Bに示されるように、上部位置合わせ要素518は、半円および/または半月の形状を含むことができる。したがって、一部の実施形態では、上部位置合わせ要素518は、ファンの位置および/または配置においてオペレータを支援するように構成することができる。一部の実施形態では、例えば上述のように、ヒートシンクを所定の位置に保持するために、1つまたは複数のネジを使用してファンをヒートシンクおよびスペーサの上に取り付けることができる。たとえば、取り付けシステムの組み立て中に、ヒートシンクが移動したりねじれたりする可能性がある。したがって、一例では、ファンによってヒートシンクが所定の位置に保持されるように、ファンをヒートシンクおよびスペーサの上に取り付けることができる。同じ例では、ファンはヒートシンクを所定の位置に保持し、温度調節組立体の組み立て中および組み立て後にヒートシンクが動くのを防ぐことができる。一部の実施形態では、すべての上部開口部516が柱状構造508に対応する、または柱状構造508に位置するとは限らない。一例では、一部の上部開口部517は、上部502の下側に位置することができる。
【0097】
図5Aおよび5Bを参照すると、一実施形態では、スペーサ500は、1つまたは複数のワイヤ管理要素を含むことができる。一例では、スペーサ500は、温度センサ、TEC、および/またはファン(例えば、図1E)から少なくとも1つのワイヤを受け入れるように構成されたワイヤ管理要素を含むことができる。一部の実施形態では、ワイヤ管理要素は、例えば温度センサ、TEC、および/またはファンからの電子機器用のワイヤの寸法を含む、スペーサ500に組み込まれた谷(ravine)、ウェル、バリ、および/または切り欠きを含むことができる。一例では、ワイヤ管理要素は、1つまたは複数のワイヤを受け入れるように構成することができ、温度療法装置の組み立て中および組み立て後にワイヤを所定の位置に固定することができる。一実施形態では、スペーサ500は、TECから1つ以上のワイヤを受け取り、固定するように構成された第1のワイヤ管理要素527を含むことができる。一実施形態では、スペーサ500は、ファンから1本以上のワイヤを受け入れて固定するように構成された第2のワイヤ管理要素529を含むことができる。一例では、ファンのワイヤ管理要素529はフックのように機能し、ファンからのワイヤを所定の位置に保持することができる。
【0098】
再び図5Aおよび5Bを参照すると、一実施形態では、スペーサ500は、温度調節組立体のさまざまな要素のための1つまたは複数の受け要素を含むことができる。一部の実施形態では、スペーサ500は、温度センサ用の切り欠き520の形態の受け部分を含むことができる。一例では、温度センサはTECに結合することができ、温度センサはスペーサ500の切り欠き520に嵌合することができる。スペーサ500は、複数の受け部分531(例えば、チャネルと呼ぶこともできる)を含んで、以下の図10A図10Dで説明した上層の対応する位置合わせ要素1016を受け入れる。また、スペーサ500は、位置合わせ要素531に隣接する縁515を含むことができる。一部の実施形態では、スペーサ500の縁515は、図10A-10Dにおける上層の位置合わせ要素1016の平坦な縁1017に位置合わせすることができる。
【0099】
図5Cには、一部の実施形態によるスペーサの底面図が示されている。一部の実施形態では、スペーサ500は、スペーサ500の底部504に位置する1つまたは複数の底部開口部519を含むことができ、底部開口部519は、スペーサ500の底部504からネジを受け入れるように構成され得る。一部の実施形態では、図1Eおよび図2A-2Dの取り付け板は、スペーサ500の底部開口部519および取り付け板の対応する開口を通して1つまたは複数のネジを挿入することによって、スペーサ500の底部504に取り付けることができる。一部の実施形態では、スペーサ500は、7つの底部開口部519を含むことができる。一例では、底部開口部519の合計は奇数になることがあり、例えば、底部開口部519の数は、対称または偶数になるように設計されていない。一部の実施形態では、底部開口部519は非対称の構成を有することができる。一実施形態では、底部開口部519の非対称構成により、例えば、オペレータが取り付け板を誤って、または意図した構成とは逆に取り付けることを防止するために、取り付け板が特定の順序で取り付けられることを保証することができる。一部の実施形態では、スペーサ500の底部504は、エンボス加工および/または面取りされた縁521を有することができる。一部の実施形態では、底部504の縁521は、取り付け板の縁を受け入れるおよび/またはそれと整列するように構成され得る。一部の実施形態では、対向する底部開口532の間の距離は、約30~60mmの範囲とすることができる。一部の実施形態では、隣接する底部開口534、536の間の距離は、約5~30mmの範囲とすることができる。
【0100】
図5Cを参照すると、一部の実施形態では、スペーサ500は、底部位置合わせ要素533を含むことができる。一部の実施形態では、底部位置合わせ要素533は、少なくとも1つの底部開口部519に隣接して配置することができる。一部の実施形態では、底部位置合わせ要素533は、ヒートスプレッダ300(例えば、図3Aおよび3B)の位置合わせ開口部330に対応することができる。一例では、底部位置合わせ要素533および位置合わせ開口部330は、温度調節組立体の製造および/または製造中にオペレータがスペーサ500とヒートスプレッダ300との間の適切な位置合わせおよび/または配置を決定するのを助けるために使用することができる。一例では、底部位置合わせ要素533は、位置合わせ開口部330に嵌合し、および/または位置合わせ開口部330に位置合わせすることができる。
【0101】
図5Dを参照すると、一部の実施形態によるスペーサの側面図が示されている。図5Aおよび5Bの柱状構造508の断面図は図5Dに示す。図示のように、例示的な柱状構造は図5Dの509で囲まれている。また、上部位置合わせ要素518の側面図が図5Dに示されている。さらに、図5Dは、上部開口部516がスペーサを通って延在し、対応する底部開口部519と交わることができることを示す。一部の実施形態において、各上部開口部516は対応する下部開口部519(例えば、図5A-5Dから)を有することができる。一部の実施形態では、上部開口部516および下部開口部519のそれぞれは、貫通孔であってもよく、例えば、開口部は上部開口部516からスペーサ500を通り、対応する下部開口部519を通って外に延在してもよい。
【0102】
さらに再び図5A~5Dを参照すると、一部の実施形態では、スペーサは、他の材料の中でも、プラスチック、樹脂および/または耐火性プラスチック/樹脂などの材料を含むことができる。一例では、スペーサは、ナイロン66、デュポン801、およびデュポン2801からなる群から選択される材料を含むことができる。
【0103】
図6A~6Cを参照すると、一部の実施形態によるヒートシンクの様々な図が示されている。一部の実施形態では、ヒートシンクは、温度調節組立体のTECおよび/または他の要素から熱を奪うように構成された構成要素および/または材料を含むことができる。図6Aは、温度調節組立体のヒートシンクを示す。図6Bは、ヒートシンクの断面図を示す。図6Cは、ヒートシンクの底面図を示す。
【0104】
図6Aを参照すると、一部の実施形態によるヒートシンクが示されている。一部の実施形態では、ヒートシンク600は、ヒートシンク600のベース部分604から延びる複数のフィン602を含む。一部の実施形態では、複数のフィン602はスカイビング技術によって形成され得る。一部の実施形態では、複数のフィン602をスカイブドフィンと呼ぶことができる。一部の実施形態では、従来のヒートシンクを形成する一方法である押出成形を使用するのとは対照的に、スカイビング(skiving)技術を使用してヒートシンク600全体を形成することができる。一部の実施形態では、ヒートシンク600は、スカイブドヒートシンクと呼ばれることがある。一例では、金属加工スカイビングプロセスを使用して、ヒートシンク600および/または複数のフィン602を形成することができる。本明細書で言及されるように、複数のフィン602は、個別に、例えば、各フィン602または1つまたは複数のフィン602と称することもできる。一部の実施形態では、ヒートシンク600は、第1のタブ606を含むことができる。一部の実施形態では、図6Bおよび6Cに示すように、1つまたは複数のタブを使用することができる。
【0105】
図6Bを参照すると、一部の実施形態によるヒートシンクの断面図が示されている。温度療法装置の熱放散を最大化するには、フィン602をできるだけ薄く形成することが有用となり得る。一部の実施形態では、各フィン608は、約0.2~0.4mmの範囲の厚さ610を含むことができる。一例では、各フィン608は、約0.3mmの厚さ610を有することができる。一部の実施形態では、各フィン602は、約9~11mmの範囲の高さ608を有することができる。一例では、各フィン602は、約10mmの高さ608を有することができる。一部の実施形態では、各フィン608間の距離612は、約0.80mm~1.0mmの範囲とすることができる。一例では、各フィン608間の距離612は約0.95mmであり得る。一部の実施形態では、ヒートシンクの一方の側のフィンとヒートシンクの反対側の別のフィンとの間の距離614は、39~41mmの範囲であり得る。一部の実施形態では、ヒートシンクの一端のフィンと対応する反対端の最後のフィンとの間の距離614は、約40.3mmであり得る。一部の実施形態では、ヒートシンク600は約10~50個のフィンを含むことができる。一例では、ヒートシンク600は33個のフィンを含むことができる。一部の実施形態では、ヒートシンクは27個のフィンを有することができる。一部の実施形態では、ヒートシンク600のベース604は、約1.5~2.5mmの範囲の厚さ616を有することができる。一例では、ヒートシンク600のベース604は、約2.0mmの厚さ616を有することができる。一部の実施形態では、ベース604は、実質的に滑らかな底面を有することができる。ヒートシンク600は、以下の図6Cで説明するタブ606、607を有することもできる。
【0106】
図6Cを参照すると、一部の実施形態によるヒートシンクの底面図が示されている。ヒートシンク600は、図示されるように、第1のタブ606および第2のタブ607を含むことができる。実施形態では、上で論じたように、ヒートシンク600のタブ606、607は、図5A図5Dのスペーサ500の1つ以上のノッチ514に位置合わせおよび/または嵌合するように構成することができる。図示のように、タブ606、607は、図の水平方向に沿って整列していなくてもよい。一部の実施形態では、第1および第2のタブ606、607は、互いにオフセットすることができる。一部の実施形態では、第1のタブ606は、約4.5~6.5mmの範囲の距離618だけ第2のタブ607からオフセットすることができる。一例では、第1のタブ606は、約5.6mmの距離618だけ第2のタブ607からオフセットすることができる。一部の実施形態では、タブ606、607は、ヒートシンク600から延在することができる(620)。一部の実施形態では、ヒートシンク600からのタブ606、607の延在部620は、約1.5~3.5mmの範囲とすることができる。一例では、ヒートシンク600からのタブ606、607の延長部620は、約2.70mmであり得る。一部の実施形態では、第1および第2のタブ606、607は、約3.5~5.5mmの範囲の幅622を有することができる。一例では、第1および第2のタブ606、607は、約4.4mmの幅622を有することができる。一部の実施形態では、ヒートシンク600は、約35~45mmの範囲の幅624を有することができる。一例では、ヒートシンク600は、約40.70mmの幅624を有することができる。一部の実施形態では、ヒートシンク600は、約50~60mmの範囲の長さ626を有することができる。一例では、ヒートシンク600は、約57.50mmの長さ626を有することができる。
【0107】
図6A~6Cを参照すると、一部の実施形態では、ヒートシンクはアルミニウムを含むことができる。一例では、ヒートシンクは陽極酸化アルミニウムを含むことができる。一部の実施形態では、ヒートシンクはアルミニウム6063を含むことができる。
【0108】
図7を参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体のファンが示されている。本明細書で使用されるように、示されるファン700は、図1Eで使用されるものと同じファンである。一部の実施形態では、ファン700は複数の開口部702を含む。一部の実施形態では、開口部702は、図1Eと5A~5Dで説明したスペーサにファンを取り付けるためのネジを受けるように構成することができる。一部の実施形態では、ファン700の幅704は、約35~45mmの範囲とすることができる。一例では、ファン700の幅704は約40mmであり得る。一部の実施形態では、ファン700の長さ706は、約35~45mmの範囲とすることができる。一例では、ファン700の長さ706は約40mmであり得る。ファン700は、電力用のワイヤ708を含むことができる。
【0109】
図8A~8Eを参照すると、一部の実施形態による、カバーの様々な図が示されている。一部の実施形態では、カバーは、例えば、図1Eに一緒に示すように、図5A~5Dのスペーサ、図6A~6Cからのヒートシンク、および図7からのファンを取り囲むおよび/または収容するように構成された中間構造であり得る。カバーはまた図10A図10Dの上層を図5A図5Dのスペーサに固定するように構成され得る。図8Aは、温度調節組立体のカバーを示す。図8Bは、カバーの側面図を示す。図8Cは、カバーの上面図を示す。図8Dは、カバーの別の側面図を示す。図8Eは、カバーのロック要素の拡大図を示す。
【0110】
図8Aを参照すると、一部の実施形態による、温度調節組立体のカバーが示されている。一部の実施形態では、カバー800は、上部802および底部804を含むことができる。一部の実施形態では、カバー800は、中央開口部806(例えば、図5A図5Dのスペーサの中央開口部と同様)を含むことができる。一部の実施形態では、中央開口部806は、図7のファンと同様の形状および/または同じ形状を含むことができる(例えば、正方形の開口部)。中央開口部806は正方形の開口部を含むことができるが、他の形状の中でも、円形の開口部806、多角形の開口部などの他の形状を使用することもできる。一部の実施形態では、図1Eに示すように、カバー800は、温度調節組立体の取り付けおよび/または組み立て中に、スペーサ、ヒートシンクおよびファンの上に配置することができる。一部の実施形態では、カバー800は、1つまたは複数の通気口808を含むことができる。一部の例では、通気口808は、排気口として機能し、ヒートシンクのフィンの近くを循環した空気が温度調節組立体から流出することを可能にする。一部の例では、通気口は吸気口として機能し、空気がヒートシンクのフィン付近を循環する前に温度調節組立体に流入できるようにする。一部の実施形態では、通気口808は、本明細書では複数の通気口808、または個別に、例えば各通気口808と呼ぶこともできる。一部の実施形態では、示されるように、通気口808は、示されるような疑似正方形の形状を含むことができる。一部の実施形態では、通気孔808は、任意の適切な形状、例えば、とりわけ長方形、正方形、円形を含むことができる。
【0111】
再び図8Aを参照すると、一部の実施形態では、カバー800は、ロック要素810を含むことができる。一部の実施形態では、ロック要素810は、楔のような形状にすることができる。一部の実施形態では、ロック要素810は、キャップ(例えば、図1Eのキャップ158)の対応する要素に嵌合および/またはロックするように構成することができる。一部の実施形態では、カバー800は位置合わせ要素812を含むことができる。一部の実施形態では、位置合わせ要素812は、キャップ、例えば図1Eおよび図9A図9Dからのキャップを所定の位置に固定するように構成することができる。一部の実施形態では、位置合わせ要素812は、例えば、ロック要素810とは対照的に、くさびまたは垂直に延びる要素なしで、カバーから延びる短い壁を含むことができる。一部の実施形態では、カバー800は、第1および第2の開口部を含むことができる。一部の実施形態では、開口部814、816は、カバー800をスペーサに取り付けるために使用することができる。一部の実施形態では、第1および第2の開口部814、816は、図5Aおよび図5Bのスペーサの上部開口部、および/または図7のファンの開口部に取り付けるために使用できるネジを受け入れるように構成することができる。
【0112】
図8Bを参照すると、一部の実施形態による、カバーの側面図が示されている。図示されるように、カバー800は、ロック要素810および位置合わせ要素812を含むことができる。一部の実施形態では、カバー800は、1つまたは複数の通気口808、すなわち、第1の通気口818、第2の通気口820、第3の通気口822および第4の通気口を含むことができる。一部の実施形態では、第1の通気口818の幅は、第2、第3、および第4の通気口820、822、824の幅より大きくてもよい。一部の実施形態では、第2の通気口820の幅は、第2の通気口820の幅より小さくてもよい。一部の実施形態では、第3の通気口824は、第1の通気口818および第2の通気口820の幅よりも小さい幅を有し得るが、より大きい幅を有し得る。一部の実施形態では、第4の通気口824は、第1、第2、および第3の通気口818、820、822の幅よりも小さい幅を有することができる。一例では、第1の通気口またはほとんどの通気口の幅は、中央通気口818は、他の通気口820、822、824の幅より大きくてもよく、中央通気口818から遠く離れた後続の各通気口は、中心に近い通気口の幅よりも狭い幅を有してもよい。一例では、通気口818~824の幅は、約3.00~5.00mmの範囲とすることができる。
【0113】
図8Cを参照すると、一部の実施形態による、カバーの上面図が示されている。一部の実施形態では、カバー800は、上で論じたように中央開口部806を含むことができる。一部の実施形態では、図8Aからの第1および第2の開口部814、816を示す。上述のように、第1および第2の開口部814、816は、図5A~5Dのスペーサの上部開口部と位置合わせするように構成することができる。一部の実施形態では、図8Aおよび8Bのロック要素810および位置合わせ要素812を示す。中央開口部806は、ファンからのワイヤがカバーの下を通過できるように構成された追加のノッチ826を有することができる。一部の実施形態では、中央開口部のノッチ826は、中央開口部806から約2.80mm~3.20mm延在することができる。一部の実施形態では、中央開口部806は、約40~41mmの範囲の幅830を有することができる。一部の実施形態では、中央開口部806は、約40.50mmの幅830を有することができる。
【0114】
図8Dを参照すると、一部の実施形態による、カバーの別の側面図が示されている。図示のように、カバーはわずかに先細りになっている場合がある。一部の実施形態では、カバーは、約62~64mmの範囲にある上部幅832と、約63~65mmの範囲にある底部幅834を有することができる。一部の実施形態では、上部幅832は約63mmであり、底部幅834は約64mmであり得る。一例では、底部の幅は上部の幅より約1mm小さくすることができる。一部の実施形態では、カバー800は、1つまたは複数のグループの通気口835、837を含むことができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のグループの通気口835、837は、カバー800の壁部分839に沿って配置することができる。通気口835、837の1つ以上のグループは、別のグループとは別の、例えば反対側に配置することができる。一例では、図示のように、開口部835の第1のグループは、カバー800の壁部分839の一方の側に沿って、通気口837の第2のグループとは別個に反対側に配置することができる。例示的なロック要素は834で囲まれており、図8Eでさらに説明される。
【0115】
図8Eを参照すると、一部の実施形態による、カバーのロック要素の拡大図が示されている。一部の実施形態では、ロック要素810は、約2.70~3.10mmの範囲の高さ836を有することができる。一例では、ロック要素は、約2.90mmの高さ836を有することができる。一部の実施形態では、ロック要素810のくさび部分は、約0.90mm~1.10mmの範囲でカバー800から外側に延在することができる838。一例では、ロック要素810のくさび部分は、カバー800から約1.00mm外側に延びることができる838。一部の実施形態では、ロック要素810のくさび部分は、約1.20~1.40mmの範囲の高さ840を有することができる。一例では、ロック要素810のくさび部分は、約1.30mmの高さ840を有することができる。
【0116】
さらに再び図8A図8Eを参照すると、一部の実施形態では、カバー800は、他の材料の中でも、プラスチックおよび/または樹脂などの材料を含むことができる。特定の例では、カバー800は、他の材料の中でも、デュポン801樹脂、デュポン2801、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックを含むことができる。
【0117】
図9A~9Dを参照すると、一部の実施形態による、キャップのさまざまな図が示されている。一部の実施形態では、キャップは、温度調節組立体を囲い、デバイス冷却のために温度調節組立体に空気が流れることを可能にするように構成され得る。一部の実施形態では、キャップは図8A~8Eのカバーに直接結合することができる。図9Aは、温度調節組立体のキャップを示し、図9Bは、キャップの上面図を示す。図9Cは、キャップの底面図を示す。図9Dは、キャップの断面図である。
【0118】
図9Aおよび9Bを参照すると、一部の実施形態による、キャップの複数の図が示されている。一部の実施形態では、キャップ900は、上部902および底部904を含むことができる。一部の実施形態では、キャップ900は、図8A~8Eのカバーに固定することができる。一例では、キャップ900はスナップフィットによって固定することができる。一部の実施形態では、キャップは、1つまたは複数の開口部906を含むことができる。一部の実施形態では、キャップ900の開口部906は、複数の開口部906と呼ばれることがあり、および/または個別に、例えば各開口部906と呼ばれることがある。一部の実施形態では、キャップ900の開口906は六角形であってもよい。一部の実施形態では、開口部906は、キャップ900に構造的支持を提供するように構成することができる。一部の実施形態では、開口部906は、図示されるように六角形の形状を有することができるが、他の形状を開口部906に使用することができる。一部の実施形態では、開口906は、他の形状の中でも、円形、正方形、多角形からなる群から選択される形状を含むことができる。一部の実施形態では、開口部906は、空気が温度療法装置に流入することを可能にすることができる。一実施形態では、キャップ900は、ファン、例えば図1Eおよび7のファンの上部に到達または接触しなくてもよい。
【0119】
図9Cを参照すると、一部の実施形態による、キャップの底面図が示されている。キャップ900の底部904が示されている。一部の実施形態では、この図では、キャップ900の受け部分906を見ることができる。一部の実施形態では、キャップ900の受容部分906は、図8A~8Eのカバーのロック要素を受容するための対応する要素を有することができる。一部の実施形態では、受け部分906はレセプタクルを含むことができる。一部の実施形態では、受け部分906は、図8A~8Eからのロック要素の形状(例えば、楔形)とは反対の形状であり得る。一部の実施形態では、受け部分906は、キャップ900の外壁912から内側に延在することができる(910)。一部の実施形態では、受け部分906の延長部910は、約0.70mm~0.90mmの範囲内とすることができる。一部の実施形態では、受け部分906の延長部910は約0.80mmであり得る。一部の実施形態では、受け部分906は、約95~105mmの範囲の湾曲長さ908を有することができる。一部の実施形態では、キャップ900は、約100mmの湾曲長さ908を有することができる。
【0120】
図9Dを参照すると、一部の実施形態による、図9A~9Cからのキャップの断面図である。一部の実施形態では、キャップ900は、約62mm~64mmの幅914を有することができる。一部の実施形態では、キャップ900は、約63mmの幅914を有することができる。一部の実施形態では、キャップ900は、約12mm~13mmの高さ916を有することができる。一部の実施形態では、キャップ900は、約12.5mmの高さ916を有することができる。一部の実施形態では、受け部分906は、約1.3mm~1.5mmの範囲の高さ918を有することができる。一部の実施形態では、受け部分906は、約1.5mmの高さ918を有することができる。一部の実施形態では、外壁912は、約1.60mm~1.80mmの範囲の厚さ913を有することができる。一部の実施形態では、外壁912は、約1.70mmの厚さ913を有することができる。一部の実施形態では、キャップ900の底部904は、押し出し部分920を含むことができる。一部の実施形態では、押し出し部分920は、約1.40mm~1.60mmの範囲でキャップ900から離れる方向に外側に延在することができる(922)。一部の実施形態では、押出部分920は、キャップ900から約1.50mm外側に延びることができる(922)。一部の実施形態では、押出部分920は、外壁912から約2.00mm~3.00mmの範囲でオフセットすることができる(924)。
【0121】
図9A~9Dを参照すると、一部の実施形態では、キャップ900は、とりわけプラスチックおよび/または樹脂などの材料を含むことができる。特定の例では、キャップ900は、他の材料の中でも、デュポン801樹脂、デュポン2801、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックを含むことができる。
【0122】
図10A~10Dを参照すると、一部の実施形態による、多層保持機構の上層の様々な図が示されている。一部の実施形態では、多層保持機構の上層は、温度療法装置の柔軟な布地および/または弾性部分を含むことができる。一部の実施形態では、上層は、温度療法装置によって使用される制御および電力電子機器を収容することができる制御モジュールを含むことができ、および/またはそれに結合することができる。図10Aは、多層保持機構の上層の上面図を示す。図10Bは、上層の底面図を示す。図10Cは、上層の側面図を示す。図10Dは、制御モジュールを備えた上層を示す。一部の実施形態では、図1Bおよび1Eに示された多層保持機構120の上層122の説明は、図10A~10Dに示された上層に適用することができ、その逆もできる。
【0123】
図10Aを参照すると、一部の実施形態による、多層保持機構の上層の上面図が示されている。図示されるように、多層保持機構の上層1004は、制御モジュール1002に結合され得る。一部の実施形態では、制御モジュール1002は、電子ハウジングおよび電子ハウジング内の電子部品を含み得る。一部の実施形態では、上層1004は、柔軟な布地および/または弾性材料を含むことができる。一例では、上層1004はスパンデックスを含むことができる。別の例では、上層1004は、全体的および/または部分的にスパンデックスで構成することができる。一部の実施形態では、上層1004は、スペーサの受容要素に対応することができる位置合わせ要素1006を含むことができる。一例では、図5A-5Dにスペーサ500の受容要素531および縁515が示されている。上層1004は、1つまたは複数の開口部1008、1022を含むことができる。一例では、上層1004は、1つまたは複数の側面開口部1008を含み、中央開口部1022を含むことができる。一部の実施形態では、開口部1008、1022は円形、および/または半円形の形状であり得る。図示のように、開口部1008、1022は半円形を含むことができるが、他の形状を使用することもできる。一例では、開口部1008、1022は、とりわけ正方形、長方形、多角形などの形状を含むことができる。一部の実施形態では、開口部1008、1022は、約57~60mmの範囲の直径1010を含み得る。一例では、開口部1008、1022の直径1010は約58.50mmであり得る。
【0124】
図10Bを参照すると、一部の実施形態による、上層の底面図が示されている。一部の実施形態では、上層1004は、リブ構造1012を含むことができる。一部の実施形態では、リブ構造1012は、ポリウレタンを含むことができ、および/またはデュロメータで測定して約80Dの硬度を有する材料を含むことができる。一部の実施形態では、リブ構造1012は、上層1004に追加の構造的支持を提供することができる。一部の例では、リブ構造1012は、リブ構造1012の下に配置されたワイヤの視界を妨げることができる。一部の実施形態では、図示されるように、リブ構造は、1012は隙間なく詰めることができ、蛇腹状になる。一部の実施形態では、上層1004は、制御モジュール1002のための制御モジュール開口部1018を含むことができる。一部の実施形態では、リブ構造1012は、制御モジュール開口部1018の縁に結合され、および/または制御モジュール開口部1018の縁を取り囲むことができる。リブ構造1012は、上層1004の上部開口部1022を囲むことができる。より大きな開口部1018と同様に、リブ構造1012は、上部開口部1022の縁に結合され、および/または上部開口部1022の縁を囲むことができる。一部の実施形態では、一つ以上の支柱1020が、電子ボックスの開口部1018のリブ構造と上部開口部1022の間に配置されることがある。一例では、1つまたは複数の支柱1020は、制御モジュール開口部1018、リブ構造1012および上部開口部1022の間に構造的支持を提供することができる。一実施形態では、リブ構造1012は、上層1002に鋳造することができる。一例では、リブ構造1012は、上層1004と結合するように制御モジュール1002を取り付ける際に、制御モジュール1002に構造的支持を提供することができる。
【0125】
再び図10Bを参照すると、一部の実施形態では、上層1004は、1つまたは複数のリング要素1014を含むことができる。一部の実施形態では、リング要素1014は、温度調節組立体を上層1004に固定するときに、温度調節組立体を所定の位置にロックするように構成され得る。一例では、上層1004およびその下のリング要素1014は、例えば図1Cおよび図1Eに示すように、図5A~5Dのスペーサと図8A-8Eのカバーとの間に固定され得る。一部の実施形態では、各リング要素1014は位置合わせ要素1016を含むことができる。一部の実施形態では、位置合わせ要素1016は、スペーサ、カバー、上層、およびリング要素を一緒に取り付けるときに、温度調節組立体のスペーサおよびカバーを正確に配向するように構成することができる。一部の実施形態では、位置合わせ要素1016は、図示のように平坦な縁1017を含むことができる。一例では、平坦な縁1017は、すべての構成要素を一緒に取り付けるときに、図5Aおよび図5Bのスペーサの縁515と位置合わせして、スペーサ、カバー、上層1004、およびリング要素1014を正しく配向することができる。一部の実施形態では、図5Aおよび5Bに示されるチャネル531が、位置合わせ要素1016に合致するように構成されることができる。一部の例では、位置合わせ要素1016には、図5Aおよび5Bの受け部531に適合することができる突出部が含まれることがある。ある実施形態では、リング要素1014が、上層1004に固定された際に温度調節組立体に構造的支持を提供することがある。一部の実施形態では、リブ要素1012と同様に、リング要素1014も上層1002に鋳造されることがある。一部の実施形態では、リング要素1014にはポリウレタンが含まれ、および/または約80Dの硬度を持つ材料が含まれることがある。
【0126】
図10Bに示されるように、一部の実施形態では、上層1004は、約260~270mmの範囲の幅1024を含み得る。一例では、上層1004の幅1024は約265mmであり得る。一部の実施形態では、上層1004は、約313~323mmの範囲の長さ1026を含むことができる。一例では、上層1004の長さ1026は約318mmであり得る。
【0127】
図10Cを参照すると、一部の実施形態による、上層の側面図が示されている。図示されるように、一部の実施形態では、上層1004は、約1.00~1.50mmの範囲の厚さを有することができる。一例では、上層1004は約1.20mmの厚さを有することができる。
【0128】
図10Dは、一部の実施形態による、制御モジュールを備えた上層を示す。図10A~10Cを参照すると、示されるように、上層1004は、開口部1008、1018、1022および制御モジュール1002を含むことができる。一部の実施形態では、制御モジュール1002は、上部ハウジング1032および底部ハウジング1034を含むことができる。上部ハウジング1032は、上部層1004の開口部1018を有する上部層1004の縁1040と接触および/または受容するように構成されたリップ部分1036を含むことができる。上部ハウジング1032と下部ハウジング1034は、例えば、制御モジュールを上層1004に固定するために、上層1004の端1040の周囲で合わせて閉じることができる。電子部品、例えば、温度療法装置に使用される制御および/または電力電子装置は、例えば、制御モジュール1002の上部ハウジング1032および下部ハウジング1034内に収容されてもよい。
【0129】
図11A~11Cを参照すると、一部の実施形態による、多層保持機構の底層の様々な図が示されている。一部の実施形態では、多層保持機構の底層は、温度療法装置の柔軟な布地および/または様々な軟質/弾性部品を含むように構成することができる。一例では、底層は、1つまたは複数の骨抜き要素、1つまたは複数の構造支持片、1つまたは複数のストラップ、および1つまたは複数のロック要素を含むことができる。図11Aは、多層保持機構の底層の上面図を示す。図11Bは、シリコーンオーバーモールドインサートを含む底層を示す。図11Cは、シリコーンオーバーモールドインサートを備えた底層の上面図を示す。図11Dは、シリコーンオーバーモールドインサートの断面図を示す。一部の実施形態では、図1Bおよび1Eで説明されている多層保持機構120の底層124の説明は、図11A-11Dで説明されている底層に適用され、その逆も可能である。
【0130】
図11Aを参照すると、一部の実施形態による、多層保持機構の底層の上面図が示されている。図示されるように、多層保持機構の底層1104は、例えば図1Eおよび1Bで説明したものと同様の、1つまたは複数の骨抜き要素1106、1つまたは複数の構造支持片1108、1つまたは複数のストラップ1110、および1つまたは複数のロック要素112を含むことができる。一部の実施形態では、底層1104および/またはストラップ1112は、柔軟な布地を含むことができる。一例では、底層1104および/またはストラップ1112はスペーサメッシュを含むことができる。特定の例では、底層1104は、スキューバニットスペーサメッシュを含むことができる。一部の実施形態では、底層1104および/またはストラップ1112は、ポリエステルおよびスパンデックスからなる群から選択される材料を含むことができる。一部の実施形態では、底層1104および/またはストラップ1112は、約95%のポリエステルおよび約5%のスパンデックスを含むことができる。一部の実施形態では、底層1104および/またはストラップ1112は、約100%のポリエステルを含むことができる。一部の実施形態では、ストラップ1112は、骨抜き要素1106に間接的に結合され得る。一例では、ストラップ1112は、骨抜き要素1106に隣接する底層1104に縫い付けられ、ストラップ1112、底層1104および骨抜き要素1106を一緒に機械的に結合することができる。一部の実施形態では、骨抜き要素1112は、一方向には柔軟であるが、別の方向、例えば垂直方向には柔軟性がない板バネを含むことができる。一部の実施形態では、骨抜き要素1112は、金属および/または金属バネを含むことができる。一部の例では、骨抜き要素1112は鋼製バネを含むことができる。一部の実施形態では、骨抜き要素1106は、長さ約8インチ、幅約1.40インチであり得る。一部の実施形態では、骨抜き要素1106は、例えば明確にするためにこの図の上に示されているように、構造支持片1108の下に配置することができる。一部の実施形態では、骨抜き要素1112は、ポーチに縫い付けられ、かつ/または底層1104によって固定され得る。
【0131】
図11Bおよび11Cを参照すると、一部の実施形態による、シリコーンオーバーモールドインサートを備えた底層の複数の図が示されている。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120は、鋳造プロセスを使用して形成することができる。一例では、シリコーンオーバーモールドインサート1120は、底層1104と一緒に鋳造することができる。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120の縁1122は、底層の内縁1124と重なり、直接結合することができる。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120の全周囲の縁1122全体を、底層1104の内縁1124に接着および/または重ね合わせることができる。一部の実施形態では、液体シリコーン鋳造プロセスを使用して、シリコーンオーバーモールドインサート1120を鋳造することができる。一例では、液体シリコーン鋳造プロセスを使用して、底層1104の内縁1124を底層1104の縁1122に鋳造することができる。一部の実施形態では、底層1104の内縁1124は、シリコーンオーバーモールドインサート1104の縁1122と約4mmの重なり1126を有することができる。一例では、シリコーンオーバーモールドインサート1120の縁1122は、約4mmの厚さ1126を有し得る。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1104は、(例えば、鋳造前に)デュロメータで測定して約48Dの硬度を有するシリコーン材料で構成することができる。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120をシリコーン基板と呼ぶことができる。
【0132】
再び図11Bおよび11Cを参照すると、一部の実施形態では、他の技術(例えば、鋳造の代替)を使用して、シリコーンオーバーモールドインサート1120の縁1122を底層1104の内縁1124に接着することができる。一例では、シリコーンオーバーモールドインサート1120の縁1122を、底層1104の内縁1124に縫い付けることができる。一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120を底層1104に接着することができる。一例では、シリコーンオーバーモールドインサート1120の縁1122を、底層1104の内縁1124に接着することができる。
【0133】
さらに図11Bおよび11Cを参照すると、一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120は、機械的支持要素1128を含むことができる。本明細書で使用される場合、機械的支持要素は、パターン化された凹部1128とも呼ばれる。一部の実施形態では、1つまたは複数の機械的支持要素1128は六角形および/またはハニカム構造の形状であってもよい(例えば、図11B~11Cに示すように)。一部の実施形態では、機械的支持要素1128は、該要素1128内に薄層を含むことができる。一部の実施形態では、機械的支持要素1128内の薄層は、シリコーンオーバーモールドインサート1120の残りの部分と比較して、より大きな弾性を有するように構成することができる。一部の実施形態では、機械的支持要素1128は、装置がが、例えば使用者の膝に適用されるように、使用者の身体部分の上に配置されている間に、使用者の身体部分が曲がって動くことを可能にするように構成され得る。一例では、機械的支持要素1128内の薄層は、使用者の身体部分、例えば膝蓋骨が温度療法装置上に快適にフィットするように伸長するように構成することができる。一部の実施形態では、薄層は0.1~0.3mmの範囲の厚さを有することができる。一例では、機械的支持要素1128の薄層は、約0.2mmの厚さを有することができる。一部の実施形態では、機械的支持要素は、約20mm~50mmの範囲内の直径を有することができる。一例では、機械的支持要素の直径は約38mmであり得る。
【0134】
再び図11Bおよび11Cを参照すると、一部の実施形態では、シリコーンオーバーモールドインサート1120は、1つまたは複数の細分割部分1130~1138を有することができる。細分割部分1130~1138のそれぞれは、別個の異なる温度調節組立体に対応することができる。一部の実施形態では、ノッチおよび/またはドット1140~1148を使用して、製造または製作中に、どの温度調節組立体をシリコーンオーバーモールドインサート1120の対応する細分割部分1130~1138に取り付けるかをオペレータが決定するのを支援することができる。一部の実施形態では、細分割部分1130~1138は、同一ではなく、および/または対称ではない。例えば、示されるように、個々のノッチ1140~1148は、互いに異なっていてもよい。一例では、1つのノッチ1140は、示されるように1つのみの要素を含むことができ、他のノッチ1142、1144、1146、および1148は、示されるように1つまたは複数の要素を含むことができる。一例では、ノッチの数によって、どの温度調節組立体がシリコーンオーバーモールドインサート1120に結合されるべきかを決定することができる。例えば、第1の温度調節組立体は、単一のノッチ1140を含む細分割部分1130に取り付けることができ、第2の温度調節組立体は、2つのノッチ1142を含む細分割部分1132に取り付けることができる。一部の実施形態では、例えば最大5つの温度調節組立体に対応する、1つから5つのノッチが存在し得る。上で説明したように、一部の実施形態では、温度療法装置は、1つまたは複数の、例えば5つを超える温度調整組立体を含むことができる。一例では、ノッチ1140~1148は、温度調節組立体の1つまたは複数のヒートスプレッダの対応するノッチに嵌合および/または位置合わせされるように形状付けられ得る。一例では、ノッチ1140は、図3Aのノッチ328に嵌合および/または位置合わせすることができる。
【0135】
図11Dを参照すると、一部の実施形態による、シリコーンオーバーモールドインサートの断面図が示されている。シリコーンオーバーモールドインサート1120は、本体1150および支持部分1152を有することができる。一部の実施形態では、本体1150は、約0.7~0.9mmの範囲の厚さ1154を有することができる。一例では、本体1150は、約0.8mmの厚さ1154を有することができる。一部の実施形態では、支持部分1152は、約1.50~1.70mmの範囲の厚さ1156を有することができる。一例では、支持部分1152は、約1.60mmの厚さ1156を有することができる。一部の実施形態では、支持部分1152の厚さ1156は、本体1150の厚さの約2倍であってもよく、2倍より大きくてよい。
【0136】
温度療法装置の一部の非限定的な例を説明した。温度療法装置のさらなる実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第63/090,987号に記載されている。さらに、温度療法装置の構成要素の一部の非限定的な例について説明した。このような構成要素の追加の実施形態には、可撓性熱スプレッダ(例えば、ヒートスプレッダ146、300)、加熱および/または冷却要素(例えば、熱電冷却器(TEC)150、400)、可撓性基板(例えば、多層保持機構の可撓性層102、120)および結合材料(例えば、接着剤、テープなど)も、米国仮特許出願第63/090,987号に記載されている。
【0137】
熱電冷却器(TEC)を含む温度療法装置の一部の実施形態について説明してきた。TECは、温度療法装置で使用され得る温度制御(例えば、加熱および/または冷却)コンポーネントの一例である。一部の実施形態では、TEC以外の加熱および/または冷却コンポーネントが使用されてもよい。例えば、ペルチェ装置、ペルチェヒーター、ペルチェヒートポンプ、または他の任意の適切な加熱および/または冷却コンポーネントを使用することができる。
【0138】
圧縮温熱療法を適用する要素を含む温度療法装置
圧縮(圧迫)温熱療法を適用するための要素を含む温度療法装置が開示される。多くの場合、本開示では、圧縮要素を膨張可能な袋として説明する。しかしながら、一般に、圧縮力を加えることができる任意の要素を使用することができる(例えば、ゲル充填ポケット、形状記憶材料など)。温度療法装置および袋は、使用者の身体部分に対して温度療法装置の位置を効果的に制御し、圧縮療法および/または温熱療法を均一に適用するように構成される。一部の例では、袋は、特定のパターンで互いに結合される部分(「ステー」と呼ばれることもある)を含むことができる2層の気密媒体を含むことができる。対照的に、袋のない実装では、使用者の身体部分を部分的にしか取り囲めない、および/または使用者の身体部分と温度療法装置の間にかなりの空隙が含まれる場合がある。
【0139】
図12を参照すると、一部の実施形態による、複数の温度調節組立体および多層保持機構を含む温度療法装置の分解図が示されている。温度療法装置103は、図1Eで説明した温度療法装置101と同一または類似のものとすることができるが、袋160を含むこともできる。温度療法装置103は、1つまたは複数の温度調節組立体140を含むことができる。1つまたは複数の温度調節組立体140は、図1Eで説明した温度調節組立体140と同じまたは類似のものとすることができる。図1Eでも説明したように、図12に示す温度療法装置103は5つの温度調節組立体140を含むが、温度療法装置103は5つの温度調節組立体に限定されず、1つ以上の温度調節組立体140を含むことができる。また、温度療法装置103は、図1Eで説明した多層保持機構120と同じまたは類似の多層保持機構120を含むことができる。図1Eに示すように、多層保持機構120は、上層122および底層124を含むことができる。例えば、上層122は、制御モジュール134および1つまたは複数の開口部125を含むことができる。1つまたは複数の開口部125は、温度調節組立体140のスペーサ148およびカバー156、例えば、図1Eに示す温度調節組立体140のスペーサ148およびカバー156によって受け入れられ、および/または固定されるように構成される縁を含むことができる。一部の実施形態では、上層122は、図10A図10Dで詳細に説明した上層1004と同じまたは類似のものとすることができる。別の例では、底層124は、1つまたは複数のストラップ126および1つまたは複数のロック要素128を含むことができる。底層124は、図11A図11Dで詳細に説明した底層1104と同じまたは類似のものとすることができる。一部の実施形態では、底層124は、シリコーンオーバーモールドインサート142を含む、および/またはシリコーンオーバーモールドインサート142に結合され得る。一部の実施形態では、図1Eに示すように、シリコーンオーバーモールドインサート142は、1つ以上の温度調節組立体140を受け入れるように構成することができる。図11A~11Dに示されるように、シリコーンオーバーモールドインサート142は、使用者の身体部分(例えば、膝領域、腰領域、肘領域など)に配置されるように構成され得る。
【0140】
再び図12を参照すると、図示のように、袋160は、多層保持機構120の上層122と底層124との間に配置することができる。一部の実施形態では、袋160は、温度療法装置103(例えば、底層124)が使用者の身体部分の周りを均一に包み込むことを可能にし、温度療法装置103(例えば、シリコーンオーバーモールドインサート142)が使用者の身体部分に均一に接触することを可能にし得る。一例では、袋160の一部を膨張させることができ、一度膨張すると、袋160は底層124に対して圧縮することができる。圧縮の際、袋160によって底層124に加えられる圧力により、底層124が使用者の身体部分を均一に包み込む。袋160はまた、シリコーンオーバーモールドインサート142が使用者の身体部分の皮膚に均一に接触するように、シリコーンオーバーモールドインサート142に圧力を加えることができる。一部の実施形態では、袋160は、上層122の開口部に対応する1つまたは複数の開口部を含むことができる。一例では、袋160の1つまたは複数の開口部127は、温度調節組立体140のスペーサ148およびカバー156によって受け入れられ、および/または固定されるように構成された縁を含むことができる(例えば、上層122の開口部125と同様)。一部の実施形態では、袋160は、袋160が周囲内の表面において底層124に接着されないように、底層124の外周151に、場合によっては外周(またはその一部分)のみに、接着され得る。一例では、袋160は、接着剤を介して底層124に接着することができる。一部の例では、袋160は、底層124の外周151に直接縫い付けられ得る。一例では、袋160は、1つまたは複数のロック要素によって底層124に接着および/または取り付けられ得る。一部の例では、1つまたは複数のロック要素は、袋160の一部および/またはその成形部分であり得る。一部の例では、底層124は、ロック要素を受け入れるように構成された対応する受け入れ要素を含み得る。特定の例では、ロック要素はスナップを含むことができ、対応する受け要素は受けスナップ(receiving snap)を含むことができる。一例として、袋160を底層124の外周151に接着することで、袋160が膨張するときに、使用者の体の部位(例えば、使用者の膝)を取り巻くようになり、使用者の体の部位から持ちあげて、使用者の体の部位をただ締め付けるだけのものではない。一部の実施形態では、袋160は、シリコーンオーバーモールドインサート142が使用者の体の部位の肌と均一に接触し、シリコーンオーバーモールドインサート142と使用者の肌との間の空気の隙間を排除するか、または空気の隙間の数を減少させるように構成することができる。さらに、一部の実施形態では、袋160には、左の拡張部分175と右の拡張部分177(以下、拡張部分と総称)が含まれることがある。左の拡張部分と右の拡張部分177はそれぞれ、袋160の左端171と右端173から延長することができる。一部の実施形態では、拡張部分によって、追加の袋素材(例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU)素材)を袋160に接続したままで提供することができる。一部の実施形態では、拡張部分は膨張しない場合がある。一部の例では、拡張部分によって、袋160の縁から延びる追加の袋素材が提供され、それは底層124に接着されたり取り付けられたり(例えば、縫い付けられたり)して、例えば、袋160を底層124に固定することができる。一部の実施形態では、拡張部分はオプションである場合がある。一部の実施形態では、袋160と底層124には、袋160を底層124に取り付けたり固定したりするために構成されたジッパー取り付け(ジッパーアタッチメント)が含まれ得る。一部の例では、ジッパー取り付けにより、例えば、袋160と底層124の間のジッパー取り付けを解除した後に、袋160を取り外すことができる。
【0141】
図12に示されるように、袋160はチューブ162を含むことができる。チューブ162は、空気を袋160に導入する、または袋160から除去するために使用することができる。一部の例では、チューブ162は、袋160を膨張および/または収縮させるために使用することができる。チューブ162エアコンプレッサに接続され得る。一部の実施形態では、エアコンプレッサは、制御モジュール134の一部、または制御モジュール134内に配置され得る。一部の例では、エアコンプレッサは、制御モジュール134の集合電子機器の一部であり得る。一部の実施形態では、エアコンプレッサは代わりに、制御モジュール134の外部に配置することができる。一例では、エアコンプレッサは、示されているように、制御モジュール134に隣接する位置170に配置され、上層122に結合され得る(例えば、制御モジュールが上層122に結合されるのと同じまたは同様の方法で)。一部の実施形態では、2つ以上のチューブ162を使用することができる。一部の例では、2つ以上の別個のチャンバまたは2つ以上の別個の袋を使用する構成を含む袋160の場合、2つ以上のチューブ162が使用され得る。同じ例では、2つ以上のチューブ162を制御モジュール134に結合することができる。同じ例では、2つ以上のチューブを1つ以上のエアコンプレッサに結合することができ、エアコンプレッサは、制御モジュール134の一部であってもなくてもよく、あるいはその中に配置されていてもよい。
【0142】
図12の袋160の各構成要素は、一部の実施形態にしたがって、以下の図13B~13Fに詳細に示されている。例えば、袋の上面図を図13Aに示す。袋の底面図を図13Bに示す。袋の側面図が図13Cに示されている。図13D-13Fは、単一および複数の空気室(チャンバ)袋の実施形態を示す。
【0143】
図13Aを参照すると、一部の実施形態による、袋の上面図が示されている。一部の実施形態では、袋1300は、1つまたは複数のステー1302a~1302e(例えば、まとめてステー1302と呼ばれる)およびエアポケット領域1304-1~1304-9(例えば、まとめてエアポケット領域1304と呼ばれる)を含むことができる。一例では、ステー1302は、互いに結合された袋1300の部分を含むことができる。一部の例では、袋1300は、上層1312aおよび底層1312b(例えば、図13Bに示される底層)の2つの層を含むことができる。ステー1302は、上層1312aと底層1312bが互いに接着され、例えば、空気で膨張することができる相互接続されたまたは個別のエアポケット領域1304を形成する袋1300の領域を含むことができる。袋1300はまた、1つまたは複数の開口部1310を含むことができる。一例では、1つまたは複数の開口部1310は、図12に記載された開口部127と同じまたは類似のものであり得る。同じ例において、袋1300の1つ以上の開口部1310は、例えば、図1Eおよび12を参照し、説明したように、温度調節組立体140のスペーサ148およびカバー156によって受容および/または固定されるように構成することができる。また、5つの開口部1310が示されているが、(例えば、使用される温度調節組立体の数に対応して)任意の数の開口部を使用することができる。一部の実施形態では、異なるタイプのステー1302があり得る。一例では、ステー1302aは、袋1300の縁から延在することができる。一例では、ステー1302bは、1つまたは複数の開口部1310を囲むことができる。一部の例では、ステー1302cは、開口部1310を取り囲むステー1302bから延在することができる。一部の例では、ステー1302dがステー1302bに接続することができる(1306)。一部の例では、ステー1302eは、隔離することができ、例えば、袋1300の縁および/または他のステーに接続しないことができる。一部の例では、示されるように、ステー1302は、狭い中央領域と、1つまたは複数の丸いまたは円形の端部とを含むことができる。一部の実施形態では、ステー1302は、空気が進入できない場所を袋1300内に作り出すことができる。同じ実施形態では、袋に空気が加えられ、袋が膨張すると、膨張した部分、例えばエアポケット領域1304は、温度療法装置103の底層124と接触することができる袋1300の表面積を減少させることができる空隙を含むことができる。一例では、ステー1302は、袋1300および/または温度療法装置が使用者の身体部分(例えば、使用者の膝)の周りで湾曲できるように(例えば、特定のパターンで)配向および構成され得る。図に示されているパターンは単なる例示である。様々な実施形態において、他のパターンを使用し、特定の使用パラメータ(例えば、所望の曲率、体の部分、体の形状/サイズなど)に基づいて最適化することができる。一部の実施形態では、袋160は、温度療法装置103によって使用される全体の電力消費を低減するように構成され得る。一例では、袋160によって加えられる圧縮により、温度療法装置103が使用者の皮膚に直接接触することが可能になり、かつ/使用者の身体部分に温度を均一に与え、熱の損失を避けることができる。一部の実施形態では、電力消費効率は、バッテリ電力寿命の観点から測定することができ、袋1300によって提供される圧縮を使用することにより、電力消費を低減し、温度療法装置103のバッテリ寿命を延ばすのに役立つことができる。袋1300を使用すると、特定の温度目標を与えるのに必要な電流量を低減することができる。
【0144】
再び図13Aを参照すると、一部の実施形態では、エアポケット領域1304は、例えば図示のように、介在するステー1302によって部分的に分離された垂直柱状エアポケット領域を含むことができる。図示されるように、一部の実施形態では、1304-1から1304-9とラベル付けされた9つの垂直柱状エアポケット領域が存在し得る。また示されるように、エアポケット領域1304は9個のエアポケット領域に限定されず、任意の数のエアポケット領域、例えばエアポケット領域1304-1から1304-nの整数n個が存在し得る。エアポケット領域1304は膨張させることができ、一度膨張すると、エアポケット領域1304は図1の底層124に対して圧縮することができる。圧縮時に、エアポケット領域1304によって低層124に加えられる圧力により、底層124が使用者の身体部分を均一に取り囲むことが可能になる。一例では、袋1300からの圧縮は、袋1300の拡張、例えば、使用者の身体部分を取り囲むように袋1300の形状を変化させることができるエアポケット領域1304が空気で満たされることによって生じ得る。一部の実施形態では、図13Aに示されるエアポケット領域1304の垂直柱状エアポケット構成は、一部の実施形態では、図13Aに示されるエアポケット領域1304の垂直柱状エアポケット構成により、例えばエアポケット領域1304からの圧縮のため、底層124がシリコーンオーバーモールドインサート142に圧力を適用し、その結果シリコーンオーバーモールドインサート142が使用者の体の部位の肌と均一に接触することができる。一例では、例えばステー1302によって分離されたエアポケット領域1304が膨張して、袋1300をx方向に収縮させることができる。一例では、袋1300によって加えられる圧縮は、温度療法装置に固定された使用者の身体部分の中心に加えられる圧力(例えば、使用者の膝の中心の中心に加えられる)を含むことができる。これは、温度療法装置を使用者の身体部分の周囲で締め付けるだけである拘束とは対照的である。ステー1302、エアポケット領域1304および開口部1310の一構成が示されているが、他の実施形態または構成を実施することもできる。一例では、複数のエアポケット領域1304が示されているが、一部の実施形態では、1つのエアポケット領域のみ(例えば、ステー分離なし)が使用される。一部の実施形態では、例えば介在ステー1302によって分離された、2つ以上のエアポケット領域1304が使用され得る。さらに、一部の実施形態では、ステー1302は、例えば図13Aに示すように、垂直ステーを含むことができる。一部の実施形態では、ステー1302は、袋1300の上から下まで形成することができる。同じ実施形態では、垂直ステーが設けられている場合、チャンバ1304が膨張すると、その効果として、垂直ステーが互いに近づく(例えば、垂直ステーはx方向に移動できる)。同じ実施形態において、この効果は、全ての垂直ステー(例えば、ステー1302)にわたってカスケードすることができ、その結果、袋1300の左端と右端が互いに接近して、袋が使用者の身体部分を取り囲むこと及び/又は使用者の身体部分の周囲を締め付けることができる。使用者の身体部分の周囲を締め付けることを、本明細書では「締め付け効果」と呼ぶことがある。「締め付け効果」は、有用であり得るが、それは、例えば、温熱療法装置の裏側に弾性ストラップ(例えば、ストラップ126、図1E、11A及び12を参照)を含む底層124が提供され、一例として、温熱療法装置が圧縮するだけで締め付けない場合、純粋な「圧縮効果」だけでは、装置が圧縮を引き起こすことなく、使用者の体の部位(例えば、ユーザーの膝)から持ち上がる可能性があるからである。一例として、「締め付け効果」は装置を使用者の膝に対して保持することができる。
【0145】
再び図13Aを参照すると、袋1300は、チューブ1306を含むことができ、および/またはチューブ1306に結合することができる。チューブ1306は、空気を袋1300に導入する、または袋1300から除去するために使用することができ、例えば、チューブ1306を使用して、袋1300を膨張および/または収縮させることができる。一例では、チューブ1306をエアコンプレッサに結合することができる。チューブ1306は、図12で詳細に説明したチューブ162と同じまたは類似のものとすることができる。袋1300はまた、チューブポート1308を含むことがでる。チューブポート1308は、チューブ1306を受け入れるように構成され得る。一例では、チューブポート1308は、チューブ1306を受け入れ、チューブ1306とチューブ1306との間にエアシールを提供するためのレセプタクルを含み得る。
【0146】
図13A図10Bおよび図1Eを参照すると、一部の実施形態では、図10Bのリブ構造1012は、袋1300を使用者の身体部分内およびその周囲にさらに押し込むことができる。一部の実施形態では、リブ構造1012は、底層124の周囲およびシリコーンオーバーモールドインサート134に向かって加えられる袋1300からの下向きの力を可能にする剛性構造を提供することができる。上で論じたように、袋1300によって及ぼされる力により、底層124は使用者の身体部分を均一に取り囲み、シリコーンオーバーモールドインサート142は使用者の身体部分の皮膚に均一に接触する。図10Bのリブ構造1012は、使用者の身体部分から遠ざかる袋1300の膨張を減少させることができ、例えば、圧縮/圧力の方向を使用者の身体部分に向けて集中させることをさらに可能にする。一部の実施形態では、図12のチューブ162は、リブ構造1012によって安定して所定の位置に維持され得る。一部の例では、リブ構造1012は、装置の外側から見えないようにチューブ162を隠すこともできる。
【0147】
図13Bを参照すると、一部の実施形態による、袋の底面図が示されている。図示のように、袋1300の底面図は、開口1310を示す。底面図は、袋1300の底層1312bも示す。
【0148】
図13Cを参照すると、一部の実施形態による、袋の側面図が示されている。図示のように、袋1300の側面図は、袋1300の上層1312aと底層1312bの両方を示している。一部の実施形態では、袋1300は、他の材料の中でも、熱ポリウレタン(TPU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ビニル、熱ポリエチレンなどの材料を含み得る。一部の実施形態では、袋1300は非弾性材料を含むことができる。一部の実施形態では、上層1312aは約0.2mmの厚さを含むことができ、底層1312bは約0.2mmの厚さを含むことができる。
【0149】
図13D~13Fは、一部の袋の実施形態を示す。一例では、図13Dは、単一の空気室を有する袋を示す。別の例では、2つの別個の空気室を含む袋が図13Eに示されている。一例では、それぞれが独自の空気室を含む2つの袋が図13Fに示されている。
【0150】
図13Dを参照すると、一部の実施形態による、単一の空気室1314を含む袋1300Aが示されている。一例では、単一空気室1314は、空気を受け入れるように構成され、例えば、単一室1304からの空気の流入または放出により膨張または収縮することができる。一例では、袋1300は、図13Aに示したような1つ以上のステーを含むことができる。一例として、図13Aに記述されている袋1300は、単一の空気室1314であり、図13Aの袋1300の複数のエアポケット領域1304が連結されて単一のチャンバ1314を形成することができる。例えば、図13Aの各エアポケット領域1304間で空気が自由に通過することができる。ある例では、図13Aのエアポケット領域1304はステー1302によって部分的に分離されている可能性があるが、図13Aの各エアポケット領域1304は依然として接続されており、袋1300A全体内で空気が自由に流れることを可能にする(例えば、隔離されたり分離されたりしたエアポケット領域はない)。また、図12及び図13Aに示されたチューブ1306を受け入れるように構成されたチューブポート1308と、開口部1310(例えば、図12及び図13Aで記述された同じ開口部1310)も示されている。
【0151】
図13Eを参照すると、一部の実施形態による、2つの別個の空気室を含む袋1300Bが示されている。袋1300Bは、分離領域1316によって一緒に保持される2つの空気室、例えば、第1の空気室1314aおよび第2の空気室1314bを含むことができる。一例では、第1および第2の空気室1314a、1314bは、空気を受け入れる、例えば、各空気室1314a、1314bからの空気の流入または放出により膨張または収縮するように個別に構成され得る。一部の例では、各空気室1314a、1314bは、図13で説明したように、1つまたは複数のステー1302を含むことができる。13A.一例では、袋1300Bの個々の空気室1314a、1314bは、図13の袋1300について説明したものと同様に、複数のエアポケット領域1304およびステー1302をそれぞれ含む別個の空気室として機能することができる。13A.一部の実施形態では、単一の空気室を含む袋1300Aとは異なり、第1および第2の空気室1314a、1314bは両方とも気密であり、互いに隔離され得る。一例では、第1の空気室1314aは、第2の空気室1314bとは別個のおよび/または隔離された空気室であり、第1の空気室1314aからの空気は第2の空気室1314bに自由に流れることまたは移動することができず、またその逆も同様である。図示されるように、一部の実施形態では、第2の空気室1314bは、第1の空気室1314a内に延びるが依然として第1の空気室1314aから分離されている延長部分1317を含むことができる。一例では、図13に示すように、延長部分1317は、第1の空気室1314a内にy方向に延びることができる。13E。一部の実施形態では、分離領域1316は、袋1300Bの結合領域であり得る。一例では、分離領域1316は、ステー、例えば図13で詳細に説明したステー1302を含むことができる。13A.一部の実施形態では、分離領域1316は、第1の空気室1314aから第2の空気室1314bへの空気の移動を分離および/または隔離することができる。また、第1および第2の空気室1314a、1314bのそれぞれのためのチューブ(例えば、図12および13Aで説明したチューブ1306)を受け入れるように構成されたチューブポート1308a、1308bも示されている。複数の開口部1310も示されている(例えば、上記の図12および13Aで説明したのと同じ開口部1310)。
【0152】
図13Fを参照すると、一部の実施形態による、それぞれ独自の空気室を含む2つの袋1300C、1300Dが示されている。2つの袋1300C、1300Dは、第1の袋1300Cおよび第2の袋1300Dと呼ぶことができる。第1の袋1300Cは第1の空気室1314cを含むことができ、第2の袋1300Dは第2の空気室1314dを含むことができる。一例では、第1および第2の空気室1314c、1314dは、空気を受け取るように、例えば各空気室1314c、1314dからの空気の流入または放出により膨張または収縮するように個別に構成され得る。一部の例では、各空気室1314c、1314dは、図13Aで説明したように、1つまたは複数のステーを含むことができる。一例では、各袋1300C、1300Dの個々の空気室1314c、1314dは、図13Aの袋1300について説明したものと同様の複数のエアポケット領域1304およびステー1302をそれぞれ含む別個の空気室として機能することができる。一部の実施形態では、第1および第2の空気室1314c、1314dは両方とも気密であり、互いに隔離され得る。一例では、第1の袋1300Cは、第2の袋1300Dから分離および/または隔離されており、第1の袋1300Cからの空気は第2の袋1300Dに自由に流れることまたは移動することができず、またその逆も同様である。図示されるように、一部の実施形態では、第1の袋1300Cは、第2の袋1300Dの部分と重なる、例えば上または下に位置することができる重なり部分1318を含むことができる。図13Fでは、第2の袋1300Dが第1の袋1300Cと重ならないように示されているが、応用例では、第2の袋1300Dは、例えば重なり部分1318で第1の袋1300Cと重なり得る。一部の例では、第2の袋1300Dはまた、第1の袋1300Cの開口部1310(例えば、上記の図12および13Aで説明したのと同じ開口部1310)用の切り抜き部分1320を含み得る。また、第1および第2の袋1300C、1300Dのそれぞれのためのチューブ(例えば、図12および13Aで説明したチューブ1306)を受け入れるように構成されたチューブポート1308a、1308bも示されている。一部の実施形態では、図13Fには2つの袋1300C、1300Dが示されているが、本明細書に記載の他の実施形態は、2つ以上の袋の組み合わせの使用に限定されない。
【0153】
コンピュータシステム
図14は、本文書で説明される技術を実装する際に使用され得る例示的なコンピュータシステム1400のブロック図である。汎用コンピュータ、ネットワーク機器、モバイルデバイス、または他の電子システムも、システム1400の少なくとも一部を含むことができる。システム1400は、プロセッサ1410、メモリ1420、記憶装置1430、および入出力装置1440を含む。コンポーネント1410、1420、1430、および1440のそれぞれは、例えば、システムバス1450を使用して相互接続され得る。プロセッサ1410は、システム1400内で実行するための命令を処理することができる。一部の実施形態では、プロセッサ140はシングルスレッドプロセッサである。一部の実装形態では、プロセッサ1410はマルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1410は、メモリ1420または記憶装置1430に記憶された命令を処理することができる。
【0154】
メモリ1420は、システム1400内の情報を格納する。一部の実装形態では、メモリ1420は、非一時的なコンピュータ可読媒体である。一部の実装形態では、メモリ1420は揮発性メモリユニットである。一部の実装形態では、メモリ1420は不揮発性メモリユニットである。
【0155】
記憶装置1430は、システム1400に大容量ストレージを提供することができる。一部の実装形態では、記憶装置1430は、非一時的なコンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装において、記憶装置1430は、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、または他の何らかの大容量記憶装置を含み得る。例えば、記憶装置は、長期データ(例えば、データベースデータ、ファイルシステムデータなど)を記憶することができる。入出力デバイス1440は、システム1400に対する入出力動作を提供する。一部の実装形態では、入出力デバイス1440は、1つまたは複数のネットワークインターフェースデバイス、例えば、イーサネットカード、シリアル通信デバイス、例えば、RS-232ポート、および/またはワイヤレスインターフェイスデバイス、例えば、802.11カード、3Gワイヤレスモデム、または4Gワイヤレスモデムを含み得る。一部の実装形態では、入出力デバイスは、入力データを受信し、他の入出力デバイス、例えば、キーボード、プリンタ、および表示デバイス1460に出力データを送信するように構成されたドライバデバイスを含み得る。一部の例では、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、その他のデバイスを使用することもできる。
【0156】
一部の実装形態では、上述のアプローチの少なくとも一部は、実行時に1つまたは複数の処理装置に上述のプロセスおよび機能を実行させる命令によって実現され得る。このような命令には、例えば、スクリプト命令などの解釈された命令、実行可能コード、または非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された他の命令が含まれ得る。記憶装置1430は、例えばサーバファームまたは広く分散されたサーバのセットとして、ネットワーク上で分散された方法で実装されてもよいし、単一のコンピューティングデバイスで実装されてもよい。
【0157】
例示的な処理システムを図14に示したが、本明細書で説明される主題、機能動作およびプロセスの実施形態は、本明細書で開示される構造およびその構造等価物、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含む、他の種類のデジタル電子回路、有形に具体化されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェア、コンピュータハードウェアで実装することができる。本明細書で説明される主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置によって実行される、またはデータ処理装置の動作を制御するために有形の不揮発性プログラム担体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。代替的または追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、例えば、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される機械生成の電気信号、光信号、または電磁信号上に符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、ランダムアクセスメモリデバイスまたはシリアルアクセスメモリデバイス、またはそれらの1つ以上の組み合わせであり得る。
【0158】
「システム」という用語は、一例として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械を包含し得る。処理システムには、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)やASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路が含まれる場合がある。処理システムには、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらの組み合わせを構成するコードが含まれる場合がある。
【0159】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、またはコードとしても参照または記述されることがある)は、コンパイル言語またはインタプリタ言語、または宣言型または手続き型言語を含む、あらゆる形式のプログラミング言語で書かれることがあり、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境で使用するのに適した他のユニットとして、あらゆる形式で展開されることがある。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応する場合があるが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例:マークアップ言語ドキュメントに保存された1つ以上のスクリプト)、問題のプログラム専用の単一ファイル、または複数の調整されたファイル(例:1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を保存するファイル)に保存できる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ、または1つのサイトに配置されている、または複数のサイトに分散されて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるように展開できる。
【0160】
本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルコンピュータによって実行することができる。プロセスおよび論理フローは、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって実行することもでき、装置を該専用論理回路として実装することもできる。
【0161】
コンピュータプログラムの実行に適したコンピュータには、一例として、汎用もしくは専用マイクロプロセッサもしくはその両方、または任意の他の種類の中央処理装置が含まれ得る。一般に、中央処理装置は、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令とデータを受け取る。コンピュータは一般に、命令を実行するための中央処理装置と、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数の記憶装置とを含む。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、またはそれらからデータを受信するか、またはそれらにデータを転送するために動作可能に結合される。ただし、コンピュータにそのようなデバイスが搭載されている必要はない。さらに、コンピュータは、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオまたはビデオプレーヤー、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、ポータブル記憶装置(例:ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などの別の装置に組み込むこともできる。
【0162】
コンピュータプログラムの指示とデータを保存するのに適したコンピュータ読取り可能な媒体には、すべての形式の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスが含まれる。例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスクまたは取り外し可能ディスク)、磁気光学ディスク、CD-ROMおよびDVD-ROMディスクがる。プロセッサとメモリは、特殊な目的のロジック回路によって補完されるか、またはその中に組み込まれることがある。
【0163】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書で説明する主題の実施形態は、ユーザに情報を表示するものとして、例えばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどの表示装置、およびユーザがコンピュータに入力を行うことができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボールなど)を有するコンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、触覚的フィードバックなど、任意の形式の感覚的フィードバックとすることができる。ユーザからの入力は、音響、音声、触覚入力など、あらゆる形式で受け取ることができる。さらに、コンピュータは、ユーザが使用するデバイスとの間でドキュメントを送受信することにより(たとえば、Webブラウザから受信したリクエストに応じて、ユーザのユーザデバイス上のWebブラウザにWebページを送信することにより)、ユーザと対話できる。
【0164】
この明細書に記述された主題の実施形態は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバとして)、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを持つクライアントコンピューターや、この明細書に記述された主題の実装とユーザがやりとりできるWebブラウザ)を含むコンピューティングシステムに実装することができる。また、これらのバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの1つまたは複数の任意の組み合わせを含むこともできる。システムのコンポーネントは、あらゆる形態またはデジタルデータ通信の媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)とワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えばインターネットが含まれる。
【0165】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントとサーバは通常、互いにリモートにあり、通常は通信ネットワークを通じて対話する。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、相互にクライアントとサーバの関係を持つコンピュータプログラムによって発生する。
【0166】
本明細書には多くの特定の実装の詳細が含まれるが、これらは特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の要素の説明として解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態に関連して説明される特定の要素は、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な要素は、複数の実施形態で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、要素が特定の組み合わせで作用していると上記で説明されている場合や、最初はそのように請求項に記載されている場合でも、請求項に記載された組み合わせから一つまたは複数の要素が場合によっては組み合わせから除外されることがあり、請求項に記載された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに向けられる場合がある。
【0167】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または図示されたすべての動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。さらに、上述の実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることができることを理解されたい。
【0168】
主題の特定の実施形態について説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内に含まれる。例えば、特許請求の範囲に記載されたアクションは、異なる順序で実行されても、依然として望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図に示されているプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示されている特定の順序、または一連の順序を必要とするわけではない。特定の実装では、マルチタスクおよび並列処理が有利な場合がある。他のステップまたは段階が提供されてもよいし、説明されたプロセスからステップまたは段階が省略されてもよい。したがって、他の実装も特許請求の範囲に含まれる。
【0169】
用語
本明細書で使用される表現および用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなされるべきではない。
【0170】
測定値、サイズ、量などは、本明細書では範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、便宜と簡潔さのためにのみ提供されており、本発明の範囲を柔軟に制限するものとして解釈されるべきではない。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲およびその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。たとえば、1~20mなどの範囲の説明は、1m、2m、1~2m、2m未満、10~11m、10~12m、10~13m、10~14m、11~12m、11~13mなどの部分範囲が具体的に開示されていると解すべきである。
【0171】
さらに、図内のコンポーネントまたはシステム間の接続は、直接接続に限定されるものではない。むしろ、これらのコンポーネント間のデータまたは信号は、中間コンポーネントによって修正、再フォーマット、またはその他の方法で変更される可能性がある。また、追加または少数の接続を使用することもできる。「結合された」、「接続された」、または「通信的に結合された」という用語は、直接接続、1つまたは複数の中間デバイスを介した間接接続、無線接続などを含むものと理解されたい。
【0172】
本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「およそ」、語句「ほぼ等しい」、および他の同様の語句(例えば、「XはおよそYの値を有する」または「XはおよそYに等しい」)は、ある値(X)が別の値(Y)の所定の範囲内にあることを意味すると理解されたい。所定の範囲は、別段の指示がない限り、プラスまたはマイナス20%、10%、5%、3%、1%、0.1%、または0.1%未満であり得る。
【0173】
本明細書および特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」および「an」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素の「いずれかまたは両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「および/または」でリストされている複数の要素は、同じように解釈される必要がある。つまり、そのように結合された要素の「1つ以上」と解釈される。「および/または」節によって特に特定される要素以外に、特に特定される要素に関連するか無関係であるかにかかわらず、他の要素がオプションで存在する場合がある。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などの制限のない言語と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択でA以外の要素を含む);別の実施形態では、B)のみ(任意選択でA以外の要素を含む);さらに別の実施形態では、AとBの両方(任意選択で他の要素を含む)を指すことができる。
【0174】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「または」は、上で定義された「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区別する際、「または」または「および/または」は包括的と解釈されるべきであり、つまり、数値または要素のリストの中から、少なくとも一つ、複数を含むことと、オプションとして、リストに記載されていない追加の項目も含むことができる。「のうちの1つだけ(only one of)」や「のうちのちょうど1つ(exactly one of)」といった、反対の明確な指示がある用語、または、特許請求の範囲で使用された場合の「からなる(consisting of)」は、数値または要素のリストの中から正確に一つの要素の含有を指す。一般に、「いずれか(either)」、「のうちの1つ」、「のうちの1つだけ」、「のうちのちょうど1つ」といった排他性のある用語に先行された場合に、「または」という用語は、排他的な選択肢(つまり「一方または他方、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるべきである。「本質的に・・・からなる(consisting essentially of)」が、特許請求の範囲に記載されるときには、特許法の分野において使用される通常の意味を有する。
【0175】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つまたは複数の要素のリストに関して「少なくとも1つの」という語句は、要素のリストの任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきである。ただし、要素のリスト内に具体的にリストされているすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含む必要はなく、要素のリスト内の要素の組み合わせを除外する必要はない。この定義は、「少なくとも1つ」という語句が指す要素のリスト内で特に特定された要素以外の要素が、特に特定された要素に関連するか無関係であるかに関係なく、オプションで存在することも許可する。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」は、一実施形態では、Bが存在しない(および任意でB以外の要素を含む)少なくとも1つの、場合により複数のAを含み、別の実施形態では、Aが存在しない(および任意でA以外の要素を含む)少なくとも1つの、場合により複数のBを含み、さらに別の実施形態では、任意に複数を含む少なくとも1つのA、および任意に複数を含む少なくとも1つのB(および任意に他の要素を含む)等を指す。
【0176】
「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」、「関与する」およびそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目および追加の項目を包含することを意味する。
【0177】
請求項における請求項要素を修飾するための「第1」、「第2」、「第3」などの序数用語の使用は、それ自体、ある請求項要素の他の請求項に対する優先順位、または順序、または方法の動作が実行される時間的順序を意味するものではない。序数用語は、クレーム要素を区別するために、特定の名前を持つ1つのクレーム要素を同じ名前(ただし順序を示す序数用語は使用される)を持つ別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される。
【0178】
このように、本発明の少なくとも1つの実施形態の一部の態様を説明したが、当業者であれば、様々な変更、修正、および改良が容易に思いつくであろうことを理解されたい。そのような変更、修正、および改良は、本開示の一部であることが意図されており、本発明の精神および範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明および図面は単なる例に過ぎない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図13F
図14
【国際調査報告】