(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ACLYに作用する長鎖系化合物、その調製方法およびその用途
(51)【国際特許分類】
C07C 57/42 20060101AFI20240912BHJP
C07C 57/13 20060101ALI20240912BHJP
C07C 61/35 20060101ALI20240912BHJP
C07C 69/753 20060101ALI20240912BHJP
C07D 409/04 20060101ALI20240912BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240912BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20240912BHJP
C07D 401/04 20060101ALI20240912BHJP
C07D 407/12 20060101ALI20240912BHJP
C07D 417/12 20060101ALI20240912BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240912BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240912BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240912BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240912BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240912BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240912BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240912BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20240912BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240912BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240912BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240912BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240912BHJP
A61K 31/194 20060101ALI20240912BHJP
A61K 31/225 20060101ALI20240912BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20240912BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20240912BHJP
A61K 31/495 20060101ALI20240912BHJP
C07D 213/74 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
C07C57/42
C07C57/13 CSP
C07C61/35
C07C69/753 Z
C07D409/04
C07D401/14
C07D401/12
C07D401/04
C07D407/12
C07D417/12
A61P3/00
A61P35/00
A61P3/06
A61P9/10
A61P1/16
A61P3/10
A61P35/02
A61P1/18
A61P11/00
A61P15/00
A61P1/00
A61P25/00
A61K31/194
A61K31/225
A61K31/496
A61K31/427
A61K31/495
C07D213/74
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518682
(86)(22)【出願日】2022-09-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2022120328
(87)【国際公開番号】W WO2023045986
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111116425.5
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513299225
【氏名又は名称】上海 インスティテュート オブ マテリア メディカ、チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】555 Zuchongzhi Road, Zhangjiang, Pudong, Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナン,ファジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンヤ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イー
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ガオレイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジーフー
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ヤンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,メイ
(72)【発明者】
【氏名】スン,シンユー
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,レイ
(72)【発明者】
【氏名】マー,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユロウ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC50
4C086BC82
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
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4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC21
4C086ZC33
4C086ZC35
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
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4C206KA01
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4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA02
4C206ZA45
4C206ZA59
4C206ZA66
4C206ZA75
4C206ZA81
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC33
4C206ZC35
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB27
4H006AB28
4H006AC46
4H006AC48
4H006BB14
4H006BB20
4H006BJ20
4H006BM71
4H006BM72
4H006BS10
4H006BS20
4H006KA01
4H006KC20
4H006KD10
(57)【要約】
本発明は、長鎖系化合物、その調製方法およびその用途を開示し、構造は、式Iに示されたとおりであり、式において、各置換基の定義は、明細書および特許請求の範囲に記載されたとおりである。本発明の化合物は、ACLYを直接阻害し、初代肝細胞における脂質合成を阻害し、H358等の様々な癌細胞における脂質の新規合成、ヒストンのアセチル化を阻害することができ、癌細胞の増殖を阻害することができ、高脂血症、アテローム性動脈硬化症等の代謝性疾患、または肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、肝臓がん、腸がん、脳がん、急性骨髄性白血病等の様々な癌を治療するための薬物の調製に使用されることができる。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
式において、
【化2】
は、二重結合または単結合を表し、
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
3、R
4は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
3およびR
4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
5、R
6は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
5およびR
6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
m、nおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、
Zは、-OH、-COOH、-COOR
7、-SO
3Hまたは-CONHR
7であり、ここで、R
7は、C1-C4アルキル基であり、
Xは、-CO-、-O-、-NH-、-S-、-CH
2-、
【化3】
であり、
Yは、H、C6-C10アリール基、C1-C4アルキル基またはアダマンチル基(Ad-)であるか、あるいはYは、
【化4】
であり、
ここで、linkerは、C1-C20アルキレン基またはポリエチレングリコールであるか、あるいは当該linkerがなく、
前記各C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指すことを特徴とする、前記一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物は、式IIに示される構造を有することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化5】
【請求項3】
前記化合物は、式IIIに示される構造を有することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化6】
【請求項4】
前記化合物は、式IVに示される構造を有し、
【化7】
Wは、存在なし、-O-、-NH-、-S-または-CH
2-であることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成し、
R
3、R
4は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
3およびR
4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成し、
R
5、R
6は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
5およびR
6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
m、nは、それぞれ独立して、1、2、3、4または5であり、および/または
qは、0、1、2、3または4であることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であり、
前記C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基、-CO-(5~7員ヘテロシクリル)-(5~7員ヘテロアリール基)からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、前記基は、C6-C10アリール基、ハロゲン化C6-C10アリール基、カルボキシ置換C6-C10アリール基、C1-C4アルキル置換C6-C10アリール基、C1-C4ハロゲン化アルキル置換C6-C10アリール基からなる群から選択される置換基によって任意にさらに置換されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物は、以下からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【請求項9】
医薬組成物であって、
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩または請求項9に記載の医薬組成物の使用であって、
ACLY阻害剤の調製、または代謝性疾患または癌を予防および/または治療するための薬物の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
前記代謝性疾患は、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝、糖尿病からなる群から選択され、
前記癌は、肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、肝臓がん、腸がん、脳がん、急性骨髄性白血病からなる群から選択されることを特徴とする
請求項10に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化学の分野に属し、新規ACLY阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびその調製方法、並びに当該タイプの阻害剤を含む医薬組成物に関し、当該タイプの阻害剤は、ACLYを直接阻害し、初代肝細胞における脂質合成を阻害し、H358等の様々な癌細胞における脂質の新規合成、ヒストンのアセチル化を阻害することができ、その増殖を阻害することができ、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝炎等の代謝性疾患、または肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、肝臓がん、腸がん、脳がん、急性骨髄性白血病等の様々な癌疾患を治療するための薬物の調製に使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
ATPクエン酸リアーゼ(ACLY)は、グルコースと脂質の代謝において重要な位置を占める。ミトコンドリアで産生されるアセチルコエンザイムA(Ac-CoA)は、ミトコンドリア膜を直接通過して細胞質に到達することはできないが、AC-CoAは、トリカルボン酸循環に入ることができ、トリカルボン酸循環によって産生されるクエン酸は、ミトコンドリア膜上のクエン酸トランスポーターを介して細胞質に輸送され、細胞質におけるクエン酸および補酵素A(CoA)は、ACLYによって触媒されて、一つの分子のATPを消費しながらアセチルコエンザイムAおよびオキサロ酢酸を産生する。体内におけるアセチルコエンザイムAは、次のような生物学的機能を三つに要約することができる。脂肪酸合成経路において、それは、アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ(ACC)によってカルボキシル化されてマロニル補酵素Aが形成され、関連する脂肪酸シンターゼによって最終的に脂肪酸を生成し、アセチルコエンザイムAは、メバロン酸経路の前駆体でもあり、この経路は、ファルネシルピロリン酸(FPP)を合成することができ、FPPは、コレステロールの合成に関与し、さらに、アセチルコエンザイムAは、アセチル化反応の原料ともなり、ヒストンを含む様々なタンパク質のアセチル化に関与する。ACLYは、体内のアセチルコエンザイムAを制御することにより、体内の脂質合成およびエピジェネティックな制御に関与する。
【0003】
高脂血症、アテローム性動脈硬化症および非アルコール性脂肪肝等の様々な代謝性疾患は、すべて自体の脂質合成レベルの向上に関連しており、ACLYは、細胞質でAc-CoAを産生する主な酵素として、脂質合成の原料を提供し、脂質合成の重要な役割を果たし、ACLYに作用する薬物のベンペド酸(Bempedoic acid)は、肝臓の脂質合成レベルを大幅に低下させることができる。さらに、ベンゼンスルホンアミド等のACLY阻害剤の脂質低下効果も、細胞レベルで検証される。
【0004】
代謝の組換えは、癌細胞の最も一般的かつ主要な特徴であり、これは、癌細胞の急速な増殖に大量のエネルギーおよび高分子物質が必要であり、癌細胞のこのような「需要」を満たすために、その代謝は、大きく変化するからである。癌組織がしばしば不規則な形状の塊に成長するため、癌細胞は、周囲の血管から脂質を取得することが非常に困難になり、それら自体の新たな脂質新規合成は、通常、高レベルであり、それら増殖に必要な脂質の主な供給源である。異常なエピジェネティック制御は、癌細胞のもう一つの主要な特徴であり、エピジェネティック制御の重要な部分として機能し、ヒストンのアセチル化は、非常に重要な役割を果たし、ヒストンのアセチル化レベルが増加すると、クロマチンん構造が弛緩し、転写活性化状態になり、逆に、ヒストンのアセチル化レベルは低く、クロマチン構造は、堅く、転写阻害状態にある。研究により、多くの癌の発生は、ヒストンのアセチル化レベルの増加と密接に関連していることを示す。ACLYによって触媒されて産生されたアセチルコエンザイムAは、脂質合成の原料となるだけでなく、ヒストンのアセチル化にも関与する。研究により、非小細胞肺がん、乳がん、肝臓がん等を含む様々な癌でACLYを高度に発現し、ACLYの高度な発現は、関連癌の予後不良と密接に関連している。
【0005】
要約すると、ACLY阻害剤の開発は、代謝性疾患および癌の臨床治療に使用されることが期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ACLY阻害活性を有する新規化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することであり、「薬学的に許容される塩」は、前記化合物におけるカルボン酸基によって形成されるナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、または当該シリーズの化合物が窒素を含む場合に形成される無機酸塩を含むが、これらに限定されない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【化1】
式において、
【化2】
は、二重結合または単結合を表し、
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
3、R
4は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
3およびR
4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
5、R
6は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
5およびR
6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
m、nおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、
Zは、-OH、-COOH、-COOR
7、-SO
3Hまたは-CONHR
7であり、ここで、R
7は、C1-C4アルキル基であり、
Xは、-CO-、-O-、-NH-、-S-、-CH
2-、
【化3】
であり、
Yは、H、C6-C10アリール基、C1-C4アルキル基またはアダマンチル基(Ad-)であるか、あるいはYは、
【化4】
であり、
ここで、linkerは、C1-C20アルキレン基またはポリエチレングリコールであるか、あるいは当該linkerがなく、
上記各C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指す。
【0008】
別の好ましい例において、
【化5】
は、二重結合を表し、二重結合の配置は、シスまたはトランスである。
【0009】
別の好ましい例において、前記化合物は、式IIに示される構造を有する。
【化6】
【0010】
別の好ましい例において、前記化合物は、式IIIに示される構造を有する。
【化7】
【0011】
別の好ましい例において、前記化合物は、式IVに示される構造を有し、
【化8】
Wは、存在なし、-O-、-NH-、-S-または-CH
2-である。
別の好ましい例において、R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成する。
【0012】
別の好ましい例において、R1、R2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であり、
上記C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基、-CO-(5~7員ヘテロシクリル)-(5~7員ヘテロアリール基)からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、上記基は、C6-C10アリール基、ハロゲン化C6-C10アリール基、カルボキシ置換C6-C10アリール基、C1-C4アルキル置換C6-C10アリール基、C1-C4ハロゲン化アルキル置換C6-C10アリール基からなる群から選択される置換基によって任意にさらに置換される。
【0013】
別の好ましい例において、R1、R2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C6-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であり、上記C1-C4アルキル基、C6-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C5-C6シクロアルキル基、C6-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基、-CO-(6員窒素含有ヘテロシクリル)-(6員ヘテロアリール基)からなる群から選択される1、2または3個の置換基によって置換されることを指し、上記基は、C6-C10アリール基、ハロゲン化C6-C10アリール基、カルボキシ置換C6-C10アリール基、C1-C4アルキル置換C6-C10アリール基、C1-C4ハロゲン化アルキル置換C6-C10アリール基からなる群から選択される置換基によって任意にさらに置換される。
【0014】
別の好ましい例において、R3、R4は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R3およびR4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成する。
【0015】
別の好ましい例において、R5、R6は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R5およびR6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成する。
【0016】
別の好ましい例において、m、nは、それぞれ独立して、1、2、3、4または5である。
別の好ましい例において、qは、0、1、2、3または4である。
【0017】
別の好ましい例において、R1およびR2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の4員環、飽和の5員環、飽和の6員環、一つの不飽和二重結合を含む4員環、一つの不飽和二重結合を含む5員環または一つの不飽和二重結合を含む6員環を形成する。
【0018】
別の好ましい例において、R3およびR3は、結合した炭素と一緒になって、飽和の4員環、飽和の5員環、飽和の6員環、一つの不飽和二重結合を含む4員環、一つの不飽和二重結合を含む5員環または一つの不飽和二重結合を含む6員環を形成する。
【0019】
別の好ましい例において、R5およびR6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の4員環、飽和の5員環、飽和の6員環、一つの不飽和二重結合を含む4員環、一つの不飽和二重結合を含む5員環または一つの不飽和二重結合を含む6員環を形成する。
【0020】
別の好ましい例において、Yは、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ベンゼン環、ナフタレン環、メトキシ基、エトキシ基、アダマンチル基、またはp個のハロゲン置換を有する芳香環(ベンゼン環またはナフタレン環)であり、ここで、pは、1、2、3、4、5、好ましくは1または2であり、上記ハロゲンは、FまたはClまたはBrまたはIであり、あるいはYは、アセチルコエンザイムAシンターゼ2(ACSS2)阻害活性を有する構造断片であり、
【化9】
またはYは、以下のヒストンメチルトランスフェラーゼEZH
2阻害活性を有する構造断片であり、現時点では、化合物は、ACLYおよびEZH
2の阻害活性を同時に有し、
【化10】
またはYは、E3リガーゼリガンドを含む構造である。
【化11】
【0021】
別の好ましい例において、前記化合物は、M1~M40からなる群から選択される。
【0022】
本発明の第2の態様は、ACLY活性を有する化合物の医薬組成物を提供し、当該組成物は、第1の態様に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む。
【0023】
本発明に記載の薬物組み合わせの剤形は、錠剤、カプセル、顆粒、シロップ、溶液、懸濁溶液またはエアロゾル剤を含むが、これらに限定されない、様々な剤形であり得る。
【0024】
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトでの使用に適しており、十分な純度および十分に低い毒性を有さなければならない、一つまたは複数の適合性のある固体または液体充填剤またはゲル物質を指す。ここでの「適合性」とは、組成物中の各成分が、有効成分の効力を著しく低下させることなく、本発明の化合物およびそれらの間でブレンドできることを指す。薬学的に許容される担体の一部の例としては、セルロースとその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース等)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ごま油、落花生油、オリーブ油等)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等)、乳化剤(例えば、トゥイーン(tween)R)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、着色剤、香料、安定剤、抗酸性化剤、防腐剤、パイロジェンフリー水等を含む。
【0025】
本発明の第3の態様は、ACLY阻害剤として使用するための、ACLY阻害剤を調製するための、または代謝性疾患または癌を予防および/または治療するための薬物の調製するための、第1の態様に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩または第2の態様に記載の医薬組成物の用途を提供する。
【0026】
別の好ましい例において、前記代謝性疾患は、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝、糖尿病からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記癌は、肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、肝臓がん、腸がん、脳がん、急性骨髄性白血病からなる群から選択される。
【0027】
本発明の第4の態様は、ACLY阻害活性を有する化合物と他の抗がん薬物(治療法)と併用する治療方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。明細書に開示される各特徴は、同じ、均等または同様の目的を提供する任意の代替性特徴によって置換されることができる。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の発明者らは、広範囲かつ綿密な研究後、長鎖化合物を開発し、当該シリーズの化合物は、ACLY阻害活性を有し、A549、 H358、ASPC-1、MIA-PACA、MCF-7等の様々な癌細胞において非常に良好なACLY阻害活性を示し、ヒストンのアセチル化レベルを低下させ、癌細胞の増殖を阻害し、癌または代謝性疾患の治療薬物としての開発が期待されている。これに基づいて、本発明が完了された。
【0030】
用語
本発明において、特に明記しない限り、使用される用語は、当業者に知られている通常の意味を有する。
本発明において、「C1-C4」という用語は、1、2、3または4個の炭素原子を有することを指す。「C3-C7」という用語は、3、4、5、6または7個の炭素原子を有することを指す。上記のように類推する。
【0031】
本発明において、「アルキル基」という用語は、飽和の線形または分岐鎖の炭化水素部分を表し、例えば、「C1-C4アルキル基」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を指し、非限定的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基を含む。
【0032】
本発明において、「アルケニル基」という用語は、少なくとも一つの二重結合を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素基部分を表し、例えば、「C2-C4アルケニル基」という用語は、2~4個の炭素原子を有する一つの二重結合を含む直鎖または分岐鎖アルケニル基であり、非限定的にはビニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基が挙げられる。
【0033】
本発明において、「アルキニル基」という用語は、一つの三重結合を含む直鎖または分岐鎖のアルキニル基を指し、非限定的にはエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、イソブチニル基等を含む。
【0034】
本発明において、「シクロアルキル基」という用語は、飽和の環状炭化水素基部分を表し、例えば、「C3-C7シクロアルキル基」という用語は、環上に3~7個の炭素原子を有する環状アルキル基を指し、非限定的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を含む。
【0035】
本発明において、「シクロアルケニル基」という用語は、少なくとも一つの二重結合を含む環状炭化水素基部分を表し、例えば、「C3-C7シクロアルケニル基」という用語は、環上に3~7個の炭素原子を有する環状アルキル基を指し、非限定的にはシクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等を含む。
【0036】
本発明において、「アリール基」という用語は、一つまたは複数の芳香環を含む炭化水素基部分を表す。例えば、「C6-C10アリール基」という用語は、フェニル基、ナフチル基等の環上のヘテロ原子を含まない6~10個の炭素原子を有する芳香族環基を指す。
【0037】
本発明において、「ヘテロシクリル基」という用語は、テトラヒドロピリジル基、ピペラジニル基、ピロリニル基、ジヒドロピリジル基、ジヒドロフリル基、ジヒドロチエニル基、モルホリニル基等の、少なくとも一つ(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を含む飽和または不飽和の非芳香族環式基を指す。
【0038】
本発明において、「ヘテロアリール基」という用語は、フリル基、ピロリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、ピリミジニル基、ピラニル基等の、少なくとも一つ(例えば、1、2、3または4個)の環ヘテロ原子(例えば、N、OまたはS)を含む芳香族環式基を指す。
【0039】
本発明に記載の薬学的に許容される塩は、陰イオンおよび式Iの化合物上の正に荷電した基によって形成される塩であり得る。適切な陰イオンは、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、クエン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオン、リンゴ酸イオン、トシル酸イオン、酒石酸イオン、フマル酸イオン、グルタミン酸イオン、グルクロン酸イオン、乳酸イオン、グルタル酸イオンまたはマレイン酸イオンである。同様に、陽イオンおよび式Iの化合物上の負に荷電した基によって塩を形成することができる。適切な陽イオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、および例えばテトラメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオンを含む。
【0040】
調製方法
本発明に記載の一般式I、II、III、IVの化合物は、以下の経路を通じて調製および合成されることができる。
経路1
【化12】
【0041】
(1)1-アルキニルアルコール化合物A1および過剰の3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(DHP)をp-トルエンスルホン酸(TsOH)の触媒下で中間体A3を生成し、1-ヒドロキシブロミドおよび過剰の3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(DHP)をp-トルエンスルホン酸(TsOH)の触媒下で中間体A4を生成する。
(2)A3およびA4をn-ブチルリチウム(n-BuLi)およびヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)の条件下で中間体A5を生成する。
【0042】
(3)中間体A5をTsOHの触媒下でメタノール中で脱保護して、中間体A6を生成する。
(4)中間体A6を四臭化炭素およびトリフェニルホスフィン(PPh3)とAppel反応させて、中間体A7を生成する。
(5)A7を酢酸ニッケル、水素化ホウ素ナトリウムおよびエチレンジアミンを使用して水素ガス条件下でA8に変換する。
【0043】
(6)A8とα位に活性水素を有するエステルとをリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の条件下でA9を生成する。
(7)A9を水酸化カリウムの存在下で加水分解し、さらに酸性化してA10を得る。
R3、R4、R5、R6、m、nは、一般式Iに記載されたとおりであり、R7、R8は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基である。
【0044】
【0045】
(1)中間体A15を180℃で四水素リチウムアルミニウム(LiAlH4)によってトランス二重結合を含む中間体A11に還元される。
(2)中間体A11をTsOHの触媒下でメタノール中で脱保護して、中間体A12を生成する。
(3)中間体A12と四臭化炭素およびトリフェニルホスフィン(PPh3)とをAppel反応させて、中間体A13を生成する。
(4)中間体A13とα位に活性水素を有するエステルとをリチウムジイソプロピルアミド条件下でA14を生成する。
(5)A14を水酸化カリウムの存在下で加水分解し、さらに酸性化してA15を得る。
【0046】
【0047】
(1)中間体A15を140℃で四水素リチウムアルミニウム(LiAlH4)によってトランス二重結合を含む中間体A11に還元される。
(2)化合物A10と化合物A16とをジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)の条件下で縮合反応させて、化合物A17を生成するか、または縮合剤N,N,N′,N′-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ヘキサフルオロ尿素ホスフェート(HATU)の条件下で縮合反応して、化合物A17を生成するか、またはA10を塩化オキサリルによって酸塩化物に変換してからA16と一緒にA17に変換するか、またはA10とA16とを炭酸カリウム中の塩基として使用してA17を生成し、化合物A15と化合物A16とをジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)の条件下で縮合反応して、化合物A18を生成するか、または縮合剤N,N,N′,N′-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ヘキサフルオロ尿素ホスフェート(HATU)の条件下で縮合反応して、化合物A18を生成するか、またはA15を塩化オキサリルを介して酸塩化物に変換し、A16とA18に変換するか、またはA15とA16とを炭酸カリウムで塩基として作用してA18を生成する。
【0048】
R3、R4、R5、R6、m、n、Y、Wは、一般式IVに記載されたとおりであり、R7、R8は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基であり、さらに、A16のZは、ヒドロキシ基またはハロゲンである。
【0049】
【0050】
(1)中間体A117とα位に活性水素を有するエステルとをリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の条件下で中間体A19を生成する。
(2)A19をテトラキストリフェニルホスホ白金の触媒下で二ホウ酸ピナコールと反応させるか、またはトリス(アセトニトリル)シクロペンタジエニルルテニウムヘキサフルオロホスフェートの触媒下でピナコルボランと反応させてA20を生成する。
(3)A20をテトラキストリフェニルリンパラジウムの触媒下でR1L1またはR2L2とカップリング反応させて、化合物A21を得る。
(4)A21を塩基性条件下で加水分解し、酸性化して、化合物A22を得る。
【0051】
R3、R4、R5、R6、m、nは、一般式Iに記載されたとおりであり、R7、R8は、それぞれ独立して、メチル基またはエチル基であり、L1、L2は、それぞれ独立して、ハロゲン、即ちF、Cl、BrまたはIである。
【0052】
経路1における中間体A7は、以下の経路5によっても合成されることができる。
経路5
【化16】
【0053】
(1)キシレンに懸濁したナトリウムアセチリドおよびジハロゲン化物A34をDMF中で反応させて、中間体A35を生成する。
(2)A35をヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)の存在下で、溶媒テトラヒドロフラン(THF)中でn-ブチルリチウムによって脱水素化され、ジハロゲン化物A36と反応させて、ジクロリドA37を生成する。
(3)中間体A37と週化リチウムとを有機溶媒中で還流して、A7を生成する。
【0054】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてされに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常、例えば、Sambrookら、分子クローニング:実験マニュアル(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)に記載される条件等の従来の条件、またはメーカーによって提案された条件に従う。特に明記しない限り、パーセンテージと部数は、重量のパーセンテージおよび重量の部数である。
【0055】
別に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語および科学的用語は、当業者によく知られている用語と同じ意味を持つ。さらに、記載された内容と類似または同等の任意の方法および材料は、すべて本発明の方法に適用されることができる。本明細書に記載の好ましい実施方法と材料とは、デモンストレーションのみの目的として使用される。
【0056】
本発明に記載の実施例において、NMRは、Bruker400M機器で測定し、NMRキャリブレーション:δH7.26ppm(CDC13)、2.50ppm(DMSO-d6)、2.05ppm(Acetone-d6)、質量分析は、Agilent 1200 Quadrupole LC/MSLC/MSを使用し、TLC薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレートは、山東煙台会友シリカゲル開発株式会社によって製造され、モデルHSGF254、化合物の精製に使用した順相カラムクロマトグラフィーシリカゲルは、山東青島海洋化学工場支社によって製造され、モデルzcx-11、200~300メッシュ、他の一般的に使用される市販の試薬は、上海試薬会社によって提供される。
【0057】
【0058】
(1)化合物B3およびB4の調製
窒素ガス保護下で、4.6gの化合物B1(36.0mmol)を40mlのジクロロメタン(DCM)に溶解させ、1.2gのp-トルエンスルホン酸TSOH(7.2mmol)を加え、氷水浴中で冷却し、6.1gの3,4-ジヒドロ-2H-ピランを滴下し、室温で一晩反応させる。TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlのDCMを加えて希釈し、水で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、7.1gの生成物B3を得、収率は95%である。
【0059】
窒素ガス保護下で、5.0gの化合物B2(27.6mmol)を40mlのジクロロメタンに溶解させ、951mgのp-トルエンスルホン酸TSOH(5.5mmol)を加え、氷水浴中で冷却し、4.6gの3,4-ジヒドロ-2H-ピランを滴下し、室温で一晩反応させる。TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlのDCMを加えて希釈し、水で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、5.9gの無色油状物の生成物B4を得、収率は69%である。
【0060】
(2)化合物B5の調製
化合物2.0gのB3(9.4mmol)を20mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、窒素ガスで保護し、3回換気し、-78℃で冷却し、4.7mlのn-ブチルリチウム(2.4M 11.3mmol)を滴下し、4.0mlのヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)を加え、-78℃で30分間反応させ、3.0gの化合物B4(11.3mmol)を8mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させた後、上記反応ボトルに滴下し、-78℃から室温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=10:1でカラムを通過させて、3.2gの無色油状物の生成物B5を得、収率は84%である。
【0061】
(3)化合物B6の調製
3.2gの化合物B5(7.9mmol)を30mlのメタノールに溶解させ、136mgのp-トルエンスルホン酸TsOH(0.79mmol)を加え、室温で4時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、メタノールを遠心分離し、60mlの酢酸エチルを加え、水で3回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=3:1でカラムを通過させて、1.3gの白色固体の生成物B6を得、収率は73%である。
【0062】
(4)化合物B7の調製
1.9gのB6(8.4mmol)および5.6g四臭化炭素(16.8mmol)を20mlの乾燥塩化メチルに溶解させ、窒素ガスで保護し、0℃で冷却し、4.4gのトリフェニルホスフィン(16.8mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解させ、上記反応ボトルに滴下し、室温に昇温させて2時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、ほとんどの溶媒を遠心分離し、80mlのエチルエーテルをゆっくりと滴下し、大量の固体が析出され、珪藻土ろ過により固体を除去し、エチルエーテルで固体を洗浄し、ろ液を濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、2.8gの無色油状の生成物B7を得、収率は95%である。
【0063】
(5)化合物B8の調製
477mgの酢酸ニッケル(1.9mmol)を10mlのエタノールに懸濁し、72mgの水素化ホウ素ナトリウム(1.9mmol)を加え、溶液が薄緑色から黒色に変わり、水素バルーンを加え、複数回換気し、0.58mlのエチレンジアミンを加え、1.4gのB7のエタノール溶液を滴下し、室温で3時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、40mlの酢酸エチルを加えて希釈し、珪藻土ろ過により固体を除去し、ろ液を濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、900mgの無色油状の生成物を得、収率は67%である。
【0064】
(6)化合物B10の調製
150mgのB8(0.4mmol)および453mgのB9(2.5mmol)を8mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、窒素ガスで保護し、換気し、-78℃で冷却し、1.3mlのリチウムジイソプロピルアミドLDA(2.0M 2.6mmol)を滴下し、溶液は、無色からオレンジ色に変換し、-78℃から常温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、40mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=20:1でカラムを通過させて、200mgの無色油状の生成物B10を得、収率は77%である。
【0065】
(7)化合物M1の調製
180mgのB10(0.28mmol)を8mlのエタノールに溶解させ、180mgの水酸化カリウムを2mlの水に溶解させ、上記反応ボトルに加え、一晩還流反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、エタノールを遠心分離し、16mlの水を加えて希釈し、1Mの塩酸でpHを約2に調節し、固体が析出され、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=2:1でカラムを通過させて、110mgの淡黄色固体の生成物M1を得、収率は80%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.42-7.28(m,8H),7.27-7.19(m,2H),5.41-5.25(m,2H),2.21-2.05(m,2H),2.05-1.95(m,4H),1.92-1.80(m,2H),1.54(s,3H),1.51(s,3H),1.42-1.02(m,16H)。
【0066】
異なる基質を交換し、M1と同様の合成経路を使用することによって、以下の化合物を得る。
【化18】
【0067】
化合物M2:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.63-5.58(m,4H),5.36-5.30(m,2H),2.92(d,J=15.1Hz,4H),2.29(d,J=15.1Hz,4H),2.06-1.96(m,4H),1.75-1.65(m,4H),1.31-1.21(m,16H)。
【0068】
化合物M3:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.66-5.55(m,4H),5.39-5.26(m,2H),2.91(d,J=16.1Hz,4H),2.30(d,J=16.1Hz,4H),2.08-1.93(m,4H),1.75-1.64(m,4H),1.35-1.22(m,18H)。
【0069】
化合物M4:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.40-5.25(m,2H),2.22-2.07(m,4H),2.07-1.95(m,4H),1.70-1.53(m,13H),1.51-1.41(m,4H),1.37-1.14(m,17H)。
【0070】
化合物M5:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.85-5.78(m,2H),5.77-5.70(m,2H),5.39-5.27(m,2H),2.46-2.30(m,6H),2.07-1.95(m,4H),1.76(dt,J=17.4,6.1Hz,4H),1.64-1.47(m,2H),1.29(d,J=21.1Hz,16H)。
【0071】
化合物M6:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.73-5.55(m,4H),5.39-5.21(m,2H),2.54(d,J=16.9Hz,2H),2.21-2.09(m,2H),2.09-1.95(m,8H),1.95-1.85(m,2H),1.68-1.55(m,4H),1.54-1.45(m,2H),1.37-1.28(m,4H),1.28-1.15(m,12H)。
【0072】
化合物M7:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 6.14-6.01(m,2H),5.39-5.28(m,2H),5.18-5.08(m,4H),2.08-1.94(m,4H),1.84-1.68(m,2H),1.58-1.44(m,2H),1.39-1.11(m,22H)。
【0073】
化合物M8:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.70-5.58(m,4H),5.37-5.27(m,2H),2.54(d,J=16.9Hz,2H),2.23-2.09(m,2H),2.08-1.95(m,8H),1.94-1.84(m,2H),1.71-1.54(m,4H),1.54-1.43(m,2H),1.38-1.13(m,17H)。
【0074】
化合物M9:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.39-7.31(m,10H),5.44-5.31(m,2H),2.14-1.89(m,8H),1.55-1.50(m,6H),1.40-1.15(m,10H)。
【0075】
化合物M10:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 6.10-5.97(m,2H),5.41-5.27(m,2H),5.12(d,J=13.9Hz,4H),2.07-1.92(m,4H),1.80-1.66(m,2H),1.64-1.49(m,2H),1.35-1.23(m,24H)。
【0076】
化合物M11:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.40-7.31(m,8H),7.27-7.21(m,2H),5.41-5.23(m,2H),2.10-1.85(m,8H),1.55(s,6H),1.33-1.18(m,18H)。
【0077】
化合物M12:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.75-5.56(m,4H),5.41-5.24(m,2H),2.53(d,J=17.3Hz,2H),2.21-2.08(m,2H),2.05-1.97(m,6H),1.95-1.87(m,2H),1.67-1.48(m,6H),1.33-1.23(m,22H)。
【0078】
化合物M13:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.85-5.78(m,2H),5.78-5.69(m,2H),5.40-5.24(m,2H),2.48-2.29(m,6H),2.09-1.89(m,5H),1.87-1.67(m,4H),1.66-1.52(m,2H),1.43-1.13(m,18H)。
【0079】
化合物M14:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.86-5.78(m,2H),5.77-5.69(m,2H),5.39-5.28(m,2H),2.46-2.32(m,6H),2.06-1.93(m,4H),1.83-1.71(m,4H),1.64-1.55(m,2H),1.32-1.24(m,14H)。
【0080】
【0081】
(1)化合物B13およびB14の調製
窒素ガス保護下で、4.1gの化合物B11(41.2mmol)を30mlのジクロロメタン(DCM)に溶解させ、1.5gのp-トルエンスルホン酸TSOH(8.2mmol)を加え、氷水浴中で冷却し、7.4mlの3,4-ジヒドロ-2H-ピランを滴下し、室温で一晩反応させる。TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlのDCMを加えて希釈し、水で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、5.5gの無色油状の生成物B13を得、收率39%である。
【0082】
窒素ガス保護下で、3.5gの化合物B12(20.9mmol)を30mlのジクロロメタンに溶解させ、794mgのp-トルエンスルホン酸TSOH(4.2mmol)を加え、氷水浴中で冷却し、3.9mlの3,4-ジヒドロ-2H-ピランを滴下し、室温で一晩反応させる。TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlのDCMを加えて希釈し、水で2回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、6.3gの無色油状物の生成物B14を得、収率は75%である。
【0083】
(2)化合物B15の調製
化合物1.8g B13(9.9mmol)を20mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、窒素ガスで保護し、3回換気し、-78℃で冷却し、7.4mlのn-ブチルリチウム(1.6M 11.9mmol)を滴下し、3.0mlのヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)を加え、-78℃で30分間反応させ、2.5gの化合物B14(11.3mmol)を6mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させた後、上記反応ボトルに滴下し、-78℃から室温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、50mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=10:1でカラムを通過させて、1.9gの無色油状の生成物B15を得、収率は55%である。
【0084】
(3)化合物B16の調製
窒素ガス保護下で、726mgの四水素リチウムアルミニウム(18.2mmol)を10mlのジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させ、800mgのB15(2.3mmol)を4mlのジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させ、上記反応液を滴下し、140℃で28時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、40mlのエチルエーテルを加えて希釈し、氷水浴冷却条件下で、泡立ちがなくなるまで硫酸ナトリウム十水和物をバッチで加え、珪藻土ろ過により固体を除去し、無水エチルエーテルで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=20:1でカラムを通過させて、487mgの無色液体の生成物B16を得、収率は61%である。
【0085】
(4)化合物B17の調製
1gのB16(2.8mmol)を20mlのメタノールに溶解させ、100mgのp-トルエンスルホン酸を加え、室温で3時間攪拌し、TLCによって反応完了をモニタリングし、メタノールを遠心分離し、80mlの水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=3:1でカラムを通過させて、470mgの無色油状の生成物B17を得、収率は90%である。
【0086】
(5)化合物B18の調製
窒素ガス保護下で、470mgのB18(2.5mmol)および2.5gの四臭化炭素(7.5mmol)を10mlの乾燥ジクロロメタンに溶解させ、0℃で冷却し、1.9gのトリフェニルホスフィン(7.5mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解させ、上記反応ボトルに滴下し、室温に昇温させて2時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、40mlのエチルエーテルをゆっくりと滴下し、大量の固体が析出され、珪藻土ろ過により固体を除去し、エチルエーテルで固体を洗浄し、ろ液を濃縮し、PE:EA=50:1でカラムを通過させて、740mgの無色油状の製品を得、収率は95%である。
【0087】
(6)化合物B19の調製
窒素ガス保護下で、150mgのB18(0.48mmol)および510mgのB9(2.9mmol)を乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、窒素ガスで換気し、-78℃で冷却し、1.5mlのリチウムジイソプロピルアミドLDA(2.0M 3.0mmol)をゆっくりと滴下し、溶液は、無色からオレンジ色に変換し、-78℃から常温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、40mlの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=20:1でカラムを通過させて、130mgの黄色油状物の生成物B19を得、収率は54%である。
【0088】
(7)化合物M15の調製
130mgのB19(0.26mmol)を8mlのエタノールに溶解させ、130mgの水酸化カリウムを2mlの水に溶解させ、反応ボトルに加え、一晩還流反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、エタノールを遠心分離し、20mlの水を加えて希釈し、1MのHClでpHを2に調節し、固体が析出され、酢酸エチルを加えて3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=2:1でカラムを通過させて、80mgの黄色油状の生成物M23を得、収率は69%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.39-7.30(m,8H),7.25-7.20(m,2H),5.36-5.27(m,2H),2.08-2.02(m,2H),2.00-1.87(m,6H),1.55(s,6H),1.33-1.18(m,10H)。
【0089】
M15と同じ合成経路を使用し、異なる基質を使用して、次のような化合物を得ることができる。
【化20】
化合物M16:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.42-7.28(m,8H),7.26-7.23(m,2H),5.42-5.23(m,2H),2.31-2.16(m,2H),2.08-1.71(m,6H),1.52(s,3H),1.46(s,3H),1.34-1.24(m,16H)。
化合物M17:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.66-5.55(m,4H),5.33-5.23(m,2H),2.93(d,J=15.7Hz,4H),2.29(d,J=15.7Hz,4H),2.03-1.91(m,4H),1.76-1.64(m,4H),1.33-1.19(m,16H)。
化合物M18:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.34-5.21(m,2H),2.15-2.03(m,4H),2.02-1.90(m,4H),1.64-1.53(m,6H),1.51-1.44(m,4H),1.45-1.34(m,4H),1.34-1.11(m,22H)。
【0090】
実施例3.化合物M19の合成
【化21】
窒素ガス保護下で、190mgの化合物M5(0.46mmol)を6mlのDMFに溶解させ、107mgのB20(0.46mmol)、126mgの炭酸カリウム(0.92mmol)を加えた後、室温で一晩反応させ、TLCによって新しいスポットの形成をモニタリングし、溶媒を遠心分離し、50mlの水を加えて希釈し、1M HClでpHを2に調節し、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、DCM:MeOH=20:1でカラムを通過させて、100mgの淡黄色油状物の生成物を得、収率は37%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.38(s,1H),7.17(d,J=1.0Hz,2H),5.86-5.80(m,1H),5.80-5.74(m,1H),5.73-5.69(m,1H),5.67-5.61(m,1H),5.40-5.28(m,2H),4.29(t,J=6.2Hz,2H),3.05(t,J=6.6Hz,2H),2.49-2.24(m,6H),2.07-1.94(m,4H),1.74-1.59(m,6H),1.34-1.16(m,16H)。
【0091】
異なるB20類似体を置き換え、M19と同様の合成方法を使用して、次のような化合物を得ることができる。
【化22】
【0092】
化合物M20:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.86-5.81(m,1H),5.81-5.76(m,1H),5.74-5.68(m,2H),5.38-5.29(m,2H),4.13(t,J=7.1,3.0Hz,2H),2.46-2.29(m,7H),2.07-1.93(m,4H),1.77-1.60(m,6H),1.28-1.24(m,16H)。
【0093】
化合物M21:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.85-5.77(m,2H),5.75-5.67(m,2H),5.38-5.30(m,2H),3.67(s,3H),2.48-2.30(m,6H),2.05-1.93(m,4H),1.81-1.55(m,6H),1.34-1.23(m,16H)。
【0094】
化合物M22:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 5.87-5.80(m,1H),5.80-5.74(m,1H),5.73-5.65(m,2H),5.39-5.26(m,2H),4.12(td,J=7.4,1.7Hz,2H),2.46-2.30(m,6H),2.02-1.93(m,6H),1.84-1.56(m,12H),1.52(d,J=2.0Hz,6H),1.41(t,J=7.2Hz,2H),1.27(d,J=10.4Hz,16H)。
【0095】
化合物M23:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.24-7.16(m,2H),7.09-6.98(m,2H),5.86-5.80(m,1H),5.78-5.73(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.66-5.61(m,1H),5.39-5.28(m,2H),4.29(td,J=6.7,1.8Hz,2H),2.98(t,J=6.7Hz,2H),2.48-2.26(m,6H),2.05-1.93(m,4H),1.82-1.47(m,6H),1.32-1.10(m,16H)。
【0096】
化合物M24:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.40(d,J=1.9Hz,1H),7.33(d,J=8.3Hz,1H),7.24(dd,J=8.3,1.9Hz,1H),5.85-5.77(m,2H),5.75-5.66(m,2H),5.39-5.26(m,2H),5.16(d,J=2.7Hz,2H),2.50-2.27(m,7H),2.04-1.95(m,4H),1.84-1.70(m,5H),1.63-1.55(m,2H),1.30-1.19(m,16H)。
【0097】
化合物M25:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.21-7.12(m,2H),7.03-6.91(m,2H),5.87-5.80(m,1H),5.80-5.73(m,1H),5.73-5.67(m,1H),5.67-5.61(m,1H),5.40-5.28(m,2H),4.26(t,J=6.4Hz,2H),2.90(t,J=6.5Hz,2H),2.48-2.25(m,6H),2.06-1.93(m,4H),1.84-1.46(m,6H),1.32-1.18(m,16H)。
【0098】
化合物M26:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.34(d,J=7.8Hz,2H),7.25-7.17(m,1H),5.86-5.80(m,1H),5.79-5.73(m,1H),5.73-5.66(m,2H),5.40-5.26(m,4H),2.47-2.29(m,6H),2.03-1.91(m,4H),1.81-1.66(m,4H),1.65-1.50(m,3H),1.32-1.22(m,16H)。
【0099】
化合物M27:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.33-7.26(m,2H),7.25-7.18(m,3H),5.85-5.80(m,1H),5.79-5.74(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.68-5.63(m,1H),5.39-5.28(m,2H),4.29(td,J=6.9,2.9Hz,2H),2.93(t,J=6.9Hz,2H),2.50-2.26(m,6H),2.07-1.92(m,4H),1.80-1.50(m,6H),1.32-1.19(m,16H)。
【0100】
化合物M28:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.36(d,J=1.9Hz,1H),7.20-7.10(m,2H),5.86-5.77(m,2H),5.74-5.67(m,2H),5.38-5.27(m,2H),4.10(t,J=6.2Hz,2H),2.82-2.72(m,2H),2.49-2.31(m,6H),2.05-1.89(m,6H),1.84-1.68(m,4H),1.60(dd,J=11.9,3.5Hz,2H),1.32-1.23(m,16H)。
【0101】
化合物M29:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.83-7.74(m,3H),7.65(s,1H),7.48-7.40(m,2H),7.35(dd,J=8.4,1.5Hz,1H),5.84-5.79(m,1H),5.78-5.73(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.67-5.63(m,1H),5.36-5.27(m,2H),4.44-4.31(m,2H),3.09(t,J=6.8Hz,2H),2.43-2.28(m,6H),2.04-1.91(m,5H),1.81-1.66(m,4H),1.62-1.49(m,2H),1.29-1.11(m,16H)。
【0102】
化合物M30:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.25(d,J=5.2Hz,2H),7.14(d,J=8.3Hz,2H),5.87-5.80(m,1H),5.80-5.75(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.66-5.61(m,1H),5.38-5.28(m,2H),4.30-4.19(m,2H),2.90(t,J=6.7Hz,2H),2.46-2.24(m,6H),2.06-1.94(m,4H),1.80-1.52(m,6H),1.32-1.19(m,16H)。
【0103】
化合物M31:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37-7.33(m,1H),7.25-7.22(m,1H),7.21-7.14(m,2H),5.86-5.80(m,1H),5.79-5.74(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.67-5.62(m,1H),5.38-5.28(m,2H),4.31(td,J=6.8,2.1Hz,2H),3.08(t,J=6.8Hz,2H),2.44-2.29(m,6H),2.04-1.94(m,4H),1.79-1.51(m,6H),1.31-1.22(m,16H)。
【0104】
化合物M32:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.13(d,J=8.6Hz,2H),6.83(d,J=8.6Hz,2H),5.85-5.80(m,1H),5.79-5.75(m,1H),5.73-5.68(m,1H),5.68-5.64(m,1H),5.38-5.28(m,2H),4.24(td,J=7.0,2.7Hz,2H),3.78(s,3H),2.87(t,J=6.9Hz,2H),2.44-2.26(m,6H),2.05-1.94(m,4H),1.80-1.53(m,6H),1.32-1.18(m,16H)。
【0105】
【0106】
(1)化合物B23の調製
窒素ガス保護下で、600mgの化合物B21(1.1mmol)および599mgの化合物B22(1.7mmol)を26mlの乾燥DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)に溶解させ、646mgのN,N,N′,N′-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ヘキサフルオロ尿素ホスフェートHATU(1.7mmol)、4.8mlのN,N-ジイソプロピルエチルアミンDIPEAを加え、室温で一晩反応させ、TCLによって反応完了をモニタリングし、DMFを遠心分離し、60mlの酢酸エチルを加え、水で3回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、DCM:MeOH=20:1でカラムを通過させて、900mgのオレンジ色粉末状固体の生成物B23を得、収率は94%である。
【0107】
(2)化合物B24の調製
窒素ガス保護下で、900mgのB23を8mlのジクロロメタンに溶解させ、2.0mlのトリフルオロ酢酸を加え、室温で1時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、50mlの飽和重炭酸ナトリウムを加えて反応をクエンチし、ジクロロメタンで複数回抽出し、濃縮し、DCM:MeOH=10:1でカラムを通過させて、513mgの白色固体の生成物B24を得、収率は82%である。
【0108】
(3)化合物M33の調製
窒素ガス保護下で、512mgのB24(0.8mmol)および514mgのM18(1.5mmol)を16mlの乾燥ジクロロメタンに溶解させ、0℃で冷却し、309mgのDCC(1.5mmol)および98mg(0.8mmol)のDMAPを加え、0℃から室温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、ろ過により固体を除去し、80mlの水を加え、DCMで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、DCM:MeOH=20:1でカラムを通過させて、318mgの白色粉末状固体を得、収率は42%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.47(d,J=2.4Hz,1H),7.80(dd,J=7.7,5.6Hz,1H),7.47(s,1H),7.02(s,1H),6.96(d,J=5.5Hz,1H),6.76-6.68(m,1H),6.15(d,J=7.2Hz,1H),5.35-5.26(m,3H),4.60(d,J=2.5Hz,2H),4.39(dd,J=13.2,6.5Hz,1H),3.77(d,J=3.1Hz,2H),0.83(dd,J=8.2,6.3Hz,3H)。
上記化合物B22は、従来の化学的方法によって合成することができる。
【0109】
異なる基質を変更し、上記と同様な合成方法、および経路3の合成方法を使用して、次のような化合物を合成する。
【化24】
化合物M34:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.70(d,J=4.3Hz,1H),8.67(s,1H),8.40(d,J=8.2Hz,1H),7.41-7.35(m,4H),6.28(d,J=7.8Hz,1H),5.32(d,J=16.1Hz,2H),5.11-5.03(m,1H),4.75(t,J=7.9Hz,1H),4.50(d,J=7.4Hz,2H),4.22(d,J=11.1Hz,1H),3.55(d,J=9.6Hz,1H),2.53(s,3H),2.07-1.97(m,4H),1.86-1.80(m,2H),1.63-1.61(m,5H),1.51-1.49(m,6H),1.49-1.46(m,4H),1.39-1.36(m,4H),1.28-1.23(m,6H),1.18-1.15(m,6H),1.06-1.01(m,9H)。
【0110】
【0111】
(1)化合物B26の調製
窒素ガス保護下で、3.0gのB7(8.5mmol)を30mlの乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、5.9mlのヘキサメチルリン酸トリアミドHMPA(34mmol)を加え、-78℃で冷却し、窒素ガスで複数回換気し、17mlのリチウムジイソプロピルアミドLDA(2.0M 34mmol)をゆっくりと滴下し、溶液は、無色からオレンジ色に変換し、30分間後に、4.3gのB25(34.0mmol)を滴下し、-78℃から常温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlの飽和塩化アンモニウムを加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=10:1でカラムを通過させて、2.3gの無色油状物の生成物を得、収率は61%である。
【0112】
(2)化合物B27の調製
400mgのB26(0.93mmol)および474mgの二ホウ酸ピナコール(1.8mmo)を6mlのジオキサンに溶解させ、111mgの触媒剤のテトラキストリフェニルホスフィン白金(0.09mmol)を加え、110℃でマイクロ波で1時間反応させ、溶液が黄色から赤褐色に変更し、TLCによって反応完了をモニタリングし、ろ過により固体を除去し、溶媒をスピン乾燥させ、PE:EA=10:1でカラムを通過させて、338mgの無色油状の生成物を得、収率は52%である。
【0113】
(3)化合物B28の調製
338mgのB27(0.48mmol)、228mgのブロモベンゼン(1.45mmol)および402mg炭酸カリウム(2.91mmol)を12mlのトルエンおよび1.5mlの水に溶解させ、窒素ガスで複数回喚起し、58mgの触媒剤のテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.05mmol)を加え、90℃で一晩反応させ、溶液は、黄色から薄緑色に変化し、TLCによって反応完了をモニタリングし、ろ過により固体を除去し、60mlの水を加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮でカラムを通過させて、188mgの無色油状の生成物を得、収率は66%である。
【0114】
(4)化合物M35の調製
142mgのB28(0.24mmol)を16mlのエタノールおよび2mlの水に溶解させ、284mgの水酸化カリウムを加え、60℃で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、エタノールを遠心分離し、30mlの水を加えて希釈し、1M HClで酸性に調節し、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸で乾燥させ、濃縮し、カラムを通過させて、69mgの淡黄色粉末状固体の生成物を得、収率は51%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.07-6.90(m,10H),5.86-5.78(m,2H),5.77-5.70(m,2H),2.56-2.46(m,4H),2.46-2.30(m,7H),1.81-1.69(m,4H),1.64-1.52(m,2H),1.35-1.25(m,16H)。
【0115】
【0116】
1)化合物B30の調製
窒素ガス保護下で、1.6gのB7(5mmol)および2.04gのB29(20mmol)を乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、窒素ガスで複数回換気し、-78℃で冷却し、10mlのLDA(20mmol)をゆっくりと滴下し、反応液は、無色からオレンジ色に変化し、-78℃から室温で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、80mlの飽和塩化アンモニウムを加え、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=20:1でカラムを通過させて、1.2gの無色油状物の生成物を得、収率は61%である。
【0117】
2)化合物B31および化合物B32 の調製
窒素ガス保護下で、1.2gのB30(3mmol)および768mgのピナコルボラン(6mmol)を50mlのジクロロメタンに溶解させ、窒素ガスで複数回換気し、0℃氷浴下で、257mgのトリス(アセトニトリル)シクロペンタジエニルルテニウムヘキサフルオロホスフェート(0.6mmol)を加え、溶液は、無色から褐色に変化し、室温で3時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、磁石を取り出し、1.5gのシリカゲルを加え、均一に攪拌し、乾式法でサンプルをロードし、PE:EA=30:1でカラムを通過させて、501mgの化合物B31、520mgの化合物B32を得、すべて無色油状化合物であり、収率は33%である。
【0118】
3)化合物B33の調製
520mgのB32(1mmol)および514mgの4-ブロモ安息香酸t-ブチル(2mmol)を10mlの1,4-ジオキサンおよび2mlの水に溶解させ、窒素ガスで複数回換気し、順次に828mgの炭酸カリウム(6mmol)および231mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2mmol)を加え、溶液は、無色から褐色に変化し、80℃で一晩反応させる。TLCによって反応完了をモニタリングし、室温に冷却した後、60mlの酢酸エチルを加えて希釈し、水で3回洗浄し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=20:1でカラムを通過させて、497mgの生成物を得、収率は87%である。
【0119】
4)化合物B34の調製
497mgの化合物(0.8mmol)B34を10mlのジクロロメタンに溶解させ、氷浴下で2mlのトリフルオロ酢酸を滴下し、室温で3時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、濃縮後、60mlの酢酸エチルを加えて希釈し、水で3回洗浄し、飽和食塩水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、DCM:MeOH=30:1でカラムを通過させて、422mgの生成物を得、収率は90%である。
【0120】
5)化合物B36の調製
54mgのB34(0.1mmol)、20mgのB35(0.12mmol)、58mgのHATU(0.15mmol)を5mlの乾燥DMFに溶解させ、窒素ガスで換気し、0.2mlのDIPEAを加え、60℃で4時間反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、室温に冷却した後、60mlの水を加えて希釈し、EAで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、PE:EA=5:1でカラムを通過させて、51mgの生成物を得、収率は77%である。
【0121】
6)化合物M36の調製
51mgの化合物M36(0.07mmol)を10mlのメタノール、1mlの水に溶解させ、51mgのNaOHを加え、60℃で一晩反応させ、TLCによって反応完了をモニタリングし、メタノールを遠心分離し、30mlの水を加えて希釈し、1M HClで酸性に調節し、酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸で乾燥させ、濃縮し、でカラムを通過させて、23mgの無色油状生成物を得、収率は47%である。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.27(s,2H),8.19(d,J=3.0Hz,1H),7.51(dd,J=11.3,4.3Hz,1H),7.37(s,4H),6.66(d,J=7.6Hz,2H),5.67(t,J=7.0Hz,1H),3.73(d,J=122.7Hz,8H),2.48(s,2H),2.17(d,J=9.0Hz,2H),1.47(d,J=35.6Hz,6H),1.21(dd,J=47.1,14.9Hz,26H)。
【0122】
B7およびB26を原料として使用し、異なる基質B35を変更し、上記と同様の経路を使用して、次のような化合物を合成することができる。
【化27】
【0123】
化合物M37:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.20(d,J=2.7Hz,1H),7.52(t,J=7.3Hz,1H),7.41(d,J=7.4Hz,2H),7.16(d,J=7.5Hz,2H),6.68(d,J=8.4Hz,2H),5.43(d,J=6.9Hz,1H),3.75(d,J=122.3Hz,8H),2.31(s,2H),1.88(d,J=6.1Hz,2H),1.46(s,4H),1.35-1.10(m,28H)。
【0124】
化合物M38:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.20(d,J=3.8Hz,1H),7.56-7.48(m,1H),7.42-7.32(m,4H),6.67(t,J=6.9Hz,2H),5.69(dd,J=18.2,10.7Hz,5H),3.64(t,J=81.7Hz,9H),2.29(dd,J=91.6,33.5Hz,11H),1.82-1.07(m,25H)。
【0125】
化合物M39:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.44(s,1H),8.01(d,J=8.1Hz,2H),7.90(d,J=6.8Hz,1H),7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.44(d,J=3.1Hz,4H),6.95(d,J=8.9Hz,1H),5.71(s,5H),3.76(d,J=93.9Hz,8H),2.54(s,2H),2.34(s,6H),2.22(d,J=7.2Hz,2H),1.73(d,J=12.1Hz,6H),1.47(s,2H),1.28(d,J=25.8Hz,14H)。
化合物M40:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.37(s,4H),7.13-7.01(m,2H),7.01-6.90(m,2H),5.85-5.63(m,5H),3.69(s,4H),3.06(s,5H),2.49(s,2H),2.33(s,6H),2.18(s,2H),1.78-1.48(m,7H),1.43(s,2H),1.32-1.17(m,14H)。
【0126】
実施例7.生物学的実験試験
7.1.ACLY酵素活性試験
機器:Envision(PerkinElmer、USA)
材料:Acl----ヒトACLY/ acly/ATPクエン酸リアーゼタンパク質(Hisタグ)は、Sino Biological会社から購入され、キナーゼ検出キットADP-GLO(promega会社#V9102)。
【0127】
実験原理:この実験において、ATP依存性クエン酸リアーゼACLは、クエン酸のアセチルコエンザイムAへの変換を触媒し、それによって脂肪酸合成の前駆体分子であるマロニルAを生成し、当該反応は、ATPのの消費が伴うため、ADP-Glo Kinase Assay(#V9102)をを使用でき、キナーゼ検出キットは、ATPの変化を検出し、ACLの酵素活性に対する反応化合物の阻害効果を間接的に反映する。当該キナーゼ検出キットは、ACLY酵素活性によって触媒されて産生されるADPの量を提供的に測定することができる。(まず、化合物、酵素および基質を37℃で30分間インキュベートし、ADP-Glo&#V9102を加え、試薬で30分間インキュベートし、反応を停止させ、残りのATPを完全に消費し、キナーゼ検出試薬を加えて(ADPをATPに変換する同時に、カップリングされたルシフェラーゼ/ルシフェリン反応を使用して新たに合成したATPを検出する)、30分間インキュベートし、Envisionを使用して値を読み取る)。
【0128】
実験方法:ADP-Glo発光法を用いて測定する。ADPの量を定量的に検出することでACLY酵素の活性を反映し、ACLYによって触媒される酵素反応は、発光シグナルによって検出されたADPの量に比例する。まず、化合物を10%DMSOで希釈し、最終反応系中のDMSOの含有量が2%になるように、1ulの化合物希釈液を5ulの反応系に加える。ACLYによって触媒される酵素反応は、37℃で30分間反応させ、5ulの反応混合物は、次のような成分を含む(40mMのTris、pH8.0、10mMのMgCl2、5mMのDTT、ATP、CoA、クエン酸ナトリウムおよびACLY)。酵素反応後、2.5ulのADP-Glo試薬を欠く反応系に加え、室温で1時間インキュベートする。その後、5ulのキナーゼ検出試薬を加え、室温で30分間インキュベートする。発光シグナルは、Envision(PerkinElmer、USA)によって検出される。
【0129】
データ処理:化合物試験活性の用量依存性については、IC50値は、サンプル濃度に対するサンプル活性の非線形フィッティングによって得られ、計算に使用したソフトウェアは、Graphpad Prism 7であり、フィッティングに使用したモデルは、sigmoidal dose-response(varible slope)であり、ほとんどの阻害剤スクリーニングモデルでは、フィッティング曲線底部と上部とは、0と100とに設定される。一般に、各サンプルは、試験中でデュープリケートウェル(n≧2)を設定し、結果は、標準偏差(Standard Deviation、SD)または標準誤差(Standard Error、SE)として表される。
【0130】
実験結果は、次の表1に示されたとおりである。NDI-091143は、報告されているACLY阻害剤であり、陽性対照として機能する。
【表1】
【0131】
NDI-091143は、報告されているACLY阻害剤であり、陽性対照として機能し、構造は、次のとおりである。
【化28】
【0132】
7.2.MTS実験
実験機器:Molecular Device VersaMax
実験材料:NCI-H358細胞(H358、ヒト非小細胞肺がん細胞)は、中国科学院の細胞バンク/幹細胞バンクから購入され、培地RPMI-1640(GIBCO、カタログ番号3180002)、ヒト腫瘍細胞、ヒト非小細胞肺がん細胞A549は、中国科学院上海薬物研究所の李佳研究員から寄贈された。CellTiter 96R AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(MTS)は、promega #G3581から購入された。
【0133】
実験原理:CellTiter 96R AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(MTS)比色法を使用して、細胞増殖を検出する。当該分析方法は、テトラゾール化合物[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラぞリウム、内部塩、MTS]に基づく。黄色のMTSから青紫色の水溶性ホルマザンへの変換は、代謝的に活性な生細胞に存在するデヒドロゲナーゼによって触媒され、死んだ細胞は、MTSからホルマザンへの変換を完了できる。490nmでの吸光度によって決定されるホルマザン(Formazan)の量は、培養中の生細胞の数に直接比例する。
【0134】
実験方法:
サンプル処理:サンプルをDMSOに溶解させ、低温で保存する。最終系におけるDMSOの濃度は、検出活性に影響を与えない範囲内に制御される。
MTS法を使用して、細胞生存率を検出し、即ち、対数増殖期で増殖する細胞の場合、接着細胞は、0.025%のトリプシンで消化され、計数され、A549細胞を3000/wellおよびH358 5000/well(両方とも1%FBS条件でプレーティングする)の密度で80ulの96ウェルプレートに接種して、5%、CO2、37℃のインキュベーターに入れて一晩増殖する。各試験化合物を3倍の濃度勾配で希釈し、八つの濃度を試験し、各濃度に対して三つのデュープリケートウェルを設定し、20ulの希釈化合物を、それぞれ対応する細胞ウェルに加え、接着細胞A549、H358を5%、CO2、37℃のインキュベーターで72時間培養し、それぞれ20ulのMTSを加え、5%、CO2、37℃のインキュベーターで2時間インキュベートする。Molecular Device VersaMaxを使用して、490nm(L1)での吸光値を試験し、波長690nm(L2)を参照し、(L1-L2)値を阻害剤の様々な濃度に対してプロットし、式をフィッティングして、IC50を得る。
【0135】
データ処理:
Graphpad Prism 7を使用して、実験結果をIC50にフィッティングし、フィッティングされるモデルは、log(inhibitor)vs.Response---variable slopであり、実験の精度を保証するために、各試験結果には、三つの反復ウェルが提供され、結果は、標準偏差 (Standard Deviation、SD)または標準誤差 (Standard Error、SE)として表される。
同様に、膵臓がん細胞株ASPC-1、ヒト膵臓がん細胞MIA-PACAおよび乳がん細胞MCF-7に対する化合物の抗増殖実験も基本的に上記と同様である。
【0136】
実験結果:
様々な癌細胞の増殖に対する化合物M5、M19、M25およびM29の阻害活性は、以下の表2に示されたとおりであり、ここで、※は、まだ試験されていないことを示し、NDI-091143は、報告されているACLY阻害剤であり、陽性対照として使用される。
【表2】
【0137】
本発明に記載の化合物は、ACLYに対して阻害活性を有し、細胞活性は、NDI-091143よりも優れている。これは、本発明の化合物が疎水性長鎖を有し、ベンゼンスルホンアミド系阻害剤NDI-091143よりもその膜透過性が優れているためである。本発明に記載の化合物は、優れた薬物様特性を有し、代謝性疾患または癌の治療薬の調製において、ACLYを標的とする阻害剤となる可能性を有する。
【0138】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
式において、
【化2】
は、二重結合または単結合を表し、
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
3、R
4は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
3およびR
4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
R
5、R
6は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基であるか、あるいは、R
5およびR
6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~7員環、または不飽和二重結合を含む3~7員環を形成し、
m、nおよびqは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5または6であり、
Zは、-OH、-COOH、-COOR
7、-SO
3Hまたは-CONHR
7であり、ここで、R
7は、C1-C4アルキル基であり、
Xは、-CO-、-O-、-NH-、-S-、-CH
2-、
【化3】
であり、
Yは、H、C6-C10アリール基、C1-C4アルキル基またはアダマンチル基(Ad-)であるか、あるいはYは、
【化4】
であり、
ここで、linkerは、C1-C20アルキレン基またはポリエチレングリコールであるか、あるいは当該linkerがなく、
前記各C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指すことを特徴とする、前記一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物は、式IIに示される構造を有することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化5】
【請求項3】
前記化合物は、式IIIに示される構造を有することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化6】
【請求項4】
前記化合物は、式IVに示される構造を有し、
【化7】
Wは、存在なし、-O-、-NH-、-S-または-CH
2-であることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
1およびR
2は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成し、
R
3、R
4は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
3およびR
4は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成し、
R
5、R
6は、それぞれ独立して、H、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基、C3-C6シクロアルキル基、C3-C6シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であるか、あるいは、R
5およびR
6は、結合した炭素と一緒になって、飽和の3~6員環、または一つの不飽和二重結合を含む3~6員環を形成することを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
m、nは、それぞれ独立して、1、2、3、4または5であり、および/または
qは、0、1、2、3または4であることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R
1、R
2は、それぞれ独立して、H、C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基であり、
前記C1-C4アルキル基、C2-C4アルケニル基、C2-C4アルキニル基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基またはC6-C10アリール基は、非置換であるか、または置換されており、ここで、前記置換とは、ハロゲン、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、C3-C7シクロアルキル基、C3-C7シクロアルケニル基、C6-C10アリール基、-CO-(5~7員ヘテロシクリル)-(5~7員ヘテロアリール基)からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、前記基は、C6-C10アリール基、ハロゲン化C6-C10アリール基、カルボキシ置換C6-C10アリール基、C1-C4アルキル置換C6-C10アリール基、C1-C4ハロゲン化アルキル置換C6-C10アリール基からなる群から選択される置換基によって任意にさらに置換されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記化合物は、以下からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩。
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【請求項9】
医薬組成物であって、
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の一般式(I)に示される化合物、またはその立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体またはその薬学的に許容される塩の使用であって、
ACLY阻害剤の調製、または代謝性疾患または癌を予防および/または治療するための薬物の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
前記代謝性疾患は、高脂血症、アテローム性動脈硬化症、非アルコール性脂肪肝、糖尿病からなる群から選択され、
前記癌は、肺がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、肝臓がん、腸がん、脳がん、急性骨髄性白血病からなる群から選択されることを特徴とする
請求項10に記載の使用。
【国際調査報告】