(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】送達システム及び物理位置制限装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/95 20130101AFI20240912BHJP
A61F 2/24 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61F2/95
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518809
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 CN2022121244
(87)【国際公開番号】W WO2023046143
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111121584.4
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524113910
【氏名又は名称】上海藍帆博奥医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI BLUESAIL BOAO MEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room B206, Building 2, 1077# Zhangheng Rd., Pudong New District,Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマヌッツ,レナ
(72)【発明者】
【氏名】バウムガルトナー,モリッツ
(72)【発明者】
【氏名】賈 士奇
(72)【発明者】
【氏名】徐 海洋
(72)【発明者】
【氏名】尹 安遠
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB04
4C097CC01
4C267AA56
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB31
4C267BB40
4C267CC19
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
送達システム(200)及び物理位置制限装置(100)であって、該装置(100)は、第1移動部材(11)、ガイドロッド(12)、セーフティロッド(131)及び第2移動部材(14)を含み、ガイドロッド(12)はその軸方向に沿って移動し、ガイドロッド(12)の外面に少なくとも1段の位置制限溝(121)が開けられ、各段の位置制限溝(121)は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝(121a、121b、121c)を含み、第2部分トラック溝(121b)はそれぞれ第1部分トラック溝(121a)及び第3部分トラック溝(121c)と角度をなして配置され、セーフティロッド(131)の第1端部は第1部分トラック溝(121a)内に挿入され且つセーフティロッド(131)は位置制限溝(121)に沿ってガイドロッド(12)に対して移動できるように配置され、第2移動部材(14)はセーフティロッド(131)の第2端部に接続され、且つ第2移動部材(14)は、回転によってガイドロッド(12)の軸方向を中心にセーフティロッド(131)を回転させるように駆動し、セーフティロッド(131)の第1端部を第2部分トラック溝(121b)に沿って動かすように配置される。該装置(100)は触覚によって操作者に位置制限臨界点を提示することができ、物理的位置決めの正確な情報を効果的にフィードバックし、簡単で効率的で正確な物理的位置制限を実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理位置制限装置であって、
第1移動部材と、
前記第1移動部材により駆動されて前記ガイドロッドの軸方向に沿って移動するように配置され、前記ガイドロッドの外面に少なくとも1段の位置制限溝が開けられ、前記少なくとも1段の位置制限溝は全体的に前記ガイドロッドの軸方向に沿って延伸し、各段の前記位置制限溝は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝を含み、前記第2部分トラック溝はそれぞれ前記第1部分トラック溝及び前記第3部分トラック溝と角度をなして配置されるガイドロッドと、
ロッドの長手方向に沿って反対する第1端部と第2端部を含み、前記第1端部は前記位置制限溝内に挿入され、且つ前記セーフティロッドは前記位置制限溝に沿って前記ガイドロッドに対して移動できるように配置され、
前記セーフティロッドの第2端部に接続され、且つ前記第2移動部材は、回転によって前記ガイドロッドの軸方向を中心に前記セーフティロッド周りに回転させるように駆動し、前記セーフティロッドの第1端部を前記第2部分トラック溝に沿って動かすように配置される第2移動部材とを含む、物理位置制限装置。
【請求項2】
前記第1部分トラック溝及び前記第3部分トラック溝は前記ガイドロッドの軸方向に沿って延伸するように配置され、前記第2部分トラック溝は前記ガイドロッドの円周方向に沿って延伸するように配置され、前記ガイドロッドの軸方向において、前記第2部分トラック溝は前記第1部分トラック溝と前記第3部分トラック溝との間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置制限溝はさらに、第4部分トラック溝を含み、前記第4部分トラック溝は前記セーフティロッドの第1端部が通過可能であるように配置され、前記第4部分トラック溝の遠位端は前記第3部分トラック溝の近位端と連通し、前記第4部分トラック溝の近位端は前記第1部分トラック溝の少なくとも一部と連通し、前記第4部分トラック溝と前記第2部分トラック溝は平行しない、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1部分トラック溝、前記第2部分トラック溝、第3部分トラック溝及び前記第4部分トラック溝は台形又は三角形を画定する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1段の位置制限溝はN段の位置制限溝であり、Nは2以上の整数であり、i段目の前記位置制限溝の第1部分トラック溝はi-1段目の前記位置制限溝の第3部分トラック溝と連通し、前記近位端から前記遠位端へ、各段の数値iは順に1、2…Nと記す、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
人工補綴物の送達システムであって、請求項1~5のいずれか1項に記載の物理位置制限装置を含み、前記送達システムはさらに、
前記人工補綴物を置くように配置され第1チューブアセンブリと、
シースを含み、前記シースは前記第1チューブアセンブリの少なくとも一部分の外側に嵌設され、前記シース及び前記第1チューブアセンブリの軸方向はそれぞれ前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸である第2チューブアセンブリとを含み、
前記シースは前記第1移動部材に固定して接続され、これにより前記第1移動部材は前記シースを駆動して前記第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させることができる、人工補綴物の送達システム。
【請求項7】
前記セーフティロッドは前記第1チューブアセンブリに対して静止する、請求項6に記載の送達システム。
【請求項8】
スクリューをさらに含み、
前記第1移動部材は第1ノブを含み、前記第1ノブは前記スクリューに嵌設され、前記第1ノブ及び前記スクリューの軸方向はいずれも前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、前記第1ノブの内部には螺合を実現するために前記スクリューに適合するネジが設けられ、これにより前記第1ノブは円周方向に回転するときにネジ伝動によって前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿う相対移動を実現する、請求項6又は7に記載の送達システム。
【請求項9】
第1ハウジング半体、第2ハウジング半体、第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体をさらに含み、
前記スクリューの遠位端はそれぞれ前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体に固定して接続され、前記スクリューの近位端はそれぞれ前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体に固定して接続され、前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体はそれぞれ前記送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ前記第1ハウジング半体と前記第2ハウジング半体は固定して接続することで第1ハウジングを形成し、前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体はそれぞれ前記送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ前記第3ハウジング半体と前記第4ハウジング半体は固定して接続することで第2ハウジングを形成する、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記第2チューブアセンブリはさらに、遠位端は前記シースの少なくとも一部分の外側に嵌設される安定化チューブを含む、請求項9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記シースはレデューサであり、前記レデューサは遠位端から近位端へ順に配列される第1シース部分と第2シース部分を含み、前記第1シース部分の直径は前記第2シース部分の直径より大きく、前記安定化チューブの遠位端は前記第2シース部分の外側に嵌設され、前記安定化チューブの直径は前記第1シース部分の少なくとも一部の直径より小さい、請求項10に記載の送達システム。
【請求項12】
安定化チューブ固定台及びシース固定台をさらに含み、
前記安定化チューブは遠位端から前記安定化チューブ固定台まで延伸し且つ前記安定化チューブの近位端が前記安定化チューブ固定台に固定して接続されるように配置され、前記安定化チューブ固定台は前記第1ハウジングの内部に設置され、且つ前記安定化チューブ固定台はそれぞれ前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体に固定して接続され、
前記シースは遠位端から前記シース固定台まで延伸し且つ前記第2シース部分の近位端が前記シース固定台に固定して接続され、前記シース固定台は前記第1ノブに固定して接続され、
前記ガイドロッドは前記スクリューに挿設され、前記ガイドロッドは前記シース固定台に固定して接続され、これにより前記第1ノブの回転によって前記シース固定台を移動させるように駆動し、前記シースと前記ガイドロッドを前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って相対移動させるように駆動することができる、請求項11に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第1チューブアセンブリは内管及び人工補綴物接続部材を含み、
前記人工補綴物接続部材は前記内管の遠位端の外側面に設置され且つ前記人工補綴物接続部材は前記内管に固定して接続され、
前記人工補綴物接続部材に前記人工補綴物に適合する係合溝が開けられ、それによって前記人工補綴物を嵌め込んで置き且つ前記人工補綴物に分離可能に接続する、請求項11又は12に記載の送達システム。
【請求項14】
内管固定台をさらに含み、
前記内管は遠位端から近位端側へ前記内管固定台まで延伸するように配置され、且つ前記内管は前記内管固定台に固定して接続され、前記内管固定台は前記第2ハウジングの内部に設置され、且つ前記内管固定台はそれぞれ前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体に固定して接続される、請求項13に記載の送達システム。
【請求項15】
前記内管は前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第3管体を含み、前記シースは前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第4管体を含む、請求項13又は14に記載の送達システム。
【請求項16】
前記第1チューブアセンブリは内管排気部材及び端部基体をさらに含み、前記内管排気部材は前記内管の近位端に接続され、前記端部基体は前記内管の遠位端に接続される、請求項13~15のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項17】
セーフティ接続部材をさらに含み、
前記第2移動部材は第2ノブであり、前記第2ノブの軸方向は前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、
前記セーフティ接続部材はそれぞれ前記セーフティロッドの第2端部及び前記第2ノブに固定して接続され、これにより前記第2ノブの回転によって前記ガイドロッドの軸方向を中心に前記セーフティロッドを回転させるように駆動することができる、請求項9~16のいずれか1項に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第2ハウジングは円柱体であり且つ前記第2ノブは前記円柱体の外側面に嵌着され、これにより前記第2ノブは前記ガイドロッドの軸方向に移動できず且つ前記ガイドロッドの軸方向周りに回転することができる、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
前記人工補綴物は人工心臓弁、被膜ステント又は人工血管を含む、請求項6~18のいずれか1項に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
あらゆる目的において、本願は2021年9月24日に提出された中国特許出願第202111121584.4号の優先権を主張し、ここで上記中国特許出願に開示されている全内容を本願の一部として援用する。
【0002】
本開示は送達システム及び物理位置制限装置に関する。
【背景技術】
【0003】
位置制限とは、一般的に物体の位置に対する限定を指し、例えば、物体がある領域のみにあると規定し、又は物体がある領域にあってはならないと規定する。位置制限は、一般的に位置制限装置によって物体が設定状態に達したか否かを正確に限定することができ、それによって操作者に通知し、又は自動式の状態更新等を実現する。例えば、搬送物体が前進し且つ該物体がある特定の位置に移動したときに、操作者に通知する必要がある。このような位置制限通知のシーンにおいて、現在では、通常、センサで検知し、音響光学等の方式で位置制限の通知を実現し、又は操作の精度及び設定状態の実現を確保するために、操作者が視覚的で持続的に操作過程全体を観察する必要がある。現在、業界では効果的で正確な物理位置制限装置が欠いており、特に医療機器分野の送達システム(例えば人工補綴物の送達分野)では、医療機器の操作者は患者及び複数の機器の異なる位置の状態を同時に観察する必要があるため、いずれかの機器に対しても操作過程全体の持続的な視覚的注目及び視覚効果と手の操作との同期性を達成しにくく、従って、現在では正確で効果的で操作しやすい物理位置制限装置は切実に求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は送達システム、送達方法及び物理位置制限装置を提供する。
【0005】
本開示の少なくとも1つの実施例は物理位置制限装置を提供し、第1移動部材と、第1移動部材により駆動されてガイドロッドの軸方向に沿って移動するように配置され、ガイドロッドの外面に少なくとも1段の位置制限溝が開けられ、少なくとも1段の位置制限溝は全体的にガイドロッドの軸方向に沿って延伸し、各段の位置制限溝は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝を含み、第2部分トラック溝はそれぞれ第1部分トラック溝及び第3部分トラック溝と角度をなして配置されるガイドロッドと、ロッドの長手方向に沿って反対する第1端部と第2端部を含み、セーフティロッドの第1端部は位置制限溝内に挿入され、且つセーフティロッドは位置制限溝に沿ってガイドロッドに対して移動できるように配置されるセーフティロッドと、セーフティロッドの第2端部に接続され、且つ第2移動部材は、回転によってガイドロッドの軸方向を中心にセーフティロッド周りに回転させるように駆動し、セーフティロッドの第1端部を第2部分トラック溝に沿って動かすように配置される第2移動部材とを含む。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る物理位置制限装置において、第1部分トラック溝及び第3部分トラック溝はガイドロッドの軸方向に沿って延伸するように配置され、第2部分トラック溝はガイドロッドの円周方向に沿って延伸するように配置され、前記ガイドロッドの軸方向において、前記第2部分トラック溝は前記第1部分トラック溝と前記第3部分トラック溝との間に位置する。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る物理位置制限装置において、位置制限溝は第4部分トラック溝をさらに含み、第4部分トラック溝はセーフティロッドの第1端部が通過可能であるように配置される。第4部分トラック溝の遠位端は第3部分トラック溝の近位端と連通し、第4部分トラック溝の近位端は第1部分トラック溝の少なくとも一部と連通し、第4部分トラック溝と第2部分トラック溝は平行しない。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る物理位置制限装置において、第1部分トラック溝、第2部分トラック溝、第3部分トラック溝及び第4部分トラック溝は台形又は三角形を画定する。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る物理位置制限装置において、少なくとも1段の位置制限溝はN段の位置制限溝であり、Nは2以上の整数である。i段目の位置制限溝の第1部分トラック溝はi-1段目の位置制限溝の第3部分トラック溝と連通し、近位端から遠位端へ、各段の数値iは順に1、2…Nと記す。
【0010】
本開示の少なくとも1つの実施例は人工補綴物の送達システムを提供し、上記いずれかの実施例の物理位置制限装置を含み、送達システムは、人工補綴物を置くように配置される第1チューブアセンブリと、シースを含み、シースは第1チューブアセンブリの少なくとも一部分の外側に嵌設され、シース及び第1チューブアセンブリの軸方向はそれぞれガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸である2チューブアセンブリとを含む。シースは第1移動部材に固定して接続され、これにより第1移動部材はシースを駆動して第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させることができる。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、セーフティロッドは第1チューブアセンブリに対して静止する。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムはスクリューをさらに含み、第1移動部材は第1ノブを含み、第1ノブはスクリューに嵌設され、第1ノブ及びスクリューの軸方向はいずれもガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸である。第1ノブの内部には螺合を実現するためにスクリューに適合するネジが設けられ、これにより第1ノブは円周方向に回転するときにネジ伝動によって第1チューブアセンブリの軸方向に沿う相対移動を実現する。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムは第1ハウジング半体、第2ハウジング半体、第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体をさらに含む。スクリューの遠位端はそれぞれ第1ハウジング半体及び第2ハウジング半体に固定して接続され、スクリューの近位端はそれぞれ第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体に固定して接続される。第1ハウジング半体及び第2ハウジング半体はそれぞれ送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ第1ハウジング半体と第2ハウジング半体は固定して接続することで第1ハウジングを形成し、第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体はそれぞれ送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ第3ハウジング半体と第4ハウジング半体は固定して接続することで第2ハウジングを形成する。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、第2チューブアセンブリは安定化チューブをさらに含み、安定化チューブの遠位端はシースの少なくとも一部分の外側に嵌設される。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、シースはレデューサであり、レデューサは遠位端から近位端へ順に配列される第1シース部分と第2シース部分を含む。第1シース部分の直径は第2シース部分の直径より大きく、安定化チューブの遠位端は第2シース部分の外側に嵌設され、安定化チューブの直径は第1シース部分の少なくとも一部の直径より小さい。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムは安定化チューブ固定台及びシース固定台をさらに含む。安定化チューブは、遠位端から安定化チューブ固定台まで延伸し且つ安定化チューブの近位端が安定化チューブ固定台に固定して接続されるように配置され、安定化チューブ固定台は第1ハウジングの内部に設置され、且つ安定化チューブ固定台はそれぞれ第1ハウジング半体及び第2ハウジング半体に固定して接続される。シースは遠位端からシース固定台まで延伸し且つ第2シース部分の近位端がシース固定台に固定して接続され、シース固定台は第1ノブに固定して接続される。ガイドロッドはスクリューに挿設され、ガイドロッドはシース固定台に固定して接続され、これにより第1ノブの回転によってシース固定台を移動させるように駆動し、シースとガイドロッドを第1チューブアセンブリの軸方向に沿って相対移動させるように駆動することができる。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、第1チューブアセンブリは内管及び人工補綴物接続部材を含む、人工補綴物接続部材は内管の遠位端の外側面に設置され且つ人工補綴物接続部材は内管に固定して接続され、人工補綴物接続部材に人工補綴物に適合する係合溝が開けられ、それによって人工補綴物を嵌め込んで置き且つ人工補綴物に分離可能に接続する。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムは内管固定台をさらに含む。内管は遠位端から近位端側へ内管固定台まで延伸するように配置され、且つ内管は内管固定台に固定して接続され、内管固定台は第2ハウジングの内部に設置され、且つ内管固定台はそれぞれ第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体に固定して接続される。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、内管は第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第3管体を含み、シースは第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第4管体を含む。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、第1チューブアセンブリは内管排気部材及び端部基体をさらに含み、内管排気部材は内管の近位端に接続され、端部基体は内管の遠位端に接続される。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムはセーフティ接続部材をさらに含み、第2移動部材は第2ノブであり、第2ノブの軸方向はガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、セーフティ接続部材はそれぞれセーフティロッドの第2端部及び第2ノブに固定して接続され、これにより第2ノブの回転によってガイドロッドの軸方向を中心にセーフティロッドを回転させるように駆動することができる。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、第2ハウジングは円柱体であり且つ第2ノブは円柱体の外側面に嵌着され、これにより第2ノブはガイドロッドの軸方向に移動できず且つガイドロッドの軸方向周りに回転することができる。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、人工補綴物は人工心臓弁、被膜ステント又は人工血管を含む。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、セーフティロッドの第1端部が第1部分トラック溝内に挿入されるときに、人工補綴物の少なくとも一部は第2チューブアセンブリのシースと第1チューブアセンブリとの間の空洞内に置かれ、空洞は第2チューブアセンブリのシースが第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動するときに徐々に開閉することで、人工補綴物を解放したり、人工補綴物を回収したりする。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムにおいて、セーフティロッドの第1端部が第1部分トラック溝内の近位端に位置するときに、人工補綴物は第2チューブアセンブリのシースと第1チューブアセンブリとの間の空洞である第1空洞に置かれる。セーフティロッドの第1端部が第1部分トラック溝内の遠位端に位置制限されるときに、人工補綴物の一部分は第2チューブアセンブリのシースと第1チューブアセンブリとの間の第3空洞である第2空洞に置かれ、第2空洞の空間は第1空洞の空間より小さい。
【0026】
本開示の少なくとも1つの実施例は人工補綴物の送達方法を提供し、該方法は、第1移動部材を移動させるように制御し、ガイドロッドをガイドロッドの軸方向に沿って移動させるように駆動し、且つ第2チューブアセンブリのシースを第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させるように駆動し、第2チューブアセンブリのシースは第1移動部材に固定して接続され、第1チューブアセンブリは人工補綴物を置くように配置され、第2チューブアセンブリのシースは第1チューブアセンブリの少なくとも一部分の外側に嵌設され、第2チューブアセンブリのシース及び第1チューブアセンブリの軸方向はそれぞれガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、ガイドロッドの外面に少なくとも1段の位置制限溝が開けられ、少なくとも1段の位置制限溝は全体的にガイドロッドの軸方向に沿って延伸し、各段の位置制限溝は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝を含み、第2部分トラック溝はそれぞれ第1部分トラック溝及び第3部分トラック溝と角度をなして配置されるステップと、セーフティロッドの第1端部を第1部分トラック溝内に挿入し、ガイドロッドが軸方向に沿って近位端へ移動することによって、セーフティロッドの第1端部を第1部分トラック溝内の第2部分トラック溝に近い一端(例えば、第1部分トラック溝内の遠位端)に位置制限するステップと、人工補綴物が目的要件を満たすことに応答し、第2移動部材を回転させるように制御し、軸方向を中心にセーフティロッドを回転させるように駆動し、これによりセーフティロッドの第1端部が第1部分トラック溝から第2部分トラック溝を経て第3部分トラック溝の少なくとも一部まで回転し、それによって、ガイドロッドは第3部分トラック溝がセーフティロッドの第1端部を通過させることができる状態下で、第1移動部材により駆動されて軸方向に沿って近位端へ移動し、且つ第1移動部材は第2チューブアセンブリのシースを第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させるように駆動し、第2移動部材はセーフティロッドに固定して接続されるステップと、を含む。
【0027】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達方法は、人工補綴物が目的要件を満たさないことに応答し、第1移動部材を逆方向に移動させるように制御し、第2チューブアセンブリのシースを第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させるように駆動し、且つガイドロッドを軸方向に沿って遠位端へ移動させるように駆動するステップをさらに含む。
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達方法は、セーフティロッドの第1端部が第3部分トラック溝内の遠位端に近いことに応答し、第1移動部材を逆方向に移動させるように制御し、第2チューブアセンブリのシースを第1チューブアセンブリの軸方向に対して軸方向に相対移動させるように駆動し、且つガイドロッドを軸方向に沿って遠位端へ移動させるように駆動し、これによりセーフティロッドの第1端部は第3部分トラック溝から位置制限溝の第4部分溝を経て第1部分トラック溝内に戻るステップをさらに含み、第4部分トラック溝の第1端部は第3部分トラック溝の近位端と連通し、第4部分トラック溝の第2端部は第1部分トラック溝の少なくとも一部と連通し、且つ第4部分トラック溝と第2部分トラック溝は平行せず、それによってセーフティロッドの第1端部が第4部分トラック溝に沿って近位端へ移動することを許可する。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達方法において、送達方法は、セーフティロッドの第1端部が第1部分トラック溝内に挿入されるときに、人工補綴物の少なくとも一部を第2チューブアセンブリのシースと第1チューブアセンブリとの間の空洞内に置き、且つ第2チューブアセンブリのシースを第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させるように駆動し、これにより空洞を徐々に開閉することで、人工補綴物を解放したり、人工補綴物を回収したりするステップをさらに含む。
【0030】
従来技術に比べて、本開示の少なくとも1つの実施例の有益な効果は、以下のことを少なくとも含む。本開示の実施例の装置又は方法は物理的位置制限を実現することができ、触覚によって操作者に位置制限臨界点を提示することができ、物理的位置決めの正確な情報を効果的にフィードバックし、それにより簡単で効率的で正確な物理的位置制限を実現する。
【0031】
本開示の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明し、明らかなように、以下に説明される図面は本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の構造模式図である。
【
図2】
図2は本開示のいくつかの実施例に係るガイドロッドの外面の異なる角度の模式図である。
【
図3】
図3は本開示のいくつかの実施例に係るガイドロッドの外面の異なる角度の模式図である。
【
図4a】
図4aは本開示のいくつかの実施例に係る軸方向に沿って近位端から遠位端へ観察する角度下で
図1のセーフティ装置及び第2移動部材を保留した省略模式図である。
【
図4b】
図4bは本開示のいくつかの実施例に係る
図4aの断面図である。
【
図5a】
図5aは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図5b】
図5bは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図5c】
図5cは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図5d】
図5dは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図5e】
図5eは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図5f】
図5fは本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置の操作方法の模式図である。
【
図6】
図6は本開示のいくつかの実施例に係る2段の位置制限溝のカスケード模式図である。
【
図7】
図7は本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物送達システムの模式図である。
【
図8】
図8は本開示のいくつかの実施例に係る第1チューブアセンブリ及び第2チューブアセンブリの局所模式図である。
【
図9】
図9は本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの軸方向断面図である。
【
図10a】
図10aは本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの操作方法の模式図である。
【
図10b】
図10bは本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの操作方法の模式図である。
【
図10c】
図10cは本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの操作方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術的解決手段を明確で、完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得したすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0034】
特に定義されない限り、本開示の実施例で使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者が共同で理解する意味と同じである。さらに理解すべきであるように、例えば、通常の辞書で定義されているそれらの用語は、本開示の実施例で明確に定義されない限り、それらの関連技術のコンテキストにおける意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化又は高度形式化の意味で解釈されるべきではない。
【0035】
本開示の実施例で使用される「第1」、「第2」及び類似の用語はいかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するものに過ぎない。「1つ」、「一」又は「該」等の類似する用語は数の制限を示すものではなく、少なくとも1つが存在することを示す。同様に、「含む」又は「包含」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部材が該用語の後に挙げられる素子又は部材及びその同等物を含むが、他の素子又は部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する用語は物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。本開示の実施例はフローチャートを利用して本開示の実施例に係る方法のステップを説明する。理解すべきであるように、前又は後のステップは必ずしも順序に従って精密に行われない。逆に、様々なステップを逆の順序で、又は同時に処理することができる。また、他の操作をこれらの過程に追加したり、これらの過程からあるステップ又は複数のステップを除去したりすることもできる。
【0036】
発明者らは、人口の高齢化に伴い、心臓弁膜症の発病率が明らかに増加することを発見した。従来の治療方法は薬物保存治療及び外科弁置換手術治療を含む。薬物治療は予後改善に非常にわずかであるが、外科弁置換手術は患者の予後を明らかに改善することができるが、多くの高齢で、開胸病歴があり、心肺機能が深刻に低下している患者にとって、外科手術はリスクが高く、ひいては手術の機会が失った。この背景の下で、経カテーテル的大動脈弁置換術は近年の心臓弁膜症の診療分野で画期的な発展である。
【0037】
該手術の人工心臓弁の植え込み過程で、操作者は弁補綴物の解放位置及び解放形態を正確に把握する必要がある。弁補綴物の位置を特定する過程で、造影が不明瞭で、操作が不安定で、又は他の要素が干渉するため、弁補綴物の位置決め作業がより困難になる。そして、通常の人工心臓弁植え込み装置を使用し、操作者が位置決めを完了して弁補綴物の解放を開始すると、解放過程全体が非可逆であり、操作者は補綴物の位置及び形態を調整する機会がほとんどなく、操作過程のフォールトトレランス率が極めて低く、従って、操作者は送達システムから解放される弁の長さをリアルタイムに把握する必要があり、極めて困難である。
【0038】
操作者は送達システムから解放される弁の長さを了解するために、主に2つの方法がある。第1の方法は、超音波画像及びデジタルサブトラクション血管造影を用い、現像マーカーと弁補綴物の相対的な位置を比較することによって、補綴物の解放状況を判断する。この方法では、現像の遅延により、操作者は弁の解放長さを正確に制御することができない。第2の方法は、ハンドル又はチューブの解放ストローク標識を読み取ることによって、弁の解放長さの情報を取得する。この方法では、手術過程で操作者の観察位置とストローク標識に一定の夾角が存在し、示度過程で視差が生じるため、操作者は弁の解放長さの正確な情報を知ることができない。
【0039】
これにより、本開示は簡単で効率的で正確な物理位置制限装置、該物理位置制限装置を使用するシステム及び方法を提案する。
【0040】
本開示の少なくとも1つの実施例は物理位置制限装置を提供し、第1移動部材、ガイドロッド、セーフティロッド、及び第2移動部材を含み、ガイドロッドは第1移動部材により駆動されてガイドロッドの軸方向に沿って移動するように配置され、ガイドロッドの外面に少なくとも1段の位置制限溝が開けられ、少なくとも1段の位置制限溝は全体的にガイドロッドの軸方向に沿って延伸し、各段の位置制限溝は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝を含み、第2部分トラック溝はそれぞれ第1部分トラック溝及び第3部分トラック溝と角度をなして配置され、セーフティロッドはロッドの長手方向に沿って反対して設置される第1端部と第2端部を含み、セーフティロッドの第1端部は位置制限溝内に挿入され、且つセーフティロッドは位置制限溝の延伸方向に沿ってガイドロッドに対して移動できるように配置され、第2移動部材はセーフティロッドの第2端部に固定して接続され、且つ第2移動部材は回転によってガイドロッドの軸方向を中心にセーフティロッドを回転させるように駆動し、セーフティロッドの第1端部を第2部分トラック溝に沿って動かすように配置される。
【0041】
本開示の少なくとも1つの実施例はさらに上記物理位置制限装置に対応する方法を提供する。
【0042】
本開示の上記実施例に係る物理位置制限装置又は方法は物理的位置制限を実現することができ、触覚によって操作者に位置制限臨界点を提示することができ、物理的位置決めの正確な情報を効果的にフィードバックし、それにより簡単で効率的で正確な物理的位置制限を実現する。
【0043】
以下、図面を参照して本開示の実施例及びその例示を詳細に説明する。
【0044】
なお、本明細書の説明の便宜上、本開示のいくつかの実施例は軸方向の第1側を図示の左側と記し、軸方向の第2側を図示の右側と記し、例えば、本開示のいくつかの実施例に関わる軸方向に垂直な方向は図示の上下方向と記すことができるが、本開示の実施例に関わる上下方位はいずれも図示の方位を示し、実際の応用時の方位に影響を与えず、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0045】
例えば、軸方向に対する限定については、説明を容易にするために、本開示の少なくとも1つの実施例は操作者に近い側を近位端又は近位端側とみなし、操作者から離れる側を遠位端又は遠位端側とみなす。例えば、図示の左側を遠位端とみなし、図示の右側を近位端とみなす。なお、本開示の遠位端と近位端等はいずれも相対的な位置であり、例えば、いくつかの部材自身の反対する両側を示し、又はある方向における反対する両側を示し、すなわち、本開示の近位端は一方側を示し、遠位端は近位端とは反対する他方側を示す。本開示の実施例の素子又は部材の意味及び作用等はその名称に限定されず、理想化又は高度形式化の意味で解釈することができず、これは本開示の実施例を制限しない。
【0046】
図1は本開示のいくつかの実施例に係る物理位置制限装置100の構造模式図である。
【0047】
図1に示すように、物理位置制限装置100は第1移動部材11、ガイドロッド12、セーフティ装置13及び第2移動部材14を含む。第1移動部材11はガイドロッド12を駆動するように配置され、これによりガイドロッド12はガイドロッド12の軸方向に沿って移動する。例えば、ガイドロッド12の軸方向は物理位置制限装置100全体の軸方向とみなすことができる。
【0048】
いくつかの例示では、第1移動部材11はガイドロッド12の軸方向を中心に回転する回転部材であってもよい。例えば、第1移動部材11は中間部材を介して回転を直線移動に転化することで、ガイドロッド12をガイドロッド12の軸方向に沿って移動させるように駆動する。例えば、
図1に示すように、第1移動部材11は第1ノブ111(例えば手動ノブ)であり、第1ノブ111の軸方向はガイドロッド12の軸方向と平行し又は同軸であり、第1ノブ111は、自身の回転によってガイドロッド12をガイドロッド12の軸方向に沿って移動させるように駆動するように配置される(具体的な例示は後述する)。
【0049】
第1移動部材11の構造はこれに限定されず、ガイドロッド12をガイドロッド12の軸方向に沿って移動させることができる部材又はアセンブリであれば、本開示の実施例の保護範囲に属する。例えば、第1移動部材11は軸方向に沿って直線移動する部材であってもよい。
【0050】
図2及び
図3は本開示のいくつかの実施例に係るガイドロッド12の外面の異なる角度の立体模式図である。
図3は
図2のガイドロッド12が軸方向を中心に一定の角度回転した後の状態模式図である。
【0051】
図2及び
図3に示すように、ガイドロッド12の外面に少なくとも1段の位置制限溝121が開けられ、該少なくとも1段の位置制限溝121は全体的にガイドロッド12の軸方向に沿って延伸する。各段の位置制限溝121は順に連通する第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b及び第3部分トラック溝121cを含む。第2部分トラック溝121bはそれぞれ第1部分トラック溝121a及び第3部分トラック溝121cと角度をなして配置される。
【0052】
なお、位置制限溝121が全体的にガイドロッド12の軸方向に沿って延伸することは、第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b及び第3部分トラック溝121cがいずれも軸方向に沿って延伸するということではなく、第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b及び第3部分トラック溝121cが順に連通して形成した全体の延伸方向がガイドロッド12の軸方向に沿うということであり、第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b及び第3部分トラック溝121cのうちのいずれかは、ガイドロッド12の軸方向に沿って延伸しなくてもよく、ほぼガイドロッド12の軸方向に沿って延伸してもよい。
【0053】
図2及び
図3に示すように、第1部分トラック溝121a及び第3部分トラック溝121cはガイドロッド12の軸方向と平行して延伸するように配置される。第2部分トラック溝121bはガイドロッド121の円周方向に沿って延伸するように配置される。ガイドロッド121の軸方向に、第2部分トラック溝121bは第1部分トラック溝121aと第3部分トラック溝121cとの間に位置する。
【0054】
例えば、第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b及び第3部分トラック溝121cはいずれもガイドロッド12の外側円周面に開けられた所定の深さを有する溝であり、且つ各トラック溝の断面形状及び深さ等の要素はいずれも限定されない。
【0055】
いくつかの例示では、位置制限溝121の任意の部分トラック溝の延伸方向における形状は厳密な意味での直線セグメントではなくてもよく、例えば、基本的に直線である。また例えば、第2部分トラック溝121bの延伸方向は厳密な意味でのガイドロッド121の円周方向ではなくてもよく、例えば、ガイドロッド121の円周方向とほぼ一致する。
【0056】
本開示の少なくとも1つの実施例における第2部分トラック溝121bがそれぞれ第1部分トラック溝121a及び第3部分トラック溝121cと角度をなして配置されることとは、ガイドロッド12の外側円周面において、第2部分トラック溝121bが第1部分トラック溝121aと平行しないだけでなく、第3部分トラック溝121cと平行しないトラック溝であることを指す。
【0057】
図4aは本開示のいくつかの実施例に係る軸方向に沿って近位端から遠位端へ観察する角度下で
図1のセーフティ装置13及び第2移動部材14を保留した省略模式図である。
図4bは
図4aの断面線A-Aに沿う断面図である。
【0058】
図4a及び
図4bに示すように、セーフティ装置13はセーフティロッド131を含み、セーフティロッド131はロッドの長手方向に沿って反対して設置される第1端部(すなわち、セーフティロッド131のガイドロッド12に近い一端)及び第2端部(すなわち、セーフティロッド131のガイドロッド12から離れる一端)を含む。セーフティロッド131の第1端部は位置制限溝121の第1部分トラック溝121a内に挿入される。セーフティロッド131は位置制限溝121の延伸方向に沿ってガイドロッド12に対して移動できるように配置される。
【0059】
いくつかの例示では、セーフティロッド131は静止し、且つガイドロッド12に対して移動でき、すなわち、セーフティロッド131がガイドロッド12の位置制限溝121の異なるトラック溝内に相対摺動することは、ガイドロッド12が近位端へ移動し(又は遠位端へ移動する)且つセーフティロッド131が静止するため、セーフティロッド131がガイドロッド12に対して遠位端へ移動し(又は近位端へ移動する)、これにより、本開示は、セーフティロッド131を静止するように設置することによって、それとガイドロッドとの相対移動を利用してガイドロッドの物理的位置制限を実現し、構成が簡単で、操作しやすく、安定性及び精度が比較的良い。
【0060】
なお、セーフティロッド131が静止することとは、現在の操作者に対して静止することを指し、現在の送達システム全体がある環境に対して静止することを指してもよい。
【0061】
これにより、第1部分トラック溝121a及び第3部分トラック溝121cはセーフティロッド131の第1端部を通過させることができるように配置され、それによってガイドロッド12がガイドロッドの軸方向に沿ってスムーズに移動することを許可し、例えば、ガイドロッド12がガイドロッドの軸方向に沿って近位端へ移動し(すなわち、軸方向に沿って右へ移動する)、このとき、セーフティロッド131は第1部分トラック溝121a及び第3部分トラック溝121cにおいて相対的に軸方向の近位端から軸方向の遠位端へ通過する。
【0062】
例えば、ガイドロッド12が軸方向に沿って近位端へ移動することに応じて、セーフティロッド131の第1端部はガイドロッド12に対して第1部分トラック溝121a内の近位端から遠位端に到達でき、第1部分トラック溝121a内の第2部分トラック溝121bに近い一端(すなわち、第1部分トラック溝121a内の遠位端)に位置制限され得る。
【0063】
いくつかの例示では、セーフティロッド131の第2端部は第2移動部材14に固定して接続される。セーフティロッド131は第2移動部材14の回転により駆動され、物理位置制限装置100の軸方向を中心に回転するように配置され、これによりセーフティロッド131の第1端部は位置制限溝121の第1部分トラック溝121aから第2部分トラック溝121bを経て第3部分トラック溝121cまで回転する。
【0064】
図2に示すように、位置制限溝121は第4部分トラック溝121dをさらに含む。第3部分トラック溝121c、第4部分トラック溝121d及び第1部分トラック溝121aは順に連通し、第4部分トラック溝121dはそれぞれ第3部分トラック溝121c及び第1部分トラック溝121aと角度をなして配置される。第4部分トラック溝121dの遠位端は第3部分トラック溝121cの近位端と連通し、第4部分トラック溝121dは第2部分トラック溝121bから離れる側へ延伸し、これにより第4部分トラック溝121dの近位端は第1部分トラック溝121aの少なくとも一部と連通し、且つ第4部分トラック溝121dは第2部分トラック溝121bと平行せず、それによってセーフティロッド131の第1端部が第4部分トラック溝121dに沿って近位端へ移動することを許可する。これにより第4部分トラック溝121dは斜め溝式のものであり、例えば、
図5aの左上から右下への傾斜式の斜め溝であり、容易に回収する。
【0065】
例えば、斜め溝式の第4部分トラック溝121dの近位端から第2部分トラック溝121bが位置する直線までの距離は、第4部分トラック溝121dの近位端から第2部分トラック溝121bが位置する直線までの距離より小さい。
【0066】
いくつかの例示では、第4部分トラック溝121dはセーフティロッド131の第1端部が通過可能であるように配置され、それによってガイドロッド12がガイドロッドの軸方向に沿ってスムーズに移動することを許可し、例えば、ガイドロッド12がガイドロッドの軸方向に沿って遠位端へ移動し(すなわち、軸方向に沿って左へ移動する)、このとき、セーフティロッド131は第4部分トラック溝121dにおいて相対的に軸方向の遠位端から軸方向の近位端へ通過し、これにより物理位置制限装置100の回収作用を達成する。
【0067】
図2に示すように、位置制限溝121の第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b、第3部分トラック溝121c及び第4部分トラック溝121は台形を画定し、これにより、位置制限溝121は全体的に「互」字型である。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0068】
図4a及び
図4bに示すように、セーフティ装置13はセーフティ接続部材132をさらに含み、セーフティロッド131の第2端部はセーフティ接続部材132に固定して接続され、セーフティ接続部材132はさらに第2移動部材14に固定して接続され、これにより第2移動部材14の移動によって、物理位置制限装置100の軸方向を中心にセーフティロッド131を回転させるように駆動することができる。
【0069】
図4a及び
図4bに示すように、第2移動部材14は第2ノブ141を含み、例えば、第2ノブ141は手動ノブであり、第2ノブ141の軸方向はガイドロッド12の軸方向と平行し又は同軸である。
【0070】
いくつかの例示では、第2ノブ141とセーフティ装置13は形状嵌合又は締まり嵌合によって固定して接続される。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0071】
以下、
図5a~5fの状態図に基づいて本開示の実施例に係る物理位置制限装置の使用方法を説明する。
【0072】
図5aに示すように、セーフティロッド131の第1端部はガイドロッド12の外面の第1部分トラック溝121aの右端部に挿入される。第1移動部材11を移動させるように制御し、ガイドロッド12を軸方向に沿って近位端へ移動させるように駆動する。このとき、セーフティロッド131は徐々に第1部分トラック溝121aの近位端から第1部分トラック溝121aの遠位端まで相対的に移動し、
図5bに示されるとおりである。この状態の下で、セーフティロッド131は第1部分トラック溝121aの位置制限位置に到達する。第1部分トラック溝121aの遠位端内壁の阻止作用により、セーフティロッド131はガイドロッド12の移動に伴って相対的に前進し続けることができなくなる。すなわち、第1移動部材11及びガイドロッド12は第1部分トラック溝121a内のセーフティロッド131の制限を受けて軸方向に沿って移動し続けることができなくなり、それにより物理的位置制限作用を達成する。これにより、第1移動部材の触覚によって操作者に位置制限臨界点を提示し、物理的位置決めの正確な情報を効果的にフィードバックし、簡単で効率的で正確な物理的位置制限を実現する。
【0073】
例えば、位置制限を実現した後、第2移動部材14を回転させることによって物理位置制限装置100の軸方向を中心に回転させ、これによりセーフティロッド131の第1端部は第1部分トラック溝121aの遠位端(すなわち、第2部分トラック溝121bの第1部分トラック溝121aに近い一端)から第2部分トラック溝121bを経て第3部分トラック溝121c内まで回転する(例えば、第3部分トラック溝121cの近位端又は中央位置まで回転する)。これはセーフティロッド131とガイドロッド12との軸方向の相対移動がロック解除されることを意味し、
図5cに示されるとおりである。この状態の下で、ガイドロッド12は第1移動部材11の駆動により軸方向に沿って近位端へ移動し続けることができ、セーフティロッド131の第1端部は第3部分トラック溝121c内で第3部分トラック溝121cの近位端から軸方向に沿って第3部分トラック溝121cの遠位端へ相対的に摺動し、
図5dに示されるとおりである。
【0074】
例えば、セーフティロッド131が第3部分トラック溝121cの遠位端に到達した後の戻り段階(回収段階と呼ばれてもよい)では、逆方向に移動する第1移動部材11の駆動により、ガイドロッド12も逆方向に移動し、すなわち、ガイドロッド12は軸方向に沿って遠位端へ移動し、セーフティロッド131は第3部分トラック溝121c内で軸方向に沿って近位端へ相対的に摺動する。該セーフティロッド131は、まず、第3部分トラック溝121cの近位端に到達し、次に斜め溝式の第4部分トラック溝121d内の遠位端に移行し、
図5eに示されるとおりである。セーフティロッド131は第4部分トラック溝121d内で相対的に摺動し続け、第4部分トラック溝121d内の近位端まで相対的に移動してから第1部分トラック溝121a内の遠位端に移行し、第1部分トラック溝121aの遠位端へ相対的に摺動し、最終的に第1部分トラック溝121の近位端に到達し、それにより戻り過程が完了し、
図5fに示されるとおりである。
【0075】
これにより、本開示の少なくとも1つの実施例における位置制限溝121は斜め溝式の第4部分トラック溝121dを用いることによって、第2移動部材14(例えば第2ノブ141)を操作する必要がなく、第1移動部材11(例えば第1ノブ111)を操作するだけで、第2移動部材14が初期位置まで受動的に回転されるように駆動することができ(すなわち、リセット)、これにより操作過程全体はより簡便で効率的である。
【0076】
なお、上記に
図1~
図5fを参照して説明した実施例の物理位置制限装置は1段の位置制限溝121のみに関するが、本開示はこれに限定されず、本開示の物理位置制限装置は2段又は3段以上の位置制限溝121をさらに含んでもよい。
【0077】
例えば、本開示の実施例に係る物理位置制限装置はN段の位置制限溝121を含んでもよく、且つNは2以上の整数であり、i段目の位置制限溝121の第1部分トラック溝121aはi-1段目の位置制限溝121の第3部分トラック溝121cと連通し、軸方向の近位端から軸方向の遠位端へ各段の数値iは順に1、2…Nと記す。
【0078】
図6は本開示のいくつかの実施例に係る2段の位置制限溝121のカスケード模式図である。
【0079】
例えば、
図6に示すように、2段の位置制限溝121のうちの1段目の位置制限溝は第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b、第3部分トラック溝121c及び第4部分トラック溝121dを含む。2段目の位置制限溝は第1部分トラック溝121a’、第2部分トラック溝121b’、第3部分トラック溝121c’及び第4部分トラック溝121d’を含む。1段目の第3部分トラック溝121cの左端部と2段目の第1部分トラック溝121a’の右端部は連通し、又は一体に形成され、それにより2段の位置制限溝121のカスケードを実現する。本開示の実施例では、3段以上の位置制限溝121のカスケード方式及び具体的な構造や構成については、
図6の例示を参照すればよく、ここで繰り返し説明しない。
【0080】
いくつかの例示では、各段の位置制限溝の全体的な形状構造については、需要に応じて調整することができ、例えば、位置制限溝は
図2に示された台形に限定されず、代替可能に、
図6に示すように、位置制限溝121の第1部分トラック溝121a、第2部分トラック溝121b、第3部分トラック溝121c及び第4部分トラック溝121はさらに三角形を画定することができる。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0081】
例えば、
図6の例示では、2段の位置制限溝121のうちの各段の位置制限溝は構造が同じである。勿論、本開示はこれに限定されず、例えば、2段の位置制限溝121の構造は同じではなくてもよい。
【0082】
いくつかの例示では、複数段の位置制限溝121のうちの一部の位置制限溝121は台形であってもよく、他の位置制限溝121は三角形であってもよい。別のいくつかの例示では、複数段の位置制限溝121のうちの各段の位置制限溝121はいずれも台形である。また、いくつかの例示では、複数段の位置制限溝121のうちの各段の位置制限溝121はいずれも三角形である。
【0083】
これにより、本開示の少なくとも1つの実施例は複数段の位置制限溝のカスケードによって複数の位置又は複数の段階の位置制限を実現することができ、そして、1つのセーフティ装置13(例えばセーフティロッド131)及び1つの第2移動部材14(例えば第2ノブ141)だけで実現でき、十分に簡単で効率的であり、適用範囲がより広く、位置制限精度がより高い。
【0084】
本開示の少なくとも1つの実施例はさらに人工補綴物の送達システムを提供し、上記いずれかの実施例に係る物理位置制限装置を含む。
【0085】
図7は本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの外観模式図である。
図8は本開示のいくつかの実施例に係る第1チューブアセンブリ及び第2チューブアセンブリの構造図であり、
図9は本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの内部模式図である。
【0086】
図7に示すように、本開示の少なくとも1つの実施例に係る人工補綴物の送達システム200は第1チューブアセンブリ21、第2チューブアセンブリ22及び物理位置制限装置100を含む。
【0087】
いくつかの例示では、第1チューブアセンブリ21は人工補綴物を置くように配置される。第2チューブアセンブリ22の少なくとも一部は第1チューブアセンブリ21の少なくとも一部分の外側に嵌設される。第2チューブアセンブリ22の軸方向及び第1チューブアセンブリ21の軸方向はそれぞれ物理位置制限装置100の軸方向と平行し又は同軸である。
【0088】
物理位置制限装置100は第1移動部材11、ガイドロッド12、セーフティ装置13及び第2移動部材14を含む。下記の送達システム200の物理位置制限装置100の具体的な構造や構成、及び技術的効果については、
図1~
図6の説明を参照すればよく、本明細書の説明を明確且つ簡単にするために、ここで繰り返し説明しない。
【0089】
いくつかの例示では、第2チューブアセンブリ22の少なくとも一部(例えば下記のシース221)は第1移動部材11に固定して接続され、これにより第1移動部材11は第2チューブアセンブリ22を第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動させるように駆動する。
【0090】
上記のように、セーフティロッド131が静止することとは、現在の操作者に対して静止することを指し(又は現在の送達システム全体がある環境に対して静止することを指してもよい)、これにより、セーフティロッド131が静止することは、例えば第1チューブアセンブリ21に対して静止し、すなわち、第1チューブアセンブリ21は現在の操作者に対して静止することができる。
【0091】
いくつかの例示では、送達システム200の物理位置制限装置100はスクリュー15をさらに含む。第1移動部材11(例えば第1ノブ111)の内部には、螺合を実現するためにスクリュー15に適合するネジが設けられ、これにより第1移動部材11は円周方向に回転するときにネジ伝動によって軸方向に沿う相対移動を実現することができ、それによりガイドロッド12を物理位置制限装置100の軸方向に沿って移動させるように駆動する。
【0092】
例えば、ガイドロッド12はスクリュー15に挿設され且つスクリュー15に対して移動でき、第1移動部材11(例えば第1ノブ111)はスクリュー15に嵌設され、第1移動部材11及びスクリュー15の軸方向はいずれもガイドロッド12の軸方向と平行し又は同軸である。第1移動部材11(例えば第1ノブ111)は1つの中間部材(例えば下記のシース固定台28)に固定して接続され、且つ該中間部材(例えば下記のシース固定台28)はガイドロッド12に固定して接続され、これにより第1移動部材11(例えば第1ノブ111)は回転するときにネジ伝動によって軸方向に沿って相対移動することを実現でき、該中間部材(例えば下記のシース固定台28)を移動させるように駆動し、それによりガイドロッド12を物理位置制限装置100の軸方向に沿って移動させるように駆動することができる。
【0093】
いくつかの例示では、送達システム200は第1ハウジング及び第2ハウジングをさらに含み、第1ハウジングは第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24を含み、第2ハウジングは第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26を含む。
【0094】
例えば、
図7に示すように、スクリュー15の遠位端はそれぞれ第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24に固定して接続される。第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24はそれぞれ送達システム200の中心軸線の両側(すなわち、
図7の上下方向)に位置し且つ第1ハウジング半体23(すなわち、上部ハウジング)と第2ハウジング半体24(すなわち、下部ハウジング)は固定して接続することで第1ハウジングを形成する。例えば、
図7に示すように、スクリュー15の近位端はそれぞれ第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26に固定して接続される。第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26はそれぞれ送達システム200の中心軸線の両側(すなわち、
図7の上下方向)に位置し且つ第3ハウジング半体25(すなわち、上部ハウジング)と第4ハウジング半体26(すなわち、下部ハウジング)は固定して接続することで第2ハウジングを形成する。
【0095】
本開示のいくつかの実施例の第1ハウジング及び第2ハウジングはそれぞれ2つのハウジング半体を組み立てることによって形成され、このように送達システム全体の取り付けを容易にする。
【0096】
なお、本開示はこれに限定されず、例えば、他のいくつかの例示では、第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24はそれぞれ送達システム200の軸線の左右両側に位置し、且つ/又は第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26はそれぞれ送達システム200の軸線の左右両側に位置するようにしてもよい。又は、さらなるいくつかの例示では、第1ハウジング及び第2ハウジングはそれぞれ一体型構造である。
【0097】
いくつかの例示では、第1チューブアセンブリ21は第2ハウジングに固定して接続され、第1チューブアセンブリ21及び第2ハウジングはいずれも静止を維持する(例えば操作者に対して静止する)。
【0098】
以下、
図8を参照して第1チューブアセンブリ21及び第2チューブアセンブリ22の具体的な構造を具体的に説明する。
【0099】
図8に示すように、第1チューブアセンブリ21は人工補綴物接続部材211及び内管213を含む。例えば、内管213は多層管213であり、強度を高めることに用いられるが、本開示はこれに限定されない。説明を容易にするために、下記に関わるすべての内管213はいずれも多層管213を用いる。
【0100】
いくつかの例示では、人工補綴物接続部材211は多層管213の少なくとも一部分の外側面に設置され且つ多層管213に固定して接続され、例えば、グルーによって固定して接続される。例えば、人工補綴物接続部材211は多層管213の遠位端の外側面に設置され且つ人工補綴物接続部材211は多層管213に固定して接続される。
【0101】
本開示の少なくとも1つの実施例によれば、人工補綴物接続部材211の外側面に人工補綴物に適合する係合溝が開けられ、それによって人工補綴物を嵌め込んで置き且つ人工補綴物に分離可能に接続する。例えば、いくつかの例示では、人工補綴物接続部材211の外側面に開けられた係合溝はT字型凹溝であり、人工補綴物の近位端に同じ形状のT字型ロッドが加工されている。勿論、これは例示的なものに過ぎず、本開示の実施例を制限するものではなく、人工補綴物接続部材211の係合溝の形状は人工補綴物の形状に適合すればよい。
【0102】
いくつかの例示では、人工補綴物は人工心臓弁を含むが、それに限定されず、本開示の実施例は制限したり、すべての例を挙げたりしない。例えば、別のいくつかの例示では、人工補綴物は動脈瘤等の血管病変を治療するための被膜ステント又は人工血管補綴物である。
【0103】
いくつかの例示では、第1チューブアセンブリ21は端部基体212をさらに含み、端部基体212は多層管213の遠位端に接続される。例えば、端部基体212は錐体形ヘッドであり、該錐体形ヘッドは送達システムの最も遠位端に位置し、多層管213の遠位端に取り外し可能に接続される。例えば、
図9に示すように、端部基体212はネジを介して多層管213の遠位端に固定して接続される。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0104】
いくつかの例示では、多層管213は第1チューブアセンブリ21の軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第3管体を含む。例えば、多層管213は硬度が異なる複数層且つ複数段の高分子材料から複合されてなり、それにより、軸方向に接続された硬度が異なる複数の直線セグメントを有し、それにより、強度を必要とする直線セグメントが十分な強度を有し、湾曲を必要とする直線セグメントが十分な柔軟性を有することを達成することができ、これにより、このような多層管213を含む送達システムを用いることによって大動脈の弓部(例えば、U字型に類似する)に入って人工心臓弁を送達することができる。
【0105】
いくつかの例示では、第2チューブアセンブリ22はシース221及び安定化チューブ222を含み、安定化チューブ222の遠位端はシース221の少なくとも一部分の外側に嵌設される。
【0106】
例えば、
図8に示すように、シース221はレデューサ構造であり、該シース221は遠位端から近位端へ順に配列される第1シース部分221a及び第2シース部分221bを含み、すなわち、第1シース部分221aは第2シース部分221bよりも遠位端に近い。第1シース部分221aの直径は第2シース部分221bの直径より大きい。
【0107】
例えば、安定化チューブ222は第2シース部分221bの少なくとも一部分の外側に嵌設され、すなわち、安定化チューブ222の直径は第2シース部分221bの直径より大きい。第1シース部分221aの直径と安定化チューブ222の直径との大きさの関係について、例えば、安定化チューブ222の直径は第1シース部分221aの直径より小さく、このように、第1シース部分221aが安定化チューブ222の遠位端により係止される位置までシース221が移動するときに送達システムの完全な開きを安定して正確に実現することを確保することができる。
【0108】
いくつかの例示では、径方向に沿って、安定化チューブ222、第2シース部分221b及び多層管213は外から内へ順に設置され、
図8に示されるとおりである。
【0109】
いくつかの例示では、シース221は軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第4管体を含む。例えば、シース221の異なる直線セグメントは異なるチューブ製造方式で異なる硬度の直線セグメントを実現し、それにより、強度を必要とする直線セグメントが十分な強度を有し、湾曲を必要とする直線セグメントが十分な柔軟性を有することを達成することができる。これにより、このようなシース221を含む送達システムを用いることによって大動脈の弓部(例えばU字型に類似する)に入って人工心臓弁を送達することができる。
【0110】
例えば、搭載時に、人工補綴物のT字型ロッドを人工補綴物接続部材211のT字型凹溝に嵌め込み、その後、第2チューブアセンブリ22のシース221を閉じるとき(すなわち、シース221は左へ移動するとき)に人工補綴物をシース221と第1チューブアセンブリ21から形成された空洞に入れる。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0111】
本開示の上記実施例は係合溝が設けられた人工補綴物接続部材によって人工補綴物の搭載を実現し、様々なタイプの人工補綴物に適応でき、さらに人工補綴物のスムーズな解放を確保することができ、構成が簡単で、操作しやすく、応用が広い。
【0112】
以下、
図9を参照して送達システム200の詳細な構造を説明する。
図9に示すように、第1移動部材11は、例えば手動の第1ノブ111であってもよい。第1ノブ111の軸方向はガイドロッド12の軸方向と平行し又は同軸である。例えば、ガイドロッド12は送達システム200全体の軸線と同軸であるように維持する。
【0113】
図9に示すように、送達システム200は基本的に第1ハウジング内に設置された安定化チューブ固定台27をさらに含む。安定化チューブ固定台27は第1ハウジングの内部に設置され、且つ安定化チューブ222は遠位端から安定化チューブ固定台27まで延伸し且つ安定化チューブ222の近位端は安定化チューブ固定台27に固定して接続される。安定化チューブ固定台27は第1ハウジングを構成する第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24にそれぞれ固定して接続される。これにより安定化チューブ222と安定化チューブ固定台27は第1ハウジングに対して固定される。
【0114】
いくつかの例示では、安定化チューブ固定台27はグルーによって安定化チューブ222に固定して接続され、安定化チューブ固定台27は形状嵌合によって第1ハウジング半体23及び第2ハウジング半体24にそれぞれ固定して接続される。例えば、安定化チューブ固定台27は円筒状であり、第1ハウジング半体23(及び/又は第2ハウジング半体24)の内部に2本のリブ板が加工されており且つリブ板には安定化チューブ固定台27を係止するための半円形開口があり、それによって形状嵌合を実現する。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0115】
いくつかの例示では、送達システム200はシース固定台28をさらに含む。シース221は遠位端からシース固定台28まで延伸し且つシース221の第2シース部分221bの近位端はシース固定台28に固定して接続される。いくつかの例示では、シース固定台28は第1ノブ111に固定して接続される。
【0116】
例えば、シース固定台28はグルーによってシース221に固定して接続される。例えば、シース固定台28は形状嵌合によって第1ノブ111に固定して接続される。例えば、ガイドロッド12とシース固定台28はネジ及びグルーによって固定して接続される。これは例示的なものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0117】
図8に示すように、送達システム200は内管固定台29をさらに含む。例えば、内管213が多層管213である場合、それに対応して、該内管固定台29は多層管固定台29と呼ばれてもよい。下記に関わるすべての内管固定台29はいずれも多層管固定台29として説明される。
【0118】
例えば、多層管213は遠位端から近位端側へ延伸し、多層管固定台29まで延伸し、且つ多層管固定台29は多層管213に固定して接続され、多層管固定台29は第2ハウジングの内部に設置され且つ多層管固定台29はそれぞれ第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26に固定して接続され、これにより、第1チューブアセンブリ21は接続部材(例えば多層管固定台29)を介してそれぞれ第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26に固定して接続される。
【0119】
いくつかの例示では、多層管固定台29はグルーによって多層管213に固定して接続され、多層管固定台29は形状嵌合によってそれぞれ第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26に固定して接続される。例えば、第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26は多層管固定台29及び多層管213に対して静止する。いくつかの例示では、第3ハウジング半体25と第4ハウジング半体26を固定して接続することで形成された第2ハウジングは円柱体であり、第2ノブ141は該円柱体の外側面に嵌設され、これにより第2ノブ141は第2ハウジングに対して軸方向に移動できずが、軸方向周りに回転することができる。
【0120】
本開示の上記実施例は多層管固定台29を利用して第1チューブアセンブリの静止を確保することができ、これにより第2チューブアセンブリ22は第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動し、人工補綴物のスムーズな送達及び回収を確保する。
【0121】
いくつかの例示では、第1チューブアセンブリ21は内管排気部材214をさらに含む。内管排気部材214は多層管213の近位端に固定して接続される。操作者は操作する前に第1チューブアセンブリ21内の空気を排出する必要があり、注射器を利用して送達システム200に生理食塩水を注射する方式で実現し、すなわち、内管排気部材214は注射器に適合可能な1つのインタフェースを操作者に提供し、操作者による排気操作を容易にする。いくつかの例示では、内管排気部材214はグルーによって多層管213に固定して接続される。勿論、これは例示的なものに過ぎず、本開示の実施例は該部材間が固定して接続する方式を制限しない。
【0122】
いくつかの例示では、ガイドロッド12はスクリュー15の内部に設置され、且つガイドロッド12はシース固定台28に固定して接続され、これにより第1ノブ111の回転によってシース固定台28を移動させるように駆動することができ、それによりシース221及びガイドロッド12を軸方向に沿って移動させるように駆動する。
【0123】
これにより、第2チューブアセンブリ22のシース221が第1ノブ111の回転に伴って軸方向に沿って近位端へ動き、安定化チューブ222が静止し(例えば操作者に対して)且つ安定化チューブ222の直径が一部分の第1シース部分221aの直径より小さいため、第1シース部分221aが安定化チューブ222の遠位端により係止される位置までシース221が移動するときに、シース221が最も右端部まで移動と記すことができ、このとき、ガイドロッド12も最も右端部(例えば、
図5dにおいてセーフティロッド131が第3部分トラック溝121cの最も左端部に位置するときにガイドロッド12がある位置)に位置する。該状態は送達システムが完全に開く状態である。
【0124】
第1ノブ111を回転すると、ネジ伝動の特性により、第1ノブ111が送達システム200の軸方向に沿って移動することを実現することができ、且つ第1ノブ111がシース固定台28、第2チューブアセンブリ22のシース221及びガイドロッド12のすべてに固定して接続されるため、第1ノブ111は軸方向に沿って移動するときに、シース固定台28を軸方向に動かすように駆動し、それによりシース221を軸方向に動かすように駆動する。第1チューブアセンブリ21がそれぞれ第3ハウジング半体25及び第4ハウジング半体26に固定して接続され、操作者に対していずれも静止を維持するため、第2チューブアセンブリ22のシース221は第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動し、それにより人工補綴物(例えば心臓弁)の送達及び解放を完了することができる。
【0125】
図10a~10cは本開示のいくつかの実施例に係る人工補綴物の送達システムの操作方法の模式図である。
【0126】
まず、
図10aに示すように、セーフティロッド131の第1端部が第1部分トラック溝121a内に挿入されるときに、人工補綴物(例えば心臓弁3)の少なくとも一部(例えば、人工補綴物全体又は人工補綴物の一部)は第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間の第1空洞A01内に置かれ、且つ第1空洞A01は、第2チューブアセンブリ22のシース221が第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動するときに徐々に開閉することで、人工補綴物を解放したり、人工補綴物を回収したりする。
【0127】
次に、
図10bに示すように、セーフティロッド131の第1端部が第1部分トラック溝121a内の第2部分トラック溝121bに近い一端(すなわち、第1部分トラック溝121a内の遠位端)に到達するときに、人工補綴物は第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間の第2空洞A02内に置かれる。
図10bに示すように、セーフティロッド131の第1端部が第1部分トラック溝121a内の遠位端に位置制限されるときに、人工補綴物の一部(例えば人工補綴物の25%)は第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間の第2空洞A02内に置かれ、このとき、人工補綴物の他の部分(例えば人工補綴物の75%)は送達システム外に解放される。第2空洞A02の空間は第1空洞A01の空間より小さい。勿論、本開示の実施例は位置制限位置に到達するときに人工補綴物の解放部分が占める割合を制限せず、人工補綴物の一部(すなわち、人工補綴物の0%~100%、0%及び100%を含まない)が空洞内にあることを満たせばよく、人工補綴物の関連割合は異なる人工補綴物の状況によるものであってもよく、ここで、すべての例を挙げず、繰り返し説明しない。
【0128】
これにより明らかなように、
図10a及び
図10bの例示では、第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間に形成された空洞は開いており、且つ人工補綴物は徐々に解放されている。
【0129】
例えば、送達装置200が
図10bに示される状態に達するときに、すなわち、ガイドロッド12がセーフティ装置13のセーフティロッド131により位置制限されて軸方向に沿って移動し続けることができなくなり、このとき、操作者は一時停止し、人工補綴物が目的要件を満たすか否かを判断することができ、誤操作により人工補綴物が直接完全に解放されることはなく、そして、操作者の手は送達装置200からしばらく離れて血管造影等の他の手術操作を行うことができる。
【0130】
本開示の上記実施例に係る人工補綴物を送達する送達システムは物理位置制限装置を有し、人工補綴物の解放状況(例えば、解放長さ、解放形態等が目的要件を満たすか否か)についての正確な情報を操作者に効果的にフィードバックすることができ、触覚によって操作者に位置制限臨界点を提示し(例えば、触覚によって回収可能な位置臨界点を操作者に提示する)、簡単で効率的で正確な物理的位置制限を実現する。
【0131】
いくつかの例示では、人工補綴物の一部が解放され、すなわち、ガイドロッド12がセーフティ装置13のセーフティロッド131により位置制限されるときに、操作者は人工補綴物が目的要件を満たすと判断した場合、第2移動部材14の軸方向回転によって、セーフティロッド131を第1部分トラック溝121aの遠位端から第2部分トラック溝121bを経て第3部分トラック溝121c内まで回転させ、このとき、ガイドロッド12は第1ノブ111の駆動により軸方向に沿って近位端へ移動し続けることができ、セーフティロッド13は第3部分トラック溝121c内で軸方向に沿って第3部分トラック溝121cの遠位端へ相対的に摺動し、第3部分トラック溝121c内の最も遠位端に到達するまで続ける。そして、第1移動部材11の駆動により第2チューブアセンブリ22のシース221は第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動し、第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間の第2空洞A02は開き続け(すなわち、第2空洞A02の空間はますます小さくなる)、人工補綴物がより多く解放され、人工補綴物全体が完全に解放されるまで続ける。すなわち、このとき、人工補綴物はシース221から離脱し、それにより人工補綴物の解放及び植え込みを完了し、
図10cに示されるとおりである。
【0132】
いくつかの例示では、セーフティロッド13がガイドロッド12に対して第3部分トラック溝121cの最も遠位端まで摺動したときに、人工補綴物は完全に解放される。これはこのときの送達システムが完全に開くことを意味する。
【0133】
なお、セーフティロッド13がガイドロッド12に対して第3部分トラック溝121cの最も遠位端(例えば最も遠位端に近い位置又は第3部分トラック溝121c内の中央位置)まで摺動していないときに、人工補綴物が完全に解放される場合も本開示の実施例の範囲内に含まれ、本開示の実施例はこれを制限しない。
【0134】
いくつかの例示では、セーフティロッド131が第3部分トラック溝121c内の遠位端に到達し、人工補綴物の完全な解放を完了した後、第1ノブ111を逆方向に回転させるように制御し(すなわち、第1ノブ111は軸方向に沿って遠位端へ動く)、第2チューブアセンブリ22のシース221を第1チューブアセンブリ21に対して軸方向に相対移動させるように駆動し、且つガイドロッド12を軸方向に沿って遠位端へ移動させるように駆動し、これによりセーフティロッド131は相対的に移動し、第3部分トラック溝121cから位置制限溝の第4部分トラック溝121dを経て第1部分トラック溝121a内に戻り、最終的に第1部分トラック溝121aの近位端に到達し、それによって送達システムを完全に閉じることを実現する。
【0135】
いくつかの例示では、人工補綴物の一部が解放され、すなわち、ガイドロッド12がセーフティ装置13のセーフティロッド131により位置制限されるときに、操作者は人工補綴物が目的要件を満たさないと判断した場合、第1ノブ111を逆方向に回転させることによって、第2チューブアセンブリ22のシース221を遠位端へ動かすように駆動することで空洞を閉じ、それにより人工補綴物の回収を実現する。このとき、操作者は人工補綴物送達システム全体の位置、方向等を移動又は調整し、又は血管造影等の他の手術操作を行い、再び人工補綴物の解放及び回収操作を繰り返し、目的要件を満たすまで完全に解放することができる。
【0136】
これにより、本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムは人工補綴物の解放や植え込み及び完全に解放していない状態下での回収を実現することができ、より大きなフォールトトレランス空間を操作者に提供することができ、それにより操作者の操作難易度を低下させる。本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達システムは人工補綴物の解除位置又は形態が悪い場合に回収し、再び位置決め及び解放操作を行うことができ、且つ人工補綴物の解除位置又は形態が良い場合に解放し続けることができ、解放の精度をさらに向上させ、人工補綴物の植え込み効果を向上させ、回収の安全性を向上させることもできる。
【0137】
これにより明らかなように、本開示の少なくとも1つの実施例に係る人工補綴物を送達する送達方法は、補綴物の送達、補綴物の回収、補綴物の解放及び送達システムを閉じる等の機能を実現することができる。
【0138】
なお、本開示の実施例では、該送達方法(すなわち、人工補綴物の送達システムの操作方法)はより多く又はより少ないステップを含んでもよく、且つ各ステップ間の順序関係を制限せず、実際のニーズに応じて定めることができる。該送達方法は上記いずれかの実施例に係る送達装置により実現され、送達方法に関わる送達装置の解決手段の内容について、上記関連実施例の記載を参照すればよく、ここで繰り返し説明しない。
【0139】
下記の人工補綴物を送達する送達方法については、主に人工心臓弁補綴物を送達すること及び送達システムのガイドロッドに1段の位置制限溝が開けられることを例に説明するが、本開示の送達方法はこれに限定されず、本開示はこれを制限せず、ここで、すべての例を挙げず、繰り返し説明しない。
【0140】
いくつかの例示では、操作者は第1ノブ111を回転して第2チューブアセンブリ22のシース221を軸方向に沿って近位端へ動かすように駆動するときに、心臓弁の送達及び解放機能を実現することができる。操作者は逆方向に第1ノブ111を回転して第2チューブアセンブリ22のシース221を軸方向に沿って遠位端へ動かすように駆動するときに、心臓弁の回収及び送達システムが解放した後の閉じ機能を実現することができる。
【0141】
いくつかの例示では、人工心臓弁補綴物を送達する操作方法は以下の過程の1つ又は複数を含む。
【0142】
例えば、操作者は第1ノブ111を回転すると、ネジ伝動の特性により、第1ノブ111がガイドロッド12の軸方向に沿って移動することを実現することができ、シース固定台28を軸方向に動かすように駆動し、それによりシース221を軸方向に動かすように駆動し、第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21は軸方向に相対移動する。
【0143】
例えば、第2チューブアセンブリ22のシース221が近位端へ移動するときに、シース221と第1チューブアセンブリ21から形成された空洞は徐々に開き、空洞内部の心臓弁3を徐々に解放する。それと同時に、第1ノブ111はガイドロッド12を近位端へ動かすように駆動し、ガイドロッド12の第1部分トラック溝121a内のセーフティロッド131はガイドロッド12に対して摺動し、ガイドロッド12の移動に伴い、セーフティロッド131は第1部分トラック溝121a内の近位端(
図5aに示される初期状態で、心臓弁3はシース221と第1チューブアセンブリ21から形成された空洞内に完全に位置する)から第1部分トラック溝121a内の遠位端に到達し(
図5bに示される)、このとき、第1部分トラック溝121aの内壁の阻止作用により、第1ノブ111を操作し続けるときに、ガイドロッド12は第1部分トラック溝121a内のセーフティロッド131により位置制限されて近位端へ移動し続けることができなくなり、且つガイドロッド12に固定して接続されたシース221は近位端へ移動することができなくなり、心臓弁3をさらに解放することができず、このとき、触覚によって、該位置が心臓弁3の回収可能な限界位置であることを操作者に通知することができる。例えば、このとき、心臓弁3は75%解放された状態にあり、25%が依然としてシース221と第1チューブアセンブリ21から形成された空洞内にある。
【0144】
例えば、操作者は心臓弁3が目的要件を満たす(例えば、心臓弁3の解放形態及び位置はよく又は正常である)と判断した場合、第2ノブ141を回転させ、セーフティロッド131を第1部分トラック溝121aの遠位端から第2部分トラック溝121bを経て第3部分トラック溝121c内まで回転させ、操作者は第1ノブ111を回転させ続けることができ、このとき、ガイドロッド12は移動中の第1ノブ111の駆動により近位端へ移動し続け、セーフティロッド13は第3部分トラック溝121c内で相対摺動し、第3部分トラック溝121cの遠位端に到達するまで続け、そして、第1ノブ111の駆動により、第2チューブアセンブリ22のシース221と第1チューブアセンブリ21との間の空洞は開き続け、心臓弁3を解放し続け、心臓弁3全体を完全に解放するまで、心臓弁3の解放及び植え込みを完了し、
図10cに示されるとおりである。
【0145】
例えば、心臓弁3が目的要件を満たさない(例えば、心臓弁3の解放形態及び位置が悪く又は異常である)と判断した場合、第1ノブ111を逆方向に回転させ(すなわち、第1ノブ111は軸方向に沿って遠位端へ動く)、第2チューブアセンブリ22のシース221を遠位端へ動かすように駆動することで空洞を閉じ、それにより心臓弁3の回収を実現する。
【0146】
例えば、シース221は最も近位端(すなわち、最も右端部)まで移動すると、ガイドロッド12も最も近位端まで動き、すなわち、セーフティロッド131は第3部分トラック溝121c内の最も遠位端に到達し、送達システムは完全に開き、
図10cに示されるとおりである。この状態下で、送達システムを閉じる必要がある場合、操作者は第1ノブ111を回転させることによってシース221及びガイドロッド12を軸方向に沿って遠位端へ動かすように駆動し、シース221及びガイドロッド12が中央位置まで移動するときに、セーフティロッド131は第3部分トラック溝121cから斜め溝式の第4部分トラック溝121dに移行し、次に第1部分トラック溝121a内に到達し、第1部分トラック溝121aの最も近位端に到達するまで続け、それにより第2ノブ141が初期位置まで受動的に回転されるように駆動することができ(すなわち、リセット)、このとき、シース221は最も遠位端(すなわち、最も左端部)まで動き、送達システムを完全に閉じ、体外に引き戻すことができる。
【0147】
本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達方法は解放過程における1つの臨界位置に物理位置制限構造を設置することによって、触覚及び強制終了操作を利用して、操作者が臨界位置に解放して動作を停止する精度を達成することができ、弁の解放長さを常に観察する必要がない。本開示の少なくとも1つの実施例に係る送達方法によって、送達システムが閉じられるときに、操作者は第2移動部材をさらに操作する必要がなく、リセットすることができる。また、送達システムの回収過程における斜め溝に沿うリセットによって、操作者は弁補綴物を完全に解放した後、送達システムの閉じを容易に実現し、さらなる操作を必要とせず、手術過程全体をより安全で効率的にする。
【0148】
なお、本開示の実施例では、送達方法の他の関連過程及び技術的効果は上記の送達装置についての説明を参照すればよく、ここで、繰り返し説明しない。
【0149】
以下の点を説明する必要がある。
【0150】
(1)本開示の実施例の図面では、本開示の実施例に関わる構造のみに関し、他の構造は通常の設計を参照すればよい。
【0151】
(2)矛盾がない場合、本開示の実施例及び実施例の特徴を相互に組み合わせて新しい実施例を得ることができる。
【0152】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲はこれに限定されず、本開示の保護範囲は前記請求項の保護範囲に準じるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理位置制限装置であって、
第1移動部材と、
前記第1移動部材により駆動されて前記ガイドロッドの軸方向に沿って移動するように配置され、前記ガイドロッドの外面に少なくとも1段の位置制限溝が開けられ、前記少なくとも1段の位置制限溝は全体的に前記ガイドロッドの軸方向に沿って延伸し、各段の前記位置制限溝は順に連通する第1部分トラック溝、第2部分トラック溝及び第3部分トラック溝を含み、前記第2部分トラック溝はそれぞれ前記第1部分トラック溝及び前記第3部分トラック溝と角度をなして配置されるガイドロッドと、
ロッドの長手方向に沿って反対する第1端部と第2端部を含み、前記第1端部は前記位置制限溝内に挿入され、且つ前記セーフティロッドは前記位置制限溝に沿って前記ガイドロッドに対して移動できるように配置され、
前記セーフティロッドの第2端部に接続され、且つ前記第2移動部材は、回転によって前記ガイドロッドの軸方向を中心に前記セーフティロッド周りに回転させるように駆動し、前記セーフティロッドの第1端部を前記第2部分トラック溝に沿って動かすように配置される第2移動部材とを含む、物理位置制限装置。
【請求項2】
前記第1部分トラック溝及び前記第3部分トラック溝は前記ガイドロッドの軸方向に沿って延伸するように配置され、前記第2部分トラック溝は前記ガイドロッドの円周方向に沿って延伸するように配置され、前記ガイドロッドの軸方向において、前記第2部分トラック溝は前記第1部分トラック溝と前記第3部分トラック溝との間に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置制限溝はさらに、第4部分トラック溝を含み、前記第4部分トラック溝は前記セーフティロッドの第1端部が通過可能であるように配置され、前記第4部分トラック溝の遠位端は前記第3部分トラック溝の近位端と連通し、前記第4部分トラック溝の近位端は前記第1部分トラック溝の少なくとも一部と連通し、前記第4部分トラック溝と前記第2部分トラック溝は平行しない、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1部分トラック溝、前記第2部分トラック溝、第3部分トラック溝及び前記第4部分トラック溝は台形又は三角形を画定する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1段の位置制限溝はN段の位置制限溝であり、Nは2以上の整数であり、i段目の前記位置制限溝の第1部分トラック溝はi-1段目の前記位置制限溝の第3部分トラック溝と連通し、前記近位端から前記遠位端へ、各段の数値iは順に1、2…Nと記す、請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
人工補綴物の送達システムであって、請求項
1に記載の物理位置制限装置を含み、前記送達システムはさらに、
前記人工補綴物を置くように配置され第1チューブアセンブリと、
シースを含み、前記シースは前記第1チューブアセンブリの少なくとも一部分の外側に嵌設され、前記シース及び前記第1チューブアセンブリの軸方向はそれぞれ前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸である第2チューブアセンブリとを含み、
前記シースは前記第1移動部材に固定して接続され、これにより前記第1移動部材は前記シースを駆動して前記第1チューブアセンブリに対して軸方向に相対移動させることができる、人工補綴物の送達システム。
【請求項7】
前記セーフティロッドは前記第1チューブアセンブリに対して静止する、請求項6に記載の送達システム。
【請求項8】
スクリューをさらに含み、
前記第1移動部材は第1ノブを含み、前記第1ノブは前記スクリューに嵌設され、前記第1ノブ及び前記スクリューの軸方向はいずれも前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、前記第1ノブの内部には螺合を実現するために前記スクリューに適合するネジが設けられ、これにより前記第1ノブは円周方向に回転するときにネジ伝動によって前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿う相対移動を実現する、請求項
6に記載の送達システム。
【請求項9】
第1ハウジング半体、第2ハウジング半体、第3ハウジング半体及び第4ハウジング半体をさらに含み、
前記スクリューの遠位端はそれぞれ前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体に固定して接続され、前記スクリューの近位端はそれぞれ前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体に固定して接続され、前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体はそれぞれ前記送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ前記第1ハウジング半体と前記第2ハウジング半体は固定して接続することで第1ハウジングを形成し、前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体はそれぞれ前記送達システムの中心軸線の両側に位置し且つ前記第3ハウジング半体と前記第4ハウジング半体は固定して接続することで第2ハウジングを形成する、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記第2チューブアセンブリはさらに、遠位端は前記シースの少なくとも一部分の外側に嵌設される安定化チューブを含む、請求項9に記載の送達システム。
【請求項11】
前記シースはレデューサであり、前記レデューサは遠位端から近位端へ順に配列される第1シース部分と第2シース部分を含み、前記第1シース部分の直径は前記第2シース部分の直径より大きく、前記安定化チューブの遠位端は前記第2シース部分の外側に嵌設され、前記安定化チューブの直径は前記第1シース部分の少なくとも一部の直径より小さい、請求項10に記載の送達システム。
【請求項12】
安定化チューブ固定台及びシース固定台をさらに含み、
前記安定化チューブは遠位端から前記安定化チューブ固定台まで延伸し且つ前記安定化チューブの近位端が前記安定化チューブ固定台に固定して接続されるように配置され、前記安定化チューブ固定台は前記第1ハウジングの内部に設置され、且つ前記安定化チューブ固定台はそれぞれ前記第1ハウジング半体及び前記第2ハウジング半体に固定して接続され、
前記シースは遠位端から前記シース固定台まで延伸し且つ前記第2シース部分の近位端が前記シース固定台に固定して接続され、前記シース固定台は前記第1ノブに固定して接続され、
前記ガイドロッドは前記スクリューに挿設され、前記ガイドロッドは前記シース固定台に固定して接続され、これにより前記第1ノブの回転によって前記シース固定台を移動させるように駆動し、前記シースと前記ガイドロッドを前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って相対移動させるように駆動することができる、請求項11に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第1チューブアセンブリは内管及び人工補綴物接続部材を含み、
前記人工補綴物接続部材は前記内管の遠位端の外側面に設置され且つ前記人工補綴物接続部材は前記内管に固定して接続され、
前記人工補綴物接続部材に前記人工補綴物に適合する係合溝が開けられ、それによって前記人工補綴物を嵌め込んで置き且つ前記人工補綴物に分離可能に接続する、請求項1
1に記載の送達システム。
【請求項14】
内管固定台をさらに含み、
前記内管は遠位端から近位端側へ前記内管固定台まで延伸するように配置され、且つ前記内管は前記内管固定台に固定して接続され、前記内管固定台は前記第2ハウジングの内部に設置され、且つ前記内管固定台はそれぞれ前記第3ハウジング半体及び前記第4ハウジング半体に固定して接続される、請求項13に記載の送達システム。
【請求項15】
前記内管は前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第3管体を含み、前記シースは前記第1チューブアセンブリの軸方向に沿って順に接続され且つ異なる硬度を有する複数の第4管体を含む、請求項1
3に記載の送達システム。
【請求項16】
前記第1チューブアセンブリは内管排気部材及び端部基体をさらに含み、前記内管排気部材は前記内管の近位端に接続され、前記端部基体は前記内管の遠位端に接続される、請求項1
3に記載の送達システム。
【請求項17】
セーフティ接続部材をさらに含み、
前記第2移動部材は第2ノブであり、前記第2ノブの軸方向は前記ガイドロッドの軸方向と平行し又は同軸であり、
前記セーフティ接続部材はそれぞれ前記セーフティロッドの第2端部及び前記第2ノブに固定して接続され、これにより前記第2ノブの回転によって前記ガイドロッドの軸方向を中心に前記セーフティロッドを回転させるように駆動することができる、請求項
9に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第2ハウジングは円柱体であり且つ前記第2ノブは前記円柱体の外側面に嵌着され、これにより前記第2ノブは前記ガイドロッドの軸方向に移動できず且つ前記ガイドロッドの軸方向周りに回転することができる、請求項17に記載の送達システム。
【請求項19】
前記人工補綴物は人工心臓弁、被膜ステント又は人工血管を含む、請求項
6に記載の送達システム。
【国際調査報告】