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  • 特表-DNAザイムヒドロゲル製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】DNAザイムヒドロゲル製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/00 20060101AFI20240912BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20240912BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20240912BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 31/711 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240912BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240912BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240912BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20240912BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A61K9/00
A61K47/34
A61K47/26
A61K47/18
A61K47/02
A61K31/711
A61P1/04
A61P29/00
A61K47/10
C12N15/113 Z ZNA
C12N5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519243
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2022076980
(87)【国際公開番号】W WO2023052422
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21200083.0
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520221604
【氏名又は名称】シュテルナ バイオロジカルズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】STERNA BIOLOGICALS GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ルップ, トマス
(72)【発明者】
【氏名】ボック, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クラッテンマッハー, ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】サリギアニス, ゲオルギオス
(72)【発明者】
【氏名】プラータ, カーラ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AB01
4B065BA01
4C076AA11
4C076BB29
4C076CC16
4C076DD23
4C076DD26Z
4C076DD67Q
4C076EE23A
4C076EE41Q
4C076FF35
4C076FF36
4C076FF61
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA10
4C086EA16
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA16
4C086MA27
4C086MA60
4C086NA03
4C086NA20
4C086ZA66
4C086ZB11
(57)【要約】
本発明は、a)高分子量ポロキサマーと、b)低分子量ポロキサマーと、c)DNAザイムと、d)薬学的に許容され得る緩衝液と、を含む医薬組成物であって、組成物が、室温で液体であり、36℃以上の温度で固体又は半固体である、医薬組成物を提供する。組成物は、腸疾患、特に炎症性腸疾患の治療に特に適している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)高分子量ポロキサマーと、
b)低分子量ポロキサマーと、
c)DNAザイムと、
d)薬学的に許容され得る緩衝液と、を含む医薬組成物であって、
前記組成物が、室温で液体であり、36℃以上の温度で固体又は半固体である、医薬組成物。
【請求項2】
前記DNAザイムの含有量が4mg/mL~20mg/mLの範囲である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記高分子量ポロキサマーがポロキサマー407であり、及び/又は前記低分子量ポロキサマーがポロキサマー188である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記組成物が約18~30%w/wのポロキサマー407を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記組成物が約1~10%w/wのポロキサマー188を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ポロキサマー188対ポロキサマー407の重量比が1:5~1:20の範囲内である、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
安定剤を更に含み、場合により、前記安定剤がトレハロース又はジグリシンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記DNAザイムが、配列番号1~配列番号70から選択され、好ましくは前記DNAザイムがhgd40(配列番号40)である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記薬学的に許容され得る緩衝液が、pH7~8のリン酸緩衝液である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物が、
a)20~25%w/wのポロキサマー407と、
b)2~5%w/wのポロキサマー188と、
c)2~16mg/mLのDNAザイムと、
d)pH7~8のリン酸緩衝液と、
e)最大10%w/wの安定剤とを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物が、
a)20~25%w/wのポロキサマー407と、
b)2~5%w/wのポロキサマー188と、
c)2~16mg/mLのDNAザイムと、
d)pH7~8のリン酸緩衝液とを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が、
a)22.5%w/wのポロキサマー407と、
b)2.5%w/wのポロキサマー188と、
c)16mg/mLのhgd40と、
d)pH7.4のリン酸緩衝液とを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物のゲル化時間が5分未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記組成物のゲル化時間が20秒~5分である、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物のゲル化時間が1分以下である、請求項1から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記組成物のゲル化時間が30~60秒である、請求項1から15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
医薬品として使用するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬品が腸疾患の治療用である、請求項17に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬品が炎症性腸疾患の治療用である、請求項17又は18に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が直腸投与される、請求項17から19のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
DNAザイムは、天然には存在しない触媒的に活性な一本鎖合成DNA分子である。合成の触媒活性DNA分子は、酵素と同様の触媒的様式で疾患関連mRNAに特異的に結合して切断するための新規な治療部分として設計される(Garn&Renz,Eur.J.Immunology,47,(2017)22-30)。したがって、これらの部分は酵素活性を有するDNA分子であり、したがってDNAザイムと呼ばれる。
【0002】
新規のクラスのアンチセンス分子を表す10-23ファミリーのDNAザイムが1990年に開発された。「10-23ファミリー」という用語は、一般的なDNAザイムモデルを指す(Sontoro&Joyce,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,94(1997)4262-4266)。10-23モデルのDNAザイムは、「10-23DNAザイム」とも呼ばれ、2つの基質結合ドメインに隣接する15個のデオキシリボヌクレオチドの触媒ドメインを有する(例えば、国際公開第2005/033314号パンフレット)。
【0003】
DNAザイムの潜在的な利点としては、標的mRNAに結合した際の化学的又は酵素的分解に対する比較的高い安定性、高い標的特異性及び細胞内酵素に依存しないことが挙げられる。
【0004】
未修飾DNAザイムを活性物質として使用する場合に生じ得る問題は、標的mRNAに結合せず、不適切に製剤化された場合の酵素分解に対する一本鎖核酸の感受性に起因することが多い。DNAザイムが生理学的に好ましい製剤中に存在しない限り、核酸は、例えば酵素分解又は物理的ストレスによって急速に分解する傾向がある。更に、DNAザイムは、それらの特異性、したがって活性薬剤としてのそれらの有効性において異なり得る。加えて、DNAザイムの安定性は、特にDNAザイム含有溶液のpHの変化によって影響され得る。例えば、低いpH(酸性環境)は、DNAザイム分子の脱プリンをもたらす可能性がある。高いpH値(塩基性環境)はまた、例えば分子の二次構造を変化させることによって、DNAザイムの安定性、したがって機能性に影響を及ぼし得る。
【0005】
DNAザイムを含む適切な医薬組成物の調製は困難である。例えば、GATA-3mRNAの触媒的切断によってGATA-3転写因子の発現を阻害するように特に設計されたDNAザイムであるDNAザイムhgd40を含む組成物は、より高濃度のDNAザイムで粘度が指数関数的に増加することを示し、いくつかの組成物が特定の用途に適さなくなり、例えば、欧州特許第3501607号明細書を参照されたい。したがって、水性組成物以外でより高濃度のDNAザイムを含む組成物を提供することは困難である。
【0006】
hgd40などのDNAザイムは、慢性炎症性腸疾患の治療に使用することができ、欧州特許第3514235号明細書を参照されたい。この場合、DNAザイムは、水溶液の浣腸の形態で直腸投与される。液体浣腸としての薬物の投与は、炎症性腸疾患の処置のための通常の方法である。しかしながら、液体浣腸には、面倒な投与、薬物漏出及び患者のコンプライアンス不良などの制限がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、適切なDNAザイム濃度を可能にしながら問題点を緩和することができる、DNAザイムのための新しい製剤を提供することであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2005/033314号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第3501607号明細書
【特許文献3】欧州特許第3514235号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Garn&Renz,Eur.J.Immunology,47,(2017)22-30
【非特許文献2】Sontoro&Joyce,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,94(1997)4262-4266
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、
a)高分子量ポロキサマーと、
b)低分子量ポロキサマーと、
c)DNAザイムと、
d)薬学的に許容され得る緩衝液と、を含む医薬組成物であって、
当該組成物が、室温以下で液体であり、36℃以上の温度で固体又は半固体である、医薬組成物に関する。
【0011】
更なる態様では、本発明は、腸疾患、特に炎症性腸疾患の治療に使用するための上記で定義した組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】異なる時点でヒドロゲル組成物から放出されたhgd40の吸光度スペクトルを示す図である。
図2A】hgd40ストック溶液のAEXクロマトグラフィープロファイルを示す図である。
図2B】ヒドロゲル放出後のhgd40溶液のAEXクロマトグラフィープロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の発明者らは、短いゲル化時間、十分に高い濃度の活性医薬成分(API)及び適切に調整されたTsol-gel温度を有するヒドロゲル組成物中にDNAザイムを製剤化することが可能であることを見出した。更に、形成されたゲルは、所望の期間にわたってその完全性を更に維持している。したがって、これらの製剤は、液体浣腸製剤に有利である。したがって、本発明は、第1の態様において、直腸投与に適したDNAザイムを含む医薬組成物に関する。組成物は、室温以下で液体であり、約36℃以上で固体又は半固体ゲルであるヒドロゲル組成物である。
【0014】
本発明の文脈において、室温という用語は、16~25℃、特に16~21℃の温度を指す。いくつかの実施形態では、室温は、21℃の温度を指す。
【0015】
本発明者らは、ポロキサマーベースのヒドロゲルを使用して、室温以下で液体であり、36℃以上で固体又は半固体ゲルであるヒドロゲル組成物中にDNAザイムを製剤化できることを見出した。
【0016】
したがって、第1の態様では、本発明は、
a)高分子量ポロキサマーと、
b)低分子量ポロキサマーと、
c)DNAザイムと、
d)薬学的に許容され得る緩衝液と、を含む医薬組成物であって、
組成物が、室温で液体であり、36℃以上の温度で固体又は半固体である、医薬組成物に関する。
【0017】
組成物は、他の薬学的に許容され得る化合物、特に賦形剤及び/又は安定剤を含み得る。
【0018】
ポロキサマーという用語は、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖が隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖から構成される非イオン性トリブロックコポリマーのクラスを指す。ポロキサマーの一般構造は以下の通りである。
【0019】
高分子量ポロキサマーという用語は、3000g/mol以上のポリオキシプロピレン質量を有するポロキサマーを指す。低分子量ポロキサマーという用語は、3000g/mol未満のポリオキシプロピレン質量を有するポロキサマーを指す。
【0020】
好ましい高分子量ポロキサマーはポロキサマー407であり、商品名PluronicF127で呼ばれることもあり、好ましい低分子量ポロキサマーはポロキサマー188であり、商品名PluronicF68で呼ばれることもある。
【0021】
一般に、ポロキサマーの名前の3桁の数字は、当該ポロキサマーを定義するために使用される。最初の二桁に100を乗じた数はポリオキシプロピレンコアのおおよその分子量を示し、最後の桁に10を乗じた数はポリオキシエチレン含有率を示す。ポロキサマー407は、4000g/molのポリオキシプロピレン分子質量及び70%のポリオキシエチレン含有量を有するポロキサマーを指す。ポロキサマー188は、1800g/molのポリオキシプロピレン分子質量及び80%のポリオキシエチレン含有量を有するポロキサマーを指す。
【0022】
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、
a)ポロキサマー407と、
b)ポロキサマー188と、
c)DNAザイムと、
d)薬学的に許容され得る緩衝液と、を含む医薬組成物であって、
組成物が、室温で液体であり、36℃以上の温度で固体又は半固体である、医薬組成物に関する。
【0023】
本発明者らは、高濃度のDNAザイムを含むゲル形成組成物を提供することが特に困難であることを見出した。本発明者らは、特に、GATA-3転写因子の発現を特異的に阻害するDNAザイムが、これらのDNAザイムの独特の特性のために製剤化が困難であることを見出した。
【0024】
したがって、好ましい実施形態では、組成物は、GATA-3発現を特異的に阻害するDNAザイムを含む。いくつかの実施形態では、DNAザイムは、以下を含む群から選択される。
配列番号1 hgd1 5’-TCGGTCAGAggctagctacaacgaTGCGTTGCT-3’
配列番号2 hgd2 5’-GGCGTACGAggctagctacaacgaCTGCTCGGT-3’
配列番号3 hgd3 5’-GGCGGCGTAggctagctacaacgaGACCTGCTC-3’
配列番号4 hgd4 5’-CTCGGGTCAggctagctacaacgaCTGGGTAGC-3’
配列番号5 hgd5 5’-TCCTCTGCAggctagctacaacgaCGGGGTCCT-3’
配列番号6 hgd6 5’-ACTCTGCAAggctagctacaacgaTCTGCGAGC-3’
配列番号7 hgd7 5’-GGGCGACGAggctagctacaacgaTCTGCAATT-3’
配列番号8 hgd8 5’-AAGGGGCGAggctagctacaacgaGACTCTGCA-3’
配列番号9 hgd9 5’-AAAACGGGAggctagctacaacgaCAGGTTGTA-3’
配列番号10 hgd10 5’-AGAATAAAAggctagctacaacgaGGGACCAGG-3’
配列番号11 hgd11 5’-ATGGCAGAAggctagctacaacgaAAAACGGGA-3’
配列番号12 hgd12 5’-AACTGGGTAggctagctacaacgaGGCAGAATA-3’
配列番号13 hgd13 5’-ATCCAAAAAggctagctacaacgaTGGGTATGG-3’
配列番号14 hgd14 5’-AGGGGAAGAggctagctacaacgaAAAAATCCA-3’
配列番号15 hgd15 5’-TTTTAAAAAggctagctacaacgaTATCTTGGA-3’
配列番号16 hgd16 5’-GTGGGGGGAggctagctacaacgaGGGAAGGCT-3’
配列番号17 hgd17 5’-GTTGAATGAggctagctacaacgaTTGCTTTCG-3’
配列番号18 hgd18 5’-GTCGTTGAAggctagctacaacgaGATTTGCTT-3’
配列番号19 hgd19 5’-GGCCCGGAAggctagctacaacgaCCGCGCGCG-3’
配列番号20 hgd20 5’-TCACCTCCAggctagctacaacgaGGCCTCGGC-3’
配列番号21 hgd21 5’-CCGCCGTCAggctagctacaacgaCTCCATGGC-3’
配列番号22 hgd22 5’-GGTGGCTCAggctagctacaacgaCCAGCGCGG-3’
配列番号23 hgd23 5’-CGTTGAGCAggctagctacaacgaGGCGGGGTG-3’
配列番号24 hgd24 5’-CCGCGTCCAggctagctacaacgaGTAGGAGTG-3’
配列番号25 hgd25 5’-CAGCGGGTAggctagctacaacgaTGCGCCGCG-3’
配列番号26 hgd26 5’-GCACATCCAggctagctacaacgaCTCCTCCGG-3’
配列番号27 hgd27 5’-AAAAGCACAggctagctacaacgaCCACCTCCT-3’
配列番号28 hgd28 5’-TAAAAAGCAggctagctacaacgaATCCACCTC-3’
配列番号29 hgd29 5’-GACCGTCGAggctagctacaacgaGTTAAAAAG-3’
配列番号30 hgd30 5’-TTGCCTTGAggctagctacaacgaCGTCGATGT-3’
配列番号31 hgd31 5’-AGGGCGGGAggctagctacaacgaGTGGTTGCC-3’
配列番号32 hgd32 5’-TGGCCCTGAggctagctacaacgaCGAGTTTCC-3’
配列番号33 hgd33 5’-ACCTCTGCAggctagctacaacgaCGTGGCCCT-3’
配列番号34 hgd34 5’-CGGAGGGTAggctagctacaacgaCTCTGCACC-3’
配列番号35 hgd35 5’-GGCGGCACAggctagctacaacgaCTGGCTCCC-3’
配列番号36 hgd36 5’-CGGGCGGCAggctagctacaacgaACCTGGCTC-3’
配列番号37 hgd37 5’-AGGGATCCAggctagctacaacgaGAAGCAGAG-3’
配列番号38 hgd38 5’-GGGTAGGGAggctagctacaacgaCCATGAAGC-3’
配列番号39 hgd39 5’-GGGCTGAGAggctagctacaacgaTCCAGGGGG-3’
配列番号40 hgd40 5’-GTGGATGGAggctagctacaacgaGTCTTGGAG-3’
配列番号41 hgd41 5’-CGTGGTGGAggctagctacaacgaGGACGTCTT-3’
配列番号42 hgd42 5’-GGGGGTAGAggctagctacaacgaGGAGAGGGG-3’
配列番号43 hgd43 5’-GGAGGAGGAggctagctacaacgaGAGGCCGGG-3’
配列番号44 hgd44 5’-GCCCCCCGAggctagctacaacgaAAGGAGGAG-3’
配列番号45 hgd45 5’-CCGGGGAGAggctagctacaacgaGTCCTTCGG-3’
配列番号46 hgd46 5’-GGACAGCGAggctagctacaacgaGGGTCCGGG-3’
配列番号47 hgd47 5’-TGGGGTGGAggctagctacaacgaAGCGATGGG-3’
配列番号48 hgd48 5’-CTTGAGGCAggctagctacaacgaTCTTTCTCG-3’
配列番号49 hgd49 5’-CACCTGGTAggctagctacaacgaTTGAGGCAC-3’
配列番号50 hgd50 5’-GCAGGGGCAggctagctacaacgaCTGGTACTT-3’
配列番号51 hgd51 5’-CCAGCTTCAggctagctacaacgaGCTGTCGGG-3’
配列番号52 hgd52 5’-GTGGGACGAggctagctacaacgaTCCAGCTTC-3’
配列番号53 hgd53 5’-GGAGTGGGAggctagctacaacgaGACTCCAGC-3’
配列番号54 hgd54 5’-ATGCTGCCAggctagctacaacgaGGGAGTGGG-3’
配列番号55 hgd55 5’-GGGCGGTCAggctagctacaacgaGCTGCCACG-3’
配列番号56 hgd56 5’-GAGGCTCCAggctagctacaacgaCCAGGGCGG-3’
配列番号57 hgd57 5’-GTGGGTCGAggctagctacaacgaGAGGAGGCT-3’
配列番号58 hgd58 5’-AGGTGGTGAggctagctacaacgaGGGGTGGTG-3’
配列番号59 hgd59 5’-ACTCGGGCAggctagctacaacgaGTAGGGCGG-3’
配列番号60 hgd60 5’-GGAGCTGTAggctagctacaacgaTCGGGCACG-3’
配列番号61 hgd61 5’-GGACTTGCAggctagctacaacgaCCGAAGCCG-3’
配列番号62 hgd62 5’-GGGCCTGGAggctagctacaacgaTTGCATCCG-3’
配列番号63 hgd63 5’-TGTGCTGGAggctagctacaacgaCGGGCCTTG-3’
配列番号64 hgd64 5’-GTTCACACAggctagctacaacgaTCCCTGCCT-3’
配列番号65 hgd65 5’-CAGTTCACAggctagctacaacgaACTCCCTGC-3’
配列番号66 hgd66 5’-CACAGTTCAggctagctacaacgaACACTCCCT-3’
配列番号67 hgd67 5’-GTTGCCCCAggctagctacaacgaAGTTCACAC-3’
配列番号68 hgd68 5’-TCGCCGCCAggctagctacaacgaAGTGGGGTC-3’
配列番号69 hgd69 5’-CCCGTGCCAggctagctacaacgaCTCGCCGCC-3’
配列番号70 hgd70 5’-GGCGTTGCAggctagctacaacgaAGGTAGTGT-3’
【0025】
特定の実施形態では、組成物は、DNAザイムhgd40(配列番号40)を含む。
【0026】
本発明により、医療用途に適したより高い濃度のDNAザイムを含むヒドロゲル製剤が可能となる。したがって、組成物中のDNAザイム濃度は少なくとも4mg/mLであることが好ましい。したがって、いくつかの実施形態では、DNAザイム濃度は少なくとも4mg/mLである。いくつかの実施形態では、DNAザイム濃度は4mg/mL~20mg/mLの範囲である。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態では、DNAザイム濃度は少なくとも8mg/mLである。いくつかの実施形態では、DNAザイム濃度は、8~20mg/mLの範囲、好ましくは8~16mg/mLの範囲である。
【0028】
いくつかの実施形態では、DNAザイム濃度は4、8又は16mg/mLである。特定の実施形態では、DNAザイム濃度は約16mg/mLである。他の実施形態では、DNAザイム濃度は8mg/mLであり、更なる実施形態では、DNAザイム濃度は約4mg/mLである。
【0029】
特定の組成及び2つの異なるポロキサマーの比は、DNAザイムの濃度に加えて、組成物のゲル形成挙動に影響を及ぼす可能性がある。
【0030】
したがって、一実施形態では、組成物は、合計で最大50%w/wの軽い分子量及び重い分子量ポロキサマーの組み合わせを含む。特に、組成物は、ポロキサマー407とポロキサマー188との合計50%w/wまでの混合物を含む。いくつかの実施形態では、ポロキサマーの総含有量は、10%~50%w/wの範囲である。
【0031】
特に明記しない限り、パーセンテージ値は重量パーセント、すなわちw/wを指す。
【0032】
特定の実施形態では、高分子量ポロキサマー及び低分子量ポロキサマーの総含有量は、20~35%w/wの範囲である。特定の実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー407及びポロキサマー188であり、ポロキサマー188及びポロキサマー407の総含有量は、20~35%w/wの範囲である。
【0033】
低分子量ポロキサマーと高分子量ポロキサマーとの重量比は、任意の適切な範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、低分子量ポロキサマーの比は、1:5~1:20の範囲である。
【0034】
いくつかの実施形態では、組成物は、最大30%w/wの高分子量ポロキサマー、特にポロキサマー407を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、18~30%w/wの高分子量ポロキサマー、特にポロキサマー407を含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、約20~25%w/wの高分子量ポロキサマーを含み、好ましい実施形態では、組成物は、約20~25%w/wのポロキサマー407を含む。
【0036】
特定の実施形態では、組成物は、22.5%w/wの高分子量ポロキサマー、特に約22.5%w/wのポロキサマー407を含む。
【0037】
一般に、低分子量ポロキサマーの量は20%w/w未満であることが好ましい。いくつかの実施形態では、組成物は、最大20%の低分子量ポロキサマーを含み、好ましい実施形態では最大20%のポロキサマー188を含む。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、約1~10%w/wの低分子量ポロキサマーを含み、特に約1~10%w/wのポロキサマー188を含む。
【0039】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、約2~5%w/wの低分子量ポロキサマーを含み、特に、組成物は、約2~5%w/wのポロキサマー188を含む。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、約2.5%w/wの低分子量ポロキサマーを含み、特に、いくつかの実施形態では、組成物は、約2.5%w/wのポロキサマー188を含む。
【0041】
組成物は、安定剤、賦形剤又は他の薬学的に許容され得る化合物を更に含み得る。
【0042】
使用することができる適切な安定剤としては、トレハロース又はジグリシンが挙げられる。
【0043】
組成物が安定剤を含む場合、組成物は最大20%w/wの安定剤を含むことが好ましい。
【0044】
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、最大20%の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約2~16%w/wの安定剤を含む。特定の実施形態では、組成物は、約5%w/wの安定剤を含む。
【0045】
組成物は、薬学的に許容され得る緩衝液を含む。当該緩衝液は、任意の薬学的に許容され得る緩衝液であってもよい。薬学的に許容され得る緩衝液は、例えば、TRIS、HEPES、リン酸、酢酸又はクエン酸に基づく。任意の適切な緩衝液を組成物に使用してもよい。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、緩衝液はリン酸系緩衝液、例えばPBS緩衝液である。緩衝液のpHは、好ましくは生理学的及び薬学的に許容され得るpHである。いくつかの実施形態では、緩衝液のpHは7~8であり、特定の実施形態ではpHは7.4である。いくつかの実施形態では、pHは、7.2~7.6である。いくつかの実施形態では、pHは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9及び8.0から選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明は、
a)20~25%w/wのポロキサマー407と、
b)2~5%w/wのポロキサマー188と、
c)2~16mg/mLのDNAザイムと、
d)pH7.4のリン酸緩衝液と、
e)場合により最大10%w/wの安定剤とを含む組成物に関する。
【0048】
好ましい実施形態では、本発明は、
a)22.5%w/wのポロキサマー407と、
b)5%w/wのポロキサマー188と、
c)8mg/mLのhgd40と、
d)pH7.4のリン酸緩衝液とを含む組成物に関する。
【0049】
本発明の特定の実施形態では、組成物は、
a)20%w/wのポロキサマー407と、
b)2.5%w/wのポロキサマー188と、
c)8mg/mLのhgd40と、
d)pH7.4のリン酸緩衝液とを含む。
【0050】
本発明の特定の更なる実施形態では、組成物は、
a)22.5%w/wのポロキサマー407と、
b)2.5%w/wのポロキサマー188と、
c)8mg/mLのhgd40と、
d)pH7.4のリン酸緩衝液と、
e)5%w/wのトレハロースとを含む。
【0051】
なお更なる実施形態では、組成物は、
a)22.5%w/wのポロキサマー407と、
b)2.5%w/wのポロキサマー188と、
c)16mg/mLのhgd40と、
d)pH7.4のリン酸緩衝液とを含む。
【0052】
特許請求される組成物の利点は、組成物のゲル化時間が短いことである。したがって、一実施形態では、本発明は、組成物のゲル化時間が5分未満である、上記で定義した医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、ゲル化時間が20秒~5分である。好ましい実施形態では、組成物はゲル化時間が1分以下である。特定の実施形態では、組成物はゲル化時間が30~60秒である。
【0053】
本発明の更なる態様では、本発明は、医薬品としての本発明の化合物の使用に関する。したがって、一態様では、本発明は、医薬品として使用するための上記で定義した組成物に関する。
【0054】
医薬組成物は、医薬品として使用され得る。前述のように、組成物は、直腸適用に適しており、液体水性組成物を用いた正常な浣腸と比較して、薬剤の漏れを減少させ、治療中の患者の快適さを改善する。本発明の医薬組成物の主な利点は、組成物が室温で液体であり、約37℃で固体又は半固体ゲルであることである。
【0055】
特に、GATA-3発現を特異的に阻害するDNAザイム、例えばhgd40、又は配列番号1~配列番号70のいずれか1つを含む場合の本発明による医薬組成物。
【0056】
したがって、本発明は更に、腸疾患、特に炎症性腸疾患の治療に使用するための上記で定義した組成物に関する。一実施形態では、本発明は、炎症性腸疾患の治療に使用するための上記で定義した医薬組成物に関し、当該当該疾患は大腸炎である。
【0057】
本発明は更に、医薬品の製造における上記で定義した医薬組成物の使用に関する。いくつかの実施形態では、当該医薬品は、腸疾患、特に炎症性腸疾患のための医薬品である。特定の実施形態では、本発明は、大腸炎、特に潰瘍性大腸炎のための医薬品の製造における上記で定義した医薬組成物の使用に関する。
【0058】
本発明の更なる態様では、本発明は、腸疾患を治療する方法であって、上記で定義した医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
【0059】
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つが、本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【実施例
【0060】
実施例1-ゲル形成製剤の試験
第1の工程では、本発明者らは、DNAザイムを含まないヒドロゲル製剤を調製して、DNAザイムヒドロゲル製剤の基礎として機能する潜在的なヒドロゲル組成物を同定した。
【0061】
ヒドロゲル製剤を、120mM NaCl又は140mM NaClを含むPBS緩衝液のいずれかでポロキサマー407及び188を使用して調製した。
【0062】
ゲル化時間及びゲル転移温度(Tsol-gel)を測定した。全ての製剤を緩衝液1(120mM NaCl)及び緩衝液2(140mM NaCl)中で調製し、結果は各緩衝液についてほぼ同等であった。結果を表1に示す。
【表1】
【0063】
製剤4、13及び14は、所望の挙動、すなわち室温で液体あり、37℃で適切なTsol-gelを有するゲル形成を示すと考えられた。したがって、これらの製剤を更なる分析のために選択した。
【0064】
実施例2:hgd40を含むゲル製剤
初期試験のために、製剤13をhdg40製剤の初期分析に使用した。25%w/wのポロキサマー407及び10%w/wのポロキサマー188を含む1mLのPBS緩衝液(120mM NaCl)中で、4、8、16及び32mgのhgd40を調製した。
【0065】
hgd40は、4mg/mLの濃度でさえ製剤に溶解せず、全ての製剤が室温で濁っていることが見出された。したがって、製剤4を更に調査した。
【0066】
新規製剤は、120mM NaClを含むPBS緩衝液中に17.5%w/wのポロキサマー407.0%のポロキサマー188及び4mgのhgd40を含んでいた。DNAザイムは製剤に可溶性であった。しかしながら、hgd40を含まない製剤とは対照的に、製剤はヒドロゲルを形成しなかった。
【0067】
20%w/wのポロキサマー407及び2.5%w/wのポロキサマー188を含む製剤は、4mg/mLのhgd40を含むゲルを形成することができた。
【0068】
製剤の概要を表2に示す。
【表2】
【0069】
実施例3:hgd40ヒドロゲル放出試験
上記ヒドロゲル組成物17からのhgd40の放出を分析するために、100mLの緩衝液(PBS、120mM NaCl)をガラスバイアル内で37℃で撹拌した。1mLのヒドロゲル製剤を透析チューブ(MWCO300kD、Float-A-LyzerG2、sprectrumlabs)に入れ、ガラスバイアルに入れた。緩衝液中に4mgのhgd40を含む組成物を対照として使用した。
【0070】
30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間及び24時間後、試料を緩衝液から採取し、230~330nmでUV分光法によって分析した。hgd40試料について得られたスペクトルを図1に示す。
【0071】
緩衝液中のhgd40の濃度は、260nmでの吸光度を使用し、ランベルト・ベールの法則を適用して決定した。組成物から放出された濃度を表3に列挙する。
【表3】
【0072】
hgd40は、対照及び製剤34の両方からほぼ同等の放出速度で放出されることが見出された。したがって、ヒドロゲル製剤は、水性組成物とほぼ同等の放出が可能である。
【0073】
放出前の緩衝液中のhgd40及び放出されたhgd40をAEXクロマトグラフィーを使用して分析して、ヒドロゲル製剤がDNAザイムの変性をもたらすかどうかを分析した。
【0074】
AEXクロマトグラフィーの条件は以下の通りであった。
カラムDNAPac(商標)PA200、8μm、4×250mm
緩衝液:
A:25mM TRIS/HCl(pH8)、1mM EDTA、30%ACN
B{25mM TRIS/HCl(pH8)、1mM EDTA、30%ACN、500mMLiClO4
カラム温度40℃
流速1mL/分
検出:260/280nm
【0075】
図2A及び2Bに見られるように、ヒドロゲルからの放出後のHPLCのクロマトグラフィープロファイルはストック溶液のプロファイルとほぼ同等であり、変性が生じず、hgd40DNAザイムがヒドロゲル製剤中で安定であることを示している。
【0076】
実施例4:DNAザイム濃度の上昇
次の工程として、本発明者らは、組成物中のhgd40濃度を8mg/mLに高めた。異なるpHの100mMリン酸ナトリウム緩衝液中で製剤を調製した。製剤中のhgd40の濃度は8mg/mLである。
【0077】
異なる比率の200mM NaHPO及び200mM NaHPOストック溶液を混合し、水で希釈して100mM緩衝液を得ることによって、異なるpH緩衝液を得た。
【0078】
試験した製剤の概要を表4に示す。
【表4】
【0079】
8mg/mLのhgd40を含む組成物は、37℃でゲルを形成しないことが見出された。
【0080】
したがって、本発明者らは、8mg/mLのhdg40を含む製剤を最適化しようと試みた。新規製剤の概要を表5で見ることができる。
【0081】
緩衝液として、pH7.4の100mMリン酸ナトリウムを使用した。
【表5】
【0082】
組成物25を16mg/mLのhgd40で更に試験すると、hgd40が沈殿し、濁った溶液が得られた。溶液は37℃に加温すると透明になり、冷却すると濁った溶液に戻る。更に、Tsol-gelは、16mg/mLのhgd40で41℃に上昇した。
【0083】
更なる製剤を調製して、より高いhdg40濃度を可能にする組成物を提供した。塩及び他の化合物の影響を低減するために、SECカラムを使用して脱塩することによってhdg40を精製し、続いて凍結乾燥し、100mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4に溶解した。
【0084】
表6は、調製した組成物の概要を示す。
【表6】
【0085】
実施例5:安定剤トレハロース及びdigylcinの効果
100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中、2つの異なるポロキサマー407濃度で製剤を調製した。各ポロキサマー407の濃度について、2つの異なるトレハロース濃度(5及び15%)で製剤を調製した。
【表7】
【0086】
低トレハロース濃度(5%)及びポロキサマー407の量の増加で、ヒドロゲルを37℃で形成することができた(製剤29)。この製剤は、Tsol-gelが約35℃である。ポロキサマー407の量とは無関係に、高トレハロース濃度では、製剤は37℃で液体であった。
【0087】
比較としてジグリシドを含む製剤を調製した。
【表8】
【0088】
安定剤としてジグリシドを含む組成物は、トレハロースを含む組成物又は安定剤を含まない組成物と比較して、Tsol-gelが上昇したことを示した。
【0089】
実施例6:ゲル化時間
pH7.4の100mMリン酸ナトリウム緩衝液中で製剤を調製した。ポロキサマーF127、F68及びHgd40をガラスバイアルに秤量し(表1参照)、混合物に1gの100mM Na2HPO4/NaH2PO4緩衝液pH7.4を添加した。透明な溶液が得られるまで4℃で溶解を行い、24~48時間連続してゆっくり撹拌しながら行った。
【0090】
ゾルゲル転移温度(Tsol-gel):
ゾルゲル転移温度は、「マグネチックスターラー法」によって決定した。ポロキサマー製剤を、室温の恒温水槽中でマグネットバーを含む透明バイアルに入れ、デジタル熱センサを製剤に浸漬した。マグネチックスターラー(IKA(登録商標)RCTbasic)で連続攪拌(100rpm/分)しながら徐々に加熱(2℃/分)した。ゲル化によりマグネットバーが動かなくなったとき、熱センサに表示された温度をゲル化温度とした。
【0091】
ゲル化時間:
ポロキサマー製剤を、37℃の恒温水槽中でマグネットバーを含む透明バイアルに入れ、デジタル熱センサを製剤に浸漬した。試料をマグネチックスターラー(IKA(登録商標)RCTbasic)で撹拌(100rpm/分)しながら37℃まで加温した。ゲル化によりマグネットバーが動かなくなったときに、入れてからからゲル化するまでの時間をゲル化時間とした。
【0092】
結果を表9に示す。
【表9】
図1
図2A
図2B
【配列表】
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【国際調査報告】