(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】フィルターカートリッジ組立品
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20240912BHJP
A61B 17/94 20060101ALN20240912BHJP
【FI】
A61B17/00
A61B17/94
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519421
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022046054
(87)【国際公開番号】W WO2023076017
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルバー ミキヤ
(72)【発明者】
【氏名】ケイン マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アウゲリ マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファンク マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アレン ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナムルティ マヘーシュ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM23
(57)【要約】
ハウジングであって、前端および後端を有し、ハウジングの後端の第一の入口からハウジングの前端の第一の出口まで下流に延在する第一の内部流路と、ハウジングの前端にある第二の入口からハウジングの後端にある第二の出口まで上流に延びる第二の内部流路と、を画定するハウジングと、第一の内部流路と動作可能に関連付けられた第一のプリーツ状フィルター要素と、第二の内部流路と動作可能に関連付けられた第二のプリーツ状フィルター要素と、第二の内部流路と動作可能に関連付けられ、第二のプリーツ状フィルター要素の下流側に隣接して位置付けられた炭素フィルターディスクと、を含む、外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジであって、
a)ハウジングであって、前端および後端を有し、かつ前記ハウジングの前記後端にある第一の入口から前記ハウジングの前記前端にある第一の出口まで下流に延びる第一の内部流路、および前記ハウジングの前記前端にある第二の入口から前記ハウジングの前記後端にある第二の出口まで上流に延びる第二の内部流路を画定する、ハウジングと、
b)前記第一の内部流路と動作可能に関連付けられた第一のプリーツ状フィルター要素と、
c)前記第二の内部流路と動作可能に関連付けられた第二のプリーツ状フィルター要素と、
d)前記第二の内部流路と動作可能に関連付けられ、前記第二のプリーツ状フィルター要素の下流側に隣接して位置付けられた炭素フィルターディスクと、を備える、フィルターカートリッジ。
【請求項2】
第三の内部流路が、前記ハウジングの前記後端の第三の入口から前記ハウジングの前記前端の第三の出口まで下流に延在して、前記ハウジング内に画定される、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項3】
不織布フィルター要素が、前記第三の内部流路と動作可能に関連付けられる、請求項2に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項4】
前記不織布フィルター要素が、前記ハウジングの前記後端で前記第三の入口に隣接して位置付けられる、請求項3に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項5】
流体トラップが、前記ハウジング内に画定され、前記第二の内部流路と動作可能に関連付けられている、請求項1に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項6】
前記流体トラップが、前記第二のプリーツ状フィルター要素の上流側に隣接して位置する、請求項5に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項7】
前記第一の入口、前記第二の出口、および前記第三の入口が、前記ハウジングの後端キャップと関連付けられる、請求項2に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項8】
前記第一の出口、前記第二の入口、および前記第三の出口が、前記ハウジングの前端キャップと関連付けられる、請求項2に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項9】
外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジであって、
a)ハウジングであって、前端および後端を有し、かつ前記ハウジングの前記後端にある第一の入口から前記ハウジングの前記前端にある第一の出口まで下流に延びる第一の内部流路、および前記ハウジングの前記前端にある第二の入口から前記ハウジングの前記後端にある第二の出口まで上流に延びる第二の内部流路を画定する、ハウジングと、
b)前記第一の内部流路内に位置付けられた第一のプリーツ状フィルター要素と、
c)前記第二の内部流路内に位置付けられた第二のプリーツ状フィルター要素と、
d)前記第二のプリーツ状フィルター要素と前記ハウジングの前記後端にある前記第二の出口との間の前記第二の内部流路内に位置付けられた炭素フィルターディスクと、を備える、フィルターカートリッジ。
【請求項10】
第三の内部流路が、前記ハウジングの前記後端の第三の入口から前記ハウジングの前記前端の第三の出口まで下流に延在して、前記ハウジング内に画定される、請求項9に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項11】
不織布フィルター要素が、前記第三の内部流路と動作可能に関連付けられる、請求項10に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項12】
前記不織布フィルター要素が、前記ハウジングの前記後端で前記第三の入口に隣接して位置付けられる、請求項11に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項13】
流体トラップが、前記ハウジング内に画定され、前記第二の内部流路と動作可能に関連付けられている、請求項9に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項14】
前記流体トラップが、前記第二のプリーツ状フィルター要素と前記ハウジングの前記前端にある前記第二の入口との間に位置する、請求項13に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項15】
前記第一の入口、前記第二の出口、および第三の入口が、前記ハウジングの後端キャップと関連付けられる、請求項9に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項16】
前記第一の出口、前記第二の入口、および第三の出口が、前記ハウジングの前端キャップと関連付けられる、請求項9に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項17】
外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジであって、
a)ハウジングであって、前端および後端を有し、かつ外科手術ガス送達装置から患者の体腔に加圧ガスを送達するために、前記ハウジングの前記後端にある第一の入口から前記ハウジングの前記前端にある第一の出口まで下流に延びる第一の内部流路と、前記患者の前記体腔から前記外科手術ガス送達装置にガスを戻すために、前記ハウジングの前記前端にある第二の入口から前記ハウジングの前記後端にある第二の出口まで上流に延在する第二の内部流路と、前記外科手術ガス送達装置から前記患者の前記体腔に送気ガスを送達するために、前記ハウジングの前記後端の第三の入口から前記ハウジングの前記前端の第三の出口まで下流に延在する第三の内部流路と、を画定する、ハウジングと、
b)前記患者の前記体腔に送達される前記加圧ガスを濾過するための、前記第一の内部流路内に位置付けられた第一のプリーツ状フィルター要素と、
c)前記患者の前記体腔から戻る前記加圧ガスを濾過するための、前記第二の内部流路内に位置付けられた第二のプリーツ状フィルター要素と、
d)前記患者の前記体腔から戻る前記ガスから揮発性有機化合物を除去するための、前記第二のプリーツ状フィルター要素と前記ハウジングの前記後端にある前記第二の出口との間の前記第二の内部流路内に位置付けられた活性炭フィルターディスクと、
e)前記患者の前記体腔に送達される前記送気ガスを濾過するための、前記ハウジングの前記後端にある前記第三の入口に隣接する前記第三の内部流路内に位置付けられた不織布フィルター要素と、を備える、フィルターカートリッジ。
【請求項18】
流体トラップが、前記ハウジング内に画定され、前記第二の内部流路と動作可能に関連付けられ、前記第二のプリーツ状フィルター要素と前記ハウジングの前記前端にある前記第二の入口との間に位置する、請求項17に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項19】
前記第一の入口、前記第二の出口、および前記第三の入口が、前記ハウジングの後端キャップと関連付けられる、請求項17に記載のフィルターカートリッジ。
【請求項20】
前記第一の出口、前記第二の入口、および前記第三の出口が、前記ハウジングの前端キャップと関連付けられる、請求項17に記載のフィルターカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月25日に出願された米国特許出願第17/509,203号の一部継続であり、これは、2018年5月28日に出願された米国特許出願第15/988,702号の利益を主張し、これは、3017年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/527,553号の優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、腹腔鏡外科手術に関するものであり、より具体的には、腹腔鏡外科手術の間に使用されるマルチモードの送気システム用のフィルターカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
腹腔鏡下または「低侵襲」外科技術は、胆嚢摘出術、盲腸摘出術、ヘルニア修復術、腎摘出術などの処置の実施において一般的になりつつある。そのような処置の利点には、患者への外傷の減少、感染の機会の低減、および回復時間の短縮が含まれる。腹(腹膜)腔内のそのような処置は、典型的には、トロカールまたはカニューレとして知られるデバイスを介して実施され、これは腹腔鏡器具の患者の腹腔内への導入を促進する。
【0004】
さらに、そのような処置は、一般に、二酸化炭素などの加圧流体で腹(腹膜)腔を充填または「送気」して、気腹と呼ばれるものを作り出すことを含む。送気は、送気流体を送達するように装備された外科用アクセスデバイス(時には「カニューレ」または「トロカール」と呼ばれる)、または送気(ベレス)針などの別個の送気デバイスによって、実施することができる。気腹を維持するために、送気ガスの実質的な損失なしに、外科用器具を気腹へ導入することが望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡下処置中に、外科医は、通常各々約12ミリメートル以下の3~4箇所の小さな切開を行い、これは典型的には、外科用アクセスデバイス自体を用いて、典型的にはその中に配置された別個の挿入器または栓塞子を使用して行われる。挿入後、挿入器が取り外され、トロカールは、器具が腹腔内に挿入されるための、アクセスを可能にする。典型的なトロカールは、腹腔に送気するための手段を提供することが多く、その結果、外科医は、中で作業するための、開放された内部空間を有する。
【0006】
トロカールは、トロカールと使用されている外科用器具との間をシールすることによって空洞内の圧力を維持するための手段を提供しなければならないが、それでも、外科用器具の少なくとも最低限の自由な動きを可能にしなければならない。そのような器具は、例えば、はさみ、把持器具、および閉塞器具、焼灼ユニット、カメラ、光源ならびに他の外科用器具を含むことができる。シール要素またはシール機構が通常、送気ガスの漏れを防ぐためにトロカールに設けられる。シール要素またはシール機構は、通常、トロカールを通過する外科用器具の外表面の周りをシールするために、比較的柔軟性のある材料で作られたダックビル型弁を含む。
【0007】
さらに、腹腔鏡手術では、電気焼灼術および他の技術(例えば、ハーモニックスカルペル)は、手術空洞内に煙および他の破片を発生させ、内視鏡などからの視界を曇らせその表面をコーティングすることによって、視認性を低下させる。さまざまな外科用送気システムおよび排煙システムが当技術分野で知られている。
【0008】
さらに、米国ニューヨーク州ユーティカのCONMED Corporationは、全体または一部が米国特許第7,854,724号に記載されているように、従来のメカニカルシールなしで送気された手術空洞へのアクセスを可能にする外科用アクセスデバイスを開発し、そのようなアクセスデバイスに十分な圧力と流量を提供するための関連システムを開発した。
【0009】
本開示は、標準または特殊な外科用アクセスデバイス、またはベレス針などの他の器具への送気、標準または特殊な外科用アクセスデバイスを介した煙排出、ならびに例えば米国特許第7,854,724号に記載されている上述の外科用アクセスデバイス、ならびに米国特許第7,182,752号、米国特許第7,285,112号、米国特許第7,413,559号、または米国特許第7,338,473号におけるものによるなどの、送気流体の再循環および濾過などの特殊な機能を含む、複数の外科手術ガス送達機能を実行することが可能なマルチモードシステム、ならびに関連するデバイスおよび方法に関する。
【0010】
本明細書に記載されているものなどの単一のマルチモードシステムの使用により、複数の機能を達成しつつ、一つだけのシステムの購入を必要とすることによってコストを削減し、それによってまた、手術室内で必要とされる機器の量を減らし、したがって煩雑さを減らし、他の必要な機器のための空間を確保することができる。
【0011】
従来の技術は、それらの意図された目的に対して満足できるものであると考えられてきた。しかし、外科用アクセスデバイスにおける濾過改善に対する、絶えることのない必要性が存在する。本開示は、この問題の解決策を提供する。
【発明の概要】
【0012】
外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジは、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングを含む。第一のフィルター要素は、フィルターハウジングの第一の端部分内に着座する。第二のフィルター要素は、第一の端部分に対向するフィルターハウジングの第二の端部分内に着座する。第三のフィルター要素は、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に着座する。
【0013】
第三のフィルター要素は、活性炭材料を含み得る。第三のフィルター要素は、活性炭ディスクを含み得る。第一および第二のフィルター要素の各々は、プリーツ状フィルター材料を含み得る。第二のフィルター要素は、第三のフィルター要素の下流に、流路内にあり得る。第一のフィルター要素は、第二および第三のフィルター要素とは別個の流路内にあり得る。
【0014】
セパレータ壁を、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に含めることができる。セパレータ壁は、それを通るガス開口を含むことができ、プレナムがセパレータ壁と第三のフィルター要素との間に画定され、ガス開口は、ガス開口の断面積よりも大きい第三のフィルター要素の断面積を利用するために、プレナムをガスで加圧するように構成される。周辺リムをセパレータ壁の周りに画定することができ、第三のフィルター要素は、周辺リムに対して着座して、セパレータ壁と第三のフィルター要素との間に画定される容積の内部におよび周辺リム内に画定されるプレナムを維持する。セパレータ壁と第三のフィルター要素との間にシールを着座して、プレナムから第三のフィルター要素を通るガス流を強制することができる。シールシートは、シールがその中に着座した状態で周辺リム内に画定され得る。流体トラップを第一のフィルター要素とセパレータ壁との間に画定することができ、ガス開口は、流体トラップ内に閉じ込められた流体の容器の上方のガスの通過を可能にするように構成される。
【0015】
カバープレートをフィルターハウジングに取り付けて、第一のフィルター要素をフィルターハウジングの第一の端部分に固定することができる。カバープレートは、三内腔チューブセットとフィルター要素との間のガスの連通のための三内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含み得る。三内腔チューブセットは、フィッティングに接続され得る。また、カバープレートは、二内腔チューブセットとフィルター要素との間のガスの連通のために二内腔チューブセットに接続するためのフィッティングを含み得ることが意図されている。二内腔チューブセットは、フィッティングに接続され得る。
【0016】
第二のカバープレートをフィルターハウジングに取り付けて、第二のフィルター要素をフィルターハウジングの第二の端部分に固定することができる。第二のカバープレートは、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェースで画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするよう構成された三つの開口を画定することができる。
【0017】
外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジの別の例示的な実施形態は、外科手術ガス送達システムのフィルターカートリッジインターフェース内に着座するように構成されたフィルターハウジングを含む。第一のフィルター要素は、第一の流路内でフィルターハウジングの第一の端部分内に着座する。第二のフィルター要素は、第二の流路内の第一の端部分に対向するフィルターハウジングの第二の端部分内に着座する。第三のフィルター要素は、第一のフィルター要素と第二のフィルター要素との間にフィルターハウジング内に着座し、第三のフィルター要素は第二の流路内にあり、第一および第二の流路はフィルターハウジング内で互いに流体的に分離される。第四のフィルター要素は、フィルターハウジング内の第一および第二の流路から流体的に分離された第三の流路内に着座することができる。
【0018】
外科手術ガス送達システムのための外科手術ガスを処理する方法は、気腹からフィルターカートリッジへの排煙ガスを受けることを含む。方法は、排煙ガスをフィルターカートリッジ内の活性炭フィルター要素を通して流して、煙、粒子、および不純物のうちの少なくとも一つを排煙ガスから濾過することを含む。方法はまた、濾過された排煙ガスを外科手術ガス送達システムに受けることを含む。
【0019】
方法は、排煙ガスを、プリーツ状フィルター要素を通して、活性炭フィルター要素の下流におよび、外科手術ガス送達システムの上流に流すことを含むことができる。また、方法は、排煙ガスとは別個のフィルターカートリッジ内の流路を通して気腹内に送気ガスを流すことを含むことができ、送気ガスはフィルターカートリッジ内の第二のプリーツ状フィルター要素を通過し、送気ガスおよび排煙ガスの流路とは別個にフィルターカートリッジを通る第三の流路を通して、圧力を気腹から連通することができることが意図されている。
【0020】
本発明はまた、前端および後端を有するハウジングを含む外科手術ガス送達システムのためのフィルターカートリッジを対象とする。ハウジングは、加圧ガスを外科手術ガス送達装置から患者の体腔に送達するために、ハウジングの後端の第一の入口からハウジングの前端の第一の出口まで下流に延在する第一の内部流路を画定する。
【0021】
ハウジングは、患者の体腔から外科手術ガス送達装置にガスを戻すために、ハウジングの前端にある第二の入口からハウジングの後端にある第二の出口まで上流に延在する第二の内部流路を画定する。ハウジングは、外科手術ガス送達装置から患者の体腔に送気ガスを送達するために、ハウジングの後端の第三の入口からハウジングの前端の第三の出口まで下流に延在する第三の内部流路を画定する。
【0022】
第一のプリーツ状フィルター要素は、患者の体腔に送達される加圧ガスを濾過するために、第一の内部流路内に位置付けられる。第二のプリーツ状フィルター要素は、患者の体腔から戻る加圧ガスを濾過するために、第二の内部流路内に位置付けられる。
【0023】
活性炭フィルターディスクは、患者の体腔から戻る加圧ガスから揮発性有機化合物を除去するために、第二のプリーツ状フィルター要素とハウジングの後端の第二の出口との間の第二の内部流路内に位置付けられる。不織布フィルター要素は、患者の体腔に送達される送気ガスを濾過するために、ハウジングの後端で第三の入口に隣接して第三の内部流路内に位置付けられる。
【0024】
流体トラップは、ハウジング内に画定され、第二の内部流路と動作可能に関連付けられている。流体トラップは、第二のプリーツ状フィルター要素とハウジングの前端にある第二の入口との間に位置する。第一の入口、第二の出口、および第三の入口は、ハウジングの後端キャップと関連付けられる。第一の出口、第二の入口、および第三の出口は、ハウジングの前端キャップと関連付けられる。
【0025】
本開示のシステムおよび方法のこれらおよび他の特徴は、図面と併せて、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【0026】
図面の簡単な説明
本開示が属する技術分野の当業者が、過度の実験なしに本開示の装置および方法を作製および使用する方法を容易に理解するように、その好ましい実施形態を、特定の図面を参照して以下に詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態に従って構成されたマルチモードガス送達装置の斜視図であり、フィルターカートリッジおよび対応するフィルターカートリッジインターフェースを示す。
【
図2】
図2は、
図1のガス送達装置とインターフェースするよう適合され構成されたフィルターカートリッジの分解斜視図であり、第一のカバープレート内の三内腔チューブセットのフィッティングにおける開口部に向かって見たフィルターカートリッジ構成要素を示す。
【
図3】
図3は、
図1のフィルターカートリッジの分解斜視図であり、
図1のフィルターカートリッジインターフェースのガスポートに対してシールする第二のカバープレートの開口に向かって見たフィルターカートリッジ構成要素を示す。
【
図4】
図4は、
図1のフィルターカートリッジの断面側面立面図であり、フィルターハウジング内に組み立てられたフィルター要素を示す。
【
図5】
図5は、別のフィルターカートリッジの分解斜視図であり、活性炭フィルターディスクは近位プリーツ状フィルター要素の下流側に位置付けられている。
【
図6】
図6は、
図5に示すフィルターカートリッジの側面立面図であり、カートリッジハウジングの側壁のセクションは、断面におけるフィルターカートリッジの内部特徴を図示するために取り除かれている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで図面を参照するが、同様の参照番号は本開示の同様の構造的特徴または態様を識別する。限定ではなく説明および例示の目的で、本開示によるフィルターカートリッジの例示的な実施形態の部分図が、
図1に示され、概して参照符号100によって指定される。本開示によるフィルターカートリッジのその他の実施形態、またはその態様は、記述されるように、
図2~4に提供される。本明細書に記載のシステムおよび方法は、煙を生成する外科手術の間の気腹からの排煙ガスなどの外科手術ガスを濾過するために使用できる。
【0029】
図1には、腹腔鏡外科手術の間の使用のための外科手術ガス送達システム10が図示されている。システム10は、ハウジングの各側に運搬ハンドル14を備えたデバイスハウジング12を含む。ハウジング12の前面は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提示するための容量性または抵抗性のタッチスクリーン16と、デバイスをオンおよびオフにするための電源スイッチ18とを有する。
【0030】
ハウジング12の前面は、デバイスハウジング12内での使い捨てフィルターカートリッジ24の確実な係合を容易にするように構成された回転可能なラッチ機構22を有するフィルターカートリッジインターフェース20をさらに含む。さらに、ハウジング12の前面は、標準的な6mmの送気接続部26を含む。図示していないが、ハウジング12の後面は、圧縮ガス源との接続のためのガス供給フィッティング、サービス目的のための標準USBインターフェース、および標準電源接続部を含む。
【0031】
フィルターカートリッジインターフェース20は、どのタイプのフィルタ24がハウジング内に挿入されたかを認識するように設計されている。例えば、フィルターカートリッジの適切な位置または向きを認識することができる。挿入されたフィルターが、第一の動作モード(すなわち、ガスシールモード)で使用するために特に設計されているかどうか、またはフィルターが第二の動作モード(すなわち、送気および煙排出モード)での使用のために特に設計されているかどうかも認識することもできる。外科手術ガス送達システムの他の態様は、米国特許第9,067,030号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
図2を参照すると、フィルターカートリッジ24は、(
図1に示すように)三内腔チューブセット36に関連付けられたフィッティング46を有する第一のカバープレート30を含むフィルターハウジング28を有する。フィルターハウジング28は、
図1の外科手術ガス送達システム10のフィルターカートリッジインターフェース20内に着座するように構成される。フィルターハウジング28は、一対の第一および第二のプリーツ状フィルター要素38a、38bを支持するように寸法決めされ、構成され、例えば煙排出中にチューブセット36の吸引ラインを通ってシステム内に引き込まれた液体を収集するための内部容器または流体トラップ40を画定する。
【0033】
第一のフィルター要素38aは、フィルターハウジング28の第一の端部分26内に着座する。
図3に示すように、第二のフィルター要素38bは、第一の端部分26と反対側のフィルターハウジング28の第二の端部分42内に着座する。第三のフィルター要素44は、
図4に示す通り、第一のフィルター要素38aと第二のフィルター要素38bとの間にフィルターハウジング28内に着座する。
図3に示すように、端部キャップ50内に第四のフィルター要素32があり、これは下記に説明する感知/送気ラインのためのプリーツの無いフィルターである。第三のフィルター要素44は、活性炭材料を含み、活性炭ディスクの形態である。第一および第二のフィルター要素38aおよび38bの各々は、プリーツ状フィルター材料を含む。第三のフィルター要素44は、第二および第三のフィルター要素38aおよび38bとは別個のフィルター要素であるが、第二のフィルター要素38bと一体化され得ることが企図されている。例えば、メッシュ支持体を紙フィルターと炭素フィルターとの間に一緒に挟むことができ、次いでそれをプリーツ状に折り畳んで、第二のフィルター要素38bと第三のフィルター要素44とを組み合わせたものを形成することができる。
【0034】
第一のカバープレート30は、フィルターハウジング28の第一の端に取り付けられて、第一のフィルター要素38aをフィルターハウジング28の第一の端部分26に固定する。第一のカバープレート30は、三内腔チューブセット36とフィルター要素38a、38b、および44との間のガスの連通のために、三内腔チューブセット36に接続するためのフィッティング46を含む。第二のカバープレート50は、フィルターハウジング28の反対側の端に取り付けられて、第二のフィルター要素38bをフィルターハウジングの第二の端部分42に固定する。第二のカバープレート50は、それらの間に挟まれた第四のフィルター要素32と互いに溶接または他の方法で接合された近位プレートおよび遠位プレートを含む。
図3を参照すると、第二のカバープレート50は、
図1のフィルターカートリッジインターフェース20内に画定される三つのそれぞれのガスポートに対してシールするように各々構成された三つの開口52a、52b、および52cを画定する。フィッティング46は、三つの対応する開口部54a、54b、および54cを含む。
【0035】
第一の流路は、開口部54aからフィルターカートリッジ24を通して、(
図4に破線で示されているように)通しで流体トラップ40まで、ならびに気腹からの排煙ガスの濾過のために第二および第三のフィルター要素38bおよび44を通して進んで開口52aを通して出て、三内腔チューブセット36内の内腔のうちの一つを通して外科手術ガス送達システム10内へ、画定される。第二のフィルター要素38bは、この第一の流路内の第三のフィルター要素44の下流にある。
【0036】
第二の流路は、フィルターカートリッジ24を通って画定され、それはフィルターカートリッジ24内で第一の流路から流体的に分離される。第二の流路は、三内腔チューブセット36の内腔のうち第二の内腔を通過するガスを有する気腹を維持するために、ガスを、外科手術ガス送達システム10から、開口52bを通して、第一のフィルター要素38aを通して、開口部54bから外にもたらす。したがって、第一のフィルター要素38aは、第二および第三のフィルター要素38bおよび44とは別個の流路内にある。この第二の流路は圧力ライン内にあり、ジェットに圧力を供給して、例えば、三内腔チューブセット36に接続された外科用アクセスデバイスのために、弁がないシールにガスシールを作り出す。
【0037】
第三の流路は、フィルターカートリッジ24内で他の二つの流路から流体的に分離されたフィルターカートリッジ24を通って画定される。この第三の流路は、フィルター要素38a、38b、または44のいずれも通過しない。その代わりに、第三の流路は、開口部54cからの腹部圧をフィルターカートリッジ24を通して開口52cに伝え、外科手術ガス送達システム10が、三内腔チューブセット36の内腔のうちの第三の内腔を通して気腹の圧力を監視することができるように、フィルター要素38a、38b、および44をバイパスする。CO2送気ガスは、開口52cから開口部54cまで気腹に流れることができる。この第三の流路は、送気/感知ラインとして機能し、第四のフィルター要素32を通過する三つの流路のうちの唯一の流路である。
【0038】
ここで
図4を参照すると、セパレータ壁56は、第一のフィルター要素38aと第二のフィルター要素38bとの間に、フィルターハウジング28内に含まれる。セパレータ壁56は、第一のフィルター要素38aの内側にあるフィルターハウジング28の隔壁58と連携して、気腹からの流入ガスから流体(流体トラップ40の底部に
図4に概略的に示す)をトラップするために、その間の流体トラップ40を画定する。セパレータ壁56は、それを通るガス開口60を含む。ガス開口60は、流体トラップ40の底部に閉じ込められた流体の容器の上方のガスの通過を許容するように構成される。
【0039】
プレナム62は、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間に画定される。ガス開口60は、ガス開口60の断面積よりも大きな第三のフィルター要素44の断面積を利用するために、プレナム62をガスで加圧するように構成される、すなわち、プレナム62は第三のフィルター要素44の活性炭のほぼ全面積使用のために加圧される。これにより、フィルターカートリッジ24内の活性炭フィルター要素44を通して排煙ガスを流すことができて、排煙ガスからの煙、粒子、不純物のうちの少なくとも一つを濾過することができる。
【0040】
周辺リム64は、セパレータ壁56の周りに画定され、ここで、第三のフィルター要素44は、周辺リム64に対して着座して、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間および周辺リム64内に画定される、容積内に画定されたプレナム62の間隔を維持する。シール66は、セパレータ壁56と第三のフィルター要素44との間に着座して、第三のフィルター要素44を通してプレナム62からガス流を強制する。シールシート68は、シール66がその中に着座した状態で周辺リム64内に画定される。
【0041】
本開示によるチューブセットを備えたフィルターの別の実施形態は、例えば、上述したガスシールを形成する原因となる開口部54bを塞ぐことによって、圧力ラインを塞ぐアダプタを含む。この実施形態では、二内腔チューブセットが、フィルターカートリッジに取り付けられ、例えば、一つの内腔が開口部54aに接続され一つの内腔が開口部54cに接続され、一つの内腔が感知/送気ガスを担い他の内腔が空洞から外科手術ガスおよび煙を除去する。この実施形態は、煙排出用に上述した第三のフィルター要素44を含み、三内腔チューブセット36の第三の内腔を省略する。
【0042】
ここで
図5および6を参照すると、本発明のフィルターカートリッジの別の実施形態が図示されており、これは概して、参照番号100で指定されている。フィルターカートリッジ100は、前端110aおよび後端110bを有する概して円筒形のハウジング110を含む。前端キャップ112は、ハウジング110の前端110aと動作可能に関連付けられ、後端キャップ114は、ハウジング110の後端110bと動作可能に関連付けられる。前端キャップ112および後端キャップ114は、当技術分野で周知の方法によって、フィルターカートリッジ100のハウジング110に溶接、接着、または他の方法で固定することができる。
【0043】
ハウジング110は、ハウジング110の後端キャップ114の第一の入口120から、ハウジング110の前端キャップ112上のマニホールド125の第一の出口122まで下流に延びる第一の内部流路115を画定する。第一の内部流路115は、外科手術ガス送達装置12内のポンプから患者の体腔に加圧ガスを送達するように適合および構成される。ハウジング110は、ハウジング110の前端キャップ112のマニホールド125の第二の入口124から、ハウジング110の後端キャップ114の第二の出口126まで上流に延びる第二の内部流路116を画定する。第二の内部流路は、患者の体腔から外科手術ガス送達装置12内のポンプに流れるガスを戻すように適合および構成される。
【0044】
ハウジング110は、ハウジング110の後端キャップ114の第三の入口128から、ハウジング110の前端キャップ112のマニホールド125の第三の出口130まで下流に延びる第三の内部流路118を画定する。第三の内部流路は、外科手術ガス送達装置12内の送気装置から患者の体腔に低圧送気ガスを送達するように適合および構成される。
【0045】
第一のプリーツ状フィルター要素132は、ポンプによって患者の体腔に送達される加圧ガスから粒子および他の物質を濾過するか、または他の方法で除去するために、ハウジング110の第一の内部流路115内に位置付けられる。第二のプリーツ状フィルター要素134は、患者の体腔からポンプに戻るガスから粒子、流体、および他の物質を濾過するか、または他の方法で除去するために、ハウジング110の第二の内部流路116内に位置付けられる。一部の例では、この戻りガス流は、患者の体腔内で実施される電気焼灼手順で生じる煙を含むガスである。
【0046】
活性炭フィルターディスク136は、揮発性有機化合物またはこれに類するものを患者の体腔からポンプに戻る煙を含むガスから除去するために、有利には、第二のプリーツ状フィルター要素134とハウジング110の後端キャップ114の第二の出口126との間のハウジング110の第二の内部流路116内に位置付けられる。不織布フィルター要素または材料シート138は、ガス送達装置12の送気装置から患者の体腔に送達される送気ガスを濾過するために、ハウジング110の後端キャップ114の第三の入口128に隣接したハウジング110の第三の内部流路118内に位置付けられる。
【0047】
流体トラップまたは容器140は、フィルターカートリッジ100のハウジング110内に画定され、ハウジング110の第二の内部流路と動作可能に関連付けられている。流体トラップ140は、ポンプによってフィルターカートリッジ内に引き出された体液および潅注用流体を収集するように適合および構成される。流体トラップ140は、第二のプリーツ状フィルター要素134とハウジング110の前端キャップ112内の第二の入口124との間に位置し、ハウジング110の内部セパレータ壁142およびバッフルプレート144によって境界がつけられる。バッフルプレート144は、第二の内部流路116内の流体トラップ140と第二のプリーツ状フィルター要素134との間のガス流を促進するポート146を画定する。
【0048】
上述し、図面に示す通り、本開示の方法およびシステムは、煙、粒子、および不純物の改善された除去を含む優れた特性を有する外科手術ガスの濾過を提供する。本開示の装置および方法を好ましい実施形態を参照して示し、記載してきたが、当業者であれば、変更および/または修正が、本開示の範囲から逸脱することなくなされ得ることを容易に理解するであろう。
【国際調査報告】