IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-時計バンド及び時計 図1
  • 特表-時計バンド及び時計 図2
  • 特表-時計バンド及び時計 図3
  • 特表-時計バンド及び時計 図4
  • 特表-時計バンド及び時計 図5
  • 特表-時計バンド及び時計 図6
  • 特表-時計バンド及び時計 図7
  • 特表-時計バンド及び時計 図8
  • 特表-時計バンド及び時計 図9
  • 特表-時計バンド及び時計 図10
  • 特表-時計バンド及び時計 図11
  • 特表-時計バンド及び時計 図12
  • 特表-時計バンド及び時計 図13
  • 特表-時計バンド及び時計 図14
  • 特表-時計バンド及び時計 図15
  • 特表-時計バンド及び時計 図16
  • 特表-時計バンド及び時計 図17
  • 特表-時計バンド及び時計 図18
  • 特表-時計バンド及び時計 図19
  • 特表-時計バンド及び時計 図20
  • 特表-時計バンド及び時計 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】時計バンド及び時計
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/18 20060101AFI20240912BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20240912BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A44C5/18 A
G04B37/16 P
A44C5/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519443
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022119711
(87)【国際公開番号】W WO2023051309
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111143109.7
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ホーァホゥイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ジーツォーン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジュインユイ
(57)【要約】
時計バンド(200)及び時計が提供される。時計バンド(200)は、第1の時計留め具(1)、第2の時計留め具(2)、第1のバンド本体(3)及び第2のバンド本体(4)を含む。第1の時計留め具(1)に収容空間(A)が設けられ、収容空間(A)は電子機器(300)を収容するために用いられる。第2の時計留め具(2)は第1の時計留め具(1)に着脱可能に接続される。第1のバンド本体(3)の一端は第1の時計留め具(1)に接続され、電子機器(300)に電気的に接続されるように構成されている。第2のバンド本体(4)の一端は第2の時計留め具(2)に接続される。時計バンド(200)はスマートウォッチの機能の拡張を促進する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時計留め具(1)、第2の時計留め具(2)、第1のバンド本体(3)及び第2のバンド本体(4)を含む時計バンドであって、
前記第1の時計留め具(1)に収容空間(A)が設けられ、該収容空間(A)は電子機器を収容するために用いられ、
前記第2の時計留め具(2)は、前記第1の時計留め具(1)に着脱可能に接続され、
前記第1のバンド本体(3)の一端は第1の時計留め具(1)に接続されるとともに、前記電子機器に電気的に接続されるように構成され、
前記第2のバンド本体(4)の一端は前記第2の時計留め具(2)に接続される、時計バンド。
【請求項2】
前記第1の時計留め具(1)は第1のハウジング(11)及び第1のカバー(12)を含み、
前記第1のハウジング(11)の内底面にボス(111)が配置され、該ボス(111)の、前記第1のハウジング(11)の内底面から離れた方の部分に溝(112)が設けられ、
前記第1のカバー(12)は前記ボス(111)に接続されるとともに、前記第1のカバー(12)と前記溝(112)との間に前記収容空間(A)を形成するために、前記溝(112)の溝開口を覆う、請求項1に記載の時計バンド。
【請求項3】
前記溝(112)の周囲にシール溝(113)が設けられ、
前記第1の時計留め具(1)はシール部品(13)をさらに含み、
前記シール部品(13)は前記シール溝(113)内に位置し、前記第1のカバー(12)と前記ボス(111)との間でクランプされている、請求項2に記載の時計バンド。
【請求項4】
前記第1の時計留め具(1)はロック留め具(14)をさらに含み、
前記ロック留め具(14)は前記第1のハウジング(11)に接続され、前記第1のハウジング(11)に対して可動であり、前記ロック留め具(14)は前記ボス(111)の一方側に位置し、
前記第2の時計留め具(2)の外壁にロックスロット(21)が設けられ、
前記ロック留め具(14)の、前記第1のハウジング(11)から離れた方の部分は、前記ロック留め具(14)と前記ロックスロット(21)とがロック又はロック解除されるように、前記ロックスロット(21)に挿入される、請求項2又は3に記載の時計バンド。
【請求項5】
前記ロック留め具(14)は第1のスライドブロック(141)及び第1のロックアーム(142)を含み、
前記第1のスライドブロック(141)の第1の部分は前記第1のハウジング(11)内に位置し、前記第1のスライドブロック(141)の第2の部分は前記第1のハウジング(11)の外に位置し、前記第1のスライドブロック(141)は前記第1のハウジング(11)に対して可動であり、
前記第1のロックアーム(142)の第1の部分は前記第1のスライドブロック(141)の第1の部分に接続され、前記第1のスライドブロック(141)の、前記第1のハウジング(11)の内底面から離れた方の側に位置し、前記第1のロックアーム(142)の第2の部分は前記第1のハウジング(11)の外に位置し、前記第1のロックアーム(142)の第2の部分の側壁に第1の切り欠き(143)が設けられ、
前記ロックスロット(21)の内側壁に第1の突起(211)が設けられ、該第1の突起(211)は前記ロックスロット(21)のスロット開口に位置し、該第1の突起(211)は前記第1の切り欠き(143)に面し、
前記第1のスライドブロック(141)が前記第1のロックアーム(142)の第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具(2)の中心から遠ざけ、前記第1の突起(211)が前記第1の切り欠き(143)に位置するとき、前記ロック留め具(14)と前記ロックスロット(21)とが相互にロックされるか又は前記第1のスライドブロック(141)が前記第1のロックアーム(142)の第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具(2)の中心の方に動かし、前記第1の突起(211)が前記第1の切り欠き(143)の外に位置するとき、前記ロック留め具(14)と前記ロックスロット(21)との相互ロックは解除されている、請求項4に記載の時計バンド。
【請求項6】
前記第1の突起(211)の、前記ロックスロット(21)のスロット開口に近い方の側に第1の傾斜面(212)が設けられ、
前記第2の時計留め具(2)の中心に向かう方向において、前記第1の傾斜面(212)は前記ロックスロット(21)のスロット開口からスロット底部に向かって傾斜している、請求項5に記載の時計バンド。
【請求項7】
前記ロックスロット(21)の内側壁に第2の傾斜面(213)がさらに設けられ、
前記第2の傾斜面(213)は前記第1の傾斜面(212)に面し、
前記第2の時計留め具(2)の中心に向かう方向において、前記第2の傾斜面(213)は前記ロックスロット(21)のスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項6に記載の時計バンド。
【請求項8】
前記第1の時計留め具(1)は第1の弾性部品(15)をさらに含み、
前記第1の弾性部品(15)は前記第1のハウジング(11)内に位置し、前記ロック留め具(14)の第2の部分と前記ボス(111)との間で圧縮され、前記第1の弾性部品(15)の弾性方向は、前記ロック留め具(14)の移動方向と同じである、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の時計バンド。
【請求項9】
前記ロック留め具(14)は、駆動ブロック(144)、第2のスライドブロック(145)及び第2のロックアーム(146)を含み、
前記駆動ブロック(144)の第1の部分は前記第1のハウジング(11)内に位置し、前記駆動ブロック(144)の第2の部分は前記第1のハウジング(11)の外に位置し、前記駆動ブロック(144)は前記第1のハウジング(11)に対して可動であり、
前記第2のスライドブロック(145)は前記第1のハウジング(11)内に可動に挿入され、前記駆動ブロック(144)と摺接するとともに、前記第2のスライドブロック(145)の移動方向と前記駆動ブロック(144)の移動方向との間に内角が存在し、
前記第2のロックアーム(146)の第1の部分は前記第2のスライドブロック(145)の第1の部分に接続され、前記第2のスライドブロック(145)の、前記第1のハウジング(11)の内底面から離れた方の側に位置し、前記第2のロックアーム(146)の第2の部分は前記第1のハウジング(11)の外に位置し、前記第2のロックアーム(146)の第2の部分の側壁に第2の切り欠き(147)が設けられ、
前記ロックスロット(21)の内側壁に第2の突起(214)が設けられ、該第2の突起(214)は前記ロックスロット(21)のスロット開口に位置し、前記第2の突起(214)は前記第2の切り欠き(147)に面し、
前記駆動ブロック(144)が前記第2のスライドブロック(145)を駆動して前記第2のロックアーム(146)の第2の部分を前記第2の時計留め具(2)の中心に向かって動かし、前記第2の突起(214)が前記第2の切り欠き(147)に位置するとき、前記ロック留め具(14)と前記ロックスロット(21)とは相互にロックされるか又は前記第2のスライドブロック(145)が前記第2のロックアーム(146)の第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具(2)の中心から遠ざけ、前記第2の突起(214)が前記第2の切り欠き(147)の外に位置するとき、前記ロック留め具(14)と前記ロックスロット(21)との相互ロックは解除される、請求項4に記載の時計バンド。
【請求項10】
前記第2の突起(214)の、前記ロックスロット(21)のスロット開口に近い方の側に第3の傾斜面が設けられ、
前記第2の時計留め具(2)の中心から離れる方向において、前記第3の傾斜面(215)は、前記ロックスロット(21)のスロット開口からスロット底部に向かって傾斜している、請求項9に記載の時計バンド。
【請求項11】
前記ロックスロット(21)の内側壁に第4の傾斜面(216)がさらに設けられ、
前記第4の傾斜面(216)は前記第3の傾斜面(215)に面し、
前記第2の時計留め具(2)の中心から離れる方向において、前記第4の傾斜面(216)は、前記ロックスロット(21)のスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項10に記載の時計バンド。
【請求項12】
前記第1の時計留め具(1)は第2の弾性部品(16)をさらに含み、
前記第2の弾性部品(16)は前記第1のハウジング(11)内に位置し、前記ロック留め具(14)の第2の部分と前記第1のハウジング(11)の内側壁との間で圧縮され、前記第2の弾性部品(16)の弾性方向は前記ロック留め具(14)の移動方向と同じである、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の時計バンド。
【請求項13】
前記第1の時計留め具(1)に第1の磁性部品(17)が配置され、
前記第2の時計留め具(2)に第2の磁性部品(22)が配置され、該第2の磁性部品(22)と前記第1の磁性部品(17)とは互いに引き付けられる、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の時計バンド。
【請求項14】
時計文字盤(100)、時計バンド(200)及び電子機器(300)を含む時計であって、
前記時計バンド(200)は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の時計バンドであり、前記第1のバンド本体(3)、の前記第1の時計留め具(1)から離れた方の一端は前記時計文字盤(100)に接続され、前記第2のバンド本体(4)の、前記第2の時計留め具(2)から離れた方の一端は前記時計文字盤(100)に接続され、
前記電子機器(300)は前記収容空間(A)に位置し、前記第1のバンド本体(3)を介して前記時計文字盤(100)に電気的に接続されている、時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年9月28日に出願された「時計バンド及び時計」と題する中国特許出願第202111143109.7号の優先権を主張し、該出願の全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は電子機器の分野に関し、具体的には時計バンド及び時計に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートウォッチは電子時計である。スマートウォッチは、従来の時計の計時機能に加えて、通信、ナビゲーション及び身体モニタリング等の複数の他の機能を有する。
【0004】
関連技術では、スマートウォッチは文字盤及び時計バンドを主に含む。電子機器が文字盤に配置され、スマートウォッチの様々な機能を実施する。ユーザの手首にスマートウォッチを巻くことができるように時計バンドは文字盤に接続されている。
【0005】
しかしながら、現在、時計バンドは単一の機能を有しており、これはスマートウォッチの機能拡張に役立たない。
【発明の概要】
【0006】
スマートウォッチの機能拡張に役立たない問題を解決するために、本願の実施形態は時計バンド及び時計を提供する。技術的解決策は以下のとおりである。
【0007】
第1の態様によれば、時計バンドが提供され、時計で用いることができる。時計バンドは、第1の時計留め具、第2の時計留め具、第1のバンド本体及び第2のバンド本体を含む。第1の時計留め具に収容空間が設けられ、該収容空間は電子機器を収容するために用いられる。これは電子機器のための取り付け空間を提供することと同等である。第1のバンド本体の一端は第1の時計留め具に接続されるとともに、電子機器に電気的に接続されるように構成されている。第1のバンド本体の他端は時計の時計文字盤に接続されるように構成され、電気的に接続できる。したがって、電子機器は第1のバンド本体を介して時計文字盤に電気的に接続される。時計の機能を拡張するために様々な電子機器が収容空間で構成されるため、時計の機能が改善される。第2のバンド本体の一端は第2の時計留め具に接続され、第2の時計バンド本体の他端は時計文字盤に接続されるように構成されている。第2の時計留め具は第1の時計留め具に着脱可能に接続されるため、時計バンドをはめることができる。
【0008】
本願の本実施形態で提供される時計バンドは、少なくとも以下の効果を有する。
【0009】
時計バンドは時計に用いられる。第1の時計留め具に収容空間が設けられているため、様々な電子機器を収容空間で構成して時計の機能を拡張することができるため、時計の機能が改善される。
【0010】
例示の実施形態では、第1の時計留め具は第1のハウジング及び第1のカバーを含む。第1のハウジングはオープンハウジング状の機械部品である。第1のハウジングの内底面にボスが配置されている。ボスの頂部は第1のハウジングの開口に面する。ボスの、第1のハウジングの内底面から離れた方の部分に溝が設けられている。すなわち、溝はボスの頂部に位置する。第1のカバーは第1のハウジングの開口に位置する。第1のカバーはボスに接続されるとともに、第1のカバーと溝との間に収容空間を形成するために、溝の溝開口を覆う。つまり、収容空間は、溝の溝開口を第1のカバーで覆うことによって形成される。収容空間は第1のカバーと第1のハウジングとの間に位置する。
【0011】
一実施形態では、溝の周囲にシール溝が設けられている。第1の時計留め具はシール部品をさらに含む。シール部品はシール溝内に位置し、第1のカバーとボスとの間でクランプされている。この設計では、シール部品を介して第1のカバーとボスとの間の隙間をシールして、収容空間に侵入する塵埃、液体等による収容空間内の電子機器への衝撃を回避できる。
【0012】
例示の実施形態では、ロックスロットが第2の時計留め具の外壁に設けられる。第1の時計留め具はロック留め具をさらに含む。ロック留め具の第1の部分は第1のハウジング内に挿入され、ボスの一方側に位置する。ロック留め具の第2の部分は第1のハウジングの外に位置し、ロックスロット内に挿入される。ロック留め具は第1のハウジングに対して可動である。ロック留め具の第2の部分をロックスロット内で動かすプロセスにおいて、ロック留め具及びロックスロットをロック又はロック解除できる。つまり、ロック留め具は第1の時計留め具に配置され、ロックスロットは第2の時計留め具に設けられる。第1の留め具と第2の時計留め具との間の着脱可能な接続は、ロック留め具とロックスロットとの間の嵌合を介して実施される。
【0013】
例示の実施形態では、ロック留め具は第1のスライドブロック及び第1のロックアームを含む。第1のスライドブロックの第1の部分は第1のハウジング内に位置し、第1のハウジングに対して可動である。第1のスライドブロックの第2の部分は第1のハウジングの外に位置し、第1のスライドブロック全体を駆動して一緒に動かすことができる。第1のロックアームの第1の部分は第1のスライドブロックの第1の部分に接続され、第1のスライドブロックの、第1のハウジングの内底面から離れた方の側に位置する。第1のロックアームの第2の部分は第1のハウジングの外に位置する。第1のロックアームの第1の部分は第1のスライドブロックに接続されているため、第1のロックアームは第1のスライドブロックを駆動することによって共に動かすことができる。第1のロックアームの第2の部分の側壁に第1の切り欠きが設けられ、第1の切り欠きは第1の突起に適合するように構成されている。第1の突起はロックスロットの内側壁に位置し、ロックスロットのスロット開口に位置する。第1の突起は第1の切り欠きに面する。第1のスライドブロックが第1のロックアームの第2の部分を駆動して第2の時計留め具の中心から遠ざけ、第1の突起が第1の切り欠きに位置するとき、ロック留め具とロックスロットとが相互にロックされている。第1のスライドブロックが第1のロックアームの第2の部分を駆動して第2の時計留め具の中心の方に動かし、第1の突起が第1の切り欠きの外に位置するとき、ロック留め具とロックスロットとの相互ロックは解除されている。
【0014】
例示の実施形態では、第1の突起の、ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第1の傾斜面が設けられている。第2の時計留め具の中心に向かう方向において、第1の傾斜面はロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスにおいて、ロック留め具の頂部が第1の傾斜面に当接して第1の傾斜面に沿って移動し、第1の突起を回避する。このように、ロック留め具がロックスロットに徐々に挿入され、ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスがより円滑になる。
【0015】
例示の実施形態では、ロックスロットの内側壁に第2の傾斜面がさらに設けられている。第2の傾斜面は第1の傾斜面に面する。第2の時計留め具の中心に向かう方向において、第2の傾斜面はロックスロットのスロット底部からスロット開口に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスにおいて、ロック留め具が第2の時計留め具の中心から遠ざかるため、ロック留め具の頂部が第2の傾斜面に当接する。ロック留め具は第2の傾斜面の作用下でロックスロットから押し出されるため、ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスがより円滑になる。
【0016】
例示の実施形態では、第1の時計留め具は第1の弾性部品をさらに含む。第1の弾性部品は第1のハウジング内に位置し、ロック留め具の第2の部分とボスとの間で圧縮される。第1の弾性部品の弾性方向はロック留め具の移動方向と同じである。すなわち、第1の弾性部品は常に1つの作用力を加えてロック留め具を第2の時計留め具の中心から遠ざけることができる。この設計では、ロック留め具が初期状態にあるとき、第1の弾性部品の作用下で、ロック留め具は第2の時計留め具の中心から離れた位置に位置する。ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスでは、ロック留め具は、第1の傾斜面の作用下で第2の時計留め具の中心の方に移動し、第1の弾性部品を圧縮して第1の突起を回避する。第1の突起が回避された後、第1の弾性部品の弾性ポテンシャルエネルギーがリリースされ、ロック留め具を第2の時計留め具の中心から遠ざけるように押し戻す。この場合、第1の突起が第1の切り欠きに挿入されるため、ロック留め具とロックスロットとがロックされる。ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスでは、ロック留め具は第2の時計留め具の中心の方に移動し、第1の弾性部品を圧縮する。ロック留め具は第2の傾斜面の作用下でロックスロットから押し出され、ロック留め具とロックスロットとのロックが解除される。ロックスロットがロックスロットから引き抜かれた後、第1弾性部品の弾性ポテンシャルエネルギーがリリースされ、ロック留め具が第2の時計留め具の中心から遠ざけられる。
【0017】
例示の実施形態では、ロック留め具は、駆動ブロック、第2のスライドブロック及び第2のロックアームを含む。駆動ブロックの第1の部分は第1のハウジング内に位置し、第1のハウジングに対して可動である。駆動ブロックの第2の部分は第1のハウジングの外に位置し、駆動ブロック全体を駆動して共に動かすことができる。第2のスライドブロックは第1のハウジング内に可動に挿入され、第1のハウジングに対して可動である。第2のスライドブロックは駆動ブロックと摺接するとともに、第2のスライドブロックの移動方向と駆動ブロックの移動方向との間に内角が存在する。したがって、駆動ブロックが動かされた場合、駆動ブロックも第2のスライドブロックを押して共に移動する。第2のロックアームの第1の部分は第1のハウジングに位置し、第2のスライドブロックに接続されている。第2のロックアームの第2の部分は第1のハウジングの外に位置する。第2のロックアームの第1の部分は第2のスライドブロックに接続されているため、第2のロックアームは、第2のスライドブロックを駆動することによって共に移動できる。第2のロックアームの第2の部分の側壁に第2の切り欠きが設けられ、第2の切り欠きは第2の突起に適合するように構成されている。第2の突起はロックスロットの内側壁に位置し、ロックスロットのスロット開口に位置する。第2の突起は第2の切り欠きに面する。駆動ブロックが第2のスライドブロックを駆動して、第2のロックアームの第2の部分を第2の時計留め具の中心の方に動かし、第2の突起が第2の切り欠きに位置するとき、ロック留め具とロックスロットとは相互にロックされている。第2のスライドブロックが第2のロックアームの第2の部分を駆動して第2の時計留め具の中心から遠ざけ、第2の突起が第2の切り欠きの外に位置するとき、ロック留め具とロックスロットとの相互ロックは解除される。
【0018】
例示の実施形態では、第2の突起の、ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第3の傾斜面が設けられている。第2の時計留め具の中心から離れる方向において、第3の傾斜面は、ロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスで、ロック留め具の頂部が第3の傾斜面に当接して第3の傾斜面に沿って移動し、第2の突起を回避する。このように、ロック留め具が徐々にロックスロットに挿入され、ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスがより円滑になる。
【0019】
例示の実施形態では、ロックスロットの内側壁に第4の傾斜面がさらに設けられている。第4の傾斜面は第3の傾斜面に面する。第2の時計留め具の中心から離れる方向において、第4の傾斜面は、ロックスロットのスロット底部からスロット開口に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスで、ロック留め具が第2の時計留め具の中心から遠ざかるため、ロック留め具の頂部が第4の傾斜面に当接する。ロック留め具は第4の傾斜面の作用下でロックスロットから押し出されるため、ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスがより円滑になる。
【0020】
例示の実施形態では、第1の時計留め具は第2の弾性部品をさらに含む。第2の弾性部品は第1のハウジングに位置し、ロック留め具の第2の部分と第1のハウジングの内壁との間で圧縮される。第2の弾性部品の弾性方向はロック留め具の移動方向と同じである。つまり、第2の弾性部品はロック留め具を第2の時計留め具の中心の方に動かすために常に1つの作用力を加えることができる。ロック留め具をロックスロットに挿入するプロセスで、ロック留め具は第3の傾斜面の作用を受けて第2のハウジングの中心から遠ざかり、第2の弾性部品を圧縮して、第2の突起を回避する。第2の突起を回避した後、第2の弾性部品の弾性ポテンシャルエネルギーがリリースされ、ロック留め具を第2の時計留め具の中心の方に動かす。この場合、第2の突起が第2の切り欠きに挿入されるため、ロック留め具とロックスロットとがロックされる。ロック留め具をロックスロットから引き抜くプロセスで、ロック留め具は第2の時計留め具の中心から遠ざかり、第2の弾性部品を圧縮する。第4の傾斜面の作用下でロック留め具がロックスロットから押し出されるため、ロック留め具とロックスロットとのロックが解除される。ロックスロットがロックスロットから引き抜かれた後、第2の弾性部品の弾性ポテンシャルエネルギーがリリースされ、ロック留め具が第2の時計留め具の中心の方に押し戻される。
【0021】
例示の実施形態では、第1の磁性部品が第1の時計留め具に配置される。第2の磁性部品が第2の時計留め具に配置され、第2の磁性部品と第1の磁性部品とは互いに引き付けられる。この設計では、第1の時計留め具が第2の時計留め具に固定されると、第1の磁性部品と第2の磁性部品とは互いに引き付けられる。この磁力の影響下で、第1の時計留め具と第2の時計留め具とは自動的に互いに近づくように移動し、ロック留め具とロックスロットとの間の嵌合によって相互にロックされる。
【0022】
第2の態様によれば、時計が提供される。時計は、時計文字盤、時計バンド及び電子機器を含む。時計バンドは上述した時計バンドである。第1のバンド本体の一端は第1の時計留め具に接続されている。第1のバンド本体の、第1の時計留め具から離れた方の側の一端は時計文字盤に接続されている。第2のバンド本体の一端は第2の時計留め具に接続されている。第2のバンド本体の、第2の時計留め具から離れた方の側の一端は時計文字盤に接続されている。電子機器は第1の時計留め具内の収容空間に位置する。電子機器は第1のバンド本体を介して時計文字盤に電気的に接続されている。
【0023】
本願のこの実施形態で提供される時計は少なくとも以下の効果を有する。
【0024】
時計バンドの第1の時計留め具内に様々な電子機器を収容できるため、時計は、異なる電子機器に基づいて複数の異なる機能を有することができ、時計の機能が拡張され、時計の機能性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本願の実施形態に係る時計バンドの構造の概略図である。
図2図2は、本願の実施形態に係る、方向A-Aにおける図1の断面図である。
図3図3は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具の構造の概略図である。
図4図4は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具の分解図である。
図5図5は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具の構造の概略図である。
図6図6は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具と第2の時計留め具との間の分解された状態及び組み付けられた状態の概略図である。
図7図7は、本願の実施形態に係るロック留め具とロックスロットとの間のロック状態の概略図である。
図8図8は、本願の実施形態に係るロック留め具とロックスロットとの間のロックが解除された状態の概略図である。
図9図9は、本願の実施形態に係るロック留め具の組み立ての概略図である。
図10図10は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具と第2の時計留め具との間の組み立てプロセスの概略図である。
図11図11は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具と第2の時計留め具との間の分解プロセスの概略図である。
図12図12は、本願の実施形態に係るロック留め具とロックスロットとの間の第2の嵌合方法である。
図13図13は、本願の実施形態に係るロック留め具とロックスロットとの間のロック状態の概略図である。
図14図14は、本願の実施形態に係るロック留め具とロックスロットとの間のロックが解除された状態の概略図である。
図15図15は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具の分解図である。
図16図16は、本願の実施形態に係るロック留め具の組み立ての概略図である。
図17図17は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具と第2の時計留め具との間の組み立てプロセスの概略図である。
図18図18は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具と第2の時計留め具との間の分解プロセスの概略図である。
図19図19は、本願の実施形態に係る第1の時計留め具及び第2の時計留め具の分解図である。
図20図20は、本願の実施形態に係る時計の構造の概略図である。
図21図21は本願の一実施形態に係る時計の正面図である。
【0026】
参照符号:
1:第1の時計留め具
11:第1のハウジング;111:ボス;112:溝;113:シール溝;114:位置決めピン;12:第1のカバー;121:位置決め開口;13:シール部品;14:ロック留め具;141:第1のスライドブロック;142:第1のロックアーム;143:第1の切り欠き;144:駆動ブロック;145:第2のスライディングブロック;146:第2のロックアーム;147:第2の切り欠き;15:第1の弾性部品;16:第2の弾性部品;17:第1の磁性部品;
2:第2の時計留め具;
21:ロックスロット;211:第1の突起;212:第1の傾斜面;213:第2の傾斜面;214:第2の突起;215:第3の傾斜面;216:第4の傾斜面;22:第2の磁性部品;23:位置決め孔;
3:第1のバンド本体;
31:フレキシブルプリント回路;
4:第2のバンド本体;
A:収容空間;
100:時計文字盤;200:時計バンド;300:電子機器
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願の実施形態で用いる用語は、本願の特定の実施形態を説明するために用いられるに過ぎず、本願を限定することを意図していない。
【0028】
スマートウォッチは電子時計である。従来の時計の計時機能に加えて、スマートウォッチは、通信、ナビゲーション、身体モニタリング等の複数の他の機能を有する。
【0029】
関連技術では、スマートウォッチは時計文字盤及び時計バンドを主に含む。電子機器は時計文字盤に配置され、スマートウォッチの様々な機能を実施する。時計バンドは時計文字盤に接続されるため、ユーザの手首にスマートウォッチを巻くことができる。現在、時計バンドには主に2つの形態がある。第1の時計バンドの本体は金属ヒンジである。金属ヒンジの一端はバタフライ留め具を用いることによりロック又はロック解除される。第2の時計バンドの本体はナイロンバンドである。ナイロンバンドの一端は面ファスナーを用いてロック又はロック解除される。
【0030】
しかしながら、上記2つの時計バンドの機能は非常に単純であり、スマートウォッチを使ユーザの手首に巻く機能のみが提供される。これは、スマートウォッチの機能拡張には役立たない。
【0031】
上記の技術的課題を解決するために、本開示の実施形態は時計バンドを提供する。図1は時計バンドの構造の概略図である。図1を参照されたい。時計バンドは、第1の時計留め具1、第2の時計留め具2、第1のバンド本体3及び第2のバンド本体4を含む。
【0032】
図2は、方向A-Aにおける図1の断面図である。図2を参照して、第1の時計留め具1に収容空間Aが設けられ、収容空間Aは電子機器300を収容するために用いられる。第2の時計留め具2は第1の時計留め具1に着脱可能に接続される。第1のバンド本体3の一端は第1の時計留め具1に接続され、電子機器300に電気的に接続されるように構成されている。第2のバンド本体4の一端は第2の時計留め具2に接続されている。
【0033】
時計バンドは時計に用いられる。第1の時計留め具1に収容空間Aが設けられているため、様々な電子機器300を収容空間Aで構成して時計の機能を拡張できるため、時計の機能性が改善される。
【0034】
以上のことから、本願の実施形態で提供される時計バンドは、第1の時計留め具1に収容空間Aが設けられ、収容空間Aに様々な機能を有する電子機器300を収容できるため、スマートウォッチの機能拡張に役立つ。収容空間Aの構成について以下で説明する。
【0035】
図3は第1の時計留め具1の構造を示す概略図である。図4は第1の時計留め具1の分解図である。図3及び図4を参照して、この実施形態では、第1の時計留め具1は第1のハウジング11及び第1のカバー12を含む。
【0036】
第1のハウジング11はオープンハウジング状の機械部品である。第1のハウジング11の内底面にボス111が配置されている。ボス111の頂部は第1のハウジング11の開口に面する。ボス111の、第1のハウジング11の内底面から離れた方の部分に溝112が設けられている。つまり、溝112はボス111の頂部に位置する。第1のカバー12は第1のハウジング11の開口に位置する。第1のカバー12はボス111に接続され、第1のカバー12と溝112との間に収容空間Aを形成するために溝112の溝開口を覆う。
【0037】
上記の実施では、溝112の溝開口に第1のカバー12を覆うことにより収容空間Aが形成されている。収容空間Aは、第1のカバー12と第1のハウジング11との間に位置する。電子機器300が収容空間Aに配置されている場合、電子機器300は先ずボス111の頂部の溝112に配置されるため、電子機器300は第1のバンド本体3に電気的に接続される。そして、第1のカバー12が溝112の溝開口を覆い、第1のカバー12がボス111に接続されるため、電子機器300は収容空間Aに収容される。
【0038】
任意で、第1のカバー12とボス111とを正確に組み付けを確実にするために、ボス111の、第1のハウジング11の内底面から離れた方の部分に複数の位置決めピン114が配置されている。複数の位置決めピン114はボス111の外縁に沿って間隔を置いて配置されている。第1のカバー12の外縁に複数の位置決め開口121が設けられている。位置決め開口121は位置決めピン114と一対一の対応関係にある。組み付けの間、第1のカバー12は先ず第1のハウジング11の開口を覆い、全ての位置決めピン114が対応する位置決め開口121に挿入されることを確実にする。この場合、位置決めピン114の位置決めに伴って第1のカバー12が不必要に揺れることはない。そして、第1のカバー12はネジ等の部品を介してボス111に接続される。
【0039】
加えて、位置決めピン114は、第2の時計留め具2との位置決めをさらに実施できる。図5は第2の時計留め具の背面図である。第2の時計留め具の背面側は第1の時計留め具1に面する側である。第2の時計留め具2の外壁に複数の位置決め孔23が設けられている。複数の位置決め孔23は第2の時計留め具2の外縁に沿って間隔を置いて配置され、位置決めピン114と一対一の対応関係にある。第1のハウジング11と第1のカバー12とが共に組み付けると、位置決めピン114の、ボス111から離れた方の側の一端が第1のカバー12を貫通する。第1の時計留め具1と第2の時計留め具2とが共に接続された後、位置決めピン114を対応する位置決め孔23に挿入でき、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との間の不要な揺れを回避できる。
【0040】
電子機器300の寿命を確保するために、電子機器300に対して防塵及び防水加工を施す必要がある。図4を依然参照されたい。本実施形態では、溝112の周囲にシール溝113が設けられている。シール溝113は、ボス111の、第1のハウジング11の内底面から離れた方の側の部分、すなわちボス111の頂部に位置する。第1の時計留め具1はシール部品13をさらに含む。シール部品13はシール溝113に位置し、第1のカバー12とボス111との間でクランプされている。
【0041】
この設計では、第1のカバー12とボス111との間の隙間をシール部品13を介してシールして、収容空間Aに侵入する塵埃、液体等による収容空間A内の電子機器300に対する衝撃を回避できる。
【0042】
例えば、シール部品13はゴム部品である。第1のカバー12がボス111に接続されている場合、第1のカバー12はシール溝113も覆う。シール部品13は所定の弾性を有するため、シール部品13はシール溝113と第1のカバー12との間で圧縮され、収容空間Aを確実にシールする。
【0043】
任意で、収容空間A内の電子機器300を第1のバンド本体3に電気的に接続する必要があるため、第1のバンド本体3を収容空間A内に延在させる必要がある。したがって、溝112の端部及びシール溝113の端部のそれぞれに切り欠きがあり、溝112の切り欠きはシール溝113の切り欠きに面する。第1のバンド本体3にフレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit、FPC)31が配置されている。フレキシブルプリント回路31の一端はシール溝113の切り欠き及び溝112の切り欠きを順次貫通して収容空間A内に挿入され、電子機器300に電気的に接続されている。フレキシブルプリント回路31の他端は第1のバンド本体3に埋め込まれ、第1のバンド本体3の長さ方向に沿って延在して時計文字盤100に電気的に接続されている。溝112の切り欠き及びシール溝113の切り欠きをシールするために、シール部品13の、2つの切り欠きに対応する部分が2つの切り欠きに嵌合される。このように、2つの切り欠きを埋めて、シール効果を得ることができる。
【0044】
上記から、第1の時計留め具1は第2の時計留め具2に着脱可能に接続されていることが分かる。収容空間Aは第1の時計留め具1に設けられ、第1の時計留め具1の一部の空間を占めているため、本願のこの実施形態では、従来の接続方法は適用されない。上記の技術的課題を解決するために、本願の実施形態では、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との着脱可能な接続方法を提供する。これを以下に説明する。
【0045】
図6は、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との分解された状態及び組み付けられた状態の概略図である。図6を参照して、この実施形態では、第1の時計留め具1はロック留め具14をさらに含む。ロック留め具14は第1のハウジング11に接続され、第1のハウジング11に対して可動であり、ロック留め具14はボス111の一方側に位置する。第2の時計留め具2の外壁にロックスロット21が設けられている。ロック留め具14の、第1のハウジング11から離れた方の部分がロックスロット21に挿入されるため、ロック留め具14とロックスロット21とがロック又はロック解除される。
【0046】
上記の実施では、第1のハウジング11は、ロック留め具14の第1の部分の組立基礎を提供する。したがって、ロック留め具14の第1の部分は第1のハウジング11に対して可動である。具体的には、ロック留め具14の第2の部分は、第1の部分と共に第1のハウジング11に対して可動である。加えて、ロック留め具14はボス111の一方側に位置するため、ロック留め具14はボス111に干渉しない。つまり、ボス111の頂部に位置する収容空間Aに影響を与えない。ロック留め具14がロックスロット21に挿入されると、ロック留め具14の第2の部分を移動することにより、ロック留め具14とロックスロット21とが相互にロック又はロック解除される。つまり、ロック留め具14が第1の時計留め具1に配置され、ロックスロット21が第2の時計留め具2に設けられている。ロック留め具14とロックスロット21との嵌合を通じて、第1の時計留め具と第2の時計留め具2との着脱可能な接続が実施される。
【0047】
この実施形態では、ロック留め具14とロックスロット21との2つの嵌合方法が提供されている。以下では、2つの嵌合方法について個別に説明する。
【0048】
上記で言及した図6は、ロック留め具14とロックスロット21との第1の嵌合方法である。図7は、この嵌合方法におけるロック留め具14とロックスロット21とのロック状態の概略図である。図8は、この嵌合方法におけるロック留め具14とロックスロット21とのロック解除状態の概略図である。
【0049】
図7及び図8を参照して、この実施形態では、ロック留め具14の第2の部分は第2の時計留め具2の縁部と中央部との間に位置する。ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第1の位置に位置する場合、ロック留め具14の第2の部分は第2の時計留め具2の縁部の近くにあり、ロック留め具14の第2の部分とロックスロット21とが相互にロックされる。ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第2の位置に位置する場合、ロック留め具14の第2の部分は第2の時計留め具2の中央部の近くにあり、ロック留め具14の第2の部分とロックスロット21との相互ロックが解除される。
【0050】
具体的には、ロック留め具14とロックスロット21とのこの嵌合方法では、ユーザがロック留め具14を操作して、ロック留め具14とロックスロット21とをロックする必要がある場合、ロック留め具14は第2の時計留め具2の縁部の方に移動するか又はロック留め具14とロックスロット21とのロックを解除する必要がある場合、ロック留め具14は第2の時計留め具2の中央部の方に移動する。このように、ロック留め具14とロックスロット21とがロック又はロック解除される。
【0051】
例えば、この実施形態では、第2の時計留め具2は円形である。この場合、第2の時計留め具2の縁部は円の縁に近い部分であり、第2の時計留め具2の中央部は円の中心に近い部分である。別の実施形態では、第2の時計留め具2は正方形である。この場合、第2の時計留め具2の縁部は正方形の縁に近い部分であり、第2の時計留め具2の中央部は正方形の対角線交点に近い部分である。第2の時計留め具2の形状は一例として用いているにすぎず、第2の時計留め具2の形状は本願では限定されないことが容易に理解できる。
【0052】
なお、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2とを水平方向(第1の時計留め具1が第2の時計留め具2に締結される平面方向)に嵌合させるプロセスで、第2の時計留め具2の縁部は第1の時計留め具1の縁部、すなわちボス111から離れた位置に対応する。第2の時計留め具2の中央部は第1の時計留め具1の中央部、すなわちボス111に近い位置に対応する。すなわち、ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第1の位置に位置する場合、それに対応してロック留め具14の第1の部分は第1のハウジング11の第1の位置に位置する。ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第2の位置に位置する場合、それに対応してロック留め具14の第2の部分は第1のハウジング11の第2の位置に位置する。加えて、ロック留め具14の第2の部分を第1の位置と第2の位置との間で動かすプロセスで、ロック留め具14の第1の部分は常に第1のハウジング11の縁部とボス111との間を移動する。この場合、ロック留め具14はボス111に干渉しない。すなわち、ボス111の頂部に位置する収容空間Aに影響を与えない。
【0053】
図9は、ロック留め具14の組み付けの概略図である。図9の実線矢印はロック留め具14の移動方向である。図9を参照して、この実施形態では、ロック留め具14は第1のスライドブロック141及び第1のロックアーム142を含む。第1のスライドブロック141の第1の部分は第1のハウジング11に位置し、第1のスライドブロック141の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置し、第1のスライドブロック141は第1のハウジング11に対して可動である。第1のロックアーム142の第1の部分は第1のスライドブロック141の第1の部分に接続され、第1のスライドブロック141の、第1のハウジング11の内底面から離れた方の側に位置し、第1のロックアーム142の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置し、第1のロックアーム142の第2の部分の側壁に第1の切り欠き143が設けられている。
【0054】
第1のスライドブロック141の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置するため、ユーザは、第1のスライドブロック141の第2の部分を動かすことにより、第1のハウジング11に位置する第1のスライドブロック141の第1の部分を駆動して動かすことができる。加えて、第1のロックアーム142の第1の端部は第1のスライドブロック141の第1の部分に接続されているため、第1のスライドブロック141を動かすプロセスで第1のロックアーム142も一緒に移動する。
【0055】
図7及び図8を参照して、ロックスロット21の内壁に第1の突起211が設けられ、第1の突起211はロックスロット21のスロット開口に位置し、第1の突起211は第1の切り欠き143に面する。
【0056】
第1のスライドブロック141が第1のロックアーム142の第2の部分を駆動して、第2の時計留め具2の中心から遠ざけ、第1の突起211が第1の切り欠き143に位置すると、ロック留め具14とロックスロット21とは相互にロックされる。第1のスライドブロック141が第1のロックアーム142の第2の部分を駆動して第2の時計留め具2の中心の方に動かし、第1の突起211が第1の切り欠き143の外に位置すると、ロック留め具14とロックスロット21との相互ロックは解除される。
【0057】
なお、図7及び図8を参照して、第1の突起211が第1の切り欠き143に挿入されると、ロック留め具14とロックスロット21とがロックされることが分かる。これは、ロック留め具14をロックスロット21のスロット底部からスロット開口への方向にロックスロット21から直接引き抜くことができないことを意味する。第1の突起211が第1の切り欠き143の外に位置する場合、ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除される。これは、ロック留め具14をロックスロット21のスロット底部からスロット開口への方向にロックスロット21から直接引き抜くことができることを意味する。
【0058】
図7及び図8を依然参照して、この実施形態では、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスをより円滑にするために、第1の突起211の、ロックスロット21のスロット開口に近い方の側に第1の傾斜面212が設けられている。第2の時計留め具2の中心に向かう方向において、第1の傾斜面212はロックスロット21のスロット開口からスロット底部に向かって傾斜する。この設計では、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスで、ロック留め具14の頂部が第1の傾斜面212に当接し、第1の傾斜面212に沿って第1の位置から第2の位置に移動して第1の突起211を回避する。このように、ロック留め具14がロックスロット21に徐々に挿入され、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスがより円滑になる。
【0059】
これに対応して、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスをより円滑にするために、ロックスロット21の内側壁に第2の傾斜面213がさらに設けられている。第2の傾斜面213は第1の傾斜面212に面する。第2の時計留め具2の中心に向かう方向において、第2の傾斜面213は、ロックスロット21のスロット底部からスロット開口に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスで、ロック留め具14は第1の位置から第2の位置に移動するため、ロック留め具14の頂部が第2の傾斜面213に当接する。第2の傾斜面213の作用を受けてロック留め具14がロックスロット21から押し出されるため、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスがより円滑になる。
【0060】
図7及び図8を依然参照して、ロック留め具14をロックスロット21に確実にロックできるようにするために、この実施形態では、第1の時計留め具1は第1の弾性部品15をさらに含む。第1の弾性部品15は第1のハウジング11に位置し、ロック留め具14の第2部分とボス111との間で圧縮される。第1の弾性部品15の弾性方向はロック留め具14の移動方向と同じである。すなわち、第1の弾性部品15は、ロック留め具14を第1の位置の方に移動させるために常に一つの作用力を加えることができる。
【0061】
図10は、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との組み付けプロセスの概略図である。白抜き矢印は組み付け順序を示し、実線矢印は部品の移動方向を示す。図11は、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との分解プロセスの概略図である。白抜き矢印は組み付け順序を示し、実線矢印は部品の移動方向を示す。図10及び図11を参照して、第1の弾性部品15の作用による第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との組み付けプロセス及び分解プロセスを以下で説明する。
【0062】
ロック留め具14が初期状態(ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除されている)にある場合、第1の弾性部品15の作用によりロック留め具14が第1の位置に位置する(図10の上部の図を参照)。ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスで、第1のロックアーム142の頂部が第1の傾斜面212に当接する。第1の傾斜面212の作用により、ロック留め具14が第1の位置から第2の位置に移動し、第1の弾性部品15を圧縮して第1の突起211を回避する(図10の中間部の図を参照)。第1の突起211が回避された後、第1の弾性部品15の弾性ポテンシャルエネルギーが解放され、ロック留め具14を第2の位置から第1の位置に駆動する。この場合、第1の突起211が第1の切り欠き143に挿入されるため、ロック留め具14とロックスロット21とがロックされる(図10の下部の図を参照)。
【0063】
ロック留め具14が初期状態(ロック留め具14とロックスロット21とがロックされている)にある場合、ロック留め具14は第1の弾性部品15の作用により第1の位置に位置する(図11の上部の図を参照)。ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスで、ロック留め具14は第1の位置から第2の位置に移動し、第1のロックアーム142の頂部が第2の傾斜面213に当接するまで第1の弾性部品15を圧縮する(図11の中間部を参照)。第2の傾斜面213の作用により、ロック留め具14がロックスロット21から徐々に引き抜かれるため、ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除される(図11の下部の図を参照)。ロックスロット21がロックスロット21から引き抜かれた後、第1の弾性部品15の弾性ポテンシャルエネルギーが解放され、ロック留め具14を第2の位置から第1の位置に駆動する。この場合、ロック留め具14はリセットされ、次のロック動作を待つ。
【0064】
図12は、ロック留め具14とロックスロット21との第2の嵌合方法である。同様に、ロック留め具14がロックスロット21に挿入されるため、ロック留め具14とロックスロット21とがロックされる。ロック留め具14がロックスロット21から引き抜かれるため、ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除される。主な相違点は、ロック留め具14の駆動方法が違う点と、第1の位置及び第2の位置が異なる位置である点にある。これを以下で説明する。
【0065】
図13は、この嵌合方法におけるロック留め具14とロックスロット21とのロック状態の概略図である。図14は、この嵌合方法におけるロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除された状態の概略図である。
【0066】
図13及び図14を参照して、この実施形態では、ロック留め具14の第2の部分が第2の時計留め具2の縁部と中央部との間に位置する。ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第1の位置に位置する場合、ロック留め具14の第2の部分は第2の時計留め具2の中央部の近くにあり、ロック留め具14の第2の部分とロックスロット21とが相互にロックされる。ロック留め具14の第2の部分がロックスロット21の第2の位置に位置する場合、ロック留め具14の第2の部分は第2の時計留め具2の縁部の近くにあり、ロック留め具14の第2の部分とロックスロット21との相互ロックが解除されている。
【0067】
具体的には、ロック留め具14とロックスロット21とのこの嵌合方法では、ユーザがロック留め具14を操作し、ロック留め具14とロックスロット21とをロックする必要がある場合、ロック留め具14は第2の時計留め具2の中央部の方に移動するか又はロック留め具14とロックスロット21とのロックを解除する必要がある場合、ロック留め具14は第2の時計留め具2の縁部の方に移動する。このように、ロック留め具14とロックスロット21とがロック又はロック解除される。
【0068】
加えて、ロック留め具14の第2の部分が第1の位置と第2の位置との間を移動するプロセスで、ロック留め具14の第1の部分は常に第1のハウジング11の縁部とボス111との間を移動する。この場合、ロック留め具14はボス111に干渉しない。つまり、ボス111の頂部に位置する収容空間Aに影響を与えない。
【0069】
図15は第1の時計留め具1の分解図である。図16はロック留め具14の組み付けの概略図である。図16の実線矢印はロック留め具14の移動方向である。図15及び図16を参照して、この実施形態では、ロック留め具14は、駆動ブロック144、第2のスライドブロック145及び第2のロックアーム146を含む。駆動ブロック144の第1の部分は第1のハウジング11に位置し、駆動ブロック144の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置し、駆動ブロック144は第1のハウジング11に対して可動である。第2のスライドブロック145は第1のハウジング11内に可動に挿入され、駆動ブロック144と摺接する。第2のスライドブロック145の移動方向と駆動ブロック144の移動方向との間に内角が存在する。第2のロックアーム146の第1の部分は第2のスライドブロック145の第1の部分に接続され、第2のスライドブロック145の、第1のハウジング11の内底面から離れた方の側に位置する。第2のロックアーム146の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置し、第2のロックアーム146の第2の部分の側壁に第2の切り欠き147が設けられている。
【0070】
駆動ブロック144の第2の部分は第1のハウジング11の外に位置するため、ユーザは、駆動ブロック144の第2の部分を動かすことにより、第1のハウジング11に位置する駆動ブロック144の第1の部分を動かすことができる。加えて、駆動ブロック144の第1の部分は第2のスライドブロック145に接触しており、第2のロックアーム146は第2のスライドブロック145に接続されている。したがって、第2のロックアーム146も駆動ブロック144を動かすプロセスで共に移動する。
【0071】
上記の実施では、駆動ブロック144の移動方向の側に押出傾斜面がある。押出傾斜面と駆動ブロック144の移動方向との間には45°の内角が存在する。第2のスライドブロック145の移動方向の側に押出傾斜面が存在する。押出傾斜面と第2のスライドブロック145の移動方向との間には45°の内角が存在する。駆動ブロック144の押出傾斜面は第2のスライドブロック145の押出傾斜面と摺動可能に嵌合する。駆動ブロック144が動かされると、2つの押出傾斜面の作用により、駆動ブロック144によって第2のスライドブロック145に作用する力の一部が、駆動ブロック144の移動方向に垂直な分力に変化する。この分力により、第2のスライドブロック145が駆動され、駆動ブロック144に垂直な移動方向に沿って動かされる。
【0072】
図13及び図14を参照して、ロックスロット21の内側壁に第2の突起214が設けられている。第2の突起214はロックスロット21のスロット開口に位置し、第2の突起214は第2の切り欠き147に面する。
【0073】
駆動ブロック144が第2のスライドブロック145を駆動して第2のロックアーム146の第2の部分を第2の時計留め具2の中心の方に動かし、第2の突起214が第2の切り欠き147に位置すると、ロック留め具14とロックスロット21とが相互にロックされる。第2のスライドブロック145が第2のロックアーム146の第2の部分を駆動して、第2の時計留め具2の中心から遠ざけ、第2の突起214が第2の切り欠き147の外に位置すると、ロック留め具14とロックスロット21との相互ロックが解除される。
【0074】
図13及び図14を依然参照して、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスをより円滑にするために、この実施形態では、第2の突起214の、ロックスロット21のスロット開口に近い方の側に第3の傾斜面215が設けられている。第2の時計留め具2の中心から離れる方向において、第3の傾斜面215はロックスロット21のスロット開口からスロット底部に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスで、ロック留め具14の頂部が第3の傾斜面215に当接し、第3の傾斜面215に沿って第1の位置から第2の位置に移動して第2の突起214を回避する。このように、ロック留め具14がロックスロット21に徐々に挿入され、ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスがより円滑になる。
【0075】
これに対応して、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスをより円滑にするために、ロックスロット21の内側壁に第4の傾斜面216がさらに設けられている。第4の傾斜面216は第3の傾斜面215に面する。第2の時計留め具2の中心から離れる方向において、第4の傾斜面216はロックスロット21のスロット底部からスロット開口に向かって傾斜している。この設計では、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスで、ロック留め具14が第1の位置から第2の位置に移動するため、ロック留め具14の頂部が第4の傾斜面216に当接する。第4の傾斜面216の作用を受けてロック留め具14がロックスロット21から押し出されため、ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスがより円滑になる。
【0076】
図13及び図14を依然参照して、ロック留め具14をロックスロット21に確実にロックできるように、この実施形態では、第1の時計留め具1は第2の弾性部品16をさらに含む。
【0077】
第2の弾性部品16は第1のハウジング11に位置し、ロック留め具14の第2の部分と第1のハウジング11の内側壁との間で圧縮される。第2の弾性部品16の弾性方向は、ロック留め具14の移動方向と同じである。すなわち、第2の弾性部品16は、ロック留め具14を第1の位置の方に動かすために、常に一つの作用力を加えることができる。
【0078】
図17は、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との組み付けプロセスの概略図である。白抜き矢印は組み付け順序を示し、実線矢印は部品の移動方向を示す。図18は、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との分解プロセスの概略図である。白抜き矢印は組み付け順序を示し、実線矢印は部品の移動方向を示す。図17及び図18を参照して、第2の弾性部品16の作用による第1の時計留め具1と第2の時計留め具2との組み付けプロセス及び分解プロセスを以下で説明する。
【0079】
ロック留め具14が初期状態(ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除されている)にある場合、ロック留め具14は第2の弾性部品16の作用により第1の位置に位置する(図17の上部の図を参照)。ロック留め具14をロックスロット21に挿入するプロセスで、第2のロックアーム146の頂部が第3の傾斜面215に当接する。第3の傾斜面215の作用により、ロック留め具14が第1の位置から第2の位置に移動し、第2の弾性部品16を圧縮して第2の突起214を回避する(図17の中間部の図を参照)。第2の突起214が回避された後、第2の弾性部品16の弾性ポテンシャルエネルギーが解放され、ロック留め具14が第2の位置から第1の位置に駆動される。この場合、第2の突起214が第2の切り欠き147に挿入されるため、ロック留め具14とロックスロット21とがロックされる(図17の下部の図を参照)。
【0080】
ロック留め具14が初期状態(ロック留め具14とロックスロット21とがロックされている)にある場合、ロック留め具14は第2の弾性部品16の作用により第1の位置に位置する(図18の上部の図を参照)。ロック留め具14をロックスロット21から引き抜くプロセスで、ロック留め具14は第1の位置から第2の位置に移動し、第2のロックアーム146の頂部が第4の傾斜面216に当接するまで第2の弾性部品16を圧縮する(図18の中間部の図を参照)。第4の傾斜面216の作用により、ロック留め具14がロックスロット21から徐々に押し出されるたね、ロック留め具14とロックスロット21とのロックが解除される(図18の下部の図を参照)。ロックスロット21がロックスロット21から引き抜かれると、第2の弾性部品16の弾性ポテンシャルエネルギーが解放されて、ロック留め具14が第2の位置から第1の位置に駆動される。この場合、ロック留め具14はリセットされ、次のロック動作を待つ。
【0081】
図19は、第1の時計留め具1及び第2の時計留め具2の分解図である。図19を参照して、この実施形態では、第1の時計留め具1に第1の磁性部品17が配置されている。第2時計留め具2に第2の磁性部品22が配置され、第2の磁性部品22と第1の磁性部品17とが互いに引き付けられる。この設計では、第1の時計留め具1が第2の時計留め具2に締結されると、第1の磁性部品17と第2の磁性部品22とが互いに引き付けられる。この磁力により、第1の時計留め具1と第2の時計留め具2とが自動的に互いの方に近づき、ロック留め具14とロックスロット21との嵌合により相互にロックされる。
【0082】
図20は本願の一実施形態に係る時計の構造の概略図である。図20を参照されたい。時計はスマートウォッチであり、時計文字盤100、時計バンド200及び電子機器300を含む。
【0083】
時計バンド200は図1図19に示す時計バンドである。第1のバンド本体3の、第1の時計留め具1から離れた方の一端は時計文字盤100に接続されている。第2のバンド本体4の、第2の時計留め具2から離れた方の一端は時計文字盤100に接続されている。電子機器300は収容空間Aに位置し(図21参照)、第1のバンド本体を介して時計文字盤100に電気的に接続されている。
【0084】
時計バンド200の第1の時計留め具1に様々な電子機器300を収容できるため、それに応じて、時計は異なる電子機器300に基づく複数の異なる機能を有し時計の機能を拡張できるため、時計の機能性が改善される。
【0085】
上記の具体的な実施では、本願の目的、技術的解決策及び有益な効果がさらに詳細に説明されている。上記の説明は本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を制限することを意図したものではないことを理解すべきである。本願の技術的解決策に基づいてなされる修正、同等の交換、改良等は本願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2024-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時計留め具、第2の時計留め具、第1のバンド本体及び第2のバンド本体を含む時計バンドであって、
前記第1の時計留め具に収容空間が設けられ、該収容空間は電子機器を収容するために用いられ、
前記第2の時計留め具は、前記第1の時計留め具に着脱可能に接続され、
前記第1のバンド本体の一端は第1の時計留め具に接続されるとともに、前記電子機器に電気的に接続されるように構成され、
前記第2のバンド本体の一端は前記第2の時計留め具に接続される、時計バンド。
【請求項2】
前記第1の時計留め具は第1のハウジング及び第1のカバーを含み、
前記第1のハウジングの内底面にボスが配置され、該ボスの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の部分に溝が設けられ、
前記第1のカバーは前記ボスに接続されるとともに、前記第1のカバーと前記溝との間に前記収容空間を形成するために、前記溝の溝開口を覆う、請求項1に記載の時計バンド。
【請求項3】
前記溝の周囲にシール溝が設けられ、
前記第1の時計留め具はシール部品をさらに含み、
前記シール部品は前記シール溝内に位置し、前記第1のカバーと前記ボスとの間でクランプされている、請求項2に記載の時計バンド。
【請求項4】
前記第1の時計留め具はロック留め具をさらに含み、
前記ロック留め具は前記第1のハウジングに接続され、前記第1のハウジングに対して可動であり、前記ロック留め具は前記ボスの一方側に位置し、
前記第2の時計留め具の外壁にロックスロットが設けられ、
前記ロック留め具の、前記第1のハウジングから離れた方の部分は、前記ロック留め具と前記ロックスロットとがロック又はロック解除されるように、前記ロックスロットに挿入される、請求項2に記載の時計バンド。
【請求項5】
前記ロック留め具は第1のスライドブロック及び第1のロックアームを含み、
前記第1のスライドブロックの第1の部分は前記第1のハウジング内に位置し、前記第1のスライドブロックの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第1のスライドブロックは前記第1のハウジングに対して可動であり、
前記第1のロックアームの第1の部分は前記第1のスライドブロックの第1の部分に接続され、前記第1のスライドブロックの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の側に位置し、前記第1のロックアームの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第1のロックアームの第2の部分の側壁に第1の切り欠きが設けられ、
前記ロックスロットの内側壁に第1の突起が設けられ、該第1の突起は前記ロックスロットのスロット開口に位置し、該第1の突起は前記第1の切り欠きに面し、
前記第1のスライドブロックが前記第1のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心から遠ざけ、前記第1の突起が前記第1の切り欠きに位置するとき、前記ロック留め具前記ロックスロットとが相互にロックされるか又は前記第1のスライドブロックが前記第1のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心の方に動かし、前記第1の突起が前記第1の切り欠きの外に位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとの相互ロックは解除されている、請求項4に記載の時計バンド。
【請求項6】
前記第1の突起の、前記ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第1の傾斜面が設けられ、
前記第2の時計留め具の中心に向かう方向において、前記第1の傾斜面は前記ロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜し、
前記ロックスロットの内側壁に第2の傾斜面がさらに設けられ、
前記第2の傾斜面は前記第1の傾斜面に面し、
前記第2の時計留め具の中心に向かう方向において、前記第2の傾斜面は前記ロックスロットのスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項5に記載の時計バンド。
【請求項7】
前記第1の時計留め具は第1の弾性部品をさらに含み、
前記第1の弾性部品は前記第1のハウジング内に位置し、前記ロック留め具の第2の部分と前記ボスとの間で圧縮され、前記第1の弾性部品の弾性方向は、前記ロック留め具の移動方向と同じである、請求項に記載の時計バンド。
【請求項8】
前記ロック留め具は、駆動ブロック、第2のスライドブロック及び第2のロックアームを含み、
前記駆動ブロックの第1の部分は前記第1のハウジング内に位置し、前記駆動ブロックの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記駆動ブロックは前記第1のハウジングに対して可動であり、
前記第2のスライドブロックは前記第1のハウジング内に可動に挿入され、前記駆動ブロックと摺接するとともに、前記第2のスライドブロックの移動方向と前記駆動ブロックの移動方向との間に内角が存在し、
前記第2のロックアームの第1の部分は前記第2のスライドブロックの第1の部分に接続され、前記第2のスライドブロックの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の側に位置し、前記第2のロックアームの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第2のロックアームの第2の部分の側壁に第2の切り欠きが設けられ、
前記ロックスロットの内側壁に第2の突起が設けられ、該第2の突起は前記ロックスロットのスロット開口に位置し、前記第2の突起は前記第2の切り欠きに面し、
前記駆動ブロックが前記第2のスライドブロックを駆動して前記第2のロックアームの第2の部分を前記第2の時計留め具の中心に向かって動かし、前記第2の突起が前記第2の切り欠きに位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとは相互にロックされるか又は前記第2のスライドブロックが前記第2のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心から遠ざけ、前記第2の突起が前記第2の切り欠きの外に位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとの相互ロックは解除される、請求項4に記載の時計バンド。
【請求項9】
前記第2の突起の、前記ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第3の傾斜面が設けられ、
前記第2の時計留め具の中心から離れる方向において、前記第3の傾斜面は、前記ロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜し、
前記ロックスロットの内側壁に第4の傾斜面がさらに設けられ、
前記第4の傾斜面は前記第3の傾斜面に面し、
前記第2の時計留め具の中心から離れる方向において、前記第4の傾斜面は、前記ロックスロットのスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項に記載の時計バンド。
【請求項10】
前記第1の時計留め具は第2の弾性部品をさらに含み、
前記第2の弾性部品は前記第1のハウジング内に位置し、前記ロック留め具の第2の部分と前記第1のハウジングの内側壁との間で圧縮され、前記第2の弾性部品の弾性方向は前記ロック留め具の移動方向と同じである、請求項に記載の時計バンド。
【請求項11】
前記第1の時計留め具に第1の磁性部品が配置され、
前記第2の時計留め具に第2の磁性部品が配置され、該第2の磁性部品と前記第1の磁性部品とは互いに引き付けられる、請求項1に記載の時計バンド。
【請求項12】
時計盤面、時計バンド及び電子機器を含む時計であって、
前記時計バンドは第1の時計留め具、第2の時計留め具、第1のバンド本体及び第2のバンド本体を含み、
前記第1のバンド本体の、前記第1の時計留め具から離れた方の一端は前記時計盤面に接続され、前記第2のバンド本体の、前記第2の時計留め具から離れた方の一端は前記時計盤面に接続され、
前記第1の時計留め具に収容空間が設けられ、前記電子機器は、該収容空間に位置するとともに、前記第1のバンド本体を介して前記時計盤面に電気的に接続され、
前記第2の時計留め具は、前記第1の時計留め具に着脱可能に接続され、
前記第1のバンド本体の一端は第1の時計留め具に接続されるとともに、前記電子機器に電気的に接続されるように構成され、
前記第2のバンド本体の一端は前記第2の時計留め具に接続される、時計。
【請求項13】
前記第1の時計留め具は第1のハウジング及び第1のカバーを含み、
前記第1のハウジングの内底面にボスが配置され、該ボスの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の部分に溝が設けられ、
前記第1のカバーは前記ボスに接続されるとともに、前記第1のカバーと前記溝との間に前記収容空間を形成するために、前記溝の溝開口を覆う、請求項12に記載の時計。
【請求項14】
前記溝の周囲にシール溝が設けられ、
前記第1の時計留め具はシール部品をさらに含み、
前記シール部品は前記シール溝内に位置し、前記第1のカバーと前記ボスとの間でクランプされている、請求項13に記載の時計。
【請求項15】
前記第1の時計留め具はロック留め具をさらに含み、
前記ロック留め具は前記第1のハウジングに接続され、前記第1のハウジングに対して可動であり、前記ロック留め具は前記ボスの一方側に位置し、
前記第2の時計留め具の外壁にロックスロットが設けられ、
前記ロック留め具の、前記第1のハウジングから離れた方の部分は、前記ロック留め具と前記ロックスロットとがロック又はロック解除されるように、前記ロックスロットに挿入される、請求項13に記載の時計。
【請求項16】
前記ロック留め具は第1のスライドブロック及び第1のロックアームを含み、
前記第1のスライドブロックの第1の部分は前記第1のハウジング内に位置し、前記第1のスライドブロックの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第1のスライドブロックは前記第1のハウジングに対して可動であり、
前記第1のロックアームの第1の部分は前記第1のスライドブロックの第1の部分に接続され、前記第1のスライドブロックの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の側に位置し、前記第1のロックアームの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第1のロックアームの第2の部分の側壁に第1の切り欠きが設けられ、
前記ロックスロットの内側壁に第1の突起が設けられ、該第1の突起は前記ロックスロットのスロット開口に位置し、該第1の突起は前記第1の切り欠きに面し、
前記第1のスライドブロックが前記第1のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心から遠ざけ、前記第1の突起が前記第1の切り欠きに位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとが相互にロックされるか又は前記第1のスライドブロックが前記第1のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心の方に動かし、前記第1の突起が前記第1の切り欠きの外に位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとの相互ロックは解除されている、請求項15に記載の時計。
【請求項17】
前記第1の突起の、前記ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第1の傾斜面が設けられ、
前記第2の時計留め具の中心に向かう方向において、前記第1の傾斜面は前記ロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜し、
前記ロックスロットの内側壁に第2の傾斜面がさらに設けられ、
前記第2の傾斜面は前記第1の傾斜面に面し、
前記第2の時計留め具の中心に向かう方向において、前記第2の傾斜面は前記ロックスロットのスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項16に記載の時計。
【請求項18】
前記ロック留め具は、駆動ブロック、第2のスライドブロック及び第2のロックアームを含み、
前記駆動ブロックの第1の部分は前記第1のハウジング内に位置し、前記駆動ブロックの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記駆動ブロックは前記第1のハウジングに対して可動であり、
前記第2のスライドブロックは前記第1のハウジング内に可動に挿入され、前記駆動ブロックと摺接するとともに、前記第2のスライドブロックの移動方向と前記駆動ブロックの移動方向との間に内角が存在し、
前記第2のロックアームの第1の部分は前記第2のスライドブロックの第1の部分に接続され、前記第2のスライドブロックの、前記第1のハウジングの内底面から離れた方の側に位置し、前記第2のロックアームの第2の部分は前記第1のハウジングの外に位置し、前記第2のロックアームの第2の部分の側壁に第2の切り欠きが設けられ、
前記ロックスロットの内側壁に第2の突起が設けられ、該第2の突起は前記ロックスロットのスロット開口に位置し、前記第2の突起は前記第2の切り欠きに面し、
前記駆動ブロックが前記第2のスライドブロックを駆動して前記第2のロックアームの第2の部分を前記第2の時計留め具の中心に向かって動かし、前記第2の突起が前記第2の切り欠きに位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとは相互にロックされるか又は前記第2のスライドブロックが前記第2のロックアームの第2の部分を駆動して前記第2の時計留め具の中心から遠ざけ、前記第2の突起が前記第2の切り欠きの外に位置するとき、前記ロック留め具と前記ロックスロットとの相互ロックは解除される、請求項15に記載の時計。
【請求項19】
前記第2の突起の、前記ロックスロットのスロット開口に近い方の側に第3の傾斜面が設けられ、
前記第2の時計留め具の中心から離れる方向において、前記第3の傾斜面は、前記ロックスロットのスロット開口からスロット底部に向かって傾斜し、
前記ロックスロットの内側壁に第4の傾斜面がさらに設けられ、
前記第4の傾斜面は前記第3の傾斜面に面し、
前記第2の時計留め具の中心から離れる方向において、前記第4の傾斜面は、前記ロックスロットのスロット底部から前記スロット開口に向かって傾斜している、請求項18に記載の時計。
【請求項20】
前記第1の時計留め具に第1の磁性部品が配置され、
前記第2の時計留め具に第2の磁性部品が配置され、該第2の磁性部品と前記第1の磁性部品とは互いに引き付けられる、請求項12に記載の時計。
【国際調査報告】