(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】スナップオンキャリッジ付きリニア滑り軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 29/02 20060101AFI20240912BHJP
F16C 29/10 20060101ALI20240912BHJP
F16C 33/20 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
F16C29/02
F16C29/10
F16C33/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519886
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2022076495
(87)【国際公開番号】W WO2023052258
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202021105329.1
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202022101946.0
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ケッヒング
【テーマコード(参考)】
3J011
3J104
【Fターム(参考)】
3J011AA20
3J011BA13
3J011DA01
3J011KA07
3J011LA04
3J011MA21
3J011PA10
3J011QA20
3J011SB04
3J011SC02
3J011SC03
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3J011SC12
3J011SE02
3J011SE06
3J104AA43
3J104AA64
3J104AA69
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3J104AA74
3J104AA76
3J104AA77
3J104BA53
3J104BA55
3J104BA70
3J104BA73
3J104CA14
3J104CA15
3J104CA16
3J104CA22
3J104DA03
3J104DA08
3J104DA18
3J104EA09
(57)【要約】
本発明はレール(2)及びキャリッジ(3)を備える滑り軸受(1)に関し、レール(2)は長手方向(X)に長くかつ相互に隣り合って延びる2本のガイド部(21、22)を有し、キャリッジ(3)は各ガイド部(21、22)に対する各関連するガイド台(31、32)を有する。動作中状態において、ガイド部(21、22)の各々は、その関連するガイド台(31、32)内に配置され、長手方向(X)に垂直にそれによって囲まれることでレール(2)に相対してキャリッジ(3)を長手方向(X)に垂直に固定し、キャリッジ(3)がレール(2)に相対して長手方向に移動可能となることを保証する。キャリッジは、ガイド台(31、32)のうちの第1のガイド台をともに形成するキャリッジ本体及び作動アーム(5)を有する。作動アーム(5)は、関連する第1のガイド部(21、22)を第1のガイド台(31、32)から長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って除去するために、作動アーム(5)をずらすことによって第1のガイド台(31、32)を開放可能とするために、作動アームがキャリッジ本体に相対して長手方向(X)に垂直に可動にガイド可能となるようにキャリッジ本体に固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール(2)及びキャリッジ(3)を備え、前記レール(2)は長手方向(X)に長くかつ相互に隣り合って延在する2本のガイド部(21、22)を有し、前記キャリッジ(3)は各ガイド部(21、22)に割り当てられたガイド台(31、32)を有し、動作中状態において、前記ガイド部(21、22)の各々は、前記レール(2)に相対して前記キャリッジ(3)を前記長手方向(X)に垂直に固定しつつかつ前記レール(2)に相対する前記キャリッジ(3)の長手方向変位性を保証しつつ、前記ガイド部に割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置され、前記ガイド台によって前記長手方向(X)に垂直に囲まれ、
前記キャリッジは、前記ガイド台(31、32)のうちの第1のガイド台をともに構成するキャリッジ本体及び作動アーム(5)を備え、該作動アーム(5)は、関連する第1の前記ガイド部(21、22)を前記第1のガイド台(31、32)から前記長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って除去するために前記作動アーム(5)を変位させることによって、前記第1のガイド台(31、32)の開放を可能とするために、前記キャリッジ本体に相対して前記長手方向(X)に垂直に変位可能にガイドされるように前記キャリッジ本体に固定されている、滑り軸受(1)。
【請求項2】
前記キャリッジ本体は、相互に対して取外し可能に固定されたベース本体(34)及び固定用本体(35)を備え、前記作動アームは、前記ベース本体(34)及び前記固定用本体(35)が相互から取り外された後にのみ前記キャリッジ本体から分離可能である、請求項1に記載の滑り軸受(1)。
【請求項3】
ガイドデバイスが前記作動アーム(5)と前記キャリッジ本体の間に設けられ、前記ガイドデバイスによって前記作動アーム(5)が、前記長手方向(X)に垂直に延びる変位経路にわたって変位可能にガイドされつつ前記キャリッジ本体に固定され、前記ガイドデバイスは前記変位経路の端部を規定する制止部を形成し、前記作動アーム(5)は前記動作中状態から開始して前記制止部に達するまで前記変位経路に沿って前記ベース本体(34)に相対して変位可能である、請求項1又は2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項4】
前記ガイドデバイスは前記ベース本体(34)及び前記固定用本体(35)によって構成され、特に前記ガイドデバイスは、前記長手方向(X)に垂直に延びる横断方向(Y)に沿うリニアガイドデバイスである、請求項2又は3に記載の滑り軸受(1)。
【請求項5】
前記作動アーム(5)は前記制止部に当接し、前記第1のガイド部(21)が除去可能な開口が前記第1のガイド台(31)に形成され、前記ガイド台(31、32)及び前記ガイド部(21、22)は、前記第1のガイド部(21)が前記第1のガイド台(31)から除去された後にのみ第2の前記ガイド部(22)が第2の前記ガイド台(32)から前記長手方向に垂直に除去可能となるような態様で、相互に対応するように設計されている、請求項3又は4に記載の滑り軸受(1)。
【請求項6】
前記2本のガイド部(21、22)の各々はそれらにそれぞれ割り当てられて前記長手方向(X)に延びるガイド軸に沿って延在し、前記ガイドデバイスの前記制止部に対する前記作動アーム(5)の当接が前記動作中状態から開始して達成され、第2の前記ガイド部(22)は前記第2のガイド台(32)におけるそのガイド軸周りの回転のために支持され、前記第1のガイド部(21)は前記第2のガイド部(22)の前記ガイド軸周りの前記キャリッジ(3)の回転によって前記第1のガイド台(31)から除去可能である、請求項3から5のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項7】
前記レール(2)はレール本体を有し、前記ガイド部(21、22)の各々はウェブ部を介して前記レール本体に接続され、前記ガイド台(31、32)の各々は前記長手方向(X)に連続する側部開口を有し、前記動作中状態において、前記ウェブ部は、前記側部開口を通じて、前記ガイド台(31、32)に配置された前記ガイド部(21、22)まで延在し、前記ウェブ部は前記長手方向(X)に垂直な方向において前記ガイド部(21、22)よりも狭い幅を有し、前記第1のガイド台(31、32)の前記側部開口は、前記動作中状態において、それに割り当てられた前記第1のガイド部(31)の幅よりも狭い幅を有し、前記作動アーム(5)が前記ガイドデバイスの前記制止部に当接する場合、前記側部開口の幅は前記第1のガイド部(21)の幅以上である、請求項3から6のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項8】
前記ガイドデバイスはばねデバイス(52)を備え、該ばねデバイス(52)は、ばね力が前記変位経路に沿って前記制止部とは離れる方向に向けられて前記ベース本体(34)に相対する前記作動アーム(5)に対して作用する、請求項3から7のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項9】
前記ガイドデバイスは、前記変位経路の、前記端部とは反対側の端部を規定する他の制止部(33)を有する、請求項3から8のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項10】
前記キャリッジ(3)は、軸受軸(38)周りの回転のために前記キャリッジ本体に対して支持された作動レバー(55)を備え、前記作動アーム(5)は、前記動作中状態から開始して、前記ガイド台(31、32)の開放を可能とするために前記作動レバー(55)を前記軸受軸(38)周りに回転させることによって、前記作動レバー(55)によって変位可能となる、請求項1から9のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項11】
前記作動アーム(5)は作動輪郭を有し、前記作動レバー(55)は前記作動輪郭に対応する作動部(551)を有し、前記作動部(551)は、前記作動レバー(55)を前記軸受軸(38)周りに回転することによって前記作動輪郭に沿って可動であり、前記作動部(551)は、前記第1のガイド台(31、32)が開放されて前記関連する第1のガイド部(21、22)を除去する際に前記作動輪郭の第1の輪郭部(501)に当接する、請求項10に記載の滑り軸受(1)。
【請求項12】
前記作動輪郭は、前記動作中状態において前記作動部(551)が当接する第2の輪郭部(502)を有し、特に、前記作動部(551)は該作動部(551)に係止された前記第2の輪郭部(502)に当接する、請求項11に記載の滑り軸受(1)。
【請求項13】
前記作動レバー(55)はクランプ部(552)を有し、前記作動レバーは前記動作中状態において前記レール(2)から離隔され、前記動作中状態から開始して、他の動作中状態を達成しつつ前記軸受軸(38)周りに回転可能であり、前記他の動作中状態では、前記ガイド部(21、22)の各々が、それに割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置され、前記長手方向(X)に垂直に該ガイド台に囲まれ、前記作動レバー(55)の前記クランプ部(552)は押圧接触において前記レール(2)に当接し、特に、前記他の動作中状態では、前記作動レバー(55)は前記キャリッジ本体に相対して前記軸受軸(38)周りの固定回転位置に固定保持されている、請求項10から12のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項14】
前記動作中状態において、前記作動レバー(55)は前記長手方向(X)に垂直な1つの面によって前記レール(2)に向き、前記作動レバー(55)の当該面は前記長手方向(X)に延長の長さを有し、前記軸受軸(38)は前記長手方向(X)に当該延長の長さに対して偏心して配置されている、請求項10から13のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項15】
前記作動輪郭は第3の輪郭部(503)を有し、前記作動部(551)は前記他の動作中状態において前記第3の輪郭部(503)に沿って配置され、特に前記第2の輪郭部(502)は前記第1及び第3の輪郭部(501、503)の間に配置されている、請求項12及び請求項13又は14の一方に記載の滑り軸受(1)。
【請求項16】
前記第1のガイド台(31)は、第2の前記ガイド台(32)が第2の前記ガイド部(22)を囲むよりも大きな角度範囲にわたって前記第1のガイド部(21)を囲む、請求項1から15のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項17】
前記第1のガイド台(31)は前記作動アーム(5)によって構成された第1の受け部(54)及び前記キャリッジ本体によって構成された第2の受け部によって構成され、特に、前記第1の受け部(54)は前記第1のガイド部(21)の第1の横断面側に延在するとともに前記第2の受け部は前記第1のガイド部(21)の第2の横断面側に延在し、かつ/又は前記第1の受け部(54)は前記第2の受け部の長手部分が延在する凹部を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項18】
各摺動要素(41、42)は各ガイド台(31、32)内に配置され、前記摺動要素は前記ガイド台(31、32)の摺動部を構成し、それぞれ割り当てられた前記ガイド部(21、22)は、前記動作中状態において前記レール(2)に相対する前記キャリッジ(3)の長手変位時に、前記摺動部に摺動的態様で当接する、請求項1から17のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項19】
前記第1のガイド台(31)において、前記摺動要素(41)は前記第2の受け部に排他的に配置され、特に前記第1の受け部(54)、特に前記作動アーム(5)全体が摺動材からなる、請求項17又は18に記載の滑り軸受(1)。
【請求項20】
前記第1の受け部(54)及び前記第2の受け部の長手方向延長は、前記第2の受け部の長手方向延長を基準として50%未満で異なる、請求項17から19のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項21】
横断凹部(37)は、前記ガイド台(31、32)の少なくとも一方へと開口し、前記ガイド台(31、32)内に配置された前記摺動要素(41、42)は、該摺動要素(41、42)の位置を前記キャリッジ本体に相対して固定しつつ、前記横断凹部(37)内に延在し、特に、前記摺動要素(41、42)は前記長手方向に沿って延在するリブを有し、該リブは前記摺動要素(41、42)の前記摺動部を形成する、請求項18から20のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)のためのキャリッジ(3)であって、該キャリッジ(3)は第1及び第2のガイド台(31、32)を有し、該第1及び第2のガイド台の各々は前記長手方向(X)に長くかつ相互に隣り合って延在し、該第1及び第2のガイド台の各々は、前記ガイド部を囲むことによって前記キャリッジ(3)を長手方向に変位可能な態様で前記レールに固定しつつ、前記第1及び第2のガイド台にそれぞれ割り当てられたレール(2)のガイド部(21、22)を受容するように設計され、
前記キャリッジ(3)は、前記ガイド台(31、32)のうちの第1のガイド台をともに構成するキャリッジ本体及び作動アーム(5)を有し、該作動アーム(5)は、割り当てられた前記第1のガイド部(21、22)を前記第1のガイド台(31、32)から前記長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って除去するために又は前記割り当てられた第1のガイド部(21、22)を前記第1のガイド台(31、32)に対して前記長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って導入するために、前記作動アーム(5)を変位させることによって、前記第1のガイド台(31、32)の開放を可能とするために、前記キャリッジ本体に対して変位可能にガイドされるように前記キャリッジ本体に固定されている、キャリッジ(3)。
【請求項23】
請求項1から20のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)の使用であって、
前記キャリッジ(3)は、まず前記レール(2)の第2の前記ガイド部(22)を前記キャリッジ(3)の第2の前記ガイド台(32)に配置し、その後に前記レール(2)の前記第1のガイド部(21)を前記キャリッジ(3)の前記第1のガイド台(31)に配置することによって長手方向に変位可能な態様で前記レール(2)に取り付けられ、前記ガイド部(21、22)の各々はそれらにそれぞれ割り当てられた前記ガイド台(31、32)に前記長手方向(X)に垂直に挿入され、前記キャリッジ(3)の前記作動アーム(5)は、静止位置から開始して、前記レール(2)の前記第1のガイド部(21)が前記第1のガイド台(31)に前記長手方向に垂直に挿入可能な程度に前記第1のガイド台(31)を開放しつつ、前記長手方向に垂直に延びる変位方向に移動され、両ガイド部(21、22)は、該ガイド部にそれぞれ割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置された後に、前記作動アーム(5)は、前記キャリッジ(3)を前記レール(2)に相対して前記長手方向(X)に垂直に固定しつつ、前記変位方向とは反対に移動される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール及びキャリッジ付き滑り軸受、その滑り軸受のキャリッジ及びその滑り軸受の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する種類の滑り軸受は、従来技術において周知であり、特にリニアガイドとして作業デバイスを摺動的にガイドするために使用されている。用途の分野に応じて、そのような作業デバイスは、多種多様な特性を有し得る。例えば、そのような作業デバイスは、工具の要素であり得る。例えば、そのような作業デバイスは、例えば、ディスプレイのための保持デバイスであり、それを介して要素が可能な限り容易に変位可能な態様で取付け可能となる。滑り軸受が、それに取り付けられた作業デバイスを可能な限り少ない摩擦でかつ可能な限り少ない摩耗でレールに沿ってガイド可能とすることが常に重要となる。同時に、作業デバイスは、レール上に確実に保持されるべきである。本発明は、特に、車両構造において、特にトラクター及び清掃車両などのユーティリティビークルにおいて使用される滑り軸受に関する。そのようなユーティリティビークルでは、作業デバイスが、長手方向に沿って変位可能となるようにコックピットに簡素な態様で取り付けられることが望ましいことが多い。作業デバイスの簡素かつ確実な取付けを保証するために、滑り軸受は、通常は滑り軸受レールを車両の一部に締結することによって車両に恒久的に設置され、一方で、作業デバイスはキャリッジに取外し可能に締結され、その目的のために、対応する締結デバイスはキャリッジ及び作業デバイスに対して設けられる。しかし、従来技術において知られている締結デバイスは、キャリッジへの作業デバイスの省スペースかつ容易な操作での取外し可能な締結を保証するという要件を充分に満たすことはない。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、滑り軸受、その滑り軸受のためのキャリッジ及びその滑り軸受の使用を提供する際の問題に基づき、それにより、一般的な滑り軸受の少なくとも1つの問題が少なくとも部分的に解決される。
【0004】
本発明が基づく現状の問題に対する解決手段として、本発明は、請求項1に係る特徴を有する滑り軸受を提案する。その滑り軸受は、レール及びキャリッジを備える。レールは、キャリッジが長手方向にレールに沿って変位可能となるように長手方向に延伸されている。レールは、並列に延在する2本の長手方向に長いガイド部を有する。したがって、ガイド部は、長手方向に垂直な横断方向において相互から離隔されている。並列に延在する少なくとも2本のガイド部を設けることは、レール上のキャリッジの確実な誘導に有益である。キャリッジは、各ガイド部に割り当てられたガイド台を有する。したがって、キャリッジの第1のガイド台がレールの第1のガイド部に割り当てられ、キャリッジの第2のガイド台がレールの第2のガイド部に割り当てられる。本発明に係る滑り軸受はレール及びキャリッジを備える構成であるため、レール及びキャリッジは、それらのガイド部又はガイド台が相互に具体的に対応した状態で設計され、それにより、この構成の動作中状態において、キャリッジはレールに相対して長手方向に垂直な任意の方向に適所に固定保持されるが、レールに相対して長手方向に変位可能となる。
【0005】
通常、キャリッジは、動作中状態において、可能な限り少ない摩擦でレールに相対して長手方向に変位可能となるように、レールに保持される。この目的のために、キャリッジのガイド台は、動作中状態では、通常はレールの関連するガイド部と摺動接触している。その摺動接触は、ガイド台のガイド部が摺動材からなるという直接的なもの、又は摺動要素がガイド台に設けられ、その摺動要素がガイド台に相対して適所に固定され、キャリッジがレールに相対して変位されると摺動要素がレールの関連するガイド部に接触してそれに沿って摺動するという間接的なもののいずれかである。例えば、ガイド台は、ガイド部に部分的に直接当接し、かつガイド部に部分的に間接的に当接してもよい。記載する動作中状態では、ガイド部の各々は、それに対して割り当てられたガイド台に配置され、それによって長手方向に垂直に囲まれ、キャリッジをレールに相対して長手軸に垂直に固定し、レールに相対するキャリッジの長手方向変位性を保証する。この場合、ガイド台は、少なくとも、2つのガイド台が2本のガイド部の周囲に係合することによって長手方向に垂直なレールに相対するキャリッジの位置が動作中状態において固定される程度に、割り当てられたガイド部の周囲に係合する。好ましくは、ガイド部の各々はガイド軸を有し、それに沿ってガイド部が、特に筒体の態様で長手方向に延在する。好ましくは、各ガイド台は、それに割り当てられたガイド部の周囲に、そのガイド軸周りに180°以上にわたって係合し、特に好ましくは、ガイド台の少なくとも一方がそのガイド軸周りに200°以上、特に220°以上にわたって関連するガイド部の周囲に係合する。好ましくは、少なくとも第1のガイド部、特に第1及び第2のガイド部が、丸みを帯びた、特に円形断面の筒体の態様で設計される。
【0006】
本発明によると、キャリッジはキャリッジ本体及び作動アームを有し、それらがともにキャリッジの第1のガイド台を構成する。したがって、キャリッジ本体及び作動アームの各々はガイド台の受け部を構成し、それによってそれらの各々は動作中状態において第1のガイド部の一部の周囲に係合する。好ましくは、キャリッジ本体によって構成される受け部は、作動アームによって構成されるガイド部よりもそのガイド軸の周りに大きな角度にわたってガイド部の周囲に係合する。好ましくは、両受け部は、そのガイド軸の周りに30°以上の角度範囲にわたって第1のガイド部の周囲に係合する。好ましくは、作動アームは、第1のガイド台が動作中状態における第1のガイド部に向いてそれを囲む領域の10%以上、特に20%以上、特に10%~30%を構成する。作動アームは、以下の態様でキャリッジ本体に固定される。その態様は、関連する第1のガイド部を第1のガイド台から長手方向に垂直に延びる除去方向に沿って除去するための作動アームの変位によって、第1のガイド台の開放を可能とするためにキャリッジ本体に相対して長手方向に垂直に変位可能となるような態様である。したがって、作動アームは、キャリッジ本体にそのまま固定されつつ、キャリッジ本体に相対して長手方向に垂直に、特に長手方向に垂直に延びる変位方向に変位可能となる。
【0007】
動作中状態から開始する変位によって第1のガイド台が開放可能となり、これは、その開口は長手方向に垂直に向く第1のガイド台の側部に形成されること、及び第1のガイド部がその開口を通じて第1のガイド台から除去可能であることを意味する。第1のガイド台を開放することは、例えば、第1のガイド台の断面部を長手方向に垂直に拡大することによって実行可能であり、その拡大は、ガイドを規定するとともに一方では作動アームによって他方ではキャリッジ本体によって構成された第1のガイド台の壁部分を長手方向に垂直に離隔させつつキャリッジ本体に相対して作動アームを変位させることによって行われ、それにより、対応する開口が第1のガイド台の壁部に形成される。この点において、当然に、第1のガイド台は必ずしも動作中状態において第1のガイド部の周囲に完全に係合しないが、少なくとも、第2のガイド台によってレールの第2のガイド部の周囲への係合による相互作用において、キャリッジは長手方向に垂直なその位置においてレールに相対して固定される程度に係合し、それにより、長手方向に垂直な任意の方向において相対的な力がかけられる場合、キャリッジはレールから除去可能ではなく、したがって第1のガイド部は第1のガイド台から外されることはないことが指摘されるべきである。これにより、第1のガイド台の壁部は、動作中状態において、せいぜい第1のガイド部が長手方向に垂直に通過可能とならない程度の開口しか有さない。特に好ましくは、作動アームは、キャリッジ本体に相対して長手方向に垂直に可逆的に可動にガイドされ、それにより、滑り軸受は可逆的に動作中状態から、説明したように、第1のガイド部が第1のガイド台から長手方向に垂直に除去可能な取付け中状態とされ、さらに取付け中状態から、キャリッジは逆の変位によってレールに相対して長手方向に垂直に固定される動作中状態に戻され得る。
【0008】
本発明は、従来技術に対する顕著な有利な効果を提供する。従来技術では、レールに相対するキャリッジの確実な誘導はキャリッジがレールの周辺に以下の態様で係合することを要件とすることが想定されている。その態様は、滑り軸受が配置された位置から作業デバイスが除去可能となるように作業デバイスがキャリッジから分解可能となることを保証するという態様であり、本発明は、新規なアプローチを採用する。滑り軸受の特殊設計によって、キャリッジがレールから除去されてからレール上に再配置され得るようにキャリッジを構成することが可能となり、それにより、キャリッジが作業デバイスに恒久的に取付け可能となり、作業デバイスは最も多様な使用場所においてキャリッジに対応するレール上にキャリッジとともに取付け可能となる。この場合、キャリッジに対応するレールと相互作用するキャリッジの特殊設計は、キャリッジがレールから容易に取外し可能でありかつレールに取付け可能であるにもかかわらず動作中状態においてレール上に確実に保持され、レールに相対して長手方向にのみ可動となることを保証する。したがって、作業デバイスをキャリッジから取外し可能とし得るキャリッジ及び作業デバイス上の大量の締結デバイスが、省略可能となる。
【0009】
キャリッジが長手方向に垂直な方向にレールから除去可能であり又はレールに取付け可能であることが必須である。したがって、キャリッジをレール上に取り付けるためにその長手端部においてキャリッジをレール上に配置することは必要ではないが、キャリッジは、レールの延長に沿う任意の長手位置においてレール上に留められてもよく、それに沿ってキャリッジは動作中状態においてレールに相対して長手方向に変位可能に保持される。特に好ましくは、作動アーム又はその作動アームを作動させるために設けられた作動レバーが、作動アーム又は作動レバーがキャリッジの端部を構成して人によって容易に把持可能なように、キャリッジの本体にわたって長手方向に垂直に突出する。特に好ましくは、作動アーム又は作動レバーは、キャリッジのガイド台の間の長手方向に垂直な距離の半分以上の長さにわたってキャリッジ本体に相対して長手方向に垂直に突出する。好ましくは、ガイド台は横断方向に相互に隣り合って配置され、それらの受容軸を有して延びる。それら受容軸は、説明したように作動アーム又は作動レバーが横断方向にキャリッジ本体を越えて突出した状態で、動作中状態において、ガイド軸、好ましくは長手方向に揃えられる。これにより、作動アームの特に操作容易な設計が保証可能となる。
【0010】
一実施形態では、キャリッジ本体は、相互に解放可能に固定されたベース本体及び固定用本体を有する。好ましくは、ベース本体は、一片で形成される。好ましくは、固定用本体は、一片で形成されるが、それでも、あまり好適でない実施形態では複数片で形成されてもよい。ベース本体及び固定用本体は、例えば、ネジによって又は解放可能なクランプファスナーによって相互に固定され得る。好ましくは、作動アームは、ベース本体及び固定用本体が相互から取り外された後にのみキャリッジ本体から分離可能とされる。したがって、ベース本体及び固定用本体は、キャリッジ本体への作動アームの確実な固定を保証する。キャリッジ本体がベース本体及び固定用本体を有することによって、作動アームはキャリッジ本体に相対して特に強固に設計されて確実に固定可能となり、一方で、固定状態において、作動アームはキャリッジ本体に相対して長手方向に垂直に可動となるように取り付けられる。
【0011】
一実施形態では、ガイドデバイスは、作動アームとキャリッジ本体の間に設けられ、それにより、作動アームは、長手方向に垂直に延びる変位経路上を変位可能にガイドされる態様でキャリッジ本体に固定される。ガイドデバイスは、好ましくは、キャリッジ本体の第1のガイド部及び固定用アームの第2のガイド部によって構成され、第1のガイド部は、好ましくはキャリッジ本体のベース本体及び固定用本体によって一体的に構成される。変位経路は、好ましくは、長手方向に垂直な直線変位方向に沿って直線状に延びる。好ましくは、ガイド部は、変位経路の端部を規定する制止部を形成する。作動アームは、動作中状態から開始して制止部に達するまで変位経路に沿ってベース本体に相対して変位可能である。ガイドデバイスが制止部を設けることの規定は、キャリッジ本体に相対する作動アームの変位性を保証しつつ作動アームをキャリッジ本体に確実に固定するために特に有利である。好ましくは、作動アームは上述の取付け中状態において制止部に当接し、レールの第1のガイド部は第1のガイド台から除去方向に沿って除去可能であり、好ましくは除去方向とは反対に再挿入可能である。除去方向は、例えば、直線又は曲線の方向であり得る。特に好ましくは、ガイドデバイスは、長手方向に垂直な横断方向に沿うリニアガイドデバイスである。一般に好適には、長手方向及び横断方向の各々は、直線方向である。一般に好適には、横断方向は、上述した変位方向に対応する。
【0012】
一実施形態では、作動アームが制止部に当接すると、第1のガイド台の開口が形成され、その開口を通じて第1のガイド部が除去可能となる。この場合、ガイド台及びガイド部は、好ましくは、第1のガイド部が第1のガイド台から除去された後にのみ第2のガイド部が第2のガイド台から長手方向に垂直に除去可能となる態様で、相互に対応するように設計される。動作中状態では、作動アームが第1のガイド台からの第1のガイド部の除去を防止するので、第2のガイド台からの第2のガイド部の除去も結果として防止される。したがって、取付け中状態では、第1のガイド部が解放された後に、それを第1のガイド台から除去し、そして第2のガイド部を第2のガイド台から除去することが可能となる。このカスケード式の除去可能性は、簡素な取外し性を達成し、一方で同時に、動作中状態においてキャリッジをレールに確実に締結するために特に有利である。このカスケード式の除去可能性は、例えば、第1のガイド台が第1のガイド部の背部にその第1の横断面側で係合し、第2のガイド台が第2のガイド部の背部にその第2の横断面側で係合し、それらの横断面は横断方向に沿って反対方向を向く態様で、2つのガイド台が2本のガイド部の背部に係合することによって保証され得る。
【0013】
一実施形態では、2本のガイド部の各々は、それらに割り当てられた各ガイド軸に沿って延在し、各ガイド軸は長手方向に延びる。作動アームが動作中状態から開始してガイドの制止部に当接すると、第2のガイド部はそのガイド軸周りに回転可能となるように第2のガイド台内に支持され、第1のガイド部は第2のガイド部のガイド軸周りのキャリッジの回転によって第1のガイド台から除去可能となる。したがって、除去方向は、第2のガイド部のガイド軸の周りに湾曲した方向となる。したがって、第2のガイド部は、基本的には、そのガイド軸周りの回転のために第2のガイド台内に支持される態様で、第2のガイド台に対応するように設計される。ただし、動作中状態において、第2のガイド部の回転性は、第1のガイド部が第1のガイド台内に配置されること及びガイド台が第1のガイド部の背部に係合することで抑制される。この点において、好ましくは2つのガイド台が相互に堅固に接続されるとともに2本のガイド部が相互に堅固に接続されることが一般に留意されるべきである。組み立てられた状態において第1のガイド部が第1のガイド台から除去可能であることを保証することによって、又は作動アームがガイドデバイスの制止部に当接することで、第1のガイド部を第1のガイド台から除去しつつ第2のガイド部を回転することが可能となる。
【0014】
一実施形態では、レールはレール本体を有し、レールのガイド部の各々はウェブ部を介してレール本体に接続される。ガイド台の各々は、長手方向に連続する側部開口を有し、それを介して、動作中状態において、ウェブ部がガイド台に配置されたガイド部まで延在する。ガイド台は、好ましくは中空の筒体設計のものであり、その筒体軸はそれらのガイド軸に対応するとともに長手方向に延び、側部開口は中空の筒体のジャケット開口におけるスロットに対応する。中空の筒体は、例えば、丸みを帯びた、特に円形又は多角形、特に四角形の断面を有し得る。ウェブ部は、ウェブ部に割り当てられたガイド部の幅に相対するウェブ部の幅を基準として、長手方向に垂直な方向においてガイド部よりも狭い幅を有し、そのガイド部はウェブ部を介してレール本体に接続される。一般に好ましくは、レール本体は、ガイド部間を横断方向に延在する。一般に好ましくは、ウェブ部は、レール本体から、それぞれ割り当てられたガイド部まで、長手方向に対して傾斜しかつ横断方向に対して傾斜する方向に延在し、その幅は長手方向に垂直であり、かつウェブ部がそれぞれ機械本体から側部開口を通じて関連のガイド部まで延在するこの延長方向に垂直である。動作中状態において、第1のガイド台の側部開口は、それに割り当てられたガイド部の幅よりも狭い幅を有する。一方、第1のガイド台の側部開口の幅は、作動アームがガイドの制止部に当接する場合の第1のガイド部の幅以上である。幅とは、いずれも当然に、同じ方向における延長の長さをいう。したがって、好適な実施形態では、第1のガイド台は、動作中状態から開始して、第1のガイド台の側部開口を拡げることによって開放され得る。側部開口の幅が第1のガイド部の幅以上であり、好ましくはこの幅よりも大きいことによって、取付け中状態又は作動アームがガイドデバイスの制止部に当接する際に、この状態において、第1のガイド部が第1のガイド台から容易に除去可能となる。
【0015】
一実施形態では、ガイドデバイスはばねデバイスを備え、ばねデバイスは、ばね力を、制止部から離れる方向に変位経路に沿ってベース本体に相対して作動アームにかける。この実施形態では、動作中状態においてキャリッジがレール上に留められてレール上に確実に保持可能となることが、特に有利な態様で保証される。ばねデバイスは、動作中状態から開始する変位経路に沿う作動アームの変位に対抗するように設けられる。これにより、動作中状態において、キャリッジがレールから離脱することが防止可能となる。作動アームが、動作中状態から開始して、第1のガイド台を開放するためにキャリッジ本体に相対して変位方向に可動である実施形態では、ばねによって作動アームにかけられるばね力は変位方向とは逆となる。例えば、ばねデバイスは、好ましくはキャリッジ本体の固定用本体によって構成されるキャリッジ本体の支持部に対して支持されるばね要素を備え得る。好ましくは、第1のガイド台は、作動アームによって構成された第1の受け部及びキャリッジ本体によって構成された第2の受け部によって構成される。ばね要素は、好ましくは支持部と受け部の間に変位方向に配置され、支持部と、第1の受け部によって変位方向に構成された他の支持部との間に押圧保持される。好ましくは、ばね要素は、変位方向にそのバネ軸を有して延在する螺旋ばねとして形成される。好ましくは、説明したキャリッジの状態のいずれかにおいてばねデバイスによって作動アームにかけられるばね力は、第1のガイド台の台軸の方に向けられる。一実施形態では、動作中状態において、作動アームは、ばね力を有するばねデバイスによって第1のガイド部に押圧保持される。一実施形態では、ガイドデバイスは、変位経路の上記端部とは反対側の変位経路の端部を規定する他の制止部を有する。好ましくは、作動アームは、動作中状態において、当該他の制止部に当接する。ガイドデバイスがばねデバイスを備える実施形態では、作動アームは、好ましくは、動作中状態において、ばね力によって他の制止部に押圧保持される。したがって、キャリッジがレールから解放されて外力の影響なく静止位置(rest position)にある場合、作動アームがばね力によって他の制止部に押圧保持されることによって、作動アームがキャリッジの本体に確実に固定可能となる。
【0016】
一実施形態では、キャリッジは、軸受軸周りの回転のためにキャリッジ本体に取り付けられた作動レバーを備える。軸受軸は、キャリッジ本体、特にベース本体に囲まれる。好ましくは、作動レバーは、軸受軸周りの回転が、キャリッジ本体に相対する位置が回転中に不変に固定された回転軸周りの回転となるような態様で、キャリッジ本体の軸受軸に対して支持される。回転軸は、回転が発生する中心を規定する。キャリッジの作動レバー及び作動アームは、動作中状態から開始して、作動アームが作動レバーによって変位可能となるような態様で相互に対応し、作動レバーが軸受軸周りに回転されてガイド台が上述のように開放可能となるように設計される。したがって、作動レバー及び作動アームの対応する設計は、作動レバーを回転することによって、上述のように第1のガイド台を開放可能とするための作動アームの上記変位が達成可能となることを保証する。本発明の範囲内において、キャリッジ本体の軸受軸に対して支持されることによってキャリッジ本体に相対するその位置に固定される上記作動レバーを設けることによって、特に簡素でかつ再現性の高い作動アームの変位が、動作中状態から開始して、取付け中状態を達成することを可能とすることが分かっている。好ましくは、作動レバーは、動作中状態から開始して、軸受軸周りの回転によってのみキャリッジ本体に相対して回転可能となるような態様でキャリッジ本体に相対してその位置が固定されるような態様で軸受軸に対して支持される。好ましくは、作動レバーは作動部を有し、それにより、説明したように作動アームが変位するためにキャリッジ本体の軸受軸周りに回転されつつ、作動アームの変位を行うために作動アームに当接する。好ましくは、作動レバーはキャリッジ本体の軸受軸に軸受部を介して当接し、作動部は軸受軸に垂直に又は上述した回転軸に垂直に、軸受部から離隔される。好ましくは、作動レバーは、軸受軸周りの作動レバーの回転が、上述した変位方向へのキャリッジ本体に相対する作動部の移動を必ず伴うような態様で、キャリッジ本体の軸受軸に対して支持される。
【0017】
一実施形態では、作動アームは作動輪郭を有し、作動レバーは作動輪郭に対応する作動部を有する。作動部は、上述した特徴を有し得る。作動レバーを軸受軸周りに回転することによって、作動部は作動輪郭に沿って可動となる。好ましくは、ガイド台を開放するために作動アームの変位が達成される作動レバーの回転時に、作動部は作動輪郭に沿ってそれに接して摺動して、特に作動輪郭に対して変位方向に変位力をかける。好ましくは、第1のガイド台が関連する第1のガイド部の除去のために開放されると、作動部は作動輪郭の第1の輪郭部に当接する。したがって、上述した取付け中状態では、作動部は、作動輪郭の第1の輪郭部に当接する。特に好ましくは、作動部は、関連する第1のガイド部の除去のために第1のガイド台が開放された状態で、又は取付け中状態において第1の輪郭部がそれに係止された状態で、第1の輪郭部に当接する。
【0018】
代替的又は追加的に、取付け中状態において又は第1のガイド台が関連の第1のガイド部を除去するために開放された場合に、作動レバーとキャリッジ本体及び/又は作動アームとの間に他のロック手段が設けられてもよい。ロック手段は、ロック手段が存在する場合には、軸受軸周りの作動レバーの回転が解放力を超える場合にのみ可能となるように設計され、解放力を超えた後に、作動レバーは、解放力よりも小さな回転力で軸受軸周りに回転可能となる。そのようなロック手段を設けることは、それによりキャリッジは一旦取付け中状態とされるとその取付け中状態に恒久的に留まることになるため、特に有利であることが分かっている。したがって、キャリッジは、上述したような特に便利な態様でレール上に留められることになる。留められた後に、キャリッジが上述のようにレールに相対して長手方向に変位可能に保持される動作中状態が、ロック手段を係合解除しつつ解放力を付与することによって確立可能となる。
【0019】
他の実施形態は、第1のガイド台が関連の第1のガイド部の除去のために開放され、すなわち、取付け中状態となると、作動部が以下の態様で第1の輪郭部に当接することを規定する。その態様は、特に本ばねデバイスによって付与される復元力が、前述の場合のようにではなく、作動アームから作動部に対して作用するという態様である。前述の場合とは、第1のガイド台が、割り当てられた第1のガイド部の除去のために開放されると、すなわち、取付け中状態となると、上記ロック手段が存在する場合、解放力を超える場合にのみ軸受軸周りの作動レバーの回転が可能となるような態様で作動部が第1の輪郭部にロックされるものである。この他の実施形態の場合、復元力は、以下の態様で作動部にかかる。その態様は、取付け中状態から開始する作動部の移動に復元力が作用し、又は動作中状態を達成するために関連の第1のガイド部の除去のために第1のガイド台が開放された状態で、特に回転方向とは反対の作動レバーの回転に対して復元力が作用し、作動レバーが動作中状態から開始して取付け中状態に移行されるという態様である。この実施形態は、以下の特に有利な効果を有する。その有利な効果とは、作動レバーは、外部からそれに作用する力によってのみ動作中状態から開始して取付け中状態に移行可能であり、この力が少なくとも部分的に保持される場合にのみ取付け中状態に維持され、それにより、作動レバーは自動的に移動を行い、その移動によって、取付け中状態から開始して外力の作用なしに、又は関連する第1のガイド部の除去のために第1のガイド台を開放して、キャリッジはそれが滑り軸受の動作中状態において有するその状態に変化する、というものである。したがって、キャリッジの状態、すなわち、キャリッジが取付け中状態において保持するキャリッジの構成要素の相対的構成が、この目的のために必要な外力を付与することによってのみ意図的に維持される。
【0020】
一実施形態では、作動輪郭は第2の輪郭部を有し、作動部は動作中状態においてそれに当接する。特に好ましくは、動作中状態において、作動部が第2の輪郭部にロックされてそれに当接するような態様で作動部が第2の輪郭部に保持され、ロック手段に関して上述したように、他のロック手段が作動レバーと作動アーム及び/又はキャリッジ本体との間に代替的又は追加的に設けられてもよく、そのロック手段は、上述したように、このロック手段に割り当てられる解放力によってのみ解放可能である。そのようなロック手段は、動作中状態において、作動アームに相対する及び/又はキャリッジ本体に相対する作動レバーの確実な固定を保証することができ、それは、動作中状態における滑り軸受の確実な機能発揮を保証し得る。一般に好適には、第2の輪郭部は、変位方向において、特に動作中状態において、第1の輪郭部からオフセットして配置され、第2の輪郭部は、第1の輪郭部よりも、変位方向において第1のガイド部から離隔されない。
【0021】
一実施形態では、作動レバーはクランプ部を有し、作動レバーは動作中状態においてレールから離隔され、動作中状態から開始して、他の動作中状態を達成しつつ軸受軸周りに回転可能である。他の動作中状態では、動作中状態について説明したように、ガイド部の各々はそれに割り当てられたガイド台に配置され、それによって長手方向に垂直に囲まれ、作動レバーのクランプ部は他の動作中状態において押圧接触でレールに当接する。他の動作中状態では、レール及びキャリッジは、動作中状態について上述したように、基本的には相互に相対して配置され得る。ただし、他の動作中状態は動作中状態とは異なり、他の動作中状態では、作動レバーはクランプ部によって押圧接触下でレールに当接し、特にレールの第1のガイド部に当接する点で、いずれの場合でも動作中状態とは異なる。したがって、他の動作中状態では、長手方向へのレールに沿うキャリッジの摺動は、レールに対するクランプ部の押圧接触によって抑制される。
【0022】
したがって、上述の特に好適な実施形態では、クランプ部がレールに当接することによって、レールとキャリッジの間に制動効果が生成される。特に好ましくは、クランプ部は、プラスチックからなる。特に好ましくは、クランプ部は、接触力によってレールの第1のガイド部に接すると、摺動要素が形成される摺動材よりも高い摩擦抵抗を生成するようなプラスチックからなり、これはより詳細には以下に記載される。特に好ましくは、押圧接触によってレールに傷が付くことを回避するために、クランプ部は、丸みを帯びている。特に好ましくは、他の動作中状態では、作動レバーは、キャリッジ本体に相対する軸受軸周りの固定回転位置に固定保持される。この固定回転位置における固定保持は、例えば、作動レバーとキャリッジ本体、作動アーム若しくはレールとの間のロック手段によって、又はクランプ部及びレールの各面の対応する設計によって達成可能であり、それによって、両者は押圧接触において相互に対して接触状態となる。したがって、固定保持又は固定回転位置は、好ましくは、関連する解放力を生成することによってのみ解放可能となり、それにより、軸受軸周りの作動レバーの回転は他の動作中状態から開始してのみ可能となる。他の動作中状態を離れた後、すなわち、上記固定保持又は固定回転位置の解放後に、作動レバーは、割り当てられた解放力よりも小さな回転力によって軸受軸周りに回転可能となる。
【0023】
一実施形態では、他の動作中状態は、動作中状態から開始して、作動レバーを軸受軸周りに所定回転方向に回転することによってのみ到達可能であり、動作中状態は、他の動作中状態から開始して、作動レバーを軸受軸周りに所定の回転方向に反して回転することによってのみ到達可能である。一実施形態では、作動レバーの作動部は他の動作中状態における作動輪郭の第3の輪郭部に当接し、他の実施形態では、作動部は他の動作中状態において作動輪郭から離隔される。一般に好ましくは、他の動作中状態では、作動部は、第3の輪郭部から離隔され、又はクランプ部が押圧接触を生成するためにレールに当接する押圧力よりも小さい接触力で第3の輪郭部に当接する。接触力の大きさは、好ましくは押圧力の大きさの50%未満、特に20%未満である。一般に有利には、作動輪郭は第3の輪郭部を有し、作動部は他の動作中状態において第3の輪郭部に沿って配置される。したがって、他の動作中状態では、作動部は、特に長手方向に相対して、そこを横断して第3の輪郭部が延在する部分内に排他的に延在する。これに対して、動作中状態では、作動部は、特に長手方向に相対して、そこを横断して第2の輪郭部が延在する部分内に排他的に延在する。割り当てられた第1のガイド部の除去のために第1のガイド台が開放されると、すなわち、取付け中状態となると、作動部は、特に長手方向に相対して、そこを横断して第1の輪郭部が延在する部分内に排他的に延在する。一般に好ましくは、第1、第2及び第3の輪郭部は、長手方向に相互にオフセットして配置される。特に好ましくは、第2の輪郭部は、第1の輪郭部と第3の輪郭部の間に配置され、特に長手方向において第1の輪郭部と第3の輪郭部の間に配置される。
【0024】
一実施形態では、動作中状態にある作動レバーは、長手方向に垂直な方向において一方の面でレールに向く。この長手方向に垂直なレールに向く作動レバーの面は、長手方向に延長を有する。軸受軸は、好ましくは、作動レバーの上記面のこの延長の長さに関して長手方向に中心からずれて配置される。これは、滑り軸受の異なる状態が軸受軸周りの回転方向に応じていずれも達成可能となるという特に有利な効果を有し得る。好ましくは、作動レバーのクランプ部は、レールに向く作動レバーの上記面の長手端部に配置される。特に好ましくは、クランプ部は、動作中状態において軸受軸又は上記の回転軸から、したがってそれとは反対の作動レバーの上記面の長手端部よりも回転中心から長手方向にさらに離れた作動レバーの上記面の長手端部に形成される。
【0025】
一般に好ましくは、第1のガイド台は、第2のガイド台が第2のガイド部を包囲するよりも大きな角度範囲にわたって第1のガイド部を包囲する。これにより、第1のガイド部が第1のガイド台から除去される際に第2のガイド台から第2のガイド部の容易な除去を可能とし得る。好ましくは、両角度領域の各々は、各ガイド部のガイド軸周りに170°以上にわたって延在する。好ましくは、第1のガイド台が第1のガイド部を包囲する角度範囲は、200°以上、特に220°以上、特に240°以上にわたって拡張する。その包囲は、必ずしもそうする必要はないが、その角度範囲にわたって中断されることはなく、ただし、その包囲はその角度範囲にわたって保証されるので、ガイド台は割り当てられたガイド部に対して角度範囲にわたって移動制限を形成し、少なくとも角度範囲の端部においてガイド台は物理的に形成される。
【0026】
一実施形態では、第1のガイド台は作動アームによって構成される第1の受け部及びキャリッジ本体によって構成される第2の受け部によって構成される。好ましくは、第1の受け部は第1のガイド部の第1の横断面に沿って延在し、第2の受け部は第1のガイド部の第2の横断面に沿って延在し、横断面の各々は横断方向に沿って、好ましくは横断方向に沿う両反対方向に向く。好ましくは、第1の受け部は、第1の横断面に沿って排他的に延在する。一般に好ましくは、第1及び第2の受け部は、第1のガイド台の一方側において同じ重なり領域において延在する。これは、作動アーム及びキャリッジ本体の相互に相対する特に良好な誘導を保証し得る。一般に好ましくは、誘導の向上のために、第1の受け部は第1の凹部を有し、第1の凹部内には第2の受け部の長手部分が延在し、凹部及び長手部分は好ましくは上記重なり領域に存在する。好ましくは、第2の受け部の長手部分は、凹部を囲む第1の受け部の領域に摺動的に接触しつつ、キャリッジ本体に相対して作動アームの上記変位の過程で第1の受け部の凹部内に摺動可能に取り付けられる。
【0027】
一実施形態では、摺動要素が、ガイド台の摺動部を構成する各ガイド台に配置され、それに対して、動作中状態では、それぞれ関連するガイド部がレールに相対するキャリッジの長手変位時に摺動接触状態で当接する。摺動要素は、例えば、中空筒体の一部分の態様で設計可能であり、その中空筒体は、その外面で各ガイド台の内面に接触し、動作中状態では、その内面で関連のガイド部に向き、摺動的態様でその関連のガイド部に当接する。そのような摺動要素を設けること及びその形成は、従来技術において周知である。好ましくは、そのような摺動要素は、摺動材からなる。使用される摺動材は、有利には摺動プラスチックである。これは、本背景では、ガイド部の面に対する摩擦係数がキャリッジ本体の材料よりも低いポリマー材料を意味するものと理解される。特に、これは、熱可塑性物質であるポリエテン(ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン(ポリテトラフルオロエチレン)を含み、及び熱硬化性物質の場合にはフェノール樹脂を含む。摩擦をさらに低減するために、これらのプラスチックは、潤滑剤、特に、二硫化モリブデン又はグラファイトなどの微粒子固体潤滑剤を含み得る。そのようなポリマーは、トライボポリマーとして知られている。摩擦の低減は摩耗及びさらには摩滅も減少させるので、これらの製品は、食品及び半導体業界並びに生化学的及び微生物学的用途など、高い純度が必要となる場合に特に適切となる。ポリマー材料は、機械特性を向上するために、例えば、プラスチック又はテキスタイルの充填材及び繊維材料をさらに含んでいてもよい。
【0028】
特に好ましくは、第2のガイド台内に配置された摺動要素は、動作中状態において、第1のガイド台内に配置された摺動要素が第1のガイド部を包囲するよりも大きな角度範囲にわたって第2のガイド部を包囲する。好ましくは、第2のガイド台における摺動要素が第2のガイド部を包囲する角度範囲は、140°以上、特に160°以上である。一方、第1のガイド台における摺動要素が第1のガイド部を包囲する角度範囲は、160°未満、特に140°未満である。特に好ましくは、第1のガイド台内に配置された摺動要素は、キャリッジ本体によって構成された第2の受け部に排他的に固定配置され、好ましくはこの第2の受け部に沿って排他的に延在する。特に好ましくは、作動アームによって構成された第1の受け部は、摺動材からなる。好ましくは、作動アームは、全体として、特に一片で一体的に、摺動材からなる。特に好ましくは、動作中状態において、作動アームは、第1の受け部で第1のガイド部に直接隣接し、一方で、摺動要素は第2の受け部と第1のガイド部の間に配置される。好ましくは、第1の受け部は、第1のガイド部に向くその面において、第1の受け部に向く第1のガイド部の外側輪郭に対応する輪郭を有する。
【0029】
一実施形態では、第1の受け部及び第2の受け部は、それらの長手範囲の50%未満だけ異なる。指定値「50%」とは、第2の受け部の長手範囲をいう。これは、第1のガイド台における第1のガイド部の均一な誘導を保証し得る。好ましくは、2つの受け部の長手範囲から結果として得られる第1のガイド台の長手範囲は、第2のガイド台の長手範囲とは、50%未満だけ異なる。指定値「50%」とは、第1のガイド台の長手範囲をいう。好ましくは、それぞれの長手範囲の差は、言及される各長手範囲の30%未満、特に20%未満である。
【0030】
一実施形態では、横断凹部がガイド台の少なくとも1つに開口し、ガイド台内に配置された摺動要素は、キャリッジ本体に相対して摺動要素の位置を規定しつつ横断凹部内に延在する。したがって、横断凹部は、動作中状態においてガイド部を向くガイド台の内面に設けられた凹部であり、したがってそれを囲む各ガイド台の部分に対する凹部である。ガイド台内に配置された摺動要素が横断凹部内に延在することによって、摺動要素をガイド台において任意の方向、すなわち、長手方向及び長手方向に垂直な方向の双方に固定することが保証可能となる。好ましくは、摺動要素は、弾性変形可能となるように設計され、弾性変形によってのみガイド台に対して挿抜可能とされ、滑り軸受の記載される動作中状態及び取付け中状態において、突起によって横断凹部内に係合するように配置される。一般に好ましくは、摺動要素は長手方向に沿って延在するリブを有し、そのリブは摺動要素の摺動部を形成し、それにより、動作中状態において、摺動要素は関連するガイド部に摺動的に接触する。長手方向に延在するチャネルが、リブ間に形成され得る。リブを設けることで、ガイド部に対する摺動要素の特に有利な低摩擦接触が保証可能となり、汚染の影響を回避する。
【0031】
一般に好ましくは、レールは、例えば、押出プロファイルとして、金属、例えば、アルミニウムからなる。一般に好ましくは、キャリッジは、少なくとも部分的に金属、特にアルミニウム及び/又はプラスチックからなる。一実施形態では、キャリッジ本体の少なくともベース本体、特にキャリッジ本体のベース本体及び固定用本体、特にキャリッジ本体全体が、プラスチック又は金属、特にアルミニウムからなる。一実施形態では、作動アームは、金属、特にアルミニウム、又はプラスチックからなる。特に好ましくは、キャリッジ本体のベース本体、特にキャリッジ本体全体及び作動アームは、同じ材料からなる。一実施形態では、作動レバーは金属、特にアルミニウム又はプラスチックからなる。一実施形態では、キャリッジ本体のベース本体、特にキャリッジ本体全体、作動アーム及び作動レバーは同じ材料からなる。
【0032】
本発明はさらに、本発明に係る滑り軸受構成のためのキャリッジに関する。キャリッジは、第1及び第2のガイド台を有し、その各々が長手方向に長くかつ相互に隣接して延在し、その各々は、レールを囲み、それによりキャリッジを長手方向に変位可能な態様でレールに固定するような態様で、それに関連するレールのガイド部を受容するように設計される。キャリッジは、ともにガイド台のうちの第1のガイド台を構成するキャリッジ本体及び作動アームを有する。作動アームは、作動アームを変位させて長手方向に垂直な除去方向に沿って関連する第1のガイド部を第1のガイド台から除去しかつ/又は関連する第1のガイド部を第1のガイド台に挿入することによって、第1のガイド台の開放を可能とするために、キャリッジ本体に、それに対して長手方向に垂直に摺動可能にガイドされるように固定される。
【0033】
本発明はさらに、本発明に係る滑り軸受の使用に関する。本発明に係る使用では、キャリッジは、まずレールの第2のガイド部をキャリッジの第2のガイド台に配置し、そしてレールの第1のガイド部をキャリッジの第1のガイド台に配置することによって、長手方向に変位可能な態様でレール上に取り付けられる。そのようにする際に、ガイド部の各々は、いずれもそれらに割り当てられたガイド台に長手方向に垂直に挿入され、キャリッジの作動アームは、レールの第1のガイド部が第1のガイド台に長手方向に垂直に挿入可能となる程度に第1のガイド台が開放された状態で、静止位置から開始して長手方向に垂直に延びる変位方向に移動される。両ガイド部がそれらのそれぞれ割り当てられたガイド台に配置された後に、作動アームは、キャリッジをレールに相対して長手方向に垂直に固定しつつ変位方向の逆に移動される。
【0034】
ここで、本発明の一実施形態を、5図面を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】種々の状態の本発明に係る滑り軸受の一実施形態の模式図である。
【
図2】各種模式図における種々の状態の本発明に係る滑り軸受の一実施形態の図である。
【
図3】各種模式図における取付け中状態の
図1に係る実施形態の各種図である。
【
図4】各種模式図における種々の状態の本発明に係る滑り軸受の他の実施形態を示す。
【
図5】各種模式図における
図4に係る実施形態の種々の構成要素についての各種図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係る滑り軸受、本発明に係るキャリッジ及び本発明に係る使用の各々は、記載される種類の滑り軸受との関連において記載される特徴を有し得る。また、本発明に係る種々の実施形態の各々は、本発明に係る他の実施形態との関連において記載される特徴を有し得る。
【0037】
図1a、1b、1c及び1dからなる
図1には、本発明に係る滑り軸受1の一実施形態が種々の状態で示される。滑り軸受1は、レール2及びキャリッジ3を備える。レール2は、長手方向Xに延伸した態様で延在する2本のガイド部21、22を有し、その各々は筒状構成を有する。
図1では、ガイド部21、22のガイド軸は、+印によって示されている。2本のガイド部21、22は、長手方向Xに垂直な横断方向Yに並列に延び、横断方向Yにおいて相互に離隔されている。
図1dは滑り軸受1の動作中状態を示すため、横断方向Yは
図1の
図1dに図示され、キャリッジ3は長手方向Xに垂直にレール2に相対して及びしたがって横断方向Yにも相対して適所に固定保持され、それにより、横断方向Yはレール2及びキャリッジ3の双方に対して固定される。キャリッジ3は、レール2の第1のガイド部21に対応するように設計された第1のガイド台31、及びレール2の第2のガイド部22に対応するように設計された第2のガイド台32を有する。ガイド台31、32の各々は中空筒体の態様で設計され、それはその筒体ジャケットに、
図1に示す側部開口をガイド台31、32の各々について有する。レール2のウェブ部は、
図1dに示すように、動作中状態においてこの側部開口を通じて延在し、そのウェブ部によってガイド部21、22がレール2のレール本体に接続される。キャリッジ3は、ベース本体34及び固定用本体35を備えるキャリッジ本体を有する。特に
図2及び3からも理解できるように、固定用本体35は、ネジ36によってベース本体34に取り付けられる。
【0038】
ベース本体34及び固定用本体35はともに作動アーム5のためのガイドを構成し、作動アーム5は、滑り軸受1のいずれの状態でもキャリッジ本体を越えて突出する作動ハンドル51及び第1の受け部54を有する。第1の受け部54は、第1のガイド台31の一部を構成する。ガイド台31は、キャリッジ本体のベース本体34によって構成された第2の受け部によってさらに構成される。この場合では、作動アーム5は一片で形成され、摺動材からなる。
図1dに示す動作中状態では、作動アーム5の第1の受け部54はレール2の第1のガイド部21に直接隣接し、一方で、第1の摺動要素41はベース本体34によって構成された第2の受け部と第1のガイド部21との間に設けられる。これに対応して、第2の摺動要素42が、第2のガイド台32と第2のガイド部22の間に設けられる。したがって、
図1dに示す動作中状態では、キャリッジ3は、長手方向Xに低摩擦で変位可能となるようにレール2上にガイドされ、一方で、長手方向Xに垂直な固定位置においてレール2上に保持される。これは、ガイド部21、22がそれらを制限するガイド台31、32の壁部に接触可能であり、かつ摺動材を介して排他的に低摩擦でそれらに沿って摺動可能であるということによって担保される。
【0039】
図1a~1dの一連の図から、本発明に係る滑り軸受の記載の実施形態の機能が容易に分かる。作動アーム5は、キャリッジ本体に相対して変位方向に沿って変位可能となるように取り付けられる。作動アーム5は、
図1cにおいて当接する第1の制止部と、
図1cに示す、ただし、
図1a、1b及び1dにおいて当接する第2の制止部と、の間でキャリッジ本体に相対して変位方向に沿って移動可能である。これらの制止部は、キャリッジ本体によって形成される。この関係において、最初に記載した制止部は固定用本体35によって形成され、他の制止部33はベース本体34によって形成され、これは本発明によると全般に有利となる。
図1dに示す動作中状態では、作動アーム5は、他の制止部33に当接し、変位方向に沿ってそれに作用するばねデバイス52によってこの制止部33に押圧保持される。動作中状態において、キャリッジ3は、レール2から長手方向Xに垂直には除去可能ではない。ただし、作動アーム5は、
図1cに示すように、他方の制止部33に当接するまでキャリッジ本体に相対して変位方向に沿って移動可能であり、それにより、
図1c及び1bを組み合わせて見ると理解できるように、第2のガイド部22のガイド軸周りにキャリッジ3を回転することによって第1のガイド部21が第1のガイド台31の外部に移動可能となる程度に、第1のガイド台31を開放する。続いて、
図1b及び1aを組み合わせて見ると理解できるように、第2のガイド部22を第2のガイド台32から除去することによって、キャリッジ3はレール2から除去可能である。
【0040】
図2a、2b、2c及び2dからなる
図2は、動作中状態にある
図1に係る滑り軸受1の実施形態の各種図を示す。
図2a及び2bは、異なる方向からの滑り軸受1の図を示す。
図2cは
図2aに示す断面A-Aを示し、
図2dはこの断面の拡大図を示す。
図2から、横断凹部37が第1のガイド台31内に開口し、この凹部はベース本体34に設けられて孔として設計されることが理解できる。これは、本発明によると全般に有利となる。第1の摺動要素41は、突起410によってこの横断凹部37に係合し、その結果として、摺動要素41は、長手方向Xに沿ってかつ長手方向Xに垂直にベース本体34に対して固定位置で保持される。またさらに、第1の摺動要素41は長手方向Xに延在するリブを有し、チャネルが当該リブの間に形成されることが理解できる。作動アーム5によって形成される第1の受け部54(この受け部は作動ハンドル51と一片で一体的に製造される)は、動作中状態では、ばねデバイス52によって他の制止部33に押圧保持され、同時に第1のガイド部21にほぼ当接し、本発明によると、それは動作中状態において0.1mm未満だけ第1のガイド部21から離隔されることが概ね好適である。
【0041】
図3a、3b、3c及び3dからなる
図3には、
図1に係る実施形態が取付け状態で示され、
図3a、3b、3c及び3dの図は
図2a、2b、2c及び2dの図に対応する。
図2と
図3との比較から、動作中状態に基づいて取付け中状態を達成するために、作動アーム5がキャリッジ本体に相対して変位方向に沿って移動され、それによりベース本体35によって形成された制止部に押圧されることが理解できる。この変位移動は、ばねデバイス52によって付与されるばね力を克服することによってのみ可能である。取付け状態では、
図1において説明したように、第1のガイド台31は、そこから第1のガイド部21が除去可能な程度に開放される。
【0042】
図4a、4b及び4cからなる
図4には、種々の状態にある本発明に係る滑り軸受1の他の実施形態の図が、各種模式図で示される。滑り軸受1が、
図4aでは動作中状態で示され、
図4bでは他の動作中状態で示され、
図4cでは取付け中状態で示される。
図5a、5b及び5cからなる
図5には、
図4に係る滑り軸受1の特性を示すために、滑り軸受1又は滑り軸受1の構成要素の各種図が、模式図で示される。以下において、
図4及び5に示す実施形態を説明する目的のため、
図4及び5を併せて説明する。
【0043】
図4及び5に係る滑り軸受1は、
図1に係る実施形態のレール2と実質的に同じレール2を備える。キャリッジ3は、ベース本体34及び固定用本体35を備えるキャリッジ本体を有し、この場合、固定用本体35は2部品で構成され、したがって長手方向Xに相互から離隔した2部品を備える。固定用本体35、すなわち、その全部品は、ネジによってベース本体34に締結される。キャリッジ3は、固定用本体35によってベース本体34に対して捕捉的に保持される作動アーム5をさらに備える。ガイドデバイスは、作動アーム5とキャリッジ本体の間に設けられ、それにより、作動アーム5は、横断方向Yに延びる変位経路にわたって変位可能な態様でガイドされるようにキャリッジ本体に固定される。ガイドデバイスは、キャリッジ本体のベース本体34及び固定用本体35によって一体的に構成された、キャリッジ本体の第1のガイド部、並びに作動アーム5の第2のガイド部によって構成される。
【0044】
ガイドデバイスの構成は、特に
図5a、5b及び5cを組み合わせて見ると理解可能である。
図5aでは滑り軸受1は全体として示されるが、
図5bは
図5aと比較して固定用本体35なしで滑り軸受1を示し、一方、
図5cは作動アーム5のみを示す。これらの図面を組み合わせて見ると、ガイドデバイスの第2のガイド部として、作動アーム5は固定用本体35の所定部分がばねとして係合する溝を形成し、作動アーム5は溝におけるばねの係合によって長手方向Xにその適所において固定され、ベース本体34及び固定用本体35の相互作用によって長手方向X及び横断方向Yに垂直な方向におけるその適所に固定され、キャリッジ本体に相対する横断方向Yに変位可能な態様でガイドされるように支持されることが理解可能である。ガイドデバイスは、変位経路の2つの端部を形成する制止部及び追加の制止部を形成し、その変位経路にわたって、作動アーム5は変位方向にキャリッジ本体に相対して横断方向Y、すなわち、この場合では横断方向Yに可動である。
図4cに示す取付け中状態では、作動アーム5はガイドデバイスの制止部に当接し、
図4aに示す動作中状態では作動アーム5はガイドデバイスの追加の制止部に当接する。この場合、接触は、キャリッジ3によってさらに囲まれる作動レバー55を介して間接的に行われる。
【0045】
図4及び5に示す滑り軸受1の実施形態のキャリッジ3には作動レバー55が設けられ、軸受軸38周りに回転可能となるようにキャリッジ本体の軸受軸38上にキャリッジ本体に対して支持される。
図4aに示す動作中状態及び
図4bに示す他の動作中状態の双方並びに
図4cに示す取付け中状態において、作動レバー55は、専ら軸受軸38周りの回転によってキャリッジ本体に相対して移動可能であり、それ以外の場合にはキャリッジ本体に相対して固定され、これは本発明によると全般に有利となる。作動レバー55は作動部551を有し、作動アーム5は輪郭部501、502、503を有する作動輪郭を有する。
図4aに示す動作中状態では、作動レバー55はレール2から離隔される。作動レバー55は、横断方向Yにレール2の第1のガイド部21に向く面を有する。
図4a、4b及び4cを組み合わせて見ると理解できるように、この作動レバー55の面は、長手方向Xに延長の長さを有し、軸受軸38はその延長の長さ内で長手方向Xに対して偏心して配置される。それにより、この面の長手端部は、作動レバー55のクランプ部552を形成する。
【0046】
したがって、種々の機能が、作動レバー55によって達成される。
図4aに示す動作中状態では、作動レバー55は、作動アーム5の作動輪郭の第2の輪郭部502にロックされたその作動部551によって固定保持される。動作中状態から開始して、作動レバー55は、軸受軸38周りに第1の方向に回転されて
図4bに示す他の動作中状態を達成することができる。
図4bに模式的に示すように、クランプ部552を形成する長手端部上のレール2に向く、その面において、作動レバー55には余剰の寸法が与えられ、それにより、他の動作中状態において、横断方向Yに作用する押圧力によってクランプ部552がレール2の第1のガイド部21に押圧保持される。この押圧力は、キャリッジ3の軸受軸38とレール2の第1のガイド部21との間に作動レバー55によって蓄積され、これは本発明によると全般に有利となる。この他の動作中状態では、クランプ部552の押圧接触は、長手方向Xにおけるキャリッジ3とレール2の間の相対移動の抑制をもたらす。したがって、他の動作中状態では、キャリッジ3は、レール2の適所に固定可能となり、これは本発明によると、いずれの点についても全般に有利となる。
【0047】
レール2に相対して固定されたキャリッジ3の位置は、結果として、
図4bに示す他の動作中状態から開始して、動作中状態を達成するために、作動レバーが他の動作中状態から反転される方向に軸受軸38周りに反転される場合、又は通常は付与及び意図されない非常に大きな相対的力を長手方向にキャリッジ3とレール2の間に生成することによってのみ変化可能となる。一方、作動レバー55は、反対方向に、すなわち、他の動作中状態を達成するのに必要な回転とは反対に軸受軸38周りに作動レバー55を回転することによって、
図4aに示す動作中状態から開始して、
図4cに示す取付け中状態を達成するように使用可能である。その回転に対して、作動部551は作動アーム5の作動輪郭に沿って摺動し、それにより、キャリッジ本体と作動アーム5の間に横断方向Yに相対的力を生成し、その力によって作動アーム5が、
図4cに示す取付け中状態に達するまで、キャリッジ本体に相対して横断方向Yに変位される。この取付け中状態では、作動アーム5はガイドデバイスによって形成される制止部に当接し、作動部551はこの輪郭部501に対して第1の輪郭部501において保持され、第1の輪郭部501は作動部551に対して、及びしたがってばねデバイス52に起因して作動レバー55に対して復元力をかける。したがって、
図4cに示す取付け中状態は、外力を作動レバー55に付与することによってのみ維持可能となるように達成される。この外力が作動レバー55を軸受軸38周りに回転させつつ、ばねデバイス52の作用によって除去されると、
図4aに示す動作中状態が、取付け中状態から開始して自動的に再度達成され得る。これは、本発明によると全般に有利となる。
【符号の説明】
【0048】
1 滑り軸受
2 レール
3 キャリッジ
5 作動アーム
21 ガイド部
22 ガイド部
31 第1のガイド台
32 第2のガイド台
33 制止部
34 ベース本体
35 固定用本体
36 ネジ
37 第1の横断凹部
38 軸受軸
41 第1の摺動要素
42 第2の摺動要素
51 作動ハンドル
52 ばねデバイス
54 第1の受け部
55 作動レバー
410 突起
501 輪郭部
502 輪郭部
503 輪郭部
551 作動部
552 クランプ部
X 長手方向
Y 横断方向
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑り軸受(1)のためのキャリッジ(3)であって、該キャリッジ(3)は第1及び第2のガイド台(31、32)を有し、該第1及び第2のガイド台の各々
は長手方向(X)に長くかつ相互に隣り合って延在し、該第1及び第2のガイド台の各々は、
動作中状態において、ガイド部
(21、22)を囲むことによって前記キャリッジ(3)を長手方向に変位可能な態様
でレールに固定しつつ、前記第1及び第2のガイド台にそれぞれ割り当てられた
前記レール(2)の
前記ガイド
部を受容するように設計され、
前記キャリッジ(3)は、前記ガイド台(31、32)のうちの第1のガイド台をともに構成するキャリッジ本体及び作動アーム(5)を有し、該作動アーム(5)は、割り当てられ
た第1のガイド部(21、22)を前記第1のガイド台(31、32)から前記長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って除去するために又は前記割り当てられた第1のガイド部(21、22)を前記第1のガイド台(31、32)に対して前記長手方向(X)に垂直に延びる除去方向に沿って導入するために、前記作動アーム(5)を変位させることによって、前記第1のガイド台(31、32)の開放を可能とするために、前記キャリッジ本体に対して変位可能にガイドされるように前記キャリッジ本体に固定され
、ガイドデバイスが、変位経路の端部を規定する制止部を形成し、前記作動アーム(5)は、前記動作中状態から開始して前記制止部に達するまで、前記変位経路に沿ってベース本体(34)に相対して変位可能であり、前記第1のガイド台の開口を形成し、前記作動アーム(5)が前記制止部に接触している場合に前記開口から前記第1のガイド部が除去可能である、キャリッジ(3)。
【請求項2】
レール(2)及び
請求項1に記載のキャリッジ(3)を備え、前記レール(2)は長手方向(X)に長くかつ相互に隣り合って延在する2本のガイド部(21、22)を有し
、前記レールはレール本体を有し、前記ガイド部の各々は前記レール本体にウェブ部を介して接続され、前記ガイド台の各々は長手方向に連続する側部開口を有し、前記動作中状態において前記ウェブ部は前記側部開口を通じて延在し、前記動作中状態において、前記ガイド部(21、22)の各々は、前記レール(2)に相対して前記キャリッジ(3)を前記長手方向(X)に垂直に固定しつつかつ前記レール(2)に相対する前記キャリッジ(3)の長手方向変位性を保証しつつ、前記ガイド部に割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置され、前記ガイド台によって前記長手方向(X)に垂直に囲まれ
る、滑り軸受(1)。
【請求項3】
前記キャリッジ本体は、相互に対して取外し可能に固定されたベース本体(34)及び固定用本体(35)を備え、前記作動アームは、前記ベース本体(34)及び前記固定用本体(35)が相互から取り外された後にのみ前記キャリッジ本体から分離可能である、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項4】
前記ガイドデバイスは前記ベース本体(34)及び前記固定用本体(35)によって構成され、特に前記ガイドデバイスは、前記長手方向(X)に垂直に延びる横断方向(Y)に沿うリニアガイドデバイスである、請求
項3に記載の滑り軸受(1)。
【請求項5】
前記作動アーム(5)は前記制止部に当接し、前記第1のガイド部(21)が除去可能な開口が前記第1のガイド台(31)に形成され、前記ガイド台(31、32)及び前記ガイド部(21、22)は、前記第1のガイド部(21)が前記第1のガイド台(31)から除去された後にのみ第2の前記ガイド部(22)が第2の前記ガイド台(32)から前記長手方向に垂直に除去可能となるような態様で、相互に対応するように設計されている、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項6】
前記2本のガイド部(21、22)の各々はそれらにそれぞれ割り当てられて前記長手方向(X)に延びるガイド軸に沿って延在し、前記ガイドデバイスの前記制止部に対する前記作動アーム(5)の当接が前記動作中状態から開始して達成され、第2の前記ガイド部(22)は前記第2のガイド台(32)におけるそのガイド軸周りの回転のために支持され、前記第1のガイド部(21)は前記第2のガイド部(22)の前記ガイド軸周りの前記キャリッジ(3)の回転によって前記第1のガイド台(31)から除去可能である、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項7】
前記レール(2)はレール本体を有し、前記ガイド部(21、22)の各々はウェブ部を介して前記レール本体に接続され、前記ガイド台(31、32)の各々は前記長手方向(X)に連続する側部開口を有し、前記動作中状態において、前記ウェブ部は、前記側部開口を通じて、前記ガイド台(31、32)に配置された前記ガイド部(21、22)まで延在し、前記ウェブ部は前記長手方向(X)に垂直な方向において前記ガイド部(21、22)よりも狭い幅を有し、前記第1のガイド台(31、32)の前記側部開口は、前記動作中状態において、それに割り当てられた前記第1のガイド部(31)の幅よりも狭い幅を有し、前記作動アーム(5)が前記ガイドデバイスの前記制止部に当接する場合、前記側部開口の幅は前記第1のガイド部(21)の幅以上である、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項8】
前記ガイドデバイスはばねデバイス(52)を備え、該ばねデバイス(52)は、ばね力が前記変位経路に沿って前記制止部とは離れる方向に向けられて前記ベース本体(34)に相対する前記作動アーム(5)に対して作用する、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項9】
前記ガイドデバイスは、前記変位経路の、前記端部とは反対側の端部を規定する他の制止部(33)を有する、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項10】
前記キャリッジ(3)は、軸受軸(38)周りの回転のために前記キャリッジ本体に対して支持された作動レバー(55)を備え、前記作動アーム(5)は、前記動作中状態から開始して、前記ガイド台(31、32)の開放を可能とするために前記作動レバー(55)を前記軸受軸(38)周りに回転させることによって、前記作動レバー(55)によって変位可能となる、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項11】
前記作動アーム(5)は作動輪郭を有し、前記作動レバー(55)は前記作動輪郭に対応する作動部(551)を有し、前記作動部(551)は、前記作動レバー(55)を前記軸受軸(38)周りに回転することによって前記作動輪郭に沿って可動であり、前記作動部(551)は、前記第1のガイド台(31、32)が開放されて前記関連する第1のガイド部(21、22)を除去する際に前記作動輪郭の第1の輪郭部(501)に当接する、請求項10に記載の滑り軸受(1)。
【請求項12】
前記作動輪郭は、前記動作中状態において前記作動部(551)が当接する第2の輪郭部(502)を有し、特に、前記作動部(551)は該作動部(551)に係止された前記第2の輪郭部(502)に当接する、請求項11に記載の滑り軸受(1)。
【請求項13】
前記作動レバー(55)はクランプ部(552)を有し、前記作動レバーは前記動作中状態において前記レール(2)から離隔され、前記動作中状態から開始して、他の動作中状態を達成しつつ前記軸受軸(38)周りに回転可能であり、前記他の動作中状態では、前記ガイド部(21、22)の各々が、それに割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置され、前記長手方向(X)に垂直に該ガイド台に囲まれ、前記作動レバー(55)の前記クランプ部(552)は押圧接触において前記レール(2)に当接し、特に、前記他の動作中状態では、前記作動レバー(55)は前記キャリッジ本体に相対して前記軸受軸(38)周りの固定回転位置に固定保持されている、請求項1
0に記載の滑り軸受(1)。
【請求項14】
前記動作中状態において、前記作動レバー(55)は前記長手方向(X)に垂直な1つの面によって前記レール(2)に向き、前記作動レバー(55)の当該面は前記長手方向(X)に延長の長さを有し、前記軸受軸(38)は前記長手方向(X)に当該延長の長さに対して偏心して配置されている、請求項1
0に記載の滑り軸受(1)。
【請求項15】
前記作動アーム(5)は作動輪郭を有し、前記作動レバー(55)は前記作動輪郭に対応する作動部(551)を有し、
前記作動輪郭は、前記動作中状態において前記作動部(551)が当接する第2の輪郭部(502)を有し、
前記作動輪郭は第3の輪郭部(503)を有し、前記作動部(551)は前記他の動作中状態において前記第3の輪郭部(503)に沿って配置され、特に前記第2の輪郭部(502)は前記第1及び第3の輪郭部(501、503)の間に配置されている、請求
項13に記載の滑り軸受(1)。
【請求項16】
前記第1のガイド台(31)は、第2の前記ガイド台(32)が第2の前記ガイド部(22)を囲むよりも大きな角度範囲にわたって前記第1のガイド部(21)を囲む、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項17】
前記第1のガイド台(31)は前記作動アーム(5)によって構成された第1の受け部(54)及び前記キャリッジ本体によって構成された第2の受け部によって構成され、特に、前記第1の受け部(54)は前記第1のガイド部(21)の第1の横断面側に延在するとともに前記第2の受け部は前記第1のガイド部(21)の第2の横断面側に延在し、かつ/又は前記第1の受け部(54)は前記第2の受け部の長手部分が延在する凹部を有する、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項18】
各摺動要素(41、42)は各ガイド台(31、32)内に配置され、前記摺動要素は前記ガイド台(31、32)の摺動部を構成し、それぞれ割り当てられた前記ガイド部(21、22)は、前記動作中状態において前記レール(2)に相対する前記キャリッジ(3)の長手変位時に、前記摺動部に摺動的態様で当接する、請求項
2に記載の滑り軸受(1)。
【請求項19】
各摺動要素(41、42)は各ガイド台(31、32)内に配置され、前記第1のガイド台(31)において、前記摺動要素(41)は前記第2の受け部に排他的に配置され、特に前記第1の受け部(54)、特に前記作動アーム(5)全体が摺動材からなる、請求項1
7に記載の滑り軸受(1)。
【請求項20】
前記第1の受け部(54)及び前記第2の受け部の長手方向延長は、前記第2の受け部の長手方向延長を基準として50%未満で異なる、請求項1
7に記載の滑り軸受(1)。
【請求項21】
横断凹部(37)は、前記ガイド台(31、32)の少なくとも一方へと開口し、前記ガイド台(31、32)内に配置された前記摺動要素(41、42)は、該摺動要素(41、42)の位置を前記キャリッジ本体に相対して固定しつつ、前記横断凹部(37)内に延在し、特に、前記摺動要素(41、42)は前記長手方向に沿って延在するリブを有し、該リブは前記摺動要素(41、42)の前記摺動部を形成する、請求項1
8に記載の滑り軸受(1)。
【請求項22】
請求項
2から20のいずれか一項に記載の滑り軸受(1)の使用であって、
前記キャリッジ(3)は、まず前記レール(2)の第2の前記ガイド部(22)を前記キャリッジ(3)の第2の前記ガイド台(32)に配置し、その後に前記レール(2)の前記第1のガイド部(21)を前記キャリッジ(3)の前記第1のガイド台(31)に配置することによって長手方向に変位可能な態様で前記レール(2)に取り付けられ、前記ガイド部(21、22)の各々はそれらにそれぞれ割り当てられた前記ガイド台(31、32)に前記長手方向(X)に垂直に挿入され、前記キャリッジ(3)の前記作動アーム(5)は、静止位置から開始して、前記レール(2)の前記第1のガイド部(21)が前記第1のガイド台(31)に前記長手方向に垂直に挿入可能な程度に前記第1のガイド台(31)を開放しつつ、前記長手方向に垂直に延びる変位方向に移動され、両ガイド部(21、22)は、該ガイド部にそれぞれ割り当てられた前記ガイド台(31、32)に配置された後に、前記作動アーム(5)は、前記キャリッジ(3)を前記レール(2)に相対して前記長手方向(X)に垂直に固定しつつ、前記変位方向とは反対に移動される、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
関連する種類の滑り軸受は、従来技術において周知であり、特にリニアガイドとして作業デバイスを摺動的にガイドするために使用されている。用途の分野に応じて、そのような作業デバイスは、多種多様な特性を有し得る。例えば、そのような作業デバイスは、工具の要素であり得る。例えば、そのような作業デバイスは、例えば、ディスプレイのための保持デバイスであり、それを介して要素が可能な限り容易に変位可能な態様で取付け可能となる。滑り軸受が、それに取り付けられた作業デバイスを可能な限り少ない摩擦でかつ可能な限り少ない摩耗でレールに沿ってガイド可能とすることが常に重要となる。同時に、作業デバイスは、レール上に確実に保持されるべきである。本発明は、特に、車両構造において、特にトラクター及び清掃車両などのユーティリティビークルにおいて使用される滑り軸受に関する。そのようなユーティリティビークルでは、作業デバイスが、長手方向に沿って変位可能となるようにコックピットに簡素な態様で取り付けられることが望ましいことが多い。作業デバイスの簡素かつ確実な取付けを保証するために、滑り軸受は、通常は滑り軸受レールを車両の一部に締結することによって車両に恒久的に設置され、一方で、作業デバイスはキャリッジに取外し可能に締結され、その目的のために、対応する締結デバイスはキャリッジ及び作業デバイスに対して設けられる。しかし、従来技術において知られている締結デバイスは、キャリッジへの作業デバイスの省スペースかつ容易な操作での取外し可能な締結を保証するという要件を充分に満たすことはない。
独国実用新案第9417994号明細書から、リニアガイドのためのクランプ及び制動デバイスが知られている。米国特許第3574468号から、角柱型ガイドレールを有する光学バンクが知られ、ガイドレールはガイドレールに対してロック可能なキャリッジに把持される。更なる現行技術は、米国特許出願公開第2010/07411号明細書に記載されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明によると、ガイドデバイスは、作動アームとキャリッジ本体の間に設けられ、それにより、作動アームは、長手方向に垂直に延びる変位経路上を変位可能にガイドされる態様でキャリッジ本体に固定される。ガイドデバイスは、好ましくは、キャリッジ本体の第1のガイド部及び固定用アームの第2のガイド部によって構成され、第1のガイド部は、好ましくはキャリッジ本体のベース本体及び固定用本体によって一体的に構成される。変位経路は、好ましくは、長手方向に垂直な直線変位方向に沿って直線状に延びる。本発明によると、ガイド部は、変位経路の端部を規定する制止部を形成する。作動アームは、動作中状態から開始して制止部に達するまで変位経路に沿ってベース本体に相対して変位可能である。ガイドデバイスが制止部を設けることの規定は、キャリッジ本体に相対する作動アームの変位性を保証しつつ作動アームをキャリッジ本体に確実に固定するために特に有利である。好ましくは、作動アームは上述の取付け中状態において制止部に当接し、レールの第1のガイド部は第1のガイド台から除去方向に沿って除去可能であり、好ましくは除去方向とは反対に再挿入可能である。除去方向は、例えば、直線又は曲線の方向であり得る。特に好ましくは、ガイドデバイスは、長手方向に垂直な横断方向に沿うリニアガイドデバイスである。一般に好適には、長手方向及び横断方向の各々は、直線方向である。一般に好適には、横断方向は、上述した変位方向に対応する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
作動アームが制止部に当接すると、第1のガイド台の開口が形成され、その開口を通じて第1のガイド部が除去可能となる。この場合、ガイド台及びガイド部は、好ましくは、第1のガイド部が第1のガイド台から除去された後にのみ第2のガイド部が第2のガイド台から長手方向に垂直に除去可能となる態様で、相互に対応するように設計される。動作中状態では、作動アームが第1のガイド台からの第1のガイド部の除去を防止するので、第2のガイド台からの第2のガイド部の除去も結果として防止される。したがって、取付け中状態では、第1のガイド部が解放された後に、それを第1のガイド台から除去し、そして第2のガイド部を第2のガイド台から除去することが可能となる。このカスケード式の除去可能性は、簡素な取外し性を達成し、一方で同時に、動作中状態においてキャリッジをレールに確実に締結するために特に有利である。このカスケード式の除去可能性は、例えば、第1のガイド台が第1のガイド部の背部にその第1の横断面側で係合し、第2のガイド台が第2のガイド部の背部にその第2の横断面側で係合し、それらの横断面は横断方向に沿って反対方向を向く態様で、2つのガイド台が2本のガイド部の背部に係合することによって保証され得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
レールはレール本体を有し、レールのガイド部の各々はウェブ部を介してレール本体に接続される。ガイド台の各々は、長手方向に連続する側部開口を有し、それを介して、動作中状態において、ウェブ部がガイド台に配置されたガイド部まで延在する。ガイド台は、好ましくは中空の筒体設計のものであり、その筒体軸はそれらのガイド軸に対応するとともに長手方向に延び、側部開口は中空の筒体のジャケット開口におけるスロットに対応する。中空の筒体は、例えば、丸みを帯びた、特に円形又は多角形、特に四角形の断面を有し得る。ウェブ部は、ウェブ部に割り当てられたガイド部の幅に相対するウェブ部の幅を基準として、長手方向に垂直な方向においてガイド部よりも狭い幅を有し、そのガイド部はウェブ部を介してレール本体に接続される。一般に好ましくは、レール本体は、ガイド部間を横断方向に延在する。一般に好ましくは、ウェブ部は、レール本体から、それぞれ割り当てられたガイド部まで、長手方向に対して傾斜しかつ横断方向に対して傾斜する方向に延在し、その幅は長手方向に垂直であり、かつウェブ部がそれぞれ機械本体から側部開口を通じて関連のガイド部まで延在するこの延長方向に垂直である。動作中状態において、第1のガイド台の側部開口は、それに割り当てられたガイド部の幅よりも狭い幅を有する。一方、第1のガイド台の側部開口の幅は、作動アームがガイドの制止部に当接する場合の第1のガイド部の幅以上である。幅とは、いずれも当然に、同じ方向における延長の長さをいう。したがって、好適な実施形態では、第1のガイド台は、動作中状態から開始して、第1のガイド台の側部開口を拡げることによって開放され得る。側部開口の幅が第1のガイド部の幅以上であり、好ましくはこの幅よりも大きいことによって、取付け中状態又は作動アームがガイドデバイスの制止部に当接する際に、この状態において、第1のガイド部が第1のガイド台から容易に除去可能となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
図3a、3b、3c及び3dからなる
図3には、
図1に係る実施形態が取付け状態で示され、
図3a、3b、3c及び3dの図は
図2a、2b、2c及び2dの図に対応する。
図2と
図3との比較から、動作中状態に基づいて取付け中状態を達成するために、作動アーム5がキャリッジ本体に相対して変位方向に沿って移動され、それにより
固定用本体35によって形成された制止部に押圧されることが理解できる。この変位移動は、ばねデバイス52によって付与されるばね力を克服することによってのみ可能である。取付け状態では、
図1において説明したように、第1のガイド台31は、そこから第1のガイド部21が除去可能な程度に開放される。
【国際調査報告】