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特表2024-534700電気推進を用いるコンパクトな地上車
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】電気推進を用いるコンパクトな地上車
(51)【国際特許分類】
   B62K 17/00 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
B62K17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541287
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 GB2022052373
(87)【国際公開番号】W WO2023041942
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】2113407.7
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524106163
【氏名又は名称】ヴィオー ヴィークル エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,マリアンヌ
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BB10
3D212BB15
3D212BB25
3D212BB32
3D212BB43
3D212BB62
(57)【要約】
バイホイールは、各メインホイールのリム間で作用するサスペンションアセンブリ(7)によって支持された大型の左メインホイール(1)及び右メインホイール(2)と、ホイール間で地面より上に吊るされたコックピット(3)を支えるペイロードとを有する。その配置により、ホイールを通るコックピットペイロードスペースへのアクセスを容易にする。各ホイールが傾くことにより、ホイール内のコックピットの縦揺れ運動を抑止する。リアジョッキーホイール(61)は縦揺れをさらに抑止するために提供される。ホイールへの推進力は、サスペンションアセンブリ(7)上に搭載される駆動ホイール(16)に組み込まれた電気モーターを用いて提供される。電気モーターに加えられたトルクは、コックピット姿勢センサー等のセンサーに応答して、デジタル制御システムによって制御され、さらに、コックピットの縦揺れ運動を抑止できる。推進力は、さらに、電気モーターによって補助された手動推進システムによって送達され得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイホイールであって、
メインホイールの間にコックピットを吊るするために相互に相対的に平行に配置された、地面に接触可能な分離されたメインホイールのペアであって、前記コックピットはペイロードを収容することが可能である、メインホイールのペアと、
各ホイールにトルクを加えて、前記地面にわたって前記バイホイールを推進させるように構成された動力伝達部と、を有し、
各ホイールはリムで支持され、トルクは前記リムで単に各ホイールに加えられ、それによって、任意のリム支持部が軸と前記リムとの間に延長しなくなることにより、前記コックピットへのアクセスは、前記ホイールリムの内側の前記スペースを通ることで容易に実現でき、各メインホイールは、前記前記ホイールの前記リムの内側と、前記コックピットとの間で作用するように、各メインホイールの円周の周りで分離して配置された複数のサスペンションアセンブリによって支持され、
各サスペンションアセンブリは、前記メインホイールと前記コックピットとの間の動きにより、前記メインホイールに加えられた衝撃を吸収するように、アイドラホイールまたは駆動ホイールのうちの少なくとも1つを支持するバネを備え、前記バネはリーフスプリングであることを特徴とする、バイホイール。
【請求項2】
前記コックピットは、フランジまたはブロックを備える円周方向に分離した複数の取り付け台を備え、前記リーフスプリングは、それぞれ、前記取り付け台に固定され、
ブラケットは、前記コックピットに固定され、前記取り付け台から円周方向に分離され、取り外し可能バンプストップは、前記ブラケットと前記リーフスプリングとの間で跨るように前記ブラケットに搭載される、請求項1に記載のバイホイール。
【請求項3】
前記リーフスプリングは、各リーフスプリングの各自由端が実質的に円周方向に延長するように固定された弓状リーフスプリングを備える、請求項1または2に記載のバイホイール。
【請求項4】
前記リーフスプリングはカンチレバーのように支持され、一端は前記コックピットに固定され、他端は前記駆動ホイールまたは前記アイドラホイールを支持している、請求項3に記載のバイホイール。
【請求項5】
前記リーフスプリングは、前記コックピットの中間に搭載され、アイドラホイール及び駆動ホイールの一方または両方は、各端に搭載され、前記メインホイールリムの前記内側に係合する、請求項1~4のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項6】
各アイドラホイールは、前記ホイールリムの側面に係合し、前記ホイールリムの内側上部に係合しないように構成され、各駆動ホイールは、前記ホイールリムの表面に軸方向に対面する前記内部に係合し、前記側面に係合しなく、前記リムの前記側面は、摩擦を減らすように処理され、前記ホイールリムの前記上部は、前記駆動ホイールによるトラクションを増加させるように処理される、請求項1~5のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項7】
各メインホイールは、平坦な地面の法線に対して90°未満のキャンバー角で傾く、請求項1~6のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項8】
前記キャンバー角度は85°~89.5°である、請求項7に記載のバイホイール。
【請求項9】
3つ以上のサスペンションアセンブリを有し、前記サスペンションアセンブリの大部分は、前記バイホイールの中心軸の下に配置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項10】
駆動ホイールを支持する各サスペンションアセンブリは、前記メインホイールの軸の下に搭載される、請求項1~9のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項11】
トルクは、電気モーターによって各駆動ホイールに加えられる、請求項1~10のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項12】
前記電気モーターは、各ホイールと関連付けられた各駆動ホイールに統合される、請求項11に記載のバイホイール。
【請求項13】
前記電気モーターはトランスミッショントンネルに搭載される、請求項1~11のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項14】
前記トルクは、前記コックピットの姿勢に敏感なセンサーに応答して、アルゴリズムに従ったデジタルコントローラーによって制御され、実質的に一定のピッチ角度で前記コックピットが維持される、請求項11または12に記載のバイホイール。
【請求項15】
電荷を各電気モーターに貯蔵及び分配するために前記コックピットに搭載された蓄電池システムを有し、前記蓄電池システムが固定電池及び取り外し可能な電池を備えることによって、放電された取り外し可能な電池は、充電するために容易に取り外され、充電された電池と交換できる、請求項11~14のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項16】
前記コックピットはソーラーパネルアレイを支持するキャノピーパネルを含み、前記ソーラーパネルアレイは前記固定式で取り外し可能な電池のうちの少なくとも1つに電荷を送達するように配置される、請求項15に記載のバイホイール。
【請求項17】
前記コックピットは統合型ソーラーパネルアレイを備えるキャノピーパネルを含み、前記ソーラーパネルアレイは前記固定式で取り外し可能な電池のうちの少なくとも1つに電荷を送達するように配置される、請求項1~15のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項18】
各メインホイールリムは、凸内部表面及び凹外部表面を伴う楕円形環状断面を備える、請求項1~17のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項19】
ソリッドタイヤは、前記リムの前記凹外部表面上に形成される、請求項18に記載のバイホイール。
【請求項20】
前記コックピットは、横に並んで配置された、または横に並んで交互になる運転手及び乗客を収容する少なくとも2つのシートを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項21】
フロアモールディングを有し、ラゲッジスペースは、各シートの下にある前記フロアモールディングに形成される、請求項20に記載のバイホイール。
【請求項22】
保管用コンパートメントは、各シートの後方に位置する前記フロアモールディングに形成され、大きいスーツケース用のラゲッジスペースを提供し、前記シートは、前記保管用コンパートメントへのアクセスを提供するように変位可能に搭載される、請求項20または21に記載のバイホイール。
【請求項23】
ブレーキは、各メインホイールに前記駆動ホイールを介して制動トルクを加えるために、各駆動ホイールとそれぞれ関連付けられる、請求項1~22のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項24】
ブレーキアセンブリは、前記駆動ホイールと、前記リムの内側にあるモーターアセンブリと統合される、請求項23に記載のバイホイール。
【請求項25】
不等トルクは、直線運動から逸らして前記バイホイールを操縦するために、ニュートラル位置からのジョイスティックの動きに応答して発せられた前記デジタルコントローラーからの制御信号に応答して、各駆動ホイールに加えられる、請求項11に記載のバイホイール。
【請求項26】
等量または不等量のいずれか一方で、片手によって動作可能に構成されたブレーキレバーの動作に応答して、各駆動ホイールブレーキに制動トルクを加えることができる、請求項24または25に記載のバイホイール。
【請求項27】
通常地面に接触し、前記コックピットの後方の縦揺れを制限するように配備されたリアジョッキーホイールを有する、請求項1~26のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項28】
前記コックピットの内側に手動で動作可能なアクチュエーターに応答する関節式アセンブリに搭載されたフロントジョッキーホイールを有することによって、前記フロントジョッキーホイールは、通常、上昇して、前記地面の上で分離され、前記地面に接触するために下降してラッチできる、請求項1~27のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項29】
ブレーキは各ジョッキーホイールに提供され、前記ブレーキは、前記バイホイールの動きを阻止するために、前記コックピットでラッチ可能制御から手動で動作可能である、請求項27または28に記載のバイホイール。
【請求項30】
各電気モーターを増強するために、前記電気モーター推進に加えて、手動推進システムを有する、請求項19~29のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項31】
運転手または乗客の足によって前記ペダルに加えられた推力が、等しいトルクを各駆動ホイールに加えるために、手動推進伝達システムを介して伝達されるように配置されるペダルから手動推進力が提供される、請求項30に記載のバイホイール。
【請求項32】
各ペダルは、足踏み機構を介して直線推力をトルクに変換する、請求項31に記載のバイホイール。
【請求項33】
足踏みアセンブリは、少なくとも前記運転手が占有したシートと関連付けられ、前記足踏みアセンブリのそれぞれは、各々の左右の足踏みリンク機構を介して共通の足踏み駆動軸に連結された左ペダル及び右ペダルを含み、前記左リンク機構と前記右リンク機構との間で位相角は、前記リンク機構が、ロックアウト状態のままになる、または逆トルクが加わることを防止するために、0°または180°ではない、請求項32に記載のバイホイール。
【請求項34】
足踏みアセンブリは、各運転手及び前記バイホイールの乗客用チェアと関連付けられる、請求項33に記載のバイホイール。
【請求項35】
各足踏み駆動軸は、前記手動推進システムに共通の前方スプロケットに結合できる、請求項33または34に記載のバイホイール。
【請求項36】
前記前方スプロケットは、自動的に動作可能なギアボックスを経由して、ダブルフリーホイール差動装置にトルクを伝達し、前記差動装置は、2つのハーフシャフトアセンブリのそれぞれを前記手動推進力トランスミッションシステムに結合し、それによって、各駆動ホイールは前記マニュアルトランスミッションシステムに結合される、請求項35に記載のバイホイール。
【請求項37】
各足踏み駆動軸は、足踏みベルトプーリーにフリーホイールを介して結合される、請求項34~36のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項38】
運転手用足踏みアセンブリの前記ペダルに推力が加えられない限り、乗客用足踏みアセンブリのそれぞれは前記足踏みベルトプーリーから外される、請求項37に記載のバイホイール。
【請求項39】
前記制御システムは、
トルクが前記運転手用ペダルに加えられたことと、
前記ジョイスティックがニュートラル位置にあることと、に応答して、
補助トルクを各モーターに加えて、前記コックピットのピッチを安定させ、前記バイホイールを前方向に駆動させる、請求項35~38のいずれか1項に記載のバイホイール。
【請求項40】
前記制御システムは、
前記バイホイールの速度が実質的にゼロなったことがセンサーから検知されたことと、
ニュートラルから、ニュートラルの左または右の位置に、前記ジョイスティックが移動したことと、に応答して、
即座に回転するために、前記モーターから各駆動ホイールに等しい反対のトルクを加える、請求項16及び39に記載のバイホイール。
【請求項41】
前記制御システムは、前記ジョイスティックのボタンを押し、後退させるために引き戻すことに応答する、請求項16及び40に記載のバイホイール。
【請求項42】
二輪車、三輪車、または四輪車の形態の車両であって、
手動で動作可能なステアリング機構に応答して、1つまたは2つのステアリングホイールを支持するシャーシと、少なくとも1人の運転手を収容するシートまたはサドルアセンブリと、少なくとも前記運転手が足踏み機構の1つ以上のペダルの直線力を加えるとき、推進トルクが駆動ホイールに加えられる、少なくとも1つの地面に接触する前記駆動ホイールに機械的に結合された足踏み機構と、前記駆動ホイールに結合され、補助トルクを前記駆動ホイールに加えるために、前記シャーシで支持された電池から電力を取り出すことが可能である電動ハブモーターであって、ペダルに動力が加えられたことに応答して、制御システムによって制御される、電動ハブモーターと、を有する、車両。
【請求項43】
前記ペダルの間の位相角がゼロまたは180度以外に設定されることによって、前記足踏み機構は、ロックアウトできない、または後方に進むことができない、請求項42に記載の車両。
【請求項44】
前記ペダルに加えられた力、前記車両の重量及び車両ピッチ(前記車両が上昇または下降することを示す)、ならびに道路速度を検知するように構成されたセンサーに応答して、パワーアシスタンスを管理するように構成されたコントローラーを有する、請求項42または43に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数個のスーツケースのサイズまでの貨物及び少人数の乗客(1~4人)を輸送するための電気推進用の二輪地上車に関する。本明細書の目的のために、少なくとも二輪車は、大型の分離したメインホイールのペアを有し、メインホイールのそれぞれは、単一の共通軸の周りで回転する。車両には、追加の安定ジョッキーホイールが設けられ得る。ペイロードは、地面より上に、かつメインホイールの間に吊るされる。ペイロードは、運転手、乗客、またはその2人のいくつかの組み合わせであり得、旅客機の荷物として許可された最大サイズのスーツケース77cm×50cm×27cmまでの貨物も含み、通常、56cm×40cm×25cmのシートの下にあるキャビン荷物旅客機の機内持込手荷物×2個のためのスペースも一緒に含む。
【背景技術】
【0002】
最近の既知の先行技術として、仏国特許出願公開第3037314号明細書に示されるように、ダイホイールが例として挙げられている。ダイホイールは、共通軸で回転するように配置された大型の分離した2つのホイールを備える。シャーシは、ホイールの間で吊るされ、人間及び/または貨物ペイロードのためのコックピットを支持する。機構は、地面に平行で、またホイールの回転軸に実質的に垂直な車両を推進させるために、等量のトルクを各ホイールの軸に加えるように構成されている。機構は、モーター、または手動操作式ペダルによる機械駆動であり得る。ダイホイールを操縦するために、不等トルクを各ホイールに加えることにより、一方のホイールが地面で弧を描くように加速する。いくつかの場合、一方のホイールは、ステアリング効果を実現するために、制動され得る、またはトルクを相対的に逆にかけ得る。ホイールへのトルクの適用により、当然ながら、等しい及び逆向きのトルクがコックピットに加えられ、コックピットは逆回転方向にピッチアップし、任意の運転手または乗客を混乱させる。手動で動くダイホイールの場合、スムーズにかつ均一トルクを加えることが極めて困難であるため、不均一なトルクの適用により、コックピットは前後に揺れ、極端な場合、ホイール軸の周りで完全に(360°)回転する。このアクションは、ジャービリング(ネズミがホイールを走る様子と似ているため)として知られており、車両のいずれかの実際の適用では望ましくない。これを克服するための従来の機構は、電気モーターを用いてトルクをホイールに加えることを含み、モーターはジャービリングを最小にするように構成されたコントローラーを用いて制御される。
【0003】
既知のホイールは、従来、張力がかけられたスポークを介して円形リムを支持するハブから製造される。ホイールへの駆動は、トルクをホイール軸に加える単一モーターを介して行われる。これにより、従来、車両の前方または好ましくは後方で通路またはハッチを介して行われているコックピットへのアクセスに関する問題が生じる。前方入口の提供は、ステアリング手段等の任意の制御システムによって妨げられる。車両への入口は、必然的に若干非実用的な体操的操作になり、乗り降り通路に必要なスペースは、使用可能なコックピットスペースを最小にする。結果として、ダイホイールは、1人乗りに制限される、または過度に広くなる、のいずれか一方が生じ、実用的なラゲッジスペースの提供が不可能になる。
【0004】
ホイールは、路面に対するトラクションを高めるためのタイヤが必要になる。従来、空気式タイヤは、また、ある程度のサスペンションも提供する。また、乗客の快適性、乗り心地、ステアリング方向性、及びトラクションを高めるためのサスペンションの提供も課題となる。しかしながら、空気式タイヤはパンクに対して脆弱であり、車両のような任意のダイホイールに必要であるため、そのような非常に大きいリム上に取り付けるとき、特に困難なことが生じる。これらの困難は、道端でのパンク修理が必要である場合に悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許出願公開第3037314号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンパクトな低炭素排出車の需要があり、これは、乗客を乗せ、荷物を運び、ある程度の天候保護及び衝突保護を提供することが可能であり、そして、使用中かつ駐車時、最小の道路空間を使うことが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、バイホイールが提供され、バイホイールは、メインホイールの間にコックピットを吊るするために相互に相対的に平行に配置された、地面に接触可能な分離されたメインホイールのペアであって、該コックピットはペイロードを収容することが可能である、メインホイールのペアと、各ホイールにトルクを加えて、地面にわたってバイホイールを推進させるように構成された動力伝達部と、を有し、各ホイールはそのリムで支持され、トルクはそのリムで単に各ホイールに加えられ、それによって、任意のリム支持部が軸とリムとの間に延長しなくなることにより、コックピットへのアクセスは、ホイールリムの内側のスペースを通ることで容易に実現でき、各メインホイールは、ホイールのリムの内側と、コックピットとの間で作用するように、各メインホイールの円周の周りで分離して配置された複数のサスペンションアセンブリによって支持され、各サスペンションアセンブリは、メインホイールとコックピットとの間の動きにより、メインホイールに加えられた衝撃を吸収するように、アイドラホイールまたは駆動ホイールのうちの少なくとも1つを支持するバネを備え、バネはリーフスプリングであることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、各ホイールは、リムの周りで円周方向に分離したアイドラホイール及び駆動ホイールの組み合わせによって、シャーシで支持される。好ましくは、アイドラホイール及び駆動ホイールはリムの半径方向内側に係合する。ホイールは、少なくとも2つのアイドラホイール及び1つの駆動ホイールによって支持され得るが、好ましい実施形態は、より多いアイドラホイール、例えば5個(3~5個)のアイドラホイールと、単一の駆動ホイールとを使用し得る。2つ以上の駆動ホイールを使用して、駆動ホイールとメインホイールとの間のトラクションを高めて、各駆動ホイールの摩耗率を減らすことによって、メンテナンスが減り得る。
【0009】
アイドラホイール及び駆動ホイールのそれぞれは、メインホイールとコックピットとの間でバネ及び減衰による相対運動を可能にするサスペンションアセンブリを用いてコックピットを支持する。サスペンションはリーフスプリングによって提供される。リーフスプリングはカンチレバーのように支持され得、一端はコックピットに固定され、他端は駆動ホイールまたはアイドラホイールを支持している。また、リーフスプリングは、コックピットの中間に搭載され、アイドラホイール及び駆動ホイールの一方または両方は、各端に搭載され、メインホイールリムの内側に係合し得る。リーフスプリングは、好ましくは、設置時及び静止時に弓状である。サスペンションは、水平表面における静止時、コックピットが各メインホイール軸に対して同心円状に静止するように構成される。好ましくは、各メインホイールは傾き、すなわち、水平表面における静止時、各メインホイールの軸が下方に傾斜するように吊るされることによって、各メインホイールの頂点間の距離は、各メインホイールの底の間の距離よりも小さくなる。好ましくは、水平地面に対して垂直に測定された各軸の傾きは、90°未満、好ましくは、85°~89.5°、より好ましくは88°~89°、最も好ましくは88.5.である。静止状態では、各メインホイール軸は、前方から後方にバイホイールを両断する中心平面上で交差する。キャンバーはジャービリングを機械的に停止する。
【0010】
好ましくは、アイドラホイール及び駆動ホイールのそれぞれのサスペンションアセンブリは、汚れを最小にするために、サスペンションアセンブリを地面から最大に離れるように配置されている。また、駆動アイドラホイールアセンブリは、コックピットの重心を地面に近づけるように配置されている。例えば、高速で曲がるとき、車両転倒のいずれかのリスクを最小にするために、車両の重心を地面に近づけることが望ましい。これらの矛盾する要件を最適化するために、ホイール軸上にある数よりも、ホイール軸の下にあるアイドラ駆動ホイールアセンブリの数を多くすることが好ましい。駆動ホイールアセンブリがアイドラホイールアセンブリよりも重いため、ホイール軸の下に各駆動ホイールアセンブリを有することが好ましい。
【0011】
各ホイールは、好ましくは、円に形成された単一管から形成される。管は、半径方向内面に凸及び外面に凹が生じるように加工される。ポリマー材料のソリッドタイヤは凹外面上に直接成形することによって適用される。ポリウレタンタイヤは、金属リムまたは接合されたポリウレタン押出の上に直接成形できる。
【0012】
好ましくは、リアジョッキーホイールは、コックピットの後方から配備され、通常、地面に接触して、そして、スーツケースの貨物等の重い荷物によりバイホイールが後方に縦揺れすることを防止することによって、三輪車の安定度を提供する。リアジョッキーホイールは、好ましくは、メインホイールの直径と同等の車両の長さの範囲内で適合するようにサイズ決定されている。これは、リアジョッキーホイールの直径は、メインホイールの直径の1/10~1/6であり、好ましくは、メインホイールの直径の1/8になることを意味する。
【0013】
推進力は、モーター、特に電気モーターのみを用いて、より好ましくは各ホイールにそれぞれ結合された2つの電気モーターを用いて生じ得る。好ましくは、電気モーターは、蓄電池システムから独立して駆動され、オートパイロット、またはジョイスティック等の手動制御のいずれか1つに応答して、コントローラーの出力に従ってトルクを送達する。トルクは、異なる速度でホイールを走行させることによって、進行方向を変えるように制御され得る。コントローラーは、さらに、コックピットの姿勢を安定させる加速度計等、コックピットの相対運動を検出するセンサーに応答し得る。
【0014】
好ましい実施形態では、バイホイールは、推進力を用いるマニュアルハイブリッド電気車であり、推進力は、1つ以上の電気モーターによってアシストされた足踏みまたはペダル等、手動で作動するソースの組み合わせから生じるものである。好ましくは、コックピットは、運転手を支える少なくとも1つのシートを含む。好ましくは、第2のシートは、乗客用の名目上の運転手のシートに実質的に隣接して提供され得る。2つのペダルを使用する運転手用足踏み機構は、コックピット内で支持され、運転手の足元に提示されるように配置されている。重要な点として、足踏み機構は、運転手によって推進されたペダルの直線振動運動を、ペダルの下に位置するクランクアームでの回転運動に変換することで挙げられる。クランクアームは、運転手の足元及び脚の前方かつ下で、コックピットのスペースに跨る運転手側の駆動軸に結合され、中央に搭載された回転駆動部にトルクを伝える。駆動軸は、フリーホイールを介して駆動リングに結合される。乗客用足踏み機構は、乗客側の運転手足踏み機構の鏡像のようであり、フリーホイールを介して駆動リングを結合されるため、乗客及び運転手のペダルは結合されなくなり、独立して作動しない。回転駆動部は、トランスミッションを介して、各メインホイールに結合される。好ましくは、回転駆動部は、エンドレスベルトを介して最終の駆動機構にトルクを伝送するベルトリングによって提供される。最終の駆動機構は、好ましくは、さらに各メインホイールの各駆動ホイールにそれぞれ結合される2つのハーフシャフトアセンブリのそれぞれに結合する差動装置を含む。好ましくは、ハーフシャフトアセンブリは、延長可能ユニバーサルジョイントを組み込み、ホイール及びコックピットの相対運動に適応する。したがって、任意のペダルの推力を適用すると、各メインホイールに等量のトルクが加えられる。駆動リングと差動装置との間で動作する様々なギアを提供するために、ハブギアボックスが設けられ得る。好ましくは、ギアは自動的に選択される。
【0015】
手動推進システムからホイールに加えられたトルクは、1つ以上の電気モーターから加えられたトルクによってアシストされ得る。好ましくは、各ハーフシャフトとそれぞれ関連付けられた2つの電気モーターが提供される。好ましくは、各電気モーターは各駆動ホイールに組み込まれ、蓄電池システムから電力を取り出すことが可能である。蓄電池システムは、好ましくは、1つ以上のバッテリーによって提供される。バイホイール制御システムはCPU及びメモリを含み、制御アルゴリズムに従って、各ハーフシャフトへのトルクアシスタンスの送達を制御し得る。アルゴリズムにより、既定のアシスタンスレベル及びセンサーからの信号に応答して、制御システムを駆動させる。センサーは、任意のペダルに加えられた推力、任意のペダルのケイデンス、対地速度、メインホイール速度、コックピットの姿勢、地面の傾き、及び道路キャンバーのいずれかまたは全てに敏感である。既定のアシスタンスレベルは、運転手によって手動の選択によって設定され得る。加えられたトルク及びコックピットの姿勢に応答して、アシスタンスレベルを制御することによって、制御システムは、ペダルに加えられるどんな推力でも、コックピットの姿勢を安定させるように働く。また、蓄電池システムへの充電を回復するために、回生制動のためにモーターを使用し得る。好ましくは、ペダルアシストは、安全のために運転手用ペダルだけによって作動する。
【0016】
駆動ホイール、ひいてはメインホイールを制動するために、ブレーキが提供される。好ましくは、ブレーキは、各モーターにそれぞれ搭載されたディスクブレーキである。
【0017】
ステアリングは、好ましくは、手動制御に応答する。手動制御は、好ましくは、ジョイスティックである。手動制御部は、運転席と助手席との間の中央制御コンソールの中央に、または運転席のアームの外側に搭載され得る。したがって、車両は、道路のどちらの側でも対応国際的な使用に望まれるように、どちらかのシートからでも制御され得、そして、運転手が乗車時にジョイスティックにぶつからない。制御システムは、動作時にバイホイールを左または右に回転するために、ジョイスティックの動きに応答して、各ホイールに非対称的にトルクを加える、または制動するように構成される。静止時、ジョイスティックの作動は、それ自体の長さでバイホイールを回転させる、または逆トルクを加えるために、制御システムを駆動して、反対のトルクを各々のモーターに加え得る。
【0018】
大きいサイズのメインホイールは、開始時に克服することが困難である摩擦力及び慣性力が必然的に生じる。したがって、マニュアルハイブリッド電気車のバイホイールの制御システムは、バイホイールが静止することを示す速度センサー等のセンサーに応答して、開始時にパワーアシスタンスをメインホイールに適用して、運転手によってペダルに加えられた力をアシストし得る。
【0019】
ジョイスティックを中央に位置付けることによって、いずれか1つのシートは、運転席として役割を果たし得る、隣接するシートは助手席として役割を果たす。
【0020】
モーター及びブレーキは、ペダルの動きに応答して前進するように制御されている。ジョイスティックが左に移動するときに左折が実施され、ジョイスティックが右に移動するときに右折し、そして、ジョイスティックのボタンを押した後、引き戻すとバックする。旋回半径は、好ましくは、ジョイスティックの動きの程度に比例する。静止時にジョイスティックが左に傾くとき、結果として生じるスピンコマンドは、車両は即座に反時計回りに動き、また、静止時にジョイスティックが右に傾くとき、車両は即座に時計回りに動く。即座に回るとき、ホイール速度はコントローラーによって制限され得る。コントローラーは、スピンコマンドに応答して、車両の外側から見える警告灯と、旋回中であることを示す音警告とをアクティブにし得る。
【0021】
動作時、バイホイールは、2つのメインホイール及びリアジョッキーホイールで静止する。ホイールキャンバーは、剛性シャーシ及び/またはモノコックと相互作用して、ピッチの動きを阻止して、ジャービリングを停止する。
【0022】
ガービリングは、さらに、各シート、モーター、及びサスペンションアセンブリの大部分を含むバイホイールのコックピットに搭載された構成要素の配置によって阻止され、ペイロードがない状態で、重心がニュートラルになる。この配置により、駆動モーター及び制御システムのそれぞれに必要な安定化動作を最小にし、したがって、バイホイールの総合エネルギー効率が高まる。
【0023】
バイホイールは、乗客または運転手がシートから立ち上がるとき、またはシートに座るとき、通常の乗客及び/または運転手の動きで、全く前揺れしないように、重心を有するように設計されている。
【0024】
しかしながら、誰かが乗るために車両の前部を引っ張る場合、または誰かが車両内で前のめりになる場合、バイホイールのコックピットは前揺れし得る。この影響を軽減するために、バイホイールは、好ましくは、静止時に地面に接触する静止位置から、車両が動作中であるときの上昇した運動位置まで動作可能なフロントジョッキーホイールを有する。静止位置から運動位置までのフロントジョッキーホイールの運動は、好ましくは、コックピットの内側に配置され、運転手によってアクセス可能であるフットペダルを用いて実現される。パーキングブレーキは、フロントジョッキーホイールまたはリアジョッキーホイールの両方またはいずれかに提供され、静止時にバイホイールの運動を防止し得る。「ハンドブレーキ」は、パーキングブレーキを作動させるための制御コンソールに設けられ得る。
【0025】
シート(「トランク」エリア)の後方の荷物スペースにアクセスするために、また、シートを使用位置に戻す前に荷物スペースに荷物を置くまたは回収するために、各シートは、空いているときに使用位置から積載位置に移動するように搭載され得る。シート位置は、異なってサイズ決定された個人を収容し、ペダルに到達するように調整され得る。乗客は、パーソナルスペースの体感的かつ実際の増加を実現するために、助手席を運転席の後方に比較的隣接するように移動できる。
【0026】
コックピットは、前述の構成要素が取り付けられる管状要素から製造された立体フレームを含み得る。便利に、フロントウィンドスクリーンパネル、リアウィンドスクリーンパネル、キャノピーパネル、及びフロアモールディングのいずれかの選択について、それらは、立体フレームに取り付けられ、自然の力からの保護を提供して、バイホイールの空力性能を向上させ得る。パネルは、立体フレームを強化し、同様に、自然の力及び衝突からの保護を提供するための構造要素であり得る。バイホイールの変形例では、パネルは、立体フレームが交換されるモノコックに統合される。
【0027】
バイホイールの変形例では、重量を減らすために、天候耐性のボディパネルまたはモールディングの任意または一部がない状態で設けられ得、管状要素から製造された立体フレームだけに依存し、メインホイールサスペンション、推進システム、シート、及び制御システムを支持し得る。
【0028】
好ましくは、キャノピーパネルは、直接、複合成形屋根(キャノピー)にある樹脂に組み込まれた可撓性ソーラーパネルアレイまたはソーラーセルを含む、またはそれを支持して、蓄電池システムに充電を提供する。
【0029】
好ましくは、蓄電池システムは取り外し可能再充電可能メイン電池パックを含み、これは、主電源から充電するために、標準的な主電源充電ソケットから充電するために、取り外され、運ぶことができる。また、このシステムは、代わりの充電電池との第1の放電メイン電池の交換を容易にし、電池を充電するために必ず生じる遅延を未然に防ぐ。このシステムは、また、取り外し可能な電池が取り外されるとき、ソーラーパネルから荷電をキャプチャする第2の固定補助電池を有し、電池管理及びモーター制御システムと一緒に、パワーステアリングへの電力の提供を保証する。固定式補助電池は電池ハウジングに搭載される。走行ライト、ブレーキライト、及び方向インジケーターライトは、前方及び後方のウィンドスクリーンに対して直接搭載され、蓄電池システムから電力供給され得る。
【0030】
本発明の第2の態様によると、バイホイールが提供され、バイホイールは、回転するためにシャーシ(またはモノコック)を支えるペイロードで支持された分離したメインホイールのペアを備え、各メインホイールは異なる交差軸を中心に回転し、各軸が共通面にあることにより、各ホイールの底は、地面に接触し、頂点よりも比較的さらに遠くに分離される。
【0031】
本発明の第2の態様は、当業者に容易に明らかになる方式で前述した特徴と組み合わされ得る。
【0032】
本発明の第3の態様によると、足踏み推進車両が提供され、足踏み推進車両は、人間と、人間の足元によって押されるように配置された左ペダル及び右ペダルと、を収容するシートまたはサドルを備え、該ペダルのそれぞれは足踏み機構を作動させるように構成され、足踏み機構は、共通ベアリング軸の周りで相互に回転するように構成されたクランクアームと、ペダルと共通ベアリング軸との間でクランクアームに枢動可能に取り付けられた引っ張りアームと、を備え、該クランクアームはクランクアームをローターアームに連結し、該ローターアームは駆動軸とともに回転するように結合され、それによって、推力がペダルに加わることで、ローターアーム及び駆動軸が回転する。
【0033】
好ましくは、左足踏み機構及び右足踏み機構は位相がずれて配置されている。より好ましくは、左足踏み機構と右足踏み機構との間の位相角は、0°ではなく、180°でもない。
【0034】
足踏み機構は、二輪車、三輪車(地面に接触する3つのホイール)または四輪車(地面に接触する4つのホイール)のトランスミッションにトルクを送達するように構成され得る。バイホイールの任意の実施形態では、側面の入口開口部は、開放可能ドアパネルによって覆われ、要素からの乗員の保護がさらに高まり得る。
【0035】
ドアパネルは、シャーシリングもしくはモノコックに固定される構造であり得る、または、側面入口の経路から外に容易に押し出されるコックピット構造の内側に締められた可撓性透明布製パネルであり得る。
【0036】
ここで、本発明に従って作成されたバイホイールの実施形態は、添付図を参照して、単なる例として詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】NW等角図である。
図2】SW等角図である。
図3】右側面図である。
図4】サスペンションアセンブリを示すために、リングフェアリングが除去されている右側面図である。
図5】上部サスペンションアセンブリの拡大右側面図である。
図6】駆動ホイールサスペンションアセンブリの右側面の詳細拡大図である。
図7】駆動モーター及びディスクブレーキアセンブリのSW等角切断図である。
図8】フロントジョッキーホイールキャンバーの位置と、左軸及び右軸の位置とを示すバイホイールの正面図である。
図9】バイホイールの背面図である。
図10】メインホイールのリム及びタイヤを通る拡大断面図である。
図11】コックピット立体フレーム及びドライブトレインの要素のNW等角図である。
図12】コックピット立体フレーム及びドライブトレインの平面図である。
図13】駆動位置におけるシートの左側面図である。
図14】荷物スペースのアクセス位置におけるシートの左側面図である。
図15】キャノピー及び各ウィンドスクリーンのシャーシリング、サスペンションアセンブリ、ならびにリムが除去されている平面図である。
図16】リングフェアリングが除去されているNW等角図である。
図17】リングフェアリングが除去されているSW等角図である。
図18.1】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図18.2】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図18.3】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図18.4】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図18.5】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図18.6】サイクル中の足踏み機構の動作位置を図で示す。
図19】バイホイールの第2の実施形態のNW等角図である。
図20】第3の実施形態のNW等角図である。
図21】第3の実施形態のSW等角図である。
図22】リアジョッキーホイールサブアセンブリの斜視図である。
図23】フロントジョッキーホイールサブアセンブリの斜視図である。
図24】上昇位置及び下降位置におけるジョッキーホイール及びフロントジョッキーホイールの設置を示すバイホイールの側面図である。
図25】着席状態のシートサブアセンブリの側面図である。
図26】荷物アクセス状態まで回転した図25のシートサブアセンブリの側面図である。
図27】シートサブアセンブリの上方及び一側面からの斜視図である。
図28】下及び一側方からのシートサブアセンブリの斜視図である。
図29】足踏み機構ペダルアシストドライブトレインが装着された二輪車の平面概略図である。
図30】足踏み機構ペダルアシストドライブトレインが装着された三輪車の平面概略図である。
図31】足踏み機構ペダルアシストドライブトレインが装着された四輪車の概略図である。
図32】四輪車用に構成された足踏み機構サブアセンブリの斜視図である。
図33】フロントジョッキーホイールアセンブリの搭載機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
示されるバイホイールは、左メインホイール1及び右メインホイール2を有する。各ホイールは、コックピット構造3上でサスペンションアセンブリ7によって支持され、各々、左軸AL及び右軸ARを中心に回転する。図8に最良に確認できるように、各メインホイールの底が地面Gで静止するとき、軸AL及びARは、各々、-88.5°及び+88.5°の角度で地面に対して傾斜する。
【0039】
ホイール1、2のそれぞれは高強度鋼から製造された管4を備える。最初、管は円形の断面であるが、製造中、ローラー間で加圧され楕円になる。次に、楕円形管はさらに圧延され、凹5が形成される。次に、この断面は円形ホイールリムの中に圧延され、凸表面は軸に対面し、凹表面は軸から離れて対面し、凹表面は、必ず、凸表面に連結するように周りに延長する凸セクションリム機構によって境界付けられる。次に、固体ポリマーはホイールリム上に成形される、または事前に押し出されたポリマータイヤは、タイヤ6を形成するために接合される。リム5に対して支えるタイヤ6の表面は、凹モールディング内に貫入し、凹セクション機構を結合する凸セクションリム機構5.1と重なる。
【0040】
コックピットは、鏡像のように同様の2つの略円形の左側フレーム8及び右側フレーム9から形成された管状立体フレームを備える。各サイドフレームは水平ビーム10、アクスル支持ビーム11によって離間された関係で支持され、それらのビームは、サイドフレーム上でフランジに堅く固定される。各サイドフレームは、半径方向外向きに延長する管及び弓状管の部分から形成された3つのローブ12との間に跨る弓状管の3つのセグメントを有する。サスペンション取り付け用フランジ13は、各ローブに溶接することによって固定される。使用するために配向されるとき、2つのローブは、それらの間のラインが地面に実質的に平行に、また搭載されたメインホイール1及び2の底の上に伸びるように配置されている。したがって、前方ローブ、後方ローブ、及び頂点ローブが存在する。第3のローブはサイドフレームの頂点に配置されている。
【0041】
サスペンションアセンブリ7のそれぞれは、弓状リーフスプリング14を備え、弓状リーフスプリング14は、炭素繊維から製造され、それぞれをサスペンション取り付け用フランジ13のそれぞれにボルト締めすることによって中間に固定され、その結果、各リーフスプリングの自由端は実質的に円周方向に延長する。ナイロンブロック13.1は、フランジ13に固定され、リーフスプリング14とフランジとの間で着座し、リーフスプリングの設置を容易にする。前方ローブサスペンション及び頂点サスペンションの場合、アイドラホイール15はリーフスプリングの各自由端に搭載される。後方ローブサスペンションアセンブリの場合、アイドラホイール15の1つはリーフスプリングの一端に搭載される一方、駆動ホイール及びモーターアセンブリ16は他端に搭載される。アイドラホイール15のそれぞれは、メインホイールリム1,2の凸半径方向内面を受けるように適応する凹リムを有し、その結果、コックピットはメインホイールとともに同軸上に吊るされ、各メインホイールはその中心の周りで独立して回転できる。アイドラホイールはリムの側方を伸び(支え)、駆動ホイールは、リムの上部(内側)を伸びる(支える)。硬質摩耗摩擦コーティングは、より大きいトラクションを生じさせるためにリムの上部に塗布され、摩擦防止コーティングは、アイドラが可能な限りわずかな摩擦で速く移動するために、リムの側面に塗布される。
【0042】
ホイールセクションの剛性及びサスペンションアセンブリによって提供された支持により、ホイールリムの内側のスペースが妨げられていない状態のままになる。したがって、コックピットのペイロードスペースへのアクセスは、メインホイール及びサイドフレームのいずれか一方で、容易に実現できる。弾性バンプストップ64は、各々のサイドフレームローブ12のそれぞれの端でブラケット65上にそれぞれ1つずつ搭載され、ブラケットとリーフスプリングとの間でスペースをブリッジする。バンプストップ64をブラケット65から取り外すことで、初期の組立中または後続のメンテナンス中に、メインホイール1,2のいずれか一方をアイドラホイール15及び駆動ホイール16の上に取り付けることを容易にする。バンプストップ64のそれぞれの弾力性により、その各々のブラケット65上で設置を容易にし、メインホイール1,2のそれぞれがアイドラホイール15及び駆動ホイール16と係合したままになることを確実にする。逆に、各々のメインホイール1,2と関連付けられたバンプストップ64のそれぞれの取り外しは、メンテナンス中にメインホイールの取り外しを容易にする。さらに、バンプストップ64の弾性力は、バネ剛性を効果的に増加させ、より多くの衝突エネルギーを吸収し、サイドフレーム及び車両乗員を保護する働きをする。バンプストップ64のそれぞれは、力を徐々に増加させることでサスペンションの進行を制限する円錐セクションがある。サスペンションアセンブリの組み立ての最後にバンプストップを挿入することにより、アセンブリを安全に適所に固定して、ゴムの柔軟性により、組み立てを容易にすることが可能になる。
【0043】
左側駆動ホイール及びモーターアセンブリ16は図7に詳細に示される。メイン駆動ホイール17は、電気モーターのケーシング18で回転するように搭載されている。駆動ホイールは、アイドラホイールの直径よりも実質的に大きくなるが、また、メインホイールリムの凸内面と係合する凹ゴムセクション19を有する。ナイロンフランジ19.1は、駆動ホイールがリムから落ちることを阻止する。凹セクションは、高摩擦材料と直線上に並び、駆動ホイールとメインホイールとの間でトラクションを改善し得る。モーターの直立体アセンブリ20は、リーフスプリング14の前端に固定される。ブレーキディスク21は、ケーシング18と同軸上に、かつケーシング18の内部に固定され、直立体アセンブリ20に搭載されたディスクキャリパー21.1のパッドの間に伸びる。外部駆動軸22は太陽ギア24に結合され、太陽ギア24は遊星ギア24.1と係合し、遊星ギア24.1はケーシングの内側の環状リングギア24.2に係合し、それによって、モーターの直立体及びローター、または外部駆動軸に印加された電流の相互作用の両方またはいずれかからケーシングにトルクを加えることができる。電気モーターは、ローターケーシング18に回生制動を適用するように動作でき、ローターケーシング18は、必要なとき、ブレーキディスクへのディスクブレーキキャリパーの適用によって補完でき、それによって、左メインホイール1と係合する駆動ホイールを制動する。右側駆動ホイールアセンブリは左側駆動ホイールアセンブリの鏡像のようである。
【0044】
モーター速度を検知するための磁石23.1は、駆動ホイール17のフランジに配置され、センサーとインタラクトし、それによって、駆動ホイール速度は検知され、コントローラーにレポートされる。コントローラーは、ジョイスティックからの入力データと、対応するメインホイール1,2からの出力速度データと一緒に、モーターの出力速度データとを比較して、モーター、駆動ホイール17、またはメインホイール1,2のいずれかの滑りが存在する場合、メインホイール1,2の入力意図と出力速度とのいずれかの相違が補正されることを確実にする。
【0045】
輪止めラッチ23及び大きいリングボールベアリング99により、駆動ホイールは、下り坂で、また、メインホイールが運動量を有するとき、惰性で動くことが可能になる。
【0046】
駆動軸22のそれぞれは左側ハーフシャフトアセンブリ及び右側ハーフシャフトアセンブリ25を備えるマニュアルトランスミッションに結合され、2つのハーフシャフトは、それぞれ、延長部26を伴う2つのユニバーサルジョイントを含み、これにより、ハーフシャフト25のそれぞれが、マニュアルトランスミッションのダブルフリーホイール差動装置27と結合することを可能にし、各ハーフシャフトが異なる速度で回転することが可能になる。結果として生じる関節式かつ伸縮自在に延長可能であるハーフシャフトにより、マニュアルトランスミッションは、駆動ホイール17を駆動させ、駆動ホイールの懸架動作に適応することが可能になる。ハーフシャフト25により、地面に対するホイールリム及びタイヤのアクションが可能になり、ピッチの動きを停止して、機械ピッチ制御の一部を形成する。最終の駆動スプロケット28の周りにある最終の駆動ベルト29は、乗客側の第2のベルト駆動スプロケット30に通じる。第2の駆動ベルト30は、シャフトによって、CVT自動ハブギア87に軸方向に結合される。CVT自動ハブギア87は、運転手の側で第1の駆動ベルト32に係合する別の中間スプロケットと軸方向に結合される。第1の駆動ベルト32は、ダブルフリーホイールカセット34上で軸方向に搭載された前方スプロケット33と結合する。ダブルフリーホイールカセット34は、前方スプロケット33を、左足踏みアセンブリ及び右足踏みアセンブリの両方またはいずれか1つに結合する。最終の駆動ベルト29が設置され、CVTハブギア87によって張力をかけられ、CVTハブギア87は、フロアに対して車両の前方にかつ後方に向かってスライドするハブギア取り付け用ブラケット31に搭載される。第1の駆動ベルトが設置され、フロアモールディングに取り付けられるフットペダル取り付け用ブラケット31.1のスロットにおける調整可能な位置でプーリー31.2によって張力をかけられる。
【0047】
アクスル支持ビーム11は、足踏みアセンブリ35及び36のそれぞれ、ダブルフリーホイール34を支持し、それによって、足踏みベルトプーリー33も支持することになる。足踏みアセンブリのそれぞれは、各々の左右の足踏み駆動軸37を含み、アクスル支持ビーム11によって支持された駆動軸37に結合される。足踏みアセンブリのそれぞれは、他のものと鏡像のようになるが、ただし、ダブル差動装置フリーホイール34によって乗客及び運転手のペダルの独立運動に適応できることと、乗客側及び運転手側の駆動軸が異なる長さであることとを除く。図18に示されるように、足踏みアセンブリは、対応する右クランクアーム40及び左クランクアーム41で回転可能に支持された左ペダル39に隣接して配置された右ペダル38を備える。各クランクアームは、ピボット42によって提供された共通軸上でベアリングの周りで回転を往復させるために搭載される。ドローアーム43,44は、軸42とペダル38,39との間に位置するベアリングから延長して、足踏み駆動軸37に結合されたカムまたはローターアーム45,46の端に取り付られる。アームが足踏みリンク機構を備えることにより、一方のペダルが遠方位置に向けて押されるとき、他方のペダルは、すぐに押すことができる近くに位置に戻る。足踏み駆動軸は、2つのフリーホイール34を収容する中央カセットボディの対応する左側または右側まで伸び、それによって、一方の方向で前方スプロケットにトルクを加えることができる。図18.1は、左ストロークにおいて右ペダルが上がり、左ペダルが下がっている状態を示す。図18.2は右ストロークの中間位置を示し、図18.3は、右ペダルが下がり、左ペダルが上がっており、ペダルの最後の動きで、カムを中心に押し出している状態を示す。同様に、図18.4は左ストロークを示し、左ペダルが上がり、右ペダル下がっている、カムが中心を越え始めている。左ストロークは、図18.5に示される中間ストローク位置に移動し、その後、図18.6に示されるペダルを下げる動きの最後に進み、ペダルを下げる動きの最後で、左ペダル及びカムが中心を越える開始位置に強制的に進む。足踏みアセンブリは、0°よりも大きく180°未満の位相角と位相が著しくずれて配置され、その結果、左右のドローアームのそれぞれは、決して、同時にクランクアームと直線状に並んで静止することができない。この配置の結果として、足踏み機構は、固定してロックアウトまたは反転できない。各足踏みアセンブリの左ペダル及び右ペダルの位相がずれているため、足踏み駆動軸に加えられたトルクは各サイクルにわたって比較的平滑化される。左右ペダルのアセンブリのそれぞれのペダルは、任意の他のペダルの位相をずらして設定されているため、足踏み駆動軸に送達されたトルクがさらに平滑化される。この配置の効果は、足踏み駆動軸37へのトルクは、ペダル38,39の開始位置がどんな位置でも単一方向に加えられ、ペダルが動作中であるとき、決してゼロにできないことが確実になることである。
【0048】
したがって、ペダルへの動力、ひいてはバイホイールを推進するための動力は、2つの隣接するシート48,47のうちの一方に座っている運転手と、シートのうちの他方に座っている乗客とによって伝えられ、推力をペダルにそれらの足元を用いて加える。図面に示されるように、シートは管状アルミニウムシートフレームから作成される。フレームは、発泡体及び低エネルギー消費の加熱素子を伴うメッシュ材料シートカバー、または導電材料層で覆われ、これらは、コンソールのボタンからオンにできる。抗菌メッシュシートカバーは、良好な換気及び低電力加熱を可能にする。
【0049】
シートの変形例では、成形された亜麻布張りバケットシートは、管状アルミニウムフレームシートの代わりに提供され得、統合型加熱素子を含み得る。
【0050】
フリーホイールにより、ペダルアセンブリの一側だけを介してバイホイールを推進することが可能になる。トルクセンサー及びケイデンスセンサー(図示されない)は、運転手側及び乗客側のそれぞれに配置され、加えられたトルク及び速度の信号をコントローラーに送る。しかしながら、コントローラーは、運転手のトルクセンサーだけに応答して、モーターを作動させる。運転手がブレーキをかけるとき、乗客はペダルを踏むことができない。
【0051】
蓄電池システムは、蓄電池ハウジング49のコックピットの中央に配置されている。蓄電池ハウジング49は、取り外し可能再充電可能電池78と、コンパートメント86にある固定電池85とを含む。取り外し可能な電池78は、電池の取り外しを容易にして、充電用の標準的な主電源ソケットに電池を支えるハンドル90を有する。固定電池は、コックピットの上部で支持されたキャノピーパネル51に配置されたソーラーパネルアレイ50から電荷を集めたままになる。ソーラーパネルアレイは、キャノピーの弓形形状に適合する可撓性ソーラーパネルから製造されている。変形例では、ソーラーセルは、複合モノコックルーフ内の樹脂に組み込まれている。
【0052】
蓄電池システムは、中央コンソール53上に搭載されたジョイスティック制御52に応答して、制御システムによると、各モーターに電力を送達できる。バイホイールの変形例では、コンソールは運転手の側に配置できる。制御システムは、また、姿勢センサーを含む様々なセンサーに応答して、ピッチの動きを最小にするために、モーターへのトルクの送達を制御し得る。ジョイスティック52は、また、ボタン52.2を支持し、ボタン52.2は、バイホイールのボディに搭載された前方、後方、及び側方のインジケーターライトを制御する。デッドマンのハンドルボタン52.1は、ジョイスティックの側方に提供され、このボタンが動作中に解放される場合、ブレーキを徐々にかけて、バイホイールを停止させ、危険を示す光を点滅させる。
【0053】
アームレスト53.2にある制御パネル53.1は、フロントライト及びテールランプ、ハザードランプ、サイドリングライト、クラクション、暖房シート、及びウィンドスクリーンワイパーに対するボタンコントロールを有し、中央コンソール53は固定具53.3を有し、固定具53.3によって、カバースロットを伴うスマートフォン53.4を車両マウント上に固定する。スマートフォンは車両のディスプレイである。車両の設定及び好みは運転中ではないときにスマホから制御される。スマートフォンのセキュリティ機能が有効になることによって、運転手だけ、スマホの顔認識識別ソフトウェアを使用して、車両を使用できる。パーキングブレーキは、スマホに登録された運転手だけに対して解除される。
【0054】
スマートフォンは、バイホイールの全ての他の制御及びフィードバック表示に対するインターフェース及びコンソールになり、速度、充電状態、走行距離、再生中の音楽、GPS位置、乗車地点、目的地、乗客の詳細情報、受けているペダルアシストの程度、気温、シートの温度、消費カロリー、健康状態の統計値、オーディオトレーニングアドバイス等が表示される。この情報は、汎用スマートフォンにインストールされた運転手のアプリまたはウェブページを介して配信され得る。車両は、中央コンソール上で、かつ電池に対して直接、運転手のスマホ及び乗客のスマホの両方のための充電ポイントを有する。
【0055】
乗客用アプリは、タクシー機能特徴を有する。その機能は、場所、乗車地点、旅行及び目的地までの速度、運転手の詳細情報、カロリー燃焼に関する健康状態のフィードバック、及び乗客の心拍数モニター用ウェアラブル装置と結合される場合の健康状態レベル等が挙げられる。乗客は、他のフレンド及びタクシーユーザーとつながり、健康状態レベルの向上、通勤時のトレーニングのゲーム化、フィットネストレーニング中のソーシャルサポートの提供に関して互いに比較して競争でき、そして、乗客に対する健康状態の維持及び向上を奨励する。車両は、ランドマーク、歴史スポット、観光スポット、ショップ、レストランまでの場所、及び他の興味のある場所を通って運転しているとき、そのGPS位置センサーを使用して、そのローカルエリアの選択肢の興味深いローカル知識を乗客に提供する。このローカル知識は、乗客のスマホに表示できる、または乗客が選んだものを音で聞くことができる。スピーカーは、乗客の耳及び運転手の耳の各側に対するリングハウジングの一方の側の位置し、ステレオ効果を生じさせる。取り外し可能な電池は、充電状態と、そのような車両に関する警告等、他の制限がある絶対必須の車両のバックアップディスプレイのフィードバックとが見える、デジタルディスプレイを有し、同様に、それらの情報はスマホ上にも表示される。車両は運動センサーを有し、それによって、コントローラーは、誰かが車両に乗車している、または車両を動かしていることに応答して、内蔵カメラは自動的にオンになり、ビデオは、運転手のスマホに記録及び中継される。
【0056】
2つのブレーキレバー54は、ジョイスティック52に搭載される。ジョイスティック52は当接部による前進運動が防止され、当接部は、ジョイスティック及びブレーキレバーを通常一緒に等しく押し込み、各ディスクキャリパーを均等に作動させて、メインホイール1,2を制動することを可能にする。ブレーキレバー54は、パワーステアリングが故障した場合、手動ステアリング制御のために不均一にブレーキをかけるように独立して作動し得る。ラッチがハンドブレーキレバー54に適用できることによって、ブレーキレバーは、ブレーキ位置にラッチでき、その結果、キャリパーがメインホイールを制動することによって、パーキングブレーキ機能を駆動ホイール17に生じさせる。
【0057】
リアジョッキーホイール61及びフロントジョッキーホイール62のそれぞれは、パーキングブレーキを深く踏み込むために、第2の車両のためのパーキングキャリパー及びブレーキディスク、またはパンケーキブレーキを組み込んでいる。制御パネル53.1のボタンはコンソールに設けられ、そのボタンは、車両が乗車または降車のために静止しているときに両方のジョッキーホイールでパーキングブレーキをかけることが手動で操作可能である。動作中、ディスクブレーキ及び回生制動は、バイホイールを操縦または減速するためにジョイスティックに垂直に搭載されたブレーキレバーの運動に応答して作動し得る。
【0058】
コックピットは、フロントウィンドスクリーン75及びリアウィンドスクリーンパネル57を含む。フロアモールディング55は、トランクモールディング55.1と接する位置まで達する。トランクモールディングは、車両のシートベンチ及び後方トランクエリアを形成する。フロアのトランスミッショントンネルは、電子チャネル(キャビティ)97が成形され、トランクモールディング55.1の一部がチャネルの上部を覆うことで、電子ワイヤは自然の力から十分に保護される。車両はシングルスキンであり、この特徴がなければ、ワイヤは、自然の力から保護されない車両の外側、下側に伸びるであろう。
【0059】
フロアモールディングは、機内用フライトケース×2個、またそのケースの下に免税品を収納するのに十分に大きい保管スペース58を、運転手及び助手席のそれぞれの下に提供するように構成されている。運転手及び助手席のそれぞれが、請求項93の記載の見落としレバーカムラッチが解放され、シートの後方を締めるために使用したハーフパイプマウント構造82から滑り落ちるとき、シートの前方、及びシートマウント59でピボットの周りで旋回できる。これにより、トランクモールディング55.1で背もたれの後方に形成された保管用コンパートメント60へのアクセスを容易にする。トランクモールディングは、シートの後方に大きいサイズのスーツケースを収容するようにサイズ決定される。シートマウントのスライドを調整することによって、シートからペダルまでの距離に、ユーザーの任意の身長を人間工学的に適合させるために、シート位置を調整して、パーソナルスペースの増加を生じさせることができる。シートピボット及びハーフパイプマウント構造82は、さらに、横方向に平行に延長するシートリーフスプリング91のペアに固定され、リーフスプリングは縦方向に平行に配向された2つのスライド機構92の間に跨る。リーフスプリングは、追加サスペンションを提供して、メインホイール1,2に加えられた衝撃から乗員(運転手または乗客)を隔離する。
【0060】
円形フェアリング72は、メインホイール1,2のそれぞれと、サイドフレーム8,9の弓状部分との間で延長するように搭載され、これは、サスペンションアセンブリをさらに保護し、そして、誰かが、メインホイールとサスペンションアセンブリ等との間に衣類、身体の一部等が軽率に引っ掛けるのを防止するための対策である。
【0061】
地面に接触するリアジョッキーホイールアセンブリ61は、バイホイールコックピットの後方から取り外せないように配備され、バイホイールから後方での縦揺れを防止する。図22に示されるように、リアジョッキーホイールアセンブリ61は、端に2つのシリンダーを伴うリアジョッキーホイールアーム61.1を備え、シリンダーはナイロンライニングが施され、管状リアシャーシビーム10でスライドして旋回する。ジョッキーホイールアーム61.1は、ナイロン製の円筒形ナイロンクランプ61.2でシャーシビーム10の適所に締められる。2つのボールベアリングは、ジョッキーホイールアーム61.1の垂直シリンダーセクションに収容され、ジョッキーホイールフォーク61.4の垂直アクスルを支持して、車両が曲がるときに旋回することを可能にする。キャリパーブレーキまたはパンケーキブレーキは、パーキングブレーキを提供するためにリアジョッキーホイールに設置され得る。
【0062】
フロントジョッキーホイールアセンブリ62は、コックピットの内側にフットペダルアクチュエーター62.1に応答する関節アセンブリに搭載される。駐車時、フットペダルは、地面と接触するようにフロントジョッキーホイールを下降させるように動作して、運転手または乗客の乗車中または降車中、バイホイールの縦揺れを防止する。出発時、ペダルは、フロントジョッキーホイールを上昇させて、地面から離れるように動作する。上昇時、フロントジョッキーホイール62が上昇して、縁石を越え、したがって、車両はフロントジョッキーホイールよりもむしろ、2つの大きいホイールが縁石よりも上がる。また、前方及び後方に対する縁石とのいずれかの衝突は、サスペンションが垂直及び水平の両方に働くとメインホイールのサスペンションを通して吸収される。図23は、フロントジョッキーホイールアセンブリを詳細に示す。これは、ペダルのボディの内側に位置するラチェット機構を用いて、回転シャフト62.2に搭載されたフットペダル62.1を示す。回転シャフト62.2は、ペダル62.1の縦軸に垂直に延長して、フロントジョッキーホイールサスペンションアーム62.3に係合する。フロントジョッキーホイールアームアセンブリは、フロアモールディングクランプ62.6によってフロアに搭載される。フロントジョッキーホイールフォーク62.4は、サスペンションアーム62.3の前端から左右にわたり、フロントジョッキーホイールアクスル、ひいてはフロントジョッキーホイール62.5を支持する。リアジョッキーホイールと同様に、フロントジョッキーホイールは、パンケーキブレーキまたはキャリパーブレーキを含み得る。フットペダルの動作により、運転手は、フロントジョッキーホイール62.5を十分に上昇させて、正常運転のために縁石を越えることを可能にする。フロントジョッキーホイールが上昇するときのペダルの動作により、ラチェットが機構から外れることにより、アームは、ホイールを下降させ地面に接触して、ラチェットが再度係合すると適所にラッチされる。
【0063】
図33は、フロントジョッキーホイールをバイホイールに固定するための取り付け用ブラケットを示す。シャフト62.2の左側端は、スリーブと結合されるベアリングハウジング101に収容されたベアリングのソケットにはめられ、スリーブから、歯104が放射状に配列されている。フットペダル62.1の下端のチャンバー内で、スリーブ及び歯を受け、その場所では、歯はラチェット機構と協調する。ベアリングハウジングは、直角ブラケットを含む取り付け用ブラケット構造103の一部を形成し、直角ブラケットによって、機械ねじは、トランスミッショントンネルの一側にブラケットを固定できる。第2のジョッキーホイールトラニオンシャフトは、シャフト62.2と同軸に延長し、構造106に収容されたベアリング107のソケットで受けられる。構造103と同様に、構造106は、ベアリングの軸に平行に位置する部分を有し、トランスミッショントンネルに隣接するバイホイールのフロアに構造106を固定するために、ベアリングを通して、機械ねじを受けることができる。この状態では、ベアリングにより、トラニオンシャフトが回転することを可能にする。ペダル62.1は、ボディと、ボディ上に枢動可能に搭載されたフットレスト部と、から成る。運転手がピボットの上にあるフットレストの一部に力を加えるとき、ラチェット機構が外れ、ジョッキーホイールの持ち上げを容易にし、そして、運転手がピボットの下にあるペダルの一部に力を加えるとき、ラチェット機構が解放するまたは反転することで、フロントジョッキーホイールは、地面に接触するように下降し、地面の接触位置でロックすることを可能にする。
【0064】
「U」字形のアンチピッチバー63は、前方に突出するようにアクスル支持ビーム上に搭載される。通常、「U」字形のアンチピッチバーは、デジタルかつ機械的なアンチジャービリングシステムと、フロントジョッキーホイールの存在とに起因して使用されない。これらの「U」字形アンチピッチバーは、フロントジョッキーホイールが落下しており、他の全てのアンチジャービリングシステムが故障している場合、故障モードだけに使用されるであろう。それは、車両がジャービリングを生じさせる可能性がない最終的な保護手段である。これらのU字形バーは、車両が地面に接触した場合に回転するのではなく、スライドすることを確実にするために、追加の小さなランナーホイールを有し得る。
【0065】
外側リングフェアリング72及び内側リングフェアリング72.1は、サスペンション機構、駆動ホイールアセンブリを天候から保護し、指または衣服が機構に巻き込まれるのを防止する。内側フェアリング及び外側フェアリングの両方は、標準的な塗装ボディ部分に見えるようだが、車両が即座に曲がるとき、または制御コンソール53のボタンが夜に押されるとき、4個のリング(内側及び外側)の全ての先端が点灯する。リングフェアリングは、エレクトロルミネセント塗料で処理され、電流は、銅リボン、またはモールディングの内側のリングフェアリング上のワイヤによって運ばれる。光リングはコントローラーによって駆動され得、特に、バイホイールが垂直軸で回転する場合、点滅し得る。バイホイールの変形例では、光リングは、LEDリボンライト、もしくはストリップ、または用途に適したいずれかの他の光源に置き換えられ得る。
【0066】
図19は、同様に列挙された同様の構成要素を有する本発明の第2の実施形態を示す。立体フレームコックピット構造は、モノコック構造66に置き換えられる。モノコック構造は概して円筒形であり、3つの構造の成形部分から組み立てられ、安全のために、入口及び地面クリアランス平らな床面積を提供する。モノコック66は、フロアモールディング55、トランクモールディング56、及びルーフモールディング68から組み立てられる。フロアモールディング55は、外側からアクセス可能であるドライブトレイン用の統合型トランスミッショントンネルキャビティを有する。組立中、ドライブトレインは、最初に、上下逆のフロアモールディングに搭載され、ワイヤはフロアモールディング55の成形溝機構内に伸びる。剛体シートベンチ機構を含むトランクモールディングは、中央フロアトランスミッショントンネルの上部に、またフロアモールディングの両側の構造に着座し、ひいては、シートの下に保管エリアの確保を容易にしながら、3つの強い接点を作成する。組み立てられたフロアモールディング55及びトランクモールディング56は、要素から十分に包囲されているワイヤを伴う半円下部モノコック構造を作成する。次に、上側半円ルーフモールディング68は上部に下降し、フロア/トランクモールディング半分部に入り込み、強いモノコックを形成する。モノコックリム70はサイドフレーム8及びサイドフレーム9が交換される。つまり、サスペンションアセンブリ7は、リム70の周縁の周りに、それぞれ配置された3つの取り付けブロック71のそれぞれに搭載されることになる。したがって、コックピットは、スチールまたはアルミニウム製の管から製造されたコックピット、及び取り付けられたパネルよりも強くかつ軽くなる。
【0067】
図20、及び特に図21は、バイホイールの第3の実施形態を示し、前述した手動ペダルアシスタンスシステムをなくし、バイホイールが単に電気モーターを介して電力供給される。また、図1は、透明のフロントウィンドスクリーン75に光が当たるように搭載された前向きスポットライトユニット74のペアを示す。ヘッドライトは、バイホイールの前方でビームを投影して、前方の視野を照らすように構成される。ヘッドライトユニット74のそれぞれは、ヘッドライトレンズを包囲するリングライトを含み得る。リングライトは、運転手の方向転換の意図を示す黄色に点滅するために制御されたインジケーターライトを提供する、または制御パネルの手動制御に応答して危険警告を提供する。リアランニングライト及びブレーキインジケーターライトのアセンブリ76のペアは、透明のリアウィンドスクリーンパネル57に光が当たるように配置されている。各ライトアセンブリは、ブレーキの適用に応答して赤の中央ライト及びリングライトを提供して、制動下で警告灯を提供し、フロントライトと同様に、ライトユニットは、黄色に点滅して、方向を変える意図を示し得る、または危険警告を提供し得る。チゼルライト77は、ブレーキの動作に応答して、照らすように構成されたリアウィンドスクリーンの上に配置されている。
【0068】
シートベルト出口スロットと統合されたスピーカーグリル及びラウドスピーカー78はシートベルト支柱ループ79に搭載され、シートベルト支柱ループ79は、使用しやすくするために回転でき、シートベルト支柱ループ79は、延長するマウント80.1に搭載されたシートベルトディスペンサースプール80から、シートベルトレシーバー81まで延長して、それに固定される。
【0069】
シート解放クランプ82は、シートスライダー92に固定されたシートサスペンションリーフスプリング91に搭載された下部構造を締めて、シートスライダー92は、トランクモールディング56のシートベンチに固定される。オーバーセンターカムに取り付けられたレバーを用いてクランプが解放され、次に、クランプは、リーフスプリングに搭載された下部ハーフパイプ構造から横にスライドして外れる。クランプを解放するとき、トランクスペースにアクセスするために、シートを折ることができる。また、シートは前後にスライドして、異なる身長の人を収容できる、または、運転手に対してシートを調整することによって、より多くのパーソナルスペースを生じさせることができる。
【0070】
リアビュードアミラー83には、点滅可能インジケーターライトが設けられている。
【0071】
ライセンスまたはナンバープレート84は前方及び後方に搭載される。
【0072】
車両に絶対必須のバックアップディスプレイ88は、電池78に設けられ、電池の充電状態、警告、ギア、速度、時間等を表示する。
【0073】
自動ギアセンサー89には、ギアボックス87が設けられている。
【0074】
図29は、フォークに搭載された前方ステアリングホイール94と、ハンドルバーを支持する操縦管とを伴う二輪車に設置された上記に説明した足踏み推進機構の使用を示す。足踏み機構は、ペダル38,39によって手動で動作させ、トルクを自動ギアボックス87に提供し、自動ギアボックス87は、次に、ベルト、チェーン、またはシャフトドライブを介して、リア駆動ホイール95にトルクを送達する。バイホイールと同様に、リア駆動ホイールに結合された電気モーターを介してパワーアシスタンスを送達できる、好ましくは、ハブモーターを介して、またはハブギアボックスに送達される。モーター用の電力は電池78を介して提供される。コントローラー(図示されない)は、ペダルに加えられた力、車両の重量ならびに車両ピッチ(車両が上昇または下降することを示す)、及び道路速度を検知するように構成されたセンサーに応答して、パワーアシスタンスを管理する。
【0075】
図30は、二輪車の配置と概ね同様に搭載された前方ステアリングホイール94を有する三輪車の足踏み式パワートレインを示す。三輪車は、並んで乗っている乗客及び運転手を支えるように構成されている。ドライブトレインからの出力は、剛体であり得る2つのハーフシャフトに伝わるが、好ましくは、吊るされた左右の推進ホイール95のペアのそれぞれに結合された関節式ハーフシャフトに伝わり、三輪車シャーシが回る(傾く)ことで回転することが可能になる。推進ホイールのそれぞれは、図7に示されるアセンブリと概ね同様のハブ駆動モーターアセンブリ96で支持されるが、メイン駆動ホイール17を取り付ける代わりに、モーターケーシング18は、関連の地面に接触する推進ホイール95を直接搭載して、それを駆動する。
【0076】
図31は、図30の三輪車と概ね同様であるが、当業者に既知の方式で平行四辺形機構を使用して通常操縦される平行ステアリングホイールのペアを有する四輪車に配備された足踏み式パワートレインを示す。それ以外の場合、ドライブトレインは、三輪車用のものと同様である。
【0077】
図32は、図31の四輪車で使用される電動アシスト付き足踏み式パワートレインの斜視図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18.1】
図18.2】
図18.3】
図18.4】
図18.5】
図18.6】
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【国際調査報告】