(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-20
(54)【発明の名称】FDDおよびTDD通信システムの非中断フェーズドアレイ較正
(51)【国際特許分類】
H04B 17/12 20150101AFI20240912BHJP
H04B 17/21 20150101ALI20240912BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20240912BHJP
H04B 7/08 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
H04B17/12
H04B17/21
H04B7/06 150
H04B7/06 982
H04B7/08 982
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544362
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022045646
(87)【国際公開番号】W WO2023059617
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524128394
【氏名又は名称】エヌイーシー アドバンスト ネットワークス, インク.
【氏名又は名称原語表記】NEC Advanced Networks, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】ナードッザ, グレッグ エス.
(72)【発明者】
【氏名】マージン, ジィオバンニ
(72)【発明者】
【氏名】フェン, イーピン
(72)【発明者】
【氏名】フライ,ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】バヌ, ミハイ
(57)【要約】
通信チャネルの動作搬送波の下側に下側保護周波数帯を割り当て、動作搬送波の上側に上側保護周波数帯を割り当てたフェーズドアレイ・システムにおいて送信機チェーンを較正する方法は、送信機チェーンに第1の較正トーンを挿入する工程と、送信機チェーンの末端への第1の較正トーンの到達を検知し、そこで第1の検知較正信号を生成する工程と、を含む。その後、第1の検知較正信号と、挿入した第1の較正トーンとを比較して第1の比較信号を生成する。その後、第1の比較信号に基づいて送信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する。第1の較正トーンは、送信機チェーンの通信チャネルの下側保護周波数帯および上側保護周波数帯のいずれか一方に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信チャネルの動作搬送波の下側に下側保護周波数帯を割り当て、前記動作搬送波の上側に上側保護周波数帯を割り当てたフェーズドアレイ・システムにおいて送信機チェーンを較正する方法であって、
前記送信機チェーンに第1の較正トーンを挿入して、前記第1の較正トーンを前記送信機チェーンの前記通信チャネルの前記下側保護周波数帯および前記上側保護周波数帯のいずれか一方に配置する工程と、
前記送信機チェーンの末端に到達する前記第1の較正トーンを検知して、第1の検知較正信号を生成する工程と、
前記第1の検知較正信号と、挿入した前記第1の較正トーンとを比較して、第1の比較信号を生成する工程と、
前記第1の比較信号に基づいて、前記送信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記上側保護周波数帯および前記下側保護周波数帯のいずれか一方は、前記下側保護周波数帯であり、
前記方法は、
前記送信機チェーンに第2の較正トーンを挿入して、前記第2の較正トーンを前記送信機チェーンの前記通信チャネルの前記上側保護周波数帯に配置する工程と、
前記送信機チェーンの末端に到達する前記第2の較正トーンを検知して、第2の検知較正信号を生成する工程と、
前記第2の検知較正信号と、挿入した前記第2の較正トーンとを比較して、第2の比較信号を生成する工程と、
をさらに含み、
前記送信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程は、前記第1の比較信号および前記第2の比較信号に基づくことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
いずれのモバイル機器とも通信していない間に保護期間が設けられたフェーズドアレイ・システムにおいて送信機チェーンを較正する方法であって、
前記保護期間中に、前記送信機チェーンに較正トーンを挿入する工程と、
前記送信機チェーンの末端に到達する前記較正トーンを検知して、検知較正信号を生成する工程と、
前記検知較正信号と、挿入した前記較正トーンとを比較して、比較信号を生成する工程と、
前記比較信号に基づいて、前記送信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記保護期間は、送信期間の終了時と受信期間の開始時との間に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記保護期間は、送信期間と受信期間との間に設定されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記保護期間は、受信期間に隣接していることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記保護期間は、送信期間に隣接していることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
通信チャネルの動作搬送波の下側に下側保護周波数帯を割り当て、前記動作搬送波の上側に上側保護周波数帯を割り当てたフェーズドアレイ・システムにおいて受信機チェーンを較正する方法であって、
前記受信機チェーンに第1の較正信号を挿入して、前記第1の較正信号を前記受信機チェーンの前記通信チャネルの前記下側保護周波数帯および前記上側保護周波数帯のいずれか一方に配置する工程と、
前記受信機チェーンの末端に到達する前記第1の較正信号を検知して、第1の検知較正信号を生成する工程と、
前記第1の検知較正信号と、挿入した前記第1の較正信号とを比較して、第1の比較信号を生成する工程と、
前記第1の比較信号に基づいて、前記受信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記上側保護周波数帯および前記下側保護周波数帯のいずれか一方は、前記下側保護周波数帯であり、
前記方法は、
前記受信機チェーンに第2の較正信号を挿入して、前記第2の較正信号を前記受信機チェーンの前記通信チャネルの前記上側保護周波数帯に配置する工程と、
前記受信機チェーンの末端に到達する前記第2の較正信号を検知して、第2の検知較正信号を生成する工程と、
前記第2の検知較正信号と、挿入した前記第2の較正信号とを比較して、第2の比較信号を生成する工程と、
をさらに含み、
前記受信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程は、前記第1の比較信号および前記第2の比較信号に基づくことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
いずれのモバイル機器とも通信していない間に保護期間が設けられたフェーズドアレイ・システムにおいて受信機チェーンを較正する方法であって、
前記保護期間中に、前記受信機チェーンに較正信号を挿入する工程と、
前記受信機チェーンの末端に到達する前記較正信号を検知して、検知較正信号を生成する工程と、
前記検知較正信号と、挿入した前記較正信号とを比較して、比較信号を生成する工程と、
前記比較信号に基づいて、前記受信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記保護期間は、送信期間の終了時と受信期間の開始時との間に設定されていることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記保護期間は、送信期間と受信期間との間に設定されていることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記保護期間は、受信期間に隣接していることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記保護期間は、送信期間に隣接していることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月4日に出願された米国特許出願第63/251,858号の優先日の利益を主張するものであり、その全内容は、本明細書中に参照として組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
フェーズドアレイ通信システムは、全アンテナ素子間のゲインおよび位相のコヒーレンスを維持するために、定期的に較正を行わなければならない。その方法としては、各素子を順繰りに較正して、温度変化による送信機および受信機チェーンの装置のばらつきに対して調整を行うというものがある。較正は、素子を非稼働状態にすることによって、素子毎に、すなわち一度に一つずつ行われることになる。較正トーンについては、単に、通信信号の中心に配置された連続正弦波トーンとすることができる。後述するが、較正トーンの送信に関しては問題が生じ得る。また、顧客の認識という点でも問題となる。較正中にアンテナ素子の接続を切断することは不都合であるから、何らかの形の高絶縁RFスイッチやRFリレーが必要となる。高絶縁RFスイッチやRFリレーは、物理的なスペースを余分に取り、コストの増大を招くとともに、挿入損失を更に生じてしまう。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様において、本発明は、通信チャネルの動作搬送波または周波数帯域の下側に下側保護周波数帯を割り当て、前記動作搬送波の上側に上側保護周波数帯を割り当てたフェーズドアレイ・システムにおいて送信機チェーンを較正する方法を提供する。この方法は、前記送信機チェーンに第1の較正トーンを挿入して、前記第1の較正トーンを前記送信機チェーンの前記通信チャネルの前記下側および上側保護周波数帯のいずれか一方に配置する工程と、前記送信機チェーンの末端に到達する前記第1の較正トーンを検知して第1の検知較正信号を生成する工程と、前記第1の検知較正信号と挿入した前記第1の較正トーンとを比較して第1の比較信号を生成する工程と、前記第1の比較信号に基づいて前記送信機チェーンの位相および/またはゲインの一つ以上を調整する工程と、を含む。
【0004】
前述の方法を実行するにあたって、前記下側保護周波数帯を選択してもよい。その場合、前記方法は、前記送信機チェーンに第2の較正トーンを挿入して、前記第2の較正トーンを前記送信機チェーンの前記通信チャネルの前記上側保護周波数帯に配置する工程と、前記送信機チェーンの末端に到達する前記第2の較正トーンを検知して第2の検知較正信号を生成する工程と、前記第2の検知較正信号と挿入した前記第2の較正トーンとを比較して第2の比較信号を生成する工程と、を含む。このように前記方法を実行する場合、前記送信機チェーンの前記位相および/またはゲインの調整は、前記第1および第2の比較信号に基づいて行う。
【0005】
別の態様において、本発明は、いずれのモバイル機器とも通信していない間に保護期間が設けられたフェーズドアレイ・システムにおいて送信機チェーンを較正する方法を提供する。この較正方法は、前記保護期間中に前記送信機チェーンに較正トーンを挿入する工程と、前記送信機チェーンの末端に到達する前記較正トーンを検知して検知較正信号を生成する工程と、前記検知較正信号と挿入した前記較正トーンとを比較して比較信号を生成する工程と、前記比較信号に基づいて前記送信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、を含む。
【0006】
前述の較正方法を実行するにあたって、前記保護期間は、送信期間の終了時と受信期間の開始時との間に設定されてもよく、送信期間と受信期間との間に設定されてもよく、受信期間に隣接していてもよく、送信期間に隣接していてもよい。
【0007】
別の態様において、本発明は、通信チャネルの動作搬送波の下側に下側保護周波数帯を割り当て、前記動作搬送波の上側に上側保護周波数帯を割り当てたフェーズドアレイ・システムにおいて受信機チェーンを較正する方法を提供する。この方法は、前記受信機チェーンに第1の較正信号を挿入して、前記第1の較正信号を前記受信機チェーンの前記通信チャネルの前記下側および上側保護周波数帯のいずれか一方に配置する工程と、前記受信機チェーンの末端に到達する前記第1の較正信号を検知して第1の検知較正信号を生成する工程と、前記第1の検知較正信号と挿入した前記第1の較正信号とを比較して第1の比較信号を生成する工程と、前記第1の比較信号に基づいて前記受信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、を含む。
【0008】
前述の方法を実行するにあたって、使用されるのは前記下側保護周波数帯であってもよい。その場合、前記方法は、前記受信機チェーンに第2の較正信号を挿入して、前記第2の較正信号を前記受信機チェーンの前記通信チャネルの前記上側保護周波数帯に配置する工程を含む。前記方法は、前記受信機チェーンの末端に到達する前記第2の較正信号を検知して第2の検知較正信号を生成する工程と、前記第2の検知較正信号と挿入した前記第2の較正信号とを比較して第2の比較信号を生成する工程と、をさらに含む。このように前記方法を実行する場合、前記受信機チェーンの前記位相および/またはゲインを調整する工程は、前記第1および第2の比較信号に基づく。
【0009】
別の態様において、本発明は、いずれのモバイル機器とも通信していない間に保護期間が設けられたフェーズドアレイ・システムにおいて受信機チェーンを較正する方法を提供する。この方法は、前記保護期間中に前記受信機チェーンに較正信号を挿入する工程と、前記受信機チェーンの末端に到達する前記較正信号を検知して検知較正信号を生成する工程と、前記検知較正信号と挿入した前記較正信号とを比較して比較信号を生成する工程と、前記比較信号に基づいて前記受信機チェーンの位相および/またはゲインを調整する工程と、を含む。
【0010】
前述の方法を実行するにあたって、前記保護期間は、送信期間の終了時と受信期間の開始時との間に設定されてもよく、送信期間と受信期間との間に設定されてもよく、受信期間に隣接していてもよく、送信期間に隣接していてもよい。
【0011】
本発明の上述およびその他の特徴は、以下の説明および図面から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、送信機チェーンに挿入される較正トーンを示す。
【
図2】
図2は、受信機チェーンに挿入される較正トーンを示す。
【
図3】
図3および
図4は、
図1および
図2の構成を用いたFDDシステムの上側および下側保護周波数帯での較正トーンの挿入をそれぞれ示す。
【
図4】
図3および
図4は、
図1および
図2の構成を用いたFDDシステムの上側および下側保護周波数帯での較正トーンの挿入をそれぞれ示す。
【
図5】
図5および
図6は、
図3および
図4に示すものと同様であるが、TDDシステムの場合の較正方法をそれぞれ示す。
【
図6】
図5および
図6は、
図3および
図4に示すものと同様であるが、TDDシステムの場合の較正方法をそれぞれ示す。
【
図7】
図7は、TDDシステムのアップリンクおよびダウンリンク期間中における上側および下側保護周波数帯での較正トーンの挿入を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
送信機の較正は、典型的には放射アンテナ素子18の直前に配置された方向性結合器16によって、送信機チェーン14に較正トーン12を挿入し、その結果として送信機チェーン14の末端に現れる較正トーンと基準信号とを比較してゲインおよび位相を較正することによって行うことができる(
図1)。このように較正を行った場合の問題点としては、所要の通信搬送波とともに、アレイ素子18から帯域内の較正トーン12が送信されて、送信機の信号の誤差ベクトル度(EVM)に悪影響を及ぼしたり、またはセンターチャネル・データ送信に直接的に干渉したりして、最終的にはモバイル機器に対するデータスループットを低下させ得ることが挙げられる。
【0014】
受信機の較正は、アンテナ素子18の方向性結合器16を介して受信機チェーン24に較正トーン12を挿入し、その結果として受信機チェーン24の末端に現れる較正トーンと基準信号とを比較してゲインおよび位相を較正することによって行うことができる(
図2)。このように較正を行った場合の問題点としては、ADCに帯域内の較正トーンが現れて、モバイル機器が受信する信号のスループットに影響を及ぼし得ることが挙げられる。また、較正トーン発生器10の位相雑音は、アナログ-デジタル変換器(ADC)におけるシステム雑音のフロアレベルを大きく下回るのでなければ、フェーズドアレイ受信機全体の感度を低下させ得る。
【0015】
LTE/5GNR通信システムには、FDD(周波数分割複信)システム、および、TDD(時分割複信)システムの二種類がある。FDDシステムでは、送信機および受信機は、二つの別個の離れた周波数帯域において全二重で動作する。TDDシステムでは、送信機および受信機は、同一の周波数帯域において動作するが、送信と受信とで異なる時間帯が割り当てられる。
【0016】
LTE/5GNRのFDD通信システムでは、保護周波数帯26、28が、搬送波30の上側および下側の両方において動作搬送波にそれぞれ割り当てられる。例えば、20MHzのLTE搬送波は、18MHzの動作帯域幅を有し、その両側に1MHzの保護周波数帯がそれぞれ設けられる。理想的には、較正は、動作搬送波30の中心部に較正トーン12を配置して行われるが、このトーン12を無線で送信すると、メイン通信チャネル30に干渉してしまう可能性がある。一実施形態のアイデアは、中心部で較正を行う代わりに、メイン通信チャネル30の保護周波数帯26、28に較正トーン12を配置し、搬送波30の下端および上端でシステムを較正し、得られた二つの結果を平均するというものである(
図3および
図4)。
【0017】
LTE/5GNRのTDD通信システムでは、送信期間Dの終了時と受信期間Uの開始時との間に保護期間Gを定める。例えば、反復型のLTEタイミング構造では、送信期間Dを7msec、保護期間を1msec、受信期間Uを2msecとしてもよい。別の実施形態のアイデアは、システムが送信中でも受信中でもない保護期間Gの間に較正を行うというものである。これにより、保護周波数帯26、28を使用することなく、較正トーン12をメイン通信チャネル30の中心部に直接配置することができる。この方法の課題は、保護期間Gが非常に短くなってしまう場合があるという点である(例えば、最悪の場合、FR1/SCS60の5GNRでは、保護期間Gは16.7μsec)。しかし、最低限必要とされる較正期間は約0.5μsecであるため、保護期間全体を較正に使用する必要はない(
図5および
図6)。
【0018】
なお、ダウンリンク(DL)期間の終了時とアップリンク(UL)期間の開始時との間のみに保護期間Gを設定する設定は、LTEおよび5GNRの特別な設定である。一般に、保護期間は、基地局に対する返送前に基地局からのDL送信が全ての移動局(UE)に到達し終わるのを待つ待機期間である。セル半径が大きいほど、より長い保護期間が設定されることになる。直前のUL送信後には、保護期間は必要なくなる。その理由は、LTE/5GNRの基地局が各UEに対して固有のタイミングアドバンスを送出し、その結果、各UEからの全てのUL送信が基地局へ同時に、かつ、個々の伝搬時間が分かるように到達するからである。しかし、一般的なTDDシステムでは、両方向に保護期間が必要となるか、または、恐らくはUL送信とDL送信との間のみに保護期間が必要となることが想定され得る。
【0019】
また、他の選択肢として、保護期間中に較正を行う代わりに、前述したFDD較正方法をTDDに適用し得る。送信機は、通信搬送波の保護周波数帯26、28を利用して、割り当てられた送信時間中に較正を行うことができる。同様に、受信機は、通信チャネルの保護周波数帯26、28を利用して、割り当てられた受信時間中に較正を行うことができる(
図7)。
【国際調査報告】