(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】無限軌道装置の張力維持ユニットおよびこれを備える無限軌道装置(TENSION MAINTAINING UNIT FOR CATERPILLAR APPARATUS AND CATERPILLAR APPARATUS HAVING THE SAME)
(51)【国際特許分類】
F16H 19/02 20060101AFI20240918BHJP
F16H 7/08 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
F16H19/02 J
F16H7/08 Z
F16H19/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574739
(86)(22)【出願日】2023-08-01
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 KR2023011270
(87)【国際公開番号】W WO2024029907
(87)【国際公開日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】10-2022-0095223
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0099315
(32)【優先日】2023-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517161566
【氏名又は名称】タスグローバル カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドン ウク
【テーマコード(参考)】
3J049
3J062
【Fターム(参考)】
3J049AA08
3J049BB19
3J049BC03
3J049BC09
3J049CA06
3J062AA04
3J062AA12
3J062AA53
3J062AB13
3J062AC01
3J062CA03
3J062CA22
3J062CA33
3J062CG63
3J062CG83
(57)【要約】
本発明は、無限軌道装置の張力維持ユニットおよびこれを備える無限軌道装置が開示される。本発明の無限軌道装置の張力維持ユニットは、無限軌道本体の第1回転部材に連結される第1ワンウェイベアリングを有する第1ワンウェイベアリング部および第2回転部材に連結される第2ワンウェイベアリングを有する第2ワンウェイベアリング部を備える回転方向選択部、および第1ワンウェイベアリング部と第2ワンウェイベアリング部に動力を伝達する駆動部を含み、無限軌道本体が前進方向に移動時に第2ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第1ワンウェイベアリングは自由回転して無限軌道本体に設けられた無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、無限軌道本体が後進方向に移動時に第1ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第2ワンウェイベアリングは自由回転して無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、回転方向選択部は駆動部に設けられた駆動部出力軸に結合されて動力が伝達されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無限軌道本体の第1回転部材に連結される第1ワンウェイベアリングを有する第1ワンウェイベアリング部および前記無限軌道本体の第2回転部材に連結される第2ワンウェイベアリングを有する第2ワンウェイベアリング部を備える回転方向選択部、および
前記第1ワンウェイベアリング部と前記第2ワンウェイベアリング部に動力を伝達する駆動部を含み、
前記無限軌道本体が前進方向に移動時に前記第2ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第1ワンウェイベアリングが自由回転して前記無限軌道本体に設けられた無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、
前記無限軌道本体が後進方向に移動時に前記第1ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第2ワンウェイベアリングが自由回転して前記無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、
前記回転方向選択部は前記駆動部に設けられた駆動部出力軸に結合されて動力が伝達される無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項2】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、
一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する少なくとも1つの第1アイドラギア、および
一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する少なくとも1つの第2アイドラギアをさらに含む請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1アイドラギアは、互いにギア噛合するように一対が設けられ、
一対の前記第1アイドラギアのうちの1つの前記第1アイドラギアは、前記選択部駆動ギアとギア噛合され、残りの1つの前記第1アイドラギアは、前記第1ワンウェイベアリング部とギア噛合され、残りの1つの前記第1アイドラギアが1つの前記第1アイドラギアよりも高く配置され、
前記少なくとも1つの第2アイドラギアは、互いにギア噛合するように一対が設けられ、
一対の前記第2アイドラギアのうちの1つの前記第2アイドラギアは、前記選択部駆動ギアとギア噛合され、残りの1つの前記第2アイドラギアは、前記第2ワンウェイベアリング部とギア噛合され、残りの1つの前記第2アイドラギアが1つの前記第2アイドラギアよりも高く配置される請求項2に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項4】
前記駆動部は、
駆動モータ、および
前記駆動モータに設けられたベルト部材に連結されて前記駆動モータの回転力を減少させ、前記駆動部出力軸が設けられた減速機を含む請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項5】
前記第1アイドラギアは1つが設けられ、直径が前記選択部駆動ギアまたは前記第1ワンウェイベアリング部の第1従動ギアよりも大きく、
前記第2アイドラギアは1つが設けられ、直径が前記選択部駆動ギアまたは前記第2ワンウェイベアリング部の第2従動ギアよりも大きく設けられる請求項2に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項6】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、
前記選択部駆動ギアの下部に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合される中央アイドラギア、
一側部は前記第1ワンウェイベアリング部とギア噛合され、他側部は前記中央アイドラギアとギア噛合されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する第1アイドラギア、および
一側部は前記第2ワンウェイベアリング部とギア噛合され、他側部は前記中央アイドラギアとギア噛合されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する第2アイドラギアを含む請求項2に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項7】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、
一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第1複合ギア、および
一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第2複合ギアを含む請求項2に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項8】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、
前記選択部駆動ギアの下部に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合される中央アイドラギア、
一側部は前記中央アイドラギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第1アイドラギア、および
一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第2アイドラギアを含む請求項2に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項9】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する一対の選択部駆動ギアをさらに含み、
前記駆動部は、
駆動モータ、および
前記駆動モータに連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含み、
前記駆動部は一対が設けられて、1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第1ワンウェイベアリング部に配置された前記選択部駆動ギアに結合され、残りの1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第2ワンウェイベアリング部に配置された前記選択部駆動ギアに結合される請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項10】
前記回転方向選択部は、
前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、
前記第1ワンウェイベアリングの第1従動ギアとギア噛合結合される第1ウォームギア、
前記第1ウォームギアが一側部に結合されるギア軸、
前記ギア軸の他側部に結合されて前記第2ワンウェイベアリングの第2従動ギアとギア噛合結合される第2ウォームギア、および
前記ギア軸に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合結合され、前記選択部駆動ギアよりも直径が大きく設けられる減速ギアを含む請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項11】
前記駆動部は、
駆動モータ、および
前記駆動モータにベルト部材で連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含み、
前記駆動部は一対が設けられて、1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第1ワンウェイベアリングに結合され、残りの1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第2ワンウェイベアリングに結合される請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項12】
前記第1ワンウェイベアリング部は、
前記第1ワンウェイベアリングと第1ベルト部材で連結される第1従動プーリ、および
前記第1ベルト部材を加圧して張力を付加する第1テンショナをさらに含み、
前記第1従動プーリは前記第1回転部材と結合される第1プーリ軸を含み、
前記第2ワンウェイベアリング部は、
前記第2ワンウェイベアリングと第2ベルト部材で連結される第2従動プーリ、および
前記第2ベルト部材を加圧して張力を付加する第2テンショナをさらに含み、
前記第2従動プーリは前記第2回転部材と結合される第2プーリ軸を含む請求項1に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項13】
前記駆動部出力軸は、
前記第1ワンウェイベアリングと前記第2ワンウェイベアリングに結合される請求項12に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項14】
前記駆動部は、
駆動モータ、および
前記駆動モータにベルト部材で連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含む請求項12に記載の無限軌道装置の張力維持ユニット。
【請求項15】
第1回転部材が一側部の縁に配置され、第2回転部材が他側部の縁に配置される無限軌道部材および無限軌道部材の上部に配置されて前記無限軌道部材を三角形の形状に設け、前記無限軌道部材に張力を付加する軌道テンショナを備える無限軌道本体、
前記第1回転部材に連結される第1ワンウェイベアリングを有する第1ワンウェイベアリング部および前記第2回転部材に連結される第2ワンウェイベアリングを有する第2ワンウェイベアリング部を備える回転方向選択部、および
前記第1ワンウェイベアリング部と前記第2ワンウェイベアリング部に動力を伝達する駆動部を含み、
前記無限軌道本体が前進方向に移動時に前記第2ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第1ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道本体に設けられた無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、
前記無限軌道本体が後進方向に移動時に前記第1ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第2ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、
前記回転方向選択部は前記駆動部に設けられた駆動部出力軸に結合されて動力が伝達される無限軌道装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無限軌道装置に関する。より詳細には、無限軌道の張力を調節するテンショナに過度の力がかかることを防止し、無限軌道の張力維持失敗により無限軌道が離脱することを防止することができる船舶用無限軌道装置の張力維持ユニットおよびこれを備える船舶用無限軌道装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に船舶の船体表面には、水中で棲息しているフジツボ、ホヤ、セルプラ(serpula)、ムラサキイガイ、淡水貝、スジアオノリ、アオノリなどの水中生物が付着および生育して様々な被害を発生させる。
【0003】
例えば、船体に水中生物が付着することにより海水との摩擦抵抗を増大させて船舶の航海速度を低下させ、燃料消費量を増加させて経済的に不利となる。
【0004】
従来は陸上のドック(dock)に船舶を移し、ダイバーが直接高圧ホースで水を噴射させて船体壁面の付着物を取り除く清掃作業が一般的に利用されてきた。この方法は、清掃対象の船舶をドックに移動させるための準備手順を必要とするため、清掃に時間が長くかかり、多くの作業人員を動員しなければならない短所がある。
【0005】
船舶を移動させずにダイバーが水中に入り清掃装備で船底部を清掃することができるが、水中作業環境に熟練したダイバーであっても広い範囲の船体を清掃するには時間が長くかかり、視界確保がなされにくいため、清掃作業の難易度が増加する。
【0006】
ダイバーが船底部を清掃する方法は、効率的な付着物の除去が難しく、多くの作業人員が必要となる問題点を考慮して船舶の表面に海洋生物が付着して寄生することを防止するように毒性が強い物質が混合されたペイントを塗布する方法が開示されている。
【0007】
このような方法は、海水を汚染させて他の海洋生物に有害な影響を及ぼし、水中生態系を破壊する他の問題を招くため、国際機関で禁止している。また、一定時間が経過して毒性が減少すると、清掃後に再びペイントを塗布しなければならない。
【0008】
このような諸問題を考慮して、清掃ロボットが水中に浸った船体壁面を移動しながら、沈着物を除去する技術が開示されている。
【0009】
一方、船舶の清掃作業中に無限軌道(continuous track)の張力が緩くなると、走行中に無限軌道が離脱することになる。無限軌道の離脱原因は次の通りである。i)無限軌道の張力が緩くなる場合、ii)トラックリンクとアイドラ、スプロケットの間に異物が流入する場合、iii)トラックリンクとアイドラ、スプロケット、上部および下部のローラが一直線でない場合、iv)トラックリンクが水平でない状態で走行する場合などである。
【0010】
そして、トラックリンクを支持するテンショナに過度の力が加わって張力が緩くなる場合は次の通りである。i)船舶清掃車両が後進するのに障害物や外部の力によって移動の妨害を受けた場合、ii)船舶清掃車両がその場で回転時に後進方向に無限軌道が回転する場合である。
【0011】
図1には、アイドラとテンショナが一体型に設けられた場合の、無限軌道が緩くなる場合が示されている。
【0012】
スプロケット1000は
図1を基準として右側に配置されており、トラックリンク1100の右側部はスプロケット1000に支持され、他側部はアイドラ1200に支持されている。そして、トラックリンク1100の上部と下部は4つのローラ部材1300によって支持されている。
【0013】
図1(a)に示すように、無限軌道が前進する場合、すなわちトラックリンク1100が反時計方向に回転する場合、地面に当たる無限軌道は張って維持される。
【0014】
逆に、
図1(b)に示すように、無限軌道が後進する場合、後進時に障害物や外部の力で移動の妨害を受ける場合、テンショナに力が加わって地面に当たる無限軌道の領域は緩くなる。
【0015】
図2には、アイドラとテンショナが分離型に設けられた場合の、無限軌道が緩くなる場合が示されている。
【0016】
図2(a)に示すように、無限軌道が前進する場合、すなわちトラックリンク1100が反時計方向に回転する場合、地面に当たる無限軌道は張って維持される。
【0017】
逆に、
図2(b)に示すように、無限軌道が後進する場合、後進時に障害物や外部の力に移動の妨害を受ける場合、テンショナ1400に力が加わって地面に当たる無限軌道の領域は緩くなる。
【0018】
前述した技術構成は、本発明の理解を助けるための背景技術であって、本発明が属する技術分野で広く知られた従来技術を意味するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1069916号公報(サムスン重工業株式会社)2011年9月27日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前述した無限軌道の緩くなることを防止するために、
図3に示すように、前方へ動力伝達のためにアイドラからスプロケットに変更し、前後のスプロケットが同一の回転数で回転する場合、下部のローラ部材に当たるトラックリンクの部分は、テンショナの影響を受けずに動くので張力が緩かったり張っていたりし得る。
【0021】
下部に当たる無限軌道が張るようになるためには、前進時には前方スプロケットの動力を切って自由に動くようにすると共に後方スプロケットに動力を伝達する。後進時には後方スプロケットの動力を切って自由に動くようにし、前方スプロケットに動力を伝達する。
【0022】
したがって、本発明がなそうとする技術的課題は、前述した原理を用いて無限軌道の張力を調節するテンショナに過度の力がかかることを防止し、無限軌道の張力維持失敗により無限軌道が離脱することを防止することができる船舶用無限軌道装置の張力維持ユニットおよびこれを備える船舶用無限軌道装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一側面によれば、無限軌道本体の第1回転部材に連結される第1ワンウェイベアリングを有する第1ワンウェイベアリング部および前記無限軌道本体の第2回転部材に連結される第2ワンウェイベアリングを有する第2ワンウェイベアリング部を備える回転方向選択部、および前記第1ワンウェイベアリング部と前記第2ワンウェイベアリング部に動力を伝達する駆動部を含み、前記無限軌道本体が前進方向に移動時に前記第2ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第1ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道本体に設けられた無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、前記無限軌道本体が後進方向に移動時に前記第1ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第2ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、前記回転方向選択部は前記駆動部に設けられた駆動部出力軸に結合されて動力が伝達される無限軌道装置の張力維持ユニットが提供されることができる。
【0024】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する少なくとも1つの第1アイドラギア、および一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する少なくとも1つの第2アイドラギアをさらに含むことができる。
【0025】
前記少なくとも1つの第1アイドラギアは、互いにギア噛合するように一対が設けられ、一対の前記第1アイドラギアのうちの1つの前記第1アイドラギアは、前記選択部駆動ギアとギア噛合され、残りの1つの前記第1アイドラギアは、前記第1ワンウェイベアリング部とギア噛合され、残りの1つの前記第1アイドラギアが1つの前記第1アイドラギアよりも高く配置され、前記少なくとも1つの第2アイドラギアは、互いにギア噛合するように一対が設けられ、一対の前記第2アイドラギアのうちの1つの前記第2アイドラギアは、前記選択部駆動ギアとギア噛合され、残りの1つの前記第2アイドラギアは、前記第2ワンウェイベアリング部とギア噛合され、残りの1つの前記第2アイドラギアが1つの前記第2アイドラギアよりも高く配置されることができる。
【0026】
前記駆動部は駆動モータ、および前記駆動モータに設けられたベルト部材に連結されて前記駆動モータの回転力を減少させ、前記駆動部出力軸が設けられた減速機を含むことができる。
【0027】
前記第1アイドラギアは1つが設けられ、直径が前記選択部駆動ギアまたは前記第1従動ギアよりも大きく、前記第2アイドラギアは1つが設けられ、直径が前記選択部駆動ギアまたは前記第2従動ギアよりも大きく設けられることができる。
【0028】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、前記選択部駆動ギアの下部に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合される中央アイドラギア、一側部は前記第1ワンウェイベアリング部とギア噛合され、他側部は前記中央アイドラギアとギア噛合されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する第1アイドラギア、および一側部は前記第2アイドラギアとギア噛合され、他側部は前記中央アイドラギアとギア噛合されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する第2アイドラギアを含むことができる。
【0029】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第1複合ギア、および一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第2複合ギアを含むことができる。
【0030】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、前記選択部駆動ギアの下部に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合される中央アイドラギア、一側部は前記中央アイドラギアに連結され、他側部は前記第1ワンウェイベアリング部に連結されて前記中央アイドラギアの回転力を前記第1ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第1アイドラギア、および一側部は前記選択部駆動ギアに連結され、他側部は前記第2ワンウェイベアリング部に連結されて前記選択部駆動ギアの回転力を前記第2ワンウェイベアリング部に伝達する一対の第2アイドラギアを含むことができる。
【0031】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する一対の選択部駆動ギアをさらに含み、前記駆動部は駆動モータ、および前記駆動モータに連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含み、前記駆動部は一対が設けられて、1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第1ワンウェイベアリング部に配置された前記選択部駆動ギアに結合され、残りの1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第2ワンウェイベアリング部に配置された前記選択部駆動ギアに結合されることができる。
【0032】
前記回転方向選択部は、前記駆動部出力軸に結合されて前記駆動部出力軸と共に回転する選択部駆動ギア、前記第1ワンウェイベアリングの第1従動ギアとギア噛合結合される第1ウォームギア、前記第1ウォームギアが一側部に結合されるギア軸、前記ギア軸の他側部に結合されて前記第2ワンウェイベアリングの第2従動ギアとギア噛合結合される第2ウォームギア、および前記ギア軸に設けられて前記選択部駆動ギアとギア噛合結合され、前記選択部駆動ギアよりも直径が大きく設けられる減速ギアを含むことができる。
【0033】
前記駆動部は駆動モータ、および前記駆動モータにベルト部材で連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含み、前記駆動部は一対が設けられて、1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第1ワンウェイベアリングに結合され、残りの1つの駆動部に設けられた前記駆動部出力軸は前記第2ワンウェイベアリングに結合されることができる。
【0034】
前記第1ワンウェイベアリング部は、前記第1ワンウェイベアリングと第1ベルト部材で連結される第1従動プーリ、および前記第1ベルト部材を加圧して張力を付加する第1テンショナをさらに含み、前記第1従動プーリは前記第1回転部材と結合される第1プーリ軸を含み、前記第2ワンウェイベアリング部は、前記第2ワンウェイベアリングと第2ベルト部材で連結される第2従動プーリ、および前記第2ベルト部材を加圧して張力を付加する第2テンショナをさらに含み、前記第2従動プーリは前記第2回転部材と結合される第2プーリ軸を含むことができる。
【0035】
前記駆動部出力軸は、前記第1ワンウェイベアリングと前記第2ワンウェイベアリングに結合されることができる。
【0036】
前記駆動部は駆動モータ、および前記駆動モータにベルト部材で連結されて前記駆動モータの回転力を減速させ、前記駆動部出力軸を備える減速機を含むことができる。
【0037】
また、本発明の他の側面によれば、第1回転部材が一側部の縁に配置され、第2回転部材が他側部の縁に配置される無限軌道部材および無限軌道部材の上部に配置されて前記無限軌道部材を三角形の形状に設け、前記無限軌道部材に張力を付加する軌道テンショナを備える無限軌道本体、前記第1回転部材に連結される第1ワンウェイベアリングを有する第1ワンウェイベアリング部および前記第2回転部材に連結される第2ワンウェイベアリングを有する第2ワンウェイベアリング部を備える回転方向選択部、および前記第1ワンウェイベアリング部と前記第2ワンウェイベアリング部に動力を伝達する駆動部を含み、前記無限軌道本体が前進方向に移動時に前記第2ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第1ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道本体に設けられた無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、前記無限軌道本体が後進方向に移動時に第1ワンウェイベアリングの動力で駆動され、前記第2ワンウェイベアリングは自由回転して前記無限軌道部材の張力が緩くなることを防止し、前記回転方向選択部は前記駆動部に設けられた駆動部出力軸に結合されて動力が伝達される無限軌道装置が提供されることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の実施例は、無限軌道の張力を調節するテンショナに過度の力がかかることを防止することによって、無限軌道の張力維持失敗により無限軌道が離脱することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】アイドラとテンショナが一体型に設けられた場合の、無限軌道が緩くなる場合を示す図である。
【
図2】アイドラとテンショナが分離型に設けられた場合の、無限軌道が緩くなる場合を示す図である。
【
図3】無限軌道が緩くなることを防止できる原理を概略的に示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す図である。
【
図7】
図6に示す駆動モータと減速機が一直線上に設けられたことと、駆動モータに駆動部出力軸が直接設けられたことを示す斜視図である。
【
図8】
図5に示す回転方向選択部を概略的に示す正面図である。
【
図9】
図5に示す第1ワンウェイベアリング部と第2ワンウェイベアリング部の分解斜視図である。
【
図10】
図9に示す第1ワンウェイベアリングと第2ワンウェイベアリングの正面図である。
【
図11】
図4に示す無限軌道本体の他の実施例である。
【
図12】
図8に示す回転方向選択部の作動図である。
【
図13】
図8に示す回転方向選択部の他の実施例である。
【
図14】本発明の第2実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図である。
【
図16】
図15に示す回転方向選択部を概略的に示す正面図である。
【
図17】本発明の他の実施例に係る回転方向選択部を概略的に示す斜視図である。
【
図18】本発明の第3実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図である。
【
図21】本発明の第4実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図である。
【
図23】
図22に示す第1ワンウェイベアリングと第2ワンウェイベアリングを示す斜視図である。
【
図24】本発明の第5実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明と本発明の動作上の利点および本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好ましい実施例を例示する添付図面および添付図面に記載された内容を参照しなければならない。
【0041】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明することによって、本発明を詳細に説明する。各図面に示されている同一の参照符号は同一の部材を指す。
【0042】
図4は本発明の第1実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す図であり、
図5は
図4の分解斜視図であり、
図6は
図5に示す駆動部を示す斜視図であり、
図7は
図6に示す駆動モータと減速機が一直線上に設けられたことと駆動モータに駆動部出力軸が直接設けられたことを示す斜視図であり、
図8は
図5に示す回転方向選択部を概略的に示す正面図である。
【0043】
また、
図9は
図5に示す第1ワンウェイベアリング部と第2ワンウェイベアリング部の分解斜視図であり、
図10は
図9に示す第1ワンウェイベアリングと第2ワンウェイベアリングの正面図であり、
図11は
図4に示す無限軌道本体の他の実施例であり、
図12は
図8に示す回転方向選択部の作動図であり、
図13は
図8に示す回転方向選択部の他の実施例である。
【0044】
これらの図面に示すように、本実施例に係る無限軌道装置1は、無限軌道本体100と、無限軌道本体100に連結されて無限軌道本体100に動力を選択的に伝達する回転方向選択部200と、回転方向選択部200に連結されて回転方向選択部200を回転させる駆動部300を備える。
【0045】
本実施例で張力維持ユニットは、回転方向選択部200と駆動部300を含むことができ、これは他の実施例にも適用することができる。
【0046】
無限軌道本体100は、船舶清掃装置の本体に結合され、本体に設けられた動力伝達手段から動力が伝達されて船舶清掃装置を前方または後方に移動させることができる。
【0047】
本実施例で無限軌道本体100は、
図4および
図5に示すように、無限軌道部材110と、無限軌道部材110の一側の縁に配置される第1回転部材120と、無限軌道部材110の他側の縁に設けられる第2回転部材130と、無限軌道部材110の上部に配置されて無限軌道部材110を三角形の形状に設け、無限軌道部材110に張力を付加する軌道テンショナ140を含む。
【0048】
無限軌道本体100の無限軌道部材110は、
図5に示すように、タイミングベルトに一定間隔でトラックシューを固定して設けられることができる。本実施例でトラックシューは、無限軌道部材110が床に直接当たって発生する損傷を減らし、床と摩擦力を増加させるためにタイミングベルトの外側面に設けられることができる。
【0049】
本実施例で無限軌道本体100aの無限軌道部材110aは、
図11に示すように、リンク状に設けられることができる。この場合、リンク状は、堅い材質で設けられたトラックリンク単体をピンで連結して1つの環状に設けることができる。
【0050】
無限軌道本体100の第1回転部材120と第2回転部材130は、
図5に示すように、凹凸があるプーリ形態で設けられることができ、
図11に示すように、スプロケット形態で設けられて無限軌道部材110に動力を伝達することができる。
【0051】
本実施例で第1回転部材120と第2回転部材130は凹凸があるプーリ形態で設けられることもできる。
【0052】
また、本実施例で第1回転部材120には、
図5に示すように、ホールが設けられて回転方向選択部200の第1ワンウェイ出力軸211がキー部材10を用いて結合されることができ、第2回転部材130には、
図5に示すように、ホールが設けられて回転方向選択部200の第2ワンウェイ出力軸221がキー部材10を用いて結合されることができる。本実施例で第1回転部材120と第2回転部材130には前述したホールの代りに動力の伝達を受けるための凹凸が設けられることができる。
【0053】
さらに、本実施例で第1回転部材120は、直接または間接に第1ワンウェイベアリング212の動力の伝達を受けることができ、第2回転部材130は、直接または間接に第2ワンウェイベアリング222の動力の伝達を受けることができる。
【0054】
無限軌道本体100の軌道テンショナ140は、
図4に示すように、無限軌道部材110の上部を支持することができ、凹凸があるプーリ形態で設けられることができる。
【0055】
本実施例で軌道テンショナ140には、凹凸が設けられることができる。
【0056】
本実施例で無限軌道本体100は、図示していないが、必要に応じて無限軌道部材110を支持する上部ローラや下部ローラを含むことができる。
【0057】
回転方向選択部200は、駆動部300から動力が伝達されて無限軌道本体100に伝達する役割をする。
【0058】
本実施例で回転方向選択部200は、
図5に示すように、無限軌道本体100の第1回転部材120に連結される第1ワンウェイベアリング部210と、無限軌道本体100の第2回転部材130に連結される第2ワンウェイベアリング部220と、駆動部出力軸332に結合されて駆動部出力軸332と共に回転する選択部駆動ギア230と、一側部は選択部駆動ギア230に連結され、他側部は第1ワンウェイベアリング部210に連結されて選択部駆動ギア230の回転力を第1ワンウェイベアリング部210に伝達する一対の第1アイドラギア240と、一側部は選択部駆動ギア230に連結され、他側部は第2ワンウェイベアリング部220に連結されて選択部駆動ギア230の回転力を第2ワンウェイベアリング部220に伝達する一対の第2アイドラギア250を含む。
【0059】
回転方向選択部200の第1ワンウェイベアリング部210は、
図5に示すように、第1回転部材120にキー部材10で結合される第1ワンウェイ出力軸211と、
図9(a)に示すように、第1ワンウェイ出力軸211に複数のキー部材10で結合される第1ワンウェイベアリング212と、一側部は第1ワンウェイベアリング212に結合され、他側部は第1アイドラギア240とギア噛合結合される第1従動ギア213を含む。
【0060】
本実施例で第1ワンウェイ出力軸211の前方と後方には、
図9(a)に示すように、複数の第1結合溝211aが設けられ、この複数の第1結合溝211aにはキー部材10の一部が挿入され、キー部材10の残りは結合対象である第1回転部材120と第1ワンウェイベアリング212に挿入されて結合摩擦力を維持することができる。
【0061】
本実施例で第1ワンウェイベアリング212は、
図9に示すように、第1ワンウェイ出力軸211に結合される第1内輪212aと、第1内輪212aの外壁に回転可能に結合される第1外輪212bと、第1内輪212aの内壁と第1外輪212bの外壁に設けられてキー部材10の嵌合結合場所として提供される複数の第1リング溝212cを含む。
【0062】
本実施例で第1外輪212bが特定の方向に回転時に第1内輪212aに動力が伝達され、第1外輪212bが特定の方向の反対方向に回転時に第1内輪212aに動力が伝達されない。例えば、
図10(a)に示すように、第1外輪212bが矢印方向に回転すると、第1内輪212aに動力が伝達され得る。
【0063】
本実施例で第1ワンウェイベアリング212は、時計方向に動力を伝達する方向に装着されることができる。
【0064】
本実施例で第1従動ギア213は、
図9(a)に示すように、内壁に設けられた複数の第1キー溝213aと複数のキー部材10を介して第1外輪212bの外壁に結合されることができる。
【0065】
回転方向選択部200の第2ワンウェイベアリング部220は、
図5に示すように、第2回転部材130にキー部材10で結合される第2ワンウェイ出力軸221と、
図9(b)に示すように、第2ワンウェイ出力軸221に複数のキー部材10で結合される第2ワンウェイベアリング222と、一側部は第2ワンウェイベアリング222に結合され、他側部は第2アイドラギア250とギア噛合結合される第2従動ギア223を含む。
【0066】
本実施例で第2ワンウェイ出力軸221の前方と後方には、
図9(b)に示すように、複数の第2結合溝221aが設けられ、この複数の第2結合溝221aにはキー部材10の一部が挿入され、キー部材10の残りは結合対象である第2回転部材130と第2ワンウェイベアリング222に挿入されて結合摩擦力を維持することができる。
【0067】
本実施例で第2ワンウェイベアリング222は、
図9に示すように、第2ワンウェイ出力軸221に結合される第2内輪222aと、第2内輪222aの外壁に回転可能に結合される第2外輪222bと、第2内輪222aの内壁と第2外輪222bの外壁に設けられてキー部材10の嵌合結合場所として提供される複数の第2リング溝222cを含む。
【0068】
本実施例で第2外輪222bが特定の方向に回転時に第2内輪222aに動力が伝達され、第2外輪222bが特定の方向の反対方向に回転時に第2内輪222aに動力が伝達されない。例えば、
図10(b)に示すように、第2外輪222bが矢印方向に回転すると、第2内輪222aに動力が伝達され得る。
【0069】
本実施例で第2ワンウェイベアリング222は、反時計方向に動力を伝達する方向に装着されることができる。
【0070】
本実施例で第2従動ギア223は、
図9(b)に示すように、内壁に設けられた複数の第2キー溝223aと複数のキー部材10を介して第2外輪222bの外壁に結合されることができる。
【0071】
回転方向選択部200の選択部駆動ギア230は、
図5に示すように、駆動部300の減速機330に設けられた駆動部出力軸332にキー部材10を用いて結合されることができる。
【0072】
本実施例で選択部駆動ギア230は、
図8に示すように、1つの第1アイドラギア240および1つの第2アイドラギア250と共にギア噛合されるように結合されることができる。
【0073】
回転方向選択部200の第1アイドラギア240は、
図8に示すように、一対が互いにギア噛合されるように結合されることができる。
図8を基準として左側に配置される第1アイドラギア240は第1従動ギア213とギア噛合されることでき、右側に配置される第1アイドラギア240は選択部駆動ギア230とギア噛合結合されることができる。
【0074】
回転方向選択部200の第2アイドラギア250は、
図8に示すように、一対が互いにギア噛合されるように結合されることができる。
図8を基準として左側に配置される第2アイドラギア250は選択部駆動ギア230とギア噛合されることでき、右側に配置される第2アイドラギア250は第2従動ギア223とギア噛合結合されることができる。
【0075】
本実施例で回転方向選択部200に適用されるギアは、平ギアやヘリカルギア、ダブルヘリカルギアを含むことができる。
【0076】
以下、回転方向選択部200の作動について
図12を参考して説明する。
【0077】
まず、無限軌道本体100が前進方向に移動するときの動力伝達について説明する。
【0078】
駆動モータ310の力によって、第1ワンウェイベアリング212の第1外輪212bと第2ワンウェイベアリング222の第2外輪222bを反時計方向に同一の回転数で回転させる。
【0079】
このとき、第1ワンウェイベアリング212は、第1外輪212bが時計方向に回転をしてこそ第1内輪212aに動力を伝達する。そのため、第1ワンウェイベアリング212の第1内輪212aは自由回転して無限軌道本体100の第1回転部材120が自由回転する。
【0080】
第2ワンウェイベアリング222は反時計方向に回転してこそ第2内輪222aに動力を伝達する。そのため、第2ワンウェイベアリング222の第2内輪222aに動力が伝達され、無限軌道本体100の第2回転部材130に動力が伝達される。
【0081】
次に、無限軌道本体100が後進方向に移動するときの動力伝達について説明する。
【0082】
駆動モータ310の力によって、第1ワンウェイベアリング212の第1外輪212bと第2ワンウェイベアリング222の第2外輪222bを時計方向に同一の回転数で回転させる。
【0083】
このとき、第1ワンウェイベアリング212は、第1外輪212bが時計方向に回転をしてこそ第1内輪212aに動力を伝達する。そのため、第1ワンウェイベアリング212の第1内輪212aに動力が伝達され、無限軌道本体100の第1回転部材120に動力が伝達される。
【0084】
第2ワンウェイベアリング222は、第2外輪222bが反時計方向に回転してこそ第2内輪222aに動力を伝達する。そのため、第2ワンウェイベアリング222の第2内輪222aは自由回転して無限軌道本体100の第2回転部材130が自由回転する。
【0085】
すなわち、前進方向に移動するときには、例えば前輪である第1回転部材120がアイドラの役割をし、後進方向に移動するときには、例えば後輪である第2回転部材130がアイドラの役割をする。そのため、どの方向に進行しても無限軌道部材110の張力が緩くならない。
【0086】
一方、本実施例で回転方向選択部200は、
図13に示すように、選択部駆動ギア230において、多様に実施されることができる。
【0087】
回転方向選択部200aは、
図13(a)に示すように、第1アイドラギア240は1つが設けられ、直径が選択部駆動ギア230と第1ワンウェイベアリング部210よりも大きく、第2アイドラギア250は1つが設けられ、直径が選択部駆動ギア230と第2ワンウェイベアリング部220よりも大きく設けられることができる。
【0088】
回転方向選択部200bは、
図13(b)に示すように、選択部駆動ギア230と、第1ワンウェイベアリング部210と、第2ワンウェイベアリング部220と、選択部駆動ギア230の下部に設けられて選択部駆動ギア230とギア噛合される中央アイドラギア260と、一側部は第1ワンウェイベアリング部210とギア噛合され、他側部は中央アイドラギア260とギア噛合されて中央アイドラギア260の回転力を第1ワンウェイベアリング部210に伝達する第1アイドラギア240と、一側部は第2ワンウェイベアリング220とギア噛合され、他側部は中央アイドラギア260とギア噛合されて中央アイドラギア260の回転力を第2ワンウェイベアリング220に伝達する第2アイドラギア250を含むことができる。
【0089】
回転方向選択部200cは、減速比を増加させるために、
図13の(c)に示すように、選択部駆動ギア230と、第1ワンウェイベアリング部210と、第2ワンウェイベアリング部220と、一側部は選択部駆動ギア230に連結され、他側部は第1ワンウェイベアリング部210に連結されて選択部駆動ギア230の回転力を第1ワンウェイベアリング部210に伝達する一対の第1複合ギア270と、一側部は選択部駆動ギア230に連結され、他側部は第2ワンウェイベアリング220に連結されて選択部駆動ギア230の回転力を第2ワンウェイベアリング220に伝達する一対の第2複合ギア280を含む。
【0090】
回転方向選択部200dは、
図13(d)に示すように、選択部駆動ギア230と、第1ワンウェイベアリング部210と、第2ワンウェイベアリング部220と、選択部駆動ギア230の下部に設けられて選択部駆動ギア230とギア噛合される中央アイドラギア260と、一側部は中央アイドラギア260に連結され、他側部は第1ワンウェイベアリング部210に連結されて中央アイドラギア260の回転力を第1ワンウェイベアリング部210に伝達する一対の第1アイドラギア240と、一側部は選択部駆動ギア230に連結され、他側部は第2ワンウェイベアリング部220に連結されて選択部駆動ギア230の回転力を第2ワンウェイベアリング部220に伝達する一対の第2アイドラギア250を含む。
【0091】
駆動部300は、第1ワンウェイベアリング部210と第2ワンウェイベアリング部220に動力を伝達するものであって、
図5に示すように、駆動プーリ311を有する駆動モータ310と、駆動モータ310に連結されたベルト部材320に連結されて駆動モータ310の回転力を減少させる減速機330を含む。
【0092】
駆動部300の減速機330には、
図6(a)に示すように、被動プーリ331が設けられ、ベルト部材320は被動プーリ331に一側部が支持されることができる。
【0093】
また、本実施例で減速機330には、
図5に示すように、駆動部出力軸332が設けられ、この駆動部出力軸332は、キー部材10を用いて選択部駆動ギア230と結合されることができる。
【0094】
さらに、本実施例で減速機330は、装着方向を変更できるベベルギアやウォームギアまたはヘリカルギアを使用することもできる。
【0095】
図14は本発明の第2実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図であり、
図15は
図14の分解斜視図であり、
図16は
図15に示す回転方向選択部200を概略的に示す正面図である。
【0096】
本実施例に係る無限軌道装置1aは、
図15に示すように、無限軌道本体100と、無限軌道本体100に連結されて無限軌道本体100に動力を選択的に伝達する回転方向選択部200aaと、回転方向選択部200aaに連結されて回転方向選択部200aaを回転させる駆動部300aを含む。
【0097】
無限軌道本体100は、前述した第1実施例の無限軌道本体100の構成を含むことができ、第1回転部材120には第1結合ホール121が設けられ、第2回転部材130には第2結合ホール131が設けられることができる。
【0098】
回転方向選択部200aaは、前述した第1実施例の選択部駆動ギア230と、第1ワンウェイベアリング部210aと第2ワンウェイベアリング部220aを含むことができる。
【0099】
本実施例で選択部駆動ギア230は、
図15に示すように、一対が設けられ、そのうちの1つの選択部駆動ギア230は第1ワンウェイベアリング部210aの第1従動ギア213にギア噛合結合され、残りの1つの選択部駆動ギア230は第2ワンウェイベアリング部220aの第2従動ギア223にギア噛合結合されることができる。
【0100】
本実施例で第1ワンウェイベアリング部210aの第1ワンウェイ出力軸211はキー部材10を用いて第1回転部材120の第1結合ホール121に結合されることができる。
【0101】
本実施例で第2ワンウェイベアリング部220aの第2ワンウェイ出力軸221はキー部材10を用いて第2回転部材130の第2結合ホール131に結合されることができる。
【0102】
本実施例で駆動部300aは、
図15に示すように、駆動モータ310と、駆動モータ310に連結されて駆動モータ310の回転力を減速させ、駆動部出力軸332を備える減速機330を含む。
【0103】
本実施例で駆動モータ310と減速機330は、
図15に示すように、一直線上に設けられることができる。
【0104】
本実施例で駆動部300aは一対が設けられ、1つの駆動部300aに設けられた駆動部出力軸332は第1ワンウェイベアリング部210aに配置された選択部駆動ギア230にキー部材10を用いて結合され、残りの1つの駆動部300aに設けられた駆動部出力軸332は第2ワンウェイベアリング部220aに配置された選択部駆動ギア230にキー部材10を用いて結合されることができる。
【0105】
図17は本発明の他の実施例に係る回転方向選択部200eを概略的に示す斜視図である。
【0106】
本実施例に係る回転方向選択部200eは、
図17に示すように、選択部駆動ギア230と、第1ワンウェイベアリング部210と、第2ワンウェイベアリング部220と、第1ワンウェイベアリング212の第1従動ギア213とギア噛合結合される第1ウォームギア290と、第1ウォームギア290が一側部に結合されるギア軸291と、ギア軸291の他側部に結合されて第2ワンウェイベアリング222の第2従動ギア223とギア噛合結合される第2ウォームギア292と、ギア軸291に設けられて選択部駆動ギア230とギア噛合結合され、選択部駆動ギア230よりも直径が大きく設けられる減速ギア293を含む。
【0107】
本実施例で選択部駆動ギア230は駆動部出力軸332に結合されて駆動部出力軸332と共に回転することができる。
【0108】
図18は本発明の第3実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図であり、
図19は
図18の分解斜視図であり、
図20は
図19に示す回転方向選択部200を示す斜視図である。
【0109】
本実施例に係る無限軌道装置1bは、
図19に示すように、無限軌道本体100と、無限軌道本体100に連結されて無限軌道本体100に動力を選択的に伝達する回転方向選択部200と、回転方向選択部200に連結されて回転方向選択部200を回転させる駆動部300を含む。
【0110】
本実施例は回転方向選択部200の第1ワンウェイベアリング212が第1回転部材120に設けられた第1結合ホール121に直接結合され、第2ワンウェイベアリング222が第2回転部材130に設けられた第2結合ホール131に直接結合される点で前述した実施例と差異点がある。
【0111】
本実施例で第1ワンウェイベアリング部210の第1ワンウェイベアリング212は、
図20に示すように、第1ワンウェイ出力軸211の一端部にキー部材10を用いて結合され、第1従動ギア213は、第1ワンウェイ出力軸211の他端部にキー部材10を用いて結合されることができる。
【0112】
本実施例で第2ワンウェイベアリング部220の第2ワンウェイベアリング222は、
図20に示すように、第2ワンウェイ出力軸221の一端部にキー部材10を用いて結合され、第2従動ギア223は、第2ワンウェイ出力軸221の他端部にキー部材10を用いて結合されることができる。
【0113】
図21は本発明の第4実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図であり、
図22は
図21の分解斜視図であり、
図23は
図22に示す第1ワンウェイベアリングと第2ワンウェイベアリングを示す斜視図である。
【0114】
本実施例に係る無限軌道装置1cは、
図22に示すように、無限軌道本体100と、無限軌道本体100に連結されて無限軌道本体100に動力を選択的に伝達する回転方向選択部200hと、回転方向選択部200hに連結されて回転方向選択部200を回転させる駆動部300を含む。
【0115】
本実施例は回転方向選択部200hが第1ワンウェイベアリング212と第2ワンウェイベアリング222のみを備える点で前述した実施例と差異点がある。
【0116】
本実施例で第1ワンウェイベアリング212の第1内輪212aは、駆動部300の駆動部出力軸332とキー部材10を用いて結合され、第1外輪212bは、キー部材10を用いて第1回転部材120の第1結合ホール121に結合されることができる。
【0117】
本実施例で第2ワンウェイベアリング222の第2内輪222aは、駆動部300の駆動部出力軸332とキー部材10を用いて結合され、第2外輪222bは、キー部材10を用いて第2回転部材130の第2結合ホール131に結合されることができる。
【0118】
図24は本発明の第5実施例に係る無限軌道装置を概略的に示す斜視図であり、
図25は
図24の分解斜視図であり、
図26は
図25に示す回転方向選択部200を示す斜視図である。
【0119】
本実施例に係る無限軌道装置1fは、
図25に示すように、無限軌道本体100と、無限軌道本体100に連結されて無限軌道本体100に動力を選択的に伝達する回転方向選択部200fと、回転方向選択部200fに連結されて回転方向選択部200fを回転させる駆動部300を含む。
【0120】
本実施例は回転方向選択部200fを前述した実施例と異なるように設けた点で差異点がある。
【0121】
回転方向選択部200fの第1ワンウェイベアリング部210fは、
図25に示すように、第1ワンウェイベアリング212と、第1ワンウェイベアリング212と第1ベルト部材214で連結される第1従動プーリ215と、第1従動プーリ215を加圧して張力を付加する第1テンショナ216を含む。
【0122】
本実施例で第1従動プーリ215は、第1回転部材120と結合される第1プーリ軸215aを含む。
【0123】
回転方向選択部200fの第2ワンウェイベアリング部220fは、
図25に示すように、第2ワンウェイベアリング222と、第2ワンウェイベアリング222と第2ベルト部材224で連結される第2従動プーリ225と、第2従動プーリ225を加圧して張力を付加する第2テンショナ226を含む。
【0124】
本実施例で第2従動プーリ225は、第2回転部材130と結合される第2プーリ軸225aを含む。
【0125】
前記で詳察したように、本実施例は無限軌道の張力を調節するテンショナに過度の力がかかることを防止することによって、無限軌道の張力維持失敗により無限軌道が離脱することを防止することができる。
【0126】
このように、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲から逸脱することなく様々に修正および変形することができることは、この技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するというべきものである。
【符号の説明】
【0127】
1:無限軌道装置
100、100a:無限軌道本体
110:無限軌道部材
120:第1回転部材
121:第1結合ホール
130:第2回転部材
131:第2結合ホール
140:軌道テンショナ
200、200a、200aa、200b、200c、200d、200e、200f、200h:回転方向選択部
210:第1ワンウェイベアリング部
211:第1ワンウェイ出力軸
211a:第1結合溝
212:第1ワンウェイベアリング
212a:第1内輪
212b:第1外輪
212c:第1リング溝
213:第1従動ギア
214:第1ベルト部材
215:第1従動プーリ
215a:第1プーリ軸
216:第1テンショナ
220:第2ワンウェイベアリング部
221:第2ワンウェイ出力軸
221a:第2結合溝
222:第2ワンウェイベアリング
222a:第2内輪
222b:第2外輪
222c:第2リング溝
223:第2従動ギア
223a:第2キー溝
224:第2ベルト部材
225:第2従動プーリ
225a:第2プーリ軸
226:第2テンショナ
230:選択部駆動ギア
240:第1アイドラギア
250:第2アイドラギア
260:中央アイドラギア
270:第1複合ギア
280:第2複合ギア
290:第1ウォームギア
291:ギア軸
292:第2ウォームギア
293:減速ギア
300、300a:駆動部
310:駆動モータ
320:ベルト部材
330:減速機
331:被動プーリ
332:駆動部出力軸
1000:スプロケット
1100:トラックリンク
1200:アイドラ
1300:ローラ部材
10:キー部材
【国際調査報告】