(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】タイヤ製造クリールと押出機との間のコードを整理するための方法およびコード整理装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/38 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
B29D30/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501250
(86)(22)【出願日】2023-04-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 NL2023050190
(87)【国際公開番号】W WO2023224468
(87)【国際公開日】2023-11-23
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルドゥス・ヨハネス・カタリーナ・ヴァン・ラー
(72)【発明者】
【氏名】ジャンチヌス・シュラー
【テーマコード(参考)】
4F501
【Fターム(参考)】
4F501TA00
4F501TA11
4F501TA12
4F501TC16
4F501TE11
4F501TE25
4F501TF01
4F501TF06
4F501TL25
4F501TL34
4F501TL36
4F501TV04
(57)【要約】
本発明は、タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するための方法およびコード整理装置に関し、前記方法は、
・タイヤ製造クリールと押出機の間に、押出機に挿入するコードを準備するためのコード嵌め込みステーションを提供する工程、
・タイヤ製造クリールにおいて、複数のコードコレクタでコードの組を集める工程、および
・前記複数のコードコレクタを、その中に集められたコードの組とともに、タイヤ製造クリールからコード嵌め込みステーションに向けて移送する工程、
を含む。
【選択図】
図8
 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するための方法であって、
・前記タイヤ製造クリールと前記押出機の間に、前記コードを前記押出機に挿入する準備のためのコード嵌め込みステーションを供給する工程、
・前記タイヤ製造クリールにおいて、複数のコードコレクタ内で前記コードの組を集める工程、および
・前記複数のコードコレクタを、その中に収集された前記コードの組と共に、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに移送する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
・前記複数のコードコレクタをコレクタフレームに収納する工程、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に垂直な積層方向に積層する工程、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に平行な横方向に並置する工程、
を更に含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、前記コレクタ本体を通って収集方向に延びる複数のコレクションチャンネルとを備え、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに対して、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを、前記収集方向に向けて前記複数のコレクションチャンネルの異なるコレクションチャンネルに通す工程、
を更に含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
・前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを通して前記収集方向に維持するための第1コードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
・前記第1コードコレクタの前記収集方向の下流側に面する側にあるクランプ位置で前記第1コードクランプにより前記コードの組を挟み込む工程、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1コードコレクタは、前記収集方向に関して前記クランプ位置の上流側で前記第1コードクランプに対して前記コードの組の前記コードに沿って自由に移動可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1コードクランプは、前記第1コードコレクタとは別に設けられ、前記方法は、
・前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの相対位置を変えることにより、前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの間の前記コードの組の前記コードの長さを操作する工程、
を更に含む、請求項5乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
・前記第1コードクランプと前記第1コードコレクタを一緒に前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送する工程、
を更に含む、請求項5乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
・前記コード嵌め込みステーションの前記第1コードクランプから前記コードの組を解放する工程、
を更に含む、請求項5乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに、更にコードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項5乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、
・前記コード嵌め込みステーションにおいて、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を挿入部ホルダに保持する工程、および
・前記挿入部ホルダにおいて、前記コードの組を、前記複数のコードコレクタから前記1つ以上の前記押出機挿入部を通して前記収集方向に延長する工程、
を更に含む、請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
・前記コードの組が延びている前記1つ以上の押出機挿入部を前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
・前記複数のコードコレクタとその中の前記コードの組とを前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のコードコレクタは、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションまで手動で移送される、請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するためのコード整理装置であって、前記押出機に前記コードを挿入する準備をするために、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間に配置可能なコード嵌め込みステーションを備え、前記コード整理装置は、更に前記タイヤ製造クリールにおいてコードの組を集めるため、および前記複数のコードコレクタに集められた前記コードの組を前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送するための、前記コード嵌め込みステーションから分離可能な複数のコードクレクタを備える、コード整理装置。
【請求項17】
前記コード嵌め込みステーションで前記複数のコードコレクタを受けるためのコレクタフレームを備える、請求項16に記載のコード整理装置。
【請求項18】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタをコード平面に垂直な積層方向に積層するために構成される、請求項17に記載のコード整理装置。
【請求項19】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを前記コード平面に平行な横方向に並置するために構成される、請求項17または18に記載のコード整理装置。
【請求項20】
前記コレクタフレームは、そこに収容される前記複数のコードコレクタと共に、前記押出機のコレクタ部へ前記コレクタフレームを移送するために、前記コード嵌め込みステーションから分離可能である、請求項17乃至19の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項21】
前記コレクタフレームはハンドルを備える、請求項20に記載のコード整理装置。
【請求項22】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを収集方向に向けて複数のコレクションチャンネルのうちの異なるコレクションチャンネルに通すために前記コレクタ本体を通じて前記収集方向に延びる前記複数のコレクションチャンネルとを備える、請求項16乃至21の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項23】
前記複数のコレクションチャンネルは互いに平行に延びる、請求項22に記載のコード整理装置。
【請求項24】
前記複数のコレクションチャンネルのそれぞれのコレクションチャンネルは、前記収集方向に対して上流側の前記コレクタ本体の側面に、前記収集方向に向けて先細りになっている漏斗部を備える、請求項22または23に記載のコード整理装置。
【請求項25】
それぞれのコレクタ本体について、前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも10個のコレクションチャンネル、好ましくは少なくとも20個のコレクションチャンネルを備える、請求項22乃至24の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項26】
前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも2つの行および2つの列を有するチャンネルアレイにおいて前記コレクタ本体を横切って分配される、請求項22乃至25の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項27】
前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを経て前記収集方向に通した状態に維持するための第1コードクランプを更に備える、請求項22乃至26の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項28】
前記第1コードクランプは前記第1コードコレクタとは別に設けられている、請求項27に記載のコード整理装置。
【請求項29】
前記第1コードクランプはハンドルを備える、請求項27または28に記載のコード整理装置。
【請求項30】
前記コード整理装置は、前記複数のコードコレクタの更なるコードコレクタごとに、更なるコードクランプを備える、請求項27乃至29の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項31】
前記複数のコードコレクタは同一である、請求項16乃至30の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項32】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コードをコード平面に一時的に保持するための1つ以上のコードマグネットを更に備え、前記1つ以上のコードマグネットは、前記コード平面に対して第1距離のアクティブ位置と、前記コード平面に対して前記第1距離よりも大きい第2距離の非アクティブ位置との間で移動可能である、請求項16乃至31の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項33】
前記コード嵌め込みステーションは、前記第1コードクランプまたは前記第1コードクランプに関連する前記コードの組を一時的に保持するためのクランプホルダを更に備える、請求項16乃至32の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項34】
前記コード嵌め込みステーションは、コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダと、前記挿入部ホルダに対して前記複数のコードコレクタを収容するためのコレクタフレームを保持するためのコレクタホルダとを備える、請求項16乃至33の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項35】
前記コード整理装置は、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間の前記コードの異常を検出するためのコード異常検出器を備える、請求項16乃至34の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項36】
前記コード異常検出器は、前記コードの組のそれぞれのコードを複数のキャッチチャンネルのうちの異なるキャッチチャンネルに通すための前記複数のキャッチチャンネルを有するコード異常キャッチャと、前記複数のキャッチチャンネルのうちの1つのキャッチチャンネルに異常なコードが嵌まり込んだ結果としての前記コード異常キャッチャのコード方向への変位を検出するための1つ以上のキャッチセンサとを備える、請求項35に記載のコード整理装置。
【請求項37】
前記コード嵌め込みステーションは、前記複数のキャッチチャンネルが前記コード方向と直列にコード平面内に延在する前記コード異常キャッチャを保持するためのキャッチャホルダを更に備える、請求項36に記載のコード整理装置。
【請求項38】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダを備え、前記コード異常キャッチャは、前記コード異常キャッチャを前記1つ以上の押出機挿入部と共に前記押出機に移送するために、前記コードが前記キャッチチャンネルに挿通された状態で前記キャッチャホルダから分離可能である、請求項37に記載のコード整理装置。
【請求項39】
前記コード整理装置は、軸方向に延びるロール軸と前記コードを受けるために前記ロール軸を中心として延びる複数の周方向溝とを有するガイドロールを備え、前記コード整理装置は、リテーナが前記軸方向に前記複数の周方向溝を横切って延びるリテーナ位置に位置決め可能な前記リテーナを更に備える、請求項16乃至38の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項40】
前記ガイドローラを保持するためのガイドフレームと、前記リテーナを前記リテーナ位置に磁気的に保持するための1つ以上のリテーナマグネットとを備える、請求項39に記載のコード整理装置。
【請求項41】
前記ガイドロールは、前記ロール軸と一致する半径方向平面を有し、前記リテーナは、前記リテーナ位置において、前記半径方向平面内に延びるリテーナ縁部と、前記半径方向平面の1つの面にのみ延びるリテーナ面とを有する、請求項39または40に記載のコード整理装置。
【請求項42】
前記リテーナ面は前記半径方向平面に対して垂直に延びる、請求項41に記載のコード整理装置。
【請求項43】
前記コード嵌め込みステーションは移動可能である、請求項16乃至42の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項44】
前記コード嵌め込みステーションを前記タイヤ製造クリールに連結および/または位置合わせするための連結部材を備える、請求項43に記載のコード整理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造クリールと押出機との間のコードを整理するための方法およびコード整理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2018/182410号パンフレットは、それぞれが1本のコードを収容する複数のクリールボビンを保持するクリールを開示する。クリールボビンは、クリールの上部および下部にあるガイドチューブを介して、コードを中央コードコレクタに向けて偏向させるコレクタローラの組にコードを供給する。コードコレクタは、個々のクリールボビンから出た全てのコードを集め、集めたコードをコード平面内で互いに平行な向きに、コードがエラストマー材料に埋め込まれてコード補強タイヤ部品が形成される押出機ヘッドに向かって分配する。
【発明の概要】
【0003】
タイヤ設計においてタイヤ幅が益々広くなるに従い、コード補強タイヤ部品も益々幅が広くなり、埋め込む補強コードの量も益々増えている。
【0004】
国際公開第2018/182410号パンフレットに開示されているコレクタローラ、コードコレクタおよび押出機ヘッドの欠点は、それぞれが、個々のコードを受け入れるためのチャネル、溝または孔を特徴とし、その結果、それぞれのコードをクリールから手作業でピックアップしなければならず、それぞれのコード専用の経路に沿って、個々に、どのコードも置き間違えたり交差したりしないように注意しながら案内しなければならないことである。
【0005】
クリールから出るコードの数が益々多くなるにつれ、手作業によるコードを埋め込む準備に要する時間が大幅に増加し、押出機の下流におけるタイヤ製造工程の遅延を生じている。
【0006】
本発明の目的は、埋め込みのためのコードの準備に要する手作業の量を減らすことができる、タイヤ製造クリールと押出機との間のコードを整理するための方法およびコード整理装置を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するための方法を提供し、前記方法は、
・前記タイヤ製造クリールと前記押出機の間に、前記コードを前記押出機に挿入する準備のためのコード嵌め込みステーションを提供する工程、
・前記タイヤ製造クリールにおいて、複数のコードコレクタ内で前記コードの組を集める工程、および
・前記複数のコードコレクタを、その中に収集された前記コードの組と共に、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに移送する工程と、
を含む。
【0008】
コードコレクタを使用してコードを分散した態様で集めることができ、コード嵌め込みステーションに組で移送することができる。これは、従来技術によるタイヤ製造クリールから押出機への個々のコードの収集および移送に比べて、要する労働力を大幅に削減することができる。
【0009】
好ましい実施形態において、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタをコレクタフレームに収納する工程、
を更に含む。コードコレクタがコレクタフレームに収容されるとき、コードは、コードコレクタ内で都合よく組として留まることができる。これにより、コード嵌め込みステーションおよび/または押出機に向かって共通のコード平面内で互いに平行に分配されることにより、先行技術によるコードの個々の準備と比較して、コードをはるかに整理された方法で準備することができる。
【0010】
より好ましくは、前記方法は、
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に垂直な積層方向に積層する工程、および/または
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に平行な横方向に並置する工程、
を更に含む。コードコレクタをコレクタフレームに積層および/または並置することにより、相対的に多数のコードコレクタを単一のコレクタ平面に収容することができ、そこに集められた全てのコードをコレクタ平面からコード嵌め込みステーションに供給することができる。
【0011】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、前記コレクタ本体を通って収集方向に延びる複数のコレクションチャンネルとを備え、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに対して、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを、前記収集方向に向けて前記複数のコレクションチャンネルの異なるコレクションチャンネルに通す工程、
を更に含む。それぞれのコードを異なるコレクションチャンネルに通すことにより、それぞれのコードは、コード嵌め込みステーションおよび/または押出機に向かって更に互いに平行に分配されるようにすでに準備されている。
【0012】
好ましくは、前記方法は、
・前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを通して前記収集方向に維持するための第1コードクランプを提供する工程、
を更に含む。言い換えれば、第1コードクランプは、第1コードコレクタに集められたコードがそれぞれのコレクションチャンネルから収集方向の反対方向に抜け出ることを防止することができる。
【0013】
より好ましくは、前記方法は、
・前記第1コードコレクタの前記収集方向の下流側に面する側にあるクランプ位置で前記第1コードクランプにより前記コードの組を挟み込む工程、
を更に含む。従って、第1コードクランプは、クランプ位置側でコレクションチャンネルから突出するコードの自由長を効果的に挟み込むことができ、当該自由長を挟み込むことにより、コードがコレクションチャンネルから反対方向に抜け出ることを防止することができる。特に、第1コードクランプは、一旦クランプ位置でコードの組に固定されると、第1コードクランプが収集方向の反対方向にコレクションチャンネルを通過することができないように、コレクションチャンネルよりも断面が大きくなるように設計されている。
【0014】
最も好ましくは、前記第1コードコレクタは、前記収集方向に関して前記クランプ位置の上流側で前記第1コードクランプに対して前記コードの組の前記コードに沿って自由に移動可能である。これにより、第1コードコレクタは、第1コードクランプから離間して、例えばコードを押出機挿入部を通して案内する目的で、操作可能なコードの組のうちの1本をその間に露出させることができる。
【0015】
更なる実施形態において、前記第1コードクランプは、前記第1コードコレクタとは別に設けられ、前記方法は、
・前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの相対位置を変えることにより、前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの間の前記コードの組の前記コードの長さを操作する工程、
を更に含む。第1コードクランプを第1コードコレクタと別に設けることにより、第1コードクランプはかなりの動作的な自由度を有することができる。例えば、第1コードクランプを一方の手で保持し、他方の手で第1コードコレクタを保持することにより、タイヤ製造クリール、コード嵌め込みステーションおよび/または押出機の部品に対して、その間にあるコードの組の長さを自由に操作することができる。
【0016】
更なる実施形態において、前記方法は、
・前記第1コードクランプと前記第1コードコレクタを一緒に前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送する工程、
を更に含む。これにより、第1コードクランプと第1コードコレクタを1回の動作で移送することができ、それにより時間を節約することができる。
【0017】
更なる実施形態において、前記方法は、
・前記コード嵌め込みステーションの前記第1コードクランプから前記コードの組を解放する工程、
を更に含む。このようにして、コードの組のそれぞれのコードをコード嵌め込みステーションを通して別々に案内することができる。コードを1本ずつ解放してもよく、例えば、第1コードクランプを短時間解放してコードの1本を手動で取り外せるようにし、残りのコードを再び挟み込む。コードを1本ずつ解放することにより、コードの自由端が絡まることを防止することができる。好ましくは、第1コードクランプと第1コードコレクタとの間のコードの長さは、第1コードクランプから解放されたコードが直ちに第1コードコレクタからも抜け出ることを防止するために十分な長さである。
【0018】
更なる実施形態において、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに、更にコードクランプを提供する工程、
を更に含む。これにより、コードのそれぞれの組を、それぞれのコードコレクタで挟み込むことができる。
【0019】
他の実施形態において、前記方法は、
・前記コード嵌め込みステーションにおいて、コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を挿入部ホルダに保持する工程、および
・前記挿入部ホルダにおいて、前記コードの組を、前記複数のコードコレクタから1つ以上の前記押出機挿入部を通して前記収集方向に延長する工程、
を更に含む。これにより、コードを、それぞれのコードコレクタに集められた状態のまま、1つ以上の押出機挿入部に準備することができる。
【0020】
好ましくは、前記方法は、
・前記コードの組が延びている前記1つ以上の押出機挿入部を前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
・前記複数のコードコレクタとその中の前記コードの組とを前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
を更に含む。これにより、コードコレクタは準備中および/または押出中も、コードの押出機への適切な供給を確実にするために、定位置に留まることができる。
【0021】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタは、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションまで手動で移送される。それぞれのコードコレクタはコードの組を集めて保持することができるので、コードコレクタの手動による移送は、従来技術によるコードの個別の移送に比べて要する労働力を大幅に削減することができる。
【0022】
第2の態様によれば、本発明は、タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するためのコード整理装置を提供し、前記コード整理装置は、前記押出機にコードを挿入する準備をするために、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間に配置可能なコード嵌め込みステーションを備え、前記コード整理装置は、更に前記タイヤ製造クリールにおいてコードの組を集めるため、および前記複数のコードコレクタに集められた前記コードの組を前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送するための、前記コード嵌め込みステーションから分離可能な複数のコードコレクタを備える。
【0023】
コード整理装置は、本発明の第1の側面による方法の工程を実行するために使用することができ、従って、以下では繰り返さないが、同じ技術的利点を有する。
【0024】
好ましい実施形態において、前記コード整理装置は、前記コード嵌め込みステーションで前記複数のコードコレクタを受けるためのコレクタフレームを備える。
【0025】
より好ましくは、前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタをコード平面に垂直な積層方向に積層するため、および/または、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを前記コード平面に平行な横方向に並置するために構成される。
【0026】
更なる実施形態において前記コレクタフレームは、そこに収容される前記複数のコードコレクタと共に、前記押出機のコレクタ部へ前記コレクタフレームを移送するために、前記コード嵌め込みステーションから分離可能である。従って、コードの準備中にコレクタフレームをコード嵌め込みステーションに配置することができると共に、その後、押出工程中に押出機へのコードの適切な供給を確実にするために押出機に移送することができる。
【0027】
好ましくは、前記コレクタフレームはハンドルを備える。このハンドルにより、コレクタフレームをコード嵌め込みステーションから手動で分離し、当該コレクタフレームを押出機に手動で移送することができる。
【0028】
更なる実施形態において、前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを収集方向に向けて複数のコレクションチャンネルのうちの異なるコレクションチャンネルに通すために前記コレクタ本体を通じて前記収集方向に延びる前記複数のコレクションチャンネルとを備える。
【0029】
好ましくは、前記複数のコレクションチャンネルは互いに平行に延びる。従って、コードを、コード平面において押出機に互いに平行に挿入されるように準備することができる。
【0030】
付加的または代替的に、前記複数のコレクションチャンネルのそれぞれのコレクションチャンネルは、前記収集方向に対して上流側の前記コレクタ本体の側面に、前記収集方向に向けて先細りになっている漏斗部を備える。漏斗部は、コードが不正確にまたはずれた態様でコレクションチャンネルに接近する場合であっても、コードをそれぞれのコレクションチャンネルに案内することができる。
【0031】
別の実施形態において、それぞれのコレクタ本体について、前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも10個のコレクションチャンネル、好ましくは少なくとも20個のコレクションチャンネルを備える。これにより、それぞれのコードコレクタに多数のコードを集めることができ、コードコレクタを合わせて更に多数のコードをコード嵌め込みステーションに供給することができる。
【0032】
他の実施形態において、前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも2つの行および2つの列を有するチャンネルアレイにおいて前記コレクタ本体を横切って分配される。従って、コードを、コード嵌め込みステーションおよび/または押出機に互いに平行な態様で供給するように、チャンネルアレイの平面内で間隔をあけて配置することができる。特に、チャンネルアレイは、収集方向に対して垂直に延びる。
【0033】
他の実施形態において、前記コード整理装置は、前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを経て前記収集方向に通した状態に維持するための第1コードクランプを更に備える。特に、第1コードクランプは、コードが複数のコレクションチャンネルから収集方向とは反対の方向に抜け出ることを効果的に防止することができる。第1コードクランプは、第1コードコレクタと一体化されていてもよく、この場合、第1コードクランプは、第1コードコレクタにクランプ機能を付加する。あるいは、第1コードクランプは第1コードコレクタとは別に設けることもできる。第1コードクランプは、コード整理装置から独立して適用することができ、すなわち、第1コードクランプを、タイヤ製造クリールまたは前述のコード整理装置で使用するための別個の道具として分割出願の対象とすることができることに留意されたい。
【0034】
付加的または代替的に、前記第1コードクランプはハンドルを備える。このハンドルにより、前記第1コードをタイヤ製造クリールとコード嵌め込みステーションとの間で手動で移動させることができる。
【0035】
更なる実施形態において、前記コード整理装置は、前記複数のコードコレクタの更なるコードコレクタごとに、更なるコードクランプを備える。
【0036】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタは同一である。従って、それぞれのコードコレクタは、タイヤ製造クリール、コード嵌め込みステーションおよび/または押出機の任意の位置で使用することができる。
【0037】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタとは独立して適用することもできるが、前記コード嵌め込みステーションは、前記コードをコード平面に一時的に保持するための1つ以上のコードマグネットを更に備え、前記1つ以上のコードマグネットは、前記コード平面に対して第1距離のアクティブ位置と、前記コード平面に対して前記第1距離よりも大きい第2距離の非アクティブ位置との間で移動可能である。アクティブ位置において、1つ以上のコードマグネットは、コードを一時的に保持することができ、コードの準備中、特にコードが上述したコードクランプから既に解放されているときに、コードがコード嵌め込みステーションに対して相対的にずれることを防止する。非アクティブ位置では、1つ以上のマグネットは、コード平面におけるコードの準備、操作および/または供給を妨げないように、コードから十分に離間している。
【0038】
他の実施形態において、前記コード嵌め込みステーションは、前記第1コードクランプまたは前記第1コードクランプに関連する前記コードの組を一時的に保持するためのクランプホルダを更に備える。コード嵌め込みステーションで他の作業が行われている間、第1コードクランプを一時的に「仮置き」させることができる。複数のコードクランプの場合、コード嵌め込みステーションにおける準備のためにコードを解放するべく、いくつかのコードクランプを仮置きさせ、他のコードクランプをコード平面近傍の位置に保持することができる。このようにして、コード嵌め込みプラットフォームは、コードを整理する工程で積極的に使用されないコードクランプまたはそれに関連する組から解放された状態に保つことができる。
【0039】
他の実施形態において、前記コード嵌め込みステーションは、コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダと、前記挿入部ホルダに対して前記複数のコードコレクタを収容するためのコレクタフレームを保持するためのコレクタホルダとを備える。これにより、コードコレクタを挿入部ホルダに対して相対的に保持することにより、コードコレクタに集められたコードを、挿入部ホルダに保持された押出機挿入部に向けて延ばすことができる。
【0040】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタとは独立して適用することもできるが、前記コード整理装置は、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間の前記コードの異常を検出するためのコード異常検出器を備える。フィラメントが切れた等のコードの異常は、早期に検出されない場合、押出機挿入部に対して巻き上がったり、剥がれたりして、押出機挿入部に重大な損傷を与えることがある。コード異常検出器は、このようなコードの異常を早期に検出し、コードの異常が押出機挿入部に重大な損傷を与える前に押出工程を停止させることができる。
【0041】
より好ましくは、前記コード異常検出器は、前記コードの組のそれぞれのコードを複数のキャッチチャンネルのうちの異なるキャッチチャンネルに通すための前記複数のキャッチチャンネルを有するコード異常キャッチャと、前記複数のキャッチチャンネルのうちの1つのキャッチチャンネルに異常なコードが嵌まり込んだ結果としての前記コード異常キャッチャのコード方向への変位を検出するための1つ以上のキャッチセンサとを備える。フィラメントが切れたコードは、キャッチチャンネルを通過することができず、その後、コード異常キャッチャに対して剥離し始めるか、または巻き上がり始め、それによって、コードがコード方向に更に供給されるにつれて、コード異常キャッチャにコード方向の力が及ぶことがある。コード異常検出器は、当該力の結果としてのコード異常キャッチャの変位を検出するために特に有用になることがある。
【0042】
より好ましくは、前記コード嵌め込みステーションは、前記複数のキャッチチャンネルが前記コード方向と直列にコード平面内に延在する前記コード異常キャッチャを保持するためのキャッチャホルダを更に備える。コード異常キャッチャがコード平面内に延在することにより、コード平面内におけるコードの準備中に、コードをそれぞれのキャッチチャンネルに容易に挿通することができる。
【0043】
最も好ましくは、前記コード嵌め込みステーションは、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダを備え、前記コード異常キャッチャは、前記コード異常キャッチャを前記1つ以上の押出機挿入部と共に前記押出機に移送するために、前記コードが前記キャッチチャンネルに挿通された状態で前記キャッチャホルダから分離可能である。コード異常キャッチャが押出機内に配置されると、コード異常キャッチャが押出機挿入部の上流側の位置にある状態で押出工程を開始することができる。
【0044】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタとは独立して適用することもできるが、前記コード整理装置は、軸方向に延びるロール軸と前記コードを受けるために前記ロール軸を中心として延びる複数の周方向溝とを有するガイドロールを備え、前記コード整理装置は、リテーナが前記軸方向に前記複数の周方向溝を横切って延びるリテーナ位置に位置決め可能な前記リテーナを更に備える。リテーナは、一旦それぞれの周方向溝を通って案内されたコードが、それぞれの周方向溝から飛び出すことを防止することができる。言い換えれば、リテーナは、コードがそれぞれの周方向溝の所定位置に留まることを確実にする。
【0045】
好ましくは、前記コード整理装置は、前記ガイドローラを保持するためのガイドフレームと、前記リテーナを前記リテーナ位置に磁気的に保持するための1つ以上のリテーナマグネットとを備える。これにより、工具を使用することなく、リテーナをリテーナ位置に手動で配置したり、リテーナ位置から手動で取り外したりすることができる。
【0046】
付加的または代替的に、前記ガイドロールは、前記ロール軸と一致する半径方向平面を有し、前記リテーナは、前記リテーナ位置において、前記半径方向平面内に延びるリテーナ縁部と、前記半径方向平面の1つの面にのみ延びるリテーナ面とを有する。前記リテーナ位置は、前記半径方向平面の前記1つの面および/または前記リテーナ面が、前記コードが前記周方向溝を通って供給される供給方向に対して前記半径方向平面の下流側に位置するように選択することができる。このようにすることで、リテーナ縁部は、ロール軸に直交する半径方向において、コードをそれぞれの周方向溝内に効果的に保持することができる一方、リテーナ面は、半径方向平面の当該1つの面において、周方向溝に対して開口していることにより、コードがガイドロールとリテーナ面との間で、供給方向において詰まったり、挟まれたりすることを防止することができる。言い換えれば、リテーナ面はガイドロールに向かって収束する位置にはない。
【0047】
好ましくは、前記リテーナ面は前記半径方向平面に対して垂直に延びる。これにより、リテーナ面は半径方向平面でガイドロールに接することができる。
【0048】
他の実施形態において、前記複数のコードコレクタとは独立して適用することもできるが、前記コード嵌め込みステーションは移動可能である。これにより、コード嵌め込みステーションは、コードが押出機に挿入されるように準備されるときにタイヤ製造クリールと押出機との間の位置に移動させることができ、その後、準備が完了したときに、当該位置から移動させることができる。コード嵌め込みステーションは、例えば、車輪、より詳細にはキャスター車輪の上に置くことができる。
【0049】
好ましくは、前記コード嵌め込みステーションは、前記コード嵌め込みステーションを前記タイヤ製造クリールに連結および/または位置合わせするための連結部材を備える。このようにして、コード嵌め込みステーションの位置をタイヤ製造クリールの位置に連動させることができる。特に、タイヤ製造クリールが移動されるとき、コード嵌め込みステーションを当該タイヤ製造クリールと共に、例えば、収集方向および/またはコード方向に対して垂直な横方向に移動することができる。
【0050】
本明細書に記載され示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明は、添付の概略図に示す例示的な実施形態に基づいて説明される。
【
図1】
図1は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図2】
図2は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図3】
図3は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図4】
図4は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図5】
図5は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図6】
図6は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図7】
図7は、本発明に係るタイヤ製造クリール、押出機、およびコード整理装置を示す側面図であり、当該タイヤ製造クリールと当該押出機との間でコードを整理する方法の工程間の図である。
【
図8】
図8は、
図1のコード整理装置とタイヤ製造クリールの一部を示す透視図である。
【
図9】
図9は、
図8のコード整理装置で使用するための第1コードコレクタと第1コードクランプを示す図である。
【
図10】
図10は、
図8のX-X線による第1コードコレクタと第1コードクランプの断面図である。
【
図11】
図11は、
図8のコード整理装置のコード嵌め込みステーションの分解図である。
【
図12】
図12は、
図8のXII-XII線によるコード嵌め込みステーションの断面図である。
【
図13】
図13は、
図12のコード嵌め込みステーションと
図1の押出機の、押出機挿入部、コード異常キャッチャ、およびコレクタフレームのコード嵌め込みステーションから押出機への移送中の断面図である。
【
図14】
図14は、押出機挿入部、コード異常キャッチャおよびコレクタを備えた押出機の断面図である。
【
図15】
図15は、
図9のXV-XV線によるコード整理装置のガイドロールとリテーナの断面図である。
【
図17】
図17は、互いに相対的に移動可能な2つのクリール部を有する、
図1のタイヤ製造クリールの上面図である。
【
図18】
図18は、互いに相対的に移動可能な2つのクリール部を有する、
図1のタイヤ製造クリールの上面図である。
【
図19】
図19は、
図1のタイヤ製造クリールにクリールボビンを取り付けるための一組の軸の透視図である。
【
図20】
図20は、
図19のXX-XX線による、その上にクリールボビンが取り付けられている一組の軸の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、ブレーカープライ等のワイヤまたはコードで補強されたタイヤ部品を製造するための、本発明の例示的な実施形態に係るタイヤ部品製造ラインを示す。タイヤ構成部材は、グリーンタイヤまたは未加硫タイヤを製造するために使用される。
【0053】
タイヤ部品製造ラインは、ワイヤまたはコード9を供給するためのタイヤ製造クリール1と、コード9を押出物、特にエラストマー材料またはゴムの層に埋め込むための押出機2と、コード9を整理するためにタイヤ製造クリール1と押出機2との間に設けられたコード整理装置3とを備える。
【0054】
図17および
図18に示すように、タイヤ製造クリール1は、第1クリール部11と第2クリール部12とを備え、それぞれがクリールボビンBのセットを保持している。それぞれのクリールボビンBは1本のコード9を収納する。クリール部11、12は、本明細書において後に詳述する方法で、クリール位置にある押出機2と交互に整列するように、クリールガイド10に沿って移動可能である。
図1の側面図では、第1クリール部11のみが示されている。
【0055】
図1に示すように、押出機2は、押出機工具または押出機挿入部、この例では金型21およびコードガイド22を受けるための押出機ヘッド20を備える。金型21は、押出材が押出機2から出るときの押出材の断面形状を規定する金型開口部(図示せず)を有する。コードガイド22は、コード9を共通のコード平面Pにおいて互いに平行な向きに、当該コード9が押出材内に埋め込まれる金型21内に送り込むための複数のコードチャンネルを備える。
【0056】
図8に示すように、コード整理装置3は、タイヤ製造クリール1と押出機2との間に配置可能または配置されるコード嵌め込みステーション4を備える。この例では、コード嵌め込みステーション4は、タイヤ製造クリール1および押出機2に対して自由に配置可能、移動可能または持ち運び可能である。特に、コード嵌め込みステーション4は、コード嵌め込みステーション4を工場床面上で転動させるための車輪47、より詳細にはキャスター車輪の上に配置されている、または備えている。コード嵌め込みステーション4は更に、コード嵌め込みステーション4をタイヤ製造クリール1のクリール部11、12の一方に結合するための連結部材48を備える。連結されると、コード嵌め込みステーション4は、それが結合されるクリール部11、12とともに移動するか、またはそれによって牽引されるように構成される。この例では、連結部材48は、それぞれのクリール部11、12の相補的な牽引要素19と整列するための整列要素49を有する。この例では、整列要素49は整列スロットであり、牽引要素19は当該整列スロットに挿入するための牽引プレートである。
【0057】
図11により詳細に示すように、コード嵌め込みステーション4は、コード9を押出機2に挿入する準備を行うために配置、適合または構成されている。より具体的には、コード嵌め込みステーション4は、コード9をコード方向Xおよび/またはコード平面Pにおいて押出機2内に互いに平行に挿入する準備をするように構成されている。この目的のために、コード嵌め込みステーション4は、人間のオペレータがコード9を操作するための人間工学的な高さでコード9を支持する、好ましくは高さ調節可能な、コード嵌め込みプラットフォーム40を有する。
【0058】
コード整理装置3は、
図2に示すように、タイヤ製造クリール1においてコード9の組G1、G2、...、Gnを集めるための複数のコードコレクタ61、62を更に備える。コードコレクタ61、62に収集されたコード9の組G1、G2、...、Gnは、その後、
図3に示すように、タイヤ製造クリール1からコード嵌め込みステーション4に向かって、および/または
図7に示すように、コード嵌め込みステーション4から押出機2に向かって移送することができる。このようにして、コード9の組G1、G2、...、Gnは、先行技術による単一の集中型コードコレクタへのコードの1本ずつの収集およびルーティングと比較して、分散化された方法で集めることができる。
【0059】
コードコレクタ61、62は、個々に、および/または独立して、タイヤ製造クリール1、コード嵌め込みステーション4および/または押出機2に取り付け可能であり、かつこれらから分離可能である。特に、コードコレクタ61、62は、重量、サイズおよび/または人間工学の観点から、手動で持ち運びおよび/または移送できるように設計されている。
【0060】
図9は、複数のコードコレクタ61、62のうちの第1コードコレクタ61をより詳細に示している。第1コードコレクタ61は、複数のコードコレクタ61、62のうちの更なるコードコレクタ62を代表するものである。実際には、コードコレクタ61、62は同一であってもよい。
【0061】
図9に示すように、第1コードコレクタ61は、コレクタ本体60と、コード9の第1組G1のそれぞれのコード9を複数のコレクションチャンネル63のうちの異なるコレクションチャンネル63に収集方向Cに通すためにコレクタ本体60を通って収集方向Cに延びる複数のコレクションチャンネル63とを備える。この実施例では、第1コードコレクタ61は、2つの行Mと14の列Nのチャンネルアレイでコレクタ本体60にわたってまたはコレクタ本体60を横切って分配された28のコレクションチャンネル63を有する。しかしながら、他の数のコレクションチャンネル63、行Mまたは列Nも本発明の範囲内であることが当業者には理解されるであろう。
【0062】
複数のコレクションチャンネル63のそれぞれのコレクションチャンネル63は、収集方向Cに対して上流側のコレクタ本体60の側面に漏斗部64が形成されて構成されている。漏斗部64は、収集方向Cに先細りに形成されているため、コード9の挿入が不正確であったり、挿入時にコード9の位置がずれたりした場合であっても、コード9の挿入が容易である。
【0063】
図11および
図12に示すように、コード嵌め込みステーション4には、コードコレクタ61、62を保持または収容するためのコレクタホルダ41が設けられている。この実施例では、コード整理装置3は、コード嵌め込みステーション4のコレクタホルダ41でコードコレクタ61、62を受けるためのコレクタフレーム5を備える。コレクタフレーム5は、コード嵌め込みステーション4のコレクタホルダ41に取り付け可能であり、かつコレクタホルダ41から分離可能である。
【0064】
図11に最もよく見られるように、コレクタフレーム5は、コードコレクタ61、62を受けるための収容スロット51を有する収容本体50を備える。収容本体50および/または収容スロット51は、複数のコードコレクタ61、62のうちの4つのコードコレクタ61、62をコード平面Pに垂直な積層方向Zに積み重ね、かつ複数のコードコレクタ61、62のうちの4つのコードコレクタ61、62をコード平面Pに平行な横方向Yに並置するための寸法、形状および/または構成を有する。これにより、コードコレクタ61、62は、コレクタマトリックスまたはコレクタアレイ、この例では、単一のコレクタ平面K内に延びている4×4のコードコレクタ61、62のコレクタアレイで収容することができ、そこに集められた全てのコード9を、コレクタ平面Kからコード嵌め込みステーション4内に供給または分配することができる。
【0065】
コレクタフレーム5は、収容スロット51を閉じ、コードコレクタ61、62を当該収容スロット51内に保持するためのカバー52を更に備える。カバー52および/または収容本体50は、コードコレクタ61、62を保持しているコレクタフレーム5をコード嵌め込みステーション4から押出機2へ手動で移送するためのハンドル53を任意に備えてもよい。
【0066】
図9に示すように、コード整理装置3は、第1コードコレクタ61の複数のコレクションチャンネル63を通して収集方向Cに通されたコード9の組G1を保持するための第1コードクランプ71を任意に備えてもよい。言い換えれば、第1コードクランプ71は、コード9が収集方向Cとは反対の方向にコレクションチャンネル63から抜け出ることを防止する。
【0067】
この例では、第1コードクランプ71は、第1コードコレクタ61とは別に設けられている。言い換えれば、第1コードクランプ71と第1コードコレクタ61とは互いに連結されておらず、または直接連結されていない。これにより、第1コードクランプ71と第1コードコレクタ61とは、互いに相対的に自由に移動および/または位置決めすることができる。特に、第1コードクランプ71と第1コードコレクタ61は、第1コードクランプ71と第1コードコレクタ61の一方、または両方を動かすことによって、その間のコード9の長さLを操作できるように、収集方向Cに間隔をあけて配置することができる。あるいは、第1コードクランプ71は、第1コードコレクタ61に接続されるか、または一体化されていてもよい。例えば、第1コードクランプ71は、一体化されたクランプ機能を有するコードコレクタと見なしてもよい。このような代替案では、別個の第1コードコレクタ61を要しない。
【0068】
図10に最もよく見られるように、この実施例では、第1コードクランプ71は、一組のクランププレート73、74、75を備え、そのうちの少なくとも1つは、他のクランププレートに対して相対的に移動可能で、クランププレート73~75の間にコード9を挟み込むようになっており、それぞれクランプ開口部76が設けられている。第1コードクランプ71は、第1コードコレクタ61の収集方向Cに対して下流側の側方においてクランプ位置Wに配置されている。好ましくは、クランプ開口部76は、収集方向Cのコレクションチャンネル63とクランプ開口部76の両方にコード9を容易に通すために、収集方向Cのコレクションチャンネル63と同数であり、収集方向Cのコレクションチャンネル63と整列している。
【0069】
この特定の実施形態において、一組のクランププレート73~75は、第1クランププレート73、第2クランププレート74および第3クランププレート75を備える。第2クランププレート74は、第1クランププレート73と第3クランププレート75との間に挿入または挟持され、第1クランププレート73および第3クランププレート75に対して、収集方向Cに対して横方向または直角方向に相対的に移動可能である。この実施例では、
図9に示すように、第1コードクランプ71は、レバー軸78に対して第2クランププレート74を偏心的に支持するクランプレバー77を備える。クランプレバー77が動かされると、第2クランププレート74が他のクランププレート73、75に対して相対的に動かされ、第2クランププレート74のクランプ開口部76が他のクランププレート73、75のクランプ開口部76とずれ、それによってコード9が挟み込まれおよび/または締め込まれる。
【0070】
当業者であれば、クランプジョー、磁石等を含むがこれらに限定されない、様々な他のクランプ方法が想定されることが理解されよう。
【0071】
図9に示すように、この実施例では、第1コードクランプ71は、当該第1コードクランプ71をタイヤ製造クリール1からコード嵌め込みステーション4に向かって手動で移動させることができるように、ハンドル79を備えている。
【0072】
図2に模式的に示すように、コード整理装置3は、複数のコードコレクタ61、62のうちの更なるコードコレクタ62ごとに、更なるコードクランプ72を備える。当該更なるコードクランプ72は、上述した第1コードクランプ71と同一である。
【0073】
図11および
図12に示すように、コード嵌め込みステーション4は、押出機2に挿入するコード9の準備中にコード異常検出器8を保持するためのキャッチャホルダ42を更に備えている。コード異常検出器8は、
図14に示すように、押出機2のコードガイド22の上流の異常検出位置Eに配置され、タイヤ製造クリール1と押出機2との間のコード9の異常Fを検出する。
【0074】
図11に最もよく見られるように、コード異常検出器8は、コード9の組G1、G2、...、Gnのそれぞれのコード9を複数のキャッチチャンネル83のうちの異なるキャッチチャンネル83に通すための複数のキャッチチャンネル83を有するコード異常キャッチャ80を備える。この実施例では、コード異常キャッチャ80は、キャッチチャンネル83を少なくとも部分的に画定するキャッチ本体81と、キャッチチャンネル83を閉鎖または完成するためのカバー82とを備えるという意味で、コードガイド22と同様の構造を有する。これにより、コード9は、最終的にコードガイド22のコードチャンネルを通過するのと同じ方法または実質的に同じ方法で、キャッチチャンネル83を通過することができる。これにより、コードガイド22で問題を引き起こすようなコードの異常は、コード異常キャッチャ80によって直ちにキャッチされ、それによってコードガイド22の損傷を防ぐことができる。
【0075】
図14に示すように、コード異常検出器8は更に、キャッチャ部25において、コード9の異常Fがキャッチチャンネル83の1つに詰まった結果生じるコード方向Xにおけるコード異常キャッチャ80の変位を検出するための1つ以上のキャッチセンサ84、85を備える。コード異常キャッチャ80は、例えば磁石やばね等の適切なキャッチリテーナ86によって、キャッチャ部25の所定位置に保持することができる。異常のあるコード9がキャッチチャンネル83の1つに詰まった結果、コード異常キャッチャ80に対してコード方向Xに及ぼされる力がキャッチリテーナ86の保持力を超えると、コード異常キャッチャ80はコード方向Xへの変位を開始することができる。
【0076】
図11および
図12に示すように、コード嵌め込みステーション4は、コード方向Xにおいてコレクタホルダ41およびキャッチャホルダ42の下流側の位置において、金型21およびコードガイド22をコード平面Pに対して相対的に保持するための挿入部ホルダ43を更に備える。
【0077】
図11に最もよく見られるように、コード嵌め込みステーション4は、コードクランプ71、72または当該コードクランプ71、72に関連付けられたコード9の組G1、G2、...、Gnのうちの1つ以上を一時的に保持または駐車するためのクランプホルダ44を更に備える。このようにして、コード嵌め込みプラットフォーム40は、コード9を整理する工程で積極的に使用されないコードクランプ71、72またはそれに関連する組G1、G2、...、Gnから自由に保たれることができる。
【0078】
図12に示すように、コード嵌め込みステーション4は、コード9をコード平面Pに一時的に保持するための第1コードマグネット45および第2コードマグネット46を更に備える。コードマグネット45、46は、実線で示すように、コード平面P内に延びる、当該コード平面Pに平行である、または当該コード平面Pから第1距離D1にあるアクティブ位置と、破線で示すように、コード平面Pから第1距離D1よりも大きい第2距離D2にある非アクティブ位置との間で移動可能である。
【0079】
この実施例では、
図8に最もよく見られるように、コード整理装置3は、タイヤ製造クリール1からコード嵌め込みステーション4に向かってコード9を案内するための複数のガイドロール31と、当該複数のガイドロール31を保持するためのガイドフレーム30とを更に備えている。
図15に示すように、それぞれのガイドロール31は、軸方向Aに延びるロール軸Sを有する。それぞれのガイドロール31は、ロール軸Sを中心として個々に回転可能であるように軸方向Aに並んで配置された複数のディスク32を更に備える。それぞれのディスク32は、ガイドロール31の円周の少なくとも一部の周りにコード9をそれぞれ1つ受容するための、当該ロール軸Sを中心として延びる周方向溝33を画定する。
【0080】
コード整理装置3は、
図8および
図9 に示すように、それぞれの1つのガイドロール31に対してリテーナ位置Tに位置決め可能なリテーナ34を更に備えている。リテーナ34は、リテーナ位置Tにおいて、それぞれのガイドロール31の複数の周方向溝33を軸方向Aに横切るように延びるリテーナ本体35を有する。この実施例では、リテーナ本体35は梁や棒のような形状をしている。
【0081】
図8 に示す実施例では、整理装置3は、リテーナ34をそれぞれのガイドロール31に対してリテーナ位置Tに保持するためのリテーナマグネット38、39を備える。この特定の実施形態において、リテーナマグネット38、39は、それぞれのガイドロール31を保持するガイドフレーム30に設けられている。より詳細には、ガイドフレーム30は、軸方向Aにおいてガイドロール31の両側に1つのリテーナマグネット38、39を備える。リテーナ本体35は、リテーナマグネット38、39に向かって磁気的に吸着可能な強磁性材料を含む。リテーナ34をそれぞれのガイドロール31に対してリテーナ位置Tに着脱可能に締結、固定、挟持または保持するための他の手段を設けてもよく、これにはクランプ、ねじ、ボルトなどが含まれるが、これらに限定されないことは当業者には理解されるであろう。
【0082】
図16に示すように、ガイドロール31は、ロール軸Sと一致する半径方向平面Rを有する。リテーナ34は、リテーナ位置Tにおいて、軸方向Aと平行に、当該半径方向平面Rに延びるリテーナ縁部36を有する。リテーナ本体35は、更に、当該半径方向平面Rの1つの面にのみ延びるリテーナ面37を画定する。特に、リテーナ面37は、半径方向平面Rに対して垂直に延びる。
【0083】
図17および
図18に示すように、この実施例では、第1クリール部11および第2クリール部12は、クリールガイド10に沿ってそれぞれのクリール部11、12を個別におよび/または独立して移動させるために、それぞれ第1クリール駆動装置13および第2クリール駆動装置14を備えている。独立に移動可能なクリール部11、12は、機械的な相互接続がない場合、機械的な相互接続を機械的に解除することを要さずに、メンテナンス、積み込み、積み下ろし、および/または再構成のために、即座に、または直ちに、別個に移動できるという、それぞれの互いに固定された対応する態様に対する技術的な利点を有する。
【0084】
タイヤ製造クリール1は、第2クリール部12に取り付けられ、第1クリール部11に向かって突出するスペーサ15、特にスペーサバーを更に備え、当該第2クリール部12を第1クリール部11から物理的に最小距離H1で離間させる。これにより、クリール部11、12の間で作業する作業者への危険な状況や、クリール部11、12の損傷を回避することができる。タイヤ製造クリール1には、クリール部11、12間の距離を測定するための距離センサ16、例えばレーザも設けられている。この実施例では、距離センサ16は第2クリール部12にも設けられている。クリール駆動装置13、14および距離センサ16は、動作的、電子的および/または機能的に制御ユニット18に接続されており、この制御ユニット18は、距離センサ16によって検出されるクリール部11、12間の距離を最大距離H2以下に保つように構成されている。
【0085】
制御ユニット18は更に、クリール部11、12が最小距離H1と最大距離H2との間で一定または実質的に一定の距離にとどまるように、クリール駆動装置13、14を制御するように構成、プログラムまたは配置されてもよい。
【0086】
この実施例では、第1クリール部11は、クリール部11、12が最小距離H1にあるときにスペーサ15の遠位端を物理的に受け入れるためのドッキング17を備える。
【0087】
図19および
図20は、
図1のタイヤ製造クリール1のクリール部11、12に一対のクリールボビンBを取り付けるための一組の第1軸101および第2軸102を示す。
【0088】
それぞれの軸101、102は、軸ベース103と、当該軸ベース103によって支持され、および/または当該軸ベース103から延びる軸本体104とを備える。この実施例では、第2軸102の軸本体104は、第1軸101によって運ばれるクリールボビンBと並んだ位置でそれぞれのクリールボビンBを運び、受けるために、軸方向に長いかオフセットされている。あるいは、全ての軸101、102の軸本体は、すべてのクリールボビンBを同様に支持するために、同じ長さを有するか、または同一であってもよい。
【0089】
図19に示すように、それぞれの軸101、102は、クリールボビンBが当該軸101、102上に載置されまたは当該軸101、102上を当該軸方向に摺動されることによる軸方向の衝撃またはショックを吸収するためのショックアブソーバ105を更に備える。
図20に最も良く見られるように、ショックアブソーバ105は、クリールボビンBがそれぞれの軸101、102に載置される際に接触するためのアブソーバ本体150と、このアブソーバ本体150と軸ベース103との間に配置され、クリールボビンBの軸方向への衝撃、ショックまたは運動エネルギーを少なくとも部分的に吸収するばね151とを備える。アブソーバ本体150は、それぞれの軸101、102に沿って軸方向に限られた範囲で摺動可能である。好ましくは、アブソーバ本体150は、それぞれの軸101、102に対して回転方向には固定されるが、衝撃を吸収するために軸方向の移動は許容される。言い換えれば、アブソーバ本体150は、それぞれの軸101、102と共に回転するように構成されている。
【0090】
この実施例では、
図20に示すように、ショックアブソーバ105は、1つ以上のロックピン161、162、この実施例では2つのロックピン161、162を更に備え、これらのロックピン161、162は、アブソーバ本体150内、アブソーバ本体150に、またはアブソーバ本体150上に設けられており、クリールボビンBをショックアブソーバ105に回転方向に固定するため、および当該アブソーバ本体150を介して間接的にそれぞれの軸101、102に固定するために、クリールボビンBの対応するロック開口部171、172に係合および/または嵌め込まれるように構成されている。ロックピン161、162とそれぞれのロック開口部が、それぞれの軸101、102へのクリールボビンBの最初の配置の際にずれているとき、ロックピン161、162とそれぞれのロック開口部171、172が整列し、ロックピン161、162がそれぞれのロック開口部171、172に自動的に嵌め込まれるまで、ロックピン161、162は、アブソーバ本体150に押し込まれるか、または退避されてもよい。
【0091】
好ましくは、ロックピン161、162は、クリールボビンBに磁気的に嵌め込まれ、クリールボビンBをアブソーバ本体150に保持するために、磁性を有するか、または磁石を備える。従って、軸101、102を、水平または実質的に水平に配置することができる一方で、ロックピン161、162とクリールボビンBとの間の磁気吸着力により、クリールボビンBがそれぞれの軸101、102から滑り落ちることが防止される。
【0092】
次に、前述のコード整理装置3を使用して、タイヤ製造クリール1と押出機2との間でコード9を整理する方法を、
図1~14を参照して簡単に説明する。
【0093】
図1は、本方法の前のサイクルが終了したときの状態を示しており、金型21およびコードガイド22が押出機ヘッド20内にあり、コード異常検出器8がキャッチャ部25内にあり、コレクタフレーム5がそれらに受け入れられたコードコレクタ61、62と共にコレクタ部24内にあり、コードクランプ71、72がコード嵌め込みステーション4の近くの位置に収容され、タイヤ製造クリール1がクリールボビンBから新しいコードを供給する準備ができているか、または新しいコードを有する新しいクリールボビンBを収容する準備ができている。
【0094】
図2は、金型21とコードガイド22が押出機ヘッド20から取り外され、コード嵌め込みステーション4の挿入部ホルダ43に置かれた後の状態を示している。コード異常検出器8はキャッチャ部25から取り外され、コード嵌め込みステーション4のキャッチャホルダ42に戻されている。コレクタフレーム5は、コレクタ部24から取り外され、コード嵌め込みステーション4のコレクタホルダ41に戻されている。コードコレクタ61、62は、コレクタフレーム5から取り外され、組G1、G2、...、Gnのコード9を受け取るまたは集めるために、タイヤ製造クリール1の出力側に配置されている。この実施例では、コードクランプ71、72は、前述したように、また
図9および
図10に示すように、それぞれのコードコレクタ61、62に集められたコード9を挟み込むために、コードコレクタ61、62の下流のそれぞれのクランプ位置Wに移動されている。
【0095】
図3は、コードコレクタ61、62およびコードクランプ71、72が、そこに集められたコード9をそれぞれのガイドロール31に沿って案内しながら、タイヤ製造クリール1からコード嵌め込みステーション4に向かって移送された後の状態を示している。コードコレクタ61、62はコレクタホルダ41でコレクタフレーム5に収容され、1つ以上のコードクランプ71、72がクランプホルダ44に仮置きされる。
【0096】
図4および
図12は、
図8において限定された数の組G1、G2、...、Gnについて概略的に示す、コード9がコードクランプ71、72から解放され、コード異常キャッチャ80、コードガイド22および金型21を通って延伸された状態を示す。
【0097】
図5は、金型21からコード方向Xに突出するコード9の先端にフック26が取り付けられている状態を示す。フック26は、フック26とそれに取り付けられたコード9をコード方向Xに沿い押出機2に向かい、押出機2内に、および/または押出機2を通って引っ張るための引っ張り部材27、特に引っ張りストリップを介してウインチ28に接続されている。
【0098】
図6は、フック26とそれに取り付けられたコード9が押出機2を通って引き出された状態を示す。この実施例では、コード9は、コードコレクタ61、62、コード異常検出器8、コードガイド22および金型21を備えたコレクタフレーム5を通ってコード方向Xに延ばされ、一方、これらの部品は、コード嵌め込みステーション4のそれぞれのホルダ41~43の所定位置に留まっていることに留意されたい。あるいは、コードコレクタ61、62、コード異常検出器8、コードガイド22および金型21を備えたコレクタフレーム5は、コード9とともに押出機2に搬送されてもよい。
【0099】
図7および
図14は、コードガイド22および金型21が挿入部ホルダ43から押出機ヘッド20に移送された状態を示している。コード異常検出器8は、コード異常キャッチャ80がコード方向Xにおいて押出機ヘッド20の上流の異常検出位置Eに配置された状態で、キャッチャホルダ42からキャッチャ部25に移送されている。コードコレクタ61、62を収容したコレクタフレーム5はコレクタ部24に移送されている。これで、押出機2は、コード9を押出材に埋め込みながら押出材を押出す準備が整ったことになる。
【0100】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれるものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。上記の議論から、本発明の範囲に包含されるであろう多くの変形例が当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0101】
1 タイヤ製造クリール
10 クリールガイド
11 第1クリール部
12 第2クリール部
13 第1クリール駆動装置
14 第2クリール駆動装置
15 スペーサ
16 距離センサ
17 ドッキング
18 制御ユニット
19 牽引要素
2 押出機
20 押出機ヘッド
21 金型
22 コードガイド
23 挿入部
24 コレクタ部
25 キャッチャ部
26 フック
27 引っ張り部材
28 ウインチ
3 コード整理装置
30 ガイドフレーム
31 ガイドロール
32 ディスク
33 周方向溝
34 リテーナ
35 リテーナ本体
36 リテーナ縁部
37 リテーナ面
38 第1リテーナマグネット
39 第2リテーナマグネット
4 コード嵌め込みステーション
40 コード嵌め込みプラットフォーム
41 コレクタホルダ
42 キャッチャホルダ
43 挿入部ホルダ
44 クランプホルダ
45 第1コードマグネット
46 第2コードマグネット
47 車輪
48 連結部材
49 整列要素
5 コレクタフレーム
50 収容本体
51 収容スロット
52 カバー
53 ハンドル
60 コレクタ本体
61 第1コードコレクタ
62 更なるコードクレクタ
63 コレクションチャンネル
64 漏斗部
71 第1コードクランプ
72 更なるコードクランプ
73 第1クランププレート
74 第2クランププレート
75 第3クランププレート
76 クランプ開口部
77 クランプレバー
78 レバー軸
79 ハンドル
8 コード異常検出器
80 コード異常キャッチャ
81 キャッチ本体
82 キャッチャカバー
83 キャッチチャンネル
84 第1キャッチセンサ
85 第2キャッチセンサ
86 キャッチリテーナ
9 コード
101 第1ボビン軸
102 第2ボビン軸
103 軸ベース
104 軸本体
105 ショックアブソーバ
150 アブソーバ本体
151 ばね
161 第1ロックピン
162 第2ロックピン
171 第1ロック開口部
172 第2ロック開口部
A 軸方向
B クリールボビン
C 収集方向
D1 第1距離
D2 第2距離
E 異常検出位置
F コードの異常
G1 第1コードの組
G2 第2コードの組
Gn 第nコードの組
H1 最小距離
H2 最大距離
K コレクタ平面
L 長さ
M 行
N 列
P コード平面
R 半径方向平面
S ロール軸
T リテーナ位置
V 供給方向
W クランプ位置
X コード方向
Y 横方向
Z 積層方向
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するための方法であって、
・前記タイヤ製造クリールと前記押出機の間に、前記コードを前記押出機に挿入する準備のためのコード嵌め込みステーションを供給する工程、
・前記タイヤ製造クリールにおいて、複数のコードコレクタ内で前記コードの組を集める工程、および
・前記複数のコードコレクタを、その中に収集された前記コードの組と共に、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに移送する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
・前記複数のコードコレクタをコレクタフレームに収納する工程、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に垂直な積層方向に積層する工程、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に平行な横方向に並置する工程、
を更に含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、前記コレクタ本体を通って収集方向に延びる複数のコレクションチャンネルとを備え、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに対して、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを、前記収集方向に向けて前記複数のコレクションチャンネルの異なるコレクションチャンネルに通す工程、
を更に含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
・前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを通して前記収集方向に維持するための第1コードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
・前記第1コードコレクタの前記収集方向の下流側に面する側にあるクランプ位置で前記第1コードクランプにより前記コードの組を挟み込む工程、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1コードコレクタは、前記収集方向に関して前記クランプ位置の上流側で前記第1コードクランプに対して前記コードの組の前記コードに沿って自由に移動可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1コードクランプは、前記第1コードコレクタとは別に設けられ、前記方法は、
・前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの相対位置を変えることにより、前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの間の前記コードの組の前記コードの長さを操作する工程、
を更に含む、請求項5乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
・前記第1コードクランプと前記第1コードコレクタを一緒に前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送する工程、
を更に含む、請求項5乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
・前記コード嵌め込みステーションの前記第1コードクランプから前記コードの組を解放する工程、
を更に含む、請求項5乃至10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに、更にコードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項5乃至11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、
・前記コード嵌め込みステーションにおいて、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を挿入部ホルダに保持する工程、および
・前記挿入部ホルダにおいて、前記コードの組を、前記複数のコードコレクタから前記1つ以上の前記押出機挿入部を通して前記収集方向に延長する工程、
を更に含む、請求項1乃至12の何れか1項に記載の方法。
【請求項14】
・前記コードの組が延びている前記1つ以上の押出機挿入部を前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
・前記複数のコードコレクタとその中の前記コードの組とを前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のコードコレクタは、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションまで手動で移送される、請求項1乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するためのコード整理装置であって、前記押出機に前記コードを挿入する準備をするために、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間に配置可能なコード嵌め込みステーションを備え、前記コード整理装置は、更に前記タイヤ製造クリールにおいてコードの組を集めるため、および前記複数のコードコレクタに集められた前記コードの組を前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送するための、前記コード嵌め込みステーションから分離可能な複数のコードクレクタを備える、コード整理装置。
【請求項17】
前記コード嵌め込みステーションで前記複数のコードコレクタを受けるためのコレクタフレームを備える、請求項16に記載のコード整理装置。
【請求項18】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタをコード平面に垂直な積層方向に積層するために構成される、請求項17に記載のコード整理装置。
【請求項19】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを前記コード平面に平行な横方向に並置するために構成される、請求項17または18に記載のコード整理装置。
【請求項20】
前記コレクタフレームは、そこに収容される前記複数のコードコレクタと共に、前記押出機のコレクタ部へ前記コレクタフレームを移送するために、前記コード嵌め込みステーションから分離可能である、請求項17乃至19の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項21】
前記コレクタフレームはハンドルを備える、請求項20に記載のコード整理装置。
【請求項22】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを収集方向に向けて複数のコレクションチャンネルのうちの異なるコレクションチャンネルに通すために前記コレクタ本体を通じて前記収集方向に延びる前記複数のコレクションチャンネルとを備える、請求項16乃至21の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項23】
前記複数のコレクションチャンネルは互いに平行に延びる、請求項22に記載のコード整理装置。
【請求項24】
前記複数のコレクションチャンネルのそれぞれのコレクションチャンネルは、前記収集方向に対して上流側の前記コレクタ本体の側面に、前記収集方向に向けて先細りになっている漏斗部を備える、請求項22または23に記載のコード整理装置。
【請求項25】
それぞれのコレクタ本体について、前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも10個のコレクションチャンネル、好ましくは少なくとも20個のコレクションチャンネルを備える、請求項22乃至24の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項26】
前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも2つの行および2つの列を有するチャンネルアレイにおいて前記コレクタ本体を横切って分配される、請求項22乃至25の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項27】
前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを経て前記収集方向に通した状態に維持するための第1コードクランプを更に備える、請求項22乃至26の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項28】
前記第1コードクランプは前記第1コードコレクタとは別に設けられている、請求項27に記載のコード整理装置。
【請求項29】
前記第1コードクランプはハンドルを備える、請求項27または28に記載のコード整理装置。
【請求項30】
前記コード整理装置は、前記複数のコードコレクタの更なるコードコレクタごとに、更なるコードクランプを備える、請求項27乃至29の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項31】
前記複数のコードコレクタは同一である、請求項16乃至30の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項32】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コードをコード平面に一時的に保持するための1つ以上のコードマグネットを更に備え、前記1つ以上のコードマグネットは、前記コード平面に対して第1距離のアクティブ位置と、前記コード平面に対して前記第1距離よりも大きい第2距離の非アクティブ位置との間で移動可能である、請求項16乃至31の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項33】
前記コード嵌め込みステーションは、前記第1コードクランプまたは前記第1コードクランプに関連する前記コードの組を一時的に保持するためのクランプホルダを更に備える、請求項16乃至32の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項34】
前記コード嵌め込みステーションは、コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダと、前記挿入部ホルダに対して前記複数のコードコレクタを収容するためのコレクタフレームを保持するためのコレクタホルダとを備える、請求項16乃至33の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項35】
前記コード整理装置は、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間の前記コードの異常を検出するためのコード異常検出器を備える、請求項16乃至34の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項36】
前記コード異常検出器は、前記コードの組のそれぞれのコードを複数のキャッチチャンネルのうちの異なるキャッチチャンネルに通すための前記複数のキャッチチャンネルを有するコード異常キャッチャと、前記複数のキャッチチャンネルのうちの1つのキャッチチャンネルに異常なコードが嵌まり込んだ結果としての前記コード異常キャッチャのコード方向への変位を検出するための1つ以上のキャッチセンサとを備える、請求項35に記載のコード整理装置。
【請求項37】
前記コード嵌め込みステーションは、前記複数のキャッチチャンネルが前記コード方向と直列にコード平面内に延在する前記コード異常キャッチャを保持するためのキャッチャホルダを更に備える、請求項36に記載のコード整理装置。
【請求項38】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダを備え、前記コード異常キャッチャは、前記コード異常キャッチャを前記1つ以上の押出機挿入部と共に前記押出機に移送するために、前記コードが前記キャッチチャンネルに挿通された状態で前記キャッチャホルダから分離可能である、請求項37に記載のコード整理装置。
【請求項39】
前記コード嵌め込みステーションは移動可能である、請求項16乃至
38の何れか1項に記載のコード整理装置。
【請求項40】
前記コード嵌め込みステーションを前記タイヤ製造クリールに連結および/または位置合わせするための連結部材を備える、請求項
39に記載のコード整理装置。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するための方法であって、
・前記タイヤ製造クリールと前記押出機の間に、前記コードを前記押出機に挿入する準備のためのコード嵌め込みステーションを供給する工程、
・前記タイヤ製造クリールにおいて、複数のコードコレクタ内で前記コードの組を集める工程、および
・前記複数のコードコレクタを、その中に収集された前記コードの組と共に、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに移送する工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
・前記複数のコードコレクタをコレクタフレームに収納する工程、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に垂直な積層方向に積層する工程、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、および
・前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを、前記コレクタフレーム内において、前記コード平面に平行な横方向に並置する工程、
を更に含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、前記コレクタ本体を通って収集方向に延びる複数のコレクションチャンネルとを備え、前記方法は、
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに対して、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを、前記収集方向に向けて前記複数のコレクションチャンネルの異なるコレクションチャンネルに通す工程、
を更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
・前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを通して前記収集方向に維持するための第1コードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
・前記第1コードコレクタの前記収集方向の下流側に面する側にあるクランプ位置で前記第1コードクランプにより前記コードの組を挟み込む工程、
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1コードコレクタは、前記収集方向に関して前記クランプ位置の上流側で前記第1コードクランプに対して前記コードの組の前記コードに沿って自由に移動可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1コードクランプは、前記第1コードコレクタとは別に設けられ、前記方法は、
・前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの相対位置を変えることにより、前記第1コードコレクタと前記第1コードクランプとの間の前記コードの組の前記コードの長さを操作する工程、
を更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
・前記第1コードクランプと前記第1コードコレクタを一緒に前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送する工程、
を更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項11】
・前記コード嵌め込みステーションの前記第1コードクランプから前記コードの組を解放する工程、
を更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項12】
・前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタに、更にコードクランプを提供する工程、
を更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項13】
・前記コード嵌め込みステーション内の前記コードを、共通のコード平面に互いに平行に挿入して前記押出機に入れる準備をする工程、
・前記コード嵌め込みステーションにおいて、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を挿入部ホルダに保持する工程、および
・前記挿入部ホルダにおいて、前記コードの組を、前記複数のコードコレクタから前記1つ以上の前記押出機挿入部を通して前記収集方向に延長する工程、
を更に含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項14】
・前記コードの組が延びている前記1つ以上の押出機挿入部を前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
・前記複数のコードコレクタとその中の前記コードの組とを前記コード嵌め込みステーションから前記押出機に移送する工程と、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のコードコレクタは、前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションまで手動で移送される、請求項
1に記載の方法。
【請求項16】
タイヤ製造クリールと押出機との間でコードを整理するためのコード整理装置であって、前記押出機に前記コードを挿入する準備をするために、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間に配置可能なコード嵌め込みステーションを備え、前記コード整理装置は、更に前記タイヤ製造クリールにおいてコードの組を集めるため、および前記複数のコードコレクタに集められた前記コードの組を前記タイヤ製造クリールから前記コード嵌め込みステーションに向けて移送するための、前記コード嵌め込みステーションから分離可能な複数のコードクレクタを備える、コード整理装置。
【請求項17】
前記コード嵌め込みステーションで前記複数のコードコレクタを受けるためのコレクタフレームを備える、請求項16に記載のコード整理装置。
【請求項18】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタをコード平面に垂直な積層方向に積層するために構成される、請求項17に記載のコード整理装置。
【請求項19】
前記コレクタフレームは、前記複数のコードコレクタのうちの少なくとも2つのコードコレクタを前記コード平面に平行な横方向に並置するために構成される、請求項1
7に記載のコード整理装置。
【請求項20】
前記コレクタフレームは、そこに収容される前記複数のコードコレクタと共に、前記押出機のコレクタ部へ前記コレクタフレームを移送するために、前記コード嵌め込みステーションから分離可能である、請求項1
7に記載のコード整理装置。
【請求項21】
前記コレクタフレームはハンドルを備える、請求項20に記載のコード整理装置。
【請求項22】
前記複数のコードコレクタのそれぞれのコードコレクタは、コレクタ本体と、それぞれのコードの組のそれぞれのコードを収集方向に向けて複数のコレクションチャンネルのうちの異なるコレクションチャンネルに通すために前記コレクタ本体を通じて前記収集方向に延びる前記複数のコレクションチャンネルとを備える、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項23】
前記複数のコレクションチャンネルは互いに平行に延びる、請求項22に記載のコード整理装置。
【請求項24】
前記複数のコレクションチャンネルのそれぞれのコレクションチャンネルは、前記収集方向に対して上流側の前記コレクタ本体の側面に、前記収集方向に向けて先細りになっている漏斗部を備える、請求項2
2に記載のコード整理装置。
【請求項25】
それぞれのコレクタ本体について、前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも10個のコレクションチャンネル、好ましくは少なくとも20個のコレクションチャンネルを備える、請求項2
2に記載のコード整理装置。
【請求項26】
前記複数のコレクションチャンネルは、少なくとも2つの行および2つの列を有するチャンネルアレイにおいて前記コレクタ本体を横切って分配される、請求項2
2に記載のコード整理装置。
【請求項27】
前記コードの組を前記複数のコードコレクタのうちの第1コードコレクタの前記複数のコレクションチャンネルを経て前記収集方向に通した状態に維持するための第1コードクランプを更に備える、請求項2
2に記載のコード整理装置。
【請求項28】
前記第1コードクランプは前記第1コードコレクタとは別に設けられている、請求項27に記載のコード整理装置。
【請求項29】
前記第1コードクランプはハンドルを備える、請求項2
7に記載のコード整理装置。
【請求項30】
前記コード整理装置は、前記複数のコードコレクタの更なるコードコレクタごとに、更なるコードクランプを備える、請求項2
7に記載のコード整理装置。
【請求項31】
前記複数のコードコレクタは同一である、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項32】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コードをコード平面に一時的に保持するための1つ以上のコードマグネットを更に備え、前記1つ以上のコードマグネットは、前記コード平面に対して第1距離のアクティブ位置と、前記コード平面に対して前記第1距離よりも大きい第2距離の非アクティブ位置との間で移動可能である、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項33】
前記コード嵌め込みステーションは、前記第1コードクランプまたは前記第1コードクランプに関連する前記コードの組を一時的に保持するためのクランプホルダを更に備える、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項34】
前記コード嵌め込みステーションは、コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダと、前記挿入部ホルダに対して前記複数のコードコレクタを収容するためのコレクタフレームを保持するためのコレクタホルダとを備える、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項35】
前記コード整理装置は、前記タイヤ製造クリールと前記押出機との間の前記コードの異常を検出するためのコード異常検出器を備える、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項36】
前記コード異常検出器は、前記コードの組のそれぞれのコードを複数のキャッチチャンネルのうちの異なるキャッチチャンネルに通すための前記複数のキャッチチャンネルを有するコード異常キャッチャと、前記複数のキャッチチャンネルのうちの1つのキャッチチャンネルに異常なコードが嵌まり込んだ結果としての前記コード異常キャッチャのコード方向への変位を検出するための1つ以上のキャッチセンサとを備える、請求項35に記載のコード整理装置。
【請求項37】
前記コード嵌め込みステーションは、前記複数のキャッチチャンネルが前記コード方向と直列にコード平面内に延在する前記コード異常キャッチャを保持するためのキャッチャホルダを更に備える、請求項36に記載のコード整理装置。
【請求項38】
前記コード嵌め込みステーションは、前記コード平面に対して1つ以上の押出機挿入部を保持するための挿入部ホルダを備え、前記コード異常キャッチャは、前記コード異常キャッチャを前記1つ以上の押出機挿入部と共に前記押出機に移送するために、前記コードが前記キャッチチャンネルに挿通された状態で前記キャッチャホルダから分離可能である、請求項37に記載のコード整理装置。
【請求項39】
前記コード嵌め込みステーションは移動可能である、請求項1
6に記載のコード整理装置。
【請求項40】
前記コード嵌め込みステーションを前記タイヤ製造クリールに連
結または位置合わせするための連結部材を備える、請求項
39に記載のコード整理装置。
【国際調査報告】