(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】PD-L1相互作用の免疫調節剤としての化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20240918BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240918BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240918BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240918BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240918BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/4365 20060101ALI20240918BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
C07D519/00 CSP
C07D519/00 311
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P37/02
A61P31/00
A61P31/20
A61K31/53
A61K31/519
A61K31/4985
A61K31/437
A61K31/4365
A61K31/522
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506594
(86)(22)【出願日】2021-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 CN2021113010
(87)【国際公開番号】W WO2023019430
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523025654
【氏名又は名称】アスカレシス バイオサイエンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ASCLETIS BIOSCIENCE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】12/F, Building 3, No. 371 Mingxing Road, HIPARK Xiaoshan District Hangzhou, Zhejiang Province, 311200 China
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジンフア
(72)【発明者】
【氏名】リアン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,バイリン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン,グドムンソン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジンズー ジェーソン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086CB07
4C086CB29
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA31
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB31
4C086ZB33
(57)【要約】
様々な化合物式のPD-L1阻害剤を一般的かつ具体的に開示する。そのようなPD-L1阻害剤化合物の調製方法を一般的かつ具体的に開示する。癌及び他の病気の治療のために、そのようなPD-L1阻害剤化合物を単独で、又は追加の薬剤と組み合わせて使用する方法、及びそのようなPD-L1阻害剤化合物の組成物を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、若しくは互変異性体。
【化1】
(式中、
A及びBのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、-N
3、アルキル及び置換アルキル、アミン、アルキルアミン、及びアルコキシからなる群から独立して選択され、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、各R
2は独立してハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである。)
【請求項2】
式中、A及びBのそれぞれは、独立して-Cl又はメチルであり、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、各R
2は独立して-H、-F、又はメチルであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環、4員環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物の環2及び環3、及び/又は環5及び環6は、以下からなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【化2】
【請求項4】
前記化合物の環2及び環3、及び/又は環5及び環6は、以下からなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【化3】
【請求項5】
L
1、L
2、L
3及びL
4のそれぞれは独立してC
1~C
3アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
W
1、W
2、W
3、及びW
4のそれぞれは、以下からなる群から独立して選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【化4】
【請求項7】
W
1、W
2、W
3、及びW
4のうちの1つ以上は、次の一般式を有し、
【化5】
式中、R
7及びR
8のそれぞれは独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R
7は、以下の1つであり、
【化6】
R
8は独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R
7は、以下の1つのエステルであり、
【化7】
R
8は独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物は、表1に列挙される化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物は、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化8】
【請求項12】
前記化合物は、式
【化9】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物は、式
【化10】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物は、式
【化11】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物と、
薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項16】
対象におけるPD-L1に関連する疾患を治療するための方法であって、
そのような治療を必要とする対象に、有効量の請求項15に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
【請求項17】
前記疾患が癌である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記疾患が免疫関連疾患である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記疾患が感染症である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記感染症がB型肝炎ウイルス感染症である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、PD-L1タンパク質相互作用を調節する薬学的に活性な化合物の分野、特に特定の化合物、組成物及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プログラム細胞死リガンド1(Programmed death-ligand 1、「PD-L1」)は、身体の免疫応答を制御下に保つための一種の「ブレーキ」として機能するタンパク質である。PD-L1は一部の正常細胞で検出され、一部の種類の癌細胞では正常よりも多量に検出される場合がある。PD-L1がPD-1と呼ばれる別のタンパク質(T細胞上に存在するタンパク質)に結合すると、T細胞が癌細胞などのPD-L1含有細胞を殺すのを防ぐ。免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる抗癌剤はPD-L1に結合し、PD-1との結合を阻害する。これにより、免疫系の「ブレーキ」が解除され、T細胞が自由に癌細胞を殺すことができるようになる。PD-L1はまた、妊娠、組織同種移植、自己免疫疾患、及び肝炎などの他の疾患状態などの特定の事象の間に免疫系の適応アームを抑制する際にも主要な役割を果たす可能性がある。
【0003】
したがって、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を阻害する新しい化合物が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本出願の一態様は、式(I)の化合物に関し、
【化1】
式中、
A及びBのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、-N
3、アルキル及び置換アルキル、アミン、アルキルアミン、及びアルコキシからなる群から独立して選択され、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、各R
2は独立してハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである。
【0005】
本出願の別の態様は、対象におけるPD-L1とPD-1との間の相互作用に関連する疾患又は病気を治療するための方法に関し、この方法は、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、若しくは互変異性体を対象に投与するステップを含む。
【0006】
本出願の別の態様は、式(I)の化合物の調製方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の特定の態様及び例示的な実施形態を詳細に参照し、添付の構造及び図面に例を示す。本出願の態様を、方法、材料、及び実施例を含む例示的な実施形態と併せて説明するが、そのような説明は限定的なものではなく、本出願の範囲は、一般的に知られているか、又は本明細書に組み込まれているすべての均等物、代替物、及び修正物を包含することを意図している。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。当業者であれば、本出願の態様及び実施形態の実施において使用できる、本明細書に記載のものと類似又は同等の多くの技術及び材料を認識するであろう。本出願の記載された態様及び実施形態は、記載された方法及び材料に限定されない。
【0008】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。
【0009】
本明細書では、範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現され得る。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用して値が近似値として表現される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。更に、各範囲の端点は、他の端点に関しても、他の端点とは独立しても重要であることが理解されるであろう。また、本明細書には多数の値が開示されており、各値は、その値自体に加えて、「約」その特定の値としても本明細書に開示されていることが理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示される。また、当業者によって適切に理解されるように、値が開示される場合、「その値以下」、「その値以上」、及び値の間の可能な範囲も開示されることが理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「10以下」及び「10以上」も開示される。
【0010】
本明細書の様々な箇所で、化合物の特定の特徴が群又は範囲で開示されている。具体的には、そのような開示には、そのような群及び範囲のメンバーのあらゆる個々の部分的組み合わせが含まれることが意図される。
【0011】
本明細書に記載の化合物は、非対称(例えば、1つ以上の立体中心を有する)であってもよい。別段の指示がない限り、エナンチオマー及びジアステレオマーなどのすべての立体異性体が対象となる。非対称に置換された炭素原子を含む本出願の化合物は、光学活性形態又はラセミ形態で単離することができる。光学不活性出発物質から光学活性形態を調製する方法については、ラセミ混合物の分割又は立体選択的合成などの方法が当技術分野で公知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本明細書に記載の化合物中に存在する可能性があり、このような安定な異性体はすべて本出願において企図される。本出願の化合物のシス及びトランス幾何異性体が記載されており、また、異性体の混合物として、又は分離された異性体形態として単離することができる。
【0012】
化合物のラセミ混合物の分割は、当技術分野で公知の多数の方法のいずれかによって行うことができる。1つの方法としては、光学活性な塩形成有機酸であるキラル分割酸を使用する分別再結晶が挙げられる。分別再結晶法に適した分割剤は、例えば、D型及びL型酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸などの光学活性な酸、又はβ-カンファースルホン酸などの様々な光学活性なカンファースルホン酸である。分別結晶法に適した他の分割剤としては、a-メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えば、S及びR形態、又はジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、TV-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0013】
ラセミ混合物の分割は、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラム上での溶出によって行うこともできる。好適な溶出溶媒組成は、当業者によって決定することができる。
【0014】
2つ以上のキラル中心を有する化合物では、別段の指示がない限り、化合物中の各キラル中心は独立して(R)又は(S)であり得る。
【0015】
本出願の化合物はまた、互変異性型を含む。互変異性型は、単結合と隣接する二重結合の交換とそれに伴うプロトンの移動によって生じる。互変異性型には、同じ実験式及び全電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体が含まれる。プロトトロピック互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、及びプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占めることができる環状形態(例えば、1H-及び3/f-イミダゾール、1H-、2H-及び4H-1,2,4-トリアゾール、H-及び211-イソインドール、並びに1H-及び2//-ピラゾール)が挙げられる。互変異性型は、平衡状態にあることも、適切な置換によって立体的に1つの型に固定することもできる。
【0016】
本出願の化合物はまた、中間体又は最終化合物中に存在する原子のすべての同位体を含むことができる。同位体には、原子番号が同じだが質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体には三重水素と重水素が含まれる。本出願の化合物の1つ以上の構成原子は、天然又は非天然に存在する原子の同位体で交換又は置換することができる。いくつかの実施形態では、化合物は少なくとも1つの重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物中の1つ以上の水素原子は、重水素で交換又は置換することができる。いくつかの実施形態では、化合物は2つ以上の重水素原子を含む。
【0017】
I.定義
本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、示された構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体及び同位体を含むことを意味する。この用語はまた、合成、生物学的プロセス(例えば、代謝又は酵素変換)、又はそれらの組み合わせなど、どのように調製されるかに関係なく、本出願の化合物を指すことを意味する。
【0018】
すべての化合物及びその薬学的に許容される塩は、水及び溶媒(例えば、水和物及び溶媒和物)などの他の物質と共に見出すことも、単離することもできる。固体状態にある場合、本明細書に記載の化合物及びその塩は、様々な形態で存在してもよく、例えば、水和物を含めて溶媒和物の形態をとり得る。化合物は、多形体又は溶媒和物などの任意の固体状態の形態であってもよく、したがって、特に明記しない限り、本明細書における化合物及びその塩への言及は、当該化合物の任意の固体状態の形態を包含すると理解されるべきである。
【0019】
いくつかの実施形態では、本出願の化合物又はその塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離されている」とは、化合物が、それが形成又は検出された環境から少なくとも部分的に又は実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離には、例えば、本出願の化合物が豊富に含まれる組成物が含まれ得る。
【0020】
実質的な分離には、本出願の化合物又はその塩の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、又は少なくとも約99重量%を含有する組成物が含まれ得る。
【0021】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書中では、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適し、合理的なベネフィットリスク比に見合った化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために使用される。
【0022】
本明細書で使用される場合、「周囲温度」及び「室温」という表現は、当技術分野で理解されており、一般に、反応温度などの温度、すなわち反応が行われる部屋の温度、例えば約20℃~約30℃の温度を意味する。
【0023】
本出願はまた、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、開示された化合物の誘導体を指し、ここで、親化合物は、既存の酸又は塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機酸塩又は有機酸塩、カルボン酸のような酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。本出願の薬学的に許容される塩には、例えば非毒性の無機酸又は有機酸から形成される親化合物の非毒性塩が含まれる。本出願の薬学的に許容される塩は、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基の形態を、水中若しくは有機溶媒中で、又はその2つの混合物中で化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができ、一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)又はアセトニトリル(MeCN)などの非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストは、Pharmaceutical Sciences,17th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,1985),p.1418,Berge et al.,J.Pharm.Sci,1977,66(1),1-19及びStahl et al.,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(Wiley,2002)に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、N-オキシド形態を含む。
【0024】
「個体」又は「患者」という用語は、同じ意味で使用され、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、又は霊長類を含む任意の動物を指し、最も好ましくはヒトを指す。
【0025】
「治療有効量」という語句は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医が求めている、組織、系、動物、個体又はヒトにおいて生物学的又は医薬的応答を引き起こす活性化合物又は薬剤の量を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」という用語は、(1)疾患を抑制すること、例えば、ある疾患、病気又は障害の病理又は症候を経験しているか又は示している個体におけるその疾患、病気又は障害を抑制すること(すなわち、病理及び/又は症候のさらなる進行を阻止すること)、及び(2)疾患を改善すること、例えば、疾患の重篤度を低下させるなど、ある疾患、病気又は障害の病理又は症候を経験しているか又は示している個体におけるその疾患、病気又は障害を改善する(すなわち、病理及び/又は症候を逆転させる)ことのうちの1つ以上を指す。
【0027】
「溶媒和物」という用語は、溶媒とEPI、その代謝産物又は塩との相互作用によって形成される化合物を指す。好適な溶媒和物は、水和物を含めて、薬学的に許容される溶媒和物である。
【0028】
本発明で使用される場合、「置換された」又は「任意に置換された」という用語は、「置換された」又は「任意に置換された」という用語が指す基の1つ以上の水素原子が、低級アルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級環状アルキル、低級ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アリールオキシ、ペルハロアルコキシ、アラルコキシ、低級ヘテロアリール、低級ヘテロアリールオキシ、低級ヘテロアリールアルキル、低級ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハロ、低級アルキルチオ、オキソ、低級アシルアルキル、低級カルボキシエステル、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロ、低級アシルオキシ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアリール、低級アルキルアリール、低級アルキルアミノアルキル、低級アルコキシアリール、低級アリールアミノ、低級アラルキルアミノ、スルホニル、低級カルボキサミドアルキルアリール、低級カルボキサミドアリール、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルキル、低級アルキルアミノアルキルカルボキシ-、低級アミノカルボキサミドアルキル、シアノ、低級アルコキシアルキル、低級ペルハロアルキル、及び低級アリールアルキルオキシアルキルから独立して選択される置換基の1つで置換されていることを意味し、ただし、置換が考慮される原子の通常の原子価を超えず、置換により安定した化合物、すなわち反応混合物から単離するのに十分に頑健な化合物が得られることが条件とする。
【0029】
「アルキル」という用語は、単一の炭素-炭素結合のみを有する直鎖、分岐鎖、又は環状鎖の炭化水素ラジカルを指す。代表的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、及びシクロヘキシルが挙げられ、これらはすべて任意に置換されていてもよい。
【0030】
「アリール」という用語は、5~14個の環原子と、共役π電子系を有する少なくとも1つの環とを有する芳香族基を指し、この用語には、炭素環式アリール、複素環式アリール及びビアリール基が含まれ、これらはすべて任意に置換されていてもよい。
【0031】
炭素環式アリール基は、6~14個の環原子を有する基であり、芳香環上の環原子は炭素原子である。炭素環式アリール基としては、単環式炭素環式アリール基、及び多環式又は縮合化合物、例えば任意に置換されたナフチル基が挙げられる。
【0032】
複素環式アリール基又はヘテロアリール基は、5~14個の環原子を有する基であり、1~4個のヘテロ原子は芳香環中の環原子であり、環原子の残りは炭素原子である。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、窒素、及びセレンが挙げられる。好適なヘテロアリール基としては、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-低級アルキルピロリル、ピリジル-N-オキシド、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリルなどが挙げられ、これらはすべて任意に置換されていてもよい。
【0033】
「ビアリール」という用語は、5~14個の原子を有し、2つ以上の芳香環を含むアリール基を表し、縮合環系、及び他のアリール基で置換されたアリール基の両方を含む。このような基は任意に置換されていてもよい。好適なビアリール基としては、ナフチル及びビフェニルが挙げられる。
【0034】
「置換アリール」及び「置換ヘテロアリール」という用語は、1~3個の置換基で置換されたアリール及びヘテロアリール基を指す。これらの置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ペルハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、及びアミノからなる群から選択される。
【0035】
「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキレン基を指す。好適なアラルキル基としては、ベンジル、ピコリルなどが挙げられ、また、任意に置換されていてもよい。
【0036】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキレン基を指す。
【0037】
「アルキルアリール」という用語は、アルキル基で置換されたアリール基を指す。「低級アルキルアリール」とは、アルキルが低級アルキルであるような基を指す。
【0038】
有機ラジカル又は化合物に関連して本明細書で言及される「低級」という用語は、それぞれ6個以下の炭素原子を指す。このような基は、直鎖、分岐、又は環状であってもよい。
【0039】
有機ラジカル又は化合物に関連して本明細書で言及される「高級」という用語は、それぞれ7個以上の炭素原子を指す。このような基は、直鎖、分岐、又は環状であってもよい。
【0040】
「環状アルキル」又は「シクロアルキル」という用語は、3~10個の炭素原子、一態様では3~6個の炭素原子の環状のアルキル基を指す。好適な環状基としては、ノルボルニル及びシクロプロピルが挙げられる。このような基は置換されていてもよい。
【0041】
「複素環」、「複素環アルキル」又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~10個の原子の環状基を指し、一態様では少なくとも1個のヘテロ原子を含む3~6個の原子、さらなる態様では1~3個のヘテロ原子である。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、及び窒素が挙げられる。複素環基は、環内の窒素又は炭素原子を介して結合していてもよい。複素環アルキル基には、不飽和環式基、縮合環式基、及びスピロ環式基が含まれる。好適な複素環基としては、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノエチル、及びピリジルが挙げられる。
【0042】
「アリールアミノ」(a)及び「アラルキルアミノ」(b)という用語は、それぞれ-NRR’基を指し、ここで、それぞれ、(a)Rはアリールであり、R’は水素、アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル又はアリールであり、(b)R’はアラルキルであり、R’は水素、アラルキル、アリール、アルキル又はヘテロシクロアルキルである。
【0043】
「アシル」という用語は、-C(O)-Rを指し、ここで、Rはアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はアリールである。
【0044】
「カルボキシエステル」という用語は、-C(O)-ORを指し、ここで、Rはアルキル、アリール、アラルキル、環状アルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、すべて任意に置換されている。
【0045】
「カルボキシル」という用語は、-C(O)-OHを指す。
【0046】
「オキソ」という用語は、アルキル又はヘテロシクロアルキル基における=Oを指す。
【0047】
「アミノ」という用語は、-NRR’を指し、ここで、R及びR’は水素、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルから独立して選択され、Hを除くすべては任意に置換され、R及びR’は環系を形成することができる。
【0048】
「カルボキシルアミド」という用語は、-C(O)NR2を指し、ここで、各Rは独立して水素又はアルキルである。
【0049】
「スルホニルアミド」又は「-スルホニルアミド」という用語は、-S(=O)2R2を指し、ここで、各Rは独立して水素又はアルキルである。
【0050】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、-F、-Cl、-Br及び-Iを指す。
【0051】
「アルキルアミノアルキルカルボキシ」という用語は、アルキル-NR-alk-C(O)-O-基を指し、ここで、「alk」はアルキレン基であり、RはH又は低級アルキルである。
【0052】
「スルホニル」又は「スルフォニル」という用語は、-SO2Rを指し、ここで、Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0053】
「スルホネート」又は「スルフォネート」という用語は、-SO2-ORを指し、ここで、Rは、-H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0054】
「アルケニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分岐鎖及び環状基を含む。アルケニル基は任意に置換されていてもよい。好適なアルケニル基としては、アリルが挙げられる。「1-アルケニル」とは、二重結合が第1と第2の炭素原子の間にあるアルケニル基を指す。1-アルケニル基が別の基に結合している場合、例えば、環状ホスホネートに結合しているW置換基である場合、それは、第1の炭素に結合している。
【0055】
「アルキニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分岐鎖及び環状基を含む。アルキニル基は、任意に置換されていてもよい。好適なアルキニル基としては、エチニルが挙げられる。「1-アルキニル」とは、三重結合が第1と第2の炭素原子の間にあるアルキニル基を指す。1-アルキニル基が別の基に結合している場合、例えば、環状ホスホネートに結合しているW置換基である場合、それは、第1の炭素に結合している。
【0056】
「アルキレン」という用語は、二価の直鎖、分岐鎖、又は環状飽和脂肪族基を指す。一態様では、アルキレン基は10個以下の原子を含む。別の態様では、アルキレン基は6個以下の原子を含む。さらなる態様では、アルキレン基は4個以下の原子を含む。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。
【0057】
「アシルオキシ」という用語は、エステル基-O-C(O)Rを指し、ここでRはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0058】
「アミノアルキル」という用語は、NR2-alk-基を指し、ここで、「alk」はアルキレン基であり、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択される。
【0059】
「アルキルアミノアルキル」という用語は、アルキル-NR-alk-基を指し、ここで各「alk」は独立して選択されるアルキレンであり、RはH又は低級アルキルである。「低級アルキルアミノアルキル」とは、アルキル基及びアルキレン基がそれぞれ低級アルキル及び低級アルキレンである基を指す。
【0060】
「アリールアミノアルキル」という用語は、アリール-NR-alk-基を指し、ここで、「alk」はアルキレン基であり、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。「低級アリールアミノアルキル」において、アルキレン基は低級アルキレンである。
【0061】
「アルキルアミノアリール-」という用語は、アルキル-NR-アリール-基を指し、ここで、「アリール」は二価の基であり、Rは-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。「低級アルキルアミノアリール」において、アルキル基は低級アルキルである。
【0062】
「アルコキシアリール」という用語は、アルキルオキシ基で置換されたアリール基を指す。「低級アルキルオキシアリール」において、アルキル基は低級アルキルである。
【0063】
「アリールオキシアルキル」という用語は、アリールオキシ基で置換されたアルキル基を指す。
【0064】
「アラルキルオキシアルキル」という用語は、アリール-alk-O-alk-基を指し、ここで、「alk」はアルキレン基である。「低級アラルキルオキシアルキル」とは、アルキレン基が低級アルキレンであるような基を指す。
【0065】
「アルコキシ-」又は「アルキルオキシ-」という用語は、アルキル-O-基を指す。
【0066】
「アルコキシアルキル」又は「アルキルオキシアルキル」という用語は、アルキル-O-alk-基を指し、ここで「alk」はアルキレン基である。「低級アルコキシアルキル」において、各アルキル及びアルキレンは、それぞれ低級アルキル及び低級アルキレンである。
【0067】
「アルキルチオ-」という用語は、アルキル-S-基を指す。
【0068】
「アルキルチオアルキル」という用語は、アルキル-5-alk-基を指し、ここで、「alk」はアルキレン基である。「低級アルキルチオアルキル」において、各アルキル及びアルキレンは、それぞれ低級アルキル及び低級アルキレンである。
【0069】
「アルコキシカルボニルオキシ-」という用語は、アルキル-O-C(O)-O-を指す。
【0070】
「アリールオキシカルボニルオキシ-」という用語は、アリール-O-C(O)-O-を指す。
【0071】
「アルキルチオカルボニルオキシ」という用語は、アルキル-S-C(O)-O-を指す。
【0072】
「アミド」という用語は、NR2-C(O)-、RC(O)-NR1-、NR2-S(=O)2-及びRS(=O)2-NR1-にあるようなアシル又はスルホニル基の隣にあるNR2基を指し、ここで、R及びR1は、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0073】
「カルボキサミド」という用語は、NR2-C(O)-及びRC(O)-NR1-を指し、ここでR及びR1は-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語には、尿素、-NR-C(O)-NR-は含まれない。
【0074】
「スルホンアミド」又は「スルフォンアミド」という用語は、NR2-S(=O)2-及びRS(=O)2-NR1-を指し、ここでR及びR1は、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語には、スルホニル尿素、-NR-S(=O)2-NR-は含まれない。
【0075】
「カルボキサミドアルキルアリール」又は「カルボキサミドアリール」という用語は、それぞれアリール-alk-NR1-C(O)及びar-NR1-C(O)-alk-を指し、ここで、「ar」はアリールであり、「alk」はアルキレンであり、R1及びRはH、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0076】
「スルホンアミドアルキルアリール」又は「スルホンアミドアリール」という用語は、それぞれアリール-alk-NR1-S(=O)2-及びar-NR1-S(=O)2-を指し、ここで、「ar」はアリールであり、「alk」はアルキレンであり、R1及びRは、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0077】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つの-OHで置換されたアルキル基を指す。
【0078】
「ハロアルキル」という用語は、ハロで置換されたアルキル基を指す。
【0079】
「シアノ」という用語は、-CNを指す。
【0080】
「ニトロ」という用語は、-NO2を指す。
【0081】
「アシルアルキル」という用語は、アルキル-C(O)-alk-を指し、ここで「alk」はアルキレンである。
【0082】
「アミノカルボキサミドアルキル」という用語は、NR2-C(O)-N(R)-alk-基を指し、ここで、Rはアルキル基又はHであり、「alk」はアルキレン基である。「低級アミノカルボキサミドアルキル」とは、「alk」が低級アルキレンであるような基を指す。
【0083】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキレン基を指す。
【0084】
II.PD-L1活性を阻害する化合物
本出願の一態様は、PD-L1活性を阻害する化合物に関する。いくつかの実施形態では、この化合物は、式(I)に示すような一般構造を有する。1.式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、若しくは互変異性体であって、
【化2】
式中、
A及びBのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、-N
3、アルキル及び置換アルキル、アミン、アルキルアミン、及びアルコキシからなる群から独立して選択され、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、各R
2は独立してハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである。
【0085】
式(I)の化合物は、軸DDに関して対称(すなわち、式(I)の左側部分は式(I)の右側部分の鏡像である)又は非対称であってもよい(すなわち、式(I)の左側部分は式(I)の右側部分とは異なる)。
【0086】
本出願の化合物には、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、エナンチオマー及び互変異性体も含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態では、A及びBのそれぞれは、独立して-Cl又はメチルであり、式中、
Z1は、=N-、-N(R1)-、=C(R2)-、又は-S-であり、
Z2は、=N-、-N(R1)-、=C(R2)-、又は-S-であり、
Z6は、=N-、-N(R1)-、=C(R2)-、又は-S-であり、
Z7は、=N-、-N(R1)-、=C(R2)-、又は-S-であり、
各R1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、各R2は独立して-H、-F、又はメチルであり、
Z3は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
Z4は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
Z5は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
Z8は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
Z9は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
Z10は、-N=、-N(R3)-、=C(R4)-、又は-C(R5R6)-であり、
各R3は独立して-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
R4、R5及びR6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
L1及びL3のそれぞれは独立して、環3とW1の間、及び環6とW3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W1又はW3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W1及びW3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L2及びL4のそれぞれは独立して、環3とW2の間、及び環6とW4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W2又はW4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W2及びW4のそれぞれは独立して、水素、3員環、4員環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである。
【0088】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の環2と環3の組み合わせ、及び/又は環5と環6の組み合わせは、以下からなる群から独立して選択される。
【化3】
【0089】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の環2と環3の組み合わせ、及び/又は環5と環6の組み合わせは、以下からなる群から独立して選択される。
【化4】
【0090】
いくつかの実施形態では、L1、L2、L3及びL4のそれぞれは独立してC1~C3アルキルである。
【0091】
いくつかの実施形態では、W
1、W
2、W
3、及びW
4のそれぞれは、以下からなる群から独立して選択される。
【化5】
【0092】
いくつかの実施形態では、W
1、W
2、W
3、及びW
4のうちの1つ以上は、次の一般式を有し、
【化6】
式中、R
7及びR
8のそれぞれは独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである。 いくつかの関連する実施形態では、R
7は以下の1つであり、
【化7】
R
8は独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである。
【0093】
本明細書に開示される化合物の特定の実施形態を、限定することなく表1に列挙する。本出願の化合物には、表1の化合物の薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、又は互変異性体も含まれる。
【表1】
【0094】
本出願は更に、本開示の同位体置換化合物を含む。「同位体置換」化合物は、1つ以上の原子が、同じ原子番号を有するが、異なる原子質量又は質量数、例えば、通常自然界に見られる(すなわち、天然に存在する)原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって交換又は置換された本出願の化合物である。「放射性標識」化合物は、少なくとも1種の放射性同位体(例えば、放射性核種)を組み込んだ化合物であることを理解されたい。
【0095】
III.式(I)の化合物の用途
本出願の別の態様は、式(I)の化合物の用途に関する。式(I)の化合物は、PD-L1とPD-1との間の相互作用を阻害し、したがって、PD-1の活性に関連する疾患及び障害、並びにPD-L1に関連する疾患及び障害の治療に有用である。
【0096】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物はPD-L1二量体の形成を促進し、したがってPD-L1とPD-1との間の相互作用を阻害する。特定の実施形態では、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体は、ワクチン接種に対する応答の増強を含めて、癌、慢性感染症又は敗血症における免疫を増強、刺激及び/又は増加させるための治療的投与に有用である。いくつかの実施形態では、本開示は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を阻害するための方法を提供する。この方法は、個体又は患者に、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、又は請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体を投与することを含む。本開示の化合物は、癌又は感染症を含む疾患又は障害の治療のため、単独で、他の薬剤若しくは療法と組み合わせて、又はアジュバント若しくはネオアジュバントとして使用することができる。本明細書に記載される用途のために、本開示の化合物のいずれか(その実施形態のいずれかを含む)を使用することができる。
【0097】
本開示の化合物は、PD-1/PD-L1タンパク質/タンパク質相互作用を阻害し、その結果、PD-1経路を遮断する。PD-1を遮断すると、ヒトを含む哺乳動物において、癌細胞及び感染症に対する免疫応答が強化され得る。いくつかの実施形態では、本開示は、癌性腫瘍の増殖が阻害されるように、本明細書の式のいずれかの化合物又はその塩若しくは立体異性体を使用した、個体又は患者のin vivoでの治療を提供する。本明細書に記載の式のいずれかの化合物、又は請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩若しくは立体異性体は、癌性腫瘍の増殖を阻害するために使用することができる。あるいは、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、又は請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩若しくは立体異性体は、以下に記載するように、他の薬剤又は標準的な癌治療と組み合わせて使用することができる。一実施形態では、本開示は、in vitroで腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、腫瘍細胞を、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、又は請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩若しくは立体異性体とin vitroで接触させることを含む。別の実施形態では、本開示は、個体又は患者における腫瘍細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この方法は、治療を必要とする個体又は患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、又は請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩若しくは立体異性体を投与することを含む。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書では、癌を治療する方法が提供される。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩を投与することを含む。癌の例としては、本開示の化合物を使用して増殖が阻害され得る癌、及び免疫療法に典型的に応答する癌が挙げられる。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者における免疫応答を増強、刺激、及び/又は増加させる方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物若しくは組成物、又はその塩を投与することを含む。
【0100】
本開示の化合物を使用して治療可能な癌の例としては、限定されないが、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚又は眼内の悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜の癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性又は急性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌又は尿道癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発される癌を含む環境誘発癌、及び上記癌の組み合わせが挙げられる。本開示の化合物はまた、転移性癌、特にPD-L1を発現する転移性癌の治療にも有用である。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な癌としては、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫、皮膚黒色腫)、腎臓癌(例えば、明細胞癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン抵抗性前立腺癌)、乳癌(例えば、浸潤性乳癌)、結腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌及び小細胞肺癌)、頭頸部扁平上皮癌(例えば、頭頸部の扁平上皮癌)、尿路上皮癌(例えば、膀胱癌、筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC))、及び高頻度マイクロサテライト不安定性(MSIhlgh)癌が挙げられる。
【0102】
更に、本開示は、本開示の化合物を使用して増殖が阻害され得る難治性又は再発性の悪性腫瘍を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な癌としては、限定されないが、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、結腸癌、食道癌、子宮内膜癌、卵巣癌、子宮癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部の癌、甲状腺癌、膠芽腫、肉腫、膀胱癌など)、血液癌(例えば、リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)などの白血病、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性又は難治性NHL及び再発濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫又は多発性骨髄腫)、及び上記癌の組み合わせが挙げられる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な癌としては、限定されないが、胆管癌(cholangiocarcinoma)、胆管癌(bile duct cancer)、胆道癌、トリプルネガティブ乳癌、横紋筋肉腫、小細胞肺癌、平滑筋肉腫、肝細胞癌、ユーイング肉腫、脳癌、脳腫瘍、星状細胞腫、神経芽腫、神経線維腫、基底細胞癌、軟骨肉腫、類上皮肉腫、眼癌(eye cancer)、卵管癌、消化器癌、消化管間質腫瘍、有毛細胞白血病、腸癌、膵島細胞癌、口腔癌(oral cancer)、口腔癌(mouth cancer)、咽頭癌、喉頭癌、口唇癌、中皮腫、頸部癌、鼻腔癌、眼癌(ocular cancer)、眼黒色腫、骨盤癌、直腸癌、腎細胞癌、唾液腺癌、副鼻腔癌、脊髄癌、舌癌、管状癌、尿道癌、及び尿管癌が挙げられる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、鎌状赤血球症及び鎌状赤血球貧血を治療するために使用することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な疾患及び適応症としては、限定されないが、血液癌、肉腫、肺癌、消化管癌、泌尿生殖器癌、肝臓癌、骨癌、神経系癌、婦人科癌、及び皮膚癌が挙げられる。
【0107】
例示的な血液癌としては、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)などのリンパ腫及び白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(再発性又は難治性NHL及び再発濾胞性を含む)、ホジキンリンパ腫、骨髄増殖性疾患(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、真性赤血球増加症(PV)、及び本態性血小板増加症(ET))、骨髄異形成症候群(MDS)、T細胞急性リンパ芽球性リンパ腫(T-ALL)、及び多発性骨髄腫(MM)が挙げられる。
【0108】
例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、粘液腫、横紋筋腫、横紋肉腫、線維腫、脂肪腫、過誤腫、及び奇形腫が挙げられる。
【0109】
例示的な肺癌としては、非小細胞肺癌(NSCLC)(例えば、扁平上皮細胞NSCLC)、小細胞肺癌、気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、軟骨腫性過誤腫、及び中皮腫が挙げられる。
【0110】
例示的な消化器癌としては、食道癌(癌腫、扁平上皮、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃癌(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫、腺癌)、膵臓癌(管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸癌(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、及び大腸癌(例えば、結腸直腸腺癌)が挙げられる。
【0111】
例示的な泌尿生殖器癌としては、腎臓癌(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫])、膀胱癌及び尿道癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺癌(腺癌、肉腫)、及び精巣癌(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪種)が挙げられる。いくつかの実施形態では、癌は泌尿器癌(例えば、乳頭状腎癌、精巣胚細胞癌、嫌色素性腎細胞癌、腎明細胞癌、又は前立腺腺癌)である。
【0112】
例示的な肝臓癌としては、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、及び血管腫が挙げられる。
【0113】
例示的な骨癌としては、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫が挙げられる。
【0114】
例示的な神経系癌としては、頭蓋骨癌(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜癌(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳癌(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、膠芽腫、多形性膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄癌(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、並びに神経芽腫及びレルミットデュクロス病が挙げられる。
【0115】
例示的な婦人科癌としては、子宮癌(子宮内膜癌)、子宮頸部癌(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣癌(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、漿液性腺癌、粘液性嚢胞腺癌、分類不能癌)、顆粒膜-莢膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部癌(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣癌(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫))、及び卵管癌(癌腫)が挙げられる。
【0116】
例示的な皮膚癌としては、黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌(例えば、皮膚扁平上皮癌)、カポジ肉腫、ほくろ異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、及びケロイドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物を使用して治療可能な疾患及び適応症としては、限定されないが、鎌状赤血球症(例えば、鎌状赤血球貧血)、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、骨髄異形成症候群、精巣癌、胆管癌、食道癌、及び尿路上皮癌が挙げられる。
【0117】
本開示の化合物によるPD-1経路遮断はまた、ウイルス、細菌、真菌及び寄生虫感染症などの感染症を治療するために使用することもできる。本開示は、ウイルス感染症などの感染症を治療するための方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、その塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすウイルスの例としては、限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、A型、B型、C型又はD型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス、エボラウイルス、及び麻疹ウイルスが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こすウイルスとしては、限定されないが、肝炎ウイルス(A型、B型、又はC型)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、CMV、及びエプスタインバールウイルス)、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デングウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、結核菌、及びアルボウイルス脳炎ウイルスが挙げられる。
【0118】
本開示は、細菌感染症を治療する方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性細菌の非限定的な例としては、クラミジア、リケッチア菌、マイコバクテリア、ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、淋菌、クレブシエラ、プロテウス、セラチア、シュードモナス、レジオネラ、ジフテリア、サルモネラ菌、桿菌、コレラ、破傷風、ボツリヌス菌、炭疽菌、ペスト、レプトスピラ、及びライム病細菌が挙げられる。
【0119】
本開示は、真菌感染症を治療する方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性真菌の非限定的な例としては、カンジダ(アルビカンス、クルセイ、グラブラタ、トロピカリスなど)、クリプトコックスネオフォルマンス、アスペルギルス(フミガーツス、ニガーなど)、ケカビ目属(ムコール、アブシディア、リゾープス)、スポロトリクスシェンキィ、ブラストミセスデルマティティジス、パラコクシジオイデスブラジリエンシス、コクシジオイデスイミチス、及びヒストプラズマカプスラツムが挙げられる。
【0120】
本開示は、寄生虫感染症を治療する方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩を投与することを含む。本開示の方法によって治療可能な感染症を引き起こす病原性寄生虫の非限定的な例としては、赤痢アメーバ、大腸バランチジウム、フォーラーネグレリア、アカントアメーバ種、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウム種、ニューモシスチスカリニ、三日熱マラリア原虫、バベシアマイクロティ、ブルーストリパノソーマ、クルーズトリパノソーマ、ドノバンリーシュマニア、トキソプラズマゴンジ、及びニッポストロンギルスブラジリエンシスが挙げられる。
【0121】
本開示は、神経変性疾患又は障害を治療するための方法を提供する。この方法は、治療を必要とする患者に、治療有効量の、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩を投与することを含む。神経変性疾患又は障害の非限定的な例としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、運動ニューロン疾患、脊髄小脳変性症及び脊髄性筋萎縮症が挙げられる。
【0122】
式(I)の化合物又はその実施形態のいずれかは、毒物学的プロファイル、代謝及び薬物動態特性、溶解性、及び透過性など、満足のいく薬理学的プロファイル及び有望な生物薬剤学的特性を有し得ると考えられる。適切な生物薬剤学的特性の決定、例えば細胞における細胞毒性の決定、又は潜在的な毒性を決定するための特定の標的若しくはチャネルの阻害の決定は、当業者の知識の範囲内であることが理解されるであろう。
【0123】
いくつかの実施形態では、本出願の化合物は、本明細書で言及される疾患のいずれかを発症するリスクを予防又は低減するのに有用であり、例えば、ある疾患、病気又は障害の素因を持っている可能性があるが、まだその疾患の病理又は症状を経験又は示していない個体において、その疾患、病気又は障害を発症するリスクを予防又は低減するのに有用である。
【0124】
併用療法
癌細胞の増殖及び生存は、複数の生物学的経路における機能障害によって影響を受ける可能性がある。したがって、そのような疾患を治療するために、酵素阻害剤、シグナル伝達阻害剤、クロマチン動態の阻害剤、又は免疫応答の調節剤など、異なるメカニズムの阻害剤を組み合わせることが有用である可能性がある。複数のシグナル伝達経路(又は所与のシグナル伝達経路に関与する複数の生体分子)を標的とすることにより、細胞集団内で薬剤耐性が生じる可能性が低下したり、治療の毒性が低下したりする可能性がある。
【0125】
本開示の化合物は、癌又は感染症などの疾患の治療のために1種以上の他の療法と組み合わせて使用することができる。併用療法で治療可能な疾患及び適応症の例としては、本明細書に記載されるものが挙げられる。
【0126】
癌の例としては、固形腫瘍及び非固形腫瘍、例えば液性腫瘍、血液癌が挙げられる。感染症の例としては、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、又は寄生虫感染症が挙げられる。例えば、本開示の化合物は、癌の治療のために以下のキナーゼの1種以上の阻害剤と組み合わせることができる:Aktl、Akt2、Akt3、BCL2、CDK、TGF-PR、PKA、PKG、PKC、CaM-キナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ、MEKK、ERK、MAPK、mTOR、EGFR、HER2、HER3、HER4、INS-R、IDH2、IGF-1R、IR-R、PDGFotR、PDGi’PR、PI3K(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、及び多重又は選択的)、CSF1R、KIT、FLK-1I、KDR/FLK-1、FLK-4、flt-1、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、c-Met、PARP、Ron、Sea、I RKA、TRKB、TRKC、TAMキナーゼ(Axl、Mer、Tyro3)、FLT3、VEGFR/FH2、Flt4、EphAl、EphA2、EphA3、EphB2、EphB4、Tie2、Src、Fyn、Lck、Fgr、Btk、Fak、SYK、FRK、JAK、ABL、ALK及びB-Raf。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、癌又は感染症の治療のために、以下の阻害剤のうちの1種以上と組み合わせることができる。癌及び感染症の治療のために本開示の化合物と組み合わせることができる阻害剤の非限定的な例としては、FGFR阻害剤(FGFR1、FGFR2、FGFR3又はFGFR4、例えば、ペミガチニブ(INCY54828)、INCB62079)、JAK阻害剤(JAK1及び/又はJAK2、例えば、ルキソリチニブ、バリシチニブ又はイタシチニブ(INCB39110))、IDO阻害剤(例えば、エパカドスタット、NLG919、又はBMS-986205、MK7162)、LSD1阻害剤(例えば、INCB59872及びINCB60003)、TDO阻害剤、PI3K-デルタ阻害剤(例えば、パルサクリシブ(INCB50465)及びINCB50797)、PI3K-ガンマ選択的阻害剤などのPI3K-ガンマ阻害剤、Pirn阻害剤(例えば、INCB53914)、EGFR阻害剤(ErB-1又はHER-1としても知られる。例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、オルシメルチニブ、セツキシマブ、ネシツムマブ、又はパニツムマブ)、VEGFR阻害剤又は経路遮断薬(例えば、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、レゴラフェニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ジブ-アフリベルセプト)、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ、又はニラパリブ)、CSF1R阻害剤、TAM受容体チロシンキナーゼ(Tyro-3、Axl、及びMer)、アデノシン受容体拮抗薬(例えば、A2a/A2b受容体拮抗薬)、HPK1阻害剤、ケモカイン受容体阻害剤(例えば、CCR2又はCCR5阻害剤)、SHP1/2ホスファターゼ阻害剤、HDAC8阻害剤などのヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)、血管新生阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ブロモ及びエキストラターミナルファミリーメンバー阻害剤(例えば、ブロモドメイン阻害剤又はINCB54329及びINCB57643などのBET阻害剤)、アルギナーゼ阻害剤(INCB001158)、PARP阻害剤(ルカパリブ又はオラパリブなど)、シトラバチニブ、B-Raf阻害剤とMEK阻害剤の組み合わせ(エンコラフェニブとビニメチニブ、ダブラフェニブとトラメチニブ、又はコビメチニブとベムラフェニブなど)、アデノシン受容体ア拮抗薬、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、TLR7アゴニスト(例えば、イミキモド)と組み合わせることができる。
【0128】
本開示の化合物は更に、例えば化学療法、放射線療法、腫瘍標的療法、アジュバント療法、免疫療法又は手術など、ガンを治療する他の方法と組み合わせて使用することができる。免疫療法の例としては、サイトカイン治療(例えば、インターフェロン、GM-CSF、G-CSF、IL-2)、CRS-207免疫療法、癌ワクチン、モノクローナル抗体、二重特異性又は多重特異性抗体、抗体薬物複合体、養子T細胞移入、Toll受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、RIG-Iアゴニスト、腫瘍溶解性ウイルス療法、及び免疫調節小分子(サリドマイド又はJAK1/2阻害剤、PI3K6阻害剤などを含む)が挙げられる。化合物は、化学療法剤などの1種以上の抗癌剤と組み合わせて投与することができる。化学療法剤の例としては、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、バリシチニブ、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、静注用ブスルファン、経口用ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、エトポシドリン酸塩、エトポシド、エキセメスタン、フェンタニルクエン酸塩、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴセレリン酢酸塩、ヒトレリン酢酸塩、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブメシル酸塩、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、ラパチニブジトシル酸塩、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド酢酸塩、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェニルプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、スニチニブリンゴ酸塩、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、及びゾレドロネートのいずれかが挙げられる。
【0129】
他の抗癌剤としては、トラスツズマブ(Herceptin)などの抗体治療薬、CTLA-4(例えば、イピリムマブ)、4-1BB(例えば、ウレルマブ、ウトミルマブ)などの共刺激分子に対する抗体、PD-l及びPD-L1に対する抗体、又はサイトカイン(IL-10、TGF-bなど)に対する抗体が挙げられる。癌又はウイルス、細菌、真菌及び寄生虫感染症などの感染症の治療のために本開示の化合物と組み合わせることができるPD-l及び/又はPD-L1に対する抗体の例としては、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、及びSHR-1210が挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
本開示の化合物は、癌又は感染症などの疾患の治療のために1種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0131】
例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、CBL-B、CD27、CD28、CD40、CD122、CD96、CD73、CD47、0X40、GITR、CSF1R、JAK、PI3Kデルタ、PI3Kガンマ、TAM、アルギナーゼ、CD137(4-1BBとしても知られる)、ICOS、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、LAG3、TIM3、TIGIT、CD112R、VISTA、PD-l、PD-L1及びPD-L2などの免疫チェックポイント分子に対する阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、CD27、CD28、CD40、ICOS、0X40、GITR及びCD137から選択される刺激性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子は、A2AR、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、IDO、KIR、LAG3、PD-1、TIM3、及びVISTAから選択される阻害性チェックポイント分子である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、KIR阻害剤、TIGIT阻害剤、LAIR1阻害剤、CD160阻害剤、2B4阻害剤、及びTGFRベータ阻害剤から選択される1種以上の薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、抗PD1抗体、抗PD-Ll抗体、又は抗CTLA-4抗体である。
【0133】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、PD-lの阻害剤、例えば、抗PD-lモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1モノクローナル抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られる)、ピジリズマブ、SHR-1210、PDR001、又はAMP-224である。いくつかの実施形態では、抗PD-lモノクローナル抗体はニボルマブ又はペムブロリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PDlモノクローナル抗体はペムブロリズマブである。
【0134】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、CTLA-4の阻害剤、例えば、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体はイピリムマブ又はトレメリムマブである。
【0135】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、LAG3の阻害剤、例えば、抗LAG3抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体はBMS-986016、LAG525、又はINCAGN2385である。
【0136】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、TIM3の阻害剤、例えば、抗TIM3抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIM3抗体はINCAGN2390、MBG453、又はTSR-022である。
【0137】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、GITRの阻害剤、例えば、抗GITR抗体である。いくつかの実施形態では、抗GITR抗体は、TRX518、MK-4166、INCAGN1876、MK-1248、AMG228、BMS-986156、GWN323、又はMEDI1873である。
【0138】
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント分子の阻害剤は、0X40の阻害剤、例えば、抗OX40抗体又はOX40L融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、抗0X40抗体はMEDI0562、MOXR-0916、PF-04518600、GSK3174998、又はBMS-986178である。いくつかの実施形態では、OX40L融合タンパク質はMEDI6383である。
【0139】
本開示の化合物は更に、1種以上の抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、又は治療用抗体と組み合わせて使用することができる。
【0140】
本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩は、癌細胞、精製腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、及び炭水化物分子を含む)、細胞、及び免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞など、別の免疫原性物質と組み合わせることができる。使用することができる腫瘍ワクチンの非限定的な例としては、黒色腫抗原のペプチド(gplOO、MAGE抗原、Trp-2、MARTI及び/又はチロシナーゼのペプチドなど)、又はサイトカインGM-CSFを発現するようにトランスフェクトされた腫瘍細胞が挙げられる。
【0141】
本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩は、癌の治療のためにワクチン接種プロトコールと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞はGM-CSFを発現するように形質導入される。いくつかの実施形態では、腫瘍ワクチンには、ヒトパピローマウイルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、及びカポジヘルペス肉腫ウイルス(KHSV)などのヒトの癌に関与するウイルスに由来するタンパク質が含まれる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、腫瘍組織自体から単離された熱ショックタンパク質などの腫瘍特異的抗原と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩は、強力な抗腫瘍応答を活性化するために樹状細胞免疫化と組み合わせることができる。
【0142】
本開示の化合物は、Feアルファ又はFeガンマ受容体を発現するエフェクター細胞を腫瘍細胞に標的化する二重特異性大環状ペプチドと組み合わせて使用することができる。本開示の化合物はまた、宿主の免疫応答性を活性化する大環状ペプチドと組み合わせることもできる。
【0143】
本開示の化合物は、造血起源の様々な腫瘍の治療のために骨髄移植と組み合わせて使用することができる。
【0144】
本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその塩は、病原体、毒素、及び自己抗原に対する免疫応答を刺激するために、ワクチンと組み合わせて使用することができる。
【0145】
2種以上の薬剤が患者に投与される場合、それらは、同時に、別々に、連続的に、又は組み合わせて(例えば、3種以上の薬剤について)投与することができる。
【0146】
製剤、剤形及び投与経路
医薬品として使用される場合、本開示の化合物は、医薬組成物の形態で投与することができる。したがって、本開示は、本明細書に記載の式のいずれかの化合物、請求項のいずれかに列挙されかつ本明細書に記載される化合物、又はその薬学的に許容される塩、又はその実施形態のいずれかと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む組成物を提供する。これらの組成物は、製薬分野で周知の方法で調製することができ、局所又は全身治療が必要であるか否か、及び治療すべき領域に応じて、様々な経路で投与することができる。投与は、局所的(経皮、表皮、眼、並びに、鼻腔内、膣及び直腸送達を含む粘膜への送達を含む)、肺(例えば、ネブライザーによる粉末若しくはエアロゾルの吸入若しくは吹き入れ、気管内又は鼻腔内)、経口又は非経口であってもよい。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内又は注射若しくは注入、又は頭蓋内、例えば髄腔内若しくは脳室内投与が含まれる。
【0147】
非経口投与は、単回ボーラス投与の形態であってもよく、又は例えば連続灌流ポンプによる投与であってもよい。局所投与用の医薬組成物及び製剤には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴剤、座薬、スプレー、液体、及び粉末が含まれ得る。従来の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要又は望ましい場合がある。
【0148】
本出願はまた、活性成分としての本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩を、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は局所投与に適している。本出願の組成物を調製する際、活性成分は典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、又は例えばカプセル、小袋、紙、若しくは他の容器の形態の担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は固体、半固体、又は液体材料であってもよく、活性成分のビヒクル、担体、又は媒体として機能する。したがって、組成物は、錠剤、丸薬、粉末、トローチ剤、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として又は液体媒体中)、例えば最大10重量%の活性化合物を含有する軟膏、軟ゼラチンカプセル及び硬ゼラチンカプセル、座薬、滅菌注射液、及び減菌包装粉末の形態であり得る。
【0149】
製剤を調製する際、他の成分と組み合わせる前に、活性化合物を粉砕して適切な粒子サイズを提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、それを200メッシュ未満の粒径まで粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合、製剤中で実質的に均一な分布(例えば、約40メッシュ)を提供するために、粒子サイズは、粉砕によって調整することができる。
【0150】
錠剤の形成及び他の製剤タイプに適した粒子サイズを得るために、本出願の化合物は、湿式粉砕などの既知の粉砕手順を使用して粉砕することができる。本出願の化合物の微粉化(ナノ粒子)調製物は、当技術分野で周知のプロセスによって調製することができる(例えば、国際公開第2002/000196号を参照)。
【0151】
好適な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ及びメチルセルロースが挙げられる。製剤は更に、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱油などの滑沢剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、安息香酸メチル及びヒドロキシ安息香酸プロピルなどの保存剤、甘味剤、及び香味剤を含むことができる。本出願の組成物は、患者への投与後に活性成分の迅速な放出、持続放出、又は遅延放出を提供するように、当技術分野で周知の手順を使用することによって製剤化することができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ケイ化微結晶性セルロース(silicified microcrystalline cellulose、SMCC)と、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、又はその薬学的に許容される塩とを含む。いくつかの実施形態では、ケイ化微結晶性セルロースは、約98%の微結晶性セルロース及び約2%の二酸化ケイ素(w/w)を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む徐放性組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩と、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリエチレンオキシドから選択される少なくとも1種の成分とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに微結晶性セルロース、ラクトース一水和物及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物又はその薬学的に許容される塩、並びに微結晶性セルロース、ラクトース一水和物及びポリエチレンオキシドを含む。いくつかの実施形態では、組成物はステアリン酸マグネシウム又は二酸化ケイ素を更に含む。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースはAvicel PH102(商標)である。いくつかの実施形態では、ラクトース一水和物は、Fast-flo 316(商標)である。いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4 M Premier(商標))及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LV(商標))である。いくつかの実施形態では、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR1105(例えば、Poly ox WSR 1105(商標))である。
【0154】
いくつかの実施形態では、湿式造粒プロセスを使用して組成物を製造する。いくつかの実施形態では、乾式造粒プロセスを使用して組成物を製造する。
【0155】
組成物は、単位剤形で製剤化することができ、各投与量は、約5~約1,000mg(1g)、より通常には約100mg~約500mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は約10mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は約50mgの活性成分を含む。いくつかの実施形態では、各投与量は約25mgの活性成分を含む。「単位剤形」という用語は、ヒト対象及び他の哺乳動物に対する単位投与として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、好適な医薬賦形剤と共に、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性物質を含む。
【0156】
医薬組成物を製剤化するために使用される成分は高純度であり、潜在的に有害な汚染物質を実質的に含まない(例えば、少なくとも国家食品グレード、一般に少なくとも分析グレード、より典型的には少なくとも医薬品グレード)。特に人間が消費するために、組成物は、米国食品医薬品局の該当する規制に定義されている適正製造規範に従って製造又は製剤化されることが好ましい。例えば、好適な製剤は、無菌及び/又は実質的に等張であってもよく、及び/又は米国食品医薬品局のすべての適正製造規範規制に完全に準拠していてもよい。
【0157】
活性化合物は、広い用量範囲にわたって有効である可能性があり、一般に、治療有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療すべき状態、選択された投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、及び反応、患者の症状の重症度などを含む関連状況に従って医師によって決定されることが理解されるであろう。
【0158】
本出願の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康及び状態、並びに処方する医師の判断に応じて変化し得る。医薬組成物中の本出願の化合物の割合又は濃度は、用量、化学的特性(例えば、疎水性)、及び投与経路を含む多くの要因に応じて変化し得る。例えば、本出願の化合物は、非経口投与のために、約0.1~約10%w/vの化合物を含有する生理学的緩衝水溶液中で提供することができる。いくつかの典型的な用量範囲は、1日あたり体重1kg当たり約1pg~約1gである。いくつかの実施形態では、用量範囲は、1日当たり体重1kg当たり約0.01mg~約100mgである。投与量は、疾患又は障害の種類と進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の配合、及びその投与経路などの変数に依存する可能性がある。有効用量は、in vitro又は動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定することができる。
【0159】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主な活性成分を医薬賦形剤と混合して、本出願の化合物の均一混合物を含む固体の予備製剤組成物(preformulation composition)を形成する。これらの予備製剤組成物を均質であると称する場合、活性成分は典型的には組成物全体に均一に分散されており、したがって組成物は錠剤、丸薬、及びカプセルなどの同様に有効な単位剤形に容易に細分化することができる。次に、この固体予備製剤を、例えば約0.1~約1000mgの本出願の活性成分を含有する上記のタイプの単位剤形に細分化する。
【0160】
本出願の錠剤又は丸薬を、コーティングするか、又は他の方法で配合して、持続性作用の利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、錠剤又は丸薬は、内部用量成分及び外部用量成分を含むことができ、後者は前者を覆うエンベロープの形態である。2つの成分は、胃内での崩壊に抵抗し、内部成分がそのまま十二指腸に通過するか、又は内部成分の放出が遅延することを可能にする腸溶層によって分離することができる。このような腸溶層又はコーティングには、様々な材料を使用することができ、このような材料としては、多くのポリマー酸並びにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料との混合物が挙げられる。
【0161】
経口投与又は注射による投与のために本出願の化合物及び組成物を組み込むことができる液体形態には、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水性懸濁液又は油性懸濁液、及び、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、又はピーナッツ油などの食用油を含む風味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び類似の医薬ビヒクルが含まれる。
【0162】
吸入又は吹き入れ用の組成物には、薬学的に許容される水性若しくは有機溶媒、又はそれらの混合物中の溶液及び懸濁液、並びに粉末が含まれる。液体又は固体組成物は、上記のような好適な薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、局所効果又は全身効果のために経口又は経鼻呼吸経路によって投与される。組成物は不活性ガスを使用して噴霧することができる。噴霧された溶液は、噴霧装置から直接吸入することができ、又は噴霧装置は、フェイスマスク、テント、若しくは間欠的陽圧呼吸器に取り付けることができる。溶液、懸濁液、又は粉末組成物は、適切な方法で製剤を送達する装置から経口又は経鼻的に投与することができる。
【0163】
局所製剤は、1種以上の従来の担体を含むことができる。いくつかの実施形態では、軟膏は、水と、例えば流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリンなどから選択される1種以上の疎水性担体とを含むことができる。クリームの担体組成物は、グリセロール及び1種以上の他の成分、例えばモノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸PEG-グリセリン及びセチルステアリルアルコールと組み合わせた水をベースとすることができる。ゲルは、イソプロピルアルコール及び水を使用して、例えばグリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどの他の成分と適切に組み合わせて配合することができる。いくつかの実施形態では、局所製剤は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、又は少なくとも約5重量%の本出願の化合物を含む。局所製剤は、選択された適応症、例えば乾癬又は他の皮膚状態の治療のための説明書を任意に添付して、例えば100gのチューブに適切に包装することができる。
【0164】
患者に投与される化合物又は組成物の量は、投与されるもの、予防又は治療などの投与の目的、患者の状態、投与方法などに応じて変化する。治療用途において、組成物を、すでに疾患を患っている患者に、疾患及びその合併症の症状を治癒又は少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与することができる。有効用量は、治療される疾患状態、並びに疾患の重篤度、患者の年齢、体重及び全身状態などの要因に応じた主治医の判断によって決まる。
【0165】
患者に投与される組成物は、上記の医薬組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌することができ、又は滅菌濾過することができる。水溶液は、そのまま使用するために包装することも、凍結乾燥することもでき、凍結乾燥製剤は、投与前に滅菌水性担体と混合される。化合物製剤のpHは、典型的には3~11、より好ましくは5~9、最も好ましくは7~8である。特定の前述の賦形剤、担体又は安定剤を使用すると、薬学的塩が形成されることが理解されるであろう。
【0166】
本出願の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与方法、患者の健康及び状態、並びに処方する医師の判断に応じて変化し得る。医薬組成物中の本出願の化合物の割合又は濃度は、用量、化学的特性(例えば、疎水性)、及び投与経路を含む多くの要因に応じて変化し得る。例えば、本出願の化合物は、非経口投与のために、約0.1~約10%w/vの化合物を含有する生理学的緩衝水溶液中で提供することができる。いくつかの典型的な用量範囲は、1日あたり体重1kg当たり約1pg~約1gである。いくつかの実施形態では、用量範囲は、1日当たり体重1kg当たり約0.01mg~約100mgである。投与量は、疾患又は障害の種類と進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の配合、及びその投与経路などの変数に依存する可能性がある。有効用量は、in vitro又は動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定することができる。
【0167】
IV.合成方法
本出願の化合物(その塩を含む)は、既知の有機合成技術を使用して調製することができ、また、多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
【0168】
本出願の化合物を調製するための反応は、有機合成の当業者であれば容易に選択できる適切な溶媒中で実施することができる。適切な溶媒は、反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸点までの範囲の温度において、出発物質(反応物)、中間体又は生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒、又は2つ以上の溶媒の混合物中で実施することができる。特定の反応工程に応じて、当業者は、特定の反応工程に適した溶媒を選択することができる。
【0169】
本出願の化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を含むことができる。保護及び脱保護の必要性、並びに適切な保護基の選択は、当業者であれば容易に決定することができる。保護基の化学は、例えば、Kocienski,Protecting Groups,(Thieme,2007)、Robertson,Protecting Group Chemistry,(Oxford University Press,2000)、Smith el al.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th Ed.(Wiley,2007)、Peturssion et al.,“Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry,”J. Chem.Educ.,1997,77(11),1297、及びWuts et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,(Wiley,2006)に記載されている。
【0170】
反応は、当技術分野で公知の任意の適切な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、‘H又は13C)、赤外線分光法、分光測光法(例えば、UV-可視)、質量分析法などの分光手段によって、又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)若しくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によって監視することができる。
【0171】
本出願を、以下の実施例によって更に説明するが、これらは限定するものと解釈されるべきではない。本出願を通して引用されるすべての参考文献、特許、及び公開された特許出願の内容、並びに図面及び表は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0172】
化学合成の実施例
実施例1 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-((5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物1)
【化8】
化合物1D-1(1.00g、8.7mmol、1.0当量)及びトリメチルアミン(1.76g、17.37mmol、2.0当量)をDCM(20mL)に溶解した。0℃で、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(1.99g、10.42mmol、1.20当量)を添加し、1時間撹拌した。混合溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物1D(2.1g、収率:89.8%)を得た。
【0173】
【化9】
500mLの丸底フラスコに、3-ブロモ-2-クロロフェノール(12.4g、0.060mol、1.0当量)、B
2Pin
2(16.4g、0.065mol、1.08当量)、KOAc(20.5g、0.210mol、3.5当量)、及びPd(dppf)Cl
2・DCM(4.1g、5.1mmol、0.085当量)を添加し、続いてジオキサン(300mL)を添加し、最終混合物にN
2を充填し、95℃で3時間撹拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをジオキサン(100mL)で洗浄し、濾液を次の工程で直接使用した。
【0174】
前の濾液に3-ブロモ-2-クロロフェノール(12.0g、0.059mol、0.99当量)、K2CO3(24.8g、0.180mol、3.0当量)、及びPd(dppf)Cl2・DCM(2.1g、2.40mmol、0.042当量)を添加し、続いてH2O(80mL)を添加し、最終混合物にN2を充填し、85℃で3.5時間撹拌した。次に、反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをEtOAc(300mL)で洗浄した。濾液にブライン(300mL)を添加し、層を分離した。水相をEtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた有機相を活性炭を用いて室温で一晩変色させた。混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄し、合わせた有機相を真空下で濃縮した。残渣をDCM/PE=1.5/1からの再結晶により精製して、所望の生成物SM1-2A(10.1g、収率:66%)を得た。
【0175】
【化10】
SM1-2A(10.1g、0.039mol、1.0当量)をDCM(200mL)に撹拌した混合物に、0℃でDIPEA(19.4g、0.151mol、3.8当量)を添加し、続いてこの温度でTf
2O(26.8g、0.095mol、2.4当量)を添加し、室温で更に2時間撹拌した。水(100mL)を添加し、層を分離した。水相をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、EtOH/H
2O=1/1で再結晶させることにより精製して、所望の生成物SM1-3A(18.3g、収率89%)を得た。
【0176】
【化11】
SM1-3A(14.2g、0.027mol、1.0当量)をジオキサン(80mL)に撹拌した溶液に、B
2Pin
2(27.8g、0.109mol、4.0当量)、KOAc(16g、0.164mol、6.0当量)及びPd(dppf)Cl
2・DCM(3.3g、4.1mmol、0.15当量)を室温で添加し、次に、N
2を充填し、85℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、EtOAc(150mL)及び水(150mL)を混合物に添加し、分離し、水相をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)で溶解し、次にPE(300mL)を溶液にゆっくりと添加して黒色の懸濁液を形成した。30分間撹拌した後、それを濾過し、濾過ケーキを140mL(PE/EtOAc=6/1)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をEtOH(150mL)で再結晶させて、所望の生成物1A(9.5g、収率75%)をオフホワイトの固体として得た。
【0177】
【化12】
N
2雰囲気下、化合物1A(1.0g、2.1mmol、1.0当量)、化合物1B(1.138g、5.32mmol、2.5当量)、K
2CO
3(1.45g、10.5mmol、5.0当量)及びPd(dppf)Cl
2・DCM(0.52g、0.63mmol、0.3当量)を、DMF(15mL)及びH
2O(3mL)に溶解した。反応混合物を100℃で3時間撹拌した。冷却後、30mLの水及び30mLのEtOAcを添加した。有機相を水で洗浄し、濃縮して残渣を得て、これをEtOAcで洗浄して化合物1C(0.80g、収率:77.8%)を得た。
LCMS(ESI):C
24H
14Cl
2N
6O
2に対する計算値;[M+H]+:489.1,実測値:489.1.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.11 (s, 2H), 7.97 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.71 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 6.31 (s, 2H).
【0178】
【化13】
化合物1C(100mg、0.20mmol、1.0当量)、化合物1D(121mg、0.45mmol、2.2当量)、及びCs
2CO
3(333mg、1.02mmol、5.0当量)をDMF(2.0mL)に溶解した。反応物を60℃で1時間撹拌した。冷却後、10mLの水を添加し、EtOAcで抽出し、濃縮した。それを分取HPLCにより精製して化合物1(80mg、収率:57.3%)を得た。
LCMS(ESI):C
34H
28Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:683.2,実測値:683.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.11 (s, 2H), 8.01 (d, J = 1.2Hz, 2H), 7.87 (s, 2H), 7.70 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.49 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.88-3.94 (m, 6H), 2.21-2.27 (m, 2H), 2.05-2.18 (m, 4H), 1.72-1.77 (m, 2H).
【0179】
実施例2 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)チエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オン)(化合物2)の調製
【化14】
化合物1の手順に従い、1Bを6-ブロモチエノ[2,3-d]ピリミジン-4(3H)-オンに置き換えることにより表題化合物2を得た。
LCMS(ESI):C
34H
26Cl
2N
6O
4S
2に対する計算値;[M+H]+:717.1,719.1,実測値:717.1,719.1.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.43 (s, 2H), 7.85 (s, 2H), 7.80 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.70 (s, 2H), 7.61-7.55 (m, 3H), 7.50 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 4.06-4.01 (m, 4H), 4.01-3.96 (m, 2H), 2.29-2.22 (m, 2H), 2.18-2.09 (m, 4H), 1.81-1.73 (m, 2H).
【0180】
実施例3 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(7-フルオロ-3-((5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物3)の調製
【化15】
化合物1B(1.0g、4.6mmol、1.0当量)及びセレクトフルオル(2.48g、7.0mmol、1.5当量)を、CH
3CN(16mL)及びDMF(4.0mL)に溶解した。反応を50℃で2時間行った。40mLの水を添加して沈殿させ、化合物3A(0.30g、収率:27.7%)を得た。
LCMS(ESI):C
6H
3BrFN
3Oに対する計算値;[M+H]+:231.9,実測値:231.9.
【0181】
化合物1の手順に従い、1Bを6-ブロモー7-フルオロピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(1H)-オン(3A)に置き換えることにより表題化合物3を得た。
LCMS(ESI):C34H26Cl2F2N8O4に対する計算値;[M+H]+:719.1721.1,実測値:719.1,721.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6): δ 8.01 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 7.87 (s, 2H), 7.72 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.49 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 6 Hz,2H), 7.26 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.94-3.88 (m, 6H), 2.27-2.22 (m, 2H), 2.18-2.10 (m, 4H), 1.78-1.77 (m, 2H).
【0182】
実施例4 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-メチル-3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オン)(化合物4)の調製
【化16】
化合物1の手順に従い、1Bを6-ブロモ-5-メチル-3,5-ジヒドロ-4H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-4-オンに置き換えることにより表題化合物4を得た。
LCMS(ESI):C
36H
32Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:711.2,713.2,実測値:711.2,713.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.10 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 7.83-7.79 (m, 4H), 7.48 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.08 (s, 6H), 3.99-3.95 (m, 6H), 2.23-2.19 (m, 2H), 2.12-2.04 (m, 2H), 2.02-1.96 (m, 2H), 1.79-1.76 (m, 2H).
【0183】
実施例5 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物5)の調製
【化17】
化合物1の手順に従い、1Bを7-ブロモピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オンに置き換えることにより表題化合物5を得た。
LCMS(ESI):C
36H
30Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:681.2,実測値:683.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.87 (s, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.71-7.65 (m, 2H), 7.51-7.42 (m, 4H), 7.33-7.27 (m, 2H), 7.25 (s, 2H), 6.87 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 4.02-3.94 (m, 3H), 3.76-3.69 (m, 3H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.13-2.02 (m, 4H), 1.81-1.72 (m, 2H).
【0184】
実施例6 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(1-メチル-5-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン)(化合物6)の調製
【化18】
化合物1の手順に従い、1Bを2-ブロモー1-メチル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オンに置き換えることにより表題化合物6を得た。
LCMS(ESI):C
36H
32Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:711.2,713.2,実測値:711.2,713.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.87 (s, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.71-7.65 (m, 2H), 7.51-7.42 (m, 4H), 7.33-7.27 (m, 2H), 7.25 (s, 2H), 6.87 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 4.02-3.94 (m, 3H), 3.76-3.69 (m, 3H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.13-2.02 (m, 4H), 1.81-1.72 (m, 2H).
【0185】
実施例7 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物7)の調製
【化19】
化合物1の手順に従い、1Bを2-ブロモピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オンに置き換えることにより表題化合物7を得た。
LCMS(ESI):C
34H
28Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:683.2,685.2,実測値:683.2,685.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89-7.87 (m, 4H), 7.80 (s, 2H), 7.57 (t, J = 10 Hz, 2H), 7.48-7.46 (s, 2H), 7.40 (s, 2H), 7.20 (t, J = 4.8Hz, 2H), 4.05-3.97 (m, 4H), 3.87-3.83 (m, 2H), 2.26-2.21 (m, 2H), 2.14-2.07 (m, 4H), 1.79-1.74 (m, 2H).
【0186】
実施例8 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オン)(化合物8)の調製
【化20】
化合物1の手順に従い、1Bを2-ブロモチエノ[3,2-c]ピリジン-4(5H)-オンに置き換えることにより表題化合物8を得た。
LCMS(ESI):C
36H
28Cl
2N
4O
4S
2に対する計算値;[M+H]+:715.1,717.1,実測値:715.1,717.1.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.80-7.76 (m, 6H), 7.61-7.54 (m, 4H), 7.47 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.15-4.09 (m, 2H), 4.00-3.87 (m, 4H), 2.26-2.12 (m, 2H), 2.11-1.89 (m, 4H), 1.85-1.70 (m, 2H).
【0187】
実施例9 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物9)の調製
【化21】
化合物1の手順に従い、1Bを7-ブロモ-3,4-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オンに置き換えることにより表題化合物9を得た。
LCMS(ESI):C
36H
34Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:684.2,686.2,実測値:684.2,686.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.77 (s, 2H), 7.58 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.47 (s, 2H), 7.41 (t, J = 6 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.00 (s, 2H), 4.15 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 3.53 (s, 4H).
【0188】
実施例10 8,8’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3,7-ジメチル-1-(((S)-5-オキソピロリジン)-2-イル)メチル)-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオン)(化合物10)の調製
【化22】
化合物1の手順に従い、1Bを8-ブロモ-3,7-ジメチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオンに置き換えることにより表題化合物10を得た。
LCMS(ESI):C
36H
34Cl
2N
10O
6に対する計算値;[M+H]+:772.2,774.2,実測値:772.2,774.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.52 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.98-3.92 (m, 6H), 3.58 (s, 6H), 3.32 (s, 6H), 2.38 -2.26 (m, 2H), 2.14-2.09 (m, 4H), 1.83-1.76 (m, 2H).
【0189】
実施例11 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(2H)-オン)(化合物11)の調製
【化23】
化合物1の手順に従い、1Bを8-ブロモ-3,7-ジメチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオンに置き換えることにより表題化合物11を得た。
LCMS(ESI):C
34H
28Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:682.1,684.1,実測値:682.1,684.1.
1H
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.36 (s, 2H), 7.92 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.71-7.63 (m, 6H), 7.54-7.48 (m, 2H), 7.30-7.24 (m, 2H), 4.25-4.09 (m, 6H), 2.40-2.26 (m, 4H), 1.99-1.77 (m, 4H).
【0190】
実施例12 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(7-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8(7H)-オン)(化合物12)の調製
【化24】
化合物12A(770mg、3.53mmol、1当量)をDMF(10mL)に撹拌した溶液に、Cs
2CO
3(2302mg、7.06mmol、2.0当量)及び2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(891mg、5.30mmol、1.5当量)を25℃で添加した。得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。25℃に冷却した後、反応物を水(10ml)で急冷し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAC(5:1~3:1)で溶出して、化合物12B(451mg、収率:41.7%)を得た。
【0191】
化合物12B(451mg、1.47mmol、1.0当量)をEtOH/H2O(5mL/1mL)に撹拌した溶液に、NaOH(89mg、2.22mmol、1.5当量)を25℃で添加した。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。25℃に冷却した後、反応物をHOAc溶液(1M、水中)で急冷し、pH約6.0に調整した。それをEtOAc(30mL×2)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、化合物12C(410mg、収率:100%)を得た。
【0192】
化合物12C(410mg、1.47mmol、1.0当量)をDMF(5mL)に撹拌した溶液に、NH4Cl(786mg、14.7mmol、10当量)、DIEA(508mg、4.41mmol、3.0当量)及びHATU(1040mg、2.94mmol、2当量)を25℃で添加した。得られた混合物を、25℃で16時間撹拌した。反応物を水(100mL)で急冷し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1~2:1)で溶出して、化合物12D(300mg、収率:66.8%)を得た。LCMS(ESI):C8H12BrN3O3に対する計算値;[M+H]+:277.01,279.00,実測値:246.11,248.09.
【0193】
化合物12D(300mg、1.08mmol、1.0当量)を25℃でHOAc(3.0mL)に溶解し、得られた混合物を105℃で4時間撹拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮して化合物12E(230mg、収率:100%)を得た。LCMS(ESI):C6H4BrN3Oに対する計算値;[M+H]+:214.02,216.02,実測値:214.09,216.07.
【0194】
化合物1の手順に従い、1Bを12Eに置き換えることにより表題化合物12を得た。LCMS(ESI):C34H28Cl2N8O4に対する計算値;[M+H]+:682.2,684.2,実測値:682.2,684.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) 8.43 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 8.23 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.79 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.15 (dd, J = 5.9, 1.7 Hz, 2H), 4.04-4.02 (m, 1H), 4.00-3.97 (m, 2H), 3.87-3.84 (m, 2H), 3.84-3.81 (m, 1H), 2.31-2.18 (m, 3H), 2.13-2.08 (m, 3H), 1.81-1.74 (m, 2H).
【0195】
実施例13 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-フルオロ-7-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-8(7H)-オン)(化合物13)の調製
【化25】
2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(5.8mL、49.3mmol、4.2当量)及びHBr(1.4mL、48%、水中、12.5mol、1.08当量)の混合溶液を100℃で撹拌した。2時間後、混合物を室温まで冷却し、NaHCO
3をプロパン-2-オール(30mL)に撹拌した溶液にゆっくりと滴下した。白色固体を分離した。濾過後、13A(1.5g、11.6mmol、1.0当量)を濾液に添加し、反応物を100℃で2時間撹拌した。冷却後、混合物を濾過してケーキを得て、DCM(50mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mLx2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。混合物を減圧下で濃縮して、化合物13B(1.5g、収率:84%)を得た。LCMS(ESI):C
6H
4ClN
3に対する計算値;[M+H]+:154.01,実測値:154.23
【0196】
化合物13B(1.5g、9.8mmol、1.0当量)をMeCN(20mL)に溶かした溶液に、セレクトフルオル(3.47g、9.8mmol、1.0当量)を25℃で添加し、反応物を70℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1~3:1)で溶出して、13C(0.56g、収率:33.5%)を得た。LCMS(ESI):C6H3ClFN3に対する計算値;[M+H]+:171.56,実測値:172.10
【0197】
化合物13C(363mg、2.12mmol、1当量)をTHF(10mL)に溶かした溶液に、-60℃でn-BuLi(1.56mL、THF中1.6M、2.54mmol、1.2当量)を添加し、反応物を-60℃で30分間撹拌した。次に、Br2(0.16mL、3.18mmol、1.5当量)を-60℃で混合物に添加し、2時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で急冷し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1~3:1)で溶出して、13D(183mg、収率:34.6%)を得た。LCMS(ESI):C6H2BrClFN3に対する計算値;[M+H]+:250.46,実測値:250.32
【0198】
化合物13D(83mg、0.33mmol、1.0当量)を25℃でHCOOH(2.0mL)に溶解し、反応物を110℃で1.5時間撹拌した。反応終了後、混合物を減圧下で濃縮して13E(76mg、収率:100%)を得た。LCMS(ESI):C6H3BrFN3Oに対する計算値;[M+H]+:234.9,実測値:234.1
【0199】
化合物1の手順に従い、1Bを13Eに置き換えることにより表題化合物13を得た。LCMS(ESI):C34H26Cl2F2N8O4に対する計算値;[M+H]+:719.5.721.5,実測値:719.5,721.5.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 8.22 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.62 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.14 (dd, J = 5.9, 1.7 Hz, 2H), 4.03 - 3.81 (m, 6H), 2.32-2.19 (m, 3H), 2.14-2.09 (m, 3H), 1.80-1.73 (m, 2H).
【0200】
実施例14 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン)(化合物14)の調製
【化26】
化合物1の手順に従い、1Bを6-ブロモ-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンに置き換えることにより表題化合物14を得た。LCMS(ESI):C
34H
28Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:683.5,685.5,実測値:683.5,685.5.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 12.40 (s, 2H), 8.17 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.71 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.54 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 7.38 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 4.08- 4.01 (m, 2H), 3.98-3.93 (m, 4H), 2.24-2.17 (m, 2H), 2.10-2.03 (m, 4H), 1.79-1.74 (m, 2H).
【0201】
実施例15 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(7-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-8(7H)-オン)(化合物15)の調製
【化27】
3-クロロピラジン-2-アミン(1.0g、7.78mmol、1.0当量)をジオキサン(100mL)に溶かした溶液に、イソチオシアネート-O-エチルカルボイソチオシアナチデート(1.18g、7.9mmol、1.02当量)を滴加し、室温で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、DCM中0%~5%MeOHの勾配を用いてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。表題化合物15Bを黄色固体(1.13g、56%)として得た。
LCMS(ESI):C
8H
9ClN
4O
2Sに対する計算値;[M+H]+:261.0,263.0,実測値:261.0,263.0.
【0202】
化合物15B(0.73g、2.98mmol、1.0当量)、塩酸ヒドロキシルアミン(1.03g、74.2mmol、25当量)及びジイソプロピルエチルアミン(1.15g、1.55mL、8.9mmol、3.0当量)を、MeOH(4.0mL)及びEtOH(4.0mL)に溶解した。反応混合物を60℃に3時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM(30mL)及び水(6.0mL)中に懸濁させた。懸濁液を10分間撹拌し、固体を濾過して除去した。水相をDCMで4回抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。残渣を濾過した固体の化合物15C(808mg、収率:170%)と合わせ、精製せずに次の工程に使用した。LCMS(ESI):C5H4ClN5に対する計算値;[M+H]+:170.0,172.0,実測値:170.0,172.0.
【0203】
臭化第一銅(I)(1.06g、4.8mmol)、亜硝酸tert-ブチル(505mg、0.605mL、4.8mmol)及び化合物15Cをアセトニトリル(60mL)に溶解した。反応混合物を75℃に35分間加熱した。冷却後、飽和NaHCO3溶液(20mL)を添加し、分離し、EtOAc(40mL)で抽出した。次に、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗物質をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%~50%EtOAc)により精製して、オフホワイトの固体15D(202mg、29%)を得た。LCMS(ESI):C5H2BrClN4に対する計算値;[M+H]+:232.9,234.9,236.9,実測値:232.9,234.9,236.9.
【0204】
化合物15D(100mg、0.465mmol、1.0当量)を5.0mLのギ酸に溶解し、100℃に8時間加熱した。反応溶液を冷却し、濃縮し、固体を沈殿させて化合物15E(102mg、55.9%)を得た。LCMS(ESI):C5H3BrN4Oに対する計算値;[M+H]+:215.0,217.0,実測値:215.0,217.0.
【0205】
化合物1の手順に従い、1Bを15Eに置き換えることにより表題化合物15を得た。LCMS(ESI):C32H26Cl2N10O4に対する計算値;[M+H]+:685.5,687.5,実測値:685.5,687.5.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.09 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.95 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.75 (s, 2H), 7.63 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.58 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 4.13- 4.01 (m, 4H), 3.99-3.93 (m, 2H), 2.32-2.26 (m, 2H), 2.19-2.07 (m, 4H), 1.80-1.74 (m, 2H).
【0206】
実施例16 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(4-フルオロ-2-((5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物16)の調製
【化28】
化合物16A(200mg、0.938mmol、1.0当量)及びセレクトフルオル(300mg、0.75mmol、0.8当量)をDCM(4.0mL)及びH
2O(4mL)に溶解し、25℃で一晩撹拌した。混合反応物に水(20mL)を添加し、DCM(20mL×3)で抽出し、合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(3:1)で溶出して、化合物16B(110mg、収率:49.4%)を得た。LCMS(ESI):C
7H
4BrFN
2Oに対する計算値;[M+H]+:231.01,233.01,実測値:231.01,233.01.
【0207】
化合物1の手順に従い、1Bを16Bに置き換えることにより表題化合物16を得た。LCMS(ESI):C36H28Cl2F2N6O4に対する計算値;[M+H]+:717.2.719.2,実測値:717.2,719.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.40 (d, t = 7.5 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 3.93 - 3.81 (m, 6H), 2.24 - 2.19 (m, 2H), 2.12 - 2.04 (m, 4H), 1.77 - 1.69 (m, 2H).
【0208】
実施例17 6,6’-(2,2’-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物17)の調製
【化29】
化合物1の手順に従い、3-ブロモー2-クロロフェノールを3-ブロモー2-メチルフェノールに置き換えることにより表題化合物17を得た。LCMS(ESI):C
36H
34N
8O
4に対する計算値;[M+H]+643.3,645.3,実測値:643.3,645.3.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 8.09 (s, 2H), 7.83-7.87 (m, 4H), 7.40-7.42 (m, 2H), 7.31 (t, J = 6.4 Hz), 7.09 (s, 2H), 3.89-3.93 (m, 6H), 2.18-2.26 (m, 2H), 2.04-2.11 (m, 10H), 1.73-1.77 (m, 2H).
【0209】
実施例18 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-((5-オキソピロリジン-3-イル)メチル)ピロロ[2,1-f]][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物18)の調製
【化30】
化合物1の手順に従い、1D-1を4-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-オンに置き換えることにより表題化合物18を得た。LCMS(ESI):C
34H
28Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:683.2,685.2,実測値:683.2,685.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 8.61 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 8.09 (s, 2H), 7.94 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 7.68 (m, 4H), 7.52 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.45 (m, 2H), 4.24-3.71 (m, 4H), 3.46 (m, 2H), 3.31 (m, 2H), 2.55-2.47 (m, 2H), 2.45 (m, 2H), 2.36 (m, 2H).
【0210】
実施例19 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)エチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物19)の調製
【化31】
化合物1の手順に従い、1D-1を1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリジン-2-オンに置き換えることにより表題化合物19を得た。LCMS(ESI):C
34H
30Cl
2N
10O
4に対する計算値;[M+H]+::712.2,714.2,実測値:712.2,714.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 8.11 (s, 2H), 7.97 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.71 (dd, J = 7.9, 1.7 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 6.31 (s, 2H), 3.98 (t, J = 5.6 Hz, 4H), 3.45 (dd, J = 9.0, 6.7 Hz, 4H), 3.38 (t, J = 5.4 Hz, 4H), 3.21 (dd, J = 8.9, 6.8 Hz, 4H).
【0211】
実施例20 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-ヒドロキシエチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物20)の調製
【化32】
化合物1の手順に従い、1Dを2-ブロモエタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物20を得た。LCMS(ESI):C
28H
22Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:577.1,579.1,実測値:577.1,579.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 8.09-7.98 (m, 3H), 7.91 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.48 (m, 2H), 7.38-7.21 (m, 4H), 3.93 (m, 4H), 3.63 (m, 4H).
【0212】
実施例21 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物21)の調製
【化33】
化合物1の手順に従い、1D-1を2-(1H-ピラゾール-1-イル)エタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物21を得た。LCMS(ESI):C
34H
26Cl
2N
10O
2に対する計算値;[M+H]+::677.2,679.2,実測値:677.2,679.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 7.96 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 7.74 (d, J = 2.2 Hz, 2H), 7.70 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 2H), 7.52-7.46 (m, 4H), 7.43 (s, 2H), 7.32 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 6.26-6.22 (m, 2H), 4.46 (t, J = 5.7 Hz, 4H), 4.28 (t, J = 5.7 Hz, 4H).
【0213】
実施例22 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1)-イル)エチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物22)の調製
【化34】
化合物1の手順に従い、1D-1を2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物22を得た。LCMS(ESI):C
32H
24Cl
2N
12O
2に対する計算値;[M+H]+:679.2,681.2,実測値:679.2,681.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 2H), 7.99 (t, J = 1.7 Hz, 4H), 7.73-7.66 (m, 4H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.5, 1.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.56 (d, J = 5.8 Hz, 4H), 4.29 (t, J = 5.7 Hz, 4H).
【0214】
実施例23 2,2’-((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(4-オキソピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,3(4H)-ジイル))二酢酸(化合物23)の調製
【化35】
化合物1の手順に従い、1Dを2-ブロモ酢酸メチルに置き換えることにより表題化合物23Aを得た。化合物23A(30mg、0.05mmol、1.0当量)及びLiOH(4.5mg、0.2mmol、4当量)をメタノール(2.0mL)及びH
2O(0.5mL)に添加し、1時間撹拌した。混合物を分取HPLCにより精製して、化合物23(1.1mg、収率:3.8%)を得た。LCMS(ESI):C
28H
18Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]+:605.1,607.1,実測値:605.1,607.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6)
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 2H), 7.99 (t, J = 1.7 Hz, 4H), 7.73-7.66 (m, 4H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.5, 1.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.56 (d, J = 5.8 Hz, 4H)
【0215】
実施例24 3,3’-((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(4-オキソピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,3(4H)-ジイル))ジプロピオン酸(化合物24)の調製
【化36】
化合物23の手順に従い、2-ブロモ酢酸メチルを3-ブロモプロパン酸メチルに置き換えることにより表題化合物24を得た。LCMS(ESI):C
30H
22Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]+:633.1,635.1,実測値:633.1,635.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 8.61 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 8.28 (s, 2H), 7.94 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 7.68 (m, 4H), 7.61-7.31 (m, 2H), 4.22 (dq, J = 25.6, 5.9 Hz, 2H), 2.68 (t, J = 5.9 Hz, 2H).
【0216】
実施例25 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物25)の調製
【化37】
化合物1の手順に従い、1D-1を2-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)エタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物25を得た。LCMS(ESI):C
32H
24Cl
2N
12O
2に対する計算値;[M+H]+:679.1,681.1,実測値:679.1,681.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 2H), 7.99 (t, J = 1.7 Hz, 4H), 7.73-7.66 (m, 4H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 7.5, 1.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.56 (d, J = 5.8 Hz, 4H), 4.29 (t, J = 5.7 Hz, 4H).
【0217】
実施例26 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物26)の調製
【化38】
化合物1の手順に従い、1D-1を2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物26を得た。LCMS(ESI):C
38H
42Cl
2N
10O
2に対する計算値;[M+H]+:741.3,743.3,実測値:741.3,743.3.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 8.41 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 8.19 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 8.01 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 7.68-7.65 (m, 4H), 7.52-7.49 (m, 2H), 4.06 (t, J = 6.4 Hz, 1.6 Hz, 4H), 2.64-2.55 (m, 20H), 2.29 (s, 6H).
【0218】
実施例27 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-((5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物27)の調製
【化39】
化合物1の手順に従い、1D-1を5-(ヒドロキシメチル)ジヒドロフラン-2(3H)-オンに置き換えることにより表題化合物27を得た。LCMS(ESI):C
34H
26Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]+:685.1,687.1,実測値:685.1,687.1.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 8.61 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 8.18 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 7.94 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 7.68 (m, 4H), 7.52 (m, 2H), 4.95 (m, 2H), 4.43 (m, 2H), 4.36 (m, 2H), 2.40-2.13 (m, 6H), 2.13-1.93 (m, 2H).
【0219】
実施例28 5,5’-((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(4-オキソピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,3(4H)-ジイル))ビス(4-ヒドロキシペンタン酸)(化合物28)の調製
【化40】
25℃で、化合物27(5.0mg、7.3umol、1.0当量)及びLiOH(0.7mg、30umol、4.0当量)をMeOH/H
2O(2mL/0.5mL)に溶解し、1時間撹拌した。反応溶液を分取液相クロマトグラフィーにより精製して、化合物28(3.0mg、収率:57%)を得た。LCMS(ESI):C
34H
30Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]+:721.1,723.1,実測値:721.1,723.1.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 8.18 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 7.94 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 7.68-7.65 (m, 4H), 7.52-7.50 (m, 2H), 4.96-6.92 (m, 2H), 4.43-4-42 (m, 2H), 4.36-4.33 (m, 2H), 3.90(s, 2H) 2.40-2.13 (m, 6H), 2.13-1.93 (m, 2H).
【0220】
実施例29 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物29)の調製
【化41】
化合物29A(2.0g、9.8mmol、1.0当量)をACN(20mL)に撹拌した混合物に、Cs
2CO
3(6.4g、19.6mmol、2.0当量)及び化合物29B(2.0g、14.7mmol、1.5当量)を0℃で添加した。得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応物を水で急冷し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(3:1)で溶出して、化合物29C(1.4g、収率:54.7%)を得た。LCMS(ESI):C
8H
9BrN
2O
3に対する計算値;[M+H]+:261.1,263.1,実測値:261.1,263.1.
【0221】
化合物29C(1.4g、5.36mmol、1.0当量)とNH3/MeOH(7.0M、30mL)との混合物を密閉管中、110℃で2時間撹拌した。濃縮後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/MeOH(10:1)で溶出して、化合物29D(1.0g、収率:81.9%)を得た。LCMS(ESI):C7H6BrN3Oに対する計算値;[M+H]+:228.1,230.1,実測値:228.1,230.1.
【0222】
化合物1の手順に従い、1Bを29Dに置き換えることにより表題化合物29を得た。LCMS(ESI):C36H32Cl2N8O4に対する計算値;[M+H]+:711.2,713.2,実測値:711.2,713.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.87 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.81 (s, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.56 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 4.06-3.98 (m, 4H), 3.94-3.88 (m, 2H), 2.37-2.32 (m, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.19-2.14 (m, 2H), 2.09-2.05 (m, 2H), 1.81-1.75 (m, 2H).
【0223】
実施例30 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物30)の調製
【化42】
化合物29の手順に従い、29Aを4-ブロモ-1H-ピロール-2-カルボン酸メチルに置き換えることにより表題化合物30Cを得た。
LCMS(ESI):C
8H
7BrN
2Oに対する計算値;[M+H]+:226.0,228.0,実測値:226.0,228.0.
【0224】
化合物1の手順に従い、1Bを30Cに置き換えることにより表題化合物30を得た。LCMS(ESI):C38H34Cl2N6O4に対する計算値;[M+H]+:709.2,711.2,実測値:709.2,711.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 7.87 (s, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.71-7.65 (m, 2H), 7.51-7.42 (m, 4H), 7.33-7.27 (m, 2H), 6.87 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 4.02-3.94 (m, 3H), 3.76-3.69 (m, 3H), 2.28(s, 6H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.13-2.02 (m, 4H), 1.81-1.72 (m, 2H).
【0225】
実施例31 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-シクロプロピル-2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物31)の調製
【化43】
化合物30の手順に従い、1-ブロモプロパン-2-オンを2-ブロモ-1-シクロプロピルエタン-1-オンに置き換えることにより表題化合物31を得た。LCMS(ESI):C
42H
38Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:761.2,763.3,実測値:761.2,763.3.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.83 (s, 2H), 7.76 (s, 2H), 7.66-7.64 (m, 2H), 7.51-7.48 (m, 4H), 7.29-7.28 (m, 2H), 7.19 (s, 2H), 4.15-4.14 (m, 4H), 4.06 (s, 2H), 2.32-2.30 (m, 2H), 2.16-2.10 (m, 4H), 1.86-1.81 (m, 4H), 0.96-0.94 (m, 4H), 0.82-0.81 (m, 2H),0.65-0.63 (m, 2H).
【0226】
実施例32 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-シクロプロピル-5-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物32)の調製
【化44】
化合物29の手順に従い、1-ブロモプロパン-2-オンを2-ブロモ-1-シクロプロピルエタン-1-オンに置き換えることにより表題化合物32を得た。LCMS(ESI):C
40H
36Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:763.2,765.2,実測値:763.2,765.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.87 (d, J = 2.5 Hz,2H), 7.81 (s, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.56 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 4.06-3.98 (m, 4H), 3.94-3.88 (m, 2H),2.35-2.33(m, 2H), 2.16-2.10 (m, 4H), 1.88-1.85 (m, 4H), 0.97-0.93 (m, 4H), 0.83-0.82 (m, 2H),0.65-0.61 (m, 2H).
【0227】
実施例33 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-エチル-5-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物33)の調製
【化45】
化合物29の手順に従い、1-ブロモプロパン-2-オンを1-ブロモブタン-2-オンに置き換えることにより表題化合物33を得た。LCMS(ESI):C
38H
36Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:739.2,741.2,実測値:739.2,741.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.86 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.82 (s, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.57 (t, J = 10.0 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 4.05-3.99 (m, 4H), 3.95-3.90 (m, 2H), 2.35-2.32 (m, 2H), 2.29-2.31 (m, 4H), 2.19-2.14 (m, 2H), 2.12-2.10 (m, 6H),2.09-2.05 (m, 2H), 1.81-1.75 (m, 2H).
【0228】
実施例34 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-シクロプロピル-3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物34)の調製
【化46】
34A(4.73g、23.18mmol、1.0当量)をDMF(100mL)に溶かした溶液に、NaH(1.11g、油中60%、27.9mmol、1.2当量)を0℃で添加し、10分間撹拌した。次に、(アミノオキシ)ジフェニルホスフィンオキシド(6.5g、27.9mmol、1.2当量)を0℃で混合物に添加し、反応物を25℃で15時間撹拌した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。層を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:0~10:1)により精製して、38B(4.99g、収率:98.8%)を得た。LCMS(ESI):C
6H
7BrN
2O
2に対する計算値;[M+H]+:219.04,221.03,実測値:219.35,221.38.
【0229】
34B(1.2g、5.50mmol、1当量)をシクロプロパンカルボニトリル(1.53g、22.83mmol、4.15当量)に溶かした溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、3.5mL、16.5mmol、3当量)を25℃で添加し、混合物を82℃で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、34C(1.56g、収率:100%)を得た。LCMS(ESI):C10H12BrN3O2に対する計算値;[M+H]+:285.0,287.0,実測値:285.0,287.0.
【0230】
34C(1.56g、5.47mmol、1.0当量)をMeCN(15mL)に溶かした溶液に、Et3N(2.0mL)を25℃で添加し、混合物を85℃で7時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=5:1~2:1)により精製して、34D(1.28g、収率:92%)を得た。LCMS(ESI):C9H8BrN3Oに対する計算値;[M+H]+:254.09,256.13,実測値:254.00,256.02.
【0231】
化合物1の手順に従い、1Bを34Dに置き換えることにより表題化合物34を得た。LCMS(ESI):C38H38Cl2N6O8に対する計算値;[M+H]+:830.72,実測値:830.41.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 2H), 7.85 (s, 2H), 7.75-7.68 (m, 2H), 7.52 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.39 (s, 2H), 7.33 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 4.12-4.05 (m, 2H), 3.94-3.89 (m, 6H), 2.27-2.22 (m, 2H), 2.16-2.08 (m, 4H), 1.97-2.94 (M, 8H), 1.79-1.77 (m,2H).
【0232】
実施例35 6,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-3-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物35)の調製
【化47】
化合物34の手順に従い、シクロプロパンカルボニトリルをアセトニトリルに置き換えることにより表題化合物35を得た。LCMS(ESI):C
36H
32Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:711.2,713.2,実測値:711.2,713.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6): 8.12 (s, 2H), 8.03 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 7.85 (s, 2H), 7.72 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 6.4 Hz, 2H) , 7.25 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.94-3.88 (m, 4H), 3.02 (s, 6H), 2.27-2.21 (m, 2H), 2.15-2.08 (m, 4H), 1.77-1.72 (m,2H).
【0233】
実施例36 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-5-(((S)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)二塩酸塩(化合物36)の調製
【化48】
化合物36A-1(3.0g、14.9mmol、1.0当量)をDCM(30mL)に撹拌した溶液に、トリメチルアミン(3.01g、29.9mmol、2当量)、DMAP(0.18g、1.5mmol、0.1当量)及び4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(3.70g、19.4mmol、1.30当量)を0℃で添加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応物を水(50mL)で急冷し、DCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。これにより、化合物36A(5.0g、収率:94.5%)を得た。LCMS(ESI):C
17H
25NO
5Sに対する計算値;[M+H]+:356.1,実測値:356.1
【0234】
【化49】
化合物1の手順に従い、1Bを29Dに、1Dを36Aに置き換えることにより表題化合物36Cを得た。
【0235】
【化50】
化合物36C(30mg、0.03mmol、1.0当量)をDCM(10mL)に撹拌した混合物に、HCl/ジオキサン(4.0M、3.0mL)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で3時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をACN/H
2O(1:4)(8.0mL)に溶解し、凍結乾燥して化合物36(24.6mg、収率:96.1%)を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
4N
8O
2に対する計算値;[M+H]+:683.3,685.3,実測値:683.3,685.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.90-7.84 (m, 4H), 7.60-7.54 (m, 2H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.40-7.36 (m, 2H), 4.45-4.35 (m, 2H), 4.29-4.21 (m, 2H), 3.74-3.64 (m, 2H), 3.52-3.43 (m, 4H), 3.13-3.02 (m, 2H), 2.39 (s, 6H), 2.19-2.09 (m, 2H), 2.06-1.93 (m, 2H), 1.92-1.86 (m, 2H), 1.80-1.70 (m, 2H).
【0236】
実施例37 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-5-(((R)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)二塩酸塩(化合物37)の調製
【化51】
化合物36の手順に従い、36A-1を(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに置き換えることにより表題化合物37を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
4N
8O
2に対する計算値;[M+H]+:683.3,685.3,実測値:683.3,685.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.90-7.84 (m, 4H), 7.61-7.54 (m, 2H), 7.49-7.43 (m, 2H), 7.40-7.36 (m, 2H), 4.45-4.35 (m, 2H), 4.29-4.21 (m, 2H), 3.74-3.64 (m, 2H), 3.52-3.43 (m, 4H), 3.12-3.02 (m, 2H), 2.39 (s, 6H), 2.19-2.09 (m, 2H), 2.06-1.93 (m, 2H), 1.92-1.87 (m, 2H), 1.80-1.71 (m, 2H).
【0237】
実施例38 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((S)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物38)の調製
【化52】
化合物29及び化合物36の手順に従い、29Aを4-ブロモ-1H-ピロール-2-カルボン酸メチルに置き換えることにより表題化合物38を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
4N
8O
2に対する計算値;[M+H]+:681.3,683.3,実測値:681.3,683.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 (s, 2H), 7.91-7.86 (m, 4H), 7.62-7.55 (m, 2H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.42-7.37 (m, 2H), 4.45-4.35 (m, 2H), 4.29-4.23 (m, 2H), 3.74-3.66 (m, 2H), 3.52-3.47 (m, 4H), 3.13-3.02 (m, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.17-2.08 (m, 2H), 2.06-1.95 (m, 2H), 1.93-1.89 (m, 2H), 1.80-1.74 (m, 2H).
【0238】
実施例39 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((R)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物39)の調製
【化53】
化合物38の手順に従い、36A-1を(R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに置き換えることにより表題化合物39を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
4N
8O
2に対する計算値;[M+H]+:681.3,683.3,実測値:681.3,683.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 (s, 2H), 7.91-7.86 (m, 4H), 7.62-7.55 (m, 2H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.42-7.37 (m, 2H), 4.45-4.35 (m, 2H), 4.29-4.23 (m, 2H), 3.74-3.66 (m, 2H), 3.52-3.47 (m, 4H), 3.13-3.02 (m, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.17-2.08 (m, 2H), 2.06-1.95 (m, 2H), 1.93-1.89 (m, 2H), 1.80-1.74 (m, 2H).
【0239】
実施例40 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((R)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物40)の調製
【化54】
化合物29の手順に従い、29Aを5-ブロモ-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸メチルに置き換えることにより表題化合物40を得た。LCMS(ESI):C
34H
30Cl
2N
10O
4に対する計算値;[M+H]+:713.2,715.2,実測値:713.2,715.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 7.78 (s, 2H), 7.72-7.64 (m, 2H), 7.51-7.43 (m, 4H), 7.32-7.27 (m, 2H), 6.89 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 4.02-3.94 (m, 3H), 3.76-3.69 (m, 3H), 2.29 (s, 6H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.13-2.02 (m, 4H), 1.81-1.72 (m, 2H).
【0240】
実施例41 (3S,3’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,6-ジイル))ビス(メチレン))ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物41)の調製
【化55】
化合物29D(1.0g、4.4mmol、1当量)及びCs
2CO
3(2.14g、6.6mmol、1.5当量)をDMF(10mL)に溶解した。0℃でCH
3I(0.75g、5.3mmol、1.2当量)を反応混合物に添加し、1時間撹拌した。水(20mL)を添加して沈殿させ、化合物41A(0.95g、収率:89.5%)を得た。LCMS(ESI):C
8H
8BrN
3Oに対する計算値;[M+H]+:242.0,244.0,実測値:242.0,244.0.
【0241】
N2雰囲気下、化合物1A(180mg、0.37mmol、1当量)、化合物41A(201mg、0.81mmol、2.2当量)、Cs2CO3(618mg、1.85mmol、5.0当量)、及びPd(dppf)Cl2・DCM(62mg、0.07mmol、0.20当量)をDMF(5.0mL)及びH2O(1.0mL)に溶解した。反応を90℃で2時間行った。冷却後、水30mLを添加し、得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(3mL×3)で洗浄して、化合物41B(180mg、収率:90.1%)を得た。LCMS(ESI):C28H22Cl2N6O2に対する計算値;[M+H]+:545.1,546.1,実測値:545.1,546.1.
【0242】
化合物41B(100mg、0.19mmol、1.0当量)及び二酸化セレン(404mg、1.89mmol、20当量)をジオキサン(35mL)に溶解した。反応を90℃で24時間行った。冷却後、水150mL及びDCM100mLを添加して抽出し、有機相を亜硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、残渣を化合物41Cとして得た(80mg、収率:76.2%)。LCMS(ESI):C28H18Cl2N6O4に対する計算値;[M+H]+:573.1,575.1,実測値:573.1,575.1.
【0243】
化合物41C(40mg、0.07mmol、1当量)、化合物41D(80mg、0.7mmol、10当量)及びチタンテトライソプロパノレート(187mg、0.7mmol、10当量)をTHF(10mL)に溶解した。反応を60℃で2時間行った。25℃に冷却した後、NaBH4(26mg、0.7mmol、10当量)を添加し、反応物を25℃で撹拌した。2時間後、2mLのMeOHを添加し、得られた混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(1mL)で洗浄した。濾液を収集し、分取HPLCにより精製して、化合物41(17.6mg、収率:32.6%)を得た。LCMS(ESI):C38H36Cl2N8O6に対する計算値;[M+H]+:771.1,773.1,実測値:771.1,773.1.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (s, 2H), 7.93-7.85 (m, 2H), 7.59-7.56 (m, 2H), 7.52-7.47 (m, 2H), 7.45 (s, 2H), 3.56-3.47 (m, 4H), 3.41 (s, 6H), 3.25-3.16 (m, 4H), 3.14-3.06 (m, 4H), 3.05-2.98 (m, 2H), 2.26-2.17 (m, 2H), 2.14-2.06 (m, 2H).
【0244】
実施例42 2,2’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-(((2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-5-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物42)の調製
【化56】
化合物41の手順に従い、41Dを2-アミノエタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物42を得た。LCMS(ESI):C
32H
32Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:663.2,665.2,実測値:663.2,665.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.10 (s, 2H), 7.92-7.87 (m, 2H), 7.62-7.55 (m, 2H), 7.51-7.46 (m, 2H), 7.45 (s, 2H), 5.33 (s, 2H), 4.35 (s, 4H), 3.73-3.70 (m, 4H), 3.60-3.55 (m, 2H), 3.54 (s, 6H), 3.24-3.09 (m, 4H).
【0245】
実施例43 (3S,3’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7,3-ジイル))ビス(メチレン))ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物43)の調製
【化57】
化合物41の手順に従い、29Dを30Cに置き換えることにより表題化合物43を得た。LCMS(ESI):C
40H
38Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]+:769.2,771.2,実測値:769.2,771.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.90 (s, 2H), 7.69-7.68 (m, 4H), 7.49 (t, J = 6Hz, 2H), 7.37-7.32 (m, 4H), 3.72-3.52 (m, 16H), 3.44 (s, 6H).
【0246】
実施例44 N,N’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7,3-ジイル))ビス(メチレン))ビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ジアセトアミド(化合物44)の調製
【化58】
化合物43の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をN-(2-アミノエチル)アセトアミドに置き換えることにより表題化合物44を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:743.3,745.3,実測値:743.3,745.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.59 (s, 2H), 8.15 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.64 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.33 (s, 2H), 7.28 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.11 (s, 6H), 3.32 -3.30 (m, 4H), 3.24 - 3.10 (m, 4H), 3.07 - 2.99 (m, 4H), 2.01 (s, 6H).
【0247】
実施例45 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(((2-ヒドロキシエチル)アミノ)メチル)-2-メチルピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物45)の調製
【化59】
化合物43の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を2-アミノエタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物45を得た。LCMS(ESI):C
34H
34Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:661.2,663.2,実測値:661.2,663.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.59 (s, 2H), 8.14 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.63 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.34 (s, 2H), 7.26 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 2H), 4.09 (s, 6H), 3.62 (m, 2H), 3.35 -3.31 (m, 4H), 3.23 - 3.18 (m, 4H), 3.06 - 2.97 (m, 4H).
【0248】
実施例46 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-(((S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル)-2-メチルピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物46)の調製
【化60】
化合物43の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-ピロリジン-3-オールに置き換えることにより表題化合物46を得た。LCMS(ESI):C
38H
38Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:713.2,715.2,実測値:713.2,715.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.90 (s, 2H), 7.71-7.70 (m, 4H), 7.47 (t, J = 6 Hz, 2H), 7.32-7.26(m, 4H), 3.70-3.52 (m, 16H), 3.42 (s, 6H).
【0249】
実施例47 (3S,3’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物47)の調製
【化61】
化合物29D(150mg、0.65mmol、1当量)をDMF(2.0mL)に撹拌した混合物に、Cs
2CO
3(536mg、1.64mmol、2.5当量)及び2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(221mg、1.32mmol、2当量)を0℃で添加した。得られた混合物を80℃で16時間撹拌した。25℃に冷却した後、反応物を水(10mL)で急冷し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:2)で溶出して、化合物47A(95mg、収率:45.7%)を得た。LCMS(ESI):C
11H
14BrN
3O
3に対する計算値;[M+H]+:316.1,318.1,実測値:284.1,286.1.
【0250】
化合物47A(95mg、0.30mmol、2.2当量)をDMF(5.00mL)に撹拌した混合物に、化合物1A(65mg、0.14mmol、1当量)、Pd(dppf)Cl2・DCM(22mg、0.03mmol、0.2当量)及びCs2CO3(223mg、0.70mmol、5当量)をH2O(1.0mL)に溶かした溶液を25℃で添加した。得られた混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を25℃まで冷却し、水で急冷した。得られた混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:2)で溶出して、化合物47B(80mg、収率:84.4%)を得た。LCMS(ESI):C34H34Cl2N6O6に対する計算値;[M+H]+:693.2,695.2,実測値:693.2,695.2.
【0251】
化合物47B(65mg、0.09mmol、1当量)をHCl/1,4-ジオキサン(1.0M、3.00mL)に撹拌した混合物に、H2O(3.00mL)を25℃で添加した。得られた混合物を85℃で2時間撹拌した。混合物を25℃まで冷却し、水で急冷した。得られた混合物をDCM(30mLx3)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、化合物47C(50mg、収率:89.2%)を得た。LCMS(ESI):C30H22Cl2N6O4に対する計算値;[M+H]+:601.2,603.2,実測値:601.2,603.2.
【0252】
化合物47C(30mg、0.05mmol、1.0当量)をDCM(10mL)に撹拌した混合物に、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸(56mg、0.50mmol、10当量)及び1滴のHOAcを25℃で添加した。25℃で0.5時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(211mg、1mmol、20当量)を添加た。得られた混合物を、25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をMeOHに溶解し、分取液相クロマトグラフィーにより精製して、化合物47(16.6mg、収率:41.5%)を得た。LCMS(ESI):C40H40Cl2N8O6に対する計算値;[M+H]+:799.2,801.2,実測値:799.2,801.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.87-7.81 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.73-7.68 (m, 2H), 7.59-7.52 (m, 2H), 7.47-7.43 (m, 2H), 3.92-3.72 (m, 4H), 2.93-2.83 (m, 4H), 2.81-2.64 (m, 8H), 2.64-2.56 (m, 2H), 2.30 (s, 6H), 1.97-1.87 (m, 2H), 1.83-1.74 (m, 2H).
【0253】
実施例48 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(2-((S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)エチル)-3-メチルピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物48)の調製
【化62】
化合物47の手順に従い、29Dを30Cに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-ピロリジン-3-オールに置き換えることにより表題化合物48を得た。LCMS(ESI):C
40H
42Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:741.7,743.7,実測値:741.7,743.7.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (s, 2H), 7.70-7.63 (m, 2H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 7.29 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.54 (s, 2H), 4.50-4.41 (m, 2H), 4.30-4.19 (m, 4H), 3.84-3.46 (m, 8H), 3.22-3.07 (m, 4H), 2.28 (s, 6H), 2.04-1.93 (m, 2H), 1.90-1.78 (m, 2H).
【0254】
実施例49 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(2-((((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)アミノ)エチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物49)の調製
【化63】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを(S)-5-(アミノメチル)ピロリジン-2-オンに置き換えることにより表題化合物49を得た。LCMS(ESI):C
42H
44Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:795.3,797.3,実測値:795.3,797.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.66 (s, 2H), 7.82 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.67 (d, J = 9.2 Hz, 4H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.37 (s, 2H), 7.29 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.25-4.16 (m, 4H), 3.87-3.80 (m, 2H), 3.27-3.22 (m, 4H), 3.12-3.02 (m, 4H), 2.28 (s, 6H), 2.22-2.14 (m, 6H), 1.80-1.75 (m, 2H).
【0255】
実施例50 (2S,2’S,4S,4’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸)(化合物50)の調製
【化64】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを(2S,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物50を得た。LCMS(ESI):C
42H
42Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]+:829.7,831.7,実測値:829.7,831.7.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.65 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.34 (s, 2H), 7.27 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.50 (s, 2H), 4.37 - 4.33 (m, 2H), 4.21 - 4.09 (m, 6H), 3.73 - 3.68 (m, 2H), 3.23 - 3.17 (m, 2H), 2.26 (s, 6H), 2.19 - 2.12 (m, 4H).
【0256】
実施例51 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)エチル)-3-メチルピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物51)の調製
【化65】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを2-アミノエタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物51を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]+:689.2,691.2,実測値:689.2,691.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.61 (s, 4H), 7.81 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.9, 1.6 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 7.29 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.31 (s, 2H), 4.22 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.65 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.26 - 3.18 (m, 4H), 3.09 - 3.01 (m, 4H), 2.26 (s, 6H).
【0257】
実施例52 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)エチル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物52)の調製
【化66】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を2-アミノエタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物52を得た。LCMS(ESI):C
34H
36Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:691.2,693.2,実測値:691.2,693.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.86-7.83 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.72-7.69 (m, 2H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 2H), 3.85-3.71 (m, 8H), 3.31-3.25 (m, 2H), 2.94-2.86 (m, 6H), 2.80-2.74 (m, 4H), 2.30 (s, 6H).
【0258】
実施例53 (3S,3’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物53)の調製
【化67】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを(S)-ピロリジン-3-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物53を得た。LCMS(ESI):C
42H
42Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]+:797.2,799.2,実測値:797.2,799.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.81 (s, 2H), 7.67 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 6 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 7.28 (d, J = 6 Hz, 2H), 7.23 (s, 2H), 3.92-3.82 (m, 4H), 2.93-2.85 (m, 4H), 2.80-2.65 (m, 8H), 2.64-2.55 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 1.97-1.89 (m, 2H), 1.84-1.76 (m, 2H).
【0259】
実施例54 N,N’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ジアセトアミド(化合物54)の調製
【化68】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールをN-(2-アミノエチル)アセトアミドに置き換えることにより表題化合物54を得た。LCMS(ESI):C
40H
44Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]+:771.3,773.3,実測値:771.3,773.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.61 (s, 2H), 8.13 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 7.29 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.25-4.13 (m, 4H), 3.32 (q, J = 6.1 Hz, 4H), 3.27-3.19 (m, 4H), 3.07-2.99 (m, 4H), 2.27 (s, 6H), 1.85 (s, 6H).
【0260】
実施例55 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(2-((ピロリジン-2-イルメチル)アミノ)エチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物55)の調製
【化69】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを2-(アミノメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに置き換えることにより表題化合物55Aを得た。
【0261】
55A(20mg、0.021mmol、1当量)をMeOH(1.0mL)に撹拌した溶液に、HCl/ジオキサン(4.0M、1.0mL)を添加し、25℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して化合物55(7.9mg、収率:51%)を得た。LCMS(ESI):C42H48Cl2N8O2.4HClに対する計算値;[M+H]+:767.6,769.6,実測値:767.6,769.6.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.28 (s, 4H), 9.10 (s, 4H),7.82 (s, 2H), 7.68-7.66 (m, 2H), 7.47 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.37 (s, 2H), 7.29 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 4.24-4.18 (m, 4H), 3.83 - 3.75 (m, 4H), 3.33 - 3.25 (m, 8H), 2.65 - 2.60 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 2.16 - 2.08 (m, 2H), 2.00 - 1.93 (m, 2H), 1.90 - 1.83 (m, 2H), 1.73 - 1.65 (m, 2H).
【0262】
実施例56 4,4’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシブタン酸)(化合物56)の調製
【化70】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを4-アミノ-3-ヒドロキシブタン酸に置き換えることにより表題化合物56を得た。LCMS(ESI):C
40H
42Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]
+:805.2,807.2,実測値:805.2,807.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (s, 2H), 7.81 (dd, J = 4.9, 1.7 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.48 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 7.29 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.23 (dd, J = 4.9, 1.6 Hz, 2H), 5.66 (s, 2H), 3.62 (t, J = 4.2 Hz, 2H), 3.27-3.16 (m, 4H), 3.09 (d, J = 12.0 Hz, 4H), 2.99-2.88 (m, 4H), 2.43 (dd, J = 23.3, 6.3 Hz, 4H), 2.26 (s, 6H).
【0263】
実施例57 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物57)の調製
【化71】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物57を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:779.2,781.2,実測値:779.2,781.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 7.87-7.81 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.73-7.68 (m, 2H), 7.59-7.52 (m, 2H), 7.47-7.43 (m, 2H), 4.99-4.92 (m, 2H), 3.95-3.80 (m, 6H), 3.70-3.58 (m, 4H), 3.50-3.41 (m, 2H), 2.99-2.87 (m, 4H), 2.30 (s, 6H).
【0264】
実施例58 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(4-ヒドロキシブタン酸)(化合物58)の調製
【化72】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-ホモセリンに置き換えることにより表題化合物58を得た。LCMS(ESI):C
40H
42Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]
+:805.2,807.2,実測値:805.2,807.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (s, 2H), 7.80 (s, 2H), 7.73-7.65 (m, 2H), 7.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 7.28 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.56 (s, 2H), 4.54-4.44 (m, 4H), 4.34-4.23 (m, 4H), 4.08-3.94 (m, 4H), 3.55-3.30 (m, 2H), 2.28 (s, 6H), 1.88-1.76 (m, 2H).
【0265】
実施例59 (2S,2’S,4R,4’R)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸)(化合物59)の調製
【化73】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(2R,4S)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物59を得た。LCMS(ESI):C
42H
42Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]+:829.2,831.2,実測値:829.2,831.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (s, 2H), 7.80 (s, 2H), 7.73-7.65 (m, 2H), 7.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 7.28 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.56 (s, 2H), 4.54-4.44 (m, 4H), 4.34-4.23 (m, 4H), 4.08-3.94 (m, 4H), 3.55-3.30 (m, 2H), 2.28 (s, 6H), 1.88-1.76 (m, 2H).
【0266】
実施例60 (2S,2’S,3R,3’R)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシブタン酸)(化合物60)の調製
【化74】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-トレオニンに置き換えることにより表題化合物60を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:807.2,809.2,実測値:807.2,809.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 7.91-7.86 (m, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.59-7.52 (m, 2H), 7.48-7.42 (m, 2H), 7.35 (s, 2H), 4.14-4.03 (m, 4H), 3.82-3.72 (m, 4H), 3.07-2.97 (m, 4H), 2.82-2.74 (m, 4H), 2.38 (s, 6H), 1.23 (s, 6H).
【0267】
実施例61 (2R,2’R)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物61)の調製
【化75】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をD-セリンに置き換えることにより表題化合物61を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:779.2,781.2,実測値:779.2,781.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 7.87-7.81 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.73-7.68 (m, 2H), 7.59-7.52 (m, 2H), 7.47-7.43 (m, 2H), 4.99-4.92 (m, 2H), 3.95-3.80 (m, 6H), 3.70-3.58 (m, 4H), 3.50-3.41 (m, 2H), 2.99-2.87 (m, 4H), 2.30 (s, 6H).
【0268】
実施例62 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(4-ヒドロキシブタン酸)(化合物62)の調製
【化76】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-ホモセリンに置き換えることにより表題化合物62を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:807.2,809.2,実測値:807.2,809.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 8.36 (s, 2H), 7.88 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.58-7.51 (m, 2H), 7.44 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 5.38-5.25 (m, 2H), 4.12-4.06 (m, 4H), 3.50-3.46 (m, 6H), 3.17-3.13 (m, 2H), 2.99-2.93 (m, 2H), 2.85-2.77 (m, 2H), 2.37 (s, 6H), 2.04-1.94 (m, 4H).
【0269】
実施例63 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物63)の調製
【化77】
化合物48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールをL-セリンに置き換えることにより表題化合物63を得た。LCMS(ESI):C
38H
38Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]
+:777.2,779.2,実測値:777.2,779.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 2H), 7.82 (s, 2H), 7.72-7.64 (m, 2H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.37 (s, 2H), 7.30 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.58 (s, 2H), 4.50-4.41 (m, 4H), 4.30-4.19 (m, 4H), 4.01-3.87 (m, 4H), 3.58-3.33 (m, 2H), 2.29 (s, 6H).
【0270】
実施例64 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,3(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物64)の調製
【化78】
化合物34の手順に従い、シクロプロパンカルボニトリルをアセトニトリルに置き換えることによりコア構造6-ブロモー2-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オンを得た。化合物47の手順に従い、29Dを6-ブロモー2-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オンに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物64を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:779.2,781.2,実測値:779.2,781.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.88 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.54-7.53 (m, 2H), 7.45-7.43 (m, 2H), 7.36 (s, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.78 (s, 2H), 3.70 (s, 2H), 2.99-2.96 (m, 4H), 2.37 (s, 6H), 2.03-2.01 (m, 5H), 1.23 (s, 4H).
【0271】
実施例65 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-エチル-4-オキソピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,3(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物65)の調製
【化79】
化合物34B(1.0g、4.6mmol、1.0当量)を0℃でHOAc(10mL)に溶解し、塩化プロピオニル(634mg、6.85mmol、1.5当量)を混合反応物に添加し、4時間撹拌した。混合反応物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(3:1)で溶出して、化合物65A(0.80g、収率:63.7%)を得た。LCMS(ESI):C
9H
11BrN
2O
3に対する計算値;[M+H]
+:275.0,277.0,実測値:275.0,277.0.
【0272】
化合物65A(0.80g、2.91mmol)とNH3/CH3OH(7.0M、20mL)との混合物を密閉管中、110℃で2時間撹拌した。濃縮後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/MeOH(10:1)で溶出して、化合物65B(0.43g、収率:61.1%)を得た。LCMS(ESI):C8H8BrN3Oに対する計算値;[M+H]+:251.0,253.0,実測値:251.0,253.0.
【0273】
化合物47の手順に従い、29Dを65Bに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物65を得た。LCMS(ESI):C38H40Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:807.2,809.2,実測値:807.2,809.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.89 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.53-7.52 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 2H), 7.37 (s, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.78 (s, 2H), 3.70 (s, 2H), 2.99-2.94 (m, 4H), 2.34-2.33 (m, 4H), 2.05-2.03 (m, 5H), 1.96-1.94 (m, 6H), 1.23 (s, 4H).
【0274】
実施例66 (2S,2’S)-2,2’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-エチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(メチレン))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物66)の調製
【化80】
化合物29の手順に従い、1-ブロモプロパン-2-オンを1-ブロモブタン-2-オンに置き換えることによりコア構造2-ブロモ-6-エチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オンを得た。
【0275】
化合物47の手順に従い、29Dを2-ブロモー6-エチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オンに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物66を得た。LCMS(ESI):C36H36Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:779.2,781.2,実測値:779.2,781.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.85-7.81 (m, 2H), 7.77 (s, 2H), 7.72-7.69 (m, 2H), 7.58-7.53 (m, 2H), 7.47-7.44 (m, 2H), 4.99-4.93 (m, 2H), 3.91-3.82 (m, 4H), 3.71-3.59 (m, 4H), 3.51-3.42 (m, 2H), 2.99-2.87 (m, 4H), 2.37-2.35 (m, 4H), 1.97-1.91 (m, 6H).
【0276】
実施例67 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-アミノプロパン酸)(化合物67)の調製
【化81】
化合物55の手順に従い、2-(アミノメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを(S)-2-アミノ-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸に置き換えることにより表題化合物67を得た。LCMS(ESI):C
36H
38Cl
2N
10O
6に対する計算値;[M+H]
+:777.2,779.2,実測値:777.2,779.2.581.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 7.86-7.83 (m, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.71-7.69 (m, 2H), 7.57-7.53 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 2H), 4.32-4.28 (m, 2H), 3.93-3.80 (m, 4H), 3.48-3.45 (m, 2H), 3.15(t, J = 10.0 Hz, 4H) 3.00-2.90 (m, 8H), 2.31 (s, 6H).
【0277】
実施例68 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-アセトアミドプロパン酸)(化合物68)の調製
【化82】
化合物68A(1.0g、4.2mmol、1当量)及びトリメチルアミン(850mg、8.4mmol、2当量)を0℃でDCM(10mL)に溶解した。塩化アセチル(395mg、5.04mmol、1.2当量)を混合反応物に滴下し、1時間撹拌した。水(10mL)を添加して抽出した。有機層を濃縮して、化合物68B(0.82g、収率:69.7%)を得た。LCMS(ESI):C
13H
16N
2O
5に対する計算値;[M+H]
+:281.1,実測値:281.1.
【0278】
H2雰囲気下、25℃で、化合物68B(0.50g、1.78mmol、1当量)及びPd/C(10%湿潤、50mg)をCH3OH(10mL)に添加し、5時間撹拌した。混合反応物を濾過し、濃縮して、化合物68C(250mg、収率:95.9%)を得た。LCMS(ESI):C5H10N2O3に対する計算値;[M+H]+:147.1,実測値:147.1.
【0279】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を化合物68Cに置き換えることにより表題化合物68を得た。LCMS(ESI):C40H42Cl2N10O8に対する計算値;[M+H]+:861.2,863.2,実測値:861.2,863.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 7.85-7.82 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.72-7.69 (m, 2H), 7.58-7.54 (m, 2H), 7.50-7.47 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.46-7.44 (m, 2H), 4.64-4.60 (m, 2H), 3.93-3.78 (m, 6H), 3.36-3.32 (m, 4H), 2.94-2.90 (m, 4H), 2.30 (s, 6H), 1.95 (s, 6H).
【0280】
実施例69 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-(ジメチルアミノ)プロパン酸)(化合物69)の調製
【化83】
25℃で、化合物68A(1.0g、4.2mmol、1.0当量)及びHCHO(水中37%、4.0mL)をCH
3OH(10mL)に添加し、30分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.45g、21mmol、5当量)を混合反応物に添加し、2時間撹拌した。混合物反応物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、化合物69A(0.90g、収率:80.5%)を得た。LCMS(ESI):C
13H
18N
2O
4に対する計算値;[M+H]
+:266.1,実測値:266.1.
【0281】
H2雰囲気下、25℃で化合物69A(0.90g、3.4mmol、1当量)及びPd/C(10%湿潤、90mg)をCH3OH(10mL)に添加し、5時間撹拌した。混合反応物を濾過し、濃縮して化合物69B(430mg、収率:96.3%)を得た。LCMS(ESI):C5H12N2O2に対する計算値;[M+H]+:132.1,実測値:132.1.
【0282】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を化合物69Bに置き換えることにより表題化合物69を得た。LCMS(ESI):C40H46Cl2N10O6に対する計算値;[M+H]+:833.3,835.3,実測値:833.3,835.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 7.86-7.82 (m, 2H), 7.79 (s, 2H), 7.73-7.69 (m, 2H), 7.58-7.55 (m, 2H), 7.50-7.47 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.46-7.43 (m, 2H), 4.64-4.61 (m, 2H), 3.94-3.78 (m, 6H), 3.36-3.33 (m, 4H), 2.94-2.90 (m, 4H), 2.37 (s, 12H), 2.30 (s, 6H).
【0283】
実施例70 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(プロパン-3,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物70)の調製
【化84】
化合物47の手順に従い、2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタンを3-ブロモ-1,1-ジメトキシプロパンに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物70を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:807.2,809.2,実測値:807.2,809.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6):
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ 7.88 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.54-7.53 (m, 2H), 7.44-7.43 (m, 2H), 7.36 (s, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.78 (s, 2H), 3.70 (s, 2H), 2.99-2.97 (m, 4H), 2.37 (s, 6H), 2.02-2.00 (m, 5H), 1.23 (s, 4H).
【0284】
実施例71 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,6-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物71)の調製
【化85】
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(215mg、0.63mmol、1.2当量)と乾燥THF(10mL)との混合物にLiHMDS(1.6M、0.39mL、1.5当量)を添加し、0℃で30分間撹拌した。化合物41C(300mg、0.52mmol、1.0当量)を添加し、25℃で1時間撹拌した。反応物を水(10mL)で急冷し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:2)で溶出して、化合物71A(180mg、収率:54.7%)を得た。LCMS(ESI):C
32H
26Cl
2N
6O
4に対する計算値;[M+H]
+:628.1,630.1,実測値:628.1,630.1.
【0285】
化合物71A(0.18g、0.397mmol)とHCl/MeOH(1.0M、20mL)との混合物を25℃で1時間撹拌し、混合物を減圧下で濃縮して化合物71B(130mg、収率:54.7%)を得た。LCMS(ESI):C30H22Cl2N6O4に対する計算値;[M+H]+:601.1,603.1,実測値:601.1,603.1.
【0286】
化合物47の手順に従い、化合物47Cを化合物71Bに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物71を得た。LCMS(ESI):C36H36Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:779.2,781.2,実測値:779.2,781.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 7.84-7.82 (m, 2H), 7.70-7.69 (m, 2H), 7.66 (s, 2H), 7.62 (t, J = 1.0 Hz, 2H), 7.56-7.50 (m, 2H), 4.97-4.79 (m, 2H), 3.92 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.78-3.54 (m, 4H), 3.53-3.45 (m, 2H), 3.39 (s, 6H), 2.98 -2.85(m, 4H), 2.85-2.66 (m, 4H).
【0287】
実施例72 N,N’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(1-オキソ-1,2-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7,3-ジイル))ビス(メチレン))ビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ジアセトアミド(化合物72)の調製
【化86】
化合物41の手順に従い、41Aを7-ブロモー3-メチルピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オンに、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をN-(2-アミノエチル)アセトアミドに置き換えることにより表題化合物72を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:715.2,717.2,実測値:715.2,717.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ: 10.52 (s, 2H), 8.14(t, J = 4.8, 2H), 7.99 (s, 2H), 7.72-7.70 (m, 2H), 7.55 (s, 2H), 7.49 (t, J = 6.4Hz, 2H), 7.33-7.30 (m, 4H), 4.02 (s, 4H), 3.74 (s, 1H), 3.36-3.32 (m, 4H), 3.04 (s, 4H), 1.85 (s, 6H).
【0288】
実施例73 N,N’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(1-オキソ-2-(((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)-1,2-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7,3-ジイル))ビス(メチレン))ビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ジアセトアミド(化合物73)の調製
【化87】
化合物72(200mg、0.28mmol、1.0当量)、Et
3N(142mg、1.4mmol、5当量)、Boc
2O(306mg、1.4mmol、5当量)及び4-ジメチルアミノピリジン(3.4mg、0.028mmol、0.1当量)をDCM(5mL)に添加し、2時間撹拌した。混合反応物に水(10mL)を添加し、DCM(10mL×3)で抽出し、次いで有機層を濃縮して、精製せずに次の工程に使用する化合物73A(280mg)を得た。LCMS(ESI):C
46H
52Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:915.3,917.3,実測値:915.3,917.3.
【0289】
化合物73A(280mg、0.31mmol、1.0当量)、Cs2CO3(398mg、1.22mmol、4当量)及び化合物1D(247mg、0.92mmol、3.0mmol)をDMF(3.0mL)に添加し、65℃で1時間撹拌した。反応物を濾過し、濾液を分取HPLCにより精製して、化合物73B(25mg、21.5%)を得た。LCMS(ESI):C56H66Cl2N10O10に対する計算値;[M+H]+:1109.4,1111.4,実測値:1109.4,1111.4.
【0290】
化合物73B(25mg、22.5μmol)をトリフルオロ酢酸(3mL)に添加し、25℃で1時間撹拌した。反応物を分取HPLCにより精製して、化合物73(10mg、収率:48.8%)を得た。LCMS(ESI):C46H50Cl2N10O6に対する計算値;[M+H]+:909.3,911.3,実測値:909.3,911.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.59 (s, 2H), 8.15 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.64 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.33 (s, 2H), 7.28 (dd, J = 7.5, 1.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.02-3.94 (m, 3H), 3.76-3.69 (m, 3H), 3.32 -3.30 (m, 4H), 3.24 - 3.1 (m, 4H), 3.15-3.13(m, 2H), 3.07 - 2.99 (m, 4H), 2.23-2.14 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 4H), 2.01 (s, 6H), 1.81-1.72 (m, 2H).
【0291】
実施例74 7,7’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-3-(((((S)-5-オキソピロリジン-2-イル)メチル)アミノ)メチル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(2H)-オン)(化合物74)の調製
【化88】
化合物43の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-5-(アミノメチル)ピロリジン-2-オンに置き換えることにより表題化合物74を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:767.2,769.2,実測値:767.2,769.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d
6) δ: 7.95 (s, 2H), 7.73-7.71 (m, 4H), 7.60 (s, 2H), 7.50 (t, J = 6Hz, 2H), 7.31-7.28 (m, 4H), 4.27 (s, 4H), 3.88 (s, 4H), 3.47 (s, 6H), 3.17 (s, 2H), 2.23-2.14 (m, 8H), 1.82-1.80 (m, 2H).
【0292】
実施例75 ,6’-(2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-(((S)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物75)の調製
【化89】
化合物75A(534mg、2.28mmol、1.02当量)、DIPEA(500mg、4.56mmol、2.0当量)及びHATU(1.12g、2.74mmol、1.2当量)をDMF(5mL)に添加し、25℃で15分間撹拌した。化合物34B(500mg、2.28mmol、1.0当量)を混合反応物に添加し、25℃で一晩撹拌した。水(20mL)を混合反応物に添加し、次いでそれをDCM(20mL×3)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE:EtOAc(1:1)で溶出して、75B(355mg、収率:35.4%)を得た。LCMS(ESI):C
17H
24BrN
3O
5に対する計算値;[M+H]+:430.3,432.3,実測値:430.3,432.3.
【0293】
化合物75B(335mg、0.778mmol、1当量)とNH3/MeOH(7.0M、15mL)との混合物を密閉管中、110℃で8時間撹拌した。濃縮後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶出して、化合物75C(278mg、収率:86.9%)を得た。LCMS(ESI):C16H21BrN4O3に対する計算値;[M+H]+:397.2,399.2,実測値:397.2,399.2,297.2,299.2.
【0294】
N2下、化合物1A(54mg、0.114mmol、1当量)、化合物75C(100mg、0.25mmol、2.2当量)、Cs2CO3(200mg、1.25mmol、5当量)、及びPd(dppf)Cl2・DCM(30mg、0.07mmol、0.25当量)を、DMF(5.0mL)及びH2O(1.0mL)に溶解した。反応を90℃で3時間行った。冷却後、水30mLを添加し、得られた混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(3mL×3)で洗浄して、化合物75D(21mg、収率:22.1%)を得た。LCMS(ESI):C44H48Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:855.8,857.8,実測値:855.8,857.8.
【0295】
75D(54mg、0.025mmol、1当量)の溶液に、MeOH及びHClをジオキサンに溶かした溶液(4.0M、2.0mL)を25℃で添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して化合物75(8.3mg、収率:50.2%)を得た。LCMS(ESI):C34H32Cl2N8O2.2HClに対する計算値;[M+H]+:655.5,657.5,実測値:655.5,657.5.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 11.95 (s, 2H), 9.38 (s, 2H), 9.18 (s, 2H), 7.96 (s, 2H), 7.71 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.24 (s, 2H), 3.90 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.34 - 3.30 (m, 4H), 3.19 - 3.17 (m, 2H), 3.08 - 3.03 (m, 2H), 2.24 - 2.17 (m, 2H), 2.00 - 1.97 (m, 2H), 1.91 - 1.86 (m, 2H), 1.75 - 1.66 (m, 2H).
【0296】
実施例76 6,6’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-2-(((S)-ピロリジン-2-イル)メチル)ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4(3H)-オン)(化合物76)の調製
【化90】
化合物75D(50mg、0.05mmol、1.0当量)をDMF(2.5mL)に溶かした溶液に、Cs
2CO
3(85mg、0.25mmol、5.0当量)を添加し、25℃で10分間撹拌し、次いでCH
3I(48mg、0.30mmol、6.0当量)を添加した。反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に添加し、溶液をDCM(20mL×3)で抽出し、合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶出して、化合物76A(30mg、収率:58.4%)を得た。LCMS(ESI):C
46H
52Cl
2N
8O
6に対する計算値;[M+H]+:883.8,885.8,実測値:883.8,885.8.
【0297】
化合物76A(30mg、0.034mmol、1.0当量)の溶液に、MeOH(2mL)及びHClをジオキサンに溶かした溶液(4.0M、2.0mL)を25℃で添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して化合物76(10mg、収率:43.1%)を得た。LCMS(ESI):C36H36Cl2N8O2に対する計算値;[M+H]+:682.2,684.2,実測値:682.2,684.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.35 (s, 2H), 9.14 (s, 2H), 8.00 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 7.73 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 7.26 (s, 2H), 4.03 -3.99 (m, 2H), 3.43 (s, 6H), 3.34 - 3.30 (m, 4H), 3.23 - 3.17 (m, 4H), 2.27 - 2.20 (m, 2H), 2.03 - 1.97 (m, 2H), 1.94 - 1.86 (m, 2H), 1.79 - 1.71 (m, 2H).
【0298】
実施例77 ジエチル2,2’-((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))(2S,2’S)-ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物77)の調製
【化91】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリン酸エチルに置き換えることにより表題化合物77を得た。LCMS(ESI):C
40H
44Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]+:835.2,837.2,実測値:835.2,837.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.90-7.83 (m, 4H), 7.60-7.53 (m, 2H), 7.48-7.43 (m, 2H), 7.38 (s, 2H), 4.40-4.19 (m, 8H), 3.95-3.85 (m, 3H), 3.58-3.33 (m, 11H), 2.36 (s, 6H), 1.23-1.25 (m, 6H).
【0299】
実施例78 ジエチル1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))(3S,3’S)-ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物78)の調製
【化92】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-ピロリジン-3-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物78を得た。LCMS(ESI):C
44H
48Cl
2N
8O
6に対する計算値;[M+H]+:855.3,857.3,実測値:855.3,857.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.86-7.82 (m, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.72-7.69 (m, 2H), 7.56 (dd, J = 8.6, 7.7 Hz, 2H), 7.46-7.44 (m, 2H), 4.21-4.08 (m, 4H), 3.93-3.73 (m, 4H), 2.94-2.85 (m, 4H), 2.82-2.69 (m, 6H), 2.69-2.64 (m, 2H), 2.63-2.57 (m, 2H), 2.30 (s, 6H), 2.00-1.90 (m, 2H), 1.85-1.75 (m, 2H), 1.28-1.21 (m, 6H).
【0300】
実施例79 1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(ピペリジン-2-カルボン酸)(化合物79)の調製
【化93】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をピペリジン-2-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物79を得た。LCMS(ESI):C
42H
44Cl
2N
8O
6に対する計算値;[M+H]+:827.3,829.3,実測値:827.3,829.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.55 (m, 2H), 7.47 - 7.46 (m, 2H), 3.97 - 3.91 (m, 2H), 3.87 - 3.81 (m, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 2H), 2.98 - 2.90 (m, 2H), 2.87 - 2.75 (m, 4H), 2.68 - 2.60 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 1.89 - 1.80 (m, 4H), 1.67 - 1.50 (m, 8H).
【0301】
実施例80 (2S,2’S)-2,2’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-メチル-4-オキソ-4,5-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,6-ジイル))ビス(メチレン))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物80)の調製
【化94】
化合物41の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をL-セリンに置き換えることにより表題化合物80を得た。LCMS(ESI):C
34H
32Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:751.58,実測値:751.15.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.83 (s, 2H), 7.73 - 7.66 (m, 2H), 7.51 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 7.31 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.56 (s, 2H), 4.53 - 4.42 (m, 4H), 3.92 (s, 6H), 3.53 (s, 4H), 3.49 - 3.34 (m, 2H).
【0302】
実施例81 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-5-(((S)-ピロリジン-3-イル)メチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物81)の調製
【化95】
化合物36の手順に従い、(S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(36A-1)を(S)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルに置き換えることにより表題化合物81を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
2に対する計算値;[M+H]
+:683.2,685.2,実測値:683.2,685.2.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 7.85 (s, 2H), 7.70 - 7.64 (m, 2H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.39 (s, 2H), 7.26 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.54 (s, 2H), 4.50 - 4.41 (m, 2H), 4.26 - 4.18 (m, 4H), 3.84 - 3.46 (m, 4H), 3.12 - 3.06 (m, 4H), 2.27 (s, 6H), 2.18 - 2.09 (m, 2H).
【0303】
実施例82 3,3’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(オキセタン-3-カルボン酸)(化合物82)の調製
【化96】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を3-アミノオキセタン-3-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物82を得た。LCMS(ESI):C
38H
36Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:803.65,実測値:803.25.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.56 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 7.45 (dd, J = 7.6, 1.8 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 4.76 - 4.71 (s, 4H), 4.60 - 4.46 (m, 4H), 4.24 - 4.18 (m, 4H), 3.44 (s, 2H), 3.18 - 3.14 (m, 4H), 2.40 (s, 6H).
【0304】
実施例83 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-5-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物83)の調製
【化97】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をピペラジンに置き換えることにより表題化合物83を得た。LCMS(ESI):C
38H
42Cl
2N
10O
2に対する計算値;[M+H]
+:741.3,743.3,実測値:741.3,743.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.55 (m, 2H), 7.48 - 7.45 (m, 2H), 3.86 - 3.72 (m, 4H), 2.70 - 2.67 (m, 8H), 2.58 - 2.54 (m, 12H), 2.34 - 2.31 (m, 2H), 2.29 (s, 6H).
【0305】
実施例84 (2S,2’S,5S,5’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(5-ヒドロキシピペリジン-2-カルボン酸)(化合物84)の調製
【化98】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(2S,5S)-5-ヒドロキシピペリジン-2-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物84を得た。LCMS(ESI):C
42H
44Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:859.3,861.3,実測値:859.3,861.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.55 (m, 2H), 7.46 (s, 2H), 4.24 - 4.18 (m, 2H), 3.97 - 3.71 (m, 6H), 3.43 - 3.37 (m, 2H), 3.03 - 2.96 (m, 2H), 2.92 - 2.81 (m, 4H), 2.79 - 2.73 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 1.90 - 1.63 (m, 8H).
【0306】
実施例85 1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物85)の調製
【化99】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物85を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:831.71,実測値:799.42.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.80 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 7.56 - 7.45 (m, 6H), 7.36 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 4.16 (s, 2H), 4.09 - 4.02 (m, 4H), 3.35 - 3.29 (m ,4H), 2.39 (m, 6H), 2.44 - 2.38 (m, 4H), 2.24- 2.20 (m, 4H).
【0307】
実施例86 4,4’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(モルホリン-3-カルボン酸)(化合物86)の調製
【化100】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸をモルホリン-3-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物86を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:830.23,実測値:830.20.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 4.09 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 3.85 - 3.53 (m, 10H), 3.24 - 2.76 (m, 8H), 2.40 (s, 6H).
【0308】
実施例87 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(プロパン-1,2-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物87)の調製
【化101】
化合物29D(300mg、1.32mmol、1.0当量)をDMF(6mL)に撹拌した混合物に、Cs
2CO
3(857mg、2.63mmol、2.0当量)及び1-ブロモプロパン-2-オン(288mg、2.1mmol、1.6当量)を0℃で添加した。得られた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応物を水で急冷し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(2:1)で溶出して、化合物87A(300mg、収率:80.7%)を得た。LCMS(ESI):C
8H
9BrN
2O
3に対する計算値;[M+H]+:284.11,286.11,実測値:284.11,286.11.
【0309】
化合物87A(200mg、0.709mmol、1.0当量)をDCM(10.00mL)に撹拌した溶液に、L-セリン酸エチル(234mg、1.76mmol、2.5当量)及び1滴のHOAcを25℃で添加した。25℃で0.5時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(895mg、4.21mmol、6.0当量)を添加した。得られた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、分取液相クロマトグラフィーにより精製して、化合物87B(71mg、収率:25.1%)を得た。LCMS(ESI):C15H21BrN4Oに対する計算値;[M+H]+:401.3,403.3,実測値:401.3,403.3.
【0310】
N2雰囲気下、化合物87B(70mg、0.17mmol、2.2当量)、化合物1A(37mg、0.079mmol、1.0当量)、Cs2CO3(129mg、0.40mmol、5当量)、及びPd(dppf)Cl2・DCM(15mg、0.05mmol、0.30当量)をDMF(5.0mL)及びH2O(1.0mL)に溶解した。反応を90℃で2時間行った。冷却後、30mLの水を添加し、30mLのEtOAcを添加して抽出し、有機相を水で洗浄し、濃縮して残渣を得た。反応物を分取HPLCにより精製して、化合物87(6.9mg、収率:9%)を得た。LCMS(ESI):C38H40Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:807.7,809.7,実測値:807.7,809.7.
1H NMR (500 Mhz, DMSO-d6) δ 11.64 (s, 2H), 8.24 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 7.71 - 7.63 (m, 2H), 7.46 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.35 (s, 2H), 7.30 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.58 (s, 2H), 4.50 - 4.41 (m, 4H), 4.30 - 4.19 (m, 4H), 4.01 - 3.87 (m, 2H), 3.79 - 3.67 (m, 6H), 3.54 - 3.23 (m, 2H), 2.21 (s, 6H)。
【0311】
実施例88 1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボン酸)(化合物88)の調製
【化102】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を1-アミノ-4-ヒドロキシシクロヘキサン-1-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物88を得た。LCMS(ESI):C
44H
48Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:887.3,889.3,実測値:887.3,889.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.46 (s, 2H), 4.25 - 4.21 (m, 2H), 3.83 - 3.79 (m, 4H), 3.76 - 3.70 (m, 2H), 3.50 - 3.47 (m, 2H), 2.87 - 2.71 (m, 4H), 2.29 (s, 6H), 1.95 - 1.85 (m, 4H), 1.82 - 1.69 (m, 8H), 1.62 - 1.52 (m, 4H).
【0312】
実施例89 (2S,2’S,3S,3’S)-1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸)(化合物89)の調製
【化103】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(2S,3S)-3-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物89を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:831.2,833.2,実測値:831.2,833.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.46 (s, 2H), 4.97 - 4.93 (m, 2H), 4.17 - 4.10 (m, 2H), 3.98 - 3.77 (m, 4H), 3.30 (s, 2H), 3.04 - 2.93 (m, 2H), 2.91 - 2.74 (m, 6H), 2.29 (s, 6H), 1.89 - 1.72 (m, 4H).
【0313】
実施例90 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(2-(((1r,3r)-3-ヒドロキシシクロブチル)アミノ)エチル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物90)の調製
【化104】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1R,3R)-3-アミノシクロブタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物90を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:743.69,実測値:743.53.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.83 (s, 4H), 7.93 - 7.77 (m, 2H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.46 (dd, J = 7.6, 1.8 Hz, 2H), 7.39 (s, 2H), 5.29 (s, 2H), 4.33 (m, 2H), 4.24 (m, 4H), 3.82 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 3.21 - 3.08 (m, 4H), 2.40- 2.32 (m, 4H), 2.38 (d, J = 9.3 Hz, 6H), 2.11 - 1.99 (m, 4H).
【0314】
実施例91 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(2-(((1s,3s)-3-ヒドロキシシクロブチル)アミノ)エチル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物91)の調製
【化105】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1S,3S)-3-アミノシクロブタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物91を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:743.69,実測値:743.51.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.83 (s, 4H), 7.95 - 7.76 (m, 2H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.46 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 5.42 (s, 2H), 4.30 (m, 2H), 4.24 (t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.91 (p, J = 7.3 Hz, 2H), 3.19 - 3.06 (m, 6.9 Hz, 4H), 2.38- 2.30 (m, 4H), 2.36 (s, 6H), 2.09 - 1.97 (m, 4H).
【0315】
実施例92 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(((2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)メチル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物92)の調製
【化106】
化合物29の手順に従い、(S)-(5-オキソピロリジン-2-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホネートを((2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-イル)メチル4-メチルベンゼンスルホネートに置き換えることにより表題化合物92を得た。LCMS(ESI):C
36H
36Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:715.64,実測値:715.24.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 (m, 2H), 7.89 - 7.85 (m, 2H), 7.81 - 7.72 (m, 2H), 7.59 - 7.51 (m, 2H), 7.46 - 7.42 (m, 2H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 4.26 (s, 2H), 4.13 - 4.01 (m, 2H), 3.95 - 3.81 (m, 2H), 3.71 - 3.74 (m, 2 H), 3.06 - 3.01 (m, 2H), 2.74 - 2.67 (m, 2H), 2.35 (m, 6H), 1.86 - 1.81 (m, 2H), 1.66 - 1.60 (m, 2H).
【0316】
実施例93 2,2’-(2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(5-(2-(2-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン-1-イル)エチル)-6-メチルピラゾロ[1,5-a]ピラジン-4(5H)-オン)(化合物93)の調製
【化107】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を2-(ピロリジン-2-イル)エタン-1-オールに置き換えることにより表題化合物93を得た。LCMS(ESI):C
42H
48Cl
2N
8O
4に対する計算値;[M+H]
+:799.80,実測値:799.12.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.81 (s, 2H), 7.56 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.45 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 4.12 (s, 4H), 3.51 - 3.37 (m, 14H), 3.13 (s, 2H), 2.36 (s, 6H), 1.99 - 1.89 (m, 4H), 1.80 - 1.72 (m, 4H), 1.43 (s, 4H).
【0317】
実施例94 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(プロパン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物94)の調製
【化108】
化合物29D(100mg、0.44mmol、1当量)をTHF(10mL)に撹拌した混合物に、化合物94A(82mg、0.88mmol、2.0当量)、PPh
3(173mg、0.66mmol、1.5当量)及びDIAD(133mg、0.66mmol、1.5当量)をN
2下、0℃で添加した。得られた混合物をN
2下、25℃で16時間撹拌した。反応物を水(10mL)で急冷し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶出して、化合物94B(80mg、収率:60.0%)を得た。LCMS(ESI):C
10H
11BrClN
3Oに対する計算値;[M+H]+:304.1,306.1,実測値:304.1,306.1.
【0318】
化合物94B(80mg、0.26mmol、1当量)をDMF(5.0mL)に撹拌した混合物に、K2CO3(72mg、0.52mmol、2.0当量)及びH2O(1.0mL)を25℃で添加した。得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。冷却後、反応物を水(30mL)で急冷し、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、化合物94C(65mg、収率:86.6%)を得た。LCMS(ESI):C10H12BrN3O2に対する計算値;[M+H]+:286.01,288.01,実測値:286.01,288.01.
【0319】
化合物94C(65mg、0.22mmol、1.0当量)をDCM(5.0mL)に撹拌した混合物に、デス・マーチン過ヨウ素酸塩(186mg、0.44mmol、2.0当量)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応物を水(30mL)で急冷し、DCM(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、化合物94D(60mg、収率:92.7%)を得た。LCMS(ESI):C10H10BrN3O2に対する計算値;[M+H]+:284.01,286.01,実測値:284.01,286.01.
【0320】
化合物94D(60mg、0.20mmol、1.0当量)をDMA(5.0mL)に撹拌した混合物に、L-セリン酸エチル塩酸塩(136mg、0.8mmol、4.0当量)、DIEA(103mg、0.8mmol、4.0当量)及び1滴のHOAcを25℃で添加した。0.5時間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(339mg、1.6mmol、8.0当量)を添加し、得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。反応物を水(30mL)で急冷し、EtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、化合物94E(30mg、収率:35.4%)を得た。LCMS(ESI):C15H21BrN4O4に対する計算値;[M+H]+:401.1,403.1,実測値:401.1,403.1.
【0321】
化合物1A(17mg、0.04mmol、1当量)をDMF(5.0mL)に撹拌した混合物に、化合物94E(30mg、0.08mmol、2.1当量)、Pd(dppf)Cl2DCM(6.0mg、0.01mmol、0.20当量)、Cs2CO3(58mg、0.20mmol、5.0当量)及びH2O(1.0mL)を25℃で添加した。得られた混合物をN2下、80℃で2時間撹拌した。25℃に冷却した後、NaOH水溶液(2.0M、1.0mL)を添加し、得られた混合物を60℃で1時間撹拌した。25℃に冷却した後、得られた混合物を濾過した。濾液を収集し、分取HPLCにより精製して、化合物94(5.0mg、収率:17%)を得た。LCMS(ESI):C38H40Cl2N8O8に対する計算値;[M+H]+:807.2,809.2,実測値:807.2,809.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.74 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.55 (m, 2H), 7.46 - 7.44 (m, 2H), 4.95 - 4.81 (m, 4H), 4.48 - 4.36 (m, 2H), 3.67 - 3.39 (m, 6H), 2.97 - 2.83 (m, 4H), 2.28 (s, 6H), 1.32 (s, 6H).
【0322】
実施例95 (2S,2’S)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸)(化合物95)の調製
【化109】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸に置き換えることにより表題化合物95を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:807.69,実測値:807.01.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.06 (s, 2H), 7.90 - 7.82 (m, 4H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.46 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 4.33 - 4.26 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 3.89 (s, 2H), 3.77-7.73 (m, 4H), 3.62 - 3.55 (m, 4H), 3.17 (d, J = 7.8 Hz, 6H), 2.38 (s, 6H). 1.35 (s, 6H).
【0323】
実施例96 (2R,2’R)-2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸)(化合物96)の調製
【化110】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸に置き換えることにより表題化合物96を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:807.69,実測値:807.01.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.06 (s, 2H), 7.90 - 7.82 (m, 4H), 7.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.46 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 4.33 - 4.26 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 3.89 (s, 2H), 3.77-7.73 (m, 4H), 3.62 - 3.55 (m, 4H), 3.17 (d, J = 7.8 Hz, 6H), 2.38 (s, 6H). 1.35 (s, 6H).
【0324】
実施例97 (1s,1’s,3s,3’s)-((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(シクロブタン-3,1-ジイル)ジアセタート(化合物97)の調製
【化111】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1S,3S)-3-アミノシクロブチル酢酸塩酸塩に置き換えることにより表題化合物97を得た。LCMS(ESI):C
42H
46Cl
4N
8O
6に対する計算値;[M+H]
+:900.68,実測値:828.12.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 8.81 (s, 4H), 7.93 - 7.74 (m, 2H), 7.55 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.44 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 2H), 7.36 (s, 2H), 5.40 (s, 2H), 4.28 (m, 2H), 4.22 (t, J = 6.6 Hz, 4H), 3.90 (p, J = 7.3 Hz, 2H), 3.18 - 3.05 (m, 6.9 Hz, 4H), 2.36- 2.29 (m, 4H), 2.35 (s, 6H), 2.06 - 1.94 (m, 4H), 2.02 (s, 6H).
【0325】
実施例98 ((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアセタート(化合物98)の調製
【化112】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を2-アミノ酢酸エチル塩酸塩に置き換えることにより表題化合物98を得た。LCMS(ESI):C
38H
40Cl
2N
8O
6に対する計算値;[M+H]
+:775.2,777.2,実測値:775.2,777.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ 7.88 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.75 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.48 - 7.46 (m, 2H), 4.14 - 4.08 (m, 4H), 3.83 - 3.76 (m, 4H), 3.07 - 3.01 (m, 4H), 2.86 - 2.81 (m, 2H), 2.76 - 2.72 (m, 4H), 2.29 (s, 6H), 2.02 (s, 6H).
【0326】
実施例99 ジエチル1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物99)の調製
【化113】
化合物47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物99を得た。LCMS(ESI):C
44H
48Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]
+:887.3,889.3,実測値:887.3,889.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 (dd, J = 7.8, 1.8 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 12.7 Hz, 2H), 7.56 - 7.44 (m, 6H), 7.36 (d, J = 2.6 Hz, 2H), 4.17 (s, 2H), 4.12 (m, 4H), 4.08 - 4.02 (m, 4H), 3.34 - 3.29 (m ,4H), 2.39 (m, 6H), 2.44 - 2.38 (m, 4H), 2.24- 2.20 (m, 4H), 1.24(d, J = 10Hz, 6H).
【0327】
実施例100 ジエチル2,2’-(((((2,2’-ジクロロ-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))(2S,2’S)-ビス(3-ヒドロキシプロパン酸)(化合物100)の調製
【化114】
実施例48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールをL-セリン酸エチルに置き換えることにより表題化合物100を得た。LCMS(ESI):C
42H
46Cl
2N
6O
8に対する計算値;[M+H]
+:833.3,835.3,実測値:833.3,835.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.76 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 7.28 (ddd, J = 5.0, 3.7, 1.7 Hz, 4H), 7.18 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.07 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 3.99 - 3.91 (m, 4H), 3.58 - 3.52 (m, 4H), 2.82 (dt, J = 11.7, 6.9 Hz, 2H), 2.70 - 2.63 (m, 2H), 2.52 (d, J = 1.9 Hz, 2H), 2.27 (s, 6H), 1.16 (d, J = 7.2 Hz, 6H).
【0328】
実施例101 (1r,1’r,3r,3’r)-1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物101)の調製
【化115】
実施例47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1R,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物101を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]+:831.2,833.2,実測値:831.2,833.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.75 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.48 - 7.46 (m, 2H), 5.02 - 4.98 (m, 2H), 4.80 - 4.77 (m, 2H), 3.92 - 3.84 (m, 2H), 3.83 - 3.78 (m, 4H), 2.87 - 2.73 (m, 4H), 2.68 - 2.62 (m, 4H), 2.29 (s, 6H), 2.24 - 2.19 (m, 4H).
【0329】
実施例102 (1S,1’S,3S,3’S)-1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物102)の調製
【化116】
実施例47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1S,3S)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸に置き換えることにより表題化合物102を得た。LCMS(ESI):C
40H
40Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]+:831.2,833.2,実測値:831.2,833.2.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ 7.89 - 7.85 (m, 2H), 7.84 (s, 2H), 7.75 - 7.71 (m, 2H), 7.59 - 7.54 (m, 2H), 7.48 - 7.46 (m, 2H), 5.02 - 4.98 (m, 2H), 4.80 - 4.77 (m, 2H), 3.92 - 3.84 (m, 2H), 3.83 - 3.78 (m, 4H), 2.87 - 2.73 (m, 4H), 2.68 - 2.62 (m, 4H), 2.29 (s, 6H), 2.24 - 2.19 (m, 4H).
【0330】
実施例103 ジエチル1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))(1R,1’R,3R,3’R)-ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物103)の調製
【化117】
実施例47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1R,3R)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物103を得た。LCMS(ESI):C
44H
48Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]+:887.3,889.3,実測値:887.3,889.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 - 7.88 (m, 2H), 7.77 (s, 2H), 7.60 - 7.54 (m, 2H), 7.49 - 7.42 (m, 2H), 7.37 (s, 2H), 5.12 - 5.05 (m, 2H), 4.12 - 4.02 (m, 6H), 4.01 - 3.94 (m, 4H), 2.75 - 2.61 (m, 6H), 2.41 (s, 6H), 2.10 - 1.98 (m, 8H), 1.19 - 1.13 (m, 6H).
【0331】
実施例104 ジエチル1,1’-((((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(6-メチル-4-オキソピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2,5(4H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(アザンジイル))(1S,1’S,3S,3’S)-ビス(3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸)(化合物104)の調製
【化118】
実施例47の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(1S,3S)-1-アミノ-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物104を得た。LCMS(ESI):C
44H
48Cl
2N
8O
8に対する計算値;[M+H]+:887.3,889.3,実測値:887.3,889.3.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 - 7.88 (m, 2H), 7.77 (s, 2H), 7.60 - 7.54 (m, 2H), 7.49 - 7.42 (m, 2H), 7.37 (s, 2H), 5.12 - 5.05 (m, 2H), 4.12 - 4.02 (m, 6H), 4.01 - 3.94 (m, 4H), 2.75 - 2.61 (m, 6H), 2.41 (s, 6H), 2.10 - 1.98 (m, 8H), 1.19 - 1.13 (m, 6H).
【0332】
実施例105 ジエチル1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(3-メチル-1-オキソピロロ[1,2-a]ピラジン-7,2(1H)-ジイル))ビス(エタン-2,1-ジイル))(3S,3’S)-ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物105)の調製
【化119】
実施例48の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-オールを(S)-ピロリジン-3-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物105を得た。LCMS(ESI):C
46H
50Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]
+:853.84,実測値:853.43.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J = 1.8 Hz, 2H), 7.67 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 2H), 7.47 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.32 - 7.26 (m, 4H), 7.18 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.07 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 3.98 (t, J = 7.1 Hz, 4H), 3.04 - 2.95 (m, 2H), 2.81 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 2.69 (dd, J = 9.2, 6.1 Hz, 2H), 2.65 - 2.55 (m, 8H), 2.27 (s, 6H), 1.99 - 1.90 (m, 4H), 1.18 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
【0333】
実施例106 ジエチル1,1’-(((2,2’-ジクロロ[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジイル)ビス(2-メチル-1-オキソ-1,2-ジヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-7,3-ジイル))ビス(メチレン))(3S,3’S)-ビス(ピロリジン-3-カルボン酸)(化合物106)の調製
【化120】
実施例43の手順に従い、(S)-ピロリジン-3-カルボン酸を(S)-ピロリジン-3-カルボン酸エチルに置き換えることにより表題化合物106を得た。LCMS(ESI):C
44H
46Cl
2N
6O
6に対する計算値;[M+H]
+:825.79,実測値:825.51.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (s, 2H), 7.71 - 7.65 (m, 2H), 7.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.38 (s, 2H), 7.31 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 4.05 (q, J = 7.1 Hz, 4H), 3.94 (s, 6H), 3.55 (s, 4H), 3.21 - 3.08 (m, 4H), 3.04 - 2.93 (m, 4H), 2.63 - 2.55 (m, 2H), 2.04 - 1.94 (m, 2H), 1.90 - 1.77 (m, 2H), 1.14 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
【0334】
生物学的実施例
実施例107 PD-1/PD-L1均一時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ
最終容量20μLの標準的な黒色384ウェルポリスチレンプレート中でアッセイを実施した。阻害剤を最初にDMSO中で段階的に希釈し、次にプレートウェルに添加して他の反応成分を添加した。アッセイにおけるDMSOの最終濃度は1%であった。0.05%Tween-20及び0.1%BSAを含むPBS緩衝液(pH7.4)中でアッセイを25℃で行った。C末端にHisタグを有する組換えヒトPD-L1タンパク質(19-238)をAcroBiosystemsから購入した(PD1-H5229)。C末端にFeタグを有する組換えヒトPD-1タンパク質(25-167)もAcroBiosystemsから購入した(PD1-H5257)。PD-L1及びPD-1タンパク質をアッセイ緩衝液中で希釈し、10μLをプレートウェルに添加した。プレートを遠心分離し、タンパク質を阻害剤とともに40分間プレインキュベートした。インキュベーションの後に、Feに特異的なユウロピウムクリプテート標識抗ヒトIgG(PerkinElmer-AD0212)及びSureLight(登録商標)アロフィコシアニン(APC、PerkinElmer-AD0059H)に結合した抗His抗体を補充したHTRF検出緩衝液10μLを添加し。遠心分離後、プレートを25℃で60分間インキュベートし、その後、PHERAstar FSプレートリーダー(665nm/620nm比)で読み取った。アッセイにおける最終濃度は、3nM PD1、10nM PD-L1、1nM ユウロピウム抗ヒトIgG、及び20nM 抗His-アロフィコシアニンであった。阻害剤濃度の対数に対する対照活性パーセントの曲線を当てはめることによってIC
50測定を実施した。
【表2】
A:活性<10nM、B:10nM≦活性<100nM、C:活性≧100nM
【0335】
実施例108 PD-L1の二量体化
化合物がPD-L1の細胞外ドメインを特異的に二量体化できるか否かを判断するために、化合物を生化学的タンパク質間相互作用アッセイで試験した。
【0336】
(1)10個のサンプルの各カラムについて、DMSO中で化合物を1:3で連続して希釈した。
【0337】
(2)Echoを使用して各列の0.2μLの化合物溶液を384アッセイプレートに移し、各カラムは2つの反複を含んだ。
【0338】
(3)PD-L1-Eu及びPD-L1-A2溶液を含む調製混合物20μLをアッセイプレートに添加し、1000rpmで1分間遠心分離した。
【0339】
(4)25℃で120分間インキュベートした。
【0340】
(5)Envision2104プレートリーダーで蛍光シグナルを読み取った。
【0341】
(6)Envisionで比率(665nm/615nm)シグナルを読み取った。
【0342】
(7)方程式を使用して生データを分析した(V.データ分析)。
【表3】
A:EC50<50nM、B:50nM≦EC50<100nM、C:EC50≧100nM
【0343】
実施例109 PDL1 Jurkat-NFATレポーターアッセイ
Hep3B-OS8-hPDL1の調製
1.Hep3B-OS8-hPDL1細胞を、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン及びストレプトマイシンを補充し、100μg/mLのG418及びハイグロマイシンBも添加した1640培地中で培養した。
【0344】
2.細胞を10%FBSを含むRPMI1640培地で再懸濁し、細胞密度を1.25x105細胞/mLに調整した。
【0345】
3.細胞を96ウェル平底プレートに播種した(1.25x104細胞/100μL/ウェル)。
【0346】
b.化合物溶液の調製
4.プレプレーティングしたHep3B-OS8-PDL1細胞から培地を除去した。200μLのアッセイ培地で1回洗浄した。
【0347】
5.レイアウトに従って、10%FBSを含むRPMI1640培地中で化合物希釈液を調製した。
【0348】
6.9つの濃度(3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.003、0.001及び0.0003μM)の化合物を50μLの容量で各ウェルに添加した。陽性対照として5μg/mLの濃度のキイトルーダを含めた。
【0349】
7.37℃、5%CO2で20~30分間インキュベートした。
【0350】
c.Jurkat-NFAT-PD1の調製
8.Jurkat-NFAT-PD1細胞を、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン及びストレプトマイシンを補充し、1000μg/mLのハイグロマイシンB及び0.3μg/mLのピューロマイシンも添加した1640培地中で培養した。
【0351】
9.アッセイの2日目に、細胞を10%FBSを含むRPMI1640培地で再懸濁し、細胞密度を2.5x105細胞/mLに調整した。
【0352】
10.細胞を96ウェル平底プレートに播種した(1.25x104細胞/50μL/ウェル)。
【0353】
11.加湿した37℃、5%CO2インキュベータ中でアッセイプレートを6時間インキュベートした。
【0354】
12.培養細胞を室温で5~10分間平衡化した。
【0355】
13.等量(100μL/ウェル)のONE-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイシステムを各ウェルに添加し、細胞が完全に溶解するまで少なくとも3分間待ち、照度計で測定した。
【表4】
A:EC50<500nM、B:EC50≧500nM
【0356】
実施例110 Hep3B-OS8-hPDL1及びT細胞の共培養アッセイ
腫瘍調製
1.Hep3B-OS8-hPDL1細胞を、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン及びストレプトマイシンを補充し、100μg/mLのG418及びハイグロマイシンBも添加した1640培地中で培養した。
【0357】
2.Hep3B-OS8-hPDL1細胞を採取し、10μg/mLのマイトマイシンCで37℃で1.5時間処理し、その後細胞をPBSで4回徹底的に洗浄した。
【0358】
3.細胞を10%FBSを含むRPMI1640培地で再懸濁し、細胞密度を5x105細胞/mLに調整した。
【0359】
4.細胞を96ウェル平底プレートに播種した(2.5x104細胞/50μL/ウェル)。
【0360】
b.CD3+T細胞の単離(30mLの血液)
5.個々のドナーからのヒト血液サンプルを同量の滅菌PBSで希釈し、例えば、25mLの滅菌PBSを25mLの新鮮な全血に添加し、穏やかに振盪して十分に混合した。
【0361】
6.15mLのLymphoprep培地を新しい50mL遠心管に移した。
【0362】
7.希釈した血液サンプルをFicoll培地の表面にできるだけ優しく添加し、2つの液体の間に明確な境界線があることを確認し、Ficollと希釈した血液(30mL)の体積比を1:2とした。
【0363】
8.チューブを穏やかに動かし、1000×g、25分間、20℃で、遠心分離中の加速度(5)及び最小減速度(0)の設定で遠心分離した。
【0364】
9.遠心分離後、合計4つの界面、すなわち、上から下に血漿、単核細胞、Ficoll培地、及びRBCの層を観察できた。そして、4つの界面を分離したままにするためにチューブをできるだけ穏やかに動かす。第2層の単核細胞を吸引して別の新しい滅菌遠心管に慎重に移し、やむを得ない場合はFicoll培地の代わりに一定量の血漿を吸引した。
【0365】
10.PBMCの3倍量の滅菌PBSをPBMCの入ったチューブに添加した。
【0366】
11.5~10mLのPBSで細胞を2回洗浄した後、サイトメーターで細胞を計数した。350xg、10分間、20℃で、遠心分離中の加速度(5)及び減速度(5)の設定で遠心分離した。
【0367】
12.推奨培地で細胞を再懸濁し、PBMCの密度を最終濃度5x107細胞/mLに調整した。
【0368】
13.EasySepTM Human T Cell Isolation Kit(STEMCELL Technologies #17951)でCD3+ T細胞を単離し、細胞を96ウェル平底プレートに播種した(5x104細胞/100μL/ウェル)。
【0369】
c.化合物溶液の調製
14.レイアウトに従って、10%FBSを含むRPMI1640培地中で化合物希釈液を調製した。15.化合物を各ウェルに50μLの容量で添加した{7つの濃度(0.03、0.1、0.3、1、3、10、及び30μM)の3つの化合物(GLC01-258、GLC01-269、GLC01-465)、及び同じ濃度(1μM)の6つの化合物(GLC01-411、GLC01-292、GLC01-445、GLC01-475、GLC01-470、及びGLC01-468)}。
【0370】
16.陽性対照として5μg/mLの濃度のキイトルーダを含めた。
【0371】
17.37℃、5%CO2で72時間インキュベートした。
【0372】
18.遠心分離により上清を回収し、ELISAによりIFN-γを測定した。
【表5】
A:EC50<50nM、B:50nM≦EC50<100nM、C:EC50≧100nM
【0373】
実施例111 マウスPK研究
(1)化合物を秤量し、1mg/mLの5%生理食塩水溶液のビヒクルに溶解し、よく振盪し、超音波処理して無色透明溶液を形成した。この溶液を、一晩絶食した3匹のマウス群に10mg/kgの用量で経口投与した。
【0374】
(2)顎下静脈から血液を採取し、抗凝固のためにヘパリンナトリウムを使用した。採取後、血液を氷上に置き、1時間以内に遠心分離により血漿を分離した(遠心分離条件:8000rpm、6分、2~8℃)。採血時点は0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間であった。
【0375】
(3)サンプルを-20℃の冷凍庫に保管した。血漿サンプル(40μL)に内部標準を含む160μLの氷冷アセトニトリルを添加し、3分間ボルテックスし、11,000rpmで5分間遠心分離した。100μLの上清を100μLの水に添加し、5μLの上清をLC/MS/MS装置に注入して化合物を検出した(化合物がエステルである場合、酸を検出した)。結果を表6に示す。
【表6】
A:Cmax≧1000ng/mL
B:100ng/mL≦Cmax<1000ng/mL
C:Cmax<100ng/mL
D:AUC
last≧2000ng*h/mL
E:500ng*h/mL≦AUC
last<2000ng*h/mL
F:AUC
last<500ng*h/mL
【0376】
様々な実施形態を上記で説明したが、そのような開示は例としてのみ提示されたものであり、限定するものではないことを理解されたい。したがって、主題の組成物及び方法の幅及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、特許請求の範囲及びその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【0377】
上記の説明は、当業者に本出願の実施方法を教示することを目的としたものであり、本説明を読めば当業者には明らかとなる明らかな修正及び変形のすべてを詳述することを意図したものではない。しかしながら、そのような明らかな修正及び変形はすべて、特許請求の範囲によって定義される本出願の範囲内に含まれることが意図される。特許請求の範囲は、文脈が特に反対のことを示さない限り、意図した目的を達成するのに効果的な任意の順序の成分及びステップを網羅することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、溶媒和物、若しくは互変異性体。
【化1】
(式中、
A及びBのそれぞれは、ハロゲン、シアノ、-N
3、アルキル及び置換アルキル、アミン、アルキルアミン、及びアルコキシからなる群から独立して選択され、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、各R
2は独立してハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリールであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、
アルキニル、又はアリールであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、置換アルキル、アルケニル、
アルキニル、又はアリールであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである。)
【請求項2】
式中、A及びBのそれぞれは、独立して-Cl又はメチルであり、
Z
1は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
2は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
6は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
Z
7は、=N-、-N(R
1)-、=C(R
2)-、又は-S-であり、
各R
1は独立して、-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、各R
2は独立して-H、-F、又はメチルであり、
Z
3は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
4は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
5は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
8は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
9は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
Z
10は、-N=、-N(R
3)-、=C(R
4)-、又は-C(R
5R
6)-であり、
各R
3は独立して-H、アルキル、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
R
4、R
5及びR
6のそれぞれは独立して、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、又は置換アルキルであり、
L
1及びL
3のそれぞれは独立して、環3とW
1の間、及び環6とW
3の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
1又はW
3はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
1及びW
3のそれぞれは独立して、水素、3員環又は置換3員環、4員環又は置換4員環、4員複素環又は置換4員複素環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドであり、
L
2及びL
4のそれぞれは独立して、環3とW
2の間、及び環6とW
4の間の、m個の原子を含むアルキル、置換アルキル又はヘテロ原子鎖であり、ここで、m=0、1、2、3、4、5又は6であり、mが0の場合、W
2又はW
4はそれぞれ環3又は環6における対応する窒素に直接結合しており、
W
2及びW
4のそれぞれは独立して、水素、3員環、4員環、5員複素環又は置換5員複素環、6員複素環又は置換6員複素環、カルボキシルアルキル基又は置換カルボキシルアルキル基、シアノアルキル基又は置換シアノアルキル基、アミノアルキル基又は置換アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は置換ヒドロキシアルキル基、アミノ酸、アミノ酸のエステル、アミノ酸のアミド、非天然アミノ酸、非天然アミノ酸のエステル又は非天然アミノ酸のアミドである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物の環2及び環3、及び/又は環5及び環6は、以下からなる群から独立して選択され
、
【化2】
好ましくは、前記化合物の環2及び環3、及び/又は環5及び環6は、以下からなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【化3】
【請求項4】
L
1、L
2、L
3及びL
4のそれぞれは独立してC
1~C
3アルキルであ
り、
好ましくは、W
1
、W
2
、W
3
、及びW
4
のそれぞれは、以下からなる群から独立して選択され、
【化4】
好ましくは、W
1
、W
2
、W
3
、及びW
4
のうちの1つ以上は、次の一般式を有し、
【化5】
式中、R
7
及びR
8
のそれぞれは独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R
7は、以下の1つであり、
【化6】
R
8は独立して-H、アルキル、又は置換アルキルであ
り、
好ましくは、R
7
は、以下の1つのエステルであり、
【化7】
R
8
は独立して-H、アルキル、又は置換アルキルである、請求項
4に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物は、表1に列挙される化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物は、以下からなる群から選択され
、
【化8】
好ましくは、前記化合物は、式
【化9】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体であり、
好ましくは、前記化合物は、式
【化10】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体であり、
好ましくは、前記化合物は、式
【化11】
を有し、
又はその薬学的に許容される塩、立体異性体、立体異性体の混合物、重水素置換類似体、若しくは互変異性体である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物と、
薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
PD-L1に関連する疾患
の治療用の薬剤の調製における、請求項
8に記載の医薬組成物
の使用。
【請求項10】
前記疾患が癌であ
り、
好ましくは、前記疾患が免疫関連疾患であり、
好ましくは、前記疾患が感染症であり、
好ましくは、前記感染症がB型肝炎ウイルス感染症である、請求項
9に記載の
使用。
【国際調査報告】