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特表2024-534759主フィルタユニットと補助フィルタユニットとを備えた濾過デバイスとそれを用いてなるフィルタ回路
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  • 特表-主フィルタユニットと補助フィルタユニットとを備えた濾過デバイスとそれを用いてなるフィルタ回路 図1
  • 特表-主フィルタユニットと補助フィルタユニットとを備えた濾過デバイスとそれを用いてなるフィルタ回路 図2
  • 特表-主フィルタユニットと補助フィルタユニットとを備えた濾過デバイスとそれを用いてなるフィルタ回路 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】主フィルタユニットと補助フィルタユニットとを備えた濾過デバイスとそれを用いてなるフィルタ回路
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/66 20060101AFI20240918BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20240918BHJP
   F02M 37/34 20190101ALI20240918BHJP
【FI】
B01D29/38 520A
B01D35/02 E
F02M37/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506820
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 IB2022057668
(87)【国際公開番号】W WO2023021422
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202021104399.7
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524044739
【氏名又は名称】ボール アンド キルヒ フィルターバウ ゲゼルシャフト エムアイティー ベシュレンクテル ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カータリウス,カーステン
(72)【発明者】
【氏名】フィンセル,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC48
4D116DD05
4D116DD07
4D116KK04
4D116QC23B
4D116QC23D
4D116QC29B
4D116QC29D
4D116RR01
4D116RR05
4D116RR16
4D116RR21
4D116RR25
4D116VV02
4D116VV03
(57)【要約】
本発明は、流体のための濾過デバイスであって、入口を有するフィルタハウジング11と、フィルタハウジング11における主フィルタユニット20と、主フィルタユニットの主フィルタ表面21で濾過された濾液のための濾液出口と、主フィルタ表面の逆流の間に蓄積する逆流流体を処理するための補助フィルタユニット30とを備えた流体のための濾過デバイスに関する。主フィルタ表面21は逆流により部分的に洗浄可能であり、逆流要素は主フィルタ表面21の連続的な部分的逆流を可能にする。生じる流体損失が少量で流体の良好な洗浄を確実にするために、ハウジング11における補助フィルタユニット30には、間隔をおいて動作可能である逆流デバイスが設けられ、逆流の間に蓄積する汚物流体を処理するための処理ユニット40が逆流デバイスの下流に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体、特に潤滑油又は燃料のための濾過デバイスであって、流体入口を有するフィルタハウジング(11)と、前記フィルタハウジング(11)に配置された回転可能な逆流要素が設けられた主フィルタユニット(20)と、前記主フィルタユニットの主フィルタ表面(21)で濾過された濾液のための濾液出口と、前記主フィルタユニットの前記主フィルタ表面の逆流の間に蓄積する逆流流体を処理するための補助フィルタユニット(30)とを備え、前記主フィルタユニットの前記主フィルタ表面(21)が、前記逆流要素による逆流により部分的に洗浄可能であり、前記逆流要素が、前記主フィルタ表面(21)の連続的な部分的逆流を可能にする濾過デバイスにおいて、前記補助フィルタユニット(30)が、前記フィルタハウジング(11)に配置されるとともに、好ましくは間隔をおいて前記補助フィルタユニット(30)のフィルタ表面(31)を洗浄するために好ましくは間隔をおいて動作させられる逆流デバイスが設けられることと、前記補助フィルタユニット(30)の前記フィルタ表面の逆流の間に蓄積する前記汚物流体を処理するための処理ユニット(40)が前記逆流デバイスの下流に接続されることとを特徴とする、濾過デバイス。
【請求項2】
前記処理ユニット(40)が、前記主フィルタユニット(20)及び前記補助フィルタユニット(30)と一緒に前記フィルタハウジング(11)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の濾過デバイス。
【請求項3】
前記主フィルタユニットのための前記逆流要素(227)が、前記補助フィルタユニット(30)の入口に開口する前記フィルタハウジング(11)内のフラッシング流体ライン(224)に接続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の濾過デバイス。
【請求項4】
前記補助フィルタユニット(30;130;230)の前記逆流デバイスが、間隔をおいて回転可能な逆流部材(237)を有し、前記逆流部材が、前記処理ユニットの前記入口に開いている前記フィルタハウジング(11;111;211)における流体ラインに好ましくは接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項5】
前記フィルタハウジング(211)が、フランジ(291)であって、それにより前記濾過デバイスがユニットとしてコンシューマに直接接続可能であるフランジ(291)を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項6】
前記処理ユニット(240)が、交換可能な単一のフィルタインサート又は逆流可能ではないフィルタインサートを備えた二重フィルタを有すること、及び/又は、前記処理ユニットが、沈殿空間であって、閉鎖されたベース(242)と前記内部から前記外側へ流れることが可能であるとともに前記ベース(242)より上に配置されたフィルタ表面(241)とを備えた沈殿空間を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項7】
前記処理ユニット(240)が、上からの前記沈殿空間への流入を可能にし、前記沈殿空間を形成する前記フィルタインサートが交換可能であることを特徴とする、請求項6に記載の濾過デバイス。
【請求項8】
前記主フィルタユニット(40)にはフィルタ要素(72)により固定されたバイパスとしてオーバーフローバルブ(71)が設けられること、及び/又は、制御デバイスにより切替可能なバルブ(60;160)が前記補助フィルタユニットと前記処理ユニットとの間に接続され、前記補助フィルタユニットのための前記逆流デバイスが、前記バルブが開いているときのみアクティブであることとを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の濾過デバイス。
【請求項9】
フィルタ回路であって、燃料又は潤滑油として流体を供給され得る少なくとも1つコンシューマ(1)と、流体タンク(2)と、前記回路において前記流体タンク(2)と前記コンシューマ(1)との間に配置された濾過デバイス(10;110;210)とを備えたフィルタ回路において、前記濾過デバイスが請求項1~8のいずれか一項に記載のとおりに設計されることを特徴とする、フィルタ回路。
【請求項10】
前記主フィルタユニットの後ろの前記濾液出口(13)、前記補助フィルタユニットの後ろの清浄流体出口(15)、及び/又は前記処理ユニットの後ろの流体出口(18)が同じコンシューマ(1)、例えば特にエンジンに接続可能であるか、前記フィルタハウジングの洗浄された流体のための共通の出口に割り当てられることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の濾過デバイス又は請求項9に記載のフィルタ回路。
【請求項11】
前記主フィルタユニットの後ろの前記濾液出口がコンシューマ(101)、例えば特にエンジンに接続可能である又は接続されることと、前記補助フィルタユニットの後ろの清浄流体出口及び前記処理ユニットの後ろの流体出口が流体のための貯蔵タンク(102)に接続され、前記コンシューマが好ましくはまた、前記流体のための排出ライン(180)で前記流体タンクに接続されることとを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の濾過デバイス又は請求項9に記載のフィルタ回路。
【請求項12】
主ポンプ(190)が前記流体タンクと前記濾過デバイスとの間に接続されることを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載のフィルタ回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体、特に潤滑油又は燃料のための濾過デバイスであって、流体入口を有するフィルタハウジングと、フィルタハウジングに配置された回転可能な逆流要素が設けられた主フィルタユニットと、主フィルタユニットの主フィルタ表面で濾過されるとともにその点において生成される濾液のための濾液出口と、主フィルタユニットの主フィルタ表面の逆流の間に蓄積する逆流流体を処理するための補助フィルタユニットとを備え、主フィルタユニットの主フィルタ表面が逆流要素による逆流により部分的に洗浄され得、逆流要素が、主フィルタ表面の連続的な部分的逆流を可能にする濾過デバイスに関する。本発明はさらにまた、フィルタ回路であって、燃料又は潤滑油として流体を供給され得る少なくとも1つのコンシューマと、流体タンクと、回路において流体タンクとコンシューマとの間に配置された濾過デバイスとを備えたフィルタ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料又は潤滑油のための濾過デバイスが、車両のためのエンジン及び多くの機械において使用される。対応する濾過デバイスの使用可能期間を向上させるために、逆流させられ得る自動フィルタとして設計された少なくとも1つのユニットを備えた濾過デバイスを提供することが知られている。フィルタユニットのフィルタ表面はこのとき、逆流要素による逆流により部分的に洗浄され得る一方で、フィルタユニットの、逆流を受けないフィルタ表面は濾過プロセスのために利用可能であり、その結果、コンシューマには燃料又は潤滑油が永続的に供給される。
【0003】
いくつかのフィルタユニットを直列に又は並列に接続することも知られており、1つのユニットが主フィルタを形成し別のユニットが補助フィルタを形成する。さらに、燃料又は潤滑油としてフィルタプロセスにより処理された逆流流体の一部を引き続き利用可能とするために逆流中に生じる逆流流体を処理することが知られている。例えば、処理が遠心分離機を逆流流体のための出口に接続することが知られており、その遠心分離機において固体のみが残される。
【0004】
特に車両において、利用可能な設置スペースは限られている。これは、陸用車両又は農業用機械に当てはまるだけでなく、特に船舶にも当てはまり、船舶においてはまた、一方では、濾過された汚物粒子はそれらが処分され得る港に着くまで船に保管されなければならず、他方では、さらなる潤滑油又は燃料の供給は次の港においてのみカバーされ得るという事実が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単純な構造を有するとともに生じる流体損失が少量である流体の良好な洗浄を確実にする濾過デバイスを作り出すことが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解決するために、本発明では、補助フィルタユニットが主フィルタユニットのフィルタハウジングに配置されるとともに、好ましくは間隔をおいて補助フィルタユニットのフィルタ表面を洗浄するために、好ましくは間隔をおいて動作可能である又は動作させられる逆流デバイスが設けられること、及び逆流デバイスは補助フィルタユニットのフィルタ表面の逆流の間に蓄積する汚物流体を処理するために下流に接続された処理ユニットを有することが提案される。本発明による解決策は、したがって、主フィルタユニットのハウジングに一体化された複数の、少なくとも二重の逆流油処理、すなわち一方では再び逆流させられ得る補助フィルタユニットを備え、さらに補助フィルタユニットの下流に接続されたさらなる処理ユニットを備えた逆流油処理を提供する。ここで、汚物粒子は(少なくとも)2つの段階で濃縮される。
【0007】
本発明によるフィルタデバイスの特に好ましい設計において、処理ユニットは、主フィルタユニット及び補助フィルタユニットと一緒にフィルタハウジングに配置される。したがって、3つのユニットは全て同じハウジングに位置し、これは、最適なコンパクトな構造、及びそれにより、流体のための極めて短い、したがって損失の少ない流路を備えたハウジングの最小限のサイズを同時に可能にする。
【0008】
有利な設計によると、主フィルタユニットのための逆流要素は、補助フィルタユニットの入口に開口するフィルタハウジング内のフラッシング流体ラインに接続される。
【0009】
さらに好ましくは、補助フィルタユニットの逆流デバイスは、間隔をおいて回転させられ得る逆流部材を有することができ、逆流部材は、処理ユニットの入口に開口するフィルタハウジングにおける流体ラインに好ましくは接続される。既に言及されたとおり、これは、流体のための極めて短い流路を可能にする。補助フィルタユニットの間隔をおいた動作は、とりわけ、補助フィルタユニットのための十分な入力圧力が利用可能であることを確実にし、これは、主フィルタユニットが永続的フラッシャーとして設計されたときに特に有利なやり方で確実にされる。
【0010】
数多くの可能な用途について、フィルタハウジングが、接続フランジであって、それにより濾過デバイスが、船用エンジン、陸用車両、機械又はタンクのエンジンなどコンシューマに直接追加部品として接続され得る接続フランジを有する場合、特に有利である。フランジは、濾過されることになる流体のための入口接続を形成し得るが、これは好ましくはまた、濾液出口も形成し得る。同時に、濾過デバイス全体が水平に有利には整列させられることを確実にするフランジを介して確実にされ得る。
【0011】
処理ユニットは、この場合も、好ましくは特に単純なやり方で構築されるとともに、特に好ましくは、交換可能な単一のフィルタインサート又はこのために逆流され得ないフィルタインサートを備えた二重フィルタを有することができ、代替的に、又は好ましくは追加的に、処理ユニットは、沈殿空間であって、閉鎖されたベースと、ベースより上に配置されるとともに内側から外側に流れることが可能なフィルタ表面とを備えた沈殿空間を有し得る又は形成し得る。有利には、沈殿を介した高濃度汚物流体の濾過が、このようにして処理ユニットによりもたらされる。このために、処理ユニットが、上からの沈殿空間への流入を可能にし、沈殿空間を形成するフィルタインサートが交換可能である場合特に有利である。同様に沈殿チャンバとしての処理ユニットの機能性は、これの上流に接続された補助フィルタユニットが間隔をおいてのみ動作させられる場合に特に有効であり、それは、これが、後続の流動流体無しの沈殿が処理されるためのより長い期間を可能にするからである。
【0012】
ハウジング内の個々のフィルタユニットの機能性にかかわらずコンシューマへの流体フローが常に保証されることを確実にするために、主フィルタユニットに、別個のフィルタ要素により固定されたバイパスとしてのオーバーフローバルブが設けられる場合、特に便利である。代替的に又は追加的に、制御デバイスにより切り替えられ得るバルブが補助フィルタユニットと処理ユニットとの間に接続され得、補助フィルタユニットのための逆流デバイスは、バルブが開いているときのみアクティブである。バルブを切り替えることにより、間隔をおいての補助フィルタユニットの機能性が同時にもたらされるとともに制御される。
【0013】
前述の構造を備えた本発明による濾過デバイスは、特に有利には、燃料又は潤滑油として流体を供給され得る少なくとも1つのコンシューマと、流体タンクとを備えたフィルタ回路において使用され得、濾過デバイスはこのとき、流体タンクとコンシューマとの間の回路において配置される。回路の一設計による、同じハウジングにおいて一体化された主フィルタユニット、補助フィルタユニット及び処理ユニットの3つの異なるユニットを備えた濾過デバイスにおいて、主フィルタユニットの後ろの濾液出口、補助フィルタユニットの後ろの清浄流体出口及び/又は処理ユニットの後ろの流体出口は、同じコンシューマ、例えば特にエンジンに接続されることができ、代替的に、洗浄された流体/濾液/清浄流体のための共通の出口が、さらには、ハウジングに提供され得る。この設計において、特に、補助フィルタユニットが、濾材であって、そのフィルタ適合度が少なくとも主フィルタユニットのそれのように良好である濾材を備えたフィルタ表面を有する場合、補助フィルタユニットに蓄積する逆流流体の濾過部分全体がコンシューマに直接供給されることができ、それによりいくらかの資源が節約される。
【0014】
代替的に、主フィルタユニットの後ろの濾液出口は、コンシューマ、例えば特にエンジンに接続可能であるか接続され得る一方で、補助フィルタユニットの後ろの清浄流体出口及び処理ユニットの後ろの流体出口は流体のための貯蔵タンクに接続され、コンシューマは、好ましくはまた、流体のための排出ラインで流体タンクに接続される。この動作モードは、濾過された汚物粒子が回路から永続的に引き出されるため、潤滑油の適合の度合いを永続的に向上させる。
【0015】
基本的に、濾過が3つのユニットを備えた濾過デバイスにおいて行われ得るように、流体タンクにおける流体圧力は十分であり得る。ほとんどの用途において、しかしながら、主ポンプが流体タンクと濾過デバイスとの間に接続される場合、有利である。
【0016】
本発明による濾過デバイスのさらなる利点及び設計、並びにこれを有する回路は、図面に示された有利な例示的実施形態の以下の説明に由来する。図面において以下のことが示されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】流体の多段式濾過のための3つの一体化されたユニットを備えた本発明による濾過デバイスの基本構造を、ダイアグラムにおいて概略的に示す。
図2】本発明による一体化フィルタデバイスを備えた回路の構造を、回路ダイアグラムにより、概略的に示す。
図3】流体タンクと濾過デバイスとの間のポンプと共に、本発明による、一体化された、僅かに修正された濾過デバイスを備えた回路の構造を、回路ダイアグラムにより、概略的に示す。
図4】主フィルタユニットのハウジングに一体化された3つのユニットを備えたハウジングの単純化した断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、高度に単純化されたブロック図により、コンシューマ1、例えば船のエンジンの前でウィング、例えば潤滑油又は燃料を濾過するための、全体として参照符号10により示された、本発明による濾過デバイスの基本構造を示す。特に、濾過デバイスを通って流れる流体が潤滑油である場合、いくつかのコンシューマ、場合によりまた異なるものに、同じ濾過デバイス10が供給され得ることは言うまでもない。濾過デバイス10は、ここでは概略的にのみ示されている、ハウジング11において一体化された3つのユニット、すなわち主フィルタユニット20、補助フィルタユニット30及び処理ユニット40を有する。主フィルタユニット20は、逆流させられ得る自動フィルタとして設計される。流体は、ハウジング11の入口を介して、流体タンク2から主フィルタユニット20に入る。流体の最大部分フローが、主フィルタユニット20で濾過され、次いで、フロー矢印29により示されるとおり、コンシューマ1に濾液として供給される。逆流プロセスを原因として、フロー矢印28により示されるとおり、逆流流体の、主フィルタユニット20において蓄積する部分は、ハウジング11に配置される補助フィルタユニット30に供給される。清浄流体の、補助フィルタユニット30における濾過された又は汚物粒子の無い部分は、フロー矢印39により示されるとおり、流体タンク2に供給される。補助フィルタユニット30もまた、本発明によると逆流され得るため、フロー矢印38により示されるとおり、再び濃縮された汚物液体の一部が同時に生じ、これは、ハウジング11に配置された第3処理ユニット40に再び供給される。処理済み流体の流体フローがまた処理ユニット40で生じるとともに、フロー矢印49により示されるとおり流体タンク2に供給され;さらに、比較的高濃度の汚物粒子の一部が生じ、これは、図示の例示的実施形態において、フロー矢印48により示されるとおり、汚物流体貯蔵タンク50に供給される。しかしながら、これは、概略的なものにすぎず、その理由は、処理ユニットは、好ましくは、交換可能なフィルタインサートであって、その中に全ての汚物粒子が保持され、汚物粒子での充填レベル又は濾材の汚染の度合いに達するとそれが次いで別のフィルタインサートと交換され、全ての汚物粒子がフィルタインサートに残る交換可能なフィルタインサートからなるからである。処理フィルタは、したがって、一般に、汚物流体のための出口を有さず、清浄又は処理済み流体のための出口のみ有する。
【0019】
図2の図は、図1による濾過デバイスの基本構造を回路に変換したものであり;同じ参照符号が、したがって使用され;図2による図において、流体タンク2はコンシューマ1、例えばエンジンのベースに一体化される。供給ライン3が、流体タンク2から、濾過デバイス10のハウジング11の流体入口12内へ至る。流体は次いで、ここでは極めて短い流路で、主フィルタユニット20の入口へ流入するとともに、主フィルタ表面21の濾材の適合度で主フィルタユニット20の主フィルタ表面21で濾過される。流体フローの対応する濾過部分は、ハウジング11の濾液出口13を介して主フィルタユニット20の主フィルタ表面21の後ろでハウジングを出るとともに、濾液供給ライン14を介して濾過流体としてコンシューマに供給され得る。主フィルタユニット20は逆流され得るため、及びこれには、図4を参照して説明されるとおり、主フィルタ表面21の部分表面の永続的な、部分的逆流のための逆流要素が好ましくは設けられるため、逆流流体の流体フローが、好ましくは逆流濾液により、好ましくは永続的に濾過デバイスに対して反対方向に起こる逆流中に主フィルタユニット20で生じ、この流体フローは内部フラッシング流体出口22で主フィルタユニット20を出るとともに内部流体ライン25を介して補助フィルタユニット30に入り;この目的のために、これは参照符号32で示された入口を有する。補助フィルタユニット30の補助フィルタ表面31で、逆流流体の実際の流体フローは再び濾過され、一方では、濾過された清浄流体の流体フローが生じ、これは濾過デバイス10のハウジング11から清浄流体出口15で及びまた別個のライン16を介して出るとともにまた、コンシューマ1に供給される。本発明によると、補助フィルタユニット30がまた逆流され得るとともに、図4を参照して説明されるとおり、このための逆流部材を有するため、汚物含有量がより高濃度な部分フローが再び生じ、これは内部ライン61を介してハウジング11に配置された第3処理ユニット40へ供給される。補助フィルタユニット30は、好ましくは間隔をおいて動作させられ、このために制御可能バルブ60が内部ライン61に配置される。補助フィルタ表面31の好ましくは部分的である逆流は、バルブ60が開いているときのみ起こる。バルブ60の後ろで、ライン61は処理ユニット40の入口内へ開いている。これはまたフィルタ表面41を有するが、図4を参照して説明されるとおり、これは好ましくは単一のフィルタ、特に内側から外側に流され得るフィルタインサートである。処理ユニット40のフィルタ表面41を通過する流体フローは、流体出口18を介して処理済み清浄流体としてハウジング11を出るとともに、また、さらなる別個のライン19を介してコンシューマ1へ供給され得る。フィルタ表面41で濾過して取り除かれた全ての汚物粒子は、処理フィルタ40に残り、これは、このために、既に言及されたとおり、好ましくは完全に交換可能なフィルタインサートが設けられ、新しいフィルタインサートと交換され得る。
【0020】
ハウジング11における3つのユニットが完全に詰まり濾液の十分な流体フローを可能にしない場合、オーバーフローバルブ71とバイパスとしてその下流に接続されたフィルタ要素72とを備えたオーバーフローユニット70が、回路及びコンシューマ1を保護するために割り当てられる。バルブ71は、予め設定された差圧を超えたときに好ましくは開くが、これはまた制御可能であり得る。
【0021】
図3は僅かに修正された回路を示す。先行する例示的実施形態と比較して、機能的に同一である構成要素には100だけ増加した参照符号が付される。コンシューマ101及び流体タンク102は、別個に設計されるとともに、ライン180を介して各々別のものに接続される。コンシューマ及びこの上流に接続された濾過デバイス110のための圧力を上昇させるためのポンプ190が供給ライン103において流体タンク102と濾過デバイス110のハウジング111の入口112との間に配置される。流体はこのとき、第1に、逆流要素が設けられた逆流され得る主フィルタユニット120に流入し、主フィルタ表面121で得られた濾液がコンシューマに供給され、一方で、逆流流体は間隔をおいて動作させられる補助フィルタユニット130に供給され、これは、既に説明されたとおり、同様に、しかしながら本発明の外部制御デバイス195を介してハウジング111に配置されたバルブ160を作動させることにより間隔をおいてのみ、逆流され得る。ここで、補助フィルタユニット130の補助フィルタ表面131で得られた清浄流体は、ライン116を介して流体タンク102に流入する。しかしながら、バルブ160が開くと、補助フィルタ表面131の逆流中に生じた汚物流体が処理ユニット140に入り、汚物粒子は処理ユニット140において保持され、流出流体フローのみがライン119を介して処理済み(清浄)流体として流体タンク102内に流れて戻る。
【0022】
図4は、濾過デバイス210内の個々のユニットの構造及び寸法を示し、2つの先行する例示的実施形態と比較して機能的に同一の構成要素のために、100だけ増加した参照符号がここでも使用される。明らか見られ得るとおり、最大寸法を備えた主フィルタユニット220及び著しくより小さい寸法を備えた補助フィルタユニット230及びこれと同様の寸法を備えた処理ユニットが同じハウジング211内に配置される。ハウジング211は接続部片としてフランジ291を有し、フランジ291を介して、濾過デバイス210全体がエンジンにフランジ付けされ得、それを介して、例えば、濾過デバイス210で得られた濾液がエンジンに供給され得る。主フィルタユニット220は支持本体225を有し、これはここでは円筒形であるとともにスリット形通路又は好適な形の凹部が設けられ、ひだのある濾材226が主フィルタ表面221としてそれを囲み、支持本体225内部には、中心フラッシングライン224の軸を中心として回転させられ得る逆流要素227が配置され、この逆流要素はフラッシングヘッド223で支持本体225の内部を越えて移動するとともにフィルタ表面221をフラッシングヘッド229の領域においてのみ部分的に洗浄する。数多くの折り目を有するひだのある濾材の場合、フィルタ手段の個々の折り目をそれぞれ指向されたやり方で洗浄するために、折り目のうちの1つがそれぞれ支持本体における対応するブレークスルーに割り当てられ得る。ひだのある濾材は、支持本体225の直径に対して拡大されたフィルタ表面を確保する。総フィルタ表面の90%超が、したがって、濾過のために永続的に利用可能であり、同時に、比較的多い逆流フローがフラッシングヘッド223の領域において生じ、このことは対応する自動フィルタの構造について当業者には基本的に知られているとおりであり、これが構造がここでさらには説明されない理由である。逆流要素227の中央逆流ライン224は、図示されていない内部ラインガイドを介して、補助フィルタユニット230の内部内へ開口しており、補助フィルタユニット230は、基本的に主フィルタユニット220と極めて同様の構造を有するが、その寸法が著しくより小さく、対応してより小さい容積及びまた対応してより小さく寸法決めされたフィルタ表面を有する。補助フィルタユニットはまた、支持本体235と、支持本体235の円周上に支持されたひだのある濾材236とを有し、支持本体235には、補助フィルタ表面221のように、凹部が設けられ、支持本体235の内部において濾材236を逆流させるために、中心汚物ライン234を中心として回転させられ得るとともにフラッシングヘッド233を有する逆流要素237が提供される。ここでも、フラッシングヘッド233は濾材236の部分的表面に部分的にのみ作用し、これが、補助フィルタ表面231の大部分が常に濾過のために利用可能である理由である。
【0023】
主フィルタユニット220における逆流流体より濃縮されている、補助フィルタユニット230におけるフラッシングヘッド233及びフラッシングライン234を介して蓄積する汚物流体は、好ましくは上から、この場合も図示されない内部ラインを介して処理ユニット240内へ流れる。これは、処理ユニット240の実際のフィルタ表面241を形成する、ここではひだのある濾材246によりこの場合も囲まれる、凹部が設けられた円筒形支持本体245を備えたフィルタインサートを有する。濾材246は好ましくは、完全に交換され得る交換可能なフィルタインサートが処理ユニット240内にあるように、閉鎖されたベース242より上で円筒形に延在する。上からの流入が単に一時的なものである場合、処理ユニット240はフィルタインサートで沈殿空間を形成することができ、それにより個々の汚物粒子はベース242より上に積層され、一方で、濾材246を通過する流体は濾過流体として実際の回路に再び戻され得る。
【0024】
本発明は、濾過システムの前述の実施形態に限定されるものではない。それぞれの実施形態の個々の特徴はまた、それが図を参照して明確に言及されていない場合であっても、互いと組み合わされ得る。個々の要素は、それらが他の個々の要素との直接的な機能的関係を有しない限り、保護の範囲及び出願の開示の内容から逸脱すること無しに省略され得る。図面に示された逆流要素又は逆流部材は単に例示的な設計である。ハウジング内で逆流され得るフィルタ要素のための他の設計及び動作モードも使用され得る。処理ユニット240はまた、沈殿をより良好に使用するために、補助フィルタユニットより大きい容積を有し得る。全ての3つのユニットにおけるフィルタ表面を形成するためのひだのある濾材の使用は好ましい設計を形成するが、個々の又は全てのユニットはまた他の濾材又はフィルタ表面も有し得る。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】