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特表2024-534765少なくとも1つの流体駆動可能な負荷用の操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】少なくとも1つの流体駆動可能な負荷用の操作装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/02 20060101AFI20240918BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
F15B11/02 Z
F15B11/02 V
E02F9/22 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508302
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2022074443
(87)【国際公開番号】W WO2023036700
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】102021004612.9
(32)【優先日】2021-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524051070
【氏名又は名称】ハイダック モビルハイドラウリク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ-ペーター フート
(72)【発明者】
【氏名】マルク アントン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン グリュン
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベルバンガー
【テーマコード(参考)】
2D003
3H089
【Fターム(参考)】
2D003AA06
2D003AB03
2D003AB04
2D003BA01
2D003BA02
2D003BA07
2D003BB01
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB02
3H089AA20
3H089AA54
3H089BB28
3H089CC01
3H089DC02
3H089FF07
3H089GG02
3H089JJ01
(57)【要約】
それぞれの負荷10の交代する運動を制御するための少なくとも1つの弁制御装置V1と少なくとも1つのばね懸架装置14とからなり、前記ばね懸架装置が前記弁制御装置V1と前記それぞれの負荷10との間に接続されている、油圧アクチュエータなどの、少なくとも1つの流体駆動可能な負荷10のための操作装置が開示されており、前記ばね懸架装置14他の弁制御装置V2を有し、それの弁ピストン20が付属の弁ハウジング内で無段階に走行可能である、ものは、前記他の弁制御装置V2の前記弁ピストン20のばね懸架位置V2.IVにおいて、前記ばね懸架装置14の貯蔵装置16が前記他の弁制御装置V2によって流体路を介して前記それぞれの負荷10と接続されている、ことを特徴としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの負荷(10)の交代する運動を制御するための少なくとも1つの弁制御装置(V1)と少なくとも1つのばね懸架装置(14)とからなり、前記ばね懸架装置が前記弁制御装置(V1)と前記それぞれの負荷(10)との間に接続されている、油圧アクチュエータなどの、少なくとも1つの流体駆動可能な負荷(10)のための操作装置であって、前記ばね懸架装置(14)が他の弁制御装置(V2)を有し、それの弁ピストン(20)が付属の弁ハウジング内で無段階に走行可能である、操作装置において、
前記他の弁制御装置(V2)の前記弁ピストン(20)のばね懸架位置(V2.IV)において、前記ばね懸架装置(14)の貯蔵装置(16)が前記他の弁制御装置(V2)によって流体路を介して前記それぞれの負荷(10)と接続されている、ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
閉ループ制御ユニット(36)が設けられており、かつ前記他の弁制御装置(V2)が次のように、すなわち前記閉ループ制御ユニット(36)によってしかるべく駆動されている場合に、前記弁制御装置を介して前記負荷内のばね懸架圧(pa)と前記貯蔵装置(16)の貯蔵圧(ps)が徐々に相互に補償されて、しかるべく互いに適合されるように、整えられている、ことを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記弁ピストン(20)が圧力補償位置(V2.II)に配置可能であって、前記圧力補償位置(V2.II)において前記弁ピストンが前記貯蔵装置(16)と前記負荷(10)を前記他の弁制御装置(V2)によって他の流体路を介して接続し、前記流体路内に流れ横断面狭窄装置(42)が設けられており、それが徐々に圧力補償を少なくとも部分的に実現する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記他の弁制御装置(V2)の前記弁ピストン(20)のための駆動装置(82)と前記操作装置の状態値を検出するための少なくとも1つのセンサ装置(40)が設けられており、それらが前記閉ループ制御ユニット(36)と接続されている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記負荷(10)のばね懸架圧(pa)を検出する圧力センサ(40、78)かつ/又は前記貯蔵装置(16)の前記貯蔵圧(ps)を検出する他の圧力センサ(40、80)が設けられており、前記圧力センサがそれぞれその圧力測定値を伝送するために前記閉ループ制御ユニット(36)に接続されている、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項6】
前記他の弁制御装置(V2)の前記弁ピストン(20)のための前記駆動装置(82)が、電動操作ドライブとして形成されており、前記操作ドライブがこの弁ピストン(20)の制御側(32)へ作用する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記他の弁制御装置(V2)の前記弁ピストン(20)が、緩衝位置(V2.III)に配置可能であって、その位置において前記貯蔵装置(16)が前記それぞれの負荷(10)と、前記他の弁制御装置(V2)によって少なくとも1つの他の流体路を介して接続されており、前記流体路内にそれぞれ流れ横断面狭窄装置(44)が接続されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項8】
前記他の弁制御装置(V2)の前記弁ピストン(20)が分離位置(V2.I)内に配置可能であって、その位置において前記弁ピストンが前記他の弁制御装置(V2)のすべての接続端を互いに分離する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項9】
前記貯蔵装置(16)の最大の貯蔵圧(Ps)を制限する圧力制限弁(V3)及び/又は前記操作装置の最大の流体圧を制限する他の圧力制限弁(V4)が設けられている、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項10】
前記他の弁制御装置(V2)が、スライダ構造の6/4比例ルート弁として形成されている、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項11】
少なくとも1つの負荷(10)を備えた昇降装置又は軸ばね懸架を有する走行可能な作業機械において、
請求項1~10のいずれか1項に記載の操作装置が設けられており、前記操作装置を用いてそれぞれの負荷(10)が操作可能である、ことを特徴とする走行可能な作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの負荷の交代する運動を制御するための少なくとも1つの弁制御装置と、弁制御装置とそれぞれの負荷との間に接続されている、少なくとも1つのばね懸架装置とからなる、油圧アクチュエータなどの、少なくとも1つの流体駆動可能な負荷のための操作装置に関するものであって、ばね懸架装置が他の弁制御装置を有し、それの弁ピストンが付属の弁ハウジング内で無段階に走行可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(独国特許出願公開第102014000696号明細書)から、油圧駆動可能なアクチュエータ装置の形式の負荷のための装置が知られている。この装置は、制御装置として作業油圧装置を有し、それを介して選択的にアクチュエータ装置の2つの作業室へ油圧液が供給可能である。このような流体路に、ばね懸架装置の一部として装置の弁装置が接続されており、その弁装置が切替え弁と3つの論理部材との他に、比例制御弁の形式の他の制御装置を有している。
【0003】
弁装置を用いてアクチュエータ装置が、ばね懸架装置の他の部分としての貯蔵装置と接続可能であって、貯蔵装置の貯蔵圧がアクチュエータ装置内の作業圧力よりも高い場合には、前もって制御弁を介して貯蔵圧は、作業圧力に達するまで、タンクへ向かって負荷除去される。装置の駆動中に、切替え弁は、貯蔵装置を充填するための流体接続を形成し、もしくは阻止するために用いられる。第1の論理部材は、第2と第3の論理部材を駆動するために制御導管を駆動する目的で、作業圧を貯蔵圧と比較するために用いられる。第2の論理部材は、アクチュエータ装置の一方の作業室と貯蔵装置の間の流体接続を形成もしくは阻止するために、そして第3の論理部材はアクチュエータ装置の他方の作業室とタンクの間の流体接続を形成もしくは阻止するために、用いられる。装置が、貯蔵圧が作業圧に適合されている、ばね-ダンパーモードで作動する場合に、貯蔵装置は流体路を介して第2の論理部材によってアクチュエータ装置と接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014000696号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡単な構造でその駆動安全性が改良されている、少なくとも1つの流体駆動可能な負荷のための操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、全体として特許請求項1の特徴を有する、本発明に係る操作装置が解決する。
【0007】
請求項1の特徴部分によれば、本発明に係る操作装置は、他の弁制御装置の弁ピストンのばね懸架位置において、ばね懸架装置の貯蔵装置が他の弁制御装置によって流体路を介してそれぞれの負荷と接続されていることを、特徴としている。
【0008】
それによって操作装置は、その構造に関して簡単に形成可能である。すなわち独国特許出願公開第102014000696号明細書に記載の従来技術において設けられている論理部材と切替え及び制御弁は、不要になり、もしくは本発明に基づいてばね懸架装置によって代用され、そのばね懸架装置はもっとも簡単な実施形態において1つの弁のみを有している。弁の数が削減され、それに伴って流体導管と流体接続端の数も減少されたにもかかわらず、操作装置は高い駆動安全性を有している。ばね懸架装置内により少ない数の弁を設けることによって、さらに、操作装置の動特性を改良し、かつそれを形成する際のコストを削減する。
【0009】
特に好ましい実施例において、操作装置は貯蔵装置内の貯蔵圧と負荷内の荷重を含むばね懸架圧の流体圧適合のために用いられる。ここでは、負荷は、たとえば流体駆動可能なエンジンとして、あるいは流体駆動可能な作業シリンダなどの、アクチュエータとして形成することができる。
【0010】
他の好ましい実施例において、閉ループ制御ユニットが設けられており、かつ他の弁制御装置が次のように、すなわち閉ループ制御ユニットを用いてしかるべく駆動されている場合に、この弁制御装置を介して負荷内のばね懸架圧と貯蔵装置内の貯蔵圧が相互に徐々に補償され、互いに対して適切に適合されるように、整えられている。このように徐々に圧力補償される場合に、負荷のピストンロッドが緩慢な、かつ管理された走行運動を実施する。飛躍的な運動とは異なり、むしろゆっくりとしたこの運動に基づいて、操作装置のユーザーは、ピストンロッドの運動プロセスへ介入して、それを調節する可能性を有する。さらに負荷のピストンロッドの飛躍的な運動は、ばね懸架を作動させた場合に阻止されており、その飛躍的な運動は、操作装置が走行可能な作業機械の昇降装置ばね懸架システムの作業シリンダの形式の負荷のために使用される場合には、作業機械の走行安定性にマイナスに作用し、結果として昇降装置によって持ち上げられた積み荷の損失と損傷をもたらすことがあり得るものである。
【0011】
好ましくは、弁ピストンは圧力補償位置に配置可能であって、その位置において弁ピストンは貯蔵装置と負荷を流体路を介して接続し、その流体路内に流れ横断面狭窄装置が設けられており、それが緩慢な圧力補償を、少なくとも部分的に実現する。代替的及び/又は補足的に、他の弁制御装置を次のように、すなわちその弁ピストンが、特に分離位置から出て、圧力補償位置へ移動する場合に、流体路を少なくとも部分的に徐々に大きく形成するように、整えることができ、同時に負荷内のばね懸架圧と貯蔵装置の貯蔵圧が相互に補償され、それに応じてだんだんと増すように互いに適合する。このような流体接続を形成することによって、貯蔵装置が接続される。負荷と貯蔵装置内を異なる圧力が支配する場合に、この流体接続の形成後に、負荷のピストンロッドの移動がもたらされる。特に流体路をだんだんと増すように形成することに基づいて、負荷のピストンロッドの移動は管理されて、徐々に行われる。特に他の弁制御装置の弁ピストンの特に比例制御溝が、アクチュエータのピストンロッドが緩慢な走行移動を保証する。
【0012】
好ましくは、他の弁制御装置の弁ピストンがばね懸架位置及び/又は緩衝位置に配置されている場合に、アクチュエータのロッド側の作業室は、場合によっては他の弁制御装置によって流体路を介してタンク接続端へ向けて負荷を除去することができる。
【0013】
他の好ましい実施例において、他の弁制御装置の弁ピストン用の駆動装置及び操作装置の状態値を検出するための少なくとも1つのセンサ装置が設けられており、それらは閉ループ制御ユニットと接続されている。特に好ましくは、負荷と他の弁制御装置との間及び/又は他の弁制御装置と貯蔵装置との間の流体接続内で、それぞれ圧力センサが流体圧を検出し、その圧力センサはその圧力測定値を伝送するために閉ループ制御ユニットに接続されている。それによって閉ループ制御ユニットによって永続的に圧力差を求めることができ、それに基づいて他の弁制御装置の弁ピストンが、特に貯蔵装置と負荷との間の圧力適合のために、駆動可能である。
【0014】
他の好ましい実施例において、他の弁制御装置の弁ピストンのための駆動装置は、電動の操作ドライブとして形成されており、それが、この弁ピストンの制御側へ作用する。それによって、特に他の弁制御装置の、ばね懸架装置を駆動するために、電気的な制御導線のみを設ければ済む。
【0015】
他の好ましい実施例において、使用される流体は、油圧液、特に油圧オイルであるので、操作装置のすべての流体コンポーネントは、油圧コンポーネントである。
【0016】
さらに本発明の対象は、少なくとも1つの負荷を備えた昇降装置又は軸ばね懸架及び、それぞれの負荷を操作可能な、上述した操作装置を有する、たとえば建設機械、ホィールローダー又は移動式掘削機などの、走行可能な作業機械である。
【0017】
以下、図面を用いて本発明に係る操作装置を詳細に説明し、その操作装置は唯一の図によって原理的かつ縮尺にとらわれない表示で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る操作装置を、原理的かつ縮尺にとらわれない表示で示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
操作装置は、アクチュエータ10の交代する運動を制御するための弁制御装置V1とばね懸架装置14とを有し、そのばね懸架装置が弁制御装置V1とアクチュエータ10の間に接続されている。ばね懸架装置14は、貯蔵装置16と他の弁制御装置V2とを有しており、それの弁ピストン20がその弁ハウジング内で無段階に走行可能である。他の弁制御装置V2の弁ピストン20は、ばね懸架位置V2.IV内に配置可能であって、その中でこの弁ピストンが貯蔵装置16を他の弁制御装置V2によって流体路を介してアクチュエータ10と接続する。
【0020】
操作装置は、後続の、特に貯蔵装置16の貯蔵圧psによるアクチュエータ10のピストンロッドユニット22の、特に緩衝された、ばね懸架のために、貯蔵装置16の貯蔵圧psとアクチュエータ10内の荷重を含むばね圧paを、流体圧適合させるために用いられる。
【0021】
操作装置は、圧力供給接続端Pを有し、それが流体導管を介してアクチュエータ10のピストン側の作業室28に接続されている。アクチュエータ10のロッド側の作業室30は、他の流体導管を介してタンク接続端Tと接続されている。2つの流体導管内にメイン制御弁として弁制御装置V1が接続されている。それぞれ弁V1の切替え位置に応じて、上述した接続を逆にすることもできる。
【0022】
ばね懸架装置14の他の弁制御装置V2の第1の接続端V2.1とその第2の接続端V2.2は、分岐点と流体を案内するように接続されており、その分岐点が流体導管を介して、弁制御装置V1とアクチュエータ10のピストン側の作業室28との間の流体導管に接続されている。他の弁制御装置V2の第3の接続端V2.3は、他の流体導管を介して、弁制御装置V1とアクチュエータ10のロッド側の作業室の間の流体導管に接続されている。他の弁制御装置V2の第4の接続端V2.4とその第5の弁接続端V2.5は、分岐点と流体を案内するように接続されており、その分岐点が流体導管を介して貯蔵装置16の流体側に接続されている。他の弁制御装置V2の第6の接続端V2.6は、タンク導管58に接続されている。
【0023】
他の弁制御装置V2は、比例弁として形成されている。他の弁制御装置V2の弁ピストン20の終端位置V2.IVは、そのばね懸架位置V2.IVに相当する。ばね懸架位置V2.IVにおいて、弁ピストン20は第1の接続端V2.1を第4の接続端V2.4と、第2の接続端V2.2を第5の接続端V2.5と、そして第3の接続端V2.3を第6の接続端V2.6と、それぞれ流体路を介して接続し、その流体路は好ましくはそれぞれ流れ横断面狭窄装置を有していない。弁ピストン20を駆動するために、その一方の制御側32に、圧縮ばね34の力に抗して駆動装置82によって、ばね懸架位置V2.IVの形式の終端位置V2.IVの方向に力が供給可能である。
【0024】
分岐点における流体圧paを検出するために圧力センサ40、78が設けられており、その分岐点は第2の弁制御装置V2の第1の接続端V2.1及び第2の弁接続端V2.2と接続されている。他の圧力センサ40、80が、他の弁制御装置V2の第4と第5の接続端V2.5と接続されている分岐点と貯蔵装置16との間の流体導管内の流体圧psを検出するために、設けられている。それぞれの圧力センサ40、78、80は、その測定値を伝送するために操作装置の閉ループ制御ユニット36に接続されている。
【0025】
圧力センサ40、78、80の測定値を用いて、閉ループ制御ユニット36によって永続的に圧力差が求められ、それに基づいて他の弁制御装置V2の弁ピストン20が閉ループ制御ユニット36によって、特に貯蔵装置16の貯蔵圧psとアクチュエータ10のピストン側の作業室28内のばね圧paを圧力適合させるために、駆動される。
【0026】
駆動装置82は、電動の操作ドライブ82として形成されており、その電気モータ84が閉ループ制御ユニット36によって電気的な導線を介して駆動可能であり、かつその操作ドライブは操作力を用いて他の弁制御装置V2の弁ピストン20の制御側32へ作用する。
【0027】
他の弁制御装置V2の弁ピストン20が圧力補償位置V2.II内に配置可能であって、その位置において第2の接続端V2.2と第5の接続端V2.5は、流体路を介して互いに接続されており、その流体路内に絞り42又は阻流部材42の形式の流れ横断面狭窄装置42が接続されている。この流れ横断面狭窄装置42は、圧力補償位置V2.II内で他の弁制御装置V2の第2の接続端V2.2と第5の接続端V2.5の間の流体流を絞るために用いられ、それによって貯蔵装置16とアクチュエータ10の間で徐々に圧力補償が実現される。他の弁制御装置V2の他のすべての接続端は、弁ピストン20の圧力補償位置V2.IIにおいて互いに分離されている。
【0028】
他の弁制御装置V2の弁ピストン20は、ばね懸架位置V2.IVと圧力補償位置V2.IIの間に緩衝位置V2.IIIを有している。緩衝位置V2.IIIにおいて、他の弁制御装置V2の第1の接続端V2.1がその第4の接続端V2.IVと、その第2の接続端V2.2がその第5の接続端V2.5と、そしてその第3の接続端V2.3がその第6の接続端V2.6とそれぞれ流体路を介して接続されており、その流体路内にそれぞれ絞り44又は阻流部材44の形式の流れ横断面狭窄装置44が接続されている。この流れ横断面狭窄装置44は、緩衝位置V2.IIIにおいてそれぞれ、それぞれの流体路を通る流体流を絞るために用いられ、それによって緩衝されたばね懸架が実現可能である。
【0029】
他の弁制御装置V2の弁ピストン20は、操作されないとそれの他の終端位置V2.Iに配置されている。他の終端位置V2.Iは、弁ピストン20の分離位置V2.Iに相当し、その位置において弁ピストンは他の弁制御装置V2のすべての接続端を互いに分離する。
【0030】
他の弁制御装置V2の第4の接続端V2.4及び第5の接続端V2.5と接続されている分岐点と貯蔵装置16との間の流体導管に、最大の貯蔵圧Psを制限するための圧力制限弁V3の流入接続端V3.1が接続されており、その流出接続端V3.2はタンク導管58内へ連通している。好ましくは貯蔵圧は、最大で280バールに制限されている。圧力制限弁V3の制御側へ制御流体圧が作用し、その制御流体圧はその流入接続端V3.1において取り出され、制御導管を介してこの制御側へ案内されている。制御流体圧を用いて、圧力制限弁V3の弁ピストンが、調節可能な圧縮ばねの力に抗して操作可能である。他の弁制御装置V2の第1の接続端V2.1と第2の接続端V2.2と接続されている分岐点及び他の弁制御装置V2の第3の接続端V2.3に接続されている流体導管に、最大のシステム圧、特に操作装置の流体圧を制限するための他の圧力制限弁V4の流入接続端V4.1が接続されており、その流出接続端V4.2はタンク導管58内へ連通している。好ましくはシステム圧は、最大420バールに制限されている。この他の圧力制限弁V4は、圧力制限弁V3と同様に形成されている。弁V4に対して並列接続で、図に示される一番下の接続導管内へ、たとえばばね付勢される逆止め弁の形式の、追加吸込み弁(図示せず)を接続することができる。
【0031】
圧力制限弁V3に対して並列に、遮断弁V5が配置されている。この遮断弁V5の一方の接続端V5.1が流体導管に接続されており、その流体導管が、貯蔵装置16に接続されている流体導管を圧力制限弁V3と接続している。遮断弁V5の他の接続端V5.2がタンク導管58に接続されている。遮断弁V5は、操作装置の駆動中はその阻止位置に配置されており、かつ、たとえば保守作業のために、貯蔵装置16から貯蔵圧psを排出するためにその開放位置へ移動させることができる。他の弁制御装置V2の第1の接続端V2.1及び第2の接続端V2.2と接続されている分岐点と他の圧力制限弁V4の間の流体導管内へ逆止め弁V6が接続されている。他の弁制御装置V2の第3の接続端V2.3に接続された流体導管を他の圧力制限弁V4と接続する流体導管内へ、他の逆止め弁V6が接続されている。2つの逆止め弁は、それぞれ圧縮ばねの力に抗して他の圧力制限弁V4の方向に開放する。
【0032】
弁制御装置V1の第1の接続端V1.1は圧力供給接続端Pと、そして第2の接続端V1.2はタンク接続端Tと流体を案内するように接続されている。弁制御装置V1の第3の接続端V1.3は、他の流体導管を介してアクチュエータ10のピストン側の作業室28と、そして第4の接続端V1.4は、他の流体導管を介してアクチュエータ10のロッド側の作業室30と接続されている。弁制御装置V1は、4/3比例ルート弁V1として形成されている。弁制御装置V1の弁ピストン50は、それぞれ図に示す操作されない第1の位置V1.Iから出て磁気操作装置56を用いて圧縮ばね52の力に抗してその第2の位置V1.IIへ移動可能であり、かつ他の磁気操作装置57を用いて他の圧縮ばね54の力に抗してその第3の位置V1.IIIへ移動可能である。磁気操作の代わりに、他の操作種類を選択することもできる。
【0033】
第2の位置V1.IIと第3の位置V1.IIIは、弁ピストン50の2つの終端位置V1.II、V1.IIIに相当する。第1の位置V1.Iにおいて、操作されない弁ピストン50は2つの圧縮ばね52、54によって保持され、かつ弁制御装置V1の第2の接続端V1.2と第3の接続端V1.3及び第4の接続端V31.4を互いに接続し、それに対してその第1の接続端V1.1は他のすべての接続端から分離されている。第2の位置V1.IIに配置されて、弁制御装置V1の弁ピストン50はその第1の接続端V1.1とその第4の接続端V1.4を互いに、かつその第3の接続端V1.3と第2の接続端V1.2を互いに接続する。第3の位置V1.IIIに配置されて、弁制御装置V1の弁ピストン50は、その第1の接続端V1.1とその第3の接続端V1.3を互いに、そしてその第4の接続端V1.4とその第2の接続端V31.2を互いに接続する。
【0034】
弁制御装置V1と他の弁制御装置V2は、互いに独立して、特に閉ループ制御ユニット36によって、駆動可能であり、かつその弁ピストン20、50は、同様に互いに独立して走行可能である。
【0035】
アクチュエータ10は、作業シリンダ10として形成されている。操作装置は、図には示されていない、作業シリンダ10を備えた昇降装置又は軸ばね懸架を有する、走行可能な作業機械、特にたとえばホィールローダー又は移動式掘削機などの、建設機械の一部である。操作装置と昇降装置を有する昇降装置ばね懸架システムは、作業機械の快適性と走行安全性を向上させるために用いられる。昇降装置の代わりに、軸ばね懸架も考えられる。
【0036】
閉ループ制御ユニット36にはソフトウェアが実装されており、それを用いて、好ましくは圧力センサ40、78、80の測定値にしたがって、操作装置、特に弁制御装置V1、V2の駆動装置82、56、57を、操作装置が以下の機能を実施するように、駆動することができる:
-他の弁操作装置V2の弁ピストン20をばね懸架位置V2.IVに配置することによる、アクチュエータ10のピストンロッドユニット22の自由な、したがって流れ狭窄装置のない、ばね懸架;かつ/又は
-他の弁制御装置V2の弁ピストン20を緩衝位置V2.IIIに配置することによる、アクチュエータ10のピストンロッドユニット22の緩衝されたばね懸架;かつ/又は
-他の弁制御装置V2の弁ピストン20を圧力補償位置V2.IIに配置することによって、場合によっては作業機械の昇降装置の上昇又は下降プロセスの間に、貯蔵装置16の貯蔵圧psとアクチュエータ10のピストン側の作業室28内の荷重を有するばね懸架圧paの圧力補償;及び/又は
-特に他の弁制御装置V2の弁ピストン20が分離位置V2.Iに配置されている場合に、圧力センサ40、78、80の測定値にしたがって、貯蔵装置16内の最低貯蔵圧(ps)を維持、これは、システムの反応性がこれに依存しているので、下回ってはならな;かつ/又は
-他の弁制御装置V2の弁ピストン20を分離位置V2.Iに配置することによって、場合によっては昇降装置が作業モードにある場合に、ばね懸架の非作動と圧力補償なし;かつ/又は
-特に他の弁制御装置V2の弁ピストン20が圧力補償位置V2.II、緩衝位置V2.III又はばね懸架位置V2.IVに配置されている場合に、貯蔵装置16内の最大貯蔵圧(ps)を監視。
【0037】
このソフトウェア解決の利点は、これが既存のシステムに後付けできることである。
【図
【国際調査報告】