(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】充電プロトコル検査装置およびその動作方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/44 20060101AFI20240918BHJP
G01R 31/389 20190101ALI20240918BHJP
G01R 31/382 20190101ALI20240918BHJP
G01R 31/385 20190101ALI20240918BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240918BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H01M10/44 A
G01R31/389
G01R31/382
G01R31/385
H02J7/00 Q
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508730
(86)(22)【出願日】2022-09-30
(85)【翻訳文提出日】2024-02-20
(86)【国際出願番号】 KR2022014850
(87)【国際公開番号】W WO2023106583
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0176328
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、イェオ キュン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジェオン イン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ジュン
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA01
2G216BA41
2G216BA51
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503EA09
5H030AA01
5H030BB01
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置は、電池セルの充電プロトコルに関する情報、前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および前記電池セルの基準内部抵抗値を取得する情報取得部と、前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較する比較部と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの充電プロトコルに関する情報、前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および前記電池セルの基準内部抵抗値を取得する情報取得部と、
前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出する抵抗算出部と、
前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較する比較部と、
を含む、充電プロトコル検査装置。
【請求項2】
前記電池セルの充電プロトコルに関する情報は、
前記電池セルを前記充電プロトコル別に充電する場合に前記電池セルのSOCに応じた電圧値を含む、請求項1に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項3】
前記抵抗算出部は、
前記電池セルのSOCに応じた電圧値と前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である前記電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出し、
前記算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を前記電池セルに流れる電流で割って前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出する、請求項2に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項4】
前記抵抗算出部は、
前記電池セルの充電時の内部抵抗値を前記充電プロトコル別に算出する、請求項1に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項5】
前記比較部は、
前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とをSOC別に比較する、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項6】
前記比較部は、
前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを充電プロトコル別に比較する、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項7】
前記充電プロトコル別の比較結果に基づいて前記電池セルの基準充電プロトコルとの類似度を判断する判断部をさらに含む、請求項6に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項8】
前記比較部は、
前記SOCの特定の区間で、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較する、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項9】
前記充電プロトコルは、
前記電池セルを充電するのに要される時間に応じて、前記電池セルをステップに従って充電する電流に関する情報に設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項10】
前記充電プロトコルは、
急速充電のためのプロトコルに設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項11】
前記充電プロトコルは、
急速充電する時間別に設定される、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電プロトコル検査装置。
【請求項12】
電池セルの充電プロトコルに関する情報、前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および前記電池セルの基準内部抵抗値を取得するステップと、
前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップと、
前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較するステップと、
を含む、充電プロトコル検査装置の動作方法。
【請求項13】
前記電池セルの充電プロトコルに関する情報は、
前記電池セルを前記充電プロトコル別に充電する場合に前記電池セルのSOCに応じた電圧値を含む、請求項12に記載の充電プロトコル検査装置の動作方法。
【請求項14】
前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップは、
前記電池セルのSOCに応じた電圧値と前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である前記電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出するステップと、
前記算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を前記電池セルに流れる電流で割って前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップと、を含む、請求項12または13に記載の充電プロトコル検査装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2021年12月10日付けの韓国特許出願第10-2021-0176328号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本文書に開示された実施形態は、充電プロトコル検査装置およびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二次電池に対する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電が可能な電池であり、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと、最近のリチウムイオン電池とをいずれも含む意味である。二次電池の中でも、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度が遥かに高いという長所がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量に作製することができるため、移動機器の電源として用いられており、近年、電気自動車の電源にまでその使用範囲が拡張され、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目を浴びている。
【0003】
近年、電池の場合、急速充電機能を備えている。急速充電は、充電プロトコルの設定方式に応じて電池の急速充電寿命とも関連があり得る。したがって、充電プロトコルを設定するための方法が必要であるが、モノセルタイプの三電極を作製して充電深度を確認し、確認されたモノセルタイプの充電深度に基づいてラージセルの充電プロトコルを導出する方法が存在する。ただし、モノセルからラージセルに変換する過程で、ラージセルの抵抗や急速充電時の発熱などの考慮することができない要因が多いという問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書に開示された実施形態の一目的は、電池セルの内部抵抗値を算出し、算出された内部抵抗値に基づいて充電プロトコルの適合度を判断することができる充電プロトコル検査装置およびその動作方法を提供することにある。
【0005】
本文書に開示された実施形態の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明らかに理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置は、電池セルの充電プロトコルに関する情報、前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および前記電池セルの基準内部抵抗値を取得する情報取得部と、前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出する抵抗算出部と、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較する比較部と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態において、前記電池セルの充電プロトコルに関する情報は、前記電池セルを前記充電プロトコル別に充電する場合に前記電池セルのSOCに応じた電圧値を含むことができる。
【0008】
一実施形態において、前記抵抗算出部は、前記電池セルのSOCに応じた電圧値と前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である前記電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出し、前記算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を前記電池セルに流れる電流で割って前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出することができる。
【0009】
一実施形態において、前記抵抗算出部は、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を前記充電プロトコル別に算出することができる。
一実施形態において、前記比較部は、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とをSOC別に比較することができる。
【0010】
一実施形態において、前記比較部は、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを充電プロトコル別に比較することができる。
一実施形態において、前記充電プロトコル別の比較結果に基づいて前記電池セルの基準充電プロトコルとの類似度を判断する判断部をさらに含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記比較部は、前記SOCの特定の区間で、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。
【0012】
一実施形態において、前記充電プロトコルは、前記電池を充電するのに要される時間に応じて、前記電池をステップ(step)に従って充電する電流に関する情報に設定されることができる。
【0013】
一実施形態において、前記充電プロトコルは、急速充電のためのプロトコルに設定されることができる。
一実施形態において、前記充電プロトコルは、急速充電する時間別に設定されることができる。
【0014】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法は、電池セルの充電プロトコルに関する情報、前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および前記電池セルの基準内部抵抗値を取得するステップと、前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップと、前記電池セルの基準内部抵抗値と前記電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較するステップと、を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記電池セルの充電プロトコルに関する情報は、前記電池セルを前記充電プロトコル別に充電する場合に前記電池セルのSOCに応じた電圧値を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、前記充電プロトコルに関する情報および前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップは、前記電池セルのSOCに応じた電圧値と前記電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である前記電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出するステップと、前記算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を前記電池セルに流れる電流で割って前記電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置およびその動作方法は、それぞれの充電プロトコルに対して電池セルの内部抵抗値を算出することができ、算出された内部抵抗値に基づいて充電プロトコルが好適であるか否かを判断することができる。
【0018】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置およびその動作方法は、内部抵抗値の変化が負極に起因したものと分析されるので、充電プロトコルのガイドとして使用することができるため、内部抵抗値に基づいて充電プロトコルの適合度を判断することができる。
【0019】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置およびその動作方法は、モノセルタイプの三電極を作製せず、ラージセル自体的に充電プロトコルに関する適合度を判断することができる。
この他に、本文書により、直接的または間接的に把握される多様な効果が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置を示すブロック図である。
【
図2】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコルの例示を示す図である。
【
図3】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル別の内部抵抗値の変化を示す図である。
【
図4】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を示すフローチャートである。
【
図5】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を具体的に示すフローチャートである。
【
図6】本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を行うためのコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本文書に開示された実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにおいて、同一の構成要素に対しては他の図面上に表示される際にも可能な限り同一の符号を付するようにしていることに留意しなければならない。また、本文書に開示された実施形態を説明するにおいて、関連した公知の構成または機能に関する具体的な説明が本文書に開示された実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0022】
本文書に開示された実施形態の構成要素を説明するにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いてもよい。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されることはない。また、他に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0023】
図1は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置を示すブロック図である。
図1を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置100は、情報取得部110、抵抗算出部120、および比較部130を含むことができる。一実施形態において、充電プロトコル検査装置100は、判断部140をさらに含むことができる。
【0024】
一実施形態において、充電プロトコルは、電池を充電するのに要される時間に応じて、電池をステップに従って充電する電流に関する情報に設定されることができる。例えば、充電プロトコルは、急速充電のためのプロトコルに設定されることができる。他の例を挙げると、充電プロトコルは、急速充電する時間別に設定されることができる。実施形態により、急速充電する時間は21分または30分などに設定されることができ、これに限定されない。
【0025】
情報取得部110は、電池セルの充電プロトコルに関する情報を取得することができる。例えば、電池セルの充電プロトコルに関する情報は、電池セルを充電プロトコル別に充電する場合に電池セルのSOCに応じた電圧値を含むことができる。
【0026】
情報取得部110は、電池セルのSOCに応じた開回路電圧(Open Circuit Voltage)値を取得することができる。例えば、情報取得部110は、SOCごとにOCV値を取得することができる。
【0027】
情報取得部110は、電池セルの基準内部抵抗値を取得することができる。例えば、情報取得部110は、電池セルが基準C-rateで充電される場合の内部抵抗値を取得することができる。他の例を挙げると、C-rateは、電池セルがステップ(step)別に充電される電流の程度を意味し得る。また他の例を挙げると、基準C-rateは0.33Cであってもよい。
実施形態により、情報取得部110は、取得した情報を抵抗算出部120または比較部130に伝達することができる。
【0028】
抵抗算出部120は、充電プロトコルに関する情報および電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、電池セルの充電時の内部抵抗値を算出することができる。例えば、抵抗算出部120は、電池セルのSOCに応じた電圧値と電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出することができる。この場合、抵抗算出部120は、過電圧値を電池セルのSOCごとに算出することができる。
【0029】
抵抗算出部120は、算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を電池セルに流れる電流で割って電池セルの充電時の内部抵抗値を算出することができる。例えば、抵抗算出部120は、電池セルの充電時の内部抵抗値を電池セルのSOC別に算出することができる。他の例を挙げると、電池セルに流れる電流は、情報取得部110から取得してもよく、電池セルが含まれる電池パックから取得してもよい。
【0030】
実施形態により、抵抗算出部120は、電池セルの充電時の内部抵抗値を充電プロトコル別に算出することができる。例えば、抵抗算出部120は、それぞれの充電プロトコルに対応して電池セルのSOC別の充電時の内部抵抗値を算出することができる。
【0031】
比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。例えば、比較部130は、情報取得部110から取得した電池セルの基準内部抵抗値と、抵抗算出部120で算出された電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。
【0032】
一実施形態において、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とをSOC別に比較することができる。例えば、比較部130は、SOCの特定の区間で、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。他の例を挙げると、比較部130は、充電プロトコル別に電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値との差を算出することができる。また他の例を挙げると、比較部130は、充電プロトコル別に電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値との差の絶対値を全て合算することができる。さらに他の例を挙げると、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値との差を特定のSOCにおいてサンプリングして比較することができる。
【0033】
一実施形態において、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを充電プロトコル別に比較することができる。例えば、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とをSOC別に比較した結果に基づいて、充電プロトコル別に比較することができる。
【0034】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置100は、判断部140をさらに含むことができる。判断部140は、比較部130で比較された充電プロトコル別の比較結果に基づいて電池セルの基準充電プロトコルとの類似度を判断することができる。例えば、基準充電プロトコルは、電池セルの基準内部抵抗値を決めるためのプロトコルであってもよい。他の例を挙げると、基準充電プロトコルは、電池セルが基準C-rateで充電されるプロトコルであってもよい。他の例を挙げると、C-rateは、電池セルがステップ(step)別に充電される電流の程度を意味し得る。また他の例を挙げると、基準C-rateは0.33Cであってもよい。
【0035】
判断部140は、比較の結果、基準充電プロトコルの内部抵抗値とさらに類似した内部抵抗値を有する充電プロトコルを判断することができる。例えば、判断部140は、充電プロトコル別に基準充電プロトコルの内部抵抗値との類似度を算出することができ、算出された類似度に基づいて、さらに類似した内部抵抗値を有する充電プロトコルを判断することができる。他の例を挙げると、類似度は、基準内部抵抗値と抵抗算出部120で算出された内部抵抗値との差の絶対値の総和に基づいて算出されることができる。また他の例を挙げると、類似度は、基準内部抵抗値と抵抗算出部120で算出された内部抵抗値との差の平均値、平均二乗偏差、または標準偏差に基づいて算出されることができる。実施形態により、判断部140は、類似度が高いものと算出された充電プロトコルが他の充電プロトコルよりも寿命が長いと判断することができる。この場合、寿命は、当該充電プロトコルで電池セルを充電することが可能なサイクルの回数であってもよい。
【0036】
一実施形態において、情報取得部110、抵抗算出部120、比較部130、および判断部140のうち少なくとも一部は、1つのモジュールとして実現されることができる。例えば、MCUにおいて、情報取得部110、抵抗算出部120、比較部130、および判断部140の役割を全て行うことができる。ただし、これに限定されず、情報取得部110、抵抗算出部120、比較部130、および判断部140それぞれは、別個のモジュールとして役割が行われることができる。
【0037】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置は、それぞれの充電プロトコルに対して電池セルの内部抵抗値を算出することができ、算出された内部抵抗値に基づいて充電プロトコルが好適であるか否かを判断することができる。
【0038】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置は、内部抵抗値の変化が負極に起因したものと分析されるので、充電プロトコルのガイドとして使用することができるため、内部抵抗値に基づいて充電プロトコルの適合度を判断することができる。
【0039】
本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置は、モノセルタイプの三電極を作製せず、ラージセル自体的に充電プロトコルに関する適合度を判断することができる。
【0040】
図2は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコルの例示を示す図である。
図2を参照すると、25.4分の充電プロトコル(10)のC-rateが33分の充電プロトコル(20)のC-rateよりも大きいことを確認することができる。電池セルの充電をさらに速くするためには、高いC-rateで充電することが有利であるため、25.4分の充電プロトコル(10)は、33分の充電プロトコル(20)よりも高いC-rateで充電が行われることができる。
【0041】
25.4分の充電プロトコル(10)は、充電深度(Depth of Charging)が30までは3 C-rateで充電を行い、充電深度が35までは2.75 C-rateで充電を行い、充電深度が40までは2.5 C-rateで充電を行うことができる。このように、充電深度に応じてC-rateが異なる理由は、高いC-rateで充電を行う場合に電池セルに含まれたイオンの析出が速く進行することができるため、充電深度が高くなるほど、低いC-rateで充電を行わなければならないためである。
【0042】
25.4分の充電プロトコル(10)および33分の充電プロトコル(20)において、充電深度に応じたC-rateの変化は、ステップ(step)として参照されることができる。すなわち、充電プロトコルは、電池セルを充電するのに要される時間に応じて、電池セルをステップに従って充電する電流に関する情報(例えば、C-rate)に設定されることができる。
【0043】
図3は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル別の内部抵抗値(Internal Resistance)の変化を示す図である。
図3を参照すると、SOCに応じた内部抵抗値の変化を示したグラフであって、0.33 C-rateで充電する場合の内部抵抗値(基準内部抵抗値、30)、25.4分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(40)、および33分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(50)を確認することができる。
【0044】
充電プロトコル検査装置100は、25.4分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(40)および33分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(50)と、基準内部抵抗値(30)との類似度を判断することができる。例えば、充電プロトコル検査装置100は、特定のSOC区間で、25.4分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(40)および33分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(50)と、基準内部抵抗値(30)との類似度を判断することができる。一実施形態において、特定のSOC区間は、SOC 60からSOC 80までの区間であってもよく、充電プロトコル検査装置100は、33分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(50)と基準内部抵抗値(30)との類似度が、25.4分の充電プロトコルで充電する場合の内部抵抗値(40)と基準内部抵抗値(30)との類似度よりも大きいと判断することができる。この場合、充電プロトコル検査装置100は、33分の充電プロトコルで電池を充電することが、25.4分の充電プロトコルで電池を充電することよりも好適であると判断することができ、33分の充電プロトコルで電池を充電する場合の電池のサイクル寿命がさらに高いと判断することができる。
【0045】
図4は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を示すフローチャートである。
図4を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置100の動作方法は、電池セルの充電プロトコルに関する情報、電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および電池セルの基準内部抵抗値を取得するステップ(S110)と、充電プロトコルに関する情報および電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップ(S120)と、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較するステップ(S130)と、を含むことができる。
【0046】
電池セルの充電プロトコルに関する情報、電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および電池セルの基準内部抵抗値を取得するステップ(S110)において、情報取得部110は、電池セルの充電プロトコルに関する情報、電池セルのSOCに応じた開回路電圧(OCV)値、および電池セルの基準内部抵抗値を取得することができる。例えば、電池セルの充電プロトコルに関する情報は、電池セルを充電プロトコル別に充電する場合に電池セルのSOCに応じた電圧値を含むことができる。他の例を挙げると、情報取得部110は、電池セルのSOCごとにOCV値を取得することができる。また他の例を挙げると、電池セルの基準内部抵抗値は、電池セルが基準C-rateで充電される場合の内部抵抗値であってもよい。実施形態により、C-rateは、電池セルがステップ(step)別に充電される電流の程度を意味し得る。例えば、基準C-rateは0.33Cであってもよい。
【0047】
充電プロトコルに関する情報および電池セルのSOCに応じた開回路電圧値に基づいて、電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップ(S120)において、抵抗算出部120は、充電プロトコルに関する情報および電池セルのSOCに応じた開回路電圧値(OCV)に基づいて、電池セルの充電時の内部抵抗値を算出することができる。例えば、抵抗算出部120は、電池セルの充電時の内部抵抗値を電池セルのSOC別に算出することができる。
【0048】
電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較するステップ(S130)において、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と、抵抗算出部120で算出された電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。例えば、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを電池セルのSOC別に比較することができる。他の例を挙げると、比較部130は、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを充電プロトコル別に比較することができる。また他の例を挙げると、比較部130は、特定のSOC区間で、電池セルの基準内部抵抗値と電池セルの充電時の内部抵抗値とを比較することができる。
【0049】
図5は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を具体的に示すフローチャートである。
図5を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置100の動作方法は、電池セルのSOCに応じた電圧値と電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出するステップ(S210)と、算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を電池セルに流れる電流で割って電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップ(S220)と、を含むことができる。一実施形態において、S210ステップおよびS220ステップは、
図4のS120ステップに含まれることができる。
【0050】
電池セルのSOCに応じた電圧値と電池セルのSOCに応じた開回路電圧値との差である電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出するステップ(S210)において、抵抗算出部120は、電池セルのSOCに応じた電圧値と電池セルのSOCに応じた開回路電圧値(Open Circuit Voltage)との差である電池セルのSOCに応じた過電圧値を算出することができる。
【0051】
算出された電池セルのSOCに応じた過電圧値を電池セルに流れる電流で割って電池セルの充電時の内部抵抗値を算出するステップ(S220)において、抵抗算出部120は、電池セルのSOCに応じた過電圧値を電池セルに流れる電流で割って電池セルの充電時の内部抵抗値を算出することができる。例えば、電池セルに流れる電流は、電池セルを当該充電プロトコルで充電する場合にSOCに応じて電池セルに流れる電流であってもよい。
【0052】
図6は、本文書に開示された一実施形態に係る充電プロトコル検査装置の動作方法を行うためのコンピューティングシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0053】
図6を参照すると、本文書に開示された一実施形態に係るコンピューティングシステム1000は、MCU1010、メモリ1020、入出力I/F1030、および通信I/F1040を含むことができる。
【0054】
MCU1010は、メモリ1020に格納されている各種プログラム(例えば、電池パックの電圧または電流収集プログラム、電池パックに含まれたリレーの制御プログラム、内部抵抗の算出プログラムなど)を実行させ、このようなプログラムを介して電池の内部抵抗、および電池の内部抵抗と基準内部抵抗との比較情報を含む各種情報を処理し、前述した
図1に示した充電プロトコル検査装置の機能を行うようにするプロセッサであってもよい。
【0055】
メモリ1020は、電池のログ情報の収集および診断に関する各種プログラムを格納することができる。また、メモリ1020は、電池の電流、電圧、内部抵抗値、OCV値、充電プロトコル情報などの各種情報を格納することができる。
【0056】
このようなメモリ1020は、必要に応じて複数備えられてもよい。メモリ1020は、揮発性メモリであってもよく、不揮発性メモリであってもよい。揮発性メモリとしてのメモリ1020は、RAM、DRAM、SRAMなどが用いられることができる。不揮発性メモリとしてのメモリ1020は、ROM、PROM、EAROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどが用いられることができる。上記で列挙したメモリ1020の例は単なる例示にすぎず、これらの例に限定されるものではない。
【0057】
入出力I/F1030は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力装置(図示せず)と、ディスプレイ(図示せず)などの出力装置と、MCU1010との間を連結してデータを送受信できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0058】
通信I/F1040は、サーバと各種データを送受信できる構成であり、有線または無線通信を支援できる各種装置であってもよい。例えば、電池管理装置は、通信I/F1040を介して、別に備えられた外部サーバから電池パックに含まれたリレーの制御プログラムや各種電池パックの電流、電流、または内部抵抗値のような情報を送受信することができる。
【0059】
このように、本文書に開示された一実施形態に係るコンピュータプログラムは、メモリ1020に記録され、MCU1010により処理されることで、例えば、
図1に示した各機能を行うモジュールとして実現されてもよい。
【0060】
以上の説明は本文書に開示された技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本文書に開示された実施形態が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本文書に開示された実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能である。
【0061】
したがって、本文書に開示された実施形態は本文書に開示された技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本文書に開示された技術思想の範囲が限定されるものではない。本文書に開示された技術思想の保護範囲は後述の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本文書の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】