(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率感知システムとデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
G01V 3/36 20060101AFI20240918BHJP
G01N 27/04 20060101ALI20240918BHJP
E02D 33/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01V3/36
G01N27/04 Z
E02D33/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508814
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2022105441
(87)【国際公開番号】W WO2023016179
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110916736.3
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】王佳馨
(72)【発明者】
【氏名】王幇兵
【テーマコード(参考)】
2G060
2G105
【Fターム(参考)】
2G060AA08
2G060AA14
2G060AF07
2G060EA06
2G060HC15
2G060KA09
2G105AA02
2G105BB03
2G105DD02
2G105EE02
2G105LL03
2G105LL09
(57)【要約】
本発明は、クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率感知システムと
データ収集方法を開示し、先進的なクラウド・エッジ・エンドアーキテクチャ設計に基づ
いて、データ収集作動を分散型エッジノードと感知ノードに沈み込んで実行し、計算タス
クが密集するデータ処理とデータマイニング作動を中央クラウドコンピューティングプラ
ットフォームに展開して行い、データ収集に必要なリアルタイム性と効率性を満たした。
同時に、井戸地連携を採用して立体空間ランダム分散型感知ネットを構築し、道路の両側
に水平ケーブルを埋設し、縦方向ボーリング穴を配置するという有利条件を十分に利用し
て、街路を横断する立体抵抗率感知ネットを柔軟に配置し、単一地表探査の不足を補い、
都市街路の下方のターゲットに対する精密なイメージングを実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率感知システムであって、ク
ラウド・エッジ・エンドアーキテクチャ設計を採用し、中央クラウドコンピューティング
プラットフォームと、前記中央クラウドコンピューティングプラットフォーム分散型ネッ
トワークに接続された複数のエッジサーバと、各エッジサーバ分散型ネットワークに接続
された複数の抵抗率感知ノードとを含み、
前記中央クラウドコンピューティングプラットフォームは、抵抗率感知システム全体を
管理することと、全域データ処理とモデル反転を行うことと、閾値を超えたデータ異常を
警報して報告することとに用いられ、前記の、前記抵抗率感知システム全体を管理するこ
とは、分散型エッジサーバの設定と構成を行い、エッジサーバを介してすべての抵抗率感
知ノードを管理することを含み、前記の、全域データ処理とモデル反転を行うことは、リ
アルタイムデータと履歴データとの比較、マイニングを行い、モデル結果をエッジサーバ
に送信し、初歩的なデータ分析を指導することを含み、
前記エッジサーバは、ドメイン内の複数の抵抗率感知ノードが協調して作動するように
パーティション別に制御するためのエッジノードであり、それは、ドメイン内の給電と電
位測定電極対の選択と収集プロセスを協調して制御することと、データ収集によって得ら
れたドメイン内データを選別、整理し、設計されたフォーマットで記憶するとともに、デ
ータを中央クラウドコンピューティングプラットフォームにアップロードしてバックアッ
プすることと、データ収集が完了した後、リアルタイムデータと履歴データ及び中央クラ
ウドコンピューティングプラットフォームが履歴データに基づいてエッジノードにフィー
ドバックしたこの領域モデル計算結果とを比較分析し、異常の有無を判断することと、異
常変化が存在する場合、異常情報を中央クラウドコンピューティングプラットフォームに
報知することとを含み、
前記抵抗率感知ノードは、エンドノードであり、複数の抵抗率感知ノードは、都市道路
に沿って水平に配置され、及び/又は鉛直井戸穴に配置され、各抵抗率感知ノードは、独
立した抵抗率センサユニットであり、収集ステーションと、収集ステーションに接続され
たマルチチャンネル電極変換スイッチと、多芯高密度電気法ケーブルと、多芯高密度電気
法ケーブルに接続された接地電極とを含み、前記抵抗率感知ノードは、その属するエッジ
ノードの命令要求に応じて、給電又は電位測定タスクをそれぞれ実行し、測定データを対
応するエッジノードにアップロードする、ことを特徴とするクラウド・エッジ・エンド協
調ベースの都市地下空間抵抗率感知システム。
【請求項2】
抵抗率感知ノードが都市道路に沿って水平に配置される場合、前記抵抗率感知ノードに
おけるケーブルは、多芯分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルであり、分割カスケ
ード接続式ケーブルは、カスケード接続式電極変換スイッチを介して1本のケーブル全体
として直列接続され、収集ステーションは、1本のケーブル全体の端部に接続され、
抵抗率感知ノードが鉛直井戸穴に沿って配置される場合、前記抵抗率感知ノードにおけ
るケーブルは、単一集中型高密度電気法井戸内ケーブルであり、このケーブルには複数の
電極接合が等間隔に設置され、各電極接合は、一つの接地電極とし、ケーブルの頂部は、
集中型電極スイッチを介して収集ステーションに接続され、
抵抗率感知ノードが都市道路に沿って水平に配置され、井戸穴と共同して配置される場
合、井戸穴に配置された単一集中型高密度電気法ケーブルは、まず集中型電極変換スイッ
チを介して地面の多芯分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルの一端に接続され、収
集ステーションは、分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルの他端に接続され、且つ
集中型高密度電気法ケーブルには、複数の電極接合が等ピッチに設置されており、各電極
接合は、一つの接地電極とする、ことを特徴とする請求項1に記載のクラウド・エッジ・
エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率感知システム。
【請求項3】
前記収集ステーションは、制御モジュールと、給電モジュールと、電位測定モジュール
と、通信モジュールと、GPSモジュールとを含み、
前記制御モジュールは、属するエッジノードの指示の下で、本収集ステーションの他の
いくつかのモジュールを制御して収集ステーション自体のシステムの運行管理、自己検査
、エッジノードとの通信及び収集命令制御の下での給電/電位測定の機能の相互交換、チ
ャンネル選択、収集プロセスの実行及びデータ保存と測定データアップロードを実現し、
前記給電モジュールは、給電命令を受信した後、前記制御モジュールを介して該当する
電極チャンネルを選択し、それに接続されたケーブルチャンネルと電極を介して地下に給
電するとともに、給電電流の大きさを測定し、給電が完了した後、自ノード及びその給電
チャンネル番号、測定開始時間及び給電電流数値をアップロードし、
前記電位測定モジュールは、電位測定命令を受信した後、制御モジュールを介して該当
する電極チャンネルを選択し、それに接続されたケーブルチャンネルと電極を介して電位
測定を行うとともに、電位差の大きさを測定し、測定が完了した後、自ノード及びその電
位測定チャンネル番号、測定開始時間及び電位差数値をアップロードし、
前記GPSモジュールは、各ノードの正確な時報と協調のために用いられる、ことを特
徴とする請求項1に記載のクラウド・エッジ・エンド協調ベースの井戸地連携抵抗率感知
システム。
【請求項4】
前記エッジノードとエンドノードとは、移動通信ネットワークを介して遠隔データ伝送
を行い、前記エッジノードと前記中央クラウドコンピューティングプラットフォームとは
、有線ネットワークを介して遠隔データ伝送を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの井戸地連携抵抗率感知システム。
【請求項5】
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率データ収集方法であって、
この方法は、請求項1に記載のシステムに基づいて実現され、この方法は、具体的に以下
のようなステップを含み、
(1)ターゲット街路の実際の状況、最大探査深さ、地下探知ターゲットの分解能に基
づいて抵抗率感知ノードの配置方式と収集パラメータを決定し、
(2)ターゲット街路に抵抗率感知ノードを配置し、中央クラウドコンピューティング
プラットフォームは、各エッジノードに一意のシステム番号を付与し、エッジノードは、
そのドメイン内の各抵抗率感知ノードに一意のシステム番号を付与し、感知ノードは、そ
のシステム内の各電極点に一意のシステム番号を付与するとともに、各電極点の三次元地
理座標を収集し、
(3)中央クラウドコンピューティングプラットフォームは、順次異なるエッジノード
を選択してブロック別測定を行い、選択されたエッジノードは、抵抗率感知ノードの番号
の順に一つの感知ノードを給電ノードとして選択し、そしてこの感知ノード内の一つの電
極組み合わせを給電電極対ABとし、この感知ノードが属するエッジノードドメイン内の
電極組み合わせを電位測定電極対MNとして選択し、且つこの電位測定電極対MNは、同
一の感知ノードに属し、測定電極対MNとABとのピッチがABの有効測定半径r内にあ
るかどうかを判断し、そうであれば、給電と電位測定を行い、そうでなければ、次のAB
MN組み合わせの位置に移動して新たな測定条件判断を行い、前記ABの有効測定半径
であり、ここで、nは、有効半径係数であり、n=6~14であり、aは、ABピッチで
あり、この感知ノード内のすべての給電電極対及びそれと対になる複数の電位測定電極対
の組み合わせのトラバースが完了すると、この感知ノードを給電ノードとする時の給電と
電位測定プロセスが完了し、
(4)次の抵抗率感知ノードに順次移動して給電と電位測定プロセスを実行し、最後の
感知ノードのすべての給電電極組み合わせが完了すると、現在のエッジノードの給電と電
位測定プロセス全体が完了し、
(5)そしてすべてのエッジノードのトラバースが完了するまで、次のエッジノードに
進み、同じ給電と電位測定プロセスを実行し、
(6)収集作動が完了した後、エッジノードは、収集されたデータ及び自体の状態情報
をアップロードするよう各感知ノードに通知し、エッジノードは、本領域データをフォー
マット編成し、中央クラウドコンピューティングプラットフォームからダウンロードされ
た本領域モデル結果と迅速に比較し、処理分析結果を与え、エッジノードは、初歩的な処
理分析結果を中央クラウドコンピューティングプラットフォームに報告し、中央クラウド
コンピューティングプラットフォームは、履歴データ及びその他のマルチソースデータス
マート分析のモデル結果に基づいて各エッジノードにフィードバックして配布し、後続の
各エッジノードが迅速な異常分析とリスク識別を行うように指導する、ことを特徴とする
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率データ収集方法。
【請求項6】
ABを給電電極対とする時、異なる感知ノード間に位置する、条件を満たす電位測定電
極対MNは、GPSモジュール時報によって協調測定され、即ち異なるノード間の複数の
電位測定電極対MNは、一つの給電電極対ABと同時並行的に作動し、1給電多測定を実
現する、ことを特徴とする請求項5に記載のクラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市
地下空間抵抗率データ収集方法。
【請求項7】
給電電極対を選択する時、電極の項番の小さい順に行い、収集ステーションが位置する
一端を始点とし、収集ステーションとの距離が最も近い一つの電極点を電極Aとし、AB
項番の間隔が1に等しい電極点を電極Bとして選択して給電を実施し、そしてABの項番
の間隔を維持し、A、Bを次の電極点に順に移動し、B点が現在の感知ノードの最後の電
極点に到着すると、すべてのAB項番の間隔が1に等しい給電プロセスが完了し、
そして始点から、ABの間に2つの項番の間隔を維持する測定点を選択して給電を実施
し、そしてA、Bを順に移動してB点が最後の電極点に到着すると、ABの間が2つの項
番の間隔である給電プロセスが完了し、
AB間隔の変更を繰り返し、設定される最大隔離係数に達すると、この感知ノードの給
電プロセスが完了する、ことを特徴とする請求項5に記載のクラウド・エッジ・エンド協
調ベースの都市地下空間抵抗率データ収集方法。
【請求項8】
抵抗率感知ノードの配置が一度に完了し、且つ各電極点の位置が固定され、且つ正確な
位置座標を有した後、この抵抗率感知ノードに対応するエッジノードにより給電と電位測
定収集表を事前に計算して作成し、この表に各給電点ABの感知ノード番号、電極番号及
び対応する複数の電位測定点MNの感知ノード番号、電極番号を順番に並べて、実際の収
集時にこの表に従って順次実行し、データ収集プロセス全体が完了する、ことを特徴とす
る請求項5又は6又は7に記載のクラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵
抗率データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気法探査技術分野に属し、具体的にはクラウド・エッジ・エンド協調ベー
スの都市地下空間抵抗率感知システムとデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市地下工事は、都市建設の基礎と重要な構成部分であり、それ自体は、また隠れて見
えない特徴がある。都市化進展の加速に伴い、都市地下空間構造の健康状況及びその安全
性は、都市住民の生命財産安全に直接関係するが、どのように迅速、効果的に、非破壊的
に地下空間構造の健康状況をアセスメントし、評価するかは、依然として都市管理部門の
前に置かれた1つの困難なタスクである。現在、政府部門は、設計、施工などの段階で監
督管理を補強し、地下工事の建設品質が基準に達することを確保していることが多い。し
かし、地下工事の耐用年数と安全性は、構造設計及び施工品質に密接に関連するほか、後
期の地下工事周囲の環境変化にも密接に関連する。地下構造と周囲環境の影響は、相互的
、漸進的である。地下構造体周囲の地層変形及び応力変化は、地下構造体に影響ひいては
構造破壊を発生させる可能性があるが、地下構造の損壊は、また周辺の土壤媒体の流れ変
化と地下水の運動移動を促進し、地下構造の毀損を加速する。そのため、時間と空間の次
元から、地下空間構造、周辺の地質環境、地下管網構造、人文と交通環境などを一つの有
機全体として総合的に考慮し、系統的に研究する必要があり、ここで、過去の歴史的時期
に蓄積されたボーリング調査、物質調査と他の資料を利用して「透明な都市」を建設する
ことは、そのうちの肝心なステップであり、「スマートシティ」建設の重要な基礎的支持
でもある。一方、新興科学技術を利用して都市四次元動的感知ネットを構築することは、
「スマートシティ」建設の必要なルートであり、都市の現代化と住みやすい環境の建設に
とって重要な意義を有する。
【0003】
地下構造及びその周囲の地質環境の変化は、それに応じて地下媒体の物性パラメータ(
例えば密度、弾性波速度、抵抗率など)の変化を引き起こす。地下感知システムがこれら
の物性パラメータの変化を動的にモニタリングすることは、都市の「身体」に動的「健康
診断」センサを取り付けたことに相当し、都市の地下管網、地下空間構造の動的変化をリ
アルタイムで透視、感知、モニタリングし、設定された臨界値に達した場合、異常早期警
戒情報をタイムリーにトリガーし、分散型マルチセンサモニタリングネットワークにより
異常が発生した位置を迅速に特定し、タイムリーな処置、生命財産安全の保護を容易にす
る。しかしながら、現在の都市地下感知システムは、主に温度、地下水位、応力、変位な
どの接触式センサにより原位置測定を行い、透過イメージング能力を有するセンサによる
長期的、遠隔的、非接触的スマート感知が不足している。
【0004】
高密度抵抗率法は、普通電気法探査の基礎で発展したマルチチャンネル、アレイ探査技
術である。高密度電気法は、ケーブルと電極を一度に布設するだけで大量の探知データを
得ることができ、人力と物力を節約するだけでなく、データ収集効率も向上させ、そして
イメージング結果が直感的で、解釈しやすい。しかし、従来の高密度抵抗率法を都市地下
ターゲット(例えば道路の空洞陥没)の長期モニタリング(スマート感知)に用いる場合
には、依然としてくつかの困難と障害が存在している。
【0005】
1.都市街路の周囲環境が複雑である。(1)都市街路の下方は、都市の電力、上下水、
通信などの様々な管網が集中的に通過する領域であり、地下環境が極めて複雑である。(2
)都市街路の両側の地表接地条件の差が大きく、電磁干渉が深刻である。(3)細長い都市街
路の両側に沿って電極を布設することしかできず、三次元高密度抵抗率法の測定点配置に
必要な縦方向に展開する空間が不足しており、地表の規則的な測定網の配置が困難である
。(4)井戸穴の抵抗率イメージングは、分解能がより高いが、垂直方向の探知のみであり
、且つ穴を跨いた測定のピッチが制限されている。現在、地表と井戸穴の抵抗率イメージ
ングのそれぞれの優位性は、十分に発揮されていないが、井戸地連携探査は、抵抗率イメ
ージングの優位性を十分に発揮するのにより有利である。
【0006】
2.既存の抵抗率感知システム設計は、市政施設への依存度が高く、市政施設の実際の
位置にも制約され、自体の柔軟性を効果的に発揮することが困難であり、既存の設計は、
同時に感知ノードの電極チャンネルの少なさの制約を受けて、給電と電位測定との組み合
わせタイプが少なく、感知イメージング効果に深刻な影響を与える。また、給電と電位測
定電極との組み合わせが異なる感知ノードに属する可能性があるため、既存のシリアル有
線伝送ネットワークの時間遅延は、給電と電位測定の同期に重要な影響を与えるが、応答
延長に応答待機を加えることも、データ収集効率に深刻な影響を与える。
【0007】
3.中央コンソールを採用して遠隔集中型管理される抵抗率感知システムには、先天性
欠陥が存在する。(1)すべての感知ノードは、単一の中央コンソールを介して集中管理と
スケジューリングされ、ネットワークビジーによる命令とデータ伝送不具合又は輻輳を引
き起こし、時間遅延、ビット誤りと文字列紛失につながり、リアルタイム性と信頼性が保
障されない可能性がある。(2)大規模のデータは、中央コンソールに集まって集中記憶と
集中処理され、中央コンソールのソフトウェアとハードウェアに対する要求が高く、共通
公共計算リソースを十分に利用できず、建設の重複とリソースの浪費が存在し、自体シス
テムの後期の運営メンテナンスコストも増加する。
【0008】
4.スマート感知システムの主な特徴は、無人当番の自動収集、遠隔データの自動伝送
と自動記憶、自動データ処理、自動分析予測と警報という高度に自動化された遠隔スマー
ト遠隔測定にある。一部の抵抗率感知システムには、依然として大きな差があり、データ
収集のみに偏っており、データ情報の抽出とマイニング能力が不足しており、スマート感
知レベルに遠く達しておらず、人工知能の予測分析能力が不足している。
【0009】
そのため、抵抗率感知システムを全く新たな設計を行い、市政施設への依存度が低く、
汎用無線モノのインターネットシステム、エッジクラウド(エッジストレージとエッジコ
ンピューティング)及びセンタークラウドなどの共通公衆リソースを十分に利用できるプ
ラットフォームを形成し、ビッグデータと人工知能などの先端技術に依拠して、スマート
リスク予測評価能力を有するスマート感知システムを実現する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の技術の不足に対して、クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地
下空間抵抗率感知システムとデータ収集方法を提供し、具体的な技術案は、以下のとおり
である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率感知システムであって、こ
のシステムは、クラウド・エッジ・エンドアーキテクチャ設計を採用し、中央クラウドコ
ンピューティングプラットフォームと、前記中央クラウドコンピューティングプラットフ
ォーム分散型ネットワークに接続された複数のエッジサーバと、各エッジサーバ分散型ネ
ットワークに接続された複数の抵抗率感知ノードとを含み、
前記中央クラウドコンピューティングプラットフォームは、抵抗率感知システム全体を
管理することと、全域データ処理とモデル反転を行うことと、閾値を超えたデータ異常を
警報して報告することとに用いられ、前記の、前記抵抗率感知システム全体を管理するこ
とは、分散型エッジサーバの設定と構成を行い、エッジサーバを介してすべての抵抗率感
知ノードを管理することを含み、前記の、全域データ処理とモデル反転を行うことは、リ
アルタイムデータと履歴データとの比較、マイニングを行い、モデル結果をエッジサーバ
に送信し、初歩的なデータ分析を指導することを含み、
前記エッジサーバは、ドメイン内の複数の抵抗率感知ノードが協調して作動するように
パーティション別に制御するためのエッジノードであり、それは、ドメイン内の給電と電
位測定電極対の選択と収集プロセスを協調して制御することと、データ収集によって得ら
れたドメイン内データを選別、整理し、設計されたフォーマットで記憶するとともに、デ
ータを中央クラウドコンピューティングプラットフォームにアップロードしてバックアッ
プすることと、データ収集が完了した後、リアルタイムデータと履歴データ及び中央クラ
ウドコンピューティングプラットフォームが履歴データに基づいてエッジノードにフィー
ドバックしたこの領域モデル計算結果とを比較分析し、異常の有無を判断することと、異
常変化が存在する場合、異常情報を中央クラウドコンピューティングプラットフォームに
報知することとを含み、
前記抵抗率感知ノードは、エンドノードであり、複数の抵抗率感知ノードは、都市道路
に沿って水平に配置され、及び/又は鉛直井戸穴に配置され、各抵抗率感知ノードは、独
立した抵抗率センサユニットであり、収集ステーションと、収集ステーションに接続され
たマルチチャンネル電極変換スイッチと、多芯高密度電気法ケーブルと、多芯高密度電気
法ケーブルに接続された接地電極とを含み、前記抵抗率感知ノードは、その属するエッジ
ノードの命令要求に応じて、給電又は電位測定タスクをそれぞれ実行し、測定データを対
応するエッジノードにアップロードする。
【0012】
さらに、抵抗率感知ノードが都市道路に沿って水平に配置される場合、前記抵抗率感知
ノードにおけるケーブルは、多芯分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルであり、分
割カスケード接続式ケーブルは、カスケード接続式電極変換スイッチを介して1本のケー
ブル全体として直列接続され、収集ステーションは、1本のケーブル全体の端部に接続さ
れ、
抵抗率感知ノードが鉛直井戸穴に沿って配置される場合、前記抵抗率感知ノードにおけ
るケーブルは、単一集中型高密度電気法井戸内ケーブルであり、このケーブルには複数の
電極接合が等間隔に設置され、各電極接合は、一つの接地電極とし、ケーブルの頂部は、
集中型電極スイッチを介して収集ステーションに接続され、
抵抗率感知ノードが都市道路に沿って水平に配置され、井戸穴と共同して配置される場
合、井戸穴に配置された単一集中型高密度電気法ケーブルは、まず集中型電極変換スイッ
チを介して地面の多芯分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルの一端に接続され、収
集ステーションは、分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルの他端に接続され、且つ
集中型高密度電気法ケーブルには、複数の電極接合が等ピッチに設置されており、各電極
接合は、一つの接地電極とする。
【0013】
さらに、前記収集ステーションは、制御モジュールと、給電モジュールと、電位測定モ
ジュールと、通信モジュールと、GPSモジュールとを含み、
前記制御モジュールは、属するエッジノードの指示の下で、本収集ステーションの他の
いくつかのモジュールを制御して収集ステーション自体のシステムの運行管理、自己検査
、エッジノードとの通信及び収集命令制御の下での給電/電位測定の機能の相互交換、チ
ャンネル選択、収集プロセスの実行及びデータ保存と測定データアップロードを実現し、
前記給電モジュールは、給電命令を受けた後、前記制御モジュールを介して該当する電
極チャンネルを選択し、それに接続されたケーブルチャンネルと電極を介して地下に給電
するとともに、給電電流の大きさを測定し、給電が完了した後、自ノード及びその給電チ
ャンネル番号、測定開始時間及び給電電流数値をアップロードし、
前記電位測定モジュールは、電位測定命令を受信した後、制御モジュールを介して該当
する電極チャンネルを選択し、それに接続されたケーブルチャンネルと電極を介して電位
測定を行うとともに、電位差の大きさを測定し、測定が完了した後、自ノード及びその電
位測定チャンネル番号、測定開始時間及び電位差数値をアップロードし、
前記GPSモジュールは、各ノードの正確な時報と協調のために用いられる。
【0014】
さらに、前記エッジノードとエンドノードとは、移動通信ネットワークを介して遠隔デ
ータ伝送を行い、前記エッジノードと前記中央クラウドコンピューティングプラットフォ
ームとは、有線ネットワークを介して遠隔データ伝送を行う。
【0015】
クラウド・エッジ・エンド協調ベースの都市地下空間抵抗率データ収集方法であって、
この方法は、上記のシステムに基づいて実現され、この方法は、具体的に以下のようなス
テップを含み、
(1)ターゲット街路の実際の状況、最大探査深さ、地下探知ターゲットの分解能に基
づいて抵抗率感知ノードの配置方式と収集パラメータを決定し、
(2)ターゲット街路に抵抗率感知ノードを配置し、中央クラウドコンピューティング
プラットフォームは、各エッジノードに一意のシステム番号を付与し、エッジノードは、
そのドメイン内の各抵抗率感知ノードに一意のシステム番号を付与し、感知ノードは、そ
のシステム内の各電極点に一意のシステム番号を付与するとともに、各電極点の三次元地
理座標を収集し、
(3)中央クラウドコンピューティングプラットフォームは、順次異なるエッジノード
を選択してブロック別測定を行い、選択されたエッジノードは、抵抗率感知ノードの番号
の順に一つの感知ノードを給電ノードとして選択し、そしてこの感知ノード内の一つの電
極組み合わせを給電電極対ABとし、この感知ノードが属するエッジノードドメイン内の
電極組み合わせを電位測定電極対MNとして選択し、且つこの電位測定電極対MNは、同
一の感知ノードに属し、測定電極対MNとABとのピッチがABの有効測定半径r内にあ
るかどうかを判断し、そうであれば、給電と電位測定を行い、そうでなければ、次のAB
MN組み合わせの位置に移動して新たな測定条件判断を行い、前記ABの有効測定半径
であり、ここで、nは、有効半径係数であり、n=6~14であり、aは、ABピッチで
あり、この感知ノード内のすべての給電電極対及びそれと対になる複数の電位測定電極対
の組み合わせのトラバースが完了すると、この感知ノードを給電ノードとする時の給電と
電位測定プロセスが完了し、
(4)次の抵抗率感知ノードに順次移動して給電と電位測定プロセスを実行し、最後の
感知ノードのすべての給電電極組み合わせが完了すると、現在のエッジノードの給電と電
位測定プロセス全体が完了し、
(5)そしてすべてのエッジノードのトラバースが完了するまで、次のエッジノードに
進み、同じ給電と電位測定プロセスを実行し、
(6)収集作動が完了した後、エッジノードは、収集されたデータ及び自体の状態情報
をアップロードするよう各感知ノードに通知し、エッジノードは、本領域データをフォー
マット編成し、中央クラウドコンピューティングプラットフォームからダウンロードされ
た本領域モデル結果と迅速に比較し、処理分析結果を与え、エッジノードは、初歩的な処
理分析結果を中央クラウドコンピューティングプラットフォームに報告し、中央クラウド
コンピューティングプラットフォームは、履歴データ及びその他のマルチソースデータス
マート分析のモデル結果に基づいて各エッジノードにフィードバックして配布し、後続の
各エッジノードが迅速な異常分析とリスク識別を行うように指導する。
【0016】
さらに、ABを給電電極対とする時、異なる感知ノード間に位置する、条件を満たす電
位測定電極対MNは、GPSモジュール時報によって協調測定され、即ち異なるノード間
の複数の電位測定電極対MNは、一つの給電電極対ABと同時並行的に作動し、1給電多
測定を実現する。
【0017】
さらに、給電電極対を選択する時、電極の項番の小さい順に行い、収集ステーションが
位置する一端を始点とし、収集ステーションとの距離が最も近い一つの電極点を電極Aと
し、AB項番の間隔が1に等しい電極点を電極Bとして選択して給電を実施し、そしてA
Bの項番の間隔を維持し、A、Bを次の電極点に順に移動し、B点が現在の感知ノードの
最後の電極点に到着すると、すべてのAB項番の間隔が1に等しい給電プロセスが完了し
、
そして始点から、ABの間に2つの項番の間隔を維持する測定点を選択して給電を実施
し、そしてA、Bを順に移動してB点が最後の電極点に到着すると、ABの間が2つの項
番の間隔である給電プロセスが完了し、
AB間隔の変更を繰り返し、設定される最大隔離係数に達すると、この感知ノードの給
電プロセスが完了する。
【0018】
さらに、抵抗率感知ノードの配置が一度に完了し、且つ各電極点の位置が固定され、且
つ正確な位置座標を有した後、この抵抗率感知ノードに対応するエッジノードにより給電
と電位測定収集表を事前に計算して作成し、この表に各給電点ABの感知ノード番号、電
極番号及び対応する複数の電位測定点MNの感知ノード番号、電極番号を順番に並べて、
実際の収集時にこの表に従って順次実行し、データ収集プロセス全体が完了する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、従来の技術に比べて、次のような有益な効果を有する。
【0020】
1.「クラウド・エッジ・エンド」アーキテクチャを採用して感知データの階層別記憶
と階層別処理を実現する。ネットワークエッジに沈み込むエッジサーバを利用して、収集
端近傍、領域分割、分散型データ収集とデータ記憶を実現し、ネットワークの輻輳による
収集プロセスへの影響を回避し、データ収集のリアルタイム性と応答効率を向上させる。
一方、「センタークラウド」に計算力の優位性を発揮させ、データ量の多いデータ処理、
データマイニングとリスク予測を担当させる。「クラウド・エッジ・エンド」分散型と集
中型分業協作の先端アーキテクチャ設計を採用して、抵抗率感知システムの能力と効率を
大幅に高める。
【0021】
2.無限の搭載能力を有するマルチチャンネル、ランダム分散型抵抗率感知ノード設計
を採用して、電極チャンネル間の連絡の効率性及び高密度の給電/電位測定組み合わせタ
イプを保証するとともに、最大程度に感知ノード及び遠隔伝送機器の数を減少させ、シス
テムの建設コストを低減させる。
【0022】
3.井戸地連携を採用して立体空間ランダム分散型感知ネットを構築する。道路の両側
に水平ケーブルを埋設し、縦方向ボーリング穴を配置するという有利条件を十分に利用し
て、街路を横断する立体抵抗率感知ネットを柔軟に配置し、単一地表探査の不足を補い、
街路の下方のターゲットに対する精密なイメージングを実現する。
【0023】
4.無線移動通信ネットワークと有線公衆ネットワークとの組み合わせにより遠隔スマ
ート感知を実現する。移動通信ネットワークの都市におけるエリア別・パーティション別
の特性を十分に利用して、抵抗率感知ネットのパーティション別と階層別管理を自動的に
実現する。移動通信ネットワークの大容量搭載能力により、感知ノードの数は、制限され
ず、感知システムの規模は、柔軟的で調整可能である。移動通信ネットワークが都市の高
速基幹ネットワークに自動的に接続する能力は、クラウド・エッジ・エンド設計の実行可
能性を簡略化し、向上させる。
【0024】
5.クラウドコンピューティングプラットフォームと人工知能とを組み合わせることに
より、抵抗率感知データの自動化、スマート化処理とマイニングを実現し、予測して警報
する。従来の人工知能モノのインターネット(AIoT)技術を抵抗率感知ネットの遠隔
情報配信とデータマイニングのキャリアとして十分に利用して、抵抗率感知情報のスマー
ト分析と予測警報を実現する。
【0025】
6.公衆通信ネットワークと公共計算リソースプラットフォームを十分に利用して、シ
ステムの建設の重複とリソースの浪費を回避するとともに、後期のメンテナンスコストを
節約する。システムの建設をフロントエンド感知ノードの建設、データ収集方法及びシス
テムアーキテクチャ設計に専念させる。そして公衆モノのインターネットに依拠して建設
されたシステム性能は、公衆モノのインターネットシステムの更新に伴って自動的に全体
的にアップグレードされ、感知ノードユニットのメンテナンスとアップグレードのみを必
要とし、システムへの投入は、比較的少なく、システム拡張能力と適応性は、著しく補強
される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に用いられる抵抗率感知システムアーキテクチャの概略図である。
【
図2】本発明に用いられる収集ステーション構造とケーブル接続方式の概略図である。
【
図3】本発明に用いられる抵抗率感知システム布設方式の概略図である。
【
図4】本発明の道路の両側の地面と井戸穴電極布設の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の図面を結び付けながら本発明をさらに説明する。
【0028】
一.システム構造
井戸地連携の抵抗率感知システムは、「クラウド・エッジ・エンド」アーキテクチャに
基づいて設計され、感知ノード(エンド)と、感知ノードに近く沈み込み、データ収集プ
ロセスの協調を担当するエッジクラウド(エッジ)と、集中型データ処理とデータ分析に
取り組む中央クラウドコンピューティングプラットフォーム(クラウド)と、クラウド・
エッジ・エンド接続に用いられる無線及び有線伝送ネットワークとからなる。システムは
、感知層と、エッジコンピューティング層と、中央クラウドコンピューティング層との三
つの構成部分に分けられる(
図1)。
【0029】
a.感知層
感知層は、多数の抵抗率感知ノードからなり、都市道路の両側に沿って水平に配置され
るか、又は縦方向の井戸穴に共同して配置され、街路横断と井戸地抵抗率連携イメージン
グを形成し、街路の下方領域の抵抗率に対する四次元立体感知を実現する。
【0030】
抵抗率感知ノードは、独立した抵抗率センサユニットであり、収集ステーション(
図2
aに示す)と、収集ステーションに接続されたマルチチャンネル電極変換スイッチと、多
芯高密度電気法ケーブルと、多芯高密度電気法ケーブルに接続された接地電極とを含む。
高密度電気法ケーブルとは、特に多芯であり、且つ等間隔タップと導電接合部を設置した
ケーブルを指す。
【0031】
抵抗率感知ノードは、以下の3種類の配置方式がある。
【0032】
(1)都市道路に沿う水平配置
この時、抵抗率感知ノードにおけるケーブルは、多芯分割カスケード接続式高密度電気
法ケーブルであり、分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルは、カスケード接続式電
極変換スイッチを介して1本のケーブル全体として直列接続される。収集ステーションは
、1本のケーブル全体の端部に接続される。分割カスケード接続式高密度ケーブルには、
8-10個の電極が搭載される。ケーブルと収集ステーションとの接続方式は、
図2bに
示すとおりである。
【0033】
(2)鉛直井戸穴に沿う配置
この時、抵抗率感知ノードにおけるケーブルは、単一であり、このケーブルは、一体成
形の集中型構造設計を採用して水密性を確保する。このケーブルには、複数の電極接合が
等間隔に設置され、各電極接合は、一つの接地電極とする。ケーブルの頂部は、集中型電
極スイッチを介して収集ステーションに接続される。ケーブルと収集ステーションとの接
続方式は、
図2cに示すとおりである。
【0034】
(3)都市道路に沿う水平配置と鉛直井戸穴の共同配置
この時、井戸穴に配置されたケーブルは、依然として単一集中型高密度電気法井戸内ケ
ーブルであり、このケーブルには、複数の電極接合が等間隔に設置され、各電極接合は、
一つの接地電極とする。水平に配置されるケーブルは、多芯分割カスケード接続式高密度
電気法ケーブルである。しかし、この時に井戸穴に配置された単一集中型高密度ケーブル
を、先に集中型電極変換スイッチを介して地面の多芯分割カスケード接続式高密度ケーブ
ルの一端に接続し、そして収集ステーションを分割カスケード接続式ケーブルの他端に接
続して、一つの抵抗率感知ノードとして構成する必要がある。ケーブルと収集ステーショ
ンとの接続方式は、
図2dに示すとおりである。
【0035】
ここで、分割カスケード接続式高密度電気法ケーブルには、8-10個の電極が搭載さ
れ、集中型高密度電気法井戸内ケーブルは、30-60個の電極接合を含む水密性一体成
形ケーブルである。
【0036】
収集ステーションは、制御モジュールと、給電モジュールと、電位測定モジュールと、
通信モジュールと、GPSモジュールとからなる。収集ステーションは、属するエッジノ
ードの命令要求に応じて、給電又は電位測定タスクをそれぞれ実行する。通信モジュール
は、移動通信技術に依拠して収集ステーションと属するエッジノードとの通信連絡を担当
する。制御モジュールは、エッジノード命令の指示を受けて、本収集ステーションの他の
いくつかのモジュールを制御して収集ステーション自体のシステムの運行管理、自己検査
、エッジノードとの通信及び収集命令制御の下での測定役割(給電/電位測定)相互交換
、チャンネル選択、収集プロセスの実行及びデータ保存と測定データアップロードなどの
一連のプロセスにおけるシステムの各モジュールに対する制御を実現する。
【0037】
給電モジュールは、エッジノードからの給電命令を受けた後に制御モジュールを介して
該当する電極チャンネルを選択し、それに接続された高密度電気法ケーブルと電極を介し
て地下に給電するとともに、給電電流の大きさを測定する。給電が完了した後、自ノード
及びその給電チャンネル番号、測定開始時間及び給電電流数値をアップロードする。
【0038】
電位測定モジュールは、エッジノードからの電位測定命令を受けた後に制御モジュール
を介して該当する電極チャンネルを選択し、それに接続されたケーブルと電極を介して電
位測定を行うとともに、電位差の大きさを測定する。測定が完了した後、自ノード及びそ
の電位チャンネル番号、測定開始時間及び電位差数値をアップロードする。給電と電位測
定がそれぞれ異なる感知ノードに属する場合、エッジノードは、異なるノードの測定開始
時間(GPS時報による同期)を協調させる。給電と電位測定が同一ノードに属する場合
、収集ステーション自体のプログラムは、給電と電位測定の開始時間を協調する。
【0039】
通信モジュールは、5G及び以上の移動通信モジュールを採用して、MECエッジアク
セスとエッジコンピューティングモードをサポートする。エッジサーバを介して収集プロ
セスを直接制御し、各感知ノードの間の給電/電位測定チャンネル選択を協調する。測定
が完了した後に移動通信ネットワークを介して収集結果データを直接アップロードし、エ
ッジサーバに記憶する。
【0040】
GPSモジュールは、各ノードの正確な時報に用いられる。給電/電位測定プロセスは
、異なるノードの間の協調に関し、GPS衛星を利用した正確な時報は、異なるノードの
歩調を一致させる効率的、簡潔な方式である。GPSモジュールは、GPSアンテナとそ
のインターフェース接続線とを含む。
【0041】
b.エッジコンピューティング層
抵抗率感知ノードは、独立したデータ収集ユニットとして、相互間の地位が平等であり
、且つ独立して運行するが、また相互に協作して初めて異なるノードの間の組み合わせ測
定(給電/電位測定)が完了し、街路を横断するイメージングを実現する必要がある。異
なる感知ノードの間の協調は、協調を計画するために上位レベルの制御ユニットを必要と
する。従来の解決策は、一つの中央コンソールを設計し、ネットワークを介してすべての
感知ノードを遠隔制御することである。感知ノードが多い場合、ネットワークの輻輳、遅
延が存在し、このような遠隔集中型制御方式のリアルタイム性、信頼性及び収集効率に多
くの問題が存在する。中央コンソールの集中型制御方式は、力が足りないように見られ、
継続することが困難である。そのため、収集制御を「沈み込み」、前へ収集ノードに近い
複数のモバイルエッジサーバに移動させて実施し、分散型エッジ制御ノードを形成し、近
位配置、近位制御を実現する必要がある。
【0042】
エッジノードは、中央クラウドコンピューティングプラットフォームによって設置と配
置され、感知ネットワーク全体に分布する複数のエッジサーバを形成し、各エッジサーバ
は、ドメイン内の複数の感知ノードが協調して作動するようにパーティション別に制御す
る。エッジノードのタスクは、主に次のように含む。(1)ドメイン内の給電と電位測定電
極対の選択と収集プロセス制御を協調、制御するデータ収集。(2)データ収集によって得
られたドメイン内データを選別、整理して設計されたフォーマットでエッジクラウドに記
憶するとともに、データをセンタークラウドバックアップにアップロードし、後続の全域
データセット中処理に用いるデータ記憶とデータ伝送。(3)データ収集が完了した後、リ
アルタイムデータと、履歴データ及び履歴データに基づいて得られたモデル(センターク
ラウドがエッジノードにフィードバックしたこの領域モデル計算結果)とを比較分析し、
差異を比較するデータの初歩的な処理。異常変化が存在すれば、異常情報を報知し、中央
クラウドコンピューティングプラットフォームがさらに総合的な分析と処理を行うことを
容易にする。
【0043】
エッジクラウド層は、同時に分散型無線ネットワークが有線公衆ネットワークに集約、
集中するネットワーク伝送層でもあり、無線移動通信網と有線インターネットとを結合す
る方式を採用して遠隔データ伝送と収集命令配信を実現する。ここで、移動通信網は、5
G及び以上の通信プラットフォームを採用し、エッジサーバを利用して近位で収集制御を
実現し、収集ノードの分散型、近端の効率的制御及び収集データの分散型記憶を実現する
ことを要求する。
【0044】
移動通信ネットワークは、有線ネットワークの比類のない移動性と柔軟性を有し、特に
感知ノードを動的に増減し、及び感知ノードの位置を調整するのに適合している。そして
データ伝送は、近位の基地局を介して(分散型)伝送し、有線伝送のチャンネル混雑を回
避する。モバイルセルラー基地局の領域分割、分散型ネットワーク構造は、感知ノードの
領域分割、分散型配置と非常に一致し、命令とデータのスムーズな伝送に有利である。移
動通信ネットワークを利用して遠隔データ伝送を行う優位性は、すでに建設された公衆通
信ネットワークを十分に利用して、有線感知ネットワーク建設の重複投入を回避し、コス
トと経費投入を大幅に節約するとともに、効率的で、安定した公衆ネットワークリソース
を十分に利用して、無線と有線ネットワークのシームレスなドッキングを実現し、自ら建
設したネットワーク伝送層の後期のシステム運営メンテナンスコストも回避できることで
ある。
【0045】
c.中央クラウドコンピューティング層
中央クラウドコンピューティングは、共通公衆クラウドコンピューティングプラットフ
ォームリソースに依拠して実現され、エッジクラウドに比べて、センタークラウドの大規
模の並行計算能力は、大規模の感知データ処理などの高性能計算を必要する需要に特に適
合し、抵抗率感知データ全体の記憶とスマート化処理分析に用いられる。
【0046】
センタークラウドの主なタスクは、以下を含む。(1)感知ネットワーク全体の運行管理
であって、分散型エッジサーバの設定と構成を行い、エッジサーバを介してすべての抵抗
率感知ノードを管理することを含む。(2)全域データ処理とモデル反転であって、リアル
タイムデータと履歴データとの比較、マイニングを行い、モデル結果をエッジサーバに送
信し、初歩的なデータ分析を指導することを含む。(3)閾値を超えたデータの異常警報で
あって、マルチソースデータの総合的な分析と処置を行うよう都市大脳に報告する。
【0047】
そのため、一つの完全で、実行可能な抵抗率感知システムの建設は、センタークラウド
、エッジクラウド及び感知ノードの協調と協調により完了する。一方、センタークラウド
とエッジクラウドの協調は、連邦計算パラダイム制約とタスク割り当てにより行われる。
センタークラウドとエッジクラウド及びエッジクラウドとの間は、連邦計算パラダイムフ
レームワークでクラウドエッジ協調とゲームにより、タスクターゲットを動的に配置し、
協調と分業協調を実現し、共同でシステム全体の正常運行とデータストリームの正逆方向
伝送(情報フィードバック)を維持し、保障する。
【0048】
都市大脳もセンタークラウドに基づいて構築され、相対的に言えば、受信されたマルチ
ソースデータが集約し、より高いデータ統合とスマート決定サポート能力を有する。本発
明の感知結果の最終的な出口である。
【0049】
二.データ収集方法
1.抵抗率感知ノード配置
抵抗率感知ノード配置は、主に電極配置をめぐって展開され、地表水平配置と鉛直井戸
穴配置の二つの方式に分けられる。電極ピッチ、電極総チャンネル数、ケーブルの布設方
式、収集ステーションの位置(外付け給電電源に関する)及び移動通信アンテナとGPS
アンテナ配置などの複数の要素を総合的に考慮する必要がある。水平布設の分割式ケーブ
ルは、街路の両側の緑地帯又は歩道に沿って浅く埋設して配置され、井戸内ケーブルは、
街路の入口又は路側の適切な位置に穴をあけて布設され、井戸穴配置は、道路の両側で対
称に配置されることが推奨される(地下に埋設される管ケーブルを避けることに注意する
)。井戸内ケーブルは、長さ30m~60mに配置され、電極ピッチ0.5~1mとする
ことが推奨される。水平電極点の位置は、ランダム分散型電極布設原則を満たし、即ち電
極ピッチ、位置は、特別な要求をせず、条件が許容される場合にできるだけ均一に布設す
る。電極点の布設が完了した後にGPS、トータルステーションなどの測量機器で各電極
点の三次元地理座標をタイムリーに収集し、システムに入力して後続のデータ収集とデー
タ処理に用いる。
【0050】
収集ステーションの給電に商用電源を利用して昇圧する必要があるため、街路の両側の
状況に応じて収集ステーションの位置を計画設計し、固定の機器箱を建設し、商用電源の
電力アクセス、電源昇圧及び収集ステーションの設置に用いる必要がある。近位の複数の
収集ステーションは、同一の機器箱(
図3におけるB03、S03とS04及びB04、
S06、S07とS08)を共有することを考慮してもよい。
【0051】
水平ケーブルは、単線、U字型2線又はS字型線状に構成されてもよい。
図3における
S02、S03、S06などは、単線であり、S01とS09は、U字型2線であり、こ
こで、S01は、街路横断ケーブルを介して街路の両側を接続するU字型配置であり、S
14は、街路の片側に配置されるU字型2線である。街路の片側に一定の広い地帯を有す
る場合、S字型多測定線(
図3におけるS05線)を配置してもよい。測定線上の電極の
位置、ピッチ、線長は、必要に応じてランダムに布設されてもよく、頭尾タンデム接続を
満たせばよい。水平ケーブルの尾端も井戸内ケーブルをタンデム接続して、単一収集ステ
ーションの井戸地一体感知ノードを形成してもよい。
図3におけるS07とB06は、独
立した収集ステーションを採用してそれぞれ測定してもよく、B06井戸内ケーブルをS
07の尾端に接続し、B06の収集ステーションを節約してもよい。井戸地のタンデム接
続の利点は、井戸地電極測定がS07収集ステーションの内部で直接完了し、シームレス
なドッキングを図り、より多くの組み合わせ測定方式を有することである。短所は、測定
点が多くなり、収集時間が相対的に長くなることである。
【0052】
2.収集パラメータ設定
本発明は、ランダムダイポール装置を統一的な装置タイプとして採用し、この装置タイ
プは、ウェンナー、シュランベルジャー、ダイポール-ダイポールなどの規則的な装置タ
イプを含むとともに、様々な非対称的、非共線的な装置タイプをさらに含む。そのため、
ランダムダイポール装置は、すべての装置タイプの正規化表現形式であり、且つダイポー
ルモーメントと電極間距離パラメータは、動的に調整可能であり、広い適応性と柔軟性を
有し、複雑と特殊な需要の観測設定(道路分岐路横断及び不等間隔電極設定)を柔軟に実
現するのに有利であり、そしてダイポール‐ダイポール装置は、比較的に高い探知分解能
を有する。装置タイプ設定に加えて、収集パラメータ設定は、実際の測定の分解能と探査
深さに決定的な影響を与えるため、最適な探知効果を得るために適切な収集パラメータを
設計する必要もある。
【0053】
(1)最適な電極間距離
電極間距離とは、電極配列において前後に置かれた電極の間の距離であり、ランダム分
布システムでは、実際の電極位置は、地表状況に応じてフローティングで変化することが
できる。電極間距離が探知深さ、イメージング分解能及びシステムの建設コストを決める
ため、電極間距離は、フローティングで変化することができるが、探査深さと分解能との
間の平衡点を総合的に考慮すると、依然として最適な電極間距離の値範囲が存在する。実
際の電極点の布設時、最適な電極間距離電極を参照して布設することが推奨される。
【0054】
(2)最大隔離係数
電極ピッチをpとすると、給電と電位測定点のピッチは、p、2p、3p、4pから配
列の最大間隔N*p(Nは、計器システムの電極チャンネル数である)まで可能であるが
、実際の測定の時、往々して最大探査深さhから最大隔離係数(m<=N)を推定して設
定し、
(1)
ここで、λ=2~3である。データ収集時、給電電極対AB、電位測定電極対MNのピ
ッチ(ダイポールモーメント)及びABとMN電極対との間のピッチ(電極間距離)は、
隔離係数1からmまで順次増加し、すべての可能なABMN位置組み合わせタイプをトラ
バースする。
【0055】
(3)有効測定半径:
井戸地連携探知とモニタリングに関するため、三次元空間内の給電と電位測定測定点の
分布と有効測定半径問題を考慮する必要がある。地下媒体の不均一性のため、測定点が異
なる媒体に位置する時に有効測定範囲の差異が存在するため、井戸地連携測定の有効測定
範囲は、完璧で、対称的な球ドメイン空間ではない。しかし、有効測定範囲自体は、計器
の測定精度と給電電流の大きさなどの様々な要素の影響を受け、一定の弾性変化空間を有
することを考慮するため、依然として一つの「有効測定球ドメイン」に簡略化して測定点
を選別し、測定効率と効果を改善することができる。「有効測定球ドメイン」の半径は、
有効測定半径Rである。有効測定半径R以外では、ダイポール-ダイポール装置は、電極
間距離の増加に伴って電位差が迅速に低下し、計器の有効測定精度を下回るように迅速に
低下する。R<=n*aであり(ここで、nは、有効半径係数であり、aは、給電電極対
のダイポールモーメントであり)、一般的にはn=6~8である。本発明は、動的変化ダ
イポールモーメント測定設計を採用することにより、計器の読み取り精度を効果的に改善
することができる。そのため、実際の感知半径係数nは、6~14の間で選択することが
推奨される。有効半径を設定する目的は、実際のデータ収集時に有効測定半径に応じて測
定閾値を設定し、有効測定半径を超える大部分の測定プロセスを排除し、データ収集効率
を向上させることである。
【0056】
同時に測定中に、次の式に従って給電電極対ABと測定電極対MNのピッチをリアルタ
イムで計算し、
A、B点の座標をそれぞれ(x
A、y
A、z
A)と(x
B、y
B、z
B)とすると、A
Bにおける点Oの座標は、以下のようになり、
(2)
M、N点の座標をそれぞれ(x
M、y
M)と(x
N、y
N)とすると、MNにおける点
O
1の座標は、以下のようになり、
(3)
すると、OO’ピッチLは、以下のようになり、
(4)
そして設定される有効測定半径と比較し、超過したMN点の測定を取り消し、データ収
集プロセスを加速する。
【0057】
3.給電電極対と測定電極対の選択
本発明のデータ収集プロセスでは、システムが測定点の不均一で、ランダムな分布をサ
ポートするため、AB及びMNのピッチは、隔離係数(電極ピッチの倍数)の増加に伴っ
て増加する。収集前に予め位置決め測定によってすべての測定点の位置情報を得、ABM
Nの間の位置に基づいて測定プロセスに応じて動的に変化する有効測定半径をリアルタイ
ムで計算し、収集選点プロセスを制御する必要がある。
【0058】
本発明の測定プロセス全体は、給電プロセスをめぐって展開され、即ち各感知ノード内
のすべての可能な給電電極組み合わせ(給電電極対AB)をトラバースする。各給電組み
合わせについて、この給電電極対ABに対応するすべての可能な電位測定電極組み合わせ
(給電ノード内又は周辺ノードにおける有効測定球ドメイン内の電位測定電極対MN)を
トラバースして探し、「1給電多測定」を実現する。測定プロセスは、エッジノード番号
、感知ノード番号の順にすべての給電点をトラバースし、最後の給電点測定が完了するま
で、測定領域全体の1回のデータ収集プロセスが完了する。そして設定される時間間隔で
測定プロセスを繰り返し、四次元動的感知を実現する。ある領域で異常を発見した場合、
観測頻度を調整し、領域全体又は異常区間(エッジノード設定)の密集化測定を行うとと
もに、他の検出手段と実地現場検査と連携して異常検証を行うことができる。
【0059】
具体的な実行プロセスは、次のとおりである。
【0060】
(1)中央クラウドコンピューティングプラットフォームは、順に順次異なるエッジノ
ードを選択してブロック別測定を行い(選択されたエッジノードは、アクティブノードで
あり、アクティブ化されていない他のエッジノードは、スリープ状態にある)、選択され
たエッジノードは、感知ノード番号の順に一つの感知ノードを給電ノードとして選択し、
そして感知ノード内の一つの電極組み合わせを給電電極対ABと、この感知ノードが属す
るエッジノードドメイン内の電極組み合わせを測定電極対MNとして選択し、且つこの測
定電極対MNは、同一の感知ノードに属し、測定電極対MNとABとのピッチがABの有
効測定半径r内にあるかどうかを判断し、そうであれば、給電と電位測定を行い、そうで
なければ、次のABMN組み合わせの位置に移動して新たな測定条件判断を行い、この感
知ノード内のすべての給電電極対及び電位測定電極対の組み合わせのトラバースが完了す
ると、この感知ノードを給電ノードとする時の給電と電位測定プロセスが完了し、
(2)次の抵抗率感知ノードに順次移動して給電と電位測定プロセスを実行し、最後の
感知ノードのすべての組み合わせ電極対給電が完了すると、現在のエッジノードの給電と
測定プロセス全体が完了し、
(3)そしてすべてのエッジノードのトラバースが完了するまで、次のエッジノードに
進み、同じ給電と測定プロセスを実行する。
【0061】
また、収集データの完全性を確保し、地下空間イメージングの鮮明度を改善するために
、給電電極対を選択する時、以下のような方式でABの電極間距離を絶えず変える。
【0062】
(1)エッジノードが感知ノードを給電ノードとして順次選択すると、給電電極対ABは
、この感知ノードにおいてのみトラバースし選択し、AB点の選択は、電極点番号の小さ
い順に行い、まず収集ステーションに近い端(始点)から開始し、収集ステーションとの
距離が最も近い一つの電極点を電極Aとし、AB項番の間隔が1に等しい電極点を電極B
として選択して給電を実施し、そしてABの項番の間隔を維持し、A、Bを次の電極点に
順に移動し、B点が現在の感知ノードの最後の電極点に到着すると、すべてのAB項番の
間隔が1に等しい給電プロセスが完了し、
(2)そして始点から、ABの間に2つの項番の間隔を維持する測定点を選択して給電を
実施し、そしてA、Bを順に移動してB点が最後の電極点に到着すると、ABの間が2つ
の項番の間隔である給電プロセスが完了し、
(3)AB項番の間隔の変更を繰り返し、設定される最大隔離係数に達すると、この感知
ノードの給電プロセスが完了する。そして次の感知ノードを選択し、上記給電点の選択プ
ロセスを繰り返して給電を実施する。
【0063】
給電のたびにエッジノードは、給電開始時刻、給電パラメータなどを設定する。給電が
完了した後に給電電極番号、開始時間と給電電流数値を保存し、測定全体が完了した後に
データ全体をエッジノードにアップロードして処理と選別を行う。
【0064】
同時に、データの収集レートを向上させるために、本発明による測定電極対の処理は、
ノード内とノード間の二つ収集方式に分けられる。
【0065】
(1)ノード内では、順次シリアル測定を採用する:一つのノード内では、給電のたびに
、MN順次表に従って、そのうちの一つの測定電極対MNを選択して電位測定を行う。そ
して他の対になるMNを選択して次の給電と電位差測定を行う。測定のたびに、一つのノ
ード内のMNの様々な組み合わせは、そのうちの一つの電位測定電極対の組み合わせを順
番に選択して測定プロセスを実行する必要がある。
【0066】
(2)ノード間では、同時に並行測定を採用する:MNがABの位置するノード以外の他
のノードに位置する時、測定のたびにABに給電すると、異なるノードに位置するMNは
、同時に電位測定を行う。GPS時報によって、異なるノード間の複数の電極対MNと給
電電極対ABとが同時並行的に作動するように協調され、「1給電多測定」を実現する。
【0067】
さらに、本発明のデータ収集プロセスは、給電しながら電位測定点を探す方式を採用す
ることができ、この方法は、実行可能であるが効率が悪すぎ、大量の重複計算と無謀なサ
ーチプロセスを伴い、データ収集効率に深刻な影響を与える。そのため、収集表を事前に
予め作成する方式で収集効率を改良することができ、即ち、感知ノードが一度に配置され
た後に電極点の位置が固定され、且つ正確な位置座標を有した後、エッジノードにおいて
給電と電位測定収集表を事前に計算して作成し、給電点ABのノード番号、電極番号及び
対応する電位測定点MNのノード番号、電極番号を配列することができる。給電と電位測
定に一対多の関係が存在するため、収集表には、ある給電電極対ABに対応して、複数の
電位測定電極対MNが存在する。同一の感知ノードに属するMNは、列の前後に置かれ、
異なる感知ノードに属する電位測定点は、ノード番号に応じて行別に置かれる。実際のデ
ータ収集時には、各給電点ABについて、異なるノードからの測定電極対MN番号を順次
抽出するとともに、並行電位測定を行い、測定が完了した後にノード番号、電極番号、収
集時間及び電位差数値を保存する。そして次の列に順次移動し、この列に対応する異なる
ノードの測定電極対MN番号を抽出し、給電点ABに給電を通知するとともに、対応する
番号のノードにおける該当する番号の電極に電位測定を行うことを通知し、記録して保存
する。そしてポインタは、後の列のMN電極対を指向し、抽出して電位測定に用い、後の
列のMNが空になると、このAB電極対給電プロセスが完了し、収集表の次の給電点に移
動し、収集表における最後の給電点の最後の電位測定点の測定が完了するまで上記プロセ
スを繰り返すと、このエッジノードのデータ収集プロセス全体が完了する。
【0068】
感知ノードに更新(感知ノードの増減)がある場合、更新情報を提出し、更新後の測定
プロセスのために収集表を再計算する。この表を利用することで、収集ステーションの計
算作業量とサーチ時間を大幅に軽減し、収集効率を向上させることができる。
【0069】
4.測定データのアップロードと記憶
収集作動が完了した後、エッジノードは、今回の作業のすべてのデータをアップロード
するよう各感知ノードに通知する。エッジノードは、各感知ノードによりアップロードさ
れたデータを時系列的に整理する。各ノードによりアップロードされたデータには、給電
のデータが含まれ、電位測定のデータも含まれ、時間と収集表によって照合し、エッジノ
ード番号、感知ノード番号、測定時間、給電点A番号、給電点B番号、測定点M番号、測
定点N番号、給電電流I、電位差V、装置係数K、見掛比抵抗率Psの電子表を作成する
必要があり、ここで、装置係数K及び見掛比抵抗率Psは、ABMN位置座標及び給電電
流I及び電位差Vに基づいて計算した後に表に補足し、完全な測定データ情報表を形成す
る。
【0070】
5.データ処理とデータマイニング(人工知能クラウドコンピューティング)
ビッグデータ向け人工知能は、抵抗率感知システム全体におけるデータの流れプロセス
を通し、連邦計算ベースのスマートエッジクラウドの競合協調と最適化配置に基づいて、
感知ノードデータ収集プロセスの自動最適化管理を形成することから、センタークラウド
がビッグデータとマシン学習のデータマイニングとスマート分析に基づいて、感知モデル
を構築し、自動的かつ迅速に異常を識別することまでである。
【0071】
本発明の最大の特徴は、構築されたシステムにおける各構成ユニットの間のデータスト
リームに双方向フィードバック式スマート化流れが存在することであり、即ち、感知ノー
ドは、エッジノードに制御されるとともに、自分の状態情報及び収集されたデータをタイ
ムリーに自動的にエッジノードにアップロードし、エッジノードがタイムリーに収集パラ
メータ設定を調整し、データ収集頻度を更新することを容易にする。エッジノードは、初
歩的な処理分析結果をセンタークラウドのデータセンターに報告、データセンターは、履
歴データ及びその他のマルチソースデータに基づくスマート分析の結果フィードバックを
各エッジノードに配布し、各エッジノードが迅速な異常分析とリスク識別を行うように指
導する。都市大脳は、データセンターから送信されたモデル予測結果と早期警戒情報を受
信し、他のマルチソースデータと結び付けて科学的な分析と決定を行う。同時に、他のマ
ルチソースデータ及びその履歴情報をデータセンターに返送し、モデルの校正と完善を支
援する。
【0072】
6.マルチソースデータ分析とスマート決定
感知システムは、日に日に積み重なり、大規模の見掛比抵抗率データを得、見掛比抵抗
率は、地下と空間構造抵抗率の総合的な反映にすぎず、抵抗率の反転によってこそ抵抗率
イメージング結果を得られる必要がある。三次元と四次元抵抗率イメージングは、大量の
計算リソースと機械時間を必要とする。大範囲全体のデータ反転は、経済的でも現実的で
もないため、本発明は、クラウド端で人工知能アルゴリズムを採用して抵抗率ビッグデー
タに対してスマート分析とデータマイニングを行い、そのうちの変化が大きい異常点と異
常領域を識別、発見し、そして異常区間に対して精密な四次元反転を行い、異常区間の経
時変化特徴を理解し、天気などの要素の原因を排除する。そして重点的な異常区間に対し
て感知測定頻度を向上させ、異常変化が加速し、又は範囲が拡大する傾向がある場合、リ
スク評価モードに入る:1.さらに測定頻度を密集化して動的リアルタイム観測を行う。
2.現場ボーリング調査検証及びその他の地球物理的方法(レーダ、電磁法又は地震探査
)検証を含む、現場の確認、検証を行う。現場検証で異常を排除した場合、原因を分析し
、モデルとこの区間の警報閾値を修正する。現場検証で異常を認めた場合、都市大脳に報
告し、マルチソースデータ分析と専門家システムを起動して異常の発生源と形成原因を判
断し、決定指示システムに提出して応急処置を行う。同時に、良い成功事例としてデータ
セット最適化モデルを訓練し、予測効果を向上させる。
【国際調査報告】