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特表2024-534792エネルギー粒子の合成及び生成のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】エネルギー粒子の合成及び生成のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/16 20220101AFI20240918BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20240918BHJP
   B22F 1/05 20220101ALI20240918BHJP
   B22F 1/054 20220101ALI20240918BHJP
   B64G 1/56 20060101ALN20240918BHJP
   B64G 1/64 20060101ALN20240918BHJP
   B64G 1/40 20060101ALN20240918BHJP
   B64G 1/10 20060101ALN20240918BHJP
【FI】
B22F1/16
B22F1/00 N
B22F1/00 S
B22F1/05
B22F1/054
B64G1/56
B64G1/64 800
B64G1/40 300
B64G1/10 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509430
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 CA2022051251
(87)【国際公開番号】W WO2023019357
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,094
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521382001
【氏名又は名称】オカブ ディートリヒ インダクション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オカブ,ハルーン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ディートリヒ,ジョージ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒッキー,ジーン-ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ワン,アンキ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,イーチ
【テーマコード(参考)】
4K018
【Fターム(参考)】
4K018BA03
4K018BA07
4K018BA08
4K018BA09
4K018BA13
4K018BA20
4K018BB04
4K018BB05
4K018BC28
4K018BD10
4K018KA70
(57)【要約】
エネルギー粒子の合成方法及び関連システムであって、方法が、金属粉末を提供することと、金属粉末を第1の流体中に分散させて第1の懸濁液を形成することと、第1の懸濁液を酸化物前駆体、水酸化アンモニウム水溶液及び第2の流体と接触させて第1の生成物を生成することと、生成物固体を収集することと、生成物固体を誘導加熱してエネルギーコアシェル粒子を生成することと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムであって、
粒子合成反応を行うためのチャンバと、
前記チャンバに酸化物前駆体を供給するための、前記チャンバに連結された酸化物源と、
前記チャンバに金属を供給するための、前記チャンバに連結された金属源と、
合成されたエネルギーコアシェル粒子を前記チャンバから出力するための、前記チャンバに連結されたノズルと、
チャンバ内容物を誘導加熱してエネルギーコアシェル粒子を合成するための、前記チャンバに連結された誘導加熱源と、を備える、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記チャンバに補助材料を供給するための、前記チャンバに連結された補助材料源を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記チャンバに供給するための補助材料が流体を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、
前記ノズルに連結され、前記ノズルからエネルギーコアシェル粒子を受け取るように構成された捕捉貯蔵システムを更に備え、
前記捕捉貯蔵システムは、エネルギーコアシェル粒子を貯蔵容器内に包装するように更に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記捕捉貯蔵システムは、貯蔵エネルギーコアシェル粒子を加熱するための誘導加熱要素を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、電磁懸濁サブシステムを更に備え、
前記電磁懸濁サブシステムは、前記ノズルによって出力されたエネルギーコアシェル粒子を懸濁するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記ノズルに連結されたゲル包装サブシステムを更に備え、
前記ゲル包装サブシステムは、前記ノズルからコアシェル粒子を受け取り、コアシェル粒子をゲルカプセルに封入するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ノズルは、複数のサブノズルを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、前記チャンバの内容物を電磁放射に曝露するための電磁送信機を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、エネルギーコアシェル粒子を電磁放射線に曝露するための電磁送信機を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、エネルギーを回収するために、前記電磁送信機によって放射された電磁放射線を受信するための電磁受信機を更に備える、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、前記システムの操作パラメータを調整するように構成された制御システムを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御システムは、訓練された機械学習モデルを適用して、前記システムの操作パラメータを調整するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
エネルギー粒子の合成方法であって、
金属粉末を提供することと、
前記金属粉末を第1の流体中に分散させて第1の懸濁液を形成することと、
前記第1の懸濁液を、酸化物前駆体、水酸化アンモニウム水溶液、及び第2のアルコールと接触させて、第1の生成物を生成することと、
生成物固体を収集することと、
生成物固体を誘導加熱して、エネルギーコアシェル粒子を生成することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記第1の生成物を第1の期間にわたり撹拌することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
生成物固体を誘導加熱する前に生成物固体を粉砕することを更に含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
生成物固体を誘導加熱する前に、メッシュ篩を通して生成物固体を処理することを更に含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記金属粉末が、アルミニウム粉末である、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記酸化物前駆体が、硝酸銅である、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の液体が、アルコールである、請求項14~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の液体が、アルコールである、請求項14~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記生成物固体が250℃に誘導加熱される、請求項14~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記金属粉末が1ミクロンの平均粒径を含む、請求項14~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記金属粉末が40ナノメートルの平均粒径を含む、請求項14~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
生成物固体が濾過によって収集される、請求項14~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記金属粉末が、鉄粉末である、請求項14~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が特定の当量比を有するエネルギーコアシェル粒子を生成し、前記エネルギーコアシェル粒子が燃焼されるとき、前記燃焼が所定の点火遅延を含むように、金属粉末と酸化物前駆体との前記比が構成される、請求項14~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
生成物固体を誘導加熱してエネルギーコアシェル粒子を生成することが、エネルギーコアシェル粒子を改善することを含む、請求項14~27のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、エネルギー粒子に関し、特に、コアシェル構造を有するAl/CuO粒子などの球状エネルギーコアシェル粒子の合成及び生成のための方法及びシステムに関する。
【0002】
序論
金属材料及び/又は燃料などのエネルギー粒子は、地球及び宇宙におけるエネルギー需要を満たすための代替エネルギー源として加熱及び燃焼に使用することができる。金属は高いエネルギー密度を有し、従って、電池、エネルギー材料、及び/又は推進剤を含む多くの用途で使用することができる。金属粉末の酸化は、様々な用途のための効率的なエネルギー担体方法及びエネルギー源として使用することができる。金属と酸化剤との間の発熱反応は、熱を放出し、金属酸化物などの生成物を生成する。ある用途では、このエネルギー放出を使用してロケットノズル内の流体を加速すること、及び/又は熱機関のための熱を生成することによって、推力が生成され得る。別の用途では、このエネルギー放出を使用して発電システム内の流体を加熱することによって、電気を発生させることができる。
【0003】
テルミット材料は、燃料(例えば、Al、Mg、Siなど)及び酸化剤(金属酸化物、フルオロポリマー、酸化ヨウ素など)を含み、軍事及び民間の分野で広く適用されている。ナノテクノロジーの発展に伴い、サブミクロン材料又はナノテルミット材料も開発され、研究されてきた。従来のテルミット材料と比較して、サブミクロン材料及びナノテルミット材料は、その著しく拡大された表面接触及び短縮された拡散長に起因して、より短い反応遅延、低下した活性化エネルギー、より速い反応速度、及びより高い圧力などの著しく向上したエネルギー性能を示した。しかしながら、外部刺激に対する高い感受性、Alナノ粒子の反応性焼結、及び燃料と酸化剤との間の相分離を含む、その性能を最適化するためのテルミット材料のより広い適用を妨げるいくつかの問題がある。
【0004】
研究者らは、この問題を克服するために、異なる構造、合成経路、及び添加剤を有する様々なテルミット生成物を開発してきた。相分離及び反応性焼結の発生を回避するために、界面活性剤又は自己組織化法を使用した。グラフェンは、静電放電に対する感度を低減するために使用されてきた。ナノラミネート、ナノシート、及びコアシェル構造は、テルミット生成物の反応性を調整するために開発された。これらの異なる構造及び合成方法論の中で、エネルギーコアシェル構造は独特の利点を示す。燃料と酸化剤との間の最大化された表面接触及び短い拡散長に起因して、金属の相分離及び反応性焼結が排除され、エネルギー性能の向上がもたらされた。
【0005】
そのようなエネルギーコアシェル構造粒子は、現在知られている方法で製造することが困難及び/又は複雑である。
【0006】
従って、エネルギーコアシェル粒子などの金属材料及び/又は燃料を製造するための改善された方法及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムが本明細書において提供される。このシステムは、粒子合成反応を行うためのチャンバと、チャンバに酸化物前駆体を供給するための、チャンバに連結された酸化物源と、チャンバに金属を供給するための、チャンバに連結された金属源と、合成されたエネルギーコアシェル粒子をチャンバから出力するための、チャンバに連結されたノズルと、チャンバ内容物を誘導加熱してエネルギーコアシェル粒子を合成するための、チャンバに連結された誘導加熱源とを含む。
【0008】
システムは、チャンバに補助材料を供給するための、チャンバに連結された補助材料源を更に含むことができる。
【0009】
チャンバに供給するための補助材料は、ガス、液体、又は別の流体を更に含むことができる。
【0010】
システムは、ノズルに連結され、ノズルからエネルギーコアシェル粒子を受け取るように構成された捕捉貯蔵システムを更に含むことができ、捕捉貯蔵システムは、エネルギーコアシェル粒子を貯蔵容器内に包装するように更に構成される。
【0011】
捕捉貯蔵システムは、貯蔵されたエネルギーコアシェル粒子を加熱するための誘導加熱要素を更に含むことができる。
【0012】
システムは、電磁懸濁サブシステムを更に含むことができ、電磁懸濁サブシステムは、ノズルによって出力されたエネルギーコアシェル粒子を懸濁するように構成される。
【0013】
システムは、ノズルに連結されたゲル包装グサブシステムを更に含むことができ、ゲル包装サブシステムは、ノズルからコアシェル粒子を受け取り、コアシェル粒子をゲルカプセル内に封入するように構成される。
【0014】
ノズルは、複数のサブノズルを更に含んでもよい。
【0015】
システムは、チャンバの内容物を電磁放射に曝露するための電磁送信機を更に含んでもよい。
【0016】
システムは、エネルギーコアシェル粒子を電磁放射に曝露するための電磁送信機を更に含み得る。
【0017】
システムは、電磁送信機によって放射された電磁放射線を受信してエネルギーを回収するための電磁受信機を更に含むことができる。
【0018】
システムは、システムの操作パラメータを調整するように構成された制御システムを更に含むことができる。
【0019】
制御システムは、システムの操作パラメータを調整するために、訓練された機械学習モデルを適用するように構成され得る。
【0020】
本明細書では、エネルギー粒子の合成方法が提供される。この方法は、金属粉末を提供することと、金属粉末を第1の流体中に分散させて第1の懸濁液を形成することと、第1の懸濁液を酸化物前駆体、水酸化アンモニウム水溶液及び第2のアルコールと接触させて第1の生成物を生成することと、生成物固体を収集することと、生成物固体を誘導加熱してエネルギーコアシェル粒子を生成することとを含む。
【0021】
本方法は、第1の期間にわたって第1の生成物を撹拌することを更に含み得る。
【0022】
本方法は、生成物固体を誘導加熱する前に生成物固体を粉砕することを更に含んでもよい。
【0023】
本方法は、生成物固体を誘導加熱する前にメッシュ篩を通して生成物固体を処理することを更に含んでもよい。
【0024】
金属粉末は、アルミニウム粉末であってもよい。
【0025】
酸化物前駆体は硝酸銅であってもよい。
【0026】
第1の流体はアルコールであってもよい。
【0027】
第2の流体はアルコールであってもよい。
【0028】
本方法は、生成物固体を250℃に誘導加熱することを更に含むことができる。
【0029】
金属粉末は、1ミクロンの平均粒径を有し得る。
【0030】
金属粉末は、40ナノメートルの平均粒径を有し得る。
【0031】
生成物固体は、濾過によって収集することができる。
【0032】
金属粉末は、鉄粉末であってもよい。
【0033】
金属粉末と酸化物前駆体との比は、方法が特定の当量比を有するエネルギーコアシェル粒子を生成し、エネルギーコアシェル粒子が燃焼されるとき、燃焼が所定の点火遅延を含むように構成され得る。
【0034】
他の態様及び特徴は、いくつかの例示的な実施形態の以下の説明を検討することにより、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本明細書に含まれる図面は、本明細書の物品、方法、及び装置の様々な例を説明するためのものである。図面は以下の通りである。
図1】一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子を合成する方法を示すフローチャートである。
図2】別の実施形態による、金属酸化物コアシェル粒子を合成する代替方法を示すフローチャートである。
図3】一実施形態による、図1~2の合成方法を示す図である。
図4】一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図5】別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図6】別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図7】一実施形態によるテルミット混合物の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図8】別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図9】別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステムを示すブロック図である。
図10】一実施形態による、エネルギー粒子の燃焼パラメータを測定するためのシステムを示すブロック図である。
図11】一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の燃焼について捕捉された点火遅延データを示すグラフである。
図12】一実施形態による、様々な当量比及び粒径のエネルギーコアシェル粒子の燃焼について測定された点火遅延データを示すグラフである。
図13】一実施形態による、レーザ集束補助点火装置システムを示すブロック図である。
図14】一実施形態による、取り外し可能なテザー付きプレートシステムを示すブロック図である。
図15】一実施形態に係るレーザ補助放出システムを示すブロック図である。
図16】一実施形態による、図15のレーザ補助放出システムを示す付加的ブロック図である。
図17】一実施形態による、複数衛星操作のためのシステムを示すブロック図である。
図18】一実施形態による、図17の複数衛星操作のためのシステムを示す付加的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
様々な装置又はプロセスを以下で説明して、各特許請求される実施形態の例を提供する。以下に記載される実施形態は、特許請求される実施形態を限定するものではなく、特許請求される実施形態は、以下に記載されるものとは異なるプロセス又は装置をカバーし得る。特許請求される実施形態は、以下に記載される任意の1つの装置若しくはプロセスの全ての特徴を有する装置若しくはプロセス、又は以下に記載される複数若しくは全ての装置に共通の特徴に限定されない。
【0037】
ミクロンコアシェル粒子又はナノコアシェル粒子のいずれかを生成するために使用することができる、金属-金属酸化物コアシェル粒子、Al-CuO粒子などのエネルギーコアシェルを合成するための方法及びシステムが本明細書に記載される。本明細書に記載の方法によって生成されたAl-CuOエネルギーコアシェル生成物は、Al粒子の表面上に小さなCuO粒を有する均一なコアシェル構造を示す。本明細書に記載される方法は、銅以外の金属又は非金属の酸化物コアシェルを有するAl粒子が生成され得るように、又は当技術分野で公知の任意の材料の酸化物コアシェルを有するアルミニウム粒子以外の金属粒子が生成され得るように、他の金属及び金属酸化物に拡張され得る。
【0038】
図1を参照すると、エネルギーコアシェル粒子を合成する方法100を示すフローチャートが示されている。方法100は、ステップ102、104、106、108及び110を含む。ステップは順番に記載されているが、いくつかの実施形態では、方法ステップは任意の順番で実行されてもよい。
【0039】
ステップ102において、金属粉末が提供される。いくつかの実施例では、金属粉末はアルミニウム金属粉末であってもよい。いくつかの実施例では、金属粉末は球状粒子を含み得る。いくつかの実施例では、金属粉末は、1ミクロンの平均粒径を含み得る。いくつかの実施例では、金属粉末は、40ナノメートルの平均粒径を含み得る。いくつかの実施例では、金属粉末は、最大100ミクロンの平均粒径を含み得る。いくつかの実施例では、金属粉末は、最大100ナノメートルの平均粒径を含み得る。他の実施例では、様々なサイズの金属粉末を使用して、ユーザ定義の基準に適合させることができる。
【0040】
他の実施例では、他の金属の金属粉末が使用されてもよい。これらの金属粉末は、鉄、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、ケイ素、ホウ素、スズ、タングステン、モリブデン、又は当技術分野で知られている任意の他の金属を含むことができる。
【0041】
いくつかの実施例では、金属粉末は、地球から供給され得る。他の実施例では、発生源は、スペースデブリ、軌道上の衛星、又は地球から宇宙へ輸送される他の物質を再利用することを含み得る。他の実施例では、金属粉末は宇宙から供給されてもよい。供給源は更に、月(月レゴリス)、火星(火星レゴリス)、及び/又はアステロイド源からの材料などの現場資源利用を含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、金属粉末は、工業プロセスの廃棄物産出、又は他の燃焼プロセスの生成物、又はヒト若しくはロボットの活動からの廃棄物処理から供給され得る。
【0043】
ステップ104において、金属粉末を第1のアルコール中に分散させて第1の懸濁液を形成する。いくつかの実施例では、この第1のアルコールはエタノールを含み得る。他の実施例において、アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール又はそれらの組み合わせを含む群から選択されてもよい。
【0044】
他の実施例では、アルコール以外の液体をステップ104で使用して分散液を形成することができる。例えば、金属粉末は、アルコールの代わりに水、又は当技術分野で知られている任意の他の液体若しくは流体に分散されてもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、ステップ104の分散液は、金属粉末と第1のアルコールとの混合物を撹拌するステップ、又はそのような混合物を超音波処理に供するステップを含み得る。いくつかの実施例において、ステップ104で生成された第1の懸濁液は、0.5グラムのアルミニウム、及び100mLのアルコールを含み得る。
【0046】
ステップ106では、第1の懸濁液を、酸化物前駆体、水酸化アンモニウム水溶液及び第2のアルコールと接触させて、第1の生成物を生成する。いくつかの実施例では、第1の懸濁液は、0.5グラムのアルミニウム及び100mLのアルコールを含んでもよく、ステップ106において、1gのCu(NO3)2・2.5H2O(酸化物前駆体)が添加されてもよく、2mLの水酸化アンモニウム水溶液(NH4OH、15%)が添加されてもよく、10mLの第2のアルコールが添加されてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、ステップ106において、酸化物前駆体(例えば、Cu(NO3)2・2.5H2O)に対する金属(例えば、アルミニウム)の他の比が適用されてもよく、様々な当量比を有する最終的なエネルギーコアシェル粒子が得られる。
【0048】
いくつかの実施例では、第2のアルコールはエタノールを含み得る。他の実施例では、第2のアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール又はそれらの組合せを含む群から選択され得る。
【0049】
方法100のステップ106において、酸化銅シェルを含むAl-Cu金属酸化物コアシェル粒子を形成するために、Cu(NO3)2・2.5H2Oを酸化物前駆体として使用した。他の実施例では、他の酸化物前駆体を添加して、他のAl-Cu金属酸化物コアシェル粒子、又は他の金属及び/若しくは酸化物の金属酸化物コアシェル粒子を形成してもよい。例えば、酸化物前駆体は、エネルギーコアシェル粒子の合成に適用するための以下の酸化物を生成するように選択されてもよい:CuO、NiO、TiO、WO、MoO、Fe、KMnO4,又は当技術分野で公知の任意の他の酸化物。
【0050】
いくつかの実施例では、金属酸化物又は酸化物前駆体は、地球から供給され得る。そのような発生源は、スペースデブリ、軌道上の衛星、又は地球から宇宙へ輸送される他の物質を再利用することを含み得る。他の実施例では、金属酸化物又は酸化物前駆体は宇宙から供給されてもよい。このような供給源としては、月(月レゴリス)、火星(火星レゴリス)、及び/又はアステロイド供給源が挙げられ得る。
【0051】
いくつかの実施例では、金属酸化物又は酸化物前駆体は、工業プロセスの廃棄物産出、又は他の燃焼プロセスの生成物、又はヒト若しくはロボットの活動からの廃棄物処理から供給され得る。
【0052】
Al-Cu金属酸化物の生成を含む実施例では、方法100のステップ106の接触プロセスの後、[Cu(NH4)]2+及びOHを含むシェルが、静電力によってアルミニウム粒子の外部に形成される。これらのシェルで覆われた粒子は、固体粒子(生成物固体)として溶液中に存在し得る。
【0053】
ステップ108では、第1の生成物を濾過して生成物固体を収集する。第1の生成物は、[Cu(NH4)]2+及びOHを含むシェルを含むアルミニウム粒子を含んでもよい。
【0054】
ステップ108の濾過は、真空補助濾過を用いて実施され得る。いくつかの実施例では、この真空補助濾過は、Whattman(商標)、グレード42濾紙を用いて行われ得る。
【0055】
他の実施例では、濾過以外の方法をステップ108で利用して、生成物固体を溶液から分離することができる。そのような方法には、遠心分離、蒸発、又は液体から固体を分離するための当技術分野で公知の任意の他の方法が含まれ得る。
【0056】
ステップ110では、生成物固体を誘導加熱して、エネルギーコアシェル粒子を生成する。生成物固体は、[Cu(NH4)]2+及びOHを含むシェルが外部に形成されたアルミニウム粒子を含んでもよい。ステップ110の誘導加熱プロセス中に、[Cu(NH4)]2+及びOHを含むシェルは酸化され、CuOに変換される。
【0057】
いくつかの実施例では、ステップ110の誘導加熱プロセスは、空気中で行われてもよい。そのような実施例では、空気中のガス状酸素は、[Cu(NH4)]2+及びOHシェルの酸化のための酸素源を含み得る。他の実施例では、加熱は、任意の他の酸素含有雰囲気又は任意の他の雰囲気中で行われてもよい。
【0058】
ステップ110の加熱プロセスは、2時間の期間にわたって、250℃又はその近傍で行われてもよい。
【0059】
ステップ110における誘導加熱プロセスは、有利には、精密な温度制御を可能にし、非誘導加熱方法に対して、より高い品質のコアシェル粒子を生成し得る。いくつかの実施例では、誘導加熱は、強磁性粒子(例えば、鉄)を直接加熱してもよく、熱がより正確に方向付けられ得るので、方法100の操作中の廃熱の低減をもたらし得る。
【0060】
図2を参照すると、エネルギーコアシェル粒子を合成する方法200を示すフローチャートが示されている。方法200は、方法100の任意の又は全てのステップを含むことができ、更に、ステップ202、ステップ204、及びステップ206を含む。ステップは順番に記載されているが、いくつかの実施形態では、方法ステップは任意の順番で実行されてもよい。
【0061】
ステップ202では、第1の生成物が第1の期間にわたって撹拌される。いくつかの実施例では、この第1の期間は4時間を含んでもよい。第1の生成物は、磁気撹拌棒を用いてフラスコ内で撹拌され得る。他の実施例では、ステップ202で第1の生成物を撹拌するために、当技術分野で知られている任意の他の方法、例えば、化学反応容器又はタンク内の一体化された撹拌機又は撹拌アタッチメントを使用することができる。ステップ202は、ステップ106とステップ108との間に実行されてもよい。
【0062】
ステップ204において、生成物固体はメッシュ篩を通して処理される。いくつかの実施例において、メッシュ篩は、140メッシュ篩を含む。生成物固体は、特別に構成されたメッシュサイズ及びパラメータの単一メッシュ篩、又は一連のメッシュ篩を通して押し出されるか、又は押し進められてもよい。いくつかの実施例では、生成物固体をメッシュ篩上に置き、振動又は振盪して、篩を通過し得る生成物固体(例えば、メッシュ孔サイズよりも小さい粒径を有する)を通過させてもよい。
【0063】
ステップ204は、ステップ108の完了後に実行されてもよく、生成物固体が収集される。
【0064】
方法100及び/又は方法200の完了後、金属酸化物コアシェル粒子が生成される。金属酸化物コアシェル粒子は、金属酸化物などの酸化材料の薄層によって囲まれた金属のコアを含む。いくつかの実施例では、金属酸化物コアシェル粒子は、金属アルミニウムのコアと、CuO(酸化銅)の薄層とを含み得る。そのような粒子は、本明細書に記載されるそのような反応の任意の適用を含むテルミット反応に使用され得る。
【0065】
ここで図3を参照すると、Al/CuOエネルギーコアシェル粒子の合成方法100/200の概略図300が示されている。図3に示すように、Al粒子302は、ステップ1において加水分解を受けて、[Cu(NH4)]2+及びOHシェル304を形成し、その後、熱処理されて、[Cu(NH4)]2+及びOHシェルをCuO 306に酸化する。
【0066】
本明細書に記載の方法(例えば、方法100及び方法200)及び/又はシステムを使用して生成された粒子を分析して、レーザ誘起点火下での点火遅延を測定した。
【0067】
様々な当量比を含む粒子を、レーザ点火を用いて調査した。レーザ点火に使用した試料は、本明細書に記載の方法100及び方法200などの方法に従って調製した。試料質量は、マイクロ粒子及びナノ粒子についてそれぞれ約3.5mg及び1.75mgであった。試料を緩い状態で保持した。起こり得る実験誤差を低減するために、各当量比に対して3つの試料が存在した。本明細書に記載される全ての結果は、これらの3つの試料から計算された平均値である。
【0068】
レーザ点火及び高速撮像分析のために使用される実験設定が、図10のシステム1000に示される。100msのパルス持続時間を有するダイオードレーザ1002(3.5W)が、レーザの電力密度を225W/cm2から40kW/cm2に増加させるための集束レンズ1006とともに、試料1004を点火するために利用される。試料1004を上方から加熱した。1nsの応答時間を有するフォトダイオード1008は、信号を送信してファントム高速カメラ1010をトリガし、極限ダイナミックレンジ(EDR)で200,000fps及び500nsの露光時間で記録するように構成された。高時間分解能信号を捕捉するために、2つのオシロスコープを使用して信号を捕捉する。
【0069】
点火遅延は、照明のフォトダイオード信号と点火のフォトダイオード信号との差から測定される。フォトダイオード信号における第1の「ジャンプ」はレーザ照射の開始を意味し、第2の「ジャンプ」はテルミット反応の開始を示し、これらは図11のグラフ1100に示されている。曲線上のレーザ照射点とテルミット反応開始点との間には、点火遅延を示す直線部分が存在する。レーザが試料に当たる瞬間と、関連する高速カメラビデオにおいて試料がより明るくなる瞬間との間の時間ギャップも、点火遅延に対応する。これら2つの測定方法を比較して結果を確認した。全ての結果は、これら2つの方法の間で比較可能な値を返した。
【0070】
異なる試料についての点火遅延を計算し、以下の表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】
結果はマイクロ粒子とナノ粒子で全く異なるので、それらは別々に考慮される。上の表、並びに図12のグラフ1200に示されるように、点火遅延は、マイクロ粒子の当量比の増加とともに増加するが、点火遅延は、当量比が2のナノ粒子試料で最も短い。1、3、5の当量比を有するマイクロ粒子の点火遅延は、5.832ms、7.209ms及び9.065msであり、1、2、3の当量比を有するナノ粒子については、0.542ms、0.325ms、及び1.847msである。ナノ試料の点火遅延は、マイクロ試料のそれよりも約1桁小さく、より小さい拡散距離が開始段階中に重要な役割を果たすことを示している。
【0073】
本明細書に記載されるシステム及び方法のいくつかの実施例では、合成されたエネルギーコアシェル粒子の当量比は、特定の点火遅延を有する粒子を生成するように特に構成され得る。異なる点火遅延を有する粒子は、粒子の最終的な用途に応じて有益であり得る。
【0074】
ここで図4を参照すると、一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の合成のためのシステム400の系統図が示されている。システム400は、本明細書に記載される方法100若しくは方法200などの方法、又はエネルギーコアシェル粒子の合成のための他の方法を行うように操作され得る。システム400は、チャンバ402、金属源404、酸化物前駆体源406、ノズル408、誘導加熱源410を備える。いくつかの実施例では、システム400は、任意選択で、図4に示すように、電磁送信機418、電磁受信機424、補助材料源412、捕捉貯蔵システム414、制御システム422、バルブ420、及び磁気懸濁システム426のいずれか又は全てを更に備えることができる。
【0075】
チャンバ402は、合成反応物を受け入れるように構成された機械的構造を含む。チャンバ402は、ステンレス鋼から構成された管状構造を含むことができる。他の実施例では、チャンバ402は、当技術分野で知られている任意の他の形状を備えてもよく、合成プロセスシステム400が適用されるのに適した任意の材料から構成されてもよい。
【0076】
チャンバ402は更に、磁気撹拌システム、超音波処理システム、及び/又は一体化された撹拌器、又はそれらの組み合わせ等の、チャンバ402内の内容物を撹拌又はかき混ぜるための特徴を備えてもよい。
【0077】
金属源404は、システム400によるエネルギーコアシェル粒子の生成のための金属粒子の供給を含む。金属源404は、所望のコアシェル合成プロセスに必要な任意の金属をチャンバ402内に供給することができる。金属源404によって提供される金属は、プロセスパラメータに応じて、形態、粒径、及び他のパラメータが変化し得る。金属源404は、金属をチャンバ402内に連続的に又は離散的に供給するように構成されてもよい。
【0078】
酸化物前駆体源406は、システム400によるエネルギーコアシェル粒子の生成のための酸化物前駆体材料の供給を含む。酸化物前駆体源は、所望のコアシェル合成プロセスに必要な任意の酸化物前駆体材料をチャンバ402内に提供することができる。酸化物前駆体材料は、最終的に酸化物シェル層を形成するか、又は酸化物シェル層に寄与する。酸化物前駆体材料は、本明細書に記載される方法100で適用されるように、酸化銅などの酸化物、又は硝酸銅などの最終的に酸化物に変換され得る材料を含み得る。酸化物前駆体源406は、酸化物前駆体をチャンバ402内に連続的に又は離散的に供給するように構成されてもよい。
【0079】
ノズル408は、チャンバ402から材料を出力するためにチャンバ402に連結された機械的構造を備える。ノズル408は、材料がチャンバ402から正確な出力位置に出力され得るように、テーパ状プロファイルを備えてもよい。ノズル408は、ノズル408によって搬送される材料と適合し得る任意の材料から構成され得る。いくつかの実施例では、ノズル408はステンレス鋼から構成されてもよい。
【0080】
誘導加熱源410は、強磁性材料を誘導加熱することができるデバイスを含む。誘導加熱源410は、必要に応じて合成反応物を加熱するために、チャンバ402、ノズル408、又はシステム400の他の構造に連結されてもよい。誘導加熱源410は、誘導加熱源410によって加熱される材料が正確かつ一貫した温度に加熱され得るように、正確に制御され得る。そのような正確な温度制御は、過剰な熱を除去することが困難である(例えば、過剰な熱は放散されなければならない)ので、宇宙環境において特に有利であり得る。誘導熱の高い精度は、生成される過剰な熱の量を低減し得る。
【0081】
補助材料源412は、金属源404及び酸化物前駆体源406の構成要素に類似した構成要素を含み、補助材料源412は、エネルギーコアシェル粒子を生成するのに必要な機械的、物理的及び化学的プロセスを容易にするために、追加の材料をチャンバ402内に供給することができる。補助材料は、エタノールなどのアルコール、水酸化アンモニウムなどの他の反応物、空気、不活性ガス、水、及び他の流体を含む担体流体、又はエネルギーコアシェル合成を改善又は容易にするためにチャンバ402に導入され得る当技術分野で知られている任意の他の物質を含み得る。
【0082】
いくつかの実施例では、光重合反応が可視光又は他の放射の適用によって開始され得るように、感光性ポリマー又はモノマーが補助材料源412によってチャンバ402内に導入され得る。
【0083】
捕捉貯蔵システム414は、システム400によって生成されたエネルギーコアシェル粒子を受け取り、貯蔵又は更なる使用のためにこれらの粒子を包装することができるシステムを備える。粒子は、不活性ガス、液体、ゲル及びワックスなどの中に貯蔵されてもよい。
【0084】
捕捉貯蔵システム414は、貯蔵プロセス及び操作中に熱を加えるための誘導加熱要素416を更に備えることができる。
【0085】
電磁送信機418は、電磁放射を放出することができるデバイスを備える。送信機418によって放出される電磁放射は、紫外線放射、可視光放射、X線放射、赤外線放射、又はシステム400によって適用されるプロセスに必要な任意の他の波長の放射を含むことができる。
【0086】
システム400に提供される内容物、生成物又は反応物は、特定の形態の電磁放射に対して感受性であり得る。電磁送信機418の存在により、システム400は、システム400のこれらの内容物、生成物又は反応物を所望の電磁放射に曝露することができる。
【0087】
電磁受信機424は、電磁放射線を吸収し、この電磁放射線を電気エネルギーに変換することができるデバイスを備える。電磁受信機424は、電磁送信機418によって放射される電磁放射線の形態及び波長に適合するように構成することができる。電磁受信機424は、電磁送信機418によって生成される漂遊電磁放射線を捕捉し、この捕捉された放射を電気に戻して再利用することによって、システム400によって浪費されるエネルギーを低減することができる。
【0088】
システム400では、電磁受信機424及び電磁送信機418はチャンバ402の外側に描かれているが、他の実施形態では、電磁受信機424及び電磁送信機418は、チャンバ402内の内容物がチャンバ402を出る前に電磁送信機418によって電磁放射線に曝露され得るように配置されてもよい。
【0089】
バルブ420は、金属源404とチャンバ402との間、酸化物前駆体源406とチャンバ402との間、補助材料源412とチャンバ402との間、及び材料の流れが好ましくは制御され得るシステム400の任意の他の部分を含む、システム400の構成要素間に存在する。いくつかの実施例では、追加のバルブがノズル408に一体化されてもよい。バルブ420は、システム400によって処理される材料に適合し得る、当技術分野で公知の任意の形態のバルブであってもよい。バルブ420は、好ましくは、電子的及び/又はコンピュータ制御されてもよい。
【0090】
電磁懸濁システム426は、システム400によってノズル408を通して出力されたエネルギーコアシェル粒子を受け取るように構成されたシステムを備える。磁気懸濁システム426は、電磁石を使用して導電性粒子及び/又は磁性粒子に磁場を印加及び変更して、粒子を定位置に磁気的に浮遊させ、粒子を所望の位置に移動させ、電磁懸濁及び/又は磁気流体力学の適用を通して粒子分散を維持してもよい。
【0091】
磁気懸濁システム426は、エネルギーコアシェル粒子を搬送する代替方法がマイクロ重力環境において無効にされ得るので、システム400の宇宙用途において特に有用であり得る。
【0092】
制御システム422は、システム400の他の構成要素に連結された1組の構成要素を備え、それにより、歩留まりを改善し、廃棄物を削減し、エネルギー使用量を削減し、又はエネルギーコアシェル粒子パラメータ及び/若しくは特性を変更するために、プロセスパラメータを調整することができる。制御システム422は、金属源404、酸化物前駆体源406、バルブ420、ノズル408、又はシステム400の任意の他の構成要素に連結することができる。
【0093】
いくつかの実施例では、制御システム422は、システム400の制御において人工知能(AI)及び/又は機械学習(ML)方法を適用することができる。制御システム422は、訓練されたAI/MLモデル及びアルゴリズム(ニューラルネットワーク、深層学習等を含むが、それらに限定されない)を適用してもよい。そのようなモデルは、以下を含む複数のユーザ駆動入力を相関させるか、又は受け取ることができる。酸化物前駆体タイプ、金属タイプ、補助材料タイプ、流量、温度、頻度、重力、混合、粘度、時間、当量比、形態、ドメイン(例えば、陸、空気、水のスペースなど)、又は他の入力パラメータ。そのようなモデルは、以下の出力、すなわち、粒子形状、コア含有量、シェル含有量、分布及びエネルギー特性、又はユーザ駆動入力に基づく他の出力を相関させるか、又は生成することができる。
【0094】
他の実施例では、制御システム422は、他の最適化スキーム及び方法を適用して、システム400の操作を最適化することができる。
【0095】
操作中、金属及び酸化物前駆体材料は、それぞれ金属源404及び酸化物前駆体源406からチャンバ402内に導入され得る。他の材料が、補助材料源412によってチャンバ402内に導入されてもよい。チャンバ402内の内容物が反応して、中間生成物又は最終コアシェル粒子を形成してもよい。いくつかの実施例では、チャンバ402の内容物は、誘導加熱源410を使用して、チャンバ402内で、又はノズル408を出るときに加熱されてもよい。粒子はノズル410から出ることができる。ノズル410を出た後、粒子は、更なる使用のために、電磁送信機418によって電磁放射線に更に曝露され、磁気懸濁システム428によって磁気的に懸濁され、及び/又は捕捉貯蔵システム414によって包装若しくは貯蔵され得る。
【0096】
ここで図5を参照すると、別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の生成のためのシステム500が図示されている。システム500はシステム400に類似しており、類似の構成要素の参照符号に100を加えている。
【0097】
ノズル510は、ノズル510が複数の出口を備えるという点でノズル410と異なる。ノズル510の複数の出口は、チャンバ502から複数の位置へのエネルギーコアシェル粒子の出力を可能にする。これは、エネルギーコアシェル粒子を複数の別個の包装、貯蔵容器、又は後続のシステム、機械若しくはプロセスに包装することを可能にし得る。
【0098】
ここで図6を参照すると、別の実施形態による、エネルギーコアシェル粒子の生成のためのシステム600が図示されている。システム600は、システム400の構成要素を含むサブシステム、及びゲル包装サブシステム602を備える。サブシステム602は、本体604、ダイロール606、ゲルリボン608、及び廃棄ゼラチン612を含む。
【0099】
上述のようにシステム400によって生成された粒子は、サブシステム602の本体604に提供され得る。粒子をゲルリボン608(ゼラチンからなる)上に配置し、ダイロール606を通過させてゲル610を形成することができる。ゲル610は、ゲル中に封入されたエネルギーコアシェル粒子を含む。システム600は更に、操作の副産物として廃棄ゼラチン612を生成し得る。
【0100】
他の実施例では、ゲルリボン608内に、限定はしないが、ワックス、又は他のエネルギーコアシェル粒子などの他のエネルギー粒子が注入されたゼラチンなど、ゼラチン以外の物質を使用することができる。
【0101】
ゲル610の生成は、有利には、非反応性形態で粒子を貯蔵し得、いくつかの構成では、ゲル610内の粒子間の間隔を増加させることによって、エネルギーコアシェル粒子の燃焼特性を改善し得る。
【0102】
ここで図7を参照すると、一実施形態による、テルミット混合物(ナノテルミット及び/又はマイクロテルミット)の生成のためのシステム700が示されている。システム700は、金属源704と、金属酸化物源706と、混合チャンバ702と、加熱チャンバ708と、デシケータ710とを備える。
【0103】
システム700は、テルミット混合物生成の機械的混合方法に適用され得る。反応物は、金属酸化物源706及び金属源704から混合チャンバ702に供給される。金属酸化物及び金属は、チャンバ702内で(例えば、超音波処理によって)混合されてもよい。いくつかの実施例では、混合を促進するために、エタノールなどの溶媒がチャンバ702に導入されてもよい。いくつかの実施例では、磁気撹拌システム、超音波処理システム、及び/又は一体化された撹拌器又はそれらの組み合わせが、システム700に一体化されてもよい。
【0104】
混合されると、チャンバ702の内容物は、加熱チャンバ708に提供されてもよい。加熱チャンバ708は、誘導加熱を適用して、チャンバ708の壁又はチャンバ708の内容物のいずれかを直接加熱することができる(例えば、内容物が強磁性である場合)。チャンバ708の加熱は、チャンバ702内に提供された溶媒の蒸発を促し得る。誘導加熱は、他の加熱方法に対して、より高い温度精度及び制御、並びに/又は低減されたエネルギー使用をもたらし得る。
【0105】
内容物は、内容物を乾燥させるために、加熱チャンバ708からデシケータ710に移送されてもよい。内容物は、誘導加熱の助けを借りて真空下で乾燥されてもよい。誘導加熱は、他の加熱方法に対して、より高い温度精度及び制御、並びに/又は低減されたエネルギー使用をもたらし得る。
【0106】
ここで図8を参照すると、一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子を生成するためのシステム800が示されている。システム800は、金属源804と、金属酸化物源806と、混合チャンバ802と、誘導加熱チャンバ808と、デシケータ810とを備える。
【0107】
システム800は、エネルギーコアシェル粒子合成の沈殿法を適用することができる。沈殿法は、Al粒子の上に銅錯体を形成する。銅錯体は、アニーリングによって更にCuOに変換される。銅錯体も溶液中で沈殿する可能性があるため、最終的なAl/CuOテルミットは、CuOとAl/CuOコア/シェル粒子との混合物となる。
【0108】
金属及び金属酸化物、Al及びCuOは、それぞれ金属源804及び金属酸化物源806から供給され、混合チャンバ802に供給される。Al及びCuOを混合し、エタノール中に分散させ、チャンバ802内で音波処理する。次に、水酸化アンモニウム溶液及び硝酸銅ヘミ(五水和物)エタノール溶液が、チャンバ802の懸濁液に加えられる。チャンバ802内の内容物を撹拌した後、アルミニウム粒子の表面上に銅錯体が形成される。この懸濁液を濾過し、次いでデシケータ810中で乾燥させる。最後に、乾燥された粒子は、誘導加熱チャンバ808を使用してアニールされ、銅錯体層を酸化銅に変換し、アルミニウム、酸化銅コアシェル粒子を形成する。
【0109】
チャンバ808による誘導加熱の適用は、他の加熱方法に対して、より高い温度精度及び制御、並びに/又は低減されたエネルギー使用をもたらし得る。
【0110】
ここで図9を参照すると、一実施形態による、エネルギーコアシェル粒子を生成するためのシステム900が示されている。システム900は、金属源904と、金属酸化物源906と、混合チャンバ902と、誘導加熱チャンバ908と、溶液源910とを備える。
【0111】
システム900は、エネルギーコアシェル粒子合成の置換方法を適用することができる。置換法は、銅をアルミニウムによって電気的に置換し、アルミニウム/銅コアシェル粒子を形成する。次いで、銅を更にアニールして酸化銅を形成し、エネルギーコアシェル粒子を形成する。
【0112】
システム900の操作において、CuSO4ベースの貯蔵溶液は、CuSO4、エチレンジアミン四酢酸及びトリエタノールアミンを脱イオン水に溶解することによって調製される。この溶液は酸化物源906からチャンバ902内に供給される。次に、NH4OH水溶液を溶液源910からチャンバ902内のCuSO4溶液に滴下する。次に、アルミニウム粒子を金属源904からチャンバ902の溶液中に添加し、チャンバ902内で超音波処理して、十分に分散した懸濁液を形成する。溶液を濾過し、アルコールを用いて洗浄し、次いで真空デシケータ中で乾燥させる。次に、粒子を換気下で誘導加熱チャンバ908内でアニールして、エネルギーコアシェル粒子を形成する。
【0113】
チャンバ908による誘導加熱の適用は、他の加熱方法に対して、より高い温度精度及び制御、並びに/又は低減されたエネルギー使用をもたらし得る。
【0114】
ここで図13を参照すると、一実施形態によるレーザ集束補助点火装置システム1300が示されている。システム1300は、軌道上のスペースデブリ1302及びスペースジャンクを清掃するために適用され得る。システム1300を構成する複数の衛星1304を低地球軌道に発射して、スペースデブリを除去するのを助けることができる。システム1300は、レーザ補助点火システムと、本明細書に記載の方法によって合成された金属酸化物コアシェル粒子などのエネルギー粒子とを適用することができる。点火は、レーザ及び/又は誘導点火システムによって開始されてもよい。
【0115】
ここで図14を参照すると、一実施形態による、取り外し可能なテザー付きプレートシステム1400が示されている。システム1400は、宇宙内の物体1402を宇宙船1404に係留するために適用され得る。システム1400は、機械的接続、トラック、及びジョイントなどの機械的機能のための要素を更に備えることができる。
【0116】
システム1400は、操作、物流、保守、ポイントツーポイント輸送、及び/又は軌道上昇のために使用され得る。他の実装形態では、展開可能なプレートは、係留された衛星サブシステム上で取り外し可能であり、宇宙で自由飛行物体に取り付けられるように放出され得る。衛星のネットワークの一部として機能する衛星システムは、状況認識を用いて、それ自体をターゲット物体に対して最良に位置決めすることができ、ドッキングのためにAI/MLアルゴリズム及び/又は自律システムを使用することができる。係留された衛星サブシステムは、推力用にそれ自体の推進システムを装備することができる。展開可能なプレートは、テザー付き衛星サブシステムに取り付けることができ、例えば、スペースデブリを捕捉するために、それ自体をターゲット物体上の複数の表面に取り付けることができる。レーザ補助点火システムを使用して、展開可能なプレートは、フィラー及び/又はエネルギー粒子の溶接及び/又は焼結を介して、表面に付着することができる。テザー付きシステムを使用して、衛星システムは、テザー付き衛星サブシステムとともに所定の位置にリールバックし、宇宙サービス及び/又は軌道離脱用途において継続される、軌道上昇のための推進力をターゲット物体に提供することができる。複数のスペースデブリは、リサイクル及び/又は再使用のために収集され集められるべき宇宙内の物体をリンクするために、展開可能なプレートを使用してリンクされ得る。
【0117】
他の実装形態では、展開可能なプレート及び/又はテザー付き衛星システム、及び/又は衛星システムは、軌道上昇又は軌道離脱、宇宙飛行士及び/又はロボットシステムによる保守のために、軌道及び輸送中の衛星に取り付けることができる。他の実装形態では、捕捉及び放出操作のために使用される取り外し可能なプレートは、フック及びロッドなどの複数の機械的接続を有することができ、線形に作動されて、ターゲット物体に取り付け、ターゲット物体から取り外すことができる。
【0118】
ここで図15を参照すると、一実施形態によるレーザ補助放出システム1500が示されている。システム1500は、宇宙の物体にランデブー及びドッキングするために衛星上に存在してもよい。いくつかの実施形態では、システム1500は、燃料補給衛星システムに搭載されてもよく、衛星を捕捉し、燃料補給し、連続操作のために放出する。システム1500は、軌道上の衛星に取り付けることができ、軌道上昇又は軌道離脱、あるいは宇宙飛行士及び/又はロボットシステムによる保守のために輸送することができる。
【0119】
ここで図16を参照すると、一実施形態による、図15のレーザ補助放出システム1500の追加の構成要素が示されている。図16に見られるように、取り外し可能な使い捨て溶接プレート1502が、捕捉及び放出操作のために存在する。更に、図16に示すように、ロッド1504を直線的に作動させ、フックを放出してターゲットから取り外すことができる。
【0120】
ここで図17を参照すると、一実施形態による複数衛星操作システム1600が示されている。システム1600は、他の衛星に、又は互いに連結され得る衛星1602を備え得る。いくつかの実施例では、複数の小型エンジンを有する母船が、物流及び保守操作のために他の衛星に接続されてもよい。
【0121】
ここで図18を参照すると、一実施形態による、図17の複数衛星操作システム1600の追加の構成要素が示されている。図18には追加の衛星1602が存在する。衛星1602は、レーザ源を使用して、地上、空気、水、又は宇宙でエネルギー粒子を点火することができる。
【0122】
いくつかの実施例では、本明細書に記載されるシステム及び方法は、異なるコアシェル構造などの異なる特性を有するエネルギーコアシェル粒子を生成するように修正され得る。そのようなコアシェル構造は、コアシェル、複数コアシェル、複数コア中空構造、ヨークシェル、複数コア中空、コアメソ細孔、サンドイッチコアシェル、及び埋め込み構造を含んでもよい。他の実施例では、コアシェル構造又は配置は、コアシェル、二重シェル、複数シェル、濃度勾配、及び完全濃度勾配を含み得る。
【0123】
本明細書に記載される方法及びシステムによって合成されるものなどの、マイクロテルミット、ナノテルミット、ナノエネルギーコアシェル粒子、及びマイクロエネルギーコアシェル粒子を含むテルミット混合物は、高密度貯蔵エネルギー、高強度エネルギー、低炭素放出エネルギー又は燃焼源、遠隔操作(地球軌道及び宇宙空間を含む)、及び他の要件を必要とするいくつかの用途に適用され得る。
【0124】
いくつかの実施例において、金属は、酸化剤、例えば、空気及び/又は水と組み合わされてもよい。酸化剤は、担体として、及び金属の酸化源として使用することができる。他の実施例では、テルミットの形態の燃料及び酸化剤は、両方とも同じ金属粒子(例えば、金属粒子の外側の金属酸化物コーティング)に位置してもよい。いくつかの実施例では、これらの粒子は、金属燃料(金属、金属性、及び/又はエネルギー粒子、テルミット及び/又はマイクロテルミット、及び/又はナノテルミットなど)と呼ばれることがある。
【0125】
金属材料は、燃料及び酸化剤、典型的にはそれぞれ金属及び金属酸化物から構成されるエネルギー粒子を含有し得る。ナノテルミットは、各粒子内の酸化剤及び燃料の両方から構成され、100ナノメートル以下のスケールである。粒子の質量当たりのエネルギー放出は非常に大きい。一実施例では、ナノテルミット若しくはマイクロテルミット、又はそれらの組合せを含む金属燃料推進剤を使用することは、効果的な加熱及び/又は燃焼のために、不活性担体ガス及び/又は液体若しくは流体と組み合わせて、推進剤をチャンバ内に分散させることができ、十分に制御された加熱、構成、電力及び推力発生をもたらす。
【0126】
金属材料及び/又は燃料(例えば、テルミット、マイクロテルミット、ナノテルミット)は、高いエネルギー密度を有し、不活性ガス、液体及び/又は担体流体と混合された場合、一般に、従来の燃料よりも取り扱い及び輸送が安全である。それらは、合成及び製造され、使用するために輸送され、及び/又は将来の使用のために貯蔵され得る。推進剤は、給電可能な電力のために製造され、貯蔵され、輸送され得る。貯蔵エネルギーは、物質の形態であってもよい。燃料は、建設、電力及び推進用途のために熱を発生させるために使用することができる。
【0127】
いくつかの実施例では、エネルギーコアシェル粒子は、CO、H2、Ch3OH、C2、及び/若しくはCHなどの生成物、又はCO2変換プロセスに由来する他の所望の生成物を生成するための二酸化炭素の変換のための熱触媒作用、光触媒作用、及び電気触媒作用プロセスなどの、二酸化炭素(例えば、大気二酸化炭素)の触媒変換のための供給源として使用され得る。いくつかの実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、メタンの触媒変換のための供給源として使用され得る。他の実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、他の温室効果ガスの触媒変換のための供給源として使用され得る。
【0128】
いくつかの実施例において、ナノテルミットは、推進、発電、エネルギー貯蔵、及びエネルギー分配のために使用されてもよい。いくつかの実施例では、ナノテルミットは、ユーザ定義の特性を有する3D印刷可能な材料を作成するために、3D印刷のための材料へのコアシェルの包含など、溶接、付加製造、及び3D印刷を含む構築のために使用され得る。いくつかの実施例では、ナノテルミットを電池カソードとして使用することができる。いくつかの実施例では、ナノテルミットは、これらの特定の粒子がフィルタを通過し得ないように、又はその逆であるように、特定の粒子を特異的にターゲットし得る特定の幾何学形状を備える、メッシュフィルタ等のフィルタとして使用されてもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、ナノテルミットは点火装置システムに適用されてもよく、ナノテルミットは、別の物質の点火を開始するためにレーザ又は誘導加熱システムで加熱される。このような点火装置は、他の点火装置システムよりも携帯性が高く、適切に使い捨て可能である。
【0130】
いくつかの実施例では、宇宙船は、点火装置システムに適用され得るエネルギー粒子を合成することができ、エネルギー粒子は、別の物質の点火を開始するためにレーザ又は誘導加熱システムで加熱される。宇宙船は、スペースジャンク、スペースデブリ、それらのライフサイクルの終わりの衛星、燃料がなくなった衛星、第2段階、アステロイド、又は運動性及び/又は追加の推進能力を提供する他の宇宙物体などの宇宙の制御されていない物体にランデブーし、取り付けることができる。
【0131】
いくつかの実施例では、宇宙船は、操作、物流、保守、ポイントからの輸送及び/又は軌道上昇のために複数の他の宇宙船を輸送できる。
【0132】
いくつかの実施例では、レーザ補助点火システム及びエネルギー粒子を使用してスペースデブリの除去及び宇宙往来管理を助けるために、複数の衛星を発射して低地球軌道に展開することができる。点火の補助は、レーザ及び/又は誘導加熱システムによって提供され得る。溶接フィラー及び/若しくはエネルギー粒子の第1の層、並びに/又はエネルギー粒子を有する第2の層を備える展開可能なプレートを有するサブシステム衛星は、レーザ及び/又は誘導加熱補助点火を使用して点火され得る触媒として機能するように使用され得る。展開可能なプレートは、異なる軌道にある複数の他の衛星を使用して、一定距離で点火することができる。他の実装形態では、点火は、地上、空中(例えば、ドローン及び/又は飛行船から)、水上、及び/又は宇宙の複数の固定源及び移動源から起こり得る。
【0133】
一実施態様では、スペースデブリを含むがこれに限定されない制御不可能な宇宙物体を捕捉及び放出するために、推進システムを備えていない衛星は、第2段階若しくは10cmより大きい他の宇宙物体、又はアステロイドを捕捉することができ、制御不可能な宇宙物体が新しい推進システムを装備されること、及び/又は燃料補給されること、若しくは軌道内サービスを受けることを可能にする。
【0134】
他の実装形態では、エネルギー粒子は、マイクロエマルジョン、湿式スピニング、ロールツーロールキャスティング、スピンコーティング、及び/又は成形を含むがこれらに限定されない複数の成形方法と併せて使用され得る。いくつかの実施態様では、マイクロ球、ファイバー、シート、コーティング、複雑な形状、層状の形状、及び/又はモノリスなどの形状を作製することができる。
【0135】
他の実施態様では、分子前駆体、ナノ粒子、ナノファイバー、ナノチューブ、ナノシートなどに加えて、エネルギーコアシェルを使用することができる。いくつかの実施例では、粒子鎖、繊維構造、及び/又は積層フレーク構造などのマイクロ構造が加えられてもよい。
【0136】
他の実装形態では、衛星システムは、宇宙内アプリケーション及びサービスのために複数の他の衛星を搬送することができる。いくつかの実装形態では、衛星サブシステムは、燃料補給衛星システムに搭載されてもよく、サービスのために宇宙にある他の衛星を捕捉して燃料補給し、低地球軌道を越えた連続操作又はサービスのためにこれらの衛星を放出してもよい。
【0137】
いくつかの実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、反応、及び/又は焼結及び硬化プロセス下で、システムの構造中に埋め込まれ得る。
【0138】
いくつかの実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、推進力の適用のために、このガスを加熱及び膨張させて推力を発生させることによって、ガス中で反応させ得る。
【0139】
いくつかの実施例では、エネルギーコアシェル粒子は、マイクロ重力環境から利益を得る化合物及び混合物の合成など生成物のための宇宙製造などの宇宙ベースの用途に適用されてもよく、医薬品及び/又は他の医療用途に関連する材料の生産などの条件の改善をもたらしてもよい。
【0140】
いくつかの実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、地球上及び/又は宇宙における反応を駆動するために適用されてもよい。
【0141】
いくつかの実施例において、エネルギーコアシェル粒子は、宇宙における衛星の燃料補給に適用され得る。いくつかの実施例では、磁性燃料を材料に添加して、材料をより磁性にし、様々な重力で粒子を移動可能にすることができ、粒子は、磁気流体力学を使用してシステム内で移動させることができる。燃料の磁気特性は、宇宙におけるシステムを補充するために使用され得る。
【0142】
上記の説明は、1つ以上の装置、方法、又はシステムの例を提供するが、他の装置、方法、又はシステムは、当業者によって解釈される特許請求の範囲の範囲内にあり得ることが理解されよう。
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【国際調査報告】