(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】コンパニオン・モジュールのグラフィカル・ディスプレイのためのガイダンスの設定
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513005
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 US2022042148
(87)【国際公開番号】W WO2023034378
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520268997
【氏名又は名称】サバント システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Savant Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】マドンナ,ロバート,ピー
(72)【発明者】
【氏名】カラン,ウィルソン,ディー
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス,クリストファー
【テーマコード(参考)】
5G064
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC08
5G064BA02
5G064BA08
5G064CB07
5G064DA05
(57)【要約】
メニュー選択技術は、フレキシブルな負荷管理(FLM)システムで使用されるコンパニオン・モジュールの向きに基づく。FLMシステムは、コンパニオン・モジュール(即ち、インテリジェント・コントローラ)と連係してブレーカを利用する負荷センターを含む。各コンパニオン・モジュールは、グラフィカル・ディスプレイ、並びにユーザがコンパニオン・モジュールを構成する及び動作させることを可能にするためにユーザ・インターフェース(UI)上に、アイコン、ボタン、制御機構、メッセージ、ステータス、メニュー又は他の所望のテキストを含む情報を表示および入力するために使用される入力装置として当該モジュールの正面に含まれる押しボタンを有する。また、コンパニオン・モジュールは、当該モジュールの重力の向き(即ち、第1の向き、及び逆の向き又は逆さまの向き)及び動きを検出するように構成された加速度計も含み、それに応じて、特にコンパニオン・モジュールが負荷センターへ挿入される際に、UI上に表示される情報の向きの対応する変化に変換される信号を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気負荷センター内の導体互換性に適合するように適応されるフォームファクターを有する装置であって、
プロセッサ、ディスプレイ、第1の負荷端子、及び第1の電力コネクターに結合され、前記第1の電力コネクターから前記第1の負荷端子に電力を伝えるように適応された第1のスイッチと、
前記プロセッサに結合された加速度計と、
前記プロセッサに結合されたディスプレイとを含み、前記ディスプレイは、前記装置が前記負荷センターに取り付けられる際に見ることができ、前記プロセッサは、
前記負荷センター内の前記装置の位置に基づいて、前記加速度計により検出された向きに従って設定された向きで、前記ディスプレイ上のメニューを示すように構成されている、装置。
【請求項2】
前記位置は、前記負荷センターの左側、及び前記負荷センターの右側から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記メニューは、前記装置の位置が前記負荷センターの左側にある際に、1つ又は複数の奇数番号の表示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記メニューは、前記装置の位置が前記負荷センターの右側にある際に、1つ又は複数の偶数番号の表示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が前記負荷センターに取り付けられた際に見ることができるボタンを更に含み、前記プロセッサは、メニューアイテムを選択するために前記ボタンからの入力を受け入れるように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第1の負荷端子に接続された負荷の名前を前記ディスプレイ上に示すように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサ及び第2の電力コネクターに結合された第2のスイッチを更に含み、前記第2のスイッチは、前記第2の電力コネクターからの電力を前記第2の負荷端子に伝えるように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1及び第2の負荷端子に接続された負荷の名前を前記ディスプレイ上に示すように更に構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ディスプレイはタッチスクリーンであり、前記プロセッサは、メニューアイテムを選択するために前記タッチスクリーンからの入力を受け入れるように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置の位置は、前記負荷センターのグラフィック表示を前記ディスプレイ上に構築するために使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、コンパニオン・モジュールである、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサに結合され、モバイルアプリケーションを実行しているモバイル機器と通信する無線トランシーバを更に含み、前記プロセッサは、無線通信を介して前記モバイルアプリケーションからの入力を受け入れるように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記無線トランシーバは、ブルートゥース(登録商標)トランシーバである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
負荷センターに取り付けられるコンパニオン・モジュールのプロセッサで実行可能なプログラム命令を有する持続性コンピュータ可読媒体であって、前記コンパニオン・モジュールは、(i)前記プロセッサに結合されたスイッチ及び加速度計と、(ii)前記コンパニオン・モジュールが前記負荷センターに取り付けられた際に見ることができるディスプレイと、(iii)負荷端子と、(iv)電力コネクターとを含み、前記スイッチが電力を前記電力コネクターから前記負荷端子に伝えるように適合されているものにおいて、前記プログラム命令は、
前記加速度計を用いて、前記負荷センター内の装置の位置に基づいた前記コンパニオン・モジュールの向きを検出し、
その検出された向きに従って設定された向きで前記ディスプレイ上にメニューを示すように構成されている、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記位置は、前記負荷センターの左側、及び前記負荷センターの右側から選択される、請求項14に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記メニューは、前記装置の位置が前記負荷センターの左側にある際に、1つ又は複数の奇数番号の表示を含む、請求項14に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記メニューは、前記装置の位置が前記負荷センターの右側にある際に、1つ又は複数の偶数番号の表示を含む、請求項14に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記プロセッサは、メニューアイテムを選択するために、前記コンパニオン・モジュールが前記負荷センターに取り付けられた際に見ることができるボタンから入力を受け入れるように更に構成されている、請求項14に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記負荷端子に接続された負荷の名前を前記ディスプレイ上に示すように更に構成されている、請求項14に記載の持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
コンパニオン・モジュールが負荷センターに取り付けられた際に見ることができる、前記コンパニオン・モジュールのディスプレイ上に情報を示すための方法であって、前記コンパニオン・モジュールが、スイッチ及び加速度計、負荷端子および電力コネクターを含み、前記スイッチは、電力を前記電力コネクターから前記負荷端子に伝えるように適合されているものにおいて、前記方法は、
前記加速度計を用いて、前記負荷センター内の前記コンパニオン・モジュールの位置に基づいた前記コンパニオン・モジュールの向きを検出し、
その検出された向きに従って設定された向きで前記ディスプレイ上にメニューを示すこと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、グラフィカル・ディスプレイに関し、より具体的には、インテリジェント・コントローラを構成する及び動作させるために使用される情報を表示するために使用されるインテリジェント・コントローラのグラフィカル・ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
背景情報
ブレーカ(遮断機)は、負荷(ロード)センターの多くのスロットに配列される場合があり、一般に負荷センターの左側または右側で異なる向きを有する場合がある(即ち、ブレーカは、一方の側から他の側へ反転(逆さまに)され得る)。そのため、表示画面を含むインテリジェント・ブレーカは、負荷センターに配置された際に、適切な画面イメージの向きを得る及びスロットを識別するための手段を必要とする。
【0003】
本明細書の実施形態に関する上記の及び更なる利点は、添付図面に関連して以下の説明を参照することにより、より良く理解され得る。当該図面において、同様の参照符号は、同一の要素または機能的に類似する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】施設内のフレキシブルな負荷管理(Flexible Load Management:FLM)システムの例示的な配置を示す図である。
【
図2】FLMシステムのコンパニオン・モジュールのブロック図である。
【
図3A】グラフィカル・ディスプレイに負荷を表示するユーザ・インターフェース(UI)実施形態のスクリーン・ショットであり、そのグラフィカル・ディスプレイの位置は、FLMシステムの仮想臨界負荷パネル内のコンパニオン・モジュールの向きに依存する。
【
図3B】グラフィカル・ディスプレイに負荷を表示するユーザ・インターフェース(UI)のスクリーン・ショットであり、そのグラフィカル・ディスプレイの位置は、FLMシステムの仮想臨界負荷パネル内のコンパニオン・モジュールの向きに依存する。
【
図4A】メニュー選択技術に従って、グラフィカル・ディスプレイにコンパニオン・モジュールのスロット番号のメニューを表示するUI実施形態のスクリーン・ショットである。
【
図4B】メニュー選択技術に従って、グラフィカル・ディスプレイにコンパニオン・モジュールのスロット番号のメニューを表示するUI実施形態のスクリーン・ショットである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概観
本明細書で説明される実施形態は、フレキシブルな負荷管理(FLM)システムで使用されるコンパニオン・モジュールの向きに基づいたメニュー選択技術を対象とする。FLMシステムは、コンパニオン・モジュール(即ち、インテリジェント・コントローラ)と連係してブレーカを利用する仮想臨界負荷パネル(vCLP)を具現化する負荷センターを含む。各コンパニオン・モジュールは、グラフィカル・ディスプレイ、並びにユーザがコンパニオン・モジュールを構成する及び動作させることを可能にするためにユーザ・インターフェース(UI)上に、アイコン、ボタン、制御機構、メッセージ、ステータス、メニュー又は他の所望のテキストを含む情報を表示および入力するために使用される入力装置として当該モジュールの正面に含まれる押しボタンを有する。また、コンパニオン・モジュールは、当該モジュールの重力の向き(即ち、第1の向き、及び逆の向き又は逆さまの向き)及び動きを検出するように構成された加速度計も含み、それに応じて、特にコンパニオン・モジュールが負荷センターへ挿入される際に、UI上に表示される情報の向きの対応する変化に変換される信号を生成する。
【0006】
一実施形態において、UIのメニューは、列挙された「スロット番号」のリストを表示し、この場合、当該スロット番号は、コンパニオン・モジュールが負荷センターに挿入される(取り付けられる)物理的場所を識別する。例えば、負荷センターが取り付けられる管轄区域の慣例および/または法規を通じて、UI上に提示される情報を制限するために、当該技術は、検出された向きに応じた異なるメニュー表示を利用する。例えば、異なるメニュー表示は、負荷センターの左側のスロット用の奇数番号(即ち、第1の向きのコンパニオン・モジュール)、及び負荷センターの右側のスロット用の偶数番号(即ち、第1の向きに対して逆または逆さまの第2の向きのコンパニオン・モジュール)を含む場合がある。ここで留意すべきは、スロットの番号付け規則は、スロット位置に応じて変更され得る。
【0007】
説明
図1は、事務所または住宅のような施設内のフレキシブルな負荷管理(FLM)システム100の例示的な配置を示す。FLMシステム100は、負荷(ロード)センター120において1つ又は複数の仮想臨界負荷パネル(vCLP)を利用し、各vCLPは、フェイルオーバーとして施設の局所的電源102による保護を保証する及び/又は電力可用性を補うために十分に重要であると考えられる負荷の優先順位付けを行う。本明細書で説明されるように、FLMシステム100は、時刻、季節により又は動的にでさえも施設内の負荷の優先順位付けを変更するために、コンパニオン・モジュール200(即ち、インテリジェント・コントローラ)と協働して回路遮断器またはブレーカ122を利用する。
【0008】
1つ又は複数の実施形態において、施設用の局所的電源102は、発電機またはバッテリ・インバータである場合があり、当該バッテリ・インバータは、バッテリからの直流(DC)を高電圧の交流(AC)に変換する。しかしながら、例示的な実施形態において、局所的電源102は、例えば、非常に多くの異なるタイプの負荷に電力供給するのに十分である5キロワット(kW)~30kWの範囲内の十分な電力を発生するように構成された小規模電力網(マイクログリッド)である場合がある。
【0009】
小規模電力網コントローラ106は、FLM100において電力消費および/または他の高レベル制御機能(例えば、どの負荷を活性化(電力供給)するべきかを判断する)を管理(操作)するように構成される。その目的を達成するために、小規模電力網コントローラ106は、ソフトウェア及びデータ構造を格納するための記憶場所を有するメモリ(例えば、持続性メモリ又は揮発性メモリ)に維持されるソフトウェアを実行し且つデータ構造を操作するように構成されたプロセッサを含む場合がある。データ構造は、構成要素/デバイスの構成を記述するために並びに他のタイプの情報を維持するために、FLMシステム100における構成要素/デバイスの状態を利用する場合がある状態(ステート)センターを含む場合がある。また、小規模電力網コントローラ106は、これら構成要素/デバイスと接続および通信するのに必要な機械的、電気的および信号伝達の回路を内蔵するインターフェースも含む場合がある。一実施形態において、小規模電力網コントローラ106は、サバント システムズ,エルエルシー(Savant Systems, LLC)からの商用のホストに基づいて実現され得る。
【0010】
パネル・ブリッジ・コントローラ(Panel Bridge Controller:PBC)108が、イーサネット(登録商標)のようなローカルエリア・ネットワーク(LAN)110を介して小規模電力網コントローラ106に接続する。PBC108は、LAN110を介して小規模電力網コントローラ106から受け取ったコマンドをメッセージに変換するように構成され、当該メッセージは、ブルートゥース(登録商標)のような無線メッセージング・プロトコルに従って無線LAN(WLAN)112を介して負荷センター120に提供される。LAN110及びWLAN112を介して小規模電力網コントローラ106から受け取ったコマンドは、負荷センター120のコンパニオン・モジュール200を制御するように構成される。本明細書で更に説明されるように、コンパニオン・モジュール200は、負荷の電圧と電流(電力)を監視(検知)し且つ(ブルートゥースを介して)PBC108に無線連絡して、(例えば、ユーザのモバイル機器で実行している)モバイルアプリケーションからのコンパニオン・モジュールの遠隔制御を可能にする。特に、各コンパニオン・モジュールにおけるノーマルオープン(NO)のリレーは、FLMシステム100が安全な状態(即ち、接続されたコンパニオン・モジュールの数が、開始される際の電源が確実に過負荷にならないように十分にほんの僅かである)でない限り及び当該安全な状態になるまで、局所的電源102がターンオンすることを防止するための抑止装置として機能する。
【0011】
負荷センター120は、通常動作中、例えば、公共の電力系統140から200アンペア(A)の供給を提供される1つ又は複数の電気パネルを含む場合がある。一実施形態において、負荷センター120は、主給電線132及び自動切り替えスイッチ(Automatic Transfer Switch:ATS)130(電力を局所的電源に切り替えるための切り替え時間を有する)を介して当該電力系統140から給電線136を介して電力を受け取り且つ電気パネル内に収容されたブレーカ122を介して施設の分岐回路に電力(即ち、電流)を分配するように構成される。実例として、電気パネルは、個々のブレーカの活性化/非活性化を制御するためにブレーカ122と配線で接続(例えば、直列に)されたコンパニオン・モジュール200を含めることにより、vCLP125として具現化される。コンパニオン・モジュール200及び関連したブレーカ122は、負荷センター120内の別個の電気ボックス(例えば、主電気パネル及びコンパニオン・モジュール・パネル)内に位置する場合がある。
【0012】
一実施形態において、ATS130は、公共の電力系統140からの電力がダウン(即ち、停電または利用できなくなる)した際に、公共の電力系統140の主給電線132から自動的に切り離して、局所的電源102の局所的給電線134に接続するように構成されたマイクロプロセッサベースのコントローラを有するインテリジェント電力切り替えデバイスである。実例として、ATS130は、公共の電力系統140からの電力が無い時に局所的電源102の開始を起動(トリガ)するように構成された小規模電力網コントローラと連絡する低電圧制御135を含む。公共の電力系統140からの電力が下がる(終了する)際、小規模電力網コントローラは、切り替え時間中に局所的電源102を開始するために、制御135を介してATSに信号を送る(図示せず)。次いで、電力は、局所的給電線134を介して、ATS130を通って、及び給電線136を介して負荷センター120に供給される。
【0013】
電力系統変圧器(Voltage Transformer:VT)142は、安全に局所的電源102をターンオン(活性化)するように、電圧が十分に下がる(例えば、零交差の近く)時を判断するように公共の電力系統の電圧を(例えば、電圧監視分岐回路を介して)監視するように構成される。一実施形態において、電力系統VT142は、商用電力の線間電圧(例えば、240V)をデジタル・サンプリングに適した低電圧に変換して絶縁する。パネルVT146は、負荷センター120に供給される電圧を監視するように構成された変圧器である。一実施形態において、また、FLMシステム100は、負荷センター120に供給される公共の電力系統140からの電流を監視するように構成された1つ又は複数の変流器(Current Transformer:CT)も含む場合がある。
【0014】
スマートエネルギー・モニタ(Smart Energy Monitor:SEM)144は、変圧器からの、並びに施設内の他の負荷(例えば、空調機器)からの電圧および電流を監視(測定)するように構成される。実例として、SEM144は、VT/CTからの電圧/電流を受け取ってサンプリングするアナログ・デジタル(AD)変換器として具現化される。電圧および電流は好適には、電源(電力)管理計算のための、例えば、力率、皮相電力/有効電力などに向けられた動作(即ち、演算)を実施するSEM144により、高データレート(例えば、1kHz)でサンプリングされる。次いで、本明細書で説明される実施形態に従って、サンプリングされたデータは、FLMシステムの電力容量レベルを判断するために、制御およびデータ信号線148を介して小規模電力網コントローラ106に供給される。
【0015】
図2は、コンパニオン・モジュール200のブロック図である。一実施形態において、コンパニオン・モジュールは、1つ又は複数のリレー(継電器)(例えば、1つの30A/240VAC回路または実例として、2つの15A/120VAC回路)をサポートする(例えば、ターンオン(及びターンオフ)する)ように動作する。電力測定デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)202が、オンボード無線(ブルートゥース(登録商標))トランシーバと共にプロセッサを有するブレーカ・コントローラ204に結合される。また、電力測定DSP202は、電圧検知線206及び電流検知線208にも結合される。本明細書で更に説明されるように、ブレーカ・コントローラ204は、コンパニオン・モジュール200の構成要素(例えば、ハードウェア)の制御を可能にするように構成されたファームウェア230として具現化されるソフトウェア・プログラム又は命令を格納するように適合されたメモリ225(例えば、RAM及び/又はフラッシュ)も含む。
【0016】
一対のリレー210がそれぞれ、一対のネジ端子212と一対の電流(例えば、ホール効果)センサ214との間に結合される。当該リレーは、電力を分岐回路に伝えるようにノーマルオープン(NO)であり、一対のネジ端子212のそれぞれに結合され、一対のネジ端子212のそれぞれは、手動で活性化されることができる従来の15A/120VACブレーカ122(例えば、アーク故障ブレーカ)に対する接続ポイントとして機能する。代案として、各リレー210は、適切な安全性を提供すると同時に従来のブレーカの必要性を取り除く機械作動スイッチとして具現化され得る。一対のネジ端子216のそれぞれは、所望の負荷(図示せず)に対する接続ポイントとして機能する。AC-DC電源218は、コンパニオン・モジュール200に電力供給するために+12VDC及び+3.3VDCを出力する。検出される電圧および電流がほぼ零になる際にパルスを出力するために電力測定DSP202を用いる代案として、零交差検出回路220が、線222を介してブレーカ・コントローラ204に結合される方形波出力信号を生成するために使用され得る。
【0017】
一実施形態において、電力測定DSP202は、幾つかある値の中で特に、ネジ端子216に接続された各負荷に関する別個の瞬時電力消費、並びに所定の時間期間にわたる平均電力消費量、及びピーク電力消費量を計算することができる。また、電力測定DSP202は、電流および電圧がほぼ零になった際に、線205を介してパルスをブレーカ・コントローラ204に出力するようにも構成され得る。電流および電圧の零交差が発生している時を知ることにより、ブレーカ・コントローラ204は、リレー210が1つ又は複数の零交差の発生と同時にのみ切り替えられる(即ち、開または閉)ことを確実にする。この利点は、アーク放電を低減し、リレー210の耐用年数を長くする傾向がある。
【0018】
また、コンパニオン・モジュール200は、グラフィカル・ディスプレイ250、並びにユーザがコンパニオン・モジュールを構成する及び動作させることを可能にするためにユーザ・インターフェース(UI)260上に、アイコン、ボタン、制御機構、メッセージ、ステータス、メニュー又は他の所望のテキストを含む情報を表示および入力するために使用される入力装置としてコンパニオン・モジュールの正面に含まれる押しボタン245も含む。コンパニオン・モジュール200の加速度計240は、当該モジュールの重力の向き(即ち、第1の向き、及び逆の向き又は逆さまの向き)及び動きを検出し、それに応じて、特にコンパニオン・モジュールがvCLP125を形成するために使用される負荷センター120へ挿入される際に、例えばブレーカ・コントローラ204により、グラフィカル・ディスプレイ250のUI260上に表示される情報の向きの対応する変化に変換される信号を生成するように構成される。しかしながら、負荷センター内のコンパニオン・モジュールの物理的位置または場所に応じて、UI260上での情報(例えば、メニュー及び/又はテキスト)の提示が反転(「逆さまに」)され、それにより望ましくないユーザ体験をもたらす場合がある。
【0019】
本明細書で説明される実施形態は、FLMシステムで使用されるコンパニオン・モジュールの向きに基づいたメニュー選択技術を対象とする。コンパニオン・モジュール200の加速度計240は、当該モジュールの動きを検出し、それに応じて、負荷センター120へ挿入される際に、ブレーカ・コントローラ204により、コンパニオン・モジュールの向き(例えば、左側または右側の向き)の対応する変化に変換される(例えば、マッピングされる)信号を生成する。即ち、負荷センター内のコンパニオン・モジュールの物理的位置または場所は、加速度計240により求められるような、当該モジュールの向きに依存する場合がある。係る物理的位置を求めることは、グラフィカル・ディスプレイ250のUI260上に表示されるメニュー表示(テキスト)の反転(「逆さまに」)された提示を未然に防ぐために、コントローラ204により処理される。
【0020】
図3A及び
図3Bは、グラフィカル・ディスプレイ250上に負荷(例えば、台所コンセント及び台所の照明)を表示するUI実施形態のスクリーンショットであり、そのグラフィカル・ディスプレイ250の位置(例えば、右側および左側)は、FLMシステム100の負荷センター120内のコンパニオン・モジュール200の向きによって決まる。コンパニオン・モジュール200の片側の長方形のロッカースイッチ310a、310b(例えば、チャネルA/B回路電力スイッチ)は、変化しない(固定されている)が、負荷センター120内のコンパニオン・モジュール200の物理的位置または場所に応じて異なるように向きを設定されている(例えば、左側または右側)。グラフィカル・ディスプレイ250のUI260は、例えば、グラフィカル・ディスプレイ250が左側または右側にあるかどうか、又はチャネルAが上側または下側の垂直配向になるかどうかに応じて、コンパニオン・モジュール200がパネル125のどちら側に挿入されるかをユーザが分かるように、左向き/右向きを示す。
【0021】
コンパニオン・モジュール200の特徴は、施設内の個々の場所(例えば、台所、ダイニングルーム、寝室など)内の負荷(例えば、コンセント、照明など)に名前を付ける能力を含み、この場合、例えば、小規模電力網コントローラ106のソフトウェア・アプリケーションがコンパニオン・モジュールのファームウェア230において名前を設定するために、低電力無線通信(例えば、BLE(Bluetooth Low Energy))を介して通信する。グラフィカル・ディスプレイ250の比較的小さいサイズ(即ち、ディスプレイの「占有面積」)に適合する、UI260上に表示される情報を確実にするために、当該技術は、様々なメニュー及び負荷の列挙された名前およびそれらの場所が循環するために、コンパニオン・モジュール200上のボタン245を利用する。代案として、グラフィカル・ディスプレイ250はタッチスクリーンを含み、この場合、当該プロセッサは、メニューアイテムを選択するためにタッチスクリーンからの入力を受け入れるように構成される。別の実施形態において、モバイルアプリケーションを介したメッセージは、当該モバイルアプリケーションを実行しているモバイル機器上のインターフェースに従って選択能力を提供するために(即ち、ボタン245に類似して対話形式で)、ユーザインターフェース装置としてコンパニオン・モジュールと連絡する場合がある。
【0022】
一実施形態において、コンパニオン・モジュール200の別の特徴は、グラフィカル・ディスプレイ250のUI260から直接的に負荷の所定の名前およびそれらの場所をファームウェア230に設定することを含む。実例として、ユーザは、表示画面のボタン245を操作する(例えば、押圧する)ことにより、所定の名前をスクロールする場合がある。例えば、第1のメニューは、列挙された「部屋」のリストをUI260上に示す(提示する)場合がある。ユーザは、部屋の名前のリストをスクロールして(例えば、ボタン245を介して)特定の部屋を選択する場合がある。第2のメニューは、選択された部屋に影響されやすい列挙された「負荷」のリスト(例えば、選択された寝室の照明とコンセント)を示す場合がある。ユーザは、負荷の名前のリストをスクロールして、コンパニオン・モジュール200のリレー210と関連した2つのチャネル(チャネルA/B)のそれぞれに対する負荷を(例えば、ボタン245を介して)選択する場合がある。
【0023】
図4A及び
図4Bは、メニュー選択技術に従って、コンパニオン・モジュールのスロット番号と負荷のメニューを表示するUI実施形態のスクリーンショットである。第3のメニューは、列挙された「スロット番号」のリストを示す場合があり、ここで、当該スロット番号は、コンパニオン・モジュール200が負荷センター120に挿入される(取り付けられる)物理的場所を識別する。また、取り付けられるコンパニオン・モジュールの物理的位置または場所(スロット番号)は、負荷センターのコンパニオン・モジュール200を構成および/または維持(例えば、修理)する際に、施工者(電気技術者)により使用するための、vCLP/負荷センターのグラフィック表示(例えば、グラフィカル・ディスプレイ250のUI260上に表示されるような)を構築するためにも使用され得る。例えば、負荷センターが取り付けられる管轄区域の慣例および/または法規を通じて、表示画面に提示される情報を制限するために、当該技術は、検出された向きに応じた異なるメニュー表示を利用する。例えば、異なるメニュー表示は、負荷センターの左側のスロット用の奇数番号(即ち、第1の向きのコンパニオン・モジュール)、及び負荷センターの右側のスロット用の偶数番号(即ち、第1の向きに対して逆または逆さまの第2の向きのコンパニオン・モジュール)を含む場合がある。ここで留意すべきは、スロットの番号付け規則は、スロット位置に応じて変更され得る。また、ここで留意すべきは、グラフィカル・ディスプレイ250のUI260は、(i)モジュールの左側(例えば、チャネルAのロッカースイッチ310a、310bが底部位置の向きにおいてモジュールの右側に提示される時)に、又は(ii)モジュールの右側(例えば、チャネルAのロッカースイッチ310a、310bが最上部位置の向きにおいてモジュールの左側に提示される時)に配置される。どちらにせよ、表題「スロット番号」は、ユーザがスロットグループ(Slot Group)内のメニュー/スロット番号選択を適切に読むことを可能にする垂直配向において表示画面の上部に提示される。
【0024】
上記の説明は、本発明の特定の実施形態に向けられている。しかしながら、明らかになるように、他の変形および変更が、それらの利点の幾つか又は全ての達成と共に、説明された実施形態になされ得る。例えば、本発明の教示が、コンピュータ上で実行しているプログラム命令を有するコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせとして具現化され得ることが特に企図さている。従って、本説明は、単なる一例として解釈されるべきであり、そうでなくて本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。かくして、添付の特許請求の範囲の目的は、本発明の真の思想および範囲内に入るように、係る変形および変更の全てを網羅することである。
【国際調査報告】