(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】患者インタフェースガスサンプリング及び患者インタフェースのための付属品
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
A61M16/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513051
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-17
(86)【国際出願番号】 IB2022057911
(87)【国際公開番号】W WO2023026203
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2022-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】エドワーズ テイラー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイマン マックス ウィリアム アンスティス
(72)【発明者】
【氏名】スミス グレーム マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】オールドフィールド サマンサ デール
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト クレイグ カール
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン ハミッシュ エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】トゥラニ ラッド マキシム ダリウス
(72)【発明者】
【氏名】ストラザーズ サミュエル トーマス
(57)【要約】
本開示は、患者に呼吸補助を提供するための患者インタフェースに関する。患者インタフェースは、患者に装置ガス流を送達するように構成されたガス送達インタフェースを備える。ガス送達インタフェースは、患者に装置ガス流を送達するための送達出口を備える。ガス送達インタフェースは、送達出口の第1側から延在し、送達出口と流体連通している装置ガス流路を含む、ガス送達サイド部材も備える。ガス送達サイド部材は、潰し力が加えられたとき、装置ガス流路を通る装置ガス流を減少又は停止させるために、常時開放形態から、装置ガス流路が低減するか又は閉鎖される潰れた形態まで移行可能な潰れ可能な部分を含む。患者インタフェースは、患者において患者ガス流を受け取るように構成されたサンプリング入口と、患者から離れるように患者ガス流を送達するように構成されたサンプリング出口とを備える、ガスサンプリングインタフェースをさらに備える。ガスサンプリングインタフェースは、サンプリング入口及びサンプリング出口と流体連通しているサンプリング導管も備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に装置ガス流を送達するように構成されたガス送達インタフェースであって、
前記患者に前記装置ガス流を送達するための送達出口と、
前記送達出口の第1側から延在し、前記送達出口と流体連通している装置ガス流路を含む、ガス送達サイド部材であって、潰し力が加えられたとき、常時開放形態から、前記装置ガス流路が低減するか又は閉鎖される潰れた形態に、前記装置ガス流路を通る前記装置ガス流を減少又は停止させるために移行可能な潰れ可能な部分を含む、ガス送達サイド部材と、
を備えるガス送達インタフェース
を備え、
ガスサンプリングインタフェースであって、
前記患者において患者ガス流を受け取るように構成されたサンプリング入口と、
前記患者から離れるように前記患者ガス流を送り出すように構成されたサンプリング出口と、
前記サンプリング入口及び前記サンプリング出口と流体連通しているサンプリング導管であって、前記潰れ可能な部分が前記潰れた形態に移行したときに、前記サンプリング入口と前記サンプリング出口との間の流体連通を維持するように開放したままであるように構成されたサンプリング導管と、
を備えるガスサンプリングインタフェース
をさらに備える患者インタフェース。
【請求項2】
前記サンプリング導管が、前記送達出口の、前記第1側とは反対側である第2側から延在している、請求項1に記載の患者インタフェース。
【請求項3】
前記サンプリング導管が、ヘッドストラップに接続するように構成された端部を有し、前記サンプリング入口と前記サンプリング出口との間の前記流体連通を提供する内部通路を含み、前記サンプリング導管が、患者対向壁及び非患者対向壁も含む、請求項1又は2に記載の患者インタフェース。
【請求項4】
前記患者インタフェースが、前記送達出口の、前記第1側とは反対側である第2側から延在する非送達サイド部材をさらに備え、前記非送達サイド部材が、ヘッドストラップに接続するように構成されたヘッドストラップ端部を有し、前記非送達サイド部材が、患者対向壁及び非患者対向壁も含む、請求項1に記載の患者インタフェース。
【請求項5】
前記ガスサンプリングインタフェースが、前記ガス送達サイド部材に設けられ、前記ガス送達サイド部材が、一端に前記装置ガス流を受け取るための送達入口を備え、前記ガス送達サイド部材が、患者対向壁及び非患者対向壁を含む、請求項1に記載の患者インタフェース。
【請求項6】
前記サンプリング入口が前記送達出口に近接しており、前記サンプリング出口が前記送達入口に近接している、請求項5に記載の患者インタフェース。
【請求項7】
前記サンプリング導管が、前記患者ガス流のためのサンプリング内腔を含み、前記ガス送達サイド部材が、前記装置ガス流のためのガス送達内腔を含む、請求項5又は6に記載の患者インタフェース。
【請求項8】
前記サンプリング導管が、前記ガス送達サイド部材の外面に沿って延在している、請求項5~7のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項9】
記サンプリング導管が、前記潰し力が加えられたときに前記サンプリング内腔の形状を維持するように、前記潰れ可能な部分よりも堅いように構成されている、請求項7に記載の患者インタフェース。
【請求項10】
前記サンプリング導管が、前記サンプリング内腔の形状を保持するのに十分な材料スティフネスを有する材料で形成されている、請求項9に記載の患者インタフェース。
【請求項11】
前記サンプリング導管が、前記潰れ可能な部分の材料よりも高い材料スティフネスを有する材料で形成されている、請求項9に記載の患者インタフェース。
【請求項12】
前記サンプリング導管が、幾何学的特徴を介して、前記潰れ可能な部分よりも堅いように構成されている、請求項9に記載の患者インタフェース。
【請求項13】
前記常時開放形態において、前記ガス送達インタフェースが、約20L/min~約90L/minの装置ガス流量が前記装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項14】
前記潰れた形態において、前記患者インタフェースが、前記ガスサンプリングインタフェースを通る患者ガス流量よりも少なくとも20倍大きい装置ガス流量が、前記装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項15】
前記潰れた形態において、前記ガス送達インタフェースが、約10L/min未満の装置ガス流量が前記装置ガス流路を通るのを可能にするように構成され、前記ガスサンプリングインタフェースが、約500mL/min未満、任意選択的に約40mL/min~約500mL/minの患者ガス流量が前記ガスサンプリングインタフェースを通るのを可能にするように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項16】
前記患者インタフェースが単一のサンプリング導管を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項17】
前記サンプリング導管が単一の内腔を含み、前記単一の内腔が、前記患者ガス流のためのサンプリング内腔である、請求項1~16のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項18】
前記サンプリング入口が、鼻入口及び口入口を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項19】
前記ガスサンプリングインタフェースが、前記患者から吐き出された患者ガスを捕捉するように構成された口スクープを備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項20】
前記口スクープが、前記患者インタフェース、任意選択的に前記ガス送達インタフェースに取外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項19に記載の患者インタフェース。
【請求項21】
前記サンプリング導管が、前記潰れ可能な部分の壁よりも厚い壁を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項22】
前記サンプリング導管が、均一な厚さの壁を含み、前記潰れ可能な部分が、不均一な厚さの壁を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項23】
前記潰れ可能な部分が、折り曲げ又は潰れを容易にし、それにより、前記潰れ可能な部分の前記潰れた形態への移行を容易にするように構成された、薄壁部分を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項24】
前記ガスサンプリングインタフェースが、前記潰れ可能な部分とは異なる材料で形成されている、請求項1~23のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項25】
前記ガスサンプリングインタフェースがシリコーンを含み、且つ/又は、前記潰れ可能な部分が熱可塑性エラストマーを含む、請求項24に記載の患者インタフェース。
【請求項26】
前記サンプリング導管が、前記潰れ可能な部分の幅よりも小さい幅を有する、請求項1~25のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本開示は、2022年4月5日に出願された米国仮特許出願第63/362,486号明細書、及び2021年8月25日に出願されたオーストラリア特許出願第2021221742号明細書に対する優先権を主張するものであり、各々の内容はこの参照により本明細書に援用される理解されるべきである。
【0002】
本開示は、患者に呼吸補助を提供するための患者インタフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
患者は、麻酔若しくは鎮静中、又はより一般的にはいくつかの医療処置中に、呼吸機能を失うことがある。医療処置の前に、患者には、医療専門家により酸素飽和度を確保するために前酸素化が行われることがあり、この前酸素化及びCO2のフラッシング/洗い流しは、鼻カニューレ又は他の患者インタフェースを介したハイフロー呼吸補助によって実施されることがある。
【0004】
さまざまな臨床状況において、O2含有量をモニタリングし、患者が無呼吸になったか否かをモニタリングするために、呼気ガス等の患者のガスをモニタリングすることが望ましい場合がある。1つの状況例は、全身麻酔下で又は深い鎮静下で患者が自発呼吸をしている場合であり、そこでは、患者は無呼吸を繰り返す可能性がある。別の例は、患者に挿管が必要な場合である。挿管は30~60秒で完了する場合もあるが、特に(例えば、癌、重傷、肥満、又は頸部筋肉のけいれんにより)気道を確保することが困難である場合は、挿管は著しく長くかかることになる。前酸素化は、酸素飽和度の低下に対するバッファを提供するが、長時間の挿管処置の場合、挿管プロセスを中断し、患者の酸素飽和度を適切なレベルまで上昇させる必要がある。困難な挿管プロセスの場合、挿管の中断が数回行われることがあり、これは時間がかかるとともに、患者を重大な健康上の危険にさらす。挿管を約3回試みた後、挿管法等の医療処置は放棄される。
【0005】
無呼吸の、(患者の挿管が失敗したか、又は鎮静された患者が無呼吸になったことに起因する等)挿管されていない患者に、緊急に手動で換気を行う必要がある場合、ハイフロー患者インタフェースを迅速に取り外した後、非侵襲的換気マスク、例えばフェイスマスク及びバッグを患者に適用する必要がある。カニューレは、患者から迅速に取り外すことが困難な場合があり、例えばヘッドギアとカニューレとの間のコネクタは、迅速に解除又は操作することが困難な場合がある。患者インタフェースを取り外すのに失敗すると、フェイスマスクのシールが患者インタフェース又は患者インタフェースのガス供給チューブの上に覆い被さり、フェイスマスクと患者の顔面との間のシールを破壊することになる可能性がある。その結果、換気中にフェイスマスクからガスが漏れて、換気が無効になるか又は非効率的になる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の呼吸補助システムが必要な処置では、補助システムの組合せが過剰な圧力送達を引き起こす可能性があることが懸念される場合がある(例えば、カニューレが患者の上の適所にあり、麻酔医がカニューレの上からマスクを通して補助を提供したい場合)。さらに、異なる補助システム間の切替えは、時間がかかるか又は困難な場合がある。
【0007】
本開示の背景に関する上記の考察は、本開示の理解を容易にするように意図されている。しかしながら、この考察は、この考察のいかなる態様も、本出願の優先日に共通の一般知識の一部であったことを承認するものでも又は認めるものでもないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の説明に移る前に、そのさまざまな部分の空間的関係を定義するために使用する用語のうちのいくつかの説明を提供することが有用である。本明細書を通しての空間的基準は、概して、患者の顔面に嵌められ、ガス流源からガス送達導管を通して呼吸ガスを患者の鼻孔又は口に送達するように構成された、患者インタフェースに基づく。この環境を基礎として、「患者対向」及び「非患者対向」等のいくつかの用語は、患者を基準として定義するものとする。「内向き」及び「外向き」等の用語は、患者の顔面を基準として定義するものとする。「後方」及び「正面」等いくつかの用語は、ガス送達導管を基準として定義するものとする。
【0009】
患者インタフェースガスサンプリング
上述した問題点に鑑みて、本出願人は、国際特許出願PCT/IB2019/051137号(国際公開第2019159063号)に記載されているように、潰れ可能な導管を有する患者インタフェースを以前に開発した。この患者インタフェースは、(挿管が必要であるか否かを問わず)鎮静中又は全身麻酔の使用中等、患者に前酸素化を行い、患者の無呼吸期間を維持するための手段を提供する。潰れ可能な導管は潰れ可能な部分を含み、この潰れ可能な部分は、例えばマスクが患者の顔面に配置され、マスクの一部、例えばマスクカフが潰れ可能な部分にわたって上に重ねられ(且つその上に押し付けられ)たときに、潰れて(高流量又は低流量の)呼吸ガス流を一時的に中断するように構成されている。これにより、臨床医は、必要なときに患者インタフェースの上から患者に非侵襲的換気マスクを容易に適用することができ、同時に、換気マスクを適用している間、高流量の患者インタフェースガス流を中断する。
【0010】
国際特許出願PCT/IB2019/051137号(国際公開第2019159063号)に記載されている潰れ可能な特許インタフェース等の患者インタフェースの使用中、呼吸補助を受けている患者においてガスをモニタリングすることは有益である。ガスモニタリングは、臨床医に、例えば、前酸素化階の間、前酸素化が完了したことを示すように患者が所望の呼気終末O2レベルに達したかを判断するために、有用なフィードバックを提供する。特許ガスモニタリングは、CO2及び/又は揮発性物質のモニタリングも含む場合がある。こうしたガスモニタリングは、例えば上述したように麻酔薬が使用される医療処置中に、患者の呼吸機能が低下したか又は患者に呼吸機能が低下する危険性がある場合、患者の状態又は患者の状態の変化を判断するためにも有用である。こうした患者状態の変化には、上記に考察したようにハイフロー呼吸補助の中断が必要となるような、自発呼吸をしている患者が無呼吸になるか、又は気道が閉鎖している(開存していない)ことが含まれる可能性がある。
【0011】
本出願人は、以前、国際特許出願PCT/NZ2017/050134号(国際公開第2018070885号)に記載されているように、ガスサンプリングデバイスを開発した。このデバイスは、患者ガスをサンプリングするために患者の鼻又は口の近くに位置決めすることができる可動入口を含む。導管が、サンプリングデバイスを、サンプリングされたガスのモニタを提供する呼吸ガスモニタ(例えば、カプノグラフィ装置)に接続することができる。サンプリングデバイスは、標準的な鼻カニューレに取付可能なように設計されているが、国際特許出願PCT/IB2019/051137号(国際公開第2019159063号)に開示されているタイプの潰れ可能な患者インタフェースで動作するようには構成されていない。
【0012】
したがって、潰れ可能な部分を有し、患者ガスサンプリングも容易にすることができる、新規な又は代替的な患者インタフェースを提供することが望ましい。
【0013】
本開示の一態様によれば、
患者に装置ガス流を送達するように構成されたガス送達インタフェースであって、
患者に装置ガス流を送達するための送達出口と、
送達出口の第1側から延在し、送達出口と流体連通している装置ガス流路を含む、ガス送達サイド部材であって、潰し力が加えられたとき、常時開放形態から、装置ガス流路が低減するか又は閉鎖される潰れた形態に、装置ガス流路を通る装置ガス流を減少又は停止させるために移行可能な潰れ可能な部分を含むガス送達サイド部材と、
を備えるガス送達インタフェース
を備える患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
ガスサンプリングインタフェースであって、
患者において患者ガス流を受け取るように構成されたサンプリング入口と、
患者から離れるように患者ガス流を送り出すように構成されたサンプリング出口と、
サンプリング入口及びサンプリング出口と流体連通しているサンプリング導管であって、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行したときに、サンプリング入口とサンプリング出口との間の流体連通を維持するように開放したままであるように構成されたサンプリング導管と、
を備えるガスサンプリングインタフェース
をさらに備える。
【0014】
本開示の第1態様による患者インタフェースは、有利には、潰れ可能なガス送達インタフェースが同時に動作している間、患者ガスのサンプリングを容易にすることができる。特に、サンプリング導管は、潰れ可能な部分の潰れた形態への移行中に、ガス送達インタフェースの装置ガスが減少又は停止する間、サンプリングを継続することができる。サンプリング導管は、患者ガスをガスセンサ又はガスモニタリングデバイスに送達するように構成することができる。サンプリング導管は、患者ガスを患者ガス流内に位置するセンサ又はモニタリングデバイスに送達するように構成することができる。センサはサンプリング導管内に位置することができる。サンプリング導管は、サンプリング出口を介してサンプリング導管と流体連通している呼吸ガスモニタに患者ガスを送達するように構成することができる。
【0015】
これにより、本開示の第1態様による患者インタフェースは、ガス送達インタフェースを介して提供される呼吸補助(例えば、ハイフロー呼吸補助)中、及びガス送達インタフェースを介する装置ガス流の中断中(例えば、患者の顔面への患者フェイスマスクの適用中)の両方において、臨床医にフィードバックを提供するために、患者ガスの継続的なモニタリングを容易にする。
【0016】
本明細書において「装置ガス流」と言及する場合、それは、流れ発生器又は壁供給源、圧縮空気源、又は他の任意の好適な呼吸ガス源を含むことができる呼吸補助システム等の装置からのガス流を指すことが理解されよう。したがって、装置ガス流には呼吸ガス流が含まれ得る。装置ガス流は、患者に送達される麻酔薬又は酸素も含むことができる。
【0017】
サンプリング入口は、患者において、患者からの呼気ガス及び/又は患者のための吸気ガス及び/又は装置ガス流からの装置ガス及び/又は大気ガス、又はそれらの2つ以上の組合せを含む可能性がある患者ガス流を、受け取るように構成されている。サンプリング入口を介してサンプリングすることができる大気ガスは、患者の呼気ガス内に含まれる混入された大気ガス、及び/又は患者の顔面の正面に若しくは患者の気道内に存在する、患者から吐き出されていない大気ガスを含む可能性がある。サンプリングされる患者ガスは、患者に送達され、まだ吸い込まれていない装置ガスを含む可能性がある。患者ガスは、患者に送達されている麻酔薬等の他のガスも含む可能性がある。
【0018】
大気ガス、呼気ガス、装置ガス及び麻酔ガスがサンプリング入口で混合される可能性があり、したがってサンプリング入口によって受け取られる患者ガスは、典型的にはこれらのガス又は他のガスの2種以上の混合物を含む可能性があることが理解されよう。同様に、サンプリング入口によって受け取られる患者ガス流は、場合によっては、これらのタイプのガスのうちの1種のみを含む可能性があることが理解されよう。患者ガス流は、時間により(例えば、患者の呼気間で)変化する可能性があり、したがって、サンプリング入口によって受け取られる患者ガス流の組成は、時間により変化する可能性がある。
【0019】
患者において受け取られる患者ガス流は、患者の気道から受け取ることができる。患者において受け取られる患者ガス流は、患者の口及び/又は鼻の正面で受け取ることができる。患者において受け取られる患者ガス流は、患者の内部において受け取る場合がある。例えば、患者ガス流は、患者の口及び/又は鼻の内部から受け取ってもよい。
【0020】
サンプリング出口は、呼吸ガスモニタと流体連通するように構成することができる。例えば、サンプリング出口は、チューブ又は他の導管を介して、サンプリング入口から受け取られた患者ガスを分析することができるガスモニタリングデバイスに接続することができる。したがって、ガスサンプリングインタフェースは、サイドストリームカプノグラフィ用に構成することができる。この場合、サンプリング出口は、したがって、患者から離れて呼吸ガスモニタに向かう患者ガス流の送り出しを容易にする。
【0021】
一実施形態では、ガスサンプリングインタフェースは、サンプリング導管内若しくはサンプリング導管に且つ/又はサンプリング出口内又はサンプリング出口に、ガスセンサを含むことができる。例えば、ガスサンプリングインタフェースは、メインストリームカプノグラフィ用に構成してもよい。ガスセンサは、有線又は無線データ通信を介して、センサデータを臨床医に表示することができる適切な受信機に接続することができる。この場合、サンプリング出口は、患者ガス流をセンサの下流で一旦周囲に排出することができ、このように、サンプリング出口は、導管を通ってセンサを通過する流れを可能にするために、患者ガス流を患者から離れるように送り出すように構成される。
【0022】
別の代替実施形態では、ガスサンプリングインタフェースは、受動サンプリング構成を含むことができ、例えば、比色分析を介して患者ガスをサンプリングするように構成することができる。この例では、サンプリング導管は、比色試薬のアッセイに、又は患者ガス流中の1種又は複数種の特定のガスの存在若しくは濃度を示すように構成された別の形態の比色計に、患者ガスを送達するように構成することができる。いくつかの構成では、ガスサンプリングインタフェースは、サンプリング導管内又はサンプリング出口に比色分析手段を含むことができる。
【0023】
ガス送達サイド部材の潰れ可能な部分は、常時開放形態から潰れた形態に移行することができる。開放形態は、潰れ可能な部分が所望の流量で患者に装置ガスを送達することができる形態を意味すると理解されよう。例えば、開放形態は、ガス送達部材の内腔が、必要な装置ガス流量が患者に送達されるのを可能にするために十分に開放しており且つ/又は妨げられていないことを含むことができる。潰れ可能な部分は、「常時」開放形態にあるように構成されており、これは、潰れ可能な部分が、デフォルトで開放形態になるか、又は「静止時」に開放形態にあることを意味すると理解されよう。例えば、潰れ可能な部分は、潰れ可能な部分を開放形態でなくなるように付勢する外力がない場合、開放形態であり続けることができる(且つ開放形態に戻る)。他の実施形態では、潰れ可能な部分は、自然に潰れるか、又は「常時」閉鎖形態であってもよい。すなわち、潰れ可能な部分は、装置ガスが流れていないか又は低流量の装置ガスが流れている場合には、部分的に又は完全に潰れることができ(潰れた形態)、ある程度のレベルの装置ガスが流れている場合に、広がる(開放形態)。しかしながら、(潰れ可能な部分を開放状態でなくなるように付勢する外力がない場合に、開放形態にある)「常時」開放の潰れ可能な部分は、患者に装置ガスを送達するために、潰れ可能な部分を最初に開放するか又は開放形態で維持するために、実質的な量の流れ及び/又は圧力は必要とされないという点で、有益であり得る。
【0024】
潰れ可能な部分の常時開放形態は、潰れ可能な部分の固有の材料特性を介して、又は潰れ可能な部分の幾何学的形状若しくは他の構造的構成を介して、達成することができる。例えば、潰れ可能な部分は、外力によって折り曲げ、平坦化し、又は他の方法で一時的に操作することができるが、外力が停止し又は解除されたとき、その元の状態、位置又は形態に向かって付勢する、柔軟に弾力性のある材料で形成することができる。
【0025】
潰れ可能な部分の「潰れた形態」とは、潰れ可能な部分を通る装置ガスの経路を低減させるように、潰れ可能な部分が物理的に操作されるか又は影響を受ける形態を意味するものと理解されよう。潰れた形態に移行すると、潰れ可能な部分は、断面が変化する可能性がある。例えば、より制限された又は入り組んだ流路を生成するような断面の低減。潰れた形態は、内腔等の内部通路が、流れを閉塞し、遮断し、又は他の方法で減少させるように断面が縮小することを含むことができる。
【0026】
潰れ可能な部分の潰れた形態への移行は、潰れ可能な部分が、折り曲げられ、曲げられ、よじられ、平坦化され、圧縮され又はねじられて、潰れた形態になることを含むことができる。潰れた形態は、装置ガス流路を閉塞又は遮断するように、潰れ可能な部分の1つ又は複数の側部部分が互いの方に又は互いに向かって移動することを含むことができる。潰れた形態は、装置ガスの流れを実質的にゼロまで減少させることができ、又は別法として、潰れた形態では依然として幾分かの残留流が発生しているが、開放形態と比較して装置ガスの流れを減少させることができる。
【0027】
本開示の一実施形態において、潰れ可能な部分は、常時開放形態から潰れた形態まで弾性変形可能である。例えば、潰れ可能な部分の2つ以上の側部部分は、潰し力の影響下では互いの方に又は互いに向かって弾性変形し、潰し力が取り除かれたときは互いから離隔した通常位置に戻るように構成することができる。互いの方への又は互いに向かう動きは、互いの方に向かう相対的な動きであり得る。すなわち、側部部分のうちの一方は、患者インタフェースに対して(且つ患者に対して)静止したままであり続けることができ、側部部分のうちの他方は、静止した側部部分の方に又はそれに向かって移動することができる。本開示の代替実施形態では、潰れ可能な部分は、潰れ可能な部分の別の側部部分の方に又はそれに向かって弾性変形するように構成された側部部分を含む。
【0028】
側部部分は、互いに隣接して位置していてもよく、又は互いに連結されていてもよい。例えば、側部部分は、折り線で連結されてもよく、互いの方に又は互いに向かって折り曲げられてもよい。別法として、側部部分は、互いに対向していてもよい。例えば、潰れ可能な部分の対向する側面は、互いに向かって移動することができる。
【0029】
潰れ可能な部分の弾性変形は、潰れ可能な部分の1つ又は複数の側部を曲げるか又は折り曲げることを含むことができる。潰れ可能な部分は、不均一な厚さの壁を含んでもよい。例えば、潰れ可能な部分は、薄壁部分を含んでいてもよく、これにより、薄壁部分における潰れ可能な部分の折り曲げ又は曲げが容易になる。潰れ可能な部分は、単一の薄壁部分を含んでいてもよい。薄壁部分は、潰れ可能な部分に潰し力を加えたときに薄壁部分で生じる折り曲げを引き起こす、ヒンジ部分又は壁の潰れ部分を形成する壁の相対的な薄いセクションを含んでもよい。薄壁部分の相対的に薄いセクションにより、壁のそのセクションを、開放形態と閉鎖形態との間を遷移するように、折り目で折れ曲がるか又は曲がるように特に適合させることができる。このように、潰れ可能な部分は、優先的に折り目で曲がるか又は折れ曲がって、開放形態と閉鎖形態との間で移行する。
【0030】
本開示の一実施形態によれば、潰れ可能な部分は、潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分が折れ曲がるか又は曲がる折り線を提供するように構成された、一対の薄壁部分を含む。一対の薄壁部分は、潰れ可能な部分の対向する側に位置してもよく、又は例えば互いに隣接して、他の方法で相対的に配置することができる。
【0031】
潰れ可能な部分は、導管を含むことができるガス送達サイド部材の一部を構成する。したがって、潰れ可能な部分は、それ自体、導管、チューブ、又はガスを送達するように構成された他の構造を含むことができる。潰れ可能な部分は、円形断面を有することができる。潰れ可能な部分は、楕円形若しくは卵形の断面又はスタジアム状の断面等、細長い断面を有することができる。本開示の一実施形態によれば、潰れ可能な部分は、一対の端部の間に延在する一対の長手方向側部を含む細長い断面を有し、そこでは、薄壁部分は端部に位置している。特定の実施形態では、端部の各々は、単一の薄壁部分を含む。端部の各々は、2つ以上の薄壁部分を含んでもよい。
【0032】
細長い断面の端部に薄壁部分を設けることにより、有利には、端部での折り曲げ又は曲げを促進することができ、その結果、長手方向側部の一方又は両方が他方の長手方向側部に向かって移動することになる。潰れ可能な力は、長手方向側部のうちの一方の第1長手方向側部に、他方の長手方向側部の方向に加えることができ、その結果、長手方向側部のうちの第1長手方向側部が第2長手方向側部の方に又は第2長手方向側部に向かって移動するため、潰れ可能な部分が平坦化する。
【0033】
あり得る潰れ可能な部分の構成のさまざまな実施形態は、本出願人の先の国際特許公開、国際公開第2018/029638号及び同2019159063号において考察されている。
【0034】
本開示の第1態様によれば、ガスサンプリングインタフェースは、ガス送達サイド部材に設けることができ、又はガス送達サイド部材とは別個とすることができる。本開示の一実施形態では、サンプリング導管は、送達出口の、第1側とは反対側である第2側から延在している。例えば、ガス送達導管は、ガス送達サイド部材とは別個であってよく、ガス送達サイド部材と比較して、送達出口の反対側から且つ/又は患者の顔の反対側に向かって延在してもよい。
【0035】
サンプリング導管は、患者インタフェースの一部を支持する構造構成要素としても使用することができるという点で、二重機能を有することができる。例えば、サンプリング導管は、患者の顔面に対して適所に患者インタフェースを固定するために患者の頭部と連結するヘッドストラップとともに、又はその一部として使用することができる。一実施形態では、サンプリング導管は、ヘッドストラップに接続するように構成された端部を含む、サンプリング入口とサンプリング出口との間の流体連通を提供する内部通路を含み、サンプリング導管は、患者対向壁及び非患者対向壁も含む。
【0036】
別法として、サンプリング導管は、患者インタフェースの固定に寄与しなくてもよく、送達出口は、サンプリング導管以外の構成要素によって支持してもよい。例えば、一実施形態では、患者インタフェースは、送達出口の、第1側とは反対側である第2側から延在する非送達サイド部材をさらに備え、非送達サイド部材は、ヘッドストラップに接続するように構成されたヘッドストラップ端部を有し、非送達サイド部材は、患者対向壁及び非患者対向壁も含む。
【0037】
「非送達」サイド部材は、患者に装置ガスを送達するように構成されていないサイド部材を意味するものとして理解されよう。すなわち、非送達サイド部材は、ガス送達サイド部材によって提供される装置ガス流路の一部を形成しない。
【0038】
非送達サイド部材は、装置ガス流とは関連しないが、患者ガス流と関連することができる。例えば、サンプリング導管は、非送達サイド部材に結合することができる。一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材に設けられている。
【0039】
非送達サイド部材へのサンプリング導管の提供は、さまざまな構成によって提供することができる。
【0040】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材の一部を通って延在している。
【0041】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材の内部通路を通って延在している。
【0042】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材の1つ又は複数の壁にある1対の離隔した開口部間に延在している。
【0043】
一実施形態では、離隔した開口部は、送達出口に近接する入口ポートと、ヘッドストラップ端部に近接する出口ポートとを含む。
【0044】
一実施形態では、入口ポート及び/又は出口ポートは、非送達サイド部材の患者対向壁に位置している。
【0045】
一実施形態では、入口ポート及び/又は出口ポートは、非送達サイド部材の非患者対向壁に位置している。
【0046】
一実施形態では、サンプリング入口は、入口ポートに又は入口ポートに隣接して位置しており、サンプリング出口は、出口ポートに又は出口ポートに隣接して位置している。
【0047】
一実施形態では、サンプリング導管は、入口ポート及び出口ポートの両方を通って、且つ入口ポートと出口ポートの間に延在する内部通路を通って延在する、チューブを含む。
【0048】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達部材の内部通路を含み、入口ポート及び/又は出口ポートは、入口ポート及び出口ポートからサンプリング入口及びサンプリング出口にそれぞれ延在するように構成されたそれぞれのサンプリングチューブに接続されるように構成されている。
【0049】
一実施形態では、入口ポート及び/又は出口ポートは、ルアーロック又はねじ接続又はプラグフィット又はバーブを介してサンプリングチューブに接続されるように構成されている。
【0050】
一実施形態では、非送達部材は、サンプリング入口に成形されたサンプリング入口チューブ及び/又はサンプリング出口に成形されたサンプリング出口チューブを含む。
【0051】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材と一体的に形成されている。
【0052】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材と取付可能である。一実施形態では、非送達サイド部材は、サンプリング導管を受け入れるように構成され、サンプリング導管と非送達サイド部材との間の取外し可能な取付けを可能にする、チャネルを含む。
【0053】
一実施形態では、チャネルは、非送達サイド部材の患者対向壁に位置している。一実施形態では、チャネルは、非送達サイド部材の非患者対向壁に位置している。
【0054】
一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に近接しており、サンプリング出口は、非送達サイド部材のヘッドストラップ端部に近接している。
【0055】
一実施形態では、サンプリング入口とサンプリング出口とは、患者の顔面上に配置されるように、且つ非送達サイド部材の一部の上に載るように構成されたフェイスマスクシールのセクションの幅よりも大きい距離だけ、離隔している。
【0056】
一実施形態では、非送達サイド部材は、非送達部材の上にフェイスマスクシールが載ったときに変形に抵抗するように構成されている。
【0057】
一実施形態では、非送達サイド部材は、非送達サイド部材の上にフェイスマスクシールが載ったときに変形するように構成されており、そこでは、サンプリング導管は、非送達サイド部材の変形中、開放したままである。
【0058】
一実施形態では、患者対向壁は、非患者対向壁と比較して、より顕著な湾曲を有する。
【0059】
一実施形態では、非送達サイド部材は、少なくとも1つの軸において非対称である細長い断面を有する。
【0060】
一実施形態では、その断面は、患者対向壁と実質的に平行な軸において非対称である。
【0061】
一実施形態では、患者対向壁は、非患者対向壁とは異なる曲率構成を有する。
【0062】
一実施形態では、非送達サイド部材は非対称レンズ断面を有する。
【0063】
一実施形態では、非送達サイド部材断面は、一対の対向し離隔した縁部を含み、患者対向壁及び非患者対向壁は、その一対の縁部の間に延在している。
【0064】
一実施形態では、患者対向壁は、一対の対向する縁部の間に延在する実質的に凸状の構造を有する。
【0065】
一実施形態では、非患者対向壁は、一対の対向する縁部の間に延在する実質的に平面の構造を有する。
【0066】
例えば、一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材の一部を通って延在している。サンプリング導管は、非送達サイド部材の内部通路を通って延在していてもよい。上述したように、非送達サイド部材は、装置ガス流に関連しない可能性があり、したがって、非送達サイド部材の内部通路は、装置ガスを送達するように構成されない可能性がある。
【0067】
サンプリング導管は、任意の好適な直径又は輪郭を有することができる。例えば、非送達サイド部材の内部又は外部の任意の適切な直径又は輪郭。サンプリング導管は、均一な断面を有してもよい。サンプリング導管は、変化する断面を有してもよい。変化する断面は、サンプリング導管の長さに沿って増大又は低減することができる。
【0068】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材の1つ又は複数の壁にある1対の離隔した開口部の間に延在することができる。離隔した開口部は、送達出口に近接する入口ポートと、非送達サイド部材のヘッドストラップ端部に近接する出口ポートとを含むことができる。入口ポート及び出口ポートは、非送達サイド部材の共通の壁部、側部又は側部部分に設けることができ、又は別法として、非送達サイド部材の異なる壁、側部又は側部部分に設けることができる。入口ポート及び/又は出口ポートは、非送達サイド部材の患者対向壁に位置することができる。入口ポート及び/又は出口ポートは、非送達サイド部材の非患者対向壁に位置してもよい。
【0069】
サンプリング入口は、呼気ガスを含むことができる患者気流を受け取るように、患者の気道に十分に近く配置することができる。サンプリング出口は、呼吸ガスモニタとの接続を容易にするように配置することができる。
【0070】
一実施形態では、サンプリング入口は、入口ポートに又は入口ポートに隣接して位置しており、サンプリング出口は、出口ポートに又は出口ポートに隣接して位置している。一実施形態では、サンプリング入口は入口ポートからなり、且つ/又は、サンプリング出口は出口ポートからなる。代替実施形態では、サンプリング導管は、入口ポート及び出口ポートの両方を通って、且つ入口ポートと出口ポートとの間に延在する内部通路を通って延在する、チューブを含む。
【0071】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達部材の内部通路を含み、入口ポート及び/又は出口ポートは、入口ポート及び出口ポートからサンプリング入口及びサンプリング出口にそれぞれ延在するように構成されたそれぞれのサンプリングチューブに接続されるように構成されている。
【0072】
一実施形態では、サンプリング入口は、入口ポートに位置する(又は入口ポートから構成する)ことができ、その場合、サンプリング出口を出口ポートに接続する出口チューブのみがあり得る。
【0073】
代替実施形態では、サンプリング出口は、出口ポートに位置する(又は出口ポートから構成する)ことができ、その場合、サンプリング出口を出口ポートに接続する入口チューブのみがあり得る。
【0074】
一実施形態では、入口ポート及び/又は出口ポートは、ルアーロック又はねじ接続又はプラグフィット又はバーブを介してサンプリングチューブに接続されるように構成されている。入口ポートは、出口ポートとは異なるタイプの接続を利用することができる。これにより、有利に、構成要素又はチューブが間違ったポートに不正確に接続されるのを防止することにより、有用性を向上させることができる。
【0075】
一実施形態では、非送達部材は、サンプリング入口に成形されたサンプリング入口チューブ及び/又はサンプリング出口に成形されたサンプリング出口チューブを含む。サンプリング入口チューブは、サンプリング入口及び又は入口ポートと一体的に形成してもよい。サンプリング出口チューブは、サンプリング出口及び/又はサンプリング出口と一体的に形成してもよい。
【0076】
一実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材と一体的に形成されている。代替実施形態では、サンプリング導管は、非送達サイド部材と取付可能である。サンプリング導管は、非送達サイド部材と取外し可能に取り付けるか又は接続してもよい。非送達サイド部材は、サンプリング導管と取外し可能に接続されるように構成してもよい。例えば、非送達サイド部材は、サンプリング導管を受け入れ、サンプリング導管と非送達サイド部材との間の取外し可能な取り付けを可能にするように構成された、チャネルを含むことができる。チャネルは、非送達サイド部材の外面に位置することができる。チャネルは、サンプリング導管の構造に対応する構造を有することができる。例えば、チャネルは、チャネル内にサンプリング導管を隙間なく受け入れて保持するように、サンプリング導管の直径にほぼ相応する幅又は直径を有することができる。チャネルは、半円形断面を有することができる。サンプリング管路は、チャネルと摩擦により保持することができる。チャネルは、チャネル内にサンプリング導管を保持するような幾何学的形状で構成してもよい。例えば、チャネルは、サンプリング導管の直径よりもわずかに小さい幅又は直径を有し、サンプリング導管がチャネルに嵌め込まれ、チャネルをサンプリング導管の上に弾性的に「圧搾する」ことによってチャネル内に保持されたときに、チャネルが弾性的に広げられるようにすることができる。サンプリング導管は、サンプリング導管よりもわずかに小さいサイズの流路に嵌め込まれたときにサンプリング導管の変形を回避するように、チャネルが形成されている非送達部材の部分よりも剛性の高い材料で形成することができる。
【0077】
一実施形態では、チャネルは、非送達サイド部材の患者対向壁に位置している。代替実施形態では、チャネルは、非送達サイド部材の非患者対向壁に位置している。チャネルは、有利には、サンプリング導管の好都合な取付け及び取外しを可能にし、それにより、サンプリング導管は、必要なときに非送達サイド部材に嵌め込み、必要でないときに、且つ/又はいくつかの構成要素の保守、洗浄又は交換を容易にするために取り外すことができる。
【0078】
一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に近接しており、サンプリング出口は、非送達サイド部材のヘッドストラップ端部に近接している。サンプリング入口とサンプリング出口との間の間隔は、当然ながら変化してもよい。一実施形態では、サンプリング入口とサンプリング出口とは、患者の顔面上に配置されるように、且つ非送達サイド部材の一部の上に載るように構成されたフェイスマスクシールのセクションの幅よりも大きい距離だけ、離隔している。これにより、有利に、患者のフェイスマスクが送達出口及びサンプリング入口の上に位置決めされ、サンプリング出口が患者のフェイスマスクの外側に位置するのを可能にすることができる。したがって、非送達サイド部材の上にフェイスマスクを位置決めすることにより、サンプリング出口、及びその呼吸ガスモニタとの流体接続が干渉される可能性はない。
【0079】
上述したように、本開示の第1態様のサンプリング導管は、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するときに、開放したままであるように構成されている。非送達部材の上にフェイスマスクシールが載ることにより、非送達サイド部材に力が加えられ、この力は、サンプリング導管に伝達されるか、又は直接加えられる可能性がある。したがって、サンプリング導管は、フェイスマスクの適用又は影響下で開放したままであるように構成することができる。したがって、サンプリング導管は、連続的な患者ガスサンプリングを可能にすることができる。
【0080】
一実施形態では、非送達サイド部材は、それ自体、非送達サイド部材の上にフェイスマスクシールが載ったときに変形に抵抗するように構成してもよい。別法として、非送達サイド部材は、非送達サイド部材の上にフェイスマスクシールが載ったときに変形するように構成してもよく、そこでは、非送達サイド部材の変形中、サンプリング導管は開放したままである。非送達サイド部材の変形は、非送達サイド部材の平坦化を含んでもよい。これは、有利には、フェイスマスクと患者の顔面との間、及び/又はフェイスマスクと非送達サイド部材との間のシールを形成するのに役立つことができる。例えば、非送達サイド部材は、平坦化形態に移行するように構成してもよく、フェイスマスクは、平坦化形態の周りで弾性変形して、患者の顔面とのシールを形成することができる。患者インタフェースは、フェイスマスクが患者インタフェースの上に配置されたときに、呼吸補助及び/又はサンプリングされている患者ガス流の望ましくない拡張につながる可能性のある漏れを、低減させるか又は回避するように構成することができる。
【0081】
非送達サイド部材は、中空(例えば管状)であってもよく、又は非中空であってもよい。非送達サイド部材は、導管又はチューブを含むことができる。非送達サイド部材は、円形断面を有することができ、又は非円形断面を有することができる。非送達サイド部材は、楕円形又は卵形の断面又はスタジアム状の断面等、細長い断面を有することができる。本開示の一実施形態によれば、非送達サイド部材は、一対の端部の間に延在する一対の長手方向側部を含む細長い断面を有する。端部は、丸みを帯び、例えば半円形であってもよい。別法として、端部は、縁部(例えば、角のある縁部)を含んでいてもよく、そこで、長手方向側部が互いに接する。
【0082】
非送達サイド部材は、対称的な断面を有することができる。例えば、長さ軸及び/又は幅軸を中心に対称である円形、楕円形又はスタジアム状の断面。
【0083】
別法として、一実施形態では、非送達サイド部材は、少なくとも1つの軸において非対称である細長い断面を有する。一実施形態では、細長い断面は、長さ軸及び幅軸を含むことができ、断面は、長さ軸を中心に非対称である。断面は、一対の端縁部の間に延在する一対の長手方向側部を含むことができ、長手方向側部は非対称である。例えば、側部部分のうちの一方は、サンプリング導管を受けるように構成されたチャネルを含んでいてもよい。側部のうちの一方は、他方の側部とは異なる湾曲構成を有していてもよい。一実施形態では、患者対向壁は、非患者対向壁と異なる曲率構成を有する。一実施形態では、非送達サイド部材の患者対向壁は、非患者対向壁と比較して、より顕著な湾曲を有する。一実施形態では、断面は、患者対向壁と実質的に平行な軸において非対称である。
【0084】
非送達サイド部材の断面は、非対称レンズ形状又はエアフォイル形状を有することができる。例えば、断面は、異なるレベルの曲率を有し、対向する端縁部で接する、2つの長手方向側部を含んでいてもよい。長手方向側部の各々は、凸状構成(すなわち、外側に膨らんでいる構成)を有していてもよい。2つの長手方向に湾曲した側部は、患者対向面及び非患者対向面を含むことができる。一実施形態では、非患者対向側は、低いレベルの曲率を有し、実質的に平坦であってもよく、患者対向側は、より高いレベルの曲率を有する。
【0085】
一実施形態では、非送達サイド部材の断面は、一対の対向し離隔した縁部を含み、患者対向壁及び非患者対向壁は、その一対の縁部の間に延在している。一実施形態では、患者対向壁は、一対の対向する縁部の間に延在する実質的に凸状の構造を有する。一実施形態では、非患者対向壁は、一対の対向する縁部の間に延在する実質的に平坦又は平面の構造を有する。
【0086】
非送達サイド部材は、患者マスクと患者の顔面との間の破壊されないシールの形成を容易にするように、患者の顔面に部分的に沈み込むか又は引っ込むように構成することができる。非送達サイド部材は、非患者対向壁が患者の皮膚とほぼ同一平面であるか又は位置合わせされるように、患者の皮膚にわずかに引っ込むことができる。これにより、非患者対向壁は、患者の皮膚と実質的に連続した面を形成し、その上に、フェイスマスクが実質的に破壊されないシールを形成することができる。
【0087】
上記考察は、ガスサンプリングインタフェースが非送達サイド部材に設けられるさまざまな実施形態及び例を含む。しかしながら、先の考察で述べたように、本開示の第1態様による患者インタフェースは、ガスサンプリングインタフェースがガス送達サイド部材に設けられるように構成することもできる。したがって、ガスサンプリングインタフェースは、ガスサンプリングインタフェースに、その上に、その中に位置するか、又は他の方法でガスサンプリングインタフェースと物理的に関連付けることができる。
【0088】
一実施形態では、ガスサンプリングインタフェースは、ガス送達サイド部材に設けられ、ガス送達サイド部材は、一端に装置ガス流を受け取る送達入口を含み、患者対向壁及び非患者対向壁を含む。一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に近接しており、サンプリング出口は、送達入口に近接している。
【0089】
一実施形態では、サンプリング導管は、患者ガス流のためのサンプリング内腔を含み、ガス送達サイド部材は、装置ガス流のためのガス送達内腔を含む。一実施形態では、患者インタフェースは、単一のサンプリング導管を含む。一実施形態によれば、サンプリング入口からサンプリング出口に流通される患者ガス流のすべてが、単一のサンプリング導管を通じて流通される。サンプリング内腔とガス送達内腔との間の物理的な関連は、種々の方法で構成することができる。
【0090】
一実施形態では、サンプリング導管はガス送達サイド部材と一体化されている。
【0091】
一実施形態では、サンプリング導管はガス送達内腔を通って延在している。
【0092】
一実施形態では、サンプリング導管の一部は、ガス送達内腔内で自由に動くことができる。
【0093】
一実施形態では、サンプリング導管は、潰れ可能な部分を通って延在しており、サンプリング導管は、装置ガス流の閉塞を最小限にするように、且つ潰れ可能な部分の潰れた形態への移行への干渉を最小限にするように構成された、断面を有する。
【0094】
一実施形態では、サンプリング導管の断面は、潰れ可能な部分が潰れた形態にあるとき、ガス送達内腔の閉塞を容易にするように構成された形状を有する。
【0095】
一実施形態では、サンプリング導管は湾曲した外面を含む断面を有し、湾曲した外面は、潰れ可能な部分の壁が湾曲した外面の周りで曲がるか又は折れ曲がるように構成されている。
【0096】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達内腔の断面積よりも小さい断面積を有する。
【0097】
一実施形態では、ガス送達サイド部材は、サンプリング内腔を通って延在している。
【0098】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材を取り囲むスリーブを含む。
【0099】
一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に近接するスリーブの端部に漏斗部分を含み、漏斗部分は鼻及び/又は口から患者ガス流を受け取るように構成されている。
【0100】
一実施形態では、漏斗部分は装置ガス流の一部を受け取るように構成されている。
【0101】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、実質的に同心である。
【0102】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、実質的に同軸である。
【0103】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、平行な長手方向軸を有する。
【0104】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、ガス送達サイド部材内に一体的に形成され、互いに離隔している。
【0105】
一実施形態では、サンプリング内腔は、ガス送達内腔を取り囲むガス送達サイド部材の壁内に形成されている。
【0106】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材と一体化されている。サンプリング導管は、ガス送達サイド部材と一体的に形成することができる。したがって、サンプリング内腔及びガス送達内腔も一体的に形成することができる。例えば、サンプリング内腔及びガス送達内腔は、送達サイド部材の製造中に同時に成形することができる。
【0107】
一実施形態では、サンプリング導管は、細長い断面形状を有するサンプリング内腔を含む。サンプリング内腔の断面は円形とすることができる。
【0108】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達内腔を通って延在している。したがって、サンプリング内腔(サンプリング導管の内部)もまた、ガス送達内腔内に位置することができる。一実施形態では、サンプリング導管の一部は、ガス送達内腔内で自由に動くことができる。例えば、サンプリング導管は、ガス送達内腔によって緩く収容され、その中を動くことができるように、ガス送達内腔を通して送ることができる。別法として、サンプリング導管は、ガス送達内腔を通って延在するが、その中の特定の位置に固定してもよい。例えば、サンプリング導管の外面をガス送達内腔の外面に連結する1つ又は複数のリブ又はウェブによって。サンプリング導管は、ガス送達内腔に対していくつかの部分で固定されていてもよいが、他の部分はガス送達内腔内で動くことを可能にする。
【0109】
一実施形態では、サンプリング導管は、潰れ可能な部分を通って延在しており、サンプリング導管は、装置ガス流の閉塞を最小限にするように、且つ潰れ可能な部分の潰れた形態への移行への干渉を最小限にするように構成された、断面を有する。サンプリング導管は、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するとき、潰れ可能な部分を通る装置ガス流の減少を容易にする構成を有することができる。サンプリング導管の断面は、潰れ可能な部分が潰れた形態にあるとき、ガス送達内腔の閉塞を容易にするように構成された形状を有することができる。例えば、サンプリング導管は湾曲した外面を含む断面を有することができ、湾曲した外面は、潰れ可能な部分の壁部分が湾曲した外面の周りで曲がるか又は折れ曲がるように構成されている。
【0110】
サンプリング導管は、潰れ可能な部分を通る装置ガスの流れを制限するシールをサンプリング導管の周囲に形成することを容易にするように構成することができる。例えば、サンプリング導管の外面と潰れ可能な部分の内面との間のシール。サンプリング導管は、円形断面等の実質的に湾曲した断面を有してもよい。サンプリング導管は、角のある縁部のない断面を有してもよい。したがって、サンプリング導管は、潰れ可能な部分の潰れた形態との干渉を最小限にするか又は回避するように構成することができる。すなわち、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行したとき、装置ガス流の停止の低減との干渉を最小限にするか又は回避する。
【0111】
サンプリング導管は、潰れ可能な部分が開放形態にあるときに、潰れ可能な部分を通るガス流を遮断しないように構成することができる。例えば、サンプリング導管の外面は、装置ガス流に隘路、閉鎖又は他の妨害を生じさせないように、実質的に滑らかな構成(例えば、湾曲した構成)を有することができる。
【0112】
サンプリング導管は、ガス送達内腔を通る装置ガス流への干渉を最小限にするようなサイズで構成することができる。サンプリング導管は、ガス送達内腔の断面積よりも小さい断面積を有することができる。一実施形態では、サンプリング導管は、潰れ可能な部分の幅よりも小さい幅を有する。ガス送達内腔に必要とされる流量は、典型的には、サンプリング内腔に必要とされる流量よりも高い可能性があり、したがって、ガス送達内腔は、サンプリング内腔の断面積よりも大きい断面積を有する可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、40~500mL/minのサンプリング流量の患者ガスが、サンプリング導管を通して提供される。したがって、サンプリング内腔は、約40~500mL/minの流れを容易にするような断面で構成することができる。ガス送達内腔は、著しくより高い流量に対応するように構成してもよい。特定の実施形態では、常時開放形態において、ガス送達インタフェースは、約20L/min~90L/minの装置ガス流量が装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。別の特定の実施形態では、常時開放形態において、ガス送達インタフェースは、5~70L/minの装置ガス流量が装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。
【0113】
特定の実施形態では、潰れた形態において、患者インタフェースは、ガスサンプリングインタフェースを通る患者ガス流量よりも少なくとも20倍大きい装置ガス流量が、装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。例えば、ガスサンプリングインタフェースを通る流量は、約500ml/min未満であってもよく、閉鎖形態にあるときのガス送達インタフェースを通る流量は、約10L/min未満であってもよい。特定の実施形態では、潰れた形態において、ガス送達インタフェースは、約10L/min未満の装置ガス流量が装置ガス流路を通るのを可能にするように構成され、ガスサンプリングインタフェースは、約500mL/min未満、任意選択的に約40mL/min~約500mL/minの患者ガス流量を可能にするように構成される。
【0114】
代替実施形態では、ガス送達サイド部材は、サンプリング内腔を通って延在している。例えば、ガス送達内腔は、サンプリング内腔を通って延在するガス送達内腔に設けてもよい。この例では、サンプリング導管は、それ自体、ガス送達サイド部材を提供することができる。別法として、(ガス送達導管が内部を通して延在している)サンプリング導管は、ガス送達サイド部材に取り付けてもよく、又はガス送達サイド部材を通って延在していてもよい。
【0115】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材を取り囲むスリーブを備える。一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に近接するスリーブの端部に漏斗部分によって提供され、漏斗部分は、鼻及び/又は口から患者ガス流を受け取るように構成されている。漏斗部分は、サンプリング入口を含む開口部を含むことができる。漏斗部分は、スリーブのフレア状又は拡大部分を含むことができる。漏斗は、さまざまな構成、例えば、円錐台又は長尺状円錐台又は楕円形円錐台の構成を有することができる。一実施形態では、漏斗部分は、装置ガス流の一部を受け取るように構成されている。
【0116】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、実質的に同心である。例えば、ガス送達内腔及びサンプリング内腔のうちの一方が、ガス送達内腔及びサンプリング内腔のうちの他方を通って延在して、各々が共通の中心軸を共有し、(断面において)各々が共通の中心点を共有するようになっている。ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、実質的に同軸であってもよい。
【0117】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、平行な長手軸を有する。この構成は、多くの方法で提供することができる。第1例では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔のうちの一方が、ガス送達内腔又はサンプリング内腔のうちの他方を通って延在していてもよい。第2例では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、互いに並んで(且つ互いの外部に)延在していてもよい。第3例では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、ともに、ガス送達サイド部材の内部に形成されるがまた、平行な長手方向軸を有する。
【0118】
一実施形態では、ガス送達内腔及びサンプリング内腔は、ガス送達サイド部材内に一体的に形成され、互いに離隔している。例えば、ガス送達サイド部材の内部部分によって離隔している。一実施形態では、サンプリング内腔は、ガス送達内腔を取り囲むガス送達サイド部材の壁内に形成されている。一実施形態では、ガス送達内腔は、サンプリング内腔を取り囲むガス送達サイド部材の壁内に形成されている。ガス送達サイド部材の壁内の(サンプリング内腔又はガス送達内腔のいずれかであり得る)壁に形成された内腔は、壁に取り囲まれた内腔の片側に局所化させることができる。別法として、壁に形成された内腔は、壁に取り囲まれた内腔を部分的に又は完全に取り囲むことができる。
【0119】
上記実施形態のうちのいくつかは、サンプリング内腔及びガス送達内腔が各々ガス送達部材の外面内に収容されていることに関する。代替実施形態では、サンプリング内腔は、ガス送達サイド部材の外面に沿って延在する。例えば、ガス送達内腔は、ガス送達サイド部材の内部に設けてもよく、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材の外部に位置する。一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材の外面に連結される。
【0120】
一実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達サイド部材の外面に一体的に連結されている。
【0121】
一実施形態では、サンプリング導管は、連結ウェブを介して外面に一体的に連結され、サンプリング導管は、連結ウェブの幅だけガス送達サイド部材から離隔している。
【0122】
一実施形態では、潰れ可能な部分は、一対の端部の間に延在する一対の長手方向側部を含む細長い断面を有し、連結ウェブは、サンプリング導管と潰れ可能な部分の端部のうちの一方との間に延在している。
【0123】
一実施形態では、患者インタフェースは、潰れ可能な部分に位置又はそれに近接して位置し、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するのを容易にするように構成された、付属品をさらに備える。
【0124】
一実施形態では、付属品は、ガス送達サイド部材の患者対向壁に沿って延在する剛性部材を備え、潰れ可能な部分に加えられる荷重に反力を与えるように構成されている。
【0125】
一実施形態では、付属品は、ガス送達サイド部材の非患者対向壁に沿って延在し、付属品に加えられる荷重に応答して患者に向かって移動するように構成された、部分を備える。
【0126】
一実施形態では、付属品は、サンプリング導管の一部を付属品に連結する導管コネクタを備える。
【0127】
一実施形態では、サンプリング導管は、付属品を通って延在する。
【0128】
一実施形態では、付属品は、送達出口に近接して位置するように構成された患者ガス入口ポートと、送達入口に近接して位置するように構成された患者ガス出口ポートとを含む、一対の離隔した開口部を含み、サンプリング導管は、患者ガス入口と出口との間で付属品を通って内部に延在している。
【0129】
一実施形態では、患者インタフェースは、送達入口と接続可能な剛性のガス経路コネクタを備え、患者インタフェースは、サンプリング導管の一部をガス経路コネクタに取外し可能に接続する導管コネクタをさらに備える。
【0130】
一実施形態では、導管コネクタは、ガス経路コネクタに取外し可能に取り付けられるように構成された一対の弾性アームを含む第1取付構成と、サンプリング導管に取外し可能に取り付けられるように構成された第2取付構成とを含む。
【0131】
一実施形態では、第2取付構成は、サンプリング導管の外径に対応する一対の凹部を画定し、サンプリング導管を受けて保持するように構成された、一対のフックを含む。
【0132】
一実施形態では、サンプリング導管は、付属品の導管コネクタとガス経路コネクタに接続されている導管コネクタとの両方に接続される。
【0133】
一実施形態では、ガス送達サイド部材は、サンプリング導管を受け入れるように構成され、サンプリング導管とガス送達サイド部材との間の取外し可能な取付けを可能にする、チャネルを含む。
【0134】
一実施形態では、チャネルは、ガス送達サイド部材の患者対向壁内に位置している。
【0135】
一実施形態では、チャネルは、ガス送達サイド部材の非患者対向壁に位置している。
【0136】
一実施形態では、サンプリング導管はサンプリング内腔を含み、サンプリング導管は、潰れ可能な部分に加えられる潰し力に応答してサンプリング内腔の形状を保持するように構成されている。
【0137】
サンプリング導管は、ガス送達サイド部材の外面と一体的に連結することができる。例えば、サンプリング導管は、連結ウェブを介して外面と一体的に連結することができ、サンプリング導管は、連結ウェブの幅だけガス送達サイド部材から離隔している。一実施形態では、潰れ可能な部分は、一対の端部の間に延在する一対の長手方向側部を含む細長い断面を有し、連結ウェブは、サンプリング導管と潰れ可能な部分の端部のうちの一方との間に延在している。
【0138】
サンプリング導管とガス送達サイド部材との間の上述した間隔は、有利には、サンプリング導管に影響を与えない一方で、潰れ可能な部分の潰れた形態への移行を容易にすることができる。例えば、サンプリング導管は、患者フェイスマスクの適用中の潰れ可能な部分の平坦化又は圧縮が、サンプリング導管に影響を与え、それを変形させ、折り曲げ、又は他の方法でそこを通る患者ガスの流れに干渉することがないように、ガス送達サイド部材から離隔させることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、潰れ可能な部分に又はそれに近接して位置し、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するのを容易にするように構成された、付属品をさらに備える。好適な付属品のさまざまな例は、2022年4月4日に出願された本出願人の米国仮特許出願第63/362,486号明細書に記載されている。米国仮特許出願第63/362,486号明細書に記載されている付属品を、本開示による患者インタフェースと使用することができることが理解されよう。例えば、米国仮特許出願第63/362,486号明細書に開示されている付属品は、ガスサンプリング導管を含むガスサンプリングインタフェースとともに使用することができる。サンプリング導管は、米国仮特許出願第63/362,486号明細書による付属品と一体化することができる。一実施形態では、付属品は、ガス送達サイド部材の患者対向壁に沿って延在し、潰れ可能な部分に加えられる荷重に反力を与えるように構成された、剛性部材を備える。一実施形態では、付属品は、ガス送達サイド部材の非患者対向壁に沿って延在し、付属品に加えられる荷重に応答して患者に向かって移動するように構成された、部分を備える。付属品は、潰れ可能な部分に加えられる潰し力を増強し、集中させ、増幅し、又は補足するように動作することができる。
【0140】
サンプリング導管は、付属品の外部に位置することができるが、付属品に結合していてもよい。例えば、一実施形態では、付属品は、サンプリング導管の一部を付属品に接続する導管コネクタを備える。別法として、一実施形態では、サンプリング導管は、付属品を通して延在している。サンプリング導管は、付属品に一体的に形成された通路を通って延在するチューブを含むことができる。別法として、サンプリング導管は、付属品に一体的に形成された通路によって提供してもよい。
【0141】
一実施形態では、付属品は、送達出口に近接して位置するように構成された患者ガス入口ポートと、送達入口に近接して位置するように構成された患者ガス出口ポートとを含む、一対の離隔した開口部を含み、サンプリング導管は、患者ガス入口と出口との間で付属品を通って内部に延在している。
【0142】
一実施形態では、患者インタフェースは、送達入口と接続可能な剛性のガス経路コネクタをさらに含み、患者インタフェースは、サンプリング導管の一部をガス経路コネクタに取外し可能に接続する導管コネクタをさらに備える。ガス経路コネクタは、ガス送達サイド部材を流れ供給導管、例えば、装置ガス流を供給する装置に接続された導管に接続するように構成することができる。ガス経路コネクタは、ガス経路コネクタをヘッドストラップに接続する接続構成を含むことができる。
【0143】
一実施形態では、ガス経路コネクタと接続する導管コネクタは、ガス経路コネクタに取外し可能に取り付けられるように構成された一対の弾性アームを含む第1取付構成と、サンプリング導管に取外し可能に取り付けられるように構成された第2取付構成とを含む。特定の実施形態では、第2取付構成は、サンプリング導管の外径に対応する一対の凹部を画定し、サンプリング導管を受け入れて保持するように構成された、一対のフックを含む。
【0144】
付属品の上述した導管コネクタは、ガス経路コネクタに接続される上述した導管コネクタと協働することができる。例えば、一実施形態では、サンプリング導管は、付属品の導管コネクタとガス経路コネクタに接続される導管コネクタとの両方に接続される。
【0145】
上述したように、本開示の第1態様によるサンプリング導管は、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するとき、サンプリング入口とサンプリング出口との間の流体連通を維持するように開放したままであるように構成されている。これは、前述でいくつか述べた種々の方法で達成することができる。例えば、サンプリング導管は、ガス送達部材に連結されているが、サンプリング導管に、潰れ可能な部分に加えられる潰し力が接触するか、又はサンプリング導管がそうした潰し力の影響を受けないように、連結ウェブによってガス送達部材から離隔している。サンプリング導管を開放状態に維持する他のさまざまな構成が考えられる。
【0146】
例えば、代替的な構成では、サンプリング導管が潰れ可能な部分に加えられる潰し力を受けるか、又はそれに曝されるか、又はその影響を受けるように、潰れ可能な部分に対してサンプリング導管を配置することができる。これは、直接起こる場合もあれば(例えば、フェイスマスクがサンプリング導管に直接接触し、押し付けられる)、又は間接的に起こる場合もある(例えば、フェイスマスクの力が潰れ可能な部分に加えられ、潰れ可能な部分を通してサンプリング導管に伝達される)。これらのシナリオ又は他のシナリオのいずれにおいても、サンプリング導管は、サンプリング導管に潰し力を直接又は間接的に加えることに応答して、開放したままであるように構成することができる。
【0147】
例えば、一実施形態では、サンプリング導管はサンプリング内腔を含み、サンプリング導管は、潰れ可能部分に加えられる潰し力に応答してサンプリング内腔の形状を保持するように構成されている。一実施形態では、サンプリング導管は、潰し力が加えられたときにサンプリング内腔の形状を維持するために、潰れ可能部分よりも堅いように構成されている。特定の実施形態では、サンプリング導管は、サンプリング内腔の形状を保持するのに十分な材料スティフネスを有する材料で形成される。一実施形態では、ガスサンプリングインタフェースは、潰れ可能な部分とは異なる材料で形成される。一実施形態では、サンプリング導管は、潰れ可能な部分とは異なる材料で形成される。一実施形態では、サンプリング導管は、潰れ可能な部分の材料よりも高い材料スティフネスを有する材料で形成される。一実施形態では、ガスサンプリングインタフェースは、シリコーンを含む。一実施形態では、潰れ可能な部分は、熱可塑性エラストマーを含む。一実施形態では、ガスサンプリングインタフェースはシリコーンを含み、潰れ可能な部分は熱可塑性エラストマーを含む。
【0148】
一実施形態では、サンプリング導管は、幾何学的特徴を介して、潰れ可能な部分よりも堅いように構成される。例えば、サンプリング導管は、潰れ可能な部分よりも厚い壁を有することができる。サンプリング導管は、均一な(すなわち、一貫した)厚さの壁を含むことができ、一方、潰れ可能な部分は、曲げ又は折り曲げを容易にし、それにより、潰れ可能な部分の潰れた形態への移行を容易にするように構成された、薄壁部分を含むことができる。サンプリング導管は、サンプリング導管の閉鎖に抵抗するのに役立つ支柱又は横材等の内部補強構造を含んでいてもよい。
【0149】
本開示の第2態様によれば、
患者に装置ガス流を送達するように構成されたガス送達インタフェースであって、
患者に装置ガス流を送達するための送達出口と、
送達出口の1つの側から延在し、送達出口と流体連通している装置ガス流路を含む、ガス送達サイド部材であって、潰し力が加えられたとき、常時開放形態から、装置ガス流路が低減するか又は閉鎖される潰れた形態に、装置ガス流路を通る装置ガス流を減少又は停止させるために移行可能な潰れ可能な部分を含むガス送達サイド部材と、
を備えるガス送達インタフェース
を備える患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは、
ガスサンプリングインタフェースであって、
患者において患者ガス流を受け取るように構成されたサンプリング入口と、
患者から離れるように患者ガス流を送り出すように構成されたサンプリング出口と、
サンプリング入口及びサンプリング出口と流体連通しているサンプリング導管であって、ガスサンプリングインタフェースが、ガス送達サイド部材に設けられている、サンプリング導管と、
を備えるガスサンプリングインタフェース
をさらに備える。
【0150】
したがって、本開示の第2態様によれば、ガスサンプリングインタフェースは、ガス送達サイド部材に設けられる。本開示の第1態様に関して上記で考察した本開示のさまざまな実施形態及び特徴は、上記に考察した実施形態が非送達サイド部材に設けられるガス送達インタフェースに関連することを除き、本開示の第2態様にも適用可能であると理解されよう。
【0151】
本開示の第1態様とは対照的に、本開示の第2態様のサンプリング導管は、必ずしも、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行するときに開放したままであるようには構成されていない。しかしながら、本開示の第2態様のサンプリング導管は、本開示の第1態様と同様に、開放したままであるように構成することができることが理解されるべきである。
【0152】
したがって、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行したときに開放したままであるサンプリング導管に関連する、本開示の第1態様に関して上記で考察した本開示のさまざまな実施形態及び特徴はまた、本開示の第2態様に適用可能であり且つ/又は実装することができる。
【0153】
しかしながら、本開示の第2態様の一実施形態では、サンプリング導管は、患者ガスの流れを選択的に減少又は停止させることができるように構成することができる。これは、第2呼吸補助システム(例えば、患者の顔面に適用されるフェイスマスク)もガスサンプリング機能を有し、潰れ可能なカニューレ上のガスサンプリングインタフェースが第2呼吸補助の使用中に漏れを持ち込む可能性がある用途において、望まれる場合がある。したがって、状況によっては、二次的な呼吸補助システムを妨害しないために、ガスサンプリングインタフェースを通る患者のガスフローを停止することが望ましい場合がある。
【0154】
本開示の第2態様の一実施形態によれば、サンプリング導管は、常時開放形態から、サンプリング導管を通る患者ガス流が減少又は停止する潰れた形態に移行可能である。サンプリング導管は、前述で考察した潰れ可能な部分であって、潰し力に応答してサンプリング導管の閉鎖、閉塞又は制限を容易にする潰れ可能な部分の構成と、同様の構成を有することができる。例えば、患者フェイスマスクによって潰れ可能な部分に加えられる潰し力。サンプリング導管は、潰れた形態にあるときに患者ガス流が生じないように構成することができる。別法として、サンプリング導管は、潰れた形態にあるときに、サンプリング導管を通して幾分かの残留患者ガス流が依然として生じるように構成してもよい。例えば、サンプリング導管が潰れた形態に移行したときに、サンプリング導管内のサンプリング内腔の1つ又は複数の残留開口部、流路又は通路が残る場合があり、これらの残留開口部、流路又は通路を通って、幾分かの残留患者ガス流が依然として流れる場合がある。
【0155】
一実施形態では、サンプリング導管は、サンプリング導管を通る患者ガス流を減少又は停止させるために潰し力を加えたときに、互いの方に又は互いに向かって移動するように構成された1つ又は複数の側部部分を含む。サンプリング導管は、側部部分が互いの方に又は互いに向かって移動するのを容易にするように構成された材料又は形状を含むことができる。一実施形態では、開放形態から閉鎖形態に移行するサンプリング導管は、サンプリング導管の1つ又は複数の側部の曲げ又は折り曲げを含む。サンプリング導管は、潰し力が加えられたときにサンプリング導管が折れ曲がるか又は曲がる折れ線を提供するように構成された、1つ又は複数の薄壁部分を含むことができる。一実施形態では、サンプリング導管は、常時開放形態から潰れた形態まで弾性変形可能である。
【0156】
前述の考察は、本開示の第1態様及び第2態様のうちの一方又は両方に関連する、本開示のあり得る実施形態及び特徴に関する。本開示のさまざまな他のあり得る実施形態及び/又は特徴は、本開示の両方の態様に適用可能であり得る。そのうちのいくつかについて以下に考察する。
【0157】
一実施形態では、サンプリング入口は、送達出口に隣接して、又は送達出口内に位置している。サンプリング入口は、患者の口の正面に位置するように構成された口スクープを含むことができる。口スクープは、患者の口及び/又は鼻孔から吐き出された患者ガスを捕捉するように構成された開口部を含むことができる。したがって、口スクープは、サンプリングインタフェースの一部を形成することができる。一実施形態では、口スクープは、サンプリング導管に取外し可能に取り付けられるように構成される。一実施形態では、サンプリング入口は、口スクープが提供してもよい。例えば、口スクープは、サンプリング入口に取外し可能に取り付けられるように構成してもよく、口スクープがサンプリング入口に選択的に取り付けられると、サンプリング入口は、口スクープによって、又は口スクープに提供される。一実施形態では、口スクープはサンプリング導管に取外し不能に取り付けてもよく、そこでは、サンプリング入口は口スクープによって提供される。
【0158】
送達出口は、患者の鼻孔のうちの一方又は両方に位置するように構成された1つ又は複数の経鼻送達プロングを含むことができる。一実施形態では、サンプリング入口は、鼻入口及び口入口を含む。
【0159】
一実施形態では、サンプリング入口は、患者の鼻孔に挿入するように構成されたサンプリング鼻プロングによって提供される。サンプリング入口は、一対の鼻プロングによって提供することができる。サンプリング導管は、サンプリング鼻プロングが経鼻送達プロングよりも患者の鼻孔内のより深くに位置するように構成されるように、経鼻送達プロングの遠位端を越えて延在することができる。
【0160】
経鼻送達プロングに対するサンプリング鼻プロングの位置決めは、変更することができる。一実施形態では、サンプリング鼻プロングは、経鼻送達プロングを通って延在している。サンプリング鼻プロングは、経鼻送達プロングの実質的に中央に位置することができる。例えば、サンプリング鼻プロング及び経鼻送達プロングは、同心であってもよい。別法として、サンプリング鼻プロングは、経鼻送達プロングの外側に位置し、経鼻送達プロングと並んで延在していてもよい。
【0161】
一実施形態では、サンプリング導管は、サンプリング導管が所望の形状になるように操作されることを可能にし、且つ/又はサンプリング入口が所望の位置に配置されるのを可能にする、柔軟に弾力性のある支持構造を有する。支持構造は、サンプリング導管内に位置するか、又はサンプリング導管の壁に結合する、ワイヤを含むことができる。ワイヤは、鋼で形成してもよく、ワイヤの所望の形状又は位置への選択的な位置決めを可能にするように可撓性であってもよい。
【0162】
代替実施形態では、サンプリング導管は、上述した柔軟に弾力性のある支持構造なしで提供される。例えば、サンプリング導管は、サンプリング導管内に位置するワイヤなしに提供してもよい。一実施形態では、サンプリング導管に単一の内腔が設けられ、単一の内腔は、患者ガス流のためのサンプリング内腔である。この実施形態によれば、サンプリング導管は、支持ワイヤを含まず、したがって、支持ワイヤ用のいかなる追加の内腔も含まない。一実施形態では、サンプリング導管は、均質な材料組成を有する。例えば、サンプリング導管は、シリコーン又はシリコーンタイプの材料のみで形成してもよく、前述した代替実施形態により、金属又は非シリコーン材料で形成された支持ワイヤが埋め込まれたシリコーン材料で形成しなくてもよい。サンプリング内腔である単一の内腔を有する(すなわち、柔軟に弾力性のある支持ワイヤがワイヤ内腔に収容されていない)サンプリングインタフェースを提供することは、有利には、材料を節約し、製造の複雑性を低減させることができる。
【0163】
一実施形態では、サンプリング導管は、患者フェイスマスクのマスクカフに対して封止するように構成された外面を有する。サンプリング導管は、マスクカフに対して封止するように構成することができる非患者対向面を含むことができる。マスクカフとサンプリング導管との間にシールを形成するように、マスクカフが非患者対向面の周囲で弾性変形するように、非患者対向面に、マスクカフよりも堅い構成を設けることができる。
【0164】
一実施形態では、サンプリング入口は、患者への患者フェイスマスクの適用中に患者フェイスマスクと患者の顔面との間に形成される空洞内に位置するように、送達出口に近接して位置し、サンプリング出口は、患者へのマスクの適用中に空洞の外側にあるように、送達出口から離隔している。このように、患者の顔面に適用された患者フェイスマスクは、サンプリング入口は覆うが、呼吸ガスモニタと流体連通している(又は流体連通に利用可能な)サンプリング出口は覆わない。
【0165】
上記の考察から、本開示は、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行したときに、患者ガスのサンプリング及びモニタリングを可能にするように構成された患者インタフェースを提供することが理解されよう。例えば、患者フェイスマスクが患者インタフェースの上に配置されたとき。したがって、患者インタフェースは、呼吸システムが(例えば、ハイフロー鼻カニューレからフェイスマスクに)切り替えられるのを可能にする。また、上記の考察から、患者インタフェースを、患者の顔面に接して配置されたマスクのシールを破壊しないように(又は破壊を最小限にするように)構成することができることが理解されよう。
【0166】
患者インタフェース及びその付属品
本開示はまた、患者インタフェース及びその付属品に関する。
【0167】
前述で考察したように、潰れ可能な導管は、例えば、マスクが患者の顔面の上に配置され、マスクの一部、例えばマスクカフが潰れ可能な部分にわたって重ねられ(且つその上に押し付けられ)たとき、折れ曲がって呼吸ガス流を制限するように構成された、潰れ可能な部分を含む。これにより、臨床医は、必要なときに、潰れた導管を通るガス流を制限して、患者インタフェースの上から患者に非侵襲的換気マスクを容易に適用することができる。
【0168】
臨床医は、患者にバッグ及びマスクを使用して手動換気を行いたい場合、潰れ可能部分に対して、十分な潰れを引き起こす著しい量の圧力を加える必要がある場合がある。潰れが不十分であることにより、残留ガスが潰れ可能な部分を流れることになる可能性がある。
【0169】
残留流を減少させ、且つ/又は十分な潰れが達成される一貫性若しくは容易さを他の方法で向上させるために、本開示のこの態様による付属品を提供することができる。
【0170】
付属品は、種々の異なる方法で、潰れ可能な部分の改良された潰れを容易にするか又は促進するのに役立つように構成することができる。例えば、付属品は、十分な潰れを促進するために、潰れ可能部分に対して特定の位置に配置されるように構成することができる。別法として又は加えて、付属品は、潰れ可能な部分に加えられる圧力を増幅するために、潰れ可能な部分に力の局所化した集中を提供する幾何学的特徴を含んでいてもよい。別の例では、付属品は、潰れ可能な部分に加えられる力を増幅するように構成してもよい。これら及び他の概念のさまざまな実施形態について以下に考察する。
【0171】
本開示の一態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付けるように構成された取付構成と、接触部分であって、潰し力が接触部分に且つ/又は潰れ可能な部分に加えられると、取付構成に対して固定された関係で潰れ位置での潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成された接触部分とを備える。
【0172】
付属品は、有利には、取付構成に対して固定された関係で所定の潰れ位置での潰れ可能部分の潰れを促進するか、又は他の方法で容易にすることによって、潰れの一貫性を向上させることができる。この構成により、付属品及び取付構成の位置を変更することによって、ユーザが潰れ位置を制御することができるようにすることができる。
【0173】
付属品は、潰れ可能な部分に潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分が圧縮される剛性面を提供するために、潰れ可能な部分の後方に(すなわち、患者の顔面と潰れ可能な部分の患者対向側との間に)配置可能な、土台、バー又は板を含むことができる。例えば、付属品は、潰れ可能な部分を支持し、バッグマスクが患者の顔面に適用されたときに潰れ可能な部分が圧搾又は圧縮される堅固な面を提供するように構成された、裏当て板を提供することができる。
【0174】
付属品の接触部分は、潰れ可能な部分がマスクカフと付属品との間に挟み込まれるか又は挟挿されるように、潰れ可能な部分が押し付けられる面を提供することができる。接触部分は、潰れ可能な部分の潰れを容易にするために、潰れ可能な部分と係合するように構成することができる。例えば、接触部分は、潰れ可能な部分に接触するように構成することができる。接触部分は、潰れ可能な部分の潰れを引き起こすか又は潰れに役立つために、潰れ可能な部分に力を与えるように構成することができる。
【0175】
接触部分は、潰れ可能な部分において患者インタフェースと接触することができる。別法として、接触部分は、潰れ可能な部分以外の位置で、例えば、潰れ可能な部分の上流又は下流であるガス送達導管上の位置で、患者インタフェースに接触してもよい。この場合、接触部分は、依然として、潰れ可能な部分の潰れを容易にすることができる。例えば、接触部分は、潰れ可能な部分に隣接するガス送達導管の一部と接触することができ、ガス送達導管が潰れ可能な部分の潰れを促進するか又は引き起こすために折れ曲がるか又はよじれる際の中心となり得る、ヒンジ又はピボット点を提供することができる。接触部分は、潰れ可能な部分に隣接するガス送達導管の1つ又は複数の部分に接触してそれを支持することができ、それにより、潰れ可能な部分の少なくとも一セクションが付属品によって支持されない。潰れ可能な部分の支持されていないセクションは、潰れ可能な部分の又はガス送達導管の支持されたセクションの間にわたることができる。付属品は、1つ又は複数の支持されたセクションの間にわたる支持されていないセクションにおいて、潰れを促進するように構成することができる。
【0176】
特定の実施形態によれば、付属品は、使用時に、潰れ可能な部分の患者対向面と患者の顔面との間に配置可能な裏当て板を含み、裏当て板は、患者対向面と、潰れ可能な部分の患者対向面に面する反対側の導管対向面とを有する。
【0177】
付属品の接触部分は、さまざまな方法で構成することができる。一実施形態によれば、接触部分は、裏当て板の導管対向面を含む。裏当て板の導管対向面は、潰れ位置において潰れ可能部分の潰れを促進するように構成することができる。例えば、裏当て板の導管対向面は、潰れ可能部分の患者対向面に力を集中させるように構成された集中構造を含んでいてもよい。
【0178】
一実施形態によれば、集中構造は、裏当て板の導管対向面上の少なくとも1つのリブを含む。集中構造は、複数のリブを含んでもよい。集中構造は、鋸歯状面を含んでもよい。集中構造は、突出部又はテーパ状突出部等の他の構成を含むことができる。集中構造は、潰れ位置に対応する単一の位置で潰れ可能部分に接触するように構成することができる。
【0179】
特定の実施形態では、裏当て板は、ガス送達導管の輪郭及び/又は患者の顔面の輪郭に適合するように構成された、予め形成された湾曲を有する形状である。予め形成された湾曲は、有利には、患者の顔面に対して所望の位置にガス送達導管を誘導又は配置するように、且つ/又は患者の快適さを向上させるように、患者の顔面に一致又は適合することができる。
【0180】
付属品は、種々の患者の顔のサイズ又は形状に対応するように、種々のサイズで提供することができる。例えば、付属品に、子供の顔に対応するサイズ及び/又は形状の裏当て板を設けてもよく、大人の顔に対応するサイズ及び/又は形状の裏当て板も設けることができる。このように、看護師等の医療提供者は、患者の顔の特徴に基づいて適切なサイズの付属品を選択することができる。
【0181】
本開示のいくつかの実施形態では、付属品には、裏当て板が設けられていないが、代替的な部材を設けてもよい。例えば、付属品は、取付構成と接触部分との間に延在する支持部材を含んでもよく、支持部材は、取付構成に対して固定された関係で接触部分を支持するように構成される。
【0182】
一実施形態では、支持部材は、ガス送達導管及び/又は患者の顔面の輪郭に適合するように予め形成された湾曲を含むことができる。
【0183】
一実施形態では、接触部分は、潰れ可能な部分の患者対向面に力を集中させるように構成されたテーパ状構成を含む。
【0184】
一実施形態では、テーパ状構成は、支持部材の遠位端に位置するテーパ状リブを含む。
【0185】
一実施形態では、テーパ状リブは、潰れ可能な部分の患者対向面に力を集中させるように構成された縁部を含む。縁部は、線形又は平面又は直線状の縁部を含んでもよい。縁部は、丸みを帯びた又は非線形又は非平面の縁部を含んでもよい。
【0186】
一実施形態では、縁部は、潰れ可能な部分の長さに対して実質的に横切る。
【0187】
一実施形態では、接触部分は、使用時に、潰れ可能な部分の患者対向面と患者の顔面との間に配置可能な第1部材と、第1部材と可動結合で連結され、第1部材に向かって移動するとともに、潰し力が加えられることに応答して潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成された、第2部材とを含む。使用時、付属品は、潰れ可能な部分が第1部材と第2部材との間に位置決めされるように、潰れ可能な部分に又はその上に嵌め込むか、又は他の方法で配置することができる。第1部材と第2部材との間の可動結合部は、潰れ可能な部分の潰れを促進するために、第1部材と第2部材との間で潰れ可能な部分を圧搾し、圧縮し、挟挿し、挟み込み、又は締め付けるように構成することができる。
【0188】
一実施形態では、取付構成は、潰れ可能な部分を受け入れ、潰れ可能な部分の潰れ位置を第1部材と第2部材との間に配置するように構成された開口部を含む。第1及び第2部材は、潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分の潰れ位置に締付荷重を加えるように構成することができる。
【0189】
一実施形態では、第2部材は、潰し力を受けるように構成された作用面を含み、それにより、作用面に潰し力を加えることによって、第2部材の第1部材に向かう移動が引き起こされる。作用面は、潰れ可能な部分の非患者対向側(すなわち、外側)に位置する第2部材の一部を含むことができる。例えば、患者の顔面に適用されるバッグマスクが最初に接触する第2部材の部分。作用面は、第2部材の特定の構成及び長さに応じて、潰れ位置又はそれに隣接して位置してもよく、又は潰れ位置から離隔させることができる。
【0190】
一実施形態では、第1部材及び第2部材の各々は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に位置する締付部分を含み、近位端及び遠位端は、合わせてヒンジ式に取り付けられ、使用時、潰れ可能な部分は、それぞれの締付部分の間に配置可能である。
【0191】
第1部材と第2部材との間の可動結合部は、種々の異なる構成を含むことができる。特定の実施形態では、第1部材と第2部材とはヒンジ式に連結され、使用時、潰れ可能な部分は、第1部材と第2部材との間に配置可能である。ヒンジ式連結部は、第1部材及び第2部材の端部の対応する開口部間に延在するピンを含むことができる。別法として、ヒンジ式連結部は、他の任意の好適な構成を含むことができる。例えば、ヒンジ式連結部は、第1部材及び第2部材を連結する可撓性ヒンジ部分を含むことができる。
【0192】
一実施形態では、第1部材は裏当て板を含み、第2部材は、裏当て板にヒンジ式に結合されたか又は枢着されたカンチレバー部材を含む。使用時、裏当て板は、潰れ可能な部分の後方、すなわち患者の顔面と潰れ可能な部分の患者対向側との間に配置される。第2部材の少なくとも一部は、バッグマスクが患者の顔面に適用されたときに第2部材に接触するように、潰れ可能な部分の正面に、すなわち潰れ可能な部分の非患者対向側に、位置決めすることができる。背面板及び/又は片持ち梁部材は、潰れ可能な部分に力を集中させるための1つ又は複数のリブを含むことができる。使用時、潰れ可能な部分を、背面板のリブとカンチレバー部材のリブとの間で圧縮するか又は挟み込むことができる。この構成により、有利には、信頼性の高い潰れ位置を提供することができ、リブによって提供される局所化した力の集中により、潰れ可能部分の十分な潰れを達成するのに必要な力を低減させることができる。
【0193】
付属品の取付構成は、種々の構成で提供することができ、有利には、所望の潰れ位置を達成するために、付属品の位置の選択的な位置決め又は調整を可能にするように構成することができる。一実施形態によれば、取付構成の位置調整により、潰れ位置の位置調整が可能になる。付属構成は、患者インタフェース上の取付位置に取付可能であってもよく、そこでは、潰れ位置は、取付位置の選択によって予め決定される。使用時、ユーザは、潰れ可能な部分の所望の潰れ位置を(例えば、視覚的に)選択し、それに応じて、所望の潰れ位置を達成するように、取付構成を位置決めすることができる。この構成により、有利には、取付構成に対する一貫した潰れ位置を提供することもできる。すなわち、付属品により、ユーザが、潰し力が加えられたときに潰れ可能部分の潰れが起こる場所を正確に予測することを可能にすることができる。
【0194】
特定の実施形態によれば、取付構成は、潰れ可能な部分に取付可能である。取付構成は、潰れ可能な部分以外の患者インタフェースの一部に取付可能であってもよい。例えば、取付構成は、潰れ可能な部分の上流及び/又は下流でガス送達導管の一部に取付可能であってもよい。
【0195】
一実施形態では、取付構成は、患者インタフェースの剛性部分に取付可能である。特定の実施形態では、患者インタフェースの剛性部分は、ガス送達導管内の呼吸ガスの流れ方向に対して、潰れ可能な部分の上流にあるガス送達導管の剛性部分である。
【0196】
一実施形態では、接触部分は、潰れ位置と同じ場所に位置している。接触部分は、接触部分と潰れ可能な部分との間の相互作用面において潰れ可能な部分の潰れを引き起こすことができる。したがって、ユーザは、接触部分の位置に基づいて一貫した潰れ位置を有利に予測することができる。
【0197】
1つの実施形態では、潰れ位置は、取付構成から離隔している。例えば、接触部分及び潰れ位置がほぼ付属品の長さだけ取付構成から離隔するように、接触部分及び取付構成を、付属品の概して反対側の端部に配置することができる。
【0198】
1つの実施形態では、接触部分及び潰れ位置は、取付構成と同じ場所に位置している。例えば、取付構成は、潰れ可能な部分における接触部分と概して同様に概して同じ位置に又は隣接して位置決めすることができる。したがって、潰れ位置は、取付構成とほぼ同じ位置にあり得る。したがって、ユーザは、取付構成と同じ位置で潰れが起こることを予期することができる。
【0199】
一実施形態では、取付構成は、マウント、クランプ、継手、コネクタ、締結具、クリップ、スナップフィット取付具又は凹部のうちの少なくとも1つを含む。
【0200】
一実施形態では、取付構成は、ガス送達導管を通る患者への呼吸ガスの流れを中断することなく、特許インタフェースに取り付けるか又は取り外すように構成されている。この実施形態により、有利には、ユーザは、患者が依然として患者インタフェースを通して呼吸補助を受けている間に、付属品を嵌めるか若しくは設置し、又は付属品を取り外すことができる可能性がある。
【0201】
一実施形態では、取付構成は、潰れ可能な部分を受け入れるように構成された開口部を備え、それにより、使用時、潰れ可能な部分は、開口部を貫通して延在する。開口部は、付属品の一部を貫通するアパーチャ又は通路を含んでもよい。開口部は、凹部、トラフ、溝、又は切取り部分を含んでもよい。例えば、開口部がアパーチャを含む場合、使用時、開口部によって潰れ可能な部分を取り囲んでもよい。別法として、例えば、開口部が切取り部、トラフ又は凹部を含む場合、使用時、開口部によって潰れ可能な部分を部分的のみ取り囲んでもよい。
【0202】
一実施形態では、取付構成は、潰れ可能な部分に対する接触部分の位置を維持するように構成されている。
【0203】
一実施形態では、潰れ位置は、潰し力が潰れ可能部分及び/又は接触部分のいずれの場所に加えられるかに関わりなく、取付構成に対して固定された関係にある。
【0204】
一実施形態では、接触部分は、潰し力と協働して、潰れ位置で潰れ可能部分に圧縮力を与えるように構成されている。
【0205】
一実施形態では、接触部分は、潰れ位置の少なくとも1つの分離した位置に力を与えるように構成されている。分離した位置は、潰れ可能な部分の分離した点又は縁部又は側部を含む可能性がある。
【0206】
一実施形態では、接触部分は、潰れ位置の複数の分離した位置に力を与えるように構成されている。
【0207】
一実施形態では、接触部分は、潰し力が加えられることに応答して潰れ可能部分に反力を与えるように構成されている。反力は、潰し力の方向と反対方向において潰れ可能部分に作用することができる。一実施形態では、接触部分は、患者の顔面から離れる方向において反力を潰れ可能な部分に加える。
【0208】
一実施形態では、潰し力は、接触部分及び/又は潰れ可能部分に加えられる外力である。一実施形態では、潰し力は、患者マスクのカフによって加えられる外力である。
【0209】
一実施形態では、付属品は、複数の接触部分を含む。例えば、付属品は、潰れ可能な部分を一対の接触部分の間に配置するように構成された、一対の離隔した接触部分を含むことができる。別法として、付属品は、潰れ可能な部分に複数の潰れ位置を生成するように構成された複数のテーパ状突起を含む、一連の接触部分を含んでもよい。
【0210】
一実施形態では、接触部分は、マスクが患者に適用され、それによりマスクのカフが潰れ可能な部分を覆うときに、潰れ可能な部分に力を与えるように構成されている。
【0211】
一実施形態では、接触部分は接触面を有し、接触面は、潰れ可能部分に接触するように、且つ接触面及び潰れ可能部分との相互作用面に潰し力を集中させるように構成されている。一実施形態では、接触面は、潰し力を相互作用面に集中させるように構成された相対的に小さい領域を有する。特定の実施形態によれば、接触面は、テーパ状突出部の先端に位置する。潰れ可能部分に且つ/又は接触部分に加えられる潰し力は、テーパ状突出部の先端によって潰れ位置に集中させることができる。特定の実施形態によれば、テーパ状突出部はテーパ状リブを含む。
【0212】
特定の実施形態によれば、潰れ可能な部分の潰れにより、患者インタフェースを通る呼吸ガスの流量が減少する。
【0213】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付けるように構成された取付構成と、接触部分に且つ/又は潰れ可能な部分に潰し力が加えられたときに、潰れ可能な部分に接触し、潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成された、接触部分と、潰し力の加えられた位置を特定するように構成されたインジケータとを備える。
【0214】
本開示のこの態様は、有利には、潰し力の効果的な位置決めを容易にすることができる。例えば、インジケータは、潰れ可能な部分上へのバッグマスクのより正確且つ効果的な位置決め、及び/又は潰れ可能な部分に対する付属品のより正確且つ効果的な位置決めを、可能にすることができる。インジケータは、潰れ可能な部分の最適な潰れを達成するように、潰し力を加える最適な部位をユーザに示すことができる。
【0215】
一実施形態によれば、インジケータは視覚インジケータを含む。特定の実施形態によれば、視覚インジケータは、色付きのインジケータを含む。
【0216】
一実施形態では、視覚インジケータは、記号又はマーキングの印を含む。
【0217】
一実施形態では、視覚インジケータは、潰れ可能な部分の透明又は半透明の部分を通して視覚化されるように構成されている。
【0218】
一実施形態では、インジケータは触覚インジケータを含む。
【0219】
一実施形態では、触覚インジケータは、付属品の表面の触覚構造を含む。一実施形態では、触覚インジケータは、リブ、バー、ぎざぎざ、くぼみ、リベート、切欠き部、キャビティチャンネル、スリット、溝、開口部、突起、出っ張り又は隆起部分のうちの少なくとも1つを含む。
【0220】
一実施形態では、付属品は、患者対向面と反対側の非患者対向面とを含み、インジケータは、非患者対向面に位置している。特定の実施形態によれば、インジケータは接触部分に位置している。
【0221】
一実施形態では、インジケータは、ユーザが潰れ可能部分に又は接触部分に潰し力を加えるための位置付けガイドを提供するように構成されている。
【0222】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、患者インタフェースに付属品を取り付けるように構成された取付構成と、接触部分とを備え、接触部分は、接触部分に且つ/又は潰れ可能な部分に外部荷重が加えられると、潰れ可能な部分に潰し荷重を与えるように構成されており、付属品は、潰れ可能な部分に与えられる潰し荷重の力及び/又は圧力が、加えられる外部荷重の力及び/又は圧力よりも高くなるように、外部荷重を増幅するように構成されている。
【0223】
一実施形態では、付属品は、加えられる外部荷重の圧力よりも高い圧力を潰れ可能な部分に与えるように構成されている。
【0224】
一実施形態では、接触部分は、接触部分と潰れ可能な部分との間の相互作用面において潰し荷重を与えるように構成された接触領域を有する。特定の実施形態によれば、接触部分の接触領域は、相対的に小さい。例えば、接触領域は、外部荷重が加えられる接触部分又は潰れ可能な部分の作用面積よりも小さい場合がある。同等の力がより小さい領域に加えられると、その領域に加えられる圧力が上昇することが理解されよう。したがって、特定の力及び圧力の潰し荷重が作用領域に加えられ、その結果、接触領域において潰れ可能な部分に同等の力が与えられると、接触領域が作用領域よりも小さいことにより、接触領域における圧力が上昇する。
【0225】
一実施形態では、付属品は、加えられる外部荷重の力よりも大きい力を潰れ可能な部分に与えるように構成されている。一実施形態では、付属品は、加えられる外部荷重の力を予め決められた倍数だけ増幅するように構成されている。一実施形態によれば、予め決められた倍数は1よりも大きい。一実施形態によれば、予め決められた倍数は1~20である。一実施形態によれば、予め決められた倍数は5~20である。一実施形態によれば、予め決められた倍数は5~15である。
【0226】
一実施形態では、加えられる外部負荷は、潰れ可能な部分に加えられているバッグマスクの力又は圧力であり、付属品は、バッグマスクが適用される力及び/又は圧力よりも大きい力及び/又は圧力を潰れ可能な部分に与えるように構成されている。
【0227】
一実施形態では、レバー機構はピボットを含み、レバー機構は、加えられる外部荷重に応答して、ピボットを中心とする回転モーメントを生成するように構成されている。一実施形態では、レバー機構は、加えられた外部荷重の力をレバー機構の第1部分で受け、増幅された力を、レバー機構の第1部分から離隔しているレバー機構の第2部分で潰れ可能な部分に与えるように構成することができる。一実施形態では、レバー機構の第2部分は、レバー機構の第1部分よりもピボットの近くに位置決めされている。
【0228】
一実施形態では、付属品は、加えられた外部荷重の力を増幅するように構成されたレバー機構を備える。レバー機構は、第2種てこ構成を含むことができる。すなわち、潰れ可能な部分に与えられる荷重が、支点とレバー機構に加えられる力との間に位置決めされる構成。
【0229】
一実施形態では、第2種てこ構成は、支点で枢結された一対の締付アームを含み、一対の締付アームは、支点と各締付アームの遠位端との間に位置決めされた一対の対向する締付面と、潰れ可能な部分を受けるように構成された一対の対向する締付面の間に設けられた締付領域とを含む。
【0230】
一実施形態では、付属品は、締付アームの遠位端の又はそれに隣接する位置で、外部荷重が締付アームのうちの少なくとも1つに加えられるように構成されている。
【0231】
一実施形態では、与えられた潰し荷重と支点との間の距離は、加えられた外部荷重と支点との間の距離よりも小さい。加えられた外部荷重の力は、支点を中心に締付アームにトルク又はモーメントを発生させることが理解されよう。このモーメントは、支点に近い方の締付アームに沿った位置でより大きい力を引き起こす。このように、潰れ可能な部分に、その加えられた外力よりも支点に近い位置で与えられる力は、加えられた外力の増幅となる。増幅の倍数は、支点から与えられた荷重までの距離と、支点から加えられた荷重までの距離とによって予め決めることができる。例として、締付面が支点から1cmに位置決めされ、加えられる荷重が支点から3cmに位置決めされることにより、力の増幅倍数は3となる。
【0232】
付属品は、加えられた外部荷重の力及び圧力の両方を増幅するように構成してもよく、又は、力又は圧力の一方のみを増幅するように構成してもよい。例えば、付属品は、外部荷重によって加えられたのとほぼ同じ力を潰れ可能な部分に、ただしより小さい領域にわたって与え、その結果、圧力が上昇するように構成することができる。言い換えれば、付属品は、同じ力をより小さい領域に集中させて、潰れ可能な部分に加えられる潰し荷重の圧力を上昇させることができる。
【0233】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付けるように構成された取付部分と、使用時に、ガス送達導管と患者の顔面との間に配置可能であり、潰れ可能な部分に潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成された、支持体とを備える。
【0234】
一実施形態では、支持体は剛性支持体を含む。支持体は、潰れ可能な部分の非患者対向側に潰し力が加えられることに応答して、潰れ可能な部分の患者対向側に抵抗力を提供するように構成された、剛性面を含むことができる。特定の実施形態では、支持体は剛性があるが、幾分かの弾力性のある可撓性を有する。
【0235】
一実施形態では、支持体は、潰れ可能な部分及び/又は患者の顔面の輪郭に適合するような形状である。支持体は、湾曲を有する形状であってもよい。一実施形態では、支持体は、潰れ可能な部分及び/又は患者の顔面の輪郭に適合するように構成された、予め形成された湾曲を含む。
【0236】
一実施形態によれば、取付部分は支持体と固定された関係にある。例えば、支持体は、取付部分に固定して連結するか、又は取付部分と一体的に形成してもよい。このように、取付部分の位置に基づいて、支持体の位置を調整又は決定することができる。
【0237】
一実施形態では、取付部分は、マウント、クランプ、継手、コネクタ、締結具、クリップ、スナップフィット取付具又は凹部のうちの少なくとも1つを含む。取付部分は、任意の好適な取付手段を含むことができ、取付部分として使用されるのに、他の形態の取付具が好適である場合があることが理解されよう。特定の実施形態によれば、取付部分は、支持体に固定された関係にあるクリップを含む。クリップは、硬質材料で形成してもよい。クリップは、弾性材料で形成してもよい。クリップは、変形可能な材料で形成してもよい。
【0238】
一実施形態では、クリップは、患者インタフェースの剛性部への取外し可能なスナップフィット連結を提供するように構成されている。一実施形態では、クリップは、ガス送達導管内のガスの流れ方向に対して、潰れ可能な部分の上流に位置するガス送達導管の剛性部への連結を提供するように構成されている。
【0239】
一実施形態では、クリップは、C字型クリップ又はU字型クリップを含む。例えば、クリップは、ガス送達導管の剛性部にスナップフィットで固定されるように構成された、弾力的に可撓性のあるC字型クリップを含むことができる。一実施形態では、支持体は、クリップから延在している。一実施形態では、クリップは、潰れ可能な部分の上流の位置でガス送達導管の剛性部に連結するように構成されており、支持体は、患者の顔面と潰れ可能な部分との間で下流方向にクリップから延在している。
【0240】
一実施形態では、支持体は、裏当て板を含む。裏当て板は、使用時、裏当て板の長手方向軸が潰れ可能な部分の長手方向軸とほぼ平行になるように、配置されるように構成することができる。裏当て板は、裏当て板の長手方向軸に垂直な幅方向を有してもよく、裏当て板は、少なくとも潰れ可能な部分の幅に等しい幅方向に沿った幅を有する。一実施形態では、裏当て板は、潰れ可能な部分の幅よりも大きい幅を有する。一実施形態によれば、裏当て板は、実質的に平面状の構成を有する。
【0241】
一実施形態では、支持体は、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端の中間に位置する湾曲部分とを含む。一実施形態では、取付構成は、支持体の近位端に又は近位端に隣接して位置している。
【0242】
一実施形態では、患者インタフェースは、患者の鼻道に挿入されるように構成された1つ又は複数のプロングを含む鼻カニューレを含み、支持体は、裏当て板の遠位端が、使用時、1つ又は複数のプロングから離隔するようなサイズである。
【0243】
一実施形態では、支持体は、ガス送達導管の患者対向面に接触するように構成された接触部分を含む。接触部分は、潰れ可能な部分の患者対向面に接触するように構成することができる。一実施形態では、接触部分は、ガス送達導管内の流れ方向に対して、潰れ可能な部分の上流側又は下流側でガス送達導管の患者対向面に接触するように構成されている。
【0244】
一実施形態では、接触部分は、ガス導出管路内の呼吸ガスの流れ方向に対して、接触部分の上流の領域において、支持体とガス導出管路の患者対向面との間に空間又は空洞を提供するように構成されている。
【0245】
一実施形態では、付属品は、潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分が潰れて空間又は空洞内に入るのを可能にするように構成されている。一実施形態では、付属品は、潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分がよじれて空間又は空洞内に入るのを可能にするように構成されている。例えば、付属品は、潰れ可能な部分によじれを生じさせるように、潰れ可能な部分と係合するように構成してもよい。付属品は、潰れ可能な部分に2つ以上のよじれを生じさせるように構成してもよい。付属品は、呼吸ガスのための曲がりくねった経路を生成し、曲がりくねった経路を通して流れ抵抗を上昇させることにより流量を減少させるように、潰れ可能な部分を潰し且つ/又はよじらせるように構成してもよい。
【0246】
一実施形態では、支持体は、使用時に、潰れ可能な部分の患者対向面に面するように構成された外向き面を含み、接触部分は、支持体の外向き面から、患者の顔面から離れる外向きの方向に延在している。
【0247】
一実施形態では、支持体は、患者の顔面に面する患者対向側と、潰れ可能な部分の患者対向面に面する外向き側と、潰れ可能な部分に抵抗力を集中させる、支持体の外向き側に位置する集中構造とを含む。一実施形態では、抵抗力は、潰し力が加えられることに応答して生じる。すなわち、支持体は、集中構造によって集中される潰れ可能な部分の患者対向側に抵抗力を加えることにより、患者の顔面に向かう潰れ可能な部分の移動に抵抗する。一実施形態では、集中構造は、抵抗力の圧力を上昇させるように構成されている。
【0248】
一実施形態では、接触部分は、リブ、出っ張り、バー、ぎざぎざ、突起又は隆起部分のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、接触部分は、支持体の遠位端に又は遠位端に隣接して位置している。
【0249】
一実施形態では、接触部分は、1つ又は複数のリブを含む。一実施形態では、1つ又は複数のリブは、支持体の対向する1対の長手方向縁部の間に少なくとも部分的に延在している。一実施形態では、1つ又は複数のリブは、支持体の長手方向軸と平行に向けられている。
【0250】
一実施形態では、支持体は、第1リブと、潰れ可能な部分を受けるように構成された座部によって第1リブから離隔している第2リブとを含む。一実施形態では、第1リブ及び第2リブは、支持体の対向する隆起した縁部に沿って延在している。一実施形態では、対向する隆起した縁部は、一対の対向する第1及び第2長手方向縁部を含み、第1リブは第1長手方向縁部に隣接して位置し、第2リブは第2長手方向縁部に隣接して位置している。
【0251】
特定の実施形態によれば、第1リブは、潰れ可能な部分の上方部分に接触するように構成され、第2リブは、潰れ可能な部分の下方部分に接触するように構成されている。例えば、使用時、第1リブが第2リブよりも高い位置にあるように、支持体を向けることができる。したがって、第1リブは、潰れ可能な部分の低い方の位置と接触する第2リブよりも、潰れ可能な部分の高い方の位置で潰れ可能な部分と接触することができる。
【0252】
一実施形態によれば、第1リブ及び第2リブは、枢結されて、座部内に潰れ可能な部分を配置する。
【0253】
一実施形態によれば、第1リブ及び第2リブは、互いに向かって又は互いから離れる方向に、潰れ可能な部分を受けるように構成された開放形態と、第1リブと第2リブとの間で潰れ可能な部分と係合するように構成された閉鎖形態との間で移動可能である。
【0254】
一実施形態では、第1及び第2リブは、潰し力が加えられたときに、開放形態に付勢され、閉鎖形態に向かって移動可能である。
【0255】
一実施形態では、付属品は、ガス送達導管内の呼吸ガスの流れ方向に対して、取付構成が支持体の上流に位置決めされた状態で、患者インタフェースに取付可能である。
【0256】
一実施形態では、支持体は、細長い突出部を含む導管対向面を含む裏当て板を備え、付属品は、裏当て板の対向する側部から延在する一対のフランジを含む一対の取付部分を備え、各フランジは、潰れ可能な部分が貫通して延在するように構成された開口部を含む。
【0257】
一実施形態では、裏当て板は、加えられる潰し力から患者の顔面を保護又は遮蔽するように構成されている。例えば、裏当て板は、加えられた潰し力が患者の顔面に伝わらないように、取付構成を介して患者インタフェースに固定して連結することができる。
【0258】
一実施形態では、取付構成はクリップを含み、裏当て板はクリップから延在している。クリップは、付属品の支持体として作用する患者インタフェースのヘッドストラップ-空気圧コネクタに取り付けることができる。背面板は、その長さに沿って湾曲を有する形状であってもよい。この湾曲により、背面板の実質的な部分が患者の顔面と潰れ可能な部分との間に着座することができる。一実施形態では、背面板は、潰れ可能な部分よりも剛性が高い。背面板の剛性は、背面板の材料を介して、且つ/又は背面板の幾何学的構成を介して達成することができる。
【0259】
一実施形態では、クリップはC字型クリップを含む。一実施形態では、クリップはU字型クリップを含む。一実施形態では、取付構成は、接着剤、オーバーモールド又は一体成形等の代替的な取付手段を含んでもよい。
【0260】
本開示の一実施形態では、背面板は、潰れ可能な部分の潰れ位置の後方に硬質面を提供する。それにより、裏当て板の硬質面は、加えられる潰し荷重、例えばバッグマスクによって加えられる潰し力に対する抵抗力を提供する。このように、裏当て板は、潰れ可能な部分の最適な潰れを容易にするのに役立つ。
【0261】
裏当て板は、長尺状であるか、又は概して矩形であってよく、潰れ可能な部分よりも大きい幅を有していてもよい。特定の実施形態によれば、裏当て板は、さまざまな患者の顔のサイズ又は形状に適合するように、さまざまなサイズで提供することができる。裏当て板は、特定の患者の顔面に適合するようにカスタマイズすることができる。
【0262】
一実施形態によれば、裏当て板は、ユーザが潰れ可能な部分を潰すために力を加えるのを補助するように、視覚又は触覚インジケータを含む。裏当て板は、最適化された潰れ位置を示すように構成してもよい。例えば、裏当て板は、接触部分の位置の視覚又は触覚インジケータを含むことができる。特に、インジケータは、接触部分が潰れ可能な部分の下に位置決めされる場所をユーザに示すことができ、それにより、ユーザは、接触部分の上に重なる潰れ可能な部分の位置で荷重を加えることができる。
【0263】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、第1締付部材と第2締付部材とを含む締付構成を備え、第1締付部材及び第2締付部材は、第1締付部材と第2締付部材との間に潰れ可能な部分を受けるように構成されており、第1締付部材は、使用時、潰れ可能な部分の患者対向面と患者の顔面との間に配置可能であり、第2締付部材は、第1締付部材と可動結合で連結され、潰し力が加えられることに応答して、第1締付部材に向かって移動し、潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成されている。
【0264】
一実施形態では、第1締付部材及び第2締付部材のうちの少なくとも一方は、潰れ可能な部分に力を集中させるように構成された集中構造を含む。
【0265】
一実施形態では、集中構造は1つ又は複数のリブを含む。
【0266】
一実施形態では、第1締付部材は、第2締付部材に向かって延在する第1リブを含み、第2締付部材は、第1締付部材に向かって延在する第2リブを含む。
【0267】
一実施形態では、第1又は第2締付部材のうちの一方は、第1又は第2締付部材のうちの他方に向かって延在するリブを含む。
【0268】
一実施形態では、第2締付部材は、潰れ可能な部分の非患者対向面の上に重なるように構成されている。すなわち、第2締付部材は、患者の顔面から離れる方向に面する潰れ可能な部分の外側又は外向き側の上に重なるように構成されている。潰れ可能な部分の前記非患者対向面は、使用時、加えられる潰し力が接触する、例えば、患者の顔面に適用されるバッグマスクのカフが接触する面であり得る。
【0269】
一実施形態では、第2締付部材は、加えられた潰し力を受けるように構成された作用面を画定する非患者対向面を含み、それにより、作用面に潰し力を加えることにより、第2締付部材が第1締付部材に向かって移動することになる。
【0270】
一実施形態では、作用面は、第2締付部材の遠位端に又は遠位端に隣接して位置している。
【0271】
一実施形態では、第1締付部材及び第2締付部材は、枢結されている。第1締付部材及び第2締付部材は、ヒンジ式連結部においてヒンジ式に連結することができる。ヒンジ式連結部は、締付部材の開口部に係合するピン等、多部品ヒンジ機構を含んでもよい。別法として、ヒンジ連結部は、第1締付部材及び第2締付部材を連結する材料の可撓性部分等、一体的に形成されたヒンジを含んでもよい。他の枢軸又はヒンジ構成が好適である場合があることが理解されよう。
【0272】
一実施形態では、第1及び第2リブは、ヒンジ式連結部と締付部材の遠位端との間に位置している。
【0273】
一実施形態では、第1及び第2締付部材は、潰れ可能な部分に与えられる、加えられた潰し力を増幅するように構成された、第2種てこ構成を有する。第2種てこ構成とは、レバーによって与えられる荷重が、支点とレバー機構に加えられる力との間に位置決めされる、レバー構成であることが理解されよう。この実施形態によれば、潰れ可能な部分に与えられる荷重は、支点(枢動又はヒンジ式連結部)とレバー機構に加えられる力との間に位置決めされる。
【0274】
一実施形態では、第2締付部材は、潰れ可能な部分が貫通して延在するように構成された開口部を含む。
【0275】
一実施形態では、締付部材のうちの少なくとも1つは、柔軟に弾力性のある又は軟質の材料で形成されている。
【0276】
一実施形態では、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付けるように構成された取付構成をさらに含む。取付構成は、第1締付部材に連結することができる。一実施形態では、取付構成は、患者インタフェースの一部へのスナップフィット連結を提供するように構成された、C字型クリップ又はU字型クリップを含む。
【0277】
一実施形態では、締付構成は、潰れ可能な部分内の制限のない流れを可能にするように構成された開放位置と、潰れ可能な部分内の流れに制限を加えるように構成された締付位置との間で移行可能である。一実施形態では、締付構成は、開放位置の方に付勢され、潰し力が加えられたときに締付位置の方に移行可能である。
【0278】
一実施形態によれば、第1及び第2締付部材は、付勢構成によって離れるように付勢されたそれぞれの締付面を含む。付勢構成は、例えば、ばね又は柔軟に弾力性のあるリンク機構又は突っ張りを含むことができる。
【0279】
一実施形態では、第1及び第2締付部材は、締付形態にあるとき、潰れ可能な部分に一連の挟み込み点を形成するように構成されている。第1及び第2締付部材は、潰れ可能な部分に一連のよじれを形成するように構成してもよい。一実施形態では、第1及び第2締付部材は、締付部材のうちの少なくとも一方に対して移動可能な少なくとも1つのリンク機構を介して連結されている。特定の実施形態では、締付部材は、複数のリンク機構を介して連結されている。一実施形態では、複数のリンク機構の各リンク機構は、柔軟に弾力性がある。
【0280】
一実施形態では、付属品は、締付部材の間に延在し、締付部材を常時離隔形態で維持するように構成された、4つの柔軟に弾力性のあるリンク機構を含む。すなわち、リンク機構は、締付部材を離隔形態に付勢するように構成されている。リンク機構の弾力性のある可撓性により、締付部材は、荷重、例えば、締付部材のうちの一方にバッグマスクを適用することにより加えられる力等の圧縮荷重下で、ともに移動することができる。リンク機構は、力が取り除かれると、締付部材をそれらの常時離隔形態に戻すように構成されている。
【0281】
一実施形態では、リンク機構は、潰し力が加えられたときに柔軟に変形し、締付部材が互いに向かって潰れるのを可能にするように構成されている。一実施形態では、締付部材は、正方形又は長方形の輪郭を有し、4つのリンク機構は、締付部材の4つの角部の各々から延在している。一実施形態では、締付部材の4つの角部は、各々、リンク機構のうちの1つによって連結されている。一実施形態では、締付部材が常時離隔形態にあるとき、リンク機構は互いにほぼ平行に向けられる。代替実施形態では、リンク機構は、1つ又は複数のリンク機構が他のリンク機構のうちの少なくとも1つの上に交差する、交差構成を有してもよい。
【0282】
一実施形態では、リンク機構は、常時線形構造を有する。一実施形態では、リンク機構は、常時非線形構造を有する。一実施形態では、リンク機構は、菱形構成を有する。
【0283】
一実施形態では、締付部材は、板又は平面の構成を有する。一実施形態では、各締付部材はバーを含む。一実施形態では、各締付部材は、円筒状構造を有する。
【0284】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、潰れ可能な部分の第1領域を潰す力を加えるように構成された第1部分と、第1部分から離隔した第2部分であって、第1部分と第2部分との間に支点がある、第2部分とを備え、第1部分に第1方向において潰し力を加えることにより、第2部分が第2方向に移動して、潰れ可能な部分の第2領域を潰す。
【0285】
一実施形態では、第1部分及び第2部分は、互いに対して角度が付けられている。第1部分及び第2部分は、互いに対して鈍角に角度を付けてもよい。特定の実施形態では、第1部分は第1レバーアーム上に位置し、第2部分は第2レバーアーム上に位置し、レバーアームの各々は支点から延在している。
【0286】
一実施形態によれば、第1レバーアーム、第2レバーアーム及び支点が互いに固定された関係にあるように、付属品は剛性がある。
【0287】
一実施形態では、支点は、第1レバーアームと第2レバーアームとの交差部又は一緒になる部分に、剛性角部を含む。
【0288】
一実施形態では、第1部分は、潰れ可能な部分を貫通して受け入れるように構成された開口部を含む。
【0289】
一実施形態では、付属品は、患者の顔面と支点との間に配置可能な支持体をさらに含む。
【0290】
一実施形態では、支持体は裏当て板を含む。裏当て板は、支点のピボット面として作用するように構成された剛性面を含むことができる。
【0291】
一実施形態では、支点は、裏当て板に連結されたピボットを含む。
【0292】
一実施形態では、第1方向は、患者の顔面に向かう方向であり、第2方向は、患者の顔面から離れる方向である。
【0293】
一実施形態では、第1部分及び第2部分は、支点から不等間隔で配置されている。特定の実施形態によれば、第2部分は、第1部分よりも支点からより間隔を空けて配置されている。上述したように、第1部分は第1レバーアーム上に位置してもよく、第2部分は第2レバーアーム上に位置してもよい。この実施形態によれば、第2レバーアームは、支点に対して、第1レバーアームよりも長くてもよい。すなわち、第2レバーアームは、第1レバーアームが支点から延在するよりもさらに遠くに支点から延在していてもよい。
【0294】
一実施形態によれば、付属品はシーソー構成を含むことができ、そこでは、第1レバーアーム及び第2レバーアームの各々が、支点の反対側から延在している。一実施形態では、付属品は、概して「V」字型形状を有することができる。
【0295】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品が提供され、付属品は、潰れ可能な部分の潰れ又は折れ曲がりを容易にするように患者の顔面から離れる方向に力を加えるように構成された把持部分を備える。
【0296】
本開示のこの態様は、有利には、ユーザが患者の顔面から離れる方向に潰れ可能な部分を引っ張るのを可能にする把持部分を設けることにより、潰れ可能な部分の潰れを促進する、比較的簡単で信頼性の高い手段を提供することができる。この引張り動作は、マスクが患者の顔面に適用され、潰れ可能な部分の上に重ねられるのと、同時に生じる可能性がある。この場合、潰れ可能な部分は、把持部によって患者の顔面から離れる方向に外向きに引っ張られ、同時にマスクによって患者の顔面に向かって内向きに押されることになる。それにより、この同時で相反する力によって、潰れ可能な部分の潰れを促進することができる。
【0297】
一実施形態では、付属品は、ガス送達導管のチューブを潰れ可能な部分に接続するように構成されたコネクタを含む。例えば、付属品は、患者インタフェースのコネクタと一体的に形成してもよい。
【0298】
代替実施形態によれば、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付ける取付構成をさらに含む。例えば、付属品は、患者インタフェースに取外し可能に連結可能であってもよい。
【0299】
把持部分は、コネクタと一体的に形成してもよく、又は、コネクタに別々に且つ選択的に取付可能であってもよいことが、前述から理解されよう。
【0300】
一実施形態では、取付構成は、開口部、クリップ又は凹部を含む。一実施形態では、取付構成は、C字型又はU字型のクリップを含む。
【0301】
一実施形態によれば、取付構成は、ガス送達導管の剛性部分に取り付けられるように構成されている。
【0302】
一実施形態では、取付構成は、ガス送達チューブと潰れ可能な部分との間に位置する剛性コネクタに取り付けられるように構成されている。
【0303】
一実施形態では、把持部分は、コネクタから延在しており、患者の顔面から離れる引張力を指で加えることができるように構成されている。
【0304】
一実施形態では、把持部分は、フック、ループ、リング又はストラップを含む。
【0305】
一実施形態では、把持部分は剛性フック又はリングを含む。
【0306】
一実施形態では、把持部分は可撓性指ループ又は指ストラップを含む。
【0307】
本開示の実施形態の前述の態様のうちの任意の1つの付属品は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性若しくは熱可塑性エラストマー、又は金属のうちの少なくとも1つで形成することができる。付属品は、チタン、鋼、銅又はニチノールで形成してもよい。付属品は、他の金属材料、ポリマー又はセラミックで形成してもよい。付属品はポリエチレンで形成してもよい。
【0308】
潰れ可能な部分の十分な又は望ましいレベルの潰れを達成するのに必要な力は、潰れ可能な部分の弾性、及び潰れ可能な部分を通過する呼吸ガス圧等、さまざまな要因に応じて変化する可能性があることが理解されよう。しかしながら、特定の実施形態によれば、潰れ可能部分は、5Nよりも大きい潰し力、より詳細には7Nよりも大きい潰し力が加えられたとき、潰れ可能である。別の実施形態では、潰れ可能な部分は、5N~30Nの最小限の潰し力が加えられたとき、潰れ可能である。
【0309】
前述の考察における付属品は、バッグマスク等の患者マスクと使用されるように構成することができる。付属品は、潰れ可能な部分又は付属品の一部にわたって上に重ねられたときに、患者マスクと協働するように構成することができる。付属品は、マスクと協働するように構成することができ、それにより、マスクは、付属品及び患者インタフェースの上で封止して、患者の顔面とのシールを形成する。
【0310】
一実施形態によれば、付属品は、患者マスクのカフによって加えられる潰し荷重を増幅し、集中させ、又は増大させるように構成されている。
【0311】
一実施形態では、付属品は、潰れ可能な部分に曲がりくねった流路を形成するように動作可能である。
【0312】
一実施形態では、付属品は、潰れ可能な部分における流路抵抗を上昇させるように動作可能である。
【0313】
本開示の一態様によれば、上述した態様又は実施形態の任意のもので考察したような付属品を含む呼吸システムが提供される。
【0314】
本開示の別の態様によれば、前述の態様又は実施形態のうちの任意のもので考察したような付属品を含む患者インタフェースが提供される。
【0315】
一実施形態では、患者インタフェースは、呼吸ガスを患者に送達するためのガス送達導管を含み、ガス送達導管は、潰れ可能な部分を含み、潰れ可能な部分は、潰れ可能な部分に潰し力が加えられたとき、潰れ可能な部分を通る流れを制限するか又は妨げるように構成されている。
【0316】
患者インタフェースの一実施形態では、潰れ可能な部分は、弾性材料で形成された導管の一部を含み、潰れ可能な部分にわたって上に重ねられたマスクから加えられる潰し力が加えられた状態で潰れるように構成されている。前記患者インタフェースは、前述の態様又は実施形態のうちの任意の1つによる付属品を含むことができる。
【0317】
一実施形態では、患者インタフェースは鼻カニューレを含む。鼻カニューレは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。鼻カニューレは、カニューレ本体と、カニューレ本体から延在し、患者の鼻孔に呼吸ガスを供給するように構成された、プロングとを含むことができる。
【0318】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された呼吸システムが提供され、システムは、呼吸ガス流源と、潰れ可能な部分を有するガス送達導管を含む患者インタフェースと、潰れ可能な部分を通る呼吸ガスの流量を閾値流量未満に減少させるように構成された付属品とを備える。
【0319】
一実施形態では、呼吸システムは、加湿器をさらに含む。
【0320】
一実施形態では、呼吸システムは、加熱された吸気チューブを含む。
【0321】
一実施形態では、呼吸システムの付属品は、付属品に且つ/又は潰れ可能な部分に加えられる潰し力が加えられることに応答して、呼吸ガスの流れを減少させるように構成されている。
【0322】
一実施形態では、呼吸システムは、少なくとも20L/minの流量で呼吸ガスの流れを提供するように構成されている。一実施形態では、呼吸システムは、20~90L/minの流量で呼吸ガスの流れを提供するように構成されている。一実施形態では、呼吸システムは、40~70L/minの流量で呼吸ガスの流量を供給するように構成されている。
【0323】
呼吸システムの一実施形態では、付属品は、40~70L/minの初期流量から閾値流量未満まで流量を減少させるように構成されている。呼吸システムの一実施形態では、付属品は、約70L/minの初期流量から閾値流量未満まで流量を減少させるように構成されている。一実施形態では、閾値流量は10L/min未満である。
【0324】
呼吸システムの一実施形態によれば、潰れ可能な部分は、開放形態から潰れた形態に潰れ可能であり、開放形態は、潰れ可能な部分を通る呼吸ガスの制限のない流れを可能にし、潰れた形態は、潰れた部分を通る呼吸ガスの制限された流れを提供する。
【0325】
呼吸システムの一実施形態では、呼吸ガスの制限のない流量は、40~70L/minの範囲であり、制限された流量は、閾値流量未満である。
【0326】
呼吸システムの一実施形態では、付属品は、患者インタフェースと使用される付属品の実施形態について上記で考察した態様のうちの任意の1つに従って提供される。
【0327】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された呼吸システムが提供され、システムは、呼吸ガス流源と、潰れ可能な部分を有するガス送達導管を含む患者インタフェースと、潰れ可能な部分の断面積を最小倍率だけ低減させるように構成された付属品とを備える。
【0328】
呼吸システムの一実施形態では、付属品は、付属品及び/又は潰れ可能な部分に加えられる潰し力が加えられることに応答して、潰れ可能な部分の断面積を低減させるように構成されている。
【0329】
呼吸システムの一実施形態では、付属品は、断面積を低減させるように潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成されている。
【0330】
呼吸システムの一実施形態では、最小倍率は少なくとも90%である。実施形態では、最小倍率は少なくとも95%である。
【0331】
呼吸システムの一実施形態では、呼吸システムは、患者インタフェースと使用される付属品に対する上記で考察した態様又は実施形態のうちの任意の1つによる付属品を含む。
【0332】
本開示の別の態様によれば、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースが提供され、患者インタフェースは付属品を備え、付属品は、付属品に且つ/又は潰れ可能な部分に潰し力が加えられたときに、潰れ可能な部分を容易にするように構成されている。
【0333】
患者インタフェースの一実施形態では、付属品は、患者インタフェースと取外し不能に連結されているか、一体的に形成されている。
【0334】
患者インタフェースの一実施形態では、付属品はガス送達導管の一部と一体的に形成されている。
【0335】
患者インタフェースの一実施形態では、付属品は、患者インタフェースに取外し可能に連結される。患者インタフェースの一実施形態では、付属品は、付属品を患者インタフェースに取り付けるように構成された取付構成を含む。
【0336】
患者インタフェースの一実施形態では、付属品は、患者インタフェースと使用される付属品の上記で考察した態様又は実施形態のうちの任意のものに従って提供される。
【0337】
具体的な実施形態及びその変更形態は、後に続く図を参照した本明細書の詳細な説明から当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0338】
【
図2】患者インタフェースを装着している患者を示す。
【
図3】患者インタフェース(第1患者インタフェース)及びフェイスマスク(第2患者インタフェース)を装着している患者を示す。
【
図4】患者インタフェース又は導管の一部の断面を示す。
【
図6】患者インタフェース及びガスサンプリングインタフェースを装着している患者を示す。
【
図7】潰れ可能な部分を含むガス送達サイド部材を介して患者に装置ガスを送達するように構成された患者インタフェースを示す。
【
図8】
図7のガス送達サイド部材の潰れ可能でない部分の断面を示す。
【
図9】
図7のガス送達サイド部材の潰れ可能な部分の断面を示す。
【
図10】
図7のガス送達サイド部材の潰れ可能な部分の断面を示す。
【
図11】一実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図14】患者フェイスマスクのシールとともに示す、
図11の第1実施形態の患者インタフェースの正面図である。
【
図15】マスクシール、患者インタフェース及び患者の顔面の断面図である。
【
図16】代替実施形態による患者インタフェースの背面斜視図である。
【
図17】代替実施形態による患者インタフェースの背面斜視図である。
【
図18】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図19】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図20】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図21】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図22】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図23】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図24】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図25】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図26】代替実施形態による患者インタフェースの背面斜視図である。
【
図27】
図7の患者インタフェースの、非送達サイド部材の断面を示す、側面斜視図である。
【
図28】患者インタフェースの非送達サイド部材に設けられた導管受け入れチャネルの代替構成を示す。
【
図29】患者インタフェースの非送達サイド部材に設けられた導管受け入れチャネルの代替構成を示す。
【
図30】代替実施形態による患者インタフェースの背面斜視図である。
【
図31】代替実施形態による患者インタフェースの背面斜視図である。
【
図32】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図33】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図32の断面を示す。
【
図34】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図32の断面を示す。
【
図35】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図36】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図35の断面を示す。
【
図37】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図35の断面を示す。
【
図38】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図39】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図38の断面を示す。
【
図40】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図38の断面を示す。
【
図41】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図42】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図41の断面を示す。
【
図43】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図41の断面を示す。
【
図44】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図45】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図44の断面を示す。
【
図46】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図44の断面を示す。
【
図47】代替実施形態による患者インタフェースのガス送達サイド部材の断面図である。
【
図48】潰れた形態にあり、サンプリング内腔が開放したままである、
図47の断面を示す。
【
図49】潰れた形態にあり、サンプリング内腔も潰れた形態にある、
図47の断面を示す。
【
図50】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図51】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図52】代替実施形態による患者インタフェースの背面図である。
【
図53】代替実施形態による患者インタフェースの背面図である。
【
図55】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図56】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図59】
図57のガス経路コネクタに連結される取付クリップを示す。
【
図60】付属品が嵌められた、代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図である。
【
図61】患者インタフェースと使用される代替付属品の図である。
【
図63】代替実施形態による患者インタフェースの正面斜視図であり、患者インタフェースに
図61及び
図62の付属品が嵌められている。
【
図64】本開示の一実施形態にある患者インタフェースと使用される代替的な付属品の背面である。
【
図65】本開示の一実施形態にある患者インタフェースと使用される代替的な付属品の正面斜視図である。
【
図66】潰れ可能な部分を含む患者インタフェースと使用される、本開示の一態様による付属品を示す。
【
図67】患者インタフェースに嵌められた
図66の付属品を示す。
【
図68】患者インタフェースと使用されるときの
図6及び
図7の付属品の潰れていない形態の側断面図である。
【
図69】患者インタフェースと使用されるときの
図6及び
図7の付属品の潰れた形態の側断面図である。
【
図70】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図70A】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図71】患者インタフェースと使用されるときの、
図70に示す実施形態の、潰れていない形態の側断面図である。
【
図72】患者インタフェースと使用されるときの、
図70に示す実施形態の、潰れた形態の側断面図である。
【
図73】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図74】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図74A】平坦な裏当て板上の潰れ可能な導管の、潰れていない形態にある断面を示す。
【
図74C】潰れていない形態にある、
図74に示す付属品と使用されるとき、潰れ可能な導管の断面を示す。
【
図75】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図75a】患者インタフェースと使用されるときの、
図75の実施形態の斜視図である。
【
図76】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図77】本開示の別の実施形態による付属品の、付属品が開放位置にあるときの斜視図である。
【
図78】本開示の別の実施形態による付属品の、付属品が閉鎖位置にあるときの斜視図である。
【
図79】患者インタフェースと使用されるときの、本開示による別の実施形態の付属品の、潰れていない形態の側断面図である。
【
図80】患者インタフェースと使用されるときの、本開示による別の実施形態の付属品の、潰れた形態の側断面図である。
【
図81】裏当て板及びピボット部材を備える本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図82】
図81に示す裏当て板と使用される代替的なピボット部材の斜視図である。
【
図83】患者インタフェースと使用されるときの
図21の実施形態の、潰れていない形態の側断面図である。
【
図84】患者インタフェースと使用されるときの
図21の実施形態の、潰れた形態の側断面図である。
【
図84A】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図84B】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図84C】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図84D】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図85】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図86】患者インタフェースに嵌められたときの
図85の実施形態の斜視図である。
【
図87】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図88】患者インタフェースと使用されるときの、
図87の実施形態の、潰れていない形態の側断面図である。
【
図89】患者インタフェースと使用されるときの、
図87の実施形態の、潰れた形態の側断面図である。
【
図90】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図91】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図92】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図93】患者インタフェースと使用されている
図92の実施形態の、潰れていない形態の側断面図である。
【
図94】患者インタフェースと使用されている
図92の実施形態の、潰れた形態の側断面図である。
【
図95】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図96】
図66に示す実施形態と協働して使用され、患者インタフェースと使用されている、
図95の付属品の実施形態の斜視図である。
【
図97】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図98】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図99】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図100】患者インタフェースに嵌められたときの、
図99の実施形態の斜視図である。
【
図101】患者マスクの患者インタフェースへの適用中に患者インタフェースと使用されているときの、
図99の実施形態の側面図である。
【
図101a】患者マスクのカフと患者インタフェースの潰れ可能な部分との、潰れ可能な部分とマスクカフとが接触する直前の状態を示す、
図101の断面のより詳細な図である。
【
図101b】付属品に引張力が加えられ、マスクカフを介して潰れ可能な部分に押込力が加えられているときの
図101aの配置を示す。
【
図102】本開示の別の実施形態による、ガス経路コネクタを備える付属品の側面図である。
【
図103】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図104】患者インタフェースに嵌め込まれたたときの
図103の実施形態の斜視図である。
【
図105】患者インタフェースと使用されるときの、
図103の実施形態の側面図である。
【
図106】本開示の別の実施形態による付属品の斜視図である。
【
図107】患者インタフェースに嵌められたときの
図106の実施形態の斜視図である。
【
図108】患者インタフェースに嵌められたときの
図106の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0339】
さまざまな実施形態について、図を参照して説明する。
【0340】
図及び明細書全体を通して、同じ参照番号を使用して、同じか又は同様の構成要素を示すものとし、その重複する説明は省略する場合がある。
【0341】
本明細書において、「ハイフロー(高流量)」又は他の同等の用語は、限定なしに、健康な患者の正常な吸気流量よりも高い等、通常/正常よりも高い流量の任意のガス流を意味する。別法として又はさらに、文脈に関連する他の何らかの閾値流量よりも高くすることができ、例えば、吸気要求を満たすか又はそれを超える流量で患者にガス流を提供する場合、その流量は、本来提供される可能性があった公称流量よりも高いため、「ハイフロー」とみなされる可能性がある。したがって、「ハイフロー」は文脈に依存し、「ハイフロー」を構成するものは、患者の健康状態、提供されている処置/治療/補助のタイプ、患者の性質(大きい、小さい、大人、子供)等、多くの要因によって決まる。当業者であれば、文脈から、「ハイフロー」を構成するものが分かる。それは、本来提供される可能性がある流量を超える流量の大きさである。
【0342】
しかしながら、限定なしに、ハイフローのいくつかの暗示する値は以下の通りとすることができる。
【0343】
いくつかの構成では、毎分約5又は10リットル(5又は10LPM又はL/min)以上の流量での患者へのガス送達。
【0344】
いくつかの構成では、約5又は10LPM~約150LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量での患者へのガスの送達。例えば、本明細書に記載するそれらのさまざまな実施形態及び構成によれば、システムを介して又はガス流源若しくは流量調節器からインタフェースに供給又は提供されるガスの流量は、限定されないが、少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150LPM、又はそれ以上である場合があり、有用な範囲は、これらの値のうちの任意もの(例えば、約20LPM~約90LPM、約40LPM~約70LPM、約40LPM~約80LPM、約50LPM~約80LPM、約60LPM~約80LPM、約70LPM~約100LPM、約70LPM~約80LPM)に選択される場合がある。
【0345】
「ハイフロー」では、送達されるガスは、例えば、療法及び/又は呼吸補助の意図された使用に応じて選択される。送達されるガスは、ある割合の酸素を含む可能性がある。いくつかの構成では、送達されるガス中の酸素の割合は、約15%~約100%、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%である場合がある。
【0346】
いくつかの実施形態では、送達されるガスは、ある割合の二酸化炭素を含む可能性がある。いくつかの構成では、送達されるガス中の二酸化炭素の割合は、0%超、約0.3%~約100%、約1%~約100%、約5%~約100%、約10%~約100%、約20%~約100%、又は約30%~約100%、又は約40%~約100%、又は約50%~約100%、又は約60%~約100%、又は約70%~約100%、又は約80%~約100%、又は約90%~約100%、又は約100%、又は100%である場合がある。
【0347】
未熟児/乳児/小児(体重が約1~約30kgの範囲)の場合の「ハイフロー」の流量は異なる可能性がある。その流量は、0.4~8L/min/kg、最小約0.5L/min及び最大約70L/minに設定することができる。2kg未満の患者の場合、最大流量を8L/minに設定することができる。
【0348】
ハイフローは、患者の正常な実際の吸気流量を満たすか又はそれを上回り、患者の酸素化を増加させ、且つ/又は呼吸の仕事を減少させるのに効果的であることが判明している。さらに、ハイフロー療法及び/又は呼吸補助により、上気道の解剖学的死腔が入ってくる高流量のガス流によってフラッシングされるように、鼻咽頭にフラッシング効果を発生させることができる。これにより、二酸化炭素、窒素等の再呼吸を最小限にしながら、毎回の呼吸に利用可能な新鮮なガスの貯蔵所をもたらすことができる。
【0349】
例として、ハイフロー呼吸システム100について、
図1を参照して以下に説明する。ハイフローは、酸素及び/又は他のガスの送達を通して、及び患者の気道からのCO
2の除去を通して、ガス交換及び/又は呼吸補助を促進する手段として使用することができる。ハイフローは、医療及び/又は麻酔処置の前、間又は後に特に有用であり得る。
【0350】
医療処置の前に使用される場合、高流量のガス流は、患者に酸素を事前装填して(すなわち、血液中の酸素の貯蔵を増加させて)、医療処置中に患者が無呼吸段階にある間に酸素バッファを提供するために、患者の血中酸素飽和度及び肺内の酸素の量を正常よりも高くすることができる。
【0351】
医療処置中(麻酔中等)、呼吸機能が損なわれる可能性がある(例えば、呼吸機能が低下するか又は停止する)場合、健康な呼吸機能を維持するためには、酸素の連続的な供給が重要である。この供給が損なわれると、低酸素及び/又は高炭酸症等の状態が生じる可能性がある。麻酔及び/又は鎮静等の医療処置の間、自発呼吸の減少又は停止を検出するために、患者の呼吸はモニタリングされる。酸素供給及び/又はCO2の除去が損なわれた場合、臨床医は、医療処置を停止し、酸素供給及び/又はCO2の除去を促進する。これは、例えば、例えばバッグマスク換気を通して、患者に手動で換気を行うことにより、又は、ハイフロー呼吸システムを使用して患者の気道に高流量のガスを提供することにより、達成することができる。さらに、鎮静/換気に使用される(必ずしもバッグマスクに限定されない)マスクは、前酸素化にも、呼気終末CO2等の患者パラメータのモニタリングにも使用することができることが理解されよう。
【0352】
高流量のガス流のさらなる利点は、高流量のガス流が患者の気道内の圧力を上昇させ、それにより、気道、気管、肺/肺胞及び細気管支を開く圧力補助を提供することを含むことができる。これらの構造が開くことは、酸素化を促進し、CO2の除去をある程度補助し、且つ/又は肺の虚脱部位のある患者をサポートするのに役立つことができる。
【0353】
高流量のガス流は、加湿されると、気道の乾燥を防ぎ、粘膜繊毛の損傷を緩和し、感染症のリスクを軽減し、喉頭痙攣の危険性と、鼻血、(鼻血の結果としての)誤嚥、並びに気道の閉塞、腫れ及び出血等の気道の乾燥に関連した危険性とを軽減することもできる。高流量のガス流の別の利点は、流れが、手術中に気道内に発生した煙を除去することができることである。例えば、レーザ及び/又は焼灼デバイスによって煙が発生する可能性がある。
【0354】
図1は呼吸補助システム100を示す。システム100は、ハイフロー呼吸補助及び/又はハイフロー療法を提供するように構成することができる。呼吸補助システム100は、流れ発生器102を備える。流れ発生器102は、呼吸補助システム100を通過するガス流を発生させるように構成されている。流れ発生器102は空気を加湿器104まで通す。加湿器104は、流れ発生器102によって発生したガス流を加熱及び加湿するように構成されている。いくつかの構成では、流れ発生器102はブロワを備え、ブロワは、呼吸補助システム100の外部の環境からガスを受け取り、ガスを呼吸補助システム100内で推し進めるように適合されている。いくつかの構成では、流れ発生器102は、他の何らかのガス発生手段を含んでもよい。例えば、いくつかの構成では、流れ発生器102は、病院のガス出口から利用可能な供給源(例えば、酸素又は空気)、又は圧縮空気及び/若しくは別のガスの1つ又は複数の容器、並びにガスが1つ又は複数の容器から出る速度を制御するように適合された1つ又は複数の弁配置を含んでもよい。別の例として、いくつかの構成では、流れ発生器102は、酸素濃縮器を含んでもよい。いくつかの構成では、流れ発生器102は、ハイフロー呼吸補助及び/又はハイフロー療法を提供するように適合させることができる。いくつかの実施形態では、ガス流源は、圧縮ガス源、圧縮ガス源からの流量を変更するデバイス、及び/又はガス流を発生させる流れ発生器を含むことができる。
【0355】
図5は、人の典型的な気道を示し、人が正常な又は典型的な自発型呼吸状態にあるとき又は患者の呼吸衝動が低下しているときよりも、供給されたガスをユーザの気道内のさらに遠く又はより深く効果的に押し込むか又は押し入れるために、ユーザに供給される比較的高い流量のガスをいかに利用することができるかを示す矢印を含む。
【0356】
呼吸補助システム100は、流れ発生器102及び加湿器104の両方を少なくとも部分的に収容するハウジング106を備える(例えば、呼吸補助システム100は、一体型流れ発生器/加湿器装置を備えていてもよい)。他の構成では、流れ発生器102及び加湿器104は、別個のハウジングを有していてもよい。ハードウェアコントローラ108が、流れ発生器102及び加湿器104と電子通信するように示されているが、いくつかの構成では、ハードウェアコントローラ108は、流れ発生器102又は加湿器104とのみ通信する場合もある。ハードウェアコントローラ108は、限定されないが流れ発生器102及び/又は加湿器104を含む、呼吸補助システム100の制御可能な構成要素の動作を指示するように構成された、マイクロコントローラ又は他のアーキテクチャを含むことができる。
【0357】
入出力モジュール110が、コントローラ108と電子通信するように示されている。入出力モジュール110は、ユーザが、限定されないが流れ発生器102及び/又は加湿器104を含む、呼吸補助システム100の制御可能な構成要素の制御を容易にするために、且つ/又は呼吸補助システム100及び/又はその構成要素の動作に関するデータを見るために、ユーザがコントローラ108とインタフェースすることができるように構成することができる。入出力モジュール110は、例えば、1つ又は複数のボタン、つまみ、ダイヤル、スイッチ、レバー、タッチスクリーン、スピーカ、ディスプレイ、及び/又は、ユーザが、呼吸補助システム100の構成要素を制御するためにデータを確認し且つ/又はコマンドを入力するために使用することができる、他の入力若しくは出力周辺機器を含むことができる。
【0358】
図1にさらに示すように、呼吸補助システム100を流れるガスに1種又は複数種の補助ガスを追加するために、補助ガス源124を使用することができる。1種又は複数種の補助ガスは、流れ発生器102によって発生したガス流に合流する。補助ガス源124は、限定されないが、空気、酸素(O
2)、二酸化炭素(CO
2)、窒素(N
2)、亜酸化窒素(NO)、麻酔薬及び/又はヘリオックス(ヘリウム及び酸素の混合物)を含む、1種又は複数種の補助ガスを送達するように構成することができる。補助ガス源124は、1種又は複数種の補助ガスを、第1補助ガス導管128を介して、流れ発生器102に又は流れ発生器102に向かって送達することができ、且つ/又は、1種又は複数種の補助ガスを、第2補助ガス導管132を介して、流れ発生器102と加湿器104との間の流路内の場所に送達することができる。1種又は複数種の補助ガスが補助ガス源124から第1及び/又は第2補助ガス導管128、132を通って流れることができる速度を制御するために、1つ又は複数の補助流量弁126、130を使用することができる。補助流量弁126、130のうちの1つ又は複数は、コントローラ108と電子通信することができ、コントローラ108は、1つ又は複数の補助流量弁126、130の動作及び/又は状態を制御することができる。他の構成では、補助ガス源124は、加湿器104の下流に1種又は複数種の補助ガスを追加するように構成してもよい。
【0359】
図1に示すように、加湿器104から延在する導管112が、加湿器104を患者インタフェース200に連結している。導管112は、導管112を通過するガスを加熱するように適合された導管ヒータ114を備えることができる。他の構成では、導管ヒータ114は存在しない場合もある。いくつかの実施形態では、導管112と患者インタフェース200との間に、任意選択的なフィルタ(図示せず)が配置される。患者インタフェース200は、鼻カニューレであるように示されているが、いくつかの構成では、他の患者インタフェースが好適である場合があることが理解されるべきである。例えば、いくつかの構成では、患者インタフェース200は、密閉インタフェースを含んでも非密閉インタフェースを含んでもよく、鼻マスク、口マスク、口鼻マスク、フルフェイスマスク、鼻ピローマスク、鼻カニューレ、気管内チューブ、気管切開チューブ、上記の組合せ、又は他の何らかのガス搬送システムを含んでもよい。一実施形態では、患者インタフェース200は、鼻カニューレ等の非密閉インタフェースであり、それは、ガスが環境と交換されるのを可能にする。例えば、非密閉カニューレは、患者がシステム100からのガス流を受け取る間に、二酸化炭素が患者の気道から除去及び/又は一掃されるのを可能にする。さらに、いくつかの実施形態では、患者インタフェース200は、鼻インタフェースの形態であり、システムが、他の経口気道機器及び/又はデバイス、例えば挿管処置における気管チューブと干渉しないようにする。
【0360】
したがって、患者は、挿管処置を通してガス流を受け続けることができる。他の実施形態では、患者インタフェース200は、口腔インタフェース、例えば、ユーザの口の中に受け入れられる口腔インタフェースである。口腔インタフェースは、経鼻気道機器及び/又はデバイス、例えば経鼻挿管処置で使用される気管チューブに干渉しないように、鼻を介した医療処置を含む状況において好ましい場合がある。他の実施形態では、インタフェースは、経鼻配置及び経口配置の両方に好適であってもよく、又は経鼻構成と経口構成との間で適合させてもよい。
【0361】
図示するように、いくつかの構成では、患者インタフェース200は、患者インタフェース200を通過するガスの特性を測定するように適合されたガス検知モジュール120も備えることができる。ガス検知モジュール120は、ガス送達システム内の他の場所、例えば、呼吸導管又は加湿器に配置することができる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のガス検知モジュール120があり得る。他の構成では、ガス検知モジュール120は、呼吸補助システム100の他の部分で又はその近くでガスの特性を測定するように位置決めし適合させることができる。ガス検知モジュール120は、限定されないが、圧力、流量、温度、絶対湿度、相対湿度、エンタルピー、ガス組成、酸素濃度、二酸化炭素濃度(例えば、呼気終末CO2を決定するため)、及び/又は窒素濃度を含む、ガスのさまざまな特性を測定するように適合された1つ又は複数のセンサを含むことができる。ガス検知モジュール120によって決定されたガス特性は、限定されないがガスのパラメータの閉ループ制御を含む、多くの方法で利用することができる。例えば、いくつかの構成では、ガス検知モジュール120によって取得された流量データを使用して瞬間流量を決定することができ、この瞬間流量をさらに使用して、患者の呼吸周期を決定して、呼吸周期の複数の部分と同期した流量の送達を容易にすることができる。ガス検知モジュール120は、第1伝送線122を介してコントローラ108と通信することができる。いくつかの構成では、第1伝送線122は、データ信号を送信するように適合されたデータ通信接続を含むことができる。データ通信接続は、限定されないがデータケーブル等の有線データ通信接続、又は限定されないがWi-Fi若しくはBluetooth等の無線データ通信接続を含むことができる。いくつかの構成では、電力及びデータの両方を、同じ第1伝送線122を介して通信することができる。例えば、ガス検知モジュール120は、電力信号の上にデータ信号が「重ね合わされる」のを可能にすることができる変調器を含んでいてもよい。電力信号の上にデータ信号を重畳してもよく、結合信号を、コントローラ108によって使用される前に復調してもよい。他の構成では、第1伝送線122は、呼吸補助システム100の一部において分析するためのガス流を送るように適合された空気連通接続を含んでいてもよい。
【0362】
さらに、図示するように、生理学的センサモジュール121が存在してもよい。生理学的センサモジュール121は、限定されないが、心拍数、EEG信号、EKG/ECG信号、動きを検出するために患者に(例えば胸部に)取り付けられた慣性センサ、(例えばパルスオキシメータを介する)血中酸素濃度、血中CO2濃度、経皮的CO2(TcCO2)及び/又は血糖を含む、患者の又は患者の健康のさまざまな特性を検出するように構成することができる。同様に、生理学的センサモジュール121は、第2伝送線123を介してコントローラ108と通信することができる。第2伝送線123は、第1伝送線122と同様に、有線又は無線のデータ通信接続を含むことができ、電力及びデータを同様に通信することができる。生理学的センサモジュール121を使用して、例えば、患者の血中酸素飽和度を決定してもよい。
【0363】
図2は、患者インタフェース200、例えば
図1の呼吸システムの患者インタフェース200を装着しているユーザ又は患者Pを示す。図示する患者は大人であるが、患者は幼児又は児童であってもよい。図示する非限定的な構成では、患者インタフェース200は鼻カニューレである。患者インタフェース200は、第1ガス導管202を備える。第1ガス導管202は、呼吸補助システム100から(例えば、
図1に示す導管112を介して)ガスを受け取り、ガスを患者Pまで運ぶように適合されている。第1ガス導管202は、第1ガス導管202に対して力が加わることによって生じる第1ガス導管202の変形又は潰れを防止するために、第1ガス導管を強化し且つ/又は第1ガス導管に剛性を加えるように適合された、補強要素203を備えることができる。補強要素203は、限定されないが、第1導管内腔202の壁の中又は上に位置するプラスチック又は金属製の補強ビーズを含む、多数の構造を含むことができる。
【0364】
第1ガス導管202は、流れマニホールド206と空気連通している。流れマニホールド206は、第1ガス導管202からガスを受け取り、1つ又は複数の経鼻送達要素208(例えば、鼻プロング)にガスを渡す。1つ又は複数の経鼻送達要素208は、流れマニホールド206から外向きに延在している。1つ又は複数の経鼻送達要素208は、患者Pの1つ又は複数の鼻孔に位置決めされるときに非密閉であるように適合される。図示するように、患者インタフェース200は、患者の鼻孔の各々に1つずつ位置決めされるように適合された2つの鼻プロング208を備える。各鼻プロング208は、患者の鼻の鼻中隔に向かって内向きに延在するような形状にし、又はそのように角度を付けることができる。別法として、第1患者インタフェース200は、密閉鼻インタフェースであってもよい。
【0365】
図2に示す実施形態では、流れマニホールド206は、(例えば、患者Pの顔面を二等分する仮想垂直面に対して)流れマニホールド206の一方の側方側から流れを受け取り、流れをマニホールド及び鼻プロング208の各々まで運ぶ。一例では、流れマニホールド206は、流れマニホールド206の片側から流れを受け取り、流れをマニホールド及び鼻プロング208の各々まで運ぶ。いくつかの実施形態では、マニホールドの左側から又は右側から、導管が延在することができる。状況によっては、患者インタフェースの左側に導管を設けることが、臨床医が、例えば挿管のためにアクセスするのに好ましい場合がある。別法として、患者が通常左側臥位にある内視鏡検査等の処置においては、右側から延在する導管が好ましい場合もある。他の構成では、患者インタフェース200は、より多い(例えば、3つ又は4つ)か又はより少ない(例えば、1つ)経鼻送達要素208を含んでいてもよい。他の構成では、各経鼻送達要素208は、異なる特性を有することができる。例えば、一対の経鼻送達要素208のうちの一方を相対的に長くすることができ、他方の経鼻送達要素208を相対的に短くすることができる。
【0366】
いくつかの構成では、流れマニホールド206は、流れマニホールド206の2つの側方から(例えば、
図2に見られるように流れマニホールド206の患者の右側のみでなく、流れマニホールド206の「左」及び「右」から)流れを受け取るように構成してもよい。いくつかのこうした構成では、流れマニホールド206と呼吸補助システム100との間の空気連通を提供するために複数のガス導管を使用することができる。例えば、患者インタフェースは二重導管、すなわち、インタフェースの第1側(図示する例では患者の右側)から延在する第1ガス導管203と、インタフェースの反対側の第2側から延在する第2ガス導管とを備えることができる。いくつかの構成では、流れマニホールド206は、流れマニホールド206の非側方側から(例えば、流れマニホールド206の「底部」又は「頂部」から)流れを受け取るように構成してもよい。
【0367】
患者インタフェースは、ガス導管202又は複数の導管を患者の顔面に取り付け且つ/又は顔面上で支持するためのマウント及び/又は支持体、例えば頬支持体210をさらに備えることができる。別法として又はさらに、患者インタフェースは、1つ又は複数のヘッドストラップ又はヘッドギアを介して適所に保持してもよい。
【0368】
患者インタフェース200の第1ガス導管202は第1部分204を含み、第1部分204は、第1レベルのガスが第1部分204を通過することができる第1形態から、第2レベルのガスが第1部分204を通過することができる第2形態に遷移するように構成されている。
【0369】
図3は、
図2に示すような患者インタフェース200(第1患者インタフェース)をフェイスマスク300アセンブリ(第2患者インタフェース)の下に装着している患者Pの非限定的な例示的な実施形態を示す。
図3は、フェイスマスクの下の患者インタフェース200を説明するために、フェイスマスクを透明な構造として概略的に示している。第1患者インタフェース200は、第1呼吸補助サブシステムと使用することができ、第2患者インタフェース300は、第2呼吸補助サブシステムとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、第1患者インタフェース200及び第2患者インタフェース300は、同じ呼吸補助システムと使用することができる。
【0370】
システムは、異なる患者インタフェースを使用して患者に別個の呼吸補助及び/又は療法を選択的に提供することに、且つ/又はインタフェースからの呼吸補助及び/又は療法の提供を停止又は中止すること、及び/又はインタフェースによって提供されるガスをサンプリングすることができるようにすることに、利点を見出すことができる。
【0371】
記載するようなシステム及びデバイスには、ハイフロー呼吸補助及び/又は療法、耳鼻咽喉(ENT)手術を受けている患者の挿管に関する緊急蘇生に、麻酔薬の投与前の術前状態の患者の調整の補助に、並びに抜管後及び回復中に、特に適用される。
【0372】
フェイスマスクアセンブリ300は、第2呼吸補助サブシステムとして又は第2呼吸補助サブシステムとともに、且つ/又は、カニューレ200によって送達される物質以外の1種又は複数種の物質、例えば麻酔薬又は酸素を患者に、又は同じ物質であるが異なる流量及び/又は圧力レベルで患者に送達するために、使用することができる。別法として、フェイスマスクアセンブリ300は、第1呼吸補助サブシステムからの呼吸補助及び/又は療法の提供を停止するために使用することもできる。フェイスマスクアセンブリ300はまた、呼吸ガス、例えば患者からの吐き出された二酸化炭素を測定するように適合させることもでき、その測定値は、本来、第1呼吸補助サブシステムの患者インタフェース200からの流れによって影響を受ける可能性がある。
【0373】
したがって、
図3に示す実施形態により、2つの異なる呼吸補助サブシステムの交互の使用が可能になる。さらに、この構成により、他の臨床行為に干渉することなく、外科処置を通して且つ/又は回復するまで(患者が処置を通して患者インタフェース200を介してガス流を受け続けるか否かにかかわらず)患者インタフェース200が患者に装着されたままにすることができる。
【0374】
図示する実施形態では、フェイスマスクアセンブリ300は、患者の鼻及び口の両方を覆うように構成されたフルフェイスマスク302を含む。他の構成では、フェイスマスク300は、患者の鼻領域のみを覆うように患者インタフェース200の上に配置される鼻マスクであってもよい。
【0375】
図示するように、フェイスマスク302は、患者の顔面に対して封止するように適合されたシール領域304を含む。フェイスマスクアセンブリ300は、例えばフィルタエレメント350又は湿度水分交換器(図示せず)を介して第2ガス源に接続され、この第2ガス源は、フェイスマスクを介して患者に1種又は複数種の他のガスを供給する。すなわち、第2ガス源は、好ましくは、患者インタフェース200にガスを供給する供給源(例えば、補助ガス源124/流れ発生器102)とは異なる。他の実施形態では、患者インタフェース200及びフェイスマスクアセンブリ300は共通のガス源に接続される。
【0376】
一実施形態では、フェイスマスクアセンブリ300は、別個のガス源又は別個の呼吸補助装置に接続される。例えば、呼吸補助装置は、人工呼吸器又はCPAP又はハイフロー呼吸補助及び/又は療法装置又は手動蘇生器(例えば、バッグを備える手持ち式フェイスマスク)とすることができる。別法として又は加えて、フェイスマスクアセンブリ300は、呼吸ガスの特性を測定する装置に接続してもよい。
【0377】
別法として、マスクアセンブリ300を麻酔装置に接続することができ、マスク302を介して麻酔ガス、又は空気、又は酸素、又はガスの組合せを送達することができる。
【0378】
図3に示す実施形態は、少なくとも2つの異なる呼吸補助モードを介して複数の供給源からのガスの送達を可能にし、さらに、医師、臨床医又は医療専門家が呼吸補助モードのタイプを迅速に且つ容易に変更することができるようにする。
【0379】
1つの特定の用途では、麻酔の準備をしている患者に、鼻カニューレを介してハイフローの酸素若しくは加湿ガス又はその両方の混合ガスを送達することによって、前酸素化を行うことができる。状況によっては、患者の鎮静及び/又は麻酔を管理する麻酔科医は、1つの患者インタフェース(例えば、鼻カニューレ200)からのガス流の送達と、フェイスマスク300を介する等の別の患者インタフェースからのガス流の送達とを切り替えたい場合がある。
【0380】
麻酔科医はまた、バッグを備えるマスクを使用して患者に酸素化を行い、場合によっては、患者のバイタルサインが低下し始めて、例えばより高い圧力を送達するか又は送達された圧力の変動をより大きく制御する場合、バッグマスクを使用することがより有益であると判断する。状況によっては、医療専門家は、異なる呼吸システム又は支持モードの切替えを望む場合がある。第1モードでは、(例えば患者インタフェース200を介して)第1呼吸補助システムにより呼吸補助を提供することができ、第2モードでは、(例えば患者インタフェース300を介して)第2呼吸補助システムにより呼吸補助を提供して、第1システムからの補助を減少又は停止させることができる。例えば、鼻インタフェース200によって提供されるハイフローからの追加の流れは、フェイスマスク300によって提供される麻酔回路の予期される挙動を変更する可能性もあり、したがって、第1呼吸システムからの追加の流れを減少又は停止させることができることが有利であり得る。
【0381】
いくつかの構成では、2つの呼吸補助モード又はサブシステム間の切替えは、第1部分204を有する第1ガス導管202の構造によって容易にすることができ、この第1部分204は、第1レベルのガスが第1部分204を通過することができる第1形態から、第2レベルのガスが第1部分204を通過することができる第2形態に遷移するように構成されている。
【0382】
いくつかの構成では、第1部分204は、導管202の他の部分よりも、第1部分204を通るガスの流れを変化させる(したがって、導管を通る患者へのガスの流れを減少させる)際に、より潰れ可能であるか又は他の方法でより良好に適合され、且つ/又はマスクのシールが導管の上部を封止するのを可能にするように構成されている。他の構成では、導管全体が潰れ可能であるように構成してもよい。いくつかの構成では、導管からのガスを大気に排出するための通気孔配置を設けてもよい。
【0383】
いくつかの実施形態では、第1形態又は第1状態は、実質的に開放した形態であり、第2形態又は第2状態は、実質的に閉鎖した形態である。すなわち、導管202は、導管202の他の部分におけるよりも第1部分204において流れを完全に遮断するように、より潰れ可能、変形可能、又は他の方法で適合されるように構成されている。第2状態では、経鼻送達要素208へのガスを減少又は停止させることができる。
【0384】
図4は、この形態の一例を示し、第1部分204における導管(例えば、
図3の鼻カニューレ200の導管204)が、フェイスマスク302のシール304によって実質的に閉鎖されている。こうした実施形態では、第1ガス導管の第1部分(すなわち、より潰れ可能な又は変形可能なセクション)は、第1ガス導管の第1部分の上に載るフェイスマスクのシールのセクションの幅以上の長さを有するべきである。これにより、フェイスマスクのシールが第1ガス導管の潰れ可能でないセクションに上に載らないことが可能になる。例えば、第1部分は、ユーザの鼻の中心から35mm以下の距離から、ユーザの鼻の中心から少なくとも50mmまで延在していてもよい。第1部分204は、少なくとも約5mmの長さ、約1mm~約30mmの長さ、又は約5mm~約15mmの長さ、又は約10mmの長さを有していてもよい。いくつかの実施形態では、第1部分の長さは、少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm又はそれ以上であってよい。
【0385】
第1部分204は、第1部分204の壁に加えられる力の相対的なレベルに基づいて、第1形態と第2形態との間で移行することができる。例えば、
図3に示すように、フェイスマスク302のシール304によって力を加えることができる。この例では、第1部分204は、フェイスマスク302のシール304の下に位置決めされるように構成されている。
【0386】
別法として、他の手段、例えばクランプ(図示せず)により、第1部分204に力を加えてもよく、又は別法として、医師が、指で導管壁を押すことにより導管を圧縮してもよい。
【0387】
いくつかの実施形態では、ガス導管の第1部分に作用するフェイスマスクのシールにより、第1部分は、第1患者インタフェース200の鼻出口と流れ発生器102との間にシール又は少なくとも部分的なシールを形成する。さらに、フェイスマスクのシールは、ガス導管の第1部分の上にシール又は少なくとも部分的なシールを形成する。
【0388】
したがって、呼吸補助療法の切替えは、単にマスクを患者の顔面に適用することにより達成され、そのため、マスクのシールは、第1インタフェース200のガス導管の第1部分を(部分的に又は完全に)潰して、第1インタフェース200によって供給される呼吸補助及び/又は療法を「停止させる」か又は「オフにする」か又は低減させ、また、フェイスマスク300と導管202の第1部分204の外面との間にシールも提供し、第1インタフェースによって提供される呼吸補助及び/又は療法が停止又は低減した状態でマスク300によって呼吸補助及び/又は療法を提供することができるようにする。上述したように、患者インタフェース200の第1部分204は潰れ可能であるように構成されており、以下では潰れ可能な部分204と称する。
【0389】
潰れ可能な導管部分を有するカニューレは、ユーザ、例えば麻酔医又は看護師又は臨床医がマスクを使用し、複数の供給源(例えばマスク及びカニューレ)からのガスの送達を防止するのを可能にする。第1インタフェース200は、インタフェース200が潰れた形態に移行したときに、マスクを介するハイフロー及び他の呼吸補助及び/又は呼吸療法の提供又は麻酔ガスの送達を低減させるか又は終了するように構築され、且つ機能する。いくつかの実施形態では、マスクを患者の顔面から取り外すと、導管が潰れた形態から開放形態に戻るため、第1インタフェースによって供給される呼吸補助及び/又は療法を再開することができる。
【0390】
患者インタフェースガスサンプリング
図6は、呼吸装置1000Aを備えたガス送達システムを装着している患者の概略図であり、呼吸装置1000Aは、ガス送達チューブ8060を介して供給されるガスを患者に送達するように構成された鼻カニューレ8040を含む。ガスサンプリングインタフェース100Aは、ガスサンプリング導管101Aを含み、ガスサンプリング導管101Aの先端7050は、口から呼息され且つ/又は吐き出されたガスをサンプリングするために患者の口及び/又は鼻に近接して位置決めされる。
【0391】
図1に示すガス検知モジュール120は、患者インタフェースのマニホールド部分に位置するように示されており、いくつかの実施形態では、本開示のガスサンプリングインタフェースの一部を形成することができる。例えば、ガス検知モジュール120を利用して、ガスサンプリングインタフェースのサンプリング出口と流体連通している呼吸ガスモニタによって提供されるデータを補足することができる。ガス検知モジュール120は、ガスサンプリングインタフェースの一部を形成することができ、例えば、サンプリング導管内の流量計を含むことができる。ガス検知モジュール120は、サンプリング導管内又はサンプリング出口においてカプノグラフィセンサを含むことができる。したがって、ガスサンプリングインタフェースは、メインストリームカプノグラフィの適用に使用されるように構成することができる。この例では、サンプリング出口は、患者ガス流を検知モジュール120の下流で一度周囲に排出することができ、このように、サンプリング出口は、導管を通ってセンサを通過する流れを可能にするために、患者ガス流を患者から離れる方向に送り出すように構成される。ガス検知モジュール120は、有線又は無線データ通信を介して、検知モジュール120によって収集されたデータを臨床医に表示することができる適切な受信機に接続することができる。
【0392】
ガス検知モジュール120は、ガスサンプリングインタフェースとは別個の構成要素とすることができ、患者インタフェースの別の場所に位置することができる。ガス検知モジュール120は、ガス組成センサを含むことができ、サンプリング導管内又はサンプリング導管に、且つ/又はサンプリング出口内又はサンプリング出口に配置することができる。
【0393】
別法として、ガスサンプリングインタフェースは、マニホールド部分にセンサを含まず、患者においていかなるセンサを含まなくてもよい。例えば、ガスサンプリングインタフェースは、サンプリング入口のみが患者に位置し、患者ガス分析が患者から離れて、例えば呼吸ガスモニタで行われるように構成することができる。したがって、ガスサンプリングインタフェースは、サイドストリームカプノグラフィの適用に使用することができる。この場合、サンプリング出口は、患者から呼吸ガスモニタに向かう患者ガス流の送達を容易にすることができる。患者におけるセンサを省略することにより、医療機器へのアクセスの容易さを向上させることができる。
【0394】
代替実施形態(図示せず)では、ガスサンプリングインタフェースは、受動サンプリング構成を含むことができ、例えば、比色分析を介して患者ガスをサンプリングするように構成することができる。この例では、サンプリング導管は、比色試薬のアッセイに、又は患者ガス流中の1種又は複数種の特定のガスの存在若しくは濃度を示すように構成された別の形態の比色計に、患者ガスを送達するように構成することができる。いくつかの構成では、ガスサンプリングインタフェースは、サンプリング導管内又はサンプリング出口に比色分析手段を含むことができる。
【0395】
図7~
図65は、患者においてガス流を受け取るためのガスサンプリングインタフェースを備えるように構成された、潰れ可能な患者インタフェース及び/又は潰れ可能な患者インタフェースと使用される付属品のさまざまな実施形態を示す。
【0396】
図7~
図10は、鼻カニューレを備える患者インタフェース400を例示しており、患者インタフェース400は、装置ガス流路を提供する中空内部を有し、一対の鼻プロング408を含む送達出口へのマニホールド406を介して装置ガスを患者に送達するように構成された、ガス送達サイド部材401を含む。一対の鼻プロング408は、マニホールド406から延在している。ガス送達サイド部材401は、マニホールド406の第1側から延在し、インタフェース400は、マニホールド406の、第1側とは反対側である第2側から延在する、非送達サイド部材403をさらに含む。非送達サイド部材403は、ヘッドストラップ411に接続するように構成された端部409を含む。
【0397】
ガス送達サイド部材401は潰れ可能な部分404を含み、潰れ可能な部分404は、
図7、
図9及び
図10に示す常時開放形態から、潰れ可能な部分404を通る装置ガス流が減少又は停止する潰れた形態に移行するように構成されている。潰れ可能な部分404は、患者の顔面の上に配置された患者のマスクから等の潰し力が加えられると、潰れた形態に移行するように構成されており、そこでは、マスクのシールが、潰れた部分404に押し付けられる。ガス送達サイド部材401は、潰れ可能な部分404に潰し力が加えられている間に開放したまであるように構成された、潰れ可能でない部分407も含む。潰れ可能な部分404は、熱可塑性エラストマーを含むか、又は熱可塑性エラストマーから形成することができる。ガス送達サイド部材401は、熱可塑性エラストマーを含むか、又は熱可塑性エラストマーから形成することができる。
【0398】
潰れ可能でない部分407の一端は、装置ガス流を受け入れる送達入口407aを含む。患者インタフェース400は、剛性構造を有し、送達入口413a及び送達出口413bを含む、ガス経路コネクタ413をさらに含む。ガス経路コネクタ送達入口413aは、導管(図示せず)を介して装置ガス供給部に接続可能である。ガス経路コネクタ送達出口413bは、潰れ可能でない部分407の送達出口407aに接続されている。ガス経路コネクタ413は、非送達サイド部材403のヘッドストラップ端部409に接続されているものとは反対側の端部において、ヘッドストラップ411にも接続されている。
【0399】
図8は、均一な厚さの壁412を含む潰れ可能でない部分407の断面を示す。
図9及び
図10は、不均一な厚さの壁404aを含む潰れ可能な部分404の断面を示す。潰れ可能な部分404は、細長い断面、特に、一対の端部404cの間に延在する一対の長手方向側部404bを含むスタジアム形状の断面を有する。
図10に示すように、端部404cの各々に薄壁部分404が設けられている。薄壁部分404dは、潰し力が加えられたときに潰れ可能な部分404が曲がるか又は折れ曲がる折り線を提供するように構成されている。
【0400】
図7~
図10に示す患者インタフェース400は、インタフェース400と同様の患者インタフェース(又はその一部)のさまざまな実施形態を示す
図11~
図68の背景の基準及び状況を提供するが、このインタフェースは、患者において患者ガス流を受け取るためのサンプリング入口と、呼吸ガスモニタと流体連通するように構成されたサンプリング出口と、サンプリング入口とサンプリング出口との間で流体連通するサンプリング導管とを備えたガスサンプリングインタフェースも含む。ガスサンプリングインタフェースにより、患者ガス流と、臨床医に患者フィードバックを提供するのに使用される呼吸ガスモニタとの間の流体連通が容易になる。
【0401】
特に、
図11~
図31は、ガスサンプリングインタフェースが非送達サイド部材に(又はその代わりに)設けられる実施形態を示す。
図32~
図60は、ガスサンプリングインタフェースがガス送達サイド部材に設けられる実施形態を示す。患者インタフェースのさまざまな実施形態は、各々、ガス送達サイド部材401と概して同等であるガス送達サイド部材を備え、ガス送達サイド部材は、各々、常時開放形態と、そこを通る装置ガス流が減少又は停止する潰れた形態との間を移行するように構成された、潰れ可能な部分を含む。
【0402】
図11は、患者インタフェース400と概して同等の患者インタフェース500の斜視図を示すが、そこでは、非送達サイド部材503がガスサンプリングインタフェース515を含む。患者インタフェース500は、潰れ可能な部分を含むガス送達サイド部材501を備えるガス送達インタフェースを含む。ガス送達サイド部材501は、患者に装置ガス流を送達するように構成されている。ガス送達インタフェースは、患者に装置ガス流を送達するための鼻プロング508を含む送達出口を備える。ガス送達インタフェースは、送達出口の第1側から延在し、鼻プロング508と流体連通する装置ガス流路を含む、ガス送達サイド部材501をさらに備える。潰れ可能な部分504は、装置ガス流路を通る装置ガス流を減少又は停止させるために、
図11に示す常時開放形態から、潰れ可能な部分504を通る装置ガス流が減少又は終了する潰れた形態に移行ように構成されている。
【0403】
ガスサンプリングインタフェース515は、非送達部材503の非患者対向壁516に形成された一対の離隔した開口部を含む。一対の離隔した開口部は、入口ポート517と、非送達サイド部材503を通って内部に延在するサンプリング導管520を介して入口ポート517と流体連通する出口ポート518とを含む。
【0404】
出口ポートは、ヘッドストラップに連結するように構成されている非送達サイド部材503のヘッドストラップ端部509に向かって位置している。入口ポート517は、経鼻送達プロング508を含む送達出口に又はその近くに位置決めされている。サンプリング導管520は、非送達サイド部材503の長さ方向に沿って延在している。入口ポート517は、患者において患者ガスを受け取ることができるサンプリング入口を提供する。出口ポート518は、呼吸ガスモニタに流体接続するように構成されたサンプリング出口を提供する。
【0405】
一実施形態では、サンプリング出口は、呼吸ガスモニタと流体連通して接続することができる。呼吸ガスモニタ(図示せず)は、分析のために患者ガス流を引き込んで受け取るために、サンプリング導管520を通して吸引又は圧力又は真空を加えることができる。別の実施形態では、呼吸ガスモニタは、サンプリング導管520を通じて患者ガス流を受動的に受け取ってもよく、すなわち、呼吸ガスモニタは、吸引又は圧力又は真空等を介して患者ガス流を引き込むことなく、患者ガス流を受け取ることができる。
【0406】
図12は、患者インタフェース500の正面図を提供し、入口ポート517と出口ポート518との間の間隔をより良く示している。
図13は、
図12の断面A-Aに沿った非送達サイド部材503の断面を提供する。サンプリング導管520は、実質的に円形の断面を有し、非送達サイド部材503の本来は中空でない中実本体521に形成されている。非送達サイド部材は、非患者対向壁516と、使用時に患者の顔に接触する患者対向壁514とを含む。患者対向壁514及び非患者対向壁516は、上縁部522及び下縁部523を含む一対の縁部の間に延在している。
【0407】
図13に示すように、非送達サイド部材503の断面は長尺状であり、少なくとも1つの軸において非対称でもある。断面は、患者対向壁516及び非患者対向壁514を通って延在する幅軸A
Wを含む。断面はまた、幅軸A
Wに対して垂直に延在する長さ軸A
Lを含む。長さ軸A
Lは、患者対向壁と実質的に平行であり、非患者対向壁とも実質的に平行である。
【0408】
非送達サイド部材503の断面は、幅軸A
Wを中心に実質的に対称である。他の実施形態では、断面は非対称であってもよく、例えば、サンプリング導管520は、上側縁部522又は下側縁部523のうちの一方の方により近く配置することができる。
図13に見られるように、サンプリング導管520は、サンプリング導管520が上縁部522と下縁部533との間で、且つ患者対向壁514と非患者対向壁516との間でも等距離にあるように、断面において実質的に中心に位置している。
【0409】
非送達サイド部材503の断面は、長さ軸A
Lを中心に非対称である。長さ軸A
Lを中心に非対称であるのは、患者対向壁514が、実質的に平面である非患者対向壁516と比較してより大きい曲率を有することに起因する。非患者対向壁516の実質的に平面の構成は、非患者対向壁516と患者フェイスマスクのシールとの間のシールを提供するのに役立つことができ、これについては
図14及び
図15を参照して後にさらに詳細に考察する。他の代替実施形態では、非送達サイド部材503の断面は、長さ軸A
Lを中心に実質的に対称とすることができる。非送達サイド部材503の断面は、長さ軸A
L及び幅軸A
Wの両方を中心に実質的に対称とすることができる。
【0410】
図14を参照すると、入口ポート517及び出口ポート518は、フェイスマスク302のシール304の幅Wよりも大きいか又はそれに等しい距離だけ互いに間隔を空けて配置されており、フェイスマスク302は、シール304が非送達サイド部材503の一部の上に載った状態で、患者の顔面に配置されるように構成されている。特に、シール304は、非患者対向壁516の上に重ねられている。フェイスマスク302のシール304の一部は、ガス送達サイド部材501の一部の上に載り、特に、潰れ可能な部分504の上に重ねられている。フェイスマスク302を適用した(すなわち、フェイスマスク302を患者の顔面に向けて押し付けた)とき、潰れ可能な部分は、装置ガス流路を通る装置ガス流が減少又は停止する潰れた形態に移行する。
【0411】
入口ポート517及び出口ポート518は、マスク302が入口ポート517のみを覆うように位置決めされている。言い換えれば、マスク302が患者の顔面に患者インタフェース500の上から適用されたとき、入口ポート517は、患者の顔面及びマスク302によって形成される空洞内に位置する。サンプリングデバイス(例えばサンプリング入口を備えたサンプリングチューブ)は、入口ポート517に接続し、マスク302の下の領域内に収まることができる。別法として、入口ポート517は、サンプリングデバイスに接続しなくてもよく、それ自体がサンプリング入口を提供してもよい。サンプリング内腔520は、入口ポート517と出口ポート518との間の流体連通を提供するように、マスクシール304の下のトンネルとして機能し、患者に且つマスク302の内側にも位置する入口ポート517において採取される患者ガス流のサンプルが出口ポート518において入手できるようにする。
【0412】
図15は、マスクシール304と患者Pの顔面との間に挟まれた非送達サイド部材503の断面を示す。マスクシール304は、(例えば、臨床医によって手動で加えられるか又はヘッドギアによって保持される)力Fで非患者対向壁516に押し付けられ、非送達サイド部材503を患者の顔の表面524内に部分的に引っ込ませ、そこで、患者対向壁514が顔の表面524の下に引っ込む。非患者対向壁516の実質的に平面の構成は、非送達サイド部材503の両側で顔の表面524とほぼ位置合わせされる。非送達サイド部材503の両側で非患者対向壁516と顔の表面524とによって実質的に連続した面が形成され、それにより、マスクシール304と、非患者対向壁516と、患者の顔面との間のシールの形成が容易になる。代替構成(図示せず)では、患者対向壁514は顔の表面524と実質的に同一平面のままであってもよく、マスクシール304は、非送達サイド部材503が
図15に図示する程度まで患者の顔面に引っ込まないように、非送達サイド部材503の周囲で変形する。
【0413】
図15から理解されるように、サンプリング導管520は、非送達サイド部材503の断面内に収まり、したがって、マスクシール304のいかなる破壊にも寄与しない。サンプリング導管520は、非送達サイド部材503の中実本体521内に収容され、フェイスマスクの適用中に実質的に変形しないように保護される。したがって、サンプリング導管520は、マスクシール304が非送達サイド部材503の上に載っている間、開放したままである。このように、サンプリング導管520は、潰れ可能な部分504が潰れた形態に移行したとき、入口ポート517と出口ポート518との間の流体連通を維持するために開放したままであるように構成されている。すなわち、サンプリング導管520は、潰れ可能な部分504を通る装置ガス流が減少又は停止したときに、開放したままであるように構成されている。
【0414】
これには有用性の利点がある。例えば、これにより、ユーザは、マスク302が患者インタフェース500の上に適用されているときに、呼吸ガスモニタ(例えばカプノグラフィ装置)からガスサンプリングインタフェース515を切り離す必要がなく、呼吸ガスモニタを別のサンプリングインタフェースに(例えばマスク302のサンプリングポート(図示せず)に)再接続することなしに、患者におけるガスのモニタリングを継続することができる可能性がある。さらに又は別法として、これにより、ユーザは、混乱させ、それにより間違った又は不正確な測定のリスクを増大させる可能性がある、さまざまなサンプリングインタフェース(例えば、ガスサンプリングインタフェース515及びマスク302のサンプリングポート)に接続された複数のモニタではなく、単一の呼吸ガスモニタからの出力をモニタリングすることができる可能性がある。
【0415】
図16は、患者インタフェース500の代替実施形態を示し、ここでは、患者インタフェース600は、潰れ可能な部分604を含むガス送達サイド部材601を備える。患者インタフェース600は、非送達サイド部材603の患者対向壁614に位置する入口ポート617及び出口ポート618をさらに備える。一実施形態では、それぞれのサンプリングチューブは、入口ポート617及び出口ポート618に、例えば、ルアーロック又はねじ接続又はプラグフィット又はバーブ接続を介して接続することができる。この実施形態では、したがって、サンプリング導管は、入口ポート617と出口ポート618との間の非送達サイド部材を通って内部に延在する通路620から構成される。
【0416】
図17は、サンプリング導管がサンプリングライン、特にサンプリングチューブ725を含む別の代替実施形態の患者インタフェース700を示す。一例では、サンプリング導管はサンプリングラインの一部であるか、又はサンプリングラインの一部を形成する。チューブ725は、非送達サイド部材703の内部通路720を通って延在し、サンプリングチューブ入口717及びサンプリングチューブ出口718を含む、患者対向壁714の離隔した開口部の各々から延出している。サンプリングチューブ入口717から延出するチューブ725の部分は、チューブ725の端部に形成されたサンプリング鼻プロング726を含み、これは、患者において患者ガス流を受け取るように構成されたサンプリング入口を提供する。サンプリング鼻プロング726は、潰れ可能な部分704を含むガス送達サイド部材701と流体連通する経鼻送達プロング708のうちの1つに隣接して位置するとともに、それと並んで延在している。サンプリングチューブ出口718から延在するチューブ725の部分は、サンプリング出口を含んでもよく、流体連通を提供するように呼吸ガスモニタと流体連通するように構成してもよい。したがって、チューブ725は、サンプリング鼻プロング726と呼吸ガスモニタとの間の流体連通を提供することができる。
【0417】
図18は、患者インタフェース800が、潰れ可能な部分804を含むガス送達サイド部材801を備えるさらなる代替実施形態を示す。患者インタフェース800は、
図11に示すインタフェース500と同様の構成の非送達サイド部材803を含み、そこでは、非送達サイド部材803は、非患者対向壁816に形成され、内部通路820によって接続された、サンプリングライン入口817及びサンプリングライン出口818を含む、一対の離隔した開口部を含む。入口サンプリングライン825がサンプリングデバイス827を含み、例えばルアーロック、ねじ接続、プラグフィット又はバーブ接続を介して、サンプリングライン入口817に接続されている。出口サンプリングライン828が、例えばルアーロック、ねじ接続、プラグフィット又はバーブ接続を介して、サンプリングライン出口818に接続されている。出口サンプリングライン828は、呼吸ガスモニタ(図示せず)に接続することができる。
【0418】
サンプリングデバイス827は、ガスサンプリングインタフェースのためのサンプリング入口を含む。サンプリングデバイス827は、入口サンプリングライン825の端部に位置し、患者の顔の正面に且つ/又は顔の周りに且つ/又は患者の口の内部に位置決めするように構成されている。サンプリングデバイス827は、本出願人によって国際公開第2018/070885号に先に記載されているものと同等又は同様のガスサンプリングチップを含むことができる。代替実施形態では、入口サンプリングライン825及び出口サンプリングライン828は、非送達サイド部材803に取り外し不能に接続され、例えば、入口817及び出口818にそれぞれ成形することができる。
【0419】
図19は、
図18に示す患者インタフェース800の変形例である患者インタフェース900を示す。患者インタフェース900は、潰れ可能な部分904を含むガス送達サイド部材901を備える。患者インタフェース900は、Yピースサンプラーラインであり、口ライン925a及び鼻ライン925bを含む、入口サンプリングライン925を含む。口サンプリングデバイス927aが口ライン925aの端部に位置し、鼻サンプリングデバイス927bが鼻ライン925bの端部に位置している。鼻及び口の両方でのサンプリングにより、場合によっては、特に患者が鼻又は口のいずれから呼吸しているのかが不明な場合、患者ガスのより信頼性の高い捕捉を可能にすることができる。
【0420】
図18及び
図19に示す入口サンプリングライン825、925は、サンプリングデバイス827、927a、927bの選択的な位置決めを可能にするために可鍛性であり得る。可鍛性は、サンプリングラインを操作及び再配置するために必要な力が最小レベルであるように構成することができる。これにより、患者ガスの取入れに影響を及ぼす可能性のあるサンプリングデバイスの望ましくない移動を防止することができる。
図18のサンプリングライン825の可鍛性により、必要に応じてサンプリングデバイス827が口と鼻との間に再配置されること、及び/又は他の医療機器のためのアクセスを可能にするように邪魔にならないように動かされることを可能にすることができる。サンプリングラインのうちの1つ又は複数は、シリコーン、PVC(ポリ塩化ビニル)、熱可塑性プラスチック等の種々の好適な材料から作製することができる。
【0421】
図20は、患者インタフェース1000が、患者の口の正面に位置するように構成されたスクープ開口部1034を含む口サンプリングスクープ1032を含む別の代替実施形態を示す。口から吐き出された患者ガスは、スクープ開口部1034によって捕捉され、スクープ1032を通り、非送達サイド部材1003を通って、例えばサンプリング出口ラインを介して呼吸ガスモニタと流体連通するように構成されたサンプリング出口ポート1018まで延在する内部サンプリング導管1020を通して捕捉される。これに関して、ガスサンプリングインタフェースは、患者から吐き出された患者ガスを捕捉するように構成された口スクープ1032を含む。代替実施形態(図示せず)では、口スクープ1032は、患者インタフェースに、任意選択的にガス送達インタフェースに、取外し可能に取り付けられるように構成される。患者インタフェース1000は、潰れ可能な部分1004を含むガス送達サイド部材1001をさらに備える。
【0422】
スクープ1032は、インタフェース1000の上部に適用された患者マスクの下に収まることができるように、実質的に平坦な輪郭を有する。スクープ1032は、呼気ガス捕集を可能にするが、他の医療機器のためのスペースも可能にするために、口の比較的小さい部分を覆うようなサイズとすることができる。サンプリング導管1020は、サンプリング導管1020が経鼻送達プロング1008にガスを提供するガス送達通路1036と干渉しないように、スクープ1032をガス送達通路1036から分離する内壁1029の下に延在している。他の実施形態では、サンプリング導管は、ガス送達通路1036内に延在することができる。口スクープ1032は、必要に応じて機器の周りで曲がることができるように、軟質材料から作製するか又は軟質材料で形成することができる。口スクープ1032は、口へのアクセスを必要とする機器への干渉を制限するように、任意の好適な形状とすることができる。
【0423】
図21は、
図20に示すインタフェース1000の変形である患者インタフェース1100を示す。インタフェース1000の特徴/構造に加えて、患者インタフェース1100は、サンプリング導管1120の接合部1140から延在する鼻中隔サンプリングライン1139を通って搬送される経鼻患者ガス流をサンプリングするための鼻中隔サンプリングポート1138をさらに含む。この構成により、鼻及び口の同時のサンプリングが可能になり、それによって、患者がいずれの場所から呼吸しているかが不明な場合のサンプリングの信頼性が向上する。特定の実施形態では、鼻中隔ポート1138は、鼻ガス流を患者から直接受け取る。別の実施形態では、鼻中隔ポート1138は、鼻サンプリングプロング、又は
図18及び
図19に関して上述した可鍛性サンプリングライン等の別のサンプリングデバイスに接続することができる。患者インタフェース1100は、潰れ可能な部分1104を含むガス送達サイド部材1101をさらに備える。
【0424】
図20及び
図21に示す構成は、入口1034、1138が中央に位置決めされ、患者の鼻及び口と実質的に位置合わせされる点でも有利であり得る。例えば、入口1034、1138は、患者の鼻及び口と、さらに経鼻送達プロング1008と、実質的に共通の平面上に位置する。口及び鼻の入口1034、1138を中央に位置決めすることにより、有利には、患者の顔面に適用される患者マスクのシールに干渉する可能性をさらに低減させることができる。
【0425】
図22は、先の実施形態と同様であるが、サンプリング導管1220が、Yピース1240を介して、経鼻送達プロング1208と並んで実質的に平行に(経鼻送達プロング1208の下にも)位置決めされた一対の鼻サンプリングプロング1226に接続する、別の実施形態の患者インタフェース1200を示す。鼻サンプリングプロングは、患者の鼻孔とのより良い位置決め又は係合を可能にするために可鍛性とすることができる。患者インタフェース1200は、潰れ可能な部分1204を含むガス送達サイド部材1201をさらに備える。
【0426】
患者インタフェース1200には、患者インタフェース1300を示す
図23に示すように、口サンプリングスクープ1332も設けることができる。スクープ1332は、
図20のスクープ1032に関して上述したものと同等の構成を有することができる。患者インタフェース1300は、したがって、一対の鼻プロング1326を介して患者の鼻孔の各々から、且つ口スクープ1332及びその開口部1334を介して患者の口から、患者ガス流をサンプリングすることができる、サンプリング導管1320を含む。したがって、患者インタフェース1200は、鼻プロング1326を介する鼻入口と、口スクープ1032を介する口入口との両方を含む、サンプリング入口を提供する。患者インタフェース1300は、潰れ可能な部分1304を含むガス送達サイド部材1301をさらに備える。
【0427】
図24は、鼻サンプリングプロング1426が経鼻送達プロング1408を通って延在するさらなる実施形態の患者インタフェース1400を示す。鼻サンプリングプロング1426は、経鼻送達プロング1408とほぼ同心である。鼻サンプリングプロング1426は、経鼻送達プロング1408とほぼ同じ箇所で終端するように図示しているが、
図51において後に代替実施形態で例示するように、経鼻送達プロングの端部を越えて延在することも可能である。他の実施形態では、鼻サンプリングプロングは、経鼻送達プロングを通るが、中心でも同心でもなく延在することができる。例えば、鼻サンプリングプロングは、経鼻送達プロングの内面に、したがって経鼻送達プロングの中心からオフセットして取り付けることができる。患者インタフェース1400は、潰れ可能な部分1404を含むガス送達サイド部材1401をさらに備える。
【0428】
図25は、非送達サイド部材及びサンプリング導管が、一端にサンプリング入口1517を提供する鼻プロング1526を有し、反対端にサンプリング出口1518を提供する開口部を有するサンプリングチューブ1503によって提供される、代替的な患者インタフェース1500を示す。鼻サンプリングプロング1526は、経鼻送達プロング1508のうちの1つと並んで位置決めされ、平行に延在している。サンプリングチューブ1503は、ヘッドストラップ(図示せず)に接続することができる。サンプリングチューブ1503は、マニホールド1506に且つ/又は経鼻送達プロング1508に、取外し可能又は取外し不能に接続することができる。
図25によって提供する図示する実施形態では、鼻サンプリングプロング1526は、マニホールド1506とともに、経鼻送達プロング1508にもまた成形されている。患者インタフェース1500は、潰れ可能な部分1504を含むガス送達サイド部材1501をさらに備える。
【0429】
図26に患者インタフェース1500の変形を示し、そこでは、患者インタフェース1600は、経鼻送達プロング1608に(例えば、成形、接着剤等を介して)取り付けられた一対の鼻サンプリングプロング1626を含む。鼻サンプリングプロングは、サンプリング出口ポート1618と流体連通しているサンプリング入口1617を備え、サンプリング出口ポート1618は、非送達サイド部材1603の患者対向面1614に位置決めされており、出口チューブ等を介して呼吸ガスモニタに接続されるように構成されている。患者インタフェース1600は、潰れ可能な部分1604を含むガス送達サイド部材1601をさらに備える。
【0430】
図27は、
図7において先に示した患者インタフェース400の側面斜視図を提供し、非送達サイド部材403が切り取られて断面421を示している。断面421は、
図15を参照して上述したものと同等であり、特に、非対称であり、湾曲している患者対向壁414と、湾曲が少なく実質的に平面である非患者対向壁416とを有する。
【0431】
図27は、サンプリング導管を受け入れるように構成されたチャネルが設けられている非送達サイド部材のさまざまな実施形態を示す
図28~
図31の背景となる基準を提供する。
【0432】
図28は、非患者対向壁1716にチャネル1742が設けられている非送達サイド部材1703の断面1721を示す。チャネル1742は、実質的に円形であり、管状のサンプリング導管1720を受け入れて保持するような直径で構成されている。導管1720は、(例えばスナップフィット配置を介して)チャネル1742内に保持され、それにより、導管1720及び/又はチャネル1742のわずかな弾性変形によって導管1720がチャネル1742内に保持されるように、サンプリング導管及び/又はチャネル1742は、柔軟に弾力性がある。サンプリング導管1720が非円形断面を有する構成では、チャネル1742又はその一部は、サンプリング導管1720を受けて任意選択的に保持するために、サンプリング導管1720の断面形状に一致する断面形状を有することができる。他の構成では、チャネルは、
図28及び29に図示するものよりも浅くてもよく、周囲180°未満の円形又は湾曲した断面を含むことができる。いくつかの構成では、導管1720は、保持機構、例えば接着剤、面ファスナ構成等によってチャネル1742内に保持される。
【0433】
チャネル1742は、導管1720の直径の大部分又はすべてを受けるように、且つ、サンプリング導管がチャネル1742内に嵌め込まれたときに非送達サイド部材断面1721の周縁部が実質的に増大又は変化しないために、十分に深くすることができる。これにより、有利に、患者インタフェースの頂部の上に配置されたときのマスクシールの破壊を最小限にすることができる。
【0434】
図29は、チャネル1842が患者対向壁1814内に位置し、したがって導管1820が、
図28におけるような非患者対向壁1716の代わりに、患者対向壁1814に位置している、代替構成を提供する。
【0435】
図30は、
図29に示す断面を有する非送達サイド部材1803を有する患者インタフェース1800の背面斜視図を提供する。
図30は、患者対向壁1814に形成され、送達出口1808に隣接するサンプリング入口端1817と非送達サイド部材1803のヘッドストラップ端1809に隣接するサンプリング出口端1818との間で非送達サイド部材の長さに沿って延在する、チャネル1842を示す。
【0436】
図31に患者インタフェース1800の変形を示し、そこでは、患者インタフェース1900は、サンプリング導管出口アパーチャ1918及びサンプリング導管入口アパーチャ1917を有する非送達サイド部材1903を含む。入口アパーチャ1917及び出口アパーチャ1918は、サンプリング導管を適所に確実に保持するために、サンプリング導管が挿入されるチャネル1942の両端部に設けられている。入口アパーチャ1917及び出口アパーチャ1918は、チャネル1942内の導管のさらなる固定を可能にするために、サンプリング導管が挿入される接続ループを有効に提供するように、非送達サイドアーム1903の一部を通って延在している。患者インタフェース1800は、潰れ可能な部分1804を含むガス送達サイド部材1801をさらに備える。
【0437】
図11~
図31に例示した実施形態は、サンプリング導管が、潰れ可能な部分の潰れた形態への移行を引き起こす潰し力を患者インタフェースに加える間、開放したままであるように構成される構成を示す。これには有用性の利点がある。例えば、これにより、ユーザは、マスク302が患者インタフェース500の上に適用されているときに、呼吸ガスモニタ(例えば、カプノグラフィ装置)からガスサンプリングインタフェース515を切り離す必要がなく、呼吸ガスモニタを別のサンプリングインタフェースに(例えば、マスク302のサンプリングポート(図示せず)に)再接続することなしに、患者におけるガスのモニタリングを継続することができる可能性がある。さらに又は別法として、これにより、ユーザは、混乱させ、それにより間違った又は不正確な測定のリスクを増大させる可能性がある、さまざまなサンプリングインタフェース(例えば、ガスサンプリングインタフェース515及びマスク302のサンプリングポート)に接続された複数のモニタではなく、単一の呼吸ガスモニタからの出力をモニタリングすることができる可能性がある。例えば、
図11~
図24及び
図26に示すサンプリング導管は、潰し力を加える間に内部サンプリング導管の潰れを可能にしないように、変形に対して十分に耐性があり得る、非送達サイド部材の内部に位置することにより、開放したままであるように構成することができる。これらのサンプリング導管は、患者インタフェースの潰れ可能な部分よりも潰れにくい可能性がある。サンプリング導管は、潰し力を加えたときにサンプリング導管の変形、制限又は閉鎖を防止するように構成された、内部補強又は支持部分を含むことができる。サンプリング導管は、共通の平面又は断面に沿って、患者インタフェースの潰れ可能な部分よりも厚い壁を有することができる。サンプリング導管は、共通の平面又は断面に沿って、均一な厚さの壁を有していてもよく、潰れ可能な部分は、不均一な厚さの壁を有してもよい。
図25に例示するサンプリング導管は、それ自体が非送達サイド部材であり、そこでは、サンプリングチューブ1503は、潰し力を加えたときに開放したままであるように、(例えば、チューブ1503の材料又は形状によって提供される)十分に剛性のある構成を有することができる。同様に、
図28~
図31に図示するサンプリング導管は、非送達サイド部材によって部分的にのみ取り囲まれて保護することができ、そのため、サンプリング管路が潰し力を加えたときに開放したままであるのを可能にする(例えば、材料又は形状における又は内部支持構造を介する)構成を有することもできる。
【0438】
図11~
図31の先の説明は、ガスサンプリングインタフェースが非送達サイド部材403に(又はその代わりに)設けられている、本開示の実施形態に関する。
図32~
図65の以下の説明は、ガスサンプリングインタフェースが(
図7に示す)ガス送達サイド部材401に設けられている実施形態に関する。
【0439】
図32~
図49は、サンプリング導管がガス送達サイド部材に設けられているさまざまな構成の断面図を示す。サンプリング導管は「S」で示すサンプリング内腔を含み、ガス送達サイド部材は「G」で示すガス送達内腔を含む。
図32~
図49に示す断面は、ガス送達サイド部材401の潰れ可能な部分404の断面である。
【0440】
図32、
図35、
図38、
図41、
図44及び
図47は、ガス送達内腔G及びサンプリング内腔Sの両方が開放している、潰れ可能な部分の常時開放形態を示す。これらの図の各々は、ガス送達内腔G及びサンプリング内腔Sが平行な長手方向軸を有する実施形態も示す。
図33、
図36、
図39、
図42、
図45及び
図48は、潰れた形態にある潰れ可能な部分を示し、そこでは、サンプリング内腔は開放したままであるように構成されている。したがって、これらの形態では、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行することによる、ガス送達内腔を通るガス流の減少又は停止中であっても、サンプリング内腔を通る患者ガスの連続サンプリングが可能である。これには有用性の利点がある。例えば、これにより、ユーザは、潰れ可能な部分が潰れた形態にあるときに(例えば、マスクが患者インタフェースの上に配置されたとき)、呼吸ガスモニタ(例えば、カプノグラフィ装置)からガスサンプリングインタフェースを切り離す必要がなく、呼吸ガスモニタを別のサンプリングインタフェースに(例えば、マスク302のサンプリングポート(図示せず)に)再接続することなしに、患者におけるガスのモニタリングを継続することができる可能性がある。さらに又は別法として、これにより、ユーザは、混乱させ、それにより間違った又は不正確な測定のリスクを増大させる可能性がある、さまざまなサンプリングインタフェース(例えば、ガスサンプリングインタフェース及びマスクのサンプリングポート)に接続された複数のモニタではなく、単一の呼吸ガスモニタからの出力をモニタリングすることができる可能性がある。
【0441】
図34、
図37、
図40、
図43、
図46、
図49は、潰れ可能な部分が潰れた形態にあり、サンプリング内腔も閉鎖されるように構成されている、代替実施形態を示す。これらの形態は、潰れ可能な部分が潰れた形態に移行したときにサンプリングが必要とされない場合に使用される可能性があることが想定される。例えば、患者の顔面に、独自の患者ガスサンプリングシステムを含む患者マスクが適用される場合、患者マスク内部からのガス漏れを防止するために、サンプリング内腔Sが閉鎖されることが望ましい場合がある。例えば、特定の状況において、いくつかの装置流供給デバイスは、サンプリング導管を通じてシステムから除去されたサンプリングされた患者ガスを「漏れ」と解釈し、それによりアラームがトリガされる可能性がある。このシナリオは、比較的低い流量が患者マスクを通して送達され、サンプリング導管を通じて除去されるサンプリングされた流量が、送達される装置ガス流量の実質的な部分(例えば20%)を構成する場合に発生する可能性が高くなる。
【0442】
サンプリング内腔が開放したままであるか又は閉鎖する代替的な形態(すなわち、
図33及び
図34、
図36及び
図37、
図39及び
図40、
図42及び
図43、
図45及び
図46、
図48及び
図49に示す代替的な形態)は、サンプリング内腔の潰れ抵抗のレベルに従って達成することができる。これは、サンプリング内腔のスティフネスに起因する可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、サンプリング内腔を、ガス送達内腔を取り囲む材料と比較して、より高いスティフネスを有する材料によって取り囲むことができる。その結果、(サンプリング内腔に直接又は間接的に伝達される)潰れ可能な部分に加えられる潰し力により、サンプリング内腔が開放したままである一方で、ガス送達内腔が閉塞又は閉鎖することができる。別法として、サンプリング内腔を、ガス送達内腔と同様かそれよりも低いスティフネスを有する材料で取り囲むことができ、この場合、潰れ可能な部分に加えられる潰し力により、両方の内腔が閉鎖することができる。
【0443】
図32は、サンプリング内腔Sがガス送達部材の潰れ可能な部分2004の壁2021内に組み込まれている第1形態を示す。壁2021は、ガス送達内腔Gを取り囲んでいる。壁2021は、非剛性材料で形成され、潰れ可能な部分2004の潰れた形態に移行したときに、対向する壁部分2021a、2021bが互いの方に且つ互いに向かって移動することができるような材料及び/又は形状で構成されている。サンプリング内腔Sは、円形断面を有し、ガス送達内腔Gの長尺状断面の端部に隣接して位置している。壁2021は、その中にサンプリング内腔Sを収容するように、一端において拡大している。
【0444】
図33及び
図34は、潰れた形態にある潰れ可能な部分2004を示し、そこでは、壁部分2021a、2021bの互いの方への且つ互いに向かう移動によってサンプリング内腔Gが閉鎖している。
図33は、潰れ可能な部分2004が潰れた形態にある一方で、サンプリング内腔Sが開放したままであるように構成されている実施形態を示す。
図34は、潰れ可能な部分2004が潰れた形態にあるときにサンプリング内腔Sもまた閉鎖するように構成されている代替実施形態を示す。
【0445】
図35は、潰れ可能な部分2104がサンプリング内腔Sを通って延在し、サンプリング導管が、潰れ可能な部分2104を取り囲むスリーブ2144を含む実施形態を示す。サンプリング内腔Sは、スリーブと潰れ可能な部分2104との間の容積部に形成されている。
図36は、ガス送達内腔Gは閉鎖されているが、サンプリング内腔の一部が、潰れ可能な部分2104の両外端部とスリーブ2144の両内端部との間で開放したままである、潰れた形態にある潰れ可能な部分2104を示す。
【0446】
図37は、
図36の代替実施形態を示し、ここでは、
図36に示す開放形態が、潰れた形態に移行し、サンプリング内腔S及びガス送達内腔Gの両方が閉鎖されている。
【0447】
図38は、サンプリング内腔S及びガス送達内腔Sがガス送達サイド部材内に一体的に形成されており、サンプリング内腔Sがガス送達内腔Gを取り囲む壁2221内に形成されている実施形態を示す。したがって、
図38の実施形態は、
図32に対する変形例であるが、
図38のサンプリング内腔Sが、ガス送達内腔断面の長手方向側部と並んで延在する、長尺状の湾曲した断面を有する点で異なる。壁2221は、その中にサンプリング内腔Sを収容するように、一方の側で拡大されている。
【0448】
図39は、
図38の形態が、ガス送達内腔Gを閉鎖するように潰れた形態に移行するが、サンプリング内腔が開放したままである実施形態を示す。
図40は、
図38の開放形態が潰れた形態に移行し、サンプリング内腔S及びガス送達内腔Gの両方が閉鎖されている代替実施形態を示す。
【0449】
図41は、サンプリング導管2320が潰れ可能な部分2304と一体的に形成され、それにより、サンプリング導管が潰れ可能な部分2304の外面2346と並んで延在する実施形態を示す。潰れ可能な部分2304は、一対の対向する端部2350の間に延在する一対の長手方向側部2348を含む細長い断面を有し、サンプリング導管2320は、端部2350のうちの一方において外面2346と一体的に連結されている。
【0450】
図42は、
図41の構成が潰れた形態に移行し、長手方向側部2348がガス送達内腔を閉鎖するために互いの方に且つ互いに向かって移動した実施形態を示す。サンプリング導管2320は影響を受けず、サンプリング内腔Sは開放したままである。
図43は、潰れ可能な部分2304が潰れた形態に移行する間に、サンプリング導管2320も、潰れた形態に弾性変形し、サンプリング内腔も閉鎖されている代替実施形態を示す。
【0451】
図44は、
図41に示す実施形態の変形例であり、サンプリング導管2420が、連結ウェブ2452を介して外面2446(特に、端部2450のうちの一方)と連結されており、サンプリング導管2420が、連結ウェブ2452の幅W
CWだけ、潰れ可能な部分2404から離隔している。
【0452】
図45は、
図44の開放形態が潰れた形態に移行し、サンプリング導管2420が開放したままである実施形態を示す。
図46は、潰れ可能な部分2404が潰れた形態に移行する間に、サンプリング導管2420が、潰れた形態に弾性変形し、サンプリング内腔も閉鎖されている代替実施形態を示す。
【0453】
図47は、サンプリング導管2520がガス送達内腔Gを通って延在する実施形態を示す。サンプリング導管2520は、ガス送達内腔内で自由に動くことができてもよく、又は別法として、内部ウェブ又は保持部材(図示せず)を介して適所に保持することができる。サンプリング導管2520は、ガス送達内腔Gを通る装置ガス流の妨害を最小限にし、潰れ可能な部分2504の潰れた形態への移行への干渉を最小限にするように、ガス送達内腔Gに対して小さい断面を有する。
【0454】
図48は、
図47の開放形態が潰れた形態に移行し、サンプリング導管2520が開放したままである実施形態を示す。サンプリング導管2520は、壁部分2521a及び2521bがサンプリング導管2520の周りで曲がるか又は折り重なるのを容易にする角のある縁部のない湾曲した外面を有する。
図49は、
図47の開放形態が潰れた形態に移行し、サンプリング内腔が閉鎖されるようにサンプリング導管2520が潰れた形態に弾性変形する代替実施形態を示す。
【0455】
図32、
図38、
図41及び
図44は、サンプリング導管(及びサンプリング内腔)がガス送達サイド部材と一体化されていることを例示していることが理解されよう。
図35及び
図47は、ガス送達内腔とサンプリング内腔とが実質的に同心及び同軸であることを例示している。
図32及び
図38は、ガス送達内腔G及びサンプリング内腔Sが、ガス送達サイド部材内に一体的に形成され、互いに離隔している実施形態を示す。
図41及び
図44は、サンプリング導管がガス送達サイド部材の外面と並んで延在する実施形態を示す。
【0456】
図50は、ガス送達サイド部材2601が
図47に示す断面構成を有する患者インタフェース2600を示し、そこでは、サンプリング導管2620が、ガス送達サイド部材2601内に収容されたガス送達内腔を通って延在している。ガス送達サイド部材2601は、潰れ可能な部分2604を含む。サンプリング導管2620は、出口ポート2618を含むサンプリング出口と、経鼻送達プロング2608の内部に位置する経鼻サンプリングプロング2626の端部の開口部を含むサンプリング入口2617との間に延在している。サンプリング導管2620は、ガス送達サイド部材2601内で自由に動くことができ、出口ポート2618においてのみガス送達サイド部材2601に固定されている。他の実施形態では、ガス送達サイド部材2601は、ガス送達サイド部材2601内でサンプリング導管2620を所望の位置で支持する内部構造を備える。経鼻サンプリングプロング2626は、経鼻送達プロング2608と同じ箇所で終端している。
【0457】
図51に患者インタフェース2600の変形例を示し、そこでは、患者インタフェース2700は、経鼻送達プロング2708の開口部を貫通してそれを越えて延在する経鼻サンプリングプロング2726を含む。患者インタフェース2700は、潰れ可能な部分2704を含むガス送達サイド部材2701を備える。したがって、経鼻サンプリングプロング2726は、サンプリング入口2617を、経鼻送達プロング2708の出口よりも患者の鼻孔内にさらに入るように位置決めするように構成されている。サンプリング入口2617を送達出口(すなわち、経鼻送達プロング2708)よりもさらに鼻孔の内側に位置決めすることにより、サンプリングされた患者ガスの希釈を最小限にすることを含む多くの利点を提供することができる。さらに、この構成は、場合によっては、患者ガスがサンプリングプロング2726に入るのを制限するか又は減少させる可能性がある乱流の形成を最小化にすることができる。さらに、サンプリングプロング2726が経鼻送達プロング2708を越えて延在することにより、サンプリングプロング2726に入る患者ガスを、経鼻送達プロング2708の出口から出る送達された装置ガスから遮蔽することができる。
【0458】
図52は、ガス送達サイド部材2801が
図41に示す断面構成を有し、サンプリング導管2820がガス送達サイド部材2801と一体的に形成されている患者インタフェース2800を示す。特に、サンプリング導管2820は、ガス送達サイド部材2801の下側端部2850に成形されている。サンプリング導管2820は、経鼻送達プロング2808のうちの1つに成形された(経鼻送達プロング2808と並んで延在する)鼻サンプリングプロング2826を含むサンプリング入口を含む。ガス送達サイド部材2801は、潰れ可能な部分2804を含む。
【0459】
図53及び
図54に患者インタフェース2800の変形例を示し、そこでは、患者インタフェース2900は、取付クリップ2954を介してガス送達サイド部材2901の下側端部2950に取外し可能に取り付けられるサンプリング導管2920を含む。ガス送達サイド部材2901は、潰れ可能な部分2904を含む。別の構成(図示せず)では、サンプリング導管は、同様に取り付けられるが、ガス送達サイド部材の頂部に位置することができる。一例(図示せず)では、サンプリング導管は、マニホールドにおいて又はマニホールドに近接して、患者インタフェースに取外し可能に取り付けられ、導管の残りの部分は、ガス送達サイド部材とは別個であるが、ガス送達サイド部材と同じ側に沿って延在している。これにより、他の医療機器の邪魔になる可能性がある、複数の導管が患者の頭部に巻き付くことを回避することができる。
【0460】
ガスサンプリングインタフェースは、潰れ可能な部分とは異なる材料で形成してもよい。例えば(
図53を参照すると)、サンプリング導管2920は、潰れ可能な部分2904とは異なる材料で形成してもよい。サンプリング導管2920は、潰れ可能な部分2904の材料よりも高い材料スティフネスを有する材料で形成してもよい。特定の実施形態では、サンプリング導管2920はシリコーンを含む。一実施形態では、潰れ可能な部分2904は、熱可塑性エラストマーを含む。一実施形態では、サンプリング導管2920はシリコーンを含み、潰れ可能な部分2904は熱可塑性エラストマーを含む。
【0461】
図53を含むさまざまな実施形態に例示するように、サンプリング導管2920は、潰れ可能な部分2904の幅よりも小さい幅を有する。
【0462】
図55は、ガス送達サイド部材3001が
図35に示す断面構成を有し、ガス送達サイド部材3001がスリーブ3144によって取り囲まれている患者インタフェース3000を示す。ガス送達サイド部材3001は、
図55においてスリーブ3144によって隠されている潰れ可能な部分3104を含む。スリーブ3144は、呼吸ガスモニタと接続されるように構成された出口ポート3018を含む。スリーブ3144は、ガス送達サイド部材3001と封止される出口端部3058を含む。スリーブ3144は、送達出口3008に近接するスリーブの入口端部3059に漏斗部分3056をさらに含む。漏斗部分3056は、サンプリング入口を提供する開口部3017を介して鼻及び/又は口から患者ガス流を受け取るように構成されている。
【0463】
図56は、ガス経路コネクタ3113に、サンプリングライン3120の一部を受けて固定するループ3160を含むリングコネクタ3158が備え付けられた、患者インタフェース3100を示す。リングコネクタ3158は、それにより、サンプリングライン3120の一部をガス経路コネクタ3113に固定する。サンプリングライン3120は、サンプリングライン3120の遠位端にあるサンプリングデバイス3127から構成されるサンプリング入口を含む。サンプリングライン3120は、自立した可鍛性の構成を有し、それにより、サンプリングデバイス3127は、必要に応じて再配置することができる。例えば、サンプリングデバイス3127は、患者の口及び/又は鼻から患者ガス流を受け取るように、送達出口3108の正面(すなわち、非患者側)に位置決めすることができる。
【0464】
図57はガス経路コネクタ3113を示し、ガス経路コネクタ3113は、装置ガス供給を提供するガス供給チューブに接続されるねじ切り部分3162を含む。ガス経路コネクタ3113は、ヘッドストラップに接続されるフランジ3164も含む。リングコネクタ3158は、サンプリングライン3120をガス経路コネクタ3113に取外し可能に取り付けるために、ねじ切り部分3162の上に(好ましくは、ねじ切り部分3162に接続されたガス供給チューブの上にも)嵌まるように構成されている。リングコネクタ3158は、接続されたときにガス経路コネクタ3113及びガス供給チューブに対する軸方向の移動に抵抗する位置付け機能(例えば、リブ)を含むことができる。
【0465】
図58は、サンプリングライン3120の断面図を示し、このサンプリングライン3120は、サンプリングライン3120に自立した可鍛性の機能を提供するために、サンプリングライン3120内に組み込まれた柔軟に弾力性のあるワイヤ3166を含む。サンプリングライン3120はサンプリング内腔Sを含む。柔軟に弾力性のあるワイヤ3166は、サンプリング内腔Sとは別の内腔に設けられている。サンプリングライン3120及びサンプリング内腔Sの両方が、細長い断面、特に楕円形断面を有する。サンプリングライン3120は、患者のフェイスマスクが、サンプリングライン3120の上に配置されるのを可能にし、フェイスマスクシールに生じさせる破壊を最小限にするように、相対的に幅方向に薄い。
【0466】
図59は、本出願人の以前の特許公開、国際公開第2018070885号に先行して示されており、本開示の態様による患者インタフェースとの使用にも好適である、取付リング6140を示す。取付リング6140は、
図57に示すガス経路コネクタ3113と接続するように構成された一対の弾性アーム6150を含む。アーム6150の内部領域6142は、ガス経路コネクタ3113のねじ切り部分3162に対応して係合する輪郭(例えば突出部)を有することができる。
【0467】
取付リング6140は、一対のクリップ6167をさらに備え、クリップ6167は、クリップ本体6141から延在するアーム6168を含むフックを形成している。クリップ6167は、ガスサンプリング導管6120の一部が受け入れられて保持される凹状の受入領域6170を提供する。ガスサンプリング導管6120は、
図59に示すような受入領域6170に通されて、スナップフィット連結を介して適所に固定される。
【0468】
図60は、ガス送達サイド部材3201が、潰し力を加えたときに潰れ可能な部分3204が潰れた形態に移行するのを容易にするように構成されたリング3258を含む付属品が備え付けられている、患者インタフェース3200を示す。図示するように、リング3258は、潰れ可能な部分3204の周囲に嵌められている。潰れ可能な部分の潰れを容易にするように意図された同様の付属品の以前の実施形態は、本出願人の国際特許出願PCT/IB2019/051137号明細書(国際公開第2019159063号)に開示されている。この開示の
図25A~
図25Fは、リング215を示しており、リング215は、導管の周囲に延在するように構成され、導管を挟み込むか又はよじらせるためにリング215に力が加えられると傾くか又は回転するように構成されている。
【0469】
本開示の
図60に示すリング3258は、国際特許出願PCT/IB2019/051137号明細書(国際公開第2019159063号)に開示されているリング215と概して同等の構成を有する(且つリング215と同様に機能する)ことができる。しかしながら、リング3258は、サンプリング導管3220に取り付けるための取付ループ3260をさらに含む。したがって、リング3258は、潰れ可能な部分の潰れた形態への移行を容易にし、導管コネクタとしても作用する、二重の機能を果たすことができる。患者インタフェースの上にフェイスマスクを適用することにより、強制的にリング3258が転がり、潰れ可能な部分3204を封止することができる。リング3258は、患者のフェイスマスクのシールに対するいかなる破壊も最小限にするように十分に小さくすることができる。
【0470】
図61は、
図7に示す患者インタフェース400等の患者インタフェースに取り付けられるように構成された付属品3358を示す。付属品3358は、ガス送達サイド部材401の患者対向壁に沿って延在するように構成された剛性部材3368を含む。剛性部材3368の遠位端に接触要素3370が設けられており、それは、
図7に示す潰れ可能な部分404に加えられる荷重に対して集中した反力を与えるように構成されている。接触要素3370は、潰れ可能な部分404の非患者対向壁に加えられる(例えば、患者マスクからの)潰し力が加えられることに応じて、潰れ可能な部分404の患者対向壁に反力を与えるように構成されている。接触要素3370は、反力を潰れ可能な部分のより小さい領域に局所化し/集中させ、それにより、患者対向壁の曲げ又は折り曲げをさらに促進し、したがって潰れた形態への移行を促進するように構成された、鞍形のテーパ状リブ3371を含む。
【0471】
付属品3358は、付属品3358を患者インタフェース400に取り付ける取付構成3372をさらに含む。取付構成3372は、
図57に示す(
図7にも示す)ガス経路コネクタ3113上のヘッドストラップフランジ3164を受けて係合するように構成された開口部3374を含む。
図62に取付けの態様を示し、
図62は、取付構成3372が、
図57のガス経路コネクタ3113に取り付けられた状態を示し、ヘッドストラップフランジ3164が開口部3374を通って突出している。他の実施形態では、ガス経路コネクタへの取付けは、C字型又はU字型のクリップを介することができる。接着剤、オーバーモールド、又は付属品のガス経路コネクタとの一体成形等、他の取付けの形態も可能である。
【0472】
接触要素3370は、
図60のサンプリングライン3220又は
図56のサンプリングライン3120等のサンプリングラインと接続されるように構成された接続リング3360を含む。
【0473】
図63は、付属品3358が嵌められた、
図7の患者インタフェース400を示す。接触要素3370は、リブ3371が潰れ可能な部分404の患者対向壁に接触するように、潰れ可能な部分404の後方に位置している。取付構成3372は、装置ガス流がガス送達サイド部材401に提供される際に通るガス経路コネクタ3113に接続されている。取付リング3360は、サンプリングラインが接続され、送達出口408に向かって概してガス送達サイド部材401に沿って且つその上方に延びることができるように、潰れ可能な部分404の上方に位置している(且つ、そこから離隔している)。
【0474】
図64及び
図65は、代替的な付属品3458の背面図及び正面図であり、この付属品3458は、
図61~
図63に示す付属品3358と状態が同等であるが、付属品3458が取付リング3360を含まず、代わりに付属品3458を通って内部に延在する一体化したサンプリング導管3420を含むことが異なる。サンプリング導管3420は、付属品3458の両端部に位置する一対の開口部の間に延在し、一対の開口部は、接触要素3470に設けられたサンプリング入口3417と、取付構成部3472に設けられたサンプリング出口3418とを含む。
【0475】
サンプリング入口3417は、サンプリングデバイス又はサンプリングラインに接続するように構成することができる。例えば、ルアーロック、ねじ接続、プラグフィット、バーブフィットを介して。サンプリング入口3417は、サンプリングデバイス又はサンプリングラインに、一体的に接続し、例えば成形してもよい。サンプリング出口3418は、呼吸ガスモニタと流体連通する出口ラインと接続するように構成してもよく、又は出口ラインと一体的に接続してもよい。サンプリング導管3420は、付属品3458の剛性材料内に形成され、したがって、潰れ可能な部分が潰れる間に潰れることが防止され、したがって、潰れ可能な部分を通る装置ガス流が減少又は停止したときにサンプリングを継続することができる。
【0476】
患者インタフェースのさまざまな実施形態について、添付の図を参照して上述した。患者インタフェースは、患者に装置ガスを提供するように構成された装置ガス流路を含むガス送達インタフェースを備えることが理解されよう。特定の実施形態によれば、常時開放形態において、ガス送達インタフェースは、約20L/min~約90L/minの装置ガス流量が装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。例として、
図11に示す患者インタフェース500を参照すると、ガス送達サイド部材501は、約20L/min~約90L/minの装置ガス流量がガス送達サイド部材501内の装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。
【0477】
特定の実施形態では、潰れ可能な部分504が潰れた形態に移行すると、患者インタフェース500は、ガスサンプリングインタフェース515を通る患者ガス流量よりも少なくとも20倍大きい装置ガス流量が、ガス送達部材501の装置ガス流路を通るのを可能にするように構成されている。例えば、ガスサンプリングインタフェース515を通る(且つサンプリング導管520を通る)流量は、約500ml/min未満であってもよく、潰れ可能な部分504が閉鎖形態にあるときのガス送達部材501を通る流量は、約10L/min未満であってもよい。
【0478】
特定の実施形態において、潰れ可能な部分504が潰れた形態にあるとき、ガス送達部材501は、約10L/min未満の装置ガス流量が装置ガス流路を通るのを可能にするように構成され、ガスサンプリングインタフェース515は、約500mL/min未満、任意選択的に約40mL/min~約500mL/minの患者ガス流量がガスサンプリングインタフェース515を通るのを可能にするように構成される。
【0479】
図示するさまざまな実施形態から、患者インタフェースが単一のサンプリング導管を備えることができることが理解されよう。単一の導管のみを設けることにより、有利に、患者インタフェースに関連する導管の数を最小限にすることができる。
【0480】
図11のサンプリング導管520は(他の図に示すさまざまな代替実施形態のサンプリング導管と同様に)単一の内腔を備え、その単一の内腔は患者ガス流のためのサンプリング内腔である。サンプリング導管520は、サンプリング内腔以外のいかなる追加の内腔も含まない。
図56及び
図58に示す実施形態とは対照的に、
図11のサンプリング導管520は、支持部材又は支持ワイヤを含まず、したがって、サンプリング導管520は、支持ワイヤ用の内腔を必要としないか、又はそれを含まない。単一の内腔(すなわち、サンプリング内腔)を設けることにより、有利に、製造を簡略化し、コストを削減することができる。
【0481】
患者インタフェース及びその付属品
図66~
図108は、潰れ可能な部分を含むガス送達導管を介して患者に呼吸ガスを送達するように構成された患者インタフェースのための付属品の非限定的な例示的な実施形態を示す。例えば、
図66~
図108に示す実施形態のうちの1つによる付属品は、上述し
図2~
図4に示すような患者インタフェース200の潰れ可能な第1部分204と使用することができる。
【0482】
上述したように、患者インタフェース200の第1部分204は、潰れ可能であるように構成されており、以下では、潰れ可能な部分204と称する。さまざまな実施形態による付属品は、患者インタフェース200を通る呼吸ガス流を減少又は停止させるために、潰れ可能な部分204の潰れを容易にするか又は他の方法で増強若しくは促進するように構成されている。一例では、さまざまな実施形態による付属品は、患者インタフェース200の出口、例えばプロング208への呼吸ガス流を減少又は停止させるために、潰れ可能な部分204の潰れを容易にするか又は他の方法で増強若しくは促進するように構成されている。ここで、
図66~
図108に示すさまざまな付属品の実施形態についてさらに詳細に考察する。
【0483】
図66を参照すると、クリップ3502と、クリップ3502から延在する裏当て板3504とを備える取付構成を含む付属品3500が示されている。
【0484】
クリップ3502は、患者インタフェース200の一部の上に取り付けられるように構成された、柔軟に弾力性のあるCクリップを含む。例えば、クリップ3502は、患者インタフェース200のガス導管202に又はガスコネクタに取り付けることができる。一実施形態では、クリップは、安定性を高めるために剛性支持体と連結する。例えば、クリップは、ガスコネクタの剛性支持体と連結することができる。クリップ3502は、
図67に最もよく示すように、ガス導管202の対向する湾曲した側部212に適合する湾曲を有するように予め形成された一対の柔軟に弾力性のあるクリップアーム3506を含む。
【0485】
図66に戻ると、裏当て板3504は、患者Pの顔面の輪郭及び/又は患者インタフェース200の輪郭に適合する予め形成された湾曲を含む。裏当て板3504は、細長い直線部分3508と、クリップ3502と直線部分3508との間の湾曲部分3510とを含む。いくつかの実施形態では、直線部分3508は実質的に平面である。直線部分3508は、使用時に、ガス導管202に面するように構成された剛性の接触面3512を含む。直線部分3508は、裏当て板3504の接触面3512から反対側にある患者対向面3514を含み、これは
図67に最もよく示す。
【0486】
図67を参照すると、患者インタフェース200の断面が示されており、そこでは、ガス導管202、潰れ可能な部分204及び鼻プロング208が示されている。ガス導管202及び潰れ可能な部分204は、「内」側と称することもできる患者対向側224と、「外」側と称することもできる非患者対向側226とを有し、内及び外という用語は、患者の顔面に対する空間的関係において理解される。
図67は、患者対向側224の方を見た斜視図である。付属品3500は、患者対向側224に位置し、したがって、使用時には、患者の顔面と潰れ可能な部分202との間に位置決めされる。
【0487】
使用時、直線部分3508の患者対向面3514は、患者の顔面の方に面する(且つ、典型的には、患者の顔面に接触することもある)。
図67に示すように、(
図66に示し、
図67では隠れている)接触面3512は、
図67において直線部分3514の後方に隠れている潰れ可能な部分204の患者対向面の方に面し、それと接触する。
【0488】
接触面3512は、使用時に、潰れ可能な部分204に接触し、潰れ可能な部分204と患者の顔面との間に剛性の支持面を提供する、付属品の接触部分を画定している。接触面3512は、潰れ可能な部分204に潰し力が加えられたときに、潰れ可能な部分204の潰れを容易にする。例えば、
図3に示すように、潰れ可能な部分204にわたって重ねられるフェイスマスクによって加えられる潰し力。この機能については、潰れていない形態(
図68)及び潰れた形態(
図69)の両方にある、
図67に示す配置の側断面斜視図を提供する
図68及び
図9を参照してさらに説明する。
【0489】
図68は、裏当て板の直線部分3508に重なっている潰れ可能な部分204を示す。潰れ可能な部分204は、患者側224と、患者側226とは反対側の非患者側226とを含む。患者側224は、使用時に、概して患者の顔面の方に面する患者対向面214を含む。非患者側226は、非患者対向面216を含み、それは、使用時、患者の顔面から概して外向きに面する。
【0490】
図68に示すように、患者対向面214は、裏当て板の直線部分3508の接触面3512に重なり、且つそれと接触している。潰れ可能な部分204の内部は、ガス導管202を通って流れる呼吸ガスGのための通路を提供する内腔205を画定している。
図68は、潰れ可能な部分が開放しており、妨げられず、高流量の呼吸ガスGが患者に向かって下流方向に内腔205を通過するのを可能にする、潰れていない形態を示す。
【0491】
図69を参照すると、潰れた形態が示されており、それにより、患者マスクのシール304(例えば膨張式カフ)が、潰れ可能な部分204の非患者対向面216の上に重ねられて押し下げられている。非患者対向面216に加えられる力F
Mにより、非患者側226が裏当て板3508に向かって内向きに潰れ、患者側224と接触して、内腔205を閉塞又は遮断する閉塞部3518を形成し、それにより、呼吸ガスGの患者に向かう流れを減少させるか又は阻止する。加えられるマスク力F
Mにより、裏当て板の直線部分3508によって患者対向面214に加えられる実質的に同等の反力F
Rが生成される。
【0492】
いくつかの構成では、患者に向かう呼吸ガスGの流れを完全に阻止する場合がある。他の構成では、閉塞部3518の上流側220から閉塞部3518の下流側222への呼吸ガスの残留流が残る場合がある。残留流が閉塞部3518を通過する場合、潰れ可能な部分204を通る総流量は、
図68に示す潰れていない形態と比較して、依然として著しく減少する。
【0493】
図69に示すように、潰れ可能な部分204の患者対向面は、接触面3512によって支持され、好ましくは、潰れ可能な部分が潰れている間、移動しない。このように、接触面3512は、マスクシール304の力が潰れ可能な部分204に加えられたときに非患者対向面216が押し付けられる、剛性の支持面を提供する。これにより、裏当て板3508は、潰れ可能な部分204又はその一部が圧縮される当接部を提供する限りにおいて、潰れ可能な部分204の潰れを容易にし、それにより、潰れ可能な部分204を
図69に示す潰れた形態に変形させる。
【0494】
したがって、
図66及び
図67に、且つ作動的に
図68及び
図69に示す付属品3500は、潰れ可能な部分の潰れを容易にするために、潰れ可能な部分204の後方で、患者インタフェースに沿った適切な位置に剛性支持面を提供する。裏当て板3508は、マスク力F
Mと協働して潰れ可能な部分204の潰れを引き起こす反力F
Rを提供するために、所望の潰れ位置に配置可能である。
【0495】
図70を参照すると、患者の顔面と患者インタフェース200の潰れ可能な部分204との間に位置するように構成された付属品3600の代替実施形態が図示されている。付属品3600は、使用時に、患者の顔面の方に面し、且つ/又は患者の顔面に接触する、患者対向面3614を含む。付属品3600は、使用時に患者の顔面から離れる方に又は外向きに面する、非患者対向面3616を含む。
【0496】
付属品3600は、先の実施形態におけるクリップ3502と同等のC字型クリップ3602を含む。クリップ3602は、使用時に患者の顔面から離れる方向に延在する一対の弾性クリップアーム3606を含む。クリップ3602により、付属品3600の患者インタフェース200との取外し可能な取付けが可能である。付属品3600は、クリップ3602と接触要素3616との間に延在する支持部材3604を含む。接触要素3620は、支持部材3604に対して概して垂直に向けられた細長い輪郭を有する。接触要素は、患者対向面3614の一部を画定する平坦な基部3622を含む。接触部分3620の平坦な基部3622とは反対側に、テーパ状リブ3618が位置している。テーパ状リブ3618は、非患者対向方向に延在し、使用時は、患者の顔面から外向きに延在する。特定の実施形態では、リブは必ずしもテーパ状でなくてもよく、概して平坦な接触面等の非テーパ状の構成を有していてもよい。
【0497】
支持部材3604は、支持部材3604を患者の顔面及び/又は
図2及び
図3に示すガス送達導管202の輪郭に適合させるように、予め形成された湾曲を有する細長い棒を含む。
【0498】
図70Aは、
図70に示す付属品3600の変更形態を含む付属品3600Aを示す。付属品3600Aは、接触要素3620と比較してより幅広でより平坦な構成を有する接触要素3620Aを含む。より広い接触要素3620Aは、
図70の基部3622と比較して幅方向に大きいリブ3618A及び基部3622Aを含む。リブ3618Aは、リブ3618と比較してテーパが小さく、したがって、リブ3618Aの頂部で交差する面3619Aは、
図70の基部3622に対する面3619と比較して、基部3622Aに対してより大きい角度を画定している。接触要素3620Aの増大した幅は、リブ3618Aの両側に(
図70の接触面3619と比較して)より大きい接触面3619Aを提供し、これは、使用時に、潰れ可能な部分の患者対向面と接触する。
図70のより幅の狭い接触要素3620と比較して、
図70Aのより幅の広い接触要素3620Aは、潰れ可能な部分のより広い領域にわたって接触し、反力荷重を加える。したがって、より幅の広い接触要素3620Aは、より幅の狭い接触要素3620によって潰れ可能な部分に加えられる反力荷重と比較して、より低い圧力で反力荷重を加えることができる。
【0499】
図71は、潰れ可能な部分204が接触要素3620の上に重なっており、それにより、潰れ可能な部分の患者対向面214がリブ3618のテーパ状の縁部の上に重なり、その上に載っている状態を示す。リブ3618の縁部は、潰れ可能な部分204と接触要素3620との間の相互作用面が比較的小さいように、患者対向面214と接触する比較的小さい領域を提供する。この構成により、患者対向面3614の小さい領域に力が集中し、それにより、付属品3600によって潰れ可能な部分204に加えられる圧力が上昇する。
【0500】
図71は、潰れ可能な部分204の内腔205が開放し、呼吸ガスGのための妨げのない通路を提供する、潰れていない形態を示す。
図72を参照すると、膨張式マスクカフ304が、接触部分3620に概して重なる位置で、潰れ可能な部分204の非患者対向面216に押し付けられている、潰れた形態が示されている。マスクカフ304の加えられる力F
Mは、接触要素3620によって患者対向面214に加えられる反力F
Rを生じさせ、これらの力がまとまって、非患者側226及び患者側224が互いに向かって潰れて、呼吸ガス流Gを制限又は閉塞する閉塞部3618を内腔205内に形成する。内腔205の断面積は、
図72に示す潰れた形態では、
図71に示す潰れていない形態と比較して著しく減少することも理解されよう。
【0501】
図72に示すように、潰れ可能な部分204の患者対向側224は、テーパ状リブ3618の周りで部分的に潰れるか又は折り曲げられる。患者対向側224の一部が、接触要素3620と支持アーム3604との間の空洞3628に入るように折り曲げられている。マスクカフ304から非患者側226に力F
Mが加えられたとき、リブ3618のテーパ状縁部は、患者側224に等しく且つ反対の反力F
Rを加える。
図72に示すように、マスクカフ304と非患者対向面216との間の接触面積は、リブ3618と患者対向面214との間の接触面積よりも著しく大きい。その結果、テーパ状リブ3618によって加えられる反力F
Rが、患者対向面214に、加えられるマスク力F
Mによって非患者対向面216に加えられる圧力よりも高い圧力を加える。それにより、付属品3600のこの構成によって、潰れ可能な部分の潰れを容易にするために、潰れ可能な部分204に加えられる外圧が増幅される。いくつかの実施形態では、接触部分は、クリップに対して調整可能であって、例えば、潰れ可能な部分204に沿った潰れ位置に対してクリップの位置を調整することができるようにしてもよい。
【0502】
図69及び
図72に示す潰れた形態から理解されるように、(
図69では付属品3500の接触面3512によって、
図72では付属品3600の接触要素3620によって例示する)付属品の接触部分は、各々、クリップ3502、3602に対して固定された関係にある。付属品の接触部分は、マスクカフ304の潰し力が潰れ可能部分204に加えられたときに、潰れ位置での潰れ可能部分の潰れを容易にする。結果としての潰れ可能な部分の潰れは、潰れ位置が潰れ位置と同じ位置にあると言えるように、接触部分の位置で生じる。さらに、接触部分はクリップに対して固定された関係にあるため、したがって、潰れ位置もクリップに対して固定された関係にあることが理解されよう。その結果、クリップの位置を調整することにより、潰れ位置を調整することができる。
【0503】
図73を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品3700が示されている。付属品3700は、付属品3700がC字型クリップ3702と、クリップ3702から延在する湾曲した裏当て板3704とを含むという点で、
図66及び
図67に示す前述の付属品3500と構成と同様である。付属品3700は、付属品3700の裏当て板3704がその接触面3712上に複数のリブ3718を含むという点で、付属品3500と異なる。複数のリブ3718は、まとまって、潰れ可能な部分204の潰れを促進し容易にするように構成された鋸歯状面を画定している。
【0504】
複数のリブ3618は、各リブ3618の先端部の複数の分離した相互作用面に力を集中させるように構成されている。隣接するリブ3618間の谷は、一連の空洞3728も提供することができ、潰れ可能な部分204の患者側224が潰れてその中に入ることができる。これは、内腔205を、流れ抵抗を有する、曲がりくねった又はよじれた通路に変形させ、それにより、潰れた形態にあるときに、残留流が潰れ可能な部分204を通る量を低下させるか、又は通るのを防止するに役立つことができる。したがって、裏当て板3708は、付属品3500に関して上述したように、潰れ可能な部分に反力を与える剛性支持面を提供する。さらに、リブ3718は、反力を集中させ、それにより潰れ可能な部分の患者対向面に加えられる圧力を増幅するように作用することができる。それにより、これらの組み合わされた効果によって、潰れ可能な部分の潰れが容易になる。
【0505】
図74を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品3800が示されている。先の実施形態の付属品3500及び付属品3700と同様に、付属品3800は、C字型クリップ3802を含み、裏当て板3804は、クリップ3802から延在し、湾曲部分3810と、長手方向軸Lを有する直線部分3808とを含む。直線部分3808は、潰れ可能な部分の患者対向面に接触するように構成された接触面3812を含む。接触面3812は、長手方向軸Lと平行に向けられ、直線部分3808の一対の対向する長手方向側部3830に隣接して位置する、一対の長手方向リブ3818を含む。リブ3818の間に、鞍形の座部3832が位置決めされている。座部3832は、長手方向軸Lに対して横切る断面で見たときに鞍形であり、概して、中央基部と、中央基部から離れる方向に角度をなして延在する対向する側部とを含む。角度は鈍角であり得る。中央基部及び対向する側部の各々は、平面であっても湾曲していてもよい。座部3832は、長手方向軸Lに対して横切る断面で見たとき(すなわち、長手方向軸Lの方向で見たとき)、凹状の輪郭を有することができる。
図74Cに、鞍形の座部3832の一実施形態を示す。
【0506】
使用時、リブ3818は、潰れ可能な部分の非患者側に圧力が加えられている間に、潰れ可能な部分が軸Lに垂直な方向に移動するのが制限されるように、潰れ可能な部分204を鞍形部3832上に配置するのに役立つ。したがって、リブ3818及び鞍形部3832の構成は、接触面3812上の所望の位置に潰れ可能な部分を維持するのに役立つ。さらに、リブ3818は、長手方向に沿って潰れ可能な部分の縁部に加えられるより高い圧力を促進する。これは、潰れ可能な部分のより完全な潰れを促進する(且つ潰れ可能な部分のより大きい閉塞を達成する)のに役立つことができる。特に、この構成により、潰れた形態にあるとき、潰れ可能な部分の1つ又は複数の縁部領域に形成される長手方向に延在する残留流路の形成を低減させるか又は防止することができる。リブ3818の長手方向の向き、及び潰れ可能な部分の対向する縁部領域に係合するようなリブの位置決めにより、前記流路が最も生じやすい可能性のある潰れ可能な部分の領域に加えられる圧力を上昇させることができる。リブ3818をこれらの位置及び長手方向の向きに位置決めすることにより、流路に加えられるより高い圧力を促進し、それにより流路の封止又は狭小化を促進することができ、又は流路の形成を防止するか又は低減させることができる。
【0507】
図74A~
図74Dを参照して、付属品3800の上述した利点についてさらに説明する。
【0508】
図74Aは、平坦な(平面状の)裏当て板3870の上に重なる潰れ可能な部分204の断面図を提供する。加えられる力F
Aが、潰れ可能な部分204の非患者対向面216に加えられ、裏当て板3870によって患者対向面214に加えられる反力F
Rを引き起こす。
図74Aに示す力の矢印から、反力F
Rは、患者対向面214と裏当て板3870との間に接触が生じる場所でのみ患者対向面214に加えられることが留意されよう(そうでなければ、一般に当業者には理解されよう)。
図74Aに示すもの等のいくつかの実施形態では、反力F
Rは、一般的には、側部部分207には加えられる可能性はない。
【0509】
図74Bを参照すると、これにより、潰れ可能な部分204が潰れた形態にあるときに、側部部分207内に残留流路209が形成される可能性がある。
図74Bに示すように、流路209は、潰れ可能な部分204の両縁部領域に位置し、長手方向に延在する。流路209は、呼吸ガスが潰れ可能な部分204を通過するための残留経路を提供し、潰れた形態で存在する残留ガス流に寄与する。潰れ可能な部分の設計、寸法及び/又は材料は、こうした残留流路209の形成及び/又は特性に影響を及ぼすことができ、例えば、一定の壁厚を有する潰れ可能な部分は、側部部分207の各々において縁部に向かってテーパ状になる壁厚を有する潰れ可能な部分と比較して、より大きい残留流路209を形成する可能性がある。残留流路209を実質的に低減させようとするように、より大きい力F
Aを非患者対向面216に加えることができるが、そうした力は、患者に対する損傷及び/若しくは不快感、並びに/又は潰れ可能な部分への損傷をもたらす可能性がある。
【0510】
図74Cを参照すると、潰れ可能な部分204は、
図74の付属品3800と使用されるように示されている。患者対向面214は、付属品3800の鞍形の座部3832内に着座している。
図74Aの配置と比較して、加えられる力F
Aが患者対向面214のより広い領域にわたって反力F
Rを引き起こすように、潰れ可能な部分204の側部部分207にリブ3818が接触する。特に、反力F
Rは、リブ3818と側部部分207との間の相互作用面211で側部部分207に与えられる。
【0511】
図74Dを参照すると、潰れた形態にあるときの、
図74Cからの潰れ可能な部分204が示されている。
図74Bと比較すると、
図74Dの潰れ可能な部分204は、側部部分207における流路形成の事実が少ないか又はまったくないことが理解されよう。長手方向リブ3818は、側部部分207に反力F
Rを加えており、したがって、
図74Bに示す潰れた形態と比較して、側部部分207においてより完全な潰れを可能にしている。したがって、付属品3800によって達成された
図74Dに示す潰れた形態は、場合により、平坦な裏当て板3870によって達成された
図74Bに示す潰れた形態と比較して、潰れ可能な部分204を通るより低いレベルの残留流を達成することができる。
【0512】
残留流路209は、必ずしも、潰れた形態において潰れ可能な部分204の縁部領域に生じるとは限らず、潰れた潰れ可能な部分204の幅に沿って任意の場所に生じる可能性がある。したがって、付属品3800は、リブ3818が、そうした残留流路209の潰れを容易にするために、座部3832の幅に沿った任意の場所に位置することができるように、構成することができる。こうした場合では、座部3832は鞍形でなくてもよく、他の形状の輪郭を有していてもよい。
【0513】
図75を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品3900が示されている。付属品3900は、付属品3900が、C字型クリップ3902を含む取付構成と、接触要素3920を含む接触部分と、クリップ3902と接触要素3920との間に延在する湾曲した支持部材3904とを含む限りにおいて、
図70に示す付属品3600と構成が同様である。付属品3600とは対照的に、接触要素3920は、潰れ可能な部分の患者対向面に接触するように構成された矩形で平坦な当接面3918を含む。当接面3918及び接触要素3920は、各々、支持部材3904の長手方向軸に対して概して垂直な長手方向軸を有する概して矩形の輪郭を有する。
【0514】
当接面3918は剛性面を提供し、この剛性面に対して、潰れ可能な部分の非患者側が、(例えば、患者マスクのカフによって又はユーザの手によって)加えられる外力によって圧縮され、それにより潰れ可能な部分の潰れが容易になる。接触要素3920は、支持部材3904と接触要素3920との間に角部空洞3928が形成されるように、支持要素から非患者対向方向に延在している。使用中、角部空洞は、潰れ可能な部分の患者側が、潰れて潰れ可能な部分内に曲がりくねった又はよじれた流路を形成するための容積を提供し、それにより、潰れた形態における残留ガス流がさらに減少する。
【0515】
図75aは、患者インタフェース200と使用されている付属品3900を示し、そこでは、潰れ可能な部分204の患者対向面214と支持部材3904との間に空間3929が形成されている。空間3929は、角部空洞3928とともに、支持部材3904と潰れ可能な部分204との間に形成された追加の容積を含む。空間3929は、ガス送達導管内の呼吸ガスの流れ方向に関して、接触要素3920の上流の領域に形成される。潰れ可能な部分204の一セクションが、接触要素3920とクリップ3902との間に(付属品3900によって支持されずに)広がっている。それにより、潰れ可能な部分204は、患者の顔面から持ち上げられるか又は離隔する。
【0516】
加えられる力F
Aは、潰れ可能な部分204の非患者対向面216に加えられる。接触要素3920は、加えられる力F
Aが加えられたときに潰れ可能な部分204が折り曲がる際の中心となり得るピボット点を提供する。加えられる力F
Aは、潰れ可能な部分に二重の曲げモーメントを引き起こすことができる。矢印B1及びB2で示すように、二重の曲げは、接触要素3920の周囲で生じる第1曲げモーメントB1と、クリップ3902及び/又は支持部材3904の湾曲部分3910の内縁部3911の周囲で生じる第2曲げモーメントB2とを含む。潰れ可能な部分を、少なくとも1つの位置(場合によっては2つ以上の位置)で、潰れ、折れ曲がり、又はよじれるようにし、潰れ可能な部分が潰れて空間3929内に入るようにすることができる。
図75aに例示するように、接触部分3920は、加えられるF
Aからオフセットしていてもよい。
【0517】
さらに
図75aを参照すると、この特定の実施形態は、接触要素3920が患者対向面214に接触している状態を示すが、接触要素が潰れ可能な部分に接触しないように付属品3900を位置決めすることもできることが留意される。例えば、接触要素3920は、潰れ可能な部分の下流のガス送達導管の一部に接触することができる。いくつかの実施形態では、接触要素3920は、潰れ可能な部分の上流のガス送達導管の一部と接触することができる。これらの場合では、潰れ可能な部分は、付属品3900によって(少なくとも直接には)完全に支持されない可能性がある。支持されていない潰れ可能な部分204は、ガス送達導管の支持されたセクションの間に広がる可能性がある。それにより、この配置では、支持されていないことによって、折れ曲がるか又は潰れて空間3929内に入ることができる潰れ可能な部分の潰れを容易にすることができる。
【0518】
図76を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4000が示されている。付属品4000は、付属品4000がC字型クリップ4002と、クリップ4002から延在する裏当て板4004とを含む限りにおいて、
図66の付属品3500、
図73の付属品3700、及び
図74の付属品700と同様の構成を有する。裏当て板4004は、予め形成された湾曲部と、直線部分4008とを有する。直線部分4008の非患者対向面4012が、潰れ可能な部分の患者対向面に接触するように構成された細長いリブ4018を含む接触部分を含む。リブ4018は、直線部分4008の長手方向軸と平行に延在する長手方向軸を有する。リブ4018は、テーパ状ではなく、湾曲した又は起伏のある縁部を含む(凸状の断面形状を有する)概してこぶ形状を有することができる。使用時、潰れ可能な部分の患者側は、リブ4018の上で潰される。リブ4018の頂部は剛性面を提供し、これに対して、適用されるマスクカフの力によって潰れ可能な部分の非患者側を圧縮することができる。
【0519】
図77を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4100が示されている。付属品4100は、使用時に、患者の顔面と潰れ可能な部分の患者対向面との間に配置可能な第1レバーアーム4102を含む、底板を含む。一対の同一のヒンジ配置4106(
図77ではそのうちの1つのみが可視)で、第1レバーアーム4102に、第2レバーアーム4104が、ヒンジ式に連結されている。各ヒンジ配置4106は、第2レバーアーム4104から延在し、第1レバーアーム4102上のヒンジ部分4112に形成された対応する開口部4110に受け入れられる、ヒンジピン4108を含む。
【0520】
第1レバーアーム4102及び第2レバーアーム4104の各々は、潰れ可能な部分に力を集中させるためのリブ4118を含む接触部分を含む。第2レバーアーム4104は、潰れ可能な部分を受け入れるように構成された開口部4114を含み、それにより、使用時、潰れ可能な部分は、開口部を貫通して延在し、第1レバーアーム4102と第2レバーアーム4104との間に位置する。代替実施形態では、第1レベルアーム4102は、潰れ可能な部分を受け入れるように構成された開口部4114を含み、それにより、使用時、潰れ可能な部分は、開口部を貫通して延在し、第1レバーアーム4102と第2レバーアーム4104との間に位置する。
【0521】
第2レバーアーム4104の遠位端が、患者の顔に適用されたバッグマスクから加えられる力を受けるための力作用部分4120を提供する。力作用部分は、力が加えられる作用面4122を含み、そこでは、第2レバーアーム4104は、ヒンジ配置4106を中心に第1レバーアーム4102に向かって回転して、潰れ可能な部分が、第1レバーアーム4102及び第2レバーアーム4104のリブ4118の間に締め付けられ圧搾されるようにする。
【0522】
第2レバーアーム4104のリブ4118は、付属品4100が第2クラスのレバー構成、すなわち「ナットクラッカー」レバー構成を含むように、作用面4122とヒンジ配置4106との間に位置決めされる。したがって、リブ4118において潰れ可能な部分に提供される力は、作用面4122に加えられる力の増幅である。力の増幅の程度は、レバーアームの特定の構成、特に、作用面4122と第2レバーアーム4104上のリブ4118との間の距離によって決まる。第2レバーアーム4104上のリブ4118と作用面4122との間の距離が大きいほど、力の増幅の程度が大きくなることが理解されよう。例えば、力の増幅の程度は、リブ4118をヒンジ配置4106により近く位置決めすること、及び/又は、作用面4122とリブ4118との間の距離が大きくなるように第2レバーアーム4104の長さを長くすることによって、大きくすることができる。
【0523】
図78を参照すると、
図77に示す実施形態の変更形態が示されている。
図78は付属品4200を示し、この付属品4200は、
図77の付属品4100と同様の構成を有するが、付属品4100の囲まれた開口部1014とは対照的に、付属品4200の開口部4214が側面開放開口部であることが異なる。側面開放開口部4214は、第2レバーアーム4204の近位端において端部が開放しており、したがって、潰れていない形態にあるとき、潰れ可能な部分が、障害がより少なく開口部4214を貫通して延在するのを可能にすることができる。さらに、付属品4200の端部開放開口部4214により、開口部を通して潰れ可能な部分を送り込むために患者インタフェースを切り離す必要なしに、第2レバーアームを潰れ可能な部分に取り付けることが可能になる。
【0524】
付属品4200はまた、付属品4200のヒンジ配置4206が、ヒンジピン4208がヒンジ部分4212に形成されたピン凹部4210にスナップフィットで固定される開放形態を有するという点で、付属品4100と異なる。この構成により、第2レバーアーム4204を第1レバーアーム4202から切り離し、その後、ヒンジピン4208を凹部4200にスナップフィットで固定することにより再度連結することができる。使用時、付属品4200は、患者インタフェースの動作中、第1レバーアーム4202が患者の顔面と潰れ可能な部分の患者対向面との間に位置するように、第1レバーアーム4202及び第2レバーアーム4204を互いから一時的に切り離すことによって、ガス送達導管に取り付けることができる。次いで、第2レバーアーム4204を、端部開放開口部4214内に受け入れられるガス送達導管上に嵌め込み、次いで、ヒンジ配置4206において第1レバーアーム4202と合わせてスナップフィットで固定することができる。付属品4200を、動作可能な患者インタフェース上に連結し、その後、潰れ可能な部分がリブ4218の間に位置するまでガス送達導管に沿って摺動させることができる。この構成により、必要な場合は、付属品を患者インタフェースから好都合に取り外すことも可能である。
【0525】
図77の付属品4100及び
図78の付属品4200は、リブ4218よりもヒンジから離れた位置に荷重が加えられたときに、加えられた荷重の力を増幅することができるレバー構成を提供することが理解されよう。力がヒンジからリブと同じ距離で第2レバーアームに加えられる代替的な使用例(又は付属品の代替的な構成)もあり得る。こうした場合、加えられる力の増幅はなくてもよい。しかしながら、それでもなお、付属品は依然として、潰れ可能な部分の両側に力を与える(さらにリブに集中させる)締付機構として機能する。付属品はまた依然として、加えられる力を集中させる(それによって圧力を上昇させる)リブ4118を介して、加えられる力を提供する。この構成によれば、付属品は依然として、潰れ可能な部分の潰れを容易にする。
【0526】
図79及び
図80を参照すると、本開示の別の実施形態が示されている。付属品4300は、底板4302と、ピボット4306において底板4302に枢結されたピボットアーム4304とを含む。潰れ可能な部分は、底板4302とピボットアーム4304との間に位置し、潰れ可能な部分204は、
図79及び
図80では可視ではないが、
図77及び
図78に示す開口部4114及び4214と類似又は同等であり得る、ピボットアーム4304の開口部を貫通して延在している。
【0527】
図79に示すように、潰れ可能な部分204の患者対向面214は、底板4302の上に重なるとともに底板4302と接触している。リブ4318は、潰れ可能な部分204の非患者対向面216上に載っている。潰れ可能な部分の弾性は、ピボットアーム4304を
図79に示す開放形態で支持及び維持するのに十分である。
【0528】
図80を参照すると、バッグマスクカフ304からピボットアーム4304への加えられる力F
Aの作用は、潰れ可能な部分204の弾性に打ち勝ち、ピボットアームを矢印Aによって示す時計回り方向に底板4302に向かって回転させるのに十分である。リブ4318は、マスクカフ304の加えられる力F
Aを非患者対向面216上の比較的小さい領域に集中させ、それにより、マスクカフ304によってピボットアーム4304に加えられた場合よりも高い圧力を潰れ可能な部分に加える。特に、ピボットアーム4304の一セクションに沿って広がる、加えられるF
Aは、リブ4318において集中し、潰れ可能な部分204に加えられる潰し力F
Cになる。潰し力F
Cは、底板4302によって患者対向面214に加えられる同等の反力F
Rを生じさせる。
図80に示すように、潰れ可能な部分は、リブ4318と底板4302との間に締め付けられ、潰れ可能な部分内に閉塞部を形成し、内腔205内の呼吸ガス経路を閉塞する。
【0529】
図80に示すように、加えられる力F
Aは、ピボットアーム4304の遠位端に沿って加えられる。加えられる力F
Aは、UDL荷重(等分布荷重)又はUVL荷重(等変分布荷重)であってもよく、又は点荷重であってもよい。加えられる力F
Aは、平均して、リブ4318からピボット4306までよりもピボット4306から離れた位置に加えられる。したがって、リブによって加えられる潰し力F
Cは、加えられる力F
Aの増幅である。
【0530】
いくつかの実施形態では、底板4302は、本開示の上記で考察した実施形態のうちの1つの裏当て板によって提供することができる。簡単に
図73に戻ると、一対のヒンジピン3708が、裏当て板3704の側縁部から延在している。ヒンジピン3708は、
図79を参照して記載したピボットアーム4304等のピボットアームが、
図73に示す裏当て板3704に連結されるのを可能にする。
【0531】
潰れ可能な部分の潰れを容易にするように意図された付属品の以前の実施形態は、本出願人の国際特許出願PCT/IB2019/051137号明細書に開示されていた。その開示の
図25A~
図25Fは、リング215を図示しており、このリング215は、導管の周りに延在し、導管を挟み込むか又はよじらせるためにリング215に力が加えられると傾くか又は回転するように構成されている。この概念を改良し、
図81~
図84に示す有利な改良を展開した。
図81~
図84を参照すると、本開示のさらなる実施形態による付属品4400が示されている。付属品4400は、裏当て板とピボット部材アセンブリとを備える。特に、付属品4400は、
図66に示す付属品3500と同様の裏当て板4404を含むが、裏当て板4404の患者対向側4414に位置するピボット部材凹部4406も含む。ピボット部材凹部4406は、ピボット部材を受け入れるとともにピボット部材と係合し、裏当て板4404に対するピボット部材の枢動を可能にするように構成されている。ピボット部材は、スナップフィット連結を介してピボット部材凹部4406に係合可能であり得る。ピボット部材は、1回限り又は取外し可能な連結を介して、ピボット部材凹部4406と係合可能であってもよい。
【0532】
図81に示す実施形態では、ピボット部材は、リング凹部4406内に着座するように構成されたピボットリング4430を含む。ピボットリング4430は中央開口部4415を含み、中央開口部4415は、潰れ可能な部分がそこを貫通して延在するように構成されている。ピボットリング4430は、一対の直線セクション4434によって連結された一対の半円形セクション4432を含む。
【0533】
図82は、ピボットリング4430の代わりにピボットアーム4480を含む代替的なピボット部材を含み、ピボットアーム4480もまた、付属品4400の裏当て板4404と使用することができる。ピボットアーム4480は、一対の円筒状バー4484の間に延在する一対のサイド部材4482を備える。バー4484は、サイド部材4482の長さだけ互いに離隔している。ピボットアーム4480は中央開口部4486を含む。
【0534】
図83及び
図84は、裏当て板4404及びピボットリング4430を備えた、
図81に示すアセンブリの動作を示す。
図83に示すように、潰れ可能な部分204は、開口部4415を貫通して延在しており、潰れ可能な部分204の患者側224は、裏当て板4404の上に重なっている。ピボットリング4430の患者側4432は、裏当て板4404に対するピボットリング4430の枢動を可能にするように、凹部4406に受け入れられて枢動可能に係合している。
図83は、ピボットリング4430の非患者側4434が潰れ可能な部分の非患者側226上に載っている、潰れていない形態を示す。
【0535】
図84は、マスクカフ304がピボットリング4430の非患者側4434に押し下げられて、ピボットリング4430の裏当て板4404に向かう(
図82及び
図84の視点から見て)反時計回りの回転を引き起こし、潰れ可能な部分204の非患者側226の潰れを引き起こす、潰れた形態を示す。潰れ可能な部分204は、ピボットリング4430と裏当て板4404との間に締め付けられて挟み込まれ、潰れ可能な部分204の内腔205内に閉塞部を形成している。
【0536】
図83及び
図84は、裏当て板4404とピボットリング4430とアセンブリを使用する付属品4400の動作を示すが、付属品4400は、裏当て板4404とピボットアーム4480とのアセンブリを備えることもできることが理解されよう。この構成では、バー4484のうちの第1バーが、裏当て板4404に対するピボットアーム4480の枢動を可能にするように、凹部4406に受け入れられて係合する。潰れ可能な部分204は、ピボットアーム4480の中央開口部4486を貫通して延在し、バー4484のうちの第2バーが、潰れ可能な部分204の非患者対向側226に載る。
【0537】
代替実施形態(図示せず)では、ピボットアーム4480の変形は、単一のサイド部材4482のみを含み、一対の円筒状バー4484と単一のサイド部材4482とがU字型を形成するようになっている。
【0538】
裏当て板4404とピボットリング4430との組合せは、本出願人の先の特許出願PCT/IB2019/051137号明細書に開示されたリング215に対して著しい改善をもたらす。特に、裏当て板4403は、リング4430が所望の位置に適切に配置されるのを可能にする。さらに、凹部4406は、ピボットリング4430の改善された回転運動を提供し、これにより、使用中に達成される潰れがさらに増強される。
【0539】
図84A~
図84Dを参照すると、本開示による付属品の4つの代替実施形態が示されている。これらの実施形態は、付属品4400によって提供され、
図81、
図83及び
図84に示す、動作概念の変更形態である。
【0540】
図84Aは、裏当て板4404Aが付属品4400の裏当て板4404と同等であるが、ピボットリングが、
図81に示す楕円形状のピボットリング4430とは対照的に、D字型のリング4430Aを含む、付属品4400Aを示す。D字型リング4430Aは、直線部分4403Aと、直線部分から延在するU字型部分4407Aとを含み、それらがまとまってD字型を形成する。直線部分4403Aは、ピボット部材凹部4406A内に受け入れられ、使用時、凹部4406A内で回転して、裏当て板4404Aに対するD字型リング4430Aの枢動を可能にする。
【0541】
図84Bは、裏当て板4404B及びピボット部材4430Bを備える付属品4400Bを示す。ピボット部材4430Bは、4つの円筒状部材で形成された正方形の構成を有し、4つの円筒状部材は、頂部部材4483Bと、裏当て板4404Bの下側のピボット部材凹部4406Bに位置する底部部材4484Bとの間に延在する、一対の側部部材4482Bを含む。ピボット部材4430Bは中央開口部4415Bを含む。使用時、ガス送達導管の潰れ可能な部分が、開口部4415Bを貫通して延在する。
【0542】
裏当て板4404Bは、
図81及び
図84に示されている裏当て板4404と構成が同等であるが、
図81に示す裏当て板4404の接触面4412と比較して拡大された接触面4412Bを提供する、側部突起4401Bを含むことが異なる。側部突起4401Bは、潰れ可能な部分の長手方向側部部分が適切に支持され、裏当て板4404Bの側縁部の上に折り曲げられないことを確実にすることによって、潰れ可能な部分の潰れをさらに容易にすることができる。
【0543】
さらに、側部突起4401Bの外縁部間の距離D1は、側部部材4482Bの内縁部間の距離D2よりも大きい。したがって、付属品4400Bが患者インタフェースに取り付けられていないとき、ピボットアーム4430Bの接触面4412Bに向かう枢動により、側部部材4482Bと側部突起4401Bとが接触する。使用時、付属品4400Bが患者インタフェースに取り付けられ、ガス送達導管の潰れ可能な部分が開口部4415Bを貫通して延在するとき、接触面4412Bに向かうピボットアーム4430Bの枢動により、潰れ可能な部分がピボット部材4430Bと接触面4412Bとの間に挟み込まれる。特に、潰れ可能な部分の長手方向の側部部分(例えば、
図84A~
図84Dに示す側部部分207)は、側部突起4401Bと側部部材4482Bとの間に挟み込まれる可能性がある。それにより、付属品4400Bは、潰れ可能な部分の長手方向側部部分における長手方向流路の形成を最小限にし、さらに、潰れた形態にあるときに潰れ可能な部分を通る残留流をさらに減少させることができる。
【0544】
図84Cを参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4400Cが示されている。付属品4400Cは、付属品4400Aの構成と同様であるが、付属品4400Cが接触部分4420Cを含む変更された裏当て板4404Cを含むことが異なる。接触部分4420Cは、裏当て板4404Cの長手方向軸に対して垂直に向けられた一対の細長いリブ4418Cを含む。リブ4418Cは、その長さ方向において裏当て板4404Cの幅よりも長い。したがって、リブ4418Cは、裏当て板4404Cの長手方向縁部4405Cを越えて延在している。一対のリブ4418Cは、ピボット部材4430Cが裏当て板4404Cに向かって枢動したときに、ピボット部材4430Cの頂部部材4483Cがリブ4418Cの間の凹部4421Cに着座可能であるように、ピボットアーム4430Cに対して位置決めされている。したがって、凹部4421Cは、頂部部材4483Cの弓形経路内に位置決めされる。使用時、潰れ可能な部分の一部は、凹部4421Cと頂部部材4483Cとの間に挟み込まれる。
【0545】
この構成は、潰れ可能な部分の一部がよじれるか又は折れ曲がって凹部4421C内に入るように付勢することができる。この構成はまた、潰れ可能な部分が、第1に、頂部部材4483Cとリブ4418Cのうちの第1リブとの間で挟み込まれ、第2に、頂部部材4483Cとリブ4418Cのうちの第2リブとの間で挟み込まれるという点で、2つの挟み込み点を提供することができる。接触部分4420Cは、潰れ可能な部分がリブ4418Cとピボット部材4430Cの頂部部材4483Cとの間に挟み込まれたときに、潰れ可能な部分の患者対向面に潰れ位置で接触し、それにより、潰れ可能な部分の潰れを容易にするように構成されている。
【0546】
図84Dを参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4400Dが示されている。付属品4400Dは、
図84Cの付属品4400Cと構成が同様であるが、接触部分4420Dが、
図84Cの接触部分4420Cの二重リブ構成の代わりに単一リブ4418Dを含むことが異なる。単一のリブ4418Dは、ピボットアーム4430Dの頂部部材4483Dの弓形経路内に位置決めされる。接触部分4420Dに向かうピボットアームの動きにより、頂部部材4483Dとリブ4418Dの頂部とが接触する。その結果、使用時、潰れ可能な部分は、頂部部材4483Dとリブ4418Dとの間に挟み込まれる。それにより、この挟み込み点は、使用時に、付属品4400Dが潰れ可能な部分の潰れを引き起こすことができる潰れ位置を画定する。
【0547】
図81、
図83及び
図84に示す付属品4400と同様に、
図84A~
図84Dに示す各付属品について、特許インタフェースのガス送達導管は、ピボット部材4430A~4430Dの中央開口部を貫通して延在し、裏当て板4403A~4403Dの上に重なることが理解されよう。外力、例えば、頂部部材4483A~4483Dに接触している、患者の顔面に適用されているバッグマスクからの外力により、ピボット部材4430A~4430Dがピボットアーム凹部内で回転し、潰れ可能な部分が頂部部材4483A~4483Dと裏当て板4404A~4404Dとの間に挟み込まれ、それにより、潰れ可能な部分の潰れが容易になる。
【0548】
図85及び
図86を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4500が示されている。付属品4500は、第1レバーアーム4502及び第2レバーアーム4504が支点4506の両側で延在している、「シーソー」構成を有する剛性のある一部品構成要素を含む。第1レバーアーム4502と第2レバーアーム4504は、概してV字型を形成するように互いに対して角度が付けられている。
【0549】
第1レバーアーム4502は、支点4506から外向きに延在するC字型部材を含む。第1レバーアーム4502は、付属品の潰れ可能な部分への取付けを可能にする取付け構成を提供する開口部4514を画定している。特に、開口部4514は、使用時、潰れ可能な部分204がそこを貫通して延在するように構成されている。
【0550】
第2レバーアーム4504は、支点4506から延在する細長いバー4508と、細長いバー4508の遠位端にある円筒状バー4510とを含む。円筒状バー4510は、細長いバー4508の長手方向軸に垂直な長手方向軸を有する。第1レバーアーム4502及び第2レバーアーム4504の長手方向軸間の角度αは、第1及び第2レバーアームの長さ又は他の構成によって決まる可能性がある。特定の実施形態によれば、角度αは鈍角、すなわち90~180°である。
【0551】
第1レバーアーム4502は長手方向軸A1を有する。第2レバーアーム4504は、長手方向軸A1を有する。支点は、第1レバーアーム4502及び第2レバーアーム4504の相互作用面に沿って、長手方向軸A1、A2に対して垂直に延在する剛性の角部4506を含む。角部4506は、傾斜縁部を提供し、回転軸ARを画定し、角部4506が表面上に位置するとき、第1レバーアーム4502及び第2レバーアーム4504はこの回転軸ARを中心に回転することができる。
【0552】
第1レバーアーム4502は、角部4506と概して平行に延在する接触セクション4503を含む。接触セクション4503及び円筒状バー4510は、
図86を参照して後にさらに詳細に考察するように、潰れ可能な部分に潰し力を加えるように構成された一対の別個の接触部分を提供する。接触セクション4503及び円筒状バー4510は、角部4506から不等間隔で配置することができる。
図85に示すように、円筒状バー4510は、回転軸A
Rから距離L2だけ離隔することができ、接触セクション4503は、回転軸A
Rから距離L1だけ離隔することができる。特定の実施形態によれば、距離L1は距離L2よりも小さい。すなわち、接触セクション4503は、円筒状バー4510が回転軸Aに対して間隔が空けられているよりも、回転軸A
Rに近いように間隔をあけて配置されている。
【0553】
図86は、患者インタフェース200に嵌められた付属品4500を示す。潰れ可能な部分204は、第1レバーアーム4502の開口部4514を貫通して延在している。第2レバーアーム4504は、潰れ可能な部分204の患者対向面214と接触しており、使用時、患者の顔面と患者対向面214との間に位置する。
図86は、付属品4500が潰れ可能な部分204に嵌められているが、付属品に外力が加えられていない、潰れていない形態を示す。したがって、第2レバーアーム4504は、患者の顔等の支持面(図示せず)上に又は任意選択的な裏当て板上で静止している。第1レバーアーム4502の接触部分4503は、潰れ可能な部分204の非患者対向面216上で静止している。
【0554】
使用時、バッグマスクからの力等の力の作用が、第1レバーアーム4502の接触部分4503に、患者の顔面に向かう方向に加えられる。加えられる力により、付属品4500は角部4506を中心に枢動し、患者の顔面から離れる方向及び潰れ可能な部分204に向かう方向への第2レバーアーム4504の動きを引き起こす。第2レバーアーム4504の動きにより、円筒状バー4510が潰れ可能な部分204の患者対向面214に押し付けられる。同時に、付属品4500の枢動により、第1レバーアーム4502の接触部分4503が、潰れ可能な部分204の非患者対向面216に押し付けられる。したがって、潰れ可能な部分204は、接触部分4503及び円筒状バー4510それぞれによって、少なくとも2つの別個の離隔した位置で、2つの異なる方向に潰れる。
【0555】
図86aは、
図86の配置の側面図であり、回転運動と関連する力とが示されている。加えられる力F
Aが、第1レバーアーム4502に加えられ、円筒状バー4510が患者対向面214に力F
Bを与えるように、角部4506を中心とする時計回り方向の回転Rが引き起こされる。このように、加えられる力F
Aは、潰れ可能な部分204の反対側でバー4510に伝えられ、加えられる力F
Aの結果として第1レバーアーム4502の下で生じる潰れに加えて、バー4510の位置での強制的な潰れを促進する。
【0556】
図87を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4600が示されている。付属品4600は、第1円筒状バー4618及び第2円筒状バー4620を含む一対の接触部分を含む。
図87に示す観点では、第1円筒状バーは第2円筒状バーの上方に向けられ、そのため、以下、第1円筒状バーを上側バー4618と称し、第2円筒状バーを下側バー4620と称する。
【0557】
上側バー4618及び下側バー4620は、4つの柔軟に弾力性のあるリンク機構4606を含む付勢配置によって、離隔した関係で互いに連結されている。リンク機構4606は、常時非直線状の構造を有し、特に、V字型の構成を有する。代替実施形態では、リンク機構はC字型又はU字型の構成を有していてもよい。リンク機構4606は、各々、角部4640で連結された上側部分4640と下側部分4642とを含む。上側部分4640は、上側バー4618と角部4640との間に延在している。下側部分4642は、角部4640と下側バー4620との間に延在している。
図87に示すように、上側部分4640は、上側バー4618の両側から延在しており、下側部分は、下側バー4620の両側から延在している。リンク機構4606は、上側バー4618及び下側バー4620の両端部に隣接して上側バー4618及び下側バー4620に連結している。
図87から見られるように、上側バー4618及び下側バー4620の各端部におけるV字型のリンク機構4606の各対は、菱形の構成を形成している。
【0558】
リンク機構4606は、上側バー4618及び下側バー4620が、潰れ可能な部分204の厚さにほぼ対応する距離だけ常時離隔するような、
図87に示す通常形態を有する。加えられる外力が上側バー4618及び下側バー4620を代替的な間隔に移動させるとき、リンク機構4606の弾性により、上側バー4618及び下側バー4620が通常形態の間隔に戻るように付勢される。上側バー4618と下側バー4620と間の間隔は、使用時、潰れ可能な部分204が挿入される開口部4646を画定する。開口部4646は、囲まれた開口部を画定するように、上側バー4618及び下側バー4620により、且つリンク機構4606により、境界が画定される。
図87から理解されるように、付属品は、X平面、Y平面及びZ平面にわたって対称である。
【0559】
図88を参照すると、付属品4600は、潰れ可能な部分204が開口部4646を貫通して延在することによって、潰れ可能な部分204に取り付けられている。上側バー4618は、潰れ可能な部分204の非患者対向面216の上に重なるとともに、それに接触している。下側バー4620は、潰れ可能な部分204の患者対向面214の下にあるとともに、それに接触している。
図88は、潰れ可能な部分204が開放し、妨げられておらず、付属品4600がその通常の(すなわち静止した)形態にある、潰れていない形態を示す。
【0560】
図89は、患者マスクカフ304から加えられる力が上側バー4618に押し付けられて、リンク機構4606が弾性変形し、上側バー4618が下側バー4620に向かって移動する、付属品4600の使用中の図を示す。開口部4646を貫通して延在する潰れ可能な部分のセクションは、潰され、上側バー4618と下側バー4620との間に挟み込まれる。したがって、上側バー4618及び下側バー4620は、潰れ可能な部分の潰れを容易にする締付部材として作用することができる。上側バー4618及び下側バー4620は、使用時、互いに押されて、非患者対向面216及び患者対向面214において潰れ可能な部分204の表面上に2つの局所的な圧力点を形成する。上側バー4618及び下側バー4620は(
図89に示すように)同一平面に沿って位置合わせすることができる。別法として、バーは互いにオフセットして、それにより、挟み込みが生じたときに潰れ可能な部分に曲がりくねった経路を形成することができる。潰れ可能な部分に接触するバーの部分は、荷重を集中させ、それにより圧力を増幅するように、縁部(例えば、テーパ状縁部)を有するように構成することができる。
【0561】
上側バー4618及び下側バー4620の直径は、相対的に小さく、特に、マスクカフ304の幅よりも小さい。それにより、マスクカフ304からの力は、上側バー4618及び下側バー4620において潰れ可能な部分204に集中し、その結果、マスクカフ304によって加えられる圧力よりも大きい圧力が潰れ可能な部分204に与えられる。
図89に示すように、潰れた形態では、患者対向面214は、下側バー4620に部分的に巻き付くか又はその周りで湾曲することができ、非患者対向面216は、上側バー4618に部分的に巻き付くか又はその周りで湾曲することができる。
【0562】
マスクカフ304によって加えられた荷重が解除されると、リンク機構4606の弾性によって、付属品4600が
図87及び
図28に示す通常形態に戻るように付勢される。潰れ可能な部分204の弾性及び/又は潰れ可能な部分204を通して提供される呼吸気流の圧力により、一部には、潰れ可能な部分204を、
図88に示す潰れていない形態に戻すことができる。付属品4600の代替実施形態(図示せず)によれば、付属品は、付属品を適切な位置に配置するために、潰れ可能な部分とガス経路コネクタとの間の患者インタフェースの上に取り付けられるクリップ及びアーム構成を含むことができる。
【0563】
リンク機構4606の弾性は、材料及び/又は形状による場合がある。付属品4600は、複数の材料で形成してもよく、それにより、付属品の異なる部分は、その部分の所望の特性に寄与する材料で形成される。例えば、リンク機構4606は、それらの柔軟に弾力的な機能を可能にするように弾性材料で形成されてもよく、一方、上側バー4618及び下側バー4620は、剛性材料で形成してもよい。
【0564】
図90及び
図91は、
図87~
図89に示す付属品4600の変更形態を示す。
図90は、4つの弾力性のある可撓性のV字型のリンク機構4706によって連結されるとともに互いに離隔している上側バー4718及び下側バー4720を含むという点で、付属品4600と構成が同様である付属品4700を示す。付属品4600では、可撓性リンク機構が、上側バー4618の上部と下側バー4620の下部とに連結しているという点で、付属品4700は属品4600と異なる。付属品4600とは対照的に、
図90に示すように、付属品4700のリンク機構4706は、上側バー4718の下部4718bと下側バー4720の上部4720aとに連結している。したがって、リンク機構4706と上側バー4718及び下側バー4720との間の連結部は、付属品4600の連結部と比較してさらに内側に位置決めされる。その結果、上側バー4718の上部4718a及び下側バー4720の下部4720bは、付属品4600と比較して、上方向及び下方向にさらに突出する。
【0565】
図91は、付属品4700と構成が同様であるが、下側バーが二重円筒構成4820を含む、付属品4800を示す。二重円筒構成は、潰れ可能な部分の患者対向側の一部を受けるように構成され、且つ/又は上側バー4818の一部を受けるように構成されたトラフ4821によって離隔した、一対の湾曲した締付面4823を含む。潰れた形態では、上側バー4818は、トラフ4821に向かって移動し、トラフ4821内に着座することができる。この構成は、有利には、潰れ可能な部分が挟み込まれるか又は締め付けられて閉鎖される、いくつかの挟み込み点を提供することができる。これらには、上側バー4818と2つの湾曲した締付面4823の各々との間の別個の点と、上側バー4818とトラフ4821との間の挟み込み点とが含まれる。潰れた形態では、付属品4800によって提供される複数の挟み込み点は、潰れ可能な部分の内腔を操作して、残留流量を低下させるために流れ抵抗をさらに上昇させる、曲がりくねった又はよじれた経路になるようにするのに役立つことができる。付属品4800は、二重円筒構成4820が「上側」バーであり、バー4818が「下側」バーであるように反転させることができる。付属品4800の変形例では、上側バー及び下側バーの両方が、二重円筒構成4820を含む。
【0566】
図92~
図94を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品4900が示されている。付属品4900は、上側締付板4918及び下側締付板4920を含む一対の締付板を含む。上側締付板4918及び下側締付板4920は、
図87~
図89を参照して上記で考察したリンク機構4606と構成が同様である、4つの柔軟に弾力的なV字型リンク機構4906によって、離隔した関係で連結されている。弾性リンク機構4906は、まとまって、
図92及び
図93に示す常時離隔形態で上側締付板4918及び下側締付板4920を保持する、付勢構成を提供する。締付板4918、4920は、輪郭が矩形であるが、他の形状の輪郭も有することができる。上側締付板4918は、非患者対向面4918a及び患者対向面4918bを含む。下側締付板4920は、非患者対向面4918a及び患者対向面4918bを含む。
【0567】
上側締付板4918は、患者対向面4918b上に複数のリブを含む集中構造4930を含む。下側締付板4920は、非患者対向面4920a上に同等の集中構造4930を含む。いくつかの実施形態では、上側締付板4918又は下側締付板4920のうちの一方のみが集中構造4930を含む。対向する締付板4918と締付板4920との間の空隙は、リンク機構4906によって境界が画定され、潰れ可能な部分が貫通して延在するように構成された開口部4946を画定している。代替実施形態(図示せず)では、集中構造4930は、潰れた形態において複数の曲がりくねった経路を形成する一連の歯等の一連の別個の突起を含む。
【0568】
図94を参照すると、付属品4900は、付属品4900が潰れ可能な部分204に取り付けられるように、開口部4946を貫通して延在する潰れ可能な部分204に嵌められている。上側締付板4918の集中構造4930は、潰れ可能な部分204の非患者対向面216に面するとともに、それと接触している。下側締付板4920の集中構造4930は、潰れ可能な部分204の患者対向面214に面するとともに、それと接触している。
図94は、潰れていない形態を示し、ここでは、付属品4900は通常の、すなわち静止した形態にある。
【0569】
図94は潰れた形態を示し、そこでは、上側締付板4918の非患者対向面4918aに対するバッグマスクカフ304の加えられる力が、付属品4900を、その通常形態から締付形態になるように弾性変形させており、この形態では、上側締付板4918が下側締付板4920に向かって移動し、それにより対向する集中構造4930の間に潰れ可能な部分204を締め付けている。集中構造4930の複数のリブは、加えられる力が潰れ可能な部分204に集中される一連の挟み込み点を提供する。
図34に示すように、対向する集中構造4930は、潰れ可能な部分204の内腔を操作して、一連の曲げ部及び/又はねじれ部及び/又は挟み部点を含む曲がりくねった経路にする。
【0570】
マスクカフ304から加えられた力が解除されると、リンク機構4906の弾性、潰れ可能な部分204の弾性、及び/又は潰れ可能な部分204を通して提供される呼吸気流の圧力によって、付属品4900が
図92及び
図93に示す通常形態に戻るように付勢される。
【0571】
特定の実施形態によれば、対向する集中構造4930は、集中構造4930のうちの一方のリブのピークが対向する集中構造のトラフと受け入れられるように位置合わせされるように構成することができる。例えば、
図34を参照すると、上側締付板4918のピーク4931は、下側締付板4920のトラフ4933と位置合わせされている。いくつかの実施形態では、上側締付板4918のピークは、下側締付板4920のピークと位置合わせされる。
【0572】
図95を参照すると、付属品5000が上側締付板5018及び下側締付板5020を含み、各締付板が複数のリブを含む集中構造5030を含むという点で、付属品4900と構成が同様の付属品5000が示されている。いくつかの実施形態では、上側及び下側締付板は、サイズ及び/又は形状が異なる。付属品5000は、付属品5000がV字型リンク機構4906の代わりに線形リンク機構5006を含むという点で、付属品4900と異なる。線形リンク機構5006は、まとまって、
図95及び
図96に示す常時離隔形態で上側締付板5018及び下側締付板5020を保持する付勢構成を提供する。付属品5000は、
図66に示す裏当て板3504のような裏当て板と協働するようにも構成されている。特に、下側締付板5020は、内部空隙5072に通じる開口部5070を有するように構成されている。内部空隙は、付属品3500の裏当て板3504の一部を受けるようなサイズ及び形状で構成されている。空隙5072はまた、付属品3500に関して示す正確な構成以外の裏当て板を受けるように構成することもできることが理解されよう。いくつかの実施形態では、下側締付板5020は、内部空隙5072を介して裏当て板と取外し可能に係合可能である。
【0573】
付属品5000は、下側締付板5020から延在する湾曲部分5074をさらに含む。湾曲部分は、裏当て板3504が開口部5070に挿入されたときに、裏当て板3504の湾曲部分3510に適合して入れ子になるように構成されている。いくつかの実施形態では、湾曲部分5074は、軟質である、柔軟に弾力性のある材料で形成され、剛性の裏当て板3504と患者の顔面との間のクッションとして作用することができる。
【0574】
図96は、付属品3500と協働する付属品5000示し、付属品5000及び付属品3500の各々はまた患者インタフェース200に取り付けられている。付属品3500は、C字型クリップ3502を介して、前述で考察した方法でガス送達導管202に連結されている。付属品5000は、付属品4900に関して上記で考察した方法で潰れ可能な部分204に取り付けられており、潰れ可能な部分204は、上側締付板5018と下側締付板5020との間及びリンク機構5006の間の付属品5000の開口部を貫通して延在している。
【0575】
図96に示すように、付属品3500及び付属品5000のアセンブリ及び協働により、ガス導管202への2つの別個の取付けがあることによって、患者インタフェース200への頑強な取付けが可能になる。さらに、各付属品3500及び5000によって提供される個々の利点が協働して、全体的な性能を向上させることができる。例えば、裏当て板3504は、加えられる力の圧力から患者の顔面を遮蔽する剛性の支持表面を提供するように動作することができる。裏当て板3504は、加えられる力が押し付けられる剛性の支持面も提供し、それにより潰れを容易にすることができる。同時に、付属品5000は、対向する締付板5018、5020がともに圧縮されて対向する集中構造5030の間で潰れ可能な部分を挟み込むことによって、付属品3500のみによって提供されるものよりも、潰れ可能な部分204の改良された潰れを容易にすることができる。
【0576】
付属品3500及び付属品5000の協働する組合せは、異なる材料特性を有する異なる材料の好都合な使用も可能にすることができる。このように、さまざまな材料特性を有利に利用することができるが、各付属品が単一の材料で形成されることも可能である。例えば、付属品3500は、剛性支持を提供し、外力が加えられたときに応答する比較的剛性の高い材料で形成することができる。したがって、付属品3500は、製造効率を向上させ、コストを削減する単一の剛性材料で形成することができる。同様に、付属品5000は、柔軟に弾力性のある単一の材料で形成することができる。すなわち、上側締付部材5018及び下側締付部材5020は、可撓性リンク機構5006と同じ材料で形成することができる。2つの付属品の各々に単一の材料を使用することにより、製造工程が簡略化される限りにおいて、物品の品質を向上させるだけでなく、製造コストを削減及び簡略化することができる。他の実施形態では、付属品は、付属品の一部又はすべてを異なる材料から作製するようにオーバーモールドを用いて製造してもよい。
【0577】
【0578】
図97は、弾性管状部分5106を含む弾性付勢構成によって連結され、常時離隔している上側締付部材5118及び下側締付部材5120を含む、一対の潰れ可能な締付部材を含む付属品5100を示す。管状部分5106は、使用時、潰れ可能な部分が受け入れられ、貫通して延在する、開口部5146を含む。管状部分の内面は、開口部5146を取り囲み、使用時に潰れ可能な部分に力を集中させる複数のリブを含む、集中構造5130を含む。
【0579】
下側締付部材5120は、下側締付部材5120の内部の内部空隙(図示せず)に通じる開口部5170を含む首部5171を含む。首部5171は、付属品3500の裏当て板3504の予め形成された湾曲に対応する予め形成された湾曲を含む。内部空隙及び開口部5170は、付属品3500の裏当て板3504の遠位端を受けるように構成されている。使用時、裏当て板3504の遠位端(すなわちクリップ3502とは反対側の端部)は、付属品5100が裏当て板3504の上に嵌め込まれるように開口部5170を通して挿入される。下側締付部材5120は、内部空隙内で裏当て板3504を配置するのに役立つように、湾曲した首部5171の弾性変形を可能にする弾力性のある材料で形成することができる。
【0580】
使用時、
図97の付属品5100は、
図96に示す付属品5000及び裏当て板3504のアセンブリと同様に、裏当て板3504と協働して嵌め合わされる。適用されるバッグマスクからの力等の外部から加えられる力は、下側締付部材5120に向かって圧縮される上側締付部材5118に接触する。集中構造5130のリブは、加えられた荷重を患者インタフェースの潰れ可能な部分に集中させ、
図34に示す潰れた形態と同様に、潰れ可能な部分の潰れを容易にする。加えられた外力が解除されたとき、管状部分5106の弾性、潰れ可能な部分204の弾性、及び/又は潰れ可能な部分204を通して提供される呼吸気流の圧力により、上側締付部材5118及び下側締付部材5120が、潰れ可能な部分の潰れていない形態に対応する、
図97に示すそれらの常時離隔形態に戻るように付勢される。
【0581】
図98を参照すると、付属品3500と協働して使用されるように構成された付属品5000及び5100の別の代替形態を提供する付属品5200が示されている。付属品5200は、円筒状部分を含む上側締付部材5218と、付属品3500の裏当て板3504の遠位端を受けるように構成された内部空隙に通じる開口部5270を有する底板を含む下側締付部材5220とを含む。下側締付部材5220は、リブ5230を含む。上側締付部材5218及び下側締付部材5220は、下側締付部材5220に対して角度をなし、
図98に示す概して三角形の構成を形成する、一対の潰れ可能な壁5206を含む弾性付勢構成によって、連結され、常時離隔している。潰れ可能な壁5206の各々は、使用時、患者インタフェースの潰れ可能な部分を受け入れる開口部5246を含む。
【0582】
使用時、付属品5200は、付属品5000に関して
図96に示すものと同様の構成で、付属品3500の裏当て板3504上に嵌められる。上側締付部材5218に外力が加えられると、潰れ可能な壁5206が弾性変形を介して潰れて、上側締付部材5218のリブ5230に向かう移動を可能にする。これにより、潰れ可能な部分は、上側締付部材5218と下側締付部材5220のリブ5230との間に締め付けられ、それによって、潰れ可能な部分の潰れが引き起こされ、それにより潰れ可能な部分を通る呼吸ガスの流れが減少する。上側締付部材5218から、外部から加えられた力が解除されると、潰れ可能な壁5206の弾性、潰れ可能な部分204の弾性、及び/又は潰れ可能な部分204を通って提供される呼吸気流の圧力により、上側締付部材5218及び下側締付部材2020が、
図98に示す常時離隔形態に戻るように付勢される。
【0583】
図99を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品5300が示されている。付属品5300は、可撓性ループ5310を含む把持部分と、患者インタフェースのガス送達導管の一部に付属品5300を取り付けるように構成されたC字型クリップ5320を含む取付け構成とを含む。可撓性ループ5310は、クリップ5320から延在し、使用時、潰れ可能な部分の潰れ又は折り曲げを容易にするために、患者の顔面から離れる方向に、ユーザの手又は指から患者インタフェースに引張力を指で加えることができるように構成されている。クリップ5320は、弾性材料で形成されて、ガス送達導管の部分とのスナップフィット係合を可能にする。
図99に示すように、ループ5310の端部5330は、クリップ5320を介して取り付けられている。
【0584】
図100は、患者の鼻孔に呼吸ガスを送達するように構成された一対の鼻プロング208を含む鼻カニューレを備えた患者インタフェース200に嵌められた付属品5300を示す。付属品5300は、ガス経路コネクタ5340を含むガス送達導管202の一部に嵌められている。いくつかの実施形態では、付属品5300は、ガス送達導管202の剛性部分に嵌められる。ガス経路コネクタ5340は、潰れ可能な部分をガス供給導管5350に接続する。付属品5300は、流れ矢印「A」によって示すように、供給導管5350から鼻プロング208に向かって流れる呼吸ガスの方向に関して、潰れ可能な部分204の上流の位置で患者インタフェースに取り付けられている。
【0585】
図101及び101aを参照すると、付属品5300の動作がより詳細に示されている。
図101は、付属品5300が患者インタフェース200に嵌められている
図100に示す配置の別の視点を示す。患者マスク300が患者の顔面(図示せず)に押し付けられて、バッグマスク300の膨張式カフ304が潰れ可能な部分204に押し付けられ、マスク力F
Mを患者の顔面の方向に潰れ可能な部分204に加える。同時に、ユーザの指からの引張力F
Pが、患者の顔面から離れる方向に指ループ5310に加えられる。
【0586】
図101a及び
図101bは、マスクカフ304と潰れ可能な部分204との間の係合のより近い観点を提供する。
図101aは、マスクカフ304と潰れ可能な部分204の非患者対向面216とが接触する直前のマスクカフ304及び潰れ可能な部分204を示す。
図101bは、マスクカフ304が潰れ可能な部分に押し下げられ、その結果、付属品5300に引張力F
Pが加えられて、マスクカフ304の上流に位置する潰れ可能な部分204の上流部分204aが、患者の顔面から離れる方向に外向きに折れ曲がる。101bに示すように、潰れ可能な部分204に、よじれ218を含む閉塞部が形成されている。よじれ218は、協働して、潰れ可能な部分204を潰し、上流部分204aをマスクカフ304の周りに
図101bに示す時計回り方向に部分的に折り曲げる、力F
M及びF
Pが同時に加えられた結果として形成される。
【0587】
図102は、上記で考察し
図99~
図101bに示す指ループの付属品5300の変形を含む付属品5400を示す。付属品5400は、ガス供給導管5450を潰れ可能な部分204に接続するように構成されたガス経路コネクタ5400を備える。ガス経路コネクタ5400は、患者の顔面から離れる引張力を指で加えるのを容易にする指フック5410を含む。指フック5410は、(可撓性ループ5310と同様に)連続的であってもよく、又は(
図102に示すように)不連続的であってもよい。付属品5400は、指ループ付属品5300が患者インタフェースの構成要素に一体的に形成される本開示の一実施形態を提供する。したがって、付属品5400は、例えば、第1に、ガス供給導管のコネクタ、第2に、潰れ可能な部分の潰れを容易にするように引張力を加えるのを可能にする構成要素として、2つ以上の機能を果たす。さらに、付属品5400は、ヘッドストラップを取り付ける部分5480を提供することができる。
【0588】
図103~
図105は、本開示の別の実施形態による付属品5500を示した。付属品5500は、単一のリブ5518を有する背面板5504を含む。取付構成が、背面板5504から延在する一対のループ5502を含む。ループ5502は、
図104に示すように、潰れ可能な部分204が一対のループ5502を貫通して延在するように構成されている。
【0589】
図105を参照すると、背面板5504は、潰れ可能な部分204の患者対向面214の下方に位置し、使用時は、潰れ可能な部分204と患者の顔面との間に位置する。患者対向面214は、リブ5518の上に重なる。患者マスクのカフからの加えられる力F
Aは、ループ5502の間で非患者対向面216に加えられる。リブ5518によって患者対向面214に反力F
Rが加えられ、リブ5518は、加えられる力FAをリブ5518の先端のより小さい接触面積に集中させる。これにより、反力F
Rは、加えられる力F
Aによって非患者対向面216に加えられる圧力よりも大きい圧力を、患者対向面214に加える。特定の実施形態では、背面板5502は、背面板5504を支持し、加えられる力F
Aに対する十分な抵抗を与えるために、患者の顔面の硬質なセクション(例えば、骨構造の領域)の上に重なり、それによって支持するようなサイズ又は形状に構成されている。
【0590】
図106を参照すると、本開示の別の実施形態による付属品5600が示されている。付属品5600は、
図66の付属品3500と同様の構成のC字型クリップ5602を含む取付構成から延在する裏当て板5504を含む。しかしながら、付属品5600は、患者インタフェースの一部と連結するように構成された第2クリップ5603構成を含む、追加の取付構成を含む。第2クリップ5603は、特に、
図107及び
図108に示すように、患者インタフェースのガス経路コネクタ5640と連結するように構成されている。ガス経路コネクタ5640は、潰れ可能な部分204に連結される下流コネクタと、
図107及び
図48に示す雄型コネクタ5641を含む上流コネクタとを含み、雄型コネクタ5641は、ガス供給導管(図示せず)に接続されるように構成されている。ガス経路コネクタ5550は、雄型コネクタ5641と同様の方向に且つ概して上流方向に延在する細長い突起5680を含む、フランジを含む。突起5680は、患者インタフェースを患者の顔面に固定するために使用されるヘッドストラップ(図示せず)の接続点を提供する。
【0591】
第2クリップ5603は、ガス経路コネクタ5640の突起5680の長手方向縁部5681にクリップ留めするように構成された、一対の弾性U字型アーム5605を含む。第2クリップ5603は、付属品5600をガス送達導管に対して適所に保持するのに役立つように構成されている。特に、第2クリップ5603は、付属品5600のガス送達導管の円周の周りの回転運動に抵抗するように構成されている。
【0592】
他の実施形態では、第2クリップ5603は、C字型クリップ5602が連結する同じ部分の別の領域と連結してもよく、この場合、第2クリップ5603は、C字型クリップ5602から離隔していてもよい。そうした実施形態では、第2クリップ5603は、C字型クリップ5602の形状と実質的に同様の形状を有していてもよく、すなわち、付属品5600は2つのC字型クリップを含む。他の実施形態では、第2クリップ5603は、それが連結する患者インタフェースの部分に対応する形状を有する。他の実施形態では、C字型クリップ5602及び/又は第2クリップ5603は、限定されないが、接着剤、面ファスナ、プラグ及びソケット取付等を含む、取付手段であってもよい。
【0593】
本開示による付属品のいくつかの実施形態は、1部品又は単体構成を有することができるが、他の実施形態は、複数部品又はアセンブリ構成を含むことが理解されよう。例えば、付属品3500、付属品3600、付属品3600A、付属品3700、付属品3800、付属品3900、付属品4000、付属品4500、付属品4600、付属品4700、付属品4800、付属品4900、付属品5000及び付属品5500の実施形態は、単一構成要素を含むことができ、射出成形等の単一製造技法を介して製造される可能性がある。付属品4100、付属品4200、付属品4300、付属品4400、付属品4400A~4400D及び付属品5300等の他の実施形態は、複数の且つ/又は可動部品又は部品のアセンブリを含んでもよく、したがって、異なる又は別個の製造技法での製造を必要とする可能性がある。
【0594】
本開示の付属品は、射出成形、オーバーモールド、及び3D印刷等の付加製造を含む製造技法のうちの1つ又は複数を使用して製造することができる。いくつかの実施形態では、射出成形を使用して、2つ以上の材料から作製された付属品を製造することができる。部品が金属材料で形成される実施形態では、この部品は機械加工を使用して製造することができる。
【0595】
発明は、本出願の明細書において言及したか又は示した部分、要素及び特徴のうちの2つ以上の任意の又はすべての組合せにおいて、個別に又はまとめて、前記部分、要素及び特徴にあると広義に言うこともできる。前述の説明において、既知の均等物を有する完全体又は構成要素に言及した場合、それらの完全体は個々に示されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0596】
(特許請求の範囲を含む)本明細書において、「備える、含む(comprise)」、「備える、含む(comprises)」、「備えられた、含まれた(comprised)」又は「備えている、含んでいる(comprising)」という用語のうちの任意もの又はすべてが使用される場合、それらは、述べられている特徴、完全体、ステップ又は構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであり、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ若しくは構成要素、又はそれらの群の存在を排除するものではない。
【0597】
本開示について、いくつかの実施形態に関して説明したが、当業者に明らかな他の実施形態も本開示の範囲内にある。したがって、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変形及び変更を行うことができる。例えば、さまざまな構成要素を要求通りに再配置することができる。さらに、特徴、態様及び利点のすべてが、本開示を実施するために必ずしも必要ではない。したがって、本開示の範囲は、続く特許請求の範囲によってのみ定義されるように意図されている。
【国際調査報告】