(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】圏外回避のための再構成可能なリレー発見
(51)【国際特許分類】
H04W 40/22 20090101AFI20240918BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20240918BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240918BHJP
H04W 60/00 20090101ALI20240918BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240918BHJP
【FI】
H04W40/22
H04W16/26
H04W16/28
H04W60/00
H04W24/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513074
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2022073679
(87)【国際公開番号】W WO2023025888
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ビアード ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ダイク エスコ オラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア モーション オスカー
(72)【発明者】
【氏名】クローニン ハリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ディーズ ウォルター
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ65
5K067KK02
5K067LL11
(57)【要約】
本発明は、再構成可能リレーデバイス(例えば、再構成可能インテリジェントサーフェス、RIS、又はスマートリピータ)を決定及び制御するためのシステム及び方法を提案しており、再構成可能リレーデバイスは登録され、ワイヤレス通信経路が、再構成可能リレーデバイスを介してネットワーク(例えば、アクセスデバイス)から端末デバイスまで確立される。ネットワークは、再構成可能リレーデバイスを登録し、その制御に必要とされるパラメータを決定する。制御は、有効化され受領された命令及び照会によって達成される。リレーデバイスのリレー状態は、ワイヤレス通信経路のためのビームが適正に端末デバイスに再方向付けされるようにセットされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスネットワークにおいて通信経路を制御するための装置であって、前記装置は、
前記ワイヤレスネットワークにおいて再構成可能リレーデバイスを発見し登録するための登録コントローラと、
少なくとも1つの登録された再構成可能リレーデバイスを介した少なくとも1つの対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路を決定し確立するための経路確立部と、
確立された前記ワイヤレス通信経路に従って少なくとも1つの前記再構成可能リレーデバイスの再方向付けパターンを制御するための状態コントローラとを備える、装置。
【請求項2】
前記登録コントローラは、前記再構成可能リレーデバイスが前記ワイヤレスネットワークにアタッチした若しくは登録した時点で、又は前記再構成可能リレーデバイスが、可変特性を有するローカル伝送経路に気付くローカリティ方法で自動発見を用いることによって、再構成可能リレーデバイスをリレー設置データベース内で照合し、アイデンティティ情報及びメタデータを前記再構成可能リレーデバイスから取得し、又は、アイデンティティ情報及びメタデータを前記再構成可能リレーデバイスから受信する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記経路確立部は、ローカル環境のローカル無線伝送モデル内で伝送モデリングを適用して好適なビーム経路を探索して、或いはこれまでのビーム方向の結果及びリレー状態、並びにデータベースに記憶されたUEロケーションを使用して、或いは対象端末デバイスからの測定結果を用いることによってフィードバックループを使用して、前記再構成可能リレーデバイスを介して伝送された信号のビームの、角度を変化させ、又はさらに、幅を狭くさせ、或いはビーム設定とパラメータとの間の関係性若しくは関連性、近傍再構成可能リレーデバイスのリレー状態、入力パラメータとしてのUEロケーション、リンク品質、及び/又は出力パラメータとしての前記対象端末デバイスに対する性能を学習するための人工知能モデルを使用する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記状態コントローラは、スケジューリング要求を用いることによって、前記ワイヤレス通信経路上の少なくとも1つのビームに適用された前記再方向付けパターンを制御する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記経路確立部は、前記再構成可能リレーデバイスを介した長い伝送経路長を補正するためにタイミング前進を適用する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記経路確立部は、現在の設定状態を決定するために再構成可能リレーデバイスに照会する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置を有する、アクセスデバイス。
【請求項8】
対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路を確立するために、ワイヤレスネットワークのリモートコントローラデバイスから受信された命令に応答して、少なくとも1つの受信されたワイヤレス信号をリレーするために再方向付けパターンを制御する再構成可能リレーデバイスであって、前記再構成可能リレーデバイスは、前記命令に応答して複数の設定状態のうちの1つにセットされ得、前記複数の設定状態のそれぞれは、前記受信されたワイヤレス信号の複数の再方向付けパターンのうちの1つに帰着し、前記複数の再方向付けパターンは、所与の反射角での反射、フォーカス若しくはデフォーカス、マルチビームの発生、所与の屈折角での屈折、所与の増幅ゲインでの増幅、及び吸収のうちの少なくとも1つを含む、再構成可能リレーデバイス。
【請求項9】
前記再構成可能リレーデバイスは、再構成可能インテリジェントサーフェス、若しくは他の切換可能メタマテリアルサーフェス、又はスマートリピータである、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項10】
前記再構成可能リレーデバイスの能力及び/又はネットワークによるその制御の能力を得るために必要とされる情報と、ロケーション及び/又は向き情報と、設定状態のセットと、デフォルトの設定状態と、再構成速度と、認証と、制御及び照会方法と、ネットワーク制御優先順位付け情報とのうちの少なくとも1つを含むメタデータを含む、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項11】
現在セットされている設定状態を示す現在のリレー状態と、現在のコントローラの優先順位にセットされた現在のコントローラ優先順位パラメータと、前記現在のリレー状態が現在命令されているかどうかを示す第1のフラグと、前記現在リレー状態がどれだけの時間期間の間命令されているかを示すタイマ値と、動作状態から外れていることを示す第2のフラグとのうちの少なくとも1つを含む現在の情報データを含む、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項12】
前記再構成可能リレーデバイスのロケーション及び/又は向きを取得するために少なくとも1つのセンサを有する、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項13】
前記再構成可能リレーデバイスの使用時間に関する情報を記憶するネットワーク使用ログを有する、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項14】
前記再構成可能リレーデバイスは、前記再構成可能リレーデバイスを制御するネットワーク又はデバイスの優先順位を記憶するための優先順位リストを有し、前記再構成可能リレーデバイスは、新たなリモートコントローラ又は新たなコントローリングネットワークの新たな優先順位を、現在のリモートコントローラ又は現在制御中のネットワークの現在の優先順位と比較して、新たな優先順位の方が高い場合、前記再構成可能リレーデバイスは、前記現在のリモートコントローラ又は現在のネットワークによる制御を中止し、前記新たなリモートコントローラ又は新たなネットワークによる制御を可能にする、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項15】
1つ又は複数のネットワーク若しくはデバイスによって要求された設定状態をスケジューリングするための、及び要求された設定状態が受け入れ可能か否かを判定するためのスケジューラを有する、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項16】
前記再構成可能リレーデバイスは前記対象端末デバイスと通信するためのデバイス間通信を使用する、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項17】
前記再構成可能リレーデバイスは、設定状態がランダムに変更されるランダム状態サイクリングを提供する、入射波若しくはビームをあらかじめ定められた固定方向に再方向付けする、又はメタマテリアル吸収体としての設定状態に達するように構成される、請求項8に記載の再構成可能リレーデバイス。
【請求項18】
少なくとも1つの請求項7に記載のアクセスデバイスと、少なくとも1つの請求項8に記載された再構成可能リレーデバイスと、設置された再構成可能リレーデバイスについての情報を記憶するためのリレー設置データベースとを備える、システム。
【請求項19】
ワイヤレスネットワークにおいて通信経路を制御するための方法であって、前記方法が、
前記ワイヤレスネットワークにおいて再構成可能リレーデバイスを発見し登録するステップと、
少なくとも1つの登録された再構成可能リレーデバイスを介した少なくとも1つの対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路をプラニングし確立するステップと、
確立された前記ワイヤレス通信経路に従って少なくとも1つの前記再構成可能リレーデバイスの再方向付けパターンを制御するステップとを含む、方法。
【請求項20】
コンピュータデバイス上で走らされたとき請求項19に記載の方法のステップを作り出すためのコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定するものではないが、再構成可能なインテリジェントサーフェス(RIS)などの、ワイヤレスネットワークにおけるモバイルアクセスデバイスを含む端末デバイス向けの通信サービスの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
再構成可能なインテリジェントサーフェス(RIS)は、適切な特質(例えば、正常な周波数の電波を異なる設定で再方向付けする、すなわち反射又は伝送する能力)を有する任意の技術を用いて構築することができるが、使用される主な技術は、メタマテリアルサーフェス、又は短縮して「メタサーフェス」である。
【0003】
切換可能メタサーフェスが最近開発されており、ワイヤレスネットワークのアクセスデバイス(例えば、基地局又はアクセスポイント)と端末デバイス(例えば、ユーザ機器(UE))との間のワイヤレス通信経路を改善するための多くの実行可能な手段を提供する。
【0004】
様々な技術を利用して、そのような切換可能メタサーフェスを実装することができる。一般に、電子切換式メタサーフェスが利用されるが、物理的に移動可能な反射パッチもまた実用的な技術である。一般に、所望の特性の一般的なセットが実装される限り、これらのサーフェスが、任意の関連技術を用いることによって構築できない理由はない。メタサーフェスはさらに、後方散乱された周囲無線信号を用いた独立した通信インフラを形成するために使用することもできる。
【0005】
メタサーフェスは、周期的サブ波長金属/誘電体アンテナからなっており、そのアンテナは、入射電磁気の電気若しくは磁気又はその両方の、自然では見出されない効果的な電気(電気誘電率εによって表される)及び/又は磁気(透磁率μによって表される)応答を呈す成分に共鳴的に結合する。
【0006】
このように、メタサーフェスは、電磁波の操作に関する多方面の概念に対応する。平面回路生産を用いた製造の容易さにより、マイクロ波周波数範囲でのかなり大きい適用可能性が存在する。ホイヘンスメタサーフェスが、1に近い伝送性を特徴とし、反射アーチファクトを効率よく抑制するので、かなり大きな注目を集めている。マイクロ波周波数では、ホイヘンスメタサーフェスは、通常、低損失の誘電体基板によって分離された3つの構造化銅層を用いたプリント回路板(PCB)プロセスで生産される。
【0007】
メタマテリアルは、例えば5Gワイヤレス通信解決策の多くの態様において有用となるであろう。Syed S. Bukhari他:「A Metasurfaces Review: Definitions and Applications」がメタサーフェスの概説を提供する。純粋に、受動的なメタサーフェスは、有用であるものの、伝送環境に対する恒久的な変化として働くだけである。
【0008】
mm波ネットワーク(「mmWall」)に対して再構成可能なメタサーフェスが、Kun Woo Cho他:「mmWall: A Reconfigurable Metamaterial Surface for mmWave Networks」によって提案されており、それは、従来のワイヤレスリレーシステムとは異なり、送受信アンテナも増幅器も有さないメタマテリアルでできた同調可能なスマートサーフェスである。送信器及び受信器が同じ部屋(「ミラー」モード)にあるか、それとも異なる部屋(「レンズ」モード)にあるかどうかにかかわらず、入射ビームがメタサーフェスに衝突した時点で、メタサーフェスはビームを自然に所望の方向に屈折させる。さらに、メタサーフェスは入射信号を複数のビームに分割し、多分岐ビームを同時に操縦することが可能である。著者らは「ホイヘンスのメタサーフェス」を使用して、彼らの設計を実現した。
【0009】
しかしながら、メタサーフェスとは別個の切換型mm波操作サーフェス向けの他の技術がある。
【0010】
さらに、通信ネットワークにおけるそれぞれの異なる割合の利益を決定するために、大型インテリジェントサーフェス(LIS)と、基地局及びLISの一体化のためのモデルとが、Yongxu Zhu他:「Stochastic Geometry Analysis of Large Intelligent Surface-Assisted Millimeter Wave Networks」に開示されている。彼らは、基地局の数が限られている場合、LISの寄与は良好であるが、非常に多くの基地局がユーザに供されている場合には、それは当てはまらない、と結論づけた。
【0011】
さらに、Jun Zhao他:「A Survey of Intelligent Reflecting Surfaces(IRSs): Towards 6G Wireless Communication Networks」では、著者らは、サーフェスを「Intelligent Reflecting Surfaces」と呼び、挙動は、反射と伝送の両方ではなく反射に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、自身の無線センシング(「完全受動RIS」)を実行するための固有容量が不足している外部制御型RISや、例えば、任意の無線能力、信号処理能力、センサ、RISの個々のサブパネル/サブ要素の向きを変化させるためのモータ、又は反射した電磁波の角度/偏波を修正するだけではなくそれを増幅するための能動的な要素を含む、部分的に能動的なRISなどの、再構成可能なリレーデバイスの制御及び使用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1に記載の装置によって、アクセスデバイスによって、請求項7に記載の再構成可能なリレーデバイスによって、請求項14に記載のシステムによって、請求項15に記載の方法によって、及びコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0014】
アクセスデバイス(例えば基地局(gNB)又はアクセスポイント)に関する第1の態様によると、ワイヤレスネットワークにおいて通信経路を制御するための装置が提供されており、装置は、
ワイヤレスネットワークにおいて再構成可能リレーデバイスを発見し登録するための登録コントローラと、
少なくとも1つの登録された再構成可能リレーデバイスを介した少なくとも1つの対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路を決定し確立するための経路確立部と、
確立されたワイヤレス通信経路に従って少なくとも1つの再構成可能リレーデバイスの再方向付けパターンを制御するための状態コントローラとを備える。
【0015】
アクセスデバイス(例えば基地局(gNB)又はアクセスポイント)に関する第2の態様によると、ワイヤレスネットワークにおいて通信経路を制御するための方法が提供されており、方法は、
ワイヤレスネットワークにおいて再構成可能リレーデバイスを発見し登録することと、
少なくとも1つの登録された再構成可能リレーデバイスを介した少なくとも1つの対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路をプラニングし確立することと、
確立されたワイヤレス通信経路に従って少なくとも1つの再構成可能リレーデバイスの再方向付けパターンを制御することとを含む。
【0016】
第3の態様によると、対象端末デバイスへのワイヤレス通信経路を確立するために、ワイヤレスネットワークのリモートコントローラデバイスから受信された命令に応答して、少なくとも1つの受信されたワイヤレス信号をリレーするために再方向付けパターンを制御するように構成された再構成可能リレーデバイス(例えば、RIS又はスマートリピータ)が提供されており、再構成可能リレーデバイスは、命令に応答して複数の設定状態のうちの1つにセットされ得、設定状態のそれぞれは、受信されたワイヤレス信号の複数の再方向付けパターンのうちの1つに帰着し、複数の再方向付けパターンは、所与の反射角での反射、フォーカス若しくはデフォーカス、マルチビームの発生、所与の屈折角での屈折、所与の増幅ゲインでの増幅、又は吸収のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
第4の態様によると、第1の態様の装置を含むアクセスデバイスが提供される。
【0018】
第5の態様によると、第4の態様の少なくとも1つのアクセスデバイスと、第3の態様の少なくとも1つの再構成可能リレーデバイスと、設置された再構成可能リレーデバイスについての情報を記憶するためのリレー設置データベースとを備えるシステムが提供される。
【0019】
最後に、第6の態様によると、コンピュータデバイス上で走らされたとき第2の態様の方法のステップを作り出すコード手段を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【0020】
少なくとも1つの再構成可能リレーデバイスを介した提案された経路確立は、5G mm波などの高周波を用いたものでは、特に無線通信システムにとってかなり大きな利益をもたらす。これは、そのような周波数が多くの物質によって容易に吸収されるためであり、したがって、圏外はこれらのシステムではより一般的である。
【0021】
RISの設置のためのシナリオによると、建築物の所有者は、建築物内での例えば5Gベースのワイヤレス通信の受信品質を改善することを欲する。建築物の占有者は、彼/彼女自身のスタッフか、産業上のモノのインターネット(IIoT)ネットワークか、又は場合によっては一般大衆(例えば、公共建築物における)であり得る。より可能性が高いのは、所有者が、建築物内の個々人に供給する全てのワイヤレス通信ネットワーク上での受信を改善することを望むことであり得る。したがって、建築物の内部の人々との通信を改善するために、サーフェスが全てのネットワークによって使用されるのが望ましい。したがって、デバイスの所有者は、それらが、例えば5Gベースのワイヤレス通信ネットワークオペレータの運用と統合できるようになることを望むはずである。
【0022】
ネットワークの優先順序付けが、例えば、その建築物内のユーザに供給するネットワークの統計データによって決定され得る。さらに、いくつかのネットワークは、場合によってはコントローラ優先順位リスト内の第1位、第2位などに対して課されるオークション又は固定料金に従ってRISの使用に対して優先順位を設定して、RISへの有料アクセスが付与され得る。
【0023】
RIS又はスマートリピータなどの再構成可能リレーデバイスを含むシステムは、追加の基地局よりも著しく安価である可能性が高い。提案された再構成可能リレーデバイスは、自身が外部コントローラ(最も可能性が高いのは、通信経路での探索を行うコアネットワークデバイス又はアクセスデバイス(例えば基地局))によって制御されるという意味において「受動的」である。無線センシングの何らかの形態と内部制御とをこれらのシステムに統合することも可能であり、それによって、再構成可能リレーデバイスは、例えば対象端末デバイスへのビーム探索に基づいて、その状態をセットする役割を担うことになる。
【0024】
具体的には、以下の利点が達成され得る。
● 設置された再構成可能リレーデバイス又はシステムは、通信システムにおいてそれらの有効且つセキュアな運用が可能になるように、及び再構成可能リレーシステムの不動作などの危機の場合に対処するように、1つ又は複数のネットワークによって制御されるようにセットアップされることが可能である。
● 通信経路をセットアップする際に単一の再構成可能リレーデバイスを同時に使用しようとする複数のネットワークの運用に対処することが可能である。
● アクセスデバイスから端末デバイスまでの再構成可能リレーデバイスなどを介した無線周波数(RF)通信信号経路の迅速な計算のための手段が提供され得る。
● さらなる独立した通信経路を確立することができ、例えば、アクセスデバイスから同じ方向に位置する2つのUEを、一方のUEに直接向かうビーム形成によって、及び、再構成可能リレーデバイスを介したもう一方のUEへのビーム形成によって、同じ周波数で働かせることが可能であり、又は、2つのUEそれぞれに向かうビームを形成する2つのアクセスデバイスでは、LoS経路が他のUEに影響を及ぼすが、リレー誘導経路ではそうならない場合に、(たとえ、そのUEへの直接の見通し線(LoS)があっても)一方は再構成可能リレーデバイスを経由した経路を使用してこの場合も干渉を回避する。
【0025】
したがって、新たに設置された再構成可能リレーシステムは、再構成可能リレーデバイスのための正規の登録プロセスが利用可能でない場合の発見方法を含め、ネットワーク又はアクセスデバイスがそれらに所望の状態になるように命令する能力を有するように、登録されることが可能である。これにより、ネットワーク又はそのアクセスデバイスによる、完全に受動的な再構成可能リレーデバイスの、発見、セットアップ、及び制御の進行中の操作が可能になる。さらに、異なるネットワーク及び/又はネットワークオペレータ間での、純粋に受動的な再構成可能リレーデバイスの制御をめぐった競合が許容される。再構成可能リレーデバイスが、正規に、(それ自体によって、又はその所有者によって)データベースに登録されるときでさえも、アクセスデバイスは依然として、その再構成可能リレーデバイスがアクセスデバイスから到達できる場合にその再構成可能リレーデバイスを、及び、その再構成可能リレーデバイスが端末デバイスへの有用な通信経路を確立するのに役立つことができるかどうかを、発見又は試してみる必要がある。
【0026】
さらに、アクセスデバイス(例えば基地局)が、潜在的に多数のビームが形成される方向を提供し、そのうちの少数のみが再構成可能リレーデバイスとインタラクトし、再構成可能リレーデバイスに関して非常に多くの状態が存在し、そのほとんどが端末デバイスへの通信経路をもたらさないか、又はある再構成可能リレーデバイスの中に非常に多くの個々の要素が存在し、その結果、各要素を検査し終えることができない場合には、提案された解決策は、再構成可能リレーデバイスを介したUEへの通信経路を見出すための最適な手法を提供する。
【0027】
さらに、再構成可能リレーシステムへの照会及び命令が配列され、エンドユーザとの通信の際のそれらの使用をサポートするために送信されることが可能であり、但し、命令/照会通信は、セキュリティ要件及び受容要件を満たすものである(例えば、ネットワークは、必要な場合、再構成可能リレーデバイスの使用に関して適切な優先権及び認可権を有する)。
【0028】
さらに、提案されたシステムは、屋外環境にも屋内環境にも同様に適用することが可能である。最も可能性が高いシナリオは、屋外での接続性の改善であり、例えば、都市のシナリオでは、建築物、自動車などのために、受信品質は望ましいほどに良好ではあり得ない。このシナリオでは、都市環境において、例えば、建築物前面、掲示板などに設置されたRISがネットワークオペレータによって使用されて、ネットワークの接続性及びサービスが改善される。
【0029】
上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせた第1のオプションによると、再構成可能リレーデバイスがワイヤレスネットワークにアタッチした若しくは登録した時点で、又は再構成可能リレーデバイスが、可変特性を有するローカル伝送経路に気付くローカリティ方法で自動発見を用いることによって発見された時点で、再構成可能リレーデバイスがリレー設置データベース内で照合され(例えば、登録コントローラによって)、必要とされる登録方法が、リレー設置データベース、再構成可能リレーデバイス、若しくはアイデンティティ情報から照会され、メタデータが、再構成可能リレーデバイスから取得され、又はアイデンティティ情報及びメタデータが、再構成可能リレーデバイス(20)から受信される。以て、最適な通信経路が確保されるように、経路確立が新たなネットワーク設定に適合され得る。
【0030】
第1のオプション又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせた第2のオプションによると、経路確立は、ローカル環境のローカル無線伝送モデル内で伝送モデリングを適用するように構成されて、好適なビーム経路を探索して、或いはこれまでのビーム方向の結果及びリレー状態、並びにデータベースに記憶されたUEロケーションを使用して、或いは対象端末デバイスからの測定結果を用いることによってフィードバックループを使用して、再構成可能リレーデバイスを介して伝送された信号の、角度を変化させ、又はさらに、ビームの幅を狭くさせ、或いはビーム設定とパラメータとの間の関係性若しくは関連性、近傍再構成可能リレーデバイスのリレー状態、入力パラメータとしてのUEロケーション、リンク品質、及び/又は出力パラメータとしての対象端末デバイスに対する性能、を学習するための人工知能モデルを使用する。こうして、アクセスデバイスのビーム方向及びリレー状態のすみずみまでの網羅的な現実世界の探索を回避した、関連する再構成可能リレーシステムを含む通信経路をプラニングすることができる。
【0031】
第1のオプション若しくは第2のオプション又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第3のオプションによると、ワイヤレス通信経路上の少なくとも1つのビームに適用される再方向付けパターンは、スケジューリング要求を用いることによって制御される。以て、再構成可能リレーデバイスの将来の設定状態に関するスケジューリング検討結果を制御操作に加えることが可能である。
【0032】
第1から第3までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第4のオプションによると、再構成可能リレーデバイスを介したより長い伝送経路長を補正するために、経路確立のタイミングの前進が適用され得る。この手段により、対象端末デバイスでの受信時間が適切に制御され得ることが保証される。
【0033】
第1から第4までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第5のオプションによると、再構成可能リレーデバイスが、現在の設定状態を決定するために照会される。以て、再構成可能リレーデバイスの現在の再方向付けパターンが、経路のプラニング及び確立プロセスにおいて熟慮される。
【0034】
第1から第5までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第6のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、再構成可能インテリジェントサーフェス若しくは他の切換可能メタマテリアルサーフェス又はスマートリピータである。こうして、切換可能メタマテリアルサーフェス及び/若しくは再構成可能インテリジェントサーフェスが、スマートリピータと組み合わせられ得るか、又はそれらが、最適化されたネットワーク環境を達成するために選択され得る。
【0035】
第1から第6までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第7のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、再構成可能リレーデバイスの能力及びネットワークによるその制御の能力を得るために必要とされる情報と、ロケーション及び/又は向き情報と、設定状態のセット、デフォルトの設定状態、再構成速度、認証、制御及び照会方法、並びにネットワーク制御優先順位付け情報とのうちの少なくとも1つを含むメタデータを有する。このオプションにより、様々な初期情報を提供することによって、経路のプラニング及び確立の効率が向上する。
【0036】
第1から第7までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第8のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、現在セットされている設定状態を示す現在のリレー状態と、現在のコントローラの優先順位にセットされた現在のコントローラ優先順位パラメータ(例えば優先順位番号)と、現在のリレー状態が現在命令されているかどうかを示す第1のフラグと、現在のリレー状態がどれだけの時間期間の間命令されているかを示すタイマ値と、動作状態から外れていることを示す第2のフラグとのうちの少なくとも1つを含む現在の情報データを有する。このオプションにより、再構成可能リレーデバイスの現在の状態に関する増強された情報を提供することによって、経路のプラニング及び確立の効率が向上する。例えば、登録された再構成可能リレーデバイスがもはや機能しないかどうか判定することができ、その結果、登録された再構成可能リレーデバイスは、エンドユーザUEを含む実現可能な通信経路から除去され得る。
【0037】
第1から第8までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第9のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、自身のロケーション及び/又は向きを取得するための少なくとも1つのセンサを有する。以て、再構成可能リレーデバイスは、そのロケーション及び/又は向きについての直接的な情報を取得することができ、それがデータベースに、又は(直接的に/間接的に)経路プラニングのために使用することができるコントローリングアクセスデバイスにシグナリングされる。
【0038】
第1から第9までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第10のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、リレーデバイスの使用時間に関する情報を記憶するネットワーク使用ログを有する。このログ情報は、再構成可能リレーデバイスの効率性評価及び/又は適正な配置に関する使用情報を得るために使用され得る。
【0039】
第1から第10までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第11のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、再構成可能リレーデバイスを制御するネットワーク又はデバイスの優先順位を記憶するための優先順位リストを有し、再構成可能リレーデバイスは、新たなリモートコントローラ又は新たなコントローリングネットワークの新たな優先順位を、現在のリモートコントローラ又は現在制御中のネットワークの現在の優先順位と比較して、新たな優先順位の方が高い場合、再構成可能リレーデバイスは、現在のリモートコントローラ又は現在のネットワークによる制御を中止し、新たなリモートコントローラ又は新たなネットワークによる制御を可能にする。これにより、通信経路の緊急性又は重要性に基づく経路プラニング及びスケジューリングに優先順位検討結果が含まれ得るという利点がもたらされる。さらに、複数の競合するユーザによる再構成可能リレーデバイスの制御のデッドロックを防止するためにネットワーク優先順位付けスキームが使用され得る。
【0040】
第1から第11までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第12のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、1つ又は複数のネットワーク若しくはデバイスによって要求された設定状態をスケジューリングするための、及び要求された設定状態が受け入れ可能か否かを判定するためのスケジューラを有する。以て複数のネットワーク及び/又はアクセスデバイスが再構成可能リレーデバイスを並列に使用して、同じ時間期間において同じ設定状態をスケジューリングすることにより、全伝送時間が低減され得る。さらに、伝送を前もってプラニングすることができる(例えば、繰り返し伝送)、又は、伝送のための新たなデータが間もなくであると予想される場合には、RISの使用のためにあらかじめスケジューリングされた時間スロットが、次の伝送時にRISをネゴシエートしようと試みるよりも高速であり得る。
【0041】
第1から第12までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第13のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、対象の端末デバイスと通信するためのデバイス間通信を使用するように構成される。これにより、効率的な経路確立のために対象の端末デバイスへの高速の直接通信の利点がもたらされる。
【0042】
第1から第13までのオプションのいずれか又は上記の第1から第6までの態様のいずれかと組み合わせ可能な第14のオプションによると、再構成可能リレーデバイスは、設定状態がランダムに変更されるランダム状態サイクリングを提供するように、又は入射波若しくはビームをあらかじめ定められた固定方向に再方向付けするように、又はメタマテリアル吸収体としての設定状態に達するように構成される。以て、再構成可能リレーデバイスは、例えば、もはや許可がなければネットワークが使用することができない設定状態に達することができるので、セキュリティが増強され得る。さらに、技術的利益として、ランダム状態サイクリングは、攻撃者がシステムにアクセスするのを防止することができるので、攻撃に対するワイヤレスシステムのロバストネスを改善することができる。実際、RISなどの再構成可能デバイスが、そのランダム状態サイクリングスケジュールによるランダムに見える様式で通信チャネルを修正する場合、これにより、ネットワークが許可なくそれを使用することを防止するためだけではなく、ユーザ、例えば攻撃者が、許可なくワイヤレスシステムにおいてワイヤレス信号を使用することを防止するために、ワイヤレスシステムのロバストネスが増強され得る。例では、攻撃者は、例えばチャネル状態情報に基づいて、リモートでワイヤレスセンシングデータを抽出するために、ネットワークから通信を傍受することに関心があり得、それにより、攻撃者は、例えば、環境におけるユーザの人数、ユーザの活動状態、又はさらにユーザのバイタルサインについての情報を学習することができるようになり得る。ランダム状態サイクリングは、攻撃者がそこから抽出することができる情報の量を制限するチャネルに影響を及ぼすことになるので、ランダム状態サイクリングを用いた再構成可能リレーデバイスの使用により、そのような攻撃の衝撃を最小限に抑えることができる。
【0043】
上記の装置が、個別のハードウェアコンポーネント、集積チップ、若しくはチップモジュールの構成体を含む個別のハードウェア回路構成に基づいて、又は、コンピュータ可読媒体上に書き込まれて、若しくはインターネットなどのネットワークからダウンロードされて、メモリに記憶されたソフトウェアルーチン若しくはプログラムによって制御される信号処理デバイス若しくはチップに基づいて、実装されることに留意されたい。
【0044】
請求項1の装置、請求項7のアクセスデバイス、請求項8の再構成可能リレーデバイス、請求項18のシステム、請求項19の方法、及び請求項20のコンピュータプログラム製品が、特に、従属請求項に規定された類似の及び/又は同一の好ましい実施形態を有することを理解するものとする。
【0045】
本発明の好ましい実施形態が、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせとすることもできることを理解するものとする。
【0046】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記述される実施形態から明らかとなり、以下に記述される実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】様々な実施形態による、RIS登録及び制御システムのアーキテクチャの集約を概略的に示す図である。
【
図2】様々な実施形態による、RIS登録及び制御方法のフロー図を概略的に示す図である。
【
図3】RIS設置データベースを含む実施形態によるRIS発見及び登録プロセスを概略的に示す図である。
【
図4】登録についてのRIS要求を含む実施形態によるRIS発見及び登録プロセスを概略的に示す図である。
【
図5】自動発見を含む実施形態によるRIS発見及び登録プロセスを概略的に示す図である。
【
図6】実施形態によるRIS照会及び命令プロセスを概略的に示す図である。
【
図7】実施形態によるネットワーク制御優先順位付けプロセスを概略的に示す図である。
【
図8】網羅的探索を含む実施形態による通信経路確立プロセスを概略的に示す図である。
【
図9】ビーム経路メモリを含む実施形態による通信経路確立プロセスを概略的に示す図である。
【
図10】実施形態による故障認識プロセスを概略的に示す図である。
【
図11】様々な実施形態による、RIS対応通信のためのプロセスのフロー図を概略的に示す図である。
【
図12】実施形態による、改善されたビーム操縦プロセスの第1の例を概略的に示す図である。
【
図13】実施形態による、改善されたビーム操縦プロセスの第2の例を概略的に示す図である。
【
図14】実施形態による、ビーム操縦プロセス及びCSI推定の管理の例を概略的に示す図である。
【
図15】大型の反射サーフェスがどのように複数のアクセスデバイスにサービスを提供することができるか、及びさらに、大型の反射サーフェスが複数のサブRISにどのように再分割され得るかについての例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
ここで、5Gセルラネットワーク環境に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0049】
本開示全体を通して、短縮形「gNB」(5G術語)又は「BS」(基地局)は、セルラ基地局又はWiFiアクセスポイントなどのアクセスデバイスを意味すると意図している。gNBは、集中型制御平面ユニット(gNB-CU-CP)、複数の集中型ユーザ平面ユニット(gNB-CU-UP)及び/又は複数の分散型ユニット(gNB-DU)からなる。gNBは、コアネットワーク(CN)において機能するインターフェースを提供する無線アクセスネットワーク(RAN)の一部である。RANは、ワイヤレス通信ネットワークの一部である。RANは、無線アクセス技術(RAT)を実装する。概念的には、RANは、携帯電話、コンピュータ、又は任意のリモート制御マシンなどの通信デバイス間に存在し、そのCNとの接続を行う。CNは、RANを介して相互接続された顧客に多くのサービスを提供する通信ネットワークのコア部である。より具体的には、CNは、通信ネットワークを介して、及び、場合によっては他のネットワークを介して通信ストリームを誘導する。
【0050】
さらに、「基地局」(BS)及び「ネットワーク」という用語は、本開示においてしばしば類義語として使用される。これは、例えば、「ネットワーク」がある特定の動作を実行すると記述されているとき、それはセルラネットワークのCN機能によって、又は、そのようなセルラネットワークの一部である特有の基地局によって実行され、逆もまた同様であることを意味するものである。機能の一部はセルラネットワークによって実行され、機能の一部は基地局によって実行される。
【0051】
さらに、「有効性確認」という用語は、暗号解除、署名チェック、認証、認可などの典型的な情報技術(IT)セキュリティ操作を含むプロセス又は行動を指すことを意図するものである。
【0052】
多岐にわたる名称が、それらに衝撃を与える電波の方向を受動的に変えることが可能な(大きな面積の)サーフェスに与えられているが、これらの反射又は伝送特性を変化させ、切り換え、及び/又は再構成して、それらがセットされた「状態」に従って異なる受動的な挙動がもたらされ得る。これらの名称には、インテリジェント反射サーフェス(IRS)、再構成可能インテリジェントサーフェス(RIS)、大型インテリジェントサーフェス(LIS)、再構成可能メタサーフェス(RM)、プログラマブルメタサーフェス(PM)、大型インテリジェントメタサーフェス(LIM)、スマート反射アレイ(SRA)、ソフトウェア規定メタサーフェス(SDM)、ソフトウェア規定サーフェス(SDS)、受動的インテリジェントサーフェス(PIS)、及び受動的インテリジェントミラー(PIM)がある。
【0053】
これらのサーフェスは異なる状態間で切り換え可能であり、但し、各状態は、異なるやり方で電波を反射又は伝送する。これらのタイプのサーフェス内に存在する違いは、一部が信号強度を決定するための固有の能力を有することであり、例えば、それらは、受信器のみならずリフレクタ/送信器の能力も含み、したがって、独立した「リレーのような」システムとして働くことができ、例えば、(反射された/伝送された信号がどこか他の場所で発信しても)それら独自のビーム経路探索を行う。リレーとのこれらの類似性により、これらをそういうものとして通信規格に、例えばセルラ規格に統合することができる。
【0054】
そのような切換可能メタマテリアルサーフェスは、基地局又は他のタイプのアクセスデバイスと端末デバイス(例えばUE)との間の通信経路を改善するための多くの実行可能な手段を提供する。
【0055】
以下では、「再構成可能インテリジェントサーフェス」又は「RIS」という用語が使用されて、上記のサーフェスタイプのいずれかを指すことになる。実施形態において、RISのアレイが完全に受動的であり、すなわち、アレイが、固有の無線センシング能力を有さず、したがって、アレイ自体はビーム探索又は類似のことを行うことができないが、しかし、外部コントローラによって命令されたときに状態を切り換えることによって明確になり得る(つまり、RISがセットされる適切な状態を決定するのは外部コントローラの責務である)ことが想定される。RISはさらに部分的に受動的及び/又は部分的に能動的である(例えば、いくつかの無線能力、信号処理能力、センサ、RISの個々のサブパネル/サブ要素の向きを変化させるためのモータを含む)。
【0056】
本開示全体にわたって、提案されたデータ分散機能にとって重要なブロック、コンポーネント及び/又はデバイスのみが添付図面に示されていることに留意されたい。他のブロックは、簡略化の理由で省略されている。さらに、同じ参照番号で示されたブロックは、同じ又は少なくとも類似の機能を有することを意図するものであり、したがって、これらの機能は後で再度記述されない。
【0057】
以下の実施形態により、アクセスデバイス(例えば基地局(BS)、RIS、及び端末デバイス(例えばUE)を必要とするワイヤレス通信のための増強されたネットワーク制御が可能になる。
【0058】
より具体的には、RISは、ローカルエリアの3D伝送データベースのBS(例えば、5G術語におけるgNB)による保守を介して、5Gネットワークにシームレスに統合され、3D伝送データベースは、建築物、物体、近隣BSを含み、3D伝送データベースは、全ての知られているRIS並びにその特性(RISの操作及びRISの制御手段を含む)を含む。その結果もたらされる3D無線伝播モデルが、BSビーム方向と、ネットワーク及び/又はBSによって制御されるRISの状態との両方を含む通信チャネルの選択のために、いくつかの限定されたローカルな探索と一緒に使用される。
【0059】
データベースは、カバレッジの範囲内のユーザ設置型RIS(メタサーフェス)の自動式発見によって増強される。3D伝送データベース(例えば3Dエリアマップ)並びに報告された及び/又は推定されたUEロケーションのこれまでの反復に基づき予想されないはずのRISが、BSとUEとの間(又は2つ以上のBS間)で予期せずに測定された信号の強度に基づいて自動発見され得る。サーフェスの特性が、異なる時点で異なっていることに気付くと、これにより再構成可能というフラグが立てられる。BSは、新たなRISが発見されたことに疑いを持つと、登録データベースでサーフェス及びその特性(並びにおそらく使用価格)を調べることができ、そこで見つかった場合、BSは(例えばRISの所有者に)制御能力を要求し、それ(並びにその特性及び制御)を3D伝送データベース(例えば、更新された3Dエリアマップ)に統合する。
【0060】
使用中、BSは、必要とされる通信の解析を行うが、この解析は、ユーザ(のUE)の推定ロケーションと、(例えば、上述の3D伝送データベースに基づく)その3D無線伝播モデルからの予測とに依存する。BSは、そのビーム形成能力を使用し、RISの挙動をその制御下で能動的に切り換えて/制御して、好ましくは、伝送パワーレベルを最小化しつつ、通信の品質及び/又はスループットを最大化する。
【0061】
RIS制御インターフェース及びアーキテクチャ
以下の実施形態は、登録プロセス、RIS照会及び命令プロセス、BSからRISを介したUEへの通信経路確立方法、命令発信器(すなわちコントローラ)でのネットワーク制御優先順位付けプロセス、及びRIS故障認識プロセスをカバーする。
【0062】
図1は、様々な実施形態による、RIS登録及び制御システムの(光学的要素及び機能を含む)アーキテクチャの集約を概略的に示す。
【0063】
RIS対応通信のための提案されたシステムは、基地局(BS)10と、少なくとも1つの再構成可能インテリジェントサーフェス(RIS)20と、ユーザの端末デバイス(UE)40とを有する。
【0064】
RISコントローリング基地局10は、関係する通信規格(例えば5G NR)によるRF通信能力(RF-COM)150と、ネットワーク対RIS通信システム(NW-RIS-COM)110とを有しており、RIS20への/からの連絡を送信及び受信する手段としての、状態コントローラとしても知られているRIS通信システム(NW-RIS-COM)110は、例えば、(例えば、RIS状態をセットするために)RISと共に使用するための命令/照会にともなって延長されたF1-Cインターフェースに基づいてその標準通信施設を使用する、単にRIS20への通信手段であるか、又は特定のインターネットアドレスに送信されるメッセージを含む。RIS通信システム(NW-RIS-COM)110は、BSからRISへの送受信システム(NW-RIS-TRX)1110と、RIS照会及び命令能力(RIS-C/Q)1120と、有効性確認手順のための命令/照会フォーマッティング(C/Q-F)1130とを含む。
【0065】
UE40は、関係する通信規格(例えば5G NR)によるBS10との通信を可能にするためのRF通信能力(RF-COM)410を有する。
【0066】
さらにBS10は、ローカルRISと、そのメタデータと、任意選択で、対象の各RISへのBSビーム方向と、のリストを含む任意選択のRISデータベース(RIS-DB)120を有する。代替的に、RISデータベースは、別々に記憶される(例えば、コアネットワーク機能、又は応用性機能(例えば、ネットワーク露出機能(NEF)を通じて利用可能にする)の一部である)。それは、単に、各特有RISを標的とするビーム方向を記憶してもよい。任意選択で、RIS20から供給されたメタデータは、ネットワーク又はBS10によって決定された、その最適なビーム方向、入手可能性、通信における実用性、天気及び経年による性能の変化などの、その性能の特徴を含むように拡張される。
【0067】
RISデータベース120は、多くのローカルBSを制御するネットワークにとって一般的なRIS情報(例えば、RISのロケーション又はRISの能力)と、個々のBSにとって特有である情報(例えば、そのBSによって制御されたRISを経由して特有のUEに到達できるかどうか)とに分割される。例えば、特有のRISへのアクセスが、ネットワークオペレータのためにそのBSのうちのいずれかによってネゴシエートされるので、そのRISに関するある特定の情報は全てのBSにとって一般的である。しかしながら、特有のRISを使用するための能力は、個々のBS間で異なり、例えば、あるRISは一方のBSにとって不明瞭となるが、もう一方にとっては不明瞭とならない。
【0068】
追加的に、BS10は、RISプラニングモジュール(CP/RIS-PM)130を含む通信経路を有し、RISプラニングモジュール(CP/RIS-PM)130は以下を含む。
● 定義されたロケーションでUEと通信するように、BSビーム方向の適正な設定、RIS及びRIS状態の選択を特定するために使用することができる任意のRISの存在、ロケーション、及び挙動を含む、そのローカル環境の任意選択のローカル無線伝送モデル(LRTM)1310。任意選択で、ローカル無線伝送モデル1310におけるRISの性能は、天気及び経年による性能などの、算出された追加のRISデータベース構成要素に基づいて決定される。
● UEロケーション、RISメタデータ(例えば、RIS能力、RISロケーション及び/又はRIS状態)を記憶し、特有のRISをリンクするための任意選択のデータベース(L/RIS-S-DB)1320であって、そのRISの状態設定及びUEのロケーションは、RIS及びRIS状態を用いて、1つ若しくは複数のUEロケーション、RISのアイデンティティ及びロケーション(代替的に、そのRISへのビーム方向)並びに/又はRISを経由したそのUEロケーションへの過去の通信と関連するRIS状態を所与として、BS10によって成功裏に伝達された、任意選択のデータベース(L/RIS-S-DB)1320。
● UEとの最適な通信のためにRISの状態をくまなくローカル若しくはグローバル探索する(それによって、ローカル状態が、RISメタデータに含まれるRIS状態位相幾何学的マップから導出若しくは取り出される)ために設けられた任意選択のRISビーム探索能力(RIS-BS)1330か、又は、BS10からのビームを適合させる、RISの状態を適合させる、並びに/又は、UE40及び/若しくは(例えば、RIS-UE50とBS10との間の接続を介して提供された)RISから受信された測定結果報告に基づいてビーム角度を決定する適応ビーム操縦能力。
【0069】
さらに、BS10は、登録コントローラとしても知られるRIS登録能力(RIS-REG)140を有し、RIS登録能力(RIS-REG)140は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
● RISへのアクセスをネゴシエートすることが必要とされる手段を返すようにRISがネットワーク又はBS10を制御することによって、使用可能なRIS設置データベース(RIS-I-DB)30への新たな記載を決定するためにRIS設置データベース30に照会する能力を提供する任意選択のRIS設置データベース照会(RIS-I-DB-Q)機能1410。
● RIS登録プロセスの一部として登録記載をセットアップするためにRISからの通信に応答する能力を提供する任意選択のRIS登録要求応答(RIS-REG-REQ-RES)機能1420。これもまた、ネットワーク、例えば、インターネット、又は、RISが特定のオペレータに関連付けられている場合には、特有のオペレータのネットワークにおいてホストされる。
● 有効性確認、制御及び照会アクセスを獲得する、並びに価格及び価格付け方法(ある場合)に同意する手段と、RISメタデータ220へのアクセスを獲得する及び/又はそれをRISデータベース120に記載する手段とのうちの少なくとも一方を含むRISへのアクセスをネゴシエートする能力を提供するRIS登録プロセス能力(RIS-REG-P)1430。
● ビーム方向を、UE10が任意の時間期間にわたって通信した全てのUEの(UE10との通信中に獲得された)ロケーションと関連付ける任意選択のビーム方向及び/又はUEロケーションログ(BD/UE LOG)1440。このログ1440は、ビーム方向及び/又はUEロケーションログ解析を用いて解析されて、UEロケーションに大きなばらつきがあり、そのビーム方向にRISが存在していることと一致する、ビーム方向を特定することができる。例では、UEのロケーションは、各UEに対してBS10によって、互いに通信しながら、推定される。別の例では、自己報告型UEのロケーションが、BSによって行われる追加の推定値によって改良される。
【0070】
さらに、RIS20は、以下のコンポーネント又は機能のうちの少なくとも1つを有する。
【0071】
i いくつかの設定「状態」にセットされ得、そのそれぞれが、通信と関連する周波数の電波の異なる再方向付けパターンをもたらす、マルチ要素電子制御可能サーフェスである再構成可能サーフェス(REC-SF)270。そのような再方向付けは、
● 所与の反射角での反射と、
● 伝送と、
● フォーカス又はデフォーカスと、
● マルチビームの発生と、
● 所与の屈折角での屈折(このオプションは、例えば建築物内での通信を可能にするために重要であり得る)と、
● 吸収(このオプションは、ノイズを低減する、及び/又は所与の環境を隔離するために使用され得る)とのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0072】
設定状態は、ばらばらの個数の状態識別子(例えば、状態1、状態2、状態3)又は、再方向付けパターン(例えば(所望の)反射角、合焦ポイント、ビームの数、吸収/減衰係数など)の表現としての信号特質の集合によって表される。
【0073】
設定状態はさらに、ビットマップ(例えば、各要素のオン/オフ状態を識別する)又はマルチ次元配列(例えば、各要素の位相シフト、吸収、フォーカス情報、角度情報などを特定する)として表されるマルチ要素RIS内の各要素の個々の状態である。RIS内の要素は、(それらの個々の状態及び/又は所望の特性を変化させるために)電子制御型としてもよいが、さらに(物理的にRISの角度を制御するためにモータによって)物理的に制御されてもよい。光通信の制御のため、RISは、フォーカス、不透明度、曲率、偏光/フィルタ状態、及び反射角が個々に制御されるレンズからなる要素をさらに有する。
【0074】
これらの設定状態は、所望の状態を示すことによってワイヤレスネットワークのアクセスデバイス(例えば基地局)によって制御可能であり、それによって、RISは、所望の状態を達成するように、又は、RISをその所望の状態に再構成するために、(マルチ要素RISの各要素に対して個々に)詳細な(再)設定パラメータを含む制御情報をアクセスデバイスからRISに送信することによって、RISの要素を再構成する。
【0075】
ii 例えば、BS10のRIS通信モジュール110によって命令されると、再構成可能サーフェス270の状態をセットするように構成されたRIS制御モジュール(RIS-CM)260。RIS制御モジュール260は、再構成可能サーフェス270の、RIS状態として現在セットされている、現在の状態を記憶する。さらに、RIS制御モジュール260は、初期起動と同時に状態サイクリングを実行するために、任意選択の状態サイクリング(ST-CYC)能力又は機能2610を有し、それによって、その状態を大きく異なるランダム状態に定期的に切り換える。RIS20が、成功裏に1つ若しくは複数のネットワークに登録されると、及び/又はアクセスデバイスによって制御されていると、この挙動が抑制される、或いは、RIS20がBSによって受動的サーフェスとして使用されるのを防止するために、RIS20が命令されていないとき、この機能が実行され続ける。目標は、他者(例えば、RIS所有者との使用合意が得られていないネットワークオペレータからのBS)がRIS20を受動的サーフェスとして使用するのを防止することである。別のオプションでは、RIS20は状態を変化させ続け、ネットワークは、自身のニーズに従ってその状態を設定すると決定したときのみ、そうする。又は、RIS20を制御するネットワーク(例えばBS10)は、RIS状態のスケジュールを知っているかもしれず(例えば、RIS20は、BS10に、BS10がRIS20を賃借していた時間期間の間のRIS20のスケジュールを提供する)、RISが特に所望の状態にあるときにRISを使用するために、そのスケジュールを使用して、適切な通信時間スロットを選ぶ。
【0076】
iii RISについての情報(例えば、RISの能力を得るため及びネットワークによるRISの制御のため)を含むRISメタデータ(RIS-MD)220。これは以下のうちの少なくとも1つを含む。
● アイデンティティ情報(例えば、この情報は設置者によって記載される)。
● ロケーション及び向き(例えば、この情報は、RIS20又はRISセンサ(RIS-S)250の設置者によって記載され、RISセンサ(RIS-S)250は、ロケーション及び3D向きを決定し、登録プロセス中に自動的にそのことを伝達する)。
● 設定状態のセット(例えば、飛び飛びの又は場合によっては連続した状態値であり、それが表現されることには、特有の角度でサーフェスに入射する入射電波が、方向、及び合焦を含む出射電波に変換され、状態は位相幾何学的マップ(RIS状態位相幾何学的マップ)に編成され、位相幾何学的マップは、どの状態が「隣接」であるか示す、すなわち、最も類似したビーム方向などの結果を与え、開始RIS状態から始まる最適な通信経路のローカル探索を行うことをできるようにする)。
● デフォルトRIS状態(例えば、サーフェスのデフォルト状態(RIS20がサーフェス自体を、命令された状態が存在しないときにセットする状態;RIS20は、電力供給されていない、又は何らかの他の状態(これらは同じではない)を採用するように命令されていないとき、おそらく特有の状態をデフォルトに設定する;ネットワークがRIS20に、通信のために最適化された何らかの状態になるように命令する前に、RIS20はこのデフォルト状態にある可能性が高いので、ネットワークはこのデフォルト状態を知る必要がある(但し、RIS20が受動的サーフェスとしてその使用を防止するために「状態サイクリング」を実行するようにセットしない限り。「状態サイクリング」では、ランダム状態及び変化状態があることになる))。
● 再構成可能サーフェスのスイッチング速度(RISは、ゆっくりとしたスイッチングであると、BSが迅速に、高帯域に、UEとの確実な通信を、特に、そのRISを用いて、RISの状態をくまなくサイクリングすることによって通信経路を確実に探索するために、モバイルUEとの確実な通信をセットアップする能力を妨げることになるので、その状態をできるだけ迅速に切り換えることができる;RIS20に対する状態スイッチング速度は、RIS20が通信経路を探索することが必要とされる場合、RIS20が、合理的な時間においてくまなく探索することができる状態の個数を示す;又は、RIS20に対する状態スイッチング速度は、動作中にある状態から別の状態になるように命令されている速度若しくは時間期間を別個に示す)。
● 認証、制御及び照会方法(例えば、サーフェスに送信される信号がそれらを(明確な値のセット若しくは少ない個数の連続した値のうちの一方である)特定の状態にセットする制御方法;及び/又は、RIS20に送信される制御信号が有効な発信者によって送信されると決定することができる認証方法;認証方法はさらに、何らかの形態の命令有効性確認が確立される登録プロセス中に、命令が確実に新鮮であるようにする、例えば、RIS20が、RIS20に送信しRIS20が制定したいかなる命令も、実際、RIS20に命令するための許可を有する認証されたソースから発信するように、将来決定し得るように、セキュリティ鍵が交換されるべきである;及び/又は、RIS20に送信される照会信号が、有効な発信者によって送信されると決定され得る照会方法)。
● ネットワーク制御優先順位付け手順(例えば、ネットワークオペレータ又はBSのアイデンティティによる、RISの制御に割り当てられた優先順位、例えば、ネットワークオペレータのアイデンティティ/名称(例えばPLMN ID)又はBSのアイデンティティの順序付けされたリストを構成し、それによって、現在RISを制御しているネットワークオペレータ又はBSよりも高い優先順位を有する(例えば、順序付けリストにおいてより高い)ネットワークオペレータ又はBSによる制御セッションをセットアップする制御命令又は要求をRISが受信した場合、より高い優先順位を有するネットワークオペレータ又はBSによる制御セッションをセットアップする制御命令若しくは要求が優先権を受ける。このことは、より低い優先順位を有するネットワークオペレータ若しくはBSによる制御動作の取りやめ又は制御セッションの打ち切りに帰着する、及び/又は、エラー/通知メッセージのより低い優先順位を有するそのネットワークオペレータ若しくはBSへの伝送に帰着する。追加的に又は代替的に、RISは、複数のネットワークオペレータ又はBSによってカバーされるエリアにおける登録の選択権を有する場合、順序付けリストの中で最も高いネットワークオペレータ又はBSに登録することができる)。
● コスト((例えば、RIS20の所有者によって、RIS20を制御するネットワークに請求される)RIS20の制御に関連するコストがある場合)、これは、例えば量及びスケジュールの両方(例えば、使用ごとの支払い、固定料金、1日のうちの時間ベースの価格設定など)に関して、ネットワークによって導出され得る)。
● デバイスのタイプ(例えば、(基地局(BS)の同じ側のUEに対して信号を反射させることをできるようにする)反射性RIS、(BSの反対側のUEにサービスを提供するように、信号がRISを貫通できるようにする)透過性RIS、又は、ハイブリッドRIS(但し、RISは、反射及び透過の二重の機能を有する)、それは、例えば、個々のサブ要素/パネルの数、使用されるその材料、デバイスの物理的寸法/サイズに関する情報をさらに含む)。
● 能力(例えば、無線/通信能力、リレー能力(例えば、IABリレー、スマートリピータ、ProSeリレーのサポート/との適合性)、センサの数/タイプ、RIS要素の特質及び(相対)位置、最大/最小反射角、サポートされる及び/又はサポートされない周波数若しくは周波数範囲、サポートされる反射角、RIS及び/又はRISの要素の角度を物理的に制御するためのモータ(の数)、並びに、それらが許容する自由度)。
【0077】
さらに、RIS20は、命令及び照会を受信し、結果を返すことができるRIS通信モジュール(RIS-COM)210を有する。RIS通信モジュール210は、以下の少なくとも1つを含み得る:
● RIS-コントローリングネットワーク(例えばBS10)、例えば5G NRと同じワイヤレス通信システムを使用するが、他のワイヤレス通信システムを介して、又はWifi、Ethernet、若しくはBluetoothなどを用いてローカルに接続された、インターネットを介したメッセージの送受信を含む、RIS送受信システム(RIS-TRX)2110。UE40と通信するプロセス内で、これらのRISのシームレスな使用を達成するために、RIS20と連通されることになる状態スイッチング命令は、BSがUE40への通信経路をそれを介してセットアップしようとしている同じ通信ネットワークを通じて伝送又はルーティングされ得る。しかしながら、RIS20と通信する他の手段(例えば、インターネットプロトコルを介した、固定式インターネットリンク、Wifi、若しくはBluetoothなどを介した)を使用することができるが、UE40との通信をセットアップするプロセスにおける遅延を招くことがある。
● RIS設置データベース30へのRIS20の登録をセットアップするように構成されたRIS登録能力(RIS-REG)2130。
● 有効化されたネットワークリスト(例えば、そのRIS20の制御に関して有効化されているネットワーク又はBSのリスト)と、任意選択のRISネットワーク優先順位リスト(例えば、ネゴシエートされた優先順位番号のそれぞれの有効化されたネットワークを与える)と、(「ネットワークブラックリスト」などの)ネットワークからの命令/照会の受領のために必要な任意選択の追加情報と、1つ又は複数のネットワークを用いた登録を開始するための任意選択の能力(例えば、RIS登録要求能力)とを含むRIS命令/照会有効性確認及び受領(RIS-CQ-V)能力2120。例えば、RIS-CQ-V能力を用いて、RISは、BS10によってサービスを提供されるネットワークにアタッチ及び/又は登録するように設定され(例えば、それは、3GPP(登録商標) TS38.331に明記されたRRC接続セットアップ手順を、又は、3GPP(登録商標) TS23.502に明記された、(例えば、BSからそれぞれのシステム情報ブロックを受信し、BS及び/又はネットワークの詳細を告知することによって)近くで発見された1つ又は複数のネットワーク/BSへの登録手順を実行するようにセットされており、それによって、RISは、アイデンティティを含み、(それはRISについてのメタデータなどの他の情報を含み)、ネットワーク/BSはアイデンティティを使用してRISを認証することができ、その時点で/後、RISは、コアネットワーク機能/BS及び/又はデータベース(例えば、RIS設置データベース30、場合によってはRIS-REG能力2130と協働して)に登録される。
【0078】
さらに、RIS20は、RIS現在情報データ(RIS-CID)230を含み、RIS現在情報データ(RIS-CID)230は、再構成可能サーフェス270に関して現在セットされている設定状態を示す現在のRIS状態と、現在のコントローラの優先順位番号にセットされている任意選択の現在コントローラ優先順位番号(命令されない場合、このフラグはゼロ(NULL)にセットされる)と、RIS20/再構成可能サーフェス270の現在の状態が現在命令されているかどうか(例えば、別のネットワーク/BSによって)を示す任意選択の現在命令されているフラグと、任意選択の期間中時間タイマ(例えば、現在の状態がネットワークによってどれだけの時間期間の間命令されているかに関して示すタイマ及びタイマ値)と、(RIS20が正常に電力供給されており、その状態を1つの命令された状態にセットすることができる場合「False」にセットされ、又はRIS20がその状態を命令された状態に現在設定できない場合、「True」にセットされる)動作外フラグとを含む。
【0079】
任意選択で、RIS20はネットワーク使用ログ(NU-LOG)240を含み、ネットワーク使用ログ(NU-LOG)240は、各ネットワーク/BSが最後の時間期間にRIS20/再構成可能インテリジェントサーフェス270を使用した総時間と、任意選択で、規定された時間間隔中に各ネットワークに対するRISの使用の時間及び長さの完全なリスティングとを記憶する。
【0080】
さらなるオプションとして、RIS20は、RISセンサ(RIS-S)250、例えば、再構成可能サーフェス270のロケーション及び向きを収集するセンサのセットを有する。例として、RIS20は、そのロケーションを決定するため、及び/又は、クロック同期情報を受信するため、GPS/GNSSモジュールを有し、例えば、その向きを決定するために、ジャイロスコープ及び/又は羅針盤を含む。
【0081】
任意選択で、システムは、公開されたRIS設置データベース(RIS-I-DB)30を有し、全てのRIS設置の詳細、及びそれらの登録の要求手段がRIS設置データベース(RIS-I-DB)30に記憶されており、(RIS-I-DB)30の機能は、
i 新たなRIS設置をRIS設置データベース30に記載するための手段/機能と、
ii ロケーションに従って、RISタイプに従って、及び/又はRIS特性に従って、RIS設置データベース30に照会するための手段/機能とを含む。
【0082】
RIS登録及び制御手順
図2は、様々な実施形態による、RIS登録及び制御方法のフロー図を概略的に示す。
【0083】
ネットワーク登録(NWR)ステップS201では、ネットワーク(例えばBS10)は、RIS20を登録し、その制御に必要とされる全てのパラメータを決定する一方、制御は有効化され受領された命令及び照会によって行われる。
【0084】
後続の経路決定(PD)ステップS202では、ネットワーク/BSは、ビーム形成される(方向付けられる)信号の経路をRIS20に向けて方向付けすることと、RIS状態を、ビームがUEに向けて適正に再方向付けされるように、セットすることとを含め、UE(例えばUE40)を含む最適な通信経路を決定する。アクセスデバイスとUEとの間のLOS信号が劣化した、若しくはLOS信号に降下が生じた(例えば、障害物により)、又はLOS信号に信号強度のピークがある(例えば、信号がRISを介して反射させられたことにより)場合、ネットワーク/BSが、RISを介してUEと通信する、経路決定ステップを開始する、及び/又は、RISを設定する/指揮するようにトリガされることに留意されたい。これは、UEからの測定報告、又はCSIフィードバックを通じて発見される。特定の例では、測定報告が、UEがある特定の方向に移動しているものの、UEに向けたビームの調整により、信号品質/強度が改善されず、実際には劣化していることを示している(例えば、そのRSRPフィードバック又はUE RX-TXフィードバックを通じて)場合、それは、UEが障害物によって不明瞭になっていることを示している。これは、RISを介したUEへの通信経路をセットアップするために、RIS及び/又はRISの状態を決定するように、ローカルビーム探索又は他の通信/ビーム経路確立プロセス(さらなる実施形態で示される)をトリガするようにネットワーク/BSをトリガする。
【0085】
追加的に又は代替的に、ネットワーク/BSは、例えば(さらなる実施形態で記述されたように)UEからのサイドリンクを介して発見メッセージを受信した後に、UEが接続を失った、及び/又は、RISを介して通信することを望むというメッセージを、RISから/を介して受信した場合、RISを介してUEと通信するようにトリガされる、経路決定ステップを開始する、及び/又は、RISを設定する/指揮する。
【0086】
下記の状態決定(SD)ステップS203では、ネットワーク/BSはRIS20に照会して、RIS20が別のネットワークによって指揮されているかどうか、及び任意選択で、現在の命令されている優先順序レベルが何であるかを含む、その現在の状態を決定する。代替的に又は追加的に、RISがその現在の状態についての情報を照会されることなくネットワーク/BSに伝送することに留意されたい。
【0087】
次いで、ビーム方向付け及び状態命令(BD/SC)ステップS204では、S202で見出された経路が、良好な品質の通信を達成する経路であり、ネットワーク/BSがRIS20を指揮/制御することができる場合、ネットワーク/BSは、そのビーム形成された(方向付けられた)信号をRIS20に向けて方向付け、RIS20を適切な状態になるように命令する。この手順は、UEが移動するにつれて、又は、RF通信経路の障害を引き起こす環境内の大きな物体が移動するにつれて、繰り返される。
【0088】
最後に、チェッキング(CHK)ステップS205では、ネットワーク/BSは、そのRISデータベース120において、RISが動作中のまま維持しているかどうか定期的にチェックする。
【0089】
したがって、新たに設置されたRISシステムは、RISのための正規の登録プロセスが利用できない場合の発見方法を含め、ネットワーク/BSがRISシステムに所望の状態になるように命令する能力を有するように、登録され得る。これにより、関連するRISシステムを含む通信経路を迅速にプラニングする能力がもたらされ、BSビーム方向及びRIS状態のすみずみまでの網羅的な現実世界の探索が回避される。さらに、もはや機能しない登録されたRISが、実現可能な通信経路からエンドユーザによって除去され得る。
【0090】
図3は、必要とされ任意選択のサブプロセスを含む、RIS対応通信のためのRIS設置データベース30を含む実施形態による、RIS発見及び登録プロセスを概略的に示す。
【0091】
このプロセスにより、ネットワーク内の新たにセットアップされたRIS20の登録、及びRIS20を含むネットワークの有効性確認が可能になり、以て、ネットワークにともなうRIS20の特性が確立され、ネットワークが、正当なやり方でRIS20の状態を命令することができるようになる。
【0092】
RIS設置者が、RIS20の一意の識別子を(任意選択で登録を要求する方法と一緒に)RIS設置データベース30に記載し(310)、或いは、これは、初めてスイッチオンされたとき、又はあらかじめ定められたユーザ起動若しくはネットワーク起動トリガ事象によって(例えば、RISがネットワークにアタッチ及び/又は登録し、それによってRISがアイデンティティを含み(それがRISに関するメタデータなどの他の情報を含み)、ネットワーク/BSは、アイデンティティを使用してRISを認証することができ、及び/又はその特性をRIS設置データベース30に若しくはネットワーク機能/BSに登録することができる)トリガされたとき、自動的に実行される。
【0093】
BS10は、例えば、そのオペレータの資格証明のためにアクセス認可が授与され、そのRIS設置データベース照会機能1410を使用することによって、新たな記載のためにRIS設置データベース30を周期的にチェックする(320)。代替的に、BS10は、BSによるこれまでの照会に合致する、関連する新たな記載が追加された場合、データベース30によってその旨が通知される。
【0094】
次いで、BS10は、登録を要求するデータベース記載方法を、及び/又は、そのRIS登録プロセス能力1430を使用して、RIS登録機能2130と共にRISメタデータネゴシエーション及び有効性確認手順330を用いることによって、RIS20からRISメタデータ220を取得する。このプロセスは、直接的な手順として示されているが、さらに、ブローカー又はサービスを介して間接的に行われる場合もある。
【0095】
RISメタデータ220を含む詳細は、BS10のRISデータベース120に記載される。RIS20がRISセンサ250を含む場合、RIS20のロケーション及び/又は向きは、これらのセンサ250から収集され、RISメタデータ220の一部としてBS10に伝達される。
【0096】
BS10は、有効性確認のためのデータ、RIS使用に関する優先順位、並びに、任意選択で、RIS20の使用のための支払い価格及びスケジュールを取得するように、そのRIS登録プロセス能力1430を使用してRIS20を制御するための能力をネゴシエートする。この際、「ネゴシエーション」は、厳密には、個々の価格/アクセスネゴシエーションを含まず、単純な要求/応答プロトコルであり、但し、ネットワークは、特定のRIS R1(例えば、
図3のRIS20)を制御するために特定のBS B1(例えば、
図3のBS10)に対してアクセスを要求し、それによって、RIS設置データベース30は、ネットワークオペレータとのRIS所有者の現行の大型契約に基づいてこのアクセスを授与する。
【0097】
他の事例では、価格ネゴシエーションプロセス又は他のタイプの自動化されたネゴシエーションが含まれる。
【0098】
命令/照会有効性確認プロセスは、成功裏に完結された時点で合意され、このプロセスでは、例えば、公開鍵(例えば、Rivest-Shamir-Adleman(RSA)公開鍵)が交換されて、命令又は応答のセキュアな交換が可能になる。例では、セキュリティ材料がBS10によって取得され、その結果、BS10は後でこれを使用して、RIS20に対して認証する。
【0099】
図4は、登録についてのRIS要求を含む実施形態による、RIS発見及び登録プロセスを概略的に示す。
【0100】
設置後、起動時に、RIS20は、ローカルネットワークを見つけて、そのRIS一意識別子と登録を要求する方法とを、BS10のRIS登録要求応答機能(RIS-REG-REQ-RES)1420にセキュアに伝送する(410)ことによって、それらのネットワークへの登録を要求するために、RIS命令/照会有効性確認のそのRIS登録要求(REG-REQ)能力と受領(RIS-CQ-V)能力2120とを使用するように構成される。これは直接、又は間接的に行われる。後者の事例では、例えば、RIS20はUEとしてBS(例えばgNB)に接続し、次いで、その登録要求をネットワーク機能又はインターネットサービスに伝送するので、この事例では、BS10はネットワークサービスである。
【0101】
BS10は、RIS20を制御するための能力をネゴシエートして(420)、それによって、BS10は、そのRIS登録プロセス能力(RIS-REG-P)1430を使用して、RIS20使用に関する有効性確認及び任意選択で優先順位、並びに、任意選択でRIS20の使用に関する支払い価格及びスケジュールを取得する。
【0102】
有効性確認プロセスは、成功裏に完結された時点で合意され、このプロセスは、例えば、命令/応答の暗号化/暗号解除のための公開/秘密RSA鍵の交換、又は認証目的の公開鍵の交換を含む。代替的に、BS10は、これまでの有効性確認/承認/認可を取得しており、及び/又は、RISと共にそれ自体を認証するために資格証明を取得している(例えば、AMFによる事前設定を通じて、又は、RISがネットワークにそれ自体を登録したとき、(例えば、認証後のAUSFから)資格証明を受信することによって)。
【0103】
手順中、BSは、RISを含む認証(例えば公開鍵)のための資格証明を含む。RISは、これを使用してBSを有効化し、RISメタデータ220は、BS10に供給されて、そのRISデータベース120に記載される。代替的に又は追加的に、BS10は、すでにRISデータベース120内にあるRISメタデータを取り出す、又はコアネットワーク機能を介してRISメタデータを取得した。RIS20がRISセンサ(RIS-S)310を含む場合、RIS20のロケーション及び/又は向きは、これらのセンサ310から収集されて、RISメタデータ220の一部として伝達される。
【0104】
任意の他の実施形態と組み合わせることが、又は独立して実施されることが可能な実施形態では、RISは、1つ若しくは複数のアクセスデバイスのロケーション情報を記憶するための手段を有しており、(例えば、アクセスデバイスの登録能力への登録中に)アクセスデバイスとの初期メッセージ交換を用いる初期設定中に、そのようなロケーション情報を受信することができ、又は、RISは、初期セットアップ中に設定インターフェース(例えば、ローカルUI、設定ウェブページ、携帯電話とのNFC交換)を通じて受信することができ、但し、RISは、アクセスデバイスのロケーションの方向に(言い換えると、あらかじめ定められた一定の方向に)信号及び/又はビームの反射を方向付ける状態になるように指令/制御されることが可能であり(例えば、初期セットアップの一部として又はスケジュールに従って)、それによって、RISはそのような状態をデフォルトRIS状態として使用する。アクセスデバイスは、RISのそのような状態を使用して、RISの検出、及び/又は、アクセスデバイスとRISとの間の距離/角度測定を行う(例えば、信号の送信とRISによる反射信号及び/若しくはビームの受信との間のタイミングを測定することによって、並びに/又は、(アクセスデバイスの複数のアンテナによって測定された)アンテナ及び/若しくは信号特質間の時間差を測定することによって)。そのような機構を用いることによって、そのロケーションがネットワーク/BSには(まだ)知られていないRISを見つけて登録する効率的なやり方がもたらされる。
【0105】
図5は、ローカリティ方法におけるRIS20の自動発見を含む実施形態による、RIS発見及び登録プロセスを概略的に示す。
【0106】
RIS20が設置されて起動されるが、まだいずれのネットワークによっても登録されていないとき、RIS制御モジュール(RIS-CM)260のその初期挙動は、RIS20がその状態を別個の状態間からランダムに選択された状態に周期的に変化させる、状態サイクリング(ST-CYC)機能2610にセットされる。
【0107】
さらにRIS20の所有者は、(例えば)、適切な支払い又は許可なく、(そうでなければ、状態が予想可能な場合、起こり得たかもしれない)いかなるネットワークもRIS20を受動的サーフェスとして用いることを防止するために、ネットワーク/BSによって制御されていないとき、(デフォルトRIS状態にするのではなく)この状態サイクリング機能2610を始動するようにRIS20をセットする。
【0108】
RIS20が少なくとも1つのネットワークによって登録され制御されているとき、RIS20は、登録されたネットワークによって命令された状態を採用することができる。RIS20は、さらに、状態サイクリング機能2610を操作しており、それによって、ある状態になるように能動的に命令されていないとき、状態をランダムに変化させる。両方の事例において、登録されていないBSからRIS20に向けられたビームは、異なる時点で異なる方向に再方向付けされることになる。
【0109】
RIS20が現在登録されていない又はRIS20が現在能動的に指揮していないネットワーク(すなわちBS10)は、そのビーム方向/UEロケーションログ解析(BD/UE)1440によって解析されたそのビーム方向/UEロケーションログ(LOG)1442を用いて、ある特定のエンドUEロケーションへのビーム経路が、BSビームが特有の方向に向けられているとき、著しく変動し得ることに気付く/を決定する。すなわち、ある特定のビーム方向が、異なる時点で著しく変動するエンドユーザ/UEロケーションのログに関連付けられる。又は、代替的に、特有の方向に向けられたBSビームが、特定の静止UEに対して特定の可変の(例えば、断続及び周期的)接続性をもたらすことに留意されたい。この解析は、RIS20がそのビーム方向に存在していることを示している。ビーム方向/UEロケーションログ1442に記憶された対応する情報は、RIS20の再構成可能サーフェス(REC-SF)270に方向付けられたビームに基づいて、RF通信機能(RF-COM)150から取得されている(例えば、BS10に登録されたUEからの、例えば、ビーム/SSBインデックスあたりのRSRP値を含む、測定結果報告の集合に基づいて)。この情報/解析に基づいて、ネットワーク(すなわちBS10)は、RIS20に登録/接続すべきか否か決定する、及び/又は、RIS20に命令/照会を伝送するように決定する。
【0110】
新たに特定されたRIS20のロケーション及び/又はビーム方向に注目すると、ネットワークは、データベース内の探索と、ワイヤレス通信プロトコル(例えば発見プロトコル)を用いて直接的な要求を送信することと、その建築物内に位置する会社又は個人に連絡を送信することとを含む、広範な方法によって、RIS20への登録を確立するための手段を捜し求めることができる。
図5の例では、BS10のRIS登録能力(RIS-REG)140は、例えば、ビーム方向/UEロケーションログ解析1440の結果に基づいて、RIS設置データベース(RIS-I-DB)30からRIS20の一意の識別子(及び、任意選択で、登録を要求する方法)を取得する(510)。
【0111】
任意の他の実施形態と組み合わせることが可能な実施形態では、RIS登録方法が取得された、又はRIS20がネットワークに登録を行った(例えば、内蔵RIS UE50を用いて)時点で、RIS20のRISメタデータ220が、BS10のRIS登録プロセス能力(RIS-REG-P)1430と、RIS20のRIS登録能力(RIS-REG)2130との間のネゴシエーション及び有効性確認手順520を用いることによって、BS10に供給される。次いで、RISメタデータ220は、BS10のRISデータベース120に記載される。RIS20がRISセンサ(RIS-S)310を有する場合、RIS20のロケーション及び/又は向きは、これらのセンサ310から収集され、RISメタデータ220の一部として伝達され得る。
【0112】
BS10は、有効性確認、RIS使用に関する優先順位、並びに、任意選択で、RIS20の使用のための支払い価格及び/又はスケジュールを取得するように、そのRIS登録プロセス能力1430を使用してRIS20を制御するための能力をネゴシエートする。このネゴシエーションが成功裏に完結すると、前述のように、命令/照会有効性確認プロセスが合意される。これは、後続の命令又は照会のための有効性確認プロセスである。代替的に、BS10は、AMFなどのコアネットワーク機能から、又はAUSFからRIS20を制御するための認可情報及び/又は指令を受信する(例えば、RISが認証された後、RISがネットワークにそれ自体を登録したとき)。情報/指令は、RISメタデータ、RIS20に関する優先順位、又はRIS20の使用に関する支払い価格若しくはスケジュール、RIS20と通信するために使用する資格証明、或いは、命令又は照会をRIS20に伝送するための他の関連情報を含む。
【0113】
任意の他の実施形態と組み合わせることが可能な実施形態では、BSは、規則正しい又は事象主導の通知の能力を含むRIS(又はスマートリピータ)を設定し得る。この設定は、RRCメッセージによって行われ得る。この能力は、所与のパラメータが、例えば、ある値に到達した、範囲から外れているなどのとき、RISに、その旨をBSに通知させることをできるように又は必要とし得る。この能力は、RISが、あらかじめ規定されたスケジュールに従って、及び、あらかじめ規定されたリソース(例えば、周波数又はタイミングリソース)を用いて、所与のセットのパラメータについてBSに通知することを可能に又は必要とし得る。
【0114】
RISの状態の制御
図6は、実施形態によるRIS照会及び命令プロセスを概略的に示しており、但し、ネットワーク(すなわちBS10)は、特有のRIS20に選択された状態を採用するように命令しようとする。プロセスは以下のサブプロセスを含む。
【0115】
BS10のネットワーク対RIS通信システム(NW-RIS-COM)とRIS20のRIS送受信システム(RIS-TRX)2110との間の通信ルートが、登録の間に、例えば、BS10とRIS20との間で、送信される命令及び照会610並びに受信される応答620のための5G通信の間に、通信経路、及び、BS10の、経路確立部としても知られる、RISプラニングモジュール(CP/RIS-P)130によって確立される。通信経路がさらに、RIS20の制御の下/先導で、同じRIS通信システム(NW-RIS-COM)及びRIS送受信システム(RIS-TRX)を用いて確立される。RISは、BS10によってブロードキャストされ、RIS-TRXによって受信された情報(例えば、RISがBSにアタッチすることができるようにするための必須情報を含むシステム情報ブロック)を使用することが可能であり、その後、RISは、このブロードキャストされた情報に基づいて、ネットワークに登録する。BSによってブロードキャストされたこの情報は、命令又は照会610として理解され、RISからのアタッチ/登録メッセージは応答620として理解される。
【0116】
次いで、RIS20の所望の選択された状態がBS10によって決定され、その選択された状態がネットワーク(例えば、BS10の通信経路及びRISプラニングモジュール130)によってチェックされて、それがRIS20のメタデータ(RIS-MD)220において許容される状態であると、例えば、RISデータベース(RIS-DB)120を検査することによって決定される。次いで、発信ネットワーク/BSのアイデンティティ、対象RIS20のアイデンティティ、若しくはそのRIS20と現在関連付けられている一時的アドレス、(RIS20が、メッセージがそれ自体を対象にされており、送信者が本当の/認可されたアイデンティティであることをチェックすることが可能であるような)有効性確認データ、及び/又は(命令される状態、及びその状態になることが必要とされる時間期間を含み、何らかの好適な表現(例えば、「10フレーム」、「20フレーム」、「100フレーム」などのようなクラスを示すビットなどの、コードブックからの量子化された時間期間のセットの1つ)でコード化された)照会若しくは命令を含む命令が生成される。
【0117】
次いで、BS10は、有効性確認(C/Q-F)機能1130のためのその命令/照会フォーマッティングを用いて、照会/命令を、成功裏に有効化されることになる、例えば、そのRISのための合意鍵を用いてそれを暗号化する形式に配列する。
【0118】
次いで、RIS20は以下のプロセスを実施する。
【0119】
RIS20は、RIS送受信システム2110の通信モジュールを用いて、伝達された照会又は命令610を受信する。
【0120】
RIS20は、そのRIS命令/照会有効性確認及び受領(RIS-CQ-V)機能2120によって、例えば、そのネットワークに関係付けられ受領のための合意鍵を用いて、メッセージ完全性コード(MIC)を検証することによって、有効性のための命令/照会をチェックする。受領された場合、RIS20は、RIS命令/照会有効性確認及び受領機能2120によって、少なくとも命令された時間長の間、命令された状態になるようにセットされる。受領は下記の場合に拒否される。
a. 命令が、無効な状態による間違った配列又は命令を有するか、又は提供されたRISアイデンティティが、そのRIS20のアイデンティティと一致しない。
b. 命令が、RIS20の有効化されたネットワークリスト(VNW-L)280に記憶された有効なソースから生じていない。無効なソースの例は、登録されたネットワークオペレータであるか、適切に認証されることが不可能なその基地局のうちの1つであるか、又は、認証され得るがRIS20を制御するように認可されないソースである。有効なソースは、登録プロセスを成功裏に完了していなければならない。
c. 要求の優先順位は、RIS20の現在のコントローラ(1つ存在する場合)の優先順位よりも高くない。
d. 任意選択で、ネットワークが、RIS20に記憶されたネットワークブラックリスト(NWB-L)284上にある場合。例えば、ネットワークに問題があり、例えばその勘定をRIS所有者に支払わず、RIS20が、そのネットワークからの命令を拒否するようにセットされた場合、ネットワークはブラックリストに記載される。
e. RIS20のいくつかのコンポーネントが現在故障している。
【0121】
RIS20が命令を受信しており、それが有効化され受領されている場合、RIS命令/照会有効性確認及び受領機能2120は、RIS20の再構成可能サーフェス(REC-SF)270をその状態にセットするようにRIS制御モジュール(RIS-CM)260を制御し、RIS現在情報データ(RIS-CID)230を更新し、コンファメーションをBS10に返す。
【0122】
RIS20は、(命令ではなく)照会を受信した場合、以下の情報のうちの少なくとも1つを返す。
a. RIS20の現在の設定状態又はその表現。これは、全てのアクチュエータについての詳細を含まない今の状態(例えば、高レベル状態)の概要である。
b. RIS20が現在、その状態になるように命令されている場合は「True」に、そうでない場合「False」にセットされている、現在の命令されたフラグ。
c. 任意選択で、現在RISを指揮しているネットワークの、記憶された命令優先順位リスト(NP-L)282上の、位置である優先順序パラメータ(例えば、現在のコントローラ優先順位番号又はインジケータ)(現在命令されているフラグが「True」の場合のみ定義されており、それ以外はNULLとなる。)
d. 任意選択で、ネットワーク現在命令期間が終了する前に、どれだけの期間待たなければならないかをネットワーク(すなわちBS10)に示すタイマ値tPT。
e. 再構成可能サーフェス270が何らかの理由のために休止している場合、RISは、そのことを認識しているので、「True」にセットされた(他の場合は「False」)休止フラグを返さなければならない。RISは、任意選択でさらに、より詳細に問題を記述するエラービット又はコードを返す。或いは、例えばtPTを用いて、それがオンラインに復帰すると予期する時間のインジケーションである。
f. RIS20のメタデータ220(のサブセット)又はその更新。これは、RISが移動した場合、RIS又はその更新のロケーション情報を含む。
【0123】
RIS20は、いずれの命令も受信しない場合、その再構成可能サーフェス270の設定状態を、ベースライン状態(例えば、デフォルトRIS状態)にセットする、又は、所有者が、非登録若しくは未払いネットワークによって受動的サーフェスとしてRIS20が使用されるのを回避するのを望む場合、状態サイクリングを実行するようにセットする。
【0124】
優先順位付けされた、RISの制御
図7は、実施形態によるネットワーク制御優先順位付けプロセスを概略的に示す。
【0125】
RIS20は、登録されたコントローラとして、いくつかのネットワークを有し得る。したがって、複数のネットワークがそれらの通信経路において同じRIS20を使用することを望むとき、優先順位付けプロセスを使用して、確実に状態のデッドロック又はサイクリングが存在しないようにする。
【0126】
登録中、ネットワーク(例えばBS10)は、制御に関してやはりネゴシエートを行った他のネットワークに対して、そのRIS20の制御に関して優先順位をネゴシエートすることが可能である。これは、固定番号であるか、若しくは1日のうちの時間に従って変動するなどであるか、又は、規則正しい時間間隔で、若しくは特有の事象に対して再ネゴシエートされる。代替的に、ネゴシエーションの代わりに、優先順位が、RISにおけるポリシーとして事前設定され、例えば、RISネットワーク優先順位リスト(NP-L)282によって記憶され、RISは、ネットワークから受信された命令及び/又は照会情報(例えば、BS若しくはRRCメッセージによってブロードキャストされたSIB情報)に基づいて優先順位を決定する。例えば、ネットワークAには優先順位1が与えられ、ネットワークCには優先順位2を、ネットワークBには優先順位3が与えられる。これは、RIS20が現在ネットワークAによって指揮されていると、ネットワークB及びCはRIS20を指揮できないことを意味する。この優先順位番号(P)は、BS10によって(例えば、通信経路及びRISプラニングモジュール(CP/RIS-PM)130)RISデータベース(RIS-DB)280に記憶され、RIS20によってRISネットワーク優先順位リスト(NP-L)282に記憶され得る。
【0127】
RIS20のRIS命令/照会有効性確認及び受領(RIS-CQ-V)機能2120によって命令又は照会710の受領をチェックするための優先順位論理(PRIO-L)730の例は、下記の通りである。
命令又は照会710におけるネットワークアイデンティティから、
RIS優先順位リスト282におけるネットワークの優先順位:P1を見つける
RIS現在情報データ(RIS-CID)230から、
現在のコントローラ優先順位番号:P2を見つける
P2>P1の場合、
受領=False
それ以外、
P2<P1、且つ、時間期間<最小時間、の場合、
受領=False
それ以外、
受領=True
【0128】
RIS20を指揮する前に、BS10は、ネットワーク対RIS通信システム(NW-RIS-COM)110と、有効性確認のための命令/照会フォーマッティング(C/Q-F)機能1130とによってRIS20の再構成可能サーフェスの現在の状態を照会する(710)ことができ、それが、RIS送受信システム(RIS-TRX)2110によって、現在命令されているフラグの状態及び現在コントローラの優先順位番号と一緒に、BS10に返される(720)。
【0129】
BS10は、自身が、RIS20の再構成可能サーフェスの現在コントローラより高い優先順位番号を有していることを知っており、使用されている状態に対して異なる状態を必要とし、簡素な代替ルートを経由して十分な通信を達成することができない場合、RIS20に異なる状態になるように命令することができる。任意選択で、この命令は、RISが状態を維持すべき所望の時間期間に関するインジケータを含む。
【0130】
RIS20は、現在指揮されていない場合、次の有効なネットワーク命令を受領し、そのネットワークの(例えば、RISネットワーク優先順位リスト282から照合された)優先順位番号を現在コントローラ優先順位番号に記載し、現在命令されているフラグが「False」から「True」にセットされる。任意選択で、期間中時間タイマtPTが運転(開始)にセットされる。
【0131】
命令時間期間の最後に、別の命令が受信されていない限り、RIS20は、現在コントローラ優先順位番号をNULLに、現在命令されているフラグを「False」にセットする。任意選択で、期間中時間タイマtPTの値は、指揮を行うネットワークのアイデンティティと一緒にネットワーク使用ログ(NU-LOG)240に追加される。
【0132】
RIS20が別のネットワークから命令を受信し、一方、現在命令されているフラグが「True」にセットされている場合、RIS20のRIS命令/照会有効性確認及び受領機能2120は、新たな命令ネットワークの優先順位番号を現在コントローラ優先順位番号との値と比較する。RIS20は、より高ければ、これまでの命令を中止し、その状態を新たな命令された状態にセットし、命令されたフラグは「True」にセットされたまま維持され、現在コントローラ優先順位番号は、新たな、ネットワークの優先順位番号にセットされる。任意選択で、期間中時間タイマtPTの値(プラスこれまでのネットワークアイデンティティ)がネットワーク使用ログ240に追加されて、期間中時間タイマが開始し直される。
【0133】
代替的なオプションでは、最小の時間スロットが有効にされ、その結果、命令が開始されてから少なくとも最小時間が経過するまでより高い優先順位であるため、ネットワークは「投げ出され」ない。
【0134】
さらなる代替的なオプションとして、RIS20が「使用ごとの支払い」スキームを使用している場合、指揮を行うネットワークに関する優先順位が、例えば、その優先順位に関係する価格による支払いによって、ある時間期間の間固定される。すなわち、最上の優先順位のスロットに対して、ネットワークは最上の優先順位の価格を支払う必要がある。次いで、ネットワークは、RIS20の使用が通信にとってどれだけ重要かを決定し、優先順位レベルを適宜選択することができる。ネットワークによって操作されるBS10は、RISへのその命令/照会の選択された優先順位レベルを含む。
【0135】
別の実施形態では、BSは、複数の優先順位レベルを有するRISを指揮する。
【0136】
単一のネットワーク/BSが、複数の優先順位レベルを使用するように認可される。単一のネットワーク/BSは、特有の命令/スケジューリング要求に応じて異なる優先順位レベルを使用する。例えば、緊急呼び出しの場合、最も高い優先順位レベルは、BS又はRISによって使用及び/又は選択される。より低い優先順位を使用する理由は、例えばRISコストを節約するためであり、一方、いくつかの事例では、より高い優先順位が実際に必要とされ、追加コストが受け入れられる。
【0137】
RISを介した通信経路の能動的な探索
UEと通信する実現可能なオプションを有する1つ又は複数のRISによるビーム探索に導入された大型探索スペースを考慮に入れると、RISの状態を通じてサイクリングを指揮することによって拡張された伝統的なビーム探索技法は、かなり大きな遅延を招く。したがって、ある特定のロケーションにおけるUEとの通信のための改善されたビーム経路決定(例えば、BSビーム方向及びRIS状態)が提案される。より早期に言及したように、例えば、アクセスデバイスとUEとの間のLOS信号が劣化した、若しくはLOS信号に降下が生じた(例えば、障害物により)、又はLOS信号に信号強度のピークがある(例えば、信号がRISを介して反射させられたことにより)場合、BSが、経路決定を開始するようにトリガされる。これは、UEからの測定報告又はCSIフィードバックを通じて発見される。追加的に又は代替的に、ネットワーク/BSは、例えば、UEからのサイドリンクを介した発見メッセージを受信した後に(さらなる実施形態において記述されるように)、RISから/を介して、UEが、接続を失った、及び/又はRISを介した通信を望む、とのメッセージを受信した場合、経路決定ステップを開始するようにトリガされる。
【0138】
基地局は、その動作要件にとって十分良好な通信を達成するRIS状態を決定するまで、場合によっては、RISの状態及びビーム方向をくまなくサイクリングすること(又は、その要素の1つずつの使用)によって、UEへの最良の通信経路の現実世界能動的探索を行う。RISが多くの実現可能な状態(又は要素)を有する場合、この種の探索は、日常的に通信を確立するために十分高速にはならない。したがって、この現実世界探索の使用は、ネットワークがRISを使用し、続いて、他の示唆されたプロセスのうちの1つが使用される、最初の数回に限定される。
【0139】
図8は、現実世界の網羅的探索を含む実施形態による通信経路確立プロセスを概略的に示す。
【0140】
提案されたビーム経路確立プロセスにより、ネットワークは、UE40のロケーションを決定する、RISの包含がそのUE40との通信に適切かどうか決定する、その通信を助けるためにRISがセットされるべき最適な状態がどれなのか決定する、及び、適正なビーム形成方向を、直接UE40に向けるか、若しくはUE40に再方向付けする受動的サーフェスに向けるか、又はビームをUE40に伝送/反射するための適正な状態にここでセットされたRISに向けるか決定することができるようになる。
【0141】
図8の実施形態によると、伝送光線トレースモデリング対応ビーム探索が提案されている。
【0142】
ネットワーク(例えばBS10)は、既知のRIS及びその状態の影響を含む、環境の3Dローカル無線伝送モデル(LRTM)1310を維持し、このモデルを用いて迅速なシミュレートされた最適化プロセスを実行して(例えば、通信経路及びRISプラニングモジュール(CP/RIS-P)130によって)、適正なビーム方向及びRIS状態選択を決定し、特有のロケーションに位置するUEとの最良の通信を達成する。
【0143】
好適な通信経路がモデルによって見出された時点で、小さな現実世界ローカル探索が、例えば、リンクを最適化するためにRISビーム探索能力(RIS-BS)1330によって行われ得る。
【0144】
通信経路及びRISプラニングモジュール130は、次のRIS状態(RIS-S)を、有効性確認(C/Q-F)機能1130のための命令/照会フォーマッティングに供給し、それにより、次のRIS状態のための命令(C-RIS-S)が生成され、それをネットワーク対RIS通信システム(NW-RIS-COM)110に供給する。次いでこの命令はRIS20に伝送されてRIS通信モジュール(RIS-COM)210によって受信され、RIS通信モジュール(RIS-COM)210は、その命令を有効化してRIS制御モジュール(RIS-CM)260に転送する。RIS制御モジュール260は、受信された命令に従って、RIS20の再構成可能サーフェス(REC-SF)270の状態を制御し、その結果、BS10からの伝送ビームの反射、屈折、又は再方向付けが適宜修正される。
【0145】
次いで、信号強度(SS)によって、又は、例えば、UE40のロケーション(L
UE)及び/若しくは測定結果報告と一緒に、RF通信能力(RF-COM)150によって取得された別の品質パラメータによって、決定された、結果として得られた通信経路の品質が使用されて、モデルを更新する。さらに、又は、
図8の代替的な実施形態として、ネットワークは、UE40に向けてRISによって伝播される入射信号/ビーム及び/又は幅広ビーム(又はさらに全指向性信号)の広角度散乱を可能にするRIS状態を選択する。UE40は、そのような反射信号を受信し、受信された反射信号に対して測定を行い、測定結果をネットワーク/BSに報告する(直接的に見通し線接続を通じて、又はRIS若しくは他のリレーデバイスを介して間接的な経路を通じて)。UE40はさらに、(例えば、GPSなどの他の手段、又は近傍の基地局からのTDOA測定結果を通じて取得された)その推定位置を報告する。基地局によって選択されRISに命令されたRIS状態は、伝搬される信号/ビームの幅を低減し、したがって、UE40に向けてより幅が狭いビームを使用する、及び/又は、UEに向けたビームの角度を変化させるように選択され、UEはその測定結果をさらに報告する。フィードバックループを使用して、UE40からのフィードバック/測定結果に基づいて、角度を変化させ、及び/又はさらにビームの幅を狭くすることによって、RIS20を介したBS10とUE40との間の好適な通信経路を決定することが可能である。
【0146】
図9は、ビーム経路メモリ及び限定されたローカルビーム探索を含む実施形態による通信経路確立プロセスを概略的に示す。
【0147】
BS10の通信経路及びRISプラニングモジュール(CP/RIS-P)130は、特有のロケーション(L
UE)においてUE40のために見出された経路を思い出し、それをロケーション/RIS状態データベース(L/RIS-S-DB)1320に記憶することができる。これは、3Dローカル無線伝送モデル1310を用いた
図8の実施形態の場合と同様に機能する。
【0148】
過去にこのモデルが経路を算出して、この経路をBS10が用いることによって良好な結果が得られた場合、その結果はデータベース1320に記憶され得る。次いで、将来のUEがこのロケーションの近傍で見出されると、これまでのビーム方向及び再構成可能サーフェス(REC-SF)270の状態が取り出されて使用され、任意選択で、そのロケーションに伝達するために使用されるパラメータの何らかのさらなる最適化(例えば、RIS状態のローカル探索を用いて)及び更新が行われる。
【0149】
RIS20の過去の使用による結果、すなわち、特有のロケーションとの通信のためのRIS状態が記憶されると、現実世界における最適経路の限定された探索が行われる。この開始から、RIS状態のすみずみまで、限定されたローカル探索プロセスが開始され得る。RIS状態位相幾何学マップ(RIS-STM)を用いて、ローカル探索が初期選択状態から行われ得る。
【0150】
UE40からのパイロットアップリンク信号が使用されて、スペース内のそのロケーション(LUE)が決定される。
【0151】
直接その方向に(RIS20を介さない)ビーム形成するのは、十分には良好ではないと決定され、類似の(しかし、必ずしも同一ではない)ロケーションが過去に(近傍)RIS(例えばRIS20)によって供されている場合、過去にそのロケーションと通信するために使用されたRIS状態が取り出されて、RIS状態がその値にセットされ、一方、RIS20でビーム形成が行われる。
【0152】
RISデータベース(RIS-DB)120に記憶されるそのRISメタデータ(RIS-MD)に記憶された、そのRISのためのRIS状態位相幾何学マップを用いて、隣接する状態のすみずみまでのローカル探索が、
図8の実施形態で記述されたように行われ信号品質が決定される(例えば、信号強度(SS)又は別の品質パラメータに基づいて)。
【0153】
適切な信号品質が達成されると(例えば、あらかじめ定められた閾値に到達すると)、対応するRIS状態が使用されて、UE40との通信を行い、RIS状態及びUEロケーション(LUE)が、そのRIS20のためのロケーション/RIS状態データベース1320に記憶される。
【0154】
故障モード
図10は、実施形態による故障認識プロセスを概略的に示す。
【0155】
RIS20が作動しなくなった、若しくは電力供給されない、又は不明瞭になったなどの状況があるものとすると、1つ若しくは複数のネットワーク及び/又はBSは、この状況を認識し、その通信経路においてRIS20を使用するのを中止する必要がある。これは、1つのネットワーク又は1つのBSのみに影響を与える問題であり得る。例えば、特定のBSによって使用されるセキュリティ鍵が期限切れしている場合がある。又は、RIS20が最近の建築物事業により、1対のBSのみにとって遮断されてしまっているが、他のBSは依然としてRISを使用可能である場合がある。
【0156】
RIS20が通信を維持し能力を制御するが、その再構成可能サーフェス(REC-SF)270が機能しない場合、BS10のネットワーク対RIS通信システム(NW-RIS-COM)110によるRIS20への照会1010により、RISが機能しないこと又はRISが自身の適正な使用を妨げる問題を有することに関する情報を含む応答1020が返され得(例えば、応答メッセージ内に「True」にセットされた動作外フラグをセットすることによって)、BS10は、機能しないとのその記載のために、そのRISデータベース(RIS-DB)120に印付けすることができ、その結果、それは、通信経路及びRISプラニングモジュール(CP/RIS-P)130によるビーム探索手順に含まれなくなる。代替的に、RIS20はそれ自体をネットワークに接続して、RIS20が、機能しない又はRISの適正な使用を妨げる問題を有することを示すメッセージを送信することを試みる。
【0157】
RIS20への照会1010に対して、RIS通信モジュール(RIS-COM)210からの応答が受信されない場合、BS10はさらに、機能しないとのその記載のために、そのRISデータベース120に印付けし、したがって、それをビーム探索手順から除外する。
【0158】
ネットワークは集中RISデータベース(図示せず)を有すが、同時に、各BS10が、自身が使用可能なRISのみを含む「サブセット」RISデータベース120を有することに留意されたい。
【0159】
RIS20が適正に照会に、及び見かけ上命令に応答し、しかし、BS10のRF通信能力(RF-COM)150が、UE40から受信された通信信号強度(SS)を測定し、RIS20が異なる状態にセットされたときその通信信号強度(SS)が不変を維持している場合、RIS20は、RISデータベース120に機能しないと印付けされる。
【0160】
統合されたUEを有するRIS
さらなる実施形態では、RISは完全に通信能力、例えば、ネットワーク及び/又はBS(例えば、セルラ5Gネットワークの場合にTS38.331及びTS23.502で明記された通常のRRC及びNAS手順を用いて)と通信することができるUEを統合し、任意選択で、例えばデバイス間(D2D)ワイヤレス通信を用いて、自身とエンドユーザUEとの間の信号強度を測定することができる。D2D通信は、BS又はコアネットワークを横断しない2つのモバイルUE間の通信である。それはワイヤレス通信に対して非透過性であり、セルラ周波数(すなわち帯域内)又は無認可スペクトル(すなわち帯域外)で行われ得る。
【0161】
登録プロセスでは、統合型UEを含むRISは、自動的に5GSネットワークに、例えば統合されたアクセス及び復路(IAB)リレーとして、若しくは正規5G NR UEとして、又は狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)UEとして参加することができる。RIS-UEはIABモバイル端末(IAB-MT)として働く。IAB-MTがgNBに通常のUEとして参加し、gNB及び/又はネットワークが、それがIABノードであると決定すると、対応する通信リンクが確立され得る。この場合、RISはUEと同様にgNBに参加することが可能である。IABリレーとして参加した場合、RIS UEは、IAB-MTが行ったように、最初にgNBに接続する。gNBがRIS UEの能力を検出すると、gNBは、自身の分散ユニットとして働くことになるRISを捕捉/登録する。RISの場合、全ての通信/制御能力がgNBにおいて提供される。例えば、RISにおけるビーム操縦は、固定ビームをRISに向けて送出しRIS状態を制御することによって行われる。
【0162】
RISは、統合UEを有する場合、例えば、5G定位/測距サービスを用いることによって、RISの位置を見つけることができる。例えば、直接リンクと、反射/屈折/再方向付けリンクとの信号強度及び遅延を解析することによって、gNB分散ユニット(DU)とRISのUEとの間に見通し線(LoS)があるかどうか判定することも実現可能である。LoSが見つかった場合、所与のgNB DUがRISの支援によりどのエリアをカバーし得るか、推定することもできる。この情報は、RISデータベースに記憶される、gNB CUによって記憶される、及び/又は、ローカル無線伝送モデルを更新するために使用される。
【0163】
ネットワーク上への登録が完了し、RISがその全RISメタデータをネットワークに提供することができる時点で、RISは、RISデータベースに記載され、実装形態の詳細次第で、RISがIABノードを実装する場合にはgNB中央装置(CU)の直接制御の下、新しいRIS-DUになり、又は複数のネットワークによって制御され得る新しいRIS-UEになる。後者の場合、単一のgNB(例えば、最も近い、又は最も高い信号品質のgNB)によって、このRISへのデータアクセスが行われる。
【0164】
命令/照会プロセスでは、gNBにおけるCUは、RISに照会することも、RIS内のUEを介してRIS設定を命令することもできる。
【0165】
通信経路の探索については、RISがUEを有する場合、そのUEは、gNB-DUのビームの信号強度を測定することが可能である。この情報を使用して、特有の状態にセットするときにはどのgNB DUのどのビームがRISに到達するのか決定し、よって、RISからUEへの最適な最終信号経路(すなわちRIS状態)の探索をRISに委任することができる。さらに測距/測位手順が、RIS-UE50とUE40との間で行われ(例えば、IEEE802.11に規定された精密時間測定などの既知の機構を使用して、ラウンドトリップ時間を決定するために信号を送信することによって、又は、到達時間の差(TDOA)を測定することによって)、その時点で/その後に、RIS-UE50とUE40との間の距離及び/又は角度が決定される。この情報は、RIS-UE50若しくはUE40によって、RIS-UE50若しくはUE40とネットワーク(例えばBS10)との間の接続を介してネットワーク(例えばBS10)に提供されるか、或いは、UE測定結果及び/又は中間結果(例えば、算出された時間差若しくは距離)に基づいて、ネットワークによって操作される測距サービスによって間接的に取得/算出される。RIS-UE50とUE40との間の距離及び/又は角度に関する情報を使用して、BSからRISに向かう信号からのビーム操縦、及び、それをどのように伝播させるべきかを(例えば、RIS20とUE40との間の結果として生じたビームがどの特性(再方向付け角度又は合焦ポイントなど)を有すべきかを)、したがって、どのRIS状態が基地局によって選択されRISに命令されるべきかを決定する。
【0166】
RISが有効化された通信のフロー図
図11は、様々な実施形態による、RIS対応通信のためのプロセスのフロー図を概略的に示す。
【0167】
このプロセスは、5G/5G-NRなどの無線通信システム内のRISのセットアップ及び指揮を可能にするように設計されている。
【0168】
初期RIS発見及び登録プロセス(RIS-D/R)S1101は、新たにセットアップされたRISのネットワークへの登録、及びRISを含むネットワークの有効性確認をできるようにし、以て、RISのネットワークとの特性を確立し、ネットワークがそのRISの状態を有効に指揮することができるようになる。
【0169】
これは、新たなRISがグローバルRIS設置データベース内で照合され、(
図3の実施形態において説明したように)登録方法が取り出されるRIS設置データベース登録方法によって達成されるか、(例えば、
図4の実施形態で説明されたように)最初にスイッチオンされ登録方法を送信したとき、RISがローカルネットワークに連絡を送る登録方法に関するRIS要求によって達成されるか、又は、BSが、RISと関連付けられた変動し得る特性を有するローカル伝送経路に気付き、(例えば、
図5の実施形態で説明された)様々な手段を通じて登録を捜索するローカリティ方法におけるRISの自動発見による登録によって、達成される。
【0170】
次いで、RIS照会及び命令プロセス(RIS-Q/C)S1102では、ネットワーク及び/又はBSは、例えば、RIS照会及び命令能力を用いてRISに送信されるべき命令又は照会を指定し、例えば、有効性確認機能のための命令/照会フォーマッティングを用いて命令/照会を配列し、例えば、ネットワーク/BS対RIS送受信システムを用いて命令/照会をRISに伝送し、ネットワーク/BS対RIS送受信システムを用いてRISから何らかの応答を受信する。追加的に、RISは、RIS通信モジュールを用いて、伝達された照会又は命令を受信し、RIS命令/照会有効性確認及び受領機能を用いて、有効性に関して命令/照会を、及び命令/照会が受領されるべきかどうかチェックし、命令が受領された場合、RIS命令モジュールはRISの再構成可能サーフェスを命令された状態にセットし、又は照会が受領された場合、RISは、RIS状態を含むRIS現在情報データを返す。
【0171】
ネットワーク制御優先順位付けプロセス(NC-PRIO)S1103では、登録中に、その後の変更にともなって、又は命令によって動的に、RISは、自身を指揮するネットワークの優先順位をRISネットワーク優先順位リストに記憶する。
【0172】
RISは、現在指揮されておらず、しかもネットワークから命令を受信している場合、指揮を行うネットワークの優先順位を決定し、それを現在コントローラ優先順位(例えば、順序付けリストのインデックスとして番号によって示される)としてRIS現在情報データに記憶し、次いで、命令を実行する。
【0173】
RISは、現在指揮されている場合、新たな指揮を行うネットワークの優先順位を、現在指揮を行っているネットワークの優先順位(現在コントローラ優先順位として記憶された)と比較し、新たな優先順位の方が高い場合、RISはこれまでのネットワークの指揮を停止し、新たなネットワークが指揮を行うのを可能にする。
【0174】
代替的に、低優先順位のネットワークにその指揮のために与えられているのが最小限の時間期間であっても、指揮の変更が可能になるのは、この最小限の指揮時間に到達した後だけである。
【0175】
通信経路確立プロセス(CP-EST)S1104では、ネットワーク及び/又はBSは、UEとの通信経路の確立をしようとする、但し、この経路は1つ又は複数のRISを含み得る(但し、RISデータベースは、そのRISが機能し、ネットワークが指揮権を有することを示す)。
【0176】
これは、ビーム形成方向及びRIS状態のすみずみまでの網羅的な探索によって達成されて、UEへの最良の通信経路を見出し、見つかったとき、BSは、そのビームをRISに方向付けし、RISに適正な状態になるように命令する。
【0177】
代替的に、
図8の実施形態で示されるように、伝送光線トレースモデリング対応ビーム探索が適用され、ここでは、ローカル環境のローカル無線伝送モデル内の伝送モデリングが使用されて、好適なビーム経路を探索し(例えば、BSビーム方向及びRIS状態)、RIS状態位相幾何学マップから取り出された近隣RIS状態のローカル探索を用いた微調整が続く。見つかったとき、BSは、そのビームをRISに方向付けし、RISに適正な状態になるように命令する。追加的に、又は代替的に、BSは、UE40のロケーション情報(例えば、UE又はロケーションサービス(例えば、TS23.273に明記されたロケーション管理機能)から取得された、及び、同様に、1つ又は複数のRISからのロケーション情報)を使用する。
【0178】
さらなる代替として、
図9の実施形態で示されるように、これまでのビーム方向プラスRIS状態の結果とUEロケーションとが、ロケーション/RIS状態データベースに記憶される。新たなUEロケーションのために、このロケーションのための最も近い記載がこのデータベース内で探索され、十分に接近している場合、BSビーム方向及びRIS状態に関する記憶された設定が使用され、ローカルRIS状態探索によって微調整される。見つかったとき、BSは、そのビームをRISに方向付けし、RISに適正な状態になるように命令する。
【0179】
別の実施形態では、
図11の通信経路確立プロセスS1104のためのAIモデルが使用されており、但し、それは、BS(gNB)ビーム設定とパラメータとの間の関係又は関連と、近傍RISのRIS状態、及び/又は入力パラメータとしてのUEロケーションと、出力パラメータとしての、UEに対するリンク品質及び/又は性能とを学習するためのAIモデルを使用する。
【0180】
これにより、明確な(幾何学的な)3Dモデルを必要とせず、建築環境の影響を、RISと、結果として生じた性能の測定結果とのインタラクションから暗黙のうちに学習することができるという利点がもたらされる。AIモデルは、ネットワークにおいて、又はBSにおいて操作され得、他の実施形態で使用される任意のモデルと連携して操作され得る。後者のモデルベースの実施形態では、判断を下すために最初に3Dモデル及び/又はビーム経路メモリモデルが使用され、一方、AIモデルは入力/出力関係を学習する。AIモデルの予想が十分な品質であれば、それは意思決定を自動的に引き継ぐことが可能である。
【0181】
RIS故障認識(RIS-FR)プロセスS1105では、
図10の実施形態に示されるように、RISが、「True」にセットされた動作外フラグを返した場合、若しくは、RISが、自身に送信された照会に対して応答を返さない場合、又は通信信号強度及び/若しくは他の信号品質インジケータがRIS状態の実際の変化を示さない場合、ネットワーク及び/又はBSは、RISが機能しないことをそのRISデータベースに記載する。
【0182】
RISスケジューリング
以下にはさらなる実施形態が記述されており、その実施形態は、RISの制御のためのネットワーク及び/又はBSによる、要求のスケジューリング/プラニングの問題と、RISがいたるところに配備されるときの断続的な電力供給の問題と、必要とされるRF伝播モデルを適切に構築する問題と、たとえ環境/建築物条件が変わっても性能を改善してそれを高レベルに保つAIモデルの使用の問題と、ネットワーク運用に関する機密データの漏洩を防ぐための照会機能のセキュリティ/データ保護の問題と、RIS状態の高速スイッチングの必要性の問題と、複数のオペレータに関するRISの同時操作の必要性の問題とのうちの少なくとも1つを対象とする。
【0183】
実施形態では、
図1のRIS制御モジュール260は、スケジュールされたRIS状態の使用を可能にするようにスケジューラによって拡張される。これは、RISに命令を送信するネットワーク/BSが、再構成可能サーフェス270の状態を特定の状態にセットするためにRISアクチュエータをセットする必要がある将来の時間期間を示すことができることを意味する。RIS制御モジュール260はそのスケジュールに基づいて、要求された命令が受領可能か否か判定する。ネットワーク/BSによる1つの要求は、複数のそのようなスケジューリング要求を含む。
【0184】
特に、RISが、同じ時間期間の間にRISアクチュエータを特定の単一状態にセットする複数の要求を受信したとき、これらの全ての要求は、必ずしもRISの制御を最も優先順位が高い指揮を行うネットワーク/BSに限定することなく、RISによって受領され得る。
【0185】
任意選択で、RIS照会応答は、以下の情報項目のうちの1つ又は複数によって拡張され得る。
● どれだけの期間の間、又はどのような終末時間まで、RISが現在の命令されている状態に占有されたままであるかを示す「状態にあるままの時間」フィールド。これにより、照会を行うネットワーク/BSは、将来いつ、特定のRIS状態になるよう命令する別の要求をRISに行うことができるかの時間をスケジューリングすることができるようになる。或いは、照会を行うネットワーク/BSは、「状態にあるままの時間」にある時点、又は「状態にあるままの時間」が経過した時点に、RISが将来その特定の状態に変化するようにスケジューリングするスケジュールメッセージを直ちに送信することが可能である。
● どの将来の時間スロットが、すでに他のネットワーク又はBSによって「予約」されているか、及び、スケジューリング要求のためにもはや利用できないか、を示すスケジュール情報。
● 上記の変形として、スケジュールは、それぞれのスケジュールされた時間スロットの優先順位を示す命令された優先順位情報を含む。命令を行うネットワーク/BSは、より高い優先順位資格証明を有する場合、存在するスケジュールされたスロットに取って代わるスケジュール要求を送信する。次いで、元々のスケジューリングエンティティは、自身の予約が取って代わられたことが通知されることとなる。
【0186】
RIS命令がスケジューリング要求に従って、例えば、特定のRIS状態が所望されるときの(将来の)タイムスロットインジケーションに従って拡張され、及び/又は複数のスケジューリング要求が、任意選択で複数の優先順位レベルで、1つのメッセージで伝送され得る。(RIS使用の価格設定は、命令又はスケジューリング要求の要求された優先順位レベルに依存する。)
【0187】
さらにスケジューラは、複数のネットワーク/BSがRISを同時に使用することができるように拡張され得る。これにより、RISが、入射信号が互いに干渉し合わず、例えば、RISがミラーとして働く、又はRISがRFリピータとして働く(さらに下記に記述されるように)ように、働き得ることが想定される。この想定の下、各ネットワーク/BSは、RISに、いくつかの時間単位(例えば、フレーム、サブフレーム、タイムスロット、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルなど)に関するRISの所望の設定状態について知らせ、次いで、RISスケジューラは、対応するタイムスロットに関するRIS状態をスケジューリングし得る。
【0188】
2つのBS、BS1及びBS2を含む例では、以下のスケジューリングが適用される。
●BS1は、以下の状態のシーケンス、S1、S1、S1、S3、S3、S4、S4、S7を所望し得る。
●BS2は、以下の状態のシーケンス、S1、S1、S2、S2、S3、S5、S5、S7を所望し得る。
●次いで、RISスケジューラは以下の状態、S1、S1、S1、S2、S2、S3、S3、S4、S4、S5、S5、S7をスケジューリングする(太字文字状態でスケジューリングされたRIS状態は、両方のネットワークによって共有されるものである)。
【0189】
RISを賃借しているとき、ネットワーク/BS同士間のRIS状態を共有することにより収入が増大する。さらに、それにより、全体的なレイテンシが低減される。例えば、上記の例では、ネットワーク/BS(すなわち、BS1、BS2)の両方は、8個の時間単位の間、RISを使用できたが、全体的な通信で要したのは12個の時間単位だけであった。
【0190】
RISスケジューラがRIS状態のスケジュールを決定すると、RISコントローラ(例えば、RISコントロールモジュール(RIS-CM)260)は、その所望のRIS状態がスケジューリングされたときに、その旨をネットワーク/BSに知らせる。例えば、上記の例の文脈では、RISコントローラは以下のメッセージを送信する。
● RISからBS1に[1,2,3,6,7,8,9,12]、及び
● RISからBS2に[1,2,4,5,6,10,11,12]
ここで、メッセージ中の番号は、要求されたタイムスロットのそれぞれに関連する時間単位のインデックスを表す。この場合、太字文字は、両方のネットワーク/BSによって使用される時間スロットを示している。
【0191】
これらのメッセージのうち1つを受信した時点で、ネットワーク/BSが、他の時間におけるRISの状態に関する情報を推測し得ることに留意されたい。例えば、BS1が3x S1及び2x S3を必要としており、そして、それらが、時間単位インデックス[1,2,3]及び[6,7]に割り当てられるので、BS1は、RISが状態のすみずみまで逐次的に循環した場合、時間単位インデックス[4,5]がS1又はS2のどちらか一方に割り当てられると推量するであろう。これを回避するため、RISスケジューラは、ランダムな並べ替えを、割り当てられた状態に適用することが可能である。例えば、割り当てられた状態(リソース)のシーケンスは以下の通りであり得る。
S3、S4、S1、S7、S2、S2、S1、S3、S5、S1、S4、S5。
【0192】
次いで、ネットワーク/BSに送信されたメッセージは、下記の通りである。
● RISからBS1に[3,7,10,1,8,2,11,4]
● RISからBS2に[3,7,5,6,1,9,12,4]
【0193】
断続的に電力供給されるRISを含むさらなる実施形態では、いくつかのRISが、RISの操作のための信頼性が高い、ワイヤードの、安定電源へのアクセスなく建築環境又は自然環境に埋め込まれる。そのような断続的に電力供給されるRISの例には、ソーラーパワーによって電力供給されるRIS、機械的運動、振動、風などによる採取されたエネルギーによって電力供給されるRIS、又は、差し迫ったRF波(RFエネルギー採取)のエネルギーによって電力供給されるRISがある。
【0194】
そのようなタイプのRISの利点は、広範囲な採用に対する障壁が取り除かれている、すなわち、通常、電力/エネルギーへのアクセスができないことが容易に起こり得る、又は、さもなければ設置コストが法外に高くなり得る場所であっても環境に統合されるRISがより大量にあることである。
【0195】
断続的に電力供給されるRISを有効化するために、以下の情報が、RISデータベースに追加されることが可能であり、ネットワーク(例えばBS10)への登録時にRISによって提供される、及び/又は、ネットワーク(例えばBS10)によって照会された後に提供される。
● 断続的利用可能性情報
○ 例:ソーラー発電RISは、例えば、その今のロケーション及び今の季節における推定日中期間、又は天気予報に基づくその利用可能性時間をデータベースに登録するように構成される。
● 電力オン条件情報
○ 例:RFエネルギー発電RISは、その初期登録中に、コントローリングBSがRISを始動するためにRFビームをRISに送信する必要があることを登録するように構成される。コントローリングBSは、照会/命令の前に、これを照合する、及び/又はRFビームのRISへのフォーカスを行って、RISに電力を供給することができる。
○ 例:風力発電RISは、それ自体を風力発電として登録するように構成されており、その結果、コントローリングBSは、ローカルな/現在の天気予報を使用することにより、そのRISが所与の時刻に利用可能かどうかについての初期推定を行うことができる。
● 信頼性情報
○ 例:RISは、自身が常に能動的であるわけではないことを示すために、それ自体を「中程度の信頼性」又は「50%の信頼性」として宣伝するように構成される。ネットワーク/BSはこの情報を使用することにより、複数のRISから選択を行うことが可能である。IoTノードUEが毎日そのステータスを報告することなどの、緊急を要しないがしかしRISを介してのみ到達できる情報では、BSは、現在の又は対象のRISが現在電力供給されていない又は利用できないことが判明した場合、その日の後半に同じRISをさらに再試行することが可能である。
【0196】
別の実施形態では、新たなRISの設置後に試用フェーズを導入する。近傍のネットワーク/BSに、新たなRISと、その特性、到達性、及び/又はネットワーク通信に及ぼす効果、に関する記録データとを使わせてみることをできるようにする時間又は日にちの限定された時間期間がある。この試用期間は、ネットワークオペレータに無料で提供されて、ローカル通信インフラにおいて新たなRISの採用を刺激する。
【0197】
試用フェーズ中、
図11の通信経路確立プロセスS1104と共に記述されたオプションのみならず、
図11に関係する実施形態で言及された人工知能(AI)モデルの訓練もまた実行される。
【0198】
RIS状態の隠匿
別の実施形態では、RIS状態は、情報漏洩を回避するために隠匿される。上記の実施形態のいずれにおいても、RISを制御することが可能な認可されたネットワーク/BSはさらに、その現在の状態を照会することが可能である。そのような詳細な状態情報を提供すると、競合のネットワークオペレータがその目的のためにそのRISをどのように使用するかについての情報を開示し得るので、望ましくない。これは、RISが状態サイクリングモードで動作しており、且つ状態がRISによってランダムに決定されるのでない限り、起こり得る。
【0199】
本実施形態によると、RISは特有の「非開示」状態情報値を、RIS状態に関する照会に対する応答として提供し得る。そのような状態情報値は、RISが現在別のオペレータ/BSによって指揮されており、しかし、RISが精確な命令された状態が何であるかを開示することを欲しない場合に返され得る。
【0200】
RISの1つの例示的な挙動は、所望の状態がRISの今の状態と等しい場合に「一致」値又はフラグを用いて、所望の状態に照会するネットワーク/BSに応答することである。他の事例では、RISは「不一致」値又はフラグを用いて応答する。別のオプションとして、RISは、一致の程度、例えば、「類似した」若しくは「同じ」/「異なる」、又は一致のパーセンテージ(0~100%)によって応答する。
【0201】
そのような近似値を提供することにより、(例えば、複数のアクチュエータ/アクチュエータアレイの詳細からなる)RIS状態情報の詳細の開示が回避される。
【0202】
RISとサイドリンク/PROSEリレーとの組み合わせ
別の実施形態では、上述のRIS-UEが使用され、さらに、UE対ネットワークリレーUE(例えば、5G ProSe TS23.304において明記された)として働く。
【0203】
より具体的には、BSがgNBと称される5G環境において、gNBからエンドユーザUEへのダウンリンク(DL)信号が、Layer-1(すなわちPHYレイヤ)でRIS(反射/屈折/再方向付け)を介してエンドユーザUEに直接伝播される。エンドユーザUEからgNBへのアップリンク(UL)信号は、RIS及び/又はgNBが、信号品質/パワーが十分高いと決定した場合、RIS-UEがLayer-2(例えばMAC/PDCP)又はLayer-3通信(例えばIP)を解釈及び転送することなく、Layer-1(すなわちPHYレイヤ)でRIS(反射/屈折/再方向付け)を介してgNBに直接伝播される。別の状況では、信号品質/パワーが十分でないと決定された場合、RISはより能動的な役割を引き受けてリレーUEとして機能し、Layer-2又はLayer-3上のデータをエンドユーザUEからgNBに能動的にリレーする。gNBは、エンドユーザUE及び/又はRISからの(RISとエンドユーザUEとの間のサイドリンク測定結果に関係する測定結果をさらに含む)測定報告に基づいて、Layer-1におけるRISを介したリレーモードとLayer-2又はLayer-3上でUE対ネットワークリレーモードとの間で切り換える命令を送信する。
【0204】
わずかに異なる実施形態では、RISは、ProSe UE対ネットワークリレー機能を利用して、RIS-UEによってエンドユーザUEから受信された制御平面データを能動的にgNBに転送し、それによって、gNBが制御平面データを受信した後に、RIS及び/又はエンドユーザUEに、Layer-1においてRISを介して後続のデータ/メッセージ(例えば、ユーザ平面データ)を伝送するように指図する(例えば、RIS状態にセットする命令を送信することによって)。ProSe UE対ネットワークリレー機能を介して伝送/受信された初期制御平面メッセージを使用して、(RISとエンドユーザUEとの間のサイドリンク測定結果に関係する測定結果をさらに含む)測定報告、ロケーション情報、及び/又は、エンドユーザUEとの良好な通信のためにRISに命令されるべきRIS状態を決定するためにgNBによって使用される他の情報を交換する。エンドユーザUEが、RISを(例えば、gNBとエンドユーザUEとの間の信号のLayer-1での反射を可能にするために)UE対ネットワークリレー機能(のサブセット)を組み合わせる上記の2つの実施形態で言及された特徴を発見することが可能であるように、RISは、RISとUE対ネットワークリレー機能(のサブセット)との組み合わされた機能を特に特定するためのリレーサービスコードのセットを含んで構成される(例えば、コアネットワークによって提供されるポリシーを通じて)。UE対ネットワークリレー機能(のサブセット)を含むRISは、エンドユーザUEと交換されたその発見メッセージ内のリレーサービスコードを使用する。
【0205】
代替的な実施形態では、gNBは、サイドリンク通信及び関係のあるプロトコルをサポートしており、gNBからのサイドリンクメッセージをエンドユーザUEに伝播し、逆も同様に行う。これは、エンドユーザUEがネットワークの圏外になったときに近傍のRISを発見するために使用する、サイドリンク発見メッセージを含む。発見中に、サイドリンクを介して又はSIB情報を転送することによって、RISは、幅が広いビーム(、又は、さらに全指向性信号)を使用してUEがRISを発見できる機会を最大化することに留意されたい。RISはgNBによって、反射パターンが、そのようなメッセージを伝播する前に幅が広いビーム又は全指向性ビームをもたらす状態になるように命令される、又は、RISは、(例えば、RIS自体によって認識された及び/又はDCIメッセージ若しくは特有のDCIメッセージにおけるメッセージタイプフィールドを通じて提供された)伝播されるメッセージタイプに関するそのような状態ベースの情報に切り替わるべきであると決定する。
【0206】
任意の他の実施形態と組み合わせること、又は独立して実施されることが可能な別の実施形態では、RISは、ビームを特定のエンドユーザUEに向けて方向付けるように命令される。
【0207】
これを達成するため、gNBはRISに特定の状態に進むように命令しないが、RISに、RISにとって役立つ既知のエンドユーザUEのリストの特定のエンドユーザUEを対象にするように命令する。場合によってはgNBによって実行される(又は、ロケーションサービス若しくは他のコアネットワークサービスによって実行されて、gNBを介して伝送される)手順中、RISには、役立つエンドユーザUEのリストが供給されており、任意選択で、それらの推定ロケーション、RISとエンドユーザUEとの間の角度(例えば、基準線に対する)、及び/又は使用するビーム角(例えば、基準線に対する)が供給されている。
【0208】
gNBから命令を受信した後(それによって、gNBがエンドユーザUEに関する情報を提供すること(又は、gNBがロケーションサービス若しくは他のコアネットワークサービスからの情報を転送すること)はさらに命令とみなすことができ)、RISは、gNBから受信したビームを特定のエンドユーザUEに向けて操縦又はフォーカスするようにその状態(特に反射サーフェス270の状態)を変化させる。これにより、RISが、要求されたように(特にエンドユーザUEが移動中の場合)、「反射された」ビームを特定のエンドユーザUE上にフォーカス又は操縦することができるように正確な情報を収集できると想定される。RISは、それ自体の位置(例えば、GPSモジュールに基づいて)、gNBの位置、及びエンドユーザUEの位置を知っている場合、gNBから入射するビームをエンドユーザUEに向けて反射する/屈折させる/再方向付けする角度を算出し、その状態を適宜修正し得る。gNBは、エンドユーザUEが移動中の場合、RISにロケーション情報、RISとエンドユーザとの間の角度、及び/又は使用するビーム角の更新を提供し、その結果、RISはその状態を適宜更新することができる。代替的に、又は追加的に、RISが、サイドリンクをサポートするRIS-UE50を利用する場合、RIS-UE50及びエンドユーザUE40は、サイドリンクを介して測距を行い(例えば、サイドリンクを介して伝送された測位参照信号に基づいて、距離及び/若しくは角度を算出するために)、並びに/又は、RISが例えば近接サービス(ProSe)及び/若しくは車両対全ての物(V2X)サイドリンク(SL)通信を用いて特定のエンドユーザUEで済ませる、他のD2D測定及び/若しくはLoS検出を行う。この情報に基づいて、RISは、gNBから入射するビームをエンドユーザUEに向けて反射する/屈折させる/再方向付けする角度を決定し、その状態を適宜修正する。RISは、エンドユーザUEが移動中、サイドリンクを介してそのような測距/測定を繰り返し行い、その状態を適宜修正する。
【0209】
V2X通信は、車両に影響を及ぼす又は車両によって影響を及ぼされる、車両と任意のエンティティとの間の通信である。V2X通信は、セルラネットワークを使用するのでセルラV2X(又はC-V2X)と称され、それをWLANベースのV2X又は他のタイプと区別する。3GPP(登録商標)リリース15では、V2Xの機能は5Gをサポートするように拡張される。C-V2Xは、車両と伝統的なセルラネットワークベースの通信との間の両方の直接通信のサポートを含む。車両と他のデバイス(V2V、V2I)との間の直接的なデバイス間(D2D)通信は、いわゆるPC5インターフェースを使用する。PC5は、UEが、直接的なチャネルを介して別のUEと直接通信する基準点を指す。システムアーキテクチャのレベルでは、ProSeは、互いに近接している状態のUE間の直接通信のアーキテクチャを特定する特徴である。サイドリンク/PC5もまた、測距を用いることによって(例えば、ラウンドトリップ時間測定結果、精密時間測定結果(FTM)を算出し、サイドリンクを介した到達時間の差(TDOA)を測定することによって)2つのデバイス間の距離及び/又は角度を決定するために使用される。特定の実施形態では、RISは、UEからの緊急呼び出しに対してサイドリンクを介して、発見メッセージ又は接続セットアップ要求メッセージを受信し(例えば、特にこの目的のためにメッセージにサービス識別子又はリレーサービスコードを含めることによって)、その時点で、RIS又はgNBは、UEのロケーションを決定し(例えば、測距を通じて、或いは、gNB若しくはUE又はロケーションサービスからUEのロケーションに関する情報を受信することによって)、このロケーション情報に基づいて、gNBから入射するビームをエンドユーザUEに向けて反射する/屈折させる/再方向付けする角度を決定し、その状態を適宜修正する。
【0210】
任意選択で、エンドユーザUEの存在をこのように高い信頼度で決定したRISは、gNBがRISの能力を利用して今度はこのUE上にgNBのビームをフォーカスすることができるように、データベース/gNBにこの旨を報告する。
【0211】
図12は、別の実施形態による、改善されたビーム操縦プロセスの第1の例を概略的に示す。
【0212】
第1の例では、RIS-UE50はそのRIS能力を告知し(例えば、ProSe/サイドリンクモデルAの発見を通じてもたらされた情報を用いて)、その結果、接続性が不良であるUE40がそれを発見することができる。代替的に、接続性不良のUE40はRIS-UE50又は他のRIS-UEの発見を試みることが可能である(例えば、ProSe/サイドリンクモデルBの発見を通じてもたらされた情報を用いて)。RIS-UE50及びUE40は、認可されている場合、相互に見つけた時点で、例えば、PC5インターフェースを介して通信リンクを確立し、さらに、それらのビームをペアリングすることによってそれらの特有の方向(例えば、ビーム角度/経路)を特定する。次いで、RIS-UE50はこの情報(すなわち、UE40に向かうビーム方向)をコントローリングgNB10に送信し得る。gNB10は、RIS-UE50のRIS20がどこに位置しているか、及び、それに到達するそのビームをどの方向に形成しなければならないのかを知っている。さらに、gNB10はさらに、RIS-UE50が、RIS-UE50からUE40に向かうビーム方向を報告したので、今ではRIS-UE50に対するUE40のロケーションを知っている。したがって、gNB10は、UE40に直接到達するためのRIS20の設定(例えば、反射/屈折角又は再方向付けされるビーム角)を決定し得る。この旨は
図12に図解されており、但し、RIS設定は、例えば、空間内のRIS20の向きによって達成された反射/屈折/再方向付け角を指す。
【0213】
SSBを提供するRISによる改善されたビーム操縦並びに同期及びシステム情報
図13は、別の実施形態による、改善されたビーム操縦プロセスの第2の例を概略的に示す。
【0214】
第2の例では、gNB10は、RIS20に向けてシステム情報(SI)を送信する。システム情報は、セルラ無線アクセスネットワークのセル内の基本的なシステム情報をブロードキャストするために使用される物理的ブロードキャストチャネル(PBCH)の同期信号に類似している。アクセスデバイス、この事例ではgNBは、CUから直接又はDUを通じて、RISがそれ自身の同期信号を分散させているように見えるように、RISを運転する。システム情報は、PBCHチャネルでブロードキャストされた、一次同期信号(PSS)、二次同期信号(SSS)、及びマスタ情報ブロック(MIB)を含み得る。5Gで使用され、異なるビームを通じて異なる方向にブロードキャストされる異なる同期信号バースト又はブロック(SSB)をエミュレートするために、gNB10は、そのようなRIS SSBをRIS20に向けて送信する。
【0215】
例えば、
図13では、gNB10は、RIS20に向けた単一のビームポインティングを用いて、4つのRIS SSBをRIS20に向けて時刻t0、t1、t2、及びt3に送信している。gNB10は、RIS SSBが、
図13に図解されるように、異なる方向に反射され、屈折され、再方向付けされるように、RIS SSBがRIS20に到達する時間と同期して、RIS状態を変化させる。ここで、時刻t0’に、最も高いビーム方向を用いてRIS SSBがブロードキャストされ、時刻t1’に、2番目に高いビームを用いてRIS SSBがブロードキャストされ、時刻t2’に、2番目に低いビーム方向を用いてRIS SSBがブロードキャストされ、時刻t3’に、最も低いビーム方向を用いてRIS SSBがブロードキャストされる。
【0216】
UE40がRIS SSBを受信すると、UEは、
図13の右側に時間依存の図で示されているように、信号対雑音比(SNR)を測定する。この図は、時刻t0’にブロードキャストされた第1のSSBが2番目に低いSNRと共に受信されており、時刻t1’にブロードキャストされた第2のSSBが最も高いSNRと共に受信されており、時刻t2’にブロードキャストされた第3のSSBが2番目に高いSNRと共に受信されており、時刻t3’にブロードキャストされた第4のSSBが最も低いSNRと共に受信されていることを示している。UE40は、最も高いSNRを含むSSBを選択して、RIS20を通じてgNB10との通信リンクを確立し得る。これは、個々のパラメータ(例えば、時間、周波数、プリアンプル、又はコード)をビームのそれぞれに割り振って、このパラメータを用いて、初期ランダムアクセス手順中にビームを指定することによって達成され得る。
【0217】
例では、gNB10は、RIS SSBをRIS20に向けて送信し続けることが可能であり、gNB10は、RIS状態を適宜切り換え続けて、同期信号をエミュレートし続けることが可能である。UE40は、移動すると、gNB10に、RIS SSBのそれぞれに対して受信されたSNRについて知らせることが可能であり、その結果、gNB10は、RIS20を通じてgNB10とUE40との間の良好な接続を保証するために、RIS状態を適宜調整することが可能である。UE40は、反射される/屈折される/再方向付けされる前(
図13における時刻t0、...、t3)のSSBと反射/屈折/再方向付け後(
図13における時刻t0’、...、t3’)のSSBとを区別することが可能であり、それは、反射/屈折/再方向付け前のSSBは、ほとんど同一の(均一な)SNRとなるが、反射/屈折/再方向付け後のSSBは、不均一なSNR分布を呈することになるからであることに留意されたい。
【0218】
一般に、gNB10などのアクセスデバイスに実装され得る方法及び装置が提案されており、方法及び装置は、(1)任意選択で、アクセスデバイスとリレーデバイスとの間の伝播時間を推定すること、又は、アクセスデバイス及びリレーデバイスのロケーションに基づいてそれを設定すること、(2)例えば、システム情報の分配又は再ブロードキャストのために、リレーデバイスに、例えば、タイミング若しくは信号強度、又はビームの方向に関するビーム関係の設定を提供すること、並びに、(3)リレーデバイスによって受信されると、システム情報の各セットが、異なるビーム設定を用いてリレーデバイスによって再ブロードキャスト又は反射/屈折されるような、システム情報のうちの少なくとも1つのセットをリレーデバイスに向けて規則正しく送信すること、によって再構成可能リレーデバイス20を通じて、システム情報、例えば、同期信号、MIB、又はSIB1の分配を制御するためのものであり、但し、システム情報が、gNBのPCI/CGIとは異なる物理的セルアイデンティティ(PCI)/グローバルセルアイデンティティ(CGI)に関係し、又はリレーに割り振られたSSBインデックスが、gNBによって使用されるSSBインデックスとは異なる。
【0219】
任意の他の実施形態と組み合わせることが可能な、又は、独立して実施されることが可能なさらなる実施形態では、RIS20に関連付けられた(RIS20によって反射される又は(再)ブロードキャストされる)システム情報、例えば、MIB又はシステム情報ブロック(SIB1)は、gNB10がRIS20を介してこの信号を伝送中であることに関する情報を含む。これは、例えば、0又は1のうちのどちらかであり得る単一のビットであり得る。RIS20に関連付けられたシステム情報はさらに、RIS20を操縦するペアレントgNB10に関する情報を含み、例えば、それは、ペアレントノードの物理的セルアイデンティティ(PCI)又はグローバルセルアイデンティティ(GCI)を含み得る。さらに、システム情報は、そのアイデンティティ若しくはそのロケーションなどのRIS20に関する情報、又はRISに関する他のメタ情報、及び/或いはRISのホームネットワークオペレータ(PLMN ID)に関する情報を含む。そのような情報は、RIS20を通じた参加/通信を行うか否か決定するためにUE40によって使用され得る、及び/若しくは、どのRISがアクセスデバイスによって使用されたか特定し、それぞれのRISの対応する記憶された(メタ)情報を見つけるためにUE40によって使用される、並びに/又は、そのような情報は、それぞれのRISを介したアクセスデバイスとの通信を最適化するため、そのRF信号をさらに調整するようにUE40によって使用される。SIB情報を転送するために、RISが幅広ビーム(、又は、さらに全指向性信号)を使用して、UEがそれを発見することができる機会を最大化する。RISはgNBによって、反射パターンが、そのようなメッセージを伝播する前に幅が広いビーム又は全指向性ビームをもたらす状態になるように命令される、又は、RISは、(例えば、RIS自体によって認識された及び/又はDCIメッセージ若しくは特有のDCIメッセージにおけるメッセージタイプフィールドを通じて提供された)伝播されるメッセージタイプに関するそのような状態ベースの情報に切り替わるべきべきであると決定する。
【0220】
別の実施形態では、ランダムアクセスチャネル(RACH)の増強が、RISがシステム情報をブロードキャストするように、gNBをRISと連係して働かせることによって達成され得る。5Gにおけるように、RISのSIB1は、RACHを操作するための設定パラメータを含み得る。これらのパラメータは、UEに、所与のRISビームを通じてgNBに接続するためにどのパラメータ(例えば、周波数、タイミング、プリアンプル、又はコード)を使用すべきか教える。これにより、gNBは、UEによってRISに向けて送られた物理的RACH(PRACH)がgNBに向けて方向付けされる(反射される/屈折される/再方向付けされる)ように、そのRACHタイムスロット中にRISを設定する必要がある。RISができ得るのは、通信を反射する/屈折させる/再方向付けすることだけであるので、gNBは、異なるタイミングを有する異なるRISビームに対してアクセススロットを割り振り得る。
【0221】
一般に、gNB10などのアクセスデバイスに実装され得る方法及び装置が提案されており、方法及び装置は、(1)任意選択で、アクセスデバイスとリレーデバイスとの間の伝播時間を推定すること、又は、アクセスデバイス及びリレーデバイスのロケーションに基づいてそれを設定すること、(2)例えば、PRACHプリアンプルメッセージのモニタリングのために、リレーデバイスの周囲で、異なる方向のビーム指向性のタイミングに関する設定をリレーデバイスに提供すること、並びに、(3)異なる時刻に異なる方向から受信されPRACHプリアンプルメッセージをモニタするために提供された設定によるそのビーム指向性を調整すること、によって設定可能リレーデバイス20を通じて、デバイス40のランダムアクセスを制御するためのものである。
【0222】
RIS使用時のCSIの改善及び干渉の低減
別の実施形態では、チャネル状態情報(CSI)が増強され得る。ワイヤレス通信では、CSIは通信リンクの既知のチャネル特性を指す。CSIは、信号が、送信器から受信器にどのように伝播するのか、及び、例えば、チャネル推定プロセスによって取得された、例えば、距離に応じた散乱、フェージング、及びパワー減衰の組み合わされた作用をどのように表すのかについて記述する。CSIは、伝送を現在のチャネル状態に適合させることを可能にし、これは、例えばマルチアンテナシステムにおいて、高いデータレートで信頼性の高い通信を達成するためにきわめて重要である。
【0223】
したがって、CSI参照信号(CSI-RS)は、チャネル特性と、通信リンクがどれだけ良好(又は粗悪)であるかとを理解するためにgNBがUEに向けて伝送するときに使用される。gNBはCSI-RSを送信し、UEはこれらを受信してそれらの値を報告する。例では、CSI-RSは、2リソースブロック(SSB)ごとに送信される。CSI-RSは、周期的、半永続的、又は非周期的(例えば、ダウンリンク制御情報(DCI)メッセージで伝送される)でもよい。
【0224】
例では、ゼロパワーのCSI-RSが、gNBが、UEに何も伝送されないことを知らせる時間/周波数スロットとして提供される。これらのスロットは、干渉管理のためにUEによって使用され得る。受信信号に基づいて、UEは、例えば、プリコーディング行列の所与のコードブックを用いることによって、gNBに対するアンテナ操縦のために最もふさわしいプリコーディング行列を選択する。2つのタイプのコードブックがあり:タイプ1は粗く(例えば単一のユーザにとって)、タイプ2は広範囲にわたる(例えば複数ユーザ複数入力複数出力(MU-MIMO)システムにとって)。アップリンク方向では、gNBは受信信号の品質を追跡し、UEに適宜指図し得るので、CSIは必要とされない。
【0225】
代替的なオプションでは、CSI-RSの代わりに、本実施形態ではサウンディング参照信号(SRS)が使用される。SRSは、UEによってアップリンク方向に伝送される参照信号であり、例えばスケジューリングの目的で、より広い帯域幅にわたるアップリンクチャネルの品質を推定するために、gNBによって使用される。
【0226】
RISの事例では、gNBは、RISを通じたUEへのチャネルを知ることに興味がある。
【0227】
例では、UEがRISを通じて接続するとき、増加した個数、例えばn個のタイムスロットが、CSI-RSを伝送するために割り当てられる。例えば、n=3スロットである。参照信号は、全てのn個のスロットに対する伝送時刻において同一であるけれども、gNBは、RISがそれらのn個のスロットにおいて、わずかに異なる反射/屈折/再方向付けRIS係数を有するように、RISを制御する。例えば、n=3の場合、第1のスロットは、現在最適であると考えられる反射/屈折/再方向付けRIS係数及びgNB-RISビーム形成を使用し得、他の2つのスロットには、わずかに異なる反射/屈折/再方向付けRIS係数及び/又はgNB-RISビーム形成が使用される。目標は、RISが良好な接続を維持するためにどの方向(すなわち、どの反射/屈折/再方向付けRIS係数)に操縦されるべきかを、及び/又は、gNBビームがRISに向けてどのように操縦されるべきかをgNBが特定するのをUEが助け得ることである。
【0228】
上記の手順は、リソースブロックごとに行われ得、又は、ビーム/RISの設定は、異なるリソースブロックで伝送されたCSI-RSにわずかに適合され得る。
【0229】
さらなる実施形態では、マルチBS信号の干渉回避のためにRISが使用される。2つのBSが、それぞれ同じ周波数で異なるUEと通信しており、2つのUEへのBS信号経路が重なり合っている場合、干渉が起こり得る。これは、1つの(又は両方の)BSが、代わりに1つ又は複数のRISを介した経路を使用する場合、回避される。
【0230】
したがって、この実施形態では、いくつかのUEと通信しようとしているリンクされたBSのグループを表すノード(例えば、いくつかのローカルBSを制御する高レベルのノード)を使用してアルゴリズムをプラニングにする協同通信経路を提供することができ、アルゴリズムは、異なるBSの動作の際に起こり得る経路干渉を追加的にチェックし、それを行うことで、それぞれのUEとのそれぞれのBS通信間での干渉が低減される場合、RISを介した経路を選択する。
【0231】
別の実施形態では、複数の基地局(gNB)によるRISの再利用によって、干渉調整/緩和が達成される。特に、2つのアクセスデバイスが、1つ又は複数のRIS要素を同じ/類似周波数で同時に動作させることによって干渉を生じさせるのを回避するために、RISは、アクセスデバイスの1つ又は複数に、周波数及び/又はスケジュールが1つ又は複数の他のアクセスデバイスによって使用/要求/操作されていることを、例えば、RIS通信モジュール210を用いることによって(例えば、照会/制御通信プロトコルを用いることによって、又は通知/測定結果を送信することによって)知らせる。RISは、干渉を検出するために1つ又は複数のセンサを装備している。干渉が検出されると、その旨がアクセスデバイスの1つ又は複数に報告される、又は、RISがその状態を変化させる又はその操作を停止する。RISは、1つ又は複数のセンサからの測定情報を及び/又はその内蔵のUE能力を使用して、信号がそこから発信するアクセスデバイスを特定し、及び/又は干渉を引き起こす信号の到達角を算出し、この情報を1つ又は複数のアクセスデバイスに報告する。さらに、チャネル状態情報、信号強度、周波数情報、及びタイミング前進情報などの他の情報などのRF測定情報が、1つ又は複数のアクセスデバイスに報告される。
【0232】
gNBがRISを使用すると、その範囲が拡張されて、別のエリアにおいて潜在的な干渉が引き起こされる。gNBは、所望のカバレッジエリア、周波数及び/又はタイミングを含むRISを使用するためのその要望を第2のgNBに知らせる。これは、例えば、3GPP(登録商標)によって規定されたgNB間のXn制御平面インターフェースを通じて行われ得る。第2のgNBは、この使用を確認/拒否し得る。Xnインターフェースは、2つのgNBのクロックを同期させる及び/又はRISを使用するため、それらのスケジュールを整合させるためにさらに使用される。
【0233】
第2のgNBに接続されたUEが、第1のgNBによって現在制御されているRISによって引き起こされる所与の干渉レベルを測定する。UEは第2のgNBに干渉レベル及びその発生源を知らせる。発生源は、gNBが、RISにリンクされたCSI-RSをその識別子と共に送信した場合に、示され得る。次いで、第2のgNBは、Xn制御平面インターフェースを使用して第1のgNBに知らせることが可能である。
【0234】
RISのランダムな変化状態は、攻撃者が、ネットワークが配備された環境に関する情報を抽出する、又はセンシングする、例えば、ユーザの人数、ユーザの活動状態、又はさらにユーザのバイタルサインについての情報を抽出するのを防止するのに有益である。何故なら、直交周波数分割多重(OFDM)と一緒にMIMOが、各キャリア周波数でアンテナペアをそれぞれ伝送及び受信するためのチャネル状態情報(CSI)を提供し得るからである。例えばWiFiシステムからのCSI測定結果が異なるセンシング目的のために使用され得る。例えば、WiFiセンシングは、ワイヤレス通信のために使用されるインフラを再利用するので、配備するのが容易であり低コストである。さらに、センサベース又は映像ベースの解決策とは異なり、WiFiセンシングは、貫入型でなく、照明条件に対する影響も受けにくい。5Gでは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)は、デバイスごとに構成されるダウンリンク信号であり、UEによって受信され、UEによって使用されて、チャネルを推定し、チャネル品質情報及び/又は干渉測定結果を元のgNBに報告する。特に、報告は、チャネル品質インジケータ(CQI)、プリコーディングタイプインジケータ(PTI)、プリコーディング行列インジケータ(PMI)、ランクインジケータ(RI)、又はレイヤインジケータ(LI)を含み得る。4Gでは、CSI-RSと対象的に、セル特有参照信号(CRS)は、セルに対して特有であった。基地局は、報告されたCSIに基づいて、通信/センシング機能、例えば、スケジューリング関係処理を実行し得る。CSI-RSはUEに対して特有に構成されるが、複数のUEもまた同じリソースを共有し得る。そのようなCSI-RSは、5Gにおいても、ビーム管理、接続モード移動性、無線リンク故障検出、ビーム故障検出、調整及びマルチポイント伝送、又はセンシングのために使用され得る。
【0235】
センシングに関する問題は、攻撃者が環境を感知し、CSI測定結果から環境についての情報を受動的に抽出するかどうかである。
【0236】
別の問題は、その環境においてRISがその反射/屈折/再方向付け特性を変化させ続ける場合、通信システム(例えば、デバイス40又は基地局10)がCSIをどのように適切に測定することができるかということである。
【0237】
別の問題は、RIS20とデバイス40との間のCSIがどのように取得され得るかということである。
【0238】
これらの問題に対処するため、(1)ネットワークに登録されている、認可されたデバイス又はユーザは、ネットワーク/BSから分配されたチャネル状態情報RSを用いることによって、例えばセンシングのための好適なCSI測定結果を実行することができるが、(2)認可されていないデバイス/ユーザはできない。
【0239】
この目的を達成するため、及び
図14を参照して、例えば、デバイス40が、例えばセンシング活動を行うために、ローカルにCSIパラメータを推定しなければならない場合、登録されたデバイス40にはRIS20のスケジュールが提供される。特に、通信システムに参加しているデバイス20が、基地局/ネットワーク10からの機密性及び/又は完全性保護されたRRCメッセージによって、現在の又は将来のRIS状態を受信し得る。基地局/ネットワーク10は、デバイスにそれ自体のビーム形成設定(1211、1212)を、例えば、基地局/ネットワークが、そのビーム1211を直接デバイス40に向けている、又はそのビーム1212をRISを介してデバイス40に向けている、のどちらかなのか/ことのやり方、をさらに提供し得る。RIS20は、そのスケジュール、例えば1222又は1221に応じて異なるやり方で、ビーム1212を反射し/屈折させ/再方向付けし得る。RIS20はさらに、RIS20と基地局/ネットワーク10との間のCSIをモニタし(例えば、RIS UEによって)、それを基地局/ネットワーク10に報告する。基地局/ネットワークは、RIS10によって報告されたこの情報をデバイス40と共有し得る。受信情報が与えられると、デバイス40は、(1)基地局10とRIS20との間、及び(2)RIS20を通じた基地局40とデバイス10との間のチャネル状態をコンピュータ計算し得る。ネットワーク/BS10がCSI報告を集めること、例えばセンシング活動を行うことを担当している場合、ネットワーク/基地局10は、デバイス40によって取り込まれたCSI測定結果を必要とし得るだけではなく、RIS20のCSI測定結果もまた必要とし得る。複数のデバイス40が同じRIS20を通じて接続し得るので、RISは、全ての接続されたデバイスに関連付けられた全てのCSI-RSに関するCSI測定結果を報告する必要はあり得ず、しかし、それらのサブセットのみ報告すればよい。基地局/ネットワーク10は、どのCSI-RSに対してどのCSI測定が必要とされるかをRIS20に示し得る、又は、代替的に、RISは、どのCSI-RSに対してどのCSI測定を行ったのかを示し得る。基地局/ネットワークは、UE及びRISの両方を設定し得るので、時間が接近しているようなリソース要素を用いて測定されたCSI値を報告するように、それらを設定し得る。CSI測定結果のこれらの2つのセットが与えられると、基地局/ネットワークは、UE40とRIS20との間のCSIを推定することができ、基地局とRISとの間のリンクにおいて、又はRISとUEとの間のリンクにおいて、例えば、どこがチャネル状態がより粗悪か/より良好かどうか識別することができ得る。同時に、RIS20状態が変化し続ける場合、報告されるCSIはより少ない情報しか傍受者に伝達できないので、このようにユーザのプライバシーは保護され得る。CSI測定結果もまた、受動的攻撃者が測定されたCSI値に対して傍受しセンシング情報を抽出するのを防止するために、暗号化され得ることは言うまでもない。暗号化は、UEによって、鍵導出関数による擬似ランダム配列、又は擬似ランダム関数によるブロック暗号若しくはストリーム暗号及びCSIの排他的論理和値を生成することによって行われ得る。暗号化のために使用される鍵はK_gNBから導出され得る。基地局/ネットワークは、逆の操作を行うことによって値から回復され得る。さらに、基地局/ネットワークは、CSI測定結果が取得されたとき、R20を取り巻く関連するRIS状態を必要とし得る。UE40が第2の基地局10に接続された場合、RIS状態は第2の基地局自体によって決定されるので、第2の基地局10はすでにRIS状態を知っている。UE40が第1の基地局11に接続されると、第1の基地局11は、例えば、通信インターフェース50、例えばXnインターフェースを通じて、第2の基地局10からRISスケジュールを受信するはずである。このセットアップでは、適切に通信システムに参加しているデバイス40は、例えばセンシングのために、CSI測定結果を利用し得る。しかしながら、認可されていないデバイスは、推定されるチャネルにランダム性を導入するRISのランダムに見えるスケジュールのせいで、環境を受動的にモニタするためにCSI測定結果を利用することができない。反射するデバイス20がさらにスマートリピータであり得ることに留意されたい。RIS20はその設定を提供するように命令され、この設定は、デバイス40と共有されるか、又はチャネル状態評価のために別の基地局/ネットワーク10と共有され得る。RIS20はCSI-RSをモニタし、RIS20を通じて基地局/ネットワークに接続された少なくとも1つのデバイス40に割り振られたパラメータ(例えば、CSIに関係する)を測定し得、RISは、基地局/ネットワークに、CSI-RSのその測定結果を提供することができ、したがって、基地局/ネットワークは、受信された測定結果に基づいて、通信/センシング機能を操縦し得る。
【0240】
別の実施形態では、RISランダム状態サイクリングのためのより安全なやり方が提供される。上記で提案されたように、RISの状態は、ユーザが支払いをせずにRISを用いることを防止するためにランダムに変化する。しかしながら、これは、攻撃者がそれを用いて、RISに対して悪意のビームを向けることによって環境内でランダムに干渉を引き起こすことを防止しない。
【0241】
この問題は、入射波又はビームを、入射方向とは独立して、それらが損傷/干渉を引き起こさない、例えば、建築物の地階方向に向けて再方向付けするようにRISを設定する、又はRISをメタマテリアル吸収体として設定することによって解消され得る。
【0242】
別の考慮事項は、上記の実施形態において、gNBがUEと一度に通信するためにRISを用いることが可能であることに関する。しかしながら、現存のgNBは、複数のビームを用いることによるMIMO動作が可能である。いくつかのシナリオでは、複数のビームを同時に操ることが可能なRISを制御することが望ましい。実施形態では、これは、RISが、入射電磁(EM)波の特性に応じて、例えば、周波数、偏波などに応じて異なるようにふるまうときに行われ得る。そのようなRISでは、gNBが、反射/屈折/再方向付け角度が入射波のEM特性に依存し、その結果、gNBが同じRISを通じて異なるUEと同時に通信し得るように、RISを制御することができる。手順は以下の通りである。1)gNBは、所与の時間期間に所与の状態にRISをセットし、所与の状態は、入射EM波のある特定の特性(例えば、周波数、偏波など)に依存する屈折/反射/再方向付け特性に関する。2)gNBは2つ以上のビームをRISに向けて伝送し、ビームのそれぞれは、現在のRIS状態によって異なるように操られその結果ビームがRISで分割される特有の特性(例えば、周波数、偏波など)を特徴とする。この手順では、RIS状態は、gNBからUEにRISを通じて送出された2つ以上のビームがRISによって異なるように反射される/屈折される/再方向付けされることになるので、RISに向けて2つ以上のビームを送出したとき、gNBが異なるロケーションにある2つ以上のUEに同時に到達することになる、ような状態である。同様の挙動がスマートリピータにも当てはまる。
【0243】
RISを用いたときのタイミング同期
RISの制御及び/又はRISを介した通信に関するより前の実施形態及び図面に関係する別の実施形態では、RISスイッチング時間(レイテンシ)が考慮に入れられる。より前に記述されたように、gNBは、RISにそれを所与の設定にセットするように命令を送信し、次いで、RISによって対象のUEに向けて反射され/屈折され/再方向付けされるべき対応するデータを送信する。
【0244】
この手順は、RISに到達する制御メッセージ(命令)が必要とする時間に加えて、制御メッセージ(命令)に応答して、その状態を変化させるRISが必要とする時間に応じたある特定のレイテンシをともなう。このレイテンシの推定は、RISがクロックに従って動作するかどうか、及びそれがgNBと同期されているかどうかという疑問に依存する。
【0245】
gNBは、RISのスイッチング時間を用いて設定される。したがって、RISのスイッチング時間は、gNBに送信される又は設定データベースから若しくはRISメタデータから取り出されるパラメータである。
【0246】
gNBとRISとの間の伝播遅延もまた、特に、RISがクロックを有していない、又はRISがgNBと同期されていない場合に、そのことを学習させる又は設定させることができるパラメータである。このパラメータは、RIS-UE接続に関連付けられた前進時間に関係があり、その前進時間から導出され得る。gNBは、それを知った時点で、制御メッセージによって設定されているRIS状態の所望のタイミングを達成するのに十分早くユーザ平面メッセージを送信し得る。例えば、gNBは、要求されたRIS状態を示す制御メッセージ(例えばDCIメッセージ)を送信し、そのわずか後に、UEに対してユーザ平面メッセージを送信する。
【0247】
例では、RISは、gNBのクロックと同期されたクロックを装備している。これが行われた場合、gNBは、いくつかの所与のタイミングリソース、例えば、サブフレーム、タイムスロットなどに、いくつかの所与の状態をスケジューリングし得る。RISがクロックを有しており、クロックが同期されている場合、gNBは、前もってスケジューリング要求を送信することができ、gNBが、ユーザ平面メッセージの送信時刻に集中しさえすれば、RISが所与の状態にあるとき、それらがRISに到達する。
【0248】
例では、RISは、gNBのクロックから、前進させた一定時間(ToA)を除いたものと同期されたクロックを装備しており、すなわち、RISのクロックは、gNBのクロックのタイミングプラスToAに等しい。ToAは、光速度でgNBとRISとの間の距離の時間に等しい。これにより、確実に、アップリンク伝送は、gNBに直接それともRISを通じてのどちらで送信されることとは関係なく、gNBに同時に到達することとなる。
【0249】
RISが複数のgNBにサービスを提供する事例では、RISは、複数(N)のgNBに対して同時にクロック同期されたまま維持し、例えばN=2又はN=4までである。次いで、RISは、例えば、第1のgNBから指令/予約を受信すると、その相対的な指令/予約を第1のgNBの同期されたクロックに適用し、他のgNBについても同様である。
【0250】
別の実施形態では、タイミング前進の調整が施される。タイミング前進は、UEがそのアップリンク伝送(例えば、物理的アップリンク共有チャネル(PUSCH)、物理的アップリンク制御チャネルPUCCH、SRSなど)を調節できるようにし、その結果、複数のUEによって伝送されたメッセージが同期された、すなわち、互いにシンボル/スロット境界で干渉しないやり方でgNBに到達する、LTE及び5G NRにおける特殊な命令(通知)である。
【0251】
LoSにおいてUEから直接アップリンク伝送を受信しており、この伝送がRISを介して受信される新たな設定に切り換える必要があるgNBが、この間接的な経路長が実質的にLoS経路よりも長い場合に、RISを介してより長い伝送経路長を補正するために、より低いタイミング前進値を設定することができる。逆もまた同様であり、RIS経路から直接的/LoS経路に切り換えると、タイミング前進値がさらに増大され得る。
【0252】
タイミング前進値は、RACHチャネルを介したランダムアクセス中に伝達される。特に、UEは、RACH応答からタイミング前進値を抽出する。このRACH応答メッセージ又は任意の他の好適な応答メッセージにおけるタイミング前進フィールドは、12ビット長である。その後、UEはそれを、例えば、メディアアクセス制御(MAC)プロトコルのタイミング前進制御要素(CE)を介して調整することができ、但し、タイミング前進CEフィールドは6ビット長である。RIS(又はスマートリピータ)が単純なRFリピータとして働く場合、存在するのは単一のPCI/CGIであり、例えば、ServingCellConfigCommon構造がタイミング前進のために有するのは単一のフィールドであるので、UEは、gNB及びRISが同じタイミング前進を有していると考え得る。これは、最適でない性能につながる可能性があり、2つ以上のタイミング前進値を有することによって改善され、それらのそれぞれは、セルにおける1つ又は複数のビームに関連付けられる。
【0253】
変更を最小限に抑えるための代替的なオプションは、gNBが、それ自体のPCI/CGIを有するスタンドアローンのgNB DUとして働くようにRISを操縦することである。このようにして、UEが2つの異なるDUを感知し、異なるタイミング前進値をそれらのそれぞれに対して適用し得る。RISに接続されたUEに適用されるタイミング前進値は、RISが、
図13の実施形態に類似した実際のgNBであった場合にそれらが実際にあるべき値よりも小さい。その理由は、タイミング前進値は、UEとRISとの間及びRISとgNBとの間の距離に依存するが、RISがgNBであった場合、タイミング前進がUEとRISとの間の距離にのみ依存するはずだからである。
【0254】
gNBは、RISを介したgNBとUEとの距離がgNBとUEとの距離よりも常に大きいことを知っているので、gNB及びRISのタイミング前進が関係付けられている事実が、さらに、gNBとRISとの両方に関するこの値をより良好に設定するために使用され得る。gNBは、gNBとUEとの間の距離が減少すると、RISを介したgNBとUEとの距離が増大することになることもまた知っている。この情報を使用して、他のリンクに関するタイミング前進の知識に基づいて、1つのリンクの必要とされるタイミング前進の推定を改善することができる。
【0255】
別の考慮事項は、RIS、及びスマートリピータを用いると、UEとgNBとの間の距離が増大する可能性が高くなり、したがって、RACH応答及びMAC CEのタイミング前進フィールドがより多くのビットを必要とすることが予想され得る。
【0256】
RISを指揮するための3GPP(登録商標)プロトコル
RISの制御に関するより前の実施形態及び図面に関係する別の実施形態では、設定情報を特定のRISに送信して状態変化を命令するために、物理的ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)メッセージ又は信号(DCIなど)を用いて、RIS状態がgNBによって命令される。
【0257】
最初に、RISとgNBとの間の機能関係が、他の実施形態で記述されたようにネゴシエートされ得る。任意の時間期間の間に関係がセットアップされた時点で、gNBは、PDCCHメッセージを介してシグナリングし得るか、又は、スケジューリング情報がUEに送信されたのと同様のやり方で、所望のRISサーフェス調整を、及び/若しくは、状態変化をシグナリングし得る。特に、新たなDCI配列がRIS使用のために規定され得る。DCI配列は、RIS状態(例えば、状態識別子によって示される)をセットするためのフィールドを含む、又は他の命令と関係がある情報(ビーム方向、タイミング情報、増幅利得など、他の実施形態に記述された)を含み、さらに、gNBがどの時刻に及び/又は周波数で、RISによってUE40に向けて伝播されるはずであるメッセージを、RISに伝送すると予想されるかを示すタイミング及び/又はリソース情報を含む。DCI配列(又は別個のDCI配列)は、gNBとRIS自体との間の連続のアップリンク及びダウンリンク通信のためのリソースを含む。複数のRISは、このようなやり方で指揮され得、gNBのPDCCH伝達に含まれる識別子(例えば、無線ネットワーク一時アイデンティティ(RNTI))によって識別され得る。DCIを用いることの主な利益の1つは、レイテンシが低いことである。欠点は、DCIが典型的にはダウンリンク方向でのみ機能することであり、したがって、アップリンクでは、別の機構/プロトコルが必要となる。
【0258】
任意選択で、PDCCHチャネルを介した伝送セキュリティが、各メッセージにおいてメッセージ完全性コード(MIC)、例えば、暗号巡回冗長コード(CRC)又は同様のもの、を含むことによって増大され得る。全体で164ビットまでが、CRCを含むDCIの例の場合に利用可能である。
【0259】
別の実施形態では、RIS状態は、アップリンク通信では半静的スケジューリングで、ダウンリンク通信では半永続的スケジューリングで行われるのと同様に、RRC命令を使用してgNBによって制御され得る。RRC接続は、RISのUE部分によって確立され得る。RISを操縦せよとのRRC命令を用いることには、命令が保護され得るという利点がある(完全性保護、再現性保護、機密性保護)。別の利点は、RRCがダウンリンクとアップリンクとの両方で機能することである。欠点は、RRCには高いレイテンシがあることである。
【0260】
したがって、別の実施形態では、RISは、MAC制御要素(MAC CE)を用いて、例えば、この目的で新たなMAC CE要素を規定することによって、照会及び制御され得る。MAC CEは、低レイテンシであり、したがって、リアルタイムでRISを指揮するために使用され得、ダウンリンクのみならずアップリンクにおいても使用され得る。アップリンク方向では、MAC CE要素は、RIS状態情報の低レイテンシな更新をgNBに提供するために使用され得る。
【0261】
別の実施形態では、RISのUE部分は、IAB-MTが行うのと同様のやり方で、gNB及びCNにUEとして接続する。gNB/CNが、新たに参加したUEがRISのUE部分である、言い換えればRIS-MITであることを検出すると、トンネル、例えば、IPインターフェースにわたるトンネル、例えば、IPSecによって保護されたトンネル、例えば、F1 3GPP(登録商標)インターフェースそのままのトンネルが確立される。このトンネルを通じて、gNB、例えば、gNBの中央装置がRISにスケジューリングされた状態及び設定を伝送する。RISはさらに、他の測定結果(例えば、受信信号に関係付けられた)をアクセスデバイスに返し得る。
【0262】
別の実施形態では、RIS-MT(又はスマートリピータ)-MTは、特有のタイプの情報要素を使用する。例えば、
● ncr-NodeIndication
● ris-NodeIndication
それらのパラメータのうちのいくつかの交換により、RIS又はスマートリピータに特有の特有設定パラメータを要求するようにBSはトリガされ得る。
【0263】
スマートリピータ
一般に、RF信号リピータは、反射性インテリジェントサーフェスと同じ特性のうちの多くを共有するが、RF信号を伝播するために信号の反射を用いるのではなく、RF信号を再ブロードキャストするためにRF送信器及びRF受信器のフロントエンドを使用する。しかしながら、RISの利益の1つは、gNBが動的にRISの状態を制御し得ることである。別の実施形態では、スマートリピータインターフェースが、提案されたシステム及び方法に基づき得る。
【0264】
RFリピータは、アクセスデバイス(例えばgNB)から受信された信号を「再現する」デバイスであり、以てその範囲を拡張する。予備評価は、性能改善が、副次的制御情報(オン/オフ、タイミング、空間的Tx/Rx)を追加することによって、すなわち、RFリピータをより賢くさせることによって達成され得ることを示している。そういう意味では、スマートリピータは、単にアクセスデバイス(例えばgNB)のRFレイヤを含むだけではなく、制御平面のためのPHYレイヤもまた含み、例えば、通信モジュールを、又は、アクセスデバイスに情報を送受信するためのRIS通信モジュール210若しくはRIS-UE50に類似したUEを含む。したがって、アクセスデバイス(例えばgNB)は、タイミング設定(UL/DL)、ビーム形成、又はオン/オフなどのパラメータを用いてスマートリピータを操縦し得る。
【0265】
スマートリピータ及びRISの操縦能力は類似していると予想される。上記ですでに論じたように、アクセスデバイス(例えばgNB)は、RISに、所与の期間の間、所与の反射パターンをセットアップするように命令することができる。これは、スマートリピータ内にビーム形成を構成することに類似している。アクセスデバイス(例えばgNB)は、いくつかのタイムスロットの間、RISを制御することができ、このことは、所与のタイミング設定をスマートリピータに提供することに類似している。さらに、RISは、デフォルトでオフであり、したがって、アクセスデバイス(例えばgNB)がそれを使用しているときのみ動作する。
【0266】
この観点から、上記の実施形態(及びさらに、「UEがRIS通信をサポートするための追加能力」のセクションにおける実施形態)はさらに、スマートリピータに関連して実施され、又はRISとスマートリピータとの組み合わせで実施される。この目的を達成するために上記の実施形態(及びさらに、「UEがRIS通信をサポートするための追加能力」のセクションにおける実施形態)におけるRIS20もまたスマートリピータであり得る。したがって、RIS20という用語は、上記の実施形態においてスマートリピータ20によって置き換えられ得る。デバイスアーキテクチャ及び実施形態において、再構成可能サーフェス(REC-SF)270は、1つ又は複数のアンテナに結合された、RF受信器フロントエンド及びRF伝送フロントエンドを有するトランシーバで置き換えられ得、それによって、制御可能状態は、オン/オフ状態、ビーム操縦(例えば、ビームの本数、ビーム方向)、伝送パワー、周波数、及び/又は伝送されるRF信号のタイミング(例えば、設定可能な遅延)を制御するための状態/設定を含み、それによって、再方向付けパターンは、マルチビームの生成、ビームをフォーカス又はデフォーカスすること、ビームをある特定の角度に方向付けること(それによって、角度は、基準線若しくは磁北又は入射ビームと出射ビームとの間の角度(すなわち、反射/屈折角に類似の)と連係する)、入射信号を増幅すること(例えば、命令において増幅利得を提供することによって)、及び信号を遅延させること(例えば、命令において出射信号の遅延時間又は特有のタイミングを提供することによって)を含む。トランシーバは、RIS送受信システム(RIS-TRX)2110と同じであるか、若しくはRIS-TRX2110内のコンポーネントを再利用/共有するか、又は別個のサブシステムである。
【0267】
実施形態において、スマートリピータ(又はRIS)のパラメータが、例えばBSによって設定され、取り出され、又は更新され得る。そのようなパラメータは、以下を含む。
【0268】
【0269】
複数のアクセスデバイスにサービスを提供する大型反射サーフェス
図15は、いくつかの実施形態に従って、大型の反射サーフェスがどのように複数のアクセスデバイスにサービスを提供することができるか、及びさらに、大型の反射サーフェスが複数のサブRISにどのように再分割され得るかについての例を概略的に示す。例示されたRIS20は、より小さいRIS21、22、23(すなわちサブRIS)に分割される。この例では、サブRIS21は、(反射性インテリジェントサーフェスの要素を意味する)正方形の頂部に青い円で指示されたRFセンサ又はアンテナのアレイを装備している。大きな円1501、1502、1503は、近傍アクセスデバイス又はUEからの入射ビームの合焦エリアを意味している。
【0270】
実施形態において、RISは、RF信号(品質)パラメータ、例えば、信号強度、極性、位相、周波数などを測定するためのセンサ又はアンテナ(
図15で青い円として示されている)と、これらの測定結果を用いてアクセスデバイスから又はUEからのビームの焦点エリア(例えば、
図15における1501若しくは1502)を決定するための処理能力とを有する。焦点エリアは、この事例では、アクセスデバイスから伝送されたビームが到達するRIS要素を指し得る。RISはさらに、例えば、RISのサーフェス/寸法に対して相対的な若しくはRISのサーフェス上の基準座標/位置/ポイント(例えば、RISパネルの中心)に対して相対的な座標系を用いて又は絶対座標系を用いて焦点エリアの座標セットを(例えば、RIS通信モジュールを通じて)1つ若しくは複数のアクセスデバイスに報告するための手段を含み得る、並びに/或いは、RISは、RISのセンサ/アンテナのうちの1つ又は複数によって測定された信号特質(例えば信号強度)と、これらのセンサ/アンテナの相対座標とを報告するための手段を含み得る。特に、RISセンサ/アンテナは、各RIS要素に埋め込まれたセンサ/アンテナを指してもよく、それにより、入射信号の信号強度、位相、周波数、...などの信号パラメータを測定することができる。特に、報告は、RIS要素のそれぞれの測定結果を含み得る。そのようなセンサからの(測定結果)報告に基づいて、又はRISのアンテナによって受信されたRF信号に関する測定結果報告から、アクセスデバイスは、焦点エリアを導出する。焦点エリアに関する情報を使用して、複数のアクセスデバイスが、干渉を生じさせることなくRISを同時に使用できるかどうか、及び/又は、他のアクセスデバイスが、干渉を生じさせることを回避するために、それらのビームをどこに向かって操縦する必要があるかについて決定し得る。この目的を達成するために、情報を取得している(例えば、RISからこの情報を受信することによって、又は測定結果報告からそれを導出することによって)アクセスデバイスが、焦点エリアに関する情報を他のアクセスデバイスに対して共有する(例えば、gNBの場合にはXnインターフェースを用いて、又は、この情報をネットワーク機能に提供する、及び/若しくは、他のgNBがアクセスできるデータベースにこの情報を記憶することによって)。
【0271】
別の実施形態では、RISはサブRISを有する。例では、RISは、大型サーフェスを表す建築物の前面に配置される。次いで、RISは、個々に制御され得るサブRISに分割される。サブRISは、アクセスデバイスに情報を送受信するために、同じRIS通信モジュール210又はRIS-UE50によって制御され、それによって、各サブRISは異なる識別子が与えられ、それによって、各サブRISの、(相対的)ロケーション、寸法、向き及び/若しくは能力に関する情報並びに/又は状態情報がアクセスデバイスに提供される。異なるサブRISは異なる向きを有する。例えば、
図15では、サブRIS23は、サブRIS22とは異なる向きを有する。向きは、サブRISのメタデータの一部として、又はサブRISの位置に関係する(やはり向き情報を含む)情報の一部として提供される。
【0272】
別の実施形態では、RISは、RIS要素のサブセットを複数のアクセスデバイスのそれぞれに割り振ることによって、複数のアクセスデバイスによって同時に使用される。これらの要素は、(例えば、2つの側の、若しくは角張ったRISパネルを用いることによって)、及び/又は、様々なタイプのRIS要素(例えば、ある特定の波長若しくは周波数範囲を有する信号をフィルタリングする/操作する/偏向させる(増強された)能力を含むが、他の波長若しくは周波数範囲の信号をフィルタリングする/操作する/偏向させる能力がない/低減されたRIS要素)を同じRISに適用することによって、様々な方向から到来する信号を偏向させる/(デ)フォーカスする/屈折させる/吸収する/操作することができるように、位置合わせされ、それによって、類似タイプのRIS要素のグループが一緒にクラスタ化される。RIS要素のこれらのサブセットは、情報をアクセスデバイスに送受信するために、同じRIS通信モジュール210又はRIS-UE50によって制御され、それによって、各サブセットは異なる識別子が与えられ、それによって、各サブセットの、(相対的)ロケーション及び/若しくは能力に関する情報並びに/又は状態情報がアクセスデバイスに提供される。
【0273】
RIS UEをともなう他の実施形態と組み合わせられ得る、又は独立して実施され得る別の実施形態において、アクセスデバイスのビーム形成の精度をさらに改善するため、RIS20が他の実施形態で記述されたRIS-UE50を装備している場合、RIS20の反射サーフェス270に対するRIS-UE50の位置は、例えば、RIS能力/ロケーション情報の一部としてRIS20によってアクセスデバイスに提供される。RIS UE50の位置は、例えば、RISのサーフェス/寸法に対して相対的な、若しくは、RISのサーフェス上の基準座標/位置/ポイント(例えば、RISパネルの中心)に対して相対的な座標系を用いることによって提供され、又は、絶対座標系を用いることによって提供される。RIS UE50の位置情報は、RIS UE50のアンテナの(相対)位置情報又は他の情報(例えば個数若しくは長さ)を含む。この情報は、UE40と通信するために反射サーフェス270に向けて、又は、RIS20に照会しRIS20を制御するためにRIS UE50に向けてビームを正確に操縦するように、アクセスデバイスによって使用される。追加的に、この情報は、アクセスデバイスが、命令及び照会手順の間にRISと現在通信している場合、これらのRFアンテナの近くのある特定のRIS要素をスイッチオフするために使用され、その後、命令/照会メッセージが受信及び/又は伝送されている場合、さらにそれらがスイッチオンされ得る。近傍のRIS要素のこのスイッチオフ/オンのタイミングは、命令/照会メッセージのためのリソースをスケジューリングすること、及び/又はスケジューリングされたリソースと同期して、RIS状態を変化させる(アクセスデバイスによる制御下で、又はRIS自体によって)ことによって、アクセスデバイスによって示される。
【0274】
UEがRIS通信をサポートするための追加能力
RISを介した通信に関するより前の実施形態及び図面に関係する別の実施形態では、端末(例えばUE40)は、アクセスデバイス(例えばgNB10)と直接、又はRIS20を介して通信するためのワイヤレス通信手段と、RISに関する(メタ)情報を記憶するためのストレージ手段とを有し、それによって、端末は、(直接、又は、AMF、PCF、SMFなどのコアネットワーク機能から発信する)アクセスデバイスからの、或いはRISから/を介して(例えば、アクセスデバイスからの反射信号から、又はRIS内の通信手段(例えばRF通信モジュール)から発信する)1つ又は複数のRISに関する(メタ)情報(例えば、ロケーション/向き、スケジュール、能力、...)を受信した後にこの情報を記憶する。この情報は、例えば初期設定と同時に、RISを通じてアクセスデバイスからシステム情報を受信したのと同時に、又はアクセスデバイスとの接続確立/ネットワークへの登録と同時に受信され、端末があちこち移動する場合(例えば、別の追跡エリア/登録エリアに進入した、若しくはアクセスデバイスがRISを能動的に使い始めて端末に向かう信号を増強したとき)、変更若しくは更新され、或いは、端末は、例えば、アクセスデバイスとの接続を失ったのと同時に、周辺のRISの発見に従事し、(例えば、サイドリンク/PC5上で(UE対ネットワークリレー機能と組み合わされたRISを特定するためのリレーサービスコード、又は、より前の実施形態に記述されたRISを介して/から受信されたシステム情報ブロック(SIB)を含む)ProSe/V2X D2D発見メッセージなどRISから発信するRF信号を通じて)RISから(メタ)情報を受信する。追加的に、端末は、そのアンテナのうちの1つ又は複数を通じてRF信号をビーム操縦する手段を有する。端末は、1つ又は複数のRISからの記憶された(メタ)情報を使用して、例えば、アクセスデバイスとのアップリンク通信のために、そのRF通信をRISに向けて方向付ける(例えばビーム形成を通じて)。端末は、アクセスデバイスとの通信及び/又は様々なRIS間の優先順序を確立するために、それ自体のロケーション(例えばGPSからの)及び/又は向き(例えばジャイロスコープのセンサからの)に関する情報を使用して、周辺の1つ又は複数のRISの記憶された(メタ)情報に基づいて、そのビームを試し、操縦するために使用する1つ又は複数のRISを決定する。端末はさらに、より早期のステップでアクセスデバイスから/を介して受信された(メタ)情報内に、(場合によってはその位置と相関して)様々なRIS間の優先順序に関する情報をさらに受信/記憶している。端末は、そのような優先順序を使用して、複数のRISが利用できる場合に使用するのに好ましいRISを選択し、それによって、UEはさらに、最小限の信号強度/品質しきい値によって構成され(例えば、ポリシーを通じて)、その信号強度/品質がRISに接続するためのものであるか否か判定し、別の場合には異なるRISを選択する。端末は、端末とアクセスデバイスとの間のLOS信号が劣化している、又は突然劣化した場合(例えば障害物により)、端末とアクセスデバイスとの間の「直接的な」LOS通信/ビーム操縦を用いる代わりに、RISを介して通信を試行し、そのビームをRISに向けて操縦するようにトリガされる(例えば、そのようなトリガのためのしきい値/条件を決定するための事前設定されたポリシーに基づいて)。追加的に、又は独立して、端末は、入射RF信号を測定する手段を有し、それによって、複数の反射された/屈折された/再方向付けされたRF信号を受信した時点で、端末は、複数の反射された/屈折された/再方向付けされたRF信号のうちのどれが最も強力な反射された/屈折された/再方向付けされた信号なのか決定すること、RF信号間のタイミングを決定すること、及び/若しくは、端末と、反射された/屈折された/再方向付けされたRF信号との間の角度/距離を推定することによって、並びに/又は、測定された情報/タイミング/角度/距離と(最良に)合致するRISを見出すために、測定された情報/タイミング/角度/距離を用いて端末と、周辺のRIS、それ自体のロケーション、及び/又は向きに関して記憶された(メタ)情報とを互いに関連付けることによって、信号がRISを介して送信されたことを検出する。(最良の)合致RISを決定した時点で、UEは、RISを介したアクセスデバイスとの通信を最適化するために、RISの(メタ)情報を使用して、さらにそのRF信号を調整する。追加的に、又は独立して、アクセスデバイスは、ダウンリンク信号をUEに向けて反射する/屈折させる/再方向付けさせるRISに向けて方向付けされたダウンリンク信号内のRISのアイデンティティを含み、及び/又は、RISは、アクセスデバイスから反射され/屈折され/再方向付けされる信号と一緒にアイデンティティ情報を伝送し、UEはそれを使用して、どのRISがアクセスデバイスによって使用されたかを検出し、それぞれのRISの対応する記憶された(メタ)情報を見つけ、その後、UEは、それぞれのRISを介したアクセスデバイスとの通信を最適化するために、それぞれのRISの(メタ)情報を使用して、さらに、そのRF信号を調整する。
【0275】
さらに別の実施形態では、隣接したRISと関係がある情報/メタデータを用いて構成されているUEが、このメタデータを使用して、アクセスデバイスに到達することを試行し得る。第1の例では、UEは、それ自体のロケーションに基づいて、隣接RISを決定する。これはさらに、隣接RISのProSe/サイドリンク発見を開始することを含む。UEデータの受信と同時に、RISは、UEデータをアクセスデバイスに向けて操縦するように、それ自体を構成し得る。この目的を達成するために、RISは、それ自体がUEのロケーションを取得/検出/算出することができるべきであり、RISは、アクセスデバイスに到達するための所望の反射/屈折/再方向付け方向を知っていなければならない。RISは、RIS UEの測距能力を用いることによってこれを行うことができ得る、すなわち、RIS UEは、測距を使用して、アクセスデバイスと通信することを望むUEの距離/角度/相対位置を決定する。RISは、例えば、それ自体のロケーションに関する情報と、RISに対して事前設定された、又は、命令を通じて、若しくは、例えばシステム情報を通じて(RISを制御する)アクセスデバイスによって提供された、又は、ロケーションサービスからRISによって取り出された、1つ若しくは複数のアクセスデバイスのロケーション情報とを用いて角度を算出することによって、アクセスデバイスに到達するための角度を決定する。追加的に又は代替的に、RISは、UEから(ProSeサイドリンク発見メッセージを含む)制御/ユーザ平面データを受信した時点で、命令及び照会インターフェースを通じて、例えば、そのRIS-TRX/RIS-UEを介してメッセージを送信することによって、アクセスデバイスに知らせる。そのようなメッセージは、UE及び/又はRIS(例えば、そのアイデンティティ)に関する情報(例えば、ProSe/サイドリンク発見中に提供されたアイデンティティ情報、又は、RISに対する相対的なUEの距離/角度/位置情報)を含む。そのような情報を受信した後、アクセスデバイスは、RISを介して通信することを望むUEに、最良にサービスを提供するようにRISの状態を制御する。第2の例では、UEは、受信されたRIS情報及び追加のRISデータを使用して、RISに向けてユーザ/制御平面データを送信する。追加のRISデータは、例えば、RIS UEが、(UEがRISの位置を、したがって、それがユーザ/制御平面データを伝送すべき方向を、(より正確な様式で)決定することをできるようにさせる)サイドリンク能力を含むとき、RIS UEから伝送された(1)サイドリンク同期信号又は(2)サイドリンク測位信号を指し得る。この第2の例では、UE自体はサイドリンク/PC5インターフェースを通じてRIS UEに接続して、(アクセスデバイスに向かうユーザ/制御平面データがアクセスデバイスに到達するという目的を有する)RISと通信/を制御する(例えば、RISの状態をセットせよとの命令を送信することによって)。さらに別の例では、UEは、RISが(例えば、より前の実施形態で記述されたこの目的のための特定のリレーサービスコードがサイドリンク上で発見され得る(例えば、ProSeモデルA/B発見を用いて)ことを決定することによって、)UE対ネットワークリレー機能(のサブセット)と組み合わされることを発見し、その後、UEは、gNB及び/又はコアネットワークとの制御平面接続をセットアップするための接続要求メッセージを伝送し、それによって、UEは、さらなるアップリンクデータ又はユーザ平面データを送信するためにレイヤ1伝送に切り替わるように設定され(あたかもUuインターフェースを介してgNBに直接送信されたように)、それによって、RISは、レイヤ1信号をgNBに向けて伝播し、逆もまた同様である。
【0276】
要約すると、再構成可能リレーデバイス(例えば、再構成可能インテリジェントサーフェス、RIS、又はスマートリピータ)を決定及び制御するためのシステム及び方法が記述されており、再構成可能リレーデバイスは登録され、ワイヤレス通信経路が、再構成可能リレーデバイスを介してネットワーク(例えば、アクセスデバイス)から端末デバイスまで確立される。ネットワークは、再構成可能リレーデバイスを登録し、その制御に必要とされるパラメータを決定する。制御は、有効化され受領された命令及び照会によって達成される。リレーデバイスのリレー状態は、ワイヤレス通信経路のためのビームが適正に端末デバイスに再方向付けされるようにセットされる。
【0277】
本発明は、図面及び先行の記述において詳細に図解され説明されているが、そのような図解及び記述は、説明的又は例示的とみなされ、限定的とみなされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。本発明は、病院使用又は第一応答者使用向けのヘルスモニタリング、医療的(緊急)診断、及び治療デバイス用の低電力医療センサ、並びに仮想現実(VR)ヘッドセットを含み、携帯電話、バイタルサインモニタリング/テレメトリデバイス、スマートウォッチ、検出器、車両(車両間(V2V)通信、又はより汎用の車両-すべてのもの間(V2X)通信)、V2Xデバイス、モノのインターネット(IoT)ハブ、IoTデバイスなどの様々なタイプのUE、又は端末デバイスに適用することができる。
【0278】
BSは、サービスエリア(屋内又は屋外)内でデバイスへのワイヤレスアクセスを提供する任意のネットワークアクセスデバイス(基地局、NodeB(eNB、eNodeB、gNB、gNodeB、ng-eNBなど)、アクセスポイント、又は同様のものなど)である。
【0279】
RISは、良好なリフレクタと見なされ得るハードウェアコンポーネント(例えば、大型ガラススクリーン又はパネル)を含むスマートデバイス(例えば、スマートTV又はスマート赤外線パネル)の使用によって作成される。RISはさらに、掲示板、建築物前面、ポスター、床タイル、屋根、壁などの物体に埋め込まれる。さらに、上記の実施形態では、RISはスマートリピータ、RFリピータ、又は、制御可能リレー若しくは反射機能を含む任意のリレーデバイスによって置き換えられる。
【0280】
さらに、上記の実施形態のうちの少なくともいくつかは、セルラネットワークのカバレッジ、信頼性、及び速度を改善するために、5G/6G/xGセルラネットワークのためのネットワーク機器又は新たな製品クラスの(低コスト/中コスト)再構成可能インテリジェントサーフェスを提供するために実施される。
【0281】
開示された実施形態に対する他の変形形態は、図面、本開示、及び添付された請求項の調査から特許請求された発明を実践する際に当業者によって理解され、成し遂げられることが可能である。本請求項では、単語「備える」は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の要素は、複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載された、いくつかの項目の機能を実現する。互いに異なる従属請求項にある特定の方法が記載されていることのみで、これらの方法の組み合わせが利益を得るために使用することができないことを示すものではない。先行する記述は本発明のある特定の実施形態を詳述するものである。しかしながら、前述がどれだけ詳細にテキストにおいて明らかになろうとも、本発明が多くのやり方で実践され、したがって、開示された実施形態を限定するものではないことが理解されるであろう。本発明のある特定の特徴又は態様を記述するとき、特定の述語の使用は、その述語が関連する本発明の特徴又は態様の任意の特定の特質を含むように限定するために、述語が本明細書において再定義されることを意味すると理解されるべきではないことに留意すべきである。さらに、一般に、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲において使用される用語は一般に、「オープン」用語として意図され、例えば、用語「含む」は、「含む、しかし、限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「備える」は「備える、しかし、限定されない」と解釈されるべきである、などと、当業者によって理解されるであろう。導入された請求項の記載の特定の数字が意図される場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解の助けとして以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を紹介するために、前置きのフレーズ「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」の使用を含む。しかしながら、そのようなフレーズの使用は、「1つの」による請求項の記載の導入が、たった1つのそのような記載を含む実装形態に対してそのように導入された請求項の記載を含むいかなる特定の請求項も制限するものと解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が前置きのフレーズ「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」及び「1つの」などを含むときでも、例えば、「1つの」は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると解釈されるべきであり、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用に関して同じことが当てはまる。さらに、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ、など」に類似した決まりごとが使用される実例では、一般に、そのような構成は、当業者であれば、決まりごと、例えば「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」が、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、並びに/又はA、B、及びCを共に有するなどのシステムを含むことを理解するであろうという意味で意図される。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ、など」に類似した決まりごとが使用される実例では、一般に、そのような構成は、当業者であれば、決まりごと、例えば「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」が、限定はしないが、Aだけ、Bだけ、Cだけ、A及びBをともに、A及びCをともに、B及びCをともに、並びに/又はA、B、及びCをともに有するなどのシステムを含むことを理解するであろうという意味で意図される。仮想的に、2つ以上の代替的な用語を提示するいかなる選言的な単語及び/フレーズが、記述、特許請求の範囲、又は図面においてでも、用語のうちの1つ、用語のうちのどちらか一方、又は両方の用語を含む可能性があることを企図するものと理解されるべきことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、フレーズ「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」を含むものと理解されるであろう。
【0282】
図2及び11で示されたような記述された動作は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として、及び/又は、関連するネットワークデバイス若しくは機能の専用ハードウェアとして、それぞれ実装することができる。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光ストレージ媒体又はソリッドステート媒体などの好適な媒体上に記憶され及び/又は配布されてもよいが、さらに、インターネット又は他のワイヤード若しくはワイヤレス通信システムを介してなど、他の形態で配布されてもよい。
【国際調査報告】