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特表2024-534852仮想広帯域チャネル用の圧縮CSIのための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】仮想広帯域チャネル用の圧縮CSIのための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/46 20060101AFI20240918BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01S13/46
H04L27/26 320
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513292
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2022058273
(87)【国際公開番号】W WO2023031875
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/240,645
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/271,328
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベグ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】オマル,モハマド
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB30
5J070AC01
5J070AC06
5J070AC20
5J070AD02
5J070AD03
5J070AD08
5J070AE09
5J070AE10
5J070AE20
5J070AF01
5J070AH31
5J070AH35
5J070AK40
5J070BD02
(57)【要約】
Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。送信アンテナと、受信アンテナと、プロセッサと、を含むセンシング受信機によって実施されるWi-Fiセンシングのための方法が説明される。最初に、複数のセンシング送信機からのセンシング送信が受信される。次いで、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値が、センシング送信に基づいて生成される。その後、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が識別される。選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含む縮小されたチャネル表現情報(CRI)が生成され、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略される。縮小されたCRIは、センシングアルゴリズムマネージャに送られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むセンシング受信機によって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、
前記受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成することと、
前記縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送ることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記縮小されたCRIを生成することは、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、前記主インパルスが、前記フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、
前記縮小されたTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記主インパルスは、前記縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記場所情報は、ビットマップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記場所情報は、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、前記場所情報、及び前記周波数ドメインビットマップを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記場所情報、前記周波数ドメインビットマップ、及び前記フィルタ処理されたTD-CRIの前記主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むデバイスによって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、
前記受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサ上で動作するセンシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、前記縮小されたTD-CRIは、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の、前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の主インパルスの、前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、
前記フルTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
センシング受信機を備え、
前記センシング受信機は、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信し、
前記センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成し、
前記複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別し、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成し、かつ
前記縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送るための命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項15】
前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記縮小されたCRIを生成することは、
前記CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、
前記フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、前記主インパルスが、前記フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、
前記縮小されたTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を行うための命令を伴って更に構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記主インパルスは、前記縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記場所情報は、ビットマップを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記場所情報は、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIを取得し、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成し、かつ
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を伴って更に構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、前記場所情報、及び前記周波数ドメインビットマップを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記場所情報、前記周波数ドメインビットマップ、及び前記フィルタ処理されたTD-CRIの前記主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
センシング受信機を備え、
前記センシング受信機は、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信し、
センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成し、
前記再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換し、かつ
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項25】
前記縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、前記縮小されたTD-CRIは、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の、前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、
前記選択されたセンシング送信機に関連付けられた前記成分周波数帯域の主インパルスの、前記複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、
前記フルTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月3日に出願された米国仮出願第63/240,645号、及び2021年10月25日に出願された米国仮出願第63/271,328号の優先権を主張し、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、仮想広帯域チャネル用の圧縮チャネル状態情報(CSI)のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
動き検出システムは、例えば、部屋又は屋外エリア内の物体の移動を検出するために使用されてきた。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光学センサが、センサの視野内の物体の移動を検出するために使用されている。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他のタイプのシステムにおいて使用されてきた。Wi-Fiセンシングシステムは、動き検出システムに最近追加されたものの1つである。Wi-Fiセンシングシステムは、IEEE 802.11ネットワークの一部であり得るWi-Fi対応デバイスのネットワークであり得る。例えば、Wi-Fiセンシングシステムは、センシング受信機及びセンシング送信機を含み得る。一例では、Wi-Fiセンシングシステムは、センシング空間内の関心特徴を検出するように構成することができる。センシング空間は、居住地、仕事場、ショッピングモール、スポーツホール若しくはスポーツスタジアム、庭、又は任意の他の物理空間などの、Wi-Fiセンシングシステムが動作し得る任意の物理空間を指すことがある。関心特徴は、物体の動き及び動きトラッキング、存在検出、侵入検出、ジェスチャ認識、転倒検出、呼吸数検出、及び他の適用例を含み得る。
【0004】
IEEE 802.11ac、及びIEEE規格のより新しいバージョンでは、チャネルは、複数の連続的な成分周波数帯域を連結することによって形成され得る。連結された複数の連続的な成分周波数帯域は、ひとまとまりのエンティティとして広帯域と称され得る。Wi-Fiセンシングのために、広帯域を使用することは、広帯域が帯域幅効率及び時間分解能を改善するので、有利である。利用可能な成分周波数帯域が十分に存在し得る場合でも、広帯域を構成するために連続的な成分周波数帯域が十分に利用可能ではない場合があるシナリオが存在し得る。一例では、利用可能な成分周波数帯域が連続していない場合、利用可能な成分周波数帯域は、広帯域を構成するために利用可能ではない場合がある。Wi-Fiセンシングシステムにおけるアップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)を使用することは、現在、同じ送信デバイス(すなわち、センシング送信機)に対して連続的な成分周波数帯域を連結することを可能にする。複数の連続的及び/又は非連続的な成分周波数帯域を含む集約周波数帯域は、仮想広帯域と呼ばれる。
【0005】
Wi-Fiセンシングシステムでは、あるデバイスから別のデバイスへ(例えば、センシング受信機からセンシング送信機へ)、伝搬チャネルを表す情報(すなわち、チャネル表現情報)が空中で送信される必要があり得る。デバイス間の伝搬チャネルの表現は、現在、チャネル状態情報(CSI)内に取り込まれている。仮想広帯域を送信するセンシング送信機の場合、非連続的な成分周波数帯域間に隔離された周波数帯域が存在し得る。したがって、センシング受信機は、受信した帯域全体のセンシング送信全体からCSIを計算するときに、仮想広帯域によって搬送されるセンシング送信機からの情報を、仮想広帯域外に搬送される他の無関係な情報と一緒に組み合わせることができる。この計算されたCSIは、情報のこの組み合わせによって歪んだり、役に立たなくなったりすることがあり、したがって、物体の移動若しくは動きの判定に含まれないことがある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、仮想広帯域チャネル用の圧縮チャネル状態情報(CSI)のためのシステム及び方法に関する。
【0007】
Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法が提供される。例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのための方法が説明される。この方法は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成されたプロセッサと、を含むセンシング受信機によって実施される。方法は、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信することと、センシング送信に基づいて、CSIを表すセンシング測定値を生成することと、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別することと、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成することと、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0008】
一部の実施形態では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である。
【0009】
一部の実施形態では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む。
【0010】
一部の実施形態では、縮小されたCRIを生成することは、CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む。
【0011】
一部の実施形態では、方法は、縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、主インパルスが、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、縮小されたTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を更に含む。
【0012】
一部の実施形態では、主インパルスは、縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される。
【0013】
一部の実施形態では、場所情報は、ビットマップを含む。
【0014】
一部の実施形態では、場所情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。
【0015】
一部の実施形態では、方法は、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む。
【0016】
一部の実施形態では、方法は、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、場所情報、及び周波数ドメインビットマップを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、場所情報、周波数ドメインビットマップ、及び縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む。
【0017】
別の例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのための方法が説明される。この方法は、受信アンテナと、命令を実行するように構成されたプロセッサと、を含む、デバイスによって実施される。方法は、受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信することと、プロセッサ上で動作するセンシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、再構築されたTD-CRIを、再構築されたCSIに変換することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を含む。
【0018】
一部の実施形態では、縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、縮小されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む。
【0019】
一部の実施形態では、縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む。
【0020】
別の例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのためのシステムが説明される。システムは、センシング受信機を含み、センシング受信機は、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有し、少なくとも1つのプロセッサは、受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信し、センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成し、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別し、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成し、かつ縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送るための命令を実行するように構成されている。
【0021】
一部の実施形態では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である。
【0022】
一部の実施形態では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む。
【0023】
一部の実施形態では、縮小されたCRIを生成することは、CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む。
【0024】
一部の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、主インパルスが、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、縮小されたTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を行うための命令を伴って更に構成されている。
【0025】
一部の実施形態では、主インパルスは、縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される。
【0026】
一部の実施形態では、場所情報は、ビットマップを含む。
【0027】
一部の実施形態では、場所情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。
【0028】
一部の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIを取得し、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成し、かつセンシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を伴って更に構成されている。
【0029】
一部の実施形態では、システムは、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、場所情報、及び周波数ドメインビットマップを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、場所情報、周波数ドメインビットマップ、及びフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む。
【0030】
別の例示的な実施形態では、Wi-Fiセンシングのためのシステムが説明される。システムは、センシング受信機を含み、センシング受信機は、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を有し、少なくとも1つのプロセッサは、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信し、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成し、再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換し、かつセンシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を実行するように構成されている。
【0031】
一部の実施形態では、縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、縮小されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む。
【0032】
一部の実施形態では、縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む。
【0033】
本開示の他の態様及び利点は、本開示の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本開示の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、より明らかになり、より良く理解されるであろう。
【0035】
図1】例示的なワイヤレス通信システムを示す図である。
図2A-2B】ワイヤレス通信デバイス間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。
図3A-3B】図2A及び図2Bのワイヤレス通信デバイス間で通信されたワイヤレス信号から計算されたチャネル応答の例を示すプロットである。
図4A-4B】空間の別個の領域における物体の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を示す図である。
図4C-4D】空間内で動きが発生していないことに関連付けられた例示的なチャネル応答上にオーバーレイされた図4A及び図4Bの例示的なチャネル応答を示すプロットである。
図5】一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステムの実装形態のアーキテクチャのうちの一部の実装形態を示す。
図6】一部の実施形態による、アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)送信手順及びトリガフレームのフォーマットを示す。
図7A-7H】一部の実施形態によるトリガフレーム内のフィールドの階層を示す。
図8】一部の実施形態による、センシング受信機と、センシング送信機と、センシングアルゴリズムマネージャとの間の通信のためのシーケンス図を示し、センシング受信機がセンシングイニシエータである。
図9】一部の実施形態による、センシング受信機と、センシング送信機と、センシングアルゴリズムマネージャとの間の通信のためのシーケンス図を示し、センシング送信機がセンシングイニシエータである。
図10】一部の実施形態による、チャネル表現情報(CRI)送信メッセージを搬送する管理フレームの構成要素の例を示す。
図11A-11B】一部の実施形態による、4つの20MHz成分周波数帯域及びそれらの使用可能性状態を示す。
図12】一部の実施形態による、マルチユーザセンシング送信のための仮想広帯域の例を示す。
図13】一部の実施形態による、センシング受信機の受信機チェーンの表現を示す。
図14】一部の実施形態による、直接信号経路と単一マルチパスとを含むチャネルの例示的な表現を示す。
図15】一部の実施形態による、制約付き基底行列の作成を示す。
図16】一部の実施形態による、センシング送信機の仮想広帯域の一例を示す。
図17】一部の実施形態による、センシング受信機によって受信されるUL-OFDMA信号を示す。
図18】一部の実施形態による、アクティブトーンビットマップを使用した、センシング受信機からセンシングアルゴリズムマネージャへの主インパルスの場所の通信の表現を示す。
図19】一部の実施形態による、フルビットマップを使用した、センシング受信機からセンシングアルゴリズムマネージャへの主インパルスの場所の通信の表現を示す。
図20】一部の実施形態による、フル時間ドメインチャネル表現(TD-CRI)における主インパルスの位置を使用した、センシング受信機からセンシングアルゴリズムマネージャへの主インパルスの場所の通信の表現を示す。
図21A-21B】一部の実施形態による、縮小されたチャネル表現情報(CRI)をセンシングアルゴリズムマネージャに送るためのフローチャートを示す。
図22】一部の実施形態による、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するためのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で説明するものの一部の態様では、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレス通信デバイス間の空間を通して送信されたワイヤレス信号(例えば、無線周波数信号)を処理することによって、種々のワイヤレスセンシング用途のために使用され得る。例示的なワイヤレスセンシングアプリケーションは、動き検出を含み、動き検出は、空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーションを含み得る。ワイヤレスセンシングアプリケーションの他の例は、物体認識、発話認識、キーストローク検出及び認識、改竄検出、タッチ検出、攻撃検出、ユーザ認証、運転者疲労検出、交通監視、喫煙検出、学校暴力検出、人間計数、金属検出、人間認識、自転車位置特定、人間キュー推定、Wi-Fiイメージング、及び他のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションを含む。例えば、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fi信号又は他のタイプのワイヤレス信号に基づいて動きの存在及び場所を検出するための動き検出システムとして動作してもよい。以下でより詳細に説明されるように、ワイヤレスセンシングシステムは、例えば、システム動作を改善するために、又は他の技術的利点を達成するために、測定レート、ワイヤレス接続及びデバイス参加を制御するように構成され得る。ワイヤレスセンシングシステムが動き検出のために使用されるときに達成されるシステム改善及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシング適用例のために使用される例においても達成される。
【0037】
一部の例示的なワイヤレスセンシングシステムでは、ワイヤレス信号は、ワイヤレスデバイスがチャネル応答又は他のチャネル情報を推定するために使用され得る構成要素(例えば、Wi-Fi PHYフレーム中の同期プリアンブル、又は別のタイプの構成要素)を含み、ワイヤレスセンシングシステムは、経時的に収集されたチャネル情報の変化を分析することによって動き(又はワイヤレスセンシング適用例に応じて別の特性)を検出することができる。一部の例では、ワイヤレスセンシングシステムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)が受信機の役割を担い、APに接続された各Wi-Fiデバイス(局又はノード又はピア)が送信機の役割を担う、バイスタティックレーダーシステムと同様に動作することができる。ワイヤレスセンシングシステムは、送信を生成し、受信機デバイスにおいてチャネル応答測定値を生成するように、接続されたデバイスをトリガすることができる。このトリガプロセスは、一連の時変測定値を取得するために周期的に繰り返すことができる。ワイヤレスセンシングアルゴリズムは、次いで、(例えば、Wi-Fi受信機によって計算された)生成されたチャネル応答測定値の時系列を入力として受信することができ、次いで、相関又はフィルタ処理プロセスを通して、決定を行うことができる(例えば、例えば、チャネル推定における変化又はパターンに基づいて、チャネル応答によって表される環境内に動きがあるか、又は動きがないかを決定する)。ワイヤレスセンシングシステムが動きを検出する例では、複数のワイヤレスデバイスの間の動き検出結果に基づいて、環境内の動きの場所を識別することも可能であり得る。
【0038】
したがって、ワイヤレス通信ネットワーク中のワイヤレス通信デバイスの各々において受信されたワイヤレス信号は、ネットワーク中の(ワイヤレス通信デバイスのそれぞれのペア間の)種々の通信リンクについてのチャネル情報を決定するために分析され得る。チャネル情報は、空間を横断するワイヤレス信号に伝達関数を適用する物理媒体を表すことができる。一部の事例では、チャネル情報はチャネル応答を含む。チャネル応答は、物理的通信経路を特徴付けることができ、例えば、送信機と受信機との間の空間内の散乱、フェージング、及び電力減衰の組み合わされた影響を表す。一部の事例では、チャネル情報は、ビームフォーミングシステムによって提供されるビームフォーミング状態情報(例えば、フィードバック行列、ステアリング行列、チャネル状態情報(CSI)など)を含む。ビームフォーミングは、指向性信号送信又は受信のためのマルチアンテナ(多入力/多出力(MIMO))無線システムにおいてしばしば使用される信号処理技術である。ビームフォーミングは、一部の角度における信号が強め合う干渉を経験し、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナアレイ中の要素を動作させることによって達成され得る。
【0039】
通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが発生したかどうかを検出するために、検出された動きの相対的な場所を判定するために、又はその双方を決定するために(例えば、ワイヤレス通信ネットワーク内のハブデバイス若しくは他のデバイスによって、又はネットワークに通信可能に結合されたセンシング送信機によって)分析され得る。一部の態様では、通信リンクの各々についてのチャネル情報は、例えば、空間内で動きが検出されない場合、物体が存在するか不在であるかを検出するために分析され得る。
【0040】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ノード測定レートを制御することができる。例えば、Wi-Fi動きシステムは、現在のワイヤレスセンシングアプリケーション(例えば、動き検出)によって提供されられる基準に基づいて、可変測定レート(例えば、チャネル推定/環境測定/サンプリングレート)を構成してもよい。一部の実装形態では、例えば、ある時間期間にわたって動きが存在しないか又は検出されない場合、ワイヤレスセンシングシステムは、接続されたデバイスがあまり頻繁にトリガされないように、環境が測定されるレートを低減することができる。一部の実装形態では、例えば、動きが存在するとき、ワイヤレスセンシングシステムは、より細かい時間分解能を有する測定値の時系列を生成するために、トリガレートを増加させることができる。可変測定レートを制御することは、(デバイスのトリガリングを通して)エネルギー節約を可能にし、処理を低減し(相関又はフィルタ処理するためのより少ないデータ)、規定された時間中の分解能を改善することができる。
【0041】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、ワイヤレスネットワーク全体にわたってノードの帯域ステアリング又はクライアントステアリングを実施することができ、例えば、Wi-FiマルチAP又は拡張サービスセット(ESS)トポロジでは、複数の協調ワイヤレスAPは各々、異なる周波数帯域を占有し、デバイスが1つの参加APから別の参加AP(例えば、メッシュ)に透過的に移動することを可能にし得る基本サービスセット(BSS)を提供する。例えば、ホームメッシュネットワーク内で、Wi-Fiデバイスは、APのいずれかに接続することができるが、典型的には、良好な信号強度を有するものを選択する。メッシュAPのカバレージフットプリントは概して重複しており、しばしば、各デバイスを通信範囲又は2つ以上のAP内に置く。APがマルチバンド(例えば、2.4GHz及び5GHz)をサポートする場合、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを同じ物理APに接続されたままにするが、ワイヤレスセンシングアルゴリズム(例えば、動き検出アルゴリズム)の精度又は結果を改善するのを助けるために、より多様な情報を取得するために異なる周波数帯域を使用するように命令することができる。一部の実装形態では、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスを1つのメッシュAPに接続されている状態から別のメッシュAPに接続されている状態に変更することができる。そのようなデバイスのステアリングは、検出カバレージを改善するために、又はエリア内の動きをより良く局所化するために、特定のエリアにおいて検出された基準に基づいて、例えば、ワイヤレスセンシング(例えば、動き検出)中に実施することができる。
【0042】
場合によっては、ワイヤレスセンシングシステムは、デバイスが、それらのワイヤレスセンシング能力又はワイヤレスセンシング意思をワイヤレスセンシングシステムに動的に示し、通信することを可能にし得る。例えば、APがチャネル測定値を生成することを可能にするワイヤレス信号を送信するために、デバイスが周期的に中断又はトリガされることを望まない場合があり得る。例えば、デバイスがスリープしている場合、ワイヤレスセンシング信号を送信又は受信するためにデバイスを頻繁に起動することは、リソースを消費する可能性がある(例えば、セルフォンバッテリをより速く放電させる)。これら及び他のイベントによって、デバイスがワイヤレスセンシングシステムの動作に参加する意思を持ったり持たなかったりする可能性がある。場合によっては、そのバッテリで動作している携帯電話は、参加することを望まない場合があるが、携帯電話が充電器にプラグ接続されているときには、参加する意思がある場合がある。したがって、携帯電話がプラグを抜かれている場合、携帯電話を参加から除外するようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができ、一方、携帯電話がプラグを差し込まれている場合、携帯電話をワイヤレスセンシングシステムの動作に含めるようにワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。場合によっては、デバイスが負荷を受けている(例えば、オーディオ又はビデオをストリーミングしているデバイス)か、又は一次機能を実施している最中である場合、デバイスは参加することを望まないことがあり、同じデバイスの負荷が低減され、参加することが一次機能に干渉しない場合、デバイスは、それが参加する意思があることをワイヤレスセンシングシステムに示すことができる。
【0043】
例示的なワイヤレスセンシングシステムは、動き検出(空間内の物体の動きの検出、動き追跡、呼吸検出、呼吸監視、存在検出、ジェスチャ検出、ジェスチャ認識、人間の検出(動いている人間の検出及び静止している人間の検出)、人間追跡、転倒検出、速度推定、侵入検出、歩行検出、歩数カウント、呼吸数検出、無呼吸推定、姿勢変化検出、活動認識、歩行率分類、ジェスチャ復号、手話認識、手の追跡、心拍数推定、呼吸数推定、部屋占有検出、人間ダイナミクス監視、及び他のタイプの動き検出アプリケーション)の文脈において以下に説明される。しかしながら、ワイヤレスセンシングシステムが動き検出システムとして動作しているときに達成される動作、システム改善、及び技術的利点は、ワイヤレスセンシングシステムが別のタイプのワイヤレスセンシングアプリケーションのために使用される例においても適用可能である。
【0044】
本開示の種々の実施形態では、本明細書で使用される1つ以上の用語の非限定的な定義を以下に提供する。
【0045】
「測定キャンペーン」という用語は、一連の1つ以上のセンシング測定値が計算されることを可能にする、センシング受信機とセンシング送信機との間の双方向の一連の1つ以上のセンシング送信を指し得る。
【0046】
「チャネル状態情報(CSI)」という用語は、チャネル推定の技術によって既知又は測定される通信チャネルの特性を指し得る。CSIは、ワイヤレス信号が複数の経路に沿って、送信機(例えば、センシング送信機)から受信機(例えば、センシング受信機)にどのように伝搬するかを表し得る。CSIは、通常、信号の振幅減衰及び位相シフトを表す複素値の行列であり、通信チャネルの推定値を提供する。
【0047】
「フル時間ドメインチャネル表現情報(フルTD-CRI)」という用語は、CSI値、例えばベースバンド受信機によって計算されたCSIに対して逆離散フーリエ変換(IDFT)を実施することによって作成される、時間ドメインパルスの振幅及び遅延を表す、一連の複素ペアを指し得る。
【0048】
「フィルタ処理された時間ドメインチャネル表現情報(フィルタ処理されたTD-CRI)」という用語は、フルTD-CRIにアルゴリズムを適用することによって作成された時間ドメインパルスの低減された一連の複素ペアを指し得る。アルゴリズムは、一部の時間ドメインパルスを選択し、他を拒絶し得る。フィルタ処理されたTD-CRIは、選択された時間ドメインパルスをフルTD-CRI内の対応する時間ドメインパルスに関連付ける情報を含む。
【0049】
「縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI」という用語は、フィルタ処理されたTD-CRIにアルゴリズムを適用することによって作成された時間ドメインパルスの縮小された一連の複素ペアを指し得る。アルゴリズムは、一部の時間ドメインパルスを選択し、他を拒絶し得る。縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの例は、縮小されたCRIである。縮小されたCRIは、センシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの時間ドメイン表現を含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIである。
【0050】
「主インパルス」という用語は、再構築されたCSI(R-CSI)チャネル表現を十分な精度で作成するために主であると決定された時間ドメインパルスを含む、TD-CRI時間ドメインパルスの最小サブセットを指し得る。一例では、主インパルスは、フィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。
【0051】
「チャネル表現情報(CRI)」という用語は、2つのデバイス間のチャネルの状態を一緒に表すセンシング測定値の集合を指し得る。CRIの例は、CSI及びフルTD-CRIである。
【0052】
「再構築されたCSI(R-CSI)」という用語は、ベースバンド受信機によって測定された元のCSI値の表現を指し得、R-CSIは、元のCSI値(周波数ドメイン)をとり、IDFTを実施してそれらの値を時間ドメインに変換し、時間ドメインパルスの数を選択し、選択された時間ドメインパルスを含まない時間ドメイントーンをゼロ化又はヌル化し、DFTを実施することによって計算される。結果として生じる周波数ドメイン複素値は、R-CSIである。
【0053】
「離散フーリエ変換(DFT)」という用語は、時間ドメインの信号を周波数ドメインの信号に変換するアルゴリズムを指し得る。一例では、DFTは、TD-CRIをR-CSIに変換するために使用され得る。一実施形態では、高速フーリエ変換(FFT)は、DFTを実装するために使用され得る。
【0054】
「高速フーリエ変換(FFT)」という用語は、DFTを実装するための高速アルゴリズムを指し得る。
【0055】
「逆離散フーリエ変換(IDFT)」という用語は、周波数ドメインの信号を時間ドメインの信号に変換するアルゴリズムを指し得る。一例では、IDFTは、CSIをTD-CRIに変換するために使用され得る。一実施形態では、逆高速フーリエ変換(IFFT)は、IDFTを実装するために使用され得る。
【0056】
「逆高速フーリエ変換(IFFT)」という用語は、IDFTを実装するための高速アルゴリズムを指し得る。
【0057】
「センシングイニシエータ」という用語は、Wi-Fiセンシングセッションを開始するデバイスを指すことがある。センシングイニシエータの役割は、センシング受信機、センシング送信機、又はセンシングアルゴリズムを含む別個のデバイス(例えば、センシングアルゴリズムマネージャ)によって引き継がれてもよい。
【0058】
「ヌルデータPPDU(NDP)」という用語は、データフィールドを含まないPPDUを指し得る。一例では、必要とされる情報を含むのがMACヘッダである場合、ヌルデータPPDUが送信をセンシングするために使用され得る。
【0059】
「センシング送信」という用語は、センシング測定を行うために使用され得るセンシング送信機からセンシング受信機への任意の送信を指し得る。一例では、センシング送信は、ワイヤレスセンシング信号又はワイヤレス信号と称されることもある。
【0060】
「リソースユニット(RU)」という用語は、変調された信号を搬送するために使用され得る直交波周波数分割多重(OFDM)チャネルの割り当てを指すことがある。RUは、モデムのモードに応じて可変数のキャリアを含み得る。
【0061】
「センシングトリガメッセージ」という用語は、センシング測定を実施するために使用され得る1つ以上のセンシング送信をトリガするためにセンシング受信機からセンシング送信機に送られるメッセージを指し得る。センシングトリガメッセージは、センシング開始メッセージとも呼ばれ得る。
【0062】
「アップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)センシングトリガメッセージ」という用語は、UL-OFDMAを使用して単一の送信機会(TXOP)においてセンシング送信を生成するための、センシング受信機から1つ以上のセンシング送信機へのメッセージを指し得る。UL-OFMDAセンシングトリガメッセージは、UL-OFMDAセンシングトリガメッセージに応答してどのようにセンシング送信を形成するかを1つ以上のセンシング送信機に命令するデータを含む。
【0063】
「センシング応答メッセージ」という用語は、センシング送信機からセンシング受信機へのセンシング送信内に含まれるメッセージを指し得る。一例では、センシング応答メッセージを含むセンシング送信は、センシング測定を実施するために使用され得る。
【0064】
「センシング測定」という用語は、チャネルの状態の測定、すなわち、センシング送信から導出されるセンシング送信機とセンシング受信機との間のCSI測定を指し得る。
【0065】
「PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)」という用語は、プリアンブル及びデータフィールドを含むデータユニットを指し得る。プリアンブルフィールドは、送信ベクトルフォーマット情報を含み得、データフィールドは、ペイロード及び上位層ヘッダを含み得る。
【0066】
「センシング送信機」という用語は、センシングセッションにおいてセンシング測定(例えば、チャネル状態情報)に使用される送信(例えば、NDP及びPPDU)を送るデバイスを指し得る。一例では、局はセンシング送信機の一例である。一部の例では、アクセスポイント(AP)はまた、局がセンシング受信機として機能する例では、Wi-Fiセンシング目的のためのセンシング送信機であり得る。
【0067】
「センシング受信機」という用語は、センシング送信機によって送られた送信(例えば、NDP及びPPDU)を受信し、センシングセッションにおいて1つ以上のセンシング測定(例えば、チャネル状態情報)を実施するデバイスを指し得る。アクセスポイント(AP)は、センシング受信機の一例である。一部の例では、局はまた、メッシュネットワークシナリオにおいて、センシング受信機であり得る。
【0068】
「センシング送信アナウンスメッセージ」という用語は、センシング送信NDPがショートインターフレームスペース(SIFS)内に続くことをアナウンスする、センシング送信機からセンシング受信機に送られるメッセージを指し得る。センシング送信NDPは、センシング送信アナウンスメッセージとともに定義された送信パラメータを使用して送信され得る。
【0069】
「ショートインターフレームスペース(SIFS)」という用語は、Wi-Fiセンシングシステムのデバイス内の処理要素(例えば、マイクロプロセッサ、専用ハードウェア、又は任意のそのような要素)が、フレーム内でそれに提示されるデータを処理することができる期間を指すことがある。一例では、ショートインターフレームスペースは10μsであり得る。
【0070】
「センシング送信NDP」という用語は、センシング送信機によって送られ、センシング受信機でのセンシング測定に使用されるNDP送信を指し得る。送信は、センシング送信アナウンスに続き、センシング応答アナウンスに定義された送信パラメータを使用して送信され得る。
【0071】
「送信機会(TXOP)」という用語は、特定のクオリティオブサービス(QoS)局(例えば、センシングイニシエータ又はセンシング送信機)がワイヤレス媒体上へのフレーム交換を開始する権利を有し得る、ネゴシエートされた時間間隔を指すことがある。送信機会のQoSアクセスカテゴリ(AC)は、ネゴシエーションの一部として要求され得る。
【0072】
「クオリティオブサービス(QoS)アクセスカテゴリ(AC)」という用語は、フレームが必要とする送信の優先度を分類するフレームの識別子を指し得る。一例では、4つのQoSアクセスカテゴリ、すなわちAC_VI:ビデオ、AC_VO:音声、AC_BE:ベストエフォート、及びAC_BK:バックグラウンドが定義される。更に、各QoSアクセスカテゴリは、そのために定義された異なる送信機会パラメータを有し得る。
【0073】
「送信パラメータ」という用語は、特定のPHYに対応する送信ベクトル(TXVECTOR)の一部として定義され、各PHY層プロトコルデータユニット(PPDU)送信のために構成可能である、IEEE802.11 PHY送信機構成パラメータのセットを指し得る。
【0074】
「チャネル応答情報(CRI)送信メッセージ」という用語は、センシング送信に対してセンシング測定を実施したセンシング受信機によって送られたメッセージを指し得、センシング受信機はセンシング送信機にCRIを送る。
【0075】
「時間ドメインパルス」という用語は、時間ドメインにおける離散化されたエネルギーの振幅及び位相を表す複素数を指し得る。ベースバンド受信機からトーンごとにCSI値が取得されると、CSI値に対してIFFTを実施することによって時間ドメインパルスが取得される。
【0076】
「トーン」という用語は、OFDM信号中の個々のサブキャリアを指し得る。トーンは、時間ドメイン又は周波数ドメインで表され得る。時間ドメインでは、トーンはシンボルと称され得る。周波数ドメインでは、トーンはサブキャリアと称され得る。
【0077】
「配信された送信構成」という用語は、センシング送信機によってセンシング送信に適用される送信パラメータを指し得る。
【0078】
「要求された送信構成」という用語は、センシング送信を送るときに使用されるセンシング送信機の要求された送信パラメータを指し得る。
【0079】
「仮想広帯域」という用語は、複数の連続的及び/又は非連続的な成分周波数帯域を含む集約周波数帯域を指し得る。
【0080】
「Wi-Fiセンシングセッション」という用語は、物理空間内の物体が探査され、検出され、かつ/又は特徴付けられ得る期間を指し得る。一例では、Wi-Fiセンシングセッション中に、複数のデバイスが参加し、それによってセンシング測定値の生成に寄与する。Wi-Fiセンシングセッションは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)センシングセッション又は単にセンシングセッションと称されることもある。
【0081】
「ステアリング行列構成」という用語は、各送信信号について無線周波数(RF)送信信号チェーンのアンテナを事前調整するために必要とされる実位相及び複素位相を表す複素値の行列を指すことがある。(例えば、空間マッパによる)ステアリング行列構成の適用は、ビームフォーミング及びビームステアリングを可能にする。
【0082】
「空間マッパ」という用語は、局又はセンシング送信機におけるRF送信チェーンに入力される信号の振幅及び位相を調整する信号処理要素を指すことがある。空間マッパは、実装された各RFチェーンへの信号を処理するための要素を含み得る。実施される動作は空間マッピングと称される。空間マッパの出力は、1つ以上の空間ストリームである。
【0083】
以下の種々の実施形態の説明を読むために、本明細書のセクション及びそれらのそれぞれの内容の以下の説明が有用であり得る。
【0084】
セクションAでは、本明細書で説明する実施形態を実施するのに有用であり得るワイヤレス通信システム、ワイヤレス送信、及びセンシング測定について説明する。
【0085】
セクションBでは、センシング送信を送り、センシング測定を行うように構成されたWi-Fiセンシングシステムに有用なシステム及び方法について説明する。
【0086】
セクションCでは、仮想広帯域チャネル用の圧縮CSIのためのシステム及び方法の実施形態について説明する。
【0087】
A.ワイヤレス通信システム、ワイヤレス送信、及びセンシング測定
図1は、ワイヤレス通信システム100を示している。ワイヤレス通信システム100は、3つのワイヤレス通信デバイス、すなわち、第1のワイヤレス通信デバイス102Aと、第2のワイヤレス通信デバイス102Bと、第3のワイヤレス通信デバイス102Cとを含む。ワイヤレス通信システム100は、追加のワイヤレス通信デバイス及び他の構成要素(例えば、追加のワイヤレス通信デバイス、1つ以上のネットワークサーバ、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ケーブル、又は他の通信リンクなど)を含み得る。
【0088】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、ワイヤレスネットワーク通信規格又は別のタイプのワイヤレス通信プロトコルに従って、ワイヤレスネットワークにおいて動作することができる。例えば、ワイヤレスネットワークは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別のタイプのワイヤレスネットワークとして動作するように構成され得る。WLANの例は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上に従って動作するように構成されたネットワーク(例えば、Wi-Fiネットワーク)などを含む。PANの例は、短距離通信規格(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、近距離無線通信(NFC)、ZigBee)、ミリメートル波通信、及び他に従って動作するネットワークを含む。
【0089】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、携帯通信網規格に従って、携帯通信網で通信するように構成され得る。携帯通信網の例として、Global System for Mobile(GSM)及びEnhanced Data rate for GSM Evolution(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G規格、Long-Term Evolution(LTE)及びLTE-Advanced(LTE-A)などの4G規格、5G規格、及び他に従って構成されたネットワークを含む。
【0090】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的なワイヤレスネットワーク構成要素であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、ワイヤレスアクセスポイント(WAP)のモデム上に命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた、本明細書で説明する1つ以上の動作を実施する市販のWi-Fi AP又は別のタイプのWAPであり得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、市販のメッシュネットワークシステム(例えば、Plume Wi-Fi、Google Wi-Fi、Qualcomm Wi-Fi SoNなど)など、ワイヤレスメッシュネットワークのノードであり得る。場合によっては、別のタイプの標準又は従来のWi-Fi送信機デバイスが使用され得る。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、メッシュネットワーク中のWAPとして実装され得るが、他のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、WAPのうちの1つを通してメッシュネットワークにアクセスするリーフデバイス(例えば、モバイルデバイス、スマートデバイスなど)として実装される。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのうちの1つ以上は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップコンピュータなど)、ワイヤレス対応デバイス(例えば、スマートサーモスタット、Wi-Fi対応カメラ、スマートTV)、又はワイヤレスネットワーク中で通信する別のタイプのデバイスである。
【0091】
ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしに実装することができ、例えば、他のタイプの標準又は非標準ワイヤレス通信が動き検出のために使用され得る。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、専用動き検出システムであり得るか、又はその一部であり得る。例えば、専用動き検出システムは、ハブデバイス及び1つ以上のビーコンデバイス(リモートセンサデバイスとして)を含むことができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システム内のハブデバイス又はビーコンデバイスのいずれかであり得る。
【0092】
図1に示すように、ワイヤレス通信デバイス102Cは、モデム112と、プロセッサ114と、メモリ116と、電力ユニット118とを含み、ワイヤレス通信システム100中のワイヤレス通信デバイス102A、102B、102Cのいずれも、同じ構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示すように又は別の方法で動作するように構成され得る。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116、及び電力ユニット118は、共通のハウジング又は他のアセンブリ内に一緒に収容される。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスの構成要素のうちの1つ以上は、例えば、別個のハウジング又は他のアセンブリ内に別個に収容され得る。
【0093】
モデム112は、ワイヤレス信号を通信(受信、送信、又は両方)することができる。例えば、モデム112は、ワイヤレス通信規格(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成され得る。モデム112は、図1に示されている例示的なワイヤレスネットワークモデム112として実装され得るか、又は別の方法で、例えば、他のタイプの構成要素又はサブシステムを用いて実装され得る。一部の実装形態では、モデム112は、無線サブシステムとベースバンドサブシステムとを含む。場合によっては、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上に実装され得るか、あるいはそれらは、カード又は別のタイプの組み立てられたデバイス中に実装され得る。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤ、又は他のタイプの接続によって、無線サブシステムに結合され得る。
【0094】
場合によっては、モデム112中の無線サブシステムは、1つ以上のアンテナと無線周波数回路とを含み得る。無線周波数回路は、例えば、アナログ信号をフィルタ処理、増幅、又は他の方法で調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを含み得る。かかる回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサ、局部発振器などを含み得る。無線サブシステムは、ワイヤレス通信チャネル上で無線周波数無線信号を通信するように構成され得る。一例として、無線サブシステムは、無線チップと、RFフロントエンドと、1つ以上のアンテナとを含み得る。無線サブシステムは、追加の構成要素又は異なる構成要素を含み得る。一部の実装形態では、無線サブシステムは、従来のモデムからの、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどからの無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ、又は類似の構成要素)であるか、又はそれを含み得る。一部の実装形態では、アンテナは複数のアンテナを含む。
【0095】
場合によっては、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含み得る。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含み得る。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含み得る。場合によっては、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別のタイプのプロセッサデバイスを含み得る。場合によっては、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作させ、無線サブシステムを介してワイヤレスネットワークトラフィックを通信し、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出し、又は他のタイプのプロセスを実施するためのデジタル処理論理を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化し、符号化された信号を送信のために無線サブシステムに配信するか、又は(例えば、ワイヤレス通信規格に従って信号を復号することによって、動き検出プロセスに従って信号を処理することによって、又は他の方法で)無線サブシステムからの信号中の符号化されたデータを識別し、分析するように構成された1つ以上のチップ、チップセット、又は他のタイプのデバイスを含んでもよい。
【0096】
一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、ベースバンドサブシステムからベースバンド信号を受信し、ベースバンド信号を無線周波数(RF)信号にアップコンバートし、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレス送信する。一部の事例では、モデム112中の無線サブシステムは、(例えば、アンテナを通して)無線周波数信号をワイヤレスに受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送信する。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号であり得る。一部の例では、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル-アナログ変換器、アナログ-デジタル変換器)を含み、無線サブシステムとアナログ信号を交換する。一部の例では、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、ベースバンドサブシステムとデジタル信号を交換する。
【0097】
場合によっては、モデム112のベースバンドサブシステムは、1つ以上のネットワークトラフィックチャネル上で無線サブシステムを通してワイヤレス通信ネットワーク中でワイヤレスネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。モデム112のベースバンドサブシステムはまた、専用ワイヤレス通信チャネル上で無線サブシステムを通して信号(例えば、動き探査信号又は動き検出信号)を送信又は受信(又は両方)することができる。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、動きのための空間を探査するために、送信のための動き探査信号を生成する。一部の事例では、ベースバンドサブシステムは、例えば、空間内の物体の動きを検出するために、受信された動き検出信号(空間を通して送信された動き探査信号に基づく信号)を処理する。
【0098】
プロセッサ114は、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成するための命令を実行することができる。命令は、メモリに記憶されたプログラム、コード、スクリプト、又は他のタイプのデータを含み得る。追加的又は代替的に、命令は、予めプログラムされた若しくは再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他のタイプのハードウェア若しくはファームウェア構成要素として符号化され得る。プロセッサ114は、専用コプロセッサ又は別のタイプのデータ処理装置としての汎用マイクロプロセッサであってもよく、又はそれを含んでもよい。場合によっては、プロセッサ114は、ワイヤレス通信デバイス102Cの高レベル動作を実施する。例えば、プロセッサ114は、メモリ116に記憶されたソフトウェア、スクリプト、プログラム、関数、実行可能ファイル、又は他の命令を実行又は解釈するように構成されてもよい。一部の実装形態では、プロセッサ114はモデム112中に含まれ得る。
【0099】
メモリ116は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、非揮発性メモリデバイス、又はその両方を含み得る。メモリ116は、1つ以上の読み取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれら及び他のタイプのメモリデバイスの組み合わせを含み得る。一部の事例では、メモリの1つ以上の構成要素は、ワイヤレス通信デバイス102Cの別の構成要素と統合されるか、又は別様で関連付けられ得る。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、図17A図17B、及び図18のいずれかで説明される例示的なプロセスの動作のうちの1つ以上を通すなどして、干渉バッファと動き検出バッファとを使用して信号を時間整合させるための命令を含んでもよい。
【0100】
電力ユニット118は、ワイヤレス通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を供給する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を通して電力ユニット118によって提供される電力に基づいて動作してもよい。一部の実装形態では、電力ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、再充電可能バッテリを含む。一部の実装形態では、電力ユニット118は、(外部ソースから)外部電力信号を受信し、外部電力信号をワイヤレス通信デバイス102Cの構成要素のために調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電力ユニット118は、他の構成要素を含んでもよく、又は別の方法で動作してもよい。
【0101】
図1に示す例では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、(例えば、ワイヤレスネットワーク規格、動き検出プロトコル、又は他の方法に従って)ワイヤレス信号を送信する。例えば、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレス動き探査信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストしてもよく、又は、他のデバイス(例えば、ユーザ機器、クライアントデバイス、サーバなど)に宛てられたワイヤレス信号を送信し得、他のデバイス(図示せず)並びにワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって送信されたワイヤレス信号を受信してもよい。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bによって送信されるワイヤレス信号は、例えば、ワイヤレス通信規格に従って又は他の方法で、周期的に繰り返される。
【0102】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bからのワイヤレス信号を処理して、ワイヤレス信号によってアクセスされる空間内の物体の動きを検出するか、検出された動きの場所を決定するか、又はその両方を行う。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cは、図17A図17B、及び図18のいずれかに関して以下で説明する例示的なプロセスの1つ以上の動作、あるいは動きを検出するか又は検出された動きの場所を決定するための別のタイプのプロセスを実施してもよい。ワイヤレス信号によってアクセスされる空間は、例えば、1つ以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、囲いのないオープンエリアなどを含み得る屋内又は屋外空間であり得る。空間は、部屋、複数の部屋、建物などの内部であり得るか、又はそれを含み得る。場合によっては、ワイヤレス通信システム100は、例えば、ワイヤレス通信デバイス102Cがワイヤレス信号を送信することができ、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bがワイヤレス通信デバイス102Cからのワイヤレス信号を処理して、動きを検出するか、又は検出された動きの場所を決定することができるように修正することができる。
【0103】
動き検出のために使用されるワイヤレス信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、Bluetoothビーコン、Wi-Fiビーコン、他のワイヤレスビーコン信号)、ワイヤレスネットワーク規格に従って他の目的のために生成された別の規格信号、又は動き検出若しくは他の目的のために生成された非規格信号(例えば、ランダム信号、基準信号など)を含み得る。例えば、動き検出は、ワイヤレス信号によって搬送される1つ以上の訓練フィールドを分析することによって、又は信号によって搬送される他のデータを分析することによって実施されてもよい。一部の例では、データは、動き検出の明示的な目的のために追加されるか、又は使用されるデータは、名目上、別の目的のためのものであり、動き検出のために再使用又は別の目的のために使用される。一部の例では、ワイヤレス信号は、移動物体と相互作用する前又は後に物体(例えば、壁)を通って伝搬し、これにより、移動物体と送信又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動物体の移動を検出することができる。受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例では、ワイヤレス通信デバイス102Cは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の移動を監視するための制御センターを含み得るセキュリティシステムなどの別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができる。
【0104】
一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス102A、102Bは、ワイヤレスネットワークトラフィック信号とは別個のワイヤレス通信チャネル(例えば、周波数チャネル又はコード化チャネル)上で(例えば、基準信号、ビーコン信号、又は動きについて空間を探査するために使用される別の信号を含み得る)動き探査信号を送信するように修正することができる。例えば、動き探査信号のペイロードに適用される変調及びペイロード中のデータ又はデータ構造のタイプは、ワイヤレス通信デバイス102Cによって知られている場合があり、これにより、ワイヤレス通信デバイス102Cが動きセンシングのために実施する処理の量を低減することができる。ヘッダは、例えば、動きがワイヤレス通信システム100中の別のデバイスによって検出されたかどうかの指示、変調タイプの指示、信号を送信するデバイスの識別情報など、追加の情報を含み得る。
【0105】
図1に示す例では、ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレス通信デバイス102の各々の間にワイヤレス通信リンクを有するワイヤレスメッシュネットワークである。図示の例では、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Aとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Aを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Cとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Bを探査するために使用され得、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信リンクは、動き検出フィールド110Cを探査するために使用され得る。一部の事例では、各ワイヤレス通信デバイス102は、動き検出フィールド110を通してワイヤレス通信デバイス102によって送信されたワイヤレス信号に基づく受信信号を処理することによって、そのデバイスによってアクセスされた動き検出フィールド110中の動きを検出する。例えば、図1に示す人物106が動き検出フィールド110A及び動き検出フィールド110C中で移動する場合、ワイヤレス通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を通して送信されたワイヤレス信号に基づく、それらが受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C中の人物106の動きを検出することができ、ワイヤレス通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A中の人物106の動きを検出することができる。
【0106】
一部の事例では、動き検出フィールド110は、例えば、ワイヤレス電磁信号が伝搬し得る空気、固体材料、液体、又は別の媒体を含み得る。図1に示す例では、動き検出フィールド110Aは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Bは、ワイヤレス通信デバイス102Bとワイヤレス通信デバイス102Cとの間のワイヤレス通信チャネルを提供し、動き検出フィールド110Cは、ワイヤレス通信デバイス102Aとワイヤレス通信デバイス102Bとの間のワイヤレス通信チャネルを提供する。動作の一部の態様では、(ネットワークトラフィックのためのワイヤレス通信チャネルとは別個の又はそれと共有される)ワイヤレス通信チャネル上で送信されるワイヤレス信号が、空間内の物体の移動を検出するために使用される。物体は、任意のタイプの静止物体又は可動物体であってもよく、生物又は無生物であってもよい。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示される人物106)、動物、無機物体、又は別のデバイス、装置、若しくはアセンブリ)、空間の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であってもよい。一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイスからの動き情報は、検出された動きの場所を決定するために分析され得る。例えば、以下で更に説明するように、ワイヤレス通信デバイス102のうちの1つ(又はワイヤレス通信デバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定のワイヤレス通信デバイスの近くにあると決定してもよい。
【0107】
図2A及び図2Bは、ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信される例示的なワイヤレス信号を示す図である。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、例えば、図1に示されているワイヤレス通信デバイス102A、102B、102C、又は他のタイプのワイヤレス通信デバイスであり得る。ワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cは、空間200を介してワイヤレス信号を送信する。空間200は、1つ以上の境界で完全に又は部分的に囲まれるか、又は開放され得る。空間200は、1つの部屋、複数の部屋、建物、屋内エリア、屋外エリアなどの内部であり得、又はそれらを含み得る。第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cは、図示の例では、空間200を少なくとも部分的に囲む。
【0108】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し(例えば、周期的に、間欠的に、スケジュールされた間隔、スケジュールされていない間隔、又はランダムな間隔などで)送信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは、ワイヤレス通信デバイス204Aによって送信された信号に基づいて信号を受信するように動作可能である。ワイヤレス通信デバイス204B、204Cは各々、空間200中の物体の動きを検出するために受信信号を処理するように構成されたモデム(例えば、図1に示されているモデム112)を有する。
【0109】
図示のように、物体は、図2Aの第1の位置214Aにあり、物体は、図2Bの第2の位置214Bに移動している。図2A及び図2Bでは、空間200内の移動物体は人間として表されているが、移動物体は別のタイプの物体であってもよい。例えば、移動物体は、動物、無機物体(例えば、システム、デバイス、装置、又はアセンブリ)、空間200の境界の全て又は一部を画定する物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別のタイプの物体であり得る。
【0110】
図2A及び図2Bに示すように、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信されたワイヤレス信号の複数の例示的な経路が破線によって示されている。第1の信号経路216に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。第2の信号経路218に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の壁202B及び第1の壁202Aからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第3の信号経路220に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の壁202Bからワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。第4の信号経路222に沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第3の壁202Cからワイヤレス通信デバイス204Bに向かって反射される。
【0111】
図2Aでは、第5の信号経路224Aに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第1の位置214Aにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2A図2Bとの間で、物体の表面は、空間200内の第1の位置214Aから第2の位置214Bに(例えば、第1の位置214Aからある距離だけ離れて)移動する。図2Bでは、第6の信号経路224Bに沿って、ワイヤレス信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから送信され、第2の位置214Bにある物体からワイヤレス通信デバイス204Cに向かって反射される。図2Bに示す第6の信号経路224Bは、第1の位置214Aから第2の位置214Bへの物体の移動のために、図2Aに示す第5の信号経路224Aよりも長い。一部の例では、信号経路は、空間内の物体の移動に起因して、追加、除去、又は別様に修正することができる。
【0112】
図2A及び図2Bに示される例示的なワイヤレス信号は、それぞれの経路を通じて減衰、周波数シフト、位相シフト、又は他の影響を受けることがあり、例えば、第1の壁202A、第2の壁202B、及び第3の壁202Cを通じて別の方向に伝搬する部分を有することがある。一部の例では、ワイヤレス信号は無線周波数(RF)信号である。ワイヤレス信号は、他のタイプの信号を含み得る。
【0113】
図2A及び図2Bに示す例では、ワイヤレス通信デバイス204Aは、ワイヤレス信号を繰り返し送信することができる。特に、図2Aは、第1の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから送信されているワイヤレス信号を示し、図2Bは、第2の、後の時間にワイヤレス通信デバイス204Aから送信されている同じワイヤレス信号を示している。送信信号は、連続的に、周期的に、ランダム又は断続的な時間などで、又はそれらの組み合わせで送信され得る。送信信号は、周波数帯域幅内に複数の周波数成分を有することができる。送信信号は、ワイヤレス通信デバイス204Aから、無指向性で、指向性で、又は別様で送信され得る。図示の例では、ワイヤレス信号は、空間200中の複数のそれぞれの経路を横断し、各経路に沿った信号は、経路損失、散乱、反射などにより減衰され得、位相又は周波数オフセットを有し得る。
【0114】
図2A及び図2Bに示すように、第1~第6の経路216、218、220、222、224A、及び224Bからの信号は、ワイヤレス通信デバイス204C及びワイヤレス通信デバイス204Bにおいて合成されて、受信信号を形成する。送信信号に対する空間200中の複数の経路の影響のために、空間200は、送信信号が入力され、受信信号が出力される伝達関数(例えば、フィルタ)として表され得る。物体が空間200内を移動すると、信号経路内の信号に影響を及ぼす減衰又は位相オフセットが変化する可能性があり、したがって、空間200の伝達関数が変化する可能性がある。同じワイヤレス信号がワイヤレス通信デバイス204Aから送信されると仮定すると、空間200の伝達関数が変化する場合、その伝達関数の出力(受信信号)も変化することになる。受信信号の変化を使用して、物体の移動を検出することができる。
【0115】
数学的に、第1のワイヤレス通信デバイス204Aから送信された送信信号f(t)は、式(1)に従って記述され得る。
【数1】
【0116】
式中、ωは送信信号のn番目の周波数成分の周波数を表し、cはn番目の周波数成分の複素係数を表し、tは時間を表す。第1のワイヤレス通信デバイス204Aから送信されている送信信号f(t)を用いて、経路kからの出力信号r(t)は、式(2)に従って記述され得る。
【数2】
【0117】
式中、αn,kは、kに沿ったn番目の周波数成分に対する減衰率(又は、例えば、散乱、反射、及び経路損失によるチャネル応答)を表し、φn,kは、経路kに沿ったn番目の周波数成分に対する信号の位相を表す。次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、式(3)に示される、ワイヤレス通信デバイスへの全ての経路からの全ての出力信号r(t)の和として記述され得る。
R=Σ(t)….(3)
【0118】
式(2)を式(3)に代入すると、以下の式(4)が得られる。
【数3】
【0119】
次いで、ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rが分析され得る。ワイヤレス通信デバイスにおける受信信号Rは、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は別のタイプのアルゴリズムを使用して、周波数ドメインに変換され得る。変換された信号は、(n個の周波数ωにおける)それぞれの周波数成分の各々について1つずつ、一連のn個の複素値として受信信号Rを表すことができる。周波数ωにおける周波数成分に対して、複素値Hは、式(5)において次のように表され得る。
【数4】
【0120】
所与の周波数成分ωに対する複素値Hは、その周波数成分ωにおける受信信号の相対的な大きさ及び位相オフセットを示す。物体が空間を移動すると、空間のチャネル応答αn,kが変化することにより、複素値Hが変化する。したがって、チャネル応答において検出された変化は、通信チャネル内の物体の移動を示すことができる。一部の事例では、雑音、干渉、又は他の現象が、受信機によって検出されるチャネル応答に影響を及ぼす可能性があり、動き検出システムは、かかる影響を低減又は分離して、動き検出能力の精度及び品質を改善することができる。一部の実装形態では、全体的なチャネル応答は、式(6)において次のように表され得る。
【数5】
【0121】
一部の事例では、空間に対するチャネル応答hchは、例えば、数学的な推定理論に基づいて決定することができる。例えば、基準信号Refは、候補チャネル応答(hch)を用いて修正することができ、その後、受信信号(Rcvd)に対して最良の一致を提供する候補チャネルを選択するために、最尤アプローチを使用することができる。場合によっては、推定受信信号
【数6】
は、基準信号(Ref)と候補チャネル応答(hch)との畳み込みから取得され、次いで、チャネル応答(hch)のチャネル係数は、推定受信信号
【数7】
の二乗誤差を最小にするように変更される。これは、以下の式(7)のように数学的に示すことができる。
【数8】
【0122】
最適化基準では
【数9】
【0123】
最小化又は最適化プロセスは、最小平均二乗(LMS)、再帰的最小二乗(RLS)、バッチ最小二乗(BLS)などの適応フィルタ処理技術を利用することができる。チャネル応答は、有限インパルス応答(FIR)フィルタ、無限インパルス応答(IIR)フィルタなどであり得る。上記の式に示すように、受信信号は、基準信号とチャネル応答との畳み込みと見なすことができる。畳み込み演算は、チャネル係数が基準信号の遅延されたレプリカの各々とある程度の相関を有することを意味する。したがって、上記の式に示される畳み込み演算は、受信信号が異なる遅延点に現れ、各遅延レプリカがチャネル係数によって重み付けされることを示す。
【0124】
図3A及び図3Bは、図2A及び図2Bにおけるワイヤレス通信デバイス204A、204B、204Cの間で通信されるワイヤレス信号から計算されるチャネル応答360、370の例を示すプロットである。図3A及び図3Bはまた、ワイヤレス通信デバイス204Aによって送信された初期ワイヤレス信号の周波数ドメイン表現350を示している。図示の例では、図3A中のチャネル応答360は、空間200中に動きがない場合にワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表し、図3B中のチャネル応答370は、物体が空間200中で移動した後に図2B中のワイヤレス通信デバイス204Bによって受信された信号を表す。
【0125】
図3A及び図3Bに示す例では、説明のために、ワイヤレス通信デバイス204Aは、周波数ドメイン表現350に示すように、平坦な周波数プロファイル(各周波数成分f、f、及びfの大きさは同じである)を有する信号を送信する。信号と空間200(及びその中の物体)との相互作用により、ワイヤレス通信デバイス204Aから送られた信号に基づくワイヤレス通信デバイス204Bにおいて受信された信号は、送信信号とは異なって見える。送信信号が平坦な周波数プロファイルを有するこの例では、受信信号は、空間200のチャネル応答を表す。図3A及び図3Bに示すように、チャネル応答360、370は、送信信号の周波数ドメイン表現350とは異なる。空間200内で動きが発生すると、チャネル応答の変動も発生する。例えば、図3Bに示すように、空間200内の物体の動きに関連付けられたチャネル応答370は、空間200内の動きがないことに関連付けられたチャネル応答360とは異なる。
【0126】
更に、物体が空間200内で移動するにつれて、チャネル応答はチャネル応答370から変動する可能性がある。場合によっては、空間200は、別個の領域に分割され得、各領域に関連付けられたチャネル応答は、以下で説明するように、1つ以上の特性(例えば、形状)を共有することができる。したがって、異なる別個の領域内の物体の動きを区別することができ、チャネル応答の分析に基づいて、検出された動きの場所を決定することができる。
【0127】
図4A及び図4Bは、空間400の別個の領域408、412における物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答401、403を示す図である。図示の例では、空間400は建物であり、空間400は、複数の別個の領域、すなわち第1の領域408、第2の領域410、第3の領域412、第4の領域414、及び第5の領域416に分割される。空間400は、一部の事例では、追加の又はより少ない領域を含み得る。図4A及び図4Bに示すように、空間400内の領域は、部屋間の壁によって画定され得る。加えて、領域は、建物のフロア間の天井によって画定され得る。例えば、空間400は、追加の部屋を有する追加のフロアを含んでもよい。加えて、一部の事例では、空間の複数の領域は、高層建築物内の複数のフロア、建築物内の複数の部屋、又は建築物の特定のフロアの複数の部屋であるか、又はそれを含み得る。図4Aに示される例では、第1の領域408に位置する物体は人物106として表されるが、移動物体は、動物又は無機物体などの別のタイプの物体であってもよい。
【0128】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402Aは、空間400の第4の領域414に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Bは、空間400の第2の領域410に位置し、ワイヤレス通信デバイス402Cは、空間400の第5の領域416に位置する。ワイヤレス通信デバイス402は、図1のワイヤレス通信デバイス102と同じ又は同様の方法で動作することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、ワイヤレス信号を送信及び受信し、受信信号に基づいて空間400中で動きが発生したかどうかを検出するように構成されてもよい。一例として、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400を通して動き探査信号を周期的に又は繰り返し送信し、動き探査信号に基づいて信号を受信することができる。ワイヤレス通信デバイス402は、例えば、受信信号に基づいて空間400に関連付けられたチャネル応答を分析することなどによって、物体が空間400内で移動したかどうかを検出するために、受信信号を分析することができる。更に、一部の実装形態では、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400内の検出された動きの場所を識別するために、受信信号を分析することができる。例えば、ワイヤレス通信デバイス402は、チャネル応答の特性を分析して、チャネル応答が、空間400の第1から第5の領域408、410、412、414、416に関連付けられていることが知られているチャネル応答と同じ又は類似の特性を共有するかどうかを決定することができる。
【0129】
図示の例では、ワイヤレス通信デバイス402のうちの1つ(又は複数)は、空間400を通して動き探査信号(例えば、基準信号)を繰り返し送信する。動き探査信号は、一部の事例では、平坦な周波数プロファイルを有してもよく、各周波数成分の大きさは、f、f、及びfである。例えば、動き探査信号は、図3A及び図3Bに示す周波数ドメイン表現350と同様の周波数応答を有してもよい。動き探査信号は、一部の事例では異なる周波数プロファイルを有し得る。基準信号と空間400(及びその中の物体)との相互作用により、他のワイヤレス通信デバイス402から送信された動き探査信号に基づく別のワイヤレス通信デバイス402において受信された信号は、送信された基準信号とは異なる。
【0130】
受信信号に基づいて、ワイヤレス通信デバイス402は、空間400についてのチャネル応答を決定することができる。動きが空間内の別個の領域で発生するとき、チャネル応答において別個の特性が見られる場合がある。例えば、チャネル応答は、空間400の同じ領域内の動きについてわずかに異なり得るが、別個の領域中の動きに関連付けられたチャネル応答は、概して、同じ形状又は他の特性を共有する場合がある。例えば、図4Aのチャネル応答401は、空間400の第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表し、図4Bのチャネル応答403は、空間400の第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられた例示的なチャネル応答を表す。チャネル応答401、403は、空間400内の同じワイヤレス通信デバイス402によって受信された信号に関連付けられる。
【0131】
図4C及び図4Dは、図4A及び図4Bのチャネル応答401、403を、空間400内で動きが発生していないことに関連付けられたチャネル応答460に重ね合わせて示すプロットである。図4C図4Dはまた、ワイヤレス通信デバイス402A、402B、402Cのうちの1つ以上によって送信される初期ワイヤレス信号の周波数ドメイン表現450を示している。空間400内で動きが発生すると、動きのない場合のチャネル応答460に対してチャネル応答の変動が発生し、したがって、チャネル応答の変動を分析することによって、空間400内の物体の動きを検出することができる。加えて、空間400内の検出された動きの相対的な場所を識別することができる。例えば、動きに関連付けられたチャネル応答の形状を、(例えば、訓練されたAIモデルを使用して)参照情報と比較して、動きを空間400の別個の領域内で発生したものとして分類することができる。
【0132】
空間400中に動きがない場合(例えば、物体406が存在しない場合)、ワイヤレス通信デバイス402は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460を計算することができる。複数の要因により、チャネル応答にわずかな変動が生じ得るが、異なる時間期間に関連付けられた複数のチャネル応答460は、1つ以上の特性を共有することができる。図示の例では、動きなしに関連付けられたチャネル応答460は、減少する周波数プロファイルを有する(各周波数成分f、f、及びfの大きさは、前の周波数成分よりも小さい)。チャネル応答460のプロファイルは、(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)一部の事例では異なり得る。
【0133】
空間400内で動きが発生すると、チャネル応答の変動が発生する。例えば、図4C及び図4Dに示す例では、第1の領域408中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答401は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なり、第3の領域412中の物体406の動きに関連付けられたチャネル応答403は、動きがないことに関連付けられたチャネル応答460とは異なる。チャネル応答401は、凹型放物線周波数プロファイルを有し(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも小さい)、チャネル応答403は、凸型漸近周波数プロファイルを有する(中間周波数成分fの大きさは、外側周波数成分f及びfよりも大きい)。チャネル応答401、403のプロファイルは、一部の事例では(例えば、ワイヤレス通信デバイス402の異なる部屋レイアウト又は配置に基づいて)異なり得る。
【0134】
チャネル応答を分析することは、デジタルフィルタを分析することと同様であると見なすことができる。換言すれば、チャネル応答は、空間内の物体の反射、並びに動いている又は静止している人間によって作成された反射を通して形成されている。反射体(例えば、人間)が移動すると、チャネル応答が変化する。これは、極及びゼロを有すると見なされ得るデジタルフィルタの等価タップの変化に変換され得る(極は、チャネル応答の周波数成分を増幅し、応答中のピーク又は高い点として現れるが、ゼロは、チャネル応答の周波数成分を減衰させ、応答中のトラフ、低い点又はヌルとして現れる)。変化するデジタルフィルタは、そのピーク及びトラフの場所によって特徴付けることができ、チャネル応答も同様に、そのピーク及びトラフによって特徴付けることができる。例えば、一部の実装形態では、(例えば、周波数軸上のそれらの場所とそれらの大きさとをマークすることによって)チャネル応答の周波数成分中のヌルとピークとを分析して、動きを検出することができる。
【0135】
一部の実装形態では、時系列集約を使用して、動きを検出することができる。時系列集約は、移動ウィンドウにわたってチャネル応答の特徴を観測し、統計的尺度(例えば、平均、分散、主成分など)を使用することによってウィンドウ処理された結果を集約することによって実施することができる。動きのインスタンスの間、特徴的なデジタルフィルタ特徴は、散乱シーンの連続的な変化に起因して、一部の値の間で、場所及びフリップフロップの点で変位される。すなわち、等価デジタルフィルタは、(動きによる)そのピーク及びヌルの値の範囲を示す。この値の範囲を見ることによって、空間内の別個の領域について一意のプロファイル(例えば、プロファイルはシグネチャと称されることもある)を識別することができる。
【0136】
一部の実装形態では、データを処理するために人工知能(AI)モデルが使用され得る。AIモデルは、種々のタイプのもの、例えば、線形回帰モデル、ロジスティック回帰モデル、線形判別分析モデル、決定木モデル、単純ベイズモデル、K最近傍モデル、学習ベクトル量子化モデル、サポートベクターマシン、バギング及びランダムフォレストモデル、並びにディープニューラルネットワークであり得る。概して、全てのAIモデルは、入力値と出力値との間の最も正確な相関を提供する関数を学習することを目的とし、相関することが知られている入力及び出力の履歴セットを使用して訓練される。例えば、人口知能は、機械学習と称されることもある。
【0137】
一部の実装形態では、空間400の別個の領域における動きに関連付けられたチャネル応答のプロファイルが学習され得る。例えば、機械学習を使用して、空間の別個の領域内の物体の動きを用いてチャネル応答特性をカテゴリ分類することができる。場合によっては、ワイヤレス通信デバイス402に関連付けられたユーザ(例えば、空間400の所有者又は他の占有者)が学習プロセスを支援することができる。例えば、図4A及び図4Bに示される例を参照すると、ユーザは、学習段階中に第1~第5の領域408、410、412、414、416の各々の中で移動することができ、ユーザが空間400内の特定の領域のうちの1つの中で移動していることを(例えば、モバイルコンピューティングデバイス上のユーザインターフェースを通して)示すことができる。例えば、ユーザが(例えば、図4Aに示されるように)第1の領域408を通って移動している間、ユーザは、自身が第1の領域408内にいることをモバイルコンピューティングデバイス上で示すことができる(また、必要に応じて、領域を「寝室」、「リビングルーム」、「キッチン」、又は建物の別のタイプの部屋と名付けることができる)。チャネル応答は、ユーザが領域を通って移動するにつれて取得され得、チャネル応答は、ユーザの示された場所(領域)で「タグ付け」され得る。ユーザは、空間400の他の領域について同じプロセスを繰り返すことができる。本明細書で使用される「タグ付け」されたという用語は、ユーザの示された場所又は任意の他の情報を用いてチャネル応答をマークし、識別することを指すことがある。
【0138】
タグ付けされたチャネル応答は、次いで、(例えば、機械学習ソフトウェアによって)処理されて、別個の領域内の動きに関連付けられたチャネル応答の一意の特性を識別することができる。識別されると、識別された一意の特性を使用して、新たに計算されたチャネル応答について検出された動きの場所を決定することができる。例えば、AIモデルは、タグ付けされたチャネル応答を使用して訓練され得、訓練されると、新たに計算されたチャネル応答がAIモデルに入力され得、AIモデルは、検出された動きの場所を出力することができる。例えば、場合によっては、平均値、範囲、及び絶対値がAIモデルに入力される。一部の事例では、複素チャネル応答自体の大きさ及び位相も入力され得る。これらの値は、AIモデルが任意のフロントエンドフィルタを設計して、空間の異なる領域における動きに関して正確な予測を行うことに最も関連する特徴をピックアップすることを可能にする。一部の実装形態では、AIモデルは、確率的勾配降下を実施することによって訓練される。例えば、特定のゾーン中に最もアクティブであるチャネル応答変動が訓練中に監視されてもよく、(それらの形状、傾向などと相関するように第1の層中の重みを訓練し、適応させることによって)特定のチャネル変動が重く重み付けされてもよい。重み付けされたチャネル変動を使用して、ユーザが特定の領域内に存在するときにアクティブ化するメトリックを作成することができる。
【0139】
チャネル応答ヌル及びピークのような抽出された特徴について、(ヌル/ピークの)時系列は、移動ウィンドウ内の集約を使用し、過去及び現在の一部の特徴のスナップショットをとり、その集約された値をネットワークへの入力として使用して、作成することができる。したがって、ネットワークは、その重みを適応させながら、それらをクラスタ化するために、特定の領域内の値を集約しようとし、これは、ロジスティック分類器ベースの決定表面を作成することによって行うことができる。決定表面は、異なるクラスタを分割し、後続の層は、単一のクラスタ又はクラスタの組み合わせに基づいてカテゴリを形成することができる。
【0140】
一部の実装形態では、AIモデルは、推論の2つ以上の層を含む。第1の層は、異なる濃度の値を別個のクラスタに分割することができるロジスティック分類器として働き、第2の層は、これらのクラスタのうちの一部を一緒に組み合わせて、別個の領域のカテゴリを作成する。追加の後続の層は、クラスタの2つを超えるカテゴリにわたって別個の領域を拡張するのに役立ち得る。例えば、完全に接続された入力層モデルは、追跡された特徴の数に対応するAIと、(選択間の反復を通して)有効なクラスタの数に対応する中間層と、異なる領域に対応する最終層とを含み得る。完全なチャネル応答情報がAIモデルに入力される場合、第1の層は、特定の形状を相関させることができる形状フィルタとして機能し得る。したがって、第1の層は、特定の形状にロックすることができ、第2の層は、それらの形状において発生する変動の尺度を生成することができ、第3の層及び後続の層は、それらの変動の組み合わせを作成し、空間内の異なる領域にマッピングすることができる。異なる層の出力は、次いで、融合層を通して組み合わせることができる。
【0141】
B.Wi-Fiセンシングシステムの例示的な方法及び装置
セクションBでは、センシング送信を送り、センシング測定を行うように構成されたWi-Fiセンシングシステムに有用なシステム及び方法について説明する。
【0142】
図5は、一部の実施形態による、Wi-Fiセンシングのためのシステム500の実装形態のアーキテクチャの一部の実装形態を示している。
【0143】
システム500は、センシング受信機502と、複数のセンシング送信機504-(1~M)と、センシングアルゴリズムマネージャ506と、情報交換のためにシステム構成要素間の通信を可能にするネットワーク560と、を含み得る。システム500は、ワイヤレス通信システム100の例又は事例であり得、ネットワーク560は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網接続の例又は事例であり得、それらの詳細は、図1及びそれに付随する説明を参照して提供される。
【0144】
一実施形態によれば、センシング受信機502は、(例えば、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々から)センシング送信を受信し、Wi-Fiセンシングに有用な1つ以上の測定(例えば、チャネル状態情報(CSI))を実施するように構成され得る。これらの測定値は、センシング測定値として知られ得る。センシング測定値は、動き又はジェスチャを検出することなど、システム500のセンシング結果を達成するために処理することができる。一実施形態では、センシング受信機502はAPであり得る。一部の実施形態では、センシング受信機502は、センシングイニシエータの役割を果たすことができる。
【0145】
一実装形態によれば、センシング受信機502は、図1に示されたワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシング受信機502は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、センシング受信機502は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一実装形態では、センシング受信機502は、複数のセンシング送信機504-(1~M)の間の通信を調整及び制御することができる。一実装形態によれば、センシング受信機502は、必要なセンシング送信が必要な時間に行われることを保証し、センシング測定の正確な決定を保証するために、測定キャンペーンを制御することができる。一部の実施形態では、センシング受信機502は、システム500のセンシング結果を達成するためにセンシング測定値を処理することができる。一部の実施形態では、センシング受信機502は、センシング測定値をセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信するように構成され得、センシングアルゴリズムマネージャ506は、システム500のセンシング結果を達成するためにセンシング測定値を処理するように構成され得る。
【0146】
再び図5を参照すると、一部の実施形態では、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、基本サービスセット(BSS)の一部を形成し得、またセンシング送信をセンシング受信機502に送信するように構成され得、それに基づいて、1つ以上のセンシング測定(例えば、CSI)がWi-Fiセンシングのために実施され得る。一実施形態では、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、局であり得る。一実装形態によれば、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、図1に示されたワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、図4A及び図4Bに示すワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシング受信機502と複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々との間の通信は、局管理エンティティ(SME)及びMAC層管理エンティティ(MLME)プロトコルを介して行われ得る。
【0147】
一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング受信機502からセンシング測定値を受信し、センシング測定値を処理するように構成され得る。一例では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、1つ以上の関心特徴を識別するために、センシング測定値を処理及び分析することができる。一部の実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、局であり得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、APであり得る。一実装態様によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図1に示されるワイヤレス通信デバイス102などのデバイスによって実装され得る。一部の実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図2A及び図2Bに示すワイヤレス通信デバイス204などのデバイスによって実装され得る。更に、センシングアルゴリズムマネージャ506は、図4A及び図4Bに示されるワイヤレス通信デバイス402などのデバイスによって実装され得る。一部の実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は任意の他のコンピューティングデバイスなどの任意のコンピューティングデバイスであり得る。実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシングアルゴリズムが測定キャンペーン及び測定キャンペーンを満たすために要求されるセンシング測定値を判定する、センシングイニシエータの役割を果たすことができる。センシングアルゴリズムマネージャ506は、複数のセンシング送信機504-(1~M)間の通信を調整及び制御するために、測定キャンペーンを満たすために必要なセンシング測定値をセンシング受信機502に通信し得る。
【0148】
図5において、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング受信機502及び複数のセンシング送信機504-(1~M)とは別個の機能ブロックとして示されているが、システム500の一実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、センシング受信機502又は複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの1つ、のいずれかによって実装されてもよい。
【0149】
図5をより詳細に参照すると、センシング受信機502は、プロセッサ508及びメモリ510を含み得る。例えば、センシング受信機502のプロセッサ508及びメモリ510は、図1に示すように、それぞれ、プロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、センシング受信機502は、送信アンテナ512、受信アンテナ514、及びセンシングエージェント516を更に含み得る。一部の実施形態では、アンテナを使用して、半二重フォーマットで信号を送信及び受信の両方を行うことができる。アンテナが送信を行っているとき、アンテナは送信アンテナ512と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、アンテナは受信アンテナ514と称されることがある、同じアンテナが、一部の事例では送信アンテナ512であり、他の事例では受信アンテナ514であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を送信又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を送信するために使用されるアンテナ要素のグループは送信アンテナ512と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ514と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の送信経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが送信アンテナ512として動作しているか、又は受信アンテナ514として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0150】
一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング送信及び関連する送信パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することと、センシング結果を満たすためにセンシング測定値を処理することと、を担当し得る。一部の実装形態では、センシング送信及び関連する送信パラメータを受信することと、センシング測定値を計算することとは、センシング受信機502の媒体アクセス制御(MAC)層中で実行されるアルゴリズムによって実施され得、センシング結果を満たすためにセンシング測定値を処理することは、センシング受信機502のアプリケーション層中で実行されるアルゴリズムによって実行され得る。例では、センシング受信機502のアプリケーション層で実行されるアルゴリズムは、Wi-Fiセンシングエージェント、センシングアプリケーション、又はセンシングアルゴリズムとして知られている。一部の実装形態では、センシング受信機502のMAC層で実行されるアルゴリズム及びセンシング受信機502のアプリケーション層で実行されるアルゴリズムは、プロセッサ508上で別々に実行され得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシング受信機502のMAC層からセンシング受信機502のアプリケーション層に物理層パラメータ(例えば、CSIなど)を渡すことができ、物理層パラメータを使用して、1つ以上の関心特徴を検出することができる。一例では、アプリケーション層は、物理層パラメータ上で動作し、エンドユーザに提示され得るサービス又は特徴を形成し得る。一実装形態によれば、センシング受信機502のMAC層と他の層又は構成要素との間の通信は、MLMEインターフェース及びデータインターフェースなどの通信インターフェースに基づいて行われ得る。一部の実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、センシングアルゴリズムを使用してセンシング測定値を処理及び分析し、1つ以上の関心特徴を識別することができる。更に、センシングエージェント516は、Wi-Fiセンシングの目的で、センシング送信及びセンシング測定値の数及びタイミングを決定するように構成され得る。一部の実装形態では、センシングエージェント516は、更なる処理のためにセンシング測定値をセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信するように構成され得る。
【0151】
一実装形態では、センシングエージェント516は、送信アンテナ512のうちの少なくとも1つの送信アンテナに、複数のセンシング送信機504-(1~M)にメッセージを送信させるように構成され得る。更に、センシングエージェント516は、受信アンテナ514のうちの少なくとも1つの受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機504-(1~M)からメッセージを受信するように構成され得る。一例では、センシングエージェント516は、複数のセンシング送信機504-(1~M)から受信された1つ以上のセンシング送信に基づいてセンシング測定を行うように構成され得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシング測定値を処理及び分析して、1つ以上の関心特徴を識別するように構成され得る。
【0152】
一部の実施形態によれば、センシング受信機502は、チャネル表現情報ストレージ518を含み得る。一実装形態では、チャネル表現情報ストレージ518は、センシング受信機502と複数のセンシング送信機504-(1~M)との間の伝搬チャネルの状態を表すセンシング測定値に関連する情報を記憶し得る。一例では、チャネル表現情報ストレージ518は、CSI、フル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)、フィルタ処理されたTD-CRI、及び縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIのうちの1つ以上を記憶し得る。チャネル表現情報ストレージ518に記憶されたセンシング測定値に関係する情報は、必要に応じて周期的に又は動的に更新され得る。一実装形態では、チャネル表現情報ストレージ518は、データベース若しくはファイルシステムなどの、又はメモリ510に結合された、任意のタイプ若しくは形態のストレージを含み得る。
【0153】
再び図5を参照すると、センシングアルゴリズムマネージャ506は、プロセッサ528及びメモリ530を含み得る。例えば、センシングアルゴリズムマネージャ506のプロセッサ528及びメモリ530は、図1に示すように、それぞれ、プロセッサ114及びメモリ116であってもよい。一実施形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、送信アンテナ532、受信アンテナ534、及びセンシングエージェント536を更に含み得る。一実装形態では、センシングエージェント536は、センシングアルゴリズムマネージャ506のMACからアプリケーション層プログラムに物理層パラメータを渡すブロックであり得る。センシングエージェント536は、送信アンテナ532のうちの少なくとも1つの送信アンテナ及び受信アンテナ534のうちの少なくとも1つの受信アンテナに、センシング受信機502とメッセージを交換させるように構成され得る。一部の実装形態によれば、センシングエージェント536は、センシング受信機502からセンシング測定値を受信し、センシング結果を取得するためにセンシング測定値を処理するように構成され得る。センシングエージェント536は、センシングアルゴリズムを含む/実行することができる。一実装形態では、センシングエージェント536は、センシングアルゴリズムを使用してセンシング測定値を処理及び分析し、センシング結果を取得することができる。
【0154】
一部の実施形態では、アンテナは、半二重フォーマットで送信及び受信の両方を行うために使用され得る。アンテナが送信を行っているとき、アンテナは送信アンテナ532と称されることがあり、アンテナが受信を行っているとき、アンテナは受信アンテナ534と称されることがある、同じアンテナが、一部の事例では送信アンテナ532であり、他の事例では受信アンテナ534であり得ることが、当業者によって理解される。アンテナアレイの場合、1つ以上のアンテナ要素が、例えば、ビームフォーミング環境において、信号を送信又は受信するために使用され得る。一部の例では、複合信号を送信するために使用されるアンテナ要素のグループは送信アンテナ532と称されることがあり、複合信号を受信するために使用されるアンテナ要素のグループは受信アンテナ534と称されることがある。一部の例では、各アンテナは、それ自体の送信経路及び受信経路を備え、それらは、アンテナが送信アンテナ532として動作しているか、又は受信アンテナ534として動作しているかに応じて、アンテナに接続するように交互に切り替えられ得る。
【0155】
センシングアルゴリズムマネージャ506がセンシング受信機502によって実装される実施形態では、プロセッサ528はプロセッサ508によって実装され得、メモリ530はメモリ510によって実装され得、送信アンテナ532は送信アンテナ512によって実装され得、受信アンテナ534は受信アンテナ514によって実装され得、センシングエージェント536はセンシングエージェント516によって実装され得る。センシングアルゴリズムマネージャ506がセンシング受信機502から信号を受信する例、又はセンシング受信機502がセンシングアルゴリズムマネージャ506から信号を受信する例では、これは、空中での送信なしで実装され得る。
【0156】
1つ以上の実装形態によれば、ネットワーク560における通信は、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理され得る。一部の例示的なIEEE規格は、IEEE 802.11-2020、IEEE 802.11ax-2021、IEEE 802.11me、IEEE 802.11az、及びIEEE 802.11beを含み得る。IEEE 802.11-2020及びIEEE 802.11ax-2021は、完全に承認された規格であるが、IEEE 802.11meは、IEEE 802.11-2020規格に対する進行中の保守アップデートを反映し、IEEE 802.11beは、次世代の規格を定義する。IEEE 802.11azは、新しい機能を追加する、IEEE 802.11-2020及びIEEE 802.11ax-2021規格の拡張である。一部の実装形態では、通信は、他の規格(他の若しくは追加のIEEE規格又は他のタイプの規格)によって管理され得る。一部の実施形態では、システム500が規格の802.11ファミリのうちの1つ以上によって管理されることを必要としないネットワーク560の部分は、ワイヤレスネットワーク又は携帯通信網を含む任意のタイプのネットワークのインスタンスによって実装され得る。
【0157】
更に、IEEE 802.11axは、単一のTXOPを使用して、センシング受信機502が複数のセンシング送信機504-(1~M)などの全ての参加デバイスにデータを同時に送信すること、及びその逆を可能にするOFDMAを採用した。OFDMAの効率は、どのようにセンシング受信機502が複数のセンシング送信機504-(1~M)の間でチャネルリソース(リソースユニット(RU)と交換可能に称される)をスケジューリングし、送信パラメータを構成するかに依存する。IEEE 802.11axのアップリンクOFDMA(UL-OFDMA)送信手順及びトリガフレームフォーマットが図6に示されている。IEEE 802.11axによれば、全てのアップリンクマルチユーザ送信は、図6に示されるフォーマットのトリガフレームに続く。図6に見られるように、センシング送信(すなわち、センシング応答メッセージ)は、1つのSIFSの後にトリガフレーム(UL-OFDMAセンシングトリガメッセージとも称される)に続く。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。トリガフレームの主な目的は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのマルチユーザPPDUの即時応答を求めることである。一例によれば、トリガフレームは、各センシング送信機のためのRUへのマップとともに、TXOPのための複数のセンシング送信機504-(1~M)への共通同期パラメータを指定することができる。このマップは、OFDMAが干渉なしに機能することを可能にする。センシング送信が完了した後、マルチSTA BlockAckが、対応するセンシング送信機504-(1~M)に送られ得る。トリガフレームによって制御されるメッセージは、概して、図6に示すような時間-周波数メッセージパターンに従う。トリガフレームは、共通情報フィールド、ユーザ情報リストフィールド、及び様々な他のフィールドを含む。
【0158】
一実装形態によれば、トリガフレーム内のフィールドの階層が図7A図7Hに示されている。トリガフレームは、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージと交換可能に称され得る。
【0159】
図7Aに示すように、共通情報フィールドは、複数のセンシング送信機504-(1~M)に共通の情報を含む。図7Bに示すように、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージを表す新しいトリガタイプ(「共通情報」フィールドのビットB0~B3)が定義され得る。UL-OFDMAセンシングトリガメッセージは、8のトリガタイプサブフィールド値を有し得る。
【0160】
図7Cに示すように、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージは、20MHz、40MHz、80MHz、又は80+80MHz(160MHz)の帯域幅に対応する0、1、2、又は4のアップリンク帯域幅(UL BW)サブフィールド値を有し得る。
【0161】
図7Dに示すように、ユーザ情報リストは、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々に固有の情報を含む。
【0162】
図7Eに示すように、AID12サブフィールドは、複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの特定のセンシング送信機をアドレス指定するために使用され得る。
【0163】
図7F及び図7Gに示すように、RU割り当てサブフィールドは、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々にリソースユニット(RU)を割り当てるために使用される。
【0164】
図7Hに示すように、トリガ依存ユーザ情報サブフィールドは、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージがトリガしている複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々のための送信構成及び/又はステアリング行列構成を要求するために使用され得る。
【0165】
説明及び理解を容易にするために、下記の説明は、センシング送信機504-1を参照して提供されるが、この説明は、残りのセンシング送信機504-(2~M)にも等しく適用可能である。
【0166】
図8は、一部の実施形態による、センシング受信機502と、センシング送信機504-1と、センシングアルゴリズムマネージャ506との間の通信のためのシーケンス図800を示し、センシング受信機502がセンシングイニシエータである。図8は、センシングアルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。
【0167】
図8に示すように、ステップ802において、センシング受信機502は、センシングセッションを開始し、センシング送信を要求するUL-OFDMAセンシングトリガメッセージをセンシング送信機504-1に送り得る。ステップ804において、センシング送信機504-1は、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージに応答して、センシング応答メッセージをセンシング受信機502へのセンシング送信として送り得る。センシング応答メッセージを受信すると、センシング受信機502は、受信されたセンシング送信に対してチャネル状態測定を実施し、チャネル表現情報構成を使用してチャネル表現情報(CRI)を生成し得る。一例では、センシング受信機502は、縮小されたCRIを生成し得る。ステップ806において、センシング受信機502は、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、縮小されたCRI)を含むCRI送信メッセージを空中でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。別の例では、センシング受信機502は、縮小されたフィルタ処理されたCRIを生成し得る。ステップ806において、センシング受信機502は、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、縮小されたフィルタ処理されたCRI)を含むCRI送信メッセージを空中でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。
【0168】
図9は、一部の実施形態による、センシング受信機502と、センシング送信機504-1と、センシングアルゴリズムマネージャ506との間の通信のためのシーケンス図900を示し、センシング送信機504-1がセンシングイニシエータである。図9は、センシングアルゴリズムマネージャ506が別個のデバイスであるネットワーク(例えば、802.11ネットワーク)の例を示している。図9に示すように、ステップ902において、センシング送信機504-1は、センシングセッションを開始し得、センシング送信アナウンスメッセージと、それに続くセンシング送信NDPをセンシング受信機502に送り得る。ステップ904において記載されるように、センシング送信NDPが、1つのSIFSの後にセンシング送信アナウンスメッセージに引き続いて起こる。一例では、SIFSの持続期間は10μsである。センシング受信機502は、センシング送信NDPに対してチャネル状態測定を実施し、チャネル表現情報構成に基づいてCRIを生成し得る。一例では、センシング受信機502は、縮小されたCRIを生成し得る。ステップ906において、センシング受信機502は、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、縮小されたCRI)を含むCRI送信メッセージを空中でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。別の例では、センシング受信機502は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成し得る。ステップ906において、センシング受信機502は、更なる処理のために、チャネル状態測定値(すなわち、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI)を含むCRI送信メッセージを空中でセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。
【0169】
上記で説明されるように、本開示の一部の実施形態は、Wi-Fiセンシングのための2つのセンシングメッセージタイプ、すなわち、UL-OFDMAセンシングトリガメッセージ及びセンシング応答メッセージを定義する。一例では、メッセージタイプは、新しく定義されたIEEE 802.11管理フレーム中で搬送される。一部の例では、メッセージタイプは、新たに定義されたIEEE 802.11制御フレーム中で搬送される。一部の例では、これらのセンシングメッセージタイプを実現するために、管理フレーム及び制御フレームの組み合わせが使用され得る。一部の例では、図7Hに示すようなタイミング構成、送信構成、及びステアリング行列構成は、IEEE 802.11要素として実装される。
【0170】
1つ以上の実施形態では、一部の実施形態によれば、センシングメッセージタイプは、メッセージタイプフィールドによって識別することができ、各センシングメッセージタイプは、他の識別された要素を搬送してもしなくてもよい。センシングメッセージタイプ及び構成要素の例を表1に示す。
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】
【0171】
センシング送信のための例示的な送信構成要素(例えば、必要とされる送信構成又は配信された送信構成)が表2に提供される。
【表2-1】

【表2-2】

【表3】

【表4】

【表5】
【0172】
表2は、センシング送信のための送信構成要素(要求された送信構成又は配信された送信構成)を説明する。一例では、これらのデータは、センシング受信機502と複数のセンシング送信機504-(1~M)との間、又はその逆の間のセンシングメッセージに含めるための要素に符号化される。複数のセンシング送信機が関与する測定キャンペーンでは、これらのパラメータは、全てのセンシング送信機に対して(すなわち、センシング送信機ごとに)定義され得る。センシング受信機からセンシング送信機に送信されるとき、これらのパラメータは、センシング送信を構成することができ、センシング送信機からセンシング受信機に送信されるとき、これらのパラメータは、センシング送信のためにセンシング送信機によって使用される構成を報告することができる。
【0173】
一部の実装形態によれば、ステアリング行列構成要素の詳細が表6に記載される。
【表6-1】

【表6-2】
【0174】
一例では、表6に提供されるデータは、センシング受信機502と複数のセンシング送信機504-(1~M)との間のメッセージに含めるための要素に符号化され得る。複数のセンシング送信機が関与する測定キャンペーンでは、これらのパラメータは、全てのデバイスについて定義され得る。センシング受信機502から複数のセンシング送信機504-(1~M)に送信されるとき、ステアリング行列構成は、ルックアップテーブル(後にインデックスを介してアクセスすることができる)を埋める。
【0175】
一部の実装形態によれば、センシング受信機502がセンシング測定値を計算し、チャネル表現情報を(例えば、縮小されたフィルタ処理されたCRIの形態で)作成したとき、センシング受信機502は、チャネル表現情報をセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信する必要があり得る。一例では、縮小されたフィルタ処理されたCRIは、管理フレームによって転送され得る。一例では、CRI送信メッセージを表すメッセージタイプが定義され得る。図10は、一部の実施形態による、CRI送信メッセージを搬送する管理フレーム1200の構成要素の一例を示している。一例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とし得、CRI送信メッセージを搬送する管理フレームは、アクションフレームとして実装され得、別の例では、システム500は、肯定応答フレームを必要とせず、CRI送信メッセージを搬送する管理フレームは、Action No Ackフレームとして実装され得る。CRI送信メッセージ及びTD-CRI構成要素の例が表7に示されている。更に、CRI送信メッセージ要素の詳細を表8に示している。
【表7-1】

【表7-2】

【表8-1】

【表8-2】
【0176】
表8は、アクティブな(含まれた/選択された)時間ドメインパルスを表すためにビットフィールドを使用してTD-CRIを転送するCRI送信メッセージ要素の例を示している。一例では、表8に記載されたデータ構造は、縮小されたフィルタ処理されたTD CRIデータをフォーマットするために使用され得る。一例では、データ構造がCRI送信メッセージ要素の形態であることをセンシングアルゴリズムマネージャ506が検出することを可能にするために、プロプライエタリヘッダ又は記述子がデータ構造に追加され得る。一例では、データは、図10に示されるフォーマットで転送されてもよく、センシングアルゴリズムマネージャ506は、CRI送信メッセージを表すメッセージタイプ値を解釈するように構成されてもよい。
【0177】
C.仮想広帯域チャネル用の圧縮チャネル状態情報のためのシステム及び方法
本開示は、概して、Wi-Fiセンシングのためのシステム及び方法に関する。特に、本開示は、仮想広帯域チャネル用の圧縮チャネル状態情報(CSI)のためのシステム及び方法に関する。
【0178】
1つ以上の実装形態によれば、40MHz広帯域チャネル、80MHz広帯域チャネル、及び160MHz広帯域チャネルを含む広帯域チャネルは、IEEE 802.11規格によって指定及びサポートされる。IEEE 802.11規格によって指定及びサポートされないが、将来指定及びサポートされ得る他の帯域幅もまた、広帯域チャネルという定義よって表され得る。40MHz広帯域チャネル、80MHz広帯域チャネル、及び160MHz広帯域チャネルの各々は、それぞれ、2つ、4つ、及び8つの連続的な20MHz成分周波数帯域を占有する。しかしながら、このようにして広帯域チャネルを作成することは、複数の連続的な20MHz成分周波数帯域が利用可能である場合にのみ可能である。広帯域チャネルを構成するのに十分な連続的な20MHz成分周波数帯域が利用可能でないシナリオが存在し得る。
【0179】
図11A及び図11Bは、いくつかの実施形態による、4つの20MHz成分周波数帯域及びそれらの使用可能性状態を示す。図11Aは、4つの20成分周波数帯域、すなわち、第1の成分周波数帯域1102、第2の成分周波数帯域1104、第3の成分周波数帯域1106、及び第4の成分周波数帯域1108を示している。図11Bは、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106のみが使用可能であり、第2の成分周波数帯域1104及び第4の成分周波数帯域1108は使用不可能であることを示している。一例では、第2の成分周波数帯域1104及び第4の成分周波数帯域1108は、他のデバイスによって使用されている可能性がある。図11Aに示すように、第1の成分周波数帯域1102及び第2の成分周波数帯域1104は、非連続的な成分周波数帯域である。更に、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106は利用可能であるが、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106は、第2の成分周波数帯域1104によって隔離(又は分離)されている。一実装形態では、40MHz広帯域チャネルは、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106を(第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106が第2の成分周波数帯域1104によって隔離されていたとしても)ひとまとまりのエンティティとして連結することによって形成され得る。1つ以上の非連続的な成分帯域で構成されたこのタイプの広帯域チャネルは、仮想広帯域チャネルと呼ばれる。
【0180】
第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106によって構成される仮想広帯域チャネルは、40MHzの仮想広帯域である。第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106は、仮想広帯域の成分帯域と称され得、一方、第2の成分周波数帯域1104は、隔離された周波数帯域と称され得る。仮想広帯域は、複数の成分周波数帯域を含み得、成分周波数帯域の各々は、連続的であってもよく、又は非連続的であってもよい。2つの成分周波数帯域が非連続的である場合、2つの成分周波数帯域を互いに分離する隔離された周波数帯域は、未使用であってもよく、又は潜在的に異なるデバイスに割り当てられてもよい。一部の実装形態では、センシング送信機に割り当てられた成分周波数帯域は、1つ以上の隔離された周波数帯域によって分離されてもよいし、又は分離されなくてもよい。
【0181】
図11A及び図11Bに示される例は、成分周波数帯域の各々が、帯域幅が20MHzであることを示すが、一部の実施形態では、各成分周波数帯域は、異なる帯域幅を有してもよい。一例では、帯域幅の量(特に、帯域幅が可変である場合)は、「リソースユニット(RU)」を単位として表され得る。各RUは、いくつかのサブキャリアで構成される。サブキャリアは、トーンとも称され得る。
【0182】
再び図5を参照すると、1つ以上の実装形態によれば、IEEE 802.11axによって定義されるアップリンク直交周波数分割多元接続(UL-OFDMA)は、複数のセンシング送信機504-(1~M)に帯域幅を割り当てて、アップリンク(すなわち、センシング送信機からセンシング受信機への)センシング送信を行うために使用され得る。一実装形態によれば、センシング受信機502は、複数のセンシング送信機504-(1~M)によるアップリンクセンシング送信に割り当てられ得るTXOPを確保することができる。一実装形態では、センシング受信機502は、安全なTXOPにおける広帯域信号の複数の成分周波数帯域を、同時アップリンクセンシング送信のための複数のセンシング送信機504-(1~M)に割り当てることができる。
【0183】
図12は、一部の実施形態による、UL-OFDMAを使用したマルチユーザアップリンクセンシング送信のための仮想広帯域の一例を示している。この例では、センシング受信機502によって受信された完全なアップリンクセンシング送信は、第1のセンシング送信機504-1及び第2のセンシング送信機504-2に割り当てられた3つの成分周波数帯域と、1つの未割り当ての成分周波数帯域とを含み得る。割り当てられた成分周波数帯域の各々は、異なる帯域幅を有する。図12に示すように、128個のサブキャリアを有する成分周波数帯域1202及び256個のサブキャリアを有する成分周波数帯域1208が、第1のセンシング送信機504-1に割り当てられる。更に、512個のサブキャリアを有する単一の成分周波数帯域1206が、第2のセンシング送信機504-2に割り当てられる。また、128個のサブキャリアを有する成分周波数帯域1204は、未割り当てである。第1のセンシング送信機504-1の観点から、成分周波数帯域1202と成分周波数帯域1208とは、640個の分離したサブキャリア(すなわち、隔離された帯域のサブキャリア)によって分離される。図12の例では、同じセンシング送信機に割り当てられた成分帯域(例えば、第1のセンシング送信機504-1に割り当てられた成分周波数帯域1202及び成分周波数帯域1208)は、仮想広帯域を形成し得る。したがって、第1のセンシング送信機504-1の仮想広帯域は、384個のサブキャリアを含む。
【0184】
図5を再び参照すると、1つ以上の実装形態によれば、Wi-Fiセンシングの目的のために、センシング受信機502は、測定キャンペーン(又はWi-Fiセンシングセッション)を開始することができる。測定キャンペーンでは、センシング受信機502と複数のセンシング送信機504-(1~M)との間の送信の交換が行われ得る。一例では、これらの送信の制御は、IEEE 802.11スタックのMAC層によるものであり得る。
【0185】
例示的な実装形態によれば、センシング受信機502は、1つ以上のセンシングトリガメッセージを介して測定キャンペーンを開始し得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からの一連のセンシング送信をトリガするように構成されたセンシングトリガメッセージを生成するように構成され得る。一実装形態によれば、センシング受信機502は、センシング受信機502によって複数のセンシング送信機504-(1~M)による一連のセンシング送信に割り当てられ得るTXOPを確保することができる。一連のセンシング送信は、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々からのセンシング送信を含み得る。一例では、センシングトリガメッセージは、UL-OFDMAを使用してセンシング送信を行うように複数のセンシング送信機504-(1~M)に命令し得るUL-OFDMAセンシングトリガメッセージであり得る。一例では、センシングトリガメッセージは、要求された送信構成フィールドを含み得る。ここで考察されていないセンシングトリガメッセージに含まれる情報/データの他の例が、本明細書で企図される。
【0186】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシングトリガメッセージをセンシング送信機504-(1~M)に送信することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からの一連のセンシング送信をトリガするために、送信アンテナ512を介して複数のセンシング送信機504-(1~M)にセンシングトリガメッセージを送信することができる。
【0187】
センシングトリガメッセージを受信したことに応答して、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、センシング送信を生成することができる。一例では、センシングトリガメッセージが複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々からトリガするセンシング送信は、センシング応答メッセージであり得る。一実装形態では、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、要求された送信構成を使用してセンシング送信を生成することができる。一実装形態では、複数のセンシング送信機504-(1~M)は、単一のTXOPでセンシング送信を行うことができる。一実装形態によれば、複数のセンシング送信機504-(1~M)の各々は、センシングトリガメッセージに応答して、要求された送信構成に従って、それぞれのセンシング送信をセンシング受信機502に送信することができる。一例では、各センシング送信は、センシング送信を配信するために使用される送信構成に対応する、配信された送信構成を含み得る。一例では、センシング送信機によってサポートされ得る場合、配信された送信構成は、要求された送信構成に対応する。
【0188】
一実装形態では、センシング受信機502は、センシングトリガメッセージに応答して送信された、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのセンシング送信を受信し得る。センシング受信機502は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのセンシング送信を、受信アンテナ514を介して受信するように構成され得る。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成するように構成され得る。
【0189】
一実装形態によれば、センシング受信機502のベースバンド受信機は、センシング送信に基づいてCSIを計算するように構成され得る。一部の実装形態では、センシング受信機502は、受信機チェーンによるCSIへの寄与を計算し得る。一例では、センシング受信機502の受信機チェーンは、アナログ要素とデジタル要素とを含み得る。例えば、受信機チェーンは、受信信号が基準点から、受信信号が読み取られ得る点、すなわちセンシング受信機502のセンシングエージェント516によって読み取られ得る点まで移動し得る、アナログ構成要素及びデジタル構成要素を含み得る。センシング受信機502の受信機チェーンの表現1300は、図13に示される。図13に示すように、同相(I)及び直交位相(Q)変調されたシンボルは、周波数及びタイミング回復を含む同期が行われる受信機のフロントエンドに到着する。更に、時間ドメインガード期間(サイクリックプレフィックス)が除去され、受信機は、受信された信号(例えば、I変調シンボル及びQ変調シンボル)に対して離散フーリエ変換(DFT)を行う。次いで、ガードトーン及びDCトーンが除去される。次いで、CSIは、データデマッピング、(デインターリーバを使用する)デインターリーブ、デパンクチャ、(ビタビデコーダを使用する)復号、及び最後に(デスクランブラを使用する)デスクランブルの前に生成される。デスクランブルの結果として、データビットが生成される。生成されたCSIは、センシングエージェント516に提供される。
【0190】
一部の実装形態では、自動利得制御(AGC)が、デジタル化の前にIサンプル及びQサンプルを事前調整することができる。AGCは動的処理であり、その利得は、伝搬チャネルにおける条件に応じてある期間にわたって変化し得る。一部の例では、信号に適用される利得の値は、補償動作を可能にするためにAGC処理から供給され得る。
【0191】
一例では、センシング受信機502は、80MHzのOFDMA信号を受信し得る。80MHzのOFDMA信号は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのセンシング送信を含み得る。この例では、ベースバンド受信機は、80MHzの受信帯域幅全体でCSIを計算することができる。一例によれば、80MHzのOFDMA信号は、1024個のサブキャリアを含み得、ベースバンド受信機は、1024個の周波数ドメインCSI値を生成し得る。一実装形態によれば、帯域幅内のサブキャリアの数及びベースバンド受信機によって生成されるCSI値の数は、総受信帯域幅及び使用されるIEEE 802.11規格のバージョンに応じて変化する。
【0192】
一実装形態によれば、CSIを受信すると、センシングエージェント516は、CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することができる。一実装形態では、センシングエージェント516は、CSI上でIDFTを実施することによって、周波数ドメインCSIをフルTD-CRIに変換することができる。この例では、1024個のCSI値について、センシングエージェント516は、1024点IDFTを1024個のCSI値に適用することによって、周波数ドメインCSIをフルTD-CRIに変換することができる。一実装形態では、空中で送信される必要があるCRIの量を減少させるために、CRIは、CSIではなくTD-CRIによって表され得る。CSIは、各サブキャリアにおいてチャネルの周波数応答(すなわち、信号上の大きさ減衰及び位相回転)の情報を提供するが、フルTD-CRIは、チャネルのインパルス応答(すなわち、マルチパス伝搬環境における各伝搬経路遅延の大きさ減衰及び位相回転)を提供し得る。
【0193】
時間ドメインでは、伝搬チャネルは、伝達関数によって説明され得る。一例では、伝達関数は、h(t)と称され得る。伝達関数はまた、伝搬チャネルのインパルス応答として説明され得る。伝搬チャネルのインパルス応答は、複数の時間ドメインパルスを含み得る。複数の時間ドメインパルスは、送信された信号(例えば、送信機によって送信されたもの)が受信機に到達する前に受けた反射を表し得る。反射された時間ドメインパルスは、次のように表され得る。
h(t)=αδ(t-t)…(8)
式中、tは、個別の反射経路に従うことによって反射された時間ドメインパルスが受信機に到達するのにかかる時間を表し、αは、送信機と受信機との間の反射された時間ドメインパルスによって経験される減衰を表す。
【0194】
図14は、一部の実施形態による、直接信号経路と単一のマルチパスとを含むチャネルの例示的な表現1400を示している。一実装形態では、図14は、一部の実施形態による、送信機1402と受信機1404との間の時間ドメインパルス、δ(t)の離散マルチパスを示している。図14では、直接経路信号は次のように表され、
h(t)=αδ(t-t)…(9)
第1の反射された時間ドメインパルスは、次のように表される。
h(t)=αδ(t-t)…(10)
【0195】
一実装形態では、複数の離散マルチパスがLによって与えられる場合、伝搬チャネルのインパルス応答は、次のように表される。
【数10】
【0196】
時間ドメイン表現は、フーリエ変換を使用して周波数ドメイン表現に変換され得る。一例では、伝搬チャネルのインパルス応答の周波数ドメイン表現は、式(12)によって与えられ得る。
【数11】
【0197】
式(12)におけるH(f)の各値は、式(11)におけるh(t)の全ての値の線形組み合わせであってよい。一実装形態では、式(12)は、以下に提供される式(13)による行列ベクトル乗算を使用して表され得る。
【数12】
式中、AF,Nは、次元N×(L+1)のフーリエ基底行列であり、Nは、フーリエ変換が計算される周波数の数である。
【0198】
式(12)のCSI(H(f))表現は、式(13)に従って行列形式で表現され得る。更に、H(f)を決定するための行列式が、以下に提供される式(14)及び式(15)に示される。
【数13】
F,N×α=H(f)…(15)
【0199】
一例では、AF,Nの各列は、h(t)の時間ドメインパルスに対応する。したがって、AF,Nの列は、式(9)からの全ての可能なtのセットである。AF,Nの列は列ベクトルαとともに、CSIに対応するTD-CRIである。一実装形態では、CSI(H(f))は、時間ドメインパルスとして表され得る。
【0200】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、CSI(H(f))上でIDFTを実施することによって、CSIのフルTD-CRIを生成することができる。CSI、H(f)のIDFTをとることによってTD-CRIが生成されるとき、周波数ドメイントーン(CSIの複素値)と時間ドメイントーン(TD-CRIの複素値)との間に1対1の対応が存在し、それをフルTD-CRIと呼ぶ。フルTD-CRI及びCSIは、一対のDFTを形成する。したがって、CSI及びTD-CRIは、フーリエ行列形式で表される。一例では、フルTD-CRIを時間ドメインシーケンスhとして、かつCSIを周波数ドメインシーケンスHとして考慮することによって、フルTD-CRIは、以下に提供される式(16)を使用して、既知のCSIのIDFTとして導出することができる。
H=Bh…(16)
式中、B={bn,k}は、N×NのIDFT行列であり、そのn行目及びk列目の要素は、以下である。
【数14】
【0201】
のn番目の行は、hのhに対応し、Bのk番目の列の行は、HのHに対応し、bn,kは、hに対するHの寄与を表す。
【0202】
一部の実施形態では、CSIは、以下に提供される式(18)を使用して、既知のフルTD-CRIのDFTとして再構築され得る。
H=Ah,…(18)
式中、
h=[h,h,h,…hN-1…(19)
H=[H,H,H,…HN-1…(20)
【0203】
一例では、h及びHは、複素数を表し、Tは、行列転置を表し、Nは、DFT点の数(すなわち、DFTサイズ)を表し、A={ak,n}は、N×NのDFT行列であり、そのk番目の行及びn番目の列における要素は、以下であり、
【数15】
式中、k及びnは、それぞれ、周波数及び時間インデックスである。DFTにおいて、k=0、1、…、N-1、及びn=0、1、…、N-1である。更に、Aのk番目の行は、式(20)におけるHのHに対応し、Aのn番目の列は、式(19)におけるhのhに対応し、ak,nは、Hに対するhの寄与を表す。
【0204】
式(16)及び式(18)において、A及びBの下付き文字は、行列のサイズがN×Nであることを示す。一例では、式(16)は、Hが既知であるときにhを得るために使用され得、一方、式(18)は、hが既知であるときにHを得るために使用され得る。代替的に、式(16)及び式(18)は、それぞれ、以下に提供される式(22)及び式(23)として表され得る。
【数16】
式中、上付き文字Tは、行列転置を表す。
【0205】
一実装形態では、センシングエージェント516は、TD-CRI値の各々の振幅を含む、次元1×Nの列ベクトルα’を作成することができ、ここで、Nは、IDFT内の点の数である。一例では、N=1024の場合、列ベクトルα’は、1×1024の次元を有する。例示的な実装形態では、列ベクトルα’は、式(24)を使用して表される。
【数17】
【0206】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、値がゼロに等しいか又は事前定義された閾値未満である列ベクトルα’から任意のαを除去することができる。一例では、センシングエージェント516は、他の基準を使用して、列ベクトルα’から任意のαを除去し、後続の処理を簡素化することができる。センシングエージェント516は、αが除去された列ベクトルα’内の位置の情報を保持することができる。例示的な実装形態では、センシングエージェント516は、N=1024ビット長であるビットフィールドを作成することができる。センシングエージェント516は、αが除去された場所(0番目から始まり、N-1番目まで順に増加する)の各々にゼロ(0)を置くことができる。更に、センシングエージェント516は、1(1)を他の全ての場所に置くことができる。センシングエージェント516によって作成されたビットフィールドは、時間ドメイン(TD)ビットマップと称され得る。一例では、TDビットマップ内の1の数(ビットマップのビット重みと称される)は、kである。保持されたk値は、0~k-1に再番号付けされ、新しい列ベクトルαに連続的に置かれ得る。例示的な実装形態では、新しい列ベクトルαは、式(25)を使用して表され得る。
【数18】
【0207】
一例では、TDビットマップは、周波数ドメイン応答内のアクティブサブキャリアを表し得、ガードサブキャリア及びDC(直流)サブキャリアは表されない。アクティブトーンTDビットマップという用語は、周波数ドメイン応答内のアクティブサブキャリアを表すTDビットマップを説明し得る。別の例では、TDビットマップは、周波数ドメイン応答内の全てのサブキャリアを表し得、ガードサブキャリア及びDCサブキャリアは、TDビットマップ内のゼロによって表される。フルトーンTDビットマップという用語は、周波数ドメイン応答内の全てのサブキャリアを表すTDビットマップを説明し得る。
【0208】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、以下に提供される式(26)を用いて表されるN×N行列AF,Nを作成することができる。
【数19】
式中、各TD-CRIは、AF,Nの列に配置される。例えば、列
【数20】
は、TD-CRI 0の値を表し、列
【数21】
は、TD-CRI 1の値を表し、列
【数22】
は、TD-CRI N-1の値を表す。
【0209】
一実装形態では、センシングエージェント516は、TDビットマップ内のゼロに対応するAF,Nの列を除去するためにTDビットマップを使用することができる。kのビット重みについて、行列は今やAF,kである(式(27)によって与えられる)。
【数23】
【0210】
一例では、フルTD-CRIは、CSIと同じチャネル表現情報を含むが、情報は、時間ドメインパルスのほんの一部に集中し得る。一例では、CRIは、必要とされる時間ドメインパルスのみを送ることによって、より少ないデータで表され得る。一実装形態では、定義された精度レベルのCSIを表すために必要とされる最適な時間ドメインパルスが決定され得る。定義された精度レベルでCSIを表すために必要とされる時間ドメインパルスの最適な数は、主インパルスと称され得る。一実装形態によれば、精度レベルは、CSIとR-CSIとの間で許容される最大誤差を設定することによって定義され得る。
【0211】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、フルTD-CRIの主インパルスを識別するように構成され得る。一例では、主インパルスは、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表し得る。時間ドメインパルスのサブセットは、CSIを正確に表現するために必要とされる最適な時間ドメインパルスを含み得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、主インパルスに従ってフィルタ処理されたTD-CRIを識別し得る。フィルタ処理されたTD-CRIは、チャネル表現情報の一例であり得る。
【0212】
一実装形態では、センシングエージェント516は、制約処理に基づいて、フルTD-CRIの主インパルスを識別し得る。以下、制約処理の一例について説明する。
【0213】
一実装形態では、センシングエージェント516は、フルTD-CRIの時間ドメイン複素ペアのサブセットを識別することができる。次いで、センシングエージェント516は、時間ドメイン複素ペアのサブセットを、伝搬チャネルの初期フィルタ処理されたTD-CRI表現として使用することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、フーリエ行列表現を使用してフルTD-CRIをフィルタ処理することができる。行列AF,kの拡張は、以下の式(28)に示される。
【数24】
【0214】
式(28)において、表記の簡略化のために、
【数25】
は、e(0,0)として記述され、
【数26】
は、e(1,0)として記述され、以下同様である。
【0215】
一実装形態では、センシングエージェント516は、同じ尺度(すなわち、主インパルス)によってチャネル表現に寄与する列を維持する、何らかの尺度によってチャネル表現に寄与しない列を排除することによって、行列AF,kを制約することができる。一例では、寄与するαのセットは、i={6,7,8,9}に対して現れ、式(29)に示されるように、cと称されると仮定することができる。
【数27】
【0216】
F,kの制約付きバージョン(制約付き基底行列CF,kとも称される)は、寄与するα、すなわち列{6,7,8,9}に対応する列番号のセットのみを保持することによって作成される。制約付き基底行列CF,kの作成の例1500が、図15に示されている。図15に示すように、制約付き基底行列CF,kは、寄与するαに対応する列番号のセットを維持することによって作成される。
【0217】
一実装形態では、センシングエージェント516は、除去される追加の時間ドメインパルスについて、TDビットマップをゼロ(0)で更新することができる。TDビットマップの新しいビット重みは、mであるように計算される。センシングエージェント516は、長さmの新しい(より小さい)列ベクトルcをもたらす列ベクトルを更新し得る。例示的な実装形態では、列ベクトルcは、以下に提供される式(30)を使用して表される。
【数28】
【0218】
一実装形態では、更新されたTDビットマップを使用して、センシングエージェント516は、TDビットマップ内の新しいゼロに対応する行列AF,kの列を除去することができる。mのビット重み(TDビットマップ内の1の数)について、行列AF,kは、ここでは、CF,mと称される。m列は、主インパルスを表す。行列CF,mは、以下に提供される式(31)を使用して表され得る。
【数29】
【0219】
一実装形態では、センシング受信機502は、広帯域信号全体のCSIを計算し得るが、各センシング送信機の成分周波数帯域に関連付けられたCSIのみが、そのセンシング送信機とセンシング受信機502との間のチャネルにわたるWi-Fiセンシング計算に関連する。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域を識別することができる。一例では、選択されたセンシング送信機は、センシング送信機504-1であり得る。一例によれば、80MHzチャネル帯域幅において、センシング送信機504-1は、一緒に仮想広帯域を形成する3つの成分周波数帯域を有し得る。一実装形態では、センシング受信機502は、仮想広帯域内の全ての成分周波数帯域を同時に(すなわち、同じTXOP内で)受信し得る。
【0220】
図16は、一部の実施形態による、80MHzチャネル帯域幅におけるセンシング送信機504-1の仮想広帯域の例1600を示している。図16に示すように、3つの成分周波数帯域、すなわち、成分周波数帯域1、成分周波数帯域2、及び成分周波数帯域3が、センシング送信機504-1に割り当てられる。一例では、成分周波数帯域1、成分周波数帯域2、及び成分周波数帯域3の各々は、242個のサブキャリアを有する。図16で「エッジ」とマークされたサブキャリアは、ヌルサブキャリアである。各成分周波数帯域(すなわち、成分周波数帯域1、成分周波数帯域2、及び成分周波数帯域3の各々)が242個のサブキャリアを有することが示されているが、各成分周波数帯域は、任意のサイズであってもよく、互いに異なるサイズであってもよい。
【0221】
一例によれば、センシング送信機504-1に割り当てられた全ての成分周波数帯域のサブキャリアの数は、Mc|Aであり得る。したがって、センシング送信機504-1の仮想広帯域は、Mc|Aサブキャリア幅であり得る。一例では、隔離された帯域のサブキャリアの数は、Mi|Aであり得る。一例によれば、80MHzのOFDMA信号を受信すると、センシング受信機502は、80MHzの受信信号全体についてCSIを計算し得る。全ての成分周波数帯域及び隔離された帯域のサブキャリアの総数は、Mc|A+Mi|Aである。しかしながら、Mc|A+Mi|Aサブキャリアのうち、Mc|Aサブキャリア上で計算されたCSIのみが、センシング送信機504-1のWi-Fiセンシング計算に関連する。一実装形態では、隔離された帯域は、異なるセンシング送信機(例えば、センシング送信機504-2)からのセンシング送信に使用されてもよい。
【0222】
図17は、一部の実施形態による、センシング受信機502によって受信されるUL-OFDMA信号の例1700を示している。例示的な実装形態では、UL-OFDMA信号は、2つのセンシング送信機から、すなわち、センシング送信機504-1及びセンシング送信機504-2からのセンシング送信を含み得る。例示的な実装形態では、センシング送信機504-1に割り当てられた複数の成分周波数帯域は、センシング送信機504-1の仮想広帯域を形成する。図17に示すように、3つの成分周波数帯域、すなわち、成分周波数帯域1、成分周波数帯域2、及び成分周波数帯域3が、センシング送信機504-1に割り当てられる。一例では、成分周波数帯域1、成分周波数帯域2、及び成分周波数帯域3の各々は、242個のサブキャリアを有する。更に、単一の成分周波数帯域である成分周波数帯域4が、センシング送信機504-2に割り当てられる。センシング送信機504-2に割り当てられた成分周波数帯域4は、242個のサブキャリアを有する。図17はまた、DCトーンである中央の7個のサブキャリア、並びに7つのサブキャリアの両側の13のサブキャリア、12のエッジサブキャリア、及び11のエッジサブキャリアを示し、これらは、センシング受信機502によって受信されたアップリンクセンシング送信には使用されない。
【0223】
再び図5を参照すると、一実装形態では、センシング受信機502は、ひとまとまりのエンティティとして同じセンシング送信機に割り当てられた全ての成分周波数帯域からのCSIを処理することができる。一実装形態によれば、センシングエージェント516は、複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域を識別するように構成され得る。一例では、選択されたセンシング送信機は、センシング送信機504-1であり得、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機は、センシング送信機504-(2~M)を含み得る。一部の例では、選択されたセンシング送信機は、複数のセンシング送信機504-(1~M)のサブセットを含み得る。一例では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域であり得る。一部の例では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含み得る。
【0224】
複数のセンシング送信機504-(1~M)の選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシングトランスミッションに関連付けられた成分周波数帯域を識別すると、センシングエージェント516は、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することができる。
【0225】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、周波数ドメイン(FD)ビットマップを作成するように構成され得る。FDビットマップは、仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域と整列するフーリエ基底行列内の周波数の場所を示すことができる。一例では、FDビットマップは、1024ビット長であり得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、成分周波数帯域サブキャリアの場所において1(1)、並びにエッジサブキャリア、他のセンシング送信機によって使用されるサブキャリア、DCトーン、及び未使用サブキャリアの場所においてゼロ(0)のFDビットマップを入力し得る。一例では、FDビットマップは、以下に提供される表9に従って入力され得る。
【表9】
【0226】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、FDビットマップ内のゼロであるビット位置に対応する式(31)によって与えられるCF,mの行を除去することができる。残りの行の数は、FDビットマップのビット重みと等しくてよい。FDビットマップのビット重みは、pであり得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、残りの行列が次元p×mであり、Fp,m(以下に提供される式(32)によって与えられる)と称されるように、連続的に残りの行を連結することができる。行列Fp,mは、選択されたセンシング送信機の主インパルスを含み得る。
【数30】
【0227】
一実装形態によれば、センシングエージェント516は、フルTD-CRIの主インパルス及び/又は縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルス(すなわち、選択されたセンシング送信機の主インパルス)を、将来の使用のためにチャネル表現情報ストレージ518に記憶してもよい。
【0228】
一実装形態では、センシングエージェント516は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。センシングエージェント516はまた、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を、センシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。一例では、場所情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれ得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを、CRI送信メッセージを介してセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信し得る。例示的な実装形態では、センシングエージェント516は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIと対応する場所情報とを含むCRI送信メッセージを、センシングアルゴリズムマネージャ506に通信し得る。一実装形態では、センシングエージェント516は、送信アンテナ512を介して空中を介してセンシングアルゴリズムマネージャ506に送信するために、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI及び対応する場所情報を符号化し得る。
【0229】
一例では、場所情報は、フーリエ基底行列内の主インパルスの位置を表し得る。一例では、場所情報は、1つ以上のビットマップを含み得る。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、R-CSIを作成するためにDFTを実施する前に、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIから、再構築されたTD-CRIを作成することが必要とされ得る。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506が再構築されたTD-CRIを正しく作成するために、センシングアルゴリズムマネージャ506は、DFTを実施する前に、センシング受信機502から受信したフィルタ処理されたTD-CRI複素値の各々を、再構築されたTD-CRI内のどこに置くべきかを識別することができる。
【0230】
縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIが生成されると、保持される時間ドメインパルス(すなわち、主インパルス)の選択は、cで捕捉されるαの値のインデックスに捕捉される。したがって、センシングアルゴリズムマネージャ506がセンシング受信機502から空中で受信する値から再構築されたTD-CRIを作成する方法をセンシングアルゴリズムマネージャ506が決定するために、センシングアルゴリズムマネージャ506は、受信された縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIが、フーリエ基底行列のどの列及びどの行に位置すべきかを識別する必要がある。
【0231】
図18は、一部の実施形態による、TDビットマップ及びFDビットマップを使用した、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506への、フーリエ基底行列における主インパルスの場所の通信の表現1800を示している。一例では、TDビットマップは、アクティブトーンを説明する。一例では、主インパルスの場所の情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。図18の例によれば、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送られるTDビットマップは、16点DFTの10個のパイロット及びデータトーンに対応する、10ビット長である。TDビットマップの値「1110111011」は、(アクティブトーンビットマップ中に8つの「1」があるので)8つのフィルタ処理されたTD-CRI値が続くことを示し、センシングアルゴリズムマネージャ506は、アクティブトーンビットマップに従って、各縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを再構築されたTD-CRIトーンに順に適用することによって、受信された縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、すなわち、トーン1中のTD-CRI1、トーン2中のTD-CRI2、トーン3中のTD-CRI3、トーン4中のヌル、トーン5中のTD-CRI4、トーン6中のTD-CRI5、トーン7中のTD-CRI6、トーン8中のヌル、トーン9中のTD-CRI7、及びトーン10中のTD-CRI8を配置すべきである。更に、図18の例では、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送られるFDビットマップは、フーリエ基底行列内の10個の周波数点に対応する、10ビット長である。FDビットマップの値「1110000111」は、フーリエ基底行列が仮想広帯域内の2つの帯域及び隔離された帯域の場所を説明することを示す。一実施形態では、センシング受信機502のセンシングエージェント516は、主インパルスの場所を通信することができる。
【0232】
図19は、一部の実施形態による、TDビットマップ及びFDビットマップを使用した、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506への、フーリエ基底行列における主インパルスの場所の通信の表現1900を示している。一例では、TDビットマップは、フルトーンを説明する。一例では、主インパルスの場所の情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。図19の例によれば、TDビットマップは、ガードトーン及びDCトーンを含むフルTD-CRI内のトーンの総数、例えば、20MHz伝搬チャネル帯域幅の例では64ビットに等しく、40MHz伝搬チャネル帯域幅の例では128ビットに等しくなり得る。この例では、一部の最上位ビット(MSB)は、ガードトーンを考慮するために「0」であり、一部の最下位ビット(LSB)は、DCトーン及びガードトーンを考慮するために「0」である。図19に示す16点DFTの例では、フルビットマップの最初の3つの場所にゼロが置かれ、その後に8つのTD-CRIの場所が続き、その後に更に3つのゼロが続く。更に、図19の例では、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送られるFDビットマップは、フーリエ基底行列内の10個の周波数点に対応する、10ビット長である。FDビットマップの値「1110000111」は、フーリエ基底行列が仮想広帯域内の2つの帯域及び隔離された帯域の場所を説明することを示す。一実施形態では、センシング受信機502のセンシングエージェント516は、主インパルスの場所を通信することができる。
【0233】
一部の実装形態によれば、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に通信された縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIごとに、センシング受信機502は、2つの値(第1の値は複素数の振幅であり、第2の値は複素数の位相である)の代わりに3つの値、及びFDビットマップを送ることができる。一例では、第3の値は、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を表し得る。一例では、第3の値を表すために使用されるビットの数は、チャネル帯域幅、したがって、フルTD-CRI内のパルスの数に応じて変化し得る。例えば、チャネル帯域幅が20MHzである場合、64点DFTが必要とされるため、追加の値は6ビット長であり得る。チャネル帯域幅が40MHzである場合、128点DFTが必要とされるため、追加の値は7ビット長であり得る。一例では、追加の値は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの値に先行する可能性がある。一部の例では、追加の値は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの値に追従する可能性がある。一例では、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIのために使用されるビットの数は、ベースバンド受信機によって出力された実際のCSIの分解能に基づいて決定され得る。
【0234】
図20は、一部の実施形態による、フルTD-CRIにおける主インパルスの位置を使用した、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506への主インパルスの場所の通信の表現2000を示している。図20の例では、シンボルの番号付けは、再構築されたTD-CRIにおける縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI値の位置へのシンボルのマッピングを容易にするために、「0」で開始し、「15」で終了するようにシフトされている。更に、図20の例では、センシング受信機502からセンシングアルゴリズムマネージャ506に送られるFDビットマップは、フーリエ基底行列内の10個の周波数点に対応する、10ビット長である。FDビットマップの値「1110000111」は、フーリエ基底行列が仮想広帯域内の2つの帯域及び隔離された帯域の場所を説明することを示す。一実施形態では、センシング受信機502のセンシングエージェント516は、主インパルスの場所を通信することができる。
【0235】
図18図20は、(パイロットシンボル及びデータシンボルのために10個のトーンを残して)両側に3つのガードトーンを有する16点DFTを利用するフルTD-CRI内の主インパルスの通信の例を示しているが、説明は、32点DFT、64点DFT、128点DFT、256点DFT、512点DFT、1024点DFT、及びDFT中の任意の他の数の点、並びに可変数のガードトーンに等しく適用可能である。
【0236】
例示的な実装形態では、センシングエージェント516は、TDビットマップ及びFDビットマップをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。一例では、TDビットマップは、列(例えば、左から右)を示し得、FDビットマップは、R-CSIを計算するために、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを(それらが受信される順序で)配置する行(例えば、上から下)を示し得る。別の例では、各縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI値は、3つの部分、すなわち縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI値が属する列(又はDFTトーン番号)を表す値、及び主インパルスの振幅及び時間遅延値を含み得る。したがって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIごとに、センシングエージェント516は、通信された縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの各々の行と、3つの値{k、α、及びt}とを示すFDビットマップを送ることができる。
【0237】
縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI及び対応する場所情報を受信したことに応答して、センシングエージェント536は、R-CSIを作成するためにDFTを実施する前に、再構築されたTD-CRIを生成するように構成され得る。一実装形態では、センシングエージェント536は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI及び場所情報から、再構築されたTD-CRIを生成し得る。一例によれば、センシングエージェント536は、場所情報を使用して、再構築されたTD-CRI内の主インパルスの配置を決定し得る。次いで、センシングエージェント536は、再構築されたTD-CRIをR-CSIに変換し得る。
【0238】
一実装形態によれば、センシングエージェント536は、次元N×m(DN,m)の空のフーリエ基底行列を構築し得る。一実装形態では、FDビットマップに従って、FDビットマップ内の各ビット位置について、ゼロ(0)が存在する場合、センシングエージェント536は、DN,mの対応する行に全てゼロ(0)を入力し得る。一実装形態では、センシングエージェント536は、DN,mのp個の非ゼロ行をFp,mの値で埋めてもよい。一例では、センシングエージェント536は、Fp,mの値で埋める行、次いでDN,mの列を処理することができる。DN,mのp個の非ゼロ行をFp,mの値で埋めるための例示的なコード抜粋が以下に提供される。
【表10】
【0239】
一実装形態によれば、センシングエージェント536は、以下に提供される式(33)を使用して、選択された送信機のR-CSIを計算することができる。
N,m×c=H(f)…(33)
【0240】
一実装形態では、センシングエージェント536は、FDビットマップを使用して、選択されたセンシング送信機に割り当てられた成分周波数帯域の一部ではないR-CSIの行を除去することができる。次いで、結果として生じるR-CSIは、選択されたセンシング送信機のWi-Fiセンシングのために使用される。一部の実装形態では、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの行は、縮小された次元再構築されたフーリエ基底行列に連続して配置され、R-CSIを計算するために縮小された次元DFTが実施され、R-CSIは次いで、選択されたセンシング送信機のWi-Fiセンシングのために使用される。一実装形態では、センシングエージェント536は、R-CSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、動き又はジェスチャを検出することなど、センシング結果を取得することができる。
【0241】
センシング受信機502は、まず、フィルタ処理されたTD-CRIを生成し、次いで、フィルタ処理されたTD-CRIを、選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信の部分に縮小し、それによって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することが説明されているが、一部の実施形態では、フィルタ処理されたTD-CRIを生成することを必要とせず、代わりに、センシング受信機502は、縮小されたCRIを生成してもよい。一例では、縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり得る。縮小されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現を含み得る。縮小されたTD-CRIは、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示すFDビットマップを更に含み得る。一実装形態では、センシング受信機502は、センシング結果を取得するために、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送り得る。
【0242】
符号化された縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIがセンシングアルゴリズムマネージャ506によって受信されると、CSIの再構成は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの情報から行われる。一例では、正しく位置決めされた再構築されたTD-CRIは、DFTを介して周波数ドメインに変換し戻されたとき、R-CSIを作成する。一実装形態では、CSI値よりも著しく少ない縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIがあるため、センシングアルゴリズムマネージャ506の性能を損なうことになる情報の忠実度を失うことなく、CRIとしてセンシングアルゴリズムマネージャ506に空中で送信される必要がある情報の量が著しく減少する。したがって、送られる必要がある情報の量を最小化することは、システム500がネットワーク560にかけるオーバーヘッドを最小化する。更に、センシングアルゴリズムマネージャ506に送られるCRIは、R-CSIが移動又は動きを決定するために使用され得るように、選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信のためのR-CSIが、選択されたセンシング送信機が実際に広帯域信号を送信したかのように見えることを可能にする。
【0243】
図21A及び図21Bは、一部の実施形態による、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送るためのフローチャート2100を示す。
【0244】
フローチャート2100の実装形態の概要では、ステップ2102において、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのセンシング送信が受信される。ステップ2104において、センシング送信に基づいて、CSIを表すセンシング測定値が生成される。ステップ2106において、複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が識別される。ステップ2108において、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIが生成される。ステップ2110において、縮小されたCRIが、センシングアルゴリズムマネージャに送られる。
【0245】
ステップ2102は、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信することを含む。一実装形態では、センシング受信機502は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からのセンシング送信を受信するように構成され得る。
【0246】
ステップ2104は、センシング送信に基づいて、CSIを表すセンシング測定値を生成することを含む。一実装形態では、センシング受信機502は、センシング送信に基づいて、CSIを表すセンシング測定値を生成するように構成され得る。
【0247】
ステップ2106は、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別することを含む。一実装形態では、センシング受信機502は、複数のセンシング送信機504-(1~M)のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域を識別するように構成され得る。一例では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である。一部の例では、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む。
【0248】
ステップ2108は、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられているか又は割り当てられていない成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIを生成することを含む。一実装形態では、センシング受信機502は、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられているか又は割り当てられていない成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIを生成することを含むように構成され得る。
【0249】
一実装形態では、縮小されたCRIを生成することは、CSIのフルTD-CRIを生成することと、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示すFDビットマップを生成することと、を含む。
【0250】
一部の実装形態では、縮小されたCRIを生成することは、縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、主インパルスが、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、縮小されたTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を更に含む。一例では、主インパルスは、縮小されたTD-CRIの再構成を可能にするように選択される。別の例では、場所情報はビットマップを含み、更なる例では、場所情報は、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる。
【0251】
ステップ2110は、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送ることを含む。一実装形態では、センシング受信機502は、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャ506に送るように構成され得る。
【0252】
図22は、一部の実施形態による、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するためのフローチャート2200を示している。
【0253】
フローチャート2200の一実装形態の概要では、ステップ2202において、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIが受信される。ステップ2204において、再構築されたTD-CRIが、縮小されたCRIから生成される。ステップ2206において、再構築されたTD-CRIが、再構築されたCSIに変換される。ステップ2208において、再構築されたCSIに対してセンシングアルゴリズムが実行され、センシング結果が取得される。
【0254】
ステップ2202は、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIを受信することを含む。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、複数のセンシング送信機504-(1~M)からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたCRIを受信し得る。
【0255】
一実装形態では、縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、縮小されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示すFDビットマップと、を含む。
【0256】
一部の実装形態では、縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示すFDビットマップと、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む。
【0257】
ステップ2204は、縮小されたCRIから、再構築されたTD-CRIを生成することを含む。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、縮小されたCRIから、再構築されたTD-CRIを生成し得る。一実装形態では、センシングアルゴリズムマネージャ506は、場所情報、FDビットマップ、及び縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成し得る。
【0258】
ステップ2206は、再構築されたTD-CRIを、再構築されたCSIに変換することを含む。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、再構築されたTD-CRIを、再構築されたCSIに変換し得る。
【0259】
ステップ2208は、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することを含む。一実装形態によれば、センシングアルゴリズムマネージャ506は、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得し得る。
【0260】
方法及びシステムの種々の実施形態について説明してきたが、これらの実施形態は例示的なものであり、説明した方法又はシステムの範囲を決して限定するものではない。当業者は、記載された方法及びシステムの最も広い範囲から逸脱することなく、記載された方法及びシステムの形態及び詳細に変更を加えることができる。したがって、本明細書で説明される方法及びシステムの範囲は、例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従って定義されるべきである。
【0261】
本開示と一致する追加の実施形態には、少なくとも以下が含まれる。
【0262】
実施形態1は、送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むセンシング受信機によって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、方法は、受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成することと、縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送ることと、を含む。
【0263】
実施形態2は、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が、送信チャネル内の連続的な帯域である、実施形態1の方法である。
【0264】
実施形態3は、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、実施形態1又は2の方法である。
【0265】
実施形態4は、縮小されたCRIを生成することが、少なくとも1つのプロセッサによって、CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、実施形態1~3のいずれか1つの方法である。
【0266】
実施形態5は、縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、主インパルスが、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、縮小されたTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を更に含む、実施形態4の方法である。
【0267】
実施形態6は、主インパルスが、縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、実施形態5の方法である。
【0268】
実施形態7は、場所情報が、ビットマップを含む、実施形態5又は6の方法である。
【0269】
実施形態8は、場所情報が、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、実施形態5~7のいずれか1つの方法である。
【0270】
実施形態9は、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、実施形態1~8のいずれか1つの方法である。
【0271】
実施形態10は、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、場所情報、及び周波数ドメインビットマップを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、場所情報、周波数ドメインビットマップ、及びフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、実施形態5~9のいずれか1つの方法である。
【0272】
実施形態11は、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むデバイスによって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、方法は、受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信することと、少なくとも1つのプロセッサ上で動作するセンシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を含む。
【0273】
実施形態12は、縮小されたCRIが、縮小されたTD-CRIであり、縮小されたTD-CRIが、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、実施形態11の方法である。
【0274】
実施形態13は、縮小されたCRIが、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIが、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、実施形態11又は12の方法である。
【0275】
実施形態14は、Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、センシング受信機を備え、センシング受信機が、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、少なくとも1つのプロセッサが、受信アンテナを介して、複数のセンシング送信機からセンシング送信を受信し、センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表すセンシング測定値を生成し、複数のセンシング送信機のうちの選択されたセンシング送信機からの仮想広帯域センシング送信に関連付けられた成分周波数帯を識別し、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成し、かつ縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送るための命令を実行するように構成されている、システムである。
【0276】
実施形態15は、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が、送信チャネル内の連続的な帯域である、実施形態14のシステムである。
【0277】
実施形態16は、センシング送信に関連付けられた成分周波数帯域が、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、実施形態14又は15のシステムである。
【0278】
実施形態17は、縮小されたCRIを生成することが、CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたTD-CRIを生成することと、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、実施形態14~16のいずれか1つのシステムである。
【0279】
実施形態18は、少なくとも1つのプロセッサが、縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することであって、主インパルスが、フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、生成することと、縮小されたTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を行うための命令を伴って更に構成されている、実施形態14~17のいずれか1つのシステムである。
【0280】
実施形態19は、主インパルスが、縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、実施形態18のシステムである。
【0281】
実施形態20は、場所情報が、ビットマップを含む、実施形態18又は19のシステムである。
【0282】
実施形態21は、場所情報が、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、実施形態18~20のいずれか1つのシステムである。
【0283】
実施形態22は、少なくとも1つのプロセッサが、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIを取得し、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成し、かつセンシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を伴って更に構成されている、実施形態14~21のいずれか1つのシステムである。
【0284】
実施形態23は、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、場所情報、及び周波数ドメインビットマップを取得することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、場所情報、周波数ドメインビットマップ、及びフィルタ処理されたTD-CRIの主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、センシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、実施形態18~22のいずれか1つのシステムである。
【0285】
実施形態24は、Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、センシング受信機を備え、センシング受信機が、送信アンテナと、受信アンテナと、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、少なくとも1つのプロセッサが、複数のセンシング送信機からの選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域を含み、かつ複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信し、センシングアルゴリズムマネージャによって、縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成し、再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換し、かつセンシングアルゴリズムマネージャによって、再構築されたCSIに基づいてセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を実行するように構成されている、システムである。
【0286】
実施形態25は、縮小されたCRIが、縮小されたTD-CRIであり、縮小されたTD-CRIが、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、実施形態24のシステムである。
【0287】
実施形態26は、縮小されたCRIが、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIが、選択されたセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域の主インパルスの、複数のセンシング送信機の残りのセンシング送信機に関連付けられた成分周波数帯域が省略されている、時間ドメイン表現と、フルTD-CRI内の時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、フルTD-CRI内の主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、実施形態24又は25のシステムである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8
図9
図10
図11A-11B】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナと、受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むセンシング受信機によって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、
前記受信アンテナを介して、センシング送信機からセンシング送信を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表す1つ以上のセンシング測定値を生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシング送信機からの前記センシング送信に関連付けられた、広帯域チャネルの成分周波数帯域を識別することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記センシング送信機からの前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域を含む、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成することと、
前記縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送ることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記縮小されたCRIを生成することは、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含む、縮小されたTD-CRIを生成することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することと、
前記縮小されたTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を更に含み、
前記主インパルスは、前記フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記主インパルスは、前記縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記場所情報は、ビットマップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記場所情報は、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、前記場所情報、及び前記周波数ドメインビットマップを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記場所情報、前記周波数ドメインビットマップ、及び前記フィルタ処理されたTD-CRIの前記主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
受信アンテナと、命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含むデバイスによって実施されるWi-Fiセンシングのための方法であって、
前記受信アンテナを介して、広帯域チャネルの成分周波数帯域を含み、前記成分周波数帯域がセンシング送信機からのセンシング送信に関連付けられている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信することと、
前記少なくとも1つのプロセッサ上で動作するセンシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIにセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、
前記縮小されたTD-CRIは、
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、
前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の主インパルスの時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、
前記フルTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
センシング受信機を備え、
前記センシング受信機は、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記受信アンテナを介して、センシング送信機からセンシング送信を受信し、
前記センシング送信に基づいて、チャネル状態情報(CSI)を表す1つ以上のセンシング測定値を生成し、
前記センシング送信機からの前記センシング送信に関連付けられた、広帯域チャネルの成分周波数帯域を識別し、
前記センシング送信機からの前記センシング送信に関連付けられた前記成分周波数帯域を含む、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を生成し、かつ
前記縮小されたCRIをセンシングアルゴリズムマネージャに送るための命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項15】
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域は、送信チャネル内の連続的な帯域である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域は、送信チャネル内に非連続的な帯域を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記縮小されたCRIを生成することは、
前記CSIのフル時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成することと、
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現を含む、縮小されたTD-CRIを生成することと、
前記フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップを生成することと、を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記縮小されたTD-CRIの主インパルスを含む縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIを生成することと、
前記縮小されたTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報を生成することと、を行うための命令を更に実行するように構成され、
前記主インパルスは、前記フルTD-CRIの時間ドメインパルスのサブセットを表す、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記主インパルスは、前記縮小されたTD-CRIの再構築を可能にするように選択される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記場所情報は、ビットマップを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記場所情報は、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIに含まれる、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIを取得し、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIに基づいて、再構築されたCSIを生成し、かつ
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令更に実行するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項23】
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRI、前記場所情報、及び前記周波数ドメインビットマップを取得することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記場所情報、前記周波数ドメインビットマップ、及び前記フィルタ処理されたTD-CRIの前記主インパルスに基づいて、再構築されたTD-CRIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたTD-CRIに従って、再構築されたCSIを生成することと、
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIに従ってセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得することと、を更に含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
Wi-Fiセンシングのためのシステムであって、
センシング受信機を備え、
前記センシング受信機は、
送信アンテナと、
受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
広帯域チャネルの成分周波数帯域を含み、前記成分周波数帯域がセンシング送信機からのセンシング送信に関連付けられている、縮小されたチャネル表現情報(CRI)を受信し、
センシングアルゴリズムマネージャによって、前記縮小されたCRIから、再構築された時間ドメインチャネル表現情報(TD-CRI)を生成し、
前記再構築されたTD-CRIを、再構築されたチャネル状態情報(CSI)に変換し、かつ
前記センシングアルゴリズムマネージャによって、前記再構築されたCSIにセンシングアルゴリズムを実行して、センシング結果を取得するための命令を実行するように構成されている、システム。
【請求項25】
前記縮小されたCRIは、縮小されたTD-CRIであり、
前記縮小されたTD-CRIは、
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、を含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記縮小されたCRIは、縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIであり、
前記縮小されたフィルタ処理されたTD-CRIは、
前記広帯域チャネルの前記成分周波数帯域の主インパルスの時間ドメイン表現と、
フルTD-CRI内の前記時間ドメイン表現の場所を示す周波数ドメインビットマップと、
前記フルTD-CRI内の前記主インパルスの場所を示す場所情報と、を含む、請求項24に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0179
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0179】
図11A及び図11Bは、いくつかの実施形態による、4つの20MHz成分周波数帯域及びそれらの使用可能性状態を示す。図11Aは、4つの20MHz成分周波数帯域、すなわち、第1の成分周波数帯域1102、第2の成分周波数帯域1104、第3の成分周波数帯域1106、及び第4の成分周波数帯域1108を示している。図11Bは、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106のみが使用可能であり、第2の成分周波数帯域1104及び第4の成分周波数帯域1108は使用不可能であることを示している。一例では、第2の成分周波数帯域1104及び第4の成分周波数帯域1108は、他のデバイスによって使用されている可能性がある。図11Aに示すように、第1の成分周波数帯域1102及び第2の成分周波数帯域1104は、非連続的な成分周波数帯域である。更に、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106は利用可能であるが、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106は、第2の成分周波数帯域1104によって隔離(又は分離)されている。一実装形態では、40MHz広帯域チャネルは、第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106を(第1の成分周波数帯域1102及び第3の成分周波数帯域1106が第2の成分周波数帯域1104によって隔離されていたとしても)ひとまとまりのエンティティとして連結することによって形成され得る。1つ以上の非連続的な成分帯域で構成されたこのタイプの広帯域チャネルは、仮想広帯域チャネルと呼ばれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7B
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7B
【国際調査報告】