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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】柔軟で伸縮可能な構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20240918BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240918BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H05K1/14 H
H01L23/12 501F
H05K1/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513532
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 US2022075795
(87)【国際公開番号】W WO2023034886
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】17/446,598
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521075321
【氏名又は名称】リキッド ワイヤ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIQUID WIRE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ローナイ, マーク ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】リビエラ, トレバー アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス, マイケル アドベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン, キャサリン エム.
(72)【発明者】
【氏名】キンゼル, チャールズ ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5E338
5E344
【Fターム(参考)】
5E338AA12
5E338BB19
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338EE60
5E344AA02
5E344AA19
5E344BB02
5E344BB03
5E344BB05
5E344CC09
5E344CD27
5E344DD08
5E344DD10
5E344EE30
(57)【要約】
装置、システム、および方法は、基板層、基板層に結合された金属層、基板層および金属層に結合された封止材、ならびにステンシル・イン・プレース構造を含む。封止材は、金属層を環境条件から電気的に絶縁するように構成される。ステンシル・イン・プレース構造は、ステンシル基板と、チャネル内に固定された導電性ゲルと、ステンシル基板によって形成されたビアとを含み、導電性ゲルは、金属層に電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレキシブル基板と、前記第1のフレキシブル基板に固定された第1の電子部品と、部分的に導電性ゲルから形成された第1の可撓性導電トレースと、を含む第1の構造と:
第2のフレキシブル基板と、前記第2のフレキシブル基板に固定された第2の電子部品と、部分的に導電性ゲルから形成された第2の可撓性導電トレースと、を含む第2の構造と、を備え、
前記第1の構造は相互接続領域において前記第2の構造に接合され、前記第1の導電トレースは相互接続領域内で前記第2の導電トレースに電気的に接続され、前記第1の電子部品は前記第2の電子部品に動作可能に接続されることを特徴とするフレキシブルハイブリッド電子装置。
【請求項2】
前記第1の構造はハブ構造であり、前記第2の構造は周辺構造である請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記ハブ構造はそれぞれが異なる周辺構造に接合されるように構成された複数の相互接続領域を備え、前記ハブ構造は複数の可撓性導電トレースを備え、前記複数の相互接続領域のそれぞれは前記複数の導電トレースのうちの少なくとも1つを含む請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第1の電子部品がコントローラを備え、前記第2の電子部品が前記コントローラに情報を提供する請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2の電子部品は、センサ、アンテナ、光源、ディスプレイ、電源、補助コントローラ、高電力電気バス、または火力発電機のうちの1つである請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記センサは、歪センサ、誘導式圧力センサ、抵抗式圧力センサ、および静電容量式タッチセンサのうちの少なくとも1つである請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1および第2のフレキシブル基板は、共通の材料からなる請求項1に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1および第2のフレキシブル基板は、移送積層で互いに接合される請求項1に記載の電子装置。
【請求項9】
前記移送積層が、樹脂層および熱可塑性フィルム層の少なくとも一方を含む請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記樹脂層がBステージ樹脂からなる請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記第1および第2の可撓性導電トレースが、前記Bステージ樹脂内に形成されたチャネル内に少なくとも部分的に形成される請求項10に記載の電子装置。
【請求項12】
前記移送積層が、前記第1および第2のフレキシブル基板のうちの少なくとも一方の少なくとも一部を備える請求項8に記載の電子装置。
【請求項13】
前記移送積層が、熱可塑性フィルムおよびBステージ樹脂フィルムのうちの1つの追加の層を含む請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
少なくとも1つのビアが前記第1の構造、前記第2の構造、および前記移送積層のそれぞれに設けられ、前記ビアが前記第1の可撓性導電トレースと前記第2の導電トレースとの間の電気通信を可能にするように整列される請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記ビアが導電性ゲルで充填される請求項14に記載の電子装置。
【請求項16】
前記第1および第2の構造は、熱および圧力のうちの少なくとも1つを使用して接合される請求項12に記載の電子装置。
【請求項17】
前記第1および第2の可撓性導電トレースのうちの少なくとも1つが、前記相互接続領域内にビアを形成し、前記ビアが、前記第1および第2の可撓性導電トレースを互いに電気的に結合する請求項1に記載の電子装置。
【請求項18】
前記第1の構造は、前記第1のフレキシブル基板に結合された金属層を備える請求項1に記載の電子装置。
【請求項19】
前記金属層は、前記第1の可撓性導電トレースに電気的に接続される請求項18に記載の電子装置。
【請求項20】
前記第1の電子部品が前記金属層によって前記第1のフレキシブル基板に固定されるように、前記第1の電子部品が前記金属層に取り付けられる請求項18に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この特許出願は、2021年8月31日に出願された米国特許出願第17/446,598号に対する優先権の利益を主張する。この米国特許出願第17/446,598号は、2020年8月31日に出願された米国仮特許出願第63/072,920号および2021年7月30日に出願された米国仮特許出願第63/203,796号の優先権の利益を主張する。これらの各々の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル(可撓性)電子回路(Flexible electronic circuits)は、衣料品や着用可能な物品や消費者や産業用途となど様々な状況で使用される。そのような電子回路を備えた物品は、当該物品の使用の一部として、日常的に可撓性があり、伸張性があり、さらに屈曲可能であることが期待される。電子部品(エレクトロニクス)が典型的なユーザによって理解されるように、可撓性および伸縮性であるように製造される限り、そのような特性は、典型的には複数の要因によって制約される。そのような制約の中には、モジュール構造の難しさがある。そのようなフレキシブル回路の設計を制限する制約、例えば、はんだ付けまたは他の破断可能および/または非伸縮性材料を用いて相互連結点を一体に連結する困難性などがある。そのため、得られるアセンブリの全範囲のフレキシビリティを維持しながら、複数のフレキシブル電子構造を一緒に連結することは、非常に制限されるか、または不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、改良されたフレキシブルハイブリッド電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、第1のフレキシブル基板と、前記第1のフレキシブル基板に固定された第1の電子部品と、導電性ゲルから部分的に形成された第1の可撓性導電トレースと、を含む第1の構造と、第2のフレキシブル基板と、前記第2のフレキシブル基板に固定された第2の電子部品と、導電性ゲルから部分的に形成された第2の可撓性導電トレースとを含む第2の構造と、を備えるフレキシブルハイブリッド電子システムであって、前記第1の構造は相互接続領域において前記第2の構造に接合され、前記第1の導電トレースは前記相互接続領域内において前記第2の導電トレースに電気的に接続され、前記第1の電子部品は前記第2の電子部品に動作可能に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
任意の特定の要素または行為の議論を容易に識別するために、参照番号における最上位の1つまたは複数の数字は、その要素が最初に導入された図番号を指す。
【0006】
図1図1は、例示的な実施形態における、可撓性で伸縮可能な構造の例である。
【0007】
図2図2は、例示的な実施形態における、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システムの簡略図である。
【0008】
図3図3は、例示的な実施形態における、相互接続領域の詳細な断面ブロック図である
【0009】
図4図4は、例示的な実施形態における、テキスタイルシステムの断面図である。
【0010】
図5図5は、例示的な実施形態における、アイランドアーキテクチャを組み込む例示的なフレキシブル回路の上面等角図(top isometric view)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な方法およびシステムは、モジュール式変形可能電子アセンブリ、システム、および方法を対象とする。例は、可能な変形例を単に代表するものである。特に明記しない限り、構成要素および機能は任意であり、組み合わされてもよく、または細分されてもよく、動作は、順序が変わってもよく、または組み合わされてもよく、または細分されてもよい。以下の説明では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本主題がこれらの具体的な詳細なしに実施できることは、当業者には明らかであろう。
【0012】
可撓性および伸縮性の構造体を電気的および機械的に互いに結合させる一方で、アセンブリ全体の可撓性および伸縮性特性を維持することを可能にする可撓性および伸縮性のモジュール式アセンブリが開発されている。そのようなモジュール式システムは、中央演算コアまたは要素および1つまたは複数の接着可能な周辺機器などの接着可能なモジュール式電子積層体を含むことができる。中央演算コアは、1つまたは複数の集積回路、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、コンタクト端子などとして実装され、および/またはそれらとともにパッケージ化される1つまたは複数のコントローラまたは処理部を含むことができる。周辺機器は、1つまたは複数のコンデンサ、抵抗器、インダクタ、接触端子、ダイオード(LEDを含む)、センサ(圧力、歪み、温度センサなど)などを含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、本質的に可撓性および/または伸縮性があり、パッケージ化および/または非パッケージ化、能動および/または受動などの任意の形態の電子素子をホストすることができる移送積層体または他のコンポーネントを用いて形成することができる。そのような電子素子の例には、マイクロコントローラ、微小電気機械システム(MEMs)デバイス、抵抗器、コンデンサおよび/またはインダクタなどの受動電子機器、オペアンプ、無線素子、圧力センサ、発光ダイオード(LEDs)、歪みセンサ、メモリデバイス、電力管理および/またはバッテリ部品、アクチュエータなどが含まれる。パッケージ化された部品の例は、システムオンチップ(SoC)パッケージ、ならびにフレキシブルおよび/または伸縮可能な相互接続システムおよび/またはFR4もしくはカプトンプリント回路基板(PCBs)などの剛性相互接続システム上に実装された機能回路にまとめられた複数のパッケージ化された部品を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、2020年6月2日に発行された米国特許第10,672,530号「DEFORMABLE CONDUCTORS AND RELATED SENSORS, ANTENNAS AND MUTIPLEXED SYSTEMS」および2021年8月10日に発行された米国特許第11,088,063号「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」に開示されている材料および/または技術のいずれかを使用して、移送積層体(transfer laminate)および/または他のモジュール部品を基板上でおよび/または互いに結合および/または相互接続することができる。これらの特許の両方はその全体が参照により組み込まれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、移送積層体上にホストされる部品が例えば、ボンディング工程などの1つまたは複数のアセンブリ工程中に機械的および/または電気的に、I/Oパッドやピンを介して、基板に対しおよび/または互いに電気的に接触することができる。そのような結合(接触)は、例えば、化学結合、熱結合、圧着、超音波結合、および/またはポリマー基板などの類似または異種材料を互いにおよび/またはテキスタイルなどの別の基板に結合するために使用される任意の他の方法を介して、接着剤などの中間剤の使用を介して、起こるようにしてもよい。
【0016】
本開示の発明の原理のいくつかは、例えば、その周囲に周辺センサ、ユーザインターフェース、および/または他のアクセサリ回路が衣料品、履物、産業用監視機器、医療機器などのソフトグッズの製造時に配置される汎用CPUまたはマイクロコントローラ・ユニットを含む、任意の複雑なシステムのアセンブリを可能にする。いくつかの実施形態のモジュールの性質は、製造業者が均一な結合ステップを通して機能性を追加しながら、製品ごとにどの機能性が実装されるかを決定することを可能にする。1つまたは複数のモジュール部品は、例えば、マイクロコントローラをホストする移送積層体が多種多様な周辺機器を受け入れる「ハブアンドスポーク(hub and spoke)」モデルにおける移送積層体から構成してもよい。いくつかの実施形態は一般的な計算能力を拡大するために、および/または追加され得る周辺機器の数を増加させるために、複数のマイクロコントローラ移送積層体を使用するオプションを含むことができる。
【0017】
図1は、例示的な実施形態における、可撓性で伸縮可能な構造102の例である。可撓性で伸縮可能な構造102は、基板層(フレキシブル基板)104と、基板層104の主表面上の金属層106とを含む。様々な例では、金属層106が基板層104上に蒸着(堆積)される。金属層106は例えば、任意の適切な機構に従って基板層104に固定された無酸素銅であってもよい。様々な例では、金属層106が金属箔であるか、または金属箔を含み、金属箔は任意選択で、熱および圧力のうちの少なくとも1つと組み合わせて圧延操作を使用して、基板層104に積層されてもよい。様々な例では、基板層104が他の適切な化合物または材料の中でも、熱硬化性または熱可塑性フィルム、例えばBステージ樹脂フィルム、Cステージ樹脂フィルム、接着剤、熱硬化性エポキシ系フィルムまたは他の伸縮性フィルム、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、および/またはシリコーンのうちの1つから形成される。一例では、可撓性および伸縮性構造102が銅クラッドエポキシ系フィルムを含む。さらに、基板層104は上述の材料のいずれかから直接形成することができるが、そのような材料は任意の適切な供給源から得ることができる。したがって、例えば、Bステージ樹脂またはTPUから部分的に形成された移送積層体は、基板層104として利用でき、移送積層体の他の部分は最終的な可撓性および伸縮性構造102に含まれる。したがって、基板層104は可撓性層として定義されてもよく、したがって、代替案ではフレキシブル基板層104として説明されてもよい。また、フレキシブル基板層は、伸縮可能であってもよく、したがって、フレキシブル基板層は、フレキシブルで伸縮可能な基板層として定義されてもよいことをさらに理解されたい。したがって、基板層104は、基材層、可撓性基材層、および可撓性・伸縮性基材層のいずれかとして互換的に記載されてもよい。
【0018】
2つの層、すなわち、基板層104および金属層106が図示されているが、この例および本明細書の様々な例では、可撓性および伸縮性構造102または可撓性および伸縮性構造102の原理に従って形成された構造を組み込むことが、層の数を、たとえば、基板層104と金属層106との交互のパターンに従って、必要に応じて増加させることができることを認識および理解されたい。したがって、可撓性および伸縮性構造102を有する本明細書の実施例は、複数の基板層104および/または金属層106を組み込むことができ、それぞれは、所望に応じて異なる方法で構成される。
【0019】
可撓性および伸縮性構造102は、金属層106を利用して、電源、外部プロセッサ、制御回路、および様々な個別の(離散的な)電気部品など、より広いシステムの外部部品に、またはそれらと電気的に結合することができる。基板層104の詳細は、米国特許出願公開第2020/0381349号、「CONTINUOUS INTERCONNECTS BETWEEN HETEROGENEOUS MATERIALS」、Ronay et al.に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。追加的または代替的に、金属層106は、例えば、少なくとも1つの基板層104と封入層(図示せず)との間に配置されたパターン化金属ゲルまたは他の流体相導体(fluid phase conductor)を含む封入流体相導体層で置換されてもよい。
【0020】
追加的または代替的に、基板層104は、以下の特性を有することができる:550%の引張伸び(tensile elongation);5.0メガパスカルの引張弾性率(tensile modulus);95%の回復率;100マイクロメートルの厚さ;少なくとも1.0キロニュートン/メートルの90度での剥離強度;10ギガヘルツで2.3の誘電率;10ギガヘルツで0.0030の誘電正接(dielectric dissipation factor);80マイクロメートルの厚さで7.0キロボルトの破壊電圧;窒素雰囲気中で10サイクルにわたって260℃の環境で変化を生じない耐熱性;およびNaOH、Na2CO3、または銅エッチャントのいずれかに24時間浸漬した後に基板層104に変化を生じない耐薬品性。一例では、可撓性で伸縮可能な構造102が図示されるように、金属層106が配置される主表面とは反対側の基板層104の第2の主表面上に、第2の金属層、例えば、箔または他のクラッドであってもよく、またはそれを含んでもよい。様々な例では、可撓性および伸縮性構造体102が特許協力条約出願第PCT/JP2017/045989号、「STRETCHABLE MEMBER WITH METAL FOIL」、Tangyii et al.(「’989出願」)に開示されている構造体であってもよく、またはそれを含んでもよい。その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
図2は、例示的な実施形態におけるモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の簡略図である。モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202はシステム202の様々な構成部品を示すが、明確にするために、必ずしもすべての構成部品が含まれているわけではない。さらに、システム202を形成するための様々な技法が説明されているが、そのような技法は非限定的な方法の説明のために開示されており、システム202を形成することができ、可撓性、モジュール式、およびスケーラブルである電子システムを作製する一般原理と整合する任意の適切な機構を実装することができることを認識および理解されたい。
【0022】
モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202は、第1の構造(構造体)204と第1の構造に連結された第2の構造(構造体)206とを含む。一例では、第2の構造206が相互接続領域208において第1の構造204に接合される。しかしながら、様々な例では、第2の構造206を第1の構造204に連結するための任意の好適な機構が利用される。特定の材料や第1の構造204と第2の構造206との間の所望の連結に基づいて、適切かつ所望に応じて利用することができる。さらに、相互接続領域208は、相互接続領域208内の第1の構造204および第2の構造206の垂直重複部分として示されているが、相互接続領域208は水平接続であってもよい。また、第1の構造204および第2の構造206は互いに対して同一平面上にあり、互いに直接結合されるか、または第1の構造204と第2の構造206との間の結合を可能にする構造、たとえば、本明細書で開示されるような移送積層体であってもよいことが認識され、理解されるべきである。さらに、相互接続領域208は、システム202に全体にわたって変えることができ、各相互接続領域208は必ずしも同じ方法で実装されない。
【0023】
第1の構造204は、第1の可撓性基板(フレキシブル基板)214上またはその内部に配置され、それに固定された第1の電子部品210と、第1の可撓性導電トレース(flexible conductive traces)212とを含む。第1の可撓性基板214および第1の可撓性導電トレース212は、図1の可撓性および伸縮性構造102に部分的に基づいて、本明細書に開示されるような導電性ゲルと同じ材料で形成されてもよい。一例では、第1の電子部品210は、マイクロコントローラ、プロセッサ、マイクロプロセッサなどの少なくとも1つのコントローラを含む。また、第1の構造204の他の電子部品およびモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の他の電子部品から情報を受信することができる任意の他の電子部品などの少なくとも1つのコントローラを含み、一般に、計算または演算を実行し、第1の構造204の他の電子部品およびモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の他の電子部品にデータおよび/またはコマンドを出力する。また、第1の電子部品210は、コントローラをサポートすることができるか、またはコントローラにデータを提供するか、コントローラからコマンドを受信することができる、当技術分野で知られている任意の他の適切な受動または能動電子部品を含むことができる。これらの部品は、センサ、入力/出力デバイス、電源などを含むが、これらに限定されない。
【0024】
図示の例では、第1の電子部品210が第1のフレキシブル基板214上またはその内部に配置された第1の可撓性導電トレース212を用いて、互いに、およびその相互接続領域208に電気的に結合される。第1の可撓性導電トレース212は、各第1の可撓性導電トレース212の長さに沿って電気的接続性を破壊したり、損失したりすることなく、第1のフレキシブル基板214と共に各寸法で屈曲または伸張するように構成される。様々な例では、第1の可撓性導電トレース212のうちの少なくとも1つは本明細書に開示されるような導電性ゲルを含む。様々な例では、第1の可撓性導電トレース212の一部または全部が第1の可フレキシブル基板214の表面上に印刷された金属を含む。そのような例では、印刷された金属が導電性ゲルに電気的に結合されて、所与の第1の可撓性導電トレース212を形成してもよい。また、様々な例では、第1の可撓性導電トレース212の間に完全な第1の可撓性導電トレース212を形成してもよい。
【0025】
第2の構造206は、第1の構造204と同様の関係の同様の要素を含み、第2の電子部品216および第2の可撓性導電トレース218が第2のフレキシブル基板(可撓性基板)220上に固定されるか、またはその内部に固定され、第2のフレキシブル基板に結合される。第2のフレキシブル基板220は、第1のフレキシブル基板214と同じように形成され、同じ材料を含むことができ、すなわち、第1のフレキシブル基板214と均質であり、可撓かつ伸縮可能な構造102の特性および配向を組み込むことができる。第2の可撓性導電トレース218は導電性ゲルの全体または一部を形成することができ、第2のフレキシブル基板220上に印刷金属をさらに含むことができる。
【0026】
第2の電子部品216は、第1の電子部品210と連動して動作するように構成された電子部品であってもよく、第1の電子部品210は制御部である。したがって、様々な例では、第2の電子構成要素216がセンサ、アンテナ、光源、ディスプレイ、ボタンなどの入力/出力デバイス、電源、高電力電気バス、熱発電機、補助コントローラなどのうちの1つまたは複数であってもよい。センサは、歪センサ、誘導圧力センサ、抵抗圧力センサ、または容量性タッチセンサのうちの1つまたは複数であってもよい。第2の電子部品216の例は限定ではなく例示として提供され、様々な能動または受動電子部品のいずれかが、第2の電子部品216を構成することができることを認識および理解されたい。したがって、第2の電子部品216は、例えば、信号、電圧、電流などの形態で、第1の電子部品210に情報を送るか、またはそこから情報を受信することができ、共通システムの一部として第1の電子部品210と連携して動作する。様々な例では第2の構造206のうちの1つまたは複数が2018年10月11日に出願された米国特許出願公開第2019/0056277号、「SENSORS WITH DEFORMABLE CONDUCTORS AND SELECTIVE DEFORMATION」、および/または2020年6月4日に出願された米国特許出願公開第2020/0386630号、「DEFORMABLE SENSORS WITH SELECTIVE RESTRAINT」に開示された原理に従って形成することができる。これらの両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
第1の構造204の第1のフレキシブル基板214および第2の構造206の第2のフレキシブル基板220は、可撓性があり伸縮可能な構造102およびその単一の基板層104に関して説明されているが、第1の構造204および/または様々な第2の構造206は任意の適切な多層プロセスに従って形成されてもよく、本明細書で提供される単層構造は限定ではなく例示のためのものであることが認識され、理解されるべきである。したがって、第1の構造204および/または第2の構造206は、例えば、2021年8月10日に発行された米国特許第11,088,063号「STRUCTURES WITH DEFORMABLE CONDUCTORS」および2021年7月30日に出願された米国仮特許出願第63/203,796号「FLEXIBLE AND STRECHABLE STRUCTURES」に開示されたステンシル・イン・プレース方法(stencil-in-place methods)に従って形成された多層構造体であってもよく、本出願は後者の出願の優先権の利益を主張する。これらの両方は、その全体が本明細書に組み込まれる。さらに、任意の他の好適なマルチ可撓性構造またはそのようなマルチ可撓性構造を作製する方法を利用して、第1の構造204および/または第2の構造206を含む多層第1構造体(multilayered first structure)を作製することができる。
【0028】
図示の例では、各相互接続領域208が第1の構造204の第1の可撓性導電トレース212を第2の構造206の関連する第2の導電トレース218に接続するように構成された少なくとも1つのビア222を含む。様々な例では、ビア222がステンシル・イン・プレース機構に従って導電性ゲルで形成される。ビア222は、第1の構造204を関連する第2の構造206に結合することと、別の第2の構造206が後にモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202に追加されるための潜在的な接続点として存在する。したがって、様々な例では、ビア222が相互接続領域208の一部である場合、ビア222は本明細書で図示するように、第1のフレキシブル基板214から第2のフレキシブル基板220まで、移送積層体または他の介在材料または構造を通って延在する。ビア222が電気的に相互接続領域208の一部ではない場合、すなわち、ビア222がモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の一部であるが、部分的に接続点として働く第2の構造206まで延在しない例では、ビア222が第1のフレキシブル基板214の少なくとも一部を通って延在する。
【0029】
第1の構造204および/または第2の構造206は、本明細書に開示されるようなアイランド構造に従って形成されてもよい。そのようなアイランドアーキテクチャでは、電子部品210および/または216に関連するコンタクトパッドが第1の構造204または第2の構造206の複数の層にわたって延在するようにビア222に結合される。したがって、ビア222は第2の構造206を第1の構造204に電気的に接続する目的のために相互接続領域208内に含まれるものとして図示されているが、1つまたは複数のビア222を利用して、1つまたは複数の層内の関連する第1の構造204または第2の構造206をステンシル・イン・プレース部分(stencil-in-place portion)の導電トレース212および/または218に、またはそれらの間で電気的に接続することができる。そのようなビア222は、アイランド構造の接触パッドまで延在してもよく、金属ゲル単独で、および/または別の流体相導体、導電性エポキシ、はんだ、または接触パッドに物理的および/または電気的に結合された他の導電性媒体と組み合わせて充填されてもはんだ付けされてもよい。
【0030】
図示のように、第1の構造204はハブ構造であり、第2の構造206は周辺構造である。一例では、ハブまたは第1の構造204が複数の他の構造に結合(連結)されるように構成される任意の構造として定義されてもよく、周辺または第2の構造206は1つの他の構造、すなわち、ハブまたは第1の構造204のみに結合されるように構成される任意の構造として定義されてもよい。また、ハブ構造は、第1の電子部品210としてコントローラを含む構造であると理解されるが、周辺構造も第1の構造204のコントローラを補足するように動作するコントローラを含むことができることを認識および理解されたい。したがって、コントローラの存在は、必ずしも第1の構造204または第2の構造206の区別に役立つとは限らない。
【0031】
モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202は、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の種々の構成部品や要素間の電気的接触を切断または喪失することなく、3つの空間次元のいずれかに沿って、ある程度、配向または寸法を延伸、折り畳み、または変化させることが可能であるようにすることによって、可撓性を有するように構成される。結果的に、延伸、可撓、屈曲、または他の変形に対する全能力は、例えば、フレキシブル基板214、220のために使用される材料の物理的特性、または導電トレース212、218との電気的接触を維持するための電子部品210、216の能力によって制限されるが、それにもかかわらず、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202は従来のモジュール式エレクトロニクス、または可撓性を有するように特別に設計された従来のモジュール式エレクトロニクスよりもはるかに優れた可撓性を有するか、または他の方法で変形可能である。第1の構造204および第2の構造206は、例えば、第1の電子部品210および第2の電子部品216に近接して、補強材または延伸ロックアウト機構をさらに組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、補強部材がテキスタイルセグメント、ポリマーフィルムセグメント、例えば、ポリイミドフィルム、または任意の他の適切な可撓性材料である。様々な例では、補強部材がモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202に、必要に応じて、第1の電子部品210および第2の電子部品216の長さの2倍よりも大きい曲げ半径を持たせることができる。曲げ半径は、IPC-2223の設計基準の原理を使用して計算することができる。
【0032】
上述のように、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の描写は、そのコンポーネントを例示する目的で簡略化されており、より多くの、または、特定の例ではより少ない電子部品210、216、導電トレース212、218、およびビア222を実装することができる。特に、相互接続領域208は、典型的には制御入力または出力、センサ信号出力、電力、グランド、および当技術分野で知られている他の目的を可能にするために、複数のビア(multiple vias)222を有することができる。様々な例では、各相互接続領域208は、様々な標準的な周辺機器の第2の構造206のいずれかが取り付けられ、交換可能で標準的なノードであることを可能にする共通のビアのセット222を含む。したがって、そのような例では、ユーザが特定の第2の構造206を相互接続領域208にモジュール式に追加することによって特定の機能を果たすように、所与のモジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202を必要に応じて特別に構成することができる。相互接続領域208の共通の構造および第2の構造206の物理的構成により、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム全体202は、第1の構造204および第2の構造206の可撓性および伸縮性を維持しながら、モジュール式に拡張可能かつ構成可能である。
【0033】
図3は、例示的な実施形態における、相互接続領域208の詳細なブロック図である。相互接続領域208は、第1の構造204の第1のフレキシブル基板214を第2の構造206の第2のフレキシブル基板220に接合するために、移送ラミネート層(積層体層)302を組み込む。ビア222が、第1のフレキシブル基板214、移送ラミネート層302、および第2のフレキシブル基板220を通って延びて、第1の可撓性導電トレース212を第2の導電トレース218に電気的に接続する。
【0034】
上述のように、移送ラミネート層302は、例えば、移送ラミネート層302、第1のフレキシブル基板214、および第2のフレキシブル基板220に熱および/または圧力を加えることによって、第1のフレキシブル基板214を第2のフレキシブル基板220に接合することができる任意の適切な移送積層体であってもよい。一例では、ビア222が移送ラミネート層302に穴をあけるか、または他の方法で穴を形成し、形成された穴に導電性ゲルを挿入することによって形成され、移送ラミネート層302を導電性ゲルのための封止材として機能させる。様々な例では、穴は、例えば、本明細書に開示されるステンシルインプレースプロセスを通して、第1のフレキシブル基板214および第2のフレキシブル基板220に穿孔されるか、または他の方法で形成される。
【0035】
モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202における移送積層体の使用は、移送積層体層302に限定されない。上述のように、第1のフレキシブル基板214および/または第2のフレキシブル基板220自体は部分的に、移送積層体および/または移送積層に共通の材料から形成されてもよい。したがって、相互接続領域208は、特に、第1の構造204と第2の構造206との間の均質な相互接続である。
【0036】
さらに、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202を他の構造に接合することを可能にするために、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202において移送積層体をより一般的に利用することができる。したがって、例えば、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202は、織物、布地、ゴム、伸縮性ポリマー、または任意の他の適切な基材に接合されてもよい。そのような例では、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202に含まれているセンサが基材の状態を感知することができ、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の入力/出力デバイスは、例えば、基材がウェアラブル物品の一部である場合など、基材に機能を提供することができる。
【0037】
一例では、スマートシャツが第2の構造206上の任意の態様の周辺機器に接続された第1の構造204上のマイクロコントローラを含むことができる。例えば、第1の構造204は、移送積層体上にホストされたマイクロコントローラを含むことができ、移送積層体上にそれ自体がある一連の少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む第2の構造206に接続することができる。一例では、マイクロコントローラがLEDパターンまたは他の視覚出力を駆動することができる。いくつかの実施形態は、さらに、マイクロコントローラ積層体を含む同じ第1の構造204に取り付けられ、および/または接合される1つまたは複数の歪みセンシング周辺積層体を含む第2の構造206を含むことができる。その結果、歪みセンシング周辺積層体を含む第2の構造206の物理的位置で受ける歪みが、マイクロコントローラにLEDパターンをどのように駆動するかを知らせることができる。いくつかの実施形態では、圧力センサまたはボタンをホストする別個の周辺の第2の構造206が適所に接着されて、LEDディスプレイおよび/または任意の他の機能のユーザ選択を可能にすることができる。したがって、本明細書に開示されるモジュール式システムでは、製造業者が例えば、様々な価格ポイントで、および/または様々な機能を果たすために、様々な製品を迅速におよび/または効率的に組み立てることができ、すべて、同じまたは同様のプロセスで一緒に結合されたモジュール構造の同じまたは同様のプロセスを使用することができる。本明細書に開示される原理は、シューズ、レギング、帽子、バックパックまたは他のバッグ、工業用織物、室内装飾、ジオテキスタイル、非織物膜、および/または移送積層体が結合される任意の他の製造物品を含むものにさらに適用できることを認識および理解されたい。
【0038】
図4は、例示的な実施形態における、テキスタイルシステム402の一部分の断面図である。テキスタイルシステム402は、第1の構造204を含み、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の第2の構造206は、図を簡単にするために図示されていない。しかしながら、少なくとも1つの第2の構造206は、本明細書に開示されるように第1の構造204に動作可能に結合され、第2の構造206は第1の構造204に関して開示される同じ原理に従って実装できることを認識および理解されるべきである。
【0039】
第1の構造204は、第1のフレキシブル基板214およびテキスタイル404に接合された移送ラミネート層(移送積層体層)302を含む。したがって、移送ラミネート層302は第1の可撓性導電トレース212のための封止材としても、テキスタイル404との結合剤としても機能し、それによって、第1の構造204を特に、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202をテキスタイル404に概ね固定する。導電性ゲルを含むビア222が、第1のフレキシブル基板214内に形成されて、第1の電子部品210を第1の可撓性導電トレース212に電気的に接続する。
【0040】
その結果、モジュール式フレキシブルハイブリッド電子システム202の様々な構成要素は、テキスタイル404と連動して、屈曲、伸張、または他の方法で移動することができる。結果として、第1の構造204または第2の構造206上に組み込まれたセンサは、テキスタイル404の変化またはテキスタイル404の周囲の条件、例えばテキスタイル404の着用者もしくはテキスタイルシステム402の使用者の変化、またはテキスタイル404の周囲の条件の変化を感知することができる。様々な例では、テキスタイル404が非導通または絶縁性の繊維、フィラメント、または糸、例えば、ナイロンまたは他の適切な非導通材料から構成される。様々な追加的または代替的な例では、テキスタイル404が非導電性繊維に加えて、または非導電性繊維の代わりに、導電性糸または繊維を組み込むことができる。
【0041】
上記のシステムのように、テキスタイルシステム402は、例えば、限定ではなく提示され、本明細書に開示される構成要素の様々な組合せおよび置換が実装できることを認識および理解されるべきである。したがって、様々な例では、テキスタイルシステム402が移送ラミネート層302の代わりに、またはそれに加えて、テキスタイル404を第1のフレキシブル基板214に、またはテキスタイルシステム402の任意の他の適切な構成要素に結合することができる。
【0042】
図5は、例示的な実施形態における、アイランドアーキテクチャを組み込む例示的なフレキシブル回路の上面等角図である。フレキシブル回路500は、1つまたは複数のステンシル・イン・プレース構造(stencil-in-place structure)を含むことができる基板506を含む。アイランド構造502は、上記で開示された伸縮可能な金属クラッドフィルム構造のうちの1つと同様に、フレキシブル回路500に結合することができる。追加の電子部品504は、フレキシブル回路500に含まれ、基板506のステンシル・イン・プレース部分に物理的に取り付けられ、図示のように金属ゲルトレース508および510、および/またはアイランド構造502に電気的に接続するように構成され、または回路設計の慣例に従って様々な構成であってもよい。いくつかの実施形態では、金属ゲルトレース508および510の厚さは、アイランド構造502上に提供される金属トレースとは異なってもよい。本明細書で説明するように、アイランド構造502は、少なくとも伸縮基板104と、金属トレースおよび接触パッドのパターンを備えた金属層102と、電子部品302とを含み、より大きい回路(たとえば、フレキシブル回路500)の上または内部に配置されるように構成された別個の回路である。アイランド構造502は、アイランド構造502およびフレキシブル回路500の両方の1つまたは複数の層内の1つまたは複数のビアによって、フレキシブル回路500のステンシル・イン・プレース部分のトレースに電気的に接続される。そのようなビアは、アイランド構造502の接触パッドまで延びてもよく、金属ゲルのみで、および/または別の流体相導体(fluid phase conductor)、導電性エポキシ、はんだ、または接触パッドに物理的および/または電気的に接続された他の導電性媒体と組み合わせて充填されてもよい。
【0043】
全ての例において、構造は、各層が形成され、前もって組み立てられた層の上(または下)に配置される、層ごとのプロセスにおいて付加的に構築されてもよい。したがって、各層は構造全体の所望の特性を提供するように、多くの異なる方法でカスタマイズすることができる。各層は上述のように、導電性ゲルで充填されたスロットまたはチャネルを有するステンシル層を除いて、実質的に1つの材料から形成される。しかしながら、金属膜層106を使用する低電力回路の場合、本明細書に開示される構造のために企図される機能を実行するために必要とされる金属の体積は、比較的最小であることに留意されたい。したがって、金属層の厚さは、非常に小さく、例えば、200ミクロン以下、または約0.010インチ以下であってもよい。この薄い層を取り扱い、組み立てることは、製造環境において困難である。したがって、例えば、金属層106および基板層104は、例えば、構造体102を組み立てるときに、1つのフィルムまたは層として提供されてもよい。さらに、単一層は、構造への組み立ての前に、例えば、上述のように化学エッチングによって不要な金属材料を除去するために処理されてもよい。あるいは、金属層が別個の層として積層構造に付加的に積層されてもよい。構造が企図される機能を実行するために、金属層が比較的大きな表面積を有することを必要とする場合、金属層を付加的に提供することが有利である場合がある。例えば、回路にRFシールドを提供する場合、高電力バスとして作用する場合、グランドプレーンとして機能する場合などである。または、金属層の比較的大きなパターンもしくはシートを必要とする場合、あるいは製造作業中に離散層として容易に提供される他の機能もしくは構成が必要な場合などである。前述のように、金属層106は、例えば、少なくとも1つの基板層104と封入層(図示せず)との間に配置されたパターン化金属ゲルまたは他の流体相導体を含む、封入流体相導体層(encapsulated fluid phase layer)で置換されてもよい。
【0044】
本明細書全体を通して、複数のインスタンスは、単一のインスタンスとして説明される構成部品、操作、または構造を実装することができる。1つまたは複数の方法の個々の操作が別個の操作として図示および説明されているが、個々の操作のうちの1つまたは複数は同時に実行されてもよく、操作が図示の順序で実行されることを必要としない。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造および機能は、組み合わせられた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これらおよび他の変形、修正、追加、および改善は、本明細書の主題の範囲内に入る。
【0045】
本明細書では、特定の実施形態が論理または部品点数、モジュール、または機構を含むものとして説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(たとえば、機械可読媒体上または送信信号中に具現化されたコード)またはハードウェアモジュールのいずれかを構成することができる。「ハードウェアモジュール」は特定の動作を実行することが可能な有形のユニットであり、特定の物理的な方法で構成または配置される。様々な例示的な実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム(たとえば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、またはサーバコンピュータシステム)、またはコンピュータシステムの1つまたは複数のハードウェアモジュール(たとえば、プロセッサまたはプロセッサのグループ)は本明細書で説明するような特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(たとえば、アプリケーションまたはアプリケーション部分)によって構成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ハードウェアモジュールが機械的に、電子的に、またはそれらの任意の適切な組合せで実装される。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように恒久的に構成された専用回路または論理を含むことができる。たとえば、ハードウェアモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはASICなどの専用プロセッサであってもよい。また、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブルロジックまたは回路を含むことができる。たとえば、ハードウェアモジュールは、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に包含されるソフトウェアを含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に、専用の恒久的に構成された回路で、または一時的に構成された回路(たとえば、ソフトウェアによって構成された)で実装するという決定は、コストおよび時間を考慮して駆動されることが理解されよう。
【0047】
したがって、「ハードウェアモジュール」という語句は、有形のエンティティを包含すると理解されるべきであり、これは、物理的に構築され、恒久的に構成され(たとえば、ハードワイヤード(hardwired)され)、または本明細書で説明する特定の動作を実行するように一時的に構成された(たとえば、プログラムされた)エンティティであると理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「ハードウェア実装モジュール」は、ハードウェアモジュールを指す。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(たとえば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールの各々は、一度に任意の1つのインスタンスにおいて構成またはインスタンス化される必要はない。たとえば、ハードウェアモジュールが、専用プロセッサになるようにソフトウェアによって構成された汎用プロセッサを備える場合、汎用プロセッサは異なる時間にそれぞれ異なる専用プロセッサ(たとえば、異なるハードウェアモジュールを備える)として構成されてもよい。したがって、ソフトウェアはたとえば、ある時点で特定のハードウェアモジュールを構成し、異なる時点で異なるハードウェアモジュールを構成するように、プロセッサを構成することができる。
【0048】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されたハードウェアモジュールは、通信可能に結合されているとみなされる。複数のハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信はハードウェアモジュールのうちの2つ以上の間で(たとえば、適切な回路およびバスを介して)信号伝送によって達成される。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成またはインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信がたとえば、複数のハードウェアモジュールがアクセスを有するメモリ構造内の情報の記憶および取り出しを通じて達成される。例えば、1つのハードウェアモジュールは動作を実行し、その動作の出力を、それが通信可能に結合されるメモリデバイスに保存することができる。次いで、さらなるハードウェアモジュールは後に、記憶された出力を取り出して処理するためにメモリデバイスにアクセスできる。また、ハードウェアモジュールは、入力デバイスまたは出力デバイスとの通信を開始することができ、リソース(たとえば、情報のコレクション)上で動作することができる。
【0049】
本明細書で説明する例示的な方法の各種操作は、関連する動作を実行するために、(たとえば、ソフトウェアによって)一時的に構成されるか、たは永続的に構成される1つまたは複数のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行される。一時的にまたは永続的に構成されるかどうかにかかわらず、そのようなプロセッサは、本明細書で説明する1つまたは複数の動作または機能を実行するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成してもよい。本明細書で使用される場合、「プロセッサ実装モジュール」は、1つまたは複数のプロセッサを使用して実装されるハードウェアモジュールを指す。
【0050】
同様に、本明細書で説明される方法は、少なくとも部分的にプロセッサにより実行される。プロセッサはハードウェアの一例である。たとえば、方法の動作の少なくともいくつかは、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールによって実行される。さらに、1つまたは複数のプロセッサは、「クラウドコンピューティング」環境において、または「サービスとしてのソフトウェア(SaaS)」として、関連する動作の性能をサポートするように動作することもできる。たとえば、動作の少なくともいくつかは、(プロセッサを含むマシンの例として)コンピュータのグループによって実行され、これらの動作はネットワーク(たとえば、インターネット)を介して、および1つまたは複数の適切なインターフェース(たとえば、アプリケーションプログラムインターフェース(API))を介してアクセス可能である。
【0051】
いくつかの動作の性能は、単一のマシン内に常駐するだけでなく、いくつかのマシンにわたって展開される、1つまたは複数のプロセッサの間で分散される。いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールが単一の地理的ロケーション(たとえば、ホーム環境、オフィス環境、またはサーバファーム内)に配置される。他の例示的な実施形態では、1つまたは複数のプロセッサまたはプロセッサ実装モジュールがいくつかの地理的ロケーションにわたって分散されてもよい。
【0052】
本明細書に記載の物品に含まれる導電性ゲルなどの導電性組成物は、例えば、とりわけ、酸化ガリウムが共晶ガリウム合金(eutectic gallium alloy)中に混合されたときに酸化ガリウムが組成物に与えることができる構造を利用することによって作り出すことができるペースト状またはゲル状のコンシステンシー(consistency)を有することができる。共晶ガリウム合金に混合されると、酸化ガリウムは、共晶ガリウム合金のバルク材料特性を変化させることができ、本明細書にさらに記載されるマイクロ構造またはナノ構造を形成することができる。
【0053】
本明細書で使用するとき、用語「共晶(eutectic)」は一般に、最も低い融点を有する組成物の2つ以上の位相の混合物を指し、これらの位相は、この温度で溶融溶液から同時に結晶化する。共晶を得るための位相の比は、位相図上の共晶点によって同定される。共晶合金の特徴の一つは、鋭い融点(sharp melting point)である。
【0054】
導電性組成物は、導電性剪断減粘ゲル組成物(conducting shear thinning gel compositions)として特徴付けることができる。本明細書に記載の導電性組成物は、ビンガムプラスチック(Bingham plastic)の特性を有する組成物として特徴付けることもできる。例えば、導電性組成物は剛性であり、低応力では高さおよび幅を特徴とするが、高応力では粘性流体として流動する三次元特徴を形成および維持することができるように、粘塑性であることができる。したがって、例えば、導電性組成物は、低剪断下で約10,000,000 cP~約40,000,000 cP、高剪断下で約150 cP~180 cPの範囲の粘度を有することができる。例えば、低剪断の条件下で、組成物は、約10,000,000 cP、約15,000,000 cP、約20,000,000 cP、約25,000,000 cP、約30,000,000 cP、約45,000,000 cP、または約40,000,000 cPの粘度を有する。高剪断の条件下で、組成物は、約150 cP、約155 cP、約160 cP、約165 cP、約170 cP、約175 cP、または約180 cPの粘度を有する。
【0055】
本明細書に記載の導電性材料は、約2×105 S/m~約8×105 S/mの導電率などの任意の好適な導電率を有することができる。
【0056】
本明細書に記載の導電性組成物は、約-20℃~約10℃、約-10℃~約5℃、約-5℃~約5℃または約-5℃~約0℃の融点などの任意の適切な融点を有することができる。
【0057】
導電性組成物は共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物を含むことができ、共晶ガリウム合金と酸化ガリウムとの混合物は、約59.9%~約99.9%の共晶ガリウム合金(例えば、約67%~約90%の重量百分率(wt %))、及び約0.1%~約2.0%の酸化ガリウム(例えば、約0.2%~約1%の重量百分率(wt %))を含むことができる。例えば、導電性組成物は、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれ以上、例えば約99.9%の共晶ガリウム合金を含むことができる。また、導電性組成物は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、および約2.0%の酸化ガリウムを含むことができる。
【0058】
共晶ガリウム合金は、元素の任意の比率でガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびインジウムを含む。導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金内で重量割合で約40%~約95%の範囲で適した割合のガリウムを含むことができる。例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%を含む。
【0059】
導電性組成物は、ガリウム-インジウム合金内で重量割合で約5%~約60%の範囲で適した割合のインジウムを含むことができる。例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46% 47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%を含む。
【0060】
共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびスズを含むことができる。例えば、導電性組成物は、合金内で重量割合で約0.001%~約50%のスズを含むことができる。例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%を含む。
【0061】
導電性組成物は、共晶ガリウム合金および酸化ガリウムとブレンドされた1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子を含むことができる。粒子は、共晶ガリウム合金またはガリウム中にコーティングされ、酸化ガリウム中にカプセル化されるか、または前の方法でコーティングされないかのいずれかで、共晶ガリウム合金中に懸濁させることができる。マイクロまたはサブミクロンスケールの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルのサイズの範囲であり、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁される。粒子対合金比は変えることができ、導電性組成物の流動特性を変化させることができる。マイクロ構造体およびナノ構造体は、超音波処理または他の適切な手段によって導電性組成物内にブレンドすることができる。導電性組成物は、共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内にマイクロ構造およびナノ構造のコロイド懸濁液を含むことができる。
【0062】
導電性組成物は、組成物内に分散された1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子をさらに含むことができる。これは、共晶ガリウム合金またはガリウム中にコーティングされ、酸化ガリウム中にカプセル化されているか、または先の方法でコーティングされていない粒子を、導電性組成物中に、または特に共晶ガリウム合金流体中に懸濁させることを含む、任意の適切な方法で達成することができる。これらの粒子は、ナノメートルからマイクロメートルのサイズの範囲であり、ガリウム、ガリウム-インジウム合金、またはガリウム-インジウム-スズ合金中に懸濁される。合金に対する粒子の比は、とりわけ、合金および導電性組成物のうちの少なくとも1つの流体特性を変化させるために変えることができる。さらに、コロイド懸濁液や共晶ガリウム合金への任意の補助材料の添加は、とりわけ、その物理的、電気的、熱的特性を強化または修正するためである。共晶ガリウム合金および導電性配合物の少なくとも1つの中でのマイクロ構造およびナノ構造の分布は、微粒子を加えることなく、超音波処理または他の機械的手段を含む任意の好適な方法によって達成することができる。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のマイクロ粒子またはサブミクロン粒子が共晶ガリウム合金および導電性組成物の少なくとも1つとブレンドされ、そのマイクロ粒子の重量%は約0.001%~約40.0%である。例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%を含む。
【0063】
1つまたは複数のマイクロミクロン粒子またはサブミクロン粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀被覆銅、例えば銀被覆銅球、および銀被覆銅フレーク、銅フレーク、もしくは銅球、またはそれらの組み合わせ、または共晶ガリウム合金および導電性組成物のうちの少なくとも1つによって濡らすことができる任意の他の材料を含む任意の適切な材料から作製することができる。1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子は、スフェロイド、ロッド、管、フレーク、プレート、立方体、角柱、ピラミッド、ケージ、およびデンドリマーの形状を含む、任意の適切な形状を有することができる。1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子は、約0.5ミクロン~約60ミクロンの範囲で任意のサイズを有することができる。すなわち、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、または約60ミクロンを含む。
【0064】
本明細書に記載の導電性組成物は、共晶ガリウム合金の表面上に形成された表面酸化物を、表面酸化物/合金界面の剪断混合によって共晶ガリウム合金のバルク中にブレンドする方法を含む、任意の適切な方法によって作製することができる。そのような組成物の剪断混合は表面酸化物中に断面微細構造を誘導することができ、それによって、伝導性剪断減粘ゲル組成物を形成する。微細構造のコロイド懸濁液は共晶ガリウム合金/酸化ガリウム混合物内に、例えば酸化ガリウム粒子および/またはシートとして形成することができる。
【0065】
表面酸化物は、任意の適切な比率でブレンドすることができる。例えば、約59.9%(重量)~約99.9%の共晶ガリウム合金と約0.1%(重量)~約2.0%の酸化ガリウムなどの任意の適切な比率でブレンドすることができる。例えば、酸化ガリウムとブレンドされるガリウム合金の重量百分率は、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、またはそれ以上、例えば約99.9%の共晶ガリウム合金。一方、酸化ガリウムの重量百分率は、約0.1%、約 0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1.0%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、および約2%であってもよい。実施形態では、共晶ガリウム合金が列挙された元素の任意の比率でガリウム-インジウムまたはガリウム-インジウム-スズを含むことができる。例えば、共晶ガリウム合金は、ガリウムおよびインジウムを含むことができる。
【0066】
ガリウム-インジウム合金中のガリウムの重量百分率は、約40%~約95%である。例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80、約81%、約82%、約83%、 約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%であってもよい。
【0067】
あるいはまたは加えて、ガリウム-インジウム合金中のインジウムの重量百分率は約5%~約60%である。例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、 約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%であってもよい。
【0068】
共晶ガリウム合金は、ガリウム、インジウム及びスズを含むことができる。ガリウム-インジウム-スズ合金中のスズの重量百分率は、約0.001%~約50%である。例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16% 、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%であってもよい。
【0069】
ガリウム-インジウム-スズ合金中のガリウムの重量百分率は、約40%~約95%である。例えば、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78 %、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、または約95%であってもよい。
【0070】
あるいはまたは加えて、ガリウム-インジウム-スズ合金中のインジウムの重量百分率は約5%~約60%である。例えば、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、または約60%であってもよい。
【0071】
1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケールの粒子を、共晶ガリウム合金および酸化ガリウムとブレンドすることができる。例えば、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロン粒子は、組成物中の約0.001%~約40.0%の間のマイクロ粒子とブレンドできる。例えば、約0.001%、約0.005%、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、または約40%であってもよい。実施形態において、粒子は、ソーダガラス、シリカ、ホウケイ酸ガラス、石英、酸化銅、銀被覆銅、非酸化銅、タングステン、過飽和スズ顆粒、ガラス、グラファイト、銀被覆銅球などの銀被覆銅、および銀被覆銅フレーク、銅フレークもしくは銅球、またはそれらの組み合わせ、またはガリウムによって湿潤され得る任意の他の材料であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のマイクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子がスフェロイド、ロッド、管、フレーク、プレート、立方体、角柱、ピラミッド、ケージ、およびデンドリマーの形状である。特定の実施形態では、1つ以上のマイクロ粒子またはサブミクロンスケール粒子が約0.5ミクロン~約60ミクロンの範囲のサイズを有する。すなわち、約0.5ミクロン、約0.6ミクロン、約0.7ミクロン、約0.8ミクロン、約0.9ミクロン、約1ミクロン、約1.5ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、約26ミクロン、約27ミクロン、約28ミクロン、約29ミクロン、約30ミクロン、約31ミクロン、約32ミクロン、約33ミクロン、約34ミクロン、約35ミクロン、約36ミクロン、約37ミクロン、約38ミクロン、約39ミクロン、約40ミクロン、約41ミクロン、約42ミクロン、約43ミクロン、約44ミクロン、約45ミクロン、約46ミクロン、約47ミクロン、約48ミクロン、約49ミクロン、約50ミクロン、約51ミクロン、約52ミクロン、約53ミクロン、約54ミクロン、約55ミクロン、約56ミクロン、約57ミクロン、約58ミクロン、約59ミクロン、または約60ミクロンであってもよい。
【実施例
【0072】
実施例1は、第1のフレキシブル基板と、前記第1のフレキシブル基板に固定された第1の電子部品と、導電性ゲルから部分的に形成された第1の可撓性導電トレースと、を含む第1の構造と、第2のフレキシブル基板と、前記第2のフレキシブル基板に固定された第2の電子部品と、導電性ゲルから部分的に形成された第2の可撓性導電トレースとを含む第2の構造と、を備えるフレキシブルハイブリッド電子システムであって、前記第1の構造は相互接続領域において前記第2の構造に接合され、前記第1の導電トレースは前記相互接続領域内において前記第2の導電トレースに電気的に接続され、前記第1の電子部品は前記第2の電子部品に動作可能に接続される。
【0073】
実施例2では、実施例1の主題において、第1の構造がハブ構造であり、第2の構造が周辺構造であることを含む。
【0074】
実施例3では、実施例1および2のうちのいずれか1つまたは複数の主題において、ハブ構造がそれぞれ異なる周辺構造に接合されるように構成された複数の相互接続領域を備え、ハブ構造が複数の可撓性導電トレースを備え、複数の相互接続領域のそれぞれが、複数の導電トレースのうちの少なくとも1つを含む。
【0075】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つ又は複数の主題において、第1の電子部品がコントローラを備え、第2の電子部品が前記コントローラに情報を提供することを含む。
【0076】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つ又は複数の主題において、第2の電子部品がセンサ、アンテナ、光源、ディスプレイ、電源、補助コントローラ、高電力電気バス、または熱発電機のうちの1つを含む。
【0077】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つ又は複数の主題はにおいて、センサが歪みセンサ、誘導式圧力センサ、抵抗式圧力センサ、および静電容量式タッチセンサのうちの少なくとも1つことを含む。
【0078】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つ又は複数の主題において、第1及び第2のフレキシブル基板が共通の材料から構成されることを含む。
【0079】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つ又は複数の主題において、第1及び第2のフレキシブル基板が移送積層で互いに接合されていることを含む。
【0080】
実施例9では、実施例1~8のいずれか1つ又は複数の主題において、移送積層が樹脂層及び熱可塑性フィルム層のうちの少なくとも1つを有することを含む。
【0081】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つ又は複数の主題において、樹脂層がBステージ樹脂からなることを含む。
【0082】
実施例11では、実施例1~10のいずれか1つ又は複数の主題において、第1及び第2の可撓性導電トレースがBステージ樹脂内に形成されたチャネル内に少なくとも部分的に形成されることを含む。
【0083】
実施例12では、実施例1~11のいずれか1つ又は複数の主題において、移送積層が第1及び第2のフレキシブル基板のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を有することを含む。
【0084】
実施例13では、実施例1~12のいずれか1つ又は複数の主題において、移送積層が追加の層を含み、追加の層が熱可塑性フィルム及びBステージ樹脂フィルムのうちの1つであることを含む。
【0085】
実施例14では、実施例1~13のいずれか1つ又は複数の主題において、少なくとも1つのビアが第1の構造、第2の構造及び移送積層のそれぞれに設けられ、ビアが第1の可撓性導電トレースと第2の導電トレースとの間の電気通信を可能にするように整列されることを含む。
【0086】
実施例15では、実施例1~14のいずれか1つ又は複数の主題において、ビアが導電性ゲルで充填されていることを含む。
【0087】
実施例16では、実施例1~15のいずれか1つ又は複数の主題において、第1及び第2の構造が熱及び圧力のうちの少なくとも1つを使用して接合されることを含む。
【0088】
実施例17では、実施例1~16のいずれか1つ又は複数の主題において、第1及び第2の可撓性導電トレースの少なくとも1つが、相互接続領域内に、第1及び第2の可撓性導電トレースを互いに電気的に接続するビアを形成することを含む。
【0089】
実施例18では、実施例1~17のいずれか1つ又は複数の主題において、第1の構造が第1のフレキシブル基板に結合された金属層を含む。
【0090】
実施例19では、実施例1~18のいずれか1つ又は複数の主題において、金属層が第1の可撓性導電トレースに電気的に接続されることを含む。
【0091】
実施例20では、実施例1~19のいずれか1つ又は複数の主題において、第1の電子部品が金属層によって第1のフレキシブル基板に固定されるように、第1の電子部品が金属層に取り付けられることを含む。
【0092】
実施例21は、処理回路によって実行されると、処理回路に、実施例1~20のいずれかの操作を実行させる命令を含む少なくとも1つの機械可読媒体を含む。
【0093】
実施例22は、実施例1~20のいずれかを実施するための手段を含む装置である。
【0094】
実施例23は、実施例1~20のいずれかを実施するためのシステムである。
【0095】
実施例24は、実施例1~20のいずれかを実施する方法である。
【0096】
本明細書のいくつかの部分はマシンメモリ(たとえば、コンピュータメモリ)内にビットまたはバイナリデジタル信号として記憶されたデータに対する演算のアルゴリズムまたは記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズムまたは記号表現は、データ処理技術の当業者が他の当業者に自分の仕事の内容を伝えるために使用する技術の例である。本明細書で使用される場合、「アルゴリズム」は、所望の結果をもたらす操作または同様の処理の自己矛盾のないシーケンスである。この文脈では、アルゴリズムおよび動作が物理量の物理的操作を伴う。必ずしも必要ではないが、典型的にはそのような量が機械によって記憶、アクセス、転送、結合、比較、または操作されることが可能な電気信号、磁気信号、または光信号の形をとることができる。主に一般的な使用の理由から、時には、「データ」、「コンテンツ」、「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「数」、「数字」などのような単語を使用して、そのような信号を指すことが好都合である。しかしながら、これらの単語は単に便利なラベルであり、適切な物理量と関連付けられるべきである。
【0097】
特に明記しない限り、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」、「提示」、「表示」などの単語を使用する本明細書の説明は1つまたは複数のメモリ(たとえば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの任意の適切な組合せ)、レジスタ、または情報を受信、保存、送信、または表示する他の機械構成要素内の物理的(たとえば、電子、磁気、または光学)量として表されるデータを操作または変換する機械(たとえば、コンピュータ)のアクションまたはプロセスを指す。さらに、特に明記しない限り、用語「a」または「an」は本明細書において、特許文献において一般的であるように、1つまたは2つ以上の事例を含むように使用される。最後に、本明細書で使用される場合、「または」という用語は、特に明記しない限り、非排他的な「または」を指す。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】