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特表2024-534884バッテリーパック、及びこれを含む自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】バッテリーパック、及びこれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/211 20210101AFI20240918BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240918BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/507
H01M50/291
H01M50/30
H01M50/588
H01M50/591
H01M50/293
H01M50/289 101
H01M50/204 401F
H01M50/591 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513808
(86)(22)【出願日】2023-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 KR2023007983
(87)【国際公開番号】W WO2023239218
(87)【国際公開日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0070855
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0055794
(32)【優先日】2023-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウ-ヨン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】スン-ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】イン-ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】セ-ユン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュネ・チ
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012BB08
5H012CC01
5H040AA03
5H040AA07
5H040AA33
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040DD04
5H043AA02
5H043AA04
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA22
5H043DA09
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA25
5H043GA30
5H043KA45F
(57)【要約】
本発明のバッテリーパックは、複数の電極リードを備える複数のパウチ型バッテリーセルと、内部空間に前記複数のパウチ型バッテリーセルを収納するパックケースと、前記パックケースの内部空間で前記複数のパウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも1つの一部を取り囲むように構成されたセルカバーと、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの電極リードを連結するように構成されたバスバーアセンブリと、前記バスバーアセンブリの一側に結合するエンドカバーと、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードを備える複数のパウチ型バッテリーセルと、
内部空間に前記複数のパウチ型バッテリーセルを収納するパックケースと、
前記パックケースの内部空間で前記複数のパウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも1つの一部を取り囲むように構成されたセルカバーと、
取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの電極リードを連結するように構成されたバスバーアセンブリと、
前記バスバーアセンブリの一側に結合するエンドカバーと、
を含む、バッテリーパック。
【請求項2】
前記セルカバーは、
前記電極リードが備えられた部分が外部に露出するように前記パウチ型バッテリーセルを部分的に取り囲む形態で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記バスバーアセンブリは、
前記電極リードが備えられた部分の少なくとも一部をカバーするように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記バスバーアセンブリは、
少なくとも一部が前記セルカバーに挿入されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記バスバーアセンブリは、
前記電極リードと連結されるバスバー端子と、
前記バスバー端子が安着するように構成されたバスバーフレームであって、前記電極リードを収容するリード収容部、及び取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも一部で発生するガスが移動できるように構成された貫通部を備えるバスバーフレームと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記エンドカバーは、
前記バスバーアセンブリに結合することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記エンドカバーは、
前記貫通部と連通する第1ベント部を備えることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記バッテリーパックは、
前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に備えられる中間カバーを含むことを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記中間カバーは、
前記バスバーアセンブリに結合することを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記中間カバーは、
前記エンドカバーが結合するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記中間カバーは、
前記貫通部と連通するように構成された連通部を備えることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記ガスは、
前記第1ベント部を介して前記パックケースの内部空間に排出されることを特徴とする、請求項7に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記連通部は、
メッシュ部材を備えることを特徴とする、請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記中間カバーは、
前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に電気的接続を遮断するために絶縁素材を含むことを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記パックケースは、
前記第1ベント部と連通して前記ガスをバッテリーパックの外部に排出できるように構成された第2ベント部を備えることを特徴とする、請求項12に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記セルカバーは、
取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの一側面をカバーする第1側面カバー部と、
前記第1側面カバー部と対向する第2側面カバー部であって、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの他側面をカバーする第2側面カバー部と、
前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部とを連結する上側カバー部であって、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの上部をカバーする上側カバー部と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記セルカバーは、
前記パウチ型バッテリーセルが前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部との間に立設した状態で支持するように構成されたことを特徴とする、請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記セルカバーは、
前記第1側面カバー部の内側面及び第2側面カバー部の内側面のうちの少なくとも一部に絶縁コーティング層を含むことを特徴とする、請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記セルカバーは、
前記第1側面カバー部の外側面及び第2側面カバー部の外側面のうちの少なくとも一部に接着部材を含むことを特徴とする、請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
前記バッテリーパックは、前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に備えられる中間カバーをさらに含み、
前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部とは、前記上側カバー部よりも前記電極リード側にさらに突出している部分を含み、
前記バスバーアセンブリ、前記中間カバー及び前記エンドカバーがそれぞれ前記第1側面カバー部の内側と前記第2側面カバー部の内側に挿入されて接触していることを特徴とする、請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック、及びこれを含む自動車に関し、より詳しくは、安定性などが向上されたバッテリーパック、及びこれを含む自動車に関する。本出願は、2022年06月10日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0070855号、2023年04月27日付け出願の韓国特許出願第10-2023-0055794号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
各種モバイル機器と電気自動車、エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System、ESS)などに対する技術開発と需要が大きく増加することによって、エネルギー源としての二次電池に対する関心と需要が急激に増加している。
【0003】
従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池又はニッケル水素電池などが多く用いられていたが、最近では、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんどないため充電及び放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いリチウム二次電池が多く用いられている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液とともに封止して収納する外装材、すなわち電池ケースを備える。
【0005】
一般に、二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に組み込まれている缶型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに組み込まれているパウチ型電池とに分類される。
【0006】
最近では、電気自動車やエネルギー貯蔵システムのような中大型装置に駆動用やエネルギー貯蔵用としてバッテリーモジュールが広く用いられている。
【0007】
従来のバッテリーパックは、パックケース内部に、1つ以上のバッテリーモジュールと、バッテリーモジュールの充放電を制御する制御ユニットとを含む。ここで、バッテリーモジュールは、モジュールケース内部に複数のバッテリーセルを含む形態で構成される。すなわち、従来のバッテリーパックの場合、複数のバッテリーセル(二次電池)がモジュールケース内部に収納されてそれぞれのバッテリーモジュールを構成し、このようなバッテリーモジュールが1つ以上パックケース内部に収納されてバッテリーパックを構成する。特に、パウチ型電池の場合、軽量であり、積層時にデッドスペース(dead space)が少ないなどの多くの利点を有しているが、外部からの衝撃に弱く、組立性も多少劣るという問題がある。よって、複数のセルをモジュール化してから、パックケース内部に収納する形態でバッテリーパックを製造することが一般的である。
【0008】
しかし、従来のバッテリーパックの場合、モジュール化などによって、エネルギー密度と組立性、冷却性などの点で不利になる可能性がある。特に、パウチ型バッテリーセルの場合、スウェリングが発生する場合があり、従来のバッテリーパックは、このようなスウェリング状況に適切に対応することが困難であるという問題がある。
【0009】
また、従来のバッテリーパックの場合、モジュール化などによって、エネルギー密度と組立性、冷却性などの点で不利になる可能性がある。
【0010】
また、従来のバッテリーモジュールやバッテリーパックの場合、熱イベントに弱い場合がある。特に、バッテリーモジュールやバッテリーパックの内部で熱イベントが発生した場合、熱暴走が起こることで火炎が発生し、ひどい場合には爆発に至る可能性があるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、スウェリングへの対応性能など多くの点に優れたバッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することである。
【0012】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、熱イベントが発生したときに優れた安全性を確保できるバッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することである。
【0013】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は、以下に記載された発明の説明から当業者であれば明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような課題を解決するための本発明の一態様によるバッテリーパックは、電極リードを備える複数のパウチ型バッテリーセルと、内部空間に前記複数のパウチ型バッテリーセルを収納するパックケースと、前記パックケースの内部空間で前記複数のパウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも1つの一部を取り囲むように構成されたセルカバーと、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの電極リードを連結するように構成されたバスバーアセンブリと、前記バスバーアセンブリの一側に結合するエンドカバーと、を含む。
【0015】
前記セルカバーは、前記電極リードが備えられた部分が外部に露出するように前記パウチ型バッテリーセルを部分的に取り囲む形態で構成され得る。
【0016】
前記バスバーアセンブリは、前記電極リードが備えられた部分の少なくとも一部をカバーするように構成され得る。
【0017】
前記バスバーアセンブリは、少なくとも一部が前記セルカバーに挿入され得る。
【0018】
前記バスバーアセンブリは、前記電極リードと連結されるバスバー端子と、前記バスバー端子が安着するように構成されたバスバーフレームであって、前記電極リードを収容するリード収容部、及び取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルのうちの少なくとも一部で発生するガスが移動できるように構成された貫通部を備えるバスバーフレームと、を含むことができる。
【0019】
前記エンドカバーは、前記バスバーアセンブリに結合することができる。
【0020】
前記エンドカバーは、前記貫通部と連通する第1ベント部を備えることができる。
【0021】
前記バッテリーパックは、前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に備えられる中間カバーを含むことができる。
【0022】
前記中間カバーは、前記バスバーアセンブリに結合することができる。
【0023】
前記中間カバーは、前記エンドカバーが結合するように構成され得る。
【0024】
前記中間カバーは、前記貫通部と連通するように構成された連通部を備えることができる。
【0025】
前記ガスは、前記第1ベント部を介して前記パックケースの内部空間に排出され得る。
【0026】
前記連通部は、メッシュ部材を備えることができる。
【0027】
前記中間カバーは、前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に電気的接続を遮断するために絶縁素材を含むことができる。
【0028】
前記パックケースは、前記第1ベント部と連通して前記ガスをバッテリーパックの外部に排出できるように構成された第2ベント部を備えることができる。
【0029】
前記セルカバーは、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの一側面をカバーする第1側面カバー部と、前記第1側面カバー部と対向する第2側面カバー部であって、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの他側面をカバーする第2側面カバー部と、前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部とを連結する上側カバー部であって、取り囲まれた前記パウチ型バッテリーセルの上部をカバーする上側カバー部と、を備えることができる。
【0030】
前記セルカバーは、前記パウチ型バッテリーセルが前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部との間に立設した状態で支持するように構成され得る。
【0031】
前記セルカバーは、前記第1側面カバー部の内側面及び第2側面カバー部の内側面のうちの少なくとも一部に絶縁コーティング層を含むことができる。
【0032】
前記セルカバーは、前記第1側面カバー部の外側面及び第2側面カバー部の外側面のうちの少なくとも一部に接着部材を含むことができる。
【0033】
前記バッテリーパックは、前記バスバーアセンブリと前記エンドカバーとの間に備えられる中間カバーをさらに含むことができる。
【0034】
前記バッテリーパックは、前記第1側面カバー部と前記第2側面カバー部とは、前記上側カバー部よりも前記電極リード側にさらに突出している部分を含むことができる。
【0035】
前記バッテリーパックは、前記バスバーアセンブリ、前記中間カバー及び前記エンドカバーがそれぞれ前記第1側面カバー部の内側と前記第2側面カバー部の内側に挿入されて接触することができる。
【0036】
本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含むことができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一態様によると、プラスチックカートリッジのような積層用フレームや別途のモジュールケースなどの構成を要することなく、複数のパウチ型バッテリーセルをパックケース内部に安定に収納することができる。
【0038】
さらに、パウチ型バッテリーセルを用いたCTP(Cell To Pack)タイプのバッテリーパックをより効率的に実現することができる。すなわち、別途のモジュールケース内部にパウチ型バッテリーセルを収納し、このようなモジュールケースをパックケース内部に収納させるものではなく、パウチ型バッテリーセルを直接パックケース内部に収納させる形態でバッテリーパックを設けることができる。
【0039】
本発明の他の態様によると、セルカバーにバスバーアセンブリが挿入される構造により、セルカバーとバスバーアセンブリとが効率的に結合することができる。また、エンドカバーがパウチ型バッテリーセルのセルカバーで取り囲まれていない部分をカバーすることで、より安定に保護することができる。
【0040】
本発明のまた他の態様によると、パウチ型バッテリーセルでスウェリング又は熱暴走によるガス及び/又は火炎が発生する場合、第1ベント部を介してセルユニットの外部に排出することができる。したがって、サイドベントを誘導することで、ガス及び/又は火炎がセルカバーの開放された部分を介してランダムに排出されることを防止することができる。
【0041】
本発明のまた他の態様によると、パウチ型バッテリーセルで発生し得る火炎の流れを中間カバーによって一次的に阻止できるため、火炎の強度を低下させ、第1ベント部への火炎の急激な排出を防止することができる。また、バスバーアセンブリとエンドカバーとの間の接触による短絡現象を防止することができる。
【0042】
このように本発明によると、スウェリングへの対応性能など多くの点に優れたバッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することができる。また、熱イベントが発生したときに優れた安全性を確保できるバッテリーパック、及びこれを含む自動車を提供することができる。
【0043】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図。
図2】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を結合して示す図。
図3】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図。
図4】本発明によるバッテリーパックに含まれるパウチ型バッテリーセルの斜視図。
図5】本発明によるバッテリーパックに含まれるセルカバーの斜視図。
図6】本発明によるバッテリーパックに含まれるバスバーアセンブリを示す図。
図7】本発明によるバッテリーパックに含まれるバスバーアセンブリの一部断面を示す図。
図8】本発明によるバッテリーパックに含まれるエンドカバーを示す図。
図9】本発明によるバッテリーパックに含まれる中間カバーを示す図。
図10】本発明によるバッテリーパックに含まれる中間カバーの一部断面を示す図。
図11】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素の一部断面を示す図。
図12】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素の一部断面を示す図。
図13】本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図。
図14】本発明による自動車を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。同一の図面符号は同一の構成要素を指称する。また、図面において、構成要素の厚さ、割合及び寸法は、技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0047】
本明細書で上、下、左、右、前、後などの方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、対象となる物体の位置や観察者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者に自明である。
【0048】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0049】
図1は、本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図である。図2は、本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を結合して示す図である。図3は、本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図である。図4は、本発明によるバッテリーパックに含まれるパウチ型バッテリーセルの斜視図である。
【0050】
図1から図4を参照すると、本発明によるバッテリーパック10は、複数のパウチ型バッテリーセル100、パックケース300、セルカバー200、バスバーアセンブリ400、中間カバー500及びエンドカバー600を含むことができる。
【0051】
図4を参照すると、パウチ型バッテリーセル100は、電極組立体、電解液及びパウチ外装材を含むことができる。パウチ型バッテリーセル100は、電極組立体を収納する収納部110、及び収納部110の周りから外側に延びるシール部120を備えることができる。パウチ型バッテリーセル100は、電極リード111を備えることができる。電極リード111は、パウチ外装材の両方向にそれぞれ引き出されるか、片側からのみ引き出される。図示の例において、電極リード111は、パウチ型バッテリーセル100の両方向に引き出されている(X軸方向)。電極リード111が引き出されている方向をパウチ型バッテリーセル100の長手方向と定義でき、言い換えれば、電極リード111は、パウチ型バッテリーセル100の長手方向に沿ってそれぞれ前方と後方に引き出されているともいえる。
【0052】
図2及び図3を参照すると、このようなパウチ型バッテリーセル100は、セルカバー200で取り囲まれてセルユニットUを構成することができる。
【0053】
図1を参照すると、バッテリーパック10がこのようなセルユニットUを複数含むことで、パウチ型バッテリーセル100がバッテリーパック10に複数含まれ得る。複数のパウチ型バッテリーセル100は、少なくとも一方向に積層され得る。複数のパウチ型バッテリーセル100は、左右方向(Y軸方向)に積層配置され得る。さらに、複数のパウチ型バッテリーセル100は、左右方向に配置されるが、前後方向(X軸方向)に複数の列をなす形態に配置されることもできる。例えば、図1を参照すると、複数のパウチ型バッテリーセル100は左右方向に積層され、1つのセルユニットを形成し、このようなセルユニットが左右方向に2つ配置され、また前後方向にも図2つ配置されることで、2×2の配列でパックケース300内に配置されている。
【0054】
図1を参照すると、パックケース300は、内部に空間を形成してパウチ型バッテリーセル100を収納することができる。例えば、パックケース300は、ケース本体310及びトップカバー320を備えることができる。ケース本体310は、上端が開放されたボックスの形態で構成され、内部空間に複数のパウチ型バッテリーセル100を収納することができる。トップカバー320は、ケース本体310の上端開放部(Z軸の正の方向に位置する開放部)をカバーするカバーの形態で構成され得る。一方、パックケース300は、上記のような構造に限定されるのでなく、例えば、上端が開放されたボックスの形態で構成され、内部空間に複数のパウチ型バッテリーセル100を収納できるボトムフレームと、ボトムフレームの上端開放部をカバーするカバーの形態で構成されたトップフレームとの組み合わせでも構成され得る。パックケース300の内部空間には、複数のパウチ型バッテリーセル100とともに後述するセルカバー200も収納することができる。パックケース300は、プラスチック又は金属材料を備えることができる。その他にも、パックケース300は、本発明の出願時点に公知の様々なパックケースの外装材材料を採用することができる。
【0055】
図2及び図3をより詳しく検討すると、セルカバー200は、パックケース300の内部空間で複数のパウチ型バッテリーセル100のうち少なくとも一部を取り囲むように構成され得る。セルカバー200は、少なくとも1つのパウチ型バッテリーセル100の一部を取り囲むように構成され得る。セルカバー200は、左右方向に積層された複数のパウチ型バッテリーセル100の一部を取り囲むように構成され得る。
【0056】
セルカバー200は、電極リード111が備えられた部分が外部に露出するようにパウチ型バッテリーセル100を部分的に取り囲む形態で構成され得る。
【0057】
セルカバー200は、バッテリーパック10に含まれた複数のパウチ型バッテリーセル100をグループ化してユニット化するように構成され得る。1つのセルカバー200は、1つのセルユニットUを構成することができる。例えば、図2には1つのセルユニットUが示されており、図1には複数のセルユニットUが示されている。セルカバー200がパウチ型バッテリーセル100の少なくとも3面を取り囲み、バスバーアセンブリ400が各セルユニットUに対して各セルカバー200で取り囲まれていない側面に備えられ得る。
【0058】
バッテリーパック10には複数のセルユニットUが含まれ、この場合、セルカバー200はバッテリーパック10に複数含まれ得る。セルカバー200が2つ以上のパウチ型バッテリーセル100を取り囲む場合、バッテリーパック10には、パウチ型バッテリーセル100の数よりも少ない数のセルカバー200が含まれ得る。セルユニットU内のパウチ型バッテリーセル100は、バスバーアセンブリ400により直列及び/又は並列に電気的に接続され得る。
【0059】
セルユニットUはセルバンクとも表現することができる。本発明によると、セルカバー200がセルバンク間を区画分離する形態であるため、セルバンクごとに熱暴走及び爆発を防止することができる。
【0060】
セルカバー200は、剛性を確保するために様々な材料で構成され得る。特に、セルカバー200は金属材料で構成され得る。このような金属材料の場合、パウチ型バッテリーセル100の積層状態をより安定に維持し、外部からの衝撃よりパウチ型バッテリーセル100をより安全に保護することができる。セルカバー200はSUS材料を備えることができる。例えば、セルカバー200は全体的にSUS材料でなり得る。
【0061】
隣接するセルカバー200の間にはサーマルバリアー(図示せず)をさらに含むことができる。サーマルバリアーは、断熱材料や火炎抑制材料のパッドの形態で構成することができ、望ましく圧縮可能な材料で構成され得る。望ましくは、サーマルバリアーは、隣接するセルカバー200の間でセルカバー200と密着するように構成され得る。これによって、サーマルバリアーは、パウチ型バッテリーセル100で生じ得るスウェリング現象を抑制できるように構成され得る。また、サーマルバリアーは、熱暴走による火炎の拡散を遅延し、熱伝播を遮断するとともに、パウチ型バッテリーセル100で生じ得るスウェリング現象を抑制できるため、バッテリーパック10の構造的安定性をさらに確保することができる。
【0062】
セルカバー200は、剛性を確保するために様々な材料で構成され得る。特に、セルカバー200は金属材料で構成され得る。このような金属材料の場合、パウチ型バッテリーセル100の積層状態をより安定に維持し、外部からの衝撃よりパウチ型バッテリーセル100をより安全に保護することができる。セルカバー200はSUS材料を備えることができる。例えば、セルカバー200は全体的にSUS材料でなり得る。
【0063】
このように、セルカバー200がスチール材料でなる場合、機械的強度及び剛性に優れるため、パウチ型バッテリーセル100の積層状態をより安定に支持することができる。また、この場合、外部からの衝撃、例えば針状体などによるパウチ型バッテリーセル100の損傷や破損をより効果的に防止することができる。さらに、この場合、パウチ型バッテリーセル100の取り扱いがより容易となり得る。また、溶融点が高いため、バッテリーセル100から火炎が発生した場合でも、全体的な構造を安定に維持することができる。アルミニウム材料に比べて融点が高いため、バッテリーセル100から噴出された火炎によっても溶融せず、その形態を安定に維持することができる。よって、バッテリーセル100間における優れた火炎伝播の防止及び遅延効果、ベント制御効果などを確保することができる。
【0064】
また、バッテリーセル100をセルカバー200で取り囲むことで、バッテリーセル100を強固な形態にすることが容易となり、パックケース300の内部で直接積層される構成をより容易に実現することができる。よって、バッテリーパック10の組立性と機械的安定性などを向上させることができる。
【0065】
本発明のこのような構成によると、プラスチックカートリッジのような積層用フレームや別途のモジュールケースなどの構成を要することなく、複数のパウチ型バッテリーセル100をパックケース300の内部に安定に収納することができる。
【0066】
さらに、本発明の場合、パウチ型バッテリーセル100を用いたCTP(Cell To Pack)タイプのバッテリーパック10をより効率的に実現することができる。すなわち、別途のモジュールケース内部にパウチ型バッテリーセル100を収納し、このようなモジュールケースをパックケース300の内部に収納させるのではなく、パウチ型バッテリーセル100を直接パックケース300の内部に収納させる形態でバッテリーパック10を設けることができる。このとき、パウチ型バッテリーセル100の少なくとも一側が、セルカバー200の外部に露出し、パックケース300と直接対向して配置され得る。
【0067】
したがって、本発明のこのような態様によると、バッテリーパック10にモジュールケースや積層用フレーム、セルの積層状態を維持するためのボルトなどの締結部材などをさらに備える必要がない。よって、モジュールケースや積層用フレームなどの他の構成要素が占める空間やそれによる公差を確保するための空間を除去し得る。したがって、他の構成要素が除去された空間分、バッテリーセル100がさらに空間を占めることができるため、バッテリーパック10のエネルギー密度がより向上することができる。
【0068】
また、本発明のこのような態様によると、モジュールケースや積層用フレーム、ボルトなどが備えられていないため、バッテリーパック10の体積や重量が減少し、製造工程を簡素化することができる。
【0069】
また、本発明のこのような態様によると、パウチ型バッテリーセル100の取り扱いがより容易となり得る。例えば、複数のパウチ型バッテリーセル100をパックケース300の内部に収納する場合、治具などによってパウチ型バッテリーセル100を把持することができる。このとき、治具は、パウチ型バッテリーセル100を直接把持することなく、パウチ型バッテリーセル100を囲んでいるセルカバー200を把持することができる。よって、治具によるパウチ型バッテリーセル100の損傷や破損を防止することができる。
【0070】
さらに、バッテリーパック10の冷却効率がより向上することができる。特に、本発明の一実施形態の場合、各バッテリーセル100の一部がパックケース300に直接露出するため、各バッテリーセル100の熱をパックケース300を介して外部に効果的に排出することができる。
【0071】
図3を参照すると、バスバーアセンブリ400は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の電極リード111を連結するように構成され得る。図示のように、セルカバー200が3つのパウチ型バッテリーセル100を取り囲むように構成される場合、バスバーアセンブリ400は、3つのパウチ型バッテリーセル100を並列に接続するように構成され得る。セルカバー200が6つのパウチ型バッテリーセル100を取り囲むように構成される場合、バスバーアセンブリ400は、6つのバッテリーセル100のうち、3つのバッテリーセル100の電極リード111は1つのバスバーによって並列接続し、残りの3つのバッテリーセル100の電極リード111は他のバスバーによって並列接続した後、これらを直列に接続するように構成され得る。
【0072】
バスバーアセンブリ400は、電極リード111が備えられた部分の少なくとも一部をカバーするように構成され得る。バスバーアセンブリ400は、少なくとも一部がセルカバー200に挿入され得る。バスバーアセンブリ400は、少なくとも一部がセルカバー200の内側面と対向することができる。
【0073】
バスバーアセンブリ400は、各セルユニットUに対して各セルカバー200で取り囲まれていない側面に備えられ得る。本実施形態において、セルカバー200がパウチ型バッテリーセル100の少なくとも3面を取り囲み、パウチ型バッテリーセル100で電極リード111が備えられた前方と後方、及びパウチ型バッテリーセル100の下部を露出している。したがって、バスバーアセンブリ400は、セルカバー200の前方と後方において、パウチ型バッテリーセル100で電極リード111が備えられた部分に備えられ得る。バスバーアセンブリ400は、少なくとも一部がセルカバー200の内側に挿入され得る。
【0074】
図3を参照すると、エンドカバー600は、バスバーアセンブリ400の一側に結合することができる。エンドカバー600は、バスバーアセンブリ400及びパウチ型バッテリーセル100のセルカバー200で取り囲まれていない側面をカバーするように構成され得る。
【0075】
本発明のこのような構成によると、セルカバー200にバスバーアセンブリ400が挿入される構造により、セルカバー200とバスバーアセンブリ400が効率的に結合することができる。また、エンドカバー600がパウチ型バッテリーセル100のセルカバー200で取り囲まれていない部分をカバーすることで、より安定に保護することができる。
【0076】
図5は、本発明によるバッテリーパックに含まれるセルカバーの斜視図である。
【0077】
図5を参照すると、セルカバー200は、第1側面カバー部210、第2側面カバー部220、及び上側カバー部230を備えることができる。
【0078】
図3及び図4図5とともに参照すると、第1側面カバー部210は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の一側面をカバーするように構成され得る。第1側面カバー部210は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の左側面(Y軸の負の方向に位置する側面)をカバーするように構成され得る。第1側面カバー部210は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の収納部110及びシール部120をカバーすることができる。第1側面カバー部210はプレート状であり得る。
【0079】
第2側面カバー部220は、第1側面カバー部210と対向することができる。第2側面カバー部220は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の他側面をカバーすることができる。第2側面カバー部220は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の右側面(Y軸の正の方向に位置する側面)をカバーするように構成され得る。第2側面カバー部220は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の収納部110及びシール部120をカバーすることができる。第2側面カバー部220はプレート状であり得る。
【0080】
セルカバー200は、パウチ型バッテリーセル100が第1側面カバー部210と第2側面カバー部220との間に立設した状態で支持するように構成され得る。第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220は互いに並んで配置され得る。これによって、パウチ型バッテリーセル100が立設状態で左右方向に並んで積層された構成を安定に維持することができる。
【0081】
上側カバー部230は、第1側面カバー部210と第2側面カバー部220とを連結することができる。上側カバー部230は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の上部(Z軸の正の方向)をカバーすることができる。上側カバー部230は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100の収納部110の上部をカバーすることができる。上側カバー部230はプレート状であり得る。上側カバー部230には、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100で発生するガスを排出するためのカバーベント部240を備えることができる。カバーベント部240は、貫通する形態として単なる孔の形態であり得る。カバーベント部240は、取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100で発生するガスによって、セルカバー200の内部空間の圧力が一定圧力以上になると破断されるように、周辺部に比べて剛性が低いように構成され得る。例えば、カバーベント部240は、周辺部よりも薄い厚さを有するように形成され得る。
【0082】
第1側面カバー部210がシール部120をカバーする部分、及び第2側面カバー部220がシール部120をカバーする部分の間にバスバーアセンブリ400が挿入され得る。第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220は、上側カバー部230よりも電極リード111側にさらに突出した部分を有することができる。すなわち、セルカバー200は、収納部110の少なくとも3面を取り囲む「n」字状で、第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220の一部のみがシール部120をカバーするように、上側カバー部230よりも第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220の一部が突出した形状であり得る。
【0083】
第1側面カバー部210、第2側面カバー部220及び上側カバー部230のうち少なくとも一部は、互いに一体化した形状で構成され得る。第1側面カバー部210、第2側面カバー部220及び上側カバー部230は、1つのプレートを折り曲げて形成することができる。このようにセルカバー200を形成するために、1つのプレートに折曲部を形成する構成は、プレス(press)又はロールフォーミング(roll forming)のような様々な方式で実現することができる。本発明のこのような実施形態によると、セルカバー200をより簡単に製造することができる。或いは、第1側面カバー部210、第2側面カバー部220及び上側カバー部230は、それぞれ別に製造された後、接着、嵌合、溶接やボルト締めなどによって互いに結合することもできる。
【0084】
セルカバー200は、バッテリーパック10に複数含まれ得る。この場合、セルカバー200の間には接着部材を介在することができる。例えば、2つのセルカバー200が互いに対向する部分である第1側面カバー部210及び/又は第2側面カバー部220には接着部材が介在され、これらの間を接着固定することができる。このような接着構成を通じて、複数のセルカバー200の間の連結構成をより堅固にすることができる。前記接着部材は、金属材料からなるセルカバー200の間を絶縁できるように絶縁性のものであり得る。また、前記接着部材は熱伝導性のものであり得る。このような接着により、セルカバー200は、バッテリーセル100に堅固に結合し、バッテリーセル100で発生する熱をバッテリーセル100外部に排出するのに有用であり得る。
【0085】
セルカバー200は、内側面に絶縁コーティング層を含むことができる。前記絶縁コーティング層は、第1側面カバー部210の内側面及び/又は第2側面カバー部220の内側面にコーティングされ得る。前記絶縁コーティング層は、シリコン樹脂、ポリアミド(Polyamide)及びゴムのうちのいずれかの絶縁性素材をコーティング、塗布又は付着したものであり得る。前記絶縁コーティング層は、最低限のコーティング量で絶縁コーティング効果を最大限に高めることができる。また、前記絶縁コーティング層がセルカバー200の内側面に適用されており、パウチ型バッテリーセル100とセルカバー200との間の絶縁性が強化し得る。
【0086】
図6は、本発明によるバッテリーパックに含まれるバスバーアセンブリを示す図である。図7は、本発明によるバッテリーパックに含まれるバスバーアセンブリの一部断面を示す図であり、図6のA-A’断面図である。
【0087】
図6及び図7を参照すると、バスバーアセンブリ400は、バスバー端子410及びバスバーフレーム420を含むことができる。バスバー端子410は、バッテリーセル100の電極リード111と接続し得る。バスバー端子410は、リード収容部421により収容された電極リード111と接続し得る。バスバー端子410は、リード収容部421により収容された電極リード111がバスバー端子410に向かうように折り曲がり、溶接により電気的に接続し得る。前記溶接の後、バスバーアセンブリ400に中間カバー500及びエンドカバー600を組み立て、セルユニットUの組立過程を完了することができる。
【0088】
バスバーフレーム420は、バスバー端子410が安着するように構成され得る。バスバー端子410は、バスバーフレーム420の外側(X軸の正の方向)面に安着することができる。バスバーフレーム420は、電極リード111を収容するリード収容部421を備えることができる。リード収容部421は、電極リード111が貫通できるように構成されたスリット状であり得る。バスバーフレーム420は、パウチ型バッテリーセル100のうち少なくとも一部で発生するガスが移動できるように貫通部422を備えることができる。貫通部422は、ガスが移動できるようにスリット又は孔状であり、前記スリット状のリード収容部421で電極リード111が収容される領域を除いた残りの領域であり得る。
【0089】
前述したように、バスバーアセンブリ400は、セルカバー200の前方と後方でパウチ型バッテリーセル100で電極リード111が備えられた部分に備えられる。セルカバー200で第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220の一部が上側カバー部230よりも突出した形状であり得る。バスバーフレーム420の一部は、上側カバー部230よりも突出し、残りの一部は、上側カバー部230よりも突出している部分の第1側面カバー部210の内側と第2側面カバー部220の内側に挿入されて接触している場合がある。このような構成を通じて、セルカバー200とバスバーアセンブリ400との効率的な結合が可能となる。
【0090】
バスバーアセンブリ400は、中間カバー500との結合のために溝H2を備えることができる。溝H2は、バスバーアセンブリ400のX軸の正の方向に位置する外側面上で凹んでいる形状であり得る。バスバーフレーム420は、同じY軸上に位置する上部溝(H2、Z軸の正の方向に位置するフック)と下部溝(H2、Z軸の負の方向に位置するフック)との間に中間カバー500のサイド部(図9の520を参照)が挟まれるように形成された多段形状を備えることができる。前記多段形状は、X軸方向にサイド部520と対応する幅を有することができる。
【0091】
図8は、本発明によるバッテリーパックに含まれるエンドカバーを示す図である。
【0092】
エンドカバー600は、バスバーフレーム420の貫通部422と連通する第1ベント部610を備えることができる。第1ベント部610は、セルカバー200によって取り囲まれたパウチ型バッテリーセル100のうち少なくとも一部で発生するガス及び/又は火炎をパックケース300の内部空間に排出するように構成され得る。
【0093】
第1ベント部610は、エンドカバー600を貫通する形態として単なる孔の形態であり得る。また、完全に開放されている形態だけでなく、完全に開放されず、通常の状態では閉鎖されており、圧力や温度などの変化に応じて開放可能な特定のデバイスであり得る。第1ベント部610は、例えば、一方向弁であり得る。このような第1ベント部610についての説明は、後述するパックケース300の第2ベント部(図13の301を参照)にも同様に適用され得る。
【0094】
本発明のこのような構成によると、パウチ型バッテリーセル100でスウェリング又は熱暴走によりガス及び/又は火炎が発生する場合、エンドカバー600の第1ベント部610を介してセルユニットUの外部に排出することができる。したがって、サイドベントを誘導することで、ガス及び/又は火炎がセルカバー200の開放された部分を介してランダムに排出されることを防止することができる。このようにスウェリングへの対応性能に優れたバッテリーパック10を提供することができる。
【0095】
また、第1ベント部610は、セルカバー200の開放された部分をカバーするエンドカバー600に形成されるものであるため、第1ベント部610は、セルカバー200の開放された部分又はエンドカバー600がカバーしている領域よりは小さな面積を有するようになる。よって、エンドカバー600を備えていない場合に比べて、エンドカバー600を備える場合にベントガス又は火炎の排出角度を最小化し、火炎の伝播を最小化することができる。
【0096】
エンドカバー600は、ガイド部620を備えることができる。ガイド部620は、エンドカバー600のX軸の負の方向に位置する内側面の端部から所定の幅を有する面を形成するようにX軸の負の方向に突出した形状であり得る。
【0097】
図9は、本発明によるバッテリーパックに含まれる中間カバーを示す図である。図10は、本発明によるバッテリーパックに含まれる中間カバーの一部断面を示す図であり、図9のB-B’断面図である。
【0098】
図3にも示されているように、中間カバー500は、バスバーアセンブリ400とエンドカバー600との間に備えられ得る。
【0099】
図9及び図10を参照すると、中間カバー500は、貫通部422と連通するように連通部510を備えることができる。連通部510は、エンドカバー600の第1ベント部610と連通することができる。連通部510は、メッシュ部材Mを備えることができる。メッシュ部材Mは、複数枚の多孔性金属板を重ね合わせた形態で設けられ、フレームアレスター(flame arrester)のような機能をするように構成され得る。ただし、メッシュ部材Mは、中間カバー500とエンドカバー600との間にメッシュプレートの形態で備えることもできる。
【0100】
中間カバー500はフックH1を備えることができる。フックH1は、中間カバー500のX軸の負の方向に位置する内側面上で突出した形状であり得る。中間カバー500は、同じY軸上に位置する上部フック(H1、Z軸の正の方向に位置するフック)と下部フック(H1、Z軸の負の方向に位置するフック)との間にサイド部520を備えることができる。
【0101】
さらに、中間カバー500は安着部530を備えることができる。安着部530は、中間カバー500のX軸の正の方向に位置する外側面の端部から所定の幅を有する面を形成するようにX軸の正の方向に突出した形状であり得る。安着部530は、エンドカバー600のガイド部620が容易に安着するように中間カバー500の上部及び/又は下部に備えられ得る。
【0102】
中間カバー500は絶縁素材を含むことができる。前記絶縁素材は、バスバーアセンブリ400とエンドカバー600との間に電気的接続を遮断することができる。
【0103】
本発明のこのような構成によると、パウチ型バッテリーセル100で発生し得る火炎の流れを中間カバー500によって一次的に阻止できるため、火炎の強度を低下させ、第1ベント部610への火炎の急激な排出を防止することができる。また、バスバーアセンブリ400とエンドカバー600との間の接触による短絡現象を防止することができる。
【0104】
図11及び図12は本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素の一部断面を示す図である。
【0105】
図11及び図12を、図6から図10とともに参照して、バスバーアセンブリ400、中間カバー500及びエンドカバー600の結合関係について検討する。
【0106】
図11を参照すると、バスバーアセンブリ400は、エンドカバー600及び/又は中間カバー500が結合するように構成され得る。望ましくは、バスバーアセンブリ400に中間カバー500が結合し、中間カバー500にエンドカバー600が順に結合することができる。すなわち、中間カバー500は、バスバーアセンブリ400の外側に挿入結合することで、セルカバー200の第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220の内側に挿入結合し、エンドカバー600は、中間カバー500の外側に挿入結合することで、セルカバー200の第1側面カバー部210及び第2側面カバー部220の内側に挿入結合する。
【0107】
図11及び図12を参照すると、中間カバー500のフックH1とバスバーアセンブリ400の溝H2は、互いに対応する位置に形成されており、フックH1は、溝H2に重なるかまったく嵌め込まれる。このような結合構造は、全体の厚さが増加して配置空間を過度に占有することを回避することができ、セルカバー200内の限られた空間内でバスバーアセンブリ400と中間カバー500との間の組み立てを可能とする効率的な構造である。
【0108】
図9に示されているように、フックH1は、中間カバー500のコーナーごとに位置し、バスバーアセンブリ400側に延びている。図12に詳しく示されているように、フックH1は、本体H1a及び突出部H1bを含み、本体H1aは、溝H2の掛かり部H2aまで延び、突出部H1bは溝H2の掛かり部H2aに掛かる。フックH1は、長さが比較的短いため、フックH1が長すぎて破損しやすくなることを回避することができる。中間カバー500のコーナーごとに締結部位を有するようになるので、中間カバー500とバスバーアセンブリ400との間の組み立てをより円滑かつ確実に行うことができる。
【0109】
図9及び図10に示されている中間カバー500の安着部530と、図8に示されているエンドカバー600のガイド部620とは、互いに対応する位置に形成されており、図11及び図12でのように、中間カバー500とエンドカバー600とが互いに組み立てられた状態では、ガイド部620が安着部530上に安着することができる。前記安着部530の所定の幅は、前記ガイド部620の所定の幅とほぼ同じであり得る。このような結合構造は、中間カバー500とエンドカバー600との間に一定の空間を形成させ、火炎及び/又はガスの排出時に火炎の強度又はガスの温度を低減することができる。前記一定の空間にはメッシュ部材を備えることができる。
【0110】
以上の実施形態によってバッテリーパック10の組立過程を説明すると、セルカバー200でバッテリーセル100を取り囲んだ後、セルカバー200の開放された部分にバスバーアセンブリ400を挿入して組み立てる。バッテリーセル100の電極リード111をリード収容部421に貫通させた後に折り曲げ、溶接などの公知の接合手段を用いてバスバー端子410に固定させる。バスバーアセンブリ400に中間カバー500を組み立てる。中間カバー500にエンドカバー600を組み立てる。次いで、エンドカバー600を溶接する。バスバーアセンブリ400、中間カバー500及びエンドカバー600の独特の結合構造によって、これらの間の結合を容易かつ効率的に行うことができる。
【0111】
図13は、本発明によるバッテリーパックの一部の構成要素を分離して示す図である。
【0112】
図13を参考すると、パックケース300は第2ベント部301を備えることができる。
【0113】
第2ベント部301は、エンドカバー600の第1ベント部610と連通し、パックケース300の内部に収納されたセルユニットUの少なくとも1つで発生するガス及び/又は火炎をバッテリーパック10の外部に排出できるように構成され得る。第2ベント部301についての詳しい説明は、前記第1ベント部610についての説明に置き換えることができる。
【0114】
図1を再び参照すると、本発明によるバッテリーパック10は、バッテリー管理システム(700、Battery Management System、BMS)とバッテリー遮断ユニット(800、Battery Disconnect Unit、BDU)をさらに含むことができる。BMSは、パックケース300の内部空間に取り付けられ、パウチ型バッテリーセル100の充放電動作やデータ送受信動作などを全般的に制御するように構成され得る。BMSは、バッテリーモジュール単位でなくバッテリーパック10単位で提供することができる。より具体的には、BMSは、パック電圧及びパック電流によってパウチ型バッテリーセル100の充放電状態、電力状態及び性能状態などを制御するように設けられ得る。BMSは、バッテリーパック10内のバッテリーセル100の状態を推正し、推正した状態情報を用いてバッテリーパック10を管理する。例えば、バッテリーパック10のSOC(State Of Charge)、SOH(State Of Health)、最大入出力電力許容量、出力電圧などのバッテリーパック10の状態情報を推正して管理する。また、このような状態情報を用いてバッテリーパック10の充電又は放電を制御し、さらにバッテリーパック10の交換時期の推定も可能である。BDUは、バッテリーパック10の電力容量と機能を管理するためにバッテリーセル100の電気的接続を制御するように構成され得る。このために、BDUは、パワーリレーと電流センサー、ヒューズなどを含むことができる。BDUもバッテリーモジュール単位でなくバッテリーパック10単位で提供される構成であり、本発明の出願時点に公知の様々な遮断ユニットを採用することができる。
【0115】
これに加え、本発明によるバッテリーパック10は、本発明の出願時点に公知の様々なバッテリーパック10の構成要素をさらに含むことができる。例えば、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10の場合、作業者が手作業でサービスプラグを分離して電源を遮断できるMSD(Manual Service Disconnector)をさらに含むことができる。また、前述したようなn×n配置を有する複数のバッテリーセル100を互いに接続するためのフレキシブルバスバーやケーブルをさらに含むこともできる。
【0116】
ただし、本発明は、上述したバッテリーパック10に適用される構造をバッテリーモジュールに適用することができる。すなわち、パックケース300の構造をモジュールケースに適用して、モジュールケースに複数のセルユニットUを収納し、モジュールケースにベント部を備えるようにしてバッテリーモジュールで構成され得る。このようなバッテリーモジュールは、パックケース300の内部空間に1つ以上収納されるバッテリーモジュールであり、上述したような複数のパウチ型バッテリーセル100とセルカバー200とを含み、内部空間にパウチ型バッテリーセル100を収納するモジュールケース(上述したような本発明によるバッテリーパック10のパックケース300構造をそのまま用いることができる)を含むことができる。
【0117】
本発明によるバッテリーパック10又はここで説明したバッテリーモジュールは、様々なデバイスに適用することができる。このようなデバイスは、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段が代表的であるが、本発明はこれらに限定されない。特にバッテリーパック10は、電気自動車用のバッテリーパック10として使用するのに適している。また、ESSのエネルギー源として使用することもできる。
【0118】
図14は、本発明による自動車を示す図である。
【0119】
図14を参照すると、自動車1は、上述した本発明によるバッテリーパック10を含むことができる。また、本発明による自動車1は、このようなバッテリーパック10に加え、自動車1に含まれる他の様々な構成要素などをさらに含むことができる。例えば、本発明による自動車1は、本発明によるバッテリーパック10に加え、車体やモータ、ECU(electronic control unit)などの制御装置などをさらに含むことができる。
【0120】
バッテリーパック10は、自動車1内の所定の位置に配設され得る。バッテリーパック10は、電気自動車1のモータに駆動力を提供して自動車1を駆動させる電気エネルギー源として用いることができる。この場合、バッテリーパック10は、100V以上の高い公称電圧を有する。
【0121】
バッテリーパック10はモータ及び/又は内燃機関の駆動に応じてインバータによって充電及び放電することができる。バッテリーパック10は、ブレーキ(brake)と結合された回生充電装置によって充電することができる。バッテリーパック10はインバータにより自動車1のモータに電気的に接続することができる。
【0122】
このように、自動車1に備えられたバッテリーパック10は、自動車1の各種動作に必要な電気エネルギーを提供することができる。また、バッテリーパック10は、前述した様々な効果を有するため、これを含む自動車1もそのような効果を同様に有することができる。
【0123】
具体的な一例として、バッテリーパック10は、セルカバー200を含むことでモジュールケースを省略できるところ、高いエネルギー密度を有することができる。エネルギー密度は単位重量あたりに蓄えられるエネルギーの量を意味する。バッテリーパック10のエネルギー密度が増加すると、同じ重量である場合でもバッテリーパック10に貯蔵されたエネルギーがさらに多くなる。したがって、このようなバッテリーパック10を含む自動車1の場合、1回の充電による走行距離をさらに長くすることもでき、加速力をさらに速くすることもでき、さらに多く積むこともでき、室内空間を広げることもできるなど多様に活用することができる。また、バッテリーパック10のエネルギー密度が増加すると、同じエネルギーである場合でもさらに軽くなる。バッテリーパック10が軽くなり、これを含む自動車1が軽くなると、加速力が向上され、エネルギー効率が向上されて耐久性も向上するなど、多くの利点を有するようになる。
【0124】
具体的な他の例として、バッテリーパック10は高い安全性を有することができる。自動車1は人命に直結する物であるため、安全性は絶対に譲れないものである。パウチ型バッテリーセル100は、リチウムの物理的特性上火災の危険が常に存在する。しかし、本発明によるバッテリーパック10は、セルカバー200を含むことで、パウチ型バッテリーセル100で熱イベントが発生しても、他の部分に伝播することを遮断することができる。したがって、バッテリーパック10を含む自動車1は、火災に対する安全性が確保される。
【0125】
以上のように、本発明は、添付された図面を参照して望ましい実施形態を中心に説明されてきたが、当業者であればこのような記載より本発明の範囲を逸脱することなく、多くの様々な自明な変形が可能であることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、このような多くの変形例を含むように記載された特許請求の範囲によって解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0126】
1:自動車
10:バッテリーパック
U:セルユニット
100:バッテリーセル
111:電極リード
110:収納部
120:シール部
200:セルカバー
210:第1側面カバー部
220:第2側面カバー部
230:上側カバー部
300:パックケース
301:第2ベント部
310:ケース本体
320:トップカバー
400:バスバーアセンブリ
410:バスバー端子
420:バスバーフレーム
421:リード収容部
422:貫通部
500:中間カバー
510:連通部
520:サイド部
530:安着部
600:エンドカバー
610:第1ベント部
620:ガイド部
700:バッテリー管理システム
800:バッテリー遮断ユニット
M:メッシュ部材
H1:フック
H1a:本体部
H1b:突出部
H2:溝
H2a:掛かり部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】