特表 2024-534906 端子構造が改善された二次電池

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-09-26

(54)【発明の名称】端子構造が改善された二次電池

(51)【国際特許分類】

   H01M 50/50 20210101AFI20240918BHJP

   H01M 50/55 20210101ALI20240918BHJP

   H01M 50/503 20210101ALI20240918BHJP

   H01M 50/548 20210101ALI20240918BHJP

【ＦＩ】

H01M50/50 201Z

H01M50/55 101

H01M50/503

H01M50/548 101

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024514062

(86)(22)【出願日】2023-06-12

(85)【翻訳文提出日】2024-03-01

(86)【国際出願番号】 KR2023007992

(87)【国際公開番号】W WO2023243950

(87)【国際公開日】2023-12-21

(31)【優先権主張番号】10-2022-0071855

(32)【優先日】2022-06-14

(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】521065355

【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】100188558

【弁理士】

【氏名又は名称】飯田 雅人

(74)【代理人】

【識別番号】100110364

【弁理士】

【氏名又は名称】実広 信哉

(72)【発明者】

【氏名】ヨン・ジュン・コ

(72)【発明者】

【氏名】ジュ・ファン・ソン

(72)【発明者】

【氏名】キョン・ファン・ジュン

【テーマコード（参考）】

5H043

【Ｆターム（参考）】

5H043AA19

5H043CA04

5H043FA04

5H043FA22

5H043FA23

5H043JA03F

5H043LA21F

5H043LA22F

(57)【要約】

開示される発明は、六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が互いに離隔して配置された二次電池に関するものであって、一つの例において、上記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、上記電池ケースの上面および上記上面に続く１つ以上の面に結合する端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結され、上記端子本体のうち上面を除くいずれか一面に露出した延長端子とを備え、上記延長端子上に上記二次電池の厚さ方向に向かう接続端子が備えられる端子構造体を含む。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が互いに離隔して配置された二次電池と、
前記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、前記電池ケースの上面および前記上面に続く１つ以上の面に結合する端子本体と、前記正極端子または負極端子と電気的に連結され、前記端子本体のうち上面を除くいずれか一面に露出した延長端子とを備え、前記延長端子上に前記二次電池の厚さ方向に向かう接続端子が備えられる端子構造体と、
を含む、二次電池。

【請求項2】

前記正極端子または負極端子に対して前記延長端子を電気的に連結する延長配線は、前記端子本体の外部に露出しない、請求項１に記載の二次電池。

【請求項3】

前記正極端子または負極端子に対して前記延長端子を電気的に連結する延長配線は、外部に対して絶縁されている、請求項１または２に記載の二次電池。

【請求項4】

前記端子本体は、前記電池ケースの上面および前記上面に続く一側面に結合し、
前記延長端子は前記一側面上に露出している、請求項１または２に記載の二次電池。

【請求項5】

前記端子構造体は、前記正極端子および負極端子に１つずつ結合する、請求項４に記載の二次電池。

【請求項6】

前記接続端子は、厚さ方向に沿っていずれかの一方向または両方向に延長される、請求項５に記載の二次電池。

【請求項7】

前記接続端子は、
隣接する他の二次電池の延長端子または接続端子に対して電気的に連結される、請求項６に記載の二次電池。

【請求項8】

複数の二次電池は厚さ方向に沿って整列され、
それぞれの二次電池に備えられた接続端子は、隣接する二次電池の延長端子または接続端子に対して直列または並列に連結される、請求項７に記載の二次電池。

【請求項9】

前記接続端子は、前記延長端子に一体に形成される、請求項１または２に記載の二次電池。

【請求項10】

前記接続端子の端部は、厚さ方向に開放されたスロットを形成する、請求項７に記載の二次電池。

【請求項11】

前記接続端子のスロットに隣接する二次電池の接続端子が挿入される、請求項１０に記載の二次電池。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、二次電池に関するものであって、正極端子および／または負極端子の配置構造を容易に変更することができ、複数の二次電池に対する電気連結を容易にすることができる、端子構造が改善された角型二次電池に関するものである。

【0002】

本出願は、２０２２年６月１４日付の韓国特許出願第１０－２０２２－００７１８５５号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。

【背景技術】

【0003】

二次電池は一次電池とは異なって再充電が可能であり、また、小型および大容量化の可能性により近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加し、また、環境保護の時代的要求に合わせて浮上する電気自動車とエネルギー貯蔵システムなどにより、エネルギー源としての二次電池の需要はさらに急激に増加している。

【0004】

二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびパウチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に装着される電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。

【0005】

電極組立体は、活物質が塗布されたシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取したジェリーロール（Ｊｅｌｌｙｒｏｌｌ）型、多数の正極と負極を分離膜が介在された状態で順次的に積層したスタック型、およびスタック型の単位セルを長い長さの分離フィルムで巻取したスタックアンドフォールディング（Ｓｔａｃｋ＆Ｆｏｌｄｉｎｇ）型に大まかに分類することができる。

【0006】

多様な種類の二次電池のうち角型二次電池を見ると、角型二次電池は正極端子と負極端子が一面に共に配置されているか、または対向する両側面に１つずつ配置されることが大部分である。このような正極端子と負極端子の配置は、角型二次電池を搭載する各種装置の設計仕様によって決定され、このような設計仕様に合わせて同じフォームファクタでも正極端子と負極端子の配置構造をその都度別々に設計しなければならないという手間がかかることになる。

【0007】

また、複数の二次電池をモジュールやパックで構成するためには、二次電池を電気的に連結するバスバーなどが必要となるが、バスバーの設計は正極端子と負極端子の配置構造に従属するため、バスバーの設計も複雑になる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0008】

【特許文献1】韓国公開特許第１０－２０１９－０１０２８１６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0009】

本発明は、角型二次電池に備えられる正極端子と負極端子の配置構造を別途の設計変更なしに容易に変更製造することができる新たな角型二次電池、さらに、複数の二次電池に対する電気連結を容易にすることができる新たな角型二次電池を提供することを目的とする。

【0010】

ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、言及されない別の課題は、下記に記載された発明の説明から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。

【課題を解決するための手段】

【0011】

本発明は、六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が互いに離隔して配置された二次電池に関するものであって、一つの例において、上記正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、上記電池ケースの上面および上記上面に続く１つ以上の面に結合する端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結され、上記端子本体のうち上面を除くいずれか一面に露出した延長端子とを備え、上記延長端子上に上記二次電池の厚さ方向に向かう接続端子が備えられる端子構造体を含む。

【0012】

本発明の一実施形態において、上記正極端子または負極端子に対して上記延長端子を電気的に連結する延長配線は、上記端子本体の外部に露出しない。

【0013】

そして、上記正極端子または負極端子に対して上記延長端子を電気的に連結する延長配線は、外部に対して絶縁され得る。

【0014】

上記端子本体は、上記電池ケースの上面および上記上面に続く一側面に結合し、上記延長端子は上記一側面上に露出している。

【0015】

そして、上記端子構造体は、上記正極端子および負極端子に１つずつ結合する。

【0016】

本発明の一実施形態において、上記接続端子は、厚さ方向に沿っていずれかの一方向または両方向に延長される。

【0017】

上記接続端子は、隣接する他の二次電池の延長端子または接続端子に対して電気的に連結され得る。

【0018】

例えば、複数の二次電池が厚さ方向に沿って整列され、それぞれの二次電池に備えられた接続端子は、隣接する二次電池の延長端子または接続端子に対して直列または並列に連結される。

【0019】

そして、上記接続端子は、上記延長端子に一体に形成され得る。

【0020】

一方、本発明の他の実施形態において、上記接続端子の端部は、厚さ方向に開放されたスロットを形成し得る。

【0021】

このような実施形態において、上記接続端子のスロットには隣接する二次電池の接続端子が挿入され得る。

【発明の効果】

【0022】

上記のような構成を有する本発明の二次電池は、端子構造体を二次電池の上面角部に結合することにより、正極端子および／または負極端子の配置構造を容易に変更することができる。したがって、既存のセル内部製造工程に影響を与えずに自由に端子部位置の制御が可能であるため、角型二次電池の開発および生産コストの削減が可能となる。

【0023】

また、端子構造体に結束部材を備えることにより、複数の二次電池を厚さ方向に沿って直列／並列／直並列回路に連結するときに、別途のバスバーなしで端子構造体同士を直結することが可能であり、これにより、バッテリモジュールやパックの製造時に構造を単純化し、製造コストを削減することができるようになる。

【0024】

ただし、本発明によって得ることができる技術的効果は上述した効果に制限されず、言及されない別の効果は、下記に記載された発明の説明から通常の技術者に明確に理解され得るであろう。

【0025】

本明細書に添付される下記の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、後述される発明の詳細な説明と共に本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはならない。

【図面の簡単な説明】

【0026】

【図1】本発明に係る二次電池を図示した斜視図である。

【図2】本発明に係る二次電池と端子構造体の結合構造を図示した斜視図である。

【図3】接続端子の多様な実施形態を図示した図面である。

【図4】２つの二次電池が接続端子を介して並列に連結される構造を図示した図面である。

【図5】３つの二次電池が接続端子を介して直列に連結される構造を図示した図面である。

【図6】本発明の他の実施形態に係る接続端子を図示した図面である。

【図7】図６の接続端子を用いて複数の二次電池が電気的に連結される構造を図示した図面である。

【発明を実施するための形態】

【0027】

本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有し得るので、特定の実施形態を以下に詳細に説明する。

【0028】

しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものとして理解されるものである。

【0029】

本発明において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、１つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるものである。

【0030】

また、本発明において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あると記載された場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あると記載された場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本出願において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。

【0031】

本発明は、二次電池、特に六面体形状をなす電池ケースの上面に正極端子および負極端子が互いに離隔して配置された二次電池に関するものである。

【0032】

本発明に係る二次電池は、一つの例において、電池ケースの少なくとも一方の上面角部には端子構造体が結合する。端子構造体は、正極端子または負極端子が露出しないように包みながら、上記電池ケースの上面および上記上面に続く１つ以上の面に結合する端子本体と、上記正極端子または負極端子と電気的に連結され、上記端子本体のうち上面を除くいずれか一面に露出した延長端子とを備える。

【0033】

また、端子構造体は、延長端子上に備えられ、二次電池の厚さ方向に向かう接続端子を含む。接続端子は、厚さ方向に整列された二次電池がそれぞれ備える端子構造体の延長端子を電気的に連結する拡張された端子であって、接続端子により複数の二次電池が電気的に連結され得る。

【0034】

このように、端子構造体を含む本発明の二次電池は、電池ケースの上面に配置された正極端子と負極端子の位置を、端子構造体を適用するのみで別途の設計変更なしに使用者の要求に応じて自由に変更することができる。これにより、角型二次電池の生産コストを削減することができる。

【0035】

また、端子構造体に接続端子を備えることにより、複数の二次電池を厚さ方向に沿って直列／並列／直並列回路に連結するときに、別途のバスバーなしで端子構造体同士を直結することが可能であり、これにより、バッテリモジュールやパックの製造時に構造を単純化し、製造コストを削減することができるようになる。

【0036】

以下では、添付された図面を参照して本発明の二次電池に関する具体的な実施形態を説明する。そして、以下の説明で使用される前後左右や上下などの相対的な位置関係を指定する用語は、特に定義がない限り、添付された図面を基準とする。

【0037】

（第１実施形態）
図１は、本発明に係る二次電池１００を図示した斜視図であり、図２は、本発明に係る二次電池１００と端子構造体２００の結合構造を図示した斜視図である。

【0038】

図１および図２を参照すると、本発明は二次電池１００、特に六面体形状をなす電池ケース１１０の上面に正極端子１２０および負極端子１３０が互いに離隔して配置された角型二次電池１００に関するものである。ここで、図面に図示された角型二次電池１００は、一つの例示であって、横幅と縦幅、そして高さの割合は多様であり得る。ただし、説明の便宜のために、添付された図面を基準として前後と上下左右の方向を指すものとする。例えば、正極端子１２０および負極端子１３０が配置された一面が上面であり、それに対向する反対面は底面と呼ぶ。

【0039】

そして、図１および図２に示された座標軸は、二次電池１００の幅方向Ｗ、厚さ方向Ｔ、高さ方向Ｈを指定するものである。幅方向Ｗは、正極端子１２０および負極端子１３０を横切る方向を指定するものであり、厚さ方向Ｔは、幅方向Ｗに垂直な深さ方向（地面基準）を、そして、高さ方向Ｈは、幅方向Ｗおよび厚さ方向Ｔの両者に垂直な方向を指定する。

【0040】

本発明の二次電池１００は端子構造体２００を含む。端子構造体２００は、電池ケース１１０の少なくとも一方の上面角部に結合するヒンジ状の構造物であって、端子本体２１０と延長端子２２０とを含む。

【0041】

端子本体２１０は、正極端子１２０または負極端子１３０が外部に露出しないように包みながら、電池ケース１１０の上面および上面に続く１つ以上の面（側面や前面、後面など）に結合する端子構造体２００の本体を指す。

【0042】

延長端子２２０は、正極端子１２０または負極端子１３０と電気的に連結されており、端子本体２１０のうち上面を除くいずれか一面に露出した端子構造体２００の端子を指すものである。すなわち、正極端子１２０と負極端子１３０は、端子本体２１０に包まれて露出していないので、延長端子２２０は、上面以外の他の一面に位置する新たな正極端子１２０と負極端子１３０としての機能を果たすことになる。

【0043】

したがって、本発明の二次電池１００は、電池ケース１１０の上面に配置された正極端子１２０と負極端子１３０の位置を、端子構造体２００を適用するのみで別途の設計変更なしに自由に変更することができる。これにより、本発明は、同じフォームファクタの角型二次電池１００に対して、端子構造体２００を用いて正極端子１２０と負極端子１３０の位置を容易に変更することができ、これにより、角型二次電池１００の生産コストを削減することができるようになる。

【0044】

そして、端子構造体２００は、延長端子２２０上に備えられる接続端子３００を含む。接続端子３００は、二次電池１００の厚さ方向Ｔに向かって延長されており、接続端子３００は、隣接する他の二次電池１００の延長端子２２０または接続端子３００と電気的に連結される二次端子または拡張端子を意味する。接続端子３００は、二次電池１００の厚さ方向Ｔに延長されており、このような接続端子３００によって厚さ方向Ｔに整列された複数の二次電池１００が電気的に連結され得る。

【0045】

このように、端子構造体２００に接続端子３００を備えることにより端子構造体２００同士を直結することが可能となるので、複数の二次電池１００を別途のバスバーなしで接続端子３００を介して直結することにより互いに電気的に連結することができ、これにより、バッテリモジュールやパックの製造時に構造を単純化し、製造コストを削減することができるようになる。

【0046】

本発明の一実施形態において、正極端子１２０または負極端子１３０と延長端子２２０は延長配線２３０を介して電気的に連結されるが、延長配線２３０は端子本体２１０の外部に露出しない。そして、延長配線２３０は外部に対して絶縁されている。例えば、絶縁性樹脂材質の端子本体２１０内に延長配線２３０および延長端子２２０がインサートモールディングなどにより埋め込まれていてもよい。これにより、延長端子２２０のみが外部に露出することにより、延長配線２３０が損傷するかまたはショートを起こすなどの問題が防止される。参考として、延長配線２３０と延長端子２２０は一体型に構成されるか、または別途の部品で構成されて端子本体２１０に結合し得る。

【0047】

図示された具体的な実施形態によると、端子本体２１０は、電池ケース１１０の上面および上面に続く一側面に結合し、延長端子２２０は一側面上に露出している。これにより、電池ケース１１０の上面に位置した正極端子１２０と負極端子１３０の位置は側面に移動された。

【0048】

また、端子構造体２００は、正極端子１２０および負極端子１３０に１つずつ結合され得、これにより、正極端子１２０と負極端子１３０は、互いに対向する側面に１つずつ配置される。すなわち、電池ケース１１０の上面に共に配置された正極端子１２０と負極端子１３０はそれぞれ隣接する側面に移動され、これにより、一方向二次電池１００として設計された初期の角型二次電池１００は両方向二次電池に変換される。

【0049】

そして、端子構造体２００は、完成した二次電池１００に追加的に付着するか、または図２に図示されたように、電極組立体１６０を電池ケース１１０に封入する前に端子構造体２００を電池ケース１１０の上面を構成するキャッププレート１５０に最初に結合する手順で製造することが可能である。

【0050】

図３は、接続端子３００の多様な実施形態を図示した図面であり、３つの実施形態が例示的に提示されている。

【0051】

接続端子３００は、端子構造体２００の延長端子２２０に電気的に連結されている。例えば、図面のように、接続端子３００は延長端子２２０に一体に形成されていてもよく、図示されないが、別途製作された接続端子３００が延長端子２２０に接合されていてもよい。

【0052】

接続端子３００は、二次電池１００の厚さ方向Ｔに沿って延長されているが、図３の（ａ）および（ｂ）のように厚さ方向Ｔのいずれかの一方向（＋Ｔ方向または－Ｔ方向）のみに延長されている一方向接続端子３０１であるか、または（ｃ）のように両方向（＋Ｔ方向および－Ｔ方向）に延長されている両方向接続端子３０２であり得る。

【0053】

そして、接続端子３００の延長長さは画一的に定義することは難しいが、概して二次電池１００の厚さ方向Ｔに直に隣接する他の二次電池１００の端子構造体２００上の延長端子２２０や接続端子３００に安定的に接合し得る長さを備える必要があると言える。

【0054】

上述したように、接続端子３００は、厚さ方向Ｔに隣接する他の二次電池１００の延長端子２２０または接続端子３００に対して電気的に連結されることにより、複数の二次電池１００を別途のバスバーなしで電気的に連結するためのものである。図３に図示された接続端子３００の様々な実施形態は、多様な電気連結のために様々な組み合わせで適用され得る。

【0055】

図４は、２つの二次電池１００が接続端子３００を介して並列に連結される構造を図示した図面である。厚さ方向Ｔに隣接する２つの二次電池１００は、それぞれ正極端子１２０と負極端子１３０に端子構造体２００を備えており、２つの二次電池１００は、互いに対向する端子の極性が同一になるように整列されている。

【0056】

このように、同一極性の電極端子１２０または１３０が互いに対向するように厚さ方向Ｔに沿って整列された複数の二次電池１００は、隣接する端子構造体２００同士が接続端子３００で連結されることにより、並列回路を構成することになる。

【0057】

図４では、一方向接続端子３０１と延長端子２２０が互いに連結される実施形態で例示されており、２つの二次電池１００が例示されているが、このような並列連結は同じパターンで連続的に行われ得る。

【0058】

図５は、３つの二次電池１００が接続端子３００を介して直列に連結される構造を図示した図面である。厚さ方向Ｔに隣接する３つの二次電池１００のうち、２つの二次電池１００は、それぞれ正極端子１２０と負極端子１３０に一方向接続端子３０１を備えており、３つの二次電池１００は、互いに対向する二次電池１００の端子極性が逆になるように整列されている。

【0059】

互いに対向する二次電池１００の端子極性が逆になるため、隣接する端子構造体２００同士を接続端子３００で連結すると直列回路が形成される。ただし、図５に図示されたように、接続端子３００の連結は、対向する二次電池１００のいずれか一側でのみ、そして、二次電池１００を１つずつ移動しながら交互に行われなければならない。

【0060】

このように、複数の二次電池１００を厚さ方向Ｔに、そして、電極端子１２０、１３０の極性を所望の回路連結に適合するように整列して接続端子３００を連結することにより、複数の二次電池１００を電気的に連結し得るようになる。参考として、図４の並列連結と図５の直列連結を組み合わせることによって直並列回路を構成し得ることは容易に理解されるであろう。

【0061】

（第２実施形態）
図６は、本発明の第２実施形態に係る接続端子３００を図示した図面である。

【0062】

図６の第２実施形態も、複数の二次電池１００を厚さ方向Ｔに沿って接続端子３００を用いて直結し得ることは、上述した第１実施形態と同じであるが、接続端子３００を相互連結する構造に違いがある。

【0063】

図１～図５に図示された第１実施形態において、端子構造体２００に備えられた接続端子３００は、厚さ方向Ｔに直に隣接する他の二次電池１００の端子構造体２００上の延長端子２２０や接続端子３００に接合され得る長さに延長されており、接続端子３００の接合のための特別な構造を含んでいない。

【0064】

これに対し、図６の第２実施形態においては、ある接続端子３００の端部は厚さ方向Ｔに開放されたスロット３１０を形成しており、それに対応して、厚さ方向Ｔに隣接する他の二次電池１００の接続端子３００はスロット３１０に挿入され得る。

【0065】

図７は、図６の接続端子３００を用いて複数の二次電池１００が電気的に連結される構造を例示的に示す図面である。図７には３つの二次電池１００が図示されているが、中央に位置する二次電池１００の端子構造体２００には、図３の（ｃ）に対応する両方向接続端子３０２を備えており、両方向接続端子３０２の両端部にはスロット３１０が形成されている。それに対応して、両側の二次電池１００は、スロット３１０がない単純な一方向接続端子３０１を備えており、２つの一方向接続端子３０１がそれぞれ両方向接続端子３０２のスロット３１０に挿入されて相互連結されている。

【0066】

このように、本発明の第２実施形態によると、複数の二次電池１００を端子構造体２００の接続端子３００がスロット構造をなすことにより、接続端子３００を相互結合して電気的に連結することが容易になる。すなわち、第１実施形態では、接続端子３００間の接合を伴ってこそ初めて複数の二次電池１００間の電気的連結が完成するが、第２実施形態によると、スロット構造を介して接続端子３００同士が強固に接触し得るので、組立状態でも電気的連結が行われる。

【0067】

もちろん、第２実施形態のスロット構造でも、スロット３１０を用いて一種の仮組立状態として接続端子３００同士を連結した後に、溶接などの接合過程を並行してより強固に連結を完成し得る。

【0068】

以上、図面と実施形態などにより本発明をより詳細に説明した。しかしながら、本明細書に記載された図面または実施形態などに記載された構成は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替し得る多様な均等物と変形例があり得ることを理解すべきである。

【符号の説明】

【0069】

１００：二次電池
１１０：電池ケース
１２０：正極端子
１３０：負極端子
１４０：ベンティング部
１５０：キャッププレート
１６０：電極組立体
２００：端子構造体
２１０：端子本体
２２０：延長端子
２３０：延長配線
３００：接続端子
３０１：一方向接続端子
３０２：両方向接続端子
３１０：スロット
Ｗ：幅方向
Ｔ：厚さ方向
Ｈ：高さ方向

【図1】

【図2】

【図3(a)】

【図3(b)】

【図3(c)】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【手続補正書】

【提出日】2024-03-01

【手続補正1】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図2】

【手続補正2】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正の内容】

【図3】

【国際調査報告】