(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】雑種強勢が増加したALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド
(51)【国際特許分類】
A01H 6/02 20180101AFI20240918BHJP
A01H 5/00 20180101ALI20240918BHJP
A01H 1/00 20060101ALI20240918BHJP
C12N 15/29 20060101ALI20240918BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20240918BHJP
A01H 1/02 20060101ALI20240918BHJP
C12Q 1/6858 20180101ALI20240918BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20240918BHJP
A01G 22/25 20180101ALI20240918BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20240918BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALN20240918BHJP
C12Q 1/6851 20180101ALN20240918BHJP
C12Q 1/6853 20180101ALN20240918BHJP
【FI】
A01H6/02 ZNA
A01H5/00 A
A01H1/00 A
C12N15/29
C12N15/113 Z
A01H1/02 Z
C12Q1/6858 Z
C12Q1/686 Z
A01G22/25 Z
A23K10/30
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6851 Z
C12Q1/6853 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514356
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022073934
(87)【国際公開番号】W WO2023031112
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(71)【出願人】
【識別番号】524080140
【氏名又は名称】カーベーエス、ザート、ソシエタス、ヨーロピア、ウント、コンパニー、コマンディトゲゼルシャフト、アウフ、アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KWS SAAT SE & CO. KGAA
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】マイク、ゲルツ
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、メッサーシュミット
(72)【発明者】
【氏名】オットー、テルイェク
【テーマコード(参考)】
2B022
2B150
4B063
【Fターム(参考)】
2B022AB20
2B150AA20
2B150CE30
4B063QA01
4B063QA05
4B063QQ09
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS32
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
最適かつ農学的に関連する除草剤耐性を維持しながら、収量、性能が増加した、改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物およびその部分、特に、改良されたハイブリッドシュガービートまたは飼料用ビート植物であって、両方の親植物が、単一の除草剤抵抗性ドナー遺伝子型からの除草剤耐性遺伝子の遺伝子移入に由来する、上記植物およびその部分が提供される。かかるハイブリッド植物を得るのに有用なベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)親植物、かかる改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定するためのマーカー、ならびに、かかる改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物を得るおよび同定する方法が更に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分であって、前記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子における第5染色体にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードし、前記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子は、異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることによって得ることができ、各親植物が、ホモ接合状態における前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物における前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、前記親植物において、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、前記ALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流に位置している、第5染色体の染色体領域が、前記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を回避もしくは低減する、および/または、雑種強勢を増加させる、および/または、糖収量を増加させるのに充分小さい、前記ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【請求項2】
前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、前記の第5染色体の染色体領域が、前記親植物の一方および他方の親植物において、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号3のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置しており、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、前記の第5染色体の染色体領域が、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされており、また、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM12、マーカーM13、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、請求項1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、またはハイブリッド種子。
【請求項3】
前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ第5染色体の前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる前記染色体領域が、
a.第5染色体の両方においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
b.第5染色体の一方においてマーカーM1およびマーカーM9によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
c.第5染色体の一方においてマーカーM1およびマーカーM8によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
d.第5染色体の一方においてマーカーM2およびマーカーM8によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM2およびM13によってフランキングされている;
e.第5染色体の一方においてマーカーM3およびマーカーM7によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM11およびM13によってフランキングされている;
f.第5染色体の一方においてマーカーM4およびマーカーM7によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM11およびM13によってフランキングされている;
g.第5染色体の一方においてマーカーM5およびマーカーM6によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM5およびM12によってフランキングされている;
h.第5染色体の両方においてマーカーM5およびマーカーM16によってフランキングされている;
i.第5染色体の両方においてマーカーM14およびマーカーM17によってフランキングされている;または
j.第5染色体の両方においてマーカーM15およびマーカーM17によってフランキングされている、
請求項1または2に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはハイブリッド種子。
【請求項4】
前記マーカーが、前記親植物の第5染色体のゲノム領域に存在するとして、前記マーカーの変動位置にヌクレオチドを含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはハイブリッド種子。
【請求項5】
前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレル、例えば、配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる、または、配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードする、請求項1~4のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはハイブリッド種子。
【請求項6】
前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物が、その参照種子がNCIMB41705として寄託されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物である、請求項1~5のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはハイブリッド種子。
【請求項7】
ホモ接合状態における第5染色体上の遺伝子をコードするALSの野生型アレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物の糖収量の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはこれと等しいもしくはこれを超える糖収量を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはハイブリッド種子。
【請求項8】
参照種子がNCIMB41705として寄託されている、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物の第5染色体の染色体領域からなるDNA分子であって、前記領域が、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM4、マーカーM11、マーカーM15、マーカーM14およびマーカーM5からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9およびマーカーM10、マーカーM12、マーカーM13、マーカーM16およびマーカーM17からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している、前記DNA分子。
【請求項9】
前記染色体領域が、マーカーM5およびM6によってフランキングされている;または、マーカーM4およびM7によってフランキングされている;または、マーカーM5およびM12によってフランキングされている;または、マーカーM11およびM13によってフランキングされている;または、マーカーM5およびM16によってフランキングされている;または、マーカーM14およびM17によってフランキングされている;または、マーカーM15およびM17によってフランキングされている、請求項14に記載のDNA分子。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のDNA分子を第5染色体の一方または両方において含んでなる、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【請求項11】
ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種子を製造する方法であって、請求項10に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、請求項10に記載の別のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配させること、および、後代種子を収穫することを含んでなる、前記方法。
【請求項12】
糖、エタノール、バイオガス、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、または動物飼料の製造のための、または動物を飼うための、請求項1~7のいずれか一項に記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用。
【請求項13】
ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、前記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、または、前記の第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定/選択する方法であって、
a.表現型またはマーカーを利用した方法によって、前記植物における前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定すること;ならびに
b.前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、前記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において、少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在を同定すること;ならびに
c.ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択することにおいて、前記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示すこと
を含んでなる、前記方法。
【請求項14】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、または配列番号17のいずれか1つのヌクレオチド配列を含んでなるDNA分子。
【請求項15】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、請求項1~7に記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、前記使用。
【請求項16】
前記ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)またはヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、請求項15に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
【請求項17】
非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)と組み合わせた、請求項15または16に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、前記非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジムからなる群から選択される、前記使用。
【請求項18】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって:
(a)請求項1~7のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在
(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤のクラスに属さない1以上の除草剤(非ALSインヒビター除草剤)(複数可)との組み合わせの施用、および
(c)(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が
(i)共同もしくは同時に行われる、または
(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われる
を特徴とする、前記方法。
【請求項19】
望ましくない植生を防除する、請求項18に記載の方法であって、前記ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)またはヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、前記方法。
【請求項20】
前記非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム
からなる群から採用される、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の組み込み
22の配列エントリーを含み、34キロバイトであり(オペレーティングシステムMS-Windowsによって測定)、ここで提出される、名称「BCS211026_PCT.xml」のファイルに含まれている配列表は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、ALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特に、シュガービート植物または飼料用ビート植物、ならびに、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を成長させる領域においてALSインヒビター除草剤をかかる植物に施用することにより望ましくない植生を防除する方法に関する。
【0003】
特に、本発明は、除草剤耐性ALSアレルをホモ接合形態で含んでなるハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物であって、除草剤耐性ALSアレルが、同じドナー植物から親植物に遺伝子移入されており、ハイブリッド植物が、低減されたリンケージドラッグおよび/または近交弱勢を示す、上記植物に関する。
【背景技術】
【0004】
栽培品種のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(Ford-Lloyd (2005) Sources of genetic variation, Genus Beta. In: Biancardi E, Campbell LG, Skaracis GN, De Biaggi M (eds) Genetics and Breeding of Sugar Beet. Science Publishers, Enfield (NH), USA, pp 25-33に定義されている通り)は、温帯および亜熱帯地方における重要な農業作物である。例えば、世界の糖生産の約20%が、シュガービートに基づいている。ビートの実生およびこれらの一生の最初の6~8週の間における幼若植物は、この若い作物植物を打ち負かす速く成長する雑草によって引き起こされる激しい競争に晒されるため、これらの作物領域では信頼できる雑草防除手段が必要不可欠である。
【0005】
除草剤は、栽培されているビートにおいて雑草を防除するのに便利なツールである。フェンメジファム、デスメジファンおよびメタミトロンのような、この目的で使用される製品は、作物にダメージを与えることなく、ビート圃場における雑草の成長を抑制することを可能にする。にもかかわらず、有害な環境条件下では、特に、チェノポジウム・アルブム(Chenopodium album)、アマランツス・レトロフレクス(Amaranthus retroflexus)、ファロピア コンボルブルス(Fallopia convolvulus)および/またはトリプロイロスペルムム・イノドラタ(Tripleurospermum inodorata)のような有毒な雑草が長期間にわたって発芽するとき、これらの製品の効能には改善の余地が残っている。
【0006】
ALSインヒビター除草剤は、適度な施用量で有効であることおよび動物において比較的無毒性であることに起因して、現代の農業において広く使用されている。ALS活性を阻害することにより、これらの除草剤ファミリーは、多くの雑草種を含めた感受性植物の更なる成長および発育を防止する。十分な雑草防除に必要とされ得る更に高濃度のALSインヒビター除草剤への増加した耐性を植物に付与するために、作物植物の追加のALS阻害除草剤耐性育種系統および品種、ならびに、ALS阻害除草剤耐性育種系統および品種の製造および使用のための方法および組成物が開発されている。
【0007】
これらのALSインヒビター除草剤は、「アセト乳酸合成酵素」(ALS[EC4.1.3.18])としても知られている酵素「アセトヒドロキシ酸合成酵素」(AHAS)を阻害する。ALSは、(a)スルホニル尿素除草剤(Beyer E.M et al. (1988), Sulfonylureas in Herbicides: Chemistry, Degradation, and Mode of Action; Marcel Dekker, New York, 1988, 117-189)、(b)スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤(Pontzen, R., Pflanz.-Nachrichten Bayer, 2002, 55, 37-52)、(c)イミダゾリノン除草剤(Shaner, D.L., et al., Plant Physiol., 1984, 76, 545-546; Shaner, D.L., and O’Connor, S.L. (Eds.) The Imidazolinone Herbicides, CRC Press, Boca Raton, FL, 1991)、(d)トリアゾロピリミジン除草剤(Kleschick, W.A. et al., Agric. Food Chem., 1992, 40, 1083-1085)、および(e)ピリミジニル(チオ)ベンゾエート除草剤(Shimizu, T.J., Pestic. Sci.,1997, 22, 245-256; Shimizu, T. et al., Acetolactate Syntehase Inhibitors in Herbicide Classes in Development, Boger, P., Wakabayashi, K., Hirai, K., (Eds.), Springer Verlag, Berlin, 2002, 1-41)のようなALSインヒビター除草剤のクラスに属する5つの構造的に多様な除草剤の作用部位である。
【0008】
ALSは、2つのピルビン酸分子の、アセト乳酸分子および二酸化炭素への変換に関与する。この反応は、2つのピルビン酸分子を連結するためにチアミンピロリン酸塩を使用する。この反応の得られる生成物、アセト乳酸は、最終的に、バリン、ロイシンおよびイソロイシンとなる(Singh (1999) “Biosynthesis of valine, leucine and isoleucine”, in Plant Amino Acids, Singh, B.K., ed., Marcel Dekker Inc. New York, New York, pp. 227-247)。
【0009】
ALSのインヒビターは、植物におけるバリン、ロイシンおよびイソロイシンの生合成を遮断する。結果、それぞれのアミノ酸プールが直ちに枯渇し、タンパク質生合成の阻止を引き起こして、植物の生長の停止に至り、最終的には当該植物が枯れ、または、-少なくとも-ダメージを受ける。
【0010】
ALS遺伝子の特定の部位における単一の塩基対置換は、ALSインヒビター除草剤による異なるレベルの阻害を示す、いくぶん抵抗性のALS酵素変異体につながり得る。突然変異ALSアレルを含んでなる植物は、そのため、ALSインヒビター除草剤の化学構造およびALS遺伝子における点突然変異の部位に応じて、ALSインヒビター除草剤に対する、異なるレベルの耐性を示す。
【0011】
国際公開第2012049268号は、内在性ALS遺伝子のヌクレオチド1705~1707位におけるコドンにおいて置換を含んでなることにより、アミノ酸569位における天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンを有するALSポリペプチドをコードするALS変異体アレル(以下、BvALS_W569L遺伝子またはアレルとも称する)の、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)における同定および単離を記載している。このアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、国際公開第2012049266号にも記載されているように種々のALSインヒビター除草剤に対して強くかつ農学的に関連する耐性を示す。
【0012】
市販のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種子、特に、シュガービート種子または飼料用ビート種子は、遺伝子構成が異なる親植物を交配させる(近交)こと、および、得られる種子を収穫することによって得られるハイブリッド種子として販売されている。かかるハイブリッド種子から成長した植物は、より活力があり、また、それぞれの親植物より高い収量を有し、雑種強勢として知られている現象である。雑種強勢は、ゲノムにおける高度のヘテロ接合性、すなわち、相同染色体中の多くの遺伝子座における異なるアレルの存在に起因する。雑種強勢効果を最適化するために、親植物は、異なるいわゆる雑種強勢プールまたは群、すなわち、互いに遺伝的に違っている生殖質群から選択される。
【0013】
最適なALSインヒビター除草剤耐性については、ALSインヒビター除草剤耐性を与えるアレルが、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物においてホモ接合的に存在すること、すなわち、2倍体のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の第5染色体のそれぞれが、除草剤耐性ALS遺伝子、例えば、BvALS_W569Lアレルを含んでなることが好ましい。
【0014】
ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物において除草剤耐性ALS遺伝子、例えば、BvALS_W569Lアレルのホモ接合性を達成するために、各親植物が、除草剤耐性ALS遺伝子の少なくとも1つのコピーを含んでなることが必要であり、最適なハイブリッド種子の製造のためには、各親植物が、ホモ接合形態においても除草剤耐性ALS遺伝子を好ましくは含んでなる。
【0015】
除草剤耐性ALSアレルを含んでなる非トランスジェニックベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の単離は、ランダムかつ資源集約的なプロセスである。そのため、各雑種強勢プールにおいて突然変異ALSアレルのための選択プロセスを繰り返すよりもむしろ、一旦、かかる突然変異ALSアレルを含んでなる最初のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が同定されたら、この植物をドナー植物として使用して、除草剤耐性アレルを種々の雑種強勢プールに移入させる。ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)において、ALS遺伝子は、セントロメアの付近で、第5染色体に位置している。そのため、除草剤耐性ALSアレルの遺伝子移入は、第5染色体の大きい断片の、除草剤耐性ALSアレルに連結しているドナー植物から雑種強勢プールのそれぞれへの同時導入につながる。ホモ接合ハイブリッド植物の製造の際、その第5染色体のそれぞれが、少なくともその大部分にわたって同一である、同じドナー植物の第5染色体の大きな断片を結果として含有し、より低い雑種強勢に至る。この現象は、近交または近交弱勢として育種において知られている。
【0016】
また、ALS突然変異アレルの選択は、例えば、国際公開第2012049268号に記載されているように、in vitro細胞培養に適しているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型を必要とする。かかる細胞培養に適した遺伝子型は、種々な地域で商業的に関連する(エリート)遺伝子型ではなく、遺伝子移入されている大きい第5染色体断片に存在する有利でないアレルを通常含有する。この現象は、リンケージドラッグとして育種において知られている。
【0017】
そのため、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、シュガービート植物または飼料用ビート植物であって、最適かつ農学的に関連するALS除草剤耐性を維持しながら、増加した収量、例えば、増加した糖収量によってとりわけ表現される増加した雑種強勢を有する改良された非トランスジェニックハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を産出するために組み合わされ得る、ALS除草剤耐性アレル、例えば、BvALS_W569Lを含んでなる上記植物が依然として必要とされている。この問題は、詳細な説明、図および特許請求において、以下に記載されているように解決される。
【発明の概要】
【0018】
第1態様において、本発明は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物もしくはその部分、またはハイブリッド種子もしくはその部分であって、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子における第5染色体にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、アミノ酸569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードし、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子が、異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることによって得ることができ、各親植物が、ホモ接合状態におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、上記親植物において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、ALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流に位置している、第5染色体の染色体領域が、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を回避もしくは低減する、および/または、雑種強勢を増加させる、および/または、糖収量もしくはバイオマス収量を増加させるのに充分に小さいことを特徴とする、上記植物もしくはその部分、またはハイブリッド種子もしくはその部分を提供する。好ましくは、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の一方および他方の親植物において、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号3のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置しており、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している。上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域は、親植物の一方および他方の親植物において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子において存在する染色体区間に位置していてよく、これにより、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置する。上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域もまた、親植物の両方において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体区間に位置していてもよい。
【0019】
本発明の更なる態様において、本発明は、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている種子、または、この種子に由来するもしくはこれから成長する植物を提供する。
【0020】
本発明の別の態様において、参照種子がNCIMB41705として寄託されている、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物の第5染色体の染色体領域からなるDNA分子であって、上記領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM11、マーカーM15、マーカーM14、マーカーM4およびマーカーM5からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置しており、また、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10、マーカーM9、マーカーM8、マーカーM7、マーカー13、マーカー17、マーカー16、マーカーM6およびマーカーM12からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している、上記DNA分子が提供される。好ましくは、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物の第5染色体の染色体領域は、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKから寄託されている種子に存在する染色体領域に相当する。
【0021】
本発明のなお別の態様において、本明細書に記載されているDNA分子を第5染色体の一方または両方において内在的に含んでなる、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子またはその部分が提供される。
【0022】
本発明により、糖、エタノール、バイオガス、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、または動物飼料の製造のための、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用も提供する。
【0023】
本発明は、ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、または、上記の第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定/選択する方法であって、表現型またはマーカーを利用した方法によって上記植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされる染色体区間において、少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在または非存在を同定する工程;ならびに、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程を含んでなる、上記方法を更に提供する。
【0024】
少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在は、マーカー1(配列番号1)、マーカー2(配列番号2)、マーカー3(配列番号3)、マーカー4(配列番号4)、マーカー5(配列番号5)、マーカー6(配列番号6)、マーカー7(配列番号7)、マーカー8(配列番号8)、マーカー9(配列番号9)、マーカー10(配列番号10)、マーカー11(配列番号11)、マーカー12(配列番号12)、マーカー13(配列番号13)、マーカー14(配列番号19)、マーカー15(配列番号20)、マーカー16(配列番号21)およびマーカー17(配列番号22)からなる群から選択される1以上のマーカーを使用して、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物において同定され得る。代替的には、ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法は、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第1アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによって、ならびに、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第2アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程を含んでなる。好ましくは、少なくとも1つの第1アレル/ヌクレオチドの存在は、マーカー1(配列番号1)、マーカー2(配列番号2)、マーカー3(配列番号3)、マーカー4(配列番号4)、マーカー5(配列番号5)、マーカー11(配列番号11)、マーカー14(配列番号19)およびマーカー15(配列番号20)からなる群から選択される1以上のマーカーによって同定され、少なくとも1つの第2アレル/ヌクレオチドは、マーカー10(配列番号10)、マーカー9(配列番号9)、マーカー8(配列番号8)、マーカー7(配列番号7)、マーカー13(配列番号13)、マーカー17(配列番号22)、マーカー16(配列番号21)およびマーカー6(配列番号6)からなる群から選択される1以上のマーカーによって同定される。
【0025】
本発明は、本明細書に記載されているマーカー(複数可)、すなわち、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号19、配列番号20、配列番号21または配列番号22のいずれか1つのヌクレオチド配列を含んでなるDNA分子を更に提供する。本発明は、同定または選択のための上記マーカー(複数可)の使用を更に包含する。
【0026】
本発明は、ALS除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を低減するおよび/もしくは雑種強勢を増加させる、ならびに/または糖収量もしくはバイオマス収量を増加させる方法であって、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物が、当該植物における第5染色体にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、上記ALS除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードしており、上記方法が、異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることを含み、各親植物が、ホモ接合状態におけるALS除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の一方および他方の親植物において、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号3のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置しており、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している、上記方法を加えて提供する。上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域は、親植物の一方および他方の親植物において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体区間に位置していてよく、これにより、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している。上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域は、親植物の両方において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体区間に位置していてよい。
【0027】
本発明の別の態様は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用を提供することである。ALSインヒビター除草剤(複数可)は、非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)と組み合わせて施用されてよく、非ALSインヒビター除草剤(複数可)は、クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジムからなる群から選択される。
【0028】
更に、本発明によって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって、(a)本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在;(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤(非ALSインヒビター除草剤)のクラスに属さない1以上の除草剤(複数可)との組み合わせの施用によって特徴付けられ、(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が、(i)共同もしくは同時に行われ得、または(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われ得る、上記方法が提供される。
【0029】
本発明の実施形態を、以下のナンバリングされた段落において反映する:
【0030】
実施形態1.ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分であって、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子における第5染色体にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードし、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物または種子は、好ましくは異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることによって得ることができ、各親植物が、ホモ接合状態におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、上記親植物において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、ALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流に位置している、第5染色体の染色体領域が、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物 において、近交弱勢を回避もしくは低減する、および/または、雑種強勢を増加させる、および/または、糖収量を増加させるのに充分小さい、上記ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0031】
実施形態2.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、(i)配列番号18に記載されている配列と少なくとも80%、85%もしくは90%、少なくとも91%、92%、93%、94%もしくは95%、もしくは少なくとも96%、97%、98%もしくは99%同一であるアミノ酸配列において、配列番号18の569位におけるアミノ酸に相当するアミノ酸がトリプトファンの代わりにロイシンである、上記配列、または、(ii)配列番号:16のアミノ酸配列を含んでなるALSタンパク質をコードする、実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0032】
実施形態3.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、(i)配列番号15のヌクレオチド配列、または(ii)遺伝子コードの結果として(i)のヌクレオチド配列に縮退されるヌクレオチド配列を含んでなる、実施形態1または2に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0033】
実施形態4.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の一方および他方の親植物において、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM4、マーカーM5、マーカーM11、マーカーM14およびマーカーM15からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM12、マーカーM16、マーカーM17、マーカーM13、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9およびマーカーM10からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置しており、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM4、マーカーM5、マーカーM11、マーカーM14およびマーカーM15からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM12、マーカーM16、マーカーM17、マーカーM13、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9およびマーカーM10からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態1~3のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0034】
実施形態5.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、第5染色体の一方において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、
a.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6によってフランキングされている;
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM7によってフランキングされている;
c.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM8によってフランキングされている;
d.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM9によってフランキングされている;
e.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
f.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって;ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6によってフランキングされている;
g.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM7によってフランキングされている;
h.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM8によってフランキングされている;
i.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM9によってフランキングされている;
j.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
k.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM3によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6によってフランキングされている;
l.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM3によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM7によってフランキングされている;
m.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM3によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM8によってフランキングされている;
n.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM3によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM9によってフランキングされている;
o.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM3によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
p.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM4によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6によってフランキングされている;
q.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM4によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM7によってフランキングされている;
r.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM4によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM8によってフランキングされている;
s.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM4によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM9によってフランキングされている;
t.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM4によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
u.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6によってフランキングされている;
v.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM7によってフランキングされている;
w.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM8によってフランキングされている;
x.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM9によってフランキングされている;または
y.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている
染色体区間に(唯一または排他的に)位置する、実施形態1~4のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0035】
実施形態6.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、第5染色体の一方において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、
a.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM12によってフランキングされている;
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM13によってフランキングされている;
c.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
d.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM12によってフランキングされている;または、
e.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM13によってフランキングされている;
f.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM2によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
g.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM12によってフランキングされている;
h.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM13によってフランキングされている;
i.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている;
j.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM11によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM12によってフランキングされている;
k.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM11によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM13によってフランキングされている;または
l.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM11によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM10によってフランキングされている
染色体区間に(唯一または排他的に)位置する、実施形態1~5のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0036】
実施形態7.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、第5染色体の一方において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、
a.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM16によってフランキングされている;
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM5によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM17によってフランキングされている;
c.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM14によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM16によってフランキングされている;
d.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM14によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM17によってフランキングされている;
e.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM15によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM16によってフランキングされている;
f.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM15によって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM17によってフランキングされている
染色体区間に(唯一または排他的に)位置する、実施形態1~6のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0037】
実施形態8.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、親植物に由来する第5染色体の上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が同じである、実施形態1~7のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0038】
実施形態9.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、第5染色体の上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、
a.第5染色体の両方においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
b.第5染色体の一方においてマーカーM1およびマーカーM9によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
c.第5染色体の一方においてマーカーM1およびマーカーM8によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM1およびマーカーM10によってフランキングされている;
d.第5染色体の一方においてマーカーM2およびマーカーM8によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM2およびM13によってフランキングされている;
e.第5染色体の一方においてマーカーM3およびマーカーM7によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM11およびM13によってフランキングされている;
f.第5染色体の一方においてマーカーM4およびマーカーM7によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM11およびM13によってフランキングされている;または
g.第5染色体の一方においてマーカーM5およびマーカーM6によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM5およびM12によってフランキングされている
染色体区間に(唯一または排他的に)位置する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0039】
実施形態10.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、第5染色体の一方においてマーカーM4およびマーカーM7によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM11およびM13によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態1~9のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0040】
実施形態11.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、第5染色体の一方においてマーカーM5およびマーカーM6によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM5およびM12によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態1~9のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0041】
実施形態12.マーカーが、親植物の第5染色体のゲノム領域に存在するとして、マーカーの変動位置にヌクレオチドを含んでなる、実施形態1~11のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0042】
実施形態13.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードする、実施形態1~12のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0043】
実施形態14.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、マーカーMalsを含んでなる、実施形態1~12のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0044】
実施形態15.配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有する、または配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含んでなる、実施形態1~14のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0045】
実施形態16.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物が、参照種子がNCIMB41705として寄託されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0046】
実施形態17.ホモ接合状態における第5染色体上の遺伝子をコードするALSの野生型アレルを含んでなる同系ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物の糖収量の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはこれと等しいもしくはこれを超える糖収量を有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0047】
実施形態18.第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域が、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体領域である、実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0048】
実施形態19.2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている種子から成長したものであるまたはこれに由来するものである、実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分。
【0049】
実施形態20.参照種子がNCIMB41705として寄託されている、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物の第5染色体の染色体領域からなるDNA分子であって、上記領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM4、マーカーM11、マーカーM5、マーカーM14およびマーカーM15からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9およびマーカーM10、マーカーM12、マーカーM13、マーカーM16およびマーカーM17からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、上記DNA分子。
【0050】
実施形態21.上記染色体領域が
a.マーカーM1およびM6;
b.マーカーM1およびM7;
c.マーカーM1およびM8;
d.マーカーM1およびM9;
e.マーカーM1およびM10;
f.マーカーM2およびM6;
g.マーカーM2およびM7;
h.マーカーM2およびM8;
i.マーカーM2およびM9;
j.マーカーM2およびM10;
k.マーカーM3およびM6;
l.マーカーM3およびM7;
m.マーカーM3およびM8;
n.マーカーM3およびM9;
o.マーカーM3およびM10;
p.マーカーM4およびM6;
q.マーカーM4およびM7;
r.マーカーM4およびM8;
s.マーカーM4およびM9;
t.マーカーM4およびM10;
u.マーカーM5およびM6;
v.マーカーM5およびM7;
w.マーカーM5およびM8;
x.マーカーM5およびM9;
y.マーカーM5およびM10.
z.マーカーM1およびM12;
aa.マーカーM1およびM13;
bb.マーカーM1およびM10;
cc.マーカーM2およびM12;
dd.マーカーM2およびM13;
ee.マーカーM2およびM10;
ff.マーカーM5およびM12;
gg.マーカーM5およびM13;
hh.マーカーM5およびM10;
ii.マーカーM11およびM12;
jj.マーカーM11およびM13;
kk.マーカーM11およびM10;
ll.マーカーM5およびM16;
mm.マーカーM5およびM17;
nn.マーカーM14およびM16;
oo.マーカーM14およびM17;
pp.マーカーM15およびM16;または
qq.マーカーM15およびM17
によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0051】
実施形態22.上記染色体領域が、マーカーM5およびM6によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0052】
実施形態23.上記染色体領域が、マーカーM4およびM7によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0053】
実施形態24.上記染色体領域が、マーカーM5およびM12によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0054】
実施形態25.上記染色体領域が、マーカーM11およびM13によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0055】
実施形態26.上記染色体領域が、マーカーM5およびM16によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0056】
実施形態27.上記染色体領域が、マーカーM14およびM17によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0057】
実施形態28.上記染色体領域が、マーカーM15およびM17によってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0058】
実施形態29.上記染色体領域が、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、実施形態20に記載のDNA分子。
【0059】
実施形態30.実施形態20~29のいずれか1つに記載のDNA分子を第5染色体において内在的に含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【0060】
実施形態31.実施形態20~29のいずれか1つに記載のDNA分子を両方の第5染色体において内在的に含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
【0061】
実施形態32.ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種子を製造する方法であって、実施形態30または31に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、実施形態30または31に記載の別のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配させること、および後代種子を収穫することを含んでなる、上記方法。
【0062】
実施形態33.糖、エタノール、バイオガス、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、または動物飼料の製造のための、実施形態1~19のいずれか1つに記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用。
【0063】
実施形態34.ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、上記ゲノム断片が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、
a.表現型またはマーカーを利用した方法によって上記植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;ならびに
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において、少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在または非存在を同定する工程
を含んでなる、上記方法。
【0064】
実施形態35.ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、
a.表現型またはマーカーを利用した方法によって上記植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;ならびに
b.マーカーM1(配列番号1)、マーカーM2(配列番号2)、マーカーM3(配列番号3)、マーカーM4(配列番号4)、マーカーM5(配列番号5)、マーカーM6(配列番号6)、マーカーM7(配列番号7)、マーカーM8(配列番号8)、マーカーM9(配列番号9)、マーカーM10(配列番号10)、マーカーM11(配列番号11)およびマーカー13(配列番号13)からなる群から選択される1以上のマーカーの31位における、マーカーM12(配列番号12)の30位における、またはマーカーM14(配列番号19)、マーカーM15(配列番号20)、マーカーM16(配列番号21)、マーカーM17(配列番号22)からなる群から選択される1以上のマーカーの101位におけるヌクレオチドにおいて、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に存在するとして、アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程
を含んでなる、上記方法。
【0065】
実施形態36.実施形態34または35に記載されているように、第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定または選択する方法であって、
a.表現型またはマーカーを利用した方法によって上記植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程;ならびに
c.ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程
を含んでなる、上記方法。
【0066】
実施形態37.ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、
a.マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第1アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程、ならびに、
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによって、ならびに、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第2アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程
を含んでなる、上記方法。
【0067】
実施形態38.実施形態34または35に記載されているように、第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定または選択する方法であって、
a.マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによってフランキングされている染色体区間における、少なくとも1つの第1アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程、
b.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによって、ならびに、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間における、少なくとも1つの第2アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程;ならびに、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程
を含んでなる、上記方法。
【0068】
実施形態39.少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在が、マーカー1(配列番号1)、マーカー2(配列番号2)、マーカー3(配列番号3)、マーカー4(配列番号4)、マーカー5(配列番号5)、マーカー6(配列番号6)、マーカー7(配列番号7)、マーカー8(配列番号8)、マーカー9(配列番号9)、マーカー10(配列番号10)、マーカー11(配列番号11)、マーカー12(配列番号12)、マーカー13(配列番号13)、マーカー14(配列番号19)、マーカー15(配列番号20)、マーカー16(配列番号21)およびマーカー17(配列番号22)からなる群から選択される1以上のマーカーによって同定される、実施形態34~38のいずれか1つに記載の同定/選択方法。
【0069】
実施形態40.アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程が
a.マーカーM1(配列番号1)のヌクレオチド31位におけるGの存在;
b.マーカーM2(配列番号2)のヌクレオチド31位におけるTの存在;
c.マーカーM3(配列番号3)のヌクレオチド31位におけるGの存在;
d.マーカーM4(配列番号4)のヌクレオチド31位におけるAの存在;
e.マーカーM5(配列番号5)のヌクレオチド31位におけるCの存在;
f.マーカーM6(配列番号6)のヌクレオチド31位におけるCの存在;
g.マーカーM7(配列番号7)のヌクレオチド31位におけるCの存在;
h.マーカーM8(配列番号8)のヌクレオチド31位におけるCの存在;
i.マーカーM9(配列番号9)のヌクレオチド31位におけるAの存在;
j.マーカーM10(配列番号10)のヌクレオチド31位におけるAの存在;
k.マーカーM11(配列番号11)のヌクレオチド31位におけるAの存在;
l.マーカーM12(配列番号12)のヌクレオチド30位におけるTの存在;または
m.マーカーM13(配列番号13)のヌクレオチド31位におけるAの存在;
n.マーカーM14(配列番号19)のヌクレオチド101位におけるCの存在;
o.マーカーM15(配列番号20)のヌクレオチド101位におけるTの存在;
p.マーカーM16(配列番号21)のヌクレオチド101位におけるGの存在;または
q.マーカーM17(配列番号22)のヌクレオチド101位におけるCの存在
を同定することを含んでなる、実施形態34~39のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
実施形態41.アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程が
a.マーカーM4(配列番号4)のヌクレオチド31位におけるAの存在およびマーカーM7(配列番号7)のヌクレオチド31位におけるCの存在;
b.マーカーM11(配列番号11)のヌクレオチド31位におけるAの存在およびマーカーM13(配列番号13)ヌクレオチド31位におけるAの存在;
c.マーカーM5(配列番号5)のヌクレオチド31位におけるCの存在およびマーカーM6(配列番号6)のヌクレオチド31位におけるCの存在;または
d.マーカーM5(配列番号5)のヌクレオチド31位におけるCの存在およびマーカーM12(配列番号12)のヌクレオチド30位におけるTの存在;または
e.マーカーM5(配列番号5)のヌクレオチド31位におけるCの存在およびマーカーM16(配列番号21)のヌクレオチド101位におけるGの存在;または
f.マーカーM14(配列番号19)のヌクレオチド101位におけるCの存在およびマーカーM17(配列番号22)のヌクレオチド101位におけるCの存在;または
g.マーカーM15(配列番号20)のヌクレオチド101位におけるTの存在およびマーカーM17(配列番号22)のヌクレオチド101位におけるCの存在
を同定することを含んでなる、実施形態34~39のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
実施形態42.ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程が、マーカーMals(配列番号14)のヌクレオチド31位におけるGヌクレオチドの存在を同定することを含んでなる、実施形態34~41のいずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態43.ALS除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を低減するおよび/もしくは雑種強勢を増加させる、ならびに/または糖収量もしくはバイオマス収量を増加させる方法であって、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物が、当該植物における第5染色体にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、上記ALS除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質をコードしており、上記方法が、好ましくは異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることを含み、各親植物が、ホモ接合状態におけるALS除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の一方および他方の親植物において、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号3のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置しており、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している、上記方法。
【0073】
実施形態44.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の一方および/または他方の親植物において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体領域に位置しており、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、上記の第5染色体の染色体領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に位置している、実施形態43に記載のALS除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において近交弱勢を低減するおよび/もしくは雑種強勢を増加させる、ならびに/または糖収量もしくはバイオマス収量を増加させる方法。
【0074】
実施形態45.上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されていてかつ上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域が、親植物の両方において、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する染色体区間に位置している、実施形態43および44に記載のALS除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において近交弱勢を低減するおよび/もしくは雑種強勢を増加させる、ならびに/または糖収量もしくはバイオマス収量を増加させる方法。
【0075】
実施形態46.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号19、配列番号:20、配列番号:21または配列番号:22のいずれか1つのヌクレオチド配列を含んでなるDNA分子。
【0076】
実施形態47.ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、請求項1~19に記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用。
【0077】
実施形態48.実施形態47に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ALSインヒビター除草剤(複数可)が以下に属する(複数可)、上記使用:
以下からなる(スルホン)アミドの群(群(A)):
以下からなる、スルホニル尿素の下位群(A1):
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
アジムスルフロン[CAS RN120162-55-2](=A1-2);
ベンスルフロン-メチル[CAS RN83055-99-6](=A1-3);
クロリムロン-エチル[CAS RN90982-32-4](=A1-4);
クロルスルフロン[CAS RN64902-72-3](=A1-5);
シノスルフロン[CAS RN94593-91-6](=A1-6);
シクロスルファムロン[CAS RN136849-15-5](=A1-7);
エタメツルフロン-メチル[CAS RN97780-06-8](=A1-8);
エトキシスルフロン[CAS RN126801-58-9](=A1-9);
フラザスルフロン[CAS RN104040-78-0](=A1-10);
フルセトスルフロン[CAS RN412928-75-7](=A1-11);
フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144740-54-5](=A1-12);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ハロスルフロン-メチル[CAS RN100784-20-1](=A1-14);
イマゾスルフロン[CAS RN122548-33-8](=A1-15);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
メソスルフロン-メチル[CAS RN208465-21-8](=A1-17);
メトスルフロン-メチル[CAS RN74223-64-6](=A1-18);
モノスルフロン[CAS RN155860-63-2](=A1-19);
ニコスルフロン[CAS RN111991-09-4](=A1-20);
オルソスルファムロン[CAS RN213464-77-8](=A1-21);
オキサスルフロン[CAS RN144651-06-9](=A1-22);
プリミスルフロン-メチル[CAS RN86209-51-0](=A1-23);
プロスルフロン[CAS RN94125-34-5](=A1-24);
ピラゾスルフロン-エチル[CAS RN93697-74-6](=A1-25);
リムスルフロン[CAS RN122931-48-0](=A1-26);
スルホメツロン-メチル[CAS RN74222-97-2](=A1-27);
スルホスルフロン[CAS RN141776-32-1](=A1-28);
チフェンスルフロン-メチル[CAS RN79277-27-3](=A1-29);
トリアスルフロン[CAS RN82097-50-5](=A1-30);
トリベヌロン-メチル[CAS RN101200-48-0](=A1-31);
トリフロクシスルフロン[CAS RN145099-21-4](ナトリウム)(=A1-32);
トリフルスルフロン-メチル[CAS RN126535-15-7](=A1-33);
トリトスルフロン[CAS RN142469-14-5](=A1-34);
NC-330[CAS RN104770-29-8](=A1-35);
NC-620[CAS RN868680-84-6](=A1-36);
TH-547[CAS RN570415-88-2](=A1-37);
モノスルフロン-メチル[CAS RN175076-90-1](=A1-38);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
一般式(I)の化合物
【化1】
式中、M+は、化合物(I)のそれぞれの塩、すなわち、そのリチウム塩(=A1-40);そのナトリウム塩(=A1-41);そのカリウム塩(=A1-42);そのマグネシウム塩(=A1-43);そのカルシウム(=A1-44);そのアンモニウム塩(=A1-45);そのメチルアンモニウム塩(=A1-46);そのジメチルアンモニウム塩(=A1-47);そのテトラメチルアンモニウム塩(=A1-48);そのエチルアンモニウム塩(=A1-49);そのジエチルアンモニウム塩(=A1-50);そのテトラエチルアンモニウム塩(=A1-51);そのプロピルアンモニウム塩(=A1-52);そのテトラプロピルアンモニウム塩(=A1-53);そのイソプロピルアンモニウム塩(=A1-54);そのジイソプロピルアンモニウム塩(=A1-55);そのブチルアンモニウム塩(=A1-56);そのテトラブチルアンモニウム塩(=A1-57);その(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-58);そのビス-N,N-(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-59);そのトリス-N,N,N-(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-60);その1-フェニルエチルアンモニウム塩(=A1-61);その2-フェニルエチルアンモニウム塩(=A1-62);そのトリメチルスルホニウム塩(=A1-63);そのトリメチルオキソニウム塩(=A1-64);そのピリジニウム塩(=A1-65);その2-メチルピリジニウム塩(=A1-66);その4-メチルピリジニウム塩(=A1-67);その2,4-ジメチルピリジニウム塩(=A1-68);その2,6-ジメチルピリジニウム塩(=A1-69);そのピペリジニウム塩(=A1-70);そのイミダゾリウム塩(=A1-71);そのモルホリニウム塩(=A1-72);その1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-7-エニウム塩(=A1-73);その1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エニウム塩(=A1-74)を表す;
または式(II)の化合物もしくはその塩
【化2】
R2およびR3は、以下の表に定義されている意味を有する
【表1】
または式(III)(=A1-87)の化合物、すなわち、化合物(A1-83)のナトリウム塩
【化3】
または式(IV)(=A1-88)の化合物、すなわち、化合物(A1-82)のナトリウム塩
【化4】
以下からなるスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノンの下位群(下位群((A2)):
フルカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-17-9](=A2-1);
プロポキシカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-15-7](=A2-2);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
以下からなるトリアゾロピリミジンの下位群(下位群(A3)):
クロランスラム-メチル[147150-35-4](=A3-1);
ジクロスラム[CAS RN145701-21-9](=A3-2);
フロラスラム[CAS RN145701-23-1](=A3-3);
フルメツラム[CAS RN98967-40-9](=A3-4);
メトスラム[CAS RN139528-85-1](=A3-5);
ペノキススラム[CAS RN219714-96-2](=A3-6);
ピロクススラム[CAS RN422556-08-9](=A3-7);
以下からなるスルホンアニリドの下位群(下位群(A4)):
一般式(V)によって記載される基からの化合物またはその塩:
【化5】
式中
R1は、ハロゲン、好ましくはフッ素または塩素であり、
R2が水素かつR3がヒドロキシルであるか、またはR2およびR3が、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基C=Oであり
R4は水素またはメチルであり;
より特定的には、以下の所与の化学構造(A4-1)~(A4-8)の化合物
【化6】
以下からなるイミダゾリノンの群(群(B1)):
イマザメタベンズメチル[CAS RN81405-85-8](=B1-1);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);
イマザピック[CAS RN104098-48-8](=B1-3);
イマザピル[CAS RN81334-34-1](=B1-4);
イマザキン[CAS RN81335-37-7](=B1-5);
イマゼタピル[CAS RN81335-77-5](=B1-6);
SYP-298[CAS RN557064-77-4](=B1-7);
SYP-300[CAS RN374718-10-2](=B1-8);
以下からなるピリミジニル(チオ)ベンゾエートの群(群(C)):
以下からなるピリミジニルオキシ安息香酸(benzoeacids)の下位群(下位群(C1)):
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1);
ピリベンゾキシム[CAS RN168088-61-7](=C1-2);
ピリミノバック-メチル[CAS RN136191-64-5](=C1-3);
ピリバムベンズ-イソプロピル[CAS RN420138-41-6](=C1-4);
ピリバムベンズ-プロピル[CAS RN420138-40-5](=C1-5);
以下からなるピリミジニルチオ安息香酸(benzoeacids)の下位群(下位群(C2)):
ピリフタリド[CAS RN135186-78-6](=C2-1);
ピリチオバック-ナトリウム[CAS RN123343-16-8](=C2-2)。
【0078】
実施形態49.実施形態47または48に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
クロリムロン-エチル[CAS RN90982-32-4](=A1-4);
エタメツルフロン-メチル[CAS RN97780-06-8](=A1-8);
エトキシスルフロン[CAS RN126801-58-9](=A1-9);
フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144740-54-5](=A1-12);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
メソスルフロン-メチル[CAS RN208465-21-8](=A1-17);
メトスルフロン-メチル[CAS RN74223-64-6](=A1-18);
モノスルフロン[CAS RN155860-63-2](=A1-19);
ニコスルフロン[CAS RN111991-09-4](=A1-20);
スルホスルフロン[CAS RN141776-32-1](=A1-28);
チフェンスルフロン-メチル[CAS RN79277-27-3](=A1-29);
トリベヌロン-メチル[CAS RN101200-48-0](=A1-31);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミドナトリウム塩(=A1-41);
(A1-83)またはそのナトリウム塩(=A1-87);
プロポキシカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-15-7](=A2-2);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
フロラスラム[CAS RN145701-23-1](=A3-3);
メトスラム[CAS RN139528-85-1](=A3-5);
ピロクススラム[CAS RN422556-08-9](=A3-7)
(A4-1);
(A4-2);
(A4-3);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);および
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)
からなる群に属する(複数可)、上記使用。
【0079】
実施形態50.実施形態47または48に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミドナトリウム塩(=A1-41);
A1-83またはそのナトリウム塩(=A1-87);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)
からなる群に属する(複数可)、上記使用。
【0080】
実施形態51.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、実施形態47または48に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
【0081】
実施形態52.非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)と組み合わせた、実施形態47~51のいずれかに記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム
からなる群から選択される、上記使用。
【0082】
実施形態53.非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
デスメディファム、エトフメセート、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル
からなる群から選択される、実施形態52に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
【0083】
実施形態54.ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって:
(a)実施形態1~19のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在
(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤(非ALSインヒビター除草剤)のクラスに属さない1以上の除草剤(複数可)との組み合わせの施用、および
(c)(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が
(i)共同もしくは同時に行われる、または
(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われる
を特徴とする上記方法。
【0084】
実施形態55.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、実施形態48~51のいずれか1つに定義されている群から採用される、望ましくない植生を防除する、実施形態54に記載の方法。
【0085】
実施形態56.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、望ましくない植生を防除する、実施形態54に記載の方法。
【0086】
実施形態57.非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム
からなる群から採用される、実施形態54~56のいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】連続した年での単胚(2MOT)および多胚(2MUF)ハイブリッド親における相同組み換え事象の同定の概略図である。PO_14~PO_20は、連続する6世代間でのそれぞれの単胚および多胚親を組み合わせることによって製造したハイブリッドを表す。x軸は、スケールの中央における有利なBvALS_W569LアレルおよびALSインヒビター耐性を与える標識ALSに連結されている、第5染色体上の、ALSインヒビター除草剤耐性ドナーSU-12-1からの残存する遺伝子片をグラフで表示する。遺伝距離は、シュガービートの遺伝子地
図ZRINT1601に基づいて算出される。上流および下流方向は、それぞれ、BvALS遺伝子のコード鎖の5’末端および3’末端を指す。M1~M13およびMalsは、表1のマーカーの位置を指す。
【0088】
【
図2】
図1にグラフで表されている、2MUFおよび2MOTプールの組み換えによって形成された実験用ハイブリッドの糖収量性能のボックスプロットである。ボックスプロットは、それぞれの年で製造された全ての実験用ハイブリッドの糖収量データをまとめており、収量データは、標準群に関係して与えられており、数年かけて調整されている。PO14~PO19ハイブリッドは、
図1に与えられているゲノム断片を含んでなるこれらのハイブリッドに相当する。PO13ハイブリッドは、ALSインヒビター除草剤耐性ドナーSU-12-1の非常に大きな断片を含んでなり、任意の相同組み換えスクリーニングの前に作り出されたものである。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本発明者らは、BvALS_W569Lを含んでなる同じドナー系統からベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)の異なる雑種強勢プールの親植物に遺伝子移入されたBvALS_W569Lに連結された第5染色体の染色体断片のサイズの低減が、BvALS_W569Lに連結されているドナーから得られる第5染色体断片のサイズの減少と並行して、糖収量またはバイオマス収量が増加した、BvALS_W569Lアレルにホモ接合性の、ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物(ホモ接合性の各雑種強勢親プールから親植物を選択し、交配させ、後代種子を収穫し、ハイブリッド植物を成長させることによって得られる)につながることを予想外にも発見した。
【0090】
いずれの特定の作用モードによっても拘束されることを意図しないが、ドナー染色体断片に遺伝子移入されるサイズの低減は、BvALS_W569アレルにホモ接合性のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物におけるホモ接合アレルの存在を低減させ、かつ/または、ドナーから遺伝子移入されている第5染色体断片に存在する好ましくないアレルの尤度を減少させることにより、雑種強勢を増加させかつリンケージドラッグを減少させると考えられる。
【0091】
第1態様において、本発明は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分であって、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物における第5染色体上にホモ接合的に存在するALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、これにより、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルが、569位にロイシンを含んでなるALSタンパク質を好ましくはコードし、かつ、これにより、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物が、好ましくは異なる雑種強勢プールからの2つの親ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を交配させることによって得られ得、各親植物は、ホモ接合状態におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなり、各親植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルは、同じALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、上記親植物において、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、ALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流に位置している、第5染色体の染色体領域が、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を回避もしくは低減する、および/または、雑種強勢を増加させる、および/または、糖収量もしくはバイオマスを増加させるのに充分小さい、上記ハイブリッド植物、もしくはハイブリッド種子、またはその部分を提供する。
【0092】
本明細書において使用されているとき、「ホモ接合(性)」または「ホモ接合的に」は、植物が、ALS遺伝子座においてBvALS_W569Lアレルの複製を含む、染色体の2倍体対の対応する染色体のそれぞれにおいて同じ遺伝子座において同じアレルの複製を有することを示す。ホモ接合性とはまた、ドナー植物からの同じ遺伝子移入されている第5染色体断片、またはかかる断片の部分の存在を示すのに使用されてもよい。本明細書において使用されているとき、「ヘテロ接合(性)」または「ヘテロ接合的に」は、植物が、染色体の2倍体対の対応する染色体のそれぞれにおいて同じ遺伝子座において異なるアレルの複製を有することを示す。
【0093】
本明細書において使用されているとき、BvALS_W569Lアレルは、569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質をコードする、内在性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALS遺伝子の突然変異アレルである。かかる突然変異アレルは、より詳細に以下に記載されているように、これを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に、種々のALSインヒビター除草剤への耐性を与える。569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質は、配列番号16に記載されている。569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質は、しかしながら、アミノ酸配列の569位においてロイシンを含有することを前提として、569位以外のアミノ酸位置において変動してよく、また、配列番号16に記載されているBvALS_W697Lによってコードされるポリペプチドまたはタンパク質と少なくとも90、95、97、98、もしくは99%の配列同一性を有するまたはこれと100%同一であるアミノ酸配列を有していてよい。
【0094】
BvALS_W569Lアレルは、野生型アレルと比較して、1706位に相当する位置における「G」ヌクレオチドの、「T」ヌクレオチドへのトランスバージョンが起きた配列番号:15のヌクレオチド配列を含んでなっていてよい。ALSアレルはまた、配列番号15の1705~1707位においてTTGコドンを含有することを前提として、1706位以外のヌクレオチド位置で変動してもよく、また、配列番号15に記載されているBvALS_W697Lのヌクレオチド配列と少なくとも90、95、97、98、もしくは99%の配列同一性を有するまたはこれと同一であるヌクレオチド配列を有していてよい。
【0095】
BvALS_W569Lアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、ALSインヒビターに感受性が低く、野生型アレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物よりも、より好ましくは、少なくとも100倍、より好ましくは、500倍、更により好ましくは1000倍、最も好ましくは2000倍感受性が低い。感受性が低いとは、本明細書において使用されているとき、「より耐性がある」または「より抵抗性である」として見なされてよく、逆もまた同様である。同様に、「より耐性がある」または「より抵抗性である」は、「感受性が低い」として見なされてよく、逆もまた同様である。例えば、BvALS_W569Lアレルを含んでなるB.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、BvALS野生型アレルを含んでなるB.ブルガリス(B.vulgaris)植物と比較して、ALSインヒビター除草剤ホラムスルフロン(ALSインヒビターサブクラス「スルホニル尿素除草剤」のメンバー)に対する感受性が少なくとも2000倍低い。
【0096】
本明細書において使用されているとき、BvALS-WTまたは「野生型アレル」、「野生型ALSアレル」、「野生型ALS遺伝子」または「野生型ALSポリヌクレオチド」は、W569L置換を欠失するALSタンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。かかるBvALS_WTまたはコードされたタンパク質に相当する参照ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号17および配列番号18において記載されている。
好ましくは、BvALS_W569Lは、唯一の突然変異として、コードされたALSタンパク質の569位における置換のみを含んでなる。BvALS_W569Lを含んでなる参照B.ブルガリス(B.vulgaris)種子は、NCIMB41705として寄託されている。2021年8月4日にNCIMB43836、NCIMB43837またはNCIMB43838として寄託されている参照種子もまた、BvALS_W569Lアレルを含んでなる。
【0097】
後代植物におけるBvALS_W569Lの存在は、表現型、すなわち、ALSインヒビター除草剤への耐性によって観察されてよく、または、マーカーの変異体の位置におけるG-ヌクレオチドの存在を決定することによりKASPマーカーMals(配列番号14)を使用して決定されてよい。
【0098】
異なる雑種強勢プールの(エリート)近交親系統に遺伝子移入されているドナーALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)系統からの第5染色体の染色体断片のサイズは、ドナー系統と(エリート)親系統との間で少なくとも1つのヌクレオチド位置が異なり、かつ、BvALSアレルの周囲、すなわち、上流または下流に位置する多型マーカーを使用することによって推定され得る。かかる多型マーカーは、1つの形態または1つのアレルにおいて、ドナー系統のヌクレオチド配列に存在するヌクレオチドを示し、別の形態または別のアレルにおいて、(エリート)親系統のヌクレオチド配列に存在するヌクレオチドを示す。BvALS_W569Lアレルの同時存在およびBvALS_W569Lアレルの周囲に位置する多型マーカーの1以上についての(エリート)親系統からのマーカーアレルの存在が分析の際に1つの植物において見出されることは、多型マーカーとBvALS_W569Lアレルとの間の染色体領域において組み換え事象が生じたことを示唆している。したがって、ドナーまたは資源系統から遺伝子移入されている第5染色体断片の末端は、最大で、そのマーカーによってデリニエートまたはフランキングされている。遺伝子移入されている断片のサイズは、より小さくてよい。好ましくは、(エリート)系統のマーカーアレルが決定されたマーカーよりも遠くに(BvALS_W569Lアレルを参照して)位置している多型マーカーも、全て、(エリート)系統のマーカーアレルを示す。BvALS_W569Lアレルの上流および下流に位置している多型マーカーについて(エリート)親系統を示すマーカーアレルの存在を決定することによって、資源系統から遺伝子移入されている染色体断片(区間)のサイズが決定され得る。かかるマーカーは、ドナー系統から遺伝子移入されている染色体断片(区間)をフランキングすることが上記に記載されている。
【0099】
かかるマーカーの例を表1に列挙する。BvALS_W569Lアレルに沿ってドナー系統から遺伝子移入されている第5染色体断片の最大サイズを決定するのに有用なマーカーは、示されているヌクレオチド配列を含んでなる(しかし、5’および3’末端において追加のヌクレオチドを含んでいてよい)。多型ヌクレオチドは、起こり得るヌクレオチド変異を包含する標準記号を使用して示される。多型マーカーについてのヌクレオチド/アレルも、ドナーSU-12-1系統において存在するとして、かつ、雑種強勢プールの(エリート)親系統に存在するとして示される。BvALS_W569Lアレルに対するマーカーの箇所を表2および3に示し、
図1に概略的に表す。
【0100】
したがって、本発明の更なる態様において、ハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物およびその種子であって、かかるハイブリッドの一方または両方が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、染色体区間においてALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレル、例えば、BvALS_W569Lアレルを含んでなる、第5染色体の染色体領域を含み、染色体区間が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1)、マーカーM2(配列番号2)、マーカーM3(配列番号3)、マーカーM4(配列番号4)、マーカーM11((配列番号11)、マーカーM14(配列番号19)、マーカーM15(配列番号:20)およびマーカーM5(配列番号1)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされており、かつ、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6)、マーカーM7(配列番号7)、マーカーM8(配列番号8)、マーカーM9(配列番号9)、マーカーM12(配列番号12)、マーカーM13(配列番号13)、マーカーM10(配列番号10)、マーカーM16(配列番号21)およびマーカーM17(配列番号22)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、上記植物およびその種子が、上記のように提供される。
【0101】
そのため、ハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物もしくは種子またはその植物は、その第5染色体において、遺伝子移入されている染色体領域を含んでなっていてよく、当該領域は、マーカーM1およびM6;マーカーM1およびM7;マーカーM1およびM8;マーカーM1およびM9;マーカーM1およびM10;マーカーM1およびM16;マーカーM1およびM17;マーカーM2およびM6;マーカーM2およびM7;マーカーM2およびM8;マーカーM2およびM9;マーカーM2およびM10;マーカーM2およびM16;マーカーM2およびM17;マーカーM3およびM6;マーカーM3およびM7;マーカーM3およびM8;マーカーM3およびM9;マーカーM3およびM10;マーカーM3およびM16;マーカーM3およびM17;マーカーM4およびM6;マーカーM4およびM7;マーカーM4およびM8;マーカーM4およびM9;マーカーM4およびM10;マーカーM4およびM16;マーカーM4およびM17;マーカーM5およびM6;マーカーM5およびM7;マーカーM5およびM8;マーカーM5およびM9;マーカーM5およびM10;マーカーM5およびM16;マーカーM5およびM17;マーカーM14およびM6;マーカーM14およびM7;マーカーM14およびM8;マーカーM14およびM9;マーカーM14およびM10;マーカーM14およびM16;マーカーM14およびM17;マーカーM15およびM6;マーカーM15およびM7;マーカーM15およびM8;マーカーM15およびM9;マーカーM15およびM10;マーカーM15およびM16;マーカーM15およびM17;マーカーM1およびM12;マーカーM1およびM13;マーカーM1およびM10;マーカーM2およびM12;マーカーM2およびM13;マーカーM2およびM10;マーカーM5およびM12;マーカーM5およびM13;マーカーM5およびM10;マーカーM11およびM12;マーカーM11およびM13;マーカーM11およびM10;マーカーM11およびM16;マーカーM11およびM17;マーカーM14およびM12;マーカーM14およびM13;マーカーM15およびM12;またはマーカーM15およびM13によってフランキングされているBvALS_W569Lアレルを含んでなる。両方の第5染色体において遺伝子移入されている染色体断片は、2倍に同一であってよく、または、それぞれ上記のリストから選択される、異なる遺伝子移入されている染色体断片であってよい。特に有用なハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、第5染色体の、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されている、かつ、第5染色体の一方においてマーカーM5およびマーカーM6によって、ならびに、他方の第5染色体においてマーカーM5およびM12によってフランキングされている上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでいる染色体領域を含んでなる。更に特に有用なハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837もしくはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている1以上の種子に存在する、第5染色体の、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる染色体領域を含み、または、2021年8月4日に、番号NCIMB43836、NCIMB43837もしくはNCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている種子から成長したものであるもしくはこれに由来するものである。
【0102】
本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、種子または部分は、資源系統からの、BvALS_W569Lを含んでなる遺伝子移入されている第5染色体断片のサイズと逆相関する潜在収量を有する。本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、好ましくは、異なる雑種強勢群からの親植物から得られ、ホモ接合状態における第5染色体上の遺伝子をコードするALSの野生型アレルを含んでなり、そのため、ALSインヒビター耐性ドナー系統から遺伝子移入されている第5染色体断片も含まない、対照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物もしくは同系ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはチェック(エリート)B.ブルガリス(B.vulgaris)系統、すなわち、B.ブルガリス(B.vulgaris)(エリート)系統の糖収量の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはこれと等しいもしくはこれを超える糖収量を有し得る。
【0103】
本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、種子または部分は、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物において、近交弱勢を回避もしくは低減する、および/または、雑種強勢を増加させる、および/または、糖収量もしくはバイオマス収量を増加させるのに充分に小さい、上記親植物における、上記ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルドナー植物から遺伝子移入されており、かつ、ALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流に位置している、第5染色体の染色体領域を持っている。「充分に小さい」は、染色体領域が、好ましくは当該領域の切断により、上記親植物におけるALSインヒビター耐性内在性ALS遺伝子アレルの上流および/または下流のドナー材料から解放されていることにより、当該領域がドナーに由来する連続領域にとどまっていることを意味する。このようにして、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物における近交弱勢の減少および/または雑種強勢の増加および/または糖収量もしくはバイオマス収量の増加が検出可能/測定可能である。好ましくは、上記の近交弱勢の減少および/または雑種強勢の増加および/または糖収量もしくはバイオマス収量の増加は、好ましくは、異なる雑種強勢群からの親植物から得られ、ホモ接合状態における第5染色体上の遺伝子をコードするALSの野生型アレルを含んでなり、そのため、ALSインヒビター耐性ドナー系統から遺伝子移入されている第5染色体断片も含まない、対照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物もしくは同系ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド植物またはチェック(エリート)B.ブルガリス(B.vulgaris)系統、すなわち、B.ブルガリス(B.vulgaris)(エリート)系統と比較して検出可能/測定可能である。用語「非トランスジェニック」または「非導入遺伝子」または「非遺伝子組み換え」は、それぞれの遺伝子の導入が、適切な生物学的担体を介してまたはいずれの他の物理的手段によっても起こっていないことを意味する。しかしながら、突然変異遺伝子は、自然にまたは育種プロセスを介してのいずれかで、授粉を通して移動して、別の非トランスジェニック植物を製造することができる。
【0104】
用語「染色体断片」、「染色体領域」または「染色体区間」は、植物内または染色体断片上の個々の染色体に存在し、かつ、遠位および近位側の区間の終点を表し得る2つのマーカーを通して通常定義されるゲノムDNA上の連続する線形セグメントを意味する。これに関して、マーカー自身が、区間の一部であってもよい。更に、2つの異なる区間が重複していてよい。本明細書において、区間は、記述「マーカーAおよびマーカーBによってフランキングされている」によって特定される。
【0105】
用語「遺伝子移入」は、本明細書において使用されているとき、遺伝的背景の遺伝子座における少なくとも1つの所望の遺伝子アレルを別のものに移動させることを意味する。例として、特定の遺伝子座における所望の遺伝子アレルの遺伝子移入は、同じ種の2つの親間の生殖交配により子孫に移動し得る。代替的には、例えば、遺伝子アレルの移動はまた、融合プロトプラストにおける2つのドナーゲノム間の組み換えによっても起こり得、ここで、少なくとも1つのドナープロトプラストがそのゲノムにおける所望の遺伝子アレルを保持する。各場合において、子孫は、所望の遺伝子アレルを含んでなっていて、好ましい遺伝的背景を含んでなる系統と次いで再び戻し交配され得、所望の遺伝子アレルについて選択され得る。結果、選択された遺伝的背景における所望の遺伝子アレルが固定される。
【0106】
植物の部分は、無傷の植物全体に付着していても、これから分離していてもよい。かかる植物の部分として、限定されないが、植物の器官、組織および細胞、ならびに、好ましくは種子が挙げられる。
【0107】
本発明の別の態様において、参照種子がNCIMB41705として寄託されている、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性植物の第5染色体の染色体領域からなるDNA分子であって、上記領域が、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1、マーカーM2、マーカーM3、マーカーM4、マーカーM11、マーカーM14、マーカーM15およびマーカーM5からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6、マーカーM7、マーカーM8、マーカーM9およびマーカーM10、マーカーM12、マーカーM13、マーカーM16およびマーカーM17からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間に(唯一または排他的に)位置している、上記DNA分子が提供される。特に有効なDNA分子は、染色体領域が、マーカーM5およびM6によってフランキングされている、または染色体領域が、マーカーM4およびM7によってフランキングされている、または染色体領域が、マーカーM5およびM12によってフランキングされている、または染色体領域が、M11およびM13によってフランキングされている、または染色体領域が、M5およびM16によってフランキングされている、または染色体領域が、M14およびM17によってフランキングされているものである。
【0108】
かかるDNA分子の例が表2、3および4に列挙されており、資源ALSインヒビター耐性系統に由来する第5染色体の遺伝子移入されている断片のサイズが示されている。このサイズは、遺伝距離を表す単位であるセンチモルガン(cM)で表される。シュガービートについての完全な配列から作るゲノム配列は、公表されており、RefBeet1.2.2Accession GCA_000511025(https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/GCA_000511025.2)として、EnsemblPlantsウエブサイトhttps://plants.ensembl.org/Beta_vulgaris/Info/Indexにおいて見出され得る。当業者は、そのため、コンピュータプログラムおよびアルゴリズムを使用する配列比較によって、シュガービートの完全なゲノム配列においてここで提供されるマーカーヌクレオチド配列を容易に位置づけることができる。例えば、基本局所アラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)(Altschul, Nucl. Acids Res. 25 (1997), 3389-3402; Altschul, J. Mol. Evol. 36 (1993), 290-300; Altschul, J. Mol. Biol. 215 (1990), 403-410)を表すBLASTは、局所配列アラインメントについて検索するために使用され得る。
【0109】
本明細書に記載されているマーカーのヌクレオチド配列が、第5染色体コンティグのゲノムヌクレオチド配列マップにおける相当する位置に物理的に割り当てられたら、当業者は、キロベースで、かかるマーカーにフランキングされている、遺伝子移入されている第5染色体断片の物理的サイズを同定することができ、かかるマーカーにフランキングされている断片のコンセンサスヌクレオチド配列を推測することができる。
【0110】
本明細書に記載されているDNA分子をホモ接合またはヘテロ接合状態で含んでなり、かつ、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子を得るために親植物として使用され得るベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特に、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、シュガービート植物または飼料用ビート植物も記載されている。この目的で、かかる植物は、他花授粉され、後代種子が収穫される。親植物の一方は、雄性不稔(雌性植物)であってよく、雄性親植物からの花粉によって授粉されてよい。雄性不稔ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を得る方法は、当該分野において周知である。
【0111】
本発明のB.ブルガリス(B.vulgaris)植物およびその収穫可能な部分は、農学的に利用可能である。「農学的に利用可能な」は、B.ブルガリス(B.vulgaris)植物およびその部分が、農学的目的に有用であることを意味する。例えば、B.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、糖生産、バイオ燃料生産(例えば、バイオガス、バイオブタノール)、エタノール生産、ベタインおよび/またはウリジン生産に有用であるという目的のために役立つはずであり、糖、エタノール、ベタインおよび/またはウリジンの生産のための本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用も想定される。B.ブルガリス(B.vulgaris)植物またはその部分は、動物飼料として、または、動物飼料を生産するのに使用され得る。
【0112】
「ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種の植物」または「ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物」は、亜種のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)subsp.ブルガリスの植物、例えば、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)subsp.ブルガリスvar.アルティッシマ(より狭義にはシュガービート)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.ブルガリス(フダンソウ)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.コンディチヴァ(ビートルート/レッドビート)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.クラッサ/アルバ(飼料用ビート)を含んでなる。
【0113】
農学的に利用可能なB.ブルガリス(B.vulgaris)植物の例は、シュガービートである。本発明のシュガービート植物は、1ヘクタールの収量の面積で栽培されるとき(約80,000~90,000のシュガービート)、好ましくは、少なくとも4トンの糖の生産に役立つはずである。
【0114】
本発明のシュガービート植物は、農学的に利用可能であるように、好ましくは15~20%、好ましくは少なくとも17%の糖含量を含有するべきである。そのため、15~20%、好ましくは少なくとも17%の糖含量を含有するシュガービート植物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0115】
農学的に利用可能なB.ブルガリス(B.vulgaris)植物の更に別の例は、飼料用ビートである。飼料用ビートは、収穫されたビートを切り刻み畜牛および乳牛のような動物に純粋に給餌することにより、動物飼料を製造するのに使用されてよく、もしくは、他の給餌成分と混合されてよく、または、放牧飼料用ビートとして使用されてよい。
【0116】
本発明の別の態様は、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物および/または本明細書に記載されている収穫可能な部分もしくは繁殖物質の、更なるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の製造/育種のための使用である。
【0117】
ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する方法において、ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、または、上記の第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定/選択する方法であって:
(a)表現型またはマーカーを利用した方法によってB.ブルガリス(B.vulgaris)植物、例えば、(エリート)B.ブルガリス(B.vulgaris)植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;ならびに
(b)マーカーM1(配列番号1)、マーカーM2(配列番号2)、マーカーM3(配列番号3)、マーカーM4(配列番号4)、マーカーM5(配列番号5)、マーカーM6(配列番号6)、マーカーM7(配列番号7)、マーカーM8(配列番号8)、マーカーM9(配列番号9)、マーカーM10(配列番号10)、マーカーM11(配列番号11)およびマーカーM13(配列番号13)からなる群から選択される1以上のマーカーの31位における、マーカーM12(配列番号12)の30位における、またはマーカー14(配列番号19)、マーカー15(配列番号20)、マーカー16(配列番号21)およびマーカーM17(配列番号22)からなる群から選択される1以上のマーカーの101位におけるヌクレオチドにおいて、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に存在するとして、アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程;
(c)ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程
を含んでなる、上記方法も想定される。
【0118】
ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する別の方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、または、上記の第5染色体のゲノム断片を含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定/選択する別の方法であって、
(a)表現型またはマーカーを利用した方法によって上記植物におけるALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの存在を同定する工程;ならびに
(b)ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの片側において、マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルの反対側において、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つのアレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程;ならびに
(c)ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程
を含んでなる、上記方法。
【0119】
ALS-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー植物から遺伝子移入されている、(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における第5染色体のゲノム断片を同定する更なる方法において、上記ゲノム断片がALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルを含んでなる、方法であって、
(a)マーカーM1(配列番号1のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号2のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号5のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号11のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号19のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM15(配列番号20のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによって、ならびに、ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第1アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程、ならびに、
(b)ALS-除草剤耐性内在性ALS遺伝子アレルによって、ならびに、マーカーM6(配列番号6のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号12のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号13のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号7のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号8のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号9のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号10のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM16(配列番号21のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM17(配列番号22のヌクレオチド配列を含んでなる)からなる群から選択されるマーカーによってフランキングされている染色体区間において少なくとも1つの第2アレル/ヌクレオチドの存在を同定する工程
(c)ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を任意選択的に選択する工程において、上記植物が、低減した近交弱勢および/または増加した雑種強勢および/または増加した糖収量もしくはバイオマス収量を示す、工程
を含んでなる、上記方法。
【0120】
(エリート)ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に存在するアレルまたはヌクレオチドを表1に示す。このように、同定する方法の工程は、マーカーM1(配列番号1)のヌクレオチド31位におけるGの存在;マーカーM2(配列番号2)のヌクレオチド31位におけるTの存在;マーカーM3(配列番号3)のヌクレオチド31位におけるGの存在;マーカーM4(配列番号4)のヌクレオチド31位におけるAの存在;マーカーM5(配列番号5)のヌクレオチド31位におけるCの存在;マーカーM6(配列番号6)のヌクレオチド31位におけるCの存在;マーカーM7(配列番号7)のヌクレオチド31位におけるCの存在;マーカーM8(配列番号8)のヌクレオチド31位におけるCの存在;マーカーM9(配列番号9)のヌクレオチド31位におけるAの存在;マーカーM10(配列番号10)のヌクレオチド31位におけるAの存在;マーカーM11(配列番号11)のヌクレオチド31位におけるAの存在;マーカーM12(配列番号12)のヌクレオチド30位におけるTの存在;マーカーM13(配列番号13)のヌクレオチド31位におけるAの存在;マーカーM14(配列番号19)のヌクレオチド101位におけるCの存在;マーカーM15(配列番号20)のヌクレオチド101位におけるTの存在;マーカーM16(配列番号21)のヌクレオチド101位におけるGの存在;またはマーカーM17(配列番号22)のヌクレオチド101位におけるCの存在を決定することを含んでなっていてよい。
【0121】
BvALS_W569Lアレルの存在は、マーカーMals(配列番号14)のヌクレオチド31位におけるGヌクレオチドの存在を同定することによって決定され得る。
【0122】
本発明のなお別の態様において、ドナー系統から遺伝子移入されている第5染色体断片の存在およびサイズを決定するためのマーカーが提供される。これらのマーカーは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号19、配列番号20、配列番号21または配列番号22のいずれか1つの配列を含んでなるDNA分子を含んでなる。
【0123】
マーカーは、任意の遺伝子型分析方法を使用して本発明の植物を同定するのに使用され得る。植物の遺伝子型評価は、アイソザイム電気泳動、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、任意プライム化(Arbitrarily Primed)ポリメラーゼ連鎖反応技術(AP-PCR)、アレル特異的PCR(AS-PCR)、DNA増幅フィンガープリンティング(DAF)、配列特徴づけ増幅領域(Sequence Characterized Amplified Regions)(SCAR)、増幅断片長多型(AFLP)、単一配列反復(Simple Sequence Repeats)(SSR)(これは「マイクロサテライト」とも称される)などの技術を使用することを含む。本明細書において提供される植物の遺伝子型を分析する更なる組成物および方法は、米国特許公開公報第2004/0171027号、米国特許公開公報第2005/02080506号、および米国特許公開公報第2005/0283858号に開示されているこれらの方法を含む。
【0124】
単一ヌクレオチド多型マーカーの遺伝子型決定のための特定の有用なアッセイ方法は、例えば、Chunlin He, John Holme and Jeffrey Anthony in “SNP genotyping: the KASP assay” Methods Mol Biol 2014;1145:75-86 doi: 10.1007/978-1-4939-0446-4_7によって記載されているKASPアッセイ(競合アレル特異的PCR)である。
【0125】
本発明の別の態様において、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用が提供される。
【0126】
ALSインヒビター除草剤は、本発明の上記のナンバリングされた実施形態に列挙されているもののいずれか1つに属していてよい。群A~Cの下で言及されている名称(一般名)の後の角括弧内に記載されている「CAS RN」は、「CAS RN」が、とりわけ、立体異性体を含めた異性体間を区別することから、指名された物質を明確に分類できるようにする慣例の参照番号「ケミカルアブストラクトサービス登録番号」に相当する。列挙されている化合物は、以下において更に使用されている、括弧内の数字、例えば、A1-1などによって更に示される。
【0127】
本発明の文脈において、「耐性」または「耐性の」は、上記で定義されている群(A)、(B)、(C)のいずれかに属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)が、本明細書に記載されている、ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特に、シュガービートに施用されたときに、生理機能/植物毒性に関するいずれの見た目の効果(複数可)も示さず、非耐性のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に同じ量のそれぞれのALSインヒビター除草剤(複数可)を施用することで、植物の成長、その生理機能に関する大きな負の効果につながるか、または植物毒性症状を示すことを意味する。観察される効果の性質および量は、施用されるそれぞれのALSインヒビター除草剤(複数可)の化学組成、施用量、および施用のタイミング、ならびに、処理される植物の成長状態/段階に依り得る。
【0128】
有用なALSインヒビター除草剤は、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる。
【0129】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)植物が本明細書に記載されているハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2)である。
【0130】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービートまたは飼料用ビート植物)植物が本明細書に記載されているハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービートまたは飼料用ビート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)である。
【0131】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービートまたは飼料用ビート植物)植物が本明細書に記載されているハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、トリフルスルフロン-メチルである。
【0132】
加えて、本明細書に記載されているハイブリッドB.ブルガリス(B.vulgaris)植物において使用されるALSインヒビター除草剤(複数可)は、更なる成分、例えば、異なるタイプの作用形態の農学的活性化合物、ならびに/または作物保護において慣例の配合助剤および/もしくは添加剤を含んでなっていてよく、あるいは、これらと一緒に使用されてよい。
【0133】
好ましい実施形態において、本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせは、有効量の、群(A)、(B)および/もしくは(C)に属するALSインヒビター除草剤(複数可)を含み、かつ/または相乗作用を有する。相乗作用は、例えば、群(A)、(B)、および/または(C)に属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)を一緒に、例えば、共配合物としてまたはタンクミックスとして施用するとき、観察され得;しかしながら、これらはまた、活性化合物が異なる時点で施用されるとき(分割)にも観察され得る。例えば、発芽前施用、続いて発芽後施用または早期発芽後施用、続いて中期または後期発芽後施用で、除草剤または除草剤組み合わせを複数回に分けて施用する(逐次施用)こともできる。
【0134】
ここでは、対象となる組み合わせの群(A)、(B)および/または(C)に属するALSインヒビター除草剤の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0135】
相乗効果は、個々のALSインヒビター除草剤の施用量の低減、同じ施用量でのより高い効能、まだ防除されていない種の防除(ギャップ)、個々のALSインヒビター除草剤もしくは多数のALSインヒビター除草剤に耐性があるもしくは抵抗性である種の防除、施用期間の延長、ならびに/または、経済的および生態学的により有利である、必要とされる個々の施用回数、および-使用者にとっての結果として-雑草防除システムの低減を可能にする。
【0136】
本発明にしたがって使用される除草剤は、全てアセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター除草剤(「ALS阻害除草剤」と代替的かつ互換可能に名付けられてもよい)であるため、植物におけるタンパク質生合成を阻害する。
【0137】
(上記に定義されている)群(A)、(B)または(C)に属するALSインヒビター除草剤の施用量は、広い範囲、例えば、0.001g~1500gのai/ha(ai/haは、ここでおよび以下において、100%純粋な活性化合物を基準とする「ヘクタール当たりの活性物質」を意味する)で変動し得る。本発明による分類A、BおよびCに属する除草剤、好ましくは、化合物A1-1;A1-4;A1-8;A1-9;A1-12;A1-13;A1-16;A1-17;A1-18;A1-19;A1-20;A1-28;A1-29;A1-31;A1-39;A1-41;A1-83;A1-87;A2-2;A2-3;A3-3;A3-5;A3-7、A4-3、対照、発芽前および発芽後方法によって使用されるときには、比較的広範な有害植物、例えば、一年生および多年生の単子葉または双子葉雑草、ならびに更には望ましくない作物植物(一緒に「望ましくない植生」とも定義される)は、0.001g20~1500gのai/haの施用量で施用される。
【0138】
本発明による多くの施用において、施用量は、例えば、0.001g~1000gのai/ha、好ましくは300.1g~500gのai/ha、特に、好ましくは0.5g~250gのai/ha、および更により好ましくは1.0g~200gのai/haの範囲であり、概してより少ない。いくつかのALSインヒビター除草剤の施用が行われるとき、量は、全ての施用されるALSインヒビター除草剤の合計量を表す。例えば、ALSインヒビター除草剤(群(A)、(B)および/または(C)に属する)の、本発明による組み合わせは、はるかにかつ予想外に、個々のALSインヒビター除草剤(群(A)、(B)および/または(C)に属する)を使用して達成され得る活性を超える方法で、活性を相乗的に向上させることができる。
【0139】
ALSインヒビター除草剤の組み合わせについて、好ましい条件を以下に例示する。
【0140】
本発明による特に興味深いものは、以下のALSインヒビター除草剤分を有する、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、好ましくはシュガービート植物において望ましくない植生を防除するための除草剤組成物の使用である:
(A1-1)+(A1-4);(A1-1)+(A1-8);(A1-1)+(A1-9);(A1-1)+(A1-12);
(A1-1)+(A1-13);(A1-1)+(A1-16);(A1-1)+(A1-17);(A1-1)+(A1-18);
(A1-1)+(A1-19);(A1-1)+(A1-20);(A1-1)+(A1-28);(A1-1)+(A1-29);
(A1-1)+(A1-31);(A1-1)+(A1-39);(A1-1)+(A1-41);(A1-1)+(A1-83);
(A1-1)+(A1-87);(A1-1)+(A2-2);(A1-1)+(A2-3);(A1-1)+(A3-3);
(A1-1)+(A3-5);(A1-1)+(A3-7);(A1-1)+(A4-1);(A1-1)+(A4-2);(A1-1)+(A4-3);
(A1-4)+(A1-8);(A1-4)+(A1-9);(A1-4)+(A1-12);(A1-4)+(A1-13);
(A1-4)+(A1-16);(A1-4)+(A1-17);(A1-4)+(A1-18);(A1-4)+(A1-19);
(A1-4)+(A1-20);(A1-4)+(A1-28);(A1-4)+(A1-29);(A1-4)+(A1-31);
(A1-4)+(A1-39);(A1-4)+(A1-41);(A1-4)+(A1-83);(A1-4)+(A1-87);
(A1-4)+(A2-2);(A1-4)+(A2-3);(A1-4)+(A3-3);(A1-4)+(A3-5);
(A1-4)+(A3-7);(A1-4)+(A4-1);(A1-4)+(A4-2);(A1-4)+(A4-3);
(A1-8)+(A1-9);(A1-8)+(A1-12);(A1-8)+(A1-13);(A1-8)+(A1-16);
(A1-8)+(A1-17);(A1-8)+(A1-18);(A1-8)+(A1-19);(A1-8)+(A1-20);
(A1-8)+(A1-28);(A1-8)+(A1-29);(A1-8)+(A1-31);(A1-8)+(A1-39);
(A1-8)+(A1-41);(A1-8)+(A1-83);(A1-8)+(A1-87);(A1-8)+(A2-2);
(A1-8)+(A2-3);(A1-8)+(A3-3);(A1-8)+(A3-5);(A1-8)+(A3-7);
A1-8)+(A4-1);(A1-8)+(A4-2);(A1-8)+(A4-3);
(A1-9)+(A1-12);(A1-9)+(A1-13);(A1-9)+(A1-16);(A1-9)+(A1-17);
(A1-9)+(A1-18);(A1-9)+(A1-19);(A1-9)+(A1-20);(A1-9)+(A1-28);
(A1-9)+(A1-29);(A1-9)+(A1-31);(A1-9)+(A1-39);(A1-9)+(A1-41);
(A1-9)+(A1-83);(A1-9)+(A1-87);(A1-9)+(A2-2);(A1-9)+(A2-3);
(A1-9)+(A3-3);(A1-9)+(A3-5);(A1-9)+(A3-7);(A1-9)+(A4-1);
(A1-9)+(A4-2);(A1-9)+(A4-3);
(A1-12)+(A1-13);(A1-12)+(A1-16);(A1-12)+(A1-17);(A1-12)+(A1-18);
(A1-12)+(A1-19);(A1-12)+(A1-20);(A1-12)+(A1-28);(A1-12)+(A1-29);
(A1-12)+(A1-31);(A1-12)+(A1-39);(A1-12)+(A1-41);(A1-12)+(A1-83);
(A1-12)+(A1-87);(A1-12)+(A2-2);(A1-12)+(A2-3);(A1-12)+(A3-3);
(A1-12)+(A3-5);(A1-12)+(A3-7);(A1-12)+(A4-1);(A1-12)+(A4-2);(A1-12)+
(A4-3);
(A1-13)+(A1-16);(A1-13)+(A1-17);(A1-13)+(A1-18);(A1-13)+(A1-19);
(A1-13)+(A1-20);(A1-13)+(A1-28);(A1-13)+(A1-29);(A1-13)+(A1-31);
(A1-13)+(A1-39);(A1-13)+(A1-41);(A1-13)+(A1-83);(A1-13)+(A1-87);
(A1-13)+(A2-2);(A1-13)+(A2-3);(A1-13)+(A3-3);(A1-13)+(A3-5);
(A1-13)+(A3-7);(A1-13)+(A4-1);(A1-13)+(A4-2);(A1-13)+(A4-3);
(A1-16)+(A1-17);(A1-16)+(A1-18);(A1-16)+(A1-19);(A1-16)+(A1-20);
(A1-16)+(A1-28);(A1-16)+(A1-29);(A1-16)+(A1-31);(A1-16)+(A1-39);
(A1-16)+(A1-41);(A1-16)+(A1-83);(A1-16)+(A1-87);(A1-16)+(A2-2);
30(A1-16)+(A2-3);(A1-16)+(A3-3);(A1-16)+(A3-5);(A1-16)+(A3-7);
(A1-16)+(A4-1);(A1-16)+(A4-2);(A1-16)+(A4-3);
A1-17)+(A1-18);(A1-17)+(A1-19);(A1-17)+(A1-20);(A1-17)+(A1-28);
(A1-17)+(A1-29);(A1-17)+(A1-31);(A1-17)+(A1-39);(A1-17)+(A1-41);
(A1-17)+(A1-83);(A1-17)+(A1-87);(A1-17)+(A2-2);(A1-17)+(A2-3);
(A1-17)+(A3-3);(A1-17)+(A3-5);(A1-17)+(A3-7);(A1-17)+(A4-1);
(A1-17)+(A4-2);(A1-17)+(A4-3);
(A1-18)+(A1-19);(A1-18)+(A1-20);(A1-18)+(A1-28);(A1-18)+(A1-29);
(A1-18)+(A1-31);(A1-18)+(A1-39);(A1-18)+(A1-41);(A1-18)+(A1-83);
(A1-18)+(A1-87);(A1-18)+(A2-2);(A1-18)+(A2-3);(A1-18)+(A3-3);
(A1-18)+(A3-5);(A1-18)+(A3-7);(A1-18)+(A4-1);(A1-18)+(A4-2);
(A1-18)+(A4-3);
(A1-19)+(A1-20);(A1-19)+(A1-28);(A1-19)+(A1-29);(A1-19)+(A1-31);
(A1-19)+(A1-39);(A1-19)+(A1-41);(A1-19)+(A1-83);(A1-19)+(A1-87);
(A1-19)+(A2-2);(A1-19)+(A2-3);(A1-19)+(A3-3);(A1-19)+(A3-5);
(A1-19)+(A3-7);(A1-19)+(A4-1);(A1-19)+(A4-2);(A1-19)+(A4-3);
(A1-20)+(A1-28);(A1-20)+(A1-29);(A1-20)+(A1-31);(A1-20)+(A1-39);
(A1-20)+(A1-41);(A1-20)+(A1-83);(A1-20)+(A1-87);(A1-20)+(A2-2);
(A1-20)+(A2-3);(A1-20)+(A3-3);(A1-20)+(A3-5);(A1-20)+(A3-7);
(A1-20)+(A4-1);(A1-20)+(A4-2);(A1-20)+(A4-3);
(A1-28)+(A1-29);(A1-28)+(A1-31);(A1-28)+(A1-39);(A1-28)+(A1-41);
(A1-28)+(A1-83);(A1-28)+(A1-87);(A1-28)+(A2-2);(A1-28)+(A2-3);
(A1-28)+(A3-3);(A1-28)+(A3-5);(A1-28)+(A3-7);(A1-28)+(A4-1);
(A1-28)+(A4-2);(A1-28)+(A4-3);
(A1-29)+(A1-31);(A1-29)+(A1-39);(A1-29)+(A1-41);(A1-29)+(A1-83);
(A1-29)+(A1-87);(A1-29)+(A2-2);(A1-29)+(A2-3);(A1-29)+(A3-3);
(A1-29)+(A3-5);(A1-29)+(A3-7);(A1-29)+(A4-1);(A1-29)+(A4-2);(A1-29)+
(A4-3);
(A1-31)+(A1-39);(A1-31)+(A1-41);(A1-31)+(A1-83);(A1-31)+(A1-87);
(A1-31)+(A2-2);(A1-31)+(A2-3);(A1-31)+(A3-3);(A1-31)+(A3-5);
(A1-31)+(A3-7);(A1-31)+(A4-1);(A1-31)+(A4-2);(A1-31)+(A4-3);
(A1-39)+(A1-41);(A1-39)+(A1-83);(A1-39)+(A1-87);(A1-39)+(A2-2);
(A1-39)+(A2-3);(A1-39)+(A3-3);(A1-39)+(A3-5);(A1-39)+(A3-7);
(A1-39)+(A4-1);(A1-39)+(A4-2);(A1-39)+(A4-3);
(A1-41)+(A1-83);(A1-41)+(A1-87);(A1-41)+(A2-2);(A1-41)+(A2-3);
(A1-41)+(A3-3);(A1-41)+(A3-5);(A1-41)+(A3-7);(A1-41)+(A4-1);
(A1-41)+(A4-2);(A1-41)+(A4-3);
(A1-83)+(A2-2);(A1-83)+(A2-3);(A1-83)+(A3-3);(A1-83)+(A3-5);
(A1-83)+(A3-7);(A1-83)+(A4-1);(A1-83)+(A4-2);(A1-83)+(A4-3);
(A1-87)+(A2-2);(A1-87)+(A2-3);(A1-87)+(A3-3);(A1-87)+(A3-5);
(A1-87)+(A3-7);(A1-87)+(A4-1);(A1-87)+(A4-2);(A1-87)+(A4-3);
(A2-2)+(A2-3);(A2-2)+(A3-3);(A2-2)+(A3-5);(A2-2)+(A3-7);
(A2-2)+(A4-1);(A2-2)+(A4-2);(A2-2)+(A4-3);
(A2-3)+(A3-3);(A2-3)+(A3-5);(A2-3)+(A3-7);
(A2-3)+(A4-1);(A2-3)+(A4-2);(A2-3)+(A4-3);
(A3-3)+(A3-5);(A3-3)+(A3-7);
(A3-3)+(A4-1);(A3-3)+(A4-2);(A3-3)+(A4-3);
(A3-5)+(A3-7);(A3-5)+(A4-1);(A3-5)+(A4-2);(A3-5)+(A4-3);
(A3-7)+(A4-1);(A3-7)+(A4-2);(A3-7)+(A4-3);
(A-1)+(A4-2);(A4-1)+(A4-3);および
(A4-2)+(A4-3)。
【0141】
加えて、本発明にしたがって使用されるALSインヒビター除草剤は、更なる成分、例えば、異なるタイプの作用形態の農学的活性化合物、ならびに/または作物保護において慣例の配合助剤および/もしくは添加剤を含んでなっていてよく、あるいは、これらと一緒に使用されてよい。
【0142】
本発明にしたがって使用されるALSインヒビター除草剤(複数可)または種々のかかるALSインヒビター除草剤の組み合わせは、例えば、解毒剤、殺菌剤、殺虫剤の群から、または、作物保護において慣例の配合助剤および添加剤の群からの種々の農学的活性化合物を更に含んでいてよい。
【0143】
更なる実施形態において、本発明は、望ましくない植生の防除に相乗効果を得るために、有効量のALSインヒビター除草剤(複数可)(すなわち、群(A)、(B)および/または(C)のメンバー)ならびに非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6](群D除草剤)の阻害に対して異なる作用モードを示す除草剤)を使用することに関する。
【0144】
かかる相乗作用は、例えば、1以上のALSインヒビター除草剤(すなわち、群(A)、(B)および/または(C)のメンバー)ならびに1以上の非ALSインヒビター除草剤(群D除草剤)を一緒に、例えば、共配合物としてまたはタンクミックスとして施用するとき観察され得る;しかしながら、これらはまた、活性化合物が異なる時点で施用されるとき(分割)にも観察され得る。ALSインヒビター除草剤および非ALSインヒビター除草剤を、例えば、発芽前施用、続いて、発芽後施用または早期発芽後施用、続いて中期または後期発芽後施用で、複数回に分けて施用する(逐次施用)こともできる。ここでは、対象となる組み合わせの除草剤((A)、(B)および/または(C))ならびに(D)の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0145】
ALSインヒビター除草剤と一緒に施用される好適なパートナー除草剤は、各場合においてBritish Crop Protection Council(以下、手短に「PM」とも称する)によって公開されており、かつ、ここで列挙されている文献における、例えば、Weed Research 26, 441-445 (1986)、または“The Pesticide Manual”, 14th edition, The British Crop Protection Council, 2007,もしくは15th edition 2010において、あるいは、対応する“ePesticide Manual”, Version 5 (2010)において記載されているように、例えば、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属する除草剤と構造的に異なる以下の除草剤、好ましくは、その作用が例えばアセチル補酵素Aカルボキシラーゼ、PSI、PSII、HPPDO、フィトエンデサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、グルタミン合成酵素、セルロース生合成、5-エノール-ピルビル-シキミ酸3-リン酸シンターゼの阻害をベースとする除草活性化合物である。一般名のリストは、インターネットにおける「The Compendium of Pesticide Common Names」においても入手可能である。群(A)、(B)および/または(C)のALS-インヒビター除草剤と組み合わされ得かつ本発明にしたがって使用される、文献から公知の除草剤(以下、指示記号D1~D426によっても分類される一般名の後の括弧内)は、例えば、以下に列挙されている活性化合物である:(注記:除草剤は、文脈が別途示さない限り、必要に応じて慣例のコード番号と一緒に、International Organization for Standardization(ISO)にしたがった「一般名」によって、または、化学名によってのいずれかで称され、各場合において、全ての使用形態、例えば、酸、塩、エステルならびに異性体、例えば、立体異性体および光学異性体、特に市販形態(複数可)を含んでなる。与えられている列挙は、1つの使用形態のものであり、いくつかの場合には、2以上の使用形態のものである):アセトクロール(=D1)、アシベンゾラル(=D2)、アシベンゾラル-S-メチル(=D3)、アシフルオルフェン(=D4)、アシフルオルフェン-ナトリウム(=D5)、アクロニフェン(=D6)、アラクロール(=D7)、アリドクロール(=D8)、アロキシジム(=D9)、アロキシジム-ナトリウム(=D10)、アメトリン(=D11)、アミカルバゾン(=D12)、アミドクロル(=D13)、アミノシクロピラクロル(=D14)、アミノピラリド(=D15)、アミトロール(=D16)、スルファミン酸アンモニウム(=D17)、アンシミドール(=D18)、アニロホス(=D19)、アシュラム(=D20)、アトラジン(=D21)、アザフェニジン(=D22)、アジプロトリン(=D23)、ベフルブタミド(=D24)、ベナゾリン(=D25)、ベナゾリン-エチル(=D26)、ベンカルバゾン(=D27)、ベンフルラリン(=D28)、ベンフレセート(=D29)、ベンスリド(=D30)、ベンタゾン(=D31)、ベンズフェンジゾン(=D32)、ベンゾビシクロン(=D33)、ベンゾフェナップ(=D34)、ベンゾフルオール(=D35)、ベンゾイルプロップ(=D36)、ビシクロピロン(=D37)、ビフェノックス(=D38)、ビラナホス(=D39)、ビラナホス-ナトリウム(=D40)、ブロマシル(=D41)、ブロモブチド(=D42)、ブロモフェノキシム(=D43)、ブロモキシニル(=D44)、ブロムロン(=D45)、ブミナホス(=D46)、ブソキシノン(=D47)、ブタクロール(=D48)、ブタフェナシル(=D49)、ブタミホス(=D50)、ブテナクロール(=D51)、ブトラリン(=D52)、ブトロキシジム(=D53)、ブチレート(=D54)、カフェンストロール(=D55)、カルベタミド(=D56)、カルフェントラゾン(=D57)、カルフェントラゾンエチル(=D58)、クロメトキシフェン(=D59)、クロランベン(=D60)、クロラジホップ(=D61)、クロラジホップ-ブチル(=D62)、クロルブロムロン(=D63)、クロルブファム(=D64)、クロルフェナク(=D65)、クロルフェナク-ナトリウム(=D66)、クロルフェンプロップ(=D67)、クロルフルレノール(=D68)、クロルフルレノール-メチル(=D69)、クロリダゾン(=D70)、クロルメコート-クロリド(=D71)、クロルニトルフェン(=D72)、クロロフタリム(=D73)、クロルタール-ジメチル(=D74)、クロロトルロン(=D75)、シニドン(=D76)、シニドン-エチル(=D77)、シンメチリン(=D78)、クレトジム(=D79)、クロジナホップ(=D80)、クロジナホップ-プロパルギル(=D81)、クロフェンセット(=D82)、クロマゾン(=D83)、クロメプロップ(=D84)、クロプロップ(=D85)、クロピラリド(=D86)、クロランスラム(=D87)、クロランスラム-メチル(=D88)、クミルロン(=D89)、シアナミド(=D90)、シアナジン(=D91)、シクラニリド(=D92)、シクロエート(=D93)、シクロキシジム(=D94)、シクルロン(=D95)、シハロホップ(=D96)、シハロホップ-ブチル(=D97)、シペルコート(=D98)、シプラジン(=D99)、シプラゾール(=D100)、2,4-D(=D101)、2,4-DB(=D102)、ダイムロン(daimuron)/ダイムロン(dymron)(=D103)、ダラポン(=D104)、ダミノジド(=D105)、ダゾメット(=D106)、n-デカノール(=D-107)、デスメディファム(=D108)、デスメトリン(=D109)、デトシル-ピラゾレート(=D110)、ダイアレート(=D111)、ジカンバ(=D112)、ジクロベニル(=D113)、ジクロルプロップ(=D114)、ジクロルプロップ-P(=D115)、ジクロホップ(=D116)、ジクロホップ-メチル(=D117)、ジクロホップ-P-メチル(=D118)、ジエタチル(=D119)、ジエタチル-エチル(=D120)、ジフェノクスロン(=D121)、ジフェンゾコート(=D122)、ジフルフェニカン(=D123)、ジフルフェンゾピル(=D124)、ジフルフェンゾピル-ナトリウム(=D125)、ジメフロン(=D126)、ジケグラック-ナトリウム(=D127)、ジメフロン(=D128)、ジメピペレート(=D129)、ジメタクロール(=D130)、ジメタメトリン(=D131)、ジメテナミド(=D132)、ジメテナミド-P(=D133)、ジメチピン(=D134)、ジメトラスルフロン(=D135)、ジニトラミン(=D136)、ジノセブ(=D137)、ジノテルブ(=D138)、ジフェナミド(=D139)、ジプロペトリン(=D140)、ジクワット(=D141)、ジクワット-ジブロミド(=D142)、ジチオピル(=D143)、ジウロン(=D144)、DNOC(=D145)、エグリナジン-エチル(=D146)、エンドタール(=D147)、EPTC(=D148)、エスプロカルブ(=D149)、エタルフルラリン(=D150)、エテホン(=D151)、エチジムロン(=D152)、エチオジン(=D153)、エトフメセート(=D154)、エトキシフェン(=D155)、エトキシフェン-エチル(=D156)、エトベンザニド(=D157)、F-5331(=2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4、5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル]-フェニル]エタンスルホンアミド)(=D158)、F-7967(=3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-10ベンズイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)(=D159)、フェノプロップ(=D160)、フェノキサプロップ(=D161)、フェノキサプロップ-P(=D162)、フェノキサプロップ-エチル(=D163)、フェノキサプロップ-P-エチル(=D164)、フェノキサスルホン(=D165)、フェントラザミド(=D166)、フェヌロン(=D167)、フラムプロップ(=D168)、フラムプロップ-M-イソプロピル(=D169)、フラムプロップ-M-メチル(=D170)、フルアジホップ(=D171)、フルアジホップ-P(=D172)、フルアジホップ-ブチル15(=D173)、フルアジホップ-P-ブチル(=D17 4)、フルアゾレート(=D175)、フルクロラリン(=D176)、フルフェナセット(チアフルアミド)(=D177)、フルフェンピル(=D178)、フルフェンピル-エチル(=D179)、フルメトラリン(=D180)、フルミクロラック(=D181)、フルミクロラック-ペンチル(=D182)、フルミオキサジン(=D183)、フルミプロピン(=D184)、フルオメツロン(=D185)、フルオロジフェン(=D186)、フルオログリコフェン(=D187)、フルオログリコフェン-エチル(=D188)、フルポキサム(=D189)、20フルプロパシル(=D190)、フルプロパネート(=D191)、フルレノール(=D192)、フルレノール-ブチル(=D193)、フルリドン(=D194)、フルロクロリドン(=D195)、フルロキシピル(=D196)、フルロキシピル-メプチル(=D197)、フルルプリミドール(=D198)、フルルタモン(=D199)、フルチアセット(=D200)、フルチアセット-メチル(=D201)、フルチアミド(=D202)、ホメサフェン(=203)、ホルクロルフェヌロン(=D204)、ホサミン(=D205)、フリルオキシフェン(=D206)、ジベレリン酸25(=D207)、グルホシネート(=D208)、グルホシネート-アンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート-イソプロピルアンモニウム(=D214)、H-9201(=O-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)-O-エチル-イソプロピルホスホルアミドチオエート)(=D215)、ハロサフェン(=D216)、ハロキシホップ(=D217)、ハロキシホップ-P(=D218)、ハロキシホップ-エトキシエチル(=D219)、ハロキシホップ-P-エトキシエチル(=D220)、ハロキシホップ-メチル(=D221)、ハロキシホップP-メチル(=D222)、ヘキサジノン(=D223)、HW-02(=1-(ジメトキシホスホリル)-エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート)(=D224)、イナベンフィド(=D225)、インダノファン(=D226)、インダジフラム(=D227)、インドール-3-酢酸(IAA)(=D228)、4-インドール-3-イル酪酸(IBA)(=D229)、イオキシニル(=D230)、イプフェンカルバゾン(=D231)、イソカルバミド(=D232)、イソプロパリン(=D233)、イソプロツロン(=D234)、イソウロン(=D235)、イソキサベン(=D236)、イソキサクロトール(=D237)、イソキサフルトール(=D238)、イソキサピリホップ(=D239)、KUH-043(=3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール)(=D240)、カルブチレート(=D241)、ケトスピラドックス(=D242)、ラクトフェン(=D243)、レナシル(=D244)、リヌロン(=D245)、マレイン酸ヒドラジド(=D246)、MCPA(=D247)、MCPB(=D248)、MCPB-メチル、-エチルおよび-ナトリウム(=D249)、メコプロップ(=D250)、メコプロップ-ナトリウム(=
D251)、メコプロップ-ブトチル(=D252)、メコプロップ-P-ブトチル(=D253)、メコプロップ-P-ジメチルアンモニウム(=D254)、メコプロップ-P-2-エチルヘキシル(=D255)、メコプロップ-P-カリウム(=D256)、メフェナセット(=D257)、メフルイジド(=D258)、メピコート-クロリド(=D259)、メソトリオン(=D260)、メタベンズチアズロン(=D261)、メタム(=D262)、メタミホップ(=D263)、メタミトロン(=D264)、メタザクロール(=D265)、メタゾール(=D266)、メチオピルスルフロン(=D267)、メチオゾリン(=D268)、メトキシフェノン(=D269)、メチルダイムロン(=D270)、1-メチルシクロプロペン(=D271)、イソチオシアン酸メチル(=D272)、メトベンズロン(=D273)、メトブロムロン(=D274)、メトラクロール(=D275)、S-メトラクロール(=D-276)、メトクスロン(=D277)、メトリブジン(=D278)、モリネート(=D279)、モナリド(=D280)、モノカルバミド(=D281)、モノカルバミド-二水素硫酸塩(=D282)、モノリヌロン(=D283)、モノスルフロンエステル(=D284)、モニュロン(=D285)、MT-128(=6-クロロ-N-[(2E)-3-クロロプロプ-2-エン-1-イル]-5-メチル-N-フェニルピリダジン-3-アミン)(=D286)、MT-5950(=N-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)-フェニル]-2-メチルペンタンアミド)(=D287)、NGGC-011(=D288)、ナプロアニリド(=D289)、ナプロパミド(=D290)、ナプタラム(=D291)、NC-310(=4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール)(=D292)、ネブロン(=D293)、ニピラクロフェン(=D294)、ニトラリン(=D295)、ニトロフェン(=D296)、ニトロフェノラート-ナトリウム(異性体混合物)(=D297)、ニトロフルオルフェン(=D298)、ノナン酸(=D299)、ノルフルラゾン(=D300)、オルベンカルブ(=D301)、オリザリン(=D302)、オキサジアルギル(=D303)、オキサジアゾン(=D304)、オキサジクロメフォン(=D305)、オキシフルオルフェン(=D306)、パクロブトラゾール(=D307)、パラコート(=D308)、パラコート-ジクロリド(=D309)、ペラルゴン酸(ノナン酸)(=D310)、ペンジメタリン(=D311)、ペンドラリン(=D312)、ペンタノクロル(=D313)、ペントキサゾン(=D314)、ペルフルイドン(=D315)、ペトキサミド(=D317)、フェニソファム(=D318)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)、ピクロラム(=D321)、ピコリナフェン(=D322)、ピノキサデン(=D323)、ピペロホス(=D324)、ピリフェノップ(=D325)、ピリフェノップ-ブチル(=D326)、プレチラクロール(=D327)、プロベナゾール(=D328)、プロフルアゾール(=D329)、プロシアジン(=D330)、プロジアミン(=D331)、プリフルラリン(=D332)、プロホキシジム(=D333)、プロヘキサジオン(=D334)、プロヘキサジオンカルシウム(=D335)、プロヒドロジャスモン(=D336)、プロメトン(=D337)、プロメトリン(=D338)、プロパクロル(=D339)、プロパニル(=D340)、プロパキザホップ(=D341)、プロパジン(=D342)、プロファム(=D343)、プロピソクロール(=D344)、プロピザミド(=D345)、プロスルファリン(=D346)、プロスルホカルブ(=D347)、プリナクロル(=D348)、ピラクロニル(=D349)、ピラフルフェン(=D350)、ピラフルフェン-エチル(=D351)、ピラスルホトール(=D352)、ピラゾリネート(ピラゾレート)(=D353)、ピラゾキシフェン(=D354)、ピリバムベンズ(=D355)、ピリブチカルブ(=D356)、ピリダフォル(=D357)、ピリデート(=D358)、ピリミノバック(=D359)、15ピリミスルファン(=D360)、ピロキサスルホン(=D361)、キンクロラック(=D362)、キンメラック(=D363)、キノクラミン(=D364)、キザロホップ(=D365)、キザロホップ-エチル(=D366)、キザロホップ-P(=D367)、キザロホップ-P-エチル(=D368)、キザロホップ-P-テフリル(=D369)、サフルフェナシル(=D370)、セクブメトン(=D371)、セトキシジム(=D372)、シデュロン(=D373)、シマジン(=D374)、シメトリン(=D375)、SN-106279(=メチル-(2R)-2-({7-20[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ナフチル}オキシ)-プロパノエート)(=D376)、スルコトリオン(=D377)、スルファレート(CDEC)(=D378)、スルフェントラゾン(=D379)、スルホサート(グリホサート-トリメシウム)(=D380)、SYN-523(=D381)、SYP-249(=1-エトキシ-3-メチル-1-オキソブト-3-エン-2-イル-5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート)(=D382)、テブタム(=D383)、テブチウロン(=D384)、テクナゼン(=D385)、テフリルトリオン(=D386)、テンボトリオン(=D387)、テプラロキシジム(=D388)、テルバシル(=D389)、テルブカルブ(=D390)、テルブクロル(=D391)、テルブメトン(=D392)、テルブチラジン(=D393)、テルブトリン(=D394)、テニルクロール(=D395)、チアフルアミド(=D396)、チアザフルロン(=D397)、チアゾピル(=D398)、チジアミン(=D399)、チジアズロン(=D400)、チオベンカルブ(=D401)、チオカルバジル(=D402)、トプラメゾン(=D403)、トラルコキシジム(=D404)、トリアラート(=D405)、トリアジフラム(=D406)、トリアゾフェナミド(=D407)、トリクロロ酢酸(TCA)(=D408)、トリクロピル(=D409)、トリジファン(=D410)、トリエタジン(=D411)、トリフルラリン(=D412)、トリメツロン(=D413)、トリネキサパック(=D414)、トリネキサパック-エチル(=D415)、チトデフ(=D416)、ユニコナゾール(=D417)、ユニコナゾール-P(=D418)、バーノレート(=D419)、ZJ-0862(=3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン)(=D420)、および、それぞれ、自身の化学構造によって定義される以下の化合物
【化7】
【0146】
好ましくは、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤とは構造的にかつ作用形態によって異なり、また、本明細書に記載されているALSインヒビター除草剤耐性ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、好ましくはシュガービート植物における望ましくない植生の防除のために本発明にしたがって施用される更なる除草剤。
【0147】
群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤に関係して、以下の群に属するものがある:クロリダゾン(=D70)、クレトジム(=D79)、クロジナホップ(=D80)、クロジナホップ-プロパルギル(=D81)、クロピラリド(=D86)、シクロキシジム(=D94)、デスメディファム(=D108)、ジメテナミド(=D132)、ジメテナミド-P(=D133)、エトフメセート(=D154)、フェノキサプロップ(=D161)、フェノキサプロップ-P(=D162)、フェノキサプロップ-エチル(=D163)、フェノキサプロップ-P-エチル(=D164)、フルアジホップ(=D171)、フルアジホップ-P(=D172)、フルアジホップブチル(=D173)、フルアジホップ-P-ブチル(=D17 4)、グルホシネート(=D208)、グルホシネートアンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート-イソプロピルアンモニウム(=D214)、ハロキシホップ(=D217)、ハロキシホップ-P(=D218)、ハロキシホップエトキシエチル(=D219)、ハロキシホップ-P-エトキシエチル(=D220)、ハロキシホップ-メチル(=D221)、ハロキシホップ-P-メチル(=D222)、レナシル(=D244)、メタミトロン(=D264)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)、プロパキザホップ(=D341)、キンメラック(=D363)、キザロホップ(=D365)、キザロホップ-エチル(=D366)、キザロホップ-P(=D367)、キザロホップ-P-エチル(=D368)、キザロホップ-P-テフリル(=D369)、セトキシジム(=D372)
【0148】
なおより好ましくは、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤とは異なり、また、群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤に関係して本発明にしたがって施用される更なる除草剤は、以下の群に属するものである:デスメディファム(=D108)、エトフメセート(=D154)、グルホシネート(=D208)、グルホシネートアンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート- イソプロピルアンモニウム(=D214)、レナシル(=D244)、メタミトロン(=D264)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)。
【0149】
ALSインヒビター除草剤および非ALSインヒビター除草剤を含有する混合物である、望ましくない植生の防除のために本発明にしたがって使用するために非常に特定的に興味深い、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)(群(A)、(B)および(C)の1以上に属する化合物)および非ALSインヒビター除草剤(複数可)(群(D)メンバー;上記に定義されている)の混合物を含んでなる組成物は以下である:
(A1-1)+(D108);(A1-1)+(D154);(A1-1)+(D208);(A1-1)+(D209);
(A1-1)+(D210);(A1-1)+(D212);(A1-1)+(D213);(A1-1)+(D214);
(A1-1)+(D244);(A1-1)+(D264);(A1-1)+(D319);(A1-1)+(D320)。
(A1-13)+(D108);(A1-13)+(D154);(A1-13)+(D208);(A1-13)+(D209);
(A1-13)+(D210);(A1-13)+(D212);(A1-13)+(D213);(A1-13)+(D214);
(A1-13)+(D244);(A1-13)+(D264);(A1-13)+(D319);(A1-13)+(D320)。
(A1-16)+(D108);(A1-16)+(D154);(A1-16)+(D208);(A1-16)+(D209);
(A1-16)+(D210);(A1-16)+(D212);(A1-16)+(D213);(A1-16)+(D214);
(A1-16)+(D244);(A1-16)+(D264);(A1-16)+(D319);(A1-16)+(D320)。
(A1-39)+(D108);(A1-39)+(D154);(A1-39)+(D208);(A1-39)+(D209);
(A1-39)+(D210);(A1-39)+(D212);(A1-39)+(D213);(A1-39)+(D214);
(A1-39)+(D244);(A1-39)+(D264);(A1-39)+(D319);(A1-39)+(D320)。
(A1-41)+(D108);(A1-41)+(D154);(A1-41)+(D208);(A1-41)+(D209);
(A1-41)+(D210);(A1-41)+(D212);(A1-41)+(D213);(A1-41)+(D214);
(A1-41)+(D244);(A1-41)+(D264);(A1-41)+(D319);(A1-41)+(D320)。
(A1-83)+(D108);(A1-83)+(D154);(A1-83)+(D208);(A1-83)+(D209);
(A1-83)+(D210);(A1-83)+(D212);(A1-83)+(D213);(A1-83)+(D214);
(A1-83)+(D244);(A1-83)+(D264);(A1-83)+(D319);(A1-83)+(D320)。
(A1-87)+(D108);(A1-87)+(D154);(A1-87)+(D208);(A1-87)+(D209);
(A1-87)+(D210);(A1-87)+(D212);(A1-87)+(D213);(A1-87)+(D214);
(A1-87)+(D244);(A1-87)+(D264);(A1-87)+(D319);(A1-87)+(D320)。
(A2-3)+(D108);(A2-3)+(D154);(A2-3)+(D208);(A2-3)+(D209);
(A2-3)+(D210);(A2-3)+(D212);(A2-3)+(D213);(A2-3)+(D214);
(A2-3)+(D244);(A2-3)+(D264);(A2-3)+(D319);(A2-3)+(D320)。
(B1-2)+(D108);(B1-2)+(D154);(B1-2)+(D208);(B1-2)+(D209);
(B1-2)+(D21 0);(B1-2)+(D212);(B1-2)+(D213);(B1-2)+(D214);
(B1-2)+(D244);(B1-2)+(D264);(B1-2)+(D319);(B1-2)+(D320)。
(C1-1)+(D108);(C1-1)+(D154);(C1-1)+(D208);(C1-1)+(D209);
(C1-1)+(D210);(C1-1)+(D212);(C1-1)+(D213);(C1-1)+(D214);
(C1-1)+(D244);(C1-1)+(D264);(C1-1)+(D319);(C1-1)+(D320)。
【0150】
ALSインヒビター除草剤の施用はまた、地下茎、根茎および他の多年生器官から新芽を生じ、かつ、防除することが困難である多年生雑草にも効率的に作用する。ここで、かかる物質は、例えば、播種前方法、発芽前方法または発芽後方法によって、例えば、一緒にまたは別個に施用され得る。例えば、発芽後方法による、特に、発芽した有害な植物への施用が好ましいとされる。
【0151】
ALSインヒビター除草剤によって防除され得る単子葉および双子葉雑草植物相のいくつかの代表の具体例を言及することができるが、列挙は、ある特定の種に制限されるものではない。
【0152】
本発明による施用が効率的に作用する雑草種の例には、単子葉雑草種の中から、カラスムギ属種(Avena spp.)、スズメノテッポウ属種(Alopecurus spp.)、セイヨウヌカボ属種(Apera spp.)、ブラキアリア属種(Brachiaria spp.)、スズメノチャヒキ属種(Bromus spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、ドクムギ属種(Lolium spp.)、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、キビ属種(Panicum spp.)、クサヨシ属種(Phalaris spp.)、イチゴツナギ属種(Paa spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp)、更には、一年生群からのカヤツリグサ属(Cyperus)種、ならびに、多年生種からの、コムギダマシ属(Agropyron)、ギョウギシバ属(Cynodon)、チガヤ属(lmperata)およびモロコシ属(Sorghum)、ならびに、更には多年生カヤツリグサ属(Cyperus)種がある。
【0153】
双子葉雑草種の場合、作用のスペクトラムは、例えば、一年生雑草の中ではイチビ属種(Abutilon spp.)、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、アカザ属種(Chenopodium spp.)、キク属種(Chrysanthemum spp.)、ヤエムグラ属種(Galium spp.)、サツマイモ属種(lpomoea spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)、オドリコソウ属種(Lamium spp.)、シカレギク属種(Matricaria spp.)、アサガオ属種(Pharbitis spp.)、タデ属種(Polygonum spp.)、シダ属種(Sida spp.)、シロガラシ属種(Sinapis spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、ハコベ属種(Stellaria spp.)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)、およびスミレ属種(Viola spp.)、オナモミ属種(Xanthium spp.)、多年生雑草の場合には、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、アザミ属(Cirsium)、スイバ属(Rumex)およびヨモギ属(Artemisia)などの属に拡大される。
【0154】
本明細書において使用されているとき、別途明確に示されていない限り、用語「植物」は、いずれの発育段階における植物も意味することが意図される。
【0155】
本発明は、更に、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における、好ましくはシュガービートにおける望ましくない植生を防除する方法であって、1以上の群(A)、(B)および/または(C)に属するALSインヒビター除草剤を、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎もしくは新芽部)または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に、例えば、一緒にまたは別個に施用することを含んでなる、上記方法を提供する。
【0156】
本発明は、更に、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における、好ましくはシュガービートにおける望ましくない植生を防除する方法であって、群(A)、(B)および/または(C)に属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)を単独でまたは本発明による分類(D)化合物に属する非ALSインヒビター除草剤と組み合わせて、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎もしくは新芽部)または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に、例えば、一緒にまたは別個に施用することを含んでなる、上記方法を提供する。1以上の非ALSインヒビター除草剤は、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)と組み合わせて、ALSインヒビター除草剤(複数可)の前、後または同時に、上記植物、上記種子、または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に施用されてよい。
【0157】
「望ましくない植物」または「望ましくない植生」は、望まれない場所において成長する全ての植物を意味すると理解されるべきである。これは、例えば、有害な植物(例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)であり得る。
【0158】
本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせは、公知のプロセス、例えば、適切な場合には更なる活性化合物、添加剤および/または慣例の配合助剤との、個々の成分の混合配合物として調製され得、この組み合わせは、次いで、水で希釈される慣例の方法で、または、水との、別個に配合されたもしくは部分的に別個に配合された、成分の共同希釈によるタンクミックスとして、施用される。別個に配合されたまたは部分的に別個に配合された個々の成分の分割施用も可能である。
【0159】
ALSインヒビター除草剤またはALSインヒビター除草剤(複数可)および非ALSインヒビター除草剤(複数可)を含んでなる組み合わせを、例えば、発芽前施用、続いての発芽後施用を使用して、または、早期発芽後施用、続いての中期もしくは後期発芽後施用を使用して、複数回に分けて施用する(逐次施用)ことも可能である。ここでは、対象となる組み合わせの活性化合物の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0160】
上記の定義されている群(A)、(B)、(C)および(D)のいずれかに属し、本発明にしたがって施用される除草剤は、一緒にまたは別個に、活性化合物を含浸させた慣例の配合物、例えば、溶液、エマルジョン懸濁液、粉末、発泡体、ペースト、顆粒、エアロゾル、天然および合成材料、ならびにポリマー性材料中のマイクロカプセルに転換され得る。配合物は、慣例の助剤および添加剤を含んでいてよい。
【0161】
これらの配合物は、例えば、活性化合物を、液体溶媒、加圧液化ガスおよび/または固体担体である増量剤と、適切な場合には、乳化剤および/もしくは分散剤である界面活性剤、ならびに/または発泡体形成剤と混合することによって、公知の方法で製造される。
【0162】
使用される増量剤が水であるとき、例えば、補助溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。好適な液体溶媒は、本質的には:芳香族、例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、塩素化芳香族または塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン、クロロエチレン、または塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサンまたはパラフィン、例えば、鉱物油画分、鉱物および植物油、アルコール、例えば、ブタノールまたはグリコール、ならびにエーテルおよびそのエステル、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド、ならびに更には水である。好適な固体担体は:例えば、アンモニウム塩、ならびに、粉末状の天然鉱物、例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、ならびに、粉末状の合成鉱物、例えば、微粉シリカ、30アルミナおよびシリケートであり;顆粒に好適な固体担体は:例えば、粉砕および分画天然岩、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石および白雲石、ならびに、更には、無機および有機粗びき粉末の合成顆粒、ならびに、有機材料の顆粒、例えば、のこ屑、ココナツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎であり;好適な乳化剤および/または発泡体形成剤は:例えば、非イオン性およびイオン性乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、ならびに、更にはタンパク質加水分解物でもあり;好適な分散剤は:例えば、リグニン亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースである。
【0163】
粉末、顆粒またはラテックスの形態の、増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロースならびに天然および合成ポリマー、例えば、アラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、ならびに、更には天然リン脂質、例えば、ケファリンおよびレシチン、ならびに合成リン脂質が、配合物において使用され得る。他の可能な添加剤は、鉱物油および植物油である。
【0164】
本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせの除草作用は、例えば、界面活性剤によって、好ましくは脂肪アルコールポリグリコールエーテルの群からの湿潤剤によって改良され得る。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、脂肪アルコールラジカルにおいて10~18個の炭素原子およびポリグリコールエーテル部位において2~20個のエチレンオキシド単位を好ましくは含んでなる。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、非イオン性形態、またはイオン性形態で、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)もしくはアンモニウム塩として、または、更には、アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウム塩、例えば、C12/C14-脂肪アルコールジグリコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant GmbH)として使用され得る、例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩の形態で存在していてよい;例えば、EP-A-0476555、EP-A-0048436、EP-A-0336151またはUS-A-4,400、196および更にはProc. EWRS Symp. “Factors Affecting Herbicidal Activity and Selectivity”, 227 -232 (1988)も参照されたい。非イオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、例えば、2~20、好ましくは3~15個のエチレンオキシド単位を含んでなる、例えば、(C10-C1a)-、好ましくは(C10-C14)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば、イソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル)、例えば、Genapol(登録商標)X-シリーズ、例えば、Genapol(登録商標)X-030、Genapol(登録商標)X-060、Genapol(登録商標)X-080またはGenapol(登録商標)X-150(全てClariant GmbHから)からのものである。
【0165】
本発明は、本発明による群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤と、脂肪アルコールラジカルにおいて10~18個の炭素原子およびポリグリコールエーテル部位において2~20個のエチレンオキシド単位を好ましくは含有し、かつ、非イオン性またはイオン性形態で(例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩として)存在していてよい脂肪アルコールポリグリコールエーテルの群からの上記で言及されている湿潤剤との組み合わせを更に含んでなる。C12/C14-脂肪アルコールジグリコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant GmbH)、ならびに、例えば、Genapol(登録商標)X-シリーズ、例えば、Genapol(登録商標)X-030、Genapol(登録商標)X-060、Genapol(登録商標)X-080およびGenapol(登録商標)X-150(全てClariant GmbHから)からの、3~15個のエチレンオキシド単位を有するイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテルが好ましいとされる。
【0166】
更に、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば、非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)もまた、多くの他の除草剤に対する浸透剤および活性向上剤としての使用に好適であることが知られている(例えば、EP-A-0502014を参照されたい)。
【0167】
本発明による除草剤組み合わせの除草作用はまた、植物油を使用することによっても向上され得る。植物油という用語は、油質植物種の油、例えば、ダイズ油、菜種油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、アマニ油、ココナッツ油、パーム油、アザミ油またはヒマシ油、特に菜種油、およびこれらのエステル交換生成物、例えば、アルキルエステル、例えば、菜種油メチルエステルまたは菜種油エチルエステルも意味すると理解されるべきである。
【0168】
植物油は、好ましくは、C10-C22、好ましくはC12-C20の脂肪酸のエステルである。C10-C22脂肪酸エステルは、例えば、不飽和または飽和C10-C22脂肪酸のエステル、特に、偶数の炭素原子数を有するもの、例えば、エルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸および特にC18脂肪酸、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸である。
【0169】
C10-C22脂肪酸エステルの例は、グリセロールもしくはグリコールを、例えば、油質植物種の油に含有されるC10-C22脂肪酸と反応させることによって得られるエステル、または、例えば、C1-C20-アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノール)による、上記グリセロール-もしくはグリコール-C10-C22脂肪酸エステルのエステル交換によって得られ得るC1-C20-アルキル-C10-C22脂肪酸エステルである。エステル交換は、例えば、Rompp Chemie Lexikon, 9th edition, Volume 2, page 1343, Thieme Verlag Stuttgartにおいて記載されている公知の方法によって実施され得る。
【0170】
好ましいC1-C20-アルキル-C10-C22脂肪酸エステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2-エチルヘキシルエステルおよびドデシルエステルである。好ましいグリコール-およびグリセロール-C10-C2r脂肪酸エステルは、C10-C2r脂肪酸、特に、偶数の炭素原子数を有する脂肪酸、例えば、エルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、および、特に,C18-脂肪酸、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の均一なまたは混合のグリコールエステルおよびグリセロールエステルである。
【0171】
本発明にしたがって使用される除草組成物において、植物油は、例えば、市販の油含有配合添加剤、特に、菜種油をベースとするもの、例えば、Hasten(登録商標)(Victorian Chemical Company、オーストラリア、以下、Hastenと称され、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance、フランス、以下、ActirobBと称され、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako-Binol(登録商標)(Bayer AG、ドイツ、以下、Rako-Binolと称され、主成分:菜種油)、Renal(登録商標)(Stefes、ドイツ、以下、Renalと称され、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes、ドイツ、以下、Meroと称され、主成分:菜種油メチルエステル)の形態で存在し得る。
【0172】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、ならびに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料、ならびに、微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩を使用することが可能である。
【0173】
本発明にしたがって使用される配合物は、概して0.1~95重量%、好ましくは0.5~90重量%の活性化合物を含んでなる。
【0174】
それ自体でまたは配合物で、上記で定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤は、他の農学的活性化合物、例えば、公知の非ALSインヒビター除草剤との混合物として、望ましくない植生を防除するために、例えば、雑草を防除するために、または、望ましくない作物植物を防除するために使用することもでき、例えば、最終配合物またはタンクミックスが可能である。
【0175】
上記で30定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤と、他の公知の活性化合物、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、解毒剤、薬剤軽減剤、鳥類忌避剤、植物栄養素および土壌構造改善剤との混合物の使用も同様に可能である。
【0176】
上記で定義されている群(A)、(B)、(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤は、これ自体で、配合物の形態で、または更なる希釈によりこれから調製される使用形態で、例えば、即時使用溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末、ペーストおよび顆粒で使用され得る。施用は、慣例の方法で、例えば、散水、噴霧、微粒化、散布によって実施される。
【0177】
本発明によると、上記で定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤の1以上が、単独で、または、群(D)に属する1以上の非ALSインヒビター除草剤と組み合わせてのいずれかで、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(例えば、穀粒、種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎、もしくは芽のある新芽部)または耕地領域(例えば、土壌)に、好ましくは緑色植物および植物の部分に、ならびに、適切な場合、加えて土壌に施用され得る。1つの可能な使用は、タンクミックスの形態での活性化合物の共同施用であり、ここで、個々の活性化合物の最適に配合された濃縮配合物が、一緒に、タンクにおいて水と混合され、得られた噴霧液が施用される。
【0178】
追加の定義
本発明をより良好に定義しかつ本発明の実用において当業者をガイドするために、以下の定義を付与する。別途記述されていない限り、用語は、当業者による従来の使用にしたがって理解されるべきである。
【0179】
本明細書において使用されているとき、用語「植物」は、植物細胞、植物プロトプラスト、ビート植物が再生され得る組織培養の植物培養、植物カルス、植物塊、および植物または植物の部分において無傷である植物細胞、例えば、花粉、花、種子、葉、茎などを含む。繁殖物質および収穫可能な部分、例えば、根、特に、ビート根も含まれる。
【0180】
本明細書において使用されているとき、用語「集団」は、共通の親起源を所有する植物の遺伝的に異質な集合を意味する。
【0181】
本明細書において使用されているとき、用語「品種」および「栽培品種」は、遺伝的系統および性能によって同じ種内の他の品種から同定され得る類似の植物の群を意味する。
【0182】
本明細書において使用されているとき、「アレル」は、染色体上の所与の遺伝子座におけるゲノム配列の2以上の代替の形態のうちの1つを指す。
【0183】
本明細書において使用されているとき、「マーカー」は、生命体間を識別するのに使用され得る検出可能な特徴を意味する。かかる特徴の例として、限定されないが、遺伝子マーカー、生化学的マーカー、代謝産物、形質学的特徴、および農学的特徴が挙げられる。
【0184】
本明細書において使用されているとき、用語「表現型」は、遺伝子発現によって影響され得る細胞または生命体の検出可能な特徴を意味する。
【0185】
本明細書において使用されているとき、用語「遺伝子型」は、植物の具体的なアレル構成を意味する。
【0186】
本明細書において使用されているとき、「エリート」または「栽培」品種または系統は、優れた農学的性能のための育種および選択から得られた任意の品種を意味する。「エリート植物」は、エリート品種または系統に属する植物を指す。数多くのエリート品種が、ビート育種の当業者に利用可能でありかつ公知である。「エリート集団」は、所与の作物種、例えば、ビートの農学的に優れた遺伝子型の観点で最先端の技術を表すのに使用され得るエリート個体または品種の種別である。同様に、「エリート生殖質」またはエリート生殖質株は、農学的に優れた生殖質である。
【0187】
本明細書において使用されているとき、用語「遺伝子移入されている」は、遺伝子座を参照して使用されているとき、例えば戻し交配を通して新しい遺伝的背景に導入された遺伝子座を指す。遺伝子座の遺伝子移入は、植物育種方法を通しておよび/または分子遺伝学的方法によって達成され得る。かかる分子遺伝学的方法として、限定されないが、遺伝子座置換もしくは遺伝子座変換を提供する相同組み換え、非相同組み換え、部位特異的組み換え、および/またはゲノム修飾を提供する種々の植物形質転換技術ならびに/あるいは方法が挙げられる。
【0188】
本明細書において使用されているとき、染色体セグメントの文脈における用語「組み換え体」または「組み換えられた」は、例えば、減数分裂の際の相同染色体間の組み換え事象の結果として、1以上の遺伝子座をこれらが本来は見られない構成において含んでなる組み換え体DNA配列を指す。
【0189】
本明細書において使用されているとき、用語「連結された」は、核酸マーカーおよび/またはゲノム領域の文脈において使用されているとき、当該マーカーおよび/またはゲノム領域が、これらが減数分裂において一緒に分離する傾向があるように同じ連結基または染色体上に位置することを意味する。
【0190】
「配列同一性」および「配列類似性」とは、グローバルまたは局所アラインメントアルゴリズムを使用して、r2つのヌクレオチド配列のアラインメントにより決定され得る。配列は、「実質的に同一」または「本質的に類似」と称されてよく、これらが、例えば、プログラムGAPもしくはBESTFITまたはEmbossプログラム「Needle」(デフォルトパラメータを使用する)によって最適にアラインメントされるときには、少なくともある特定の最小のパーセントの配列同一性を共有する。これらのプログラムは、ニードルマン-ウンシュ法グローバルアラインメントアルゴリズムを使用して、2つの配列をこれら全長にわたりアラインメントして、一致の数を最大にしかつギャップの数を最小にする。一般に、デフォルトパラメータは、ギャップ創出ペナルティ=10およびギャップ伸長ペナルティ=0.5(ヌクレオチドおよびタンパク質アラインメントについて両方)と共に使用される。ヌクレオチドについて、使用したデフォルトスコアリングマトリックスは、DNAFULLである(Henikoff & Henikoff, 1992, PNAS 89, 10915-10919)。パーセント配列同一性についての配列アラインメントおよびスコアは、例えば、コンピュータプログラム、例えば、ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/下、ワールドワイドウエブにおいて利用可能である、EMBOSSを使用して決定されてよい。代替的には、配列類似性または同一性は、データベース、例えば、FASTA、BLASTなどに対する検索によって決定されてよいが、ヒットは、配列同一性を比較するために、対になって取り出されてアラインメントされるべきである。2つの核酸配列は、パーセント配列同一性が少なくとも85%、90%、95%、98%、99%以上(例えば、少なくとも99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9以上(核酸についてのスコアリングマトリックスDNAFULLを使用し、デフォルトパラメータ、すなわち、ギャップ創出ペナルティ=10、ギャップ伸長ペナルティ=0.5を使用して、Emboss「needle」によって決定される)であるとき、「実質的配列同一性」を有する。マーカーは、特に、プローブによって認識されない領域において、変動を示す場合があり得る。
【0191】
用語「約」は、値が、当該値を決定するのに用いられるデバイスまたは方法に関する誤差の標準偏差を含むことを示すのに使用される。特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替のみを指すことが明確に示されていない限り、または、当該代替が互いに排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替のみを指しかつ「および/または」を指すという定義を支持するものではない。特許請求の範囲において語「含んでなる」または他のオープンな言語と併せて使用されているとき、語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、特に記述されていない限り、「1以上」を示す。用語「含んでなる(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」は、オープンエンドの連結動詞である。これらの動詞の1つ以上の任意の形態または時制、例えば、「含んでなる(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」および「含む(including)」もまた、オープンエンドである。例えば、1以上の工程を「含んでなる(comprises)」、「有する(has)」または「含む(includes)」いずれの方法も、これら1以上の工程のみを保有することに限定されず、他の列挙されていない工程もカバーする。同様に、1以上の特徴を「含んでなる(comprises)」、「有する(has)」または「含む(includes)」いずれの植物も、これら1以上の特徴のみを保有することに限定されず、他の列挙されていない特徴もカバーする。
【0192】
「内在性」遺伝子は、遺伝子工学技術によって植物内に導入された植物の遺伝子を意味する。
【0193】
本明細書において使用されているとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に示していない限り、複数の参照を含むことに注意されなければならない。そのため、例えば、「1つの(a)試薬」への言及は、かかる異なる試薬の1以上を含み、「その(the)方法」への言及は、本明細書に記載されている方法について修飾または置き換えられ得る、当業者に公知の等価の工程および方法への言及を含む。
【0194】
別途示されていない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、当該一連のものにおけるあらゆる要素を指すことが理解されるべきである。当業者は、1を超える常套の実験を使用して、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態との多くの等価物を認識し、またはこれらを解明することができるであろう。かかる等価物は、本発明によって包含されることが意図される。
【0195】
この開示に列挙されている全ての公開公報および特許は、これらの全体が参照により組み込まれる。参照によって組み込まれる材料がこの明細書と相反するまたは矛盾する範囲では、本明細書がいずれのかかる材料にも優先される。
【0196】
寄託情報
BVals_W569Lアレルを含んでなり、SU-12-1と本明細書において称されている、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー系統の種子は、2010年3月12日に、番号NCIMB41705で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている。
【0197】
BVals_W569Lアレルを含んでなり、SU-12-1と本明細書において称されている、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド系統の種子は、2021年8月4日に、番号NCIMB43836で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている。
【0198】
BVals_W569Lアレルを含んでなり、SU-12-1と本明細書において称されている、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド系統の種子は、2021年8月4日に、番号Number NCIMB43837で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている。
【0199】
BVals_W569Lアレルを含んでなり、SU-12-1と本明細書において称されている、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ハイブリッド系統の種子は、2021年8月4日に、番号NCIMB43838で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている。
【0200】
本明細書を通して、以下の配列表のエントリーが言及される:
配列番号1:マーカーM1のヌクレオチド配列。
配列番号2:マーカーM2のヌクレオチド配列。
配列番号3:マーカーM3のヌクレオチド配列。
配列番号4:マーカーM4のヌクレオチド配列。
配列番号5:マーカーM5のヌクレオチド配列。
配列番号6:マーカーM6のヌクレオチド配列。
配列番号7:マーカーM7のヌクレオチド配列。
配列番号8:マーカーM8のヌクレオチド配列。
配列番号9:マーカーM9のヌクレオチド配列。
配列番号10:マーカーM10のヌクレオチド配列。
配列番号11:マーカーM11のヌクレオチド配列。
配列番号12:マーカーM12のヌクレオチド配列。
配列番号13:マーカーM13のヌクレオチド配列。
配列番号14:ALSインヒビター除草剤耐性ALS遺伝子W569Lについてのマーカーのヌクレオチド配列。
配列番号15:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性ALS遺伝子W569Lのヌクレオチド配列。
配列番号16:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性ALS遺伝子W569Lによってコードされるアミノ酸配列。
配列番号17:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性ALS遺伝子(野生型)のヌクレオチド配列。
配列番号18:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALSインヒビター除草剤耐性ALS遺伝子(野生型)によってコードされるアミノ酸配列。
配列番号19:マーカーM14のヌクレオチド配列。
配列番号20:マーカーM15のヌクレオチド配列。
配列番号21:マーカーM16のヌクレオチド配列。
配列番号22:マーカーM17のヌクレオチド配列。
【実施例】
【0201】
雑種強勢シュガービートプール内のシュガービートSU-12-1形質ドナーの好適な遺伝子組み換え体の同定。
材料および方法
以下SU-12-1と示される、ALSインヒビター除草剤、例えば、スルホニル尿素除草剤に耐性を与えるBvALS_W569L ALS遺伝子アレルを保持するファウンダー遺伝子型を、ホラムスルフロンに対して、2倍体シュガービート遺伝子型7T9044から栽培されるカルスにおいて自発的なALS突然変異を選択すること(例えば、Alexander Dovzhenko, PhD Thesis, Title: “Towards plastid transformation in rapeseed(Brassica napus L.) and sugarbeet (Beta vulgaris L.)”, Ludwig-Maximilians-Universitat Muenchen, Germany, 2001によって記載されている)、および、最大3×10-6Mホラムスルフロンの存在下で成長することができる細胞コロニーを選択すること(両文献が参照により本明細書に組み込まれるWO2012049266A1およびWO2012049268A1に記載されている)によって誘導した。選択された細胞コロニーからの新芽の再生後、ホラムスルフロンの存在下、ALSインヒビター除草剤に耐性のシュガービート植物を得た。出発原料として使用した遺伝資源は、商業的に関連せず、また、特に、欧州市場を含めた種々の地域に適合するものではなかった。
【0202】
ファウンダーSU-12-1のBvALS_W569Lアレルを、シュガービートの両方の雑種強勢プール、単胚2MOTおよび多胚2MUFプールにおいて、戻し交配ならびに両マーカーを利用した選抜および表現型利用選抜によって遺伝子移入した。
【0203】
戻し交配では、2つのストラテジーを適用した:
(a)標的遺伝子型の花の除雄およびBvALS_W569Lアレルを保持する遺伝子型によるその後の授粉。KASPマーカーMalsを使用して、マーカーを利用した選抜(MAS)を適用することによって、成功の交配を決定した。この方法を、典型的には、第2戻し交配世代およびその上(BC1以上の世代)において使用した。
(b)第1戻し交配世代(BC0世代)の効率的な発生、例えば、2MUFおよび2MOT遺伝子型の全新世代の変換の開始のために、過剰なドナー花粉を用いかつ除雄を伴わない解放授粉を使用した。そのため、新しい(エリート)遺伝子型およびBvALS_W569Lアレルドナー遺伝子型を単離において1:10の比で移植した。新しい(エリート)遺伝子型の種子を収穫し、ホラムスルフロンおよびチエンカルバゾンメチルを含んでなるスルホニル尿素除草剤混合物(CONVISO ONE(登録商標)として市販されている)で処理した。(エリート)遺伝子型および抵抗性ドナー遺伝子型間の成功した交配のみが生き残り、これをBC0世代として選択した。
【0204】
BC1およびBC2種子を使用して、SU-12-1遺伝子片に特に特徴的なKASPマーカー(表1を参照されたい)を適用することによって、SU-12-1遺伝子型と、SU-12-1由来BvALS_W569Lアレルにごく近接する(エリート)生殖質との間の相同組み換え事象についてスクリーニングした。使用したKASPマーカーは、BvALS_W569Lアレルを中心とする距離ラダーを形成している(
図1を参照されたい)。
【0205】
結果および考察
シュガービートにおけるBvALS_W569L媒介ALSインヒビター除草剤耐性は、最適な(商業的に関連する)耐性、ハイブリッドにおけるホモ接合状態にある有利なALSインヒビター除草剤耐性アレルの存在、および、そのため、両方のハイブリッド親におけるこれらの存在を必要とする。
【0206】
BvALS遺伝子は、37.4~37.5cMに位置するセントロメア領域に非常に近い遺伝子地
図ZRINT1601のおよそ38cMにおけるシュガービートゲノムの第5染色体上に位置している。最悪の場合のシナリオでは、ファウンダーSU-12-1の第5染色体全体が、それぞれ2MOTおよび2MUF雑種強勢親プールにおいてBvALS_W569耐性アレルと併せて遺伝子移入されて、第5染色体全体についてホモ接合性であるハイブリッドを結果として生じさせ得る。一方で、(仮説の)最良の場合のシナリオでは、BvALS_W569Lアミノ酸交換を結果として生じさせるDNA塩基交換のみが、各プールの(エリート)遺伝子型において遺伝子移入され得る。
【0207】
一般にハイブリッド育種、および、特にシュガービートでは、機構的に理解されているわけではないが、高い作物性能および収量は、雑種強勢と呼ばれる現象、高いレベルの遺伝的ヘテロ接合性を通して達成されることが広く信じられている(Birchler et al., 2010 Heterosis. The Plant Cell 22, 2105-2112)。上記で概説されているように、より広いホモ接合性領域、または更には染色体全体が、ハイブリッド収量の急減を結果として生じさせ得る。育種において、この負の効果は近交弱勢と称される。
【0208】
また、この第5染色体上に位置しているファウンダーSU-12-1に由来するアレルは、特に、欧州市場などの地域で成長させかつ商品化するには有利でない場合がある。遺伝子移入されている断片が大きいほど、ファウンダーに存在する特定の好ましくないアレルが、リンケージドラッグとして公知の効果、BvALS_W569Lアレルへの連結によって遺伝子移入される機会が大きい。
【0209】
両方の負の効果については、過度のSU-12-1遺伝子片を取り除き、これを2MOTおよび2MUF(エリート)遺伝子型のそれぞれのゲノム領域で置き換えることによって最小にする。第5染色体を除く全ての染色体で、このことが、SU-12-1染色体またはその断片の存在に対してのマーカーを利用した選抜によって可能である。
【0210】
SU-12-1の第5染色体は有利なBvALS_W569Lアレルを保持するため、後代における第5染色体上のドナー断片のかかる置き換えは、ファウンダーおよび(エリート)遺伝子型、特に、第5染色体間の遺伝子相同組み換えによってのみ可能であり、(エリート)遺伝子型に由来する第5染色体の対応する断片による、ドナー/ファウンダー遺伝子型に由来する第5染色体断片の交換を結果として生じさせる。相同組み換えの公知の分子メカニズムは、例えば、Sung & Klein (2006) (Mechanism of homologous recombination: Mediators and helicases take on regulatory functions. Nature Reviews Molecular Cell Biology 7, 739-750)に記載されている。
【0211】
SU-12-1由来遺伝子片または(エリート)遺伝子型由来遺伝子片の存在または非存在の検出は、(エリート)遺伝子型およびSU-12-1ファウンダー間の特定の分化を可能にするDNA多型の存在および知識に依る。かかる多型マーカー、そのヌクレオチド配列、および、SU-12-1遺伝子型または2MOTもしくは2MUF(エリート)遺伝子型のいずれかの変異体位置(ヌクレオチド31、30または101位)におけるアレルの表示を表1に列挙する。
【0212】
7年の期間にわたって、SU-12-1由来BvALS_W569Lアレルファウンダーと交配させた両方の2MOTおよび2MUF(エリート)遺伝子型のBC1およびBC2世代を、BvALS_W569Lアレルに可能な限り近い相同的組み換えについてスクリーニングした。段階的な発達が展開され、これを
図1に概略的に示す。両方のプール側におけるかかる組み換え体を、雑種強勢、および潜在収量、特に、潜在糖収量が増加したハイブリッドシュガービート植物における組み合わせに、親として使用することができる。
【0213】
組み換え体のスクリーニングにおいて得られる組み換え体を、2MUFプールについては表2、2MOTプールについては表3に詳細に記載する。BvALS_W569Lアレルの上流および下流に位置するマーカーは、相同組み換えの箇所を近似する。例えば、ファウンダーSU-12-1は、BvALS_W569LマーカーMalsのおよそ4.2cM下流の、マーカーM1におけるA-アレルを示す。組み換え体系統がマーカーM1の位置でG-アレルを示すと、相同組み換えがこの位置の上流で生じた。最新の2MOTおよび2MUFドナー系統は、0.09cMおよび0.03cMのSU-12-1由来ゲノム断片のみを保持している。
【0214】
図2は、SU-12-1遺伝子ドナー断片サイズの長さを減少させつつ、各雑種強勢プールからの組み換え体親植物を交配させることによって得られる、ハイブリッドシュガービート植物の収量性能の増加を図示する。増加した相対糖収量は、組み換え体(PO_13)についてのスクリーニングを開始する前には70%未満であり、PO_14ハイブリッドによって84%に増加し、PO_19の最新の収量データではおよそ94%に達した。
【0215】
図2から分かるように、両方の負の効果、リンケージドラッグおよび近交弱勢が、高度な組み換え体親を使用することによって低減される。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【配列表】
【国際調査報告】