(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】最も適合するALS大および小サブユニットの組み合わせによる、ALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における性能獲得
(51)【国際特許分類】
A01H 6/02 20180101AFI20240918BHJP
A01H 5/10 20180101ALI20240918BHJP
A01H 5/00 20180101ALI20240918BHJP
C13B 10/00 20110101ALI20240918BHJP
A01M 21/00 20060101ALI20240918BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20240918BHJP
A01N 47/36 20060101ALI20240918BHJP
A01N 47/38 20060101ALI20240918BHJP
C12N 9/88 20060101ALN20240918BHJP
C12N 15/60 20060101ALN20240918BHJP
【FI】
A01H6/02
A01H5/10 ZNA
A01H5/00 A
C13B10/00
A01M21/00 Z
A01P13/00
A01N47/36 101E
A01N47/38 A
C12N9/88
C12N15/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514381
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 EP2022073943
(87)【国際公開番号】W WO2023031117
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516245885
【氏名又は名称】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BAYER AKTIENGESELLSCHAFT
(71)【出願人】
【識別番号】524080140
【氏名又は名称】カーベーエス、ザート、ソシエタス、ヨーロピア、ウント、コンパニー、コマンディトゲゼルシャフト、アウフ、アクチェン
【氏名又は名称原語表記】KWS SAAT SE & CO. KGAA
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】コリンナ、シュトライトナー
(72)【発明者】
【氏名】オラフ、チャルネツキ
(72)【発明者】
【氏名】マイク、ゲルツ
(72)【発明者】
【氏名】ビニシウス、ビルペルテ
(72)【発明者】
【氏名】エリック、べストベルク
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト、アイクナー
(72)【発明者】
【氏名】イェンス、クリストフ、ライン
【テーマコード(参考)】
2B121
4H011
【Fターム(参考)】
2B121AA19
2B121CC05
2B121EA26
2B121FA20
4H011AB01
4H011BB14
(57)【要約】
最適かつ農学的に関連する除草剤耐性を維持しながら、収量、性能が増加した、改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)、特に、改良されたシュガービート植物であって、除草剤耐性アセト乳酸合成酵素の大および小サブユニットが、最適に適合されている、上記植物が提供される。かかる改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を同定するためのマーカー、ならびに、かかる改良された除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を得て同定する方法が更に提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子、例えば、シュガービート植物または種子であって、
a.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット;および
b.マーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)を用いた同定によって選択され得るALS小サブユニット
を含んでなるALSホロ酵素を含んでなる、前記植物または種子。
【請求項2】
前記ALS小サブユニットが、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされており、または、前記ALS小サブユニットが、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされている、請求項1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【請求項3】
前記ALS小サブユニットが、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29もしくは配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、または、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30もしくは配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされる、請求項1または2に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【請求項4】
a.配列番号13のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号15のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
b.配列番号17のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号19のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
c.配列番号21のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号23のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
d.配列番号25のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号27のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;もしくは
e.配列番号29のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号31のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;または
f.配列番号14のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号16のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
g.配列番号18のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号20のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
h.配列番号22のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号24のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
i.配列番号26のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号28のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;もしくは
j.配列番号30のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号32のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなる、請求項1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【請求項5】
前記ALS大サブユニットが、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなり、または、前記ALS大サブユニットが、配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなるヌクレオチド配列によってコードされている、請求項1~4のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
【請求項6】
ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって:
a.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるALS小サブユニットをコードする少なくとも1つのアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配させること;ならびに
b.前記ALS大サブユニットをコードする前記アレルおよび前記ALS調節サブユニットをコードする前記少なくとも1つのアレルを含んでなる後代植物を同定すること
を含んでなる、前記方法。
【請求項7】
ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって:
a.配列番号3のアミノ酸配列など、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなりかつ天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を付与すること;ならびに
b.ゲノム編集または定方向突然変異によって、ALS小サブユニットをコードする、第3染色体におけるアレルおよび/または第4染色体におけるアレルのヌクレオチド配列を適合させて、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を得ること
を含んでなる、前記方法。
【請求項8】
糖、エタノール、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、または動物飼料の製造のための、請求項1~5のいずれか一項に記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用。
【請求項9】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、前記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、請求項1~5に記載のハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、前記使用。
【請求項10】
前記ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)またはヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、請求項9に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
【請求項11】
非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)と組み合わせた、請求項9または10に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、前記非ALSインヒビター除草剤(複数可)が、クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、および セトキシジムからなる群から選択される、前記使用。
【請求項12】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって:
(a)請求項1~5のいずれか一項に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在;
(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤のクラスに属さない1以上の除草剤(非ALSインヒビター除草剤)(複数可)との組み合わせの施用、および
(c)(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が
(i)共同もしくは同時に行われる、または
(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われる
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項13】
望ましくない植生を防除する、請求項12に記載の方法であって、前記ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)またはヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、前記方法。
【請求項14】
前記非ALSインヒビター除草剤(複数可)が、クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリルおよびセトキシジムからなる群から採取される、請求項12または13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の組み込み
48の配列エントリーを含み、80キロバイトであり(オペレーティングシステムMS-Windowsによって測定)、ここで提出されている、提出された名称「BCS11027.xml」に含まれている配列表は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、ALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特に、シュガービート植物、ならびに、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を成長させる領域においてALSインヒビター除草剤をかかる植物に施用することにより望ましくない植生を防除する方法に関する。
【0003】
特に、本発明は、得られる植物の収量、糖収量、性能および/または活力を増加させるために最適な調節サブユニット(ALS小サブユニット)と組み合わされた、ALS大触媒サブユニットをコードする除草剤耐性ALSアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に関する。
【背景技術】
【0004】
栽培品種のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(Ford-Lloyd (2005) Sources of genetic variation, Genus Beta. In: Biancardi E, Campbell LG, Skaracis GN, De Biaggi M (eds) Genetics and Breeding of Sugar Beet. Science Publishers, Enfield (NH), USA, pp 25-33)に定義されている通り)は、温帯および亜熱帯地方における重要な農業作物である。例えば、世界の糖生産の約20%が、シュガービートに基づいている。ビートの実生およびこれらの一生の最初の6~8週の間における幼若植物は、この若い作物植物を打ち負かす速く成長する雑草によって引き起こされる激しい競争に晒されるため、これらの作物領域では信頼できる雑草防除手段が必要不可欠である。
【0005】
除草剤は、栽培されているビートにおいて雑草を防除するのに便利なツールである。フェンメジファム、デスメジファンおよびメタミトロンのような、この目的で使用される製品は、作物にダメージを与えることなく、ビート圃場における雑草の成長を抑制することを可能にする。にもかかわらず、有害な環境条件下では、特に、チェノポジウム・アルブム(Chenopodium album)、アマランツス・レトロフレクス(Amaranthus retroflexus)、ファロピア コンボルブルス(Fallopia convolvulus)および/またはトリプロイロスペルムム・イノドラタ(Tripleurospermum inodorata)のような有毒な雑草が長期間にわたって発芽するとき、これらの製品の効能には改善の余地が残っている。
【0006】
ALSインヒビター除草剤は、適度な施用量で有効であることおよび動物において比較的無毒性であることに起因して、現代の農業において広く使用されている。ALS活性を阻害することにより、これらの除草剤ファミリーは、多くの雑草種を含めた感受性植物の更なる成長および発育を防止する。十分な雑草防除に必要とされ得る更に高濃度のALSインヒビター除草剤への増加した耐性を植物に付与するために、作物植物の追加のALS阻害除草剤耐性育種系統および品種、ならびに、ALS阻害除草剤耐性育種系統および品種の製造および使用のための方法および組成物が開発されている。
【0007】
これらのALSインヒビター除草剤は、「アセト乳酸合成酵素」(ALS[EC4.1.3.18])としても知られている酵素「アセトヒドロキシ酸合成酵素」(AHAS)を阻害する。ALSは、(a)スルホニル尿素除草剤(Beyer E.M et al. (1988), Sulfonylureas in Herbicides: Chemistry, Degradation, and Mode of Action; Marcel Dekker, New York, 1988, 117-189)、(b)スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン除草剤(Pontzen, R., Pflanz.-Nachrichten Bayer, 2002, 55, 37-52)、(c)イミダゾリノン除草剤(Shaner, D.L., et al., Plant Physiol., 1984, 76, 545-546; Shaner, D.L., and O’Connor, S.L. (Eds.) The Imidazolinone Herbicides, CRC Press, Boca Raton, FL, 1991)、(d)トリアゾロピリミジン除草剤(Kleschick, W.A. et al., Agric. Food Chem., 1992, 40, 1083-1085)、および(e)ピリミジニル(チオ)ベンゾエート除草剤(Shimizu, T.J., Pestic. Sci.,1997, 22, 245-256; Shimizu, T. et al., Acetolactate Syntehase Inhibitors in Herbicide Classes in Development, Boger, P., Wakabayashi, K., Hirai, K., (Eds.), Springer Verlag, Berlin, 2002, 1-41)のようなALSインヒビター除草剤のクラスに属する5つの構造的に多様な除草剤の作用部位である。
【0008】
ALSは、2つのピルビン酸分子の、アセト乳酸分子および二酸化炭素への変換に関与する。この反応は、2つのピルビン酸分子を連結するためにチアミンピロリン酸塩を使用する。この反応の得られる生成物、アセト乳酸は、最終的に、バリン、ロイシンおよびイソロイシンとなる(Singh (1999) 「Biosynthesis of valine, leucine and isoleucine”, in Plant Amino Acids, Singh, B.K., ed., Marcel Dekker Inc. New York, New York, pp. 227-247)。
【0009】
ALSホロ酵素は、4つの触媒サブユニットおよび4つの調節サブユニットからなる(Duggleby et al., Plant Physiol Biochem, 2008, Structure and mechanism of inhibition of plant acetohydroxyacid synthase)。触媒部は同一のサブユニットから構築されるが、調節部は異なる調節サブユニットからアセンブルされ得る(Binder, S. (2010). Branched-chain amino acid metabolism in Arabidopsis thaliana. The Arabidopsis Book/American Society of Plant Biologists, 8.)。調節サブユニットは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)ロイシン、バリンおよびイソロイシンによるフィードバック阻害を媒介する役割をする(Lee et al., Biochemistry, 2001, Identification of the regulatory subunit of Arabidopsis thaliana acetohydroxyacid synthase and reconstitution with its catalytic subunit; Lee et al., FEBS, 2002, Regulatory interactions in Arabidopsis thaliana acetohydroxyacid synthase)。
【0010】
ALSのインヒビターは、植物におけるバリン、ロイシンおよびイソロイシンの生合成を遮断する。結果、それぞれのアミノ酸プールが直ちに枯渇し、タンパク質生合成の阻止を引き起こして、植物の生長の停止に至り、最終的には当該植物が枯れ、または、-少なくとも-ダメージを受ける。
【0011】
ALSの触媒サブユニットの特定の部位における単一の塩基対置換は、ALSインヒビター除草剤による異なるレベルの阻害を示す、いくぶん抵抗性のALS酵素変異体につながり得る。突然変異ALS大サブユニットアレルを含んでなる植物は、そのため、ALSインヒビター除草剤の化学構造およびALS遺伝子における点突然変異の部位に応じて、ALSインヒビター除草剤に対する、異なるレベルの耐性を示す。
【0012】
国際公開第2012049268号は、内在性ALS遺伝子のヌクレオチド1705~1707位におけるコドンにおいて置換を含んでなることにより、アミノ酸569位における天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンを有するALSポリペプチドをコードするALS変異体アレル(以下、BvALS_W569L遺伝子またはアレルとも称する)の、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)における同定および単離を記載している。このアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、国際公開第2012049266号にも記載されているように種々のALSインヒビター除草剤に対して強くかつ農学的に関連する耐性を示す。
【0013】
除草剤-耐性突然変異は、ALS酵素活性に影響し得る。また、ALSにおける除草剤-耐性突然変異は、フィードバック阻害を低減し得、かつ、BCAAの蓄積につながり得る(Endo et al., 2013)。これらの潜在的な負の効果は、調節サブユニットにおける相殺的な修飾によって平衡化され得る。
【0014】
そのため、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、シュガービート植物または飼料用ビート植物であって、最適かつ農学的に関連するALS除草剤耐性を維持しながら、増加した収量、例えば、増加した糖収量によってとりわけ表現される増加した性能を有する改良されたベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を産出するために最適な適合性の調節ALS小サブユニットと組み合わされたALS除草剤耐性触媒サブユニットアレル、例えば、BvALS_W569Lを含んでなる、上記植物が依然として必要とされている。この問題は、詳細な説明、図および特許請求において、以下に記載されているように解決される。
【発明の概要】
【0015】
第1態様において、本発明は、アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物またはハイブリッド種子であって、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置においてロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット、例えば、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるまたは配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなるヌクレオチド配列によってコードされているALS大サブユニット;およびマーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)を用いた同定によって選択され得るALS小サブユニットを含んでなるALSホロ酵素を含んでなる、上記植物またはハイブリッド種子を提供する。ALS小サブユニットは、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされていてよく、または、ALS小サブユニットは、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされていてよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物またはハイブリッド種子であって、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット、例えば、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるまたは配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなるヌクレオチド配列によってコードされているALS大サブユニット;および、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29もしくは配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、または、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30もしくは配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされている、ALS小サブユニットを含んでなるALSホロ酵素を含んでなる、上記植物またはハイブリッド種子を提供する。
【0017】
なお別の態様において、ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造するための方法であって、a)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置においてロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるALS小サブユニットをコードする少なくとも1つのアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配する工程;ならびに、上記ALS大サブユニットをコードするアレルおよび上記ALS調節サブユニットをコードする少なくとも1つのアレルを含んでなる後代植物を同定する工程を含んでなる、上記方法が提供される。
【0018】
更なる態様において、本発明は、ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって、配列番号3のアミノ酸配列など、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなりかつ天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置においてロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を付与する工程;ならびに、ゲノム編集または定方向突然変異によって、ALS小サブユニットをコードする、第3染色体におけるアレルおよび/または第4染色体におけるアレルのヌクレオチド配列を適合させて、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を得る工程を含んでなる、上記方法を提供する。
【0019】
更なる態様において、本発明は、ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、またはハイブリッド種子、またはその部分を同定または選択する方法であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物において、またはハイブリッド種子において、またはその部分において、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置においてロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット、例えば、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるまたは配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなるヌクレオチド配列によってコードされているALS大サブユニットを同定する工程;および、上記植物、上記種子または上記部分において、マーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)を用いた同定によって選択され得るALS小サブユニットを同定し、アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、またはハイブリッド種子、またはその部分を、ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、任意選択的に選択する工程を含んでなる、上記方法を提供する。ALS小サブユニットは、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされていてよく、または、ALS小サブユニットは、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされていてよい。
【0020】
本発明はまた、糖、エタノール、バイオガス、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用、または、動物用飼料を製造するための、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用、または、動物飼料としての、上記ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用も提供する。
【0021】
本発明の別の態様は、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用を提供することである。ALSインヒビター除草剤(複数可)は、非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)との組み合わせ、ここで、非ALSインヒビター除草剤(複数可)は、クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジムからなる群から選択される。
【0022】
更に、本発明によって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって、(a)本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在;(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤(非ALSインヒビター除草剤)のクラスに属さない1以上の除草剤(複数可)との組み合わせの施用によって特徴付けられ、(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が、(i)共同もしくは同時に行われ得、または(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われ得る、上記方法が提供される。
【0023】
本発明の実施形態を、以下のナンバリングされた段落において反映する:
実施形態1.アセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター-除草剤ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物であって
a.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット;および
b.マーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)を用いた同定によって選択され得るALS小サブユニット
を含んでなるALSホロ酵素を含んでなる、上記植物。
実施形態2.上記ALS小サブユニットが、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされている、実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態3.ALS小サブユニットが、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされている、実施形態1または実施形態2に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態4.上記ALS小サブユニットが、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、実施形態1~3のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態5.ALS小サブユニットが、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~4のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態6.上記ALS小サブユニットが、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、実施形態1~5のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態7.上記ALS小サブユニットが、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~6のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態8.上記ALS小サブユニットが、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる、実施形態1~7のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態9.上記ALS小サブユニットが、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~8のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態10.
a.配列番号13のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号15のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
b.配列番号17のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号19のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
c.配列番号21のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号23のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
d.配列番号25のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号27のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;または
e.配列番号29のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号31のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなる、
実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態11.
a.配列番号14のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号16のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
b.配列番号18のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号20のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
c.配列番号22のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号24のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;
d.配列番号26のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号28のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなり;または
e.配列番号30のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなり、かつ、配列番号32のヌクレオチド配列と98%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでなる第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなる、
実施形態1に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態12.上記ALS大サブユニットが、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなる、実施形態1~11のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態13.上記ALS大サブユニットが、配列番号4のヌクレオチド配列を含んでなるヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~12のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態14.上記ALS大サブユニットが、ホモ接合性ヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~13のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態15.上記ALS小サブユニットが、ホモ接合性ヌクレオチド配列によってコードされている、実施形態1~14のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態16.ハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、実施形態1~15のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物。
実施形態17.シュガービートまたはシュガービート種子である、実施形態1~16のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子。
実施形態18.ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって:
a.配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるALS小サブユニットをコードする少なくとも1つのアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配させること;ならびに
b.上記ALS大サブユニットをコードする上記アレルおよび上記ALS調節サブユニットをコードする上記少なくとも1つのアレルを含んでなる後代植物を同定すること
を含んでなる、上記方法。
実施形態19.工程bが、マーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)のうちのいずれか1つを使用する、上記ALS調節サブユニットをコードする上記少なくとも1つのアレルの同定を含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20.ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって:
c.配列番号3のアミノ酸配列など、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなりかつ天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を付与すること;ならびに
d.ゲノム編集または定方向突然変異によって、ALS小サブユニットをコードする、第3染色体におけるアレルおよび/または第4染色体におけるアレルのヌクレオチド配列を適合させて、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を得ること
を含んでなる、上記方法。
実施形態21.糖、エタノール、ベタインおよび/もしくはウリジンの製造のための、または動物飼料の製造のための、実施形態1~17のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用。
実施形態22.ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が、実施形態1~17に記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用。
実施形態23.実施形態22に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ALSインヒビター除草剤(複数可)が以下に属する(複数可)、上記使用:
以下からなる(スルホン)アミドの群(群(A)):
以下からなる、スルホニル尿素の下位群(A1):
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
アジムスルフロン[CAS RN120162-55-2](=A1-2);
ベンスルフロン-メチル[CAS RN83055-99-6](=A1-3);
クロリムロン-エチル[CAS RN90982-32-4](=A1-4);
クロルスルフロン[CAS RN64902-72-3](=A1-5);
シノスルフロン[CAS RN94593-91-6](=A1-6);
シクロスルファムロン[CAS RN136849-15-5](=A1-7);
エタメツルフロン-メチル[CAS RN97780-06-8](=A1-8);
エトキシスルフロン[CAS RN126801-58-9](=A1-9);
フラザスルフロン[CAS RN104040-78-0](=A1-10);
フルセトスルフロン[CAS RN412928-75-7](=A1-11);
フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144740-54-5](=A1-12);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ハロスルフロン-メチル[CAS RN100784-20-1](=A1-14);
イマゾスルフロン[CAS RN122548-33-8](=A1-15);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
メソスルフロン-メチル[CAS RN208465-21-8](=A1-17);
メトスルフロン-メチル[CAS RN74223-64-6](=A1-18);
モノスルフロン[CAS RN155860-63-2](=A1-19);
ニコスルフロン[CAS RN111991-09-4](=A1-20);
オルソスルファムロン[CAS RN213464-77-8](=A1-21);
オキサスルフロン[CAS RN144651-06-9](=A1-22);
プリミスルフロン-メチル[CAS RN86209-51-0](=A1-23);
プロスルフロン[CAS RN94125-34-5](=A1-24);
ピラゾスルフロン-エチル[CAS RN93697-74-6](=A1-25);
リムスルフロン[CAS RN122931-48-0](=A1-26);
スルホメツロン-メチル[CAS RN74222-97-2](=A1-27);
スルホスルフロン[CAS RN141776-32-1](=A1-28);
チフェンスルフロン-メチル[CAS RN79277-27-3](=A1-29);
トリアスルフロン[CAS RN82097-50-5](=A1-30);
トリベヌロン-メチル[CAS RN101200-48-0](=A1-31);
トリフロクシスルフロン[CAS RN145099-21-4](ナトリウム)(=A1-32);
トリフルスルフロン-メチル[CAS RN126535-15-7](=A1-33);
トリトスルフロン[CAS RN142469-14-5](=A1-34);
NC-330[CAS RN104770-29-8](=A1-35);
NC-620[CAS RN868680-84-6](=A1-36);
TH-547[CAS RN570415-88-2](=A1-37);
モノスルフロン-メチル[CAS RN175076-90-1](=A1-38);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
一般式(I)の化合物
【化1】
式中、M+は、化合物(I)のそれぞれの塩、すなわち、そのリチウム塩(=A1-40);そのナトリウム塩(=A1-41);そのカリウム塩(=A1-42);そのマグネシウム塩(=A1-43);そのカルシウム(=A1-44);そのアンモニウム塩(=A1-45);そのメチルアンモニウム塩(=A1-46);そのジメチルアンモニウム塩(=A1-47);そのテトラメチルアンモニウム塩(=A1-48);そのエチルアンモニウム塩(=A1-49);そのジエチルアンモニウム塩(=A1-50);そのテトラエチルアンモニウム塩(=A1-51);そのプロピルアンモニウム塩(=A1-52);そのテトラプロピルアンモニウム塩(=A1-53);そのイソプロピルアンモニウム塩(=A1-54);そのジイソプロピルアンモニウム塩(=A1-55);そのブチルアンモニウム塩(=A1-56);そのテトラブチルアンモニウム塩(=A1-57);その(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-58);そのビス-N,N-(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-59);そのトリス-N,N,N-(2-ヒドロキシエチ-1-イル)アンモニウム塩(=A1-60);その1-フェニルエチルアンモニウム塩(=A1-61);その2-フェニルエチルアンモニウム塩(=A1-62);そのトリメチルスルホニウム塩(=A1-63);そのトリメチルオキソニウム塩(=A1-64);そのピリジニウム塩(=A1-65);その2-メチルピリジニウム塩(=A1-66);その4-メチルピリジニウム塩(=A1-67);その2,4-ジメチルピリジニウム塩(=A1-68);その2,6-ジメチルピリジニウム塩(=A1-69);そのピペリジニウム塩(=A1-70);そのイミダゾリウム塩(=A1-71);そのモルホリニウム塩(=A1-72);その1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-7-エニウム塩(=A1-73);その1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エニウム塩(=A1-74)を表す;
または式(II)の化合物もしくはその塩
【化2】
R2およびR3は、以下の表に定義されている意味を有する
【表1】
または式(III)(=A1-87)の化合物、すなわち、化合物(A1-83)のナトリウム塩
【化3】
または式(IV)(=A1-88)の化合物、すなわち、化合物(A1-82)のナトリウム塩
【化4】
以下からなるスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノンの下位群(下位群((A2)):
フルカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-17-9](=A2-1);
プロポキシカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-15-7](=A2-2);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
以下からなるトリアゾロピリミジンの下位群(下位群(A3)):
クロランスラム-メチル[147150-35-4](=A3-1);
ジクロスラム[CAS RN145701-21-9](=A3-2);
フロラスラム[CAS RN145701-23-1](=A3-3);
フルメツラム[CAS RN98967-40-9](=A3-4);
メトスラム[CAS RN139528-85-1](=A3-5);
ペノキススラム[CAS RN219714-96-2](=A3-6);
ピロクススラム[CAS RN422556-08-9](=A3-7);
以下からなるスルホンアニリドの下位群(下位群(A4)):
一般式(V)によって記載される基からの化合物またはその塩:
【化5】
式中
R1は、ハロゲン、好ましくはフッ素または塩素であり、
R2が水素かつR3がヒドロキシルであるか、または
R2およびR3が、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基C=Oであり
R4は水素またはメチルであり;
より特定的には、以下の所与の化学構造(A4-1)~(A4-8)の化合物
【化6】
以下からなるイミダゾリノンの群(群(B1)):
イマザメタベンズメチル[CAS RN81405-85-8](=B1-1);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);
イマザピック[CAS RN104098-48-8](=B1-3);
イマザピル[CAS RN81334-34-1](=B1-4);
イマザキン[CAS RN81335-37-7](=B1-5);
イマゼタピル[CAS RN81335-77-5](=B1-6);
SYP-298[CAS RN557064-77-4](=B1-7);
SYP-300[CAS RN374718-10-2](=B1-8);
以下からなるピリミジニル(チオ)ベンゾエートの群(群(C)):
以下からなるピリミジニルオキシ安息香酸(benzoeacids)の下位群(下位群(C1)):
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1);
ピリベンゾキシム[CAS RN168088-61-7](=C1-2);
ピリミノバック-メチル[CAS RN136191-64-5](=C1-3);
ピリバムベンズ-イソプロピル[CAS RN420138-41-6](=C1-4);
ピリバムベンズ-プロピル[CAS RN420138-40-5](=C1-5);
以下からなるピリミジニルチオ安息香酸(benzoeacids)の下位群(下位群(C2)):
ピリフタリド[CAS RN135186-78-6](=C2-1);
ピリチオバック-ナトリウム[CAS RN123343-16-8](=C2-2)。
実施形態24.ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
クロリムロン-エチル[CAS RN90982-32-4](=A1-4);
エタメツルフロン-メチル[CAS RN97780-06-8](=A1-8);
エトキシスルフロン[CAS RN126801-58-9](=A1-9);
フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144740-54-5](=A1-12);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
メソスルフロン-メチル[CAS RN208465-21-8](=A1-17);
メトスルフロン-メチル[CAS RN74223-64-6](=A1-18);
モノスルフロン[CAS RN155860-63-2](=A1-19);
ニコスルフロン[CAS RN111991-09-4](=A1-20);
スルホスルフロン[CAS RN141776-32-1](=A1-28);
チフェンスルフロン-メチル[CAS RN79277-27-3](=A1-29);
トリベヌロン-メチル[CAS RN101200-48-0](=A1-31);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミドナトリウム塩(=A1-41);
(A1-83)またはそのナトリウム塩(=A1-87);
プロポキシカルバゾン-ナトリウム[CAS RN181274-15-7](=A2-2);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
フロラスラム[CAS RN145701-23-1](=A3-3);
メトスラム[CAS RN139528-85-1](=A3-5);
ピロクススラム[CAS RN422556-08-9](=A3-7)
(A4-1);
(A4-2);
(A4-3);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);および
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)
からなる群に属する(複数可)、実施形態22または23に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
実施形態25.ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
アミドスルフロン[CAS RN120923-37-7](=A1-1);
ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13);
ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム[CAS RN144550-36-7](=A1-16);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミド(=A1-39);
2-ヨード-N-[(4-メトキシ-6-メチル-1,3,5-トリアジニル)カルバモイル]ベンゼン-スルホンアミドナトリウム塩(=A1-41);
A1-83またはそのナトリウム塩(=A1-87);
チエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3);
イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2);
ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)
からなる群に属する(複数可)、実施形態22または23に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
実施形態26.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、実施形態22または23に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
実施形態27.非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6]群D除草剤の阻害とは異なる作用モードを示す除草剤)と組み合わせた、実施形態22~26のいずれかに記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム
からなる群から選択される、上記使用。
実施形態28.非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
デスメディファム、エトフメセート、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル
からなる群から選択される、実施形態27に記載の1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用。
実施形態29.ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物成長領域における望ましくない植生を防除する方法であって:
(a)実施形態1~17のいずれか1つに記載のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の存在
(b)1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)単独またはALSインヒビター除草剤(非ALSインヒビター除草剤)のクラスに属さない1以上の除草剤(複数可)との組み合わせの施用、および
(c)(b)で定義されているそれぞれの除草剤の施用が
(i)共同もしくは同時に行われる、または
(ii)異なる時点でおよび/もしくは複数回に分けて(逐次施用)、発芽前施用、続いて、発芽後施用もしくは早期発芽後施用、続いて、中期もしくは後期発芽後施用で行われる
ことを特徴とする上記方法。
実施形態30.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、実施形態23に定義されている群から採用される、望ましくない植生を防除する、請求項29に記載の方法。
実施形態31.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、実施形態24に定義されている群から採用される、請求項28に記載の方法。
実施形態32.ALSインヒビター除草剤(複数可)が、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含んでなる、望ましくない植生を防除する、実施形態29に記載の方法。
実施形態33.非ALSインヒビター除草剤(複数可)が:
クロリダゾン、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、クロピラリド、シクロキシジム、デスメディファム、ジメテナミド、ジメテナミド-P、エトフメセート、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P-ブチル、グルホシネート、グルホシネート-アンモニウム、グルホシネート-P、グルホシネート-P-アンモニウム、グルホシネート-P-ナトリウム、グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-エトキシエチル、ハロキシホップ-P-エトキシエチル、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P-メチル、レナシル、メタミトロン、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、プロパキザホップ、キンメラック、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム
からなる群から採用される、実施形態29~32のいずれか1つに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者らは、予想外にも、ビート調節ALSサブユニットにおける自然変異を発見し、堅牢なBvALS酵素性能を獲得するための、除草剤耐性突然変異を保有する調節サブユニットおよび触媒サブユニットの最も適合する組み合わせを同定した。
【0025】
より具体的には、本発明者らは、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)At2g31810(アミノ酸配列の配列番号5;ヌクレオチド配列の配列番号6)およびAt5g16290(アミノ酸配列の配列番号7;ヌクレオチド配列の配列番号8)におけるALS調節サブユニットをコードする遺伝子に相当する、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)におけるオルソログ遺伝子を同定した。At2g31810に相当するベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子は、第3染色体に位置していて、以下、BV3_059040と称されるが、At5g16290に相当するベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子は、第4染色体に位置していて、以下、BV4_074570と称される。BV3_05904によってコードされる調節サブユニットのアミノ酸配列は、参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ゲノムにおいて見られ得るように、配列表配列番号9において、および、配列番号10におけるヌクレオチド配列において表される。BV4_074570によってコードされる調節サブユニットのアミノ酸配列は、参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ゲノムにおいて見られ得るように、配列表配列番号11において、および、配列番号12におけるヌクレオチド配列において表される。
【0026】
配列表のエントリー、配列番号13、配列番号17、配列番号21、配列番号25および配列番号29は、それぞれ、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型A、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型B、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型C、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型DおよびB.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型Eにおいて見られ得るように、BV3_05904の変異体アレルに関するアミノ酸配列を表す。
【0027】
配列表のエントリー、配列番号15、配列番号19、配列番号23、配列番号27および配列番号31は、それぞれ、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型A;B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型B;C.ブルガリス(C.vulgaris)遺伝子型C、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型DおよびB.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型Eにおいて見られ得るように、BV4_074570の変異体アレルに関するアミノ酸配列を表す。
【0028】
配列表のエントリー、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号26および配列番号30は、それぞれ、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型A、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型B、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型C、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型DおよびB.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型Eにおいて見られ得るように、BV3_05904の変異体アレルに関するヌクレオチド配列を表す。
【0029】
配列表のエントリー、配列番号16、配列番号20、配列番号24、配列番号28および配列番号32は、それぞれ、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型A、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型B、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型C、B.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型DおよびB.ブルガリス(B.vulgaris)遺伝子型Eにおいて見られ得るように、BV4_074570の変異体アレルに関するヌクレオチド配列を表す。
【0030】
そのため、第1態様において、本発明は、ALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子であって、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%もしくは少なくとも96%もしくは少なくとも97%もしくは少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するまたはこれと同一であるアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりの、アミノ酸569位に相当する位置におけるロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット;および、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29もしくは配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%もしくは少なくとも96%もしくは少なくとも97%もしくは少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するまたはこれと同一であるアミノ酸配列を含んでなるALS小サブユニットを含んでなるALSホロ酵素を含んでなる、上記植物または種子を提供する。小サブユニットは、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30もしくは配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列と少なくとも95%もしくは少なくとも96%もしくは少なくとも97%もしくは少なくとも98%もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するまたはこれと同一であるヌクレオチド配列によってコードされていてよい。
【0031】
本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、同じ遺伝子型A~EのBv3_059040およびBv4_074570の両方を含み得る。ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、除草剤耐性ALS大サブユニットに加えて、配列番号13のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなっていてよく、かつ、配列番号15のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなってよく;または、配列番号17のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなっていてよく、かつ、配列番号19のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなっていてよく;または、配列番号21のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなっていてよく、かつ、配列番号23のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなっていてよく;または、配列番号25のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなっていてよく、かつ、配列番号27のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなっていてよく;または、配列番号29のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第3染色体におけるALS小サブユニットのアレルを含んでなっていてよく、かつ、配列番号31のアミノ酸配列と98%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする第4染色体におけるALS小サブユニットのアレルを更に含んでなっていてよい。
【0032】
ALSホロ酵素の、好ましい除草剤耐性大サブユニットは、アレルBvALS_W569Lによってコードされる。本明細書において使用されているとき、BvALS_W569Lアレルは、569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質をコードする、内在性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ALS遺伝子の突然変異アレルである。かかる突然変異アレルは、より詳細に以下に記載されているように、これを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に、種々のALSインヒビター除草剤への耐性を与える。569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質は、配列番号3に記載されている。569位におけるアミノ酸が天然に存在するトリプトファンの代わりにロイシンであるALSタンパク質は、しかしながら、アミノ酸配列の569位においてロイシンを含有することを前提として、569位以外のアミノ酸位置において変動してよく、また、配列番号3に記載されているBvALS_W697Lによってコードされるポリペプチドまたはタンパク質と少なくとも90、95、97、98、もしくは99%の配列同一性を有するまたはこれと100%同一であるアミノ酸配列を有していてよい。
【0033】
BvALS_W569Lアレルは、野生型アレルと比較して、1706位に相当する位置における「G」ヌクレオチドの、「T」ヌクレオチドへのトランスバージョンが起きた配列番号:4のヌクレオチド配列を含んでなっていてよい。ALSアレルはまた、配列番号4の1705~1707位においてTTGコドンを含有することを前提として、1706位以外のヌクレオチド位置で変動してもよく、また、配列番号4に記載されているBvALS_W697Lのヌクレオチド配列と少なくとも90、95、97、98、もしくは99%の配列同一性を有するまたはこれと同一であるヌクレオチド配列を有していてよい。
【0034】
BvALS_W569Lアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物は、ALSインヒビターに感受性が低く、野生型アレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物よりも、より好ましくは、少なくとも100倍、より好ましくは、500倍、更により好ましくは1000倍、最も好ましくは2000倍感受性が低い。感受性が低いとは、本明細書において使用されているとき、「より耐性がある」または「より抵抗性である」として見なされてよく、逆もまた同様である。同様に、「より耐性がある」または「より抵抗性である」は、「感受性が低い」として見なされてよく、逆もまた同様である。例えば、BvALS_W569Lアレルを含んでなるB.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、BvALS野生型アレルを含んでなるB.ブルガリス(B.vulgaris)植物と比較して、ALSインヒビター除草剤ホラムスルフロン(ALSインヒビターサブクラス「スルホニル尿素除草剤」のメンバー)に対する感受性が少なくとも2000倍低い。
【0035】
本明細書において使用されているとき、BvALS-WTまたは「野生型アレル」、「野生型ALSアレル」、「野生型ALS遺伝子」または「野生型ALSポリヌクレオチド」は、W569L置換を欠失するALSタンパク質をコードするヌクレオチド配列を指す。かかるBvALS_WTまたはコードされたタンパク質に相当する参照ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号2および配列番号1において記載されている。
【0036】
好ましくは、BvALS_W569Lは、唯一の突然変異として、コードされたALSタンパク質の569位における置換のみを含んでなる。BvALS_W569Lアレルを含んでなる参照B.ブルガリス(B.vulgaris)種子は、NCIMB41705として寄託されている。
【0037】
ALS小サブユニットをコードする遺伝子は、Bv3_059040についてはマーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)およびマーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)、または、Bv4_074570についてはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)によって同定され得る。
【0038】
ALS小サブユニットBv3_059040は、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされている。
【0039】
ALS小サブユニットBv4_074570は、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされている。
【0040】
そのため、本発明の別の態様において、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子であって、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニット;およびマーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)を用いた同定によって選択され得るALS小サブユニットを含んでなるALSホロ酵素を含んでなり、特に、上記ALS小サブユニットが、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第3染色体に位置する染色体領域によってコードされており、および/または、ALS小サブユニットが、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーと、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)もしくはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)から選択されるマーカーとの間において、第4染色体に位置する染色体領域によってコードされている、上記植物または種子が提供される。
【0041】
ビートについての完全な配列から作るゲノム配列は、公表されており、RefBeet1.2.2Accession GCA_000511025(https://www.ebi.ac.uk/ena/browser/view/GCA_000511025.2)として、EnsemblPlantsウエブサイトhttps://plants.ensembl.org/Beta_vulgaris/Info/Indexにおいて見出され得る。当業者は、そのため、コンピュータプログラムおよびアルゴリズムを使用する配列比較によって、ビートの完全なゲノム配列においてここで提供されるマーカーヌクレオチド配列を容易に位置づけることができる。例えば、基本局所アラインメント検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)(Altschul, Nucl. Acids Res. 25 (1997), 3389-3402; Altschul, J. Mol. Evol. 36 (1993), 290-300; Altschul, J. Mol. Biol. 215 (1990), 403-410)を表すBLASTは、局所配列アラインメントについて検索するために使用され得る。
【0042】
本明細書に記載されているマーカーのヌクレオチド配列が、ゲノムヌクレオチド配列マップにおける相当する位置に物理的に割り当てられたら、当業者は、キロベースで、かかるマーカーにフランキングされている、第3または4染色体断片の物理的サイズを同定することができ、かかるマーカーにフランキングされている断片のコンセンサスヌクレオチド配列を推測することができる。
【0043】
マーカーは、任意の遺伝子型分析方法を使用して本発明の植物を同定するのに使用され得る。植物の遺伝子型評価は、アイソザイム電気泳動、制限断片長多型(RFLP)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、任意プライム化(Arbitrarily Primed)ポリメラーゼ連鎖反応技術(AP-PCR)、アレル特異的PCR(AS-PCR)、DNA増幅フィンガープリンティング(DAF)、配列特徴づけ増幅領域(Sequence Characterized Amplified Regions)(SCAR)、増幅断片長多型(AFLP)、単一配列反復(Simple Sequence Repeats)(SSR)(これは「マイクロサテライト」とも称される)などの技術を使用することを含む。本明細書において提供される植物の遺伝子型を分析する更なる組成物および方法は、米国特許公開公報第2004/0171027号、米国特許公開公報第2005/02080506号、および米国特許公開公報第2005/0283858号に開示されているこれらの方法を含む。
【0044】
単一ヌクレオチド多型マーカーの遺伝子型決定のための特定の有用なアッセイ方法は、例えば、Chunlin He, John Holme and Jeffrey Anthony in “SNP genotyping: the KASP assay” Methods Mol Biol 2014;1145:75-86 doi: 10.1007/978-1-4939-0446-4_7によって記載されているKASPアッセイ(競合アレル特異的PCR)である。
【0045】
本明細書において提供されるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物および種子において、触媒サブユニットをコードするアレルまたは調節サブユニットをコードするアレル(複数可)は、ホモ接合またはヘテロ接合状態で存在していてよい。本明細書において使用されているとき、「ホモ接合(性)」または「ホモ接合的に」は、植物が、染色体の2倍体対の対応する染色体のそれぞれにおいて同じ遺伝子座において同じアレルの複製を有することを示す。本明細書において使用されているとき、「ヘテロ接合(性)」または「ヘテロ接合的に」は、植物が、染色体の2倍体対の対応する染色体のそれぞれにおいて同じ遺伝子座において異なるアレルの複製を有することを示す。
【0046】
本明細書に記載されているアレルまたはDNA分子をホモ接合またはヘテロ接合状態で含んでなり、かつ、本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物または種子を得るために親植物として使用され得るベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特に、エリートベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、例えば、シュガービート植物も記載されている。この目的で、かかる植物は、他花授粉され、後代種子が収穫される。親植物の一方は、雄性不稔(雌性植物)であってよく、雄性親植物からの花粉によって授粉されてよい。雄性不稔ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を得る方法は、当該分野において周知である。
【0047】
本発明のB.ブルガリス(B.vulgaris)植物およびその収穫可能な部分は、農学的に利用可能である。「農学的に利用可能な」は、B.ブルガリス(B.vulgaris)植物およびその部分が、農学的目的に有用であることを意味する。例えば、B.ブルガリス(B.vulgaris)植物は、糖生産、バイオ燃料生産(例えば、バイオガス、バイオブタノール)、エタノール生産、ベタインおよび/またはウリジン生産に有用であるという目的のために役立つはずであり、糖、エタノール、ベタインおよび/またはウリジンの生産のための本明細書に記載されているハイブリッドベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の使用も想定される。B.ブルガリス(B.vulgaris)植物またはその部分は、動物飼料を生産するのに使用され得る。
【0048】
「ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)種の植物」または「ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物」は、特に、亜種のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)subsp.ブルガリスの植物である。例えば、これらの間のナンバリングは、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)subsp.ブルガリスvar.アルティッシマ(より狭義にはシュガービート)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.ブルガリス(フダンソウ)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.コンディチヴァ(ビートルート/レッドビート)、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ssp.ブルガリスvar.クラッサ/アルバ(飼料用ビート)である。
【0049】
農学的に利用可能なB.ブルガリス(B.vulgaris)植物の例は、シュガービートである。本発明のシュガービート植物は、1ヘクタールの収量の面積で栽培されるとき(約80,000~90,000のシュガービート)、好ましくは、少なくとも4トンの糖の生産に役立つはずである。
【0050】
本発明のシュガービート植物は、農学的に利用可能であるように、好ましくは15~20%、好ましくは少なくとも17%の糖含量を含有するべきである。そのため、15~20%、好ましくは少なくとも17%の糖含量を含有するシュガービート植物は、本発明の好ましい実施形態である。
【0051】
農学的に利用可能なB.ブルガリス(B.vulgaris)植物の更に別の例は、飼料用ビートである。
【0052】
本発明の別の態様は、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物および/または本明細書に記載されている収穫可能な部分もしくは繁殖物質の、更なるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物の製造/育種のための使用である。
【0053】
本発明の別の態様において、ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する方法であって、a)配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ、天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19;配列番号21;配列番号23、配列番号;25;配列番号27;配列番号29または配列番号31からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでなるALS小サブユニットをコードする少なくとも1つのアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物と交配させること;および上記ALS大サブユニットをコードする上記アレルおよび上記ALS調節サブユニットをコードする上記少なくとも1つのアレルを含んでなる後代植物を同定することを含んでなる、上記方法が提供される。
【0054】
上記ALS調節サブユニットをコードする上記少なくとも1つのアレルの同定は、マーカーM1(配列番号33のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM2(配列番号34のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM3(配列番号35のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM4(配列番号36のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM5(配列番号37のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM6(配列番号38のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM7(配列番号39のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM11(配列番号43のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM12(配列番号44のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM13(配列番号45のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM8(配列番号40のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM9(配列番号41のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM10(配列番号42のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM14(配列番号46のヌクレオチド配列を含んでなる)、マーカーM15(配列番号47のヌクレオチド配列を含んでなる)またはマーカーM16(配列番号48のヌクレオチド配列を含んでなる)のいずれか1つを使用して達成され得る。
【0055】
ALSホロ酵素の最適に適合された大サブユニットおよび1以上の調節サブユニットによって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を製造する更に別の方法であって、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列、例えば、配列番号3のアミノ酸配列を含んでなりかつ天然に存在するトリプトファンの代わりにアミノ酸569位に相当する位置にロイシンを更に含んでなるALS大サブユニットをコードするアレルを含んでなるベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物を付与する工程;ならびに、ゲノム編集または定方向突然変異によって、ALS小サブユニットをコードする、第3染色体におけるアレルおよび/または第4染色体におけるアレルのヌクレオチド配列を適合させて、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20;配列番号22;配列番号24、配列番号;26;配列番号28;配列番号30または配列番号32からなる群から選択されるヌクレオチド配列を得る工程を含んでなる、上記方法を記載する。
【0056】
ゲノム編集または標的化編集技術は、ゲノムにおける特定の位置の精密な編集および/または標的化編集(例えば、編集は、ランダムではない)を可能にする任意の方法、プロトコル、または技術を指す。限定することなく、部位特異的ヌクレアーゼの使用は、標的化編集技術の一例である。
【0057】
本明細書において使用されているとき、「編集」または「ゲノム編集」は、内在性植物ゲノム核酸配列の少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2500、少なくとも5000、少なくとも10,000、または少なくとも25,000ヌクレオチドの標的突然変異生成、挿入、欠失、または置換を指す。
【0058】
ゲノム編集または標的化編集は、1以上の部位特異的ヌクレアーゼの使用を介して行われ得る。部位特異的ヌクレアーゼは、相同組み換え(HR)または非相同末端結合(NHEJ)のいずれかの天然プロセスによって次いで修復されるゲノム配列の標的部位において、二本鎖切断(DSB)を誘発することができる。配列の修飾、例えば、挿入、欠失は、NHEJ修復を介してDSBの位置で起こり得る。HRは、ドナー核酸配列を標的部位に統合するのに使用され得る。1つの標的領域をフランキングする2つのDSBが作り出されると、切断は、標的化されたDNAの配向を逆転させること(「逆位」とも称される)により、NHEJを介して修復され得る。
【0059】
本明細書において提供される部位特異的ヌクレアーゼは、標的化編集技術の一部として使用され得る。本明細書において提供される方法および/または組成物において使用される部位特異的ヌクレアーゼの非限定例として、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、RNAガイドヌクレアーゼ(例えば、Cas9およびCpfl)、リコンビナーゼ(限定することなく、例えば、DNA認識モチーフに付着したセリンリコンビナーゼ、DNA認識モチーフに付着したチロシンリコンビナーゼ)、トランスポザーゼ(限定することなく、例えば、DNA結合ドメインに付着したDNAトランスポザーゼ)、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、本明細書において提供される方法は、1、2、3、4、5、または5を超えるDSBを1、2、3、4、5、または5を超える標的部位で誘導するための、1以上、2以上、3以上、4以上、または5以上の部位特異的ヌクレアーゼの使用を含む。
【0060】
RNAガイドヌクレアーゼは、Cas9またはCpflからなる群から選択され得る。
【0061】
別の態様において、本明細書において提供される部位特異的ヌクレアーゼは、Casl、CaslB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Casl0、Csyl、Csy2、Csy3、Csel、Cse2、Cscl、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmrl、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csbl、Csb2、Csb3、Csxl7、Csxl4、CsxlO、Csxl6、CsaX、Csx3、Csxl、Csxl5、Csfl、Csf2、Csf3、Csf4、Cpfl、これらのホモログ、またはこれらの修飾バージョンからなる群から選択される。別の態様において、本明細書において提供されるRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9またはCpflからなる群から選択される。別の態様において、本明細書において提供されるRNAガイドヌクレアーゼは、Casl、CaslB、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Casl0、Csyl、Csy2、Csy3、Csel、Cse2、Cscl、Csc2、CsaS、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、CsmS、Csm6、Cmrl、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csbl、Csb2、Csb3、Csxl7、Csxl4、Csxl0、Csx16、CsaX、Csx3、Csxl、Csxl5、Csfl、Csf2、Csf3、Csf4、Cpfl、これらのホモログ、またはこれらの修飾バージョンからなる群から選択される。
【0062】
RNAガイドヌクレアーゼは、対象の核酸に標的化されるガイドRNAおよび/またはtracrRNAの存在を必要とする。かかるガイドRNAまたはシングルガイドRNAの設計は、当該分野において確立されている。
【0063】
いくつかの権限において、本質的に生物学的なプロセスによりもっぱら得られる植物生成物は、特許性から除外される場合がある。「本質的に生物学的なプロセスによりもっぱら得られる」は、いずれの技術的またはヒトの介入も必要としないプロセスによって得られる生成物を指す。本質的に生物学的なプロセスは、自然現象、例えば、交配または選択から完全になるプロセスを指す。1つの特定の実施形態において、本発明は、本質的に生物学的なプロセスによってもっぱら得られるものではない、より特定的には、自然現象、例えば、交配または選択から完全になるプロセスによって得られない、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に関係し得る。
【0064】
本発明の別の態様において、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)成長領域における望ましくない植生を防除するための、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)の使用であって、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物が本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物である、上記使用が提供される。
【0065】
ALSインヒビター除草剤は、本発明の上記のナンバリングされた実施形態に列挙されているもののいずれか1つに属していてよい。群A~Cの下で言及されている名称(一般名)の後の角括弧内に記載されている「CAS RN」は、「CAS RN」が、とりわけ、立体異性体を含めた異性体間を区別することから、指名された物質を明確に分類できるようにする慣例の参照番号「ケミカルアブストラクトサービス登録番号」に相当する。列挙されている化合物は、以下において更に使用されている、括弧内の数字、例えば、A1-1などによって更に示される。
【0066】
本発明の文脈において、「耐性」または「耐性の」は、上記で定義されている群(A)、(B)、(C)のいずれかに属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)が、本明細書に記載されている、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、特にシュガービートまたは飼料用ビートに施用されたときに、生理機能/植物毒性に関するいずれの見た目の効果(複数可)も示さず、非耐性のベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物に同じ量のそれぞれのALSインヒビター除草剤(複数可)を施用することで、植物の成長、その生理機能に関する大きな負の効果につながるか、または植物毒性症状を示すことを意味する。観察される効果の性質および量は、施用されるそれぞれのALSインヒビター除草剤(複数可)の化学組成、施用量、および施用のタイミング、ならびに、処理される植物の成長状態/段階に依り得る。
【0067】
有用なALSインヒビター除草剤は、ホラムスルフロン[CAS RN173159-57-4](=A1-13)およびチエンカルバゾン-メチル[CAS RN317815-83-1](=A2-3)を含む。
【0068】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)植物が本明細書に記載されているB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、イマザモックス[CAS RN114311-32-9](=B1-2)である。
【0069】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)植物が本明細書に記載されているB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、ビスピリバック-ナトリウム[CAS RN125401-92-5](=C1-1)である。
【0070】
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)植物が本明細書に記載されているB.ブルガリス(B.vulgaris)植物である、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(好ましくはシュガービート)成長領域における望ましくない植生の防除に使用され得る別のALSインヒビター除草剤は、トリフルスルフロン-メチルである。
【0071】
加えて、本明細書に記載されているB.ブルガリス(B.vulgaris)植物において使用されるALSインヒビター除草剤(複数可)は、更なる成分、例えば、異なるタイプの作用形態の農学的活性化合物、ならびに/または作物保護において慣例の配合助剤および/もしくは添加剤を含んでなっていてよく、あるいは、これらと一緒に使用されてよい。
【0072】
好ましい実施形態において、本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせは、有効量の、群(A)、(B)および/もしくは(C)に属するALSインヒビター除草剤(複数可)を含み、かつ/または相乗作用を有する。相乗作用は、例えば、群(A)、(B)、および/または(C)に属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)を一緒に、例えば、共配合物としてまたはタンクミックスとして施用するとき、観察され得;しかしながら、これらはまた、活性化合物が異なる時点で施用されるとき(分割)にも観察され得る。例えば、発芽前施用、続いて発芽後施用または早期発芽後施用、続いて中期または後期発芽後施用で、除草剤または除草剤組み合わせを複数回に分けて施用する(逐次施用)こともできる。
【0073】
ここでは、対象となる組み合わせの群(A)、(B)および/または(C)に属するALSインヒビター除草剤の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0074】
相乗効果は、個々のALSインヒビター除草剤の施用量の低減、同じ施用量でのより高い効能、まだ防除されていない種の防除(ギャップ)、個々のALSインヒビター除草剤もしくは多数のALSインヒビター除草剤に耐性があるもしくは抵抗性である種の防除、施用期間の延長、ならびに/または、経済的および生態学的により有利である、必要とされる個々の施用回数、および-使用者にとっての結果として-雑草防除システムの低減を可能にする。
【0075】
本発明にしたがって使用される除草剤は、全てアセト乳酸合成酵素(ALS)インヒビター除草剤(「ALS阻害除草剤」と代替的かつ互換可能に名付けられてもよい)であるため、植物におけるタンパク質生合成を阻害する。
【0076】
(上記に定義されている)群(A)、(B)または(C)に属するALSインヒビター除草剤の施用量は、広い範囲、例えば、0.001g~1500gのai/ha(ai/haは、ここでおよび以下において、100%純粋な活性化合物を基準とする「ヘクタール当たりの活性物質」を意味する)で変動し得る。本発明による分類A、BおよびCに属する除草剤、好ましくは、化合物A1-1;A1-4;A1-8;A1-9;A1-12;A1-13;A1-16;A1-17;A1-18;A1-19;A1-20;A1-28;A1-29;A1-31;A1-39;A1-41;A1-83;A1-87;A2-2;A2-3;A3-3;A3-5;A3-7、A4-3、対照、発芽前および発芽後方法によって使用されるときには、比較的広範な有害植物、例えば、一年生および多年生の単子葉または双子葉雑草、ならびに更には望ましくない作物植物(一緒に「望ましくない植生」とも定義される)は、0.001g20~1500gのai/haの施用量で施用される。
【0077】
本発明による多くの施用において、施用量は、例えば、0.001g~1000gのai/ha、好ましくは300.1g~500gのai/ha、特に、好ましくは0.5g~250gのai/ha、および更により好ましくは1.0g~200gのai/haの範囲であり、概してより少ない。いくつかのALSインヒビター除草剤の施用が行われるとき、量は、全ての施用されるALSインヒビター除草剤の合計量を表す。
【0078】
例えば、ALSインヒビター除草剤(群(A)、(B)および/または(C)に属する)の、本発明による組み合わせは、はるかにかつ予想外に、個々のALSインヒビター除草剤(群(A)、(B)および/または(C)に属する)を使用して達成され得る活性を超える方法で、活性を相乗的に向上させることができる。ALSインヒビター除草剤の組み合わせについて、好ましい条件を以下に例示する。
【0079】
本発明による特に興味深いものは、以下のALSインヒビター除草剤分を有する、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、好ましくはシュガービートまたは飼料用ビート植物において望ましくない植生を防除するための除草剤組成物の使用である:
(A1-1)+(A1-4);(A1-1)+(A1-8);(A1-1)+(A1-9);(A1-1)+(A1-12);
(A1-1)+(A1-13);(A1-1)+(A1-16);(A1-1)+(A1-17);(A1-1)+(A1-18);
(A1-1)+(A1-19);(A1-1)+(A1-20);(A1-1)+(A1-28);(A1-1)+(A1-29);
(A1-1)+(A1-31);(A1-1)+(A1-39);(A1-1)+(A1-41);(A1-1)+(A1-83);
(A1-1)+(A1-87);(A1-1)+(A2-2);(A1-1)+(A2-3);(A1-1)+(A3-3);
(A1-1)+(A3-5);(A1-1)+(A3-7);(A1-1)+(A4-1);(A1-1)+(A4-2);(A1-1)+(A4-3);
(A1-4)+(A1-8);(A1-4)+(A1-9);(A1-4)+(A1-12);(A1-4)+(A1-13);
(A1-4)+(A1-16);(A1-4)+(A1-17);(A1-4)+(A1-18);(A1-4)+(A1-19);
(A1-4)+(A1-20);(A1-4)+(A1-28);(A1-4)+(A1-29);(A1-4)+(A1-31);
(A1-4)+(A1-39);(A1-4)+(A1-41);(A1-4)+(A1-83);(A1-4)+(A1-87);
(A1-4)+(A2-2);(A1-4)+(A2-3);(A1-4)+(A3-3);(A1-4)+(A3-5);
(A1-4)+(A3-7);(A1-4)+(A4-1);(A1-4)+(A4-2);(A1-4)+(A4-3);
(A1-8)+(A1-9);(A1-8)+(A1-12);(A1-8)+(A1-13);(A1-8)+(A1-16);
(A1-8)+(A1-17);(A1-8)+(A1-18);(A1-8)+(A1-19);(A1-8)+(A1-20);
(A1-8)+(A1-28);(A1-8)+(A1-29);(A1-8)+(A1-31);(A1-8)+(A1-39);
(A1-8)+(A1-41);(A1-8)+(A1-83);(A1-8)+(A1-87);(A1-8)+(A2-2);
(A1-8)+(A2-3);(A1-8)+(A3-3);(A1-8)+(A3-5);(A1-8)+(A3-7);
A1-8)+(A4-1);(A1-8)+(A4-2);(A1-8)+(A4-3);
(A1-9)+(A1-12);(A1-9)+(A1-13);(A1-9)+(A1-16);(A1-9)+(A1-17);
(A1-9)+(A1-18);(A1-9)+(A1-19);(A1-9)+(A1-20);(A1-9)+(A1-28);
(A1-9)+(A1-29);(A1-9)+(A1-31);(A1-9)+(A1-39);(A1-9)+(A1-41);
(A1-9)+(A1-83);(A1-9)+(A1-87);(A1-9)+(A2-2);(A1-9)+(A2-3);
(A1-9)+(A3-3);(A1-9)+(A3-5);(A1-9)+(A3-7);(A1-9)+(A4-1);
(A1-9)+(A4-2);(A1-9)+(A4-3);
(A1-12)+(A1-13);(A1-12)+(A1-16);(A1-12)+(A1-17);(A1-12)+(A1-18);
(A1-12)+(A1-19);(A1-12)+(A1-20);(A1-12)+(A1-28);(A1-12)+(A1-29);
(A1-12)+(A1-31);(A1-12)+(A1-39);(A1-12)+(A1-41);(A1-12)+(A1-83);
(A1-12)+(A1-87);(A1-12)+(A2-2);(A1-12)+(A2-3);(A1-12)+(A3-3);
(A1-12)+(A3-5);(A1-12)+(A3-7);(A1-12)+(A4-1);(A1-12)+(A4-2);(A1-12)+
(A4-3);
(A1-13)+(A1-16);(A1-13)+(A1-17);(A1-13)+(A1-18);(A1-13)+(A1-19);
(A1-13)+(A1-20);(A1-13)+(A1-28);(A1-13)+(A1-29);(A1-13)+(A1-31);
(A1-13)+(A1-39);(A1-13)+(A1-41);(A1-13)+(A1-83);(A1-13)+(A1-87);
(A1-13)+(A2-2);(A1-13)+(A2-3);(A1-13)+(A3-3);(A1-13)+(A3-5);
(A1-13)+(A3-7);(A1-13)+(A4-1);(A1-13)+(A4-2);(A1-13)+(A4-3);
(A1-16)+(A1-17);(A1-16)+(A1-18);(A1-16)+(A1-19);(A1-16)+(A1-20);
(A1-16)+(A1-28);(A1-16)+(A1-29);(A1-16)+(A1-31);(A1-16)+(A1-39);
(A1-16)+(A1-41);(A1-16)+(A1-83);(A1-16)+(A1-87);(A1-16)+(A2-2);
30(A1-16)+(A2-3);(A1-16)+(A3-3);(A1-16)+(A3-5);(A1-16)+(A3-7);
(A1-16)+(A4-1);(A1-16)+(A4-2);(A1-16)+(A4-3);
A1-17)+(A1-18);(A1-17)+(A1-19);(A1-17)+(A1-20);(A1-17)+(A1-28);
(A1-17)+(A1-29);(A1-17)+(A1-31);(A1-17)+(A1-39);(A1-17)+(A1-41);
(A1-17)+(A1-83);(A1-17)+(A1-87);(A1-17)+(A2-2);(A1-17)+(A2-3);
(A1-17)+(A3-3);(A1-17)+(A3-5);(A1-17)+(A3-7);(A1-17)+(A4-1);
(A1-17)+(A4-2);(A1-17)+(A4-3);
(A1-18)+(A1-19);(A1-18)+(A1-20);(A1-18)+(A1-28);(A1-18)+(A1-29);
(A1-18)+(A1-31);(A1-18)+(A1-39);(A1-18)+(A1-41);(A1-18)+(A1-83);
(A1-18)+(A1-87);(A1-18)+(A2-2);(A1-18)+(A2-3);(A1-18)+(A3-3);
(A1-18)+(A3-5);(A1-18)+(A3-7);(A1-18)+(A4-1);(A1-18)+(A4-2);
(A1-18)+(A4-3);
(A1-19)+(A1-20);(A1-19)+(A1-28);(A1-19)+(A1-29);(A1-19)+(A1-31);
(A1-19)+(A1-39);(A1-19)+(A1-41);(A1-19)+(A1-83);(A1-19)+(A1-87);
(A1-19)+(A2-2);(A1-19)+(A2-3);(A1-19)+(A3-3);(A1-19)+(A3-5);
(A1-19)+(A3-7);(A1-19)+(A4-1);(A1-19)+(A4-2);(A1-19)+(A4-3);
(A1-20)+(A1-28);(A1-20)+(A1-29);(A1-20)+(A1-31);(A1-20)+(A1-39);
(A1-20)+(A1-41);(A1-20)+(A1-83);(A1-20)+(A1-87);(A1-20)+(A2-2);
(A1-20)+(A2-3);(A1-20)+(A3-3);(A1-20)+(A3-5);(A1-20)+(A3-7);
(A1-20)+(A4-1);(A1-20)+(A4-2);(A1-20)+(A4-3);
(A1-28)+(A1-29);(A1-28)+(A1-31);(A1-28)+(A1-39);(A1-28)+(A1-41);
(A1-28)+(A1-83);(A1-28)+(A1-87);(A1-28)+(A2-2);(A1-28)+(A2-3);
(A1-28)+(A3-3);(A1-28)+(A3-5);(A1-28)+(A3-7);(A1-28)+(A4-1);
(A1-28)+(A4-2);(A1-28)+(A4-3);
(A1-29)+(A1-31);(A1-29)+(A1-39);(A1-29)+(A1-41);(A1-29)+(A1-83);
(A1-29)+(A1-87);(A1-29)+(A2-2);(A1-29)+(A2-3);(A1-29)+(A3-3);
(A1-29)+(A3-5);(A1-29)+(A3-7);(A1-29)+(A4-1);(A1-29)+(A4-2);(A1-29)+
(A4-3);
(A1-31)+(A1-39);(A1-31)+(A1-41);(A1-31)+(A1-83);(A1-31)+(A1-87);
(A1-31)+(A2-2);(A1-31)+(A2-3);(A1-31)+(A3-3);(A1-31)+(A3-5);
(A1-31)+(A3-7);(A1-31)+(A4-1);(A1-31)+(A4-2);(A1-31)+(A4-3);
(A1-39)+(A1-41);(A1-39)+(A1-83);(A1-39)+(A1-87);(A1-39)+(A2-2);
(A1-39)+(A2-3);(A1-39)+(A3-3);(A1-39)+(A3-5);(A1-39)+(A3-7);
(A1-39)+(A4-1);(A1-39)+(A4-2);(A1-39)+(A4-3);
(A1-41)+(A1-83);(A1-41)+(A1-87);(A1-41)+(A2-2);(A1-41)+(A2-3);
(A1-41)+(A3-3);(A1-41)+(A3-5);(A1-41)+(A3-7);(A1-41)+(A4-1);
(A1-41)+(A4-2);(A1-41)+(A4-3);
(A1-83)+(A2-2);(A1-83)+(A2-3);(A1-83)+(A3-3);(A1-83)+(A3-5);
(A1-83)+(A3-7);(A1-83)+(A4-1);(A1-83)+(A4-2);(A1-83)+(A4-3);
(A1-87)+(A2-2);(A1-87)+(A2-3);(A1-87)+(A3-3);(A1-87)+(A3-5);
(A1-87)+(A3-7);(A1-87)+(A4-1);(A1-87)+(A4-2);(A1-87)+(A4-3);
(A2-2)+(A2-3);(A2-2)+(A3-3);(A2-2)+(A3-5);(A2-2)+(A3-7);
(A2-2)+(A4-1);(A2-2)+(A4-2);(A2-2)+(A4-3);
(A2-3)+(A3-3);(A2-3)+(A3-5);(A2-3)+(A3-7);
(A2-3)+(A4-1);(A2-3)+(A4-2);(A2-3)+(A4-3);
(A3-3)+(A3-5);(A3-3)+(A3-7);
(A3-3)+(A4-1);(A3-3)+(A4-2);(A3-3)+(A4-3);
(A3-5)+(A3-7);(A3-5)+(A4-1);(A3-5)+(A4-2);(A3-5)+(A4-3);
(A3-7)+(A4-1);(A3-7)+(A4-2);(A3-7)+(A4-3);
(A-1)+(A4-2);(A4-1)+(A4-3);および
(A4-2)+(A4-3)。
【0080】
加えて、本発明にしたがって使用されるALSインヒビター除草剤は、更なる成分、例えば、異なるタイプの作用形態の農学的活性化合物、ならびに/または作物保護において慣例の配合助剤および/もしくは添加剤を含んでなっていてよく、あるいは、これらと一緒に使用されてよい。
【0081】
本発明にしたがって使用されるALSインヒビター除草剤(複数可)または種々のかかるALSインヒビター除草剤の組み合わせは、例えば、解毒剤、殺菌剤、殺虫剤の群から、または、作物保護において慣例の配合助剤および添加剤の群からの種々の農学的活性化合物を含んでいてよい。
【0082】
更なる実施形態において、本発明は、望ましくない植生の防除に相乗効果を得るために、有効量のALSインヒビター除草剤(複数可)(すなわち、群(A)、(B)および/または(C)のメンバー)ならびに非ALSインヒビター除草剤(すなわち、ALS酵素[アセトヒドロキシ酸合成酵素;EC2.2.1.6](群D除草剤)の阻害に対して異なる作用モードを示す除草剤)を使用することに関する。
【0083】
かかる相乗作用は、例えば、1以上のALSインヒビター除草剤(すなわち、群(A)、(B)および/または(C)のメンバー)ならびに1以上の非ALSインヒビター除草剤(群D除草剤)を一緒に、例えば、共配合物としてまたはタンクミックスとして施用するとき観察され得る;しかしながら、これらはまた、活性化合物が異なる時点で施用されるとき(分割)にも観察され得る。ALSインヒビター除草剤および非ALSインヒビター除草剤を、例えば、発芽前施用、続いて、発芽後施用または早期発芽後施用、続いて中期または後期発芽後施用で、複数回に分けて施用する(逐次施用)こともできる。ここでは、対象となる組み合わせの除草剤((A)、(B)および/または(C))ならびに(D)の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0084】
ALSインヒビター除草剤と一緒に施用される好適なパートナー除草剤は、各場合においてBritish Crop Protection Council(以下、手短に「PM」とも称する)によって公開されており、かつ、ここで列挙されている文献における、例えば、Weed Research 26, 441-445 (1986)、または「The Pesticide Manual」, 14th edition, The British Crop Protection Council, 2007、もしくは15th edition 2010において、あるいは、対応する“ePesticide Manual”、Version 5 (2010)において記載されているように、例えば、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属する除草剤と構造的に異なる以下の除草剤、好ましくは、その作用が例えばアセチル補酵素Aカルボキシラーゼ、PSI、PSII、HPPDO、フィトエンデサチュラーゼ、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ、グルタミン合成酵素、セルロース生合成、5-エノール-ピルビル-シキミ酸3-リン酸シンターゼの阻害をベースとする除草活性化合物である。一般名のリストは、インターネットにおける「The Compendium of Pesticide Common Names」においても入手可能である。群(A)、(B)および/または(C)のALS-インヒビター除草剤と組み合わされ得かつ本発明にしたがって使用される、文献から公知の除草剤(以下、指示記号D1~D426によっても分類される一般名の後の括弧内)は、例えば、以下に列挙されている活性化合物である:(注記:除草剤は、文脈が別途示さない限り、必要に応じて慣例のコード番号と一緒に、国際標準化機構(ISO)にしたがった「一般名」によって、または、化学名によってのいずれかで称され、各場合において、全ての使用形態、例えば、酸、塩、エステルならびに異性体、例えば、立体異性体および光学異性体、特に市販形態(複数可)を含む。与えられている列挙は、1つの使用形態のものであり、いくつかの場合には、2以上の使用形態のものである):アセトクロール(=D1)、アシベンゾラル(=D2)、アシベンゾラル-S-メチル(=D3)、アシフルオルフェン(=D4)、アシフルオルフェン-ナトリウム(=D5)、アクロニフェン(=D6)、アラクロール(=D7)、アリドクロール(=D8)、アロキシジム(=D9)、アロキシジム-ナトリウム(=D10)、アメトリン(=D11)、アミカルバゾン(=D12)、アミドクロル(=D13)、アミノシクロピラクロル(=D14)、アミノピラリド(=D15)、アミトロール(=D16)、スルファミン酸アンモニウム(=D17)、アンシミドール(=D18)、アニロホス(=D19)、アシュラム(=D20)、アトラジン(=D21)、アザフェニジン(=D22)、アジプロトリン(=D23)、ベフルブタミド(=D24)、ベナゾリン(=D25)、ベナゾリン-エチル(=D26)、ベンカルバゾン(=D27)、ベンフルラリン(=D28)、ベンフレセート(=D29)、ベンスリド(=D30)、ベンタゾン(=D31)、ベンズフェンジゾン(=D32)、ベンゾビシクロン(=D33)、ベンゾフェナップ(=D34)、ベンゾフルオール(=D35)、ベンゾイルプロップ(=D36)、ビシクロピロン(=D37)、ビフェノックス(=D38)、ビラナホス(=D39)、ビラナホス-ナトリウム(=D40)、ブロマシル(=D41)、ブロモブチド(=D42)、ブロモフェノキシム(=D43)、ブロモキシニル(=D44)、ブロムロン(=D45)、ブミナホス(=D46)、ブソキシノン(=D47)、ブタクロール(=D48)、ブタフェナシル(=D49)、ブタミホス(=D50)、ブテナクロール(=D51)、ブトラリン(=D52)、ブトロキシジム(=D53)、ブチレート(=D54)、カフェンストロール(=D55)、カルベタミド(=D56)、カルフェントラゾン(=D57)、カルフェントラゾンエチル(=D58)、クロメトキシフェン(=D59)、クロランベン(=D60)、クロラジホップ(=D61)、クロラジホップ-ブチル(=D62)、クロルブロムロン(=D63)、クロルブファム(=D64)、クロルフェナク(=D65)、クロルフェナク-ナトリウム(=D66)、クロルフェンプロップ(=D67)、クロルフルレノール(=D68)、クロルフルレノール-メチル(=D69)、クロリダゾン(=D70)、クロルメコート-クロリド(=D71)、クロルニトルフェン(=D72)、クロロフタリム(=D73)、クロルタール-ジメチル(=D74)、クロロトルロン(=D75)、シニドン(=D76)、シニドン-エチル(=D77)、シンメチリン(=D78)、クレトジム(=D79)、クロジナホップ(=D80)、クロジナホップ-プロパルギル(=D81)、クロフェンセット(=D82)、クロマゾン(=D83)、クロメプロップ(=D84)、クロプロップ(=D85)、クロピラリド(=D86)、クロランスラム(=D87)、クロランスラム-メチル(=D88)、クミルロン(=D89)、シアナミド(=D90)、シアナジン(=D91)、シクラニリド(=D92)、シクロエート(=D93)、シクロキシジム(=D94)、シクルロン(=D95)、シハロホップ(=D96)、シハロホップ-ブチル(=D97)、シペルコート(=D98)、シプラジン(=D99)、シプラゾール(=D100)、2,4-D(=D101)、2,4-DB(=D102)、ダイムロン(daimuron)/ダイムロン(dymron)(=D103)、ダラポン(=D104)、ダミノジド(=D105)、ダゾメット(=D106)、n-デカノール(=D-107)、デスメディファム(=D108)、デスメトリン(=D109)、デトシル-ピラゾレート(=D110)、ダイアレート(=D111)、ジカンバ(=D112)、ジクロベニル(=D113)、ジクロルプロップ(=D114)、ジクロルプロップ-P(=D115)、ジクロホップ(=D116)、ジクロホップ-メチル(=D117)、ジクロホップ-P-メチル(=D118)、ジエタチル(=D119)、ジエタチル-エチル(=D120)、ジフェノクスロン(=D121)、ジフェンゾコート(=D122)、ジフルフェニカン(=D123)、ジフルフェンゾピル(=D124)、ジフルフェンゾピル-ナトリウム(=D125)、ジメフロン(=D126)、ジケグラック-ナトリウム(=D127)、ジメフロン(=D128)、ジメピペレート(=D129)、ジメタクロール(=D130)、ジメタメトリン(=D131)、ジメテナミド(=D132)、ジメテナミド-P(=D133)、ジメチピン(=D134)、ジメトラスルフロン(=D135)、ジニトラミン(=D136)、ジノセブ(=D137)、ジノテルブ(=D138)、ジフェナミド(=D139)、ジプロペトリン(=D140)、ジクワット(=D141)、ジクワット-ジブロミド(=D142)、ジチオピル(=D143)、ジウロン(=D144)、DNOC(=D145)、エグリナジン-エチル(=D146)、エンドタール(=D147)、EPTC(=D148)、エスプロカルブ(=D149)、エタルフルラリン(=D150)、エテホン(=D151)、エチジムロン(=D152)、エチオジン(=D153)、エトフメセート(=D154)、エトキシフェン(=D155)、エトキシフェン-エチル(=D156)、エトベンザニド(=D157)、F-5331(=2-クロロ-4-フルオロ-5-[4-(3-フルオロプロピル)-4、5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル]-フェニル]エタンスルホンアミド)(=D158)、F-7967(=3-[7-クロロ-5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)-1H-10ベンズイミダゾール-4-イル]-1-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4(1 H,3H)-ジオン)(=D159)、フェノプロップ(=D160)、フェノキサプロップ(=D161)、フェノキサプロップ-P(=D162)、フェノキサプロップ-エチル(=D163)、フェノキサプロップ-P-エチル(=D164)、フェノキサスルホン(=D165)、フェントラザミド(=D166)、フェヌロン(=D167)、フラムプロップ(=D168)、フラムプロップ-M-イソプロピル(=D169)、フラムプロップ-M-メチル(=D170)、フルアジホップ(=D171)、フルアジホップ-P(=D172)、フルアジホップ-ブチル15(=D173)、フルアジホップ-P-ブチル(=D17 4)、フルアゾレート(=D175)、フルクロラリン(=D176)、フルフェナセット(チアフルアミド)(=D177)、フルフェンピル(=D178)、フルフェンピル-エチル(=D179)、フルメトラリン(=D180)、フルミクロラック(=D181)、フルミクロラック-ペンチル(=D182)、フルミオキサジン(=D183)、フルミプロピン(=D184)、フルオメツロン(=D185)、フルオロジフェン(=D186)、フルオログリコフェン(=D187)、フルオログリコフェン-エチル(=D188)、フルポキサム(=D189)、20フルプロパシル(=D190)、フルプロパネート(=D191)、フルレノール(=D192)、フルレノール-ブチル(=D193)、フルリドン(=D194)、フルロクロリドン(=D195)、フルロキシピル(=D196)、フルロキシピル-メプチル(=D197)、フルルプリミドール(=D198)、フルルタモン(=D199)、フルチアセット(=D200)、フルチアセット-メチル(=D201)、フルチアミド(=D202)、ホメサフェン(=203)、ホルクロルフェヌロン(=D204)、ホサミン(=D205)、フリルオキシフェン(=D206)、ジベレリン酸25(=D207)、グルホシネート(=D208)、グルホシネート-アンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート-イソプロピルアンモニウム(=D214)、H-9201(=O-(2,4-ジメチル-6-ニトロフェニル)-O-エチル-イソプロピルホスホルアミドチオエート)(=D215)、ハロサフェン(=D216)、ハロキシホップ(=D217)、ハロキシホップ-P(=D218)、ハロキシホップ-エトキシエチル(=D219)、ハロキシホップ-P-エトキシエチル(=D220)、ハロキシホップ-メチル(=D221)、ハロキシホップP-メチル(=D222)、ヘキサジノン(=D223)、HW-02(=1-(ジメトキシホスホリル)-エチル(2,4-ジクロロフェノキシ)アセテート)(=D224)、イナベンフィド(=D225)、インダノファン(=D226)、インダジフラム(=D227)、インドール-3-酢酸(IAA)(=D228)、4-インドール-3-イル酪酸(IBA)(=D229)、イオキシニル(=D230)、イプフェンカルバゾン(=D231)、イソカルバミド(=D232)、イソプロパリン(=D233)、イソプロツロン(=D234)、イソウロン(=D235)、イソキサベン(=D236)、イソキサクロトール(=D237)、イソキサフルトール(=D238)、イソキサピリホップ(=D239)、KUH-043(=3-({[5-(ジフルオロメチル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]メチル}スルホニル)-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール)(=D240)、カルブチレート(=D241)、ケトスピラドックス(=D242)、ラクトフェン(=D243)、レナシル(=D244)、リヌロン(=D245)、マレイン酸ヒドラジド(=D246)、MCPA(=D247)、MCPB(=D248)、MCPB-メチル、-エチルおよび-ナトリウム(=D249)、メコプロップ(=D250)、メコプロップ-ナトリウム(=D251)、メコプロップ-ブトチル(
=D252)、メコプロップ-P-ブトチル(=D253)、メコプロップ-P-ジメチルアンモニウム(=D254)、メコプロップ-P-2-エチルヘキシル(=D255)、メコプロップ-P-カリウム(=D256)、メフェナセット(=D257)、メフルイジド(=D258)、メピコート-クロリド(=D259)、メソトリオン(=D260)、メタベンズチアズロン(=D261)、メタム(=D262)、メタミホップ(=D263)、メタミトロン(=D264)、メタザクロール(=D265)、メタゾール(=D266)、メチオピルスルフロン(=D267)、メチオゾリン(=D268)、メトキシフェノン(=D269)、メチルダイムロン(=D270)、1-メチルシクロプロペン(=D271)、イソチオシアン酸メチル(=D272)、メトベンズロン(=D273)、メトブロムロン(=D274)、メトラクロール(=D275)、S-メトラクロール(=D-276)、メトクスロン(=D277)、メトリブジン(=D278)、モリネート(=D279)、モナリド(=D280)、モノカルバミド(=D281)、モノカルバミド-二水素硫酸塩(=D282)、モノリヌロン(=D283)、モノスルフロンエステル(=D284)、モニュロン(=D285)、MT-128(=6-クロロ-N-[(2E)-3-クロロプロプ-2-エン-1-イル]-5-メチル-N-フェニルピリダジン-3-アミン)(=D286)、MT-5950(=N-[3-クロロ-4-(1-メチルエチル)-フェニル]-2-メチルペンタンアミド)(=D287)、NGGC-011(=D288)、ナプロアニリド(=D289)、ナプロパミド(=D290)、ナプタラム(=D291)、NC-310(=4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1-メチル-5-ベンジルオキシピラゾール)(=D292)、ネブロン(=D293)、ニピラクロフェン(=D294)、ニトラリン(=D295)、ニトロフェン(=D296)、ニトロフェノラート-ナトリウム(異性体混合物)(=D297)、ニトロフルオルフェン(=D298)、ノナン酸(=D299)、ノルフルラゾン(=D300)、オルベンカルブ(=D301)、オリザリン(=D302)、オキサジアルギル(=D303)、オキサジアゾン(=D304)、オキサジクロメフォン(=D305)、オキシフルオルフェン(=D306)、パクロブトラゾール(=D307)、パラコート(=D308)、パラコート-ジクロリド(=D309)、ペラルゴン酸(ノナン酸)(=D310)、ペンジメタリン(=D311)、ペンドラリン(=D312)、ペンタノクロル(=D313)、ペントキサゾン(=D314)、ペルフルイドン(=D315)、ペトキサミド(=D317)、フェニソファム(=D318)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)、ピクロラム(=D321)、ピコリナフェン(=D322)、ピノキサデン(=D323)、ピペロホス(=D324)、ピリフェノップ(=D325)、ピリフェノップ-ブチル(=D326)、プレチラクロール(=D327)、プロベナゾール(=D328)、プロフルアゾール(=D329)、プロシアジン(=D330)、プロジアミン(=D331)、プリフルラリン(=D332)、プロホキシジム(=D333)、プロヘキサジオン(=D334)、プロヘキサジオンカルシウム(=D335)、プロヒドロジャスモン(=D336)、プロメトン(=D337)、プロメトリン(=D338)、プロパクロル(=D339)、プロパニル(=D340)、プロパキザホップ(=D341)、プロパジン(=D342)、プロファム(=D343)、プロピソクロール(=D344)、プロピザミド(=D345)、プロスルファリン(=D346)、プロスルホカルブ(=D347)、プリナクロル(=D348)、ピラクロニル(=D349)、ピラフルフェン(=D350)、ピラフルフェン-エチル(=D351)、ピラスルホトール(=D352)、ピラゾリネート(ピラゾレート)(=D353)、ピラゾキシフェン(=D354)、ピリバムベンズ(=D355)、ピリブチカルブ(=D356)、ピリダフォル(=D357)、ピリデート(=D358)、ピリミノバック(=D359)、15ピリミスルファン(=D360)、ピロキサスルホン(=D361)、キンクロラック(=D362)、キンメラック(=D363)、キノクラミン(=D364)、キザロホップ(=D365)、キザロホップ-エチル(=D366)、キザロホップ-P(=D367)、キザロホップ-P-エチル(=D368)、キザロホップ-P-テフリル(=D369)、サフルフェナシル(=D370)、セクブメトン(=D371)、セトキシジム(=D372)、シデュロン(=D373)、シマジン(=D374)、シメトリン(=D375)、SN-106279(=メチル-(2R)-2-({7-20[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ナフチル}オキシ)-プロパノエート)(=D376)、スルコトリオン(=D377)、スルファレート(CDEC)(=D378)、スルフェントラゾン(=D379)、スルホサート(グリホサート-トリメシウム)(=D380)、SYN-523(=D381)、SYP-249(=1-エトキシ-3-メチル-1-オキシブト-3-エン-2-イル-5-[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-ニトロベンゾエート)(=D382)、テブタム(=D383)、テブチウロン(=D384)、テクナゼン(=D385)、テフリルトリオン(=D386)、テンボトリオン(=D387)、テプラロキシジム(=D388)、テルバシル(=D389)、テルブカルブ(=D390)、テルブクロル(=D391)、テルブメトン(=D392)、テルブチラジン(=D393)、テルブトリン(=D394)、テニルクロール(=D395)、チアフルアミド(=D396)、チアザフルロン(=D397)、チアゾピル(=D398)、チジアミン(=D399)、チジアズロン(=D400)、チオベンカルブ(=D401)、チオカルバジル(=D402)、トプラメゾン(=D403)、トラルコキシジム(=D404)、トリアラート(=D405)、トリアジフラム(=D406)、トリアゾフェナミド(=D407)、トリクロロ酢酸(TCA)(=D408)、トリクロピル(=D409)、トリジファン(=D410)、トリエタジン(=D411)、トリフルラリン(=D412)、トリメツロン(=D413)、トリネキサパック(=D414)、トリネキサパック-エチル(=D415)、チトデフ(=D416)、ユニコナゾール(=D417)、ユニコナゾール-P(=D418)、バーノレート(=D419)、ZJ-0862(=3,4-ジクロロ-N-{2-[(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)オキシ]ベンジル}アニリン)(=D420)、および、それぞれ、自身の化学構造によって定義される以下の化合物
【化7】
【0085】
好ましくは、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤とは構造的にかつ作用形態によって異なり、また、本明細書に記載されている、ALSインヒビター除草剤耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物、好ましくはシュガービートまたは飼料用ビート植物における望ましくない植生の防除のために本発明にしたがって施用される更なる除草剤。
【0086】
群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤に関係して、以下の群に属するものがある:クロリダゾン(=D70)、クレトジム(=D79)、クロジナホップ(=D80)、クロジナホップ-プロパルギル(=D81)、クロピラリド(=D86)、シクロキシジム(=D94)、デスメディファム(=D108)、ジメテナミド(=D132)、ジメテナミド-P(=D133)、エトフメセート(=D154)、フェノキサプロップ(=D161)、フェノキサプロップ-P(=D162)、フェノキサプロップ-エチル(=D163)、フェノキサプロップ-P-エチル(=D164)、フルアジホップ(=D171)、フルアジホップ-P(=D172)、フルアジホップブチル(=D173)、フルアジホップ-P-ブチル(=D174)、グルホシネート(=D208)、グルホシネートアンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート-イソプロピルアンモニウム(=D214)、ハロキシホップ(=D217)、ハロキシホップ-P(=D218)、ハロキシホップエトキシエチル(=D219)、ハロキシホップ-P-エトキシエチル(=D220)、ハロキシホップ-メチル(=D221)、ハロキシホップ-P-メチル(=D222)、レナシル(=D244)、メタミトロン(=D264)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)、プロパキザホップ(=D341)、キンメラック(=D363)、キザロホップ(=D365)、キザロホップ-エチル(=D366)、キザロホップ-P(=D367)、キザロホップ-P-エチル(=D368)、キザロホップ-P-テフリル(=D369)、セトキシジム(=D372)
【0087】
なおより好ましくは、上記に定義されている群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤とは異なり、また、群(A)、(B)、および(C)に属するALSインヒビター除草剤に関係して本発明にしたがって施用される更なる除草剤は、以下の群に属するものである:デスメディファム(=D108)、エトフメセート(=D154)、グルホシネート(=D208)、グルホシネートアンモニウム(=D209)、グルホシネート-P(=D210)、グルホシネート-P-アンモニウム(=D211)、グルホシネート-P-ナトリウム(=D212)、グリホサート(=D213)、グリホサート-イソプロピルアンモニウム(=D214)、レナシル(=D244)、メタミトロン(=D264)、フェンメジファム(=D319)、フェンメジファム-エチル(=D320)。
【0088】
ALSインヒビター除草剤および非ALSインヒビター除草剤を含有する混合物である、望ましくない植生の防除のために本発明にしたがって使用するために非常に特定的に興味深い、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)(群(A)、(B)および(C)の1以上に属する化合物)および非ALSインヒビター除草剤(複数可)(群(D)メンバー;上記に定義されている)の混合物を含んでなる組成物は以下である:
(A1-1)+(D108);(A1-1)+(D154);(A1-1)+(D208);(A1-1)+(D209);
(A1-1)+(D210);(A1-1)+(D212);(A1-1)+(D213);(A1-1)+(D214);
(A1-1)+(D244);(A1-1)+(D264);(A1-1)+(D319);(A1-1)+(D320)。
(A1-13)+(D108);(A1-13)+(D154);(A1-13)+(D208);(A1-13)+(D209);
(A1-13)+(D210);(A1-13)+(D212);(A1-13)+(D213);(A1-13)+(D214);
(A1-13)+(D244);(A1-13)+(D264);(A1-13)+(D319);(A1-13)+(D320)。
(A1-16)+(D108);(A1-16)+(D154);(A1-16)+(D208);(A1-16)+(D209);
(A1-16)+(D210);(A1-16)+(D212);(A1-16)+(D213);(A1-16)+(D214);
(A1-16)+(D244);(A1-16)+(D264);(A1-16)+(D319);(A1-16)+(D320)。
(A1-39)+(D108);(A1-39)+(D154);(A1-39)+(D208);(A1-39)+(D209);
(A1-39)+(D210);(A1-39)+(D212);(A1-39)+(D213);(A1-39)+(D214);
(A1-39)+(D244);(A1-39)+(D264);(A1-39)+(D319);(A1-39)+(D320)。
(A1-41)+(D108);(A1-41)+(D154);(A1-41)+(D208);(A1-41)+(D209);
(A1-41)+(D210);(A1-41)+(D212);(A1-41)+(D213);(A1-41)+(D214);
(A1-41)+(D244);(A1-41)+(D264);(A1-41)+(D319);(A1-41)+(D320)。
(A1-83)+(D108);(A1-83)+(D154);(A1-83)+(D208);(A1-83)+(D209);
(A1-83)+(D210);(A1-83)+(D212);(A1-83)+(D213);(A1-83)+(D214);
(A1-83)+(D244);(A1-83)+(D264);(A1-83)+(D319);(A1-83)+(D320)。
(A1-87)+(D108);(A1-87)+(D154);(A1-87)+(D208);(A1-87)+(D209);
(A1-87)+(D210);(A1-87)+(D212);(A1-87)+(D213);(A1-87)+(D214);
(A1-87)+(D244);(A1-87)+(D264);(A1-87)+(D319);(A1-87)+(D320)。
(A2-3)+(D108);(A2-3)+(D154);(A2-3)+(D208);(A2-3)+(D209);
(A2-3)+(D21 0);(A2-3)+(D212);(A2-3)+(D213);(A2-3)+(D214);
(A2-3)+(D244);(A2-3)+(D264);(A2-3)+(D319);(A2-3)+(D320)。
(B1-2)+(D108);(B1-2)+(D154);(B1-2)+(D208);(B1-2)+(D209);
(B1-2)+(D21 0);(B1-2)+(D212);(B1-2)+(D213);(B1-2)+(D214);
(B1-2)+(D244);(B1-2)+(D264);(B1-2)+(D319);(B1-2)+(D320).
(C1-1)+(D108);(C1-1)+(D154);(C1-1)+(D208);(C1-1)+(D209);
(C1-1)+(D210);(C1-1)+(D212);(C1-1)+(D213);(C1-1)+(D214);
(C1-1)+(D244);(C1-1)+(D264);(C1-1)+(D319);(C1-1)+(D320)。
【0089】
ALSインヒビター除草剤の施用はまた、地下茎、根茎および他の多年生器官から新芽を生じ、かつ、防除することが困難である多年生雑草にも効率的に作用する。ここで、かかる物質は、例えば、播種前方法、発芽前方法または発芽後方法によって、例えば、一緒にまたは別個に施用され得る。例えば、発芽後方法による、特に、発芽した有害な植物への施用が好ましいとされる。
【0090】
ALSインヒビター除草剤によって防除され得る単子葉および双子葉雑草植物相のいくつかの代表の具体例を言及することができるが、列挙は、ある特定の種に制限されるものではない。
【0091】
本発明による施用が効率的に作用する雑草種の例には、単子葉雑草種の中から、カラスムギ属種(Avena spp.)、スズメノテッポウ属種(Alopecurus spp.)、セイヨウヌカボ属種(Apera spp.)、ブラキアリア属種(Brachiaria spp.)、スズメノチャヒキ属種(Bromus spp.)、メヒシバ属種(Digitaria spp.)、ドクムギ属種(Lolium spp.)、ヒエ属種(Echinochloa spp.)、キビ属種(Panicum spp.)、クサヨシ属種(Phalaris spp.)、イチゴツナギ属種(Paa spp.)、エノコログサ属種(Setaria spp)、更には、一年生群からのカヤツリグサ属(Cyperus)種、ならびに、多年生種からの、コムギダマシ属(Agropyron)、ギョウギシバ属(Cynodon)、チガヤ属(lmperata)およびモロコシ属(Sorghum)、ならびに、更には多年生カヤツリグサ属(Cyperus)種がある。
【0092】
双子葉雑草種の場合、作用のスペクトラムは、例えば、一年生雑草の中ではイチビ属種(Abutilon spp.)、ヒユ属種(Amaranthus spp.)、アカザ属種(Chenopodium spp.)、キク属種(Chrysanthemum spp.)、ヤエムグラ属種(Galium spp.)、サツマイモ属種(lpomoea spp.)、ホウキギ属種(Kochia spp.)、オドリコソウ属種(Lamium spp.)、シカレギク属種(Matricaria spp.)、アサガオ属種(Pharbitis spp.)、タデ属種(Polygonum spp.)、シダ属種(Sida spp.)、シロガラシ属種(Sinapis spp.)、ナス属種(Solanum spp.)、ハコベ属種(Stellaria spp.)、クワガタソウ属種(Veronica spp.)、およびスミレ属種(Viola spp.)、オナモミ属種(Xanthium spp.)、多年生雑草の場合には、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、アザミ属(Cirsium)、スイバ属(Rumex)およびヨモギ属(Artemisia)などの属に拡大される。
【0093】
本明細書において使用されているとき、別途明確に示されていない限り、用語「植物」は、いずれの発育段階における植物も意味することが意図される。
【0094】
本発明は、更に、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における、好ましくはシュガービートまたは飼料用ビートにおける望ましくない植生を防除する方法であって、1以上の群(A)、(B)および/または(C)に属するALSインヒビター除草剤を、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎もしくは新芽部)または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に、例えば、一緒にまたは別個に施用することを含んでなる、上記方法を提供する。
【0095】
本発明は、更に、本明細書に記載されているベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)植物における、好ましくはシュガービートまたは飼料用ビートにおける望ましくない植生を防除する方法であって、群(A)、(B)および/または(C)に属する1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)を単独でまたは本発明による分類(D)化合物に属する非ALSインヒビター除草剤と組み合わせて、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎もしくは新芽部)または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に、例えば、一緒にまたは別個に施用することを含んでなる、上記方法を提供する。1以上の非ALSインヒビター除草剤は、1以上のALSインヒビター除草剤(複数可)と組み合わせて、ALSインヒビター除草剤(複数可)の前、後または同時に、上記植物、上記種子、または上記植物が成長する領域(例えば、耕地領域)に施用されてよい。
【0096】
「望ましくない植物」または「望ましくない植生」は、望まれない場所において成長する全ての植物を意味すると理解されるべきである。これは、例えば、有害な植物(例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)であり得る。
【0097】
本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせは、公知のプロセス、例えば、適切な場合には更なる活性化合物、添加剤および/または慣例の配合助剤との、個々の成分の混合配合物として調製され得、この組み合わせは、次いで、水で希釈される慣例の方法で、または、水との、別個に配合されたもしくは部分的に別個に配合された、成分の共同希釈によるタンクミックスとして、施用される。別個に配合されたまたは部分的に別個に配合された個々の成分の分割施用も可能である。
【0098】
ALSインヒビター除草剤またはALSインヒビター除草剤(複数可)および非ALSインヒビター除草剤(複数可)を含んでなる組み合わせを、例えば、発芽前施用、続いての発芽後施用を使用して、または、早期発芽後施用、続いての中期もしくは後期発芽後施用を使用して、複数回に分けて施用する(逐次施用)ことも可能である。ここでは、対象となる組み合わせの活性化合物の共同またはほぼ同時施用が好ましいとされる。
【0099】
上記の定義されている群(A)、(B)、(C)および(D)のいずれかに属し、本発明にしたがって施用される除草剤は、一緒にまたは別個に、活性化合物を含浸させた慣例の配合物、例えば、溶液、エマルジョン懸濁液、粉末、発泡体、ペースト、顆粒、エアロゾル、天然および合成材料、ならびにポリマー性材料中のマイクロカプセルに転換され得る。配合物は、慣例の助剤および添加剤を含んでいてよい。
【0100】
これらの配合物は、例えば、活性化合物を、液体溶媒、加圧液化ガスおよび/または固体担体である増量剤と、適切な場合には、乳化剤および/もしくは分散剤である界面活性剤、ならびに/または発泡体形成剤と混合することによって、公知の方法で製造される。
【0101】
使用される増量剤が水であるとき、例えば、補助溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。好適な液体溶媒は、本質的には:芳香族、例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレン、塩素化芳香族または塩素化脂肪族炭化水素、例えば、クロロベンゼン、クロロエチレン、または塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えば、シクロヘキサンまたはパラフィン、例えば、鉱物油画分、鉱物および植物油、アルコール、例えば、ブタノールまたはグリコール、ならびにエーテルおよびそのエステル、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド、ならびに更には水である。好適な固体担体は:例えば、アンモニウム塩、ならびに、粉末状の天然鉱物、例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土、ならびに、粉末状の合成鉱物、例えば、微粉シリカ、30アルミナおよびシリケートであり;顆粒に好適な固体担体は:例えば、粉砕および分画天然岩、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石および白雲石、ならびに、更には、無機および有機粗びき粉末の合成顆粒、ならびに、有機材料の顆粒、例えば、のこ屑、ココナツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎であり;好適な乳化剤および/または発泡体形成剤は:例えば、非イオン性およびイオン性乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコール5エーテル、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネート、ならびに、更にはタンパク質加水分解物でもあり;好適な分散剤は:例えば、リグニン亜硫酸塩廃液およびメチルセルロースである。
【0102】
粉末、顆粒またはラテックスの形態の、増粘剤、例えば、カルボキシメチルセルロースならびに天然および合成ポリマー、例えば、アラビアガム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニル、ならびに、更には天然リン脂質、例えば、ケファリンおよびレシチン、ならびに合成リン脂質が、配合物において使用され得る。他の可能な添加剤は、鉱物油および植物油である。
【0103】
本発明にしたがって使用される除草剤組み合わせの除草作用は、例えば、界面活性剤によって、好ましくは脂肪アルコールポリグリコールエーテルの群からの湿潤剤によって改良され得る。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、脂肪アルコールラジカルにおいて10~18個の炭素原子およびポリグリコールエーテル部位において2~20個のエチレンオキシド単位を好ましくは含んでなる。脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、非イオン性形態、またはイオン性形態で、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)もしくはアンモニウム塩として、または、更には、アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウム塩、例えば、C12/C14-脂肪アルコールジグリコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant GmbH)として使用され得る、例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩の形態で存在していてよい;例えば、EP-A-0476555、EP-A-0048436、EP-A-0336151またはUS-A-4,400、196および更にはProc. EWRS Symp. “Factors Affecting Herbicidal Activity and Selectivity”, 227 -232 (1988)も参照されたい。非イオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、例えば、2~20、好ましくは3~15個のエチレンオキシド単位を含んでなる、例えば、(C10-C1a)-、好ましくは(C10-C14)-脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば、イソトリデシルアルコールポリグリコールエーテル)、例えば、Genapol(登録商標)X-シリーズ、例えば、Genapol(登録商標)X-030、Genapol(登録商標)X-060、Genapol(登録商標)X-080またはGenapol(登録商標)X-150(全てClariant GmbHから)からのものである。
【0104】
本発明は、本発明による群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤と、脂肪アルコールラジカルにおいて10~18個の炭素原子およびポリグリコールエーテル部位において2~20個のエチレンオキシド単位を好ましくは含有し、かつ、非イオン性またはイオン性形態で(例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩として)存在していてよい脂肪アルコールポリグリコールエーテルの群からの上記で言及されている湿潤剤との組み合わせを更に含んでなる。C12/C14-脂肪アルコールジグリコールエーテル硫酸ナトリウム(Genapol(登録商標)LRO、Clariant GmbH)、ならびに、例えば、Genapol(登録商標)X-シリーズ、例えば、Genapol(登録商標)X-030、Genapol(登録商標)X-060、Genapol(登録商標)X-080およびGenapol(登録商標)X-150(全てClariant GmbHから)からの、3~15個のエチレンオキシド単位を有するイソトリデシルアルコールポリグリコールエーテルが好ましいとされる。
【0105】
更に、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、例えば、非イオン性またはイオン性脂肪アルコールポリグリコールエーテル(例えば、脂肪アルコールポリグリコールエーテル硫酸塩)もまた、多くの他の除草剤に対する浸透剤および活性向上剤としての使用に好適であることが知られている(例えば、EP-A-0502014を参照されたい)。
【0106】
本発明による除草剤組み合わせの除草作用はまた、植物油を使用することによっても向上され得る。植物油という用語は、油質植物種の油、例えば、ダイズ油、菜種油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、綿実油、アマニ油、ココナッツ油、パーム油、アザミ油またはヒマシ油、特に菜種油、およびこれらのエステル交換生成物、例えば、アルキルエステル、例えば、菜種油メチルエステルまたは菜種油エチルエステルも意味すると理解されるべきである。
【0107】
植物油は、好ましくは、C10-C22、好ましくはC12-C20の脂肪酸のエステルである。C10-C22脂肪酸エステルは、例えば、不飽和または飽和C10-C22脂肪酸のエステル、特に、偶数の炭素原子数を有するもの、例えば、エルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸および特にC18脂肪酸、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸である。
【0108】
C10-C22脂肪酸エステルの例は、グリセロールもしくはグリコールを、例えば、油質植物種の油に含有されるC10-C22脂肪酸と反応させることによって得られるエステル、または、例えば、C1-C20-アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノール)による、上記グリセロール-もしくはグリコール-C10-C22脂肪酸エステルのエステル交換によって得られ得るC1-C20-アルキル-C10-C22脂肪酸エステルである。エステル交換は、例えば、Rompp Chemie Lexikon、9th edition、Volume 2、page 1343、Thieme Verlag Stuttgartにおいて記載されている公知の方法によって実施され得る。
【0109】
好ましいC1-C20-アルキル-C10-C22脂肪酸エステルは、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2-エチルヘキシルエステルおよびドデシルエステルである。好ましいグリコール-およびグリセロール-C10-C2r脂肪酸エステルは、C10-C2r脂肪酸、特に、偶数の炭素原子数を有する脂肪酸、例えば、エルカ酸、ラウリン酸、パルミチン酸、および、特に,C18-脂肪酸、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の均一なまたは混合のグリコールエステルおよびグリセロールエステルである。
【0110】
本発明にしたがって使用される除草組成物において、植物油は、例えば、市販の油含有配合添加剤、特に、菜種油をベースとするもの、例えば、Hasten(登録商標)(Victorian Chemical Company、オーストラリア、以下、Hastenと称され、主成分:菜種油エチルエステル)、Actirob(登録商標)B(Novance、フランス、以下、ActirobBと称され、主成分:菜種油メチルエステル)、Rako-Binol(登録商標)(Bayer AG、ドイツ、以下、Rako-Binolと称され、主成分:菜種油)、Renal(登録商標)(Stefes、ドイツ、以下、Renalと称され、植物油成分:菜種油メチルエステル)またはStefes Mero(登録商標)(Stefes、ドイツ、以下、Meroと称され、主成分:菜種油メチルエステル)の形態で存在し得る。
【0111】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、ならびに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料、ならびに、微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩を使用することが可能である。
【0112】
本発明にしたがって使用される配合物は、概して0.1~95重量%、好ましくは0.5~90重量%の活性化合物を含む。
【0113】
それ自体でまたは配合物で、上記で定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤は、他の農学的活性化合物、例えば、公知の非ALSインヒビター除草剤との混合物として、望ましくない植生を防除するために、例えば、雑草を防除するために、または、望ましくない作物植物を防除するために使用することもでき、例えば、最終配合物またはタンクミックスが可能である。
【0114】
上記で30定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤と、他の公知の活性化合物、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、解毒剤、薬剤軽減剤、鳥類忌避剤、植物栄養素および土壌構造改善剤との混合物の使用も同様に可能である。
【0115】
上記で定義されている群(A)、(B)、(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤は、これ自体で、配合物の形態で、または更なる希釈によりこれから調製される使用形態で、例えば、即時使用溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末、ペーストおよび顆粒で使用され得る。施用は、慣例の方法で、例えば、散水、噴霧、微粒化、散布によって実施される。
【0116】
本発明によると、上記で定義されている群(A)、(B)、および(C)のいずれかに属するALSインヒビター除草剤の1以上が、単独で、または、群(D)に属する1以上の非ALSインヒビター除草剤と組み合わせてのいずれかで、植物(例えば、有害な植物、例えば、単子葉もしくは双子葉雑草または望ましくない作物植物)、種子(例えば、穀粒、種子または栄養繁殖器官、例えば、塊茎、もしくは芽のある新芽部)または耕地領域(例えば、土壌)に、好ましくは緑色植物および植物の部分に、ならびに、適切な場合、加えて土壌に施用され得る。1つの可能な使用は、タンクミックスの形態での活性化合物の共同施用であり、ここで、個々の活性化合物の最適に配合された濃縮配合物が、一緒に、タンクにおいて水と混合され、得られた噴霧液が施用される。
【0117】
追加の定義
本発明をより良好に定義しかつ本発明の実用において当業者をガイドするために、以下の定義を付与する。別途記述されていない限り、用語は、当業者による従来の使用にしたがって理解されるべきである。
【0118】
本明細書において使用されているとき、用語「植物」は、植物細胞、植物プロトプラスト、ビート植物が再生され得る組織培養の植物培養、植物カルス、植物塊、および植物または植物の部分において無傷である植物細胞、例えば、花粉、花、種子、葉、茎などを含む。繁殖物質および収穫可能な部分、例えば、根、特に、ビート根も含まれる。
【0119】
植物の部分は、無傷の植物全体に付着していても、これから分離していてもよい。かかる植物の部分として、限定されないが、植物の器官、組織および細胞、ならびに、好ましくは種子が挙げられる。
【0120】
本明細書において使用されているとき、用語「集団」は、共通の親起源を所有する植物の遺伝的に異質な集合を意味する。
【0121】
本明細書において使用されているとき、用語「品種」および「栽培品種」は、遺伝的系統および性能によって同じ種内の他の品種から同定され得る類似の植物の群を意味する。
【0122】
本明細書において使用されているとき、「アレル」は、染色体上の所与の遺伝子座におけるゲノム配列の2以上の代替の形態のうちの1つを指す。
【0123】
本明細書において使用されているとき、「マーカー」は、生命体間を識別するのに使用され得る検出可能な特徴を意味する。かかる特徴の例として、限定されないが、遺伝子マーカー、生化学的マーカー、代謝産物、形質学的特徴、および農学的特徴が挙げられる。
【0124】
本明細書において使用されているとき、用語「表現型」は、遺伝子発現によって影響され得る細胞または生命体の検出可能な特徴を意味する。
【0125】
本明細書において使用されているとき、用語「遺伝子型」は、植物の具体的なアレル構成を意味する。
【0126】
本明細書において使用されているとき、「エリート」または「栽培」品種または系統は、優れた農学的性能のための育種および選択から得られた任意の品種を意味する。「エリート植物」は、エリート品種または系統に属する植物を指す。数多くのエリート品種が、ビート育種の当業者に利用可能でありかつ公知である。「エリート集団」は、所与の作物種、例えば、ビートの農学的に優れた遺伝子型の観点で最先端の技術を表すのに使用され得るエリート個体または品種の種別である。同様に、「エリート生殖質」またはエリート生殖質株は、農学的に優れた生殖質である。
【0127】
本明細書において使用されているとき、用語「遺伝子移入されている」は、遺伝子座を参照して使用されているとき、例えば戻し交配を通して新しい遺伝的背景に導入された遺伝子座を指す。遺伝子座の遺伝子移入は、植物育種方法を通しておよび/または分子遺伝学的方法によって達成され得る。かかる分子遺伝学的方法として、限定されないが、遺伝子座置換もしくは遺伝子座変換を提供する相同組み換え、非相同組み換え、部位特異的組み換え、および/またはゲノム修飾を提供する種々の植物形質転換技術ならびに/あるいは方法が挙げられる。
【0128】
本明細書において使用されているとき、染色体セグメントの文脈における用語「組み換え体」または「組み換えられた」は、例えば、減数分裂の際の相同染色体間の組み換え事象の結果として、1以上の遺伝子座をこれらが本来は見られない構成において含んでなる組み換え体DNA配列を指す。
【0129】
本明細書において使用されているとき、用語「連結された」は、核酸マーカーおよび/またはゲノム領域の文脈において使用されているとき、当該マーカーおよび/またはゲノム領域が、これらが減数分裂において一緒に分離する傾向があるように同じ連結基または染色体上に位置することを意味する。
【0130】
「配列同一性」および「配列類似性」とは、グローバルまたは局所アラインメントアルゴリズムを使用して、r2つのヌクレオチド配列のアラインメントにより決定され得る。配列は、「実質的に同一」または「本質的に類似」と称されてよく、これらが、例えば、プログラムGAPもしくはBESTFITまたはEmbossプログラム「Needle」(デフォルトパラメータを使用する)によって最適にアラインメントされるときには、少なくともある特定の最小のパーセントの配列同一性を共有する。これらのプログラムは、ニードルマン-ウンシュ法グローバルアラインメントアルゴリズムを使用して、2つの配列をこれら全長にわたりアラインメントして、一致の数を最大にしかつギャップの数を最小にする。一般に、デフォルトパラメータは、ギャップ創出ペナルティ=10およびギャップ伸長ペナルティ=0.5(ヌクレオチドおよびタンパク質アラインメントについて両方)と共に使用される。ヌクレオチドについて、使用したデフォルトスコアリングマトリックスは、DNAFULLである(Henikoff & Henikoff、1992、PNAS 89、10915-10919)。パーセント配列同一性についての配列アラインメントおよびスコアは、例えば、コンピュータプログラム、例えば、ebi.ac.uk/Tools/psa/emboss_needle/下、ワールドワイドウエブにおいて利用可能である、EMBOSSを使用して決定されてよい。代替的には、配列類似性または同一性は、データベース、例えば、FASTA、BLASTなどに対する検索によって決定されてよいが、ヒットは、配列同一性を比較するために、対になって取り出されてアラインメントされるべきである。2つの核酸配列は、パーセント配列同一性が少なくとも85%、90%、95%、98%、99%以上(例えば、少なくとも99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9以上(核酸についてのスコアリングマトリックスDNAFULLを使用し、デフォルトパラメータ、すなわち、ギャップ創出ペナルティ=10、ギャップ伸長ペナルティ=0.5を使用して、Emboss「needle」によって決定される)であるとき、「実質的配列同一性」を有する。マーカーは、特に、プローブによって認識されない領域において、変動を示す場合があり得る。
【0131】
用語「約」は、値が、当該値を決定するのに用いられるデバイスまたは方法に関する誤差の標準偏差を含むことを示すのに使用される。特許請求の範囲における用語「または」の使用は、代替のみを指すことが明確に示されていない限り、または、当該代替が互いに排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替のみを指しかつ「および/または」を指すという定義を支持するものではない。特許請求の範囲において語「含んでなる」または他のオープンな言語と併せて使用されているとき、語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、特に記述されていない限り、「1以上」を示す。用語「含んでなる(comprise)」、「有する(have)」および「含む(include)」は、オープンエンドの連結動詞である。これらの動詞の1つ以上の任意の形態または時制、例えば、「含んでなる(comprises)」、「含んでなる(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」および「含む(including)」もまた、オープンエンドである。例えば、1以上の工程を「含んでなる(comprises)」、「有する(has)」または「含む(includes)」いずれの方法も、これら1以上の工程のみを保有することに限定されず、他の列挙されていない工程もカバーする。同様に、1以上の特徴を「含んでなる(comprises)」、「有する(has)」または「含む(includes)」いずれの植物も、これら1以上の特徴のみを保有することに限定されず、他の列挙されていない特徴もカバーする。
【0132】
「内在性」遺伝子は、遺伝子工学技術によって植物内に導入された植物の遺伝子を意味する。
【0133】
本明細書において使用されているとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明確に示していない限り、複数の参照を含むことに注意されなければならない。そのため、例えば、「1つの(a)試薬」への言及は、かかる異なる試薬の1以上を含み、「その(the)方法」への言及は、本明細書に記載されている方法について修飾または置き換えられ得る、当業者に公知の等価の工程および方法への言及を含む。
【0134】
別途示されていない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、当該一連のものにおけるあらゆる要素を指すことが理解されるべきである。当業者は、1を超える常套の実験を使用して、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態との多くの等価物を認識し、またはこれらを解明することができるであろう。かかる等価物は、本発明によって包含されることが意図される。
【0135】
この開示に列挙されている全ての公開公報および特許は、これらの全体が参照により組み込まれる。参照によって組み込まれる材料がこの明細書と相反するまたは矛盾する範囲では、本明細書がいずれのかかる材料にも優先される。
【0136】
寄託情報
BVals_W569Lアレルを含んでなり、SU-12-1と本明細書において称されている、ALSインヒビター耐性ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)ドナー系列の種子は、2010年3月12日に、番号NCIMB41705で、NCIMB、Aberdeen、UKに寄託されている。
【0137】
本明細書を通して、以下の配列表のエントリーが言及される:
配列番号1:野生型参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)からのALS大サブユニットのアミノ酸配列。
配列番号2:野生型参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)からのALS大サブユニットのヌクレオチド配列。
配列番号3:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(BvALS_W569L)からの除草剤耐性大ALSサブユニットのアミノ酸配列
配列番号4:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(BvALS_W569L)からの除草剤耐性大ALSサブユニットのヌクレオチド配列
配列番号5:アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)(At2g31810)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号6:アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)(At2g31810)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号7:アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)(At5g16290)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号8:アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)(At5g16290)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号9:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号10:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号11:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号12:参照ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号13:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型A(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号14:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型A(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号15:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型A(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号16:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型A(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号17:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型B(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号18:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型B(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号19:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型B(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号20:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型B(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号21:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型C(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号22:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型C(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号23:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型C(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号24:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型C(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号25:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型D(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号26:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型D(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号27:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型D(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号28:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型D(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号29:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型E(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号30:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型E(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号31:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型E(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのアミノ酸配列
配列番号32:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)遺伝子型E(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットのヌクレオチド配列
配列番号33:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットの同定のためのマーカーM1のヌクレオチド配列
配列番号34:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットの同定のためのマーカーM2のヌクレオチド配列
配列番号35:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットの同定のためのマーカーM3のヌクレオチド配列
配列番号36:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットの同定のためのマーカーM4のヌクレオチド配列
配列番号37:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM5-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号38:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM6-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号39:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM7-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号40:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM8-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号41:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM9-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号42:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM10-左のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号43:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM11-右のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号44:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM12-右のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号45:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B3_059040)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM13-右のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号46:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM14-右のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号47:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM15-右のマーカーのヌクレオチド配列
配列番号48:ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(B4_074570)からの調節ALS小サブユニットについての、マーカーM16-右のマーカーのヌクレオチド配列
【実施例】
【0138】
BvALSホロ酵素の活性に対する異なる調節サブユニット変異体の影響
材料および方法
触媒BvALSサブユニットおよび調節BvALSサブユニットのコード配列を、シュガービートcDNAからPCR増幅させ、タンパク質発現に好適なベクターにクローニングする。触媒サブユニットに関しては、除草剤耐性変異体W569Lも含む。
タンパク質を、pET-28ベクター(Novagen/Merck)を使用する細菌系において、またはpALiCEベクター(LenioBio)を使用する植物細胞をベースとする系においてのいずれかで発現させる。His-tagを介してタンパク質精製を行う。酵素活性の決定は、アセト乳酸から変換されるアセトインを測定する固定式の比色分析アッセイを使用して、または、ピルビン酸塩の消費をモニタリングする連続アッセイを使用してのいずれかで行う(Chang et al., 1997 Expression, purification and characterization of Arabidopsis thaliana acetohydroxyacid synthase)。
結果および考察
触媒サブユニットのみを使用して実施されるALS活性アッセイは、in vitroで再構成されるホロ酵素をベースとするアッセイと比較して異なる値を結果として生じさせる。調節サブユニットを精製された触媒サブユニットと組み合わせることにより、アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)において実証されているように(Lee et al., 2001)、バリン、ロイシン、およびイソロイシンによる阻害に感受性である活性シミュレーションを結果として生じさせる。
除草剤-耐性突然変異によらないALSホロ酵素の酵素活性は、シュガービート遺伝子型のパネルにおいて見られるアレル変異を反映および試験する、異なる調節サブユニット組み合わせを保有する除草剤耐性ALSホロ酵素との比較において測定する。このアプローチは、堅牢な酵素性能を確実にするために最も良好に作動する触媒および調節ALSサブユニットの組み合わせを同定する。
BvALS調節サブユニットの同定
ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)オルソログの同定は、ALS調節サブユニットをコードする、公開されているアラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子をベースとする。At2g31810(配列番号5および6)は、有効なアラビドプシスALS調節サブユニットであるが、近接のホモログAt5g16290(配列番号7および8)は、潜在的なALS調節サブユニットとして分類される。両方の遺伝子について、シュガービートオルソログは、BLASTによって見出される。BV3_059040は、At2g31810に相当し、BV4_074570は、At5g16290に相当する。参照遺伝子型から抽出されたコード配列、および予測されるアミノ酸配列は、配列表の配列番号9から12において見出され得る。
優良遺伝子型の配列分析に基づいて、堅牢なBvALS酵素性能を確実にするALSインヒビター除草剤耐性を与える調節サブユニットおよび突然変異触媒サブユニット(W569L)の最も適合する組み合わせは、遺伝子型A、B、C、DおよびEと称される。BV3_059040およびBV4_074570の両方についてのこれらのそれぞれのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列は、配列表(配列番号13~32)に見出され得る。段落[00114]も参照されたい。
育種プロセスおよび生成物成長の際にBv3_059040およびBv4_074570アレルを観察するのに好適なマーカーを、以下の表配列表に列挙する。
【表2】
【表3】
【表4】
【配列表】
【国際調査報告】