IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナノパス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-分析物を検出するための装置 図1
  • 特表-分析物を検出するための装置 図2
  • 特表-分析物を検出するための装置 図3
  • 特表-分析物を検出するための装置 図4
  • 特表-分析物を検出するための装置 図5
  • 特表-分析物を検出するための装置 図6
  • 特表-分析物を検出するための装置 図7
  • 特表-分析物を検出するための装置 図8
  • 特表-分析物を検出するための装置 図9
  • 特表-分析物を検出するための装置 図10
  • 特表-分析物を検出するための装置 図11
  • 特表-分析物を検出するための装置 図12
  • 特表-分析物を検出するための装置 図13
  • 特表-分析物を検出するための装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】分析物を検出するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/41 20060101AFI20240918BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01N21/41 102
G01N33/543 595
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514617
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022075993
(87)【国際公開番号】W WO2023039379
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/241,356
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524084344
【氏名又は名称】ナノパス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】バークルンド アリソン
(72)【発明者】
【氏名】タディメティー アモグハ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】サビン ダグ
(72)【発明者】
【氏名】コロシ トラヴィス
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB12
2G059CC16
2G059DD03
2G059DD04
2G059EE01
2G059EE12
2G059HH01
2G059HH02
2G059JJ01
2G059JJ11
2G059JJ13
2G059JJ17
(57)【要約】
本明細書に提供されるのは、分析物を検出するための装置である。いくつかの実施形態では、検出される分析物はヌクレオチド配列からなる。いくつかの実施形態では、分析物は液体溶液中で検出される。いくつかの実施形態では、装置は、ステージ、光源、分光計、およびレンズアセンブリを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のセンサにおいて1つまたは複数の分析物を検出するための装置であって、
光源と、
分光計と、
レンズアセンブリと
を備え、前記レンズアセンブリが、集光素子およびミラーを備え、前記光源が、前記1つまたは複数のセンサ内の電子を励起するように構成され、前記分光計が、表面プラズモン共鳴事象を検出するように構成される、装置。
【請求項2】
前記分光計が、前記1つまたは複数の分析物を検出するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数の分析物が、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数のセンサの各センサが、金属ナノ粒子をさらに含む、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記金属ナノ粒子が、前記1つまたは複数の分析物に結合する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、前記光源によって放出される光路を方向付けるための1つまたは複数のミラーをさらに備える、請求項2~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
ステージおよび前記ステージに機械的に連結される関節式アームをさらに備え、
前記関節式アームが、空間内の1つまたは複数の所定の点で前記光路と交差するように前記ステージを多次元に移動させるように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記金属ナノ粒子が、表面上に固定化される、請求項4~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記表面が透明である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
1つまたは複数の試料中の1つまたは複数の分析物を検出するための方法であって、
前記1つまたは複数の試料を、1つまたは複数のセンサを含む表面上に搭載するステップと、
前記表面を、ステージ、光源、および分光計を備える装置に配置するステップであって、前記1つまたは複数の試料が、1つまたは複数の表面の上にあり、1つまたは複数のセンサを含む前記1つまたは複数の表面の各表面が、固定化された金属粒子を含む、配置するステップと、
一連の波長の前記光源からの光を前記表面に照射するステップと、
前記固定化された金属粒子の吸光度、透過率、または消光データを測定するステップと、
目的の分析物への照射の前後で、前記固定化された金属粒子の吸収スペクトル、透過スペクトル、または消光スペクトルを比較するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の分析物が、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つもしくは複数の試料、1つもしくは複数の分析物、または表面が、細胞を溶解するように熱的、機械的、化学的、または生物学的処理に最初に曝露される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記分析物が、濃縮または濾過ステップを介して濃縮される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の分析物が、細菌、ウイルス、ヒト細胞、および/またはそれらのそれぞれの遺伝物質を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記比較するステップが、細菌、ウイルス、ヒト細胞、および/またはそれらのそれぞれの遺伝物質が存在する場合に光学ピークシフトを観察することを含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
複数のセンサにおいて1つまたは複数の分析物を検出するための方法であって、
前記複数のセンサを、ステージ、光源、関節式アーム、および分光計を備える装置に搭載するステップであって、前記複数のセンサの各々が、固定化された金属粒子を含む表面を含み、前記複数のセンサにおける各センサが、前記複数のセンサにおける他の全てのセンサから物理的に隔離されている、ステップと、
前記複数のセンサにおけるセンサが、前記光源から発せられるビーム経路と交差するように前記ステージを前記関節式アームによって移動させるステップと、
前記ビーム経路に沿って進む、一連の波長の光を前記光源から、前記センサの表面に放出するステップと、
前記分光計によって、前記表面の吸光度、透過率、または消光データを取得するステップと、
前記センサの吸収スペクトル、透過スペクトル、または消光スペクトルを基準スペクトルと比較するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の分析物が、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つもしくは複数の試料、1つもしくは複数の分析物、または表面が、細胞を溶解するように熱的、機械的、化学的、または生物学的処理に最初に曝露される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記分析物が、濃縮または濾過ステップを介して濃縮される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記基準スペクトルが、曝露および標的分析物とのインキュベーションの前に前記分光計によって取得された前記金属粒子のベースラインデータである、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数の分析物が、細菌、ウイルス、ヒト細胞および/またはそれらのそれぞれの遺伝物質を含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記比較するステップが、細菌、ウイルス、ヒト細胞、および/またはそれらのそれぞれの遺伝物質が存在する場合に光学ピークシフトを観察することを含む、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月7日に出願された米国仮出願第63/241,356号の利益を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、概して、生物学的物質および化学的物質を含む、様々な材料の検出または検知に関する。より具体的には、本明細書で提供されるのは、核酸を検出するための装置および方法である。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
生物医学研究、臨床診断、環境試験、および他の関連分野では、高い精度、感度、特異性、再現性、および使いやすさで生体分子および化学物質などの分析物を検出するための装置およびシステムを有することが有益である。例えば、生体試料中の特定の分析物を検出するための高速、迅速、かつ正確な検査を有することは、臨床診断の状況で役立ち、最適な治療レジメンを決定する際に医師を支援することができる。
【0004】
疾患状態と強い因果関係を共有する生体分子の1つのクラスがヌクレオチドであり、特定のヌクレオチド配列の検出は、臨床診断を示唆または裏付ける可能性がある。しかしながら、一次患者試料から効率的な方法でヌクレオチドまたはヌクレオチド配列を観察、検出、またはその他の方法で分析することは、様々な理由のために臨床的状況において妨げられてきた。したがって、操作の容易な分析物検出システムまたは装置は、臨床環境において多大な利益をもたらすであろう。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示されるのは、試料内の生体分子および化学物質、例えば、液体試料内のポリヌクレオチドなどの様々な構成分析物を検出する際に使用するための装置である。
【0006】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、キット、および方法の各々は、いくつかの態様を有し、それらのうちの1つだけがそれらの望ましい属性の唯一の原因となることはない。特許請求の範囲を限定することなく、いくつかの顕著な特徴を本明細書で説明する。より少ない、追加的な、および/または異なる構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、および利点を有する例を含む、多数の他の例も企図される。構成要素、態様、およびステップはまた、異なって配置および順序付けされてもよい。本明細書に開示されるデバイスおよび/または装置の任意の特徴は、任意の望ましい様式および/または構成で一緒に組み合わされてもよいことを理解されたい。さらに、デバイスを使用する方法の任意の特徴は、任意の望ましい様式で一緒に組み合わされてもよいことを理解されたい。さらに、この方法および/またはデバイスおよび/またはアレイの特徴の任意の組み合わせが一緒に使用されてもよく、および/または本明細書に開示される例のいずれかと組み合わされてもよいことを理解されたい。なおさらに、デバイスおよび/またはアレイのいずれか、および/または方法のいずれかの任意の特徴もしくは特徴の組み合わせは、任意の望ましい様式で一緒に組み合わされてもよく、および/または本明細書に開示される例のいずれかと組み合わされてもよいことを理解されたい。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、標的分析物の存在を分光学的に決定するための装置である。この装置は、ステージ、光源、分光計、およびレンズアセンブリを備える。ステージは、アクチュエータアームおよび試料ホルダを備える。いくつかの実施形態では、試料ホルダは顕微鏡スライドを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドは25mm×75mmである。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドは1mm厚である。いくつかの実施形態では、スライドは、ウェルを有する1~2mm厚のPDMS層にさらに特徴がある。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドはカバースリップにさらに特徴がある。いくつかの実施形態では、カバースリップは約170μmである。いくつかの実施形態では、試料ホルダは、流体または固体試料を処理するように設計されたカートリッジ、カセット、またはモジュールを含むが、これらに限定されないマイクロ流体デバイスを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、複数のセンサ部位が単数または複数のマイクロ流体デバイスの表面上に存在し、その複数のセンサ部位は固定化された金属ナノ粒子の集団を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータアームは1つまたは複数の関節度を有する。いくつかの実施形態では、光源は、特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、一連の特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、様々な強度および持続時間で一連の特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、白色光を発するように構成される。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリは、集光素子、光学素子、および少なくとも1つのミラーを備える。いくつかの実施形態では、ミラーまたは複数のミラーは凹面鏡であり得る。いくつかの実施形態では、ミラーまたは複数のミラーは放物面であり得る。いくつかの実施形態では、集光素子は、光学素子の焦点面を調整する。いくつかの実施形態では、光源によって放出された光は、ミラーまたは複数のミラーによって反射される。いくつかの実施形態では、装置の光路は、ミラーまたは複数のミラーの方向によって全体的または部分的に決定される。いくつかの実施形態では、分光計は、光源によって放出された光を遮断するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、吸光度に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、透過率に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、消光に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、標的分析物が金属ナノ粒子と結合した場合に、規定された波長における完全なスペクトルを含むデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、標的分析物が金ナノ粒子を含む金属ナノ粒子と結合または会合する場合に、波長シフトを含むデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、ナノ粒子の物理的特性に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計の波長範囲は500nmから1000nmの間である。いくつかの実施形態では、ステージおよびレンズアセンブリは、試料またはセンサスポットを光ビームとの交差位置に移動させることを含む、試料の位置決めおよび集光を最適化するように相互作用する。いくつかの実施形態では、分光計は、試料またはセンサスポットの位置決めおよび集光を最適化するように移動する。
【0008】
いくつかの実施形態では、装置は出力を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、出力は、分光計によって測定された吸光度、透過率、または消光によって決定される。いくつかの実施形態では、分光計は、任意の数の分析物種に対する金属ナノ粒子の結合に起因する任意の波長シフトを測定する。いくつかの実施形態では、任意の数の分析物種に対する金属ナノ粒子の結合は、屈折率を変化させる。いくつかの実施形態では、屈折率の変化は、表面プラズモン共鳴または他の共鳴振動事象の結果である。いくつかの実施形態では、出力は、プリセット波長からの吸光度、透過率、または消光データを含む。いくつかの実施形態では、出力は、プリセット波長のセットからの吸光度、透過率、または消光データを含む。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態では、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を使用して装置を設定する。いくつかの実施形態では、装置の出力は、GUIを使用してユーザに表示される。いくつかの実施形態では、ユーザは、分光計の積分時間、測定位置、およびアルゴリズム設定を決定するために装置を設定することができる。
【0010】
前述の概念および以下でさらに詳細に説明する追加の概念の全ての組み合わせが、本明細書に開示される発明的主題の一部であると企図され、本明細書に記載される利益および利点を達成するために使用され得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の実施例の特徴は、以下の詳細な説明および図面を参照することによって明らかになるであろう。図面において同様の参照番号は同一でない場合もあるが、同様の構成要素に対応する。簡潔にするために、参照番号または先に説明した機能を有する特徴は、それらが現れる他の図面との関連で説明される場合もあれば、説明されない場合もある。
【0012】
図1】本開示の実施形態を示す。
図2】光源の実施形態の波長および強度を示す。
図3】本開示の実施形態におけるアクチュエータ位置を示す。
図4】本開示の分光計センサに関連するアクチュエータ位置を示す。
図5】本開示の実施形態における装置の状態とともにGUI入力およびプロンプトを示す。
図6】本開示の実施形態における装置の状態とともにGUI入力およびプロンプトを示す。
図7】本開示の実施形態によるGUIスクリーンの進行を示す。
図8】本開示の実施形態によるケーブル入力を示す。
図9】本開示の実施形態による光源および分光計を示す。
図10】本開示の実施形態による光学経路およびセンサアセンブリを示す。
図11】本開示の実施形態による試料カセットおよび試料チップを示す。
図12】本開示の実施形態によるGUIメニューを示す。
図13】本開示の実施形態によるGUIメニューを示す。
図14】本開示の実施形態によるGUIメニューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で言及される全ての特許、出願、公開された出願およびその他の刊行物は、参照された資料およびそれらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。用語または語句が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開された出願およびその他の刊行物に記載された定義に反するか、またはその他の点で矛盾する意味で、本明細書で使用されている場合、本明細書での使用が、参照により本明細書に組み込まれる定義よりも優先する。
【0014】
定義
本明細書で使用される全ての技術的用語および科学的用語は、他に明確に示されない限り、本開示が属する技術分野における当業者に一般的に理解されているものと同じ意味を有する。
【0015】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「and」、および「the」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「配列(a sequence)」への言及は、複数のそのような配列などを含み得る。
【0016】
備える(comprising)、含む(including)、含有する(containing)という用語、およびこれらの用語の様々な形態は、互いに同義であり、同様に広範であることを意味する。さらに、明確に反対に示されない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を備える、含む、または有する例は、追加の要素がその特性を有するか否かにかかわらず、追加の要素を含み得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、分光計とは、物理現象のスペクトル成分を分離して測定するために使用される任意の科学機器を指す。光学分光計の文脈では、光学分光計は光のスペクトルを測定することができ、波長または周波数の関数として当該光の強度を測定する。分光計によって検出される光は、連続スペクトル、発光スペクトル、透過スペクトル、消光スペクトル、または吸収スペクトルから構成され得る。
【0018】
導入
本開示は、概して、光学分光法を使用して試料を分析するための装置およびシステムに関する。特に、本開示は、一連の試料、場合によっては液体試料を分析し、標的分析物が金属ナノ粒子と相互作用または結合する際に生じる波長シフトに基づいて様々な分析物の存在または不在を検出することができる。いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子は表面に固定化され、表面上の所定のスポットまたはセンサに金属ナノ粒子の特定の集団が存在する。本開示の様々な実施形態による分光計によって生成され、測定される特定の波長シフトに基づいて、特定のまたはいくつかの疾患状態に対応する特定のヌクレオチド配列の存在を検出することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、標的分析物の存在を分光学的に決定するための装置である。この装置は、ステージ、光源、分光計、およびレンズアセンブリを備える。ステージは、アクチュエータアームおよび試料ホルダを備える。いくつかの実施形態では、試料ホルダは顕微鏡スライドを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドは25mm×75mmである。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドは1mm厚である。いくつかの実施形態では、スライドは、ウェルを有する1~2mm厚のPDMS層にさらに特徴がある。いくつかの実施形態では、顕微鏡スライドはカバースリップにさらに特徴がある。いくつかの実施形態では、カバースリップは約170μmである。いくつかの実施形態では、試料ホルダは、流体または固体試料を処理するように設計されたカートリッジ、カセット、またはモジュールを含むが、これらに限定されないマイクロ流体デバイスを受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、複数のセンサ部位が単数または複数のマイクロ流体デバイスの表面上に存在し、その複数のセンサ部位は固定化された金属ナノ粒子の集団を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータアームは1つまたは複数の関節度を有する。いくつかの実施形態では、光源は、特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、一連の特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、様々な強度および持続時間で一連の特定の波長を発するように構成される。いくつかの実施形態では、光源は、白色光を発するように構成される。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリは、集光素子、光学素子、および少なくとも1つのミラーを備える。いくつかの実施形態では、ミラーまたは複数のミラーは凹面鏡であり得る。いくつかの実施形態では、ミラーまたは複数のミラーは放物面であり得る。いくつかの実施形態では、集光素子は、光学素子の焦点面を調整する。いくつかの実施形態では、光源によって放出された光は、ミラーまたは複数のミラーによって反射される。いくつかの実施形態では、装置の光路は、ミラーまたは複数のミラーの方向によって全体的または部分的に決定される。いくつかの実施形態では、分光計は、光源によって放出された光を遮断するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、吸光度に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、透過率に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、消光に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、標的分析物が金属ナノ粒子と結合した場合に、規定された波長における完全なスペクトルを含むデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、標的分析物が金ナノ粒子を含む金属ナノ粒子と結合または会合する場合に、波長シフトを含むデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、ナノ粒子の物理的特性に関するデータを収集するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計の波長範囲は500nmから1000nmの間である。いくつかの実施形態では、ステージおよびレンズアセンブリは、試料またはセンサスポットを光ビームとの交差位置に移動させることを含む、試料の位置決めおよび集光を最適化するように相互作用する。いくつかの実施形態では、分光計は、試料またはセンサスポットの位置決めおよび集光を最適化するように移動する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本明細書に提示されるのは、1つまたは複数のセンサにおいて1つまたは複数の分析物を検出するための装置である。この装置は、光源、分光計、およびレンズアセンブリを備え、レンズアセンブリは、集光素子およびミラーを備え、光源は、1つまたは複数のセンサ内の電子を励起するように構成され、分光計は、表面プラズモン共鳴事象を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、分光計は、1つまたは複数の分析物を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物は、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサの各センサは、金属ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子は、1つまたは複数の分析物に結合する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物との金属ナノ粒子の結合は、屈折率の変化をもたらす。いくつかの実施形態では、屈折率の変化は、表面プラズモン共鳴(SPR)に起因する。いくつかの実施形態では、装置は、光源によって放出された光路を方向付けるための1つまたは複数のミラーをさらに備える。いくつかの実施形態では、装置は、ステージと、関節式アームとをさらに備え、関節式アームは、ステージに機械的に連結され、関節式アームは、空間内の1つまたは複数の所定の点において光路と交差するようにステージを多次元に移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子は表面上に固定化される。いくつかの実施形態では、表面はステージの上にある。いくつかの実施形態では、表面は、流体または固体試料を処理するように設計されたカートリッジ、カセット、またはモジュールを含むが、これらに限定されない試料保持デバイス内にある。いくつかの実施形態では、表面は透明である。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の試料中の1つまたは複数の分析物を検出するための方法が記載される。いくつかの実施形態では、方法は、1つまたは複数のセンサを含む表面上に1つまたは複数の試料を搭載し、次いで、ステージ、光源、および分光計を備える装置に表面を配置するステップを含み、1つまたは複数の試料は、1つまたは複数の表面の上にあり、1つまたは複数の表面の各表面は、固定化された金属粒子を含む1つまたは複数のセンサを含む。方法は、一連の波長の光源からの光を表面に照射し、固定化された金属粒子の吸光度、透過率、または消光データを測定するステップをさらに含む。光源からの光を表面に照射した後、方法はまた、固定化された金属粒子の吸光度、透過率、または消光データを測定するステップと、目的の分析物への照射の前後で固定化された金属粒子の吸収スペクトル、透過スペクトル、または消光スペクトルを比較するステップとを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物は、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の試料、1つもしくは複数の分析物、または表面は、細胞を溶解するように熱的、機械的、化学的、または生物学的処理に最初に曝露される。いくつかの実施形態では、分析物は、濃縮または濾過ステップを介して濃縮される。いくつかの実施形態では、濾過ステップは、任意の数のタンジェンシャルフローまたは限外濾過ステップを含み得る。いくつかの実施形態では、濃縮ステップは、複数の細胞集団または細胞集団に由来する物質をプールすることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物は、細菌、ウイルス、ヒト細胞、および/または前述のそれぞれの遺伝物質を含む。いくつかの実施形態では、比較するステップは、細菌、ウイルス、ヒト細胞、またはそれらのそれぞれの遺伝物質が存在する場合に光学ピークシフトを観察することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、複数のセンサにおいて1つまたは複数の分析物を検出するための方法が記載される。方法は、ステージ、光源、関節式アーム、および分光計を備える装置に複数のセンサを搭載するステップを含み、複数のセンサの各々は、固定化された金属粒子を含む表面を含み、複数のセンサにおける各センサは、複数のセンサにおける他の全てのセンサから物理的に隔離されている。いくつかの実施形態では、方法は、複数のセンサにおけるセンサが光源から発せられるビーム経路と交差するように、関節式アームによってステージを移動させるステップをさらに含む。次に、方法は、光源から、一連の波長の光をセンサの表面に照射し、光がビーム経路に沿って進み、分光計によって、表面の吸光度、透過率、または消光データを取得するステップを含む。方法にはさらに、センサの吸収スペクトル、透過スペクトル、または消光スペクトルを基準スペクトルと比較するステップが挙げられる。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物は、核酸、無細胞核酸、DNA、RNA、miRNA、オリゴヌクレオチド、ペプチド核酸、タンパク質、または細胞を含む。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の試料、1つもしくは複数の分析物、または表面は、細胞を溶解するように熱的、機械的、化学的、または生物学的処理に最初に曝露される。いくつかの実施形態では、分析物は、濃縮または濾過ステップを介して濃縮される。いくつかの実施形態では、濾過ステップは、任意の数のタンジェンシャルフローまたは限外濾過ステップを含み得る。いくつかの実施形態では、濃縮ステップは、複数の細胞集団または細胞集団に由来する物質をプールすることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の分析物は、細菌、ウイルス、ヒト細胞、および/または前述のそれぞれの遺伝物質を含む。いくつかの実施形態では、比較するステップは、細菌、ウイルス、ヒト細胞、またはそれらのそれぞれの遺伝物質が存在する場合に光学ピークシフトを観察することを含む。
【0025】
操作
図1は、本開示に記載される分析物を検出するための装置の実施形態を示し、光源10で放出される光の光路および光学設計を示す。この実施形態では、光は、光源10で放出され、ミラー20に反射し、精密ミラー30から反射される。精密ミラー30を通過した光は、次にステージ50を通過し、そこで光は次にミラー40によって反射され、光ファイバケーブル70に向けられ、光路は分光計80で終了する。いくつかの実施形態では、並進アーム60は、試料を搭載(ロード、load)するためにステージを拡張するため、または分光計によって分析される特定の試料もしくは位置を変更するために、ネスト50を移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、精密ミラー30は、光源10によって放出された光ビームを集光し、方向付けるように構成された光学素子からさらに構成される。これらの追加の実施形態は、光学ステージ内にある2つのレンズを含み、一方は、試料に当たる前に光を集光させて調整し、他方は、分光計を通過した光を試料に集光させる。ステージ50に搭載された試料を通過した光は、分光計80によって収集される吸光度データを生成する。分析物が金属ナノ粒子と結合したときに発生する波長シフトも収集することができる。
【0026】
図2は、波長の関数としての強度に関する光源比較の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、光源はランプと呼ばれることがある。標準の可視スペクトル以外の、より広い範囲の光を放出する能力を有する光源を有することが有利であり得る。いくつかの実施形態では、より高い近赤外および赤外波長における吸光度特性の収集が提供される。
【0027】
図3および図4は本開示の実施形態を示し、関節式アームは、ステージに動作可能に接続されている。いくつかの実施形態では、ステージは、試料領域をさらに含んでもよい。図3において、関節式アームは、ステージおよび試料領域上に試料を搭載するために、アセンブリ筐体の外側の位置までステージを拡張する。搭載されると、関節式アームは後退し、ステージおよび試料領域が筐体内で移動する。図4は、装置内の試料領域およびステージを示す。いくつかの実施形態では、試料領域は、本開示のいくつかの実施形態において生成される光路の間に配置される。いくつかの実施形態では、関節式アームは、光路内に試料領域を配置するためにステージを移動させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数の試料が試料領域に搭載される。いくつかの実施形態では、試料領域の移動は、光路に新たな試料をセットすることを可能にする。
【0028】
図5は、本開示のGUIの実施形態を示し、ユーザが設定を入力し、装置の自動試料処理および分析アルゴリズムを変更するオプションを選択することができるグラフィックユーザインタフェース(GUI:graphic user interface)である。ステップ(Step)1は、本開示のスプラッシュスクリーンを示す。ステップ2で、ユーザが、テストを実行するかどうかを選択するか、または実験設計に基づいて個別のパラメータを選択することを可能にする。セットアップ(Setup)1は、ユーザが関連する試料および対照の座標を選択および入力することを可能にする。セットアップ2は、分光計測定の積分時間を設定し、一方、セットアップ3は、ユーザが、ピーク検出アルゴリズムに関連付けられたパラメータを手動で入力することを可能にする。最後に、セットアップ4は、ユーザがファイルから設定をセーブまたはロード(load)することを可能にする。
【0029】
図6は、本開示の実施形態を示し、ユーザは装置の所望の設定を選択し、装置を実行して出力を生成し、出力結果を確認する。
【0030】
図7は、本開示の実施形態を示し、ユーザメニューオプションは、ユーザ入力に基づいて、後続または以前のメニュースクリーンに誘導する。いくつかの実施形態では、スクリーン1はスクリーン2に進み、スクリーン2は、ユーザが「テスト」または「セットアップ」のどちらを選択したかに応じて、スクリーン3またはスクリーン8のいずれかをロードすることができる。スクリーン3におけるユーザは、どちらのメニューオプションを選択するかに応じて、スクリーン4またはスクリーン8のいずれかに進むことができる。スクリーン4はスクリーン5に進み、そこでユーザは次いで中断してスクリーン4に戻るか、またはテストを完了まで実行させてスクリーン6で結果を見ることができる。スクリーン6は、実行の詳細をスクリーン7で見ることを可能にする。
【0031】
図8は、本開示の実施形態における一連のケーブル入力を示す。これらのケーブル入力は、電源入力、および少なくとも1つのデータ出力ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、複数のデータ出力ポートが存在し得る。図9は、本開示の光源および分光計アセンブリを示す。さらに、図10は、本開示による光学経路および光路を示す。
【0032】
図11は、本開示の装置のステージ上への試料カセットおよび試料チップの配置を示す。生体試料または環境試料などの試料が試料チップに導入される。試料チップは、検出される少なくとも1つの分析物と結合するように構成された金属ナノ粒子などのプラズモンナノ材料を有する領域を含む。試料チップおよび試料カセットがステージ上に配置されると、ステージは分析物検出デバイスのハウジング内に格納される。プラズモンナノ粒子領域を通して光路を誘導しながら、吸収スペクトルが収集される。
【0033】
金属ナノ粒子などのプラズモンナノ材料の特有の物理的特性は、表面プラズモン共鳴(SPR:surface plasmon resonance)または局在表面プラズモン共鳴(LSPR:localized surface plasmon resonance)を通じて、特定の分析物の簡便な検出を可能にする。分析物がプラズモンナノ粒子に結合したときの吸光度の分析により、特定の疾患状態を迅速かつ効果的に診断することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、分析物の検出に関する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、ステージ、光源、分光計、およびレンズアセンブリを備える装置に試料を搭載するステップを含み、試料は、固定化された金属粒子および分析物複合体を含む表面を含む。次いで光源によって光を放出し、光は、特定の波長で電子を励起するように構成され、分光計によって波長シフトを取得し、吸光度、透過率、または消光データを生成し、装置は、光が光路をたどるように導くように構成される。
【0035】
図12~14は、本開示の一連のGUIメニュー、セットアップ、測定、および出力表示を示す。
【0036】
特定の例を説明してきたが、これらの例は例示としてのみ提示したものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。実際に、本明細書に記載される新規な方法およびシステムは、他の様々な形態で具現化され得る。さらに、本明細書に記載されるシステムおよび方法における様々な省略、置換および変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および趣旨に入るような形態または修正を含むことを意図している。
【0037】
特定の態様または例と関連して記載される特徴、材料、特性、または群は、それらと矛盾する場合を除き、この節または本明細書の他の箇所に記載された任意の他の態様または例にも適用可能であると理解されるべきである。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれかを含む)に開示された特徴の全て、および/またはそのように開示された任意の方法もしくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護は、いずれかの前述の例の詳細に限定されるものではない。保護は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれかを含む)に開示された特徴のいずれかの新規なもの、もしくはいずれかの新規な組み合わせ、またはそのように開示されたいずれかの方法もしくはプロセスのステップのいずれかの新規なもの、もしくはいずれかの新規な組み合わせに及ぶ。
【0038】
さらに、別個の実装の文脈で本開示に記載されている特定の特徴は、単一の実装において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実装において別々に、または任意の適切な部分的組み合わせで実装することもできる。さらに、特徴は特定の組み合わせで作用するものとして上述されることがあるが、場合によっては、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴をその組み合わせから除外することができ、その組み合わせは、部分的組み合わせまたは部分的組み合わせのバリエーションとして特許請求されることがある。
【0039】
さらに、操作は、特定の順序で図面に示され得るか、または明細書に記載され得るが、そのような操作は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、もしくは連続した順序で実行される必要はなく、または全ての操作が実行される必要もない。特に、GUI要素またはユーザへの表示に関連して提示される要素は、望ましい結果を達成するために任意の特定の順序で提示され得る。図示または記載されていない他の操作を、例示の方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、1つまたは複数の追加の操作を、記載された操作のいずれかの前、後、同時、または間に実行することができる。さらに、他の実装において、操作を並べ替えるか、または順序を変更することもできる。当業者は、いくつかの例において、例示および/または開示されたプロセスで実際に行われるステップが、図面に示されたものとは異なる場合があることを理解するであろう。例によっては、上記のステップの一部が削除されてもよいか、または他のステップが追加されてもよい。さらに、上記に開示された特定の例の特徴および属性は、追加の例を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、これらの全ては本開示の範囲内に含まれる。また、上記の実装における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実装においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載された構成要素およびシステムは、一般に、単一の製品に一緒に統合されてもよいか、または複数の製品にパッケージ化されてもよいことは理解されるべきである。例えば、本明細書に記載された光路システムのための構成要素のいずれかは、別々に提供され得るか、または一緒に統合されて(例えば、一緒にパッケージ化されるか、または一緒に取り付けられる)、分析物分析システムを形成することができる。
【0040】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規な特徴を本明細書に記載する。必ずしも全てのそのような利点が、任意の特定の例に従って達成され得るとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点の群を達成する方法で具現化または実施され得ることを認識するであろう。
【0041】
「できる(can)」、「し得る(could)」、「であろう(might)」、または「してもよい(may)」のような条件付きの言語は、他の意味をなすように具体的に言及していない限りにおいて、また、用いられる文脈において他の意味をなすように理解されない限りにおいて、特定の特徴、要素、および/またはステップが、特定の例には含まれ、他の例には含まれないことを伝えることを、通常は意図している。このように、このような条件付きの言語は通常、特徴、要素、および/またはステップがいずれにしても1つまたは複数の例において必要とされることを暗示することを意図するものではなく、また、これらの特徴、要素、および/またはステップがいずれかの具体的な例に含まれるか、または実行されるかについての、ユーザによるインプットまたはプロンプトを伴うまたは伴わない決定のための論理を、1つまたは複数の例が必ず含むことを暗示することを意図するものでもない。
【0042】
「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という語句などの、結合言語は、他の意味をなすように具体的に言及していない限り、通常用いられる文脈において理解され、ある事項、用語などが、X、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるものである。このように、そのような結合言語は通常、特定の例が、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、およびZの少なくとも1つの存在が必要であることを暗示することを意図したものではない。
【0043】
「およそ」、「約」、「通常は」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を示す言語は、言及された値、量、または特性に近似した値、量、または特性であって、その値、量、または特性をとるとしても所望の機能を果たすか、または所望の結果を達成する、値、量、または特性を表す。
【0044】
本開示の範囲は、この節または本明細書の他の箇所における好ましい例の具体的な開示によって限定されることを意図するものではなく、この節もしくは本明細書の他の箇所において提示されるか、または将来提示される特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲に採用された文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書または本出願の審査中に記載された例に限定されるものではなく、これらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。
【0045】
前述の発明を特定の好ましい実施形態に関して説明してきたが、他の実施形態も当業者には明らかであろう。さらに、他の組み合わせ、省略、置換および修正は、本明細書の開示に鑑みて、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、好ましい実施形態の記載によって限定されることを意図するものではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照することによって定義される。本明細書において引用される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0046】
本明細書で提示される説明で使用される専門用語は、いずれかの限定的または制限的な様式で解釈されることを意図するものではなく、他に示されない限り、本明細書に鑑みて当業者に理解されるような通常の意味を指す。さらに、実施形態は、いくつかの新規な特徴を含み、それらからなり、それらから本質的になり得るが、それらのうちの1つだけがその望ましい属性の唯一の原因でも、または本明細書に記載される実施形態を実施するために必須であると考えられるものでもない。本明細書で使用される場合、節の見出しは、構成上の目的のためだけであり、記載された主題をいかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、論文、書籍、専門書、およびインターネットのウェブページを含むが、これらに限定されない、本出願において引用される全ての文献および類似の資料は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。組み込まれた参考文献における用語の定義が、本教示において提供される定義と異なるようである場合、本教示において提供される定義が優先するものとする。本教示で議論される温度、濃度、時間などの前には、わずかで実質的ではない逸脱が本明細書の本教示の範囲内にあるような、黙示の「約」が存在することが理解されるであろう。
【0047】
本開示は、特定の実施形態および例の文脈にあるが、当業者であれば、本開示が、具体的に開示された実施形態を越えて、実施形態の他の代替的な実施形態および/または使用、ならびにそれらの明らかな修正および均等物に及ぶことを理解するであろう。さらに、実施形態のいくつかのバリエーションが示され、詳細に説明されてきたが、本開示の範囲内である他の修正は、本開示に基づいて当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分的組み合わせがなされ、それでもなお本開示の範囲内に含まれることが企図される。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、本開示の様々な様式または実施形態を形成するために、互いに組み合わされ得るか、または互いに置換され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される本開示の範囲は、上記の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】