(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】単一のポンプを伴う複数の噴霧器を有する拡散器
(51)【国際特許分類】
B05B 17/00 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
B05B17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514628
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022042745
(87)【国際公開番号】W WO2023043649
(87)【国際公開日】2023-03-23
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524084827
【氏名又は名称】アイディアル リビング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュピーゲル,ピーター ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン,マイケル
【テーマコード(参考)】
4D074
【Fターム(参考)】
4D074AA03
4D074BB01
4D074BB02
4D074FF01
4D074FF06
4D074FF09
4D074FF11
(57)【要約】
単一のポンプに関連付けられた複数の噴霧器を有する拡散器が提供される。拡散器は、拡散器に取り外し可能に結合され得る4つ以上の噴霧器を含み得る。各噴霧器は、同じ又は異なるオイルを格納し得る。いくつかの実施形態では、噴霧器の出口は、大きいオイル液滴の拡散を防止するための蛇行通路を有し得る。拡散器は、複数の噴霧器に関連付けられた複数の弁を含み、弁は、選択された噴霧器への流れを可能にするために選択的に作動され得る。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散器であって、
ポンプと、
複数の噴霧器であって、前記複数の噴霧器の各噴霧器が、それぞれの導管を介して前記ポンプに結合されている、複数の噴霧器と、
前記導管の各々に関連付けられ、かつ前記ポンプから前記それぞれの噴霧器への流れを選択的に可能にするように構成された弁と、を備える、拡散器。
【請求項2】
前記複数の噴霧器が、4つ以上の噴霧器を備える、請求項1に記載の拡散器。
【請求項3】
前記複数の噴霧器が、1つ以上のオイルを保持するように構成されている、請求項1に記載の拡散器。
【請求項4】
前記複数の噴霧器の出口が、所定のサイズを超える液滴の拡散を防止するように構成された蛇行経路を備える、請求項1に記載の拡散器。
【請求項5】
前記蛇行経路が、T字形状を含む、請求項4に記載の拡散器。
【請求項6】
前記蛇行経路が、ジグザグ形状を含む、請求項4に記載の拡散器。
【請求項7】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記それぞれの導管に結合されるように構成された接続部分を備え、前記接続部分が、オイルを保持するように構成されたチャンバ部分に取り外し可能に結合されるように構成されている、請求項1のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項8】
前記弁が、電磁弁を含む、請求項1に記載の拡散器。
【請求項9】
前記ポンプを収容するように構成された基部部分と、
前記基部部分から延在するステム部分と、を更に備え、
前記導管が、前記ポンプから前記ステム部分を通って延在するように構成されている、請求項1に記載の拡散器。
【請求項10】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記ステム部分を介して前記それぞれの導管に取り外し可能に結合されるように構成されている、請求項9に記載の拡散器。
【請求項11】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記ステム部分の溝と係合するように構成されたリップを備える、請求項10に記載の拡散器。
【請求項12】
前記基部に取り外し可能に結合されるように構成されたカバーを更に備え、前記カバーが、前記基部に結合されると前記ステム部分を取り囲む、請求項9に記載の拡散器。
【請求項13】
前記ポンプ及び前記弁に動作可能に結合された制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが、前記ポンプを起動し、かつ作動に応じて前記ポンプから前記それぞれの噴霧器への流れを可能にするように前記弁を選択的に起動するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項14】
前記制御モジュールが、ユーザが拡散の長さ、拡散の間隔、又は拡散器の動作の長さのうちの少なくとも1つを選択することを可能にするように構成されている、請求項13に記載の拡散器。
【請求項15】
噴霧器であって、
ポンプに結合されるように構成された入口と、出口と、前記入口及び前記出口と流体連通している排出チャンバと、を備える、接続部分を備え、前記接続部分が、オイルを保持するように構成されたチャンバ部分に、取り外し可能かつ流体的に結合されるように構成されており、
前記出口が、前記ポンプの作動時に所定のサイズを超える前記オイルの液滴の拡散を防止するように構成された蛇行経路を備える、噴霧器。
【請求項16】
前記蛇行経路が、T字形状を含む、請求項15に記載の噴霧器。
【請求項17】
前記蛇行経路が、ジグザグ形状を含む、請求項15に記載の噴霧器。
【請求項18】
前記接続部分の前記入口が、前記ポンプのハウジングの溝と係合するように構成されたリップを備える、請求項15に記載の噴霧器。
【請求項19】
前記接続部分内のオイルの拡散されなかった液滴が、前記チャンバ部分に戻るように構成されている、請求項15に記載の噴霧器。
【請求項20】
請求項15~19のいずれか一項に記載の複数の噴霧器に取り外し可能に結合されるように構成された拡散器であって、前記拡散器が、
前記ポンプに結合された複数の導管であって、前記複数の導管の各導管が、前記複数の噴霧器のそれぞれの噴霧器に関連付けられている、複数の導管と、
前記複数の導管の各導管に関連付けられ、かつ前記ポンプから前記複数の噴霧器の前記それぞれの噴霧器への流れを選択的に可能にするように構成された弁と、を備える、拡散器。
【請求項21】
拡散器であって、
ポンプと、
複数の噴霧器であって、前記複数の噴霧器の各噴霧器が、それぞれの導管を介して前記ポンプに結合されている、複数の噴霧器と、
前記導管の各々に関連付けられ、かつ前記ポンプから前記それぞれの噴霧器への流れを選択的に可能にするように構成された弁と、
オイルバランサと、を備え、前記オイルバランサが、
複数のRFIDリーダと、
複数のRFIDタグと、
コントローラと、を備え、
前記オイルバランサが、バランスのとれた同時拡散を可能にするように、前記ポンプから前記それぞれの噴霧器への流量を制御するように構成されている、拡散器。
【請求項22】
前記複数の噴霧器が、4つ以上の噴霧器を備える、請求項21に記載の拡散器。
【請求項23】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、オイルを保持するように構成されている、請求項21に記載の拡散器。
【請求項24】
前記複数の噴霧器の出口が、所定のサイズを超える液滴の拡散を防止するように構成された蛇行経路を備える、請求項21のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項25】
前記蛇行経路が、T字形状を含む、請求項24に記載の拡散器。
【請求項26】
前記蛇行経路が、ジグザグ形状を含む、請求項24に記載の拡散器。
【請求項27】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記それぞれの導管に結合されるように構成された接続部分を備え、前記接続部分が、オイルを保持するように構成されたチャンバ部分に取り外し可能に結合されるように構成されている、請求項21に記載の拡散器。
【請求項28】
前記弁が、電磁弁を含む、請求項21に記載の拡散器。
【請求項29】
前記ポンプを収容するように構成された基部部分と、
前記基部部分から延在するステム部分と、を更に備え、
前記導管が、前記ポンプから前記ステム部分を通って延在するように構成されている、請求項21に記載の拡散器。
【請求項30】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記ステム部分を介して前記それぞれの導管に取り外し可能に結合されるように構成されている、請求項29に記載の拡散器。
【請求項31】
前記複数の噴霧器の各噴霧器が、前記ステム部分の溝と係合するように構成されたリップを備える、請求項30に記載の拡散器。
【請求項32】
前記基部に取り外し可能に結合されるように構成されたカバーを更に備え、前記カバーが、前記基部に結合されると前記ステム部分を取り囲む、請求項29に記載の拡散器。
【請求項33】
前記複数のRFIDリーダの各RFIDリーダが、前記拡散器の前記ステム部分上に配置されている、請求項29に記載の拡散器。
【請求項34】
前記複数のRFIDタグの各RFIDタグが、前記複数の噴霧器の対応する噴霧器上に配置されており、前記RFIDタグは、前記RFIDタグが配置されている前記噴霧器の前記オイルと対応する、請求項23に記載の拡散器。
【請求項35】
前記複数のRFIDリーダの各RFIDリーダが、前記複数のRFIDタグの対応するRFIDタグを読み取るように構成され、これにより、ユーザが拡散のために前記複数の噴霧器のうちの1つ以上を選択すると、各RFIDリーダが、前記対応するRFIDタグからデータを読み取り、前記データを前記コントローラに送信し、前記コントローラが、バランスのとれた同時拡散を可能にするように、1つよりも多い噴霧器が選択されると、前記データを使用して、各噴霧器に対する最適な流量を判定する、請求項34に記載の拡散器。
【請求項36】
前記ポンプ及び前記弁に動作可能に結合された制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが、前記ポンプを起動し、また作動に応答して前記ポンプから前記それぞれの噴霧器への流れを可能にするように前記弁を選択的に起動するように構成されている、請求項21~35のいずれか一項に記載の拡散器。
【請求項37】
前記制御モジュールが、ユーザが拡散の長さ、拡散の間隔、又は拡散器の動作の長さのうちの少なくとも1つを選択することを可能にするように構成されている、請求項36に記載の拡散器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年9月15日に出願された米国仮特許出願第63/244,526号、及び2022年6月17日に出願された米国仮出願第63/353,423号の優先権を主張し、これらは両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電流拡散器は、オイルを拡散するための単一のポンプに関連付けられた単一の噴霧器を含む。更に、大きいオイル液滴が噴霧器を通して拡散される可能性があり、これは拡散時に周囲の表面に汚れを引き起こすことがある。
【0003】
これらの及び他の考慮すべき事項に関して、本明細書で行われる開示は提示される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
詳細な説明は、添付の図面を参照して記載されている。同じ参照番号の使用は、同様の又は同一の項目を示し得る。様々な実施形態は、図に例解されている要素及び/又は構成要素以外の要素及び/又は構成要素を利用し得、一部の要素及び/又は構成要素は、様々な実施形態において存在しない場合がある。図中の要素及び/又は構成要素は、必ずしも縮尺どおりに描画されているわけではない。本開示を通して、文脈に応じて、単数形及び複数形の用語が互換的に使用され得る。
【0005】
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、拡散器の正面図を描示する。
【
図3A】噴霧器を有しない
図2A及び2Bの拡散器の正面図を描示する。
【
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、噴霧器の斜視図を描示する。
【
図4C】本開示の1つ以上の実施形態による、噴霧器の断面図を描示する。
【
図4D】本開示の1つ以上の実施形態による、噴霧器の断面図を描示する。
【
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による、拡散器
図1A及び
図1Bを通る空気流の概略例解図である。
【
図6A】本開示の1つ以上の実施形態による、オイルバランサを有する拡散器の正面図を描示する。
【
図6B】本開示の1つ以上の実施形態による、
図6Aの拡散器とともに使用するための噴霧器を描示する。
【
図6C】本開示の1つ以上の実施形態による、オイルバランシングプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、概して、拡散器、噴霧器、及びそれらの構成要素に関する。いくつかの例では、拡散器が提供される。拡散器は、ポンプと、複数の噴霧器と、を含み得る。複数の噴霧器の各噴霧器は、それぞれの導管を介してポンプに結合され得る。それぞれの導管の各々は、弁に関連付けられ得る。弁は、ポンプから複数の噴霧器の各々への流れを選択的に可能にし得る。
【0007】
他の例では、噴霧器が提供される。噴霧器は、オイルを含有し得る、チャンバ部分に取り外し可能かつ流体的に結合され得る接続部分を含み得る。接続部分は、入口と、出口と、排出チャンバと、を有し得る。入口は、ポンプに結合され得る。出口は、蛇行経路を含み得る。不法な経路は、ポンプの作動時に、オイルの液滴の拡散が所定のサイズを超えるのを防止し得る。排出チャンバは、入口及び出口と流体連通し得る。
【0008】
更なる例では、オイルバランサを有する拡散器が提供される。拡散器は、ポンプと、複数の噴霧器と、を含み得る。複数の噴霧器の各噴霧器は、それぞれの導管を介してポンプに結合され得る。それぞれの導管の各々は、弁に関連付けられ得る。弁は、ポンプから複数の噴霧器の各々への流れを選択的に可能にし得る。オイルバランサは、複数のRFIDリーダと、複数のRFIDタグと、及びコントローラと、を含み得る。オイルバランサは、バランスのとれた同時拡散を可能にするように、ポンプからそれぞれの噴霧器への流量を制御するのに効果的であり得る。
【0009】
以下、本開示の例示的な実施形態が示される添付図を参照しながら、本開示についてより完全に説明する。しかしながら、本開示は、数多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更が様々な実施形態に対して行われ得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、本開示の広さ及び範囲は、上で説明される例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。以下の説明は、例解目的で提示されており、網羅的であること、又は開示された厳密な形態に限定されることを意図するものではない。代替の実装形態は、本開示の追加のハイブリッド実装形態を形成するために、任意の組み合わせで使用され得ることを理解されたい。例えば、特定のデバイス/構成要素に関して説明される機能のいずれも、別のデバイス/構成要素によって実行され得る。更に、具体的なデバイス特性が説明されているが、本開示の実施形態は、多数の他のデバイス特性に関連し得る。更に、実施形態は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の文言で説明されているが、本開示は、必ずしも説明される具体的な特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、具体的な特徴及び行為は、実施形態を実装するための例解的な形態として開示されている。
【0010】
特定の語及び句は、本明細書では、便宜上のみ使用され、そのような語及び用語は、当業者によって様々な形態及び等価物で一般的に理解される様々な目的及び行動を指すものとして解釈されるべきである。
【0011】
ここで
図1A及び
図1Bを参照すると、例示的な拡散器が提供される。拡散器100は、基部部分102及びカバー104を含み得、カバー104は、基部部分102に取り外し可能に結合され得る。基部部分102及びカバー104は、円形形状を有し得、一緒に結合されると、拡散器100の直径は、基部部分102の底部表面から基部部分102の上部表面に向かって増加し、カバー104の底部縁部からカバー104の上部縁部に向かって減少し得る。
図1Aに示されるように、基部部分102は、拡散器100の機能を実行するためにユーザによって作動され得る1つ以上のアクチュエータ、例えば、アクチュエータ108a、108bを含み得る。例えば、アクチュエータ108aは、拡散器100をオン/オフにするためにユーザによって作動され得、アクチュエータ108bは、拡散器100のライト109を起動するためにユーザによって作動され得る。加えて、基部部分102は、拡散器100を直立させて位置付け、安定化するための1つ以上の脚106を含み得る。
【0012】
図1Bに示されるように、拡散器100は、基部部分102から垂直に延在するステム部分110を更に含み得、カバー104が基部部分102に結合されると、カバー104がステム部分110を覆うようになっている。以下で更に詳細に説明するように、ステム部分110は、1つ以上の芳香オイルを拡散するために、複数の噴霧器200に取り外し可能に結合され得る。
図1Bに示されるように、カバー104は、拡散されたオイル蒸気が複数の噴霧器200から周囲の空気中に出ることができるように、開口部105を含み得る。
【0013】
ここで
図2A及び
図2Bを参照すると、拡散器100が、カバー104が取り外された状態で示されている。
図2Aに示されるように、複数の噴霧器200、例えば、噴霧器200a、200b、200c、200dは、拡散器100のステム部分110に取り外し可能に結合され得る。例えば、噴霧器200は、ネブライザであり得る。ステム部分110は、4つの平面の面を有する正方形又は長方形の断面を有し得、各噴霧器200a、200b、200c、200dがステム部分110のそれぞれの面に結合され得るようになっている。
図2Aは、4つの噴霧器を有する拡散器100を例解しているが、当業者には理解されるように、拡散器100は、それに一度に結合される4つ未満の噴霧器を有し得る。加えて、ステム部分110は、4つ以上の平面の面を有する異なる形状の断面を有し得、ステム部分110が4つ以上の噴霧器を収容し得るようになっている。
【0014】
ここで
図3A~
図3Cを参照すると、拡散器100が、複数の噴霧器200が取り外された状態で示されている。
図3Aに示されるように、ステム部分110は、それぞれの噴霧器と解放可能に係合するための複数の入口、例えば、入口112a、112bを含み得る。したがって、ステム部分110は、4つの噴霧器と解放可能に係合するための4つの入口(
図3Aに示されていない入口112c、112d)を有し得る。各入口は、以下で更に詳細に説明されるように、噴霧器の接続部分の形状に対応する形状を有し得る。例えば、
図3A及び
図3Bに示されるように、各入口は、丸みを帯びた下部分及び平坦な上部分、並びに噴霧器の接続部分のリップと係合するための溝、例えば、溝118a、118b、118c(
図3A及び
図3Bには示されていない溝118d)を有し得る。加えて、各導管の出口、例えば、出口113a、113b、113c、113dは、噴霧器が入口を介してステム部分110に結合されると、噴霧器の通路がそれぞれの出口、例えば、出口113a、113b、113c、113dを介してそれぞれの導管と流体連通するように、ステム部分110のそれぞれの入口内に位置付けられる。
【0015】
図3Bに示されるように、各入口112、112cは、対応する導管、例えば、118a、118cを介して、ポンプ150に流体的に結合され得る。各導管は、基部部分102内のポンプ150からステム部分110を通ってそれぞれの入口まで延在し得る。具体的には、各導管は、以下で更に詳細に説明されるように、それぞれの導管を通るポンプ150からの流れを選択的に可能にするために、弁、例えば、電磁弁(図示せず)を介してポンプ150に結合され得る。
【0016】
図3Cは、拡散器100の上面図である。
図3Cに示されるように、基部部分102は、拡散器100の機能を実行するための複数のアクチュエータ114a、114b、114c、122a、122b、122c、122dと、アクチュエータ114a、114b、114cの各々に関連付けられた複数のインジケータ116a、116b、116c、例えば、ライトと、を含み得る。例えば、アクチュエータ114aは、複数の噴霧器による単一の拡散の長さ、例えば、5秒、10秒、15秒、又は20秒を選択するために、ユーザによって作動され得る。インジケータ116aは、ユーザが、例えば4つから選択するためのオプションの数に対応するライトの数を含み得る。したがって、インジケータ116aを作動させることによるユーザによる選択に基づいて、インジケータ116aは、現在選択されている拡散の長さを示す。
【0017】
加えて、アクチュエータ114bは、噴霧器による拡散の間隔、例えば、5秒、10秒、30秒、又は60秒を選択するために、ユーザによって作動され得る。したがって、アクチュエータ114bの作動は、複数の噴霧器による拡散の間の時間の長さを判定する。インジケータ116bは、ユーザが、例えば、4つから選択するためのオプションの数に対応するライトの数を含み得る。したがって、インジケータ116bを作動させることによるユーザによる選択に基づいて、インジケータ116bは、現在選択されている拡散の間隔を示す。
【0018】
アクチュエータ114cは、拡散プログラムの持続時間、例えば、10分、20分、30分、又は40分を選択するために、ユーザによって作動され得る。インジケータ116cは、ユーザが、例えば4つから選択するためのオプションの数に対応するライトの数を含み得る。したがって、インジケータ116cを作動させることによるユーザによる選択に基づいて、インジケータ116cは、現在選択されている拡散プログラムの持続時間を示す。したがって、ユーザがアクチュエータ114aを介した5秒の拡散、アクチュエータ114bを介した10秒の拡散間隔、及びアクチュエータ114cを介した拡散プログラムの30分の持続時間の長さを選択した場合、拡散器100の複数の噴霧器200は、10秒ごとに一度に5秒、合計30分、オイルを拡散する。当業者によって理解されるように、本明細書に説明される時間の長さは、例解的であるに過ぎず、変化し得る。
【0019】
更に、アクチュエータ122a、122b、122c、122dは、それぞれ、1つ以上の噴霧器、例えば、噴霧器200a、200b、200c、200dを、拡散プログラム中の拡散のために選択するように作動され得る。例えば、ユーザは、拡散プログラム中にアクティブになるように噴霧器200a、200b、200c、200dの任意の組み合わせを選択し得る。したがって、4つの噴霧器200a、200b、200c、200d全てが選択される場合、4つの噴霧器全てが、拡散プログラム中に、例えば、一度に1つずつ、それぞれのオイルを拡散する。噴霧器200a及び200cのみが選択される場合、噴霧器200a、200cのみが拡散プログラム中にそれらのオイルを拡散し、噴霧器200b及び200dはオイルを拡散しない。各噴霧器は、内部に格納された異なるオイルを有し得、そのため、ユーザは、アクチュエータ122a、122b、122c、122dを介して、拡散プログラム中に拡散するためのオイルの組み合わせを選択し得る。加えて、アクチュエータ122a、122b、122c、122dは、各々、関連する噴霧器がいつ選択されるかを示すために、それに関連するインジケータ、例えば、ライトを有し得る。
【0020】
ここで
図4A及び
図4Bを参照すると、例示的な噴霧器が提供されている。噴霧器200a、200b、200c、200dの各々は、同一に構築され得、したがって、本明細書では、噴霧器200としてまとめて説明される。
図4A及び
図4Bに示されるように、噴霧器200は、チャンバ210に取り外し可能に結合され得る接続部分202を含む。例えば、チャンバ210は、それが空であるときに、別の満杯のチャンバと交換され得るように、使い捨てであり得る。代替的に、チャンバ210は、それが空であるときに、接続部分202から結合解除され、再充填され、接続部分202と再結合され得るように、再充填可能であり得る。一緒に結合されているときに、チャンバ210と接続部分202とは、流体連通している。チャンバ210は、噴霧器200を介した拡散のための1つ以上のオイルを内部に格納し得る。
図4Bに示されるように、チャンバ210は、例えば、ねじ機構を介して、接続部分202のねじ付き表面214と係合し得るねじ付き表面216を有し得る。したがって、チャンバ210は、例えば、チャンバ210が同じ又は異なるオイルで再充填される必要があるときに、接続部分202から取り外され得る。
【0021】
加えて、接続部分202は、それを通って延在する通路206を有し、かつ拡散器100のステム部分110の対応する入口と係合するようなサイズ及び形状の接続シャフト204を含む。したがって、接続シャフト204の上部表面は、平坦な形状を有し得、接続シャフト204の底部表面は、丸みを帯び、それによって、ステム部分110の入口の形状と対応し得る。更に、接続シャフト204は、ステム部分110の溝、例えば、溝118aと係合するようなサイズ及び形状のリップ208を有し得る。例えば、噴霧器200をステム部分110の入口、例えば、入口112aと係合させるために、接続シャフト204が入口に挿入され得、次いで噴霧器200が下方に押されて、リップ208を溝、例えば、溝118aと係合させ、それによって噴霧器200を決まった位置に固定し得る。噴霧器200が接続シャフト204及び入口、例えば、入口112aを介してステム部分110に結合されているときに、通路206は、拡散器100及びポンプ150のそれぞれの導管と流体連通している。
【0022】
図4Bに示されるように、接続部分202は、吸引チャンバ217を含み、吸引チャンバ217は、チャンバ210が接続部分202に結合されているときに、通路212を介してチャンバ210と流体連通しており、接続部分202がステム部分110に結合されているときに、通路206を介して拡散器100のそれぞれの導管と流体連通している。例えば、噴霧器200は、可撓性チューブ及び通路212を介したチャンバ210内のオイルの吸引チャンバ217内への吸引を容易にするために、通路212からチャンバ210内へ、その底部に向かって延在する可撓性チューブ(図示せず)を含む。したがって、空気及びオイルは、吸引チャンバ217内で一緒に混合される。次に、混合物は、排出チャンバ218に移動し、そこで、より大きいオイル液滴がより小さいオイル液滴から分離され、これにより、より小さいオイル液滴は、接続部分202の通路222を通って排出され得、より大きいオイル液滴は、通路212を介してチャンバ210内に戻る。通路222は、入口220と、出口224と、を含む。接続部分202の上部分は、拡散を容易にするために円錐形状を有し得る。したがって、噴霧器200が選択されるとき、拡散中、対応する弁は、それぞれの導管を通るポンプ150からの流れ、及び通路206を通る流れを可能にし、これにより、オイル液滴が通路212を通って吸引チャンバ217内に進む。次いで、混合された空気及びオイル液滴は、接続部分202の入口220を通って排出チャンバ218に入り、通路222を通って進み、出口224を介して霧として出る。
【0023】
ここで
図4Cを参照すると、噴霧器の接続部分の代替的な例示的な実施形態が提供されている。噴霧器200’は、
図4Bの噴霧器200と同様に構築され得、同様の構成要素は、同様のプライム記号が付された参照番号によって識別される。例えば、接続部分202’は、接続部分202に対応し、通路206’は、通路206に対応し、吸引チャンバ217’は、吸引チャンバ217に対応し、排出チャンバ218’は、排出チャンバ218に対応し、出口224’は、出口224に対応する、などである。噴霧器200’は、接続部分202’が出口224’と流体連通する蛇行通路を有するという点で、噴霧器200とは異なる。例えば、
図4Cに示されるように、接続部分202’は、排出チャンバ218’と流体連通する第1の入口232及び第2の入口234を有するT字形状の通路230を有する。T字形状の通路230は、より大きいオイル液滴、例えば、所定のサイズを超えるサイズを有するオイル液滴の拡散を防止し、それによって、拡散したオイル蒸気によって引き起こされる汚れを低減/防止する。次いで、拡散されなかったオイル液滴は、排出チャンバ218’及び吸引チャンバ217’の底部に集まり、チャンバ210’に戻り得る。
【0024】
ここで
図4Dを参照すると、噴霧器の接続部分の別の代替的な例示的な実施形態が提供されている。噴霧器200’‘は、
図4Cの噴霧器200’と同様に構築され得、同様の構成要素は、同様の二重プライム記号が付された参照番号によって識別される。例えば、接続部分202’‘は、接続部分202’に対応し、通路206’‘は、通路206’に対応し、吸引チャンバ217’‘は、吸引チャンバ217’に対応し、排出チャンバ218’‘は、排出チャンバ218’に対応し、出口224’‘は、出口224’に対応する、などである。噴霧器200’と同様に、噴霧器200’‘の接続部分202’‘は、出口224’‘と流体連通する蛇行通路を有する。しかしながら、
図4Dに示されるように、接続部分202’‘は、排出チャンバ218’‘と流体連通する入口242を有するジグザグ形状の通路240を有する。ジグザグ形状の通路240は、より大きいオイル液滴、例えば、所定のサイズを超えるサイズを有するオイル液滴の拡散を防止し、それによって、拡散したオイル蒸気によって引き起こされる汚れを低減/防止する。次いで、拡散されなかったオイル液滴は、排出チャンバ218’‘及び吸引チャンバ217’‘の底部に集まり、チャンバ210’‘に戻り得る。加えて、ジグザグ形状の通路240は、排出チャンバ218’‘と流体連通するジグザグ形状の通路240を通って延在する開口部241、例えば、切り欠きを含み得る。例えば、いくつかのオイル粒子は、経時的にジグザグ形状の通路240の内壁に付着し得、それによって、ジグザグ形状の通路240を通る流れを妨げ、これにより、オイル液滴が微細な霧の代わりに出口224’‘から気泡となって出ることができる。したがって、ジグザグ形状の通路240内に経時的に蓄積し得るオイルは、開口部241を介して排出チャンバ218’‘に戻り得る。
【0025】
ここで、
図5A及び
図5Bを参照すると、拡散器100の流れ経路が提供されている。
図5Bに示されるように、空気は、ポンプ150から4つの弁130a、130b、130c、130d(それぞれの導管に関連付けられた各弁)に流れ、関連付けられた導管を通るそれぞれの噴霧器200a、200b、200c、200dへの流れを選択的に可能にする。一対の弁は、共通のハウジングを共有し得る。例えば、弁130a及び130dは、あるハウジングを共有し得、弁130b及び130cは、別の別個のハウジングを共有し得る。上で説明されるように、各弁は、アクチュエータ122a、122b、122c、122dを介した噴霧器の選択に応じて、弁を通る流れを可能にするように作動され得る。
【0026】
図5Aに示されるように、拡散器100は、アクチュエータをポンプ150及び弁130a、130b、130c、130dと電気的に結合するための1つ以上の回路基板140を更に含み得る。したがって、関連するアクチュエータを介してどの噴霧器を起動するか、拡散の長さ、拡散の間隔、及び拡散プログラムの持続時間がユーザによって選択されると、選択された噴霧器に関連付けられた弁、例えば、弁130a、130b、130c、130dは、ポンプ150からの弁を通る流れを可能にする。空気は、対応する導管、例えば、導管120a、120b、120c、120dを通って、選択された噴霧器のそれぞれの通路、例えば、通路206a、206b、206c、206d内に流れ、それによって、選択された噴霧器のチャンバ内のオイルを、それぞれの通路、例えば、通路212a、212b、212c、212dを通して、それぞれの吸引チャンバ、例えば、吸引チャンバ217a、217b、217c、217d内に進ませる。次に、空気/オイルミックスは、それぞれの排出チャンバ、例えば、排出チャンバ218a、218b、218c、218dに進み、それぞれの通路、例えば、通路222a、222b、222c、222dを通って、霧の形態でそれぞれの出口、例えば、出口224a、224b、224c、224dを出る。
【0027】
拡散器100はまた、オイルバランサ300を含み得る。実施形態では、ポンプ150は、複数のオイルの同時拡散を制御し得、オイルバランサ300は、同時拡散中のそれぞれのオイルの拡散速度を制御するのに有効である。オイルバランサ300は、無線周波数識別(RFID)リーダ、例えば、ステム部分110の周りに配節されたRFIDリーダ310a、310b、310c、310dを含む。実施形態では、ステム部分110は、長方形であり、そのため、各RFIDリーダ310a、310b、310c、310dは、ステム部分110の側面上に位置付けられる。他の実施形態では、1つ以上のRFIDリーダ310a、310b、310c、310dは、拡散器100上の任意の場所に位置付けられ得る。
【0028】
各RFIDリーダ310a、310b、310c、310dは、それぞれのRFIDタグ、例えば、RFIDタグ312a、312b、312c、312dに対応する。各RFIDタグ312a、312b、312c、312dは、それぞれの噴霧器200a、200b、200c、200d上に位置付けられ、各噴霧器内に含まれるオイルに関する情報を記憶する。この情報は、オイルの粘度及び効力を含むが、これらに限定されない。RFIDリーダ310a、310b、310c、310dは、それぞれのRFIDタグ312a、312b、312c、312dからデータを読み取り、データをコントローラ320に送信し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のRFIDタグ312a、312b、312c、312dは、拡散器100の噴霧器、キャニスタ、又は他の同様の構成要素の任意の場所に位置付けられ得る。
【0029】
コントローラ320は、一緒に計算デバイスを形成するプロセッサ322及びメモリ324を有する。コントローラ320は、本明細書に開示されるステップ、プロセス、及び機能を実行するように構成され得、1つ以上の入力に基づいて、拡散器100の構成要素を制御する。例えば、ユーザは、同時拡散のために最大4つのオイルを選択し得る。すなわち、ユーザは、同時に拡散するために2つ、3つ、若しくは4つのオイルを選択し得、又は代替的に、ユーザはまた、単一のオイルを選択し得、その場合、オイルバランサ300は非アクティブのままである。複数のオイルが選択されると、コントローラ320は、選択された各オイルに対して最適化された流量を判定し、バランスのとれた拡散を達成するために、ポンプ150から各噴霧器200a、200b、200c、200dへの気流を適宜制御する。
【0030】
選択されたオイルの理想的な流量を判定するために、コントローラ320は、RFIDタグ312a、312b、312c、312dから収集されたデータを読み取り、処理して、選択されたオイルの各々の拡散のバランスをとる。例えば、いくつかのオイルは、同時拡散中に他のオイルの芳香に勝る、より強力な芳香を有する場合がある。RFIDタグ情報から、コントローラ320は、これらの強力なオイルを識別し、それに応じて流量を調節し、すなわち、流量を下げることで、一方のオイルの芳香が他方のオイルのいずれかの芳香に勝らないようにし得る。
【0031】
上記の開示では、本明細書の一部を形成する添付図面が参照されており、添付図面は、本開示が実施され得る具体的な実装形態を例解する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実装形態が利用され得、構造的変更が行われ得ることを理解されたい。本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含み得るわけではないことを示す。更に、そのような句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明される場合、当業者は、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性を認識するであろう。
【0032】
本開示の様々な実施形態が上で説明されてきたが、それらの実施形態は、単なる例示のために提示され、非限定的なものであることを理解されたい。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更がそこで行われ得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示の広さ及び範囲は、上で説明される例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。前述の説明は、例解及び説明の目的のために提示されている。網羅的であること、又は本開示を開示された正確な形態に限定することは意図されていない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能である。別様に明記されていない限り、又は別様に使用される文脈内で理解されている限り、「できる(can)」、「できる(could)」、「し得る(might)」、又は「し得る(may)」などの条件付き文言は、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又はステップを含み得る一方、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図する。したがって、そのような条件付き文言は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の実施形態に任意の方法で必要とされることを暗示することを意図していない。
【国際調査報告】