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特表2024-534967多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車
(51)【国際特許分類】
   A62C 27/00 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
A62C27/00 506
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515440
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2022089604
(87)【国際公開番号】W WO2023035627
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111052761.8
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524088009
【氏名又は名称】大洋泊▲車▼股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李祥▲啓▼
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189AA01
2E189AB01
(57)【要約】
多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車を開示し、消防・救助設備の技術分野に属する。車シャーシ(1)を含み、車シャーシ(1)の尾部には伸縮アーム(2)がヒンジ連結により取り付けられ、伸縮アーム(2)の先端には旋回プラットフォーム(7)が設けられ、旋回プラットフォーム(7)に作業アームが取り付けられ、作業アームの一端に作業バケット(3)が取り付けられ、車シャーシ(1)に反転油圧オイルシリンダ(5)が取り付けられ、車シャーシ(1)の車の運転室に近い位置に前油圧アウトリガー(4)が左右にそれぞれ取り付けられ、伸縮アーム(2)の車の運転室から離れた位置に後油圧アウトリガー(6)が左右にそれぞれ取り付けられ、車シャーシ(1)には補助支持オイルシリンダ(41)が設けられ、車シャーシ(1)の末端に移行油圧オイルシリンダ(7)が左右にそれぞれ取り付けられる。最大高さでの救助半径が小さく、最大救助高さが油圧オイルシリンダの伝動形式により大きく制限されてしまうという従来の高所消防車の技術的課題を解決し、高所の消防又は救助に広く使用される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車シャーシを含む多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車であって、
前記車シャーシの尾部には伸縮アームがヒンジ連結により取り付けられ、前記伸縮アームの先端には旋回プラットフォームが設けられ、前記旋回プラットフォームに作業アームが取り付けられ、前記作業アームの一端に作業バケットが取り付けられ、前記車シャーシには反転油圧オイルシリンダが取り付けられ、前記反転油圧オイルシリンダは、一端がヒンジ連結により前記車シャーシに取り付けられ、他端がヒンジ連結により前記伸縮アームに取り付けられ、前記車シャーシの前記車の運転室に近い位置に前油圧アウトリガーが左右にそれぞれ取り付けられ、前記伸縮アームの前記車の運転室から離れた位置に後油圧アウトリガーが左右にそれぞれ取り付けられ、前記車シャーシには補助支持オイルシリンダが設けられ、前記補助支持オイルシリンダのピストンロッドの伸長方向が垂直上向きであり、前記車シャーシの末端の位置に移行油圧オイルシリンダが左右にそれぞれ取り付けられる、ことを特徴とする多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項2】
前記作業アームは第1固定ホルダを含み、前記第1固定ホルダは、一端が第2固定ホルダに接続され、他端が第1開放部であり、前記第1固定ホルダ内には、第1動力機構によって駆動される第1スライドホルダがスライド可能に取り付けられ、前記第1スライドホルダの前記第1開放部から伸長した端部にはカウンターウェイトが取り付けられ、前記第2固定ホルダの前記第1固定ホルダから離れた端部には第2開放部が設けられ、前記第2固定ホルダ内には、第2動力機構によって駆動される第2スライドホルダがスライド可能に取り付けられ、前記第2スライドホルダの前記第2開放部から伸長した端部には前記作業バケットが取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項3】
前記第2固定ホルダは、ヒンジ連結軸を介してヒンジ連結により前記第1固定ホルダに取り付けられ、前記第2固定ホルダと第1固定ホルダとの間には、第3動力機構によって駆動される位置決めピンが設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項4】
前記第1固定ホルダの前記第2固定ホルダに近い端部に支持アームが固定して取り付けられ、前記支持アームには支持ローププーリが回転可能に取り付けられ、前記第1固定ホルダの前記第1開放部に近い位置にホイスト機構が設けられ、前記第2固定ホルダには吊り上げアームが設けられ、前記ホイスト機構、支持ローププーリ、及び吊り上げアームの間に吊り上げワイヤーロープが設けられ、前記吊り上げアームの前記吊り上げワイヤーロープ吊り上げ点から離れた端部はヒンジ連結により前記第2固定ホルダに取り付けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項5】
前記第2固定ホルダには、前記吊り上げアームの縦方向における位置を限定するための第1制限ブロックが設けられ、前記第2固定ホルダには、前記吊り上げアームの吊り上げ点を前記第2固定ホルダの外平面よりも低く限定するための第2制限ブロックが設けられる、ことを特徴とする請求項4に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項6】
前記伸縮アームは、順次外嵌された複数段の伸縮筒を含み、各段の伸縮筒は、一体に外嵌された複数の伸縮部を含み、各段の伸縮筒は、ワイヤーロープ油圧リフト装置に接続され、第1段の伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフト装置は最外側伸縮部内に設けられ、次段伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフト装置は前段伸縮筒の最内側伸縮部内に設けられ、前記ワイヤーロープ油圧リフト装置はリフト油圧オイルシリンダを含み、前記リフト油圧オイルシリンダのシリンダブロックは対応する伸縮部の底部に固定して取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダのシリンダブロックには固定プーリ群が取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダのピストンロッドには可動プーリ群が取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダと対応する伸縮部との間にリフト用ワイヤーロープが設けられ、前記リフト用ワイヤーロープは、一端が固定されており、他端が可動プーリ群及び固定プーリ群を経て当該段の伸縮筒の最内側伸縮部に固定され、次段伸縮筒の最外側伸縮部は前段伸縮筒の最内側伸縮部内に外嵌され、前段伸縮筒の最内側伸縮部内には、次段伸縮筒に油を供給するための油管送り装置が取り付けられ、前記作業バケットは、最終段伸縮筒の最内側伸縮部の頂部に取り付けられ、前記後油圧アウトリガーは、初段伸縮筒の最外側伸縮部の外面に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項7】
初段伸縮筒の最外側伸縮部及び前段伸縮筒の最内側伸縮部のいずれの底部にも、対応する固定プーリ群のリフト用ワイヤーロープを対応する位置に配分するためのサブローププーリが取り付けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項8】
初段伸縮筒の最外側伸縮部以外の他の伸縮部のいずれの底部にも、壁貫通ホイールが取り付けられ、初段伸縮筒の最外側伸縮部及び前段伸縮筒の最内側伸縮部の内側底部のいずれにも、ボトムステアリングホイールが取り付けられ、最終段伸縮筒の最内側伸縮部以外の他の伸縮部の内側頂部のいずれにも、トップステアリングホイールが取り付けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項9】
前記壁貫通ホイールは、対応する伸縮部を貫通しており、前記リフト用ワイヤーロープは、対応する伸縮部外側から前記壁貫通ホイールに少なくとも2周巻き付けられて前記伸縮部の内側に入る、ことを特徴とする請求項8に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項10】
各段の伸縮筒の前記リフト用ワイヤーロープは、対応する可動プーリ群及び固定プーリ群に巻き付けられて、対応するサブローププーリ、ボトムステアリングホイール、最外側のトップステアリングホイール、隣接する層の伸縮部の壁貫通ホイールに巻き付けられてから、最後に、最内側伸縮部の壁貫通ホイールの上方の位置に固定される、ことを特徴とする請求項9に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項11】
隣接する2つの伸縮部の間に揺動アームが設けられ、前記揺動アームは、一端が外側伸縮部にヒンジ連結により取り付けられ、他端に傾斜案内面が設けられ、前記揺動アームの前記傾斜案内面に近い端部にローラが設けられ、外側伸縮部の先端のフランジには調整ネジが螺合され、前記調整ネジの端部は前記傾斜案内面に当接し、前記調整ネジの作用により前記ローラの外縁は内層伸縮部の外面に当接する、ことを特徴とする請求項10に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項12】
前記油管送り装置は取り付けホルダを含み、前記取り付けホルダには第4動力機構によって駆動される芯筒体が回転可能に取り付けられ、前記芯筒体内にセパレータが設けられ、前記セパレータは、芯筒体のキャビティを給油キャビティと戻り油キャビティに分割し、前記芯筒体には、前記給油キャビティに連通する給油管が固定して取り付けられ、前記芯筒体には、前記戻り油キャビティに連通する油戻り管が固定して取り付けられ、前記給油キャビティは、ロータリージョイントを介して給油管路に接続され、前記戻り油キャビティは、別のロータリージョイントを介して油戻り管路に接続され、前記芯筒体の外面に本体トレイが固定して取り付けられ、前記本体トレイにダブルスロット付きホイールディスクが固定して取り付けられ、前記芯筒体、本体トレイ、及びダブルスロット付きホイールディスクは同軸に設けられ、前記ダブルスロット付きホイールディスク内に給油ホース及び油戻りホースがそれぞれ巻き回されており、前記給油ホースの一端は前記給油管に接続され、前記油戻りホースの一端は前記油戻り管に接続される、ことを特徴とする請求項6~11のいずれか1項に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項13】
前記取り付けホルダにはガイドホイールが回転可能に取り付けられ、前記ガイドホイールの下方にフローティングホイールが設けられ、前記給油ホース及び油戻りホースは、いずれもガイドホイール及びフローティングホイールに巻き付けられて、次段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダに接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項14】
前記取り付けホルダには、第1センサ及び第2センサが設けられ、前記第1センサは、前記ガイドホイールの下方かつ前記フローティングホイールの上方に位置し、前記第2センサは、前記フローティングホイールの下方に位置し、前記第1センサ及び第2センサは、いずれも前記第4動力機構に接続される、ことを特徴とする請求項13に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項15】
前記フローティングホイールと取り付けホルダとの間に引張りバネが設けられ、前記引張りバネは、一端が前記フローティングホイールに固定され、他端が前記取り付けホルダに固定される、ことを特徴とする請求項14に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【請求項16】
前記第4動力機構は、前記固定ホルダに取り付けられたモータを含み、前記本体トレイには、アウタリングギヤが固定して取り付けられ、前記取り付けホルダには、伝動軸が回転可能に取り付けられ、前記伝動軸は、一端に前記アウタリングギヤと噛み合う駆動歯車が取り付けられ、他端が前記モータに伝動可能に接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、消防・救助設備の技術分野に関し、具体的には、多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車に関する。
【背景技術】
【0002】
高層建物の増加に伴い、高層建物の建物高さは、消防救助車両の昇降高さをはるかに上回っており、例えば、現在、世界で最も高い高所救助消防車は、最大救助高さが112mであり、屈折アーム構造を採用しており、車体の長さが18.9m、幅が2.5m、高さが4mであり、最大高さでの消防救助半径が6mであり、転回半径が大きい。このような巨大な車両が住宅団地に入る時に、転回に十分な道路が必要であるが、現在の密集した建物群内では、このような救助車両は入ることができず、車両に搭載された屈折アーム反転構造が作動しているときは、車全体を安定化させるために油圧アウトリガーを使用する必要があり、その結果、油圧パワーが大きく、屈折アーム反転機構が車上にあるため、重心が高く、安定性が悪く、高所での消火・救助においては効果が不十分であり、また、この高所救助消防車では、旋回プラットフォームが主伸縮アームの底部にあり、車のシャーシに取り付けられており、作業バケットが主伸縮アームの上部にあり、底部旋回プラットフォームの回転によって救助位置を特定するが、従来の高所救助車の多くは、屈折アーム構造となっており、最大高さまで伸ばすと、作業バケットの旋回半径が非常に小さくなり、救助距離が限られてしまう。特に、屈折アーム反転構造を有する救助車両は、屈折アームの荷重によって制限されるので、屈折アームが70%以上伸長した状態でのみ全荷重に耐えることができ、屈折アームの伸長中に救助の死角が存在する。つまり、救助高さ88mの消防車は60m以下では救助できないため、高さ88mの高層建物が危険にさらされると、高層階、中層階、及び低層階の救助ニーズに対応するため3台の消防車が同時に出動しなければならない。その結果、設備投資と救助コストが大幅に増加する。
【0003】
節数が限られた伸縮シリンダ構造の形態もあり、この2種類の伸縮アームは、いずれも、油圧シリンダの伸縮によって昇降するが、昇降高さは油圧シリンダの伝達形式により大きく影響される。油圧シリンダのストロークによってのみ伸縮するという単一の伝動により、伸縮アームの救助高さが現在の高層建物の建物高さに合わせることが困難である。
【0004】
さらに、これら2つの構造の伸縮アームは傾斜して伸縮するように取り付けられており、伸縮アームは旋回プラットフォームに取り付けられており、これには共通の欠陥がある。第1に、伸縮アームの伸長高さが大きくなるほど救助半径が小さくなる。第2に、旋回プラットフォームの旋回量が大きく、エネルギー消費が高く、安定性が悪く、旋回速度が遅い。
【0005】
したがって、消防救助設備の技術分野では、多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車に関する研究と改良の必要性が依然として存在し、これは、現在の消防救助分野における研究のホットスポットや重点でもあり、また、本発明を完成させるための出発点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際調査報告を参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、本発明の実施例は、最大高さでの救助半径が小さく、最大救助高さが油圧オイルシリンダの伝動形式により大きく制限されてしまうという従来の高所消防車の技術的課題を解決するための多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成させるために、本発明の実施例は、以下の技術案を提供する。
本発明の実施例によれば、車シャーシを含む多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車であって、前記車シャーシの尾部には伸縮アームがヒンジ連結により取り付けられ、前記伸縮アームの先端には旋回プラットフォームが設けられ、前記旋回プラットフォームに作業アームが取り付けられ、前記作業アームの一端に作業バケットが取り付けられ、前記車シャーシには反転油圧オイルシリンダが取り付けられ、前記反転油圧オイルシリンダは、一端がヒンジ連結により前記車シャーシに取り付けられ、他端がヒンジ連結により前記伸縮アームに取り付けられ、前記車シャーシの前記車の運転室に近い位置に前油圧アウトリガーが左右にそれぞれ取り付けられ、前記伸縮アームの前記車の運転室から離れた位置に後油圧アウトリガーが左右にそれぞれ取り付けられ、前記車シャーシには補助支持オイルシリンダが設けられ、前記補助支持オイルシリンダのピストンロッドの伸長方向が垂直上向きであり、前記車シャーシの末端の位置に移行油圧オイルシリンダが左右にそれぞれ取り付けられる。
【0009】
さらに、前記作業アームは第1固定ホルダを含み、前記第1固定ホルダは、一端が第2固定ホルダに接続され、他端が第1開放部であり、前記第1固定ホルダ内には、第1動力機構によって駆動される第1スライドホルダがスライド可能に取り付けられ、前記第1スライドホルダの前記第1開放部から伸長した端部にはカウンターウェイトが取り付けられ、前記第2固定ホルダの前記第1固定ホルダから離れた端部には第2開放部が設けられ、前記第2固定ホルダ内には、第2動力機構によって駆動される第2スライドホルダがスライド可能に取り付けられ、前記第2スライドホルダの前記第2開放部から伸長した端部には前記作業バケットが取り付けられる。
【0010】
さらに、前記第2固定ホルダは、ヒンジ連結軸を介してヒンジ連結により前記第1固定ホルダに取り付けられ、前記第2固定ホルダと第1固定ホルダとの間には、第3動力機構によって駆動される位置決めピンが設けられる。
【0011】
さらに、前記第1固定ホルダの前記第2固定ホルダに近い端部に支持アームが固定して取り付けられ、前記支持アームには支持ローププーリが回転可能に取り付けられ、前記第1固定ホルダの前記第1開放部に近い位置にホイスト機構が設けられ、前記第2固定ホルダには吊り上げアームが設けられ、前記ホイスト機構、支持ローププーリ、及び吊り上げアームの間に吊り上げワイヤーロープが設けられ、前記吊り上げアームの前記吊り上げワイヤーロープ吊り上げ点から離れた端部はヒンジ連結により前記第2固定ホルダに取り付けられる。
【0012】
さらに、前記第2固定ホルダには、前記吊り上げアームの縦方向における位置を限定するための第1制限ブロックが設けられ、前記第2固定ホルダには、前記吊り上げアームの吊り上げ点を前記第2固定ホルダの外平面よりも低く限定するための第2制限ブロックが設けられる。
【0013】
さらに、前記伸縮アームは、順次外嵌された複数段の伸縮筒を含み、各段の伸縮筒は、一体に外嵌された複数の伸縮部を含み、各段の伸縮筒は、ワイヤーロープ油圧リフト装置に接続され、第1段の伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフト装置は最外側伸縮部内に設けられ、次段伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフト装置は前段伸縮筒の最内側伸縮部内に設けられ、前記ワイヤーロープ油圧リフト装置はリフト油圧オイルシリンダを含み、前記リフト油圧オイルシリンダのシリンダブロックは対応する伸縮部の底部に固定して取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダのシリンダブロックには固定プーリ群が取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダのピストンロッドには可動プーリ群が取り付けられ、前記リフト油圧オイルシリンダと対応する伸縮部との間にリフト用ワイヤーロープが設けられ、前記リフト用ワイヤーロープは、一端が固定されており、他端が可動プーリ群及び固定プーリ群を経て当該段の伸縮筒の最内側伸縮部に固定され、次段伸縮筒の最外側伸縮部は前段伸縮筒の最内側伸縮部内に外嵌され、前段伸縮筒の最内側伸縮部内には、次段伸縮筒に油を供給するための油管送り装置が取り付けられ、前記作業バケットは、最終段伸縮筒の最内側伸縮部の頂部に取り付けられ、前記後油圧アウトリガーは、初段伸縮筒の最外側伸縮部の外面に取り付けられる。
【0014】
さらに、初段伸縮筒の最外側伸縮部及び前段伸縮筒の最内側伸縮部のいずれの底部にも、対応する固定プーリ群のリフト用ワイヤーロープを対応する位置に配分するためのサブローププーリが取り付けられる。
【0015】
さらに、初段伸縮筒の最外側伸縮部以外の他の伸縮部のいずれの底部にも、壁貫通ホイールが取り付けられ、初段伸縮筒の最外側伸縮部及び前段伸縮筒の最内側伸縮部の内側底部のいずれにも、ボトムステアリングホイールが取り付けられ、最終段伸縮筒の最内側伸縮部以外の他の伸縮部の内側頂部のいずれにも、トップステアリングホイールが取り付けられる。
【0016】
さらに、前記壁貫通ホイールは、対応する伸縮部を貫通しており、前記リフト用ワイヤーロープは、対応する伸縮部外側から前記壁貫通ホイールに少なくとも2周巻き付けられて前記伸縮部の内側に入る。
【0017】
さらに、各段の伸縮筒の前記リフト用ワイヤーロープは、対応する可動プーリ群及び固定プーリ群に巻き付けられて、対応するサブローププーリ、ボトムステアリングホイール、最外側のトップステアリングホイール、隣接する層の伸縮部の壁貫通ホイールに巻き付けられてから、最後に、最内側伸縮部の壁貫通ホイールの上方の位置に固定される。
【0018】
さらに、隣接する2つの伸縮部の間に揺動アームが設けられ、前記揺動アームは、一端が外側伸縮部にヒンジ連結により取り付けられ、他端に傾斜案内面が設けられ、前記揺動アームの前記傾斜案内面に近い端部にローラが設けられ、外側伸縮部の先端のフランジには調整ネジが螺合され、前記調整ネジの端部は前記傾斜案内面に当接し、前記調整ネジの作用により前記ローラの外縁は内層伸縮部の外面に当接する。
【0019】
さらに、前記油管送り装置は取り付けホルダを含み、前記取り付けホルダには第4動力機構によって駆動される芯筒体が回転可能に取り付けられ、前記芯筒体内にセパレータが設けられ、前記セパレータは、芯筒体のキャビティを給油キャビティと戻り油キャビティに分割し、前記芯筒体には、前記給油キャビティに連通する給油管が固定して取り付けられ、前記芯筒体には、前記戻り油キャビティに連通する油戻り管が固定して取り付けられ、前記給油キャビティは、ロータリージョイントを介して給油管路に接続され、前記戻り油キャビティは、別のロータリージョイントを介して油戻り管路に接続され、前記芯筒体の外面に本体トレイが固定して取り付けられ、前記本体トレイにダブルスロット付きホイールディスクが固定して取り付けられ、前記芯筒体、本体トレイ、及びダブルスロット付きホイールディスクは同軸に設けられ、前記ダブルスロット付きホイールディスク内に給油ホース及び油戻りホースがそれぞれ巻き回されており、前記給油ホースの一端は前記給油管に接続され、前記油戻りホースの一端は前記油戻り管に接続される。
【0020】
さらに、前記取り付けホルダにはガイドホイールが回転可能に取り付けられ、前記ガイドホイールの下方にフローティングホイールが設けられ、前記給油ホース及び油戻りホースは、いずれもガイドホイール及びフローティングホイールに巻き付けられて、次段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダに接続される。
【0021】
さらに、前記取り付けホルダには、第1センサ及び第2センサが設けられ、前記第1センサは、前記ガイドホイールの下方かつ前記フローティングホイールの上方に位置し、前記第2センサは、前記フローティングホイールの下方に位置し、前記第1センサ及び第2センサは、いずれも前記第4動力機構に接続される。
【0022】
さらに、前記フローティングホイールと取り付けホルダとの間に引張りバネが設けられ、前記引張りバネは、一端が前記フローティングホイールに固定され、他端が前記取り付けホルダに固定される。
【0023】
さらに、前記第4動力機構は、前記固定ホルダに取り付けられたモータを含み、前記本体トレイには、アウタリングギヤが固定して取り付けられ、前記取り付けホルダには、伝動軸が回転可能に取り付けられ、前記伝動軸は、一端に前記アウタリングギヤと噛み合う駆動歯車が取り付けられ、他端が前記モータに伝動可能に接続される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例は、以下の利点がある。
(1)本発明では、旋回プラットフォームは伸縮アームの先端に取り付けられ、作業バケットは第2スライドホルダに取り付けられるので、作業バケットの角度・位置や伸長の長さは救助対象に応じて調整することができ、作業バケットの旋回半径が大きく、救助半径が大きくなり、本発明の使用範囲が広がり、旋回プラットフォームが先端に設けられることによって、旋回量が小さく、小出力モータで旋回プラットフォームを回転させることができ、それによって、エネルギー消費量を大幅に低下させ、旋回速度を大幅に速め、安定性を向上させる。伸縮アームが車シャーシの末端にヒンジ連結されるので、作動の際には、反転油圧オイルシリンダは伸縮アームを垂直状態となるまで反転させ、伸縮アームの底部は地面に近くなる。屈折アームが車シャーシの上方に位置する従来の構造と比較して、伸縮アームの重心を低くし、伸縮アームの安定性を向上させ、伸縮アームが垂直に昇降することで、伸縮高さを救助高さにする。
(2)移行油圧オイルシリンダが設けられることによって、伸縮アームの反転中の不安定さに関する技術的課題を解決し、本発明の実施例の使用安定性を確実にする。
(3)第2固定ホルダがヒンジ連結軸を介してヒンジ連結により第1固定ホルダに取り付けられることにより、第2固定ホルダのヒンジ連結軸の周りの反転を可能にし、折り畳んで輸送することを実現し、占有空間を小さくする。
(4)本発明では、1つのリフト油圧オイルシリンダで複数の伸縮部をリフトすることによって、使用されるリフト油圧オイルシリンダの数を減らし、生産コストを削減させるだけではなく、取り付け空間を節約し、より多くの伸縮部の配置を可能にし、伸縮長さを大きくし、油圧オイルシリンダの伝動形式により伸縮アームのリフト高さの更なる向上が制限されるという従来の伸縮シリンダ構造の技術的課題を解決し、また、伸縮部の断面積をできるだけ増大し、伸縮中の伸縮部の安定性を向上させる。
(5)伸縮部のいずれの底部にも壁貫通ホイールが取り付けられ、リフト用ワイヤーロープは対応する伸縮部の外側から壁貫通ホイールに少なくとも2周巻き付けられて伸縮部の内側に入り、壁貫通ホイールは、溝幅がリフト用ワイヤーロープの3周分の直径しかなく、ホイールの幅方向が伸縮部の鋼板の厚さ方向と一致し、それによって、伸縮部の内部空間を最大限に抑え、伸縮部の有効断面積の利用率を高め、リフト用ワイヤーロープが伸縮部を吊り上げる際には底部に力が印加され、昇降する伸縮部毎の受力のバランスを取り、伸縮部をより安定的に昇降させる。
(6)本発明では、垂直に昇降する伸縮アームの構成が採用されるとともに、作業バケットが第2スライドホルダに取り付けられることによって、本発明の実施例では、伸縮アームの伸縮過程にわたって救助半径を大きく保持しつつ、救助の死角の存在を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施形態又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は単なる例示であることは明らかであり、当業者にとっては、創造的な労力を払うことなく、提供された図面から他の実施図面を得ることもできる。
【0026】
本明細書に示された構造、比率、サイズ等は、いずれも、当業者が理解し、閲覧するために、本明細書に開示された内容と組み合わせられるためにのみ使用されるものであり、本発明が実施可能な限定条件を限定するために使用されるものではないので、技術的に実質的な意味を有さず、いかなる構造の修飾、比率関係の変更、又はサイズの調整も、本発明がもたらすことができる効果及び達成可能な目的に影響を与えることなく、本発明で開示された技術的内容がカバーできる範囲内に留まるものとする。
【0027】
図1】本発明の実施例の構造模式図である。
図2】本発明の実施例に係る伸縮アームの反転中状態の模式図である。
図3】本発明の実施例に係る伸縮アームの反転完了状態の模式図である。
図4】本発明の実施例に係るカウンターウェイト及び作業バケットの接続の構造模式図である。
図5図4におけるA-A断面の構造模式図である。
図6】本発明の実施例に係る伸縮アームの構造模式図である。
図7】本発明の実施例に係る初段伸縮筒のリフト用ワイヤーロープが巻き付けられた構造の模式図である。
図8図7における最外側伸縮部の構造模式図である。
図9図8におけるB-B断面の構造模式図である。
図10図8におけるC-C断面の構造模式図である。
図11】本発明の実施例に係る隣接する2つの伸縮部のリフト用ワイヤーロープの巻き付け関係を示す図である。
図12】本発明の実施例に係る隣接する2つの伸縮部の接続の構造模式図である。
図13図12におけるD-Dの構造模式図である。
図14図12におけるE部の拡大構造模式図である。
図15】本発明の実施例における油管送り装置の構造模式図である。
図16図15におけるF-Fの構造模式図である。
図17】本発明の実施例における油圧アウトリガーの油圧原理を示す図である。
図18】本発明の実施例における油圧アウトリガーの構造模式図である。
【符号の説明】
【0028】
1 車シャーシ
2 伸縮アーム
201 初段伸縮筒
202 2段目の伸縮筒
203 最終段伸縮筒
204 ワイヤーロープ油圧リフト装置
20401 最外側伸縮部
20402 2番目の外側の伸縮部
20403 最内側伸縮部
20404 リフト用ワイヤーロープ
20405 サブローププーリ
20406 ボトムステアリングホイール
20407 トップステアリングホイール
20408 壁貫通ホイール
20409 リフト油圧オイルシリンダ
20410 可動プーリ群
20411 固定プーリ群
20412 フランジ
20413 揺動アーム
20414 傾斜案内面
20415 調整ネジ
20416 ロックナット
20417 内部制限ブロック
20418 ローラ
20419 外部制限ブロック
205 油管送り装置
20501 取り付けホルダ
20502 ダブルスロット付きホイールディスク
20503 ガイドホイール
20504 フローティングホイール
20505 第1センサ
20506 第2センサ
20507 引張りバネ
20508 芯筒体
205081 給油キャビティ
205082 戻り油キャビティ
20509 セパレータ
20510 給油管
20511 油戻り管
20512 本体トレイ
20513 給油ホース
20514 油戻りホース
20515 モータ
20516 伝動軸
20517 アウタリングギヤ
20518 駆動歯車
3 作業バケット
4 前油圧アウトリガー
5 反転油圧オイルシリンダ
6 後油圧アウトリガー
7 移行油圧オイルシリンダ
8 旋回プラットフォーム
9 第1固定ホルダ
10 第1スライドホルダ
11 カウンターウェイト
12 第1モータ
13 第1駆動スプロケット
14 第1従動スプロケット
15 第1チェーン
16 第2モータ
17 第2駆動スプロケット
18 第2従動スプロケット
19 第2チェーン
20 第2固定ホルダ
21 第2スライドホルダ
22 ヒンジ連結軸
23 位置決めピン
24 支持アーム
25 支持ローププーリ
26 ホイスト機構
27 吊り上げアーム
28 吊り上げワイヤーロープ
29 第1制限ブロック
30 第2制限ブロック
31 第2接続板
32 水平オイルシリンダ
3201 第1シリンダブロック
3202 第2シリンダブロック
3203 第3シリンダブロック
3204 プランジャー
3205 第1中心筒
3206 第2中心筒
3207 第3中心筒
3208 通油口
3209 第1水平作動油ポート
3210 第2水平作動油ポート
33 縦方向オイルシリンダ
3301 第1ケーシング
3302 第2ケーシング
3303 第3ケーシング
3304 第4ケーシング
3305 第5ケーシング
3306 第6ケーシング
34 給油管路
35 油戻り管路
36 第1方向切換弁
37 第2方向切換弁
38 第1パイロットチェック弁
39 第2パイロットチェック弁
40 傾角センサ
41 補助支持オイルシリンダ
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態を特定の具体実施例によって説明するが、当業者であれば、本明細書に開示されたものから本発明の他の利点及び有効性を容易に理解することができる。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な労力を払うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0030】
本明細書で引用されている「前」、「後」、「左」、「右」、「中間」、「上」、「下」などの用語もまた、本発明の実施可能な範囲を限定するためのものではなく、説明を容易にするためのものであり、その相対関係の変更又は調整は、技術的内容を実質的に変更しない場合にも、本発明の実施可能な範囲と見なす場合がある。
【0031】
図1図3及び図4に示すように、本発明の実施例は、多段油圧増倍プーリ垂直昇降式クライミングプラットフォーム消防車を提供し、この消防車は車シャーシ1を含み、車シャーシ1の尾部には伸縮アーム2がヒンジ連結により取り付けられ、伸縮アーム2と車シャーシ1とのヒンジ連結点の、伸縮アーム2の底部からの距離が車シャーシ1の高さ以下であることによって、伸縮アーム2の縦方向における位置への反転が確保され、伸縮アーム2の先端には旋回プラットフォーム8が設けられ、旋回プラットフォーム8に作業アームが取り付けられ、作業アームの一端に作業バケット3が取り付けられ、作業アームは第1固定ホルダ9を含み、第1固定ホルダ9は、一端が第2固定ホルダ20に接続され、他端が第1開放部であり、第1固定ホルダ9内には、第1動力機構によって駆動される第1スライドホルダ10がスライド可能に取り付けられ、第1スライドホルダ10の第1開放部から伸長した端部にはカウンターウェイト11が取り付けられ、第2固定ホルダ20の第1固定ホルダ9から離れた端部には第2開放部が設けられ、第2固定ホルダ20内には、第2動力機構によって駆動される第2スライドホルダ21がスライド可能に取り付けられ、第2スライドホルダ21の第2開放部から伸長した端部には作業バケット3が取り付けられる。第1固定ホルダ9及び第2固定ホルダ20は、いずれも角筒状構造であり、一般には、スチールビームを溶接したものであり、同様に、第1スライドホルダ10及び第2スライドホルダ21も、溶接された角筒状構造を採用しており、その断面の形状が、対応する第1固定ホルダ9及び第2固定ホルダ20の内部断面の形状に合わせる。車シャーシ1に反転油圧オイルシリンダ5が取り付けられ、反転油圧オイルシリンダ5は、一端がヒンジ連結により車シャーシ1に取り付けられ、他端がヒンジ連結により伸縮アーム2に取り付けられ、垂直状態では、反転油圧オイルシリンダ5と伸縮アーム2とのヒンジ連結点が、伸縮アーム2と車シャーシ1とのヒンジ連結点よりも高く、それによって、重心の高さが低くなり、安定性が向上し、しかも、伸縮アーム2の垂直昇降が可能になり、最大伸縮長さは最大救助高さとなる。車シャーシ1の車の運転室に近い位置に前油圧アウトリガー4が左右にそれぞれ取り付けられ、伸縮アーム2の車の運転室から離れた位置に後油圧アウトリガー6が左右にそれぞれ取り付けられ、車シャーシ1には補助支持オイルシリンダ41が設けられ、補助支持オイルシリンダ41のピストンロッドは、伸長方向を垂直上向きとし、伸縮アーム2をリフトしたり支持したりするものである。まず、補助支持オイルシリンダ41は、伸縮アーム2を所定の高さにリフトし、次に、反転油圧オイルシリンダ5は、伸縮アーム2を垂直状態となるまで反転させ、このように、反転油圧オイルシリンダ5の取り付け傾角を小さくし、車シャーシ1の上方における高さ方向の空間を節約する。
【0032】
伸縮アーム2が車シャーシ1に水平に設けられたときに、反転油圧オイルシリンダ5の軸線と車シャーシ1との間の取り付け角が5度未満であり、補助支持オイルシリンダ41のピストンロッドは伸縮アーム2に当接し、このような構造によれば、反転油圧オイルシリンダ5が占有する車シャーシ1の上方の高さ方向の空間が大幅に減少し、車シャーシ1の上方の限られた高さ方向の空間ができる限り伸縮アーム2の断面積として利用され、伸縮アーム2の有効な救助高さができる限り増大する。
【0033】
図2に示すように、反転油圧オイルシリンダ5の反転の時に、伸縮アーム2に取り付けられた後油圧アウトリガー6はまだ地面に支持されておらず、左右の2つの前油圧アウトリガー4だけでは、車のバランスや安定性が保持されにくく、したがって、伸縮アーム2の反転中の不安定さの技術的課題を解決するために、本願の発明者らは、鋭意研究を行った結果、車シャーシ1の末端の位置に移行油圧オイルシリンダ7が左右にそれぞれ取り付けられるという技術案を採用した。
【0034】
図4に示すように、第1動力機構は、第1固定ホルダ9に回転可能に取り付けられて、第1モータ12によって駆動される第1駆動スプロケット13と、第1固定ホルダ9の他端に回転可能に取り付けられた第1従動スプロケット14と、を含み、第1駆動スプロケット13は、第2固定ホルダ20に近い端部に位置し、第1従動スプロケット14は、第1開放部に近く、第1駆動スプロケット13と第1従動スプロケット14との間に第1チェーン15が掛け渡され、第1チェーン15には、第1接続板が固定して取り付けられ、第1接続板は、一端が第1チェーン15に固定され、他端が第1スライドホルダ10に固定され、第1モータ12の正逆転により、第1スライドホルダ10は駆動されて往復してスライドし、それによって、カウンターウェイト11は移動し、作業バケット3のバランスを取る目的が達成される。もちろん、スライドをよりスムーズにするような効果が得られるために、第1固定ホルダ9と第1スライドホルダ10との間にプーリ・レールアセンブリが設けられてもよい。
【0035】
図4及び図5に示すように、第2動力機構は、第2固定ホルダ20に回転可能に取り付けられて第2モータ16によって駆動される第2駆動スプロケット17と、第2固定ホルダ20の他端に回転可能に取り付けられた第2従動スプロケット18と、を含み、第2駆動スプロケット17は、第1固定ホルダ9に近い端部に位置し、第2従動スプロケット18は、第2開放部に近く、第2駆動スプロケット17と第2従動スプロケット18との間に第2チェーン19が掛け渡され、第2チェーン19には、第2接続板31が固定して取り付けられ、第2接続板31は、一端が第2チェーン19に固定され、他端が第2スライドホルダ21に固定され、第2モータ16の正逆転により、第2スライドホルダ21は駆動されて往復してスライドし、それによって、作業バケット3は移動し、救助対象に近づくという目的が達成される。もちろん、スライドをよりスムーズにするような効果が得られるために、第2固定ホルダ20と第2スライドホルダ21との間にプーリ・レールアセンブリが設けられてもよい。
【0036】
第2固定ホルダ20が、ヒンジ連結軸22を介してヒンジ連結により第1固定ホルダ9に取り付けられることによって、第2固定ホルダ20のヒンジ連結軸22の周りの反転を可能にし、折り畳んで輸送することを実現し、占有空間を小さくする。第2固定ホルダ20と第1固定ホルダ9との間には第3動力機構によって駆動される位置決めピン23が設けられ、正常に作動する際には、位置決めピン23は第1固定ホルダ9と第2固定ホルダ20とを一体に接続し、第3動力機構は、通常、エアシリンダ、油圧シリンダや電動プッシュロッドである。
【0037】
第1固定ホルダ9の第2固定ホルダ20に近い端部に支持アーム24が固定して取り付けられ、支持アーム24には支持ローププーリ25が回転可能に取り付けられ、支持ローププーリ25は第2固定ホルダ20の外平面から凸出し、第1固定ホルダ9の第1開放部に近い位置にホイスト機構26が設けられ、第2固定ホルダ20には吊り上げアーム27が設けられ、吊り上げアーム27の吊り上げ点は、第2固定ホルダ20の外平面から凸出するが、その高さが支持ローププーリ25よりも低い。ホイスト機構26、支持ローププーリ25、及び吊り上げアーム27の間に吊り上げワイヤーロープ28が設けられ、吊り上げワイヤーロープ28は、一端がホイスト機構26に固定され、他端が支持ローププーリ25にしっかりと巻き付けられてから、吊り上げアーム27の吊り上げ点に固定される。ホイストによる動力の作用で、第2固定ホルダ20は、ヒンジ連結軸22の周りに第1固定ホルダ9に向かって徐々に引かれ、第2固定ホルダ20が第1固定ホルダ9と結合すると、第3動力機構は位置決めピン23を押して、第1固定ホルダ9と第2固定ホルダ20とを一体に接続する。ホイスト機構26は、当業者に公知のもので、必要な型番に応じて購入して使用することができるので、ここでは詳しく説明しない。
【0038】
吊り上げアーム27では、吊り上げワイヤーロープ28の吊り上げ点から離れた端部は、ヒンジ連結により第2固定ホルダ20に取り付けられる。輸送の時に、高さが高すぎることを回避するために、吊り上げアーム27を第2固定ホルダ20の外平面よりも下に反転させることができる。第2固定ホルダ20には、吊り上げアーム27の縦方向における位置を限定するための第1制限ブロック29が設けられ、吊り上げる際には、第1制限ブロック29は止め作用を果たし、第2固定ホルダ20には、吊り上げアーム27の吊り上げ点を第2固定ホルダ20の外平面よりも低く限定するための第2制限ブロック30が設けられ、輸送の時には、第2制限ブロック30は止め作用を果たす。
【0039】
輸送の時には、図1に示すように、伸縮アーム2は、車シャーシ1に水平に配置され、第1スライドホルダ10は、第1固定ホルダ9内に引っ込められ、旋回プラットフォーム8及び第1固定ホルダ9は、伸縮アーム2の頂部に取り付けられる。位置決めピン23が開くと、第2固定ホルダ20は、伸縮アーム2の側面に反転し、ちょうど車の頂部の平面に位置し、吊り上げアーム27は、第2制限ブロック30の位置に反転し、第2固定ホルダ20の外平面よりも下に隠され、このため、全体的な構造がコンパクトで、占有空間が小さい。
【0040】
図6に示すように、伸縮アーム2は、順次外嵌された複数段の伸縮筒を含み、各段の伸縮筒は、一体に外嵌された複数の伸縮部を含み、各段の伸縮筒は、ワイヤーロープ油圧リフト装置204に接続され、初段伸縮筒201のワイヤーロープ油圧リフト装置204は最外側伸縮部20401内に設けられ、次段伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフト装置204は前段伸縮筒の最内側伸縮部20403内に設けられる。図7図8図9、及び図10に示すように、ワイヤーロープ油圧リフト装置204は、リフト油圧オイルシリンダ20409を含み、リフト油圧オイルシリンダ20409のシリンダブロックは、対応する伸縮部の内部空間の底部に固定して取り付けられ、リフト油圧オイルシリンダ20409のシリンダブロックには、固定プーリ群20411が取り付けられ、リフト油圧オイルシリンダ20409のピストンロッドには、可動プーリ群20410が取り付けられ、リフト油圧オイルシリンダ20409と対応する伸縮部との間にリフト用ワイヤーロープ20404が設けられ、リフト用ワイヤーロープ20404では、一端は固定されており、この固定端は、通常リフト油圧オイルシリンダ20409のシリンダブロックや最外側伸縮部20401の固定位置であり、他端は、可動プーリ群20410及び固定プーリ群20411を経て、当該段の伸縮筒の最内側伸縮部20403に固定される。可動プーリ群20410における可動プーリの数及び固定プーリ群20411における固定プーリの数は、最外側伸縮部20401内に固定されたリフト油圧オイルシリンダ20409のストロークがすべての伸縮部による伸縮を可能にし、つまり、1つの伸縮部の長さのリフト油圧オイルシリンダ20409がすべての伸縮部による伸縮を可能にするように、当業者によって伸縮部の数に応じて決定される。例えば、伸縮部が合計6つであれば、可動プーリ群20410には3つの可動プーリ、固定プーリ群20411には3つの固定プーリが設けられ、リフト用ワイヤーロープ20404は、一端がリフト油圧オイルシリンダ20409のシリンダブロックの所定位置に固定され、他端がそれぞれ可動プーリ及び固定プーリを経てから、最内側伸縮部20403上に固定され、このような3段可動プーリ構造の伝動比は1:6であり、すなわち、リフト油圧オイルシリンダ20409のピストンロッドが1m伸縮すると、伸縮部は6m移動し、このように、8mのストロークを有する油圧シリンダでは、48mの伸縮長さを持つ伸縮部に対応することができる。3段伸縮筒を直列接続し、各段の伸縮アーム2の伸縮長さを48mとすると、144mの救助高さが得られる。伝動比を増大したり、伸縮部の長さを大きくしたり、リフト油圧オイルシリンダ20409のストロークを増大したりすると、救助高さを増大する目的を達成させることができる。従来の112mの最大救助高さを大幅に上回るため、伸縮アーム2の昇降高さがリフト油圧オイルシリンダ20409の伝動形式により大きく制限されてしまうという伸縮筒構造の技術的課題を解決する。次段伸縮筒の最外側伸縮部20401は前段伸縮筒の最内側伸縮部20403内に外嵌され、前段伸縮筒の最内側伸縮部20403内には、次段伸縮筒に油を供給するための油管送り装置205が取り付けられる。
【0041】
初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401及び前段伸縮筒の最内側伸縮部20403のいずれの底部にも、対応する固定プーリ群20411のリフト用ワイヤーロープ20404を対応する位置に配分するためのサブローププーリ20405が取り付けられ、断面の形状が角形の伸縮アーム2を例にして、通常、4つの方向に吊り上げ点を配置する必要があり、この場合、サブローププーリ20405には4つの溝構造が必要とされ、リフト中のそれぞれの伸縮部の同期性及びバランスを確保するために、4本のリフト用ワイヤーロープ20404をそれぞれ4つの異なる側壁に配分する必要がある。
【0042】
初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401以外の他の伸縮部のいずれの底部にも、壁貫通ホイール20408が取り付けられ、図11に示すように、壁貫通ホイール20408は、軸受台を介して対応する伸縮部に回転可能に取り付けられ、壁貫通ホイール20408の位置に対応する伸縮部には、壁貫通ホイール20408が貫通するための貫通孔が開けられ、初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401及び前段伸縮筒の最内側伸縮部20403のいずれの内側底部にも、ボトムステアリングホイール20406が取り付けられ、最終段伸縮筒203の最内側伸縮部20403以外の他の伸縮部のすべての内側頂部に、トップステアリングホイール20407が取り付けられ、壁貫通ホイール20408は対応する伸縮部を貫通し、壁貫通ホイール20408の溝幅が略3周のリフト用ワイヤーロープ20404の直径に相当し、ホイールの幅方向が伸縮部の鋼板の厚さ方向と一致し、それによって、伸縮部の内部空間を最大限に節約し、伸縮部の有効な断面積の利用率を高める。リフト用ワイヤーロープ20404は、対応する伸縮部の外側から壁貫通ホイール20408に少なくとも2周巻き付けられて伸縮部の内側に入り、巻き付ける周数は、伸縮部の壁板の厚さやリフト用ワイヤーロープ20404の太さに応じて設定され、通常、リフト用ワイヤーロープ20404の直径が伸縮部の壁板の厚さよりも大きいため、リフト用ワイヤーロープ20404が2周巻き付けられると伸縮部の外側から当該伸縮部の内側に至り、このようにリフト用ワイヤーロープ20404を巻き付けることにより、リフト用ワイヤーロープ20404は伸縮部を吊り上げるときに底部へ力を印加し、昇降する各伸縮部への受力のバランスを取り、伸縮部をより安定的に昇降させる。
【0043】
各段の伸縮筒のリフト用ワイヤーロープ20404は、対応する可動プーリ群20410及び固定プーリ群20411に巻き付けられて、対応するサブローププーリ20405、ボトムステアリングホイール20406、最外側のトップステアリングホイール20407、隣接する層の伸縮部の壁貫通ホイール20408に巻き付けられて、最後に最内側伸縮部20403の壁貫通ホイール20408の上方に固定される。具体的には、初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401は固定されており、リフト用ワイヤーロープ20404は、サブローププーリ20405に巻き付けられてから、ボトムステアリングホイール20406を経て、上方の最外側伸縮部20401のトップステアリングホイール20407に巻き付けられ、下方の2番目の外側の伸縮部20402の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、このとき、リフト用ワイヤーロープ20404は、2番目の外側の伸縮部20402の外側に位置し、リフト用ワイヤーロープ20404は、壁貫通ホイール20408に2周巻き付けられて、2番目の外側の伸縮部20402における貫通孔を通り、2番目の外側の伸縮部20402の内側に入り、さらに、上方の2番目の外側の伸縮部20402のトップステアリングホイール20407に巻き付けられ、より内側の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、このように最内側伸縮部20403の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、次に、最内側伸縮部20403の内側に巻き付けられ、その端部は、最内側伸縮部20403の壁貫通ホイール20408の上方に固定される。初段伸縮筒201の最内側伸縮部20403内には、2段目の伸縮筒202をリフトするためのワイヤーロープ油圧リフト装置204が設けられ、当該位置にあるリフト用ワイヤーロープ20404は、サブローププーリ20405に巻き付けられてから、ボトムステアリングホイール20406を経て、上方の初段伸縮筒201の最内側伸縮部20403のトップステアリングホイール20407に巻き付けられ、下方の2段目の伸縮筒202の最外側伸縮部20401の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、このとき、リフト用ワイヤーロープ20404は、2段目の伸縮筒202の最外側伸縮部20401の外側に位置し、リフト用ワイヤーロープ20404は、壁貫通ホイール20408に2周巻き付けられて、2段目の伸縮筒202の最外側伸縮部20401における貫通孔を通り、2段目の伸縮筒202の最外側伸縮部20401の内側に入り、さらに、上方の2段目の伸縮筒202の最外側伸縮部20401のトップステアリングホイール20407に巻き付けられ、次に、2段目の伸縮筒202の内層伸縮部の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、このように最内側伸縮部20403の壁貫通ホイール20408に巻き付けられ、次に、2段目の最内側伸縮部20403の内側に巻き付けられ、その端部は、最内側伸縮部20403の壁貫通ホイール20408の上方に固定される。このように、すべての段の伸縮筒のワイヤーロープ油圧リフトが実現される。
【0044】
図12図13、及び図14に示すように、各伸縮部の先端にフランジ20412が設けられ、内層伸縮部は外側伸縮部の先端のフランジ20412を貫通し、外側伸縮部の先端におけるフランジ孔と内層伸縮部の外面との間の隙間はスライド用の隙間であり、隣接する2つの伸縮部の間に揺動アーム20413が設けられ、揺動アーム20413は、一端が外側伸縮部にヒンジ連結により取り付けられ、他端が傾斜案内面20414に設けられ、傾斜案内面20414と揺動アーム20413との対称中心面がなす角は鋭角であり、揺動アーム20413の傾斜案内面20414に近い端部にローラ20418が設けられ、揺動アーム20413の旋回中心とローラ20418の旋回中心とは平行に設けられ、外側伸縮部の先端のフランジ20412には、調整ネジ20415が螺合され、調整ネジ20415の端部は傾斜案内面20414に当接し、調整ネジ20415の作用により、ローラ20418の外縁は内層伸縮部の外面に当接し、それによって、隣接する2つの伸縮部の間の揺れ隙間を小さくし、内層伸縮部の伸縮中の安定性を向上させる。
【0045】
伸縮部の断面の形状が角形であり、伸縮部は、それぞれ4つの角形のプレートにより囲まれた円筒状の構造であり、断面が角形の伸縮部により、伸縮中の回転が回避され、伸縮部の安定性が向上する。
【0046】
内層伸縮部の各パネルには、間隔を開けて配置された少なくとも2組のローラ20418が当接し、ローラ20418は、それぞれ対応する伸縮部の隅部に位置する。パネルの面が大きければ、より多くのローラ20418が設けられてもよく、内層伸縮部の伸縮中の安定性をより向上させるために、伸縮部の隅部及び中央部のいずれにも、対応するローラ20418が設けられてもよい。
【0047】
調整ネジ20415とフランジ20412との間にロックナット20416が設けられ、ローラ20418の外縁が内層伸縮部の外面に当接すると、ロックナット20416は締められ、ロックナット20416の端面がフランジ20412の端面に当接し、それによって、伸縮部の伸縮時の調整ネジ20415が緩んだりして、内層伸縮部において大きな揺れ隙間が生じることを回避する。
【0048】
内層伸縮部の底部の外面には内部制限ブロック20417が設けられ、内部制限ブロック20417と外側伸縮部の内面との間の隙間をスライド隙間よりも小さく調整する必要があり、この場合、外側伸縮部の頂部の内面には外部制限ブロック20419が設けられ、同様に、内部制限ブロック20417と外側伸縮部の内面との間の隙間をスライド隙間よりも小さく調整する必要があり、それにより、内層伸縮部の伸縮中の安定性をより向上させる。内層伸縮部の各パネルには、少なくとも1組の内部制限ブロック20417及び外部制限ブロック20419が設けられ、当業者であれば、伸縮部のパネルの面のサイズに応じて、各パネルにおける内部制限ブロック20417及び外部制限ブロック20419の数を選択したり、内部制限ブロック20417及び外部制限ブロック20419の取り付け位置を決定することができるため、ここでは詳しく説明しない。すべての内部制限ブロック20417の上面が同一水平面上にあり、すべての外部制限ブロック20419の下面が同一水平面上にあり、内部制限ブロック20417と外部制限ブロック20419が接触すると、内層伸縮部と外側伸縮部の同軸度が一致し、それによって、正常に作動するときの伸縮部の垂直性が確保され、本発明の使用性がさらに向上する。
【0049】
本発明の実施例では、外側伸縮部のフランジ20412に近い位置には、揺動アーム20413が設けられ、揺動アーム20413にローラ20418が設けられ、調整ネジ20415が揺動アーム20413に当接することによって、ローラ20418の外縁は内層伸縮部の外面に当接し、このように、隣接する伸縮部の間のスライド隙間を小さくし、しかも、内層伸縮部の底部に内部制限ブロック20417が取り付けられることによって、内層伸縮部の伸縮中の安定性をより向上させる。また、外部制限ブロック20419は、制限作用を果たし、内層伸縮部の抜けを効果的に防止する一方、内層伸縮部が最大長さまで伸びると、内部制限ブロック20417は外部制限ブロック20419に当接し、それによって、内層伸縮部と外側伸縮部の軸線が一致し、したがって、この構造は、垂直昇降が可能で、安定性が向上し、伸縮アーム2の最大救助高さがその自体の伸縮長さに等しい。
【0050】
図15及び図16に示すように、油管送り装置205は取り付けホルダ20501を含み、取り付けホルダ20501には、第4動力機構によって駆動される芯筒体20508が軸受台を介して回転可能に取り付けられ、芯筒体20508内にはセパレータ20509が設けられ、セパレータ20509は、芯筒体20508のキャビティを給油キャビティ205081と戻り油キャビティ205082に分割し、給油キャビティ205081及び戻り油キャビティ205082は互いに連通しておらず、芯筒体20508には、給油キャビティ205081に連通する給油管20510が固定して取り付けられ、芯筒体20508には、戻り油キャビティ205082に連通する油戻り管20511が固定して取り付けられ、給油管20510及び油戻り管20511は芯筒体20508の外面から伸長しており、給油キャビティ205081は、ロータリージョイントを介して給油管路34に接続され、戻り油キャビティ205082は、別のロータリージョイントを介して油戻り管路35に接続され、芯筒体20508の外面に本体トレイ20512が固定して取り付けられ、本体トレイ20512にダブルスロット付きホイールディスク20502が固定して取り付けられ、芯筒体20508、本体トレイ20512、及びダブルスロット付きホイールディスク20502は同軸に設けられ、ダブルスロット付きホイールディスク20502内に給油ホース20513及び油戻りホース20514がそれぞれ巻き回され、給油ホース20513及び油戻りホース20514はいずれも高圧ホースを採用しており、給油ホース20513の一端は給油管20510に接続され、油戻りホース20514の一端は油戻り管20511に接続される。取り付け空間を節約するために、本体トレイ20512は、中空空洞構造として設計され、給油管20510及び油戻り管20511はすべて本体トレイ20512の中空空洞に通され、ダブルスロット付きホイールディスク20502の最内輪に巻き回された給油ホース20513及び油戻りホース20514の端部は、本体トレイ20512の中空空洞に通されて、給油管20510及び油戻り管20511にそれぞれ接続される。
【0051】
取り付けホルダ20501には、ガイドホイール20503が回転可能に取り付けられ、ガイドホイール20503は、通常、ダブルスロット付きホイールディスク20502に対応するために、ダブルスロットの形態として構成され、それぞれ、給油ホース20513及び油戻りホース20514を引き出し、ガイドホイール20503の下方にはフローティングホイール20504が設けられ、同様に、フローティングホイール20504も、ダブルスロットの形態として構成され、給油ホース20513及び油戻りホース20514は、いずれも、ガイドホイール20503及びフローティングホイール20504を経て、次段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409に接続され、フローティングホイール20504は、重力により、給油ホース20513及び出油ホースに落ち、給油ホース20513及び出油ホースをテーションし、それによって、給油ホース20513及び油戻りホース20514の安定的な巻き出し及び巻き取りを実現し、ダブルスロット付きホイールディスク20502における給油ホース20513及び油戻りホース20514の線速のばらつきによる伸縮アーム2の昇降への影響を回避する。
【0052】
取り付けホルダ20501には、第1センサ20505及び第2センサ20506が設けられ、第1センサ20505は、ガイドホイール20503の下方かつフローティングホイール20504の上方に位置し、第2センサ20506は、フローティングホイール20504の下方に位置し、第1センサ20505及び第2センサ20506は、いずれも第4動力機構に接続される。第1センサ20505は、フローティングホイール20504の位置上限を検出するものであり、第2センサ20506は、フローティングホイール20504の位置下限を検出するものであり、第1センサ20505がフローティングホイール20504を検出すると、第4動力機構は起動して、ダブルスロット付きホイールディスク20502を回転させ、巻き取られた給油ホース20513及び油戻りホース20514を巻き出し、第2センサ20506がフローティングホイール20504を検出すると、第4動力機構は停止する。
【0053】
フローティングホイール20504と取り付けホルダ20501との間に引張りバネ20507が設けられ、引張りバネ20507は、一端がフローティングホイール20504に固定され、他端が取り付けホルダ20501に固定され、給油ホース20513及び油戻りホース20514へ付勢力を加え、それによって、フローティングホイール20504の上方への移動速度が速すぎたり移動距離が大きすぎたりすることにより第1センサ20505による検出範囲を逸脱することが回避される。
【0054】
第4動力機構は、固定ホルダに取り付けられたモータ20515を含み、本体トレイ20512には、アウタリングギヤ20517が固定して取り付けられ、取り付けホルダ20501には、伝動軸20516が回転可能に取り付けられ、伝動軸20516は、一端にアウタリングギヤ20517と噛み合う駆動歯車20518が取り付けられ、他端がモータ20515に伝動可能に接続される。伝動軸20516が回転すると、本体トレイ20512は回転させられ、芯筒体20508及びダブルスロット付きホイールディスク20502を一緒に回転させ、それによって、給油ホース20513及び油戻りホース20514が巻き戻されたり巻き回されたりし、モータ20515と伝動軸20516は、チェーンを介して伝動可能に接続されているが、もちろん、ベルトによる伝動や歯車による伝動も可能であり、当業者であれば、空間に応じて設定することができるので、ここでは詳しく説明しない。
【0055】
もちろん、構造を簡素化させるために、油管送り装置205は別の技術案を採用してもよく、具体的には、油管送り装置205は、トルクモーターやサーボモーターによって駆動されるホイールディスクを含み、油管はホイールディスクに巻き回され、段階的に送られればよい。
【0056】
図17に示すように、すべての油圧アウトリガーは、軸線が垂直となるように設けられた縦方向オイルシリンダ33及び水平オイルシリンダ32を含み、縦方向オイルシリンダ33のシリンダブロックは、水平オイルシリンダ32のピストンロッドに取り付けられ、水平オイルシリンダ32のロッドレス室が第1方向切換弁36のA油口に連通し、水平オイルシリンダ32のロッド室が第1方向切換弁36のB油口に連通し、第1方向切換弁36のP油口が給油管路34に連通し、第1方向切換弁36のT油口が油戻り管路35に連通し、縦方向オイルシリンダ33のロッドレス室が第1パイロットチェック弁38を介して第2方向切換弁37のA油口に接続され、縦方向オイルシリンダ33のロッド室が第2パイロットチェック弁39を介して第2方向切換弁37のB油口に接続され、第2パイロットチェック弁39のパイロット管路が第2方向切換弁37のA油口に連通し、第1パイロットチェック弁38のパイロット管路が第2方向切換弁37のB油口に連通し、第1パイロットチェック弁38及び第2パイロットチェック弁39は、縦方向オイルシリンダ33の現在の圧力を維持し、負荷の変化による作動油の漏れを回避し、縦方向オイルシリンダ33のピストンロッドの出力量を安定化させ、第2方向切換弁37は傾角センサ40に接続され、第2方向切換弁37のP油口は給油管路34に連通し、第2方向切換弁37のT油口は油戻り管路35に連通し、第1方向切換弁36は、O型4ポート3位置電磁方向切換弁であり、第2方向切換弁37は、Y型4ポート3位置電磁方向切換弁であり、具体的には、第2方向切換弁37の電磁コイルは傾角センサ40に接続され、傾角センサ40は、通常、伸縮アーム2に取り付けられ、昇降中の伸縮アーム2が地面に垂直であるか否かを検出し、傾角センサ40は、当業者に公知のデバイスであり、所望の型番に応じて購入して取り付けてもよい。使用の際には、傾角センサ40は、検出信号を通常PLCやマイクロコントローラの制御ユニットにフィードバックし、次に、制御ユニットは、対応する方向切換弁を制御して、対応する油圧アクチュエータを制御する。作動の際には、水平オイルシリンダ32のロッドレス室は給油を行い、水平オイルシリンダ32は縦方向オイルシリンダ33を水平に移動させ、水平オイルシリンダ32が最大位置まで伸長すると、第1方向切換弁36はロックされ、O型4ポート3位置電磁方向切換弁は中間位置に切り替わり、それにより、水平オイルシリンダ32は現在の状態を維持し、縦方向オイルシリンダ33のロッドレス室は給油を回避し、それと同時に、作動油は第2パイロットチェック弁39を開き、縦方向オイルシリンダ33のロッド室の作動油が油戻り管路35に戻ることを可能にし、車シャーシ1は、支えられて適切な位置にリフトすると、その四隅がすべて水平になり、その後、Y型4ポート3位置電磁方向切換弁は中間位置に切り替わり、縦方向オイルシリンダ33のロッド室は給油を停止し、第1パイロットチェック弁38及び第2パイロットチェック弁39の作用により、縦方向オイルシリンダ33は現在の位置を維持し、一旦車シャーシ1のある隅部が過大の負荷により傾斜したら、傾角センサ40は第2方向切換弁37の電磁コイルに導通し、縦方向オイルシリンダ33のロッドレス室は給油を回避し、縦方向オイルシリンダ33のピストンロッドは伸長し、傾斜量を補償し、傾角センサ40が水平になると、縦方向オイルシリンダ33は当該位置を保持する。
【0057】
車シャーシ1の支持面積が大きいほど、車シャーシ1の安定性が高く、伸縮アーム2の安定性もその分高くなることが知られており、したがって、水平オイルシリンダ32は2段油圧オイルシリンダとして構成され、それにより、油圧アウトリガーの水平方向における伸長長さを増大する。具体的には、図18に示すように、水平オイルシリンダ32は、所定の位置に取り付けられた第1シリンダブロック3201を含み、第1シリンダブロック3201内には、第2シリンダブロック3202がスライド可能に取り付けられ、第2シリンダブロック3202内には、第3シリンダブロック3203がスライド可能に取り付けられ、第3シリンダブロック3203は水平オイルシリンダ32のピストンロッドに相当し、作動油の漏れを避けるために、第2シリンダブロック3202と第1シリンダブロック3201との間及び第2シリンダブロック3202と第3シリンダブロック3203との間の両方にスライド密封機構が設けられ、第3シリンダブロック3203の端部は縦方向オイルシリンダ33に接続され、第1シリンダブロック3201及び第2シリンダブロック3202は互いに連通しており、第3シリンダブロック3203の端部には、第2シリンダブロック3202内にスライド可能に取り付けられたプランジャー3204が固定して取り付けられ、第3シリンダブロック3203内には第3中心筒3207が設けられ、第3中心筒3207のプランジャー3204から離れた端部に通油口3208が設けられ、第3中心筒3207の他端はプランジャー3204を通して第2シリンダブロック3202内に入り、第3中心筒3207内に第2中心筒3206が嵌め込まれ、第2中心筒3206は第2シリンダブロック3202に適合し、第2中心筒3206内に第1中心筒3205が嵌め込まれ、第1中心筒3205は第1シリンダブロック3201に適合し、第1中心筒3205の端部は、第1シリンダブロック3201の端部における第1水平作動油ポート3209に接続され、第1水平作動油ポート3209は通油口3208に連通し、第1シリンダブロック3201の端部には第2水平作動油ポート3210が設けられ、第2水平作動油ポート3210は第1シリンダブロック3201のキャビティに連通し、第2水平作動油ポート3210は第1方向切換弁36のA油口に連通し、第1水平作動油ポート3209は第1方向切換弁36のB油口に連通する。第2水平作動油ポート3210が給油する際には、給油管路34内の作動油は第1シリンダブロック3201に入り、まず、プランジャー3204を押して第3シリンダブロック3203を伸ばすとともに、縦方向オイルシリンダ33を水平に移動させ、第3シリンダブロック3203内の作動油は、通油口3208から油戻り管路35に戻り、第3シリンダブロック3203が完全に伸長すると、第1シリンダブロック3201内への給油が持続され、第2シリンダブロック3202は外へ伸び続けながら、縦方向オイルシリンダ33を水平に移動させ続け、このような構造の水平オイルシリンダ32は、縦方向オイルシリンダ33の水平方向における移動距離を増大し、支持面積を増大し、支持安定性をさらに向上させる。
【0058】
第3シリンダブロック3203内には、第1ケーシング3301及び第2ケーシング3302が平行に設けられ、第1ケーシング3301は、一端が第1パイロットチェック弁38に接続され、他端がプランジャー3204を通って第2シリンダブロック3202内に伸び、第2ケーシング3302は、一端が第2パイロットチェック弁39に接続され、他端がプランジャー3204を通って第2シリンダブロック3202内に伸び、第1ケーシング3301内に第3ケーシング3303が嵌め込まれ、第2ケーシング3302内に第4ケーシング3304が嵌め込まれ、第3ケーシング3303及び第4ケーシング3304はいずれも第2シリンダブロック3202に適合し、第3ケーシング3303内には第5ケーシング3305が嵌め込まれ、第4ケーシング3304内には第6ケーシング3306が嵌め込まれ、第5ケーシング3305及び第6ケーシング3306はいずれも第1シリンダブロック3201に適合し、作動油の漏れを避けるために、第1ケーシング3301と第3ケーシング3303との間及び第3ケーシング3303と第2ケーシング3302との間の両方にスライド密封構造が設けられ、同様に、作動油の漏れを避けるために、第2ケーシング3302と第4ケーシング3304との間及び第4ケーシング3304と第6ケーシング3306との間の両方にスライド密封構造が設けられ、第5ケーシング3305の端部は第2方向切換弁37のA油口に接続され、第6ケーシング3306の端部は第2方向切換弁37のB油口に接続される。このような構造は、水平オイルシリンダ32の内部空間を十分に利用しており、縦方向オイルシリンダ33の給油管路及び油戻り管路35が内蔵され、複数の外部作動油管を設置する必要がなくなり、このため、構造がシンプルで実用的である。
【0059】
使用に際しては、車が伸縮アーム2を載せて所定位置に到達すると、前油圧アウトリガー4及び移行油圧オイルシリンダ7は伸長しており、車シャーシ1を安定的に支え、反転油圧オイルシリンダ5は伸長し始めて、伸縮アーム2を押して反転させ、伸縮アーム2が垂直状態となるまで反転し、つまり、伸縮アーム2が地面に垂直な状態になると、後油圧アウトリガー6は伸長して地面に支持され、このとき、移行油圧オイルシリンダ7は引っ込められ、車及び伸縮アーム2は、前油圧アウトリガー4及び後油圧アウトリガー6により地面に支持され、このとき、伸縮アーム2は上昇して作動することができ、このような構造は、支持面積が大きく、伸縮アーム2の重心が低く、安定性が高く、伸縮アーム2の垂直性を調整する必要がある場合、移行油圧オイルシリンダ7は伸長して、伸縮アーム2における後油圧アウトリガー6と協働して伸縮アーム2の傾角を補償し、移行油圧オイルシリンダ7及び後油圧アウトリガー6が伸縮アーム2に近くて、調整が容易であるため、この場合、共同作用が必要である。伸縮アーム2は垂直状態となるまで反転し、ホイストによる動力の作用で、第2固定ホルダ20は、ヒンジ連結軸22の周りに第1固定ホルダ9に向かって徐々に引かれ、第2固定ホルダ20が第1固定ホルダ9に結合すると、第3動力機構は位置決めピン23を押して、第1固定ホルダ9と第2固定ホルダ20とを一体に接続する。救助対象までの距離に応じて、第2スライドホルダ21を伸長するとともに、第1スライドホルダを伸長し、カウンターウェイト11を用いて作業バケット3のバランスを調整し、それによって、救助を確実に確保する。伸縮アーム2がリフトする際には、リフト用ワイヤーロープ20404が順次巻き付けられて固定されると、最終段伸縮筒203のリフト油圧オイルシリンダ20409のピストンロッドは伸長し、最終段伸縮筒203内の最も軽量の最内側伸縮部20403は最初に持ち上げられ、伸縮部毎に持ち上げが完了し、次に、次最終段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409は持ち上げられ始め、このように、伸縮アーム2が所望の高さに上昇するまで段毎に持ち上げが行われる。降下の場合、初段伸縮筒201のリフト油圧オイルシリンダ20409のピストンロッドは引っ込められ、最も軽量の2番目の外側の伸縮部20402は最初に降下し、伸縮部毎に降下が完了し、次に、2段目の伸縮筒202のリフト油圧オイルシリンダ20409のピストンロッドは引っ込められ、2段目の伸縮筒202は引っ込められ、最終段伸縮筒203が引っ込まれるまでこのように続ける。初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401は地面に位置し、初段伸縮筒201のリフト油圧オイルシリンダ20409の圧油は給油管路34及び油戻り管路35から直接導入され、2段目の伸縮筒202のリフト油圧オイルシリンダ20409は、初段伸縮筒201の最内側伸縮部20403の内部に取り付けられ、このとき、2段目の伸縮筒202のリフト油圧オイルシリンダ20409に油を供給するために初段伸縮筒201の最外側伸縮部20401の底部に油管送り装置205を取り付ける必要があり、同様に、初段伸縮筒201の最内側伸縮部20403内に油管送り装置205が設けられ、3段目の伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409に油を供給し、このように、前段伸縮筒の最内側伸縮部20403に油管送り装置205が設けられ、次段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409に油を供給し、このように、最終段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409に油を供給し、前段伸縮筒による作動油は、次段伸縮筒のリフト油圧オイルシリンダ20409に油を供給するとともに、次段伸縮筒内の油管送り装置205に油を供給し、このように、作動油による動力が伸縮アーム2の昇降に応じて連続的に出力される。
【0060】
本発明の実施例では、伸縮アーム2が車シャーシ1の末端にヒンジ連結されるので、作動の際には、反転油圧オイルシリンダ5は伸縮アーム2を垂直状態となるまで反転させ、伸縮アーム2の底部は地面に近くなる。屈折アームが車シャーシ1の上方に位置する従来の構造と比較して、伸縮アーム2の重心を低くし、伸縮アーム2の安定性を向上させる。
【0061】
垂直昇降が可能で一体に外嵌された伸縮部構造により、車の長さは大幅に減少し、車は、長さ15.3m、幅2.5m、高さ4m、最大救助高さ144m、最大高さでの消防救助半径15mであり、また、転回半径が減少する。同じ救助高さの消防車と比較して、本発明は、適用性がより広く、柔軟性がより高く、特に144mの高さの範囲では、救助の死角がなく、144mの高さに亘って15mの救助半径を確保することができ、1台の消防車で高層建物の救助すべてに対応可能である。
【0062】
本発明は、上述した一般的な説明及び具体的な実施例を用いて詳細に説明されたが、本発明に基づいていくつかの修正又は改良がなされてもよいことは、当業者にとって自明である。したがって、本発明の精神を逸脱することなく行われたこれらの修正又は改良は、いずれも本発明の特許請求の範囲に係る範囲に属する。
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【国際調査報告】