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特表2024-534980電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置
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  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図1
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図2
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図3
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図4
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図5
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  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図7
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図8
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図9
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図10
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図11
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図12
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図13
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図14
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図15
  • 特表-電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置 図16
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/466 20210101AFI20240918BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240918BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALI20240918BHJP
   H01M 6/16 20060101ALI20240918BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20240918BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20240918BHJP
   H01M 4/06 20060101ALI20240918BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20240918BHJP
【FI】
H01M50/466
H01M50/46
H01M10/04 Z
H01M10/0583
H01M6/16 C
H01M50/403 C
H01M4/04 Z
H01M4/06 J
H01M4/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515496
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2021129657
(87)【国際公開番号】W WO2023082068
(87)【国際公開日】2023-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 楠
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 江
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 文▲偉▼
【テーマコード(参考)】
5H021
5H024
5H028
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H021BB04
5H021BB11
5H021CC18
5H021CC19
5H024AA12
5H024BB04
5H024BB14
5H024CC13
5H024DD09
5H024HH01
5H024HH13
5H024HH15
5H028AA05
5H028BB05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC15
5H028HH05
5H029AJ12
5H029AL06
5H029AL11
5H029BJ15
5H029CJ03
5H029CJ04
5H029CJ05
5H029DJ04
5H029HJ04
5H029HJ12
5H050AA15
5H050BA05
5H050BA08
5H050BA15
5H050BA16
5H050BA17
5H050CB07
5H050CB11
5H050FA06
5H050GA03
5H050GA07
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
本出願は、電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置を提供し、この電極アセンブリは、第一の極板と、第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置され、第一の極板と積層して設置されるセパレータとを含み、電極アセンブリが展開する状態において、セパレータは、セパレータの長手方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、セパレータは、セパレータの高さ方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、極板の厚さ方向に沿い、第一の極板の両側に対応する第一のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成し、第一の極板の両側に対応する第二のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する。本出願の技術案は、電池の電気化学的性能を補強し、電池の安全性と信頼性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
第一の極板と、
前記第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置され、前記第一の極板と積層して設置されるセパレータとを含み、
前記電極アセンブリが展開する状態において、前記セパレータは、前記セパレータの長手方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、前記セパレータは、前記セパレータの高さ方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、
極板の厚さ方向に沿い、前記第一の極板の両側に対応する前記第一のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成し、前記第一の極板の両側に対応する前記第二のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する、ことを特徴とする電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第一の極板は、複数の折り曲げセグメントと、積層して設置される複数の第一の積層セグメントとを含み、各前記折り曲げセグメントは、二つの隣接する前記第一の積層セグメントに接続され、前記電極アセンブリが展開する状態において、前記セパレータの長手方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントは、前記折り曲げセグメントの位置に対応して間隔をあけて設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記セパレータの長手方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントの長さは、前記折り曲げセグメントの長さよりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記セパレータの高さ方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントは、前記折り曲げセグメントに対して対称に設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
極板の厚さ方向に沿い、前記折り曲げセグメントは、前記第一の極板の折り曲げを容易にするように薄肉部又は切断部を含む、ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記折り曲げセグメントが薄肉部を含む場合、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、3~50mmである、ことを特徴とする請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記折り曲げセグメントが切断部を含む場合、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、5~50mmである、ことを特徴とする請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記セパレータの高さ方向に沿い、前記第一の極板の一側の端部の、前記セパレータから突出する第一のタブを有し、前記第二の熱融着セグメントは、前記第一のタブを避ける、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記第一の極板の、前記極板の厚さ方向に沿う両側の前記第二のエッジ部の、前記第一のタブを避ける領域は、すべて熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する、ことを特徴とする請求項8に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記第一の極板の、前記極板の厚さ方向に沿う両側に対応する前記第一のエッジ部は、すべて熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
第一の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、1~5mmであり、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの高さ方向に沿う高さは、1~5mmである、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記第一の極板は、陽極板である、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記第一の極板の極性と逆である第二の極板をさらに含み、前記第二の極板は、複数の第二の積層セグメントを含み、前記電極アセンブリの積層状態において、各前記第二の積層セグメントは、隣接する二つの第一の積層セグメント間に設置される、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
電極アセンブリの製造方法であって、
第一の極板を提供するステップと、
セパレータを提供するステップと、
前記セパレータを前記第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置し、前記第一の極板と積層して設置するステップとを含み、
前記セパレータは、前記セパレータの長手方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、前記セパレータは、前記セパレータの高さ方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、
極板の厚さ方向に沿い、前記第一の極板の両側に対応する前記第一のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第一の熱融着セグメントを形成し、前記第一の極板の両側に対応する前記第二のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第二の熱融着セグメントを形成する、ことを特徴とする電極アセンブリの製造方法。
【請求項15】
熱間プレスの方式で前記熱融着接続を行う、ことを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記の、第一の極板を提供するステップにおいて、
切込み又はレーザーによる洗浄の方式で前記第一の極板に複数の薄肉部を形成することが含まれる、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記セパレータを前記第一の極板とともに積層し、前記複数の薄肉部に、複数の折り曲げセグメントを折り曲げ形成し、複数の折り曲げセグメント間に積層して設置される複数の第一の積層セグメントを形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
第二の極板を提供し、前記第二の極板を積層して設置される隣接する第一の積層セグメント間に設置することをさらに含む、ことを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
電池セルであって、請求項1から13のいずれか1項に記載の電極アセンブリを含み、又は請求項14から18のいずれか1項に記載の電極アセンブリの製造方法を利用して製造される電極アセンブリを含む、ことを特徴とする電池セル。
【請求項20】
請求項19に記載の電池セルを複数含む、ことを特徴とする電池。
【請求項21】
請求項20に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、ことを特徴とする電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エネルギー貯蔵デバイス技術分野に関し、特に電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと汚染物質の排出削減は、自動車産業の持続可能な発展の鍵である。このような場合に、電動車両は、その省エネと環境保護の優位性により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。また、電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。電池使用中に短絡が発生しないように保護し、電池の電気化学的性能を補強し、電池の安全性、信頼性を向上させることは、極めて重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記問題を解決するために、本出願は、電極アセンブリ及びその製造方法、電池セル、電池と電力消費装置を提供し、電池の電気化学的性能を補強し、電池の安全性と信頼性を向上させることができる。
【0004】
本出願の実施例の第一の態様によれば、電極アセンブリを提供し、前記電極アセンブリは、第一の極板と、第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置され、第一の極板と積層して設置されるセパレータとを含み、電極アセンブリが展開する状態において、セパレータは、セパレータの長手方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、セパレータは、セパレータの高さ方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、極板の厚さ方向に沿い、第一の極板の両側に対応する第一のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成し、第一の極板の両側に対応する第二のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する。
【0005】
上記技術案では、第一の極板よりもはみ出す第一のエッジ部と第二のエッジ部をそれぞれ少なくとも部分的に熱融着し、第一の極板をセパレータに閉鎖又は半閉鎖し、第一の極板とセパレータを共にZ字型に積層した後、セパレータが折り返されることにより第一の極板が第二の極板と接触することを回避することができ、電極アセンブリが短絡するリスクを低減した。そして、第一の極板の両側のセパレータは、電極アセンブリとして積層される前にすでに熱融着接続されており、積層後、セパレータがはみ出した部分を熱融着する必要がなく、生産効率を向上させ、セパレータが過度に熱融着されて収縮又は破損されることを防止する。
【0006】
いくつかの実施例では、第一の極板は、複数の折り曲げセグメントと、積層して設置される複数の第一の積層セグメントとを含み、各折り曲げセグメントは、二つの隣接する第一の積層セグメントを接続し、電極アセンブリが展開する状態において、セパレータの長手方向に沿い、第二の熱融着セグメントは、折り曲げセグメントの位置に対応して間隔をあけて設置される。
【0007】
上記技術案では、折り曲げセグメントに対応する第二のエッジ部を第二の熱融着セグメントとして熱融着接続し、積層操作を行う場合、折り曲げセグメントに対応する第二のエッジ部は、往復折り曲げ操作によるしわ又は折り返しが発生せず、電極アセンブリが短絡するリスクを低減した。
【0008】
いくつかの実施例では、セパレータの長手方向に沿い、第二の熱融着セグメントの長さは、折り曲げセグメントの長さよりも大きい。
【0009】
上記技術案では、折り曲げセグメント全体は、いずれも第二の熱融着セグメント内に閉鎖されるが、露出する部分が存在しなく、このように、積層操作を行う場合、折り曲げセグメントの、セパレータの長手方向に沿って対応する第二のエッジ部は、いずれも折り返されることにより折り曲げセグメントが露出するリスクが存在しない。
【0010】
いくつかの実施例では、セパレータの高さ方向に沿い、第二の熱融着セグメントは、折り曲げセグメントに対して対称に設置される。
【0011】
上記技術案では、折り曲げセグメントの、セパレータの高さ方向に沿う両側の端部がいずれも第二の熱融着セグメントによって完全にセパレータ内に閉鎖され、折り曲げセグメントの、セパレータの高さ方向に沿う両側に対応する第二のエッジ部は、いずれも折り返されることにより折り曲げセグメントが露出するリスクが存在しないことができる。
【0012】
いくつかの実施例では、極板の厚さ方向に沿い、折り曲げセグメントは、第一の極板折り曲げを容易にするように薄肉部又は切断部を含む。
【0013】
いくつかの実施例では、折り曲げセグメントが薄肉部を含む場合、第二の熱融着セグメントの、セパレータの長手方向に沿う長さは、3~50mmである。
【0014】
上記技術案では、薄肉部の閉鎖を実現し、第二のエッジ部が折り返されるリスクを低減することができる。
【0015】
いくつかの実施例では、折り曲げセグメントが切断部を含む場合、第二の熱融着セグメントの、セパレータの長手方向に沿う長さは、5~50mmである。
【0016】
上記技術案では、切断部の、セパレータの長手方向に沿う両側の端部のすべて又は一部の閉鎖を実現し、切断部に対応する第二のエッジ部が折り返されるリスクを低減することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、セパレータの高さ方向に沿い、第一の極板の一側の端部は、セパレータから突出する第一のタブを有し、第二の熱融着セグメントは、第一のタブを避ける。
【0018】
上記技術案では、第一の極板の、極板の厚さ方向に沿う両側の第二のエッジ部を熱融着接続することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側の第二のエッジ部の、第一のタブを避ける領域は、すべて熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する。
【0020】
上記技術案では、セパレータ自体が粘性を有するため、第二のエッジ部と第一のタブとが接着されることによって、第一の極板の、セパレータの高さ方向に沿って第一のタブの一側を有する端部は、極板の厚さ方向に沿う両側のセパレータ内に完全に閉鎖され、この側の第二のエッジ部が折り返されることにより電極アセンブリが短絡するリスクを低減する。
【0021】
いくつかの実施例では、第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に対応する第一のエッジ部は、すべて熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成する。
【0022】
上記技術案では、極板の厚さ方向に沿う両側に対応する第一のエッジ部をすべて熱融着接続することで、すべての第一のエッジ部が折り返されることにより電極アセンブリが短絡するリスクを十分に低減することができる。
【0023】
いくつかの実施例では、第一の熱融着セグメントの、セパレータの長手方向に沿う長さは、1~5mmであり、第二の熱融着セグメントは、セパレータの高さ方向に沿う高さは、1~5mmである。
【0024】
上記技術案では、第一の熱融着セグメントと第二の熱融着セグメントの強度を保証し、積層操作を行う時にひび割れるリスクを低減することができる。
【0025】
いくつかの実施例では、第一の極板は、陽極板である。
【0026】
上記技術案では、陽極板を第一の極板としてセパレータ内に閉鎖し、陽極活物質材料の粉落ちによりケースが腐食するリスクを低減することができる。
【0027】
いくつかの実施例では、電極アセンブリは、第一の極板の極性と逆である第二の極板をさらに含み、第二の極板は、複数の第二の積層セグメントを含み、電極アセンブリの積層状態において、各第二の積層セグメントは、隣接する二つの第一の積層セグメント間に設置される。
【0028】
上記技術案では、成形された電極アセンブリが使用要求をよりよく満たし、電極アセンブリの電気性能を最適化することができる。
【0029】
本出願の実施例の第二の態様によれば、電極アセンブリの製造方法を提供し、前記製造方法は、第一の極板を提供するステップと、セパレータを提供するステップと、セパレータを第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置し、第一の極板と積層して設置するステップとを含み、セパレータは、セパレータの長手方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、セパレータは、セパレータの高さ方向に沿って第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、極板の厚さ方向に沿い、第一の極板の両側に対応する第一のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第一の熱融着セグメントを形成し、第一の極板の両側に対応する第二のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第二の熱融着セグメントを形成する。
【0030】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、熱間プレスの方式で熱融着接続される。
【0031】
いくつかの実施例では、第一の極板を提供するステップにおいて、切込み又はレーザーによる洗浄の方式で第一の極板に複数の薄肉部を形成することが含まれる。
【0032】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、セパレータを第一の極板とともに積層し、複数の薄肉部に、複数の折り曲げセグメントを折り曲げ形成し、複数の折り曲げセグメント間に積層して設置される複数の第一の積層セグメントを形成するステップをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、第二の極板を提供し、第二の極板を積層して設置される隣接する第一の積層セグメント間に設置することをさらに含む。
【0034】
本出願の実施例の第三の態様によれば、電池セルを提供し、前記電池セルは、第一の態様の電極アセンブリを含み、又は第二の態様の電極アセンブリの製造方法を利用して製造される電極アセンブリを含む。
【0035】
本出願の実施例の第四の態様によれば、電池を提供し、前記電池は、複数の第三の態様の電池セルを含む。
【0036】
本出願の実施例の第五の態様によれば、電力消費装置を提供し、前記電力消費装置は、第四の態様に記載の電気エネルギーを提供するための電池を含む。
【0037】
以上の一般的な記述と後述の詳細な記述は、例示的なものだけであり、本出願を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、以下に記述される図面がただ本出願の具体的な実施例にすぎず、当業者が創造的な労力を払わない前提で、以下の図面に基づいて他の実施例を得ることができることは、明らかである。
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の爆発概略図である。
図3】本出願の実施例による電池モジュールの構造概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による電池セルの爆発概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例による電極アセンブリの断面図である。
図6】本出願のいくつかの実施例による第一の極板とセパレータが展開する概略図である。
図7図6のA-Aの矢視断面図である。
図8図6のB-Bの矢視断面図である。
図9】本出願のいくつかの実施例の第一の極板が積層された後の概略図である。
図10図5におけるI部の拡大図である。
図11】本出願の別のいくつかの実施例による電極アセンブリの断面図である。
図12】本出願の別のいくつかの実施例による第一の極板とセパレータが展開する概略図である。
図13図12のC-Cの矢視断面図である。
図14】本出願のまた別のいくつかの実施例による第一の極板とセパレータが展開する概略図である。
図15図5に示す実施例の第一の極板、第二の極板とセパレータの接続構造概略図である。
図16】本出願の一つの実施例の電極アセンブリの製造方法のフローチャートである。 ここの図面は、明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本出願に適合する実施例を示しており、明細書とともに本出願の原理を解釈するために用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本出願の技術案をより良く理解するために、以下では、図面を結び付けながら本出願の実施例を詳細に記述する。
【0040】
記述された実施例がただ本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは、明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0041】
本出願の実施例に使用される用語は、特定の実施例を記述することのみを目的としており、本出願を制限することを意図していない。本出願の実施例と添付される特許請求の範囲に使用される単数形の「一種類」、「前記」と「この」も、文脈が他の意味を示さない限り、多数の形を含むことを意図している。
【0042】
理解すべきこととして、本明細書に使用される用語である「及び/又は」は、ただ関連対象の関連関係を記述するものだけであり、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの3つのケースを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0043】
注意すべきこととして、本出願の実施例に記述された「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示す角度で記述されたものであり、本出願の実施例の限定と理解すべきではない。なお、コンテキストにおいて、理解すべきこととして、一つの素子が別の素子「上」又は「下」に接続されることを言及する場合、それが別の素子「上」又は「下」に直接接続できるだけでなく、中間素子を介して別の素子「上」又は「下」に間接的に接続されてもよい。
【0044】
本出願に現れた「複数の」は、二つ以上(二つを含む)を指す。
【0045】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。電池セルは、円筒体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよく、本出願の実施例は、これにも限定しない。電池セルは、一般的にはパッケージングの方式で筒型電池セル、四角形電池セルとパウチ電池セルという三つの種類に分けられ、本出願の実施例は、これにも限定しない。
【0046】
本出願の実施例に言及された電池は、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを指す。例えば、本出願に言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には一つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液又は他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を回避することができる。
【0047】
電池セルは、電極アセンブリと、電解液とを含み、電極アセンブリは、陰極極板、陽極極板とセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが陰極極板と陽極極板との間を移動することに依存して作動する。陰極極板は、陰極集電体と、陰極活物質層とを含み、陰極活物質層は、陰極集電体の表面にコーディングされ、陰極活物質層がコーディングされていない陰極集電体は、陰極活物質層がすでにコーディングされた陰極集電体から突出し、陰極活物質層がコーディングされていない陰極集電体は、陰極タブとされる。陽極活物質層は、陽極集電体の表面にコーディングされ、陽極活物質層がコーディングされない陽極集電体は、陽極活物質層がすでにコーディングされた陽極集電体から突出し、陽極活物質層がコーディングされない陽極集電体は、陽極タブとされる。大電流を流しても溶断しないことを保証するために、陰極タブの数が複数であり、且つ積層されており、陽極タブの数が複数であり、且つ積層されている。
【0048】
電極アセンブリは、捲回型構造であってもよく、積層型構造であってもよい。捲回型の電極アセンブリは、陰極極板、陽極極板及び陰極極板と陽極極板との間に介在するセパレータとを捲回して形成された電極アセンブリである。しかし、積層型の電極アセンブリ、複数の個片の陰極極板及び複数の個片の陽極極板及びセパレータが交互に積層される構造を含み、一つの連続した全体的な陽極極板を上下の側面にセパレータを被覆した後に陰極極板とZ字型に積層することによって、積層型電極アセンブリを形成してもよい。このようなセパレータが陽極極板を完全に被覆する構造は、セパレータパウチ型電極を形成し、極板は、セパレータ袋に完全に収容され、極板は、変位せず、極板は、極板と接触せず、短絡を効果的に防止することができ、電池の安全を保証し、電池容量の十分な発揮を保証することができる。しかし、発明者は、パウチ型セパレータが各層の極板に対応するセパレータエッジを熱融着で加圧パッケージングする必要があり、効率が比較的低いとともに、セパレータエッジを繰り返して熱融着するとセパレータが過度に収縮され、ひいては破損することを招く可能性があることを発見した。
【0049】
一方、陽極極板をセパレータに被覆した後にZ字型に積層することに対し、陽極極板の端部よりもはみ出すセパレータは、折り返され、特にZ字型に積層される折り曲げ位置に、はみ出したセパレータは、折り返されやすくなり、陰陽極板は、互いに接触され、電極アセンブリが短絡するリスクを招く。
【0050】
これに鑑み、本出願の実施例は、技術案を提供し、陽極極板の端部よりもはみ出すセパレータを少なくとも部分的に熱融着接続することで、はみ出したセパレータが折り返されることを効果的に回避し、電極アセンブリの短絡を防止し、電池の電気化学的性能を補強し、電池の安全性と信頼性を向上させることができるが、セパレータに繰り返しと過度の加熱を与えることがなく、生産効率を向上させることもできる。以下は、本出願の実施例を詳細に記述する。
【0051】
本出願の実施例に記述された技術案は、様々な電池及び電力消費装置に適用される。
【0052】
電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、汽船、宇宙航空機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具と電気飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組み立て電動工具と鉄道用電動工具、例えば電気ドリル、電気グラインダ、電気レンチ、電気ドライバ、電気ハンマ、ハンマードリル、コンクリート振動機と電気カンナなどを含む。本出願の実施例は、上記電力消費装置を特に制限しない。
【0053】
以下の実施例は、説明の便宜上、電池を使用する装置が車両であることを例にして説明する。
【0054】
図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1の構造概略図である。
【0055】
図1に示すように、車両1の内部には、電池2が設置され、電池2とは、より高い電圧と容量を提供するために一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールであり、例えば、本出願に言及された電池2は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池2は、車両1の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池2は、車両1の給電に用いられてもよく、例えば、電池2は、車両1の操作電源とされてもよい。車両1は、コントローラ3と、モータ4とをさらに含んでもよく、コントローラ3は、モータ4を給電するように電池2を制御するために用いられ、例えば、車両1の起動、ナビゲーションと走行時の作動電力消費需要に用いられる。
【0056】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は、車両1の操作電源だけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することができる。
【0057】
図2は、本出願のいくつかの実施例による電池2の爆発概略図である。
【0058】
図2に示すように、電池2は、筐体5と、筐体5内に収容される電池セル20とを含む。
【0059】
筐体5は、電池セル20を収容するために用いられ、筐体5は、様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体5は、第一の筐体部51と、第二の筐体部52とを含んでもよく、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、互いに被せられ、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、電池セル21を収容するための収容空間53を共同で限定する。第二の筐体部52は、一端が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51は、板状構造であってもよく、第一の筐体部51は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成する。第一の筐体部51と第二の筐体部52は、一側が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51の開口側は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成する。無論、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。
【0060】
第一の筐体部51と第二の筐体部52との接続後のシール性を向上させるために、第一の筐体部51と第二の筐体部52との間には、シール材、例えば、シールゴム、シールリングなどが設置されてもよい。
【0061】
第一の筐体部51が第二の筐体部52の頂部に被せられる場合、第一の筐体部51は、上部筐体蓋と呼ばれてもよく、第二の筐体部52は、下部筐体と呼ばれてもよい。
【0062】
電池2において、電池セル20は、複数である。複数の電池セル20間には、直列接続されてもよく、又は並列接続されてもよく、又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セル20には、直列接続があるし、並列接続もあることである。複数の電池セル20間に、直接に直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されてから、複数の電池セル20によって構成される全体を筐体5内に収容してもよく、無論、複数の電池セル20がまず、直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて組電池を構成し、複数の組電池が直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて一つの全体を形成し、筐体5内に収容されてもよい。
【0063】
異なる電力需要に応じて、電池セル20の数は、いずれかの数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されて比較的に大きい容量又はパワーを実現してもよい。複数の電池セル20は、直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて電池モジュールを構成してから、複数の電池モジュールが直列接続され、又は並列接続され、又は直並列接続されて電池2を構成してもよい。つまり、複数の電池セル20は、電池2を直接構成してもよく、まず、電池モジュールを構成し、電池モジュールが電池2を構成し、筐体5内に収容されてもよい。
【0064】
図3は、本出願の実施例による電池モジュール200の構造概略図である。
【0065】
図3に示すように、各電池2に含まれる電池セル20の数が比較的に多い可能性があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各組の電池セル20が電池モジュール200を構成してもよい。電池2は、複数の電池モジュール200を含んでもよく、これらの電池モジュール200は、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式で接続されてもよい。
【0066】
図4は、本出願のいくつかの実施例による電池セル20の爆発概略図である。
【0067】
図4を参照すると、電池セル20とは、電池2を構成するための最小の構成単位であり、本出願のいくつかの実施例において、電池セル20は、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セル又はマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよく、本出願の実施例は、これを限定しない。電池セル20は、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよく、本出願の実施例は、これを限定しなく、説明の便宜上、下記実施例において、いずれも直方体形状の電池セル20を例にする。
【0068】
図4を参照し続けると、電池セル20は、エンドキャップアセンブリ21と、電極アセンブリ22と、ケース23とを含む。ケース23は、電極アセンブリ22をケース23内に収容するために用いられる。ケース23は、様々な形状と様々なサイズであってもよく、具体的には、ケース23の形状は、一つ又は複数の電極アセンブリ22の具体的な形状とサイズの大きさに応じて決定されてもよい。いくつかの実施例において、ケース23は、中空の直方体である。別のいくつかの実施例において、ケース23は、円筒型又は他の形状であってもよい。ケース23の一端は、開口231であり、エンドキャップアセンブリ21は、この開口231を覆い、ケース23と接続され、電極アセンブリ22が置かれる閉鎖されるキャビティを形成する。キャビティ内には、電解液が充填されてもよい。いくつかの実施例において、エンドキャップアセンブリ21は、エンドキャップ212を含み、エンドキャップ212には、電極端子211が設置され、電極アセンブリ22には、タブ221が設置され、電極端子211は、電池セル20の電気エネルギーを出力するように、タブ221と電気的に接続するために用いられてもよい。各電極端子211には、集電部品が対応して設置されてもよく、この集電部品をエンドキャップ212とタブ221との間に位置させもよく、電極端子211とタブ221は、集電部品によって電気的な接続を実現することができる。エンドキャップアセンブリ21には、他の機能的部材、例えば、電池セル20の内部圧力又は温度が閾値に達した時に内部圧力を逃すための放圧機構がさらに設置されてもよい。ケース23とエンドキャップ212の材質は、様々な、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金などの様々であってもよい。
【0069】
図5は、本出願のいくつかの実施例による電極アセンブリ22の断面図である。
【0070】
図5に示すように、本出願のいくつかの実施例の電極アセンブリ22は、第一の極板222と、セパレータ223と、第二の極板224とを含み、ここで、第一の極板222とセパレータ223は、それぞれ連続した構造全体である。別のいくつかの実施例において、第一の極板222は、複数の別体構造の極板であり、複数の極板の、極板の厚さ方向に沿う両側に連続したセパレータ223が設置されてもよい。
【0071】
両側のセパレータ223は、それぞれ第一の極板222の極板の厚さ方向に沿う両側に設置され、第一の極板222と両側のセパレータ223は、複数回の往復折り畳み状態にあり、第一の極板222と両側のセパレータ223は、略Z字型に往復折り曲がり、積層構造の隣接する両側の第一の極板222間に第二の極板224が設置され、第一の極板222と第二の極板224との間にセパレータ223によって隔てられ、積層構造の電極アセンブリ22を形成する。第一の極板222と第二の極板224の極性は、逆であり、そのうちの一つが陰極板である場合、もう一つは、陽極板である。セパレータ223は、第一の極板222と第二の極板224とを隔てるための微孔膜であり、ナノメートルオーダー微孔を有する高分子機能材料である。それは、二つの極板が接触し、短絡することを防止するために用いられるとともに、電解質イオンを通過させることができる。セパレータ223は、ポリエチレン(PE)単層膜、ポリプロピレン(PP)単層膜及びポリエチレンとポリプロピレンが複合された多層微孔膜を含むポリオレフィン材料のポリオレフィン微孔膜であってもよい。
【0072】
図6は、本出願のいくつかの実施例による第一の極板222とセパレータ223が展開する概略図であり、図7は、図6のA-Aの矢視断面図であり、図8は、図6のB-Bの矢視断面図である。
【0073】
図6から図8に示すように、本出願の実施例の電極アセンブリ22は、第一の極板222と、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に設置し、第一の極板222と積層して設置するセパレータ223とを含む。電極アセンブリ22が展開する状態において、セパレータ223は、セパレータの長手方向Lに沿って第一の極板222端部よりもはみ出す第一のエッジ部2231を有し、セパレータ223は、セパレータの高さ方向Hに沿って第一の極板222端部よりもはみ出す第二のエッジ部2232を有する。極板の厚さ方向Wに沿い、第一の極板222の両側に対応する第一のエッジ部2231は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第一の熱融着セグメント22311を形成し、第一の極板222の両側に対応する第二のエッジ部2232は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第二の熱融着セグメント22321を形成する。
【0074】
図6から図8に示す実施例では、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側には、それぞれ全体として連続したセパレータ223を設置し、セパレータ223は、対になって設置され、第一の極板222は、二つのセパレータ223間に設置される。電池アセンブリ22を製造する場合、それぞれ二つのセパレータ223を第一の極板222に貼り付け、セパレータ223と第一の極板222との位置を固定させる。セパレータ223のサイズ全体は、第一の極板222のサイズ全体よりも大きく、セパレータ223が、セパレータの長手方向Lに沿って第一の極板222の両側の端部よりもはみ出すことによって、第一のエッジ部2231を形成し、及びセパレータ223は、セパレータの高さ方向Hに沿って第一の極板222の両側の端部よりもはみ出すことによって、第二のエッジ部2232を形成する。セパレータ223のサイズ全体は、第一の極板222のサイズ全体よりも大きく、第一の極板222が両側セパレータ223内部に完全に覆われることによって、電極アセンブリ22を形成した後、第一の極板222と第二の極板224を十分に隔離し、両者間の絶縁を実現することができる。
【0075】
第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側にセパレータ223を設置した後、セパレータ223は、第一の極板222とともに複数回の往復折り畳み、第一の極板222と両側のセパレータ223は、略Z字型に往復折り曲がり、電極アセンブリ22を形成してもよい。第一の極板222が展開する状態において、第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿う側の端部には、間隔をあけて設置される複数の第一のタブ2223が設置され、第一の極板222をZ字型に積層した後、複数の第一のタブ2223は、重なり、多タブ構造のタブ221を形成して、電極端子211と電気的に接続する。
【0076】
図6における複数の破線Xは、実体を表すものではなく、第一の極板222とセパレータ223がZ字型に積層される折り曲げ位置を模式的に示しているだけであり、且つこれらの折り曲げ位置は、一定の幅を有する折り曲げ領域である。
【0077】
積層後、セパレータ223のサイズ全体が第一の極板222のサイズ全体よりも大きいため、第一の極板222よりもはみ出す第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232には、折り返し又はしわが発生しやすく、第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232が折り返された後、第一の極板222が露出され、第二の極板224と接触することで短絡することを引き起こす可能性がある。
【0078】
第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232が折り返されることを回避するために、二つのセパレータ223を第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に貼り付けた後、二つのセパレータ223に対応する第一のエッジ部2231の少なくとも一部を熱融着接続するとともに、二つのセパレータ223に対応する第二のエッジ部2232の少なくとも一部を熱融着接続して、セパレータ223の強度を増やしてその折り返しを防止することができる。
【0079】
図6図7に示すように、セパレータの長手方向Lに沿い、セパレータ223は、第一の極板222の左右両側の端部よりもはみ出す第一のエッジ部2231を有し、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に対応する第一のエッジ部2231を熱融着接続し、第一の熱融着セグメント22311を形成し、セパレータ223は、第一の極板222の、セパレータの長手方向Lに沿う両側の端部に少なくとも一部が閉鎖される構造を形成し、この領域の第一のエッジ部2231の折り返しを効果的に回避することができる。
【0080】
図6図8に示すように、セパレータの高さ方向Hに沿い、セパレータ223は、第一の極板222の上下両側の端部よりもはみ出す第二のエッジ部2232を有し、第一の極板222の、極板の厚さ方向Wに沿う両側に対応する第二のエッジ部2232を熱融着接続し、第二の熱融着セグメント22321を形成することで、セパレータ223は、第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側の端部に少なくとも一部が閉鎖される構造を形成し、この領域の第二のエッジ部2232の折り返しを効果的に回避することができる。
【0081】
第一の極板222よりもはみ出す第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232をそれぞれ少なくとも部分的に熱融着するため、第一の極板222をセパレータ223に閉鎖又は半閉鎖し、第一の極板222をセパレータ223と共にZ字型に積層した後、セパレータ223が折り返されることにより第一の極板222が第二の極板224と接触することを回避し、電極アセンブリ22が短絡するリスクを低減することができる。そして、第一の極板222の両側のセパレータ223は、電極アセンブリ22として積層される前にすでに熱融着接続されており、積層後、セパレータ223がはみ出した部分を熱融着する必要がなく、生産効率を向上させ、セパレータ223が過度に熱融着されて収縮又は破損されることを防止する。
【0082】
図9は、本出願のいくつかの実施例の第一の極板222が積層された後の概略図である。
【0083】
図9に示すように、いくつかの実施例では、第一の極板222は、複数の折り曲げセグメント2221と、積層して設置される複数の第一の積層セグメント2222とを含み、各折り曲げセグメント2221は、二つの隣接する第一の積層セグメント2222を接続し、図9における複数の折り曲げセグメント2221は、展開した後、図6における複数の破線Xの位置領域に対応し、図6図9は、第一の極板222の構造を例示的に説明したものだけであり、具体的な折り曲げセグメント2221と第一の積層セグメント2222の数は、電極アセンブリのサイズ規格に応じて設置されてもよく、本出願は、これに対して具体的に限定しない。
【0084】
図9における第一の極板222は、一つの連続した構造全体であり、電極アセンブリを製造する場合、まず、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に一つの全体として連続したセパレータ223をそれぞれ貼り付け、第一の極板222をZ字型に積層する場合、第一の極板222と両側のセパレータ223を破線Xの位置領域に折り曲げることによって、第一の極板222が折り曲げセグメント2221を形成する。
【0085】
折り曲げセグメント2221が円弧状の領域であるため、第一の極板222の両側のセパレータ223が折り曲げセグメント2221とともに折り曲がる場合、折り曲げセグメント2221領域における第二のエッジ部2232にしわ又は折り返しが発生しやすくなることによって、電極アセンブリ22の性能に影響を与え、短絡が発生するリスクがある。
【0086】
図6を参照し続けると、折り曲げセグメント2221領域に対応するセパレータ223の第二のエッジ部2232にしわ又は折り返しが発生することを回避するために、電極アセンブリ22が展開する状態において、セパレータの長手方向Lに沿い、第二の熱融着セグメント22321は、折り曲げセグメント2221の位置に対応して間隔をあけて設置される。つまり、各折り曲げセグメント2221の位置(即ち図6における破線Xの領域)に対応する第二のエッジ部2232は、第二の熱融着セグメント22321として熱融着接続される。
【0087】
電極アセンブリを製造する場合、まず、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に一つの全体として連続したセパレータ223をそれぞれ貼り付けてから、破線Xの領域に対応する第二のエッジ部2232を第二の熱融着セグメント22321として熱融着接続し、熱融着接続が完了した後、第一の極板222と両側のセパレータ223をともに破線Xの領域で往復折り曲げ、複数の折り曲げセグメント2221を形成する。積層前に、すでに破線Xの領域に対応する第二のエッジ部2232をすでに第二の熱融着セグメント22321として熱融着接続したため、積層操作を行う場合、折り曲げセグメント2221に対応する第二のエッジ部2232は、往復折り曲げ操作によるしわ又は折り返しが発生せず、電極アセンブリ22が短絡するリスクを低減した。
【0088】
いくつかの実施例では、セパレータの長手方向Lに沿い、第二の熱融着セグメント22321の長さは、折り曲げセグメント2221の長さよりも大きく、即ち折り曲げセグメント2221に対応する第二のエッジ部2232は、熱融着接続された後、折り曲げセグメント2221全体は、いずれも第二の熱融着セグメント22321内に閉鎖されるが、露出する部分が存在しなく、このように、積層操作を行う場合、折り曲げセグメント2221の、セパレータの長手方向Lに沿う対応する第二のエッジ部2232は、いずれも折り返されることにより折り曲げセグメント2221が露出するリスクが存在しない。
【0089】
いくつかの実施例では、セパレータの高さ方向Hに沿い、第一の極板222の両側の端部の第二の熱融着セグメント22321は、折り曲げセグメント2221に対して対称に設置され、つまり、折り曲げセグメント2221の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側の端部の第二のエッジ部2232をそれぞれ第二の熱融着セグメント22321として熱融着接続するとともに、第一の極板222の両側の端部の第二の熱融着セグメント22321は、折り曲げセグメント2221に対して対称に設置され、このように折り曲げセグメント2221の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側の端部がいずれも第二の熱融着セグメント22321によってセパレータ223内に完全に閉鎖され、折り曲げセグメント2221の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側に対応する第二のエッジ部2232が、いずれも折り返されることにより折り曲げセグメント2221が露出するリスクが存在しないことができる。
【0090】
図10は、図5におけるI部の拡大図である。
【0091】
図5図10に示すように、いくつかの実施例では、極板の厚さ方向Wに沿い、折り曲げセグメント2221は、第一の極板222の折り曲げを容易にするように、薄肉部22211又は切断部22212(図11を参照)を含む。
【0092】
図10に示す実施例では、折り曲げセグメント2221は、薄肉部22211を含み、薄肉部22211は、折り曲げセグメント2221の数と同じであってもよく、無論、理解できるように、すべての折り曲げセグメント2221のうち、一部の数の折り曲げセグメント2221に薄肉部22211が設置されるが、他の折り曲げセグメント2221には、薄肉部22211が設置されなくてもよい。
【0093】
薄肉部22211は、第一の極板222に設置される凹溝であってもよく、この凹溝は、第一の極板222上の一部の活物質層を除去して形成してもよい。一例において、薄肉部22211の、極板の厚さ方向Wに垂直な断面形状は、V型であるが、薄肉部22211の断面形状は、V型に限らず、U形又は矩形などであってもよい。
【0094】
隣接する二つの薄肉部22211のうちの一つは、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う一つの表面に位置し、もう一つは、この表面から離反する表面に位置することによって、第一の極板222は、Z字型も往復折り曲がることができる。
【0095】
薄肉部22211は、電極アセンブリ22を製造する場合、第一の極板222が薄肉部22211の領域で折り曲がるように導いて、積層操作を行うことを容易にするために用いられ、薄肉部22211が第一の極板222よりも薄い厚さを有するため、第一の極板222は、薄肉部22211に折り曲がりやすくなることによって、折り曲げ位置の制御可能性と正確性の向上に有利である。
【0096】
図6を参照し続けると、いくつかの実施例では、折り曲げセグメント2221が薄肉部22211を含む場合、第二の熱融着セグメント22321の、セパレータの長手方向Lに沿う長さは、少なくとも薄肉部22211端部に対応する第二のエッジ部2232を熱融着接続することができるように設置すべきである。一つの具体的な実施例において、第二の熱融着セグメント22321の、セパレータの長手方向Lに沿う長さは、3~50mmであり、薄肉部22211の閉鎖を実現し、第二のエッジ部2232が折り返されるリスクを低減することができる。
【0097】
図11は、本出願の別のいくつかの実施例による電極アセンブリ22の断面図であり、図12は、本出願の別のいくつかの実施例による第一の極板222とセパレータ223が展開する概略図であり、図13は、図12のC-Cの矢視断面図である。
【0098】
図11から図13に示すように、いくつかの実施例では、第一の極板222の折り曲げ部2221は、切断部22212を含み、第一の極板222が展開する状態において、切断部22212は、第一の極板222を複数の間隔の第一の積層セグメント2222に分割する。電極アセンブリ22を製造する場合、複数の第一の積層セグメント2222を一つの全体的なセパレータ223に間隔をあけて貼り付け、複数の第一の積層セグメント2222間に間隔をあける距離は、一つの切断部22212の幅であり、それから複数の第一の積層セグメント2222の、セパレータ223が貼り付けられない側に一つの全体的なセパレータ223を貼り付けて、複数の第一の積層セグメント2222を二層のセパレータ223間に置いた後、セパレータ223と複数の第一の積層セグメント2222を複数の切断部22212の位置に往復折り畳みを行うことで、セパレータ223が複数の第一の積層セグメント2222とともに積層して設置される。
【0099】
切断部22212は、電極アセンブリ22を製造する場合、セパレータ223と複数の第一の積層セグメント2222が切断部22212の位置に折り畳まれるように導いて、積層操作を行うことを容易にするために用いられるとともに、切断部22212が第一の極板222を間隔をあけて設置される複数の第一の積層セグメント2222に分割するため、第一の積層セグメント2222のサイズ精度を正確に制御することによって、折り畳み位置の制御可能性と正確性の向上に有利にすることができる。
【0100】
図12を参照し続けると、いくつかの実施例では、折り曲げセグメント2221が切断部22212を含む場合、第二の熱融着セグメント22321の、セパレータの長手方向Lに沿う長さは、切断部22212の幅よりも大きくてもよく、具体的には、第二の熱融着セグメント22321の、セパレータの長手方向Lに沿う長さは、5~50mmであり、切断部22212の、セパレータの長手方向Lに沿う両側の端部のすべて又は一部の閉鎖を実現し、切断部22212に対応する第二のエッジ部2232が折り返されるリスクを低減することができる。
【0101】
図5図12を参照し続けると、いくつかの実施例では、セパレータの高さ方向Hに沿い、第一の極板222の一側の端部は、セパレータ223から突出する第一のタブ2223を有し、第二の熱融着セグメント22321は、第一のタブ2223を避ける。
【0102】
第一の極板222が展開する状態において、第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿う側の端部には、複数の第一のタブ2223は、間隔をあけて設置され、第一の極板222をZ字型に積層した後、複数の第一のタブ2223は、重なり、多タブ構造のタブ221を形成して、電極端子211と電気的に接続する。第一のタブ2223がセパレータ223から突出しているため、第二のエッジ部2232を熱融着接続して第二の熱融着セグメント22321を形成する場合、第一の極板222の、極板の厚さ方向Wに沿う両側の第二のエッジ部2232を熱融着接続することができるように、第一のタブ2223の位置を避ける必要がある。
【0103】
図14は、本出願のまた別のいくつかの実施例による第一の極板222とセパレータ223が展開する概略図である。
【0104】
図14に示すように、いくつかの実施例では、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側の第二のエッジ部2232の、第一のタブ2223を避ける領域は、すべて熱融着接続されて、第二の熱融着セグメント22321を形成する。
【0105】
第一のタブ2223を避ける領域の第二のエッジ部2232をすべて熱融着接続し、第二の熱融着セグメント22321を形成するが、第一のタブ2223と接触する第二のエッジ部2232の部分は、セパレータ223自体が粘性を有するため、第二のエッジ部2232と第一のタブ2223とを接着することによって、第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿って第一のタブ2223の一側を有する端部極板の厚さ方向Wに沿う両側のセパレータ223内に完全に閉鎖し、この側の第二のエッジ部2232が折り返されることにより電極アセンブリ22が短絡するリスクを低減する。
【0106】
同様に、セパレータの高さ方向Hに沿い、第一のタブ2223が設置される対向する反対側の第二のエッジ部2232は、第一のタブ2223の干渉が存在しないため、すべて熱融着接続し、第三の熱融着セグメント22322を形成することができ、それによって第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側の端部をすべて閉鎖することができ、すべての第二のエッジ部2232が折り返されることにより電極アセンブリ22が短絡するリスクを十分に低減することができる。
【0107】
図14を参照し続けると、いくつかの実施例では、第一の極板222の、極板の厚さ方向Wに沿う両側に対応する第一のエッジ部2231は、すべて熱融着接続されて、第一の熱融着セグメント22311を形成する。極板の厚さ方向Wに沿う両側に対応する第一のエッジ部2231をすべて熱融着接続することで、すべての第一のエッジ部2231が折り返されることにより電極アセンブリ22が短絡するリスクを十分に低減することができる。
【0108】
セパレータ223の、第一の極板222よりもはみ出す第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232を第一のタブ2223と重なる部分を除いてすべて熱融着接続し、第一の極板222を極板の厚さ方向Wに沿う両側のセパレータ223内に完全に閉鎖することができ、第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232が折り返されることを効果的に回避し、電極アセンブリ22の短絡を防止し、第一の極板222とセパレータ223構造を安定し、生産効率を向上させることができる。
【0109】
理解できるように、図14において、第一の極板222は、薄肉部22211の連続全体を含む第一の極板222であってもよく、切断部22212を含む複数の第一の積層セグメント2222として分割される第一の極板222であってもよい。
【0110】
いくつかの実施例では、第一の熱融着セグメント22311の、セパレータの長手方向Lに沿う長さは、1~5mmであり、第二の熱融着セグメント22321の、セパレータの高さ方向Hに沿う高さは、1~5mmである。
【0111】
第一の熱融着セグメント22311は、第一の極板222の、セパレータの長手方向Lに沿う両側の端部に設置され、セパレータの長手方向Lに沿うその熱融着の長さは、1~5mmであり、第一の熱融着セグメント22311の強度を保証し、積層操作を行う時にひび割れるリスクを低減することができる。第二の熱融着セグメント22321は、第一の極板222の、セパレータの高さ方向Hに沿う両側の端部に設置され、セパレータの高さ方向Hに沿って熱融着される高さは、1~5mmであり、第二の熱融着セグメント22321の強度を保証し、積層操作を行う時にひび割れるリスクを低減することができる。
【0112】
いくつかの実施例では、第一の極板222は、陽極板である。陽極板の集電体材料は、銅又は銅合金などの金属材料であり、陽極板の集電体には、陽極活物質層がコーディングされ、陽極活物質は、炭素又はシリコンなどの材料であってもよい。陽極活物質材料の特性により、電極アセンブリ22の作動中、粉落ちの場合が発生しやすい。陽極板を第一の極板222としてセパレータ223内に閉鎖することで、陽極活物質材料の粉落ちによりケース23が腐食するリスクを低減することができる。
【0113】
図5図11を参照し続けると、いくつかの実施例では、電極アセンブリ22は、第一の極板222の極性と逆である第二の極板224をさらに含み、第一の極板222が陽極板である場合、第二の極板224は、陰極板であり、第二の極板224は、複数の第二の積層セグメント2241を含み、電極アセンブリ22の積層状態において、各第二の積層セグメント2241は、隣接する二つの第一の積層セグメント2222間に設置される。
【0114】
図15は、図5に示す実施例の第一の極板222、第二の極板224とセパレータ223の接続構造概略図である。
【0115】
図15に示すように、電極アセンブリ22を製造する場合、第一の極板222を元にして、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う方向の両側にセパレータ223がそれぞれ設置されることで、対になって設置されるセパレータ223は、共に第一の極板222を挟持する。一例において、第一の極板222にセパレータ223を設置した後、第二の極板224の第二の積層セグメント2241をセパレータ223に付設する。例えば、第二の積層セグメント2241とセパレータ223は、熱間プレス、電気泳動又は接着の方法で接続されてもよい。隣接する二つの第二の積層セグメント2241のうちの一つが、対になって設置されるセパレータ223のうちの一つに接続され、もう一つが、対になって設置されるセパレータ223のうちのもう一つに設置されることで、隣接する二つの第二の積層セグメント2241は、それぞれ第一の極板222の対向する両側に設置される。極板の厚さ方向Wに沿い、第一の積層セグメント2222と第二の積層セグメント2241の互いの位置は、対応して設置される。第一の極板222と、第二の極板224とセパレータ223とを共に往復折り曲げ、積層される電極アセンブリ22を形成する。上記設置によって、成形された電極アセンブリ22が使用要求をよりよく満たし、電極アセンブリ22の電気性能を最適化することができる。
【0116】
図16は、本出願の一つの実施例の電極アセンブリの製造方法のフローチャートである。
【0117】
図16、本出願の実施例は、電極アセンブリの製造方法をさらに提供し、この方法は、以下のステップを含む。
【0118】
ステップS1、第一の極板222を提供する。いくつかの実施例において、第一の極板222は、陽極板であってもよい。
【0119】
ステップS2、セパレータ223を提供する。セパレータ223は、連続した構造全体であってもよい。
【0120】
ステップS3、セパレータ223を第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側に設置し、第一の極板222と積層して設置する。
【0121】
ステップS4、セパレータ223には、セパレータの長手方向Lに沿って第一の極板222の端部よりもはみ出す第一のエッジ部2231を設置し、セパレータ223は、セパレータの高さ方向Hに沿って第一の極板222端部よりもはみ出す第二のエッジ部2232を設置する。
【0122】
ステップS5、極板の厚さ方向Wに沿い、第一の極板222の両側に対応する第一のエッジ部2231を少なくとも部分的に熱融着接続し、第一の熱融着セグメント22311を形成し、第一の極板222の両側に対応する第二のエッジ部2232を少なくとも部分的に熱融着接続し、第二の熱融着セグメント22321を形成する。
【0123】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、熱間プレスの方式で熱融着接続が行われる。
【0124】
いくつかの実施例では、第一の極板を提供するステップS1において、切込み又はレーザーによる洗浄の方式で第一の極板222に複数の薄肉部22211を形成することが含まれる。第一の極板222に切込み又はレーザーによる洗浄を行い、第一の極板222に一部の材料を除去し、除去される一部の材料は、活物質材料であってもよく、集電体材料であってもよく、それによって薄肉部22211は、第一の極板222の他の部分よりも薄い厚さを有する。
【0125】
いくつかの実施例では、ステップS1では、隣接する二つの薄肉部22211のうちの一つは、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う一つの表面に位置し、もう一つは、この表面から離反する表面に位置することによって、第一の極板222は、Z字型も往復折り曲がることができる。
【0126】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、セパレータ223を第一の極板222とともに積層し、複数の薄肉部22211に、複数の折り曲げセグメント2221を折り曲げ形成し、複数の折り曲げセグメント2221間に積層して設置される複数の第一の積層セグメント2222を形成するステップをさらに含む。
【0127】
いくつかの実施例では、電極アセンブリの製造方法は、第二の極板224を提供し、第二の極板224を積層して設置される隣接する第一の積層セグメント2222間に設置することをさらに含む。
【0128】
本出願の電極アセンブリの製造方法は、第一の極板222よりもはみ出す第一のエッジ部2231と第二のエッジ部2232をそれぞれ少なくとも部分的に熱融着し、第一の極板222をセパレータ223に閉鎖又は半閉鎖し、第一の極板222をセパレータ223と共にZ字型に積層した後、セパレータ223が折り返されることにより第一の極板222が第二の極板224と接触することを回避し、電極アセンブリ22が短絡するリスクを低減することができる。そして、第一の極板222の両側のセパレータ223は、電極アセンブリ22として積層される前にすでに熱融着接続されており、積層後、セパレータ223がはみ出した部分を熱融着する必要がなく、生産効率を向上させ、セパレータ223が過度に熱融着されて収縮又は破損されることを防止する。
【0129】
以上の記載は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本出願は、様々な変更と変化が可能である。本出願の精神と原則の範囲内で行われた任意の修正、同等の置き換え、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0130】
1-車両、2-電池、3-コントローラ、4-モータ、5-筐体、
51-第一の筐体部、52-第二の筐体部、53-収容空間、
20-電池セル、200-電池モジュール、
21-エンドキャップアセンブリ、211-電極端子、212-エンドキャップ、
22-電極アセンブリ、
221-タブ、
222-第一の極板、
2221-折り曲げセグメント、
22211-薄肉部、
22212-切断部、
2222-第一の積層セグメント、
2223-第一のタブ、
223-セパレータ、
2231-第一のエッジ部、
22311-第一の熱融着セグメント、
2232-第二のエッジ部、
22321-第二の熱融着セグメント、
22322-第三の熱融着セグメント、
224-第二の極板、
2241-第二の積層セグメント、
23-ケース、231-開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
第一の極板と、
前記第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置され、前記第一の極板と積層して設置されるセパレータとを含み、
前記電極アセンブリが展開する状態において、前記セパレータは、前記セパレータの長手方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、前記セパレータは、前記セパレータの高さ方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、
極板の厚さ方向に沿い、前記第一の極板の両側に対応する前記第一のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成し、前記第一の極板の両側に対応する前記第二のエッジ部は、少なくとも部分的に熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する電極アセンブリ。
【請求項2】
前記第一の極板は、複数の折り曲げセグメントと、積層して設置される複数の第一の積層セグメントとを含み、各前記折り曲げセグメントは、二つの隣接する前記第一の積層セグメントに接続され、前記電極アセンブリが展開する状態において、前記セパレータの長手方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントは、前記折り曲げセグメントの位置に対応して間隔をあけて設置される請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記セパレータの長手方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントの長さは、前記折り曲げセグメントの長さよりも大きい請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記セパレータの高さ方向に沿い、前記第二の熱融着セグメントは、前記折り曲げセグメントに対して対称に設置される請求項2に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
極板の厚さ方向に沿い、前記折り曲げセグメントは、前記第一の極板の折り曲げを容易にするように薄肉部又は切断部を含む請求項2から4のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記折り曲げセグメントが薄肉部を含む場合、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、3~50mmである請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記折り曲げセグメントが切断部を含む場合、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、5~50mmである請求項5に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記セパレータの高さ方向に沿い、前記第一の極板の一側の端部の、前記セパレータから突出する第一のタブを有し、前記第二の熱融着セグメントは、前記第一のタブを避ける請求項1から5のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記第一の極板の、前記極板の厚さ方向に沿う両側の前記第二のエッジ部の、前記第一のタブを避ける領域は、すべて熱融着接続されて、第二の熱融着セグメントを形成する請求項8に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
前記第一の極板の、前記極板の厚さ方向に沿う両側に対応する前記第一のエッジ部は、すべて熱融着接続されて、第一の熱融着セグメントを形成する請求項1から9のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項11】
前記第一の熱融着セグメントの、前記セパレータの長手方向に沿う長さは、1~5mmであり、前記第二の熱融着セグメントの、前記セパレータの高さ方向に沿う高さは、1~5mmである請求項1から10のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項12】
前記第一の極板は、陽極板である請求項1から11のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項13】
前記第一の極板の極性と逆である第二の極板をさらに含み、前記第二の極板は、複数の第二の積層セグメントを含み、前記電極アセンブリの積層状態において、各前記第二の積層セグメントは、隣接する二つの第一の積層セグメント間に設置される請求項1から12のいずれか1項に記載の電極アセンブリ。
【請求項14】
電極アセンブリの製造方法であって、
第一の極板を提供するステップと、
セパレータを提供するステップと、
前記セパレータを前記第一の極板の極板の厚さ方向に沿う両側に設置し、前記第一の極板と積層して設置するステップとを含み、
前記セパレータは、前記セパレータの長手方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第一のエッジ部を有し、前記セパレータは、前記セパレータの高さ方向に沿って前記第一の極板の端部よりもはみ出す第二のエッジ部を有し、
極板の厚さ方向に沿い、前記第一の極板の両側に対応する前記第一のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第一の熱融着セグメントを形成し、前記第一の極板の両側に対応する前記第二のエッジ部を少なくとも部分的に熱融着接続し、第二の熱融着セグメントを形成する電極アセンブリの製造方法。
【請求項15】
電池セルであって、請求項1から13のいずれか1項に記載の電極アセンブリを含み、又は請求項14に記載の電極アセンブリの製造方法を利用して製造される電極アセンブリを含む電池セル。
【請求項16】
請求項15に記載の電池セルを複数含む電池。
【請求項17】
請求項16に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである電力消費装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
筐体5は、電池セル20を収容するために用いられ、筐体5は、様々な構造であってもよい。いくつかの実施例において、筐体5は、第一の筐体部51と、第二の筐体部52とを含んでもよく、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、互いに被せられ、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、電池セル20を収容するための収容空間53を共同で限定する。第二の筐体部52は、一端が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51は、板状構造であってもよく、第一の筐体部51は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成する。第一の筐体部51と第二の筐体部52は、一側が開口する中空構造であってもよく、第一の筐体部51の開口側は、第二の筐体部52の開口側に被せられて、収容空間53を有する筐体5を形成する。無論、第一の筐体部51と第二の筐体部52は、様々な形状、例えば、円筒体、直方体などであってもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
図6から図8に示す実施例では、第一の極板222の極板の厚さ方向Wに沿う両側には、それぞれ全体として連続したセパレータ223を設置し、セパレータ223は、対になって設置され、第一の極板222は、二つのセパレータ223間に設置される。電極アセンブリ22を製造する場合、それぞれ二つのセパレータ223を第一の極板222に貼り付け、セパレータ223と第一の極板222との位置を固定させる。セパレータ223のサイズ全体は、第一の極板222のサイズ全体よりも大きく、セパレータ223が、セパレータの長手方向Lに沿って第一の極板222の両側の端部よりもはみ出すことによって、第一のエッジ部2231を形成し、及びセパレータ223は、セパレータの高さ方向Hに沿って第一の極板222の両側の端部よりもはみ出すことによって、第二のエッジ部2232を形成する。セパレータ223のサイズ全体は、第一の極板222のサイズ全体よりも大きく、第一の極板222が両側セパレータ223内部に完全に覆われることによって、電極アセンブリ22を形成した後、第一の極板222と第二の極板224を十分に隔離し、両者間の絶縁を実現することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
図11から図13に示すように、いくつかの実施例では、第一の極板222の折り曲げセグメント2221は、切断部22212を含み、第一の極板222が展開する状態において、切断部22212は、第一の極板222を複数の間隔の第一の積層セグメント2222に分割する。電極アセンブリ22を製造する場合、複数の第一の積層セグメント2222を一つの全体的なセパレータ223に間隔をあけて貼り付け、複数の第一の積層セグメント2222間に間隔をあける距離は、一つの切断部22212の幅であり、それから複数の第一の積層セグメント2222の、セパレータ223が貼り付けられない側に一つの全体的なセパレータ223を貼り付けて、複数の第一の積層セグメント2222を二層のセパレータ223間に置いた後、セパレータ223と複数の第一の積層セグメント2222を複数の切断部22212の位置に往復折り畳みを行うことで、セパレータ223が複数の第一の積層セグメント2222とともに積層して設置される。
【国際調査報告】