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特表2024-535020アルツハイマー病バイオマーカーのアスパラギンおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-26
(54)【発明の名称】アルツハイマー病バイオマーカーのアスパラギンおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/68 20060101AFI20240918BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240918BHJP
   C07C 237/06 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01N33/68
G01N27/62 D
C07C237/06
G01N27/62 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024516428
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2021121754
(87)【国際公開番号】W WO2023039954
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111074848.5
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519002014
【氏名又は名称】中国科学院深▲チェン▼先進技術研究院
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN INSTITUTES OF ADVANCED TECHNOLOGY CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】1068, Xueyuan Avenue, Shenzhen University Town, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong 518055, China
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100103230
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 裕貢
(72)【発明者】
【氏名】陳 宇
(72)【発明者】
【氏名】陳 芸菁
(72)【発明者】
【氏名】樊 穎穎
【テーマコード(参考)】
2G041
2G045
4H006
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041EA04
2G041FA12
2G041GA06
2G041GA09
2G045AA25
2G045CA26
2G045DA35
2G045FB06
4H006AA03
4H006AB99
4H006BS10
4H006BU32
4H006BV21
(57)【要約】
【課題】本願は、アルツハイマー病バイオマーカーおよびその使用に関し、該アルツハイマー病バイオマーカーはアスパラギンである。
【解決手段】アルツハイマー病の血液サンプル中のアスパラギンレベルが正常な血液サンプルよりも著しく低いことを初めて検出し、血液中のアスパラギンをアルツハイマー病バイオマーカーとして、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができ、非侵襲的かつ迅速な検出に寄与し、タイムリー、便利、高特異性および高感度という特徴を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスパラギンである、
アルツハイマー病バイオマーカー。
【請求項2】
請求項1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病の早期診断モデルの構築および/またはアルツハイマー病の早期診断装置の製造における使用。
【請求項3】
アルツハイマー病の早期診断モデルの入力変数は、請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を含む、
アルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項4】
前記アルツハイマー病の早期診断モデルの出力変数は発現差倍率を含み、前記発現差倍率の計算式は式(1)に示すとおりである、
【数1】
請求項3に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項5】
アルツハイマー病陽性の判断基準は、前記発現差倍率≦0.64である、
請求項4に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項6】
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、質量分析計で分離後のサンプルをデータ処理し、サンプル中の請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を請求項3~5のいずれか1項に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
アルツハイマー病の早期診断装置。
【請求項7】
前記測定待ちサンプルは、血液サンプルを含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記データ処理は、
タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定することを含む、
請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を請求項3~5のいずれか1項に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
請求項6~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病を治療および/または予防する薬剤のスクリーニングにおける使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、バイオテクノロジー分野に属し、アルツハイマー病バイオマーカーのアスパラギンおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(Alzheimer disease、AD)は、認知症とも呼ばれ、老年期に発生する進行性発達の中枢神経系の退化的な変性疾患であり、漸進的な記憶障害、認知機能の低下および日常生活能力の喪失を特徴とし、人格変化等の神経精神症状に伴い、社会や生活機能に大きな影響を及ぼし、アルツハイマー病の発症機序はまだ完全に明確にされておらず、そしてその早期症状が比較的に秘匿されているため、アルツハイマー病の患者は見落とされたり誤診されたりしやすい。
【0003】
現在の段階では、ADに対する早期スクリーニング技術は、陽電子放出断層撮影(PET)および脳脊髄液Aβ分子レベル検出等を含み、前者は、被検者に一定用量の放射性物質を注射する必要があり、後者は、操作損傷が大きく、外科感染を引き起こしやすく、且つ、上記診断技術のAD早期診断に対する信頼性も不安定であるため、ADの早期スクリーニングに使用しにくい。
【0004】
従って、ADの早期診断の新たなマーカーに対する開発は、将来のAD診療の重要な方向の1つである。
【0005】
CN112858684Aは、神経変性疾患マーカーChromogranin Bおよびその使用を開示し、前記マーカーは、リン酸化Chromogranin Bタンパク質を含み、9つのChromogranin Bタンパク質のペプチド断片がリン酸化されるものを神経変性疾患のマーカーとし、AD、PD等の神経変性疾患の症状の判断評価に使用し、構築した試薬キットサンプルの前期処理過程が簡単で、サンプル消耗量が少なく、精度が高く、AD、PD関連指標の診断補助に重要な臨床指導意義を持つ。
【0006】
近年、ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクスおよびメタボロミクス等のハイスループットオミクス技術の発展に伴い、新型バイオマーカーの研究開発を加速し、特に、メタボロミクスは、磁気共鳴スペクトルおよび質量分析等の技術により、代謝産物グラフの動的変化を監視し、疾患関連バイオマーカーのスクリーニングで大きな優位性を示し、血液中にタンパク質、ポリペプチド、核酸、脂質および他の代謝物が含まれ、且つ、血液標本は入手しやすく、侵入性が小さく、バイオマーカーのスクリーニングで巨大な応用潜在力を有する。
【0007】
以上をまとめ、新たな血液代謝物に基づくADバイオマーカーをスクリーニングすることは、ADの早期診断の判断根拠を拡張することに寄与し、他のマーカー検出と組み合わせ、AD診断の正確性を向上させることができ、疾患の早期警告、病理分類、および発展段階の予測・評価等に寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、アルツハイマー病バイオマーカーのアスパラギンおよびその使用を提供し、本願は、高分解能非標的メタボロミクス分析技術に基づいてヒト血液中の代謝物を定性定量分析し、初めて血液中のアスパラギンをアルツハイマー病マーカーとし、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができ、タイムリー、便利、高特異性および高感度という特徴を備える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
態様1において、
アスパラギン(L-Asparagine)である、
アルツハイマー病バイオマーカー。
【0010】
アスパラギンはアミノ酸であり、分子式がC2718l3Oであり、分子量が506.8103であり、薬として血圧降下、気管支拡張(抗喘息)、抗消化性潰瘍および胃機能障害等に使用でき、微生物培養、アクリロニトリルの汚水処理等にも使用される。
【0011】
本願は、高分解能非標的メタボロミクス分析技術に基づいて血液の代謝物を定性定量分析し、アルツハイマー病の血液サンプル中のアスパラギンレベルが正常な血液サンプルよりも著しく低いことを検出し、血液中のアスパラギンをアルツハイマー病バイオマーカーとし、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができる。
【0012】
本願は、アスパラギンの、バイオマーカーとしてアルツハイマー病の早期診断を補助することにおける使用を提供する。
【0013】
態様2において、本願は、態様1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病の早期診断モデルの構築および/またはアルツハイマー病の早期診断装置の製造における使用を提供する。
【0014】
態様3において、本願は、アルツハイマー病の早期診断モデルであって、
前記アルツハイマー病の早期診断モデルの入力変数は、態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を含む、
アルツハイマー病の早期診断モデルを提供する。
【0015】
好ましくは、前記アルツハイマー病の早期診断モデルの出力変数は発現差倍率を含み、前記発現差倍率の計算式は式(1)に示すとおりである。
【数1】
【0016】
好ましくは、アルツハイマー病陽性の判断基準は、前記発現差倍率≦0.64である。
【0017】
本願において、正常な血液サンプルとAD血液サンプル中のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を十分に比較して分析し、合理的な設計を行うことにより、アルツハイマー病の早期診断モデルを構築し、前記モデルは、アスパラギンの質量分析のピーク強度値を入力変数とし、発現差倍率を出力変数とし、結果を迅速に出力でき、且つ、アスパラギンレベルが異常なサンプルを十分に表し、アルツハイマー病の早期診断を補助する。
【0018】
態様4において、本願は、
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、質量分析計で分離後のサンプルをデータ処理し、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を態様3に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
アルツハイマー病の早期診断装置を提供する。
【0019】
本願のアルツハイマー病の早期診断装置において、各ユニット間は効果的に連携し、簡単で効率的であり、サンプルの処理、検出を迅速に完了し、且つ発現差倍率を取得することができるとともに、合理的に設計された判断基準でアルツハイマー病陽性の評価を行い、アルツハイマー病の早期診断に重要な意義を持つ。
【0020】
好ましくは、前記測定待ちサンプルは、血液サンプルを含む。
【0021】
好ましくは、前記測定待ちサンプル溶液の調製方法は、測定待ちサンプルをアセトニトリル水溶液内に入れ、遠心分離して上清を収集し、前記測定待ちサンプル溶液を取得することを含む。
【0022】
好ましくは、前記測定待ちサンプル溶液の調製方法は、
(1)測定待ちサンプルを予冷メタノール/アセトニトリル/水溶液内に入れ、混合して超音波を25~35min(例えば、26min、27min、28min、29minまたは32minであってもよい)行い、-20~-15℃(例えば、-19℃、-18℃、-16℃または-17℃であってもよい)で5~15min(例えば、6min、7min、8min、9min、10min、12minまたは14minであってもよい)静置し、0~4℃(例えば、1℃、2℃または3℃であってもよい)、12000~16000×g(例えば、12200×g、12400×g、12600×g、12800×g、13200×g、12600×g、15000×gまたは15800×gであってもよい)で15~25min(例えば、16min、17min、18min、19min、20min、21min、22min、23minまたは24minであってもよい)遠心分離し、上清を取って真空乾燥し、前処理サンプルを取得するステップと、
(2)前記前処理サンプルを80~120μLのアセトニトリル水溶液内に入れて再溶解し、ボルテックスし、0~4℃において12000~16000×g(例えば、12200×g、12400×g、12600×g、12800×g、13200×g、12600×g、15000×gまたは15800×gであってもよい)で10~20min(例えば、11min、12min、13min、14min、15min、16min、17min、18minまたは19minであってもよい)遠心分離し、上清を取り、前記測定待ちサンプル溶液を取得するステップと、を含む。
【0023】
好ましくは、前記メタノール/アセトニトリル/水溶液内のメタノールとアセトニトリルと水との体積比は(1~2):(1~2):1であり、1.2:2:1、1.2:1:1、2:2:1、1.4:1.5:1、1.6:1.2:1、1.8:2:1、1.9:1.8:1または1.1:1.4:1を含むが、これらに限定されない。
【0024】
好ましくは、前記アセトニトリル水溶液内のアセトニトリルと水との体積比は(1~2):1であり、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1または1.9:1を含むが、これらに限定されない。
【0025】
好ましくは、前記液体クロマトグラフは、超高速液体クロマトグラフを含む。
【0026】
好ましくは、前記超高速液体クロマトグラフは、Agilent 1290 Infinity LC超高速液体クロマトグラフを含む。
【0027】
好ましくは、前記質量分析計は、タンデム飛行時間型質量分析計を含む。
【0028】
好ましくは、前記タンデム飛行時間型質量分析計は、AB Triple TOF 6600質量分析計を含む。
【0029】
好ましくは、前記データ処理は、
タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定することを含む。
【0030】
好ましい技術案として、前記アルツハイマー病の早期診断装置は、
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を態様3に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える。
【0031】
本願において、血液サンプル中のアスパラギンレベルを検出し、診断根拠として他の検出結果と組み合わせ、アルツハイマー病の早期診断を補助することができ、アルツハイマー病診断の正確性を向上させることができることが期待されるが、単独でアルツハイマー病を100%診断できる診断指標とすることができない。
【0032】
本願において、KEGG経路分析により、L-Asparagineがアミノ酸の生合成経路(Biosynthesis of amino acids pathway)に属することを発見する。
【0033】
態様5において、本願は、態様1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病を治療および/または予防する薬剤のスクリーニングにおける使用を提供する。
【0034】
即ち、態様1に係るアルツハイマー病バイオマーカーを標的点としてアルツハイマー病を治療および/または予防する薬剤をスクリーニングする。
【発明の効果】
【0035】
従来技術と比べ、本願は、以下の有益な効果を有する。
【0036】
本願は、アルツハイマー病の血液サンプル中のアスパラギンレベルが正常な血液サンプルよりも著しく低いことを初めて検出し、血液中のアスパラギンをアルツハイマー病バイオマーカーとし、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができ、非侵襲的かつ迅速な検出に寄与し、タイムリー、便利、高特異性および高感度という特徴を備える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ADモデルマウスと野生型マウスの血液サンプル中のアスパラギンレベルの図である。
図2】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中のヒスチジンレベルの図である。
図3】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中のグリシンレベルの図である。
図4】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中のジヒドロキシアセトンリン酸レベルの図である。
図5】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中のD-エリトロース-4-リン酸レベルの図である。
図6】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中のホスホエノールピルビン酸レベルの図である。
図7】ADモデルマウスと野生型マウスの大脳皮質サンプル中の3-ホスホグリセリン酸レベルの図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本願に使用される技術手段およびその効果を更に記述するために、以下、実施例および図面を参照しながら本願について更に説明する。ここで説明する具体的な実施形態は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことが理解できる。
【0039】
実施例で具体的な技術または条件が明記されていない場合、本分野内の文献で説明された技術または条件に従い、あるいは製品の説明書に従って行う。使用される試薬または機器のうちのメーカーが明記されていないものは、いずれも正規のルートから購入された通常の製品である。
【実施例
【0040】
実施例1
本実施例は、9ヶ月齢のADモデルマウス(APP/PS1トランスジェニックマウス、Nanjing University Model Animal Research Centerにより提供された)および野生型(WT)マウスの血液サンプルに対して代謝物の定性定量分析を行った。
【0041】
同じ条件で培養した10匹のADモデルマウスおよび10匹の野生型マウスの血液をそれぞれ採取し、野生型マウスサンプルにSWT-1-1~SWT-1-10の番号を順に付け、ADモデルマウスサンプルにSTG-1-1~STG-1-10の番号を順に付け、超高速液体クロマトグラフ-タンデム飛行時間質量分析を採用してサンプル中のアスパラギンレベルを検出し、具体的な方法は、以下のステップを含んだ。
【0042】
ステップ(1)血液サンプルを予冷メタノール/アセトニトリル/水溶液(体積比2:2:1)に入れ、ボルテックスして混合し、低温超音波で30min処理し、-20℃で10min静置し、4℃、14000×gで20min遠心分離し、上清を取って真空乾燥し、前処理サンプルを取得した。
【0043】
ステップ(2)前記前処理サンプルを100μLのアセトニトリル水溶液(体積比は、アセトニトリル:水=1:1であった)に入れて再溶解し、ボルテックスし、4℃、14000×gで15min遠心分離し、上清を取ってサンプル注入して分析し、Agilent 1290 Infinity LC超高速液体クロマトグラフシステム(UHPLC)HILICカラムにより分離し、カラム温度が25℃で、流速が0.5mL/minで、サンプル注入量が2μLであり、移動相組成は、酢酸アンモニウムとアンモニア水とを混合した水溶液(酢酸アンモニウムとアンモニア水との終濃度はいずれも25mMであった)であるA相と、アセトニトリルであるB相とを含み、グラジエント溶出プログラムは、次のとおりであった。0~0.5minにおいて、95%のB相であり、0.5~7minにおいて、B相は95%から65%に線形に変化し、7~8minにおいて、B相は65%から40%に線形に変化し、8~9minにおいて、B相は40%に維持し、9~9.1minにおいて、B相は、40%から95%に線形に変化し、9.1~12minにおいて、B相は95%に維持し、分析全過程において、サンプルは4℃のオートサンプラ内に置かれた。
【0044】
ステップ(3)AB Triple TOF 6600質量分析計を採用し、ステップ(2)の超高速液体クロマトグラフシステムで分離した後のサンプルに対してサンプルの一次、二次スペクトルの採取を行い、ESI源の条件は、Ion Source Gas1(Gas1):60、Ion Source Gas2(Gas2):60、Curtain gas(CUR):30、source temperature:600℃、IonSapary Voltage Floating(ISVF)±5500V(正負という2つのモード)、TOF MS scan m/z range:60~1000Da、product ion scan m/z range:25~1000Da、TOF MS scan accumulation time 0.20 s/spectra、product ion scan accumulation time 0.05 s/spectraであり、二次質量分析はinformation dependent acquisition(IDA)で取得し、且つ、high sensitivityモード、Declustering potential(DP):±60 V(正負という2つのモード)、Collision Energy:35±15eVを採用し、IDA設定は、Exclude isotopes within 4Da、Candidate ions to monitor per cycle:10であり、採取したWiffフォーマットの生データをProteoWizardによりmzXMLフォーマットに変換した後、XCMSソフトウェアで、ピーク位置合わせ、保持時間補正、およびピーク面積の抽出を行い、XCMSで抽出されたデータに対して代謝物の構造同定を行い、サンプル中のアスパラギンレベルを分析し、R言語ツール(R package(ropls))を用いて変異倍数分析(Fold Change Analysis、FC Analysis)、主成分分析(PCA)、直交部分最小二乗法判別分析(OPLS-DA)、およびTテスト(Student’s t-test)を行い、結果は図1および表1に示すように、ADモデルマウスの血液サンプル中のアスパラギンレベルは、野生型マウスよりも著しく低く、血液中のアスパラギンをアルツハイマー病バイオマーカーとすることができ、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができることを表す。
【0045】
【表1】

【0046】
また、更にKEGG経路の注釈および分析により、アスパラギンがアミノ酸の生合成経路(Biosynthesis of amino acids pathway)に属することを発見し、アスパラギンは、20種の最もよく見られるアミノ酸の1つであり、アミド基を有するアミノ酸であり、アスパラギン酸がアミノ基転移により産生され、また、アスパラギナーゼの触媒作用下でアスパラギン酸に変換でき、脳機能の発展に関連し、体のアンモニアサイクルで重要な役割を果たし、生体の代謝を調節し、人体の免疫力を向上させる作用を有する。
【0047】
実施例2
本実施例は、9ヶ月齢のADモデルマウスと野生型(WT)マウスの大脳皮質サンプルに対して代謝物の定性定量分析を行った。
【0048】
同じ条件で培養した10匹のADモデルマウスおよび10匹の野生型マウスの大脳皮質サンプルをそれぞれ採取し、野生型大脳皮質サンプルにCWT-1-1~CWT-1-10の番号を順に付け、ADモデルマウス大脳皮質サンプルにCTG-1-1~CTG-1-10の番号を順に付け、超高速液体クロマトグラフ-タンデム飛行時間型質量分析計を採用して代謝物の定性定量分析を行い、具体的な方法は、以下のステップを含んだ。
【0049】
ステップ(1)マウスの首を切って殺した後、ハサミで脳殻を切断し、脳を露出させ、脳を真ん中の分け目に沿って2つの部分に切り、小脳、脳幹、視床、皮質下部および海馬をそれぞれ除去し、大脳皮質を残し、左右両側の完全な大脳皮質を収集してサンプルとし、予冷メタノール/アセトニトリル/水溶液(体積比2:2:1)に入れ、ボルテックスして混合し、低温超音波で30min処理し、-20℃で10min静置し、4℃、14000×gで20min遠心分離し、上清を取って真空乾燥し、前処理サンプルを取得した。
【0050】
ステップ(2)前記前処理サンプルを100μLのアセトニトリル水溶液(体積比は、アセトニトリル:水=1:1であった)に入れて再溶解し、ボルテックスし、4℃、14000×gで15min遠心分離し、上清を取ってサンプル注入して分析し、Agilent 1290 Infinity LC超高速液体クロマトグラフシステム(UHPLC)HILICカラムにより分離し、条件は実施例1と同じであった。
【0051】
ステップ(3)AB Triple TOF 6600質量分析計を採用し、ステップ(2)の超高速液体クロマトグラフシステムで分離した後のサンプルに対してサンプルの一次、二次スペクトルの採取を行い、条件は実施例1と同じであり、採取したWiffフォーマットの生データをProteoWizardによりmzXMLフォーマットに変換した後、XCMSソフトウェアで、ピーク位置合わせ、保持時間補正、およびピーク面積の抽出を行い、XCMS抽出で得られたデータに対して代謝物の構造同定を行い、その後、一変数統計分析、多次元統計分析、差異代謝物スクリーニング、差異代謝物相関性分析、およびKEGG経路分析を行い、ここで、OPLS-DAモデルにより得られた変数の重み値(Variable Importance for the Projection、VIP)は、各代謝物の発現モードによる各グループのサンプル分類判別に与える影響の強さよび解釈能力を判定し、生物学的意義を有する差異分子を掘り出すために使用でき、本実施例は、VIP値とp-valueを総合的に考えて顕著な差異代謝物をスクリーニングし、結果は図2図7および表2に示すように、ADモデルマウス大脳皮質組織中のヒスチジン(L-Histidinol)、グリシン(Glycine)、ジヒドロキシアセトンリン酸(Dihydroxyacetone phosphate)、およびD-エリトロース-4-リン酸(D-Erythrose 4-phosphate)のレベルは野生型マウスよりも著しく高い一方、ホスホエノールピルビン酸(Phosphoenolpyruvate)および3-ホスホグリセリン酸(3-Phospho-D-glycerate)のレベルは野生型マウスよりも著しく低く、且つ、上記代謝物はいずれもアミノ酸の生合成経路(Biosynthesis of amino acids pathway)に属し、アミノ酸の生合成経路(Biosynthesis of amino acids pathway)がアルツハイマー病と関連性があることを意味し、アスパラギンもアミノ酸の生合成経路に属し、他の方面から血液代謝物中のアスパラギンレベルの変化がAD脳内の関連代謝経路の異常を反映する可能性があることを表し、臨床早期診断に重要な意義を持つ。
【0052】
【表2】

【0053】
以上をまとめ、本願は、アルツハイマー病の血液サンプル中のアスパラギンレベルが正常な血液サンプルよりも著しく低いことを初めて検出し、血液中のアスパラギンをアルツハイマー病バイオマーカーとし、血液中のアスパラギンレベルを検出することにより、アルツハイマー病の早期診断を補助することができ、非侵襲的かつ迅速な検出に寄与し、タイムリー、便利、高特異性および高感度という特徴を備える。
【0054】
本願は、上記実施例により本願の詳細方法を説明したが、本願は上記詳細方法に限定するものではなく、すなわち、本願は上記詳細方法に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本願に対するいかなる改良、本願の製品の各原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本願の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスパラギンである、
アルツハイマー病バイオマーカー。
【請求項2】
請求項1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病の早期診断モデルの構築および/またはアルツハイマー病の早期診断装置の製造における使用。
【請求項3】
アルツハイマー病の早期診断モデルの入力変数は、請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を含む、
アルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項4】
前記アルツハイマー病の早期診断モデルの出力変数は発現差倍率を含み、前記発現差倍率の計算式は式(1)に示すとおりである、
【数1】
請求項3に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項5】
アルツハイマー病陽性の判断基準は、前記発現差倍率≦0.64である、
請求項4に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
【請求項6】
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、質量分析計で分離後のサンプルをデータ処理し、サンプル中の請求項1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を請求項3~5のいずれか1項に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
アルツハイマー病の早期診断装置。
【請求項7】
前記測定待ちサンプルは、血液サンプルを含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記データ処理は、
タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の前記のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定することを含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項9】
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の前記のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を前記のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
請求項1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病を治療および/または予防する薬剤のスクリーニングにおける使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
本願は、上記実施例により本願の詳細方法を説明したが、本願は上記詳細方法に限定するものではなく、すなわち、本願は上記詳細方法に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本願に対するいかなる改良、本願の製品の各原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本願の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
さらに、本願発明は次の態様を含む。
[態様1]
アスパラギンである、
アルツハイマー病バイオマーカー。
[態様2]
態様1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病の早期診断モデルの構築および/またはアルツハイマー病の早期診断装置の製造における使用。
[態様3]
アルツハイマー病の早期診断モデルの入力変数は、態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を含む、
アルツハイマー病の早期診断モデル。
[態様4]
前記アルツハイマー病の早期診断モデルの出力変数は発現差倍率を含み、前記発現差倍率の計算式は式(1)に示すとおりである、
【数2】
態様3に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
[態様5]
アルツハイマー病陽性の判断基準は、前記発現差倍率≦0.64である、
態様4に記載のアルツハイマー病の早期診断モデル。
[態様6]
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、質量分析計で分離後のサンプルをデータ処理し、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を態様3~5のいずれか1項に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
アルツハイマー病の早期診断装置。
[態様7]
前記測定待ちサンプルは、血液サンプルを含む、
態様6に記載の装置。
[態様8]
前記データ処理は、
タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定することを含む、
態様6または7に記載の装置。
[態様9]
測定待ちサンプルを、液体クロマトグラフによる分離に使用可能な測定待ちサンプル溶液に調製するサンプル調製ユニットと、
前記液体クロマトグラフで前記測定待ちサンプル溶液を分離し、タンデム飛行時間型質量分析計で分離後のサンプルに対して一次スペクトルおよび二次スペクトルの採取を行い、前記一次スペクトルおよび二次スペクトルをmzXMLフォーマットに変換した後、ピーク位置合わせ、保持時間補正、ピーク面積の抽出、および構造同定を行い、サンプル中の態様1に記載のアスパラギンの質量分析のピーク強度値を測定する検出ユニットと、
検出されたアスパラギンの質量分析のピーク強度値を態様3~5のいずれか1項に記載のアルツハイマー病の早期診断モデルに入力して分析する分析ユニットと、
サンプルに対応する発現差倍率を出力し、アルツハイマー病陽性であるか否かを判断する評価ユニットと、を備える、
態様6~8のいずれか1項に記載の装置。
[態様10]
態様1に記載のアルツハイマー病バイオマーカーの、アルツハイマー病を治療および/または予防する薬剤のスクリーニングにおける使用。

【国際調査報告】